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2007/11/07 第168回国会 参議院 参議院会議録情報 第168回国会 国際・地球温暖化問題に関する調査会 第3号
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2007/11/07 第168回国会 参議院

参議院会議録情報 第168回国会 国際・地球温暖化問題に関する調査会 第3号

#1
第168回国会 国際・地球温暖化問題に関する調査会 第3号
平成十九年十一月七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         石井  一君
    理 事
                今野  東君
                広中和歌子君
                室井 邦彦君
                川口 順子君
                野村 哲郎君
                浜田 昌良君
    委 員
                喜納 昌吉君
                工藤堅太郎君
            ツルネン マルテイ君
                松岡  徹君
                峰崎 直樹君
                山根 隆治君
                荒井 広幸君
                神取  忍君
                佐藤 正久君
                島尻安伊子君
                西田 昌司君
                牧野たかお君
                加藤 修一君
                山本 香苗君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        藤崎  昇君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局参事官     私市 光生君
       外務大臣官房地
       球規模課題審議
       官        鶴岡 公二君
       財務大臣官房審
       議官       中野 雅之君
       財務大臣官房審
       議官       古谷 一之君
       財務省主計局次
       長        木下 康司君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        吉田 岳志君
       水産庁増殖推進
       部長       重  義行君
       経済産業大臣官
       房審議官     伊藤  元君
       国土交通大臣官
       房技術参事官   林田  博君
       国土交通省土地
       ・水資源局水資
       源部長      上総 周平君
       国土交通省河川
       局長       門松  武君
       環境大臣官房審
       議官       石野 耕也君
       環境省地球環境
       局長       南川 秀樹君
   参考人
       株式会社高橋徳
       治商店取締役営
       業部長      林  敬一君
       国連環境計画金
       融イニシアティ
       ブ(UNEPF
       I)特別顧問   末吉竹二郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○国際問題及び地球温暖化問題に関する調査
 (「日本の国際社会における役割とリーダーシ
 ップの発揮」のうち、京都議定書目標の達成に
 向けた地球温暖化対策の現状と課題について)
    ─────────────
#2
○会長(石井一君) ただいまから国際・地球温暖化問題に関する調査会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際問題及び地球温暖化問題に関する調査のため、本日の調査会に金融庁総務企画局参事官私市光生君、外務大臣官房地球規模課題審議官鶴岡公二君、財務大臣官房審議官中野雅之君、財務大臣官房審議官古谷一之君、財務省主計局次長木下康司君、農林水産大臣官房技術総括審議官吉田岳志君、水産庁増殖推進部長重義行君、経済産業大臣官房審議官伊藤元君、国土交通大臣官房技術参事官林田博君、国土交通省土地・水資源局水資源部長上総周平君、国土交通省河川局長門松武君、環境大臣官房審議官石野耕也君及び環境省地球環境局長南川秀樹君、以上を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○会長(石井一君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○会長(石井一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際問題及び地球温暖化問題に関する調査のため、本日の調査会に株式会社高橋徳治商店取締役営業部長林敬一君及び国連環境計画金融イニシアティブ(UNEPFI)特別顧問末吉竹二郎君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○会長(石井一君) 異議なしと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○会長(石井一君) 国際問題及び地球温暖化問題に関する調査を議題といたします。
 本日は、政府及び参考人からの報告聴取に先立ち、去る十月十九日にGEA、地球環境行動会議主催の下行われました国際会議におけるIPCC、気候変動に関する政府間パネル議長ラジェンドラ・パチャウリ氏の演説をビデオにて視聴いたします。所要時間は三十九分程度でございますので、その間、速記を中止いたします。
 速記を止めてください。
   〔午後一時五分速記中止〕
   〔資料映写〕
   〔会長退席、理事広中和歌子君着席〕
   〔理事広中和歌子君退席、会長着席〕
   〔午後一時四十五分速記開始〕
#7
○会長(石井一君) 速記を起こしてください。
 次に、「日本の国際社会における役割とリーダーシップの発揮」のうち、京都議定書目標の達成に向けた地球温暖化対策の現状と課題に関し、政府から報告を聴取し、参考人から御意見をお伺いした後に質疑を行います。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 両参考人におかれましては、御多忙のところ本調査会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本調査会では、「日本の国際社会における役割とリーダーシップの発揮」について調査を開始したところでございますが、本日はお二方から温暖化の影響等について忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 議事の進め方でございますが、まず国土交通省及び農林水産省からそれぞれ十分程度報告を聴取し、林参考人、末吉参考人の順でお一人十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時ごろまでを目途に質疑を行いますので、御協力のほどお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、初めに国土交通省から報告を聴取いたします。門松河川局長。
#8
○政府参考人(門松武君) まず、こういう機会を与えていただきましたことをお礼申し上げたいと思います。
 それでは、座らせていただきまして資料の説明をさせていただきます。
 縦書きのシナリオと横のカラー刷りの資料がございます。カラー刷りの方でございますが、表紙に五項目ほど書いてございますが、最初のIPCCの第四次報告書の概要につきましては、今議長の方からお話があったとおりでございますので簡単に済ませますが、二番目としてCO2増加の影響として海面の上昇、三番目として雨の降る状態が変わってきたということ、それから、それに対して我が国の河川行政、どう対応するんだということ、それから最後に先進諸国でどのような対応事例があるのかということでまとめてございます。
 シナリオの方でございますが、縦長の方でございますが、大くくりで今五項目、かぎ括弧で頭に書いてありますが、そのほか一、二、三、四と書いてありますが、これがページ数に当たっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、IPCCの第四次報告書の概要でございますが、一ページでございます。重複いたしますが、真ん中の左側の升の中でございますが、まずこの温暖化が人為によるものだというのを確定した、断定したということでございまして、今まで過去百年で世界の平均気温が〇・七度C上昇、それから三つ目のポツでございますが、海面の上昇も過去百年の間に十七センチ上がっているだろうという推定をされております。それから最後のポツでございますが、台風が凶暴になっているということでございます。
 そういった現象を受けて、右側の升でございますが、上のひし形の三つ目のポツでございますが、海面上昇によりまして海岸の侵食、あるいは沿岸域におきます洪水あるいは暴風雨によります被害の増加、それから渇水による被害の深刻化と、こういった状況が出ているということでございます。下のひし形でございますが、それに対する対応として、世界的にもCO2を削減するだけじゃなくて、そのCO2の増加に伴う影響の緩和策、適応策というものを両方、車の両輪として対策を練っていくことが重要であるということ。それから二つ目のポツで、例えば河川で申しますと、川の中の対応だけじゃなくて川の外、土地利用を含めた減災対策を進めていくことが大事だというものがIPCCの報告書にも書かれておるところでございます。
 それから二ページ目でございますが、これから百年先どうなるんだということでございます。左のグラフが平均気温、最悪のシナリオでいきますと百年先には気温が四度C上昇してしまうだろうということでございますし、右のグラフが海面の上昇でございまして、最悪のシナリオでは六十センチ、五十九センチとありますが、上がってしまうということがうたわれてございます。
 それから二つ目の大きな項目、三ページ目でございます。海面の上昇というのが我が国ではどのような状態なんだということでございます。上の二つ、上下二つの升がありますが、上の升の上のグラフは、これはちょっと地中海で、我が国ではないんですが、ベニスでセントマークススクエアが冠水する頻度が百年前は十回程度だったけれども、最近では百回にも及ぶというような頻度が高まっているというような状況でございます。
 我が国の瀬戸内海の宮島の厳島神社の回廊の冠水頻度でございますが、百年前は一回かそこらだったのが最近では二十二回も冠水しているというような記録がなされてございます。
 それから、下でございます。海面が仮に六十センチ、今の状態から六十センチ上がった場合に、三大都市圏のゼロメーター地帯が、面積あるいはそこに住む人の人口がどのくらい増えるんだというデータでございます。面積あるいは人口いずれも一・五倍になるということでございます。人口が今四百万ほどおるんですが、六百万人になるということでございます。
 それから、四ページでございますが、じゃ海面の上昇とその海岸の侵食、特に砂浜でございますが、どういう関係にあるんだというものを示したものでございまして、一言で言いますと、海面が一メーター上がると海浜が水平方向に百メーターなくなっちゃうということでございます。海面十センチ当たり十メーターという、何といいますか、単位みたいなのを覚えていただければというふうに思います。
 ちょっと右側の図は日本ではないんでございますが、マーシャル諸島の現状をお示ししているものでございます。
 それから次、五ページ目でございますが、豪雨でございます。豪雨あるいは渇水、降雨の状況でございます。
 まず、左上のグラフでございますが、夏季、六月から八月、これ日本のグラフでございますが、データでございますが、六月から八月の三か月に一日の降水量百ミリ以上の日数ですね。百年前はここに書いてあります一日か二日、二回でございましたが、将来、百年後には最大十日、十回も起こるであろうというデータでございます。これはすべてシミュレーション結果でございます。
 それから、左の下の升でございますが、これも夏の三か月分でございますが、一日、日降水量、三か月分の日降水量の変動を示したものでございますが、青色のゾーンと黄色のゾーンで大分上がってきたということが分かるんではないかというふうに思います。
 それから、右上が台風でございまして、レベルを一から五まで分けていますが、一番下のカテゴリーの四、五とございますが、このピンク色のやつが左下から右上に上がっておりますが、凶暴化しているというデータでございまして、過去三十年間で強い熱帯低気圧の占める割合が増えているということでございます。今後も、最後のポツでございますが、更に強まるであろうというふうな予測がされております。
 それから、一番下の升の右側でございますが、積雪の減少、三つ目のポツでございますが、日本の場合、積雪がなくなりますと天然のダムがなくなるということでございまして、水資源の確保という視点からかなり重要な問題であるというふうに認識しております。
 それから、六ページ目でございますが、具体的に我が国の大きな川の現在の洪水に対する計画の安全度規模を示したものでございます。例えば、利根川でございますが、二百年に一遍起こるであろう大きな洪水に対して堤防、ダム等で被害が出ないようにしようという計画を有しているわけでございますが、これから百年後、雨が増えますと、その評価が百年に一遍とか五十年に一遍の規模にまで低下してしまうと。仮に、五十年に一遍の洪水になってしまうと、現在、県の知事が管理しております中小河川の計画規模が大体五十年に一遍とか七十年に一遍でございますから、大河川、日本の重要な大河川が今県知事が管理している河川の計画規模にまで評価が低下してしまうということがこの表で分かるんではないかというふうに思います。
