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2008/12/04 第170回国会 参議院 参議院会議録情報 第170回国会 厚生労働委員会 第7号
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2008/12/04 第170回国会 参議院

参議院会議録情報 第170回国会 厚生労働委員会 第7号

#1
第170回国会 厚生労働委員会 第7号
平成二十年十二月四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     植松恵美子君
     吉川 沙織君     森 ゆうこ君
     礒崎 陽輔君     島尻安伊子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本  司君
    理 事
                家西  悟君
                谷  博之君
                蓮   舫君
                衛藤 晟一君
                山本 博司君
    委 員
                足立 信也君
                植松恵美子君
                大河原雅子君
                風間 直樹君
                小林 正夫君
                津田弥太郎君
                中村 哲治君
                森 ゆうこ君
                石井 準一君
                石井みどり君
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                古川 俊治君
                渡辺 孝男君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   衆議院議員
       修正案提出者   岡本 充功君
   国務大臣
       厚生労働大臣   舛添 要一君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大村 秀章君
       厚生労働副大臣  渡辺 孝男君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        並木 正芳君
       厚生労働大臣政
       務官       金子善次郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       福富 光彦君
       内閣府大臣官房
       審議官      岡田 太造君
       総務省行政評価
       局長       関  有一君
       外務大臣官房審
       議官       石川 和秀君
       厚生労働省医政
       局長       外口  崇君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       石塚 正敏君
       厚生労働省労働
       基準局勤労者生
       活部長      氏兼 裕之君
       厚生労働省職業
       安定局長     太田 俊明君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        岡崎 淳一君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       村木 厚子君
       厚生労働省老健
       局長       宮島 俊彦君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       社会保険庁長官  坂野 泰治君
       社会保険庁運営
       部長       石井 博史君
       農林水産大臣官
       房審議官     梅田  勝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (無年金障害者問題に関する件)
 (年金記録改ざん問題に関する件)
 (こんにゃく入りゼリー製品の安全性に関する
 件)
 (介護従事者の処遇改善に関する件)
 (国民健康保険等における資格証明書の発行に
 関する件)
 (派遣労働者等の中途解除に係る雇用問題に関
 する件)
○高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法
 人に関する法律案(第百六十九回国会内閣提出
 、第百七十回国会衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岩本司君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、吉川沙織君、礒崎陽輔君及び櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として森ゆうこ君、島尻安伊子君及び植松恵美子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岩本司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、社会保険庁運営部長石井博史君外十四名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岩本司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岩本司君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○谷博之君 おはようございます。久しぶりに質問の機会をいただきまして感謝申し上げます。また、今日は学生無年金障害者の問題等々について少し集中的にお聞きしたいと思っております。
 この問題は、もう既に当委員会でも共産党の小池委員あるいは社民党の福島委員も取り上げておられますし、また、この国会にはいわゆる特定障害給付金に関係する議員連盟、超党派の議員連盟もできておりまして、当委員会の南野知惠子委員がその会長ということで、私はその下で指示を受けながら事務局長として今活動させていただいております。そんなこともあり、ひとつ御配慮をいただいて幾つかの問題を質問いたしますので、御答弁よろしくお願いしたいと思っております。
 まず、お手元に資料一と二が配られていると思いますが、これは平成十六年の十二月にこのいわゆる特定障害給付金に関する議員立法が立法化されまして、それが平成十七年四月に、年度にこれが施行されたと、こういうことでありまして、その後、その施行状況について、いわゆる特別障害給付金の運用状況について直近の事例はどうなっているかということで出していただいたのがこの資料であります。
 支給件数あるいは不支給決定件数、そして不支給になった場合の決定事由の内訳などがここに書かれておりますが、まずお聞きしたいのは、複数の第三者各々の証明によって初診日が確定された件数について教えていただきたいと思います。
#7
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 今の谷先生のお尋ねでございますけれども、障害に係る初診日について複数の第三者の証明に基づいて支給決定を行った、そうした支給決定件数のことのお尋ねというふうに承りました。
 これにつきましては、本年五月末に三月末時点での件数の調査を行っておりまして、数字といたしましては五百二十八件というふうになっております。内訳でございますが、そのうち学生の要件を満たす件数が百五十五件、それから配偶者の要件を満たすものの件数が三百七十三件というふうになっておるところでございます。
#8
○谷博之君 今部長が説明ありましたように、この法律が平成十七年の四月一日から施行されたと。その前の日に、三月三十一日にいわゆる年金保険課長通達が出ておりまして、その中で、特にカルテ等のそういう証明するものがなければ、いわゆる初診日当時の状況を把握している複数の第三者各々の証明があればこれを認定するという方向で行けという通知が各全国の社会保険事務所長あてに出ているわけですね。その結果、今その数字をお聞きしたわけでありますけれども。
 じゃ、逆に、これは通告をちょっとしていませんが、いわゆる認定されなかった件数というのはどのぐらいあったかお分かりでしょうか。
#9
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 大変恐縮でございますけれども、複数の第三者の証明に基づいてなされた申請で支給に至らなかった件数でございますけれども、これについては、恐縮でございますがちょっと手元に数字の持ち合わせがございませんので、後ほど確認の上、御報告をさせていただければというふうに存じます。
#10
○谷博之君 委員長にお願いいたしますが、その数字については後でお取り計らいをよろしくお願いしたいと思っております。
#11
○委員長(岩本司君) 理事会で協議いたします。
#12
○谷博之君 こういうわざわざ課長通知が出まして、その後、かなりいわゆるそういう運用面での認定が増えてきているのかなと実は思っておりましたら、どうもそうではないということを関係方面からちょっと聞いております。つまり、この証明を、意味しているもの、これは限りなくそういう証拠のあるものについてはそれを認定するという方向で、いわゆる運用するということであったはずなんですけれども、何かお聞きしますと、最近当局はこの証明の意味を著しく限定して、厳格に、いわゆる回避する要領まで作成していると、こういうふうに言われておりまして、この要領はまさに事実上この第三者の証明を無意味ならしめているというふうなことまで指摘をしている人がいるわけですが、ここら辺はどのように認識しておられますか。
#13
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 私どもの運用の状況でございますけれども、先ほど谷先生が御紹介くださったように、この制度に関しましては、平成の十七年五月十三日に複数の第三者の方による証明でもこれは支給決定の上において証明力を持つんだという通知を課長通知で出しておりまして、私どもは、基本的にそれを制限するとか、あるいは何らかの条件を加えるとか、そういうようなことで認定の運用の面において制約を加えるような、そういう指導に転換したというような事実はございません。むしろそのような御指摘があるならば、私どもとしては、それが本当に事実に基づくものなのか、今の御質問を受けてむしろ確認をしてまいりたいと、このように思う次第でございます。
#14
○谷博之君 その点は是非確認をいただきたいと思っております。
 それでは、資料三を見ていただきたいと思いますが、無年金障害者問題を考える議員連盟というのが発足いたしまして、二〇〇四年の三月三十一日に、その議連の方針をここに書いてあります。
 ここの基本的な考え方というのは、冒頭にありますように、無年金障害者となるケースが六つあると。その具体的な例ということで、一つは在日外国人、二つ目に在外邦人、三つ目に学生、四つ目にサラリーマンの主婦等のいわゆる主婦、それから五つ目が未加入者、六つ目が滞納者と、こういうことでありまして、これは推計する数字は、学生、主婦が二万四千人、そして未加入と滞納者が合わせて九万一千人、在日外国人が五千人で在外邦人は不明であると、こういうふうに実は言われているわけでありますが、問題になっておりますこのいわゆる学生と主婦を合わせて二万四千人ですね、実際にその中で、この資料で報告ありますように、支給件数と未支給決定件数合わせても八千九百四十一人、二万四千人の対象推計人数がいるという中で約九千人ということは、全体の半分まで実はこのことについて、この対象者が該当していないという、こういう数字的な問題も起きてくるわけですけれども、この点についてはどのように考えておられますか。
#15
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 この特別障害給付金の制度が始まりましてから、私ども社会保険庁のホームページを用いる、あるいは公的年金の適用等に関する新聞広告、これにもきちっと記載してその注意喚起を図らせていただくなど、PR、周知広報にそれなりに努めさせていただいているところでございます。
 そうした面での努力は今後とも続けてまいりたいと思っておりまして、二万四千人という制度発足当初の数字と現状の数字との乖離については、これはどのようなことが原因として考えられるのか、少し詳しくその分析、検討をさせていただきたいというふうに考えます。
#16
○谷博之君 この実は法律の基本的な考え方というのは、先ほどのこの議連方針の中にも出ておりますけれども、もう少し具体的に申し上げますと、この新しくできた法制度は、いわゆる年金制度ではなくて、福祉的ないわゆる救済措置としてこの法律が基本的に成り立っているということだと思うんです。しかし、その趣旨にのっとって多くの対象者が適切に運用されるべきであるというふうな考え方に立っているわけですけれども、現実には、今申し上げたように対象者が相当、二万四千人もいて、なおかつこの数字ということになれば、これは果たして適切に運用されているかどうかについては我々は疑問が残ると、こういうふうに考えているわけでありまして、この点を指摘を強くさせていただきたいと思うんです。
 舛添大臣、どうでしょう、この点についての何か感想ありますか。
#17
○国務大臣(舛添要一君) 無年金の障害者、これ今、谷委員の方から御説明、また御質問ありましたけれども、こういう方々をどうして、どういう形で救えばいいかということで立法府の方で法案をおまとめいただいたということでございますので、先ほど初診日の件についても若干御指摘ありましたけれども、こういうことも含めまして、いかにすればこういう方々を救うことができるのか、そういう観点から判例なんかも参考にしながら検討を進めていきたいと、そういうふうに考えております。
#18
○谷博之君 今大臣からお話がありましたように、二万四千人を対象とした、いわゆる見込みを対象としたこの法律が、現に一万人前後しか申請されていないということになれば、せっかくの議員立法が適用されていない人がいること、これを示していると思うんですね。それゆえに通知とか要領等ではなくて、この法律のいわゆる救済立法の趣旨を踏まえて、何度も申し上げますけれども、柔軟に初診日が認定できるように、しかもその通知にもそういうことで触れているわけですから、そこのところをしっかり守って対応していただきたいということを改めて強く要望させていただきたいと思います。
 それから、六つのケースというふうに申し上げましたけれども、その中の一つの在日外国人の五千人と言われている方々の問題についてでありますけれども、これは御案内のとおり、より具体的な話としてお聞きしたいと思うんですけれども、この在日外国人も対象にしてほしいという当事者の声、意見が非常にあるわけでありますけれども、この点については、この議連の方針にありますように、いわゆる主に予算面に基づく実現性、迅速性等の観点から、制度上の欠陥の割合の高い在日外国人、在外邦人、学生、主婦の四種類に対する保障を優先し、そして政府に働きかけていきたいと、こういうふうに書いてありますが、この次解決しなきゃならないというか、そういうところにいるのがこの在日外国人の方々の問題だというふうに思うんです。
 このことについて後ほど大臣に全体的な見解を求めることにしまして、まず外務省にお聞きしたいと思うんですけれども、具体的な話ですが、毎年十二月に開催されている在日韓国人の法的地位及び処遇に関する日韓局長級協議では、第八回の一九九九年以降、毎回無年金障害者や高齢者の早期救済が韓国側から言及されていて、しかもそれが明確に文書に残っていると、こういうふうに言われておりますが、この事実がどうかということをお答えください。
#19
○政府参考人(石川和秀君) お答え申し上げます。
 ただいま委員から御指摘のございました日本と韓国の局長級協議でございますけれども、平成三年以降ほぼ毎年開かれておりまして、計十六回これまでに開かれてございます。その中で、この本件の無年金障害者、高齢者の早期救済の問題につきましては、記録等を確認した範囲でございますけれども、第二回から第五回まで、それから第七回から最近の会議でございます第十六回の会議まで、無年金状態に置かれている在日韓国人の障害者や高齢者への対応についてということで韓国側から問題を提起されているというところでございます。
#20
○谷博之君 今外務省からそういう御答弁がありましたが、こういう事実を受けて、この在日外国人の障害者の無年金問題について厚生労働省としてはどのように考えておられますか。
#21
○国務大臣(舛添要一君) これは、昭和五十七年一月以降ですと国籍要件なくて国民年金みんな強制適用ということになったんですが、それ以前の方々をどう救うかという問題でございます。
 これは、今外務省から答弁ありましたように、日韓の間で常に協議が行われているというふうに思いますので、これは先ほど委員が御指摘になった法律の附則で四つの類型があります。そのうち二つまでは救える状況になっていますが、残りの二つの中のまさに一つがこの在日外国人の問題でありますので、これ、この附則の第二条も踏まえた上で厚生労働省としても検討したいというふうに思っておりますし、またこの立法の趣旨がいかに実現できるかと、そういう福祉的な措置でございますので、引き続き精力的に検討してまいりたいと思っております。
#22
○谷博之君 いずれにしましても、その点については今後の大きな課題ということで、前向きに御検討をいただきたいと思っております。
 それから、続きまして、ずっとこの間、国民年金法の第三十条の四項に基づく、いわゆる初診日の問題で係争がずっと続いておりますけれども、その学生無年金訴訟を踏まえて、特に精神障害者の皆さん方の初診日の問題についてお伺いしたいと思っております。
 いわゆる私どもの調査では、今日まで一審の地方裁判所で十件それぞれ訴訟が起きておりまして、一部ないし全面勝訴を含めて、そのうちの六つのいわゆる係争について原告勝訴というふうな、こういう結果が出ている。そういうような裁判の状況も踏まえながら、まずお伺いをしたいわけでありますけれども、この初診日の問題について、法律の条文上では初診日というのは医師に診察を受けたその日ということでありますけれども、御案内のとおり、精神障害の方々あるいは内部障害等々の方々は、医療機関にかかるまでの間に少なくともある程度の障害の予知できるそういう状態があって、なおかつそれが実際の医療機関にかかる初診日で初めてそこからが認定の対象になるという、こういうふうな解釈ではやっぱりそれは現実に合わないんじゃないかというようなことで、いろんなそういう問題をめぐっての裁判の判例が出ております。
 つい最近の例では、東京精神裁判と言われていますが、最高裁でもこの判決が出ておりまして、裁判官が、四人のうち一人の裁判官が、先ほど私が申し上げたような認識で、いわゆる初診日というのは発症日というような認識で考えるべきではないかというふうな判例が出ております。
 その結果、本年の十月二十日の朝日新聞の社説では、こういう事態を解決するためにはもう国会が救済するしかないんだというようなことまで指摘をしているわけでありますけれども、これらを踏まえて、いわゆるこの一連の司法のこの間の判断、これについて大臣はどのように考えておられるか、お答えいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(舛添要一君) 法律的には、お医者さんに診察を受け、きちんとそこで診断したという証明書がないといけないということになっております。
 ただ問題は、今統合失調症のような問題、どの症例によるか。例えば障害の場合でも様々な、身体的もあれば精神的なものもあれば、だから非常にその発症というのを確定しにくいということがあったり、仮に本人の自覚があってもなかなか時間的な余裕がないとか、まさに経済的理由ですぐに受診できなかった、診断できなかったと、様々な理由があると思いますので、最高裁のお一人の裁判官の反対意見もそういうことを踏まえての御意見だろうと思います。
