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2008/10/22 第170回国会 参議院 参議院会議録情報 第170回国会 本会議 第6号
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2008/10/22 第170回国会 参議院

参議院会議録情報 第170回国会 本会議 第6号

#1
第170回国会 本会議 第6号
平成二十年十月二十二日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第六号
    ─────────────
  平成二十年十月二十二日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 テロ対策海上阻止活動に対する補給支援
  活動の実施に関する特別措置法の一部を改正
  する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 日程第一 テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。国務大臣河村内閣官房長官。
   〔国務大臣河村建夫君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(河村建夫君) ただいま議題となりましたテロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 平成十三年九月十一日にアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃による脅威はいまだ除去されておらず、国際社会におけるテロとの闘いは依然として継続しています。アフガニスタンにおいては、四十か国以上が軍隊を派遣し、数多くの犠牲者を出しながらも多くの国が増派を行い、忍耐強く活動を続けています。
 海上自衛隊の補給支援活動は、テロとの闘いの一環としてインド洋で行われている海上阻止活動の重要な基盤として定着し、アフガニスタンを含め各国から高い評価を得ております。
 現行のテロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法の期限は、法律施行一年後の平成二十一年一月十五日までとされておりますが、こうした中、補給支援活動を継続する必要性は依然として高いものと判断されます。
 この法律案は、以上のような状況を踏まえ、我が国が国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に引き続き積極的かつ主体的に寄与するため、テロ対策海上阻止活動を行う諸外国の軍隊等に対し補給支援活動を引き続き実施するものとし、もって我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的として提出するものであります。
 以上がこの法律案の提案理由であります。
 次に、この法律案の内容は、テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法の期限を一年間延長し、施行の日から二年間とするものであります。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(江田五月君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。藤田幸久君。
   〔藤田幸久君登壇、拍手〕
#6
○藤田幸久君 民主党・新緑風会・国民新・日本の藤田幸久でございます。
 アメリカのブッシュ大統領の時代が間もなく終わりを告げます。戦いに明け暮れたこの八年間の世界が大きく変わるとの思いから、新テロ対策特別措置法改正案について質問いたします。
 本来は麻生新総理を想定した質問も含め、関係大臣からお答えいただきたいと思います。
 サンフランシスコ講和条約を締結した吉田茂元総理は、戦争に負けても外交で勝つとの理念で、非軍事国家としての戦後復興と高度成長の道を築かれました。その功績を私は高く評価するものです。しかし、今日のアメリカによる北朝鮮へのテロ支援国家指定解除は日本外交の大きな敗北であり、極めて残念です。日本外交がそでにされたと言われるこのアメリカの決定に対する河村官房長官の所感を伺います。
 そして、新しい質問として、中曽根外務大臣に伺います。
 今朝の報道によれば、北朝鮮が核施設を無力化する見返りとして受け取る重油支援のうち、日本が拉致問題を理由に支援を延期している分について、オーストラリア等が肩代わりする方向で調整中とのことであります。六か国協議の拡大との観測もございます。これが事実なら、日本外交の大敗北ではありませんか。この報道について、その真偽と、今後の日本外交の対応について中曽根外務大臣にお伺いをいたします。
 そして、テロ撲滅作戦の名の下に無実の市民を大量に巻き添えにするブッシュ大統領による戦争への自衛隊のなし崩し的協力も、吉田元総理が描いた平和主義の精神に反する外交的敗北ではありませんか。官房長官の見解を伺います。
 イラクでは、米軍が攻撃を開始した二〇〇三年以来、国際保健機関、WHOによれば十五万人、ほかの調査でも数十万人のイラク人が死亡したと伝えられています。また、アフガニスタンでは、米軍に対する爆破テロが二〇〇二年には二十二件であったものが二〇〇七年には二千六百十五件に増えたとアメリカの戦略国際問題研究所が伝えています。今やテロとの戦いというよりも、市民生活の場に外国人兵士が踏み込み、市民の怒りを招く市民との戦いと化しているのではないでしょうか。こうした戦いに加担し続けることがなぜ日本の国益と言えるのか、官房長官の見解を伺います。
 ノーベル経済学賞受賞者である、アメリカの経済諮問委員長も務めたジョセフ・スティグリッツ教授は、昨日、国連の金融危機対策部会長に任命されたと報道されています。彼は、「世界を不幸にするアメリカの戦争経済」という本の中で、数千人の死亡に加え、イラクで五万八千人以上のアメリカ兵が重軽傷又は深刻な病を負い、アフガニスタンでは七千三百人の兵士が重軽傷又は深刻な病を負った、十万人の兵士が深刻な精神障害に陥って帰国した、帰還兵の補償金、恩給、障害手当なども含むこの戦争の長年にわたる財政的、経済的コストは約三兆ドルに達し、ほかの国々に課せられるコストは恐らくその二倍になろうと述べています。そして、日本経済への負担を三十兆円以上と計算し、戦争は世界的な原油高やサブプライム問題などへの長期的な損失をもたらしているとしています。アメリカ発の金融危機の拡大を防ぐためにも、ブッシュ大統領による戦争の幕引きを図ることこそアメリカの良き友人としての日本の責務ではないでしょうか。官房長官の見解を伺います。
