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2008/12/18 第170回国会 参議院 参議院会議録情報 第170回国会 外交防衛委員会 第11号
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2008/12/18 第170回国会 参議院

参議院会議録情報 第170回国会 外交防衛委員会 第11号

#1
第170回国会 外交防衛委員会 第11号
平成二十年十二月十八日(木曜日)
   午前十時六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月十六日
    辞任         補欠選任   
     谷岡 郁子君     喜納 昌吉君
 十二月十七日
    辞任         補欠選任   
     山内 徳信君     近藤 正道君
 十二月十八日
    辞任         補欠選任   
     山口那津男君     加藤 修一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北澤 俊美君
    理 事
                浅尾慶一郎君
                犬塚 直史君
                藤田 幸久君
                浅野 勝人君
                木村  仁君
    委 員
                喜納 昌吉君
                佐藤 公治君
                徳永 久志君
                白  眞勲君
                牧山ひろえ君
                柳田  稔君
                岸  信夫君
                小池 正勝君
                佐藤 正久君
                橋本 聖子君
                山本 一太君
                加藤 修一君
                浜田 昌良君
                井上 哲士君
                近藤 正道君
   国務大臣
       外務大臣     中曽根弘文君
       防衛大臣     浜田 靖一君
   副大臣
       外務副大臣    橋本 聖子君
       防衛副大臣    北村 誠吾君
   大臣政務官
       防衛大臣政務官  岸  信夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        堀田 光明君
   政府参考人
       人事院事務総局
       給与局次長    井原 好英君
       総務省人事・恩
       給局次長     笹島 誉行君
       外務大臣官房外
       務報道官     兒玉 和夫君
       外務大臣官房参
       事官       福嶌 教輝君
       外務省北米局長  西宮 伸一君
       外務省国際法局
       長        鶴岡 公二君
       厚生労働大臣官
       房審議官     及川  桂君
       防衛省防衛参事
       官        枡田 一彦君
       防衛大臣官房長  中江 公人君
       防衛大臣官房衛
       生監       外山 千也君
       防衛省運用企画
       局長       徳地 秀士君
       防衛省人事教育
       局長       渡部  厚君
       防衛省経理装備
       局長       長岡 憲宗君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(北澤俊美君) ただいまから外交防衛委員会を開会をいたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、谷岡郁子君及び山内徳信君が委員を辞任され、その補欠として喜納昌吉君及び近藤正道君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(北澤俊美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として人事院事務総局給与局次長井原好英君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#5
○委員長(北澤俊美君) 質疑に入る前に、私の方から発言をさせていただきますが、今お手元に「自衛官の国会出席について」というペーパーをお配りをいたしました。
 御存じのとおり、制服組の自衛官を本委員会に招致することについて数度にわたって議論をしてまいりました。その結果として、特殊な任務もありますので、防衛省側の意見を聴取してきたことをここにまとめてございます。
 基本的には、全会派が一致した場合と、こういうことでありますが、これはあくまでも理事とオブザーバーという問題もございますので、その点につきましては、正式には、正式理事の会派が賛成をした場合と、こういうことであります。さらに、守秘義務等についての懸念がある場合、それからオペレーションの指揮に影響を国家的な観点からあるというふうに認められた場合は配慮をするということであります。
 ただ、ここで申し上げておきたいことは、国政調査権という大きな観点から、防衛省側に来ていただくとかそういうことではなくて、国家的な欠陥が生じるような場合については配慮をするということでありまして、あくまでも基本的には御出席をいただくと、こういうことであります。
 以上申し上げて、皆さん方に御理解をいただき、また今後の議論の基にしていただきたいと思います。
    ─────────────
#6
○委員長(北澤俊美君) それでは、防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。
 政府委員の方、たくさん今日お越しでございますが、私の方で要求をしたとき、委員長が指名されたときのみ政府委員にはお願いをしたいと思います。
 冒頭で中曽根外務大臣に申し上げます。
 クラスター爆弾の調印式、オスロに出席をいただきましたこと、この関係の議連でも活動してきた一人として御礼を申し上げたいと思います。
 今日は、十一月十三日の当委員会で麻生総理に私が質問をした中で、麻生鉱業に関する二つの資料をその日に提出をいたしました。今日お配りしております資料の最後の数枚がそのときの資料の一部でございます。この麻生鉱業に関する資料がアメリカの公文書館等でございまして、それについて質問いたしましたところ、麻生総理から、その内容が適切であれば答弁するとのことでございましたが、日本政府としてその適正調査をしていただいたわけでございますけれども、その点について厚生労働省の方から報告をしていただきたいと思います。
#8
○政府参考人(及川桂君) お答え申し上げます。
 厚生労働省におきまして先般の審議を受けて調査を行いました結果につきましての御報告でありますが、厚労省において保管しております資料につきまして漏れがないように注意しながら探索をいたしました。
 その結果といたしまして、議員が先般の委員会に提出なさいました資料そのもの、同一の資料は厚労省保管の資料の中には見付からなかったところでございます。しかしながら、厚労省保管の資料の中に麻生鉱業の吉隈炭坑に俘虜収容所が開設されていたことに関連した資料が見付かっておりまして、その内容につきまして議員が提出されました資料と記載されている内容において共通する点が多いといった状況でございます。
 こういったことから、議員が提出されました麻生鉱業から俘虜情報局に提出されました資料につきましては、真正に作成されたものと見てよいのではないかというように考えているところでございます。
 以上でございます。
#9
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 今日お配りした資料の表紙がこの「麻生鉱業関係資料一覧」ということで、今、及川審議官始め大変な御苦労をされて数十年ぶりに厚生労働省の地下にありました本当にほこりだらけの貴重な資料を随分時間を掛けて発掘、そして調査をしていただいたということでございます。この資料一覧というのに目次が出ておりますが、実はこれ最後のページが四十三ページでございます。四十三ページのうちの数枚、今日はコピーを皆さんにお配りしているということで、その目次でございます。
 この内容について、時間がございますので、限りが、その国別の人数とか期間とか勤務内容等々について、概要をちょっと御説明いただけますでしょうか。
#10
○政府参考人(及川桂君) 厚生労働省の保管資料を調べた中で、俘虜情報局から引き継いだ資料ということで「俘虜収容所分所別一覧表」といったような資料がございました。これらによりますと、福岡県嘉穂郡桂川町の麻生鉱業吉隈炭坑に俘虜収容所が開設されたこと、これは福岡俘虜収容所の第二十六分所として開設されたというふうなこと、また、この第二十六分所におきましては、昭和二十年の五月十日に開設されて、同年八月十五日に閉鎖されたこと、八月十五日現在において三百人の捕虜を収容しておって、国籍別にはイギリス人が百一人、オランダ人が二人、オーストラリア人が百九十七人といったような状況であったこと、また炭坑における採炭などの労役をさせていたといったような状況、またオーストラリア人の俘虜二名が収容中に死亡したと、そういった状況が記載されているという状況でございます。
#11
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 真正というふうに認めていただいた元々麻生鉱業から出された資料でございますけれども、その最後を見ますと、この皆さんにお配りした資料の後ろから二ページ目でございますけれども、要するに一九四五年二月二十二日に麻生鉱業の方から杉山陸軍大臣に対して三百人を一年間使用したいという許可願が出ているという内容でございます。そして、その中の屈強な百五十名ほどを炭坑内の労働、あるいは防空ごう掘り等に使用したというような記載もございます。そして、こうした報告書を翌一九四六年の一月二十四日に提出をしているということでございます。これは日本軍の俘虜情報局に提出をしたと。かなり詳しい内容が出ております、栄養状況その他。
 この中で、私は、例えば将校を除くというような記載がございまして、これは厚労省の方の御説明によりましても、この捕虜を扱う担当者が、日本はまだジュネーブ条約に入っていなかったにもかかわらず、ジュネーブ条約等を意識をした非常に適切な扱いをしていたという、聞いた私も非常に良かったなと思うようなこともございますが、詳しい内容についてはこれから更に調べていきたいと思っております。
 ただ、これだけの資料が政府としてあったわけですね。ところが、これまでほとんどこうした調査が行われてこなかったという理由について厚生労働省の方からお聞きしたいと思います。
#12
○政府参考人(及川桂君) まず、捕虜に関する資料を厚生労働省が保管している経緯から申し上げさせていただきます。
 昭和十六年に外国人捕虜関係の事務を担当する組織として旧陸軍に俘虜情報局が設置され、この俘虜情報局の組織につきましては、戦後、陸軍の後継組織であります第一復員省、その後、総理府を経て、この組織が昭和三十二年に廃止された際に、保管している資料が厚生省に引き継がれて今日に至っているという経緯でございます。
 資料の調査のことにつきましては、戦後の古い時期のことについては現時点ではよく分からないといった部分もございますが、最近、近年における状況といたしましては、これらの資料を用いて本格的に調査を行うような事案がなかったために資料の調査といったことを行ってこなかったということではないかと考えているところでございます。
#13
○藤田幸久君 事案がなかったという、事案にならなかった理由は、私はむしろ外務省ではないかというふうに思っております。
 今日は麻生総理出席されておりませんが、外務大臣であったときにこういった問題について問題になったわけであります。なぜこうした、ある意味ではこの捕虜の問題というのは、後で申し上げますが、ポツダム宣言受諾の大きな要因でもあって、外交の大きな柱の一つであるべきことについて、なぜ基本的な事実を調べなかったのか、外務省として。そのことについて、外務大臣、お答えいただきたいと思います。
#14
○国務大臣(中曽根弘文君) 麻生総理の外務大臣在任中に、外務省におきまして必要な確認は行いました。しかし、その時点では、麻生鉱業が連合軍の捕虜を労役させていたというそういう情報は確認できなかったと、そういうふうに承知をしております。
#15
○藤田幸久君 確認ができなかったにもかかわらず、これ二〇〇六年の十一月ですけれども、ニューヨーク・タイムスあるいはヘラルド・トリビューンにかなり詳細な記事が出ました、ニューヨーク・タイムスの記者の名前で。それに対して、当時のニューヨークの総領事館のホームページとか、シンガポール大使の名前で、これはサウスチャイナ・モーニング・ポストだったと思いますけれども、それから外務報道官が、こうした事実そのものを否定するようなことを記載されていますね、あるいは手紙で出したり。
 では、その確認をされておられなかったのに、なぜそういう全否定的なことをホームページに書いたり新聞に投書したりされたんでしょうか。
#16
○国務大臣(中曽根弘文君) 在ニューヨークの日本総領事館のホームページには、麻生鉱業が強制労働者を使用した旨の記述を含む二〇〇六年十一月十五日付けインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙記事に関しまして、日本政府として反論を掲載をいたしました。この反論は、当時外務省において必要な確認を行って、その時点で得られた情報に基づいて行ったものでございます。
