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2009/05/13 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 本会議 第23号
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2009/05/13 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 本会議 第23号

#1
第171回国会 本会議 第23号
平成二十一年五月十三日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十三号
  平成二十一年五月十三日
   午前十時開議
 第一 第三海兵機動展開部隊の要員及びその家
  族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する
  日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協
  定の締結について承認を求めるの件(衆議院
  送付)
 第二 化学物質の審査及び製造等の規制に関す
  る法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第三 公共サービス基本法案(衆議院提出)
 第四 高齢者の居住の安定確保に関する法律の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関す
  る法律の一部を改正する法律案(閣法第三六
  号)(趣旨説明)
 一、日程第一より第四まで
 一、第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族
  の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日
  本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定
  の締結について承認を求めるの件両院協議会
  の協議委員の選挙
 一、第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族
  の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日
  本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定
  の締結について承認を求めるの件両院協議会
  参議院協議委員議長報告
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第三六号)について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。国務大臣河村内閣官房長官。
   〔国務大臣河村建夫君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(河村建夫君) ただいま議題となりました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法については、平成十七年の一部改正法の附則第十三条において、施行後二年以内に、新法の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、課徴金に係る制度の在り方、違反行為を排除するために必要な措置を命ずるための手続の在り方、審判手続の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとするとされております。
 施行後二年以内の見直しの結果、公正かつ自由な経済社会を実現するために競争政策の積極的展開を図ることが必要であることにかんがみ、排除型私的独占、一定の不公正な取引方法等に対する課徴金制度の導入、企業結合に係る届出制度の見直し等の所要の改正を行うため、政府といたしましては、独占禁止法等の一部を改正する法律案を第百六十九回国会に提出いたしましたが、継続審査となった後、百七十回国会において廃案となり、成立を見るに至りませんでした。しかしながら、一刻も早くその実現を図るために、所要の修正を加えた上で、ここにその法律案を提案し、御審議願うこととした次第であります。
 次に、この法律案について、その主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、課徴金の適用対象について、排除型私的独占及び優越的地位の濫用など一定の不公正な取引方法を新たに課徴金の対象とすることとしております。
 第二に、不当な取引制限において、主導的役割を果たした事業者に対する課徴金を割り増す制度を導入することとしております。
 第三に、課徴金減免制度について、減額対象事業者数の拡大、企業グループ内の事業者の共同申請制度を導入することとしております。
 第四に、課徴金の納付を命ずる手続について、会社分割等により事業を承継した会社に対して納付を命ずる制度の導入等をすることとしております。
 第五に、企業結合に係る届出制度等について、会社の株式取得に係る事前届出制度の導入、株式取得会社の届出基準の変更、合併、分割及び事業等の譲受けの届出に係る規定の見直し等をすることとしております。
 第六に、不公正な取引方法による侵害の停止又は予防に関する訴訟上の救済を円滑化するため、文書提出命令の特則を導入することとしております。
 第七に、不当な取引制限の罪等に対する懲役刑を引き上げることとしております。
 なお、これらの改正は、一部を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(江田五月君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。轟木利治君。
   〔轟木利治君登壇、拍手〕
#7
○轟木利治君 民主党の轟木利治です。
 私は、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表し、ただいま議題となりました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。
 今回の改正は、最大の眼目であった中小企業等に不当な不利益を与える不当廉売、優越的地位の濫用等の不公正な取引が課徴金の対象とされたことは、民主党がかねて求めてきた方向性と合致し、評価できるものです。しかし、今回の改正でも重要な宿題が先送りされたことは極めて残念です。四月二十四日の衆議院経済産業委員会で付された附帯決議については、それを解決していく道筋を付けるものであり、是非とも積極的に附帯決議に沿った方向での検討を要望いたします。また、制度の見直しを検討する際には、併せて検討すべき課題も提起するものです。
 審判手続に係る規定について、昨年提出された法案では、平成二十年度中に検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるとされていましたが、本法案では単に平成二十一年度中にと変えられているにすぎません。本法案について昨年から何も進展も見せず、そのまま一年間先送りされてしまうのはなぜでしょうか。
 民主党はこれまでも、公正、透明な審判手続を求めてまいりましただけに、実質的な先送りは極めて残念です。
 現行の審判手続については、審判官と審査官が人事的に厳密に分離されていません。これでは検察官が裁判官を兼ねているようなものであるというように、抜本的な見直しを求める声が根強くあります。
 一筋の光は附帯決議です。そこでは、現行の審判制度を現状のまま存続することや、平成十七年改正以前の事前審判制度へ戻すことのないよう、審判制度の抜本的な制度変更を行うとしています。これは読みようによっては、現行の不服審査型の審判方式を取らず、さりとて旧法の事前審査型の審判方式にも戻さないことと受け止められます。どのような方式を模索されようとしているのでしょうか。この点について今後どのように検討しようとしているのか、官房長官の見解をお聞きいたします。
 審査手続についても、調査の密室性や、事前通知から排除措置命令が出されるまでの期間が短いなど、疑問視する声は根強くあります。
 民主党は独自の独禁法改正案をまとめています。この中では、審判に相当する機能を裁判所に担わせるよう提案しています。また、公正、透明な手続を担保するため、審査手続の可視化や供述調書の写しの提供、供述や任意の事情聴取など、調査を受ける際の弁護士の立会いなどを取り入れようと提案しています。
 刑事手続や他の行政処分についてこのようなことが導入されていないことをもって認められないとの主張はだんだんと根拠が薄弱になっていくのではないでしょうか。
 我が国の独禁法では、課徴金減免制度、リーニエンシーという実質的な司法取引を刑事手続に先駆けて導入いたしました。米国やEUなどとの国際的な整合性を図るという観点では、可視化や調書の写しの提供、弁護士の立会いなど検討すべきと考えますが、この点について官房長官はどのような見解をお持ちでしょうか。
 民主党は、従前より、いわゆる不公正な取引についても課徴金の対象にすべきと主張してまいりました。今回の改正により一定の不公正な取引、すなわち共同の取引拒絶、差別対価、不当廉売、再販価格の拘束、優越的地位の濫用に対象が拡大されることになります。課徴金の対象を拡大したことは評価しますが、これからの課題は、課徴金の対象となる行為類型について分かりやすく示すことであると思います。
 課徴金が課せられれば、事業者には付随して公共入札の指名停止や株主代表訴訟などのリスクが伴います。それだけに、適法か違法か、その境界線を分かりやすくすべきであり、公正取引委員会としての考え方を示したガイドラインが整備されるべきと考えますが、その予定と盛り込まれるべき内容についてお聞かせください。
 とりわけ不当廉売の構成要件については、競争上の安売りとの区別がはっきりせず、価格競争を萎縮させかねないとの指摘があります。現行の告示は、供給に要する費用を著しく下回る対価で供給するということに続いて、そのことによって、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあることという甚だあいまいな文言が付いています。もっと具体的な基準を示すべきと考えますが、官房長官の見解はいかがでしょうか。
 経済危機の影響は、弱い立場にある下請企業や中小企業に最も打撃を与え、元々ぎりぎりの納入価格が更に切り詰められるという悲鳴が聞こえています。大企業による不当な値引きや押し付け販売、サービスの強要など、不公正な取引を禁止することで中小企業の利益を守ることは喫緊の課題であると思います。
 こうした下請いじめをなくすため、民主党は、中小企業いじめ防止法を本院に提出しています。その内容は、大企業による中小企業に対する取引上の地位を不当に利用する行為を防止し、大企業と中小企業の取引を公正なものにすることによって中小企業の利益を保護するものです。現行の下請法ではカバーできていない銀行など金融機関による信用供与についても取引の対象に含めています。
 今回、優越的地位の濫用が課徴金の対象となったことで一定の抑制効果は期待できますが、景気悪化のしわ寄せは最後に下請企業にやってきます。中小企業いじめ防止法や下請法の見直しも検討されてしかるべきと考えます。この点について、官房長官の見解はいかがでしょうか。
 さらに、独禁法では課徴金の対象となる優越的地位の濫用が、下請法では勧告のままとなっています。両者の平仄を合わせることについては見解はいかがでしょうか。
 平成十年の改正によって、企業結合の対象については、国内限定を廃止して外国企業についても規制の対象となりました。このところ経済危機によって、一時ほどではないにしても、世界的な企業のMアンドAの潮流は我が国の企業にも大きな影響を及ぼすようになっています。企業活動がグローバルに展開される今日にあって、我が国独禁法が国内の企業結合に限定せず、外国企業の企業結合についても適用対象に加えることは評価するものです。しかし、理屈の上ではそうだとしても、これが本当に実効あるものなのかという点については疑問を持つところでございます。
 その具体的な事例として、資源大手BHPビリトンによる同リオ・ティントの買収をめぐり公正取引委員会が独占禁止法に基づき買収計画の提出を求める報告命令を出したことが挙げられます。
 平成二十年二月、BHPビリトンはリオ・ティントに買収を提案し、世界有数の資源メジャーである両社の統合が実現すれば、世界の鉄鉱石の市場が寡占状態になり、資源価格の高騰が国民の生活を直撃することは容易に想定されました。
 両社の合併が我が国の市場をゆがめると判断された場合には、公正取引委員会はBHPビリトンに対して資産売却など排除措置命令を出すことができます。実際には、経済環境の激変もあり、BHPビリトンによる買収は事実上撤回され、排除措置命令を出すまでには至りませんでした。
 このケースで架空の話をするつもりはありませんが、外国企業の結合まで対象とする以上は、排除措置命令が実効ある形で貫徹することが重要であると思います。元々、独禁法が国内市場を対象としてきたことと今日の企業活動がグローバル化していることとの間には様々なギャップがありますが、このBHPビリトンによるリオ・ティントの買収は典型的な事例であると思います。
 今は世界的なMアンドAの動きは鎮静化していますが、景気が回復すれば世界的な資源の争奪戦はまた激しいものになります。今後もこのような事態が起こることは容易に想定されます。今後、外国企業結合の規制について実効を期するためにどのようなことを考えているのか、公正取引委員会委員長の見解をお聞きします。
 現行法では、課徴金と刑事罰が併存、併科されています。今回の法改正に至る独禁法基本問題懇談会報告においては、課徴金と刑事罰の在り方についても検討され、引き続き課徴金と刑事罰を併存、併科することが適当であるという趣旨の報告がされています。我が国の市場に見合った制度設計としてはそうしたものになると考えますが、今回の改正には見逃すことのできない論点を含んでいると思います。
 それは、今回の改正により、不当な取引制限主導的企業への課徴金割増しが導入されたことです。具体的には五割を加算するもので、絶対水準から見れば過大なものではないとも言えましょう。しかし、今回の改正によって、課徴金割増しについては行政上の制裁としての性格が強まるようになったと考えます。となると、課徴金と刑事罰の併存、併科について、両者の性格付けをめぐる検討がもっとなされてもおかしくないと考えます。課徴金と刑事罰の在り方についてどのように検討していくのか、公正取引委員会の委員長にお聞きしたいと思います。
 以上、公正かつ自由な競争を促進し、消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を図るという独禁法は、まさに市場経済に関する基本法であり、それが我が国の市場に見合ったものにすべく、これから真摯で活発な議論が展開されることを望むものです。
 なお、民主党は新たな代表の下で新しい政権を目指すことになりますが、国民の生活が第一の政治を実現して、経済、社会を根本から立て直すこと、そして政権交代によって我が国に議会制民主主義を定着させること、この二つは民主党に課せられた歴史的な使命であることは何ら変わりはないことを表明し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣河村建夫君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(河村建夫君) 轟木議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、審判制度の見直しにつきまして、引き続き検討を行うこととした理由及び今後の検討方針についてのお尋ねがございました。
 審判制度の在り方については、制度見直しの方向性について関係各方面において様々な御意見があり、いまだ結論が出ていないことから、引き続き検討を行うこととしたものであります。
 今後は、審判制度を廃止すべしとの意見、裁判と審判を併用すべしとの意見、また行為類型に応じて手続を分けるべしとの御意見等について、衆議院経済産業委員会における附帯決議の趣旨を尊重しつつ、関係各方面の意見を聞きながら、平成二十一年度中に結論を得るべく精力的に検討してまいりたいと、このように考えております。
 次に、審査手続における手続の可視化や供述調書の写しの提供、弁護士立会いに係る検討についてのお尋ねがありました。
 審査手続における手続の可視化については、供述人が真実を供述することに消極的になる、また、特に優越的地位の濫用事件などでは、違反事業者の報復を恐れ、被害を受けた中小企業からの協力が得られなくなるなど、真相解明に妨げとなる可能性があるために適当でないと考えております。
 また、供述調書の写しの提供や事情聴取の際の弁護士立会いについては、独占禁止法基本問題懇談会におきまして、我が国の刑事手続や他の行政調査でも認められていないこと、供述調書の写しの提供や事情聴取の際の弁護士立会いを認めることにより、真相解明の妨げとなる可能性があること、欧米と我が国では司法制度の在り方全体が異なっていることなどから、これらを認めていない現行の制度運用では問題がないと、このような判断がされておるところであります。
 次に、不公正な取引方法に関するガイドラインの整備についてのお尋ねがございました。
 不公正な取引方法については、公正取引委員会において従来からガイドラインを公表しており、その中で、例えば共同の取引拒絶が原則として違法となることなどを明らかにしております。改正法案の施行により、不公正な取引方法を規定する告示を改正する必要があることから、告示の改正に伴う見直しを含め、現行のガイドラインに見直すべき点があるかどうかについて、必要に応じて検討してまいりたいと思います。
 次に、不当廉売の規制基準についてのお尋ねがありました。
 不当廉売については、公正取引委員会において従来からガイドラインを公表しており、その中で、事業活動を困難にさせるおそれがあるとは、現に事業活動が困難になることは必要ないこと、具体的に廉売を行う事業者の事業規模や廉売商品の数量などを考慮して個別に判断されることなどを明らかにしておるところであります。
 次に、中小企業いじめ防止法案や下請法の見直しについてのお尋ねがございました。
 民主党御提出の中小企業いじめ防止法案につきましては、国会における議論にゆだねられているものと考えております。
 政府といたしましては、現下の厳しい経済情勢の下では下請企業に不当なしわ寄せが生じやすくなっていると考えております。かかる状況の下、独占禁止法及び下請法を厳正に執行し、下請取引等の適正化に努めており、下請法についてはその施行状況を勘案して、今後必要な対応を検討してまいります。
 最後に、課徴金に関し、独占禁止法と下請法の平仄についてのお尋ねがございました。
 下請法は、迅速かつ効果的に下請事業を保護する観点から、下請事業者の利益の回復が円滑に行われるように、独占禁止法とは別の手続を定めるものとして制定されたものであり、かかる観点から成果を上げてきたものと考えております。
 政府といたしましては、今後とも、かかる下請法の特徴を活用し、迅速かつ効果的に下請事業者の利益の保護を図ってまいりたいと、このように考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔政府特別補佐人竹島一彦君登壇、拍手〕
#9
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 轟木議員から私に二問の御質問をちょうだいいたしました。
 まず、外国企業に係る企業結合に対する規制の実効性についてのお尋ねがございました。
 現行の企業結合規制では、我が国の市場に対する影響の大きさから見て、本来、届出が行われるべき外国企業に係る企業結合が必ずしも届出の対象となっていないわけでございますが、今回御審議いただく独占禁止法改正法案におきましては、株式取得について事後報告制から事前届出制への変更、外国企業に係る企業結合の届出基準の見直しを行うこととしております。
 これらによりまして、外国企業に係る企業結合を的確に捕捉するとともに、海外の主要な競争当局の企業結合規制との整合性が図られ、外国当局との一層の連携が可能となります。そのことによりまして、企業結合規制の実効性が高まるものと考えております。
 公正取引委員会といたしましては、今後とも、外国企業に係る企業結合について、外国当局との連携も図りつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、課徴金と刑事罰の関係についての御質問がございました。
 議員御指摘のように、主導的役割を担った事業者に対して課徴金を割り増すことによって課徴金の行政上の制裁としての機能は強まりますが、課徴金は、違反行為の抑止を図り独占禁止法の禁止規定の実効性を確保するために金銭的不利益を課す行政上の措置でございまして、今回の改正で行政上の制裁の機能が強まるとはいえ、なお道義的な非難を目的とする刑事罰とは趣旨、目的等を異にするものでありますことから、これらを併科することについて特段の問題はないと考えております。
 以上でございます。(拍手)
#10
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#11
○議長(江田五月君) 日程第一 第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長榛葉賀津也君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔榛葉賀津也君登壇、拍手〕
#12
○榛葉賀津也君 ただいま議題となりました在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この協定は、日本国政府が第三海兵機動展開部隊の要員約八千人等の沖縄からグアムへの移転に際し二十八億ドルを上限とする資金提供を行うこと、米国政府が普天間飛行場代替施設の完成に向けての具体的な進展のあることなどを条件に海兵隊のグアム移転に必要な措置をとること、米国政府が日本国政府から提供された資金等をグアム移転事業にのみ使用すること等を定めるものであります。
 委員会におきましては、中曽根外務大臣及び浜田防衛大臣に対し質疑を行うとともに、沖縄県に委員を派遣して、米軍基地の現状視察及び関係地方自治体との意見交換を行ったほか、四名の参考人から意見を聴取いたしました。
 沖縄県における意見交換では、地元の方々から、グアム移転の着実な実施と負担軽減の実現、嘉手納飛行場以南の施設・区域の返還問題、普天間飛行場の危険性除去と騒音軽減、同飛行場代替施設の建設問題等に関する意見が述べられました。
 委員会における質疑の主な内容は、グアム移転に伴い削減される在沖縄海兵隊の実員数、本協定を国会承認条約とした経緯、グアム移転が我が国の抑止力に与える影響、グアム移転経費を我が国が負担をする理由と二十八億ドルの積算根拠、本協定が米国議会の承認を必要としない理由、家族住宅建設事業等の民活事業の検討状況、沖縄米軍基地返還による経済効果と跡地利用計画、新輸送機オスプレイの普天間飛行場代替施設への配備の可能性等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会・国民新・日本の一川理事より反対、自由民主党及び公明党を代表して公明党の浜田委員より賛成、日本共産党の井上委員より反対、社会民主党・護憲連合の山内委員より反対する旨、それぞれ意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本件は賛成少数により承認すべきものでないと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#14
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#15
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成              百五  
  反対            百三十三  
 よって、本件は承認しないことに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#16
○議長(江田五月君) ただいまの結果、本件について、本院は衆議院から両院協議会を求められることになります。
     ─────・─────
#17
○議長(江田五月君) 日程第二 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長櫻井充君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔櫻井充君登壇、拍手〕
#18
○櫻井充君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、化学物質の管理の一層の充実が求められている国内外の動向等にかんがみ、包括的な化学物質管理制度の導入、流通過程における適切な化学物質管理の実施及び国際的動向を踏まえた規制の合理化のための措置等を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、既存化学物質の安全性点検の進捗状況、第一種特定化学物質の限定的使用許可の際の安全性確保の方策、すべての化学物質について、製造数量・輸入数量等届出の対象とするに当たっての中小企業への配慮の必要性等について質疑が行われたほか、環境委員会との連合審査会を開会いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#20
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#21
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#22
○議長(江田五月君) 日程第三 公共サービス基本法案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長内藤正光君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔内藤正光君登壇、拍手〕
#23
○内藤正光君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、公共サービスが国民生活の基盤となるものであることにかんがみ、公共サービスに関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、その基本的施策を定めることにより公共サービスに関する施策を推進し、もって国民が安心して暮らすことができる社会の実現に寄与しようとするものであります。
 委員会におきましては、衆議院総務委員長赤松正雄君から趣旨説明を聴取した後、公共サービスの実施に関する責任の明確化、公共サービスの提供における国民の意見の反映、公共サービスを担う臨時・非常勤職員の処遇改善の必要性、公共サービスの実施に従事する者の労働環境の整備等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#25
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#26
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#27
○議長(江田五月君) 日程第四 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長田村耕太郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔田村耕太郎君登壇、拍手〕
#28
○田村耕太郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、高齢者の居住の安定の確保を一層推進するため、それに必要な基本方針について、新たに国土交通大臣と厚生労働大臣が共同で策定することとするなどの拡充、同基本方針を受けた都道府県による高齢者居住安定確保計画の策定、デイサービスセンター等の高齢者居宅生活支援施設と一体となった高齢者向け優良賃貸住宅の供給の促進等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、本法律案による住宅・福祉施策の連携の意義、実効性、ケア付き住宅の供給促進効果、増加が見込まれる介護施設、高齢者向け住宅ニーズに対する供給側の対応策、高齢者の居住ニーズに応じた住み替え及びバリアフリー化の促進等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#32
○議長(江田五月君) これにて休憩いたします。
   午前十時四十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十六分開議
#33
○議長(江田五月君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 先ほど衆議院から、第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件について、国会法第八十五条第一項の規定により、両院協議会を求められました。
 これより、本件に関する両院協議会の協議委員十名の選挙を行います。
 つきましては、本選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、本件に関する両院協議会の協議委員に浅尾慶一郎君、池口修次君、石井一君、一川保夫君、小川勝也君、白眞勲君、広中和歌子君、水岡俊一君、井上哲士君、近藤正道君を指名いたします。
 これより直ちに両院協議会協議委員の正副議長を選挙されることを望みます。
 両院協議会の結果の報告を待つため、暫時休憩いたします。
   午後一時三十八分休憩
     ─────・─────
   午後三時四十一分開議
#35
○議長(江田五月君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件両院協議会参議院協議委員議長から報告書が提出されました。
 この際、報告を求めます。協議委員議長浅尾慶一郎君。
    ─────────────
   〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔浅尾慶一郎君登壇、拍手〕
#36
○浅尾慶一郎君 第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件両院協議会の経過及び結果について御報告申し上げます。
 本院協議委員は、先ほどの本会議におきまして、議長より指名されました後、直ちに協議委員議長及び副議長の互選を行い、その結果、協議委員議長に私、浅尾慶一郎が、副議長に小川勝也君が選任されました。
 なお、衆議院におきましては、河野太郎君が協議委員議長に、三原朝彦君が副議長に選任されました。
 両院協議会の初会の議長はくじにより決することとなっておりますので、開会に先立ち抽せんを行いました結果、本院側協議委員議長の私、浅尾慶一郎が議長に当選いたしました。
 協議会におきましては、衆議院側の三原朝彦君から、我が国及び極東の平和と安全のための抑止力を維持しながらも沖縄県民が強く希望する海兵隊要員の移転の促進及び過重な基地負担軽減に資する等の理由で承認、次に、本院側一川保夫君から、政府が説明責任を全く果たしていないこと、地元の負担が実際に軽減されるのか不明であること、グアム移転等と普天間飛行場の代替施設問題がワンパッケージとなっていること、巨額の経費を負担する理由が明確でないこと等の理由によって承認しないと、それぞれ議決の趣旨の説明が行われました。
 次に、協議に移りましたところ、本院側協議委員の民主党・新緑風会・国民新・日本の白眞勲君、日本共産党の井上哲士君、社会民主党・護憲連合の近藤正道君から、また、衆議院側協議委員の自由民主党の松浪健四郎君、公明党の西博義君から、それぞれ種々の発言があり、双方において熱心な意見交換が行われました。
 かくて協議終結に当たり、本院側の小川勝也君から、両院協議会として参議院側が指摘した問題点を踏まえ、参議院の議決どおり本協定を承認しないよう、衆議院側に要請する旨の意見が述べられました。また、衆議院側の松島みどり君からは、本協定は、抑止力を維持しながらも沖縄の負担軽減に資するものであり、衆議院の議決どおり承認願いたい旨の意見が述べられました。
 結局、意見の一致を見るに至らず、成案が得られませんでした。
 なお、前回の両院協議会から懸案事項となっております今後の両院協議会の在り方については、両院において建設的な方向で検討し、今国会中に成案を得るよう衆参両院の議長に御報告を申し上げることについて合意をいたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#37
○議長(江田五月君) 第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきましては、両議院の意見が一致いたしませんので、憲法第六十一条の規定により、衆議院の議決が国会の議決となります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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