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2009/05/12 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 総務委員会 第16号
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2009/05/12 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 総務委員会 第16号

#1
第171回国会 総務委員会 第16号
平成二十一年五月十二日(火曜日)
   午後一時二十一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     牧野たかお君     世耕 弘成君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     大島九州男君     下田 敦子君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     下田 敦子君     大島九州男君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     武内 則男君     相原久美子君
     世耕 弘成君     中山 恭子君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     魚住裕一郎君     加藤 修一君
   ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         内藤 正光君
    理 事
                加藤 敏幸君
                高嶋 良充君
                河合 常則君
                二之湯 智君
    委 員
                相原久美子君
                大島九州男君
                加賀谷 健君
                行田 邦子君
                外山  斎君
                林 久美子君
                平田 健二君
                吉川 沙織君
                泉  信也君
                礒崎 陽輔君
                谷川 秀善君
                中村 博彦君
                中山 恭子君
                溝手 顕正君
                吉村剛太郎君
                魚住裕一郎君
                加藤 修一君
                弘友 和夫君
                山下 芳生君
                又市 征治君
   衆議院議員
       総務委員長    赤松 正雄君
       総務委員長代理  森山  裕君
       総務委員長代理  原口 一博君
       総務委員長代理  伊藤  渉君
       総務委員長代理  重野 安正君
   国務大臣
       総務大臣     鳩山 邦夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       総務省人事・恩
       給局長      村木 裕隆君
       総務省自治行政
       局公務員部長   松永 邦男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公共サービス基本法案(衆議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(内藤正光君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、牧野たかお君及び武内則男君が委員を辞任され、その補欠として中山恭子君及び相原久美子君が選任をされました。
    ─────────────
#3
○委員長(内藤正光君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公共サービス基本法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省人事・恩給局長村木裕隆君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(内藤正光君) 公共サービス基本法案を議題といたします。
 まず、提出者の赤松正雄衆議院総務委員長から趣旨説明を聴取いたします。赤松正雄衆議院総務委員長。