 全体の判決は判決で国側の、厳格に初診日を確定するものとして、受診ということの事実を証明しろということでありますけれども、ただ、法の精神からいうと、そういう方々をどういう形で救うことができるのか、まさにこれはケース・バイ・ケースだと思いますので、全体的には最高裁の判決、私は、司法の判断ですからそれはお受けした上で、ただ、立法府それから行政府としては、その司法の判断はありながら、少数意見もありますので、何らかの形でケース・バイ・ケースのこの救済ができるかということは、これはやはり検討課題とせぬといかぬかなという、そんな感想でございます。
#24
○谷博之君 御案内のとおり、国民年金法という法律は昭和三十四年にできておりまして、もう立法後五十年が経過しております。
 そういう中でこういう具体的な問題が起きてくるということになれば、例えば、現実を踏まえながら、例えばカルテがなくなったケースとか、つまりカルテが五年間の保存という一つの考え方、五年を過ぎれば医療機関は破棄してもよいというような、そういうふうな考え方に立っているということになればカルテのない人、あるいは今申し上げたように二十歳以前に発症の事実が確認されるようなケース、こういうふうな方々に対して、例えば専門の医師等がそういう事実をいわゆる診察なり判断をして、それが認められればさかのぼって二十歳以前の発症ということでそれをいわゆるみなして例外的に規定をする、そういうふうな法改正なども考えられるんじゃないかというふうに思うんですけれども、そこら辺についての重ねての御見解をお伺いしたいということ。
 あとそれから、今大臣はそういうことを検討したいと言っておりますけれども、例えばそういうことを厚生労働省内に検討するワーキンググループ等を、諸外国の例なども参考にしながら検討するようなそういう機関もつくってみてもいいんじゃないかというふうに思っているんですが、この点についても御見解をいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(舛添要一君) 最高裁の判決ですからこの司法の判断を、それは少数意見ということではなくて判決全体の、これは厳粛に受け止めないといけないということがまず一つございます。
 その上で、この問題について、議員立法でもあり、是非立法府の方、先ほど南野先生が会長をなさっているそういう議員連盟も含めて、活発にむしろ御提言をいただき、そういう御提言も受けるような形で我々としても、これは新たにワーキングチームをつくるということよりも、担当の部局の中でそういう問題について検討すること、これはもうやぶさかではございません。
 いずれにしましても、大きな十月の最高裁判決がありますから、それは重く受け止めた上で、しかしながら様々な今日の委員の御提言も受けた上で、担当部局でどうするかということは、これは検討していきたいと思っております。
#26
○谷博之君 時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、いずれにしましても、この問題、学生無年金障害それから在日外国人のこの問題については、本当に全国各地でいろんな訴訟が行われておりますし、しかも判決の内容も非常に注目すべき内容がたくさん出ております。
 確かに、最高裁の判決のことを今大臣触れられましたけれども、そういう総体として、やっぱり全体を見ていただきたいということと、その中で、やっぱり司法がある程度そういうふうないろんな考え方が出てきているということは、これは立法府なり行政の全体のやはり対応の責任も出てきているというふうに我々考えておりますので、立法府としても、南野会長を中心にしたその議連の活動も含めて、我々、注意深くあるいはまた前向きに取り組んでいきたいと、このように考えておりますので、どうぞひとつこれからもよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#27
○蓮舫君 民主党・新緑風会・国民新・日本の蓮舫です。
 先週の金曜日の十一月二十八日に、大臣直属の消された年金、標準報酬月額改ざんの調査会が報告書を出されました。この中では、社会保険庁職員の関与が確認をされて、現場レベルの組織性が認められています。
 率直に申し上げて、大臣の感想を一言聞かせていただけますか。
#28
○国務大臣(舛添要一君) 調査委員会の方で、限られた時間と限られた対象ではありましたけれども、調査をしていただいて、少なくとも現場レベルでは組織性が認められるということであります。
 これについては、まさに社会保険庁じゃなくて外部の調査委員会にやらせることが公平性を保つと思っておりましたので、直属のこの機関にやらせました。その結果、今申し上げたような結果が出たというのは極めて厳粛に受け止めないといけないですし、今後様々な形で、法と証拠に基づいて、必要な厳正なる処分また刑事的な告発も含めて、きちんとフォローしていきたいと思っております。
#29
○蓮舫君 この調査は、調査委員がアンケートやヒアリングあるいはホットラインなどの通報も活用されて、具体的な証言が幾つも出ているので、どういう証言があるのかお伺いしたいんですが。
 標準報酬月額の偽装というのは、本来事業主が納めなければいけない社会保険料が滞納されていると。そうすると、月額を低くしてしまうと納めないで済む保険料が発生しますから、そこを偽装させて、相殺をさせて、そしてなかったことにしてしまうということが明らかになっているんですが。
 実は、私たち民主党の厚生労働部門会議で元社会保険事務所の職員が証言をしてくださって、改ざんはよく行われていた、その際に知らされていないのは従業員であって、ただ、従業員は自分が勤めていなかったことにされている期間に病院に行くと、そうすると診療報酬明細書ですとかレセプトが社会保険事務所に回ってきて、そのレセプト等の審査が行われると偽装がばれてしまうから、抜取りも行っていたという衝撃的な証言を行っていたんですが、社会保険庁はそれは把握していないと何度も私たちの調査要求を断ってきた。でも、今回の調査報告書で具体的にどういうことが明らかになりましたか。
#30
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 まず初めに、この調査委員会の調査とそれから社会保険庁との関係をまず御説明しなければいけないというふうに思っておりますけれども、今回の調査委員会の調査には、社会保険庁、これは直接関与しておりません。したがいまして、調査委員会側の行っております判断とか評価、あるいはその前提となっております職員の供述等の事実関係については承知をしておりません。
#31
○蓮舫君 具体的な証言を教えてくださいと言いました。
#32
○委員長(岩本司君) 石井部長、具体的にお願いいたします。
#33
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 委員の御指摘が、社会保険庁と調査委員会のかかわりはともかくとして、この調査委員会の報告書の中に具体的な記述としてどのようにあるのかと、その部分を私どもの判断でそうと思われるところを述べよと、こういう趣旨のものであるというふうに受け止めさせていただいて答弁を申し上げたいと思います。
 そういう前提に立ちますと、報告書の四十三ページに、全体として推認するという前提に立って不適正な手段についての分析が行われておりますが、その四の「その他の不適正手段」というところの(二)に「遡及全喪」という項目がございまして、ここに四項目、供述とされているものが並んでおります。
 そのうちの一つを申し上げれば、昭和五十七年から平成四年までの間、首都圏の徴収課に複数回勤務した職員(現在、社会保険事務所課長)は、徴収課職員であった当時、遡及全喪を行って、レセプトの抜取りを行ったことがある旨を述べていると、こういうような供述が紹介されております。
#34
○蓮舫君 二つ目も読んでください。
#35
○政府参考人(石井博史君) 次のものを読み上げさせていただきます。
 平成四年から平成六年ごろまで、地方で健康保険関係の業務を担当していた元職員は、適用課から、この会社については資格喪失になっていますが、見逃してくださいという趣旨の依頼が入ることがあり、そうした依頼があった場合には、当該事業所の従業員のレセプトはチェックしないという処理を行っていた旨の供述をしていると、こういうことでございます。
#36
○蓮舫君 レセプトは抜き取っていた、徴収課と適用課が一体となってレセプトのもみ消しを行っていた、レセプトをなかったことにする担当職員も置いていた。とんでもない証言ですが、このことは把握されていますか、社会保険庁は。
#37
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 お尋ねいただいた冒頭にも申し上げましたように、この調査委員会がなさったその調査には一切社会保険庁は関与させていただいておりません。したがって、こういう形で紹介されているその供述についても、原資料も含め、この報告書がまとめられるまでの間に私ども関与しておりませんし、また、現時点においてこの基になった資料の提示もいただいておりません。また、それ以外の方法で私ども承知しているという事実もございません。
#38
○蓮舫君 承知をしていない。
 では、標準報酬月額ではどんな改ざんがあったという証言を調査報告書は出されていますか。
#39
○政府参考人(石井博史君) これについても、調査報告書の中からそれに該当すると思われる部分について紹介を申し上げたいと思います。
 箇所としては、大きな柱、三十四ページから三十五ページにかけての部分かと思われますけれども、不適正な遡及訂正が行われた経緯についての推論という中に、アンケート結果、ホットラインに寄せられた情報、聞き取り調査の結果などから、それぞれどのような形で行われていたのか、以下推論するというふうになっておりまして、この部分でございますけれども、調査員が調査した事案の中には、標準報酬月額を遡及訂正した結果、滞納保険料が限りなくゼロ近くまで減少していること、あるいは、遡及訂正の結果、少額の還付金が発生していることを読み取ることができる滞納処分票が少なからず見られた。標準報酬月額を実態に合うよう遡及的に訂正した結果、滞納保険料の額が偶然にもほぼ帳消しになるケースは一般的にはまれであると考えられ、その旨の供述を行う社会保険事務所職員も見られた。そうであるにもかかわらず、このようなケースが相当数確認されたという事実は、当該ケースは偶然の結果ではなく、滞納保険料を帳消しにする目的で社会保険事務所職員が積極的に関与したことを疑わせるものであると。
 社会保険事務所職員の中には、不適正な遡及訂正を行ったことは否認するものの、事業主に頼まれ届出書を代筆したこと自体を認める者が多数見られる。
 これらを勘案すると、社会保険事務所職員の中には、事業主の届出書を代筆するという名目の下、滞納保険料が帳消しになるように遡及期間及び標準報酬月額の訂正幅を計算の上、自ら届出書を作成するようなケースの存在が推認される。また、この計算は、日々社会保険実務を行っている社会保険事務所職員には容易であるが、年金業務に関する専門的知識を持たない事業主にとっては面倒であると考えられることも、こうした事実の存在をうかがわせる。
 事実、この点については、滞納額を帳消しにするために標準報酬月額の下げ幅及び訂正期間を計算し、これらを記入した届出書を作成し、これに事業主から代表者印をもらっていた旨の供述も得ている。
 さらには、社会保険事務所職員の中には、適用課が受理すべき書類を徴収課が受け取った上で、適用課の職員に目こぼしするよう伝えたり、徴収課の職員自身が直接ウインドウマシンに入力したりすることで、適用課のチェックを免れていた例がある旨の供述、出産手当金や高額療養費などの標準報酬月額との関係で調整が必要な支給が遡及期間になされていると後々面倒なので、事前に給付関係の書類をチェックして問題が生じないか確認してから遡及訂正を受け付けていた旨の供述をする者がいたが、これらもまた上述のような社会保険事務所職員による不適正な遡及訂正への積極的関与をうかがわせるものであると言えよう、こうしたくだりかと思います。
#40
○蓮舫君 いや、驚く内容なんですよね。適用課のチェックを逃れるために徴収課の職員自身が改ざんした記録を直接ウインドウマシンに入力をしていた。どういうふうに計算をしたら滞納している保険料が帳消しになるか、自ら計算をして事業主に教えていた。あるいは、ほかにも、倒産で事業主が行方不明な場合には、三文判を買ってきて全喪届を偽装処理などをしていた。とんでもない証言が次々と出ているんですよ。
 今、石井部長おっしゃいましたけれども、私たち、これ、一月から標準報酬月額の遡及訂正、いわゆる消された年金があるんじゃないか、調査をしてくださいと何度もお願いをしてきて、調査になかなか重い腰を上げなくて、大臣の直属の調査委員会の報告書でこういうことが明らかになったんですが、遡及訂正の結果、少額の還付金が発生している、これ、どういう意味でしょうか。
#41
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げておりますように、この調査委員会の調査そのものに私ども直接関与してございませんので、それが具体的にどういうことを意味するのかは承知しておりません。
#42
○蓮舫君 つまり、どんなに計算をしても、滞納分を、事業主と従業員の給料の額を安くして、標準報酬月額を安くして滞納分をチャラにする、ゼロにする計算をしてもゼロにはならないんですよ。ゼロにはならなくて、それでも不足をしていたらその滞納分は残ってしまうから、不足額を帳消しにする計算をすると幾らかオーバーしてしまう。つまり、還付金をお返しをしないと滞納分がゼロにならないという改ざんのやり取りじゃないんですか。
#43
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 繰り返し申し上げますように、今委員がおっしゃったことというのは一つの推論だと思うんですね。私ども、具体的にそうした推論が本当に存在していたものかどうか、これは供述そのものも見ておりませんし、それから、その供述の例えば存在そのものが客観的に、例えば物的に確認されているのかどうか、そこら辺も分からないものですから何ともコメントのしようがないということを重ねて申し上げさせていただきます。
#44
○蓮舫君 少額の還付金って、私、そんなに小さな問題だと思っていないんです。つまり、記録を偽装をして払わなければいけない滞納金を払わないで済むようにした上に、更に還付金でお金を戻しているんですよ。これ、私、小さい問題ではないと思います。
 そして、大臣、その部分の感想と、それと、社会保険庁が推論だから分からない、これじゃ意味ないじゃないですか。調査委員会が先週の金曜日に発表したものを、何にも分からない。どこでこういう接点をつないで正していこうとお考えなんでしょうか。
#45
○国務大臣(舛添要一君) この報告書、私も丹念に読み、今また手元で一緒にこれを見ておりますが。
 まず、短期間でここまで、推論も含めてやってもらったということなので、これをよすがにしまして、今どういう形でフォローアップをするか。で、第三者を入れた一つの委員会を私の下に設けて、そして、こういう事実についてきちんとフォローをして、やりたい。今のような、とにかく数字の、組織的にですよ、数字のつじつま合わせ、それは収納率をアップするということのためにやった、そして計算が合わなくて、まさに余っちゃってどうするかという、その例もありますから、こういう資料をきちんと基にして、それを基にして、処分が必要なときには厳正に処分をする、そして正していく。
 ただ、これ見ていると、もう現場レベルで、とにかく片一方は、もちろん事業主も悪い人はいますよ、それは払わないということは、経済的な状況が悪くても。ただ、組織的に社会保険庁が関与していて、それをお手伝いする、自分からウインドウマシンに入れる、そして代筆もするというのが出ていますから、こういうことは許されることではないと思いますので、これはきちんと正さないといけない。その上で、新しい日本年金機構では二度とこういうことがないようにやっていきたいと思っております。
#46
○蓮舫君 正さなければいけないのを急がなきゃいけない。ポイントはとにかくスピードなんです。
 なぜ私がそれを言うかというと、資料をお配りをさせていただきましたが、標準報酬月額の遡及訂正、いわゆる消された年金など不適正な処理がある、この六・九万件にその可能性が極めて高いんですが、それは実は過去のものではなくて今も行われている。今年も発生している。
 社会保険庁に伺います。今年何件発生して、直近の五年間で何件発生していますか。
#47
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 不適正な処理の可能性のある記録として、抽出されました六・九万件でございますけれども、これは再三申し上げているように、適正な事務処理も含み得るものでございまして、直ちにすべてが不適正な処理が行われた記録と言い切るのはやや早計ではないかというふうに思っております。
 その上で申し上げますと、お配りの資料にもございますように、平成二十年の場合は二百三十九件、このかなりは届出漏れとか遅れによると、そういうものと考えられますが、そういうこと。それから、直近五年であれば、単純に計算いたしますと四千七百七十一件、こういう数字になろうかと思います。
#48
○蓮舫君 この五年間で四千七百七十一件、今年、平成二十年度で既に二百三十九件、改ざんの可能性がある事務処理が行われている。これ、大臣がおっしゃっていましたが、この母数となっている六万九千件は最も改ざんされている可能性が濃いところだとおっしゃった。そして、報告書では、社会保険事務所の現場レベルでの組織性が認められた。つまり、今年もまだ現場でこういう改ざんが行われているんではないかと疑われるんですが、いかがでしょうか。
#49
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 今ほども申し上げましたように、この六・九万件、これらすべてが直ちに不適正な処理が行われた記録とは言い切れないということは、これははっきり申し上げることができると思います。この発生年別の分布から見て、現在でも改ざんが行われていると判断するということは、そういう意味からも早計ではないだろうかというふうに考えております。
#50
○蓮舫君 なぜそう言い切れるんですか。
#51
○政府参考人(石井博史君) 私ども、この二百三十九件の内容について、何が原因でその訂正をされたのか、一通りのサーベイをしておりまして、すべてが確認できたわけではございませんけれども、例えば届出漏れ、遅れによる遡及訂正分というものが百五十五件とか、それから裁定請求時あるいは基金記録の訂正などによって遡及した記録の補正が三十二件とか、それから会計検査院、第三者委員会等の指摘、あっせんによる記録の訂正分、そうしたものもあるということでございまして、そういったことで、繰り返し申し上げておりますように、これらすべてが不適正な処理が行われた記録とは言い切れないと、適正なものも入っていると、こういうことでございます。
#52
○蓮舫君 調査はされましたか。調査をされた上で、確証があって今不適正な処理が行われているとは考えられないと御答弁されたんですか、それとも願いですか。
#53
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 今もお答え申し上げましたように、この二百三十九件につきましては、一件一件オンラインシステム上のデータに当たりまして、それがどのような原因で訂正になっているのかの確認をしたと。その概況を今口頭で申し上げたものでございまして、これは希望とか期待とかそういうことではございませんで、一つの事実でございます。ただし、より厳密な事実関係についての確認が更に必要なものもこの中にはある可能性はございます。
#54
○蓮舫君 大臣、社会保険庁に任せるといいようにいいように考えるんですよ、どうしても。
 一月に調査を行って、組織の関与があるかどうか社会保険庁自身もやっていますよ、四月に中間報告、九月の九日に最終報告を出した。これは、十六件、総務省に設けられた第三者委員会で社会保険庁の処理の仕方が合理的じゃないと、あっせんされたものに対して十六件調べたら十五件は関与がなかった、一件は関与があった。この一件関与があったというのは、民主党の厚生労働部門会議で証言された事業主が社会保険庁職員に言われてやったという動かさざる事実があるから認めざるを得なかった。残り十五件の組織関与が認められなかったのは、証拠がない、物証がない、本人が覚えていない。八か月掛けてこんないいかげんな調査結果を出している社会保険庁で、でも大臣の調査委員会は二か月で、十三人で組織の関与を認められるというデータ、動けば出せるんですよ。
