くにさくロゴ
2008/11/17 第170回国会 参議院 参議院会議録情報 第170回国会 決算委員会 第2号
姉妹サイト
 
2008/11/17 第170回国会 参議院

参議院会議録情報 第170回国会 決算委員会 第2号

#1
第170回国会 決算委員会 第2号
平成二十年十一月十七日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十二日
    辞任         補欠選任   
     大島九州男君     牧山ひろえ君
 十一月十七日
    辞任         補欠選任   
     梅村  聡君     武内 則男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                神本美恵子君
                藤本 祐司君
                柳澤 光美君
                岸  宏一君
                西島 英利君
                浜田 昌良君
    委 員
                大久保 勉君
                加藤 敏幸君
                風間 直樹君
                金子 恵美君
                川崎  稔君
                行田 邦子君
                武内 則男君
                外山  斎君
                舟山 康江君
                牧山ひろえ君
                石井みどり君
                荻原 健司君
                塚田 一郎君
                牧野たかお君
                松村 龍二君
                松山 政司君
                丸山 和也君
                山本 順三君
                弘友 和夫君
                松 あきら君
                仁比 聡平君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     鳩山 邦夫君
       外務大臣     中曽根弘文君
       財務大臣     中川 昭一君
       文部科学大臣   塩谷  立君
       厚生労働大臣   舛添 要一君
       国土交通大臣   金子 一義君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 河村 建夫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      甘利  明君
   副大臣
       内閣府副大臣   谷本 龍哉君
       外務副大臣    橋本 聖子君
       財務副大臣    平田 耕一君
       農林水産副大臣  近藤 基彦君
       国土交通副大臣  金子 恭之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        桐山 正敏君
   政府参考人
       内閣審議官
       兼行政改革推進
       本部事務局次長  青木 一郎君
       総務大臣官房審
       議官       宮島 守男君
       総務省自治行政
       局長       久元 喜造君
       外務大臣官房参
       事官       小原 雅博君
       外務大臣官房参
       事官       渡邉 正人君
       財務省主計局次
       長        木下 康司君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        山中 伸一君
       文部科学省国際
       統括官      木曽  功君
       文化庁次長    高塩  至君
       厚生労働大臣官
       房政策評価審議
       官        荒井 和夫君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        岡崎 淳一君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   草野 隆彦君
       厚生労働省老健
       局長       宮島 俊彦君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       農林水産大臣官
       房長       岡島 正明君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   吉村  馨君
       農林水産省農村
       振興局長     中條 康朗君
       国土交通大臣官
       房長       増田 優一君
       国土交通省総合
       政策局長     大口 清一君
       国土交通省鉄道
       局長       北村 隆志君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   諸澤 治郎君
       会計検査院事務
       総局第二局長   小武山智安君
       会計検査院事務
       総局第四局長   鵜飼  誠君
       会計検査院事務
       総局第五局長   真島 審一君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事  黒木 雅文君
       独立行政法人都
       市再生機構理事
       長代理      河崎 広二君
       独立行政法人都
       市再生機構理事  飯原 一樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調
 査
 (国会法第百五条の規定に基づく本委員会から
 の会計検査の要請に対する結果報告に関する件
 )
 (会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報
 告に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(小川敏夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、大島九州男君が委員を辞任され、その補欠として牧山ひろえ君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小川敏夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣審議官兼行政改革推進本部事務局次長青木一郎君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小川敏夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、独立行政法人国際協力機構理事黒木雅文君外二名を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(小川敏夫君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のうち、国会法第百五条の規定に基づく本委員会からの会計検査の要請に対する結果報告に関する件及び会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報告に関する件を議題といたします。
 両件の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○柳澤光美君 民主党・新緑風会・国民新・日本の柳澤光美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回、会計検査院の方から提出いただいた報告は大変充実をいたしておりまして、目が通し切れないほどの量でございまして、冒頭に、会計検査院の御努力に対して心から敬意を表したいと思っております。
 中でも一番の力作と言っていいのが、この独立行政法人の業務、財務、入札、契約の状況に関する報告書であります。これは四百六十六ページにも及ぶまさに独立行政法人白書とも言えるものでございまして、この中には独立行政法人に関する数多くの問題点が指摘されております。お伺いしたいことはたくさんありますが、今日は個別の法人の問題ではなくて、明らかになってきた無駄遣いの根本的な問題について何点かお伺いさせていただきたいと思います。そして、金曜日、通告をしたんですが、質問の順番を一部入れ替えさせていただいておりますので、御了承をいただきたいと思います。
 まず最初にお伺いしたいのは、随意契約の問題です。私は二年間決算委員会をやってきまして、今年も六月九日の締めくくり総括質疑の中で福田前総理に、すべての府省の契約内容をチェックするよう強く求めさせてもらいました。前総理からも六月中にすべてチェックをするという確約もいただいたんですが、その後、事務方の方から、十七万件以上の契約があるのですぐには難しいというお話もございました。その上、確約された福田総理が突然辞められてしまいまして、ただ、今回、この問題点の一部が会計検査院の報告で明らかになりましたので、その点をお伺いをしたいというふうに思います。
 お手元に資料を配らせてもらいましたが、最初にちょっと四ページを見ていただきたいと思います。
 各府省等の随意契約の状況の報告が出されました。一番目を見ていただきますと、件数で随意契約の割合は四九・六%、しかし金額では五八・一%になる。特に問題なのは次の二番のところですが、公益法人との件数では、件数で七二・七%、金額では八五・四%になると。しかも、その下の独立行政法人との件数では九四・六%、金額で九九・三%随意契約になっているという報告が出ました。
 それ以上にもう一つ問題なのが、三番目にあります一者応札の問題です。十八年度と十九年度の同じ期間を比較すると、随意契約の件数割合というのは下がっているんですが、それに反比例して、競争入札における一者応札の割合が一六・八%から二六・一%へと大きく増えています。これは、競争契約に移行しても一者応札では全く意味がないということを示しています。
 実は六月の九日に、私はこの件をタウンミーティングの例でお示しさせていただきました。形だけ競争入札しても、タウンミーティング、最初の年は二者で競争入札することによって半分以下に金額が減りました。しかし、翌年は一者応札になってまた元へ戻って一千万台に上がると。私の問題指摘を受けて、丸投げではなくて内閣府がきちんと企画まで入り込んで実施をした結果、九十万を切って十分の一以下になるという報告がございました。
 随意契約から競争契約にしたといっても、個別の契約内容を徹底的にチェックをしなければ問題解決にはつながらないということが今回の報告からも実証されたというふうに思っております。この現状に対して、総務大臣の方に率直な御所見をお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(鳩山邦夫君) 最初にちょっとお断りをしておかなくちゃならないのは、この数字なんですが、会計検査院の調査と総務省が調査しているのと調査方法とか範囲が若干違うので、数字が全く同じ形には出てこないので、それはちょっとお許しいただきたいと思います。
 独法における随意契約、とにかくできるだけ減らしていけばいいわけですが、とても大事なことでございますが、昨年十二月に閣議決定されました独立行政法人整理合理化計画というのがございまして、原則として企画競争や公募を含む一般競争入札等に移行するようにしろということでございます。これを踏まえまして、各法人で随意契約見直し計画を策定し実行することとなっておりまして、これによりまして、十八年度に独立行政法人全体が締結した、これがちょっと我々が使っている概念ですが、競争性のない随意契約、これが金額で言うと約一兆円ございまして、その七割を一般競争入札等に移行をしようということで、競争性のない随意契約という概念なんですが、この比率を国並み、まあ国の場合大体一五%ぐらいではないかと思いますが、そうしようという計画をいたしております。
 会計検査院の調査はちょうど昨年の十二月までになっているわけでございます。今年の一、二、三月については既に今申し上げたことを実行しておりまして、随意契約を減らそうと、こういうことなんですが、そういう意味で計算をしますと、三か月分でもかなり数字は下がりまして、競争性のないいわゆる随意契約の、これは金額ベースですと四七・六%というのが十八年度の数字、これが三九・七%というふうに落ちてきているわけでございまして、最終的にはこれを一四%ぐらいまでに下げていきたいと、そういうふうに考えております。
#10
○柳澤光美君 その結果というのは、きちんと報告をしていただく中でまたチェックをしたいというふうに思うのですが、今回、会計検査院から出てきた報告は余りにもびっくりする報告でございました。
 五ページ目を見ていただきたいんですが、先ほど言いましたように、政府の府省の関係もかなり問題があるんですが、ここに出てきた独立行政法人の状況を見ますと、十八年度の状況で、随意契約が件数で七五・五%、支払金額で七一・五%になっていると。国の各府省の同じ期間の随意契約に比べて、件数で二二ポイント、金額で一五ポイントも高くなっている。
 今取り組んでいるというふうに言いますが、府省よりもかなり独立行政法人の方はチェックが掛かっていない、結果、その辺が非常に高くなっているということに対して、今一部御答弁ございましたが、総務大臣の方ではどの辺に大きな原因があって、今どのような取組をされているか、もう一度ちょっと確認させていただけますか。
#11
○国務大臣(鳩山邦夫君) 独立行政法人整理合理化計画というのを昨年の十二月に作り上げまして、随意契約見直し計画を作らせて、その実施状況を含む入札及び契約の適正な実施について、監事及び会計監査人による監査、それから各府省の評価委員会による事後評価というものをさせると、また、その各府省の評価委員会の評価の在り方については総務省の評価委員会が注文を付けるというような形で厳正なフォローアップをしていこうというふうに考えておりまして、逆にいえば、その辺がまだまだずさんであったということが先生が御指摘されるような数字に表れているんだと思います。
#12
○柳澤光美君 評価の在り方については、ちょっと後ほど私も問題提起をさせていただきたいと思います、大変身内の中での雑なチェック機構になっていますから。
 その前に、国もそうなんですが、この独立行政法人にしても、随意契約を競争契約に変えると言いながら、実態がやはり一者応札に結果としてなっていて、成果につながっていないというのが実態だというふうに思います。そうなるようになってしまうんですね。
 その辺を、今後一者応札にならないようにするために、じゃ具体的にどういう対策を取られるおつもりか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(鳩山邦夫君) ちょっと同じような答弁になって申し訳ありませんが、昨年の十二月に閣議決定しました独立行政法人整理合理化計画において、いわゆる一般競争入札等による場合であっても、真に競争性、透明性が確保された方法により実施するというふうになっておるわけでございまして、つまり一者応札というのはなぜ起きるかというと、今までいろんな条件を付けたりしてきたんだろうと。例えば、受注実績があるというふうに条件決めたら、受注実績が一者しかなければ、これ永久に一者応札が続くと。だから、そういうことはしないと。競争を事実上制限するような条件、あるいは地域性なんかもあるかと思うんですね。この範囲で近いところでやってくれというと、その中にはその条件に合う企業が一個しかなければ、これも一者入札、一者応札になってしまうわけでございまして、そういうことが起きないように、そういうような制限、競争を事実上制限するような条件は付けないようにこれは指導をしていくわけでございます。
 同じように、先ほどの答弁と繰り返しになりますけれども、それらの点についても監事や会計監査人による監査、これを厳しくやってもらう。それで、各府省の評価委員会が担当している、所管している独法について厳正にチェックをする、そのチェックの仕方が甘ければ総務省の評価委員会でチェックの在り方について注文を付けると、こういうふうに考えております。
#14
○柳澤光美君 今日お伺いしているのは、総務大臣に一括してお伺いしていますが、各府省の問題、あるいは独立行政法人も主管省の大臣がきちんとしなければいけないということになっておりますから、本当にその辺をもう一回、本当は私は総理のいるところで総理にお願いしたいぐらいなんですが、その辺をきちんとしなければどうにもならないというふうに思っていまして、特に国がその程度の府省に関しても甘い契約内容になっていますから、ましてや独法である子供はもっといいかげんな契約になっているというのが私は実態だというふうに思っています。
 その中でも更に問題なのは、今回出てきましたが、五ページの一番下の表を見ていただけますか。これは、独法の契約先がどこによってどういうふうに違うかという初めて出てきたデータですが、公益法人との契約に関して言えば、十八年度の数字で、件数の九三・八%が随意契約です。支払金額は九八・一%にも上っています。
 更に問題なのは、再委託の多さの問題なんです。どうしてもその公益法人でないと駄目だという理由で随意契約を結んでいるにもかかわらず再委託をする、そこでやるのではなくて更に再委託にやらせている。この実態が、支払金額ベースで四二・六%、関係法人に限ると半数以上の五〇・五%ある。その中には委託率が九〇%以上になっているものまであります。再委託先が実質的に業務を行うのであれば、私は、大変言い方は失礼かもしれませんが、公益法人を通さずに再委託先に直接発注すればこの無駄遣いがなくなる。言葉は悪いんですが、完全な公益法人によるピンはねの仕組みになっているわけです。
 ですから、私は、原則として再発注は認めないということを明確に決めるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#15
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生のおっしゃることは全く正しいと思いますし、今までそういう形になっていないとするならば、私ども、厳しくこれから変えていかなくちゃならない点だと思っています。
 そもそも、お話伺っていても分かりますが、この公益法人、まずは公益法人は専門性があるから公益法人にやってもらうと、そこが下請に、まあ下請というか再委託というんでしょうけれども、丸投げしたり、再委託に出すというのであれば、そもそも何のための公益法人であるかという疑問を国民も私も感じるのは当然のことでございますから。
 現在、要するに随意契約の再委託については、平成十八年八月に、これは財務大臣から各府省に対して一括再委託の禁止ということを言いまして、再委託を行うことを承認する場合は、再委託を行う何らかの合理的理由があるか、あるいは再委託の相手方がちゃんとその業務遂行能力を有しているかについて契約担当官が審査を行うというような通知が出ているわけでございますが、これは独立行政法人についても、今申し上げたのは国の随意契約ですが、独立行政法人についても、平成十九年十一月に同じような形で、一括再委託はやめた方がいいと、その再委託の適正化に取り組むように各府省を通じて全独立行政法人には要請をしたわけでございます。
 あとは同じように、また監事とか会計監査人による監査とかそういうのを厳しくやるという話になってくるわけですが、確かにおっしゃるとおり、公益法人に随契で委託した、それが再委託するんであれば、公益法人を通さない方が恐らく安く上がるんだろうと思いますので、そういう方向を考えなくちゃいかぬと思います。
#16
○柳澤光美君 大臣から今、率直な御答弁をいただきました。これだけは大至急ストップを私はしていただきたいということを再度確認させていただきたいというふうに思います。
 それで、大臣が先ほどから、その評価はきちんとやられていますという御答弁をいただいていますが、実は報告の中でも出てきているんですが、この独立行政法人の状況を本当にきちんと評価をされているのかと。国の各府省に関しては第三者委員会が設置されて、そこがきちんと行うと、まだこの方がいいと。ところが、独立行政法人の場合には、大臣もおっしゃられたように、監事及び会計監査人による監査と評価委員会による事後評価で厳正にチェックしますというふうに答えているんですが、この身内の中の甘い評価ではどうにもならないというふうに私は今判断をしています。チェックが非常に身内の中で甘くなっていると。
 これだけ国よりひどい状況にあるわけですから、国と同じように内容については第三者委員会をきちんと明確にして、第三者がもう一回契約内容をチェックすると、機能を大至急持たせるべきだというふうに私は思いますが、大臣、いかがでしょう。
#17
○国務大臣(鳩山邦夫君) 各府省が、自ら所管する独立行政法人のこうした契約等について評価をすると。これはまあ身内というのか所管ということでしょうか、甘くなる傾向があってはならぬということで、総務省の評価委員会が各府省の評価委員会の評価のありようについて厳しく注文を付けるという形にしておりますけれども、これが十分機能できないようであれば、更なる方法を考えなければいけないとは私も思います。
#18
○柳澤光美君 私は機能していないというふうに思いますので、もう一歩踏み込んで第三者委員会なり何なりの厳しいチェックの仕組みを是非つくっていただきたい。
 民主党では、本当にもう行政の方に百人以上の議員を入れてでも政治的なチェックを掛けなければいけないだろうということを議論をしたり、行政監視の評価院というような院をつくってこの辺をチェックしていかないと、どうしてもなかなか直らないというふうにも思っております。そうでなければ問題が解決しないということだけ、問題提起をさせていただきたいと思います。
 時間がないので次に進みますが、実はもう一つ、今回大変すばらしい報告が上がりました。六ページの資料をちょっと見ていただきたいんですが、この随意契約とか無駄遣いの諸悪の根源に天下り問題があるということが明確になりました。
 今回、会計検査院は、各府省等における随意契約の状況に関する検査と独立行政法人に関する検査の両方で、天下り役職員がいるかいないかによる随契先公益法人の随意契約の状況を調べています。それによると、予想どおり、天下り役職員がいるかいないかで随意契約の件数に大きな差があることが明確になりました。一番下の表になりますが、国では、天下り役職員がいる法人はいない法人に対して随意契約が件数で約四倍、支払金額で八倍になっています。これも大変大きな問題なんですが、独立行政法人になると、天下り役職員がいるといない場合を比べると、随意契約件数で十倍、支払金額では何と二十三倍になっているという報告であります。
 この会計検査院の結果によって、随意契約と天下りには密接な関係があるということが改めて浮き彫りになりました。これに関してどのようなとらえ方をされているのか、時間がないので、済みません、簡潔に御答弁いただければというふうに思います。
#19
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のように、会計検査院の報告書によりますと、独法職員が再就職をしている契約先の方が随意契約の件数が多いということは指摘をされています。金の面と人の面、つまり契約の在り方と再就職の在り方との両方から独法の業務の適正化を確保していくということが必要であります。
 契約の在り方につきましては、独法整理合理化計画において、原則として一般競争入札に移行するということとしたところでありますが、今、十八年度実績でいうと、先ほど総務大臣からお話がありましたように、総額でいう二兆のうちの半分ぐらいが競争入札と、残りの半分について七割を競争入札に移行させると。そうしますと、随意契約の比率が国並み、一〇%半ばに引き下がるということになるわけであります。
 再就職の在り方につきましては、さきの通常国会に独法通則法の一部を改正する法案を出して、今御審議をいただいているところであります。ここでは、独法からファミリー企業等への人の流れにかかわる不透明な関係を解消して独法業務の公正性を確保するという観点から、ファミリー企業等へのあっせん禁止などの再就職規制を講ずることとしているわけであります。
 加えて、独法と関係法人との間の関係の透明化、このために、整理合理化計画に基づきまして、関連法人との間の補助、取引の状況、それから関連法人への再就職の状況を一覧性、一目瞭然で分かるという一覧性のある形で容易に閲覧できるよう情報開示を行っているところであります。
 これらの措置を確実に実施をしていくことによりまして、契約と再就職と両面から独法とファミリー企業等との不明朗な関係が解消されて、独法業務の公正性それから透明性の確保が図られていくというものと考えております。
 この提出をされております通則法の一部改正について、是非早い時期に成案を得るよう御審議をお願いしたいと思っております。
#20
○柳澤光美君 これからどうすると言っているほど私は余裕がないし、大変な無駄遣いになっているというふうに率直に感じています。民主党の方の私も調査会に入って、民主党の調査では、四千六百九十六の公益法人に二万六千名を超える天下りの方々がいらっしゃると。そこへ、その法人への事業発注や補助金などの財政支出総額は十二兆六千億を超えているということが明らかになっています。このことが、今回、会計検査の関係法人にあるなしにかかわらず、天下り役職員がいる法人で随意契約が多いという実態が明らかになりました。
 私は、民主党が言っている、本当に天下り禁止法案をきちんと入れて本を正さなければどうにもならないだろうというふうに率直に感じています。是非もう一歩踏み込んだ、もう答弁は求めませんが、是非その辺を、元を絶たなければこの無駄遣いの仕組みは一切なくならないということを強く訴えさせていただきたいというふうに思っています。
 次に、独立行政法人の統廃合の問題が今回明らかになりました。資料の一ページを見ていただきたいんですが、独立行政法人の統廃合が、二十年、今年の三月末までに二十三法人が統廃合の対象とされて、九法人に整理をされました。ところが、統廃合された法人が行っていた業務は二十二法人で統合先法人に承継される、残り一法人も国に再移管されている。つまり、統廃合された法人が行っていた業務は一つも結果として減っていない。これはいわゆる看板の掛け替え、見た目には法人の数を減らしただけで全く効果に結び付いていない。
 会計検査院は、この二十三法人の統廃合について直接的な評価は避けられていますが、所見の中で、業務の見直しに当たっては、事務事業が国民にとって真に不可欠であるかの検討を一層厳格に行うべきだというふうに指摘もしています。
 私は民間出身ですが、民間でいえばいわゆるリストラクチャリングというのは首切りの問題ではなくて事業の再構築をする、そうすれば事業所を閉めるところは閉める、そして人、物、金を再編成をして、結果、無駄なことが全部排除をされて合理化が進むというふうになるわけですが、この官僚の皆さんがやられるのは、本当に形だけ変えて、看板だけ替えて、実態はほとんど変わっていない。
 例えば、今回、この二十三法人が九法人になって、事務所がどうに減って、あるいは人の配置がどうに変わって、財政支出がどれだけ減ったのかというところまで具体的に確認されているかどうか、答弁いただけますか。
#21
○国務大臣(鳩山邦夫君) おっしゃるとおり、統廃合というのは効果がなければいけないわけで、それは何でもかんでもくっつければいいというものではないということはよく分かるわけです。
 平成十三年の制度発足以来、独法という制度ができて以来ということですが、確かに先生御指摘のように、本年三月までに二十三法人の統廃合でこれを九法人にしたわけでありますから、十四法人削減をして現在は独法がちょうど百なのかと思いますが、法人の統廃合というのは事務事業の一体的実施に伴う各種の効果によりまして国民や社会経済により貢献できるものとなることが期待をされて、そうならなければいけないんだろうと思います。
 これは、十四法人減ったことによって四十八人の役員が削減されましたのと、それからいわゆる総務部門というんでしょうか、企業でいうと総務部に当たるようなところ、役所でいえば官房に当たるようなところでしょうか、そういうところは幾つか一緒になれば全部一つで済むわけでございますので、組織運営の効率化もある程度は進んだんだろうと。それから、幾つかの研究などを行う法人が統合された場合には研究者同士の交流というか、一緒の組織になるわけですから研究活動も効率化してまた成果も上がると、そういう相乗効果も期待されるというふうに考えているわけでございます。
 昨年、すべての法人について徹底的に見直しを行って十六法人の削減などを内容とする独立行政法人整理合理化計画を閣議決定したわけでございまして、これは昨年の十二月二十四日、クリスマスイブに決めたんだと思います。政府としては、これを着実に実行して無駄な経費を徹底して排除していきたいと、こう思っているわけでございますが、これ実際に無駄の排除という実効が上がるように厳しく評価をしていかなければならないとは思っております。
#22
○柳澤光美君 本当にこの辺、形だけ統廃合しても結果がどれだけ、財政支出も減ってどれだけ成果に結び付いたのか、事業所がこうになくなりました、あるいは人員体制がこういう人数からこうに減りましたというきちんとした私は報告が欲しいし、そこまでチェックをしなければ意味がないというふうに思っています。
