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2009/03/11 第171回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第171回国会 文部科学委員会 第1号
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2009/03/11 第171回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第171回国会 文部科学委員会 第1号

#1
第171回国会 文部科学委員会 第1号
本国会召集日(平成二十一年一月五日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。
   委員長 岩屋  毅君
   理事 木村  勉君 理事 佐藤  錬君
   理事 馳   浩君 理事 原田 令嗣君
   理事 茂木 敏充君 理事 小宮山洋子君
   理事 牧  義夫君 理事 池坊 保子君
      阿部 俊子君    井澤 京子君
      井脇ノブ子君    飯島 夕雁君
      浮島 敏男君    小川 友一君
      岡下 信子君    加藤 勝信君
      加藤 紘一君    鍵田忠兵衛君
      亀岡 偉民君    中森ふくよ君
      西本 勝子君    萩生田光一君
      平口  洋君    福井  照君
      福田 峰之君    藤田 幹雄君
      山本ともひろ君    田島 一成君
      高井 美穂君    土肥 隆一君
      藤村  修君    松本 大輔君
      山口  壯君    笠  浩史君
      和田 隆志君    富田 茂之君
      西  博義君    石井 郁子君
      日森 文尋君
平成二十一年三月十一日(水曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 岩屋  毅君
   理事 木村  勉君 理事 佐藤  錬君
   理事 馳   浩君 理事 原田 令嗣君
   理事 茂木 敏充君 理事 小宮山洋子君
   理事 牧  義夫君 理事 池坊 保子君
      阿部 俊子君    井澤 京子君
      井脇ノブ子君    飯島 夕雁君
      浮島 敏男君    小川 友一君
      岡下 信子君    加藤 勝信君
      加藤 紘一君    鍵田忠兵衛君
      亀岡 偉民君    谷垣 禎一君
      中森ふくよ君    西本 勝子君
      萩生田光一君    平口  洋君
      福田 峰之君    藤田 幹雄君
      山本ともひろ君    内山  晃君
      田島 一成君    高井 美穂君
      土肥 隆一君    藤村  修君
      松本 大輔君    山口  壯君
      富田 茂之君    西  博義君
      石井 郁子君    日森 文尋君
    …………………………………
   文部科学大臣       塩谷  立君
   文部科学副大臣      松野 博一君
   文部科学副大臣      山内 俊夫君
   文部科学大臣政務官    萩生田光一君
   文部科学大臣政務官    浮島とも子君
   文部科学委員会専門員   佐久間和夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十八日
 辞任         補欠選任
  福井  照君     谷垣 禎一君
三月十一日
 辞任         補欠選任
  和田 隆志君     内山  晃君
同日
 辞任         補欠選任
  内山  晃君     和田 隆志君
    ―――――――――――――
一月五日
 学校教育法の一部を改正する法律案(武正公一君外四名提出、第百六十五回国会衆法第二号)
三月十日
 独立行政法人に係る改革を推進するための文部科学省関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一八号)
一月二十六日
 教育格差をなくし、子供に行き届いた教育に関する請願(柚木道義君紹介)(第一号)
 教育格差をなくし、すべての子供に行き届いた教育をするために私学助成大幅増額を求めることに関する請願(武田良太君紹介)(第二号)
 教育格差をなくし、行き届いた教育に関する請願(広津素子君紹介)(第三号)
 私学助成の大幅増額、教育費の保護者負担の軽減、教育条件の改善を求めることに関する請願(広津素子君紹介)(第四号)
 教育格差をなくし、子供たちが安心して私立学校に通えることに関する請願(西村智奈美君紹介)(第六号)