 幕引きが必要な具体的状況がインド洋に存在します。本年二月に再開した海上自衛隊の補給支援活動の実績は、過去三年間の給油量と比較しても明らかに減少しています。政府は各国軍隊からの給油のニーズがあるとの説明を繰り返していますが、大きな疑問を感じます。給油量が減った理由、給油等のニーズについて防衛大臣に伺います。
 また、政府が示した海上阻止活動の実績は、特措法の対象である九・一一米国同時多発テロに関連したものなのか。補給を受けた外国の艦船がテロ関連の海上阻止活動に従事しているのか検証するのに必要な艦船の名称も明らかにしていません。
 そもそも、現行の特措法の期限を一年としたのは、補給活動の継続の必要性について一年後に改めて国会が判断することになっていました。にもかかわらず、継続の可否を判断するこれらの情報を提供しないのはいかなる理由なのか、官房長官の見解を求めます。
 また、海賊対策の法的枠組みづくりが必要と考えますが、政府としては、自衛隊の活動に関する法的整備も含め、その実現に向けてどのような対応をお考えか、官房長官の所感をお伺いします。
 また、米国からは、アフガニスタン本土への自衛隊派遣要請や、二百億ドルとも言われる戦費負担要求がなされたと報道されています。現下の厳しい経済情勢に加えて、九・一一テロ以降の在日米軍基地はアフガニスタン戦争とイラク戦争に特化した出撃と後方支援の中核を担っているという実態があります。佐世保基地からの強襲揚陸艦エセックス、横須賀基地からの空母キティーホークやイージス巡洋艦、三沢基地からのF16戦闘機、沖縄からの陸軍のグリーンベレー、海軍のシールズ、海兵隊の第三一MEUなどの特殊部隊も作戦に参加し、クラスター爆弾などの投下も行っています。在日米軍基地なくしてアフガニスタン戦争、イラク戦争なしというのが現実です。
 麻生総理は国際社会の一員としての責任を強調しますが、日本は給油活動などとは比べ物にならないほど貢献していると米国に堂々と反論すべきではありませんか。また、在日米軍のこうした実態を国民に情報開示すべきと考えますが、官房長官からお答えをいただきたい。
 昨年十一月の参議院本会議において、テロとは犯罪ですか、それとも戦争、つまり武力紛争ですかという私の質問に対し福田総理は、典型的なテロ行為は犯罪であるとした上で、九・一一テロ攻撃は高度の組織性、計画性が見られるなど、武力攻撃に当たると答えました。
 テロという犯罪が組織性、計画性を持って行われた以上、だれがどのように犯罪を行ったかの裏付けに基づき戦いを進めるべきと思われますが、官房長官、いかがですか。また、この戦争は一体だれのだれに対する戦いなのか、明確にお答えください。
 また、刑法改正に伴い、ミャンマーの長井カメラマンやアフガニスタンのペシャワール会の伊藤和也さんなど、海外で殺害された邦人の事件捜査のために近年は捜査関係者を現地国に派遣しています。九・一一調査委員会の報告が出たのが刑法改正後の二〇〇四年七月であることから、アメリカに捜査関係者を派遣して日本人犠牲者二十四名に対するテロ行為の事実関係を捜査すべきと考えますが、官房長官の見解を伺います。
 そもそも、事件後七年も経過していながら、アメリカ司法省はビンラディンを公的に告発する手続を取っていません。また、FBIのホームページは、世界の最重要指名手配者の一人であるビンラディンの容疑として、タンザニアとケニアの米国大使館爆破事件のみを挙げ、九・一一とのかかわりを挙げていません。九・一一直後にアメリカ政府が特定した十九名の実行犯のうち八名が中東諸国で市民として生活している、つまり人違いであったとイギリス国営放送、BBCなどが報道しています。実際、FBIのミューラー長官は、実行犯とされる十九人が実行したという確たる証拠を見付けることができなかったと二〇〇二年に認めています。
 テロとの戦いの原点であるこれらの基本的事実を日本政府としても米国政府に確認すべきですが、いかがですか。もし確認ができないならば、不朽の自由作戦に関連する海上阻止活動への協力の根拠に欠けるということであり、いったん補給支援活動などを停止すべきではありませんか。官房長官、いかがですか。
 日本政府は、テロとの戦いに参加する正当性の一つとして、日本人二十四名が犠牲になった、テロとの戦いは決して他人事ではなく、日本も当事者なのですと繰り返しています。しかし、日本政府はその二十四名の犠牲者の御家族に対して心の通った対応をほとんどしていません。
 事件の一年後の二〇〇二年九月十二日、被害者家族の一行はニューヨークで小泉純一郎元総理と面会しましたが、その一人で一人息子の敦さんを失った白鳥晴弘さんは、小泉元総理に以下のように直訴しました。
 日本政府は知りませんよという態度を取っているように思えてならない、補償をしてくれというのではなく、何が起こったのか、どういう状況なのかという情報の集約と公開、そして最低限の通訳やガイドなど、私たち被害者に対応していただきたい。
 これに対して歴代総理が白鳥さんたちに何もこたえていないという事実を官房長官はどう認識されますか。また、日本政府として御遺族のこうした訴えにこたえるつもりがあるか、お答えいただきたい。
 また、遺族の一人は、外務省に対してアメリカ政府や関係機関と連絡を取って対応してほしい、被害者に対する補償金に対して所得税が課税される、アメリカでは全額控除されている、日本でも控除する対策を講じてほしいとお願いしましたが、補償交渉に対しても何ら支援もアドバイスもないと述べています。実際に、日本政府が被害者の家族を集めて状況を説明する会合は一度も開かれていません。政府からは時折、各家族にアメリカの各官庁や州政府が作成した分厚い英文の文書、保険や補償に関する重要書類などが何の日本語による説明もなく送り付けられております。そして、日本赤十字から限られた渡航費支援があったものの、日本政府からはその後の度々の渡航費や宿泊費などの支援も一切されていないとのことです。御家族のこうした要望に誠実にこたえるのがテロとの戦いの第一歩と考えますが、こうした要望への対応について外務大臣からお答えいただきたい。