#17
○藤田幸久君 当時、国会図書館でも、一般の市販の文書でもかなり出ていましたですよ、死亡者の固有名詞から含めて。
 それから、これだけニューヨーク・タイムスが書いているのに関して、この総領事館のホームページはニューヨーク・タイムス紙が証拠なしにこのような批判的表現を行うとは甚だ遺憾であるというふうに書いているわけで、そこまで理由をはっきりしていながら、つまりニューヨーク・タイムスをそれだけ攻撃しながら、情報が得られなかったと。
 これ、英文の方で見る限りでは、当企業がそうしたことに関与したという情報は得ていないと書いてあるわけですね。得ていないということは、主体的に調べていないということですよね。それを公のホームページで外務省が、しかも一か所だけではなくて三か所でそういったことをしているということは、要するに調査をしていないということではないかと。だって、市販にも図書館にもあるわけですね。
 それから、もう一つ、そういった記載をするということを最終的に許可したのはだれですか、当時の外務省の中で。
#18
○国務大臣(中曽根弘文君) 今の御質問の許可したのはだれかということについては、私自身ちょっと存じ上げませんので、後ほど、もしお許しいただければ事務方から説明さしていただきたいと思いますが、この件につきましては、今般、貴委員の御指摘も踏まえまして厚労省が行った調査により新しい事実が明らかになりましたことから、先ほど申し上げました反論はホームページから削除をいたしました。
 一方、シンガポール大使館によります地元紙への反論につきましては、これは二〇〇七年六月二十七日付けのストレーツ・タイムズ紙にありました、本当の麻生太郎とはというそういう寄稿記事でございますが、これに対して行ったものでございまして、八月七日付け同紙に掲載されましたけど、この反論におきましては、麻生鉱業の強制労働に関しては何ら言及をしておりません。
#19
○藤田幸久君 では、これだけニューヨーク・タイムスに対してこういう記載をされたわけですから、ニューヨーク・タイムスに対してしかるべき書簡を出すなり謝罪をするなりしていただきたいと思います。私はニューヨーク・タイムスの人間じゃないけれども、これ公の、これだけの新聞がこれだけ日本大使館にホームページで批判をされているわけですから、その対応をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
#20
○国務大臣(中曽根弘文君) この反論の掲載は、当時外務省におきまして必要な確認を行って、その時点で得られた情報に基づいてまず行ったものでございますが、今申し上げましたように、厚労省の調査などがありまして新たな事実が明らかになりましたので、反論を掲載したときの状況とは異なる状況に至ったと。そういうことから、この反論をホームページから削除することにしたものでございますが、削除の趣旨につきましては、この委員会での今日のやり取りなどが議事録となって対外的に公表されることになるわけでありまして、外務省といたしましては、在外公館も含めまして、削除の理由について照会があれば本日私より申し上げた内容の説明を行うことと、そういうふうにしたいと思っております。
#21
○藤田幸久君 余りにひどい話ですが、ちょっと時間がないので次に移りますけれども。
 保土ヶ谷に英国連邦の捕虜墓地というのがございます。ここにはブレア首相とか英連邦系の外務大臣とかがたくさん訪問しております。私がこういう関係の支援をしておる方から伺った話で、二人の外務大臣が実はお父さんとかおじいさんが捕虜として日本軍にひどい扱いを受けたと。ある外務大臣は、そんなことがあったので日本の土を踏みたくなかったと、だけれども、必要上その墓地を訪問したんだというようなお話も聞いております。ほかにもいろいろな方がその捕虜の子孫としていまだに憎しみとかトラウマを引きずっていらっしゃると。
 この保土ヶ谷の英国連邦捕虜墓地を日本の閣僚は一度も訪問をしていないと。実際には行かないような実は取扱いになっているというふうに理解をしておりますが、なぜこれだけの重要な墓地を日本の外務大臣を始めとする閣僚は訪問していないんでしょうか。
#22
○国務大臣(中曽根弘文君) 閣僚によりますこの保土ヶ谷の英連邦、英国連邦ですね、捕虜墓地、戦死者墓地訪問については、基本的には個々の閣僚が判断すべきものだと、そういうふうに思っておりますし、過去の閣僚の皆さんがどういう理由で訪問されていないのかは私自身は存じておりません。
#23
○藤田幸久君 これだけ重要な各国の方々が、それだけある意味では思いを超えてまで重要だと訪問されている場所でございますから、是非、中曽根外務大臣、検討していただきたいと思います。返答は結構です。
 それから、今年の六月に、そうした捕虜の一人でありました、これ、アメリカ人の捕虜のレスター・テニーさんという方が日本にいらっしゃいました。私の資料の一番後ろのページに出ております。この方は有名なあのバターンの行進にかかわった方でございますが、その後、三井三池鉱山で労働された後、大変日本に対しては憎しみを持っておられたわけですが、日本人の学生をホームステイで受け入れたことから日本との和解活動を始めて、今、日本に来るたびに日本の大学等を訪問して、学生に和解の活動をされておられると。
 ところが、今、外務省はイギリスとかオランダとかオーストラリアの元捕虜の方を日本に招聘をする平和友好交流計画というのをやっているんですが、アメリカの捕虜だけ排除しているんです。
 今回、日本に来ていただいて、当時、たまたま河村官房長官も同席されておられましたけれども、そういうこともございまして、二週間ほど前ですか、先月に藤崎駐米大使御夫妻がこのテニーさん御夫妻に会っていただきました、ワシントンで。
 なぜアメリカの捕虜だけそうした交流計画から外されているのか。やはり捕虜の問題というのは現在と未来の外交の重要な課題ですから、アメリカの捕虜、しかもこの和解のために動いていらっしゃる方々で、八十何歳の方でいらっしゃいます。是非、そうしたアメリカ人の捕虜に対しても新しい対応をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#24
○国務大臣(中曽根弘文君) 先月の十一日でしたか、レスター・テニー氏からの強い要請を受けまして、藤崎駐米大使は同氏と面談したと、そういうふうに承知をしておりまして、率直な意見交換を行ったと、そういうふうに聞いております。まず、こういうふうな意見交換を行うということは大変重要なことだと私は思っております。
 この招聘プログラムにつきましては、イギリスやオランダとの間のプログラムがあったわけで、これはもう来年で終了するわけでありますが、今委員がおっしゃいましたこの招聘プログラムについては、今後慎重に検討していく考えでございます。
#25
○藤田幸久君 理由も含めてちゃんとやっぱり対応をしていただきたいと思う。これは日本外交にとって私は非常にいいことだろうと思います、こうした前向きに取り扱うことが。
 それで、例えば、ロシアは三十七万人分の日本人の捕虜、抑留者の個人資料を日本政府に提出しています。そして、厚労省の社会援護局に請求すればコピーももらえると。そこまでロシアはやってくださっているんですよ、三十七万人分の名簿。これ、突然ですけれども、及川審議官、ございますですね、厚労省で。
#26
○政府参考人(及川桂君) ロシアとの間におきましては、一九九一年の協定以来、ロシア抑留中の死亡者名簿、またロシア抑留者の個人資料ということで、個人資料につきましては四十七万人分というふうに承知しておりますけれども、その提供を受けてございまして、提供を受けた資料につきましては、御遺族の方々にお知らせをして、入手を希望される方にはお渡しすると、そういうふうな対応をしているということでございます。
#27
○藤田幸久君 ありがとうございました。
 中曽根大臣、つまり、この抑留者とか捕虜の方のお子さんやお孫さんもまず知る権利があるんだろうと思います。そして、やはりそうしたことに対して協力をすることが私必要だろうと思うんです。ところが、外務省は調べもせずにニューヨーク・タイムスにこんな反論までしていたと、そしてその捕虜の方々に対してこういう扱いをしていたと。ロシアですらと言っちゃ恐縮でございますけれども協力してくれているのに、日本政府の方がそういった後ろ向きな捕虜政策を取っていらっしゃると。
 大臣、ポツダム宣言でこの捕虜の問題も含めて日本が対応をするということで受諾をしているということは御存じありませんか。
#28
○国務大臣(中曽根弘文君) ポツダム宣言の第十項におきましては、「吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰ヲ加ヘラルベシ」と規定されていることを私は認識をしております。
#29
○藤田幸久君 したがいまして、この捕虜の問題というのは、日本がこれから国際社会で信頼を得ていく上においても非常に重要な外交課題であり、武器になり得る問題ではないかと思いますけれども、今後の捕虜政策の取組について外務大臣の所見を伺いたいと思います。
#30
○国務大臣(中曽根弘文君) 今、ポツダム宣言第十項について申し上げましたけれども、我が国は、さらに、捕虜の取扱いを規定いたしますジュネーブ条約の第三条約に一九五三年に加入もいたしまして、さらに、この条約を含むジュネーブ諸条約を補充、拡充する第一追加議定書にも二〇〇四年に加入をいたしました。こうしたいわゆる国際人道法の主要な条約を我が国が締結するということは、国際社会におきます国際人道法の発展を促進するとともに、我が国の国際的な信頼性を高めるとの観点からも、私は非常に意義があると考えております。
 我が国としては、今後もこれらの、まず国際人道法の諸規定を着実に遵守していくという考えでございますが、元捕虜の問題も含めまして、関係国、関係者との和解に向けて、我が国は一九九五年から十年間、関係諸国との間で歴史研究支援事業とかあるいは交流事業の二本柱から成る平和友好交流計画を実施してきているわけでありまして、今後もこれらの取組について前向きな対応をしていきたいと、そういうふうに思っております。
#31
○藤田幸久君 であるならば、遅まきながら二〇〇四年にこの人道法のジュネーブ条約の追加議定書に加わったと、法律はそれで整備をされたと、そしてプログラム、まあ交流活動をしていると。だけれども、その基礎として、実はおひざ元の政府の中にこれだけの貴重な資料が存在をしていると。今回も、この福岡月報という、何ページ目かに入っておりますけれども、今まで民間あるいは図書館にもなかった資料だというふうに理解をしております。これは収容所別にあるんだそうです。今回、厚労省の方は、要するに麻生炭鉱、鉱山だけの部分で福岡月報を出していただいたわけですが、ほかにもあるわけです。
 ですから、むしろ外務省の方から、せっかく同じ政府の中の厚労省にこれだけ宝のような貴重なものがあるわけですから、ロシアだって提供されたものがあるわけですから、是非、政府の中でそうした資料収集、それから研究ですね、今後恥をかかないように、ほかの在外公館でホームページを出したりですね、そういう調査を外務省それから厚労省、一緒になって進めていただけませんか。
#32
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほどお話ありました情報についても、やはりまた今後のことにつきましても、厚労省と、どういうことができるか、よく相談してやっていきたいと思います。
#33
○藤田幸久君 少なくても、総理もしっかり資料が真正であるならば報告をするとおっしゃっていたくらいでありますし、今のお言葉もありますから、最低、厚労省の中にある捕虜関係の資料の精査、それからアメリカの公文書館も、実はこれ十六ページ出しましたけれども、詳細ですけれども、更にありますと理解をしております。それから、実は国会図書館にも相当ありました。ほかにもあるんだろうと思います。それから、厚労省以外にも、政府のほかの部局に行っている可能性もあるということも内々聞いています。
 私ごときだけでも最低それだけのことは想像が付くわけですから、少なくても厚労省の中の資料、それからアメリカの公文書館、国会図書館、考えられるほかの日本政府の省庁内にあり得る想像される資料についてはそれを調査をするということだけ約束してくれませんか。じゃ、逆にそういったことはしないという理由があるんだったら言ってください。ないんであるならば、それだけは約束してください。
#34
○国務大臣(中曽根弘文君) ただいまのこの質疑等も十分踏まえまして今後検討していきたいと、そういうふうに思います。
#35
○藤田幸久君 私はたまたま、ビルマ戦線で戦ったイギリス人と日本の兵士の方と交流にお付き合いをしたこともございます。イギリスの元捕虜の方が靖国神社を訪問したとき、私も一緒に行ったことがあります。戦った者同士、その当時はA級戦犯云々の前でしたけれども、そういう捕虜の方が、実は九五年ごろだったと思いますが、日本の天皇陛下がイギリス訪問のときにその捕虜の方々が大歓迎してくれたんです、反対運動もあったのに。
 ですから、捕虜の方々というのはむしろ、大臣、事務方に聞かなくても結構です、つまり、捕虜の方々というのは、自分で戦った同士の和解のメッセージというか意識というのを持っていらっしゃるんです。ですから、そういう方々と連携することは、日本にとって大変重要な、いいきっかけになるんです。それから、私はインパール作戦に参加をされた方と日本の兵士の交流をして、日章旗を届けられたことがあります、そのイギリス人の兵士から。そういういい交流があるんです。