 同(近藤基彦君紹介)(第三八号)
 同(高鳥修一君紹介)(第三九号)
 同(筒井信隆君紹介)(第五四号)
 同(菊田真紀子君紹介)(第一四六号)
 教育格差をなくし行き届いた教育を求めることに関する請願(奥村展三君紹介)(第七号)
 国庫補助の堅持・拡大、父母負担の軽減、教育条件の改善、私学助成制度の大幅な拡充に関する請願(大畠章宏君紹介)(第八号)
 同(赤城徳彦君紹介)(第五五号)
 同(丹羽雄哉君紹介)(第五六号)
 同(葉梨康弘君紹介)(第一二二号)
 同(岡部英明君紹介)(第一四一号)
 教育格差をなくし、子供に行き届いた教育を求めることに関する請願(武正公一君紹介)(第三五号)
 教育格差をなくし子供に行き届いた教育に関する請願(和田隆志君紹介)(第三六号)
 父母負担軽減、私立高校以下への国庫助成制度の拡充に関する請願(近藤昭一君紹介)(第三七号)
 同(河村たかし君紹介)(第八五号)
 同(鈴木淳司君紹介)(第八六号)
 同(藤野真紀子君紹介)(第一二三号)
 教育格差をなくし子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(横山北斗君紹介)(第五二号)
 私学助成大幅増額・三十人学級実現、行き届いた教育に関する請願(横山北斗君紹介)(第五三号)
 私学助成の拡充・父母負担の軽減で公平な教育を実現することに関する請願(佐々木隆博君紹介)(第八四号)
 教育格差をなくし、行き届いた教育を求めることに関する請願(村井宗明君紹介)(第一二一号)
 学費を心配せず、学びたい学校で学べることに関する請願(松野頼久君紹介)(第一四〇号)
 私学助成の抜本的拡充、行き届いた教育の実現を求めることに関する請願(赤羽一嘉君紹介)(第一四五号)
二月九日
 学費の負担軽減、大学予算増額を求めることに関する請願(笠浩史君紹介)(第一八一号)
 同(田島一成君紹介)(第一八八号)
 同(日森文尋君紹介)(第二五四号)
 私学助成の大幅増額、教育費の保護者負担の軽減、教育条件の改善に関する請願(福岡資麿君紹介)(第一八二号)
 父母負担軽減、私立高校以下への国庫助成制度の拡充に関する請願(江崎鐵磨君紹介)(第一八三号)
 同(牧義夫君紹介)(第一九四号)
 同(赤松広隆君紹介)(第一九八号)
 同(篠田陽介君紹介)(第一九九号)
 同(山本明彦君紹介)(第二〇四号)
 同(赤松広隆君紹介)(第二五三号)
 同(大村秀章君紹介)(第二九四号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第二九五号)
 同(馬渡龍治君紹介)(第二九六号)
 同(牧義夫君紹介)(第二九七号)
 教育格差をなくし、子供に行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(奥村展三君紹介)(第一八六号)
 同(宇野治君紹介)(第一九五号)
 同(田島一成君紹介)(第二〇〇号)
 同(三日月大造君紹介)(第二二二号)
 同(上野賢一郎君紹介)(第二三八号)
 同(川端達夫君紹介)(第二五五号)
 教育格差をなくし、子供たちが安心して私立学校に通えることに関する請願(稲葉大和君紹介)(第一八七号)
 同(漆原良夫君紹介)(第二二〇号)
 同(長島忠美君紹介)(第二五一号)
 教育格差をなくし、すべての子供に行き届いた教育をするために私学助成大幅増額を求めることに関する請願(渡辺具能君紹介)(第一九三号)
 同(太田誠一君紹介)(第二一九号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第二九二号)
 教育格差をなくし、子供たちに行き届いた教育に関する請願(土井亨君紹介)(第二一七号)
 教育格差をなくしすべての子供に行き届いた教育を求めることに関する請願(中谷元君紹介)(第二一八号)
 教育格差をなくし、子供に行き届いた教育を求めることに関する請願(大野松茂君紹介)(第二二一号)
 学校事務職員等の定数改善と給与費等国庫負担の拡充に関する請願(赤松広隆君紹介)(第二三五号)
 同(日森文尋君紹介)(第二五六号)
 教育格差をなくし子供に行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(馳浩君紹介)(第二三六号)
 子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(近藤洋介君紹介)(第二三七号)
 学費格差を是正し、教育の公平を求めることに関する請願(塩崎恭久君紹介)(第二五〇号)
 教育格差をなくし子供に行き届いた教育に関する請願(寺田稔君紹介)(第二五二号)
 同(松本大輔君紹介)(第二九三号)
 教育格差をなくし行き届いた教育に関する請願(穀田恵二君紹介)(第二七九号)
