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2008/12/12 第170回国会 参議院 参議院会議録情報 第170回国会 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第2号
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2008/12/12 第170回国会 参議院

参議院会議録情報 第170回国会 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第2号

#1
第170回国会 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第2号
平成二十年十二月十二日(金曜日)
   午後四時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 九月三十日
    辞任         補欠選任   
     広田  一君     前川 清成君
 十月十五日
    辞任         補欠選任   
     田中 直紀君     山崎 正昭君
 十二月十二日
    辞任         補欠選任   
     中山 恭子君     塚田 一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         下田 敦子君
    理 事
                川上 義博君
                白  眞勲君
                山谷えり子君
                山本 一太君
    委 員
                加賀谷 健君
                風間 直樹君
                川合 孝典君
                徳永 久志君
                藤田 幸久君
                前川 清成君
                水戸 将史君
                衛藤 晟一君
                関口 昌一君
                塚田 一郎君
                中山 恭子君
                松山 政司君
                魚住裕一郎君
                山下 芳生君
   国務大臣
       外務大臣     中曽根弘文君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 河村 建夫君
   副大臣
       外務副大臣    橋本 聖子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        堀田 光明君
   政府参考人
       内閣官房拉致問
       題対策本部事務
       局総合調整室長
       兼内閣府大臣官
       房拉致被害者等
       支援担当室長   河内  隆君
       内閣官房拉致問
       題対策本部事務
       局政策企画室長  中村耕一郎君
       警察庁警備局長  池田 克彦君
       外務省アジア大
       洋州局長     齋木 昭隆君
       農林水産省総合
       食料局次長    平尾 豊徳君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に
 関する調査
 (北朝鮮をめぐる最近の状況に関する件)
 (拉致問題をめぐる現状に関する件)
 (拉致被害者の安否情報に関する件)
 (六者会合と北朝鮮の核計画の検証に関する件
 )
 (日朝実務者協議に関する件)
 (オバマ米次期政権の北朝鮮政策に関する件)
 (日朝交渉に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(下田敦子君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 昨日までに、広田一委員及び田中直紀委員が委員を辞任され、その補欠として前川清成君及び山崎正昭君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(下田敦子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房拉致問題対策本部事務局総合調整室長兼内閣府大臣官房拉致被害者等支援担当室長河内隆君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(下田敦子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(下田敦子君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。
 北朝鮮をめぐる最近の状況に関する件及び拉致問題をめぐる現状に関する件について、政府から順次報告を聴取いたします。中曽根外務大臣。
#6
○国務大臣(中曽根弘文君) 外務大臣の中曽根弘文でございます。
 参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の開催に当たりまして、謹んでごあいさつ申し上げます。
 本日は、核問題及び日朝関係を中心とする最近の北朝鮮をめぐる情勢について御報告をいたします。
 まず、北朝鮮の核問題について御報告いたします。
 昨年十月の六者会合成果文書では、第二段階の措置として、北朝鮮が昨年末までに寧辺の核施設の無能力化及びすべての核計画の申告を行うことで合意いたしました。寧辺の核施設の無能力化につきましては、現在も実験用原子炉からの燃料棒の取り出し作業が進行中です。核計画の申告については、期限より大幅に遅れましたが、本年六月二十六日に議長国中国に提出されました。これを受けて、七月に六者会合に関する首席代表者会合及び六者外相による非公式会合が開催され、検証の具体的枠組みを構築する必要性につき一致いたしました。
 その後、米朝間を中心に検証の具体的枠組みについての協議が進められてきましたが、米国は、十月十一日、それまでの米朝間の協議の結果、一連の検証措置について合意が得られたとして、北朝鮮のテロ支援国家指定を解除いたしました。この米朝合意を基礎として、今月八日から北京において行われました六者会合に関する首席代表者会合では、誤解の余地のないしっかりとした検証の具体的枠組みに合意するための努力が続けられましたが、残念ながら合意には至りませんでした。
 政府といたしましては、懸案の検証の枠組みについて六者間で文書による合意が形成され、早期に検証が開始されるよう、米国を始めとする関係国と緊密に連携しつつ、引き続き努力していく考えであります。
 次に、日朝関係をめぐる情勢について御報告いたします。
 本年六月の日朝実務者協議では、北朝鮮に対し、拉致問題は解決済みとの従来の立場を変更させ、拉致問題の解決に向けた具体的行動を今後取るための全面的な調査を実施することを約束させました。さらに、八月の日朝実務者協議では、調査の目的や具体的態様等について北朝鮮に合意させるに至りました。
 ところが、九月に入り、北朝鮮側は、麻生政権が日朝間の合意事項にどう対応するかを見極めるまで調査開始を見合わせる旨を通報してきました。
 政府としては、北朝鮮に対して、麻生内閣としても八月の実務者協議の合意に従い、北朝鮮側が権限のある調査委員会を立ち上げ、拉致被害者に関する全面的な調査に着手すると同時に、人的往来に関する規制及び航空チャーター便に関する規制を解除する用意があること等、我が国の立場を説明した上で、北朝鮮側が速やかに調査を開始するよう求めてきています。
 政府としては、六者会合における北朝鮮の対応や、拉致問題についても具体的な行動がないこと等、北朝鮮をめぐる諸般の情勢を総合的に勘案し、十月十日の閣議において、北朝鮮籍船舶の入港禁止及び北朝鮮からの輸入禁止の両措置を六か月間継続することを決定いたしました。
 我が国としては、今後とも、日朝平壌宣言にのっとり、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して日朝国交正常化を実現するとの基本方針の下、六者会合等の場を通じ、関係国とも緊密に連携協力しながら、日朝協議に真剣に取り組み、北朝鮮側に対し、拉致問題や核問題を含む諸懸案の解決に向けた具体的な行動を求めていく考えであります。
