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2008/09/29 第170回国会 参議院 参議院会議録情報 第170回国会 本会議 第2号
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2008/09/29 第170回国会 参議院

参議院会議録情報 第170回国会 本会議 第2号

#1
第170回国会 本会議 第2号
平成二十年九月二十九日(月曜日)
   午前十一時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  平成二十年九月二十九日
   午前十一時開議
 第一 常任委員長の選挙
 第二 国務大臣の演説に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、常任委員長辞任の件
 一、日程第一
 一、特別委員会設置の件
 一、日程第二
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 この際、常任委員長の辞任についてお諮りいたします。
 内閣委員長岡田広君、文教科学委員長関口昌一君、国土交通委員長吉田博美君、環境委員長松山政司君、行政監視委員長加藤修一君から、それぞれ常任委員長を辞任いたしたいとの申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
#5
○議長(江田五月君) 日程第一 常任委員長の選挙
 これより、ただいま辞任を許可されました常任委員長並びに欠員中の予算委員長及び懲罰委員長の選挙を行います。
 つきましては、常任委員長の選挙は、その手続を省略し、いずれも議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 内閣委員長に愛知治郎君を指名いたします。
   〔拍手〕
 文教科学委員長に中川雅治君を指名いたします。
   〔拍手〕
 国土交通委員長に田村耕太郎君を指名いたします。
   〔拍手〕
 環境委員長に有村治子君を指名いたします。
   〔拍手〕
 予算委員長に溝手顕正君を指名いたします。
   〔拍手〕
 行政監視委員長に山下栄一君を指名いたします。
   〔拍手〕
 懲罰委員長に藤井孝男君を指名いたします。
   〔拍手〕
     ─────・─────
#7
○議長(江田五月君) この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 沖縄及び北方問題に関する対策樹立に資するため、委員二十名から成る沖縄及び北方問題に関する特別委員会を、
 政治倫理の確立及び選挙制度に関する調査のため、委員三十五名から成る政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を、
 北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を、
 また、政府開発援助を始めとする国際援助・協力に関する諸問題を調査するため、委員三十名から成る政府開発援助等に関する特別委員会を、
それぞれ設置いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、沖縄及び北方問題に関する特別委員会外三特別委員会を設置することに決しました。
 本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
    ─────────────
   議長の指名した委員は左のとおり
○沖縄及び北方問題に関する特別委員
      家西  悟君    大島九州男君
      金子 恵美君    喜納 昌吉君
      小林 正夫君    主濱  了君
      高嶋 良充君    藤原 正司君
      横峯 良郎君    市川 一朗君
     北川イッセイ君    島尻安伊子君
      伊達 忠一君    中川 義雄君
      水落 敏栄君    義家 弘介君
      草川 昭三君    木庭健太郎君
      紙  智子君    山内 徳信君
○政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員
      足立 信也君    梅村  聡君
      大河原雅子君    亀井 郁夫君
      行田 邦子君    佐藤 泰介君
      鈴木  寛君    谷  博之君