#6
○衆議院議員(赤松正雄君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
 国民が安心して暮らすことのできる社会の実現のためには、公共サービスが国民生活の基盤となるものであることにかんがみ、公共サービスに関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、公共サービスに関する施策の基本となる事項を定めることにより、公共サービスに関する施策を推進することが必要であることから、本案を提出した次第であります。
 次に、その内容について申し上げます。
 第一に、公共サービスの実施等は、安全かつ良質なサービスの確実、効率的かつ適正な実施、社会経済情勢の変化に伴い多様化する国民の需要への的確な対応、公共サービスについての国民の自主的かつ合理的な選択の機会の確保等が国民の権利であることが尊重され、国民が健全な生活環境の中で日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるようにすることを基本として行われなければならないものとしております。
 第二に、国及び地方公共団体の責務並びに公共サービスの実施に従事する者の責務を定めることとしております。
 第三に、公共サービスを委託した場合の役割分担と責任の明確化、国民の意見の反映等、公共サービスの実施に関する配慮及び公共サービスの実施に従事する者の労働環境の整備を国及び地方公共団体の基本的施策として定めることとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、本案の提案の理由及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
 以上です。
#7
○委員長(内藤正光君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○高嶋良充君 民主党の高嶋良充でございます。
 提案者の皆さん方には大変御苦労さまでございます。この法案を超党派の議員立法とするために、衆議院において大変な御努力をいただきました。各会派の理事や発議者の皆さん、そして、ただいま提案をいただきました赤松総務委員長に心から敬意を表しておきたいというふうに思っております。
 委員長提案でもございますので、本来なら質疑抜きで採決をさせていただいてもいいわけでございますが、しかしこの法案は今後の日本の国家像の在り方を左右するかもしれないという重要かつ画期的な法案ではないかというふうに私は思っておりますので、このために、国民の皆さん方はもちろんのこと、おいでいただいております鳩山総務大臣を始め政府関係者の皆さん方にもその重要性を御理解をいただきたく、そういう観点から、短時間ではありますけれども質疑をさせていただくことになりましたので、提案者の皆様方にはどうぞよろしくお願いを申し上げておきたいというふうに思っております。
 まず最初に、公共サービスの定義について提案者に伺っておきたいというふうに思っております。
 一般的に公共サービスを定義をする場合は、一つには、介護や医療や年金あるいは教育など、国民のライフステージあるいはセーフティーネットにかかわるサービスを直接国民に提供する分野というのが一つあるというふうに思うんです。それともう一つは、上下水道や電力やガスやあるいは公共交通というように、国民の生活基盤とともに企業活動をも支えていく、そういう社会的公共サービス財、これを提供する分野があるというふうに思うんですけれども、いずれにしてもその領域は極めて広範囲だというふうに思っております。
 また、公共サービスを提供する提供主体にしても、政府や地方自治体だけではなしに民間企業やNPOも提供をしているという、そういうことが現在の現状認識ではないかというふうに思っているわけですが、しかし今回提案されている基本法の第二条の定義を見てみますと、サービスの領域は国や地方公共団体に限定されているわけですけれども、これは公共サービスを提供する最終責任を負うのは国や地方自治体だからと、そういうふうに私は理解をしたいというふうに思っているんですけれども、そういう考え方でいいんでしょうか。
#9
○衆議院議員(森山裕君) 高嶋委員さんの御質問にお答えをいたします。
 いわゆる公共サービスの提供主体は多様であると考えております。この法案では、公共サービスは、国又は地方公共団体、そして独立行政法人、地方独立行政法人による行為を指すこととしております。また、この法案は、国又は地方公共団体が提供する公共サービスの在り方について定めたものであり、そのような公共サービスを提供する責任は国や地方公共団体が担っているものであると理解をいたしております。
 以上でございます。
#10
○高嶋良充君 ありがとうございました。
