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2008/11/27 第170回国会 参議院 参議院会議録情報 第170回国会 国土交通委員会 第5号
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2008/11/27 第170回国会 参議院

参議院会議録情報 第170回国会 国土交通委員会 第5号

#1
第170回国会 国土交通委員会 第5号
平成二十年十一月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任   
     田中 康夫君     松浦 大悟君
     藤本 祐司君     相原久美子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村耕太郎君
    理 事
                長浜 博行君
                室井 邦彦君
                伊達 忠一君
                山本 順三君
                鰐淵 洋子君
    委 員
                相原久美子君
                池口 修次君
                川上 義博君
                輿石  東君
                田名部匡省君
                羽田雄一郎君
                平山 幸司君
                広田  一君
                松浦 大悟君
                山下八洲夫君
                岡田 直樹君
                加納 時男君
                佐藤 信秋君
                長谷川大紋君
                吉田 博美君
                脇  雅史君
                西田 実仁君
                渕上 貞雄君
                大江 康弘君
   衆議院議員
       修正案提出者   三日月大造君
   国務大臣
       国土交通大臣   金子 一義君
   副大臣
       国土交通副大臣  金子 恭之君
       国土交通副大臣  加納 時男君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岡田 直樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        畠山  肇君
   政府参考人
       文部科学大臣官
       房審議官     徳久 治彦君
       林野庁次長    島田 泰助君
       林野庁林政部長  針原 寿朗君
       国土交通大臣官
       房長       増田 優一君
       国土交通省住宅
       局長       和泉 洋人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○長期優良住宅の普及の促進に関する法律案(第
 百六十九回国会内閣提出、第百七十回国会衆議
 院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(田村耕太郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、藤本祐司君及び田中康夫君が委員を辞任され、その補欠として相原久美子君及び松浦大悟君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田村耕太郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 長期優良住宅の普及の促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学大臣官房審議官徳久治彦君、林野庁次長島田泰助君、林野庁林政部長針原寿朗君、国土交通大臣官房長増田優一君及び国土交通省住宅局長和泉洋人君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田村耕太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田村耕太郎君) 長期優良住宅の普及の促進に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○羽田雄一郎君 おはようございます。民主党の羽田雄一郎でございます。
 本日は、同僚議員広田さんと平山さんと三人で質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 まずは、金子大臣、国土交通大臣就任おめでとうございます。そして、御苦労さまですと言わざるを得ないなというふうに思っているわけですけれども、大変幅広い行政、これを担当しなければならないということでございますので、そしてまた多くの課題も抱えておりますので、しっかりとお取り組みをいただきたいというふうに思っているところでございます。
 麻生総理は、行政改革、これについては全閣僚に指示をして、しっかりやっていくんだということを言われておりますし、また、地方の出先機関についても、廃止も含めた、統廃合というんですかね、これを進めるんだというようなお話をされているようであります。そのことについて、金子大臣の見解をお伺いをしたいと思います。
#7
○国務大臣(金子一義君) 御指摘をいただきました今の問題につきまして、私としましても、常に国民の目線に立って、すべての国民の安全、安心を確保し、さらに国民生活や社会をより良くするという観点から、昨年の十二月に閣議決定されました独立行政法人の整理合理化計画の着実な実行、各府省の再就職のあっせん禁止など、新たな制度を踏まえた対応を図ってまいりたいと思っております。
 また、今、羽田委員から御指摘ありました、麻生総理が閣僚懇談会で指示いたしました県と国の二重行政の排除、国会や国民の目の届かない出先機関を住民の目に届くようにするという閣僚への指示がありましたけれども、誠実に、着実に取り組んでまいる覚悟であります。
#8
○羽田雄一郎君 なぜわざわざこのことを聞いたのかということなんですけれども、在任日数が五日で辞任された中山前国土交通大臣は、私は官僚出身だと、そして妻も官僚出身で、息子さんも財務省に今いらっしゃると。そういう中で、官僚一家の私に行革も役人の首切りもできないというふうに麻生総理に言われて、行政改革大臣だけは勘弁してくれというようなことを言ったという報道もありますし、御本人が言っているわけでありまして、間違いないというふうに思っております。
 そういう中で、麻生総理は、行政改革に後ろ向きの人を内閣に、じゃ、あなたは内閣に入れませんよと言うなら分かるんですが、わざわざ国土交通大臣に就任をさせて、その後、金子大臣が受けられておりますので、そのことをしっかりと進めていただきたいという思いを持ってお聞かせをいただいたわけでございまして、しっかりと進めていただければというふうに思っております。国民の目線というものを大切にしていただければ有り難いというふうに思っております。
 私、参議院の予算委員会の筆頭理事も務めておりますので、今後も税金の無駄遣いとか、こういうものに関してはしっかりと予算委員会の中でも議論を深めていきたいというふうに思っておりますので、是非、今後も議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 今日審議されている長期優良住宅の普及促進法案は衆議院で議論をされまして、さらに修正をされて参議院に送られてまいりました。民主党でも、現行の住宅性能表示制度の在り方、また既存住宅の改築、改修の支援、木材の活用、また建築、建設関連の人材の育成、地域の中小企業の支援、良好な町並みや景観の確保、また住宅履歴情報の整備という、こういう七つの点で精査を行ってまいりまして、特に最後の五つの点に関係した事項について修正を求めてまいりまして、ほぼ民主党案、民主党が訴えてきたものを全面的に受け入れていただいたのかなというふうに思っております。
 また、そこで盛り込まれなかったものは附帯決議においてそのほかの重要事項についての項目を盛り込んでいただいておりますので、政府が出してきた法案になかった視点というものが入ったのではないかなというふうに思っておりまして、法施行に当たっては、実行、実現して、しっかりと、いただきたいというふうに考えているところでございます。
 また、特に附帯決議というのはなかなか、そのまま放置されたままで次の改正のときにそのままに積み残しになっているというものが多いような感じを私受けておりまして、そのことについてもしっかりと進めていただきたいなというふうに思っております。
 私も、住宅政策というものを考えるときに頭の中に焼き付いているのが、昨年六月に施行された改正建築基準法による住宅着工の落ち込みというものが大変大きくありまして、GDPを〇・四%押し下げたというようなことを大田、その当時の大臣が言われたというふうに思っておりますけれども、そういう中で八兆円から十兆円の損失を出して、大臣認定プログラムによって審査期間が七十日から三十五日、半分に短縮できるんだとか、そういうような話があったわけですけれども、そのプログラム自体がなかなかできなかったというような事態の中で大変大きな混乱を来し、倒産に追い込まれたというような会社もあったり、また着工しようと思っていたけれども、なかなか認可が下りないのでもう施行される方がやめたといってストップしてしまったというお話も伺っているところでございます。
 結局、予算委員会で我々が追及して、冬柴大臣が二月末までには大臣認定プログラムの認定をするんだと、言ってしまったと言った方がいいと思うんですね、言ってしまったことによって、いろいろなバグ、不具合が出ているにもかかわらず、NTTデータ、これを大臣認定を二月の二十一日にして、三月二十五日から販売が開始されたと。ここまではしっかり私もフォローをしてきたわけでありますけれども、その後の経過をお答えいただきたいと思います。
#9
○政府参考人(和泉洋人君) 委員御指摘のように、昨年の改正建築基準法、周知が不十分で大変御迷惑を掛けました。衆議院の附帯決議にもありますけれども、今後、士法の改正とかございますんで、肝に銘じて頑張っていきたいと思っています。
 今御指摘の大臣認定プログラムでございますが、御指摘のとおり、NTTデータのプログラムが、本年の二月二十二日に大臣認定を行いまして、正式な発売は三月二十五日にずれ込みました。現時点で大臣認定を受けられたのはまだこのNTTデータ一件でございます。このNTTデータによるプログラムを利用しました件数でございますが、十月末現在で四十九件の活用が行われまして、三十九件がいわゆる構造計算適合性判定に合格してございます。
 それ以外のプログラムにつきましては、現時点で評定機関から報告を受けてございますのは五社ございまして、二社はもう相当いいところまで来ているというように聞いてございます。現在、この五社に対しまして、相当おっしゃったようにバグ等々を整理してございますので時間が掛かってございますが、なるべく早く、可及的速やかに認定を取るべく努力してほしいと、こういったお願いをしているところでございます。
#10
○羽田雄一郎君 次に、構造計算適合判定が必要となるもの、この審査機関の状況と所要期間というものが今どうなっているのか、お答えください。
#11
○政府参考人(和泉洋人君) 今御指摘のいわゆるピアチェック、構造計算適合性判定の受付から判定終了までの日数でございますが、申請者による訂正期間、この場合中断するわけでございますが、そういった期間も含めまして、今年一月の調査では三十九・三日平均で掛かってございました。それが、その後各種御指導賜りまして、いろいろと努力してもらった結果、九月の調査時点では約三十二・五日となりまして、七日ほど短縮されてございます。そういった適判期間も含めましてトータルの建築確認の正式受付から確認まで、こういったものについては、本年一月の調査では六十三・八日、これが九月の時点では五十八・五日となりまして、五日ほど短縮されてございます。
 なお、こういった状況でございますが、更に短縮すべく、今適判期間について事情をつまびらかに聞いておりまして、そのマネジメント能力の向上を通じて、よりスムーズにこの適判が行われるように指導など努力をしている最中でございます。
#12
○羽田雄一郎君 その当時は住宅需要が大変落ち込んだわけですけれども、住宅需要が落ち込んだんじゃない、住宅着工が先送りされただけだというふうに国交省は答えていたわけであります。
 その後、住宅着工の落ち込みは正常に戻りつつあるというふうに考えているか、お答えください。
#13
○政府参考人(和泉洋人君) まず、実数でございますが、昨年六月二十日に御指摘の改正基準法が施行されまして、六月はその駆け込み需要で月十二万一千戸と。そこで大幅に減少しまして、九月の月間六万三千戸、これは年率換算しますと七十三万戸でございますが、これが底でございました。これは実に対前年同月比で四四%の減でございました。
 本年四月以降は、いろいろ御指導賜りまして建築確認の円滑化に努めた結果、おおむね各月十万戸程度、年率換算で百十万戸程度でございまして、直近の九月の統計が分かってございますが、これは九万七千戸、年率換算百十二万六千戸でございます。
 建築確認の関係は一定程度定着したと思っておりますが、元々の景気の動向というのがございまして、住宅市場について懸念材料もございますので、引き続き注視してまいりたいと、こう考えております。
#14
○羽田雄一郎君 確かに今景気が大変厳しい状況で、なかなか元に戻るというわけにはいかないと思いますが、おおむね十万戸まで達成しているということだというふうに理解をさせていただきたいというふうに思っております。
 日本経済に光が見えない中、少子化が進む中で、住宅政策の在り方というものはもう一度しっかり考えていかなければならないのかなというふうに思いますし、今日審議をしている法案、これも、建て替え時の築年数を比較してみても、イギリスが七十七年、アメリカが五十五年、日本は三十年と、世界と比べても大変短く、土地には資産価値があっても、建物、住まいには資産価値がなくなってしまうという問題をクリアし、住宅にも資産価値がしっかりと持て、また評価されるようにすることが重要なことだというふうに考えております。
 その上で、長期優良住宅でなければ意味がないんだというような間違った認識が広まる危険性というものを持っているんじゃないかなというふうに考えておりますが、お答えください。
#15
○政府参考人(和泉洋人君) 今の御指摘の点でございますが、まず長期優良住宅が今後どの程度出てくるのかということも関係すると思います。
 現時点で正確な数字を予測することは難しいわけでございますが、委員冒頭御紹介いただきました住宅性能評価などの実績を踏まえますと、本法案の施行後から二、三年程度をめどに新築住宅の一割程度をまず目標にしようと、こう考えてございます。そうしますると、年間十万戸強ぐらいかなと。
 このように、長期優良住宅になるのはごく一部でございますが、一方で、こういった長期優良住宅の普及を通じて、いわゆるいいものを造ってきちんと手入れをしてその記録を残すことが大事だと、こういう意識につきましては、何も長期優良住宅に限らず既存住宅全般に広めていく必要があるわけでございまして、そういった意識が醸成される中で、既存の住宅についてもちゃんとメンテナンスされ、それで履歴が残っているものについてはマーケットで正しく評価されると、そういったものにつながるということを期待してございまして、そういった既存住宅一般に対する施策についても併せて努力してまいりたいと、こう考えております。
#16
○羽田雄一郎君 ストック重視というような話もありながら、建て替え促進という結果にならないようにしなければならないというふうに思うところでございます。
 この法案は、さきの第百六十九回の通常国会に提出されておりましたけれども、衆議院で継続になって今に至っているわけであります。国土交通省においては、本法施行に向けた取組を着実に進めてきたように思われます。その一つに超長期住宅先導的モデル事業の提案の募集と採択があるわけであります。このモデル事業については平成二十年度予算に百三十億円もの経費が計上されておりますが、この超長期住宅先導的モデル事業の趣旨また概要等についてお答えください。
#17
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘の超長期住宅先導的モデル事業でございますが、いいものを造ってきちんと手入れして長く大切に使うというストック社会における住宅の在り方につきまして、具体の内容をモデルの形で広く国民に提示しまして、技術の進展に資するとともに普及啓発を図るためにこのモデル事業を起こしました。平成二十年度の創設でございます。
 具体的には、住宅の新築以外にも、既存住宅の改修、維持管理等の流通システムのソフト対策、技術の検証等の分野におきまして国土交通省が民間事業者等から提案を公募しまして、独立行政法人の建築研究所に設けました学識経験者による委員会の評価を踏まえて選択をさせていただきました。
 例えば、住宅の新築につきましては、耐久性等の性能を満たした上で創意工夫があるとして評価された事業を対象に、長寿命化することによる費用の増加分の三分の二を国庫補助すると。当然、一々積み上げをするのは大変でございますので、簡便な計算方式もございまして、一戸当たり整備費の一割かつ二百万円以内の国庫補助というようなことで今事業を進めている最中でございます。
#18
○羽田雄一郎君 それでは、これまでの公募及び採択の結果についてお答えをいただきたいと思います。
#19
○政府参考人(和泉洋人君) 公募は現在までに二回行いました。一回目に四十件、二回目に四十八件の採択を行わせていただきました。
 ちなみに、一回目四十件に対しまして応募数は六百三件、二回目の四十八件の採択に対しまして応募数は三百二十五件でございました。
 具体的なイメージで御紹介しますると、新築の戸建てでは、中小の工務店がグループで国産材を活用し、一定の耐久性、耐震性等を確保した上で共同で住宅の履歴情報の整備を行う提案、こういったものがございました。あるいは共同住宅では、コンクリートのひび割れ抑制や配管の長寿命化などの耐久性能を確保しつつ、間取りの可変性あるいは内装設備の更新についてきめ細かな設計上の工夫を行う提案。あるいは戸建て住宅の改修につきましては、全面的な改修を通じて住み替え支援を行いつつ、ある意味では敷地の細分化、こういったものを防止しまして良好な町並みを保全するビジネスモデル、あるいは工務店と連携しながら履歴情報システムを整備するような提案。非常にユニークな提案が多岐にわたって出てまいりました。
 総括しますると、提案事業者は当然大手もございましたが、本年度に採択された新築戸建て住宅五十件について言うと三十九件、約八割が木造でございましたし、うち三十九件のそのまた八割の三十一件が中小工務店による提案でございまして、そういった意味で中小工務店が一生懸命こういった提案に対して御尽力賜っているということが見て取れるかと思います。
#20
○羽田雄一郎君 ありがとうございます。木造と中小の事業者が一生懸命やられている、取り組まれているというお話を伺いまして、何とかいい方向でまた活路が見出せればいいのかなというふうに思いました。
 長期優良住宅というのは法案の提出まで二百年住宅と言われてきたものではないかというふうに思いますが、二百年住宅と本法案の長期優良住宅とは同じものなのか、それとも異なるものなのか、また、もし同じであるならば、本法案においてなぜ長期優良住宅という用語を用いることにしたのか、お答えください。
#21
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、法律では長期優良住宅、またいろんなレポート等で二百年住宅、今、羽田委員から御紹介ありましたモデル事業は超長期と、ちょっと正直言っていろんな言葉が交ざっております。基本的な思想は、住宅をいいものを造って、なるべくきちんとメンテナンスして、その寿命を延ばそうと、そういった思想面においては共通だと思います。
 しかしながら、法案を検討する過程で、法案の目的規定にございますように、長期にわたり良好な状態で使用されることを目指す住宅であるというようなことをきちんと法律上整理しますると、長期優良住宅としての用語を用いることは適切じゃないかというふうになりました。
 結果として、今後は長期優良住宅、こういった言葉を中心に、これを、この言葉によって今後こういった長寿命化の施策を進めてまいりたいと、こう考えてございます。
#22
○羽田雄一郎君 そういう中で、長期優良住宅という形で進めていきたいということでありますけれども、従来の住宅とは構造的にも設備的にも大きく異なってくると思いますけれども、どのような点で異なってくるのか、その特徴を教えてください。
#23
○政府参考人(和泉洋人君) 二つございまして、一点は、今委員御指摘のように、初めに造るときにしっかり造ると、その点が一点でございます。もう一点は、造った後にきちんとメンテナンスをしてその維持、履歴情報をきちんと残すと、この二つが柱でございます。
 そこで、まず造る際のことでございますが、五点ほどございまして、まず一点は、構造躯体の耐久性、これはRCでございましても木造であったとしても長くもつ構造躯体、あるいはその工法を工夫すると、これが一点でございます。
 二番目はその耐震性でございますが、現在の建築基準法が大規模地震で倒壊しないと。人命を最低限守るという観点から倒壊しないことを求めておりますが、この長期優良住宅では場合によっては百年を超える期間もつわけでございますので、大規模地震があったときに倒壊しないだけじゃなくて、補修すれば使えるというレベルを目指したいと、これが二点目でございます。
 三点目は、今まさに御指摘があったように、内装、設備の維持管理の容易性でございまして、例えば共用部分の配管を専用部分に入ることなく点検したり、補修したりすることができる。
 四番目が、長い期間いろんな方々が承継して使うわけでございますので、いわゆる可変性でございまして、十分な階高を取ってライフスタイルの変化とか家族構成の変化に応じて可変空間に変えられると、こういうものでございます。
 そしてまた、個別の単体の基準としては最後になりますけれども、長い期間使うわけでございますから、今の時点でのある意味で最高レベルの省エネ性能あるいはバリアフリーに対する配慮、こういったものを単体として求めると。
 加えて、衆議院での修正もございましたけれども、いわゆる単体だけがいいんじゃなくて、町並みとして、住環境としていいものになってほしいというようなことで、そういった住環境に関する基準も設けながらやっていきたいと、こう考えております。
 加えて、繰り返しになりますが、維持管理をきちんとして、その履歴情報を残すと。こういった点が新しい点かと思っております。
#24
○羽田雄一郎君 また、長期優良住宅、これは建築費が従来の住宅よりも高くなるというふうに思いますね。今の御説明を聞いていても、しっかり造っていくんだということになるとこの建築コストが高くなるというふうに思いますけれども、どの程度割高となると試算しているのか。戸建ての住宅と共同住宅別にその試算結果を教えてください。
#25
○政府参考人(和泉洋人君) 今御答弁申し上げましたとおり、住宅を長寿命化するためには耐久性、耐震性の向上と、あるいは可変性の確保と、こういったことで建設費のコストアップがあると思っております。
 あくまでも積み上げの試算でございますので、今後そのマーケットの中で長寿命住宅が普及してきて、最後はマーケットで決まると思うんですが、積み上げの試算で御説明しますると、まず共同住宅でございますが、例えば鉄筋コンクリート造のマンションの場合に、耐久性を高めるための工夫、コンクリートのかぶり厚等を厚くする、こういった部分でおおむね二%。耐震性を上げるために柱を太くする等の措置で五%程度ぐらい。一番効くのは、その可変性を確保するために階高を十分に取ると。これ、もろ建物のボリュームに影響しますので、これが一二%程度ぐらい。トータルで約二割ぐらいと、こう踏んでございます。