 今お話を伺っていると、私はほとんど希望だと思いますよ。データの裏付けもしないで、調査もしないで、今年も発生している改ざんの疑いのあるいわゆる事務処理。大臣、これ指示していただけませんか。少なくとも直近五年間、この数が出ている事務処理は改ざんされているかどうかをすぐさま調べていただきたい。
#55
○国務大臣(舛添要一君) 委員御承知のように、いわゆる三条件、五等級以上とか六か月とか、資格喪失とその日にちが同じというその三条件で攻めていって、これが今年度の二百三十九件も含めてそういうものなので、御高齢の方はとにかく訪問調査をやるということでありますし、こういうことについてきちんとそれは調査をし、今から大掛かりにやりたいと思っていますので、積極的にこのまず被害者の救済ということを第一に考えないといけないので、それはきちんとやりたいと思っております。
#56
○蓮舫君 いや、積極的に被害者の救済をするときに、数はそう多くないんですよ。直近五年で四千七百七十一件ですから、これはすぐ調べてもらえませんか。
#57
○国務大臣(舛添要一君) この中身について今いろいろ精査をしていますので、結果が分かり次第またお知らせをしたいと思いますし、あらゆる手を使って、特別便という手で標準報酬のずれたことも見れますので、この不適切な処理の可能性のある六・九万件の中の直近の五年間、ただ、今全体六・九万件で、二万件の方から片っ端からやっている。
 それで、これはどういう順番でやるかということですが、できるだけ網羅的に、できるだけ迅速にやりたいとは思っております。やり方についてはちょっと検討させてください。
#58
○蓮舫君 やり方としては、この四千七百七十一件は取りあえず滞納処分票を保存をして、社会保険庁あるいは調査委員会に一度集めて迅速にここをチェックしていただきたい。つまり、滞納処分票にはすべて書いてある。事業主とのやり取り、滞納処分の状態、督促、差押えなどの状況、これ時系列で書かれて、担当者の押印もあるし、あるいはこれ課長、所長決裁の押印もあるから担当者もすぐ分かるんです。まずこれを捨てないでもらいたい。
#59
○国務大臣(舛添要一君) それ、五年より前のやつも既に指示を出して一切捨てるなということも言っております。
 それで、私が順番ということを申し上げたのは、直近のやつは比較的まだお若い、お若いというか、全体的に、非常に前にさかのぼるほど御高齢の方が多い可能性があるので、御高齢の方から順番に救うという意味で先ほどのようなことを申し上げました。しかし、網羅的に迅速にやりたいと思います。
#60
○蓮舫君 今おっしゃっている二万件の訪問調査を聞く前に、ちょっとこれは社会保険庁長官の感想も伺っておきたいんですが、今回のこの調査報告書の結果では、社会保険庁本庁の不適正な処理横行に対する責任は重いと極めて厳しい指摘をされていますが、長官はこの調査報告書を受けてどのように思っておられますか。
#61
○政府参考人(坂野泰治君) 御指摘のとおり、この調査報告書においては、社会保険庁の本庁が実態を正確に把握しようとしなかった結果、適切なマニュアルを整備したり、効果的な研修を行うといった十分な対応が講じられなかったこと、あるいは、社会保険庁本庁が社会保険事務所の監督という点でも不十分ということについての責任は免れないというなど、厳しい御指摘があるわけでございます。
 私としては、この御指摘を謙虚に受け止めて、不十分であった点は反省をするとともに、現在進めております二万件の訪問調査あるいはその他の調査を基に、不適正な個別事案の具体的な把握、事実関係の調査及びそれらに基づいた責任の所在の追及などについても全力を挙げて努めてまいりたいと考えております。
#62
○蓮舫君 長官自らが何らかの形で責任を取ることは考えていますか。
#63
○政府参考人(坂野泰治君) ただいま申し上げましたとおり、この調査委員会の報告を受けて、かつ、現在私どもが進めております二万件等の調査等を通じて改ざんをされた記録を正確なものに訂正をし、国民の方々に正しい年金をお支払をする、その努力を重ねることが私の責任であると考えております。
#64
○蓮舫君 大臣、この報告書では、社会保険庁も厚生労働省もあるいは社会保険事務所も、国民に対する重大な裏切り行為を行ったと断言をしています。でも、だれも責任を取らないで、記録がまだ回復されないで宙に浮いたままのものもある、でも訂正には税金が使われていく、これはなかなか私は国民の納得を得られるものではないと思っています。
 さらに、今回の調査対象となった六万九千件、先ほど来何度もこの数は出ておりますが、ここには偽装脱退、つまり期間の改ざんは入っていないんですよ。第三者委員会であっせんされた中で、標準報酬月額の改ざんよりも期間の改ざんの方が圧倒的に数が多いのに、ここを分母に入れていないというところで、六万九千件も私は少ない数字だと思っています。
 そして、今回の調査結果を受けて、いろいろな責任は追及されていますけれども、社会保険庁は、調査結果は聞いていない、中は見ていない、だから分からない。どうやって連携を取っていくのか、もっと具体的な、どうする、いつまでにというのを教えていただけませんか。
#65
○国務大臣(舛添要一君) 今、戸別訪問二万件をやっております。今、その結果日々集まってきておりますので、ある程度の数が集まったところでこれを少し精査をして、どういうことであったのかと、細かい今調査をしております。
 そういう社会保険庁自体の個別の調査と今回のこの私の下の調査委員会、この両方のデータを集めて、そして今後の方法につきましては、必ず第三者を入れ、公平な目でこのフォローアップをきちんとやらないと国民に対する責任は果たせないと思っていますので、それは積極的にやっていきたいと思っております。
#66
○蓮舫君 十月十六日から二万件の方の戸別訪問調査が始まりました。二か月弱がたちました。何件の方の戸別訪問が終わりましたか。
#67
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 本年十月十六日から始めまして十一月九日までの数字でございますけれども、二千五百二十四名の方に対して訪問調査を実施させていただいているところでございます。
#68
○蓮舫君 二万件中二千五百二十四件、訪問調査が終わった。記録が訂正された方は何件ですか。
#69
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 現時点におきましては年金記録が訂正された事例は確認できておりませんけれども、記録訂正の具体的な取扱いについては、できる限り速やかに記録訂正が行えるような方向で現在検討しているところでございます。
#70
○蓮舫君 確認されています。ゼロ件ですね。
#71
○政府参考人(石井博史君) 現時点においては訂正された事例は確認できていないということでございます。
#72
○蓮舫君 訪問調査をして、記録訂正されたのはまだ零件。でも、訪問調査をした方の中で、これは確かに私の記録が改ざんされていますと認めた方はおられますか、何人いますか。
#73
○国務大臣(舛添要一君) 今とにかく早急に、先ほど申し上げましたように集まったところからだけでもやれということで、ちょっと生のデータですから細かい解析まで行っておりませんけれども、ちょっと御紹介をいたしたいと思います。
 十月十六日から開始して十一月九日まで、三週間ばかりで二千五百二十四人の回答がありますが、その中でどういう方が回答したか。事業主であった方が千百七人、四四%。役員であったという方が五百六十八人、約二三%。従業員であった方が七百九十五人、約三一%。まあ不明だという答えもありまして、これが五十四人で二%でございます。
 そして、その確認状況ですけれども、事実と違っていないので問題ありませんと、これはオーケーですよという方が八百三十六人で約三三%。それで、これ見せたら、まさにこれ間違っているじゃないか、損しているじゃないかという方が千四百八人、約五六%。つまり、二万人訪ねて半分以上ですね、五六%の方がまさにこの記録が正しくなかったということであります。そして、自分で見ても分からないという方が二百八十人で約一一%です。
 それで、そこで千四百八人、約五六%が、ああ違ってた、もう人によってはよく見付けてくれてありがとうと言う方もおられます。そういう方で、じゃ記録訂正なさいますか、どうですか、手続いたしましょうかって言ったときに、是非それはもう間違っているんだから正しくしてくださいという記録訂正の申立ての意思があるというのは六百八十五人、約四九%。まあ、半分の方は訂正する。私は、ほとんど間違っていたら訂正したいと言うと思っていたんです。そしたら、いや、もう訂正しないでよろしいと言った方が四百三十七人、約三一%。そして、ちょっとまだすぐ今言われても決められないよということが二〇%です。
 恐らく、これ今解析に時間が掛かっているというのは、その場での議論ですから、一呼吸置いたらまた違うことをおっしゃるかもしれませんが、細かいデータはまた出来次第公表いたしますけど、役員なんかで、自分が関与してやったんで自分の責任なのにというのがあると思います。恐らく、これも今分析していますけど、従業員の方で、知らないところでやられたんで早く訂正して、これは多いと思います。ただ、家族経営なんかで、従業員であっても事業主と同じで、まあ会社つぶれるよりここはというケースもあると思います。
 ですから、それでもう一つ、その中で一番私がちょっと問題にしたいのは、いろいろ聴き取りやっています。これは裏を取らないといけないですから、個別のプライバシーもありますが、その中で今二千五百二十四人に実施したんですけれども、職員、社保庁の職員の関与を疑わせるような回答をした人が、件が百四十件ありました、百四十件。要するに、あいまいな答えから、もう具体的に、何月何日、だれにこう指図されてやったんだまで含めて。そのうちで今言った、私が申したように、かなり具体的に名前まで出して、何の何べえがどうだというようなところまでいったのが二十五件あります。だから、二千五百二十四人の二十五ですから約一%。
 ですから、これはまあ今やった段階での粗い数字ですから、これ大急ぎで精査をしてきちんと公表をいたします。そしてまた、もっとデータがあればもっとより深い内容のことができると思いますけれども、当面、今私が大急ぎで集めさせたところの資料をちょっと御紹介させていただきました。
#74
○蓮舫君 いや、今おっしゃった中で二つ、大きいのが一つ。
 職員の具体的な名前があって、改ざんを働きかけられてやってしまったと吐露した方が大体一%いた。でも、今社保庁の業務センターのコンピューターに入っている年金記録というのは三億件ありますから、そのうちの一%がもし改ざんされているとしたら、社会保険庁の職員が何らかの関与をして、大変な数になります。これ早急に、調査ばかりで申し訳ないんですが、お願いしたいというのが一つ。
 もう一つは、千四百八人、つまり全体の五六%が記録が改ざんされていた、標準報酬月額が安く記録が書き換えられていた。二万人いた五六%といったら、これはもう一万一千人超えますから大変な数になるんで、これ早急に訪問調査をすぐさま進めて訂正をすぐやらなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。
#75
○国務大臣(舛添要一君) まさに、最初、特別便のような形でやろうと思ったんですが、急いだ方がいいということなんで、もうすぐ行けということで二万件からやっています。
 それで、そこから先は、今書類を作った、恐らく証拠書類がない、第三者委員会ということになるんですが、ただ、もう相当程度これはそうであるというのが確証できれば、一々第三者委員会にかけなくても社会保険庁の中で処理できないか。これ今、第三者委員会との関係もあります。これ、そこを今詰めて、なるべく早くやるためのあらゆる手を取ります。
 それから、まあ三億のうちの一%かどうか、今、サンプル調査的に言うと二千五百ですから、それをそのまま当てはめることはできないと思いますが、しかし二十五件であれ、相当具体的なことまでおっしゃった方がおるというのは極めて深刻だと思っておりますので、これも調査を進めます。
#76
○蓮舫君 できれば、委員長にお願いしますが、その資料が精査されたら迅速にこの委員会に提出をしていただきたいと思います。
#77
○委員長(岩本司君) 理事会で協議いたします。
#78
○蓮舫君 今、ようやく数字が明らかになって、少しずつその二万件の訪問調査の結果というのも出てきているんですが、実はここから先がまた問題で、千四百八人の方が、自分の記録が間違っている、でもまだ記録は訂正されていない、なぜ訂正されないのかと。これは社会保険庁が調査をしなきゃいけない。社会保険庁あるいは事務所の調査の手に負えない場合には第三者委員会にあっせんを委託しなきゃいけない、申出を行わなければいけない。そうすると、まだこれは時間が掛かるんですね。
#79
○国務大臣(舛添要一君) 今回訪問している対象の方々は大変御高齢の方で、非常に御説明に時間が掛かったり、それから、当然例えば給与明細とか預金通帳とかで明確なやつが出ればもうすぐそれはやるんですけど、なかなかやっぱり、もうそんな何年も前のもの持っていませんということなので、そこでちょっとデッドロックになっています。
 ただ、これはしゃくし定規に、じゃ何でもかんでも第三者委員会ということじゃなくて、社会保険庁の中でやれることはやれということで指示を出して急がしております。
#80
○蓮舫君 いや、去年の消えた年金、今年の消された年金問題は、その物的証拠をだれが証明するかというのをずっとやり取りをさせていただいて、今の現行法だと、結局、第三者委員会が調査をして、当時の会社社長ですとか同僚の証言とか、あるいは明確に給与から保険料が天引きされた事実が確認されないとその方の記録というのは直されないんですよ。
 今総務省の第三者委員会、十一月二十六日で七万七千件受付をしているんですけれども、そのうちあっせんされたのはわずか一万三千九百七十三件、物証がなかった、そのために認められなかった方も含めて訂正されなかった方が二万千六十六件もあるんですよ。この中には本当に自分の記録が改ざんされている人も残念ながら入ってしまっている。しかも、今二万件の訪問調査をして、わざわざ調査員が来てあなたの記録間違っていると確認されて、記録が直されるのだと思っていたら物的証拠がないから直されませんと言われた方の気持ちは、私は想像ができないものがあります。
 私たちは、この問題は大きいと見て、津田参議院議員を中心に今立法作業をしています。年金記録回復促進法案作っていて、これは第三者委員会の調査に当たって、雇用保険の記録ですとかあるいは所得税の課税に関する記録、様々な官公署が有する記録をできる限り第三者委員会が集めて、そして申立てが社会通念上不合理でないと認められる場合にはとにかくあっせんをしていこうじゃないかと、国の問題なんだからというふうな立場で立法過程をしておりますけれども、これは賛成していただけますでしょうか。
#81
○国務大臣(舛添要一君) 行政の長の立場として立法過程にどうしろということは言えませんけれども、私自身、私も含めて、私の家族を含めて、周囲で同じようなケースがあったときに、やっぱりありません。じゃ、あんた、十年前の給与明細取っているかといったら、預金通帳取っているかといっても、もうちょっと破棄していてない。ただ、役所の紙も五年破棄ということがある。
 そうすると、とにかく国民の皆さんにも頑張ってもらうけど、行政の立場、元々そういうことをした一端の責任は行政にあるわけですから、そういう形で御審議をやっていただくというのは私は歓迎したいと思っております。
#82
○蓮舫君 消えた年金、消された年金では今二つの問題が新たに出てきている。一つは、物証がなくて記録が訂正されない、もうこれは泣き寝入りですよ。ここは私たちは法案を出して対応をしていきたいと考えています。もう一つは、記録が訂正された、消えた年金、消された年金が元に戻ったと、でも未払でもらっていない、足りない部分の年金が支給をされないという問題があるんです。
 これは、私たちに相談に来た中では、七十九歳の男性、三月に社会保険事務所の職員が来て、あなたの消えた年金があります、記録が訂正された、お支払いされると約束をされたんですが、実はその後四か月間放置をされていた、業務センターに資料が届けられていなかったという信じられないケース。
 もう一件は四国の八十歳の男性。四月に届いたねんきん特別便で自分の記録が宙に浮いている、消えた年金があるということが分かって、これは事務所で訂正をされた、業務センターにも送られた。実際に窓口の職員は、二回にわたって、ちゃんと十月そして年度末までにはお支払いされると約束もされた。でも、十月を過ぎても支給をされない。確認をしたら、いつ払われるのか分からない。
 これ、再裁定処理というのは今どういう状況になっているんでしょうか。
#83
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 年金記録が訂正されてから、その記録に基づいて年金をお支払いするまでの事務でございますけれども、まずもって社会保険事務所において御本人に年金記録の訂正あるいは裁定の内容について確認をしていただきます。その上で再裁定のお申出をしていただきまして、そしてこれを社会保険業務センターの方に進達しまして、そして業務センターにおいて再裁定を行うと、こういう手順でございます。
 それで、業務センターの方では、再裁定の書類の内容審査を行いまして処理を行っているわけでございますけれども、新規裁定とちょっと違いまして、既に受給権が発生して支給がなされているものですから、その受給権発生のときから現在に至るまで、例えば配偶者の方がいらっしゃれば加給年金額はどうだったか、あるいは遺族厚生年金の受給による併給調整なんかはどうだったか、そういうような年金額の変動の契機一つ一つを過去に当たりながらチェックするというような処理を行うことで時間が掛かっているということでございます。
#84
○蓮舫君 どれぐらい時間掛かっているんですか。
 それと、数字を端的にお答えください。最新の再裁定状況、受付何件、処理何件、未処理何件ですか。
#85
○委員長(岩本司君) 石井部長、簡潔に願います。
#86
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 最新の確定値は本年九月時点のものということでございます。受付件数でございますが、この月で十四万四千件、それから処理件数は二万五千、未処理件数がその九月時点で六十六万四千ということになってございます。
 それから、処理状況でございますけれども、一月から五月にかけては一月当たり一万五千から二万程度の処理件数であったものが、六月から九月にかけましては二万から二万五千程度に増えてまいっておりまして、十月以降の処理実績については、確定件数は取りまとめ中でございますけれども、見込みの数字といたしましては、十月は約五万、それから十一月は六万三千件に増加するものと見込んでおります。
#87
○蓮舫君 九月に一か月の受付が約十五万、処理をしているのが大体三万に満たない、そして未処理、つまりたまっている案件が六十四万件もある。
 実際に申請をして自分のもらえていない年金をもらえるまでに今何か月待ちですか。
#88
○政府参考人(石井博史君) 現在の状況でございますけれども、ちょっとお待ちください。
 お答え申し上げます。
 十一月末の状況ということで申し上げますと、全体といたしましては業務センターに進達されてからお支払まで七か月程度を要している状況でございます。
 比較的処理が簡単なもの、これにつきましてはお支払までに六か月程度に収まっているというふうに考えております一方で、複雑な処理を要するものにつきましては九か月から十か月ぐらいを要しているというふうに見ております。
#89
○蓮舫君 社会保険庁の業務センターで再裁定処理に係る職員は何人でこの対応をされていますか。
#90
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 ねんきん特別便を送り始める前の体制といたしましては三十八人程度でございましたけれども、その後ずうっと増強してございまして、二十年十一月の時点におきましては総員で二百二十六名という体制になってございます。更にこれは増強させていく予定としております。