 今ありました、昨年十二月に独立行政法人整理合理化計画も出ました。ただ、正直言わせていただいて、これ渡辺前行革大臣が本当に泣きながら大騒ぎをして一生懸命やっていただいて、非常に中途半端だというふうに私も思っています。それでも、これも恐らく同じような看板の掛け替えになってしまうんではないかと。
 今日は答弁求めませんが、私は委員長にお願いがあります。
 この二十三法人が九法人になって、結果、具体的に財政支出等が、事業所がこう変わって、人数がこう変わってこうなりましたと、あるいはこの独立行政法人整理合理化計画が進んで、結果、これだけ財政支出が目に見える形で改善をされましたという報告を私は委員会に求めたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
#23
○委員長(小川敏夫君) まず、政府にそれを答える気があるかどうか確認してもらえますか。
#24
○柳澤光美君 もしお答えできるんであれば答えていただきたいと思います。
#25
○国務大臣(鳩山邦夫君) 今の、実際、経費とか事業所の減った数やなんかでしょう。
#26
○柳澤光美君 具体的に言えば、事務所がこうになくなってその処分によってこれだけお金が出ました、あるいは人員がこうに変わって人件費がこれだけ浮きましたという形で、具体的に分かる範囲で、ありましたら。
#27
○国務大臣(鳩山邦夫君) 実は、事務事業の見直しはして支出の削減に努めておるわけですが、現在、その事業所がどういうふうに減ったとかいう資料を私持ち合わせておらないんですが、今朝、二十三法人のうち、まあ国に移管されたのが一つありますけれども、これはちょっと除きまして、統廃合後の九法人に対する財政支出の合計金額が十六億円の削減なんですよ。随分少ないなと、十六億円しか減っていないのかというふうに私が文句言ったのは事実でございまして、そういう意味で、本当に効果のある統廃合にするためにはまだまだ我々が厳しく見ていかなくちゃ駄目だなと、そう思います。
 それで、今度新たに十六法人減らす計画では、財政支出の削減額は千五百六十九億円というふうにはなっております。
#28
○柳澤光美君 計画は確認をさせていただいています。
 今、図らずも大臣がおっしゃいました、二十三が九法人に形が減っても結果十六億しか減っていないと。それが私は実態だと思っています。話に聞けば、事務所もそのまんま残っていると。そのまんま名前が変わっただけで、やっている仕事は何も変わっていないと。これが、大変私は失礼な言い方になると思いますけれども、官僚の皆さんの常套手段だと。そこをもう一個、何のために統廃合をするのか。もっと民間企業のように。ですから、もう一度私はその辺を詳しく調べて結果を御報告いただければというふうに思っております。
 委員長、そのことも是非お願いしたいと思います。
#29
○委員長(小川敏夫君) ただいまの柳澤君の申出につきましては、後刻理事会で協議いたします。
#30
○柳澤光美君 もう一つ、大変大きな問題がございます。資料の二ページを御覧いただきたいんですが、繰越欠損金の問題です。
 十七年、十八年両年に欠損金が百億以上となっているものが、表のように中小基盤整備機構を始め十三法人十五勘定にわたります。
 これは、この前も私、問題提起させてもらったんですが、特殊法人を独法化する際に、実はこの繰越金の穴埋めに十二兆円という政府の出資金が、いわゆる国民の資産が使われて失われているんですね。十二兆円です。それなのに、独法化になってまたこのように繰越欠損金が増えている。
 この多額な欠損金を、私は、政府としてどのように考えているのか、この繰越欠損金を回収するのにまた多くの税金が使われるのか、その辺の見解について御答弁いただけますか。
#31
○国務大臣(鳩山邦夫君) 率直な感想を述べれば、特殊法人というのがかつていっぱいあったわけですね。それを独立行政法人というふうに形を変える。独法の親戚として、例えば国立大学、これは国の直轄直営の大学であったものを国立大学法人というふうに組織を変えて、今非公務員型にしているんだと思うわけです。そうやって仕組みを変えたならば、名称もシステムも変えたならば、実が上がらなければ意味がないわけで、実が上がらないんだったら前のままにしておけばいいんだと、正直そういうふうに思うわけでございまして、ですから、これからますます厳しくこうした問題には対処したいと。
 独法の繰越欠損金の解消については、それぞれの主務大臣が三年とか五年という中期目標の中で、法人の業務の特性に応じてこういう目標でやれというふうに設定しているわけでございます。各府省の独立行政法人評価委員会は、毎年度の業務実績評価の中で、その時点における目標の達成に向けた進捗状況というのか、これくらい欠損金が減ってきましたというその評価を行って、もちろん、中期目標終了時にはどこまで目標が達成できたか厳しく評価をするという仕組みになっております。
 同じように、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会は、その各府省の評価委員会に対して、それぞれ自ら所管する独法に対して欠損金の解消あるいは減額に向けてどういうふうに指導しているのかということを、その取組を厳しく評価していくと、これが総務省の役割であります。
 一番重要なことは、評価に関する当面の取組方針というのを平成十九年七月十一日、一年半近く前に出しておりまして、なぜ繰越欠損金が出たのかという発生要因を明らかにしなければ解消に向けた取組に向かっていけないということで、その発生要因についてきちんと評価するように示しているところでございます。
 平成十八年度の業務実績評価に関しては、六省の評価委員会が見ている十法人に関しては各省の評価が甘い、不十分だといって個別に意見を通知しているわけでございます。ですから、主務大臣が原因についてもこれを明らかにしつつ、定量的かつ厳正な目標を設定をして、その目標に従ってきちんとやっていけるようにまず頑張ってもらわなくちゃいけないということだと思っております。
#32
○柳澤光美君 大臣が大変苦しい答弁をされているのがよく分かります。なぜかといえば、これは主務大臣がきちんとやらなければいけないことであります。ただ、総務省としてあるいは財務省にしても、その辺をもう少し強く押さなければいけない。
 この中期目標なんですが、実はこの会計検査院の報告でもいかに甘いかということが全部指摘されているんです。目標を定めていても定量的な目標にはなっていない。もう一つ、明確に繰越欠損金の解消をうたったものとなっていない。さらに、繰越欠損金の解消や収支計画についての目標が設定されていないものまである。
 しかも問題は、次のページちょっと見ていただけますか、三ページです。これがその評価なんですが、繰越欠損金のような国の財政にも本当に関係する大事な評価に対して、減っているなら別ですが、増えているのに五段階評価の第二順位でみんなA評価になっている。こんなのは私は評価とは言えないと思っています。減らしたらそれはそれなりの評価を付けてもいいと思いますが、こんな基準で評価をしていて良くなるわけがないと。
 そういう意味では、確かに主務大臣の問題はありますが、この独立行政法人における評価の問題点、特にこの繰越欠損金の解消に向けては、もっと徹底したことをきちんとやらないと、ずるずるずるずるまた増えていってしまうということが現実だというふうに思いますので、簡潔に決意をいただければというふうに思います。
#33
○国務大臣(鳩山邦夫君) とにかく、身内に甘いというのは一番いけないのでね。だから、これ、AとAとかA、これはあれですか、各省庁が下した判定、評価ですか。これは正直言って、こんなものはまともな評価とは思えませんね。欠損金が増えているんでしょう。増えているのもあるんでしょう。これ私ちょっとまだ見ていませんが、増えていてよくやっていると褒めるような話ですから、この辺はもっと厳しく総務省としてやっていかなくちゃいけない。
 実は私、初めて政府の役職をやったのが三十四歳ぐらいのときに行政管理庁の政務次官で、後藤田行政管理庁長官の下だったんです。
 ですから、行政管理というのは本当に難しいんだと思うんですね、やっぱり。それは他省庁について評価する、他省庁のやり方について評価する、定員について評価すると。でも、行管、いわゆる行政管理局という任もありますが、これは恐らく最も重要な部署としてこれから脚光を集めるぐらい頑張ってやってもらいたいと、こう思っています。
#34
○柳澤光美君 確認をいただきましたので、是非そうしていただきたいし、これからも徹底的にまた追及をさしていただきたいと思いますが。
 特に独法に関してもう一つ大きな問題点は、契約手続というのが独法に任されているんですね。このことを、私は、国と同じように、国がやっている基準に独法も全部合わせるべきだというふうに思っています。
 例えば、一般競争契約の公告期間が下限が国の基準を下回っている法人が四十五法人、指名競争契約の限度額が国の基準を上回っているのが十一法人、予定価格の作成を省略できる金額の基準について国の基準金額を上回る法人が三十六法人、ほとんどそれは自由だと任せていますが、少なくとも税金が投入されているわけですから国より緩い基準というのはおかしいわけで、国の基準に、特に国がやっている国の会計法令にのっとった基準に独法も全部すべきだというふうに思いますが、いかがでしょう。
#35
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私は基本的に先生の御意見に賛成でございまして、公告期間ですよね、一般競争入札の。公告期間が国が大体十日といっているんでしょうか、これがひどく短いとか、あるいは指名競争契約とすることができる限度額が例えば国が五百万なのに一千万になっているとか、あるいは随意契約にすることができるいわゆる少額随契も工事でいえば大体二百五十万というところなんでしょうが、これももっと高い金額のところがあるんではないかというようなことで、とにかく今のところ、各府省を通じて国の基準に合わせるように要請はしておりますが、要請ですから、これは相当厳しく見守っていくというか、見詰めていこうと思っています。
#36
○柳澤光美君 要請ではなくて強い進め方を、是非鳩山総務大臣に私は心からお願いしたいと。そこから入らないと、このまままた一歩も進まないようになってしまうという危惧を持っております。
 もう時間になってしまいまして、まだお伺いしたいことたくさんあるんですが、この決算委員会というのは、党派の対立の場ではなくて、本当に政府も各党もひっくるめて無駄遣いをどうなくすかということが大事な審査になるわけです。ところが、なかなか時間が取れませんし、今回も何か会期延長がなさそうだというような話もありまして、是非、会期延長がなくて閉会したとしても、私は閉会中の審査を決算委員会だけはすべきではないかという強い思いを感じています。
 それからもう一つは、会計検査院の皆さん、本当に大変な努力をいただいてきておりますが、こうなると、私は、この無駄遣いのチェックに会計検査院の力を、いわゆる権威も権力ももっと権限も強めなければいけないだろうと。必要であれば、党派を超えて、会計検査院法の見直しも含めたり人員体制の在り方も含めてすべきではないかなということもこの場を借りて問題提起をさせていただいておきたいと思います。
 ただ、正直言って、最後になりますが、私は、この問題を徹底的にうみを出すにはもう政権交代しかないだろうと、政権交代をして一回全部そのうみを出して、壊して立て直さないと良くならないと。それぞれの官僚の皆さんは一人一人まじめに一生懸命やられているのはよく分かりますが、仕組みとしてその辺が変えられないと多くの無駄遣いがずるずるとつながってしまうということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#37
○風間直樹君 今日は、まず最初に、都道府県の雇用開発協会の不正経理事案についてお尋ねをしたいと思います。
 皆様には、お手元の配付資料、一枚目と二枚目を御覧いただきたいと思います。
 今年も検査院によります決算検査報告、今ほぼ取りまとめられまして近々出てくると伺っているんですが、この中で大変大きな事実が明らかになりました。独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構がその傘下の二十九県の雇用開発協会に支払った業務委託費のうち、飲食への流用や空出張などで一億一千万円の不正が判明したという事案です。この件は、昨年も検査院の調査で、他の十八県の協会で同じく一億一千万円の不正が指摘されております。つまり、今年の調査と合わせて、四十七都道府県すべてで合計二億二千万円分の不正が確認されたということです。大変膨大な金額です。
 検査院にまずお尋ねをしますが、この内容の国会への報告はいつになりますでしょうか。
#38
○説明員(小武山智安君) 平成十九年度決算検査報告につきましては、十一月七日に内閣に送付いたしました。同報告は、今後、内閣から決算とともに国会に提出されることとなっております。
 昨年の例で申しますと、決算検査報告は十一月九日に内閣に送付されまして、内閣は十一月二十日に決算とともに国会に提出いたしております。
#39
○風間直樹君 この不正事案の内容なんですが、まず厚労省からこの機構に対して交付金等として年間約五百億円が出ていると。この五百億円のうち、機構から今度は雇用開発協会に対して委託費として年間七十億円が出ています。この七十億円に係る不正が今回の事案ということになります。
 この委託費ですが、主に事務費、それから高齢者・障害者雇用に向けた相談会、さらに講習会の開催などに使用されているということであります。
 具体的事例を指摘しますが、まず神奈川県の雇用開発協会、千三百万円の不正経理が指摘されました。そのうち、私的な懇親会費用など飲食費で六百万円の不正であります。さらに、山梨県、イベント経費の水増しによる裏金作りなどで約七百八十万円。さらに、新潟県では、職員が障害者に付き添って出張する場合に受けられる割引制度を悪用し、航空券の正規料金分との差額を着服しております。本当に言語道断の不正経理なんですね。とても許されません。
 今回指摘された不正、合計二億二千万円と大変大きいんですが、こうした指摘を受けた場合、通常、国は委託契約や民法上の不当利得等の理由で超過交付相当額について返還請求を行うことができるわけです。厚労省は恐らくもう既にこの請求を行われていると思いますが、現状、トータル幾らの返還請求額になるか、まずお尋ねします。
#40
○政府参考人(岡崎淳一君) このお金につきましては、高齢・障害者雇用支援機構からの委託費でございますので、国ではなくて高齢者雇用支援機構等が返還請求をいたしております。
 ただ、既に返還対象額になるものについてはすべて加算金を含めて返還されておりますが、具体的な額といたしましては、昨年度指摘を受けましたもののうち、返還対象額が五千八百五十万円余り、加算金九百万円余りを含めまして六千七百万円余りが返還されております。それから、本年度指摘分につきましては、返還対象額が一億三百万円余りでございますが、これに加算金の千六百万円余りを足しまして一億二千万円余りの額、それぞれ返還対象額、加算金を含めまして全額返還済みというふうになっております。
#41
○風間直樹君 検査院の調査では、数年前から継続して四十七都道府県の雇用開発協会にこの調査をしてきていると。判明した分、まず昨年報告し、そしてまた今年報告をしたと、こういう経緯であります。
 これ、昨年の指摘を受けて既に改善のための具体的措置がとられていると思うんですが、これはどのような措置をとられたんでしょうか。
#42
○政府参考人(岡崎淳一君) 一つには、委託元であります高齢・障害者雇用支援機構からの委託あるいはその精算につきまして、今回も、協会の本来事務であるものに委託費を使ったというようなものでありますとか、それから、先ほど先生御指摘のように懇親会その他に流用したものとか様々ありますが、委託費として使える範囲、これを明確にもう一度指示し直すというようなこと、それから、それに基づきまして、協会の中で、一つは、監事がおりますが、監事がきちっと見ていただく、それから事務局の職員任せではなくて事務局長もちゃんとチェックするというような、事務局内、協会内部での監査体制をきちっとするというようなことを一つしました。
 それから、高齢・障害者雇用支援機構の方で出てきたものをきちっとチェックするというのももう一つ重要でございます。これにつきましては、特別な、業務の部門のほかに経理部門の中に監査をする機構を設けまして、そこでちゃんとチェックするというようなことをいたしました。
 それからもう一つは、この協会、私どもの所管法人でありますので、具体的には都道府県労働局が法人としての監査をすることになっておりますが、これにつきましても、すべての協会に臨時の監査に入りまして、運営体制それから経理体制その他につきまして十分な指導を行ったと、こういうことをやったところでございます。
#43
○風間直樹君 今、監査体制についてのお話がありましたけれども、四十七都道府県の雇用開発協会それぞれで恐らく監査体制の在り方というのは違っていると思うんですね。これだけの不正が指摘されたということは、相当監査体制も私は緩いんじゃないかと考えています。
 今お話の中に、この協会の監事さんそれから事務局長さんがしっかりこういった経理についてもチェックをしていくということが出てまいりましたけれども、実は調べてみますと、この雇用開発協会には厚生労働省の特に労働局の出身者の割合が極めて高いんですね。天下りが非常に多いんです。皆様には配付資料の三枚目を御覧いただきたいと思いますが、これを見ますと、協会の常勤職員のうち実に五七%が厚生労働省からの天下りであります。事務局長に至ってはほぼ全員、四十五人ですね。こういう状況の中で、事務局長さんがしっかり監査をしますと、こうおっしゃいましても、果たしてできるのかなという気がするわけであります。つまり、事実上、この協会というのは厚労省の労働局の天下りの受皿となっているんじゃないか、まずこの点を指摘したいと思います。
 さらに、この労働局というのが過去の検査院の指摘におきまして非常に多額の不正経理が発覚をしております。検査院の〇四年度から〇六年度までの労働局に関する不正経理の指摘、合計七十八億円ございました。二十六労働局を調べたところ、そのうちの二十二で空残業により一億五千九百万円が裏金としてつくられていた。長野県の労働局に至りましては、当時の前局長が証拠書類の破棄を指示して懲戒処分を受けております。
 こういうことを見てくると、労働局には明らかに不正経理体質というものがあると。その体質が、協会にOBだけでなく体質までも天下りしているんじゃないか、こういう疑念が浮かぶわけであります。事実、十一月八日付けの信濃毎日新聞という長野県の新聞ですが、こういう記事が出ています。ある検査院職員の話として、協会の事務職員に労働局OBが少なくないことも今回の結果とつながりがあると指摘している。
 これはまさに労働局の体質が天下りを通して協会に浸透していることを示唆していると思うんですが、検査院に伺います。この労働局からの多くの天下りそして協会の不正経理の関係、検査院としてはどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
#44
○説明員(小武山智安君) 本件指摘事態の発生原因の一つは、協会におきまして委託業務の適正な執行及びその委託費の適正な会計に関する認識が欠けていたことが挙げられますけれども、お尋ねの雇用開発協会への労働局退職者の再就職と今回の指摘の関係につきましては、本院といたしましては明確な関係があるとまでは確認するに至っておりません。
#45
○風間直樹君 舛添大臣、ここまで話を進めてまいりましたけれども、まず明らかなのは、協会の内部監査体制というものをいま一度見直して、実質的な監査が行われる体制をつくるということだと思います。これは協会にお任せすべき事案かというと、私はそうではないと思います。やはりそこに大量の天下りが労働局から行っているという事実、それから機構からも様々な形でお金が委託費という形で出ている、こういうことを踏まえますと、やはり大臣にもここはリーダーシップを取っていただかねばならないと思うんですが、大臣、この監査体制の強化について御所見を伺います。
#46
○国務大臣(舛添要一君) 今委員が御指摘のように、これはあくまで建前上は各協会が自由に選んでくると。そして、公務員だからどこでも就職できるということではなくて、やはりそれは専門的知識とかきちんと仕事ができるということがないといけないというふうに思いますので、どういう形でこの監査体制を厳しくしていくか。これについて、こういう厳しい目が注がれて、しかも二年連続してこういうことがあったと。今これはもう厳正に処分をし、二度と起こらないように再発防止策をやっておりますけれども、おっしゃるように、監査体制、何か検討できるか、そういうことについて少し見直しをしてみたいと思います。
#47
○風間直樹君 同時に、協会への労働局を中心とした天下りですが、やはり五七%天下っているというのはちょっとこれはやり過ぎじゃないでしょうか。さらに、事務局長が実質ほぼ全員行っていると、労働局からですね。こういう点も見直さなければいけないと思うんですが、大臣はこの協会への天下りについてどのように改善されるお考えでしょうか。
#48
○国務大臣(舛添要一君) 雇用の開発をどうするか。いろんなレベルで役所からの天下りがありますけれども、基本的に我が国がハローワークを中心として職を失った方々を面倒を見る、それから雇用・能力開発機構も使ってやる、そういう状況から見たときに、民間でこういう方がどれぐらいリクルートできるかということとの関係もあると思います。
 ですから、一概に何%だったら駄目だとか、何%以下でないと駄目だということは言えないと思いますけれども、確かに五七・五%、それで事務局長がほぼ全員労働局のOBであるということは、いろんな意味でこれは批判もあると思いますので、私は単純に数値目標でどうだということはちょっと避けたいと思います。というのは、今言ったように、専門的な知識を民間の方で入ってこられる方がどれだけ持っているかというようなことにも、雇用能力の開発についてそれはあります。しかし、今のような御指摘を受けまして、何らかの形で、数値目標とまではいかなくても指導できるかなと、ちょっと検討さしていただきたいと思います。
#49
○風間直樹君 大臣、この雇用開発協会の件は極めて悪質なケースなんですね。つまり、労働局から多数のOBが入っている。そこで、労働局の不正経理体質まで伝播しているんじゃないかと、こういう疑いが強いからなんです。ですので、他の公益法人や独法とはまた事情が違うと私は思います。この特殊性にかんがみて、やはりここはより踏み込んだ改善策を取っていかなければいけないと思う。もう一度御所見を伺いたい、お願いします。
#50
○国務大臣(舛添要一君) 高齢者や障害者の支援ということで、そのエキスパートが必要だということを申し上げました。しかし、その上で、まあその労働局の体質がそのまま行っているのかどうなのかを含めて、今、厚生労働省全体の改革をやらないといけない。社会保険庁の問題にしてもそうですけれども、地方に出ている出先機関をどうコントロールしていくかというのは非常に大きな問題でありますので、大きな厚生労働省改革の一環としてでも、今委員の御指摘の問題は正面から取り組みたいと思います。
#51
○風間直樹君 さて、もう一点、委託費の問題なんですが、実はこの委託費というのは補助金のように特別法ではなくて使用規定が事実上民法に準ずると、こういう事情がございます。このあいまいさが多額の不正経理を生む原因になっているのではないかと私は思うんですけれども、厚生労働大臣、この点やはり改善しなければならないと思うんですが、大臣のお立場からこれはどのようにお考えになりますでしょうか。
#52
○国務大臣(舛添要一君) 使用規定が法で定められてはおりませんけれども、会計法のコントロールは受けますから、きちんと施行すれば会計法に基づいて必要な検査もできますし、それからこの契約の内容についても厳正に対応できると思います。
 ただ、おっしゃるように補助金の場合と違って細かいところまでのチェックが行っておりませんから、今後、この委託費の問題をどうするかということは一つの検討課題になろうというふうに思っております。ただ、今、私の立場では、現行法令上においては会計法を適用して、いささかでも不正なことがあったり又はきちんと施行されていないときは、会計法を武器にしてきちんとやらせるという立場でございます。
#53
○風間直樹君 官房長官にお尋ねしますが、検査院の決算検査報告でもこの委託費についての指摘というのが最近非常に目立つようになってまいりました。十八年度を例に取りますと十一件、うち不当事項それから処置を講じた事項が計七件、この分にかかわる指摘金額で約五億円、検査院から指摘をされております。
 官房長官、政府全体を取りまとめるお立場から、この委託費使用規定のあいまいさについて今後どのように改善されるおつもりか、お尋ねします。
#54
○国務大臣(河村建夫君) この委託費の問題について今、厚生労働大臣から御答弁ありましたように、物品の購入と同じように会計法の規定に基づいて契約手続を行っておるところでございます。
 そして、この委託契約の履行状況、これは会計法の第二十九条の十一に基づいて、各省庁において契約の適正な履行を確保するために必要な監督やまた給付の完了の確認をするために必要な検査を実施しなきゃならぬと、こうなっておるわけでございまして、御指摘のように、その監査体制といいますか、これが非常に甘いんではないか、不十分ではないかということでありますから、この点をまたきちっとやらなきゃいかぬ、これはもう当然のことだというふうに思っております。
 今後とも、この契約の内容の適正な実現が図っていかれるように、これは細心の注意を払いながら会計法令に基づいて対応をきちっとしてもらう、そのことをもっと徹底してまいりたい、そのように考えるところであります。
#55
○風間直樹君 こうした不正経理の事案が明らかになった場合、検査院に与えられている権限がございます。これは検察への通告という権限でございまして、御承知のとおり、会計検査院法の第三十三条で、検査院は、検査の結果国の会計事務を処理する職員に職務上の犯罪があると認めたときは、その事件を検察庁に通告しなければならない、このように規定をされています。
 今回の協会の不正経理事案では、雇用開発協会、これは国ではございませんのでこの条文には該当しないと、このように考えるわけでございますが、検査院、この考えでよろしいでしょうか。
#56
○説明員(小武山智安君) 議員のおっしゃるとおり、雇用開発協会は国とは異なる法人であることから、会計検査院法第三十三条には該当いたしません。
#57
○風間直樹君 そうしますと、過去の例を伺いますが、これまでこの三十三条に基づいて検察庁に通告した事例、昭和二十七年以前は約十件あったと、しかし二十八年以降はないというふうに伺っているのですが、その理由について御答弁いただけますでしょうか。
#58
○説明員(小武山智安君) お話しのとおり、昭和二十年代に検察庁へ通告した例が九件ございます。二十七年以前の通告を行った事態について見ますと、戦後の混乱を引きずっている時期における横領等の犯罪でございまして、本来、各省庁等において告発を行うべきものであったものと思われるものでございます。
 会計検査院法第三十三条に該当するような犯罪の容疑が明白な事態につきましては、受検庁当局において既に告発するなどしているのが通例でございますので、近年、本条の規定によって検察庁に通告した例はございません。
 なお、近年の検査報告の不当事項の記述につきましては、具体的かつ詳細に記述するように努めておりますので、事例によっては、明白に犯罪事実を指摘することができなくても、その犯罪の端緒としての情報提供にはなっているものもあると考えております。
#59
○風間直樹君 先ほど柳澤委員の質疑の中で、検査院法の見直しをしてもう少し大きな権限を検査院に与えることを考慮すべきではないかという御指摘がありました。
 私も、この三十三条につきましては、国の会計事務に関してのみ検察に対して通告することができるというのは、恐らくこの条文が制定されたのはかなり前だと思うんですが、今日のように公益法人やその他の法人がこれほど多数増えるという想定で制定された条文ではないと思うわけであります。こういったところも、今後、この委員会でも見直しが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
 雇用開発協会への委託費の問題、そして今後の事務処理の在り方、この決算委員会におきましてもしっかり監視をしていきたいと考えます。
 次に、検査院の今回の報告の中で、随意契約と天下りの関係につきまして、先ほど柳澤委員も質問をされましたが、私からも幾つかお尋ねをいたします。
 皆様には配付資料の四枚目を御覧いただければと思います。
 先ほど柳澤委員が配付された資料にも同じものがございました。この四枚目のまず上の図でございますが、独立行政法人からの天下り職員が在籍する公益法人、そうでない法人に比べて随意契約の件数が十倍、金額で二十三倍多いと、こういう事実でございます。
 さらに、その下の図でありますけれども、中でも再就職者が十人以上在籍している随契先の公益法人は二十六、再就職者数が五百八十八人と、ここに非常に随契が多いわけであります。検査院の指摘では、特に透明性の確保に留意をし、随意契約としている理由の妥当性について十分に説明責任を果たせるようにすべきと、このように指摘をされております。
 そこで、今回、ここの表に再就職者の人数の多い上位の独立行政法人名と随契先の公益法人名が記載されておりますので、この中から一例を取り上げてみたいと思います。
 取り上げますのは、検査院法三十条の三の規定に基づく報告書、百五十一ページに記載をされております都市再生機構東日本支社の契約例、問題があるケースとして掲載をされておりますものです。