      千葉 景子君    辻  泰弘君
      中村 哲治君    林 久美子君
      福山 哲郎君    増子 輝彦君
      松井 孝治君    柳田  稔君
      山下八洲夫君    石井 準一君
      礒崎 陽輔君    川口 順子君
      河合 常則君    岸  宏一君
      二之湯 智君    西島 英利君
      古川 俊治君    牧野たかお君
      松村 龍二君    丸川 珠代君
      丸山 和也君    荒木 清寛君
      弘友 和夫君    山口那津男君
      井上 哲士君    又市 征治君
      松下 新平君
○北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員
      加賀谷 健君    風間 直樹君
      川合 孝典君    川上 義博君
      下田 敦子君    徳永 久志君
      白  眞勲君    広田  一君
      藤田 幸久君    水戸 将史君
      衛藤 晟一君    関口 昌一君
      田中 直紀君    中山 恭子君
      松山 政司君    山谷えり子君
      山本 一太君    魚住裕一郎君
      風間  昶君    山下 芳生君
○政府開発援助等に関する特別委員
      犬塚 直史君    大石 正光君
      大塚 耕平君    加藤 敏幸君
      亀井亜紀子君    島田智哉子君
      武内 則男君    谷岡 郁子君
      轟木 利治君    富岡由紀夫君
      長浜 博行君    姫井由美子君
      広中和歌子君    藤末 健三君
      牧山ひろえ君    米長 晴信君
      石井みどり君    木村  仁君
      小泉 昭男君    佐藤 昭郎君
      椎名 一保君    谷川 秀善君
      西田 昌司君    長谷川大紋君
      森 まさこ君    山本 順三君
      谷合 正明君    浜田 昌良君
      近藤 正道君    渡辺 秀央君
    ─────────────
#9
○議長(江田五月君) これにて休憩いたします。
   午前十一時五分休憩
     ─────・─────
   午後三時一分開議
#10
○議長(江田五月君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第二 国務大臣の演説に関する件
 内閣総理大臣から所信に関し、財務大臣から財政に関し、それぞれ発言を求められております。これより順次発言を許します。麻生内閣総理大臣。
   〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#11
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 演説に先立ち申し上げます。
 まず、内閣が突然交代することとなり、国民の皆様に御迷惑をお掛けしたことを深くおわびをいたします。また、中山国土交通大臣に替え、金子国土交通大臣を任命しました。中山前大臣の一連の発言は閣僚として誠に不適切であります。関係者の方々、国民の皆様方に深くおわびをいたします。
 私、麻生太郎、この度、国権の最高機関による指名、かしこくも御名御璽をいただき、第九十二代内閣総理大臣に就任をいたしました。
 私の前に五十八人の総理が列しておいでです。百十八年になんなんとする憲政の大河があります。新総理の任命を憲法上の手続にのっとって続けてきた統治の伝統があり、日本人の苦難と幸福、悲しみと喜び、あたかもあざなえる縄のごとき連綿たる集積があるのであります。その末端に連なる今このとき、私は担わんとする責任の重さにうたた厳粛たらざるを得ません。この言葉よ届けと念じます、ともすれば元気を失いがちなお年寄り、若者、いや全国民の皆様方の元に。
 申し上げます。日本は強くあらねばなりません。強い日本とは、難局に臨んで動じず、むしろこれを好機として一層の飛躍を成し遂げる国であります。
 また、日本は明るくなければなりません。幕末、我が国を訪れた外国人が驚嘆とともに書き付けた記録の数々を通じて、私ども日本人とは、決して豊かでないにもかかわらず、実によく笑い、ほほ笑む国民だったことを知っています。この性質は今に脈々と受け継がれているはずであります。よみがえらせなくてはなりません。
