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2008/10/02 第170回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第170回国会 本会議 第4号
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2008/10/02 第170回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第170回国会 本会議 第4号

#1
第170回国会 本会議 第4号
平成二十年十月二日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第四号
  平成二十年十月二日
    午後二時開議
 一 国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
 国土審議会委員の選挙
 国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙
 国務大臣の演説に対する質疑  (前会の続)
    午後二時二分開議
#2
○議長(河野洋平君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
 国土審議会委員の選挙
 国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙
#3
○議長(河野洋平君) 検察官適格審査会委員及び同予備委員、日本ユネスコ国内委員会委員、国土審議会委員及び国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙を行います。
#4
○谷公一君 各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名されることを望みます。
#5
○議長(河野洋平君) 谷公一君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 議長は、検察官適格審査会委員に
      谷垣 禎一君 及び 太田 誠一君
を指名いたします。
 また、
 原田令嗣君を太田誠一君の予備委員に、
 西川京子君を谷津義男君の予備委員に
指名いたします。
 なお、予備委員葉梨康弘君は谷垣禎一君の予備委員といたします。
 次に、日本ユネスコ国内委員会委員に
      下村 博文君 及び 小島 敏男君
を指名いたします。
 次に、国土審議会委員に保岡興治君を指名いたします。
 次に、国土開発幹線自動車道建設会議委員に
      細田 博之君    笹川  堯君
   及び 保利 耕輔君
を指名いたします。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)
#7
○議長(河野洋平君) これより国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。太田昭宏君。
    〔太田昭宏君登壇〕
#8
○太田昭宏君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました麻生総理の所信表明演説に対して質問を行います。(拍手)
 新総裁の誕生を受け、公明党と自由民主党は、九月二十三日、十九項目にわたる新たな連立政権合意を行いました。これまで両党が築いてきた信頼関係と成果のもとに、山積する内外の諸課題に一致協力して全力で取り組んでまいる決意であります。
 さて、昨年顕在化した米国のサブプライムローン問題は、世界各国で株安、ドル安をもたらし、株式市場から離れた投機マネーが原油や穀物などの市場に向かい、価格を押し上げるという異常事態を招いております。それに追い打ちをかけるように、米国の大手証券会社リーマン・ブラザーズの破綻、そして、現在も進行中の国際金融市場の混乱は予断を許さない局面を迎えております。世界の構造変化に起因するこれらの激動により、今、我が国の国民生活と中小企業は深刻な緊急事態に陥っています。
 私は、この緊急事態に対し、生活を守るのは公明党であると強く訴えます。あわせて、現在直面する問題が、原油や穀物価格の高騰、広がる金融不安など、世界の構造的要因に起因していることを踏まえ、日本の未来に向けて、安全と安心の勢いのある国づくりに踏み出したい。まさに、「家計を元気に、国に勢いを」と強く決意するものであります。
 そのためには、日本が持っている潜在力、可能性をどう引き出すかであります。私は、特に、改革のエネルギーとして、青年の力、女性の力を大事にし、バックアップしたい。この青年力、女性力が大きく発揮される国にしていくことによって、国に勢いがもたらされると確信します。それこそが今後の日本にとって大事であると考えます。
 総理は、就任の記者会見で、景気への不安、国民の生活への不満、政治への不信の危機を感じていると強調し、それらを打開して日本を明るく強い国にしたいと訴えられました。公明党は、その具体的な推進の軸になっていくことを決意しています。また、それを力強く推進できるのは現在の与党であり、経済・生活不安の中で、今こそ安定した政権が大事であると訴えます。
 日本が置かれた窮状を打開する総理の答弁を求めます。
 生活必需品の価格は上がる、しかし所得はふえないという状況の中で、庶民の家計は圧迫されています。一方、より大きな影響を受けているのが中小企業であります。原油・原材料価格の高騰により経営が苦しい上、貸し渋りや運転資金も貸さない貸しどめに遭う企業が急増し、まさにがけっ縁に立たされています。今、政治に求められているのは、直面する困難を打開する国民の生活防衛、生活支援、そして中小企業へのバックアップであります。そのための緊急経済対策を直ちに行わなければなりません。
 そうした状況を踏まえ、先般、政府・与党で、定額減税の年度内実施や中小企業の資金繰り支援を柱にした緊急総合対策を決定いたしました。
 その第一が定額減税であり、総理も所信表明で年度内実施を明言されました。
 定額減税は、景気が悪化する中、家計の消費を下支えするという、まさに現場から生まれた知恵の決断であります。定額減税は所得の低い方ほど恩恵が大きく、望ましい経済対策として国民の期待が高まっています。
 第二には、臨時福祉特別給付金です。
 これは、減税の恩恵を受けられない低所得者の方への対策として、定額減税とあわせて実施することとしております。具体的な内容は今後の検討ですが、平成十年実施の内容を参考に、低所得の年金受給者の方、母子家庭の方、生活保護の方などが給付を受けられるようにすべきだと考えます。
 これら定額減税、臨時福祉特別給付金の実施方法やその財源規模は、年末の税制改正とあわせて議論をすることとしていますが、財政投融資特別会計などの剰余金、積立金を活用するなどとし、赤字国債に頼るべきではないと考えます。
 こうした点について麻生総理はどうお考えか、お聞かせいただきたい。
 第三は、中小企業への保証、貸し付けの拡大であります。
 現下の原油・原材料価格の高騰は、価格転嫁が難しい中小零細企業を直撃、さらに、金融不安が景況感の悪化に追い打ちをかけ、昨秋の責任共有制度の導入とあわせて民間金融機関の融資姿勢の硬直化を招き、中小企業を直撃しています。
 原油高で経営が苦しい、運営資金が切られ、このままでは倒れてしまう、そういった中小企業の悲鳴に政府は真摯に耳を傾け、累次の融資拡大策に加えた、円滑な資金供給を確保する保証、貸し付けの拡大と新たな枠組みをつくるべきであります。急がなくてはなりません。中小企業を今こそ守っていかなくてはなりません。
 以上、国民生活と中小企業を守るための三つの施策について、速やかな実施を強く求めるものであります。
 麻生総理、米国発の金融不安が我が国に押し寄せ、実体経済にも影響を及ぼすことが懸念される今、補正予算の早期成立とともに、さらなる景気対策が極めて重要となります。
 総理は、日本経済の立て直しには、当面は景気対策、中期的には財政再建、中長期的には改革による経済成長の三段階で臨む、さらに、日本経済は全治三年と申されました。そういう意味でも、私は、緊急総合対策に続く追加的な景気対策を強く望むものであります。
 財政金融面での対策はもちろん、税制面においても、住宅ローン減税の延長、拡充、エコ改修減税の創設、そして設備投資や環境技術開発の促進策の拡充、海外子会社利益の国内還流の促進など、新たな経済成長に直結するような施策を強力に実施していくべきだと考えますが、総理の御見解をお伺いしたいと思います。
 あらゆる改革を前に、まず行うべきは官の不正を正し、行政の無駄を徹底的に排することであります。信なくば立たず、国民の信頼がなければ政治、行政は成り立ちません。社会保険庁問題や、事故米の不正使用を見逃してきた農水省の対応、大分県の教員採用の不正など、国民の信頼を裏切り続ける行政に対する不信は頂点に達しています。今こそ、行政の不正を正し、霞が関に大胆に切り込む覚悟が必要であります。
 公明党は、これまで、元祖無駄ゼロとして、行政の無駄の排除に徹底的に取り組んでまいりました。必要な公共事業はやる、無駄な公共事業はやめさせるとの視点に立ち、連立政権参加後、二百七十二の公共事業を中止させ、約二兆六千億円の削減効果をもたらしました。
 また、特殊法人改革で国からの財政支出を約二兆円削減し、その数も半減させました。公明党の調査で、行政経費の無駄遣いを会計検査院から指摘されながら、過去二十年間で何と百億円も返還されていない実態をあぶり出しました。
 さらに、議員特権である国会議員の特別交通費、肖像画作製費などを廃止。国家公務員の通勤定期代の見直しでは、年間五十五億円を削減させました。
 今後も、公明党は、官の不正は絶対に許さない。そして、行政の無駄に切り込む十の提案をしています。