#91
○蓮舫君 二百二十六人で一月十五万の受付件数を処理するのに、大体二万六千、七千件。そうすると、この残りの六十四万件は増員をしないと対応できないということでしょうか。こんな少ない数でこれは対応できると見ているんでしょうか。どちらでしょうか。
#92
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 受付件数のまず動きが一つ処理の言わばスピードを見込むときのポイントになろうかと思います。その状況を申し上げますと、私どもの把握しているところによれば、受付件数が月当たりで直近一番大きくなっておりますのが八月の十五万でございます。この後、九月に十四万四千ぐらいになり、十月の見込みとしては十二万台に落ちてきて、そして十一月は十万ぐらいになってくるんじゃないかと。これは特別便の送付、それから記録の御確認、発見、そういった動きとこれは連動したものになってございます。
 一方で、人員の増強を進めているわけですが、先ほども申し上げたように複雑なケースが多数ございまして、これに当たることができるスキルを持った職員、これを地方から更に集めまして、そしてその者による直接的な処理と同時に、言わばその者からスキルを別の職員にも伝えていくという、二つのことを絡ませながら進めていきたいと、こう考えております。
#93
○蓮舫君 見通しが甘いんですよ。複雑な処理件数が多いから受付に対してなかなか想定どおりに処理が進まないということを今部長はおっしゃったんですけれども、九月九日の年金問題に関する関係閣僚会議で提出された資料の中で、本年十月までには一月の処理件数をどれぐらいと目標にしていましたか。
#94
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 本年九月九日の年金記録問題に関する関係閣僚会議においてお示しした資料におきましては、体制の強化などを図りまして一月当たりの再裁定件数を、本年十月からですが、約十万件に引き上げることを目指して促進を図るということにしてございました。
#95
○蓮舫君 大臣、十万件を目指すと九月に言っていて、翌月からですよ、今十一月は一月の処理が二万六千件ぐらいですよ。甘過ぎるんじゃないですか。いかがでしょう。
#96
○国務大臣(舛添要一君) こういうことの反省も踏まえまして二百八十人体制にし、年明けにはできたら三百十人ぐらいにまで増やしたいというふうに思っております。
 それで、受付件数と処理件数の関係でありますけれども、年明けには、例えば一月の受付件数が十万であれば処理を十万を超えてやると、その処理件数を増やせるようにと、そういう体制を組んで遅れた分を一生懸命取り戻したいと思っております。
 いずれにしても、これに時間が掛かっているというのは本当に大きな問題なんで、人員を増やす形で対応していきたいと思っております。
#97
○蓮舫君 数百人単位では私は足りないと思っています。今二百二十六人で、それでも二万六千件ぐらいしか月処理ができない。受付は毎月十万超えてきていて、既に未処理の山が六十四万件で、どんどんどんどん数万件単位で増えている。
 この未処理の山というのは何かというと、御案内のとおり、もういつ年金が支給されるのか、自分の宙に浮いた年金、消された年金がいつ自分の元に入ってくるのかとお待ちになっている御高齢者が多いわけですよ。実際に無年金だった方で、消えた年金の記録が回復をされて、そして年金受給者になった方、五月、六月で三十五人おられます。この方のうち、もう三人が亡くなられているじゃないですか。その中の一人は、千二百万円の本来もらうはずべき年金額をもらわないで亡くなられているんですよ。この方には何の瑕疵もないんです。社会保険庁が、厚生労働省が、あるいは国家が、国家が保障する年金を管理してこなかった、大変なことだと思いますよ。
 第二、第三のこういう悔しい思いをした方を出さないためにも、六十四万件も未処理の問題をそのまま山積して、来年には三百三十人にするから、この危機感では私は到底対応できないと思いますが、いかがでしょうか。
#98
○国務大臣(舛添要一君) 人員を増やす、ただ問題は委員、この裁定処理をやることが可能な能力を持った職員の数が限られているということが一つあります。ただ、そういうことも含めて、もうできるだけ地方からも集めてやっていくということで体制の立て直しをやっていきたいと思っていますけれども、これは本当に深刻に受け止めております。
#99
○蓮舫君 第二次補正予算案を総理は来年まで先送りにしました。これについて大臣がどう思っているかは分かりません。昨日は、報道によれば、自民党の中で、今後、いわゆるその二千二百億円の削減も含めて、これまでと違って絶対何が何でも守っていくものではないというふうに決めたというような報道もなされておりますけれども、私は改めて思うんですけれども、やっぱり今緊急に、厚生労働のマターの中で言えば、やらなければいけないのは年金に対する信頼の回復、これはもうとにかく急がなければいけない。二兆円も掛けてばかみたいに定額給付金をばらまくんであれば、そのお金の予算をざっくりいただいて、年金記録の回復に全力を挙げてお金を取っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#100
○国務大臣(舛添要一君) 昨日の閣議の後の閣僚懇談会におきましても、私はあえてそういう旨の、そういう旨のということは、予算の基本方針の中に、年金、医療等については、これは安定的な財源を確保することを検討すると書いている、しかし検討だけでは駄目で、私は、この安定的な財源がきちんと確保されなければ厚生労働省の予算を組むことは不可能に近いということで、必ずこれは実現をさせると、そういう不退転の決意で臨みたいと思います。
#101
○蓮舫君 是非お願いしたいと思います。
 特に、今の総理はやるやると言って後ほど訂正することが多うございますから、この部分は訂正させないようにしっかり管理して、私たちも見ていきたいと思います。
 ありがとうございました。
#102
○坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子です。
 まず、大臣に、去る十一月二十八日に出された調査委員会報告書について御見解を伺いたいと思います。
 この調査委員会はそもそも、社会保険庁職員の関与について調査をすると、そしてこの結果に基づいて対応策も検討すると言っているんですが、この報告書を見ると、果たして期待したものになっているだろうかというと、私は極めて不十分なものではないかというふうに思うのであります。
 そして、その最後にこの方たちが結論として言っているのは、自分たちは十分な調査ができなかった、ヒアリングも本当にごく少数の者しか行われていない、だけれど自分たちの経験則でこういう結論を出したというようなことで、事実に基づいて結論を出すのではなくて、かなり思い込みに近いような形で結論を出していると。最後に何を言っているかといったら、社会保険庁がしっかり調査をしてください。それは一体何なんだろう。社会保険庁にはやらせられないと言って大臣が自らやったのであれば、事実関係も含めてちゃんとした調査をして、これは社会保険庁に頼らなくたってこれだけのものができましたというものでなければおかしいと思うんですけれども、そういうものになっていないと思うんですが、大臣はその辺、どう認識していらっしゃるんでしょうか。
#103
○国務大臣(舛添要一君) まず、こういう委員会を設けましたのは、大変残念ながら厚生労働省又は社会保険庁に対して国民の信頼が十分ではありません。したがって、内部による調査であったときにはどうしてもそこに不信感というのがありますから、外部の弁護士の方々のチームを形成してやっていただく。その中で、しかし限られた予算と限られた時間の中で迅速にこの結果を出してくださいということでありましたので、それは限られた結果だと思います。
 そして、いろんな、推論ということでおっしゃっている。推論ということでおっしゃっているときに、架空の、全く何も基がないところで空想で成り立たせたわけではなくて、ヒアリングをやる過程において、恐らくこういう推論であるだろうということなんで、それは一定の重みを持って受け止めないといけないというふうに思っております。
 そして、先ほど蓮舫委員の御質問にもお答えいたしましたように、社会保険庁の方でも二万件の訪問調査を始め精力的な調査を行っておりますんで、二つの調査結果を十分統合した上で、そしてしかるべき処分が必要なら処分をやる、改善すべき点があれば改善をする、そういう方向で臨みたいと思いますんで、一つの調査委員会の報告が完璧であるということではないにしろ、十分にこれは傾聴に値する意見だと考えております。
#104
○坂本由紀子君 それでは、この委員会でやった個別のアンケート結果であるとか様々なヒアリングをもう一度しっかりと精査をなさるというおつもりはありますか。
#105
○国務大臣(舛添要一君) そのことも含め、また社会保険庁が独自にやっていることも含めて、今どういう形で公平性を保ちながら検討するか、これは今その検討会の形について検討させていただいておりますんで、必ず第三者を入れて、今委員がおっしゃったようなことの、資料の再精査も含めて、きちんとやりたいと思っております。
#106
○坂本由紀子君 こういう組織の中で起きたことについて第三者を入れてやるということは、これは正しいやり方だと思います。ただ、その第三者がまともな調査としてこれを完成させたかどうかということについては、私は厳しく評価をしなくてはいけないと思うのです。結果だけがマスコミ受けするようなことがちりばめてあれば、それがあたかも正しいかのような、うのみにするというのは、これはやっぱりおかしい。一つ一つちゃんと検証をして、本当にそうなのか、あるいはもっと広く調査をするということをやらなければ、わずか、数えられるようなアンケートで、たった一人とか二人から聞いたようなことがあたかもすべての組織で行われていたかのような結論の出し方というのは、これは極めておかしいというふうに思いますが、いかがですか。
#107
○国務大臣(舛添要一君) すべての案件をすべて調査するわけにはいきません。先ほど申し上げました、限られた時間と限られた人員と予算でやっていただいたので、私はそれなりに結果が出たというふうに思っています。もちろん、これだけにとどまらず、あらゆる調査の手を広めてやっていきたいと思います。
 例えば、私のところにも社会保険庁の職員から、私だけしか見ませんから、ホットメールで様々なことが寄せられてきています。もちろん、それを全部うのみにするわけではありません。しかし、全国各地からそういう方の意見を聴くと、ああ、なるほど現場ではこういうことが起こっているんだなと、それは私もインプットした上で、その上でまたこの調査報告書についても参考にさせていただいて、うのみにするということではなくて、個々に指摘されていることは重く受け止めて、そして更なる調査を進めたいと思っております。
#108
○坂本由紀子君 ヒアリングした事実の重みというのは確かに重いものだと思うので、そういうものはしっかり受け止めて改善をしていかなければいけないと思うのです。ただ、少数の事例だけで断定をするというのはこれはおかしいんであって、更に広くしっかりと調べるということが欠くことのできない大事なことではないかと思うのです。
 そういう意味で、この問題については、第三者を入れて、今回の調査をもう一度更に検証するという意味でも、きちっとした責任の持てる調査というものをやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#109
○国務大臣(舛添要一君) 先ほども御答弁申し上げましたように、今どういう組織でやるかということの検討中でございますが、これは第三者をきちんと入れた形で更なる調査をして、きちんとした結果を出したいと思っております。
#110
○坂本由紀子君 そして、報告書、何のために調査をしたかといえば、どういう形でこういうことが起こったかというその真相の究明と、これをいかに早く片付けるかということについての対応策についてもお願いしていたというふうに読めるのですが、その辺は全く何も書かれていないのですね。そして、あとはまあ言ってみれば社会保険庁に丸投げしているような形になっているんです。それは本来の調査の趣旨と違うのではないか。結果、これだけしか自分たちはできなかった、だから組織の大きい社会保険庁があとはやってくださいよ、それでは違うじゃないですか。
 まあ、大臣が第三者を入れて全体をもう一回ちゃんとなさるということですから、そういう意味ではこの調査結果はまだ本当に、この調査はあくまで経過、単なる少数のヒアリングあるいはアンケートを取りまとめたもの。アンケートを取りまとめたことの評価についても、これが本当に客観的な評価かどうかというのは細かい事例を検証してもう一度ちゃんとやる必要があるのではないかと、私もこの報告書、隅々まで読んでそういう感じがいたしましたので、是非その点は、大事なことは、年金を受給していらっしゃる方あるいは年金保険料を納めて将来年金の受給をしっかりしたものにしたいと思っている方の権利を守り、支払うべき年金をしっかり支払うということでありますので、その原点をしっかりと踏まえてやっていっていただきたいというふうに思います。
 先ほど、十月十六日から始めた年金の受給者二万件についての戸別訪問の調査について大臣から報告がありました。まだなかなか進捗をしていなくて、できるだけ早く、少なくとも今年金をもらっていらっしゃる二万人の方には、訪問をしてどうなのかということをお尋ねできるようにしなくちゃいけない、そして、その結果に基づいて必要な訂正をしていかなきゃいけないというふうに思うのでございます。
 当初、いろいろ訂正が行われたものの九割はこの三つの要件に該当するものだったと、だからこれで絞り込めばかなりの確率でこれが出てくるんじゃないかという想定だったと思うのですが、先ほど聞いていてやや意外な感じがしたのは、訂正の意思がないという方が、そもそも事実と相違していると言った方が五六%ですか、それで、そのうち訂正してもらいたいとはっきり言ったのが半分弱ですから、全体からいくと三割弱なんですよね。残りの方については必ずしもそうではない。特に事業主の方の場合には、あえて訂正をしてもらわないでこのままでいいですよというようなことだったというのはやや意外な感じがいたします。
 ただ、従業員の方についてはできるだけ急いで真実のところに行き着かなければいけませんので、まあ二万件をどういう順番でやるかということもありましょう。ですから、できるだけ従業員の方と思われる方を優先していくとか、そういう優先順位を付けつつ、この二万件について早期に解決をしていただきたいと思うのですが、その具体的なめどについての御認識はいかがでしょうか。
#111
○国務大臣(舛添要一君) まず最初の方におっしゃったことにお答えしたいと思いますが、ちょっと今細かい分析をやっていますが、従業員の方でも、間違っているよと言っても、いや、もう訂正しないでいいよ、会社に迷惑掛かるから、私はそれが嫌なんだとか、様々なケースがあります。ただ、やはり百四十人の人が、五%以上の人が社会保険庁の関与があった、そして二十五人にはかなり具体的に名前まで言っているようなケースがあるというのは、これはやっぱり深刻に受け止めないといけないので、社会保険庁に対してどうするかと。職員のちゃんと襟を正させるということはやるとともに、一番大事なのは委員がおっしゃったように被害者の救済ですから。
 それで、今私が粗い資料なんで完璧ではありませんと蓮舫委員に申し上げたのは、とにかく、最初会ったときに聴いたデータを私のところに今集めようといってやっているんで、そうすると、例えば手続に二回目行ったら、いや、この前訂正してくれって言ったけど、やっぱりちょっといろいろ考えたら嫌だよと言ったり、逆に、この前いいよって言って、やっぱり訂正するよって、それも変わる可能性もあると思う。しかし、最大の問題は物的な証拠で、これがありますっていうのがあればすぐにでもやれる。そこをどこまで広めていく。
 ただ、やはりモラルハザードとの問題がいつも掛かるんです。これはもう救わないといけないんだけれども、不正な方がいたらどうするかというのが片一方にあるものですから、それをクリアしながらということなんで、今の段階ではできるだけ迅速に全力を挙げてやりたいというお答えをしておきたいと思います。
#112
○坂本由紀子君 行政の課題が様々ある中で、やはり物事には優先順位を付けて、人もお金もそういうところに集中的に投入をして片付けていくということが大事なんだろうと思うのです。限られた人数でありますから、先ほどもそんな人数で足りるのかとかいうような御指摘がありましたけれど、じゃ大量の職員を採用できるかといえば、必ずしもそういうことができるわけじゃありませんから、既存の職員の中でどうやりくりをするか。
 あるいは、この問題が長い間の社会保険庁のずさんな仕事ぶりから起こったとすれば、OBの方でこういうことにある程度の能力のある方がいれば、そういう方には、もう原点に立ち返って、それこそただ働きで、自分たちは年金の信頼を回復するために頑張るんだということをやっていただいたっていいんじゃないかと思うのです。
 そういうことについて、大臣、いかがでしょうか。
#113
○国務大臣(舛添要一君) まさにそのとおりでございまして、実はOBの方々にも既に要請をして、現実に働いていただいている方もおります。それから、これやっぱりプロじゃないとできませんので、社会保険労務士の方々にも、これ全団体、関連団体に御要請をしておりますので。非常にやはりこの裁定というのは難しい。
 私も還暦になりましたから、自分自身の年金の処理をやっていて、それで実際歩いてみたんです、大臣視察なんていうと分からないから、一国民として。それで、やっぱりこれは大臣が理解できないようなことをやっていいのかというような考えもありますから、そういうことも含めて徹底的に変えていきたいというふうに思っております。
 それから、先ほどの蓮舫議員とのあれにもありますが、先ほど粗い数字を出しましたが、これはちょっと今指示を出して、今日の午後中にでも、私が今申し上げたようなことの根拠になっているのを出さしていただければ、これは公表したいというふうに思います。ですから、そういう形で、同時にこの委員会にもお知らせできるということで、ちょっと今指示をしたいと思います。
#114
○坂本由紀子君 先ほど、十一月たしか九日までの数字でおっしゃったんですよね、二千五百強で。九日といえば、もう十二月ですから、大分日がたっているわけですので、この間にどのくらいの進捗がしているかというような見込みでおっしゃっていただけば、数が違っていても私は後でまた委員会で追及するなんてことはいたしませんので。
#115
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 十月十六日から、最初は八つの事務局でスタートするということで、これが皮切りでございました。それで、本格的に軌道に乗りまして、それで直近、十一月の二日から九日までの一週間の四十七事務局全部の実施状況を報告申し上げますと、およそ千五百弱、週当たり千五百弱と、こういう実施状況でございます。それは、現在もその後変わりなく続いているというふうに認識しております。
#116
○坂本由紀子君 人海戦術でやらなければならないというところはありますが、それでもやり方の効率性等はしっかりとしていただいて、できるだけ早くにこの二万件の方々に少なくとも安心していただけるような対応を取っていただきたいというふうに思います。
 それで、一%といえども、その中で職員の名前が具体的に挙がっているようなものがあったとか、あるいは、先ほど言ったこの委員会の報告書の中にも、職員についてどういう罪に問えるかというような記述が出ています。
 ただ、この報告書は、抽象的な、何というんでしょう、仕事の仕方として定着していたというような非難はあるんですが、職員、そういうことに関与した職員について刑事告発ができるかというと、ここは極めて否定的なんですね。職員が否定しているので成立するとは言い難いとか、職員が認識を否定しているとか、事業主の届出内容が正しいものとしてやっていたんだというようなことなので、ほとんど刑事責任が問えないという結論をこの報告書はしておられるんです。
 だから、すごく報告書に違和感があるのは、組織的にやっていたと片っ方で断定に近いような言い方をしながら、一つ一つ見ると、職員はそれを認めていないとかいうようなことで、一体全体として見るとどうなんだというので、そういう意味でこの報告書のスタンスが私は極めて、もう一度精査を要するのではないかということを思うのです。