 二〇〇四年に成立した犯罪被害者等基本法では、海外での犯罪被害者も区別することなくその対象となっており、犯罪被害者給付金制度の充実を求めています。本年四月十五日、犯罪被害者給付金等に関する法律が改定され、交通事故被害者並みの給付となりました。しかし、依然として海外における被害者は対象外になっています。フランスは全世界を対象とし、イギリスでもEU諸国が対象になっています。
 アメリカでは九・一一を契機に、国際テロ被害者費用補償制度を設立しました。これにより、国外でテロの被害に遭った米国民は、死亡補償金、医療費、対物損害、葬儀埋葬代、精神面のケアなどの補償が受けられるのです。日本においても早急にこうしたテロ被害者を救済する制度を創設すべきです。政府の決断を求めますが、官房長官、いかがでしょうか。
 また、アメリカ航空事故調査委員会は、米国人遺族に対しては事故の内容についての報告義務があると認識しています。四月の外交防衛委員会で木村副大臣は、事故の原因について説明を受けたいという日本人遺族からの要望はないと答弁していますが、私がお会いした家族の皆さんは是非希望したいと言っております。そもそも、そうした仕組みがあるということを御家族に対して紹介するのが日本政府の責任ではないでしょうか。今からでも調査委員会にそうした申入れを行う意思があるのかどうか、外務大臣の見解を伺いたい。
 官房長官、本年六月十一日に米国下院で以下の決議案が可決され、司法委員会に付託されたことを御存じですか。第二条、侵略戦争を不正に正当化するため、イラクが安全保障上の脅威であると誤った宣伝を行い、二〇〇一年九月十一日の攻撃を、不正に、組織的に、犯罪的な意図を持って利用したこと。第三条、戦争のための間違った論拠を捏造し、イラクが大量破壊兵器を所有したと米国民と国会議員をミスリードして信じ込ませたこと。第八条、国連憲章を侵して主権国家イラクを侵略したこと。第三十三条、九・一一以前に寄せられた、テロリストが米国の攻撃を計画しているというハイレベル情報の警告を度々無視し、その対応に失敗したこと。第三十五条、二〇〇一年九月十一日の攻撃に関する調査を妨害したこと。
 長官、これはブッシュ米国大統領に対する弾劾決議案の条文の一部なのです。民主党のクシニッチ議員の提案によるもので、ロン・ポール元大統領候補など二十四人の共和党議員を含む二百五十一人が賛成し、百五十六人が反対とする百票ほどの大差となりました。任期中に本会議でこの決議が通ることはないようではありますが、アメリカ内部から地殻変動が起きているのです。ブッシュ政権で国務長官を務めたパウエル長官がオバマ大統領候補への支援を決めたこともその流れと思われます。ブッシュ大統領の戦争の政治が終えんを迎えていると思います。また、今後アメリカに対して大きな転換を求める流れが世界中から沸き上がる兆候を感じます。こうした流れに対する官房長官の所感を伺います。
 九・一一テロで亡くなった私の高校の後輩、小川卓さんの父親小川繁さんは、テロリストの背後にある民衆のすさまじい怨念を想像してほしい、その怨念をどうしたらなくせるか多くの人々に考えてほしいと述べ、自衛隊のイラク派遣に反対を表明されました。家族の皆さんは、拉致問題では政治家が動いたが、九・一一に関してはだれも全く動いていない、拉致家族は忘れられないが、九・一一被害者家族は無視されているとの強い思いをお持ちです。テロの温床を根絶することこそ、テロの犠牲となった自分たちの肉親が浮かばれると御家族は考えておられます。これらの御家族やアフガニスタンの無実の市民が真に望む政策の実現を強く訴えてまいります。
 官僚答弁ではなく、御自分の言葉でお答えいただくことを三人の大臣にお願いをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣河村建夫君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(河村建夫君) 藤田議員の御質問にお答えいたします。
 まず、米国による北朝鮮のテロ支援国家指定解除についてのお尋ねがありました。
 米国は従来より、北朝鮮が検証措置に関し十分な協力を示した場合には、北朝鮮のテロ支援国家指定を解除するとの立場を明らかにしてまいりました。
 我が国といたしましては、六者会合の目標である朝鮮半島の非核化のためには、実効的な検証の具体的枠組みの構築は極めて重要であると考えており、米国が一連の検証措置を北朝鮮に受け入れさせるための手段としてテロ支援国家指定解除を効果的に利用することが肝要と考えてきました。
 このような問題意識から、我が国は米国との間で相当緊密に協議を行ってきた経緯があります。米国は、そのような日米間の協議を踏まえながら北朝鮮との協議を行った結果、未申告施設への訪問、サンプル採取などを含む検証措置についての合意が得られたことを受け、現在停滞している六者会合のプロセスを再度動かすことが重要であるとの判断から、北朝鮮のテロ支援国家解除を行ったものと理解をしております。
 我が国としては、米朝間の合意を基礎とし、早期に六者間で検証の具体的枠組みに関する文書を採択することが重要と考えており、米国を始めとする関係国と連携し、取り組んでいく考えであります。
 次に、米国を始めとする国際社会のテロとの闘いにおける自衛隊による貢献についてお尋ねがありました。
 テロとの闘いは国際社会の最重要課題の一つであり、その一翼を担って我が国が行っている補給支援活動は、我が国の国益を懸け、我が国自身のためにしてきた活動であります。インド洋における海上阻止活動は、テロリストや武器及び麻薬の移動の抑止、防止を通じてテロリストの行動の自由に大きな制約を与えるという意味で、テロとの闘いに大きな役割を果たしております。
 我が国が行っている補給支援活動は、この海上阻止活動の重要な基盤となっており、テロとの闘いにおける国際的な連帯において重要な役割を果たしてきており、国際的にも高い評価を得ております。
 政府としては、我が国が国際社会の中でその国力にふさわしい責任を自覚し、国際的に信頼される国家を目指し、世界平和に貢献する外交を展開してまいります。
 イラクやアフガニスタンにおける各国軍隊の活動と日本の国益に関するお尋ねがありました。
 アフガニスタンやイラクにおける現在の各国軍隊の活動は、アフガニスタンのISAFのマンデートに関する安保理決議第一八三三号や、イラク多国籍軍のマンデートに関する安保理決議一七九〇号を始めとする累次の安保理決議を踏まえて実施されておるものであります。無論、一般市民の被害を最小限にすべきことは当然であり、米国等各国もこの点を最大限考慮して活動を行っているものと承知をいたしております。
 例えば、アフガニスタンにおいては、カルザイ大統領が、米国等がアフガニスタンの領域内に実施している活動に関し、一般市民に被害が及ばないように要請したことを踏まえ、現在、アフガニスタンと関係国との間で被害を回避するための方策について議論が行われていることを承知いたしております。
 いずれにせよ、テロとの闘いは依然継続しており、多くの国が尊い犠牲を出しながらもアフガニスタンでのテロ対策への取組を強化している中で、我が国としても、国際社会の一員として引き続きテロとの闘いの一翼を担うために、補給支援活動を継続することが是非とも必要であります。
 アメリカの良き友人としての日本の責務についてお尋ねがありました。
 アフガニスタン及びイラクの安定と復興のために、米国を始めとする多数の国々が、多くの犠牲や負担を伴う治安・テロ対策と人道復興支援に引き続き全力で取り組んでいます。イラクの治安情勢が改善傾向にある中で、アフガニスタンの安定、復興は道半ばであり、息の長い取組が必要であります。
 我が国は、国際社会の責任ある一員として、米国を始めとする国際社会と緊密に協力し、イラク、アフガニスタン両国の努力を粘り強く支援していく所存であります。
 次に、インド洋における海上阻止活動の成果と九・一一テロ攻撃の関連についてのお尋ねがありました。
 不朽の自由作戦、すなわちOEFの下で行われている活動は、九・一一のテロ攻撃によってもたらされている脅威を除去するための活動であると承知をいたしております。
 その上で、インド洋における海上阻止活動がOEFの一環であることについては、本年九月二十二日に採択された国連安保理決議第一八三三号にも、アフガニスタンにおけるテロとの闘いの枠内で実施される海上阻止活動の要素を含むOEF連合と記述されているとおり、関係国の共通の認識があります。政府が示している成果は、このような海上阻止活動の成果として関係国が公表したものであります。
 次に、我が国が補給した各国の艦船名の公表についてのお尋ねがありました。
 各国は、個々の作戦の円滑な遂行や作戦参加者の安全を確保するとの理由で、作戦の詳細までは原則として公表していないために、我が国としては、当該国が差し支えないと判断した場合を除いて公表しない方針であります。
 他方、御指摘の補給相手国艦船名については、今般の国会における関心も高く、衆議院における議論も踏まえて、その公表について現在各国政府へ問い合わせを行っております。その結果を踏まえて適切に対応したいと考えております。
 海賊対策についてのお尋ねがありました。
 海上交通の安全確保は、我が国の繁栄と発展に不可欠であり、特に海賊への対処は国際社会が一致して対応すべき重要な課題と考えます。
 政府としては、総合海洋政策本部の下、関係府省が、自衛隊の活用を含めた海賊対策の在り方について、法制面の整備を含め所要の検討を進めております。
 アフガニスタンに対する我が国の支援に関し、在日米軍基地が果たしている役割を踏まえ米国に反論すべきとの御指摘がございました。
 アフガニスタン情勢に関し、日米間では常日ごろから緊密な意見交換を行っておりますが、米国は、我が国がどのように支援を行うかについては我が国自身が決定する問題であるとの立場を一貫して取っております。
 補給支援活動は、テロとの闘いの一翼を担い、我が国の国益を懸け我が国自身のためにしてきた活動であります。我が国がこの活動から手を引く選択はあり得ません。その上で、アフガニスタンの平和と復興のためにいかなる協力を行うことができるのか、引き続き主体的に検討してまいります。
 なお、日米安保条約に基づき我が国に駐留する米軍は、同条約第六条に基づき、あくまでも我が国及び極東の平和と安全の維持という目的達成のために我が国の施設・区域を使用することを認められているものであり、このことをもってアフガニスタンに関する我が国の貢献について米国に反論するような性格のものであるとは考えておりません。
 アフガニスタン戦争、イラク戦争に特化した出撃と後方支援の中核を担っている在日米軍の実態を情報公開すべきとの御指摘がありました。
 日米安保条約に基づき我が国に駐留する米軍は、同条約の第六条に基づき、あくまでも我が国及び極東の平和と安全の維持という目的のために我が国に駐留しているものであり、在日米軍がアフガニスタンやイラクへの出撃と後方支援の中核を担っているという指摘は当たりません。
 テロとの闘いについてお尋ねがありました。
 日本政府としては、九・一一同時多発テロ事件以降、様々なレベルで米政府の関係機関に対し、事件関連情報や各政府機関の対応につき照会し、情報交換を行ってまいりました。
 我が国は、このように入手した非公開情報や外国政府等が作成した報告書等の公開情報を総合的に勘案して、九・一一テロ事件はタリバンにより支援された国際テロ組織アルカーイダによって実行されたものと判断しております。
 テロはいかなる理由をもってしても正当化できず、断固として非難されるべきものであります。また、テロは我が国の平和と繁栄がよって立つところの自由で開かれた社会に対する挑戦であり、国際社会が一致結束して取り組むべき問題であります。我が国としては、テロとの闘いを我が国及び国民の安全確保に直接かかわる問題と認識した上で、国際社会と連携してこれに取り組んでいく考えであります。
 次に、米国における同時多発テロ事件の捜査に関するお尋ねがございました。
 この事件は、御指摘の国外犯規定に関する平成十五年の刑法改正が行われる前に発生したものであり、当該規定を適用しての捜査を行うことはできないものと承知をいたしております。
 九・一一同時多発テロ事件の実行犯についてのお尋ねがありました。
 FBIのホームページに掲載された最重要指名手配者としてのビンラーデンの容疑について、九・一一同時多発テロ事件への言及がないことは承知をいたしております。しかしながら、二〇〇二年二月六日、米国連邦捜査局、FBIは、議会証言において九・一一同時多発テロ事件をアルカーイダ及びビンラーデンとリンクさせる証拠は明確であり反証不能である旨述べたと承知をいたしております。
 我が国としては、各種情報を総合的に判断して九・一一同時多発テロ事件はアルカーイダにより実行されたものと判断しており、この点につき現時点で改めて米国政府に事実関係をただすことは考えておりません。
 いずれにしても、我が国は国際社会によるテロとの闘いの一翼を担い、国際社会の連帯において責任を果たしていくとの決意であります。補給支援活動は我が国の国益を懸け、我が国自身のためにしてきた活動であり、補給支援特措法の延長は是非とも必要であります。