 今の御答弁と関連をしてもう少しお尋ねをしたいというふうに思いますけれども、公共サービスが国や地方自治体から民間委託をされているというのは最近多いわけでございまして、この民間委託化によって、いい面では業務の効率化が図られているというそういうことがあるというふうに思いますけれども、しかし反面、一方では事故等が多発をして安全性がおろそかになってきているのもこれまた事実でございます。
 二〇〇六年の七月に起きました埼玉県のふじみ野市の市営プールでの児童死亡事故というのは全国的な事故になったわけでありますけれども、それが典型的な例ではないかというふうに思うんですが、このような事故の責任について、自治体側にあるのか、それとも受託をした企業側にあるのか、あるいは受託をした企業がふじみ野市の場合はまたその下請のところにやらせていたというような部分があって、全く責任の所在がつかめないというようなことになったというのも明らかになってきているわけでありますけれども、このような事故の責任はどこが負うのか、これを明確にする必要があるのではないかというふうに思っています。
 そこで、伺いますけれども、この基本法では法案第八条にある程度そのことが明確化をされようとしています。公共サービスを委託した場合の役割分担と責任の明確化ということを規定をされているわけでありますけれども、これは国又は地方公共団体の事務事業を委託をした場合、その受託先との関係で責任が調整をされたり軽減をされたりしてはならないというふうに思っているわけでございますけれども、ここに書かれている第八条というのは、あくまでも当該事務事業は委託をしていても国又は地方公共団体の事務又は事業であるというそういう理解であって、最終責任は自治体が負わなければならないと、そういうふうに理解をしていいんでしょうか。
#11
○衆議院議員(原口一博君) お答え申し上げます。
 高嶋委員におかれましては、この公共サービス基本法の制定に向けて大変まず御指導、御支援を賜りましたことを冒頭お礼を申し上げたいと思います。また、すべての参議院の委員の先生方に感謝申し上げたいと思います。
 その上でお答え申し上げますが、公共サービスを委託した場合であっても、その事業は国又は地方公共団体の事務又は事業であることに変わりはございません。したがって、御指摘のとおり、国又は地方公共団体が公共サービスを委託した場合でございましても、国又は地方公共団体の事務又は事業であるというふうに理解をしています。
 この法律は、基本理念で公共サービスにおける国民の権利を書き込んで、そしてそれを国、地方団体がどのように保障していくかという形をしておりまして、まさに先ほど、冒頭御質問ございましたように、公共サービスの担い手とは何なのか。それは狭義で言うとやはり国又は地方公共団体、そして委託先でございますが、これは多様化しておりまして、先ほどお話しになったようなNPO、市民公益まで本来は議論をすべきだということを私たち話をしてきたところでございます。
 以上でございます。
#12
○高嶋良充君 ありがとうございました。理解ができました。
 いずれにしても、公共サービスを提供する側が国であれ、地方公共団体であれ、民間であれ、NPOであれ、その提供のやっぱり最終的な責任というのは公共側、国や自治体にあるということを明確にしていただいているということで評価をいたしたいというふうに思っております。
 次に、公共サービスの改革についてお尋ねをいたしたいというふうに思っております。
 第三条の基本理念でも明らかにされているわけでありますけれども、これからの公共サービスというのは国民に安全と安心を与えて、しかも効率的で良質な公共サービスを提供することだと、こういうことを基本理念にうたっていただいているわけでございます。このことによって、これからの公共サービスを提供していく側は良質な公共サービスというものをどう効率的に提供していくのかということを目指していかなければならないというふうに思うんですけれども、そういうことをやっていこうと思えば、これから公共サービスをどのように改革をするのか、あるいはどのように見直しをしていくのかということが非常に重要な課題になってくるのではないかというふうに思っております。
 今までの公共サービスの改革というのは、公共サービス改革基本法等が政府の方から提起をされて国会で審議をし成立をしておりますけれども、どちらかといえば、今までの改革というのは事務事業をアウトソーシングをしていく、あるいはPFIであるとかあるいは指定管理者制度とか、そういう部分に特化をされたような改革でなかったかなというふうに思っていまして、これらの改革は、公共サービスを安定供給するということよりも公共サービスを逆に不安定化をしてきたという、そういう側面もあるのではないかなというふうに思っておりました。
 しかし、今回こういう形で基本法ができるということは、良質な公共サービスをどう提供していくかということが国や地方自治体を含めて議論をされていかなければならないと、こういうふうに思うわけですけれども、そういう改革を進めていく上で、国や自治体の責務とともに、国民の参加、参画が私は重要であるのではないかというふうに思っているところでございます。
