くにさくロゴ
2008/11/20 第170回国会 参議院 参議院会議録情報 第170回国会 内閣委員会 第2号
姉妹サイト
 
2008/11/20 第170回国会 参議院

参議院会議録情報 第170回国会 内閣委員会 第2号

#1
第170回国会 内閣委員会 第2号
平成二十年十一月二十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十二日
    辞任         補欠選任   
     相原久美子君     高橋 千秋君
     山本 香苗君     山口那津男君
 十一月十三日
    辞任         補欠選任   
     高橋 千秋君     相原久美子君
     山口那津男君     山本 香苗君
 十一月十九日
    辞任         補欠選任   
     石井  一君     植松恵美子君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任   
     工藤堅太郎君     森 ゆうこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         愛知 治郎君
    理 事
                芝  博一君
                松井 孝治君
                岡田  広君
                中川 義雄君
    委 員
                相原久美子君
                植松恵美子君
                神本美恵子君
                工藤堅太郎君
                自見庄三郎君
                島田智哉子君
                森 ゆうこ君
                簗瀬  進君
                柳澤 光美君
                市川 一朗君
                岩城 光英君
                鴻池 祥肇君
                山谷えり子君
                山本 香苗君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 河村 建夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    佐藤  勉君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地方分
       権改革))    鳩山 邦夫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    与謝野 馨君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策、食品安
       全))      野田 聖子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     小渕 優子君
   副大臣
       内閣府副大臣   宮澤 洋一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 秀行君
   政府参考人
       内閣官房拉致問
       題対策本部事務
       局総合調整室長
       兼内閣府大臣官
       房拉致被害者等
       支援担当室長   河内  隆君
       内閣官房拉致問
       題対策本部事務
       局政策企画室長  中村耕一郎君
       内閣官房消費者
       行政一元化準備
       室長       松山 健士君
       国家公務員制度
       改革推進本部事
       務局長      立花  宏君
       内閣府大臣官房
       審議官      武川 光夫君
       内閣府大臣官房
       官民人材交流セ
       ンター及び再就
       職等監視委員会
       準備室長     小林 廣之君
       内閣府規制改革
       推進室長     私市 光生君
       内閣府地域活性
       化推進担当室室
       長代理      上西 康文君
       内閣府政策統括
       官        藤田 明博君
       内閣府政策統括
       官
       兼自殺対策推進
       室長       松田 敏明君
       内閣府男女共同
       参画局長     板東久美子君
       内閣府国民生活
       局長       田中 孝文君
       内閣府公益認定
       等委員会事務局
       長        原  正之君
       内閣府地方分権
       改革推進委員会
       事務局次長    小高  章君
       宮内庁書陵部長  鈴木  武君
       警察庁生活安全
       局長       巽  高英君
       警察庁刑事局組
       織犯罪対策部長  宮本 和夫君
       警察庁交通局長  東川  一君
       総務大臣官房審
       議官       望月 達史君
       総務省人事・恩
       給局長      村木 裕隆君
       総務省自治行政
       局公務員部長   松永 邦男君
       外務大臣官房参
       事官       小原 雅博君
       財務大臣官房審
       議官       門間 大吉君
       財務大臣官房審
       議官       原  雅彦君
       文部科学大臣官
       房審議官     徳久 治彦君
       文化庁文化財部
       長        高杉 重夫君
       厚生労働大臣官
       房審議官     岸田 修一君
       厚生労働大臣官
       房審議官     北村  彰君
       厚生労働省職業
       安定局次長    大槻 勝啓君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    木倉 敬之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (国家公務員制度改革における内閣人事局の在
 り方に関する件)
 (地方の実情に応じた子育て支援施策の充実に
 関する件)
 (公務に従事する非常勤職員の待遇改善に関す
 る件)
 (経済情勢の悪化による自殺者増加の懸念とこ
 れに緊急に対応する必要性に関する件)
 (社会保障分野における安定財源の確保に関す
 る件)
 (対馬における外国人の土地取得が安全保障に
 及ぼす影響に関する件)
 (出会い系喫茶に対する法的規制の必要性に関
 する件)
 (地方の消費者行政の充実に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(愛知治郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十九日、石井一君が委員を辞任され、その補欠として植松恵美子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(愛知治郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として国家公務員制度改革推進本部事務局長立花宏君外二十九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(愛知治郎君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(愛知治郎君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○松井孝治君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の松井孝治でございます。
 今日は一般質疑ということで、河村官房長官、甘利行革担当大臣、そして宮澤副大臣もお見えをいただきまして質疑を、三十分間でございますので、また今日を取っかかりにしていろんな議論が引き続きできればいいなと思っております。
 それで、まず最初に、これは甘利大臣の管轄の件について伺わせていただきます。
 十一月十四日に国家公務員制度改革推進本部顧問会議の報告というのが出されました。今週になりましてから、この報告を私どもも党の調査会で伺わせていただきました。自民党さんの方も同じ日に部会といいましょうか、本部が開催されたようでございます。
 それで、これを拝見をさせていただきまして、いろんなことを感じました。今日はそこを率直に大臣に私の思いを申し上げ、大臣の御感想も聞きたいと思いますし、ここについていろんな思いがありますし、メンバーの方々もいろんな意見書を出されています。新聞等でもいろんな批判もなされていますが、余りそれの個々のことを、過去のことを言うよりも、むしろ今後、これは顧問会議ですから、政治主導で作った法案ですので、大臣がこれをどう受け止められるかということに主眼を置いて伺いたいとは思いますが。
 今日、実は、宮澤経済財政担当副大臣にお見えをいただきましたのは、もちろんこの委員会が担当させていただいている業務を分担されているということもあるんですが、実はこの国家公務員制度の基本法案の与野党修正協議、これは衆議院法制局の方に言わせると、かつてないような大規模な与野党修正協議だったというふうに私も伺っておりますが、その自民党の実務の責任者をなさったのが宮澤先生で、その節は随分お世話になりましたが、いろんな思いの違いというのもありましたけれども、しかしその中で、やっぱり政と官の関係を正すという意味においては共通項をしっかり確定させて、それ以外の違うところは違うところで我々も別の法案を出すというところはある。だけど、共通基盤というものはしっかり合意をしてあの法律を作ったという意味において、宮澤議員の、あるいは副大臣の御意見も聞かせていただきたいと思っています。
 それで、早速ですが、もう時間もありませんので、個々具体的にこの報告書に沿って、私が、ちょっとこれは基本法の修正協議のときの議論と私自身で違和感を持つという部分について端的に、今日は資料もお配りをさせていただいておりますが、その資料も皆さんにも参照をいただきながら、大臣の見解も伺いたいと思います。
 まず、この基本法の一番の眼目、修正協議で一番問題だった点は、幹部人事の内閣の一元化なんですね。これは、我々は政治家ですから、大臣一人一人はやはり政治的にきちんと人事任用権者である。そこをどう守りながら、そこを一定尊重しながら、しかし内閣全体として、各省が縦割りで勝手に動くというようなことをなくして、国益全体を追求できるような、そういう行政組織を整えていくかということが大きな論点でした。宮澤先生ともそこら辺の議論は大分、実は公式、非公式含めてさせていただいたわけです。
 それで、この報告書を拝見をいたしますと、報告書は今日は大部ですから配っておりませんが、幹部候補者名簿というのはポストごとに作成すると書いてあるんですね。しかも、それは内閣人事局の仕事になっているんですね。
 実は、今日お配りしたこの議事録の方の資料がありますけれども、ここに、一々読み上げると時間がありませんから、私が発言したところ、傍線を引いております。それから、我が党の、宮澤議員共々に共同修正提案者になった松本剛明衆議院議員の説明も入れてあります。
 その説明、見ていただければ分かるんですが、我々は、これ、民間の方々も含めて幹部の候補者の適格性審査をきちんとして、これは情実任用がないようにきちっと適格性審査をして候補者のプールをつくる。そのプールの中から、恐らく幹部職が数百人、四百人とかそういうレベルになるでしょうから、そういうもの掛ける、それは何倍か、候補者ですからイコール一というわけにはいかない。四百人なら四百人、それ掛ける二だったら八百人、そういうプールをつくって、そのプールにいろんな人を、各省から適格性があるという人も出てくるだろうし、民間の方々も出てくるだろう。そのプールをきちんとつくって審査をした上で、それが、我々の気持ちからいうと、そのプールが候補者名簿であると。
 そこから大臣が、自分の役所の人もいるだろうし、ほかの役所の人を欲しいということもあるかもしれないし、その名簿に載っている民間の方々も含めて大臣が任用する。また、そうすると、当然バッティングも、同じ人を複数の大臣が取り合いになるということもあるかもしれないし、あるいは官房長官の目から見てこの人事はちょっといかがなものかということもあるかもしれない。したがって、そこは官房長官が大臣との間で折衝を行うと。いわゆる、大臣も含め、大臣の人事権を認めた上で、しかし内閣全体として、総理、官房長官の意向も踏まえて幹部というものはしっかりそろえていこうと、そういう人事制度にしようじゃないかということで、私は与野党協議がそこの部分に関しては調って、そして修文が整ったと思っています。
 今日、ちょっとやけに詳しい資料ですが、こういう資料も配らせていただいています。この三段表という資料、これは私どもの責任において当時、宮澤先生も笑っておられますけれども、当時、懐かしい資料でございまして、これをめぐって相当いろんなやり取りを、激しいやり取りをさせていただいた記憶がありますが。
 これ見ていただいて、例えば三ページの真ん中の最終調整案というところに、この五条第二項第三号というところがこれは幹部人事の一元化のところで、官房長官が適格性を審査し候補者名簿の作成を行う。我々はこれを一連の流れとして考えていたわけであります。見ていただければ分かりますように、元々の政府案は、「内閣人事庁は」という主語になっていた。我々はそれを、「内閣官房長官が」という、主語を変えているんですね。人事庁という組織に権限を集めていないんです、あえてそれは。
 それから、次のページも見ていただければ分かるんですが、例えば四ページでも、中ほどの政府案で、「内閣人事庁において一元的に行う」というのは、「内閣官房において」。そこは官房長官が内閣官房の長であるわけですね。
 更に御覧をいただきたいわけでありますが、八ページというところがありまして、内閣人事庁を設置するというところで、八ページの十一条の第一号で、「内閣人事庁は」という主語になっているのを「内閣官房長官は」という主語に変えている。
 要するに、我々は、内閣人事庁、あるいは内閣人事局も同じことなんですが、組織として、そこの役所の組織を何か変な役所の中央集権的な組織をつくるんじゃなくて、あくまでもこれは政と官の関係を是正しようと。だから、政治家の判断で、それは自民党さんと我々民主党は考え方違ったと思いますよ、より各省の官僚を信頼するという立場と、よりそれは民間の方を登用しようとか、あるいは内閣官房において官房長官がより強い権限を振るうかと。だけど、基本的に合意したところは、候補者名簿の作成というのは適格性審査と一体のもので、個々に、どの役所に、どういう次官ポストにだれを置くかみたいなことを役人の、例えば内閣人事庁長官とか内閣人事局長がそれを権限を振るってやるということではなくて、それは官房長官が場合によっては大臣と交渉して折衝するんですよと。
 ただ、その外部任用も含めた大きなプールの人材をプールすると、それが候補者名簿であるという理解で私は宮澤先生といろんな御相談をさせていただいたことをはっきり覚えていますし、私の先ほどの配付させていただいた議事録をお読みいただいても、私が当初から、修正協議のときから少なくとも実務担当者としてそういうことを言っていたことは記録に残っております。
 そこで、ちょっと大臣にお答えいただく前に宮澤副大臣に、ちょっと副大臣の所掌を離れて誠に恐縮なんですが、せっかく政治家としておいでいただいていますし、この問題については非常に与党内で御苦労しておまとめをいただいたんで、私が今申し上げたことと当時の修正案提案者としての宮澤先生のお気持ちというのが大体同じであったのかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
#7
○副大臣(宮澤洋一君) この資料の日付が二十年五月二十八日となっていて、ああもう半年がたってしまったのかなという気がいたしますが、その節には大変いろいろお世話になりまして、ありがとうございました。
 今、松井議員からいろいろお話がありましたけれども、何とかこの国家公務員の大改革を成し遂げたいということで、随分短期間ではありましたけれども集中的に協議をさせていただきました。そういう中で、幹部職員の話が今お話に出ておりますけれども、大筋において大体そういう話を我々はしてきたと思います。
 私自身と松井議員との間にも少しずれはあると思いますけれども、私は、幹部職員というのは、ある意味で各省庁から離れて国のことを考える、そしてそういう見識があり能力がある、ある意味では資格的なものなのかなという気持ちでございました。そういう人材をそれだけ、資格があるという人材を内閣に置いて、ある意味ではプールしておいて、そして総理、また官房長官と各省大臣が、あいつにはこれをやらせたい、これはもっと重要な仕事があるからこっちに行かせたい、あいつが欲しいけれどもと、こういうようなやり取りをしながらその幹部の人事をしていくというのが、我々、この案を作りながら話していた話だったなという気がいたします。
 ただ一方、もちろんその範囲においては、私は、もうそれだけ人材を見ておくというのは、そうたくさんの人材は見れないからなるべく数は少ない方がいいんじゃないかということを申し上げ、松井議員はもう少し広い方がいいというようなことをおっしゃったようなところはありましたけれども、基本的にはそういうイメージでこの修正案を作ったことは事実であります。
 ただ一方で、これはそれぞれの内閣におきまして、総理、また官房長官がどういう使い方をするかというのはそれぞれの内閣がまた少し違ってくることも当然あって、これでなければいけないということをもう今の段階から決めておくのも何かおかしいなという気は私自身は個人的にはしております。
 以上でございます。
#8
○松井孝治君 ありがとうございました。
 おっしゃるように、ニュアンスの違いはありましたけれども、基本的に候補者をプールするようなものが候補者名簿であるということで、個別のポストに当てはめるというような候補者名簿なんてことは考えてもいなかった。よくそういうことをお考えになる方がいらっしゃるなと私は思うわけでありますが。
 ちょっと、大臣にはまとめてお伺いしたいんですが、この報告書を見ると、最後の方に組織論が結構いろいろ出ているんですね。しかも、この報告書の十一ページ、これはお配りしておりませんけれども、「組織のあり方」と書いてありまして、内閣人事局の長、内閣人事局長ということなんでしょう、については、いろいろ書いてあって、「各府省の事務次官に対して指導力を発揮することができるよう、ハイレベルなポストとする。」と。これは基本的に何か役所の方を念頭に置いて、今でも、何か事務次官の指定職俸給表よりも一つ上ぐらいの、場合によっては事務次官経験者みたいなのを充てるのかなという、そんなことを想像させるようなことまで書いてあるんですね、具体的にね。
 これは、六月の質疑のときには、明確に我々はこれ議論をしまして、後で議事録を見ていただければ分かるんですが、むしろ何で内閣人事庁じゃなくて内閣人事局なんだということを議論したときに、内閣官房に置くということは、内閣の重要な政策調整を行っている人が、そうすると、各幹部のどういう動きをしたかということが全部分かるわけですね。だから、そういう仕事をしながら、政策調整をしながら幹部の人物評価をしていこう、この人は役所のためだけに、個別の役所のためだけの利益で動いているのか、あるいはもう少し広い視点を持っているのかというようなことも含めて判断しようと。だから、当時の大臣の答弁もありますけれども、我々は、場合によってはこれは、今日、鴻池先生お見えですが、官房副長官のような方が仕事をしながら、この次官は本当にきちんと国益のために仕事をしているのかということを見ながら、内閣人事局長併任で判断するということだってあり得るというようなことを議論して、それは当時の渡辺担当大臣の答弁で、そういうこともあろうと思いますということが議事録には残っているんです。
 ところが、ここで見ると、人事局の長は、特別職とするが、政権と去就を共にすることはしない、事務次官級以上のポストにするみたいなことが書いてあって、まさに今の候補者名簿の議論、いや、僕は、こういう議論をされるのは、それは顧問の方々がされるのは、それは御自由だと思いますけれども。しかしながら、そういう候補者名簿についての議論、一元化の中身も決まっていないのにここのポストのランクだけ決めておる。特別職にして、しかも政権が替わってもそこは替わらなくていいという。何だ、それは。
 要するに、政権交代したってその人は残るという、要するに官僚組織のボスみたいな人をここに持ってくるというような議論が、まあこれは顧問会議ですから、役所がそれを主導したのかどうかは知りませんよ、私は。知りませんけれども、そういう議論がされているということは、私はこれは、いろんな意味でそれは自民党と民主党と意見は違いましたけれども、共通基盤をつくって政治主導で議員修正をしたということについて、僕は、それをないがしろにしていると言うと言い過ぎかもしれませんが、少なくともそれが伝わっていない、そう思います。
 その上で、済みません、大臣、まとめて伺わせていただきますが、十月一日に私どもの党の調査会をやりました。そこに事務局長、立花事務局長もお見えをいただきました。我々は不安がありましたから、もしよろしければ我々はどこでも行って、修正案協議をした結果の基本法ですから、これはどこでも行って、それで自民党さんも公明党さんもその修正協議に加わった方をみんなお呼びくださいよと、どういう趣旨で修正したのか説明しますよと、異例なことかもしれないけれども。だけれども、これは党利党略ではなくて政と官の関係を正すんですから、政権交代があったらまた全然替わるということではなくて、それは宮澤先生がおっしゃったように、ニュアンスは違うと思いますよ、それは自民党と民主党では。だけれども、最低限こういう制度をつくろうよということを合意したわけですから、それを説明させてくださいということを申し上げたんです、正式に、公式の場で。だけれども、そういう機会は残念ながらなかった。
 これ、今一連のことを私申し上げましたが、大臣には全体的にお答えいただきたいんですが、例えばそういう話を十月の一日に私どもから公式に申し上げたけれども、そういう話があるということを、大臣、聞かれていたのかどうか。
 それから、それはもう細かい話ですからどっちでもいいんですが、そもそもこういう報告書、特に今の幹部人事の一元化のところは一番この改革の肝の部分です。そこの部分について、これほどまでに修正案提案者の意向と全く違った、ポストごとに役人が幹部人事を管理するような色彩の濃い報告書が出ているということをどう受け止められて、ただ、これは顧問会議の報告ですから、大臣も何度か同僚議員にも御答弁いただいていますけれども、それを受け止めて政治的にどう判断するかは別だとおっしゃっていますので、この報告書を今私がるる申し上げた論点を踏まえてどう受け止められて、それから、今後、我々含めてどういう形で意見交換をするというようなことをお考えなのか。それは与野党協議ということもあるかもしれません。我々はこれを前提にしないということであれば、基本法を前提にするということであれば与野党協議だって大いに我々の趣旨をお伝えしたい、そういう意味での議論はあり得ると思うんですが、大臣のお考え方をお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(甘利明君) ただいまお話を伺っておりまして、全体的に私の思いとかなり共通するお考えだと思います。
 今回の大改革は政治主導でしっかりと事が行われると、それに対して官僚が中立性、専門性を発揮しながらそれを補佐をしていくという関係にあるわけです。でありますから、任免権というのは大臣にあるわけです。大臣が総理や官房長官等と協議をして、その任免権を行使するわけであります。官僚は、というか内閣人事局は、国益を担うにふさわしい人物であるというのを、客観的な基準というのを作ってそれに基づいて審査するとこういう人たちですと、それから先の適性といいますか、それは大臣との相性もあるでしょうから、もう極端なことを言えば好き嫌いという話にもなるわけですね。それは、その適格者の中からだれを選定するかというのはまさに任免権にかかわることでありますから、そこに内閣人事局が立ち入るというようなことは避けていかなきゃならないと私は思います。
 省益ではなく、ちゃんと国益を担う人材に育っているか、能力が備わっているか、人格識見問題ないか、国際社会の中で国益をきっちり主張できるか、そういうもろもろの恣意的でない客観的な基準というのができますから、それに従って選考していくというのは人事局がやるわけでありますけれども、しかし、それからどのポストにだれをというのは大臣の言わば専権事項でありますから、そこを侵食するようなことがあっては断じてならぬと私は思います。
 内閣人事局の長、人事局長は事務次官に対してもいろいろな指示ができる、それは職の任務としてあり得ると思いますので、そのポジションにどういう人を置くかというのは、これはおっしゃるように、政治主導がきちっと発揮できるように相当考えを巡らせなきゃいけないと思います。つまり、内閣人事局が強大な権限を行使するような官庁になってしまってはいけないんでありまして、省益でなくて国益を追求するような幹部職員を育て、それをきちんと客観的、中立的に選考できると、そういう機能はあっても、それを越えて大臣の権限に立ち入るような権限を与えてはならないというふうに私は思います。
 今お話の中に、例えば官房副長官、これは政務か事務かは別として、が兼務するというのも一案だと今おっしゃいました。私も一案だと思います。とにかく、官僚主導政治から政治主導政治に、本来の政治家と官僚との役割分担というものをしっかり区分けをしてそれで政治主導で事がいくようにするということが大事な点でありますから、それは私はかなり先生のお考えと近い思いでおります。
 この報告書であります。この報告書は、顧問会議の下に編成をされたワーキンググループが作りました。私は大臣として私の思いを伝えまして、まず中身の議論をしてほしい、まず器ありきではなくて中身、何をするところか、何を担うところか、それに見合った組織をしっかりつくってほしいというお願いをしました。
 私がこの議論をスタートさせたときには、余りにも時間がなかったものでありますから、正直な話、なぜこんなときまで議論がしていないのという思いがありました。私にこんな短い時間でやれというのかという思いもありましたけれども、とにかく精力的にやってくれということで、日曜返上でやりました。まだ詰まっていない部分もありますし、この言わば私に対しての報告書自身が各省間で合意が得られていない部分もたくさんあります。そういうところをどう判断するかというのは、極めてまだ短い時間ですけれども、昨日、総理には中間報告といいますか現状報告をいたしました。来週でももう一回伺って、私なりの判断を、こうしたいというのを総理と御相談をして決めたいと思っております。
 報告書は、もちろんお願いしたわけでありますから尊重はしなけりゃなりません。しかし、このとおり全部やるということではないわけでありまして、担当大臣としての、この基本法それから修正に当たられた与野党の思いをしっかり受け止めて、それに沿った政治判断をしていきたいというふうに思っております。
 それから、衆議院の委員会でも、与野党協議で修正になったんだから引き続き協議を主宰せよというお話がありました。ただ、これ、私、主宰者にはなれません。政府が与野党を呼び込んでやるというよりも、与野党協議の場に我々が出てこいということで行くということは当然あるわけでありますけれども、我々が主宰するということはもう極めて僣越なことだと思いますから、自民党の方には与野党協議について打診をしてくださいという要請はしてあります。その場に我々をお呼びいただくのであれば参りますし、政党間の修正協議にかかわった方々の御要請をしっかり尊重して、どこへ出ても説明し、あるいは御質問にもお答えしていこうというふうに思っております。
#10
○松井孝治君 我々として、こういうまだ法案もできていないものに事前にどこまで協議にかかわるかというのは非常に微妙な問題であります。しかし、やはり政治の意思として、今おっしゃったように、明らかに我々の修正案との基本的な認識においてそごがある、そこについては物を言っていかなければいけないだろうと思いますし、その点については、これをすべての前提にせずに、この前提を全部、一定部分を見直すということも含めて与野党の議論には耳を傾ける用意があるということと理解してよろしいですか、端的に。
#11
○国務大臣(甘利明君) いただいた報告は尊重しなければなりませんけれども、しかし全部そのとおりやるということではありませんし、そこは基本法の趣旨に沿って、修正協議の趣旨に沿って御相談をし判断をしてまいります。
#12
○松井孝治君 そうすると、具体的に、何か予算関連法案にしようと思っているのかどうか知りませんが、あの基本法では予算関連法案として通すなんてことは書いていないわけで、一年を目途に法案を提出するということだけですね。ですから、そういう意味では、こういう具体的にどういう人員が内閣人事局にいてというようなことを予算要求にするなんてことは、そこだけの議論を先行させるというのは明らかに本末転倒だと思うわけで、そういうことを含めてそれを見直す、あるいはしっかりと与野党が協議をするんなら、それを帰趨を見据えた上でそもそもの法案についても政府としてよくじっくりその与野党の議論に耳を傾けて、拙速ではなく、今のスケジュールも含めて見直すというお気持ちもおありであるというふうに考えてよろしいですか。
#13
○国務大臣(甘利明君) 基本法が元々示していますとおり、一年、三年、五年のそれぞれ議論を詰める工程があります。一発で全部できるわけではありません。ですから、これは最初から全部完成形ができ上がるということではないんだと思います。そういう工程をどういうふうにつくっていくかということ、つまり来年の六月までに法的整備をすると。しかし、イコール、これは一年目の話ですね、内閣人事局の設置に関する法的整備をすると。しかし、それは設置をすることとイコールではないと。まあ、もちろんイコールであれば、そこまでに全部準備が整えばそれはベストなのかもしれませんけれども、必ずしもイコールでなくてもいいと。予算要求をするに足る基本的な議論、後から加わってくる部分もありますよね、三年の議論では。基本権の議論というのは三年の中には入っていますし、それ以外にも関連してくることで三年に入ってくること多々あるのは御承知のとおりですけれども。
 ですから、全部入れて完成じゃなくて、一年目でつくれるに足るものかどうかは、そこは、もう時間もありませんけれども、精力的に詰めて来週辺りに判断したいと思います。
#14
○松井孝治君 是非、拙速を避けていただきたいし、与野党間の協議ということになるのかどうか分かりませんが、意見交換も場合によっては、それは我々は大いに意見交換を行うつもりはありますから、それを踏まえて官僚主導ではない形でこの制度を前に進めていきたい。本質的なやっぱり制度改革をやらなければいけないので、小手先の器づくりに終始してはいけないと思いますので、その点、是非よろしくお願いいたします。
 それから、大臣にあと一点と、それから官房長官に、ちょっと時間が来てしまいましたので、本来伺いたかった例の再就職監視委員会の関連の改正国家公務員法の施行の話は、また恐らく同僚議員があしたにでも伺うのではないかと思いますが、大臣、当たり前のことですが、まずその顧問会議の報告書と、それから国家公務員制度改革基本法と、我々が、与野党修正して国会で成立した、どちらを優先するのかといえば、基本的にそれは、法律ですから、与野党協議をした法律ですから、この法律の趣旨というものを第一に、これを遵守するということで今後の議論を進めていただけるということでよろしいですか。顧問会議のことはさておき、この法律、修正された法律の趣旨を尊重して作業を進めると、そのことだけ決意をお聞きしたいと思います。
#15
○国務大臣(甘利明君) 顧問会議には私が出ています。その顧問会議の議論はインターネットで外に報告をされていますから、何が議論されて、私が何を発言しているかは確認していただけると思います。その中で、私は、立法府の意思を超えて顧問会議が勝手なことをすることはできませんからねと、つまりその修正も含めてですね、立法府の意思を反映して、その範囲内で作業を詰めていただくことになりますからということはしっかり申し上げています。
#16
○松井孝治君 ありがとうございました。
 官房長官、申し訳ございませんでした、お忙しいのにおいでいただいて。でも、せっかくですから一言。
 宇宙基本法、私も多少関与させていただきましたが、あれは与野党協議をして基本法を作った。その後の、例えば内閣官房に一時的に組織を置く、あるいは本部をつくるということも含めて、実はその後のフォローアップというのは大臣が主導で、政治家として主導されてフォローアップの与野党協議もつくっているんですね。
 ですから、やっぱり新しいやり方でこういうふうに大きな政治的な意思を持ってやったときに、それをまあちょっと、官僚をすべて悪者にするつもりは私はありませんよ、それはそれぞれの思いで一生懸命仕事されているんだと思いますけれども、やっぱり政治の枠組みでしっかり議論をして、それを次のステップにつなげていくということは、私は今の甘利大臣の答弁でも、そういう御意向においては、ひょっとしたら制度の具体的な中身については意見が違うところは多々あるかもしれませんけれども、少なくとも運び方についてはそういうことだという御答弁をいただいたと思いますが、河村大臣、この公務員制度改革も含めて、もう少し国会の意思というものを尊重して前に進めるように、官房長官としても、これまさに官房長官の下に置かれる組織をどうするかということも含めて大きな議題になっているわけですが、ある意味では役人任せにしない、そのための政治的リーダーシップを振るっていただけるかどうか、その決意を最後に伺いたいと思います。
#17
○委員長(愛知治郎君) 時間が参っておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
#18
○国務大臣(河村建夫君) 甘利大臣がその強い意思を持っておられますし、これは政治主導でやるんだという方向です。この公務員制度改革というのは、この国の在り方を問う大事な問題でありますから、これはもう党利党略じゃなくて、与野党協議を大事にされながらこれからもやっていただきたい。
 宇宙基本法ではフォローアップ協議会をつくっておりますから、それも一つじゃないかと、こう思っておりまして、いわゆる政治主導でしっかりやっていただきたい、我々もそれをしっかり支援をしたいと、このように思います。
#19
○松井孝治君 ありがとうございました。