 今、「私は貝になりたい」という番組がまたできるそうでありますけれども、是非そういったことを、外務大臣として是非外交の柱として、これは武器は要らないんですから、心の武器でそういったことをやっていただきたいと思いますが、したがって、そういったことも含めて調査をやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#36
○国務大臣(中曽根弘文君) 旧捕虜とそれから戦った者同士の交流というのは大変大事だと私も思っております。
 実は、つい十日か二週間前でありますが、インドネシアのあそこのスラバヤ沖ですか、日本の海軍が英国の軍隊の船を撃沈しまして、これ「雷」という日本の船、それから「電」という船ですが、四、五百名の英国の軍人が海上に漂っているのを全員助けて、そして衣服を与え、食料を与えたことがあります。そのときの助けてもらったイギリスの一兵士がつい先日、日本に来まして、我々としても、これはある意味では大変美しい話でもありますし、当たり前といえば当たり前のことなんですが、そういう戦争の、戦いというものの過去を乗り越えて交流をして、二度と戦いにならないようにという交流があったわけでありまして、私もその実行委員を務め、当初からこれ計画をやってきた者ですが、委員のおっしゃることよく分かりますので、そういうことも踏まえて、今日の御審議も踏まえて、今後、対応をやっていきたいと思います。
#37
○藤田幸久君 ありがとうございます。是非前向きにお願いしたい。
 一言、サウスチャイナ・モーニング・ポストはストレート・タイムスの間違いでしたので、それだけ訂正をして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#38
○委員長(北澤俊美君) 余計なことかもしれませんが、私も新聞記事見ましたが、あれは「電」じゃなくて「雷」だと思います。
#39
○国務大臣(中曽根弘文君) 「雷」と「電」、両方あるんです。
#40
○委員長(北澤俊美君) そうですか。
#41
○国務大臣(中曽根弘文君) 「電」もあるんです。
#42
○委員長(北澤俊美君) ああ、そうですか。それは失礼いたしました。
#43
○徳永久志君 それでは、本日議題となっております防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 まず、本法案では、自衛官の医官の人材確保のために、初任給調整手当を改定し、年間給与を平均一一%引き上げるとしています。今医療崩壊という言われ方がしまして、特に医師不足が深刻な問題となっているわけであります。防衛省からいただきました説明資料によりますと、人材確保のためと理由が付されているわけですが、自衛隊の世界でもこの医師不足という問題は起こっているのでしょうか。その現状について御説明を願います。
#44
○副大臣(北村誠吾君) お答えをさせていただきます。
 お尋ねの件につきましては、現在、自衛隊の医官は必要数、すなわち定数に対しまして七割に満たない低充足という問題を抱えております。また、離職率につきましては、義務年限を九年といたしておりますけれども、九年目までで約三〇%が退職しておりますし、十四年目で約五〇%が退職するというのが現状でございます。そうした状況の中で、自衛隊の医官は、御承知のとおり、災害派遣やイラク人道復興支援活動など、国際平和協力活動において活躍をいたしておりますし、今後ともその任務を拡大することが期待されていると認識しております。
 こういう状況を踏まえまして、既に平成十八年度から以下の三点の対策を講じております。すなわち、将官ポストの新設、さらに自衛隊病院のオープン化、そして防衛医学推進研究費の計上、こういったものを中心として早期離職者対策を講じておるところであります。
 なお、今般の給与法改正によりまして医官の初任給調整手当が改定をなされ、最高額で約十万円、年間給与にして平均約一一%引き上げられるということになります。このことが自衛隊の医官の早期離職対策に資するということを期待しておるところでございます。
 以上です。
#45
○徳永久志君 ただいま御説明をいただきました。要は、防衛医科大学を卒業して十四年たったら、もう半分が辞めてしまうという大変な状況だということがよく分かりました。
 そこで、そういう離職率の高さというものが、その原因がどこにあるんだろうかということはしっかりとやっぱり議論をしていかなくてはいけないんだろうと思っています。
 私も地元の滋賀県の方で、医師不足に対しての対策をどうすべきかということを、党の滋賀県連の中で研究会を設けて今一生懸命調査研究をしているところでありますけれども、地方の医師不足の原因の一つとして、高度な専門的技量が地方にいてはなかなか身に付かないということが一つ挙げられているわけです。ですから、日々、心身共に鍛錬をしている自衛官の場合、最も多い症例が骨折と水虫だということも聞いたことがありますけれども、これだとなかなか専門性というものは身に付かないということは言えると思います。いわゆる専門職としてのモチベーションがなかなか上がっていかない、だから離職率がどんどん高まる一方なんだろうというふうに思っています。
 その一方で、やっぱり今おっしゃったように、大災害等での活動やあるいは海外での活動で医官の果たす役割というものは今後ともますます大きくなってくるわけであります。したがって、その医官の定着率をいかに高めていくのかということは今非常に重要な問題になっていると思います。
 今おっしゃった、今回この法案で給料を上げて何とか定着をしてもらおうという意図だということもあるんですが、これやっぱりもう一度、どの程度効果があるか、どのように認識されておられるのか、御見解を賜りたいと存じます。
#46
○国務大臣(浜田靖一君) 確かにこれはあくまでも方法論の一つだというふうに思っています。ですから、これがすべて解決の答えにはならないというふうには思いますが、しかしながら、やはり我々できることを一つずつ積み重ねなければいけませんので、処遇の面からもこういった形で積み重ねることによってやっていこうということで、今回のこういった給与法の改正も考えたということであります。
#47
○徳永久志君 もちろん給与面での改善というのは非常に重要なポイントですけれども、やはり先ほど申し上げました専門的技量の向上、モチベーションをいかに高めてもらうのかという方策が給料面とは別に必要なんだろうというふうに思います。
 先ほど副大臣の方からも自衛隊病院のオープン化ということをおっしゃっていただきましたけれども、やっぱり自衛隊病院だけで仕事をしてもらうんではなくて、民間病院とかあるいは近隣の自治体病院とかとの人的交流を進めていくとか、あるいは先ほどのオープン化ですね、広く開放していくとか、そういったことをやっぱり早急にやっていかないとこれなかなか歯止めが掛からないのではないかという思いがするわけなんですが、その辺り、もう一度御見解をお願いします。
#48
○大臣政務官(岸信夫君) お答えいたします。
 自衛隊病院は自衛隊員を診察対象とする職域病院として設置されたものでありますけれども、地域医療への貢献、そして診療に従事する自衛隊医官の症例数の増加という観点からも、隊員等の診療に支障を来さない程度において、医師会等の地元の医療関係者の理解が得られました地域の自衛隊病院において一般の方々の診療を行っております。今、十六か所あります自衛隊病院のうちの五か所でこれをやっておると、こういうことでございます。
 また、自衛隊の医官の数につきましては、必要数の七割に満たない充足率ということで、大変低い充足という問題を抱えておるわけでございますけれども、医官の部外病院等の派遣につきましては、防衛省・自衛隊の任務への影響、地元の医療状況、派遣の効果等を総合的に判断して決断することになります。
 現在、近年の多様化する任務に対しまして適切に対応するために、自衛隊病院の再編を視野に入れつつ、自衛隊病院の更なるオープン化、医官の医療技術の維持向上といった点について検討いたします自衛隊病院等の在り方検討委員会を今年の十一月十七日に設置いたしまして、同二十一日に第一回の委員会を開催いたしたところでございます。その委員会におきましても、先生の御指摘を十分踏まえて検討を進めてまいりたいと思います。
#49
○徳永久志君 大学を卒業して十四年で半分が辞めていく、充足率が七割だという状況をやっぱり深刻に受け止めていただいて、やっぱり現場の医官の方々のニーズあるいは思いというのもしっかりと受け止めていただいて、効果的な対策をお願いをしたいというふうに思います。
 次に、本法案におきます本府省業務調整手当が新設をされるわけですが、これ、新しい手当が創設されることによってどれぐらい予算的な増額を見込んでおられるのかお聞きします。
#50
○政府参考人(渡部厚君) お答え申し上げます。
 それぞれこの本府省業務調整手当の額につきましては、課長補佐に対しましては俸給の九%程度、それから係長に対しましては俸給の四%程度、係員に対しましては俸給の二%程度ということで見込んでいるわけでございますけれども、具体的にはそれぞれ等級によりまして人事院規則で定めることになっておりまして、また防衛省職員につきましては、それと同じような形で政令で定めるということにしておりますので、その具体的な額が定まらないと精査できませんが、極めて大ざっぱに見積もってみますと、これ二十一年度からの適用ということになりますので二十年度は所要額というのはありませんが、二十一年度、大ざっぱに見積もってみますと十数億円程度になるのかなと、今……
#51
○徳永久志君 十数億円。
#52
○政府参考人(渡部厚君) はい、と予想しているところでございます。
#53
○徳永久志君 これは今おっしゃったように課長補佐以下の職員に対して支給をされるものですけれども、いわゆる内局にも制服組の方が勤務をされているわけです。当然、同じ勤務条件の中で働いておられるわけですから、いわゆる背広組と制服組とでこの手当が当たる人と当たらない人がいるというようなことがあってはならないというふうに私は思うんですが、その辺り、どのように仕分をされているんでしょうか。
#54
○政府参考人(渡部厚君) 御指摘のとおりでございまして、内局に勤務します事務官とそれから制服、これは違いなく適用されることになりますし、また陸海空の幕僚監部があるわけですけれども、こうした幕僚監部で勤務する自衛官等につきましても内局と同じような形で適用できるように、今検討を進めているところでございます。
#55
○徳永久志君 是非、同じ勤務条件で働いているのに当たる人と当たらない人が出るというのはやっぱりおかしいと思いますので、そこら辺りはしっかりと対応していただきたいと思います。
 次に、若年定年退職者給付金についてであります。
 懲戒免職処分相当と認める者に対し支給制限、返納命令等を拡大するとともに、任期制自衛官に対する特例の退職手当についても同様の措置を講ずるとあります。現行制度では、退職手当が既に支払われた者に不祥事が発覚した場合、禁錮以上の刑が確定しないと返納を求めることができないとされているのは知っております。今回、それを懲戒免職相当と認める者と範囲が拡大をされているわけですけれども、まず、この懲戒免職相当とはどういう中身になってくるのか、御説明をお願いします。
#56
○政府参考人(渡部厚君) 今御指摘のとおり、今回の国家公務員退職手当法の改正案におきましては、退職手当支払後に在職期間中に懲戒免職処分を受けるべき行為があったと認められた場合には退職手当の返納を命ずると、それから、在職期間中に懲戒免職処分を受けるべき行為があったと認められる場合で既に当該職員が死亡しているときは、支払前であれば遺族等に対して支給制限をし、支払後であれば返納を命ずるという仕組みを導入するということでございますけれども、この懲戒免職処分相当と申しますのは、退職手当を支払った後に在職中の非違行為が、いろいろ不祥事が、犯罪等の不祥事があると思いますが、そうした非違行為が発覚した場合において、その職員が退職の日に懲戒免職処分を行う権限を有するいわゆる処分権者というのがおりますが、その処分権者が総務省に置かれることになっております退職手当・恩給審査会というところに諮問をいたしまして、その上で在職期間中に懲戒免職処分を受けるべき行為があったということを認めた場合に返納命令の処分を行うということでございます。
#57
○徳永久志君 それでは、その懲戒免職相当と認める認めないという部分についての手続の面でいきますと、いわゆるその審査会に諮問するか否かの判断をまず防衛省が行う、次に審査会が懲戒免職相当か否かの最終判断を行うと、この二度の判断が行われるんだということでよろしいでしょうか。
#58
○政府参考人(渡部厚君) おっしゃるとおり、この審査会に諮問を経て、防衛省としての最終的な判断を行うということになります。防衛省が諮問することを決めて、ここで諮問していただいて、その上で防衛省としてのその処分の決定を行うということでございます。
#59
○徳永久志君 今回の法案の施行日は来年四月一日ですから、過去にさかのぼって適用はできないことは分かっています。あえて頭の体操として具体例でお聞きしたいと思います。
 例えば、田母神前航空幕僚長の一連の言動は懲戒免職相当と認められるのでしょうか。
 大臣は本委員会の答弁で、懲戒処分すべきであるけれども、その手続に時間を要するためにできなかったんだと、田母神氏には自主的に退職金を返納してもらうのが望ましいんだという二点述べられています。
 大臣の答弁のこの二点から考えると、田母神氏は懲戒免職相当に当たると、こう理解できると私は思っているんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#60
○国務大臣(浜田靖一君) 自衛隊員の懲戒処分等に検討するに当たりましては、規律違反の行為の程度、行為の内容、動機、状況、改悛の程度とか、部内外に及ぼす影響、過去の同様の事案における懲戒処分等、総合的に勘案してすることが必要になるわけであります。
 今般の田母神航空幕僚長の政府見解と明らかに異なる見解等を発表した件につきましては、懲戒処分の検討に至らなかったものであり、具体的な処分量定についてお答えすることはできませんが、過去の処分例においては免職までには至らない場合が多いと思っております。