 どこでどのような公共サービスがだれが行うかということは、今までは国や公共団体が一方的に決めていたけれども、これからは国民やそのサービスを受給をする利用者の意見を十分に聞いて、透明で民主的にそれらの事業の、だれが提供するのかということを決めていく必要があるのではないかなというふうに思っているんですけれども、提案者の問題意識についてお伺いをしたいと思います。
#13
○衆議院議員(重野安正君) お答えいたします。
 この法案は、国、地方公共団体が提供する公共サービスについて、サービスの受け手である国民の視点に立って公共サービスの在り方を定めるものであります。
 公共サービスについての基本理念が法案三条にありますけれども、この基本理念にのっとって公共サービスが提供されるよう期待しているところであります。また、法案九条に国民の意見の反映等についての規定を置いてございます。これは、現実的に国等に対して直接国民から多数の意見が寄せられているところでありまして、公共サービスの受け手である国民の意見を求めるための必要な措置に関し、その取扱いについて基本的な考え方や姿勢について示す必要があるところから定めたものであります。
 国や地方公共団体においては、この趣旨を踏まえて、国民の意見が公共サービスに反映するため関係法令が適切に運用されるよう期待しているところでございます。
 以上であります。
#14
○高嶋良充君 丁寧な御答弁、本当にありがとうございました。
 最後に、鳩山総務大臣に伺っておきたいというふうに思っております。
 今も質疑の中でありましたように、今後も公共サービスの提供者は、政府や自治体だけではなしに、民間やNPOがそれぞれの分野でその機能と役割分担によって担っていくことになるのではないかというふうに思っています。しかし、だれが提供しようとも、公共サービスというのは国民に公平かつ安定的に提供する義務があるのではないかと、それが今回の公共サービス基本法の本来の目標だろうというふうに思っています。
 国民の皆さん方がいつでもどこでも必要なときにサービスを受給できるようにするためには、これからは国民に直接公共サービスを提供している地方自治体の果たす役割というのは非常に重要なのではないかなとも思っているわけであります。そういう意味で、今回の法案は、これからの公共サービスの在り方を規定をするとともに、地方自治体にとっても重要な法案と言わざるを得ないというふうに思っておりまして、この法案を具体化をしていくためにも地方自治体の協力は欠かせない、そのためには総務省の役割、総務大臣の役割というのは非常に大きなものがあろうというふうに思っております。
 大臣は、今回の超党派の議員立法によって法案が成立をするに当たって、この公共サービス基本法の意義をどのように認識をされて、そして評価されているのか、そして今後どのように具体化を図られようとしているのか、その見解と決意を伺っておきたいと思います。
#15
○国務大臣(鳩山邦夫君) 提出者の皆様方が代表してここに来られておられますけれども、与野党の皆様方が精力的に議論をされて公共サービスについて基本法の成案を作られたことを心から敬意を表さなければならないと思っております。
 世の中、複雑化してくれば、かなり技術的なことも含めた具体的なことを記した法律等が増えてくるわけでありましょう。したがって、公共サービスもまた多様なものになってまいります。専門的なものになってくればくるほど、本来はそこの基本にある理念というものがより重要になってくるわけでございまして、理念や哲学を失った具体的な法律というのはしばしば意味をなくすおそれがありますので、このような基本法を作られたことは本当にすばらしいことと思いますし、その場合、地方公共団体が果たす役割も大きくなります。したがって、総務省としては、様々な助言、要請というような形でこの基本法に基づいて地方公共団体にお話をすることが役割として加わってくるなと、そんなふうに思いました。
 それから、今、法律案の内容をいろいろ勉強させていただく中でふっと思ったんですけれども、簡易保険法に書いてあるかんぽの宿に関する記述は、これは公社の負担とする、利用者の一部の料金は取ってもいいが全部取ってはいけないと。これは立派な公共サービスに当たるんではないかなと、公共サービスだからもうけてはいけなかったと。その公共サービスを不良債権呼ばわりする人たちの不見識というものについて改めて思いを致した次第でございます。
 失礼しました。
#16