 例えば、まず政治家がみずから身を切る、まず隗より始めよで、議員歳費の一割削減、幹部公務員の一〇%給与カット、特別会計の徹底見直し、国に依存する公益法人への財政支出を三割超削減、行政の無駄な支出を徹底的になくすため会計検査院のチェック機能及び権限の強化、国の出先機関を廃止縮小、全省庁のタクシーチケットの廃止を初め、行政管理経費の大幅削減などに取り組む必要があります。
 あわせて、今必要なことは、税や保険料は自分たちのものではない、国民からお預かりしたものであるという徹底した奉仕する姿勢への意識変革です。総理、陣頭指揮で、無駄一掃へ大胆に切り込んでいただきたい。その御決意を伺います。(拍手)
 さて、二十一世紀に入って八年、世界の構造変化は激しく、その中で、我が国は生き抜く力を持たなければなりません。グローバリゼーションによる金融も含めた国際社会の劇的な変化、中国、インドなどBRICs諸国の著しい経済成長、地球温暖化防止へ向けた環境制約、そして国内における少子高齢社会到来という激変の中にあって、未来を切り開く国家戦略をあらゆる面で進めていかなくてはなりません。
 私は、年頭より、十年間横ばいのGDPを上げる、給与を上げることを訴えてまいりました。そのためには、資本力、技術力、労働力の三つの要素をいかに効率よく活用し、いかに引き上げていくか。
 そして、若者、高齢者、女性の社会参画に施策を集中的に講ずることや、労働分配率の引き上げを主張してきたところであります。先ほど指摘した無駄の削減努力とともに、より大事なことは、成長戦略、伸ばす勢いであり、時代を見抜く先見性と洞察力、正確な現状認識に基づく我が国のパラダイムチェンジを的確に行うことであります。
 今後、我が国が中長期的な視点から取り組むべき重要課題として、エネルギー危機に対応し低炭素社会への転換、食料危機への対応として農業の立て直し、少子高齢社会へ対応し安心の社会保障制度の構築の三点について申し上げたい。
 第一は、低炭素社会への転換であります。
 まず、第二の産業革命ともいうべき低炭素社会づくりへ、石油など化石燃料への依存から脱却し、CO2の発生を抑制した低炭素社会へ向かう軌道をこの二、三年のうちにしっかりと敷くことが重要であります。
 洞爺湖サミットでは、世界全体の温室効果ガス排出量を二〇五〇年までに半減させる目標が主要国間で共有されました。日本は同年までに現状から六〇%から八〇%削減する目標を掲げていますが、我が国の削減目標は、社会のあり方や国民のライフスタイルを根本から変えることなしには達成できません。車はガソリン車から次世代自動車へ、家電は省エネを超えた低エネへ、住宅も壁に断熱材、屋根には太陽光発電というエコハウスへ、そして物はすべてリユース、リサイクルへと、私たちの暮らし方を大きく変えていかなければなりません。
 日本の環境技術は世界屈指のレベルであります。残念ながら、太陽光発電量世界一の座をドイツに明け渡しましたが、我が党の斉藤鉄夫環境大臣は、トップの座を奪還することを宣言し、その実現へ陣頭指揮をとっています。そして、この環境分野におけるイノベーションをGDP拡大の推進力にしていく知恵も大事であります。
 低炭素社会づくりへ向けての総理並びに環境大臣の御決意及び具体的な方策について、お考えを承りたい。
 次に、循環型社会の構築に関して一点お伺いいたします。
 都市で大量廃棄される家電製品等の中に有用な資源が多く含まれることを指して、都市鉱山などと呼ばれています。資源高騰、資源枯渇の中で、携帯電話等の使用済み小型家電などに含まれているレアメタルや重金属の回収体制の確立が急務だと考えますが、環境大臣の見解を伺います。
 第二は、食料危機への対応であります。
 世界的な食料危機から国民生活を守るために、安全な食料の安定的な確保と農業の立て直しが急務です。当面の目標である食料自給率を五〇%に引き上げるため、総合的な取り組みを急ぐ必要があります。
 自給率向上には、麦、大豆、多用途米などの国内生産力の強化が不可欠です。その基盤を整備するため、農地を貸しやすく借りやすくする観点から、農地法と関連税制を見直し、約三十九万ヘクタールに達する耕作放棄地の再生などに全力で取り組む必要があります。国内農作物の消費を促す地産地消、農商工連携や米飯給食のさらなる拡大、麦、大豆などの生産振興や食育も推進していかねばなりません。
 さらに、担い手として、若者が就職先として農林水産業を積極的に選択できる環境をつくり、大都市から地方への流れをダイナミックにつくり出すための大胆な施策が求められています。
 我が国の農業をいかに立て直すか、総理のお考えを承りたい。
 第三は、国民生活の安心、安定を支える社会保障制度の構築であります。
 我が国が世界に誇る皆保険、皆年金を将来にわたって持続可能とするために行ってきた一連の改革の方向性は、正しいものと評価しております。
 しかし、私は、現場を回る中で、改革の恩恵が行き渡らない方々、急激な変化で大きな影響を受ける方々、また急激な高齢化、そして症状の重度化が進む中、医療、介護のサービス供給体制が追いつかない問題など、極めて厳しい現状を目の当たりにしてまいりました。
 一方で、社会保険庁の積年のずさんな業務処理や不正行為が次々明らかになり、制度に対する国民の不信、不安が著しく高まっております。
 総理、強力なリーダーシップを発揮して、安心の社会保障制度の構築に全力で取り組もうではありませんか。
 そこで、まず取り組むべき課題は、年金制度の充実です。
 公明党は、低所得者の給付額を上積みする加算年金制度の創設や、低年金・無年金対策として、受給資格期間の短縮、追納期間の延長の実現を強く求めます。
 また、制度不信を招いた年金記録問題については、約八億件の紙台帳記録とコンピューター記録との早期照合を行うとともに、厚生年金の標準報酬の改ざんに対し、徹底した調査、責任の追及等の取り組みを加速させるべきです。
 次に、安心できる医療の実現です。
 医師の養成については、先般、政府が従来の方針を大きく転換し、養成数を一・五倍程度に拡大することとしたことは大いに評価したいと思います。
 しかし、産科、小児科など、不足している診療科の医師や地方の病院の勤務医を確保するため、大都市部に研修医が集中する現行の臨床研修制度を改善する必要があります。同時に、地方の医療を担う医師の養成確保について、それぞれの地方の大学医学部や基幹病院を中心にどのような道筋をつくっていくのか、従来型の発想ではなく、一歩も二歩も踏み込んだ対策を官民挙げて模索すべきであると考えます。
 救急医療の再構築も急務となっています。
 救急患者を迅速に受け入れるための救急医療情報システムの整備を急ぐとともに、軽症の場合に救急車を呼ばないで済むよう、二十四時間の電話相談や、開業医の参加など、地域の実情を踏まえた救急医療安心地域づくりを広げていくべきと考えます。
 長寿医療制度については、自公連立政権合意にあるように、高齢者の心情に配慮し、法律に規定してある五年後見直しを前倒しして、よりよい制度の構築を目指して、国民の納得と共感が得られるよう、さらなる改善に努めるべきであります。
 介護については、要介護者が二〇〇七年六月時点で制度発足時の二倍を超える四百四十五万人に達し、介護人材の不足は深刻な問題です。高い志があっても、生活設計が可能な賃金水準の確保など適切な待遇改善がなされなければ、人材は確保できません。介護従事者の報酬を引き上げ、人材を確保することに全力を挙げていただきたい。
 公明党が精力的に取り組んできた、がん対策基本法に基づくがん対策推進基本計画では、がん死亡を二〇%減らす目標を掲げており、その着実な実行が不可欠であります。特に、がん検診の受診率五〇%への取り組みは重要であり、国民の生命を守るがん対策を確実なものとするため、できるだけ早期に計画の中間報告を義務づけ、進捗状況を確認することを提案します。
 年金、医療、長寿医療、介護、そしてがん対策について、総理及び厚生労働大臣の御所見を伺います。(拍手)
 人口減少時代を迎えた今日、地域が活性化し、自立的に発展できるよう、施策の結集が大切です。具体的には、地域経済を立て直し、地域の雇用を確保するため、農商工連携の取り組みへの支援、中心市街地の活性化、観光資源の活用や環境ビジネスの振興など、地方再生の取り組みを強力に推し進めるべきであります。
 一方、道州制については、「道州制基本法制定に向けて、内閣に「検討機関」を設置する。」と連立政権合意に盛り込まれました。私は、地域の個性、創造力、エネルギーを大胆に引き出す新しい国の形をつくる地域主権型の道州制の導入を積極的に進めるべきであると考えます。
 道州制の導入に向けた総理の基本的な考え方、具体的なプロセス等について御答弁をいただきたい。
 本年、通常国会の代表質問で、私は、若者、女性、高齢者に雇用支援の施策を集中的に講ずべきだと訴えました。
 特に、若者の職業訓練期間中の給付金制度については、現場の期待も大きく、早期スタートを求めます。また、雇用情勢の影響を真っ先に受けるのは、我が国の就業者総数の実に三人に一人となる非正規雇用者であり、安定雇用への強力な移行支援が急務です。ジョブカード制度の定着と参加企業の拡大、また正社員化を行う中小企業への助成金拡充など、実効性の高い施策を進める必要があります。
 総理は若者を支援する新法を提案されましたが、具体的にどのようなことを検討されるのか、御答弁ください。
 一方、六十代、七十代になっても働ける環境づくりとともに、収入によっては年金額が減額される在職老齢年金制度が高齢者の働く意欲を損なわないよう、制度の見直しを行う必要があると考えます。総理の御所見を承りたいと存じます。
 雇用確保とともに重要なのが、よりよい労働環境の整備であります。
 公明党は、日雇い派遣は労働者の保護、雇用の安定、職業能力の向上の観点から見て問題が多過ぎると主張してまいりましたが、日雇い派遣労働について原則禁止とする法改正を行うことで与党間で合意をいたしました。
 少子化問題の一因ともなっている不安定就労や長時間労働に歯どめをかけるためにも、これらの法改正の早期成立に全力を挙げるべきであります。総理の見解を求めます。
 本年は、年頭から、冷凍ギョーザへの農薬混入、食品偽装、事故米の不正転売など、消費者の安全を脅かす問題が相次いでおります。特に事故米の食用への横流し事件については、米穀の検査体制の強化、流通システム全般の見直しなど、再発防止策が急務であります。