 他の政府参考人の方、申し訳ありませんでした。ありがとうございました。
#20
○島田智哉子君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の島田智哉子でございます。
 本日は、少子化対策、そして障害者施策に関連をして関係各大臣にお聞きをしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、子育て支援について小渕担当大臣に御所見をお聞かせいただきたいと思いますが、大臣はまさに小さなお子さんを育てながら大臣という要職に就かれた、その重責との両立に毎日大変なこととお察しを申し上げます。私も小学生の子供を二人育てながら仕事をしているということで、少し先輩ママではありますけれども、かなりの共通の認識もあろうかと思います。
 我が党の子ども・男女共同参画NC担当の神本委員共々、今後のこの国の少子化対策、そして子育て支援の在り方につきまして建設的な議論ができればと考えております。よろしくお願いします。
 そこで最初に、先般、麻生内閣として打ち出された生活対策の中から、安心こども基金につきましてお聞きをいたしたいと思います。まずは、その御趣旨と成案に至るまでの検討の経緯について、小渕大臣にお伺いいたします。
#21
○国務大臣(小渕優子君) 現在、まさに少子化対策は待ったなしの状況にあると考えています。第二次ベビーブームの世代、昭和四十六年から四十九年に生まれた世代の方々、私もそのうちの一人ではあるんですけれども、その方々が三十代でいられるのもあと五年であります。そうしますと、確実にお母さんになる人口が減っていくという中で、まさに少子化対策待ったなしの状況に来ていると考えています。
 そのため、少子化担当大臣といたしまして、麻生内閣の下で生活対策ということで第二次補正が組まれるということでしたので、これに対して、安心して妊娠、出産、子育てができる環境づくりのために思い切った施策を盛り込みたいと考えました。
 特に、今二万人の待機児童がいます。この解消が急務であると考えて、保育サービスを所管する厚生労働省等に検討を指示いたしました。その結果、安心こども基金の創設として総額一千億円の基金の創設、二十年度から二十二年度までの三年間での使い切り、各都道府県に設置をし、地方の自主性、裁量性を尊重し、また財政力の乏しい市町村への追加的財政措置、保育所開設前の準備費用などの新たな助成措置、また保育ママの促進など、きめの細やかな保育サービスの提供、保育士の質の向上など、三年間で十五万人分の保育サービスの整備をしたいと考えたところであります。
 このような具体的な案をまとめることができましたので、政府・与党の関係方面にしっかり働き掛けをして、何とか実現にこぎ着けたところであります。
 これを踏まえまして、現在、保育サービスを所管する厚生労働省において制度の細部について検討いただいているというところであります。
#22
○島田智哉子君 小渕大臣の記者会見などをこれまで拝見させていただいておりますと、現場に出向いて、現場の声を聞いて政策に反映をさせるという、まさに今子育て真っ最中、真っただ中ということでもいらっしゃるので、その点においては大変期待もいたしております。また、オブログというブログを立ち上げていらっしゃいまして、大臣自ら情報を発信していらっしゃる。この点についても、今日の情報化社会において、特に若い子育て世代にどんどんと新しい情報を発信していっていただきたいと思っております。
 そこで、私もこのオブログを読ませていただきまして、十月三十一日のオブログでは、今大臣から御説明ございました、安心こども基金について御報告されておられまして、大変御奮闘されたことが伝わってまいりました。また、この基金の案について、小渕大臣が駆けずり回ってまとめ上げられたこともよく理解できました。
 この基金を所管するのは厚生労働省とお聞きをいたしておりますが、この少子化対策あるいは子育て支援というのは本当に幅広い分野で、それぞれの事業も各省庁ごとに行われていて、また、そうであるからこそ少子化担当大臣を置かれてその調整をなさるということなんだと思うんですが、その意味で、せっかく少子化担当大臣として奔走されてまとめてこられたというこの基金がなぜ内閣府ではなく厚生労働省なのか。小渕大臣、そこのところをもう少し詳しくお聞かせください。
#23
○国務大臣(小渕優子君) まず、オブログを読んでいただきまして、ありがとうございます。これからもしっかり発信をしていきたいと考えています。
 なぜ厚生労働省の所管になるかというお話でありましたけれども、まず、この安心こども基金につきましては、待機児童二万人を何とかできるだけ早く解消していく保育サービスをしっかり拡充させていかなければいけないという観点から、保育サービスを所管する厚生労働省にまず最初にお願いをいたしまして案をまとめていただいたところであります。細部の、もちろん少子化担当大臣として相互調整をしっかりしていきますし、今後も厚生労働省とともに力を合わせていきたいと考えておりますけれども、細かな調整につきましては今厚生労働省の方で検討していただいているところであります。
#24
○島田智哉子君 そこで、この一千億円の安心こども基金なんですけれども、具体的にどのような事業にお金が使われるのか、是非詳細を知りたいと思って資料をお願いしましても、本日資料で提出させていただいておりますこのA4判の一枚のみしかいただけない状態が続いておりまして、これだけを見ますと、本当に厚生労働省の保育所を整備する担当部署の管轄か、文科省の、共管の認定こども園のみでございまして、相当にお金の使い道が限られているなという感想を持っています。
 確かに、東京、神奈川、埼玉、大阪など、まだまだ待機児童もたくさんいて、更に潜在的ニーズもたくさんある地域にとっては、その整備促進につながることもあると思いますが、地域によりまして既に待機児童ゼロというところも少なくございません。そうした地域にとりまして、保育所整備よりも、むしろ子供を産むことそのものの、産科の整備ですとか産科の医師の確保がより優先しなければならない課題であるかもしれませんし、さらに、都道府県によっては少子化対策関連として結婚の支援事業にまでもお取り組みの自治体がございます。小渕大臣の御地元でも、結婚応援プロジェクトという未婚の男女への交流の機会を促進されているようなんですけれども。
 多様な保育ニーズへの対応ということでありましたら、保育所の整備以外の、例えば院内保育所ですとかあるいは事業所内の保育所の整備であるかもしれません。今回のこの基金の使い道が、果たしてそういった地域の実情に応じた使い道を選択することができるんでしょうか。このA4の一枚の資料では全く分かりません。
 小渕大臣は、この基金の使い道はそれぞれの自治体がその自治体のニーズに応じて多様に選択できるということになるのかどうかというのをお聞きしたいのと、例えば、既に待機児童ゼロという自治体が自治体単独で取り組む子育て支援事業にこの基金を使うことができるんでしょうか。
#25
○国務大臣(小渕優子君) この安心こども基金ですけれども、各都道府県に基金を設置することとなります。できるだけ地域の実情に合った形で使い勝手のいいものにしていきたいと考えています。地域の自主性やまた裁量性を尊重しようというものですので、現在、制度の細部の検討を行っていますけれども、やはり子育て支援、少子化対策においてそれぞれの地域に合った形で、そしてそれぞれがアイデアをたくさん出し合いながら積極的に取り組んでいただきたい、そのためにこのお金を使っていただきたいと考えています。
 ですから、自治体のニーズにこたえられないということでは困りますし、例えば、自治体の単独事業だからという理由で、一律にそれは使えませんよということでは、その趣旨に反していると考えております。
 また、先ほどお話にあった中で、待機児童がゼロの県もあるけれども、そういうところについてはどうしていくのかという話でありましたけれども、この一千億円の配分については、待機児童数ということだけでなく全体の児童数も考慮するということでありますので、待機児童がゼロであっても十分に活用していただける基金になると考えております。
#26
○島田智哉子君 今後、この基金の使われ方が、どこでどのように使われるのか、真の子育て支援にどのようにつながっていくのか、私どもとしてもしっかりとチェックをしていきたいと思いますけれども、せっかく前倒しをして保育所整備を急ぐということであれば、また使い勝手のいい一千億円の基金ということであれば、第二次補正案についても一日も早く御提出をしていただきたいと思います。是非、この案件につきましてもしっかりと議論をさせていただきたいと思います。
 それでは次に、今喫緊の課題として子育て支援の現場から、あるいはお父さんお母さん方から大変心配している、困惑をしているという声が寄せられている問題についてお聞きをしたいと思います。
 まず、病児・病後児あるいは緊急時の預かり事業の必要性について小渕大臣の御所見をお聞かせください。
#27
○国務大臣(小渕優子君) 働きながら子育てをする親にとりまして、病児・病後児保育について大変必要であると考えておりますし、私自身、子供を保育所に預けてから一番最初にぶつかった壁が子供の病気でありました。その辺りのことを解決させられなければ、やはり母親は働きながら子育てをすることはなかなかできないのではないかと考えております。こうしたときに、子供が病気になった際に安心して預けられる場所があるということは何としても大切なことでありまして、働きながら子育てをする親のだれもが必要とするところではないかと考えておりますし、重要な子育て基盤であると考えております。
 したがって、この病児・病後児保育につきましてしっかりとした体制を整えていかなければならないと考えております。
#28
○島田智哉子君 そこで、本日具体的にお聞きしたい問題というのは、病気の子供あるいは病後児、また緊急時の預かり事業についてでありますけれども、平成十七年度から国の直轄事業でスタートさせました緊急サポートネットワーク事業を今年度限りで廃止をするという案件でございます。
 現行、同サービスを提供している緊急サポートネットワーク事業について、事業目的、事業実績についてお聞かせください。
#29
○政府参考人(北村彰君) お答え申し上げます。
 緊急サポートネットワーク事業でございます。子育て中の労働者の就労の支援のため病児・病後児などの預かりを希望する労働者と、病児・病後児などの育児の援助を行いたい方の双方を会員といたしまして組織化いたしまして、会員相互が病児・病後児の預かりなどの相互援助活動を行うと、こういうものでございます。この緊急サポートネットワーク事業、これは労働保険特別会計雇用勘定を財源として国から民間団体への委託事業として実施しているものでございます。
 これまでの実績ということでございましたが、実施団体につきましては、十七年度が二十六団体、十八年度が三十七団体、十九年度が四十団体。また、会員数につきましては両会員で見てみますと、十七年度は千四百七十九人、十八年度は六千百十三人、十九年度は一万二千四百七十四人。また、活動内容について見てみますと、例えば病児・病後児の預かり件数で見てみますと、十七年度は二百四十九件、十八年度は二千二百七十一件、十九年度は四千二百六十九件などとなっているところでございます。
#30
○島田智哉子君 実は、小渕大臣、先ほど来一千億円というとてつもない予算のお話をさせていただきましたけれども、今御説明いただいた、子供が急に熱を出したときですとか、親御さんが緊急の用件でどうしても子供を預かってもらいたいときの支援として、国では今御説明いただいた事業を行ってこられました。その予算額は五億円です。同じ子育て支援事業で一千億円という予算を組もうとしている。その一方で、国はこの五億円の事業をわずか二か月ほど前に突然廃止をするということを決めました。そして、そのことで全国の小さな子供を育てながら働いているお母さんやお父さんに本当に大変な不安を与えている状態です。
 どうしても使い道を、一千億円、予算をぽんと組まれて、それから比べますと額としては少ない、五億円という、その予算によって大きな安心を与えている事業を突然のように来年度から廃止とおっしゃられるのか、私にはちょっと理解ができません。なぜ突然これだけ全国に利用者がいらっしゃる事業を廃止なさるとお決めになったのでしょうか。その理由をお聞かせください。
#31
○政府参考人(北村彰君) お答えを申し上げます。
 緊急サポートネットワーク事業でございます。これにつきましては、国直轄の委託事業として各都道府県ごとに一団体に委託して実施してきておりますけれども、現実といたしましては県内すべての地域に事業展開をすることがなかなか困難な場合が多いという問題がございます。
 また、保育が市町村の責任において実施されているという中で、病児・病後児の預かりにつきましても、国直轄の委託事業として実施するよりも、地域の医療機関などに併設されております病児保育施設、あるいはまたファミリー・サポート・センター事業などといった市町村事業と一体として行うことの方が適切であると考えられるといったようなことでございます。
 またさらに、利用者の方々からも、同じように子供を預かる地域住民の間の相互援助活動として実施されているファミリー・サポート・センター事業がございますけれども、こちらにおきましては病児・病後児の預かりを行う体制となっておりませんものですから、依頼内容によりましてファミリー・サポート・センター事業とそれから緊急サポートネットワーク事業を使い分けなければならないということで不便であるという御指摘もあったところでございます。
 このため、来年度予算要求といたしまして、病児・病後児の預かりなどを更に促進するためにファミリー・サポート・センター事業に緊急サポートネットワークの機能を付加いたしまして、事業を再編して市町村の次世代育成支援対策交付金事業といたしまして、利用者の利便性の向上、実施地域、利用者の拡大、また事業の効率的実施を図ると、こういうことにさせていただいたところでございます。
#32
○島田智哉子君 子育てをしながら仕事との両立を図る中で、緊急時に子供をどうしても家に置いていかなければいけないですとか一緒にいることができないというのは、核家族化の中でどうしても親御さんの不安と心配の一つであると思うんですけれども。
 私も初登院当時、下の子供が幼稚園でした。夜中に四十度近い熱を出しまして、明け方熱が下がっていなかったんですけれども、夫もやっぱり仕事、どうしても行かなければいけない仕事があったり、私はその日は本会議がありましたのでどうしても一緒にいてやることはできなかった。四十度近い子供を一人置いて、家に置いて仕事に行かなければならないつらい思いをしたことがあります。嘔吐をして、それがのどに詰まって窒息をして死ぬことも考えなければならないような状態で、イギリスでしたら、十四歳までは子供を一人にしてはいけないという法律でしょうか、あると思いますが、私がイギリスで子育てをしていたら捕まってしまうんでしょうか。本当に、子供が、ママ、仕事頑張ってね、行ってらっしゃいって言ってくれたので、本当に後ろ髪を引かれる思いで行ったことを覚えています。
 そういう思いをしながら、どんなお父さんでもお母さんでも、小さい子供を育てながら仕事をしている人たくさんいらっしゃると思います。そんな中で、病児・病後児保育という、保育所というのは、緊急に預かっていただけるサービスというのは本当に大切な場所であるということだと思います。
 小渕大臣の御地元群馬県でも、十九年度二百三十九名の親御さんが病児・病後児預かりサービスなど三百九十三件の利用をされていらっしゃいますけれども、大臣は私が質問通告をする以前からこの廃止についての御認識はございましたでしょうか。
#33
○国務大臣(小渕優子君) 廃止については報告を受けておりました。
#34
○島田智哉子君 先ほど厚生労働省より御説明がございました、今まで利用していたサービスの事業の再編によって来年度以降も引き続き利用できますよ、しかも利便性が向上しますよということであれば、親御さんにとっても自治体の関係者の皆さんにとっても不安になられることもございませんし、私のところに対しても不安や心配事を訴えに来られることもないと思うんですが、現場の実情は、利便性の向上を目的としながらも、現実にはこの廃止によりこれまで利用できていた保護者が利用できなくなるのではないかという大変な不安を抱えていらっしゃいます。
 少なくとも利便性の向上ということであれば、現在の利用者すべての方がその後の、廃止後も代替のサービス、代わりのサービスを利用することができる体制が不可欠であるというふうに思いますが、政府はこのファミリーサポート事業への再編ということですけれども、ファミリーサポートについては実施主体は市町村でありまして、すべての実施市町村において緊急サポート事業を再編できるんでしょうか。相当新たな負担を担うことに市町村はなると思うんですけれども、そうした中で、すべてのファミリーサポート実施市町村において来年の四月一日より再編可能と認識していらっしゃるんでしょうか。厚生労働省、いかがでしょうか。
#35
○政府参考人(北村彰君) お答え申し上げます。
 今回の事業の再編、先ほど御説明申し上げましたように、病児・病後児預かりなどの相互援助活動をより広げていこうという目的を持つものでございまして、現在の利用者の、利用されている方々がこれまで緊急サポートサービスで受けていらっしゃったサービスを受けられなくなることがないように努力を私どもとしてもしていきたいというふうに考えております。
 具体的には、これまでも地方自治体に対しまして、予算要求の内容、ファミリー・サポート・センター事業の再編につきましての具体的な内容、あるいは当該事業の必要性、あるいは再編の趣旨、そういったもろもろのことをお知らせをさせていただきまして、また、来年度以降、病児・病後児預かりなどが、次世代育成支援対策交付金、これを利用してそれぞれの地域で実施されるように文書さらには直接電話により働きかけもしておるところでございます。また、もちろん現在、緊急サポートネットワーク事業を実施していらっしゃる団体の方々に対しましてもブロック会議を開催させていただきまして、この再編の趣旨、内容などについて説明を行いまして、丁寧に御理解を求めているところでございます。
 今後とも引き続き、私どもといたしまして、地方自治体などに対しまして、きめ細かくアドバイス、さらには必要な情報提供を積み重ねていくことによりまして理解を求める努力をしていきたいということで、事業の円滑な移行に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#36
○島田智哉子君 私が現場でお話をお聞きする限り、ただ再編するという通知以外その具体策がほとんど示されない中で、四月一日より再編というのは大変に困難なことであるというふうに現場の方もおっしゃっていらっしゃいます。
 そして、更に大きな不安となっている、ファミリーサポートを実施していない市町村にお住まいの親御さん、どうなるのか。例えば、十九年度の緊急サポート利用会員一万二千四百七十四人の中で、ファミリーサポートを実施している市町村にお住まいの方、あるいは実施していない市町村にお住まいの方の割合、どの程度になっていますでしょうか。
#37
○政府参考人(北村彰君) お答え申し上げます。
 緊急サポートネットワークの事業でございます。これは、国の委託を受けた各民間団体が、それぞれの都道府県の中で対象となる市町村におきまして事業を実施しているところでございます。
 これらの民間団体が事業の対象としている市区町村の数、この中には実際には事業利用会員がいらっしゃらないところも含まれてはおりますけれども、二十年度で約五百七十市町村となっております。これらの市区町村のうち、同年度でファミリーサポート事業を実施している市区町村の数は約二百九十というふうになっておりまして、これを単純に割り戻して計算いたしますと五割を少し超える程度ということでございます。
#38
○島田智哉子君 このような事業を廃止する、しかしその目的は利用者の利便性の向上であるということであれば、不利益を受ける利用者がいないか、その実態を把握することは廃止を決定する以前に行うべきことなんじゃないでしょうか。もっときちっと調査をしていただきたいと思いますが。
#39
○政府参考人(北村彰君) 緊急サポートネットワーク事業は、当然国の方では、先ほど申し上げましたとおり、事業の対象となっている市区町村の数などは把握しておるところでございますけれども、その利用者の住所などを把握するという仕組みにはなってございませんので、在住市町村で見た割合についてはなかなか把握することが困難であるということについては御理解をいただきたいと思います。
 ただ、委員から御指摘をいただいたところでございます。いずれにいたしましても、私ども、現在の利用者、利用されている方々がこれまで緊急サポートネットワークで受けていたサービスが受けられなくなることのないように、今後とも引き続き、次世代育成支援対策交付金における実施方法の工夫とか、あるいは地方公共団体などに対する助言、あるいは情報提供、あるいはそれ以外の事業の活用の検討、こういったことなども含めましてできる限りの手を尽くしたいというふうに考えております。
#40
○島田智哉子君 来年四月以降、ファミリーサポート事業への再編が実施できない市町村、あるいは在住する市町村においてファミリーサポートすら実施していない場合、そうした利用者が継続して利用することは可能なんでしょうか。可能だとするのであれば、その具体策、お聞かせいただきたいと思います。
#41
○政府参考人(北村彰君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、私どもとしては、現在利用されている方がサービスを引き続き受けられなくなることがないような形で、先ほど申し上げましたような交付金における実施方法の工夫を努力させていただきたいと思いますし、また、地方自治体に対しても重ねてアドバイスあるいは情報提供、いろんな形で直接働きかけをさせていただきたいと思いますし、ほかの事業の活用などの検討もさせていただきたいと思います。
 そういう意味で、できる限りの手を尽くしたいと思っておりますので、来年度以降につきましては円滑に移行するように最善の努力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
#42
○島田智哉子君 子育てというのは、やっぱりずっと期間が必要と申しますか継続していくものですから、突然やめられると本当に困る方がたくさんいらっしゃるわけです。今回、現場の皆さんの声をお聞きして感じましたのは、国の緊急サポート事業を廃止して市町村が実施しているファミリーサポートへ再編されること、そのこと自体多くの皆さんが理解はされているんです。ですからこそ、そこは丁寧に心のこもった行政を行わなくてはいけないと思いますし、はしごを外すような行政は到底国民の理解を得ることはできないと思います。
 私も、確かに緊急サポート事業をファミリーサポート事業に再編された市町村の住民については利便性の向上もあるでしょうし、また、このような事業を国が直轄してすべきものであると認識するものではありません。しかし、そうした状況の中で、今の政府の政策判断によって実施したのは事実でありますし、しかも制度創設からわずか四年目、利用実績は増えております。恐らく財務当局と財政調整の結果だと思いますけれども、突然廃止を決める一方で、このサービスを代替する受皿、代わりの受皿がないというのは余りにも乱暴な行政だと思います。
 小渕大臣は少子化担当大臣として、厚生労働省に対して、緊急サポート事業廃止についてはその代替サービスの基盤が整備されるまで継続すべきことを要請するお立場にあると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#43
○国務大臣(小渕優子君) 緊急サポートネットワーク事業がこれまで病児・病後児預かりに大変大きな役割を果たしてきたと考えています。
 そうした中で、今回、この事業の廃止によって、これまで御利用していた皆さん方が急に使えなくなる、大変不便をお掛けするというようなことがあってはならないと考えています。市町村の実施するファミリー・サポート・センターの事業の中で今後実施していくということで、それについては私自身も更にきめの細かな、また、とても便利な形でお母さん方に使っていただければいいと考えていますけれども、委員が御指摘のように、やはりそこに行くまでの移行期間、そこにつきまして、準備内容も含めましてしっかりと注視をしていかなければならないと考えています。
 あくまでもお母さん方が安心して出産、子育てができる環境を整えていかなければならない、それが少子化対策には大変重要なことだと承知をしておりますので、利用者の皆さんが不便に感じないように、厚生労働省また各自治体には体制整備を万全にしていただきたいとしっかり言ってまいりたいと考えております。
#44
○島田智哉子君 小渕大臣におかれましては、しっかりと厚生労働大臣と協議をしていただいて、勧告権を行使してでも親御さんの安心を守っていただきたいとお願いを申し上げます。
 次に、障害者施策を御担当されている野田大臣、それから佐藤国家公安委員長に障害者施策に関連をしてお聞きをいたしたいと思います。
 障害者施策を野田大臣が御担当なさると、そのように承知をいたしておりますけれども、私はたまたま以前発達障害者支援法の参考図書を読んでおりましたら、自民党のおまとめ役の立場から野田大臣のお話の内容がございました。特に私が印象に残りましたのは、私たちは、一人でも待っている人がいれば、それをどうにか解決するために政治家になったというお言葉の部分でして、この障害を持つ皆さんへの施策について、まさに幅広い省庁にまたがる分野でもございます。是非、私も一人でも待っている人がいればという気持ちを持って取り組んでまいりたいと思っております。
 野田大臣は、我が国の障害者施策の課題をどのように考えていらっしゃるのか。また、その中でも移動の円滑化のための自動車の役割について、その認識をお聞かせいただきたいと思います。
#45
○国務大臣(野田聖子君) PRしていただきましてありがとうございました。
 障害者施策というのは、政治家にとって、私にとっては宝でありまして、この人たちがこの国を誇りに思えてこそこの国の政治は超一流だと、そういう自負の下でこつこつ取り組んでいるところであります。
 障害者施策におきましては、障害者が地域において自立して、そして様々な、私たちが当たり前にやっているようなことでもありますけれども、そういう様々な社会活動に参加できるようにしていくことが大切だと思っています。
 今、移動のことがありましたけれども、障害者の自立と社会参加を促進する上では、やはり障害者の移動の円滑化というのがとても大切です。既に、公共交通機関とか道路、又は建築物のバリアフリー化の施策については総合的に推進をしているところでありますし、地域の状況に応じて、この東京のようにそういう公共交通機関が進んでいないところ、例えば地方、様々な地方、そういうところでは自動車を始めとした移動手段を確保することが重要だと考えています。
 本年度を始めとしまして重点施策実施五か年計画というのを作っています。ここでは、路外駐車場のバリアフリー化、そして障害者用駐車スペースの不適切利用の防止、障害者に配慮した運転免許教習の実施など、障害者の自動車の利用に配慮した事項を盛り込んでいるところであります。
 ですから、今後とも、関係省庁と連携をしながら、障害者の皆さんの社会参加に向けて一生懸命取り組んでいきたいと思います。
#46
○島田智哉子君 そこで、これはお一人ではなくて相当多くの方が待っていらっしゃる問題として、障害を持つ方々に対する駐車禁止の除外指定についてお聞きをいたしたいと思います。
 警察庁にお聞きをいたします。
 警察庁は、平成十九年二月、都道府県警察に対して、駐車規制及び駐車許可制度の見直しを指示するとともに、除外対象となる障害者などの基準を提示をいたしました。その目的と内容の概要について御説明ください。
#47
○政府参考人(東川一君) 昨年の二月に、全国警察に対しまして駐車規制及び駐車許可制度の運用の見直しについては指示しておりますが、その背景には、平成十八年六月に新駐車対策法制が施行されまして、使用者責任や放置車両の確認事務の民間委託の導入等により取締り力の充実が図られたことがあります。
 これを契機といたしまして、物流業者あるいは福祉活動に従事されている方々などから様々な要望が出されまして、同時に、日本郵政公社の民営化に伴う対応など公平性が求められたこともあり、今後の駐車秩序の一層の改善に向けて全般的な見直しを行う必要があるという考えの下に警察庁としての考えを示したものでございます。
 見直しの中で、福祉への配慮の観点からは、身体に障害をお持ちの方々については、特定の車両、これを対象とするのではなく本人が利用する車両を対象とすること、それから、車いす移動車など専ら福祉目的で使用されるタクシー、いわゆる福祉タクシーを除外対象に追加すること、さらに、除外対象となる障害の基準についての考えを提示したものであります。
#48
○島田智哉子君 今御説明がありました基準につきまして、例えば福祉タクシーを除外対象に追加するなど障害者に配慮した提示があることも事実ですけれども、しかしその一方で、今回の提示により大変不自由を余儀なくされるのではないかと心配していらっしゃる障害者の方々が多数いらっしゃることも事実です。特に下肢障害、足に障害をお持ちの方で歩行が困難な方について、大変大きな不安と心配をその方々にお与えになっているわけです。
 本日、この下肢障害をお持ちの方、足の不自由な方々のケースについてお聞きをしますけれども、下肢障害について、平成十九年二月、警察庁交通局通知では、本日は資料もお付けしておりますけれども、その内容の基準、どのような基準を提示されたのか、御説明いただきたいと思います。
#49
○政府参考人(東川一君) 通達におきまして、下肢障害につきましては、身体障害者福祉法施行規則別表第五号に定めます、一級から三級の一までの各級を対象範囲としたところでございます。
#50
○島田智哉子君 この通達が出される以前に多くの都道府県公安委員会において四級以上の方々を除外対象としておりました。この等級区分も本日資料を付けさせていただいておりますけれども。ところが、この警察庁の基準の提示後、多くの都道府県において警察庁の提示した基準に合わせて四級から三級の一と、対象となる障害程度の基準が狭くなるという見直しが行われました。そのことで、多くの障害者の方々がこれまで対象になってきたものが対象から外されるということになりまして、大変に大きな不安を与えております。
 例えば、この基準で対象になるのは、下肢が不自由な方は一級から三級の一とされているわけですけれども、その対象外となる三級の二というのは、一下肢を大腿の二分の一を欠くものとなっておりまして、太ももの半分をなくされた、太ももの半分辺りまでですか、以上ですか、までなくされた方というふうになっておりまして、例えば、ひざの少し上辺りから下の方を欠損された方についてはもう駐車除外指定の対象から外すということなんですね。
 足をひざの少し上から下を欠損されている方に対して、果たして歩行に困難がないと言えるんでしょうか。多くの方々は歩行が大変困難な状況にあって、自動車は日常生活上不可欠の移動手段であって、しかも、目的地近くに駐車ができてこそ移動の目的が達せられるものであります。
 昨年、警察庁より下肢障害について三級の一以上との基準を示された後の各都道府県の改正状況はどのようになっていますでしょうか。
#51
○政府参考人(東川一君) 昨年の二月の見直しの指示を受けて、ほとんどの都道府県におきましては都道府県の公安委員会規則が改正されております。その結果、特定の車両でなく障害者本人に除外標章を交付する制度が設けられたほか、障害等級の見直しが行われておりまして、下肢障害については多くの県で三級の一以上を対象範囲とした改正がなされているところであります。
 ただ、従来、除外標章の対象とされていた方につきましては、改正から三年間は引き続き除外対象とする措置を講じているというところでございます。(発言する者あり)
#52
○島田智哉子君 そういう問題じゃないだろうとおっしゃっている委員の方々も多くおられます。
 この下肢障害の方々に対して一級から三級の一を基準としたその根拠について、警察庁の通知では、旧自治省通達、厚労省通達に示された税の減免の対象等にかんがみと、厚生労働省が平成九年に出した通達あるいは昭和四十五年に旧自治省が出された通達、いずれも平成十五年に廃止されておりますけれども、警察庁は廃止されたことを当然御認識あってのことだと思いますが、既に廃止された通達を大切な根拠として引用されること自体、私は釈然としない部分がありますが、それはそれとして、この厚生労働省の通達であれば、例えば御自分で運転なさる自動車については、下肢が不自由な方の場合、一級から六級までを基準にしております。
 ところが、警察の通達では、御本人が運転する場合でも一級から三級の一までと、そもそも目的が全く異なる通達を引用することもどうかと思いますし、この警察庁の通達に書かれている両通達にかんがみとは、何をどのようにかんがみたんでしょうか。
#53
○政府参考人(東川一君) 駐車規制の除外対象から一定の車両を除外するということは、交通の安全あるいは円滑の観点から駐車を禁止している場所について認めるものでありますので、その対象につきましては安全性あるいは公平性等の観点から慎重に考えていかなければならないと考えております。
 先ほどの厚労省等の通達につきましては、自動車の税の減免という形で出されておりますので、本人が使用する場合は六級までという措置が出されているということは承知しております。
 ただし、今回、我々はその中で特に車両から用務地まで徒歩による移動が困難な者というふうなものがどこが適当かということで、それを参酌いたしまして定めたものでございます。
#54
○島田智哉子君 この厚生労働省の通達では、介助を必要とする場合には御本人だけでなく介助する家族の車についても税の減免してくださいねと、そういう意味なんですね。しかし、警察庁の基準というのは、介助者の除外ではなくて運転する御本人の基準ですから、そもそも目的が違うんじゃないでしょうか。厚生省の通達は、御本人が運転する場合、下肢障害の方は一級から六級まで対象にしているので、警察の御説明は相当無理があると思います。
 障害を持つ多くの方々が、現在三年間は猶予期間が設けられているということもありまして、逆に言いますと、あと一年半後には自動車移動に大変大きな影響を受けて、またそのことによって自立を損ねかねないという状況に対して大変大きな不安を抱いていらっしゃいます。そのことで実際に障害者の皆さんが大変な労力をお使いになって署名活動をされておられます。
 例えば、私の手元にも、ポリオの後遺症によって足に障害をお持ちの方々からも、今回の警察庁の対応への問題点をたくさんこのようにいただいております。その最後に書かれている一文、紹介させていただきます。