 この都市再生機構東日本支社では、平成十九年度、同機構の二つの団地の耐震診断の業務委託をいたしました。この際、情報管理を徹底して居住者の無用な混乱を避けるという目的で、同機構と責任を共有し、継続的、安定的な業務の実施が可能であることを理由に、財団法人住宅管理協会に随意契約で三千三百十八万円の契約を結んでおります。この下の表の一番左上、財団法人住宅管理協会、これでございます。
 皆さん御覧いただけますように、この協会は、機構からの再就職者数、天下りのOBの数が最も多い八十三人、随契金額も最も多い二百十億円であります。一番言わば問題が多いのではないかと、こういう疑念を受ける可能性がある協会だと思います。
 この住宅管理協会は、機構から受けた耐震診断業務の大半を実は民間業者に再委託をしています。この再委託率を調べてみますと、八九・五%、九割です。つまり、先ほどの指摘にもありましたように、およそ一〇%の手数料を機構が取っている。約三百万円ですね。果たしてこういうことが許されるんでしょうか。
 検査院の指摘では、耐震診断業務は広く民間でも一般に行われているものなので、競争契約を行うべきだと、このように指摘をしております。ちなみに、二十年度におきましては、現在までのところ、この機構が耐震診断業務の委託は行っていないと、こういうふうに聞いています。
 大変不可解な疑念が多いケースなんですが、このケース、随意契約とした妥当性について、検査院が指摘しますように、特に透明性の確保に留意し、その妥当性について十分に説明責任を果たせるのか否か、この点を機構の御担当者にお伺いしたいと思いますが、答弁者、いらっしゃっていますでしょうか。お願いいたします。
#60
○参考人(飯原一樹君) お答え申し上げます。
 従前、機構が所有いたします賃貸住宅に係る業務については、特に耐震診断という微妙な判断に至りますものにつきましては、情報管理等の観点から随意契約ということを行ってきたのは事実でございます。
 しかしながら、昨今の関連法人との随意契約見直しに伴いまして、平成二十年度からはすべて企画競争に移行をするということを決定した次第でございます。
#61
○風間直樹君 この理由がよく分からないんです。情報管理を徹底して居住者の無用な混乱を避ける目的と今おっしゃいましたが、情報管理というのはどういうことなんでしょうか。
#62
○参考人(飯原一樹君) 耐震診断の件ですので、当然ながら、居住者の方自らの、場合によってはですが、生命、財産にもかかわるような数字といいますか結果であるということから、その結果がまとまった形で分析されない段階で、一つ一つ断片的な形で居住者の方に提供されるということは誤解を招く場合もあるということで、全体として随意契約ということをやってまいりました。
 ただ、それにつきましても見直しを行いまして、今申し上げましたとおり、今年度からはプロポーザル方式、簡易公募型プロポーザル方式に移行することを決定した次第でございます。
#63
○風間直樹君 これは、やはり今の御説明は十分な説明責任には余りなっていないと言わざるを得ないと思うんです。今年度以降改められたということですので、これはこれで結構ですが、恐らく、私ども今後調べていくと、都市再生機構におきましてもほかの機構におきましても、こういう例がほかにもたくさん出てくるだろうと思います。引き続き、こうした再委託あるいは在職OBが大変多い公益法人に対する随意契約の問題につきましては、私ども監視をし調査をしてまいります。
 検査院にお尋ねをしますが、今回の報告書の中で、独立行政法人からの天下り職員が在籍する公益法人、随意契約の割合が非常に高いという指摘はなされました。ところで、天下り職員が十人以上在籍する公益法人の場合、そうでない法人に比べて随意契約の割合というのは、件数それから金額で何倍ぐらいになるんでしょうか。
#64
○説明員(真島審一君) お答え申し上げます。
 お尋ねのケースを十九年度について見ますと、これは十九年十二月までの件数でございますが、発注元独立行政法人退職者の再就職者が十人以上在籍の随契先公益法人等では、一法人当たりの随意契約の件数は四十一・六件、支払金額は十三億一千五百万円となっております。
 一方、その再就職者が一人以上十人未満在籍の随契先公益法人等では、件数は七・四件、支払金額は五億二千六百万円となっておりまして、再就職者が十人以上在籍している随契先公益法人等の方が、件数で約五倍、支払金額で約二倍となっている状況でございます。
#65
○風間直樹君 こういう指摘を見ましても、この独立行政法人からの天下り職員が公益法人に多数行くというのは、やはり根本的に見直していかなければいけないと思うわけであります。今回の会計検査院の報告を受けまして、天下りと随意契約のその相関性というのは私はこれでもう明白になった、非常に明らかになったと、このように思います。
 そこで、国から独立行政法人や公益法人への天下りだけではなくて、やはり独立行政法人から公益法人への天下りも見直すべきだと。先ほどの柳澤委員の質問と問題意識を共有するわけですが、官房長官、この点、先ほど鳩山大臣も大変苦しい答弁をされていましたけれども、これはやはり政府の取組の意思というものが問われます。官房長官の御決意を伺いたいと思います。
#66
○国務大臣(河村建夫君) 独立行政法人においてもこうした契約事務等も適正にやると、これはもう当然のことだと思っております。特に随意契約に係る問題については、先ほど来のお話のように情報開示をきちっとやる、それから公益法人を含む関連法人との関係を示す情報、これについても一覧性のある開示の取組、これ今、昨年来、徹底をいたしておるところでございます。
 その上で、今御指摘をいただいた独立行政法人から公益法人への天下りといいますか、いわゆる再就職、これを見直す問題でありますが、まず職員が公務員の身分を有するいわゆる公務員型の特定独立行政法人につきましては、各府省の職員と同じように国家公務員法による再就職の規定を受けることになっておるところであります。
 もう一つ、職員が公務員の身分を有しないいわゆる非公務員型、この独立行政法人、これにつきましては、さきの通常国会に提出させていただいております独立行政法人通則法の一部を改正する法律案等、いわゆる独法改革法案によって、独立行政法人と密接な関係のある公益法人等の、いわゆるファミリー企業という指摘を受けましたが、この間において不明朗な関係が生ずるのではないかという指摘がありました。こういうことがないように、あっせんの禁止などの再就職規制を設ける御提案も今いたしておるところでございます。
 政府としては、このような御指摘にきちっと対応しなきゃならぬということで、まずこの法律案の成立に向けて今努力をいたしておるところでございまして、この点についても御理解をいただいて審議もいただきたいと、こう念じておるわけでございますが、いずれにしても、このような指摘を受けることがないように、いかにして徹底するかということが非常に大事だと思っておりまして、公開性の問題、これもきちっとやらなきゃなりませんし、そうしたそしりを受けないように更に我々としても全力を懸けてこうしたことにこたえていかなきゃいかぬ、このように思っておるところであります。
#67
○風間直樹君 十九年六月の決算審査措置の要求決議に対しまして、政府が本年一月に講じた措置を国会に報告して次の表明をしています。つまり、各法人が随意契約見直し計画の策定過程において、関連法人との契約を含めて徹底的な見直しを行うこと。さらに、その結果、独立行政法人全体で平成十八年度に締結した競争性のない随意契約一兆円のうち、約七割を競争性のある契約に移行することであります。
 検査院に対して要請をいたします。この契約移行の結果につきまして、十九年度に関する実態調査を行うよう要請をさせていただきます。
 最後に、若干時間がございますので、官房長官にお尋ねをしたいと思います。
 官房長官は、こうした政府それから独立行政法人さらに公益法人に対する様々な契約の問題、天下りの問題をまさに官邸の中心として取り束ね、そして改善を求めていくお立場にあると考えております。
 官房長官御自身が、先日来、御本人の事務所費の問題について様々な指摘を受けていらっしゃいます。その後、この事務所費の問題、領収書を調べられた結果、それを公表されたのかどうか、その点、お尋ねをしたいと思います。
#68
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘の点でございますが、さきの決算委員会にも同じような御指摘を受けました。そのとき御答弁申し上げたんでありますが、この問題については、領収書、書類、整備をいたしております。
 この領収書等については公開の義務はないんでありますが、御指摘でございましたから委員会の、これはその前の参議院の外交防衛委員会の理事会にお諮りをいただくように、その国会の御指摘に従いたいと、このように申し上げておるところであります。
#69
○風間直樹君 ちょっと整理をさせていただきます。
 そうすると、官房長官としては領収書を整理、調査した上で公表する用意はあるけれども、それを実際公表するかどうかは外交防衛委員会の理事会の判断を待つと、こういうことでよろしいんでしょうか。
#70
○国務大臣(河村建夫君) 委員会においてそのように申し上げてきておりますので、そういうことで結構でございます。
#71
○風間直樹君 参議院の予算委員会、開催されましたときには、そうではなくて、できるだけ早く調査をして公表をするとお約束されたんじゃなかったでしょうか。
#72
○国務大臣(河村建夫君) 私としては、あのときは既に解散をした、今年の三月に解散した団体でございましたので、書類移し替えたりなんかした点もあったものでありますから、その点を調査して整理をしてお諮りをしたいということを申し上げたところでございますが、その後御指摘もございましたので、これはいろいろ調べてみますと、公開の義務のないものでありますので、委員会の理事会等にお諮りをすべきことだと、このように判断してただいまのような答弁をしたところでございます。
#73
○風間直樹君 済みません、よく分からないんですが、そうすると、なぜ外交防衛委員会の理事会なんですか。
#74
○国務大臣(河村建夫君) そこでそのような御指摘をいただいたものでありますから、理事会でお諮りしていただきたいと、このように申し上げたわけであります。
#75
○風間直樹君 ただ、予算委員会で、官房長官お答えになっていますよね、速やかに取りまとめて公表すると。時期は明示されませんでしたけれども。私どもそれを待っているんですが、それがなぜ外交防衛委員会の理事会になってしまったのか。
 逆に言うと、この決算委員会で私が理事の皆さんに理事会でお諮りいただいて、長官に速やかにお出しいただくように決定いただいた場合には出していただけるんでしょうか。
#76
○国務大臣(河村建夫君) 私の方は出させていただく用意はございます。
 ただ、委員会でそのように申し上げておりますので、そこの委員会と調整をいただければと、このように思います。
#77
○風間直樹君 外交防衛委員会の質疑録を読んでおりませんので、どういう経緯でそういう形になったのか、ちょっと釈然といたしませんが、では、私の方からも委員長にお願いをいたします。
 ここは決算委員会でありまして、やはり国の機関の様々な決算を審査する場でありますから、官房長官のこの問題につきまして決算委員会理事会でお諮りいただきまして、長官に対して速やかにこの領収書調査結果を公表されるよう要請をお願いしたいと思います。
#78
○委員長(小川敏夫君) ただいまの申出につきましては、後刻理事会で協議いたします。
#79
○風間直樹君 終わります。
#80
○牧山ひろえ君 牧山ひろえです。よろしくお願い申し上げます。
 十二日、十一月十二日発売のニューズウイークの記事で読んだんですが、この記事の中には、アフリカの飢餓の問題について記事が書いてありました。今、世界では約九億人が飢えに苦しんでいるそうです。そして、一日に何と二万五千人が命を落としております。私は、以前からこういう方々こそODAの援助で助けていきたいという強い思いがありました。
 いわゆる、こういった国際的な援助活動をするときにだれもが直面する問題ですが、送ったはずの援助物資又は援助資金が実際に援助を必要としている人の手に渡らない、届いていないという、そういう問題がございます。
 このニューズウイークにも取り上げられておりますが、多額の資金の援助が続いているにもかかわらず実際は全く改善されていない、こういった事態が改善されていないという事実でございます。そして、一部の指導者が援助を牛耳っているのではないか、又は武装勢力の武器調達資金になってしまっているのではないかという懸念が示されております。
 さて、日本では、ODA、政府開発援助が年間七千億円規模で援助活動を展開しております。このODAが本当に困っている人の手元に届くことを願うばかりですが、一方で、このODAが合理的に、なおかつ効率的に使われているのかどうか、国政の場でチェックしていかなくてはいけないと思っております。途上国では、支援を必要としている人々に食料を始めとする援助を実際に届けるように、政府が率先して見届けなくてはいけないと思っております。
 既にお手元にあるこの会計検査院法第三十条の三の規定に基づく報告書、この中の二十一ページ、事例七、これを御覧ください。
 今回の会計検査院の調査では、各省にあるODA庁費がODAの仕事に直接関係ない仕事に使われたり、その後、同じ部局内で不適正な会計がなされていました。本来であれば、我が国自身がODAの適切な執行を監視する立場にあると思うんですが、実はその役割を果たすどころの話ではないということが私のこの数日間のお役所の方々とのやり取りで分かりました。
 ODA庁費は、残念ながら大変ずさんな使い方をされているということが分かりました。そもそも、外国に支援が行く前に、日本の段階において腐敗が起きている、それが事実でございます。
 私は事実関係を農水省と国交省にただしました。その際に、資料の提出条件として、会計検査院のODA庁費がODAとは関係ない仕事に使われたとする指摘を受けた購入品の細目と販売会社の社名を明示してくださいと私は各省にお願いしました。ところが、資料の提示までに何度も、購入品の細目や販売会社の社名が記載されていない、私はこれだけは送らないでくださいと言った大まかな資料が提出されてくるなど、本当に誠意が見られないお答えでした。大変残念でした。
 資料提出の経緯について御報告いたします。
 農水省は当初、皆さんにお配りした資料一、この一ページだけが指摘の対象だということで、最初はこの一ページだけが送られてきました。今回の指摘は、海外水産コンサルタンツ協会だけであるということでお返事をいただきました。
 参考までに、この海外水産コンサルタンツ協会、調べましたら、会長は元水産庁の天下りOBで、さらに一名の理事もOBであります。また、農水省が委託する事業の入札に関しましては、同じような能力を持つ会社が最低でも二社、もっとあるかもしれませんけれども、最低でも二社あるということが言われている中で、なぜかこの一社だけが入札に応じ、結果としてこの協会が受注しております。
 農水省の担当者の方にお伺いしたんですけれども、公募はどういう形で行ったのか、それを聞きましたところ、ホームページで公開して公募をしましたということでしたけれども、ほかの会社でもやはり同じようなコンサルタンツ能力があると言われているのにもかかわらず、たった一社だけがこの公募に応募してきたという、大変疑問を持つこの公募の実施方法だったと思います。
 農水省からは後日、この協会以外に農村振興局と国際部の二部署が該当するとして、再度資料の提出がございました。これが皆様にお配りした資料二でございます。最初の報告内容が不十分であったために、何と三日間にもわたり資料の要求を続けたんですけれども、核心であるタクシーの利用時間と、だれがこのタクシーを利用したか、これについてのデータは最後まで明らかにされませんでした。
 同じように、国土交通省にも資料の提出を請求いたしました。これが資料三でございます。農水省とも共通していることなんですが、自動車借り上げ料、つまりタクシー代と、どの部局のだれが利用したか、これに関しては全く分かりません。
 大変深刻なのは、会計検査院の検査でも指摘されたとおり、タクシーを利用する際に必要となるクーポンが、何とODAとは直接にかかわりのない部署でも使用されたということでございます。確認済みですが、農水省農村振興局には、十月一日現在、四百七十四人の常勤職員がおりまして、そのうちODAの職員は十二名だそうです。つまり、どういうことかと申しますと、十二名分のタクシー予算で四百七十四人の職員のタクシー代を一時期賄っていたということでございます。
 ここで会計検査院に二点質問をしたいんですが、今述べた農水省の三件の内容が農水省全体に対する御指摘内容のすべてでしょうか。また、この内容以外にもあれば教えていただきたいと思います。
 同様に、国交省全体についてもこの内容以外に御指摘はありませんでしたでしょうか。また、この内容については間違いはございませんでしょうか。併せてよろしくお願いいたします。
#81
○説明員(鵜飼誠君) お答えいたします。
 私どもの今回の会計検査院法第三十条の三の規定に基づく報告書、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省及び国土交通省所管の政府開発援助に関する会計検査の結果についての報告書の中には、事業の実施状況及び効果に関しまして報告をいたしておるわけでございますけれども、その中には事例を四十入れております。
 お尋ねの農林水産省に関するものと国土交通省に関しますものにつきましては、ただいま先生がお示しになられましたペーパー以外に、農林水産省で十件、国土交通省で三件報告をいたしております。また、先生がお配りになりましたペーパーにつきましては、事例の七と十九に関するものであることは確認いたしました。
 以上でございます。
#82
○牧山ひろえ君 質問通告の際に、ある職員のこんな証言がございました。
 決済に際しては、それぞれの部署が持つ予算を合算して、ODA以外にいろんな部署がございますが、全部ひっくるめて合算して、各部署で働く人の数で頭割りをして、その金額に見合う経費があれば部署を問わずその経費を適当に当てはめていたという証言を私は質問通告の際に伺いました。非常に驚きました。同時に、このようなことがいつごろから始まったのか、こういうずさんな経理。そうしましたら、昔からこのような方法で、言わばごちゃ混ぜの経理をしていたとも証言をされておりました。ODA予算が本来のODAの仕事以外にこのように長年にわたって使われていたという実態でございます。
 さらに、あきれたことに、局内でのどんぶり勘定にはボリュームディスカウントを期待する目的もあったという言い訳をされておりました。まさか、この経費の大部分を占める例えばタクシー代、タクシー代のようなものにボリュームディスカウントというのはあるのでしょうか。私は聞いたことはありません。どうしても自分たちのずさんな経理を認めたくないという思いが伝わってきました。
 私がこの調査を通して感じたのは、社名は個人情報だから言えないですとか、購入品の細目は記録がないから分からない、同じ局内で会計処理をしているからだれが使っているか特定できないという、非常に理屈が通らない言い訳ばかりを伺いました。このように事実をつまびらかにできないということは、やはり何かを隠している、何か不正なことをしている、そのように疑われても仕方がないと思います。
 両省は、今回の会計検査院からの指摘を、経理や運営上の視点から単に便宜上やったことだというふうに言っております。そして、自分たちを正当化しようとしておりますが、そもそもODAの予算はODAの仕事に使わなければならない、当たり前のことですが、この根本を私は忘れてしまっているのではないかと思います。四月以降改善したからこの問題は終わりということでは、何十年にもわたるこのようなずさんな経理の責任を負うということにはならないと思います。
 ODAとは、海の向こうで苦しんでいる人、今にも命を落としそうな人、そういう人たちを助けるのも大きな目的でございます。ODAの本来の目的を理解できないどころか、ODA予算の適正な執行をしていなかったことを私は反省すべきだと強く申し上げます。こうした長年にわたるずさんな経理の実績があり、またそれを正当化しようとする人々が担当している以上は、各省へのODA予算の配分は不適切だと思いますし、また根本的に考え直すべき時期にあるのではないかと思います。
 この事実を聞いて、外務大臣、今までの長年にわたるODA予算の在り方について、何か御意見がございましたらお聞かせいただきたいです。そして、今後各省庁で改善するかどうかということではなくて、あくまでも今までの何十年にもわたるこういったODAの予算の在り方について御意見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#83
○国務大臣(中曽根弘文君) ODAは、もう委員が先ほどからお話しされておりますように、非常に重要な外交の手段でございます。
 我が国といたしましては、このODAを積極的に活用いたしまして、そして途上国の安定、それから発展、また地球規模課題の解決に貢献するということは我が国自身の国益にもかなうものだと、そういうふうに考えております。
 さきのG8の北海道の洞爺湖サミットにおきましても、また第四回アフリカ開発会議、TICADWで表明をいたしましたアフリカ向けのODA、これは二〇一二年までに倍増するというものでございますが、またODA事業量を百億ドル積み増しをするということ、さらに気候変動対策としてのクールアース・パートナーシップ、これは骨太の方針二〇〇八で述べているものでございますけれども、こういうものの推進など、国際公約を着実に実施をしていくということが大事でございまして、また、さらに今般、金融のサミットが行われましたけれども、ここでのまた成果も踏まえまして、ODAにつきましては戦略的な国際協力の実施ということで一層努めていくことが重要だと、そういうふうに私は思っております。
 そのためにも、外務省といたしましては、骨太の基本方針二〇〇八などを踏まえまして、こうした今申し上げましたいろいろな国際公約がほかの地域やあるいは分野の支援と両立をすると、そういう形で達成されるように、我が国のODAが今減少傾向にありますけれども、これを何とか底打ちをさせて反転を目指していきたいと、そういうふうに考えております。
#84
○牧山ひろえ君 ODAの安定を目指す以前に、今申し上げたずさんな経理について、この長年にわたる非常に大まかなずさんな経理について、いかがでしょうか。
#85
○国務大臣(中曽根弘文君) ODAにつきましては、府省庁間の情報、これの共有をすること、また連携をするということは非常に大事なことだと、そういうふうに思っております。そういう意味で、各府省庁において構成をされます技術協力連絡会議、これを開催するなどいたしまして、この各府省間の情報の共有それから連携に今努めているわけでありますが、こうして得られました情報について、現在、在外公館とも共有をし、我が国の援助方針とそごがないように、そういうふうに確認をするということが大事であります。
 委員もおっしゃいましたように、各省庁で緊密に連絡を取って、効率的な無駄のないODAの活用に努めるべきだと、そういうふうに思っております。
#86
○牧山ひろえ君 将来のことではなくて、過去のこの何十年にもわたる非常にずさんな経理について、大臣の率直な御意見をお伺いしたいんですが。
#87
○国務大臣(中曽根弘文君) こういうような過去のODAの使い方あるいは報告の仕方等につきましては、やはりしっかりと検証をしてみて、正すものは正していかなければならないと、そういうふうに思っております。
#88
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 少ない予算を効率的に運用していくことは大変重要なテーマだと思っております。
 私は、各委員会で母子保健の向上を図るということを訴え続けております。例えば、アフリカでは三秒に一人の尊い命、小さい子供が亡くなっております。母子手帳の普及など、日本が得意とする事業を展開できれば母子保健の向上につながるかもしれないと思って、私も一生懸命、各委員会で訴えております。
 両省は、今回の会計検査院の指摘は経理上の問題として簡単に処理しようとしております。この慣例、つまり習わしは、長い間続いてきたことは先ほど述べさせていただきました。単に経理や運営上の指摘であるとの軽率な思いから、本来使われるべきではない予算がほかの仕事に回されてしまったことを、さも便宜的な問題だったとして正当化しようとしていますが、私は、彼らがこの事実を正当化しようとしていること自体、根本的にこの問題を分かっていないのだと思っております。
 海の向こうには本当に苦しんでいる人たちがたくさんおります。今にも命を落とそうとしている方、病気で苦しんでいる方、そういう方を思うと、あんまりではないでしょうか。ODAに関する仕事は実は人間の命に限りなく直結していることを申し上げ、次に進みたいと思います。
 さて、世界最大の援助実施機関、新JICAが十月に発足いたしました。これまでのJICAの活動には心から敬意を表するところでございます。私は、新JICAが更なる充実した活動を展開することを期待しております。
 本日は、お忙しい中、JICAの黒木雅文理事に来ていただいておりますので、新JICAの目指すところなど、日本の国際貢献の正しい在り方について御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#89
○参考人(黒木雅文君) お答え申し上げます。
 新JICAにおきましては、これまで別々の機関が実施してまいりました技術協力、有償資金協力、無償資金協力という三つの援助手法を一体的に運用するということになり、政府のODA政策の下、開発途上国の人々のニーズにより応じた質の高い国際協力を実現するということを目指しております。
 このため、新JICAは途上国が抱えます様々な課題の解決のために現場主義と人間の安全保障の実現ということを引き続き取り組むと同時に、すべての人々が恩恵を受けるダイナミックな開発という目標を掲げて進めていく方針でございます。
 それから、ODAの効率的な実施という観点から、十月一日の組織の統合に際して、旧組織やスキームごとではなくて、管理部門は機能ごとに、地域部は地域ごとに統合し一本化しております。
 また、本部機構の数は、旧JICAの二十四部局と旧国際協力銀行の二十部局とが統合した結果として三十二部局となっております。
 また、海外の事務所につきましても、両機関の事務所が併存しておりました十九か国の事務所につきましては、機能を統合時点ですべて一本化しております。
 さらに、人員、待遇面につきましては、総人件費改革に従いまして引き続き人件費の削減に取り組んでいくという所存であります。
#90
○牧山ひろえ君 JICAには、苦しんでいる方、困っている方を助けたい、そういった高い志をお持ちの方が多く働いておられますし、また当然ながら、世界各国で展開する専門的な活動は各国から高い評価を受けておられます。新JICAには大きな期待を持つ次第でございます。ありがとうございます。
 ところで、外務大臣、一般的な質問をしたいと思います。
 例えば、似た内容の仕事が別々の部署で行われている場合、一つに合理化していくことは社会通念上当たり前だと思いますが、いかがでしょうか。
#91
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員のおっしゃるとおりだと思います。
#92
○牧山ひろえ君 では、ODAに関係する仕事を各省が独自のルートでばらばらに行っている場合は、やはり合理化していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#93
○国務大臣(中曽根弘文君) 案件にもよりますけれども、基本的にはその目的が達成するように効率的に行うべきだと思っております。
#94
○牧山ひろえ君 ODA予算は今現在、各省の予算に計上されておりますが、その個々の使い道を把握されておりますでしょうか。
 農水副大臣、国交副大臣、順番にお答えいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
#95
○副大臣(近藤基彦君) ちょっと意味がよく聞き取れませんでしたけれども、そのODAの予算の細部まで把握をしているかということでしたら、把握はさせていただいております。
#96
○副大臣(金子恭之君) 全体を把握しております。
#97
○牧山ひろえ君 では、再度質問します。
 ODAが幾らの予算で、何人の担当者で、どんなプロジェクトをして、今回のような無駄と思われることがあるのか、具体的に教えてください。よろしくお願いいたします。
#98
○委員長(小川敏夫君) どなたに。どちらの副大臣ですか。
#99
○牧山ひろえ君 両副大臣に。
#100
○委員長(小川敏夫君) 副大臣は答弁できないですか。
#101
○副大臣(金子恭之君) 申し訳ありません。事務的に、大口局長の方から答弁させていただきます。
#102
○委員長(小川敏夫君) いいですか、質問者は。
#103
○牧山ひろえ君 把握されていらっしゃるということだったので、お願いします。──では、どちらでも結構ですので、お答えください。
#104
○副大臣(近藤基彦君) 職員数とすれば、五十名の職員で今ODAの担当をさせていただいております。
 全体予算とすれば毎年変化しますが、約四千万前後だったと思います。ただ、細かいプロジェクトのことに関してはちょっと事務方の方から答えをさせていただきたいと思います。
#105
○政府参考人(吉村馨君) 特にODA庁費についてのお尋ねもございましたので、その点だけお答え申し上げさせていただきたいと思いますが、のODA庁費の中では、借料、損料、それから保守料、消耗品、こういったものがございます。それぞれ一千六十七万、一千六十六万、五十二万といったような支出をさせていただいております。
#106