 私としては、航空幕僚長の職を解くという重い措置を講じて、解任以降断続的に辞任を説得しましたが、自ら辞職することには応じず、また迅速な懲戒手続に協力を得られる見込みもなかったことから、空将という航空自衛官としての身分を保有させたままにしておくことは好ましくないという判断をして、現実的に取り得る最も厳しい措置として退職させたことを重く受け止めておるところでございます。
#61
○徳永久志君 確かに航空幕僚長の地位を剥奪をするということは大変重い事態だというふうに思いますし、大臣も非常につらい思いをされたのかなと推測をします。
 今私がお聞きしているのは、今回の法案の審議に当たって、施行された場合の運用はどうなるのかという点なんですね。田母神氏の問題を一つのケーススタディーにした場合、懲戒免職相当に当たるのかということを具体的にお聞きしているわけなので、もう一度具体的にお答えをください。
#62
○国務大臣(浜田靖一君) この処分に関しては、多分いろいろ、今までの状況等いろいろ考えますと、これは免職までには至らないというふうに思っておるところであります。
#63
○徳永久志君 免職までには至らないということでありますけれども、文民統制の部分でちょっとしゃべらせていただくと、憲法には具体的な文民統制の仕組みについて何ら規定をされていないわけですね。ただ、第六十六条に総理及び国務大臣の文民規定があるのみです。そのために、憲法二十一条で保障されている表現の自由が優先をされるとの考え方がまた生まれてきています。田母神氏を擁護する立場からは、これは言論弾圧だという批判があるわけですけれども、これが全く当たっていないことは、これは大臣とも共有ができるんだと思います。
 自衛官は、思想、信条の自由を有しているのは当然ですけれども、表現、結社の自由については、文民統制の原理が、私はそれが優先をするんだろうと思っています。文民統制の原理は、それが原理であるがために憲法の文民規定にも優先するのだというふうに思います。
 田母神氏の言動というのは、この文民統制の原理を大きく逸脱するんだという部分についても大臣と共有ができるんだろうと思っています。だからこそ懲戒免職相当だとここではっきりとお述べいただきたいんですね。
 政治が今なさなければならないことというのは、田母神氏を殉教者にしないことだと思うんです。第二、第三の田母神氏を絶対に今後出さないんだという方策を私たちはしっかりと講じることなんだろうと思います。その方策の一つが、今回の法案の中で当てはめていくならば、田母神氏が懲戒免職相当だと防衛大臣が明確にお述べになることが一つの方策の第一歩、第二、第三の田母神さんを出さないということにつながるんだと私は思うんですけれども、大臣、もう一度御見解をお願いします。
#64
○国務大臣(浜田靖一君) 済みません。
 これ、過去の処分例で一番、そのときに懲戒されたのが、懲戒免職になったのが一件だけございます。それは、いわゆる週刊誌に要するにクーデターを肯定する内容、見解を寄稿した者が、これが一番の今回の事例としては、免職になった事例としてはこれが一個あります。それも、要するにそのとき一件しかなくて、それで懲戒免職というのをしたのがその一件しかない。ましてやクーデター、要するに、そういったことを言った者で初めて免職になっておりまして。
 今回、今先生の御指摘の点というのは確かにあるわけでありますけれども、しかし、これをまた私が今の時点でこのいろいろな処分の段階というのを考えたときに、それを議論していったときに、免職まで果たして行くかどうかというのは極めて疑問が残るというか、ところがあるわけで、前にもお話ししましたように、私の気分とすれば、要するに今回の航空幕僚長を解任したということ自体が、逆に言えばそこに付いて回るものは、これは自分で辞めるということが当然だと私は思っていましたので、免職にするということにはこれでは至らないところもあったわけですから、私とすれば、処分の内容とすればこれを懲戒免職まではとても行かないなという思いも当然あり、そしてまた時間的な部分もあったわけです。足りないという部分、今お話にあったように、そういった部分の議論をしているだけでもう時間が過ぎてしまうので、逆に言えばそこで更迭をして、要するに定年退職でそこでけじめを付けたというのが私の思いでありまして。
 先ほどおっしゃったように、航空幕僚長から空将に落とした、更迭をしたということが私とすれば、我々の組織の中ではかなり重い処分をしたという思いだったものですからそのように申し上げたところでありまして、今回の場合にこれを免職に、その制度上のいろいろなところで当てはめていって、果たして免職にと言い切れるかどうかというのは、今の時点では私としては言えないということでございます。
#65
○徳永久志君 そうなってくると、もうこの法が施行をされて、この懲戒免職相当か否かの判断の部分というのは、先ほど非違行為という日常会話では使わない言葉を使われたわけなんですけれども、となると、ある意味で本当に犯罪行為をしなければこれには当たらないということになってしまうんじゃないんですかね。どうですか。
#66
○国務大臣(浜田靖一君) その件については、今先生が大変疑問に思われた点というのは確かに出てくるかもしれませんが、私とすれば、この制度上の面でいえば当然これは懲戒免職に当たらないかもしれないけれども、しかし、私の思いの中では、更迭をしたということがまずこれは免職。
 要するに、普通だったら、今までの事例からいっても、いろんな発言をしたときには要するに自分で退職、辞職、依願退職というような、自分で辞めるということを前提に来ていたわけですから、その処分というものに対する、確かにその制度上の処分と私のやった、今回我々の組織の中でやった、辞めてくれと言ったのは、やっぱり逆に言えば、思いとすれば、要するに制度ではやれないけれども、しかし私の思いの中では辞めろということですから、そういった意味においては、なかなか当てはまらないところ、ちょっと違和感があるかもしれませんけれども、私の中では、先ほど免職というお話、辞めろという、免職ということで判断されないのかというふうにおっしゃいましたけれども、私の気持ちの中では、それを要するに更迭することが免職という思いと一緒であるということは間違いのないことだと思います。
#67
○徳永久志君 大臣のお気持ちも理解をしますし、お気持ちの中で免職と一緒なんだと、でもというお話もございました。
 ただ、今回これ国会答弁の中で、この法律が施行された場合、懲戒免職相当に今回の田母神さんは当たらないんだと言い切ってしまわれたら、これもう前例になってしまって、これ第二、第三のああいう言動をしても、少なくとも職は解かれるかもしれないけれども懲戒免職相当にはならないんだということになってしまうんじゃないんですか。ここを危惧するわけなんです。
#68
○国務大臣(浜田靖一君) 私がここで言ったことでその法的な趣旨が変わるものだと思っていませんので、逆に言えば、今度私どもの諮問した段階でそちらの諮問委員会の方でその判断をされるわけですから、当然私とすれば、その時点でまだそこで制度ができていない、そして基準もまだできていないという中では、逆に言えばそこでまた一つの基準ができるのかなと私は思っていますので、私とすれば、今回のこの制度に関して言えば、今の状況の中ではこれは懲戒免職まで至らないというふうに私自身も思っていますので、そういう意味では、新たに、私が言ったことによってその中身が、今回のその基準というのがそれに影響するというふうには、私自身はそうは思ってないんですが、委員が疑問があると言われればそうなのかもしれませんが、私とすればそうではないというふうに思っておるところであります。
#69
○徳永久志君 時間ですので、終わります。
    ─────────────
#70
○委員長(北澤俊美君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として加藤修一君が選任されました。
    ─────────────
#71
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。
 給与法改正等の質疑の前に、日本のアフガニスタン支援に関しまして外務大臣に質問をさせていただきます。
 我が国は、海上自衛隊の補給支援と併せてアフガニスタンへの人道復興支援を積極的に実施してまいりました。我が国の支援につきましては本委員会におきましても度々取り上げられて、大臣からも、これまでDDRあるいはDIAG支援、教育、医療など十四・五億ドルに及ぶ支援を実施してきたんだという旨の説明もありました。
 先般、補給支援特措法が成立しましたが、今後は、アフガニスタンを安定した国にしていくために、日本のアフガニスタンの支援の車の両輪のもう一方の人道復興支援を、アフガニスタン国民の視点に立った分野に今まで以上に力を入れる必要があると私は考えています。アフガニスタン国民の政府への信頼が揺るがないような案件を、またアフガニスタン国民が日本の支援をより実感できる案件を更に充実していくべきだというふうに考えます。
 そこで、最初の質問ですが、今アフガニスタンでは、特に今年は干ばつや食料価格の高騰などによって食料不足が著しく、冬を越せないという人々も多くいると聞きます。国連もこの深刻な状況を受け止めて、この七月に食料確保を主眼とする人道支援の緊急アピールを発出いたしました。冬を迎える今こそこのアピールを積極的に受け止めて、アフガニスタン国民が実感できる支援をスピード感を持って行うべきと考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
#72
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員御指摘のとおり、政府といたしましても、今年のアフガニスタンは大変食料事情が厳しい状況にあると、そういうふうに認識をいたしております。
 我が国の政府といたしましては、アフガニスタンに対します食料支援を始めとする人道支援の必要性を強く認識をしておりまして、今年も国連世界食糧計画、WFPでありますが、これを通じまして、三月に五百万ドル、五月に四百万ドルの合計約九百万ドルの食料支援を実施してきております。これらの支援によりまして、今年の十月八日以来、一万三千トンの小麦及び豆類の配付がアフガニスタンで行われています。
 外務省といたしましては、アフガニスタンの食料事情を踏まえまして、アフガニスタンに対する食料支援に引き続き積極的に取り組んでいく必要があると考えておりますが、アフガニスタン政府及び国連による食料支援に関する緊急アピールに対する追加支援、これにつきましても、ただいまの佐藤委員の御指摘も踏まえまして前向きに検討しているところであり、具体的な予算措置を講じるべく、現在、政府内で最終調整を行っているところでございます。
#73
○佐藤正久君 ありがとうございます。追加支援、是非お願いいたします。
 イラクのときもそうでしたけれども、中長期的な計画に基づいた支援、これは基本ですけれども、やはりその状況の変化に応じて、やっぱり国民の視点に立ったスピード感を持った支援というものを柔軟に対応していくということも非常に大事だと思います。第二次補正予算に予算を組み込むなりいろんなことを考えながら、実施のほどよろしくお願いします。
 また、我が国のアフガニスタンでの人道復興支援というものは、非常に厳しい治安状況の中で現場の方々が本当に苦労しながら今まで頑張ってこられた、その結果として、金額の多寡にかかわらず高い評価を受けている内容だというふうに承知しております。ただ、若干、日本国民に対する理解度というものは不十分かなという感じがいたしております。実際上は油だけではなく水も支援をしているんですけれども、その部分がなかなか理解されていない。どうしても補給支援特措法だけがクローズアップされてしまって、民生支援部分がなかなか見えてこない。再度、大臣からこれまでの行ってきた支援とその成果について具体的な内容をお聞かせください。
#74
○国務大臣(中曽根弘文君) 今委員がおっしゃいましたように、我が国はアフガニスタンを再びテロと麻薬の温床にしないと、そういう強い決意の下、治安・テロ対策とそれから人道復興支援とを車の両輪として取り組んできております。
 先般、インド洋での補給支援を一年間延長する運びとなりましたけれども、我が国は、この活動と並びまして、アフガニスタンにおいて人道復興支援を行ってまいりました。大変厳しい治安状況の中でありますが、知恵を絞りつつ、国際機関やNGOとも協力いたしまして、多岐にわたる分野で約一千六百億円に上る支援を行ってきたところでございます。また、大使館員、JICAの専門家を始めといたしまして、現在も約百四十名の文民がアフガニスタン本土で活動をしております。
 今委員からせっかくのお話でございますので、我が国が行ってまいりました支援の成果について簡単に御紹介させていただきたいと思いますが、一つは、教育や保健・医療、それから水などの基礎生活分野では以下の例が挙げられます。
 一つは、五百以上の学校を建設又は修復をいたしました。それから、JICAの指導による約一万人の教師の育成を行っております。さらに、約三十万人を対象とした識字教育を行いました。また、延べ四千万人に対するポリオ、BCG等のワクチンの供与を行っております。また、五十のクリニックの建設、四百五十の井戸を整備、そして二百万人の帰還民受入れのための仮設住宅や教育、保健、職業訓練等の包括的な支援を行ってまいりました。
 また、農業とか農村開発の分野におきましては、JICAの日本人専門家による稲作の技術指導や、運河建設等のコミュニティーに根差したプロジェクトを約二千件実施してまいりました。