 国による三十人学級実現、私学助成大幅拡充に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二八〇号)
 国による三十人学級の早期実現、私学助成の大幅増額に関する請願(石井郁子君紹介)(第二八一号)
 同(吉井英勝君紹介)(第二八二号)
 父母・学生の学費負担軽減と私大助成の増額を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二八三号)
 同(石井郁子君紹介)(第二八四号)
 同(笠井亮君紹介)(第二八五号)
 同(穀田恵二君紹介)(第二八六号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第二八七号)
 同(志位和夫君紹介)(第二八八号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第二八九号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第二九〇号)
 同(吉井英勝君紹介)(第二九一号)
 私学助成の拡充・父母負担の軽減で公平な教育を実現することに関する請願(丸谷佳織君紹介)(第二九八号)
同月十八日
 教育格差をなくしすべての子供たちに行き届いた教育に関する請願(渡部恒三君紹介)(第三二六号)
 子供に行き届いた教育を求めることに関する請願(内山晃君紹介)(第三二七号)
 同(志位和夫君紹介)(第五〇一号)
 同(薗浦健太郎君紹介)(第五〇二号)
 すべての子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(糸川正晃君紹介)(第三四二号)
 教育格差をなくし、子供に行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(藤井勇治君紹介)(第三四三号)
 教育格差をなくし、子供に行き届いた教育を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三九〇号)
 同(日森文尋君紹介)(第四九二号)
 教育格差をなくし子供に行き届いた教育に関する請願(岸田文雄君紹介)(第三九一号)
 教育格差をなくし、子供たちに行き届いた教育に関する請願(菅野哲雄君紹介)(第三九二号)
 行き届いた教育を進めるための私学助成の大幅増額に関する請願(中川泰宏君紹介)(第四二〇号)
 同(泉健太君紹介)(第四四八号)
 同(山井和則君紹介)(第四四九号)
 同(井澤京子君紹介)(第五〇三号)
 同(北神圭朗君紹介)(第五〇四号)
 同(穀田恵二君紹介)(第五〇五号)
 同(清水鴻一郎君紹介)(第五〇六号)
 父母負担軽減、私立高校以下への国庫助成制度の拡充に関する請願(杉浦正健君紹介)(第四二一号)
 同(伴野豊君紹介)(第四四五号)
 私学助成の拡充・父母負担の軽減で公平な教育を実現することに関する請願(佐々木隆博君紹介)(第四四六号)
 同(今津寛君紹介)(第四九三号)
 同(松木謙公君紹介)(第四九四号)
 学費格差を是正し、教育の公平を求めることに関する請願(塩崎恭久君紹介)(第四四七号)
 教育予算を大幅に増額し、行き届いた教育を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第四八九号)
 同(日森文尋君紹介)(第四九〇号)
 教育格差をなくし、行き届いた教育に関する請願(大串博志君紹介)(第四九一号)
 学費の負担軽減、大学予算増額を求めることに関する請願(石井郁子君紹介)(第四九五号)
 私学助成の大幅増額、教育費の保護者負担の軽減、教育条件の改善に関する請願(大串博志君紹介)(第四九六号)
 教育格差をなくしすべての子供に行き届いた教育を求めることに関する請願(福井照君紹介)(第四九七号)
 学校事務職員等の定数改善と給与費等国庫負担の拡充に関する請願(石井郁子君紹介)(第四九八号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第四九九号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第五〇〇号)
同月二十五日
 私学助成の大幅増額、教育費の保護者負担の軽減、教育条件の改善に関する請願(原口一博君紹介)(第五三三号)
 学校事務職員等の定数改善と給与費等国庫負担の拡充に関する請願(重野安正君紹介)(第五三四号)
 同(田島一成君紹介)(第五五〇号)
 同(吉井英勝君紹介)(第六三〇号)
 教育格差をなくし子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(渡部恒三君紹介)(第五四九号)
 教育格差をなくし子供に行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(北村茂男君紹介)(第五五一号)