○副大臣(金子恭之君) 済みません。先ほどの答弁は省として把握をしているということでございまして、総額で八億、職員の数でいくと、ちょっと精査をしなきゃいけないんですが、二十名ぐらいだと思います。
 補足させます。
#107
○政府参考人(大口清一君) 質問通告になかったものですから、人数は正確に後でまた先生にお答えしたいと思いますけれども、私の今抱えている総合政策局、二十名の職員で頑張っております。その他、観光庁、陸海空、それぞれの専門分野で日常の業務を抱えながら、またODAの仕事もしているという職員は多々おります。
 以上でございます。
#108
○牧山ひろえ君 では、先ほどの経理の実態、ずさんな経理については御存じだったんでしょうか。
#109
○委員長(小川敏夫君) どなたに。
#110
○牧山ひろえ君 国土交通副大臣と農水副大臣、お願いいたします。
#111
○副大臣(金子恭之君) 先ほど牧山委員の方からお話がありましたように、会計検査院の御指摘をいただいて、その精査をした中で、ODA庁費と一般庁費が御指摘のあった状態になっていたということが判明をいたしました。
 これは効率的な予算執行の確保に当たるということで生じてしまったものでありまして、その御指摘を真摯に受け止めまして、今後、きちんと区分経理を行ってまいりたいと思います。
#112
○副大臣(近藤基彦君) 我が省としても、今の国交副大臣のお答えとほぼ同じでありますけれども、今回の御指摘で私自身は知ったということになりますが、大変反省をいたしているところでございます。
 その反省の上に立って、今後、国際協力課というところが主に我々のところはODAを取り扱っております。そのほかもわずかでありますが、農村振興局でも取り扱っているところでありますけれども、そういったことに関して、ODAと直接関係をした業務内容に限定をして使用するように改善をいたしておるところでありますけれども、ODA庁費については、厳に適切にこれから使用させてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
#113
○牧山ひろえ君 今回の一連の私の調査によって、こうした会計方法はずっと続いてきた、何十年もの歴史だと思うという職員からの率直な御意見が発せられました。つまり、ODA予算と称しているODA予算が、実際にはODAとは何の関係もないところで使われ、本来であれば、海の向こうの苦しんでいる人の援助に使われるべきものが不適正な会計によりどんぶり勘定となっていたわけでございます。これらの無駄がワクチンや食料になっていれば、苦しんでいる人々の命を救えたのではないかと想像するだけで大変無念でございます。要するに、だれかがODAの全体像を把握して、そして支援の分野ごとに、人、物、金、情報を共有できる体制であれば、日本の国際支援は合理的で透明性の高いものになると思います。
 結論を言いますが、新JICAのスタートに合わせて、まず、例えばODAをJICAに一括してお願いして、そして各省の専門性によってしか実現できないプロジェクトは各省庁にというように、我が国のODA政策全般について抜本的な改革を行うべきであると思います。
 終わりとさせていただきます。ありがとうございます。
#114
○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎でございます。
 今日はお忙しい中、中曽根外務大臣、また鳩山総務大臣にお出ましをいただきまして、誠にありがとうございます。初めに、せっかくの中曽根外務大臣、御答弁いただく機会でありますので、対北朝鮮外交について少しお話を伺いたいというふうに思います。
 大臣は十一月十五日という日がどういう日か御存じでしょうか。今年はつい二日前の土曜日でありましたが、実は三十一年前、昭和五十二年のこの日に横田めぐみさんが新潟市で拉致をされました。ちょうどその日、三十一年前ですが、私は同じ中学校に在学をしておりまして、横田さんは私の後輩であります。
 そういう思いもありまして、この北朝鮮拉致問題については私自身、長年かかわってきたわけでありますが、先週の土曜日、十五日の日にも新潟市で拉致の県民集会がございまして、横田めぐみさんのお父さんとお母さん、滋さんと早紀江さんがこの会でごあいさつをされました。本当に言葉がないぐらい、横田早紀江さん、思いを皆さんに向けてお話をされたわけでありますが、三十一年もたってまだ助けてあげられないというその切ない思いを横田早紀江さんは切々とお訴えをされておりました。
 そうした状況の中で、一日も早くこの問題を解決していただくためにまた御尽力をいただいているわけですが、最近どうも北朝鮮、日本に対する誠意が全くないという状況、ますますそういう状況になってきているんではないかなと思います。
 最近の報道であります。産経新聞の十月三十一日付けで、北朝鮮が中国に、拉致被害者の再調査についてはメリットがない、したがって、これはもう拒否をするんだという考えを伝えたというふうに報じられております。さらに、この新聞によると、その中国に伝わった方針が日本政府にも伝えられているというふうな記載がされているわけでありますが、実際こういった事実があるのかどうか、まずお聞かせ願いたいと思います。
#115
○国務大臣(中曽根弘文君) そのような報道がありましたことは承知しておりますが、中国から我が方に対しましてそのような連絡はございません。
#116
○塚田一郎君 今こういう事実はないということですが、逆に言えば、この問題について進展をしているというような状況はあるのですか。簡単に御説明いただけますでしょうか。
#117
○国務大臣(中曽根弘文君) 残念ながら、進展をしているとは言えない状況でございます。我が方といたしましては、一日も早く調査のやり直しが行われるように努力をしているところでございます。
#118
○塚田一郎君 つまり、今本当に北朝鮮がこの問題について誠意ある対応をする動機があるのかなと私は思うわけであります。
 というのは、一つは、アメリカのテロ支援国家指定解除という結果を北朝鮮は得てしまった。残念なことでありますが、これは一つの事実であります。それによって北は、これ以上日本と、日朝の間で交渉するという状況が本当に彼らにとってメリットがあるか、先ほどの話が事実かどうか分かりませんが、非常にそういう状況に来ているのではないかなと思います。
 政府の中でも、最近、こうした状況についていろんな御発言があります。河村官房長官は記者会見で、具体的な動きが全然起きないなら更に圧力を強めていかなければならない。また、漆間副長官は対策会議の席上で、圧力については、それを検証する必要がある、大事なことは、北朝鮮が本当に困る圧力を考えなければならないということ、今の制裁は北朝鮮は何とも感じておらず圧力になっていないようだ、どうすれば北朝鮮が大変だと思うかを頭に置いてやり方を工夫していく必要があるというふうに述べられております。これは、明らかに政府として追加の制裁措置を踏まえた考え方を持っているというふうに私には理解をできるわけであります。
 さらに、拉致被害者家族等からもこうした追加制裁を求める声が上がっているということは大臣御承知のとおりでありますが、外務大臣として、今、こうした圧力、追加の制裁ということをお考えになっていらっしゃるか、あるいは、もしその場合、どのようなタイミングでそうしたことを考えるというふうに御判断をされているのか、お聞かせ願いたいと思います。
#119
○国務大臣(中曽根弘文君) 米国によります北朝鮮テロ支援国家指定解除、これが行われたわけでありますが、これによりまして拉致の方もいい環境になるのではないかとまた期待もしておりますが、これは非核化を促進させるためのものでもございます。
 今御質問にございました今後の北朝鮮への対応でございますけれども、私どもは従来から、また従来から引き続いて、北朝鮮に対しましては対話と圧力、こういう方針の下に粘り強く、またかつバランスを取りながら具体的な行動を北朝鮮に求めていくと、そういう基本方針でございます。そのためには、政府といたしましては、委員もよく御承知のとおり、拉致とそれからミサイルと核の問題、この解決、これを包括的に解決するという、そういう形で北朝鮮に対しては交渉を行っておるわけで、そういう方針に変わりはございません。
 いずれにいたしましても、今後の対応にいたしましては、北朝鮮のまた動き、出方、それから今後開かれるであろう六者会合、そしてさらに国連の安保理等におきます国際社会の動きなど、そういうものを踏まえまして総合的に判断することといたしております。
 なお、対北朝鮮措置の在り方でございますが、政府部内では不断に検討を行ってきていますが、現時点におきましては直ちに追加の制裁を実施すると、そういう状況にはございません。
 御指摘の官房副長官等の御発言につきましては、こういう考え方を改めて確認をして、そしてこれまでの圧力というものが効果があったのかどうかと、そういうものを検討して、効果がある圧力について研究することの必要性を述べたものだと、私はそういうふうに理解をしております。
#120
○塚田一郎君 ありがとうございます。
 外務大臣というお立場ですから、制裁をするとか、いつするとか、そういうことはおっしゃる立場にないのかなというふうにも理解できるわけですが、きっと中曽根外務大臣はそのことはじっくり考えていただいているんだというふうに私自身は理解をしております。
 申し上げたいことは、外交というのはそれぞれの国が国益を考えてどう動くかということであります。先ほどお話があった拉致、核、ミサイル、これは私ども日本の、我が国の国益にとって譲ることのできない内容なわけでして、しかし、核問題が進展したからといって他の国が拉致問題でどれだけ頑張っていただけるかということは、これはやっぱり日本自身が拉致問題の解決をやらなければいけないということでありますから、その際に何が必要な対北朝鮮の措置であるか、あるいは対話の方法であるかということを是非これからも考えていただきたいということをお願いをさせていただきます。
 先ほど、アメリカのテロ支援国家指定解除は、非核化ということの中でこういう形になったというふうなお話がありました。それはそれで、核問題というのもこれは日本の国益に大変重要な問題でありますから、前進をすることは好ましいことだと思います。しかし、私が申し上げたいことは、その核申告そのものもどうも怪しくなってきているんではないかなということであります。
 最近、北朝鮮が核申告の検証問題についてのいわゆるサンプル調査を拒否するという立場を示しております。これは、いわゆる米朝のファクトシートの中でもうたわれている内容の一つであって、我が国も文書化をしてきちっとやることをこの六者協議の中で提起をしているというふうに理解をしているわけでありますけれども、こうした状況を考えると、まさにこの核の非核化自体が形骸化しつつあるんではないかと懸念をされるわけですが、この点について外務大臣の御認識をお聞かせいただきたいと思います。
#121
○国務大臣(中曽根弘文君) 十月の一日から三日にかけまして米国のヒル国務次官補が北朝鮮を訪問し、いわゆる米朝合意ができたわけでありますが、私どもはその米朝合意についての説明をヒル国務次官補から受けました。
 その中で私たちが強く主張いたしましたのは、検証を実施する段階になって、その段階で問題が生じることがあってはならないと、そういうことで、できるだけ明確に米朝での合意事項というものを文書にして、そしてこれを六者の間で確認することが重要である、また六者会合においてそれを採択することが大事であるということを強く米国側には要望をし、また関係各国に対しましても同様なことを伝え、また理解をいただいてきたところでございます。
 いずれにいたしましても、先般の米朝の合意というものを基礎といたしまして、委員のおっしゃいましたサンプルの採取などを含めまして、今申し上げました検証の具体的な枠組みというものを文書にまとめるということが一番重要だと、そういうふうに思っております。
 引き続いて、関係各国、五か国になりますが、緊密な連絡を取りまして、検証が本当に確実に行われるように、米朝合意が確実に実施されるように努力をしていきたいと、そういうふうに思っております。
#122
○塚田一郎君 是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。この問題、やはり日本がきちっとしたグリップをしていかないと、ずるずると北だけが欲しいものを得てしまうという状況に今なりつつあるんではないかなというふうに大変懸念をしておりまして、是非それを踏まえて頑張っていただきたい。
 実は、余り細かいことまで申し上げませんけれども、北の核拡散の疑惑は引き続きまだ続いているんですね。最近でもシリア、いわゆるイスラエルが空爆をしたシリアの原子炉の建設現場から国際原子力機関、IAEAがウランの痕跡を発見したというふうなニュースも発表されておりますし、また、インド政府が北朝鮮の航空機の領空通過をアメリカの要請で拒否をしたと。その理由は何かというと、核関連物質を搭載をしていた疑いがあるということ、こうした報道もなされているわけです。
 したがって、現状でもまだまだこうした米朝の核合意自体が危ぶまれる事案が多数あるわけですから、きちっとその点も踏まえてやっていただきたいというふうに思います。
 最後に、この問題について先日の十五日の集会の日にも、横田めぐみさんのお母さん、早紀江さん、大切に育てた命を紙くずのようにさらった北朝鮮に政府はもっと怒ってほしい、私は命ある限り拉致解決に向けて頑張っていく、どうか力を貸してほしいというふうに訴えられておりました。私は本当に身につまされる思いでありましたが、まさに我々が、政治がこの問題、本当に真剣になって取り組んでいくことが必要だというふうに思っております。
 その意味で、最後に、麻生内閣で何としても中曽根外務大臣がこの問題を先頭になって解決をしていくという強い意気込みをひとつお聞かせをいただければと思いますが、よろしくお願いします。
#123
○国務大臣(中曽根弘文君) 私たちは北朝鮮に対しまして、中国にあります大使館等を通じまして、この拉致問題の解決のために、調査のやり直しというものを速やかに、早く再開するようにと、八月の日朝合意に基づいてこれをやるようにということを強く申し入れているわけであります。
 ただいま委員から横田早紀江さんのお言葉についてのお話がありました。私たちも本当に、そういう御家族のお気持ちを考えますと、一日も早く解決しなければならない、やれること、とにかくすべてやらなければならない、そういう気持ちでございます。ただ、相手が相手でございますので非常に難しい面もございますが、委員の今のお話をしっかりと胸に受け止めて我々も努力していきたいと思いますので、御指導よろしくお願いいたします。
#124
○塚田一郎君 大変ありがとうございます。是非よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、決算関連の話題に変わって、PCIのまずODAの事件についてですが、これはもう過去何度かこの委員会で取り上げられております。十六年度の決算審査の際には委員会としても政府に対して措置要求決議を行っており、本院の措置要求決議に対する政府が講じた措置の回答によると、「我が国としては本件疑惑事件を踏まえた再発防止策等の着実な実施等について引き続きベトナム政府に要請していく所存である。」というふうに回答されております。
 また、今月の十一日の日には東京地裁で本件の初公判が行われております。その冒頭陳述で、ベトナム政府の開発援助事業をめぐりベトナム高官に賄賂を渡したとする検事の起訴事実をPCIの元役員は認めたと報道をされております。
 事件は既に我が国においては司法にゆだねるところでありますけれども、いかに同種の事件の再発を防止するかという意味において、今回のこの事件の全容を解明することと、どういうふうに再発を防止していくかということを考えなきゃいけないというふうに思うのでありますが。
 まず、一点お伺いしたいんですが、ベトナムにおいてはこの事件についてどのような処置が今なされているのか。実際に賄賂を受け取ったとされるホーチミン市のフイン・ゴック・シー局長というお名前が出ていますが、この方は今刑事責任等を問われているのか、裁判がどういう状況になっているのか等についてお聞かせください。
#125
○政府参考人(渡邉正人君) PCI社の贈賄事件を受けまして、我が国政府は、ベトナム政府に対して本件に係るベトナム側におきます厳正な処分及び再発防止策の実施を要請しております。
 九月十九日、来日いたしましたベトナムの党要人であるヴィエット・ベトナム日本友好議員連盟会長の訪日に際しましては、当時の町村官房長官及び当時の高村外務大臣からも、ベトナム側に対する本件捜査への協力と厳正な処分及び実効性のある不正防止策の実施への協力を求めており、先方からは、ベトナム政府は汚職や不正と闘う強い決意を有しており、日本と緊密に協力しながら真相の究明にしっかりと取り組み、不正行為があったと確認されれば厳正に処理したいとの回答を得ているところでございます。
 ベトナム側関係者が刑事責任を問われたとの情報には今は接しておりませんけれども、今後、我が国国内において公判が進みまして贈収賄の実態が更に明らかになることに伴いまして、ベトナム側の事態究明の動きが一層加速することを強く望むものであり、また、その方向でベトナム側への働きかけを行っていく考えでございます。
#126
○塚田一郎君 そういうことには接していないということは、これはそういう事実があるかないかが分からないということなのでしょうか。それとも、実際にそういう事実がないということなのでしょうか。その辺、御説明いただけますか。
#127
○政府参考人(渡邉正人君) 刑事責任を問われたとの情報には接しておりません。
#128
○塚田一郎君 つまり、これはベトナムで今全くこうした刑事責任を問われるような状況にないということだとすると、日本では既に賄賂を贈ったということまで裁判で供述をされている状況ですから、これは果たして本当に日本政府としてきちっと対応いただいているのかなと私自身は少し思ってしまう部分があります。
 この部分は細かく追及するつもりはありませんが、是非こうした、まず事実関係、今の状況からきちっとやっていただかないと再発防止ということはなかなか難しいと思いますので、引き続き、何でベトナムにおいてこの事件がこうした刑罰を受けるような状況にないのかということを、これからまたフォローしていただきたいということをお願いをさせていただきます。
 ちなみに、これは二億八千万円ですよ、この賄賂の金額は、報道によると。これ大変な金額ですよね。日本でも二億八千万円なんというのはとんでもない金額でありますが、ベトナムの日本との経済的な水準を考えると、とてつもない金額だというふうに思うわけですね。そういう状況でこのODAのお金がもし仮に無駄に使われていたとすれば大変な問題でありますので、お願いをしたいということであります。
 それに関連してでありますけれども、それでは、再発防止についてどのようにこれから頑張っていただけるのかということで、外務省はベトナム政府とともに再発防止策を講じようとしているが、ベトナム側の動きが消極的じゃないかというような報道もあるわけですが、現状、どのような対処になっているのか、少し説明いただけますか。
#129
○政府参考人(渡邉正人君) PCI事件と同種の事件の再発を防止し、ベトナムに対しますODA事業への日本国民の信頼を回復するために、ベトナム政府との間で日・ベトナムODA腐敗防止合同委員会を立ち上げまして、去る十一月七日、ベトナムにおきまして第一回会合を開催したところでございます。この第一回の日越ODA腐敗防止合同委員会の立ち上げのための事前協議、あるいはこの第一回会合等これまでの協議を通じまして、ベトナム政府は汚職防止に向けて真剣に取り組んでいると認識しておりますけれども、政府としては実効性のある再発防止策を早期に取りまとめるよう、日越間で検討を促進してまいりたいと思います。
 再発防止策の具体的内容につきましては、現時点でベトナム側と協議中であり、具体的な詳細を申し上げることはできませんけれども、基本的にはベトナムにおきますODA関連の不正腐敗防止対策の充実や強化、あるいは円借款のコンサルタント調達に関する事前チェックや監査の改善などについて検討を進めているところでございます。
#130
○塚田一郎君 進めていただいているということでありますから頑張っていただきたいということなんですが、ベトナムはちょっと甘過ぎるんではないかなという印象が否めません。したがって、是非この点についてきちっとグリップをしていただきたい。
 腐敗防止委員会というものの検討結果というのは、大体どういう形でいつごろ具体的に報告をされるようになっていくのか、また時間が掛かりますということなのか、その辺のことを御説明いただけますか。
#131
○政府参考人(渡邉正人君) 日越ODA腐敗防止合同委員会による報告書につきましては、年内をめどにベトナム側と取りまとめる方向で今作業をする予定でございます。取りまとめた後は公表する予定でございまして、報告書につきましては、この委員会で御要望があれば、しかるべく御説明させていただきたく考えております。
#132
○塚田一郎君 今ほどお話がありましたので、是非当委員会にも御報告をいただきたいというふうに思いますが、委員長、よろしくお願い申し上げます。
#133
○委員長(小川敏夫君) ただいまの塚田君の申出につきましては、後刻理事会で協議いたします。
#134
○塚田一郎君 それでは、もうこの問題はとにかく頑張ってきちっとやっていただくということに尽きるわけでありますが、私が申し上げたいことは、実はベトナムに私も参議院の視察でODAの案件を見に、この前行く機会をいただきました。大変にODAは感謝をされているんですね。例えば道路でありますとか橋、あるいは排水機場ですとか、新しくできた空港もたしか円借款で造っているというようなお話も伺いました。本当にベトナム自身はこうした日本のODAに対して非常に感謝をしているということであります。
 しかし、一方で、お金を出す側の日本の国民がそれをきちっと理解できるようなODAでなければ、これは続けていくことは困難になってくるわけでありまして、ガバナンスがきちっとしていない国に、あるいは司法でちゃんとしたこうしたことが裁かれるような国でなければODAというのは出していけないんだということを我々はやはりベトナム政府にきちっと言っていくことが何よりも大事だというふうに思います。その点も含めて、我が国として毅然とした再発防止に向けた確実な措置を要求するべきではないかと思います。
 外交問題であると同時に、これは大変に決算委員会としても重要なことでありますが、今後こうしたことも鋭意報告をいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#135
○副大臣(橋本聖子君) 我が国のODA事業に関連してこのような不正が行われたということは大変残念で、また誠に遺憾であるというふうに思っております。
 本件を受けまして、九月に木寺外務省の国際協力局長がベトナムを訪問いたしまして、本件に関する我が国の深刻な受け止め方を伝えて、対ベトナムODAに対する信頼を回復するために日・ベトナム間でいかなる取組をすべきかについてベトナム政府関係者と協議を行っております。
 その結果、日・ベトナム両国政府は、本件を深刻に受け止めた上で、ベトナム側がODAに係る腐敗に対し、本件を含め、不正が行われた場合には厳正な処置をとるという方針を改めて確認するとともに、日越ODA腐敗防止合同委員会を立ち上げて、十一月七日に第一回会合をしたところであります。
 また、日・ベトナム間のハイレベルでの会談の機会にもこうした我が国の受け止め方や取組を伝えまして、ベトナム側においても厳正な対処及び実効性のある不正防止策の実施にしっかりと取り組んでほしい旨を伝えておりました。
 先ほど参考人からもお話がありましたけれども、こういったODAの腐敗防止合同委員会における報告書について早急に取りまとめをいたしまして、また御要望があればしっかりと御報告をさせていただきたいというふうに思っております。
#136
○塚田一郎君 ありがとうございます。是非、引き続き、御報告も含めて鋭意努力をしていただきたいというふうに思います。
 もう一件、ODAで御通告をしていたんですが、ちょっと時間も迫ってまいりましたので、次に、地方自治体の不正経理問題について御質問をさせていただきたいと思います。鳩山大臣、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、今回、これはマスコミ等にも大変に多くこの記事が出ておりますが、平成十九年度の決算報告において、都道府県等における国庫補助事業に係る事務費等の経理の状況について、いわゆる地方自治体の不正経理問題が報告をされております。具体的には、十二道府県で十四年度から十八年度までの間に農林水産省、国土交通省から交付を受けて執行した国庫補助事務費等について不適切な経理処理を行って需用費を支払ったり、補助の対象とならない用途に賃金又は旅費を支払ったりしていたものが計十一億三千七百十一万四千円、これは国庫補助相当額にすると五億五千六百万六千円あったということが判明をしております。
 これは、地方自治体の経理については過去にも問題の指摘があったというふうに理解をしておりますが、特に今回、この十二道府県に検査をしたということと、どういう今回理由があってこの検査を行われたのか。あるいは、逆に疑問になるのは三十五の残りの都道府県についての検査はどうなるのかということなんですが、この点について検査院から御報告いただけますでしょうか。
#137
○説明員(真島審一君) お答え申し上げます。
 会計検査院といたしましては、都道府県の国庫補助事業に係る事務費につきましては、食糧費に係る指摘をするなど、これまでも検査をしてきたところでございますが、平成十八年から十九年にかけまして一部の府県の内部調査において不適正な経理処理が行われていた事態が明らかになったということから、昨年はそうした不適正経理があったことを明らかにしている府県を対象に検査を実施いたしまして、その検査の状況を平成十八年度決算検査報告に掲記したところであります。そして、この昨年の報告におきまして、国庫補助金等に関連した不適正な経理処理が都道府県において行われていることがないか、引き続き検査していくこととする旨を表明しているところでございます。
 本年は、このような昨年までの検査の結果も踏まえまして、公共事業関係の補助金等の交付額が多額となっている農林水産省及び国土交通省所管の国庫補助事業に係る事務費等のうち、過去に不適正な経理処理が多く行われました需用費、賃金及び旅費を対象といたしまして、その経理が適正に行われているか、国庫補助事業の目的に従って適正に使用されているかにつきまして十二道府県を検査したところでございます。
 本院といたしましては、本年の検査の結果、検査いたしました十二道府県のすべてにおきまして不適正な会計経理が行われていることが判明いたしましたことを踏まえまして、その他の県等につきましても既に検査に着手しておりまして、引き続き、会計実地検査を順次実施していくこととしております。
#138
○塚田一郎君 ありがとうございます。
 そうすると、十二の検査を行った結果すべてで出たということは、一〇〇%そうした事案が見付かったということで理解をするわけですけれども、よろしいわけですね。非常に何か私としては、たまたま行ったところが十二か所全部出たということなのか、もうこれはやっぱり地方自治体の、まあ分かりませんけれども、残りの三十五都府県も含めて恒常的にこうしたことが起きているのではないかなという懸念を持つわけであります。
 総務大臣にお伺いをしたいわけですが、十八年度の決算報告でもこの問題が十三府県で指摘をされております。最近では、今回のケースを含めると、かなり継続的にこうした不適正経理処理が行われていることが明らかになったのではないかと思うんですね。
 自治体はそれぞれ、私の理解では検査を行われているということであります。こうした検査で分からなかったことが国の会計検査院の検査で把握をされた、実態が明らかになったということでありますが、こうした実態について総務大臣としてどういうふうにお考えなのか、御説明いただきたいと思います。
#139
○国務大臣(鳩山邦夫君) 塚田先生御指摘のとおり、これは継続して不適正な経理というのが指摘されているわけでございますから、早い話が、単年度限りのものではなくて相当だらしのない状況が続いてきているのだと、こういうふうに認識をいたしております。また、先生御指摘のとおり、今説明聞いて少しは分かったわけですが、十二打数十二安打みたいな話ですよね、まあ安打というのか何か分かりませんけど、そうしますと、一般国民は、四十七調べれば四十七県全部出てくるんじゃないかと、一般国民はそういうふうに考えているかもしれませんから、よほど厳しくやらなければいけないとつくづく思っております。
 こういう不適正な経理処理というのは、それは中には、刑事事件で立件されるようなことはもう論外でございますが、ずさんな処理あるいは誤った処理が行われておりますと、これは住民の信頼を著しく損ねまして、地方行政の執行にこれから悪影響を及ぼすことは必至でございますので、今後こういうことが起こらないように厳重に見張っていかなければならないと、そういうふうに思います。
 会計検査院の報告が十一月の七日に出まして、十一月十二日に総務事務次官名で全地方公共団体に通知をいたしまして、再発防止のために、例えば監査等の監視機能の強化を通じ適正かつ公正な財務運営の確保に努められたいというようなことで、文書通知はいたしたわけでございます。
 問題は、一つは、監査委員が置かれていて、その監査の機能が十分に果たされていたかということが反省点として出てくるわけでございまして、現在、地方制度調査会の審議項目としてこの監査機能の問題を審議をお願いをしております。