 日本国と日本国民の行く末に平和と安全を、人々の暮らしに落ち着きと希望を、そして子供の未来に夢を。私は、これらをもたらし、盤石のものとすることに本務があると深く肝に銘じ、内閣総理大臣の職務に一身をなげうって邁進する所存であります。
 私は悲観しません。私は、日本と日本人の底力に一点の疑問も抱いたことがありません。時代は、内外の政治と経済において、その変化に奔流の勢いを呈するがごとくであります。しかし、私は、変化を乗り切って大きく脱皮する日本人の力をどこまでも信じて疑いません。そして、私は決して逃げません。
 私は、自由民主党と公明党の連立政権の基盤に立ち、責任と実行力ある政治を行うことを国民の皆様にお誓いいたします。
 初めに、国会運営について申し上げます。
 さきの国会で、民主党は自らが勢力を握る参議院において税制法案をたなざらしにされました。その結果、二か月も意思決定がなされませんでした。政局を第一義として、国民の生活を第二義、第三義とする姿勢に終始したのであります。
 与野党の論戦と政策をめぐる攻防は、もとより議会制民主主義が前提とするところです。しかし、合意の形成をあらかじめ拒む議会はおよそその名に値しません。
 政治とは国民の生活を守るためにある、民主党の標語であります。議会人たる者、何人も異を唱えぬでありましょう。ならばこそ、今、まさしくその本旨を達するため、合意形成のルールを打ち立てるべきであります。
 民主党にその用意はあるか。それとも、国会での意思決定を否定し、再び国民の暮らしを第二義とすることで自らの信条をすら裏切ろうとするのか。国民はひとみを凝らして見ているでありましょう。
 本所信において、私はあえて喫緊の課題についてのみ主張を述べます。その上で民主党との議論に臨もうとするものであります。
 緊急な上にも緊急の課題は日本経済の立て直しであります。
 これに三段階を踏んで臨みます。当面は景気対策、中期的には財政再建、中長期的には改革による経済成長。
 第一段階は、景気対策です。
 政府・与党には安心実現のための緊急総合対策があります。その名のとおり、物価高、景気後退の直撃を受けた人々や農林水産業、中小零細企業、雇用や医療に不安を感じる人々に安心をもたらすとともに、改革を通じて経済成長を実現するものであります。
 今年度内に定額減税を実施します。家計に対する緊急支援のためであります。米国経済と国際金融市場の行方から目を離さず、実体経済への影響を見定め、必要に応じ更なる対応も弾力的に行います。
 民主党に要請します。緊急総合対策実施の裏付けとなる補正予算、その成立こそはまさしく焦眉の急であります。検討の上、のめない点があるなら論拠とともに代表質問でお示しをいただきたい。独自の案を提示されるならもちろん結構。ただし、財源を明示していただきます。双方の案を突き合わせて国民の前で競いたいものであります。あわせて、民主党の抵抗によって一か月分穴が空きました地方道路財源を補てんする関連法案をできるだけ速やかに成立させる必要があります。この法案についての賛否もお伺いします。
 第二段階は、財政再建です。
 我が国は巨額の借金を抱えており、経済や社会保障に悪い影響を与えないため、財政再建は当然の課題です。国、地方の基礎的財政収支を黒字にする、二〇一一年度までに成し遂げると目標を立てました。これを達成すべく努力します。
 しかし、目的と手段を混同してはなりません。財政再建は手段、目的は日本の繁栄です。経済成長なくして財政再建はない、あり得ません。麻生内閣の目的は日本経済の持続的で安定した繁栄にこそある。我が内閣は、これを基本線として踏み外さず、財政再建に取り組みます。
 第三段階として、改革による成長を追い求めます。
 改革による成長とは何でありましょうか。それは日本経済の王道を行くことです。すなわち、新たな産業や技術を生み出すこと、それによって新規の需要と雇用を生み出すことにほかなりません。新経済成長戦略を強力に推し進めます。
 阻むものは何か、改革すべきものは何か。それは規制にあり、税制にあります。廃すべきを廃し、改めるべきは改めます。
 強みは何か。勤勉な国民であり、優れた科学と技術の力です。底力を解き放ちます。日本経済は、幾度となく厳しい試練に対して果敢に応じ、その都度強くなってきました。再びそのときが来たのであります。
 以上、三段階について申し上げました。めどを付けるのに大体三年、日本経済は全治三年と申し上げます。三年で日本は脱皮できる、せねばならぬと信じるものであります。
 暮らしの安心について申し上げます。