 警察、公安委員会関係者へのお願い。片足が悪いだけでどれだけ歩きにくいか、良い方の足が、そして全身がどれだけ疲れるか、つえや装具を装備して歩行することがどれほどつらいことか、理解、洞察できないのであれば、通勤全コースとは言わないので、せめて毎日百メートルでもよいから片方の足だけでつえを使って歩いてみていただきたい。人込み、階段、ぬれた滑る道、疾走する自転車をあなたはどう感じるでしょうか。そして、慣れたら次には通勤電車に乗っていただきたい。プラットホームの遠くにあるエスカレーター、我こそ先にと突進する群衆、そして垂直に切り立つように思える階段。あなたは日本の国が今でも障害者に優しい国でないことに気付くはずです。このような環境下で下肢障害者は日夜社会活動をするために非常な努力を続けているのです。その上、それでもやはり片足あれば歩行困難者とは言えないとお考えになるならという、こうした皆さんの不安を解消するためにも改めて警察庁の基準を見直す必要があると思いますが、この現状について、障害者施策を担当する野田大臣、そして国家公安委員長、いかがお感じになられますでしょうか。
#55
○国務大臣(野田聖子君) 私の方からちょっと先に答弁させていただきます。
 平成十九年度の障害者施策の概況というのがございます。白書と言われているものなんですが、その中で駐車禁止の除外指定に関して、その対象を障害があり歩行が困難な人としているわけであります。駐車禁止除外措置の対象となる障害者については、車両からその場所までの徒歩による移動が困難な程度の障害を有する方を対象としているということで理解しています。この書きぶりというのは、端的に「身体障害者等で歩行が困難な者」と表現している平成十九年度の警察庁通知を踏まえたものであります。
 いずれにしても、駐車禁止除外措置については、現在、警察庁とか、また都道府県の警察において関係団体の皆さんからいろんな意見の聴取が行われるということを聞いていますので、引き続きその動きを障害者施策の立場から注視していきたいと思っています。
#56
○国務大臣(佐藤勉君) 今回の基準の見直しに関しまして都道府県の現場で様々な要望、意見があることは伺っております。特に先生のいろんな活動についてのお話も伺っておりますし、既に警察庁において各都道府県、県警に対しまして見直しによる影響を受ける方々や関係団体との間で継続的に対話の機会を設けさせていただいております。積極的に要望、意見等を聴取した上で誠実に対応するように指示をしてまいりたいと思います。
 現在においても引き続き対話が継続されているものと承知をしておりますし、こうした取組を通じまして交通に参加する様々の立場の方々が納得できるような方策についてこれからも追求をさせていただきたいというふうに思いますし、何回も申し上げますが、誠実に対応してまいりたいというふうに思いますので、しばらくお時間をいただきたいというふうに思っております。
 ありがとうございました。
#57
○島田智哉子君 是非、警察庁には早急にこの基準の見直しを御検討いただきたいと思いますし、国家公安委員長には警察庁に対してそうした指示を是非出していただきたいと思います。
 時間ですので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#58
○相原久美子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の相原久美子でございます。
 本日はお二人の大臣に答弁をお願いしたく、お願い申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。
 最初に甘利大臣に、働き方について少しお伺いしたいというふうに思います。
 ILOの二十一世紀の目標というところにディーセントワークという目標がございます。もちろん厚生労働省の方の広報誌にも紹介されておりまして、これは日本的に訳しますと、権利が保障され、十分な収入を得、適切な社会的保護のある生産的な仕事、このようになっております。これに対して大臣の率直なところどうお考えになっているかを最初にお聞きしたいと思います。
#59
○国務大臣(甘利明君) 一言で申し上げますと、人間としての誇りをちゃんと持ちながら働くことができるということが大事なんだと思っております。
 私、ずっと経済産業政策をライフワークとしてきているのは、それは、すべての原点は競争力の高い経済力を国が持っていることが必要と。福祉をやろうにも教育をやろうにもその原資がなければ机上の空論になってしまうわけであります。つまり、豊かな国をつくるということが大事であって、世界で一番高い賃金を持ちながら世界一豊かな国になることを目標にしなきゃいけないと、そのためには世界一の競争力を持っていなきゃいけないというふうに思っておりまして、国が豊かになる、国民が豊かになることをもって、経済政策以外の政策がすべて行うその原資を集めることができるというふうに考えております。
 人間がいかなる職種であろうとも誇りを持って働けるような職場環境にしていくということが大事だと思っております。
#60
○相原久美子君 ありがとうございます。
 それでは、規制改革についてお伺いをしたいと思います。
 規制改革は経済社会の活性化に有効な手段であり、新たな需要と雇用を創造すると言明されております。規制改革という名の下で行われましたこの間の、私から言いますと規制緩和の部分をとらえまして、どれほどの雇用創出がなされたのか、その検証がなされているのかどうか、お伺いしたいと思います。
#61
○政府参考人(私市光生君) お答えいたします。
 平成十九年、昨年三月に内閣府が公表いたしました規制改革の経済効果に関するレポートによりますと、例えば移動体通信につきましては、一九九三年から二〇〇五年度の間に約一九〇〇%の需要創出効果があり、国内航空につきましては、一九九二年から二〇〇五年度の間に約七・五%の需要創出効果があったとの推計が示されております。移動体通信の規制改革により携帯電話が普及し働き方や生活の在り方までも変化したことや、あるいは国内航空の規制改革により運賃が低下し国内の移動や交流が活発したこと等、経済社会の活性化に効果があったものと理解しているところでございます。
 このような需要の増大や新規事業者の参入等を受けまして、移動体通信では二〇〇六年までの十年間で七万人の雇用が生まれたほか、各分野で雇用創出が行われたものと考えているところでございます。
#62
○相原久美子君 そこで、それじゃ規制改革について、この推進計画のフォローアップを行うことというふうにはなっておりますね。推進のためのフォローアップというのは私も否定はいたしません。しかし、この間、相当報道等々でも指摘されておりますように、行き過ぎたこと、これが出ているわけですけれども、これのためのフォローアップというのも私は必要なのではないかというふうに思っております。
 規制改革の歴史というのは十年以上も前からなわけですけれども、本当に規制緩和の流れが顕著になってきました小泉政権以来、労働分配率というのは確実に低下してきた、この実績はございます。そうして、大臣は、国民の安心、安全が確保されることが不可欠とおっしゃっておられます。大きく問題になってきております、このような前段に言いました格差問題、これはまさに国民の安心と安全を脅かすものになっているのではないかというふうに思うんですが、このためには、やはり負の側面に対するフォローアップというのも必要なのではないかと思いますけれども、ここの部分についてはどういうふうになっているのか、またその対処、それについてお伺いできればと思います。
#63
○国務大臣(甘利明君) 規制改革というものは、その中でも規制緩和は、お金を掛けずにルールを変えるだけで社会が活性化する、特に経済が活性化する魔法のツールであります。私いつも申し上げていますように、しかしこの魔法のツールには使用上の注意というのがありまして、国民の安全、安心を害していないかと、そこのチェックはちゃんとしなければならないということであります。
 平成六年の二月に閣議決定をされました今後における行政改革の推進方針におきましても、既存の、もう既にある規制部分も含めて、定期的な見直しを行うこととしているわけであります。これに基づいて各省庁においても検証を行い、必要な見直しをしていると。これは、きちんとまず規制緩和が予定したとおり行われているかもあるでしょうし、それの効果、プラス効果、マイナス効果を検証すると。そしてもちろん、安全、安心にかかわる部分について影響を与えているのかいないのかと、そういう検証も当然行われるわけであります。よく取り上げられますタクシーの参入規制の緩和について、就労環境が悪化したとか、あるいは事故との関連ということが指摘されました。それの検証も行っております。
 つまり、効果の検証、それからこのツールを使うときの使用上の注意であります安全、安心についてどういう影響を与えているか、それも併せて検証をしているというところであります。
#64
○相原久美子君 ありがとうございます。
 少し中身の方に行きたいと思うんですが、規制改革の中でも雇用に対する規制緩和以降、企業は、正社員を使うよりはむしろ正社員以外の雇用者の活用に大きなウエートをシフトしてきたというふうに言われております。労働力の調査を見ましても、雇用者数そのものはそんなに大きな変化はない、もちろん景気の波は出てきましょうけれども、私が調べたところでもそれほど大きな変化はありません。ただ問題は、雇用者数に大きな変化がないんですけれども、正規の雇用者数が低下していって、いわゆる非正規の雇用者数が増加しているわけです。ここで、結果として大きな所得の格差というものが出てきているのは間違いないと。
 そこで、大臣は、規制改革が新たな需要を創造する、需要と雇用を創造すると、先ほど参考人もおっしゃいました。しかし、雇用を創造するというのであれば、私は、日本の場合、均等待遇の原則が確立されておりません。そして、世界的に見ても最低賃金というのは低いわけです。この中にあって、こういう形のシフトに対して一定のやはりルールを作っていかなければ、この所得間格差、そして今言われている、いわゆる非正規と言われる人たちのワーキングプア、これがまさに解消されていかないのではないかというふうに思うんですよね。
 それで、先ほども大臣はおっしゃいました、負の側面はやはりきちっと対処していく、使い方の問題だというふうにおっしゃっているわけですけれども、これらの問題について、今後、各省庁が対処しているというふうなお話もありましたけれども、どういうような形で政府として対処を考えていらっしゃるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#65
○国務大臣(甘利明君) 世の中にはいろんな働き方があっていいと思うんです。例えば、働く側からして、一日中拘束されている働き方では働けないけれども、子供もいるし、あるいはそれ以外の、私的に手を掛けなきゃならない部分があるからこの時間帯を働きたいという働き方が用意されていても当然いいと思うんですね。
 企業側にとってみても、正規雇用で全員抱えて景気の変動から何から全部に対応していけるんであるならば、それが一番いいと思います。しかし、景気の変動で抱え切れない、しかし解雇することは制約があるという場合に、会社全体が倒れてしまうと全従業員に不幸が押し寄せてくるわけでありますから、そういう景気変動を調整するその調整機能としての非正規部分というのはあってはならないということである、企業自身の存続にかかわる問題になってしまうと。
 ただし、世の中、この就労社会は、自分がこういう働き方に移行したいというときにそのパイプが引けているということがとても大事だと思うんです。今は非正規のこういう形で働いているけれども、実はそろそろこの職をしっかりとした生活基盤として考えたいというときに、そういう方に移れるようなパイプが用意されているということが大事なことだと思っておりまして、正規雇用、非正規雇用、それぞれ雇う側あるいは働く側にもニーズがあると。もちろん、そのニーズは、働く側のニーズと採用する側のニーズがぴったり一致はしておりません。しておりませんけれども、極力一致していくようなパイプを用意するということが大切だというふうに私自身は思っております。
#66
○相原久美子君 私も、多様な働き方、ニーズがあるということは否定はいたしません。恐らく、短時間であればという方たちはこれから先も女性の進出が増えてくれば当然として出てくるだろうと思います。
 問題は、均等待遇になっていないということなんですよね。多分様々な統計の中に出てきているかというふうに思いますけれども、正規の社員の賃金が一〇〇だとしますと、パートの賃金は大体六五とか七〇とかという状況なんです。それから、いわゆる派遣ですとか、それから嘱託と言われる部分が若干高いかなと。
 ここが今問題になっているのは、じゃ短時間で働いているのかというと、そうじゃないんですよ。本当にフルタイム働いているということなんですよね。だからワーキングプアと言われるわけですよ。働いても働いても、二百時間以上働いても今の最低賃金では本当に十万ちょっとしかならないというこの状況があるということなので、私自身は、今何らかの形の施策が必要なのではないかというのは、そこを見た施策が必要じゃないかというふうに思っているからなんですね。
 ですから、規制緩和、緩和というよりは規制改革は否定はいたしません。もちろん必要な規制はありますし、緩和もありますでしょう。それから、働き方の多様化というのも否定はしません。でも、基本的には、やはり均等待遇の原則なり最低賃金を引き上げていくなりして、少なくとも一生懸命働いたらこの国で食べていけるということを、やはり政府としてはそこに目線を置いて考えていただければなというふうに思っております。
 幾つか考えておりましたけれども、時間的にちょっと制約があるものですから、甘利大臣には今のような思いで、是非これからもきちっと、負の側面に対してはどういう手だてをしていくのかということを前提として、それもなるたけ早急にしなければ、結果、今はこの金融危機の中で更に恐らく非正規と言われるところから首切り、雇い止めが起きてきているわけですよ。これは日本の安心、安全が本当に崩壊するような私は大きな問題になるだろうと思っていますので、是非ともそういうお立場から今後の政策をお願いしたいなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。答弁は結構でございます。
 引き続きまして、鳩山大臣にお伺いしたいと思います。先ほどまで衆議院の方での委員会の御議論もあったということで、本当に申し訳ございません。
 鳩山大臣にお伺いしたいのは、先日発言をいただきました部分について、まずは地域の活力の部分についてお伺いしたいと思います。
 地域の活力を呼び覚ますとしまして、地方の元気再生事業、それから、ちょっと長いですね、地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金、これなどが示されました。私もこの間全国を回りまして、地方間格差、それから非常に厳しい自治体財政のことも伺ってまいりました。
 今回の発言の中では、その中でも地方間格差ですとか生活者の暮らしの確保、医療、福祉、こういう点に触れられております。そこは了とさせていただきましても、そもそも地方公共団体の財政状況に二〇〇四年以降の三位一体改革、これで税源移譲と補助金の削減、地方交付税の削減、この結果が数字としてどうであったのかということをお聞かせいただければというふうに思います。
#67
○国務大臣(鳩山邦夫君) 現在、地方が大都会に比べて余計非常に厳しい状況に置かれているとか、あるいは景気状況も良くなくてシャッター通りがますます増えるとか、そんな中で自治体の財政状況がまたまた大変厳しい。
 その原因はもちろん様々に考えられますが、やはり三位一体改革の中で税源移譲、これは画期的なことだと言いますけれども、所得税から住民税へ三兆円の税源移譲をした、補助金は四・七兆円減らした、やっぱりその差額もある。もちろんそこには、補助金は四・七兆円削るけれども税源移譲三兆円で、そのすき間は努力してくれ、スリム化してくれということであったと思っております。また、そのときに地方交付税を五兆円以上、三年掛けて減額をしたと。これも、やっぱり地方はスリム化してごらんよ、国も地方も一緒に行政改革、行財政改革やろうよという意思表示なんだろうと、こう思いますし、そこには国、地方を通じてのプライマリーバランスの改善という大命題があったんだと、こう思うわけであります。
 したがって、結果として、地方の一般的な歳出、これが知財計画というよりは決算ベースで数年間の間に十三兆円ぐらい減っているわけです。だから、物すごいスリム化をやったんだろう、少なくとも国以上のペースでやってきたと。ですが、やはりこの五・一兆交付税を減額したことがだんだんとボディーブローとして効いてきたと。
 というのは、ちょうど五兆円の地方交付税を減らしたころは景気が良くて、地方税の増収があったわけですね。ところが、現在のような景気状況になれば、地方税の増収というのは法人二税等とても考え難い、減額していくだろうと。そうなりますと、これは大変な問題が起きるわけでございまして、やはりとりわけ地方交付税の削減が急であったことによって財政力の弱い自治体を中心にその厳しさがもろに出ていると、こういうふうに思いまして、私は、復元という言い方がいいのかどうか分かりませんが、やはり地方交付税がただでさえ厳しい状況にあります。というのは、今年の国税五税の減収が起きる、減額補正をやると。減額補正をやるということは、地方交付税もそれだけ減額してくる、来年の発射台も下がる、地方税の収入も更に減っていくかもしれないと。まさに、いわゆる国でいうと歳入欠陥によるような収入不足がもう五兆円、六兆円、十兆円というオーダーになるかもしれない。
 そういう厳しい中で地方交付税が、そして地方交付税プラス地方税が減らないように措置をするのは大変ですが、総理の理解も得て一生懸命やっていきたいと、こう考えております。
#68
○相原久美子君 ありがとうございます。非常に詳しく説明をいただきました。
 問題は、私は、国と地方が協力してこのプライマリーバランスという話になってきたのか、もしや、地方も努力してくれよじゃなくて、国から割に一方的に削減を押し付けてきたのではないかという思いがございまして、その意味ではなかなか地方が納得できない部分なのかなと。それと、中で御説明をいただきましたので再度申し上げる必要もないかと思いますけれども、一番厳しいのはやはり段階補正をされてきた小規模自治体ですね。まあ御承知だと思いますし、私自身も北海道、いろんな過疎地や何か行きますと、どうしてもコストは都会よりは掛かるんですね。その意味では、段階補正がこれまた非常に小規模自治体にとっては大きく効いたのではないかなというふうに実は思っております。詳しく御説明いただきましたので、本当にありがとうございます。
 具体的な形での、今度は二百六十億円の交付金について少しお聞きしたいと思います。
 財政基盤の脆弱な自治体に重点を置き、離島や寒冷地などに配慮すると、まさに今認識しておられる点について配慮をいただきながらということだろうというふうに思っておりますが、元々脆弱なところですから、段階補正とか三位一体改革による交付税の削減等々で非常に厳しい状況になっているというのは先ほど大臣もお話しいただきました。それじゃ、その状況の中でどうされていくおつもりかというのも、実は答えとして先ほどいただいたのかなというふうに思っております。これからの形で頑張っていっていただけるということですので、この交付金制度の部分の中身についてちょっとお伺いしたいと思います。
 この交付金制度、二百六十億、手元にも資料をお配りさせていただきましたので、後ほどまた多分御説明いただけるかと思いますが、保育サービス、森林・林業、ハード、ソフト両方に使える仕組みというふうな形になっておりますし、緊急総合対策といたしまして、地方財政の運営に支障がないような措置として採用されたというふうに理解をしています。
 そこで、この計画自体が十一月の十七日が計画の提出期限というふうにお伺いしておりますが、もう既にして恐らく締め切られているので、提出状況、それからまたこの具体の計画の内容がもしお示しいただければ示していただければと思いますが、よろしくお願いいたします。
#69
○政府参考人(上西康文君) それでは、事務方より御説明を申し上げます。
 御指摘をいただきました地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金でございますけれども、これは、お手元の資料にもございますように、八月二十九日の安心実現のための緊急総合対策において地方公共団体がこの緊急総合対策に取り組むに当たって地方財政運営に支障がないように対応するとされたことを踏まえ、地方公共団体がこの総合対策に積極的に取り組んで地域の活性化に資することができるように第一次の補正予算において措置をいただいたものでございます。
 現在、私どもの方で地方公共団体から実施計画について御提出をいただきました。今週の初めにこれを御提出の一応締切りをしておりまして、現在、これに引き続きまして、その集計作業でありますとか、あるいは各予算の移替えなどの作業に向けての作業を今行っておるところでございます。
 この実施計画の提出状況でございますけれども、この交付金の対象となります一千六百五十五の地方公共団体のうち、一つの公共団体を除きます千六百五十四団体からの提出をちょうだいをしたところでございます。
 今、まだ集計の作業、途中でございますけれども、この計画の内容を拝見いたしますと、この交付の対象事業の具体例といたしまして、例えばこの国庫の補助を受けて行う事業といたしましては、公立の小中学校施設の耐震化等を伴う、これは文科省の所管の安全・安心な学校づくりの交付金を活用した事業でありますとか、あるいは地方の単独事業といたしましても、学校施設の耐震診断でありますとか、あるいは緊急安心実現総合対策の時点で大きな問題でございました原油の価格の高騰対策といたしまして、高齢者あるいは障害者の世帯に対する灯油の購入費、これからがシーズンでありますけれども、その助成など、様々な工夫を凝らしておられるというふうに思っております。
#70
○相原久美子君 ありがとうございます。
 実は私はちょっと、一団体を除いてというのは実はびっくりしたんです。この資料にありますように、おおむね一団体当たり市町村ですと五百万から三千万、これで実はさて何ができるのかなというふうに私は考えたんですね。地域活性化に資するのかなというふうに考えまして、でもこれだけの数の地方団体が申し込んできたということは、本当に申し訳ないんですけれども、のどから手が出るぐらい恐らくやはりお金がないというところでの話だろうというふうに思っております。
 そこで、今ちょっと幾つかの部分をお伺いいたしました。結局、事業を考えますときに、どうしてもやっぱり一時的な交付金というのは、継続性を持った事業にはなかなか充てづらいわけですよね。今回のように、地方自治体の財政が非常に厳しいという状況の中では、どうしてもやはり継続性を持つ事業に充てていくというのは、次の手だてが考えられないというところで非常に厳しいだろうなというふうに思っておりました。今伺いますと、やはり学校の耐震とか、それから灯油、確かに高齢者の方たちにとって、障害者の方たち、低所得の方にとってはやはり灯油代というのは非常に大きな部分だろうというふうに思っておりますので、恐らくこういうことで事業として申請があったんだろうなと。
 そう考えますと、やはりないよりはまし論でして、地域の活性化ですとか、それから安心の事業にというふうにはなかなかなり得ないのかなというふうに思うんですね。ですから、地域の活性化に資するためにというのであれば、やはり地方財源の充実強化、これがまずは求められるのかなというふうに思っております。
 先ほど決意もいただきましたけれども、再度、大臣からの今後の方向性をお示しいただければと思います。
#71
○国務大臣(鳩山邦夫君) それは、相原先生おっしゃるとおりだと思います。
 先ほど答弁求められませんでしたけれども、先生は小規模自治体に対してできるだけ温かく財政的な支援もすべきだというお考えで段階補正の話をされました。私も基本的な問題意識は同じで、要するに規模の利益の逆というんでしょうか、経済でも規模の利益というのがありますが、小規模ゆえのコストがかさむという実態がある。それを少しずつ厳しくしていった。人口四千人未満は幾ら少なくなってももう同じようにしか見てあげませんというようなこともやった。あるいは行革努力を促すために、まあ早い話が人口が少ないための加算を減らしたわけですよね。そのことが小規模自治体に対してより厳しい状況を生んでいるであろうということは、私は先生と同じように問題意識は感じております。
 そこで、先ほどのあの長い名前の地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金二百六十億の件でございますが、これは県には十五億で、市町村に二百四十五億円をお配りするという、非常に大胆な、まさに緊急というか、手を差し伸べないといけないところに差し伸べるという、そういう方法を取ったわけでございまして、私の選挙区の真ん中に中核市がございます。人口が三十万四千人ほどでございます。そこへ参りましたこのお金が約三千万だったと思います。その隣に人口が十分の一の小さめの市がございます。そこは財政力指数も非常に低いところでございまして、二千万行っております。つまり、人口一人当たりですと八倍、九倍ぐらいその中核市が損をするという形で、隣り合わせでこのお金が配られたわけで、そこに一つの、緊急支援ではあるけれども、一つの哲学というのか、このお金の配り方の方針を示していたのではないか。
 つまり、本当に困っているところに援助をしようという気持ちを強くにじませて二百六十億をお配りしたということで、この精神は、先ほどの段階補正のことも含めまして、これからも私はこの哲学は維持していくべきだと思います。
#72
○相原久美子君 ありがとうございます。
 是非、段階補正、それから交付税の部分、総体で考えますと、今の地域の状況というのは、人口が増加してきているという状況が見られるところはもう大都市しかございませんので、更に厳しくなっていくというのは間違いないだろうというふうに思いますので、是非とも今の御決意でよろしくお願いしたいなというふうに思います。
 それでは次に、公務社会の非正規の職員の問題について若干お伺いしたいと思います。
 今年の三月の十八日ですね、私は予算委員会で質問をさせていただきました。そのときに、国においては約十四万人、それから地方自治体においては約四十五万人のいわゆる非正規職員がいるというふうな回答をいただいております。
 実は、ここに、委員会に参加のほかの委員の方たちがなかなか御案内がちょっとされていないかというふうに思うんですけれども、実は、この公務の世界にいる非正規職員というのは、いわゆるパート労働法からも適用除外、そして地方公務員法からも適用除外という、この法の谷間におります。そこで私は、この状況をほうっておいていいのかということで、予算委員会で質問をさせていただきました。前大臣からですけれども、地方公務員の非常勤職員については、国家公務員の非常勤職員の動向と常に関連して対処を取っている部分もあり、国家公務員の動向も踏まえながら適切に対処をしていきたい、このような答弁をいただきました。
 新たに任に就かれました鳩山大臣についてもそのお考え方に変わりはないのか、お伺いしたいと思います。
#73
○国務大臣(鳩山邦夫君) 増田前総務大臣と基本的には同じ考え方で進めてまいりたいと思います。
 三月十八日の予算委員会というふうに承っておりまして、国家公務員の動向を踏まえながらというのをどういう意味でおっしゃったのか、私、正確には把握いたしておりませんが、この度人事院から非常勤職員の問題についての指針が作られて、通知されたという状況で、これで国家公務員の非常勤職員についての待遇は私は改善されていくのではないかという期待を持っております。この段階ではまだ国家公務員に対してはそういう人事院からのお話はなかったんだろうと思います。
 地方公務員の方がはるかに、四十五万人という多数ですよという相原先生の御指摘、これを重く受け止めながら、地方自治法、地方公務員法、あるいはそれに基づく条例等があるんだと思いますが、職務内容や職責に応じて、また民間で同じような仕事をしておられる方々との比較など、各地方公共団体がこれは自発的に、まあ地方自治ですから自発的に決めるのが基本であろうとは思いますけれども、非常勤の職員というんでしょうか、あるいは臨時という方もいるのかもしれませんが、そういう方々の待遇が改善されるようにと、つまり最低賃金に毛が生えた程度ではやはりお気の毒なわけで、その辺は十分注意をしていきたいと思っております。
#74
○相原久美子君 ありがとうございます。
 確かに、前回質問をさせていただいたとき、そのときにはまだ人事院が検討中ということでございました。それで、八月の十一日、人事院の報告が出されました。そして、給与に関する指針の策定、それから休暇及び健康診断の在り方についての検討も示され、結果としまして八月の二十六日にこの指針が出ました。
 私も、実は長く自治体の非常勤職員を経験してきましたけれども、この通知の中で、今日実は資料の中に配付させていただきましたが、ここの中で、職務経験等に関する考慮、通勤手当、まさに通勤手当も出ていなかった状況というのがたくさんあるわけです。それから、期末手当に相当する給与など適正な支給と位置付けていただいたこと、これは、やはり当該の働いている職員は仕事に対する思いが認められたということを本当に感じているかというふうに思います。
 ただ、これは実効性の問題でして、先ほど大臣がおっしゃいましたように、これから国公の改善へ道筋をつくってということだというふうに思います。そこで、大臣は国公の改善へ期待をというふうにおっしゃいましたけれども、是非前向きにこれを解決、改善していくんだというような決意をお伺いできればなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#75
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私自身の経験から申し上げて、プライバシーにわたるといけないのでちょっと少しぼかしますけれども、初めて入閣をしたときに、自分たちのために頑張ってくださる職員が大勢おられた、その中に女性が何人かおられたと。私は後になってから、辞める寸前ぐらいになってから、どの人が正規でどの人がいわゆる臨時というので、先生の分類でいうといわゆる事務補助職員というんでしょうか、非常勤職員の中でも事務補助職員だということを後から知らされてびっくりしまして、だって勤務実態は全く同じですから。私どもが頼むときに、いわゆる正規職員の方へ頼んでその事務補助職員の方に頼まないということは、そういう区別全くしておりませんでしたから。
 だから、それは期限はあったと思います、いずれお辞めになったから。しかし、勤務実態が同じなのに、例えばそちらの方の方には通勤手当が出ていなかったのかなと思うとびっくりしますよね。だから、そういった意味で、このことはきちんとやらなくちゃならぬというふうに思います。
#76
○相原久美子君 ありがとうございます。決意をいただいたというふうに受け止めさせていただきます。
 本当に今これが新たな問題になってきているわけですけれども、行政の分野に官製ワーキングプアという形で言われる状況があるわけです、年収が二百万円以下と。やはりここの部分にきちっと目を向けていくということは、担当大臣の決意として是非お持ちいただければなというふうに思います。
 それで、今ここは国における対応についてお話をいただきました。その上で、地方公務員、もちろんこれは法律上別な扱いだというふうになっていることは承知の上で、実はさきの予算委員会で増田大臣が、地方公務員も国家公務員の非常勤と同じような形で連動しているということから、人事院の動向、これを踏まえながら適切に対処していきたいというふうにおっしゃっていただきました。
 では、人事院が大体動向は出てまいりました。これについて、地方公共団体にいるこの非正規に適切な対応というのはどのように考えていらっしゃるのか、現時点の考えで結構ですのでお伺いしたい。
#77
○国務大臣(鳩山邦夫君) 増田総務大臣が先生の質問に答弁されたのはそれは三月でしたか。そういう先生の答弁等を踏まえて、あるいは人事院の検討状況も情報にあったのかもしれませんが、そんな関係で総務省は七月にこの問題についての研究会を立ち上げているんです。そして、地方公共団体における臨時・非常勤職員の調査、調査というのは当然、人数だけではなくて給与等の調査だと思いますが、これを行う。そして、同時に地方公務員の短時間勤務の在り方等について検討を進めるということで、この議論は今年中に一応取りまとめて総務省として一定の方向性を出して、地方公共団体における質の高い効率的な行政サービスの実現にも資するような形で今後の検討を続けていくということでございますので、私はこの勉強会というか研究会の結論を早くきちんと聞きたいというふうに考えております。
#78
○相原久美子君 ありがとうございます。
 時間が終わりになります。まさに大臣がおっしゃられたように、職場の中では見分けが付きません。本当に同じ仕事をしていて、そして同じような責任も負わされているという状況がございます。しかし、年収は二百万円に満たないという状況に置かれている。そして交通費すら出ていないと、こんな状況がございます。是非とも、国民の安心、安全、安定のサービス提供をしている一員として、きちっとした処遇、そういうことを考えていっていただければなというふうに思います。是非とも、お二人の大臣に、今後、本当に国民の負託にこたえる政策、これをお願いいたしまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#79
○柳澤光美君 民主党・新緑風会・国民新・日本の柳澤光美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、国そして政治の最大の責任の一つに国民の命を守ることがあるというふうに考えておりまして、四年前に初当選させていただいてから自殺対策に積極的に取り組まさせていただいてきました。昨年に続いて、自殺対策について質問に立たさせていただきます。
 時間がないんで、経緯をちょっとお手元に参考資料で、ここ自殺対策がどのように進んできたかというのを簡単に私の方でまとめさせていただきました。
 一番キーポイントになったのは、がんを公表されて昨年十二月に亡くなられた山本孝史さんが、本当に命を削ってといってもいいぐらい御尽力をされて、自殺対策基本法が二〇〇六年に制定をされました。その後、着実に自殺対策は、私は、進んできましたし、関係各位の皆さんの御努力には心から敬意を表したいというふうに思っております。しかし、大変残念なことなんですが、昨年で自殺者数は十年間三万人を超えてしまいました。今年もかなり厳しい状況にあるというふうに言わざるを得ないと思います。
 私、この内閣委員会で、昨年の十二月と今年の一月に、委員の皆さんに御支援いただいて、二回にわたってこの問題を取り上げさせていただいて、ただ、私たちが注意しなければいけないのは、法律を作ったり対策を立てることが目的ではないと。政治も行政も、手段が目的になってしまってそれで終わってしまったら一番問題なんで、確実に目標を達成する、自殺者が減るという対策をどう実行するかが大事だということをかなり強く訴えさせていただきました。