 下田委員長を始め、本委員会の皆様の御支援と御協力を心よりお願い申し上げます。
#7
○委員長(下田敦子君) 大変ありがとうございました。
 次に、河村国務大臣、よろしくお願いいたします。
#8
○国務大臣(河村建夫君) 内閣官房長官の河村建夫でございます。
 参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の開催に当たり、下田敦子委員長を始め、委員の各位にはこの拉致問題の解決に格別の御尽力を賜っておりますこと、心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
 本日は、拉致問題の現状について御報告をさせていただきます。
 北朝鮮による拉致は、我が国の国家主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題です。この国家的犯罪行為であり、許し難い人権侵害でもある拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はないとの方針に変わりはありません。政府としては、すべての拉致被害者の方々の一刻も早い救出、真相の究明及び被疑者の引渡しを実現すべく、対話と圧力の姿勢をもって、引き続き最大限の努力を行う所存であります。
 本年六月及び八月の日朝実務者協議を経て、北朝鮮は、拉致問題の解決に向けた具体的な行動を取るため、すなわち、生存者を発見し日本に帰させるための拉致被害者に関する全面的な調査の実施を約束いたしました。
 我が国は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して日朝国交正常化を図るとの方針に変更はなく、また、八月の日朝実務者協議に従い、北朝鮮側が権限ある調査委員会を立ち上げ、調査を開始するのと同時に、人的往来及び航空チャーター便の規制解除を行うとの考えに変わりはないとの麻生内閣の立場を説明しつつ、速やかに拉致被害者に関する調査を開始するよう求めてきておりますが、北朝鮮は具体的な行動を取っておりません。
 政府は、六者会合における北朝鮮の対応や、拉致問題についても具体的な行動がないこと等、北朝鮮をめぐる諸般の情勢を総合的に勘案し、去る十月十日には、同十三日に期限切れを迎えることになったすべての北朝鮮籍船舶の入港禁止措置及び北朝鮮からすべての品目の輸入禁止の措置を六か月間継続することを決定いたしました。
 私は、内閣官房長官兼拉致問題担当大臣への就任直後、拉致被害者の御家族の心情や御要望を伺い、政府の取組に反映させたいとの思いから拉致被害者の御家族との懇談を持ちました。この懇談には、麻生総理も途中から出席をされ、御家族の訴えに耳を傾けられるとともに、現在進行中の問題であり、被害者の救出が時間との闘いである拉致問題の解決への意欲を示されたところであります。
 また、十月十五日、政府は、麻生総理を本部長とし、全閣僚を構成メンバーとする拉致問題対策本部第二回会合を開催いたしました。同会合においては、拉致問題における今後の対応方針を再確認するとともに、拉致問題が解決しないまま第一回会合から既に二年という時間が経過したことを重く受け止め、北朝鮮に対して、拉致問題を一刻も早く解決するための決断を早急に下すよう改めて強く求めたところであります。
 拉致発生後、長い年月がたち、被害者や御家族の方々はお年を召され、拉致問題の解決は今や一刻の猶予も許されない状況となっております。政府は、米国を始めとする関係諸国とともに緊密に連携協力しながら、日朝協議にも引き続き取り組み、すべての拉致被害者を一刻も早く取り戻すべく、拉致問題対策本部を中心に、政府一体となって引き続き全力で取り組んでまいります。
 下田委員長を始め、本委員会の皆様の御理解、御協力をよろしくお願いを申し上げます。
#9
○委員長(下田敦子君) ありがとうございました。両大臣におかれましては、御繁多な中、誠にありがとうございます。
 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○川上義博君 民主党の川上でございます。
 最近、麻生総理が、消費税の問題もあるいはたばこの増税の問題も、指示したにもかかわらずなかなかうまくいかない、求心力が大変低下しているんじゃないかと、このように思うんですね。実は中国日報という中国の、中国というのは中国地方じゃない中華人民共和国なんですけれども、そこの新聞がこう書いているんです。ホームページで、漢字の読み間違いや教養を疑われるような発言で総理の国政担当能力に疑問が持たれているという、こういう報道があるんです。
 このことについて、内閣を統括されている官房長官、これで本当に外交上のガバナンスというのが保たれるんですかということなんです。要するに、内閣全体が先ほど私が言ったようなことでやゆされているんですね。政権をそれでもしがみつく、これは打たれ強いのか単純なのか、総理が、よく分かりませんけれども、ガバナンスという外交上の問題が保てるのか、あるいは内政も含めて、官房長官、大変失礼ですけれども、どう思われますか。
#11
○国務大臣(河村建夫君) 内閣としてどう思うかということですから私がお答えをすべきだろうと思いますが、御案内のように、麻生総理は現下の経済情勢を見て、まずは景気対策だと、このことに全力を尽くしたいということで、そのことが広く国民の支持といいますか、自民党内においても総裁選挙に圧倒的多数で選ばれ、また議院内閣制において与党の中で支持をされて今日来たことは御承知のとおりでございます。
 そのことは御案内のように、巷間いろいろな話はございますが、第一次補正予算を通し、いよいよ今から二次予算、そして本予算と向かっていくわけでございます。今日は、御案内のように、ほかに提案をいたしておりました金融機能強化法案、さらにテロ対策のための補給支援法案も成立をしたということでございまして、着々とその成果は上げつつあると、こういうふうに考えております。
 問題はこれから本格的な経済対策に向かっての成果を出すことでありますが、御案内のような大変な経済状況、これはもうアメリカから発せられたものでありますから日本一国で対応できないような大きな問題であります。しかし、経済大国日本としての役割をその中できちっと果たしていくと、強い決意で経済対策にも取り組んでおるところでございます。
 そういう状況下にございます中で、不規則発言があったり、いろんな御指摘は受けたんでありますが、人間のやることですから時にはそういう間違いも起きるわけであります。しかし、総理は海外の経験も長かったりして、対人関係、外交関係、非常に優れたものも持っておりますから、私は内閣の女房役として、人間、短所長所いろいろある、これは百点満点を求めるわけにいきませんから、長所を発揮していただいてこの難しいかじ取りをしっかりやっていただく、そのことに全力を尽くしておるわけでございます。
 マスコミが辛口でいろいろやること、これはもうマスコミの姿勢でありますから、そういうことで一喜一憂しておったんじゃとてもじゃないがこの大事なときは乗り切れない、そういう思いで麻生総理は国政に全力を尽くしておると思います。
 総理のやり方は、上から命令的にというよりも、いろんな意見を集約をしながら最終的に自分の決断で決めていきたいと、こういうことでありますから、時にはいろんな意見が出てくる。求心力がどうだとかいろいろ言われておりますが、まずやっぱり結果を見てほしいというのが麻生総理の気持ちであると、このように私はそんたくしながら、全力投球をいたしておるところでございます。
#12
○川上義博君 官房長官、早速ですけど、松本京子という、鳥取県の出身なんですよ。それで、中国の貿易商がイナちゃんという、よろしくという、本人に会ってね、そういう報道がされたんですけれども、そのことについて河村長官は、安否の確認も含めて情報の収集、分析にこれから努めていくというコメントを出されたんですね。当然、その貿易商と接触を図るのは当たり前の話なんですけれども、その辺りのことは今どのようになっていますか。
#13
○国務大臣(河村建夫君) 十一月七日に松本孟氏及び民間団体の特定失踪者問題調査会から拉致問題対策本部事務局に対しまして、中朝貿易関係者からの松本京子さんに関する新たな証言についての情報提供がございました。これは、事実関係についての確認要請があったところでございます。直ちに関係省庁間で情報を共有しながら情報の収集、分析に着手をしたところでございます。