 縦割り行政による連携不足、公表のおくれ、被害者の苦しみに鈍感な監督官庁の無責任さに国民の怒りは頂点に達しています。私は、改めて、消費者庁を早期に設置し、消費者行政は国の責任であることを明確にすべきと訴えます。
 そして、万一事故が起きたときに被害の拡大を防止するため、立入調査、販売禁止や製品の回収、相談窓口への支援を柱とする消費者安全法を制定すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 総理は、国連総会の演説の中で、昨今の国際金融問題に対する我が国の貢献、洞爺湖サミットの成果を踏まえた環境問題への取り組み、中東和平のためにヨルダン渓谷の開発を通じてパレスチナを支援する平和と繁栄の回廊構想の推進、テロとの闘いに積極的な参画、核兵器廃絶の取り組みなどに触れられました。我が国の役割と姿勢を鮮明にするこれらの主張を私は高く評価するものであります。
 日米同盟と国際協調を基本に世界の平和と発展に貢献する日本として、国際社会の中で責任ある役割を果たすために、さらなるリーダーシップを期待します。総理の外交に対する基本姿勢をお伺いいたします。
 世界じゅうの人々が震撼した九・一一米国同時多発テロから、ことしで七年が経過しました。テロとの闘いは、長期にわたり国際社会が連帯して取り組む最重要課題であります。
 国際テロと闘う我が国の取り組みとして、インド洋での給油活動を継続するための補給支援特別措置法は延長すべきであります。
 我が国の補給支援活動が下支えする海上阻止活動によって、これまでに約三十トンもの麻薬が押収されるなど、テロリストの資金源を断つ効果を上げてきました。また、原油の九割を中東に依存する我が国にとって、海上交通の安全確保にも寄与しています。
 我が国は、今後も、この補給支援活動とアフガニスタン本土へのODAを通じた人道復興支援を車の両輪として取り組むべきと考えます。与野党の垣根を越えた協議によって合意に至るよう期待したいと思いますが、総理の御見解を承りたい。
 北朝鮮による調査委員会の設置の合意により、長く停滞していた拉致問題が解決へ前進するかに見えましたが、いまだ足踏み状態であります。今後、拉致問題の解決へ向けての総理のお考えをお尋ねいたします。
 以上、当面する重要課題について述べてまいりましたが、国民生活の窮状の打開と、日本の未来を切り開くための総理のリーダーシップを強く望み、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕
#9
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 太田公明党代表の質問にお答えをさせていただきます。
 まず最初に、日本の置かれた窮状の打開についてのお尋ねであります。
 私が目指す責任ある政治を実行し実現するためには、強固な政治基盤が必要であります。公明党が自由民主党と連立を組んで、ともに責任を担っていただけることは感謝しております。現在の日本は、景気への不安、暮らしへの不安、加えてアメリカ発の金融不安が襲い、極めて厳しい状況にあると考えております。私は、公明党とともにその難局に立ち向かってまいります。
 定額減税や臨時福祉特別給付金の財源についてのお尋ねがありました。
 定額減税や臨時福祉特別給付金につきましては、安心実現のための緊急総合対策に基づき、今年度内に実施すべく検討を進めてまいります。なお、その財源につきましては、財政規律に配慮しつつ、御提案も踏まえ、今後検討する必要があると考えております。
 税制についてのお尋ねがありました。
 日本の潜在力を生かすことは重要であると考えております。そのために取り組むべき税制上の課題は多岐にわたっております。御指摘の省エネ設備等の投資促進や、海外子会社利益の国内還流のための環境整備を含め、今後、年末に向けて検討を進めてまいります。
 無駄の一掃についてのお尋ねがありました。
 不適切な支出を徹底的に見直し、行政全般に対する国民の信頼を回復する必要があります。行政支出総点検会議を開催し、国から公益法人向け支出の三割削減などについて検討を行っているところであります。今後とも、国の支出につきましては、徹底して無駄を排除してまいります。
 低炭素社会づくりについてのお尋ねがありました。
 地球環境問題の解決は、今を生きる我々の責任であります。御指摘のとおり、社会のあり方やライフスタイルの変革、経済構造の転換は避けて通れません。しかし、私は、これを単に制約要因ととらえるのではなく、新たな成長への好機だとも考えております。日本が強みを持つ環境・エネルギー技術には、新たな需要と雇用を生む力があります。こうした強みをさらに伸ばすことにより、我が国において、成長と両立する低炭素社会を世界に先駆けて実現をしてまいります。
 我が国農業の立て直しについてのお尋ねがありました。
 経営安定対策による担い手への支援、農地の確保と有効利用を加速する農地政策改革の具体化、耕作放棄地の解消など生産面の強化に加え、海外への農産物の輸出といった取り組みを進め、我が国農業が若者にとっても魅力あるものになるようにしていかねばならないと考えております。
 また、社会保障制度についてお尋ねがありました。
 太田代表より、安心の社会保障制度の構築に向けた御提案をいただきました。具体的には後ほど厚生労働大臣からお答えさせますが、年金、医療、介護、がん対策、いずれも国民生活にとって重要な課題と認識をいたしております。私としても、国民の暮らしから不安を取り除き、強く明るい日本を取り戻すためにも、社会保障制度の持続可能性を高めるとともに、安心を支える機能の強化に努めてまいります。
 道州制についてのお尋ねがありました。
 地方自治体の権限と責任で地域の経営を行えるよう、地方分権を進めてまいります。最終的には地域主権型道州制を目指します。そのため、道州制基本法の制定に向けて、内閣に検討機関を設置し、作業を進めます。
 若者支援法についてお尋ねがありました。
 議員御指摘の、若者の訓練期間中の給付金制度や正社員化を行う中小企業への助成の拡充につきましては、今回の補正予算案に盛り込んでいるところでもあります。一日も早く補正予算の成立をお願いしたいところであります。
 さらに、ニート、引きこもりなど、さまざまな困難に直面をしている若者を社会全体で支援していけるよう、地域における支援体制の整備、市町村窓口など、新法について検討を進めてまいります。
 在職老齢年金制度についてお尋ねがありました。
 高齢者が働く意欲を損なわないよう、見直すことはまことに重要な検討課題と考えております。今後、高齢者雇用の促進効果や年金財政への影響がどの程度見込まれるかなどの論点を踏まえ、さらに十分な検討を進めてまいります。
 労働法制の見直しについてのお尋ねがありました。
 日雇い派遣など不安定な就労や長時間労働に歯どめをかけ、労働者が働きやすい環境を整備していくことが重要であるということは十分に認識をしております。このため、日雇い派遣の原則禁止などのための労働者派遣法の見直しを早急に行うとともに、法定割り増し賃金率、いわゆる残業手当引き上げのための労働基準法改正の早期成立に全力を挙げたいと存じます。
 消費者行政についてのお尋ねがありました。
 すべからく消費者の立場に立ち、その利益を守るための消費者庁を設置いたします。また、消費者安全法を制定し、消費者庁に、必要な場合、商品の販売を禁止する権限を持たせるとともに、相談窓口への支援に当たらせます。消費者庁関連法案の早期成立に全力を尽くし、消費者、生活者が主役となる社会の実現を目指します。
 外交の基本姿勢についてのお尋ねがありました。
 私は、日米同盟を基軸としつつ、近隣諸国との協調、国連を中心とする国際協調を重要な柱として、誇りと活力のある外交を推進してまいりたいと考えております。
 補給支援特別措置法の改正に関する与野党の協議についてお尋ねがありました。
 補給支援活動は、継続がぜひとも必要であります。御提案のあった与野党協議などを行い、この活動の継続の必要性につきまして、野党の御理解をいただきたいと考えております。
 拉致問題についてのお尋ねがありました。
 拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、国交正常化を図るとの対北朝鮮外交の基本方針は不変であります。
 拉致問題につきましては、すべての被害者の一刻も早い帰国の実現に向け、全力を尽くします。北朝鮮に対し、八月の日朝間の合意に従い早期に全面的な調査のやり直しを開始するよう、強く求めてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣より答弁いたさせます。(拍手)
    〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕
#10
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 低炭素社会づくりについてお尋ねがございました。
 地球温暖化問題は、地球生態系と人類文明が共存できるかという問題だと思います。
 二百五十年前の産業革命以降、人類は化石燃料を燃やし続けて、空気中の二酸化炭素がふえ続けております。これを抑え、ストップさせる低炭素社会の実現は、第二の産業革命です。
 日本のすぐれた環境技術をさらに発展させながら生かしていくことによって、この第二の産業革命をなし遂げて、地球、世界に貢献しながら、同時にこれからの日本の経済発展の礎としていかなくてはなりません。
 そのためには、まず、我が国が強みを持つ環境・エネルギー技術をさらに伸ばす必要があります。私も、太陽光発電世界一奪還を掲げるなど、再生可能エネルギーについて新たな技術開発への支援や関係省庁への働きかけ等、積極的に取り組んでおります。これにより、太陽光発電システムの価格を大幅に低減し、さらに普及を促進していくという環境イノベーションと経済成長の好循環を実現してまいります。
