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2009/04/22 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 本会議 第19号
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2009/04/22 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 本会議 第19号

#1
第171回国会 本会議 第19号
平成二十一年四月二十二日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十九号
  平成二十一年四月二十二日
   午前十時開議
 第一 道路整備事業に係る国の財政上の特別措
  置に関する法律等の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 第二 我が国における産業活動の革新等を図る
  ための産業活力再生特別措置法等の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 農林物資の規格化及び品質表示の適正化
  に関する法律の一部を改正する法律案(衆議
  院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、特別委員会設置の件
 一、消費者庁設置法案、消費者庁設置法の施行
  に伴う関係法律の整備に関する法律案及び消
  費者安全法案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため、委員二十五名から成る消費者問題に関する特別委員会を設置いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、本特別委員会を設置することに決しました。
 本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
    ─────────────
   議長の指名した委員は左のとおり
○消費者問題に関する特別委員
      工藤堅太郎君    自見庄三郎君
      芝  博一君    島田智哉子君
      高橋 千秋君    徳永 久志君
      中村 哲治君    藤本 祐司君
      藤原 良信君    松井 孝治君
      森 ゆうこ君    柳澤 光美君
      石井みどり君    礒崎 陽輔君
      岩城 光英君    小池 正勝君
      佐藤 信秋君    塚田 一郎君
      森 まさこ君    山田 俊男君
      草川 昭三君    山本 香苗君
      大門実紀史君    近藤 正道君
      松下 新平君
     ─────・─────
#5
○議長(江田五月君) この際、日程に追加して、
 消費者庁設置法案、消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及び消費者安全法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。野田国務大臣。
   〔国務大臣野田聖子君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(野田聖子君) ただいま議題となりました消費者庁設置法案、消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及び消費者安全法案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、消費者庁設置法案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 社会の複雑化に伴い、消費者問題は複数の省庁にまたがる横断的なものとなっており、縦割り行政では適切に対応することが難しくなってきております。近年、生活の身近なところで大きな不安をもたらす数々の消費者問題が生じる中で、国民が安全、安心を実感できるように、我が国の行政の在り方を大きく転換することが求められております。
 振り返ってみますと、これまでの行政は、明治以来、各府省庁縦割りの仕組みの下で、事業者の保護育成を通じて国民経済の発展を図ってまいりました。こうした中、消費者の利益の擁護及び増進は、あくまで産業振興の間接的、派生的なものとして取り扱われてきたにすぎません。
 この法律案は、まさに消費者、生活者が主役となる社会を実現する国民本位の行政に大きく転換していくため、消費者庁を設置しようとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一は、消費者庁の設置、任務及び所掌事務等についてであります。
 消費者庁は、消費者庁長官を長として、内閣府の外局として設置され、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に向けて、消費者の利益の擁護及び増進、商品及び役務の消費者による自主的かつ合理的な選択の確保並びに消費生活に密接に関連する物資の品質に関する表示に関する事務を行うこととしております。
 また、消費者庁長官は、所掌事務に関し、関係行政機関の長に対し、資料の提出、説明その他の必要な協力を求めることができることとしております。
 第二は、消費者政策委員会についてであります。
 消費者政策委員会は、消費者庁に置かれ、消費者の利益の擁護及び増進に関する基本的な政策等に関する重要事項について調査審議や意見具申を行うとともに、法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理することをつかさどることとしております。
 また、消費者庁は、この法律の公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から発足することとしております。
 続きまして、消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、これまで各府省庁縦割りの仕組みの下で行われてきた消費者行政について、消費者庁を設置して一元的に推進することが必要であり、消費者庁の設置にあわせ、消費者に身近な問題を取り扱う法律を消費者庁に移管すること等により、消費者の利益の擁護及び増進等を効果的に図ることができるようにするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、内閣府設置法その他の行政組織に関する法律について、任務、所掌事務の変更等関係規定の整備を行うものであります。
 第二に、食品衛生法その他の関係法律について、内閣総理大臣及び消費者庁長官の権限を定める等関係規定の整備を行うものであります。
 第三に、所要の経過措置等を定めようとするものであります。