 政府は、従来より拉致問題の解決に向けて継続的に情報の収集、分析に努めてきておるところでございまして、そういうことでありますから様々な情報が入ってきておるところでございます。ただ、今御指摘のような個々の具体的な内容あるいは個別事案に対する対応につきましては、これ、いわゆるインテリジェンスに関するものといいますか、そういうものもございますので、個々の問題についてはお答えを控えさせていただいておるところでございます。
 いずれにいたしましても、松本京子さんにつきましては、所要の調査、捜査を進めた結果、平成十八年十一月二十日に北朝鮮当局による拉致被害者として政府認定をしております。
 政府といたしましては、御指摘を今いただいた内容も踏まえ、引き続き関係省庁と連携をいたしながら、安否の確認を含め情報の収集及び分析に努めてまいりたい、このように考えておるところであります。
#14
○川上義博君 だから、情報収集ですから安否の確認でしょう。当然、その中国の貿易商とは常識的に、接触するというのは当たり前なんですよね。だから、接触されていないんですか。当然して、その信憑性のことについてどうなんだということを確認するのが当たり前なんですよ。そのことさえも言えないんですか。その信憑性のことについてと、それから具体的に、いや、当然ですよと、常識ですよと、そういうふうに思われませんか。
#15
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘の点につきましては、御指摘の情報につきましては拉致問題対策本部からの提供を受けておるわけでございます。
 警察におきまして、拉致問題の全容解明に向けて様々な情報収集を行っておるところでありますけど、先ほど申し上げましたように個々の情報についての、これをどう評価するかということについては、これはまさに個別具体的な捜査方法あるいは捜査の内容に関することでありますので、お答えを控えさせていただきたい、こういうことであります。
#16
○川上義博君 まあこれ以上やってもしようがないといえばしようがないので、ただ、まあいいですよ。
 今回、六者やりましたよね、中国、北京でですね。そのときに核申告の検証の在り方についていろいろ議論があったんですけれども、今回のこの核の検証の文書化というのは寧辺の施設に限った議論だったんですか。あるいは未申告の核施設についても議論があったんですか。これはあくまでも寧辺の周辺の施設に限った交渉だったんですか。
#17
○政府参考人(齋木昭隆君) 事実関係に関しましてお答え申し上げます。
 六者会合を、八日の月曜日から本来三日間の予定だったんですけれども一日延長いたしまして、昨日の夜まで会合をしておりました。
 基本的に今回の六者会合の目的は、まずは核の検証の在り方について六者の間でしっかりとした検証の枠組み、どういう方法でどういう手順でやっていくかということ、それからどういうことが対象となるのかといったそういったことについて、後々実際に検証を実施していく段になって、いやそれはそういうことではないんだとか、いやそういうつもりで我々は検証に応じたんでないんだというようなことで、誤解とかあるいは曲解が生じることのないように、混乱が生じないようにするために明確に六者の間でその辺のところをしっかり合意をしておくと、しかも文書で合意をしておくことが極めて大事であるという、そういう方針で我々は臨んだわけでございます。これは、事前に日本とアメリカと韓国の間でもその辺の方針は確認をした上で六者会合に臨んだわけでございます。
 議論は非常に、六者全体の場での議論、あるいは二国間の議論、三者での議論等々いろんな組合せで四日間にわたって行われたわけでございますけれども、議論の前提は、北朝鮮が六月の二十六日に提出した核の申告書、これが果たしてきちんとした正確な申告内容であるのかどうかということをまずは調べるということ、これが基本でございますけれども、申告していない核開発関連の施設があるわけでございます。それについても六者としてきちっと検証していく、そういう枠組みをつくるべきであろうということが我々の間で認識としてあったわけでございます。
 残念ながら、今回の六者の議論の中ではそこまで議論が深まることがないままに、結論が出ないままに実は終わったわけでございまして、申告済みの施設、未申告の施設、そういったことについてより具体的に詳細に議論ができなかったことは大変残念に思っております。
#18
○川上義博君 要はその検証対象施設としては寧辺の周辺ということだったんですね。未申告の部分というのは全く今回議論にはなかったと。
#19
○政府参考人(齋木昭隆君) いえ、ですから、申告したものももちろんそうですけれども、まだ申告されていない施設がたくさんあるわけでございます。それらについてもすべてきちんと検証を掛けなきゃいけないと、これが当然我々がこの検証の枠組みをつくっていくに当たっての前提となる考え方でございます。
 そしてまた、議論の中で未申告の施設についても当然これは査察、検証の対象になるということの主張、議論というのが交わされたわけでございますけれども、残念ながら、先ほど申し上げましたように、結論めいたものが出ないままに今回終わったわけでございます。
#20
○川上義博君 米朝協議の中で、米朝の合意というのが十月の一日から三日にあったと。そのときは、未申告施設の検証は朝鮮側の了承の上で実施するんだというのが合意されているんですよ、口頭か文書か分かりませんけれども。それは事実なんでしょう。
#21
○政府参考人(齋木昭隆君) 米朝の間で精力的にこれまで交渉を二国間、二者間で続けておったその結果については、十月の二日か三日でございましたか、文書の形でお互いに合意ができておりまして、それの文書にならなかったものも含めて米朝間での了解というのがあったわけでございます。
 ただ、六者としては米朝の間で交わされた了解、合意について必ずしも我々全貌を把握しているわけじゃないという立場の国もありますから、六者としてどうやってやっていくのかと。これは、米朝の合意を基礎にして、六者としての検証の在り方についてのやはり議論を行って合意を得るべきじゃないかと。そういうことで、今回検証の枠組みについてを議題として取り上げたわけでございます。
#22
○川上義博君 今回の六者で、今の検証問題で進展がなかったとインタビューか何かで答えられているんですね、進展がなかったと。あったのか、なかったのか。全く進展なかったんですか。
#23
○政府参考人(齋木昭隆君) 本来、私どもは六者の間で、今回、これを検証の枠組みと申しておりますけれども、これについて明確に文書で六者の間での合意を達成したいというつもりで交渉に臨んだわけでございますけれども、なかなか北朝鮮側とほかの国々との間で、検証のその在り方についての考え方、このギャップが大きく存在しておったものが埋まらないままに推移したものでございますから、元々我々が目指しておった文書による合意というものができないままに終わったわけでございます。
 ただ、議論の過程で、北朝鮮が何を考えているのか、またそれぞれ、もちろん日本もそうでございますけれども、各者がこの六者の場を通じてこの検証の在り方についてどういう考え方を持っているのかということについて改めてお互いの考え方を述べ合って確認し合えたという意味においては、私は一定の進展があったと思っております。ただ、成果の文書ができなかったということ、これは非常に残念であったというふうに考えております。
#24
○川上義博君 今回、日朝会談できなかったんですね。日朝会談が全くできなかった、申入れしたけれども無視された、これはどこに原因があると思われますか。
#25
○政府参考人(齋木昭隆君) 今回北京で六者会合が行われるに先立ちまして、私どもの方からは、北京にあります日本大使館また北朝鮮大使館といういわゆる連絡のルートがございます。この連絡のルートを通じまして、日朝の会合の機会を持ちたいということで申入れをしておったわけでございますが、残念ながら、会合の前また会合の期間中、北朝鮮側からは日朝実務者協議あるいは日朝の会談に応ずるという返事は来ませんでした。
 会合の間も、ほかの国々も含めて、やはり日朝は是非接触の機会を持つべきであるという意見も、六者会合の期間中にいろいろな国々からそういう意見表明が行われましたし、また北朝鮮側に対してもそういう意味での働きかけがあったわけでございますけれども、今回はそういう状況になく、日朝の会合は持たれませんでした。
 これは、北朝鮮側がなぜ日本側からの申入れに応じなかったのかということについては北朝鮮側なりに考えがあると思いますし、私がその北朝鮮側の考え方を今ここで推測するのは必ずしも適当でないと思いますけれども、日朝関係をめぐる先方の物の見方、考え方は非常に厳しいものがあると、これが一番大きな原因ではないかと思っております。
#26