 また、木造住宅についても、同じような観点で積み上げをしますると、おおむね二割程度コストアップするというようなことが積算上は示されていると、こういったことでございます。
#26
○羽田雄一郎君 今示されたように、長期優良住宅というのは建築費が通常の住宅に比べて二割ぐらい、二割増しというふうになるという試算がされていたわけでありますけれども、日本経済、大変厳しさを増しております。しばらくは景気が急に良くなる状況にない中で、お金がある方は、本法による長期優良住宅制度の有無にかかわらず、それ相当の住宅を建てられるというふうに考えられますけれども、一方、所得がなかなか伸び悩み、低く、今の景気を見ていると、長期優良住宅を建築する、住宅を建てること自体が大変難しく、余裕がないのが現実ではないのかなというふうに思うところでございます。だとすると、本法案が長期優良住宅の普及促進につながるかは大変大きな疑問があるところでありますけれども、見通しをお聞かせください。
#27
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、一番大事なことは、やはりいいものを造って大切に使って、いわゆる長い期間使うことが最終的に資産価値としても得になるんだと、言葉は悪いですが、得になるんだというようなことについて国民の理解が定着することが一番大きいのかなと、こう思っております。その限りにおいて、こういった法案が提出されること自体がそういった大きな流れに沿ったものではないかと、こう考えております。
 しかしながら、同時に御指摘のように、今の経済情勢下の中で、ロングスパンでは確かに得になると。だけど、目先どうするんだという話がございまして、そういったことにつきましては、先ほど一割程度という目標を掲げましたけれども、やはり何らかのインセンティブが当初必要だろうと、こう考えております。
 既に平成二十年度の税制改正で、イニシャルに係る不動産取得税、登免税、固定資産税、こういったものについては、仮に二割アップの住宅を造ってもそういった関係の税が少なくとも増えないようにと、こういった措置は今準備してございます。
 加えて、二十一年度の税制改正で今住宅ローン減税の大幅拡充とか投資型減税を要求してございますが、住宅ローン減税の大幅拡充の中では当然長期優良住宅について更なる優遇措置、投資減税については現在の国土交通省の要望では長期優良住宅に限ってそういったものを支援していくと、こういった要望もしてございまして、そういう税制措置等を通じて、非常に厳しい状況ではございますが、目標の一割に向けて努力してまいりたいと、こう考えてございます。
#28
○羽田雄一郎君 長期優良住宅ということになると、一般的イメージとして、鉄筋コンクリート造りが主流となって木造住宅のウエートがますます低下するんじゃないかなというふうに考えてしまうわけであります。そうなれば、木材、特に国産材に対する需要減を招くことになるのではないかなというふうな懸念を実は私は持っておりまして、我が国の森林というのは国土の三分の二に相当する二千五百万ヘクタールを占めており、林産物の供給はもとより、国土の保全、水源の涵養、二酸化炭素の吸収など、人間の生存に欠かすことのできない基盤であるというふうに私は考えております。
 そして、森林の多面的機能の評価額というのは年間約七十兆円、七十兆二千六百億円にも相当するというふうな試算も出ており、また、人がこれは森林に働きかけて手入れをし、利用をすることによって発揮されるということでありまして、これが手入れもされないでそのままになってしまうと、この評価額というものは出てこないわけであります。
 また、過去、木材の需要、住宅需要を仲立ちとしてこうした好循環が保たれてきたわけでありますけれども、私の地元の長野県内でも木造の学校とか体育館とかホールとか、まあ私の父親が二度ほど農水大臣をやった経験もあって、木造の需要、どんどん使うようにという話をしていたら、パチンコ屋さんが、じゃ、うちのパチンコ屋は木造で造ろうといって、長野県内、うちの地元にはパチンコ屋さんでも木造のパチンコ屋さんがあるということでございまして、田中知事、今日はいらっしゃいませんけれども、田中知事の時代には木製ガードレール、これも大変普及しようということで促進をされたこともございますし、私も国土交通委員会に所属する前は農水委員会におりまして、そういう中で視察した中でも、ガードレールや、また高速道路の防音壁とか風よけですね、こういうものに間伐材を使うと、こういうようなもの、また強度とか、また音を吸収する、こういうものもクリアされていると、こういうふうに理解をしておりまして、また今、環境問題、地球温暖化対策そして地球環境問題にとっても大変重要なことだというふうに思っておりまして、これは実は、今ずっとるる述べた所管は林野庁になるのかもしれませんが、実際に使う現場というのは国土交通省の所管の部分がほとんどでありまして、やはり国土交通省、農林水産省、林野庁ですね、また金融庁にも御協力をいただかなければならないというふうにも思っておりますし、環境省にもお手伝いをいただきながら、この連携というものが大変重要になってきているのかなというふうに思っております。
 木造住宅というのは長期優良住宅として認定することが可能なのかどうか、また、長期優良住宅において木造住宅をどのように位置付けているのか、お答えをいただきたいと思います。
#29
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、住宅建築分野において国産材をしっかり使っていくと、極めて重要なテーマだと思っておりまして、常日ごろ林野庁とよく連絡調整をしながら仕事を進めてございます。
 ちなみに、長期優良住宅、RCもあるわけでございますが、日本で二百年を超えたRCの住宅ってないんですね。片や、二百年を超えた木造住宅は、重文指定等だけでも三百八十件ございます。これが一点でございます。
 二点目は、今先生もおっしゃったように、昔の棟梁さんというのはまさに地産地消で、いわゆるここで言っているような長期優良住宅に相当することを地縁社会の中でやっていたわけですね。それが高度成長期の過程の中でなくなってしまったと、それを今、近代的な仕組みでやっていこうという、だけと言うと言葉は悪いですけれども、そういったことだと認識しているんです。
 その上で、長期優良住宅でございますが、先ほどもモデル事業での例で御紹介しましたけれども、ちょっと国産材に的を絞って申し上げますと、当然対象でございまして、戸建て住宅、二回合計五十件採択しましたが、その内容を見ますると、二十五件は国産材活用を全面に打ち立てた提案でございました。そういった意味で、今後とも、来年もございますので、モデル事業の活用に当たっては林野庁とも連携しながら、国産材を地産地消で使うような仕組みを積極的に応援していきたいと、こう思っております。
 また、住生活基本法、これは十八年でございますが、その中でも、住宅の建設における木材の使用に関する伝統的な技術の継承、向上を図る、こういったことが国の責務となっておりますし、冒頭委員御指摘のように、本法案の衆議院における審議におきまして、住宅の建設における木材の使用に関する伝統的な技術を含めた研究開発の推進、こういった部分と、基本方針を定めるに当たっての国産材その他の木材を使用した長期優良住宅の普及への配慮と、こういった修正をいただきました。こういった意思を体して、しっかりと国産材も活用した長期優良住宅、こういったものに取り組んでまいりたいと、こう考えてございます。
#30
○羽田雄一郎君 これを契機に国産材を使用した木造住宅の振興を大々的に図っていただきたいというふうに考えております。
 今日は林野庁からも来ていただいておりますので、御認識と決意というものがあればお伺いしたいと思いますし、それを受けて国交大臣の決意をお聞かせ願えればというふうに思っております。
#31
○政府参考人(島田泰助君) 森林整備をしっかりと進めていく上にも、国産材の利用推進というのは大変重要な課題だと私どもは考えております。
 国産材需要の過半につきましては住宅分野で占められておりますことから、国産材の利用推進を図っていく上では住宅建築への利用を推進するというようなことが極めて重要だというふうにして考えているところでございます。このため、林野庁といたしましても、市場ニーズに対応した品質、性能の確かな木材製品の安定供給体制を整備するほか、森林所有者、製材工場、工務店などの地域の関係者の皆さんが一体となって国産材を使用して消費者の納得していただける家造りを行っていく、顔の見える木材での家造りというようなことを通じまして、住宅における国産材の利用の推進に努めているところでございます。
 また、学校などの公共施設ですとかガードレールなどの公共土木工事など、住宅以外の分野におきましても支援措置を講ずるなど、木材利用の推進に努めているところでございます。
 さらに、長期優良住宅に関しましては、今年度予算において、これに対応する耐久性、耐震性を確保できる構造部材の開発に取り組むとともに、長期優良住宅への国産材供給体制づくりに向けた講習会の開催などを行ってきているところでございます。
 今後とも、国土交通省を始めとする関係省庁ときっちりと連携を図りながら、住宅分野を始めとする国産材利用をしっかりと推進してまいりたいというふうにして考えているところでございます。
#32
○国務大臣(金子一義君) 今、羽田委員のお話を承っておりまして思い出したんですが、羽田委員のお父様、元総理が、木造を多用途に使えるようにしようということで、さっきおっしゃった以外に老健施設、通常ですと老健施設というのは消火、防火が非常に厳しいものですから使えないんですけれども、秋田角館でありますけれども、設計されていた二階建ての老健施設を平家にして、そして扇形にして、いざ火災が発生したら直ちに庭に寝たきりの老人でも引き出しができるという設計をすれば、これは秋田杉でありますけれども、地元産材を使ってもいいじゃないかということをやっていただきまして、当時、私も一緒に仕事をさせていただいたなという記憶があるんでありますけれども、そういう意味で、木造を更に活用していくということを非常に委員積極的にこれまでもお進めいただいてこられておられるなと。
 本法案でも、木造住宅の伝統技術に関する研究開発の促進等という中で、法案でありますけれども、国は、長期優良住宅の普及を促進するため、住宅の建設における木材の使用に関する伝統的な技術を含め、長期使用構造等に係る技術に関する研究の開発推進、その成果の普及に努めねばならないという修正を衆議院段階でいただきまして、これを法案に入れさせていただいております。
 そういう意味で、既に住宅、あるいは住宅局、林野庁からお話しいただきましたけれども、モデル事業にも木造住宅を入れさせていただいた、あるいは地場の大工さんたちの事業についてもモデルとして採用させていただいたというようなことで、さらにこの部分もきちんと一つの大きな柱として入れ込んでこの普及に当たっての推進の柱とさせていただきたいと思います。
#33
○羽田雄一郎君 是非しっかりとお取組をいただきたいというふうに思っているところでございます。
 本法案の提案理由説明によると、平成十八年六月に制定された住生活基本法において、ストック重視の住宅政策に転換するとしており、住宅が新築され三十年程度で取り壊されるという無駄遣いをやめ、より長く大事に使おうとすることが重要だと、こういうふうになっております。そういう提案があったというふうに思っておりまして、私は、住生活基本法案が審議された際のこの国土交通委員会の委員長を務めさせていただいておりまして、そのときもストック重視の住宅政策への転換が盛んに強調されました。その際、私は、ストック重視というのは、今あるストックを大切に使っていくことと理解をしたわけでありますけれども、その後、関係資料をよく見ると、いいものを造って、先ほどから住宅局長もいいものを造ってきちんと手入れをして長く大切に使うことがストック型社会と説明されていることを知りまして、すなわち、きちんと手入れをして長く大切に使うことよりも先にいいものを造るということ、新築をするということがストック型社会の前提条件とされているようであります。
 そのためか、本法案においても、その対象は今後新築される住宅だけであり、ストック重視の住宅政策というからには、既存の住宅をきちんと手入れをして長く大切に使う、このことが二百年住宅よりもはるかに重要な政策課題であり、本法案の提案理由説明で述べられている目的に合致するんじゃないかなというふうに思っているところでございます。
 本法案で既存住宅を対象としなかったのはなぜか、お答えください。
#34
○政府参考人(和泉洋人君) 私のちょっと説明が言葉足らずで、新築重視に聞こえたとしたら、それは私の答弁がちょっと言葉足らずだったと思います。
 委員御指摘のように、住生活基本法でストック重視と、これは当然のことながら、今既にある五千四百万戸の住宅をきちっと使っていこうと、これはもう大前提でございます。今の質問に対するお答えでございますが、法案としては新築も改築も増築も対象になっているということでございます。
 しかしながら、今、長期優良住宅として求められる水準に既存のものがあるのかどうかについて、客観的、技術的に評価するノウハウがまだ十分じゃないということがございまして、そういう段階では、取りあえず新築からこの長期優良住宅の政策からスタートしようかなと。しかしながら、モデル事業の中でも御紹介しましたように、既存の住宅の改修技術とか、改修の提案がございますので、なるべく速やかにそういった技術的な知見を蓄積して、法律制度では想定されているわけでございますので、その知見を踏まえて、既存住宅についても長期優良住宅について認定するような方向でなるべく早く取り組んでいきたいと、こう思っております。
#35
○羽田雄一郎君 それでは、ストック重視の住宅政策における既存住宅の位置付け、これを明確化、強化すべきと考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。
#36
○国務大臣(金子一義君) 長期優良住宅という今度の法案との関係では、既存住宅の評価等々について、現在のところまだそれを知見する技術がないということなものですから、その経験というものを踏まえながら、いずれは対象にしていきたい。
 ただ、現在のストックという観点からいえば、住宅性能表示制度を創設してそれを普及させていると、性能表示制度。それから、住宅履歴情報の整備とその普及を今図っておる。不動産の取引価格等の情報の提供と。それから、平成十七年からではありますけれども、金融、税制面における新築との格差の是正、これは既存住宅であっても耐震改修やるものについては住宅ローンを適用すると。フラット35、これも耐震改修やるものについて対象にしていくと。それから、今年の十月三十日の生活対策の中では、住宅支援機構によりまして、証券化支援業務、事業の優良住宅取得制度におきまして既存住宅に関する要件の緩和、これは金利を引き下げていくという対応でありますけれども、こういったような少しでもやっぱり良質な既存住宅を造っていって、そして適正に評価される市場環境をつくりたい、実現をしていきたいと、そういう思いで今申し上げた諸政策を講じているところであります。
#37
○羽田雄一郎君 既存住宅といえば、近年、過疎化や少子化の一段の進行を受けて、空き住宅というものが目立ってきているというふうに思います。私の地元でも空き住宅がちょこちょこと見られて、そこだけがやはり暗くて、安心、安全という面でも、なかなかこういうものが出てくるというのは良くないなというふうに思っておりまして、この活用というものが大切だというふうに思っております。
 子供やお孫さんが故郷に戻ってくるのを待っていて空き家になっている例もあると思いますけれども、そのまま廃屋となってしまうものも多いのではないかというふうに思っております。こうした空き住宅を移住のための住居として、あるいは二地域、二つの地域の移住等の移住先としてなどで積極的に活用を図るべきではないかというふうに考えておりますが、現状と今後の取組についてお答えをいただきたいというふうに思っております。
#38
○政府参考人(和泉洋人君) まず、御指摘の空き家の状況でございますが、直近のもの、平成十五年の調査でございますと約七百万戸ございます。しかしながら、子細に見ますると、賃貸、売却用、言うなればすぐ使えるという空き家が四百万戸、別荘が五十万戸、長期不在、取壊し予定、これ二百万戸ですから、言うなれば四百万戸が有効に使える空き家かなと、こう思ってございます。
 こういった状況に対応しまして、国土交通省としましても、空き家ストックを活用した、今委員御指摘の二地域居住あるいは住み替え、こういったものを支援していこうというようなことで、例えばインターネットによる空き家住宅情報の提供、これは具体例を申し上げますと、各公共団体とか各地のすまいまちづくりセンターが参画した豊かな住まい・まちづくり推進会議というものが各地の空き家情報をホームページに掲載してございます。現時点で百四十地域分の情報が載っております。
 さらに加えて、住替え・二地域居住支援サイト、こう言いまして、これは国土交通省関係の団体が各地域と連携して、言うなればIターン、Jターン、Uターンというものに熱心な公共団体の事例をインターネット上に載っけると、こういった施策を講ずるとか、あるいは空き家を体験宿泊施設、将来Jターン、Iターン、Uターンする方々に対して一時的に体験してもらうと、そういう体験宿泊施設とか、交流施設として改修する場合に、地域住宅交付金という事業がございますが、その事業に支援すると、こういったこともしてございます。
 加えて言うと、広義の空き家ということになるかと思いますが、高齢者等がある意味じゃ持て余してと申しますか、メンテナンス大変だと、こういった戸建て住宅を子育て世帯に紹介して転貸すると、こういった事業とか、いろんな形で今委員御指摘の空き家ストックで使えるものを有効に使っていくという施策を展開してございます。
 さらに、今般の生活対策の中でも、二地域居住の推進等を図るべく、各地のいわゆる木造住宅の空き家などを改修してそれをそういったものに使うということについて国も支援すると、こういったものを検討してございまして、まだこれは今後の補正の話でございますけれども、そういったものが認められれば今言った施策の延長線上でしっかりと取り組んでまいりたいと、こう考えてございます。
#39
○羽田雄一郎君 すぐに活用可能な空き家住宅が四百万戸あると、こういうお話でございます。是非、積極的に活用をして、この長期優良住宅というのも一つツールとしては大切なことだというふうには思いますが、やはり今ある既存のストック、これをしっかりと活用するということ。景気も悪いですから、改修等して安価で住宅が供給できるという方が今の国民のニーズには合っていると、こういうふうに私は思っておりますので、是非そのことも踏まえてしっかりとお取り組みをいただきたいというふうに思っております。
 残った積み残しの質問、私が考えている以外の質問というのは、是非、午後に広田委員そしてまた平山委員が後を受けてしっかりと質問をしていただけるというふうに思っておりますので、これで私の質問は終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#40
○伊達忠一君 自由民主党の伊達忠一でございます。
 羽田委員に引き続きまして、同じく、いわゆる長期優良住宅の普及に関する法律案、二百年住宅とよく言われているんですが、質問をさせていただきたいと思います。
 あわせて、自由民主党、数が少なく、実は午後からの質問の順番なんですが、大変御配慮をいただいて先にこうして質問をさせていただきます。感謝を申し上げたいと存じます。
 質問に入る前に、先ほどもちょっとお話ございましたが、まず金子大臣、また副大臣の皆さん、政務官の皆さん、おめでとうございます。
 国土交通省というのは、私も大臣政務官を務めさせていただいて、大変な役所だなと。これは、もちろん厚生省もほかの役所も大変だということはよく承知をしておりますが、特に国土交通省、夜中の災害であるとか、また外郭団体のいろんな不祥事がやり玉に上がっているとか、まあ休む暇もないというようなことで日夜御苦労いただいているということを、私も務めさせていただいた一人として御慰労を申し上げたいと、このように実は思うわけでございます。野球でいえば外野を大臣一人で守っているようなそんな私は忙しさだろうと、こう思いますし、また、役所の皆さん方も、いろんなことがまあよく起きてやり玉に上がっていますけど、幹部の皆さん方は月曜から金曜までいわゆる宿舎に泊まって、災害の場合に備えて三十分以内ですぐ官邸に来れるところにいなければならないというようなことで、うちに帰るのはまあ土日、金土日ぐらいだということで、私はこれもまた大変な役所の皆さん方だなということをよく承知をさせていただいております。
 そんなことから、いわゆる大変国民生活にとっても、また国土の開発にとっても是非欠かせない重要な役割を果たしているわけでございまして、大臣以下皆さん方にこれからもひとつ頑張っていただきたいということを申し上げておきたいと、こう思っております。
 それでは、質問に入らさせていただきたいと、こう思うわけでございますが、大臣御存じのように、我が党も実は昨年の五月に二百年住宅ビジョンとしての政策提言を取りまとめたということは御存じだろうと、こう思うんでございますが、この件につきましては、かつて福田前総理が自民党の政調の住宅土地調査会の会長を務めておられて、大変熱意を持ってこれに取り組んでこられたということを私も何回かこの会合に出てよく承知をしております。小委員会を合わせますといわゆる計二十二、三回の会合をやってきているわけではございますが、私は、そういう点から申し上げれば、この法案は今までの住宅政策からいって非常にある面では画期的な法案だろうと、こう思っております。
 そんなことから、最近の住宅政策を振り返ってみますと、いわゆる十八年に住生活基本法、これが制定されたのがきっかけなのかなというような感じを受けるわけでございますが、この法案のいわゆる政策の今までの過程、あわせて、この法案の提出に至った決意と所見を大臣からお聞かせをいただきたいと、こう思います。
#41
○国務大臣(金子一義君) 冒頭に伊達委員に我々国土交通省に対して御同情をいただきまして、副大臣、政務官とも心を引き締めて国土交通行政に当たってまいりたいと思っております。
 二百年住宅という、福田前総理が総理になられる前にプロジェクトチームを立ち上げて、そして進めてこられた、伊達委員もそれの重要メンバーとして御一緒に参画されてこられたというのは私も記憶しております。
 基本的には、今までの住宅、建てるという量の部分からより質を重視していこうというこれまでの流れを受けて、そして我々少子化社会というのを迎えますので、そういう住宅、三十年に一遍は建て壊されてしまうというものよりも、建築技術の進歩もあって、本来住宅というのはもっと長い期間、三十年どころではない、五十年、百年、二百年というのはややシンボリカルな表現を福田さんとしては使われたんだと思いますけれども、長期間、そもそも十分に使われる状況になってきていると。むしろそういうものを推進することによって国民それぞれがそういう長く使える住宅というのを持ってもらえるようにしていきたいと。
 それによって、本来、自分の代で建てておしまいではなくて、次の世代あるいは次の次の世代もこの住宅が使われるようにしていく、そうなれば、仮に退職をしても、そして年金の生活にある世代が入ったとしても、その住宅、長期に使われる住宅であればそれなりの価値が維持できるという状況でありますから、人様に貸すとかあるいは売却するとかという手段、あるいはリバースモーゲージというまだ制度は我が国全体としてはできておりませんけれども、そういう仕組みというのもこれから出てくる可能性は十分秘めておりますので、そういうことで、年金の社会に入っても、その住宅を、ほとんど今までは資産価値がなくなっちゃう、それを次の世代に何らかの形で渡すことによって資産価値としてこれを、ストックを今度はフローに変えられる可能性が出てくるではないかと。本来は、イギリス等々ヨーロッパでもそういう少子化、ストック社会というのはそういうことがやはり本来実現できている社会ではないだろうかと。