 自殺対策基本法を制定したときのあの超党派でつくりました自殺対策を考える議員有志の会を再結成させていただいて、自民党の尾辻先生を会長に、私、事務局長として、民間団体の皆さんとも連携して、この一年間一生懸命活動を進めてきました。しかし、正直言わせていただきまして、担当大臣も替わられますし、自殺対策推進室の担当者も替わってしまいました。省庁の縦割りの壁もありまして、なかなか思うようにいかないというジレンマというか、正直危機感を感じています。
 そこで最初に、新しく就任された野田担当大臣の方から、自殺問題に対する御認識、あるいは対策に対する御所見をお伺いできればというふうに思います。
 よろしくお願いします。
#80
○国務大臣(野田聖子君) 就任しました野田でございます。
 この度、私は大臣として二十一担当業務がございます。その中でも、とりわけこの自殺対策というのは大変深刻だし、本当に日本が先進国、先進国といいながら、ロシアを除くG7と言われる中で自殺率が最も高いということは非常に憂うべき、決して豊かではないんじゃないかということの表れだと思っています。
 柳澤先生が熱心に自殺対策に取り組んでいただけることを心から敬意を表します。私はむしろ議員にお尋ねしたいなと思っているのは、私自身は今年四十八になりました。この四十八年の短い人生の中でも、何度かやはり大なり小なりの壁にぶつかったことがあります。思春期のいろいろな思いもありましたし、仕事に就いてからの様々な浮き沈みの中で、沈んだときにいろいろなことを頭の中で、心の中で考える中で、思わずやはり自殺ということがよぎることもあったことは事実であります。まあ柳澤議員がそういうことがあったかどうか分かりませんけれども、自殺というのは決して他人事ではなく、やはり自分にも潜在的に持っている要素なんだということを受け止めて、自分のこととしてやっぱりこの問題真剣に取り組んでいきたいと思います。
 ただ、これまで日本では、自殺という言葉自体、公で発言するのがはばかられるような、そういう社会であったような気がします。そういった意味では、亡くなられた山本先生を中心に二〇〇六年六月にその基本法ができて、自殺という言葉が公の言葉として、国民全体の問題として共有できる第一歩になったことは本当にうれしいことだと思います。
 ただ、現実はまだまだ厳しく、法律ができたからといって、やはり一人一人の思いを抱えている人たちへメッセージが届いていないことは事実で、今おっしゃったように、この十年、自殺者が三万人を超えていることは本当に憂うべきことだと思います。
 ただ、この法律に基づいて、内閣府の下で堂々と自殺対策のそういう部屋ができ、今までは厚生労働省でちょこちょこっと、また警察は事件ということでそういうデータを作っている、そういうばらばらな機能を一つ自殺対策の名の下で結集させて、それぞれが持っているデータなりまたその取組について集結させるという意味では前進があったのではないかと。
 また、自殺というのは、これまではその人個人の何か資質に皆さんが集約させていた結果を、そうじゃないんだと、もっときちっと理路整然と自殺に、行かれてしまわれなかった社会的要因を明らかにしようということは極めて画期的であり、やはりうつ病とか薬物依存、例えばアルコール依存という病気から自殺へ導かれるということも実態が明らかになってきていますし、傍ら経済活動、とりわけやはり今不景気厳しき折の中、やはり経済上の問題で死を選ぶ、又は企業においてはゆえに長時間労働を強いられて死を選ぶ等々、社会的な要因があるんだということをやはりこの対策を通じて多くの皆さん、国民に分かっていただき、個人的なものに秘匿するのではなく、やっぱりみんなでそういうことを防いでいこう、気付いてあげよう、そして見守っていこうという、そういうことができるように全力で取り組んでいきたい。
 もう一つ。大臣ころころ替わってしまうんですけど、私自身はこの担当大臣になったことで柳澤先生と同じく自殺対策という、そういう政策課題を共有するやっぱり舞台をいただいたと思います。しっかり学ぶことで今後一議員としてもこれを専門的に先生方と分かち合えるように前向きに取り組んでいきたいと思いますので、そのときにはよろしくお願い申し上げます。
#81
○柳澤光美君 本当に理解いただいた前向きの御答弁、ありがとうございます。私も実は今年の五月で六十歳になりました。六十の人生の中で自殺を考えたことがないかと言えばうそになります。大臣がおっしゃられるように、後ほどお話しさせてもらいますが、本当に自殺というのはだれにも起き得ることですし、その辺を国を挙げて対応していかなければいけないだろうというふうに思っています。
 お手元の資料の一ページをちょっと見ていただきたいんですが、今年の自殺がどんな推移をしているかというデータであります。大変残念なのは、自殺のデータが、月別のが五か月後しか出てこない。ただ、六月時点のしか今分からないわけですが、大体十八年と十九年の中間を推移していくとすれば、また今年も三万人を超える可能性があるということを常に大変懸念をしております。
 もう一つ。実は、大臣も御承知だと思いますが、自殺が急激に増えたのが九八年というふうによく言われます。ただ、資料の二ページを見ていただきたいんですが、私が今最も思っているのが、上が年ごとで九八年にぼんと増えているデータであります。ところが、それを月別に落とし込んでみますと、その下の表になります。三月に急激に増えているんです。これは九七年度の決算期で、この九七年というのは、十一月に三洋証券と北海道拓殖銀行が相次いで経営破綻に陥り、さらに山一証券が自主廃業に追い込まれた年になります。その年の決算期、ですからこの三月に完全失業率が初めて四%を超えて、倒産件数も一九九〇年以降で過去最多を記録したときであります。そうした経済情勢の悪化に引きずられるようにして日本の自殺者は急増をしていると。
 これがそのデータなんですが、ちょっと見ていただくと、その下のページなんですが、これは人口動態統計からのデータなんですけれども、九八年三月の月間自殺者数というのは三千二百六十五人なんですが、前年同月期、九七年の三月が二千飛び二十四人ですから一・六倍。また、前月、九八年の二月に比べると二千二百八十に対して一・四倍という、すごくがあんと増えているというのが分かっていただけると思います。
 自殺には経済情勢というのが本当に大きく影響するんだと、これは厳然とした事実であります。何で過去のことを今掘り下げてお話しさせてもらっているかといいますと、実は今の状況が非常にまた同じような危機の状態にある。サブプライムローンから始まった金融危機が世界に広がって日本を直撃をしています。今全国で倒産が続いていて、九月がかなり増えたということで私もショックを受けていたんですが、十月は更に千四百二十九件、五年五か月ぶりの倒産になる。
 その中から聞こえてくるのが、特に、九八年よりも、そのころはまだ非正規社員の方は多くなかったんですが、ここ急激に十年間で増える中で、特に派遣労働者の皆さんが次々契約を解除されるという情報が多く上がってきます。そうすると、派遣労働者の皆さんというのは寮とセットで勤められている方が非常に多いんで、契約がストップになると実は収入も、もう一個大変困るのは住むところがそのままなくなってしまうという現象が起きます。この問題は連合にもかなり全国から寄せられているんですが、もう一つ、日系人を中心とした外人労働者の皆さんの問題もあります。そこが解雇されますと、その皆さんというのは言葉の問題がありまして、製造業だからいいんですが、それがサービス業とかというところに再就職するというのは大変難しくなる。自分の国に仕送りをしていますから、国へ帰るというお金もなくなる。
 そうなると、例えば派遣労働の問題でいうと、私はあの秋葉原のような問題が起きるんじゃないか、あるいは外人労働者の人たちにしてみれば、どうしようもなくなって犯罪、あるいはもっと言えば暴動だって、特に多くの皆さんが住んでいるところだって可能性があるんではないかという危機感を非常に今持っています。待ったなしの状態にあると。
 そこで、ちょっと確認したいんですが、厚生労働省でもこの労働情勢というのは把握されているというふうに思いますんで、倒産とか失業の現状、あるいは派遣労働、これもハローワーク等からも情報上がっていると思いますし、外人労働者の問題、どう実態を把握をされて当面どうされようとしているのか、ちょっと簡潔にお聞かせいただけますか。
#82
○政府参考人(大槻勝啓君) お答え申し上げます。
 現下の雇用失業情勢につきましては、完全失業率で申しますと、昨年の七月に三・六ぐらいであったものが今九月に四・〇となっております。また、有効求人倍率につきましても八か月連続で低下をいたしまして九月は〇・八四倍ということで、下降局面をたどっているところでございます。
 今の御指摘のありました外国人労働者につきましても、日系人が多い地域の公共職業安定所等の動向を聞いてまいりますと、新規の求職者が昨年同期と比べまして大幅に上回っている状態が出てきております。また、派遣労働者につきましても、大規模な雇い止め、派遣契約の中途解除等に伴う離職と、こういったものが多数報告されてきつつあるところでございます。
 派遣労働者等につきまして若干具体的に申し上げますと、派遣労働者とかあるいは期間工等と言われる方々につきまして、十月の労働局からの報告によりますと、こういった労働者で雇い止め等の対象になっている方が約四千九百四十名おられると。これは必ずしも網羅的ではありませんので更に詳細を把握しておるところでございますが、そういった大量の離職が発生しつつあるというのが現状でございます。
 また、先生御指摘のように、倒産でございますけれども、これも注目をされるところでございますが、十月の倒産件数が御指摘のように千四百二十九件ということで、五年五か月ぶりの高水準ということでございます。こういった経済状況の中で雇用失業情勢は今後更に悪化するおそれがあると、それが懸念されるというところでございます。
 こうした情勢の中で、厚生労働省といたしましては、まず状況の把握をしっかりと行う、全国的な状況、また個別の地域ごとの個別の状況をしっかり把握をすると、これに対して機動的にハローワーク等におきましてしっかりと再就職のあっせん等々努めてまいるということが重要な課題でございます。
 さきの補正予算におきましても、非正規労働者に対する様々な雇用安定対策等々を盛り込ませていただいたところでございます。こういったものを早期に着実に実施をしていくということがまず重要だろうと思っておりますし、また、生活対策におきましても、若年労働者を始めとする非正規対策、また、地域で中小企業が厳しい中で雇用の維持に努めておられる、こういったものをしっかりと支援をしていく、助成措置等で支援をしていくと、こういった措置、あるいはまた、地域での失業した方々の雇用の場の創出といったことにつきましても力を入れようということで、そういった対策を中心に盛り込んでいるところでございます。
 引き続き、機動的に迅速に対応していきたいと思っております。
#83
○柳澤光美君 私は緊急事態だというふうに思っていまして、当選した翌年は厚生労働委員会でしたから、ハローワーク、お昼休みをみんなで休んでいる、あるいは五時までしかやっていない、土日も開けていないというような問題提起をして、六百八か所あるハローワークが全部お昼休みもシフト制をしいて交代で相談業務によるという改善をさせていただきました。二十万都市から夜七時まで開ける、あるいは土曜日も開けるという対応を取らせてもらいました。是非、ハローワークの皆さんの方に労働局の方からもう一歩踏み込んだ相談業務等にここ当面最大の力を入れていただきたいということをお願いをしていただきたいというふうに思います。そのことが今日はテーマではないんで次に進みますが。
 このような状況に対して、私は、内閣府、どういう今度は自殺対策で具体的に手を打たれているか、簡潔に御報告いただけますか。
#84
○政府参考人(松田敏明君) 今先生からいろんな御指摘があるわけでございますけれども、平成十年に自殺者が三万人を超えまして、以降十年連続して高い水準で推移しているという誠に痛ましい事態でございまして、極めて深刻に受け止めているところでございます。
 政府といたしまして、一昨年に自殺対策基本法が成立いたしまして、これを受けまして昨年六月に閣議決定、自殺総合対策大綱というものを決定いたしたわけでございまして、また、昨年でございます、地方公共団体や民間団体とも連携して社会的要因も踏まえた総合的な自殺対策に国を挙げて取り組んでいる、こういうところでございます。
 具体的には、大綱に基づきまして、当面、重点的、取り組むべき施策として精神科医療体制の充実、うつ病対策等々、あるいは失業、多重債務等の社会的要因に対する相談体制の整備充実、あるいはハイリスク者である自殺未遂者、あるいは残された自殺者の遺族の方々への支援など、九項目の施策を実施しているところでございます。
 さらには、本年に入りまして、昨年六月からのフォローアップ結果、あるいは最近のインターネットに基づきます硫化水素による自殺等、これが頻発いたしまして八百名余の方が亡くなっておられる、こういった事態も踏まえまして、対策の一層の推進を図るということで、自殺対策加速化プランというものを去る十月末に策定をいたしまして、自殺統計に係るデータの分析、提供、こういったものも含めまして、今後更に対策を進める、あるいはうつ病以外の精神疾患等によるハイリスク者対策、こういったものも進めるんだと。今申し上げましたインターネット上の自殺関連情報をきちっと取り締まるといいますか、締めるものは締める、こういったものも含めまして、昨年作ったばかりの大綱の一部改正もいたしまして、そういったことで、政府として自殺の防止に向けた取組を可能な限り進めておるところでございます。
 以上でございます。
#85
○柳澤光美君 時間がないんでこれ以上ちょっと突っ込んだお話はしませんが、大臣もこの自殺、作られた対策加速化プランというのはお持ちだと思いますが、字に書いて対策だけ打ってもどうにもならないわけで、とすれば具体的にどうするんだという突っ込みが私は非常に足りないと思っています。それは是非また検討いただきたいと思いますが。
 その中で、今回は一つ、民間の活動がいかにすごいかというお話を今日は皆さんに御紹介をさせていただきたいというふうに思っています。
 自殺にとって、去年も言ったんですが、一番大事なのは実態把握なんです。どういうところでどういう人がどういう理由で自殺をしているんだということが分からなければ、具体的な対策が打てない。今までやっているのは全部啓蒙活動であって、ですから大綱だとか対策であって、具体的な活動には全くつながっていかない。本当はその調査を内閣府でどれだけやったかと私はお伺いしたいんですが、恐らく答弁で出てくるのは、自殺総合対策センターで心理学的これ剖検と言うらしいんですが、これがどれだけ出てきているかと僕は聞きたいんですけれども、今日はやめます、できていないの分かっていますから。
 実は今日皆さんにお話ししたいのは、自殺対策を行った、政府より先に行っている民間のものなんですが、三ページ目をちょっと見ていただけますか。これが昨年に続いて今度は内閣府が出す今年度の自殺対策白書になるんですが、その中にこういう形で一部紹介をされています。作られたのはその一番下にある民間の皆さんです。これが七月にまとめられた自殺実態白書、実は、皆さん、これが実物になります。五百ページにわたる調査報告書であります。これは民間の皆さんが残された自死遺族の皆さん三百五名にも全部聞き取りをやって、それから警察から、去年やっと泉前国家公安委員長から御理解いただき出していただいた都道府県別のデータを全部分析したものであります。
 その中で、自殺に至るまでのプロセスや自殺の地域的特性、さらには、先ほど言った九八年三月のショック、九八・三のショックというのも全部この中に述べられているわけですが、この実態白書は民間の皆さんが八千部近く準備をされて、八月に都道府県それから政令指定都市、中核都市を始め地方団体に配付をされています。さらに、もちろんいろんな関係団体あるいは民間団体にも自分たちの手で配付をする。もっとすごいのは、九月に衆参の国会議員の全部の事務所に手分けをして届けていただいております。これも、製作費も郵送代も全部ライフリンクというNPO法人を中心に民間の皆さんがやられたものです。
 この白書を読ませていただくと本当にいろんなことが分かってくるんですが、時間がないのでポイントだけお話しします。また時間があったら是非大臣にも皆さんにも目を通していただきたいんですが、四ページを見てください。これが大臣が言われたのと全く同じ一番見開きにある象徴的な言葉なんですが、「自殺は、人の命に関わる 極めて「個人的な問題」である しかし同時に 自殺は「社会的な問題」であり 「社会構造的な問題」でもある」、このことが私はすべてを言い尽くしている、これは野田大臣とも共有できることだというふうに思うんです。
 ですから、先ほどお話ししたように、自殺の要因には倒産や失業といった社会的、経済的な問題が非常に大きく影響します。それ以上に、こうした要因がすぐ自殺に結び付いてしまうという社会的な構造の問題にもつながっている。そういう意味では、私は自殺対策というのは重要な政治課題、その本を正さなければ直ってこない課題だというふうに私はとらえさせていただいています。
 この中を見ていくと、本当にいろんなアイデアも浮かんできますし、具体的な提案も浮かんできます。
 時間ないので、その一部だけお話ししますが、五ページを見ていただけますか。自死遺族の皆さんにも協力をいただいて聞き取り調査をする中で、要は自殺の内容の中でも要因がどういうふうに動いているかということが分かってきました。例えば被雇用者の場合には、職場環境が本当に大きく変わる、特に失業等で再就職するとかってもちろんなんですが、会社がリストラクチャリングの中で合理化をして配転を急激に進める。そうすると、そのときに人間関係とかそこに慣れるために非常に精神的に不安定になる。ですから、この辺は本当に企業とかあるいは労働組合の方にそういうときに特にメンタルヘルスもひっくるめて配慮をするようにという手を打っていかなければならない。あるいは自営業者の場合には、やはり事業不振から多重債務に動く、ですから資金繰りの問題から始まってサラ金の問題に動いていく。そうすれば、今回も中小企業への対応、それと相談をどうしていくんだということを打っていかないと、本を正していかないと駄目だと。無職者とか等はもう時間ありませんからちょっと割愛させてもらいますが、自殺というものが一つだけで来ているんではないと。
 次のページがそれを、進行度というのがどういうふうに動いていくかというのをとても分かりやすくまとめてある資料なんですが、私たちは自殺対策というと、どうしても一番問題なのはうつ病対策のところにばっかり行く、しかも精神科医がいないとか、なかなかできないとなる。でも、ここへ行くまでに過労や事業不振や職場環境の変化というものが起きて、それが身体疾患に行って、あるいは職場、人間関係でいじめもあったりいろんなストレスがたまる、失業がある、負債がある、家族の仲がおかしくなる、生活苦になって、うつ病になって、最後自殺に行くというプロセスがきちんと見えてくる。とすると、うつ病対策だけやれば、自殺問題は解決をしないと、もっと先のときから手を打っていかなければ駄目だということが分かっていただけるというふうに思います。
 次の七ページを見ていただけますか。実はこの中のすごいのは、何で全議員に配らせていただいたかというと、都道府県別の警察の所轄別に全部データが出ましたから、その人数と要因等が各都道府県で全部出ているんです。そのことを各地域でも意識していただきたいということで、この資料を大変な労力を掛けて配らせていただいているんですが、そんな中で、これがその地域特性が分かったという中の一番分かりやすい図であります。
 例えば、左の愛知の豊田市というところでは、男女、特に男性の被雇用者の方が多い。これはやはり大きな製造業がそこに集中をしていますから、ここにそういう問題がある。とすれば、そのことに対して、企業だとか労働組合の方にももっと相談に乗るような窓口、あるいはハローワークの対応もどうするんだと。先ほど言った外人労働者でいえば、恐らくあの群馬の太田市辺りのところに多くいる。だったら、ハローワークのところにブラジル語が話せる通訳でも、担当者を育てる余裕はないので、通訳でも何でも入れて相談に乗ってあげるというような具体的な対応を取っていかないというのは地域的に見えてきます。
 それから、大阪市の西区になれば、やはり自営業者の方が多い、この辺は東京の大田区と同じように中小企業の経営者の皆さんが多いんだろうな、とすれば、この辺は資金繰りの問題と多重債務を絡めた相談をどうやっていくのか、自治体とも連携をしてやる。
 もう一つ、真ん中にさいたま市があるんですが、これはどういうわけか年代を問わず女性の方が多いんですね。これはどういう人たちがどういう原因でというのは分かっていません。この辺は現場に入って情報をもう一回把握をしないと、さいたま市はまたちょっと違った対応をしなければいけないだろうということもこの地域特性で見ることができます。
 そんなことを踏まえて、私は、この民間がやった実態白書の一部を何で今回出す二十年度の自殺対策白書の中に、二ページにわたる事例紹介ではなくて、何で入れなかったのかという率直に疑問を感じるんですが、お答えいただけますか。
#86
○政府参考人(松田敏明君) 今先生から御指摘がございました自殺実態白書、これは本当にこのプロジェクトチームという民間団体により取りまとめられたものということです。
 今お話ありましたように、一章の三百五名の遺族からのヒアリングを通じた自殺に至る経路分析、これはほとんど初めてではないかと思いますけれども、非常に自殺対策に有効なものと私ども評価をいたしております。
 第二章の方は地域別の自殺の特性の分析でございまして、これも……
#87
○柳澤光美君 済みません、そんなこと聞いていません、時間ないんで。なぜ入れなかったのか答えてください。
#88
○政府参考人(松田敏明君) はい。私ども、政府の取組として、政府の施策の取組状況を報告するのが白書の基本的な報告事項でございまして、そういう中で民間団体あるいは地域での取組状況をできるだけ紹介すると、そういう形を取らせていただいたものでございます。
#89
○柳澤光美君 だったら、各地域のこのデータというのは、地方自治体に対してこの資料を使わないで皆さんが集めた実態調査で指導しているんですか。
#90
○政府参考人(松田敏明君) 内閣府といたしましても、いろんな形で対策の推進に有効に活用されるよう、この自殺実態白書二〇〇八につきまして、自殺の担当主管課長会議で全都道府県、政令市に対してきちっと配付をし、周知を図ったところでございます。
 そういった意味で、この努力を多としていろんな形で評価し、また活用することに努めておるところでございます。
#91
○柳澤光美君 だったら私は、昨年よりもこれだけ薄くなっているんですよ。新しい民間がやった実態白書を後ろのところに参考として、資料として載せるぐらいのことがなければ、私はその辺が本当に不思議に思うんですが。
 要は、政府がやっていない、民間がやったこと、でもこの白書は連携をしながら、私が質問をして警察のデータもいただいて、内閣府も確認をした上で作ってきたデータですよ。という意味で私は、こういう待ったなしの状態のときに、メンツだとか何かではなくて、是非、大臣、そんなこともこの後、大至急大臣からもフォローを、具体的でなくていいが、是非そんなことを、縦割りだとかというイメージではなくてやっていただきたいということをお願いしたいと思いますが、イエスかノーかだけでお答えいただけますか。
#92
○国務大臣(野田聖子君) 取組に対しては心から敬意を表します。
 ちょっとプロセスのことがいろいろあって、やっぱり政府は総合調整の下でやると決めた中で政府独自のことをやらなきゃならないというやっぱり使命もあります。そういった意味で参考にさせていただいて、前向きに取り組んでいきたいと思います。ありがとうございます。
#93
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 ただ、大臣のお答えのように、そんな簡単にはいかないというのも私も理解した上で言わせてもらっているんですが、この待ったなしの状態に来たときには、国も地方もいろんな関係団体も、私は、リスクマネジメントというのはリスクに対してどういう手を打つか。ですから、自殺ですと自殺が起こりやすいところで避難場所をどうする。でも、現実に神戸で地震が起きるというふうになると、これはもう私はリスクマネジメントではなくてクライシスマネジメントだと思っています。目の前で起きているときにリスク対策をやっても仕方ない、一人でも命を救うためにどうみんなが動くかと。そこまで私はちょっと今危機感感じているのは、またこの年末から来年に向けて尊い命が失われるんではないかなという思いを強く感じているからであります。
 もう一つ、一番最後に、これは去年からずうっと議論をしてきまして、これが警察庁の方で取っていただいている、一番最後に付いています自殺の調査をする原票です。捜査をした内容をこの項目に沿って、それで転記をする。ですから、名前も入っていません。これを、一切出せないと言われていたのを、泉前国家委員長にお願いをして所轄別のところまで今回出していただいて、それをこの民間のところで使わせていただくと。ただ、それもぎくしゃくはありました。ただ、尾辻さんとも、そうじゃないだろうということでやった経緯があるんですが。
 私は、もう時間ないので細かいことは言いません。これを前から私は主張しているんですが、警察の方でこの統計を取るというのは大変だと思っているんです。元々、警察の皆さん、そんな暇じゃありませんしね。ですから、この原票を内閣府の、今、社会経済研究所とかあるみたいですけれども、そういうようなところにこの原票を、マスコミにまけとか何か言っているんじゃないんです、そこで分析をしてもらうと。
 僕は、警察の統計は警察の統計で取ってもらうのは構いません。今回、二百七十万ほど予算を組んで整理をされるみたいですが、やってもらって構いませんけれども、その辺を違うところで、専門家を入れたりあるいは民間を入れたり、先ほどの実態調査を作った東京大学の澤田先生が入ったり弁護士が入ったりしながらデータを分析するということを是非検討してもらいたいと思うんですが、国家公安委員長と大臣の方からちょっとその辺のお考えを聞かせていただけますか。
#94
○国務大臣(佐藤勉君) 警察といたしましては、自殺統計のデータについて可能な限り関係機関に提供してまいりたいというふうに基本的には考えております。
 この観点から、警察庁では市区町村別の自殺統計データを提供させていただくために、自殺統計原票に自殺者の発見地及び生前の居住地の市区町村の調査項目を追加をいたしまして、平成二十一年一月から運用を開始するところであります。
 他方、先生がおっしゃられますように、自殺統計原票には個人名等の記載はないものの、発見年月日や所轄警察署、自殺者の年齢、職業等の記載があるために特定の個人が推認をされるおそれがあるということで、自殺統計原票そのものを内閣府へ提供することは大変困難ではないかなというふうに思っております。
 しかしながら、おっしゃられるように、警察といたしましては、自殺対策に最大限協力するという観点でこれからも大変重要な課題と考えておりまして、引き続き、可能な限りの範囲で自殺統計データを内閣府に提供してまいりたい。明確な答えができなくて申し訳ありませんけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
#95
○国務大臣(野田聖子君) 先生の御発言はエールをいただいたものだと思い、心の底では、本当に内閣府ですべてができれば担当大臣としては大変うれしいと思いますが、現実的には、なかなかそうそう簡単に人、物、金が動かせません。
 そんな中でやるべきことは、せっかく大綱も作りましたので、総合調整というにらみ役ということで、警察庁のそういう原票も、しっかり連携をしていただきながらデータを作り、そしてそれを現場である厚生労働省や文部科学省にしっかりと要求ですね、大綱とかそういうプランに沿って着実にやっていただくということで、今、巷間言われている縦割り行政を排除するための精一杯の努力をしていくことをお約束したいと思います。
#96
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 私は、有志の会は基本法を作るときに党派を超えてできたんですが、これを党派を超えた議員連盟にしてでもやりたいと思っています。できなければ、僕は法制化を、立法化をすればいいと。警察のデータをきちんと出していただくと。ただ、私は、そこまでやらなくても、自殺の中心は内閣府の下の推進室を中心に基本的に動くと。
 何でこんなお願いをしているかといいますと、警察の方もデータを作るのが仕事じゃないんですよ。だったら、もっとほかの仕事をしていただきたい。ですから、整理をしても六月時点が十一月しか分かってこないわけですよ、月別のデータも。それから、十二月までにまとまったのは翌年の六月の半年後しか出てこないんです。去年は担当者の方が大変でダウンされているんです。とすれば、三万、大変多い人数なんですが、これが日々あるいは月別の四十七あるいは所轄別に取れば、個別ではそんな大きな数ではないんです。原票を作って大至急出す。そうしたら、翌月の中旬ぐらいまでには少なくとも地域別分析等は掛けれる。そうしたら、できるだけ早くそれを把握して、どこに大きな問題が起きるんだとすぐ手が打てる。
 そうでないと、要は対策を打っているときではなくて即やるというにはこの実態把握が、少しでも早く分かるということがとても大きな力を発揮をしますので、野田大臣言われるように今答弁はできないと思いますが、私たちも全面的なバックアップをさせていただきたいというふうに思っていますから、是非御検討をいただきたいというふうに思います。
 もう一つ警察庁の方に。そうはいっても急に変わりませんから、今やっているデータを少しでも早く、特に来年六月ではなくて、少しでも、一か月でも二か月でも早く出す努力をしていただけますか。確認だけお願いします。
#97
○政府参考人(巽高英君) 警察で取っております自殺統計原票でございますけれども、これは検視等を行った警察官、現場にいる警察官がそれぞれ作成をして、そしてこれを各都道府県警察で随時システムに入力をすると。そしてまた、自殺と判明するまでには、その死体によっては期間を要するものがあるというようなことがございまして、データの正確性を期するという観点で、毎年三月末に前年の自殺データを確定はしております。
 その後、警察庁で全国の自殺データを集計し、広報資料を作成するということで、公表時期は六月ごろとなっております。
 しかしながら、ただいま委員御指摘のとおり、私どもとしても自殺対策には協力をしていきたいと最大限考えているところでございまして、この三月末にデータを確定した後のデータの集計等の事務作業について迅速化できないかということで今後検討してまいりたいというふうに思っております。
#98
○柳澤光美君 警察の皆さんが自殺の現場で遺族の方に聞き取っていただいたり、大変な御苦労をされていることも分かっています。逆に言えばそこに自殺の原因だとかいろんないわゆるデータがたくさん残っているわけですから、それを私は、警察ではなくて、本当に内閣府の中でやれるという体制を是非検討いただきたいということを再度お願いするのと、三月時点で分かった段階で、マスコミとかオープンではなくても、少なくとも分かった段階で推進室の方には報告をするなり政府の中の情報の共有化を早めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 それからもう一つ、先ほど野田大臣がおっしゃっていただいたように、ちょっといろんな組織に役割が行き過ぎているところがあります。
 実は、自殺対策推進室ができる前は、私どもはちょうど参議院の厚生労働委員会で建議出しましたけれども、自殺に関する総合対策の緊急かつ効果的な推進を求める決議というのを独自決議をしました。その中で、当時まだ基本法までは難しいだろうということで、だったらその窓口どこにするかということで、実は国立精神・神経センターの中に予防センターをつくって、そこが窓口になって各省庁の連携をしてもらおうと。結果、秋にその省庁連絡会議ができたんですね。
 しかし、基本法ができて、内閣府の中に自殺対策推進室ができたら、私は、そのまま自殺予防総合対策センターが精神センターの中に残っているんですが、学者の皆さんの集まりですから、そこの今まで与えられた業務は全部推進室に移して、そこはあくまでも研究を中心にやって、推進室を中心にした自殺対策をつくってもらいたいと思っているんです。そうしないと、組織というのは、特に官僚の皆さんは、一回付いたのはどこかで切ってあげないと同じことをやって、どうしてもそこがぎくしゃくする。だから、すべてはもう推進室を中心に動くという体制もできるだけ早く取っていただきたいというふうに思います。ただ、今大臣の方も、分かりましたと言うわけにはすぐいかないと思いますから、それも一環の中に組み込んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 一時までにやめないと食事の時間が遅れて怒られると思いますので、最後に、予算なんですが、自殺の予算というのは厚生労働省とかいろんなところに配分されているんですね。推進室というところには意外と少ないんですよ。ここで本当は厚生労働省に僕は嫌みをいっぱい言おうと思って資料を用意してきたんですが、使っているお金は研究のために二億ずつ五年間、十億も研究費に。いったん配分されるとその研究費というのはずっとつながってしまう。
 予算の中でも、厚生労働省が研究分野に配分しているお金というのはたくさんあるんですね。自殺に関係するのというのは二百億ちょっとあるんですが、推進室は五、六千万しかありませんよね、一億もないんですよ。という意味でいくと、私は労働組合上がりですから、賃上げを〇・一%も上げるというのはとても大事なんですが、実はどこを上げるんだという配分が組織の中で一番議論するんです。そういう意味では、日本の予算の組み方というのは、もうこういう情勢ですから額が増やせないとすれば、その今までの配分をどこに一番重点的に配分するんだということをもう一歩突っ込んでやらないと、今まで配分していたのをそのまま配分しても何も変わらないと。
 私は、野田大臣に是非予算獲得、自殺対策は頑張っていただきたいというふうには思っていますが、その額を上げること以上に、中で使われている内容を、厚生労働省とかいろんな、特に厚生労働省は大きいですが、有効的なところに使うというのを舛添大臣なりにもう一歩踏み込んだ話をしていただいて、特にこの年末から来年の三月のところでは私は各地域に専門の窓口なり担当者、大至急置くぐらいの、研究してやりますと言っているんじゃなくて、その人件費を場合によったら一か月幾らで何か月間だけ持つからでもいいから、置いてくれというような予算を地方にも配分するぐらいのことを私はしていただきたいなというふうに思っておりますので、是非その辺の御決意をいただいて質問を終わりたいと思います。
#99
○国務大臣(野田聖子君) いろいろ本当にすばらしいアドバイスをいただきましてありがとうございます。
 予算に関してはジレンマがあります。やはり今の仕組みの中で、内閣府ががっちり握るというスキームができていない中、御承知のように基本法ができたことによって自殺対策推進会議ができています。そこがやはり司令塔となって、たしかさっきの実態調査の関係者の方も入っていらっしゃると思うんですが、そういう人たちの厳しいまなざしの下でそれぞれがちゃんと予算配分しているかということはチェックしていただけると思っておりますので、それを通じてまた真摯に努めていきたいと思います。