 また、二酸化炭素の排出抑制には、社会のあり方や国民のライフスタイルの変革が必要です。このため、温室効果ガス排出量の見える化、見えるようにすること、エコポイント、森林に手を入れるなどによるカーボンオフセットなどのさまざまな取り組みを進めてまいります。
 また、この秋から排出量取引の国内統合市場の試行的実施を始めるなど、炭素に価格をつける経済的手法の活用も進めてまいります。
 こうした施策をしっかりと進め、成長と両立する低炭素社会の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
 次に、レアメタルの回収についてのお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、我が国には都市鉱山と呼ばれる貴重な資源が眠っております。例えば、携帯電話などの電気製品には貴重な金属資源が含まれており、日本じゅうの電気製品を集めれば、世界有数の貴金属鉱山の埋蔵量に匹敵する量になると言われております。
 資源小国の我が国にとって、このような資源を有効に活用するため、有害物質処理などの課題に適切に対処しつつ、携帯電話などの使用済み小型家電からレアメタルを回収、リサイクルすることは喫緊の課題でございます。
 このため、今回の補正予算案でも、携帯電話、電子手帳などの使用済み小型家電の効果的な回収やリサイクルに当たっての有害性評価についてのモデル事業を盛り込んだところでございます。
 また、携帯電話の回収についても、若い方々、若い世代を中心に、国民の協力、理解を得ながら、私が先頭に立って、あらゆる機会を通じて呼びかけてまいります。
 こうした取り組みを進めることにより、レアメタルや重金属の回収に全力で取り組んでまいります。(拍手)
    〔国務大臣舛添要一君登壇〕
#11
○国務大臣(舛添要一君) 太田議員にお答えいたします。
 まず、年金制度についてお尋ねがございました。
 無年金・低年金対策としては、まずは納付方法の多様化など国民年金の未納・未加入対策の徹底が重要であると考えておりますが、御指摘の受給資格期間の短縮、保険料追納期間の延長なども一つの選択肢であると考えております。
 これらにつきましては、どのような方策が最も効果的なのか、保険料の納付意欲にどのような影響を与えるのか、給付と負担の関係が明確である公的年金制度においてどのような対応が適当か、財源をどのように確保するかなどといったさまざまな論点もあることから、さらによく議論を進めてまいります。
 次に、年金記録問題に関する政府の取り組みについてお尋ねがございました。
 年金記録問題につきましては、一日も早く、年金記録の誤りを訂正し、正しく年金をお支払いすることにより、国民の信頼回復を図ることが重要だと考えております。
 八億五千万枚の紙台帳の記録とコンピューター記録との突き合わせにつきましては、来年度中に紙台帳を電子画像化し、すべての方について計画的、効率的に実施してまいります。
 いわゆる標準報酬の改ざん問題につきましては、事実関係を徹底して調査し、社会保険庁の職員の不正が明らかになった場合には、厳正なる処分を行います。
 次に、安心できる医療の実現についてのお尋ねがございました。
 臨床研修制度につきましては、現在、制度の見直しに向けて文部科学省と合同で、大学や病院の有識者による検討会を立ち上げており、この検討を踏まえ、できるだけ早期に制度の改善を行ってまいります。
 また、地方の医療を担う医師を確保するため、地域で協力して医師を派遣する取り組みを支援するほか、勤務医の勤務環境の改善等を図ることにより、医師不足が深刻な地域や産科、小児科などを担う医師の確保に努めます。
 救急医療につきましては、救急医療情報システムの改善、小児救急電話相談事業の推進、救急医療への開業医の参加の促進など、救急医療体制の整備に努めてまいります。
 長寿医療制度の見直しについてお尋ねがございました。
 長寿医療制度につきましては、多くのよい面がありますが、制度についてさまざまな御意見が寄せられていることから、自民党、公明党両党の連立政権合意に沿って、高齢者の方々の心情に配慮し、法律に規定する五年後の見直しを前倒しして、よりよい制度への改革を図ることとしております。
 私といたしましては、見直しに当たりましては、まず高齢者医療を支える費用負担のあり方について、全世代の納得と共感が得られる枠組みを検討すべきではないか、また年齢のみによる区分のあり方について、例えば、七十五歳以上でも現役で働いている方の扱いも含め検討を加えるべきではないか、年金からの保険料支払いのあり方について、これまでの改善を踏まえ、普通徴収の対象範囲の拡大あるいは選択制の導入等を含め検討を加えるべきではないかと考えております。
 既に、新内閣発足後、速やかに高齢者医療制度に関する検討会を立ち上げたところであり、今後の見直しに当たりましては、今申し上げたような論点に限らず、一年を目途に幅広い議論を進めてまいります。
 次に、介護従事者の人材確保に関するお尋ねがございました。
 介護従事者の処遇改善を図るため、労働環境の整備など多様な取り組みを進める必要があります。
 このため、介護従事者の参入促進、定着支援、雇用管理改善に取り組む事業主に対する支援などを通じて、介護従事者の確保に総合的に取り組んでまいります。
 また、介護報酬につきましては、介護事業者の経営実態や介護従事者の処遇の実態等を把握、分析した上で、国民が負担する介護保険料の水準等も踏まえながら、平成二十一年四月の改定時に適切に設定してまいります。
 最後に、がん対策についてのお尋ねがございました。
 厚生労働省といたしましては、平成十九年六月に閣議決定されました、がん対策推進基本計画に定める目標等を確実に達成するため、本基本計画の進捗状況を把握することが極めて重要であると考えております。
 基本計画の進捗状況につきましては、来年度末を目途に中間報告を行いたいと考えております。
 今後、具体的な項目について、がん対策推進協議会の御意見を聞きながら、検討してまいりたいと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(河野洋平君) 志位和夫君。
    〔志位和夫君登壇〕
#13
○志位和夫君 日本共産党を代表して、麻生総理に質問します。(拍手)
 冒頭にただしたいのは、総理が、所信表明演説で、みずからの就任を、戦前戦後、百十八年の統治の伝統の連綿たる集積の末端に連なるものと位置づけたことについてです。
 戦前戦後を一緒くたにして、そこに共通の統治の伝統があるかのような発言に、私は驚かざるを得ません。一体、総理は、日本の統治の原理が戦前の天皇主権から戦後の日本国憲法に基づく国民主権へと百八十度転換したという歴史認識をお持ちでないのでしょうか。明確な答弁を求めます。
 次に、国民が切実に解決を求めている暮らしにかかわる四つの問題について質問します。
 第一は、働く貧困層の問題です。
 懸命に働いても貧困から抜け出せない人々が一千万人を超える規模で広がっています。相次ぐ労働法制の規制緩和で、派遣労働者は三百二十一万人にまで広がり、非人間的な不安定雇用を強いられています。
 私がわけても強い憤りを感じるのは、日本を代表する大企業が、正社員を減らし、派遣、請負、期間社員などの非正規雇用に置きかえ、そのことで大もうけをしたあげく、人間を物のように使い捨てにしていることであります。
 世界一の自動車メーカー、トヨタのトヨタ自動車九州では、従業員八千五百人のうち二六%の二千二百五十人が派遣労働者でしたが、八月までに派遣八百人が雇いどめにされました。正社員と同じ仕事をしながら低賃金と不安定雇用に耐えて働いてきた派遣労働者に、突然、きょうで終わりにしてくれ、人が余っているからといって雇いどめにする。再就職の責任も負わずにほうり出す。生きている人間を調整弁のように使い捨てる。トヨタの奥田碩前会長は、経営者よ、首切りするなら切腹せよと言ったはずです。年間二兆円もの空前の利益を上げている世界のトヨタが、こんな行動をすることが許されるでしょうか。
 さらに、日本を代表する発光ダイオードメーカー、日亜化学では、偽装請負で働かされていた労働者がその救済を行政に求め、労働局も違法を認定しながら、六人の労働者が九月末に雇いどめを一方的に通告され、職を失いました。
 キヤノン宇都宮光学機器でも、偽装請負で働かされていたと認定された労働者が、期間社員になったものの、わずか十一カ月後、八月末に雇いどめにされ、職を失いました。
 不法な働かせ方からの救済を求めた労働者が、不法な働かせ方を強いてきた企業によって職を奪われる。こんな理不尽なことが許されていいでしょうか。
 総理に伺いたい。
 日本を代表する大企業のこうした横暴勝手に対して政治が無力であってよいのか。労働者の雇用を守る断固とした指導を関係省庁に指示すべきではありませんか。労働者派遣法は一九九九年の原則自由化前に戻し、派遣労働は専門的業務に限定するとともに、違法行為があった場合は受け入れ企業に正社員化の義務を負わせる抜本的法改正を行うべきではありませんか。使い捨て自由の不安定雇用をなくし、正社員への道を開くために、政治の責任を果たすべきです。答弁を求めます。
 第二は、後期高齢者医療制度の問題です。
 戦火をくぐり抜け、復興を支えてきた高齢者にこの仕打ちは許せない、怒りと怨嗟の声はとどまることなく広がっています。今月十五日には、前期高齢者も含めて新たに六百二十五万人、合計一千五百万人の年金から天引きが行われようとしていることが、怒りの火に油を注いでいます。
 総理は、この制度が国民をいたずらに混乱させたとし、高齢者に納得していただけるよう見直しを検討すると述べました。
 そこで、総理にお尋ねします。
 国民が納得できないのはなぜか。制度が悪いから納得できないという認識なのか、それとも、制度は悪くないが説明の仕方や国民の側に問題があるから納得してもらえないという認識なのか。国民が納得しない原因はどこにあると認識しているのですか。しかとお答えいただきたい。
 私は、国民の怒りの矛先は、七十五歳という年齢を重ねただけで別枠の医療制度に囲い込まれ、長寿の方がふえるに従って保険料は際限なく値上げされ診療内容は削られる、世界に類のない差別医療という制度の根幹に向けられており、それは小手先の取り繕いだけで解消できるものではないと考えますが、いかがですか。