 我が国も、繰り返しますけれども、維持管理をしっかりすると。中の水回り等々、足回り等々は十五年、二十年、しかるべきときに替えていくと。そして、最初から床下に潜って改修を前提とした仕組み、構造にしておくと。そして、今申し上げたようなことを家歴と言いますけれども、手入れをどういうふうにどこでいつやったよということを残していくということによって、住宅の価値というものを高めておくということによって、一方で流通市場、流通価格というものが更に高い価格で維持できるんではないかということを今回の法案で意図したところであります。
#42
○伊達忠一君 ありがとうございます。
 まさしく今大臣おっしゃったように、今までは我が国は造っては壊し造っては壊しといういわゆる消費型社会だったと、こう思っております。滅失住宅のいわゆる平均築後といいますか、これは先ほどもお話出ておりましたが、年数は、イギリスが七十七年、アメリカが五十五年、日本では三十年ぐらいと非常に短いわけでございますが、こういうような状況はやっぱり環境面からいっても私は好ましくないだろうと、こう思っております。やはり本来は、いいものを造ってきちんと手入れをして長く大切に使うということが本来だろうと、こう思っておりますので、社会構造に大きく方向転換をされた法案だったと、この法案はそう受け止めております。
 そういう点から申し上げれば、この目的については今一部大臣もお話しされましたが、局長の方から簡単にお話をいただければと、こう思います。
#43
○政府参考人(和泉洋人君) 今の伊達委員御指摘あるいは大臣から答弁したような方向、そういったものを実現するためにこの法律の仕組みをごく簡単に御紹介申し上げます。
 そういった観点から、まず、長期優良住宅の普及の促進に関する基本的な方針、こういったものを今後決めることになります。その中では、長期優良住宅の普及の促進の意義、施策の基本的な事項等を定めさせていただくと。その上で、こういった施策に関連しまする国、公共団体あるいは事業者、こういった方々の努力義務、例えば財政及び金融上の措置とか知識の普及及び情報の提供等々を努力義務として規定させていただきます。
 具体の中身でございますが、長期優良住宅の建築と維持保全をする方がその計画を作りまして、所管行政庁、これは具体的には建築行政を行っています市町村長又は都道府県知事でございますが、そういった方の認定を受けると。その認定の際の基準に、いわゆる造る際の基準と維持保全に関する計画の基準がございます。そういったものを認定して造られますと、維持保全に関する計画に従ってきっちりと必要な点検、補修をしていただいて、その記録をきちんと残していただくと。
 そうしますると、今大臣から家歴という話がございましたが、そういったきちんとした履歴が残った住宅が市場に投入されるわけでございまして、結果として、そういったものについてはマーケットできちんと適正に評価されて既存住宅の流通が安心して消費者も携われるようになる、そういったことを通じて長期にわたって使用可能な良質な住宅ストックが形成される、こういったことを目指した法律でございます。
#44
○伊達忠一君 それでは次に、実は既に先行実施しております超長期住宅先導的モデル事業、先ほども一部お話ございましたが、これは二十一年度予算で百三十億円というものを組まれておりますが、今年度は三回やるということを聞いております。幅広く民間より募集を実施して、これをいろいろと採択をするんだと、こう思っております。一回、二回はもう終わっているわけですね、これは。三回目は来年の一月というふうに聞いているわけでございますが、住宅の長寿命化に向けたこれは普及啓発の私は一つの提案であろうと、方法であろう、こう思っております。
 その実施状況、いわゆる取組とこの法案との関係についてお聞かせをいただきたいと、こう思います。
#45
○政府参考人(和泉洋人君) 法案に先行してやっておりますこの超長期住宅先導モデル事業、まさに御指摘のように、こういった事業を通じて様々な技術開発、特に今話題になっておりました既存住宅に将来この法案を広げる際の技術的な知見、こういったものを集める意味がございます。
 既に二回ございました。今委員、三回目とおっしゃいましたが、これは平成二十一年度の予算を早めに展開するために来年一月に三回目の募集をすると、こういったことでございます。
 今の採択状況でございますが、ちょっと繰り返しになって恐縮でございますけれども、全採択が八十八件、この中には共同住宅等もございますが、戸建て住宅が五十件でございます、新築戸建てが。そのうち木造住宅が三十九件、国産材利用を前面に押し出したものが二十五件、うち中小工務店が五十件中三十一件、中小工務店かつ国産材利用、これは二十三件、こういった状況でございまして、中小工務店あるいは国産材は頑張っているなという感じがございます。
 その数字だけじゃなくて具体の例でちょっと御紹介しますると、採択された中に、いわゆる中小工務店の団体が共同でこういったものに応募しておられる例がございます。ここでは、地域木造、ちきゆう住宅先導システム、こんな名前で提案されてございますけれども、特色は、耐震性については建築基準法の一・二五倍のレベルを求める、省エネ性の確保についても機密性あるいは省エネ性をしっかり上げていく、さらには、構造躯体の耐久性という観点から十分な太さのある柱等を使い、基礎についても工夫をすると。
 この提案の一番のポイントは、地球温暖化に向けた対策として国産材、構造材について一〇〇%使うと。その上で、個々の中小工務店がいわゆる住宅の履歴情報を蓄積することはやるわけでございますが、永続性等について心配あることもございまして、この団体にサポートセンターを構築して、住宅の履歴情報についてはオーナーと、所有者と個々の工務店とこのサポートセンター、この三つがちゃんと保存をすると、こんな提案がございました。
 いろんな意味でこういった先導モデル事業に対してユニークな提案がございましたので、こういった結果をしっかりと長期優良住宅の施行に向けて活用してまいりたいと、こう考えている次第でございます。
#46
○伊達忠一君 この選択の結果も先般いただきましたが、やっぱり年々これは関心を持ってこられているというふうにこの結果を私は受け止めております。非常にいいことだなと、こう思うんでございますが、これは全国的に普及させていただいて、関心を持って大いに参加していただくということがこのいわゆる長期優良住宅の普及啓発になるんだろうと、こう思いますので、是非ひとつこれからもお願いをしたいと、こう思っております。
 次に、認定についてちょっとお聞きをいたしますが、本法案では、いわゆる長期優良住宅の認定は所管行政庁というんですか、所管行政庁、いわゆる市町村や都道府県知事が行うと、こういうことですね。それと、所管行政庁とは、建築基準法で言う特定行政庁とこういうわけでございまして、先般の耐震偽装事件で明らかになったのはいわゆる姉歯事件と言われているわけでございますが、そのとき、いわゆる特定行政庁に置かれた建築主事による建築確認や検査が形ばかりの検査体制であったと、あのときの私も委員やっておりましていろいろと議論させていただいたことございますが、ですから、そのようなことが私は起きてしまったんだろうと、こう思っております。
 この法案の提出に当たっては、所管行政庁の体制の整備の強化が私は不可欠だと、それを踏まえて、例の事件を踏まえたら私は不可欠だと、こう思っております。それには地方公共団体などいわゆる説明や指導というのはどのように行っているのかお聞かせをいただきたいと、こう思います。
#47
○政府参考人(和泉洋人君) 伊達委員にも大変、当時、御指導いただきました。
 おっしゃるように、こういった制度が仮に施行されても、認定をする所管行政庁が十分な執行体制がないと円滑に進みません。
 そういった意味で、今日までも各ブロック単位で様々な形で説明会をさせていただいておりますが、実際のその施行を考えると、技術的な基準、認定基準が固まったとき以降に本当にしっかりと認定するに当たってやっていただく所管行政庁の方々にしっかりと説明して円滑な施行が行われるように努力する必要があると思っています。
 その上で、更に加えまして、所管行政庁が認定する際に、民間の、例えば性能評価機関等を活用するような仕組みを通じてなるべくその所管行政庁の負担を減らすみたいな工夫も考えられますので、そういったことも含めてこの制度が創設された暁以降、円滑な施行が行われるようにしっかりと公共団体と連携してまいりたいと、こう考えてございます。
#48
○伊達忠一君 これは、例の事件をもう体験をしているわけでございますから、しっかりとやっぱりこれはやっていただきたいと、こう思っております。
 次に大臣にお聞きをしたいと思うんですが、長期優良住宅の認定の基準でございますね。これについては、構造躯体の耐久性、あるいは耐震性のほかに内装、設備の維持管理の容易性、それから変化に応じてできる空間の確保や省エネというようなこと、あわせて、バリアフリー化の性能の確保、そして住環境への配慮などいろいろと多岐にわたっているわけでございますが、計画的なこれに対する維持管理等々多くの基準が私は考えられると、こう思います。
 このように二百年もつ住宅という観点から、認定基準が厳しくなっていると私は思うんですが、もちろんこれは厳しくて、私はある程度厳しくていいとこう思うんです。しかし、そのことによって申請の手続だとか何かのいわゆる関係者、特に中小工務店なんかなどが非常にもう面倒くさがってこれが大きな負担になっているというようなことになりますと、せっかくいい法律を作ってもこの普及促進が阻害されてしまうのではないかというようなことが心配されるわけでございますが、そういういわゆる中小工務店等に対する簡素化であるとか、情報の提供等であるとか、積極的な指導をしておられるのかどうか、お聞かせをいただきたいと、こう思います。
#49
○国務大臣(金子一義君) 大事な御指摘をいただきました。相当意識してそれに取り組んでいきたいと思っております。
 本年度から工務店の関係事業者の技術向上のための講習会、これは全国すべての都道府県で実施をする、あわせて、工務店の団体によるサポートセンターを支援する、超長期住宅先導モデル事業、これも助成をしていく、それから地域建材を活用した木造住宅の普及推進等への助成も行う等々、今お話ありました工務店等への積極的な情報提供も併せて始めておりますし、これは引き続きやらせていただきたいと思っております。
#50
○伊達忠一君 これ役所ですからしっかりと抜け穴のないような法律を作ろうということでやるんだろうと思いますけれども、先般みたいな姉歯事件が起きたということでございますし、私どもも、農業も大きく昨年、米の問題、大改革をいたしました。あわせて、土地、水、環境対策というものが大変大事だということで、これも十九年度からやったんですが、そのときに私どもも部会でいろいろと話したのは、農林省の人たちに、こういう法律ができたり変わったりするときというのは非常にたくさんの書類を出して、判こをべたべた押して、大変なことが多いんで、これを簡素化してきちっとやらなきゃ駄目ですよと言ったら、いやいや、これはもう随分簡素化しましたというそのときの農林省の方たちの答弁でございましたが、我々選挙でずうっと回ってみると、そのために農協で一人、もう大きいところは二人も臨時職員を雇ってやっていると。物すごいこれ評判悪かったんです。
 これは大臣辺りも恐らく経験されたんじゃないかなと、こう思うんでございますが、そういうような我々も経験をしていますので、是非、いい法律ができたら、それをとっとっとっとっとすぐ活用していただけるような、今大臣がおっしゃったような是非簡素化を図っていただいて、なおかつ、そのことによって法律に抜け穴がないようにひとつしていただきたいと、こう思っております。
 それでは次に、既存住宅の現時点での認定対象についてお聞きをいたしたいと思うんですが、ストック重視の住宅政策を進めるに当たっては、やっぱり既存の住宅の質の向上が重要で私はあるというふうに思っております。本法案にもあるように、いわゆるきちんと記録そしてまた住宅履歴書みたいなものを残して、そういう長期優良住宅の場合も私は、これはもちろん、これはある程度提言されておりますが、そういう作成や保存が必要であるのは当然であると思いますが、今後どのような既存住宅に対しての取組をされるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#51
○政府参考人(和泉洋人君) 長期優良住宅の施策と並行しまして膨大な既存住宅の質の向上を図る、これは極めて重要なポイントでございます。特に日本の既存住宅の質は、耐震性、省エネ、バリアフリー、こういった観点から見てもまだまだ不十分でございまして、こういった既存住宅の質の向上をするためのリフォーム、これを促進する、こういった観点、大変重要だと思っております。
 具体的には、従来も耐震改修などにつきまして様々な支援制度を講じるとかあるいは税制面でも耐震改修、省エネ、バリアフリー、こういった改修措置に関する税制措置を設ける、こういったことを通じてやってまいりましたが、来年度の税制改正要求、そういう中で、特に耐震、省エネ、バリアフリーという政策的に意義がある改修につきましては従来の税制措置を大幅に拡充して、いわゆる投資型の減税、こういったことをやっていこうというようなことで要望してございました。
 幸い、これにつきましては十月三十日に決まりました生活対策の中でそういった方向についての位置付けがなされましたので、そういったことも踏まえながら既存住宅の質の向上のためのリフォームの促進、こういったものにしっかりと取り組んでまいりたいと、こう考えてございます。
#52
○伊達忠一君 是非既存住宅の方の対策にもしっかりと私は取り組んでいただきたいと、こう思っております。
 それでは次に、今回のこの法案で国産材などの有効利用というようなものも挙げられております。木造住宅の建築では、いわゆる地場の、地元の、その地域の気候や風土、そして地域住民にやっぱり慕われるような、そういう私は住宅の形でなきゃいけないと、こう思っているんですが、そういう点から申し上げれば、地場の木材や建材の活用などは大いに私はやっていかなければならぬだろうと、こう思っております。地域の多くの地場産業と連携をし合って、そのことが私は最も大事なことだと、こう思っております。
 いわゆる長期優良住宅の普及促進、それ実現するものでなければならないというふうに私はこう思うわけでございますが、こうしたことは、先ほどもちょっとお話ございましたが、林野庁にとどまらず、環境省なんかも入るかもしれません、いわゆるそういう中小企業工務店や木材産業の地域の活性化にもやっぱり私はつながっていくものと、こう思っております。地域おこしに貢献をすると同時に、いわゆる内需拡大の呼び水の一つにも私はなるのではないかというふうに期待をしているわけでございますが、こういう観点から、役所というのは行政の縦割りだということをよく言われております。是非ひとつ、こういう関係部署、いわゆる林野庁辺りと連携を密に図っていくことが私はこの法案の目的というところではないかというふうに考えるわけでございますが、具体的な国交省の取組としてどういうことをされておられるのか、これは大臣にお聞かせをいただきたいと、こう思っています。
#53
○国務大臣(金子一義君) 関連省庁としっかり連携せいという御指摘をいただきました。大事な御意見だと受け止めさせていただいております。
 林野庁と連携した最近の動きでありますけれども、国産材など地域建材の活用による地域木造住宅市場の活性化、これ進める、あるいは住宅産業それから木材産業等を含めた関係業者が参加してもらいましてフォーラムを今月の二十一日に立ち上げさせていただきました。その木材利用促進フォーラムというのは、大きなテーマとしましては、住宅建築物の需要特性への対応、これマンション、学校、それから木材利用に関する技術開発を推進していく、木材利用を推進する人材の育成、それから規制緩和でありますが、木材利用の推進、これは建築基準法等の木材利用の観点からの緩和検討であります。こういったようなことを始めさせていただきました。
 そういう中で、木造住宅の推進はこういう長期優良住宅の重要な柱と認識し、更にこれを促進してまいりたいと思っております。
#54
○伊達忠一君 是非、これは大いにひとつ促進をしていただきたい。その講習会などをやってそういう人材の育成までやられるということでございますが、私はこれすばらしいことだと、こう思っております。
 先ほど羽田委員から、お父さんが木材のいわゆる建物の推奨をされてきたと、こういうことでございますが、私どもも随分部会でこういうことを、やっぱり国産材の使用、それから業界の育成ということをやってきたのに、なかなか実績が上がってきていないというのが実態だと、こう思うんです。
 さっきちょっと大臣言っておられましたが、木は非常に年寄りに優しいということをよく言われるんですね。それで使っていないんですよ、いわゆる特養だとか何かというのは。私は、マンションだとか何かというのは、何というんですか、民間ですから、やっぱりコマーシャルベースで安い方、じゅうたんが安ければじゅうたんの方をどうしても使うということになると思うんですが、少なくとも学校ですとかそういう特養ですとか、まあ年寄りに優しいといっても老人病院というのは民間ですからなかなか、やっぱり安い方がいいということになるんでしょうが、そういうのがみんな木を使わないで、Pタイルですとかそういうものになっていっているんです。ですから伸びないと私は思うんですよ。
 ですから、少なくともそういう学校ですとか特養ですとか、そういう補助を出しているようなところは、悪いもの使えというわけじゃない、まして年寄りに優しいいいものだと、健康にもいいものだということなものですから、大いに、これは厚生省なんかの方にもかかわってくるんでしょうけれども、是非ひとつ、これは大臣、積極的に進めていただきたいというふうに実は思っております。
 それから、実は、住宅の長寿長命化のこのいわゆる法案に当たって、かつてよく、今でもたまにニュースに見ますけれども、いわゆるお年寄りがリフォームを勧められて詐欺に遭っているということがよくございます。それで大変大きな金額も引っかかっている方もおられるわけでございますが、これが逆に、今回この法律が成立することによって、こんな法律が成立したんだからって、今度はましてや分からないお年寄りなんかはこれに悪用この法案をされてそういう詐欺に遭い、またそういう事件が多発するんではないかということを私も懸念するわけでございますが、この法案の悪用したリフォーム詐欺に遭わないようにこの取組などを強化すべきと、こう思うんですが、お聞かせをいただきたいと思います。
#55
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、長期優良住宅の普及の促進のためにも既存住宅の有効活用という観点からもリフォームは大事なんですが、まさにそういった際に悪質リフォームが跳梁ばっこしたんではたまらないと、こういったことでございます。悪質業者による住宅リフォームの社会問題化と、こういったことを踏まえまして、関係省庁が連携しましてその対策に今取り組んでいるところでございます。
 具体的には、相談体制の強化、あるいは、きめ細かな情報提供の充実を図るために都道府県や市町村ごとにリフォーム相談窓口を設置する。現時点で千四百二十二か所設置してございますが、そういった住宅部局の窓口に加えて、特にお年寄りが被害に遭われますので、そういった相談窓口と各地の消費生活センターあるいは福祉関係団体、こういったところがよく連携すると、これが一点目でございます。
 更に加えて言うと、安心して業者を選定できる、選択できると、そういった観点から、住宅リフォーム事業者に対する情報提供システム、こういったものも現在整備しているところでございます。
 加えて、訪問販売業者等に対する指導、悪質商法の取締り、こういったものを関係省庁、横断的に言いますと相当な省庁になりますけれども、そういった省庁と連携し従来もやってまいりましたし、まさにこういった新しい施策が契機となってまたそこにすき間をねらって悪質リフォームが入ってこないように、従来にも増して心して対策を講じてまいりたいと、こう考えてございます。
#56
○伊達忠一君 是非ひとつお願いをしたいと、こう思っております。
 それで、ちょっと資料を、済みません、ありがとうございます、配っていただけたと思うんですが。
 ちょっと方向を変えまして、実はこれからの高齢化社会に向けていろんなことを言われてやってきております。ましてや、これからのいわゆる在宅介護が重点的に考えられるというようなことの時代に入ってくるわけでございますが、この法案においても、長期優良住宅の建築等の計画の認定に当たり、日常生活に身体の機能上の制限を受ける高齢者の利用上の利便性及び安全性に関する基準、適合しているのが要件とされるなんというようにございますが、この具体的な内容についてお聞かせをいただきたいと、こう思います。
#57
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、長期優良住宅につきましては、住宅が長期にわたり良好な状態で使用し続けるための一定の耐久性等に加えまして、長く利用されて社会的な資産として次世代にも引き継がれると、そういった観点から、認定基準の一つとしまして、日常生活に身体の機能上の制限を受ける高齢者の利用上の利便性及び安全性に関する基準を設けることとしております。
 一方で、余り厳しい基準になるとなかなか普及しないということもございまして、その基本的な思想は、将来、バリアフリー改修によって高齢者居住安定法に基づく基本的な水準、これが必ず確保できるということを頭に置きながら、具体的には共用廊下の幅員など初めにやっておかないと駄目なもの、そういったものについて必要なスペースなどを建設時に確保することを認定基準として定めまして、その後は居住者の質に応じたバリアフリー改修が円滑に進むように、そういった認定基準を想定しながら今準備を進めているところでございます。
#58
○伊達忠一君 そういうやっぱりバリアフリー化、高齢者に向けた対応も私は非常に大事だと、こう思っております。
 そういう点から、実は、先ほど資料を配らさせていただいたんでございますが、これからの高齢化社会を迎えるに当たって、いわゆる自宅介護というのが大変叫ばれております。今、特別養護老人ホームの入所を希望している方というのは全国で三十八万五千人だそうでございまして、グループホームなんかも逐次地域にできてきておりますが、なかなかこれでは対応できないというのが実は実態でございます。そういうことから、いわゆる住宅のバリアフリー化が私はやはり、ヘルパーさんを呼ぶということも必要でしょうし、家族が協力し合ってこれを介護するということも私は欠かせない大きな問題だと、こう思っております。
 そのようなことから、要介護者が室内移動のために、あらかじめ、何というんですか、天井の方にはりを埋め込んでいく設置というのがあるんですね、設置するリフト。これが大変、本人やまた介護者にとって大きな効果を上げているということを実は聞いているわけでございますが、北欧なんかではこれを義務化しているという実は国もあるそうでございます。いわゆる電動リフトのレールを先に、後から体が不自由になってから付けるんではなくて、もういわゆる確認申請的なものに先に義務化をしておくというようなこと、そうすると、後から付けるということになるとこれ二百何十万だか結構高いんだそうでございまして、先にしておくと非常に在宅の介護も楽だということなんですが。
 それはこの資料にもあるように、いわゆるリフトというのは、いろんな用途によってもちろん値段も高いのも安いのもあるんでしょう、それから用途、ふろだとか、お客さんの玄関の応対。要するに、玄関ですとか、もう流しのところですとか、ふろですとか、トイレですとかにはりを付けておくと、ベッドからリフトにちょっと腰掛ければあとは奥さんがずっと引っ張っていって、例えばふろにもそのまますっと入れる、トイレも用を足せるというようなことなんだそうでございますが、大変、私も付けているところのお宅を行って見たことがあるんですが、なかなかいいものだなということ。じゃないと、ちょっと重度な方というのは、車いすに乗せるにも奥さん一人では乗せられないというようなこともございましてね。
 そういうようなことを見てきたんですが、これからのいわゆる高齢化社会に向けて、是非これを義務化というようなわけには、なかなか全戸ということはいかないのでしょうけど、何かいい方法を、こういう相談というのは、例えば厚生労働省辺りとの打合せの中であったのか。例えば、併せてこの設置についてどういう方法がいいのか、一番いいのは義務化の方が相当、初めから付けちゃえば三分の一ぐらいの金額で付くんだそうですよ。後から付けるということになったら、さっき言ったように二百何十万掛かるということなんだそうでございますが、これについてちょっとお聞かせをいただきたいと、こう思っています。