○高嶋良充君 今いみじくも総務大臣が言われましたけれども、郵政民営化を決める時点でこのような基本法があったらもっと違った展開になっていたのではないかと。そうなれば、今日のような特定郵便局の統廃合によって国民のサービスの不公平感が出るという問題であるとか、かんぽの宿の利潤追求だけを優先するというような状況がなくせたんではないかなというふうに思っていまして、非常に残念でありますけれども、しかしこの法律ができることによって郵政の見直し問題も大きな課題になってこようかというふうに思っていますので、今後この法案の成立とともに、これからプログラム法等を国会でもあるいは政府の側でも十分に提起をして審議をしていくということが必要なんではないかということを申し上げて、皆さん方の御努力と貴重な答弁に対しまして、心からお礼を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#17
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 提案者の皆さんに敬意を表したいと思います。
 去る一月二十三日に発表された総務省の地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会報告書によりますと、市町村の非常勤職員の時給は九百円、臨時職員の時給は八百円、月収にしてそれぞれ十五万円ないし十四万円という状態にあります。とてもまともな生活ができる賃金ではないと思います。
 公共サービスを実施する非正規労働者の劣悪な労働条件は、もはや放置できない状況にあると私は考えます。しかも、自治体で働く非正規職員は、従来考えられていた臨時的、補助的な業務ではなくて、正規職員と同じように責任のある基幹的業務を担っている場合が大変多いと思います。例えば、公立保育所の保育士の五〇%が非正規という自治体もあります。保育士という同じ国家資格を持って、クラス担任など責任も全く同じだけ担い、当然、本来均等待遇でなければならないにもかかわらず、非正規の保育士の賃金は正規の大体二分の一から三分の一、年収にして二百万円以下。まさに官製ワーキングプアという実態にあります。これは私はもう差別だと言わざるを得ないと思っております。
 鳩山総務大臣に伺いますが、今回の法案は、公共サービスを担う労働者の労働条件の改善、労働環境の整備を求めておりますけれども、この法案の趣旨を踏まえて官製ワーキングプアをなくすお考えはおありでしょうか。
#18
○国務大臣(鳩山邦夫君) この問題は先生から何度も御質問をいただいておるわけでございまして、臨時職員とか非常勤職員という方々には様々な職種の方がおられて、従事する職務内容も誠に多様だと、こう思っております。したがって、その処遇については、地方自治法や地方公務員法、あるいは条例ということもあるんでしょうが、その職務の内容や責任の程度に応じて各地方団体がまさに地方自治として適切に定めるべきものであろうというふうに思うわけでございます。
 ただ、先生から度々御指摘いただくような問題がありましたので、役所の中に置きました地方公共団体の短時間勤務の在り方に関する研究会報告書、これは既に一月に取りまとめられておるわけでございますが、考え方がやや整理されまして、その考え方を受けて四月二十四日付けで通知を発出しました。
 つまり、臨時職員や非常勤職員の任用とか処遇の考え方をもっと整理して考えなければいけないということ、それから、余りまだ御活用いただいていない任期付短時間勤務職員制度、これは本格的な仕事をするという、こういう意味でありましょう。結局、臨時・非常勤職員ですと、給料とか手当という形にならないで、あくまでも報酬と費用弁償という形になる。そこのところがワーキングプアになりやすい原因にもなっております。したがって、各地方公共団体がその内容を十分に踏まえていただいて、内容というのは報告書の内容でございますけれども、現行の臨時・非常勤職員等の任用に係る取扱いを検証して、改善すべき点は改善していくということだと思います。それから、本格的業務に従事して給料及び手当の支給が可能な任期付短時間勤務職員制度の活用について是非地方公共団体が皆検討していただくように助言や要請をしていこうと、こう考えております。
 ですから、問題は、本格的な仕事をしていながら、あくまでも非正規職員で臨時職員であるから、要するに補助的な仕事でない本格的な仕事をしているのにまともなものをもらえない、給料をもらえないで報酬しかもらえないというケースがなるべく少なくなるように、これは指導というのはできないでしょうから要請をしていきたいと、こう思っております。
#19
○山下芳生君 補助的でない本格的な仕事をしている方は任期付短時間勤務職員の制度も活用すべしということだと思うんですが、ただ、その制度はやっぱり任期が付いているんですね、三年ないし五年と。しかし、保育の仕事に三年とか五年とかの期限はないと思います。本来、保育士など、恒常的、専門的な業務ですから、これは正規の職員が担うことを基本にすべきであって、そこが大きくずれているところをちゃんと真っ正面からとらえる必要があると思います。
 それからもう一つ、四月二十四日の通知に係って心配なことがあるんですが、それは、長年こうした非常勤保育士として子供の成長や発達を支えてこられた方々などが、待遇改善どころか非常勤職員の任期は原則一年などとして雇い止めが乱発されるんではないかということなんです。
 総務大臣に伺いますけれども、そのようなことは今回の通達の趣旨に反すると私は考えますが、いかがでしょうか。
#20
○国務大臣(鳩山邦夫君) 臨時職員や非常勤職員の任用の考え方を整理してくれというふうにお願いをすると。で、任期付短時間勤務職員制度を活用してくれというふうに地方団体にお話をすると。そのことが今委員御指摘のような逆の結果を生む心配はないかということなんですね。
 結局は、臨時・非常勤職員というのは、本来補助的な仕事だということで一応任期は原則は一年以内とか一年程度ということになっているんだろうと思います。このため、四月二十四日に発出した通知では、例えば一年の任期の終了後、再度任用することは可能であるとした上で、その場合は改めて能力の実証を経た上、つまり実際の仕事ぶりを検証した上ということだと思いますが、その上で任期や勤務条件の明示等の手続を適切に行うべきことを周知したところと、こういうことでありまして、実際、地方自治ですから強制できることではありませんが、例えば一年であっても、あなたはなかなか優秀だから一年、一年と大分長くやってくれとか、そういうことを明示するようなことがあっていいのではないかというようなことを周知したわけでございます。
 ですから、これは多分役所の考えと違うかもしれませんが、いわゆる正規職員がありますね、行政改革ということは、当然五年、五・七%とかそういうことは皆さん努力をしていただいているので、これはきちんとやらなきゃならぬと思いますが、正規職員といわゆる非常勤職員の間に任期付きの短時間勤務だけしかないというのはどうかなと、もっといろんな段階があってもいいのかなというのは個人的な思いとしてはありますね。というのは、委員がおっしゃるように、本格的な仕事をしている場合があるから、それをちゃんと面倒を見るような仕組みがあってもいいような気はします。
#21
○山下芳生君 この通知の趣旨は、非常勤の方々の本来的な仕事もしているにもかかわらず低い待遇をやっぱり良くするということであって、逆に雇い止めが乱発されるようなことがあってはならないということで確認させていただきたいと思いますけれども、いいですか。
#22
○政府参考人(松永邦男君) お答えいたします。
 先ほど大臣の方からも御答弁申し上げましたが、四月二十四日に発出いたしました通知におきましては、任期の終了後再度任用されるということはこれは可能であるとした上で、その場合につきましても改めて能力の実証を経た上で任期や勤務条件の明示等の手続、これを適切に行うべきであるということを周知いたしているものでございます。
 なお、さきの報告書では、臨時・非常勤職員の任用については、公務の提供に必要とされる人員体制の確保を一義として適切な対応が求められると指摘されておりまして、それにつきましても留意するよう併せてお示しいたしているところでございます。
#23
○山下芳生君 そういうことだというふうに理解をしたいと思います。能力があるから非正規であっても十年ぐらい以上頑張って保育の現場を支えてくれている方が圧倒的に多いんですからね。
 もう時間参りましたけど、最後に一個だけ。申し訳ないです。
 提案者の方々に、法案では十一条で労働条件のことが書いてありますが、先ほども、公務サービスというのは公務員だけではなくて独立行政法人、指定管理者、民間委託などがあるということになっておりまして、今各地域で公契約において人間らしく働き暮らせる条件を確保する公契約法の制定を求める意見書が採択されておりますが、この法案は国や地方自治体における公契約制度の促進につながると考えておられるのかどうかお答えいただきたいと思います。
#24
○衆議院議員(森山裕君) 山下委員の御質問にお答えを申し上げます。
 公共サービスの実施に従事される方々の労働環境の整備は、安全かつ良質な公共サービスの確保にとって重要な課題であると考えております。このような考え方を背景として第十一条の規定を設けるものとしたものであります。
 この規定は、国、地方公共団体に努力義務を課したものであり、御指摘のような公契約制度の在り方については、国、地方公共団体において今後必要に応じて検討がなされるのではないかというふうに思っております。
 以上でございます。
#25
○衆議院議員(原口一博君) 山下先生、ありがとうございます。
 補足してお答えをさせていただきますが、公共サービス格差というものがあってはなりません。その中で、私たちは憲法二十五条に言う生存権あるいは社会権、国民の社会権を保障するために、じゃ公共サービスというのはどうあるべきかという観点でこの法律を作らせていただきました。そこで、この第十一条に今森山先生がお話しになりましたような労働環境の整備という条項を入れさせていただきました。公共サービスに働く人たちのやはりきっちりとした人権を保障する、そのことなくして公共サービスの質は保てないものだというふうに思っています。
 これまでは、例えば消費者保護法あるいは障害者保護法というものがありました。国民は保護の対象、客体であり、主体は公共だと、こういう形が随分変わりました。国民の権利を明定して国及び地方公共団体の責務を明示すると、こういう形になっておりますので、それと同じような形でこの理念の中に国民の公共サービスを受ける権利を明定しているということも併せて申し上げておきたいと思います。
 ありがとうございました。
#26
○山下芳生君 終わります。
    ─────────────
#27
○委員長(内藤正光君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、魚住裕一郎君が委員を辞任され、その補欠として加藤修一君が選任をされました。
    ─────────────
#28
○又市征治君 社民党の又市です。
 冒頭、提案者の皆さん方に敬意を表しまして、また法案の賛意を表しておきたいと思います。
 さて、この法案が必要となってきた背景には、経済効率優先のこの間の小泉構造改革の下での公共サービス切捨てであるとか民営化のすさまじい流れがあったと思います。その結果、人命が失われたり公共サービスの破壊によって地域社会が崩壊をする例も間々見られたわけであります。
 例えば、先ほども出ましたが、埼玉県の市営プールで少女が渦に巻き込まれて亡くなった事故というのはまさに民間委託のずさんさ、このことが大きな問題でした。あるいは、私の地元富山では、公立病院の管理の民営化によって医師や医療従事者の転出、欠員が拡大をして空きベッドがどんどん増える、地域医療が崩壊しかかっているという例もあります。あるいは、千葉県銚子の公立病院の閉鎖、こういう問題もしかりであります。
 提案されている公共サービス基本法は、こうした野方図な公共サービスの廃止、民営化により国民福祉がこれ以上劣化するのを食い止めて、また公務・公共サービス労働者の削減や劣悪な労働条件での民間雇用への置き換えに歯止めを掛けることが期待されるだろうと、こう思います。
 そこで、質問ですが、総務省に伺いますが、二〇〇六年五月、参議院行政改革特別委員会は、悪名高い競争の導入による公共サービスの改革に関する法律、いわゆる市場化テスト法の採決に当たって七項目の附帯決議を行ったわけですね。その第一項では、公務を民間企業が落札した場合の公務員の処遇について、雇用の確保に配慮し、部内での配置転換等により対応を基本とすること、公務員の不安やこれに伴う士気の低下を来さないよう取り組むことを求めているわけです。
 そこで、伺いますけれども、市場化テストによって公務労働者の実質的な失業が国、地方自治体などで見られますけれども、この附帯決議第一項がどのように守られてきているか。ここのところをどのように把握をしているのか。また、ディーセントワークをうたう今回の法案でどのようにそれは守られるようになるというふうに見ているか。この点、総務省から伺います。
#29
○政府参考人(村木裕隆君) まず、前段の公共サービス基本法の附帯決議に関するお尋ねにお答えいたしますが、公共サービス改革法に基づく官民競争入札等については、これまで対象事業として八十二事業が選定されまして、このうち四十七事業が入札実施済みであるという具合に承知しております。御指摘の附帯決議の趣旨に関しましては、各府省等におきまして新規採用の抑制等を行うことによって対応されているものと承知しております。
 また、後段の御質問でございますが、本法案においては、公共サービスの実施に従事する者が責任を自覚し、誇りを持って誠実に職務を遂行する責務を有すること、国及び地方公共団体が従事者の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めることが規定されており、法律の趣旨、理念をも踏まえつつ、今後とも適切に対応してまいる必要があると考えております。
#30
○又市征治君 私は公務労働者の処遇だけにこだわっているわけじゃないんですが、しかし、現にその仕事をしている人が首を切られたり、あるいは安上がりの企業に委託をして劣悪な労働条件に落とされて、決してこれは公共サービスの質は守られないということも明らかだろうと思うんですね。
 同じ二〇〇六年の附帯決議の第二項では、退職して業者の雇用下に入った者が公務への復帰を希望する場合には、復帰希望について十分に配慮することを求めているわけです。
 しかし、現実には復帰どころか、例えば私の富山県の氷見市の例ですけれども、病院職員全員をいったん解雇、そして民間経営者が採用するという、こういう形を取って、その上に、なおかつ労組活動家を排除する、こういう前近代的な不当労働行為が行われている。だから、そこで医師も看護師も逃げていってしまうということでサービスが落ちる。こういう事態が起こって、これは国会でも私は取り上げました。そういうことをやられている。