 それで、ただ、まともに大事な年金について取扱いをしなかった、そして年金、本来払われるべき年金が払われないようなことをもたらしたということについては、私はこれは厳しく罪に問われるべきだと、責任を問うべきだし、きちっとした罪の償いをしていただかなきゃいけないと思うのであります。
 ですから、一方、国民に対して早期にこの問題の解決を図ると同時に、職員に対しての厳正な対処ということはやっていただきたいと思いますが、大臣、いかがお考えですか。
#117
○国務大臣(舛添要一君) まず、政策の優先順位の第一は被害者救済、これをもう迅速にやる、これにまず全精力を注ぎたいと思います。その上で、今委員が御指摘の、この関与した職員に対してどういう処分を下すか、そして場合によっては刑事告発という道が開けるかどうか、これはまさに法と証拠に基づいて厳正に対応してまいりたいと思っております。
#118
○坂本由紀子君 この問題の解決は、年金の国民に対する信頼を回復する上では不可欠のものですね。過去に起こったことの言ってみれば償いを一生懸命やっているようなものなわけですから、こういう問題は、私は、政治は、行政がそういうことを真摯に取り組むようにしっかりと応援をしていくということが政治の求められている姿勢ではないかと思うのです。国民の大事な年金や医療などの社会保障は政争の具にはしないと、これは政治がしっかり、行政がこういうものを真摯に向き合ってやっていくように監視をするというのが政治のあるべき姿だろうと思います。そういう姿勢でしっかりとこれからも行政を監視しつつ、応援をしていきますので、頑張っていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#119
○石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。
 本日、理事会でお許しをいただきましたので、ちょっと現物を後お回しいたしますので、御覧いただければと思います。
 本年の夏までに既にコンニャクゼリー、ミニカップゼリーで二十二件の死亡事故が発生しております。二十二人も亡くなっても、まだ日本の、我が国の法律ではこの危険な食品が売られ続けているわけでありますが、製造販売が中止になっておりましたのが、実は明日からまた販売が再開されるというニュースを見ました。それで、コンニャクゼリーの、特にこのミニカップタイプに関しての御質問をさせていただきたいと思います。
 御承知のように、コンニャク入り製品に関してはもう様々な製品が出ています。特にコンニャクゼリーは、こういう形であればスプーンで食べるわけですから問題ないんですが、死亡事例はすべてミニカップという、こういうタイプで起こっています。このことについて幾つかの御質問をさせていただきます。
 このコンニャクゼリー、先ほど二十二件の死亡事例があったというふうに申し上げましたけれども、実は私もこれ、事故が起こったとき、すべての年代にわたって事故は起こっておりますが、死亡事例に関しては特に幼児、高齢者に集中して多発しています。これはなぜかというと、幼児は口腔機能が未発達、高齢者に関しては口腔機能、嚥下機能が退行している、退化しているということがあります。それで余計に事故につながる。しかし、その口腔・嚥下機能、摂食・嚥下機能が落ちているからだけではありません。私は、こういうのを食べてみたんですが、これ、そちらに並んでいらっしゃる政府の方々、大臣始め食べられたことありますか。
 これは、こういうふうに形がなっていて、押してぽんと食べるんですね、これを。私自身も本当に死ぬかと思った。たまたま、ぽんと入って、気管まではふさがなかったんですが、口腔粘膜は唾液があるためにぬれています、そうすると密着するんですね。粘膜に密着すると陰圧が働いて相当な力でないと取れなかった。もう涙も、鼻水も出て本当に苦しかったですね。そういう、私自身が経験していますので、その思いを込めて伺いますが、私は食べるときに、このタイプの形に問題があるというふうに思っています。これをわざわざ、こういうゼリーのようにスプーンで食べたり、切って食べたりというのはなかなかしづらい。ぽんと一口でだれでも食べてしまいがちであります。ということは、この製品自体に、設計自体に私は欠陥があるんではないかというふうに思っています。
 これはPL法の二条二項でもこういうことは指摘はされていると思うんですけれども、本当に一度召し上がって、今日のお昼でも食後に召し上がってみてください。一気に、一気に入ってしまいます、このタイプは。ちょうどこの大きさが気道をふさぐ大きさになります。また、固さの弾力性とかが嚥下しにくい、かみにくいですね。
 再開されるのは、警告表示を大きくして、そしてコンニャクの粉の量を少なくして軟らかくして発売を再開するというふうに言われますけれども、私は制度上の欠陥がある限りはこの事故は続くと思っています。これをもうこれ以上死者を出したくないと思っていますので、こういう、この危険性についてどのように認識されているか、お聞かせいただければと思います。
#120
○大臣政務官(並木正芳君) コンニャク入りゼリーの窒息事故につきましては、先生御指摘のとおり二十二人の死亡者が出たということで、昨年来対策も考えたところでありますけれども、今年になってもまだ続いているというようなことでは大変痛ましいことだというふうに考えております。
 先生も御指摘されておりますし、また与野党からもいろいろな御意見をいただいております。そうした意見を踏まえまして、関係府省一体となって鋭意取り組んでいくと、そういう覚悟では政府もおるところであります。
#121
○石井みどり君 そういう御覚悟を持って、早急にこれに対応する法を制定をして、そして、それを取り扱う政府の機関もできて取り組んでいただきたいと思っておりますが。
 マスメディアの報道を見ていますと、非常に誤った認識といいますか、つい最近も小学生の男の子がパンで窒息するという事例がありました。例えば、お正月、もうすぐお正月が近い。お正月になると、高齢者の方、私もそうですが、おもちは日本人大好きです。おもちで必ずと言っていいほど死亡事故が起こる。なぜおもちは販売されてコンニャクゼリーは販売中止になったんだというような、そして、そのリスクに対して誤った報道がなされている。すべて食べるもの、固いものに対しては窒息するリスクは必ずあるわけですね。しかし、そのリスクを、潜在的なリスクをすべて取り除くということはできないわけですけれども、このリスクに対してはアンユージュアルリスクとユージュアルリスクというふうに、FDAでは、アメリカのFDAでは明確にそこを識別しているわけですね。
 おもち、パンで亡くなるということとコンニャクゼリーで死亡するということは全くその考え方を変えなきゃいけないということだろうと思うんですが、このおもちとパンの、そしてコンニャクゼリーとの危険性の違いをどういうふうに認識されておられますでしょうか。
#122
○政府参考人(岡田太造君) 厚生労働省の調査などによりますと、食べ物による窒息事故というのは最近では年間四千人強に上っているというふうに承知しています。原因食品としては、もち、御飯、パンといった穀物類の件数が多いというように承知しております。このうちカップ入りゼリーによる窒息死亡事故の件数というのは、穀物に比べると確かに件数は少ないということでございますが、両者の危険性の相違につきましては、そもそも摂食する、食べる量というか頻度ですね、それとか、それからどういう年齢層の方が食べるのか、それから十分なそしゃくが行われるかなど様々な要因を勘案してその危険性みたいなものを判断する必要があるというふうに考えているところでございます。
 十月十六日に内閣府の方で各省と協力いたしまして再発防止策をまとめたところでございますが、その中で、厚生労働省におきましては、コンニャク入りゼリーのほか、もち、あめなどの食品による窒息事故の再発防止に係る科学的知見の集約を進めていくと。それから、食品安全委員会におきましても、コンニャク入りゼリーの物理的・化学的要因が人の健康に及ぼす影響などについて評価を行うというような科学的知見を集めるというような取組を進めていきたいというふうに考えております。
#123
○石井みどり君 おもちやパン、まあパンは別にしても、おもちの場合はもう毎年高齢者亡くなっているわけですから、食べるときに危険だという認識をしながらおもちは食べる。私も母に食べさせるときは、おもちのときは小さく切って、それで気を付けて飲み込むようにと、非常に食事のときの見守りを注意深くするという、そういう認識が国民の方々の中に広まっていると思いますが、しかし、コンニャクゼリーとうたったら、普通ゼリー、フルーツゼリーとかいろいろ売っています、口の中で崩れて食べやすい。それから、嚥下機能が衰えた方の食事のときに、それを補助するためにゼリー等はよく使われるわけですから、それとコンニャクゼリーが、やはりゼリーとうたったために食べやすいというふうに間違って取られやすいということが私はあるんではないかと思っています。だから、先ほど申し上げた摂食・嚥下機能の未発達の幼児、それから機能の退行した高齢者の方の場合は、これはやはりもう食べさせてはいけない食品であるというふうに思っています。
 その食べさせてはいけないという警告表示に関しては、表示が出てからも死亡の事案が発生しています。今回の発売再開に関しては、警告表示の面積を大きくしたというふうに報道されているんですが、そもそも幼児は表示してあってもそれを認識できない。また、袋に出たりしているのを見ても、高齢者の方は字も読みにくい、そして非常に注意力も落ちているということがあるので、幾らこういう警告表示をしても私は事故を回避できないのではないかというふうに思っています。
 コンニャクゼリー、今お回ししていますけれども、いろんなタイプがある。ミニカップゼリーだけじゃなくて、スプーンで食べられるようなものから様々な食品出ています。液状タイプ、スティックタイプ、それからグミタイプ、それからプリンになっているもの、それから水ようかん、せんべい、クッキー、ラーメン、おうどん、おかゆ、御飯、様々出ています。
 コンニャク製品を売るなと言っているのではありません。死亡事故が予測される、再開されたら再び起こるであろうというようなものをなぜ売らなきゃいけないのか、その表示をするからいいのかという、そういうことに関してどのようにお考えでしょうか。
#124
○政府参考人(岡田太造君) 御指摘のとおり、十九年の三月、四月に窒息事故が起こりまして、そのときに業界団体が警告マークを表示するというふうな取組をしてきたところでございますが、それにもかかわらず新たな事故が生じているということで、大変痛ましいことだというふうに考えております。
 今回の事故を踏まえまして、関係団体におきましては、従来以上の大きな表示を行うと、それから、従来は袋の中の個別のカップには表示を行っておらなかったんですが、それを、そこにも、個々の包装にも掲示マークを表示をするというようなことで取り組むというふうに聞いております。それから、コンニャクの粉の含有量を一〇から一五%ぐらい減らすというようなことで再開するということで聞いております。
 今回の製造、販売の再開につきましては、事業者の方において事故発生のリスク低減のための一定の尽力がされているものと受け止めております。重要なことは二度と窒息事故を発生させないということでございますので、内閣府としては、関係府省と連携しまして、改善状況がきちっとなされているのか、それから健康に及ぼす影響評価などの取組をしてまいりたいというふうに思っています。
 それから、高齢者の方、乳幼児の方がこういうものを食べることがないよう、つきましては関係の施設で十分注意喚起してもらうなど地方自治体を通じて周知を要請しているというところでございます。
#125
○石井みどり君 何度も申し上げますけれども、こういう危険性が既に製品の設計自体にあるものは私は販売してはいけないんだと思うんですけれども。というのが、幾ら警告表示をしても、二〇〇七年に長野で起こった事故は、これはお母さんが買物に出ている間に子供が食べているんですね。だから、そういうことは幾らでも幼児のいる御家庭だと普通にあることですけれども、食品が置いてあったら、興味があってやっぱり食べてしまうということがあるんですね。そうであれば警告表示は何の意味も成さないということ、幼児はそもそもそのこと自体が理解できません、食べるなと言ったら余計食べるみたいなところがありますので。
 そして、この、こういう危険性を持っている食品の製造や販売について、我が国の法律では規制できるんでしょうか。
#126
○大臣政務官(並木正芳君) 先生も御承知かと思いますけれども、これは現状の法制においてはすき間事案となっております。食品衛生法などはいわゆる衛生面からの安全規制ですし、消費生活用製品安全法というのもありますけれども、これも食品は含まれておりません。また、JAS法、これは先生言われたように、ゼリーとして表示するのがどうかというのはまたあれですけれども、一般的な表示規制でございますので、現在、形状とかそういう、コンニャク粉入りのものは駄目だとか、そういう法律はありません。
#127
○石井みどり君 今国会で提出されている消費者庁設置法案、これが適用されればコンニャクゼリーによる事故は防げるんでしょうか。
#128
○大臣政務官(並木正芳君) 現在考えられているところの法案につきましては、今回、再発防止策による業者の協力要請にこたえたような形での措置はとられたわけですけれども、こうしたものに対して命令をするというようなこともできますし、場合によって、急迫するような危険がある場合には禁止するとかあるいは回収を命令するとか、こういう措置も含まれているわけですけれども、この事態が急迫するかどうかと、そういうものについては、検討するような余地になるということでは即禁止ということにはならないというふうに思います。
#129
○石井みどり君 では、このコンニャクゼリー、かなり外国にも輸出されているんですけれども、外国ではこの取扱いはどうなっているんでしょうか。
 先ほどアンユージュアルリスクとユージュアルリスクということを申し上げたんですけれども、FDAは、アンユージュアルリスクが発見されたときには即座に行動を起こすというふうにFDAのホームページではきちんと出ていました。ただ、食品がアンユージュアルリスクを持っているからといって、すべてということではなくてケース・バイ・ケースであるということは、FDA内の健康被害評価委員会というところが検査をして命令を出すというふうには出ておりました。例えば、窒息のリスクに関して、アメリカの場合はコンニャクゼリーは規制されています。これはもう形、形状、大きさ、滑りやすさ、口の中で溶けないということでアンユージュアルリスクとして判定された。しかしながら、例えばキャンデーを詰まらせた事故ということでは、これはアンユージュアルリスクという判定はされなかった。
 外国のケースをちょっとお教えください。
#130
○政府参考人(岡田太造君) 御指摘のとおり、アメリカのほか、ヨーロッパ、それから韓国におきまして、コンニャク入りのミニカップゼリーに関して、二〇〇一年から二〇〇三年ごろ、これを食べた子供さんが窒息して死亡する事故が起こったということを踏まえまして、販売、輸入を禁止するような措置がとられたというふうに聞いております。
 具体的には、ヨーロッパでは、二〇〇二年三月に販売を一時停止した後、二〇〇三年七月にすべてのゼリー類にコンニャクを食品添加物として使用することを禁止しているということでございます。それから、アメリカでは、FDAが二〇〇一年十月に、大きさとか形状、それから口に含んだときの滑りやすさ、それから固さといったものを勘案しまして、食品として不適切だということでその輸入を禁止しているということでございます。韓国でも、食品医薬品庁が、一定の大きさなど、それからミニカップゼリーの原料としてコンニャクを使用を禁止することなどの対応を取っているというふうに聞いております。
#131
○石井みどり君 韓国、アメリカあるいはオーストラリアとかヨーロッパではいち早くそういう措置がとられているのに、なぜ日本では二十二人もお亡くなりになっていても規制をされない。非常に日本の法整備が後れていると言わざるを得ないと思いますが。本当に、これは明日から再開されるわけです、発売が。いつ起こってもおかしくない。今国会でのいち早い消費者庁の設置に関する特別委員会で御審議をいただきたいというふうに思っています。
 内閣府の方、ありがとうございました。
 続いて、今、介護保険の報酬見直しが、社会保障審議会の介護給付費分科会、九月に再開されて審議されていますが、介護保険関連に関して御質問をさせていただきたいと思います。
 五月二十日の厚生労働委員会でも御質問をさせていただいたんですが、今、資料を出さしていただいております。資料の一でありますが、これを御覧いただいて、平成十八年度から予防給付、介護給付に新たに栄養改善、それから口腔機能向上という、そして運動機能向上が導入されましたけれども、この資料一を御覧いただくとお分かりいただけると思うんですけれども、介護予防の通所の事業所、そしてリハの事業所においても、非常に算定件数が少ないということがあります。せっかく介護保険の中に導入されたにもかかわらず普及していない。これは構造的要因があるんではないかというふうに思っています。
 資料一の二枚目に、口腔機能向上の利用・提供が進まない理由というので、地域包括への調査のデータが出ています。これ、栄養改善と口腔機能、ほとんど同じような理由によって、包括支援センター側の要因も事業所側の要因も非常に似通った要因なので一括してもいいかというふうに思いますので、これをどのように、こういう要因があって普及していないんだろうと思いますが、これをいかに普及させるために考えておられるのか、お聞かせいただければと思います。
#132
○政府参考人(宮島俊彦君) 今御指摘ありましたように、栄養改善加算、口腔機能向上加算、利用低調でございます。
 十九年度の研究事業で、要因分析をアンケート調査により行いました。一つは、サービス提供事業所に歯科衛生士とか管理栄養士の人材が確保できていないというようなこと、それから事業者の理解、認識不足、それから地域包括支援センターで対象者の把握が困難であること、あるいは介護報酬の単位が低いといった、そういった要因だろうと思っています。
 これにつきましては、今、社会保障審議会介護給付費分科会の方で昨日審議報告というものが出されておりまして、それぞれの問題につきまして、例えばこの口腔機能向上加算などについては、サービス提供に係る労力をもっと適切に評価すべきではないかとか、あるいは地域包括センターで対象者が把握できるように対象者の基準を明確化すべきではないかですとか、あるいは介護保険施設で歯科衛生士が口腔清掃のケアに係る技術的な指導、助言を行う場合は評価を行うべきではないかというような報告が出されておりまして、何とかこの利用向上に結び付くような方向での検討をお願いしたいというふうに思っているところでございます。
#133
○石井みどり君 これから検討されるわけですね。是非、原因もはっきり分かっているわけですから、サービスが利用できるようにお願いをしたいと思います。
 そして、資料二でお示しをしているんですが、たとえ認定調査のところで自立と判定されても、非常に口腔内には問題が残っているということをちょっと御指摘をしたいと思います。
 認定調査票では、これは自分で口腔清潔に対する一連の行為を行っているかどうかということを聞くわけですけれども、ほとんどが、自分でしていると答えたとしても、これは例えば麻痺があったりなんだりしても、大体認定調査のとき、できなくても高齢者の方はできますと言って家族が慌てるというケースが、場面が多いんですが、実際には清潔になっていなくても清潔だという判定をされていることが多い。外から見える汚れであればある程度の判定ができるんですけれども、口の中を見ていないということがあります。
 その写真で二枚目のところ、この方も、これ片麻痺の方ですけれども、自立というふうに判定されても口の中はこういう状況です。お昼の食事前に大変こういう写真を出して恐縮なんですが、実際は非常に食物残渣も残っていて口腔状況不衛生であり、決して清潔とは言える状況ではありません。
 また、三枚目のところですけれども、この方も生活自立度はJの2、それから認知に関しても自立している。それから、認定調査票では口腔清潔は自立というふうになっていますが、この方の場合は脳梗塞とかそういう既往があるんですけれども、ほとんどやはり、口の中を見てみると、食物残渣も貯留していますしプラークもべったりという状況であります。