#59
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、住宅の新築時にあらかじめ将来の介護等に配慮した設計を行うことは重要だと思っております。高齢者の居住の安定確保法におきましても、その中で住宅の設計ガイドラインで可能な範囲でそういった前もっての準備というふうなことをやってございます。
 しかしながら、今、伊達委員御紹介の電動リフトのレールなどにつきましては、将来必要となる可能性はあるわけでございますが、まだ不確実であると。そうすると、新築時に一律に義務付けるのはなかなかちょっとしんどいかなというところもございますが、ただし、一方でこういったことが必要になったときに、それを行政として支援するというふうなことは極めて大事だと思っております。
 現在、地域住宅交付金という、比較的公共団体の首長さんが柔軟に使える制度がございまして、こういった交付金の中でバリアフリーに対する支援をしている例がございまして、ちょっと調べたんですが、全国で百六十八団体がやっております。北海道で八主体、こういった補助金を講じまして、八のうち五の事業主体がこういったリフトについても地域住宅交付金の中で支援するというふうなことをやっておりますので、まあ一律の義務化については正直言って今の段階ではなかなか困難だと思いますが、こういった支援措置を更に広げることによって、将来必要になったときにこういった設備が使いやすくなるような行政的な支援は心掛けてまいりたいと、こう考えてございます。
#60
○伊達忠一君 これからの時代に介護、これは今大きな社会問題に実はなっているわけでございますが、ヘルパーさん来ていただいても、ちょっと体重のある方は奥さんとヘルパーさんではなかなか容易でないというようなこともありまして、町村では補助を出してこれを付けさせているというところは実はあるんです。
 ですから、やっぱり国もこれからの将来のことを考えると、ただ厚生省の医療関係に交わることだけではなくて、やっぱりこういう、さっきも申し上げたんですが、縦割りじゃなくて横の行政の中でバリアフリー化を進めていく、厚生省はどういうものを考えているとかどうだとかというようなことをやっぱりもう少し私は検討していって、これを付けていくには付けやすいもの、例えば中にはちょうど、何というんですか、トイレやふろに行くのに、はりが弱くて、はりというんですかな、上に付けるそれが弱くて、それを逆に付けてレールを付けなきゃならぬということになると相当の金が掛かるんだそうですよ。ですから、そういうこともやっぱり含めて是非私は検討していただきたい、こう思います。
 あわせて、これ今日は厚生省、実は時間なくなるだろうと思って呼ばなかったんですが、緊急電話装置の問題なんかも実は、やっぱりこれからのバリアフリー化の問題について、いわゆる身障者の階段ですとか、そういうスロープだけではなくて、何というんですか、電話を掛けている途中で具合悪くなって一一九番を呼ぼうと思って電話を掛けて途中で例えば倒れてしまったという場合に、向こうから何ぼ応対しようにもできない。今そういう逆にどこから、どこのだれから電話が来たかということが分かる装置があるんだそうですよね、これは厚生省の方の関係になるのかもしれませんが。
 そういうようなことも是非設置のこれからの目的にさせていただければと、こう思いますし、最後にこれはお願いでございますが、実は大変今景気が悪化、地方は大変弱っておりますし、元気がなくなっております。そんなことから、大臣のところにも大変いろいろと何回も我々高速道路の問題であるとか新幹線の問題であるとかということで陳情にお伺いをさせていただいているんですが、今日か明日ですか、民主党さんも新幹線の議連かなんか、議連あるんですね、会長、じゃないですか、ということで大変もうこれは党派を超えてやっぱり日本の新幹線というのはつなぐべきだ、しっかりということだろうと思うんです、今日できる議連から申し上げても。
 そういう点からいけば、是非ひとつ、これはもう大臣に決断をしていただいて、最終的には政治決着かもしれませんけど、地域にやっぱり夢を持たせてそれを実現するような、それがまた景気対策につながっていくというようなことに是非結び付けていただきたいと、こんなことをお願い申し上げながら、ちょっと時間早いんでございますが、終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#61
○委員長(田村耕太郎君) 午後一時まで休憩します。
   午前十一時三十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#62
○委員長(田村耕太郎君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、長期優良住宅の普及の促進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
#63
○広田一君 民主党・新緑風会・国民新・日本の広田一でございます。どうかよろしくまたお願いを申し上げます。
 まず金子大臣、この度の御就任誠におめでとうございます。心からお喜びを申し上げます。
 また本日は、本当に党内きっての住宅政策に精通され専門家である金子大臣に、私のように重要事項説明を一度もやったことのないペーパー宅地建物取引主任者だった私が質問するのは大変恐縮でございますけれども、是非ともよろしくお願いをいたします。
 まず、本法案の中身に入る前に一点御質問をさせてもらいたいと思います。
 実は私、今四十歳でございますけれども、この四十という年は、世間でいえば住宅ローンを払っている世代でございます。特に現在の地方の住宅ローン世帯が今抱えているリスク、このことについて御質問をしたいと思います。
 金子大臣の所信にございましたように、また午前中は羽田先生の方から住宅投資というのは内需拡大の柱であるというふうなお話がございましたし、全くそのとおりでございます。ただその一方で、本当に景気の厳しい地方で生活する、そして住宅ローン世帯には今厳しい現実が迫っているんじゃないかなということでございます。確かに、一戸建てとかマンションを購入するというのは、そのことによって一国一城のあるじになるということは、私たちの世代にとっては本当に目標であり希望であるわけでございますけれども、しかし今のこの経済状況等を考えますと、地方におきましては住宅ローンを組みたくとも組めない若者、と同時に、たとえ住宅ローンが組むことができても、その結果なかなか返済に苦慮をしている住宅ローン世帯もあるのではないかなというふうに思うわけでございます。
 特に、その後者のことにつきまして少しお話をさせてもらいますと、今多くの銀行が住宅ローンにキャンペーン金利というものを設定をいたしております。これは、新規申込者や借換え対象者に、住宅ローンの申込みがあるときに、一定期間の金利を通常設定されている金利よりも安く設定して優遇しましょうという仕組みでございます。例えば三年間は一%で結構ですよというふうな感じなんですけれども、ですから優遇期間が終われば元の通常金利に戻るわけでございますし、確実に上昇をするわけでございます。こういったことを考えたときに、キャンペーン金利が終わった後、住宅に関する負担が増えたというふうなお話もよく聞くわけでございます。
 それに加えまして、今多くのマンションの販売業者の皆さんが銀行とか信販会社と提携しまして提携ローンというものも設定をいたしております。これは金利優遇のほかに融資額の増加をねらったものでございまして、通常住宅ローンの融資限度といいますのは、担保評価額と申込者の年収や返済期間から返済比率などによって設定されるわけでございますけれども、こういった融資限度額を超える部分は本来自己資金で賄うのが一般的なパターンなんですけれども、逆にこの自己資金部分を融資で賄おうというのが提携ローンでございまして、当然、自己資金が少なくても、あるいはゼロでも、マンションの購入を可能にさせようというのが目的でございます。これはこれで需要のある商品だというふうに思いますけれども。
 しかしながら、これ逆に見ますと、何を意味するかというと、利用者が購入するマンションの担保評価以上の借入金を抱えることになるわけでございまして、繰り返しになりますけれども、本当に今の地方の中小零細企業に勤めている私たちの世代というのは、今賃金が上がるというのはほとんど可能性が低く、むしろ引き下げられているのが現状でございまして、先ほど言いましたように、キャンペーン金利期間が終わった後に、そういったローンの支払が増えたときに生活赤字に転落する可能性があるのではないかなというふうに思います。そして、それに耐えられなくなってせっかく買ったマンションなどを売り払おうというふうに考えましても、今の新築とか在庫が乱立、乱売状況だとなかなか売るに売れない。そして、たとえ売れたとしても手元には何百万円単位、下手すれば一千万円近い借入金が残ってしまうというふうな現状があるわけでございまして、つまり私が申し上げたいのは、住宅購入の喜びもつかの間、本当に私たちにとって夢や希望であった住宅が結果として世帯の生活苦の原因になっているというのは、これは余りにも不幸な話だというふうに思うわけでございます。
 当然、そういった借り手側のリスクが高まってきますと、貸している金融機関のリスクも高まるわけでございまして、担保割れ分は損金処理もしなければいけないということで、ますます審査が厳しくなってくるという、こういう悪循環になるわけでございます。
 こういったような事柄が私の住んでいるような高知の一地方のお話であるのかどうか。いずれにしても、今住宅ローンの市場におきまして、今後、住宅ローンとか提携ローン利用者の一部を震源地とします地方版のサブプライムローン問題が発生してくるのではないかと、そういった危惧を私は強めているわけでございますけれども、同じ地方出身の金子大臣の御所見をお伺いできればと思います。
#64
○国務大臣(金子一義君) 広田委員がこの道のプロであるということを、御紹介を今いただきましたので、事情が非常によくお分かりの上での御質問でありますので、私の地域、翻ってどうかということでお答えさせていただきますけれども、今こういう住宅をなかなか借りられなくなってきているというのは、全国的に起こっている現象、特に金融機関がこういう金融情勢の中で非常に慎重になっているというのが現状だと認識しております。
 ただ、民間の金融について私の立場でコメントするのは余り好ましいことではありませんが、一般論で、一般的に言えば、当初短期で金利が変動していくという変動型ローンというのが非常にはやりました。その当初、非常に短期、一年、二年の、一年ということないですけれども、二年、三年、最初だけで後変動するという状況なものですから、金利が上がってくると非常に影響が出てくるという心配は、その部分についての心配は私もかねてから意識として持っております。
 ただ、現状はどうかということについて言えば、アメリカのサブプライムとは違って、日本の金融機関、借りる側も貸す側も年収の、昔は年収五倍論、逆に言えば生活の二〇%、二〇%ですね、返済を二〇%に設定するという、ある意味健全なそういう返済計画に、妥当な返済計画に基づいて貸し出されておるというのが、ここはやっぱりアメリカと違うところだと思っておりまして、そういう意味では返済計画に無理のあるものには住宅ローンは貸さない、これ貸し手側でありますけれども、借りる側はなかなか借りられないという一方で問題も起きております。
 そういう意味で、今もう一つは住宅の価格が急激な下落ですとか、金利の著しい上昇ですとか、これは今まだ我が国では発生しておりませんものですから、そういう意味ではアメリカのサブプライムとはまた違う現象ではあるんだろうなと思っております。
#65
○広田一君 御答弁いただきましてありがとうございます。
 確かに、米国のあのサブプライムローンとはやっぱり違う面、もちろん質的にも違う面はあろうかというふうに思いますけれども。ただ、私自身、借り手側の立場に立ちますと、やっぱり同じような構造の下で返済不能に陥っていく住宅ローン世帯が今後やっぱり増えていくんじゃないかなと、そういうふうな問題意識は是非共有をしていただければなというふうに思うわけでございます。
 そういった中で、次の質問に移りますけれども、住宅ローンの返済不能の実態であるとか、先ほど言いましたような提携ローンの貸付実態などにつきまして、住宅支援機構の金額ベースでの関係情報があるというのは私も承知をいたしておりますけれども、例えばこちらにもありますけれども、民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書というものが住宅局でも出されているわけですが、先ほど言った二つの点につきましても、今後調査の中で取り上げていただいて、実態把握を進めていただきたいというふうに思いますけれども、住宅局としての現状認識も併せてお伺いをできればと思います。
#66
○政府参考人(和泉洋人君) 今の委員御指摘の関係でいいますと、私ども直接持っているデータは住宅金融支援機構のデータになるわけでございますが、住宅金融支援機構につきましては、返済者の方が様々な事情でいわゆる返済困難になる、そういった場合について、委員御案内のように、最長十五年償還期間を延長する等によって激変緩和をしてございます。その適用件数でございますが、そういった制度は平成十年度に導入されましたが、それ以来増加しました。十五年度がピークでございまして、当時、十五年度三万六千四百件の方々がこういった返済困難者対策を御活用になったと。その後減りまして、平成十九年度は一万五百十一件、その間においてピーク時の三割でございますので、この数年はそういった意味において若干緩和されたのかなということでございます。
 二番目に、今御指摘の民間を含めた住宅ローン利用実態でございますが、私ども毎年貸し手サイドに関する調査として住宅市場動向調査、この中ではいわゆる住宅ローンについて、金利タイプ別、変動金利はどのぐらい占めるのか、あるいは長い金利のやつは、固定のやつはどのぐらいあるのかと、こんな調査でございますとか、あるいは、これが借り手サイドでございます。貸し手サイドについても、今御案内の民間住宅ローンの実態に関する調査を行っております。
 結果として、住宅金融支援機構以外について、私どもが直接調べることはできないわけでございますが、全体としますと民間の金融機関の住宅ローン以外の債権も含めたいわゆるリスク管理債権額というのは年々減って、今の段階で減っておりますが、ただこれは直近までのデータでございまして、そこには現在の景気の不透明さが反映されていないわけでございますので、よくそれについては注視していく必要があると思っています。
 そしてまた、この調査の中で、この直近の動きとして純然たる変動金利のシェアが増えてございます。今は極めて金利が低いものですから、冒頭委員御指摘のように、住宅販売の現場でも、目先の返済額がちっちゃくなるような形で今の変動金利をお勧めするといったような実態がございまして、そういったことを活用される方が多いわけでございますが、日本でも過去、十数年前には八%ぐらいの金利がございましたから、住宅政策の立場でいうと、長い目で見ればやはり長期固定の住宅ローン、こういったものの活用が望ましいんじゃないかとこう思っています。
 現時点で、そういったことで大きな問題がまだ出ていないというか、それほど問題化していないということについては、今大臣が答弁したとおりでございますが、そういったものが出てくれば、私どもとしましても住宅政策という観点から非常に問題でございますので、直接の権限はないとは申し上げましたが、金融庁等々と連携しまして、それの実態把握等、それに対する対応などについてもよく協調して検討してまいりたいと、こう考えております。
#67
○広田一君 どうもありがとうございます。
 現時点では問題が顕在化していないというふうなことですけれども、しかしながら昨今の不透明な景気の状況を見ると、変動金利を借りている方々に対してリスクが高まっていくのではないかなというふうな見通しを示されたわけでございますので、今後引き続き注視をしていただくと同時に、是非とも、提案させていただいたように、実態を更に詳細に把握していただきますように重ねて要望をさせてもらいたいというふうに思います。
 実は、この問題というのは個人の問題だけではなくて、私は地域社会のリスクもこれが仮に進んだとすれば高まっていくんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 特にマンションについていいますと、例えば売却とか競売とかできない住宅が増加することによりまして、これは必然的に管理費とか修繕積立費などの徴収が不可能となるケースが増えていくことも考えられます。こういった徴収できない状況が続きますと、例えば修繕積立金が不足したまま修繕時期を迎えるということが発生する場合があるわけでございまして、こうなってきますと、一時金の徴収とか、あと必然的に他の区分所有者の負担が増加をしてしまうと。確かに区分所有法では、完成、入居後のマンションの管理につきましては住民自治、すなわち管理組合に一任されているわけでございますけれども、このように実態がつかめない区分所有者が増えたりとか、あと過大な負担金などによって管理組合等が機能しなくなる可能性が出てくるんじゃないかと。そのことに伴って、空き部屋が多くなり、管理、修繕ができない建物、マンション等が増加すれば、私はやっぱり地域社会の治安とか防災面、こういった面で悪影響が生じるんではないかということを心配するわけでございます。
 現在、高知のような地域では、中山間地域では限界集落が問題化されておりますけれども、私は、近い将来、地方都市において、今のこのマンションの乱立状況等を見ますと、マンション版の限界集落が出てくる懸念もあるんじゃないかなというふうに思いますけれども、よろしければ大臣の御所見をお伺いできればと思います。
#68
○国務大臣(金子一義君) 平成十五年にマンションの管理組合等で調査をしてみましたらば、三か月以上滞納している滞納者がいるマンションというのが約三割いるということで、マンションの管理におきましては大きな問題に既になっております。
 国交省でマンションの管理組合が定める管理規約の標準モデル、マンション標準管理規定というのを策定しまして、そして、この中で管理費等の徴収などについても滞納があった場合の手続をどうするかというのを規定すると、それを更に広げていって管理費の滞納が解消するようにこれまでやってまいりました。ただ、これだけで本当に解消できているのかよという問題もありますんで、現在、社会資本整備審議会の住宅宅地分科会、この下にマンション政策部会を設置してもらいまして、今後のマンション政策の在り方、この中で滞納問題も含めまして今審議をしてもらっておりまして、この御意見、審議踏まえまして、御指摘の、どうやって更にこの問題を対策を講じていくのか、更なる施策の充実について検討してまいりたいと思っております。
#69
○広田一君 どうもありがとうございます。やはり大臣の口からマンション版の限界集落ができるかもしれないということは言いにくいというふうに思いますけれども、問題意識としては管理組合の滞納の割合が高くなっているということで持たれていると思いますので、今後とも引き続きこの問題につきましても注視をしていただきたいと思います。
 それでは、法案の内容なんですけれども、この法案につきまして、造っては壊すからいいものを造って手入れをして長もちさせる社会へという考え方は大賛成でございまして、この法案、賛成でございますので、御答弁の方も前向きにお願いをしたいというふうに思うところでございます。
 私は、この普及を推進していく上での課題や体制整備について、これを中心にお伺いをしていきたいというふうに思います。
 まず初めに、第二条四項の一のロ並びに第六条の認定基準に関連しましてお伺いします。
 この四項の一のロには住宅部分の地震に対する安全性の確保についての規定がございまして、まず、私たち長期優良住宅というふうに考えますと、まず第一にイメージすることは、大地震にも十分耐えられる耐震性じゃないのかなというふうに思っております。特に、私の地元はいつ南海大震災が起きるか分からないと、今後三十年で五〇%以上の確率で発生するというふうな地域でございまして、その意識は特に強いわけでございます。よって、その間に新築される住宅等につきましては、やはり耐震性が重視をされるのは当然でございまして、こういった観点からお聞きをしたいと思います。
 実際、国交省の皆さんの方としても、長期優良住宅の構造躯体の耐震性につきましては、大規模な地震の後、構造躯体の必要な補修をすることにより使用が持続可能なこととあるというふうな考え方を持たれていると思います。
 そこでお伺いをしますけれども、これ具体的に住宅性能表示の耐震等級、つまり構造躯体の倒壊等防止並びに構造躯体の損傷防止では一体何等級以上を現時点で考えていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
#70
○政府参考人(和泉洋人君) まさに耐震性大事でございまして、今委員から御紹介賜りましたように、長期優良住宅では建築基準法の最低レベルを超えて大規模な地震においても改修をすれば継続使用できると、こういったことを求めようとしています。
 基本的な考え方は二つございまして、一つは、今委員から御紹介がございましたように、建築基準法が想定している以上の地震力に耐えると、こういった考え方、もう一点は、実際の精緻な計算の中でいわゆる変形が少ない、大規模な地震があったとしても変形が少ないという、裏返しで言うと損傷性が少ないと、その二つのアプローチがあると思っています。
 いろいろ学者の先生方と議論しておるわけでございますが、そういったいわゆる基準法の地震力よりも大きなものに耐えるという観点で言うと、おおむね今先生御紹介の性能表示の耐震等級の二に相当するのかなと。片方で、もう少しきめ細かな基準も検討してございまして、そういった一般的な地震力を入れた場合に、基準法で想定しているよりははるかに小さな変形性能で収まると、そういう両様の基準を考えながら、冒頭申し上げました大規模な地震においても改修されれば継続居住できるというようなことについての基準を成案を得たいと、こう考えてございます。
#71
○広田一君 どうもありがとうございます。
 この耐震等級につきましては、聞くところによりますと、戸建ての方についてはかなり等級を上げても十分対応できるんじゃないかなというふうなお話を聞くんですけれども、特に構造設計者の方にお聞きをしますと、特にRCの共同住宅につきましては、なかなか長期優良住宅の普及が難しい理由といたしまして、やはりこの耐震等級を上げるののコストアップを指摘される方がいらっしゃいます。
 劣化等級については現状の最高レベルの三というふうなところまで上げてもさほどのコストアップにはならないんだけれども、やっぱり耐震等級を上げると、一から二に上げるだけでもちょっと相当大変じゃないかなというふうに思いますし、このたびモデル事業で採択をされましたUR都市機構の方にお聞きをしましても、これは共同住宅なんですけれども、耐震等級二まで上げているわけなんですが、それを例えば三ぐらいまで上げるとなると、やはりコスト面であるとか、はりの部分が多くなって見栄えからしても難しいというふうな話があるわけです。こういった耐震等級等を上げることに伴うコスト増については、国交省の方としてもトータルコストは安くなるとか税制の優遇措置があるとか、こういったようなお話をしておりますけれども、現場の反応はいま一つではないのかなというふうな感があるわけでございます。
 こういったことを考えますと、今のままの支援策ですと、やはりコスト増との相殺にも余りならずに、ましてや長期優良住宅を建てようとするインセンティブにもつながりにくいんじゃないかなと心配をするわけでございまして、こういったコスト問題等をどう克服されていく所存なのか、御所見をお伺いしたいと思います。
#72
○政府参考人(和泉洋人君) 長期優良住宅につきましては、トータルで、積算ベースで言うと、約二割ぐらい高くなるという話をしました。それに占める割合で一番高いのは住宅の可変性でございますが、今委員御指摘のとおり、耐震性を上げるためのコストもそれなりの負担が掛かります。