 また、インフラ整備では約六百五十キロメートルの幹線道路を建設してきましたけれども、これは東京と岡山間の高速道路の距離に匹敵するわけであります。先月、緒方貞子総理特使が出席をされまして、カブールの国際空港ターミナルの建設、これの竣工式が行われたわけでありますが、我が国はこのような国際空港ターミナルの建設にも協力をし、支援をしておりまして、カブール市のインフラ整備もまた進めておるところです。
 文化面におきましても、御承知のとおりバーミヤンの遺跡の修復支援や、アフガニスタンの伝統陶芸の継承を支援してきております。
 また、治安の分野では、元兵士の武装解除、これDDRでございますが、あるいは非合法武装集団の解体、こういうものを主導いたしまして、約六万人を対象とした武装解除も完了し、さらに、約八万の武器がアフガニスタン政府の管理下に入るなどのそういうような成果も得られております。さらに、日本国内でのアフガニスタン警察官に対する研修、また国境警察施設建設等の協力も行っております。
 以上に加えまして、我が国は、二〇〇二年の一月に、平和と復興に向けたアフガニスタン国民の努力をいち早く支持をし、そしてその後の復興プロセスの端緒となるアフガニスタン復興支援国際会議を、もう御承知のとおり東京で開催するなど、政治的支援におきましても主要な役割を果たしてまいりまして、各国からも大きな評価を得てきているところでございます。
 引き続きまして、アフガニスタンの安定と復興に向け、既に約束済みの追加の支援五・五億ドル、こういうものも行いながら、最大限可能な支援をしていく考えでございます。
#75
○佐藤正久君 ありがとうございます。引き続きその成果を本当に実効あるものにしていただきたいと同時に、日本国民そしてアフガニスタン国民の方にまたPRをよろしくお願いしたいと思います。
 続いて、給与法改正の質疑に移らせていただきます。
 今回の改正によって、防衛省本省で頑張っておられる課長補佐級、係長、係員への手当の新設そのものに私は賛成の立場です。ただ、今回の改正では、地方勤務の自衛隊には手当が付く内容とはなっておりません。市ケ谷勤務の本省勤務の隊員だけだというふうに認識しています。
 大臣も御存じのように、防衛省は他省庁と違って実行部隊という側面を持っているため、防衛省・自衛隊というような表現を使います。大臣は、これまでの委員会の答弁の中で、現場の第一線の隊員の任務の重要性とかあるいは士気の重要性を何度も答弁されておられますが、今回の改正においては現場の隊員への処遇というのは入っていないという状況であります。
 ほかの一般の公務員の方々も地方で一生懸命頑張っておられますが、地方で勤務しているほかの国家公務員の方と自衛隊員との違いというのは何か。私は、これは体を張って仕事をしているという側面がやや強いんだというふうに思っています。場所によってはコンビニとかあるいはレンタルビデオ店もないようなへき地、辺地で二十四時間、今この瞬間も陸に海に空に体を張って国の安全を守っておられます。そういった環境において大事なのは、任務意識というのはもう当然ですけれども、やはり給与というものも隊員の士気を維持、高揚する上で重要な要素だと私は思います。
 特に、手当というのは武装集団たる自衛隊を率いる防衛大臣が行う平時の統率行為の重要な一要素だと私は思っています。自衛隊員は一般公務員ではなくて特別職の国家公務員ですから、法的には、その特殊性もあり、手当は防衛大臣がある程度決定し得るというふうに私は思っております。
 今年初めに事務官等の初任給がアップされました。そして、今度は中央の市ケ谷の本省勤務の係員以上に手当が付く。これを地方の隊員はどのように感ずるでしょうか。防衛大臣への隊員の信頼とか現場の隊員への士気の影響ということは分析された上で、結果としてこのような改正をなされたのでしょうか。
 そこで、防衛省にお伺いいたします。今回の改正に併せて、地方、とりわけ辺地で厳しい任務に就いている隊員等への新たな手当の創設とか、あるいは既存の手当の見直し、検討はなされたのでしょうか。また、今回の改正については地方の第一線の隊員への士気を維持するためにも説明すべきだと考えますが、その考えはあるのでしょうか。お答えをお願いいたします。
#76
○政府参考人(渡部厚君) 佐藤先生御指摘のとおり、自衛隊では海外の厳しい環境でありますとかあるいは地方の現場の第一線部隊で厳しい任務に従事しておりまして、それらの隊員に対しまして適切な処遇を確保するということはもちろん重要なことでございますけれども、今回の給与改定につきましては、本府省業務調整手当ということでございますので、首都圏に勤務しております隊員が対象ということで、地方に勤務する隊員に対する施策としては、今回の改正については特にこれといった措置ということはございませんが、そうしたそれぞれ現場で頑張っておられる隊員に対する措置といたしましては、各年度予算要求を行って改善を図っているところでございますので、今後とも、そうした現場で働く隊員の処遇改善のために、現場の声も踏まえながら改善を図っていきたいというふうに考えております。
#77
○佐藤正久君 質問に答えてください、ストレートに。今回の見直しに併せて、地方で勤務している隊員への手当の見直しとか創設を検討したのかどうか、多分イエスかノーかで答えられるような質問です。と同時に、地方の隊員への士気を維持するために説明する考えはあるかどうかを聞いたんですから、それについて答えてください。
#78
○政府参考人(渡部厚君) 失礼しました。
 今回の給与改定に際しましては、特に地方の隊員に対してどういう措置を講ずるべきかということについては具体的に検討はしておりません。
 それから、地方の隊員に対します周知でございますけれども、これは、それぞれ改定があった際には各幕僚監部等を通じて部隊の隊員にも説明をしているところでございますが、今回の改正についても当然のことながら周知を図ってまいりたいと考えております。
#79
○佐藤正久君 一般的には、自衛隊と、大臣が何回も言われていますように、現場が大事だと言われるのであれば、そこは併せて検討するというのがやっぱり大臣を支える官僚の仕事ではないかなと私は考えます。
 今、説明をするということをこの国会の場でお答えになりましたけれども、やっぱりこれはしっかりと説明しないと、中途半端な説明は逆に士気が下がってしまうと思いますよ。中央だけが上がってしまうとどういうふうに説明するか、これは非常に難しい問題で、やっぱり大臣を支える官僚としては非常に大事だというふうに私は思いますので、是非よろしくお願いします。
 次に、地方のへき地で勤務する公務員に対しては特地勤務手当というものがあります。これについてお伺いいたします。
 これは、へき地で勤務する公務員や隊員にとって士気の維持、高揚をする上で非常に大事なものです。配付した資料を御覧ください。ここに九州の絵と、それと対馬を、これは長崎県の壱岐の上にある対馬というものをちょっと拡大したんですけれども、この長崎県の対馬市には実際に陸海空の部隊がございます。その中に、海上自衛隊には対馬防備隊、ここ警備隊となっていますが、防備隊という部隊があって、この本部が真ん中の下の方にありますけれども、そのほかに上対馬警備所というのが対馬の北の方に、南の方に下対馬警備所というものがございます。
 現在の特地勤務手当というのは、上対馬警備所が三級、下対馬警備所が四級、下の方が高いと、大きな手当をもらっていると。さらに、福岡に更に近い壱岐の隷下の警備所の方も、壱岐警備所も手当が四級と。なぜ下対馬の方が上対馬よりも特地手当が等級が高いのか。
 ただ、私、隊員の話を実際に聞いても、実際二週間前に行ってきたんですけれども、なかなか隊員もよく分かっていないし、生活の利便性というものを考えると、なぜこういう差が出るのか不思議な感じがいたします。一般の対馬市民に聞いても多分理解できないという状況だと思います。もう上対馬の警備所は物すごい場所ですから、空港までも二時間も掛かるような、市役所までも二時間ぐらい掛かると。行かれたことあるかもしれませんけれども、かなり辺地です。
 また、二枚目、今度は北海道の道東の地図があります。ここに、北の方から羅臼、標津、別海と三つを出していますけれども、ここの羅臼と別海駐屯地には二級の特地勤務手当が付いています。真ん中の標津分屯地には付いておりません、ゼロです。帯広と同じでありまして、札幌よりも手当が付いていないという現状です。
 隊員の話を聞いても、私も実際先週行ってきましたけれども、なかなかそこが隊員も分かっていないし、なぜこうなっているのか分からない。私も見ても、何でこんな差が出るのか分からない。問題の一つは、隊員がなぜこうなっているのか分からないと、どうも郵便局からの距離が影響がありそうだというぐらいと。これは余りいい状況ではないと私は思います。
 そこで、昨日、自衛隊の特地勤務手当につきまして、防衛省や総務省、人事院に確認しました。どこが責任を持って決定しているのか、結論はよく分からない。これはまずいと思いました。防衛省に確認しますと、特地勤務手当は、人事院が定める調査項目というものがありまして、それに項目に基づいて調査をし、それを特別職国家公務員の給与を見ている総務省に提出すると。総務省は、人事院が行っている一般公務員用の特地勤務手当の基準に従って精査をすると。その結果が防衛省に総務省の方から伝えられ、防衛省は、どの調査項目が組み合わさって、どういう点数付けで、重み付けで等級が決まり、その有無が決まるか分からない、ブラックボックスみたいな状況になっていると。これではとても隊員が十分な説明を受ける状況ではないというふうに思いました。
 そこで、大きな権限を有すると言われている人事院や総務省に確認すると、人事院は一般職を所掌しているので、防衛省については防衛大臣が定めるということになっていますと、法律が変わったときは防衛省に説明することもありますが、基本的には人事院は説明義務はないということでした。総務省も同じでした。
 そこで、一般職の国家公務員の手当を決めて、特別職国家公務員の手当にも大きな影響を有すると言われている人事院に確認します。自衛隊の特地勤務手当の決定権者はだれでしょうか。その決定権者と人事院との関係はどうなっているでしょうか。お願いします。
#80
○政府参考人(井原好英君) 人事院は一般職の特地勤務手当について所掌をしております。しかし、この一般職の特地勤務手当につきましては、特別職である防衛省等の職員についてもこれが準用されているということでございますので、制度官庁として、これまで制度改正や特地官署指定基準の見直しの際には防衛省等の関係機関に対して趣旨、内容等について十分な説明をしてきているところでございます。また、その内容について照会があれば、その都度お答えをしてきているというところでございます。
#81
○佐藤正久君 質問に答えてください。決定権者はだれですかと聞いたんですよ。
#82
○政府参考人(井原好英君) それは総務省の方がよろしいかと思いますけれども。
 一般職を所管しているのが人事院でございますので、特別職は総務省なり防衛省にお聞きいただいた方がよろしいかと思います。
#83
○佐藤正久君 それでは、人事院ではないということだと思います。
 じゃ、総務省に確認します。
 防衛省からの説明が正しいとすると、自衛隊の特地勤務手当については、総務省が調査項目を防衛省から受け取って、それに基づいて決定をし、それを防衛省に通知しているというふうに聞いています。となると、決定権者は総務省というふうに聞こえますが、これは正しいんでしょうか。総務省、お願いします。
#84
○政府参考人(笹島誉行君) 防衛省における特地勤務手当の支給対象官署及び級別区分につきましては、防衛省の職員の給与等に関する法律及び同施行令の規定に基づきまして防衛大臣が定めることになっておりまして、私どもが具体的な基準を持ち合わせているというわけではございません。
#85
○佐藤正久君 ということは、防衛大臣が決めれるんですね、そうしたら。というふうに今理解しました。防衛省の担当の方々に聞くと、よく分からないと、ただ総務省に出しているだけで、どの項目に基づいてこれが決まったのか分からないと。これは幾ら何でもやっぱり現場の隊員がかわいそうだと思います。
 実際、現場の隊員、今営舎の燃料が大変なために、羅臼の方の部隊へ行くと、朝一時間暖房を入れて、後、夕方暗くなって寒くなったときまた暖房を数時間入れる。日中は服をいっぱい着込んで、寒い中我慢をしながら北方領土の方を監視していると。しかも、その入口の道路、道路ヒーターはあるんですけれども、今非常に営舎費が大変だということでそれも使えてなくて、砂をまきながらやっていると。外の人が隊舎に行ったら、電気が暗くてびっくりすると。ごめんなさいとしか謝れないという中で頑張っている。
 対馬のカップラーメン、対馬の海栗島で航空自衛隊の売店で売っているカップラーメン、幾らかは私は聞きませんけれども、定価よりも高かったのは事実です。ガソリンも対馬なんかは高いんです、当然、離島ですから。しかも、あそこは漁業が一番の産業なんですけれども、魚も高い。これは、物流の関係で一回福岡に行ってから来るのでまた高くなってしまう。そういう中で頑張っている。
 また、郵政民営化の影響で、駐屯地のゆうちょのATM、最後の頼みの綱の民間金融機関のゆうちょのATMまでなくなっていると。もうこの二年間で三十五の駐屯地、基地からATMが、もうゆうちょがなくなりました。もう下ろせないんですよ、隊員。そういう中でもみんな頑張っている。
 そういうことを考えたら、やっぱりこの部分、防衛大臣が決めれるんであれば、実態というものを、やっぱり大臣自ら行っていただくか、だれかを派遣して見ていただいて、やっぱり、中央の隊員も頑張ってますけれども地方の隊員も頑張っている、それに対して光を当てていただきたいなと。もう大臣が何回も現場の隊員の任務の重要性と士気の高揚を言っておられるわけですから、何とかしていただきたい、実態を調査していただきたいというふうに大臣に要望します。
 大臣のお考えをお聞かせください。
#86
○国務大臣(浜田靖一君) 当然、これ、今回の法改正では現場の隊員の手当というのが上がらないというのもこれはもう事実でありますので、これに対してじゃ一体どのように説明するのか、当然、じゃその後どうするのかということも含めて、我々もしっかりと調査をして対応していきたいというふうに思っています。今、人事院、総務省からもお話がありましたので、私の方もしっかりとそれを受け止めて考えさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
#87
○佐藤正久君 終わります。
#88
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 最初に、質問通告したわけじゃありませんが、防衛大臣の率直な感想をお聞きしたいと思うんですけれども。
 田母神事案というのがありました。この委員会で参考人にも来ていただいたわけですが、その後本人は何をしたかというと、週刊誌の独占インタビューに出たりとか、外国人記者クラブに行って講演をしたり、またさらに十二月に入ってからは、自らを顧みずという本を出しているんですね。まさに英雄気取りじゃないかと思っているんですね。一方で、退職金は、正確な額は分かりませんけれども、七千万相当はそのままもらっていると。一般の国民は何となく苦々しい思いをしていると思うんですよ。こんな文民統制に対して不安を与えておきながら、自分たちはこの冬はボーナスも出ないかもしれないという人間が、何で七千万ももらえるんだと。
 こういうことに対して、大臣の率直な感想をお聞きしたいと思います。
#89
○国務大臣(浜田靖一君) 今先生の御指摘のとおりでありますので、辞めた後のその活動に関しては我々からどうこう言うことではありませんが、しかし私自身は、今回の件に関して言えば、更迭をされたというのは極めて重い。本来であれば、自衛隊組織そしてまた他国の軍隊においても、一般的には更迭をされるというのは極めて不名誉であるわけでありますので、本来、なぜそうなったのかというのを御自分なりに判断をされるのが当然だと私は思っていますので、今回のその退職金の問題等々についても、本来であれば返納するというのは、これは個人の判断というのは当然でありますし、制度上もこれは認められている話でありますので、我々、その制度に沿ってやっているわけでありますが、決してそれを認めて、制度としてやってはいるけれども、しかし思いとすれば、その一番最初の時点で、私がこれはもう合わないのでお辞めいただきたいと言ったときに御自分でしっかりと判断をすべきことだと思うわけでありまして、それもできないというのは大変私とすれば遺憾であるし、また、今まで自衛隊で一生懸命働いてきたにもかかわらず、そしてそのトップにも立ったにもかかわらずその程度の判断しかできないというのは、大変私とすれば残念、怒りを持っているところでもございます。
#90
○浜田昌良君 今大臣から怒りを持ってという言葉をいただきまして、そういう意味では我々と同じ感覚を持っていただいているということには非常に安心をいたしました。
 そこで、今般の法律との関係なんですが、今回の法改正によりまして、田母神事案のようなケース、つまり懲戒処分の手続中に定年を迎えてしまうと、こういう場合であっても、その懲戒処分が懲戒免職であると、相当であるという場合であれば退職金及び若年退職者給付金を返納させることができると、こう理解していますが、こういう理解でいいんでしょうか。簡単で結構です。
#91
○政府参考人(渡部厚君) 今回のケースのように、退職間際に非違行為が発覚したというような場合で定年退職までの間に懲戒処分ができなかったということにつきましては、その退職までの間に処分できなかったという合理的な理由があると考えられますので、今回の改正されました退職手当法は適用可能であると考えております。
#92
○浜田昌良君 そういう意味では、懲戒処分の中で懲戒免職だけに限るかどうかというのは大きな判断だと思うんですね。
 そこで、これも防衛省事務方にお聞きしますが、本改正案がそのとおり適用されていれば、これは、法律というのは防衛省の給与法だけじゃなくて一般職の退職手当法も含めてなんですけれども、それが適用されていれば退職金及び若年退職者給付金の返納が求めることができたもの、でき得たのになというもののようなケースはどれぐらいあるんでしょうか。
#93
○政府参考人(渡部厚君) 今回の改正案の中身についてはもう御存じと思いますので繰り返しませんけれども、過去に適用された場合に返納命令等を行うことができたかどうかということを立証するためには、何といいますか、処分の検討をした資料とか、そういう基礎的な資料がありませんと確認できませんので、退職後に非違行為が明らかになったケースというのが過去にどれぐらいあったかというのは、正直申し上げまして、そういう実際に処分の検討は行っておりませんので、資料が残っておりません。
 したがって、もし調べるとしますと、当時の人事担当者といいますか、そういう方に聞いて、こういうケースがありましたかというような調査をする必要があると思いますので、現時点では把握しておりません。
#94
○浜田昌良君 現時点でケースは特定できないということですが、それでは、これだけの法改正が田母神事案のようなものに対して抑止力をちゃんと持つかどうかという点なんですけれども、この点に関連しましてまず総務省にお聞きしたいと思うんですが、今般、この退職金の返納方法ですね、今まではいわゆる懲役刑が処されれば全部返納というだけだったのが、一部返納という、そういうことを加えたわけですね。この返納について、一部返納を規定することになった背景、またどのような場合には全部じゃなくて一部返納になるのか、これについてお答えいただきたいと思います。
#95
○政府参考人(笹島誉行君) 今回の退職手当法の改正に当たりましては、有識者による国家公務員退職手当の支給の在り方等に関する検討会というのを開催しまして、その報告書を基に法制化作業を行ってきたところでございます。
 この報告書におきましては、国家公務員の退職手当の性格が、勤続報償的、生活保障的、賃金後払い的な性格をそれぞれ有する複合的なものだとすると、在職中の功績が没却されたからといって直ちに生活保障や賃金後払いを全くしなくてよいということにはならないというふうにされたところでございます。
 また、この三つの性格のうち、その勤続報償としての要素を重視するとしましても、やはり非違の重大性との間で均衡の取れたものとする必要があると、あるいは本人の過去の功績の度合いと非違行為によってそれが没却される程度とを比較考量する必要があるということとされたところでございます。
 さらに、報告書におきましては、民間においては、懲戒解雇の場合であっても一律全額不支給とはせずに一部を支給する規定を設けているところがあり、裁判事例におきましても、懲戒解雇により退職金が全額支給されなかった事案について、懲戒解雇は認めつつも、退職金は諸般の事情を考慮し、部分的に支給するよう命じたものが少なくないということも指摘しているところでございます。
 具体的に、民間企業において、懲戒解雇の場合に退職金を一部支給するべきとされた事例といたしましては、企業外非行の痴漢行為の場合に七割が減額、うつ病による職場放棄の場合に五割が減額といったような裁判事例があるところでございます。
 それで、私どもとしましては、このような検討結果を踏まえまして、懲戒免職処分を受けるべき行為をした場合に一部を返納させる余地というのがあるだろうということで、そういった制度をつくることが適切であると判断したところでございます。
 具体的な事例でございますけれども、民間の事例等も踏まえながら判断すべきということであると考えておりますが、例えば、公務外の過失によって執行猶予の付された禁錮以上の刑に処された場合、あるいは返納を命ぜられる者の生計の状況を勘案すると全額の返納を命ずることは適切でない場合といったものが考えられるというふうに考えております。
 以上でございます。
#96
○浜田昌良君 今幾つか事例も説明していただきましたが、民間の場合では、痴漢行為であったりそういう場合においては全額じゃなくて一部返納というのを行っていると。で、返す退職金は全部なり一部というこういう均衡を、レベルを量ることができるのに対して、今回の法律では、懲戒処分は懲戒免職という一番厳しい部分だけに限定しているんですね。
 本来、懲戒処分というのは、いわゆる減給であったり戒告までランクがある。そのランクを全部対象にしておけば、実は田母神事案であったとしても、それが懲戒免職というのは多分ないと思います、公務員の一般のレベルからいえば。そうすると、何らかの懲戒処分はできたかもしれない。その懲戒処分に応じて、全額じゃないけれども、あとは一割、二割という減額もできたんじゃないかと思うんですが、今回の法律の運用状況も重要ですが、それを踏まえて、今後、この退職金なり若年退職者給付金の返還方法を一部なり全部と、こうなったことを踏まえて、懲戒処分の対象も、懲戒免職じゃなくて懲戒、ほかの懲戒処分ですね、そういうものを対象とすること、これを検討していただきたいと思っているんですね。
 特に、一般職員よりもやっぱり自衛隊員というのは高い規律性が要求されるんだと思うんですよ。だから、一般の公務員では、総務省の方では懲戒処分のうちの懲戒免職以外は検討しないとしても、防衛省としてはより高い規律性を保つためにそういう懲戒処分の対象を幅広く検討していただきたいと思いますが、この件について御答弁いただきたいと思います。
#97
○政府参考人(渡部厚君) 今委員御指摘のとおり、今回の改正案につきましては、懲戒免職にまでは至らない程度の不祥事については想定してないということでございます。また、若年定年退職者給付金につきましても同様の考え方で今回改正をさせていただくわけでございますけれども、今御指摘にもございますので、そういうケースについてどうすべきかということにつきましては検討させていただきたいと思っております。
#98
○浜田昌良君 ありがとうございます。
 あの田母神事案のようなことが再発されないようにいろんな手だてを考えていただきたいんですが、今の質問に関連しまして、確かに自衛隊員ほどは高い規律性は要求されないけれども、やっぱり公務員としての中立性は一定程度求められるということで、今の同じ質問なんですが、総務省について引き続き検討を、また、もし検討いただければより自衛隊でのいろんな相場観もできてくるんでいいんだと思うんですが、御答弁いただきたいと思います。
#99
○政府参考人(笹島誉行君) 退職手当の性格につきましては、先ほど申し上げましたように、民間における退職金と同様に、勤続報償的、生活保障的、賃金後払い的な性格をそれぞれ有しておりまして、支給された俸給あるいは勤続期間、退職の類型に応じて計算されるという形になっているところでございます。
 このような退職手当の性格にかんがみますと、退職手当を受ける地位ないし権利が否定され、退職手当の全額が不支給とされるというのは、職員に極めて重大な非違があった場合、具体的には懲戒免職に処せられて退職した場合及び禁錮以上の刑に処せられて失職した場合に限られているというのが今の仕組みでございます。
 また、民間の方を見ますと、停職以下の懲戒処分を受けたことを理由として直接退職金の額を制限するといったような制度は一般的に採用されてないというふうに承知しております。
 それから、公務を退職した者に対しまして、余り不安定な地位に置くことは望ましくないという考えもございまして、やはり返納処分をしなければならない場合というのは、そのまま放置しておけば退職手当制度に対する国民の信頼が損なわれるおそれがあるというような、やはり特に悪質な行為がある場合に限られるものというふうに考えております。
 したがいまして、今回の法律改正におきましては、懲戒免職に至らない程度の不祥事につきまして対応するということは想定していないところではございます。
 しかしながら、今の御指摘もございますので、私どもとしましても、民間等の事例等も含めて勉強させていただきたい、かように思っております。
#100
○浜田昌良君 是非検討をしていただいて、防衛省等といろんな連携をしていただきたいと思います。
 時間もありませんので、最後に防衛大臣に、今回の田母神事案の再発防止に向けて、今議論しましたように、今回の法改正を更に延長していくということも含めまして、自衛隊における文民統制についての国民信頼回復に向けての決意、また具体的な対応についてお述べいただきたいと思います。
#101
○国務大臣(浜田靖一君) 昨年来の事故、不祥事を受けまして、防衛省・自衛隊に対する国民の信頼回復に取り組んでいる中、航空幕僚長という要職にあった者が不適切な事案を起こしたことは誠に遺憾に思っておるところでございます。
 総理からの指示もございました。隊員の監督、教育の在り方、部外への意見発表の際の手続など、省を挙げて再発防止を検討し、今後このようなことが再発することのないように万全を期せということも言い付かっております。
 そういう意味においては、防衛省においては、今後、国民の信頼の回復にしっかりと努めてまいりたいと思いますが、再発防止策として検討しておりますのは、当然これは高級幹部としての職責についての自覚の涵養の徹底、そしてまた歴史、シビリアンコントロールに関する幹部教育等の点検をしっかりして、その結果を踏まえた必要な見直しを実施すること、そしてまた、表現の自由などの基本的人権に十分配慮しつつ、隊員の部外への意見発表等、手続等について必要な見直しをしていくと、今のところ、そういった形を取ろうということで進めておるところでございます。
#102
○浜田昌良君 ありがとうございました。
 終わります。
#103
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部改正案には賛成であります。この法改正が一連の防衛省不祥事にもかかわっていることであります。
 今日は、引き続き、田母神氏の問題についてお聞きいたします。
 アパグループの懸賞論文に空自の第六航空団が集団応募するに当たり、幹部論文をわざわざこの懸賞と同じテーマにしたわけですが、実は五年間はこういう幹部論文そのものを課してなかったということを前回の質疑で認められました。この第六航空団のように、この懸賞論文と同じ課題の幹部論文を隊内に課したような部隊はほかにあったんでしょうか。