 米国同時多発テロ事件の被害者御遺族への対応についてのお尋ねがありました。
 政府としても、事件直後から御家族の御意向も踏まえつつ、御遺体の確認、米国政府が支給する補償金の請求手続や補償金の非課税に関する情報提供等、御遺族に対して種々の支援や情報提供を誠実に行ってまいりました。今後とも、御遺族から御要望があれば、可能な限り御遺族の支援に当たってまいりたいと考えております。
 日本でも早急に海外でのテロ被害者を救済する制度を創設すべきとの御指摘がございました。
 犯罪被害者等基本計画に基づく検討会において、テロ事件の被害者について、一般の犯罪被害者等とは別に特段の救済策を取ることをあらかじめ包括的に定めることは困難であると提言をされております。海外でのテロ被害者については、無差別大量の死傷者が生じた場合等に当該テロ事件を指定した特別措置法を迅速に制定することなどの対応が考えられますが、具体的事案に応じた必要な救済措置が検討されるべきものと考えます。
 ブッシュ大統領に対する弾劾決議案に対するお尋ねがありました。
 本年六月十一日、米下院会議においてブッシュ大統領を弾劾する決議案を下院司法委員会に付託する動議が可決されたことは承知しておりますが、同決議案が下院で可決された事実はありません。
 今後の米国外交、アメリカ外交に対するお尋ねがありました。
 イラク及びアフガニスタンについては、米国大統領選挙において活発な議論が行われていると承知をしております。これら両国に対しては、米国を始めとする多数の国々が多くの犠牲や負担を伴う治安・テロ対策と人道復興支援に引き続き全力で取り組んでいます。特に、アフガニスタンにおけるテロとの闘いは正念場にあり、多くの国が尊い犠牲を出しながらもテロ対策への取組を強化していると承知をしております。
 我が国は、国際社会の責任ある一員として、米国を始めとする国際社会と密接に協力し、イラク、アフガニスタン両国の努力を粘り強く支援していく考えであります。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(中曽根弘文君) 米国の同時多発テロ事件の被害者の御遺族への対応についてのお尋ねがございました。
 政府といたしましては、事件直後から米国政府が支給いたします補償金の請求手続や補償金の非課税化に関する情報提供等、御遺族に対して種々の支援や情報提供等、御要望を踏まえた支援を行ってまいりました。今後とも可能な限り御遺族の支援に当たってまいりたいと考えております。
 次に、米国国家運輸安全委員会への申入れに関するお尋ねでございますが、米国同時多発テロ事件に伴うハイジャック事件につきましては、同委員会が説明を行うべき事故に含まれるか否か必ずしも明確ではございません。これまでも御遺族に対しまして様々な情報の提供を行ってきておりますが、今後具体的な御要望があれば、政府として何ができるか検討したいと考えております。
 次に、六者会合での経済・エネルギー支援についてのお尋ねでございますが、これは質問通告のない突然のお尋ねでございました。
 そのような報道がありましたことは承知をしておりますが、我が国といたしましては、拉致問題を含む日朝関係で進展があれば、経済・エネルギー支援に参加する用意があるとの立場に変わりはございません。他方、御指摘の点につきましては承知をしておりません。また、何ら決定もされておりません。
 いずれにいたしましても、経済・エネルギー支援につきましては、引き続き六者会合の枠組みの中で議論されることになっております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣浜田靖一君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(浜田靖一君) 藤田議員にお答えいたします。
 給油量が減少した理由、給油等のニーズについてお尋ねがありました。
 自衛隊による補給支援活動にかかわる給油量が旧テロ対策特措法の下で活動を開始した当初と比較して減少している理由は、補給対象となる艦船が中小規模のものとなっていることなどによるものでございます。
 他方、海上自衛隊の補給支援活動は、インド洋におけるテロリストや武器、麻薬等の海上移動を阻止、抑止する海上阻止活動の重要な基盤として定着し、各国から高い評価を得ております。海上自衛隊による高い技術と能力を通じた給油活動は、海上阻止活動の作戦効率の向上に大きく寄与するものとして、引き続き各国からのニーズがあるものと認識をしているところでございます。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(江田五月君) 浅野勝人君。
   〔浅野勝人君登壇、拍手〕
#11
○浅野勝人君 私は、自由民主党を代表して、補給支援特措法の改正案について質問いたします。
 海上自衛隊がインド洋で給油支援活動を始めたのは、二千九百七十三人の命が一瞬に奪われたニューヨークでの自爆テロがきっかけでした。あの事件以来、自由と民主主義、人権を尊重する共通の価値観を持つ世界の国々が一斉にテロとの闘いに加わりました。忘れてはならないのは、あの惨事で二十四人の日本人の方々が犠牲になられた事実です。テロとの闘いは、私たち日本人自身が取り組むべき最も重要な使命であります。世界各国がテロの制圧に向けて一層の努力をしている中で、日本だけがテロとの闘いから逃げ出すのは、国際貢献を最も大切にする国の選択肢にはありません。あえて申し上げれば、憲法の制約に従って安全な海域で実施している給油活動さえやめてしまったら、国際社会での信頼を大きく損ないます。
 民主党の小沢代表は、私が政権を取って外交・安保政策を決定する立場になれば、国連の決議を条件にISAFへ自衛隊を参加させるという論旨を主張しておいででございます。ちなみに、ISAFとはアフガニスタン本土に展開されている国際治安支援部隊のことで、武装したテロリストの掃討作戦をしています。
 一方でアフガンでの武力行使も辞さないと言いながら、他方、安全な海域での給油活動を集団的自衛権の行使に当たるから駄目だというのはどういうことでしょうか。何とも合点がいきません。政府の方針との大きな食い違いを官房長官はどのように受け止めておいででしょうか。
 もし、代表個人の見解だとおっしゃるのであれば、民主党の考え方を法案に基づいてひもときます。