 子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(遠藤利明君紹介)(第五五二号)
 教育格差をなくし、すべての子供たちに行き届いた教育に関する請願(高木義明君紹介)(第五八二号)
 豊かな私学教育の実現のための私学助成に関する請願(平口洋君紹介)(第五八三号)
 教育格差をなくし子供に行き届いた教育に関する請願(平口洋君紹介)(第五八四号)
 教育格差をなくしすべての子供に行き届いた教育を求めることに関する請願(山本有二君紹介)(第六二九号)
三月三日
 教育予算を大幅に増額し、行き届いた教育を求めることに関する請願(牧原秀樹君紹介)(第六八〇号)
 教育予算の充実に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第七三一号)
 同(石井郁子君紹介)(第七三二号)
 同(笠井亮君紹介)(第七三三号)
 同(穀田恵二君紹介)(第七三四号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第七三五号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第七九〇号)
 私学助成大幅増額等に関する請願(安住淳君紹介)(第七三六号)
 同(小野寺五典君紹介)(第七三七号)
 同(土井亨君紹介)(第七九一号)
 教育格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(高井美穂君紹介)(第七七九号)
 教育格差をなくしすべての子供に行き届いた教育に関する請願(田島一成君紹介)(第七八〇号)
 子供に行き届いた教育を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第七八一号)
 同(石井郁子君紹介)(第七八二号)
 同(笠井亮君紹介)(第七八三号)
 同(穀田恵二君紹介)(第七八四号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第七八五号)
 同(志位和夫君紹介)(第七八六号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第七八七号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第七八八号)
 同(吉井英勝君紹介)(第七八九号)
同月十一日
 学校事務職員等の定数改善と給与費等国庫負担の拡充に関する請願(和田隆志君紹介)(第八六〇号)
 私学助成大幅増額等に関する請願(郡和子君紹介)(第八六一号)
 同(菅野哲雄君紹介)(第九二一号)
 私学助成増額に関する請願(吉良州司君紹介)(第八九七号)
 父母負担軽減、私立高校以下への国庫助成制度の拡充に関する請願(土井真樹君紹介)(第八九八号)
 教育格差をなくし、すべての子供に行き届いた教育に関する請願(上田勇君紹介)(第九七六号)
 教育予算を大幅に増額し、行き届いた教育を求めることに関する請願(新井悦二君紹介)(第九七七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 文部科学行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○岩屋委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 文部科学行政の基本施策に関する事項
 生涯学習に関する事項
 学校教育に関する事項
 科学技術及び学術の振興に関する事項
 科学技術の研究開発に関する事項
 文化、スポーツ振興及び青少年に関する事項
以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○岩屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#4
○岩屋委員長 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 文部科学大臣から所信を聴取いたします。塩谷文部科学大臣。
#5
○塩谷国務大臣 おはようございます。
 第百七十一回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。
 我が国は、明治期以来、大きな時代の変革期において、教育の力で幾多の難局を乗り越えてきました。麻生総理が施政方針演説で述べられたように、国づくりの基本は人づくりです。人づくりこそが、一人一人の幸福の実現と国家、社会の発展の礎です。今後、本格的な知識基盤社会に向かい、グローバル化に伴う国際競争が激化する中で、我が国が活力を持ち続けていくためには、未来に向けて教育の発展こそが重要です。
