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2008/11/11 第170回国会 参議院 参議院会議録情報 第170回国会 財政金融委員会 第2号
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2008/11/11 第170回国会 参議院

参議院会議録情報 第170回国会 財政金融委員会 第2号

#1
第170回国会 財政金融委員会 第2号
平成二十年十一月十一日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月六日
    辞任         補欠選任
     米長 晴信君     森田  高君
     島尻安伊子君     森 まさこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         峰崎 直樹君
    理 事
                大久保 勉君
                辻  泰弘君
                円 より子君
                小泉 昭男君
                椎名 一保君
    委 員
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                川合 孝典君
                川崎  稔君
                富岡由紀夫君
                水戸 将史君
                森田  高君
                横峯 良郎君
                尾辻 秀久君
                末松 信介君
                鶴保 庸介君
                林  芳正君
                藤井 孝男君
                森 まさこ君
                荒木 清寛君
                白浜 一良君
                大門実紀史君
   衆議院議員
       修正案提出者   江崎洋一郎君
       修正案提出者   木村 隆秀君
       修正案提出者   竹本 直一君
       修正案提出者   山本 明彦君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        中川 昭一君
   副大臣
       内閣府副大臣   谷本 龍哉君
       内閣府副大臣   宮澤 洋一君
       財務副大臣    平田 耕一君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        宇野  治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      梅溪 健児君
       内閣府大臣官房
       審議官      湯元 健治君
       金融庁検査局長  畑中龍太郎君
       金融庁監督局長  三國谷勝範君
       財務大臣官房総
       括審議官     川北  力君
       財務省主計局次
       長        真砂  靖君
       財務省主計局次
       長        木下 康司君
       財務省主税局長  加藤 治彦君
       財務省理財局長  佐々木豊成君
       中小企業庁事業
       環境部長     横尾 英博君
       中小企業庁経営
       支援部長     数井  寛君
   参考人
       日本銀行副総裁  山口 廣秀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (道路特定財源の一般財源化に関する件)
 (生活支援定額給付金に関する件)
 (基礎年金国庫負担引上げの財源に関する件)
 (現下の経済情勢に関する件)
 (中小企業金融に関する件)
 (ゆうちょ銀行に関する件)
○金融機能の強化のための特別措置に関する法律
 及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特
 別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○保険業法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(峰崎直樹君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月六日、島尻安伊子君及び米長晴信君が委員を辞任され、その補欠として森まさこ君及び森田高君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(峰崎直樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房審議官梅溪健児君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(峰崎直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(峰崎直樹君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁山口廣秀君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(峰崎直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(峰崎直樹君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○辻泰弘君 民主党・新緑風会・国民新・日本の辻泰弘でございます。
 参議院に七年三か月在籍させていただいておりますけれども、中川さんが経済産業大臣、農水大臣のときに御質問申し上げることがなかったものですから、今日は中川先生に初めて質問させていただくことになるんですけれども。つきましては、これまでどういったお考えをお示しであったかというふうなことも拝見させていただいたんですけれども、私の不勉強かもしれませんが、大臣としての基本的な理念とか哲学といいますか、そういったことを必ずしも十分把握し切れなかったことがございますものですから、今日は一時間ではございますけれども、いろんな御質問をさせていただく中で、大臣としての基本理念、政策、哲学、抱負経綸、そういったことについてその一端に触れさせていただければと、このような思いで御質問を申し上げたいと思う次第でございます。
 そこでまず、今次アメリカ発の金融危機、経済危機についてでございますけれども、昨日もG20が閉幕をいたしまして、その中で総括的な共同声明なども発表されているわけでございますけれども、その中にも、今回の危機を先進国の不十分な金融規制、監督の結果と明記をしたと、政策対応の失敗を認めた上で景気下支えに続く協調行動として金融規制、監督の強化を盛り込んだと、こういったことがあったようでございます。
 そこで、それも踏まえつつお伺いしたいと思うんですけれども、そもそも今次金融・経済危機の原因分析ということになるわけでございますけれども、最近の識者のいろいろな意見等を拝見しますときに、かつての日本における経済学の教科書にも使われたサミュエルソン元教授は、規制緩和と金融工学が元凶であると、こういった指摘をされております。また、ノーベル経済学賞受賞のスティグリッツ教授が、規制緩和と自由化が経済的効率をもたらすという見解は行き詰まったと、こういった指摘をされておりますし、その他マスコミ等でも、市場崇拝と規制緩和が生み出したバブル経済のツケではないかと、こういった指摘もあるわけでございます。
 こういったことについて、財務大臣としてどういった御所見お持ちかをまずお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(中川昭一君) おはようございます。
 今、辻委員から、哲学なんという高邁なものは私は持っておりませんけれども、今回のこの金融危機、もちろん経済と金融というのは、これは一体として健全に発展していかなければいけないというふうに思っておりますけれども、辻委員御指摘のように、高度なといいましょうか、ある意味では、結果的には過剰な金融工学システムと規制緩和というもの、さらには世界的な余剰資金といいましょうか、あるいはまたレバレッジの効いたことによる過度な流動性というものが、原因はサブプライムローン問題というプライムではないローンが金融派生商品として広がり、その他の金融派生商品あるいはCDS等が世界的に広がっていって、上り調子のときはこれはみんながハッピーみたいな感じだったんだろうと思いますけれども、あるときからこれが債務不履行等が原因になって一挙に逆スパイラルになってしまったという、今世界的な金融の厳しい状況にあるわけでございます。
 御指摘のように、金融安定化フォーラム、あるいはまたいろいろな識者の方々、あるいは先月私も出席しましたワシントンでのG7会合等で、これらについてはきちっとした規律がやはりある程度必要ではないかということで、各国とも協調をしながら、今週末、G20、麻生総理も出席をされて、格付の問題、あるいはまた会計の問題、あるいはまた過度な金融派生商品の在り方について突っ込んだ議論がなされ、そして一定の規律を作るべく方向性を出していかなければならないというふうに考えております。
#10
○辻泰弘君 新自由主義の破綻というふうな議論もよくあるわけでございまして、私自身はそのように思っておりますけれども、新自由主義というのは、いろいろな定義もございましょうけれども、一つとしては、国家による管理や裁量的政策を排し、できる限り市場の自由な調節に問題をゆだねようとする経済思想と、こういった定義もあるわけでございます。もとより、二百五十年前ではないので、レッセフェールというふうなものとは一線を異にすることであろうかと思いますけれども、しかし、今日的に言われておりますことが、レーガン政権以来の三十年近くに及ぶ新自由主義の挫折であると、こういった指摘がございます。
 また、先ほどのスティグリッツ教授も、新自由主義と市場原理主義は欠陥のある思想である、新自由主義は終わりを迎えなければならないと、こういった指摘をされているわけですけれども、こういった新自由主義に対する否定的評価、指摘というのが相次いでいるように思うし、私もそのように思っているんですけれども、大臣はその点いかがお考えでしょうか。
#11
○国務大臣(中川昭一君) 歴史的に見ましても、やはり、過度の投機、あるいはまた市場至上主義というものが何回も歴史上破綻をしたり失敗をしてきているわけでございます。つい十数年前も、日本でも金融の大変な厳しい状況を迎えたわけでありますし、その後もアメリカでITバブルの崩壊等もございました。そういう中で、今回また、アメリカ発の世界的なこういう金融危機というものを迎えました。
 歴史は繰り返すという言葉がございますけれども、しかし、みんながハッピーのときには何となくそちらの方がいいということでありますけれども、未来永劫そういうことが続かないことは歴史が証明をしているわけですから、おのずから規律というものが当然必要なわけでございまして、今我々は、その教訓をしっかりと生かしながら、できれば二度とこういうことを繰り返さないようなルール作り、先ほど申し上げたような点を含めましてのルール作りというものを各国が協調し、知恵を出し合ってやっていく必要があるというふうに思っております。
#12
○辻泰弘君 私は、小泉改革というものもやはりこの新自由主義の一つの具体例ではないかと私は思っていますけれども、こういった視点に立つ学者から、日本では八〇年代から市場至上主義、新自由主義が進んできた、規制緩和や構造改革を実行し、市場的なメカニズムを行き届かせた方が効率的で平等、公平な経済社会になると言われてきたと。しかし、あらわになったのは市場の地獄の方だったと、こういった指摘をされている方もおられるんですけれども、やはり日本においても政策運営の基本理念の再構築といいますか、そういったものが求められるんじゃないかと思うんですけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
#13
○国務大臣(中川昭一君) やはり頑張る人には頑張っていただきたい、そういう体制づくりは必要だと思いますけれども、他方、弱者あるいはまた社会のセーフティーネットというのは政治の世界においては大変重要だというふうに思っております。そういう意味で、小泉政権が活力を重視したといういい面もございますけれども、他方そのしわ寄せというものがあったことも事実だろうというふうに思っております。
 特に、雇用の問題であるとか地方の問題であるとか、こういった問題を我々は何としても是正をして、そして本当に困っている方々に対して政治があるいは社会が手を差し伸べるということが、まさに今麻生内閣がやろうとしていることでございますけれども、重要なことだろうというふうに考えております。
#14
○辻泰弘君 私自身とは必ずしも立場が一致する方ではないけれども、しかし中曽根元総理が最近おっしゃっていることで、麻生政権は今起きている問題の歴史的意味にまで思いが至っていないと、自由と民主主義と資本主義の三者連携の時代はまだ続くだろうが、資本主義の内容自体は再点検されるべき要素がかなりあると、こういったことをおっしゃっていて、私は問題点としては共有できるものがあると思っております。
 やはり、日本のこれからの行く末を中心的につかさどる政治の、与党におけるトップリーダーというお立場なわけでございますから、やはり世界観といいますか国家観といいますか理念といいますか、そういったものを踏まえて是非政策運営に当たっていただきたいと、このように申し上げておきたいと思います。
 それで、具体的なことに入っていきたいと思うんですけれども、まず、既に大臣からも御指摘をいただきましたことにつながるわけでございますけれども、そもそも小泉改革というものをどうとらえるかということで先ほど御言及もいただいたわけですけれども、振り返りますと、一年ちょっと前でしょうか、こういったフレーズがございます。中川さんが政調会長をされていたときに、小泉改革、それを受け継いだ安倍総理と、こういった文書がございます。また、インタビューや講演などで小泉さんが第一ロケット、そして安倍さんにバトンタッチされたと、こういったことも発言をされております。また、新聞のコラムなどで安倍内閣が掲げる目標は私の政策目標でもあると、こういったこともおっしゃっているわけでございますけれども、こういった意味で、小泉改革というものを、先ほどお話もございましたけれども、基本的に継承されるということなのか、それはもう既に一つ時代が、時代として終わったものだということで新たな展開を基本路線としてお持ちになるのか、その辺はいかがでしょうか。
#15
○国務大臣(中川昭一君) やはり一般論として改革というものは必要だろうというふうに思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、弱い立場の方々、弱い地域等々、弱い面に対しての配慮というものは必要ではないかというふうに私も思うわけでございます。
 小泉総理から安倍総理になったときに、改革という原則は維持するということを安倍総理もおっしゃっておられましたけれども、やはりそれ以外にも安倍総理がやろうとしたこと、あるいはおやりになったことは多々あるわけでございます。そして、特に最近は今のこの金融情勢あるいはまた世界の経済情勢ということになりますと、やはり我々は当面の緊急の経済対策、景気対策というものが最優先の政策課題として今全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
#16
○辻泰弘君 そういたしますと、まず確認ですけれども、小泉改革が弱い者に配慮が足らなかった、あるいは地方に配慮が足らなかった側面を持っていたという御判断でございますか。
#17
○国務大臣(中川昭一君) 世の中が成長し、また日本の経済が上昇機運にあるときに改革をやるということは、これはある意味では必要なことだろうと思っておりますけれども、現時点におきましては、世界そしてまた日本の経済が悪いわけでございますから、生活をどうやって支援をしていったらいいのか、中小企業や地方をどうやって元気にしていったらいいのかということが我々にとっての最優先課題であるというふうに考えております。
#18
○辻泰弘君 大臣はいろんなところで、仮にばらまきと言われても思い切ってやりたいと、こういったこともおっしゃっているわけなんですけれども、今おっしゃったようなことであるならば、一昔前ならば、すなわち小泉改革のころであるならば、ばらまきということは全く正反対のことだったのかもしれませんけれども、今の局面においては、たとえばらまきと言われてもやるべきであると、こういう御見解でございますか。
#19
○国務大臣(中川昭一君) そのばらまきという言葉をもう少し厳密に使わなければいけないと思っておりますけれども、無駄があってはいけないと、これはもう言うまでもないことだろうと私も思っているわけでございます。しかし、国民の皆様が今所得が伸びない、あるいはコストが上がっているということで、今御審議をいただいておりますこの法案で中小企業の皆様方にも少しでも与信を増やしていく、あるいは先日総理がお示しをした生活支援定額給付金、これはやはり、特に低所得者の皆様方には私は極めて効果のあるものだというふうに考えておりますので、ばらまきかどうかは別にいたしまして、私は生活重視、生活支援ということが最優先課題であるというふうに考えております。
#20
○辻泰弘君 ばらまきの定義がどうこうというお話もございましたけれども、大臣自身が、ばらまきがどうだなどと言っている場合じゃないと、こうおっしゃっていると、そういうことをベースにして申し上げたわけでございます。
 それで、もう一つお聞きしておきたいことですけれども、大臣の、大臣といいますか政府としての一つの基本方針であるプライマリーバランスについてでございます。これも小泉内閣の、平成十三年にプライマリーバランスの黒字に向けた検討を行うというところから出発して、平成十四年一月に二〇一〇年代初頭に黒字化ということを決め、そして十八年七月七日の骨太の方針で二〇一一年度ということを出されたわけでございます。
 このことについて、さきの大臣の所信の中でもお触れになっているわけでございますけれども、このことについて、まず基本的に見解を求めたいと思います。
#21
○国務大臣(中川昭一君) やはり、日本は巨額の財政赤字を背負っている、これはもう紛れもない事実でございます。したがいまして、この財政を健全化していく、とりわけ二〇一一年にはプライマリーバランスを黒字化する努力をしていくと、そのためにもまず景気を良くしていく、あるいは暮らしを良くしていくことが最優先課題であって、経済が良くなっていけば、これは税収の面でも、あるいはまた、いわゆる景気というその人々の心持ちの観点からも私はプラスに作用をしていくというふうに思っておりますので、二〇一一年にプライマリーバランスを黒字化するためにもやはり景気を良くしていく、暮らしを良くしていくことが最優先課題であるというふうに考えております。
#22
○辻泰弘君 財務大臣としてはこれまでの方針を踏襲するというのは当然だとは思うんですが、しかし、就任は九月二十四日ですけれども、その一か月も前じゃない九月五日に新聞のコラムで大臣がおっしゃっていることは、もはや二〇一一年度のプライマリーバランス黒字化に固執している場合ではないと、黒字化して日本が沈没したのでは世界中の笑い物になると、このようにおっしゃっているわけですね。
 そして、一か月もたたないうちに大臣に就任なさって今の御答弁につながっているわけですけれども、しかし、一か月もたたないうちにこの落差というのはやはり大きなものがあるわけでございまして、そこはどういうふうに御説明になるんでしょうか。
#23
○国務大臣(中川昭一君) 日本には御承知のとおり一千五百兆円余りの個人の金融資産、個人の資産があるわけでございますし、国の富そのものは非常に豊かだというふうに私は理解をしております。そういう中で、これは大臣になる前の考えだと言うとおしかりを受けるかもしれませんけれども、とにかくお金を動かす、物を動かす、人が動けるようにする、それによって活力を生み出す、これが今日本にとって一番必要なことではないかという思いで著作や論文等を発表させていただいたところでございます。
 そういう意味で、その気持ちそのものは変わっておりませんけれども、とにかく現在は景気を良くして、そして二〇一一年の黒字化を目指して最大限努力するという麻生内閣の下での今財政運営に取り組んでいるところでございます。
#24
○辻泰弘君 お気持ちとしては、なかなか黒字化は二〇一一年度というのは難しいんだろうけれども、しかし今までの路線があるからと、こういうことなのかもしれませんけれども、それをやっていたんじゃ世界中の笑い物になるとまでおっしゃっていながらそれをやろうというのはやはり非常に苦しいところがあると思うんですけれども、その点はそこで終わっておきましょう。
 それで、もう一点、小泉改革路線の一つの象徴といいますか一つの眼目と言うべきは、やはり社会保障費の二千二百億円の抑制ということにあったと思うわけでございます。これも平成十八年七月七日の骨太の方針の、一兆一千億国費ベースの五年間ということで、割って二千二百億と、こういうことでずっと来ているわけでございまして、十八年、十九年から出発しているわけでございますけれども、これについて麻生総理は、社会保障費の伸びを二千二百億円抑制する方針について方向は堅持すると、こういうふうにおっしゃっているわけです。そしてまた、大臣も就任のときの会見で、ここですぐ二〇〇六年の方針を捨て去るということでは決してございませんけれども、状況も変化をしているということも頭に入れながらやっていく必要があると、こういうことで会見でおっしゃっているわけなんです。
 ここで、二千二百億円の削減方針、社会保障費ですが、これについての大臣としての今日時点での御見解をお示しいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(中川昭一君) 厳しい財政状況でございますけれども、やはり社会保障の充実というものは、特に将来のことを考えたときには、これは非常に財源問題からいっても、また中身の問題からいっても、非常に重要な政策課題であるというふうに考えております。今回も、生活支援ということで緊急にお医者さんの数を増やさせていただくとかいろいろなことを取っているわけでございます。
 いずれにしても、この政府の方針を守りながら、そして医療、年金、介護等あるいは少子化対策等をこれからきちっと充実をしていくということは最重要課題であるというふうに考えております。
#26
○辻泰弘君 この方針は、経済財政諮問会議などで社会保障費の伸びを経済成長率の範囲内にと、こういった議論がずっと続けられてきた中で最終的にそういったことが答えとして出てきたということだと思うわけです。
 これは私は、予算委員会や他の委員会等でも質問してきたことでもございますけれども、基本的にベッドの長さに合わせて足を切ると、こういったような状況になってきているわけでございまして、基本的に、しかも今年における政管健保に対する国庫負担の一千億の結局組合健保に押し付けたというツケ回しでしかないわけでございますけれども、そういったある意味で実質的な赤字国債みたいなそんなことにつながっているような、全く本質的な改革でないことで手当てしていることは意味がないと、このように思いますので、基本的にその方針を廃止すべきだと思っていますけれども、ただ、それの同趣旨だと思われる大臣の政策があるわけでございます。すなわち、七月十日に発売された中公における緊急提言ですね。
 この中に、大臣がおっしゃっているのは、いろいろ私も賛否はありますけれども、しかし共有できるところもあるわけでございまして、例えば、高齢者の方々にとって年金制度や医療保険制度が劣化している現状では心配も強いと、また社会保障のほころびが拡大している現状と、こういったことをおっしゃっているわけでございまして、それは私はそのとおりだと思うんです。
 これが何ゆえもたらされたかと言えば、やはり一つの具体的な形として二千二百億の削減というものが大きくかかわってきたと、このように思うわけでございまして、大臣として、やはり二千二百億の削減に象徴される社会保障費抑制、そういったものが今日のこういった年金、医療の状況をもたらしているんじゃないか、そういう反省の上に立ってこの二千二百億円の削減方針も見直されてしかるべきだと思うんですけれども、重ねて御見解をお伺いしたいと思います。
#27
○国務大臣(中川昭一君) 私が福祉関係についていろいろと七月の雑誌を始めとしていろんなところで発言をさせていただきましたのは、やはり今後の将来像というものがこのままほっておくと大変なことになってしまうということで私の個人的な考えを発表させていただいたわけでございますが、もう既にそのときには政府の方針というものも決まっており、また麻生内閣もそれを踏襲していくと、守っていくということでございますので、私も麻生内閣の閣僚の一人としてその方針で取り組んでいきたいというふうに考えております。
#28
○辻泰弘君 まあそういうことになるのかもしれませんけれども、しかし大臣は経産大臣とか農水大臣も御経験され、最大の日本の政権与党であるところの自民党の政調会長までおやりになった方ですから、大臣の在任でなかったといってもそのときの見解というのはかなり大きな意味を持つというふうに私は思いますし、私ごときが言うのとは意味が違うわけでございます。
 そういった意味で、立場は違うというのはあり得ることではございましょうけれども、しかし、根本的にはその御自身が思われたことがやはりベースになって予算や税制、財政を預かられる政策運営のトップにあられる財務大臣としての仕事があると、このように思うわけでございまして、お立場上これ以上のことはおっしゃっていただけないかもしれませんけれども、ここに書かれたことの意味合いはやはり大事にして財務大臣として御精励いただきたいと、このように申し上げておきたいと思います。
 そこで、当面する予算編成についてお伺いしておきたいと思います。幾つか聞きたいことはあるんですけれども、時間の関係上、来年度予算の基礎年金の国庫負担のことをお聞きしておきたいと思います。
 それで、これは平成十六年の年金改正のところから出発しているわけでございますけれども、基礎年金の給付に要する費用の総額三分の一を二分の一に引き上げるということを決めて、そして二十一年度までのいずれかの年度を特定年度として、その前の年までは三分の一プラスアルファということでやるけれども、その特定年度、二十一年度までの間ということですから今からすれば二十一年度しかないわけですけれども、その二十一年度に三分の一を二分の一にしますよということを決めたわけでございます。今日まで、昨年は三分の一プラス千分の三十二でしたか、それから今年度は三分の一プラス千分の四十ということで法案は出ているけれども通っていないと、こういう状況になっているわけですね。
 お聞きしたいことは、このことについては当初方針どおり来年度から二分の一に確実にするという方針かどうか、確認したいと思います。
#29
○国務大臣(中川昭一君) 当初方針どおり、二十一年度から、基礎年金の国庫負担分を三分の一から、今、辻委員御指摘のように少しずつ少しずつ上げてまいりましたけれども、二十一年度に二分の一にするように今、与党内で年末に向けて御議論をいただき、最終的には政府としてもそういうことが実現できるように作業を進めさせていただきたいと思っております。
#30
○辻泰弘君 これについては、これまで与党内などで年度途中からでもいいじゃないかというふうな議論もあったやに聞いておりますけれども、しかし法律的には年度ということですから、すなわち四月一日からやるという前提での財政措置をするということが決め事だと思うんですけれども、基本的に年度としてとらえると、年度途中分、例えば半年分だけやればいい、あるいは一月―三月だけでやればいいと、四分の一だけ手当てすればいいと、こういう議論もあったようですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#31
○国務大臣(中川昭一君) 二十一年度には国庫負担二分の一にするという方向で今作業を進めているところでございます。
#32
○辻泰弘君 それはストレートにとらえて、二十一年度という意味は二十一年度四月から分を措置するという意味でいいんですね。