 それは、例えば監査委員の独立性の強化ということで、組織、選任方法、OBは就任させない方がいいのではないかとか、あるいは議会選出の監査委員の在り方等、いろいろ審議をいただいております。また、監査委員の人材確保や能力、監査能力の向上についても今審議をしていただいておりますし、あと外部監査の問題がありますね、これは結局、都道府県と指定都市と中核市は外部監査が義務付けられているのかなと記憶いたしておりますけれども、外部監査を厳しくやるべきではないかと、こう思います。
 それから、ちょっと一、二分だけ時間をちょうだいしたいのですが、先ほど塚田一郎先生の御質問の中で、例のベトナムの話がありました。私はちょうど一年前は法務大臣をいたしておりまして、国際会議があって、どうしてもこれは重要だから出てくれというので、一泊三日でローマへ参りました。そのテーマは外国公務員に対する贈賄の問題でございました。それのみがその会議のテーマでありました。日本はその時点で立件したのがまだ一件しかなかったので、日本はまじめにやっているのかねという、ちょっと疑いを掛けられるような場面がありましたので、いや、これから厳しく厳しくやっていくということを私は申し上げて、宣言して帰ってきたといういきさつがありまして、これは、外国公務員への賄賂が横行しますと、せっかくのODAというものがただ不信感をあおるだけで台なしになってしまうので、これは私の今の仕事の職務権限ではありませんが、是非厳しくやってもらいたいなと、こう思います。
#140
○塚田一郎君 ODAに対しても適切なコメントをいただきましてありがとうございます。
 それも含めて内閣として頑張っていただきたいと思うわけでありますが、やはり地方自治体の監査の状況が十分ではないんだろうというふうに私などは今回の件を見ると理解をせざるを得ない。それについては、その外部監査も含めてまた後で御質問させていただこうと思いますけれども、きちっとやっていただかないとこうした問題の再発はなかなか防げないというふうに思いますので、大臣が先頭に立ってまた御指導をいただきたいと思います。
 実際、十八年度の決算検査報告においても、国庫補助金関連で、補助金適正化を踏まえた指摘があります。実際には、国庫補助金の適正な処理について国土交通省及び農林水産省は、会計検査院の指摘を受けてどのような審査の体制の改善を図ってきたのか。また、国庫補助金、不正なものがあった場合に返還はなされたのか、また、その場合、加算金あるいは延滞金等をきちっとルールにのっとって課されているのか。これは、国土交通省と農林水産省に御答弁いただきたいと思います。
#141
○政府参考人(増田優一君) お答え申し上げます。
 国庫補助金等は、御指摘ありましたように、国民から徴収された貴重な税金等でございますので、不適正な経理処理が行われたと、大変遺憾に考えております。
 十八年度決算検査報告において国土交通省所管の国庫補助金で不適正経理があったとされました長崎県及び佐賀県につきましては、補助金返還の手続を進めてきているところでございます。長崎県につきましては、既に返還額の確認作業を終えまして、国庫補助金相当額及びその加算金の納付を受けているところでございます。残る佐賀県につきましても、速やかに手続を進めていきたいと考えております。
 国土交通省といたしましては、補助金適化法の趣旨を踏まえまして、完了実績報告書、それから完了検査などに際しましてより一層の厳格な審査を行うよう徹底を図ってきているところでございます。また、都道府県等に対しましても、今月七日、経理処理手続等の適正化につきまして既に通知したところでございまして、引き続き指導の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
 さらに、十九年度決算検査報告におきまして不適正経理の対象となりました国庫補助金等相当額につきましても、速やかに補助金返還等の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
#142
○政府参考人(岡島正明君) まず、十八年度決算検査報告で不適正な経理処理というもの、これにつきまして、十三府県のうち当省所管の補助金の事務費が含まれていることが会計検査院の検査で確認されました。大阪府及び長崎県に対しましては、加算金を課した上で国庫補助金等相当額の返還を命じ、既に返還が完了しているところでございます。したがって、延滞等は生じなかったものですから、延滞金等は徴収しておりません。
 改善策につきましては、今ほど国土交通省の方からも御答弁したとおりですけれども、私どもとしても、やはり補助事業の厳正かつ効率的な実施を図るため、補助事業の終了時に提出される実績報告書の審査に当たって支払関係の書類の確認を徹底するなどその審査の強化を図っているところであり、またその旨を各県にも通知しているところでございます。
 以上でございます。
#143
○塚田一郎君 きちっとやっていただきたいと思いますし、今のところそういう形で対応していただいているんだと思いますが、今回の指摘にあった分についても引き続ききちっとやっていただきたいと思います。
 それで、今回のこの十九年度の指摘を見ると、何というんですかね、手口という言葉は余り適切じゃないかもしれませんが、不正処理の行われた形が幾つかあるわけですね。預け金という方法、一括払い、差し替え、翌年度納入、前年度納入等々幾つかの類型があるというふうに報告をされていますが、これぱっと聞いてもなかなかどういうことかよく分からないところがありますけれども、こうしたことも含めて、この原因がどういうところで、要因がどのように検査院としては分析をされているのか、少し御説明をいただきたいと思います。
#144
○説明員(真島審一君) 先生がおっしゃられるとおり、今回の十二道府県における検査の結果、国庫補助事業に係る事務費のうち、物品の購入等に係る需用費の支払については五つの事態に区分して私ども御報告申し上げているところでございます。
 一つ目の預け金と申しますのは、物品が納入されていないのに納入されたこととする架空取引を業者に指示いたしまして需用費を支払いまして、これを業者に預け金として保有させていた事態でございます。二つ目の一括払いは、正規の手続を行わないまま随時物品を納入させた上で、後日これらとは異なる物品が納入されたこととして一括して支払を行っていたという事態でございます。三つ目の差し替えと申しますのは、契約した物品とは異なる物品に差し替えて納入させていたものでございます。四つ目の翌年度納入は、物品が翌年度に納入されていたのに現年度に納入されたこととして支払を行っていたもの。五つ目の前年度納入と申しますのは、物品が前年度に納入されていたのに現年度に納入されたこととして支払を行っていたものでございます。
 このような事態が生じておりましたのは、私どもは、会計経理担当職員の会計法令を遵守した予算の執行に対する意識等が希薄であったこと及び公金の取扱いの重要性に対する認識が欠如していたこと、また物品の購入等に係る会計事務手続について内部牽制がほとんど機能していなかったことなどによるものであると考えております。
 なお、各道府県におきましては、事務手続の省力化や予算の使い切りを優先させたことなども理由としているところでございます。
#145
○塚田一郎君 何か、予算はもう使わなきゃいけないということで、もういろんなことを、方法を考えてこういうことが行われているとすれば、大変に私はゆゆしき状況だと思います。是非そこを、今回大変重要な指摘が検査院からなされたわけですので、きちっと関連省庁、そしてまた総務省の方からも御指導いただきたいというふうに思うわけですが。
 何かちょっと、余り時間がないのでいろいろ御紹介できないんですが、例を見ていると結構すごいものがありまして、愛知県の県税事務所では五年間でボールペンを一万四千二百三十本、約五十六万円分。別の県税事務所では電卓を計二百二個、約六十万円分を帳簿上では購入したとか、何か考えられないようなやり方が行われているわけでありまして、これはちょっと悪質なケースもあるのかなって。
 実は、残念なことでありますが私的流用のケースも出ているようであります。これもまた愛知県でありますが、愛知県の方には申し訳ありませんが、ベテラン女性職員が架空請求で文具業者にいったん管理させた資金の中から百六十万円を個人の懐に入れていたということで、これは既に逮捕されたというふうに伺っておりますけれども、実際、この愛知県の私的流用案件というのは、この補助金に関連したケースなんでしょうか。検査院の方で分かりますか。
#146
○説明員(真島審一君) お答え申し上げます。
 お尋ねのその私的流用が発覚した旨の報道につきましては承知しておりまして、またお尋ねの国庫補助金との関連、事件発覚に至る経緯等につきましては本院としても関心を持っているところでございますが、現在司法当局による捜査継続中と聞いておりまして、詳細な事実関係は把握しておりません。
 いずれにいたしましても、本院といたしましては、今回の実地検査を契機として行われた愛知県の内部調査の結果につきましては、しかるべき時期に所要の報告を求めるなどいたしました上で、国庫補助金との関連の有無等について引き続き厳正に検査していく所存でございます。
#147
○塚田一郎君 これが補助金該当でなかったとしても問題なんですが、補助金該当であるとすればそれも大変重要な指摘でありますので、その点についてもフォローいただきたいと思います。
 時間がもう限られておりますので最後の質問にさせていただきますが、総務省にお伺いをしたいのは、国の責任の一方で地方自治体の責任も大きいわけですね。これから地方へ国からの権限、財源の移譲が進んでいくということを前提に考えれば、地方自治体がきちっとしたこうしたものの監査のレベルを上げていっていただかないといけないということであります。特に市町村レベルの予算の執行については、都道府県もそうですが厳正にチェックをしていただく必要があるわけで、昨年の十二月に、総務省は地方公共団体における外部監査制度に関する調査の結果を公表されております。
 この調査結果についての見解、今後の外部監査充実に向けた取組について総務省から御説明いただきたいと思います。
#148
○政府参考人(久元喜造君) この外部監査制度は、地方公共団体の組織に属さない外部の専門的な知識を有する方にチェックしていただくという制度でありまして、大変これは地方公共団体の監査機能を発揮する上で有益な制度であるというふうに考えております。ただ、都道府県につきましては、すべてこの外部監査制度が行われているにもかかわらず今回のような不適正な事案が発覚したということは、やはり私どもとしても反省すべきことが多いと思います。
 この外部監査制度につきましては、外部監査人が自ら適当と認める事件を選択して行うということでありますので、今回の事件を教訓として、これを再発を防止するための指摘ということも期待をしながら、この外部監査制度の更なる活用について助言をしていきたいというふうに考えております。
#149
○塚田一郎君 済みません、最後に大臣から一言、こうしたことを踏まえて、今後きちっと地方に対して指導をしていただくという点でコメントがあればいただきたいと思うんですが、決意をお聞かせいただきたいと思います。
#150
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほど先生御指摘されましたように、これから地方分権を一層進めていくわけでありますから、都道府県、市町村の役割も大きくなる、権限も大きくなるわけでありますので、そういう地方公共団体が信頼を失うような行為は断じてあってはならないということで厳しく見詰めていこうと思っております。
#151
○塚田一郎君 これで終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#152
○委員長(小川敏夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、梅村聡君が委員を辞任され、その補欠として武内則男君が選任されました。
    ─────────────
#153
○牧野たかお君 自民党の牧野たかおでございます。
 質問に入る前に、ちょっと私、今、塚田委員の質問を伺っていて、そして鳩山大臣の御答弁を伺っていて、地方自治体の不正経理の問題が今取り上げられましたけれども、実は私もあの県の監査委員を一年やっておりまして、監査委員の在り方はありますけれども、地方によって私は経理の仕方というのは大分実情は違っているんじゃないかと思います。早く外部監査を導入したところもあるし、また平成八年、九年ぐらいにもう食糧費を撤廃したところもありますし、そういうところもございまして、地方自治体、四十七都道府県全部同じだというふうには思っていただきたくないなというつもりで今ちょっと御意見を述べさせていただきました。
 それでは、決算の質問に入ります。
 一番最初から独立行政法人の業務、入札、契約の状況についての質問が相次ぎましたけれども、確かにその独立行政法人というのは全体を総務省が監督しているわけでありますけれども、実際には各省庁が結び付きが強いということで、そこが省庁ごとに縦割りで見ているところがあるかと思います。ですので、総務大臣に伺うのもちょっと意地悪かなとは思いますけれども、ただ私は、この報告書を読んだところ、本当に独立行政法人の随意契約については、ちょっとこれは余りにもずさんだなという気がいたしております。
 先ほど来から出ていますけれども、平成十八年度で随意契約が独立行政法人全体でいうと七五・五%で、そしてまた十九年度の十二月までの九か月間も七四・四%というふうに、ほとんど変わっておりません。やっぱりこれは、それまでも会計検査院の指摘が度々あったと思いますし、また国会でも、独立行政法人、もっと言えばその前の特殊法人の時代から随意契約が多過ぎるというふうにさんざん言われてきたにもかかわらず、余り変わっていないというのはこれはちょっと体質的に問題があるんじゃないかと思いますけれども、まず、このように状況が十九年度まで見て改善されていない原因はどこにあるかということについて、鳩山総務大臣に伺います。
#154
○国務大臣(鳩山邦夫君) この問題は、先ほど別な方からの質問でも何回も御答弁申し上げましたけれども、まあ早い話が独立行政法人に対して所管官庁の目も甘過ぎたんだろうという、そういう反省をしながら、これからは国と同じような形にしていかなければならないと、そう考えております。
 今先生御指摘の数字ですよね、七五・五%が七四・四%にしかなっていないと、十八年度と十九年度の違いがですね、金額ではむしろ増えているという情けない状況がございます。
 昨年十二月に閣議決定いたしました独立行政法人整理合理化計画におきまして、一番問題なのは、競争性のない随意契約、これを徹底して減らそうということでございます。つまり、すなわち一般競争入札をもちろん原則としながらも、競争性のある随契というのもあるわけですね、企画競争とか公募のような形を取るわけで。そういうことも踏まえて、各法人において随意契約見直し計画を策定し実行することとなっておりまして、これにより、十八年度に独立行政法人全体が締結した競争性のない随意契約、金額にして約一兆円、このうち七割を一般競争入札等に移行して競争性のない随意契約の比率を国並みの一〇%台まで引き下げるという、こういう計画なのでございます。
 先ほども実は御答弁申し上げたんですが、会計検査院の数字と総務省として取りまとめている数字がちょっとずれておりますのは、概念的な問題もあるのかもしれませんし、調査対象の範囲が多少違っているのかと思うわけでございます。
 今回の会計検査院の御指摘というのは、昨年末までのものなんですね。昨年末に取りまとめて、いよいよやろうということでございますから、今年の、平成二十年の一月から三月は随契減らそうといって頑張ってきたわけでございまして、その数字は明らかに改善しておりまして、いわゆる競争性のない随契は、十八年度は四七・六%、この数字が違うのは先ほどから申し上げたような理由によるので私細かく説明できないんですが、それが三九・七%へと変化をしております。
 ですから、この数字を最終的に一四%ぐらいまで持っていくということで頑張りたいというふうに考えております。
#155
○牧野たかお君 また大臣には最後、このところで伺いますけど、会計検査院の報告書の百三十二ページから百四十一ページのところです。会計検査院が平成十九年十一月から今年の七月までの契約、随意契約ですけれども、その随意契約を抽出した、要するに抽出ですから全部じゃないですが、その随意契約を検査した結果、九百五十五件の妥当でないという契約があったとされています。
 それはそれとして、問題は、この九百五十五件のうち、会計検査院のこういう指摘があったにもかかわらず、まだ未済が七十八件で、措置の予定がないというのが八件、合わせて八十六件が指摘に応じていないということでありますが、この状況について会計検査院はどのように受け止めているのか、そして、それについての総務省の見解を併せて伺います。
#156
○説明員(真島審一君) 先生今お尋ねのありました措置未済又は措置予定なしとしている八十六件と申しますのは、二十年八月一日現在で競争契約等への移行措置がとられていない若しくは十分とは認められないもの又は移行予定が未定であるとしているものでございます。
 会計検査院といたしましては、随意契約見直し計画に基づく個別の随意契約の見直し状況などについて引き続き検査を実施することとしておりまして、これら八十六件の契約についても今後の見直し状況を検査することにより会計経理の適正を期するという使命を適切に果たしていきたいと、かように考えております。
#157
○政府参考人(宮島守男君) 総務省といたしましては、御指摘の八十六件の内容について具体的に承知をしておりませんので、個別にコメントすることはできないということをまず御理解いただきたいと思います。
 なお、一般論として申し上げれば、昨年十二月に閣議決定しました整理合理化計画におきまして、独立行政法人の契約は、原則として企画競争や公募を含む一般競争入札等によることとされておりまして、真に随意契約によらざるを得ない場合以外は一般競争入札等へ移行することが必要であるというふうに考えております。
#158
○牧野たかお君 会計検査院が指摘をして、未済というのはこれからやるかもしれませんけれども、措置予定なしとはっきり答えているものが八件あるというのは、要は会計検査院の指摘について、そこの独立行政法人にしてみると、要するに会計検査院の指摘自体が間違っているというふうに取っているのか、それか、会計検査院の指摘には従う必要もないと思っているのか分かりませんが、いずれにしても、会計検査院の指摘があってそれに応じないとなると、会計検査院の検査自体が要は意味がなくなってくると思いますけど、会計検査院、どう思いますか。
#159
○説明員(真島審一君) お答え申し上げます。
 会計検査院といたしましては、これら八十六件の契約につきましては、移行のための準備期間を要するものなどもあるとは考えますが、いずれも今後競争契約等に移行することが必要なものであると、かように考えております。
#160
○牧野たかお君 だから、今も申し上げたみたいに、措置予定なしというのは、要するに指摘したけどその独立行政法人が意思として変えませんよと言っていることでしょう。だから、それがもし通っちゃうとすると会計検査院の指摘というのは意味を成さなくなってくると思うんですが、それについて会計検査院、更に検査していくとか何かじゃなくて、何かそれに対する強い指導というのはできないんですか。
#161
○説明員(真島審一君) お答え申し上げます。
 措置予定なしとしておりますのは、移行予定が未定であるというふうに相手方が説明しているものでございまして、今後の検査によりまして私どもの指摘の趣旨というのは十分反映されていくものと、かように考えております。
#162
○牧野たかお君 そういうふうにしないと、本当にそれぞれの、これは独立行政法人に限ったことではないでしょうけれども、指摘自体がちゃんとそれに応じてもらえないようになってしまったら本当に大変な、これからの検査自体が意味がなくなってくると思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。
 それで、先ほど来もお話が出ましたけれども、独立行政法人が公益法人と行っている契約がまたすごく随意契約が多いんですけれども、平成十八年度では九三・八%、これは件数です。支払金額では九八・一%というふうに大変多いわけです。
 そのうち、公益法人の中で、さらに独立行政法人が出資しているような関係法人と言われるやつが七九%、要するに公益法人全体の随意契約の中の七九%も占めているということでありますので、先ほどもちょっと指摘がございましたけれども、これでは何か本当に身内のために仕事をつくっているというか発注しているというか、そういうふうに取られても仕方がないと思うんですけれども、総務省の見解はいかがでしょう。
#163
○政府参考人(宮島守男君) 御指摘のような御批判を踏まえまして昨年十二月に閣議決定しました整理合理化計画におきまして、一つとしまして、独立行政法人は当該法人と関連法人との間の補助、取引の状況と関連法人への再就職の状況を一覧性のある形で容易に閲覧できるよう情報開示を行い、説明責任を果たすこと、二番目といたしまして、各独立行政法人が各関連法人への再就職に関連して不適正な契約の発生等がある場合には、その責任において、人と資金の流れについて適正化を図ること、三番目といたしまして、さらに随意契約の適正化を含めた入札、契約の状況、情報開示の状況については、監事及び会計監査人による監査、各府省の独立行政法人評価委員会において厳正にチェックすることなどとしたところでございまして、透明性を向上させるための取組を行っているところでございます。
 これらの閣議決定の内容を着実に実施していく必要があると考えております。
#164
○牧野たかお君 御答弁が、幾つも質問しても大体御答弁同じになっちゃうものですから、また質問しても同じかなと思っていますけど。
 報告書の百四十二ページに書いてあるんですが、独立行政法人と公益法人との間での競争契約を見た場合、先ほどもちょっと出ていましたけれども、要は入札に一者しか応じないという、一者応札というのが非常に増えていますけれども、結局、件数で見ると、十八年度が四三%で、十九年度十二月までの九か月間では六九・五%となっておりますが、結局、入札条件を厳しく制限をしますと、外の業者ではなくて、公益法人、とりわけ自分のところが関係している関係法人しか仕事が取れないような形に事実上なっているとすると、幾ら競争入札といっても、事実上のこれは随意契約と変わらないと思いますけれども、こういう状況もこれから何とかしていくお考えなのか、総務省に伺います。
#165
○政府参考人(宮島守男君) 御指摘の一者応札の問題につきましても、整理合理化計画におきまして、契約が一般競争入札等による場合であっても、真に競争性、透明性が確保された方法により実施することとしておりまして、各独立行政法人においては、入札等に当たっては競争を事実上制限するような条件で、例えば過去に受注実績があるなど、そういったような条件を設けないようにするなどの適切に対応する必要があると考えております。
#166
○牧野たかお君 結局、答えは同じようになってしまいますので。
 最後に総務大臣に伺いますけれども、先ほど来からずっと、総務大臣の御答弁でもそうですが、独立行政法人整理合理化計画というものに基づいてこれからどんどん改善をしていくということでございますけれども、私はそういう整理合理化計画に沿って行政的にそういう進め方をするのは当然だと思うんですが、私はやっぱりこの問題というのは、まずは省庁、そして独立行政法人、そして公益法人という縦割りの中で、意識が何か、いろんな改正の改革案を出したり計画を作ったりするんですが、要は縦割りで、何というんでしょう、意識が余り、じゃ十年前と五年前と現在変わっているかというと、そこで働いていらっしゃる方たちの意識というのが余り変わっていないことが一番の原因じゃないかなというふうに思います。
 それともう一つは、要は省庁が今まで自分たちでやれないものを独立行政法人に出して、独立行政法人が公益法人に出すという形が、だんだんやれないものじゃなくてやれるものも外に出して、一つのグループをつくって、仲間内でというか、省の縦割りの中の同じ系統の仲間を守るためにこういう仕事を出しているようなところの意識というのが何にも変わっていないんじゃないかなという気がするんですけれども、とにかくこれから、これは独立行政法人の在り方、そしてまたこの公益法人の在り方というのは、私は行政改革の中で一番の大きな焦点になると思っております。
 そういう中で、総務大臣として、もちろん主務大臣はいらっしゃいますけれども、この独立行政法人全体をやっぱり管轄する総務省の大臣でいらっしゃいますので、強い意気込みをお聞きして、この全体の話は終わらせていただきますが、よろしくお願いします。
#167
○国務大臣(鳩山邦夫君) 一つは、昨年十二月に閣議決定いたしました独立行政法人整理合理化計画、この中身をきちんと実行することなんだろうなと。この中には、先ほどから先生御指摘があったように、一者応札になるような、そういう条件の付け方もやめるべきということが書かれているわけでございまして、これが全部きちんとできれば相当独法の契約も変わってくると思いますし、競争性のないいわゆる随契、随意契約のパーセンテージを一〇%台に早く下げていかなければならないと、こう思っております。
 ただ、実際、先生御指摘のとおり、国家公務員の数は減らした方がいいとずっと言われ続けてきて、じゃ外に出してもいいものを外へ出して特殊法人だとか独立行政法人という名前にして、かえってそれに対する監督みたいなものが甘くなって、そこで随意契約が横行するということになれば、全く行政改革をやって行政改革に反するような形、結果が出てきているということも可能性としては私は十二分にあると。それだったら、国の組織そのものだった方が厳しく目が行き届いたのではないかと、そういうふうになってしまいますから、言わば独立行政法人に対しても、国の直接の組織と同じ、あるいはそれ以上厳しい目を向けていかなければならないと決意をいたしております。
#168
○牧野たかお君 是非、大臣の今の決意のとおり、よろしくお願いしたいと思います。
 大臣、お忙しいでしょうから、私の方は後、大臣に質問ございませんので、よろしければ御退席されてください。
 次に、今度、個別のケースで都市再生機構を取り上げさせていただきますけれども、都市再生機構の財務状況を見ますと、十八年度七百八十一億円、十九年度七百四十一億円の純利益を出して、繰越欠損金は、十八年度の四千九百五十五億円から十九年度四千二百十四億円ということで、七百四十一億円減少しています。しかし、実際は平成十八年度、十九年度で国から百五十八億円の政府補給金を受けていますので、七百四十一億といっても実際はこれから百五十八億を引いたのが本当の私は減少額だと思っておりますが、それにしても多額なまだ欠損金が残っておりますが、この多額な欠損金の今の財務状況の認識と今後の見通しをまず伺いたいと思います。
#169
○参考人(河崎広二君) 都市再生機構の財務状況に関する認識についてのお尋ねでございます。
 私ども、平成十六年の七月一日に独立行政法人として新たな出発をしたわけでございますが、その時点で時価評価を実施をいたしました。その結果、七千二百八十八億円の欠損金という結果に相なったわけでございます。それを受けて、私ども経営改善計画を策定をいたしまして、平成三十年度までに、早期、この欠損金を解消しようというふうなことで強力に経営努力を推進をしてきたところでございます。
 その結果、平成十九年度末では、設立から大体四年ぐらいたっているわけでございますが、有利子負債は二兆三千億ほど削減をいたしましたし、欠損金は約四割解消いたしまして四千二百十四億円まで削減をしております。これは、様々な販売努力に加えまして、実はその間の好調な不動産市況ということも若干追い風になったということがあるわけでございます。したがいまして、これまでのところ財務状況は順調に改善していると思います。
 ただ、現在の状況でございますが、御承知のとおり、サブプライムローンあるいは金融危機の中で不動産市況も非常に厳しい状況になってきているというふうに私ども認識をいたしております。しかしながら、こうした中でも、今後とも引き続き繰越欠損金の早期解消に向けて我々としてはあらゆる努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 なお、補給金の話についての御指摘ございましたが、これは、良質な賃貸住宅を安定的に供給するために、家賃で回収すべき金利を借入金利よりも政策的に低く設定するためという政策的な制度として国が創設したものでございまして、機構に対する経営支援という性格ではございませんので、繰越欠損金と差引きするような性格ではないということをちょっと付け加えさせていただきたいと存じます。
#170
○牧野たかお君 財務状況は今伺いましたが、先ほど独立行政法人全体の話の中で随意契約の多さを申し上げましたが、百余りある独立行政法人の中で、この都市再生機構というのが圧倒的に随意契約の件数と支払金額が多いわけでございます。特に、公益法人との随意契約の中で見ますと、その中で、公益法人との随意契約の中でも、この都市再生機構は関係法人との随意契約が極めて高い、比率が極めて高いという状況です。
 十八年度を見ますと、支払金額で見た場合、公益法人全体が六百八億円ですけれども、このうち関係法人に対しての支払金額は五百八十二億円ということで九六%、そして平成十九年度十二月までを見た場合も三百五十七億円中三百四十三億円というように、同じく十九年度の十二月までも九六%ということで、公益法人の随意契約のほとんどが、出資している会社か若しくはその関係する財団法人、これは株式会社が二十八社で財団法人が九団体の合わせて三十七法人だそうですけれども、ここがほとんど随意契約で受けているということですけれども、何でこんなに随意契約が関係法人にほぼ一〇〇%に近い状態かというのを伺いたいと思います。
#171
○参考人(河崎広二君) 御指摘のとおりの数字になっているわけでございます。
