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2009/03/27 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 総務委員会 第9号
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2009/03/27 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 総務委員会 第9号

#1
第171回国会 総務委員会 第9号
平成二十一年三月二十七日(金曜日)
   午後零時四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     梅村  聡君     行田 邦子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         内藤 正光君
    理 事
                加藤 敏幸君
                高嶋 良充君
                長谷川憲正君
                河合 常則君
                二之湯 智君
    委 員
                大島九州男君
                加賀谷 健君
                行田 邦子君
                武内 則男君
                外山  斎君
                林 久美子君
                平田 健二君
                吉川 沙織君
                泉  信也君
                礒崎 陽輔君
                世耕 弘成君
                谷川 秀善君
                中村 博彦君
                溝手 顕正君
                吉村剛太郎君
                魚住裕一郎君
                弘友 和夫君
                山下 芳生君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     鳩山 邦夫君
   副大臣
       総務副大臣    倉田 雅年君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消
 防、情報通信及び郵政事業等に関する調査
 (地方分権改革を推進するための地方税財政基
 盤の確立に関する決議の件)
    ─────────────
#2
○委員長(内藤正光君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、梅村聡君が委員を辞任され、その補欠として行田邦子君が選任をされました。
    ─────────────
#3
○委員長(内藤正光君) 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案につきましては、昨日、質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#4
○行田邦子君 私は、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表し、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案に対して反対の立場から討論を行います。
 そもそも、地方財政が疲弊しているのは、鳩山総務大臣自らも認めざるを得ないように、三位一体の改革において地方交付税等が根拠もなく大幅に削減されたことが原因であります。これにより、地域には様々なひずみが生じ、住民サービスは低下するばかりであります。公立病院の廃止、縮小を余儀なくされるなど、地域住民の安心、安全を揺るがす事態にまで発展しています。また、地方交付税の削減は補助金の一般財源化にも悪影響を及ぼしており、十分な一般財源を確保できないのが実態であります。三位一体の改革により、地方は窮地に追い込まれているのであります。
 政府は、今回、地方交付税を一兆円増額したと喧伝しております。しかし、損なわれた地方交付税等五・一兆円の復元には程遠く、地方税財源を充実確保したとは政府の誇大広告であります。
 また、巨額の地方財源不足への対応については、法定率の見直しには踏み込まず、いわゆる国と地方の折半ルールをただ漫然と繰り返すばかりであります。この間、国は財政責任を放棄し、臨時財政対策債の発行を地方に強制することで借入金残高は増嵩し、地方財政の健全性を大きく毀損しています。また、公債費の増加が他の政策経費を圧迫する大きな要因となっており、将来にわたり地方交付税制度に暗い影を落としております。
 民主党は、地方再生が喫緊の課題であることは十分に認識しております。しかし、両法律案では地方再生を実現することができないばかりか、更に疲弊を地方に強いることになるため、反対せざるを得ません。
 地方財政は自公政権によって窮地に追い込まれております。民主党は、一刻も早く政権交代を成し遂げ、財政力の弱い地方団体に手厚く財源を配分するための財源保障機能を強化した新たな財政調整制度を創設するなど、真の地方再生に取り組むことをお約束して、私の反対討論といたします。
#5