 次が、雨が少ないところで、水資源の問題、七ページでございます。先ほど、議長のお話で、日本の場合、年間降水量が増加するであろうとありましたが、ちょっとその辺は私どもの理解と異なっていまして、非常にぶれが、年間降水量のぶれ、変動幅といいますか、ばらつきといいますか、それが拡大しております。降るときは降るし、降らないときは降らないと。で、ここの問題は、降らないとき、降らない年はどうするんだという問題でございまして、右下の棒グラフでございますが、現在十年に一遍の渇水でも安定的に水が確保できるように計画がなされておりますが、これでは、今の例えばダムで毎秒八十八立方メートルの水資源が開発できると思っておるんですが、百年後に雨が減ってきますと、八十八立方メートルの開発できると思っていたやつが五十二トンとか二十六トンになってしまうということでございます。最近の最大の渇水の平成六年の雨で計算しますと、幾ら大きなダムを造っても二十六トンしか開発できなくなっちゃうということでございます。効率が非常に悪くなるということでございます。そういう状態が水資源の分野で創出するということでございます。
 それから、八ページがそういった気候変動に対して我が国がどのような対応を図るんだということでございますが、現在、専門家の方々に議論していただいています小委員会を開いておりまして、今月じゅうには中間まとめを出す予定でございます。その方向性につきまして九ページ、十ページで重立ったものを御紹介申し上げます。
 九ページでございますが、CO2削減の緩和策と併せて温暖化への適応策、対応策というのは大事だということでございまして、まず豪雨、海面の上昇でございますが、まず犠牲者ゼロにするということ、あるいは東京のように、東京都心三区というような中枢機能、これを是が非でも守るというようなことが言えるんではないかということでございます。水資源につきましては、生態系などに配慮しながら水供給の能力を増加していくという必要があるんではないかということでございます。
 一つ、十ページでございますが、首都を、特に都心三区あるいは首都圏の中枢部をどうやって守るんだということでございますが、取りあえず首都圏に関係します大河川、利根川、荒川が大洪水を、計画規模を超えるような洪水が来て破堤したときに、どこの箇所で破堤したらどのぐらいの被害が生ずるんだというものを事前にシミュレーションしておく必要があるんではないかというふうに思っています。ここには、右肩上は利根川の左岸の栗橋のトイメン辺りでございますが、上流でございますが、そこで切れた場合は、渡良瀬川のところで止まるということでございます。それから、真ん中の図でございますが、右岸の方が切れた場合には首都圏まで洪水が来ると。こういったことを事前に分かっていて、いざというときにどう対応するんだということが求められるんだと思います。
 それから、次の十一ページでございますが、大都市圏はそのような対応でいいんですが、地方の都市をどうするんだと、地域をどうするんだということでございますが、先ほど申し上げましたように、川だけの対応では計画を超えるような洪水に対してはもうお手上げでございまして、川の外、我々が住んでいる方の土地利用の住まい方あるいは建築物、住宅の構造の対応でもって災害を小さくしていくということが絶対必要であるということでございます。現在でも、下の升でございますが、建築基準法によりまして市町村長さんが災害の危険区域というものを条例で指定することができて、あるんですが、なかなか災害が起きないとこの条例を適用されないというようなことがございますが、これを順次浸透させていくことが我々の課題であるというふうに思っています。そのようないろんな策をこれから考えていかなきゃいけないということでございます。
   〔会長退席、理事広中和歌子君着席〕
 最後のページでございますが、海外の先進国ではどんな事例があるんだということでございまして、二つほど紹介していますが、右でございますが、オランダでございます。国土の四分の一がゼロメーターということでございまして、非常に関心が高うございまして、現在のこの施設、見えている施設でございますが、既に、将来五十年先の水面上昇、海面上昇を加味して施設が設計され、施工されております。左のイギリスでございますが、イギリスはそういう認識の下に、まだ施設はできておりませんが、現在、将来の海面の上昇も含めて計画を策定しているというような状況でございます。
 以上でございます。
#9
○理事(広中和歌子君) ありがとうございました。
 次に、農林水産省から報告を聴取いたします。吉田大臣官房技術総括審議官、お願いします。
#10
○政府参考人(吉田岳志君) 農林水産省の技術総括審議官の吉田でございます。
 座って説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 お手元にございます、横長の地球温暖化による農業への影響とその対応についてという資料に基づきまして説明をさせていただきます。
 一ページをお開けいただきたいと思います。
 農業は気象条件に大きく左右される産業でございます。特に、近年の異常気象が輸入先国の農業生産に大きく影響しておるということでございます。そこに例を挙げておりますが、例えばオーストラリア、二〇〇六年、百年に一度の記録的な干ばつが発生をいたしまして、小麦、大麦が前年から六割減産ということでございます。ちなみに、我が国のうどん用の原料の外麦はすべてこのオーストラリアに頼っているような状況でございます。また、アメリカは二〇〇五年に過去最大級のハリケーンが襲ったということも記憶に新しいところでございます。
 続きまして、二ページをお願いいたします。
 我が国の食料自給率、御存じのように平成十八年度三九%となっておりまして、国内の食料の六割を輸入に頼っているような状況でございます。また、その中で小麦で見ますと、アメリカ、カナダ、オーストラリアの三か国で輸入量のほぼ全体を占めております。トウモロコシにつきましては、ほとんどが米国から輸入されるということで、特定の国に輸入先が集中をしておるというような状況でございまして、このような状況でございますので、地球温暖化などによります異常気象被害が発生いたしますと、日本の食卓に大きな影響を与えるというような実態になっておるということでございます。
 三ページ、お願いいたします。
 世界の食料需給を決める要因でございます。
 言うまでもございませんが、食料の需要は、人口の増加ですとか所得向上に伴います畜産物の需要の増加、そしてここに、近年では中国などの急激な経済発展、そしてさらにバイオ燃料の増加などといったものが需要の増加の要因になってございます。
 片一方、供給につきましては、収穫面積の動向ですとか単収の増加、これはもう古くからの要因でございますが、これに加えまして、近年では異常気象の頻発あるいは砂漠化の進行といったものが要因となってございます。
 四ページ、お願いいたします。
 近年、穀物の在庫率が減少いたしまして国際価格が上昇傾向にございます。特に、オーストラリアの干ばつを契機にいたしまして小麦の価格が大幅に上昇しております。また、バイオ燃料向けトウモロコシ需要の増大などから大豆の作付けが減少いたしまして大豆価格も上昇をしておるところでございます。
 五ページでございます。
 地球温暖化の進行によります我が国の農業に与える影響のこれはシミュレーションでございます。影響予測に係る研究でございまして、百年で四ないし五度C程度の上昇というシナリオの下で、二〇六〇年代には全国平均で約三度C気温が上昇すると、こういう想定をいたしました。
 その場合に、これは気温と日射量の影響だけを加味してございますが、水稲につきましては、潜在的な収量が北海道では一三%増加しますが、一方で、北海道以外では八ないし一五%減少するという予測が出ております。果樹につきましても、リンゴの栽培適地が北上いたしまして新たな地域が栽培可能になる一方で、現在の主要な産地が気候的に不利になるという可能性があるということでございます。
 六ページでございます。
 既に確認されています高温による被害発生例をお示しをいたしました。
 水稲につきましては、登熟期の高温障害によりまして、米粒が乳白化をしたりあるいは細くなるという、いわゆる白未熟粒と言っておりますが、こういったものが多発をしていまして、特に九州地方でこれが深刻になってございます。
 果樹につきましてはミカンを例に挙げておりますが、日焼け果あるいは浮き皮症といった症状、ブドウで着色障害、こういったものが発生をいたします。
 七ページでございます。
 こういった状況の下で、農林水産省におきましては、本年六月に農林水産省の地球温暖化対策総合戦略というものを策定をいたしました。
 これに基づきまして、一つは京都議定書の六%削減約束の達成に貢献するための森林吸収源対策、バイオマスの利活用や施設園芸、農業機械などの省エネルギー対策といった地球温暖化防止策、また、今後避けることができない地球温暖化の農林水産業への影響に対応するための品種の開発ですとか栽培体系の見直しなどの地球温暖化適応策、さらに、違法伐採対策などの持続可能な森林経営の推進ですとか、我が国の人材、技術を活用した国際協力、こういったことを進めることとしておるところでございます。
 八ページ以降では、今申し上げました総合戦略に基づいて実施しております幾つかを御紹介をしたいと思います。
 八ページは国産バイオ燃料の導入の関係でございます。
 バイオ燃料の生産、利用、これは地球温暖化防止という観点もございますが、農業サイドから見ますと、地域の活性化ですとかあるいは雇用につながると、それから農林水産業の新たな領域を開拓するものであるというふうに今位置付けをしておるところでございまして、九ページをお願いしたいと思いますが、本年二月には、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大に向けた工程表を関係省庁と一緒になって取りまとめて総理に報告をしたところでございます。
 ちょっと左下の方に、小さい字で恐縮でございますが、農林水産省では本年から北海道二地区と新潟県におきましてバイオエタノールの本格的な導入に向けた大規模実証事業を開始をしてございます。これらの三地区で合計三万一千キロリッターを生産する予定にしてございます。
 これらの事業は、原料調達からバイオ燃料の製造、販売まで一貫した取組に対して支援を行う初の取組でございまして、農林水産業界だけでなく、経済産業省所管業界とも連携をして推進をすることとしてございます。
 また、食料自給率が三九%と低い我が国におきましては、中長期的には食料供給と競合しない稲わら、間伐材などのセルロース系原料を活用いたしまして国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を図ることが重要であるというふうに考えておるところでございます。
 続きまして、十ページをお願いいたします。食品産業の自主行動計画でございます。
 食品産業の自主行動計画、現在、製粉協会、日本パン工業会等々十八団体が計画を策定をしておりますが、さらに食品産業では、日本フードサービス協会で今、数値目標の設定、それから精糖工業会あるいは日本即席食品工業協会といった既に数値目標を達成したところでは目標の引上げを検討しておるところでございます。
 続きまして、十番、十一ページでございます。施設園芸、農業機械の省エネルギー対策、環境保全型農業の推進による施肥量の適正化、低減ということでございます。
 農業分野では、施設園芸、農業機械におきます燃料消費量が大きいということを踏まえまして、省エネルギー対策を推進いたしますとともに、農地から発生するメタン、一酸化二窒素、こういったものの排出削減を図るため、水田におきます有機物管理ですとか施肥量の適正化、低減を推進をしているところでございます。
 次のページ、漁船の省エネルギー対策でございます。
 漁船の省エネルギー対策につきましては、新しい技術を導入しつつ、老朽化した漁船の更新を促進をしようということとしてございます。また、サンマ漁などの集魚灯につきまして、燃料消費量が大きいことから発光ダイオードの使用を推進をしようということとしているところでございます。
 次のページ、地球温暖化適応策に関する技術開発でございますが、現在発生しております農作物の被害状況などを踏まえまして、当面の地球温暖化適応策の生産現場への普及及び指導、これはマニュアルを作って普及を図っておりますが、それと併せまして、暑さに強い品種ですとか気象被害に対応した栽培管理技術の開発を行っておるところでございまして、例を挙げてございますが、水稲品種では高温に強い「にこまる」という品種を生産現場へ導入をしているところでございます。
 また、ブドウにつきましては、そこの環状剥皮処理という、右上の方に処理が出ておりますが、表面の皮をはぐことによって着色不良を改善をするというような技術がございますが、こういった技術の現場への導入を図っているところでございます。
 最後のページは、これに係る予算案でございまして、参考までにお付けをしてございます。
 以上でございます。
#11
○理事(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 次に、参考人から御意見をお伺いいたします。
 それでは、林参考人から御意見をお述べいただきます。林参考人、どうぞよろしく。
#12
○参考人(林敬一君) よろしくお願いいたします。慣れないもので、ミスがありましたらひとつ御勘弁ください。
 今回急にお呼ばれした形であったんで、一応、いろいろな関係のところから聞き取りしてまいりました内容を御発表させていただきます。
 高水温によりプランクトンの発生が少なく海の生産力が低下したと思われるものとして、レジュメの方をお渡ししていると思うんですが、プランクトンを食するセグロイワシの来遊が激減しているんではないか。カツオの来遊の早期化と群れの分散化、えさ不足とこれは思われております、漁期間が近年より短期化しています。あと、スルメイカの成長の遅れと漁期の遅れ。ヒイカ、ヤリイカですね、大幅な成長の遅れ。あと、全般的な魚の小型化と成長の遅れ現象というふうになっていますけれども、これについては数値化している部分はございません。出ているデータもございませんが、近年のぶれとして感じている部分でもありますが、一番身近なところでいいますと、漁師さんが海に魚を取りに行って、毎年この時期にはこの魚が取れるというふうに大体周期的に決まっているものですけれども、最近はだれに聞いても分かりませんと、いつ、どの魚がどういうふうに来るか分かりませんというのが実情になっています。
 あと、高水温によるものと思われるものとして、南方系のサワラの大幅な来遊増加と。私、石巻の方ですけれども、今まではサワラはそんなに、年に数えるぐらいしか来ていないんですが、ここのところ大量に来ております。シビですね、ホンマグロの幼魚の沿岸来遊の増加と漁期の方が長くなってきています。あと、北方系のアキシャケの来遊量の減少と北方系の秋サンマの来遊量の減少と北海道周辺の滞留の長期化。簡単に言うと、北海道の沖から普通三陸沖にサンマは下りてくるんですが、下りてきません、全然。あと、小型カマスの来遊増加。
 所感としてですが、数年来ゆっくりと変化してきた魚介類の漁獲の変化ですが、ここに来て漁獲物の変化が大きく、しかも急激に変わってきている感じがあります。養殖では、盆辺りの水温では生息できない当地のギンジャケが、養殖池によっては今年七月の盆の水温を初めて超えてしまいまして、へい死する事態も発生しています。