 そして、ちょっと四になっているんですけど、ここに専門職が関与するとしますと、四枚目ですけれども、どうなるかというと、御高齢の方は非常に基礎疾患が多いのでこういう方は多いと思うんですね、脳梗塞があり、骨粗鬆症があり、パーキンソンがあって、日常生活自立度は四であり、そして要介護度も四であると。で、口腔写真。介入前は非常に、舌苔もべったり付いていてプラークがべったり、これですと食欲もわかない、本当に食べ物の味も分からないというような状況だろうと思います。そして、何よりも摂取エネルギーが千百キロカロリーである。低栄養を引き起こすと言ってもいいと思います。これが、専門職が、歯科衛生士が保健指導をすることによって右のように改善されるということが、現状の仕組みではこういう状況であります。
 この口腔機能向上の必要な方の条件ということが、私は明確になってない。ですから、専門職以外の方が判断するのは非常に困難であろうかというふうに思っています。先ほどの検討の中にも歯科衛生士云々ということが出てきましたけれども、歯科の専門職、歯科衛生士等が口腔機能を評価する、その仕組みがないために利用につながらないのではないかと思いますが、いかがでしょう。
#134
○政府参考人(宮島俊彦君) 地域包括支援センターで行われるケアマネジメント、これはケアプラン作成のための課題分析では、要介護認定調査票とか基本チェックリストで必要性を判断していますが、確かに今の時点で地域包括支援センターでは、口腔に関する歯科衛生士さん、ほとんど配置されていません。今委員がおっしゃったような、自立に丸は付いているけど実は問題があるというケースについては必ずしもサービスに結び付いていないという問題があります。
 したがって、地域包括センターにおける課題で、今後専門職の確保ということは今後の検討課題と考えております。ただ、これはちょっといろいろ時間も掛かるということもありますので、先ほどサービスに結び付いていないということについては、少し調査票とか基本チェックリストの活用方策を考えまして、専門職がいなくても取りあえずサービスに結び付くような検討をしたいということを考えているところでございます。
#135
○石井みどり君 大変残念なことに、今栄養改善、口腔機能向上サービスが必要な人に届いてないという現状あります。しかし、高齢者の方の生活機能を維持していく上で非常にこのサービスが重要であります。特に、栄養改善と口腔機能向上が一体になることによって低栄養の予防ということは非常に効果的でありますので、ケアマネジメントをする上で、この栄養改善、口腔機能向上普及のための基準を、今アセスメント項目としてはあるというふうに先ほどおっしゃったと思うんですけれども、しかし必須項目にはなっていないわけでありますので、これを変更するだけでも、新たな調査項目を増やすというのは負担になると思います、今減る傾向にありますので、この基準の変更をすべきであると思いますが、いかがでしょうか。
#136
○政府参考人(宮島俊彦君) 基準の変更についての御提言でございます。
 基準を変更するということになりますと、地域包括支援センターの方でやはり専門職の確保が必要であろうということで、その辺はパラレルの関係なんだろうというふうに思っております。したがって、今の時点で直ちに基準を変更するということがいいのかというような問題点もあろうかと思いますので、先ほど申しましたように、現行の認定調査票、基本チェックリストの活用方策を少し踏み込んでいって、取りあえずはサービスに結び付くような方途を考えたいというふうに考えているところでございます。
#137
○石井みどり君 非常に残された時間がもう限られてまいりましたので、少し質問も割愛させていただいて、次のレセプトオンライン化に関して伺いたいと思います。
 私、三月二十七日にも御質問させていただいたんですが、本年の五月現在、医療機関等のレセプト請求件数においての電算化率、いわゆるレセコンでレセプトが出ているというのは、これはまさにすばらしい数字で、九七・二%という達成率であります。これは、外国のオンライン化が進んでいるという国と比べても遜色がないというふうに考えています。
 残りのたった二・八%が手書きでレセプトを書いておられるわけです。そして、この方々までも義務化して電子レセプトにする必要があるんでしょうか。既にもうレセコンを導入されている方々が非常に多いわけですから、この方々はオンライン化への対応というのは容易であるというふうに思います。義務化ではなく、レセコンの既に導入しておられる方々に対して様々な推進策を取ることで十分なレセプトの電子化ということが達成されると思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。
#138
○政府参考人(水田邦雄君) まず、事実関係から申し上げますと、レセプトコンピューターにより作成されているレセプトの割合、これは御指摘のとおり大変高いわけでございますけれども、電子化されているレセプトの割合を見ますと、平成二十年十月末現在で五一・二%と、ようやく半分に至ったところでございまして、更なる推進が必要であると、このように考えているわけでございます。
 と申しますのは、今回のオンライン請求、これは医療機関におきましては診療報酬請求に係る事務処理の軽減と迅速化、それから審査支払機関におきましても審査の効率化、重点化、それから保険者におきましては保健事業への活用と、こういった医療保険事務全体の効率化を図ることを目指しておりまして、このためにはすべてのレセプトが電子化されることが必要と考えているわけでございます。
 ただ、一方で、今回のオンライン請求の義務化に当たりましては、手書きでレセプトを作成されている方もおられますので、こういう方々につきましては事務代行者を介しての請求、いわゆる代行請求を可能とする配慮も行っているところでございます。
 また、御指摘にありましたように、既にレセコンをお持ちの方に対する推進方策でございますけれども、これは診療報酬におきまして医療機関のIT化の取組を評価するといった電子化加算を設定するなどの取組を進めているところでございます。
#139
○石井みどり君 三月二十七日のときも大臣が代行という方法があるというふうにお答えいただいたわけですが、しかし、先ほど申し上げたこのオンライン請求に対応できない方々、この方々は、もう五%か一〇%の方々は廃院するか診療を休止する、保険医を辞退するというふうな、答えておられる方が多いわけですね。様々なこれアンケート調査が行われていますけれども、大体こういう数字が出ています。
 これはすべての保健医療機関、医科診療所、歯科の診療所、それから調剤薬局もそうですけれども、このわずかな方々が辛うじてまさに限界集落に近い、限界医療、地域医療のところを必死になって守っておられる、そういうところが多いわけで、毎月の件数が非常に少ないという方々です。そうすると、すべてこれを義務化ということにすれば、地域医療の崩壊、混乱ということはもう紛れもなく起こる。今ですら地域医療崩壊していると言われているのに、というふうに思いますけど、これに対してどうされるんでしょうか。
 あわせて、代行請求って今お答えになったんですけれども、だれがするんでしょうか。現行では支払基金はできないというふうに思っておりますが、どういうイメージで先ほどの代行というのをお答えいただいたんでしょうか。
#140
○国務大臣(舛添要一君) 地域の医療をどう守るかという観点も必要ですし、先般、三師会の方からの御要望もお受けいたしました。しかし、全体的にオンライン化を進めるという大きな方向でまいりたいと思いますので、代行請求につきましては、歯科医師会を含めて三師会ができるようにということでこれは調整をしてまいりたいと思います。
 それから、薬局であるとかそれから医療機関で猶予期間を最長でこれは小規模なところは二十五年まで猶予するというようなこともありますので、是非何とかこの目標を達成したい。それまでの間必要な措置については、三師会とともによく議論をしてまいりたいと思っております。
#141
○石井みどり君 大変残念なんですけれども、時間がなくなりましたので、臨床研究に関する倫理指針の改正が本年の七月三十一日に行われました。それに対する質問は、準備をしていただいたんですが、また別の機会にさせていただきます。
 このレセプトオンライン化に関しては、非常に診療側も患者さん側も不安を持っています。地域医療、地域の歯科医療が崩壊することなく、義務化ということではなく、それぞれの地域の事情に合わせて地域医療、歯科医療を守る形で是非お願い、取り組んでいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#142
○委員長(岩本司君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
#143
○委員長(岩本司君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#144
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は一般質疑ということでございますので、介護従事者の処遇改善策についてと、先日の児童福祉法、労働基準法でも議論となりましたワーク・ライフ・バランスに関連しまして大臣の御見解をお聞きを申し上げたいと思います。いずれも生活に密着をしております内容でございます。今後の方向性を示すことが大変重要になりますので、御見解をお伺いを申し上げたいと思います。
 それでは、初めに介護従事者の処遇改善についてお伺いを申し上げたいと思います。
 十月三十日に発表されました今回の生活対策の中に、介護報酬の三%引上げを行い、介護保険料の急激な上昇を抑制するために国費千二百億円を投入するとともに、介護人材などの十万人増強を目指すこととしております。報道等によれば、月額二万円の賃金引上げにつながるのではないかと、このような報道もされておりますけれども、介護従事者の皆様にとりましては大いに期待をしているところでもございます。
 まず最初に、介護従事者の処遇改善の対策につきましての概要を御説明いただきたいと思います。
#145
○政府参考人(宮島俊彦君) 介護従事者の処遇改善策でございますが、今、二万円というお話がございましたが、そこは、介護報酬は介護事業者に払われますので、雇用形態、常勤、非常勤の別とか勤続年数、事業規模の別等ありまして、介護報酬三%の引上げがすべて一律に介護従事者の賃金引上げにつながるものということではございません。
 ただし、介護報酬をできるだけ介護従事者の処遇改善、介護従事者の確保に結び付けていくと、これは大変重要なことでございますので、介護従事者の処遇改善に向けてはいろいろな対策を講じたいと思っています。
 第一に、介護報酬改定では、手厚い人員配置をするところ、有資格者を多く配置するところ、一定の勤続年数の方を雇用しているところ、常勤職員の多いところ、あるいは地域差を反映する、あるいは小規模事業所への対応等、きめ細かく処遇改善が進むような方向での改定を予定しております。
 それから、介護従事者の雇用管理改善については、職業安定行政の方で、キャリアアップや処遇改善に努めた事業所については助成をするというようなことも予算要求をいたしております。
 さらに、事業主の取組を促すために、経営モデルの提示ですとか、給与の改善が本当に行われたか事後検証をするとか、給与水準については情報公開を促進していくなどの取組を進めていくということで、いろんな多角的な取組を進めてまいりたいというふうに思っております。
#146
○山本博司君 ありがとうございます。
 具体的な点について確認をしたいと思います。
 この介護報酬、先ほどもお話がございました三%の引上げ分、これは事業所側に回っていくということで、介護従事者の給料が三%分上がるという担保は取れておらないわけでございます。今、事業者の経営も大変厳しい状況であるということで、事業の運営費用等にも使われる可能性も否定できないわけでございます。本当に従事者の方々にとってこうした待遇改善が成るのかどうかということが大事でございます。
 今回の生活対策の国民の生活不安の解消、こういう目的から考えますと、介護報酬のアップ分が直接介護従事者の方々に、給与に反映されるような仕組み、これが大変重要であると思いますし、また、それをどのようにチェックをして事後の調査や指導、このように行っていくか、大変大事でございます。
 この点に関しての見解をお聞きをしたいと思います。
#147
○政府参考人(宮島俊彦君) 介護報酬の中でもこれは基本的にサービスを受ける方のサービスの評価を事業主にお払いするというものですが、介護報酬の中でも介護従事者の処遇改善に結び付けていく工夫をいろいろやっていかなきゃならないだろうということで、今、社会保障審議会の介護給付費分科会の方でも検討をお願いしております。
 したがって、手厚い人員配置をするところは普通のところよりも評価するとか、一定の勤続年数を勤めているところについては評価をしていくとか、そういうような介護従事者の処遇改善に着目して、介護従事者の給与水準が上がるような形での報酬の設定を行うことによって事業主が介護従事者の給与改善に努めていただけるような、そういう枠組みを検討していると、そういうことでございます。
#148
○山本博司君 この辺りが一番大事でございますので、しっかりと、今論議をされていると思いますけれども、お願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、そういう報酬面、介護従事者の処遇ということに関しますと、今給与面に関しましては様々なこうした取組もあるわけでございますけれども、トータルな様々な課題もございます。そうしたキャリアアップができるような体制の整備ということも大事ではないかなと思います。特に研修の充実とか有資格者の正当な評価、こういったものも含めまして、介護従事者が仕事にやりがいが持てる、また将来に希望が持てるシステムを構築することが大変重要ではないかなと思います。
 この点につきましてどのように取り組んでいるのか、この部分をお聞きをしたいと思います。
#149
○政府参考人(宮島俊彦君) 御指摘の点、介護従事者がやりがいを持って働くということのためには大変重要な点だろうと思っております。
 厚生労働省では、十八年四月に介護職員基礎研修というのを創設しております。これは、介護従事者が段階的に知識、技能の向上を図れるように、ステップアップしていけるようにするという対策でございます。また、さきの十八年改定の際にも、訪問介護の事業所などでより専門性の高い人材を確保する事業所には報酬上の加算を導入しました。また、今回の介護報酬改定でも、専門性の評価、キャリアアップの推進と、あるいは介護福祉士が一定割合雇用されている事業者は評価を行うというようなことで、介護従事者が仕事を通じてキャリアアップ、能力向上を図っていって生きがいを持って働けるような体制を是非整備したいというふうに思っております。
#150
○山本博司君 ありがとうございます。
 こうした研修の充実なども含めた職場環境の改善、これは大変介護従事者にとりまして大事でございますので、多様な取組をお願いを申し上げたいと思います。
 次に、安心と希望の介護ビジョンにつきましてお伺いを申し上げたいと思います。
 本年五月二十日の当委員会でも質問をさせていただきましたけれども、介護施設などで介護職員が一定の条件を付けて医療行為であるたんの吸引を行えることを要望してまいったわけでございます。十一月十二日に行われました安心と希望の介護ビジョン会議では、あるべき介護の将来像を示すたたき台をまとめており、その中で、経管栄養とかたんの吸引など、原則として医療職しか認めてこなかった一部の医療行為が行える療養介護士の創設を提言をしております。質の高い介護ケアを行うためにも大事な観点であると思います。
 今後も更に議論を尽くすべき課題であると思いますけれども、この会議での検討状況について御報告をいただきたいと思います。
#151
○政府参考人(宮島俊彦君) 安心と希望の介護ビジョンの会議では、療養介護士の創設ということが途中段階で盛り込まれておりました。
 ただ、これについては、将来的な方向は間違っていないけれども、介護福祉士という資格があるのに新しい資格を新たに新設しなくても権限を移譲すればいいのではないかというような、いろんな、そのような意見が出されまして、最終的な報告の中では、当面は、利用者の重度化が進んで夜間も含めた医療的なケアのニーズが高まっているそういう施設で、必要な研修を受けた介護従事者が医師や看護師との連携の下に経管栄養や喀たん吸引を安全性が確保される範囲で行うことができる仕組みを整備する、さらに、将来的には介護従事者が質の高い総合的なケアを提供できるようにするため資格や研修の在り方を検討するというようなことで、最終結論をいただいたところです。
 私どもとしては、この結論を踏まえまして、介護現場で一定の医療ケアについて、介護従事者が安全性を確保した上で研修等を行った上で従事できるようにならないか、今後検討を進めていくことが必要だというふうに考えております。
#152
○山本博司君 ありがとうございます。是非ともその推進をお願いを申し上げたいと思います。
 次は大臣にお聞きをしたいと思います。
 ちょうど先月、十一月十一日、介護の日ということでございました。それに関連をしまして、前日に舛添大臣も二階経済産業大臣とともに介護・福祉ロボットの開発状況、これを御覧になって、テレビ等でも放映がございました
 こうした介護支援機器の技術開発、今後の介護を受ける方にとりましても利便性が増すだけではなく、介護に従事をする方の身体的、精神的負担の軽減にも大いに役立ち、人材不足の解消にも貢献ができるのではないかと思います。また、高齢化に伴う介護需要の増大に対応するためには、今からこうした技術開発を積極的に進める必要があると思います。こうした技術開発を行う企業、団体に対しまして何らかの助成、支援を行うなど、戦略的な手を打つべきと考えます。
 こうした点につきまして、どのような支援をするお考えなのか、介護ロボット体験の御感想も含めて大臣にお聞きをしたいと思います。
#153
○国務大臣(舛添要一君) 先般、二つのロボットを体験しました。
 歩行アシストといって、腰に付けると、ももを持ち上げるのが楽になります。非常に、ですから一人横に付いていなくても一人で歩ける。それから、食事の方は、マイスプーンといって、とにかくロボットが口に運んでくれる。極めて優れた性能を持っていまして、お豆腐とか御飯の粘着物、それからもう本当にあらゆる日本の食材が口に運べるようになっています。
 これは一つは、介護を受ける立場に立ったときに、ちょっと今日散歩したいんだけれども、だれか頼むの嫌だなと、それが気が重いから行かない。そういう気兼ねなしに、今日天気いいから、今日のように天気いいと、歩きたいときに歩行アシストの機械があればできます。
 それから、やっぱり食事の介護というのは非常に大変で、先ほどの石井委員のお話にもありましたけれども、嚥下障害があったり口腔障害が起こった人たちにどうするか。しかし、自分の意思で自分が食べたいものを口に運べるということは本人の気分にとっても非常によろしいんですね。
 ノーマライゼーションという観点から大きな成果が上がるとともに、介護の人材がこれだけ足りないというようなときに人材の代わりにこのロボットがやってくれるというのは非常に大きいと思いますんで、様々な支援策を講じておりまして、我が省も福祉用具研究開発助成事業というようなことをやっていますんで、これは経済産業省とも連携して、今後、我々の優れた技術、これを介護、福祉の分野に活用して、ノーマライゼーションの達成、そして家族を含めての介護をする側の負担も減らしていく、こういう方向で努力したいと思っております。
#154
○山本博司君 是非とも積極的な支援をお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、最後の介護の分野でございますけれども、そうした更なる高齢化に伴いまして介護従事者の人材確保というのは急務となっております。これからも継続をして対策を講じていかなくてはなりません。さきの通常国会の介護保険法の審議の際にも、処遇改善を求める附帯決議が付いたわけでございます。また、介護従事者の処遇改善法も全党一致で成立をいたしました。
 改めて、大臣に介護従事者の処遇改善に向けた決意をお聞きをしたいと思います。
#155