 お年を召したら、みんなでお祝いし、医療費の心配はないようにしましょうというのが真っ当な政治のあり方ではありませんか。日本共産党は、後期高齢者医療制度を撤廃することを強く求めます。医療、年金、介護など社会保障切り捨ての根本にある年間二千二百億円の社会保障費削減路線を中止し、社会保障拡充に踏み出すことを要求します。答弁を求めます。
 第三は、社会保障の財源をどうするのかという問題です。
 総理は、消費税について、二〇一五年ぐらいまでに毎年一%ずつ上げ一〇%ぐらいにすると明言しました。しかし、消費税は所得の低い人ほど負担が重い最悪の不公平税制であり、こうした福祉破壊税を社会保障の財源とするのは邪道中の邪道であります。社会保障を支える税収としては消費税増税以外の選択肢はないというのが総理の認識でしょうか。明確な答弁を求めます。
 私たちは、次の二つの分野を聖域とせずメスを入れるならば、消費税に頼らなくても安心できる社会保障は築けると提案しています。
 一つは、年間五兆円の軍事費を初めとする無駄遣いであります。
 社会保障予算を毎年二千二百億円削る一方で、米軍には年間二千五百億円もの思いやり予算を注ぎ込む。障害者福祉の応益負担で年間三百二十億円もの負担増を求めながら、年間三百二十億円の政党助成金を分け取りする。こうした逆立ちした無駄遣いにメスを入れる意思はありますか。
 いま一つは、行き過ぎた大企業・大資産家減税です。
 大企業の経常利益はバブル期の一・七倍にふえているのに、手厚い減税の結果、税負担は横ばいです。トヨタは、バブル期の二・二倍のもうけを上げているのに、税負担は当時の八割に減っています。行き過ぎた減税をもとに戻せば、七兆円の財源を確保できます。総理にその意思はありますか。答弁を求めます。
 第四は、食料と農業の問題です。
 汚染米問題は、食の安全への不安が主食である米にまで及んだ大問題であります。汚染米とわかっていながら流通に回していた農林水産省の責任は極めて重大です。同時に、問題の根源をたどりますと、食料自給率が四〇%まで落ち込んでいる、日本国民の食料の六割が外国頼みという大問題にぶつかります。
 総理は、所信表明で、五〇%の自給率を目指しますと述べましたが、どうやって自給率の引き上げを図るのか、その道筋は示しませんでした。
 本気で自給率の向上を目指すならば、農産物の価格保障、所得補償がどうしても必要であります。生産者米価は暴落を続け、二〇〇七年産米は一俵一万二千円から一万円程度まで落ち込みました。稲作農家の家族労働報酬は、全国平均で見ると時給わずか百七十九円、労働者の低過ぎる最低賃金と比べても四分の一です。
 総理、こんな米価でどうやって農業を続けろというのですか。ここまで米価を下げたことへの胸の痛みはありませんか。
 我が党は、当面、一俵当たり一万八千円の収入を確保できる価格保障、所得補償を図ることを提案していますが、総理の見解を問うものです。
 同時に、歯どめのない輸入自由化をストップすることであります。総理は、農業を保護の対象とする考えを捨てよと述べましたが、米国でも欧州でも、乳製品のような最も基礎的品目はちゃんと保護政策をとり、輸入規制もやって守っています。
 ミニマムアクセス米の義務的輸入は中止し、食料主権、各国が実効ある輸入規制や価格保障を自主的に決める権利を保障する貿易ルールを目指して、WTO農業協定の抜本的見直しを提起すべきではありませんか。答弁を求めます。
 以上、四つの角度から国民生活にかかわる根本問題をただしましたが、世界経済の危機的事態のもとで、日本経済のあり方が根本から問われています。自公政権は、構造改革の名で一部の輸出大企業のもうけの応援にだけ熱中し、国民には痛みだけ押しつけてきました。その結果、日本の経済は、外需、輸出頼み、内需、家計ないがしろ、こういう異常に脆弱な体質となってしまいました。
 このゆがんだ体質を根本から直す改革が必要です。人間らしい労働のルールをつくる、社会保障の充実を図る、庶民増税をやめる、農業や中小企業を再生させる。こうして経済を土台から立て直し、外需頼みから内需主導に、大企業から家計に経済政策の軸足を転換させる改革こそ、日本経済の健全な発展の大道ではないでしょうか。総理の見解を求めます。(拍手)
 最後に、こんなアメリカ言いなりの政治をいつまで続けるのかという大問題について、二点に絞って伺います。
 一つは、総理が、テロとの闘いから撤退できないといって、インド洋への海上自衛隊派兵をあくまで継続しようとしていることについてです。
 しかし、戦争でテロはなくせたか。国連が九月十六日に公表した報告によりますと、アフガニスタンでは、ことしに入って千四百四十五人もの民間人が命を奪われ、昨年比で四割も増加しています。米軍による空爆で罪なき女性、子供が殺され、それが憎悪を広げ、戦争とテロの悪循環をもたらしているのであります。戦争でテロはなくせなかった。この事実に立って、憲法違反の自衛隊派兵を直ちに中止し、その撤退を速やかに図るべきではありませんか。
 いま一つは、米軍基地の問題です。
 九月二十五日、原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀港に配備されました。私は、断固たる抗議を表明するものです。
 総理は、安全と言いますが、一体いかなる根拠があるのか。核空母エンタープライズの放射能漏れ事故を初め、原子力艦船の核事故は枚挙にいとまがないではありませんか。核空母の母港化が首都圏三千万人に核事故の恐怖を押しつけるという認識をお持ちではないのですか。沖縄でも岩国でも神奈川でも、日米同盟のためには未来永劫、基地との共存は当然だ、この苦しみを耐え忍べというのが総理の立場なのですか。しかとお答え願いたい。
 暮らしでも平和でも、国民に不安と苦しみをもたらしているどんな問題でも、その根っこをたどりますと、異常な大企業中心、アメリカ言いなりという二つの政治悪にぶつかります。
 日本共産党は、この二つの政治悪を正面から正し、憲法を生かした、国民が主人公の希望ある新しい日本への道を開くために全力を尽くすことを表明し、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕
#14
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 志位議員の質問にお答えをさせていただきたいと存じます。
 まず最初に、私の歴史認識についてのお尋ねがあっておりました。
 日本の統治原理は、戦前の天皇主権から戦後の日本国憲法による国民主権へ転換いたしております。私も十分に認識をいたしております。私が所信表明演説の冒頭で述べたのは、憲政に基づく総理大臣の任命が一世紀を超えて続いているという伝統、その集積の重みと、末端に連なる責任の重さを申し述べたかっただけであります。
 派遣労働についてのお尋ねがあっておりました。
 派遣労働者などの雇用の安定を確保することは重要な課題と認識をいたしております。
 このため、大企業を含め派遣先に対し、派遣契約の解除をする際には、関連企業での就業をあっせんするなどにより就業機会の確保を行うよう指導するとともに、偽装請負などの法違反が確認された場合でも、労働者の雇用が失われることのないよう必要な措置をとるよう指導を行っているところであります。
 労働者派遣法につきましては、日雇い派遣を原則禁止するとともに、違法派遣を受け入れた派遣先に対しその労働者の雇用を促す制度を創設するなど、改正を行うこととしております。
 長寿医療についてのお尋ねがありました。
 長寿医療につきましては、制度の説明不足に加え、年金からの保険料の支払い、いわゆる天引きを原則としたことなど、高齢者の方々の心情にそぐわない点があったものと考えております。
 しかし、この制度をなくせば問題が解決できるものではありません。廃止するのではなく、高齢者に納得していただけるよう改めることが必要です。そのため、一年を目途に幅広い検討を進めてまいります。
 社会保障費削減についてのお尋ねがありました。
 二十一年度予算の概算要求基準では、社会保障費の自然増抑制を行うことに加え、最終的には、財源も勘案の上、予算編成過程で検討することとしております。
 社会保障についてお尋ねがありました。
 社会保障制度を将来にわたり持続可能で安心できるものとすることは、国民の不安を払拭するために極めて重要であり、消費税は重要な役割を果たすものと認識をいたしております。年金などの社会保障の財源をどう安定させるのか、その道筋を明確化すべく検討を急ぎます。今後、年末に向けて政府・与党において検討を進めてまいります。
 次に、社会保障の財源に充てるため防衛関係費などを削減すべきとのお尋ねがありました。
 在日米軍駐留経費を含みます防衛関係費は、日本の安全保障のために不可欠であります。また、政党助成金のお尋ねもありましたが、政党の政治活動の健全な発達のために不可欠な経費と存じます。
 政府として、国民目線に立った行政支出の見直しなどを通じ、歳出全般にわたり一層の経費の節減合理化に取り組んでまいります。
 企業や個人の課税のあり方についてお尋ねがありました。
 近年の税制改正におきましては、経済のグローバル化に伴う世界的な法人税率などの引き下げなどの動向に対応し、持続的な経済社会の活性化を実現する観点から、法人課税や所得課税について改正を行ってきたところであります。日本の経済社会の構造変化に対応し、中小企業や地域の活力向上といった観点にも配慮しながら、税体系全般について幅広く検討を行ってまいります。
 米価についてお尋ねがありました。
 米は民間流通を原則としておりまして、その販売価格も産地、銘柄ごとにさまざまで、経営コストも生産規模などにより差が生じております。昨年、米価は下落をしましたが、米価が下落する場合でも、水田経営所得安定対策により下落幅の九割を補てんしているところでもあります。
 共産党の米の価格保障の提案についてのお尋ねもありました。
 米の販売価格は産地、銘柄ごとにさまざまになっている中で、販売価格にかかわらず一定水準の所得を補償するということは、食管法時代に逆戻りすることと同じであり、適当でないと考えております。