 いろいろ、こういった中高層のマンションを造っていらっしゃる業界の方々にヒアリングをしますると、それは中高層か超高層かなどによって随分変わってくるんですが、五%前後、この耐震関係で上がるのではないかと、こういうふうに御指摘を賜っております。ただ、長期優良住宅という以上はそういった部分については何とかクリアしてもらいたいなと、こう考えておりまして、冒頭御説明した基準の整備も併せまして、こういった技術関係の方々と意見のすり合わせを今しているところでございます。
 そこで、こういったコストアップを乗り越えて普及をさせる意味で、いわゆる税制につきまして、二十一年度改正で住宅ローン減税あるいは投資型減税、こういったものについてもお願いしているところでございまして、そういった税制面の措置と併せまして、長い目で見て質のいい住宅が造られるように努力をしてまいりたいと、こう考えてございます。
#73
○広田一君 税制優遇等を講じていくということなんですけれども、ここで大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、この長期優良住宅について幾つかの税制優遇措置が講じられているわけですし、また更に講じようとしているわけなんですけれども、いわゆる投資減税のところにつきましては財務省の抵抗がかなり強いというふうにお聞きをしますが、大臣のお立場で、この実現に向けての決意をお聞かせ願えればと思います。
#74
○国務大臣(金子一義君) 広田先生にも力強い御支援をいただけるものということで、決意を聞かれましたけれども、決して長期優良住宅が金持ち優遇ということではなくて、やっぱりこういうものが広がっていくことによって社会全体のストックが、そして流通市場が厚みを増してくるというような、長期優良住宅は、ある意味、世代を超えて利用されていくものだ、国民に広くメリットが及ぶものだと、そういう観点から、投資減税についても何とか年末に向けて実現できるように頑張っていきたいと思っております。どうぞ御支援よろしくお願いいたします。
#75
○広田一君 頑張っていくという決意があったわけでございますけれども、今の景気の状況等を考えますと、皮肉にも追い風になるかもしれませんし、そういった意味でも、やはり投資減税の事柄につきましても是非頑張っていただきたいというふうに思うところでございます。
 それでは、この耐震化に関連しまして、既存の木造住宅の耐震化について若干お伺いをしたいと思います。
 これは、住宅の安心、安全とか、地場の工務店とか、大工さんの仕事の確保というふうな観点からも私は大事だろうというふうに思っております。こういった木造住宅等の耐震化の推進につきましては、国の地震防災戦略におきましても、平成二十七年度までに耐震化九〇%という目標を掲げていらっしゃいます。
 そして、現在この耐震化の推進には大きく二つの制度が活用されておりまして、一つは住宅・建築物耐震改修等事業と、もう一つが地域住宅交付金でございます。こういったこの二つの制度等について、まず市区町村の耐震改修助成制度の導入状況について御説明をいただければと思います。
#76
○政府参考人(和泉洋人君) 今の状況でございますが、いわゆる戸建て住宅の耐震診断、ここまでは実に六三%の市区町村で補助制度が設けられておりますが、実際の耐震改修となりますと、今の段階ではまだ三七%の市町村しかこういった補助制度を準備していないというのが実態でございます。
#77
○広田一君 御説明のとおり、耐震改修につきましてはわずか三七・二%というふうなことで、低うございます。これは一体どういうことなのかということをじゃ次に考えていかなければいけないんですけれども、地方の方から、まず前者の住宅・建築物耐震改修等事業につきましては、地域要件とか収入要件があって補助の対象にならない地域や世帯がかなり多く存在するんじゃないかと、これが耐震改修の推進の足かせになっていると。
 具体的に申し上げますと、例えば、これもいろいろ制度があるんですけれども、一般住宅に関しますと、地域要件なんかはもう取っ払ってくれと、若しくは緩和してほしいし、また、現在、これ同じく一般住宅では、国、地方を合わせて一五・二%の補助率なんですけれども、こういった事柄のアップであるとか、収入要件についても、世帯でいえば三十万から三十三万円の世帯以下というふうな要件がありますけれども、こういった要件なんかも撤廃して補助対象住宅を拡充すべきだと。そうすることによって、三七・二%というこの低い助成制度の導入状況は改善されるんじゃないかなというふうに考えますけれども、御所見をお伺いします。
#78
○政府参考人(和泉洋人君) 全く気持ちは一緒でございまして、率直に言って、この制度は初めいわゆる個人に対する補助であるというような位置付けの中からスタートしまして、一生懸命制度を拡充してまいりました。
 委員も御承知のとおり、二十年度予算においても一定の拡充をしましたし、また、今委員から御紹介のありました地域住宅交付金の中で今提案事業でございますので、これを基幹事業に位置付けるというようなことについても二十一年度に向けてしっかりと拡充頑張ってまいりたいと思いますので、これまた御支援をよろしくお願いします。
#79
○広田一君 二問目の方も先に答えていただいてしまったわけでございますけれども、特に地域住宅交付金制度につきましても、これも基幹事業を実施しない場合は提案事業として交付の対象にならないというような、使い勝手が悪いというふうな話もございますし、提案事業だと基幹事業費の二割までしかないわけでございまして、基幹事業が少なくなればなるほど耐震改修の規模も決まってしまうというふうなことでありますから、是非ともこの基幹事業の格上げについても頑張っていっていただきたいなと、こういうふうに思います。
 次に、いかに普及をしていくのかという観点で、第三条の一項に関連してお伺いをしたいと思います。
 ここには、国及び地方公共団体は、財政上、金融上の措置を講じなければいけない、努めなければいけないというふうな規定があるわけでございますけれども、これは一体具体的にどのような取組をされるのか、お伺いをしたいと思います。
#80
○政府参考人(和泉洋人君) 現時点で想定していますものは、今日も話題になりました超長期住宅先導モデル事業、これは二十年度予算が百三十億でございますが、二十一年度は二百億で要求させていただいております。
 また、幅広く中小工務店も含めて使える住宅履歴情報の整備、これにつきましても、平成二十年度予算は四億円でございますが、二十一年度に向けて四億円を更に要求をさせてもらいたいと思っております。
 加えて、金融上の措置としまして、超長期住宅ローン、現在、住宅金融支援機構の証券化支援の融資制度は、フラット35という名前にありますように三十五年が最長でございますが、これについて、こういった長期優良住宅については五十年ローン、そういったものが可能じゃないかというようなことを考えておりまして、今その制度設計について予算要求と併せまして検討している最中でございます。
#81
○広田一君 ちょっと確認をしたいんですけれども、先ほど第三条の一項に基づいて超長期住宅先導的モデル事業を推進するというふうな御答弁があったんですけれども、じゃそれに関連いたしまして、この超長期モデル事業に採択をされますと、本法案に規定いたします認定がもらえて税制優遇の対象になると、こういう理解でよろしいんでしょうか。
#82
○政府参考人(和泉洋人君) 様々準備しています税制はあくまでも長期優良住宅法に基づく認定を受けた長期優良住宅に限定されますので、法案が成立する前に先導モデル事業として補助を受けた住宅については税の適用は困難でございます。
 しかしながら、現在ある税というのは、先ほどもちょっと御紹介したかもしれませんが、登免税、不動産取得税、固定資産税につきまして、仮に長期優良住宅を造ってコストアップがあったとしても税負担は増えないということを基本とした税でございます。それとの比較でいえば、先導モデル事業は戸当たり二百万円を上限に相当手厚い助成を受けますので、仮にその税制上の優遇措置が受けられないとしてもバランスはそれなりに取れているのかなと、こう考えてございます。
#83
○広田一君 実はこれは、これも羽田委員の方からもお話があったんですけれども、この法律が成立するのがちょっと遅れたと。本来は、このモデル事業等と同じように進んでいけば、今のようなことも起きなかったんじゃないかなというふうに私自身、推察をするわけでございますけれども。
 というふうに考えますと、やはり当初は、これモデル事業に採択された施主さんからいいますと、モデル事業に採択されたけれども長期優良住宅法案の認定の対象にもならなければ税制優遇も受けられないという話が分かりますと、これは一体どういうことなんだと、おかしいんじゃないかというふうな話が当然私は出てくるんじゃないかなというふうに思います。しかも、当初はやっぱり一緒に進めていこうというふうなことだったと思いますし、今後、モデル事業、法律が施行されましてモデル事業を受けたものが税制優遇を受けるということは、これは制度が動き始めてから可能になるわけでございますので、そうなりますと、第一回目で採択された、まさしくこれから始めようというふうな採択事業モデルが税制優遇を受けられないというのは私はおかしい話になると思いますので、何らかの特別措置、件数的にもそんなに多いというわけではありませんので、講じられるべきじゃないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#84
○政府参考人(和泉洋人君) 率直に言って、あくまでもその法律に基づいて認定を受けた住宅でございますので、それはなかなか困難だと思っております。しかし、モデル事業で相当丁寧な、あるいはかなり手厚い助成をしていますので、その限りにおいて一番初めに頑張っていただいた方に対しても相当程度の御支援をさせていただいているものと、こう理解してございます。
#85
○広田一君 大臣、多分事務方とすればこの御答弁が精いっぱいではないかなというふうに思うわけでございます。
 確かに、法律を読みますと、第五条四項の一の三から見ましても、建築しようとする住宅というふうな表現があったり建築確認の特例措置なんかがあると、これはとても既に着工したり完成したものは対象にならないというふうに読み取れるわけでございます。
 ただ、大臣自身も、今後いろんなものを蓄積しながら既存のものについてもこの法律を適用していきたいというふうな御答弁もしているわけですし、ましてやこの第一回の公募に積極的に応募して採択された方々がそういう対象にならないというのは、私はこれはいかがなものかと思いますので、ここはやっぱり政治的な判断で何らかの処置を講ずるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#86
○国務大臣(金子一義君) 今住宅局長から話をさせていただきましたように、国の支援金が入って造っているんですよ、これから出てくるという部分とはもう全くそこはちょっと違うところがありますので。
 ただ、これから、先ほど応援をいただいたような住宅ローンのローン減税あるいは投資減税という新しい税制も今年末の大詰めで出てまいります。そういうもののバランスも見なければいけないのかなと思います。
 そういう意味で、宿題としてお預かりさせてください。
#87
○広田一君 是非、いい答えを出していただければなというふうに思います。
 それでは、最後になりましたけれども、この第三条に関連いたしまして、地方公共団体の役割についてでございますけれども、現在、私の認識だと、もし三位一体の改革がなかりせば、今は県とか市町村の公営住宅におきましては多分建て替えラッシュが起きているんじゃないかな、そういう時期だというふうに思います。
 こういう中で、せっかく地方においても長期優良住宅というものを推進をするのであるのならば、やはり公営住宅においてこの長期優良住宅を建てていただいて地方でモデル的に進めていくというのも私は一つのやり方ではないかなというふうに思っておりますので、是非、長期優良住宅を公営住宅として建築したいと思っている地方公共団体につきましては、既存の制度の活用若しくは新しい制度を導入するか否かは別にして、何らかの支援措置を講じていただきたいということと、あわせて、昨年、各都道府県が住生活基本計画を策定したばかりでございますけれども、これにはまだ長期優良住宅の推進というものが明確には位置付けられていないというふうに思いますので、そういった位置付けを推進したり、さらに各都道府県別で長期優良住宅の整備目標を設定していくと、そういうふうな取組を国の方から支援してはどうかというふうに思いますけれども、最後に御所見を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
#88
○政府参考人(和泉洋人君) 委員御指摘のとおり、地方においても目に見える形で長期優良住宅造るということは大事でございまして、御指摘の公営住宅等につきまして、地方の財政事情等あるかと思いますが、先導的にやっていきたいという公共団体があれば地域住宅交付金等を使って応援してまいりたいと思っております。
 また、住生活基本計画につきましては、国の計画と都道府県の計画がございます。現時点では、国の計画においてもいわゆる滅失住宅の平均築後年数の目標とか、あるいは流通シェアの目標がございますが、長期優良についてはまだ法律も成立してございませんのでございません。当面の目標は、二、三年後に新築の一割ぐらいというふうに考えております。
 この計画自体は五年ごとのローリングプランでございまして、二十二年度に見直しを図る予定でございますので、国も含めまして、そういった見直しの中でどういった形でこの長期優良住宅を位置付けられるか、よく勉強してまいりたいと考えております。
#89
○広田一君 以上です。終わります。
#90
○平山幸司君 民主党の平山幸司です。
 前回は冬柴大臣のときに質問をさせていただきまして、その後、お二人ほどなぜか替わりまして、今日、しかしながら、金子大臣に質問をさせていただく機会を得ましたことを感謝申し上げます。
 観光庁設立の際の懇親会でも非常に、私、観光業に携わっておりましたので、大臣のお話、見識高く紳士的な尊敬できる、我が方の長浜ネクスト大臣も本当に紳士で大変尊敬しているわけでありますけれども、大臣の大変立派な姿勢を評価して質問させていただきたいと、このように思います。
 そこで、長期優良住宅に関してですが、少し基本に立ち戻って、この長期優良住宅の目的ですね、この目的を、非常に大切だと思いますので明確に端的に大臣にお答えいただきたいと思います。
#91
○国務大臣(金子一義君) 今までの我が国の住宅政策の流れというのが量を重視してまいりましたけれども、少子化、あるいは、こういう少子化というのは逆に言えばストックの社会でありますから、それにふさわしい質の住宅に向かいたいと、質をより重視するというのが端的な今回の目標であります。冒頭にネクストキャビネット長浜委員と同様に御評価いただきましたことを御礼申し上げます。
#92
○平山幸司君 ありがとうございます。
 量から質へということでございますけれども、やっぱりちょっと軸という点を少しキーワードに進めたいと思うのでありますが、実質的に量から質へということに関しまして、何か数値目標的なもの、先ほど三年後には全体の新築戸数の一〇%程度というお話ありますけれども、量から質へというのに対しまして、何かもっと具体的な数値目標、これをしっかりと挙げていただきたいと思います。
 麻生総理は、二兆円の定額給付金ともう明確に言って、その軸が多少ぶれたんで批判もあるわけでありまして、この長期的な優良住宅、ずうっと何年間も見ていかなければいけないわけでありますので、この数値目標をお答えいただきたいと思います。
#93
○国務大臣(金子一義君) 今御指摘いただきましたとおり、この法案を通して施行させていただいて、二ないし三年を目途に新設住宅の一割程度、これを長期優良住宅として認定されることを見込んでおります。そのベースになる考え方について住宅局長から答弁させます。
#94
○政府参考人(和泉洋人君) 今大臣から答弁申し上げました一割でございますが、ベースとなるのは、いわゆる住宅品確法の住宅性能評価制度がございまして、こういったものを受けた住宅というのは一般的に質が高うございます。その中で、住宅性能評価の中でも今回の長期優良住宅に相当する耐久性の等級とか耐震性の等級、省エネ性の等級と、こういったものがございまして、平成十九年度では新築の二三%は性能評価を受け、そのうちの九・九%程度が長期優良住宅に相当するぐらいのランクを受けた住宅と踏んでおります。これが、現在のトレンド等を推計しますると、平成二十二年度には性能評価を受けた住宅のシェアが三〇%を上回り、かつ様々な支援措置を講じた結果、長期優良住宅に相当するような項目をクリアする、レベルをクリアする、そういったものが約三割と考えておりまして、この掛け算でおおむね一割を二十二年、すなわち二、三年後に目指したいと、こういった考え方で目標を掲げてございます。
 しかしながら、これにつきましては、様々な支援措置を強化する中で、当座は一割という目標でございますが、先ほどの住生活基本計画の見直し等も含めまして更なる努力は続けてまいりたいと、こう考えてございます。
#95
○平山幸司君 量から質へということでありますので、もう少し具体的な、今日資料を配付させていただいておりますが、例えば、今海外と比べても、アメリカが五十五年ですかね、そしてイギリスがもう七十年ちょっとということで、日本は今三十年、滅失年数ということになっております。若しくは中古住宅の流通シェア等々、もっと中古住宅を流通させようというのもこの大きな目的になっているはずであります。さらには、この時代の環境に配慮して住宅建築廃棄物、これを減らしていこうと、こういうようなことも打ち出していると思うんであります。これも、やはりこの議事録を、十年後、二十年後に住宅政策に携わる皆さんが、やはりどうだったのかなという分岐点になる長期優良住宅、住宅政策の議論になると思いますので、この辺の軸をしっかりと明確にした方が将来大変役立つ。
 私も旧建設省におりましたので、大臣というのは非常に雲の上の存在。しかしながら、大臣が数値目標をぱちっとこうだということを明言されますと、やはりそれを軸に政策をずうっと頑張って追ってやっていくわけでありますので、この辺の数値目標をもう一度お答えいただければと思います。
#96
○政府参考人(和泉洋人君) 冒頭、大臣から量から質へという話をしました。委員御案内のように、戦後の住宅政策の基本政策というのは住宅建設計画法と、まさに建設と言っておりました。これは、実に四十年間やってまいりまして、平成十八年に住生活基本法に切り替えて、住生活を目標にするんだと、まさに質、加えてソフトも含めた質と、こういったことにしたわけでございます。
 その中で、細かいことになりますので、一、二例御紹介しますが、建設戸数はもう目標にしないと、十年後の住生活の姿をいわゆるアウトカム目標として掲げようと。
 そこで、今回の長期優良住宅に関連するお話としましては、まさに委員がお配りになりました資料、これに対応するものでございますが、既存住宅の流通シェアが今は日本はわずか一三%でございます。このお配りいただきました資料にございますように、アメリカ七七・六%、イギリスは八八%、こういった状況でございます。ここまでなかなか行かないわけでございますが、これにつきまして、十年後の平成二十七年には二三%に引き上げようと。
 更に加えて、今御紹介の滅失住宅の築後の平均年数、これも三十年でございます。これ、平成十五年の統計で三十年。五年前、平成十年で二十六年でございました。こういったものにつきまして、各般の努力を講じまして、二十七年には四十年に引き上げようと、こういった基本的な方向を含む十三のアウトカム目標を掲げまして、戸数ではないと、住生活、質を目標にするんだという構えで、現在、平成十八年以降、住宅政策の転換をしているところでございます。
#97
○平山幸司君 今あるように、掲げた数字に対して、これは目標値ということもあるんで、できなかったからどうだこうだということではなく、やはりその目標値が大切で、そこに向かって一体となって頑張っていくという姿勢が大切だと思います。決して軸にぶれがなくやっていただきたいと、このようにお願い申し上げます。
 そこで、この方針、大臣の方針若しくは国のトップの方針、軸はぶれちゃいけないよというのに関連して少しお尋ねしたいんでありますが、これ今朝の新聞であります。麻生総理大臣が、地方分権、地方のこれは整備局ですか、これを廃止すると、その後統廃合という言葉に変わったわけでありますが、そういったことを行っていくという大方針を掲げたわけであります。その中で、国土交通省にかかわる部分で、東北地方整備局ありますが、百十四億円を掛けて新庁舎を計画していると。この方針に大きく異なる動きが起こっているのかなというふうにも、これはテレビの報道、新聞の報道にもありますので、そういった動きの中で、今大臣、このことに関してどのように感じておられるか、このまま進むのかどうか、この辺を少し、言いにくいところかもしれませんが、お話しいただければと思います。
#98
○国務大臣(金子一義君) 申し訳ございません、今ちょっと初めて隣から新聞記事を渡されました。
 この記事とは別にして、麻生総理が就任のときに、地方出先機関の二重行政の排除、それから目の届かない部分の排除ということを総理就任のときにおっしゃっておられます。このことは閣僚として私も一貫してきちんと対応し、進めてまいりたいと思っております。
#99
○平山幸司君 午後ですので少し緊張感のある議論と思ってお話をさせていただきましたが、この長期優良住宅、履歴、認定、若しくは先ほど既存住宅への配慮、さらには国産材をもっと使っていこう、又は優遇税制をしていこう、こういった話もあるわけであります。
 そこで、軸という部分でもう一つだけ、この長期優良住宅若しくは大きな住宅政策に関して、今回、第二次補正予算、これどういうふうになるのか、生活対策というお話が出ておりますけれども、これに関連した予算というのはどのようになっているか、少しお答えいただければと思います。
#100
○国務大臣(金子一義君) 一つは住宅ローン減税の延長、拡充、これ入ってまいります。それから、フラット35の拡充、優良な住宅取得支援制度の拡充があります。それから、木造住宅の振興、二地域居住の促進と。それからもう一つ、委員も先ほど御指摘をされておられました部分でありますけれども、改正建築基準法、改正の建築士法、それから住宅の瑕疵担保履行法、これは非常にいろいろ地方に御迷惑をお掛けしておりました。これがやっぱり円滑に施行されるようにと、これが一番やはり特に住宅の分野では大きな影響を与えてきたんだろうと。これについて、それぞれの地域にサポートセンターをつくりまして、そしていろいろな建築士、専門家というのを集めてきたり紹介するという、これ補正で、第一次補正からでありますけれども、国が支援をしてそういうサポートセンターを運営してもらうと、これ二次補正も入っておりますし、来年度予算でも引き続きやっていければと思っておりますけれども、そういう地方での円滑にこれが進められるようなこと、今、特に今度の生活対策ではどういうことを入れているんだということを御質問でありましたけれども、今申し上げたことが中心になってまいります。
#101
○平山幸司君 住宅ローン、木造、これ先ほどもございましたサポートセンター等々、この議論をするに当たり、やはり今言われる景気対策と、経済を活性化させなければいけない、こういったものも含めまして今の第二次補正予算、生活対策ですか、こういった内容が明らかにならなければ、やはり議論の中もより具体的に、政局より政策であるということが本当にできるのかどうかというのに疑問を感じざるを得ないわけであります。これは国民も一緒でありまして、そういった声があるんで、あえてこういった場で言わざるを得ない状況というのを少し感じていただきながら、それでも今からでも遅くはない、やはり政局より政策であるという意味から、今のこの第二次補正予算ですね、大臣がやるということは言えないと思いますが、せめて麻生総理に、国民はやっぱりこれじゃいけない、しっかりと議論するべきである、こういったことを促す、そういったことは考えておりませんか。
#102
○国務大臣(金子一義君) 来年、通常国会で税制等も含めてなるべく早めに国会を召集して提出させていただきたいということで、与党で、ハウスでも、政府とハウスで御了解いただいたと思います。
 立場上はもとより、この景気対策、来年度予算共々に一刻も早く通して少しでも景気を良くしていきたい、その気持ちは委員と同じであります。