○川上義博君 北朝鮮の物の考え方、厳しいものがあるということなんですけれども、六月の十一日から十二日に北京で日朝会談があったと。そのときに、拉致被害者の再調査をしますよという実施の発表と同時に制裁の部分解除を行うと、同時にですよ、この約束をしたんだと言われているんですけれども、これは事実ですか。
#27
○政府参考人(齋木昭隆君) 八月の十一日と十二日でございましたか、日朝間で実務者協議行いまして、そのときの双方の了解ということで、北朝鮮側は、今まで解決済みであったといったこの拉致問題について、その従来の立場を言わば撤回して未解決の問題という認識に改めて、解決を目指して北朝鮮側として努力をすると。そして、その方法として調査委員会を立ち上げて、そして調査を開始するという、そういう彼らの方針を我々に伝えたわけでございまして、これに対して、六か国協議の中での二者の間の行動の言わばルールというか原則として行動対行動というものがありますから、日本側も同時行動の原則に従って、我々が従来北朝鮮側に対して科している措置、これについてこれを緩和するということで、同時にやりましょうという約束は八月一一、十二の日朝実務者協議の結果あったわけでございます。
 残念ながら、その後の北朝鮮側のこの約束に取り組む姿勢は、先ほど外務大臣の方からも御報告ございましたけれども、実施されないままに今日に至っております。私どもとしては、是非、北朝鮮側が約束を一日も早く実施するようにということを強く期待しておりますし、また、そういうことは北朝鮮側としても、我々のこの日本政府としての立場というのは十分に承知しておると考えております。
#28
○川上義博君 いや、そうじゃなくて、六月の日朝会談で再調査委員会の話は出ていないんです、六月には。再調査を実施するという発表と同時に制裁の部分解除を行うと。それは人的往来の解除とかチャーター便とかとなっているわけですよ。だから、宋日昊が八月十三日に北京で、我々が拉致再調査実施を発表すると同時に日本が制裁の部分解除を行うこととしたにもかかわらず、日本はそうしなかったと。今回もし合意を破ったり、合意内容が要求する方向で行われないとするなら交渉は決裂するんだと。その十一と十二日にこのような合意をしているんじゃないですか。
 八月の瀋陽での日朝合意の骨子というのがあるんですよ。日朝双方は並行して次の具体的な行動を取ることとしたと。で、日本側は、いいですか、日本側は日朝関係改善の雰囲気醸成のための処置をとることにしたと。関係改善の雰囲気醸成については人的往来、航空機チャーター便の規制解除から始めて、これから始めて共和国に対する制裁を解除する措置をとっていくと。日朝双方は外交チャンネルを通じて、制裁解除と再調査の実施を調整し、実行も同時に始めることにしたというんですが、調整しているんですか。していないから、一方的に、北が何もやらないからこっちもやらないんだということなんですか。調整をするということになっているんじゃないの。調整したんですか。
#29
○政府参考人(齋木昭隆君) 先ほど、私申し上げましたように、六月にもやりましたし、また八月にも実務者協議行いまして、その八月の実務者協議の結果、北朝鮮側と日本側との間で実施について同時行動でやりましょうということを確認したわけでございまして、我々はその約束を早く北朝鮮側が実行に移すべきであると思っておりますが、その後、日本側の内閣の交代等々のことを理由にして北朝鮮側はまだ一向に自分たちがやるべきことを、約束したことをやっていないと、こういう事情があるわけでございます。
#30
○川上義博君 齋木さんが日本の立場をおもんぱかって正確に発表されないから、向こう側の方も疑心暗鬼が生まれてきて、齋木さんと話をしても合意するような状況じゃないんじゃないのと、こういうことを思われているんじゃないですか。要するに、同時にやるということなんだから。日本もやっていないんじゃないですか。日本もやっていないんじゃないですか。その辺りどうなんですか。(発言する者あり)ちょっと黙っていてくださいよ。
#31
○国務大臣(中曽根弘文君) 今の齋木局長の答弁と多少、繰り返しになるかもしれませんが、八月の日朝実務者協議におきまして、北朝鮮側が調査のやり直しを行うと、これは拉致被害者に関する全面的な調査であると、そして調査は、権限が与えられた北朝鮮の調査委員会によって行われて、可能な限り秋には終了するとか、いろいろ調査のやり方等についてそのときに合意をしたわけですね。委員御承知のとおりです。そして、北朝鮮側がその権限のある調査委員会を立ち上げて調査を開始するという、そういう連絡が来たら、今度は日本側が人的往来の規制解除、それから航空チャーター便の規制解除を実施すると、そういうことが合意されているわけでありまして、言わばあちらの行動を我々としてはある意味では待っていますけれども、ただ待っているだけじゃいけないんで、早くやってくださいということを再三北朝鮮側にこちらからは言っているわけでございます。
#32
○川上義博君 八月の瀋陽での骨子が、ここに骨子があるんですね。だから、日朝の合意文書があると思うんですよ、八月の瀋陽での。合意文書がなければいけないと思うんです。あるんですね、八月の瀋陽の合意文書は。
#33
○政府参考人(齋木昭隆君) 八月に両方でこういうことを同時のタイミングで取っていきましょうということについて議論を重ねて合意に至りましたけれども、それについての文書を交わしたということはございません。
 ただ、はっきりと北朝鮮側は自分たちはきちんと約束を守って実行すると言って、それで私の方からも、日本側も同時行動ということできちっとやるべきことをやりますと、こういうことで別れたわけでございます。
#34
○川上義博君 外交上で口頭でお互いに了解するわけですか。今まで日朝協議の中で文書というのは作ってないんですか、全く。要するに、口頭で分かりましたと口約束しただけなんですか。文書を作ってないということは、口約束なんですか。
#35
○政府参考人(齋木昭隆君) 日朝間で文書というのは、平壌宣言というのが最高レベルで署名した文書がございますけれども、それが基本になってその後の日朝の国交正常化に向けてお互いが努力をしていこうということで、実務レベルでも何度も繰り返し協議を行ってきているわけでございます。
 私のレベルで一つ一つすべてを文書にしているということはございませんが、少なくともどういうことをお互いにやらなきゃいけないかについては明確に合意しておりますし、またそのことは双方が外に対して発表しておるということでございます。
#36
○川上義博君 いや、よく分からないんだけど、文書は作っているんですか。文書化というのは、双方がこういうことですねということを普通やるんですけれども、交換してですね。そういうことは一切やっていないんですかやっているんですか、どっちなんですか。
#37
○政府参考人(齋木昭隆君) 議論をする中で、お互いにこの点とこの点とこの点ということについては当然、もちろん通訳を入れての話でございますから、確認を求めつつ一歩ずつ前へ進めてきたということはございますが、最終的に双方の申合せを八月の段階で文書として交わしたということはございません。
#38
○川上義博君 分かりました。文書というのはないんですね。交わしたことはないということなんですね。
 それと、実はオバマ政権が来年発足するんですけれども、オバマ政権とどのように日本外交が、特に対朝鮮外交をどのように進めていくかというのが重要になると思うんですけれども。
 バイデンさんという上院外交委員長が副大統領になられる。このバイデンというのは、ブッシュ政権の八年間に、北朝鮮に対して一貫して対話を通じて平和解決しなければいけないということをずっと言ってこられたらしいんですよ。だから、北朝鮮との結構太いパイプを持っていると。これは副大統領になるんですね。〇四年に、共和党が北朝鮮人権法案を上院の外交委員会に審議なしに本会議でかけたということについて、このバイデンさんは反対の立場を表明されているんですね。
 そういったことから考えますと、北朝鮮に対する政策が加速的に進展するんじゃないかと、米朝が、そのように思うわけでありまして、その辺りは、外務大臣、どのようにお考えなんですか。
#39
○国務大臣(中曽根弘文君) 新しい政権の発足前に予断を持ってお答えすることは差し控えた方がよろしいかと思いますが、その上で申し上げれば、オバマ次期大統領は、十月の十一日でしたか、北朝鮮のテロ支援国家指定解除に関する声明というのを出しておられまして、その中で北朝鮮の核計画の完全それから検証可能な廃棄を目標として直接的、積極的な外交が必要であると、そういうふうに述べておられるわけで、そういう立場を明らかにしております。