 また、三陸沖のカキの完熟が、通常は三月から五月にかけて完熟するんですが、雪が少なく、栄養分やプランクトンの減少が原因と言われていますけれども、場所によっては四月になってもまだ成長が十分になっていないとか、海藻が少なくなって海枯れとか砂漠化とかというふうにも言われている部分もございます。学者さんの説では、水温が一度C変わると魚は体感が五度C変化するんだとも言われておりますけれども。
 水産物の自給としては、一九八四年は一千二百万トン漁獲されていました、二〇〇五年では非食用、食用ともに五百十一万トン、食用では四百四十五万トンとなっており、八四年当時から見ますと四二%まで激減しています。食用のうち、シャケを始めスルメイカ、サバ、サンマ、マダラ、スケソウダラなど、推定ですが数十万トン、これは数字は私どもの方ではちょっとつかまえられないんですけれども、原魚のまま輸出されております。
 加えて、温暖化と思われる内容によって魚介類の変化や減少、あと海外の健康志向ですね、魚食の普及と、外貨獲得という問題もあるんでしょうけれども、食料資源確保での漁獲規制も相まって、日本が買い負けていますという、海外から。水産業全体の問題だけではなくて、再生産可能で安全な国民への動物性たんぱくの供給という部分で、食料戦略上でも考えていただきたいと思ってもおります。
 海外での温暖化や海洋資源問題はますます響いてくるものと感じておりますし、日本人の魚食普及という部分ですか、うたっても、動物性たんぱくの四〇%を占めている魚のたんぱくの部分ですが、これが食卓からいつ消えてもおかしくないんではないかと現場の方では何となく感じているという部分がございます。
 それと、あとインフラ面でございますけれども、当地石巻は親潮、黒潮ですか、ちょうど合わさる部分で、環境的にはいいんでございますが、南方、北方、両方に対応した漁港になっていますので今のところ何とかなっておりますが、これがどんどん水温が上がって魚の漁獲の状況が変わってきますと、受皿としての港の機能も十分に発揮できなくなってくるんではないかという部分もおそれは感じてはおります。
 大体こんなところでございます。
#13
○理事(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 次に、末吉参考人から御意見をお述べいただきたいと思います。末吉参考人、よろしくお願いします。
#14
○参考人(末吉竹二郎君) 今日はどうもこの調査会にお招きいただきましてありがとうございました。
 私は、この数年来、環境問題につきまして金融という窓口から見ております。特に海外の金融機関を中心に、金融の世界が地球温暖化を中心とする世界的な環境問題にどう取り組んでいるのか、それを直接、間接、見てまいりましたので、今日はその全体的な動きについて御報告をさせていただきます。
 元々、金融機関はあるいは金融業界は環境に余り関心がありませんでした。というのは、実は我々は何も悪いことをしていないんだという自覚が非常に強かったわけであります。外部もそういうような見方をしておりました。ところが、これは実は大間違いであります。金融こそ環境に大きく取り組むべきであると。そういったことで、世界の流れが今非常に変わり始めております。
 更に申し上げれば、この地球温暖化問題は、百年後に真夏日が何日来るとかという話では受け止めておりません。今そこにあるリスクなんだというのが金融機関の受け止め方であります。様々な分野で動きが起きておりますけれども、今それがメーンストリームの中に入ってき始めているということが大きな変化でありまして、これは恐らく、これからお金のパワーで社会を、経済を、国の在り方を変えていくということでは非常に大きな働きをするのではないかと期待しております。
 まず初めに、国連環境計画の金融イニシアティブでありますけれども、これが始まったのは一九九二年であります。そのきっかけは、あのリオ・サミットであります。国連環境計画が始まりましたのが一九七二年でありますけれども、九二年までの二十年間に地球規模の環境問題に取り組んできたのは、プライベートセクターからは産業界の人たちだけであったと。つまり、工場で環境を破壊している、悪いことをしているという自覚のある人が参画をしていた。ところが金融機関は、自分たちはきれいな仕事をしているんだというようなことで参画していなかったわけです。でも、社会の、世界のお金の流れに関与する金融機関が、金融がこの問題に取り組まなければこの問題は解決できないんだと、金融こそ取り組むべきであるという国連サイドの呼び掛けに応じて始まったのがこの金融イニシアティブであります。
 今現在、百八十ほどの世界的な金融機関、日本からは十九の金融機関が入っておりますけれども、この金融機関と国連環境計画がパートナーシップを組んで、環境に役に立つ金融はどうあるべきか、何をすべきか、何をするのが期待されているのかということを議論をし、研究をし、そのベストプラクティスを探し出して、それをみんなでシェアしていこうというのがこの金融イニシアティブのミッションであります。
 その金融イニシアティブが、この気候変動問題ですね、温暖化というよりは気候変動問題について意見を最初に出しましたのがもう二〇〇二年であります。この時点にUNEP・FIの気候変動ワーキンググループが出しましたオピニオンペーパーが次のようなことを言いました。気候変動、気候リスクは、今や世界経済の波乱要因になったんだと。だから、金融機関は早くこれに対応すべきである。さもなければ、中には、金融機関の中に業務が非常に難しくなる、あるいは倒産するところも出るだろうというようなウオーニングまで出しました。現実には、御存じのとおり、アメリカのハリケーンの被害を受けて幾つかの金融機関、なかんずく保険会社ですね、これが倒産しているのはよく御存じのとおりだと思います。
 そういったような動きがもう長く始まっておりますけれども、一番の着眼点は、まず金融機関にとってリスクである、そのリスクに対して金融がどう対応すべきなのか、そのリスクの軽減とリスクを解決するためのソリューションを金融機関として何ができるかというのが基本的な問題意識であります。
 それから、レジュメに沿って申し上げますと、二番目に責任投資原則と書いてありますけれども、今投資の世界、株式を買う投資の世界に新しい風が吹き始めました。その新しい風を一言で申し上げますと責任投資ということであります。
 責任投資とは何かと申し上げますと、もうかるから株を買うんだというのが今まででありました。でも、もうかるからだけで株を買っていいんでしょうか。もっともっと大事なものがあるんじゃないか。例えば環境問題であります。あるいは企業の社会的責任であります。あるいは企業のガバナンスであります。あるいは世界の視点から見ると、人権問題であります。つまり、お金では換算できない、お金では計れない、けれども非常に重要な価値を持ったものも投資判断に組み込むべきじゃないかという、これが責任投資の概念でありますけれども、今そのことを広めようという運動が非常に進んでおります。
 その代表例が責任投資原則でありますが、これは去年の四月に始まりました。わずか六つの原則であります。一つだけ申し上げますと、これからお金を投資するときに、お金だけじゃない、環境も社会的責任もガバナンスも人権も考慮した上で投資判断をしていきますよ、そういう原則を打ち立ててみんなで守っていこうじゃないかという運動であります。
 これは去年始まりましたときに、わずか六十五機関、彼らの大きさを運用資産の大きさで表しますと二兆ドルでありました。今これが、今朝調べてまいりました、二百六十二の機関が入っております。日本から十一機関入っておりますけれども、彼らの持っております運用資産の総額が十兆ドルを超えました。非常に大きな金額であります。
 これからこの責任投資原則あるいは責任投資の概念が、原則が投資の世界のバイブルになっていくと、そういう具合に私は期待しております。
 それから、サステーナブル・エネルギー金融イニシアティブであります。もう少しスペシフィックに申し上げますと、金融が地球温暖化問題の中で何ができるかということの一つの分野がサステーナブルエナジーの開発、推進の支援であります。サステーナブルエナジーはリニューアブルエナジーとも呼ばれますし、自然エネルギーと呼んでもいいと思いますけれども、この推進のために金融が何ができるかというのでファイナンスイニシアティブという組織がつくられました。
 今私はその日本の立ち上げを準備しておりますけれども、例えばSEFIが調査しました結果で一つだけ数字を申し上げます。世界でサステーナブルエナジーの開発、推進のためにどれだけお金が新規に投資されたかという数字であります。これ、昨年一年間で七百九億ドルという数字が出ております、七百億ドル。百二十円で換算しますと八兆円を超えます。一年前が四百九十六億ドル、二〇〇四年が二百七十五億ドルであります。今、急速な勢いで新しいお金がこの分野に新規投資として入っております。昨年はこれにMアンドA、企業の合併と吸収等も入れますと、何と千億ドルを超えるお金が動いております。これが今世界の現実であります。新しいお金の流れが始まったということであります。
 それから四番目が、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトでありますけど、これは何かといいますと、投資をする立場から見ますと企業が、投資対象企業が温暖化問題なかんずくCO2の管理にどれだけ取り組んでいるのかが極めて重要な投資判断になってきたという認識を強く持ったわけであります。しかしながら、金融機関がそれだけそういう意識を持っても、企業サイドがCO2に関連する情報を出してくれません、くれなかったのであります。
 じゃ、どうしたら情報が出るのかということで、世界の金融機関が集まって連名で質問状を世界の企業に送って、その回答の状況を世間に公表しようというプロジェクトを始めました。これが今年で五回目を迎えました。実は、昨日の午後、日本におきますCDPジャパンの今年の調査結果の発表をいたしました。世界では二千四百の企業に質問状を送って回答をいただいております。その回答率が、最初のときは四七%でありましたけど、今年は七七%に高まっております。
 こういったことで、金融機関と企業がCO2をテーマに対話が始まったということであります、投資をするしないという手段を使いながら。そういう現象も始まっております。
 それから、気候変動インデックス、ちょっと分かりにくい言葉でありますけれども、今投資をするときに、何を基準に投資先を選んだらいいのか、様々な情報がありますけれども、一つは、様々な機関が、こういうグループに投資するとよく株価が上がりますよというようなグループ分けをして、それを指数化して出すんですね。一年前は一〇〇でしたと、今年は一一〇になります、来年は一二〇になります、とすると、買うと一〇もうかるという話であります。その指数の中に気候変動が新しい指数として入ってきます。今まではSRIと称しまして一般的な環境であります、土壌汚染等の一般的な環境問題、それから企業の社会的責任といった問題にとどまっておりました。ところが、ここへ来まして、気候変動に対する対応をどう取っているのかを中心に指数をつくろうという話であります。このことを逆に申し上げますと、CO2管理を含め気候変動に対応を取っていない企業への投資がネガティブになっていくという世界がこれから生まれてくるのであります。こういった意味で、投資の世界にインフラとしてインデックスを持ち込んで多くの人がそのインデックスを見て投資先企業を選んでいこうと、そういうことが始まっているのであります。
 それから、欧米の銀行の取組でありますけれども、基本的なことを申し上げますと、従来はお金もうけのために融資をすればよかったという世界に、先ほどの責任投資と同じであります、環境破壊はもうやめようじゃないか、環境破壊につながる融資は許さないといったような流れが出てきております。
 もちろんその中には、CO2問題をどうするのか、銀行自身がCO2の排出量を減らす、中立化を図ると同時に、銀行のお客さんにも金融を通じて、金融サービスを通じてCO2を減らすことを求めていくと、そういったような動きが出ておりますし、環境破壊につながる大きなプロジェクトファイナンスはもうしませんと、そういう拒否の宣言をする動きも出てきております。これは市民社会のプレッシャーを受けて金融機関が大きくかじを切り替え始めたということであります。
 それから、最近、地球温暖化問題、なかんずく気候変動をテーマに金融投資がどうあるべきかについて世界の大手金融機関が盛んにレポートを出し始めました。自分たちはこう考えるんだと、こういうところに投資することがいいことなんだと、それが実はもうかりますよという話であります。
 こういう温暖化に関する金融機関のレポートの共通テーマは、まず一つは、空気はもうただじゃないんだということであります。先ほどもパチャウリさんのお話の中に、カーボンプライスをどうするのか、カーボンプライスシグナルをどう見ていくのかということであります。明らかにもう世界はCO2がコストになる、プライスになる、だからそれを経済のプライシングメカニズムにどう組み込んでいくのかという動きが始まったのであります。これは非常に大きな重要な変化でありまして、このことが温暖化対応を非常に、お金を集める上で非常に進んでいくと思います。もちろん経済にも非常に大きい影響が出ます。
 それからもう一つ重要なのは、金融は先を読みます。今行われていることでは基本的に判断をしません。一年後、二年後、五年後、十年後どうなるんだろうかという先を読みます。明らかに今我々金融が読んでいる先は、規制が入り、CO2がプライスになり、様々な意味でCO2を出すことは悪いことだ、CO2を減らすのはいいことだという新しい価値判断が入る、その中で社会のプレーヤーがそれに向かって動き始める、その変化を読んで投資をどこにしようかの判断をし始めているのであります。ある意味では金融にとってリスク管理の中に、非常に中心部にこの問題が入り込んだということであります。
 それから、もちろん日本の金融機関もこの問題に関心を示しておりまして、十年前とは言わず、五年前に比べますと非常に大きな関心を払うようになりました。
 ただ、残念ながら、あえて申し上げますと、日本の金融機関の対応は、何かいいことをしているところに金利を安くしますよといったような個別商品を出すということであります。でも本来的には、金融機関がこの問題に自分たちがどういう理解をし、判断をし、だから自分たちの持っている金融インフラをどう使ってやるんだといったような根本的な対応が私非常に重要だと思っております。個別商品ではなくて、金融そのものの在り方の根本的な見直しであります。
 それから、最後になりますけれども、これは私の全く個人的な観察でありますけれども、世界の流れが大きく変わり始めていると思います。科学者の手を離れて既に政策決定者、ここにおられる皆様方もその重要なメンバーでいらっしゃいますけれども、政策決定者の方に移ったと。これはもう世界の大きな流れでありますけれども、今そのことが、さらに経済や金融、お金の世界に非常に大きな比重を持って移り始めたということであります。さらに、そのことは間違いなく国の財政の在り方にも非常に大きな影響を与えます。CO2管理のコストがGDPの何%、何%ということが語られるということを一言で申し上げればそういうようなことでありますし、社会の非常に重要なインフラであります金融インフラをどう活用してこの非常に難しい地球温暖化問題あるいは世界的な課題の解決に取り組むのかと、これが世界の新しい流れではないかと思っております。日本自身の国の競争力を強める上でも、是非、この日本の持つ金融のパワーをもっともっとビジョンの下に活用していくということが今求められているのではないでしょうか。
 どうもありがとうございました。
#15
○理事(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 温暖化についての危機感を私ども今共有し、政治としてどう対応するかといった問題意識が高まったのではないかと思います。
 これより質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行いますので、質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願い申し上げます。
 なお、質疑の時間が限られておりますので、委員の一回の発言は三分程度となるよう御協力をお願いしたいと思います。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いします。
#16
○野村哲郎君 自由民主党の野村でございます。
 まず、役所の先ほどの説明でちょっと農水省の方に御質問を申し上げたいと思います。
 先ほどのIPCCの報告書、大変私どもびっくりして見させていただきました。そこで、国交省の方では審議会をつくって今後の対応策を検討するというお話がさっき局長の方からあったわけでありますが、要は、私どもも緩和策に大変、今京都議定書の目標計画の達成に向けてそちらの方の議論は進んでいると思うんですけれども、この対応策、いずれにしましても、このままで行ってもやっぱり気温は上昇していくわけで、じゃ、その対応策をどうするかというところがあると思うんですね。
   〔理事広中和歌子君退席、会長着席〕
 だから、今、先ほどのオランダだとかイギリスだとか、この国交分野での先進的な国の事例も見せていただいたわけですが、特にやっぱり心配していきますのは、これももちろん大変重要な施策でありますけれども、やっぱり食料問題というのが大きなテーマになってくると思うんですね。
 先ほども見せてもらいましたけれども、リンゴの産地がどんどん変わっていく、あるいはリンゴだけじゃなくて、ほかの米にしてもそうだし、ほかの作目にしても私は産地がやっぱり変わっていくと思うんですよ。場合によっては、私、鹿児島ですけれども、今は大島とか沖縄でサトウキビを作っていますが、場合によっては本土でサトウキビがどんどん作られるようなことになっていくのかなと思ったりしまして、要は産地が動いていってしまう。じゃ、そのときに全体的な食料の自給率という視点から見てどういう対応策を今後考えていくのか。
 それは、一つは農水の方でも整理されているように、新しいやっぱり品種の開発、あるいはこれは技術あるいは育苗、それから収穫、これの時期のずらし方、いろんなことがシミュレーションしていけば出てくると思うんですけれども、そういう対応策をきっちりやっぱりやっておかないと、これは日本のこの国土の中で本当に食料が賄えるのか、あるいは日本人に飢餓が出ないのかどうか、やっぱりそこがちょっと心配になってきます。そのところをちょっと審議官にお尋ねをしたいと思います。どの辺まで進んでいるのか。
 それから参考人、本当に今日はありがとうございました。大変貴重な御意見を聞かしていただきました。
 末吉さんは私と同じ同郷のよしみでございますので一つだけ御質問させていただきますが、最後にお話がありました、日本の銀行の取組の状況、個別商品、金利を下げるよという、まだ本当にそういう個別商品的なところにしか対応してないと、やはり全体的なあれを持ってやっていかなきゃいけないんじゃないかという、そういうお話でしたけれども、日本の金融機関のやっぱり特性というのはいろいろあると思うんですね。
 ですから、これはもう、そのときにおきまして日本の金融機関の特性を踏まえて、じゃどういう取組が今後日本の中で考えられていくのか。あくまでもCO2を削減していく、京都議定書に向かって今企業なりあるいは一般家庭についてもやっているわけでありますけれども、そこに金融機関がどういったような後押しをするような商品なりあるいはそういう仕組みなりができていくのか、そこについて御参考までにお聞かせいただければ有り難いと思います。
 済みません、ちょっと長くなりました。
#17
○政府参考人(吉田岳志君) 地球温暖化の進行に伴う適応策、特に農業分野での適応策についてのお尋ねでございます。
 先ほどの説明にもございましたけれども、まず一つは、今ある技術で今起きている現象に対してどのように対応していくか。
 例えば先ほど申し上げました、米でいきますと白未熟粒が出てくるだとか、あるいは果樹でいきますと着色障害が出てくると、それに対してどのような対応をするかというのは、品目別に適応レポートという形で各県にお示しして、今現場の方にもお示ししておるところでございます。これは、今ある技術で何とか対応する方法でございます。
 それでもまだ更に温暖化が進んでいった場合にどう対応するかということで、一つは、これも申し上げましたが、一つは品種開発でございます。これまで出てきておる成果としましては、先ほども紹介しました稲の「にこまる」というようなもの、あるいは麦でいきますとイワイノダイチといった、これは暖冬であっても麦の伸びが余り早くなり過ぎないで霜の害を受けないといったようなもの、あるいは高温条件下でも安定をして実を付けることのできるナスですとか、そういったものの技術は成果は出てきておるわけでございまして、これを普及をしていきたいというふうに思っております。
 さらに、今後に向けては、より高温に強い品種の開発と、そしてあとは地球温暖化防止策の進展と絡みながら、産地の移動というものもいつの時点でどうしても判断せざるを得ないのかどうか、その辺については更に慎重に検討していかざるを得ないんではないかなというふうに考えております。
#18
○参考人(末吉竹二郎君) お答えします。
 どうも御質問ありがとうございます。
 私は、日本の金融機関が二つの視点をまず持っていただきたいと思っております。
 一つは、世界の視点であります。この温暖化問題は申すまでもありません。地球社会は今非常に大きな問題を抱えております。貧困問題もそうでありますし、それから安全な水も問題でもあります。それから、グローバリゼーションの負の遺産をどう解決していくのか、こういったことも非常に大きな問題であります。
 それで、日本の経済は、私から申し上げるまでもなく、多くのものを世界に依存しております。ですから、世界の経済がうまくいかないと日本の経済がうまくいくはずはないと私は思っております、先ほどの食料自給率の問題もそうでありますけれども。としますと、世界の経済が健康であって初めて日本の経済が健康であり得るんだと思うんですね。これは今、こういった問題を議論する方々の中で、地球社会あるいは地域社会の健康、これは環境も含めてでありますけれども、を保たない限り、そこでいいビジネスはできないんだという発想に変わってきております。
 といったようなことを考えますと、世界のGDP第二位の国であります日本の金融機関として、その大きさもさることながら、その第二位の経済がいかに海外、世界に依存しているのか、海外との連携の中であるのかを十分認識した上で、そのGDP第二位の国の金融機関として何をすべきかを是非よくお考えいただきたいということであります。
 それから、例えば日本での貸出残高は、私の記憶が正しければ全銀協ベースで四百兆円ぐらいあります。としますと、この四百兆円のお金の使い方をもう一度考えてみる必要があるのではないでしょうか。
 それから、今度、日本の国内で申し上げますと、金融機関は非常に大きなパワーを持っております。どういう事業を起こしていくのか、あるいはどういう事業から手を引くのか、その判断を通じて大きな影響力を持っているわけですね。
 従来は、金融機関は国民あるいは社会から預金を集めて、それをどう使おうと自分たちの勝手だと、言わばそういうような状況でありました。ところが世界の流れは、市民社会から大きな要求、期待が多く出始めているのであります。金融機関のお金はもっとこういう具合に使われるべきなんだと、あるいはこういう使われ方は駄目なんだということであります。そういったような市民社会の要求ですね、新しい期待と言ってもいいかと思いますけれども、そういったことへの耳を傾けるという必要があると思います。
 ですから、これはもっと別な言い方をしますと、日本の社会の中にもう少し、金融のお金の流れがどこに行っているのかをもっともっと関心を持っていただきたい。その関心から出てくる要求に金融機関がどうこたえていくかということでもあります。
 あえて温暖化問題で申し上げれば、日本の企業は多くの技術を持っておられます、世界に冠たる省エネも含めまして。例えば、そういったものがより多くの海外で活用していただくために金融が何ができるのかですよね。金融のバックアップによって日本の持てる技術、あるいは、これお金そのものが出ていってもいいと思いますけれども、そういったことで、日本の持っているものを海外により多くの方にシェアしていただく、そのことが世界全体を良くするんだということを是非考えていただきたいと思います。
 それから、もう一つ最後に付け加えたいんですけれども、世界の金融の中で今大きな注目を集めておりますのが年金基金のお金の使われ方であります。年金基金は世界で物すごい大きなお金を動かしております。この日本の中でもそういう数字は皆さんよく御存じだと思いますけれども、一つだけ例を申し上げますと、世界の株式市場の時価総額は今約五十兆ドルあると言われております。その五十兆ドルの四分の一を持つのが年金基金じゃないかと言われております。
 つまり、今、年金資本主義とも呼ばれるくらい年金のお金が運用を対象として世界の株式に回っております。その株式の投資の在り方をもう一回見直そうじゃないかというのが私が先ほど申し上げました責任投資の見直しであります。
 ということを考えますと、日本におきましても巨額のお金が運用されております。これは、すべて年金加入者のために使われるべきお金だとしますと、先ほどの金融機関のお金の使われ方も含めて、こういった国民のお金が金融機関を通じてどこに流れていくのか、どういうところで使われるのかということについて、もっともっと日本の国内でも関心の目を向けるべきじゃないかと思っております。
 どうもありがとうございました。
#19
○荒井広幸君 途中、中座しますことをお許しいただいて、委員の皆様の二番目で質問をさせていただきます。
 参考人の皆様、ありがとうございました。
 末吉参考人にお尋ねをいたします。
 最後のところ、我々、郵政民営化ということで、末吉さんともあるところで御一緒させていただいて、討論させていただきましたが、正に官から民というだけで議論するからまだまだ不十分であって、今御指摘のような課題が残っているわけです。官から公という流れもありますし、民から公、例えばお金の流れもそういう形があるわけですね。
 そういう意味で、一つのインセンティブ、誘導策として私はあの郵貯、簡保、そして最大のもの、これは二番目ですが、年金資金ですね、おっしゃるとおり。ですから、郵貯、簡保だけ民営化しても、日本の年金資金は簡保を上回る額ですから、これは非常に民主党の皆さんも基礎年金全額税方式でやるといった場合にもここは非常に大きくぶつかるところなんですね。
 こういったことで、お尋ねの具体性なんですが、銀行の目利きというところがまだリスク管理であるというお話ですが、先ほどの議長の話でも、いわゆる炭素に価格を付けましょうと、適切に。その場合に有効だと私思いますのは、前回もこの場所でやらせていただいたんですが、企業側のいわゆる環境管理会計なんですね。これは、まだまだ資源を有効にもう使って、資源をゼロにまでして使ってもうけようというような、まあどちらかというとそういうことでございますが、それに付随して様々な意味で環境配慮をしていかなくちゃならないわけです。
 そこで、広い意味では環境会計と私は言っているんですが、こういったところを環境省を中心にやっているんですが、世界ではまだまだルール化されていません。ですから、今御努力いただいているように、金融機関に言われてもなかなか出てこないんですね、炭素だけと言っても。
 環境会計というもののルール化、概念化をしっかりとしますと、炭素が出てまいります。そういう企業には投資しないし、そしてつくられた価格というのはそれが転嫁されますから高いから買わないということになりまして、新たな価格体系、価値体系ができるわけです。
 こういうことをできるのは、やっぱり我が国なんですよ。議長が先ほど言っているように、成功例は日本だったと、第一次、第二次オイルショックでも日本は失業を生んだかと。そして、ガソリンを大切にして、そして経済成長したじゃないかと。我が国こそリーダーシップを発揮するべきだと、このように考えておりますが、企業における環境管理会計と、それから今のカーボンの価格を決める、こういったものと、日本の金融、投資ですね、先ほど投資手段というふうにおっしゃいましたけれども、いろいろな可能性があると思いますが、これをどのように日本として先駆けてやっていくべきか、こんなところで御感想がありましたら、お聞かせをいただきたいと思います。
#20
○参考人(末吉竹二郎君) どうも大変すばらしい御質問をありがとうございます。
 おっしゃいますとおり、環境は新しい分野であります。しかも、空気は今までただであったものに価格を付ける作業が今始まっております。としますと、一体何が正しい価格なんだという把握が非常に難しいわけですよね。
 ですから、今、世界でも炭素価格を会計処理上どうするのがいいのか。それは、資産として見る場合もそうでありますし、それから負債として見る場合もそうであります。ですから、そういった意味での非常に炭素価格に中心を置いた新しい会計原則の樹立というのは、いろんなところで問題化されておりまして、動きが出始めております。
 それから、もう少し広い世界で環境管理会計と申し上げますと、土壌汚染の将来の負債、ライアビリティーがどう出るのか、それを今の、今日の会計上どう表現したらいいのかといったような、こういう広い意味での環境管理会計も大きな課題だと思います。
 いずれにしましても、今までただ乗りをしてきました自然の価値であります、ナチュラルバリュー、自然の価値を人為的に貨幣価値化して、それを組み込んで経済の中で自然の保護をどうしようかというのが大きな目的でありますんで、是非このことは会計処理上も早く新しい制度ができてほしいと思っております。