 最後に、消費者安全法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 近年、消費者の需要はますます多様化し、かつ、高度化しており、これに伴い、多種多様の事故やトラブルが生じるようになってきております。その中には、生命、身体に重篤な被害が生じたものや多額の財産的被害が生じたものも多数含まれており、その被害の回復には困難が伴います。そこで、国、地方公共団体その他の関係者が一体となって消費者の生命、身体、財産の安全の確保に関する総合的な施策を推進し、国民が安全、安心な消費生活を営むことができる社会を実現していくことが喫緊の課題となっております。このため、消費者の被害に関する情報の消費者庁による一元的な集約体制の確立と、当該情報に基づく適確な法執行の確保を図ることとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、内閣総理大臣は、消費者安全の確保に関する基本方針を策定するものとしております。
 第二に、都道府県及び市町村は、消費生活相談、消費者安全の確保のために必要な情報の収集、提供等の事務を行うこととし、これを行うための施設又は機関として、消費生活センターを都道府県は設置し、市町村は設置するよう努めることとしております。
 第三に、行政機関、都道府県、市町村及び国民生活センターは、生命、身体に関する重大事故が発生した旨の情報を得た場合は、直ちに消費者庁に通知することとする等、消費者庁による情報の集約体制を整備するとともに、消費者庁はこれを分析し、取りまとめ結果の概要を公表することとしております。
 第四に、集約した情報を基に、内閣総理大臣は、法律に基づく措置の実施が被害の発生、拡大の防止のため必要と認めるときは、当該措置の実施を関係各大臣に求めることができるようにするとともに、このような法律の対象とならない、いわゆるすき間事案であって、生命、身体に関する重大事故に係るものについては、自ら事業者に対し必要な措置をとるよう勧告し、また、急迫する危険があるときは、その原因となった商品の譲渡の禁止措置等をとることができることとしております。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院におきまして、消費者庁設置法案に対して、消費者政策委員会について、これを消費者庁に設置するものから内閣府に設置するものに改めるとともに、その名称について、消費者委員会に改称すること、また、消費者庁の任務の明確化及び消費者委員会の権限強化に関する一連の修正を行う等を内容とする修正が行われております。
 また、消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について、消費者政策担当大臣の総合調整機能の発揮の明確化を図るとともに、消費者庁設置法案の修正に伴って必要となる消費者委員会についての所要の修正を行う等を内容とする修正が行われております。
 さらに、消費者安全法案については、消費者庁設置法の修正と相まって、消費者庁の主任の大臣である内閣総理大臣及び消費者委員会の権限の明確化、強化を図り、より一層の消費者安全を確保するため、消費者委員会が行った勧告に基づき講じた措置について内閣総理大臣に報告を求めることができるようにすること等を内容とする修正が行われております。
 以上がこれら法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(江田五月君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。徳永久志君。
   〔徳永久志君登壇、拍手〕
#9
○徳永久志君 民主党・新緑風会・国民新・日本の徳永久志でございます。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました内閣提出の消費者庁設置関連三法案及びそれら三法案に対する修正案について、麻生総理及び野田消費者行政担当大臣に質問をいたします。
 これまでの消費者行政は、各省庁が所管するいわゆる業法によって権限を行使し、事業者を指導、規制することで、その結果として国民、消費者の利益を守るという構造となっておりました。しかし、消費者を取り巻く環境が複雑、多様化したことに伴い、これまで行われてきた事業者規制だけでは十分に対応し切れない分野が増えてまいりました。また、縦割り行政の間にすっぽり抜け落ちてしまう問題も多発しており、今まさに消費者の立場から消費者の目線で行政を監視するための新たな組織が必要になってきているわけであります。
 今回の消費者行政に係る新組織を設置することの目的は、明治以来続いている旧態依然とした縦割り行政に横ぐしを刺し、消費者の目線で行政をチェックし、消費者被害を未然に防ぐとともに、被害の拡大を防止し、さらには実際の被害を救済する仕組みをつくり上げることにあると私はとらえております。その意味では、衆議院において、与野党全会派が一致して消費者庁関連法案を修正可決したことの意義は非常に大きいものと考えます。衆議院消費者問題に関する特別委員会において精力的な議論を積み重ねてこられた委員各位に対して、心から敬意を表したいと存じます。
 そこで、私は、衆議院の議論において積み残された幾つかの課題に絞って、以下、質問をさせていただきます。
 まず第一は、消費者行政を実質的に担う地方の現場に対する国の支援についてであります。
 地方自治体は、国の政策に準じ、また地域の社会的状況に応じて消費者関連施策を講じておりますが、三位一体改革とやらの影響で、自治体の消費者行政の予算の合計額はピーク時の平成七年度の二百億円から徐々に削減をされ、平成十九年度には約百八億円となっております。特に、都道府県においては約三分の一になっている現状があります。
 また、消費者行政の担当職員においても、平成十四年度の約一万三千人をピークとして、十九年度には約一万人に減少してきています。さらに、全国の消費生活センターは六百か所に満たず、所在地は都市部に偏っております。窓口は相談員が一人のところが多く、その上に他の業務との掛け持ちも多いのが実情であります。
 こうした地方の現状を放置したまま中央政府に消費者庁という新しい役所をつくったとしても、真の消費者目線に立った行政への転換は絵にかいたもちとなってしまいます。まずは、地方の消費者行政を充実させることが急務であります。そのためには、非常勤でありながら週五日フルタイムで雇用されている常勤的非常勤職員が相当数を占めている相談員の待遇を改善することが求められます。
 そこで私は、現在の自治事務という位置付けから法定受託事務に切り替えることによって、あるいは自治事務のままでも、義務教育教職員給与の関連負担のような形で国が相談員の人件費を含む費用を負担するべきであると考えますが、総理の見解を伺います。
 さらには、消費生活センターは、現行の自治体の枠にとらわれることなく、全国的に人口に見合ったバランスの取れた体制整備、人員配置をすることが必要です。同じような消費者相談に対しては、全国津々浦々、どこに住んでいてもすべての国民が同じ対応を受けることができることこそが本当の意味での消費者行政の一元化だと思いますが、総理の見解を求めます。
 また、地方の消費者行政を充実させるための地方消費者行政活性化基金が創設されることとなります。この基金の使い道としては、消費生活センターの設置、拡充、消費者相談窓口の設置、機能強化、消費生活相談を担う人材の養成、相談員への研修開催、地域独自の消費者行政活性化の取組の支援などのメニューが示されております。