 アフガニスタンの領域内で自衛隊が参加できる人道復興支援活動は、抗争停止合意が成立していて住民にとって安全な地域に限られると規定されています。アフガン本土にこんな地域は存在しないことを民主党自身も認めており、海上の活動も駄目だというのですから、現状では何もできない、何もしないということになります。
 今、アフガンに軍隊を派遣している国は四十か国余りあります。シンガポールやルクセンブルクのように国土の狭い小さな国、NATOにも加盟していないフィンランドまで加わっています。
 中部ヨーロッパに、私が友好議員連盟の会長をしているスロバキアという国があります。人口、面積とも愛知県と同じぐらいの小ぶりな共和国です。スロバキアは、二〇〇三年から去年二月までイラクに工兵隊を延べ百九十五人送り、犠牲者を四人出しました。アフガニスタンにも国連とNATOから要請されて軍隊を百二十一人派遣しており、近く二百四十六人に増やすことにしていますが、おととし、兵士を一人亡くしました。
 これらの国々は、無差別に何の罪もない人々を殺傷するテロを憎み、タリバンの庇護の下でアルカイーダを訓練する温床となってきたアフガンからテロリストを追放してアフガンの平和と世界の安寧を願うからこそ、千人の犠牲に耐えて前途ある兵士をなお送り続けているに違いありません。
 それでも、日本が安全な後方支援をすることさえ駄目でしょうか。野党各党、なかんずく参議院で第一党の地位を占める民主党の諸兄に対し世界の常識に沿った判断を求めるとともに、改めて政府に不退転の決意を確認しておきます。
 何とも残念な事件が発覚いたしました。到底訓練とは言えない集団暴行まがいのことが海上自衛隊で行われていたことを知り、言葉を失いました。両親を安心させたいと言って入隊した若者が犠牲になりました。御両親、御家族に心からのおわびを申し上げるとともに、ぶつけどころのない怒りが込み上げてまいります。
 一体、防衛省はシビリアンコントロールを何と心得ているのでしょうか。防衛省がシビリアンコントロールを十分機能させることが健全な自衛隊を維持、育成する根幹であるにもかかわらず、その認識が甚だ頼りない。シビリアンコントロールを重視する姿勢に欠けていたのでは、通常の訓練中の事故と述べ、事の重大さから逃げることしか考えていない海上自衛隊に注意を促すことさえできないではありませんか。
 かつて、イラク戦争が起きた年の夏、バグダッドからの帰途、オマーン湾の沖合で灼熱の中の給油活動を見てまいりました。この議場で議席を共にする山谷えり子議員も御一緒でした。波高い外洋で移動しながら艦船から艦船へ給油する技能は、並の技量ではありません。練度の高さを誇る海軍を持つ世界有数の国々から敬意を込めて感謝されるのは、油をただでもらえる有り難さだけではありません。しかも、これまで事故もなく乗り切ってきた力量は素直に称賛に値します。
 これほど優れた同じ海上自衛隊の現場で、ゆがんだ精神教育のしきたりを正す勇気に欠け、その上、防衛省のシビリアンコントロールの意識が薄いとしたら、防衛大臣に一層強いリーダーシップを求める以外ありません。浜田大臣の認識を問います。
 北朝鮮の拉致はテロリズムそのものです。麻生外務大臣の下の副大臣として、会う要人ごとに、拉致は国家の主権を踏みにじった国際犯罪で、それぞれの国が抱えている人権問題とは本質的に異なるテロだと訴え続けたものでした。カンボジアのフン・セン首相は、大激論の末、国連で棄権していた日本提出の北朝鮮の人権を非難する決議案に賛成する決断をしてくれました。バハレーンの副首相兼外相は宣戦布告に値すると述べて、協力してくれることになりました。ほかにも例は幾らもあります。
 ブッシュ政権の北朝鮮に対するテロ支援国家の指定解除は、日本との同盟関係をないがしろにしていると疑われるだけでなく、拉致問題を国際的な連携の中で解決する必要を認識してくれた国々に不信感を与えました。
 一体、北朝鮮は核をどれだけ、どこに持っているのか。世界が懸念している濃縮ウラン計画の実態はどうなのか。アメリカが合意したという一連の検証措置によって解明できる保証はあるのか、率直のところ疑問に思えてなりません。
 そもそも、寧辺の核施設のディスエイブルメントを中断するという脅しにも似た北朝鮮の言動が指定解除を急がせたとしたら、無理が通って道理が引っ込む結果と指摘されても反論できないでしょう。外務大臣はどんな考えをお持ちでしょうか。
 安保政策は世界中相互にリンクしています。日本が南西アジアの海上でテロの温床を撲滅するためできる限りの協力をしていることと、北東アジアで国家の威信を懸けて取り組む国際犯罪の解決に協力を求めることは、平和の実現を目指す安保政策の共通項です。
 思いの一端を申し添えて、以上、政府の見解をただし、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣河村建夫君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(河村建夫君) 浅野議員の御質問にお答えいたします。
 まず、テロとの闘いに臨む我が国の姿勢に係る政府の方針に関し、民主党の立場との比較との観点からお尋ねがございました。
 まず、政府としては、従来から、国連安保理決議に基づく措置であっても、憲法第九条によって禁じられている武力の行使に当たる行為を我が国が行うことは許されないと考えております。
 他方、海上自衛隊による補給支援活動については、明らかに武力の行使を含む実力の行使には当たらないため、国家による実力の行使についての概念である集団的自衛権の行使といった問題は生じません。加えて、この補給支援活動は、それ自体武力の行使に当たらず、また、我が国の活動の地域が非戦闘地域であること等の法律上の枠組みが設定されておるために、憲法第九条に違反することはないと考えております。
 民主党の小沢代表の考えが、安保理決議があれば日本は現行憲法のままで武力行使もできるとする一方、安保理決議がなければ海上自衛隊による補給支援活動といったそもそも武力行使ではない活動であっても集団的自衛権の行使に当たり違憲であるというのであれば、明らかに均衡を失しており、かつ、さきに述べた政府の立場とは相入れず、到底同調できるものではありません。
 次に、補給支援活動の継続に向けての決意についてお尋ねがありました。
 補給支援活動は継続が是非とも必要です。我が国の国益を懸け、我が国自身のためにしてきた活動であります。国際社会におけるテロとの闘いは依然として継続しています。そのために、様々な努力の中核は、アフガニスタンを再びテロの温床としないための取組であります。四十か国以上がアフガニスタンに軍隊を派遣しており、既に約千名の犠牲者を出しながらも、多くの国が忍耐強く活動を続けています。
 海上自衛隊の補給支援活動は、インド洋におけるテロリストや武器、麻薬等の海上移動を阻止、抑止する海上阻止活動の重要な基盤として定着し、アフガニスタンを含め各国から高い評価を得ています。この補給支援活動は、結果として、我が国の生存と繁栄にとって重要な輸送路であるインド洋の海上交通の安全にも貢献をしております。
 以上のような状況を考えれば、補給支援活動を継続する必要性は依然として高いものと判断されます。この活動から手を引く選択肢はありません。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣浜田靖一君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(浜田靖一君) 浅野議員にお答えいたします。
 海上自衛隊で発生した事案についてお尋ねがありました。
 本事案により隊員が亡くなられたことは誠に遺憾であり、御遺族の気持ちを考えますと大変申し訳なく思います。亡くなられた隊員の御冥福をお祈りし、御遺族にはお悔やみを申し上げます。
 防衛大臣として改めて厳正な規律を徹底するとともに、事案の原因をしっかりと究明し、必要な再発防止策を講ずることにより、国民の信頼回復に努めてまいりたいと思います。
 よろしくお願いいたします。(拍手)
   〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(中曽根弘文君) 浅野議員の質問にお答えをいたします。
 米国による北朝鮮のテロ支援国家指定解除についてのお尋ねでございますが、米国は、従来より、北朝鮮が検証措置に関し十分な協力を示した場合には北朝鮮のテロ支援国家指定を解除するとの立場を明らかにしてきました。
 我が国といたしましては、六者会合の目標であります朝鮮半島の非核化のためには実効的な検証の具体的枠組みの構築が極めて重要と考えておりまして、米国が一連の検証措置を北朝鮮に受け入れさせるための手段としてテロ支援国家指定解除を効果的に利用することが肝要と考えてきました。
 このような問題意識から、我が国は米国との間で相当緊密に協議を行ってきた経緯がございます。米国は、そのような日米間の協議も踏まえながら北朝鮮側と協議を行いました結果、未申告施設への訪問やサンプル採取などを含む検証措置についての合意が得られたことを受けまして、現在停滞している六者会合プロセスを再度動かすことが重要であるとの判断から、北朝鮮のテロ支援国家指定解除を行ったものと理解をしております。
 我が国といたしましては、この米朝間の合意を基礎とし、早期に六者間で検証の具体的枠組みに関する文書を採択することが重要と考えておりまして、米国を始めとする関係国と連携し取り組んでいく考えでございます。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(江田五月君) 浜田昌良君。
   〔浜田昌良君登壇、拍手〕
#16
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 ただいま議題となりましたいわゆる補給支援延長法案につきまして、公明党を代表して質問をさせていただきます。
 東西冷戦が終わって二十年、国際社会は平和を勝ち得たでしょうか。皮肉にも逆に地域紛争やテロ活動が頻発しています。中でも、九・一一同時多発テロ、日本人も米英に次ぐ二十四名もの犠牲者を出し、卑劣な国際テロの影が確実に我が国にも忍び寄っている事実を突き付けました。テロとの闘いはもはや国際社会の最重要課題であります。
 一方、我が公明党は、行動する平和主義を掲げております。平和は、平和平和と叫んでいるだけでは得られるものではありません。
 特に国際テロに対しては、地球全体の視野に立ったシームレスな包囲網をつくることを通じてしか平和を勝ち得ることはできません。我が国について言えば、現実を直視し、国際社会との共同作業に対し、憲法の範囲ででき得る限りの参画を通じてしか勝ち得ないと考えております。一九九〇年のイラクのクウェート侵攻の際の日本の対応、九十億ドルもの大金を出しながら、クウェートの感謝広告にはジャパンの文字はありませんでした。
 国際テロ活動が活発化しつつある今こそ、行動する平和主義がますます重要となっていると考えますが、まず外務大臣の見解を求めます。
 次に、アフガンへの国際社会の取組の現状について質問します。
 九月から海上阻止活動に新たにデンマークが参加しました。デンマーク、スウェーデン、ノルウェーといった北欧諸国は犠牲者を出しながらもアフガニスタンへの取組を強化しています。
 私は、先月の二十五日、ノルウェー大使館でのレセプションで、在日デンマーク大使のメルビン氏に会いました。メルビン大使は昨年までアフガニスタンのカブールで大使として在勤されていた方であります。そのメルビン大使に私は質問いたしました。なぜ、この時期に海上阻止活動に新たに参加するのか。答えは簡単でした。世界の平和のために必要だから。その場にいたノルウェー大使やスウェーデン大使も国際社会の一員として当然とのことでありました。
 このように平和主義を掲げる北欧諸国がアフガニスタンへの取組を増強する中で、我が国がインド洋から撤退するという選択肢はあるのでしょうか。外務大臣に我が国の対応について質問します。
 次に、民主党が本延長法案に反対していることについて質問いたします。
 本年一月十一日の参議院本会議、民主党議員による政府案に対する反対討論によれば、旧テロ特措法においては、日本の給油がイラクの多国籍軍に転用された疑惑があることを挙げています。また、本国会衆議院テロ特別委員会での民主党議員の答弁によれば、イラク戦争に使われたということになれば、これは自衛権というより武力の行使に当たるわけですから当然憲法違反になるとありました。
 つまり、民主党が新補給支援法の延長に反対する大きな要因は、旧テロ特措法の時代にあった日本の給油がイラク作戦に転用されているとの疑念が新法においても晴れていないというところにあると理解されます。
 そこで、官房長官に質問いたします。
 このような転用疑惑を払拭するために、旧テロ特措法と比べ、新補給支援法ではどのような制度的改善を行ったのか、答弁を願います。
 また、本年二月からの給油実態について質問いたします。
 旧テロ特措法による約六年間の給油の相手国は米国だけで八割でありました。しかし、新補給支援法では、パキスタン、フランス、カナダなどイラク作戦に参加していない国々で逆に八割となっています。また、昨年、問題となった補給艦への補給については、旧テロ特措法時代には年平均十七・五回、四万四千五百キロリットルであるのに対し、新補給支援法ではたった一回で、相手国はフランス、かつその補給量は旧法時代の年間平均のたった一%であります。
 そこで、防衛大臣に質問します。
 このような新法と旧法の給油実態の変化により、イラク作戦等の他の部隊への給油疑惑の可能性は実務的にもゼロに近くなっていると考えますが、見解、いかがでしょうか。
 最後に、世論調査結果をどう受け止めるかについて質問いたします。
 さきに引用しました本年一月の民主党議員による反対討論によれば、昨年十二月の新聞五社の世論調査結果の平均を挙げ、給油活動に賛成が四一ポイント、反対が四五ポイントとして、政府は世論を無視するのかとの発言がありました。
 しかし、麻生政権発足以降の朝、毎、読、産経及びNHKの五社の世論調査の平均では、賛成が四一%、反対が三八%と、むしろ給油活動延長を支持する声が上回っているのです。
 このような世論の推移を受け、本法案の延長をどのような決意で行うのか、官房長官に力強い答弁を求め、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣河村建夫君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(河村建夫君) 浜田議員の御質問にお答えいたします。
 まず、補給支援特措法における転用防止措置についてのお尋ねがありました。
 補給支援特措法に基づく補給対象となるには、当該艦船がテロ対策海上阻止活動に係る任務に従事し、補給がその活動の円滑かつ効果的な実施に資すると認められることが必要であります。
 このためにも、旧テロ特措法時における交換公文に比し、補給支援特措法施行後の我が国と補給支援の対象国との間の交換公文では、補給支援特措法の目的が新たに明記されております。また、新たに協議事項を設け、我が国が補給した燃料等の適正な使用についても必要に応じて協議することになっております。
 さらに、バーレーンに所在する司令部において、海上自衛隊の連絡官が、補給支援特措法の下では、新たに補給の都度確認する作業において、補給日時、補給対象艦の名称、配属部隊、補給量や今後の活動予定について定型化されたフォーマットへの記入、記録を行うことによって、これまで行われてきた確認作業を文書の形で行うことにしております。
 したがって、補給支援特措法に従って諸外国に補給される艦船用燃料等は、同法の趣旨に沿って適切に使用されているものと認識しております。
 次に、補給支援特措法延長の決意についてお尋ねがありました。
 国際社会におけるテロとの闘いは依然として継続しています。そのための様々な努力の中核は、アフガニスタンを再びテロの温床にしないための取組であります。四十か国以上がアフガニスタンに軍隊を派遣しており、既に約千名の犠牲者を出しながらも多くの国が忍耐強く活動を続けております。
 海上自衛隊の支援活動は、インド洋におけるテロリストや武器、麻薬等の海上移動を阻止、抑止する海上阻止活動の重要な基盤として定着し、アフガニスタンを含め各国から高い評価を得ています。また、この補給支援活動は、結果として、我が国の生存と繁栄にとって重要な輸送路であるインド洋の海上交通の安全にも貢献をしております。
 補給支援活動を継続する必要性は、先ほど申し上げたとおり、依然として高いものと判断されます。国際社会におけるテロとの闘いの一翼を担い、国際社会の連帯において責任を果たしていくことが必要であり、補給支援活動から手を引く選択はあり得ないものと考えております。
 なお、御指摘のような世論調査の状況も踏まえながら、一般国民の皆様の御理解を得られるように引き続き努力をしてまいります。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(中曽根弘文君) 浜田議員の御質問にお答えをいたします。
 世界平和への貢献についてのお尋ねでございますが、国際テロとの闘いの重要性が増大する中、我が国による具体的取組に当たりましては、我が国が憲法の範囲内で何ができるか、他国や国際機関とどのような協力が可能かを十分検討することが必要でございます。その上で、国際社会における我が国の地位にふさわしい貢献を着実に実施していくことが重要と考えております。
 次に、テロとの闘いは継続しておりまして、北欧諸国を含め、多くの国が尊い犠牲を出しながらもアフガニスタンへの取組を強化しております。また、補給対象であります海上阻止活動にデンマークが新たに加わったことは御指摘のとおりであります。
 海上自衛隊の補給支援活動は、インド洋におけるテロリストや武器、麻薬等の海上移動を阻止、抑止する海上阻止活動の重要な基盤として定着し、アフガニスタンを含め各国、国連から高い評価を得ています。
 以上のような状況を踏まえれば、補給支援活動を継続する必要性は依然として高いものと判断されます。我が国といたしましては、引き続き国際社会によるテロとの闘いの一翼を担い、国際社会の連帯において責任を果たしていくことが必要と考えております。(拍手)
   〔国務大臣浜田靖一君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(浜田靖一君) 浜田議員にお答えいたします。
 補給支援特措法に基づく補給に関し、イラク作戦等の他の部隊への給油の可能性についてお尋ねがありました。
 旧テロ対策特措法に基づく活動当初と補給支援特措法に基づく活動の実績を比較すれば、米国の艦船に対する補給の割合は減少し、補給艦に対する補給も減少していることは御指摘のとおりでございます。
 旧テロ対策特措法に基づき我が国が補給した燃料等は、同法の趣旨に沿って適切に使用されたものと認識しておりますし、また補給支援特措法に基づき補給した燃料等についても、補給の都度、所要の確認作業を行い、補給対象艦船がテロ対策海上阻止活動に係る任務に従事している艦船であることを確認しており、法の趣旨に従って適切に使用されているものと考えております。(拍手)
#20
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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