#33
○国務大臣(中川昭一君) そういう方向に向けて、今、党内あるいはまたそれを受けまして政府で作業を進めさせていただくということでございます。
#34
○辻泰弘君 それで、十六年改正のときの附則で規定されていることで、特定年度、今でいえば二十一年度になるわけですけれども、それについては所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上でと、こういうことになっているわけでございます。
 それで、税制の中期プログラム等について大臣を中心に今後年末に向けてやっていかれるんでしょうけれども、いずれにいたしましても二・三兆円が必要というこの二分の一への引上げについて、直接的に増税をしてやるということが答えとして出てくるようにも思われないわけでございます。
 すなわち、ここで法律で、附則ではありますけど、法律で決めた所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革というものがなされて、それが財源となって来年度財政措置されるというふうにはなかなか考えにくいものがあると思うんですけれども、そこはいかがでしょうか。
#35
○国務大臣(中川昭一君) ですから、それも含めまして今御議論をしていただき、政府としてもそれを踏まえて作業を進めさせていただきたいというふうに考えております。
#36
○辻泰弘君 慎重な御答弁ですけれども、しかし、安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行うということでスキームができているわけですけれども、現時点でこの二・三兆円を安定した財源確保の税制抜本改革で来年度四月一日から調達できるというふうには私は思わないんですけど、そこはどうですか。
#37
○国務大臣(中川昭一君) いろんなお知恵を出していただいて、それが実現できるように今御議論をいただいているところでございます。
#38
○辻泰弘君 ですから、税以外の収入ということで手当てするということは結果としてあり得るんだろうと思いますが、ここで言っているのは税制の抜本的な改革を行うということですから、ですから、それは改革を行って、その財源は来年四月から入らない、それ以降の歳入になるんだけれども改革は行ったということでクリアできるという部分もあり得るんでしょうけれども、しかし現実に税制改正においての歳入をもって四月からやれるというふうには私は思わないんですけれども、もう一遍どうですか。
#39
○国務大臣(中川昭一君) その議論を今、与党内においては本日からですか、税の議論を進めさせていただいているところでございます。
#40
○辻泰弘君 そうすると、現実的には、来年四月一日から二分の一にする、そういったことになるということはおっしゃったわけですが、その財源については来年度については税で手当てするとは限らないと、そういったことに突き当たらざるを得ないかと思うんですけれども、それはそういうことになりますか。
#41
○国務大臣(中川昭一君) 二分の一にするということは単年度だけ二分の一にするわけじゃございませんから、安定財源ということが当然必要になってくると思いますけれども、それも含めましてこれからの議論の中で決めさせていただきたいと思っております。
#42
○辻泰弘君 しつこいようですけど、税制で手当てできるというふうには私はならないと思うんですね、常識的に考えて。ですから、何らかの形でつなぎ的な色合いを持った財源ということをお考えにならざるを得ないんだろうかと思うんですけれども、要は、例えば巷間伝えられているような特別会計からのやりくりで対応すると、そういったことも視野に入っているということでしょうか。
#43
○国務大臣(中川昭一君) ですから、財源問題については今日から全くスタートしたところでございますんで、どういうやり方がふさわしいのかということをまず党の方で、与党の方で御議論をいただき、そしてまた我々としても最終的に決定をさせていただきたいというふうに考えております。
#44
○辻泰弘君 後の議論にもつながるんですけれども、やはり財務大臣というのは非常に重要なお立場で、与党の政調会長もやられた中川さんでございますから、やはりもっとリードするといいますか、みんなの議論を待ってというのももちろん大事なんですけど、それやっていて給付金の混乱にもなったような気もしますけれども。いずれにいたしましても一つの御見識の下にリードしていただきたいと、このように申し上げておきたいと思います。
 さて、次に、生活支援定額給付金のことについてお伺いしておきたいと思います。
 これも、昨日、いろいろ総理を始めとする動きがあったわけでございまして、まず一つ確認ですけれども、伝えられているところの支給額を一人当たり一万二千円と、十八歳以下の子供、六十五歳以上の高齢者は八千円と、これはもう決まったように伝えられておりますけれども、これはもう決まり事なんでございますか。
#45
○国務大臣(中川昭一君) これは、与党間の話合いでそういう案が出たというふうに承知をしております。
#46
○辻泰弘君 それで、麻生総理が昨日おっしゃっているのは、法律による所得制限を設けず、高額所得者には自発的な受取辞退を促す方式が望ましいと、こういったことをおっしゃっていたようでございまして、そういう意味においては中川大臣がかねてより披瀝されているところに近いのかなという気もするんですけれども、このことについてはどのように評価されているでしょうか。
#47
○国務大臣(中川昭一君) 私も本当に、何といいましょうか、所得が伸びずに、そして諸物価が上がって生活に非常にダメージを受けている方々、特に中低所得者の方々でございますけれども、そこにできるだけ厚く、二兆円の範囲内の中で給付をさせていただくということがベターだと思っておりますけれども、他方できるだけ早くお支払をするということで年度内という迅速性も要求されるところでございます。したがって、私としてもこの定額給付を年度内に行うと、すべての方々にということになるわけでございます。
 いずれにしても、総理からの御指示が正式にあれば、私としてはその方向でひとつ作業を進めさせていただきたいというふうに思っております。
#48
○辻泰弘君 まだ決まってないことであるんでしょうけれども、しかしずっと言われていることでやはり分からないところは、世帯への給付通知に高額所得の目安となる金額を示してはどうか、そういったことで自発的辞退の目安を付けるんじゃないかと、こんなことも議論されているようで、閣内でもそのことについての御議論もあるようですけれども、そういったことについてはどのようにお考えですか。
#49
○国務大臣(中川昭一君) 総理がこうしろと言ったことに違うことをおっしゃる閣僚がいれば、これはいわゆる閣内不一致ということだと思いますけれども、まだ決定してない中でいろんな御意見をそれぞれ御発言されるということについては、それぞれの御見識を持って、私も今申し上げさせていただきましたけれども、いろんな御意見があってもいいのではないかなというふうに考えております。
#50
○辻泰弘君 当初、十月三十日に総理は全世帯にと言って、その後、十一月四日でしたか、与謝野さんがやっぱり所得制限あるべしと、こういうところから出発したように思うので、その点は今おっしゃったことにどうかかわるのかということもあるかと思いますけれども。
 それはともかくとして、今日の朝日新聞で、今の定額給付金について必要な政策だと思うという方々が二六%と、そうは思わないが六三%と、こういう世論調査の結果が出ておりました。これはどのように受け止められますか。
#51
○国務大臣(中川昭一君) この問題に限らず、あらゆることを今緊急対策として政府として打ち出しているところでございまして、この問題についてのみのアンケートの結果については、それはそれとして受け止めさせていただきたいと思います。
#52
○辻泰弘君 プラス細田幹事長が昨日おっしゃっていることに、給付金というと政府がお上というような立場に立ってお金を出しているというニュアンスに聞こえる、給付金に替わる何か良い言葉を考えるべきだと、こんなこともおっしゃっているようですけれども、大臣としては給付金という言葉、響き、どのようにお考えですか。このように受け止めていらっしゃいますか。
#53
○国務大臣(中川昭一君) 先ほどの言葉の定義じゃございませんけれども、別に給付金という言葉がお上がくれてやるものだというイメージでは決してないわけで、国民のこれはお金を国民に再配分しているわけでございますから、決してお上が一般国民に何か配ってやっているんだという認識は全くございません。
#54
○辻泰弘君 ということは、給付金でも別にいいじゃないかと、こういうことですよね。
#55
○国務大臣(中川昭一君) ですから、そういうイメージで給付金という言葉を使っているわけではないということを是非御理解いただきたいと思います。
#56
○辻泰弘君 総理は、給付金方式で行いますと、定額減税は給付金方式で行いますと、こう総理は十月三十日におっしゃったわけですからね、まあそこはそういうことなんだろうと思いますが。
 さて、根本論になるんですけれども、ちょっと別のステージの話になりますけれども、この半年ほど前にこの委員会においても暫定税率の問題で議論があったわけでございます。二月の取材にお答えになって、中川さんがですね、もちろん財務大臣ではないわけですけれども、そのときにガソリン減税のことについて、二十五円下げるとか下げないとか、そんなみみっちい話じゃないんですよと、こうおっしゃっているんです。小石を拾って奪い合いしている場合じゃないと、こうもおっしゃっているんですけれども、二十五円のガソリン減税、これについてはやはりみみっちいというふうにお考えだったんでしょうか。
#57
○国務大臣(中川昭一君) 仮にみみっちいという言葉を使ったとするならば、ちょっと適切じゃないなと今反省をしておりますけれども、要は真に必要な道路を造るということも重要でございますし、また地方に対する重要な財源としてもあるわけでございますから、もちろん税というのは低ければ低いに、負担者はそちらの方を望むわけでございますけれども、総合的に判断をして地方財源あるいはまた真に必要な道路を造る、そしてまた税源、税率の在り方等を総合的に判断をしてこの問題を議論すべきではないかという趣旨で申し上げたというふうに理解をいただきたいと思います。
#58
○辻泰弘君 みみっちいという言葉は、これは週刊朝日のインタビューで答えられているわけですが、当時、福田総理大臣は、ガソリン税のことを、二十五円下がるということについて、これはちまちましていない大きな問題だと、こういうふうにおっしゃっておられまして、こうした落差があるんであれなんですけれども。麻生さんはカップヌードル四百円というふうに御認識だというふうな話がありましたけれども、二十五円のガソリン税の減税、当時やっぱり国民的には非常に大きな関心があったし、大きくかかわっていたことだと思うんで、それをちまちまと、いや、ちまちまじゃないですね、みみっちいとおっしゃったのはちょっと合点がいかないところもございますけれども。
 そこで、さきに、十月三十一日に与謝野さんが記者会見でこの給付金二兆円の効果についておっしゃっておられます。それは、その他もありますけれども、実質GDPでは〇・一%程度押し上げる効果があると、こういうふうにおっしゃっているわけなんですね。
 そして、先ほどにかかわります道路特定財源の暫定税率の廃止、二・六兆円、国、地方を通じてですけれども、この場合の議論をさせていただいたときに提出された資料あるいは答弁によりますと、所得税一兆円引下げにより実質GDPは〇・六兆円増加、あるいは消費税一兆円引下げにより実質GDPは〇・六兆円増加、どちらも結果は同じだったわけでございます。申し上げたけれどもやっていただけなかったんで、結局そのガソリン税分を所得税減税あるいは消費税率引下げということで一応仮定、仮置きしてあったと、こういうことでしかなかったわけですが、いずれにいたしましても、〇・六兆円増加という結果だったわけですが。
 そして、二〇〇八年度の実質GDPは五百七十兆と、名目は五百二十七兆ぐらいだったかと思いますけれども、実質は五百七十兆と。そういたしますと、この減税一兆円の効果というのは、〇・六兆割る五百七十兆ですから〇・一%ぐらいと、こういうことになるわけです。そして、あのときの減税は二・六兆円だったわけですから、この〇・一を二・六倍すれば〇・二七%引き上げということになると、こういうことに理屈の上でなるわけですね、内閣府の試算。
 それで、この間の与謝野さんの見解では、実質GDP〇・一%程度ということですから、これは単年度ですからね、一年で終わっちゃうわけですから、給付金の方はですね。私どもの方は恒久的に暫定税率廃止ということですから、十年たったら三十兆の減税であり、この給付金の方は十年たっても二兆円で終わっていると、こういうことですから、その影響の差というのは大きいと思うんですけれども、なればこそ、やはりこの給付金、給付金がみみっちいというなら分かるんだけれども、暫定税率廃止の方がみみっちくてこれがみみっちくないということにはならないわけですね。そこをどう考えますか。
#59
○国務大臣(中川昭一君) ですから、みみっちいという言葉についてはおわびして訂正させていただきたいと思いますけれども。
 いずれにいたしましても、これは今、辻委員も御指摘になりましたけれども、その配り方、差し上げ方については議論のあるところではございますけれども、緊急に特に中低所得者の方々に早急にお配りをすると、そしてその経済効果というのは、今御指摘になりましたように、実質、名目とも〇・一%の押し上げ効果があると、そして中低所得者の方々に直接行くということでございますので、まあ使っちゃいけないんでしょうが、決してみみっちいもんじゃないと、こういうふうに考えております。
#60
○辻泰弘君 今回の給付金、定額給付金をめぐる閣内のばらばら、迷走といいますか、それはちょっと非常に、目を覆うばかりといいますか、寂しいものを感じるといいますか、その根底にはやはりこの政策が選挙向けの見せ金だったんじゃないかと、そういう指摘もございましたし、選挙用のマニフェストとしてまとめるつもりが解散先送りで三十日に急に間に合わせたので準備不足だったと、結局その辺が本質ではないかというふうにも思うんですけれども。
 そういった中で、率直なところマスコミ等で言われているのは、指摘されていることが、与謝野氏の独断専行と首相の指導力低下を印象付けたと、こういった指摘もございます。また、もっとどぎついのは、最大の経済対策は与謝野氏の更迭だと、こういった発言もあったようでございますけれども。
 ただ、私が申し上げたいのは、どのような方がどうであろうと、これは元々、出発点は定額減税ということで、八月二十九日の安心の政策のときに盛り込まれたときは国税、地方税を含めた定額減税だったわけですね。そのことの意味は、いわゆる戻し税的なものであったろうと思うわけですけれども、そこから出発をして、経緯を経て、十月三十日の総理の記者会見のときには、定額減税は給付金方式で行いますと、こういうふうになったわけですね。そして給付金という形になってきて、結局実務は総務省と、こういうことで財務省がちょっと逃げたような感じも見えなくはないんですけれども。
 ただ、私は、給付金方式であろうとやはり予算措置が当然必要なわけで、元々、税であれば税という意味合いにおいてと予算措置という意味合いというダブルで財務大臣の主管であった、中心的な役割を担われるべき立場であったわけですけれども、給付金方式になったといえども、やはり当然予算で手当てしなきゃいけないわけですから、その意味においての中川大臣のリーダーシップというのはもっと明確であるべきだったんではないかと、このように思っているわけなんです。
 それで、十一月四日に衆議院の財金委員会で大臣がおっしゃっていることで、その時点での、先週の金曜日の経済財政諮問会議でこの給付金のことが議論になりまして、最終的に与謝野大臣からこの取りまとめは私にやってもらいたいという指示があって、その場で御了承をいただいたところでございますと、こういうことが大臣の答弁にあるわけなんですね。
 その内容はともかくとして、本質的にこのことというのは、やはり私は、中川財務大臣が一番中心、責任を担ってみんなの調整をして決定し、やっていくべきことだったと私は思っているんです。少なくとも、ほかの方がどうあれ、中川大臣が失礼ながらしっかり対応しておられればこういう迷走はなかったんじゃないかと思っているんですけれども、そのことについてどう御所見をお持ちでしょうか。
#61
○国務大臣(中川昭一君) 十月三十日の総理の生活対策の中でこれが生活支援定額給付金という形になったわけであります。
 その前に、補正予算御審議、成立させていただきましたけれども、あれが八月の二十九日に作成したものであって、それから世界的にも、また日本も非常に経済が厳しくなってきたということで第二弾としての位置付けとして総理のリーダーシップで発表をしたところでございます。もちろん、これは国の予算措置というものも必要になってまいりますので、私が今御指摘のように取りまとめの作業に当たるということになっておりますけれども、これもまだまだ党内等でも御議論をまたいただかなければいけない部分もございますので、取りまとめは私がやりますけれども、しかし、現段階においては私はいろんな方の御意見というものがあってもいいんだろうというふうに考えております。
 それから、別に財務省が逃げたわけじゃなくて、定額という、で、一律すべてのと言っていいんでしょうか、とにかくすべての方々にお支払をするということになりますとこれは市町村の事務ということになるわけでございまして、そういう意味で市町村事務が大変御負担を掛けるということも我々は考えていかなければいけないということでございます。
 したがって、財源は国、そしてまたやり方は総理が最終的にお決めになりますけれども、自治体の方にも御協力をいただいて、できるだけ早くやっていくということで私自身、決してこの作業を軽く思っているわけでもございませんし、自分の責任においてやっていかなければいけないというふうに考えております。
#62
○辻泰弘君 政権交代を目指している我々としては、与党が迷走するというのはそういう党利党略的な意味合いでは悪くないのかもしれませんけれども、しかし事の重要性といいますか、国民にとってはやはり内閣、政府が行うことがすべてなわけですから、こういった、我々として立場というか意見は別にあるにしても、政府として決めて、やると決めたそれなりの目玉の政策がこんなに迷走でしっちゃかめっちゃかになっているというのは本当に恥ずかしいといいますか、情けないことだと思います。ですから、そういう意味では、今おっしゃったことが間違っているわけじゃないんだけれども、やはり財務大臣としてもっとしっかりとリーダーシップを発揮して、まあはっきり言って、こんな、どこでだれが決めるからみんな勝手なこと言うなということを言っておきゃいいようなことだと思いますけれども、そういったことで、しっかりとお取り組みいただくように申し上げておきたいと思います。
 時間が十分程度になりましたので、これもさきの国会で議論のありました道路特定財源の一般財源化についてお伺いをしておきたいと思います。
 これは、さきの国会におきまして、三月二十七日に福田総理が所見を示され、四月十一日、政府・与党決定があり、そして、五月十三日には道路特定財源等に関する基本方針が閣議決定をされ、そして、六月二十七日には一般財源化についての骨太の方針での閣議決定があったと、こういった流れがあるわけでございます。
 そこで、まずお伺いしたいのは、これはこういった経緯があって流れがあるわけですけれども、さきの国会において総理や財務大臣がこの一般財源化について御所見を示しておられるわけですけれども、そういったものも踏襲して今後やっていかれると、こういう理解でよろしいでしょうか。
#63
○国務大臣(中川昭一君) これは、今年の五月十三日、福田内閣のときでございますけれども、閣議決定されまして、二十一年度から一般財源化をする、それから、必要と判断される道路は着実に整備すると、この基本方針は踏襲していくわけでございます。他方、これに加えまして、十月三十日の生活対策におきましては、道路特定財源の一般財源化に際しましては一兆円を地方の実情に応じて使用するような新たな仕組みを作るということを麻生総理の御決断で決定しているところでございます。
#64
○辻泰弘君 福田総理は記者会見で、四月三十日だったと思いますけれども、生活者の目線で使い方を見直していくと、こういうことをおっしゃっているんです。そして、道路特定財源から脱却して生活者財源へと改革をしてまいりますと、こういうふうなことをおっしゃっているんですね。大臣としても、生活者財源に改革していくと、こういう御見解だと理解していいですか。
#65
○国務大臣(中川昭一君) 一般財源化するということは一般財源になるわけですから、その予算をどういう重点でやっていくかということがこれからの予算編成過程における一つの大きな作業になっていくと考えております。と同時に、地方財源、より住民の方々に近い地方財源の中でこれを、一兆円お使いをいただくということでこの制度を今考えたところでございます。
#66
○辻泰弘君 今の御答弁は、一般財源化ということをおっしゃって、福田当時総理がおっしゃった生活者財源ということには必ずしも、それでいくと、踏襲するというふうにも聞こえなかったんですけれども。
 具体的に言いますと、福田総理は、これは四月十六日、参議院本会議、私の質問に対してであったと思いますけれども、一般財源としての使途の在り方については、新エネルギー開発、地球温暖化対策、救急医療対策の整備、少子化対策など、様々な政策に使えるようにすべきだと考えますと、こういったことをおっしゃっておるんです。このことをやはり現内閣、また中川財務大臣の下でも考えていくという理解でいいでしょうか。
#67
○国務大臣(中川昭一君) 四月三十日の総理の記者会見におきまして、今御指摘のように、この道路財源につきましても生活者の目線でその使い方を見直していきますと、まさに国民、生活者が主役となる行政への転換を示すものであります、道路財源から脱却し、これを生活者である皆様が求めている様々な政策に使うための生活者財源へと改革をしてまいるものでございますと、これは現在策定中の骨太二〇〇九において、より具体的な姿をお示しするつもりでございますと、こういうことでございますから、この骨太の方針の中でも、骨太の方針の中におきましては、道路特定財源は一般財源化し、生活者の目線でその使い方を見直すというふうに基本方針で決定をされているところでございます。
#68
○辻泰弘君 それは分かっているんですけれども、要は福田さんが新エネルギー開発、地球温暖化対策、救急医療体制の整備、少子化対策など様々な政策に使えるようにすべきと、こういうふうにおっしゃった、その部分は踏襲されるのかどうかということなんです。
#69
○国務大臣(中川昭一君) ですから、具体例をいろいろ今お示しいただきましたけれども、生活者の目線で使う、この基本方針であることは間違いございません。
#70
○辻泰弘君 そこが大事なところで、これは参議院本会議で福田総理がおっしゃっていた答弁なんですね。
 私は、これを貫徹していただくことが私どもの本意であったし約束だったと思っているわけですが、中川さんの今の答弁、また最近の政府内の動きというのは必ずしもそれが踏襲されていない、大きく変えていこうと、実質一兆円の地方への交付金によって、まあその中にそれらの意味を込めるという理屈は成り立たなくはないのかもしれませんけれども、しかし本質的に、あのときに総理が、当時の福田総理がおっしゃっていた路線から逸脱したといいますか、よく分かった上で転換していくような、そういったふうに見えるわけなんです。
 そこで確認、もう一遍教えていただきたい。今おっしゃったのは四月三十日の記者会見の方です。私が申し上げたのは四月十六日の参議院本会議における福田総理の答弁でございます。一般財源としての使途の在り方については、新エネルギー開発、地球温暖化対策、救急医療体制の整備、少子化対策など様々な政策に使えるようにすべきと考えますと、こういうふうに明確におっしゃっているわけです。ですから、このことは地方交付金で、一兆円で手当てするということを超えていると私は思っております。このことについてこの福田総理の御答弁のとおりに対応されるのか。もしそうでないなら、そのようにはっきりとおっしゃっていただきたいと思います。
#71
○国務大臣(中川昭一君) 今、辻委員もおっしゃいましたように、確かに少子化対策とかエネルギー対策等々は生活者の目線に立った施策の例示だろうと思います。しかし、等という言葉にも今ございましたように、それだけがすべてかどうかということについては、本当にその目的に、この基本方針の目的に沿うような形で、場合によってはそれ以外もあり得るし、また、重要な時期でございますのでしっかりと検討していきたいというふうに考えております。
#72
○辻泰弘君 おっしゃったことは、おっしゃったことといいますか、今のおっしゃったような形でいくならば、元々の福田さんのときにおっしゃっていたことが実はほごにされて、一兆円を地方に回して、それは地方の自主財源にするからその中でいろいろ考えてやってもらったらいいじゃないのということにすべて持っていくような感じがありまして、実はあのときに福田総理がおっしゃっていたイメージと根本的に変質してしまっているんじゃないかと、このように思わざるを得ないわけでございます。
 これについては、この点については、さきの中公論文での中川さんの緊急政策の中でこういったフレーズがございます。私は、これから政府が行う投資は、物、公共事業から人、個人や企業へと軸足を移していく必要があると考えていると、また、六・七兆円ある公共事業費や五兆円ある道路特定財源を人への投資に振り替える余地はある、この振替分を、少子化対策と法人税減税を数年掛けて実施する前提で、その財源に充当すると、こういったお考えを示しておられまして、中身は必ずしもイコールではありませんけれども、少子化対策というふうなことで生活者財源ということにつながるかと思うんですが、そういう考えも出していらっしゃるんです。これはもとより大臣になられる前ではございますけれども、しかし大臣になられる二か月前だったわけでございます。
 そういった意味で、私どもといたしましては、あのときの総理の公約であった、そういったまさに生活者財源として使うということで、先ほど例示いたしました、また福田総理がおっしゃった、そのための財政措置として対応していただきたいと、このように申し上げておきたいんですけれども、いかがですか。
#73
○国務大臣(中川昭一君) そこはちょっと誤解を招く表現であったかもしれませんけれども、何も公共事業をなくしていいということは決して申し上げているわけじゃなくて、防災対策、あるいは私が大変関心を持っております上下水道の問題等々、これはもうやるべきことを、道路も含めてでありますけれども、これはやっていかなければならない。しかし、無駄な公共事業と言われるものは徹底的にこれは排除をしていかなければならないと。そして、少子化対策あるいは福祉、安全、安心といったものに、限られた財源の中でそういったものにも積極的に使っていくという趣旨で申し上げたわけでございまして、そういう意味では、生活者重視という観点は、私も辻委員と同じ認識を持っているというふうに考えております。
#74
○辻泰弘君 最後に一点だけ、端的にお答えいただければと思いますけれども。
 今、一つやはり問題になっているのが、この一般財源化一兆円を地方に移すということの意味合いといいますか、それ以外との関係ですね。すなわち、地方臨時交付金の六千八百二十五億でしたか、そのこととその一兆円とのかかわりですね。すなわち、一兆円で終わるのか、一・七兆円になるのかと、こういったことがあるわけですが、その点についての御見解を端的にお伺いしたいと思います。
#75
○国務大臣(中川昭一君) これは、まさに今後の議論の中でこの位置付けをどういうふうにしていったらいいかということを与党の方で御議論をいただき、そして最終的に決定をさせていただきたいと思っております。
#76
○辻泰弘君 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、また次回につなげていきたいと思います。
#77
○川崎稔君 民主党・新緑風会・国民新・日本の川崎稔です。
 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。中川大臣に質問をさせていただきたいと思います。大臣、よろしくお願いいたします。
 この十四日、十五日に米国のワシントンで金融サミットが開催されるわけでありますが、この関連で最初にちょっとお伺いをしたいというふうに思っております。