 しかし、自治事務である相談業務そのものへの報酬、つまり相談員の人件費本体は支援の対象とはなっておらず、相談員養成事業でも一般職職員は対象外となるなど、かなり使い勝手の悪いものとなっているとの指摘があります。地方の消費者相談窓口の強化のために、この基金は相談員の人件費本体にも使えるようにするなど、弾力性を持たせたものに改める必要があると考えます。総理の答弁を求めます。
 また、この地方消費者行政活性化基金は三年間の時限措置とされております。なぜ三年間なのかという問いに対して野田大臣は、三年間は強化期間、三年間で人材を育てることが重要、三年間で消費者行政を地方に根付かせたいと答弁されております。三年間という期間の根拠が不明確な上に、そもそも期限を区切る必要がなぜあるのか。恒久的、恒常的な支援こそが今地方の現場では求められているのであります。この基金は三年間に区切るべきではないと考えますが、総理の見解を伺います。
 消費者からアクセスしやすい相談窓口の一本化を実現することも重要な課題であります。例えば、警察や消防のように全国統一の電話番号にすれば、だれもが相談したいと思ったときにすぐに相談することが容易となりますし、行政側も必要な情報を一元的に集約することが可能になります。野田大臣からの明快な答弁を求めます。
 次に、商品検査・テストの体制整備であります。
 消費者からの相談を受け、独立行政法人国民生活センターを始めとした機関において、消費生活用製品を始め様々な商品テストが行われています。ただ、こうした商品検査やテストについても、省庁の縦割り構造のために相互の連携が不十分であり、成果の情報共有が全くと言っていいほど取られておりません。消費者行政の一元化を強く主張するのであれば、関係機関の機能強化を図るとともに、消費者庁や消費者委員会を中心にしてきちんとした連携体制を構築する必要があります。この点の総理の見解を求めます。
 次に、消費者委員会についてお尋ねいたします。
 衆議院での与野党共同修正によって、政府原案では消費者庁の下部組織に位置付けられ、限られた権限しか持たなかった消費者政策委員会を、消費者委員会に名称を改めて内閣府の組織に位置付け、消費者庁とほぼ同等の立場から独立して監視、権限行使ができることとなりました。この点については、衆議院修正案の重要なポイントであり、大いに評価できるものであります。
 特に、自立的に内閣総理大臣に対し勧告に基づく報告徴求をする権限や、各行政機関に対し資料提出要求をする権限が規定されたことは特筆されます。内閣の内に置くのか外に置くのかの違いはありますが、民主党が衆議院に提出した消費者権利院法案の考え方の大きな柱の一つが修正案に盛り込まれたものと理解をいたします。
 ここで大切なことは、消費者委員会がどれだけ良い勧告や建議を行っても、内閣総理大臣や関係行政機関の長がそれにきちんとこたえなければ意味がありません。勧告等を受けた行政機関は、当然のことながら迅速かつ誠実に対応すべきでありますが、この点、総理より明快な答弁をお願いいたします。
 ところで、修正案には、消費者委員会が独自に事業者に対して調査を行う権限については規定されておりません。消費者委員会の独立性、自立性をより明確にするために、委員会独自の立入調査権など、事業者に対する調査権限を規定するべきであると考えます。総理の見解を求めます。
 また、消費者委員会の委員長や委員については、そのすべてを民間から登用し、事務局長などの枢要な職員も民間から登用することがうたわれています。
 この民間登用について、河村官房長官は四月十七日の会見で、いわゆる官僚OBは含まない趣旨の発言をされています。その一方で、野田大臣は四月十六日に開かれた衆議院消費者問題に関する特別委員会で、我が党の小川淳也議員の質問に対し、役所OBでも民間で三年ぐらい仕事をされれば民間登用というふうに理解してもよろしいのではないかと答弁をしております。同じ内閣に身を置きながら、官房長官と消費者担当大臣は民間登用に関して大きく意見が食い違っているようであります。消費者委員会の委員長や委員の民間登用について、総理の見解を伺います。
 これに関連して、消費者庁のトップである消費者庁長官の人事についてはどのような方針をお持ちでしょうか。野田大臣は衆議院の審議の中で、官民問わずいろいろな候補者から選んでいただきたいと思っていると答弁をされています。どのような基準で消費者庁長官を選ぶのか、よもや官僚OBが選任されることはないと思いますが、総理の答弁を求めます。
 次に、消費者問題への対応として欠かせない消費者被害の救済策についてお尋ねいたします。
 平成二十年度の国民生活白書によれば、平成十九年度の消費者被害額は最大で三兆四千億円、被害件数は二百二十五万七千件に上ると試算されています。この被害額三兆四千億円のうち、本来は被害者に返還されるべきものの大半が返還をされておりません。ところが、政府案ではこの消費者被害の救済策がすっぽり抜け落ちております。
 私たち民主党は、消費者被害を救済するために消費者団体訴訟法案を提案をし、適格消費者団体による損害賠償制度の創設を提言いたしました。日ごろから消費者問題にかかわっておられる各種団体や日弁連などは、悪徳業者が集めたいわゆる違法収益を剥奪する仕組みが必要だと主張しており、民主党はそれにこたえる提言をいたしましたが、政府からは、欧米などの制度を勉強して検討中だというばかりで、有効な提案はなされておりません。
 今回の修正案では、この消費者被害の救済策について、法施行後三年を目途として検討を加え、必要な措置を講ずるとされております。しかし、結局は、三年間掛けて検討をしてきたがそうした仕組みは困難でしたとされかねず、更に先送りをされるのではないかと懸念をいたします。消費者被害の大半を占める財産被害を救済する仕組みについては、何らかの提案を必ず行うと約束をしていただけないでしょうか。総理の明快な答弁を求めます。
 次に、消費生活に関する教育活動についてお尋ねいたします。
 消費者安全法案に対する修正案の中では、消費者安全の確保に関し、国民の理解を深め、かつ協力を得るための活動として、消費生活に関する教育活動が、国、地方公共団体の努力義務として追加されました。これは政府案にはなかった項目であり、私たち民主党の主張の中から盛り込まれた重要な提案だと思っております。
 昨今の様々な消費者被害は、国民、消費者サイドの知識、情報が事業者に比べ圧倒的に不足しているため、消費者が正確な情報や知識を得られない状態で消費者契約を結んだ結果として起こっている場合が少なくありません。これは消費者行政の本質でもあり、その意味でも消費者教育の充実は欠かせないものと考えます。
 今回の修正案の趣旨を受けて、今後、政府はどのような教育活動が必要であり、そのためにどのような施策を考えておられるのか、野田大臣に具体的な答弁を求めます。
 私たちは、本院において、国民、消費者の立場から消費者行政のあるべき姿について実りある議論を展開し、数多く残された現実の現場の課題を政府に対して改めて提示をし、引き続き消費者行政の改善と充実を求めてまいりたいと思っております。国民の生活を第一に考え、より実効性のある消費者行政を確立するために、決意を新たに真剣に取り組んでまいることをお誓いをし、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#10