#103
○平山幸司君 ありがとうございます。
 これらの本当の意味は、私も青森県の選出でございまして、所得にしても雇用にしても全国的に一番厳しい地域であります。そういった中で先日、町村会、昨日ですか、開かれました全国町村長大会、その中で各首長さんからもいろいろなお話しをいただくわけであります。地方は本当に厳しいんだと、もう大変な状況であると。今の景気対策にしても、大臣も地方の御出身でございますのでお分かりになると思いますが、我が青森県は、例えば農業に関しても、今年リンゴのひょう害が起きて農家も大打撃を受けているわけでありますね。
 そういった中で、今の住宅政策に関しても、週末、工務店さん何軒かこのことに関しましても実際にお話を聞きました。こういったことを政府では考えていますよということを言った中で話していたのは、やっぱり幾らそういうことを言っても、若い人は家を建てられないんだよと。なぜか。給料が安い、ローンも組めない、こういった話です。先ほど税制の優遇措置等々もありましたけれども、所得が低くてその措置もなかなか受けられないようなそういう厳しい状況にある地方の切実な声があるわけであります。
 そういった中で、景気を良くして、そうすれば新着工数も増えると思うし、今は中長期的な政策よりも目の前のやっぱり景気であるというのが本当のところであるわけであります。よって、この住宅政策に関して、長期優良住宅の法案もそうでありますが、そのほかにやはり厳しいところに目を向けるといったような、先ほど来少しありましたけれども、そういった政策も同時に行っていくんだと、こういったものは何かお考えありませんか。
#104
○政府参考人(和泉洋人君) 今委員御指摘のとおりでございまして、今大臣から若干御紹介させていただきました十月末の生活対策、この中では、窮状にある地方に手を差し伸べて、地方の底力の発揮、そのために私どもの範囲でいえば住宅投資を進める具体的な施策について様々講じていくというようなことが決まったわけでございます。
 加えて、いわゆる地域の地場産業という観点で見ると、木造住宅振興と、これ極めて大事でございまして、林業、木材産業、工務店等、地産地消による地域産業の活性化、これにつながるわけでございますので、木造住宅市場の振興に係る民間事業者に対する支援を、これは林野庁等とも連携しまして、これは地域木造住宅市場活性化推進事業と、こう言っておりますけれども、これは二十年度三億円、補正で三億円準備しました。こういったものもしっかりやっていきたいと思っています。
 また、若干、先ほどの別の先生の質問にも関連しますが、地域の活性化、定住がなかなか難しければ交流人口、そういったことをやる意味でも二地域居住と、こういった発想が出ております。今、インターネット等を通じて様々なPRもしてございますし、また今後の補正の中で、生活対策にも位置付けられておりますけれども、地域の木造住宅、例えば空いているもの、こういったものを改修することを応援して、それを生活体験施設やあるいは交流施設に切り替えていく、そういったことを通じて大都市部と地方との交流を促していく、こんな仕事もできると思っています。
 更に言えば、非常に細かい話になりますけれども、いわゆるリフォーム、これにつきましては確実に地域の産業に落ちます。そういった意味で、来年度の税制改正では生活対策の位置付けを踏まえまして、現在いわゆる改修に関する税制というのは耐震改修だけが投資減税なんです。残りはローン減税です。委員御案内のように、ちっちゃなリフォームについてお金はなかなか借りないんです。そこで、こういったものについて、生活対策の位置付けを踏まえまして、耐震もバリアフリーも省エネもすべて投資減税でお願いしたいという、これについては大臣の御指示を得て強い立場で頑張っていきたいと思っています。
 加えて、地域におけるその状況、非常に困っておりますので、全く別な切り口ではございますが、住宅のセーフティーネット、こういったものを現在ある地域住宅交付金等を十全に活用しながら、きめ細かく地域の首長さんたちと対応しながら構築していくというようなことを通じて、地域に対する貢献をしてまいりたいと、こう考えてございます。
#105
○平山幸司君 木造そしてリフォーム、様々、耐震、省エネ、バリアフリーですか、その辺は基本的な部分、全国的にあるものだと思いますが、例えば、御提案ですけれども、ただただ自分の地域だけ言うのではなく、やっぱり地方に目を向けるという全体的な意味合いも含めてお話をさせていただきたいと思いますけれども、それでもやはり東北もしくは北海道、寒冷地、雪が降る地域であります。この辺に関しての特別な何か措置というのはございますでしょうか。
#106
○政府参考人(和泉洋人君) 委員御案内のように、従来は非常に縦割りの補助事業だったものですから、今委員が御紹介になったようなきめ細かなというのはなかなかできなかった事実がございます。しかしながら、御案内のとおり、平成十六年度にまちづくり交付金、十七年度に地域住宅交付金、こういった首長さんの提案で非常に柔軟に仕事ができる制度がおかげさまでできました。
 当初は、我々ができると言っても、説明しても、私ども国土交通省の窓口というのは土木部とかそういうのが多いものですから、なかなか御意見が賜れなかったと、その後各地で首長さんと直接対話をずっと続けてまいりました。そこで、首長さんのリーダーシップの下で、例えば今言った、雪国であればいわゆる克雪住宅に対して提案事業の補助をするとか、あるいはソフト事業として、地域の雪下ろし等をNPO等がやる居住環境を守るためのコミュニティー活動、そういったものに対しても支援すると、こういった動きが出てまいりましたので、その辺は各首長のリーダーシップあるいは地域の実情に応じて地域住宅交付金などを十全に活用しながらきめ細かに対応してまいりたいと、こう考えております。
#107
○平山幸司君 ありがとうございます。
 本当は先ほどの超長期優良住宅、これ何件か選んでというか、認定されてもう既にやっているという実績が出ていると思いますので、これ後ほどで構いませんけれども、その認定の地域別、中小企業の工務店さんは実際にやっていますよとかいろいろなお話出ましたけれども、地域別の認定を少し後ほど教えていただければと思います。今ありますか。ないですね、ないですよね。
 次に行きますけれども、長期優良住宅の政策と似たような部分で、これ昭和五十五年ですか、センチュリーハウジングと、これは法案としてではないとは思いますが、これどういった内容なのか、まず少しお話しください。
#108
○政府参考人(和泉洋人君) センチュリーハウジングというのは、たしか昭和五十七年ぐらいだと思います。ちょうど私が担当係長をやっておりました。
 この発想は基本的には長期優良住宅と似ておりまして、やはり寿命が短いと。そこで、スケルトンとインフィルを分けて、それによってなるべく長くもつ住宅を造っていこうと。そのために当時、財団法人でベターリビングという、今でもございますけれども、そこが一種の基準を作って、民間の提案に対してそういったものについて認証して、それで、ある意味ではそういった一種の公的な団体の認証を一つのお墨付きにして、こういったセンチュリーハウジングの普及を目指していこうと、こんな活動だったと思います。
 その前身にはいわゆる当時の公団住宅とか公営住宅でより長くもつ住宅を造っていこうという様々な技術開発成果を踏まえて、当時、今でも御存命でございますけれども、東大名誉教授の内田先生をキャップに様々な技術開発を進めてその普及に乗り出したと、こういうものでございます。
#109
○平山幸司君 実際にこの成果はどうなのかなというところを少し端的にお願いいたします。
#110
○政府参考人(和泉洋人君) 率直に言って、まだ当時は今ほど熟度がなかったということもございまして、合計で六十二件の認定をいたしまして、その結果として供給された戸数は累積で八千九百五十一戸と承知してございます。
#111
○平山幸司君 一方、これはちょっと全然違う切り口ですけれども、この財団法人ベターリビングに対しまして、国交省若しくは旧建設省から職員として若しくは役員として天下りされている、これ通告しておりますので、その数をお教えください。
#112
○政府参考人(和泉洋人君) 財団法人ベターリビング、かつての名前は住宅部品開発センターと申しまして、四十八年にできた団体でございます。
 今委員の御指摘の点でございますが、理事が二十三名ございまして、国交省のOBは二名でございます。監事二名中、国交省のOBは一名でございます。加えて事務局の職員百九名ございますが、百九名中の国交省のOBは二名、加えていわゆる現役出向とこう言っていますけれども、この団体がいわゆる研究所としての機能を有するものですから、所定の手続を経まして二名現役出向が行っていると、こんな状況でございます。
#113
○平山幸司君 履歴を長いこと作っていくということと、あと認定という部分に関しまして、これは今こういった厳しい世の中の中で我々もやはり国民に分かりやすくしていくという観点から、これが当初の先ほどの軸、方向性とぶれないようにあるべき姿にしていっていただければなと、決してぶれることなく。
 そういった意味で、大臣に、決して天下り先はつくらないというような、そういった意気込みも含めて少しお話をいただければと思います。
#114
○国務大臣(金子一義君) 今のベターリビングにつきまして、今やっております天下り、理事の数、こういうものは要求されております割合以下に収める。それから、国の出費、支出といったようなものを、これは今ベターリビングはないんですね、民間で運営されておりますけれども。
 委員御指摘のように、こういう今の進んでいます方向を逸脱するようなことはさせないつもりであります。
#115
○平山幸司君 ありがとうございます。
 やはりこの長期優良住宅、十年、二十年若しくは五十年先も、住宅政策の分岐点として議論された非常に大切なこととして、大臣からそういった軸からぶれない方向性でやっていくということ、次世代にもしっかりと伝わっていくんだろうなと、このように感じます。ありがとうございます。
 次に、認定につきまして少し、ここも確認という形になると思います。
 先ほども、全国の町村会があったわけでありますけれども、定額給付金に関しまして麻生総理が話した際に、地方の首長さんから、丸投げするなよと、こういったやじも出た非常にまれに見る光景であったというふうに聞いておりますが、この認定に関しても、やっぱり国で制定したものに関しまして実際にやるのは現場だと思います。先ほどお話ございましたけれども、所管行政庁ですか、が認定をしていく、これはやはり建築確認にプラスして新たな仕事が生まれるというふうになると思います。
 その上で、国が決めたこと、決めたからおまえらやれよというような形であれば、これは地方からまた同じような声が上がってくるのではないかなというふうに思うんでありますが、この辺をしっかり、地方に対しては迷惑掛けないんだと、首長さんたちにも迷惑掛けない、所管行政庁にはしっかり、これはいい制度なんだというふうな方向性、どのようにしていくのか、この辺についてお話をお願いいたします。
#116
○政府参考人(和泉洋人君) まずは、この制度の中長期的な意義をやはりきちんと首長さんにも共感していただくということが一番大事だと思っております。
 その上で、実務的なことになりますけれども、今までも様々な説明会開いてまいりましたが、実際の認定に携わっていただく公共団体の職員の方々にきめ細かく、今後認定基準を作るわけでございますので今後の話になりますけれども、かつての改正建築基準法のようにならないように、きちんとよく周知をするということが一点でございます。
 二番目に、多分委員の頭の中に財政的な負担ということもあるかと思いますが、これにつきましては当然のことながら、特定の被認定者に対するメリットを与える作業でございますので、きちんと公共団体の条例で必要な費用については徴収をしていただくと、これが二点目でございます。
 三点目でございますが、その上で、様々な工夫をして公共団体の負荷を下げるということも考えられます。それにつきましては、例えば住宅性能評価を行っている性能評価機関と連携して、いわゆる実務的な部分、最後の認定という裁量性の部分については公共団体がやるとしても、ただ実務的な部分についてはそういった機関を活用する等、様々な工夫の余地がありますので、今後、そういった説明活動の中で私どもとしてもきちんと国としての技術的な助言を発出して、公共団体の方々と協力できる体制、しっかりと共感してもらえる体制を構築してまいりたいと、こう考えてございます。
#117
○平山幸司君 いろいろな方法を周知徹底していくと、この意気込みは感じられまして非常に有り難いと思うんですが、一つ財政措置という面で、首長さんたちのお話を聞くと、もう地方財政ぎりぎりの状態でやっているんだと、人件費ももう削減して、二つ、三つの仕事を兼任、一人にさせてぎりぎりでやっているんだと、そういうお話であります。これが実態だと思います。その内容をファクスで送ってきてくださる首長さんもいらっしゃいまして、非常に厳しい状況の中でやっている。
 一方で、やりますと言いながらも、結局掛かるコストは認定するときにお金を徴収しますという話ですよね、今の場合ですと。やるはいいが、そして地方に丸投げをして、実際に掛かるのは認定を受けようとする人に実質にはかぶさっていくわけでありまして、これでは、今の現状で、まあどうか分かりません、私の青森県を例とすれば、これは絶対に根付かない。もう建てるのもいっぱいいっぱいでできないんだよというときに更にお金を徴収しますということであれば、これは非常に厳しいと思うんですよね。
 仮にこれ徴収するとすれば、大体幾らぐらいをお考えになっていますか。
#118
○政府参考人(和泉洋人君) まず大前提として、現在やっている建築確認というシステムについても、昔、国が政令で手数料を決めておりましたが、今は地方分権の中で公共団体が条例で地域の実情に合わせて手数料を徴収することができると、こういった仕組みの中で今動いてございます。
 また、今回の認定でございますけれども、法律の中でいわゆる基準法の確認とワンストップでやれるという仕組みを構築していますので、その限りにおいてなるべく効率的に、実際見る項目がダブる可能性がかなりありますものですから効率的にやってもらいたい、その辺の指導というか助言はしていきたいと考えております。
 ちなみに、全く建築確認と別にやったときにどのぐらい掛かるかということについての参考事例でございますけれども、住宅性能評価の設計住宅性能評価が戸建て住宅の例ですと五万円程度でございますけれども、ただ、これは委員御案内かもしれませんが、相当幅広い項目について全部見るということでございますので、それよりははるかに低い金額でやっていけるんじゃないかと、こう考えてございます。
 その辺も含めまして、なるべく、委員御心配のように、こういった状況の中で確かにいろんな支援措置はあるかもしれないけど、そういったことが積み重なったらなかなかシュリンクするんじゃないかということについては肝に銘じて、そういった意識を持って努力してまいりたいと、こう考えているわけでございます。
#119
○平山幸司君 大枠で、我々は、先ほど広田委員もありましたけれども、この長期優良住宅に関して、良いものを長く使おう、この大枠に対しては賛成でありますので、この法案に関しては賛成の立場でお話をさせていただいておりますけれども、それでも将来的に地方に実際下りていったときに、各首長さんが、何でおまえこんな法案に賛成したんだよと、我々はいっぱいいっぱいでやっているときにどうしようもない法案に何で賛成したんだと、こう言われないように、これらもろもろについてしっかりと事前に、地方に丸投げするなという昨日の町村会での麻生総理へのやじのようなことが飛ばないように周知徹底をしていただきたいと、このことを強くお願いしたいと思います。
 続いてもう一つ、既存住宅に対する考え方につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 先ほども全体の数が五千五百万戸ですか、五千四百。それに対しておよそ、将来的に一年間に百十戸から百三十戸ですかね、年間の新築戸数が百十万から、そうですね。それに対して一〇%ということは十万件というようなお話。残りのをずっと続けていってもほとんどのものが中古住宅ということになるわけであります。その中古住宅、既存ストックに対して何らかの考えを持っていっていただきたい、これは先ほど来るるお話がございました。
 ただ、一つ懸念点として挙げさせていただくのが、仮にこの法案を通して長期優良住宅はいいんだよと、これが思った以上に繁栄して国民に認知をされて、それが先ほど詐欺にちょっと利用されるんじゃないかとか、そういった間違えた認識の下に、もうこれではいけないと、今ある住宅はもう何というんですか、価値が下がっちゃって駄目だという間違えた認識を持って既存住宅、ストック重視といったものがどんどん建て替えに、立て替えを促進してしまうんじゃないかと、こういう懸念点があるわけでありますけれども、それについていかがでしょう。
#120
○政府参考人(和泉洋人君) そういった懸念がるる指摘されておりますので、それについては十分注意したいと思っております。
 その上で、今委員御指摘のように、五千四百万戸のストックがあって、人が住んでいる住宅でも四千七百万戸ございます。その質は耐震、省エネ、バリアフリーという観点がまだ不十分と。こういったものこそしっかりとリフォームをして使っていくことが大事でございまして、先ほども大臣から幾つか御紹介がございましたけれども、いわゆる政策的に意義がある増改築等については税とか融資をしっかり応援していくと。
 加えて言うと、既存住宅についても今、住宅性能評価はあるんですけれども、まだ普及度合いが足りません。理由としましてはやはりそういった既存住宅を診断する技術が不十分であると。このことは長期優良住宅について取りあえず新築からスタートすることにもつながります。そういった意味でも、技術開発もしっかりやっていきたいと。
 加えて、リフォームについても、先ほど悪質リフォームという話がございましたが、これについては従来の施策をなお引き続きやると同時に、長期優良住宅を奇貨として悪質リフォームがまた出てきちゃ困りますので、従来の相談体制の中で今委員が御心配されましたような、長期優良住宅があるんだから既存住宅もう全部駄目なんだと、建て替えればいいんだと、あるいはしっかりリフォームするんだという話にならないように周知活動に努めていきたいと、こう考えております。
#121
○平山幸司君 もう一点、同じ話になりますが、中古住宅、既存ストックに対して会計基準上ですか、二十年から二十五年後には価値が税制上全くなくなってしまうという、そういう矛盾を衆議院の方でも指摘されておったと思うんでありますけれども、中古住宅市場をどんどん流通させていくんだというものに対しまして、やっぱりどうしても今の長期優良住宅を推進していくと、今既存にあるストックのバリューが、評価がどうしても更に市場で下がってしまうんではないかという、こういう懸念を抱くわけであります。
 今の既存ストック、いろいろな措置をとるということでありますが、今のストックも更に価値のある、将来流通されるであろう方法にしていただきたいと思いますけれども、その辺の考えはいかがでしょう。
#122
○政府参考人(和泉洋人君) 税制上の話はちょっと直接関係ないんですが、委員御案内のように、従来の日本の住宅マーケットというのは築後十五年で上物は一〇%ぐらいというのが通例だったと思うんです。これに対しまして、たしか平成十五年か十六年だったと思いますが、いわゆる不動産の鑑定マニュアルを見直して、ちゃんと修繕とかリフォームの価値を評価しなさいと、こういうことをやりました。
 ただ、これは、単にそんなマニュアルを変えたからといって実際にマーケットは回りません。一種の悪循環が起こっていまして、買う側から見ると、この中古住宅が本当にいいものかどうか分からないと。売る側から見ると、せっかくリフォームしてメンテナンスしてもマーケットで評価されないと、こういった悪循環でございますので、一つこの長期優良住宅というのが意味があるのは、世の中の国民の価値観として、ちゃんといいものを造って長くちゃんと適切にメンテナンスすれば価値が落ちないんだというような価値観が新しく共有されるということが一点でございます。もう一点は、先ほど御説明しましたような様々な施策を通じて、既存住宅でもしっかりとマーケットの中で評価されると、こういった仕組みが大事になると思っています。
 幸い、日本の住宅産業も人口減少の中で、従来のような新築中心ではなかなか回っていかないということを意識し始めまして、ちゃんとメンテナンスをさせていただいて、そういったものについては場合によっては自分の系列の不動産会社でしっかりと買い上げるような仕組みまで導入されていますので、今潮目がいいところに来ているんじゃないかという気持ちもございますので、既存住宅の価値の向上あるいはその流通について、従来の施策も含めましてしっかりと取り組んでまいりたいと、こう考えております。
#123
○平山幸司君 時間になりましたので、最後に、大臣に少しお伝えしたいと思います。
 冒頭でいろいろ厳しいお話もさせていただきましたけれども、やはり住宅政策に携わる多くの方が将来この住宅政策を考える際に、議事録を振り返り読むことだと思うんですよね。そのときに、この法案が、実際は前国会から継続審議であったといって、大きく言えば、先ほど何人か大臣が替わられたというお話もありますが、福田総理、その前の安倍総理、そして今、麻生総理へと総理大臣も替わっていると。
 麻生総理は、選挙に勝つことが私の天命であると今国会の冒頭で語って、そして政局より政策という掛け声の下、総選挙から、勝負から逃げて、選挙を先送りしたわけであります。その理由、大義として、景気の麻生、ポイントはスピードであるとした生活対策である第二次補正予算の提出、これも今議論の中で全くそれが盛り込まれないまま議論をされているということになっているわけであります。これが提出されていない。
 こういったことを考えると、国民の政治、行政に対する不満はいっぱいであります。ここを是非ともしっかりと酌み取っていただいて、今後、将来読む人のためにもしっかりとした、実際は国民の民意が反映された内閣の下でまたできればいいんでありますが、今はそうはいきませんので、その前夜としてこの長期優良住宅制度、我々も一生懸命頑張っていきたいと、このように考えております。
 そのことをお伝え申し上げまして、御質問を終わります。ありがとうございました。
#124
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 まず初めに、法案全般につきまして御質問をさせていただきたいと思います。もう先ほど来からお話もございますが、最初、大臣にお聞きしたいと思います。
 今回提出されましたこの長期優良住宅法案が仮に成立した場合に、首尾よくスタートを切って、どのように、目的にも書かれておりますこの豊かな国民生活の実現ということが図られるのかというイメージをまず持たせていただきたいと思います。
 先ほど、具体的なお話として、二、三年後に新築住宅の一〇%ぐらいがいわゆるこの長期優良住宅になると、こういうイメージをおっしゃられました。もうちょっと長い目で、例えば十年後に日本の全世帯のどのぐらいがこの長期優良住宅になっているのかと、このイメージがもしおありになりましたら大臣からお答えいただきたいと思います。
#125
○国務大臣(金子一義君) 少し長い目でどういうイメージが出てくるのかと、西田委員の御質問であります。
 建て替えコストが減少していきますので、当然でありますけれども住居費負担が軽減されてくるという、ある意味ほかにお金が使えると。もう一つは、この住宅、適切に維持保全が行われてまいるという前提でありますので、売却時におきましても一般の住宅に比べて資産価値が高く評価されると。言わば、自分の持っている資産の価値の向上、価値の維持、これが図られると。また、必要に応じてリフォームすることで、多くの国民にとりまして、新築購入の場合と比較しまして、より安く良質な住宅が手に入るという選択肢が広がる、いい住宅が流通市場に加わってくるということ、それから、まだありませんけれども、リバースモーゲージ等々新たな金融措置によって我々のまた老後の生活の対応というのも新しい分野が広がってくると、そんなイメージを今持っております。
#126