○二之湯智君 私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行います。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案であります。
 この法律案は、個人住民税における住宅ローン特別税額控除の創設、環境に優れた自動車について取得税の時限的な負担軽減措置の拡充、道路特定財源の一般財源化への対応などを含んでおり、急速に悪化する景気動向に対応し、国民生活を守るとともに、環境問題へ配慮した誠に時宜を得た適切かつ妥当なものだと認められます。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案であります。
 地域経済が日を追うごとに深刻化する中、地方の底力を発揮できるよう、地方が自由に使える財源の確保は今最も求められるところであります。その点、この法律案においては、地方交付税について既存の法定加算とは別枠で一兆円を加算すること等により、前年度を四千億上回る十五兆八千二百億円を確保しており、安心で活力ある経済社会の実現に資するものであります。
 特に、地域雇用創出推進費を創設し、雇用情勢に応じて地方交付税を増額して配分することは、雇用環境の改善に向けて懸命な努力をしている地方公共団体を支援するものであり、高く評価されるものであります。
 また、地方公共団体金融機構の創設により、地方公共団体の一般会計に資金融通を可能にすることは、地方公共団体の財政基盤の強化、自由度の向上を図るものとして意義深いものであります。
 さらに、創設される第三セクター等改革推進債の活用により、第三セクター等の抜本的な改革を先送りすることなく、早期かつ集中的に取り組むことができるものであります。
 以上の理由から、両法律案に賛成の意を表するものであります。
 政府においては、地域の元気回復、活性化を図るため、地方税財源の一層の充実確保に努めることを強く要請して、両法律案に対する私の賛成討論といたします。
#6
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、地方税法等一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 地方税法等改正案は、上場株式等の配当、譲渡益への一律一〇%軽減税率を復活させ、三年間延長するなど、上場株式等を大量に所有する大資産家優遇を拡大するものであり、認められません。この措置は、政府税調でも金持ち優遇税制と批判され、廃止すべきものとされていたものであり、政府の方針さえもほごにするものであります。
 次に、地方交付税法等改正案について述べます。
 交付税の増額は四千億円程度にすぎません。しかも、特別枠一兆円のうちの雇用対策費五千億円は二年間限り、地方再生対策費も当分の間の措置であり、恒久的で安定した交付税の増額と言えるものではありません。このように、三位一体改革による五・一兆円の交付税削減から見て、地方が求める交付税の復元、増額には程遠いものです。
 また、〇九年度は十兆四千億円を超える地方財源不足が生じているにもかかわらず、その補てんの大半は地方債である財源対策債、臨時財政対策債で賄うものです。これは、財源不足を地方の借金で穴埋めするものであり、交付税総額の確保に国の責任が果たされておりません。財源不足が十四年間も続いている下で、交付税率の引上げなど抜本的な対策を行うべきです。
 〇九年度の地方財政計画でも、歳出を圧縮し、人件費等を厳しく抑制しています。これまでも地方自治体では、人員削減、民間委託やアウトソーシングが進められ、三割から四割が非正規職員に置き換えられるなど、行政サービス低下によって住民の安心、安全が脅かされています。
 最後に、法案は、第三セクター等の整理又は再生を行う場合、借入金返済の負担について地方債の発行を認めるものであり、貸し手の金融機関など関係者の責任があいまいにされ、住民に負担転嫁される危険性があることを指摘し、討論を終わります。
#7
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、地方税法等改正案、地方交付税法等改正法律案について反対の討論を行います。
 この間の自民党政権の市場万能主義による政治で社会的格差が広がり、とりわけ自治体は強いられた大合併と職員の削減、五兆円の地方交付税削減によって疲弊の極に達しました。今、ようやく世論に押されてその是正、復権の萌芽が見えていますが、政府提案の二法案はそれを推進する内容にはなっておりません。
 まず、地方税法改正案は、株式の配当、譲渡益に係る優遇税率を延長するなど、税制の不公平是正に逆行する内容が多く盛り込まれています。地方税の旧道路特定財源は、過半が引き続き道路を尺度にして配分され、住宅ローン減税は、国税の減税を地方税に転嫁するなど課税自主権に逆行しています。
 次に、地方交付税法にあっては、財源不足が恒常化し、同法第六条の三第二項に基づき五税の法定交付率を引き上げるのが原則です。ところが、今回、またもや臨時財政対策債により将来の自治体財源を先食いさせられています。しかも、臨財債の償還自体が臨財債依存となり、交付税額十五兆八千億円に対し公債費支出が十三兆三千億円と、限界に来ています。特別加算の中の五千億円は雇用創出推進費とされていますが、その性格があいまいです。
 また、消防職員の欠員五万人を始め、公共部門の労働力需要が多くの分野にあるにもかかわらず、自治体に対する長年の総人件費抑制は地域社会を崩壊させ雇用創出にも逆行しています。