 食料の貿易ルールについてお尋ねがありました。
 食料の貿易ルールにつきましては、現在、WTO農業交渉において議論が行われておるところです。我が国としては、多様な農業の共存を基本理念とする貿易ルールの確立を目指して積極的に取り組んでいるところであります。
 経済政策のあり方についてもお尋ねがありました。
 緊急の課題は、日本経済の立て直しであります。そのために、当面は景気対策、中期的には財政再建、そして中長期的には改革による成長を追い求め、新たな産業や技術、新規の需要と雇用を生み出してまいりたいと存じます。こうしたことにより、民間需要主導の持続的な成長の実現を図ってまいります。
 インド洋に派遣している海上自衛隊の撤退についてお尋ねがありました。
 アフガニスタンを再びテロの温床としないために、テロ・治安対策、人道復興支援の双方に、車の両輪として取り組むことは不可欠であります。補給支援活動は継続がぜひとも必要だと存じます。多くの国がとうとい犠牲を出しながらもアフガニスタンでのテロ対策への取り組みを強化している中で、国際社会の一員たる日本がその活動から手を引く選択はあり得ません。
 米原子力空母ジョージ・ワシントンの安全性及び在日米軍施設・区域についてお尋ねがありました。
 米海軍の原子力艦は、一九六四年以来、これまで千三百回以上、我が国に寄港いたしております。人体及び環境に影響を及ぼすような放射能の放出は一件も発生しておりません。
 在日米軍において、日本及びその地域の平和と安全を確保する観点からも、その駐留の確保が重要です。その上で、在日米軍再編は、抑止力を維持しつつ地元負担の軽減を図るため、着実に進めてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(河野洋平君) 重野安正君。
    〔重野安正君登壇〕
#16
○重野安正君 社会民主党の重野安正です。
 私は、社会民主党・市民連合を代表し、麻生新総理の所信表明演説に対し質問します。(拍手)
 冒頭、中山前国土交通大臣の発言について、とりわけ大分の学力は低いとの発言に対し、大分県出身者として心底から、大分の方言で言いますと、「どうくんなや」という思いでいっぱいになりました。
 学力テストの結果は、大分の学力が低いと断定するに足る決定的なものと確信できるのか。現場の校長や教育長から、短絡的でピンぼけ、個人的な思いを国政に反映させるのはとんでもないとの声も上がっています。まさに確信犯的な妄言であり、国会議員としても品位や資質が問われるものであります。このような大臣を選任した総理の責任は極めて重いと言わざるを得ません。
 総理、今も適材適所だったと言うんですか。中山前大臣の発言のどこが不適切で、どこが問題だったと思っているのか、答弁を求めます。
 また、総理が日教組を初め関係者におわびすべきではないかとすら思うのでありますが、いかがでしょうか。
 さて、総理も総務大臣当時、一文化、一文明、一民族、一言語の国と発言し、中川財務大臣も政調会長当時、日教組や自治労を悪性腫瘍呼ばわりしたことがあります。麻生内閣全体に古い保守のDNAが受け継がれ、腹の底では同じように思っているのではないですか。それは、「かしこくも御名御璽をいただき」「百十八年になんなんとする憲政の大河があります」と、まるで戦後、国民主権の平和憲法に変わったことを御存じないかのような、そういう発言をされております。
 明治憲法下から説き起こすのであれば、日本がアジアの人命を奪った歴史、筑豊御三家と言われた麻生炭鉱と朝鮮人の強制連行の関係について十分わきまえておられると思いますが、そこで、戦後五十周年の終戦記念日に当たっての村山首相談話を受け継ぐのかどうか、明確にお答えください。
 日本経済は全治三年であるといいますが、他人事ではありません。あなたも、政調会長、総務大臣、外務大臣として、痛みに耐えて頑張れば将来よくなると言ってきた小泉政権を支え、構造改革を進めてきた責任があります。この期に及んで、国民に痛みに耐えて頑張れと言うのですか。
 総理も、配当課税の非課税を目玉に、相も変わらず貯蓄から投資への流れの促進をうたっています。私は、市場競争万能、弱肉強食の構造改革という政府・与党の政策自身が家計の疲弊や内需の低迷を進めてきたのだと思います。
 緊急総合対策が、「景気回復は総じて外需依存型であり、家計全体は賃金増を通じてその恩恵を実感するにはいたらなかった。」このように言っておりますが、そうであれば、破綻が明らかな米国モデルの構造改革路線と決別し、投機でなく実体経済を支えるための経済対策として転換すべきであると思います。
 社民党は、九兆円規模の緊急経済対策として、生活・地域の底上げ宣言をまとめたのであります。地域や農林水産業、福祉、環境を重視した内需主導型経済への転換をどう進めていくのかについて、総理の見解をお尋ねいたします。
 雇用の安定、年金や医療、福祉への信頼と安心がなければ、GDPの六割近くを占める個人消費も元気になりません。
 派遣労働や名ばかり管理職の悲惨な実態をどう受けとめ、どう対処しようとしているのか。
 基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げる公約について、どう実現するのか。
 年金記録問題や厚生年金の標準報酬月額改ざん問題に対する明確な対処方針を具体的に明らかにしていただきたい。
 見直しに次ぐ見直しで欠陥だらけの後期高齢者医療制度について、どこに問題があると考えているのか。一年かけて見直すというのであれば、野党四党が提出している廃止法案に賛成し、一緒にあるべき制度づくりを進めていくべきではありませんか。
 以上について答弁を求めます。
 競争力強化を目指す構造改革は、ばれなければいい、もうかりさえすればいいという風潮を蔓延させました。米の市場開放、ミニマムアクセス米の輸入、改正食糧法施行による米の流通自由化なくして起こり得なかったと思います。自由化、規制緩和、民間開放に歯どめをかけるとともに、生活に欠くことのできない国内農林水産業の振興が不可欠であります。五〇%の自給率を目指すのであれば、何よりも減反政策からの転換を打ち出すべきではありませんか。
 また、林野庁職員が四分の一にも減り、国有林も荒れ、民有林も荒れています。動物もすめないような山となり、クマやシカ、イノシシなどが里に出てくるありさまです。国土の七割を占める森林をどうしていくのか、答弁を求めます。
 郵政民営化について伺います。
 三年前、民営化すればサービスはよくなるの大合唱でした。しかし、局の統廃合や窓口の削減、収集回数の削減、手数料の値上げ、もうからないサービスの廃止が相次いでいるのが現実です。かつて、元経営者の立場で、あなたは、五年たったらうまくいかなかったと証明できるんじゃないかと思うと述べています。凍結して必要な見直しをすべきではないかと思いますが、いかがですか。
 アフガン戦争について、米軍の制服組トップからも悲観的な認識が示されています。必要なことは、油の補給支援ではなく、医療や福祉、教育、生活分野での非軍事の人道復興支援ではないですか。
 また、原子力空母ジョージ・ワシントンが米軍横須賀基地に配備されました。地上の原子力発電所よりも危険であり、一たび事故が起きると大惨事につながることは明らかであります。ジョージ・ワシントンが単なる艦内火災事故で配備がこんなにもおくれるのでしょうか。疑問があります。懸念は増すばかりであります。
 母港化は断じて認められません。米軍の情報をうのみにするだけでは信用できません。住民の生命を守るため、最低限国内並みの規制や立ち入りを含めた十分な対応を取り決めるべきだと考えます。答弁を求めます。
 総理の著書「とてつもない日本」の中に、「今は豊かで、親がいれば食うには困らない。」とか、「今の世の中、餓死する程の貧しさが存在する訳ではない。」などという記述があります。私は、総理の言う言葉ではないと思います。とんでもない認識です。
 皮肉なことに、総理の地元に近い北九州市は、保護行政の優等生と言われていますが、生活保護の申請すら受け付けてもらえずに餓死する事件や、収入のない男性が生活保護を強制的に辞退させられ、おにぎり食べたいなどと書いた日記を残して餓死した事件が起こりました。
 所信でも、日本人とは、決して豊かでないにもかかわらず、よく笑い、ほほ笑む国民だったというばかりで、格差や貧困という言葉はありませんでした。
 しかし、この十年で、働く者の所得は減り、失業者や非正規雇用、年収三百万未満世帯、貯蓄ゼロ世帯もふえています。自治労が発表した自治体職員の勤務実態調査で、非正規職員が全体の二七・八%を占めていることがわかりました。非正規雇用の少なくとも六七・一%が年収二百万円以下の官製ワーキングプアと見ているとのことであります。自殺者も十年連続で三万人を超え、生活が苦しいと感じている世帯も六年連続して増加し、過去最多の五七・二%に上り、生活保護世帯も百十万世帯を超え過去最多となっています。
#17
○議長(河野洋平君) 申し合わせの時間が過ぎました。簡単に願います。
#18
○重野安正君(続) 世間の苦労もよく知らない世襲閣僚の数が過半数、過去最多の麻生内閣として、格差・貧困問題にどう取り組むのか、総理の認識を伺います。
 最後に、筑豊の中小炭鉱で働く労働者の絶望的な状況を描いた「追われゆく坑夫たち」が復刊されました。今、なぜ復刊されるのでしょうか。これは一昔前の話ではなく、むき出しの資本主義は、消耗品扱いされる若者、おば捨て山のお年寄りを初め、今の国民にも、どん底まで落ちてしまう滑り台社会として襲いかかっている。経営者目線で国民見下しのあなたに任せていては、とてつもないどころか、とんでもない日本になってしまう。
 社民党は、国民犠牲の構造改革を進める自公政権に対し、命を大切にする政治への政策転換を果たしていくことを決意として表明し、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕
#19
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 重野議員の質問にお答えをさせていただきます。
 まず最初に、中山前大臣の発言問題についてであります。
 中山大臣を任命したときは、大臣たるにふさわしい言動をとっていただけるものと期待をしておりました。しかし、前大臣の発言は、事実と異なること、それによって関係者を傷つけたこと、発言撤回の後も繰り返し発言したことなどが不適切であったと考えております。中山前大臣の発言につきましては本人が責任を持つべきものでありますが、中山大臣を任命した責任は私にあると存じます。
 次に、私の発言についての御指摘がありました。
 私の過去における不用意な発言で関係者の皆様に不快な思いをさせたことについては、おわびを申し上げてきたところです。今後、総理大臣として、言葉の重みをわきまえつつ発言をしてまいりたいと存じます。
 いわゆる村山談話についてのお尋ねがありました。
 御指摘の談話や平成十七年八月十五日の小泉内閣総理大臣の談話は、さきの大戦をめぐる政府としての認識を示すものであり、私の内閣においても引き継いでまいります。
 内需主導型経済への転換についてのお尋ねがありました。
 まず、安心実現のための緊急総合対策実施の裏づけとなる補正予算を成立させ、必要となる政策を速やかに実行してまいります。本対策により、物価高、景気後退の直撃を受けた人々や、農林水産業、中小零細企業、雇用や医療に不安を感じる人々に安心をもたらしたいと存じます。中長期的には、新経済成長戦略を強力に推進するなど、改革による成長を追い求めることで、新たな産業や技術により、新規の需要と雇用を生み出してまいりたいと存じます。
 派遣労働と名ばかり管理職についてのお尋ねがありました。
 労働者派遣制度につきましては、日雇い派遣の原則禁止や派遣労働者の待遇の改善など、労働者の保護を強化する観点から、見直しを早急に行ってまいりたいと存じます。
 また、労働基準法上の管理監督者に当たらない労働者を管理監督者として取り扱うことはあってはならないものであり、指導を徹底してまいりたいと存じます。
 基礎年金国庫負担の引き上げについてのお尋ねがありました。
 基礎年金の国庫負担割合を平成二十一年度までに二分の一へ引き上げることは、平成十六年年金改正法に定められている政府・与党の国民に対する約束であります。そのための財源を含め、年金などの社会保障の財源をどう安定させるかについて、その道筋を明確にすべく、年末までに結論を得たいと考えております。
 年金記録問題についてのお尋ねがありました。
 今月中に、すべての受給者、加入者に対し、ねんきん特別便をお送りし、御自身の記録を御確認いただくなど、これまで一つ一つ取り組みを進めております。今後、さらに、八・五億件の紙台帳の記録とコンピューター記録との突き合わせや、標準報酬などに問題のある事案の徹底調査など、ひたすら手間と暇を惜しまず、全力を尽くしてまいりたいと存じます。
 長寿医療制度の見直しについてお尋ねもあっております。
 長寿医療制度につきましては、制度の説明不足に加え、年金からの保険料の支払い、いわゆる天引きを原則としたことなど、高齢者の方々の心情にそぐわない点があったものと考えております。
 しかし、この制度をなくせば問題が解決するというものではありません。廃止するのではなく、高齢者に納得していただけるよう、改めることが必要です。そのために、一年を目途に幅広い検討を進めてまいります。
 米の生産調整についてのお尋ねもあっております。
 我が国の生産調整は、休耕を義務づける減反とは異なり、主食用米から他作物への生産転換を進めるものであります。五〇%の食料自給率を目指すには、水田をフル活用することが重要です。このため、自給率の低い大豆、麦、飼料作物の生産を進めるとともに、その生産が行えない水田においては、飼料用米などの低コスト生産を進めていきたいと存じます。
 森林整備についてのお尋ねもありました。
 森林は、国土の保全、水源の涵養、さらには地球温暖化の防止といった機能を有しております。これらの機能が十分に発揮されるよう、林業の担い手の確保などを図りつつ、広葉樹林への転換などにより、多様で健全な森林整備を進めてまいる考えであります。
 郵政民営化についてお尋ねがありました。
 郵政民営化につきましては、真に地域の住民、国民のためになる民営化を実現したいと考えております。政府としては、民営化後の状況を十分に検証し、郵便局ネットワーク水準の維持及び国民の利便性の向上などの観点から、必要な対応をとってまいりたいと存じます。
 アフガニスタンへの支援についてのお尋ねがありました。
 日本は、アフガニスタンの安定と復興のため、ODAによる支援と海上自衛隊によるインド洋における補給活動を車の両輪として実施してまいりました。この中で、日本は、医療、福祉、教育を含む幅広い分野で、総額一千六百億円以上の人道復興支援を実施に移しております。
 しかし、治安状況が厳しい中、このような支援だけでは治安・テロ対策を代替できないというのが国際社会の一致した認識であります。引き続き、車の両輪として補給支援活動を継続することがぜひとも必要であると考えております。
 米国の原子力空母についてお尋ねがありました。
 米国の原子力艦は、一九六四年以来、一千三百回以上、我が国に寄港しております。人体及び環境に影響を及ぼす放射能の放出は一件も発生しておりません。これは、日本自身による厳格なモニタリングを通じましても確認されているところであります。政府としては、引き続き、その安全性確保のため、万全を期してまいります。
 格差・貧困問題についてお尋ねがありました。
 格差・貧困問題への取り組みは、暮らしの不安を取り除くという観点から重要と考えております。このため、困難を抱える若者を支援する新法を検討するほか、最低賃金の引き上げ、労働者派遣制度の見直しなどを進めてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(河野洋平君) 亀井久興君。
    〔亀井久興君登壇〕
#21
○亀井久興君 私は、国民新党・大地・無所属の会を代表して、麻生総理の所信表明演説及び政治姿勢について質問いたします。(拍手)
 我々国民新党は、三年前のいわゆる郵政解散を機に結成されました。以来、一貫して、郵政民営化は間違いであると声高に訴えております。また、経済財政政策につきましても、やみくもな財政の縮小均衡と格差を拡大させる市場経済万能主義を真っ向から批判し、必要な財政出動をためらわない積極財政を主張してまいりました。
 国民新党は、小泉・竹中路線の構造改革とは全く相入れず、自民党を離れた保守勢力であり、抵抗勢力であります。そして、今、我々の主張の正しさが明白になりつつあると確信しております。
 構造改革とは一体何であったのか、そして改革の本丸とされた郵政民営化とは何だったのか、このことを総括せずに未来を語ることは到底できないと私は思います。
 そこで、まず、郵政解散の是非についてお尋ねいたします。
 三年前、当時の小泉総理は、郵政民営化是か非かの一点を問うためだけに衆議院を解散し、総選挙を行いました。参議院の議決を無視し、両院協議会も開かず、法案を可決した衆議院を解散するという、まさに憲政史上に残る暴挙でした。そして、小泉劇場と言われた郵政選挙が終わり、参議院を衆議院に従わせることによって、残念ながら、郵政民営化法は成立いたしました。
 与党は、今、ねじれ国会がまるで悪であるかのように言われますが、郵政民営化法が参議院で否決された当時、国会はねじれていませんでした。衆参両院とも与党が安定多数を占める中で、衆議院ではたった五票差での可決、そして参議院では否決という結果に至ったことは、参議院が良識の府、再考の府として本来の役割を果たし、二院制が正常に機能したあらわれだと思います。
 にもかかわらず、無謀な郵政解散が行われ、その結果、参議院が衆議院に追随してしまったことで日本の二院制は本来の意義を失い、現在に至る政治の混迷が始まったと我が党は考えます。後期高齢者医療制度導入をめぐる強行採決など、あの郵政選挙を機に無謀な国会審議にも拍車がかかりました。
 議会制民主主義や二院制のあり方の観点から、三年前の郵政解散の正当性について総理の御見解をお尋ねいたします。
 さて、サブプライムローン問題に端を発した米国発の金融危機がますます深刻化しております。投機資金によるマネーゲームはついに行き詰まりを見せ、世界の市場と実体経済に甚大な影響が広がっております。
 もし、このまま郵政民営化の抜本的な見直しが行われなければ、来年度からゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式上場が始まります。諸外国のファンドが大株主になり、約三百兆円の国民の貴重な金融資産が著しく不安定な投機に流れることが強く懸念されます。このため、我が党は、民主党の協力を得て、郵政民営化見直し法案の成立を急いでおります。
 総理は、総務大臣として郵政民営化法の制定に深くかかわり、また、いわゆる骨太方針二〇〇四の閣議決定にも参加されています。総理は、当時の小泉総理の民営化路線を全面的に支持されたと受けとめておりますが、この認識に間違いはありませんでしょうか。また、このまま民営化が進み、国民の大切な資産が投機マネーと化し、危険にさらされることについてどうお考えでしょうか。
 また、郵政民営化に際し、サービスは低下させないと政府は再三明言しましたが、既に郵便集配局の統合が行われ、多くの簡易郵便局が閉鎖されるなど、サービスの低下は明らかであります。郵政民営化で一体何がよくなったのか、構造改革の本丸とはどういう意味だったのか、お答えください。(拍手)
 次に、骨太方針二〇〇六についてお尋ねいたします。
 小泉内閣のときに閣議決定された骨太方針二〇〇六では、二〇一一年度における国、地方のプライマリーバランスの黒字化がうたわれています。小泉政権は、財政再建なくして経済成長なしとのスローガンを掲げて、緊縮財政を続けました。そのあげく、経済規模が縮小し、国民所得はふえず、特に中間所得層や低所得層の可処分所得は減少いたしました。個人消費の低迷によって国内総生産は拡大せず、税収の減収を補うために、小泉政権時代には約百七十兆円にも上る国債が増発され、結果として財政はかえって悪化いたしました。
 さきの自民党総裁選挙における総理の御発言などを踏まえますと、当面は景気対策に力点を置き、基礎的財政収支の平成二十三年度の黒字化を凍結する考えのように見受けられます。所信表明演説でも、経済成長なくして財政再建なしと強調されました。
 しかし、麻生総理は、小泉政権発足当時、自民党の政調会長であり、その後、小泉内閣で総務大臣、外務大臣を務められました。骨太方針二〇〇六の決定にも国務大臣の一人として加わった総理は、現在のスタンスとの整合性をどのようにお考えですか。いつの時点でお考えが変わられたのか、また、これまでの経済政策に共同責任を持つ総理が今までの政権と逆のことを言われるのは、極めて無責任で一貫性を欠いておりませんか。
 さらに、政策を転換されたのであれば、それを国民に向かって堂々と説明するべきではないでしょうか。
 また、関連してもう一点伺いますが、内閣がかわったのであれば、経済財政諮問会議の民間議員も一新するのが筋であると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 地方が疲弊した責任についてもお伺いいたします。
 総理は、小泉内閣の総務大臣として、地方への大幅な補助金削減を実行されました。小泉政権発足時から今日までの間、地方交付税と国庫補助負担金削減分が累積で約三十六兆円、公共事業費削減分の約十一兆円を加えて合計四十七兆円もの資金の流れが中央でとめられたのですから、地方が疲弊するのは明らかであります。
 均衡ある国土の発展という理念は失われ、今や国土政策が全く不在ですが、麻生総理は公共投資を無駄だとお考えですか。総務大臣時代の施策について、また、地方を疲弊させた責任について、どのように自己評価、あるいは反省されているのか、お尋ねいたします。
 さて、本年一月、我が党は、石油価格高騰を受け、総額二十兆円規模の緊急経済対策を行うべきであると財源まで示して与党に申し入れましたが、受け入れられませんでした。
 今、総理は、補正予算の成立を急いでおられますが、我が党から見れば、規模が余りにも小さく、また遅過ぎる対応であり、なぜもっと早く大胆に行わなかったのか、甚だ疑問であります。
 与党が今、声高に主張する定額減税の実施につきましても、国民新党は、政府がさきに廃止した定率減税の復活を緊急経済対策に盛り込んでおりました。
 他党の意見に全く耳を傾けず、景気対策が後手に回ってしまった政府の責任について、総理の御説明を求めます。
 また、この数年、政府は、イザナギ景気を超す景気拡大を豪語しておりましたが、それならば、なぜ我が国の国力が低下し、経済財政担当大臣が、もはや日本の経済は一流と言える状況ではなくなったと言ったのでしょうか。この素朴な疑問についても総理の所見をお伺いいたします。
 構造改革路線の継承か転換かが問われている今、そして、改革を推進した竹中平蔵氏が既に国会を去り、小泉元総理までもが去ろうとしておられる今、改革の検証は急務であります。
 医療制度改革は医師不足を招き、規制緩和は非正規雇用や偽装を生み出し、司法制度改革では裁判員制度の導入が決まりました。そして、かつて一億総中流と言われた日本社会は、格差社会へと大きく変貌いたしました。
 改革は手段であり、目的ではありません。麻生総理は構造改革の何を継承し、この国をどこに導こうとされているのか、最後に、総理が目指しておられる国の姿、形についてお尋ねし、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕
#22
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 亀井議員の質問にお答えをさせていただきます。
 まず、三年前のいわゆる郵政解散の正当性についてお尋ねがありました。
 小泉総理は、郵政民営化法案が参議院で否決されたときに、衆議院を解散しておられます。法案を可決した衆議院を解散したことについては、さまざま議論があったことは承知をいたしております。その政治的適否につきましては議論が分かれるとしても、法律的には、憲法に基づく総理大臣としての権限を行使されたものと考えております。
 次に、小泉元総理大臣の民営化路線を支持したのではないかとの御指摘がありました。
 私は、当時、小泉内閣の一員でありました。私の考えを小泉総理に申し上げつつ、最終的には郵政民営化の閣議決定に参加をいたしております。
 民営化により資産が投機マネー化し、危機にさらされる懸念についてのお尋ねがありました。
 郵政民営化は、資金の流れを官から民へ転換し、資金のより自由な運用を通じた経済の活性化を期待しているものであります。その運用について、適切に行われるべきものと考えております。
 郵政民営化で何がよくなったのかというお尋ねがありました。
 郵政民営化は、多様で良質なサービスの提供を通じた国民の利便の向上、資金のより自由な運用を通じた経済の活性化を図るなど、我が国経済や国民生活の広範な分野にかかわり、さまざまな改革につながるものであります。この理念に沿い、現在、民営化各社は、新たなサービスを展開してきているなど、民営化のメリットが発揮されるよう努力をしてきているものと承知をしております。
 民営化後の状況につきましては、十分に検証し、必要な対応はとってまいりたいと思っております。
 基礎的財政収支についてお尋ねがありました。
 我が国が巨額な借金を抱えておりますのは、御存じのとおりです。経済や社会保障に悪い影響を与えないため、財政再建は当然の課題であります。
 内閣としては、日本経済の持続的で安定した繁栄を図ることを基本線として踏み外さず、二〇一一年度までに国、地方の基礎的財政収支を黒字化する目標を達成すべく、努力をしてまいります。
 経済財政諮問会議の民間議員を一新すべきではないかとのお尋ねがありました。
 経済財政諮問会議の民間議員は、その知見により総理大臣のリーダーシップを支える、いわば総理大臣のブレーンとしての役割を担っていただいております。人選については検討します。
 総務大臣時代の施策についてのお尋ねがありました。
 私は、総務大臣として、地方分権を進めるため、三位一体改革に取り組んでおります。そして、補助金の削減、三兆円の地方への税源移譲、地方交付税の見直しを実行することができました。
 一方、日本経済の悪化と国、地方を通じた財政状況の厳しさから、公共投資総額や地方税財源が減少し、地方が厳しい状況にあることはよく承知をしております。
 今後、地域の再生に必要な公共投資も含め、所要の税財源を確保し、地域の元気回復に取り組んでまいります。
 景気対策についてのお尋ねがありました。
 我が国経済は、バブル経済崩壊後の長い低迷から脱却し、持続的な景気回復を続けてきましたが、現在は、景気後退の上、米国発の金融不安が起こるなど、厳しい局面に立たされているものと認識をいたしております。
 こうした著しい変化を受けて、当面は景気対策、中期的には財政再建、中長期的には改革による経済成長という三段階で臨みます。当面は政府・与党が取りまとめました緊急総合対策を着実に実行していくことが最も重要であり、そのため、まずは補正予算案を早期に成立させることが必要であると考えております。
 我が国の国力の低下についてお問い合わせがありました。
 御指摘の発言は、当時の経済財政担当大臣の経済演説と承知をいたしております。
 私は、日本と日本人の底力に一点の疑問も抱いたことはありません。経済の面において、変化を乗り切って大きく脱皮する日本人の力をどこまでも信じて疑ったことはありません。
 こうした認識のもと、日本経済を立て直すためには、先ほど申し上げましたように、当面は景気対策、中期的には財政再建、中長期的には改革による経済成長という三段階で臨まなければならないと思っております。
 最後に、構造改革についてのお尋ねがあっておりました。
 日本の活力を取り戻すためには、時代に適応しなくなった旧来の日本型システムを改革しなければならないことは、皆さんが認めておられることだと存じます。
 小泉総理がこの構造改革に取り組まれ、一定の成果を上げられたことは、評価されてしかるべきものであります。しかしながら一方で、改革に伴うひずみが出てきており、また、新しい課題が出てきております。私は、改革という基本路線は堅持しつつ、ひずみへの手当てと新しい課題への解決に取り組んでまいります。
 私が目指すのは、強くて明るい日本であります。社会に活力があり、国民が暮らしに安心できる日本をつくり上げたいと考えております。
 亀井議員初め議員各位、皆様の御支援をお願い申し上げます。(拍手)
#23
○議長(河野洋平君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#24
○議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  麻生 太郎君
       総務大臣  鳩山 邦夫君
       法務大臣  森  英介君
       外務大臣  中曽根弘文君
       財務大臣  中川 昭一君
       文部科学大臣  塩谷  立君
       厚生労働大臣  舛添 要一君
       農林水産大臣  石破  茂君
       経済産業大臣  二階 俊博君
       国土交通大臣  金子 一義君
       環境大臣  斉藤 鉄夫君
       防衛大臣  浜田 靖一君
       国務大臣  甘利  明君
       国務大臣  小渕 優子君
       国務大臣  河村 建夫君
       国務大臣  佐藤  勉君
       国務大臣  野田 聖子君
       国務大臣  与謝野 馨君
 出席内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松本  純君
 出席政府特別補佐人
       内閣法制局長官  宮崎 礼壹君
ソース: 国立国会図書館
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