 同時に、オバマ次期大統領は、六者会合は北朝鮮に対して明確な選択を提示をしており、北朝鮮が核兵器プログラムを放棄した場合、意味のあるインセンティブが生まれる、一方、拒否した場合、政治的、経済的孤立という未来に直面することになると、そういう立場を取っておりまして、六者会合のこの枠組みというものを、今回非常に厳しい結果になりましたけど、オバマ次期大統領は評価をしているものと、そういうふうに考えております。
 重要なことは、拉致と核とミサイルと、この諸懸案をいつも申し上げておりますが包括的に解決をするということでありまして、私どもといたしましては、オバマ新政権の発足に向けて、我が方、我が国の立場、この三つを包括的に解決するという立場をよく説明をして、そして引き続いて日米共同してこの問題の解決に取り組んでいくと、そういう姿勢でございます。
#40
○川上義博君 時間が来ましたので終わります。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#41
○委員長(下田敦子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中山恭子委員が委員を辞任され、その補欠として塚田一郎君が選任されました。
    ─────────────
#42
○風間直樹君 よろしくお願いします。
 今日、本題に入る前に、ちょっと二、三分時間を割きまして河村長官にお尋ねをしたいと思います。事務所費の問題です。速やかに終えて本題に入りたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 先般、決算委員会で、私、長官にこの件、質問をさせていただきました、公開はいつされるのかと。そのときのお答えが、この件は外交防衛委員会の理事会に今諮られている最中なので、その結論を待って公開したいと、こういうふうにお答えになりました。
 そこで、私、外交防衛委員会の議事録を確認してみたんですが、実はそういう事実がないんですよ、長官。事実がないんです、諮られているという事実が。
 今、議事録をちょっと読み上げます。
 まず、河村大臣、既に解散した団体ではありますが、領収書等の処理は既に公表、開示する用意を整えさせていただいております。ただ、領収書等の公開ということについては、法律的に義務付けられておるものでもございませんので、これは理事会、委員会の御判断に従いたいと、こう思いますので、御協議いただきたいと思います。これに対して徳永委員、それでは、もういつでも公表できる準備は整っていますということでよろしゅうございますね。河村大臣、よろしゅうございます。徳永委員、じゃ、それはまた後ほどさせていただきます。じゃ、質問を終わります。
 御承知のように、理事会に諮るという行為は委員から諮るわけです。このときは徳永委員は、議事録のとおり、これ理事会に諮っていないんですよ。これが事実であります。したがいまして、長官、理事会に諮られているという事実がない以上、あなたがこの事務所費を公開する上でそれを阻むものは一切ありません。公開していただけますね。確認です。
#43
○国務大臣(河村建夫君) 委員会でそのように申し上げましたから、理事会で御協議をいただいているものだと思ったからそう申し上げたわけであります。
 この問題は、私は国務大臣でありますから、こういう場で御答弁申し上げる機会があるわけでありますが、これはやっぱり事務所費等いわゆる政治資金に関することは国会議員全員にかかわる問題でありますから、そういう問題の取扱いについては、是非それぞれの議員が所属されております院の立場で方針をお決めをいただきたいと、そういうことを申し上げておるわけでございまして、このことは参議院外交防衛委員会だけではございません。ほかの委員会でも御指摘がございましたのでそのように申し上げておるわけでございます。
#44
○風間直樹君 おっしゃっている意味が分かりません。分かりません、何を言っているのか、全く。
 つまり、記者会見で公表を約束されましたね、約束されましたね。(発言する者あり)今入ります、速やかに終えて。約束されたということは、政治資金規正法に基づいて疑惑を受けているわけですから、法に基づいてその疑惑を明らかにしなければいけない。ですから、私たち国会議員がそれを判断するということではなくて、あなたが自ら公表されて、それを政治資金規正法にのっとって適正か否かを国民の視線で判断していただければいいわけです。公表していただけますね。
#45
○国務大臣(河村建夫君) 公表の仕方等もございますから、そういうことについてお示しをいただきたいと、このように申し上げたわけであります。御党の小沢代表が政治資金をもって秘書のマンション云々ということがございました。そのときに公表されたやり方もあるように聞いております。どういうやり方で私が公表すればいいのか、そういうことも含めてお諮りをいただきたいと、こういうふうに申し上げたつもりであります。
#46
○風間直樹君 それはあなたが御自身の見識に基づいてされるべきことじゃないですか。我々委員会がやることじゃないんですよ。理事会で対応していないんですよ、今議事録読んだように。対応していないんですよ、理事会では。あなたが判断して公表すべきと約束したんですから公表する、それが筋でしょう。
#47
○国務大臣(河村建夫君) 全議員に関するものですから、私としては公表の仕方について是非お示しをいただきたいと、このように申し上げたわけであります。
#48
○風間直樹君 答弁に納得できません。(発言する者あり)
#49
○委員長(下田敦子君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#50
○委員長(下田敦子君) じゃ、速記を起こしてください。
#51
○風間直樹君 それでは、長官ですね……(発言する者あり)
#52
○委員長(下田敦子君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#53
○委員長(下田敦子君) じゃ、速記を起こしてください。
#54
○風間直樹君 長官、今日は時間がないということでこれぐらいにしておきますが、後日またやらせていただきますので御覚悟のほどお願いいたします。(発言する者あり)そうじゃない、そういう事実はありませんので、後日これ、またやらせていただきます、バトンタッチして。
 それでは、本題に入ります。今日は日本の対北鮮交渉の持ち方についてちょっと議論をさせていただきたいと、このように思います。
 私、かねがね、小泉初訪朝以来の外務省の北朝鮮との交渉の持ち方を見ておりまして一つ疑問に思っていることがございます。まず、外務大臣にお尋ねをしたいんですが、大臣は、当時の田中均局長が交渉窓口としていた北朝鮮のいわゆるミスターX、このミスターXが当時どういう立場、どういう所属にあったかということは御存じでしょうか。
#55
○国務大臣(中曽根弘文君) 田中均氏が外務省の、これはアジア大洋州局長でしたか、その時期に同氏が北朝鮮側とどういうような人物と個別の接触を行ったかと、それについて明らかにすることは今後の日朝の協議に私は支障があるんじゃないかと、そういうふうに思っておりますので、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#56
○風間直樹君 明らかにしてほしいと言っているわけではないんです。大臣御自身が御存じかどうかだけを聞いているんです。
#57
○国務大臣(中曽根弘文君) 確認させていただくと、私、田中局長がそのミスターXとやらとやっていたということを知っていたかということですか。済みません。
#58
○風間直樹君 そうではなくて、ミスターXという方がどういう立場、北朝鮮でどういう所属だったかということは大臣が御存じですかと聞いているんです。
#59
○国務大臣(中曽根弘文君) 私は知りません。知りませんでした。
#60
○風間直樹君 官房長官はいかがですか。御存じでしょうか。
#61
○国務大臣(河村建夫君) 存じておりません。
#62
○風間直樹君 大変不思議なんです。といいますのは、当時、小泉政権下では川口外務大臣もこれは御存じでした。これは委員会でもそうおっしゃっています。そして、当時の官房長官も御存じでした。外務省では外務次官と当時の局長が御存じだったと、このように報道をされております。
 局長、齋木局長にお尋ねしますが、お二方に局長からはこれブリーフィングはされていないんでしょうか。ミスターXがどういう所属で、どういう立場にあった人物なのかという点はブリーフィングされていないんですか。
#63