○西田実仁君 先ほど来お話ありましたのは、二、三年後の新築住宅では一割ぐらいということでございますが、今後、現実のことを考えますと、新築のいわゆる長期優良住宅がどんどん増えていくということよりも、やはり既存の住宅のリフォーム等によりましてこうした長期に長もちする住宅というものが増えていくということが現実的かなという感じもいたします。
 とするならば、既存住宅の診断あるいは評価技術ということを、信頼のおけるもので、しかも安価にそうした診断、評価ができるということが必要になってくると思っておりまして、そうした既存住宅の診断また評価技術の開発及び普及につきましてどのような取組をなさるのか、お聞きしたいと思います。
#127
○政府参考人(和泉洋人君) 今委員御指摘の既存住宅の性能評価でございますが、既に住宅品確法に基づきまして既存住宅の住宅性能表示制度がございますが、実際問題は、住宅の劣化等の状況について目視とかあるいは計測等による現況検査でございますので、なかなか新築のようにはいかないと。そういったこともございまして、実際の評価戸数でございますけれども、新築の方の設計住宅性能評価はもう既に累積百十三万に対しまして、既存の方は現時点では千六百戸ぐらいでございます。
 既存住宅の性能評価を通じた既存住宅の流通、非常に大事でございますので、今の限界を踏まえまして、既存住宅のより簡易でかつ信頼のおける評価法、こういったものについての今技術開発をしておりまして、そういった成果を踏まえて、更に既存住宅の流通あるいはこの長期優良住宅の改修への拡大ということについて努めてまいりたいと、こう考えてございます。
#128
○西田実仁君 まさに、そうした信頼のおける評価ないし診断技術というものが安価で提供されていくことが長期優良住宅を広めていくことに大変重要であると、こう思っておりますので、その開発普及に是非とも努めていただきたいと思います。
 それでは、法案についてお聞きしたいと思いますが、第一条の目的のところには、様々書いてございますけれども、住生活の向上及び環境への負荷の低減ということが記されております。この環境への負荷の低減ということにつきまして、これを指標化する、数値化をするというのはなかなか難しい問題であろうかと思います。
 しかしながら、一つの試みとしては、例えばフードマイレージにちなんでのウッドマイレージということが言われているわけでございまして、木材の生産地から消費地までの輸送距離を木材の量に掛け合わせるものでありまして、NPO法人が普及に努めておられます。木材の輸送に関する新しい環境指標というような位置付けもなされており、京都府におきましては、ウッドマイレージCO2認証制度を既に始めております。これは、京都府で生産された木材の産地証明に加えて輸送時に排出される二酸化炭素を数値で示すことによって、地域の木材を利用することを進めて地球温暖化防止策を推し進めようと、こういう制度であります。当初、間伐材製品にのみ限定して運用されておりましたけれども、平成十七年からは、住宅などに使われる一般木材についてもこの認証制度が対象に入っているということでございます。地産地消という観点からも、またもちろん環境という観点からも、このウッドマイレージということについてはもっと推し進めていくべきではないかというふうに私自身は思っているわけでございます。
 本法案の目的に環境への負荷の低減というのがございまして、その一つの指標としてこのウッドマイレージというのは有用ではないかと、こういうふうに存じます。大臣はこのウッドマイレージにつきましてどのような御所見をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。
#129
○国務大臣(金子一義君) 御指摘のとおり、国産材を活用しました木造住宅の振興、今度の法案にも盛り込ませていただいておりますけれども、環境負荷の低減に間違いなく資すると認識しております。
#130
○西田実仁君 今御指摘いただいたとおり、第四条には、今回、衆議院において修正が入っております。すなわち、国が基本方針を定めるに当たりまして、国産材による木造住宅への配慮ということが第三項に設けられております。
 今御指摘いただいたわけでございますが、国産材と、特に外国材の地球環境への負荷ということの違いを表す指標としてこのウッドマイレージは大変有効であるというふうに思います。この法第四条第三項の趣旨を生かすために、国が定めるべき基本的な方針ということにこうしたウッドマイレージのような考え方を盛り込んでいくということについて、大臣はどのようにお考えをお持ちでしょうか。
#131
○国務大臣(金子一義君) ウッドマイレージにつきまして、現時点での話なんですけれども、民間において検討をされておられます。今後、関係者、関係方面、そういう民間での検討あるいは林野行政における位置付けというのも状況を見ながら、住宅行政としてどのような対応が可能かを検討してまいりたいと思っております。
#132
○西田実仁君 是非、積極的な御検討をお願いしたいと思います。
 農水省さんにも今日は来ていただいておると思いますけれども。
 農水省といたしましては、ウッドマイレージとは異なると思いますけれども、木材、特に国産材を利用することによる環境貢献度のこの定量的な評価手法、これについては現在どのように取り組んでおられるのか、また、今後どのように進めていくのかということについてお聞きしたいと思います。
#133
○政府参考人(針原寿朗君) 林野庁でございます。
 今先生御指摘のとおり、環境への負荷の軽減を数値化する努力、これは京都議定書目標達成計画におきまして見える化という言葉で表現されておりますが、政府全体でその取組を進めております。
 とりわけ木材は、空気中の二酸化炭素を吸収し固定化するという大事な役割を担っているわけでございますし、また、加工に使うエネルギーも少なくて済むということで非常に環境に優しい問題でございます。これを環境負荷軽減を見える化することによって、国産の木材を息長く何回でも使いながら新しい社会をつくるということに貢献するということもございますので、現在、林野庁では本年九月からそのための検討会を開催しております。
 この検討会におきまして、現在におきまして、三つの指標でもって構成しようかと思っております。一つは、CO2の削減量を数値化する。生産、輸送過程における省エネ効果でございます。二つ目は、この木材製品、住宅を含めた木材製品がどのぐらいの炭素をためているか、これも数値化しようと。三つ目は、間伐材を使った製品の場合はそれを使うことによりどれだけの間伐が面積として進むのか。この三つの指標を出すということでございます。
 今のウッドマイレージの考え方でございますが、一番目の生産・輸送過程における省エネ効果を算出する過程でこのウッドマイレージとしての数値化も含まれる、包含されるものと考えております。
 以上でございます。
#134
○西田実仁君 ありがとうございました。
 今日は衆議院から修正案提出者として三日月議員にもお越しいただいておりまして、お忙しいところ、ありがとうございます。
 済みません、一つしか御質問がありませんで申し訳ございませんけれども、これをお答えいただいたら、委員長のお許しが出れば御退席いただいても構わないと思っておるわけでございます。
 第三条の第四項について修正が加わりました。「国は、長期優良住宅の普及を促進するため、住宅の建設における木材の使用に関する伝統的な技術を含め、長期使用構造等に係る技術に関する研究開発の推進及びその成果の普及に努めなければならない。」と。こういうふうにして、住宅の建設における木材の使用に関する伝統的な技術ということが入ったわけでありますが、この意図を是非お聞きしたいというふうに思って、今日はわざわざお越しいただきました。
 これは普通の文章でいきますと、長期使用構造等に係る例えば伝統的な技術というような、伝統的な技術というのが当然、木材の使用に関する伝統的な技術というのは当然長期使用構造等に係る技術の中に含まれるんだろうというふうに理解をしておりますが、そこはちょっと確認したく、言えば、なぜここを加えたのかという意図についてお聞きしたいわけであります。
 そして、あわせて、この伝統的という意味は、住生活基本法におきましても同じような文言がございますけれども、それと同じ意味を指しておられるのか、また木造住宅の建築方法の一つである伝統工法、これも包含しているのかということについて是非お答えいただきたいと思ってお越しいただきました。よろしくお願いいたします。
#135
○衆議院議員(三日月大造君) 民主党の三日月大造です。提出者を代表して御答弁申し上げます。
 その前に、西田委員、御質問をありがとうございます。格調高い参議院での答弁に緊張しておりますが、頑張って答弁したいと思います。また、いろいろ議事録を拝見いたしますと、先生、住生活基本法の制定の折にもこの分野で大変深い審議をされておりまして、並々ならぬお思い入れやこれまでの御尽力に敬意と、そしてまた共感を表したいというふうに思います。
 その上で、政府から出されましたこの法案の長期に優良な住宅の提供と流通を促進していこうという、この趣旨には私たちは賛意を持ったんですけれども、より良い法案にすべく修正を行いました。
 大きく言って、三つあります。御案内のとおりだと思うんですけれども、やっぱり木造、木材、特に国産材を振興する、見直すきっかけの法案にしたいということ。二つ目は、やっぱり担い手、人材、工務店、大工さん、こういった方々の力になる法律にしたいということ。三つ目は、やっぱり記録、家歴、そういったものの保存により有効な法律にしたいということであります。
 先生お尋ねの第三条四項の修正の意図はということですけれども、これは二つあります。一つは、日本の長期優良住宅には木材使用の伝統的な工法というものが含まれるんだということを明確に示すためです、一つは。もう一つは、お話ありましたように、平成十八年に住生活基本法が制定されて、第七条第二項に住宅の建設における木材の使用に関する伝統的な技術の継承及び向上を図るための情報の収集、提供というものが位置付けられましたけれども、この基本法の精神を具現化をして、我が国古来の日本の気候風土にも適した在来工法である木造軸組み工法などの伝統的な技術を維持、継承するために特に、特出しをしてこの四項のところに含めさせていただいたということでございます。
 したがって、その中身についてはすべて含まれるということで理解をしていただきたいと。
 ありがとうございました。
#136
○西田実仁君 大変に明確にお答えいただきまして、ありがとうございます。もし委員長のお許しが出れば、三日月議員に関しましてはありがとうございました。お世話になりました。
 今御指摘いただきましたとおり、この修正文におきましてはやはり伝統工法というものはすべて含まれる、あるいは特出しをして明確にしたかったという修正案提出者による御答弁でございました。
 そこで、大臣にお聞きしたいんですけれども、この伝統的な技術の継承ということについて、国交省としては、あるいは大臣としては、その中身どのようにとらえておられるのか。いわゆる、私がお聞きしたいのは、伝統工法が本法案が目指す長期優良住宅とどういう関係にあるべき、あるいは今後そういうふうになっていくべきなのかと、とらえておられるのかということについて、大臣にお聞きしたいと思います。
#137
○国務大臣(金子一義君) 江戸時代後期までに建てられました住宅、国の指定の文化財だけでも、木造住宅でありますが、約三百八十件あると、長寿命の木造住宅の実績があります。私の出身地も飛騨のたくみという在来工法の地域、山下先生も御一緒でありますけれども、そういう地域であります。
 我が国の伝統木造技術を継承しましたいわゆる伝統工法につきましては、地域や事業者により様々な取組がなされておりますし、多様な工法が今用いられてきております。これらの工法による住宅も本法案に基づく長期優良住宅の対象に当然含まれるものということで、更に育ててまいりたいと思っております。
 本法案の衆議院における審議では、木材の使用に関する伝統的な技術を含め、研究開発の推進等に努める旨の修正について、先ほどお話ありましたとおり、全会一致で可決したところであります。
#138
○西田実仁君 ありがとうございます。
 私、埼玉が地元でございますけれども、埼玉にもこうした林業に取り組んでいる方が多くいらっしゃいますが、そこで、小さな製材所とかいわゆる大工さんからもこの伝統工法に関しましていろいろな御要望をいただいております。
 一言で言うと、改正建築基準法の下でこの伝統工法が崩壊してしまうという懸念を持っていると、こういう御要請でございます。その方々からの御意見では、法律によって技術が縛られてしまってその継承が非常に難しくなっているという御要望。技術的なことですので余り詳しくは申し上げられませんけれども、今大臣がお答えいただいたとおり、この長期優良住宅を進めていこうというのであれば、伝統工法を生かしていくということも、あるいは育てていくということも大事だと私も思います。
 そこで具体的にお聞きしたいわけでありますけれども、この伝統工法による建物の構造計算は限界耐力計算法が用いられているわけであります。昨年六月の改正によりまして、この限界耐力計算法を用いた構造計算については新設の適合性判定機関、適判機関によるピアチェックが求められるようになりました。
 現在、関東地域におきまして適判機関によるピアチェックを受けた伝統工法による建物はございますでしょうか。
#139
○政府参考人(和泉洋人君) 手元に資料がないもので、恐縮でございますが、後ほど御報告させていただきたいと思います。
#140
○西田実仁君 私が知る限りはまだ今のところはないというお話を昨日、お電話で室長さんかな、いただきましたけれども。関西地域においては、私が知る範囲では三件ぐらいあるという話をお聞きしております。
 一つには、関東版と近畿というか関西版でまず構造計算の費用がかなり異なるという御指摘がございます。関西では三十万程度での費用が、関東では実験データ集める費用などを含めて総計二百万も掛かるというような話もございます。
 なぜこういうことが起きてくるのかということについてお聞きしたいと思いますけれども、一つは、この伝統工法の構造計算を円滑に進めていくマニュアルと言われるものが東西で異なっているというわけであります。通称近畿版と呼ばれる財団法人日本建築総合試験所がかかわっているマニュアル、「伝統構法を生かす木造耐震設計マニュアル」、ここにおいてはこの伝統工法というものが認められている。しかし、東日本のこの住木、日本住宅・木造技術センターでございますけれども、ここのマニュアルでは認められていないと。ちょっと申し上げさせていただきたいのは、この東日本の住木版の方でございますけれども、このマニュアルには明確に書いてございますのが、伝統工法などにも適用できる普遍的なものではないと、こういうようにこのマニュアルには書いてある。つまり、伝統工法はこのマニュアルの対象ではないんだということが明記されております。
 これに対しまして近畿版の方ですけれども、先ほど申し上げました財団法人日本建築総合試験所、こちらが出しているマニュアル、「伝統構法を生かす木造耐震設計マニュアル」という本ですけれども、ここにはこの伝統工法ということが対象になるというふうに書かれております。
 つまり、この東日本版と西日本版、近畿版とでは伝統工法に対する考え方が異なっておりまして、これが伝統工法に携わっている方からしますと、特に東日本におりますとなかなか、この適判機関が結局このマニュアルに沿った形で審査をするということもございまして、伝統工法による建物が建てにくくなっていると、こういうお声があるわけでありますけれども、この東西で伝統工法の構造計算に係る手法あるいはマニュアルがこうして異なっているということについて、現状をどのように御認識をされているのか、また今後どうされていくのかについてお聞きしたいと思います。
#141
○政府参考人(和泉洋人君) 今委員御紹介の二つのマニュアルでございますが、まずそもそも伝統工法といった場合に非常に幅が広いんだと思います。
 今御紹介の関東とおっしゃいました財団法人日本住宅・木材技術センター発行のマニュアルの対象は、どちらかというと、その耐力壁等を設ける、いわゆる伝統工法のこちらの極から見れば一般の常識と近いものを相手にしているというふうに理解しています。片や関西版とおっしゃったものは、関西地域の専門家を中心にまとめられたものでございまして、いわゆる極めて典型的な伝統的な継ぎ手、仕口等だけで構成するような軸組み工法を想定して作られたと。当然、関西版のマニュアルを使って設計することも可能でございますので、関西と関東で、関東は関東のマニュアルしか使えない、関西は関西のマニュアルしか使えないということはないわけでございますが、そういった違いがあったのかなと。
 現在、そういった御指摘もあるものですから、両方のマニュアルは各々専門家が関与しますので、両方のマニュアルに関与した学識経験者による委員会をつくりまして、その交通整理をしっかりやろうというようなことで委員会を設けまして、今整理をしているところでございます。
 加えて言うと、その限界耐力計算法というのは非常に高度な計算法でございまして、できればそういった高度な計算法を使わないでもっと簡易に、その実際の構造の性能を踏まえて簡易にできる仕組みが必要だと、こう思っておりまして、これについては、例えば実際に伝統的な構造物を造って、それをE―ディフェンス、あの兵庫県にある、ああいったもので揺すって、もう実際のデータを取って一々構造計算をしなくたってやれるような仕組みなんかも必要なんじゃないかと。まあいわゆる限界耐力計算法を使うような詳細設計法と簡易設計法、こういったものもできればよりスムーズに伝統的な木造建築が普及するのではないかと、こういったことも考えておりまして、両マニュアルに関与しました先生方の御指導も賜りながら、国費を投入して現在そういったものについての新しい展開についての作業を今進めていると、こういった状況でございます。
#142
○西田実仁君 まあ三年後までにはそうした統合を行いたいと、こういうお話と事前にお聞きしております。
 しかし、今おっしゃったような限界耐力計算法は大変複雑な難しい計算であるというお話でございますけれども、しかしそうしますと、これを統合したときに限界耐力計算法による建物というものを排除するということではないということですよね。そうしますと、統合したときに東日本の方に住木センターで国庫補助全額を出して、こうした計算法をたしか今開発をされているんだというふうに思います。
 しかし、三年までの間は、先ほど近畿版でも別に適判機関から受けられるよという話ですけれども、実際には関東の県とかに行きますと、県が指定をする適判機関においては、これは東日本版、住木版しか駄目なんだと、近畿版は適用されないし、また近畿版の方でそうしたピアチェックを受けることはまかりならぬと。あるいは指定をしなければそういうふうになってしまいますので。現実にはその三年の間、東日本版だけでピアチェックを受けようとすると、例えば石場建てのような伝統工法による建物は建てられないということになってしまうわけですけれども、この辺どのようにお考えでしょうか。
#143
○政府参考人(和泉洋人君) まず、基本的なかつ抜本的な解決策について今作業しているということでございますが、仮に今委員御指摘のようなことがあれば、そんなに数が多いわけでもございませんから、私ども、木造住宅振興室という部署がございます、そこで個別に話を聞かせていただいて、スムーズに、もちろん安全性の確保は必要でございますけれども、円滑な手続が進むように個別にも応援させていただきたいと思いますので、是非、そういったことについては御指摘、あるいは個別案件についてもそういった観点からの御指導を賜りたいと思っております。
#144
○西田実仁君 先ほど私が御質問してマイクを通さずに首を振られて答えてしまいましたので、もう一度マイクを通じて議事録にお言葉を残していただきたいのは、この三年間でやる統合ですね、簡易設計と関西の詳細設計の統合、これは決して関西版の方、詳細設計、いわゆる性能規定の方は排除するものではないということについて御答弁いただきたいと思います。
#145
○政府参考人(和泉洋人君) 中身はこれから詰めるわけでございますが、基本的な方向として、そういった高度な計算をするアプローチもあるし、現にそういったことを施行している方々もいらっしゃいます。片方で、現場を考えると、もっと簡易に、しかもデータをちゃんと集めてといったアプローチもあると思っていますんで、両方が併存する形できっちりと様々なニーズにこたえられるような形で整備していきたいと、こう考えてございます。
#146
○西田実仁君 今おっしゃっていただいたとおり、両方が併存するということでありますので、近畿版で行っている伝統工法に携わっている方は大変に安心をされるんだろうというふうに思っております。
 あわせて、先ほどもお話があったんですけれども、近畿版を使っている関西の方の適判機関によってピアチェックを受けるということは法的には違法ではないということでしょうか。
#147
○政府参考人(和泉洋人君) 建築基準法のピアチェックは、委員御案内のように、法律上は知事がやると。で、知事が適判機関を指定すればその適判機関がやるということでございますから、当該都道府県の中でどの適判機関を使えるかは知事の指定に依存しますので、例えば東京都において東京都知事が指定していない適判機関を使うことは困難だと思います。
#148
○西田実仁君 そうしますと、埼玉に例えばある業者は、埼玉県知事が指定しない例えば近畿版を扱っている適判機関ではなくて、関東だけだと、目が行き届くところの適判機関しか駄目だというふうに指定をしますよね。そうしますと、事実上、申し上げた近畿版による伝統工法は建てられなくなってしまうわけでありますけれども。
#149
○政府参考人(和泉洋人君) 中身は専門家に精査していただいた方がいいと思うんですけれども、要は、今の問題は、適判機関がどこであろうと確立された技術についてのピアチェックについては、機関によって違った結果が出ては困るということでございますので、こういった作業をする中で、適判機関がどこであろうと確立された技術に基づく設計については、同様のチェックが行われるような意思疎通と申しますか、技術に関する情報の共有化というものについては、この問題だけじゃございませんけれども、なお引き続き努力してまいりたいと、こう考えております。
#150
○西田実仁君 済みません。要するに、どこが適判機関でもというんですけれども、結局、関東の適判機関においては、先ほど申し上げた、冒頭申し上げました住木センターの簡易型の方、このマニュアルに沿ってやっているわけなんですよ。
 私が申し上げているのは、近畿版では認められるけれども関東版では認められない石場建てのような伝統工法があるということなんですよ。そうすると、県知事が指定しない、指定を許さないというか、指定したところが関東であると、近畿版では建てられるのに関東版では建てられない伝統工法が生じてしまうということが今起きていると。それ、三年後には統合する、それは結構、統合していただきたいんですけれども、その三年までの間、伝統工法が全然建てられなくなってしまうと、こういう問題をどうするのかということをお聞きしているんです。
#151
○政府参考人(和泉洋人君) 先ほども御説明しましたが、そういったことが起きては困るので、もしそういった事実があるんであれば、まだちょっと大変掌握していなくて恐縮でございますけれども、今の委員の御指摘のようなことがあるとすれば、よく調べまして、経過措置としてどういうような対応が可能かというようなことと、最終的には、確立された技術を共有化して、それについては適判機関が違ったとしても同じ結果が出るような体制整備に努力していきたいと、こう考えております。
#152
○西田実仁君 では、そういう問題が生じている場合には、是非、経過措置も含めて、本省の方で対応いただきたいというふうに思います。
 引き続いて御質問をさせていただきたいと思います。最後の質問で、今日は文科省さんからもわざわざお越しいただきまして、ありがとうございました。
 私がお聞きしたいのは、先ほど価値観というお話も局長がされたと思いますけれども、このストック型の住宅市場に転換をしていくということが住生活基本法、そして今回の長期優良住宅推進法の中にも盛り込まれている一つの哲学、考え方だろうというふうに思います。