○国務大臣(舛添要一君) 今おっしゃった処遇改善法、これの精神を受けまして、そしてまた、先般十月三十日にプラス三・〇%の介護報酬改定ということを生活支援対策として打ち出しました。
 こういうことも含めて、やはり最大の問題は、きちんと処遇をされてないために離職率が高くなる、そしてこれではとても結婚して家庭を持つわけにいかないという声が高まっているので、そういうことのないように、今からやはりこの介護の現場で誇りを持って働いていただけるような、そういう処遇の改善に全力を挙げてまいりたいと思います。
#156
○山本博司君 ありがとうございます。
 今後、介護報酬改定があるわけでございますけれども、更なる処遇改善をお願いをしたいと思います。
 次に、前回に引き続きまして、ワーク・ライフ・バランスについてお聞きを申し上げたいと思います。
 これまでの児童福祉法の審議、また労働基準法の審議の中で、人口減少社会において労働人口の確保のためには女性や高齢者の方などが働きやすい環境の整備が課題であると申し上げてまいりました。また、そのためには、男性を始めとした多くの労働者が子育てや地域ボランティアなど家庭や地域生活にも十分な時間を確保できるような多様な生き方を選択できるようにすべきと考えております。
 そこで、今後の様々な課題について、取組状況に関しましてお聞きをしたいと思います。
 まず、児童扶養手当制度についてお伺いを申し上げます。
 この児童扶養手当制度は対象が母子家庭に限られておりますけれども、父子家庭は母子家庭同様一人親にもかかわらず対象外になっております。その理由として、父子家庭の収入が母子家庭に比べて高いからと、こう言われておりますけれども、様々な調査報告によりますと、現状の所得制限より下回る父子家庭が数多くあるとのことでございます。こうした状況は非正規雇用の増加とか景気の動向に影響された結果であると考えられ、東京の港区では父子家庭への助成が今年度からスタートをしております。子供の養育という観点からこの父子家庭に対しても国として何らかの支援をすべきと考えますが、御見解をお聞きしたいと思います。
#157
○政府参考人(村木厚子君) 父子家庭についてのお尋ねでございます。
 平成十八年度の全国母子世帯等調査結果によりますと、父子家庭の収入、これ平均しますと四百二十一万円、母子家庭は平均をいたしますと年収で二百十三万円ということでございます。先生御指摘のように、確かに父子家庭の中にも所得の低い世帯がございますが、平均で見ますと、母子家庭に比べると父子家庭は経済的な基盤は母子家庭よりもかなり良い状況にあるということでございます。
 また、父子家庭のほとんどが就業をしておられまして、母子家庭の就業率、これは日本は母子家庭も非常に高い水準にあります。八四・五%の方が就業しておられますが、父子家庭はそれより更に高く九七・五%。常用雇用率で見ますと、母子家庭は四二・五%にとどまっているのに対しまして、父子家庭は七二・二%というような状況にございます。
 こうした母子家庭と父子家庭との全般的な収入や就業の状況を見ますと、父子家庭に対しまして母子家庭と同じように児童扶養手当を支給するということにつきましては、財政が非常に厳しい中で慎重に検討する必要があるというふうに考えているところでございます。
 ワーク・ライフ・バランスということで申し上げると、特に父子家庭の方はどちらかというとワーク、仕事の方よりもライフの方に不安を感じておられる御家庭が多いということで、特に家事に関する負担感が非常に強いということ。それから、母子家庭に比べまして相談相手がいないというのが非常に父子家庭からは悩み事として挙がってきているところでございます。そういったことを配慮をいたしまして、特に父子家庭に対しましては、まずは子育てや家事の面でのニーズに対応した支援を特に重点として行っていきたいというふうに考えております。
 保育や子育てにかかわる相談、子育て世帯に対する一般的な支援策、これは母子家庭も父子家庭も併せてでございますが、今後とも充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#158
○山本博司君 ありがとうございます。
 子供の養育を社会が支えるといった観点、大変大事でございますので、是非御検討をいただきたいと思います。
 また、女性が子育てをしながら働くことができる社会の実現には、多様な生き方を認めることが求められております。育児や介護による休業を積極的に取得できるような促進策とともに、育児期の短時間勤務制度の導入も必要でございます。今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会では本年七月に報告書をまとめておりますけれども、この概要とこれまでの検討状況に関しまして簡潔に御説明いただきたいと思います。
#159
○政府参考人(村木厚子君) 男性、女性が仕事と家庭を両立をしていくということは非常に重要な問題だというふうに思っております。特に、育児休業につきましては、男性は非常に普及率が低いわけでございますが、女性につきましてはもう九割近くの方がこれを取得していただけるようになりました。
 しかしながら、お子さんを出産して勤め続ける女性の割合、特に第一子を出産した前後でそのまま会社で勤め続ける女性の割合はいまだに三割台にとどまっているというような状況でございます。そうした意味で、女性が休業を取るだけではなくて、休業が明けた後しっかりと働き続けられる体制をつくるということが急務だというふうに考えております。
 今、御紹介をいただきました七月の報告書におきまして、そういった問題意識に立ちまして、休業明け、家庭と仕事をバランスを取りながら働けるような仕組み、とりわけ短時間勤務の仕組みが非常にこれから重要になるのではないかということ、それから男性の方の家事、育児参加のための施策を更に充実する必要があるといったようなことが報告書として取りまとめられたところでございます。
#160
○山本博司君 ありがとうございます。
 ちょっと時間がありませんので、ワーク・ライフ・バランス関係、飛ばしたいと思います。
 最後に、大臣にお聞きをしたいと思います。社会保障の在り方に関しましてお聞きをしたいと思います。
 午前中も論議がございましたけれども、社会保障国民会議でも最終報告が出されました。少子高齢化社会を迎えるに当たりまして、医療、年金、介護、福祉などの必要な施策を推進するほど財源の問題に直面するわけでございます。麻生総理は将来の税制についても発言をされておりますけれども、大臣は毎年この二千二百億円の社会保障費の削減についても大変御苦労をされておりますが、将来の社会保障費と税制の在り方について大臣の今の御見解をお聞きをしたいと思います。
#161
○国務大臣(舛添要一君) 社会保障政策が持続可能であるためには、財源の裏付け、とりわけ安定した財源の裏付けがないと駄目だというふうに思っております。
 しからば、それをどこで求めるかというときに、今まさに来年度について二千二百億円をめぐって様々な議論をし、その中で予算の獲得に努力をしているところでございますけれども、中長期的に見たときには、私は、やはり消費税を含めた税制改革ということ、そういうことを国民的なスケールできちんと議論をする、そして、やはり負担がなければ給付はないんだと、負担と給付のこの関係についてしっかりとした自覚を持つということがあっていいと思います。
 総理は中福祉中負担ということをおっしゃっておられますけれども、私は、どちらかというと高福祉高負担というようなぐらいの気持ちでなければ、今から医療水準も上がっていく、福祉の水準も上がっていく、薬の値段にしても上がっていく、医療機器もそうです、そういう中でやはり人の命を守るというためにはコストが必要であると。私は、社会保障に必要なコストを税制議論をした上で掛けても、必ずセーフティーネットとしての役割がきちんと果たせるならば、さらに国民に安心を与え、国民が明日に向かって希望を持って富を生み出していけると思いますので、そういう形の社会の構築を考えたいと思っております。
#162
○山本博司君 以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。
#163
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 国民健康保険証の子供からの取上げが問題になっております。私は、昨年三月の予算委員会で当時の安倍総理に子供から取り上げられているという事実を指摘をいたしました。そのとき総理は、そんなことがないように指導しなければならないと答弁しました。
 大臣、今回、実際には三万三千人資格証が発行されていることが明らかになった。本来あってはならないことだと思いますが、大臣、どう受け止めていらっしゃいますか。
#164
○国務大臣(舛添要一君) ずっとこれまでも御答弁申し上げていますように、資格証明書、そこまでに至る期間において本当にきめの細かい相談に乗り、手を打っていく、そしてそういう証明書というのを発行するというのはまさにそういう相談の機会を与えるものであるということで、一律にやるのではなくて、きめの細かい本当に配慮が必要であると、そういうことを申し上げておりますので、その点については変わりません。
 基本的にはこの保険証というのは世帯を単位にやっておりますけれども、今後は、こういう子供たちに対してどういうふうな施策をするか、これは様々な検討を加えていきたいと思っております。
#165
○小池晃君 きめの細かい対応とおっしゃるんだけれども、先日の調査は同時に自治体ごとにどういう取組やっているかも調査しているんですね。
 これを見ますと、例えば、政令市である川崎市では子供を含む四千六百四十七世帯、それから政令市昇格が決まっている岡山市では千六百二十三世帯、文書催告だけで保険証の取上げをやっているんですよ。もう訪問するとか電話掛けるとか一切やってないわけですね。このほかにも時間外、休日の電話、訪問などやってない自治体は少なくありません。
 局長、これで十分と言えるのか。滞納者とまともに接触の努力もせずに、本当に特別な事情があるやなしや、生活困窮世帯かどうか、分かるんですか。
#166
○政府参考人(水田邦雄君) 資格証明書の発行につきましては今回新たに留意点を通知出したわけでありますけれども、その対応策におきましても、極力滞納世帯と接触を図るなど、資格証の発行に当たって一律、機械的な取扱いをしないということ、さらに、子供のいる滞納世帯に対しましては特にきめ細かな対応取るように指導したところでございます。
 私どもとしましては、まずは今回のこれらの措置の徹底に努めることといたしまして、来年度早期にもこの実施状況をフォローアップしたいと考えておりまして、その後の対応につきましてはその実施状況を踏まえて考えていきたいと考えております。
#167
○小池晃君 ということは、現状はやっぱり十分な接触の機会を持っているとは言えない結果だということですね。イエスかノーかで端的に答えてください。
#168
○委員長(岩本司君) 水田局長、簡潔に願います。
#169
○政府参考人(水田邦雄君) 市町村によっては一律、機械的な運用がなされている懸念もあるということでございます。
#170
○小池晃君 そういうことなんですね。非常にこれは問題だと。
 実態として取り上げられた人がどうなっているか、例を挙げたいんです。徳島県の元鉄筋工の方。これ一年、大臣聞いていてください、一年の滞納で保険証を取り上げられたと。去年の八月におなかが痛いということで、しかし病院にはもう保険証ないから行かないと、売薬で済ませていたと。痛みが我慢できずに今年一月受診したけれども、お金がないから検査はもう受けないと、薬だけにしてくださいと。四月には首にしこりを感じて役所に行って掛け合ったんだけれども、滞納額を納めないと保険証を出さないと言われたと。七月に症状がひどくなって、二万円だけ支払ってあとは分納にするから保険証くれとお願いしたらば、例外的に認めるということで短期証が出て、その足で病院に行ったら、もう胃がんがリンパ節に転移して末期だと言われたという。これNHKの調査でも、〇六年、〇七年の二年間で四百七十五名が死亡していると、保険証を取られてですね。
 これらの人が本当に何か払えるのに払わない、いわゆる悪質滞納者だというのであれば、命を落とすまでこんなふうになるかと思うんですよ、私。やはり、今の実態というのは、病気や失業、倒産、そういったことで払えない人からもかなり機械的にやっていると、国保行政が国民の命を奪っていると。
 私は、子供であろうが大人であろうが、この保険証の取上げ、こんなやり方は直ちにやめるべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。
#171
○国務大臣(舛添要一君) 悪質な滞納者に対してはきちんとした対応をしないといけない。しかし、そうじゃなくて、本当に経済的に困窮している、そういう方々に対してきちんときめ細かく対応すべきだということを既に指導し、更に指導を強めていきたいというふうに思っております。
#172
○小池晃君 私は、悪質な人というのは、それは中にはいるかもしれないです。たらたら飲んで、たらたら食べて、病気になった人の分まで何で出さなきゃいけないんだと言って払わないような人こそ、私は悪質な滞納者だというふうに思いますよ。
 ただ、実態はどうなのかというと、今日、資料をお配りしましたけれども、これ千葉県の社会保障推進協議会、資格証発行世帯の所得状態をこれは自治体に問い合わせて調べているんですよ。これを見ると一目瞭然で、回答があった自治体の中で、資格証発行されている中で、所得なし又は二十万円未満の未申告、これは四九・八%、それから所得百万円以下が一八・九%、二百万円以下が一三・一%と。ここまでで八割になっちゃっているんですね。
 大臣、これ実態を見ると、かなりやっぱり支払能力のないような人たちから次々保険証が取られていると、こういう実態なんじゃないですか。局長、こういう実態があるんじゃないですか。
#173
○政府参考人(水田邦雄君) お示しになった調査それ自体、私どもの調査じゃありませんし、私ども全貌を承知しているわけではございませんので、評価は差し控えたいと思います。
 これは、繰り返し申し上げておりますけれども、そもそもこの資格証明書、これは、保険料を支払う、納付できない特別な事情がないにもかかわらず長期にわたって滞納している方に発行するものでございますので、私どもは自治体に対しまして、一律、機械的な取扱いをしないように指導してきたところでございますし、今後とも適切な対応を取るように指導をしていきたいと、このように考えております。
#174
○小池晃君 大臣、実態を見ると、自治体のその調査、これ厚労省の調査でもきちっときめの細かい対応なんかしてないというところがあるわけですよ、さっき局長も認めたし。しかも、取られている人はこういう低所得世帯が多いと。やっぱり、私、こういう実態は放置してはいけないと思いますが、大臣、率直な御感想をどうぞ。
#175
○国務大臣(舛添要一君) 例えば、最後は生活保護とか様々な支援する策がありますから、実態をよく見た上で、先ほど引用されたようなリンパのところまで病気が広がっていたと、そういうことがゆめゆめ起こらないようにきちんと指導をしていきたいと思います。
#176
○小池晃君 どうしてこういうことになっているのかというと、これ、きっかけになったのは介護保険導入のときに国民健康保険法を変えられたわけですよ。八六年の改正で滞納対策として資格証を導入されたんだけど、そのときにも厚生省は悪質滞納者に対しても必ず行えとは言ってなかった。資格証発行は任意だったわけです。だから、発行していたのは一、二割だったんです。ところが、九七年の改定でこれは一年以上の滞納者は義務化されました。これが二〇〇〇年から施行されたわけです。
 資料の二枚目、見ていただきたいんですが、もうこれも一目瞭然で、この資格証の義務化の施行された二〇〇〇年から一年間滞納した、二〇〇二年から激増しているわけですね。前年から比べても実に三・五倍になっているわけですよ。一年以上の滞納者は資格証を義務にするという法律が、まさに払えない世帯から国保証を取り上げる、医療を受ける権利を奪っていると思うんですよ。
 大臣、やっぱり保険証の取上げ義務、これやめるべきではないですか。併せて、これは訪問などを義務付けるとか本人出席による弁解の聴取を必要とすると、こういった形に、やっぱり本人の権利を最大限保障する方向に制度を見直すべきではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
#177
○国務大臣(舛添要一君) この問題以外の社会保障のあらゆる分野において、モラルハザードというものを阻止しながら、しかし本当にきめの細かい手だてをどうするのかと、これは様々な知恵を働かせないといけないというふうに思っていますので、この問題についてもそういう大原則を中心にして対応したいと。
 ただ単に、だから、じゃ義務化をしなかった場合に何か改善策はあるのか、どうするのかということでありますから、今委員がおっしゃったことも含めて、これはよく検討してみたいと思います。
#178
○小池晃君 しかも、これまで老人保健法の下では高齢者は資格証発行の対象から外されていたわけですが、後期高齢者医療制度で新たに資格証の発行の対象になろうとしている。
 これは、朝日新聞の調査では、十月末で主要七十二市区だけで保険料の滞納者が約二十万人だと言います。このままいけば、来年四月に、一年経過すると保険証が取り上げられるわけですね。高齢者から保険証取り上げられたら、これはまさに死に直結するということになるわけですよ。
 大臣、これ、制度始まったばかりでしょう。まだ大混乱しているわけでしょう。与党の中でも見直しの議論があるわけでしょう。そういうときだからこそ、私、これ、保険証の取上げをこの四月からこういう実態の中でも淡々と始める、私はこういうことをすべきではないというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
#179
○国務大臣(舛添要一君) まあ、まだ一年たっていません。それから、先ほどの朝日新聞の二十万人という数字ですけど、これ、いつかお話ししたように、自動的に銀行口座から落ちると思っていたのが今度制度変わって直接支払わないといけないということになったということで、それでみんなそのことは、知らせはしたんですけど、うっかりしていてということがあるんで、悪質で意図的にやっている方がそこはそれほど多いとは思いません。
 したがって、今回も一年を経過したことにどうするかということですから、この問題についてもまた今全体の見直しをどうするかということを考えておりますんで、そういう中でも検討していきますが、取りあえず、今は各広域連合が責任主体でありますんで、そことよく状況について検討しながら今後のことは考えたいと思います。
#180
○小池晃君 朝日の調査がこれは疑問だと言うんであれば、厚生労働省としてちゃんと調査してくださいよ。滞納者何人いるのか、調査してください。
#181
○国務大臣(舛添要一君) 疑問だと言ったのは、なぜ支払わないかと、数字がおかしいということじゃない、なぜ支払わないかということの裏に今言ったような問題があるから、悪質な滞納者という意味での二十万人で、その方が無保険になるということではありません。
 ただ、今そのことを優先的に調査することがいいのか、それとも、もっともっとほかにやることが山ほどあります。ですから、いろんな状況を全体的に把握する中で、ここだけ特化して調査ということではなくて、これは全体を広域連合と相談しながら状況の把握には努めていきたいと思います。
#182
○小池晃君 こんなのすぐ分かりますよ。そんな大した手間の要る仕事じゃないと思いますから、これはやっぱり四月から保険証取り上げられるなんということを私は絶対しちゃいけないと思います。きちっと調べて対応していただきたいと。
 それから、今、衆議院では子供に保険証を発行する法案が準備をされています。これ、厚労省の調査でも、全国九百八十六の自治体は、滞納しても、世帯単位ですから、子供のいる世帯には保険証の返還を求めないという対応をしている自治体もあるわけですね。
 局長にお伺いしたいんですが、今回もしもこの法案が通って、ちょっと逆に、例えば子供には保険証が出るからっていって、子供以外の世帯構成員にはもう機械的に保険証を取り上げるなんてことはあっちゃいけないというふうに私は思うんですけれども、子供には保険証を出すということができるようになった場合でも、引き続き世帯については特別な事情を十分に勘案して機械的な取上げはやらないということになりますね。このこと確認、簡単にお願いします。
#183