○政府参考人(齋木昭隆君) 日朝間でいろいろな形での交渉というのが、政府、外交当局としてやっておるわけでございますけれども、いわゆる静かな水面下での接触というのも当然あるわけでございます。したがって、相手がどういう人なのかということも含めて、もちろん我々は、接触をしているということにつきましては相手が向こうの中で置かれている立場というのも当然考えながらやらないといけない部分もございますから、そこは慎重にやりながら進めておると、こういう状況でございます。
#64
○風間直樹君 そうすると局長、外務大臣と官房長官には局長からはミスターXがどういう立場のどういう所属の人物だったかはブリーフィングしていないということでよろしいですね。(発言する者あり)
#65
○国務大臣(中曽根弘文君) 私は、そのミスターXとやらがどういう人物かということは聞いておりません。局長、次官以下に任せております。
#66
○風間直樹君 今、これ、どういう意味で質問をしているのかという声がありましたが、大問題なんですよ、実は。つまり、日本の外交の最高責任者あるいは官房長官が、北朝鮮との交渉窓口が過去どういう立場を相手にしていたかということを御存じないということは、実は今後の拉致問題の交渉の持ち方を政治家、外務大臣、官房長官が真剣に考えていらっしゃらないということにこれなるんですね。
 局長、お尋ねしますが、今、宋日昊大使の所在がつかめないという報道が流れていると思います。これ、宋日昊大使は拉致問題に関する対日窓口ですね。この宋日昊大使の所属はどこですか。北朝鮮の外務省ですか、あるいは工作機関ですか、秘密警察ですか。
#67
○政府参考人(齋木昭隆君) 私が日朝実務者協議で会ってきております宋日昊大使は、北朝鮮の外務省の日朝国交正常化担当大使という肩書でその協議の場に出てきております。
#68
○風間直樹君 外務大臣、私が確認した限りでは、ミスターXというのは当時の北朝鮮の秘密警察の最高幹部だったんですね。当時四十五歳です。六年前ですから、今五十一歳です。あの交渉の責任を問われまして、今、対日窓口からは外されています。しかし、なお今この秘密警察、国家安全保衛部というところの最高幹部だというふうに私が調べた限りでは確認をしています。
 今日このことを取り上げさせていただきましたのは、実は理由がありまして、過去、日本の北朝鮮に対する外交交渉の窓口、宋日昊大使を除いて、いずれも秘密警察か、あるいは工作機関なんですよ。このことが実はこの交渉に大きな問題を投げかけていると思うんです。
 例えば、以前、金容淳書記という方、それから黄哲という方のお名前がこの対日交渉での様々な場面で出てきておりました。大体九五年から二〇〇〇年にかけてです。この当時、政府あるいは与党の、この問題、対北朝鮮問題担当の政治家たちが、この金容淳、黄哲をしきりに交渉窓口として頼って様々な接触を図っていたという報道がなされています。
 その結果、交渉の中でこの拉致問題の解決を少しでも進めるために、日本から北朝鮮に対して米支援を何回か行っているんですね、御承知のとおり。どれぐらいの米を支援しているのか確認をしてみましたら、合計百十六・七万トン、そのうち無償供与の分が八十一・七万トン、有償供与が三十五万トンなんです。問題はこの有償供与なんですが、平成七年に、最初の米支援のときに三十五万トン行われています。実は、この有償供与のうち、もう既に対価となる金額を日本に対して支払ってもらわなければいけない期限が到来している分が結構な分あるんですけれども、支払が滞っているという事実があるんですね。
 今日は農水省の担当の方にお越しいただいていると思いますが、この三十五万トンのうち、今年期限が到来した分が幾らになるのか、そのうち支払済みの金額は幾らなのか、お尋ねします。
#69
○政府参考人(平尾豊徳君) お答え申し上げます。
 現在の段階で、三十五万トンのうちの期限が到来しているものでございます。債権額二十四億が期限が到来しております。そのうち、支払がなされた分でございます。これは平成八年に第一回目の支払が来ておりまして、その分が八千万強が支払われております。残りの二十三億二千万が滞っているというふうなことでございます。
#70
○風間直樹君 つまり、八千万円だけ払われて、あとは未払だと、こういうことですね。
 これは私も確認をしましたら、農水省がおっしゃるのは一番最初の支払分だけ払ったと。それ以降ずっと滞っていると。これ、債権全部で八十五億円なんですね。つまり、八十五億円の大半が今のところは北朝鮮は支払えない可能性が高いという、こういう事実があるわけであります。
 何でこういう米支援をしたのかということを振り返ってみますと、実はこの九五年から二〇〇〇年にかけてしきりに日本から米を北朝鮮に送った。これは与党のある実力者の方がほぼ仕切られています。今は既に引退されましたが、関西、京都の方にいらっしゃった実力者の方です。その結果、国民の税金から八十億円を超えるお金が今まさに浪費をされようとしているという、こういう実態が浮かび上がってきているわけでありますが、外務大臣、過去のこの米支援のこうした実態、今お聞きになってどんな感想をお持ちになるでしょうか。
#71
○国務大臣(中曽根弘文君) 今、農水省から話がありましたけれども、今委員がある方が、何というんでしょうか、かかわっていたとか、そういうお話ありましたけど、そういうことについては私は存じ上げておりません。ただ、今の農水省の説明にありますその点に関してはきちっとやらなければいけないと、そういうふうに思っております。
#72
○風間直樹君 実は、この九五年からの米支援は一つの目的があって行われたというふうに巷間言われております。
 その目的は何かといいますと、当時の北朝鮮における対日交渉の窓口であった金容淳書記という方の失脚を防ぐためだと言われているんです。当時、この金容淳書記は、北朝鮮における対日交渉の担当者であり、同時に、統一戦線部担当の書記だったんですね。これは工作機関、つまり韓国に対する工作を行う任務を負った機関であります。日本政府はこの金容淳書記を相手に、つまり韓国の工作機関を相手にこの当時の対北朝鮮交渉をずっと進めてきました。
 二〇〇三年の十月ごろですが、この金容淳書記の失脚が報道されまして、以降しばらくの間、日朝交渉のこの窓口が失われて当時の実力者の皆さんが大変ろうばいされたと、こういうことも聞いております。その後に、北朝鮮から日本の外務省に対して交渉窓口として提案があったのが、いわゆるミスターXだと言われております。このミスターXは、先ほどお話ししましたように、秘密警察、国家安全保衛部の最高幹部であります。
 つまり、この十年間、少なく見積もってこの十年間、日本の対北朝鮮交渉は先方の秘密機関あるいは工作機関を相手に行われてきたということなんです。
 そこで、齋木局長にお尋ねをしたいんですが、局長が通常の外交交渉を北朝鮮以外の国とされる場合には、これは当然それぞれの国の外交官を相手にされていると思うんですね。北朝鮮に限ってこうした秘密警察や工作機関が出てくると。
 端的にお尋ねしますが、局長から御覧になって交渉相手としての外交官、あるいは工作員、秘密警察の担当員、この違いは何でしょうか。
#73
○政府参考人(齋木昭隆君) 私は北朝鮮の……(発言する者あり)
#74
○委員長(下田敦子君) よろしいですか。いや、ちょっと。(発言する者あり)はい。
 それでは、齋木アジア大洋州局長の御答弁をどうぞ先にお願いいたします。
#75
○政府参考人(齋木昭隆君) 私が日朝実務者協議で相手にしておりますのは、北朝鮮外務省の人間でございます。宋日昊大使は北朝鮮外務省の日朝国交正常化担当大使でありますし、また、それ以外の人たちは外務省のアジア局日本担当の部局の人間であります。
#76
○風間直樹君 済みません、ちょっと今聞き取りにくかったんですが、局長が交渉相手とされる場合の外交官と、この秘密警察ないし工作機関の担当員との違い、局長から御覧になって何でしょうか、もう一回お願いします。
#77
○政府参考人(齋木昭隆君) 私は北朝鮮外務省の人間と交渉してきております。
#78
○風間直樹君 局長のお立場では、過去、おっしゃるように、秘密警察や工作機関の担当者と交渉されたことはないということだろうと思いますので、ちょっとこの問いお答えにくいのかもしれません。
 今日、私が大臣それから官房長官、局長に是非お願いをしたいことが一点ございます。
 今一例を御紹介しましたが、過去、この秘密警察や工作機関を対北朝鮮交渉の窓口とすることによって日本の国益というものが大幅に失われた実例があるわけですね。