 かねてから、地方六団体から地方交付税を地方の共有税として国と対等の地方行財政会議を常設せよ、また国直轄事業地方負担金を撤廃せよなどの意見が出されています。国は、自治体を消費税増税で釣るのではなく、大法人や高額所得者、資産所得の適正課税と税源移譲によってこそ地方税財源の充実を図るよう求めて、反対討論といたします。
#8
○委員長(内藤正光君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#9
○委員長(内藤正光君) 少数と認めます。よって、本案は賛成少数により否決すべきものと決定いたしました。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#10
○委員長(内藤正光君) 少数と認めます。よって、本案は賛成少数により否決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#12
○委員長(内藤正光君) 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。
 加藤君から発言を求められておりますので、これを許します。加藤敏幸君。
#13
○加藤敏幸君 私は、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による地方分権改革を推進するための地方税財政基盤の確立に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方分権改革を推進するための地方税財政基盤の確立に関する決議(案)
  国・地方を通じた厳しい財政状況の下、特に財政力の弱い地方公共団体においては、厳しい財政運営を強いられている。このような状況を踏まえ、政府は、個性豊かで活力に満ちた分権型社会にふさわしい地方税財政システムを確立するため、次の諸点について格段の努力をすべきである。
 一、地方財政計画の策定に当たっては、歳出規模の抑制等を通じた地方交付税総額の削減により地方独自に行う施策・取組の余地が失われていることを十分に認識し、地方の意見を確実に反映しながら、地方全体の財政需要を適切に積み上げるとともに、これに伴い必要となる一般財源の確保を図ること。
 二、地方交付税の本来的な役割である財源保障機能と財源調整機能が適切に発揮されるよう、基準財政需要額については、地域の再生・活性化や雇用創出の推進等地域住民が将来にわたって安心できるための施策に要する財政需要等を的確に反映した算定に努めること。
 三、現下の厳しい地域経済環境において、地方の疲弊が極めて深刻化している中、毎年度発生する巨額の地方財源不足への対応については、いわゆる「国・地方の折半ルール」による暫定措置の在り方や、法定率の引上げを含め、地方税財政制度の抜本的改革を検討すること。
 四、巨額の借入金を抱える地方財政の健全化に当たっては、安定的な財政運営に必要な地方一般財源の確保に留意しながら、計画的に進めること。また、臨時財政対策債をはじめ累積する地方債の元利償還については、諸施策の実施を制約しかねない状況にあることにかんがみ、将来において各地方公共団体の財政運営に支障が生じることのないよう、万全の財源措置を講じること。
 五、地方公営企業等金融機構の貸付対象を一般会計に拡充すること等に伴い、機構の財務基盤については、引き続き市場の信認が得られるよう、その充実強化を図ること。
 六、地方分権改革推進法に基づく地方公共団体に対する財政上の措置の在り方等の検討に当たっては、地方に参画の機会を保障すること。また、地方分権改革推進計画については、地方の総意を真摯に踏まえ、地域の実情を十分反映したものとなるよう最大限配慮しつつ、新地方分権一括法の早期制定を目指すこと。
 七、地方公共団体は、直接住民サービスを提供する役割の大部分を担っていることから、その基盤となる地方税財源の拡充のため、地方公共団体の財政力格差に配慮しつつ、税源の偏在が小さく、税収が安定的である地方税体系の構築を早急に進めること。
 八、国の直轄事業については、国と地方の役割分担の明確化と国の役割の重点化の観点から、抜本的に見直すこと。また、直轄事業負担金については、役割分担の明確化等に応じ、廃止を含む見直しを行うこと。
 九、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の全面施行に当たっては、各地方公共団体における住民サービスの不適切な低下を招く事態とならないよう十分な配慮に努めること。併せて、地方公共団体の財政運営をより透明化するため、企業会計を参考にしつつ、地方公会計の整備の促進を図ること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#14
○委員長(内藤正光君) ただいまの加藤君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#15
○委員長(内藤正光君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、鳩山総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。鳩山総務大臣。
#16
○国務大臣(鳩山邦夫君) 残念ながら、地方税法、地方交付税法の両改正案はお認めいただけなかったわけでありますが、この御決議の内容は誠にすばらしく、私どもとしては、非常に先生方に強く激励されたものとしてこれを受け止め、頑張ってまいります。
#17
○委員長(内藤正光君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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