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 徳永議員から十問いただいております。
 まず、地方消費者行政の事務の位置付けと国の支援についてのお尋ねがあっております。
 国と地方の役割分担につきましては、地方自治体において、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本としてきております。消費者生活相談などの事務は、住民に身近な行政サービスそのものであり、かつ地域住民である消費者の声に真摯に耳を傾け、それに丁寧に対応していくことを基本とするものであることから、自治事務として位置付けるべきものであると考えております。
 国の支援の在り方につきましては、衆議院においても与野党の間で熱心な御審議をいただきました。その結果、修正協議において地方消費者行政の強化について合意がなされたものと承知をいたしております。政府といたしましては、国会での御審議や与野党間の合意事項を踏まえ、地方分権の考え方の下、地方消費者行政の支援に取り組んでまいる所存であります。
 次に、全国で同じレベルの相談が受けられることの重要性についてのお尋ねもありました。
 消費者の安全、安心を確保するためには、全国どこの地域におきましても消費者のだれもがアクセスしやすい相談窓口のネットワークが整備されていることが望ましい、全くそのとおりだと存じます。一方、特に小規模町村においては、その人口規模や財政事情などから見て消費生活センターの設置が困難であったり、かえって非効率的な場合があると認識をいたしております。
 このため、都道府県に造成する基金においては、都道府県センター支所の整備や複数の市町村の連携による広域的な対応など、地域の創意工夫ある取組を柔軟に支援することといたしております。
 基金を相談員の人件費本体にも使えるようにすべきとのお尋ねがありました。
 基金の人件費への活用につきましては、衆議院においても与野党の間で誠に熱心な御審議をいただいたと記憶いたします。その結果、今回の経済危機対策におきまして新たに基金に上積みをし、今後三年程度の集中育成・強化期間に増大する業務に係る人件費など、支援対策を拡充することなどについて与野党間で合意がなされたものと承知をいたしております。政府としては、国会での御審議や与野党間の合意事項を踏まえ、具体的な制度設計に取り組んでまいる所存であります。
 恒久的な地方消費者行政支援についてのお尋ねがありました。
 地方の消費者行政は、消費者に身近な最前線にあって、大変重要なものであると認識をいたしております。これは、集中育成・強化期間後においても何ら変わることはありません。具体的な支援の在り方につきましては、今後、消費者委員会で検討してまいりたいと考えております。
 商品検査・テストの体制整備についてのお尋ねもありました。
 消費者行政の一元化に向けましては、商品検査・テストなどの機能を有する関係機関の機能強化及び連携強化が重要であると認識をいたしております。このため平成二十年度補正予算では、国民生活センターの商品テスト機能の強化のため予算措置を講じたところであります。更なる体制強化については、消費者庁設置法案の衆議院における修正案において、消費者行政に係る体制の更なる整備を図る観点から検討を加え、必要な措置を講ずるものとするとの検討条項が設けられたところであり、これを真摯に受け止め、検討してまいりたいと考えております。
 また、関係行政機関の連携強化につきましては、消費者庁や消費者委員会が関係機関に必要な調査を求めるなどの連携協力を図ることといたしております。これにより、消費者の安全、安心を確保できるよう、しっかりした体制で取り組んでまいります。
 消費者委員会から勧告を受けた行政機関の対応についてのお尋ねもありました。
 消費者委員会から行政機関に建議、勧告がなされた場合には、法律に基づいたものであります。迅速かつ誠実に対応することになると考えております。
 消費者委員会に事業者に対する調査権限を規定するべきとの御指摘もありました。
 事業者への立入調査は、行政処分などを行う各省庁が実施することといたしております。これに加えて、消費者委員会が独自の調査権限を持つことは二重行政を招くことになると考えており、問題であると考えております。
 消費者委員会の委員への民間登用についてのお尋ねがありました。消費者委員会の委員長及び委員はすべて民間から登用いたします。民間の各方面で活躍されており、消費者行政の分野に優れた知見を有する方に消費者委員会の委員として入っていただくことにしております。
 消費者庁長官の選任についてのお尋ねがありました。
 消費者庁長官の人事につきましては、官民を問わず、広範かつ重要な任務を担う消費者庁のトップとして最もふさわしい方を任命することが必要であると考えております。
 最後に、被害者救済制度についてお尋ねがありました。
 消費者が泣き寝入りをしないで済むよう、被害に遭った消費者を救済する仕組みを充実させることは大変重要だと考えております。このため、今年から国民生活センターで裁判外紛争解決手続を開始するとともに、消費者団体訴訟制度の対象を拡大します。
 更なる救済制度につきましては、法の施行後三年を目途として検討を加え、必要な措置を講ずるという附則の趣旨を踏まえ、関係省庁の協力を得つつ消費者庁に、検討を進めたいと考えております。
 残余の質問につきましては関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣野田聖子君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(野田聖子君) まず、消費者からアクセスしやすい相談窓口の一本化についてお尋ねがありました。
 政府では、地方の消費生活センター及び国民生活センターを、だれもがアクセスしやすい一元的な消費者相談窓口として機能させることとしております。このため、消費生活相談のための共通の電話番号を設定し、だれもが全国どこからでも同じ番号で消費生活相談が可能となる仕組みを構築いたします。
 現在、携帯電話、固定電話、いずれから共通電話番号に掛けた場合であっても、消費者にとって身近な消費生活センターなどにつながるよう、その仕組みを検討しているところであります。消費者にとって利便性があり、消費者被害の拡大防止につながる仕組みとなるよう、十分な検証を行いつつ、各地方公共団体と検討し、運用に向けて準備を進めてまいります。
 最後に、消費生活に関する教育活動及び消費者教育の施策についてのお尋ねがありました。
 消費者被害の未然防止のため、また消費者が自主的かつ合理的に行動できる主体となるために消費者教育の果たす役割は極めて重要です。政府としては、消費者基本法の基本理念等に基づき、関係省庁連携の下で消費者教育の一層の充実に努めていくこととしておりますが、当面は都道府県に造成した消費者行政活性化のための基金に上積みを行い、地域の消費者教育・啓発事業を支援することとしております。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(江田五月君) 岩城光英君。
   〔岩城光英君登壇、拍手〕
#13
○岩城光英君 私は、自由民主党を代表して質問をいたします。
 昨年の通常国会で福田総理が、国民本位の行財政への転換を掲げ、各省庁縦割りになっている消費者行政を統一的、一元的に推進するための強い権限を持つ新組織を発足させると表明されました。消費者庁は、消費者の視点に立った初の行政機関であり、消費者行政の司令塔としての役割が期待されております。
 さて、都道府県の消費者行政の予算は、平成七年度の約二百億円をピークとして二十年度には百九億円と、厳しい財政状況を反映して大きく削られてまいりました。消費者と事業者の間には情報の質及び量並びに交渉力等の格差があることは歴然とした事実であり、今後は消費者目線に立った行政対応がより強く求められてくるものと推察しております。
 そこで、質問の第一は、消費者教育並びに情報の集約、分析、公表の体制づくりについてであります。
 パロマガス湯沸器事故の際にも指摘されたことでありますが、中国産冷凍ギョーザ事件など、過去に消費者問題が拡大し重大事故につながった事案の多くは、役所が入手していた情報をそのまま放置し、若しくは隠していたことや、地方自治体と中央官庁との連携が十分になされなかったなど、情報が適正に処理されなかったことが原因であると考えられます。その意味では、行政側の意識改善が特に肝要です。同じ省内で意思疎通を欠いたり、縦割り行政の欠陥が指摘されたりすることがあってはなりません。また、今後、消費者センターに寄せられる情報だけでなく、警察や消防、病院などに寄せられる情報を消費者庁に集約していくための関連機関の体制も整えていかなければなりません。
 行政の意識改革が必要であることに加え、一方では、消費者が自ら考え災難を回避する、言わば自立した消費者となることも今後一層重要になってくるものと考えます。
 我が党では、消費者教育推進のため、学校や地域等における消費者教育の重要性にかんがみ、昨年秋にワーキングチームを立ち上げ、検討を行ってまいったところですが、政府における消費者教育の充実強化のための方策についてのお考えを伺います。
 また、消費者行政を十分に機能させるためには、滞りなく情報の収集、伝達を行い、迅速な対応を取ることが必要です。消費者安全法案においても、消費者事故等に関する情報の集約等の条項が設けられており、その実効性を確保するための体制が求められております。
 そこで、情報の集約、分析、公表に至る体制整備を確実に図っていただくべく、総理の御所見をお伺いいたします。
 質問の第二は、消費者行政の執行と監視体制についてであります。
 この度の法案では、内閣府に消費者行政の司令塔となる消費者庁を設置するとともに、従来から問題とされてきたすき間事案に的確に対応するため、内閣総理大臣が事業者に対し是正措置をとるよう勧告し、販売停止などを命令することができることとなっております。まさに、政府の責任において生活者の立場を考慮して消費者行政に取り組むということであります。
 衆議院における修正で、消費者委員会は監視機能を確保し、その機能を高めるという意味から、内閣府に設置することとされたのは、その独立性を保ち、監視体制を確立する意味からも評価するところです。政府としては消費者行政の執行とその監視体制について万全を期していただきたいと考えますが、総理の御決意をお伺いいたします。
 第三は、消費生活センターについてであります。
 消費者がまず初めに相談に訪れるセンターをいかに相談しやすく使い勝手の良い組織にするかが、国民の側に立った消費者行政を行う上で、そのかぎを握っていると言っても過言ではありません。
 しかし、平成二十年四月の時点で、週四日以上の相談業務を行っている消費者生活センターは全国におよそ五百八十六か所ありますが、市区町村の四分の三が未設置であります。しかも、その所在地は都市部に偏っており、郡部には二十七か所しかありません。これは恐らく市区町村の財政状況によるところが大きいのではないかと思われます。したがいまして、地域の実情に配慮し、都道府県が市町村の消費者行政を補完することを含め、全国で同じレベルの相談を受けられるようにすることが肝要だと考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
 一方、消費生活相談員のうち年収百五十万円未満の方が約三五%であり、その身分保障や待遇改善が必要と回答している相談員がほぼ五〇%であるという現実を直視し、政府は地方の消費者行政の充実に万全を期していく必要があります。
 衆議院の消費者問題に関する特別委員会においては、今後三年程度の集中育成・強化期間を定め、増大する業務に係る人件費などの拡充、地方への手厚い交付金配分の実施、相談員の処遇改善などが合意されております。この点について、週明けにも提出される予定と伺っております平成二十一年度補正予算において、具体的にどのような考え方を持っておられるのか、お尋ねいたします。
 また、三年の集中育成・強化期間が終わった後も、地方の消費者行政に支障が出ることがないよう、財政的な措置も含め、総理の御所見をお伺いいたします。
 第四は、被害者救済制度についてであります。
 衆議院においては、不当な収益の剥奪や被害者救済制度について、法施行後三年を目途として検討を加え、必要な措置を講ずる旨の規定が追加されております。
 しかし、一口に違法収益剥奪と言っても、被害には様々な事案があり、難しいことは十分承知しております。また、制度の目的も、違法行為の抑止を図るのか、個々の消費者の被害回復とするのか、また、そのやり方も、損害を被った消費者の損害賠償権を代表して行使する方法や、行政が主体となり民事訴訟を提起し、違法な収益を剥奪し、消費者に分配したり損害賠償させる方法など、様々な議論があることも存じております。未然防止と救済が消費者行政の両輪であるべきと考えますので、実効性ある救済制度が導入されるよう、総理の意気込みのほどをお伺いいたします。
 消費者庁の発足に当たり最も留意すべき点は、魂をどのように入れていくかにあると考えます。消費者中心の行政が更に推進するよう私どもも努力してまいることを決意し、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#14
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 岩城議員の質問にお答えをさせていただきます。
 まず、情報の集約、分析、公表についてのお尋ねがありました。
 消費者事故などに関する情報が一元的に集約、分析され、かつ的確に消費者に提供されることは大変重要であります。このため、消費者庁を創設し、情報の一元的な集約、分析、公表体制を確立することによって消費者の安全、安心を確保できるよう、しっかりとした体制で取り組んでまいりたいと考えております。
 消費者行政の執行とその監視体制についてのお尋ねがありました。
 消費者庁は、消費者に身近な法律を自ら所管し、企画立案、執行を行うとともに、各省庁に対しましても行政処分を行わせるよう要求を行えるようにいたします。また、いわゆるすき間事案に対しても対応できるようにいたしたいと考えております。さらに、消費者委員会は消費者庁を含む消費者行政全般に対する監視体制を持つことになります。政府としては、こうした消費者庁と消費者委員会の機能を十分に発揮させ、消費者の立場に立った消費者行政に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、全国で同じレベルの相談が受けられることの重要性についてのお尋ねもありました。