 先般、これは官邸で開かれた会議だと思いますが、拉致問題対策本部関係省庁対策会議第五回会合、ここで漆間官房副長官が発言をされています。拉致問題の解決を目指した上でのこういうやり方で、方針でということで二点お願いしたいと。一点目として、対話に関して、六者協議を通じて北朝鮮との話合いも大事であるが、拉致は北朝鮮の軍と直結した特殊機関が行ってきたものであり、ここに日本からのメッセージが伝わるルートの開拓が必要である、大きな意味でそれがないと相手を動かす対話はできないと、こういう発言をされています。
 私は、この副長官の発言自体は北朝鮮の秘密警察や工作機関を交渉のメーンの相手とすると、こういう意味ではないと考えております。あくまでサブの相手としてそういうルートの開拓も必要だという趣旨での御発言だと思っておりますが、念のためお尋ねしますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
#79
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘の会議において、漆間副長官から、北朝鮮との対話において政府のメッセージが北朝鮮の特殊機関に伝わることが大事であると、このような発言があったことは承知いたしております。
 この発言は、これまでの政府の一連の取組を踏まえて、こうした措置を更に効果的にしていくためにはふだんより更に検討を進めることが必要だと、これは関係省庁に対して努力を促したものと理解をいたしております。それで、北朝鮮との外交上のやり取りは従来どおり北朝鮮外務省が窓口になっておるわけであります。
 政府としては、引き続いて北朝鮮側に対して、拉致問題の解決に対しては北朝鮮の外務省を窓口にして、決断を早急に下すようにこれからも求めていきたい、このように思います。
#80
○風間直樹君 今長官がおっしゃったような方針で、是非、今後の対北交渉を取り組んでいただきたいと思います。
 ところで、気になりますのは、宋日昊大使がいなくなってしまったと。そうするとこの拉致問題の交渉の先方の窓口がどうなるのかという不安を抱くわけでありますが、齋木局長、この点の見通しはいかがでしょうか。
#81
○政府参考人(齋木昭隆君) 宋日昊大使がいなくなってしまったというお尋ねでございますが、私はそれは確認しておりません。報道ではそういうのがあるのは承知しておりますけれども、相手方がどういうお名前の方であれ、北朝鮮の外務省のこの担当の責任者であるという方が私の相手ではないかと思っております。
#82
○風間直樹君 念のためお尋ねしますが、最後に宋日昊大使にお会いになったのはいつですか。
#83
○政府参考人(齋木昭隆君) 今年の八月の十一、十二、十三でございました。
#84
○風間直樹君 では、次の質問に移らせていただきます。最後の質問になると思います。
 二〇〇七年二月十三日の六者協議における成果文書に基づきまして、北朝鮮に対して百万トンの重油がこの六者協議の参加国から供与されると、こういうことになっております。これは日本は留保しているわけであります。留保というか、拒否しているわけであります。先般、外務省に確認をさせていただきましたら、この重油の供給はアメリカとロシアが行う、中国と韓国は資機材の提供を行うと、こういう役割分担になっているというお話でありました。
 それで、私ちょっと気になりましたことがありまして、この重油の種類なんですが、重油いろいろ種類があるんですね。どういう重油がこのときの成果文書に基づいて北に対して供給されることになっているか、この点確認をさせていただきたいと思います。
#85
○政府参考人(齋木昭隆君) 六者の成果文書に基づいて、北朝鮮に対して百万トンの重油に相当する規模を限度として支援が行われるということで申合せがあるわけでございますけれども、これは日本はもちろん加わっておりませんが、ほかの国々が重油の形で支援をする場合、それからまた資材、機材で行われる場合と、これは北朝鮮側とのそれぞれの話を通じて供与しているわけでございます。
 具体的に重油の種類の話とかにつきましては、これはそれぞれの国もどういうことをやっているかということにつきましては明らかにしておりません。
#86
○風間直樹君 その点、是非、作業部会で協議をしているということですので、この作業部会、日本の担当者も顔を出されているということですから確認を取っていただきたい、このことをお願いしたいと思うんです。
 といいますのは、過去、実はこれ、ちょっと禍根を残すことがあったわけです。九四年のアメリカと北朝鮮とのジュネーブ合意の結果に基づいて、北朝鮮の要求を受けてアメリカが五十万トンの重油を供給したと、こういうことがありました。このときは、北朝鮮から五十万トンのC重油というかなり詳細なスペックの指定があったわけですね。当時アメリカはクリントン政権でありますが、この要求、アメリカからすると五十万トンという量が少なく見えたんでしょう、即受けて、それを供給した、こういう事実があるんですが。
 ところが、この北朝鮮の要求したスペックというのが品質が少し加工すれば軍事用に使える製品だったと。つまり、朝鮮人民軍の石油事情がこれによって大幅に好転されたという、このような事実があったというふうに言われております。
 北朝鮮の場合、C重油は船舶や、普通、発電所の燃料として使われるわけでありますが、北朝鮮では環境問題というのが他の国と違いましてさほど問題になりませんので、発電用の燃料に使うんであればこのC重油は必要ないというのが専門家の一致した見方であります。
 もし、今回この百万トンの重油、九四年当時と同じように、北朝鮮の要求するスペックに基づいて当時のような品質の重油が供給されますと、当時と同じ禍根を残す可能性がありますので、この点はくれぐれも作業部会で確認をお願いしたいと思いますが、局長、いかがでしょうか。
#87
○政府参考人(齋木昭隆君) 北に対して、北朝鮮に対して提供される経済・エネルギー支援、その具体的な対応につきましては、それぞれの国と北朝鮮との間でいろいろと協議をし、調整した上で決定して提供しておるわけでございます。
 もちろん、我が方も経済・エネルギー協力の作業部会のメンバーでございますから、そういった場を通じて、またあるいは二国間を通じて確認一部取っているものもございます。基本的には、どういうものを提供しているかということについてはそれぞれの国は明らかにしておりません。しかし、我々はその中でも一部確認を取っているものもございますし、また、どういうことに使われているかということについても、我々としては可能な限り把握しておるわけでございます。
#88
○風間直樹君 終わります。
#89
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 先ほど報告があったとおり、北京で開かれていた北朝鮮の核問題をめぐる六か国協議は、北朝鮮の核申告に関する検証枠組みの合意に向けて調整を続けましたが、合意できずに閉幕となりました。
 改めて、今回の協議の結果について外務大臣の認識を伺っておきたいと思います。
#90
○国務大臣(中曽根弘文君) 今回の会合の、まずはどういう議論が行われたかということは委員も御承知だと思いますが、一つは検証のやり方、先ほど局長からもお話ありました。それから、一つは核の無能力化、そして経済・エネルギー支援の取り進め方。それからもう一点は、北東アジアの平和それから安全に関する指針、これらについての議論が行われたわけでございます。
 我が方としては、しっかりとした検証の具体的枠組みを、これを六者間で文書で確認するということが大事だということで臨んだわけでありますが、この検証の枠組みの文書化につきましては、全体会合やあるいはバイの協議会においていろいろ長時間にわたって意見交換が行われたわけですが、検証を実施する段階になって混乱が生じないようにと、局長からお話ありましたけれども、文書の形で、しっかりとした形で合意をするということから、米側やあるいは韓国と緊密に連絡をして、またロシアとも基本的な考え方を共有してやったわけでございます。
 またさらに、中国の武大偉外交副部長がこの検証に関する議論を促進するためのたたき台も作って、そしてそれを提示して調整を試みたわけですが、結論からいいますと、検証についての大枠の考え方や取り進め方に関する日米韓ロとそれから北朝鮮の間の立場の違いが、溝が埋まらず、結局は具体的な枠組みに関して合意が得られなかったわけでありまして、大変我が方としては合意に至らなかったということは残念に思っております。
 今後、いつ再開されるか分かりませんけれども、やはり非核化を進めなければなりませんし、そういう意味では議長国である中国にまた汗をかいていただいて、一日も早く次回会合が開かれるようにと、そういうふうに期待をしております。
#91
○山下芳生君 今回の協議は恐らくブッシュ米政権下での最後の会合になるのではと指摘されております。