 よろしくお願いします。
#100
○柳澤光美君 終わります。
#101
○委員長(愛知治郎君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午後一時休憩
     ─────・─────
   午後二時一分開会
#102
○委員長(愛知治郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、工藤堅太郎君が委員を辞任され、その補欠として森ゆうこ君が選任されました。
    ─────────────
#103
○委員長(愛知治郎君) 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#104
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。
 先週、内閣府担当所管のそれぞれの担当大臣から所信を伺いました。今日は七十分という限られた時間でありますが、それぞれの所管の政策、重要課題の幾つかにつきまして順次お尋ねをしたいと思っております。簡潔で分かりやすい答弁をお願いをしたいと思います。また、時間の関係で質問通告したことすべて質問できるかどうか、はしょることもありますので、その節は御了承をいただきたいと思っております。
 まず、河村官房長官にお尋ねをしたいと思います。領土問題と拉致問題についてお尋ねをいたします。
 これにつきましては、私の質問の後に山谷えり子先生が、まさに外交、領土問題、拉致問題、教育を始めとした政策の党の最高のエキスパートでありますから、詳細につきましては山谷先生からの質問があろうと思いますから、私は、政権が替わりましたので基本的な考え方だけお尋ねをしたいと思います。
 北方領土問題の経過については御承知のとおりであります。日ロ間におきまして、一九五六年の日ソ共同宣言、一九九三年の東京宣言、二〇〇一年のイルクーツク声明などの文書が採択されてきているわけでありますが、いまだ解決には至っておりません。
 本年の五月にロシアの大統領も交代をいたしました。そして、七月の北海道洞爺湖サミットの際にメドベージェフ新大統領と福田前総理との間で首脳会談が行われたと伺っております。この首脳会談において両首脳は、日ロ間に平和条約が存在しないことは幅広い分野における両国関係の進展にとり支障になっていること、この問題を最終的に解決するために前進しようとする決意が双方において存在することを現段階における共通の認識として確認したと伺っております。新大統領の決意を表明したものとして大変注目をしています。
 今月の二十二日から行われるAPEC首脳会議の際にも麻生総理とメドベージェフ大統領との間で首脳会談が行われる予定であると伺っておりますので、その場でもこの北方領土問題は取り上げられるのではないかと思っています。麻生政権として、こうした政治対話の機会を活用しながら、この北方領土問題の解決、日本の国民のこれは悲願であります、これに対してどう取り組んでいくのか、政府の方針を河村官房長官からお尋ねをしたいと思います。
#105
○国務大臣(河村建夫君) ロシアがアジア太平洋州における極めて重要な隣国であることは言をまちません。日ロ関係は、日ロ行動計画に基づいて、経済分野を中心に幅広く進展をいたしておるところでございます。しかし、今委員が御指摘になりましたように、日ロ間の最大の懸案であります領土問題、これにまだ具体的な進展が見られていないということ、このことをどうしても打破する必要があるわけでございます。
 お話ありましたように、福田、メドベージェフ大統領両首脳間でも、平和条約が存在しない、そのことは大きなこれからの進展を考える上で一つの支障になっているという認識、そのためにどうしても、双方はそのことがあるということをきちっと意識を持った上で、共通の認識があるんだということをまず確認し合って進めていかなきゃならぬと、こういう確認がされたところでございます。
 なお、麻生政権になりましても、今月の五日には中曽根・ラブロフ外相会議が行われました。ここにおいても北方四島の帰属の問題についても会談がなされて、やはりこの問題を解決しなきゃ日ロ関係の進展はないということで、その前進をさせようという決意で一致したと、こういうことでございます。
 政府といたしましても、間もなく総理、ペルーに参りますが、APECにおいて、その際にまずバイの会談として日ロ首脳会談、予定をいたしておるところでございます。こうしたチャンスあるごとに会話を重ねながら、首脳間の共通の認識、これに基づいて領土問題について具体的な進展を図るべく強い意志を持って臨む、これが麻生総理の決意でございます。プーチン首相の来日についても、この両者間でも話し合って具体的な日程も決めたいと、こういうことで、粘り強く、両首脳間でのこの領土問題の解決について、特に麻生総理としては強い決意を持ってロシアとの交渉に臨みたいと、こういうことでございます。
#106
○岡田広君 是非、やっぱり対話が最大に大事だろうと思います。あらゆる機会を利用して政治対話をする、そしてこの問題の解決に結び付けていくという。
 私は、対話の「わ」、これは話という漢字です。三つの「わ」という言葉がありますが、対話の「わ」、会話の「わ」、談話の「わ」、話という漢字です。話をするから組織の輪が広がる、これは三輪車の輪という漢字です。話をすると和やかになります。平和の和という漢字であります。私たちの国の最初の憲法十七箇条の第一条は、和をもって貴しとなすということです。和がいかに大事か。食べ物にも和え物ってあります。これは、ワカメやネギやウドや海の幸、山の幸が、みそや酢や調味料によって混ぜ合わせることによってもっといい味を出すのが和え物という食べ物のはずであります。これも平和の和という漢字です。和がいかに大事か。
 是非、積極的に政治対話の機会を最大限利用してこの領土問題の進展、今日はこの北方領土だけ取り上げさせていただきましたが、お願いをしたいと思います。
 もう一点だけお尋ねをしたいと思います。拉致の問題であります。
 本年の八月に日朝実務者協議、行われました。北朝鮮は調査のやり直しに合意をしましたけれども、しかしいまだ調査は開始されていません。
 海外に目を向ければ、今年の二月には韓国で新しい政権が誕生しました。台湾でも新しい政権になりました。ロシアは今、大統領、プーチンさん首相になりましたけれども、替わりました。アメリカでも来年の一月にはオバマ新政権が誕生する。世界の国々がまさに刻々と動いている。そういう中で、このアメリカのオバマ次期大統領は、この拉致問題の解決に関心を大変有しているという、そういう話も伺っているわけであります。
 このような国際情勢の状況の変化の中で、この拉致問題の解決のかぎは、もちろん米国、韓国等を始めとする、あるいは拉致被害に遭われた国々というのは、韓国もそうでありますが、そのほかにもたくさんあるはずであります。そういう国々とも連携を図りながら、各国との協力というのが今まで以上に私は不可欠である、大事であるというふうに考えているわけでありますけれども、以上のような状況も踏まえまして、麻生政権の拉致問題解決に向けた基本的な姿勢を河村官房長官からお尋ねをしたいと思います。
#107
○国務大臣(河村建夫君) 拉致問題について御質問をいただきました。
 我が国の国家主権にかかわる、また国民の生命と安全にかかわる非常に大きな問題だと。この拉致問題の解決に向けて、対話と圧力の姿勢を堅持をしながら、拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はあり得ない、こうした一貫した方針に基づいてこれまでも政府一体となって取り組んでおるところでございます。
 この基本方針は麻生内閣においても変わりはなく、政権発足後直ちに、十月十五日になりますか、拉致問題対策本部第二回会合を開催をいたしたところでございます。この方針を閣僚レベルで改めて確認をさせていただきました。問題解決に向けて毅然たる表明をいたしたところでございます。そして、この再確認できた拉致問題における今後の対応方針、これにおきましても、具体的な方策の一つとして、今、岡田委員御指摘ありましたように、関係各国との緊密な連携が必要だ、これをもって拉致問題の解決に向けた国際的な協調を更に強化していこう、こういうことでありました。どうしても御指摘のように国際世論も必要でございますので、拉致問題解決のために国際的な連携を深めていくことを重視してまいりたいと、こう思っております。
 麻生総理は、就任間もない直後にも国連総会に出向きまして、この拉致問題を含む人権問題等についても総会において演説をいたしまして、国際世論に訴えたところでもございます。
 政府としても、今後とも、このすべての拉致被害者を一刻も早く取り戻すべく、アメリカや韓国を始めとする関係各国と一層緊密な連携を取りながら拉致問題対策本部を中心に今後とも引き続き最大の努力をしていく所存でございますので、各委員の皆様方におきましても御理解と御支援をお願い申し上げる次第でございます。
#108
○岡田広君 是非、この拉致問題、各国との、国際世論を高めながら、この問題の解決のために是非、小泉元総理が何年か前に北朝鮮を訪問して、拉致の関係の方を日本に連れてきたとテレビで流れていまして大変感動を覚えましたけれども、この話すると長くなるからしませんけれども。
 やはりネットワークというのは大変大事だろうと思います。縁という漢字も左側はいとへんです。絆もいとへんです。一緒になる緒も糸、組織の組も織も、継続の継も続も、選挙も、点を線にする、線を後援会、網の目のように、網も、すべて左側は糸です。漢字の原義は私は糸であると、そう思っています。これも話すると長くなるからしませんけれども。
 是非、河村官房長官、麻生新政権の下で積極的にこの問題に取り組んでいただきたいということを要望して、河村官房長官は御退席いただいて結構です。
#109
○委員長(愛知治郎君) 官房長官は退席していただいて結構です。
#110
○岡田広君 続いて、与謝野大臣にお尋ねをしたいと思います。
 定額給付金の関係でありますけれども、この詳細はここではもうお話はしませんけれども、上限を設けるかどうかについては政府部内でも議論にいろいろ紆余曲折がありました。
 マスコミ報道しか私は分かりません。いろいろ、マスコミでは迷走という言葉が躍ったり、閣内不統一とか、給付を行う方法に関しても、支給の仕方が振り込みなのかあるいは手渡しなのか、振り込みにしたとしても指定金融機関がない地域もあるわけですけれども、そういう詳細については検討中の段階ということでありますけれども。やっぱりこれを国の方で、いい制度だと私は思うんです、決めることは大変国民にとっていいことですが、なかなか制度、情報が、国民に正確な情報が伝わっていかない、伝わっていない。やっぱり不安になる、混乱する、どの情報が正しいのか。
 そういうことを考えると、現場の市町村が一番混乱している。市町村の中ではもう既に支給体制のための会議を行ったとかマスコミで流れていますけれども、すべての市町村、自治体がまだ取り組んでいるわけにはいかない。まだ情報をもらってからという、そういうところもあるわけでありますけれども、まさにこの支給の体制づくりについて、市町村が混乱しないような体制をつくってもらう、そういう早急に方針を示していく必要があるというふうに考えるわけであります。
 本件については、実務の責任は総務大臣において担われるわけでありますけれども、定額給付が必要な方にきちんと行き渡って国民の安心につながること、あるいは第一線で事務を担う市町村の負担を最小限に抑えることなどについては政府全体として足並みをそろえて責任を持つべきであると考えるわけでありますから、この点について与謝野大臣の見解をお尋ねしたいと思います。
#111
○国務大臣(与謝野馨君) こういうことを決めたわけでございますから、その内容を整然と実行しなければならないということは当然でございます。
 また、実際の事務負担は市町村が担うわけでございますから、市町村の方々にも御協力をいただき、また、それに対する必要な事務費はきちんと見るということで、全体が整然と行われるように私どもも努力をしてまいりたいと思っております。
#112
○岡田広君 是非、情報がやっぱり混乱しないようにしっかりとした制度をつくって、国民に、市町村にももちろん下ろしていただきたい、そういうふうに願っています。
 例えば振り込みにしたからすべていいのかというと、なかなかそうはいかないと思うんです。例えば、今年始まりました広域連合というのがありますけれども、後期高齢者医療制度の事務局であります。そこでも、例えば高額医療費とか葬祭費とか、支払を請求するとき市町村を経由して書類が上がっていきますが、本人が申請して、口座番号書いてあるんですけど、口座番号の間違いが約二%あるということであります。二%というと、私の例えば水戸でいえば、十万世帯あったら二千件ということになるわけですから、この口座番号が本人申請でも間違っている。そうすると、それを訂正してもらうために連絡を取る。相手がいない。電話をするのか訪問するのか、具体的には。市町村は大変それでなくても実務が忙しい中でこういう仕事量が増えるという。そういう体制はしっかりと取るということでありますけれども、そういうことであります。
 特に、そして、是非大臣にお願いをしたいことは、できるだけ麻生総理も言っているようにスピードを持ってということ、とても大事だろうと思います。年度内支給ということがありますけれども、なかなか今の状況では難しいかもしれませんけれども。前に地域振興券をやったときにも、消費が伸びたのは三月、四月です。年末年始というのはお金が必要な時期。その次に必要なのはやっぱり三月、四月。転勤とか異動とか、あるいは卒業式、入学式ということでお金の必要な時期でありますから、この時期に、しかし市町村はこの時期は窓口が大変忙しい時期であります。転勤の人のためにも、ガスとか電気とか、もうすべての窓口を市役所の一角につくったりしてそんな市民の対応をしている。そういう中でありますので、是非そういう点も踏まえながら、スピードを持ってこの点をお願いをしたいと思っております。
 もう一つだけ与謝野大臣にお尋ねしますが、国民年金。私もうずっと心配しているんです。国民年金の基礎年金を、三分の一国が持っていたのを二分の一持つということで、来年度中にこのお金を何とか手当てをする。約二兆三千億と言われていますけれども、過日の新聞では、これも特別会計からというお話でありました。特別会計からとなると法改正とかいろいろありますから、こういうことをして手当てをするんだろうと思うんですが、まさに恒常的なものにはならないということだと思うんです。この基礎年金部分を、毎年毎年このお金が要るようになってきたときにどういうふうに手当てするのか。そして、そういう中で消費税という議論が出てくるのかも分かりませんが、この点について、特別会計の剰余金というのは一時的なものでありますから安定的な財源とは言い難いわけであります。
 安心で持続可能な年金制度というのがこれは基本でありますから、数年で枯渇するような財源でなく、恒常的に確保される財源、こういうことについて与謝野大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
#113
○国務大臣(与謝野馨君) 国民年金法にはっきりと、平成二十一年度より国庫負担を三分の一から二分の一に上げるということが書かれております。その際に、安定財源を求めてこれを行うということになっておりまして、言わば、この国民年金法の附則の条文は、行政府及び立法府にそのような財源確保のために責任ある行動を取れということを書いてある私は条文だろうと思っております。
 こういう経済状況の下ですから、すぐに税を通じて国民に御負担をお願いするということができるかどうか、そういうことがございますので、取りあえずは財源を他に求めるということがあっても、将来に対しては責任ある態度を取らなければならないと。
 先般決めました経済対策の中で、税財政、社会保障に関して中期プログラムを作るということが書いてございます。実は、政府部内においては今夕の諮問会議からこの中期プログラムの内容について議論を始めますが、これはやはり、国民に対しての責任、また将来世代に対する責任として、やはり税財政、社会保障の将来像だけでなく、どういう行動を取らなければならないかということを中心に議論をいたしたいと思っております。
 また、国税と地方財政の関係ですけれども、これは総務大臣に伺っていただきたいと思いますけれども、やはり、例えば新たな消費税、その中の地方消費税というものを仮に求めるということであれば、地方自治体の皆様方にも国民理解を深めるための十分なPR活動をやっていただければと思っております。
#114
○岡田広君 ありがとうございました。
 与謝野大臣、どうぞ御退席いただいて結構です。
#115
○委員長(愛知治郎君) 与謝野大臣は退席いただいて結構です。
#116
○岡田広君 今、与謝野大臣から地方消費税というお話も出ましたが、鳩山総務大臣にお尋ねをしたいと思います。
 さきの衆議院の総務委員会で、三位一体改革で減額された地方交付税、これは五兆円ということで、復活にも徐々に取り組んでいくという答弁をされております。しかし、八月に提出された二十一年度の概算要求の中では地方交付税はマイナスになっていますけれども、今後の予算案決定の中で、そして、今朝の新聞にも出ていましたけれども、「地方への一兆円配分で首相」、「使途自由の交付税」と、これもちょっと細かくお話はしません、時間の関係ありますので話をしませんけれども、こういうことも、今回の、昨日の麻生総理の知事会での発言も、復元という中に入っているというふうに考えていいのかどうか。
 この地方消費税を考えるときに、社会保障財源だけで配分するんではなくして、まさに地方消費税というのは地方にとっては大変安定的な財源です。これを増やすということは地方六団体の願いだと思っています。そういう中で、この地方消費税についての考え方と地方交付税五兆円の復元にも取り組んでいくという考え方について、具体的に鳩山大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
#117
○国務大臣(鳩山邦夫君) 三位一体改革のときに、四兆七千億補助金を減らして、税源移譲は三兆円で、あと残りは地方が頑張ってスリム化してごらんということだったと思うんですね。
 ところが、それに、同時期に、まあ三年間掛けてではありましょうが、地方交付税の五兆円強の減額が行われた。そのときは、もちろん行財政改革、地方のスリム化、国も地方も一緒にスリムになりましょうということだったんだろうと思うわけでございます。ところが、あのときは実は景気が良かったんです。したがって、昔では自然増収という言葉を使っていたかもしれませんけれども、地方税も二兆円以上一時的には増えるという状況にあったので、五兆一千億というような地方交付税の減額が意外と目立たなかった。しかし、現在のような経済状況になってくるとこのボディーブローとしての効き方は並大抵ではないわけでありまして、まさに地方にお金がないと。
 先生がお触れになった、夏の時点で仮計算をする、そのときに既に、交付税が不足するのではないかという問題がある。それから、今のような金融あるいは経済の危機というのがある。そうなりますと、国税五税の、とりわけ国の法人税が激減するおそれがある。仮に五兆円、六兆円減れば、その三分の一ぐらい、つまり二兆円の交付税の減というのになってくる。今年は何とか穴埋めできたとしても、来年は発射台が下がるという意味で、また交付税が非常に少ない金額に計算をされてしまう。
 そうなったときに地方がどうなってしまうかと。もちろん、地方税収自体も、今の経済状況の中では増えていくという予測はなかなか立たないと。とにかく地方にお金が回らないという事態が十二分に考えられる中で、総理大臣が道路関係諸税の一般財源化に伴って一兆円を地方へ移すと、こういうことであったものでありますから、総理とも何度もお話をいたしまして、昨日の知事会議でも総理は、その一兆円というのは地方にとって使い勝手のいいものに、つまり使い勝手がいいということは自由度があるということですね、都道府県知事や市町村長さんあるいは議会が自由度を持って使えるお金と、こういうようなことを答えておられて、その後、記者さんに対して、つまり地方交付税だよと、こういうふうにおっしゃったと、こういうことなのでございます。
 そういう中で、先生御指摘のとおり、地方消費税というのは、消費税というものは非常に安定的な財源であって、とりわけこの地方消費税、現在は五%のうち一%いただいておるわけでございます。もちろん交付税対象でございますから、五%国民が払っている消費税のうち二・八二%が国へ、二・一八%が地方へというのが現実の配分だろうと。
 これ、法人二税、地方税としての法人二税等はもう東京が断トツで、多分沖縄との差が一人当たりで六倍、七倍というような偏在性を持つ。それに対して消費税の偏在性というのはかなり小さいという意味から、地方税財政、地方税財源ということを考える場合に、その偏在性の少なさから消費税というのは非常に魅力のあるものになると。
 仮に、全く仮の話ですが、七、三、つまり消費税七%を国が取って地方消費税三%取るという。七、三になりますと、交付税の計算をしますと、ちょうどフィフティー・フィフティー、国の取り分と地方の取り分が半々になると。
 何も私、消費税一〇%にすべきだとかいうことを言っているのではありません。七、三の割合で取りますとちょうどフィフティー・フィフティーになるわけで、そんな形で、将来、地方消費税によって地方の財源が安定することを心から願うものでございます。
#118
○岡田広君 そういう議論になると、直間比率の見直しとかそういう議論になってきますので、是非、そういう形で地方に安定的な財源、今回のこの一兆三千億以上になるというそのお金につきましても、今の道路特定財源の臨時交付金ですかね、これと相殺されないような形で、別枠での配分を是非お願いをしたいと思っているところであります。
 もう一点だけ、地方分権改革につきまして鳩山大臣にお尋ねをしたいと思います。
 地方分権改革のこの取組の中で、事務や権限を地方に移譲する、これによって国の出先機関の抜本的な見直しを行って、国と地方を通じた簡素で効率的な行政を実現するということはもう一番重要なことでありますけれども、今、これ地方分権改革推進委員会ですか、年末の第二次勧告に向けて国の出先機関などの見直しについて審議を行っていると聞いています。
 そういう中で、先日、国の出先機関について抜本的な統廃合を行うような求めがあったというふうに伺っているわけでありますけれども、鳩山大臣もその場に同席をされていたということでありますが、この出先機関の抜本的な改革に向けて、考え方がありましたらお尋ねしたいと思います。
#119
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生御指摘のとおり、地方分権改革推進委員会の丹羽委員長が総理と話合いをされた。総理に一定の報告をされ、総理から一定の要請があったと。その場に私も立ち会って若干の発言をいたしております。
 総理からは、国と地方の役割分担というのはきちんとすべきであるということがあって、二重行政の無駄は排さなければならないと、そういう観点で出先機関の整理や統廃合、合理化を進めてもらいたいと。もう一つの観点は、二重行政だけでなくて、地方に権限を移譲すれば目が届く、国の出先機関でやると国民、住民の目が届かないという、そういう分野については都道府県に移してもらいたいと、こういうような観点で今後の案作りを今できるだけスピードアップして頼むというようなことが総理から話されたわけだろうと、そのように考えております。
 ですから、二次勧告案というものが多分十二月の半ばよりは前に出るのではないかと。その場合は丹羽委員長が、もちろん私は立ち会うと思いますが、直接総理に渡されて、それに対して総理がそれを御覧になって内容を精査して、じゃこういう手順でこういうものはこういうふうに進めるべしという決断をされるんだろうと、それが所信表明演説の中にあった、私が決断するという中身ではないかと、そう考えております。
 当然、様々な抵抗があると思いますので、よほど性根を入れて頑張らなければいけないと思っております。
#120
○岡田広君 ありがとうございました。
 国の出先機関には地域の事情をよく知っている、あるいは専門性の高い優秀な人材がたくさんいると思います。これを、統廃合を進める中でこの専門性や技術を有する人たちを切り捨てるということはあってはならないわけでありますから、まさに地方分権というのは権限、財源、人間という、人の移譲というのも大事だと思うわけでありますから、是非、国から地方に、新しく仕事を受け取る地方自治体にとりましては人も大変大事なわけでありますから、この人材を地方のために生かしていくという視点、観点もしっかりと考えながら、踏まえながらこの対応を進めていきたいというふうに要望して、鳩山大臣への質問は終わりたいと思います。
 どうぞ御退席いただいて結構です。
#121
○委員長(愛知治郎君) 鳩山大臣は退席されて結構です。
#122
○岡田広君 それでは、甘利大臣にお尋ねします。
 公務員の天下り問題でありますけれども、公益法人や独法法人は現在天下りの受皿としていろんなニュース、厳しい批判にさらされているわけであります。しかし、これは、それぞれその時々の社会のニーズがあって設置されたものであって、全くすべてつぶしてしまえというような、そういう議論であってもならないと、そういうふうに思うわけでありますけれども、このそれぞれの法人が本来の機能、役割を果たすような思い切った改革をしていかなきゃならないという、これも大変大事なことだと、私はそう思うわけであります。
 政府においては、公益法人あるいは独法法人に関してこうした観点から今見直しを進めていると伺っておりますけれども、公益法人につきましては、公益認定制度の抜本的な改革、あるいは公益法人向け支出の三割削減に向けた取組、さらには随契見直し等が進められているわけでありますが、独立行政法人についても廃止、統合も含めた改革が進行中と聞いているわけであります。
 これらにつきまして、天下りの受皿とも批判されるこれら関係団体につきまして今後も厳しく見直しをしていくべきというふうに考えているわけでありますが、甘利担当大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
#123
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、独法や公益法人は必要性があってできたものであります。独法でいえば、移行独法は、特殊法人からより効率性を求めて費用対効果のいい形ということで独法になり、あるいは切り出し独法というのは、本来行政府自身が行っていた企画立案それから実施のうちの実施だけを切り離して、より費用対効果が上がるように、そしてより透明性が高くなるようにということで、執行部分を切り出して独法という形でつくった。これはイギリスのエージェンシー制に倣ったものだと承知をいたしております。
 それらが、実は切り出した元の行政府あるいは関係する行政府から人が出る受皿になって、当然公務との関連性ということがあって必要な人材もあるかと思いますが、とかく批判を受けるような存在になってしまっていると。公益法人についても同様でありますが、これを御指摘のような点を踏まえてしっかり改革をしていくということで、今担当大臣として取り組んでいるわけであります。
 公益法人、六千くらいあるんでしょうか、国からの補助金が六千億ぐらい、それから独法から出ているお金もたしかあったと思いましたけれども、この公益法人について不適切な支出を徹底的に見直しをすると。行政全般に対する国民の信頼を回復をするために、行政支出総点検会議、いわゆる無駄ゼロ会議、これ自体は官房長官が所管しているわけでありますけれども、そこにおきまして、国等からこの公益法人向けの支出を三割削減するということについて検討を行っているわけであります。
 さらに、独法につきましては、昨年、百一あるこの法人を対象にしまして事務事業や組織の在り方等につきまして徹底的に見直しを行い、十二月二十四日に独立行政法人整理合理化計画をこれを閣議決定したところでございまして、この計画では、二十二年度末までに十六法人を削減をするということとしているほかに、随意契約を徹底的に見直して、競争性のない契約、現在一兆円あるわけでありますが、この約七割を削減をするということといたしております。また、六千億を超える、これは十八年度の簿価ベースでありますが、この土地、建物を売却処分をいたすと。それから三点目として、事後評価や理事長の人選に対しまして内閣が一元的に関与すると。今までは各省が行っていてそれを総務省が事後評価する、どちらかというと追認的になりがちではないかという御指摘がありましたが、総務省で一元管理して厳しく評価をするということであります。
 現在、この整理合理化計画を踏まえまして、各法人、各府省におきまして指摘されている事項や見直しの実施を進めているものと承知をいたしております。これらの実施状況につきまして、行政減量・効率化有識者会議、こっちの方は私の所管でございます。さっきの無駄ゼロは官房長官、こっちが私でありますが、これによるフォローアップを進めているところでありまして、この整理合理化計画の実施状況を厳しく監視をしていくことといたしております。
 また、この整理合理化計画を踏まえまして、独法のガバナンス強化のための諸規定のほか、政府出資等に係る不要財産の処分義務等を柱といたしましたいわゆる独法改革法案をさきの通常国会に提出をさせていただいたところでありまして、この法案が成立しますと、例えば独法の不要財産の売却収益のうち簿価部分は、今まで独法に滞留をしていたものが国庫納付されることになるわけでありまして、是非この法案の一日も早い御審議をお願いをしたいと思っております。
 いずれにいたしましても、今後とも、独法及び公益法人につきまして改革を進めまして、国民にとって必要なサービスを確保しつつ無駄を徹底的に排除をしてまいる所存でございまして、これらの取組を通じまして独立行政法人制度の本来の目的にかなった公共サービスの効果的提供が実現されるものと承知をいたしております。
#124
○岡田広君 ありがとうございました。
 もう時間ありませんので、要望だけしたいと思います。
 昨年の国家公務員法改正によって、これは各省庁による職員の再就職あっせんの禁止とか、あるいは官民人材交流センターの再就職支援の一元化とか、退職後何度も再就職を繰り返すわたりあっせんの廃絶、こういうことが実現することになったのは大変大きな前進であると思っています。こうした改革を一歩一歩進めることで政府や国家公務員に対する国民の信頼を着実に回復していくことが急務でありますけれども、是非ひとつ、報酬の点、人件費の点でまたしっかりと見直しをしていただきたいと思います。
 過日、衆議院の国土交通委員会でも取り上げられたと伺っておりますが、週刊誌でも報道されておりました。例えば、役所の次官経験者が天下った関連団体の理事長の年収、上限千七百六十万。これ道路公団の副総裁というのは役員報酬は約三千万だそうです。この人を例えば一人取ると、もうすごいですね、道路公団だけでも七年間勤めて三億という報酬をもらっているんです。国民から見たら信じられない金額だと思うんです。三億円近くになるということが報道されておりました。
 この前、今、金融機能強化法案でも議論をされていると思いますが、農林中央金庫の理事長の報酬が四千百万という数字が出ました。総理大臣の報酬、四千百六十五万です。しかも、参議院でもなかなか議決してもらえませんが、日本銀行の総裁、これは国会承認人事、三千五百万という報酬の中で、この四千百万。これ、たまたま農林水産省の事務次官経験者が配置を毎回されていると。こういうところをしっかりとやっていかないとどうなのかなという、そういう気がいたします。
 茨城県の部長を退職して辞めると、給料、報酬月額四十万ぐらいです。例えば、また水戸市の例を挙げて恐縮ですが、水戸市で部長を退職すると二十三万です。これは課長で十九万、通勤手当はもちろん出ますけれども、期末・勤勉手当出ません。退職金も全然出ません。
 そういう状況が地方と国とあるという、こういうことも是非考えていただきまして、これは是非こういうことも見直しをして、国民から見てこの数字が大変だと思われないようなしっかりとした見直しをしていただきたいと思います。
 甘利大臣、退席していただいて結構です。
#125
○委員長(愛知治郎君) 甘利大臣は退席していただいて結構です。
#126
○岡田広君 次に、野田大臣にお尋ねをしたいと思います。
 本年の五月に議員立法として宇宙基本法が成立をしました。八月には施行されて、内閣に宇宙開発戦略本部が設置されたわけであります。戦略性を持った宇宙政策の司令塔ができたわけでありますけれども、これについて質問をしたいと思います。
 昨年の十二月に本委員会でも宇宙航空研究開発機構、JAXAを視察をしました。今月の九日にも麻生総理がJAXAを視察されております。有人宇宙施設「きぼう」の実験棟を見学をされたわけであります。この筑波宇宙センターにつきましては、これすごく狭いんですね。キャパシティーがあって、自由見学というのは若干まだ入れるんですけれども、ツアーでやると、案内が付いて一時間十五分。つくばエクスプレスという新しい鉄道もできまして、大変東京から、つくばには宇宙があり科学があり物理があり、そういう中で、周辺観光も含めたサイエンスツアーを始めとしていろんな方々が来て、このつくばエクスプレスも大変、一日の乗降客二十七万という、これを達成すると秋葉原から東京まで延伸、鉄道利便法という法律の補助金も使いましてこれができるという、今一日二十六万、平均超えてます。やがて東京駅延伸も実現するんだろうと思いますけれども、いずれにしても、このツアー見学というのは年間十五万、これがキャパシティー、これ以上もう受け入れられないということで断っているのが現状でありますから、まさに宇宙というのは子供たちに夢を与えるものだと思います。
 そういう中で、この筑波宇宙センター。つくばには国家公務員の宿舎がたくさんあります。これをこれから払下げをするということになっていますけれども、この払下げにつきましても、こういう土地を活用しながら、今、箱物を造るというのはいろいろ議論があるところでありますけれども、私のしごと館とかあるいは小田原のスパウザ小田原とか、大変なお金を投資して、もう売るときには八億とか十億とか、小田原市があれは買ったわけですけれども、今ヒルトンが経営をしていますけれども、そういう中で、宇宙に対する夢。しかも、今回のノーベル賞には日本から四人、つくばにいる方も受賞しました。分野は違いますけれども、まさに宿舎の跡地などを利用して、この展示館というのは子供たちを始めとして、宇宙に対する夢を与えるという意味では大変私は重要だろうと思っています。
 そういう中で、宇宙開発利用に関する広報活動も充実しながら、この宇宙開発に対する野田担当大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
#127