 およそ六十年ぶりの教育基本法の改正を踏まえ、学校教育法、社会教育法等の改正や小中高等学校等の学習指導要領の改訂を行い、昨年七月には、初めての教育振興基本計画を策定いたしました。私の最大の使命として、この計画の着実な実施に全力で取り組んでまいります。
 ことしは、教育基本法の理念を実行に移す年であり、新しい日本の教育が始まる年です。
 教育振興基本計画の実施に当たって私がとりわけ重点的に取り組みたいと考えている事項は、生きる基本の徹底、学校体系・学校制度、教育費に関することの三つです。
 まず、教育を通じて子供たちに、生きる基本ともいうべき知徳体をバランスよくしっかりとはぐくみ、基礎学力の定着、道徳教育の充実、体力の向上、勤労観、職業観の育成を図ります。
 そのためには、四月から一部先行実施される小中学校の新学習指導要領を円滑に実施していくことが重要であり、指導体制の整備、教科書の質、量両面での充実、理科設備等の充実、道徳用教材等に対する支援、武道場の設置などの条件整備を進めます。また、今月九日に改訂した高等学校及び特別支援学校の学習指導要領について、その趣旨及び内容の周知徹底に取り組んでまいります。
 さらに、子供たちが多様な経験を積み、視野を広げることができるように、地域とも連携して、スポーツ活動の充実、校庭の芝生化の推進、野外活動等、外に出る活動への支援を強化します。また、文化芸術活動等の体験活動、読書活動や環境教育、人権教育を推進します。
 生きる基本の徹底に関して、先ごろ私から、心をはぐくむための五つの提案を行いました。
 具体的には、日本のよさを見直そうという観点から、一、読み書きそろばん、外遊びを推進する、二、校訓を見詰め直し実践する、三、先人の生き方や本物の文化芸術から学ぶ、四、家庭で生活の基本的ルールをつくる、五、地域の力で教育を支える、ことを提案し、大人も子供も、家庭や地域も一緒に具体的な取り組みを行っていただきたいとの私の考えの一端を示しました。
 二つ目に、幼稚園から大学までの学校体系のあり方や学校制度に関して検討します。
 具体的には、これまでの教育改革の成果や課題を点検し、小学校と中学校、中学校と高等学校、高等学校と大学など、各学校段階の円滑な接続のあり方について検討を進めます。また、社会人、職業人として自立した人材を育成し、学校から社会、職業への円滑な移行を図る観点から、今後の学校におけるキャリア教育、職業教育のあり方について昨年十二月に中央教育審議会に諮問したところであり、今後、精力的に御審議いただくこととしています。
 また、子供たちに大きな影響を与える教員に質の高い人材を確保し、教員が子供一人一人に向き合う環境をつくることができるよう、教職員定数の改善や、経験豊かな社会人等の活用を進めます。四月からの教員免許更新制の実施に万全を期し、あわせて、今後の学校運営のあり方やめり張りある教員給与体系について検討してまいります。教育委員会について、住民の意向を反映しつつ、その役割と機能を十分に発揮し責任を果たすことができるよう、その取り組みを促します。
 三つ目に、教育の機会を確保するため、経済的理由により修学が困難になるなど手厚い支援が必要な子供たちや、発達障害を含め障害のある子供たちに対する支援を進めます。とりわけ、現下の経済状況の悪化にも対応できるよう、学生に対する奨学金の貸与人員を拡充するとともに、各高等学校、大学が実施する授業料等の納付が困難な者に対する減免措置等を引き続き積極的に支援してまいります。また、昨今、日本に居住するブラジル人等の雇用が不安定になっていることを背景として、定住外国人の子供たちに対する緊急支援策を取りまとめ、日本語指導や就学支援に取り組んでいるところです。
 幼児教育の無償化について、歳入改革にあわせて財源、制度等の問題を総合的に検討するとともに、新たな財政措置等による認定こども園の緊急整備を進めます。
 さらに、今後とも、意欲と能力のあるだれもが安心して教育を受けることができるよう、中長期的な観点から、家計負担や公財政支出のあり方について検討を進めます。
 子供たちを取り巻く社会、環境が大きく変化する中、学校、家庭、地域が連携し、社会総がかりで、子供たちを守り育てていく環境を整えていく取り組みが必要です。
 このため、保護者や地域住民が学校づくりに参画できるコミュニティースクールの設置や、地域が学校教育を支援するための学校支援地域本部を全国各地に広めるとともに、放課後等に子供が安心して活動できる場を確保する放課後子どもプランを推進します。また、身近な地域において、子育てに関する情報の提供や相談できる体制を整えるなど、家庭教育に対する支援を進めます。
 さらに、子供の基本的な生活習慣や健全な食生活の実現等を図るため、「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進、栄養教諭を中核とした学校における食育を推進します。