 その米国では、去る四日に大統領選挙が行われまして、チェンジ、これを訴えた民主党候補のバラク・オバマ上院議員が次期大統領に選出されました。
 そのオバマ次期大統領は、七日に当選後初の記者会見ということで、政策を総動員して経済危機に立ち向かうという意向を表明されています。そして、雇用拡大に向けた中間所得者層対象の支援策、あるいは零細企業、国際金融対策、そして金融市場安定化に向けた今の現政権の政策の見直しといった形で具体的な対策というのを早速挙げておられるわけですが、まず中川大臣に、オバマ次期政権、その誕生をどう受け止めておられるのか、新政権に対してどう期待しておられるのか、御所見を伺いたいというふうに思っております。
#78
○国務大臣(中川昭一君) 私は、報道あるいは先週電話会談を行った麻生総理のお話、つまり間接的なことしか知りませんけれども、やはり非常にフレッシュなイメージで、そしてまた、人を引き付ける大変な魅力をお持ちの方で、あの投票結果も単にそれぞれの既成政党の支持者だけではなくて、若者とか、あるいはまた無党派層とか、あるいは初めて投票する方も随分オバマさんを支持されたというデータもあるわけでございます。他方、初めての黒人の大統領が誕生されたということでもあるわけであります。
 なお、麻生総理の電話会談の模様を拝聴いたしますと、非常に日本に対しても関心が深くて、鎌倉の大仏のことを知っているとか、あるいは福井県小浜市のことを知っているとか、いろんなことをおっしゃっておられて、個人的な信頼関係をつくろうというお二人の合意が既になされたものというふうに私は理解をしております。
#79
○川崎稔君 ありがとうございます。
 まあ小浜市あるいは大仏の話はともかくとして、まさに金融危機、世界的な金融危機という中で、真剣に両国の関係築いていただきたいというふうに思うわけですが、一方で、米国と並んで我が国の経済において非常に重要な位置を占めておりますのは中国であります。
 その中国が九日に大規模な景気刺激策を発表しております。安価な住宅建設、あるいは農村基盤の整備、鉄道、道路等のインフラ整備、大幅な企業減税といった内容、十項目ぐらいですか、二〇一〇年末までに総投資額四兆元、約五十七兆円に上る、これはもう本当に空前の規模だと思われるんですが、規模として見ますと、二〇〇七年の中国のGDPの約一六%に相当する規模だというふうにも聞いております。かなり市場の予想を上回っていたということで、市場の方でもサプライズということで好感をされたようですが、一方で、IMFが先日発表した世界経済見通し、これを見ますと、日米欧、来年の経済成長率というのが戦後初めていずれもマイナス成長になるということを予想していると。こうした中で、中国が今回こういう決定をしたと、非常に中国経済が置かれている状況というのはそれだけ危機的なんだなということで受け止められるんですけれども、大臣の方で今回の中国の景気刺激策、どのように受け止めておられますでしょうか。
#80
○国務大臣(中川昭一君) やはり中国はこれまである意味では世界の経済発展の機関車的な幾つかの国の一つだったというふうに思っておりますけれども、世界的な経済の低迷によって中国の輸出が非常に落ち込んできた、あるいはまたアメリカあるいは日本のような先進国と違って内需の比率が非常にまだまだ低いという状況ですので、今回川崎委員が御指摘になりましたように、幾つかもう既に対策は取っているわけでありますけれども、今御指摘のように、日本円で約五十七・五兆円規模の投資を行う、あるいはまたいろいろな施策を行っていくということは、やはりこれは今度のG20でも、中国も来られますけれども、協調してやっていく方策の一つとして財政出動というものもこれは非常に重要な対策になっていくんだろうと思いますけれども、いち早く中国がこういった大規模な財政出動をやる、あるいは日本は既に第一次、第二次の、まあ第一次の補正を御審議、成立させていただきましたけれども、今回生活支援をやっていくということで、各国が協調しながらそれぞれやれることをどんどんやっていくということが今回の金融危機あるいはまた経済の厳しい状況に世界が立ち向かっていく上で非常に重要なことだろうという意味で、中国の今回の政策は我々としても歓迎したいというふうに思っております。
#81
○川崎稔君 今の御答弁ですと、中国の政策について歓迎したいということでありますが、確かにG20、財政出動といったことを議論しているわけですね。ちょうど九日に閉幕したG20の財務相・中央銀行総裁会議、これサンパウロの方で行われたということなんですが、金融サミットの準備会合と、そう位置付けられているわけですけれども、そこでやっぱりグローバルデフレへの危機感共有とかあるいは国際金融制度の枠組みの見直しといったものが議論をされているわけですね。
 その開催地サンパウロの地球の裏側で、ちょうど日本で同じ時期に、麻生総理が東京葛飾の商店街で人気漫画の主人公の銅像の除幕式に出席をされたりとか、あるいは大学生との居酒屋イベントに出席されていると。政局より政策とおっしゃっておられる割にはどうも違うなという世界とのずれといいますか、解散・総選挙を回避してまで本気で政策に取り組んでいるようにはどうも見えないなという指摘をさせていただきたいんですが。
 そこで、今回の中国のように、胡錦濤主席が金融サミットに出席を予定していると、そういう中でこうした決定をされるということは非常にサミットに向けて中国の存在感、そういったものを示しているというふうに報道されているわけですが、一方で、G8の議長国である日本、この存在感が余り感じられずに置き去りにされているんではないかという指摘も聞かれるところであります。政局より政策という麻生内閣の一員でおられる大臣、その金融サミットの準備を所管されている大臣にサミットに向けた抱負なり、あるいは準備状況についてお伺いをしたいというふうに思っております。
#82
○国務大臣(中川昭一君) 日本は、御指摘のように、サミット議長国として七月の北海道洞爺湖サミットでも、あるいはその前のTICADWでも主導的な役割を果たしてきたと私は思っております。そして先月、私が参りましたG7ワシントン会合におきましても、私から、会議そのものあるいはブッシュ大統領、ポールソン財務長官等にも、直接日本の貢献あるいは経験といったものについてこれからも積極的に行っていきたいということを申し上げたところでございます。
 そして、麻生総理の私はリーダーシップの下で今回のG20会合というものがセットされたというふうにも考えているところでございます。
 IMFが、十年ほど前のアジア通貨危機のときの経験と反省に立って、より機動的で柔軟な支援体制を今各国、幾つかの国にやっておりますけれども、これもやっぱり日本のアドバイスあるいはまた支援があったからIMFが対応をしているというふうにも私は考えているところでございます。
 現在、総理のいわゆる特使お二人がアジアを中心に世界中の国々のところを回っているわけでございますけれども、今週末に向けまして、日本として、更に積極的に各国がそれぞれやることとそれからまたG20で協調してやっていくことを日本としてこれから大いなる貢献をしていく決意でやっているわけでございます。
 IMF等に関する追加出資等も我々は考えているところでございまして、まさしくこの問題に関しては、日本の経験とそして人材、知恵、そして場合によっては資金提供というものも含めて、あるいは今の状況における世界のルール作りですね、金融経済に対するルール作りも含めて日本が主導的な役割を取っていかなければいけない、そういう決意で総理も会議に臨むことにしておられるわけでございます。
#83
○川崎稔君 大臣がおっしゃった、例えば先般のG7辺りで、日本の貢献あるいは日本の経験、教訓というものを伝えて主導的な役割を果たされたと、あるいはお二人の特使が世界中を飛び回っておられるといったお話でありますが、そういった御努力にもかかわらず、例えば欧米の首脳がいろんな形でどんどんスタンスを発信をされているという中にあって、日本の首脳からどうもいま一つ世界に情報発信がされていないような気もいたしますが、是非大臣にはどんどん財務省のお立場で情報発信をしていただきたいというふうに思っております。
 ちょっと次の項目に移らせていただきます。
 大臣は、最近の経済金融情勢に関する政策運営について委員会で基本的な考え方を述べられております。そこで、重要だと思いますのは、十月の三十日に政府・与党で決定された生活対策、その財政政策をどう運営していくかということなんですけれども、そういうことを考えていく上で、その前提となります、まさに今我が国が置かれている経済金融情勢、まず対策を打つ前に、客観的な情勢がどうなっているのか、この辺をまず正確に把握しなければいけないんじゃないかというふうに思います。そういう意味で、アメリカのリーマン・ブラザーズが破綻して以降で、経済情勢というのを非常に丁寧に点検していただいているのが、日銀が今月四日に公表いたしました経済・物価情勢の展望というレポートだというふうに考えております。
 本日は日銀の山口副総裁に就任後初めて御出席をいただいておりますので、まず先行きの見通しといったものを伺う前に、足下の経済情勢について、副総裁の方に基本的な現状判断を伺いたいというふうに思っております。
#84
○参考人(山口廣秀君) お答えいたします。
 我が国経済の現状につきましては、これまでのエネルギー・原材料価格がかなり高くなってきたということの影響というのが一つございます。それから、最近明確になってきたところでありますが、輸出が頭打ちになってきているということもございまして、これらの影響で停滞色が強くなっているというように私ども見ております。
 昨年来ということで我が国経済の状況を振り返ってみますと、三つぐらいの時期に分けられるかなというふうに思っております。
 一つは、昨年末ごろから日本経済が減速を始めたということでありますが、この背景は、建築基準法の改正に伴う住宅投資の落ち込みと、こういったことを背景とするものでありますが、そうしたことによって我が国経済が減速を始めた時期というのが一つであります。
 それから、この春ごろからということになりますけれども、エネルギー・原材料価格の高騰というのが明確化しまして、これに伴いまして交易条件が悪化したということでございます。その結果、設備投資ですとか個人消費の伸びが鈍化するということがはっきりしてきたわけであります。これが二つ目の時期ということになります。
 それから、三つ目ということになりますと、この夏ごろからということになりますが、世界経済の減速というのがこれまた明確化してまいりまして、これを受けて、それまで増加を続けてまいりました輸出が頭打ちになるというようなことになってきたわけであります。
 昨年来ということで振り返ってみますと、今申し上げたような形で三つばかりの時期に大体分けてその展開を見ることができるかなというふうに思っておりますが、ひっくくって言いますと、昨年末ごろから日本経済には今申し上げたような負のショック、マイナスのショックというのが次々と襲ってきたというように理解しておりまして、私どもとしては、こうした情勢の展開を点検しながら景気判断を下方修正してきたと、こういうことでございます。
#85
○川崎稔君 ありがとうございます。
 今のお話、昨年末ごろからまず改正建築基準法の影響、春からエネルギー・原材料価格の上昇、そして夏ぐらいから世界経済の減速と三段階、そして、基本的に景気の回復基調というものが下方修正され始めたのが、要するに一言で言えば昨年の末ぐらいからというお話だったわけですが、この経済情勢で、我が国の地域的な、例えば北海道とか本州とか、あるいは九州といった地域別に見て何か特徴的な動きというのはありますでしょうか。
#86
○参考人(山口廣秀君) 地域ごとの景況感といいますか経済状況というのは、当然のことながらその地域ごとの産業構造の違いを反映しておるわけであります。
 例えば、これまで日本経済を牽引してきました輸出の恩恵をどの程度受けているかというようなこともございますし、あるいは資源、エネルギー価格の上昇といった影響がどの程度及んでいるかということもあろうかと思います。こうしたことを反映して、各地域の景況感にはばらつきが残っているというのがこれまでの事実であったわけであります。
 しかし、そうしたばらつきはありますけれども、現状どうかというふうに見てみますと、総じて各地域とも景況感は悪化の方向にあるというように私ども理解しております。
 例えば、私どもで短観をやっておりますけれども、地域別の業況判断DIというのを取ってみますと、この春ごろまでは、関東甲信越あるいは東海といった二つの地域におきましては、なお、良いが悪いを上回る良い超と言われる状況であったわけでありますが、この六月以降につきましては、これらの地域も含めて全地域で悪い超になってきていると、こんなような状況だというふうに思っております。
#87
○川崎稔君 今のお話ですと、良かった地域であるはずの関東甲信越、あるいは東海も含めてもう本当に日本全体が悪くなっていっているというわけでありますが、停滞色が強まっている我が国のこういった実体経済、先行きについてはではどのように推移していくと見ておられるのか、その日銀の基本的な見解というものを伺いたいと思います。
#88
○参考人(山口廣秀君) 景気の先行きということになりますと、私どもとしては、来年度の半ばごろまで停滞色の強い状態が続くというように見込んでおります。
 幾つか要因があるわけでありますが、一つは、これまでの交易条件の悪化といったようなことの影響が出てくるということでありまして、当面国内の民間需要というのはそうした影響を受けまして弱めに推移するだろうと、そういう可能性が高いというのが一つであります。
 それからもう一点は、輸出でありますけれども、海外経済が減速していると、それから昨今の為替円高の影響も出てくるであろうと、こういったようなことから輸出についても弱めの動きになるというように見ておりまして、これら二つの要素が大きな背景となって来年度の半ばごろまでは停滞色の強い状態が続くだろうと、このように見ておるわけであります。
 ただ、それから先というようなことになりますと、エネルギー・原材料価格高は既に御承知のようなことでありまして、まあ反落しているという状況でありますし、そうなってくるとこれまでのそうしたものの価格高の影響というのは薄れてくるだろうというのが一つであります。それから、海外経済もいずれ減速局面を脱してくるであろうというように見ておりますので、我が国の成長率につきましても徐々に高まっていく姿というのが一応想定できるのではないかと、このように思っております。
 ただ、一点付け加えさせていただきますと、こうした見通しというのは世界経済の見通しに相当強く依存しております。特に現在、世界経済ですとかあるいは国際金融資本市場の状況を見てみますと相当不確実性を高めている、市場については緊張感が高まっているというような状況でありますので、日本経済が回復に向けた条件を整えていくというようなことについて考えた場合には、やはり相応の時間を要する可能性が高いだろうというようにも見ております。さらに、そうした見通し自体についてかなり不確実性が高いんだということも認識しておく必要があるかなというふうに考えておるところであります。
#89
○川崎稔君 今のお話ですと、その実体経済、二〇〇九年度半ばごろまでは停滞色が強い状態が続くと。来年度半ばですね。それ以降、徐々に成長率が高まっていく可能性が高いということですが、一方で非常に不確実性もあるんだというお話ですよね。
 その時間軸として来年度半ばということを物差しとしてお示しになっているわけですが、来年度半ばというこの時期の考え方というのは何か理由があるんでしょうか。
#90
○参考人(山口廣秀君) 先ほども申し上げたことと絡むわけでありますが、今日本経済が停滞していると、この背景というのは二つの要因によっております。一つは交易条件が悪化しているということでありますし、もう一つは世界経済の減速を背景として輸出が頭打ちになっているということであります。
 したがって、先行きを見通す場合にはこれら二つの要素がどのようになっていくかということについて見ていかなければならないということになるわけでありますが、まず、交易条件の悪化ということにつきましては、この先、エネルギー・原材料価格というのはどういうふうになるか、もちろんよく分かりません。しかし、再び高騰する可能性というようなことでもない限りは交易条件面からの悪影響というのは徐々に薄れていくだろうと、このように考えていいんだろうというふうに見ております。したがって、先ほど申し上げた交易条件の悪化ということによる日本経済の停滞ということについては、その面からは停滞から抜け出す要素になってくるんではないかというのがあるということであります。
 それからもう一点は、これはやや長い目で見ればということになりますけれども、欧米において金融システムの安定のために相次いでいろんな対策が打たれておるわけでありますが、そうした対策の効果というのが現れてくるだろうと。こうした効果が現れてくるにつれて世界経済についても次第に持続可能な成長経路に復していくと、こう考えていいんではないかというふうに思っております。
 したがって、最初に申し上げたこの二つの日本経済の足を引っ張っている要素については、いずれについても次第に緩和していく方向にあるんではないかというように考えておりまして、そうしたことが展望できるのであれば、日本経済の成長率につきましても潜在成長率に向けて緩やかな、徐々に回復していく可能性が高いと、このように考えていいんではないかというふうに思っております。
#91
○川崎稔君 今のその潜在成長率という考え方でいえば、我が国の潜在成長率に大体成長率が復するタイミングとしてはどれぐらいを今の時点で見ておられるのか、ちょっと端的にお答えいただきたいと思います。
#92
○参考人(山口廣秀君) お答えいたします。
 時期がいつかというのはなかなか難しいところでありますけれども、この間私どもが発表いたしました展望レポートをベースにいたしますと、一応その見通し期間において潜在成長率に向けて回復していくと、このような姿を想定しているということでございます。見通し期間というのは二〇一〇年度までということであります。
#93
○川崎稔君 その今の二〇一〇年度を一つの想定として置いておられて、そこで、一方で先ほどのお話にございましたけれども、非常に不確実性というものが高まっておられるという見方ですね。
 確かに二〇〇七年夏、昨年の夏のいわゆるサブプライム住宅ローン問題、表面化して以降、こういった証券化商品の下落とか、価格の下落あるいは金融機関の不良資産増加といった形で米欧の信用収縮というのが非常に続いているわけですね。
 そういった中で、かなり我が国の実体経済というのは下振れのリスクというのが強まっているんではないかと。今、副総裁がおっしゃった、まさに不確実性が高まっている。不確実性というのは上振れ、下振れという意味でいえば、現状は下振れの方が可能性としては高いんじゃないかというふうに私は思っておるんですが、いかがでしょうか。
#94
○参考人(山口廣秀君) 委員御指摘のとおりでありまして、この日本の景気の先行きについてということになりますと、海外の経済状況それから国際的な金融資本市場の状況、そしてそれらが日本経済に与える影響というようなことを含めて考えると、やはり景気の下振れの可能性を十分認識しながら見ていく必要があると、このように思っております。
#95
○川崎稔君 そこで、中川大臣の方にお伺いをしたいんですが、麻生総理は度々日本経済は全治三年と言われておられます。政府・与党が十月三十日に決定した生活対策の中でも、基本視点という中で「日本経済は「全治三年」という基本認識の下で、今年度から直ちに日本経済の立て直しに取り組む。」という考えを示されているわけですが、大臣は我が国経済、全治三年だとお考えなのかどうか、認識をお聞かせいただきたいと思っております。
#96
○国務大臣(中川昭一君) 今、山口副総裁からの御説明もございましたけれども、私も、特に原料高あるいはまた世界的な厳しい状況の中で日本の経済、とりわけ中小企業、地方が大変困っていらっしゃる。これを、まず景気対策をやって、そして中長期的には財政を再建をして、そして改革による成長をやっていくという総理の工程、つまり全治三年で景気を良くするという認識は私も同じでございます。
#97
○川崎稔君 大臣は全治三年という認識は同じだということでございますけれども、本当に全治三年で済むのかどうかといったことを多くの国民は非常に不安に思っているのではないかというふうに思っております。
 そういう意味で、今、日銀の副総裁の方から不確実性というお話があったわけですが、そこで、先般のアメリカのグリーンスパン元議長の発言ですね。二〇〇六年一月まで十八年間アメリカのFRBの議長を務めたグリーンスパン氏が、先月の二十三日にアメリカの下院の行政改革・監視委員会、その公聴会で、金融危機について百年に一度の津波というふうに発言をされたのは皆さんもよく御存じだと思います。グリーンスパン元議長は、今回の住宅価格の上昇期待に基づく証券化商品への需要増がバブルを生んで、そのバブルが破裂したという認識を示されて、今後大量のレイオフあるいは失業率の大幅な上昇が避けられないというふうに語られて以来、この百年に一度という言葉が度々使われています。
 麻生総理も十月三十日の会見で百年に一度の暴風雨と、津波とか暴風雨とかそういう言葉がよく出てくるわけですが、この点について大臣はどうお考えでしょうか。
#98
○国務大臣(中川昭一君) 百年に一度ということになると大恐慌よりももっと前、一九〇七年の世界的な金融危機のことも含めてグリーンスパンさんはおっしゃっているのかなと。それ以降もいろいろありましたけれども、多分今までに経験したことのない、特に二十一世紀型のといいましょうか、こういう大きな金融危機が今欧米を中心に世界を襲っているという認識は私も持っております。
#99
○川崎稔君 百年に一度の暴風雨という一方で、全治三年という見方はややもすると楽観的かなというふうに私は思っているんですけれども、例えば日本経済がオイルショックの後、当時の福田総理が全治三年とおっしゃったと記憶しているわけですが、どうも百年に一度とかあるいは全治三年とか、非常に麻生内閣はこうした言葉をいかにもちょっと軽く使っているんじゃないかと、一体どういう根拠があるんだろうというふうに思うときがあります。
 改めて、重ねて、大臣、その辺の認識をお伺いしたいんですが。
#100
○国務大臣(中川昭一君) その何年に一度かは別にして、未曾有のという認識は多分、川崎委員も共有していただけると思いますが、ただ一方、世界的に協調しながら、中央銀行と政府とが連携を取り、そして各国が協調しながらやっていくという意味で、やはりまたシステム的にもいろいろな状況が昔とは変わってきておりますので、全治三年が全治二年になればいいし、一年で終わればいいとは思いますけれども、とにかく全力を挙げて今対策を取っているということの決意として、三年のうちにはこの世界的な金融危機、経済危機を日本がリーダーシップを取って乗り切っていくんだという決意の表れだというふうに私は理解をしております。
#101
○川崎稔君 全治三年が決意だということで理解をいたしましたが、少なくとも生活対策のあの公表の中では基本認識として全治三年というふうに内閣としておっしゃっているということであります。
 ちょっと時間の関係がございますので、次の生活対策について移りたいと思います。
 まず、財務省にお伺いをしたいのですが、その生活対策の中で例の生活支援定額給付金、うたわれているわけですね。この点について、少なくとも十月三十日の公表資料の中では、「家計への緊急支援として、特別減税及びこれに関連する臨時福祉特別給付金を実施することとしていた。一方、家計への緊急支援としての効果をより迅速に実現し、かつ、低所得者にも広く公平に行き渡らせるためには、給付方式によることがより適切である。」ということが示されています。
 そもそも、減税方式と給付金方式、政策効果として違いがあるのでしょうか。この点について御認識を伺いたいというふうに思っております。
#102
○政府参考人(木下康司君) お答えをいたします。
 生活支援定額給付金の効果については今後決定される実施方法等を踏まえて明らかにする必要がございますが、考え方の整理としては、家計に給付金を支給することによって消費を増やす経済効果があると考えております。
 そういう経済効果につきましては定額減税の場合でも同様と考えられますが、定額給付金の方が迅速に実施可能であることから、早期にその効果が発現するのではないかと考えております。
#103
○川崎稔君 スピードは分かるんですけれども、その政策効果の大きさという意味では違いはありますでしょうか。
#104
○政府参考人(木下康司君) 制度の具体的な実施方法については、現在、政府・与党において最終取りまとめに向けて調整中でございまして、現在のところ申し上げることができますのは、例えば定額給付金二兆円、定額減税二兆円、同じ二兆円所得を増やすという点について着目して考えれば、その経済効果については定額減税の場合と同様ではないかと考えております。
#105
○川崎稔君 これは同じだということですね。違いはスピードだけだということなんですが。
 そこで、内閣府にお伺いをしたいんですが、この生活支援定額給付金、政府として政策効果があると考えておられるのか、あるとすればどの程度政策効果が期待できるのか、お伺いをしたいと思います。
#106
○副大臣(宮澤洋一君) 生活給付金の効果についての御質問でございますけれども、当然、家計に給付金を支給するということでありますから、消費を増やす効果が当然あると考えております。
 この効果の試算でございますが、仮に二兆円限度いっぱい、二兆円実施した場合の効果については、内閣府の短期日本経済マクロ計算モデルの乗数を用いますと、今後一年間では、実質民間最終消費支出、実質GDP、名目GDP、それぞれ〇・一%程度押し上げる効果があると考えております。
#107
○川崎稔君 ありがとうございます。
 〇・一%というのは、もうこれはもしかして四捨五入したらどっちの方に振れるんだろうという数字かなと思わず思ってしまったんですが。
 しかも、今回、総理は三年後に消費税の引上げをお願いしたいということを三十日の会見で言われたわけですね。三年後の増税ということを前提として、こうした給付金の政策効果というのは打ち消されるんじゃないでしょうか。
#108
○副大臣(宮澤洋一君) 総理の発言につきましても、三年後なのか、景気回復した後なのかと、こういうお話があったように記憶しておりますけれども、いずれにしましても、消費税につきましては国民的議論をした上でやっていかなければいけない話でありまして、当面の効果といたしましては〇・一%あるものと考えております。
#109
○川崎稔君 仮に増税ということがはっきりしていた場合、それはそのタイミングとして三年後なのか景気回復後なのかであるにせよ、政府が明確に増税ということを示す中で定額給付金ということを仮にやったとしても、相当程度これは、政策効果というものは打ち消されるというのが、いわゆる経済学的な常識ではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#110
○副大臣(宮澤洋一君) 消費税の議論については、いずれ消費税が上がるから消費を抑えるというのが一般的だろうと御質問でありますけれども、一方、そういう消費税自体についての議論をすることが将来の日本の財政基盤の整備につながるといった意味で、将来の日本に対する信頼を深めるという議論も一方であるのではないかなと思っておりまして、この辺は〇・一%をどう考えるか難しいところだろうと思っております。
#111
○川崎稔君 今のお話は財政再建がいわゆる消費者の安心感につながるのではないかというふうな御発言だったわけですが、一方で、先ほどの辻委員のおっしゃった朝日新聞の世論調査なんかを見ますと、いわゆる期待されていないわけですね、その政策について、その定額給付金というものを。財政再建が行われるからそういう信頼感は増すのではないかというのは、決してそういうふうには国民は受け止めていないのではないかというふうに思うわけなんですが。
 いずれにしましても、ちょっと時間の関係もあるのでもう一つ副大臣にお伺いしたいんですが、その交付金を、給付を全世帯というふうにする場合と所得制限を行う場合とで政策効果、違いがあるでしょうか。その点についてどう見ておられるか、お伺いしたいと思います。
#112
○副大臣(宮澤洋一君) これから制度の中身が詰められますので一般的にしか申し上げられませんけれども、一般的に申し上げれば、当然、低所得世帯の方が消費支出の割合は高いわけでございますので、低所得者、給付総額が変わらないと仮定した場合に、所得制限を設けると全体として消費に回る割合が相対的に高くなるということは一般論としては言えると思っております。
#113