 その際には、選ぶ主体である住まい手の方の目利きの力ということも問われてくるのではないかというふうに思っております。住まいを長もちさせていくためにはこうした、当然供給側もそうですけれども、需要する住まい手の方の関与も欠かせないわけでありますが、しかし、私自身も実はそうですけれども、住まいに関する知識とかあるいは住まいに関する理解というのは、なかなかそれを身に付ける機会がこれまでの中で非常に少なかったというふうに正直思います。ですから、家を建てようというときには物すごい知識のギャップというのがあって、気苦労も多いし、分からないことだらけということでございます。こうした、今後、フローからストックという、あるいは量から質へというふうな住宅に関する転換が図られていく上で、選ぶ主体である住まい手の理解を深めていくということも国全体としてやっていく必要があるんじゃないかというふうに思っております。
 そこで、学校で児童とかあるいは生徒に対しまして住まいに関する授業を行うこと、これも、今までとは質を変えていくわけでありますので、量から質、フローからストック、こう住まいに関する価値観そのものを転換をしていこうという中で、学校教育におきましてもそうしたことをベースにした、目利きの力を身に付ける、そういう授業等を行う必要があるのではないかというふうに思っております。
 小中高のそれぞれの学習指導要領はまだできたばかりでありますし、そういうそもそもの哲学に基づいてのものではないと承知をしておりますけれども、今後、こうした国全体としてストックに転換をしていこうという流れの中で、学校教育についても、選ぶ主体、住まい手の教育ということについて是非取り組んでいただきたいと思っております。今後の対応についてお聞きしたいと思います。
#153
○政府参考人(徳久治彦君) ただいま御質問のあった点でございますけれども、小中学校の学習指導要領、これは学校で何を教えるかということについての国の基準でございますけれども、これにつきまして、住まいについては、家庭科なり技術・家庭科という教科におきまして、快適な住まいであるとか住居の機能とか住環境の整備ということについて指導要領で示しておりまして、これを踏まえまして、各学校においては、例えばでございますけれども、計画的な維持管理の必要性であるとか、メンテナンスを定期的に行って耐用年数を延ばすというような指導が行われておりますし、また、教科書の記述を見てみますと、既に住生活基本法、平成十八年の法律なり、住生活の基本計画についての記述も教科書で取り入れられているような、そういうものも出てきております。
 いずれにいたしましても、一般論として申し上げれば、児童生徒を取り巻くそういう社会状況の変化、例えば新たなこういう法制度ができるとか、新たなそういう国の施策が展開されるということになれば、それについて的確に教科書に記述をされ、学校現場で指導が充実されていくものになると考えております。
 いずれにいたしましても、先生の御趣旨を踏まえまして、これらの指導が充実しますように努めてまいりたいと考えております。
#154
○西田実仁君 終わります。
#155
○渕上貞雄君 社民党の渕上貞雄でございます。
 提出法案の審議に当たりまして、幾つか住宅に関連する問題について大臣並びに関係者の方から認識並びにお考え方をお伺いいたしたいと思います。
 初めに、公営住宅単身者入居についてお伺いをいたします。
 公営住宅の入居に当たって、公営住宅法及び施行令においてその要件が定められております。したがって、その原則は原則として分かるわけでありますが、二〇〇一年の十二月十九日の閣議決定に基づきまして、雇用促進住宅が早期に廃止されることになりました。雇用促進住宅を安易に廃止するのは問題であるというふうに私は考えておりますけれども、現在、自治体が雇用促進住宅を引き受けた場合、公営住宅扱いとなるために、雇用促進住宅に現に居住している単身者は入居要件を満たすことができず退去せざるを得ないというのが実態でございまして、幾つかの例があるわけでございます。
 したがいまして、今すぐにでもこの施行令を改正をして、単身者であっても入居できるようにしてほしいというふうにお願いを申し上げますが、少なくとも、雇用促進住宅を自治体が譲り受けた場合には、単身者に係る入居要件を緩和をして、現在入居者を救済をしていただきたいと思うんですが、その点いかがでございましょうか。
#156
○政府参考人(和泉洋人君) 今御指摘の雇用促進住宅、これは現在十四万戸あると承知しておりますが、これは規制改革推進のための三か年計画あるいは独立行政法人整理合理化計画に基づきまして、平成三十三年度までに住宅の譲渡、廃止を完了させるために売却の加速化に取り組んでいるところと承知しております。
 御質問のように、公共団体が現在の入居者の入居を継続した状態で雇用促進住宅を公営住宅として買い取る場合には、公営住宅法第二十二条の規定により、公営住宅の入居者は原則として公募をしなければならないということから、入居の継続が必ずしも保障されているわけではございません。
 また、御指摘のとおり、公営住宅法上の同居親族要件につきましては、同居親族要件があるわけでございますが、現行制度の下においても過疎地域等においては若年層の単身入居が可能でありますし、公営住宅の管理に著しい支障のない範囲内で国土交通大臣の承認を得て、若年単身者等のために公営住宅を目的外使用することも可能となっております。
 一方、公営住宅以外の道もございまして、地域優良賃貸住宅制度を活用することによりまして、若年層の単身入居者を含めて、現在の入居者の入居を継続した状態での買取りが可能となっているところでございまして、このような公共団体による住宅セーフティーネットを確保する取組に対しましては、国は地域住宅交付金による支援を積極的に実施してまいります。
#157
○渕上貞雄君 今住宅に入っている方が、売却をすることによって出ていかなきゃならないという状況でございますから、差し迫った問題でありますので、早急に検討をよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 三年前、耐震強度偽装事件が発生をして多くの国民に不信と不安を与え、建物に対する信頼が大きく失墜をいたしました。いまだその信頼は回復していないように思われます。偽装された分譲マンションはその後建て替えや大規模な改修が進んでいるようですが、住民はそのことによって二重のローンを抱え、新たな不安な日々を送っているのが現実でございます。
 事件の発生には、当時の制度には問題があったように思いますが、事件後も構造計算が偽装された物件の発覚が相次いでいるようでございまして、大臣は、このように偽装がなくならないという実態をどのように認識され、問題の解決をされようとしておるのか、お伺いをいたします。
#158
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、平成二十年十一月二十六日現在、御指摘の姉歯元建築士が関与した偽装事件以降、例えば、福岡県のサムシング株式会社が関与した物件一物件とか、北海道の浅沼元二級建築士の関与した物件十二物件などにおいて、偽装の疑いあるいは構造計算の誤りなどの理由によって耐震基準を満たしていないものが報告されてございます。
 国土交通省におきましては、こういった事件の反省を踏まえまして、偽装等の違法行為についての情報を把握した場合については、一番目としまして、国土交通省と特定行政庁との間の情報共有、特定行政庁における当該物件の調査、違法行為について建築士等の関与が認められた場合の関連物件についての調査、違反事実が確認された場合の是正措置などにつきまして定めまして、十八年五月に特定行政庁あてに通知を行ったところでございます。
 また、特定行政庁から報告のあったこれらの物件については、それぞれ特定行政庁におきまして違反是正のための必要な措置を講じたところでございます。さらに加えまして、違反に関与した建築士あるいは事務所等については厳格な処分を行ってきたところでございます。こういったことを踏まえまして、御案内のように建築基準法の改正あるいは建築士法の改正が行われまして、建築確認検査の厳格化、大規模な建物についてのピアチェックあるいは特定行政庁の立入検査機能の強化あるいは罰則の強化、こういったことを講じてまいりました。
 来年五月からは改正建築士法が全面施行されます。そういった様々な制度改善あるいは運用を引き続き努力しまして、こういったものに対する国民の不安を払拭してまいりたいと、こう考えております。
#159
○渕上貞雄君 住宅ローンの問題ですが、アメリカのサブプライム問題が即頭に浮かんでくるわけでございますが、必ずしもアメリカだけの問題ではないというふうに思っております。国内においても類似した問題がありました。ここでは制度の内容については触れませんが、問題に対する認識と今後の対応についてお伺いいたします。
#160
○政府参考人(和泉洋人君) 今委員御指摘のアメリカのサブプライムローンでございますが、一番大きな特色は、信用面で問題がある利用者、例えば過去に破産をしたとか過去に延滞記録があるとか、そういった方々に対して金融機関が主として、短期間のみ金利及び返済額が固定されてその後変動すると、こういったローンを貸し付けたものと承知してございます。二〇〇四年ぐらいから急速に増えたと聞いております。このローンの利用者につきましては、金利上昇に伴う返済額の増加により貸倒れが増加し社会問題となっております。
 日本の住宅ローンにつきましては、金融機関は信用履歴上問題のある方や収入の観点から返済計画に無理のある方に関しては住宅ローンの貸付けを行っていないということと、また日本においては現時点では急激な住宅価格の下落や金利上昇も発生していないことから、現時点において米国のサブプライムローンと同様の問題が発生する可能性は小さいと考えてございますが、今後、金利動向、経済状況等を踏まえ、引き続きしっかりと注視をしてまいりたいと、こう考えております。
#161
○渕上貞雄君 住宅ローン制度は住宅取得に当たって大変重要な要素があり、制度の充実が住宅取得促進につながるものと思います。そのためには信頼の置ける制度の確立が必要と考えますが、これからの住宅ローンの制度と在り方についてはどのようにお考えになっておられるのか。特に、今回提出法案の関係でお聞きしますならば、長期優良住宅に適した超長期の住宅ローン、火災保険それから地震保険等についてはどのように考えておられますか。
#162
○政府参考人(和泉洋人君) まず一点目の御指摘でございますが、現時点では金利が極めて低いものですから、いわゆる民間の住宅ローンにおいて変動金利型が結構多うございます。しかし、中長期的に考えると、やはり消費者保護の観点からは長期固定の住宅ローンをしっかりと少なくとも利用する希望のある方に対しては供給する、こういったことが必要かと思っております。その限りにおいて、住宅金融支援機構のフラット35、これにつきまして、その普及あるいはアピールあるいは使い勝手の改善ということについて取り組むことが必要なことだと思っております。
 その上で、二点目の委員御指摘の長期優良住宅に関したローンでございますが、現在の住宅金融支援機構の証券化支援、これは最長三十五年でございますが、こういったものにつきまして長期優良住宅であれば償還期間を五十年まで認め、そのことは裏返して言うと毎月の返済額を低減することができる、そういった構想がございます。二十一年度に向けまして概算要求の中でこういったものについても要求をし、その具体の制度設計について現在、住宅金融支援機構を中心に検討している最中でございます。
#163
○渕上貞雄君 住宅が幾ら長期優良であってもそれを維持することができないようなローン制度では意味を成しませんので、しっかりと制度の構築をしていただきたいと思います。
 そこで、提出法案についてお伺いをいたしますが、この法案によって受ける国民の利益はどのようなものがあるとお考えでしょうか。
#164
○国務大臣(金子一義君) これはまさに政策目的で大事なところでありますけれども、造っては壊すという今までの住宅の量を造ってきたというところから質を求めていこうという大きな今回変更を目指す法案になります。
 その結果として、国民は建て替え建て替えというコストを、建て替える回数が減りますので総体的に負担が減っていく。あるいは、次の世代に自分の資産としてそれを継承していけると。長期優良住宅によって流通価格維持されますので、その結果として資産を活用できると。それと、今十分な流通市場がありませんけれども、いい物件が流通市場に流れてくることによって非常に流通市場の幅が広がってくる。それがまた資産を活用ができるようになってくる。これが国民が受ける享受の一番大きな点であると思っております。
#165
○渕上貞雄君 長期優良住宅ということで建築コストが上昇することによって購入価格の上昇や維持管理費用の増加も見込まれると思います。そこで、長期優良住宅の認定を受けた住宅の購入者のメリットについてはどうお考えでしょうか。
#166
○政府参考人(和泉洋人君) 長期優良住宅のメリットでございますが、住宅が仮に現状の四倍程度の長期間除却されない場合の費用を試算した場合でございますが、建設や維持管理のためのコストを全体で三分の二程度に縮減することが可能という試算がございます。
 具体的には、今御指摘のように、建設コストは従来型の二割程度増加するわけでございますが、耐久性の高い丈夫な住宅を建築して現状の四倍程度の長期間を利用することによって建て替えのコストが縮減されます。また、造る際に維持管理容易性を確保することを通じまして維持管理コストの削減が可能でございます。こういったことを通じまして国民の住居費の負担が軽減されるものと考えてございます。
#167
○渕上貞雄君 提出法案では、認定長期優良住宅の建築、維持保全の状況に関する記録の作成、保存について規定をしていますが、長期的にはどのような内容を記録、保存しなければならないのか。また、保存方法はどのようなものを考えておられるのか、質問いたします。
#168
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、本法案におきましては、認定を受けた長期優良住宅につきましてその建築や維持保全の状況に関する記録を保存することとしております。
 具体的には、一点目でございますが、その住宅の構造及び設備に関しまして、耐久性や維持管理容易性等の必要な性能を有することを示すもの、これは造った場合の話でございます。建築後の住宅につきまして、構造耐力上主要な部分等に関する部位の劣化などの状況に関する点検、修繕等の方法及び期間、こういったものにつきまして計画の認定を受けた者がいわゆる紙あるいは電磁的な方法により保存することを想定してございます。
 しかしながら、こういった保存につきましては様々な主体が関与することが想定されますので、現在、必要な費用を使って、住宅履歴情報の整備について幅広く中小工務店等も使えるような仕組みについて今勉強している最中でございます。
#169
○渕上貞雄君 長期優良住宅と認定された住宅の所有者にとって書類、定期点検結果等を作成、保存することのメリットについてはどのようにお考えでしょうか。
#170
○政府参考人(和泉洋人君) 先ほど大臣の答弁ともダブるわけでございますが、一番のメリットは、そういった記録が残ることによって既存住宅の価値が落ちない。あるいは、リフォーム等をすればそのリフォーム等が反映された的確な評価がされる。そのことを通じてこの住宅が中古市場で安心して取引され、結果としてそういった保存を行った方の資産価値、そういったものにつながると、こういったことが一番メリットだと考えております。
#171
○渕上貞雄君 質の高い住宅を長期にわたって使用することは、適切な維持管理が求められることになると思います。このことは、住宅所有者の意思とは別に、建物の改善、補修を求められるようにも思いますが、維持管理は所有者の自由意思になるものかどうか、お伺いいたします。
#172
○政府参考人(和泉洋人君) 長期優良住宅建築等計画との、等は維持保全でございますが、その認定を受けた者が長期優良住宅の維持保全を行うに当たって、特段届出等の手続は不要でございますが、認定を受けた計画に従って定期点検や必要な補修、交換等を行うこととしております。そのメリットは先ほど答弁したとおりでございます。
 また、認定を受けた者は、長期優良住宅の建築及び維持保全の状況に関する記録の作成及び保存が義務付けられるほか、所管行政庁の求めに応じて報告を行うことが必要となります。
#173
○渕上貞雄君 では、住宅所有者が作成、保存を怠った場合にはどのような結果が生じるのでしょうか。罰則が適用されるのでしょうか。相続等によって現所有者以前から保存がなされていないような場合はだれが罰せられるのか、お伺いします。
#174
○政府参考人(和泉洋人君) 本法案の唯一の罰則は所轄行政庁からの報告に対する虚偽報告等でございますが、まず、今の相続等の関係でございますが、虚偽報告に対する罰則の適用につきましては、あくまでも虚偽報告等を行った者に適用されるものでございますので、虚偽報告等を行った者が死亡した場合に、その相続人に罰則が適用されることはありません。
 しかしながら、認定を受けている者が亡くなられた場合に、認定を受けている者としての地位はその承継人、具体的には相続人に承継されることになります。このため、長期優良住宅の維持保全の状況などについて虚偽報告を行っていた者が亡くなったような場合に、認定を受けている者としての地位を承継した相続人に対して改めて維持保全の内容などについて所管行政庁が報告を求めたり、あるいはその内容に従って改善命令を行ったりすることがあり得るとともに、そういった改善命令に従っていただけない場合には当然認定の取消しになりますし、あるいは虚偽報告を行った場合についてはその報告を行った方に対する罰則が適用されます。
#175
○渕上貞雄君 地球温暖化問題や廃棄物問題など、環境問題からもこの法案提出の意味するところだと理解をいたしますが、建設段階における施策の充実のみならず、長期間使用する住宅所有者に対する支援の充実がなければ長期優良住宅を建設することの意味がないようにも思われますが、住宅所有者に対する支援はどのように考えておられますか。
#176
○政府参考人(和泉洋人君) 今御指摘のとおり、造る際に対する支援とあるいは維持保全の段階での支援、両方あるかと思います。造る段階では、先ほど来議論になっています先導的モデル事業、こういったものがございますし、あるいは維持保全住宅履歴情報の仕組みを整備しそれを広く普及すると、こういった支援をしていきたいと思っています。
 また、中古流通段階も含めまして、長期優良住宅を造って、その後に中古流通になる段階も含めまして、二十一年度の税制改正におきまして住宅ローン減税制度の大幅拡充を要求しておりますが、長期優良住宅については一般住宅以上の措置を要望してございますし、また、先ほど議論のありましたような投資型減税、こういったものについても要望しているところでございます。
 こういった様々な支援措置を通じて、建設段階から維持保全の段階を通して支援が行われるように、今後ともそういった支援措置の拡充に努めてまいりたいと考えております。
#177
○渕上貞雄君 長寿命の住宅政策を推進することの意味については大臣の方からお伺いをいたしましたが、住宅を取り巻く経済社会情勢の今後の変化を予測することは大変困難なことではないかと思いますし、百年、二百年先の社会を正確に見通すということは更に困難な情勢ではないかと思いますが、今の時点でこの長寿命の住宅を政策的に推進することが本当に適切だと大臣はお考えでしょうか、どうでしょうか。その認識をお伺いをして、質問を終わります。
#178
○国務大臣(金子一義君) 先ほど、住宅の量から質という大きな流れを、これは住生活基本法でもそういう流れを進めてまいりました。そういう意味で、住宅、長期に使用していくため、耐久性に優れた住宅の建設、それから今度は維持管理をきちっと記録して残していくといったような質の高い住宅ストック、これが既存住宅として今度は取引されてくる、そこで適正な評価される市場環境が実現をされてくることによって、また既存住宅の流通の促進も図ることができると思っております。
 そういう意味で、これだけにとどまらず、住宅の性能表示制度の創設、それと普及と、住宅履歴情報の整備、普及と、等々諸施策と併せて進めていきたい。こういうことをやることによりまして、既存住宅流通の促進図りながら、良質な住宅ストックの形成及び将来世代への継承、今は景気が非常に厳しい状況でありますけれども、着実に何とか進めていけるようにしていきたいと思っております。
#179
○渕上貞雄君 終わります。
#180
○委員長(田村耕太郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 長期優良住宅の普及の促進に関する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#181
○委員長(田村耕太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、長浜博行君から発言を求められておりますので、これを許します。長浜博行君。
#182
○長浜博行君 私は、ただいま可決されました長期優良住宅の普及の促進に関する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党、社会民主党・護憲連合及び改革クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    長期優良住宅の普及の促進に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、ストック重視の住宅政策への転換という住生活基本法の基本理念を踏まえ、改修、維持保全、流通の促進等により、既存住宅の長期使用化を図るとともに、既存住宅への長期優良住宅の認定の在り方等について検討を行うこと。
 二、長期優良住宅制度の円滑な運用を図るため、関係者に対する制度の周知、体制の整備に万全を期するとともに、所管行政庁に対する指導、支援に努めること。
   また、同制度の運用において、都市計画制度やまちづくり政策、住宅性能表示制度との連動・連携に十分配慮すること。
 三、長期優良住宅の普及に資するよう、金融、財政上の支援措置の充実を図るとともに、技術開発の推進等による長期優良住宅の品質の向上と低コスト化に努めること。
   また、住宅履歴情報については、一部業者による顧客の囲い込みや目的外使用の防止に留意しつつ、住宅履歴情報制度の整備・普及に努めること。
 四、既存住宅の流通の促進等を図るため、長期優良住宅を始めとする最近における住宅の耐用年数の実態に見合った既存住宅の評価が的確に行われるよう、税制等における住宅の評価の在り方等について検討すること。
 五、改正建築士法による設備設計一級建築士による設計又は法適合確認の義務付けに当たっては、改正建築基準法施行時の実情にかんがみ、建築士制度の運用が円滑に進むよう、その制度の在り方に関して関係団体等と協議し、必要に応じ、適切な措置を講じること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#183
○委員長(田村耕太郎君) ただいま長浜君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#184
○委員長(田村耕太郎君) 全会一致と認めます。よって、長浜君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、金子国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。金子大臣。
#185
○国務大臣(金子一義君) 長期優良住宅の普及の促進に関する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝を申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存であります。
 ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に深く感謝の意を表します。
 大変ありがとうございました。
#186
○委員長(田村耕太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#187
○委員長(田村耕太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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