 消費者の安全、安心を確保するためには、全国どこの地域においても消費者のだれもがアクセスしやすい相談窓口のネットワークが整備されていることが望ましいと考えております。一方、特に小規模な市町村においては、その人口規模や財政事情から見て消費者センターの設置が困難であったり、かえって非効率な場合もあると認識をいたしております。このため、都道府県に造成する基金においては、都道府県センターの支所の整備や複数の市町村の連携による広域的な対応など、地域の創意工夫ある取組を柔軟に支援することといたしたいと考えております。
 平成二十一年度補正予算における地方消費者行政支援についてのお尋ねがありました。
 地方の消費者行政に対する財政支援につきましては、先日策定をいたしました経済危機対策において都道府県の基金の上積みを行うといたしております。また、衆議院の消費者問題に関する特別委員会におきましても、与野党の間で地方消費者行政の強化について合意がなされたものと承知をいたしております。政府といたしましては、国会での御審議や与野党間の合意事項を踏まえ、地方分権の考え方の下、相談員の処遇改善など、地方消費者行政の支援に取り組んでまいる所存であります。
 集中育成・強化期間後の地方消費者行政支援についてのお尋ねがありました。
 地方の消費者行政は、消費者に身近な最前線にあって大変重要なものであると認識をいたしております。とりわけ、消費生活センターの設置や相談員の処遇改善などについては最重要の課題の一つであると考えております。これは、集中育成・強化期間後においても何ら変わることはございません。具体的な支援の在り方につきましては、今後、消費者委員会で検討してまいりたいと考えております。
 最後に、被害者救済制度についてのお尋ねがありました。
 消費者が泣き寝入りをしないで済むよう、被害に遭った消費者を救済する仕組みを充実させることは重要であります。このため、今年から国民生活センターで裁判外紛争解決手続を開始するとともに、消費者団体訴訟制度の対象を拡大をいたします。更なる救済制度につきましては、検討すべき論点も多いことから、消費者庁において諸外国の制度などもよく調査した上、関係省庁の協力を得つつ検討を進めたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣野田聖子君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(野田聖子君) 消費者教育の充実強化についてのお尋ねがございました。
 消費者被害の未然防止のため、また消費者が自主的かつ合理的に行動できる主体となるために、消費者教育の果たす役割は極めて重要と考えております。
 政府としては、消費者基本法の基本理念等に基づき、関係省庁連携の下で消費者教育の一層の充実に努めてまいります。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(江田五月君) 山本香苗君。
   〔山本香苗君登壇、拍手〕
#17
○山本香苗君 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました消費者庁設置関連三法案につきまして、麻生総理大臣並びに関係大臣に質問いたします。
 本法案は、昨年九月に国会に提出されて以降、審議にすら入れない、そういう状態が続いておりましたが、今般、衆議院で修正協議が調い、消費者庁設置に向け、与野党が足並みをそろえることができたことは大変喜ばしいことだと思っております。そもそも、消費者の安全を脅かす事件が相次ぐ中、消費者の利益を守らねばならないという点において与党も野党もありません。参議院におきましても、消費者、国民の安全、安心を確保する消費者行政の実現を目指し、建設的な審議をしてまいりたいと申し上げまして、具体的な質問に入ります。
 まず、総理に伺います。
 これまで消費者行政においては、例えば医薬品関係は厚労省、食料品関係は農水省、金融商品関係は金融庁、家電製品関係は経産省等々、様々な省庁に権限が分散され、縦割り行政の弊害が指摘されていました。今回、消費者庁に消費者行政を一元化するということですが、そう簡単なことではありません。本当に縦割り行政の弊害を乗り越えることができるのでしょうか。まず、この点を明確に御答弁いただきたいと思います。
 さらに、いわゆるすき間事案はもちろん、所管官庁がはっきりしている事案であっても、対応が生ぬるい場合、消費者庁の対応が問われます。消費者庁が他省庁と対立した場合、消費者庁がどこまで司令塔としての機能を発揮できるのか、総理の具体的かつ明快な御答弁をお願いいたします。
 次に、消費者委員会について、総理に三点伺います。
 衆議院での修正により、消費者政策委員会は消費者委員会となり、消費者庁から分離され、消費者庁と同格の組織として内閣府に設置されることとなりました。総理は消費者委員会の委員を任命することとなっていますが、どういう手続を経て、どういう委員を、どういった基準で選ぶのでしょうか。これが一点目です。
 二点目に、総理の考える望ましい消費者委員会の在り方、役割とはどのようなものなのか、端的にずばりお答えいただきたいと思います。
 総理は、消費者庁の事務も消費者委員会の事務も消費者政策担当大臣に掌理させることとなっております。必ずしも妥当な表現かどうかとは思いますが、要するに監視する機関と監視される機関の両方の事務を消費者政策担当大臣に担わせるわけですけれども、消費者委員会の独立性という観点から、消費者委員会の運営等にどこまで消費者政策担当大臣が関与すべきだ、あるいは関与できると総理はお考えなのか。以上三点、明快な答弁をお願いいたします。
 引き続き、総理にお伺いします。
 地方消費者行政活性化基金は、与野党合意により、地方消費者センター等の相談員の待遇改善にも充てられるようになりました。この基金については、創設段階から、相談そのものが事業なのであり、何とか相談員の人件費に充てられないかという声が地方から上がっており、私たちも人件費に充てられないかと何度も何度も掛け合っておりましたので、今回の修正を高く評価しております。
 たとえ法律が成立しても、地方において人や予算の確保など実施体制が整備されなければ、消費者被害が放置されかねません。また、地方の消費者センターで働く人たちはほとんどが女性の相談員で、公務員ではなく民間人で、給与も公務員より少なく、サービス残業も多く、かなり過酷な仕事です。消費者相談の現場も何度か視察させていただきましたが、相談員の方たちが担っている仕事は現代社会のセーフティーネットの一つであり、消費者庁の生命線であります。
 そこで、総理に伺います。今後さらに消費者が気軽に相談できる身近な窓口を増やし、拡充するため国の支援を強化する、地方消費者行政活性化基金本体についても三年後も続ける、この点について総理の力強い御決意をお伺いしたいと思います。
 次に、情報の収集、分析体制について二点、野田大臣に伺います。