 その背景について若干御説明をさせていただきたいと思いますが、私どもの都市再生機構、実は独立行政法人の中でも大変規模の大きい事業体でございまして、そのために事業規模が大変大きいということがございます。それから、都市再生事業を始めニュータウン事業、これは収束期に入っているわけでございますが、公園事業とかあるいは賃貸住宅の供給という多岐にわたる事業を行っております。かてて加えて、日本住宅公団は設立以来五十年以上たっておりまして、その間に建設して供給している賃貸住宅は七十七万戸ありますし、それから各地域で行いました町づくりについてもやりっ放しというわけにはいきませんで、当然そのフォローアップもしていかなきゃいけないというようなことで、大変業務が複雑多岐になってくるという状況になっております。
 一方で、機構本体の職員数でございますが、ピーク時には五千五百人ほどいたわけでございますが、今は四千人ちょっとというふうな状況で、現在も定員削減に努めておりますし、過去においても定員削減をどんどんやってきたわけでございます。
 その中で、全体の事業をどう円滑に実施していこうかということで、その手法として考えたのが、実は、主に現場管理業務、具体的に言いますと、賃貸住宅の例えば二十四時間緊急時対応といったような居住者サービス、あるいは企画、判断を伴うような、権利者あるいは地方公共団体の折衝、権利者の折衝といいますと、例えば用地買収の折衝を行ったり、あるいは賃貸住宅の建て替えをやるときに既存の居住者の方々との折衝を行ったりといったような業務でございますが、そういった業務につきまして、それを関係法人にアウトソーシングするという形態を実は取ってきたわけでございます。
 そういうことがございまして、実は、この関係法人に委託した業務は本来ならば機構職員がやるような業務だという業務の性格上がございますので、実は随意契約ということにしておりまして、これまで随意契約が大変多くなっておるという状況にあるわけでございます。
 しかしながら、昨年来の議論の中で機構は民間ではなくて公的機関であるということで、随意契約で本当に効率的な業務が実施できるのか、効率性が確保できるのかというふうな御指摘がございまして、昨年の十二月の独立行政法人整理合理化計画におきまして、関連会社との随意契約については原則すべて競争性のある契約方式へ移行を図るというふうにされたところでございまして、この閣議決定を踏まえて、すべて競争性のある契約方式に移行をするという考え方で、現在これを着実に実施に移しているところでございます。
 以上でございます。
#172
○牧野たかお君 意味は分かりますが、ただ、今の答弁の中で、私はこれはちょっと、何というんでしょうね、アウトソーシングの意味を間違えているのかなと思ったんですが。
 要するに、本体の職員数を減らすためにわざわざアウトソーシング、外に出して会社つくっていくというのが本来のアウトソーシングの意味じゃなくて、要するに外の民間の会社ができるものは仕事を外に出すという意味で、職員の方が、後で質問しようと思ったんですが、要は退職者として公益法人、周りの関係法人の方に転籍をするんだったら別に何にもアウトソーシングする意味がないと思いますので、そこら辺はまた考えていただきたいと思います。
 それで、今申し上げた退職者の再就職の話なんですけれども、報告書の百六十一ページに三百八十四人が公益法人に再就職をしているというふうに書いてありますけれども、このうち関係法人、さっき申し上げたような株式会社二十八社、そして財団法人九団体の三十七法人になりますけれども、そこのところに、この関係法人に三百八十四人中何人ぐらいが再就職されているんでしょう。
#173
○参考人(河崎広二君) 三百八十四名中三百八十一名でございます。残りの三名につきましては、機構の関係法人以外の法人への再就職という結果になっております。
#174
○牧野たかお君 これも今までさんざん言われていることだと思いますけれども、要は独立行政法人から自分の関係している、出資している株式会社に行ったり、また関連の財団法人に行ったりということで、そこのところが、さっき申し上げたみたいに、九六%も仕事を随意契約で結んでいるということは、世間一般的に見れば、やっぱり身内だけで要は公費の中でそれを使ってやりくりしているというふうにどうしてもこれは取られざるを得ないと思いますので、私はそこの意識というのはこれから変えていっていただきたいと思います。
 それで、その関係法人の中には、全部じゃありませんけれども、多額な利益を出しているところがございます。平成十九年度を見た場合、関係法人の中で一番大きい会社だと思いますけれども、株式会社日本総合住生活という会社では百五十二億円の利益剰余金を出しております。
 さっきお答えがあったように、まだ四千億円以上の欠損金がある中で、関係法人に人まで出して、仕事まで出していて、その関係法人が百五十二億円もの利益剰余金があるとするならば、欠損金を少しでも減らすために、配当はもちろん出資していますのであるでしょうけれども、寄附か何かの形でその欠損金を減らすようなことを求めたらどうかと思いますけれども、それについてはいかがでしょうか。
#175
○参考人(河崎広二君) この点についても、昨年の整理合理化計画の中で、自己資本の水準を検証の上で、機構の政策目的にふさわしい活用方策を講ずるというふうにされておりまして、その中で、今御指摘の日本総合住生活株式会社の剰余金につきましては、その活用を図ることが必要であるというふうに私どもは認識いたしました。
 そこで、その剰余金の処分といたしまして、機構の賃貸住宅団地における安全、快適な居住環境づくりを推進するための基金積立金を設置するということを株主総会で決議をしていただきまして、具体的な事業としては、エントランスの改修でありますとか車いすの昇降機の設置といったような団地環境整備に使用するというふうにしたところでございます。
 ただ、直近の議論といたしまして、内閣官房に設置されました行政支出総点検会議の議論がございまして、その中で、機構への金銭寄附が可能かどうかの検討を行うよう国土交通省から要請が現在来ておりまして、その検討を行っているところでございます。
#176
○牧野たかお君 結局、私が言いたいのは、基金というのはそういうふうに改善、要するに住宅の改善なんかに使われるかもしれませんが、そうするとまたその使い道がどうのこうのという、言うならば検証をしなきゃいけないと思うんですよね。
 一番手っ取り早いのは、とにかく欠損金を減らすのが一番手っ取り早いと私は思いますので、今後は、特に株主総会というのが一つの、出資はしてあるものの、民間の金融機関とかそういうところも出資をしているでしょうから、なかなかそれを盾に寄附しないと言えばそれを強制的にはできないんでしょうけれども、なるべく私は見える形で、その欠損金を減らすような見える形でこういう利益剰余金というのはやはり活用すべきじゃないかなと思いますが、意見として申し上げておきます。
 それでは、この部分の最後ですけれども、先ほどちょっと御答弁の中にも出てまいりましたけれども、独立行政法人の通則法の改正が今衆議院の方の内閣委員会に付託されたままになっているわけでありますけれども、先ほどほかの方の質問も含めて、様々、独立行政法人の契約等についてはいろんな問題があると思います。一番はとにかく、さっきも申し上げたみたいに、実際は各省庁の縦割りになっておりまして、全体の共通のルール、標準的なルールだったり、政府のコントロールが全部に対して利いていないというのが今の最大の私は課題だと思っております。
 そういうことを考えた中で、この独立行政法人の通則法が改正されれば本当にいろんなことが変わっていくのかどうか、その御見解をちょっと伺いたいと思います。
#177
○政府参考人(青木一郎君) お答え申し上げます。
 独立行政法人は、基本的には個々の政策の実施を担うものでございまして、各府省大臣の定める中期目標を当該中期目標の期間中に自主的、効率的、自律的な運営により達成することが求められております。独法通則法を総務省が所管しておりますが、独立行政法人に係る組織運営の共通原則を定め、政府全体の統一性を保とうとしているものでございます。
 今般、提案させていただいております独立行政法人通則法の改正案では、国費により取得し不要となった財産の国庫返納を義務付けるほか、独法への内閣のガバナンスを強化するという観点から、現行法上、各府省に置かれております独法の業績評価を行う評価委員会を一元化いたしますとともに、各府省大臣が行います独法の長や監事の任命について内閣の関与を強化することといたしております。
 さらに、公益法人等を含む密接な関係のある法人、いわゆるファミリー企業等に対します独法からの役職員の再就職に関する規制を導入するなど、独法の運営に関する統一性を更に強化することとしておりまして、御指摘の点について大きく改善が図られるものと考えております。
 なお、御指摘がありました検査院の報告における公益法人との関係につきましては、平成十九年以降、独法が同一の府省によって所管される公益法人と随契を締結する場合に再就職者の人数等を公表することとしましたほか、昨年末の整理合理化計画で、関連法人との間の補助、取引の状況、関連法人への再就職状況を一覧性のある形で容易に閲覧できるよう情報開示に努めているところでございます。透明性を向上させる取組を行ってきております。
 いずれにいたしましても、政府としては、独立行政法人改革の推進のために、本法案の早期成立に向けて最大限努力をしてまいりたいと考えております。
#178
○牧野たかお君 是非早く成立して、また、そこに不備があるならばそれを修正をして、少しでも独法の在り方を改善をしていかなければいけないというふうに思っております。
 済みません、だんだん時間がなくなってきましたので、次の質問に入りますが、ODAのことについて質問をしようとしておりましたけれども、ユネスコ・アジア文化センターに絞って質問をさせてもらいます。
 報告書の、これは各五省のODAのことについての報告書ですけれども、三十二ページにありまして、ユネスコ・アジア文化センターという財団法人、ここが文化遺産保護のための研修や国際会議の開催のための随意契約を合わせて二億二千万円、十五年度から十八年度にかけて文部科学省と結んでいるというふうにあります。十八年度までは随意契約で、十九年度は公募としたものの、参加条件として事実上このユネスコ・アジア文化センターしか参加できないような要件を設けていたと会計検査院は指摘しております。
 なぜこのような契約条件を付けたのか、文部科学省に伺いたいと思います。
#179
○政府参考人(高塩至君) 先生御指摘のように、私ども文化庁のアジア太平洋地域の世界遺産等文化財保護協力推進事業につきましては、財団法人のユネスコ・アジア文化センターと平成十八年度は随意契約、さらに十九年度からは随契事前確認公募方式を採用したわけでございますけれども、先生から御指摘ございましたように、その際公募におきまして、過去五年間連続して文化財保護の国際協力のための研修生の受入れの実績があること、また文化遺産保護に係ります国際会議の開催に実績があることなどの公募要件を公募への参加要件といたしたところでございます。
 これは、この事業の特殊性にかんがみまして、国内、海外、とりわけアジア太平洋地域の文化財保護に関しまして高度な知識、経験を有することが必要との観点からこうした条件を付したものでございますけれども、この条件は必要以上に厳しく、他者の参入を阻害するおそれがあるとの反省から、今年度からこのような条件を付さないように改善を図っているところでございます。
#180
○牧野たかお君 その後、二十年度から条件を付けず公募したということですけれども、結果としてはどこが請け負うことになったのですか。
#181
○政府参考人(高塩至君) 二十年度におきましても公募いたしました結果、応募がございましたのは財団法人ユネスコ・アジア文化センターのみでございまして、同法人への委託を行ったところでございます。
#182
○牧野たかお君 条件を付けなくてなったということについてはなかなか文句を言いようが、難しいんですが、幅広くいろんなところが参加できるような公募、公募ですので、公に募集しなかったら多分来ませんから、公に広く募集するように努めていただきたいと思います。
 それで、このユネスコ・アジア文化センターの補助金の問題ですけれども、これも四十ページに書いてありますが、平成十五年度から十七年度の三年間、補助事業に要する経費が交付額を下回る見込みになった年度末に、補助金を返還するのを避けるために多量の切手、プリペイドカード、事務機器を購入し、経費を水増しをしていたというふうに報告書では指摘しております。
 このずさんな会計経理ですけれども、額にして幾らぐらいですか。
#183
○政府参考人(木曽功君) 金額でございますが、平成十五年度から十七年度の三年間で四百十九万余円でございます。
#184
○牧野たかお君 これは会計検査院の指摘でありますけれども、要するにこの補助金というのは不正に使われたわけでありますけれども、これについては返還をされたわけでしょうか。
#185
○政府参考人(木曽功君) この四百十九万余円につきましては、十月十四日付けで国庫に返還させた次第でございます。
#186
○牧野たかお君 今の日付って今年の十月ということですか。──はい。
 これらの補助金は、結局ユネスコ・文化協会を通じてこのアジア文化センターに交付されていたみたいですけれども、この文化交流協会というところの理事長とか三人の職員も、実はこのセンターの理事長と職員が兼務していたということですけれども、それで、この文化交流協会というのは今年の五月に総会を開いて解散しちゃったということですけれども、解散をするくらいですから要するに要らないということでしょうけれども、確かに、任意団体が補助金をもらってそれをほかの団体に配っているというか分けているというのは、これも、しかもそのメンバーが、責任者の理事長以下職員がみんなほかの団体の職員と同一人物だというのは、これはなかなか正直言ってほかのところではこういうケースはないんじゃないかと思いますけれども、まあ解散をしてもうこれで終わりということになってしまうんでしょうけれども、とにかく、これからこういうことは絶対ないようにしてもらわなければいけないなというふうに思っておりますが、今後の、文部科学省としてODA関連事業に対して適切な補助金交付についてどういうふうに取り組んでいくか、最後に伺って終わります。
#187
○政府参考人(木曽功君) このユネスコ・文化交流協会につきましては、三十年前、昭和五十三年でございますが、設立された任意団体でございました。設立当初は各種文化事業等の一体的な実施を通じ補助事業の効率的な実施を図るという調整機能を果たしていたわけでございますが、御指摘のように、年を経るとともに実態が形骸化してきたということでございます。このことから、平成十八年に同協会を通じての補助金を中止するということにいたしたわけでございます。もう少し早く実態を把握し、改善を措置をすべきだったというふうに考えております。
 今後とも文部科学省としては、同法人に対する厳正な指導監督を行い、一層適正かつ効率的な実施に努力してまいりたいと思っております。
#188
○牧野たかお君 終わります。
#189
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。時間もたってまいりましたけれども、皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。
 各党派からODAの質問がされました。私もまず、このODAについて御質問をさせていただきたいと思います。
 我が国は、一九九〇年代を通じて二〇〇〇年までに世界第一の援助国でございました。現在、二〇〇七年実績暫定値でございますけれども、米独仏英に続く世界の第五位でございます。政府が財政健全化に取り組んでおりますことから、一般会計のODA予算は平成九年をピークに十一年間で四〇%削減をされております。一方で、欧米諸国では近年、援助を増やす傾向にありますことから、このままでいきますと我が国は更にその順位を落とすのではないかというふうに思う次第でございます。
 今回の検査報告によりますと、厚生労働省及び農林水産省がODA事業予算により実施している事業で、DAC報告に含めることができるにもかかわらずDAC報告に含めていないものがあったとされております。予算上はODA予算として扱われていながらDAC報告に計上されていないというものは、国民の税金の使途として実に私は不適切であり、報告に含めることで我が国の国際貢献が正当に評価されるようにすべきであるというふうに思います。
 ちなみに、このDAC報告と申しますのは、御存じでいらっしゃいますと思いますけれども、OECDの開発援助委員会でございます。OECDの三十か国加盟国中二十二か国とプラス欧州委員会、つまり二十三メンバーによるこのDAC委員会でございまして、これをなぜ、当該事業をDAC報告に計上しないものとしたその取扱いについて説明をしていただきたい。厚生労働省及び農林水産省、お願いいたします。それから、DAC報告の在り方をどのように考えていらっしゃるのか、これは外務大臣に御見解をお伺いしたいと思います。
#190
○政府参考人(荒井和夫君) 委員が御指摘されましたODA関係の事務経費につきましては、主に日本国内における事務遂行に用いられる経費であり、開発途上国に対する直接的な支援ではないということから、これまでDAC報告に含めていなかったところでございます。
 しかしながら、本年十月に会計検査院より、DACの報告基準によれば、DAC報告に含めることが可能であると思料されるものについてはDACの報告に含めるべきである旨の御意見を受けてございます。
 また、委員からも今お話がございました。これらを踏まえまして、このような事務経費もDAC報告に含めてまいるなど、適切に今後対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#191
○政府参考人(吉村馨君) 農林水産省といたしましても、これまでは、ただいま厚生労働省の方からお答えがありましたように、DAC報告には直接的な支援を行う事業費だけを計上して、直接的な支援には当たらない事務経費については計上しないと、こういう考え方でこれまで報告をしてこなかったものであります。
 しかし、今回の会計検査院の指摘を受けまして、DACの統計指示書というのがございますが、これに基づいて、平成十九年分の報告から研修用教材作成費などの技術協力に要する経費でDACに報告することが適切な事務経費を報告することといたしておるところでございます。
#192
○国務大臣(中曽根弘文君) ODAの活動は適切に報告されることが重要なのは言うまでもありませんが、このDACは、援助にかかわる全般的な議論を行いまして、そして共通のルールづくりを主導しているものでございます。この報告書にはDACメンバーの援助動向が記載をされまして、その実績統計は援助を議論する上で大変主要な基礎データとして取り扱われております。
 我が国といたしましては、このDAC報告書に我が国の援助活動の実績が適切に盛り込まれるように、そのように努めておるところでございます。
#193
○松あきら君 ありがとうございます。
 報告しないと、報告できないような使われ方をしているのではないかと私は思われても仕方がないと思います。ですから、きちんとこれは報告をして、我が国がこれだけ国際貢献をしているという評価をきちんと受けるべきであるということを申し上げておきたいと思います。
 先ほど大臣は、ODAというのは、外交上、大変重要な手段であるとおっしゃいました。本当に私はそのとおりであると思います。そしてまた、困っている国に手を差し伸べることは非常に大事なことであります。
 先ほど、母子手帳の御指摘がありました。私は非常に大事な御指摘だと思いますけれども、この母子手帳は実は、過去にこのODAでやったことがございます。ちょっと国の名前は失念いたしましたけれどもアジアの国でございまして、このときは女性も、人も出しました。そして、非常にこれは感謝されたんですね。その国の母子手帳の発給の道筋を付けたんです。
 ですから、私はそのときも、大分前ですけれども、こういうことは大事なことであると。こういう使い方をすると、まさにその国の人が、ああ、本当に日本の国によってこういうことをやってくれてうれしいと。特に新興国の女性の皆様は、ODA等のことはよく分からないけれども、日本からそうやって女性の方も来てくれて相談にも乗ってくれたということで非常に喜ばれたと。私は、こういうことも非常に大事なことであるというふうに思っておりまして、その後も機会がありましたら申し上げておりましたけれども、先ほど御指摘もありましたので、こういう使い方も是非していただきたいと思われるわけでございます。
 しかし、予算というものが限られる中で、我が国のODAの百億ドル積み増し、アフリカ向け支援を倍増させるなど、国際公約を実現する必要があることから、ODAの実施に当たっては、事業の重点化を図り、予算を効果的かつ効率的に使用する必要があるわけでございます。このODAというのは国民の皆様の血税であるわけでございます。
 ですから、私は、我が国のこのODAの実施に当たっては、我が国のエネルギーや食料の確保あるいは平和構築など、ODAを外交ツールとして効果的にあるいは戦略的に活用すべきであると思います。中国などは非常に戦略的にアフリカなどにばんばん援助をしておりまして、物すごく戦略的であると、こう思うわけでございます。
 今後のODA政策についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、外務大臣にお伺いをしたいと思います。
#194
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員のお話にありました中国は、ちょっと調べてみますと、第三国援助については、二〇〇六年には九十六か国に援助をしているということでございます。ODAを積極的に活用して、そして途上国の安定と発展、それから地球規模の課題の解決に貢献することは大変重要なことでございます。
 外務省といたしましては、総理大臣が主宰をいたします海外経済協力会議、これは直近のものとしては十一月十三日に、この間開かれました。そこでは現下の世界情勢を踏まえた海外経済協力の在り方ということで議論が行われたわけでありますが、この会議が審議をいたします基本戦略の下、ODAの更なる戦略的活用に努めているところでございます。
 具体的には、平成二十年度の国際協力重点指針、これを策定いたしまして、その中でクールアース・パートナーシップ、この推進などを通じました環境気候変動に関する途上国の取組の支援や、それからアフリカを始めといたしますやはり途上国における平和の構築などに重点を置いてODAを実施しております。また、委員も大変御熱心に御尽力いただいておりますけれども、貧困や飢餓それから感染症対策、こういう分野にも積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、我が国の外交政策を反映させた国際協力の推進に一層努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#195
○松あきら君 ありがとうございます。私もODAは非常に重要であるというふうに思っております。けれど、残念ながら以前から巨額の割には姿が見えない、また現地の人々に知られていない、こういう指摘があるのも事実でありまして、これはまあ印象が薄いという評価ですね。せっかく日本がこれだけの血税で援助をしているからには、やはりそれが被援助国に理解されるような取組が私は必要である。
 貧困、飢餓というところにもしっかりやってくださっているというお言葉ですが、一つ実は具体例があるんです。私が十七年に経産の副大臣をさせていただいておりましたときにインドに公務で参りました。そのときにインドのデリー高速輸送システム、デリーメトロですね、この話が出まして、日本のODA事業によって建設されているわけでございまして、セントラルセクレタリアート駅というんですか、ちょっとこの読み方がこれで合っているか、多分合っていると思うんですけれども、この駅には日本の協力を示す表示もきちんと置かれておりまして、建設費の約六〇%が日本の援助のものであるということや円グラフなども示されていて、過去には当時の小泉総理や現総理である麻生当時外務大臣も視察に訪れたりしているところなんです。
 しかし、実は利用者の最も目に触れる車両がメード・イン・コリア、韓国製なんですね。少しインド製もあるそうでございますが、ほとんどが韓国製。そうするとメード・イン・コリアということを皆さんがそこばっかり見るわけです、車両の。そうすると、みんなが、ああ韓国に感謝をしなきゃいけない、非常に感謝されているデリーメトロは韓国の援助でできたと、こういうふうに思われているんです。
 私は非常にこれなんかも残念だなと。せっかく日本のODAでこれをやったにもかかわらず、こういったところがちょっと残念なところ、こういう努力もすべきではないか。つまり、これまで以上に日本の顔が見えるものとするための努力が私は必要であると思いますけれども、外務大臣、いかがでございましょうか。
#196
○副大臣(橋本聖子君) 今お話がありましたデリーメトロ、デリー高速輸送システム建設計画でありますけれども、交通渋滞や大気汚染が著しい首都のニューデリーに大量高速輸送システムを構築して産業の活性化や都市環境の改善を目指すものでありますけれども、この案件は、我が国が一九九六年以降、九回にわたって、九次にわたって円借款を供与してきたものでありまして、日本による質の高い経済協力の象徴として、インド全土において日本に対する親しみの気持ちを生み出した案件としてとても広く知られているわけでありますけれども、この案件の実施には様々な企業がかかわってきていますが、御指摘の車両調達においても日本企業により電気機器を含む多くの技術支援が行われてきました。ちょうど車体が韓国のロテム社のものでありますので大変目立つものだと思うんですけれども、実際には電気機器はもうほとんどが日本の企業で行われているものであります。
 日本の勤勉さや労働に対する考え方がインドにおいては大変理解をされて、模範とされてきたこともこの案件の効果として現地においてとても高く評価されております。実際にも、駅の開発フロアに設置されたパネル等には、日本による支援を受けて建設された地下鉄でありますということを広く一般の方々にも分かりやすい形で広報をされております。まだ足りないのかもしれませんが。
 我が国としては、今後ともこういった広報活動を通じまして、我が国の本当に顔の見える援助というものの実施に努めてまいりたいと思っております。
#197
○松あきら君 ありがとうございます。
 中身はほとんど日本製だけれども、一番目立つところにメード・イン・コリアと書いてあるということなのかが非常に問題だと思いますけれども、まあこれはいろいろな点で仕方がないのかと思いますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、ODA事業に対する質問でありますけれども、先ほどから種々皆様から指摘をされております、今回の検査報告では五省庁の技術協力において不要不急の物品を購入していたり、ODAとは直接関係のない業務にODA事業予算を使用していたりするなど、不適切な会計処理や支援の実施が適切でないもの、問題点が多く指摘をされているところでございます。特に、文部科学省が実施するODA事業に関しましては多くの問題が見受けられました。
 先ほども御指摘がありましたけれども、私は、もう文化庁というのは、日本はこれからは経済ということで考えますとなかなか厳しいものがありますけれども、文化力で日本は勝っていくんだと、文化力で世界をリードしていける、その思いで文化予算というものをしっかりと手当てをしていかなきゃいけないし、文化は大事だと思っておりますけれども、残念ながら、文化庁では契約発注の際に制限的要件を定めていたり、所管している独立行政法人日本学生支援機構では会計規程によらず不適切な会計経理が行われていたり、また職員、OBがそれぞれ六名天下りしております先ほども御指摘ありましたユネスコ・アジア文化センター、あるいは日本語教育振興協会では補助金で大量の切手やプリペイドカード、先ほど四百十九万ということでございました。それから、事務機器等を購入していたり、経費が補助金交付額と一致するように偽装していたりと手が込んでいるわけでございます。補助金を必要以上に受けていたりなどしたわけであります。
 このような不適切な事例のほかにも、留学生受入れ事業におきまして、先進国の出身者も国費留学生として採用するなど、ODAとしての効果がううんと、疑問視されるようなものも見受けられたわけでございます。
 また、その留学生が我が国に対して、これはとても重要なんですけれども、どのような認識や印象を抱いて帰国したか、また留学生が我が国に対してどのような思いでいたか、統一的な調査はされていないで、フォローアップもされていなかったんですね。今もいないと思うんです。実はとても大事なんです。日本のODA等の、例えば日本の国費で後進国から、新興国から留学生を受け入れても、日本は物価が高い、あるいは下宿先がない、断られた、あるいは差別的な言葉を投げ付けられた等々、せっかく日本に学びながら日本に対していい思いがないような状況もあるというふうに聞いております。こういうフォローアップも是非していただきたい。
 それからまた、加えて不法在留状態、国外滞在者の者等にも留学生給与を支給していた。誤った留学生数に基づいて補助金を交付していたりするものも見受けられたわけでございます。もう随分たくさんありまして、私もちょっとびっくりいたしましたけれども。
 会計検査院の指摘に対して実態はどのようであり、本省としてこれまでどの程度把握をしておられたのか、また今後の事業実施に当たってはどのように改善していくおつもりなのか、文部科学大臣、よろしくお願い申し上げます。
#198
○国務大臣(塩谷立君) ただいま御指摘の点については私どもとしては誠に遺憾に思っておりまして、事前にどの程度というお話ですが、なかなか事前に分からない点も多々あったわけでございまして、今回、会計検査院の報告においてそういった報告がなされて、私どもとしてはしっかりと改善をしていかなきゃならぬと思っております。