○国務大臣(野田聖子君) 岡田先生のおっしゃるとおりでございまして、宇宙開発というのは大変新しい国家戦略であります。五月に法律が成立し、八月に施行されて、今本当にできたてのほやほやの戦略本部があり、その下には一般国民を代表していただける有識者による委員会というのができて議論を進めているところですが、大切なことは、これまで研究分野に特化していた宇宙開発が国民生活に貢献できるような日本らしい国家戦略を考えていく中で、一人でも多くの国民、当然子供も含めてですけれども、宇宙にコミットしている例えば日本で造られているロケットであったり人工衛星について直接触れて感じていただく広報活動というのは大変重要だと思っています。
 私も、大臣になった直後、八月の十二日には、JAXAのその筑波宇宙センターに行きました。多くの子供たちが夏休みでありましたので見学に来ておりまして、本当にうれしそうでしたし、私自身は子供ではありませんが、大人としてやはり、これまで縁遠かった宇宙について、そこに行くことで非常に距離が近くなり、親しみを感じることができたことを実感しました。
 ですから、専門調査会においても各委員の方々からその広報の大切さが非常に訴えられているところでもあり、先生の御指摘を踏まえて、これからもやはり身に付く広報の活動について充実させていきたいということを考えております。
#128
○岡田広君 是非お願いしたいと思います。
 夢という漢字は私たちが普段使う漢字ですけれども、辞書を引きますともう一つゆめってあるんです。女という字に、右に又と書いて下に力って書きます。努力の「ど」って読む漢字です。「つと」めるとも読みます。もう一つの読み方が「ゆめ」です。ゆめは多分辞書からもネットからもこの二つしか出てきません。今日の感激をゆめゆめ忘れないで、是非、つくばのこの宇宙展示館開設のために努力、そういうときに、ゆめゆめって使うときには努力の努を二つ重ねて「ゆめゆめ」って読むんです。是非、辞書からもネットからも、ゆめゆめは努力の努を二つ重ねて出てきますから、是非御覧いただければいいと思うんですけれども、夢は努力しないと実現できない、夢は努力して達成できるという、そういう言葉の持つ意味だと私は理解をしています。子供たちを始めとして、多くの人たちに宇宙に対する夢、これを持ってもらう。そのことがとても、研究開発力強化法案というのも前の国会で通ったわけですけれども、これ一つ取りましても、一九九一年を一とすると、日本はずっとこの予算横ばいです。中国は六倍ぐらいに増えています。是非、このノーベル賞、四人も取ったという、こういうことを弾みにして、この研究開発力、科学技術、宇宙、是非実現をしていただきたいと思います。
 もう一点だけ、原子力政策やなんかは時間ありませんから、もう一点だけ野田担当大臣に高齢社会対策をお尋ねしたいと思います。
 衣食足りて礼節を知るという言葉がありますけれども、衣食住という言葉も、着ること、食べること、住まいのこと、住まいのことは、質ということを考えればほぼ日本では満たされてきたと思います。アメリカの金融危機に発して、これからは外需が難しいから内需拡大、住宅にシフトしなきゃいけないと、しかしなかなかこれは姉歯の問題もあって今着工率が落ちていますが、これはちょっと話はこれでやめたいと思いますけれども。
 私は新医職充という言葉を最近言っているんです。医というのは医療、医学ということです。健康というのが一番大事なことは言うまでもありません。職は職業の職ということです。八十歳になっても、シルバー世代になっても、一週間に一回、二日、その人の能力、体力に応じて働くことができる、仕事ができる雇用環境をつくる、これも大変大事なことだと思います。そのためには、当然、職業能力開発というのが大事になってくると思うんです。充は充実の充ということです。私は、ゆとりという意味で解釈をしています。このゆとりというのは生涯学習だと思います。まさに、生涯学習は最大の健康づくりで生きがい対策と、私はそう思っています。新しい教育基本法の中にもこの生涯学習という理念が新しく書き加えられました。まさに、充実、生涯学習というのはとても私は大事だろうと思っています。
 野田担当大臣が所管していますこの高齢社会対策については、高齢者が生きがいを持ちながら暮らすことが重要であるという、これは当然のことです。そのために、今言ったような能力開発とか雇用機会の確保といった、高齢者がいつまでも生き生きと働き続けられる環境づくり、一生学び続けられるための生涯学習、そういう環境をつくる、私はとても大事だと思います。
 ストレス社会と言われています。私も、ストレスはSTRESSで発散させろと言っています。アルファベット、STRESS。最初のSはスポーツ、これはストレス解消。Tはトラベル、旅行、温泉に行くのもストレス解消。Rはレクリエーション。Eはイート、これはおいしいものを食べる。あとのSは、特に女性だったらショッピングのSとか、子供とスキンシップのSとか、あるいはスリープ、睡眠のSとか、シング・ア・ソング、歌を歌う、どれでもいいんです、どのSを取っても。ストレスはSTRESSで発散させろと、そんなことを言っているんですが。
 是非、高齢者が生きがいを感じながら生き生きと暮らせる社会の在り方について、基本的なことだけお尋ねしたいと思います。
#129
○国務大臣(野田聖子君) 高齢社会の対策というのは枠組みがございまして、大綱と呼ばれるものでありますけれども、今、もうまさに先生が御指摘のことばかりであります。
 基本的には、やはり高齢になられてもきちっと働く意欲があれば就業の機会が確保できることであったり、健康、福祉をきちっと担保できることであったり、さらには、今もおっしゃった生涯学習、学習・社会参加の道、そして生活環境、そしてそれを伴う調査研究の推進をしていくということが大綱で約束されているわけであります。
 基本的には、男性も女性もある時期になると高齢者と一くくりにされてしまうわけですけれども、理想はやはり男は男として最後まで個人の一生をきちっと貫けること、まあ女性も女性ですけど、大きな枠組みで高齢者の中に入れられてしまうことではなく、最後まで個性豊かに自分の人生を、人と違う人生をやっぱりしっかりと成就できるサポートを社会の若い人たち、また国が応援していくことが一番大切ではなかろうかと思います。
#130
○岡田広君 ありがとうございました。
 それでは、野田大臣、退席していただいて結構です。
#131
○委員長(愛知治郎君) 野田大臣は退席されて結構です。
#132
○岡田広君 それでは、佐藤国家公安委員長にお尋ねしたいと思います。
 埼玉、東京で発生した元厚生事務次官の連続殺傷事件、亡くなられた山口御夫妻の御冥福を心からお祈りし、またけがをなされた吉原さんの一刻も早い回復を願いたいと思います。また、警察当局では、一日も早い犯人の検挙、そして第三の犯行を防ぐ防犯体制、これを取っていただきたい、これは要望をしておきたいと思っております。大変痛ましい事故でありました。
 お尋ねしたいのは、先月、今月と大阪で飲酒運転による死亡事故がありました。新聞配達の人が、十六歳の少年が六キロも引きずられる大変痛ましい事故がありました。それで、先日、一昨日でしたか、茨城県でも、アルコールの基準値四倍以上ということで警察官、しかも交通に携わっていた警察官が逮捕されたと。捜査のことはここでは話をいたしません。
 この飲酒運転につきましては、福岡で幼児三人が飲酒運転の方の車にぶつけられて亡くなられた事故がありまして、その後、この飲酒運転、刑罰等改正がありましたけれども、最近、飲酒運転の件数とかは減っています。しかし、悪質なドライバーが根強く残っているというのも事実であります。そういう中で今回の警察官の不祥事は、大変、国民にとってはどこを信頼していいのか全く分からない、不安を与える問題だろうと思っています。
 東京都の二十年の、今年の交通のキャンペーンポスター、女子ソフトボール、北京で優勝した上野由岐子さんのボールを投げる写真が載っていまして、スローガンは交通事故0へ全力投球という、そういうスローガンのポスターが掲げられています。
 これ、0というのは日本では「ぜろ」とか「れい」と読みますが、アルファベットではOです。OPQRのOです。フランス語での読み方です。アルファベットEAUと書いてオーと発音しますけれども、意味は水ということです。まさに、水のような、さわやかで力強く自然体に、水は手でくみ取ることできません。両手でくみ取るものです。だから私は、人の心、国民の心もくみ取ると言った方が適当なんだと思います。
 水の話も、これをすると、もう時間ありませんから、長くなるからしませんけれども、まさに水のように、水は高いところから低いところへ流れます。これは自然の摂理です。常に下へ下へ、庶民のところ庶民のところへと流れている。佐藤大臣がどんな大臣になっても、常に下積みのときの気持ちを忘れるなと。これはまさに、私は念願の念という字そのものだと思っています。念願の念という字は今という字に心という字が組み合わさって言葉ができています。今の心を大切にという意味です。初心忘れるべからずというのは、この念願の念という字です。
 これもこれ以上話すると長くなるからしませんけれども、何が言いたいかというと、基本が大事ということです。ゼロからのスタートというのが基本です。警察官がこんな不祥事をしていたら、国民は捜査にも非協力と。こういうことをもう本当に二度と起こさないことが大事でありますけれども、これについて、やはり警察にも罰則規定があると思います。ほかの公務員と同じであってはならないと思うんです。警察官というのは公務員の中でも二十九万います、国家公務員、地方公務員を合わせて。これは一番多いわけですけれども、防衛省より多いんです。そういう中で、やっぱり国民の範となるべきなのが警察官ということであれば、やはり罰則は幾ら強化したって、やらなければ、基本に忠実であれば何の問題もないわけですから、是非そういう点をお願いしたいと思います。
 例えば酒酔い運転についても、免許取消しというのは、今取消しになって停止期間というのは、欠格期間は二年です。罰金は、五年以下の懲役、百万円以下の罰金ですけれども、酒気帯び運転の免許停止期間というのは最長で九十日です。三年以下の懲役、五十万円以下の罰金。これでは抑止効果が弱いと言わざるを得ないんです。
 私、これはもう、停止期間、欠格期間が二年なら、例えば、酒気帯びだって酒飲んだことは間違いないので半年とか一年に上げるべきだと思っているんです。酒酔いについても、昨年の道交法改正でこれは欠格期間というのを延ばす方向で政令の改正をするということで、これは来年の六月までにやるとかそんなことを言わないで、もっとスピード感を持って、こういう警察官の不祥事があった、こういうことを契機にやっぱり早くして、国民に安心、安全を担保する。
 三年なんて言わないで五年ぐらいに上げて、やっぱり免許取消しになったら欠格期間はもっと長いんだよという、こういう抑止力を国民にPRしながら、飲酒運転でこの日に、例えば警察官が捕まったこの日に、茨城県では、ちゃんとルールを守りながら運転していたオートバイに乗っていた人が、飲酒運転の人が急に車Uターンしたことによって、それにぶつかって死亡したという日も同じ日です。
 こういうことを考えると、全く何もルールどおり走っている人が亡くなるという、こういうことになるわけですから、この点について一点だけお尋ねしたいと思います。
#133
○国務大臣(佐藤勉君) 先生から御指摘の飲酒運転の警察官の事件につきましては、全く言語道断というふうに私ども考えておりまして、厳正な処分を考えさせていただいております。
 その上で、これからの道交法等々についても、先生のおっしゃられる趣旨をよく理解をさせていただいておりますので、いろんな面で趣旨の方向に進めるような検討をこれからなるべく速いスピードでさせていただくということをお願いを申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。
#134
○岡田広君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 佐藤大臣、退席していただいて結構です。
#135
○委員長(愛知治郎君) 佐藤国家公安委員長は退席されて結構です。
#136
○岡田広君 是非、小渕担当大臣、真ん中の方へ来ていただいて。
 最後になって大変申し訳ございません。
 今後の少子化対策、先ほど安心こども基金のお話や質問もありましたけれども、少子化対策という言葉が叫ばれて、大変国も地方公共団体も一生懸命取り組んでいますが、なかなか目に見える効果というのは非常に難しいんだろうと思いますけれども、例えば、日本は中負担低福祉、スウェーデンは高福祉高負担の国と言われています。麻生総理は、さきの国会で中福祉中負担を目指すという答弁をされておりますけれども、国民負担率ということも考え合わせると、国民負担率、スウェーデンは多分今七一%ぐらい。税金や保険料で払う分です。分かりやすく言えば、十万円で七万一千円国に納める、残りの二万九千円で一か月生活をする。日本は約、今四〇%ぐらいになっているんだと思いますけれども、四万円、国、六万円は個人の所得。これは高齢者、若い人でいろいろ議論が分かれるところだろうと思いますけれども。
 この議論をするわけではありませんけれども、こういう国民負担率の違いもあるわけですけれども、私は、スウェーデンという国は、揺りかごから墓場まで、世界で一番福祉が進んでいる国だと言われていますから、病気になって病院に行ったら医療費も国が見てくれるのかと思ったら、そうではありません。スウェーデンの個人負担は一五%、八五%が公費負担。ノルウェーも一六%です。日本は一七%個人負担という、こういう数字が出ていますから、それほど変わらない。年金もそんなに変わらない。何がスウェーデンと日本は違うかというと、介護。動けなくなったら国が相当な部分面倒を見る、日本の四倍か五倍見ています。そして、もう一つは児童福祉。ここに力を入れているのが違いなんだと思います。
 だから、これから、まさに少子化社会の中で、この児童福祉の分野というのはとても少子化対策の充実も含めて大事だろうと思いますけれども、まず、この点につきまして小渕担当大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
#137
○国務大臣(小渕優子君) 岡田先生から御指摘がありましたように、これまで少子化対策はこの国の最重要課題ということをいろんな場面で申し上げてまいりましたけれども、しかし、その内容が伴っていないというのは実際のところだというふうに思います。
 ヨーロッパ諸国に比べますと、日本の家族政策費用は大変貧弱であります。子育て支援に掛ける費用の水準対GDP比を見ても、我が国は諸外国の三分の一から四分の一にすぎません。また、社会保障給付全体に占める割合についても、たったの四%という状況であります。
 諸外国を比べてみたときに、子供のためにしっかりと投資をしてきた国々、例えばフランスですとかスウェーデンは出生率が上向きになっているという結果も出ておるわけであります。
 今後、我が国においても少子化の流れを反転させられるような思い切った政策を打っていかなければならないと考えておりますし、それに必要な財源の投入についても国民の皆さんの御理解、御議論をいただかなければなりませんけれども、少子化大臣としてはしっかり、これからの次代を担っていく子供たちのためにしっかり財源の確保をしていかなければならないと、それについて努力をしたいと考えております。
#138
○岡田広君 ありがとうございます。
 それで、もう時間があと七分ということですから、三世代同居税制についてだけお尋ねしたいと思っています。
 この少子化の背景というのは、核家族化の進展、あるいは家族のきずなが失われてしまったことが要因の重要な大きなものだというふうに考えているわけですけれども、日本の家庭は昔はサザエさん型と私言っています。三世代同居です。だから、サザエさんが赤ちゃんを産んでも、出産、育児を教えてくれるお母さんがいる、買物に行くときにはワカメやカツオがタラちゃんの面倒を見てくれる、サザエさんはストレスがたまらない。
 しかし、現代はクレヨンしんちゃん型だと言っています。お父さんは、しんちゃんが寝ているころ仕事に行って、しんちゃんが寝てから帰ってくる、日曜日は、休みの日は寝ている。会話がありません。しんちゃんとの会話の相手はお母さん。お母さんだっていつもしんちゃんの相手をしていたらストレスがたまってしまいますから、さっきストレスは言いましたけれども、これはカナダのセリエという学者の学説です、ストレス。で、ストレスがたまってしまいますから、あるときお母さんはしんちゃんを家に置いて買物に行っちゃうんです。しんちゃんは話し相手がいないからやっぱりストレスがたまっちゃう。テレビがベビーシッター代わりです。テレビから変な行動を起こしたり変な言葉を覚えたりするんです。悪いストレスがたまっていくんです。あれがいいストレスに変わるのは、妹のひまわりができるから。僕が保護者的な、僕が面倒見てやろう、保護者的な性格が芽生えてくる、だからいいストレスに変わっていくんです。
 だから、やっぱり私、保育の大事な、これは認定こども園とか保育の質問も入っていたんですが、もう時間ありませんからしませんけれども、この保育の重要性というのはやっぱり、一人っ子だっていいんですけれども、一人もいないよりは、でもやっぱり、小渕担当大臣も赤ちゃん一人ですから、是非もう一人産んでいただいて、これは要望したいと思います。
 そういうことで、やっぱり妹ができるから思いやりの心って生まれてくるんです。孔子という人が人間にとって最も大切なものは何ですかと聞かれたときに、それは一言で恕であると言ったそうです。女に口と書いて下に心。相手を思いやる思いやりの心、親切の心だと思います。福祉で大事なのは、もう一つ、愛の心。愛は受け止めるに心という字が組み合わさって言葉ができています。これも話はしませんけれども、愛と恕が福祉の心だと、私はそう思っています。心という字、たくさんあります。忍耐の忍も、田んぼの思うもそうです。これは、また意味は是非考えていただければいいと思いますけれども。
 だから、いろんな子供をめぐる事件が起きたりなんかというのも、やっぱり相手を思いやる心というのがとても私は今日の社会の中で欠けている。きずなというのはとても大事なんだろうと思います。そういう意味で、三世代同居。例えば税制では、さっき住宅の問題言いましたが、バリアフリー税制とかやっています。しかし、なかなか普及しません。高齢者の人が家の中でけがをするのは交通事故の件数より多いんです。これは、まさに三世代同居とかを進めていくというのはとても、少子化に対する風をつくるというのがとても私は大事なことだろうと、そういうふうに思っています。家庭には家風、学校には校風、会社には社風とあるように、風をつくっていくというのはとても大事です。
 そういう意味で、この三世代同居税制についての考え方をお尋ねして、質問を終わりたいと思います。
#139
○国務大臣(小渕優子君) 岡田先生のおっしゃるように、子育てにふさわしい住環境をきちんと整備をしていくということは、少子化対策を考える上で大変重要な視点だと思っております。
 三世代同居や近居による祖父母の子育て支援を望む方、また子育てに適した住宅改修などを希望する方もおられるということから、こうした方々を税制面からもしっかり支援するために、来年度の税制改正としてしっかり要望させていただいております。
 少子化大臣としても頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
#140
○岡田広君 是非、これは税制だけの問題じゃなくて、三世代同居税制、近居税制、是非これを、早い時期にこういう税制をやったんだという、少子化対策に向けてやるんだという、そういう予算を是非講じていただきたいと思っています。
 そしてまた、これは控除制度の問題も当然少子化対策解決にあるわけでありますし、私は配偶者控除というのは見直すべきだと思っています。特に特別配偶者控除はやめて扶養控除にシフトした方がいいんじゃないかと、そういう考え方を持っていますから、これは考え方だけ申し上げたいと思います。
 ワーク・ライフ・バランスというのを、あと二分ありますから、これは質問しませんけれども、要望で、是非こういう仕事と生活の調和、とても大切なことです。
 茨城県の金融機関で、女性だけの店舗をつくる、出張所をつくる、これ二店やっています、四人だけのお店。そして、従業員あるいは行員とか、行員の奥様に赤ちゃんが生まれたときには、三人目が生まれたら百万円、四人目が生まれたら二百万円、そして五人目が生まれたら三百万円ということで出産祝い金を支給するといった取組をやっています。その子供たちが高校に入ったら奨学金として一月七千円、大学に入ると一月一万円ということで、これは返却義務のない奨学金を制度化している、こういう金融機関もあるわけです。茨城県で八十三の支店、茨城県信用組合という、名前は別に問題ないと思いますけれども、やっぱり是非このワーク・ライフ・バランス、こういうことも少子化対策の中では大変重要な課題であると思いますが、要望して、これはちょうど時間が来ましたので終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#141
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
 対馬について質問いたします。
 平成十七年三月には、慶尚南道馬山市の市議会で、対馬の日、テマドの日条例が制定され、対馬が韓国領であることを宣言しています。今年七月には、韓国与野党国会議員五十名が、対馬返還要求決議案を国会に提出しています。
 官房長官、このような動きを政府はどのようにお考えでございましょうか。
#142
○国務大臣(河村建夫君) 山谷委員御指摘のとおり、二〇〇五年三月に韓国の馬山市議会が対馬の日を条例に制定した。しかし、韓国側の外交通商部、韓国の外務省でありますが、このような動きに対して自制を求めている論評を発出したことも承知をいたしております。
 また、本年七月二十二日に、韓国与野党の国会議員さん五十人が発議されまして、対馬の大韓民国領土確認及び返還要求決議案が提出され、八月二十九日に外交通商統一委員会及び行政安全委員会に付託をされたところでありますが、これまで審議はされていないと、このように承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、政府としては、対馬が我が国固有の領土である、また韓国政府も対馬を韓国の領土であると考えていない、これは明らかなことでございますので、この認識に基づきまして、引き続き、この対馬をめぐる状況に対しては注視をしながら適切に対応していきたいと、このように考えております。
#143
○山谷えり子君 そうしますと、平成十七年のこのテマドの日、あるいは国会に提出されたこのときに何か対応はなさったんでしょうか。
#144
○国務大臣(河村建夫君) これに対して政府側が特に、これは、この対馬は我が国固有の領土であるということはもう明確なことであるし、韓国側もそれを認めている状況でありますから、このことに対して特に韓国に対して即対応しているということではありません。
 また、もちろん韓国側からも、韓国側もこれに対して自制のメッセージを発したということを承知いたしましたので、それ以上のことはいたしておりません。
#145
○山谷えり子君 私は、超党派八十三名の議員が所属している日本の領土を守るため行動する議員連盟の会長をしております。ここのところ勉強会を積極的に開いております。対馬の市長や市議の方とも意見交換をしております。
 韓国資本が対馬で大規模な土地買収を行っているとメディアでも報道されていますが、自衛隊基地の隣、平成二年、天皇皇后両陛下が行幸啓された際に建てられた記念碑のあるところまでもが買われています。近々視察に行くつもりですけれども、密入国が可能な場所も多いと聞きます。自衛隊員独身寮の両側も買われていたりするといいます。風光明媚な場所ではなく、不思議なところが外国資本に買われていく。自衛隊の動きが監視されているおそれがあるとの声も上がっています。
 官房長官、こうした、どこがどう買われているか、あるいは密漁などもございます、実態調査はされておられますでしょうか。
#146
○国務大臣(河村建夫君) 山谷委員御指摘のとおり、対馬の土地の一部を韓国の企業等が取得しておる、あるいは自衛隊基地の隣接地に韓国人旅行者向けと思われる宿泊施設が設けられている、このことは承知をいたしております。しかし、具体的にこの施設が外国資本であるものかどうか、こうした調査は今行ってはおりません。
 また、密漁の問題も御指摘があったわけでありますが、政府といたしましては、対馬周辺海域、これが韓国と隣接する重要な海域でもありまして、海上保安庁と水産庁の連携の下で、違法操業の実態把握を含む韓国漁船に対する厳格な監視、取締りに努めております。この結果、今年、対馬周辺の我が国排他的経済水域において違法操業を行っておりましたイカ釣り漁船あるいははえ縄漁船等、韓国漁船四隻を拿捕したと、こういう事実がございます。
#147
○山谷えり子君 官房長官は、日本の安全保障面から国として当然考える必要があると語られておられますけれども、ということは今後実態調査をなさろうということでございますか。
#148
○国務大臣(河村建夫君) 基地の警備を含めて自衛隊の部隊の運営は適切に運営をされておるわけであります。それ以外、その他、外国人等による対馬の土地の取得を制限する必要性、現時点ではそのような事態は生じてないという認識でございます。現時点で、対馬の土地の外国人等による取得状況の詳細を今時点直ちに調査する予定はございません。
#149
○山谷えり子君 そうすると、安全保障面から国として当然考える必要があるとおっしゃられたのは、どういう部分を想定しておっしゃられたんでしょうか。
#150
○国務大臣(河村建夫君) これは、具体的な動きが出た、我が国にとって、我が国の安全保障上、具体的なそうした行動があるということが起きれば、当然考えなきゃならぬ問題であると思います。
#151
○山谷えり子君 具体的なことがあったら怖いので今質問をさせていただいているわけでございます。まず、実態調査等々、また自衛隊の人々の声、島民の声、ヒアリングなどもしていただきたいと思います。
 国境、特に領土主張に争いがある地域では、外国資本進出への規制や土地買収の規制を盛り込んだ安全保障の観点からの新法を検討していく必要があると思います。例えば、韓国では外国人土地法というのがありまして、軍事施設など大統領が定めた地域を外国人等が取得する場合、市長などの許可を受けなければならないという法律があったり、メキシコでも憲法によって国境付近における外国人の土地取得を制限しています。憲法二十七条で、国境に沿って百キロメートル、海岸では五十キロメートルの幅の中では理由のいかんを問わず、外国人は土地及び水の直接の支配権を取得することはできないとあります。ほかにも、ロシアでは土地基本法、ペルーでは憲法で国境地帯などの外国人の土地取得に規制を掛けています。
 領土の保全、安全保障、定住環境の整備、経済振興、産業振興のために、対馬市が独自に国境対馬振興特別措置法、通称防人の島新法の原案を作成しております。
 我が国の防衛上重要なところが買われていく、島の防衛、それから経済振興策について、官房長官はどのようなお考えを持っておられますか。
#152
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘の点でございますが、特に対馬の振興の問題、これは非常に大事なことであるという認識でございます。地元からの要望もございますので、ハード、ソフト両面にわたって離島振興政策、これは積極的に行わなきゃならぬ。土地が買われる、生活の面からそういうものが手放しやすい状況下にあるんではないかと、このような御指摘もございます。
 そういうことを考えますと、対馬の振興におきましては、離島振興法で道路、港湾、水産基盤等の産業基盤、あるいは生活基盤の推進をしておるわけでありまして、平成二十年度当初予算におきましても、全国の離島地では三番目となります約五十七億円、伊豆諸島、佐渡島に次いで五十七億円の予算を確保して離島振興に努めておるところでございます。
#153
○山谷えり子君 島民は、日本から見放されていると感じ孤立感でいっぱい、過疎化でかつての活気が失われていると語っております。今官房長官がおっしゃられた離島振興法などの枠を超えた新法の検討が必要ではないかと思います。
 つまり、国防等に関する機関の設置や防衛上の買上げ制度づくり、つまり防衛上大切なところは国が買い上げることができるというような制度づくり、外国資本による土地の買収規制、産業や観光、人材育成に対する特別措置などの、要するに枠を超えた、安全保障の面をしっかりと見据えた新法の検討でございますが、どのようにお考えでございますか。
#154
○国務大臣(河村建夫君) 現時点で、今の現時点の離島振興法に基づいて対馬の振興をやっておるわけでございますが、今御指摘のような点をどのように具体的に移していくかということ、これは自衛隊の施設、増員等も考えられるわけでありますが、防衛大綱において、財政事情非常に厳しい中ではありますが、要員、装備、運用にわたる効率化、合理化を図れと、こう言われて、全体としては自衛隊の要員、装備、削減状況にあるわけでありますが、しかし、この中においても、対馬の位置的な重要性、これにかんがみても、陸海空の三自衛隊が必要な部隊が置かれている現況もございます。
 そして、先ほど来御指摘もございました、対馬の土地が外国人による取得があるということ、現時点で自衛隊の部隊の運営にそれが直接的な影響を受けているという認識はございませんけれども、しかし、そうした観点からも制限をする必要が今あるかどうかについて、現時点でその必要性はないということは申し上げたのでありますが、しかし、対馬の地域的な重要性ということは絶えず頭に置いておかなきゃいけない課題だと、当然そのように思っております。
 そういう意味で、対馬の経済振興、地域振興、これからについても一定の対策を行っているわけでありますが、新たな法律をもってやるかどうか、これはこれからの検討課題だと思いますが、対馬の振興については、やはりハード、ソフト面、離島振興政策、これは積極的に取り組む必要がある、このように考えております。
#155
○山谷えり子君 是非、実地調査をしていただきたいと思います。何かがあったらなんていうふうな、安全保障面のことを考えるときはというふうにおっしゃられましたが、自衛隊の基地の横が買われていて、その横は海になっているわけですね。つまり密入国できる。あるいは、自衛隊員の独身寮の両わきが韓国資本で買われていると。これ一体どういう意味かというようなことを是非見ていただきたいと思います。
 ほかの島と違いまして、馬山市の市議会が対馬の日条例で対馬は韓国領だと言っているとか、あるいは、与野党の韓国の国会議員五十名が対馬返還要求決議案を国会に提出しているというような、極めて、領土問題や安全保障の問題に絡められてこのようなことが起きているのであればというような視点から是非取り組んでいただきたいと思いますが、最後にもう一度御所見をお伺いしたいと思います。
#156
○国務大臣(河村建夫君) 対馬の日韓の間にある重要な島であるということの認識は、これは大事なことだというふうに思います。
 今御指摘の点も踏まえながら、一連のそうした動きは十分注視をしながら、しかし対馬が固有の領土であることはお互いの国同士できちっと認め合っていることでもありますから、そうした動きについてはもちろん注視はしっかりしなきゃいかぬと、このように思いますけれども、日韓間においてこうしたこの対馬における領土問題は一切ないという基本的な考え方に立っておることも事実でございます。
#157
○山谷えり子君 是非緊張感を持って、安全保障の面から国として当然考える必要があるとおっしゃられた官房長官のお言葉に期待し、今後の行動をよろしくお願いしたいと思います。
 続いて、拉致問題でございます。
 八月の日朝実務者協議では、再調査を可能な限り秋には終了すると北朝鮮はしておりましたが、いまだに調査に着手しようとしておりません。平成二十年十月十五日に、拉致問題対策本部は、今後の北朝鮮側の対応等を考慮しつつ、更なる対応措置について検討すると言われました。
 先日、拉致被害者市川修一さんのお母様のトミさんが九十一歳で御逝去されました。申し訳なく、本当に残念なことでございます。官房長官は記者会見で、拉致被害者家族に御高齢の方が多く問題解決が待ったなしの状況だと強く認識している、取組を加速しなければならないとおっしゃられたと聞いております。
 現在、外為法十条、五十二条によって北朝鮮からのすべての品目の輸入禁止措置を講じていますが、輸出に関して言えば、大量破壊兵器関連品目、ぜいたく品に禁止品目は限られています。中古自転車、中古家電製品などは大量に輸出されております。現在の輸出の主な品目、分量、金額について教えていただけますでしょうか。
#158
○政府参考人(原雅彦君) 我が国から北朝鮮への輸出の状況でございます。
 昨年、平成十九年で十億七千万円となっておりまして、これは制裁措置前の平成十七年と比べますと八四・四%の減という状況でございます。さらに、直近、本年の一月から九月までの間でございますけれども、これが六億四千万円でございます。これも前年、昨年同期と比べまして一八・五%の減でございます。
 この直近の一月から九月までの輸出実績を主な品目別で金額の多い順に申し上げますと、最も多いものが輸送用の機器、これが八千九百万円です。次いで電気機器、六千二百万円、次いで一般機械、五千四百万円、次いで鉄鋼製品、四千六百万円というような具合になってございます。
 さらに、今申し上げました主な品目の内訳を申し上げますと、輸送用機器につきましては、そのほとんどの八千七百万円、これが中古自転車でございます。輸送用機器の九八%を占めているということでございます。また、電気機器のうち家庭用電気機器が三千六百万円、さらにそのうち中古の冷蔵庫が三千万円ということで、中古の冷蔵庫が電気機器全体の四八%を占めていると、こういう状況でございます。
#159
○山谷えり子君 現在、北朝鮮のミサイル、大量破壊兵器関連十五団体、一個人との送金、金融取引を禁止しています。金融取引停止団体リストに更に追加するべき団体があるか、政府は調査しておられますでしょうか。
#160
○政府参考人(小原雅博君) お答え申し上げます。
 二〇〇六年の七月五日の北朝鮮によりますミサイル発射を受けまして、国連安保理決議第一六九五が採択されたわけでございますが、この決議では、北朝鮮に対しましてミサイル関連活動の停止や六者会合への即時無条件の復帰等を求めるとともに、すべての国連加盟国に対して、北朝鮮のミサイル又は大量破壊兵器計画に関連する資金の移転防止等を求めております。
 日本といたしましては、この決議を踏まえまして、資金移転の防止措置の対象者につきまして関係省庁間で鋭意検討して、外国政府より得られた情報及び我が国がこれまでに入手した情報を総合的に勘案いたしまして、北朝鮮のミサイル又は大量破壊兵器計画に関連すると認められました十五団体、一個人、ただいま先生がおっしゃられたとおりでございますが、これを本措置の対象者として指定しております。
 今後、更にこれに追加してやるのかどうかということにつきましては、我が国が得た情報等に基づきまして、北朝鮮のミサイル又は大量破壊兵器計画に関連すると認められる団体又は個人が特定された場合には、これを追加指定するということになるわけでございます。
#161
○山谷えり子君 更なる追加制裁、例えば全面輸出品禁止措置や、更なる金融取引の禁止措置など、官房長官は追加措置としてはどのようなことをお考えでございますか。
#162
