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2009/06/12 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 本会議 第29号
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2009/06/12 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 本会議 第29号

#1
第171回国会 本会議 第29号
平成二十一年六月十二日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十九号
  平成二十一年六月十二日
   午前十時開議
 第一 中小企業者及び中堅事業者等に対する資
  金供給の円滑化を図るための株式会社商工組
  合中央金庫法等の一部を改正する法律案(衆
  議院提出)
 第二 著作権法の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、特定地域における一般乗用旅客自動車運送
  事業の適正化及び活性化に関する特別措置法
  案(趣旨説明)
 一、日程第一及び第二
 一、少子高齢化・共生社会に関する調査の中間
  報告
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。金子国土交通大臣。
   〔国務大臣金子一義君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(金子一義君) 特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 タクシーは、鉄道、バス等とともに我が国の地域公共交通を形成している重要な公共交通機関であるとともに、高齢者社会の進展等の地域社会の変化に対応する役割や各地の観光交流を支える基盤としての役割も大いに期待される公共交通機関であります。
 しかしながら、タクシー事業をめぐっては、長期的に需要が減少傾向にある中、タクシー車両数が増加しているなどにより、地域によっては、収益基盤の悪化や運転者の労働条件の悪化等の問題が生じ、タクシーが地域公共交通としての機能を十分に発揮することが困難な状況となっております。
 このような状況を踏まえ、問題の発生している地域において、タクシー事業者を始めとする地域の関係者の自主的な取組を中心としてタクシー事業の適正化及び活性化を推進し、タクシーの地域公共交通としての機能を十分に発揮できるようにするため、この度この法律案を提案することとした次第であります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、国土交通大臣は、供給過剰等の状況に照らして、タクシーが地域公共交通としての機能を十分に発揮することができるようにするため、地域の関係者の自主的な取組を中心としてタクシー事業の適正化及び活性化を推進することが特に必要であると認める地域を特定地域として指定することができることとするとともに、特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化に関する基本方針を定めることができるとしております。
 第二に、特定地域において、地方運輸局長、関係地方公共団体の長、タクシー事業者及びその団体、タクシー運転者の団体、地域住民等により組織される協議会が、基本方針に基づき、特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化を推進するための地域計画を作成することができることとし、地域計画に即してタクシー事業者が実施する取組に係る計画について、国土交通大臣による認定制度を設けることとしております。
 第三に、特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化を推進するため、道路運送法の特例、タクシー事業者、国その他の関係者の責務等について定めることとしております。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でございますが、この法律案は衆議院におきまして一部修正が行われております。
 第一に、本法律案の目的に、地域における交通の健全な発展に寄与することを追加することとしております。
 第二に、都道府県知事及び市町村長は、国土交通大臣に対して特定地域の指定を行うよう要請することができることとしております。
 第三に、地域計画は、都市計画等の調和が保たれたものでなければならないこととしております。
 第四に、国は、地域計画に定められた事業の推進を図るために必要な資金の確保に加え、資金の融通又はそのあっせんその他援助に努めることとしております。