 特に、文化庁の委託事業において、公募を行っているにもかかわらず実質的には競争性を阻害するような条件を付けたり、また補助事業において、当該年度に使用されなかった物品を年度末に購入したり等々、そういった今回指摘をされましたので、この点について既に契約の適正化を図るとともに、交付団体等からその返金を求めているところでございまして、文部科学省としても適正な執行に対して万全を期すとともに、ODAの事業の効果的な実施に努めてまいりたいと思っております。
#199
○松あきら君 大臣、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、続いて、スポーツ振興くじについてお伺いしたいと思います。
 実はこのサッカーくじ、私は、十年前になりますかね、これ、当時反対でございました。なぜならば、青少年に、かけ事というものに対して、青少年がそういうかけ事に手を染めると申しましょうか、そういうことにつながっていくのではないかという心配もございました。ヨーロッパなどではtotoであります。これは、多分サッカーが非常に身近なものであって、国民生活の一部であると、こういう国ではサッカーくじが非常に熱心で、もうゼロが、けたが一つ違うというぐらいのことである。それはよく分かっておりましたし、当時いろいろな私も質問いたしましたけれど、いや、そういうふうに簡単に子供たちが手を染めることがないように、くじの内容もしっかり、ただの宝くじみたいなことはしませんということで、厳しくいたします、そういう未成年には売らないようにいたしますとかいろんなことを言っていただいて、そしていろんなことを見込んで、スポーツ振興のためにこれを使いますということで見込額などもお示しいただいたんです。
 ですから、私は、何年かに一度はこれを質問することにしておりまして、やっぱり、私は何でもそうなんですけど、一つのことを、官房長官がうなずいてくださっておりまして、本当によく御存じだろうと思います。何でもできるまでやっぱりしっかりやるということが大事であると。一回や二回でいいお答えがなくても、続いて質問していきますと、それが成就できたりするわけでございますので。
 それはちょっとおいておきまして、スポーツ振興くじの売上金額は、十八年度には百三十五億円まで落ち込んだんですね。しかし、十九年度には六百三十七億円、二十年度は六月までの実施分で三百六十億円と急激に回復をしておりまして、これはうれしいことではあるんですけれども、これに伴って、借入金につきましては、検査報告によりますと、十八年度に最大二百二十四億円あったものが二十年六月末時点で五十二億円まで減らして、同九月末には返済完了見込みだというふうに聞いておりますけれども、これ実際に完了しているのでしょうか。また、繰越欠損金について、十七年度末に最大二百九十二億円まで膨れ上がったものが、十九年度末に九十五億円まで減少したわけです。
 現在の状況はどうなっているのか、お伺いしたいと思います。
#200
○政府参考人(山中伸一君) 委員御指摘のとおり、この報告にございますように、スポーツ振興センターの平成二十年六月現在の借入金残高は五十二億円ということでございました。平成二十年度のこのスポーツ振興くじ、売上げも好調でございまして、本年、平成二十年の九月三十日に五十二億円全額を償還ということになっております。これで五十二億円の借入金というところは完遂したということでございます。そういう状況になってきております。
#201
○松あきら君 十九年度から現在まで続いているくじの売上げの好転は、コンピューターがランダムに試合結果を予想する種類でありまして、最高払戻し金額が六億円、このBIG及びその関連商品なんですけれども、この好調によるものなんですね。つまり、難しくないということで、購入者が試合結果を予想する種類であるtotoやtotoGOALというんですか、それなど従前から販売されている商品の売上げというものに比べると非常に、けれども従前の売上げは依然低迷している、こういう状況であるわけでございます。
 将来の展望について二つやはり私は懸念があるかなというふうに思うんですね。やっぱり、こういう、何となく、これはサッカーというよりも、どちらかというとだれでも買える、宝くじじゃありませんけれども、ちょっとそういうようなものにだんだん偏ってきているんじゃないかなと。
 そうすると今度は、実はほかでもこういう似たようなのが出てきたんですね。それは競輪なんです。平塚競輪、これは地方競輪ですけれども、払戻し金額が十二億円であるチャリLOTOというんですか、こういうものも出てきたりしていまして、続々と高額のくじが生まれてきておりまして、BIGがどこまで伸びていくのかなと私は思う次第でございます。
 そういうことから、やっぱり新商品の開発というものは考えているのか。また、こういう宝くじっぽくなくそもそもの理念に基づいたくじという、そういうことを考えていらっしゃるのかどうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#202
○政府参考人(山中伸一君) 先生御指摘のとおり、今売上げが伸びておりますのは、平成十八年九月にBIGというくじを導入いたしまして、これが今までの当てるから当たるということで、これが売上げが伸びているところでございます。また、そのほかの販売体制、いろんな売り方の工夫でございますとか広報のやり方、そういうことも併せて、いろんな形で、いずれにしてもまず販売で売上げがございませんとスポーツ振興にもお金が回せないということでございますので、私ども、サッカーのおもしろさ、楽しさ、こういうことを多くの人に知っていただく、またサッカーもJ1リーグ、J2リーグ、それぞれ地元サポーターの体制とか、そういうところも支援体制というものもどんどん充実しているということもございます。
 売上げの動向というものを常に注視しながら、いろんな形で、趣旨に沿ったような形でくじがしっかりと売れて、それがスポーツ振興に役立つような形になるようにということを考えてまいりたいと思います。
 それから、先ほどちょっと繰越欠損金でございますけれども、これにつきましても本年度中にできれば解消したいというふうに考えております。
#203
○松あきら君 私は、スポーツ振興は是非やっていただきたいと思っておりますので、その点は申し上げておきたいと思います。
 しかし、スポーツ振興くじの助成金、交付額は、初年度の十四年度には五十七億円を超えたものの年々減り続けて、十九年度には七千八百五十万円まで落ち込んだわけです。二十年度は売上げが回復して十億八百二十五万円が交付予定でありまして、これを含めましても七年間の実績、計百二億円にとどまっております。最初は年間三百億円程度見込んでいたわけでありますよね、これ。それから見るとなかなかスポーツ振興という目的を十分果たしているとはまだ言えないんではないかなという思いがいたします。
 そして、十月二日に開かれた中央教育審議会の特別委員会で、この助成金を今後、今まで支給対象外とされてきた公立の小中高の芝生を植える事業に優先的に配分する方針を決めたって、確かに地方におけるグラウンドや運動施設の整備は遅れていて、総合型地域スポーツクラブの六割が小中高の学校体育館などを活用しているので、これは、それはそれでいいですけれども、しかし、本来のスポーツ振興という趣旨に照らすとやっぱり第一の目的とは違うんじゃないかな、公費で整備される公立高校への配分が効果的で優先度が高いのか、私は疑問があるわけでございます。
 しっかりとスポーツ推進に使っていただきたいし、本当はといいますと、私は、パラリンピックは厚生労働省であります、これはオリンピックは文科省、パラリンピックは厚労省となっておりまして、パラリンピックの方々が、自分たちは同じ競技者だと、どうして差別、区別をされなければならないのかと、私はこの思いで、本当にそう思っていまして、子どもゆめ基金にもこのパラリンピックの助成事業を入れていただいた、これは実は外務大臣も官房長官も御尽力いただいてよく御存じだと思うんですけれども、こういうところにも私はしっかり使っていただきたいと思うんです。いかがでしょうか、大臣。
#204
○国務大臣(塩谷立君) スポーツ振興くじにつきましては、私も当初からかかわってきた一人でございまして、当時、大変スポーツ予算が少なくて、一方でオリンピック等の選手が強化する施設もないと。しかも、地域スポーツの振興に対しても、大変予算が少ない中で何とかそのためにという要請が各スポーツ団体からあったのを受けて、特にスポーツ議員連盟、超党派でスタートしたわけでございまして、約五、六年、今、松委員おっしゃったようないろんな議論がされて実行に移されたわけでございまして、ただ、残念ながら思うような収益がなかったということで、現在まで余り実績がないということは誠に遺憾なところでございますが、今お話がありましたBIG等の新しいこの方式で去年、今年と大分売上げが伸びましたので、これを有効にスポーツ振興のために使ってまいりたいと思っておりますが、特に生涯スポーツ等もこれからしっかりとその対象に含めてやっていきたい。やはり今後、昨年、今年のような収益が見込まれれば相当いろんな使い道が出てきますので、十分にまた検討して対応してまいりたいと思っております。
#205
○松あきら君 うれしい御答弁ありがとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、次に参りたいと思います。
 私は、メガバンクに対しては非常に腹が立っております。なぜならば、メガバンクというのは十一年前に公的資金、つまり皆様の、国民の血税で救われたにもかかわらず、今、もちろん皆様御存じのように、税金は払っておりませんし、そして中小企業には全然貸さないという、こういう状況があります。
 もう今、メガバンクどうなっているのか。実はこういう実態もあるんです。それは行員にノルマが課されているらしいんですね。そうしますとどうなるかというと、高額所得者、そういったところにはもう借りてくれ、借りてくれと、どんどん日参をしてお金を借りてくださいと言うわけです、貸そうとする。ところが、実際に本当にお金を借りたい中小企業、小規模企業には全く冷たい、全く貸さない、こたえないという状況があります。
 資本不足がないのになぜそうした必要なところに貸さないのか。過剰な引当金を積ませているんじゃないか、これもあります。金融機関は不良債権があるのは当たり前だと、こう言われています、世界的にも。まあ、それはもちろん不良債権の額にもよりますよ。だけど、貸すのが仕事なんだから、不良債権が多少あったとしてもきちんと貸しなさいと、そういうことをきちんと私は金融庁は言っていかなきゃいけない。
 九月に経産委員会でこういうまた質問したときに、いや、そんなことありません、全国にちゃんと副大臣とか政務官を行かせて、貸し渋り、貸しはがしがないかとちゃんとやっていますということだったんですけれども、今回の緊急保証制度も始まったにもかかわらず、ちょっと時間がないので本当は言いたいこといっぱいあるんですけど、もう貸してもらえない、きちんと今まで返済しているのに突然次の融資を断られたとかいろんなことがあるんです。
 私は、やはりまだまだこの金融検査マニュアル見直しや一〇〇%保証などの対策で銀行の融資拡大を促しているけれども、貸し渋り、貸し止めといった銀行の姿勢は全くなくなっていない。この金融機能強化法もできるわけでございますけれども、更にバージョンアップするわけでございますけれども、これによって資本注入で貸出しが伸びるのか。黒字の企業でも資金繰りが間に合わなければ倒産する、これ年末ですから給料も払わなきゃならない、大変な状況なんです。こういうことを念頭に金融庁はどう対応されるのか、お願いいたします。
#206
○副大臣(谷本龍哉君) ただいま委員御指摘の中小企業の金融が非常に厳しい現状、これについては金融庁といたしましても見解を同じくするところでございます。
 そういう中で、以前であれば金融庁は金融機関の検査・監督としては、基本的には不良債権を減らして健全経営をするように、これを一本の柱として今まではやっていたわけでありますけれども、これを現状にかんがみて変更いたしまして、これに加えて今委員が指摘されたとおり、金融機関の本来の仕事というのはしっかり企業にお金を貸す、金融、そのお金の仲介機能、これが本来の一番重要な機能だと、しかも中小企業は特にきちんと金融を円滑にしているか、その部分をしっかり検査の中心に今金融庁としては据えているところであります。
 そして、そういう基本的な考え方に立ちましてこれまでもいろいろな政策を打ってまいりました。今委員御指摘の金融機能強化法につきましても、これはもう御案内のとおり、国の資本参加を通じて金融機関の金融仲介機能を強化する、そのことによって地域経済、中小企業を支援することを目的としたものでありますけれども、これがしっかり議論を尽くされて成立したときには、この本来の目的を徹底させるべく、しっかり金融庁としても監督・検査を行っていきたいというふうに思っております。
 また、金融庁では、そのほかに、大臣目安箱の設置等によって中小企業金融の実態の把握に努めたり、あるいは地域密着型金融の一層の推進を図ったり、今指摘のありました金融検査マニュアルを改訂して、貸出条件を変更しても貸出条件緩和債権に該当しない場合の取扱いの拡充等に取り組んでいるところでございます。
 さらに、信用保証協会の緊急保証制度の開始を受けまして、先般、十月の二十九日でしたか、各金融機関に対して、制度の趣旨を踏まえた円滑な運用に努めるとともに、中小企業に対する円滑な資金供給に努めるよう要請をしたところでもございます。
 いずれにしても、今後ともしっかりと中小企業金融の円滑化に向けまして、これまでの施策の徹底と、そして実態にかんがみて更なる施策の検討を行ってまいりたいというふうに思っております。
#207
○松あきら君 是非しっかり金融庁はそういう貸してあげなさいという指導をして、そして中小企業をしっかりと救済をしていただきたいというふうに思っております。
 次に参ります。
 トヨタなどの企業、トヨタだけじゃないんですけれども、大きな企業は大体海外に子会社があります。そして、三割を超える、トヨタなどは例えば利益が海外の子会社が占めております。ですから、日本国外に留保される利益は増加をしているわけであります。その額は全体で見ると十兆円以上と言われておりまして、この利益を日本に還流させて研究開発あるいは設備投資、労働分配率、つまり今子会社や孫会社は非常に悲鳴を上げております、こういうことに使うなど有効に使いたいと企業も考えております。そのために、二重課税を回避する税制の見直しが必要であります。
 私は、実はこれ本年の三月二十七日に経産委員会でこの問題を取り上げまして、私はこの控除ということも考えるべきじゃないか、やっぱり有効にこれだけのお金を使わないともったいないと思いまして申し上げましたら、鋭い御指摘であると、私も実は考えておりましたということで言ってくださいました。
 今般の経済対策にもこれについては項目として入れられておりますけれども、税制改正論議で検討され、決めていただけるということであります。是非速やかに実現をしていただけるようにお願い申し上げます。これは大企業のためということではありません。還流した資金が、今申し上げましたように、関連中小企業や下請企業にも配分される、あるいは従業員の雇用確保やあるいは賃金に結び付くこと、これも期待されるからであります。
 是非御決意をお伺いしたいと思います。
#208
○副大臣(平田耕一君) 御指摘のとおりであると存じます。
 我が国の企業がグローバルな海外市場で生み出した利益を過度に海外に留保させることなく企業が必要とするときに必要な額を国内に戻すということは、そういう環境の整備を進めることは大変重要であると考えておりまして、先般の生活対策におきましても海外子会社の利益を国内還流に向ける環境整備のための税制改正を盛り込んでおりまして、その具体化に向けまして、年末の税制改正において政府・与党で検討を進めてまいる所存でございます。
 よろしくお願い申し上げます。
#209
○松あきら君 どうぞよろしくお願い申し上げますが、非常に皆さん期待していると思います。ありがとうございました。
 それでは、最後の質問でございます。
 我が党におきましては税金の無駄遣い対策についてPTをつくっておりまして、税金は一円たりとも無駄に使わせないとの強い決意で取り組んでまいりました。役所の無駄遣いを役所がチェックする、これは十分には機能しないことは明らかであります。
 先ほども指摘がありました会計検査院は憲法九十条で定められた憲法上の機関であり、内閣から独立して国の収支の決算に関する検査などを実施し、首相の指揮監督に服する省庁とは別格の存在であります。しかし、今日のように残念ながら公務員の不正が相次ぐような状況では、抑止効果のため会計検査院に刑事告発や懲戒処分権の行使ができるぐらいの機能強化が必要なんじゃないかと思います。
 公金横領は違法であるという意識が希薄で、社会保険庁職員が年金横領を行うなんというとんでもない事態が今の検査院では残念ながら防げないわけでございます。国会における行政監視機能やあるいは調査機能のレベルアップも必要ですし、我が党では行政の無駄に関する内部告発を受け付けるムダ・ゼロ一一〇番、これは仮称でございますけれども、この設置をすることも提唱しているところでございます。
 私、テレビを見ておりましたら最近びっくりしたことがあります。私がかつて質問した場面が映し出されておりまして、それは九年前の予算委員会で、例の社会保険事務所が厚生年金保険料の徴収率アップのために偽装休業による脱退を中小企業に勧めているのではないかと、これを総理に質問して、当時、大臣はそういう調査をさせましたがそういうことはございませんという答弁していました。けれども、まさに今その問題が明るみに出て、国民が怒り、動向を注視する問題に発展しているわけでございます。
 やはり私は、税金の無駄遣いの範疇を超えて犯罪の領域に達する前に、内部告発を受けてきちんとした調査、勧告が行える民間外部機関の設置、委員には専門性の高い有識者、例えば弁護士や公認会計士や税理士等々ですね、そして事務局も原則的には民間から登用して独立性、中立性を確保した機関も設置するという、私どもにはそういう考えがございます。官房長官、いかがでございましょうか、御所見をお伺いします。
#210
○国務大臣(河村建夫君) この十月十六日に公明党税金ムダ遣い対策検討プロジェクトチームから私に税金の無駄遣い対策についての申入れをいただきました。無駄削減のための制度改革あるいは無駄ゼロの個別改革等、十一項目にわたっていただいたところでございます。この申入れの中にもございますが、行政に対する信頼を確保する観点からも行政支出の無駄を徹底的に排除すること、これは極めて重要だと思います。
 政府におきましても、行政の支出の無駄遣い、これを国民目線から点検をするために、民間有識者によります行政支出総点検会議、これを官房長官の下に開催しておりまして、この会議におきましては、公益法人への支出、特別会計の支出、政策の棚卸し等の行政支出の見直しに向けた議論を行って、無駄の根絶に向けた指摘もいただいておるところでございます。既にこれまで五回開催をされておりまして、年内に取りまとめをいただき、来年度予算にこういうものを反映したいとも考えておるところでございます。
 今後とも、国の支出については徹底して不適切な支出がなきように無駄を排除してまいりたいと、こう考えております。
 なお、今御指摘いただきましたように、税金の無駄遣いといいますか、それを追放のために民間外部検査機関の設置等についても御提言が今あったところでございます。会計検査院が権威を持って不適切な支出を指摘をいたしておるところでございますが、さらに、民間としてどのような機関が必要なのか、そういうことも含めて更に検討をさせていただきたいと、このように思います。
#211
○松あきら君 ありがとうございました。
 終わります。
#212
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 まず、外国人研修生・実習生問題につきまして、今回、会計検査院の報告では、〇六、〇七、この両年度で技能実習途中の失踪、途中帰国者が約一万二千七百人に上ると、こういう深刻な実態が指摘をされました。厚生労働省も初の実態調査をされるという旨、一部報道されているところなんですけれども、この制度は、建前は研修、技能移転とされながら、現実にはパスポートの取上げあるいは強制貯金、巨額の保証金やその担保のための田畑あるいは保証人と、こうした形で縛り付けられて奴隷のように酷使をされる。その中で、労働関係法令違反はもちろんのこと、強制帰国あるいは失踪、自殺、こうした問題が相次いでまいりました。
 私は、研修生を食い物にする国際的な人材派遣ビジネスや現実の人権侵害を直視することなしに実効ある制度の見直しはあり得ないということを国会で繰り返し求めてきたところでございます。
 ところが、こうした中で、厚生労働省所管の社団法人国際労働運動研究協会という公益法人が収益事業として行ってきた研修生・実習生受入れ事業について、法務省入管当局から今年の三月五日、不正裁定処分を受けるという、そういう事態が明らかになりました。詳しくは先週、法務委員会で申し上げましたから繰り返しませんけれども、大臣のひざ元でこうした不正が起こったということをどう認識しておられるか、今後どのように取り組もうとしておられるか、端的に認識をお伺いしておきたいと思います。
#213
○国務大臣(舛添要一君) 今御指摘のように、この研修・技能実習制度、これは技能移転を通じて国際協力をやろうと、いい目的であるわけですけれども、一部の受入れ企業また団体において、今おっしゃったように研修生が実質的に低賃金で働かされる、そして途中帰国や失踪というようなことで当初の目的も遂げられていないということで、これは放置しておいてはいけないと、そういうふうに思っております。
 したがいまして、まず国際研修協力機構、JITCOと申しますが、ここを通じた受入れ団体・企業に対する巡回指導を強化する、それからその外国人の研修生の母国語で電話相談ができるようなホットラインを設置する、それから入管当局との連携を強めると、こういうことを通じて制度の適正な運営に努めてまいりたいと思っています。
 また、この制度、今のような問題が起こっておりますので、規制改革推進のための三か年計画におきまして、遅くとも平成二十一年通常国会までに関係法案提出等の措置を講ずることとされておることもありますので、法務省等関係省庁と連携して、具体的な制度設計の検討を始めてまいりたいと思っております。
#214
○仁比聡平君 大臣はお答えにならなかったんですが、社団法人の不正裁定というこの事態についてはどのような御認識ですか。
#215
○国務大臣(舛添要一君) この社団法人国際労働運動研究協会、今御指摘のこの公益法人が、今申し上げましたような外国人研修生・技能実習生の運営について不正行為という認定を受けたことは、非常にこれは遺憾であると思っております。
 この公益法人につきましては、今月十三日、十四日両日、本省職員が立入りを行う等、現在、検査を行っているところでありますけれども、行政処分も含め、厳正に対応してまいりたいと思っております。
#216
○仁比聡平君 今日はこの問題はこの程度にとどめて、制度改革の大問題が国会で大きな議論になると、私もその中で申し上げていきたいと思っております。
 次に、介護保険におきます財政安定化基金につきまして、会計検査院が改善処置要求を今回出されました。多額の未貸付等基金が発生し、都道府県が基金の一部を拠出者に返還することが適切であると判断した場合に、基金規模を縮小できるような制度に改めることというふうに処置要求をしているわけでございます。
 この背景といいますか要因には、私は、介護保険制度をめぐって、要介護認定がより厳しくなって、あるいは利用できるサービスが減らされた上に一割の利用料が高過ぎて払えずにサービスがまともに受けられないと、そういった事情があるのだと私は思うんですけれども、いずれにせよ、介護保険財政は黒字になっているところが多いわけです。その下で、基金も二割程度しか利用されていないと。市町村からは、三分の一の拠出金の負担が重くて、国や県がもっと責任を果たすべきだという、そういった要求も出ているところなんですが、この際、この基金それ自体は介護保険を支える大事な制度だと私も思いますけれども、市町村のこうした要求にこたえる方向で見直すべきではないかと思いますが、いかがですか。
#217
○国務大臣(舛添要一君) これ今、委員御指摘のように、財政安定化基金、これは国、都道府県、市町村が三分の一拠出して、いざというときに介護保険制度、これが破綻しないようなある意味で安全弁を作っているわけですけれども、今の会計検査院からの御指摘も受けまして、来年度から標準拠出率を従前の〇・一%から〇・〇四%にまず引き下げる。さらに、基金積立残額を十分に保有している都道府県については拠出率をゼロにするよう周知徹底したところでございます。
 この考え方に基づきまして、多くの都道府県においては、今言った拠出率の引下げ、さらには拠出を求めない方向で調整しているというふうに思います。
#218
○仁比聡平君 続きまして、お手元に資料をお配りしたかと思いますけれども、国民健康保険の資格証明書とそれから保険料の問題について、あとの時間お尋ねしていきたいと思うんですね。
 この間、私どもも求めてまいりましたが、実態調査が行われまして、十月三十日に、資格証の交付世帯が全国で三十三万七百四十二世帯、その中で子供さん方がいる世帯が一万八千二百四十世帯、子供の数にして三万二千九百三人という、こうした子供たちがいわゆる無保険という状態になっているという衝撃的な実態が今大きな問題になっているところでございます。
 これを受けまして、全国の多くの市町村でこの事態を解決するための取組が起こっていますけれども、なお市町村の受け止めに差異があるというふうにも私は感じているんです。
 そこで、今日は、この実態調査とともに、厚生労働省が出されました通知、この意味について大臣によく伺っていきたいと思っております。
 この問題では、私は現場の実態を示して何度も担当課と改善を求めてきたんですが、今日も一つだけ例を挙げますと、大臣も御出身の福岡で、私もそうですが、ある小学生の男の子が、虫歯で歯医者さんに通院をし始めたんですよね。で、三か月来たんだけれども、それで来なくなって、病院から連絡をしても家庭の事情で行けませんという返事のまま一年半たちまして、学校の歯科の検査、これで絶対に行きなさいともう言われて、病院にやっとこさ来たときには全部の歯が虫歯になって、歯槽膿漏それから口腔内感染症、全部の歯を抜歯しなければならないと、小学生でもう全部の歯を抜かなきゃいけないという、そういう事態になってしまったというわけです。
 この家庭の事情といいますのは、お父さんの失業です。これによって、窓口での十割、全額負担ができなくなってしまった。こうした形で、子供さんのいる世帯から保険証を取り上げてきたその国保行政そのものが今正面から問われていると思うんですね。
 こうした事態を受けまして、私がまず感じますのは、病気になったときにまず行くのは病院のはずなんじゃないのか、国民皆保険というのはそういうことなんじゃないのかということなんです。
 幾人ものお医者さん方から、市町村の担当者に保険証を取り上げていいかどうかの判断が付くのかと。保険証の交付だったり、その短期だったら期間ですね、この必要性の判断というのは本当は医者しかできないんじゃないのか。だけれども、これまでは、お医者さんが医療の必要がある、病院に来てもらわないと大変なことになると言っても保険証が出されないという、そういう事態が続いてきました。
 今回お配りをしております通知の二枚目、緊急的な対応というところで、短期被保険者証を速やかに交付するということを市町村に求める通知を出しておられるわけですが、私が申し上げたような背景事情も含めて、大臣から、この緊急的な対応というものがどのようなもので、どういう趣旨でこういう通知をなされたのか、是非お伺いをしたいと思います。
#219
○国務大臣(舛添要一君) その前に申し上げておきたいんですけれども、まず、この資格証明書を始めとする話、まずは滞納している状況がどういう状況であるかということをまずきちんと把握する。そういう意味で、とにかく窓口に相談に来てもらう、またこちらから行く。家庭がどういう状態であるか。特別な事情があって払えない。そういうときには様々な減免措置があるわけですから、そういうことをやっていただきたい。
 それから、これはもう市町村の福祉部門との連携、保険部門だけではなくて、これが極めて重要で、児童福祉関連の諸施策もこれに対応させる。そういう中で、今おっしゃった緊急的対応の短期被保険者証を発行する。これを発行することによって、またそこでいろんな相談もできます。
 そういうことで、とにかく緊急措置として、そういう状況であればこれを発行すると、そして子供たちの健康を守っていく。そういう趣旨でこの緊急的対応をやりなさいということであります。
#220
○仁比聡平君 この通知文そのものを読めば分かるといえば分かるんですけれども、この通知文が正面からすべての自治体に受け止められているんだろうか、理解されているんだろうかという点がいささか私に疑問に思う向きがあるものですから、ちょっと大臣に更にお尋ねをしたいんですが、この緊急的な対応としての短期被保険者証の発行については速やかな交付に努めていただきたいというふうになっております。
 従前は、滞納がある場合、あるからこそ資格証の発行になっているわけですが、例えば私が相談を受けた事案でいいますと、六十万円ほど滞納をしていると。子供が階段から転げ落ちて顔面骨折、どうしたって病院に行かなきゃいけないと。窓口に行ったら、それでも二分の一は払ってくれないと保険証は出せませんと、一点張りなんですよ。三十万円なんていうお金が払えるんなら、もうこうした滞納なんかはしていないわけですよね。そういう機械的な対応が現実にあるわけです。
 ここに言う緊急対応としての速やかな交付というのは、これは、そういった滞納額との関係では一体どうなるのかという点はいかがでしょうか。大臣、どうぞ。