 今回の法案においては、情報の収集、一元的体制の強化、緊急時の速報体制の構築が明記されています。ここで大事なのは、どういう運用がなされるかということです。具体的な詳細設計はこれからということですが、やるからにはただ単に情報を収集して分析、公表するというのではなく、被害を拡大させない、二度と繰り返さないという意識を持って、具体的に目に見える形で消費者被害や事故減少へとつなげていく体制をつくるべきだと考えますが、野田大臣の御見解はいかがでしょうか。
 中でも、子供の事故については、大人と違って親の責任や本人の不注意と個人の責任とされ、予防に取り組む体制がありませんでした。そのため、プールの吸排水口に吸い込まれたり、学校の屋上の天窓から転落して子供が亡くなる事故が繰り返し起きています。
 昨年、日本学術会議の臨床医学委員会出生・発達分科会が事故による子どもの傷害の予防体制を構築するためにという提言をまとめ、公表しました。この提言は、コンニャクゼリーによる窒息死を具体例として挙げ、ただ単に気を付けましょうといった注意喚起や事故概要の発表では同様の事故を防ぐことができないと指摘しています。また、子供の傷害について包括的に対応できる課、例えば消費者庁など政府内に子ども安全対策課を設置することも提案されています。こうした提言も踏まえ、子供の事故情報を収集、分析して公表するだけではなく、それを確実に予防に結び付ける体制もつくるべきだと考えますが、野田大臣の御所見を伺います。
 次に、塩谷文部科学大臣に伺います。
 被害に遭った消費者を保護するだけでなく、だまされにくい賢い消費者を育てる消費者教育も重要です。それも一人や二人が知識を身に付ければいいというものではなく、多くの国民、消費者が被害に遭わない力、だまされない力を備えていかねばなりません。といいますのも、多くの国民、消費者がそういう力を持って初めて業者にモラルを促す効果が生まれてくるからです。
 現在、様々な形で消費者教育が行われていますが、必ずしも体系的なものではありません。現代社会を生き抜く力としての消費者教育を明確に学習指導要領に位置付けるべきだと考えますが、塩谷大臣のお考えを伺います。
 最後に、被害者救済について野田大臣に伺います。
 附則に、本法案施行後三年をめどとして被害者救済制度の在り方について検討し、必要な措置を講ずることが明記されました。制度導入の必要性については疑いの余地はありません。早急に検討に着手すべきだと考えますが、野田大臣の御見解をお伺いします。
 以上、総理並びに関係大臣の明確かつ具体的な答弁を求めまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#18
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 山本議員の質問にお答えをいたします。
 まず、縦割り行政の弊害の打破についてのお尋ねがありました。
 消費者庁は内閣総理大臣の指揮監督の下に置かれる機関であり、内閣総理大臣のリーダーシップが発揮しやすい組織となっておりますのは御存じのとおりです。関係各大臣が消費者庁と緊密に連携し、協力すべきことはもとよりのことですが、必要があれば総理大臣自ら各省庁を主導し、縦割り行政の弊害を乗り越えていかなければならないと考えております。
 消費者庁の司令塔機能の発揮についてのお尋ねがありました。
 消費者安全法案では、消費者庁の主任の大臣であります内閣総理大臣は、関係各大臣に対して必要な措置の実施を求めることができると定めております。他省庁の対応が適切でない場合には、こうした権限を発動することによって消費者庁として司令塔機能を十分に発揮していくことができると考えております。
 消費者委員会の委員の選定についてのお尋ねもありました。
 消費者委員会の委員は、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に関して、優れた識見を有する方々のうちから、内閣総理大臣が任命することとされております。人選に当たりましては、この基準に照らして厳正に判断をいたしていかねばならぬと考えております。また、衆議院の附帯決議を受けまして、消費者委員会の委員はすべて民間から登用することといたしております。
 消費者委員会の在り方と役割についてのお尋ねがございました。
 消費者委員会は消費者の意見が直接届く透明性の高い仕組みでありまして、かつ消費者行政全般に対する監視機能を持ちつつ独立した第三者機関であります。消費者委員会はこの機能を積極的に行使し、かつ行政の在り方を消費者重視に大きく転換をしていく突破口となることを期待をいたしておるところであります。
 消費者政策担当大臣と消費者委員会との関係についてのお尋ねがありました。
 消費者委員会は消費者庁から独立した総理大臣直属の組織であり、委員の職権行使の独立性を規定をいたしております。担当大臣は、消費者委員会が独立した機関であるということを重く受け止めて消費者委員会を支えてまいらなければならないと考えております。
 最後に、国の支援の強化や三年後の支援についてのお尋ねがありました。
 地方の消費者行政は、消費者に身近な最前線にあって大変重要なものであると認識をいたしております。とりわけ、消費生活センターの設置や相談員の処遇改善につきましては最重要の課題の一つであると考えております。
 政府といたしましては、国会での御審議や与野党間の合意事項を踏まえて、地方分権の考え方の下、地方消費者行政の支援に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、地方消費者行政の重要性は、集中育成・強化期間後におきましても何ら変わることはありません。具体的な支援の在り方につきましては、今後、消費者委員会で検討してまいりたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣野田聖子君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(野田聖子君) まず、実効性ある運用体制づくりについてお尋ねがありました。
 消費者庁関連法案においては、消費者事故情報の一元的な収集、分析や公表に関する所要の規定のほか、被害の発生、拡大の防止のため、必要がある場合には、内閣総理大臣が関係大臣に法律に基づく措置の速やかな実施を求めることができること、他の法律の規定に基づく措置がない場合で重大消費者被害の発生、拡大の防止を図るために必要な場合には、事業者に必要な措置をとるよう勧告することができることや、食品、製品等の安全基準の策定、変更に際して所管省庁から消費者庁が協議を受けることなどが規定されています。
 こうした権限が適時適切に行使され、その実効を上げ、消費者被害の減少へとつながっていくよう、有為な人材の登用、関係機関との連携強化等の準備をしっかりと進めてまいります。
 次に、子供の事故予防に関するお尋ねがございました。
 ゼロ歳を除く子供の死因の第一位は不慮の事故であります。事故原因を詳細に究明し、新たな事故を発生させない方策を見出していくことは極めて重要な課題であると認識しております。消費者庁の発足に向けては、事故情報の一元化を図るとともに、適切に原因究明が行われる体制を整備することとしております。子供の事故予防については、日本学術会議などからも御提言がなされていると承知しており、専門家の御意見等も伺いながら体制整備を図ってまいります。
 最後に、被害者救済制度についてのお尋ねがございました。
 消費者庁は、消費者被害の未然防止及び拡大防止に加えて被害者救済の体制を強化するものです。少額多数の被害が発生するという特徴のある消費者被害では、費用及び労力の見合いから個々の消費者が自ら訴えを提起することを断念しがちである一方、違法な行為をした者に多額の利得が残ることになりかねないという問題があります。こうした問題に対処して実効的な被害者救済の仕組みを充実していくことも消費者庁の重要な課題と認識しております。
 内閣府では、消費者庁の創設に先立って関連する国内外の諸制度の調査、研究に着手しており、消費者庁ではその成果も踏まえつつ検討してまいります。(拍手)
   〔国務大臣塩谷立君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(塩谷立君) 山本議員から消費者教育についてお尋ねがありました。
 児童生徒が消費者として主体的に判断し責任を持って行動できるようにするためには、消費者教育が重要であると考えております。
 このため、小中高等学校の学習指導要領には、消費者生活や消費者問題について、児童生徒の発達段階に応じた内容を関係する各教科、特に社会科、家庭科において示してきたところでございますが、昨年は小中学校、そして今年は高等学校の新たな学習指導要領を改訂したわけでございますが、例えば中学校の社会科では、消費者の自立の支援なども含めた消費者行政について新たに設けました。また、高等学校の家庭科においても、消費生活と生涯を通した経済の計画というような、新しくこの消費者教育について加えたところでございまして、より一層の充実を図ったところでございます。
 今後とも、各学校において消費者教育がしっかりと実施されるよう努めてまいりたいと思っております。(拍手)
#21
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#22
○議長(江田五月君) 日程第一 道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長田村耕太郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔田村耕太郎君登壇、拍手〕
#23
○田村耕太郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、道路整備費の財源として、毎年度、揮発油税等の収入額の予算額等に相当する金額を原則として道路整備費に充当する、いわゆる道路特定財源措置を平成二十一年度から廃止する等の改正を行うものであります。
 なお、衆議院において、施行期日を本年四月一日から公布の日に改めるとともに、道路整備事業の実施の在り方について検討すべきとの規定を追加する修正が行われております。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、道路特定財源及びその一般財源化の意義、評価、道路特定財源の一般財源化が今後の道路整備、とりわけ地方の道路整備に及ぼす影響、道路特定財源の一般財源化に伴う自動車関係諸税の在り方、新設された地域活力基盤創造交付金の位置付けと運用の在り方、道路事業の効果を測定するための費用便益分析において、地域の実情を踏まえた総合的評価を加味する必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、改革クラブの大江委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#25
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#26
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十八  
  賛成            二百十九  
  反対               九  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#27
○議長(江田五月君) 日程第二 我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長櫻井充君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔櫻井充君登壇、拍手〕
#28
○櫻井充君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近の国際経済の構造的な変化に我が国経済が対応するためには、我が国の産業がその産業活動を革新することが重要であることにかんがみ、資源生産性の向上に向けた取組への支援、株式会社日本政策金融公庫による指定金融機関の出資に対する損失補てん制度の創設、オープンイノベーションを促進する事業活動に対し資金供給等を行う株式会社産業革新機構の創設、中小企業が第二会社方式により事業の再生を図る取組に対する支援等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、資源生産性革新計画を中小企業も活用できるよう支援すべきであること、株式会社産業革新機構における目利き人材の確保と積極的活用が必要であること、中小企業承継事業再生計画が人員整理に利用されることがないよう配慮すべきであること等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成            二百十五  
  反対              十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#32
○議長(江田五月君) 日程第三 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長平野達男君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔平野達男君登壇、拍手〕
#33
○平野達男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、悪質な食品偽装表示事件が多数発生している状況にかんがみ、食品の原産地を偽装した販売者に対し、農林水産大臣等による是正の指示又は命令を経ることなく罰則を適用する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、提出者遠藤利明衆議院農林水産委員長より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#34
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#35
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#36
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#37
○議長(江田五月君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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