 アメリカの次期大統領のオバマ氏は、ブッシュ政権の諸政策からの変革を掲げて、期限を切ったイラクからの撤退、核兵器の廃絶、金融規制の強化などを提起しております。この変革の路線が次期米政権の政策と行動にどう具体化されるのか、私も注目しているところでありますけれども、とりわけ、オバマ政権の発足が北朝鮮の核問題を抱える朝鮮半島情勢にどのような影響を及ぼすか、注目しているところであります。
 外務大臣としてオバマ新政権の発足が六か国協議にどんな影響を与えると考えておられるのか、見解を伺いたいと思います。
#92
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほども御質問がありましたけれども、オバマ次期大統領は過去の声明の中で、北朝鮮の核計画、これの完全かつ検証可能な廃棄を目標として直接的、積極的な外交が必要であると、そういうふうに述べておりますし、また、拉致問題につきましても、拉致問題に関するすべての問題を解決しなければならない、全面的な協力を北朝鮮に強く求めると、そういう立場を明らかにしていると承知をしております。
 またさらに、次期大統領は、特に検証に関する合意が完全に実施されることを確保する上で、米国は、同盟国の日本、韓国、さらには中国、ロシアとの協力関係を向上させなければならない、そういうふうにも述べているわけでございます。
 またさらに、六者会合は、これは北朝鮮に対して明確な選択を提示をしておるので、北朝鮮が核兵器プログラムを放棄した場合には意味のあるインセンティブが生まれる一方、また拒否した場合には政治的、経済的孤立という、そういう未来に直面することになるとの立場も取っておりまして、六者会合の枠組みを私はオバマ次期大統領は評価していると、そういうふうに思っているところです。
 重要なことは、これは我が国にとりましては、北朝鮮との間では拉致と核とミサイル、これを包括的に解決するということでございまして、新しい政権の発足に向けて我が方の立場、状況、現状をよく説明して、そして引き続いて日米で共同して北朝鮮問題の解決を図っていきたいと、そういうふうに思っています。
#93
○山下芳生君 ちょっと一問割愛させていただきまして、六か国協議は、北朝鮮による核問題の早期解決とともに、北東アジアの永続的平和を達成する上で不可欠な外交安全保障上の諸懸案の平和的解決を図るための枠組みとして有効に機能させるべきものだと思います。
 オバマ次期政権もこれを維持活用するとの構えを示しておりますけれども、オバマ・バイデンプラン、これが先日発表されました。そこでは、それにとどまらずに、この六か国協議の枠組みをより効果的な枠組みに構築するということまで展望をしております。日本政府としても、六か国協議の枠組みを北東アジア地域の平和と安定を保障する枠組みに発展させる、その立場から当面する核問題の解決に臨むことが重要だと考えますが、外務大臣の所見を伺いたいと思います。
#94
○国務大臣(中曽根弘文君) 二〇〇五年の九月の十九日に発表されました第四回六者会合に関する共同声明では、この六者は、北東アジア地域における安全保障面の協力を促進するための方策について探求していくことに合意したと、そういうふうになっております。これは、六者会合の枠組みを通じまして核問題の平和的解決が達成された場合に、この枠組みを将来、地域の平和と安定のために更に有効に活用をしていくべきとの六者の期待感を示したものであると考えております。
 他方、現在、六者会合におきましては、朝鮮半島の非核化に向けた努力がもう委員御承知のとおり行われているわけでございまして、この六者の枠組みの将来像に関しましての具体的な議論が行われているわけではございません。将来、この核問題の平和的解決が達成をされて、そして地域の平和と安定のために六者会合の枠組みを今後どう活用していくかと、そういうことになった場合に、そしてより具体的な議論が行われる際には、我が国といたしましても米国や韓国とも緊密に連携をしながらそういう議論に参画をしていきたいと思っております。
#95
○山下芳生君 より積極的に臨むべきだという感想だけ述べておきたいと思います。
 続いて、日朝協議について伺います。
 八月の日朝実務者協議では、北朝鮮が拉致問題に関する調査のために権限が与えられた調査委員会を設置することなどが合意されましたが、北朝鮮の側からは調査委員会の設置がまだ先送りされ続けております。先ほど風間委員からの質問の中でも取り上げられましたけれども、十月二十九日、政府の拉致問題対策本部の関係省庁対策会議で事務局長を務める漆間官房副長官は、拉致を実行しているのは北朝鮮の党や軍に直結した特殊機関であり、その特殊機関に日本の政府のメッセージが伝わるルートを開拓しないと相手を動かすような対話はできないと述べたと聞いておりますが、改めてこの発言の真意、趣旨について官房長官に伺っておきたいと思います。
#96
○国務大臣(河村建夫君) お答えいたします。
 御指摘の漆間副長官の発言は、これまでの政府の一連の取組を踏まえながらこうした措置を更に効果的に進めていく、このことを考えながら、ふだんよりこういうことについても検討を進めるように関係省庁に努力を促したと、このように私は理解をいたしております。
 北朝鮮との外交上のやり取り、従来どおり、北朝鮮の外務省が窓口になっておるわけであります。政府としては引き続き、北朝鮮側に対しては、こうした北朝鮮外務省の窓口を通じながら、拉致問題の解決に向けた決断を早急に下すように強く求めていきたいと、このように考えております。
#97
○山下芳生君 我が党はこれまで、拉致問題をめぐる協議を前進させる上で、特殊機関の問題を解決することが極めて重要だと主張してまいりました。それは、拉致という国際犯罪を犯した特殊機関が大きな権限を持って今なお存在していること、拉致問題をめぐる日朝交渉にもこの機関の存在が重い影を落としており、ここから生まれてくる障害を取り除かない限り拉致問題をめぐる協議は日朝双方が納得できる前進には向かわず、日朝交渉全体が前途を持ち得ないことになると考えているからであります。
 そこで、外務大臣と官房長官にそれぞれ伺いたいと思いますが、この八月の日朝協議で合意された調査委員会、これはこうした特殊機関の存在に左右されない権限を与えられたものとなるように強く北朝鮮側に求めていく必要があるのではないかと考えますが、見解を伺いたいと思います。
#98
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘のとおり、八月の日朝実務者協議においては、北朝鮮の拉致問題に関する調査の具体的対応について議論を行って、そして調査は、権限が与えられた調査会でなければならぬ、これが迅速に行われるという協議ができたわけであります。
 この調査委員会は、拉致問題の解決に向けた具体的な行動を取るために、つまり生存者を発見し、日本へ帰させる、そして拉致被害者に対する全面的な調査権限が与えられると、こういうことになっておるわけです。
 日朝間では、北朝鮮側は調査の進捗過程についても日本側に随時報告をする、そして協議を行うことになっている。それから、調査に関するその他の事項についても引き続いて協議をしていく、こういうことが確認をされておるわけでありますから、今後、調査の過程で十分、明確でない点が発生した場合でも日朝間で協議を行う、明確化を図ることが確認をされておるわけであります。
 そういうことでありますから、今は残念ながらこのような形は行われておりませんが、早い機会にこの権限が与えられた調査委員会を立ち上げて、そして拉致問題に関する全面的な調査を開始して生存者の救出につながるような成果が取られる、そのことは、今御指摘あったように、特殊機関に直接左右されないものになる、このように考えておるところであります。
#99
○国務大臣(中曽根弘文君) 今、官房長官から御答弁ありましたけれども、日朝間では権限が与えられた北朝鮮の調査委員会による調査ということではっきりしているわけでありまして、私どもは、一日も早くこの権限が与えられた調査委員会を立ち上げてもらうと、そして調査のやり直しをやってもらう、始めてもらうということで、北朝鮮側にはこれを早期実施してもらうように働きかけをしているということでございまして、これが私どもの外交のやり方であり、また相手であると、そういうふうに考えております。
#100
○山下芳生君 終わります。
#101
○委員長(下田敦子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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