#221
○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。
 今回の対応につきましては、申出があれば出すという趣旨でございまして、半分払うとかいうことではなくて、申出があれば出すということでございます。
#222
○仁比聡平君 その点を是非自治体にも周知をいただきたいと思うんですね。
 元々保険証というのは、けがや病気になったときに役所に取りにいくものではなくて、そういった病気やけがのリスクに備えて日常的に持っている、だから安心というのが当たり前であって、それが国民皆保険制度の本来の姿だと思うんですよ。ところが、現実にはそうなっていないからこそ、こうした子供たちの無保険と言われる状況が深刻になっているわけです。
 今の局長が御答弁いただきました世帯主の申出ですが、ここについては、医療の必要性あるいは一時払いが困難であるという、この二点についての申出があればという、それが要件だということで理解してよろしいですか。
#223
○国務大臣(舛添要一君) 一時払いが困難であるという申出さえあれば結構で、医療の必要性という要件は必要ではありません。
 そして、これ十月三十日に直ちにこの通知を発出しろと私が言ったのは、今言ったような、私も北九州なんで、そういうことがあるのは極めてこれは残念ですので、きめ細かい対応をするようにする、もし、徹底してこの趣旨を、今のように熟知していないところがあれば更に指導してまいりたいと思います。
#224
○仁比聡平君 今大臣がおっしゃっていただいたとおり、医療の必要が生じていることを何か示す必要はないんだというお話で、これつまり、少し裏返しますと、市町村で、あるいはその窓口の担当者において医療の必要があるのかないのかということを判断することはそもそもができないということだと思うんですが、いかがですか。確認でございます。
#225
○国務大臣(舛添要一君) それはお医者さんじゃないですから分かりません。申出があれば即出すと、こういうことが趣旨でございます。
#226
○仁比聡平君 そういった緊急的な対応の趣旨を是非徹底していただきたいと思っております。
 それで、先ほどの答弁の中で大臣がおっしゃった、そういった短期保険証の緊急的な発行というような事態に立ち至る前の納付の相談などの問題なんですが、時間がありませんから全面的には伺えないんですけれども、この通知の一枚目の一番冒頭の一般事項、まあ原則的な厚労省の認識を示しておられるところかと思いますけれども、ここにおいて、資格証明書は「機械的な運用を行うことなく、特別の事情の有無の把握を適切に行った上で行うこと。」というお話がございまして、その趣旨を先ほど大臣はおっしゃったんだと思うんですが、この機械的な運用というのは一体どういう状況を指して機械的だと言うのかというのを少し確認をしたいと思うんですけれども。
 私、この質問に先立って勉強をさせていただく中で、一年滞納すれば、事情も確認せず、あるいはろくに確認せず資格証を発行する、通常の保険証を返還を求めて資格証を発行する、こういうやり方のことだという、そういうような御趣旨の発言も伺ったんですが、大臣、そういったことでよろしいでしょうか。
#227
○国務大臣(舛添要一君) まさにそういうことではなくて、機械的にただ何か月だからどうだ、一年だからどうだということじゃなくて、どういう事情であるかと、どういう特別な事情があって払えなくなっちゃったんですかと、それをきめ細かく聞いて対応しろというのがその意味であります。
#228
○仁比聡平君 きめ細かくその事情を聞いて、つまり特別の事情を聞いて対応しろという、その大臣の趣旨はよく私も分かりました。
 私が一年と申し上げましたのは、一年滞納を続けてしまったとき、そのときには保険証の返還を求めると、つまり資格証の発行に切り替えるということが、現場ではこれ義務付けられているという受け止めでずっと運用されているという現実があるからなんですよね。それで一年以上という言葉をちょっと出したんですが。まあそういう意味では、一年でも、あるいは大臣がおっしゃった半年でも構いません、一定の期間滞納があるから、そうしたら直ちに資格証に切り替えるという考え方ではないんだというのが大臣の先ほどの御趣旨ですね。
#229
○政府参考人(水田邦雄君) そもそもその資格証明書を出すことの意味というものは、これは、できるだけ窓口で被保険者の方等の接触の機会を増やすということが本来の趣旨でございます。したがって、この制度の中身をよく理解していただいて、支払能力がある方については支払っていただくということを説得もしますし、それから本当にお金のない人であれば生活保護につなげるとか、様々な手段があるわけでありますので、そういった対話の機会というものをそもそもつくるためにこの資格証明書制度が設けられているわけでございます。
 したがって、一年間出さなかったがゆえに即、その辺を確かめもせずに出すと、資格証明書を出すということは想定していないところでございます。
#230
○仁比聡平君 この問題のもう一つの大きな問題は、払いたくても払えないという方々がこの滞納者の中にたくさんいらっしゃるのではないかということなんですね。私どもは、高過ぎる保険料という問題をずっとこれは繰り返して申し上げてきたわけですが、時間がございませんので、この幾つかの問題のうち、保険料の最高限度額という、保険料の算定方式にかかわる最高限度額という仕組みについてだけ、これ局長で結構ですので、尋ねておきたいと思うんですが、これ、資料の中に健康保険料の概要についてという資料がございますが、応益分、応能分というのが保険料の算定の中にあって、応能分は際限なく上がるのではなくて一定のところで、これ現在は五十九万円というふうになっているわけです。この金額を今現行でいいますと五十九万円というふうに定めている理由、根拠、これはどういうことなんでしょうか。
#231
○政府参考人(水田邦雄君) 御指摘ありましたとおり、国民健康保険の保険料、これは被保険者の数に応じてお支払いいただく応益割と、それから所得に応じてお支払いいただく応能割の保険料、この合計によって算定しているわけでございます。一方で、給付というものが所得にかかわらず一定でございますので、一定の限度額を設けているということでございます。つまり、保険料を払っているお金の多寡によって受けるサービスに変わりはないわけでございますので、受ける給付は一定なので一定の限度額を設けているというのがそもそも趣旨でございます。
 ただ、この限度額につきましては、ほうっておきますと中間所得層の負担が過度になる可能性ございますので、限度額を支払う被保険者の割合が一定となるように所得の伸びに応じて限度額を引き上げるなどの措置を講じているところでございます。
#232
○仁比聡平君 所得の一定の伸びに応じてという、そのところをもう少し伺いたいんですけれども、これ事前の勉強のときに、この表でいいますとこの最高限度額を超えて、まあ本来ならといいますか、この限度額がなければ払わなければならない方々が四%程度になるように日本全体の所得、経済の状況を見て定めているというお話でしたが、そのとおりですか。
#233
○政府参考人(水田邦雄君) 御指摘のとおり、限度額を支払う被保険者の割合が全国マクロで四%台となるように設定をしているところでございます。
#234
○仁比聡平君 最後のページの資料を御覧いただきたいと思うんですが、大臣、あります。いや、それのもう一枚次です。これ、昨年、大臣に決算委員会でお示ししたことがございます。これ、福岡市、札幌市で九七年から統計の取れる二〇〇六年までの国保の収入別の世帯構成をグラフにしたものなんです。奥の方が古くて、手前に従って新しくなると。百万円以下あるいは二百万円以下という収入の世帯が激増しているという状況にあるわけです。いわゆる所得における格差がこの国保の加入世帯において大変拡大しているという状況なんですね。
 マクロで日本経済全体で最高限度額を超える支払を本来なら求められる方が四%になるようにというお話だったんですが、格差が大きく広がって、これが四%ではなくて、例えば六%だとか七%だとかというふうになる世帯構成の国保が仮にあるとしたら、そこの分が中堅所得層、とりわけ子育て世代の、だけれども非正規という年収二百万円以下のワーキングプアなんて言われるようなその世帯にのしかかってしまうという、こういう実態になってしまうのではないのか。
 私は、そういった点も含めて国保料がどういうふうに現実に算定されているのか、ここを実態調査を更に進めるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
#235
○国務大臣(舛添要一君) 世帯別か個人かという問題があるから、実態をどこまで把握できるか、これはちょっと疑問ですけれども、ただ問題は、これは政策論として今の問題提起は非常に重要だと思いますが、半分税金、半分保険料でやっていますね。そうすると、給付に応じての負担ということになると先ほど局長が答えたとおりなんで、そうすると、もっと大きな枠組みで、五対五というのを例えば保険料の比率を三とか四にして税金の比率を六とか七にする、もっと極端に言うと、全部これ税金でやってみますというと、税による所得再配分で全部利くわけです。しかし、自助、共助、公助という仕組みの中で、じゃ税と負担の割合をどうするか、そしてその最高額についてどれだけの所得再配分機能とともにこの給付と負担の関係をどうするかということで、これはこれからやっぱり我々政治家がよく議論をして方向付けをやるべきだと思っていますんで、そういう大きな議論をこれは是非委員とともにやりたいと思っております。
#236
○仁比聡平君 時間がなくなり、終わりましたので、もうこれ以上できないんですが、実態調査は是非やっていただきたいと思うんですよ、その議論の前提として。
 大臣が御答弁の中で五分五分と言われましたが、国の負担あるいは公費の負担というのは、これは大きく減らされてきていると私は申し上げたいと思うんです。今大臣がおっしゃったように、国庫の負担を四五%に戻せというのが今ほうはいと起こっている声でございますから、これ是非実現をしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
#237
○又市征治君 社民党の又市です。
 今日は検査院の随時報告の介護保険安定化基金に関連して、まず舛添大臣からお伺いをしてまいりたいと、こう思っています。
 検査院は職責上、現行制度の枠内で論じているわけですから、基金が帳簿上余っていると、こういう指摘をされています。しかし、今も仁比さんからも出ましたけれども、今の介護制度が充実しているとだれもが思っているわけじゃない、まだまだ不十分だと、こういうことだろうと思います。
 そこで、基金が二〇%しか使われていないのは一体なぜか。実は、厚生労働省の認める介護保険事業の範囲が余りにも狭い、そして市町村は赤字を出せない仕組みなわけですから、基金への借入れ申込みができないなどということがいろいろとあるんだろうと思うんです。
 そこでまず、舛添大臣、今のこの制度の限界というか、このことについての御認識、まずお伺いしたいと思います。
#238
○国務大臣(舛添要一君) 先ほど仁比委員とも議論をしましたけれども、基本的に制度を円滑に運営するためのセーフティー機能としてのその基金は必要であると、まずそれがございます。ただ、余剰金が出るのがなぜかという、これは理由はたくさんあると思います。ですから、むしろその余剰金が出れば、拠出比率を先ほど申し上げたように下げるように、〇・一から〇・〇四まで下げるように今指導をしているところで、都道府県によっては市町村に対してゼロというところもあり得ると思います。
 ただ、委員の問題意識は、そういうことをやるならば、横出しとか上出しとか、こちらをやった方がいいんじゃないかと。それも非常に傾聴に値する議論だと思います。この暮れにかけて介護報酬改定の見直しをやり、また介護保険制度というのは不断に見直しをやっていかないといけないと思いますので、そういう視点も取り入れて検討したいと思います。
#239
○又市征治君 今大臣から先に言われましたけれども、資料を配付させていただきました。市町村が国のメニュー外の上乗せあるいは横出しあるいはまた保健福祉事業をやろうとすれば、費用の一〇〇%を住民の第一号保険料で賄わなきゃならぬ。新設の地域支援事業でも一部保険料に響いてきます。要介護認定のさじ加減、サービスのメニューや頻度の規制、あるいは従事者の賃金の原資になる介護報酬、どれを取ってもがんじがらめなわけで、しかも厚生労働省が抑制方針なわけですから、市町村は要介護高齢者の言わば両手両足を切り縮めて介護保険会計というベッドの枠内に押し込んでいるとも言えるんだろうと思うんです。
 そこで、検査院にお伺いしますが、検査院の調査でも、基金請求事由と認められている市町村の計画額に対して給付実績額がオーバーした自治体があります。そこで、認知症グループホーム、二つ目には通所介護、三つ目には訪問介護はそれぞれ何%オーバーとなっているか、この数字だけお聞かせください。
#240
○説明員(小武山智安君) お尋ねの点につきまして、各市町村が策定することとなっております介護保険実施計画の第二期、これは平成十五年から十七年まででございますけれども、この間に貸付けを受けた延べ四百二十五市町村について見ますと、認知症グループホームにつきましては五六・九%、通所介護につきましては二五・四%、訪問介護については八・六%、給付実績額が事業計画給付見込額を上回っておったということでございます。
#241
○又市征治君 つまり、認知症などで供給が計画より増えているわけですよね。そこで、第二に、厚生労働省にお伺いしますが、厚生労働省では介護保険事務調査が行われたわけですが、昨年の四月時点の一千六百七十保険者の調査ですね、で、この独自事業の率はとても低いのではないか。
 そこで、具体的に聞きますけれども、一つは、地域支援事業の中の任意事業のケアプランチェックをやっているのは何%あるのか、二つ目に、保健福祉事業の中の高額介護サービス費の貸付け事業、これは何%か、そして三つ目に、おむつの支給などの市町村特別給付は何%か、それぞれお答えいただきたいと思います。
#242
○政府参考人(宮島俊彦君) まず、ケアプランチェックにつきましては一三・六%、それから高額介護サービス費の貸付け事業については四・七%、おむつなどの市町村特別給付については九・〇%の保険者において実施しているところでございます。
#243
○又市征治君 そこで、以上のことも含めながら大臣にお伺いをしたいと思うんですけれども、この検査院調査には出てきませんけれども、市町村の要望を見ますと、国の制度上できなくて困っている実情というのがはっきりしてくると思うんですね。例えば、七月の全国町村会の要望では、施設介護の住居費等、いわゆるホテルコストについては低所得者に十分配慮してもらいたい、あるいは同居家族がいるからと訪問介護を二分の一に規制するのはやめてほしい、さらにまた、市町村がやっている特別給付を法令で規制をするなということなどなど。また、全国市長会からは、国の公費負担割合を中長期的に引き上げてもらいたい、また安定化基金の原資についてはずばり国と府県だけにしてもらって、市町村から取らないでほしいなどなどというのが出されているわけです。これらを入れていきますと、基金が余るなどということは余りなくなるということだろうと思いますね。
 そこで、大臣、私、これ五月の二十六日にもお伺いしたんだけれども、全体的な社会保障の抑制で介護も例外ではないと、こうあなたはおっしゃったわけだが、私にしてみると逃げの答弁だと、こういうことだと思うんですが、さあそこで具体的に質問をいたしますが、今やもう国会の中ではすべての党派、代表者はみんなこの社会保障費全体の二千二百億円の抑制についてはもうやめろと、こう言っている。これ、撤回を明確に、もう厚生労働大臣、担当者として、ほかのテレビ番組なんかであなたはおっしゃっているわけだけれども、ちょっとこれははっきりしてもらいたい、まず一つ。
 二つ目は、市町村がやっている上乗せ、横出しや介護周辺の事業まで広げて実態調査をやって、そして保険料の適用範囲をやっぱり縦横に拡大をする、その費用は市長会が言うようにやっぱり国費の比率増で充てていただきたい、これが二つ目です。
 三つ目に、安定化基金の現在の余裕分に絞れば、当面緊急な介護労働者のやっぱり賃金引上げ、これはもう大変重大な問題ですよね、ここらのところをもう少し誘導することに使えないのかというのがまず三番目の一つですね。と同時に、この基金の使途を、中期的には例えばモデル事業を立ち上げる市町村やNPOに貸し出すといった前向きの活用に拡大をすべきではないだろうか、こんなふうに思うわけですが、以上について大臣からの明快な見解をお聞きしたい。
#244
○国務大臣(舛添要一君) ちょっと順不同でお答えをいたします。
 私は、介護労働者のこの待遇を大幅に改善しないといけないと思ってずっとそれを努力をしておりました。今回、生活支援の中で三%介護保険料が上がる。これ、自動的に賃上げにいくわけでありませんけれども、平均して言えば二万円ぐらいは上がり、十万人ぐらいは増やせるだろうというもくろみでありますから、こういうことの方向は付けていきたいというように思っています。
 それから、上乗せ、横出しの問題や基金の事業の問題ですけれども、まず、そういうことも含めて二千二百億円の削減というのは限界に来ているとずっと言い続けて、今もそう思っております。
 したがいまして、これからの予算編成過程において、そして今年度につきましては、社会保障については、予算編成過程できちんと対応ができれば、それはそこに重点的に補てんする。社会保障、医師不足、こういうことは骨太の方針の中にもきちっと特記させましたので、そういう方向でいきたいと思います。
 さあ、来年どうするか。基本的には、私の立場としてはこの二千二百億円削減をなくす方向で努力をする。そばに財務大臣もおられますから、いや、私だけで決められませんが、私はそういう立場で努力をするということを申し上げておきたいと思います。
 それから、要するに、これは国も都道府県も市町村もどういう形で仕事を分担するか。私は現場は、介護は市町村がやるべきであると。それに対して、国もしっかり支援しないといけないし、都道府県も支援しないといけない。ですから、三分の一、三分の一、三分の一でこれは基金をつくっています。
 さあ、そこから先なんですが、私も実際に介護をやっていた場合には、横出し、上乗せで随分苦労した。もうちょっと出せないものかと、介護する立場からそう思いましたが、全体を見たときにどんどんどんどん介護費用が上がっていく。当然、国民の負担につながります、保険料にしろ、税金にしろ。そうすると、これをどういうふうにして抑制するかということをやっぱり考えないといけないので、それは市長会が言うように、国庫負担を増やせといったら、じゃ、自助、共助、公助というこの哲学はどうなるんですかと。それは、知事さんと会うと、おまえのところ増やせで、市長さんと会うと、おまえのところ増やせで、こっちから言わせると、あんたらも少し努力してくださいよと言いたい面もあるんです。
 ですから、例えば先ほどのNPOなんかの活用について例えばいろんな手を加える。そして、市町村の独自性があっていいと思いますから、強制してこうということじゃなくて、支援はいたしますが、その全体を考えたときに様々な難しい問題がありながらやっているということを御理解いただいて、これは逃げではありません、この苦しい立場を御説明申し上げました。
#245
○又市征治君 それなりに前向きな御答弁だったと思いますが、ただ、私、五月のときも大臣に申し上げたんだけれども、全産業の平均賃金三十三万円に対して、これよりも十二万円も介護労働者の方が低い。三%でいいかといったらこれはやっぱり逃げていくわけですよ。せっかく資格取得して、こういう人たちはやっぱりもう辞めていってしまう。こういう現状が今全国あちこち起こっている。もう少しそういうのは実態を、大臣はかなりお聞きになっていると思うんだけれども、やはりそういう努力してもらいたい。
 それから、今日はもう財務大臣もお見えになっていますが、ここで明確に言われた、もう各党派の代表者がみんなが、参議院なんかはみんな、その二千二百億もうやめろというのはもう今年の春からみんな言っているんですね。これはやっぱり、そういう意味ではあの二兆円配る話も、まあ全然無駄だとは言わぬけれども、そういうものなど考えるならば、やっぱりこっちの方がまず先だ、こう言いたいくらいなので、ここらのところは是非予算編成の中で頑張ってもらいたいということをここでは申し上げておきたいと思います。本当はまだやりたいことがいろいろとあるんですが。
 そこで、金子大臣にせっかく来てもらったので、これは独法の問題ですけれども、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の剰余金問題について検査院から出ています。一兆三千億円ありますと、こういう指摘なんですが、これ普通の剰余金と一緒にするわけにはいきませんよね。一般的な霞が関埋蔵金なんて言われていることとは全く性格を異にしている。旧国鉄職員の年金給付金の財源に充てる特例業務勘定に属する金ですから、国鉄本体の借金返しと同列に扱うなんという代物じゃないということはもうはっきりしているんだろうと思う。
 特に旧国鉄は、何度もここでも指摘してまいりましたけれども、一九八七年に言わば今のJRに切り替えていく。もっと悪い言い方をすれば、偽装倒産をして、そういう意味では、一人も路頭に迷わせないと中曽根当時総理大臣は言ったけれども、現実には千四十七名路頭に迷わせるという結果をもたらして、今も実は訴訟中と、こういう状況だと。その間、そういう人の中で三十名の人が亡くなっている、自ら命を絶たれた人もいる。こういう悲惨な状況が起こったわけで、今それこそILOからは度重なってもう人道上の問題として政治的解決図れ、こう言われている、こういう課題でもあります。
 そこで、今のこの財源問題、業務勘定というのは、今ほども申し上げた旧国鉄職員の年金給付の財源なわけですから、こうした不採用者の訴訟などの解決の際には最も近い位置に存在をする、私はそんなふうに見ています。そういう点で、決して不要不急の剰余金ではないということをはっきりさせた上で、検査院もそこのところを見た上でおっしゃっているんだろうと思いますが、所見では、不確定要素の状況を見極めつつという、こういう指摘をされているのはそういう意味も含んでいるんだろうと思いますけれども、こうした訴訟等の行方も待たずに、こんなことが霞が関埋蔵金などというものと一緒くたにして処理されるべきではないというふうに思っていますが、そこのところは同じ認識だろうと思うんですが、金子大臣の見解をお伺いしておきたい。
#246
○国務大臣(金子一義君) 今御指摘いただきました鉄道・運輸機構、この特例勘定の利益剰余金、これは旧国鉄の職員及びその方々の年金の支払、アスベスト補償の支払、今御指摘いただきましたJR不採用訴訟等の損害賠償の支払に備えられるために積み立ててあります。
 したがいまして、今御指摘いただきました不確定要素の見極めをするに当たりましては、今申し上げたすべての要素を考慮をすることとなります。
#247
○又市征治君 是非そういう立場で御努力いただきたいと思います。
 そこで、中川財務大臣にお伺いをしてまいります。現下の税収見込みについてお伺いをしたいと思います。
 財務省は、既に昨年の予算編成時点で景気の後退というものをかなり多くの人々が指摘をしていた、私も実はその一人でもありますけれども、今年度の税収を前年度の補正後と比べてもむしろ多い五十三兆六千億円、こういうふうに過大な見積りをした、こういう状況ですね。その結果、現在、税収見込みに対する不足はほぼ六兆円程度になるんではないかという観測が専らマスコミなんかにも出ている。国税全体で六兆円なんという税収不足になれば、これに連動する地方交付税交付金もまたこれは二兆円程度の不足ということになってくるんだろうと思うんですね。
 そこで、報道では、財務大臣はそういう格好で税収不足になってくればこれは赤字国債でやるしかないんじゃないかというふうに述べられたということになっていますけれども、大体どのくらい年度末までに税収不足になるんだろうと、こう大臣としては見ておられるのか、あるいはそういう意味で赤字国債やむを得ないというふうに、こうお考えになっているのか、そこらのところをまずお聞かせいただきたい。
#248
○国務大臣(中川昭一君) 又市委員御指摘のとおり、税収見込みに比べて現時点での税収は下回っているわけでございます。ちなみに、九月末までの税収を見てまいりますと、昨年が見込みの二七・五%でございましたが、今年は二四・九%ということで、昨年よりもやはり九月時点で落ち込んでいるわけでございます。また、御指摘もございましたけれども、今日たまたま第二・四半期のGDPが発表されましたけれども、やはりマイナス〇・一と、こういうことで二か月連続のマイナスという状況でございます。
 これは、一つには金融危機を発端とする世界的な経済状況の低迷ということもあると思いますが、私も率直に言って、日本の経済状況は今決して上向きではない、むしろ下向きの可能性の方が高いのではないかと思っているわけでございます。
 ただ、これはもう言うまでもないことでございますけれども、予算を編成するに当たっては歳入の見積りをするわけでございますけれども、そのときには、その時点で考え得るいろいろなデータというものを使って、そしていろいろな過去の課税実績でありますとか、あるいは足下の経済動向、各種経済指標等、利用可能なデータを踏まえて見積もるわけでございます。その後、急速に経済が悪化をしているという状況でございまして、御指摘の点については、私も認識は同じでございます。ただ、一体最終的に幾らになるのか、幾ら足りないのかということになりますと、現時点で残念ながら申し上げることができません。
#249
○又市征治君 出た場合の対処です。赤字国債の。
#250
○国務大臣(中川昭一君) 歳入減が出た場合ですか。
 できるだけ切り詰めるものは切り詰めて、そしてまた、御承知のように、生活支援の対策として予算編成の今作業をしているわけでございますけれども、最終的に出た場合には、できるだけ赤字国債は発行しない、これは総理の二〇一一年に向かっての努力目標というものもあるわけでございます。できるだけ赤字国債は発行しないということで頑張るという決意でございます。
#251
○又市征治君 いろんなものを調べていろんな苦労をしてとおっしゃるんですが、なぜこんなに度々と過大な見積りということになるのか。
 私、今年の二月五日の総務委員会で、内閣府のGDPの予測を過信せずに財務省は独自のやっぱり予測手法をもっと強化すべきだというようなことを言ったら、当時の財務省の審議官は、いや、GDP予測数値は政府として一体のものだからという答弁なわけですよ。ならば、内閣を挙げて、みんなで間違って過大な見積りをしている。だとすれば、国はやっぱりその責任を取らにゃいかぬ。
 ところが、国はそういう格好で、いや内閣府がそう言ったんだから、GDPの予測数値こういうことなんだからと言って間違って、国はそれで済むかもしらぬけれども、これでもろに自治体なんかは、こうすると六兆円もし仮に収入減になれば、税収減になれば、二兆円落ちてしまう。自治体たまったもんじゃない。自治体の側は大変なそういう悲鳴ですよね、もう既に。
 そこで、私、十月十六日の鳩山総務大臣にこの点につきまして聞きました。特会の借入れは国の責任という気がしますが、地方の借金というふうに計算されてしまう。それが今三十三兆六千億円、今回また交付税の不足が出た場合に、財務省と交渉して特会の借入れでない方法で何とかしたい、こういうのが鳩山総務大臣の答弁でありますけれども、鳩山さんのこの答弁に対して財務大臣はどういうふうにお答えになりますか。
#252
○国務大臣(中川昭一君) 仮にその歳入不足が生じたといたしましても、先ほど申し上げましたように、できるだけそれに対応できるようにしますけれども、かといって、政策予算を安易に切り詰めるということはできませんし、まして地方で使っていただくために用意した予算を削るなんていうことは我々考えておりません。
 したがいまして、先ほど申し上げたように、十月三十日の総理の生活支援という名の下での対策の中でも、景気後退や本対策に伴う地方税や地方交付税の原資となる国税五税等の減収等について、地方公共団体への適切な財政措置を講じる。つまり、迷惑を掛けないということを十月三十日にも総理は言っているわけでございます。
 また、特会からの新規借入れというのを過去にはやっておりましたけれども、平成十九年からはもうやっておりません。したがって、そういう、今申し上げたような前提の中で、きちっと地方の方には御迷惑を掛けないような措置を取っていかなければいけないというふうに思っております。
#253
○又市征治君 最後に、意見だけ申し上げておきたいと思いますが、今年度と似た規模の国税不足による交付税不足の対策の大半は、交付税特会の借入れで処理をされてきたんですね。九一年から二〇〇七年度で八兆円増えているわけです。それに比べて、政府の責任分担した額というのは同じ間でわずか一・八兆円と、こういうわけで、国の見積り過大に対してこの責任の取り方は余りにもやっぱり少ないと、こう言わざるを得ぬのだろうと思うんです。
 さなきだに、財務省は六年間に五兆円の交付税を計画的に削減をするという、こういう格好で進んできました。これが、現在の地方の疲弊であるとか都市と地方との格差というものが開いた大きな原因の一つだと思うんですね。これは同じ認識だろうと思う。
 今年度、税収不足に伴う交付税原資の不足というのは、やはり国はもっと、やっぱりこうした見積り誤りから起こっておる。そういう格好で、今、中川大臣おっしゃったように、地方に迷惑を掛けない、こういう立場でしっかりとやっぱり御検討いただいて、総務大臣ともやっぱりしっかりと御論議いただきたい、このことを申し上げて、今日の質問を終わりたいと思います。
#254
○委員長(小川敏夫君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト