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2007/11/14 第168回国会 参議院 参議院会議録情報 第168回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第3号
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2007/11/14 第168回国会 参議院

参議院会議録情報 第168回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第3号

#1
第168回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第3号
平成十九年十一月十四日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月三十一日
    辞任         補欠選任   
     行田 邦子君     島田智哉子君
 十一月十三日
    辞任         補欠選任   
     犬塚 直史君     岡崎トミ子君
 十一月十四日
    辞任         補欠選任   
     岡崎トミ子君     犬塚 直史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         溝手 顕正君
    理 事
                大塚 耕平君
                富岡由紀夫君
                藤末 健三君
                谷川 秀善君
                山内 俊夫君
                谷合 正明君
    委 員
                犬塚 直史君
                大石 正光君
                岡崎トミ子君
                加藤 敏幸君
                亀井亜紀子君
                島田智哉子君
                武内 則男君
                谷岡 郁子君
                轟木 利治君
                長浜 博行君
                姫井由美子君
                広中和歌子君
                牧山ひろえ君
                秋元  司君
                椎名 一保君
                田村耕太郎君
                鶴保 庸介君
                西田 昌司君
                長谷川大紋君
                森 まさこ君
                浮島とも子君
                近藤 正道君
   国務大臣
       外務大臣     高村 正彦君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 町村 信孝君
   副大臣
       内閣府副大臣   中川 義雄君
       外務副大臣    木村  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        堀田 光明君
       常任委員会専門
       員        桐山 正敏君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官    
       兼遺棄化学兵器
       処理担当室長   西  正典君
       外務大臣官房地
       球規模課題審議
       官        鶴岡 公二君
       外務大臣官房審
       議官       松富 重夫君
       外務大臣官房参
       事官       伊原 純一君
       外務省国際協力
       局長       別所 浩郎君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   佐藤 直良君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   諸澤 治郎君
   参考人
       国際協力銀行理
       事        新井  泉君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○政府開発援助等に関する調査
 (ODA事業をめぐるコンサルタント会社の不
 正行為に関する件)
 (ODA予算に関する件)
 (ベトナムのカントー橋崩落事故に関する件)
 (アフリカ支援に関する件)
 (アフリカ開発会議に関する件)
 (平和構築分野の人材育成に関する件)
 (ミャンマーに対するODAに関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(溝手顕正君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月三十一日、行田邦子君が委員を辞任され、その補欠として島田智哉子君が選任されました。
 また、昨十三日、犬塚直史君が委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(溝手顕正君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#5
○委員長(溝手顕正君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として国際協力銀行理事新井泉君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(溝手顕正君) 政府開発援助等に関する調査を議題として質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末健三でございます。本日は、ODA委員会、久々に開催されまして、私はPCIの話を中心にお話しさせていただきたいと思います。
 このPCI、パシフィックコンサルタンツインターナショナルでございますが、これは我が国のODAのコンサルタント会社としては非常に大きな会社でございます。私たちのODA、大体年間七千億円の予算を執行するに当たり海外でのいろんな調査、調整を行っていただくコンサルタントがございますが、その一番大手だった会社でございます。
 このパシフィックコンサルタンツインターナショナルにつきましては、先月末、十月の末に、中国の遺棄化学兵器の処理をめぐりまして一億一千万の利ざやを、無断で業務委託をし利ざやを得ていたということで、東京地検特捜部がその行方不明になりました九千万円が不正に流用されたんではないかということで背任の疑いで関係先を捜査するという状況になっております。
 ただ、先月発覚した事件はございますが、このPCIの問題につきましては、参議院のODA委員会そして参議院の決算委員会等でもう四、五年にわたりまして議論されたものでございまして、このPCIについてどのような問題が過去に生じていたかということを今日議論させていただきたいと思います。
 まず、外務大臣に伺いたいのは、このPCIの問題、過去どのような問題が起き、そしてそれぞれどのような処分をなされたかという、その経緯についてお話しいただけますでしょうか。お願いします。
#9
○国務大臣(高村正彦君) 平成十六年の夏、JICAから開発調査を受注したPCI社が実施した再委託契約業務に関し不正行為が発覚をいたしました。これを受けて国会でもPCI社の問題が取り上げられて、平成十七年六月には参議院決算委員会より会計検査院に対して検査要請がなされました。この要請を受けて、会計検査院において、平成十二年から十六年にかけての全類似案件、五十一か国八十五案件について検査が行われ、十一か国十三案件の同社の再委託契約に関し不適切な経理処理が判明しました。
 外務省といたしましては、本件を極めて遺憾であると考えて、同社に対し、JICAの措置規程上、同種の事案に対するものとしては上限の措置である合計十八か月、平成十六年九月から十八年三月にわたり指名停止、新規ODA事業から排除する措置を講じました。
 なお、経理処理や精算手続が適切でなかった金額については、JICAはPCI社から返還を受けております。
 本事案で問題となった現地再委託契約手続に関しては、昨年一月からJICA等が再発防止策を講じているところでございます。
#10
○藤末健三君 私が調べた範囲ですと、十八年三月のやつはちょっと認識できていないんですけれども、ODA局長で結構ですから、十八年三月はどういう処分を行ったか教えていただけませんか。
#11
○政府参考人(別所浩郎君) 大臣の答弁でございますけれども、十八か月間にわたる指名停止措置を行ったということで、それが平成十六年九月から平成十八年三月まで及んでいたという意味で言ったということでございます。
#12
○藤末健三君 平成十八年三月は処分はしていないですよね、たしか、十八か月も前にいっていますから。
 大臣、お聞きください。どういう状況かと申しますと、平成十六年の九月に一回目の指名停止を行っています。平成十六年の十二月に二回目の停止、これ六か月です。平成十七年の一月に一か月の停止、平成十七年の六月に九か月の指名停止、平成十七年八月に二か月の指名停止ということでございますので、平成十八年三月にはたしかされていないんではないかと思います、これは。後で答えてください、局長。
 大臣にお聞きしたいのは何かというと、ここが大事なんですよ、平成十七年八月に二か月の指名停止をした後に幾つか問題が発覚しているんですね。
 会計検査院、おられますか。会計検査院に決算委員会から調査をお願いしました。その調査の中で、先ほど私が申し上げました平成十七年八月に最後の指名停止をした後に発覚した問題点を教えていただけませんでしょうか。会計検査院が見付けられたやつがあるはずです。お願いいたします。
#13
○説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。
 私ども、国会からの要請を受けまして、十八年報告におきましては、既に不祥事が発覚しておりました、国会でも御議論、御指摘をいただいておりましたコスタリカの案件などのほかに、私ども、その後はJICAがPCIと締結した委託契約につきまして検査をいたしまして、十一か国十三案件で再委託契約にかかわる経理処理や精算手続が事実と異なっていることが判明した旨を報告させていただいたものでございます。
 その後のどのような事態が私どもの検査であったのかというお尋ねでございますけれども、それは十九年の報告、今年に報告させていただいたものに記述されておりますけれども、これらの私ども、その事態につきまして改めて精査をいたしましたところ、JICAがPCIから返還を受けていた再委託契約が三十五件あったということ、そしてこのうちPCIが適切でない経理処理や精算手続を行っていたのは三十四件で、残りの一件につきましては、PCIと共同企業体を構成していた別の会社、これ応用地質株式会社ということで報告させていただいておりますけれども、そこが適切でない経理処理や精算手続を行っていたものであるということが判明した、これが一つでございます。
 それからもう一つは、JICAが、私ども、その応用地質と締結した業務委託契約のうち、再委託契約が締結されているものについて更に検査をいたしまして、やはり十一か国十三案件の中に含まれるものでございますが、その案件の中で、新たに、JICAはその応用地質株式会社に対して過大に支払っているという、そういう契約があったということを御報告させていただいたものでございます。
 以上でございます。
#14
○藤末健三君 つまり、簡単に言えば、新たに一つ見付かったということですよね、外務省が見付けていなかった案件が。
 そこで、大臣に御質問申し上げたいのは、今年の九月に会計検査院が決算委員会での指示で報告した報告書に新たに一件また見付かりましたと、問題が。これについての新たな処分を行うかどうか、教えていただけませんでしょうか、お願いします。大臣にお願いします。
#15
○国務大臣(高村正彦君) 本年の会計検査院の報告では、応用地質株式会社がPCI社との共同企業体としてJICAから受注した事業の一部現地再委託契約に関して不適正に金額を請求してきた旨指摘をされているところでございます。外務省としては、このような不適切な処理があったことは極めて遺憾と考えております。
 本事案につきましては、最終成果物、報告書でありますが、は再委託分を含め検品終えて適切に納品されていると承知しておりますが、不適正な請求があった金額については、JICAに対し利息相当分も含め約七百八十万円の返還がなされていると承知をしております。
 また、応用地質株式会社からODA等に関連する業務を継承しているOYOインターナショナル株式会社に対して、JICAは九月六日から二か月間の指名停止措置を実施しており、外務省は無償資金協力において、JBICは有償資金協力においてそれぞれ同様の指名停止措置を実施いたしました。
 今回の事案で問題となった現地再委託契約手続に関しましては、既にJICAが再発防止策を講じており、外務省としてもこれらの取組が実効的なものとなるように適切に指導監督してまいります。
#16
○藤末健三君 大臣、確認を申し上げます。
 七百五十万円の不正があったと、PCIに関してというのは事実ですよね、まず一つ。に対して処分をしたかどうか、されるかどうか、それだけをお答えください。今のお答えですと、応用地質に対しては処分を行うけれども、パシフィックコンサルタンツインターナショナルに、PCIについては処分を行わないというふうに聞こえますが、いかがですか。
#17
○国務大臣(高村正彦君) 会計検査院の報告では、不正をしたのは応用地質株式会社であると承知をしておりますし、応用地質株式会社からODAに関連する業務を継承しているのがOYOインターナショナル株式会社でありますから、それに対して処分を行ったと、こういうことでございます。
#18
○藤末健三君 たしかこれ共同受注のはずですよね。そして、OYOに渡していますから、PCIも責任があると思うんですけれども、会計検査院、いかがですか、それは、事実関係。共同受注のはずです、たしか。
#19
○説明員(諸澤治郎君) 先ほど御答弁申し上げました事案につきましては、PCIと共同企業体を構成していた応用地質株式会社が適切でない経理処理や精算手続を行っていたということを御報告させていただいたものでございます。
#20
○藤末健三君 共同受注です、大臣。余り外務省の方がきちんと大臣に御報告されていないかもしれませんけれども、私の方からまとめて申し上げます。
 今このPCI問題につきましては、平成十六年から、先ほど申し上げましたように一か月の指名停止、六か月の指名停止、九か月の指名停止、二か月の指名停止が行われました。そして、最後の指名停止が行われたのが平成十七年の八月です。二年前です。
 外務省の見解は何かというと、これ、私は問題が大きいんではないか、もっと指名停止をきちんとやらなきゃいけないんじゃないかという話を申し上げていましたけれども、平成十七年八月以降は指名停止は行われていません、何ら。それはどうしてか。JICAの内規があるという理由です。
 JICAの内規では、処分は九か月、最大その二倍、十八か月しかできません。したがいまして、もう十八か月指名停止をしたからそれ以上はできないということを私は説明を受けています。これ多分国会の議事録にも残っているはずです。これだけの問題を起こした企業が十八か月の指名停止でいいのかどうか。その判断を私は大臣に伺いたいんですが、いかがですか、大臣。大臣にお願いしたい。
#21
○国務大臣(高村正彦君) 平成十六年にコスタリカにおけるPCI社の不正行為が発覚した後、JICAにおいて平成十二年から十六年の五年間にPCIが受注した類似案件の一部抽出調査を行ったわけでありますが、その結果、平成十七年六月時点で新たに四か国四案件の不正が判明しました。その後、参議院決算委員会からの要請を受けて、平成十二年から十六年にかけてのPCI社が再委託を行っている全案件について会計検査院において検査を行った結果、更に十一か国十三案件の同社の再委託契約に関し不適切な経理処理が判明をいたしました。
 このように、不正案件は複数でありますけれども、同時期に一法人で締結された契約の再委託分における不正な経理処理であるという点において共通しておりまして、一括して指名停止措置をとることとしたわけでありますが、それは内規の、JICAの規程で最高限度の指名停止措置をとったわけであります。
 これが重過ぎるか軽過ぎるか、ちょうど適正なのかというのはいろんな意見があり得ると思いますが、私も類似案件の相場観がちょっとありませんので更に検討をしてみたいと、こういうふうに思っております。
#22
○藤末健三君 類似案件だから全部まとめて処罰しますと、その処罰は十八か月が最大ですよというのは私は常識じゃ通用しないと思います。
 何が非常に大事なことかと申しますと、もしその考えを適用するならば、適用するんであれば類似案件を犯しても犯してももうこれ以上PCIは何の処分もできないんです、大臣。それについてはどうですか。もう十八か月が最大です、類似案件はもう処分できないんですと。じゃ、また類似案件が次に発覚すればどうされます。もうこれはマックスだから処分できないということですよ。
 会計検査院が九月に見付けて報告されました。それは処分できないと、それでいいんでしょうか、大臣。済みません、お願いします、これは。
#23
○国務大臣(高村正彦君) 最終処分をした後、更に新たな、処分をした時期から新たに事案が発見されれば、当然処分しても処分するということはあり得るんじゃないでしょうか。最終処分をして、その後から新たな事案が発見されれば、それは別のことだと思います。最終処分したときにそれまでにあったものを全部評価して処分をしたと、最高のものを評価したと。類似案件でも、また出てくればそれは別の話だと、こういうふうに考えております。
#24
○藤末健三君 そうしますと、最終処分をしたのが平成十七年の八月でございますので、それまでにやっているやつは全部もう許すということになるわけですか、そうしますと。そうじゃないですよね、多分。局長が御理解しているかもしれませんけれども。平成十七年八月に最終処分をしましたと、それまでに行った類似案件は全部じゃもうこの十八か月で、どんなやつが後で出てきても許されるというものなんですかね。私は違うと思う。
 大臣、私のちょっと提案を聞いていただきたいのは、この十八か月というのは法律で決まったものでもないです。政令でもない、省令でもない、JICAの内規なんですよ。内規ですよ。内規で十八か月と決まっていますと。だから税金を、これははっきり言って、後で議論したいのは公金の横領なんですよ、これははっきり申し上げて。私たちの税金でODAをしていただく。私はODAは非常に重要だと思っています、正直言って。だからこそ正していただきたいんですよ。国民の皆さんが安心してODAを使ってくださいと言える体制をつくっていただきたいんですよ。
 ただ、これでは僕はだれも信用しないと思う。内規で十八か月と決まっているから処罰はできないということをもう二年前から続けているわけですよ。なぜ変えなかったか。ODA局長、なぜ変えなかったんですか。なぜ内規の見直しの議論をしなかったか教えてください、理由を。それほど内規は重いものなんですか。お願いします。
#25
○政府参考人(別所浩郎君) 今の質問の前に、先ほど追加的に答えてほしいというお話……
#26
○藤末健三君 短くしてください、ポイントだけで。
#27
○政府参考人(別所浩郎君) 済みません。それじゃ、短くいたしますが、今の御質問で内規の変更について検討しなかったかという御質問でございますが、今までにそういう方向で検討したということはございません。
#28
○藤末健三君 大臣、これが現実ですよ。これだけの問題を起こしながら、内規の見直しさえやっていない。恐らくこれからまた問題が出ても、これ今東京特捜が入っています、そしていろいろな問題が出てくるかもしれません。でも、もし今の考えであれば、平成十七年八月以前に何か問題が起きた、類似の問題、公金横領はあったとしても十八か月しかもうできないわけですよ。そういうことはないと思いますね。
 私は、至急この内規の見直しをまず提案したいと思いますし、また同時に、私はこの非常に甘い対応、不満です、正直言って。もしコスタリカの案件が発覚した平成十六年の時点で、これは公金横領でございますので刑事告発をしていれば、今回のこの十月に発覚したような、これはODAじゃございません、化学兵器の遺棄の問題ですけれど、同じ会社です。もし刑事告発をしていたら、私はこの問題もそのとき出ていたんじゃないかと思うんですよ、もしかしたら。なぜ刑事告発をしなかったかということも問題でございますが、そこについてはもうここでは特段申し上げませんけれど、どういう価値判断をしているかということですね。
 これは局長で結構ですから、コスタリカの案件が発覚したときに刑事告発をしなかった経緯をちょっと教えていただけませんか。
#29
○政府参考人(別所浩郎君) 関係者の告訴につきましては、JICAにおいて調査結果が出てまいったところで捜査当局にも相談しつつ検討いたしました。その結果、本件につきましては、再委託契約分も含め、契約業務の完了が成果品である報告書の納品をもって確認されているということがまず第一にございました。また第二に、PCI社の不適切な経理処理により請求された金額の返還が完了をその時点でしております。それから、第三でございますけれども、同金額の業務目的外の使途への流用が確認されなかったと、そういうこともございまして告訴を見送っている次第でございます。
#30
○国務大臣(高村正彦君) 先ほどの私の答弁でちょっと紛らわしいところがあったかと思いますが、最終処分の後に新たな事案が発覚したら処分を行うと。それじゃ、最終処分の前のことで新たなことが発覚した場合に処分できないのかと。必ずしもそうじゃないと思います。それはできると思います。
 ちょっと紛らわしかったので訂正を、訂正というか付け加えます。
#31
○藤末健三君 大臣、ありがとうございます。是非そのような決断をしてください。
 これはもう内規でございますので、考え方次第です、これは。だから、本来であれば、私が見た形ですと、個別の問題が見付かるごとに十八か月マックスの処分ができるはずなんですよ、本当に。これもう見付かったのが二年にわたって見付かっていますから、断続的に。一回で見付かって処分しましたと、十八か月で終わりますというんだったら私も少しは納得する。ところが、断続的に見付かっていくんです。そして、平成十七年の八月でもうぱんぱんの十八か月になりましたと。じゃ、次これ処分しないんですかとお聞きしたら、できませんとおっしゃる。運用でも変えられます、これは十分。ただ、運用どころか内規自体もう変えていただきたいです、これは。
 是非、大臣、見直しをここで約束していただけませんでしょうか。お願いします。
#32
○国務大臣(高村正彦君) 必ず変えるということをお約束するわけにはいきませんが、よく検討をしてみたいと思います。
#33
○藤末健三君 是非やっていただきたいと思います。
 そしてまた、私がお聞きしたいのは、このPCIの問題、新聞記事を検索しますと、今からもう五、六年前からいろんな記事が書かれています。ここにも幾つもございます。そのたびに問題が告発されるような形ですけれど、何かこうやみくものままに突き進み、ちょこちょこ問題が出てきて十八か月の指名停止だけで終わっているという状況。
 私は確認したいのは、PCIについてマスコミにいろいろ書かれていますけど、外務省に対して何か内部告発みたいなものがなかったかどうかを確認させていただきたいと思うんですが、大臣、お願いします。
#34
○国務大臣(高村正彦君) 内部告発はなかったという報告を受けております。
#35
○藤末健三君 恐らくこれから捜査当局が入っておりますのでいろんな情報は出てくると思いますので、そのお言葉を私は信じて対応させていただきたいと思います。
 ただ、もし今のお答えに対してまた違う事実が発覚した場合には、もう非常に大きな責任が生じるということだけはこの場で申し上げさせていただきます。
 私、次にお話ししたいのは、官房長官に御質問でございますけれど、二〇〇五年の国会で、山谷議員から遺棄化学兵器処理の人件費等の指摘があった際に、当時の外務大臣である町村官房長官が外務省きちんと対応させるということをお約束いただいたわけでございますけれど、今はその遺棄化学兵器処理の内閣としての対応、調査はちゃんと行ったかどうかを簡単にお答えいただければと思います。官房長官、お願いします。
#36
○国務大臣(町村信孝君) 二〇〇五年の七月に、山谷議員からの御質問を当時外務大臣であった私にいただきました。そのときも申し上げましたが、内閣府で事業実施前に積算根拠とか内容を十分確認をしているほか、事業実施中あるいは事業実施後に担当職員が現地に赴きまして事業内容の確認を行うなど、経費の適切な執行というものに努めてきたつもりでございます。
 今般、この不正経理に係る一連の報道がなされまして、もしそれが事実であれば大変遺憾なことであると、こう私も受け止めておりまして、この問題は岸田内閣府特命担当大臣が担当しておりますので、今、岸田大臣の下で、随意契約で特定の民間企業に過度に依存している事業というものでこれでいいのかどうか、執行体制を改めるなど見直すべきものはないかどうか、そうしたことを幅広く今検討をしていただいているところでございます。
#37
○藤末健三君 是非きちんとした調査を行っていただきたいと思います。
 恐らくこの遺棄化学品、化学兵器処理の話はもう完全にこのPCIグループとも表裏一体の事業でございますので、是非とも厳しいチェックをやっていただき、かつ外務省さんと連携を取っていただければと思います。話をお聞きしていますと、やっぱりこの化学品の処理の話は外務省さんと内閣府が分かれて担当されているという形でございましたので、少し連携が不十分だったところもあるんではないかというふうにちょっと考えたりしております。
 それで、PCIのODAの方に話を移らさしていただきますと、皆様のお手元にちょっと紙をお配りしましたけど、これはPCIが平成十六年度に行ったいろんなコンサルタント事業を見たものでございます。コンサルタントとは何かと申しますと、海外に行きまして、いろんな調査を行い、仕様書などを作り、そして実際にいろんな建設会社に対して入札を掛け価格を決定するというのがコンサルタントの仕事でございます。
 実際に平成十六年の活動でございますが、PCIが関係した入札の状況を見ますとこのようになっておりまして、真ん中に落札率というのがございますけれど、非常にもう高い、落札率が。ほとんど一〇〇%に張り付いている。まあ六番目の項目なんかはもう本当に一〇〇%ですね、これは。という状況でございまして、落札率が九九%以上が何と二十二件のうち十六件となっているという状況でございます。恐らく初めてODA委員会に参加された方々はこれを見たらびっくりされると思われると思いますけど、これが非常に大きなODAの現実としてございます。異常な落札率。
 これを我々は変えていかなきゃならないんではないかと考えているわけでございますが、これについては特段、この状況だけをちょっと皆さんに御報告させていただきまして、このPCIの話を申し上げますと、大臣にお聞きしたいのは、これだけ数多くの問題を起こしてきたPCI、そして先月には地検が入るような状況になってしまったという状況ですよね。私は、民間企業であればもう地検が入った時点で、家宅捜査を受けた時点で取引は停止すると思うんですよ。取引は停止するはずです、民間企業であれば。指名停止という判断はないかどうかを大臣、お聞かせいただければと思います。
#38
○国務大臣(高村正彦君) 今般の事案は、内閣府において行われている遺棄化学兵器処理事業をめぐる事案でありまして、ODAと直接の関係はないところであります。
 他方、PCI社は、これまでODA事業において多くの受注実績がある企業であり、遺憾ながら過去に不正行為も指摘されているところであります。そのため、外務省として何らかの影響が及び得るのか、その捜査状況を注視しておりますが、現時点で捜査結果を予断してコメントを行うことは差し控えさせていただきたいと思います。
 過去のODA案件については、JICA等の実施機関や会計検査院が調査を行っており、外務省独自の調査は行っていないところでありますが、これまでのところ、本件事案と異なる種類の不正事案は発見されていないと承知をしているわけであります。
 外務省としては、ODA案件の適切な実施に向け、引き続き取り組んでいく考えでございます。
#39
○藤末健三君 済みません。私、新聞記事で話をちょっと申し上げていることをお許しいただきたいんですが、新聞記事を読む限りにおいては、遺棄化学兵器処理機構というのはPCIと同じ資本系列なんです。そして、この遺棄化学兵器処理機構が受けたお金のうち一部をPCIグループの中、そしてもしかしたらPCIも関係しているんじゃないかと書かれてますんですよね。少なくとも一つだけ事実。これは事実じゃないかもしれません、新聞記事ですから。ただ、一つだけ事実なのは、資本関係がある企業が不正を受けたという形。これ資本関係一回調べてください、もう完全に一体化していますから。
 グループが家宅捜査を受けているという中、委託をされ続けるんですか、外務省は。PCIグループに家宅捜査が入っている、PCIもこれ入っていると新聞には書いています、PCIにも入っていると。その中において、外務省は引き続き委託を続けるんですか。それだけをちょっと教えてください、大臣。
#40
○国務大臣(高村正彦君) 今官房長官にお聞きしたところによると、報道は確かにそのとおりだけれども、本当に捜索が入っているかどうか確認できてない、こういうことでありますし、捜査の報道って、私も相当経験あるつもりですが、事実とかなり異なっている面もありますんで、いずれにしても、受注させてはいけない企業に受注させてはいけないというのは委員のおっしゃるとおりでありますから、関心を持って見ていきたいと、こういうふうに思います。
#41
○藤末健三君 私は、税金をきちんと執行する責任が外務省というか政府にあると思うんですよ、税金をきちんと使うという責任が。分からないということはおかしいんじゃないですかね、それは。いかがですか。
 私はちょっと一つ不満点を申し上げますと、実はPCIに対するデータにつきましては今から一か月前に外務省に要求したんですよ、情報を下さいって。そうしたら、来たのは二日前、それも完全じゃないんですよ、大臣。これだけ新聞に書かれているのに、何ら対応を取っていない感じでしたよ。新聞の事実がどうかということも確認してなかったんじゃないですか、それは、外務省が、というふうに聞こえます、私は。
 少なくともPCIについては落札率が高いですよという疑問も提示されましたし、今まで公金横領したという事実もある。そして、会計検査院が九月に行っていただいた報告書を読めば、新たな問題点も発覚したという状況。それで、結局は外務省は何ら手を打ってないということですよ。捜査は分かりません、問題は新たに発覚しましたけど過去に十八か月やっているからもう指名停止はできないんですと。
 何をされるんですか。新聞にこれだけ載り、不安をあおり、そして数々の問題がどんどんどんどん発覚している。これは外務省の責任でもありますよ、はっきり言って。その中で何ら一切手を打たないという判断を大臣はされるかどうかをここで伺いたいんです、私は。お願いします。
#42
○国務大臣(高村正彦君) 落札率が高いと、こういうふうにおっしゃいましたが、この一般プロジェクト無償資金協力事業の受注企業を選定する一般競争入札において平均落札率が高い背景として、本邦企業が社会習慣、制度等が異なる途上国で事業を行う上のリスクがある、あるいは我が国の予算制度の制約の枠内で厳格に工期を管理していかなければならないこと等から、国内における入札との比較において入札参加者が数が限定的になっているという実情もありますし、また国内公共事業と異なって、無償資金協力では外交上の効果の観点から先方政府との間の交換公文においてあらかじめ供与限度額を明示していることも一つの理由かと思います。
 そして、特別PCIが高い高いとおっしゃいましたけれども、平成十九年十月に公表された会計検査院の検査結果においては、PCIを含めコンサルタント別の平均落札率の状況について検討したところ大きな差異は見受けられなかったと、こういう報告をされていると承知をしているところでございます。
 外務省、JICAとしては、これまでも入札公示期間の延長、契約の細分化、企業説明会の開催等の努力を行ってきたところであり、契約の競争性等を更に向上させるようより一層の努力を引き続き行っていきます。それと同時に、委員がおっしゃったように、PCI社自体がいかがわしい会社であるかどうかということをこれからも外務省としても積極的に調べられる点は調べていきたいと、こういうふうに思います。
#43
○藤末健三君 ODA局長にお聞きしたいんですが、今年度のPCIの契約の実績を教えてください。
 一か月前に発注しています、これは。
#44
○政府参考人(別所浩郎君) 申し訳ございません。今至急調べましてお返事するようにいたします。今ちょっと資料が私の手元にございません。申し訳ございません。
#45
○藤末健三君 大臣、私は十月十八日にPCIに対する実績を調べてくださいとお願いしています。一か月前です。一か月前。今多分お手元にないと思います、昨日の時点でありませんでしたから。だから、これが現実なんですよ。PCIについて調べていないですよ、一切。
 ちなみに大臣、私、お伝えしたいのは、昨年実績五十三億円、十八年度。十七年度、六十八億円です。これは税金です。処分をした処分をしたとおっしゃっているかもしれない。しかし、実際に六十八億円、平成十七年度。平成十八年度は六十三億円。そして平成十九年、恐らく私は五十億ぐらいもう行っているんじゃないかと推測しています。国民が納得しますか、これで。捜査の行方は分からない、もう最大限の処分をしたと。納得しますか。処分をしたと言いながら、六十億円、五十億円の税金が流れているわけじゃないですか。そして、今年度分については分からないというお答えをいただいた。私はもう根本的な問題があると思います。
 そして、この入札の問題も先ほどお答えいただきましたけど、落札率の高さは現実でございますんで、これは絶対将来的に直していただきたいです。これはPCIだけの問題じゃありません、御指摘のとおり。
 そこで、もう最後の提案でございますが、この問題の一つのポイントは何かと申しますと、委託ということを行っていることであります。委託というのは何かと申しますと、JICAさんや外務省がコンサルタント会社に積算表を作った上でこうやってくださいねということでお金を渡す、そしてそれで再委託をする。ある程度枠が決まっていますから、外国で再委託をするときに予算の使い方が面倒くさいんで裏金みたいなものをつくったというふうに私は記事とかで読んでいます、これは。
 その問題を克服するためには、ほかの国が行っていますように請負、この仕事をしてください、金額は一千万ですよ、内訳は問いませんというような細かい管理を除く請負的な契約に変えた方がいいと思うんですが、その点いかがでございますか。これは、私がお会いしているODAのプロジェクトに関与した方もこれはおっしゃっていました、請負でやりたいって。そうすればある程度自由に使えると、お金が。その点、大臣、お願いいたします。
#46
○国務大臣(高村正彦君) JICAがコンサルタントを締結する契約にはいろんな形態があるわけでありますが、いずれも委任契約と請負契約の両方の要素を併せ持っているわけであります。業務の内容に応じて、委任契約の要素が強いものから請負契約要素の強いものまで適宜使い分けているわけであります。委託と請負と、こういうふうにおっしゃいましたけれども、委託というのは委任契約と請負契約の総称であります。ですから、委任契約じゃなくて請負契約にしろと言っているのかどうか分かりませんが、委託という場合は両方含まれているわけです、委任契約と請負契約が。
 成果、報告書の提出を重視するような業務、開発調査や無償資金協力の基本設計調査等は請負契約的要素が強いものであり、報告書の提出に至る業務の実施の在り方においてはコンサルタントの裁量がかなり認められているわけであります。他方、コンサルタントよりの知見や役務の提供を受けてJICA自身が調査するというのもありまして、この場合は委任契約的な要素が強い契約であります。
 請負契約の長所を生かすように今後とも適切な調達を心掛けてまいりますが、一概に請負契約にして裁量部分を増やすと、これが税金の無駄遣いがなくなるかどうかはちょっとよく検討させていただきます。
#47
○藤末健三君 是非適正な税金の使い方が行われるようにしていただきたいということと、もう一つは処分をきちんとしていただきたいと思います。
 私は、ODAは非常に重要な外交ツールだと思っています。信じています。しかし、このような悪いことをしても処罰がもう十八か月で終わりだよという話であれば、処罰を受けたとしても五十億円、六十億円の契約ができるのであれば抑止効果はないですよ、処罰の。徹底的にこの処罰の条項を見直すことをお願いしまして、私の質問を終わらさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#48
○加藤敏幸君 委員長、ありがとうございます。民主党・新緑風会・日本の加藤敏幸でございます。
 ただいまの藤末委員の質問と関連、連動しながら、私は、一つはODA予算編成の在り方、二つ目は先ほどございましたPCI社の問題、三点目はベトナムにおけるカントー橋崩壊事故、この三点に絞って御質問を申し上げたいと思います。
 まず第一に、ODA予算編成についてでございますけれども、まず来年度のODA関係の予算編成に関連してお伺いをしたいと思います。
 来年、二〇〇八年という年は、私はODA政策にとって大変重要な節目の年になると考えております。一つは、七月に日本でサミットが開催されるということ、サミットにおいて国際的責務にかかわる議論が行われるであろうということ、二つ目に、来年十月に援助機関の統合が行われ新JICAが発足し、新しい体制への期待があるということ、三点目、五月にアフリカ開発会議が開催され、我が国のアフリカ支援に大きな期待がもたらされていること、そして第四点目に、テロ対策特別支援法等をめぐり、国会での論戦を経て、人道支援あるいは貧困対策など、ODA、国際貢献における援助の在り方について広く国民を含めまして議論が深まっていくであろうということ。
 そういうふうな情勢を思えば、ODA政策を推進する上では大変重要な年になるであろうというこういう思いの中で、当面の来年に向けて、予算編成について、昨年同様にODA予算についての増額は普通に言えば期待できないと思います。
 しかし、十九年度については、総額七千二百九十三億円で四%減になったものの、これに十八年度補正予算八百六十二億が追加されたことで実質的には前年比二・七%の増額になったと、私はそう理解しておるわけであります。
 そういうような意味で、ODA事業量百億ドルを積み増しするという国際公約も背景としてあるわけでございまして、単純にODAのこの特別委員会が外務省に予算編成について頑張ってほしいと督励するというのもおかしいですけれども、また最近、野党はなかなか財源については疎いのではないかと、こういうふうな御批判のある中で申しにくいんですけれども、流れとしてはこの方向でこのODA特別委員会の中でも多く議論されてきて、やはり努力すべきではないのかと、こういうことでございますので、意気込みを含めまして御答弁いただきたいと思いますけれども。
#49
○国務大臣(高村正彦君) 国際貢献を通じて国益を実現していく我が国にとって、ODAは最も重要かつ有効な外交手段の一つであります。
 来年は、正に我が国の国際協力にとって大きな節目の年になるわけであります。四月にはG8開発大臣会合、五月には第四回アフリカ開発会議、TICADWでありますが、七月にはG8洞爺湖サミットが開催されます。十月には技術協力、円借款、無償資金協力という三つの援助手法を一元的に実施する新JICAが発足するわけであります。この機会をとらえて我が国の国際協力を一層充実したものにしていく考えでございます。
 ODAの事業量は、一般会計を財源とする無償資金協力や技術協力のみならず円借款や債務救済、国際機関への出資、拠出なども含めて構成されているわけでありますが、現時点で事業量の見通しについて確たることを申し上げることは困難でありますけれども、いずれにしても、国際公約をしっかり達成すべく、今後とも財政当局と協議していきたいと考えております。
 委員におかれましても、応援していただければ大変有り難いと思います。
#50
○加藤敏幸君 大臣の答弁にありましたように、来年度というものを一つの重要な年としてとらえていくというその環境だとか背景については共通認識ができているというふうに思います、具体的項目も一致しておるわけでありまして。また、国際貢献についての多面的な議論が閣法を含めまして、我々の提案している法案も含めまして、私は国民全体の議論を惹起する非常にいい機会でもあるし、いろんな議論が行われていると。
 そういうふうなことの中で、最もメーンストリートと言えるのは、私はこのODAを中心とした国際貢献こそが、ここ何十年来政府もそう提唱されておりますし、我々もそれを今まで支援をしてきたと。こういうふうな背景にあることの中で、私は、結果としてそういう議論が生きる、そういうふうな努力を、努力だけじゃなくて、是非とも政府の中において外務省として努力をしていきたいし、そういうふうなことが大切だということで。
 ただ、これはこれで質問は終わりますけれども、そのためにもODA予算並びに関連する予算の厳正な執行が必要ではないかということを次のテーマとして議論をしていきたいというふうに思います。
 さて、二点目でございますけれども、中国遺棄化学兵器処理事業の不正問題といいましょうか、先ほど藤末委員の方からるるいろいろと質問があったわけでありますけれども、お手元に少し資料を用意させていただきました。これは政府の資料を中心にまとめたというだけの資料でございます。ただ、PCIGグループ、PCI社が関係するグループの欄の中に不正流用の構造という記述がございますけれども、この出典は新聞報道を中心とするものでございまして、最終的に正式に確認はまだされていないと、こういう前提でまとめておりますので、その点は御容赦をいただきたいというふうに思います。
 先ほどの藤末委員の質問も一応時系列的にはこの一覧表の流れの中で質問が行われたわけであります。左端にある政府・国会関係というのが事実上、国会における議論の発端、あるいはPCI社に対する指名停止のタイミングなりその内容等、あるいは会計検査院との関係が記述されております。真ん中の遺棄化学兵器処理事業、そして右端のPCIG関係につきましては、その中心となった事業体並びにその事前の調査事業の関係が少し記述されているということであります。
 おおむねこの遺棄化学兵器処理事業につきましては、調査研究事業が一応十二年から十五年と、この間いろいろとされておりまして、これはPCI社と株式会社日揮との共同企業体のPMCがこういう事業を主として担ってきたということの中で十六年三月に株式会社遺棄化学兵器処理機構が設立されて、以下こういうふうな平成十八年度まで三か年、二百三十億余の契約を随意契約として受託されていると、これは当然ながらODA予算とは関係のない資金を使ってということでありました。
 そして、この不正流用の構造というのは、報道を中心とした内容でございますけれども、この流れの中で、十六年度の七十五億五千四百万円のうち三十四億分の事業をPCI社・日揮共同企業体に再委託をし、更に二億円を同グループ企業のPPM社に再委託し、PPMは更に一億六千万円を子会社の四社に再委託をし、この過程で先ほどもございました架空経費計上等により約九千万円の資金を捻出したと報道され、かつ捜査に当たられていると。これが大体全貌であるわけであります。
 そこで、このようないろいろな疑惑の中で、現実に捜査を受けているというこの状況の中で、私としては、まずこの随意契約ということをされたということであり、結果的に二百三十億五千五百万円のすべてが随意契約としてこの機構と契約をされたということでございました。随意契約をされるにはそれなりの根拠が要ると、なぜ随意契約なのかと。それは、その理由もあり、かつ経過も必要だというふうに思いますけれども、その辺りの経過と、随意契約をした、そしてこの株式会社を使ったということの理由についてお伺いをしたいというふうに思います。
#51
○政府参考人(西正典君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、平成十六年度に株式会社処理機構、これを随意契約で調達しております。これは、中国吉林省ハルバ嶺における処理事業、これが本格化していくことが見込まれるふうになってまいりました。それ以前はコンサルティング業務のみでございましたところ、今後は発掘・回収施設の建設、あるいはそのために必要ないろいろな装置の製造に係っての調達、あるいは現地での施設の運転、管理、こうした業務が必要になる、こういったことが見込まれるふうになってまいりました。
 施設などの調達業務は、本来、政府が行うものではございますが、当時、内閣府の担当室の方では、事業の特殊性やマンパワーなどから見てこれを行うことが困難であろうと考えられましたことから、これらの業務を一体的に処理させる管理会社が必要、かような判断をいたしました。
 管理会社の調達に当たっては公募も含め検討いたしましたが、最終的にはこれまで蓄積されたPMCの技術的なノウハウを生かす形でスキームを構成することが最も適当であろうということに相なりました。
 そこで、担当室、私どもとパシフィックコンサルタンツグループ、PCIGが協議をいたしまして、政府が管理会社の設立をPCIGに依頼し、平成十六年三月にただいま先生御指摘の株式会社処理機構が設立され、同年四月に内閣府がここと業務委託契約を締結、これが随意契約でございますが、このような経緯でさせていただいたものでございます。
#52
○加藤敏幸君 したがいまして、国民が何で随意契約なんですかと、こういう疑問と質問を持たれたときに、私が答弁する立場といいましょうか、どうしても答えろと言われるならば、ここに書かれているとおり、調査事業からここと密接な関連を持ってずっとこの事業が計画されてきたと、そしてその結論として株式会社という、言ってみれば国策会社とは言いませんけれども、古い言葉ですけれども、いわゆる目的を持ってそういうためにする株式会社を設立をし、この事業に当たっていると。したがって、契約の形態としては、他者をもって代え難い経緯、歴史があるということの流れから、ほかに競争入札しようが指名競争しようが、なかなか選択肢としては競争になり得ないという状況がつくられた中でのこのPCI関連企業を対象会社としてきたというのが浮かび上がってくることであり、事実だと思うんですね。
 そこで、この随意契約という契約形態が是なのか非なのかというのは、すこぶる多面的な要素を検討しなきゃ、一概に随意契約だからいけないと私は言うつもりもないし、そういうことでもないと思います。
 しかし、このようないきさつ、歴史をはらんだ形でここにやっぱりお願いをするというときに、これ二つ目の質問でありますけれども、同時に、この右の方を見ていただいたときに、PCI社、非常に支配されているとは言いませんけれども、強い影響力を持っているPCI社において、コスタリカ含めて左端のような事件がこれやっぱり起こっているわけでありまして、言ってみると、こちらの方では火が付いていろいろもめ事がある中で、それの日揮との共同株式会社にしても、こちらの企業については歴史的に調査から始めてずっと国策的にやってきたというこの流れの中で、私は内閣府の立場でPCI社というのはどうなんだろうかと、そういうふうな疑問が発生しなかったのかということについて質問をしたいと、こういうことでございます。
#53
○政府参考人(西正典君) ただいま先生御指摘のとおり、私ども、外務省ODA事案におけるPCI社のことに関しまして重大な関心を払ってまいりました。これに対して私どもの方でもしかるべく対応をせねばいかぬということで、私どもが契約関係を持っております株式会社処理機構に対して、その業務の厳正性を促すために各種指導を行ってまいりました。
 しかしながら、結果として、今回改めてこうしたPCIグループの事案が発生したこと、私ども誠に遺憾に思っておりまして、これに関して更に一段奮励せよという指示を岸田大臣の方からちょうだいしておるような次第でございます。
#54
○加藤敏幸君 ならば岸田大臣にお伺いをしたいと、このようにも思いますけれども、その前に、委員長にお願いがございます。
 藤末委員の質問の中にも、PCI社に対する発注実態と本年度の発注内容等について明らかにされていないと、このように私も思いますし、私自身この議論を進めるためにも、先ほど今答弁をいただきましたように、非常に強い関心を持って、PCI社並びにこの株式会社遺棄化学兵器処理機構との関連含めまして、今答弁もございましたので、PCI社を中心とする発注等の内容についての詳しい報告を委員会として求めるということについて、後ほど御処置の方をまずお願いをしておきたいと思います。
#55
○委員長(溝手顕正君) 本件につきましては、後刻、別途理事会において協議したいと思います。
#56
○加藤敏幸君 ありがとうございます。
 さて、このPCI社にかかわる質問の最後でございますけれども、この遺棄化学兵器処理事業というのは非常に重要な事業であると私は認識をしております。国民の中には様々なこれはとらえ方、意見があることも事実であります。しかし、現に私どもの先輩といいましょうか、連綿とした私たちと血のつながりのある世代が残念なことに他国に残してきたこのことについての責任を率直に受け止めて、そこで私は全力を挙げて処置をしていくというふうなことは大変重要であるし、日中二国間の関係のみならず、世界に対して我が国の姿勢を表す意味でも重要であると、こういうふうに認識をしているわけであります。
 しかしながら、こういうことが国民の中に、国内の経済あるいは生活が苦しくなってもODAをどう理解していくのかと、こういうことで私どもも議員としていろいろな理解を求める活動をしておる中で、私は、こういうことが新聞報道されていく中で、やはり見方によるとODAが食い物にされているのではないかと、こういうふうな思い、あるいは国の予算が、税金がこういう仕組みの中で浪費されているんではないかと。私は、こういうことになると、納税者の信頼を失ってしまうというふうに思います。
 そういうふうな懸念から、こういった不正を未然に防ぐ方策やチャンスというふうなものはその都度いろんなタイミングであったかもしれない、あるのではないかと、こういうふうに思うわけでありますし、会計検査院の調査にもありますように、無償技術供与などでは随意契約を結ぶケースが多い、やはり随意契約を締結する場合は契約時点における厳格なチェックとともに、契約後も継続的な監視が必要であると、このように考えるわけでございます。
 政府として、このような事件を未然に防ぐためにはどのような対策を立てようとされているのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#57
○副大臣(中川義雄君) 先ほど来加藤委員のお話を聞いていて、本当にごもっともだ、よく調査してくれたと、そういう気持ちで聞かしていただきました。
 ですから、大切な国民の税金を使っているわけですから、これに少しでも疑義を受ける、これはあってはならないことだと思っております。いろんな過去の、例えばどうしても特定の民間に委託せざるを得ないというような特殊事情があったとしても、これはやっぱり透明性をしっかり確保して、こんな事件が起きて国民から疑念を抱かれるようなこんなことがあっては決してならないと、私もそう覚悟しておりますので、大臣ともしっかり打合せして、今、加藤委員の御指摘が全くそのとおりですから、できる限り努力したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
#58
○加藤敏幸君 本日は副大臣の答弁をもって多としたいというふうに思います。私は、随意契約そのものが間違っているということでは国の事業が動かないと思いますし、このPCI社に対しても、あるこういうまずいことを起こした一面だけですべてを評価することではどうもバランスが欠いてくる、権威ある国会の議論はもう少しオーソドックスにやるべきだと、こういう考えでおります。
 ただ、そのためには、先ほど少し資料を委員会の方から請求していただきたいとお願いしたように、今透明性と言われたそのことをやっぱり積極的に随意契約においてはなおのこと確立していくということを、私は国会並びに政府の方針としてなお努力をしていただくということを要請申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 さて、次はベトナムのカントー橋崩壊事故とODAの在り方ということで、実はこれは過日決算委員会で木村副大臣に御質問をいたしまして、その時点における、一月ほど前の時点における現況あるいは政府の認識というふうなものをお伺いをさせていただきました。事件についてはもう皆さん御存じのとおりだというふうに思います。我が国の海外支援事業においては未曾有といいましょうか、極めて残念な悲しい事故であったということでございますし、この事故の問題については、我が国全力を挙げて原因の究明に援助をする、支援をする、あるいはその後の復旧、補償について努力をするということであるというふうに思います。
 これは、現在、ベトナム政府が事故調査委員会を立ち上げ、専門的な調査分析を行っておられますし、施工事業者である大成建設、鹿島、新日鉄エンジニアリングによる共同事業体は、十月四日に横浜国立大学の池田名誉教授と大成建設の社員二名、鹿島一名の計四名の事故調査メンバーを派遣し、原因究明に当たるとされております。
 最終的にはベトナム政府の調査委員会の報告を待たなければなりませんけれども、外務省として現時点で得ている事故原因等に関する新たな情報がございましたらお答えを願いたいと思います。
#59
○副大臣(木村仁君) ただいま委員から御指摘がありましたように、ベトナムの建設大臣を議長とする国家事故調査委員会が原因の究明に当たり、またかつ責任の所在についても問題を整理をしてベトナム政府の総理大臣に報告をするということになっておりまして、日本からも橋梁の専門家が一人その委員会に入っておりますのでその審議の模様は幾らか分かっておりますけれども、ベトナム政府自身がその審議の内容を秘密にせよということを、これは日本人でありますけれどもベトナムの委員会に入っているものですから、そういう前提で入っておりますので詳細はお答えできませんけれども、まだ最終的に原因の究明が尽きていないと。
 ただ、総理の指示は一月以内に明確にしろということでありましたから、そろそろ出てくる時期であると考えておりますけれども、今の時点ではまだ明確なことは申し上げられません。
#60
○加藤敏幸君 それでは、その報告をまず待つということだと思います。
 ここで、大臣に今日は御出席をしていただいていますので、本事故の重大性を外務省のお立場でやっぱり率直に今どう受け止められておるかどうかということを、国民の皆さん方も含めましてやっぱり御発信をいただきたいということであります。簡単でも結構ですけれども、まあ軽くは考えていないというふうに思いますので。
#61
○国務大臣(高村正彦君) 極めて重大な事故であると、こういうふうに思っております。ODAというのはすべて日本人の税金でやられることでありますし、そしてこの案件については特に日本企業を指名すると、それは日本企業というのは技術が高いからということで、そういうことである意味でひも付きでやった事業でこういうことが起こるというのは極めて残念であります。それは、国内的にも説明が付かないし、国際的にも説明が付かない。
 だから、そういうことを原因を究明して再びこういうことが起きないように、今第一義的に発注者がベトナム政府でありますからベトナム政府にやっていただいておりますが、その原因究明ができたところで、そしてさらに、それを基に日本政府としても二度とこういうことがないように万全を期していきたいと、こういうふうに思っております。
#62
○加藤敏幸君 ありがとうございました。
 さて、昨年の六月にこの円借款事業について中間レビューがJBICによって行われております。その中間レビューによりますと、実施機関であるベトナム交通運輸省は、景気刺激、雇用促進への貢献があったと認識、特に日本企業によってもたらされる品質の高さ、しっかりした工程管理、ベトナム現地企業に対する技術移転効果を高く評価しており、価格的に高くてもそれに見合う効果が得られるとのことであったと報告をされております。また、本邦コンサルタント、コントラクターは、橋梁基礎工事で用いられた深いくい打ち技術など日本が持つ技術的優位性を生かすことができたと評価していると報告しています。しかし、これらの評価も今回の事故によって大きく揺らいでしまったと、このように思います。
 中間レビューはODA事業の事前評価に基づき事業の有効性や効果、環境への影響などを評価するわけでございますが、今後は工事の進捗状況とともに、安全対策や現地における下請企業の適正性などもチェックするような体制が必要ではないか。つまり、総合的な評価、監理、そういうようなことが必要ではないかと私は思いますけれども、本日、JBICの御出席をいただいておりますので、見解をお伺いしたいと思います。
#63
○参考人(新井泉君) お答え申し上げます。
 私ども国際協力銀行といたしましては、円借案件の実施段階で様々な監理を行っておるわけでございますが、先生御指摘の中間レビューというのも、これもその一つでございます。
 中間レビューといいますのは、円借款契約締結後、原則として五年目の事業実施段階におきまして、事業計画の妥当性が保たれておるのか、また当初予定されておりました事業効果とこの発現が五年後の段階でも将来的に見込まれるのかと、こういったことを検証するために一部の案件を抽出いたしまして、それで行っているものでございます。カントー橋、この建設事業については、私ども、外部の専門家に委託いたしまして、昨年、二〇〇六年に行われております。
 御指摘の点でございますが、今回のカントー橋の事故を踏まえまして日本政府がカントー橋崩落事故再発防止検討会議というのを立ち上げていただきまして、私自身もそこの委員として参加をさせていただいております。私どもの銀行といたしましては本件の事故を深く受け止めておりまして、この検討会議でも事故原因の調査結果を踏まえて今後の円借事業に係る案件監理の改善点や同種事故の再発防止策等を検討するということでございますので、先生の御指摘の点も踏まえ、今後、更に案件の監理というのを充実していくべく日本政府とともに検討させていただきたいと思っております。
#64
○加藤敏幸君 そういうことで、全力を挙げて対応の方もよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 そこで、少し関連をいたしまして、私はこの事故が耳に入ったときに、極めて驚愕というんですか大変ショックを受けたわけでありまして、それは大臣も言われたように技術があるから日本のという、それがもう全然違うということと同時に、ふと思ったことは、これは単なる一つのある種偶然といいましょうか悪いことが重なった事故ということ、それだけではなくて、やはり我が国の建設、橋梁、そういう総合的な技術力に何かしらひびが入っているようなことではないのだろうか。私、生まれ付き心配性なんです。ですから、余分な心配かも分かりませんけれども、一つのことをもって全体のことを顧みるということはやっぱり必要なことではないんでしょうか。
 そういうような意味で、日本国内における建設、建築あるいは橋梁等ずっと見た中で、必ずしも無事故ということではないということも事実であります。物づくりでございますから、完璧にできるということではございません。それは私も物づくり産業に携わってきたので、なかなかここのところはいわく言い難い苦しみがあるわけでございます。
 そこで、建設の物づくりは各セクションが役割をこなすだけでは結果としていいものはできない、その品質は企画、設計、監理、施工が一体となって確保されるものだと、このように言われてきておりますし、今回のカントー橋の事故では、施工監理コンサルタントの日本人技師が今年の六月段階で安全性について警告をしたというような情報が、そしてこれを施工業者側が余り扱わなかったと、こういうふうな情報も飛び回っております。
 日本政府として、今後原因が究明されれば責任の取り方を明確にしなければならないと思いますけれども、最も大事なことは、今後こういった事故を起こさせないための予防をいかにしていくのか。今日は、こういった我が国建設業の根幹にかかわる問題になる要因を抱えているということで、わざわざ国土交通省においでをいただいておりますけれども、我が国の建設技術の信頼度を高め、事故を予防するという観点から、今回のカントー橋の事故を契機に国土交通省として何か御見解があれば、一般論としてでも結構ですので、よろしくお願いしたいと思います。
#65
○政府参考人(佐藤直良君) 先生御指摘のとおり、我が国における社会資本等の整備を円滑に進めるためには、その品質の確保という観点からも、工事中の事故防止にも寄与し得る建設技術の維持向上、これが必要不可欠であると私どもも認識しております。
 我が国においては、土木学会あるいは建築学会等の学会活動、これにつきましては産学官連携して共通の視点で技術を維持向上させていこうと、こういう活動はもとより、私ども国土交通省におきましても、建設技術の維持向上、これは最重点課題として過去からも取り組んできたところでございます。
 具体的に少し事例を申し上げますと、民間が様々な創意工夫で建設現場における技術開発、これを実施しております。この情報を世の中で共有あるいは情報提供を一元的に行うという趣旨から、新技術活用システム、こういうものを私ども設けて広く世の中に新技術を、情報を提供するですとか、最近、公共工事の品質確保に関する法律、これも施行されておりまして、国内の工事の入札段階において、安全管理も含めた施工計画、具体の工事をどう進めるかという施工計画等を評価する総合評価落札方式、これを取り入れさせていただきまして、価格のみではなくて具体にその業者さんがお持ちの技術力、価格と技術力を総合的に評価させていただきまして一番優れた調達を実施しようと、これを現在行っております。これらを通じて、建設会社の建設技術力を向上を促すですとか、あるいは私ども発注側につきましては監督・検査体制の充実と、こういうものを一体的に図っているところでございます。
 いずれにいたしましても、引き続き、今回ございましたような海外における事故防止あるいは国内における事故防止も含めた、それらにも寄与し得る建設技術の維持向上、先生御指摘のとおり私どもにおいても不断の努力を進めてまいるつもりでございます。
 以上でございます。
#66
○加藤敏幸君 私の経験から、あらゆる事故の原因の中に慢心、緩み、これがあるんです。どんな技術、監理、やっぱり慢心を退治する、そういう視点で我が国いろいろと心掛けるべき点があるのではないかということを申し上げまして、最後に木村副大臣に、前回も御質問申し上げましたので続きということで、このカントー橋はベトナムにとって非常に重要な交通の要衝となるポイントであって、これは必ず復旧させなければならないということがあると思いますので、そのときに対する、ベトナム政府に対する日本国の、どういう援助の仕方とか、あるいは被災家族、事故に遭われた方々への補償も含めて、今後の対応等について現時点でお話しできることがありましたら、御回答お願いしたいと思います。
#67
○副大臣(木村仁君) この事件は、ベトナムと日本の非常にいい友好関係にあるその関係に傷を付けてはいけませんし、また日本のまたベトナムの国家的信用を落とすということになってもいけない。さらに、それ以上に被害に遭われた方々に対する補償等をしっかりやっていかなければいけない。同時に、この国家的な事業ということにベトナムとしてはなりますので、何とかして予定の時期までにきちっと完成させたいという、そういう重要性もございます。
 そこで、私どもとしては、まずは原因の究明をベトナム政府とともにやるという意味でカントー橋崩落事故再発防止検討会議を立ち上げました。これは再発防止検討会議ということになっておりますけれども、原因の究明、補償の完璧な補償、それから事業再開に当たっての完全な安全管理、そして早期の完成と、そういうことを両政府共通の目標としておりますので、それを受けて設置したものであります。ほぼ一月たっておりますのでベトナムの調査結果が報告される可能性がありますので、昨日、ベトナム政府にも通告の上、第一回の会合を開かせていただきました。
 原因については先ほど申し上げたとおりでありますが、補償につきましては各企業が個別に交渉をして当たっているようでございます。しかし、それに先立って、十月四日に総額九十億ドンといいますから六千三百万円でありますけれども、そのうち十億ドンが見舞金、八十億ドンが遺児に対する基金と、こういうことで設置をいたしたということでありましたけれども、その後、大成建設等には、社内で自主的な献金も集めて相当の金額をまた遺族へ届けているようでございます。
 しかし、私と向こうの総理のお話合いで、ベトナムの法律に基づく補償をしっかりやる、そして、それが世界的水準から見ておかしくないような補償にしてほしいと、こういうことでありましたから、今後は企業に協力を、協力というか、企業を指導してちゃんとした補償ができるようにしたいと考えております。
 それから、事業を再開するに当たって更なる借款等の要請があるかということは、現時点では全くありませんし、各企業も保険その他それなりの事業完成のための準備はあると思いますので余り心配はないとは思いますけれども、もしそのような要請がありました場合には事業を、極めて重要な事業であることには違いがありませんので、完成させるために積極的な対応を検討してまいりたいと考えております。
#68
○加藤敏幸君 終わります。
#69
○山内俊夫君 自由民主党の山内でございます。
 地声が大きいものですから、この時間、一番眠い時間でありますが、眠気を邪魔して誠に申し訳ありません。お許しを願いたい。
 さて、ODA委員会、私も九年前入ってから結構何回かこの委員会にお邪魔もさせていただいて、そして委員派遣でODAのアフリカ方面にも行かしていただいております。
 東南アジアに当初大変な注目をしておったんですけれども、どうやら日本のODAの基本政策であります自立自援というのが東南アジアには随分浸透してきた、このように私は思っておりますし。ところが、アフリカは、長年ヨーロッパ諸国が随分いろんな形でODAをやられておりますけれども、なかなか自立ができていない。この疑問は何だろうと思いまして、イギリスにも行きまして、イギリスのヨーロッパから見たアフリカというものについていろいろ議論をさせていただきました。やっぱり彼らは基本的には搾取をした国々でありますから、施せばいいんだというようなベースがあるようであります。日本はそうじゃなくて、自立自援をどうしても援助していこう、それが私は日本のODAの基本である、間違いなく私は日本のODAは武器を持たない国際貢献、このような認識をしております。是非このODAというものをこの委員会が、参議院が特に五年前ぐらいから随分力を入れてこの委員会をサポートしておるわけでございますから、参議院の大きな仕事として皆さん方もお手伝いをよろしくお願いしたいな、そう思っております。
 そこで、今日は限られた時間でありますので、対アフリカODAの基本方針をまず大臣にお聞きをしたいなと思っております。
 私も今ちょうど自民党で、福田内閣で最近立ち上げました国家戦略本部、その中のメンバーとして、特に外交問題の座長を務めさせていただいております。そういった関連もございまして、このアフリカに対しては非常に私も印象があるわけですね。
 例えば、二〇〇一年八月に一番最初に訪問した国がアフリカのコンゴ民主共和国なんです。カビラ大統領が就任して余り時間がたっていない時期でありました。お父さんが側近に殺されて、急遽大統領に就任したというようなすぐ後でありましたものですから、どなたも行かれる機会がないということで、ずうずうしくお邪魔をさせていただいて、約二時間ばかりカビラ大統領といろんな話をさせていただきました。
 その中で非常に印象に残っておりますのが、カビラ大統領が、五千五百万人の国民を抱えているけれども、私が、幾らリーダーが平和を叫んでいても国民が平和を望まない限りにおいては平和はやってこない、そのような大変すばらしいコメントをいただきました。正にアフリカ諸国が抱えておる大きな問題が国内紛争であります。それは、経済的なもの、いろんな要素があろうかと思いますけれども、そういったことに対して我々はしっかりとサポートしていかなきゃいけないな、そのような思いであります。
 今回、アフリカODAの基本的な方針を大臣からお聞きしたいなと思っております。
#70
○国務大臣(高村正彦君) アフリカは依然として紛争、飢餓やHIV、エイズといった感染症等の問題や経済的貧困の問題を抱えているわけであります。我が国は、アフリカ問題の解決なくして世界の平和と繁栄はない、こういう立場から、責任ある国際社会の一員として積極的にアフリカ支援に取り組んできているところであります。
 近年、一部のアフリカ諸国において民主化、ガバナンス面での進展も見られ、年五%超えの経済成長を達成している国も見られるわけであります。我が国としては、今後、平和構築や社会開発に加えて、こうした好ましい進展を後押しするために、元気なアフリカを目指してという考えの下、支援を強化していきたいと考えているわけであります。
 具体的には、アフリカ開発会議プロセスを基軸として、インフラ整備を通じた貿易投資促進など成長の加速化、ミレニアム開発目標の達成や平和の定着といった人間の安全保障の確立、環境、気候変動問題への対応などの分野を重視しつつ取り組んでいく考えであります。
 委員が、アジア諸国と違ってアフリカは、正確な言葉は忘れましたが、自立の精神がないという趣旨のことをおっしゃったかと思いますが、私は正にそう思っているんですね。TICADを十五年前に始めたときに、正に日本は、新開発戦略、こういうのを世界に広めようじゃないか。新開発戦略というのは正にアジアの人たちが頑張ってそれを私たちがお手伝いするんだと、こういう形でやってきたわけでありますが、本人が頑張らないのに幾らお手伝いしたって元気なアフリカにならないわけでありますから、正にアフリカ諸国がオーナーシップを発揮してもらって、そして国際社会がパートナーシップを、福田総理の言葉で言いますと自立と共生ですね、アフリカ諸国が自立をしていただく、そういう精神があって国際社会が共生すると、こういうことでみんなで支援をしていく。正にアジアはそういうことで成功したわけでありますから、アフリカにもそういうことをやってもらいたいと、こういうふうに思っております。
#71
○山内俊夫君 正に自立と共生、そういったテーマは日本の対アフリカODAに対しては的確な私は方針だろうと思っております。
 二〇〇五年に、三年間で援助額を倍増するということをこれは時の小泉総理が発表いたしました。その年は、二〇〇五年、アフリカの年にしようというようなテーマでありまして、二つの大きな柱が提案されました。一つは、二〇〇八年のTICADW、これを必ず開催しますよという宣言をいたしました。そしてもう一つは、三年間でアフリカ向けODAの倍増というテーマ、この二つの柱を発表したやに聞いておりますが、その後、その三年後の成果というものはいかがなものでしょうか、お知らせいただけたらと思います。
#72
○副大臣(木村仁君) お約束いたしました目標は、二〇〇三年実績を基準として、二〇〇七年までに対アフリカ向けODAを実績として約十七億ドル、一千八百億円まで積み上げていこうという約束でございました。今年はその公約の達成が求められている年であります。
 ODA予算は全体として厳しく削減されていく中でありますけれども、アフリカ諸国に対する関係の深い予算を可能な限り増額し、工夫をして積み上げていって必要な事業量を確保すべく懸命の努力をしているところであります。
 見通しはまだ断定的には言えませんけれども、明るい見通しで頑張っております。
#73
○山内俊夫君 確かに金額は大体十六・八億ドルという数字に上がってきましたけれども、中身についてはもう少しいろんな工夫も要るのかなという、それはまた別の機会でいろいろ御議論させていただけたらと思っております。
 ところで、アフリカというのは、これ重債務貧困国かなり抱えておりますね。ミレニアムのときに、これはヨーロッパの方々は宗教的な問題があろうと思いますけれども、債務を全部帳消しにしようじゃないかという提案がありました。そのとき日本は、自立用だから借款で行っているのが多いものですから、そんなにはやらない方がいいだろうと。これは、一九九八年のこのODA委員会でもかなり議論になったんですね、最貧国の問題。
 その後、二〇〇五年末に大体五百億円ぐらいの債権処理というものがされたように聞いておりますけれども、この二〇〇七年現在にはどのぐらいの金額になっているか、お知らせいただけますか。
#74
○副大臣(木村仁君) 委員御指摘のように、一九九九年のケルン・サミットで合意された拡大HIPCイニシアチブに基づいて国際協力銀行の円借款債権をできる限り放棄するようにいたしておりまして、本年夏までに合計十四か国に対して約二千八百億円のJBIC円借款債権を放棄いたしたところでございます。
#75
○山内俊夫君 ありがとうございます。
 ちょうどそのころ、やはり東南アジアのいろんな議論もありました。日本のODAというものは大変大きな金額、日本円で大体一兆円超しておりまして、国内が非常に経済が疲弊してきた、国民の声が、我々が困っているのに何だという声が随分あったんです。でも、我々も選挙区に帰りまして、先ほど私が冒頭に申し上げましたように、日本は武器を持たない国際貢献やっているんだと、そのためのODAなんだよということを随分いろんなところで言わせていただきました。
 ですから、先ほど藤末委員、加藤委員から話がありましたようにPCIの関係、こういう不祥事が出てくると、どうしても国民の理解が得られなくなってくる。ということは、国際貢献が順調にいかなくなってくるんじゃないかという心配を私はいたしております。
 さて、ところで、先ほどTICADWの話が出てまいりました。今までTICADT、U、Vとやってこられました。ちょうど高村大臣がTICADUのときの外務大臣だったと私、記憶しておりますけれども、そのTICADT、U、Vの今までの成果、そしてTICADTからVまでに発表された金額とかその中身について、少し御報告いただけませんでしょうか。
#76
○副大臣(木村仁君) TICADT、U、V、順次御説明を申し上げます。
 一九九三年のTICADTでは東京宣言を採択し、冷戦終結後に減退した国際社会のアフリカへの関心を再喚起するとともに、三年間で経済改革支援のために六・五億ドルないし七億ドル、水分野の支援のために二・五ないし三億ドルの無償資金協力を表明したところでありまして、これは既に達成をいたしております。
 TICADUは、一九九八年でありまして、社会開発、経済開発、紛争予防と紛争後の開発分野で優先的に取り組むべき政策及びその目標を明記した東京行動計画を採択いたしまして、教育及び保健分野等の支援のために五年間で九百億円程度の無償資金協力を表明いたしまして、これも完了いたしております。
 二〇〇三年に開催されたTICADVでは、人間の安全保障の重視及びアフリカ開発のための新パートナーシップ、NEPAD、これはアフリカ自前の組織をつくろうということでありまして、の支援を掲げるTICAD十周年宣言を採択いたしますとともに、我が国の対アフリカ支援の柱として平和の定着、人間中心の開発、経済成長を通じた貧困削減の三つを表明いたしました。また、エイズを含む保健や教育分野等の支援のために五年間で十億ドルの無償資金協力を、対アフリカ投資促進のために五年間で約三億ドルの投資金融を、また総額三十億ドルの債権放棄を表明いたしまして、着々と実施しているところでございます。
#77
○山内俊夫君 TICADTからV、大変、十五年間、確実にアフリカ諸国との連係プレーが最近取れ始めた。まあ五十三か国ありますが、そのうち南部の方ですね、サブサハラ・アフリカ、これ四十七か国ありますけれども、随分日本に期待するものが最近増えてきたと、私もそのように期待をいたしております。
 さて、ところで、来年、洞爺湖サミットがあります。その前にTICADWが横浜であるということなんですよね。今までこのG8の動きというのがこれに連動しまして、サミットに連動して、特にアフリカ関係についてのいろんなテーマ、宣言というものがされておるやに聞いておりますけど、中身を少しお知らせいただけませんでしょうか。
 例えば、九州・沖縄サミットからスタートいたしましたこのアフリカ問題、二〇〇一年のジェノバ・サミット、これはアフリカのためのジェノバ・プランというのが発表されておりますし、カナナスキスですかね、ここでもその後、アフリカ関係、随分議論になっております。特に二〇〇五年の七月、グレンイーグルズ・サミットではかなり前向きな方向が出た。アフリカ四十七か国、五十三か国が結構もう国連としての中で票を持っているんですね。そういった意味から、ついても、今から、アフリカというのは世界の大体四分の一の国々がありますから、それは今後是非G8のプロセスというものをしっかりと私は踏まえていかなきゃいけないなと思いますが、その辺りちょっと御意見をいただけたらと思います。
#78
○副大臣(木村仁君) 御指摘のように、G8はその各開催ごとにアフリカへの関心を強めているところでございます。最近のG8サミットにおきましては、二〇〇五年のグレンイーグルズ・サミットにおいて二〇一〇年までにアフリカ向けODAを二百五十億ドル増加させること等、包括的な対アフリカ支援強化策が打ち出されたところであります。我が国も三年間でアフリカ向けODAを倍増すること等先ほど答弁いたしましたように表明をいたし、それを実現するべく取り組んでいるところでありますし、それから本年開催されましたハイリゲンダム・サミットにおいてはアフリカが主要な議題の一つとして取り上げられ、アフリカにおける良い統治や保健システムの強化等の必要性が議論をされております。
 先ほど御質問にもありましたように、TICADWを来年五月に実施いたしまして、そこで更に具体的な日本のリーダーシップにおけるアフリカ対策を打ち出した上で、七月の洞爺湖サミットにおいてG8の更なる参画を求めていきたいというふうに考えております。
#79
○山内俊夫君 実は、四年前だと思いますが、我々の鴻池委員長のときに三班に分かれて視察団を送りました。そのときに中国班、鴻池団長と行かれたんですけれども、中国にあれだけの数兆円にわたるODAを組んでおきながら、ほとんど日本の協力であるという掲示も何もなかったという報告書が上がりました。それで、その後、対中国ODAについて非常に国内でもまた自民党内でもいかがなものかという議論が随分出たわけなんですね。
 その後、アフリカに対して、じゃ中国はどのような行動をしているのかなという非常に興味があったものですからいろいろ調べておりましたら、中国・アフリカ協力フォーラムというのが二〇〇〇年から三年ごとに開催するということで、二〇〇〇年、三年そして二〇〇六年とやってきておりますが、このアフリカの協力フォーラムの内容というのをちょっと知らしていただけませんでしょうか。
#80
○副大臣(木村仁君) 中国がリーダーシップを取って起こしましたアフリカ協力フォーラム、二〇〇六年に行われておりまして、北京で行われました。国家元首三十五人を含むアフリカ四十八か国及びアフリカ連合の参加を得て第三回中国・アフリカ協力フォーラムが開催されたところで、胡錦濤中国国家主席とメレス・エチオピア首相が共同議長を務めたというふうに聞いております。
 同フォーラムは、中国側から胡錦濤国家主席がスピーチを行い、二〇〇九年までの三年間でのアフリカ向け支援を倍増するということや五十億ドルの中国・アフリカ開発基金の設置でありますとかアフリカ連合の会議場の建設等を始めとする八項目の支援策を発表いたしておりますほか、具体的成果として北京サミット宣言及び北京行動計画が採択されたものと承知をいたしております。
#81
○山内俊夫君 アフリカの今我が国が大使館を置いているのは二十四か国ですね、来年の一月ぐらいに大体二十七か国になると聞いております。中国はもう既に四十七か国に大使館を出しているんですね。南アフリカの少し南にあるレソトという小さな国、ここにも大きな大使館を建てているんですね。中国人というのは非常に見栄えのする格好を取る国民だろうと思うんですけれども、あんな小さな国です。アメリカよりも大きな大使館を建てている。
 ですから、今後、中国がアフリカに対して、ODAというのは日本の場合、先ほど冒頭に申し上げましたように自立自援というものを随分サポートしようということなんですが、彼らの外交戦略というのは資源外交なんですね。資源のあるところにはどおんとお金を突っ込んでいって資源で持って帰る。特に今スーダンなんかはあれだけの国際紛争をやって国際的に非難されているにもかかわらず、中国はしっかりと武器を供与して、それから油を持って帰っている、そういう実態があるんですけれども。
 日中の対アフリカ政策のちょっと違いなんかを教えていただけませんでしょうか。
#82
○国務大臣(高村正彦君) 中国みたいに援助を今まで受けていた国が発展して、そして援助をするようになるということ自体は悪いことじゃないと思うんです。
 ただ、一方で、中国による援助については、援助の実績、内容等に関する情報が不透明である、債務の持続可能性を十分考慮しない貸付けが行われている、ガバナンスに問題のある国に対する支援がある、国民に直接利益をもたらす案件よりも相手国指導層との結び付きを重視している、そして委員がおっしゃったように目的として資源獲得というのが、まあどこの国でも目的はあっていいんですが、それが余りにもぎらぎらし過ぎているというようなところもあると思いまして、援助に関する国際ルールや援助供与国間の協調と相入れない側面が見られると。
 日本の場合は、OECD、いわゆるDACのルールに従って、国際社会の中の協調の中で本当に被援助国が発展するように、その国の人が幸せになるようなそういう援助をしていると、こういうところに違いがあるといえば違いがあると。だから、中国もこれからそうなってもらわなければいけないと。国際社会の中で透明性を増やして、そして国際社会と協調して被援助国のためになる援助をしていただくようにこれから中国にも働き掛けていきたいと、こう思っています。
#83
○山内俊夫君 ありがとうございます。
 正に大臣おっしゃったとおりで、隣国中国はこれだけ経済発展をしてきている。ですから、透明性を高めて民主的国家に、民主化を促すというような基本的なODA政策をやっていただければ、それはもう日本のウエートを少し彼らが肩代わりしてくれる、そのことも大変世界のためにいいんじゃないかなと私自身も思っております。そういった対中国政策も、是非、大臣、その辺りを視点に入れてお願いをしたいなと思っております。
 それで、このTICADW、余り時間がございませんので、TICADWに対する、アフリカ側の、私、二十数か国の大使といろんな話をしたことがあります。彼らの大体の思いは日本に経済援助若しくは投資をお願いしたいと、こういうのがほとんどどの各国とも同じなんですけれども、私がそのときはっきり言うのは、投資環境をもう少し整えてくださいねと。例えば民主化を図る、そしてインフラ整備をしっかりやる、法的な体系をしっかりしてくださいと、そうしないと日本の企業はなかなか投資に向かいませんよという話を随分したことがあります。
 今現在でアフリカ諸国がこのTICADWに対してどのような希望を持っているか、期待を持っているか、その辺りを少し聞かしていただけますか。
#84
○国務大臣(高村正彦君) TICADプロセスを始めてからもう来年で十五年になるということでありますが、アフリカ諸国に対する国際社会の関心を再度喚起したこのTICADが、そしてアジア・アフリカ協力の推進などを含めて、その成果はアフリカ側からも高く評価されているわけであります。こうした成果を踏まえて、TICADWに対するアフリカ側の期待については、アフリカで開催している準備会合でのアフリカ諸国との協議などを通じて注意深く聴取しているところであります。
 これまで我が国とアフリカとの貿易投資促進策や更なるインフラ整備、我が国の技術やノウハウを生かした協力の強化などの支援に関して期待が寄せられているということであります。このような期待や近年のアフリカの状況を踏まえて、TICADWでは、成長の加速化、人間の安全保障の確立、環境、気候変動問題への対処の三つを重点項目として、アフリカ支援のために我が国を含む国際社会の知恵と資金を結集したいと考えているところでございます。
#85
○山内俊夫君 アフリカの皆さんからTICADWに対する評価というのは結構出ているんですね。意見も出ております。それを集約しますと、モニタリングやフォローアップシステムが少しないんじゃないかとか評価の基準となる行動計画がどうも策定されてないよとか、もう一つは日本とアフリカ貿易投資関係の効果が余りここのところ出てないねという、大体集約すると三つぐらいの意見が出ているんです。これを踏まえて、このTICADW、この横浜大会に是非大臣臨んでいただきたい、そのような思いであります。
 特に、洞爺湖サミットの前でありますから、このアフリカ開発会議が一つの私は大きな情報発信の場である、これはアフリカとアジアとの関係、アフリカ全体の世界に対するウエート、仕事、そういったものをこの洞爺湖サミットで花開かすために是非TICADWを成功さしていただきたいと思うんですが、その辺りの大臣の心構え、是非お聞かせいただけたらと思います。
#86
○国務大臣(高村正彦君) 委員の御指摘も踏まえまして、TICADWを是非とも成功させて、そして洞爺湖サミットにつなげていきたい。洞爺湖サミットの重要課題の一つとしてアフリカという問題があるわけでありますから、TICADWをまず成功させると、そして洞爺湖サミットへつなげる、そのために全力を尽くしていくということを申し上げさせていただきたいと思います。
#87
○山内俊夫君 思いはしっかりと私たちも受け止めさしていただきますし、特にアフリカと、上海でこの前行われました中国のフォーラム、これ、三十四か国の元首が上海に集合しているんです。我々が別に中国に対抗するという意味じゃないんですけれども、我々も何とか四十か国ぐらいの元首を横浜に集結さしたい。特に、参議院のメンバー、我々、一生懸命、先般から大体二十数名アフリカに行ってまいりまして、それぞれの元首のところへ行って、是非サミットの前にTICADW参加してくれという思いを一生懸命ぶつけております。
 それで、もう最後の質問になりますけれども、ちょうど官房長官もお帰りになりました。余り前に質問を通告しておりませんでしたけれども、大臣と官房長官にお聞きしたいのは、従来、日本の総理はアメリカはしょっちゅう行きますよね。ところが、案外アフリカ行っていないんです。森元総理も行かれました。それと、小泉総理も二、三か国行かれたと聞いております。
 私は、対アフリカを重要視するのであれば、是非福田大臣にアフリカを訪問してほしいな、その思いがあります。それと、高村大臣が、御自身がアフリカを訪問する予定があるかどうか、その辺りも聞かしていただいて、私の質問を終わらしていただきます。
#88
○国務大臣(町村信孝君) 総理の外遊日程は、相当程度国内の、しかも国会の日程に強烈に縛られておるものですから、中国の外務大臣、首脳は三百六十五日海外に行けるんです、我が国総理大臣はほとんど行けないんです、ほとんどこれは国会対応なものですから。
 そういう制約があるということを率直に申し上げた上で、しかし、さはさりながら、委員の御指摘のように何とか総理もアフリカに行けるようにとは思っておりますが、なかなか日程が立つかどうかという問題あります。まして、国内でお招きをする、本当はその前にアフリカ何か国でも行ければいいんだろうと思いますが、いろんなことを多面的に考えて、今委員御指摘のような御期待にこたえられるような総理日程を組めればいいなと思って、できるだけ前向きには考えたいとは考えております。
#89
○国務大臣(高村正彦君) 年内にアフリカに行くという予定は残念ながら立っておりません。行くとすると年明けということになりますが、先に総理の外遊日程を立てた上で私がその後補完的にどこに行くのか、そして私だけでなくて各閣僚手分けしていろいろ回っていただきたいと考えております。
 国会に縛られるという意味では総理と負けないぐらい私も縛られておりますので、そういう意味でなかなか立てにくい状況でありますが、年明けにどういうふうにするのかいろいろ検討していきたいと、こう思っています。
#90
○山内俊夫君 どうぞよろしく。
 終わります。
#91
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 私も、山内委員に続きまして、アフリカ問題について、またアフリカに強く関連します感染症対策あるいは基礎教育支援について質問をさせていただきます。
 まず、冒頭の質問は、先ほどの山内委員との質疑にかぶるわけでありますが、改めて我が国のアフリカ支援の戦略についてまず外務大臣にお伺いしたいわけであります。
 特に、明年はTICADそしてG8のサミットが我が国で行われます。TICADは、もう文字どおりアフリカ開発会議、アフリカが主要のテーマになっているわけであります。これは日本がイニシアチブを取ってやってきた会議であります。また、G8サミットにおきましても、もうここ数年アフリカの成長あるいはアフリカの平和と安定あるいは保健の向上と、そういったことが主要な課題になっております。
 小泉元総理がアフリカ向けのODAを倍増するという公約を掲げ、それ以来、我が国のODAの在り方というものが非常に注目をされているわけであります。この三年間の倍増というのは、まだ見通しというか、明るいという答えは先ほどございましたけれども、今後その三年間のみならず、将来にわたってこのアフリカの支援額というものをどうやって財政の厳しい中でかち取っていくというか増やしていくのか、そういったこと。あるいは、そもそも明年に向けての我が国のこのアフリカ開発、何に重点的に支援をしていくのか、そういった戦略的なところについて、まず冒頭、高村外務大臣にお伺いしたいと思います。
#92
○国務大臣(高村正彦君) 二〇〇五年の四月、アジア・アフリカ首脳会議において、我が国は今後三年間でアフリカ向けODAを倍増することを表明したわけであります。これは二〇〇三年実績を基準として二〇〇七年対アフリカ向け実績として約十七億ドル、約千八百億円でありますが、これを目指すものであります。特に、本年は、本件公約の達成が求められる年であることから、ODA予算が全体として削減されている中、アフリカ諸国に特に関係の深い予算を可能な限り増額して、またアフリカ向け案件を積み上げることなどにより、これを実現すべく努力をしていく所存でございます。
 我が国は、アフリカ支援に当たっては、特にアフリカ開発会議、TICADプロセスを基軸として、インフラ整備を通じた貿易投資促進などの成長の加速化、ミレニアム開発目標の達成や平和の定着を含む人間の安全保障の確立、環境、気候変動問題への対応などの分野を重視しつつ取り組んでいく考えでございます。
#93
○谷合正明君 私は、このアフリカ支援につきましては、私が議員になる前、日本のNGOでアフリカ等で働いてきた、現場でやってきた者として、やはりミレニアム開発目標であるとか人間の安全保障といった正に現地の人に本当に役に立つ支援、またそういった現場でたくさんの多くの日本人職員が働いておりますけれども、日本人職員が誇りを持てる日本の支援というものを是非やっていただきたいと。そうした中で、感染症対策であるとか基礎教育支援というのは非常に大事な分野であろうと思っております。
 例えば、グレンイーグルズ・サミットのときに、G8各国が二〇一〇年までに援助総額を五百億ドル増額させるということを公約したわけでありますが、しかし現在のペースが続くと約二百七十億ドル下回る見込みであるというふうにも聞いております。この二百七十億ドルがあれば、例えば子供、女性、HIVの陽性者の保健ケアに活用されると五百万人の命が救えると。あるいは、結核の薬、一人十二ドルでいえば、二十二億人分にも値するとも言われております。TICADWにおきましては、ストップ結核ジャパン・イニシアチブを提唱する予定と仄聞をしております。