#104
○国務大臣(浜田靖一君) これまでの調査によりまして、第六航空団においては、本年八月四日、航空幕僚監部教育課からの懸賞論文募集の紹介を踏まえて、本件論文と同じ真の近代史観を論題とした幹部論文を作成することを指示したことが明らかになっておりますけれども、これ以外にアパグループの懸賞論文と同じ真の近代史観を論題とした幹部論文を作成した部隊や基地については確認をされておりません。
#105
○井上哲士君 第六航空団だけ非常に異例な対応をしているわけですね。
 この幹部論文を課したのが今言われましたように八月四日でありまして、八月末が締切りでしたから、一か月もないときに急遽決めているわけですね。空幕から紹介されたのが五月の二十日ですから、二か月半たってから、言わば締切り間際になって、しかも幹部論文を同じテーマにしながらこれをやらせたと、大量応募を促したということでありまして、大変私は不自然だと思うんですが、何らかのやはり外部からの働きかけがあったんではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
#106
○国務大臣(浜田靖一君) 先生、もう一回、ちょっと質問繰り返していただけますか。
#107
○井上哲士君 つまり、八月になっても応募がなかなか集まらないというようなことで、何とかしてくれとかいうことが、何らかのやはり外部からの働きかけが第六航空団にあったんじゃないかと私は思うんですが、いかがでしょうかということです。
#108
○国務大臣(浜田靖一君) 今のところ、逆に言うと、外部からというのがどういうあれなのかあれなんですが、私どもとすると、外部からのそういった圧力というのはなかったというふうに思っておるところであります。
#109
○井上哲士君 では、なぜ八月まで言わば放置しておきながらこういう対応をしたのかが、私大変腑に落ちないわけですね。しかも、第六航空団からアパ側に対して、締切りに間に合いそうもないということで、締切り後の応募が認めてもらっているということを会見でも述べられております。つまり、第六航空団の関係者についていうと、特別な便宜を受けたわけですね、締切りだけれどもオーケーと。
 この懸賞論文を全国に紹介をした空幕のファクスには懸賞を受け取っても差し支えないというふうに書いてありますが、しかし、現職自衛官が民間主催の懸賞論文で懸賞を受け取っても問題のない要件としては、公平公正な審査ということが挙げられているわけですね。
 ここの応募者だけが締切りで特別な便宜を受けているということは、私は大変公平公正を欠いていると思うわけですが、やはりこの要件から外れているんじゃないかと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
#110
○国務大臣(浜田靖一君) このまとめた経緯に関しては前からお話をしているところでありますけれども、応募の締切りを過ぎて応募を受けるか否かについては、これもう当然主催者であるアパグループの判断でありまして、我々とすると、その是非についてコメントする立場にはないわけでありますが、それが公平公正かと言われると、我々の判断するところではない。アパグループの方の判断で受け取ったということなので、我々とすると、その点についてコメントするのは今の状態では我々の方がすることじゃないというふうに思っています。
#111
○井上哲士君 しかし、懸賞を受け取っても問題のない要件として自衛隊の側が公平公正と言っているわけでありますから、それはやはり当然判断をすべきなんじゃないですか。
#112
○国務大臣(浜田靖一君) この懸賞金を受け取ることを、問題は、我々とすれば当然これ倫理法の第三条第二項に反するものでないというふうに思っておりますし、これが今先生のおっしゃった公平公正な審査ということが行われている懸賞論文であればこの倫理法には反しないということでありますので、そういった意味においては、公平公正な審査が行われているか、審査の方でありますので、受付というものとまたちょっと違うのかなというふうに思いますが、この審査が行われているかについては我々とすると判断するところではないということであります。
#113
○井上哲士君 普通、締切りから遅れましたら審査の対象にもならないわけでありますから、これはやっぱり大変な公平公正を欠くことだと私は思います。
 全体として、この一民間団体の懸賞論文に対して小松基地が全国と比べて大変異例な対応を幾つかの点で取ったわけでありますが、この自身の対応については現時点で適切だったとお考えなんでしょうか。
#114
○国務大臣(浜田靖一君) 今回は、航空幕僚監部教育課長が行為としてというか、それに気付いて、懸賞論文の存在に気付いて、そして、それをまた監部で取り上げてそれをファクスで流したということでございますから、これが適切な行為であったか否かについては今後検証していく必要があると考えておりますし、またいかなる規律違反に該当するかも含めて、これはもう当然検証の結果を踏まえて厳正に対処してまいりたいというふうに思っています。
#115
○井上哲士君 今のは幕僚の課長の話ですか。
#116
○国務大臣(浜田靖一君) そうです。
#117
○井上哲士君 要するに、第六航空団がこういう異例な対応をしたことについてはどう考えているのかという質問です。
#118
○国務大臣(浜田靖一君) それは、当然、これに対して積極的に参加をしたということでありますので、我々は今それも含めて検証していきたいというふうに思っておるところであります。
#119
○井上哲士君 防衛監察では、法令遵守の意識・態勢ということがこの第六航空団についての監察の言わば目的になっておりますが、そのこと、この異例の対応がこういう法令遵守にかかわる問題だという問題意識で行われているということでよろしいですか。
#120
○国務大臣(浜田靖一君) それは、今のこういった六空団の話というのは、確かに我々とすればいろいろな形で調査もしておりますので、今まだその検証段階でありますので、今のこの時点でコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
#121
○井上哲士君 余りにも不自然なやり方が行われているわけでありますから、これはきちっと、繰り返しになりますけれどもやっていただきたいと思いますが。
 これは、航空幕僚監部が全国にファクスで紹介をしました。その後に応募が少なかったために空幕の人事部長が書簡の形で全国に督促をしているということがその後明らかになったわけですが、これも極めて異例だと思うんですけれども、最初のファクスは公文書なんですが、その後、今度は人事教育部長が書簡という形で送ったと。何でこんなやり方したんでしょうか。
#122
○国務大臣(浜田靖一君) 六月中旬に人事教育部長名で各司令官に対して周知の促進を依頼する旨の連絡をしたわけでありますが、これ、教育課長が五月に紹介ファクスを送信した後に応募状況を確認したところ余り応募者が多くなかったために、六月中旬に上司の人事教育部長から改めて紹介の書簡を送ったものと聞いておるところでございます。
 五月の教育課長によるファクス及び六月の人事教育部長による書簡は、いずれも公文書に当たるのではないかと我々は考えております。
#123
○井上哲士君 この人事教育部長が送った書簡は資料でいただきました。最初のファクスは各部隊に紹介願いますとなっているんです。ところが、この手紙は、広く隊員にお知らせいただきたいという、個々の隊員まで知らせてほしいという踏み込んだ依頼をしております。そして、最初のファクスは歴史教育に役立つということがさらっと書いてありますが、この手紙は、歴史に埋もれた真実を基に国際情勢の推移を解き明かし、独自の近現代史観で日本の活性化に役立つ提言をまとめた論文を広く募るというものですという、このアパ側の立場を紹介して、だから出せということを言っているわけですね。
 私は、アパのこの応募要項を見ましても、特定の立場の提言を後押しをするということが読み取れるわけですね。これをわざわざ紹介をして督促をしたと。政府見解を否定するようなこの意見発表を組織的にやろうとしたんじゃないかということを思われても仕方がないと思うんですが、いかがでしょうか。
#124
○国務大臣(浜田靖一君) 先ほどから申し上げておりますように、今回、人事教育部長のファクスではなく書簡というもの、これは逆に言えば、先ほどもお話ししたように、応募者が少なかったので、これを改めてより丁寧に書簡の形式で改めて紹介したというふうに思っているわけでありますが、それが組織的にそういった大きな、今先生の御指摘のあったような思いでやったのかどうかというのも含めて、今我々とすれば検証しているところでありますので、今の時点でそれに対してお答えすることはできませんので、御了解いただきたいと思います。
#125
○井上哲士君 この人事教育部長の手紙は更にこう書いているんですよ。隊員応募の論文が最優秀賞として選ばれた場合は部内外への広報効果も絶大であろうと考えるところですと。
 まさに、この最優秀賞に選ばれたんですね。どういう絶大な広報効果があったとお考えでしょうか。
#126
○国務大臣(浜田靖一君) その意味では、今回余りにも、先生方から御指摘のあるように不適切だということも含めてあるわけでありますので、一般的にはその効果が現れたかどうかというのは、逆方向に効果が出たんではないかなというふうに思います。その意味では、我々、先生方の御指摘を受けながら我々の自衛隊としての在り方、そしてまた、その教育内容等々も含めて新たに注意喚起、そしてまた、我々としては、皆様方に誤解を与えないようにしっかりと対処せよということが我々としては効果があったことだと思っておりますので、そのことによって歴史教育等々に関してどうのこうの、逆に言うと皆さんが効果があったというふうに言われても、私の方はそれはなかったんではないかなと思っております。
#127
○井上哲士君 つまり、教育的効果ということで始まったはずなのに、これは広報効果をねらっているということを言っているんですね。
 この人事教育部長は、実はこの手紙を出した後の八月から異動になりまして福岡にある空自の西部方面隊の司令となっておりますが、この同隊では、部隊での歴史教育の機運を高めるとして歴史研究発表会の開催を検討していたと。
 こういうような発表会がほかの部隊で行われたことはあるんでしょうか。
#128
○国務大臣(浜田靖一君) 今先生の御質問でありますけれども、我々とすると、今回のこの案件しか我々聞いておりませんので、他には今のところ、これは調べてみなきゃ分かりませんが、私の今の手元にはそういうことはございません。
#129
○井上哲士君 報道では、こういうものは初めてのことだということでありますが、来年の三月に初めてこの歴史研究発表会が開かれる予定だったけれども、田母神氏の問題もあり、実施する予定はないとしつつ、歴史教育を取り入れることで日本人としての誇りや愛国心を醸成させ、より強固な使命感を確立するねらいだったというふうに言われているわけですね。ですから、まさに過去に贖罪意識があれば使命感を持って任務ができないという、結局田母神氏が言ってきたことと同じようなことが、この人事教育部長が部隊に行ってやろうとしているということがあるわけです。私、先日、いろんな地方の部隊でそういう影響が出ているんじゃないかということを申し上げましたけれども、こういう形でもまさにやられているわけですね。
 ですから、この田母神氏の持論と方針に沿った歴史教育というものの推進が図られているんじゃないか、それがまだずっとやられているんじゃないかと、このことはやはり厳しいまなざしできちっと見ていただきたいと思います。最後、その点を述べていただいて終わりたいと思います。
#130
○国務大臣(浜田靖一君) 先生御指摘の件、我々も、そういった意味では多くの先生方からも同じ思いで御心配を掛けておるわけでありますので、そうならないようにしっかりと対処してまいりたいというふうに思っておるところであります。
#131
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 我が党としましては、本法案には賛成の立場でございます。そのことを前提にして幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 一点目は、報償費の裏金問題でございます。
 私は、これまでも当委員会で防衛省の報償費が不正に流用され、裏金化しているということについて質問をしてまいりました。当時の石破大臣は、調査、報告をすると言っておりましたけれども、先日の衆議院の審議でもまだ調査中ということでございました。
 七月二十五日には、報償費の使用に関する改善策についてという文書が出されました。これは、問題があったかどうかは分からないけれども、幾つか改善する事項が判明したから改善するというものでございまして、真相は全くやみの中でございます。私は、一年以上も前からこのことについて三度質問をして、今日四度目でございます。防衛省には解決能力があるようには思えない。
 当委員会として、この報償費の裏金問題について、会計検査院に対して国会法百五条の検査要請をするよう委員長に求めたいというふうに思います。よろしくお願いをいたします。
#132
○委員長(北澤俊美君) その件につきましては、後日理事会で協議をいたします。
#133
○近藤正道君 次に、田母神問題について質問をいたします。
 だれが見ても、田母神氏の一連の文章あるいは発言内容は明らかに自衛隊法第六十一条で禁じた政治的行為、これに該当するというふうに思っております。しかし、大臣はこの点をあいまいにして、政府見解と違った意見を公表したということが懲戒相当だと答弁されておられます。しかし、国民は、自公政権が任命責任を回避するため、あるいは自衛隊員、とりわけ幹部の、幹部自衛官の多くが田母神氏と同じような思想傾向にあるために防衛省が田母神氏をかばったと、こういうふうに見ているんではないかと思っております。
 国民の自衛隊に対する信頼回復を図るためにも、政府はきちんと田母神氏の行為は政治的行為に当たる、このことを明確にして懲戒手続に入るべきだったんだと思っています。
 政府は、これまで一貫して田母神氏をかばってきました。名古屋高裁でのイラク派兵空自違憲判決を、そんなの関係ねえ、こういうふうに田母神氏が発言した際も、石破大臣は、それはもう田母神航空幕僚長の本当に部下を思い、国を思う、そういう気持ちであったというふうに認識していますと、こういうふうに擁護しているわけであります。
 また、田母神氏の本年一月三十日に埼玉県の熊谷基地での視察の際には、敗戦後の米軍の占領政策を暗に批判した上で、脳みそが左半分しかないような人たちが公職に戻ったという表現を使って、公職復帰した矢内原忠雄元東大総長や滝川幸辰元京大総長を批判するような講話を千二百名の隊員の前で行っております。これが本年十月三日号の週刊朝日に「「そんなの関係ねえ」幕僚長 品位が問われる新たな暴言」、こういうタイトルで報道されました。
 これに対して、私のところで防衛省に聞いたところ、防衛省は、これは今日お配りいたしました配付資料のとおり、当時、航空幕僚長熊谷基地初度視察時の訓示内容という記録が存在するにもかかわらず、九月三十日付けの段階では、私に対して、概要を記載した文書は存在しない、こういうふうに言わばうその答弁、概要文書はない。しかし、その後、いろいろこれを調べましたら概要文書が出てきた。防衛省の私に対する回答と、その後、防衛省に問い合わせた結果出てきた文書を今配付資料で皆さんのお手元に配ってありますけれども、これ、公然とうその答弁をして田母神氏をかばったんではないかと、私はそういうふうに思えてならない。
 九月三十日付けの私に対する文書、これはうその回答、概略書はあるにもかかわらずないというふうに言った。これは田母神氏をかばったものではないのか。大変私はけしからぬ話だというふうに思いますが、大臣、いかがですか。これは大臣に聞いているんですよ。
#134
○国務大臣(浜田靖一君) 先生、これ先ほど、今手元にあるのはこれ訓示の内容でありまして、熊谷基地のやつは、先生の場合、我々の方にお話があったのは講話というふうになっていましたので、その講話というのではなくて、訓示の内容はここにあるということでありますので、我々とすると、それはうそとかないとかといったら、講話の方はないわけで、講話ではなくて訓示の内容はここにあるということでございますので、その資料、訓示の資料をここに出したということなんで、そこは我々とすると先生をだましたりとかうそを言ったということではなくて、講話の方のはこれはもうないわけでありますので、我々の出したのはこれ訓示ということでございますので、そこはちょっと我々とするとごまかしているわけでも何でもなく、ましてや、今回、田母神をかばっているというようなお話がありましたが、我々としては全くそんな思いはございませんので。当日は訓示と講話両方行ったものですから、講話の方の資料はなくて訓示の資料はここにあるということですので、多分、先生、そこでちょっと勘違いされたのかなと思うんで、その点だけちょっと御了解いただければと思います。
#135
○近藤正道君 全くのすり替えだと思いますよ。
 それは、事務所を通じていろいろ議論をやって、一体としてそういうものを要求していたにもかかわらず、皆さんは今、講話と訓示と言葉を区別して、片っ方、うそを言っているわけではないと。しかし、私の事務所では、そういうものを一体として、この週刊朝日に記載されているものを全体として出してくれというふうに言ったところ、皆さんとしては、そういうものは一切ないと、概要も一切ないという形で突っぱねて、その証拠に文書まで出してきているわけですよ。
 ところが、その後いろんな角度からまた調べて、私どもで聞いたところ、その後、その訓示と称するものを出してきたわけですよ。明らかに、当時、週刊朝日が問うているような中身の文書をトータルに出せということについて、皆さんはないというふうに突っぱねて、最後まで我々にうそをついた、これは間違いない事実だ。これは、ここでこれ以上水掛け論を言ったってしようがありませんので、これは極めてやっぱりけしからぬ話だというふうに私としては申し上げざるを得ないというふうに思っています。
 次の質問に行きますが、さらに、田母神氏でありますけれども、〇七年五月号の「鵬友」掲載の「日本人としての誇りを持とう」というこの文書の中では、A級戦犯はけしからぬと、こんなことを言っているのは日本人にはほとんどいないと堂々とA級戦犯を擁護するそういう発言をしているわけでございます。
 私は、この〇七年の「鵬友」の段階、あるいは次に、そんなの関係ねえと、例の名古屋高裁の発言の段階、さらに、あるいは週刊朝日が暴言を報道した段階、幾つかやっぱりチェックの段階はあった。この段階でシビリアンコントロールがきちっと機能している、防衛大臣がきちっと田母神氏に対して必要なやっぱり対応を取っていれば、田母神氏がその後、増長してアパ論文まで暴走するなどという事態はなかったんではないかというふうに思いますが、いかがですか、大臣。
#136
○国務大臣(浜田靖一君) 前々から、我々とすると、そのチェックというものに対して、その部分では大変そういう意味では足りなかったというのは我々も申し上げているところでありますが。いずれにしても、今回の案件に関しては私としてはできる限りの責任を問うたということを私自身は思っておるわけでありまして、確かに先生の御指摘のように、そういった段階で対応しておけばというお話は確かにそうかもしれません。私のできる範囲で今回対処したということだけは申し上げておきたいというふうに思います。
#137
○近藤正道君 改めて、田母神氏の憲法観、歴史観、これが自衛隊内部、特に田母神氏が教育した幹部にどのように浸透しているかについて防衛省としてきちっと調査する必要があると思いますが、いかがですか。
#138
○国務大臣(浜田靖一君) 我々もいろんな形でいろんな情報、状況等も含めて注視しながら、今回の案件の影響というものも我々も関心を持って見ておるところでございますけれども、今のところ、そういった極端に、この間も統幕学校に先生方、委員の皆様方に行っていただいて、そのお話を聴いていただいたりしたわけでありますけれども、その点は、大変そういう意味では極めて冷静に皆さん客観的に見ているというふうには思っていますので、先生の御指摘ということもありますが、我々とすると、随時必要と思うようなところがあれば対応していきたいというふうに思っているところであります。
#139
○近藤正道君 是非きちっと防衛省として調査をしていただきたい、これは強く要望申し上げておきたいと思います。
 次の質問でありますが、自衛官の意見表明のルール、あるいはルール化、あるいは自衛官のオンブズマン制度の創設について質問をしたいというふうに思います。
 現在、部内か部外か、あるいは公的見解か私的見解か、そういった便宜的な使い分けで結果的に幹部自衛官の政治的主張が野放しになっている、これが今回の田母神問題で明らかになったというふうに思っています。自衛隊にシビリアンコントロールが及んでいない現状が大変問題なわけでございますが。
 ドイツではドイツ兵員法という法律がございまして、この第十五条、政治的活動の規制なんですが、ここで、一、兵士は任務において、その是非にかかわらず、特定の方向を持つ政治活動を行ってはならない。同僚同士の会話として自身の考えを述べる権利はこの限りではない。二、兵舎及び軍施設における任務中あるいは自由時間の間、自由な意見表明は兵員の基本規則によって制約される。三、兵士は政治的な催しにおいては制服を着用してはならない。四、兵士は上官の立場として、その是非にかかわらず、政治的見解について部下に影響力を行使してはならない。こういう規定を設けております。
 このようなドイツ兵員法が規定するような具体的規定によって、自衛隊員が孤立し、一般国民と懸け離れた意識、価値を持つことを防ぐ必要があるというふうに思いますが、大臣、いかがですか、こういう制度を設けたらどうですか。
#140
○国務大臣(浜田靖一君) 他国のそういったものというのは参考にすべきというふうに思いますし、我々とすれば、それを即そのまま我々の組織の中に入れていくということに対しては検討すべきところもあろうと思います。基本的に、各国ではこれは軍隊というものがありまして、別に法律を定めておるわけでありますので、我々の方ではそうではないというところもございますので、検討はいろいろな形で、何をどうするのかということも含めてこれは対応していかなきゃいけないと思っておるところであります。
 いずれにしても、いろいろな今回の案件等々をかんがみれば、当然、手を入れて我々検討すべきところは今回多々あるというふうに思っておるところでありますので、我々としてはしっかりと議論をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#141
○近藤正道君 最後の質問でありますが、幹部のゆがんだ歴史観、政治的主張、これが放置された一方で、上官によるいじめを認める判決が先日確定をいたしました。防衛省が公式に謝罪をした海上自衛隊の「さわぎり」の事件であります。また、江田島の海上自衛隊基地で、十五対一の格闘により隊員が死亡した暴行致死事件がございました。また、イラクやクウェート、インド洋に派遣された隊員の十六人が帰国後に自殺をしている問題などもあります。末端の自衛官のストレス、いじめも深刻であります。これはまさに表裏一体で、自衛隊が一般社会と隔絶した閉鎖的な社会だからこそ生じているのではないかと思っております。意見表明のルール化と、まさに車の両輪として外からシビリアンコントロールの仕組みが必要だというふうに思っています。
 ドイツには、議会に属する防衛監察委員、いわゆる防衛オンブズマンの制度がございます。これを参考に、国会が防衛オンブズマンを任命し、自衛官の監察、隊員からの苦情受付、勧告、国会への報告を制度化する、こういうことを是非この際検討すべきではないか、防衛省改革論議の中で是非検討すべきではないかと思いますが、大臣の所見をお伺いいたします。
#142
○国務大臣(浜田靖一君) 我々とすれば、そういう御指摘、いろんな例があるのは存じ上げておるところでございますが、今までそういった検討をしてこなかったわけでございます。
 ただ、一般的に、我々とすれば、当然今回の案件に関しましても当委員会等国会においていろいろな御指摘を受け、そしてまた改善点も明確になってきたということを考えれば、今の条件の中で国会の機能というのが十二分にその機能を果たしていると私自身は思っておりますので、御指摘の点につきましては、これはもう先生の御意見等もこれまた勘案しながら、国会との関係、そしてまたいろいろな形の中で政府全体として考えていかなければというふうに思っておるところであります。
#143
○近藤正道君 終わります。
#144
○委員長(北澤俊美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#145
○委員長(北澤俊美君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 この際、犬塚君から発言を求められておりますので、これを許します。犬塚直史君。
#146
○犬塚直史君 私は、ただいま可決されました防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一、防衛省・自衛隊は、昨年来、一連の不祥事が続き、国民の信頼を大きく損なうこととなったことを重く受け止め、防衛省改革の実行を徹底することで、国民の理解と支援を得るよう努めること。
 二、前航空幕僚長がこれまでの政府見解を逸脱した論文を応募、発表したことにより防衛省・自衛隊に対する国民の理解と信頼を大きく損ねたことは、遺憾の極みであり、当該事案の徹底的な究明を図った上で、再発防止策の確立・徹底を図ること。
 三、統合幕僚長及び陸・海・空の各幕僚長の人事に関しては、任命権者としての重大な責任を認識し、最適な人材を任命するとともに、自衛隊幹部が政府の一員としての自覚を持った言動に努めるよう、厳格な幹部教育を実施すること。
 四、防衛省・自衛隊における教育の在り方を総点検し、国を守る意識や歴史観も含めて、適切な教育を行うこと。
 五、退職公務員に対する退職金の返納の在り方について、公共の利益を重視する見地から返納事由及び処分手続の見直し等検討の余地がないかを徹底的に検証するとともに、新設される本府省業務調整手当の趣旨、運用に当たっては、その在り方も含め、不断の検証を進め、改善を図ること。
 六、懲戒免職以外の懲戒処分についても若年定年退職者給付金等の返還の対象とすることについて、総務省における退職手当の検討の状況を見ながら検討すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#147
○委員長(北澤俊美君) ただいま犬塚君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#148
○委員長(北澤俊美君) 多数と認めます。よって、犬塚君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、浜田防衛大臣から発言を求められておりますので、これを許します。浜田防衛大臣。
#149
○国務大臣(浜田靖一君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたし、努力してまいります。
#150
○委員長(北澤俊美君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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