 そこで、その場合に日本のできることと申し上げれば、まだまだこの流れは早い段階だと思います。ですから、早い段階であるがゆえに、早く世界にいろんな呼び掛けをしていただきたいのであります。世界がいろんなことを決めて、さあ、いよいよこれでいくぞとなったときに日本が出ていって、日本から見るとこれはおかしい、こうすべきだという議論をするのではなくて、早い段階から、できれば水面下のアヒルの水かきの段階からこの問題に早く、日本が意見を持っていればそれを出すべきだと思います。
 それから、最終的にはこれは世界で私一つの原則があった方がいいと思います。各国でばらばらになっても、これは今の財務会計も世界の会計の共通化という方向に進んでおります。ましてやCO2は世界の商品になります。世界のコモディティーになります。マーケットも恐らく一つになるはずであります。としますと、それを会計上表現する方法も世界共通のものができた方がいいのではないかと私は感じております。
 ありがとうございました。
#21
○加藤修一君 今日は、政府参考人それから末吉、林参考人、大変ありがとうございます。
 私は、末吉参考人にお聞きしたいわけでありますけれども、UNEP・FIの活動については以前から私も注目しておりまして、国会でも取り上げてまいりまして。地球温暖化対策に関する投融資というのは、短期的なものであってはいけないと。恐らくこれは短期的にとどまるものではないということでありますから、明らかに、先ほどの話がありましたように、長期的に温暖化対策が必要であることを考えてまいりますと、当然のことながら投融資についても長期的に進めていかなければいけない。ビジネス展開という意味では、末吉参考人が示されたことを考えてまいりますと、やはり経済産業の活動については一つの大きな柱にしていくことになるんではないかと。
 この意味では、国の環境と経済に関しての戦略性も極めて問われていると思います。国の経済的な沈没はもう避けなければ当然いけないわけでありますし、国際競争力の視点からもやはりしっかりとこれは考えていかなければいけない。そういった意味では、環境金融にかかわる戦略性が極めて強く求められている時代に入ったんでないかと思います。
 それで、ニコラス・スターンのレポートなんかを見ていきますと、世界のGDPの一%、これ直ちに毎年投入することが極めて大事であると、それがもう最悪の状態を避ける、地球温暖化の影響を最悪の状態を避けるためには必要である。そういった意味では四十兆から五十兆毎年投入しなければいけないということで、そういった意味では公的な投融資には限界があるだろうと思うんですね。そういった意味では、先ほど来から話を伺っていて、こういう環境金融にかかわるようなもの、あるいはUNEP・FIのそういう考え方というのは非常に大事だなと思います。
 そこで、この新しい金の流れを大きく国内においても進めていかなければいけない。例えば投資信託なんかも促進を強力に進めていかなければいけないわけでありますけれども、この環境金融に関する促進税制、こういった面についても考える必要があるんではないかと。かつてここは環境省も提案していたように思いますけれども。
 あと、先ほど話がありました公的な年金の運用、これについては受託者責任の関係があって、先ほど参考人の話では、もうかればいいということではないんだと。いわゆる環境の関係も考えなければいけない、社会の関係も、あるいは人権の関係も、貧困等々を含めて、そういった幅広に物事を考えていかなければいけない。そういうことと、この受託者責任というのはまだまだ日本は伝統的な意味しか持っていないんではないかなと、そんなふうに思いますので、ここは日本の展開というのはどういうふうになってきつつあるのかということですね。
 これは金融庁にもお聞きしたい話でありますけれども、金融庁は今末吉参考人の全体的な話を聞いてどういうふうに金融行政を考えていこうとしているのかということが一つと、それから、金融庁で進めております金融経済教育、子供のころからもうそういう金融に対してセンスが持てるようにとか、もちろん大人の関係についてもこういう教育を進めていかなければいけない、そういった意味では、末吉参考人の言っているようなことについてもこの金融経済教育の中でどのようにそういうことを生かしていけるのかと、こういった点について御説明いただきたいと思います。
 あと、環境省にも関係の分野については是非お願いしたいと思います。
 以上です。
#22
○参考人(末吉竹二郎君) UNEP・FIへの御理解と御支援、どうもありがとうございます。
 二、三の点でお答えします。
 長期であるべきだと、投資は、これは今世界が非常にそのことを求め始めております。年金基金の本来の任務が何かと、こう考えると、一年後、二年後、三年後の年金基金の支払も非常に重要でありますけれども、多くの年金は二十年後、三十年後、四十年後、五十年後に支払われていくわけであります。としますと、その年金のお金を運用するときに、半年後にもうかるから株を買う、一年後に上がるから買うんだと、二年後に下がるから売っちゃえということで、本当に三十年、四十年後を見据えた地球社会、日本の社会の形成に役に立つのかという問題提起があるわけであります。長期の投資、責任を持つ年金基金であればあるほど、投資をする際に長期の考え方の視点を持ってほしいと。
 としますと、温暖化問題は正にこの長期で考える問題であります。ですから、今もうかっているから投資をする、でもその企業はひょっとするとCO2削減に取り組んでないかもしれません。取り組んでないがゆえに株価が上がっているかもしれません。そういうことを買い続けると、個別年金としては成功しても、社会全体、国全体が温暖化で非常に困った状況になれば意味がないじゃないかというようなことでの問題提起が今世界で出ております。ですから、長期のビジョンが早く短期主義は排除するようなことを考えるべきじゃないかということであります。
 実は、それはビジネスから見ましても非常に重要であります。特に、大きなプロジェクト、大きな資本を投入するビジネスにつきましては、どれだけの回収期間があるのかということは極めて重要であります。その回収期間、プロジェクトのライフスパンが長ければ長いほどそのビジネスが守られているんですよというようなフレームワークがないと、企業あるいは民間は投資をしません。
 ここで是非政治にお願いしたいのは、日本のビジネスが環境問題、なかんずく二酸化炭素、CO2の削減プロジェクトにうんと取り組んでいくんだと、長期にお金も投入していくんだということを促すには、政治的フレームとしてそのことが重要なんだよと、その問題は、十年、二十年先までそのフレームは守られますよという安心感を上げないと、投資してみたものの三年後に方針が変われば残りの十五年どうしてくれるんですかという話になってまいります。
 それからもう一つ、加藤先生が非常に重要なことを触れられました、受託者責任であります。
 実は、このことは私の御説明で申し上げました責任投資原則を広める際に世界でも大きな壁になりました。お金だけじゃないんだよ、環境問題も重要だよと私申し上げましたんですけれども、世界的に、年金基金の運用に当たっては受託者責任の経済的利益を最大限配慮した投資をすべきだというのがこの受託者責任であります。つまり、余計なことを考えるなと。年金の運用が、経済的リターンが最大になるような運用をしなさいというのが原則的な責任であります。そこに、幾ら環境がいいからといって環境を配慮しますと、仮にその配慮した結果、運用リターンが劣ることになるとすれば、それは年金加入者に対する責任が欠けることになるというのがこの受託者責任であります。
 実は、この考え方は世界に非常に大きく広がっております。まだ今でも非常に強い考え方であります。ところが、国連はこの責任投資原則を広めるために次のような行動を取りました。イギリスの非常に大きな法律事務所と、日本を含む先進国九か国の受託者責任に関する法律をもう一回精査しました。果たして、現行法が環境や社会的責任を考慮することを本当に排除しているのかという調査であります。その結果は、排除はしていません、排除していると考えているのは間違いであると。多くの場合、受託者責任の下においては、むしろ環境や社会的責任を考えることを求めていることすらあるんですよという解釈を出しました。その解釈を付けて責任投資原則を今世界に広めているのであります。
 ですから、こういった意味で、今世界のこういう運用に当たるファンドマネジャーといいますか、これは年金基金のシステムそのものに対してでもありますけれども、この私の言葉で申し上げれば大きな縛りになっています受託者責任の大きな見直しといいますか、社会的な認知の下での見直しということは私非常に重要だと思っております。
 どうもありがとうございました。
#23
○政府参考人(私市光生君) 金融庁の私市でございます。
 先ほどの質問で、金融庁の取組がどうかということでございますが、まず全般的な基本的な考え方につきましては、この問題につきましては政府全体で取り組むべき重要課題と認識しておりまして、当庁としてもその所掌分野においていろいろな取組を進めていきたいというふうに考えております。
 その中で、この環境問題ですが、まだ具体的に金融機関がどうすべきかということがいろんな試行錯誤の段階でありまして、ナショナルミニマムあるいは必要最低限というところがまだはっきりしていない段階でございますので、余り詳しいことは、まだまだ検討中の段階でございますが、例えばというふうに申し上げますと、金融機関の監督をする際の監督指針におきまして、企業の社会的責任の一つとして環境問題をやっているところはそれをしっかりと書きなさいと。そして、それを正確に分かりやすくきちんと公開しているかどうか。そういう、公表することによって様々なステークホルダーから批判を受け、あるいは評価される、そういうことをはっきりさせなさいということを一つ申し上げております。
 それから、金融機関の様々な取組につきまして事例集を作っております。例えば、金融庁としては特定の融資とか金融商品を推奨するということはできないわけですけれども、環境の重要性にかんがみまして幾つか事例集を作っておりまして、例えばその中では、ある銀行が融資先の企業について格付を行っている、その格付によって金利などを変えていると、そういう例などを紹介しているところでございます。この問題についてはまだまだ検討すべき課題がたくさんありますので、引き続き検討をさせていただきたいと思います。
 それから、金融経済教育につきましては、当面の課題は、皆さん御承知のとおり多重債務などが重点でございますけれども、当然、世の中の金融に対する役割あるいは消費者としての金融に対する対応として環境というものがこれからますます重要になってくるものと考えております。
 以上でございます。
#24
○政府参考人(南川秀樹君) まず、環境省でございますが、受託者責任につきましては、ここ十年程度辺りで考え方が全く変わってきていると。むしろ、環境問題などの社会的責任にこたえないということが受託者責任違反になると、そういった方向に大きく変わってきているというふうに感じております。
 私どもそういった中で、環境会計といったことにつきましてガイドラインなどを作りまして、様々な企業の方に使っていただいているところでございます。これにつきましては、例えば世界的に申しますと、欧州では企業の環境保全支出の測定及び報告に関する定義とガイドラインといったものが出ております。また、国連におきましては、国連の持続可能な開発委員会が環境管理会計の手続と原則と、こういったものを策定されております。
 私ども、こういった動き、また金融機関の動きを見ながら、金融機関にも十分使っていただけるような環境会計のガイドラインといったものを作り、それを是非広めていきたいと考えているところでございます。
#25
○ツルネンマルテイ君 民主党のツルネンマルテイです。
 私の方から一つの質問、同じ質問を農水省と国土交通省の方にしたいと思います。
 今日も私たちは、この勉強のとき、はっきり私たちは分かったことは、この地球温暖化は世界最大の危機であるということ。しかし、一般の国民の中で同じようなふうな危機感がどのくらいあるかということはやっぱり大きな問題であります。例えば、私たちは今日はこのような情報、パワーポイントでも見て、そして、これで私たちは分かりますけれども、まだ限られた人しか、これは最大の危機であるということ分からないと思いますね。もちろん、環境問題とかにかかわっているNPOとかNGOとかはかなり分かっています。しかし、パーセンテージとしてはまだ非常に少ないと思いますね。幸いにしては今年の二月でしたか、IPCCの報告では、この地球温暖化は人間がもたらした問題で、結果であるということはかなりマスコミでも伝わりました。
 しかし、それでも私は今聞きたいことは、例えば私、農水省と国土交通省がこのような情報を今まであるいはこれからどのような形で一般の国民には伝えようとしているか、また、伝えているかということ、これはやっぱり非常に大きな関心がありますから、その質問です。
#26
○政府参考人(吉田岳志君) 今回お示ししたような資料あるいは情報をどのように関係者に伝えておるかという御質問でございますが、まず、これからやろうとしていることを、一端をちょっと御説明したいと思いますが、私どもは施策を、これに限らず、各、できるだけ現場の皆さんの意見を聞いてという方針を取っておりまして、様々な施策について現場での説明会を開くことにしておりますけれども、この地球温暖化対策の問題につきましても、これから各地域、具体的には全国八つのブロックに赴きまして、そこで県なりあるいは関係機関の方々に対して我々が今進めようとしている施策、それの説明を行います。そのときに当然、こういった資料を基にいたしまして、なぜ我々がこういう施策をしようとしているのか、その背景には何があるのかといったことを逐一御説明し、また意見交換をしていきたいというふうに考えております。
#27
○政府参考人(門松武君) 私どもも今、農水省と同様でございまして、今手持ちのツールをすべて活用します。ホームページに載せるとか、いろんな地方での会議で御説明するとか、あらゆる手段で情報の開示というものを努めていくんですが、それだけでは足らないんではないかということで、今年十二月に三日、四日と大分でアジア・太平洋の水サミット、近隣諸国のトップが集まりまして、森元首相が会長でございますが、そういう場でのPRですね、あるいは来年夏予定されています洞爺湖サミット、ここでも是非、CO2の削減、緩和策だけじゃなくて、適応策についてもお話があるようにということで働き掛けているところでございまして、あらゆるツール、機会を通じましてPRに努めていきたいというふうに思っています。
#28
○会長(石井一君) 大変熱心な委員の御発言で、どこへ指名しようか、もういつも苦労するんですが、できるだけ早い挙手からということでございますが、左右平等にやりたいと思いますので、お許しいただきたいと思います。
 広中和歌子君。
#29
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 もう既に多くの質問が出され、またお答えもいただいているので、できるだけ重なり合いは避けたいと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、地球温暖化、CO2削減についての危機感というのは共有したと思います。
 先ほど農水省あるいは国土交通省などの、被害の予想される実態あるいは水産資源のいろいろな変化、そういうようなものも含めまして、やはり環境問題というのは一つの省庁だけではなくて、それぞれ総合的に取り扱う必要があるんではないかと思います。環境省が大きなリーダーシップを発揮していくということも非常に大切なんでございますけれども、これまでのいきさつから見て、やはり総合的に総理の下にとか何か、大きな関係閣僚会議的なものを持って総合的にやっていくことが必要であり、そして今、ツルネンマルテイさんの御質問にもありましたように、絶えず国民に警告を発しながら対策を示していくということが大変大切だと思いますけれども、これについて、どなたに御質問したらいいか分かりませんけれども、差し当たって環境省からお答えをいただきたいと思います。
 それから、具体的な対応なんでございますけれども、私は、我が国が今、環境先進国と言われるようになる前は公害大国であったわけですが、それを克服できたのは、様々な努力がある中で経済的手法というのが非常に大切だったと思います。それは、課徴金を掛け、そしてまた場合によっては補助金を出すといった、こういう経済的な手法が非常に効くんではないかと思いますけれども、財務省にお伺いいたしますけれども、そうした経済的手法、環境に関する経済的手法ですけれども、それについてどれくらい前向きに考えていらっしゃるか。あるいは、これは通告はしておりませんけれども、国際連帯税みたいな形で環境に使えるお金を日本だけではなくて国際的規模で集めていくためのイニシアティブを発揮するといったようなお考えがあるかどうか、そういうことについてお伺いいたします。ほかにもございますが、差し当たって。
#30
○政府参考人(南川秀樹君) 環境省でございますが、私ども予算規模から見ましても人員から見ましても、環境省の力は限られていることは十分承知をしております。
 政府としましては、特に温暖化問題に重点を置いております。その中で、総理の下で事実上すべての関係大臣が入りました推進対策本部というものをつくりまして、その中で京都議定書達成に向けて様々な努力を行っているところでございます。
 当然ながら私どもも、単に一閣僚として大臣が加わるということだけではなくて、私ども環境省として官邸あるいは各省にかなりきちんとした強いメッセージを発すると、そういったことを忘れないで、なおかつしっかり勉強していきたいと考えているところでございます。
#31
○政府参考人(古谷一之君) 御指摘がございました経済的手法ということについて、財務省の現段階の考え方を申し述べさせていただきます。
 経済的手法と申します場合に、課徴金や税を掛けます場合と助成金や減税をいたします場合がございます。助成金や減税につきましては、これまでも関係省庁からのいろんな御相談に応じて対応してきてございまして、今後とも、税のサイドでいいますと政策税制ということになろうかと思いますが、地球環境の関係で必要な政策税制については検討をさせていただきたいと思っております。
 もう一方の環境税でございますけれども、これは経済的手法として価格メカニズムを通じてCO2の発生を抑制させるとか、その財源を特定の環境対策に充てるとか、そういう趣旨の税になろうかと思いますけれども、これにつきましては一般的な税とは少し違いますので、私どもといたしましては、やはり地球環境対策全体の中できちんと位置付けて議論をしていく必要があろうかと考えておりまして、そういう意味では政府の税制調査会でもこれまでもいろいろと議論がございましたけれども、現在産業構造審議会ですとか中央環境審議会の方で六%削減目標の達成に向けた議論が進められてございます。
 こういったことを踏まえまして、総合的に財務省としても検討していきたいと思っておりますけれども、二つほどやはり考慮すべきことがあろうかと思いまして、一つは、国民あるいは経済主体に新たな負担を求めるということになりますと、やはりそちらの理解が必要でもございますし、国際競争力といった企業に与える影響も考える必要があろうかと思います。それからもう一つは、化石燃料につきましては、環境税ということではございませんが、御承知のように自動車燃料等に対して現在日本は様々なエネルギー課税を行っておりますので、そちらの既存の制度との調整をどうするかという課題もございますので、広くいろんな議論を克服していかなければいけない課題であろうかと思っております。
 国際連帯税のお話がございました。私どもも、EU諸国を中心に炭素に対する課税が進んでいるという点は十分承知をしてございます。ただ、るる申し上げたような課題を国内的に克服する必要がございますので、総合的に検討を進めてまいりたいと思っております。
#32
○広中和歌子君 ちょっと関連でいいですか。
#33
○会長(石井一君) はい、それじゃ広中和歌子君。
#34
○広中和歌子君 短く。
 なぜ私が環境税ということを特に申し上げたかといいますと、産業界は削減についてかなり努力を、もうちょっとやっていただきたいことはあるんですけど、かなりよくやっていらっしゃるんですが、今CO2が増えている分野というのは家庭であったり運輸部門であったり、それからいわゆるオフィスですよね。そういうところで、問題意識を持つ人が少ないという中で環境税というのは、税そのものをもらうという以上に意識を高めることに役に立つと。
 これはレベニュー・ニュートラルという形で、こちらで掛けたらあちらで引いてあげるというような形も取れるわけでございますので、是非是非前向きにお考えいただきたいと思います。要望で結構です。
#35
○会長(石井一君) 答弁は要りませんね。
#36
○広中和歌子君 はい。
#37
○会長(石井一君) それじゃ次に、西田昌司君。
#38
○西田昌司君 ありがとうございます。
 簡潔にちょっと根本的なことをお聞きしたいんですけれども、先ほどからこの温暖化の対策の重要性をずっと、るるお話しいただいたんですが、私ちょっと違和感があるんですね。
 といいますのは、温暖化の問題、私、京都出身で、京都議定書の締結地でもあるんですけれども、要するに、地球環境がどんどん、人口が大きくなって工業化していって化石燃料を使ってきたと、このままではどんどん温暖化してしまうと、それをどういう形で国際的に協力してこれを安定化させていくかと、こういうことだと思うんですけれども。
 そうしますと、今、日本なんかで言われているのは、それを技術的なブレークスルーによってやっていこうとか、それからいろいろなライフスタイルも含めて改善していこうということになるんですけれども、つまるところは、やっぱりこの問題の本質といいますのは、世界的な人口がどんどん増えてくると、それから、それに伴って、人口だけじゃなくてエネルギー自身も工業化によってどんどん消費が増えてくると、この問題をどう考えるのかという根本的な問題の議論ができませんと、ある種の表面上だけの問題では解決できないと思うんです。
 そうしますと、根本的に私は、その国その国に合った生活の仕組み、日本は日本の例えば米作を中心とした農業の仕組みがあったわけですし、そしてまた中国には中国の、ヨーロッパにはヨーロッパのと、こういう生活スタイルを守っていかないと、根本的にはこれ解決できない問題だと思うんです。
 ところが、今言われているいわゆる温暖化対策の話は、その問題がちょっと横に置かれまして、ブレークスルーによって全部解決するんではないかと、技術的な。そういう形でやっていきますと、結局はこれやっぱり解決できないんですね。といいますのは、例えば中国の全人口が、どんどん工業化するなり、これからインドがどんどん工業化するなり、それからもっと言えばアフリカの諸国でどんどん工業化するなりすると、やっぱり無理があると。
 つまり、それぞれの地域にはそれぞれの地域にふさわしい生き方があって、それを我々は近代工業化の中でどんどんいわゆる工業化していくことが人類の進歩とか発展のように思っていたけれども、それ自体の中にかなりの問題があるんじゃないかなと。そういう少し、この近代に対するかなり疑問と申しましょうか、反省といいましょうか、そういうものを全体で考えていかないとこの問題は解決できないんじゃないかな。つまり、地球というのは、人口にしましても資源にしましても、いわゆる閉じた社会ですから限界があるんだと、そういう形でまず議論をしていかなければならないと思うんです。
 そうしますと、日本はいわゆる少子化なんですよね。人口がこれ以上増えない、むしろ低減傾向にある。これが急激にそうなりますから、これ自体問題なんです。急激にそういうことになるのが問題なんですけれども、長期的に見ていきますと、日本はそういう意味でも非常に世界に対してある種、国の在り方、仕組みにおいても非常にいいところがあるんですね。ところが、日本の中では、少子化といいますと、何か非常にすべてマイナス面だけで言われておりますし、そしてまた環境の対策にしましても、いわゆるこのブレークスルーを中心としたやり方ですしね。
 先ほどの、もしこの報告したとおりになりますと、例えば首都圏なんかでは、これから温暖化になると、どんどんどんどん海面上昇して大変なことになると。そうしますと、普通にそれがそのとおりだと考えると、むしろ都市の集中を排除して、いかにしてそれぞれの地域に住んでいただくか。
 それは、つまり農業も含めて、全体のその都市計画もそういう方向で考えていかなければならないと思うんですけれども、どうも先ほどからのお話が、いわゆる部分的な話はなるほどなと言えるところあるんですけれども、トータルで今考えていきましたときに、何か矛盾があるといいましょうか、私自身腑に落ちない、また国民にも本当の意味で訴える力に乏しいんじゃないかなという気がするんですが、その辺のところをいかにお考えになっているか。
 これ、どなたに聞いたらいいのか分からないんですが、是非お答えをいただきたいんです。昔からこれちょっと基本的な問題で考えておりましたので。
#39
○会長(石井一君) 是非お答えをいただきたいんなら指名してください。
#40
○西田昌司君 今日のお越しの方がどなたか、環境省ですかね。環境省若しくはそのお二人の政府参考人も是非お答えいただきたいんですけれども。
#41
○政府参考人(門松武君) 今、非常に大きな問題提示されましたが、我々河川行政やっていて、今先生が言われた例としてお話ししたいと思うんですが、少子化、それから開発圧力が少し減ってきたと、昔と比べて。今まで、人間様が生活するために土地を一平米でも余計活用したいということで、洪水を二本の連続堤防の内側に、中側に閉じ込めてきたと、堤防を高くしてダムを造り。それやっても施設に能力の限界があって、越える洪水が参ります。そうすると、川の外の対策、いわゆる土地利用、我々が住んでいる方の土地利用の規制とか建物の構造をきちっと規制するとか、そういうふうにしなきゃいけないと。世の中的には少し開発圧力が減り、少子化になってきたんでやりやすくなってきたんではないかと、大きな目で見ますと。そういう意味で、温暖化現象がありますけれども、いいチャンスではないかというふうにとらえております。
#42
○政府参考人(吉田岳志君) 委員の御質問に対しての答えとしては非常に小さいかもしれませんけれども、農業関係でいきますと、一つの取組として今進めておりますのは地産地消、やはりできるだけ農業生産、地場で作ったものを余り移動しないで消費していく、移動エネルギーをできるだけ減らすということであります。
 それともう一つ、食生活も、日本型食生活ということ、今、食育ということでやっていますけれども、やはり日本型食生活ということで米を中心にした食生活に変えていく、畜産物のあるいは油脂類の消費をできるだけ減らすと。畜産物の原料は相当部分が外国からの輸入でございますから、それを変えるだけでもエネルギー消費は大幅に減らされるわけでございますので、そういったところから地道な努力というものが重要かなというふうに考えております。
#43
○会長(石井一君) それじゃ、次に末吉参考人。
#44
○参考人(末吉竹二郎君) ありがとうございます。非常にいい問題を提起していただいたと思います。
 エコロジカルフットプリントという言葉、御存じですよね。これは、人類が地球のエコロジーに今どういうような扱いをしているのか、どういう痛め付け方をしているのかということでありますけれども、これは、明らかに今地球環境の持っている能力の一・三倍ぐらいを毎年使っているという話であります。
 人口は今六十七億で、二〇五〇年には九十三億とか九十五億と言われております。六十七億の人口ですら今の状況でありますけれども、増える。しかも、その中に生活の向上があります。今現在、一日一ドル以下で生活している方が地球上に十億人いると言われております。十億人をちょっと切ったというのが国連の最新の数字でありますけれども、これを二ドルに引き上げても二十三億人であります。今、我々の日本のような先進国の経済生活をエンジョイしているのは、六十七億のうちわずか八億だと言われております。
 としますと、人口が増える、しかもそれぞれの生活程度が非常に高度化するとしますと、ますますフットプリントは大きくなってまいります。ですから、計算によっては地球があと三個も四個も要るんだというような話でありますよね。だからといって、今、世界は人口を減らすべきだとか、今、これから生活向上を目指す人たちに対して、皆さんその水準にとどまってほしいなんという議論は全くしておりません。むしろ、多くの人口をどうやって水準を引き上げていくのか、そのことと環境の保全とをどうバランスを取って共生をさせていくのかということが非常に大きなテーマになっていると思います。
 ですから、これはもう御存じのとおり、ちょうど二十年前のブルントラント委員会で持続可能な開発ということが出ましたよね。これは明らかに、現代世代と将来世代の公平感を求めた開発理念が出ております。ですから、私はやはりそういう、将来世代に対する責任をどう果たすのかという中で現代世代がよりいい生活を求めていく、そのことを可能にするのは何かというと、正に西田先生がおっしゃった、私は基本的にはライフスタイルの見直しがあるとか、あるいは新しい技術を持ち込んでくるとか、様々な創意工夫があると思います。それで、私の知る限りは、技術のブレークスルーがなければ例えば二〇五〇年の五〇%削減は不可能だと言っている方は少ないと思います。むしろ、先ほどのパチャウリさんのお話にもありましたけれども、新技術ももちろん必要ですけれども、既存技術の見直しとかライフスタイルの在り方の見直し等も含めてであります。