 不満とは行動のばねになる。不安とは人をしてうつむかせ、立ちすくませる。実に忌むべきは不安であります。国民の暮らしから不安を取り除き、強く明るい日本を再び我が物としなくてはなりません。
 消えた年金や消された年金という不安があります。個人の記録、したがって年金給付の確実さが信用できなくなっております。ひたすら手間と暇を惜しまず、確かめ続けていくしか方法はありません。また、不祥事を行った職員に対しては厳正なる処分を行います。私はここにこうべを垂れ、国民の御理解、御協力をこいねがうものであります。あわせて、年金等の社会保障の財源をどう安定させるか、その道筋を明確化すべくその検討を急ぎます。
 医療に信をおけない場合、不安もまた募ることは言うまでもありません。私はまず、長寿医療制度が説明不足もあり国民をいたずらに混乱させた事実を虚心に認め、強く反省するものであります。しかし、この制度をなくせば解決するというものでもありません。高齢者に納得していただけるよう一年を目途に必要な見直しを検討します。
 救急医療のたらい回し、産科や小児科の医師不足、妊娠や出産費用の不安、介護の人手不足、保育所の不足、いつ自分を襲うやもしれぬ問題であります。日々不安を感じながら暮らさなくてはならないとすれば、こんな憂うつなことはありません。私はこれらの不安を我が事として一日も早く解消するよう努めます。
 次代の日本を担う若者に希望を持ってもらわなくては国の土台が揺らぎます。困っている若者に自立を促し、手を差し伸べます。そのための、若者を支援する新法も検討します。最低賃金の引上げと労働者派遣制度の見直しも進めます。あわせて、中小零細企業の底上げを図ります。
 学校への信頼が揺らいでいます。教育に不安が生じています。子供を通わせる学校を信頼できるようにしなければなりません。保護者が納得するに足る質の高い教育を実現します。
 子供の痛ましい事件が続いています。治安への信頼を取り戻します。
 ここで、いわゆる事故米について述べます。
 事故米と知りつつ流通させた企業の責任は断固処断されるべきとして、これを見逃した行政に対する国民の深い憤りは当然至極と言わなければなりません。私は行政の長として幾重にも反省を誓います。再発を絶対許さないため全力を挙げます。
 すべからく、消費者の立場に立ち、その利益を守る行政が必要なゆえんであります。既存の行政組織には事業者を育てる仕組みがあり、そのため訓練された公務員がありました。全く逆の発想をし、消費者、生活者の味方をさせるためにつくるのが消費者庁であります。国民が泣き寝入りしなくて済むよう、身近な相談窓口を一元化するとともに、何か商品に重大な事故が起きた場合、その販売を禁止する権限も持たせます。悪質業者は市場から駆逐され、まじめな業者も救われます。
 行政の発想そのものをめぐる改革であればあるだけ、甲論乙駁はもっともであります。しかし、国民の不安と怒りを思えば、悠長な議論はしておられません。消費者庁創設に御賛同いただけるのか否か、民主党に問うものです。否とおっしゃるなら、成案を早く得るよう話合いに応じていただけるのか、問いを投げかけるものでもあります。
 行政改革を進め、無駄を省き、政府規模を縮小することは当然です。しかし、ここでも目的と手段を履き違えてはなりません。政府の効率化は、国民の期待にこたえる政府とするためであります。簡素にして国民に温かい政府を私はつくりたいと存じます。地方自治体にもそれを求めます。
 私は、その実現のため、現場も含め、公務員諸君に粉骨砕身働いてもらいます。国家国民のために働くことを喜びとしてほしい。官僚とは、私と私の内閣にとって敵ではありません。しかし、信賞必罰で臨みます。私が先頭に立って彼らを率います。彼らは国民に奉仕する政府の経営資源であります。その活用をできぬ者は、およそ政府経営の任に堪えぬものであります。
 目を地域に転じます。
 ここで目指すべきは、地域の活力を呼び覚ますことです。それぞれの地域が誇りと活力を持つことが必要です。しかし、その処方せんは地域によって一つずつ違うのが当たり前。中央で考えた一律の策は、むしろ有害ですらあります。だからこそ、知事や市町村長には真の意味で地域の経営者となってもらわなければなりません。そのため、権限と責任を持てるようにします。それが地方分権の意味するところです。
 進めるに際しては、霞が関の抵抗があるかもしれません。私が決断します。国の出先機関の多くには二重行政の無駄があります。国民の目も届きません。これを地方自治体に移します。最終的には地域主権型道州制を目指すと申し上げておきます。
 農林水産業については、食料自給の重要さを改めて見直すことが第一の課題となります。五〇%の自給率を目指します。農業を直ちに保護の対象ととらえる発想は、この過程で捨てていかねばなりません。攻めの農業へ農政を転換するのです。
 十月一日に発足の運びとなる観光庁の任務に観光を通じた地域の再生があることを申し添えておきます。沖縄の声に耳を傾け、沖縄の振興に引き続き取り組みます。
 昨今は、集中豪雨や地震など、自然災害が相次いでおります。被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。同時に、復旧・復興には、無論、万全を期してまいります。
 環境問題、とりわけ地球温暖化問題の解決は今を生きる我々の責任でもあります。自然と共生できる循環型社会を次の世代へ引き継ぐことが求められます。資源高時代に対応した経済構造転換も求められます。
 なすべきは、第一に、成長と両立する低炭素社会を世界に先駆けて実現するということ。第二に、我が国が強みを持つ環境・エネルギー技術には新たな需要と雇用を生む力があることを踏まえ、これを育てていくこと。そして第三に、世界で先頭を行く環境・省エネ国家として国際的なルール作りを主導していくということです。
 次に、外交について私が原則とするところを申し上げます。
 日米同盟の強化、これが常に第一であります。
 以下、順序を付けにくいのをお断りした上で、隣国である中国、韓国やロシアを始めアジア太平洋諸国とともに地域の安定と繁栄を築き、共に伸びていく、これが第二です。
 人類が直面する地球規模の課題、テロ、温暖化、貧困、水問題などに取り組む、これが第三です。
 我が国が信奉するかけがえのない価値が若い民主主義諸国に根付いていくよう助力を惜しまない、これが第四です。
 そして第五に、北朝鮮への対応です。朝鮮半島の安定化を心掛けながら、拉致、核、ミサイル問題を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、日朝国交正常化を図るべく北朝鮮側の行動を求めてまいります。すべての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現を図ります。
 以上を踏まえて、民主党に伺います。
 今後の日本の外交は日米同盟から国連に軸足を移すといった発言が民主党の幹部諸氏から聞こえてまいります。私は、日本国と日本国民の安寧にとって日米同盟は今日いささかもその重要性を失わないと考えます。事が国家、世界の安全保障にかかわる場合、現在の国連は、少数国の方針で左右され得るなど、国運をそのままゆだね得る状況ではありません。
 日米同盟と国連と、両者をどう優先劣後させようとしているのか。民主党には日本国民と世界に対し明確にする責任があると存じます。論拠とともに伺いたいと存じます。
 第二に伺います。海上自衛隊によるインド洋での補給支援活動を、私は、我が国が我が国の国益を懸け我が国自身のためにしてきたものと考えてきました。テロとの闘いはまだ到底出口が見えてまいりません。尊い犠牲を出しながら、幾多の国々はアフガニスタンへのかかわりをむしろ増やそうとしております。このときに当たって、国際社会の一員たる日本が活動から手を引く選択はあり得ません。
 民主党はそれでもいいと考えておられるのでしょうか。見解を問うものであります。
 私が本院に求めるのは与野党の政策をめぐる協議です。内外多事多難、時間を徒費することは、すなわち国民に対する責任の不履行を意味します。
 今、景気後退の上に、米国発の金融不安が起きております。私どもが提案している緊急総合対策を裏付ける補正予算、地方道路財源を補てんする関連法案を速やかに成立させることが国民に対する政治の責任ではないでしょうか。
 再び民主党を始め野党の諸君に国会運営への協力を強く要請します。当面の論点を以上に御提示いたしました。お考えをお聞かせ願いたく、私の所信表明を終えさせていただきます。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(江田五月君) 中川財務大臣。
   〔国務大臣中川昭一君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(中川昭一君) 今般、さきに決定されました安心実現のための緊急総合対策を受けまして、平成二十年度補正予算を提出することとなりました。その御審議をお願いするに当たり、補正予算の大要につきまして御説明申し上げます。
 まず、最近の経済情勢と安心実現のための緊急総合対策について申し述べます。
 我が国経済は、バブル経済崩壊後の長い低迷から脱却し、持続的な景気回復を続けてまいりましたが、このところ弱含みを見せております。
 また、我が国経済を取り巻く情勢を概観いたしますと、米国を始め、欧州、新興国など世界経済全体において成長が鈍化してきております。国際金融市場が動揺するとともに、資源・食料価格も歴史的に見て高い水準にあるなど、世界経済の先行きは不透明感を増しております。
 こうした経済情勢の下、資源・食料価格の動向により、価格の転嫁が困難な立場にある中小企業や賃金が十分に上がらない雇用者の皆様などは大きな影響を受けておられると承知しております。
 新たな価格体系への移行期におきまして、国民の皆様が感じておられる痛みや不安に対処するとともに、将来にわたり日本経済をより強固なものとするため、政府は、八月二十九日、安心実現のための緊急総合対策を決定いたしました。
 本対策においては、第一に、生活者の不安の解消を目指すこととしております。そのため、非正規雇用対策等の推進などによる生活、雇用の支援を行うとともに、高齢者医療の円滑運営対策の充実や医療体制の確保などの医療、年金、介護の強化を図ります。また、新待機児童ゼロ作戦の集中・重点実施など、子育て、教育の支援を実施することとしております。
 第二に、持続可能社会への変革を加速するため、省エネ・新エネ設備等の導入加速などにより低炭素社会の実現に向けた取組を進めるとともに、学校等耐震化などの住まい・防災対策を推進いたします。また、省エネ・省資源型への構造転換を促進すること等により強い農林水産業を創出いたします。
 第三に、新価格体系への移行と成長力強化のため、原材料価格高騰対応等緊急保証の導入と政府系金融機関が行うセーフティーネット貸付けの拡充による総額九兆円規模の事業を実施し、中小零細企業の資金繰りに万全の対策を講じます。あわせて、下請事業者対策の強化等を通じて中小零細企業の活力向上を目指します。
 税制改正にかかわる施策につきましては、特別減税の実施を含め、本年の税制全般にわたる抜本的改革の検討と併せて結論を得ることとしております。
 なお、地方公共団体がこの緊急総合対策に取り組み、地域の活性化を実現させるために必要な経費を措置するとともに、道路特定財源に関する地方の減収分についても適切に財源措置することとしております。
 次に、今般提出いたしました平成二十年度補正予算の大要について御説明いたします。
 今回の補正予算は、財政健全化路線の下、真に必要な対策に財源を集中し、旧来型の経済対策とは一線を画するとの緊急総合対策の基本的な考え方を踏まえ、財政規律を維持し、特例公債は発行しないことを基本方針とし、既存の歳出を見直す中で最大限の経費の節減を行った上で編成いたしました。
 まず、歳出面におきましては、緊急総合対策関連として、生活者の不安の解消について三千五百十八億円、住まいと防災対策について七千二百九十六億円、低炭素社会の実現と強い農林水産業創出について一千八百八十一億円、中小企業等の活力向上について四千四百六十九億円及び地方公共団体に対する配慮について九百十六億円の合計一兆八千八十一億円を計上しております。あわせて、国債整理基金特別会計への繰入れを計上する一方、既定経費の節減等を行っております。
 他方、歳入面におきましては、前年度の決算上の剰余金六千三百十九億円を計上し、さらに、税外収入の増加を三百七十二億円見込んでおります。
 以上によりましてなお不足する歳入につきましては、やむを得ざる措置として三千九百五十億円の公債の追加発行を行うこととしております。その際、建設公債に限って追加発行を行うこととしております。今回の措置により平成二十年度の公債発行額は二十五兆七千四百三十億円となり、公債依存度は三〇・六%となります。
 これらの結果、平成二十年度一般会計補正後予算の総額は、当初予算に対し歳入歳出とも一兆六百四十一億円増加し、八十四兆一千二百五十五億円となります。
 以上の一般会計補正等に関連しまして、特別会計予算及び政府関係機関予算についても所要の補正を行うこととしております。
 また、財政投融資計画については、緊急総合対策を実施するため、この補正予算において一千七百七十八億円を追加することとしております。
 以上、平成二十年度補正予算の大要について御説明申し上げました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。(拍手)
#14
○議長(江田五月君) ただいまの演説に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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