 携帯電話が子供たちに与える影響が大きくなっています。子供たちをネット上のいじめや有害情報による犯罪被害から守らなければなりません。
 このため、学校における情報モラル教育の推進や家庭における取り組みを促すとともに、小中学校における携帯電話の持ち込みを原則禁止すべきとの方針を打ち出しました。携帯電話をめぐる問題に対する取り組みを引き続き行ってまいります。また、いじめや不登校などの問題行動等への対応の推進を図るため、未然防止、早期発見、早期対応の徹底及び教育相談体制の整備を進めます。
 子供たちの活動の中心となる場であり、地域住民の応急避難場所ともなる学校施設の耐震化は、喫緊の課題です。
 このため、地震による倒壊の危険性の高い公立小中学校の施設について、平成二十三年度までの耐震化を目指すなど、学校の耐震化が加速化するよう取り組みます。また、太陽光発電の導入拡大など環境を考慮した学校施設等の整備、学校等におけるICT化や地上デジタルテレビの整備に積極的に取り組んでまいります。
 知識基盤社会における大学の役割は、高度化、多様化する社会や学生の需要を踏まえ、豊かな教養と専門的知識を備えた人材を養成するとともに、すぐれた研究により知の創造と発展を図り、我が国のみならず、広く国際社会に貢献することです。このような役割を各大学が十分に果たし、社会からの信頼の向上を図るとともに、大学教育の質を保証する観点から、大学教育の将来を見据えた中長期的なあり方について検討を行ってまいります。
 また、大学教育を支えるため、基盤的経費である国立大学法人運営費交付金や施設整備費、私学助成費を措置するとともに、留学生三十万人計画の実現に向けた諸条件の整備など大学の国際化を推進し、さらに、各大学等が持つ多様な機能に応じた支援に取り組んでまいります。また、高等専門学校教育の一層の推進を図ります。
 喫緊の課題である医師不足解消のため、医学部の入学定員を増員し、地域医療を担う志の高い医師の養成に取り組みます。また、地域医療において中核的な機能を担う大学病院の充実に努めます。特に、周産期医療体制の構築に向けて、今後四年間で国立大学病院の周産期医療病床を計画的に整備するとともに、人材養成の強化に努めてまいります。
 さらに、学生等の内定取り消し問題など雇用環境が一段と厳しくなっている状況に対応するため、関係団体等による緊急の会議開催や学生等に対する相談体制の強化など、各大学等がきめ細かく対応を行うよう関係省と連携しつつ、支援してまいります。
 基礎科学は、宇宙の成り立ちや物質の起源を解明するという人類の知的好奇心を満たすだけではなく、将来、我が国の発展を支える果実となる種をまくという重要な営みです。昨年、四名の日本人研究者がノーベル賞を受賞いたしました。私もノーベル賞授賞式に出席し、我が国の基礎研究の底力を改めて実感するとともに、さらにこの力を伸ばしていかなければならないと痛感いたしました。
 このため、本年を基礎科学力強化年と定め、一月に設置した基礎科学力強化推進本部において、本部長の私みずから陣頭指揮をとり、具体的な強化方策について精力的に検討してまいります。子供たちが実験や観察を通じて楽しみながら理科や数学を学び、未来を担う人材になるよう、理数教育を充実させるとともに、自然体験の機会もふやし、知的好奇心を持った子供の育成に力を入れてまいります。さらに、優秀な若手研究者、女性や外国人の研究者が持てる力を遺憾なく発揮し、多様な場で活躍できるような環境づくりをしてまいります。また、世界の研究者を引きつける世界トップレベルの拠点を整備していきます。
 ノーベル物理学賞を受賞された朝永振一郎先生は、「ふしぎだと思うこと、これが科学の芽です。よく観察してたしかめ、そして考えること、これが科学の茎です。そうして最後になぞがとける、これが科学の花です。」とおっしゃいました。子供たちの創造性をはぐくむとともに、基礎科学で咲かせた花は、社会へと還元させる大きな果実として実らせないといけません。
 科学技術の世界は海外との競争です。我が国の誇る基礎科学の研究成果に、光を使って汚れを落とす光触媒の技術があります。一兆円を超える市場規模が期待されているこの分野では我が国が世界を圧倒していますが、各国は猛烈に追い上げてきています。我が国も、iPS細胞作成に代表されるような独創的な成果を次から次に創出して、イノベーションに結びつけていくことが必要です。
 このためにも、資源の選択と集中を図り、我が国の能力を総結集して、重要な分野の研究開発を一層進めてまいります。また、産学官の連携を強化するとともに、地域経済の活性化につながる研究開発体制を整備してまいります。
 エネルギー問題や地球温暖化、自然災害など地球規模の課題に対応すると同時に、我が国が持続的に発展していくためには、長期的な視野のもと、国が責任を持って戦略的に研究開発を進めていく必要があります。
 このため、次世代スーパーコンピューター開発や、海洋、地球深部の探査など、国家基幹技術の研究開発を着実に進めてまいります。
 ことしは、国際宇宙ステーションにおいて日本人宇宙飛行士が長期滞在を開始します。H2Aロケットの打ち上げも九機連続で成功いたしました。宇宙基本法元年にとってふさわしい年になるよう、宇宙開発戦略本部の方針のもと、我が省が引き続き責任を持って宇宙開発利用を展開してまいります。
 現在の社会は、過去からの科学技術の成果の積み上げによる恩恵を受けて成り立っています。今回のノーベル賞受賞も、三十年以上前の成果が評価されたものです。三十年後にも我が国が世界のフロントランナーとして走り続けるために、今後とも科学技術政策を強力に推進してまいります。
 スポーツと文化芸術は、国民に夢や感動をもたらします。社会や経済に活力を与えるとともに、国際社会において我が国の存在を高めるために大きな役割を果たしています。スポーツ立国、文化芸術立国を目指して、国家戦略としてスポーツ、文化芸術を振興していくことが必要です。
 二〇一〇年のバンクーバー冬季オリンピックに備えるとともに、二〇一六年オリンピックの日本開催に向けて招致活動を支援します。ナショナルトレーニングセンター等を活用し、競技力の向上に努めます。また、総合型地域スポーツクラブの育成等により生涯スポーツの振興に努めるとともに、学校体育や運動部活動の充実を通じた子供の体力向上の取り組みを進めます。
 文化芸術の継承、発展、創造を担う人材の育成や活動の支援、地域文化の振興、子供が本物の文化芸術に触れる機会の充実、文化財の保存、活用、国語の正しい理解の促進、高度情報化など時代の進展に対応した著作権制度の見直しを進めます。
 先ごろ、日本の映画作品「おくりびと」、「つみきのいえ」がアカデミー賞を受賞いたしました。日本文化の水準の高さを示すものであり、誇らしく思います。映画やアニメ等を初めとした豊かな日本文化の海外発信や国際文化交流を推進します。
 また、ユネスコやOECDなどの国際機関を通じて、我が国の知恵と経験を生かした国際交流・協力及び国際貢献を推進するとともに、日本に生活する外国人に対する日本語教育を支援します。
 このほか、今通常国会に、平成十九年十二月の独立行政法人整理合理化計画を踏まえた独立行政法人に係る改革を推進するための文部科学省関係法律の整備等に関する法律案のほか、原子力損害の賠償に関する法律等の改正案、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の改正案、著作権法の改正案を提出いたしました。
 今、日本は厳しい経済状況、雇用状況のもとにあります。このようなときだからこそ、資源の乏しい我が国が、強く明るい未来を切り開くため、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化芸術の振興に力を注いでいくことが重要です。私自身、現場の状況をしっかりと把握し、実態を踏まえて諸施策の遂行に遺漏なきよう努めてまいりたいと考えています。
 引き続き、関係各位の御指導と御鞭撻をいただきますよう心よりお願い申し上げます。(拍手)
#6
○岩屋委員長 次に、平成二十一年度文部科学省関係予算の概要について説明を聴取いたします。松野文部科学副大臣。
#7
○松野副大臣 平成二十一年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 平成二十一年度予算の編成に当たっては、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化の振興についての施策を総合的に展開するため、文部科学予算の確保に努めてきたところであります。
 文部科学省所管の一般会計予算額は五兆二千八百十七億円、エネルギー対策特別会計は一千四百六十六億円となっております。
 以下、平成二十一年度予算における主な事項について御説明申し上げます。
 第一に、初等中等教育の充実を図るための関連施策を総合的に進めることとしており、中でも、授業時数や指導内容が増加する新学習指導要領の円滑な実施を図るため、指導体制の整備を図るとともに、退職教員や社会人経験者など外部人材の活用を図るサポート先生の配置に五十八億円、新学習指導要領への移行期間中に先行して実施される算数・数学、理科の補助教材に十三億円、中学校武道の必修化に向けた条件整備として五十億円を計上しております。
 また、教員が子供一人一人に向き合う環境をつくるため、一千人の教職員定数の改善など義務教育費国庫負担金に一兆六千四百八十三億円を計上しております。
 なお、教員給与の見直しについては、基本方針二〇〇六に基づく人材確保法による教員給与の優遇措置の縮減等を図ることとしております。
 このほか、平成二十一年四月から開始される教員免許更新制の円滑な実施に関する施策、豊かな心の育成に向けた体験活動、読書活動等の推進、いじめ問題への対応など生徒指導に関する施策、充実した教育を支える環境の整備の一環として特別支援教育の推進、子供の心身の健康を守り、安全、安心を確保するため、学校保健、子供の安全対策、学校における食育の推進を図ることとしております。
 さらに、地震により倒壊等の危険性が高い学校施設一万棟の耐震化の加速等、直面する諸課題に対応できる学校施設づくりを推進するため、一千五十一億円を計上しております。
 第二に、社会全体の教育力の向上を図るための施策を幅広く展開することとしており、中でも、学校、家庭、地域の連携協力に関する事業について、地域の実情に応じ各事業を組み合わせながら、自主的な取り組みが進められるよう百四十三億円を計上しております。その中で、地域全体で学校を支援し、地域の教育力の向上を図る学校支援地域本部事業の全国的な普及を図ることとしております。
 また、青少年を有害環境から守るための取り組みなど、青少年の健全育成の推進を図ることとしております。
 第三に、新たな状況変化に対応した大学改革を推進するため、大学教育の質保証や大学院教育の抜本的強化等の取り組みへの支援に六百十億円を計上するとともに、新生児集中治療室など地域医療を支える大学病院の機能を強化するため五十五億円、留学生三十万人計画の実現と大学の国際化を推進するために四百三十四億円を計上しております。
 また、国立大学等における教育研究の充実と活性化を図るため国立大学法人運営費交付金に一兆一千六百九十五億円、第二次国立大学等施設緊急整備五カ年計画に基づき、重点的、計画的整備の推進を図るため四百八十三億円を計上しております。
 第四に、私学助成について、私立の大学や高等学校等に係る経常費補助に総額四千二百五十六億円を計上するなど、私学の振興を図ることとしております。
 第五に、学生が安心して学べる環境を実現するため、奨学金事業については、貸与人員で六万人を増員し百十五万人に貸与するため、事業費で九千四百七十五億円を計上するとともに、学生への就職支援の強化等の取り組みを推進するため二十四億円を計上しております。
 第六に、国際教育交流・協力を推進するため、外国人の生活環境適応のための教育及びその子供の就学環境の充実に五億円を計上するほか、諸外国や国際機関等との国際的な教育連携事業の推進に八億円を計上しております。
 第七に、活力ある社会を支えるスポーツの振興を推進するため、ナショナルコーチを活用した特別強化を初めとする競技力向上戦略の推進、身近なスポーツ環境整備の推進及び体力向上のための取り組みの充実などを図るため二百二十五億円を計上しております。
 第八に、文化芸術立国の実現と文化発信を推進するため、国宝、重要文化財の緊急保存修理や防災施設等の整備など文化財の次世代への継承に三百八十二億円を計上するとともに、子供の文化芸術体験活動を初めとする文化芸術創造プランの推進や日本文化の海外への戦略的発信を図ることとしております。
 第九に、科学技術の分野における人材育成・確保のための投資の拡充を図るため、若手、女性、外国人研究者の活躍促進による研究活動の活性化に八百九十一億円を計上するとともに、子供たちへの理数教育の充実など、初等中等教育段階から大学学部、大学院、社会人に至るまで連続性を持った取り組みを総合的に推進することとしております。
 第十に、基礎研究の充実と国際競争力の強化を図るため、科学研究費補助金について一千九百七十億円を計上するとともに、革新的技術推進費の創設、世界トップレベルの研究拠点の形成、産学官連携の戦略的な展開と地域イノベーションの創出、研究開発基盤の強化、科学技術外交の戦略的推進などに取り組むこととしております。
 第十一に、国家基幹技術を初めとする分野別研究開発については、宇宙基本法元年予算として宇宙開発利用の積極的な推進に必要な経費に一千九百六十六億円、次世代スーパーコンピューターの開発等に百九十億円計上しているほか、再生医療の実現に向けたiPS細胞研究、認知症克服のための脳研究といった医療、福祉の向上を目指した取り組みなど、各分野の研究開発を戦略的に推進することとしております。
 以上、平成二十一年度文部科学省関係予算の概要につきまして御説明申し上げました。
 なお、これらの具体の内容につきましては、お手元に資料をお配りしておりますので、説明を省略させていただきます。
#8
○岩屋委員長 以上で説明は終わりました。
 次回は、来る十三日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前九時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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