○政府参考人(水田邦雄君) 御指摘の法案につきましては国会で御議論されるものでございますので、現時点で成立した場合の対応につきまして立ち入ってお答えをすることは難しいわけでございますが、いずれにせよ、これ繰り返し申し上げましているとおり、資格証明書の運用に当たりましては一律、機械的な運用を行わないように指導してきておりますので、今後とも自治体が適切な対応を取るように指導していきたいと、このように考えております。
#184
○小池晃君 そういう懸念のないように対応していただきたいと。
 最後に、先日、この当委員会で医師の臨床研修制度について全く意味がなかったかのような議論があったんですが、私は異論ありまして、やっぱり将来専門になる分野にかかわらず、すべての医師が基本的な診療能力を身に付けるということについては、これは理念は間違っていないと思うんです。それは国民にとってだって大きなメリットがあるはずなんです。
 医師不足の原因というのは、私は、基本的、根本的には医師養成数の抑制方針にあるんであって、やっぱり臨床研修制度にすべて原因があるかのような議論というのはちょっと乱暴過ぎるんじゃないかと思うんですね。
 臨床研修制度の導入で総合的な能力どれだけ向上したのか、調査結果あったらちょっと簡単に紹介してください。
#185
○政府参考人(外口崇君) 研修医の診療能力につきましては旧制度と現行制度を比較した調査がございまして、アンケート調査でございますけれども、現行制度導入によりCTやMRIによる診断を始め、創傷処置、気管挿管、骨折の鑑別診断、眼底所見の判断等の基本的な診療能力が向上したと考えられ、ショック、老年症候群等の経験症例が増加したという結果が得られており、一定の成果が得られていると考えております。
#186
○小池晃君 今のは本人に聞いたんじゃないんですよ。指導医とかに聞いた結果なんです。
 都会に研修医が集中するということも言われるけれども、沖縄とか北海道なんかでは研修病院が頑張って研修医が集まっているような病院もあるわけです。
 私は、臨床研修制度の見直しに当たって、すべての医師が基礎的な能力を身に付けるという理念、後退することはあってはならないというふうに思いますし、やっぱりこの四年間の実績というのを十分に検証して、慎重の上にも慎重にこの見直しの検討を進めていくべきだと思いますが、いかがですか。
#187
○政府参考人(外口崇君) 臨床研修制度の導入により研修医の診療能力が向上したという評価がある一方で、臨床研修と卒前教育との内容に重複がある、大学の医師派遣機能が低下し地域の医師不足を招いたという御指摘もいただいております。
 現在、文部科学省と合同で臨床研修制度のあり方等に関する検討会を開催しており、研修医の偏在、研修内容、期間、卒前、卒後の一貫した教育、研修病院の質の確保等の論点について様々な議論が行われているところでございます。
 厚生労働省としては、臨床研修制度に対する様々な評価やこの検討会での議論を踏まえ、制度の改善に向けた作業を進めてまいりたいと考えております。
#188
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 大分のキヤノンの工場で請負、派遣千二百人が切られるという報道がありました。今日、大分から上京してきたその切られた人たちに話を聞き、行政交渉を行いました。十一月十日の日に、もう解雇だと、辞めろと、あるいは中途解約だと言われ、十二月十日に寮を出ていけと言われている。もう今日は十二月四日ですが、みんな住み込み派遣ですから、大分以外の人が実は多い。寮から出ていけと言われる、そのことだけでも本人たちはどうしたらいいか、千二百人ですから困っているんですが、驚くべきことに、大分キヤノンは募集をしています。同時に募集をしている。そして、即時採用しますというのがあって、十二月十七日必着。要するに、首を全部すげ替えて寮の中も全部一掃したいということのようなんですが。
 大臣、あしたの昼までにまたこの現地調査をして厚労省から報告を聞く予定ですが、派遣切りや期間工切りを、請負を千二百人切っている、今切ると、十二月十日までに寮を出ていけと言われてみんな頭を抱えています。一方、人員削減を行う傍ら新規の求人行為を行っている。こういう企業についてはどう思われますか。
#189
○国務大臣(舛添要一君) 個々の企業についてのコメントは差し控えたいと思いますけれども、一般的に申し上げれば、労働者、派遣契約の中途解除というようなことについては、これは再就職先をあっせんしろとか様々な指導をしているところでありますので、これはもう十一月二十八日に各労働局に対して指導する旨を通達したところであります。
 現在、この件につきましては大分労働局において事実関係の把握に努めさせておりますので、その結果に基づいて必要があると認識すれば、これは必要な指導を行いたいと思っております。
#190
○福島みずほ君 期間の定めがあれば、せめてその期間住まいを保障すべきだと考えますが、いかがですか。
#191
○国務大臣(舛添要一君) その中途解除の問題、これが今大きな問題になっております。この点についても、きちんと法律に基づいて指導すべきは指導するということで今後とも対応したいと思っております。
#192
○福島みずほ君 一方で千二百人切りながら、一方で募集を掛ける。その働いていた人が募集、これに応ずると全然みんな採用されないんですね。一方で切りながら、一方で同時に地元のハローワークで求人票を配ってやっている。どうですか。
#193
○国務大臣(舛添要一君) 先ほど申し上げましたように、個々の企業についてのコメントは差し控えますけれども、今労働局において実態の把握に努めておりますので、法律に基づいて必要な措置はとりたいと思っております。
#194
○福島みずほ君 派遣切りそのものも問題ですが、求人票を地元でやっている、一方でたたき切りながらやっているという、これ企業倫理からいって本当に間違っていると、人生をめちゃくちゃにするなと本当に言いたいと思います。厚生労働省が、またあしたも話を聞きますが、きちっとやってくださるよう強く申し入れます。
 次に、介護についてお聞きをします。
 居宅介護支援費の介護報酬が要介護度によって千単位と一千三百単位に分かれておりますが、居宅介護支援事業所は、神奈川のケアマネジャーが調べた調査でも事業所の八〇%近くが赤字であり、要介護一、二の方の方がかえって細やかなケアを必要とする場合があります。来年の介護報酬改定では基本単位を一本化すべきではないでしょうか。
#195
○政府参考人(宮島俊彦君) 実態は、今後地域で中重度の方が増えていくということで、中重度の方を積極的に支援するケアマネジャーを評価する必要があるだろうと。それから、タイムスタディーの調査でも、やはり委員今おっしゃったようなケースもあろうかと思いますが、押しなべて言えば、中重度の方の方が軽度の方よりもケアマネジメント業務に手間を要するという結果が出ておりますので、基本単位を一本化するというのは今検討の俎上には上がっておりません。
 ただ一方で、ケアマネジャーの居宅介護支援事業所が大変経営状況が悪いということは取り上げられておりまして、その点についてはいろいろな対策を講じていかなければならないということで、給付費分科会の方で御議論いただいているところでございます。
#196
○福島みずほ君 ケアマネジャーの担当件数が四十件以上になると一律単価が削減されるということなどがあります。逓減制の適用件数を撤廃すべきではないかと思いますが、いかがですか。
#197
○政府参考人(宮島俊彦君) この点についても、四十件を超えるとその根っこから点数が下がってしまうので、それはちょっと行き過ぎじゃないかというような指摘もございまして、このケアマネ事業所の逓減制の在り方、今後は改善するべきではないかというような方向での検討が行われております。
#198
○福島みずほ君 退院退所にかかわる介護支援専門員の支援に対する報酬評価を診療報酬の退院調整加算同様、介護報酬にも盛り込むべきではないでしょうか。
#199
○政府参考人(宮島俊彦君) ケアカンファレンスの話ですが、これは二十年の診療報酬改定で、医療関係者、これについては診療報酬の方で点数を見るということになったわけですが、ケアマネジャーは介護の職種ですのでここからは除かれています。したがって、今回の介護報酬改定の中ではここについても検討をされているというところでございます。
#200
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。
 特定事業所加算の算定要件の中で、要介護三以上が六〇%以上と予防支援を受託していないは、介護サービス利用者側の要件のため、これは削除すべきではないでしょうか。
#201
○政府参考人(宮島俊彦君) この加算は、なかなかハードルが高かったので、余りケアマネの事業所の方の収入になっていないというような状況にございます。
 そこで、現在、全く撤廃というわけではないんですが、段階的な評価の仕組みにするなどして、この特定事業所加算がケアマネ事業所でも加算を取れるような仕組みにするような方向での検討がされております。
#202
○福島みずほ君 その点もよろしくお願いします。
 それから、介護支援専門員の人たちから介護認定審査会にもっと参加できるようにしてほしい、現場の声を反映してほしいという声をよく聞きます。全国で二〇%程度の割合で審査会に参加をしているというデータがあります。しかし、これは平均ですからゼロの市町村もあるかもしれないというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#203
○政府参考人(宮島俊彦君) 今委員の方からありましたように、現在、介護支援専門員がこの要介護認定の審査会に参加している割合は一九・二%でございます。委員の定数は五人で、市町村が定めるということになっております。
 ここは、私どもはやはり、要介護認定の委員については、これは市町村長が自治事務として任命するということでされておりますので、特にケアマネというようなことを推し進めるというわけにいきませんが、この認定が適正に行われるように今後とも市町村にお願いしていきたいというふうに思っているところでございます。
#204
○福島みずほ君 是非、これは何割ルールというようなガイドラインを作って現場の声を反映してくださるようお願いします。
 障害者差別禁止条約についてお聞きをします。この条約を批准するべきと考えておりますが、厚生労働大臣の考えはいかがでしょうか。
#205
○国務大臣(舛添要一君) 平成十六年の障害者基本法の改正がございました。基本的には、この基本的理念はそこにきちんと入っているというふうに考えております。
#206
○福島みずほ君 条約を批准すべきだという点について、いかがですか。
#207
○国務大臣(舛添要一君) この点については国内法との整備の絡みがございますので、関係省庁ときちんと議論して対応していきたいと思っております。
#208
○福島みずほ君 障害者権利条約を批准すれば日本の国内法を相当変えなければならないというふうに思っているんですね。
 厚労省の中で条約批准のための検討会をちゃんと開いているか、そして、その検討会の中で国内法の改正も含めて検討しているか、教えてください。
#209
○政府参考人(岡崎淳一君) 御指摘のように、障害者権利条約、広範な条約でございますが、その部分の中で労働・雇用問題も非常に大きな分野の一つと考えております。そして、この関係につきましては、今年の春から労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会ということで、障害者団体や労使団体の方にも入っていただいて検討しておりますが、法改正のことも含めまして幅広く検討していただいております。
#210
○福島みずほ君 是非、障害者差別禁止法を作ってほしいと。基本法の中には盛り込まない。先ほど局長がおっしゃってくださいましたが、広範囲な条約ですから、是非、広範囲に検討して、国内法の改正も含めて条約の批准をやっていただきたい。いかがですか。
#211
○政府参考人(岡崎淳一君) 全体は政府全体の話でございますが、少なくとも厚生労働分野につきましては、しっかりと障害者団体等の意見も聴きながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#212
○福島みずほ君 さっき局長と言って済みません。部長で、申し訳ない。
 規約人権委員会の勧告についてお聞きをします。
 お手元に規約人権委員会のパラグラフ十三をお配りをしています。十月末に国連の規約人権委員会から勧告が出ました。その中に男女平等の点がかなり含まれております。厚生労働省でいいますと、パラグラフ十三の中で、例えば均等法の改正やポジティブアクション、ワーク・ライフ・バランスや改正パートタイム労働法、様々な点で勧告を受けております。いかがでしょうか。
#213
○政府参考人(村木厚子君) 規約人権委員会、十月三十日に政府に対する最終見解を採択をしていただきました。特に均等法それからパートの問題、大事な指摘がたくさんあったというふうに受け止めております。
 もちろん、勧告そのものは法的拘束力を持つものではありませんが、内容をしっかり精査をしまして、関係省庁とも連携をして適切に対応していきたいというふうに考えております。
#214
○福島みずほ君 来年七月には女性差別撤廃委員会で、御存じ、政府の報告書の審査があります。是非、規約人権委員会の勧告も前向きにというか、これは条約を日本は批准しているわけですから、国内法の整備をしてくださるよう、あるいは国会も対応するよう頑張っていきたいと思いますし、是非よろしくお願いします。
 毎回、派遣切りと雇用保険の件を聞いておりますが、社民党は雇用保険改革・緊急プランの申入れを先日厚生労働大臣に対して行い、これについても毎回頼んでいるところです。
 雇用保険加入の要件として、一年以上の雇用の見込みという条件はやめるべきではないでしょうか。新聞報道にあるように、雇用保険の適用条件の緩和を今こそすべきではないか。いかがでしょうか。
#215
○政府参考人(太田俊明君) 現在、雇用保険制度につきましては、関係の審議会で労使入っていただきまして御議論をいただいているところでございます。その中で、今御指摘の一年以上の雇用見込み、これによって非正規労働の方が適用を受けないということがありますので、セーフティーネット強化の観点からは非常に重要な論点でございます。その点につきましては、労使の御議論を十分踏まえた上で必要な検討を進めてまいりたいということでございます。
#216
○福島みずほ君 是非、これをやめて、実績をして、ちゃんとセーフティーネットを張るべきだと思います。
 雇用促進住宅に関して七回ほど行政交渉を繰り返してきました。さっき、冒頭の大分キヤノンもそうですが、今度、名古屋の雇用促進住宅も見に行く予定なんですが、今こそホームレスになるのを避けるために雇用促進住宅に是非入れてほしいというふうに思います。
 最後に、厚生労働省は厚生省と労働省にもう分けたらどうかと。一緒になったことでいい面もあるけれど、労働マターが弱くなっているんじゃないか。これは労働省を応援したいという思いもあり、いかがですか。
#217
○国務大臣(舛添要一君) これは、全体の政府の組織、省庁をどういうふうに編成するかという問題にかかわると思いますが、現下の厚生労働省においても、私は労働問題に手を抜いたつもりはありませんので、労働分野も全力を挙げて頑張ってまいりたいと思います。
#218
○福島みずほ君 終わります。
#219
○委員長(岩本司君) 福島君、まだ一分ありますが、よろしいですか。
#220
○福島みずほ君 一分ある、分かりました。
 じゃ、先ほどの雇用促進住宅に関して一言。是非、大臣、これ前向きにお願い。ホームレスになるぐらいだったら、どうですか。
#221
○国務大臣(舛添要一君) 既に廃止を決定して、その後に動いているところもありますし、そうでないところもありますから、そうでないところについて何ができるか。これは今与党の中でも検討が進んでいるというふうに聞いておりますので、そういう動きも見ながら、そしてまた現下の厳しい雇用状況、そして住宅を失うという状況について何ができるかは前向きに検討したいと思います。
#222
○福島みずほ君 終わります。
#223
○委員長(岩本司君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#224
○委員長(岩本司君) 高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。舛添厚生労働大臣。
#225
○国務大臣(舛添要一君) ただいま議題となりました高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律及び特別会計に関する法律により、国立がんセンター、国立循環器病センター、国立精神・神経センター、国立国際医療センター、国立成育医療センター及び国立長寿医療センターは独立行政法人に移行させるとともに、国立高度専門医療センター特別会計は平成二十一年度末をもって廃止するものとされたところであります。
 このため、これらの国立高度専門医療センターがそれぞれ移行する六つの独立行政法人を設置し、その名称、目的、業務等に関する事項を定めることとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、各法人の名称をそれぞれ独立行政法人国立がん研究センター、独立行政法人国立循環器病研究センター、独立行政法人国立精神・神経医療研究センター、独立行政法人国立国際医療研究センター、独立行政法人国立成育医療研究センター及び独立行政法人国立長寿医療研究センターとし、国の医療政策として、国民の健康に重大な影響のある特定の疾患に関する高度かつ専門的な医療等の向上を図ることを目的とし、医療等に関する調査、研究及び技術の開発、これらの業務に密接に関連する医療の提供等の業務を行うこととしております。また、各法人の役職員の身分を非公務員としております。
 第二に、各法人の資本金は全額政府出資とし、その額は、各法人が国から承継する固定資産等の価額から負債の価額等を差し引いた額としております。
 第三に、各法人の役員については、理事長、監事及び理事を置き、その定数等を定めることとしております。
 第四に、各法人は、長期借入金や債券発行ができることとするとともに、政府は、国会の議決を経た金額の範囲内において、これらに係る債務を保証できることとしております。
 第五に、厚生労働大臣は、災害の発生、国民の健康に重大な影響のある特定の疾患等に関する公衆衛生上の重大な危害の発生等の緊急の事態に対処するため、各法人に対し、必要な業務の実施を求めることができることとしております。
 このほか、国立高度専門医療センター特別会計の資産及び負債については、一定のものを除き、各法人が承継することとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、一部を除き、平成二十二年四月一日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#226
○委員長(岩本司君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員岡本充功君から説明を聴取いたします。岡本充功君。
#227
○衆議院議員(岡本充功君) ただいま議題となりました高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律案の衆議院における修正部分につきまして御説明申し上げます。
 修正の要旨は、第一に、国は、国立高度専門医療研究センターの調査、研究等を行う能力の強化等を図るため、必要な財政上の配慮をするものとすること。
 第二に、政府は、法施行後三年以内に、その業務として研究及び開発を行う他の独立行政法人の見直しその他の独立行政法人に関する制度の見直しの状況を踏まえ、国立高度専門医療研究センターの組織及び業務について、独立行政法人として存続させることの適否を含めた検討を加え、必要な措置を講ずるものとすること。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#228
○委員長(岩本司君) 以上で趣旨説明の聴取及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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