 今回、提案されている法案の当初案では、先ほどもありましたが、十一条で公共サービスに従事する者の権利の保障となっておりましたが、その後、協議の中でこれは変わっているわけですけれども、当然、これは委託以前の時点でいる労働者も含むはずだろうと思うんですね。この法律が現に従事している労働者に対する不当な排除を許さない効果も、これは強く求めておきたい。この法律ができるならば、是非そのことがしっかり守られるように求めておきたいと思います。
 そこで、次に大臣に伺いますが、国民は政府の進めている民営化路線をどう見ているか、二〇〇六年の内閣府のアンケート結果を見ますと、国民は決して手放しで民営化賛成、安上がり支持ではないという結果が出ています。
 民間が公共サービスを行う場合の留意点は何かという設問に対して、一位は個人情報が守られること、四九・二%、二位が公共サービスの質が低下しないようにすること、四八・二%、三位が公共サービスの提供にかかる経費が増加しないようにすること、四六・七%で、このことから見ましても、国民が民間委託に不安を抱いている、こういう側面は見逃すわけにいかない、こう思うんです。また、ちなみに、四位は民間事業者が途中で撤退して事業を中断しないようにすること、これは四一・二%もあるわけで、こういうやっぱり不安も持っているわけです。
 実は、当局側は、時として財政難だということを理由にこの市場化テストをサービス廃止への過渡的な措置としてねらっている場合だってある、こういうことは許されない問題なんですが、この場合、受けた民間業者の撤退というのはサービス廃止の絶好の口実になってしまう、こういうおそれがある。市場化テストもさっき申し上げたような例があります。
 この観点から、法案第三条、四条、五条、六条、これは、国、自治体、受託業者がサービスの質を低下させたり、あるいは撤退、廃止することを許さない趣旨だというふうに考えますけれども、さて、その具体化に当たって、総務大臣の決意のほどをお伺いをしておきたいと思います。
#31
○国務大臣(鳩山邦夫君) 本法案の八条には、公共サービスを委託した場合の役割分担と責任の明確化が書かれております。それから、第十条、公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立つべきこと、つまり質の悪いものになってはいけない、途中で中断するようなものであってはいけないという。この辺を読みますと、要するに、公共サービス改革法、すなわち市場化テストによって粗悪なサービスにしてはいけない、一円でも安ければいいと、その代わり粗悪なサービスを提供するということであってはいけないということが書かれていると私は読みますので、ちょうど市場化テスト法の附帯決議とこの今回の公サ法とは同じ事柄を言っているのではないかと。
 ですから、とにかく安くて質が悪くてもいいんだというのが、最近、何か効率優先主義のかさかさした政治、行政。そうでなくて、もっと日本独特の信頼性のある公共サービスという方に向かうという意味でこの法律は非常に意味があると考えております。
#32
○又市征治君 この法律は理念法のレベルでありまして、生かすも殺すも現場の善意と今後の具体的な立法化ということになるんだろうと思います。
 例えば介護サービス、とりわけ従事する労働者の処遇の現状と対策を見ましても、この間、政府は最初三%の報酬アップを限られた事業所に適用しようとして、これでは労働者まで行き渡らないと批判を浴びて、改めて一人一万五千円アップという施策がこの間出されました。つまり、公共サービスにおいて一定の水準を維持し、利用者を安心させるためには、受託者が民間企業であっても労働者の給与などへの十分な公的関与、支援が必要なことはこのことを見ても明らかだろうと思うんですね。
 今後とも、与野党問わず、この法律が作られた、大変画期的な意味ある、大臣もさっきそうおっしゃいましたが、このことをしっかり踏まえながら公共サービスの質の維持向上を図っていく、与野党問わずにその努力をしていくということが求められるし、今後のプログラム法などが期待をされる、そういうために私どもも一緒に努力していく、そんな決意を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#33
○委員長(内藤正光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 公共サービス基本法案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#34
○委員長(内藤正光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 赤松委員長を始め提出者の皆様方、本当に御苦労さまでございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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