○川崎稔君 そういう意味では、もう一つ参考になる事例として、平成十一年に地域振興券、こういった政策を当時政府が行っているわけですが、これは十五歳以下の児童が属する世帯の世帯主とか、あるいは老齢福祉年金等の受給者等ということで非常に福祉的な色彩が強かったわけですね。そういう意味では今回の生活支援定額給付金に比べると哲学なり考え方というのはまだ明確だったかなというふうに言えなくもないわけですが、このときの政策効果についてはいかがだったでしょうか。
#114
○政府参考人(湯元健治君) お答えいたします。
 内閣府、当時、経済企画庁でございますけれども、地域振興券の消費喚起効果についてというものを平成十一年八月六日に公表しておりますが、全国約九千の交付対象世帯に対しましてアンケート調査を行いました。
 この結果でございますが、地域振興券によって喚起された消費の純増分、これは使用額の三二%程度という結果が出ております。内訳を申しますと、まず、地域振興券がなければ購入しなかった買物はどれくらいあったかということで、それが約一八%。それから、より高額の買物、あるいはより多くの買物、あるいは地域振興券がきっかけとなって行った買物ということでアンケートを行いますと一四%程度あったということで、総額三二%という結果になっております。
 金額的には、平成十一年六月三十日までの交付済みの額で約六千百九十四億円交付されておりまして、これを年間ベースのマクロの消費効果に換算をいたしますと、個人消費の増加額は二千二十五億円程度ということでございます。GDPの個人消費の〇・一%に相当すると試算を当時しております。
 以上でございます。
#115
○川崎稔君 何かちょっと数字を伺っていて不思議な気がしたんですけれども、生活支援定額給付金二兆円で〇・一%という数字が出て、今の地域振興券の方も〇・一%という数字が出ているんですが、何でも〇・一%。ほとんどゼロに限りなく近いけれどもこれぐらいという数字に聞こえなくもないんですけれども、この点をもう一度確認をしたいんですが。
#116
○政府参考人(湯元健治君) これは、アンケート調査を行いまして、実際にその交付金を受けた世帯がどれだけ交付金を使ったかという事後的な調査でございます。その場合に、追加的な消費の増加額というものをお伺いするために、本来、地域振興券をもらいましても自分の持っている通帳のお金を使わなければ効果は純増的にはゼロということになりますが、このアンケートではこれが、地域振興券を配ったがゆえに消費した分がどれくらいかということを測定するために調査をしておりまして、それが〇・一%という効果になっておるということでございます。
#117
○川崎稔君 ちょっと内閣府の方にもう一度確認をしたいんですが、今回の定額給付金、先ほど二兆円の減税ということを前提にお話をされたんですが、貯蓄にはどの程度回ると御覧になっていますでしょうか。
#118
○政府参考人(梅溪健児君) お答え申し上げます。
 生活支援定額給付金(仮称)でございますが、それが貯蓄にどの程度回るかということにつきましては、今後の経済状況あるいは給付金がどのような実施方法で行われるかということに依存をいたしますので、現時点で具体的にお示しすることは難しいと考えております。
#119
○川崎稔君 済みません、今日の朝日新聞の社説には、内閣府が試算しているという数字として四分の三が貯蓄に回るという数字が出ているんですが、これは全く根拠がないわけですか。
#120
○政府参考人(梅溪健児君) お答え申し上げます。
 その記事につきましてはどのような背景で書かれているかということは必ずしも明らかにいたしませんが、先ほど内閣府の方からも御紹介いたしましたが、地域振興券の場合であれば、消費の純増に回った部分が三二%という結果が得られておりますので、それを逆算してそのような試算を行われたと考えることは想像できます。
#121
○川崎稔君 仮に四分の三貯蓄に回って四分の一しか消費に回らなければ、二兆円のうち四分の一の五千億円、地域振興券よりも効果が小さいというふうになってしまうと、思わずちょっとその効果について疑問を感じたわけですが。
 ちょっとそこで話を変えまして、今回の定額給付金というのは、いわゆる経済政策という点でいえば、よくヘリコプターマネーと呼ばれる政策だなと私は受け止めているんですね。文字どおりヘリコプターからお金をばらまくという意味で究極のデフレ対策というふうに言われたりもするんですけれども、じゃ、今回こういった政策を打ち出されたということでいえば、足下あるいは先行きの経済ということで、そういうヘリコプターマネー政策を実施せざるを得ないようなデフレ局面に直面しているという認識でよろしいのでしょうか。内閣府の方にお伺いしたいと思います。
#122
○政府参考人(湯元健治君) お答えいたします。
 物価の動向を総合的に見ますと、持続的に物価が下落するという意味でのデフレ状況にはないと考えております。
 消費者物価指数の基調を見ますと、前年比では食料品価格等の上昇によりましてプラスとなっておるということで、しばらくはこのような状態が続くというふうに見ております。しかしながら、景気が弱まっているというところから需給ギャップの改善あるいは賃金コストの上昇などに足踏みが見られるということで、物価の押し上げ圧力は高まっていないというふうに考えております。
 それから、足下の物価関連指標は上昇しているものもあれば足踏みとなっているものもございまして、ここの点については今後の動向に注意してまいりたいというふうに考えております。
#123
○川崎稔君 今の内閣府の認識に日銀の方でも同じ認識だと理解してよろしいでしょうか。
#124
○参考人(山口廣秀君) 私どもの方も物価については、この間、展望レポートで二〇一〇年度まで見通しを出したところでありますけれども、ただ、物価について、特に消費者物価については従来上振れリスクがあるというように私どもずっと述べてきたわけでありますけれども、状況的にはやはりそうした上振れリスクというのがむしろ小さくなっていると、このような認識にあるということであります。
#125
○川崎稔君 政府・与党の生活対策の基本的視点で、今回の対策の意義というのが、単なる一過性の需要創出でなくて、自律的な内需拡大による確実な経済成長を実現するために経済の体質を転換し、日本経済の底力を発揮させることにあると。そうした視点から見ますと、この生活支援定額給付金、単年度限りの措置でありまして、まさに一過性の需要創出ではないかと見ざるを得ないんですけれども、これが自律的な内需拡大の呼び水となり得るのかどうか、内閣府の見解を伺いたいと思います。
#126
○副大臣(宮澤洋一君) 総理のお話は、日本経済が全治三年という前提の下で自律的な内需拡大によるいわゆる確実な経済成長につなげる必要がありますと、こういうことをおっしゃっているわけでございます。
 今回のこの給付金については、まさにその全治三年という中で、やはり生活者の当面の不安心理を取り除くということが非常に大事で、これが景気の下支えになるということを考えて実施することにしたわけでございますし、また、それに加えまして、御承知のとおり、住宅ローン減税など内需拡大のいろんな柱を用意した生活対策ということで、全体として内需拡大、自律的な内需拡大による確実な経済成長につなげると、こういう方針の下に作成させていただきました。
#127
○川崎稔君 個人消費という点でちょっと確認をいたしたいんですが、日銀の経済・物価情勢の展望では、昨今の消費者マインドの大幅な落ち込み、これがどう影響するかということで分析をされているわけですが、少なくとも今回の局面では、消費者マインドの悪化というのは物価高を反映している側面が大きくて恒常所得の下振れによる面は小さいこと、あるいはデジタル家電といったものが新製品投入や価格低下などの需要喚起力、これを保ち続けるということで、個人消費についてはマインド指標が示すほどには悪化をしない可能性が高いという見解を示しておられます。
 そういう個人消費の先行きの見通しの中で、果たして景気対策、経済対策としてのほとんど効果が期待できないこの生活支援定額給付金、この整合性というのはどう考えればいいのかなというふうに思うんですが、内閣府の方、いかがでしょうか。
#128
○副大臣(宮澤洋一君) やはり三年間で何とか経済を回復させるということが非常に大事な私は要素だと思っております。そういう中で物価高等々、また給料が上がらないといったことで、大変生活者の不安というのが増している。そういう中でこういう給付金ということで下支えをしていきたいと、こういう意識でございます。
#129
○川崎稔君 そこで、大臣にお伺いをしたいんですが、辻委員からも指摘がありましたけれども、給付対象として所得制限の議論が行われております。全世帯かと言われたかと思うと所得制限を行うということで、非常にぶれ過ぎだなと私も見ているんですが、昨日、総理の発言を見てみますと、例えば、高額所得者、自発的辞退を促すという方式が示されているわけですね。そこで、総理は、これは本人の意識の問題、五千万円もらっても高額所得者じゃないという人もいれば、五百万円もらっても給付金は要らないという人もいらっしゃる、そういう御発言とか、私は要らないという方がいらっしゃったってそれはそれで結構だし、それは本人の自覚なり認識の問題とおっしゃっておられるわけですね。
 政府が国民の自覚を求める制度というのは、これは非常に違和感を覚えるんですけれども、大臣は、この所得制限、自発的な辞退というこの方式についてはいかがお考えでしょうか。
#130
○国務大臣(中川昭一君) 先ほどもお答え申し上げましたように、二兆円という限度の中での、少しでも困っている方に多く差し上げたいというのは私の正直な気持ちでございます。
 ただ、緊急性、それから事務手続の煩雑性等々を考えたときに、そういういろんな考え方があって、総理が昨日、そういうふうな観点からもいろいろお考えになった上でお話しされたのではないかというふうに思っております。
#131
○川崎稔君 済みません、大臣の答弁がこの今の自発的な辞退という方式についていま一つはっきりされないなという印象もあるんですが。
 一方で、その財源ですね、これが今回の生活対策という中では、財政投融資特別会計の余剰金、いわゆる金利変動準備金を充てるということが示されておられます。この積立金について、いわゆる埋蔵金ではないかということで、我が党の衆参の委員方からも度々この点については指摘をさせていただいているわけでありますが、当時、額賀大臣は、埋蔵金というものはない、金利変動準備金としていざというときに金利リスクに対応するための積立金だということで、その活用余地について、赤字国債の繰上げ返済に充てることのみ許容していたというふうに私は認識しているんですが、今回、この生活対策の財源としてこの金利変動準備金を使うと、充てると総理は表明されたわけですね。非常に御都合主義というふうに映るんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#132
○副大臣(平田耕一君) お答え申し上げますが、今回の対策は緊急の備えを万全にするという観点でございまして、生活支援、定額給付金などの一時的に必要となる政策を盛り込んでおりますので、他方、財政規律維持のためには極力赤字国債に依存しないという建前でおりますし、当面の緊急的な対応としまして、一時的、特例的に財投特会のこの金利変動準備金の活用を行うこととしておるわけでありまして、あくまでも一時的に必要となる政策に充てるための一時的な財源といたしましてこれを活用するということにしたものでございます。
#133
○川崎稔君 一時的だからいいということは、まあこれだったら何でも一時的だと言ってすべて逃げられるわけですけれども、少なくとも、私ども民主党が、例えば道路特定財源の問題で議論していたときにあのガソリン税の暫定税率廃止ということを主張して、その財源としてこういったものを充てるということを主張させていただいていた際には、非常にその点について政府・与党の方から批判があったということを記憶しております。そういう意味では本当に私としては御都合主義だなと言わざるを得ないんですが。
 今、副大臣の方が、まさに緊急の備えを万全にするためだとおっしゃいましたよね。そこで、大臣にお伺いしたいんですが、今回の生活対策、これに係る第二次補正予算、まさに緊急の備えだということであれば非常に急がなければいけないと思うんですが、提出の時期についてはいかがお考えでしょうか。
#134
○国務大臣(中川昭一君) まさに緊急だと思います。
 ただ、事務作業も大変複雑でございまして、これは総理の方でもいろいろと御判断があるわけでございまして、少なくとも私の立場からは、作業が非常に複雑だということだけは御理解いただきたいと思います。
#135
○川崎稔君 予算を組むというのは非常に複雑な作業だということは十分こちらも承知しておるわけですが、言い方を変えますと、どの程度取りまとめに時間を要すると見ておられるのか、いつなら可能なのか、重ねてお伺いしたいと思います。
#136
○国務大臣(中川昭一君) できるだけ早くやりたいと思っております。
#137
○川崎稔君 総理は、十月三十日の会見でこの生活対策というのを発表された際、ポイントはスピードだと、迅速にという意味ですということを会見でおっしゃっている。
 実際に政策を詰めていく過程で、随分調整に時間が掛かっているなという印象を受けるわけですが、まさに予算に、予算組むまでにまだ至っていないのか、あるいは今進めておられるのか分かりませんが、まさにこれこそ政治空白ではないでしょうか。
#138
○国務大臣(中川昭一君) 生活対策というのは、予算の面もございますし、金融担当大臣として言えばいろいろな金融対策もございますし、また中小企業が年末に向けて非常に期待というか希望されております特別保証あるいは貸付け等もございますので、やれるものからやれというのが総理の指示でございます。
 予算については、これは非常に作業が複雑でございますけれども、今鋭意作業を進めているところでございます。
#139
○川崎稔君 今大臣の御発言にありました、まさに年末を控えて例えば中小企業の方がお困りだというお話であれば、まさにこの臨時国会会期中に第二次補正を提出しなければいけないという話になるわけですけれども、そのおつもりがあるのかどうか、いかがでしょうか。
#140
○国務大臣(中川昭一君) 国会の御日程は国会の方でお決めいただくわけでありますけれども、できるだけ早くやりたいと思っております。
#141
○川崎稔君 時間が非常に少なくなってきているので、この生活対策、とりわけこの単年度限りの定額給付金、所期の政策効果をもし達成できなかった場合というふうな仮定の話になると非常に質問としてもお聞きしにくいんですが、来年度のスタンスとして、大臣は、こういった場合、あるいは経済情勢が非常に厳しいという状況が続くということが見込まれる場合、積極財政も辞さずというお考えなのかどうか、個人的な見解でも結構ですので、お聞きしたいと思います。
#142
○国務大臣(中川昭一君) 積極財政のちょっと意味をもう少し具体的に教えていただきたいと思います。
#143
○川崎稔君 少なくとも、例えば今回の単年度限りの生活支援定額給付金、これが単年度限りであれば、じゃ次はどうするんだという話にもなってくるわけですが、あるいは大型減税という話か、いろんな形での経済政策というのがあり得るわけですが、少なくとも、何らかの手を打っていく、需要を創出し続けなければいけないとお考えなのかどうか、この点についてはいかがでしょうか。
#144
○国務大臣(中川昭一君) とにかく、今御指摘が何回もありましたように、これを、いろんな対策を盛り込んでおりますので、やれるものからどんどんやっていくということが我々の緊急の課題だというふうに考えております。
#145
○川崎稔君 時間がちょっと非常に残り少ないんで、財政と併せて金融の方についても、副総裁の方に一言お伺いをしたいと思います。
 先般、十月三十一日に利下げをされたわけですが、その今回の利下げ、無担保コール・オーバーナイト物、誘導目標を〇・二%引き下げると。この利下げの考え方についてお伺いをしたいと思っております。
 特に、ちょっと事前にこの点については通告していなかったんですが、十月は八日に欧米で協調利下げというのをやっております。そのときには協調利下げ、そのタイミングではされずに十月の三十一日になさったといった点も踏まえてお答えいただければというふうに思っております。
#146
○参考人(山口廣秀君) お答えします。
 まず、先生の御質問、二つに分けてお答えした方がいいかと思います。
 まず一点目の方ということで、利下げの趣旨ということでお答えします。
 これは先ほど来申し上げてきたとおりでありますが、我が国の景気につきましては当面停滞色の強い状態が続くと、このように見ております。その上で、先行きのリスクといいますか、不確実要因として見た場合に、景気については下振れリスクが高まっているという認識であります。それから、物価につきましては上振れリスクが以前に比べて低下していると、こういうような情勢判断に立ったわけであります。こうした判断を踏まえまして、先月末、金融政策決定会合におきまして利下げを決めたということでございます。
 もちろん、あわせて、私どもとしては、金融調節面での対応力を強化するというような観点も踏まえまして、補完当座預金制度というのも導入したということでございまして、それらによって緩和的な金融環境の確保を図りたいと、図る必要があると、このような判断に立ったということであります。
 それからもう一点は、十月八日に欧米各国、協調利下げ、協調的な利下げをやったわけでありますが、日銀はその後何らかの変化が結局あったのかと、こういうことだろうと思います。
 御承知のとおり、その後も国際的な金融資本市場の状況というのはかなり緊張感に満ちたものになってまいりました。その影響というのは日本の金融市場にもかなり出てきているということでありましたし、そういう中で日本経済につきましては、設備投資については弱めの指標が続く、それから輸出についても頭打ちの感じがはっきりと出てくると、こういったようなデータの蓄積もあったわけでございます。
 日本銀行としては、そういったデータの蓄積、それから私どもの日本経済を取り巻く環境、これらを併せ考えて金利を引き下げ、かつ先ほど申し上げたような調節機能の強化を図っておく、これが適当なのではないかというふうな判断に立ったということでございます。
#147
○委員長(峰崎直樹君) 川崎君、時間が来ておりますので。
#148
○川崎稔君 終わります。
 ありがとうございました。
#149
○委員長(峰崎直樹君) 午後一時に再開することとし、休憩をいたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#150
○委員長(峰崎直樹君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#151
○水戸将史君 民主党・新緑風会・国民新・日本の水戸将史でございます。
 順次御質問をさせていただきますが、まず、今日初めての御質問ということで、中川大臣の人となり、御見識、また方向性等々、これから長い付き合いになるかどうかは別といたしましても、私自身もうかがい知りたい気持ちでいっぱいでございますので、是非忌憚のないところをお述べいただきたいと思っております。
 それでは、早速御質問に入りますが、先ほども辻委員、そして川崎委員からもお話がございました。大臣も率直にお答えになっておりますけれども、まずお考えとして、これを端的にお示しするのは、またかと言われるかもしれませんけれども、大臣が直近に大臣になられる前にお書きになられた緊急提言、「「改革のための改革」を止めよ」という十三の政策という形で寄稿されております。これを拝読して、私も感銘を受けた部分がたくさんあります。なぜならば、民主党が以前から申し上げていた政策もかなりちりばめていただいて、非常に政策的な違いがないんではないかという、民主党の考え方と非常に合致するんじゃないかということを感じざるを得ないところがたくさんありました。
 大臣、一つ、先ほどもお伺いしましたけれども、この二〇一一年度のプライマリーバランスに関しまして、大臣自らは基本的にという話をされておりますが、もう一度御確認の意味で御見識を問いたいんですが、この目標達成についてどのような認識を持っていらっしゃるのか、また今のペースでやっていくならばこれは達成できると考えていらっしゃるのか、それをお答えいただきたいと思います。
#152
○国務大臣(中川昭一君) 今、経済が非常に厳しいわけでありますけれども、景気を良くして、そして人々があるいは経済が元気になっていくということが最優先課題でございまして、そうすることによって二〇一一年に黒字化するという方向に向けて努力していくというのが麻生内閣の方針でございます。
#153
○水戸将史君 内閣の基本的な方針は分かるんですけれども、大臣のお考えとして、当然、大臣になる前となった後ではお立場が違うという話もありますけれども、やはり一国政をあずかる立場でありますし、そういう形で国民から選ばれたというお立場でありますもんですから、やはりそこら辺は真摯にお答えいただきたいんですけれども。
 この緊急提言を拝読いたしましても、その中でも、国民に希望を持たせ、経済を活性化させる減税や財政支出を封印してはならないと。景気が急減速しているのに財政再建を強調するだけでは事態が良くならない。損して得取れというのも国の財政には必要なんだということをここで御指摘をされ、またお述べになっているわけでありますが、もっと分かりやすくおっしゃっていただきたいんですが、この損して得取れというこの表現なんですが、何が損で何が得かということをちょっと私にも分かりやすくお話をしていただきたいんですけれども、よろしくお願いいたします。
#154
○国務大臣(中川昭一君) 一時的には出費をする、今回の緊急経済対策第一次のときのように出費をする、そして経済を良くする、それによって税収も伸びる、あるいは改革もできるという趣旨で損して得取れということを申し上げたつもりでございます。
#155
○水戸将史君 大臣に就任になられた後のこの十月十六日ですか、それ以降の記者会見でもしばしば大臣の御発言で、赤字国債を絶対出さないと言っているわけではない、赤字国債の発行を容認したとも受け取れる発言とか、いわゆる財政再建の原則は守らないといけないけれども、国民の暮らしや仕事に役立つという目的を達成するのが今回の目標だと、いわゆるこの経済対策についての目標達成の意義をここでもお述べになっているわけでありますが、いわゆるこの御著書どおりに、この書かれた本どおりに財政出動に積極的な姿勢を打ち出しているといってもいいのではないかと思っていますが、今後やはり経済対策に赤字国債の増発ということも織り交ぜて、これも視野に入れてやっていくおつもりなのかどうかということをお聞かせいただきたいと思いますが。
#156
○国務大臣(中川昭一君) 第一次の補正の御審議の政府案でも赤字国債は出さないということで成立をさせていただきましたし、今回のいわゆる生活対策、今詰めておりますけれども、これも基本的には赤字国債を出さないという前提でやらせていただきたいと思っております。
#157
○水戸将史君 この十三の緊急提言の中の一つに、御案内のとおり、定率減税の復元というか、これをもう一度導入したらいいかというようなことも緊急提言の大きな項目の一つとしてこれを挙げられていますよね。その中で、物価上昇と購買力の低下が鮮明となれば、定率減税を復活させる形で所得税減税を進める、進めるべきであると、こうお述べになっているんです。
 先ほど日銀の御報告もありましたとおり、十月に出した経済・物価情勢の展望によれば、消費者物価は、今年、二〇〇八年七月から八月の二か月間、前期に比べて二・四%上昇しております。これはもう十五年以上前の一九九二年六月以来の十六年ぶりに高い上昇率でもあるんですね。年度平均、一年間のこれを、ベースを、これを目算をすれば、消費者物価上昇率は一%台半ばになるのではないかともう既に予想されているんです。
   〔委員長退席、理事円より子君着席〕
 一方、勤労者の実質賃金は減少しておりまして、これは厚生労働省の毎月勤労統計調査では、実質賃金指数は、本年七月以来、前年比マイナス、特に六月がマイナス一・四%、七月がマイナスが二・四%、八月がマイナス一・八%、九月はマイナス二・五%、ずっとマイナス続きなんですね。
 こういうような数値データから我々自身が予測をすれば、これは分かるところは、計り知ることができることは、やはり大臣が緊急提言の中で御指摘されている物価上昇率一%で被雇用者の実質購買力は二・六兆円落ちるという、これは大臣自らが試算されているわけでありますが、以上の経済条件があると、現段階、これからのこの一年間を見てそういう状況にあると言っても過言ではないかと私は思っています。大臣も、これに関して、その御見識と、そしてこういう状況が来れば特別減税を行うべきであると大臣はおっしゃっているんですけれども、その御発言に間違いはございませんか。
#158
○国務大臣(中川昭一君) たしかその論文を六月に書きましたけれども、七月三日発売だったと思いますが、私はやっぱり所得を増やすという意味で減税が必要だというふうに考えておりました。その際、私は定率減税ということを提案をしたわけでございます。それをやるとちょうど二・六兆円分の減税効果があるということで、以前にやっていた数字とたまたまというか合うわけでございますけれども、そういう考えで書いたことは事実でございます。
#159
○水戸将史君 私がお聞きしているのは、いわゆるそういう状況であるのではないかと、今の現況、これからのこの一年間を俯瞰した場合に、どういう状況になるかということを予測されてこういう形で書いていらっしゃると思うんですが、今の現状はどう認識されているんですか。
 いわゆるこの物価上昇率が一・一%以上になる、一・五、一%半ばになると予測されておりますし、賃金指数ですか、毎月毎月マイナス続きであるという状況であるので、やはり昨年に比べて非常に状況は厳しいとこれは認識せざるを得ないと思っているんですけれども、大臣の御認識はいかがですか。
#160
○国務大臣(中川昭一君) 去年以来、このアメリカ発のサブプライムローン問題が顕在化して、そして、今御指摘のように、先ほどの日銀副総裁からのお話にもありますように、いろんな条件の中で日本の経済、暮らしが厳しくなっているということは、私もそういう認識を持っております。
#161
○水戸将史君 そういう御認識であるならば、お書きになったとおり、まさしく二・六兆円というのはたまたま合致したという部分もあるかもしれませんけれども、いわゆるそういう定率減税の復活ということも視野に入れて、来年度予算というんですか、これから本格的にそういう予算の組立て作業に入るということでありますけれども、そういうことを織り込んでというか、それを視野に入れてやっていくべきと考えるんですけれども、どうでしょうか。
#162
○国務大臣(中川昭一君) 私は、書いたときにはまさかこういう立場になるとはゆめゆめ思っておりませんでした。私自身がとにかく人、物、お金をどうやって動かして日本を元気にするかということで、ない知恵をいろいろ絞った上の一つの判断でございました。言うまでもなく、減税をやるにしても、定率減税、定額減税、いろんなやり方があって、それぞれ一長一短があって、八月の二十九日の政府・与党の決定の中では定額減税ということに決定をしたわけでございます。
#163
○水戸将史君 じゃ一つ、ちょっと視点を変えて。それでは、定額減税と定率減税、これは別に二者択一ではございませんけれども、どちらが経済的な効果があると大臣自身は思われていますか。
#164
○国務大臣(中川昭一君) それは一長一短、あるいは緊急性の問題等々、いろいろな状況の中でいろんな手法があるんだろうというふうに思います。
#165
○水戸将史君 それでは、経済的な波及ということを考えれば、先ほども単発的な一時的な緊急的な措置であるという話がございました。あくまでもこれは一時的、単発的でありまして、定率減税はある意味恒久的な措置でありますんで、これは定率減税の方が経済波及効果は大きいと言っても過言ではないと思いますが、どうでしょう。
#166
○国務大臣(中川昭一君) それはいろいろな状況に、もちろん定額減税というのは今やろうとしていることは緊急、単年度限りということでございますが、定率減税を仮に単発的にやる場合であってもそれはどちらが景気に対して刺激的かということについてはその時々の状況で変わってくるんだろうというふうに思います。
#167
○水戸将史君 先ほども、またこれ何度も大臣の御答弁で、本会議でもそうだったんですけれども、いわゆる大臣になる前となった後では立場が違うからという、まさかこれを書いたときに大臣になると思っていなかったという、そういうような口上をお述べになるんですけれども、私は大臣になったことはないんで分からないんですけれども、やっぱり大臣というのは非常に発言権、自分がこれをやりたいというものを自分なりに、もちろんいろんな制約があるかもしれませんけれども、やはりそういう形で自分の思った政策を自らこれを発信して、それである意味いろんな方々に協力を得ながら進めていくというお立場じゃないのかなと思うんで、何か大臣になっちゃったら急に萎縮しちゃって、思ったことも言ったこともできないというのは本末転倒だと思うんですけれども、これに関してはどうでしょう。
#168
○国務大臣(中川昭一君) さっきも申し上げたように、六月段階でこれを発表、七月三日号で発表して、その後、党の中でいろいろな議論があって、自民党の意思決定機関である総務会、私も当時総務のメンバーでございましたけれども、そこでの議論の結果、総務会としてこれを了承したわけでありますから、私としてもこの定額減税ということで最終的には党の決定に参画をしたわけでございます。
#169
○水戸将史君 大臣のお立場なら、私は、まあ私も余りなったことはないので偉そうなことは言えませんけれども、やっぱり自ら信ずるところ、これは実直にやっていっていただければ、より一層政治に対する国民の信頼も高まるのかなと思っております。大臣になれば、これは中川大臣のことを申し上げるわけではありませんけれども、これは道路特定財源の話もそうだったんですね。結局、国土交通省の所管に議員がなってしまえば、どうしても道路特定、暫定税率の話も何か、なる前となった後では結局これは自分の言っていることとやっていることは違うということで、しばしばさきの通常国会でも我々自身の追及に対してしどろもどろの答弁をされていた与党議員が多くいたような気がいたします。
 ですから、私は、願わくば中川大臣は毅然とした態度で自分の思ったことをやり遂げるまで強い意志を持って頑張って、定率減税は私、決してすべてを手放しで喜んでいるわけではありませんけれども、やはりこの十三の政策の中で非常にいい部分もある。もちろん、民主党が主張しているような年金の問題も、それからまさしく物から人への投資なんていうのは我がキャッチフレーズでありますんで、そういうものを大臣が引用されているわけでありますから、是非そういうことを含めておのが信ずる道を進んでいただきたいということを御激励を申し上げさせていただきたいと思っております。
 それで、非常にこれからますます世の中が社会的な不安が増幅してくるのかなという一つのものとして法人税収ですね、四月から九月のこの半年間、上期というんですか、四〇・九%前年同月比で減収となっているということでございまして、大体このままのペースで行くならば本年度は法人税収は五兆円ぐらい減ってしまうんじゃないかというようなことも今想起されているわけでありますけれども、これについては御認識はいかがですか、大臣。
#170
○国務大臣(中川昭一君) 御指摘のように、ちょっと具体的な数字は今手元にございませんが、御指摘のように、既に法人税収、当初の見積りよりも低くなっているわけでございまして、これについては今後の状況を注意深く見ていかなければいけないというふうに思います。
#171
○水戸将史君 注意深く見ていただいて適宜適切な対応をしていただきたいと。しかし、税収が減るということに関しての適宜適切な対応というのは、短絡的に言えばこれは国債の発行しかないということになりますので、先ほど私が口を酸っぱくして申し上げておりますけれども、プライマリーバランスはどうなるのかなということのバランスを、これとのいわゆる調整ですよね、それを視野に入れてやっていかなきゃならないと。ましてやいろんな形で、これから申し上げますけれども、あのようなばらまきと言われても仕方ないようなそういう政策もこれから断行しようとしているわけでありますんで、ますます財政的に窮屈になってくるのかなということはだれが見てもこれは明らかではないかと思っておりますんで、それをまず御指摘をさせていただきたいと思います。
 それで、実際にこの給付金というものに対して何点か御質問をさせていただきたいんですが、先ほども川崎委員から何点かの質問をさせていただいておりますが、この前段階というんですか、平成十年の段階のことをもう一回振り返ってみますると、やはり地域振興券というものがありますね。七千億円規模で、これは公明党さんの御発案で、その当時野党でありましたけれども、公明党さんの御発案で自民党がそれを採用したという経過がございました。実際にこれに回った、先ほどの御答弁でもございましたけれども約二千億円、大体三分の一弱ぐらいの程度でございまして、GDPの押し上げ効果は〇・一から〇・二%程度であるというお話がございました。
 大臣、この地域振興券を振り返っていただいて、このいわゆる政策効果、経済効果が〇・一%から〇・二%にとどまったと言ってもいいかと、これについての本当に効果があったかどうかという御本人の御認識はいかがでしょうか。
#172
○国務大臣(中川昭一君) これは日本で行いました地域振興券、これはGDPの〇・一%しか効果がなかったのか、あるいは大変冷え込んでいる中で五千億円規模のGDP押し上げ効果があったのか、これは簡単にゼロか一〇〇かで言えることではないのかなと思います。
 アメリカが今年の初めにやった戻し税についても、やはり貯蓄に回ったりあるいはまた借金の返済に回った分が半分以上あるとも言われております。しかし、これだけの急速な物価高で所得が伸びていないという中で、やはりそれは、これを差し上げるということは、私は効果が全くないということではないというふうに認識をしております。
#173
○水戸将史君 だれも効果が全くないとは言っていませんでして、七千億円掛けただけの値打ちがあったかということを、やはりこれは国の台所を預かる者として客観的な評価を加えて、客観的な認識を持っていただかなきゃこれ困るというわけでございまして、実際これはそのときの経済効果につきまして、いろんなエコノミストや経済評論家、もちろん各界からこれに対しての賛否がありました。ほとんど否定的な見解が多かったんですね。
 その中の一つといたしまして、これ代表的なものとして、これは内閣府の経済社会総合研究所というのがあるんですか、このシンクタンクですね、ここの調査研究員の方々が一定の論文を発表しているんです。このいわゆる地域振興券についての需要の喚起がどの程度であったかということをデータ的にこれは計算しているというか、ある意味予測の数値を超える部分ではないんですけれども、しかしこれは非常にその当時を知る一つの手掛かりなんですね。
 確かに、これを拝見しておりまして、このエコノミストたちが言っているんですが、私たちの知る限り人類史上まれに見る特異な試みであると。何か褒めているのか、けなしているのかよく分かりませんけれども、いわゆる人類史上まれに見る特異な試みをしたということを言っているわけですね。
 この中で、確かにこの地域振興券をお配りした三月、年替わりから随時市町村レベルでこれ発行していったんですけれども、一番いわゆる消費の方に使われたと、二万円の券を配付して実際にこれが使われたというのは大体三月から六月が一番多かったらしいんですね。このときは確かに一定の需要を、消費を喚起したと、それにつながっていると言っているんですね。しかし、それからが問題なんですね。
 つまり、何を言いたいかというと、最初もらった段階では消費者は有り難い、あれに使ってこれに使ってと買うわけです。そして、ある程度これ期限も限定されていたんでしょう。いざ使ってしまった後なんですが、これ六月以降なんですけれども、このいわゆる主任研究員たちの調査結果によりますと、五月まで良かった、しかし六月以降逆に、逆にですよ、逆に消費にマイナス効果を与えた可能性が読み取れるということを言っているんですね。
 つまり、一時的に買ったものに関して、やはり不要なものも買ってしまった人もいるでしょう。もらったからと喜んで勇み足で買っちゃったという人もいるかもしれませんし、つまり先買いしちゃったわけですね。だから結局、今必要ないもの先買いしちゃっているものですから、実際それは使わないでストックしておくわけですね、家の中のどこかに。結局、その後の消費というものは、実際にそのときに買えばいいものを先に買っているものですから買わなくてもいいということで、消費者マインドにとってもそういうことになるわけでありまして、この調査結果でいくと、二万円の商品券はわずか二千円程度、つまり一割程度にとどまったと、その消費を喚起したことについてですね。
 つまり、七千億円規模でばらまいたこの税金が、その中において〇・一、要するに一割の、一〇%程度しか消費に回らなかったんじゃないかと。実際に純増したのは一〇%程度でとどまったんじゃないかという、そういうような見解を述べているんですね。だからこそ特異まれな、世にもまれな政策だというふうにやゆしている部分もあるんですけれども、こういうような調査結果につきまして大臣はどういう御認識をお持ちになりましたでしょうか。
#174
○国務大臣(中川昭一君) とにかく前回のときも、今回は定額給付金でございますけれども、やはり物価が上昇している、賃金が伸びない、そして子育て、あるいはまた高齢者の方々にこういう形で国として差し上げるということについては、それは先食いしたのか、あるいは無駄なものを買っちゃったのか、個々にはいろいろあるとは思いますけれども、しかしこれだけ経済が悪い、暮らしに対するプレッシャーがあるという中で、やはり私は、やることによってどの程度の効果があるかというのは、これはなかなか評価の分かれるところかもしれませんけれども、有効に使っていただけるものというふうに期待をしております。
#175
○水戸将史君 大臣が幾ら期待しても期待どおりにならないことはいっぱいありますので、それは期待外れで済まされないんですね、これはお金ですから、そもそも税金なんでありますから。それをしっかりと御認識をされていると思いますけれども、いま一度再認識をしていただきたいと。
 私も地域振興券について否定的であります、当然。しかし、どこかにはこれをある程度評価している論文もあるんじゃないかといろいろ探してみました。ありました、実際に。
 その中の論文を拝見すると、何かをやっているという主張と政策を実行するスピードが大事なんですと。まさに今大臣が言っているような話なんですね。それを評価する声ですよ。その当時を、この地域振興券につきましてもそれを評価する声では、やっぱりスピード感、何かをやっているという主張、いわゆる一般の減税と比べて、そういうものをばらまけば本人にとっては得をしたという気分にならせると、それが消費者マインドにつながっていって何か需要を喚起するんじゃないかというようなことも含めて、やっぱりスピード感が大切なんですと言っております。そして、これは心理的に非常に効果があるという言い方なんですね。
 さらに、この論文を見れば、ばらまきでも必要な場合があるんだと言っているんですね。ばらまきでもいいんじゃないかと。それから、もっと言えば、今は地域振興券のような場当たり的なものがまず求められていくんですよと。非常に、やらないよりやった方がいい。先ほどの大臣の答弁も何となくやらないよりやった方がいいというようなニュアンスに聞こえるんでありまして、この論文を見ると、某党を鼓舞するような雑誌から出ているような論文でありましたんで、ああ、なるほどと私も納得したんですけれども。
 大臣、こういう形で、今言ったようにやらないよりやった方がいいだろう、確かにそれは、やらないよりはやった方がいいということはだれしもがそれはそうだろうと言うでしょうし、ばらまきでも必要なんだということと、それから場当たり的でも今は構わないんだというような、これ地域振興券のときですよ、というような論文があります。これについてどう思われますか。
#176
○国務大臣(中川昭一君) ばらまきでも、あるいはやらないよりもやった方がいいとか、そういうつもりでやっているわけじゃなくて、厳しい財政状況の中で、少しでも家計、個人の消費に役立てていただきたいということでぎりぎりの財政状況の中でやって、そして効果が出るように私は有効に使っていただきたいというふうに思っております。
#177
○水戸将史君 ぎりぎりじゃないんです。もう財政状況はぎりぎりという、そういう悠長なものじゃないんですよね。まして先ほど言ったように法人税収の五兆円もしかしたらダウンするんじゃないかという状況の中で、ぎりぎりという話じゃないんです。ぎりぎりじゃないです、もう。かなりそれ以下、もう以下も以下もいいところぐらいに来ているわけでありまして、是非その認識は、釈迦に説法かもしれませんけれども、十分財務大臣として、財務省としてその御認識は是非お持ちいただきたいと思っております。
 先ほど辻委員からも川崎委員からも何点かこの給付金の制度の概要につきましてお話がございました。今回二兆円の定額給付金の経済効果が先ほど〇・一五から〇・二%、余りあの地域振興券と変わらないじゃないかというお話もありましたけれども、いわゆる、大臣自らも地域振興券レベルのそのような波及効果、経済効果があればいいと思っていらっしゃいますか。
#178
○国務大臣(中川昭一君) 私は、地域振興券については今回はそういう議論はしたことはございません。
#179
○水戸将史君 僕が言いたいのは、要するに、その〇・一%、二兆円規模の、いわゆる前回七千億円、今回二兆円、まあ約三倍規模のものをやろうとしているわけでありますが、その中で、つまり同じような〇・一から〇・二、まあ〇・一五から〇・二と言われているんですけれども、大体似たような経済波及効果であると、需要を喚起する、消費を喚起する効果であると、まあ効果にとどまるというんですか、ぐらいじゃないかと試算されているんです。その程度の効果でいいんですかという話をしています。
#180
○国務大臣(中川昭一君) あのときと現在では世界的な経済状況も、あるいはまた一次産品の物価高等々の状況もかなり状況が、厳しいという意味では共通かもしれませんけれども、その中身については違っているというふうに思っておりますので、あのとき程度であればいいとか、あのとき程度じゃ駄目だとか、そういうふうには一律には言えないのではないかというふうに思っております。
#181
○水戸将史君 じゃ、具体的にお答えはできないと思うんですけれども、じゃどの程度ならいいというか、政策を実行するためにはその根拠というか論拠というか、これだけの効果を見込むとか、これだけのやはり波及効果があるんだということはある程度確信してやるのが本来の大臣のお務めじゃないかと思うんですけれども、二兆円という規模のいわゆる税金、強いて言えば税金ですけれども、税金を使ってこれを随所にばらまいて、そしてどの程度の効果があると見込んでいらっしゃる、そういう形で政策は実行するものじゃないかと思うんですが、それについてどうでしょうか。
#182
○国務大臣(中川昭一君) 二兆円のことばっかり御質問ですけれども、これ以外にもいろんなものを考えているわけでございますから、やれるものからやっていくということではありますけれども、これは家計あるいは企業あるいは地域含めて総合的に生活支援という名の下でいろんな対策を取っているわけでございますので、是非そういう観点からこれを評価をしていただければ有り難いなというふうに思います。
#183
○水戸将史君 そのやり方はいろいろとあると思うんですけれども、要するに、大ぶろしきを広げて全体的にこれだけの効果があると、その細部についてはまあプラスもあるしマイナスもあるから、あとはそれは勘案してくれというような、これが本当にお金使ってやる人のお仕事かなという気がするんですね。どっちかというと積み上げ効果だと思うんですよね、こういうものは。この部分に関してはこの効果がある、この程度はあると。これに対して、大体トータルとして、それは合算じゃないにしろ大体全体としてこのぐらいあるという、そういうことでやっていくのが普通の政策の組立て方かなと思うわけですね。
 政策だけならいいんですよ。私が言っているのは、これはお金を使う、税金を使うんですよ、二兆円も。それに関しての認識が薄いんじゃないですかという話をしているんですけれども、大臣、もう一度御見解をお願いします。
#184
○国務大臣(中川昭一君) ですから、具体的な方策はまだ決まっておりませんけれども、給付金方式というのを、定額減税、あるいは介護・子育て支援、あるいは雇用保険料の大幅な引下げ、住宅ローン等々等々いろいろございますので、是非総合的にこの効果というものを我々はねらっていきたいというふうに考えております。
#185
○水戸将史君 余り押し問答になっちゃうのであれですけれども。
 結局、我々としては別段すべてを否定をして、これをやっちゃいかぬと、あれをやっちゃいかぬと言っているわけじゃなくて、仮にこれをやるならばどういうような効果を皆さん与党は見込んでやられるんですかと。それを説明できないで国民の人たちがどう思うんですかと。だから、今日の朝日新聞でしたか、要するに、これだけ返して、皆さんもらえるものに対してはだれだって歓迎しますよ。しかし、否定的な意見の方が全然多いでしょう。だから、こういう説明不足がいわゆるひいてはこれは政治に対する不信を生むということになるわけですね。
   〔理事円より子君退席、委員長着席〕
 大臣、もう一度お答えを、お考えをよろしくお願いします。
#186
○国務大臣(中川昭一君) 個別の定額給付金についてはまだきちっとしたものが、議論の最中でございますけれども、一定の金額を一人頭幾らという形あるいはそれに加算をした形で差し上げる、そうすると家計における可処分所得はそれだけ増えるということになります。もちろん、貯蓄に回ることもあるでありましょう。そしてまた、それがマクロ的にはどういうGDPの押し上げ効果等があるかにつきましては、さっきお話があったような内閣府の試算があるということでございます。
#187
○水戸将史君 二兆円規模というお話を再三再四にわたってされているわけなんですね。この手法についてはまだ詰め切れていない部分もあるんですけれども、いわゆる高額所得者の方々には御辞退願おうという、先ほども何回も出ました。
 よく私の分からないのは、二兆円という規模、これは上限なのか何かよく分からないんですけれども、前後というんでしょうかね、この高額所得者の人が辞退をしたことを前提として二兆円と言っているのか、この人たちが別に、うそをついたかどうかは別としても、全員に支給して、全員がそれにあてがわれるということを見込んで二兆円と言っているのか。ひとつその辺をもうちょっとはっきりしてもらいたいんですけれども。
#188
○国務大臣(中川昭一君) どういうやり方にせよ、二兆円を限度として給付をさせていただくということであります。
#189
○水戸将史君 じゃ、二兆円を限度ということで、あとはそこから減額をするというような形式を取るということですね。分かりました。
 この中で、この財源的な話も若干先ほど川崎委員からもございましたし、いわゆる金利変動準備金を使うんだという考え方でありますが、これをする場合は法改正を必要とするわけでございますけれども、技術的にどういう法改正になるんですか。財源的な手当てで金利変動準備金をこれは充てるという話がありましたから、具体的に技術的にはどういう法改正をするんですか。
#190
○副大臣(平田耕一君) 御指摘のように、この財源に金利変動準備金を活用するということであれば立法措置が必要であるわけでありますが、これを、全体の補正等の生活支援、中小支援等含めて財源手当てを至急に検討しておるところでございます。
#191
○水戸将史君 だから、もっと具体的に技術的にどういう法改正が必要になるかということを聞いているんです。そして、この総額なんですが、取り崩すのはこの二兆円だけじゃなくて経済総合対策のすべて、全額という話なのか、どの程度の規模を想定しているのか、もう一度お答えください。
#192
○政府参考人(佐々木豊成君) 現在の特別会計法によりますと、特別会計法の通則では、剰余金の処理に関しまして一般会計に繰入れの規定がございます。ただ、財政投融資特別会計につきましては、その積立金で政令で定める額をオーバーした部分につきましては国債整理基金特別会計に繰り入れることができるという規定がございますが、一般会計への繰入れ規定が適用除外になっております。
 したがいまして、財政投融資特別会計の準備金につきまして一般会計に繰り入れようといたしますれば、この特別会計法の特例という法律が必要になってまいります。
#193
○水戸将史君 具体的に技術的に言えば、特別会計から一般会計に繰り出しをするという法改正をするということですか。
#194
○政府参考人(佐々木豊成君) 具体的な条文はともかくといたしまして、趣旨としましては、特別会計法の規定の中で除外されております一般会計への繰入れができるという法律を作るということでございます。
#195
○水戸将史君 はい、分かりました。
 この法改正ですけれども、一体いつまで準備をされるおつもりですか。
#196
○政府参考人(佐々木豊成君) 先ほど財源の取り崩しの話ございましたけれども、今生活対策につきましての予算措置が必要であるものにつきましては、その内容を詰めるという作業を今後行っていくという中で必要な財源の額が今後決まっていくということで、現在固まっておりません。
 したがいまして、それも含めまして、法案につきましても、いつ提出するかとか作るという点につきましては決まっていないものと考えております。
#197
○水戸将史君 もう一度、聞き逃した部分もありまして、もう一回お答えいただきたいんですが、金額の規模は、まだこの二兆円部分は、このいわゆる定額給付金は、これはその中ですべてこのいわゆる取り崩しの中に、まあお金は色があるわけじゃありませんからあれですけれども、しかし基本的なスタンスとしては、二兆円規模のものはこの取り崩しの中にすべて含めて、あとは全体像はまだはっきりしないということですか。どの程度か、もう一回お答えください。
#198
○政府参考人(佐々木豊成君) 生活対策にかかわります予算措置の財源全体につきまして必要額、それからどの財源をどのように用いるかという全体につきましては現在検討が行われているものと承知しております。
#199
○水戸将史君 ですから、まだ決まっていないということでいいんですね。そういうふうに答えていただければ。分かりました。まあそれは適時適切なときに出されるという話で、これからの国会の流れというものを我々も注視をしていかなきゃならないと思っておりますが。
 それで、これ三日ぐらい前の朝刊に、この基礎年金ですか、来年四月、二〇〇九年というのは一つのいわゆる年金改正の時期でありますが、この段階までに国庫負担を二分の一に引き上げるというのが今までの既定路線でありましたが、これは死守するおつもりですか。大臣、どうでしょうか。この考え方はどうでしょうか、大臣の見解をお伺いします。
#200
○副大臣(平田耕一君) 報道は、年金財源の二・三兆円というやつでございますね。
#201
○水戸将史君 そうです。
#202
○副大臣(平田耕一君) 先ほど来、大臣申し上げておりますけれども、基礎年金国庫負担の二分の一への引上げは鋭意検討を行い、実現に向かっておるというところでありますけれども、安定財源の在り方も含めまして、年末までに結論を出すところでございまして、報道は承知しておりますけれども、政府としてはそういうような調整に入っておりませんので、ここでお答えをさせていただくわけにはいかないと。
#203
○水戸将史君 ごめんなさい、それは後の話なんです、それは。
 私が言いたいのは触りの部分で、二分の一に引き上げるというのは、これはもうある程度世の中の大半というか、そういう方向なんだなということは国民の方々も認識している部分はあるんですが、二〇〇九年までの間に五年間掛けて、今度改正ですよね、そのときに今までの三分の一の国庫負担を二分の一に引き上げると、二分の一に持っていくと、要するに二分の一ですよというのが今までの既定路線だったと思うんですけれども、これは死守していくんですかという話です。これは必ずやるんだという既定路線には変わりはないんですか、今どういうお考えですかということ。
#204
○副大臣(平田耕一君) それも含めてのお答えをしたつもりでおりますけれども、大臣も午前中も申し上げておりましたが、それを実施する、実現に向けた検討を行ってまいる、そして、財源の全体を含めて年末までに結論を得るべく、そして、そのタイミングで是非中期的な見通し、計画を作成していくということで、方針でございます。
#205
○水戸将史君 では、既定路線には変わりないということを信じていいんですね。
 先ほど若干おっしゃっちゃったんで言いづらくなっちゃったんですけれども、いわゆるこれを、二・三兆円足りないんだという形で、これからの財源的な手当てとして、これ消費税大体一%分に当たるんですね。しかし、麻生総理は消費税の見直しというか、これは経済状況が良くなればと先ほどいみじくも政府側から答弁ありましたけれども、経済状況が上向けば三年後に消費税を上げさせてもらいたいという話をされておりますけれども、そういうことを言っているさなかに、来年にこの二・三兆円どこからか持ってこなきゃいけないですね、この二分の一に充当させるためにはですよ、この基礎年金の。この財源をどうするかという話にまたなってくるわけです。
 過日の新聞報道では、これも先ほど言った金利変動準備金ですか、あれを繰り出すんだと、積立金を取り崩すんだというお話がありましたけれども、あれは事実ですか。もう一度。
#206
○副大臣(平田耕一君) 済みません、答弁前後しましたが、申し訳ありませんが。
 申し上げましたように、全体の財源という点で年末までに中期プログラムを策定するべくトータルでやっておるところでありまして、報道は承知しておりますけれども、政府としてそういう検討、対応をしておりませんので、調整に入っておりませんので、ここでの答弁はいたしかねるところでございます。御理解をいただきたいと思っております。
#207
○水戸将史君 つまり、前回の二〇〇三年から今に至る、来年に至る五年間ですね。結局、非常に二〇〇三年の段階から自民党、公明党はこれに対して百年安心と言いながら、いろんな形で段階的に国庫負担割合を引き上げていこうということを打ち出しております。実際にそういうことをやっている部分が散見されます。やっている部分がいいかは、それが満足いけるかどうかは別といたしましても、つまり、今までの中で何をやってきたかというと、この四年間ですか、過去振り返って四年間やってきたことといえば、この基礎年金に充当するということを視野に入れてやってきたことは、公的年金等控除の縮減、老齢者控除の廃止、それから皆さん御案内のとおり、これから中川大臣が復活をするかどうかと思われるこの定率減税の廃止なんですね。これを三点セットで、同時じゃありませんけれども、やってきました。このいわゆる増税策ですね、増税策はやはり安定的な、段階的に国庫割合の負担を引き上げていこうと、その安定的な財源として確保していこうという、こういう思惑でやってきたという経過がありますが、これについては間違いありませんか。
#208
○政府参考人(真砂靖君) 今先生御指摘のように、平成十六年度から平成二十年度まで五か年にわたりまして、三分の一に加えまして段階的に引き上げてきたわけでございます。その際、先生御指摘のような年金課税の適正化、それから定率減税の縮減、廃止というものも税制改正として同時並行的に進めてきたということでございます。
#209
○水戸将史君 安定的な財源、多いか少ないかという話になってきますけれども、実際、じゃこの三点を増税をする、いわゆる廃止をして上がった収入と、実際にこれに対して今まで四年間、まあ三年間です、今年入れて四年間なんですが、実際にどの程度この基礎的年金の引上げに充当してきたかをお答えください。
#210
○政府参考人(真砂靖君) 三点と申しますか、一つは年金課税の適正化でございます。これは十六年度税制改正で行ったところでございまして、それにつきましては全額基礎年金の国庫負担割合の引上げに充てたところでございます。
 もう一つ、定率減税の縮減、廃止でございますが、これは十七年、十八年の税制改正で行ったところでございます。
 増収としては、十七年度から十九年度にかけて増収になりましたけれども、総額で、先ほどから出ておりましたように、二・六兆円ございます。このうち三二%は地方交付税法によりまして地方交付税に行きます。三二%は〇・八兆円に当たると思いますけれども、それを引きました残余の一・八兆円につきましては、これは本来的には一般財源でございますので、特定の歳出にリンクするというものではございませんけれども、与党における御議論も踏まえまして、定率減税の廃止、縮減に関連する事項としてこれまで〇・三兆円、年金引上げに充ててきたというものでございます。
 なお、二十年度予算につきましても国庫負担割合の段階的な引上げは行いましたけれども、これにつきましては、新たな増収措置がない中で、与党合意を踏まえまして、更に段階的引上げを行うというふうにしておるところでございます。
#211
○水戸将史君 私が申し上げたいのは、確かにこの定率減税を廃止したのは年金財源に充てるためだけじゃありません。この老齢者控除とか含めて、廃止したのもそれだけじゃありませんけれども、しかし、その眼目としてこの年金のいわゆる国庫負担割合を上げていくんだということも、これを一つのものとして、こういうものを増税してきたんですね。そして、全体的にこれ二・八兆円なんですよ。二・八兆円を超えるぐらいの、この増税額は二・八兆円。しかし、実際に今、年金財源に充当されているのは五千億円ぐらいなんです。大体六分の一弱です。
 僕は、ここからが問題なんですけど、じゃ、なおかつまだ二・三兆円足りないということですね。二・三兆円どうするかということで、さっきの新聞では、取りあえずその積立金を取り崩していこうかと、急場しのぎの、いわゆる二兆円のばらまきと一緒の形でやっていこうというわけで、消費税も三%、これ三年後に上げるかどうかという話も、三%じゃない、三年後に上げるかどうかという話も、これも定かではないと。ますます財政的な問題に関して非常に不透明なんですね。だから、こんなことで、その場しのぎ、その場しのぎでやって本当にいいのかと野党の側でも心配するわけですね、これに関しては。大丈夫かい財務省という気持ちを惹起せざるを得ないんですね。ですから、もうちょっとちゃんとしたもので作ってもらいたいと思うんですよ。
 実際にこういう形でやっていく場合に、今後、これはまだ未確定の部分もありますけれども、いわゆる消費税が上がるかどうか分からない。なおかつ、今言ったように、定率減税のこの二・六兆円分増えた分も、わずか六分の一程度しかここに充当されていないということですね。二・三兆分、既に二分の一を想定する場合に、じゃ二・三兆円分の基礎年金のいわゆる財源的な穴をどういう形で埋めていくんだという話なんですね。
 この中でもう考えられるのは、いわゆる赤字国債を発行するのか、今言った一時しのぎの、急場しのぎのこの金利変動準備金を取り崩すのかと、いわゆる無駄遣いを廃止というのもあるかもしれませんけれども、こういうような選択しかなくなってくるんですけれども、今後の方向性としてどういうことをやっていくつもりですか、もう一回明確に答えてください。
#212
○副大臣(平田耕一君) 繰り返しの部分が多いわけで申し訳ないんですが、政府といたしましては、総合的にそれらのことを踏まえまして、国民の安心を確保する観点から、基礎年金の負担引上げ等の所要財源を含めまして、持続可能な社会保障制度の構築等に必要となる安定財源を確保するために、消費税を含む税制抜本改革の姿を含めました中期プログラムを年末までに策定をすべく検討しておるところでございますので、御了承いただきたいと思います。
#213
○水戸将史君 もう時間が来てしまいましたけれども、これからの中で非常に窮屈なことがますます起こってくるわけなんですね。そういう中で、余り効果がないと言われているような定額給付金、先ほど言ったように、十分の一程度しか消費を喚起しないんじゃないかと、今までの経験則でも、そう言われても仕方ないようなことをやることが本当に妥当かどうかということ。それから、いわゆる金利変動準備金はそもそも国債の償還なんですね。国債の償還に充てるのをこちらに充当するわけでありますから、本来償還されるべき国債が償還されぬということは、これを裏を返して言えば、国債の発行につながっていくわけですよ。要するに、国債の発行と同じようなことをしているということにつながっていくわけですね。
 ですから、僕が言っているのは、プライマリーバランスもある、それを守っていくんだという既定路線もある、しかし実際やっていることと言っていることは違うじゃないかと、こう言わざるを得ないですね。だから、もっと納得、説明いくようなそうした財政運営を心掛けて、中川大臣がリーダーシップを取って心掛けてやっていっていただきたいということを強く申し上げて、私の質問を終わります。最後に、中川大臣のコメントをいただきたいと思います。
#214
○国務大臣(中川昭一君) 御指摘のとおり、財政が非常に厳しいわけですけれども、また必要な政策もやっていかなければいけないわけであります。もちろん、無駄は徹底的に省いていかなければなりませんし、特に社会保障関係は長期間にわたっての安定財源の確保ということが大事でございますので、それらをきちっと規律を持ちながら臨んでいきたいというふうに考えております。
#215
○水戸将史君 終わります。
#216
○椎名一保君 委員長のお許しをいただきまして質問をさせていただきます。
 午前、午後と民主党の三先生方から、大臣に対しまして大臣御就任前の政策提言について大変評価をいただいて、エールを送っていただいたように思います。私も大臣を尊敬しておりますし、あの政策提言には大変感銘を受けた者の一人といたしまして、もうできるだけ早く麻生内閣におられてもリーダーシップを発揮されてそれらを実現していただけるように、まずもって私からもお願い申し上げる次第でございます。
 与党といたしまして、改めて我が国経済の現状とそして今後の経済運営、悲観的ではない力強いお話をお伺いしたいと思います。
#217
○国務大臣(中川昭一君) 日本は長くバブル崩壊から大変厳しい状況にありましたけれども、ここに来て世界的な要因によって、金融あるいはまた経済が、急速に世界が悪くなっている、その影響を経済的にも受けているわけでございますけれども、日本は幸いにして、幸いにしてといいましょうか、苦い経験の反省もございます、教訓もございます。そういう意味で、この世界的な厳しい状況の中できちっとした対応をしていくことができる、しなければならないと、こういうふうに考えております。
 先週はサンパウロでのG20、中央銀行・財務大臣会合がございましたし、今週末はいよいよワシントンで世界の首脳が集まって、この危機にどう乗り切っていったらいいのかという会議が行われます。日本としても、今申し上げたような形で国内の経済をきちっと良くしていく、そして個人の皆さんの暮らしを少しでも良くしていく、そしてまた世界に対してもこの厳しい状況の中で日本が貢献できるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#218
○椎名一保君 先ほど来、国民の消費者マインドというお話が出ておりましたけれども、やはり国際金融情勢がこれだけ波乱の中にあるという中において、日本は比較優位にあるということを国民にしっかりとやはりそのメッセージを伝えなければいけないと思うんですけれども、この点について、こういうことについて御見解をお伺いしたいと思います。
#219
○国務大臣(中川昭一君) 御指摘のとおりで、欧米は次々と金融の破綻が続いておりますし、またほかの国では一部で取付け等の状況があるわけでありますけれども、日本の金融のシステムそのものは欧米に比べて健全であると、このことを我々としてもきちっと国民の皆様にお伝えをしていかなければならないと思っております。
 他方、経済の状況、とりわけ中小企業あるいは地方がまだ厳しい状況にあるわけでございますから、そういったところに対しての経済対策というものも同じようにやっていかなければいけないというふうに考えております。
#220
○椎名一保君 比較優位にあるということは改めて認識をさせていただいたところでございます。
 この十四、十五ですか、ワシントンの金融サミット、フランスのサルコジさんが、サルコジ大統領がその発案をなされてこういうことになられたと。まあそういうことだけではないんでしょうけれども、日本の顔が見えないと。国際社会に向けて比較優位だという思いを持ってこれに臨んでいただきたいんですけれども、先ほど来から御質問ございましたけれども、改めて、短期的、長期的にどのようなことを発信なされるのか、お伺いしたいと思います。
#221
○国務大臣(中川昭一君) まず、先月十日、ワシントンで私が出席して、中央銀行総裁と出席をいたしましたときには、先ほど申し上げた日本の経験あるいは優秀な人材、さらにはIMF等がこれから緊急金融支援をするに当たってのアドバイス、並びに日本としても更なる協力をIMFにする用意があるということをはっきりと申し上げたわけでございます。そして、総理からは、この生活支援の中で国際的な役割というものを一つの項目として発表をいたしまして、例えば国際的なこの今の状況を少しでも改善するために、日本がリーダーシップを取って、ルールの見直し等々、時価会計の問題あるいはまた格付の問題等々について既に提言を出しているところでございます。
 最終的には十四、十五、ワシントンでということになろうかと思いますけれども、今その会議に向けて鋭意いろんな対策を取るべく政府全体で努力をし、また特使も今アジアを中心に各国回っておりますので、その状況も踏まえた上で対策をきちっとワシントンに持っていけるようにしたいというふうに考えております。
#222
○椎名一保君 地味な国民性というか、国際社会でなかなかそういう表現をすることが不得手な国家、政府ではないかと思っております。しかし、これだけ地力があるんですから、ワシントンを通じて日本国民がこのことを、日本政府、日本の国力というものをしっかりと認識できるように頑張っていただきたいと思います。
 日銀の山口副総裁、どうもありがとうございます。少しお伺いしたいと思います。
 先ほども御質問ありましたけれども、経済の現状と今後の展望について少しお話をいただきたいと思います。
#223
○参考人(山口廣秀君) 最初に、世界経済などに関しての私どもの情勢判断から簡単にお話ししたいと思います。
 アメリカとヨーロッパの金融危機に端を発した世界経済の調整のプロセスというのは一層厳しさを増していると、このように考えております。こうした状況の下で、日本経済につきましては、当面、停滞色の強い状態が続くというような認識にあります。さらに、先行きについては景気の下振れリスクが高まっているというように思っておりますし、また物価につきましても上振れリスクというのが以前に比べると低下していると、こういう情勢認識にあります。
 私どもとしては、こうした判断を踏まえて、先月末の金融政策決定会合におきまして政策金利の引下げを行うとともに、年末、年度末、資金需要期ということになりますが、ここに向けまして積極的な資金供給を一段と円滑に行い得るよう金融調節面での対応力を強化する措置を導入したということでございます。これによって緩和的な金融環境の確保が図られるのではないかというように考えているということでございます。
 先行きの金融政策運営ということでありますが、基本的にはこれまでと同様、経済、物価の見通しとその蓋然性、それからリスク要因を丹念に点検していくということを基本にしたいなというふうに思っておりますし、それらに応じて適切に政策運営を行うという方針を維持していきたいというように考えております。
 ただし、そうした中で、やはり今、日本経済については下振れリスクというのがかなり高まっているというふうに思っておりますので、この下振れリスクに対してきちっと注意を払ってまいりたいと、かように思っております。
 いずれにいたしましても、今後とも適切な金融市場調節を行うということを通じまして、市場の安定確保に万全を期してまいりたいと、かように考えております。
#224
○椎名一保君 ありがとうございます。
 何点かお伺いしたいと思います。
 IMFのストロス・カーンさんが、今回は各国が財政出動をすべきであると、金融政策ではなかなか立ち上がれないのではないかというようなお話をしているように伺っております。顧みますと、日本も一九九〇年代のバブルの破綻以来、まさにゼロ金利までして経済の立ち上げを、金利政策、金融政策をもうフルに活用してやってきた結果、きたんですが、なかなか思うようにいかないという経験を日本銀行は持っていると思うんですね。
 しかし、国債を発行し過ぎた、いろんなことを言われますけれども、バブル破綻以来、一度もGDPは下がることなく、あの水準より下がることなく、失業率も五%を上回ることなくここまで来ているということもデータが示しているんですけれども、世界金融の、何というんですか、スキームに日本の経験をどのような場でどのように生かして発信されていかれるのか、そのことについてお伺いしたいと思います。
#225
○参考人(山口廣秀君) まず、財政政策についてお尋ねがあったかというふうに思います。
 私どもの立場から具体的にコメントということになりますとやや難しいところがあるわけですが、一般論として申し上げていきますと、やはり日本経済の持続的な成長の実現ということにつきましては、やはり適切な財政運営の果たす役割というのは大きいだろうというふうに考えております。ただ同時に、我が国の場合につきましては、国債残高が累増しているということもありますので、そうした中で中長期的な観点から財政再建に取り組んでいくと、この必要性というのもあるんだろうというふうに思っております。
 したがって、具体的な財政運営につきましては、国会それから政府、そうした場で議論が行われ、適切に対応されていかれるかというふうに思っております。
 あと、九〇年代の経験をどのように世界に向けて発信していくかというお尋ねでありますが、先ほど財務大臣の方からもお話があったところでありますけれども、私どもも十年余りの間、非常に苦労に苦労を重ねてきたところあるわけでありますが、私どもの政策運営としては、やはり先ほども御指摘のありましたように、ゼロ金利政策を導入し、一時期は量的緩和政策を導入するというような形で対応してきたわけであります。そういう特に量的緩和政策というようなことについてはどういう意味を持ったかについて、実は明快な答えがまだ出ているということではありません。
 ただ、私どもなりの理解ということで申し上げると、やはり量を大量に供給する中で極端にゼロ金利を追求していくという状況になったわけでありますが、そういう中ではやはり金融システム不安、それを背景とする金融市場での金融機関間のお金のやり取りが難しくなるという状況に対しては、これは有効打になったんではないかというように思っております。
 したがって、そういう意味で、量的緩和というのは、量を供給することで、金融システム不安を抱える世の中においてはそれなりの市場安定化効果を持ったんではないかというふうに私自身は認識しています。
 ただ、じゃ、量自身が直ちに景気を押し上げる効果を持ったのかどうか、これについてはいろいろと議論が分かれるところだろうと思っております。私どものこれまでの勉強の成果によると、実はそれについて明快な答えが出ているということではありません。
 そういうことであるんですが、量的緩和ということについてはもう一つ、私ども、時間軸を利かせるというような対応も取ったわけであります。これは、量的緩和という金融緩和政策を長く続けるということを世の中に明らかにすることによって長めの金利をより低いところで安定させると、そういった効果をねらったものであったわけでありますが、そのこと自体はやはり経済に対して何らかの浮揚力を持ったということはあるんではないかというふうに思っています。
 いずれにしても、今申し上げたような形で量的緩和を実施したり、あるいはゼロ金利を追求するというようなことの中で、経済に対していろんな意味でのプラス効果というのはあったようには理解しております。
 こういった辺りについて、私ども、仮に世界あるいは欧米から量的緩和の持つ意味ですとか、あるいはゼロ金利政策の持つ意味ということを問われれば、今申し上げたようなことを頭に置きながらきちっとした答えといいますか、お話をしてまいりたいなと、かように思っております。
#226
○椎名一保君 まさにこれから各国の中央銀行が日本銀行にいろいろ、日本銀行を注目し、日本銀行に、そういうスキームの手伝いではないんですけれども、そういうことを実際求めてくることが多いかと思います。どうか堂々と務めていただきたいと思います。
 副総裁、ありがとうございました。
#227
○委員長(峰崎直樹君) 副総裁、どうぞ退席してください。
#228
○椎名一保君 宮澤内閣府副大臣にお伺いしたいと思います。
 今回のサブプライム問題が起きて、それでリーマンの破綻のころまでは我が国にこれだけの不況風ということが吹き荒れてはいなかったような気がするんですね。ですから、金融危機といっても、我が国国民の認識はやっぱり急激な円高から始まっていると思うんです。
 これをマスコミが、特に私はテレビマスコミは異常だと思って、新聞はさすがに二、三週間ぐらい前から社説等ででも、自国通貨が高くなってなぜ悪いんだと、まさにエネルギーは一〇〇%近く輸入しているし、食料においてもカロリーの六〇%は輸入していると。そういう国の自国通貨が悪くなって大変だという話は少しおかしいんではないかというようなことを新聞論調は書いてくれていますけれども、やっぱりテレビというのはどうもスポンサー、特に民放が輸出のメガ企業が多いせいか、いや本当に、必要以上にそういう不況風、円高不況風というのを吹き荒らしているような気がするんですね。これはさすがにちょっと違うんではないかと、私も大した知識ではありませんけれども。
 プラザ合意のとき、一九八五年時代と現在の世界の十五か国の主要通貨の国々の、何というんですか、物価を平準化して、正確には私よく分からないんですけれども、実質実効為替レートで見ると大体今同じぐらいだということなんですね。そのときも、これは大変だと、円高不況でほとんど日本の輸出産業は壊滅的な打撃を受けるんではないかということであったと私は記憶をしております。
 それで、一九九二年に吉川洋先生、今、経済財政諮問会議でしたか、最も今信頼を置かれている経済学者さんなんですけれども、ちょっと読まさせていただきます。
 日本経済は輸出、投資の低落により八六年に円高不況に陥ったものの、八七年から投資が急回復、さらに八八年には消費も近来になく高い伸びを示すようになり、内需中心の成長が実現したというレポートを書かれている。円高倒産に象徴されるように、為替レートの急激な変化は大きな分配効果を伴ったが、マクロ的に見た場合、メリットは大きかったというレポートを書かれておりまして、確かに急激な円高で大きな打撃を受ける産業も多いかと思いますけれども、しかし、やっぱりもうそろそろメリット、自国通貨を高くするために国民は一生懸命精進して頑張っているんだという、やっぱり基本的にそういう思いを持って、それを組み入れたやっぱり経済構造にしていくという姿勢を見せることが本当に大切ではないかと思うんですけれども、そのことについての、財務大臣ではちょっと為替のことですので影響があるかと思いますので、宮澤副大臣にお願いしたいと思います。
#229
○副大臣(宮澤洋一君) 財務大臣を横にして申し上げるのも大変恐縮でございますけれども、円高のメリットもあるのではないかというお話でございました。
 日本経済全般でも、昔ほど円高のマイナスの影響というのは恐らく随分小さくなってきているんだろうと思います。ただ、モデルでいえば若干やはり円高の方が経済にはマイナスであるということはあるようでございますけれども、ただ昨今、それこそトヨタショックではありませんけれども、円高またアメリカ経済の変調、両方が影響をして株式、経済に大変影響を与えているという中で、一方で円高も随分いいところあるんだよというのは先生おっしゃるとおりだと思っております。
 石油とか電力等、そのコストが低くなっているといったところも企業の面でありますし、また、今日も新聞に載っておりましたけれども、やはり円高を利用して事業の海外展開を図るという動きも金融だけではなくて随分出てきている。また、消費者にとりましては、それは輸入品の値下がりとか、また海外旅行が安くなるといった点でプラスがあるわけでございまして、やはり余りにも大きな変動があり過ぎたという点はありますけれども、円高というものも少しやはりチャンスととらえるような、そういう企業経営であり、また消費行動といったものがそろそろ期待できるのかなという気がしております。
#230
○椎名一保君 グローバルな経済構造ということは、もう為替介入とかそういうことを、じゃ、円高で大変だ大変だと、何というんですか、マスコミを挙げて国民にそういうメッセージを送って、国民は、じゃ政策でこれは円安になんという大きな誤解を、何というんですか、生んでしまっては、これは大変なことだと思うんですね。まして、貿易黒字国が円安に為替介入するなんということは本来もうあり得ないことだと思っておりますし、ですから……(発言する者あり)いや、ですから、もうそれを承知で申し上げておるんですけれども。
 財務省さんと議論しても、急激な円高はやはりいろいろ注意が必要だけれども、基本的に自国通貨が高くなってまずいという、本来そういう考え方そのものがおかしいんだということをやっぱり多くの方々が持っておられると、私はいろいろな方と議論をして確信をしたわけでございまして、そういうことでこういう議論をさせていただいておるわけでございますけれども、やっぱりトヨタ、トヨタと、今トヨタの名前が出ましたけれども、トヨタのために円安にしているんじゃないぞというような、そういう思いまで至るわけで。
 で、円高の効果というのをやっぱりきちっとデータでお示しした方がいいと思うんですね。これは私ももうそれなりの方々にきちっとお願いをいたしまして、円高効果というのはどういうことが出るんだということ、資料をこの半月ぐらい一生懸命集めてまいりました。一ドル例えば八十円に設定した場合、エネルギーの輸入で約六兆五千億、円高メリットが出るんですね。大企業は、トヨタにしろ、何というんですか、パナソニックにしろ、原料を輸入して部材にして組み立てて輸出しますね。だけれども、部品はやっぱり中小企業が輸入して作っているわけですから、その円高メリットというのはまさに日本の九九%を占める中小企業に多く及ぶと。大体二兆円ぐらいの効果があると、一ドル八十円で。食料に至っても、約一兆円ぐらいの効果が出ると。その数字だけ見ると驚くわけですけれども。
 今、与党の私から言うのもなんなんですけれども、九〇年代に金融破綻が起きて百兆円の不良債権を処理するということがやはり日本の国家基盤を支える、経済基盤を支える最も大切なことだということで、日本国民というのは非常に教養の高い国民ですから、そういうことを理解して、自分たちの資産をなげうって国債という形にして日本国を、国家に対するやっぱり信頼だと思うんですね。恐らく、歴史をひもといても、これだけ国家に対する信頼を寄せる国民国家というのは歴史上も現在も私はないと思うんです。しかし、残念ながら、先ほどの日銀副総裁のお話ではないんですけれども、なかなか経済そのものが再起をしないと。
 ですから、これは当然、金利の利払いが多くなるから金利は抑えておかなきゃいけないと。で、結果、国民の預金金利は、一つの説では、一九九三年の預金金利でいうと二百十兆円から三百兆円の預金金利がなくなったと、国民の逸失利益だと。で、当然、金利も低くしておかなきゃいけませんから、低くしておかなきゃいけないから、当然として円もずっと安いと。外国から必要なものを買わなければならない国家国民がずっと円安で我慢をしていなきゃいけないと。それで、やっぱりどうしてもこれは高齢社会ですから、義務的負担は高くなってくると。
 そう考えますと、これは本当にやっぱり、金融再編の、経済の再編をするためにこういう手法を取ったわけですけれども、国民からすれば八方ふさがりというか、出口が見えないという状態ではないかと思うんです。
 ですから、私事、これは私の考えですけれども、今回の国際社会の金融恐慌は日本にとっては神風だと思っているわけですよ。日本が最も力をため込んだときに外で大きな動乱が起きたと。日本社会というのは、歴史を見ますと、すべて外圧で変わってきて良くなっているという、歴史上の、歴史がありますね。
 ですから、そういう大げさな話ではないんですけれども、今申し上げたこの円高ということを、国民がこの八方ふさがりから抜け出る一条の光のような、そういうものを示していけたらいいかなという、そういう思いを持って質問をさせていただいたわけですけれども、宮澤副大臣、もう一度御答弁いただければと思います。
#231
○副大臣(宮澤洋一君) 今先生のいろいろお話を承って、私よりよっぽど詳しく勉強されているなと感心しながら承っておりましたけれども、大変、今伺っておりまして思いましたのは、グリーンスパンさんが百年に一度と言ったと。我々が九〇年代半ば以降経験してきたのは、あれは何年に一度の大波だったのかな、もしかしてやはりこれも五十年、百年に一度の大波を先に経験していたということなのかなと思って承っておりました。
 また、円高の話でございますけれども、やはり相対的に日本の経済が強いということが間違いなく、乱高下ということはありましても、今の円の水準に跳ね返っているということは確かでありまして、先ほど大臣のお話もありましたけれども、やはり唯一金融システムの安定している先進国であるということ、また、更に言えば、恐らく一段落はしていますけれども、原油高、資源高というのは、十年タームでいえば構造的な問題であると思っております。そういう中で、省エネ省資源という技術最も進んだ経済であるといったメリットもあるわけでございまして、その辺を生かしながら、余り暗くならないで経済政策を運営していかなければいけないんだなという気がいたしております。
#232
○椎名一保君 まあ初めてこういうことをこういう場所で申し上げて大変恐縮だと思うんですけれども、そういう思いを持っている国民が物すごく多いと思うので、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 ちょっと少し中小企業の再生に向けた取組を支援することにつきましてお伺いしたいんですけれども、私の後援者からもかなり厳しい声が上がっておりますので、今日はちょっと少し質問させていただきたいと思います。
 中小企業の再生に向けた取組を支援する観点から、産業活力再生特別措置法に基づいて中小企業再生支援協議会というのができているんですけれども、この協議会の人選に対していろいろ批判が来ておりまして、やはり地元の商工会のトップの方とか金融機関のOBが多いということから、どうしてもやっぱり金融機関側の流れになってしまうと。そういうことから、協議会の実務を担当する者の人選と支援協議会のトップの人選については金融機関とかかわり合いのない第三者を充てるべきではないかという意見が多数あるんですけれども、このことについて見解をお聞きしたいと思います。
#233
○政府参考人(数井寛君) お答え申し上げます。
 金融機関の出身者は金融知識やその経験から中小企業の再生を効果的に進める上で貴重な人材であると認識しております。
 他方、金融機関の出身者が相談企業や関係金融機関との間で利害関係を有する場合は、外形的に中立性、公正性を必ずしも十分に担保できないとの認識に立ち、公正中立な業務執行を確保するための規定を再生協議会の事業実施要領に整備しております。
 この規定では、協議会の会長や協議会事業を実施しております支援認定機関の長が相談企業や関係金融機関との間で利害関係を有するなど、一定の場合はその職務を他の者に代行させるということにしてございます。また、支援業務の実務を統括する責任者につきましては、利害関係の有無を問わず、金融機関及びその子会社からの現役出向を認めないという形にしてございます。また、これらを補佐する者につきましても、利害関係を有する場合は個別の支援チームに参画させないなど、公正中立な業務遂行を確保しておるわけでございます。
#234
○椎名一保君 私も事前にお伺いして、ここまできちっと指導をされているということは理解できるんですけれども、そういう声が多いということも現状でございますので、改めて御認識をいただきたいと思います。
 続きまして、この協議会に、何というんですか、強制力と言ったらおかしいんですけれども、やっぱり力が弱過ぎると、もう少し何か強制力的なものを、強制力的と言うとおかしいんですけれども、持たせたらどうだと。協議会の能力を高めるために、強制力と言うとちょっとあいまいで回答ができないかもしれませんけど、この協議会の能力を高めるためにもう少しお取り組みしていただきたいと思うんですけれども、このことについてお伺いしたいと思います。
#235
○政府参考人(数井寛君) お答え申し上げます。
 再生計画を策定支援する際に、より多くの企業が救済するようにするためには、協議会の対応能力の向上、御指摘の点は大変重要だと認識しております。
 このため、各協議会及びその支援機関であります中小企業再生支援全国本部の常駐専門家、これを増員するとともに、デューデリジェンスの費用の助成を拡大するなどの措置を講じているところでございます。また、再生に関しましての外部の専門家の確保のため、全国各地で中小企業再生支援セミナーやデューデリジェンスの研修を開催いたしまして、各地域の金融機関担当者を始め、再生支援にかかわっていただく専門家の方々が実践的なノウハウを取得するための支援を行っているところでございます。
 二十年度予算におきましては、これらの実施に関しましての予算を十分確保し、実効ある支援活動が行われるようにしているところでございます。
#236
○椎名一保君 済みません、もう一度。デューデリジェンスというのはどういうことですか。
#237
○政府参考人(数井寛君) お答え申し上げます。
 デューデリジェンスと申しますのは、企業の再生計画を策定支援する際に、企業の事業の中身でございますとか財務の中身につきましてよく精査し、再生計画の確実な実施のための基礎的な情報を得るための作業でございます。
#238
○椎名一保君 協議会が相談を受理した件数はこれまで一万五千件以上あるそうですけれども、計画完了の件数は千九百六件、本年九月末時点で。大分少ないと思うんですね。いろいろ再生計画の策定過程に移行するなかなか厳しい条件があるようでございますけれども、一社でも多くの中小企業が再生計画の作成支援を受けられるための取組について、もっと多くできればと思うんですけれども、お取組についてお伺いしたいと思います。
#239
○政府参考人(数井寛君) お答え申し上げます。
 中小企業の再生支援が必要な場合に、より多くの方々を御支援申し上げるために、まず一点目といたしましては、再生支援協議会のよく活動については御存じいただくように広報に努めるという点が大事かと思います。
 また、もう一点は、よく御相談いただいた場合に、十分な相談なり再生支援に御協力申し上げるという点も大事な点でございまして、この二番目の観点から、特に、先ほど申し上げましたように、再生支援協議会の体制の強化あるいは外部の専門家の方の育成支援といったものをより効果的に進めるよう努めているところでございます。
#240
○椎名一保君 より積極的な取組をお願い申し上げるところです。
 金融庁に少しお伺いします。
 銀行の融資審査や金融庁検査の資産査定において、企業の実態的な財務データに過度に依存することなく、数字に表れない中小企業の特性を踏まえて判断すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#241
○副大臣(谷本龍哉君) 椎名委員の御質問にお答えさせていただきます。
 まさに金融庁といたしましても、委員御指摘の観点、同じ思いでございまして、中小企業向けの融資を評価するときには、やはり大企業と違って、中小企業というのは非常にその経営あるいは財務面で赤字になったり債務超過になったりという特性がございます。その実態をしっかりと踏まえた上で適切な把握をすることが重要であるというふうに金融庁としても考えております。
 こういう認識の下に、金融庁においては、平成十四年の六月に金融検査マニュアルの別冊といたしまして中小企業融資編というものを策定をいたしました。この中で、中小企業の経営実態を把握する上での着眼点として三点、経営改善計画等については柔軟な評価が必要である、そしてまた、中小企業とその代表者等の一体性に着目することが必要である、さらに、数字に表れない技術力、販売力、経営者の資質に着目することが必要であると、こういった三点を明確に記載をしているところでございます。
 金融庁としては、この金融庁の検査マニュアル中小企業融資編を適切に検査現場でこれを当てはめることによりまして、金融機関がしっかりと中小企業の経営の実態把握を適切に行い、融資を適切に行っていくように促してまいりたいというふうに考えております。
#242
○椎名一保君 具体的に借入期間のリスケジュールを行うと金融機関が債務者区分を落としてしまうということ、これを何とか落とさないようにしてもらいたいという要望が非常に強いと思うんですけれども、このことについてお答えいただきたいと思います。
#243
○政府参考人(畑中龍太郎君) お答えを申し上げます。
 ただいま御指摘ございましたように、中小企業を取り巻く現下の情勢は大変厳しい状況でございまして、借り手企業の資金繰りあるいは経営の改善を図るため、今般、金融機関が貸出条件の変更に柔軟に応じることを可能とするための環境整備を行ったところでございます。
 具体的には、去る七日、十一月七日でございますが、監督指針と検査マニュアルを改定をいたしまして、貸出条件あるいは返済条件の変更を行った中小企業向け融資がこの貸出条件緩和債権に該当しないために必要とされる経営改善計画につきまして、計画完了までの期間を従来三年となっておりましたものを五年、さらに経営改善がおおむね計画どおり進捗している場合には十年までということで緩和したところでございます。
 また、今回の措置を実効あるものといたしますため、すべての検査官、監督担当官に対しまして、今回の措置の趣旨を徹底すべく大臣から文書で直接指示が行われたところでございます。また、金融機関に対しても、中小企業の実態を踏まえた柔軟な対応をより一層徹底するように各金融団体に要請文を発出したところでございます。
#244
○椎名一保君 ありがとうございました。
 中小零細企業の場合は残念ながら短期の融資しか受けられないということで、それを当初から折り返し融資を行うことを前提とした場合については、延滞回避のためにやむを得ず折り返し融資を行った場合とは異なる扱いをすべきと考えますが、そのような取扱いは検査上認められるんでしょうか。
#245
○副大臣(谷本龍哉君) お答えいたします。
 先ほど述べましたように、中小企業の実態を把握して融資を行う、その検査については、金融検査マニュアルの別冊、中小企業融資編というものを作ってございます。
   〔委員長退席、理事円より子君着席〕
 この中では、中小企業に対する融資形態が、設備資金等の長期資金を短期資金の借換えの形で融資するいわゆる折り返し融資、こういうケースが多いということから、こうした融資形態となった理由やあるいは資金の使途を確認をして、実態に即した柔軟な判断を行う必要があるというふうに明記をしております。
 したがいまして、折り返し融資をしたから、すなわちすぐにそのことが問題であるというふうにはしておりませんで、しっかりとその折り返し融資の中身、要因を分析をいたしまして、その結果、委員御指摘のとおり、長期資金を短期資金の借換えで賄っている場合には特に履行状況には問題のない貸出金として判断する、こういうふうに実態に応じた柔軟な判断を現在も行っているところでございます。
#246
○椎名一保君 最後になりますけれども、信用保証を受ける場合、二〇%金融機関がその責任を持つという責任共有制度が、何というんですか、貸し渋りや貸し倒しの口実となっているというようなお話を大分伺うんですけれども、そのことについて御見解をお伺いしたいと思います。
#247
○政府参考人(横尾英博君) お答え申し上げます。
 責任共有制度につきましては、金融機関と信用保証協会が適切に責任を分担をすることによりまして、金融機関が保証協会と連携をして中小・小規模企業の経営の支援をするということを目的に一昨年十月に導入をされたものでございます。
 ただし、その導入に当たりましては、小規模企業者に負担が及ばないように千二百五十万円までは一〇〇%保証とするといったことや、災害や不況などに対応したセーフティーネット保証の場合にも一〇〇%保証とするといった工夫を施しております。
 先月三十一日から開始をいたしました緊急保証制度におきましても、この責任共有制度の対象外ということにしてございます。この緊急保証制度は、従来のセーフティーネット保証の対象業種を大幅に拡大をいたしまして、現在五百四十五業種を指定をしておりますが、今月十四日からは更に七十三業種を追加指定をしまして六百十八業種に拡大をする予定でございます。大体全国の三分の二ぐらいの中小・小規模企業者の方が一〇〇%保証を受けられるということになっております。
 また、この緊急保証制度の実施に併せまして、責任共有制度を口実とした融資拒絶といった不適切な対応が行われないように、金融庁と連携をいたしまして民間金融機関に要請をしております。
 今後とも、中小・小規模企業の資金繰りに万全を期してまいりたいというふうに考えております。
#248
○理事(円より子君) 金融庁からも御答弁、よろしいですか。──金融庁三國谷監督局長。
#249
○政府参考人(三國谷勝範君) 金融機関におきましては、信用保証制度の趣旨を踏まえ、その円滑な運用に努めることが必要であると考えているところでございます。
   〔理事円より子君退席、委員長着席〕
 その際、金融機関は、営業上の判断に即した本来の説明を的確に行うことなく、責任共有制度を口実として融資を謝絶するといった不適切な対応を行わないことが重要と考えております。
 金融庁といたしましては、この点につきまして監督指針に明記し、厳正な監督に努めているほか、様々な機会をとらえまして金融機関に対し要請を行ってきたところであります。また、信用保証協会の緊急保証制度の開始を受けまして、先般十月二十九日に改めてこの点について周知徹底をするよう要請したところであります。
 今後とも、中小企業庁と連携しながら、中小企業に対する資金供給の円滑化に努めてまいりたいと考えております。
#250
○椎名一保君 ありがとうございました。
 一九九〇年代の後半に物すごい貸し渋り、貸しはがしを経験し、中小零細の方々は大変苦しんだわけでございますから、その経験を無にしないで、今回はきちっと対応していただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#251
○荒木清寛君 それでは、まず中川大臣にお尋ねいたします。
 現在の経済状況は、何年に一度かということは別といたしましても、未曾有の金融危機が続いております。世界規模で株価が低迷する一方、欧米諸国や新興国から資金が流出をし、我が国の円を買う動きも強まっており、円高が進んでおると。今円高についても議論がありましたけれども、しかしこうして急激に進みますと、もう企業の対応能力を超えているわけであります。
 そこで、十月にワシントンで開催されましたG7で採択されました行動計画で、これに基づきまして各国が金融安定化のための対策をそれぞれ行いまして、最近になって市場はやや落ち着きを取り戻した感もあります。同時に、こうした現在の金融危機を収める対応とともに、二度とこうした事態を起こさない再発防止に向けての各国の協調した取組も必要かと思います。
 そこで大臣には、今回の米国発の金融危機の教訓を踏まえまして、我が国でも金融監督行政の見直しが必要になると考えますが、どういう内容になるのか、大臣の考えをお尋ねいたします。また、今回の金融危機は日本発ではないわけでありますので、当然このことは我が国にとどまっては余り意味がないわけでありますから、この見直しについて、今後G20等の国際会議の場で大臣としてどういう考えを発信をしていくつもりなのか、併せてお尋ねいたします。
#252
○国務大臣(中川昭一君) 御指摘のように、今世界の金融そしてまた実体経済が大変緊張しておりますけれども、日本といたしましては、今週末のワシントンでのG20会合、麻生総理が御出席になられますけれども、そこで日本として経済の足腰を強くしていくことがまず大事だろうと思います。また、各国とも経済そのもの、まあ中国なんかも大規模な財政出動をやったようでございますけれども、やっていくことが必要だろうと思います。
 また、金融というのは、これはもう一瞬にして世界中を回ってしまうものでございますから、日本としてこのシステムリスクは欧米に比べて健全である、システムそのものは健全であるというふうに考えておりますけれども、やはり今参議院でも御審議をお願いをしております金融機能強化法等を通じまして、中小企業の融資等がより円滑にできるように、さらには、先ほどもお話がございましたが、信用保証あるいは特別融資等々で金融機関から与信行為をより潤沢にしていくといった等々、あらゆることを対応しながらやっていく必要があると思っております。
 また、この世界的な状況に対応するために、これは世界的にやっぱりよく検証して直すところは直していかなければいけないと思いますので、総理が生活支援で申し上げているとおり、時価会計の問題でありますとかあるいはまた格付の問題等々につきましても、金融安定化フォーラム等の提言もしっかりと踏まえながら、日本としても大いに貢献をしていきたいというふうに考えております。
#253
○荒木清寛君 次に、宮澤内閣府副大臣にお尋ねいたします。
 我が国の経済の現状についてお尋ねいたしますが、先ほども日銀副総裁の御報告では、日銀の地域経済報告を見ますと、これまで良かったところも含めて各地域押しなべて停滞、悪化していると、こういう深刻な状況の御報告がありました。今日私は中小企業金融支援についてお尋ねいたしますが、中小企業の倒産も増加をしているわけでありまして、端的に現在の状況を表しておると思います。明るい材料がなかなか当面見当たらないという中で十―十二月期の景況感は更に悪化という、そういう見方が強いわけでありますけれども、現在の我が国の景気の現状、また見通しについて政府としてどう考えているのか、教えてください。
#254
○副大臣(宮澤洋一君) まさに委員おっしゃるとおりでございまして、大変厳しい状況にあると考えております。
 アメリカの景気後退などで輸出が緩やかに減少している。また、設備投資が引き続き弱含んでいる。先日も機械受注の発表ございましたように、七―九でもかなり落ち込んでいるといったような状況でございまして、経済全体が弱まっているという認識でございます。
 先行きにつきましても、世界経済が減速する中で下向きの動きが続くと見られますが、さらに欧米における金融危機が今後どういうふうになっていくのか、これ次第で株式・為替市場の大幅な変動などから企業収益の悪化、また消費者マインドの冷え込みなどが生じることも考えられますし、また金融面におきましても貸し渋り等といった問題がどうなっていくとかいうことについても相当よく見ていかなければいけない。景気の状況は更に厳しいものになるリスクが存在しているという認識でございまして、十分注意していかなければいけないと考えております。
#255
○荒木清寛君 次に、今日は中小企業庁にもお越しをいただきましたので、今回の新経済対策の中での中小企業金融対策について、具体的な点も含めてお尋ねいたします。
 この八月二十九日の緊急経済対策では事業規模九兆円の金融支援、中小企業の金融支援でございまして、先般成立をした補正予算の中で措置がされました。十月三十日の新経済対策、生活対策では、中小企業金融につきまして更に二十一兆円事業規模を上乗せをして、合わせて三十兆円の事業規模になったわけでございます。
 こうして矢継ぎ早に金融支援を打ち出したことを評価いたしますけれども、改めて、こうして九兆円、そしてその二倍規模の二十一兆円という対策を盛り込んで打ち出した理由について御説明願います。
#256
○政府参考人(横尾英博君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、八月末の緊急総合対策におきましては九兆円規模の中小企業の金融対策を打ち出したわけでございますが、それ以降の国際金融不安の広がりといった経済環境の悪化の中で中小・小規模企業者の方の安心の確保という観点から思い切った規模とすることが必要であるということで、麻生総理の指示も踏まえまして、三十兆円規模に拡大をするということにしたところでございます。
 セーフティーネット貸付けは既に十月一日から開始をし、緊急保証制度は十月三十一日から開始をしておりますが、一社でも多くの中小・小規模企業を支援できますよう、全力を挙げて取り組みたいというふうに考えております。
#257
○荒木清寛君 念のため確認をしておきますが、この九兆円の事業規模の対策を実施をするためにさきの補正予算では四千億円を計上したわけでございます。今回は二十一兆円でございますので、当然これは補正予算での対応が今後必要になってまいりますが、これにはどの程度のまた所要の予算を見込んでおるのか、教えてください。
#258
○政府参考人(横尾英博君) 今回の生活対策におきましては、信用保証、緊急保証制度で十四兆円を加えまして二十兆円、それからセーフティーネット貸付けにつきましては七兆円を加えまして十兆円、合計三十兆円でございますが、貸付けの方につきましては、特に業況の厳しい方に対する金利の引下げなどを今後実施をしていきたいというふうに考えております。以上の拡充措置のための必要な予算として五千億円程度を見込んでいるところでございます。
#259
○荒木清寛君 そこで次に、具体的に緊急保証制度、十月三十一日から始まったわけでございます。この点は、公明党もチラシを作りまして、私ももうできる限り多くの方にこうした制度のお知らせをしておるわけでありまして、そういう中で若干の反応もありましたので、その点も含めてお尋ねいたします。
 まず、緊急保証については、二十兆円にまで三倍以上に拡大をしたわけでありまして、その初日が十月三十一日でございました。私が経産省からいただいたデータでは、十月三十一日から十一月六日の間で保証承諾件数が七百五十一件、金額にして百四十九億八千百万円、まあ最新のデータはもう少し多いと思いますが。この間は営業日は四日間ですけど、中には休日返上で相談又は対応をしたところもあるということでありますし、こうした承諾の件数なり金額というのは以前のもう何倍かのそうした規模になっているということでありますから、まあまずまずのスタートではないかと思いますけれども、ただ単純に計算をしますと、これでは到底、今後、これは一年半だと思いますが、二十兆円という保証規模にまでは行く勢いではないわけですね。
 そこで、私は、この点、まず滑り出しといいますか、これは順調にいったという、そういう判断をしているんでしょうか。
#260
○政府参考人(横尾英博君) 信用保証協会におきましては通常、申請を受け付けた後に事業計画、資金計画を精査をいたしまして、債務の償還可能性を判断をして最終保証の判断をするということでございます。多くの場合この審査には、案件にもよりますけれども、数日から数週間を要する場合もあるわけでございまして、所期の実績がかなり今回の場合には上がっているという意味では滑り出しは好調かと思います。
 ちなみに、昨日までの六日間の累計では約一万九千件の相談がございまして、千六百二十六件、三百四十億円の承諾を行っているというところでございます。
#261
○荒木清寛君 そこで、今回の緊急保証の業種指定は、十月三十一日現在で五百四十五から始まりまして、先週また六百十八業種にまで増えたわけですね。そもそも昨年の十一月一日のセーフティーネット保証は七十業種でありましたから、累次にわたってこの指定が増えたわけで、我々も何回も申入れをしまして追加させたという経過がございます。全体の三分の二ぐらいの業種はカバーしたと言われておりますけれども、ただ、現実にはそれでもまだ、私のところにも、どうしてうちの業種は外れているのかと、この経済産業省所管の業種ではないから縦割り行政で指定がないんじゃないかとか、そういう話も具体的に聞くわけなんですね。
 したがって、まだまだ困っている指定されていない業種があるはずですので、また我々も逐次申入れをしますので、追加指定というのは更に積極的にやっていっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#262
○政府参考人(横尾英博君) この緊急保証制度におきましては、私どもの所管の場合には私どもの所管部局、他省の所管の場合には他省からあるいは業界団体から寄せられたデータなどに基づきまして、売上げ減少、あるいは原材料仕入価格の上昇等の影響を受けている業種を対象業種ということで指定をしてございます。
 今委員御指摘がございましたとおり、八月末の決定後、まず、十月三十一日に開始に当たりまして五百四十五業種を指定をいたしました。その後の景況悪化等を踏まえまして、先週の七日に七十三業種を追加をして、合計六百十八業種をする旨、決定、発表をいたしまして、これは十四日からスタートをするということになってございます。今後とも、経済情勢を踏まえまして必要に応じ指定業種の見直しを行っていく考えでございます。
#263
○荒木清寛君 そこで、私の居住している地域の保証協会の現場の対応で若干クレームもあったものですから御指摘をするんですが、今回の緊急保証では、二期連続赤字でも総合的に判断をして保証する場合にはすると、こういうことになっているわけなんですね。それで、勢いよく相談をすると、いや、十月三十一日以前ということで何も変わっていませんよと、業種の指定が増えただけですよと。確かに、二期連続赤字という、それだけで却下をするということはないけれども、総合的に判断するということで、変わってないんです。
 こういう対応もありまして、二階大臣は、この緊急保証制度の発足に前後しまして、先立ってですかね、たしか各県の信用保証協会の代表の集まる会合で、魂を込めてやってもらいたい、こういうことを言われました。私は、この制度について、大臣の思い入れといいますか、は物すごいものがあると感じるんですけれども、しかし現場の信用保証協会のそういう審査を担当するところまではまだまだそういうものが届いていないと思いますけれども、この点は改善が必要じゃないんでしょうか。
#264
○政府参考人(横尾英博君) 委員御指摘のとおり、保証融資に際しましては、形式的な指標だけではなくて、中小・小規模企業の経営や事業の実態を踏まえた総合的な判断が重要でございます。
 十月の二十二日に二階経済産業大臣が各信用保証協会のトップを集めてその旨を徹底するとともに、先週十一月七日には、私どもの地方経済産業局長を集めまして、その旨、併せて周知徹底も含めて徹底をしたところでございます。
 引き続き、中小・小規模企業者の方の経営や事業の実態を踏まえた総合的な判断をしていただくよう、引き続き徹底してまいりたいというふうに考えております。
#265
○荒木清寛君 次に、これは私も本当にちょっと、それはないんではないかと思ったんですが、ただ、愛知中小企業家同友会が会員企業に緊急調査をしました。これは、九月二十四日から三十日の間ですね、回答企業六百九十五社なんですけれども、セーフティーネット保証について三人に二人が、経営者ですから、三人に二人が知らないと回答している。特に、社員四人以下の企業で知らないという回答率が高かったということで、半数以上が知らないということなんですよね。これでは、せっかくあっても利用できずに終わってしまうという、こんなことは絶対あってはいけないと思います。
 我々も一生懸命周知しておりますけれども、当然それは限界があるわけでありまして、政府として、もっと緊急保証制度の告知といいますか、お知らせというか周知といいますか、これをもっと効果的に、こんな三分の二が知らないということに、これは九月の時点の調査ですから、今やればもう少し改善しているとは思いますけれども、少なくとも逆に三分の二は知っているというふうにならないといけないと思いますが、どういうふうに考えておりますか。
#266
○政府参考人(横尾英博君) 委員御指摘のとおり、本制度の周知広報は大変重要な課題でございます。私ども、数十万枚のビラを作成をしまして中小企業団体等を通じて配布をいたしましたほか、十月に入りましてからも、新聞広告、これは全国紙、ブロック紙、地方紙に新聞広告を出したり、テレビなどの政府広報により周知を図っておるところでございます。
 また、先ほど御説明申し上げましたとおり、私どもの各経済産業局長に対しても、制度の周知徹底を含めて万全を期すようにということで、大臣から直接要請をしてございます。
 今後とも、中小企業団体あるいは業界団体の協力あるいは政府広報の更なる活用を含めまして、制度の一層の周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
#267
○荒木清寛君 次に、セーフティーネット貸付けについても二、三点お尋ねいたします。
 日本政策金融公庫が十月一日に発足をしまして、中小公庫と国金のセーフティーネット貸付けが新会社に引き継がれたわけですし、また商工中金の分は株式会社商工組合中央金庫でやっております。
 それで、今回は十月一日からこのセーフティーネット貸付けの拡充ということになったわけでありますけれども、どういう点でこの融資条件を緩和をしたのか、説明してください。
#268
○政府参考人(横尾英博君) セーフティーネット貸付けの強化でございますが、十月一日から貸付期間を最大八年まで延長するといった融資条件の緩和を行っているところでございます。
#269
○荒木清寛君 ですから、事業規模が、これは七兆円が今回は十四兆円でしたか、なったんですが、ですけれども、融資条件の緩和ということでは七年返済を八年まで延長したということで、ちょっとインパクトがもう少しかなという感じもするわけなんですね。
 それで、これまでのセーフティーネット貸付けの実績を見ますと、国金の分は横ばいで推移をしておりますけれども、中小公庫の分は一時は伸びたものの、最近は落ち込んでいるように思います。したがいまして、今回の経済対策で数兆円という事業規模の拡大をしたとしても、なかなか今の融資条件、償還期間を一年間延長しただけではそう飛躍的に利用が伸びるということは想定しにくいわけなんです。
 そこで、私はもう一段の融資条件の緩和ということをこのセーフティーネット貸付けについても考えないと、なかなか用意した枠まで借りていただけないというか、活用してもらえないと思いますけれども、この点はどうでしょうか。
#270
○政府参考人(横尾英博君) セーフティーネット貸付けの実績でございますが、足下におきましては景況の悪化を踏まえまして急速に拡大をしてございまして、二十年度上期の貸付実績につきまして、旧国民公庫分は前年同期比で三二%、それから旧中小公庫でも前年同期比で二〇・九%増加をしてございます。
 加えまして、今般の生活対策におきましては、特に業況の厳しい方に対する貸付金利の引下げなどの条件の緩和を行うこととしてございますので、これをもって中小・小規模企業者の方の資金繰り支援に更なる対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
#271
○荒木清寛君 次に、商工中金の、民営化されました株式会社商工組合中央金庫につきましてお尋ねいたします。
 要するに、民営化されたことによりまして貸し渋りが行われるのではないかという懸念が表明されてきましたし、一部の報道にはそうしたことがあるということもございます。監督官庁としてどう把握しているのか。
 もちろん、これは現在一〇〇%国が株主でありますので、現段階では従来と同様の融資を行うよう強く指導して、要請ですかね、していくべきであると考えますけれども、この点について何らかの対応を今回の事態で現在の、現況の経済状況の中で行うつもりはないのか、お尋ねいたします。
#272
○政府参考人(横尾英博君) 商工中金につきましては、十月一日以降の民営化後におきましても、中小企業による中小企業のための金融機関ということで中小企業向け融資の円滑化に取り組んでいるというふうに認識をしてございます。
 二十年度の上期の貸付実績を見ますと、前年比一二%の伸びを示しておりますし、民営化後の十月の貸付実績も速報ベースでは前年比二八%の伸びを示しているところでございます。
 また、今般の生活対策を踏まえまして、日本政策金融公庫法に基づく指定金融機関として、国際金融不安に対する危機対応業務というのを実施することとなっております。
 今後、万が一にも民営化した商工中金が貸し渋りを行っているという事態に陥らないよう、引き続き適切に監督してまいりたいというふうに考えております。
#273
○荒木清寛君 先ほど、私、セーフティーネット保証の数字を少し間違えておりました。従来の三兆円規模が今回は十兆円になるということでございました。
 最後に、財務大臣にこの生活対策の中での中小企業税制について一つだけお尋ねいたします。
 この新経済対策におきましては、中小企業に対する軽減税率の引下げ、これは時限的にやるという記述でございます。できれば続けて長い時間、長い期間実施をすべきであると考えておりますが、欠損金の繰戻しの還付の復活も挙げております。これは恒久的にやるということでよろしいんでしょうか。赤字が出て、前期の税金から戻してもらえるということは本当に中小企業にとっては有り難い話でして、こういう支援はもう恒久的なものとして行っていくべきであると考えますが、どうでしょうか。
#274
○国務大臣(中川昭一君) 今御指摘のように、欠損金の繰越還付措置というのは法人税法上認められておりますけれども、租特で今提出されております。今回の生活対策の中でこれを取り上げているわけでございますけれども、いずれにしても、政府・与党でこれから議論を詰めていただいて、その成り行きを見させていただきたいというふうに考えております。
#275
○荒木清寛君 終わります。
#276
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。