○国務大臣(河村建夫君) 日本が対北朝鮮にとり得る措置の在り方、これは政府としても不断の検討を行っておるところでございます。
 いずれにいたしましても、実際の対応ということになりますと、拉致、核、ミサイルといった諸懸案に対する北朝鮮の対応、あるいは六者会合、国連安保理等における国際社会の動き等も踏まえながら総合的に判断をするという方向でおるところでございます。
#163
○山谷えり子君 残念ながら、アメリカによるテロ支援国家指定が解除されてしまいましたが、それを契機として国際機関が北朝鮮に対して援助に踏み出すかもしれないとの懸念も起きています。IMFや世銀、アジア開発銀行などが北朝鮮の援助に回ってしまっては、日本の取組の効果が薄くなってしまいます。
 北朝鮮は加盟メンバーではないのでそのようなことはないと思いますが、そのような理解でよろしいんでしょうか。
#164
○政府参考人(門間大吉君) IMF、世銀、アジア開発銀行におきましては、加盟していない国に対しまして融資あるいは資金の援助を行うことはできないという規定になっております。
#165
○山谷えり子君 拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律の第七条では、「国際開発金融機関等の国際機関に対する適切な働きかけを行わなければならない。」と規定されているところでございますが、場合によっては、より具体的な国際機関、国際開発金融機関への働きかけを検討していくことも大切な場面が出てくるかもしれません。また、より踏み込むための議員立法の改正案も考えていかねばならないと。あした、自民党の拉致問題対策特命委員会の総会を開きたいと考えているところでございます。私は事務局長をやらせていただいております。
 現在、日本政府は短波放送「ふるさとの風」を北朝鮮に向けて行っていますけれども、どんな内容でやっていらっしゃいますか。
#166
○政府参考人(中村耕一郎君) お答え申し上げます。
 現在実施しています北朝鮮向けのラジオ放送につきましては、三十分間の日本語番組「ふるさとの風」及び韓国番組「日本の風」を毎日各三回、計三時間程度、内容を週替わりで放送しております。日本語番組の「ふるさとの風」の番組内容は、拉致被害者の方々に対する御家族、友人、知人等からの呼びかけや励ましのメッセージ、政府、拉致被害者御家族、関係団体等の拉致問題に関連する取組や動向、拉致問題に関連する日朝関係や北朝鮮情勢等に関する時事情報及びニュース解説、日本の季節や地域の話題、被害者の方々にゆかりのある懐かしい音楽などで構成されております。
#167
○山谷えり子君 金正日氏の健康状態について情報が錯綜しています。北朝鮮にある外国の大使館、二十三か国と思いますが、北朝鮮情勢に関する意見交換等行っておられますでしょうか。
#168
○政府参考人(小原雅博君) お答え申し上げます。
 我が国は、北朝鮮情勢につきまして、平素より北朝鮮に大使館を設置しております例えばイギリス、ドイツ、中国、ロシア等を含めまして、様々な国との間で意見交換を行ってきております。
 個別具体的なやり取りにつきましては相手国政府との関係もありますので差し控えいたしますが、北朝鮮内部の状況や拉致被害者に関する情報を収集する努力を行うと同時に、拉致問題を含みます諸懸案の解決に向けた働きかけを各国に対し要請してきております。
 御存じのとおり、北朝鮮、極めて閉鎖的な体制を取っております。これはもう委員御案内のとおりでございますが、引き続き、関係省庁とも連携しつつ、拉致問題を含む諸懸案の解決につながるよう、必要な情報の収集に努めていく考えでございます。
#169
○山谷えり子君 私は、平成十八年四月に政府拉致問題担当政務官として、アメリカ下院での公聴会、ブッシュ大統領と横田早紀江さんとの面談をサポートしました。公聴会は熱を帯び、早紀江さんの証言を聞きながら涙を流すアメリカの国会議員もおられました。
 来年一月にオバマ新政権が発足しますが、新政権や米国国会議員との連携は拉致問題を解決する上で大切でございます。NGOとの連携も大切でございます。定期的に拉致事案についての情報を官房長官に上げる仕組みは現在どうなっておられますでしょうか。
#170
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘の点でございます。非常に大事な指摘だと思います。
 政府といたしましては、平成十八年の九月に、御案内のように内閣に内閣総理大臣を本部長とする拉致問題対策本部、設置をされた。そして、その本部の事務局に情報室がございます。設置をいたしました。そこで拉致問題に対する情報の収集を行ってきておるところでございます。現時点におきましても、前担当大臣でありました中山恭子氏を補佐官にして情報の連携を図っておるところでございます。その上で、今、情報の収集を事務局が中心になりまして、各関係省庁とも緊密に連携をして、政府一体の中で諸外国との緊密に連絡も取り合っているという状況でございます。
 今、政府委員からもございましたように、北朝鮮と国交のある国々に対する、大使館持っておりますから、そういう国々との密接な連携も必要でございます。先般も中山補佐官は、ドイツ、イギリス、ロンドン、それからベルリン等にも行っていただきまして、情報収集等もいただきました。そういうことで、その都度、今御指摘のように、適時私のところに定期的に上がる仕組みはできておるわけでございます。
 ただ、この内容等をなかなかオープンにできない部分が非常に多い、相手国側との関係もございまして。そういう点で見えにくい点があるかと思いますけど、この仕組みはきちっとできているということは申し上げておきたいと思います。
#171
○山谷えり子君 先日、ソウルで北朝鮮脱北者や拉致・人権問題の議論のため多くの国々から国会議員、NGOの関係者が集まりました。私も参加いたしました。年々連携と理解が深まっているところでございます。官房長官には、今後、更なる積極的な取組を期待いたします。
 ありがとうございました。
#172
○委員長(愛知治郎君) 河村官房長官は退席されて結構です。
#173
○山谷えり子君 現在、仁徳天皇陵が世界文化遺産登録申請、検討されているようでございます。国内候補地リスト入りが決定という報道がございました。
 私も、先日、堺市の仁徳天皇陵に参りました。仁徳天皇陵は陵墓であり、単純な観光地ではありません。現在、天皇陵が文化財保護指定を受けていないのは、宮内庁が陵墓として尊厳を保つ形で適切に管理しているからだと聞きました。そのような適切な形、つまり陵墓としての尊厳、静ひつさを守ることが第一と考えます。
 平成二十年九月二十六日に文化庁が発表した「我が国の世界遺産暫定一覧表への文化資産の追加記載に係る調査・審議の結果について」でも、作業方針において、求められる世界遺産の構成資産としての適切な保存管理をどのような形で担保するかについての考え方の整理や世界遺産一覧表への記載に係る審査、あるいは記載後の世界遺産としての保存管理状況審査等が陵墓の特性を十分に尊重して行われること等が必要であると記されています。
 そこで質問したいのですが、陵墓の特性を十分に尊重してとは具体的にはどのようなことだとお考えですか。文化庁、宮内庁、それぞれからお願いいたします。
#174
○政府参考人(高杉重夫君) 今先生御指摘のように、文化審議会の特別委員会は、百舌鳥・古市古墳群の暫定一覧表への記載に当たっては、世界遺産登録に係る審査などが陵墓の特性を十分に尊重して行われることが必要であるとしております。これは、具体的には、世界遺産の登録に係る審査などが現在の宮内庁による保存管理の在り方、これを尊重して行われることが必要であると、こういうことだろうと考えております。
 したがいまして、今後、私どもにおきまして、宮内庁などの関係機関と連携しつつ、ユネスコの世界遺産センターや文化遺産の審査を行いますICOMOS、これは国際記念物遺跡会議と申しますが、こういうところに対しまして世界遺産の登録に係る審査などが陵墓の特性を尊重して行われるということについて確認をしてまいりたいと思っております。
#175
○政府参考人(鈴木武君) お答え申し上げます。
 陵墓は、その静安と尊厳の保持を最も重要なこととして宮内庁が管理申し上げておりまして、文化財保護法による文化財の指定の必要がないことは文化庁とも共通認識となっております。
 ただいま文化庁からも説明がありましたように、今回の世界遺産特別委員会の報告に際しても、文化庁からは、文化財指定を行わず世界遺産登録を目指すものであって、世界遺産登録に係る審査なども宮内庁による保存管理を尊重して行われることが必要という説明を受けておりまして、いわゆる発掘など、陵墓の静安と尊厳を損なうような調査は行われないものと考えております。
#176
○山谷えり子君 そうしますと、文化財保護行政に組み込まれて発掘実態調査というのはしない、あるいはICOMOSが発掘調査をしろと言った場合には申請を取り下げるとか、どういう場面でどのようなことが考えられるか、もう少し詳しく御説明いただけますか。
#177
○政府参考人(高杉重夫君) 先ほど申し上げましたように、私ども文化庁におきましては、これからユネスコの世界遺産センターとか、それからICOMOS、国際記念物会議に対して、審査等が陵墓の特性を尊重して行われることという確認を行ってまいりたいと思っております。
 したがいまして、この確認ができないということ、まず確認が私どもこの暫定一覧表への掲載の前提だと、そういう理解をしております。
#178
○山谷えり子君 そうしますと、世界遺産登録へのタイムスケジュールというのはあらかた分かっておいでですか、今。
#179
○政府参考人(高杉重夫君) 世界遺産への登録というのは、ユネスコに提出をしております暫定一覧表というのがございます、この暫定一覧表に記載されている物件の中から順次政府として推薦を行って審査を受けるということになっております。
 先ほど先生御指摘のありました本年九月二十六日に取りまとめられました調査結果というものにつきましては、これは暫定一覧表への掲載につきまして現時点で世界遺産にふさわしい価値を持つ可能性が高いと認められたもの、これが百舌鳥・古市古墳群など五件ということで整理をされたものでございます。
 ただし、この仁徳天皇陵を含みます百舌鳥・古市古墳群につきましては、陵墓を主要な構成資産としておるということがございます。そして、世界遺産としての適切な保存管理をどのような形で担保をするのかについての考え方の整理、それから世界遺産に係る審査等が陵墓の特性を十分に尊重して行われることの確認を行うなど一定の整理ができた段階で暫定一覧表に記載すべきだとしておりますので、まずはこの十分な整理ということをやっていくことが必要だと思います。という状況にあるということでございます。
#180
○山谷えり子君 そうしますと、陵墓の特性を十分に尊重してという整理、確認が行われなければそれ以上に進んでいくことはないと。丁寧に丁寧にやっていくということでございますね。
#181
○政府参考人(高杉重夫君) その確認を終えてから暫定一覧表に掲載ということになると考えております。
#182
○山谷えり子君 世界遺産登録の意義というのを教えてください。
#183
○政府参考人(高杉重夫君) この世界遺産、これは我が国のやはり貴重な文化遺産、これを人類全体の遺産として世界遺産に登録をするというこのこと、これは日本の文化を世界に向けて発信をするということがございます。それとともに、我が国の文化を改めて我々が認識をして、歴史と文化を尊ぶ心を培うということになります。また、それぞれの地域においても、地域の文化遺産を誇りとし、それを守り伝えていくということにもつながるもので、極めて有意義であると考えております。
 したがって、文化庁としては、現在まで、できるだけ多くの我が国の文化資産というものがユネスコの世界遺産として登録されるよう努力してまいってきたということでございます。
#184
○山谷えり子君 仁徳天皇陵は単なる文化財、遺跡、観光地ではございません。今日においても祭祀の継承を通じて、生きている祭場、生きた陵墓でございます。今日まで綿々として伝わってきた皇室の中心であられる陵墓、敬けんな祈りにより今日の陵墓があるわけでございまして、発掘や調査はなじまないというふうに考えております。
 現在の管理体制は万全でございましょうか。
#185
○政府参考人(鈴木武君) お答え申し上げます。
 陵墓は、現に皇室において祭祀が継続して行われ、皇室と国民の追慕尊崇の対象であり、その静安と尊厳の保持が最も重要と考えております。
 そして、宮内庁といたしましては、陵墓監区事務所というものを全国に配置をいたしまして、仁徳天皇陵につきましても、職員を配置してその管理に当たっているところでございます。
#186
○山谷えり子君 提出資料の中に、教科書のちょっと三枚ほどペーパーを用意させていただきましたが、大山古墳としか記述していない教科書もあります。宮内庁は、名称を百舌鳥耳原中陵とホームページで記し、仁徳天皇陵とも記しています。
 宮内庁としては仁徳天皇陵と考えている、そういう理解でよろしいでしょうか。
#187
○政府参考人(鈴木武君) 宮内庁では、皇室典範第二十七条の規定に基づき、天皇陵に関する事項は陵籍に登録しております。第十六代仁徳天皇陵の御陵につきましては、追号、仁徳天皇、陵所、御陵の所在地でございますが、大阪府堺市大仙町一〇七九番地、そして陵名、御陵の名称は百舌鳥耳原中陵と登録申し上げております。
 宮内庁では、ホームページなどで分かりやすくお知らせする場合には仁徳天皇陵と申し上げていることもございますが、法律に基づき陵籍に登録申し上げている名称は百舌鳥耳原中陵でございます。
#188
○山谷えり子君 この教科書で、東京書籍は、大仙古墳、全長四百八十六メートルある前方後円墳で、世界最大級の墓と書いてあります。次の日本文教出版は、大山古墳、面積では世界一の墓で、これを造るには一日当たり千人もの人が十五年以上も働き続けるほどの人手が必要でしたと書いてあります。次の光村図書には、大山古墳、仁徳天皇の墓と伝えられるこの古墳は、日本最大、長さ約四百八十六メートル、幅約三百五メートル、一日当たり約千五百人が働いたとしても十五年以上掛かると考えられていますと。
 私は、これを読みましたときに、私自身が習ったものと随分違ってきてしまったんだなというふうに感じております。私はあの仁徳天皇陵を習って、そしてまた、「高き屋にのぼりて見れば煙たつ民のかまどはにぎはひにけり」と。つまり、本当にみんなが飢えて困っているときに、仁徳天皇様は三年間税を免除して、そして三年後にまた見に行かれたら、みんなのかまどがにぎわっていて、ああ良かったと、本当に日本は大きな家族なんだと。本当に平和を願い、むつみ、和らぎ、徳を高め、勤め励んで、文化の国、道義の国、平和の国をつくってきた、何か温かい日本の国柄を直感したような記憶があるんですけれども、今の教科書からはそのようなことが全く理解することができなくて、非常に寂しい感じがいたします。
 また、仁徳天皇陵、先日足を運んだとき、堺市が作っている説明の看板も実にそっけなくて本当に寂しい思いがしたんですけれども、このような状況についてどうお考えですか。
#189
○政府参考人(徳久治彦君) ただいま仁徳陵の古墳の件につきましての教科書記述についてのお尋ねでございますけれども、現在学校で使用されております教科書の場合は、今委員の御指摘のありました、御配付いただいている資料でございますけれども、大山古墳という記述と併せて仁徳陵なり仁徳陵古墳なり仁徳天皇陵古墳ということを併記しておると、こういうような教科書がほとんどでございます。ただ一部に、今委員の御提示のありました教科書もそうでございますけれども、大山古墳とだけ書かれている教科書もあるのも事実でございます。
 この記述につきましては、教科書は御案内のように教科書検定審議会において審議を行って教科書として使用されるものになるわけでございますけれども、教科用図書検定調査審議会において学術的、専門的な審議を経てこの記述が認められているというものでございます。
 委員御案内のように、歴史教科書の検定につきましては、国が特定の歴史認識、歴史事実を確定するという立場に立って行うものではございませんで、申請のあったそういう教科書の具体的な記述について、検定の時点における客観的な学問的成果や適切な資料等に照らしまして記述の欠陥を指摘することを基本として実施しているものでございまして、申請図書の内容に明らかな誤りがある場合等々につきまして検定の意見を付して修正をお願いすると、こういうことに相なっているわけでございます。
 この記述でございますけれども、教科書のこの部分の記述についても、教科書検定の手続において、申請内容について調査審議を行いました教科書の検定審議会におきまして、近年の考古学的な学説の状況を踏まえまして、検定意見を付せずにこのような記述になっているところでございます。
#190
○山谷えり子君 陵墓としての尊厳、静ひつさを守ることを第一に、そして、世界文化遺産登録申請に当たりましては、陵墓の特性を十分に尊重しながら行っていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
 平成の御代になってから二十年、御即位されて二十年、天皇皇后両陛下は、四十七都道府県、日本全国をすべて行幸なさり、国民一人一人の幸せを願ってこられました。また、被災地域には、現地を訪ねられて励まされてこられました。国民と苦楽を共にすることをいつも願われてこられました。陛下御在位二十年、本当に喜ばしく、うれしいことでございます。
 政府は、御在位十年の際の記念行事としてはどのような行事をしましたでしょうか。
#191
○政府参考人(武川光夫君) お答え申し上げます。
 政府といたしましては、天皇陛下が御在位満十年を迎えられました平成十一年には、両陛下の御臨席を仰ぎ、三権の長や各界の代表者の御出席の下、同年十一月十二日に、国立劇場におきまして内閣主催の天皇陛下御在位十年記念式典を開催いたしたところでございます。
 またあわせまして、各省庁におきましても、御在位十年を記念いたしまして多くの慶祝事業を行ったところでございます。例えば、記念貨幣、記念郵便切手の発行、新宿御苑などの公園、国立科学博物館等の国立博物館・美術館の無料公開、皇居前広場、こどもの国などにおける記念植樹、記念公文書、記念美術品などの特別展示、記念国際シンポジウムの開催等でございます。
#192
○山谷えり子君 では、陛下御在位二十年として政府としての取組状況をお聞かせください。
#193
○政府参考人(武川光夫君) 政府といたしましては、さきに申し上げましたように、天皇陛下の御在位の十年の年に記念式典を行ったことも踏まえまして、御在位満二十年を迎える明年平成二十一年に記念式典を行う方向で宮内庁及び関係各方面と連絡を取りながら、現在、検討準備をしているところでございます。
 具体的には、本年十月に内閣官房及び内閣府に天皇陛下御在位二十年記念式典連絡準備室を発足するとともに、各省庁との打合せ会議を開催いたしまして、各省庁における記念慶祝行事等についての検討依頼を行って、準備を開始したところでございます。
#194
○山谷えり子君 政府としてもしっかりお進めいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 次に、公益認定法人制度について質問いたします。
 平成十八年六月に法改正され、来月から新しく施行されようとしている公益認定法人制度は、申請書が複雑過ぎて困難との声が多いです。この申請書類ですけれども、四十ページぐらいあって、もう本当に細かいことをいろいろ書かなければならない。問い合わせも多いと思いますけれども、内閣府としてはどのようなサポート体制、現在取っておられますでしょうか。
#195
○国務大臣(野田聖子君) 来月、十二月一日から全面施行されることになっております新たな公益法人制度は、民による公益の増進を目指すものでありまして、これまでの主務官庁の許可制による裁量判断を改めて、公益認定の基準を明確に法定するとともに、公益性の認定を国、都道府県の民間の有識者により構成される合議制の機関、国においては公益認定等委員会というわけですけれども、客観的にかつ公正に判断していく方式に改められることになりました。
 この新制度の下で、今御指摘がございましたけれども、手続の内容につきましては、これまでも法人関係者から質問等にきめ細かく対応するために、まず面接や専用電話による相談を行っております。そしてさらに、法人関係者を対象とした説明会を都道府県ごとにそれぞれ一ないしは二回にわたり開催し、申請者のサポートを積極的に行わさせていただいてまいりました。また、新制度の趣旨や申請手続を幅広く御理解いただかなければならないので、パンフレットの作成をし配布をさせていただいておりますし、分かりやすく解説をいたしました申請の手引を作って公表しています。また、ホームページを見ていただいても、よくある質問にお答えができるようになっていまして、精いっぱいサポート体制、制度の普及啓発に努めているところです。
 もう一点、別の角度から申し上げますと、電子申請をしていただきますと、財務、会計の申請処理が自動計算される機能を持っているので簡易な手続ができるということも可能になっておりまして、これもサポート体制の一つとして御推奨しています。
 いずれにしましても、これからも新公益法人制度の円滑な施行については積極的にサポートに努めてまいりたいと思います。
#196
○山谷えり子君 特に、慰霊団体に関することを質問したいと思います。
 日本のため尊い命をささげられた戦没者に対する慰霊はとても重要、大切なことでございます。戦没者慰霊諸団体は国と協力し慰霊事業を遂行してくださっており、誠に尊く、感謝でいっぱいでございます。
 そこで質問したいのですが、お手元に資料があると思います。公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第二条第四号別表というものなんでございますけれども、これ公益目的事業を二十二種類掲げておりますが、戦没者の慰霊顕彰というのは入っておりません。戦没者の慰霊顕彰はこの表のどの項目に分類されますでしょうか。
#197
○国務大臣(野田聖子君) 先ほど答弁申し上げたとおり、そもそもこれは公益認定等委員会が、民間の団体がしっかり判断をされるということが前提であります。
 ただ、今先生がおっしゃった一から二十二というのは、これまである、現在ある公益法人がすべて中に含まれるような形で作られているものですから、今ある公益法人というのは一から二十二のいずれかに必ずフィットするというか、含まれるように定めているところです。
 くどいようですけれども、最終的には、この公益認定等委員会の判断になるわけですけれども、私としますと、御指摘の戦没者の慰霊顕彰事業につきましては、これまでの具体的な目的や内容をかんがみますと、十八号の国政の健全な運営の確保に資することを目的とする事業に該当する可能性があると考えております。
#198
○山谷えり子君 それに分類されるのではないかということでございますが、国民の戦没者慰霊に対する思いを深め、意識を啓発するためにも、戦没者の慰霊顕彰を目的とする事業が一項目として政令等に明示されるよう要望したいと思います。
 具体的には、この二十三のところに、前各号に掲げるもののほか、公益に関する事業として政令で定めるということで、政令で戦没者の慰霊顕彰を目的とする事業というのを明示していくというのはいかがなものでございましょうか。
#199
○国務大臣(野田聖子君) 繰り返しになって恐縮ですけれども、一号から二十二号の中でしっかりと今ある公益事業については読み込めるように仕組みをつくっておりまして、今のところは二十三の政令ということについては考えておりません。
#200
○山谷えり子君 今日のところはその答弁かと思いますけれども、是非、前向きに戦没者の慰霊顕彰という本当に大切なことを一項目として明示するように考えていただきたいと思います。
 戦没者の慰霊顕彰事業といった国家的、社会的重要な活動への支援、国としてもしっかりと心を込めてやっていただきたいと思いますが、大臣の御所見、いかがでございましょうか。
#201
○国務大臣(野田聖子君) まさに、山谷先生がおっしゃるとおりでございます。
 この新しい公益法人制度というのは、これまでの問題点、役所の裁量権に基づいて大変不明瞭であった、そういうことを片付けるとともに、やはり民間の非営利部門の活動を、今までもずうっと一生懸命取り組んでいただいたけれども、これからもより一層主体的に一生懸命取り組んでいただけるような、そういうことを目的としているところであります。
 実は、この判断をされる公益認定等委員会が四月十三日に審議の基本方針というのを出しておりまして、その中には、審議を甘くするということではなく、暖かくするというふうに書いてありまして、まさにその方向で進めてまいりたいと思っております。
#202
○山谷えり子君 尊い命をささげてくださった先人たちのおかげで今日の我々の暮らしがあることを一日たりとも忘れることはできません。美しい愛と命の糸を次の世代につなげていくのが、生かされている私たちの使命だというふうに思っております。
 ありがとうございました。
 続いて、大麻問題についてでございます。
 大麻による検挙が連日のようにニュースとなります。警察庁に、現状と、どのような対策を取っておられるのか質問いたします。
#203
○政府参考人(宮本和夫君) 大麻の取締り状況とその対応でございますが、本年十月末現在の大麻事犯の検挙件数でございますが、これは二千九百八十七件、検挙人員で二千百五十二人と、過去最高の水準で推移をしているところであります。
 警察といたしましては、取締りの徹底を図るとともに、特に大麻事犯につきましては、初犯者でありますとか若年層の検挙人員が多いことから、乱用防止に向けた広報啓発活動を推進をしておるところでございます。
#204
○山谷えり子君 大麻取締法第三条は、「大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。」とあるが、使用は禁止されていない、また種の売買も禁止されていない。どのような理由で禁止できないんでしょうか。
#205
○政府参考人(岸田修一君) 今、大麻取締法で使用の問題、種子の問題についてお尋ねがございましたけれども、大麻の使用につきましては、密室あるいは人込みなどにおいて、第三者が吸飲したものを間接的に吸飲すると、こういったような場合がございます。また、大麻の種子でございますが、種子自体は有害な成分を含んでいないと。そしてまた、七味唐辛子やそれから小鳥のえさなどにも用いられて、国民生活に関係の深いものとなっていると。また、国際条約、これは麻薬、大麻を国際的に統制する条約がございますけれども、それにおきましても、大麻の使用あるいは種子、これにつきましては各締約国に取締りを求めていないと、こういう状況。そして、多くの先進諸国もその使用、それから種子についての取締りの規定を設けていないと、こういう事情などがございます。
#206
○山谷えり子君 これまではそれでよかったのかもしれませんが、今は本当にインターネットで簡単に大麻の種を買えるという現状があります。そしてまた、使用に関するこの規定は大麻農家のことを考えてというふうに聞いておりますけれども、大麻農家は登録数たった六十一件で、こういうことも役所として把握されているわけですから、使用禁止にも踏み込めるのではないか等々いろいろな意見があるわけでございますけれども、それも含めてもう一度御答弁いただけますか。
#207
○政府参考人(岸田修一君) まず、大麻の使用の前段階として大麻の譲受けあるいはその所持というものがあるわけでございますので、譲受罪あるいは所持罪と、こういったもので罰則が設けられておりますので、そういったところでの取締りということが可能なわけでありますし、種子についても、不正栽培目的での種子の譲受け、譲渡、所持、これについては罰則が設けられてございますので、これらを最大限に活用して事件の摘発に努めると。現に、検挙につながっているところでございます。
#208
○山谷えり子君 種は観賞用ということを記すだけで法の網から逃れることができますし、何らか今の現状に即した法改正の検討ということを是非お願いしたいと思います。
 そしてまた、こういうネット販売を有害情報としては、規制というか、インターネット・ホットラインセンターのようなところが有害情報をパトロールで消しておりますけれども、それはできないんでしょうか。
#209
○政府参考人(岸田修一君) 第三次薬物乱用五か年戦略の中に大麻方策等の検討を行うと、こういうことがありますが、今先生の御指摘の中で、いろいろな取締り方策、例えば広告の問題、いろんな乱用を助長するような広告というのが現に行われているわけでございますが、そういった広告の制限規定というのも大麻取締法にございますので、そういったものにつきましてもいろいろ検討を進めていきたいと、こう思っております。
#210
○山谷えり子君 有害情報として指定して規制することはできないかという。
#211
○政府参考人(岸田修一君) 大麻取締法におきましては、大麻の研究目的でそういう研究関係の雑誌等に広告する以外の広告を禁止すると、こういう規定がございますので、そういう意味で、その広告内容がそういう目的に反すれば今先生の言われた有害と、こういうことに該当するんじゃなかろうかと、こういうふうに思います。
#212
○山谷えり子君 そうすると、インターネット・ホットラインセンターで有害情報として削除はしていないというか、そういうことですね、今は。あるいは、どのようにすれば有害情報に指定できるのかと。
#213
○国務大臣(佐藤勉君) 所管外になるかと思いますけれども、先生がおっしゃられる趣旨はよく理解をさせていただいております。
 この法律、もう数十年、六十年近くたつというふうに認識をしておりまして、そろそろいろんな意味で見直さなければいけないということに世論的にはなっているんではないかなというふうに思っておりまして、検討をしていかなければいけないということで、少しお時間をいただきたいというふうに思います。
 また、有害情報については、総務省の管轄ではありますが、この辺も総務省とよく相談をさせていただきながら、削除できるかできないかを検討させていただきたいというふうに思っております。
#214
○山谷えり子君 ありがとうございました。
 平成二十年八月に内閣府が発表した第三次薬物乱用防止五か年戦略の中で、警察庁、厚生労働省、法務省、海上保安庁、財務省といった関係機関の合同会議を開催して薬物乱用に対する取締りの徹底がうたわれておりますけれども、この合同会議はもう開催されたんでしょうか。
#215
○政府参考人(宮本和夫君) 現時点ではまだ開催をされておりません。これから開催をされるということでございます。
#216
○山谷えり子君 これだけ次々と事件が起きてきているわけでございますから、また今、佐藤国家公安委員長がやっぱり新たに検討していかねばならない事態ではないかというようなこともおっしゃられましたけれども、是非この合同会議をまず立ち上げるなりなんなりして、あるいはほかにも同時並行的にどのように対策に当たっていくのか、御決意をお伺いしたいと思います。
#217
○国務大臣(佐藤勉君) 各般にわたる事案でございますので、いずれにいたしましても、どこが中心になってということも含めてこれから検討をさせていただきたいというふうに思っております。
 一般的に大麻汚染が若者の間に広まっているという懸念は私どもも持っておりまして、興味本位で薬物の乱用を始めた者も見られるということもありまして、広報啓発運動を適切に推進するとともに、乱用者の検挙を強力に進めるよう警察に指導してまいりたいと思いますし、今先生がおっしゃられた趣旨等々を各般の担当とよく検討させていただきながら、ちょっと時間をいただいて検討させていただきたいということを申し上げたいと思います。
#218
○山谷えり子君 合同会議の開催に向けて、号令はすぐに掛けられるわけですから、すぐに号令を掛けていただいて、できるだけ早く合同会議が開かれますように。
#219
○国務大臣(佐藤勉君) なるべく開かれるように検討させていただきます。
#220
○山谷えり子君 私は、ライオンズクラブのウイメンズ部で麻薬、覚せい剤等々撲滅の啓発運動にもかかわっているわけでございますけれども、こういうような新しい状況に直面しながら啓発活動はどのように今行っているか、これから特に行おうとしていることがありましたらお教えください。
#221
○政府参考人(宮本和夫君) 薬物の広報啓発活動、従来から特に若年層などに向けて行っておるところでありますが、特に現在の大麻の取締りの中で大学生の検挙ということが報道などでも大きく取り上げられております。文部科学省などとも相談をいたしまして、大学生に向けた広報啓発活動などにもまた力を入れてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#222
○山谷えり子君 大麻についてはどのように教えられていらっしゃいますか。大したことないというようなことが若者たちの間で広まっているとかいろんな情報がありますけれども、大麻とはこういうものだというのはどういうふうに教えていらっしゃるのかということと、大学生だけではなくて、例えば小学校、中学校、高校、どのように教えていらっしゃいますでしょうか。
#223
○政府参考人(岸田修一君) まず、小中学校の段階で大麻というのは怖いものであるということをしっかり教える必要があるだろうということで、これまで小学校六年生の保護者に対して啓発読本を配付して、親から子供にしっかりと教育していただくと。それから、中学一年生には直接その啓発読本を配付しまして自分でしっかり読んでいただくと。それから、今後、高校生にもそういった啓発読本、そういったものを配付して啓発に努めていきたいと。
 あと、また、薬物乱用キャラバンカーというのがございまして、全国の学校に出向いていきまして、学校の生徒さんに対して麻薬取締官のOBあるいは警察官のOBがいろいろ経験談を踏まえながら有害なことにつきましてよく啓発をすると、こういったことも実施しております。
 そういったところを今後とも進めていきたいと思いますし、また大学生、大学に呼ばれて行くということも、これまでもやっておりましたが、そういったものも更により拡充していきたいと、こう思っております。
#224
○山谷えり子君 予算はどのぐらい使っていらっしゃるのかということと、その大麻を使うとどうなるかというのはどういうふうに教えていらっしゃるんですか、今。
#225
○政府参考人(岸田修一君) ちょっと予算のところにつきましては、今数字を持ってございませんので、後ほど先生にお渡ししたいと思いますが。
 大麻の有害性でございますけれども、量を多く取りますと幻覚を起こすと、こういうことでございますし、それから精神依存性がある、つまりやめられなくなると、こういったようなことがございます。場合によっては精神病になるというようなことも報告されてございます。そういったような情報をその啓発の中で示しているところでございます。
#226
○山谷えり子君 初犯が大変多くなっているということですけれども、時代がやっぱり変化してきていると。初犯はどのぐらい、二十代、三十代ではどうなっているかということをもう少し教えていただけますか。
#227
○政府参考人(宮本和夫君) 年齢でございますと、若年層と申しますか、三十未満の者が六割から七割を占めるという状況でございます。