 したがいまして、先ほどの経済的手法にも関連しますけれども、今世界での議論は、A案をやるのかB案をやるのかC案をやるのか、その三者間、三つの案の取捨選択をするというよりは、有効である限りはA案もB案もC案もみんなやろうじゃないかということでありますから、ある意味ではポリシーミックスというようなことも必要ですし、先生のおっしゃいますとおり、日本独自のやり方も必要であると同時に、世界と共通してやるということも日本も取り組んでいくと、そういうようなことが必要だと思います。
 いずれにしましても、私、今の問題について一番重要なのは、日本という国が将来にわたってどういう目標を持つんだと、ビジョンを立てるんだと、そういう戦略目標を持たない限り、私は、バランスの取れた、整合性の取れた政策は取れようもありませんし、世界との共感性は生まれないんだと思うんですよね。
 ですから、ツルネンマルテイさんのおっしゃいました国民への情報の均てんといいますか、これもやっぱり大きな旗を示す必要があると思いますね。大きな旗を示して、そのために日本の社会を構成しているそれぞれの構成員が自分の分野で何をすべきか、何をできるのかというような議論もしていく必要があるのではないでしょうか、そんなことを考えます。
 どうもありがとうございました。
#45
○会長(石井一君) それじゃ、最後に環境庁、簡潔に。
#46
○政府参考人(南川秀樹君) はい、そういたします。
 御指摘のとおりでございます。私ども、二〇五〇年を目指す中で、一つは技術、もう一つは低炭素社会づくりということで、国づくりそのものを考えていくべきだというふうに考えているところでございます。
 例えば、私ども、今二〇五〇年ビジョンの検討の中で様々な識者の方に将来像について好き勝手にお話しいただいております。その中で、例えば日本文化研究所の安田先生からも先日お話伺いましたけれども、例えばその方は、要はその国固有の文化と暮らし方があると、それにある程度は戻っていくという発想がなければ地球の中で活動は収まらないと。例えば宗教について非常に否定する声があるけれども、例えばインドでいえばカーストがあるから収まっているという部分もあるんだと、そういう視点をなくすのは絶対、問題の解決にならないと、そういった御指摘も受けております。
 いずれにしましても、今、末吉先生ございましたけれども、やはり日本としての将来像のビジョンというものを技術開発にプラスして持たないと日本がこの問題で世界と対等に議論していけないと考えております。そういった意味で、そういった観点の視点もきちんと持ちまして更に検討していきたいと思っております。
#47
○会長(石井一君) ちょっとお待ちください。
 次に、前回まで発言のなかった神取忍君を御指名しますが、今日は四時に閉会をしたいと思っております。現在七名の挙手がございまして、一人五分以内ということになりますが、それよりも、今回はパスして次回にしようかというのもあれば、ざっくばらんにやりたいものですからね……
#48
○神取忍君 私はいいです。
#49
○会長(石井一君) いやいや、あなたはやっていいよ。
#50
○神取忍君 いいですか。
#51
○会長(石井一君) 今日の参考人の中でこれだけは質問をやるべきだというお考えの方、今職員を回しますから、そこへおっしゃってください。
 それでは、神取忍さん。
#52
○神取忍君 ありがとうございます。手短に。
 関係省庁にお伺いしたいんですけれども、バイオ燃料で、これ二〇三〇年までに大幅な生産拡大をするということでいろいろと、技術の問題とかいろんな問題があると思うんですけれども、これに関して、促進に関してはいろんな考えが当然あると思うんですけれども、この利用率の向上という部分で、利用してもらうために工程の仕組みを当然考えていると思うし、仕組みを考えていると思っているんですけれども、その利用率の向上の考えをお聞かせ願いたいというのが質問です。
#53
○政府参考人(吉田岳志君) この資料でお示ししました二〇三〇年ごろ大幅な生産拡大、農林水産省の試算では六百万キロリッターというものの、六百万キロリッターというこの数字は、まず国産の、国内のこの資源賦存量、しかも、それがもう使われていない、そういったものの資源賦存量から試算したものでございまして、利用率の向上、そういったものとは切り離して出てきているものであります。
 片一方、やはりこれだけのものをつくりますと、利用率の向上、燃料ですから当然エタノールの、今法律でエタノールですと三%までの混合でございますけれども、混合率を上げていくだとか、そういったものがこの利用率の向上の中には念頭にあります。
#54
○神取忍君 それだけですか。その三%だけ入れるというだけですか。
#55
○政府参考人(吉田岳志君) これバイオ燃料ですから、車の燃料でございますから、利用率ということになればそういうことになります。
#56
○会長(石井一君) はい、それでいいですか。御協力ありがとうございました。
 それじゃ、その次に喜納昌吉君。
#57
○喜納昌吉君 よろしくお願いします。
 日本はGDP二位、アメリカというのは一位ですから日米同盟が一番、二酸化炭素を生産していることになっていると思うんですね、一番。その意味でも私は、温暖化は地球規模であるにもかかわらず対策は国家単位を超えていないという感じがするんですね、国家単位をね。前回にも質問したんですけど、国連がまだイニシアティブを取っていないという、日本がやはり、国連がそういう温暖化に対してイニシアティブを取る方向に僕は国連改革を促していくというのかな、方法が必要ではないかと思っているんですね。
 そして、やはり何というんですかね、食物連鎖の頂点に立つ人間だけが国境を持っているんですね。私は諸悪の、悪の根源というのは国家にあると思うんですよ、国境線。やはり、その国境に閉じられた利権が地球を破壊しているという。だから、そういうことをやはりダイナミックに、本当のブレークスルーならば、本当はダイナミックな案を日本が出すという、私はその意味でも沖縄をその国境をなくすという唯一のひな形にする必要があるんじゃないかと思っているんですね。
 だから、沖縄は、唯一大きいダイナミックな計画を持って、この国境線から独立させるという。国連を、アジアに国連をね、国連というのはジュネーブとアメリカ、まあ言えば白人圏にしかないんですね。人口も黄色人種の方が多いですから、一つぐらいは国連をこの日本の中に置いて日本の技術を生かす方向に展開していけば、非常に日本の僕はアイデンティティーが発揮できるんじゃないかと思っているんですね、どっかでね。
 だから、一つ具体的な質問として、これは一つ参考人に聞きたいこととして、具体的な質問として、沖縄の海面が三十センチから一メートルそれぞれ上昇した場合、沖縄の陸の面積はどのくらい減るのか。試算があるはずですけど、これをまず明確に出してほしいんですね。沖縄で声を、そういう声を高めるためにもね。
 それから、オランダ、テムズ川では、その百年先、五十年先を見越して動いているんですね。日本では何十年先あるいは何年、百年先を見越して護岸工事をしているのか、これも知りたいですね。
 沖縄では全国一埋立て工事が多いとされているんですね。まあ本当、沖縄の埋立て工事は未来を見てやっているのか、それを調べたいですね。
 それから、沖縄の離島のうち、海面上昇で水没面積が最も多くなると予想される島々を指摘、まあ指摘してほしいと思うんですね。
 まあこのくらいかな。よろしくお願いします。
#58
○会長(石井一君) どなたから、お答えは。
#59
○喜納昌吉君 まず参考人から、国連に関して日本がどのぐらいアプローチできるのか。
#60
○会長(石井一君) これは、しかし、事前の通告はなかったんですね。
#61
○喜納昌吉君 まあ、非常にいい意見があったので、その話、さっき自民党さんからね。
#62
○会長(石井一君) いや、それじゃ、答弁を求めますか。意見として立派に開陳されたということでいいですか。
#63
○喜納昌吉君 はい。
#64
○会長(石井一君) 資料を請求するか何か。
#65
○喜納昌吉君 資料はなるべく、あるんなら出してほしいですね。
#66
○政府参考人(門松武君) 二番目の御質問で、沖縄あるいは沖縄周辺の島々が海面上昇でどのぐらい国土といいますか、島の面積が減るんだという、これちょっと持ち合わせていませんので、また後日。
#67
○会長(石井一君) それじゃひとつ、資料を提示するなり、別の機会にそうしてください。
 峰崎直樹君。
#68
○峰崎直樹君 ありがとうございます。
 今日は質問しまいかと思ったんですが、先ほど末吉参考人の責任ある投資のお話が非常に気になっておりまして、私も関心を持っているんですが、受託者責任のところで、いわゆる法律体系を全部精査したけれどもそういうものを、ある意味では責任ある投資を拒否しているものはないんだと、こうおっしゃられたんですが、問題は、いわゆる責任ある投資ということになると、これは非常に重要なんだけれども、いわゆる利潤原理の中に取り込みにくいという問題は多いと思うんですよね。
 つまり、外部経済を内部経済に取り込んでいくために、いわゆる志をどのように市場メカニズムの中に取り込むかというときに、先ほど財務省の古谷さんが、いわゆる政策税制だとか補助金だとか、そういうものが組み込んでやっていくということになってくるんですけれども、問題は、いわゆるこの志あるものをどのように言ってみれば数量化していくかというか、あるいは経済的に取り込んでいくかと。
 私は、今の租税特別措置なんかのやり方を取っていくという方法じゃ、恐らくそれはなかなかもう政治的なマターになっちゃって、利権の温床になっていく危険性も僕はあると思っていますので、余りそれは採用したくないんですが、何らかのそういう志を市場の中に取り込んでいく方法として世界的に検討されていることはないのかと。私は、今、政策投資銀行などがいわゆるそういう責任投資に伴うファンドをつくって、そのファンドをある意味では市場に日本版のREITみたいな形で広げる方法を理論的には編み出しているんですけれども、そういう、今、金融という分野においてはその点どのように考えられるのかなと。
 例えば、金融というときに、会社が例えば格付をやりますけれども、そのときに、その会社の格付をやるときに、この会社はどういうときにトリプルAになってダブルAになってAになるかというときに、そのいわゆる志をどのように数量化していくのかというその基準というのがどのように設けられるのかなと。ここら辺もし分かれば教えていただきたい。
#69
○参考人(末吉竹二郎君) 大変重要な問題をお尋ねいただいたと思っております。
 まず最初に、受託者責任のところで少し補足説明をしますと、経済的リターンを全く無視して環境とか社会的責任を追求するというところまでは多分まだだれも考えてないんだと思うんですね。ただ、経済的リターンのみを考えて判断をしているところに、多少経済的リターンが、多少ですよ、減っても、あるいは他の手段と同じようなくらいのリターンがもたらされるのであれば、ESGといいますか、環境と社会的責任、ガバナンスを取り入れることは許されることなんだというのが今の解釈であります。
 それから、これは少し難しい話になりますけれども、新しい投資理論でいきますと、極端な場合に個別銘柄を買わずに市場そのものを全部買っちゃいますよね。それは、買う方がリターンが高くなるという理論もあるわけであります。全部買うということは、当然値が下がる株式も入っております。とすると、そこだけを見ると、値段が下がる株式を何で買うんだと、それを除いたらもっともうかるんじゃないかと、こう思いますけれども、全部買うことが実はその投資手法ということで認められているわけですね。ですから、そういったような新しい投資理論も持ち込みますと、環境や社会的責任に配慮した企業の株式ほど先々上がっていくんだと、企業の価値が上がるんだと、そういったような見方をすべきじゃないかというのが今マーケットで広がっております。
 ただ、全部にはまだ広がっておりませんけれども、例えばあるアメリカの大きな証券会社が直近のマーケットのスタディーをしております。期間はわずか二年程度でありますけれども、その調査によりますと、こういったことへ配慮する企業の方が、パフォーマンスと言っておりますけれども、企業業績がいいんだと、株価に大きくプラスの反応が出ているんだと。ですから、環境や社会的責任を考える企業の方に投資するのは投資家としても理のあることなんだというようなことの研究成果も出始めております。ただ、ただ、まだこれは新しい流れでありますんで、今正に先生がおっしゃいましたとおり、外部不経済の内部化がようやく始まったところであります。
 としますと、将来にわたってその内部化が進んでいくために投資の世界が、金融の世界が何ができるかというのを今議論しているわけですね。内部化を進めなくてもいいということであれば、だれも振り向きません。内部化を進めることが必要なんだと、それが重要なんだと、だから投資の世界、金融の世界が何をすべきかということの議論をしているわけです。ですから、今投資家の中で議論しているのは、多くの投資家が、先生のお言葉をかりますと、同じ志を持って動けばそこに新しい投資の世界が、市場ができてくるんだと。だから、それをつくるためにみんなで動こうよというのが今の基本的な状況なんだろうと思います。
 ですから、このことが必ずしも今マーケット全部には広がっておりませんけれども、それをメーンストリームの中に、主流派の中に、毎日の投資判断の中に反映させようというのが先ほどの責任投資原則であります。
 それから、少し過去の例も申し上げましたんですけれども、実はこういった問題についてはお金で私、換算できない、計れないというようなことを申し上げましたんですけれども、先ほどのようにパフォーマンスに表れるようになりますと数量化も可能なんだと、そういったことも言い始めております。ですから、最終的には、私は一般の財務の情報と環境の情報とそれから社会的責任の情報がかなり数値化されて一本化される公表の情報になってくるんじゃないかと思います。
 どうもありがとうございました。
#70
○今野東君 今野でございます。
 私、林さんにお尋ねしたいんですが、私も宮城県の塩釜の出身でして、石巻と環境が非常に似ていて、石巻も度々行くんですが、あの駅前の商店街は三分の一がシャッター通りと言われております、シャッターが下がっていると言われていて。
 少し皆さんの観点と違うんですが、こういう地球温暖化によって魚の取れる時期が違う、種類が変わってしまった、あるいは取れたものが取れなくなってしまったということはよく分かったんですが、地域経済に与える影響ということについて、これ突然のことですからどれだけお話しいただけるかと思いながら、お答えいただける範囲内でお答えいただきたいと思いますが。
 それからもう一点、環境省に、イギリスでCO2を六〇%削減する法案が提出されたということを聞いたんですが、これの概要とこの法案への評価というのをお持ちでしたらちょっと、簡単で結構ですが、教えていただきたい。
#71
○参考人(林敬一君) 細かいところまではちょっと、詳しく御説明は難しいとは思うんですけれども、私なりに現場で感じていることという内容になりますけれども。
 魚の種類が変わる、単純に変わるだけなんですけれども、というと、港、港にはすべて加工工場が一杯あるんですね。当然、その辺みんな関連してきます。当然、魚種が変わってくると加工方法も変わります。ところが、それの販路という問題にもなってきます。慣れないもの、慣れないものがぽんと入ってきてすぐ工場が運営できるかと。それは大きな間違いの話で、それにはやっぱり何年かの実績も必要ですし、今の現状を考えると、急激にここ数年間変わってきているというのは本当に感じていることなので、そこの対応を本当はお願いしていきたいというのはあります。そこの対応を間違えると、私どもも本当、地元の加工工場、皆さんが生き残っていけない事態も今後想定されるという部分も考えてはおります。
#72
○政府参考人(南川秀樹君) 英国政府等の動きでございます。
 イギリスは、今年三月でございます、気候変動法案、クライメット・チェンジ・ビルというものを提出をしております。現在審議中と伺っております。その法案の中では、二〇二〇年までに九〇年比で二六%から三二%削減、また二〇五〇年までに六〇%削減するという目標を法的拘束力のある形で定め、その達成に向けて中間的に国内の排出容量に上限値を設けると、そういったことも含まれております。また、ロンドン市におきましては、ロンドン市長が二酸化炭素の排出量を二〇二五年までに九〇年比で六〇%削減すると、そういった行動計画を同じころに発表されておるところでございます。
 私ども、これにつきましては、具体的にどういう形で削減をされようとしているのかも含めて、様々な形で今英国政府と連絡を取りながら情報把握に努めておるところであります。
#73
○会長(石井一君) それじゃ次に、島尻安伊子さん。
#74
○島尻安伊子君 ありがとうございます。
 私も今野議員と一緒、生まれは宮城でございまして、三陸の魚で育ったということもありまして、ちょっとお聞きしたいことがございます。
 お話の中で、プランクトンの発生が少なくなっているというお話がありました。日本の食文化というものを考えたときにも、やはりシンボリックなお刺身とかそういうのを考えると、お魚というのはもう大変に、これからも食卓を飾って、子育ての点からも魚の持つ栄養価というのは脳の発達に欠かせないものでありますし、やはりこれからの漁場もきちんと整備されるものだろうというふうに思う観点からちょっとお話をさせていただきたいんですけれども、レジュメの中で、今後の政策に期待という中で、計画的な海の環境や漁場整備というふうなことがありますけれども、もうちょっとこれを具体的にお聞きしたいということが一点ございます。
 それからもう一点は、各省庁への質問になりますけれども、自然再生推進法ですか、平成十五年に決まったということでありまして、その後、護岸工事に関してのやり方が変わっていったんだろうというふうに思うんですけれども、その推移。つまり、これまでは護岸工事するときに、いわゆるつるつるのコンクリート的なところから、プランクトンがくっ付いて、それが藻になってという、自然回帰といいますか、それを促すような護岸工事になっていったというふうに聞いているんですけれども、その推移と、それから、それが実際にこの地球温暖化等々に及ぼす影響といいますか、これを、分かる範囲で結構ですので、お答えいただけますでしょうか。
#75
○参考人(林敬一君) 先ほど、今後の政策に期待というところをちょっと読み飛ばしている部分あると思いましたので、ありがとうございます。
 海外での温暖化の問題と、実質、海外との競争の激化の部分があります。日本で今、魚が海外から買えないという。実際、日本の国内で皆さんが食べているお魚の実際何%が国産のお魚ですかという部分あります。実際海外から輸入しているのが大半あると思います。日本の特殊な規格というのもやはりあって、海外では最近は問題にされています。あと、鳥インフルエンザとか、その辺の問題で海外でも魚食が増えてきている、健康志向で。日本独自の規格で、頭を付けて内臓だけ取って、セミドレスと業界で言いますけど、セミドレスでお魚持ってきます、海外から。海外ではそういうもの要りませんと。何で日本人は頭付けた魚、食わないのに持っていくんだみたいな世界になっていまして、そんな面倒な仕事やれるかと言われているのも現状です。
 海外の方との競争の激化もあって国内の魚とのまた輸出ですか、その辺で本当に、実質心配しているのは、このまま魚はどんどん輸出で出していく、その方が漁師もお金になるからそっちに行っちゃうと、で、日本に魚がないですと。今度、高く買われるので加工工場がどんどん全滅していきます。その辺の対策を、本当は食料戦略という大きな話でいった場合に、その辺の、あと資源を保護するという部分でもやっていっていただければという期待は、本当は今回言いたいところではあります。
#76
○政府参考人(門松武君) 河川の護岸に関して御質問がございました。
 先生御指摘のとおりでございまして、我々、自然再生法、十五年にできた以前から、河川法を改正しまして、平成九年に河川法改正もしまして、治水それと利水という二本立てだったんですが、それに環境という大きな項目を加えまして、治水、利水、環境の三本立てで川づくりに励んできております。
 その代表選手が、つるつるのコンクリート護岸をべたべた張り付けるだけじゃなくて、魚がすみ着けるような護岸、コンクリートにしてもそういったデザインのコンクリート護岸にしておりますし、あるいはまた間伐材を使った護岸も一部で採用していますし、自然に溶け込んだような護岸、それでなおかつ治水上も安全だというような護岸を目指して頑張っているところでございまして、多分先生も幾つか目にされているんではないかと思います。
 それから後半の、それが温暖化にどう影響しているんだという御質問ですが、間伐材使っているから森林を健全に育成しているというのに、一助になっているんではないかというぐらいで、あとはちょっと思い付きませんが。
 以上でございます。
#77
○政府参考人(重義行君) 水産庁でございます。
 海の方の関係の護岸につきましても、今国交省の方から御説明ありましたような、昔のつるつるの護岸から中に少し凸凹を入れて生物相がすみやすくするとか、そういうような自然環境に配慮したような護岸等が増えてきておりまして、そういう中でやはり藻場等の造成なんかも一緒に進めているところでございます。
 藻場と干潟につきましては、今全国で、日本周辺では大体藻場が二十万ヘクタール、干潟が五万ヘクタールあるんですが、これらが非常にやはりCO2の固定、吸収に非常に役に立っているということは確かでございますが、全体の生態系の中での吸収の収支というものが出てきますのでちょっとなかなか難しいところがありまして、これの今収支につきまして調査研究しているところでございまして、このような成果も今の護岸のようなところのいわゆるCO2対策にどれだけ貢献するかといったようなところにもまた今後応用できるのではないかというふうに考えております。
#78
○会長(石井一君) 佐藤正久君。
#79
○佐藤正久君 ありがとうございます。
 まず、各省庁に対して感謝申し上げます。この前、両面コピーの方がいいというような御指摘したんですけれども、今日は全部両面コピーになって、ありがとうございます。
 それで、国土交通省と農林水産省のそれぞれの資料の、開けていただきたいんですが、国土交通省は九ページ、それで農林水産省は七ページ、それぞれに、地球温暖化による気候変動への対策というものがそれぞれ載っております。先ほど来出ているように、この対応というのは各省庁横断的にやる必要があると。これは皆さん承知のとおりなんですけれども、やはり今まで話を聞いていても、やっぱり縦割りでかなり進んでいるなと。この対応策を見ても一目瞭然で出てしまうと。
 普通に考えれば、農林水産省の温暖化対策総合戦略の策定、平成十九年六月とあるように、温暖化の防止策、これCO2の削減の部分が柱になると思います。それと温暖化の適応策、これが国土交通省でいう対応策という部分だと思います。あと国際協力という分野。これは国土交通省においても間違いなく国際協力の分野もあるわけですから。それに今日論点で言ったような広報、PRの分野と。
 全部大体切り口は決まっていると思うんですよね。切り口を横軸に四つぐらい置いて、縦軸にそれぞれの役所のやつをずうっと並べて、短期的に措置するものあるいは長期的にやる検討課題という何か一覧表があると調査会のプロダクツとしても非常にいいのかなという感じがします。
 何かそういう形で、これは環境省さんの方がリードされるのかなと思いますけれども、何かもう少し全体像が分かるような、切り口は多分すぐまとまると思いますので、そういうものを一覧表にしてもらって議論すると、ここが抜けているよ、ここが違うという感じがします。
 例えば水サミットだって、単なる普通の河川の水だけではなく海水のことをやったっていいわけですから。あるいは、農水省の地球温暖化適応策については、この前の北秋田市の風水害対応ということも考えても、大きな被害が大雨によって出る可能性もあるということを考えれば、そういう国土交通省がやっている治水対策と連携しながら、農林水産省もどうやってそういう水害から農作物を守るかという両方の連携を更に深めることができるのかなという感じもします。
 何か一回並べることによって、さらに、特に短期的に困っている人に対しての対応という分野というものもできますし、予算の無駄というのもできるかもしれませんので、ここは本当に横断的にやる、何か一回提示してもらうと有り難いと私は思います。
 以上です。
#80
○政府参考人(吉田岳志君) 今でも政府横断的にといいますか、十分連携を取りながらやっておるつもりでございますけれども、今の委員の御指摘を踏まえて更にそういう点は検討したいと思います。
 それで、今おっしゃられた、例えば洪水の、洪水といいますか災害の問題はあります。災害につきまして、例えば、ここには書いてございませんけれども、農業分野でも農業生産基盤、排水路ですとか用水路ですとか、そういった分野の適応策といいますか対策がございます。これは当然、大本では河川と連動してございますから、十分国交省とそこは連携を取りながら進めておると、その点は御理解をいただきたいと思います。
#81
○佐藤正久君 そういうのをつくるという、何かプロダクトはあるんですかね。そういう、何か口で言うのは簡単なんですけれども、それは実際に物としてあると非常に分かりやすいと思うんですね。
#82
○政府参考人(門松武君) この今回の調査会のテーマについて大きな表があるかという御質問でしたら、今のところないので、是非、環境省さんが中心になっておまとめになられたらどうでしょうか。御協力申し上げます。
#83
○会長(石井一君) それじゃ、今の提案は、ひとつ政府側でも、もう時間が来ていますので検討してください。
 最後に、牧野たかお君。
#84
○牧野たかお君 済みません。短めにやります。
 末吉参考人にお聞きしたいんですが、先ほどからのお話で大変参考になりました。金融の世界でもそうやって環境に配慮する投資を優遇していく、誘導していくということは大事だなというふうに思いましたけれども、私個人のちょっと経験で物を申しますと、数年前に中国の内モンゴルに行ったんですが、もう内モンゴル行ったら、大きな、本当に巨大な火力発電所が空に向かってもくもくと黒い煙をそのまま流していましたけれども、結局、今、中国の経済成長の中で、日本も、欧米の各金融機関、そしてまたいろんな企業も投資をされていますよね。その投資の結果、ああいう、ある意味ではエネルギーをつくり出していく、また電力をつくり出していくためにそういうことをしていたり、いろんな方面で私は環境破壊がどんどん進んでいると思うんですけれども、必ずしも、いい方に誘導する、言わば環境に配慮する部分に対しては優遇するということも大切なんでしょうけれども、ある意味では、そういう世界規模の中の環境を保全するためにはペナルティーを科していかないと、これは幾らやっても、日本だけ一生懸命頑張っても私はこの地球温暖化を止めることはできないと思いますけれども、どんなふうにお考えでしょうか。
#85
○参考人(末吉竹二郎君) 大変重要な御指摘であります。
 いいことをしているから何か金利を安くしてあげると、そういうインセンティブも非常に重要ではありますけれども、非常に悪いことをしている、将来にわたって大きな禍根を残すようなビジネスにお金を貸すのを、あるいは投資するのを抑止したいということは、これは極めて重要であります。
 先ほどちょっと触れたかもしれませんけれども、赤道原則というのがございまして、これは発展途上国におけるプロジェクトに対して融資をする際に、そのサイトにおける環境破壊とか地域社会への影響を事前によく調査して、金融機関の自分たちの水準に達しない場合にはお金を貸しませんという原則なんですよね。これは正に今、牧野先生がおっしゃったようなことであります。
 更に申し上げれば、個別銀行で、もう自分たちはそういったような融資はしませんというコミットメントを出すところがたくさん増えてきました。ですから、今世界の銀行の中には、自らこういった環境破壊あるいは地域社会を壊す、あるいは社会的責任にもとるような融資についてはやらないんだという方向は一つ大きな柱として生まれてきております。
 そのことは、今ペナルティーという言葉を使われましたんですけれども、特に政府とかあるいは規制当局が何か罰則を与えるということではなくて、実は市民社会そのものがそういったことを行う金融機関に対して社会的にペナルティーを科すと。そういった金融機関とはもう取引をしません、預金を預けませんといったような市民社会の声としてのペナルティーが今非常に強くなっているのであります。
 ですから、ある意味では、法律による規制のほかに、社会の規範としてのこういった環境破壊融資をやめさせようというのも非常に重要な分野でありますので、是非この分野でも、日本でももっと市民社会がこういったことに目を向けていただきたいということは強く感じております。
 ありがとうございました。
#86
○会長(石井一君) それじゃ、時間が参りましたので、本日はこの程度にいたします。
 一言ごあいさつ申し上げます。
 林参考人並びに末吉参考人におかれましては、貴重な御意見をちょうだいいたしました。調査会を代表して厚く御礼を申し上げます。
 委員各位の御協力によりまして、非常にスムースに、ある人は去り、ある人は簡潔にし、本日この時間に終了することができました。今後とも引き続き御協力をお願いし、皆様の熱心な御討議に敬意を表して、本日は散会いたします。
   午後四時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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