 中川大臣とは予算委員会で少し質問をさせていただきましたけれども、今日からが本格的な議論になりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 中川さんは私にとっては五人目の財務大臣でございますけど、今日お話聞いていたら、新自由主義とか市場原理主義の問題点も認識されておりますし、低所得者対策、弱者対策という言葉も何度も出てこられたんで、思ったより心の優しい方だなというふうに思っておりますんで、期待を裏切らないようにいい答弁をしてもらいたいというふうに思います。
 通告した質問に入る前に、今日、定額給付金について様々な議論ありましたんで、私も一言申し上げたいというふうに思います。
 何か要するにもうぐちゃぐちゃな議論になっておりまして、何かこの経済効果が何%とかまじめな顔して答弁するようなそんな問題じゃなくて、もう低所得者対策といいながら実行する手段で結果がそうでなくなってしまうというような、もう自己矛盾を抱えた、何というか、本当にばかばかしい話にだんだんなってきたなと思うんですね。国民の評判も悪いですし、与党にとっても何一ついいことないみたいですから、もうはっきりこの際、こんな制度はもうおやめになった方がいいんじゃないかというように思いますが、いかがでしょうか。
#277
○国務大臣(中川昭一君) やはり国民の生活は、依然として所得も伸びないし、一時に比べればいろんな物資の値段が下がってはおりますけれども、まだ非常に厳しいということで、与党の御議論を踏まえて、そしてこれをやらしていただくということで今作業を進めているところでございます。
#278
○大門実紀史君 それは必要なことで、今困っている方々に。それならほかの方法を考えられた方がいいんじゃないかということでございます。
 川崎さんがうまいことをおっしゃいました。ヘリコプターマネーだと。私はヘリコプターマネーの方がまだましで、ばらまけば拾うのは、多分子供が多いでしょうから、子供の多い世帯に収入が増えるんじゃないかと。まだヘリコプターマネーの方がましで、今度のはもう本当のばらまきと言われても仕方がないし、しかも二兆円も使う効果としてはもうほとんどないというようなことですから、何かもう要するに一遍言い出したものをなかなか引っ込められないと、もうメンツだけの問題でこだわっておられるんじゃないかというふうに思うわけでございます。今からでも遅くありませんので、根本的に考え直したらいいと。
 何が必要かということでいえば、こんな一時の気休めにもならないものよりも、本当の安心感ですね。それはやっぱり、今日辻さんからもありましたけど、社会保障の二千二百億のカットを、もうカットするのをやめると、これ言うだけでも相当の安心感、本当の安心感が生まれますし、雇用対策とかですね、緊急に手を打つことでいえば、今もうどんどん切られている非正規雇用の青年たちですね、この人たちの失業給付と職業訓練を合わせたような受皿を早急に作るとか、中小企業でいえば、つなぎ融資ですね。もう売上げが、仕事が減ってあしたの運転資金がないという事態になっているわけですから、そういうところにお金を使うべきで、もう早く撤回されるべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。
 本題に入りますが、まず、ちょっと通告した順番を変えまして、最初に、今も実際に起こっている貸しはがしの話を申し上げたいと思います。
 旧商工ファンド、SFCGの問題です。これは予算委員会でも、短い時間ですけれども、十月十六日に取り上げました。その後、TBSの報道特集とか報道ステーション、さらには読売新聞ですかね、取り上げて大きな社会問題にもなっているところでございます。要するに、銀行が中小企業に対する融資を抑える中で、その代わりに中小企業に巨額の融資を、しかも高金利でやってきたのが旧商工ファンド、SFCGでございます。融資規模が五千億円、七万社以上に融資をしているということでございます。
 これは、何が起きているか簡単に申し上げますと、九月からこのSFCGの顧客四万社に、延滞も滞納もないのに、担保の追加、一括返済を求めると。十月一日には、法的手続着手のお知らせということで、更に脅しを掛けて強引な貸しはがしを行っているという事態でございます。
 かつての日栄・商工ファンド対策の全国弁護団の方々に寄せられている相談も、十月七日からの統計で一千二百件以上を超えているという事態です。十月三十一日には、弁護団による集団提訴も行われたということでございます。
 ちなみに、このSFCGは、マスコミが取り上げますと、そのマスコミに対して、組織的なといいますか、抗議の電話をしたり圧力を掛けて、これはよくサラ金がやったり旧商工ファンドもやった手口ですけれども、とにかくマスコミに取り上げさせないように圧力を掛けたりしております。その中で取り上げたマスコミというのは大変勇気のあるマスコミだと。
 ひょっとしてあのカメラというのは、あれですか、TBSですか。私を撮りに来たんですか。ああ、そうですか。聞いていなかったもので。
 TBSとか報道ステーションとか、一部ですけれども、本当はほかのところも取り上げたいけれども、いろいろ来ているというふうなことで、そういう圧力を掛けたりするようなところでもございます。事もあろうに、私の事務所にも関係者と思われる人間から脅しまがいの電話があったりいたしました。こういうことをやる会社でございます。
 中川大臣は、予算委員会のときに、都道府県登録に今逃げておりますから、十分に連携を取りながら、厳正かつ適正な監督をしていきたいと答弁をしていただきました。その後、参考人で結構ですから、金融庁はどういう取組をされているか、教えてもらえますか。
#279
○政府参考人(三國谷勝範君) お答えいたします。
 金融庁財務局では、複数の監督当局に監督権限が及ぶ貸金業グループに対しましては、貸金業者向けの総合的な監督指針を踏まえまして、都道府県の監督当局と監督情報の共有や監督方法の意見交換を始めとした緊密な連携を図っているところでございます。
 御指摘のSFCG及びその子会社であります各アセットファイナンスにつきましては、この監督指針におけます複数の監督当局に監督権限が及ぶ貸金業グループに該当し、金融庁、財務局及び各都道府県の連携による監督上の取組の対象としているところでございます。
#280
○大門実紀史君 ちょっと一般論で結構なんですけど、お聞きいたしますけれども、約定どおりに返済をしている人に対して、担保価値も別に毀損していないのに、担保割れを起こしていないのに、勝手に貸し手側が担保割れしているといって突然一括返済を求めるというのは、もう常識的に明らかに詐欺的な行為なんですけれども、これは貸金業法十二条の六の禁止行為に当たるんじゃないかと思いますが、これは一般論で結構ですけれども、いかがですか。
#281
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘の貸金業法第十二条の六は、虚偽のことを告げ、又は貸付けの契約の内容のうち重要な事項を告げない行為あるいは偽りその他不正又は著しく不当な行為などの貸金業の業務に関する禁止行為を規定しているものでございます。
 一般論といたしまして、貸金業者が期限の利益を喪失していない債務者に対しまして、期限の利益を喪失していると偽り、当該債務者に対しまして債務の一括弁済を求めたことが認められた場合、当該貸金業者が資金需要者等に対し虚偽のことを告げることなどを禁じました貸金業法第十二条の六の規定に違反するものと考えられます。
 なお、具体的な事案につきましては、当該事案における行為内容、態様等を総合的に勘案して判断されるものでございます。
#282
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 これも一般論で結構ですけれども、貸し手側が勝手に売掛債権先、取引先の売掛債権のあるところに勝手に債権を押さえたり、あるいは法的手続に着手する行為、あるいはもう単純に十分置きに取立ての電話をするとか、三日間で百回も電話を掛けるとか、こういうのはもう貸金業のときにも議論になりましたけれども、私生活、業務の平穏を害する言動ということで、これは二十一条ですかね、取立て行為の制限に該当するんじゃないでしょうか。これも一般論で結構ですが、お願いします。
#283
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘の貸金業法第二十一条は、債権の取立てをするに当たりまして、人を威迫し、又は人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない旨を規定しているものでございます。
 一般論といたしまして、貸金業者が貸付けの契約に基づく債権の取立てをする場合に、単なる法的手続による権利行使にとどまらず、人を威迫し、又は人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしたと認められる場合には、貸金業法第二十一条第一項に違反することとなるものでございます。
 具体的な事案につきましては、全体の総合勘案の上判断されるものでございます。
#284
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 それではもう全くSFCGが今行っている行為は完全に違法行為と、しかも大量に行っているというふうに言わなきゃならないということでございます。
 十一月に入ってからは、TBSの報道特集もやられましたし、予算委員会でも大臣の答弁があったということで、SFCGは文書の通知じゃなくて、頻繁に今度は電話で、証拠が残らないように電話で中小企業、借り手側に電話をして呼び出すんです。電話で呼び出すというやり方に切り替えております。
 どんなやり方しているかという事例でいきますと、これは高岡市の事例ですけれども、電話して、担保割れだ、全額返済しろと。急に電話をして、すぐ事務所へ来いということですね。何かびっくりして行ったら、金持ってきたかと。ゼロだと、一体どういうつもりかということで、すぐだれかのところに行って金を用意しろと。これもうやみ金かサラ金と同じですよ、やみ金と同じですよね。翌日、四万八千円何とか取りあえず持っていったら、二けた持ってこいというようなことですね。こういうことが何日も続くわけです。そして、とうとう銀行と相談して不動産を売却処分すると。こんなことできっこありませんけど、裁判所の執行官と一緒に行って、機械、設備を差し押さえて、完全に商売ができないようにしてやるぞということをやるわけですね。もうそういうことでずっと取立てをやるわけです。
 この御本人はもうその一週間後、心臓発作起こすという事態になりまして、一人で悩んでいましたけれども、弁護士さんに相談をされて、今一緒に闘っているという事態ですけど、こういう人がまだ、弁護士さんに相談することも分からない方が大量に、何万人といるという事態でございます。
 ですから、もう早く私は行政処分を打たないと被害が広がるばかりだというふうに思います。先ほど十分置きに電話が来てというのは、これは埼玉県の例でございますし、三日で百回の電話をされたというのは富山県の例でございます。
 資料を一番最後のところに付けましたけど、SFCGの内部資料を御用意いたしましたけれども、十月度の方針です。
 メーンテーマという欄にいろいろ書いていますが、皇国の興廃この一戦にありと。何のことか分かりませんけど、いろいろ書いています。要するに、もうむちゃくちゃですね。身中の賊たる外の泥棒と内のうそつきを一挙に断つということで、何のことかということですが、一日の遅滞、遅延であっても全額回収と。実際には遅滞ないのにDMが送られております。五百億円を前倒しで十月度に回収すると。まあすごい方針を立ててやっていますから、本社ぐるみでやっているということでございます。
 この巨額の回収目標の背景に何があるかといいますと、このSFCG、旧商工ファンドは、リーマン・ブラザーズから事業資金の融資を受けておりまして、去年七月の末の時点では七百三十四億円提供を受けていましたけれども、今年九月の時点では五十二億に減らしております。一年間で、要するに六百八十億ぐらい返済したということですね。他の借入れも含めて返済を迫られて、こういう違法な取立てに走っているというふうに考えられるわけでございます。
 商工ファンドというのは、覚えていらっしゃる方いると思いますけれども、強引、暴力的な取立て等が社会問題になって、国会にも参考人で呼ばれたところでございますし、貸金業法のときに、私このSFCGの公正証書偽造の問題をこの委員会で取り上げました。金融庁からも処分を受けております。その後、金融庁の目を逃れるために登録を、財務局登録だと目が付きやすいということで都道府県登録に分散をしたわけです。
 またこんな不正行為を繰り返しているということで、商工ファンド時代からすると、業務停止を二回受けております。業務停止過去に二回というのは、これは相当、相当ひどい企業だということで、それでも平然と今現在こういう違法行為を繰り返しておるわけです。元々は国の監督下にあって、それを逃れるために都道府県登録にして、そしてまた同じことをやっていると。国の管理下のときにもっと厳正な、私はもう登録取消しをやるべきだったと、二回目には、思いますけれども、厳正な処分をしていれば、こんなに被害者を生まないで済んだというふうなことをまず教訓として金融庁とらえてほしいなと思うわけですけれども。
 大臣にお聞きいたしますけど、この前は多分大臣もよく御存じなかったので一般的な監督指導に努めますということですけれども、ここまで社会問題になっております。もう一歩強い姿勢で臨んでいただきたいと思いますが、中川大臣、いかがでしょうか。
#285
○国務大臣(中川昭一君) 今御指摘ありましたように、一般論としては都道府県の所管ということになるわけでございますけれども、今監督局長から答弁いたしましたように、いろんな苦情もたくさん来ているようでございますので、都道府県とよく連絡を取って、適切な金融行政、監督行政を行っていきたいというふうに思います。
#286
○大門実紀史君 三國谷さんに、この間取り組んでいただいているのでお聞きしますけど、幾つかもう立入検査に入っているところがあるというのはこちらもつかんでおります、都道府県レベルですね。
 行政処分も検討しているところが一つ、二つ出てきているというのも承知しておりますけれども、都道府県は割と慣れていない部分があります、こういう商工ローンの問題とかですね。そういう点でいくと、金融庁として今までの経過、この企業の体質、そして会社方針、よく伝えていただいて、かつて金融庁は貸金業法のときに一つの事例で、そのサラ金の名前言いませんけれども、一つの事例だけでも大変悪質だということで行政処分をされたことがあります。
 そういう点でいくと、都道府県、慣れていないところもありますんで、金融庁、きちっと緊密に事態の重さを都道府県の方々に分かっていただいて、取りあえず処分するのは都道府県ですから、そういう事態をきちっと知ってもらうという努力をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
#287
○政府参考人(三國谷勝範君) 個別事案につきましての具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、金融庁財務局では、都道府県の監督当局との間で貸金業者向けの総合的な監督指針、これを踏まえまして、金融庁財務局に寄せられました苦情、相談内容の都道府県当局への伝達、貸金業法等関係法令の解釈、検査、監督上の着眼点などの監督情報の共有、貸金業監督者会議の開催などの取組を実施しているところであります。
 今後とも、こうした取組を続けてまいりたいと考えております。
#288
○大門実紀史君 是非、急いで手を打ってもらいたいというふうに思います。
 通告した順番で、残り時間、質問をしていきたいというふうに思いますが、今回のアメリカ発の金融危機で、要するに、ばくちのような、カジノ化した、ギャンブル化したこの金融経済の在り方が見直しということで、これはヨーロッパだけではなくてアメリカ、金融自由主義の本家のアメリカでさえこの金融自由主義の、もう野放しの規制緩和の在り方を見直そうというふうになっておりますけど、日本の政府はずっと金融立国あるいは貯蓄から投資へということを掲げてこられましたけれども、その方向というのは相変わらず目指されるんでしょうか。
#289
○政府参考人(三國谷勝範君) 私どもは、日本の金融システムにつきましては、より安定的なということで、これまでの日本の金融構造がややもすれば預金取扱金融機関に偏重している、こういったものをバランス良い金融システムに変えていく、あるいは将来を目指すということで、これまでもトレンドといたしまして貯蓄から投資といった運動を推進してきているところでございます。
 もとより、経済全体がバランスの取れたものになっていくことが必要でございまして、長い目で見まして、そういった取組を引き続き続けていく必要があろうかと考えております。
#290
○大門実紀史君 アメリカの中の今の議論は、自由化全般は悪くないんだと、幾つかのやり過ぎなんだという議論と、もうそうではなくて、サブプライムにしろ、証券化の行き過ぎにしろ、レバレッジにしろ、デリバティブにしろ、パッケージとしてこういうことを起こしたんだから、もう基本的に実体経済と金融の関係も含めて見直すべきだという議論があります。どちらかといえば後者の方が強くなっております。
 そういう点では、金融立国の話はまた改めてしたいと思いますけれども、中身のプログラムを見ると、何かアメリカに続けみたいなのがまだいっぱい入っておりますので、本当に見直されるべきだというふうに申し上げておきたいと思います。
 もう一つは、小泉内閣以来、資料を用意いたしましたけど、貯蓄から投資へという掛け声で個人の株式の購入が奨励されました。私は何度もこの委員会で申し上げましたけど、自己責任でリスク取ってやるのはもう自由でございますけれども、政府がわざわざ奨励することはないと。しかも、短期利益を意図した個人投資家のうち、実際問題勝ち組というのはわずか五%と言われております。九五%はもう損をして、今回の株の暴落で大損をみんなしているわけですね。そういうものであるにもかかわらず、政府が一生懸命奨励するのはいかがなものかということを申し上げてまいりました。
 特に全国の郵便局では、地方も含めて、しかも特に高齢者、郵便局ですから、高齢者の方々をターゲットに投資信託の販売がされました。その途中にあった販売のノルマ主義とか、説明責任をちゃんとやっていないということについては、それもこの委員会で再三取り上げてきたわけでございますけれども、その投資信託が、こちらでも説明いたしますけど、資料の一枚目ですけど、どれぐらい販売されて、どれぐらいの損失が出ているかといいますと、一枚目にありますとおり、下の枠の右側ですけれども、一兆三千四百九十三億円販売されておりまして、二枚目にありますとおり大体四割か、まあ二割から五割、六割の損失を生んでいるということでございます。
 要するに、郵便局の問題をずっと私やってきましたから申し上げますけれども、郵便局の親切なお兄ちゃんが、おじいちゃん、おばあちゃんに、もう定期預金やっていても利息付かないから投資信託というのがありますよということで、その百万円の定期預金で投資信託を買わせたり、そういうことを勧めてきた結果、これだけ販売されたということでございます。それが今百万円の貯金があったもので買った投資信託なら、ひどいものならもう五割、五十万円になっているという事態が今の現実なんですね。
 だから、貯蓄から投資へということで奨励してきたことの結果、具体的な被害として申し上げたいのは、このゆうちょが販売した、政府機関が販売した投資信託の問題でございます。本来なら竹中平蔵さんに聞かなきゃいけないところでございますけれども、今は中川大臣が担当ということですので、こういう損をしたお年寄りにどういうふうに大臣は説明されますか。
#291
○国務大臣(中川昭一君) まあ貯蓄から投資へといっても、もう貯蓄をやめて投資をどんどんしなさいということではなくて、バランス良くいろんな金融資産を持った方がいいのではないかというふうに考えております。そういう中で、元本が実質担保されている金融商品もありますし、また投資信託あるいは株のように、リターンもあるけれどもリスクもあるといったようないろんな金融商品をバランス良くやっていくということが本来の金融資産の保有の在り方ではないかというふうに思っております。
#292
○大門実紀史君 また取り上げたいと思いますが、そのあれこれの問題じゃないんです、このゆうちょ、郵政公社の投資信託の販売というのは。それはもう明確に政府が目標を決めてこれだけ売るんだというふうにやられた結果、これだけ国民に損失が生まれているということですので、またやりたいと思いますから、是非勉強していただきたいというふうに思います。
 最後に、資料を用意いたしましたんで、今これからの経済対策等で税調でも議論になっているんですけれども、相変わらずやっぱり大企業向け減税が中心に議論されているようでございます。
 三枚目の資料は研究開発減税で、これはもうほとんど中小企業には恩恵がなかったという資料でございます。四枚目の資料なんですけれども、経済産業省の方では企業の海外利益を非課税にしてあげるというような全く逆方向のことが議論されているようですけれども、私が申し上げたいのは、まず法人税減税云々の前にちゃんと日本で税金を払えということでございます。移転価格税制と書いてありますが、これは要するに簡単に申し上げますと、本来、日本国内で計上すべき利益を海外の税率の低いところに、子会社等に移して作為的に課税逃れをしようとしている例でございます。それが国税庁、一生懸命追いかけられて、更正処分がずっと打たれております。これそのものは経済産業省の資料なんですけれども、打たれております。私は、まず法人税減税してくれとか、するとかいう前にちゃんと国内で税金を払えと、こういう課税逃れを許すべきではないというふうに思います。
 アメリカのオバマ次期大統領は何を言っているかといいますと、日本と逆のことを言っております。大企業が海外に移している利益、アメリカでは十一兆円らしいですけれども、それに課税をすると言っているのがあのオバマ次期大統領でございます。
 そういう点も考えますと、まずこの移転価格税制による課税逃れ、これは私、少ない国税庁の人数で頑張ってやっと把握している、処分しているのだけでもこれだけの金額でございますから、きちっと捕捉すればこれだけで数千億円の財源が出てくると。これ脱法行為ですからね。まず、これをなくさなきゃいけないというふうに思います。
 この点、国税庁といいますか、これはもう大臣に最後ですからお聞きしますが、きちっと捕捉して取るものは取ってもらいたいとまず思いますが、いかがですか。
#293
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘ございましたように、我が国企業が海外の関連企業と取引価格をいわゆる通常の価格とは異なる恣意的な価格に設定することにより、本来我が国の企業の利益になるものが外国に移転する、これはまさに私どもとしては課税権を適正に行使する立場から防止しなければなりません。
 したがいまして、移転価格税制という制度によりまして、本来の商取引、独立企業間価格で行われるという前提で所得を把握して計算して課税する制度を執行しておるわけでございます。執行面につきまして、先生御指摘のように、国税庁の方でやっております。十分実効あらしめるために制度面、両面を含めて今後ともこの問題に取り組んでまいりたいと思っております。
#294
○大門実紀史君 是非しっかりやってもらいたいと思います。
 質問を終わります。
#295
○委員長(峰崎直樹君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#296
○委員長(峰崎直樹君) 次に、金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び保険業法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中川内閣府特命担当大臣。
#297
○国務大臣(中川昭一君) ただいま議題となりました金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び保険業法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。
 現在、米国のサブプライムローン問題に端を発した外的な環境変化の下、厳しい状況に直面する地域経済、中小企業を支援していくことが喫緊の課題であります。このため、国の資本参加によって、金融機関等の資本基盤の強化を図り、金融機関等が適切な金融仲介機能を発揮し、地域における中小企業に対する金融の円滑化に資する政策を積極的に推進していくことが重要であります。
 このような考え方を踏まえ、金融機能強化法の活用、使い勝手の改善のために必要な見直しを図るため、本法律案を提出することとした次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、現行法上、平成二十年三月末までとされていた国の資本参加及び組織再編成における手続の特例等に係る申請期限について平成二十四年三月末までとしております。
 第二に、国の資本参加の要件を一部緩和しております。具体的には、金融機関の経営責任等の明確化の要件や抜本的な組織再編成を伴わない場合に加重されていた要件を制度上一律には求めないこととしております。
 第三に、協同組織金融機関全体で提供している金融機能の発揮の促進を目的として、協同組織金融機関の中央機関に対して、あらかじめ国が資本参加することを可能とする枠組みを整備しております。
 また、この法律案は衆議院において修正が行われたところであります。
 次に、保険業法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。
 最近における保険業を取り巻く経済社会情勢の変化を踏まえ、この厳しい状況の下において保険契約者等の保護を図り、保険業に対する信頼性を維持するため、セーフティーネットの確保が図られるよう、本法律案を提出することとした次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 生命保険会社が破綻した場合のセーフティーネットにつきましては、来年三月末までに破綻した場合、これに関連して生命保険契約者保護機構が行う資金援助等に関し、政府の補助を可能とする特例措置が設けられております。これに関し、平成二十四年三月末までの破綻に係る資金援助等について政府の補助を可能とするため、現行規定を三年間延長することとしております。
 以上が、金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び保険業法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#298
○委員長(峰崎直樹君) この際、金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員竹本直一君から説明を聴取いたします。竹本直一君。
#299
○衆議院議員(竹本直一君) ただいま議題となりました金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その内容を御説明申し上げます。
 第一に、政府案においては、国の資本参加の要件として、金融機関の経営責任等の明確化を制度上一律には求めないこととしておりますが、国が資本参加を行う以上、責任ある経営がなされることが確保されるべきことは大原則であります。こうした点を踏まえ、経営強化計画の記載事項の一つである「責任ある経営体制の確立に関する事項」を「従前の経営体制の見直しその他の責任ある経営体制の確立に関する事項」に修正し、国の資本参加に際して、従前の経営体制の見直しが求められる場合もあり得ることを明確化することとしております。また、協同組織金融機関の中央機関が提出する協同組織金融機能強化方針についても、同様の記載を求めることとしております。
 第二に、政府案においては公表事項の例外とされていた、国が資本参加を行った協同組織金融機関の中央機関により資本支援を受けた協同組織金融機関の名称について、公的資金の活用状況の透明性確保の観点から、主務大臣による公表事項とすることとしております。
 以上であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#300
○委員長(峰崎直樹君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分についての説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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