 第五に、政府は、タクシー事業の許可、運賃及び料金、タクシーの増車等に係る事業計画の変更、事故の報告等、タクシー事業に係る道路運送法に基づく制度の在り方について早急に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしております。
 第六に、政府は、タクシー運転者の登録等に関する制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることといたしております。
 第七に、タクシー事業の運賃及び料金の認可基準に関する道路運送法第九条の三第二項第一号の規定の適用については、当分の間、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものとすることとしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(江田五月君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。植松恵美子君。
   〔植松恵美子君登壇、拍手〕
#7
○植松恵美子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の植松恵美子でございます。
 会派を代表して、ただいま提案のありました特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案について、関係大臣に質問させていただきます。
 二〇〇二年に改正道路運送法が施行され、タクシー行政は大きく変わりました。需給調整規制が廃止されるなど規制緩和が行われた結果、待ち時間の短縮、多様なサービスの導入などにおいて一定の効果が現れたとの指摘も一部に存在しております。
 しかし、その実態は、最近の景気の急速な悪化や地方都市の衰退等の影響もあり、多くの地域ではタクシー車両が絶対的かつ相対的に増加し、タクシー会社の経営及びタクシー運行の環境が大変厳しい状況に置かれるなど、むしろマイナスの作用ばかりが目立ち、重大な社会問題を引き起こしていると言わざるを得ません。
 長期的なタクシーの需要減少傾向の中、タクシー車両の急増と相まって過当競争はますます激化しておりますが、その影響により、タクシー運転者の労働条件の劣悪化は目を覆うばかりの状況に陥っています。
 その賃金水準が全産業男性労働者と比較して六割程度の状況にあることから、運転時間の長期化を余儀なくされるなど労働条件の著しい悪化が生じており、その結果として、客を奪い合う競争や余裕のない運転により交通事故の増加を招き、タクシー利用者の安全性や利便性が大きく損なわれています。
 民主党は、衆議院での修正前の政府提出原案に対しても一定の評価はしていましたが、タクシー事業者や労働者だけでなく、利用者もタクシー行政の規制緩和によって負の連鎖に巻き込まれているということを率直に認識すべきであります。これは市場の失敗と言って済まされるものではありません。まさに国の政策の重大な失敗であったと改めて総括し、これまでの反省に立った上で今後のタクシー行政に当たるべきであると考えますが、この点について国土交通大臣の答弁を求めます。
 また、タクシー問題はセーフティーネットの構築なき無原則な規制緩和による格差拡大、雇用崩壊の象徴でもありますが、厚生労働大臣は、規制緩和によるタクシー運転手の賃金水準の悪化の状況や、社会保険未加入の問題、最低賃金法の違反率が急増している問題、通達で禁止されながら野放しにされている累進歩合等に基づく給与制度の問題等について現状をどのように認識しているか、またその上でどのような対策を講じていくつもりなのか、厚生労働大臣の答弁を求めます。
 民主党は、国土交通部門の中にタクシー関連法案等検討小委員会を設置し、関係者からのヒアリングを含め精力的に議論を積み重ね、今年の一月にはタクシー改革ビジョンを取りまとめました。その中で、基本的な考え方を以下の四点に集約しました。第一に、タクシーは公共交通機関であること、第二に、タクシー行政の地方分権を行うこと、第三に、利用促進と需要拡大に向け、業界と関係行政に努力を求め、悪徳事業者排除及び供給調整のための実効ある仕組みを構築すること、第四に、安全に配慮した適正な運賃を原則とすることです。
 民主党が目指す改革は、供給過剰を是正し、需要拡大を図り、健全なタクシー市場を確立する展望に基づいています。利用者、事業者、運転者共に利益を得られるよう、これまでの負の連鎖を断ち切り、プラスのサイクルをつくり出していきたいと考えています。
 この視点に立って、民主党を含む四会派共同で、衆議院に道路運送法の一部を改正する法律案、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案を提出いたしました。
 まず、前者の道路運送法の一部を改正する法律案は、タクシー事業の公正な競争を確保するため、事業参入時の許可基準や運賃、料金の認可基準等を改正するものであり、二つ目の法案は、特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化を推進するため、政府提出案について修正を加えるものです。
 衆議院段階では、野党案を全面的に取り入れる形で大幅な修正が実現しました。ここまで政府・与党が野党案を取り入れて修正を行うことは希有であり、我が党が掲げる友愛精神をまさに体現した与野党協議のたまものであり、修正協議に当たられたすべての御関係者の皆様に心より敬意と感謝を表するものであります。
 その上で、より実効性のあるタクシー政策の実現に向け、不十分な点やあいまいになっている点について幾つかお尋ねしてまいります。
 当初の政府提出案は、特定地域だけでの需給調整等に資するものにすぎず、それだけで抜本的な解決になり得るかどうか疑問が残っておりました。昨今のタクシー問題の根源は二〇〇二年の改正道路運送法施行による供給過剰にあり、民主党は、同法改正なしに日本全国に共通するタクシー問題の解決はできないと考えてきました。我々の問題意識を明らかにするために、ここで野党四会派で衆議院において提出した道路運送法改正案についての民主党の考え方を述べながら、質問させていただきます。
 まず、目的にタクシー事業の公正な競争を確保すべきことを追加し、需給状況に応じて新規参入や増車計画をコントロールできるように法律の性格自体を見直すべきと考えておりました。また、全国的な供給過剰状況を踏まえ、特定地域に限らず、新規参入を許可する際に需給状況も勘案するように許可要件に追加するものでありました。同時に、増車計画についても現行の届出制を改め、需給状況に関する要件も含んだ認可制に改めるものでありました。
 以上の提案にこたえる形で、参入許可基準の見直しや増車等の認可制への変更などを含め、タクシー事業にかかわる道路運送法に基づく制度の在り方について今後検討していくことを内容とする条項が衆議院修正で盛り込まれましたが、政府としてはどのような手順と基本方針で取り組むのか、国土交通大臣より明快な答弁を求めます。
 また、当初の政府提出案の欠陥の一つは、運賃制度の問題点に全くこたえていないところでした。民主党は、総括原価方式を維持しつつ適正な人件費が運賃に反映される仕組みとする観点から、安全に配慮した適正な運賃を担保できる制度に改革すべきであると主張してきました。
 現行の道路運送法では、運賃及び料金は、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであることと規定されており、ゾーン運賃制により運用されておりますが、下限割れ運賃の問題が頻発しています。そこで、この規定を見直し、地域ごとに安全を確保するため、適正な運賃を定めることができる制度とすべく、適正な原価に適正な利潤を加えたものであることとの規定に変更すべきであるとしてきました。
 衆議院の修正案ではこの趣旨を生かし、附則で道路運送法の改正が行われておりますが、私たちが意図してきたこの新たな運賃制度をどのように運用していかれるのか、国土交通大臣のお考えをお聞かせください。
 これらに加えて、事故報告についての規定の厳正化を図ることや、タクシー運転者の拘束時間や休息期間等を定める自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について、行政による事後チェックの更なる強化に取り組むとともに、違反への罰則付与など、厳格な対処を可能とする改善基準の法定化に向けた検討を行うことが必要であると考えておりますが、これらの点について、どのように取り組んでいくか、国土交通大臣及び厚生労働大臣の明快なる答弁を求めます。
 次に、特定地域の指定にかかわる衆議院の修正内容について確認いたします。
 まず、地域における公共交通の健全な発達に寄与することを法律の目的に追加したほか、タクシー行政の地方分権を進める見地から、特定地域の指定について知事や市町村長が国土交通大臣に要請できることや、協議会が作る地域計画について都市計画などとの調和を図るべきことなどを定めた修正が実現しましたが、これらを名ばかりのものとせず、実効性のある項目として生かさなくてはなりません。そのため具体的にどのように取り組んでいくのか、国土交通大臣の答弁を求めます。
 また、関連として、地域公共交通におけるタクシーの役割及び位置付けと、タクシー行政に関する地方分権の推進についての総務大臣のお考えをお聞かせください。
 さらに、地域計画に定められた事業の推進を図るために、国が融通又はあっせんその他の援助に努めるものとすることが条文に追加されました。これにより、事業者が利用者のために良質なサービスを展開し、需要拡大を図るための努力を国が後押しすることが期待されますが、政府系金融機関や信用保証制度の活用も含めて、この修正の趣旨をどう実現していくのか、国土交通大臣の明快なる御所見をいただきたいと思います。
 政府提出原案については、法律の運用についてもいまだ不明瞭な点が多々あります。特定地域の指定要件とその前提となる供給過剰などの定義をどう規定するのか、事業譲渡、合併、減車など事業再構築へのインセンティブ策をどう講じるのか、協議会運営のガイドラインをどう定めるのか等々について、国土交通省はもう少し丁寧に説明していく責任があると思われます。こうした点について、今のうちからできるだけ詳細を明らかにしていただきたいと思いますが、国土交通大臣の答弁を求めます。
 最後に、タクシー業界の需要喚起やそこに働く皆様のやりがいの創出という観点から、私の地元香川県における取組も御紹介しながら質問していきます。
 二〇〇八年十月に観光庁が発足し、ビジット・ジャパンの事業も推進されていますが、観光立国を推進する上で、各地域のタクシー事業者はその重要な担い手としての役割が期待されます。
 私の地元香川県では、うどんタクシーと称して県内のうどん店数軒を巡る観光タクシーが走っております。全国津々浦々で同様のサービスが展開されているものと思いますが、こうした観光タクシーの存在やサービス内容を国内のみならず海外からの観光客に向けて情報発信していくような支援も重要でないかと思います。そうした支援に今後どのように取り組んでいくか、国土交通大臣よりお聞かせください。
 また、香川県内のあるタクシー会社を発祥とするタクシーサービスとして子育てタクシーがあります。急な残業で迎えに行けなくなったときに御両親の代わりにお子さんを保育園に迎えに行ったり等、子育て世帯にとっては有り難いサービスを展開しています。現在、子育て支援についての活動を展開中のNPOの方を始め多くの関係者の方々の協力を得る中、全国子育てタクシー協会が中心となって各都道府県への普及に取り組んでいます。こうした事業の意義をどのように評価しているか、また、その普及拡大に政府としてどのように支援していくおつもりか、国土交通大臣、厚生労働大臣にお伺いします。
 働きがいがあり、夢と希望の持てるタクシー産業の実現に向け、政府また立法府を挙げて、今後とも真剣な議論をし、具体的な政策を実行していただけるようお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣金子一義君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(金子一義君) タクシーの規制緩和の総括についてお尋ねがありました。
 タクシー事業の規制緩和は、事業者間の健全な競争を促進し、事業者の創意工夫を生かした多様なサービスの提供や事業の効率化、活性化を図ることを目的として実施されたものであります。その結果、委員御指摘のとおり、サービスの多様化、待ち時間の短縮など、利用者にとっての一定の効果も現れているものと認識しております。そうした規制緩和のプラス面は今後とも生かしていく必要があると思っております。
 一方で、地域によっては、需要が長期的に低迷する中、車両数が増加するなどの影響もあり、タクシー運転者の労働条件の悪化を始め、公共交通機関としてのマイナス面が生じていることも事実であり、こうした問題の是正を図っていくことが必要であると思っております。
 また、衆議院の修正で盛り込まれました道路運送法に基づく制度の在り方の検討についてお尋ねがありました。
 タクシー事業が現に直面する諸問題の解決のためには、まずは本法案を早急にかつ適切に施行していくことが極めて重要であると思っております。あわせて、昨年の交通政策審議会の答申で指摘されました利用者のニーズに合致したサービスの提供、悪質事業者等への対策、過度な運賃競争への対策等運賃制度の適切な運用などの施策を総合的に講じていくことも必要と考えます。特に運賃制度に関しましては、衆議院の修正も踏まえ、新たな制度の運用に努めてまいりたいと存じます。道路運送法に基づく制度の在り方については、これらの施行状況を踏まえながら検討していきたいと思っております。
 衆議院の修正による道路運送法の改正を受けた新たな運賃制度の運用についてお尋ねがありました。
 国土交通省におきまして、現在、交通政策審議会の答申を踏まえまして、過度な運賃競争への対策としてタクシーの運賃について、下限運賃の設定、下限割れ運賃の審査等に関するガイドライン等の検討を進めております。今回、衆議院において道路運送法に規定するタクシーの運賃、料金の基準が改正されましたので、この修正を踏まえたガイドラインの作成を夏までに進めさせていただきたいと思っております。
 事故報告について、規定の厳正化及びタクシー運転者の労働時間に係る事後チェックの強化についてお尋ねがありました。
 タクシーについては公共交通機関として、その安全の確保が最も重要な課題であり、この見地から、今後とも、必要に応じ事故報告対象の見直しなど、事故報告の厳正化に努めてまいります。また、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の違反に対しては車両停止などの行政処分を行っておりますが、これまでも処分基準の強化を図ってきたところであります。昨年の交通政策審議会答申におきましても事後チェックの強化が求められております。これに従い、今後とも、行政処分の強化、関係行政機関との連携を行い、事後チェックを通じ安全の確保に努めてまいります。
 特定地域の指定の要請制度及び地域計画の都市計画等との調和等の実効性の確保についてお尋ねがありました。
 本法案の運用に当たっては、衆議院での修正の御趣旨を踏まえ、それぞれの地域におけるタクシー事業をめぐる諸問題への対策について、地方公共団体のお考えを的確に把握しつつ対応してまいりたいと思っております。例えば、本法案に基づく協議会には地方公共団体の長に積極的に参加していただき、地域社会におけるタクシーの位置付けを明確化した上で、都市計画等との調和を図りつつ地域が一体となって対策に取り組むことができるよう努めてまいりたいと思っております。
 地域計画に定められた事業の推進を図るための資金の融通又はあっせん等の支援についてお尋ねがありました。
 地域計画に定められた事業の推進を図るためどのような支援を講じていくかについて、衆議院における修正の趣旨を踏まえ、個々の特定地域で策定されます地域計画の内容を見極めた上で支援を適切にしてまいりたいと思っております。
 特定地域の指定要件、事業譲渡、合併、減車などの事業再構築へのインセンティブなど、協議会運営のガイドラインについてお尋ねがありました。
 特定地域の指定の具体的な基準につきましては、法案の審議も踏まえて今後定めることとしております。事業再構築へのインセンティブについて、地域の状況に応じまして減車などが適切に実施されるよう具体的に検討してまいりたいと思っております。
 観光タクシーについて、海外からの観光客に向けた情報発信に対する支援についてお尋ねがありました。
 タクシー事業において、近年、サービスの多様化によりまして観光タクシーも増加しているところであります。こうしたサービスの情報を、国内のみならず海外へ広く情報発信することを、タクシーの需要喚起、観光による地域振興、うどんタクシーが香川県であるようでありますが、是非、讃岐うどんタクシーとされて、地域振興の見地からも是非伸ばしていければと思っております。
 子育てタクシーの意義についての評価、またその普及拡大についての支援についてお尋ねがありました。
 学校への登下校や塾の送迎の運送を行う子育てタクシー、御指摘のとおり、子育て世代にとって大変有意義な輸送サービスであり、タクシー事業者が経営が厳しい中で、子育て支援を行うNPOと協力しながらこうした事業に積極的に取り組んでいることに対しては高く評価しているところであります。子育てタクシーが広く社会に認知されるよう、国土交通省として利用者一般への周知を行うこと、あるいは事業者団体を通じてタクシー事業者の積極的な取組を促すことについて積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣舛添要一君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(舛添要一君) タクシー運転者の賃金水準等の労働条件や社会保険未加入の問題に関する現状認識と対策についてお尋ねがありました。
 タクシー運転者の賃金につきましては、年間平均賃金で全産業労働者との格差が見られ、最低賃金法に違反する事業場の割合も全産業平均に比べ高い状況が続いております。賃金制度の面でも、長時間労働やスピード違反を誘発するおそれのある累進歩合制度を取っている事業場がなお見られるところであります。
 厚生労働省といたしましては、法定労働条件等に問題があると考えられる事業場に対して重点的な監督指導の実施に努めるとともに、労働基準監督署と地方運輸機関との合同による監査、監督、最低賃金違反等の重大、悪質な事案についての相互通報などを行っているところであります。
 また、厚生年金等の適用促進については、社会保険庁において事業主に対する適正な届出に関する指導を実施しているところであり、特にタクシー事業者については、社会保険の加入手続が適正になされていない疑いのある事業者について、国土交通省から情報提供を受けることにより適用促進を進めているところであります。
 今後とも、国土交通省との連携の下、労働条件の確保や社会保険の適用促進に粘り強く取り組んでまいります。
 いわゆる改善基準の告示の法定化についてお尋ねがございました。
 この告示は、自動車運転者の乗務の特性を踏まえ、すべての産業に適用される労働基準法では規制が難しい拘束時間の制限や休息期間の確保等の規制の在り方について、関係労使の方々の御議論をいただき、合意形成を図りながら定めたものであります。
 告示の法定化につきましては、労働基準法において自動車運転者についてのみ特別の規制を設けることになりますので、関係労使を始め社会的な合意を得ることが困難であると考えております。
 引き続き、この告示について、関係労使団体を通じた周知徹底や的確な監督指導を行うとともに、国土交通省とも連携を図りつつ、その遵守の徹底に努めてまいります。
 最後に、子育てタクシーの普及拡大についてお尋ねがございました。
 子育てタクシーは、乳幼児連れの保護者の外出のサポートや保護者に代わっての子供の送迎などを行うものと聞いておりますが、こうした取組は子育て家庭の多様なニーズにこたえるものとして大変意義のある取組だと考えております。
 平成二十一年度補正予算におきまして、安心こども基金を拡充し、地域子育て創生プロジェクトとして都道府県や市町村が地域の様々な子育て支援の取組を支援できる枠組みを用意したところでありまして、例えば子育てタクシーに携わる担い手の育成にも活用いただけるものと考えております。
 今後とも、地域の取組と連携しながら、社会全体で子育てを応援する機運の醸成に努めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣鳩山邦夫君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(鳩山邦夫君) タクシーの役割及び位置付けとタクシー行政に関する地方分権の推進についてお尋ねがありました。
 タクシーは、一般にはバスなどに比べて料金の負担が重いという課題がありますが、地域住民のニーズに応じてきめ細かく対応できるという特性がありますので、地域の交通を維持する上では、多くの人を一度に輸送できるバスや鉄道と、きめ細かい対応のできるタクシーとの組合せが地域の実情に応じていいものでなければいけないと思うわけでございます。
 地方分権という観点からいえば、地域の事情をよく知っていた方がいい行政ができるものは、これは地方に任せるということが重要でございまして、地域のことを一番よく分かっている地方自治体に一層の権限の移譲を行うということが大事だと考えておりますので、この分野でも知事とか市町村長さんが言わば地域の経営者としてらつ腕を振るえることができるような形で物事を誘導していったらいいだろうと、こう思っております。
 それから、私、実は規制緩和にも関係のある大臣として申し上げれば、一般に規制緩和というのは大変重要でございますが、規制緩和すべてが善というわけではないと思います。つまり、規制を緩和したら過当競争が起きた、そこで勤労者が非常に苦労して、格差拡大して、一部の者だけがもうけたとしたら、これは誤った規制緩和だと思いますので、そうした点に注意して、これから規制緩和の問題にも対処してまいります。(拍手)
#11
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#12
○議長(江田五月君) 日程第一 中小企業者及び中堅事業者等に対する資金供給の円滑化を図るための株式会社商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長櫻井充君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔櫻井充君登壇、拍手〕
#13
○櫻井充君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、衆議院において高村正彦君外六名から提出されたものであり、その主な内容は、株式会社商工組合中央金庫による中小企業者、中堅事業者等向けの危機対応業務を拡充するために必要な財政基盤を確保するとともに、株式会社産業革新機構の資金調達を円滑にするために必要な措置を講ずるものであります。
 衆議院において、政府が平成二十三年度末を目途として商工中金に関し検討する事項として、政府保有株式の処分の在り方及び商工中金に対する国の関与の在り方を加える等の修正が行われております。
 委員会におきましては、現下の厳しい経済環境に対して、政府そして委員各位の認識を共通とし、そしてその上で再度公的金融機関の在り方を考えなければならないのではないか。もう少し具体的に申し上げれば、商工中金の完全民営化の方向性について十分に検討する必要があること等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと思います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#15
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#16
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十四  
  賛成            二百十二  
  反対              十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#17
○議長(江田五月君) 日程第二 著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長中川雅治君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔中川雅治君登壇、拍手〕
#18
○中川雅治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、障害者の著作物利用のための複製、インターネット情報の検索サービスを実施するための複製、著作権者等と連絡できない場合の著作物等の利用などをより円滑に行えるようにするための措置を講ずるとともに、違法なインターネット配信と知りながら録音、録画することを私的使用目的でも権利侵害とする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、国立国会図書館における電子データの活用方法、障害者の情報アクセス確保に向けた本法律案の運用、違法なインターネット配信からの録音、録画の違法化が利用者に及ぼす影響等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#20
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#21
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十四  
  賛成           二百二十四  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#22
○議長(江田五月君) この際、少子高齢化・共生社会に関する調査会長から、少子高齢化・共生社会に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。少子高齢化・共生社会に関する調査会長田名部匡省君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔田名部匡省君登壇、拍手〕
#24
○田名部匡省君 少子高齢化・共生社会に関する調査会における中間報告の概要につきまして御報告申し上げます。
 本調査会は、第百六十八回国会の平成十九年十月に設置され、調査テーマを「コミュニティの再生」と定め、一年目では、コミュニティの再生のうち外国人との共生について調査を行い、「外国人との共生についての提言」を含む中間報告書を平成二十年六月に議長に提出いたしました。
 二年目は、コミュニティの再生のうち「地域コミュニティの再生」に関する件を調査事項として取り上げ、調査を行ってまいりました。
 その結果、「地域コミュニティの再生についての提言」を含めた中間報告書を取りまとめ、去る六月十日、議長に提出いたしました。
 以下、その主な内容につきまして御報告申し上げます。
 第百七十一回国会におきましては、「地域コミュニティの再生」について三回にわたり参考人に出席を求め、意見を聴取し、質疑を行いました。参考人からは、地域振興とコミュニティの再生の在り方、都市におけるコミュニティの問題点、高齢者の医療、福祉及び住宅政策、コミュニティの活性化と経済的自立等について意見が述べられました。
 また、二月二十三日及び二十四日、滋賀県に委員派遣を行い、四月十五日にはこれまでの調査を踏まえ、本報告の取りまとめに向けて調査会委員間の自由討議を行いました。
 調査会委員からは、地域の多様性に着目した地域振興策の策定、高齢者の生きがいの創出と居場所づくりの必要性、在宅医療促進のための環境整備、地産地消の促進策、農村女性の経済的自立、地域ブランド育成の重要性等が指摘されました。
 これらの点を踏まえ、本調査会として意見を集約し、地域コミュニティの再生について四つの柱から成る十八項目の提言をまとめました。
 提言の主な内容は、第一に、地域政策全般についてであります。地域の多様性の尊重、都市と地方との連携、地方財源の確保について言及しております。
 第二に、医療、福祉等についてであります。医療体制の充実、医療、介護における職種間の連携、高齢者の生活支援、高齢者の住への配慮、高齢者が生き生きと働ける環境整備について言及しております。
 第三に、経済的自立についてであります。地域資源の活用、地域ブランド、コミュニティビジネスの育成、地産地消運動の拡大、農村女性の経済的自立、農業の新たな担い手の確保、ツーリズムの一層の推進について言及しております。
 第四に、互助、共助についてであります。地域のきずなの再生、ワーク・ライフ・バランスの重視、リーダーの育成、人材確保、NPO等への資金面での配慮について言及しております。
 政府はもとより、地方公共団体、企業、各種団体におかれましても、本提言の趣旨を御理解いただき、これらの実現に努められることを要請するものであります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#25
○議長(江田五月君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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