 それから、初犯についてでございますが、初犯につきましては、要するに大麻で検挙されたものが初めての検挙であるというのが約八五%を占めておるという状況でございます。
#228
○山谷えり子君 やはり明らかに新しい時代に即した新しい対策というのが強くすぐに求められているんだというふうに思いますので、佐藤国家公安委員長にはよろしくお取り組みのほどをお願いいたしたいと思います。
#229
○国務大臣(佐藤勉君) これだけの社会問題になっていて何もしないというわけにはまいりません。国家公安委員会でも問題にされておりまして、これをやはり早急に検討するという議論もされておりますので、先生の御趣旨に沿った方向で検討させていただきたいというふうに今思っております。
#230
○山谷えり子君 どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#231
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 本日の質疑におきましては、二分自民党の方からいただきまして、ありがとうございました。二分いただきましても二十分しかございませんので、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 まず最初に、児童買春の温床ということで最近指摘をされております出会い系喫茶につきましてお伺いいたします。
 警察庁の方に伺いますが、出会い系喫茶についての認識並びに実態について、まずお答えいただけますでしょうか。
#232
○政府参考人(巽高英君) いわゆる出会い系喫茶といいますのは、店舗を設けまして、その店舗において、専ら、面識のない異性とのいっときの性的好奇心を満たすための交際を希望する者に対して、対面しての会話の機会を提供することによって異性を紹介する営業と、このように考えているわけでございますが、これにつきましては、平成十九年末現在の数字でありますが、十五都道府県の都市部の歓楽街を中心に七十七店舗を把握していると、こういう状況でございます。出会い系喫茶につきましては、十八歳未満の青少年が店舗に自由に立ち入り、児童買春の温床になっているというような指摘もあるところでございまして、少年の健全育成の悪影響が懸念される営業であると認識しております。
 そうしたことで、警察では、関係法令を積極的に活用した取締りを実施し、出会い系喫茶の営業者に対して、青少年の営業所への立入り制限など、児童買春事犯防止のための自主規制措置をとるように働きかけを行っているところでございまして、今後ともこうした取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。
#233
○山本香苗君 そこまで聞いていないんですが、まず、出会い系喫茶が児童買春に絡む事件の件数はどれぐらいでしょうか。
#234
○政府参考人(巽高英君) 出会い系喫茶の利用を契機といたしました児童買春事件の検挙でありますけれども、平成十九年は十九件、平成二十年、これは一月から八月末までの数でございますが、十九件ということでございます。
#235
○山本香苗君 ということは、検挙件数を今おっしゃられましたけれども、実態はまだもっと多いという御認識でしょうか。また、増加傾向にあるという認識でよろしいでしょうか。
#236
○政府参考人(巽高英君) これは私どもが検挙した件数ということでありますので、当然暗数、検挙できなかったもの等もあるだろうというふうには考えております。
 それから、この数字につきましては、平成十七年以前の数字については数字を持っておりません。そして、先ほど申し上げましたように、平成十九年は十九件の検挙、平成二十年は一月から八月でございますが、十九件の検挙という状況でございます。
#237
○山本香苗君 ですから、増加傾向にあるという認識ですねということを聞いているわけです。
 今、条例を改正して出会い系喫茶というものを自治体が規制していこうという動きがあるわけでございますが、この動きに関しまして国としてはどういうふうに御覧になっていらっしゃるんでしょうか。
#238
○国務大臣(佐藤勉君) 出会い系喫茶につきましては、神奈川県、京都府において、このような営業を規制するための十八歳未満の者の営業所への立入りを制限するなどを内容とする青少年保護育成条例の改正を行ったほか、その他一部の自治体においても改正することを検討しているものと伺っております。
 こうした条例の改正につきましては、地域の特性を勘案して出会い系喫茶を規制することとしたものでございまして、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある行為から青少年を保護することに資するものであると考えているところでございまして、今後も条例改正の動きや条例の施行の効果等に注視してまいりたいというふうに思っております。
#239
○山本香苗君 先ほど御答弁の中にございましたけれども、警察庁においては、今委員長の御答弁ありましたけれども、もうちょっと見守っていくという御答弁でありまして、警察庁としては関係法令を積極的に活用して取り締まっていこうという方針だということなんですけれども、本当にそれでいいんでしょうか。警察庁として新たな枠組みという法的な規制の在り方というものも考えていいんじゃないかと思いますが、その点につきましてはどうお考えでしょうか。
#240
○政府参考人(巽高英君) 出会い系喫茶につきましては、ただいま委員長からも御答弁申し上げましたけれども、全国での店舗の数、まだ限られております。それから、しかも十五都道府県の都市部の歓楽街以外にはほとんど存在しないといったような営業の実態にあるわけでございます。
 そういうことで、今は関係法令をいろいろと積極的に適用して検挙を行っているということでございまして、今後、新たな法規制の必要性については、こういった取締りの影響とかあるいは条例による規制の効果なども見極めながら、必要に応じて検討をしてまいりたいと考えております。
#241
○山本香苗君 関係法令を積極的に活用して取り締まっていくといえども、現状として正面からこれを取り締まるのは非常に捜査するのも難しいというふうに伺っています。実際、今まで検挙された、取締りされたものは、屋外広告物条例違反とか職安法違反とか、何か違反を見付けてどうにか捕まえるという形をやっていらっしゃるわけなんです。
 また、各都道府県におきます条例の状況というものも把握していらっしゃるということなんですが、大阪の方でも十二月ぐらいにやるということで提出予定だということなんで、いろいろ話を伺っていましても、ほとんどやっている条例の中身というのは皆同じような形のものなんですね。ですから、個別にやるという話ではなくて、条例を制定した地方の方からも法律で規制するように国に要望していきたいという話も伺っております。
 ということもありまして、委員長に何か新たな法的な枠組みというものを考えたらどうかということを今日御質問したかったわけなんですけど、今局長お答えになられましたけど、大臣としてはどういうお考えでしょうか。
#242
○国務大臣(佐藤勉君) 今局長が申し上げましたように、全国的な広がりというのが今認められていないということもあり、いましばらくちょっと見守らせていただきたいということもございます。
 この手のいろんな事案は、また新たなものが出てきてイタチごっこみたいなところもございまして、そういうことも含めてしっかりと対応をさせていただきたいと思いますが、見守るという意味は決してそれを見逃すという意味ではございませんで、しっかりと対応をさせていただきながら、その事案が法に適切かどうかということをもうちょっと見守らさせていただきたいという意味合いでございますので、御理解を賜りたいと思います。
#243
○山本香苗君 今の段階ではまだ限られているというお話でありましたけれども、出会い系サイトではいろんな事件がありましたので、あっちじゃ怖いと、じゃ顔の見える方がいいんじゃないかという形で増えるんじゃないかと業界の方々が言っていたりとか、また、実際私は話を伺ってびっくりしたんですが、高校生のみならず中学生までもが街角で、ちょっとお小遣いになるから、何も別に変なことないからというふうな形で声を掛けられて、小遣い欲しさに行って被害に遭うようなケースも出てきていると伺っております。
 児童買春の温床だということ、この事実をしっかりと重く受け止めていただきまして、今、見守るということは何もしないということではないんだということでございましたけれども、しっかりとした摘発をやっていただいて、こういうことをやっても無駄なんだというところを積極的に見せていただきたいと思っておりますので、是非委員長には先ほどの大麻の話も含めて頑張ってやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 小渕大臣の方に質問させていただきたいと思っております。
 御就任おめでとうございます。同世代として大変期待をしております。よろしくお願いしたいと思います。
 委員長、済みません、ありがとうございました。
#244
○委員長(愛知治郎君) 佐藤国家公安委員長は退席されて結構です。
#245
○山本香苗君 先ほど、午前中にもお話が出ておりましたけど、安心こども基金の関係で一点だけ申し上げさせていただきたいと思います。
 私も、オブログ、拝見をさせていただきました。その中で、三年間で十五万人という数字が出ておりますけれども、その制度設計並びにこのいわゆる積算根拠というものを大臣なりのお考えを是非お示ししていただきたいと思います。
#246
○国務大臣(小渕優子君) 安心こども基金でありますが、これ各都道府県に総額一千億円の基金を設置することにより、新待機児童ゼロ作戦の前倒しをして、平成二十二年度までの三年間で十五万人分の保育所等を整備することとしております。
 この十五万人分ということでありますけれども、現在待機児童は二万人いると言われています。しかし、この二万人というのは、保育サービスを拡充するとやはりその分だけまた更に需要が生まれてくるという状況でありまして、供給が需要をつくる構造となっており、なかなかこれは、本当に思い切ってしっかり保育サービスをきちんとやっていくんだという姿勢を示していかなければなかなかこれは解消できないというふうに考えております。それで三年間で十五万人分としたところです。
 この基金の事業期間が終了する三年後には、少しでも皆さん方が保育所に入りやすくなったですとか学童も使いやすくなったなど、身近な形で保育所が使いやすくなった、サービスが行き届くようになったということを実感していただければいいと考えております。
#247
○山本香苗君 是非そうなることを私も期待をしているわけなんですが、制度の詳細については厚生労働省の方でお答えされますか。
#248
○政府参考人(松田敏明君) 今大臣から基本的な考え方を申し上げたところでございますが、十五万人の考え方、現行でこの新待機児童ゼロ作戦、例えば三歳未満児の保育サービスの利用率を、現行二〇%、これを十年後の平成三十年度に三八%に引き上げるという内容になっておりますけれども、今回の措置によって三年後の平成二十二年度までにこの割合を二〇パーから一挙に三割程度近くまで上げると、これを目指しておりまして、この中身を足しますと十五万人分になるというような、これも雑駁なんでございますけれども、大きくつかみで申し上げれば、そういった考え方で十五万というふうに打ち出したものでございます。
#249
○山本香苗君 とにかく、制度詳細はこれからもっとということなんですけれども、厚生労働省の方で決めるということなんですが、是非、厚生労働省が詳細を決めるんですという形じゃなくて、小渕大臣の方でしっかりハンドリングは持っていていただきたいと思うわけなんです。厚生労働省にやらせるとどうしてもあれ駄目これ駄目という形になりますので、我々もしっかりチェックはさせていただきますが、是非、今日の午前中の答弁にもありましたように、地方の方でやりやすい形に、なるべく自由な裁量権を持たせた形で今回の基金というものの運用をさせていただく形になればというふうに思っておりますので、最後までチェックを抜かりなく行っていただきたいと思っております。
 もう一つ、大臣にはたってのお願いがございます。
 というのが、認定こども園につきましては、これは別途時間をしっかり取って質問をさせていただきたいと思っておりますけれども、実際、大臣も足を運ばれて、また関係者や保護者の方々と懇談されて、十月の十五日にはいわゆる、小渕大臣とまた厚生労働相、文部科学相の合意の下に検討会を立ち上げられて議論がスタートされたと伺っております。これは、この報告書の中身もしっかり見させていただきながら別途質問させていただきますが、先ほど、いわゆる安心こども基金の中にも一応ツールとして入っておりますけど、放課後対策、放課後子どもプランの関係ですね、これにつきましても、認定こども園同様、平成二十年度中に検討して二十一年度からその改善策を実施するということは政府の方針となっているわけなんです。
 じゃ、今、検討状況はどうなっているのかということを言いますと、文部科学省と厚労省の事務方の間で議論をしているだけで、オープンになっていないわけなんです。放課後子どもプランについても、単なる役所の内輪の話合いだけで事務方がちょちょっとやるような話ではなくて、もっと利用者や地方自治体の視点を反映できるような構成で、かつオープンな形での検討会を是非この認定こども園と同じような扱いでつくっていただけないかなと、厚生労働省また文部科学省の方に働きかけをしていただきたいと思うんですが、お約束いただけますでしょうか。
#250
○国務大臣(小渕優子君) 御指摘がありましたように、現在、厚生労働省の放課後児童クラブと文部科学省の放課後子ども教室、これ一本化の方向で事務方で検討が進んでおるところであります。
 先ほどのお話がありました認定こども園と少し違うところといえば、認定こども園の方はもう制度自身少し変えていかなければ増えていかないということで、制度の調整も含めて有識者の皆さんとオープンな形で話をしておりますけれども、どちらかというとこちらの方は、制度をどうにかしていくというより、なかなか現場が付いてこない状況をどうしていくのかというところに問題点があるように思っております。
 そうした中で、ただ、これは制度というより、やはり使う人たちが使いやすいことが一番であって、その利用者のニーズにこたえていくということが何よりも大切なことだと考えておりますので、現在の実情をしっかり把握して必要な対応を検討していきたいと考えております。
#251
○山本香苗君 おっしゃるとおり、利用者のことをよく考えていただいて議論をしていってもらいたいと。
 私が、一応、文部科学省と厚労省、別々にいろいろ話を聞くと、ただ単に、ちょっとしたいわゆるアンケート調査を基に実態を見て、その意見を事務方としてこういうふうに取り上げて、ちょっと変えてそれで出そうかなみたいな雰囲気で終わっているわけなんです。これで終わってもらったら困るという思いで、是非そういう形で、小手先の改善策ではなくて、しっかりこれは切れ目なくこれから子供を支援していくということが少子化対策の中では大事であるわけですから、是非小渕大臣、よろしくお願い申し上げたいと思っております。
 また、ちょっと時間が詰まってまいりましたので、もう一つ、大臣のところで新法を含めて対応されておられるという、ニート、引きこもり等、困難に直面する若者支援策というところで一つ最後にお伺いしておきたいと思いますが、ここでお伺いしたいのは、そもそもこの若者が一体どういう困難に直面しているという御認識を持っていらっしゃるのでしょうかと。
 また、その若者に対して行政というものがどこまで対応しようということを想定されておられるのかということと併せて、もう一つ、困難に直面している若者としてニートとか引きこもりだとか、こういうことを例示されておられるわけなんですけれども、当たり前のように、実際そうした方々がどれぐらいいて、そのニーズは何で、そのニーズに合わせて支援するということはもちろん大事なことではあるんですが、なぜそういうふうな形の困難に、状況になったのかというところまできちんと調査分析することなくして根本的な解決には至らないと思うんです。
 現在の検討の中にはそういう視点も入っているのかどうか含めて、ちょっと済みません、質問が長くなりましたけれども、お答えいただきたいと思います。
#252
○国務大臣(小渕優子君) 困難に直面する若者の問題につきましては、例えば先ほどお話ありましたニートと呼ばれる若い人たちは六十二万人以上いると言われています。こうした若い人たちの背景には、やはり学校でのいじめ、また家庭の中での問題や不登校、また中退など様々な問題が存在しているということが指摘をされています。困難に直面する若者とは、このように複雑な背景を持ち、何らかの支援を必要としているすべての若い人たちが含まれると考えています。
 こうした若者の問題を対処するためには、まず、これらの若い人たちの実態をしっかり把握していかなければならないと思います。問題の早期発見、そして早期対応すること、早期対応するための施策を講じていくこと、必要なときに必要な手を差し伸べていくことができるようにその体制を整えることが重要であると考えています。
 これまで、青少年問題というのはいろいろなところで問題視され、また大切な問題だということがいろいろなところで言われてきました。しかし、私自身思うのは、正直言って本当に現状認識ができていたのかどうか、そして助けが欲しい人たちのところに本当にその手を差し伸べることができていたのか、正直疑問に思うところであります。
 ですから、今の若い人たちというのはやはり一昔前の時代とやっぱり随分と違ってきているので、今の若い人たちの実態をしっかりと踏まえて、もう私は青少年問題を避けては通れない、逃げては通れないと思っておりますので、これからのまさにこの国を担っていく世代をどうしていくのか真剣に、新法を作るということは、これまでの考え方よりさらに一歩踏み込んでその対応が必要であると考えております。官民の関係機関が綿密な連携を取りまして、自立が果たせるまで切れ目ない支援をしっかりしていけるような仕組みを整備する必要があると考えております。
#253
○山本香苗君 終わります。
#254
○糸数慶子君 無所属の糸数です。しんがりですが、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、少子化対策についてお伺いしたいと思います。
 政府が出生率の低下とそれから子供の数が減少傾向にあることを問題として認識をし、子育て支援の政策に取り組み始めたのは、これ、ひのえうまの年に当たる、たしか一九六六年の合計特殊出生率が一・五八を下回る、一・五七ショックが大きなきっかけとなったわけですが、これは一九九〇年以降のことであります。しかし、その後、行動計画が次々と策定されたにもかかわらず、それを実行するための予算措置が十分に講じられたとは言えない状況にあります。
 そのような状況の下で、佐賀県では、独自の育児保険構想試案を一昨年の六月に発表していますが、この試案は、子育て支援に対して思い切った政策を実現するために、特別にその財源を確保するべく、二十歳以上の国民が一人当たり毎月二千百円の保険料を負担することで新たに約二兆六千億円の財源を確保し、これまで子育て支援に注ぎ込まれてきた予算と合わせて、近年出生率が上昇に転じているフランスとほぼ同じ水準の、これまでにない手厚い給付を実現しようとする提案であります。
 この試案を発表する以前の二〇〇三年、佐賀県では国に対して育児保険の実現を提案し続けていると聞いておりますが、少子化担当大臣はこれをどのように評価していらっしゃるのか、まず御所見をお伺いしたいと思います。
#255
○国務大臣(小渕優子君) この佐賀県の試案につきましては、社会保険の仕組みを活用することにより子育て支援サービスや現金給付の拡充を図っていく一つの提案としては大変興味深いものであると考えております。社会保険方式には、子育て費用を社会全体で分かち合っていくという点や、また給付と負担の関係が明確であるというメリットがあると思います。
 しかし、出産、子育てというものがこうした保険事項というものになじむのかという視点、また、全く子供を持たない方、高齢者の方々など給付を受ける可能性がない方にこのような保険料負担を求めることが適当であるのかどうなのか、様々な検討課題が指摘をされております。そうした中で、更に掘り下げた議論が必要ではないかと考えております。
#256
○糸数慶子君 ありがとうございました。
 次に、この育児保険構想試案というのは大変興味深い提案であるわけですけれども、出産、育児給付の充実だけで出生率が上がるとは限りません。実際に、フランスと我が国は育児休業制度の充実度、ワーク・ライフ・バランスへの認知度、あるいは婚姻形態、あるいは移民などの、制度に関して明らかな違いがあることは承知しております。
 単純にそのフランスの成功例を我が国に採用するのは困難だと思われるわけですが、ただ、最近の少子化白書の、各国の少子化の状況が報告されておりますけれども、その中で、子育て支援を支援策として充実しているとは思えないアメリカが今フランスよりも出生率が高く、また、フランスよりはるかに福祉政策が充実していると思われる北欧諸国がフランスより出生率が低くなっている理由が説明できないという状況にあると思います。
 子供を産もうとしない人に産むのを誘導する施策よりも、実際に子供を産んだ人がその出産によって社会的にマイナスを生じたと感じない、いわゆる我が国ならではの制度づくりが今後重要になってくるのではないかというふうに思われるわけですが、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
 アメリカがフランスより出生率が高く、北欧諸国がフランスよりも出生率が低い背景について、何らかの分析をもし行っているのであれば、併せてお伺いします。
#257
○政府参考人(松田敏明君) 今、各国の出生率の動向につきましてのお尋ねでございました。
 家族政策のみならず、出産、子育てに対する国民の意識でありますとか、あるいは経済社会状況の特性なども各国においてそれぞれ反映した形となっておるものと考えております。
 フランスの場合、出生率が近年回復しておるわけでございまして、出生率が一・九八%まで行っておりますが、この家族政策を見ますと、関係の支出の規模、これがGDP比の三%以上、とりわけ一九九〇年以降、育児休業とか保育サービスの充実などの、仕事、子育ての両立支援、こういったサービス支援を充実しているということが特徴でございます。
 他方、今御指摘のございましたアメリカは、これは出生率が二・一%でございますけれども、家族関係支出の規模はGDP比〇・七%程度なものの、出生率がまさに二・〇前後を推移して維持しておるわけでございます。この理由といたしまして、低賃金労働者が多いこと等によって、ベビーシッターでありますとか、いろんな市場から比較的安価に保育サービスが調達できるといったようなことが指摘されております。また、人種的に見ますと、ヒスパニック系の出生率が高く、三近くなっておるというデータがございます。
 北欧諸国では、スウェーデンでは出生率が一・八八となっておりますけれども、一九九〇年代より厳しい雇用経済情勢や給付削減によって出生率が急激に低下しました。こうした影響が見られましたけれども、近年、家族関係支出を増加させ、GDPの三・五四%、ここまで増加させました結果、回復傾向にございます。
 我が国は出生率一・三四でございますけれども、家族関係支出の規模がこうしたヨーロッパ諸国に比べまして極めて小さい、GDP比〇・七五%程度でございまして、サービスが質量とも不足しているほか、働き方の改革、こういったものが不十分であるということから出生率が低くなっているというふうに考えております。
 以上でございます。
#258
○国務大臣(小渕優子君) 少子化対策としては、結婚をしたい、また出産をしたいと思っていてもなかなかそれが希望どおりかなわなかったり、また出産をした後仕事を続けたいと思ってもなかなかその両立がかなわない、二人目が欲しくてもなかなか仕事とその両立ができないといったところに大きな問題点があるのではないかと思います。
 経済的な支援また保育サービスなどの充実、そして仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスなど、意識改革も含めた形でトータル的にバランスをしっかり取りながら、そうした皆さん方の希望がしっかりかなえられるように支援していきたいと考えております。
#259
○糸数慶子君 冒頭にも申し上げましたけれども、やはり国が対策を取っている割には実際に子供を産んで育てるという女性が減っているという、そして今の分析をされましたその結果を是非、実際に施策の中に生かしていかない限り、なかなか女性が安心して子供を産んではぐくむことができないという現実。
 沖縄では、実際に所得は全国で一番低いところですが出生率は全国一高いという、その辺りを考えていきますと、やはり人が人としてその地域で助け合っていくユイマールという精神がある。先ほどもありましたが、三世帯同居というそういう実態も沖縄にも随分ありまして、そういうところから考えていくと、沖縄に学ぶところもいっぱいあるのではないかということを改めて提言を申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、男女共同参画についての御質問でございますが、昨年十二月、当委員会におきまして、男女共同参画担当大臣に対しまして国立女性教育会館についてお伺いいたしました。当時の上川大臣から、国立女性教育会館については第二次男女共同参画基本計画においてその事業の充実が明記されており、我が国唯一の女性教育センターとして男女共同参画の調査研究、情報収集及び提供、指導者の育成という面で大変重要な拠点であり、またさらに海外の女性リーダーの研修などの拠点として期待が大きい旨の答弁をいただきました。
 小渕大臣も前大臣と同じ認識をお持ちかどうか、お伺いしたいと思います。
#260
○国務大臣(小渕優子君) 国立女性教育会館、NWECは、昭和五十二年の設立以来、我が国唯一の女性教育の全国規模の拠点施設として指導者の養成や調査研究を行ってまいりました。また、海外からもアジア太平洋地域の拠点施設としての期待も非常に大きなものがあると伺っており、男女共同参画の分野において大変重要な施設であると考えております。
#261
○糸数慶子君 今、ありがとうございます、大変重要なところだというふうにおっしゃいましたが、ただ、これは独立行政法人整理合理化計画が昨年閣議決定されました、国立女性教育会館についても、その事務及び事業の見直しに加えて組織の見直しを行うということになったわけですが、この整理合理化計画は第二次男女共同参画基本計画と矛盾しているのではないかというふうにも考えますが、大臣の御見解をお願いいたします。
#262
○政府参考人(板東久美子君) ただいまお尋ねがございました独立行政法人整理合理化計画においては、国立女性教育会館につきまして、既にその役割を終えていた一部の事業を廃止するということとともに、研修それから調査研究につきましては、その企画実施機能を更に強化をしていくということ、あるいはその業務の効率化を図っていくということのための業務、組織体制の整備を行うということを求めているところでございまして、第二次男女共同参画基本計画におきまして、男女共同参画社会の形成に資するように、女性指導者の養成とか、あるいは喫緊の課題への対応、それから新たな機能充実などの方向が出されているわけでございますけれども、そのことと矛盾するものではなく、ナショナルセンターとして期待される機能を十分に発揮するようにということを求めているものというふうに認識をしているところでございます。
#263
○糸数慶子君 ありがとうございました。
 もう一点小渕大臣には御質問を用意しておりましたが、時間の関係で、大変申し訳ございません、また次の機会に聞かせていただきまして、消費者行政に関して野田大臣にお伺いしたいと思います。
 本年四月二十四日の当委員会におきまして、国民生活センター法一部改正と消費者契約法一部改正に対するその質疑で、私を始め複数の委員から地方の消費生活相談員の資質向上と待遇改善の必要性が指摘され、国民生活センター法に対する附帯決議にもその趣旨が盛り込まれました。
 六月二十七日に閣議決定されました消費者行政推進基本計画におきまして、地方の消費者行政をこの一、二年の間に飛躍的に充実させるためには特に当面思い切った取組をしっかり行っていく必要があるとし、地方の消費生活センターを一元的な消費者相談窓口として位置付けて、なおかつ緊急時の対応のために全国ネットワークを構築するために国が相当の財源確保を努めることや、PIO―NETの整備、そしてその研修などを充実させることが明記されていますが、これらの経緯を踏まえて、地方の消費者行政の充実について三点ばかり質問させていただきたいと思います。
 まず、地方の消費生活相談体系の強化についてでありますが、十月三十日に新たな経済対策に対する政府・与党会議と政府の経済対策閣僚会議の合同会議において取りまとめられた生活対策において、地方自治体における消費相談窓口の強化などに向けた集中的な取組として、都道府県に地方消費者行政活性化基金、これ仮称ですが、創設することとしていらっしゃいます。
 十一月十一日の読売新聞によりますと、この基金は消費生活センターの新設や相談員の増員や研修のための財源に充てられるもので、政府は、現在検討中の第二次補正予算に百八十億円の交付をすると報道されています。
 平成二十一年度予算概算要求において地方消費者行政の充実における四十億円の交付金を挙げていらっしゃいますが、この基金といわゆる交付金はどういう関係にあるのか、基金は交付金に代わるものと考えていいのか。現在検討されているところで具体的な支援の内容について御説明をお願いいたします。
#264
○国務大臣(野田聖子君) この基金の出自というか、どこから始まったかというのは、まさに糸数先生がおっしゃった、ここの委員会で地方消費者行政が非常に大変だと、相談員なんかも大変だというところを踏まえて基本計画に盛り込まれ、そして今、現在国会に提出されている消費者庁関連三法案の中の一つの大きな魂の部分になっています。
 すなわち、巷間、消費者庁ができると何もかもうまくいくみたいな流れがあるんですが、それは間違いで、地方の消費者行政がしっかりと対応できることで初めて消費者行政が万全の体制を取れるということが大前提にあるということを踏まえているわけですね。ですから、消費者庁ができてから同じく地方の消費者行政もやっていこうでは遅過ぎて、もうすぐにでも始めなければならないというのが現在の状況です。
 ですから、いわゆる生活対策、この間の緊急取りまとめですけれども、そこでは、今のその意識をしっかりと位置付けるために、今先生がおっしゃったとおり、地方の消費生活の相談窓口の強化をするために、来年度の概算要求に盛り込んでいる地方支援策の内容を含めて、前倒しで地方消費者行政の強化に早急に取り組もうということであるわけです。
 ですから、具体的には、交付金か基金かという話ですけれども、国からの交付金によって都道府県に基金をつくっていただいて、消費生活センターの設置とか拡充とか、それぞれの相談員の人たちのレベルアップのための様々な方策を図っていただく地方公共団体をバックアップするという、そういう仕組みになっています。
#265
○糸数慶子君 時間もありませんので、二つをまとめてお伺いしたいと思います。あと二点ほどございますけれども。
 全国消費生活情報ネットワークシステム、先ほども言いましたけれども、このPIO―NET、国民生活センターと地方の消費生活センターをネットワークで結び、消費生活に関する苦情相談情報などの収集を行っているシステム、これは昭和五十九年から運用を開始し、平成二十年の三月末現在で四百八十五か所に設置されておりますけれども、これが実際には、これから先、政府は五百か所を目途として追加配備を行う方針であると聞いておりますが、配備に当たり、どのような基準、条件を設けるのか、希望するセンターや地方自治体にすべて配備することになるのか、具体的にお伺いするのと同時に、この新しい部分に関しては、スムーズな移行についてどのような施策を持っているか、併せてお伺いいたします。
#266
○政府参考人(田中孝文君) お答えいたします。
 限られた予算の中で配置いたしますPIO―NET端末を有効に利用していただくために、これまでは、PIO―NET端末の設置基準といたしまして、消費生活相談員を配置し、週四日以上相談業務を行う場所であることを原則に配置してまいりました。その結果、二十年三月末段階では、先生御指摘の四百八十五か所に設置されてございます。
 今後も、貴重な資源であるPIO―NET端末の有効利用という観点からは、週四日以上の相談業務を行う場所であるという基準を基本といたしたいと考えております。
 しかしながら、現在、こうした基準を満たしながらもPIO―NET端末が未設置である消費センターがまだ多数ございますことから、まずはこれらの消費生活センターに設置申請をしていただきたいと考えております。
 しかしながら、また、地方における消費者の身近な相談窓口であります消費生活センターが更に拡張、拡充いたしますように、今、野田大臣から御答弁いたしました生活対策におきまして、消費生活センターの新設、増設を支援することといたしておるところでありますので、こうした新増設をする消費生活……
#267
○委員長(愛知治郎君) 短くしゃべるように。
#268
○政府参考人(田中孝文君) はい、センターも支援させていただきたいと思っています。
 それからさらに、四日はすぐに無理だというところでは、三年以内に四日にできるという計画を出していただければ応じたいと思っています。
 それからもう一つ、新システムへ移行するのに関して円滑にということでございますが、こちらの方は地方自治体と協議して円滑に進めてまいりたいと思っております。
#269
○糸数慶子君 時間もありませんので簡略に御答弁いただきたかったところでございますけど、残念ながら、野田大臣にもう一点ありましたが、次に質問させていただきたいと思います。
 取りも直さず、地方の消費者行政はやはり自治事務であり、当該地方自治体の努力と工夫によって他の地方自治体よりも充実した取組を行うことは確かに歓迎すべきでありますが、一方で、消費者が日本のどこに住んでいても一定の水準のサービスを受けられる体制整備も必要でありますから、それだけに、地方消費者行政の充実の目的が図られることを切にお願いを申し上げまして、地方消費者行政の充実に向けた野田大臣のお考え、一言お伺いして、終わらせていただきたいと思います。
#270
○国務大臣(野田聖子君) もう本当に地方消費者行政が日本の消費者行政のかぎを握っています。
 今までは、どんどん人も減らされ、お金も減らされる中で、相談員の人たちの根性でやっぱり頑張ってくれた。もう根性だけでは駄目で、この複雑で多様になってきた消費者行政へ向けては、国としても全面的に頑張る地方を応援するその一つのあかしとして、三年間有効に使える基金、自由に使っていただける基金を提供することでまずは集中的に育成、そして強化していただきたいということをお願いしております。
 以上です。
#271
○糸数慶子君 ありがとうございました。
 終わります。
#272
○委員長(愛知治郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト