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2009/01/07 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 本会議 第2号
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2009/01/07 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 本会議 第2号

#1
第171回国会 本会議 第2号
平成二十一年一月七日(水曜日)
   午後二時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  平成二十一年一月七日
   午後二時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、日程第一
 一、雇用と住居など国民生活の安定を確保する
  緊急決議案(西岡武夫君外九名発議)(委員
  会審査省略要求事件)
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 矢野哲朗君から海外渡航のため明八日から八日間の請暇の申出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ─────・─────
#5
○議長(江田五月君) 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る五日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。山下八洲夫君。
   〔山下八洲夫君登壇、拍手〕
#6
○山下八洲夫君 皆さん、二〇〇九年、新春明けましておめでとうございます。
 民主党・新緑風会・国民新・日本の山下八洲夫です。
 ただいま議題となりました中川昭一財務大臣の財政演説に対し、会派を代表して、総理大臣を始め関係大臣に質問をいたします。
 新しい年、平成二十一年を迎えて初めての通常国会であります。しかし、松の内がまだ終わらないうちに通常国会が開かれたこと自体が、今我が国政治の危機的状況を鮮明に示しております。すなわち、参議院が、直近の民意を代表して、野党が与党を上回る議席を有するいわゆるねじれ国会になったため、政府・与党の提案する法律案が思いどおりには成立できなくなり、政府・与党が国会運営に危機意識を持って異例の早期召集を選択せざるを得なかったからであります。
 さて、皆さん、政治が大きく動くときがやってきました。大きく変わるときがやってきました。
 改革を叫びながら、市場原理万能、強引な規制緩和を進めた小泉元総理以降の政治がもたらしたものが国民生活にとって百年に一度の危機的状況となり、格差社会を拡大し、不安を増大させる社会となっています。この小泉元総理の後は、安倍さんも福田さんも、国民の支持が得られないと判断し、総選挙で民意を問うこともなく、無責任にも勝手に総理を辞めてしまいました。
 そして、四代目に麻生さんが自民党総裁に選出をされ、総選挙で断固民主党と戦わなければならない、選挙に勝って初めて天命を果たしたことになると、総理就任前は威勢よく、すぐにでも衆議院を解散し、国民の皆さんに審判を仰ぐ意欲を表明されていました。ところが、急に、今の経済は百年に一度の暴風雨、政局より政策を口実にし、いまだに解散を行っていません。
 総理、百年に一度の世界同時不況を乗り越える景気対策、雇用対策のためにも、そして国民の幸せのためにも、今国会は速やかに衆議院を解散すべきです。
 総理、もはや麻生内閣に対する国民の信頼感は完全に失われております。総理に就任されてからわずか三か月しかたっていないのに、既に内閣支持率は危険水域と呼ばれる二〇%台前半に低迷していることがそのことを証明しております。
 なぜこうなったのか。それは、昨年来の米国の金融危機に端を発した世界的な不況のあおりを受けて、日本でも極めて深刻な経済不況、中でも雇用危機に直面しています。経済対策を始めとした景気浮揚の迅速な対応が迫られていたのにもかかわらず、政府・与党の無為無策が続き、特に平成二十年度第二次補正予算案の国会提出が今日まで持ち越されるなど、対応が後手後手になったことに国民があきれ果てたからです。
 遅ればせながら、昨年十二月十二日に発表された政府の緊急経済対策は、生活防衛のための緊急対策と名付けられましたが、裏付けとなる予算措置が盛り込まれた第二次補正予算案を昨年の臨時国会に提案しなかったため、もはや緊急の名に値しなくなっております。
 総理は、昨年十二月二十四日、官邸で記者会見し、平成二十一年度予算案を生活防衛のための実行予算と呼んだ上で、早期に成立させ、実行することこそが最大の景気対策と述べられています。それだけに、中川財務大臣の財政演説を聞いていても、白けた気持ちになったのは私だけではないでしょう。大多数の国民が同じ失望感をお持ちになったのではないでしょうか。
 私たち民主党は、言わば新しい家の見取図であるマニフェスト、政策を明確に示し、構造からデザイン、環境、基盤を固め、新しい家の主人公である国民の皆さんが安全で安心、かつ快適に暮らせるように取り組んでおります。
 そこで、政府案に対し、民主党案を基本に提案型の質問を行いますので、しっかりとした総理の答弁を求めます。
 まず、第一の提案として、第二次補正予算案から定額給付金を撤回、あるいは切り離すよう求めます。
 民主党は、深刻な経済不況や雇用不安へ迅速に対応するためにも、第二次補正予算の早期成立に協力することも決してやぶさかではありません。
 定額給付金については、マスコミ各紙の世論調査でも、実に八割近くの国民が反対の意思を示しています。麻生総理、定額給付金は速やかに撤回すべきではありませんか。あるいは、切離しを求めます。
 麻生総理は、景気対策につながるとの理由であくまで拒否をしますか。昨日、衆議院に民主党、社民党、国民新党三党は修正案を提出しました。麻生総理、中川財務大臣、第二次補正予算案の成立が大きく遅れた場合、どのような責任を取るのですか。国民が納得できる分かりやすい説明を求めます。
 第二に、定額給付金は雇用対策や福祉の充実等に回すことを提案いたします。
 第二次補正予算案の内容は、二兆円規模の定額給付金を柱とする四兆六千八百八十億円の追加経済対策と、一千六百億円の緊急雇用対策から成る合計四兆八千四百八十億円の規模であります。政府は、第一次補正予算などと合わせてこれを財政面で十二兆円、金融面で六十三兆円、合計七十五兆円規模と、いかにもスケールが大きいかのように宣伝いたしましたが、実際は見せかけにすぎません。というのも、国、地方の財政出動が伴ういわゆる真水は、十兆円の内訳は、六兆円が既に昨年十月末に織り込まれているからです。まさしく水増しの典型と言わなければなりません。
 そして、第二次補正予算の中で私たちが最も重大視しているのがこの定額給付金であります。一体これが景気回復につながる減税あるいは生活給と言えるのですか、それとも福祉政策なのですか。いや、私には、総選挙目当ての政府・与党による税金を使ったばらまきか、あるいは選挙買収にしか見えません。全く国民を愚弄していると言わざるを得ません。
 定額給付金は、国民一人当たり一万二千円、ただし十八歳未満と六十五歳以上の方には八千円を加算して二万円とすることですが、本気で景気対策などと考えているのですか。それなら、派遣切りの雇用対策や高齢者医療など福祉の拡充に活用すべきと考えます。まず、この点について麻生総理の見解を求めます。
 この定額給付金は、元々、自民党の連立政権のパートナーである公明党が、過去の地域振興券に倣って減税対策として実現を求めたものでした。ところが、景気浮揚の効果がそれほどなかった過去の経験に照らして、自民党内の大勢は消極的で、ばらまき批判がくすぶっていたのに、公明党に押し切られる格好で決まりました。どう見ても、自民党が総選挙で公明党の協力を得ることに配慮したものです。
 国民の血税をこうした党利党略で二兆円も使うことを許していいのでしょうか。国の財布を預かる責任者の中川財務大臣、あなたは積極的に賛成したのですか。景気浮揚になると考えているのですか。また、閣内にはいろいろな意見があるようですが、あなた御自身は定額給付金を受け取るのですか。総理は受け取るのですか。また、公職選挙法の寄附行為との関係はどのようになるのですか。
 受給の対象となる世帯に対して所得制限を設けるかどうかをめぐっても、すったもんだした挙げ句、麻生総理は、最後は地方自治体に判断を丸投げするという無策ぶりでした。自治体の方はたまったものではありません。現に、松沢成文神奈川県知事は、所得制限を設けるかどうかは市町村に任せるというものでは国の政策とは言えない、天下の愚策だと批判しました。当然であります。各自治体の首長の共通する思いだと同感をいたします。また、京都市議会では定額給付金制度の見直しを求める意見書を可決するなど、反発が広がっています。こんな様子では、果たして三月までに給付金が国民の手に届くのですか。自治体の規模も様々であり、大きな混乱が予想されます。
 そこで、お聞きします。所得制限を設けるよう主張された与謝野経済財政担当大臣、今のお気持ちはいかがですか、率直な感想を話してください。さらに、自治体への丸投げは妥当な政策と言えるのか、鳩山総務大臣の見解もお聞きします。
 次に、問題点として指摘したいのは、定額給付金の財源についてであります。
 財源として、いわゆる霞が関の埋蔵金、つまり特別会計の余剰金を充てることにしたことです。今回の、財政投融資特別会計の金利変動準備金のうち余剰金を、わざわざ法改正をしてまで一般会計に繰り入れて財源に充てることにしました。この特別会計は、国債の返済に活用するのが本来の目的であったはずです。
 同じように、埋蔵金を地方交付税の一兆円増額や雇用創出のために経済緊急対策予備費などにも充てることに決めましたが、それでは財政規律を乱すことになりませんか。泥縄的な、まさしくつじつま合わせとしか言いようがありません。なぜ余剰金は国債返済にし定額給付金に国債発行を充てないのですか。
 麻生総理、あなたは小泉内閣以来の財政再建路線を放棄したのですか。総理及び中川財務大臣、明快な見解をお聞かせください。
 政府・与党のちぐはぐな対応ぶりは、目玉の一つである一兆円の地方交付税をめぐっても明らかになりました。麻生総理の肝いりで打ち出したわけですが、地方交付税とするのか、それとも地方交付金なのかで自民党の中でもめにもめました。麻生総理自身は当初、地方が自由に使えるよう配分をすると強調し、地方交付税とする方針だったはずです。ところが、自民党のいわゆる道路族議員は、地方交付税では道路予算として使い勝手が悪いとして猛反対、結局、使途を道路事業に限る地方交付税とすることで決着が図られました。実質的には交付金と言えるものです。なぜ地方交付税にしなかったのですか。麻生総理の指導力不足を示すものです。道路建設事業に代表される公共事業を抑制する小泉内閣以来の政府方針を改めたのですか。麻生総理のお考えをお聞きします。
 昨年暮れの平成二十一年度予算編成では、道路特定財源の一般財源化も骨抜きになりました。税収見込み三兆一千億円のうち、道路予算は二兆七千六百九十億円と全体の九割近くを占めることになりました。道路関係以外に使われるのはわずか最大で二千四百億円にとどまりました。
 この一般財源化問題は、最初は医療費や少子化対策など社会保障関連の費用に充てるはずではなかったのですか。中川財務大臣、どうしてこうなったのか、納得のいく説明をしてください。
 第三の提案は、実効性のある雇用対策です。
 私たち民主党、社民党、国民新党の野党三党は、さきの国会で緊急雇用対策四法律案を提出をしました。
 総理、あなたは昨年暮れ以来、日比谷公園で派遣切りされた勤労者への炊き出しやテント村の状況を御覧になりましたでしょうか。
 非正規雇用の失業者が三月末で八万五千人を超える勢いを見せ、雇用問題は正規雇用の労働者にも波及してきています。トヨタショックの言葉に象徴されるように、自動車を始め電機メーカーなど日本の基幹産業がいずれも深刻な雇用危機に直面しています。早急に効果的な雇用対策を実行すべきであるにもかかわらず、政府の緊急雇用対策に盛り込まれた内容はとても満足のいくものではありません。民間のエコノミストから口をそろえて雇用創出の持続性などその効果に疑問を投げかけたのも至極当然であります。
 政府案は、非正規雇用の失業者の再就職を支援し、住宅の確保や事業者への助成金、雇用保険料の引下げなどを盛り込んではいます。しかし、補正予算とその関連法律案が成立するころには更に事態が深刻化してくる可能性が十分にあります。その場合には、新たに追加雇用対策を打ち出すつもりですか。麻生総理、中川財務大臣、今回の雇用対策の評価と併せて、今後の対応策について説明を求めます。
 そして、私たち野党三党が昨年暮れに提出した緊急雇用対策四法律案を与党が衆議院で否決したことは誠に残念でした。一刻も早く雇用危機に対処するため、今必要な対策を適宜盛り込んだ法律であり、国民の雇用不安を解消するのに役立つ内容であったからでございます。
 野党案は、具体的には、採用内定取消し規制法案で企業による安易な採用取消しを防止します。派遣労働者等解雇防止特別措置法案は、いわゆる派遣切りを防ぐため、雇用調整助成金について、要件の緩和や助成の増額、支給日数の延長などを行うものでした。さらに、住まいと仕事の確保・雇用保険制度拡充法案では、住居を失った派遣労働者等に対し、職業訓練や職業紹介とセットで住宅を貸与し、生活支援金を給付することにしていました。有期労働契約遵守法案では、有期労働契約の締結事由や差別的取扱いの禁止、契約期間途中の退職制限などを盛り込みました。
 与党は、既に政府案に盛り込み済みという理由だけで、衆議院においては野党案を葬り去りました。野党案の方が明らかに国民のニーズを満たしております。まだ決して遅くはありません。是非復活させるべきだと考えますが、麻生総理、いかがですか。
 そして、四つ目の提案は、補正予算で実施すべき緊急対策です。
 政府の追加経済対策には、定額給付金のほか、高速道路料金を引き下げるための五千億円、介護従事者の処遇改善費一千四百九十一億円、学校耐震化費七百八十六億円などを盛り込み、そのための財源として、財政投融資特別会計から四兆一千五百八十億円、地方公営企業等金融機構の給付金三千億円、そして建設国債などを充てることにしていますが、これらの中身は緊急というには程遠いものであり、いずれも平成二十一年度予算と合わせてどうにか格好が付くものになっており、いかにもお手盛りの感がぬぐえません。
 なお、一兆円規模の住宅ローン減税や中小企業の法人税、自動車関連税の減免についても、その効果は疑わしいと言わざるを得ません。
 これに対しまして民主党は、中小企業の信用保証枠の拡大、中小企業向け法人税率の半減、雇用調整助成金の大幅拡充を提案しました。また、政府案への対案として、中小企業への融資条件の情報公開を金融機関に義務付ける金融アセスメント法案、大企業による不当な値引き要求を禁止する中小企業いじめ防止法案、契約を解除された非正規労働者に向け住宅支援や雇用保険の給付要件を見直す契約停止された派遣労働者の就労支援法案を提案しています。
 さらに、民主党は内需拡大策として、恒常的に中学校卒業までを対象に一人当たり月額二万六千円を支給する子ども手当法案、都市部を除く高速道路を無料化する高速道路無料化法案、そして道路特定財源暫定税率を廃止する道路特定財源税率廃止法案も提案、今国会に提出を考えております。
 国民の皆さんにとって、私たちの提案の方がはるかに効果を上げる内容であります。麻生総理、中川財務大臣、政府案に代わって民主党案を採用すべきではありませんか。御意見をお聞かせください。
 終わりに、総理は近々訪韓されると伺っておりますが、あなたが長年否定してきた旧麻生鉱業による連合軍捕虜の徴用を昨年末に日本政府が認めました。そして、昨日の本会議であなたも明らかにいたしました。麻生鉱業による朝鮮人徴用の有無も明らかにしてはいかがですか。過去を検証し、歴史に対して誠実な姿勢を示すことは、両国の真の友好促進に役立つのではありませんか。総理の御答弁を求めます。
 さて、麻生総理、あなたは四日の記者会見で、安心と活力と書き初めを披露されました。国民の大半は、そんなパフォーマンスには飽き飽きしています。求められているのは有言実行です。求められているのは有言実行です。職を奪われ、寝るところもない非正規労働者の増大に、総理、財務大臣、心は痛みませんか。
 あなたは、就任以来、私たち民主党を政局優先と批判し、自らは政策を重視すると強調され、とりわけ景気対策についてはスピードを強調されてきました。しかし、私たちが国民の意思を体現して第二次補正予算案の臨時国会提出を提案したのに、何ら耳を傾けず、経済状況の悪化を放置してきました。あなたの言葉には重さがありません。口先だけなのです。度重なる政策のぶれ、失言、誤読、あなたが著しく総理大臣としての資質に欠けていることを証明しました。国民はもはやあなたから離れております。自らの不明を恥じて、潔く総理の座から身を引くべきではありませんか。それとも、一日も早く衆議院を解散し、国民に信を問うべきです。国民は、米国と同様、政権の座を民主党にチェンジしてくださるでしょう。
 私たち民主党は、いつでも自民党に取って代わり、国民の生活が第一、国民のための政権の準備を整えております。速やかな衆議院解散・総選挙の実現を強く求めて、私の代表質問を終わります。
 国民の皆さん、御清聴ありがとうございます。心から感謝申し上げます。(拍手)
   〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#7
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 山下議員の質問にお答えをいたします。
 まず最初に、定額給付金についてお尋ねがありました。
 定額給付金は、景気後退下での生活者の不安にきめ細かく対処するため、家計への緊急支援であります。あわせて、家計に広く給付することにより消費を増やす経済効果もあります。生活対策における重要な施策の一つと考えております。国民からは、給付を待っているという声もあります。第二次補正予算から撤回、切り離すことを考えておりません。第二次補正予算は、野党の協力もいただき、できるだけ早く成立をさせたいものだと考えております。
 次に、定額給付金は雇用対策や福祉の拡充に活用すべきとの御指摘がありました。
 もちろん、派遣切りの労働者の方々の雇用対策や高齢者医療など福祉の拡充についても力を入れておりますのは御存じのとおりです。例えば、派遣先が派遣労働者を雇い入れた場合に助成するとともに、高齢者医療制度について所得の低い方の保険料負担の軽減などを行っているところです。
 定額給付金を受け取るかとの御質問がありましたが、寄附行為との関連をどうかとの御質問もありました。定額給付金を受け取るかどうかは、今後私自身で判断をいたします。なお、政治家が選挙区内で寄附を行うことが一般的に法律で禁止をされておりますのは御存じのとおりであります。
 定額給付金の財源についてお尋ねがありました。
 定額給付金を含めた生活対策などの財源として赤字公債を発行することは、国民や市場に対して財政健全化に向けた姿勢が後退したとの印象を与えるおそれがあります。また、その結果として、国債市場に対して影響が生じる懸念もあります。
 このため、対策の財源としては、極力赤字公債に依存しないこととし、当面の緊急的な対応として、臨時的、特例的に財政投融資特別会計の金利変動準備金の活用などを行っております。これにより、財政健全化に向けた基本的方向を堅持したものといたしております。
 道路特定財源についてのお話がありました。
 新たな交付金については与党において御議論をいただき、地方からの要望を踏まえ、地方の道路整備の必要性や財政の状況に配慮し創設することとしたものであります。さらに、これとは別に、雇用創出などのため、地方公共団体が自由に使える財源である地方交付税も一兆円増額することといたしております。
 なお、二十一年度における公共事業関係費につきましては、特殊要因を除いて二十年度当初予算と比較すれば五・二%の減額となっており、引き続き歳出改革を進めているところであります。
 雇用対策の評価と今後の対応についてのお尋ねがありました。
 派遣労働者を始めとする非正規労働者の大量離職、新規学卒者の内定取消しなどが生じていることについて大変憂慮をいたしております。このため、特に緊急を要する住宅・生活対策として、雇用促進住宅での受入れや住宅・生活資金の貸付けなどを既に実施をいたしております。
 さらに、国会に提出した二次補正予算案や二十一年度予算案におきましても、派遣労働者、年長フリーターなどを正規雇用した企業に対する助成、雇用創出のための四千億円の基金の創設、雇用保険制度の非正規労働者への適用基準緩和を実施するとともに、一部の自治体が緊急対応として実施をしております臨時職員の採用などに対する特別交付税での支援を行うなど、これまでにない規模、内容の雇用対策を実施することといたしております。あわせて、今後の経済情勢の変化に機敏に対応できるよう、二十一年度予算案では経済緊急対応予備費一兆円を確保することとしております。
 次に、野党提出の緊急雇用対策四法案についてのお尋ねがあっております。
 雇用は生活の糧であり、最も優先して取り組んでいく課題と認識をいたしております。その点で雇用対策の緊急性、必要性の認識としては全く同じであります。
 野党三党の法案は政府の雇用対策とも一部共通しますが、政府の対策には野党法案にはない四千億円の基金による雇用創出などが盛り込まれております。野党案に含まれております雇用促進住宅の提供などは法改正によらず実施可能でありまして、政府としては既に実行いたしておりますのは御存じのとおりであります。
 なお、実効ある雇用対策を迅速に実行していくためには、当然のことながら、予算の裏付けが必要であります。二次補正予算案、さらに今後提出する来年度予算案の速やかな成立をお願いをいたします。
 補正予算案で実施すべき緊急対策についてのお尋ねがありました。
 現下の世界的な金融経済情勢に対応し、国民生活と日本経済を守るため、政府・与党は生活対策及び生活防衛のための緊急対策を取りまとめました。これらの対策は、雇用問題及び企業の資金繰り確保を現下の緊急課題として最優先しつつ、住宅投資や設備投資を促すことなどにより、雇用や内需を下支えしていくものであります。
 民主党が提案をされている経済対策の中には、こうした政府の対策に盛り込まれているものもあり、また必ずしも財源の裏付けが明確でない政策もあります。
 政府としては、実効ある経済対策を速やかに実行していくことが最大の景気対策であることと考えておりまして、対策の裏付けとなる第二次補正予算を一刻も早く成立させることが必要であると考えております。
 朝鮮半島出身の徴用者に関するお尋ねがありました。
 戦前及び戦中における朝鮮半島出身者の入国経緯を明らかにすることは困難であります。
 政府としては、平成二年の日韓外相会議の際に、韓国側から徴用者の名簿の入手について協力要請があったことを受けて、我が国では、労働に従事してきた朝鮮半島出身の労働者に関する名簿について旧労働省を中心に調査を行いました。その結果、約十一万人弱分の名簿を平成三年及び四年に既に韓国政府に提出をいたしております。
 なお、お尋ねの麻生鉱業について、同社が経営していた炭鉱において朝鮮半島出身者が労働に従事していたことは、同社関係資料などにも記述があり、既に明らかにされていることと理解をいたしております。
 最後に、早急に衆議院を解散せよとの御主張がありました。
 何度も申し上げておりますように、日本は今、世界的な金融恐慌、金融危機の中で、景気が悪化をいたしております。この不況から脱出するため、早急に予算を成立させて景気対策を打つこと、これが今、国民が望んでいることであります。解散・総選挙をしているときではないと考えております。
 チェンジすればすべてが良くなるかのように言う人がいます。しかし、景気回復にせよ、安心できる社会保障制度にせよ、具体的な施策を積み上げなければ改革は進まないと考えます。私と与党とは、責任ある政策を打つことによって国民の期待にこたえてまいりたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣中川昭一君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(中川昭一君) 山下議員の御質問にお答え申し上げます。
 第二次補正予算案から定額給付金を切り離すこと、第二次補正予算の成立が大きく遅れた場合の責任についてのお尋ねでございます。
 定額給付金は、景気後退下での生活者の不安にきめ細かく対処するため、家計への緊急支援として実施するものであり、あわせて、家計に広く給付することによって消費を増やす経済効果もあるものでございます。このように、定額給付金は生活対策における重要な施策の一つと考えており、第二次補正予算から切り離すことは考えておりません。
 国民生活と日本経済を守るため、第二次補正予算の早期成立が是非とも必要と考えており、野党の御協力もいただき、できるだけ早く成立させていただきたいと考えております。
 定額給付金に対する考え方や景気浮揚についてのお尋ねがありました。
 繰り返しになりますが、定額給付金は家計への緊急支援としてだけではなく、消費を増やす経済効果もあると考えております。経済効果につきましては、実質GDP成長率を〇・二ポイント程度押し上げる効果があると見込まれております。
 また、定額給付金を受け取るつもりがあるのかとのお尋ねでございますが、私個人の対応につきましては、補正予算及び関連法案が成立し、地方公共団体の具体的な運用を踏まえて検討したいと考えております。いずれにいたしましても、景気回復のため、必要な消費により内需拡大に寄与していきたいと考えております。
 定額給付金の財源についてのお尋ねがありました。
 定額給付金を含めた生活対策等の財源として赤字国債を発行することは、国債市場に対する影響も懸念されます。このため、対策の財源としては極力赤字国債に依存しないこととし、当面の緊急的な対応として、臨時的、特例的に財政投融資特別会計の金利変動準備金の活用等を行っていきます。これにより、財政健全化に向けた基本的方向性を維持したものとなっております。
 道路特定財源についてのお尋ねがございました。
 道路特定財源の一般財源化とは、揮発油税等を道路整備に使うという義務付けをやめるということであり、この意味で道路特定財源は、平成二十一年度から様々な政策に使い得るようすべて一般財源化をしております。このように、今回の改革は、一般財源化を定めた昨年五月の閣議決定等の趣旨に沿ったものと考えております。
 なお、地方からの要望も踏まえれば、真に必要な道路を着実に整備することも重要なことであると考えております。
 また、あわせて、新たに創設される交付金の一部を削減して社会保障へ六百億円の財源拠出も行うこととしております。
 今回の雇用対策の評価と今後の対応についてのお尋ねでございます。
 政府は、雇用問題を最重要課題の一つと位置付け、果断な対策を実施することとしております。具体的には、昨年中より住宅・生活対策として、雇用促進住宅での受入れや住宅・生活資金の貸付けを開始しております。
 また、第二次補正予算におきましては、過去最大の四千億円の基金を創設し雇用創出を図るなど、現在の雇用情勢等を踏まえた対策を盛り込んでおるところでございます。
 さらに、当初予算におきましては、非正規労働者等への雇用保険の給付の充実、派遣労働者等を正規雇用した企業への助成、雇用創出等のための地方交付税増額、経済緊急対応予備費の新設等を行うこととしております。
 政府といたしましては、引き続き雇用情勢を注視しつつ、雇用対策に万全を期していく所存でございます。
 補正予算で実施すべき緊急対策についてお尋ねがございました。
 現下の経済金融情勢に対応するため、政府・与党は、生活対策及び生活防衛のための緊急対策を取りまとめました。これらの対策では、雇用問題及び企業の資金繰り確保を最重要課題として、解雇等により住居を失う方への住宅・生活支援などの雇用対策、中小・小規模企業の資金繰り円滑化に向け、緊急保証と政府系金融機関等による貸付けの三十兆円規模への拡充等々、現下の緊急課題に対応した適切な措置が盛り込まれているものと考えております。
 また、住宅ローン減税などによる住宅投資の活性化や省エネ・新エネ設備投資減税などによる設備投資促進など、内需拡大による確実な経済成長に資する施策が盛り込まれております。
 民主党が提案されました経済対策の中には、こうした政府の対策に盛り込まれているものもございますし、また、必ずしも財源の裏付けが明確でないものもございます。
 政府といたしましては、実効ある経済対策を速やかに実行していくことが最大の景気対策であると考えており、対策の裏付けとなる第二次補正予算を一刻も早く成立させていただく必要があると考えております。(拍手)
   〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(与謝野馨君) 定額給付金につきましてお尋ねがございました。
 定額給付金については、決定した内容を政府として整然と実行していくことが必要であると考えております。(拍手)
   〔国務大臣鳩山邦夫君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(鳩山邦夫君) 今回の定額給付金の給付は自治事務でございまして、事業主体は市町村ですが、制度の構築については国が責任を持って行うものでございまして、それに要する経費についても国が全額措置するものとなっております。
 私は、麻生総理大臣が最初に生活対策としてこの定額給付金は全世帯に渡すとおっしゃったことが基本であり、一番いい形だと思っております。
 その後、確かに、一定の所得以上の方、高額所得者についてどうするか。申し訳ないことですが、私も高額所得者かもしれません。したがって、民主党の幹事長も高額所得者だろうと思います。そういう人たちをどうするかという問題があったわけです。
 しかしながら、税務情報というのはほかに使うことはできません。また、所得の確定というのは、例えば住民税段階でいえば、来年の六月まで確定をしない。したがって、所得制限を加えるというのはなかなか難しいことでありますが、あえて市町村が所得制限をしようというのであるならば、それは妨げないとしているわけでございますが、私としては、全国民がにこにことして受け取る、そういう形が望ましいと思い、一番シンプルな形を求め続けてまいります。
 いずれにいたしましても、制度の構築については国が責任を持っておりますから、丸投げという批判は当たりません。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(江田五月君) 岩城光英君。
   〔岩城光英君登壇、拍手〕
#12
○岩城光英君 自由民主党を代表いたしまして、麻生総理並びに関係大臣に質問いたします。
 質問に先立ち、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスとの紛争についてでありますが、日々、被害が拡大しており、誠に憂慮すべき事態であります。政府におかれましては、様々な外交ルートを用いて、一日も早く停戦が実現するよう努められ、中東情勢の安定と平和が回復することを願ってやみません。
 さて、質問の第一は、世界の金融経済情勢についてであります。
 昨年九月のリーマン・ブラザーズの経営破綻により、急速に世界の経済金融情勢が悪化してきました。いわゆるサブプライムローン問題の深刻化が証券化市場の混乱を招き、アメリカ国内を震源とする金融危機が飛び火し、ついには世界各国の実体経済に激変をもたらしているのが現状であります。
 しかしながら、サブプライムローンの規模自体はアメリカのGDPの一割程度であり、しかもすべての借り手の返済が滞るわけではありません。それがどうして百年に一度と言われる世界的危機につながったのか、いまだ釈然としない思いをお持ちの国民も多いのではないでしょうか。
 そこで、世界的規模で起こっているこの問題について、中川財務大臣から国民の皆様に分かりやすく御説明願います。どうしてこんな事態に至ったのかを分析し、解決策を明確にすることが重要だと考えるからであります。
 質問の第二は、世界各国との政策協調についてであります。
 昨年十一月に、世界的な金融危機に対処するため、G20と言われる主要国がワシントンに集まり、金融サミットが開催されました。各国が政策協調と自助努力によって危機を乗り切り、世界経済を回復軌道に復帰させる方針が確認されたのであります。
 本年四月にロンドンで開催予定の第二回金融サミットまでに、各国は回復への道筋を付けることが望まれております。我が国におきましても、累次にわたる総額七十五兆円もの経済対策が効果を発揮し、金融機能や資本市場の正常化や景気回復への手掛かりをつかみ、世界各国からの評価につなげたいものであります。
 麻生総理は金融サミットを日本で開催したいとの意向を示されていたようですが、今後とも、G20やアメリカのオバマ新政権とも協調し、リーダーシップを発揮され、世界的な経済、金融の混乱からの脱出の陣頭指揮を執っていただきたい、そう願っております。総理の御覚悟と意気込みのほどをお伺いいたします。
 第三は、我が国の経済状態に関してであります。
 我が国経済も極めて厳しい状況に陥っています。世界経済の低迷から外需が伸びず、かつてより個人消費が盛り上がらない状態が続いており、住宅投資や公共投資も冷え込んだままであります。政府経済見通しによりますと、平成二十一年度の我が国の実質成長率はゼロということでありますが、民間研究所やエコノミストの見通しは押しなべてマイナス成長を見込んでおります。政府見通しは甘いと言わざるを得ないのではないでしょうか。仮に民間の見通しのようにマイナス成長になれば、今年度もマイナス成長の可能性が高いわけでありますから、二年連続のマイナスといったかつて経験したことのない長い期間にわたる景気の後退を経験することになります。
 麻生総理は全国各地へ視察に行かれ、社会的に弱い立場にある人々の生の声を広く耳にされていると伺っております。先日、朝のテレビ番組を見ておりましたら、お年玉を何に使うのかという街頭での質問に、高校生らしい若者が将来のために貯金しますと答えていました。ほほ笑ましいと思う反面、何か欲しいものもあるだろうになと、そんなふうにも思いました。それは、年金を始めとする社会保障の在り方、雇用状況など、世間の風評を肌で感じ、節約や節制の気持ちが根付いているからではないのかという印象を持ったのであります。
 総理が直接お話しされた消費者であり生活者である国民の皆様は、日常生活においてどのような点に不安や心配を抱えているのでしょうか。総理が実感されているそのままの御認識をお伺いいたします。総理が国民の声を直接受け止められたその上で、政府としては現在の我が国経済の状況をどのようにとらえ、そして将来の姿をどう描こうとしているのか、景気は必ず回復させるという強い決意を含めて、御見解をお示し願います。
 第四は、生活支援としての定額給付金についてであります。
 野党は、ばらまき的な政策であるとの批判の声を上げております。しかし、現下の経済状況を見ますと、消費を刺激するようなあらゆる対策を工夫し、早期に実行することの必要性は強調するまでもありません。その一日も早い支給を待ち望んでいる声も実際耳にしております。様々な商品、サービスの購入に向けられ、地域の商店の創意も働き、零細な商店が潤い、地域が活性化するきっかけになるものと期待をしております。
 その実施手法などについていろいろな意見もあるようですが、定額給付金に期待される効果がいかがなものか、麻生総理にお伺いいたします。
 第五は、雇用対策についてであります。
 雇用情勢が厳しさを増しています。パートや契約社員などの非正規雇用者の失職、新卒者の内定取消しなどの話を私の身の回りでも耳にするたびに身を切られる思いであります。大手、中堅、中小の企業規模あるいは業種を問わず、雇用調整が深刻化するのは避けられません。
 今回の第二次補正予算の大きな柱は、雇用対策であります。再就職支援、内定取消し対策、雇用調整助成金の拡充といった雇用を守る対策に加え、雇用促進住宅の活用や解雇労働者に対する住宅の供与など、雇用対策として総額一千六百億円が盛り込まれております。
 現在、国民が関心を寄せている最重要課題でもありますので、舛添大臣には、政府が行っている雇用対策をより具体的に御説明願います。
 第六は、企業の資金繰り対策についてであります。
 昨年の臨時国会では、テロ特措法の延長とともに大きな課題であった金融機能強化法が成立いたしました。これにより、国の資本参加の枠が十兆円増やされ、合計十二兆円にまで拡大しました。金融機関の自己資本が充実し、安心して地域の中小企業や自営業の方に融資を拡大でき、資金繰りが悪化しない、しっかりした措置が整えられたと評価するものであります。
 年末の資金需要期は信用保証協会の信用保証の拡大などが効果を発揮したところでありますが、今後、年度末にかけては更に多くの企業の資金需要の高まりが予想されます。
 中川大臣は、民間金融機関へも企業金融に向けた特段の配慮を依頼されたと聞いております。日銀との政策協調を含めて、企業金融の円滑化、安定化に向けた政策運営について、大臣の御見解をお伺いいたします。
 最後の質問は、地方そして中小企業対策についてであります。
 全国の市町村長を始めとする地方自治体関係者は、日夜、地域振興に心血を注いでおりますが、中心市街地でのシャッター通り化、地場産業の衰退など、地方経済は厳しい立場に立たされております。
 しかし、厳しいからといって気持ちがなえてしまっては活力は生まれてまいりません。
 福島県南会津の尾瀬国立公園入口にあります人口わずか六百人強の檜枝岐村は、観光立村を旗印に地域おこしに取り組んでおりますが、一人当たり所得が県平均を上回り、人口減にも歯止めが掛かっております。
 また、それまで地域を支えてきた石炭産業が衰退し、閉山に追い込まれつつあった四十数年ほど前のこと、いわき市にリゾート施設が誕生しました。それまでは邪魔者扱いであった炭鉱から排出する温水を逆転の発想で活用したものです。その誕生のいきさつは、映画「フラガール」で御存じの方も多いかと存じますが、今でも年に二百万人近くの集客力を持つ観光拠点として地域に貢献しております。
 私は、地方自治体がそれぞれの持つ歴史、文化、伝統、置かれている環境などの個性、特性を生かした地域づくりに取り組むことが基本だと考えております。そのためには、行政と住民、官と民の協働作業により、地域が自立し、創意工夫を図っていくことが大切であります。
 しかしながら、現状の経済下にあっては地域の活力にも限界があり、全国一律ではなく、その地域地域の実情に応じて国が地方の活性化策づくりを支援し、地方と一体となって今まで以上に強力に推進できるような仕組みが求められているものと認識しております。
 総務大臣の御経験を踏まえた麻生総理の地方再生へ向けた御見解をお伺いいたします。
 また、我が国には約三百万の企業がありますが、その九九%は中小企業であり、雇用者数でも八〇%を占めております。しかし、現状では仕事の確保にさえ苦しむような状況となっております。中小企業が活力を取り戻さなければ、日本は元気になりません。中小企業に対する現状認識とその打開策について、改めて総理の御所見をお示し願います。
 麻生総理は、国会の首班指名により選任され、就任なされました。民主主義のルールに基づいて就任されたわけであり、国民の信任を受けていると理解するのが国会開設以来の我が国憲政上の基本的な考え方であります。
 今、国民は、かつてない地球規模の不況に襲われるのではないかとの不安を抱いております。一刻も早く第二次補正予算、そして平成二十一年度予算を成立させ、切れ目のない施策を講ずることによって日本の景気を回復させることこそ国民の皆様の切実な願いであります。
 麻生総理には、世界的規模で混迷が深まる現在の状況であるからこそ、我が国の将来を見据えて、国民一人一人が希望と生きがいを実感する国づくりに邁進されますよう強くお願いいたしまして、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#13
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 岩城議員の質問にお答えをいたします。
 まず最初に、世界的な経済、金融の混乱からの脱出にかかわる覚悟と意気込みについてのお尋ねがあっております。
 金融市場の混乱及び世界経済の減速から脱するには国際的な連携が不可欠だと私も考えます。この観点から、昨年十一月に開催されたワシントンでの緊急金融サミットで、日本の金融危機の経験を基に各国首脳に克服方法に関する提言をし、その多くは金融・世界経済に関する首脳会合宣言で取り入れられたのは御存じのとおりであります。今後、同宣言の迅速かつ着実な実施が重要であろうと考えております。かつて金融危機を克服した経験のある日本として、近々発足をいたしますオバマ新政権とも協力しつつ、リーダーシップを発揮することは当然であろうと考えております。
 次に、全国へ視察に行った実感についてのお尋ねがあっております。
 総理就任前に全国を回る機会を得ました。また、総理就任後も、できる限り地方の声を聴くように努めたいと思っております。東京にいるだけでは地方の本当の姿が分かりにくいからと考えるからです。そして、早い時期から地方の不況を実感したところであります。また、元気な地域、また、頑張っている人も大変多く会いました。しかし、一方で、将来に不安を感じる高齢者、雇用に不安を持つという方々の声もたくさんあります。これらの方々の声にこたえることが私の責務と考えております。
 また、日本経済の現状認識と景気回復の決意についてのお尋ねがありました。
 世界的な金融危機により世界経済が一段と減速をする中で、日本の景気は悪化をしております。私は、国民生活と日本経済を守る観点から、当面は景気対策、中期的には財政再建、中長期的には改革による経済成長という三段階で経済財政政策を進めてまいる所存であります。
 当面の景気対策としては、昨年十月に生活対策、さらに、十二月には生活防衛のための緊急対策を決定をいたしました。現下の厳しい経済情勢の下、これらの対策を迅速に実施することが最善の景気回復対策だと思っております。本補正予算案また関連法案の一刻も早い成立をお願いいたしておるところであります。
 次に、定額給付金の効果についてのお尋ねがありました。
 定額給付金は、景気後退下での生活者の不安にきめ細かく対処するため、家計への緊急支援であります。あわせて、家計に広く給付することにより、消費を増やす経済効果もあります。生活対策における重要な施策の一つと位置付けております。給付金を受けた皆様を元気付けるとともに、実質GDP成長率の押し上げ効果もあるなど、単年度限りの措置ではありますが、持続的成長へのきっかけとして大きな意義を有するものと考えてもおります。早急に実施する必要があると考えております。
 地方再生についてお尋ねがありました。
 前々から申し上げておりますように、地方の元気が日本の元気の源であります。御指摘のように、地方が持つ優れた産業、御指摘のありました伝統文化などを引き出していくことが大変重要だと思っております。
 このため、政府としては、地域の創意工夫による活性化策を構想の段階から支援する地方の元気再生事業などを通じて、地域の取組を応援してまいります。あわせて、地方の財政力強化も不可欠であります。地方交付税を一兆円増額するとともに、生活対策に基づく地域活性化・生活対策臨時交付金を創設いたします。これらにより、地方の再生を一層支援してまいりたいと考えております。
 中小企業対策についてのお尋ねがありました。
 我が国全体で七割に上る二千七百八十万の雇用を創出するなど、日本の各地域の産業を支え、雇用を支え、暮らしを支えているのは中小・小規模企業であろうと存じます。しかしながら、中小・小規模企業を取り巻く環境は、業況判断のDI、ディフュージョンインデックスが九四年以降で最悪の数字となるなど、極めて厳しい状況にあると認識を持っております。
 こうした厳しい環境に直面する中小・小規模企業を支援するため、資金繰り支援を強化し、保証二十兆円、融資十兆円、合計三十兆円規模の対策に拡大するとともに、セーフティーネット貸付けの金利の引下げを実施するということが必要であろうと考えております。さらに、中小・小規模企業の体質強化も極めて重要であろうと存じます。新たな事業に挑戦する中小・小規模企業への支援などにも強化していくことが大変必要であろうと思っております。これらの対策を迅速に実施するための二次補正予算案の一日も早い成立をお願いをしておるところであります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣中川昭一君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(中川昭一君) 岩城議員の御質問にお答え申し上げます。
 世界的規模で起こっている金融経済危機についてのお尋ねがありました。
 アメリカなどでは、コンピューターを活用した複雑な金融技術革新や規制緩和を背景として、証券化商品や金融派生商品といった新しい金融商品が開発され急速に普及していきました。そのような状況の下で、金融機関等は多額の借入れによってこうした金融機関への投資を増やしていきましたが、適切なリスク管理がなされていなかった結果、多額の損失を被り、サブプライムローン市場にとどまらず、グローバル化により世界の金融市場全体が混乱に陥ったものと認識をしております。
 このような金融市場の混乱は、平成十九年夏以降世界的に広がり、昨年九月のリーマン・ブラザーズ社の破綻をきっかけに深刻さの度合いを一段と増し、百年に一度とも言われる危機に陥りました。金融市場の混乱は信用収縮を通じ、先進国にとどまらず新興国の実体経済にも悪影響を及ぼし、世界的な景気後退が生じていると認識をしております。
 年度末に向けた企業金融の円滑化、安定化に向けた政策運営についてのお尋ねでございます。
 我が国の景気が悪化する中で、企業の資金繰りも大変厳しい状況となっており、金融機関による適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮が一層重要となっております。
 御指摘のとおり、政府としては、昨年末までに、中小企業等の資金繰りに万全を期すべく、緊急保証制度の開始に加え、改正金融機能強化法の迅速な施行、自己資本比率規制の一部弾力化、貸出条件緩和債権に該当しない場合の取扱いの拡充等、様々な措置を講じてまいりました。また、金融機関の代表を集めて、私から直接、金融円滑化に向けた要請を繰り返し行っております。
 さらに、今後、金融機能強化法に基づく国の資本参加枠の拡大、緊急保証枠及び政府系金融機関による貸付枠の拡充、日本政策金融公庫の危機管理対応業務を活用した中小企業のみならず中堅・大企業の資金繰り対策等の施策を講じることとしております。
 日本銀行を始め関係機関と連携しつつ、年度末に向けてこれらの施策をしっかりと実施し、企業金融の円滑化に万全を期してまいります。(拍手)
   〔国務大臣舛添要一君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(舛添要一君) 雇用対策についてお尋ねがございました。
 雇用情勢が厳しさを増す中、政府におきましては、既に社員寮等から退去を余儀なくされた住居喪失者の方々に対し、全国の主なハローワークにおいて雇用促進住宅への入居あっせん、賃貸住宅入居のための資金貸付けや就職のための相談を行っているほか、内定を取り消された学生等への就職支援や企業への指導の強化を実施しております。
 さらに、中小企業が労働者に休業や訓練などを行わせながら雇用を維持する場合に費用の八割を助成する中小企業緊急雇用安定助成金を創設し、厳しい環境の中でも解雇等を行うことなく雇用を維持できるよう、事業主の方々に対する支援を実施しているところでございます。
 これらに加えまして、二次補正予算を始めとして、都道府県において雇用創出のために過去最大の規模となる四千億円の基金の創設、雇用失業情勢の厳しい地域における離職者訓練の強化や訓練期間中の生活保障給付の拡充、派遣先が派遣労働者を雇い入れた場合の助成措置など、効果的な雇用対策を速やかに実施できるよう努めてまいります。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(江田五月君) 風間昶君。
   〔風間昶君登壇、拍手〕
#17
○風間昶君 私は、公明党を代表して、さきの財政演説に関し、麻生総理大臣及び関係各大臣に質問いたします。
 百年に一度という今までに遭遇したことのない危機だからこそ、異例となる一月五日に国会を召集し、非常時の経済対策を取ったということは極めて重要と認識しております。したがって、国民生活、日本経済のために有益な諸施策を盛り込んだ平成二十年度第二次補正予算及び関連法案について真摯な議論を行い、速やかに結論を出し、切れ目のない対応を続けていくことが最大の景気対策と考えます。いたずらに審議を引き延ばしたり、政局の駆け引きの道具としてこれらを利用することは絶対に国民の理解が得られないということを申し上げた上で、以下の具体的な項目について質問いたします。
 まず、生活支援対策として盛り込まれました定額給付金についてお伺いします。
 この定額給付金は、控除額以下の税負担をしている方や課税最低限以下の方に給付を実施することから、所得再分配効果を高めることができます。また、国民からちょうだいした税金を戻す還付金という考え方で、米国や英国を始め世界各国が実施している給付付き税額控除制度と同様の効果をもたらすことが期待されております。
 さて、経済効果について、当初、政府の試算では最終消費支出を〇・一%押し上げるとしていましたが、昨年十二月十九日の経済見通しで〇・三%の押し上げ効果があると見直しました。二兆円で〇・三%の押し上げ効果のある政策は今のところほかに見当たりません。大変な経済効果だと思います。この試算では、二兆円の定額給付金の何割が消費に回ると前提を置かれているのでしょうか。もう一つ、仮に二兆円のすべてが消費に回るとしたら消費の伸びはどれくらいになるのでしょうか。経済財政政策担当大臣に伺います。
 また、第二次補正予算成立後、各地方で消費していただけるよう給付事務を実施する各地方自治体が知恵を出しているところもあると伺っておりますが、その実態を把握して、更に十分な支援を行うべきと考えますが、総理に伺います。
 次に、中小企業対策について伺います。
 景気が急速に悪化する中、企業倒産が増加し、昨年は五年ぶりに一万五千件を超え、とりわけ上場企業の倒産は戦後最多となりました。
 第一次補正予算により、信用保証協会による六兆円規模の緊急保証制度、日本政策金融公庫などによる三兆円規模のセーフティーネット貸付けがスタートしました。このうち、緊急保証制度は十月末から十二月末までで十七万件、約四兆円となっており、前年同期比三十倍と、かなり活発に利用されたと考えられます。
 ある地方の具体的な事例として、過去に保証人となって、その相手が行方不明になったため保証協会に対して月々二万円の返済をしている方がいます。今回、自分自身の融資を希望した際、市の相談窓口では、いったん保証人の債務を一括返済しないと融資が受けられない、また、たとえ融資が受けられたとしても、保証人分の負債額の五〇%を返済に回さなければならないとのことでした。しかし、その方が保証協会の窓口に何度も直接相談した結果、保証人分の負債額の一〇%相当額を事前返済すれば融資が可能であるとの回答が得られました。
 ほんの一例ですが、このように、わずか二か月の間で十七万件を超す中小企業者が年を越すことができ、これにより百万人規模の雇用が確保されたとも言える事実をもっと政府としてPRしていくべきだと考えますが、総理、いかがでしょうか。
 こうした中、今回の第二次補正予算により、緊急保証制度やセーフティーネット貸付けは更に三十兆円規模に拡大されたということは極めて重要であります。しかしながら、経済状況は更に一層深刻になっており、未曾有の経済危機であります。まだまだ多くの中小企業は年度末決算を乗り切れるかどうかの瀬戸際にあり、このような政策が決定されても、第二次補正予算が早期に成立しなければその効果は十分に発揮できません。この第二次補正予算を早期に成立させることへの総理の決意をお伺いいたします。
 次に、雇用対策について伺います。
 景気後退に伴う生産活動の急速な縮小などにより、とりわけ派遣労働者など非正規雇用の方々に極めて深刻な事態が生じております。厳しい冬を迎え、仕事とともに住居を失った方、あるいはその可能性がある方々への支援については一刻の猶予も許されません。
 雇用の維持及び創出について第二次補正予算では様々な対策が盛り込まれておりますが、それらの対策については、一部の地方自治体などでしか行われていない緊急的な臨時職員の採用を各自治体などが行っていくことや、民間企業については社会的責任の観点からも労組が主体的に雇用維持に取り組むことなど、官民一体となって集中的に講じる必要があると考えますが、総理のお考えをお伺いします。
 次に、妊婦健診について伺います。
 第二次補正予算において、妊婦が経済的負担を心配せずに、必要と言われている平均十四回の健診が受けられるよう公費負担の拡充が盛り込まれましたことは高く評価するものであります。しかし、子育てをめぐっては地域により実情も様々であり、例えば北海道では、道内百八十市町村のうち妊婦健診ができるのは現在五十市町村ほどしかありません。健診回数が増えても、片道百キロ以上掛けて行かねばならないところもあります。離島の妊婦は海がしけたら帰れないという方もいらっしゃって、健診も命懸けです。こうした離島の妊婦に対して、北海道はフェリーの燃油サーチャージ分を補助することになりました。
 受ける妊婦さんの側に立ったきめ細やかな支援の充実を図り、安心して出産できる環境を整備していく必要があると考えますが、厚生労働大臣の御所見を伺います。
 景気回復には、将来につながる分野で政府が有効需要をつくり出すことが重要です。例えば環境分野では、生活排水対策を進めて地域の経済が活性化する浄化槽整備が挙げられます。第二次補正予算案に浄化槽整備モデル事業を盛り込んでいますが、今後、どのように浄化槽の整備を進めていくのか、特に財政力の弱い自治体における整備事業をどう後押ししていくのかについて環境大臣にお伺いします。
 以上、政府として緊急かつ総力を挙げて取り組むべき課題に絞って質問いたしました。総理始め関係閣僚の国民に勇気と希望を与える積極的な答弁を期待し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#18
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 風間議員の質問にお答えをいたします。
 まず最初に、定額給付金についてのお尋ねがありました。
 定額給付金は、実際に使われてこそ消費の拡大効果が生じるものであります。定額給付金の給付時期に合わせて、商工関係団体が特典付商品券を発行する、商店街が消費拡大セールを行うなどが一部の地域では既に検討されておりますのは御存じのとおりです。
 国といたしましては、何よりも早期に実施できるよう、単純、シンプルな仕組みというものを構築するとともに、地域の様々な取組について積極的に情報提供を行って、市町村の支援に努めてまいりたいと考えております。
 中小・小規模企業の資金繰り対策について周知ということについてお尋ねがありました。
 緊急保証制度は、十月末の開始以降、昨年中に三兆九千億円、昨日で約四兆円を突破する実績を上げております。十七万件を超えるという御指摘がありましたが、多くの中小・小規模企業の方々に御利用をいただいておるところであります。これまで、三百万部を超えます広報チラシを配布、テレビ、新聞の広報など施策の周知に努めてまいったところであります。今後、更に施策の成果も含めて、周知、広報に努めてまいりたいと考えております。
 第二次補正予算の早期成立についてのお尋ねがありました。
 年度末に関する中小企業の資金繰り対策も盛り込まれました第二次補正予算を早期に成立させ、速やかに実行することこそが最大の景気対策であると考えております。第二次補正予算は、一昨日、国会に提出したところでありますが、野党の御協力もいただき、できるだけ速やかに成立させたいものと考えております。
 最後に、官民一体となった雇用対策についてお尋ねがありました。
 解雇や雇い止めにより離職者が急激に増加をいたしております中で、雇用の維持、創出は何よりも重要な課題だと考えております。
 今般の雇用対策では、一部の自治体が緊急対応として実施をしております臨時職員の採用などというものを特別交付税で支援をしたいと考えております。都道府県に四千億円の基金をつくり、自治体自身による雇用拡大や民間企業などを通じた雇用創出を行ってまいります。また、地方交付税を一兆円増額し、雇用創出につなげていきたいと考えます。
 いろいろ申し上げましたが、これまでにない規模、内容の対策を講じて、官民一体となって雇用対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(与謝野馨君) 定額給付金の経済効果についてのお尋ねがございました。
 定額給付金のうち、どの程度が追加的な消費に回るかについては経済状況等により変わり得るものであります。二十一年度政府経済見通しにおいては、過去の地域振興券の例を参考にいたしますと、おおむね四割程度であろうと想定しております。仮に定額給付金二兆円のすべてが追加的な消費に回るということになりますと、民間消費支出の増加率を〇・七%ポイント程度押し上げる効果があると試算をされます。(拍手)
   〔国務大臣舛添要一君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(舛添要一君) 妊婦健診についてお尋ねがございました。
 妊婦が健診費用の心配をせず必要な回数、十四回程度でございます、この妊婦健診を受けられるようにすることは、安心、安全に出産できる体制づくりを進める上で重要であると認識しております。
 妊婦健診につきましては、現在、健康な妊娠、出産を迎える上で最低限必要な五回分を基準として、地方財政措置により公費負担しているところでございます。この度、第二次補正予算案におきまして妊婦健診公費負担の拡充を盛り込んだところであり、地方財政措置されていない残りの九回分について、平成二十二年度までの間、国庫補助、地方財政措置により二分の一ずつ支援することとしております。
 厚生労働省といたしましては、こうした取組を通じ、自治体と連携を図りつつ、引き続き妊婦健診の充実が図られるよう努めてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 浄化槽整備事業についてお尋ねがございました。
 財政力が弱く人口が分散している自治体にとっては、下水道整備よりも浄化槽の整備を中心に据えることで、財政的な負担を軽減し、効率的な汚水処理施設の整備が可能となります。
 今般の第二次補正予算案における浄化槽整備モデル事業では、助成率をこれまでの三分の一から二分の一に引き上げ、支援の一層の充実を図っているところでございます。また、別途補正予算に計上されている地域活性化・生活対策臨時交付金を地方公共団体の裁量で活用することにより、自治体の実質的な負担が著しく軽減された条件で浄化槽を整備していただくこともできると考えております。
 今般の予算案を第一歩として、より一層浄化槽整備の推進に邁進してまいります。(拍手)
#22
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#23
○議長(江田五月君) この際、お諮りいたします。
 西岡武夫君外九名発議に係る雇用と住居など国民生活の安定を確保する緊急決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。西岡武夫君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔西岡武夫君登壇、拍手〕
#25
○西岡武夫君 ただいま議題となりました民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び改革クラブの各派共同提案に係る決議案につきまして、発議者を代表し、提案申し上げます。
 案文を朗読いたします。
    雇用と住居など国民生活の安定を確保する緊急決議案
  現在、世界の金融市場は百年に一度とも言われている危機に陥っている。とりわけ非正規雇用者を中心に失業者が急増しつつあり、国民の雇用不安が広がっている。今後、正規雇用者を含む大量失業者の発生が憂慮される。
  政府は、このような事態に鑑み、離職者の住居など生活の安定の確保、円滑な再就職、職業訓練の実施など必要な支援を機動的に行うとともに、生活保護制度等の活用について緊急に全力で取り組むべきである。
  企業は安易な解雇や内定取り消しにはしる事なく、雇用の維持、確保に全力で取り組み、政府は、企業に対し雇用維持のための十分な支援を行うべきである。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#26
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本決議案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#27
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#28
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、本決議案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#29
○議長(江田五月君) ただいまの決議に対し、厚生労働大臣から発言を求められました。舛添厚生労働大臣。
   〔国務大臣舛添要一君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(舛添要一君) ただいまの御決議に対しまして、所信を申し述べます。
 雇用と住居など国民生活の安定の確保につきましては、これまでも雇用対策法を始めとする労働法制の適正な施行など、政府全体でその確保を図るための取組を進めてきたところであります。
 昨年には、雇用失業情勢が厳しくなる中で、国民の生活の安定のための各般の施策を盛り込んだ安心実現のための緊急総合対策、生活対策、生活防衛のための緊急対策を策定いたしました。
 特に、解雇、雇い止め等により住宅を失う方に対し、ハローワークにおける住宅と安定就労確保のための相談支援、住宅・生活支援の資金貸付け、雇用促進住宅や公営住宅への受入れ等を行っております。
 また、雇用保険のセーフティー機能の強化や中小企業における雇入れ助成の拡充等を通じて、円滑な再就職を促進するとともに、離職者訓練の実施規模を拡充するほか、都道府県における基金の創設等により雇用創出を図っていくこととしております。
 さらに、生活保護の実施については、生活保護法に基づき、迅速かつ適切に対応するとともに、雇用を維持する企業への助成措置については拡充を行っているところであります。
 政府といたしましては、ただいまの御決議の趣旨を踏まえ、雇用と住居など国民生活の安定を確保するため、関係施策の推進に全力で取り組む決意であります。(拍手)
#31
○議長(江田五月君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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