 しかしながら、一方、世界エイズ・結核・マラリア対策基金に対して、我が国は新規資金の拠出表明を見送る方針を固めたというような報道も報じられたり、あるいはアフリカなどで主要な結核治療薬の調達センターである世界抗結核薬の基金ですね、GDFといいますけれども、財務理事国四か国のうち日本だけ拠出金がないという現状もあるというふうに伺っております。やはり明年に向けて日本のしっかりとしたイニシアチブを発揮するためにも、エイズ、マラリア、結核などの感染症対策を主要議題として、また言うだけじゃなくてしっかりと取組を、実行を強化するべきであると、そのように思っておりますが、この感染症対策についての取組について、外務省の方にお伺いをいたします。
#94
○政府参考人(鶴岡公二君) 感染症対策についてのお尋ねがございました。
 HIV、エイズ、結核、マラリアまたポリオなどの主要感染症、さらには鳥・新型インフルエンザといった新興感染症は、開発途上国国民の一人一人の健康問題にとどまりません。それらの国々の経済社会開発への重要な阻害要因となっております。また、感染症は容易に国境を越えて他国に広まる可能性がある地球規模の問題でありまして、ミレニアム開発目標、その中でも目標の六には、HIV、エイズ、マラリアその他の疾病の蔓延の防止が掲げられておりまして、その目標の達成のために国際社会が一致して協力をすることが求められているところでございます。
 このような観点から、我が国といたしましても、明年のTICADWまたG8サミットを開催することを念頭に置きながら、我が国の高い医療水準やODAを含む国際貢献の実績を有効に活用しつつ、G8の枠組みにおける各種イニシアチブ及びWHOを始めとする保健分野の国際機関及び基金及び官民パートナーシップとの協力に引き続き積極的に参加していく考えでございます。
#95
○谷合正明君 通告、特にしてなかったんですけれども、先ほど申し上げた具体的な世界抗結核薬基金の拠出等、もしお分かりであれば答えていただきたいんですが。
 本年三月に安倍前総理に実はエイズ・結核問題に取り組むザンビア人の活動家が直接お会いしていただきまして、拠出については検討するというふうな言葉をいただいたというふうに聞いております。これも、我が党もこの問題については、結核は昔の病気じゃなくて、今実は日本は先進国の中で一番結核の多い国になっておりまして、遠い国の問題じゃなくて我が国の問題でもありまして、この辺りについてもしお分かりであれば答えていただきたい。
#96
○政府参考人(鶴岡公二君) 安倍前総理のところにズルさんが御案内をいただきまして御面会いただいたということは私どもも承知をしております。また、その際、ストップTBパートナーシップを始めとする結核対策の重要性を訴えられたこともよく承知をしております。
 現在、日本国内におきましても結核関係の団体が連合して、日本自身の問題であるとともに、アフリカを中心とする世界各国における結核対策について、日本がこれまで蓄積してきております知見とそれから活動ぶりを参考にしながら、より積極的に対応すべきであるといういろいろな御指摘をいただいております。外務省といたしましても、このような団体と協力をしながら、また厚労省とも連携を組んで積極的に結核対策に取り組みたいと思っております。
 他方、具体的な機関にいかほどの予算を現時点において講じるかということにつきましては検討中でございまして、御指摘のとおり機関によっては日本の拠出がこれまでなされてなかったところもございます。他方、世界基金という三大感染症を担当しているところにつきましては、我が国としてもこれまでも応分の協力をしてきておりますし、今後の拠出につきましては、政府の代表から応分の負担をするということを表明しております。
 御指摘のとおり、具体的な資金拠出額については、予算、制度の関係、その時期の問題もありまして表明しておりませんけれども、是非とも実質的な貢献を行うべく努力を今後とも傾注してまいりたいと思っております。
#97
○谷合正明君 是非、感染症対策、特に結核対策含めましてしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、基礎教育支援について質問をいたします。
 ミレニアム開発目標においては、二〇一五年までに初等教育の完全普及ということを目標にうたっております。これは、日本を含めましてこれが合意されたわけでありますが、ただ、今のところ、ユネスコによりますと、すべての子供たちが学校に行くためにあと七千七百万人の子供たちが学校に行かなきゃいけない、そのためには一千六百万人の教員を増やす必要があるというふうに言われております。
 なかなか学校に行けないという理由は、例えば家庭の貧困であるとか学校の問題というのもございます。国によっては、一人の子供を小学校に行かせるのに一か月ぐらいの収入が必要な国もあったり、あるいは学校の問題というのも、特に途上国の公立学校の教員というのは公務員でありますけれども、給与も低い上に給与の未払という問題もございます。結果的にどうなるかというと、私もアンゴラに行ったときに経験したんですけれども、中学校とか小学校に入学をさせるために実は親からお金を取ると。ある国では、実際に私の同僚の現地のスタッフは、入学のためにイリーガルな五百ドルを学校の先生に渡してようやく入学させてもらうというようなことも起きておるわけであります。
 ところで、日本の今のODAの教育支援というのは、教育支援にも高等教育あるいは初等教育、基礎教育、いろいろあるんですけれども、高等教育、大学への留学生の支援などに充てられる高等教育については、五二%ほど教育支援のODAの中で占められている。しかしながら、幼稚園から中学校までの基礎教育に充てられる教育援助というのは、教育ODAの中の一八%となっております。二国間ODAに占める基礎教育援助額の割合というのは、我が国の場合は〇・九%でありまして、これはほかの国に比べますと半分以下になっておりまして、この辺りが非常に弱いなと。
 今、二〇一五年までに初等教育の完全普及ということを考えますと、日本の教育支援はもう少し基礎教育分野に援助の質を、量もそうですが質を高めなきゃいけないなというふうに私は思っているわけであります。
 その中で、例えば援助額の問題もあるんですけれども、経常経費という問題があります。途上国の教育予算の九割は教員給与といった経常経費になっております。一割が学校建設とか教員養成。日本の基礎教育支援というのは、この経常経費については支援は原則しないという方針というか考えであったというふうに私は理解しているわけであります。
 まず、これから考えていくと、この基礎教育支援、とりわけこの経常経費に対する支援の在り方が問われると思うんですが、今この経常経費、私は支援を拡充する方向で、まあ全部を支援しろとは言いませんけれども、拡充する方向でやっていくべきだと思うんですが、この辺りの見解についてお伺いしたいと思います。
#98
○政府参考人(鶴岡公二君) 御指摘のとおり、教育は国民一人一人が自らの手で自立するために必要な能力を身に付けるための手段として極めて重要であると考えております。このような認識に基づきまして、我が国はODA大綱におきまして教育分野の支援を重視すると明記しております。
 具体的には、基礎教育におきましては、成長のための基礎教育イニシアティブ、これに基づきまして、学校建設などのハード面の支援とともに、教員養成などのソフト面の支援を組み合わせて、教育の機会の確保及び質の向上に向けた取組を積極的に支援してきております。また、職業訓練、高等教育などの開発途上国の国づくりを支える人材を育成するための支援も行っております。
 また、これらに加えまして、お尋ねのような開発途上国の教育予算に対する資金協力につきましては、初等教育の完全普及の達成を目指す国際的な支援枠組みといたしまして、二〇〇二年四月に設置されましたFTI、ファスト・トラック・イニシアティブ、これに対しまして我が国としても関連基金への新規拠出を行う旨表明をしております。この基金を通じまして、今御指摘ございましたような途上国側の教育のソフトのインフラ整備につながることを期待をしておるわけでございます。
 このような取組を更に積極的に展開することによりまして、我が国といたしましても教育分野での国際協力を更に推進してまいりたいと思っております。
 なお、経常経費について、全く対応しないということを何も決めているわけではございませんので、その事情を勘案しながら、また今いただいた御指摘も念頭に置いて検討を進めてまいりたいと思います。
#99
○谷合正明君 世界銀行によりますと、すべてのドナー国の教育援助額の三分の一がコンサルタントに支払われていると見積もられております。だから悪いとかいうことじゃないんですけれども。
 基礎教育分野で最も額の大きい学校建設、我が国の援助の話をしていますけれども、学校建設の一般無償資金協力は今タイド、つまり自国の企業しか調達の対象となっていないと。結果的に、例えばカンボジアでは学校建設費、一つの教室当たり約三百九十万円、これ二〇〇三年の値ですけれども、掛かっていると。例えば、これはNGOとかアジア開発銀行でやれば六十万から百三十万円で済むというふうなことも指摘をされております。ですので、同じODAの基礎教育支援に向ける援助額が同額だとしても、工夫の仕方によってはより効果を発揮すると私は思っておるわけです。
 今例えば経常経費支援も可能にする貧困削減戦略支援無償ですとか、あるいは先ほど言ったタイドじゃなくて現地の業者を使ったり現地調達ができるようなコミュニティ開発支援無償といったメニューも随時外務省さんの方で用意していただいておりまして、このことは私はすごく評価しておりまして、こういったプログラムをしっかり拡充をしていただきたいと、この点については要望をさせていただきます。
 先ほどFTIについてもう既にコメントをしていただきました。来年はG8サミット、我が国が議長国にもなりますので、このFTI、つまり途上国の中でも国家教育計画をしっかり持って実行するという意欲を持つ国に対して優先的に支援するメカニズムなわけでありますけれども、そこに二つの基金があると。例えばそれが触媒基金である、教育計画開発基金という基金があるわけでありますが、そこの基金に対して日本が拠出してきた金額というのは、これは二〇〇六年に初めて日本が拠出したというふうに理解しておるわけでありますが、ほかの国に比べてまだやはりここは低いわけでございます。そういう意味では、日本が積極的にこのFTIの仕組みを使って基礎教育分野の経常経費の問題も含めて対応していくべきであると、そのように申し上げたいと思います。
 先ほどの答弁に補足するような形でもし答弁があれば御答弁いただきたいと思います。
#100
○政府参考人(鶴岡公二君) FTI、先ほど御紹介したとおりでございますが、我が国の拠出につきましては、二〇〇六年のG8、サンクトペテルブルク・サミットに際しまして、FTI関連基金に対し新規拠出を行うことを表明しておりまして、本年度中に合計二百四十万ドル分を拠出する予定としております。
 また、このFTIの仕組みというものは、G8の議長国がFTIの共同議長に就任するということになっておりまして、我が国は二〇〇八年一月から共同議長に就任する予定になっております。今年の議長国ドイツは、FTIの運営などに関する実務レベルの会合のほか、国際フォーラムと題する会合を主催いたしております。我が国といたしましても、来年議長となる以上、このようなFTI関連会合の主催やあるいはFTIの議論により積極的に参加するということを現在考えております。
 また、予算の点につきましても、今いただきました御指摘も念頭に置いて更に作業を進めてまいりたいと思います。
#101
○谷合正明君 是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 今取り上げたのは感染症あるいは基礎教育といった分野の話をさせていただきましたけれども、一方で、我が国の平和構築に当たる人材育成というのも非常に大事な問題でありまして、これはもう長くずっと議論されている問題であります。
 本年から広島で平和構築分野の人材育成のためのパイロット事業、別名寺子屋事業というんですか、が始まりました。平和構築分野の人材をしっかり確保するための国を挙げての研修制度でございまして、私も今年一回視察をさせていただきました。九月中旬から十月末まで国内で研修をした上で、海外に約半年近く研修を国際機関等でするわけであります。
 しかしながら、それだけで終わっては意味がなくて、しっかりとその後の仕事を確保するかどうかが今この寺子屋事業の大きなポイントとなっております。特に、この国際協力に携わる人というのは今二十代そして三十代に非常に多く見られます。ただ、特にNGOの分野等では、その意気込みで仕事を始めてきたけれども、しかしながら将来的に安定した仕事というものが、なかなか就職先もない、あるいは給与の問題等もございましてなかなか定着し切れないという問題がございます。
 私は、この平和構築の事業、人材育成事業、パイロット事業と位置付けられているわけでありますが、これしっかりと明年以降も継続していただきたいと。そして、さらにその上で、研修先のみならず、その後の就職先の、どういった国際機関にしっかり定着してもらうかという政府としての後押しをしっかり考えていただきたい。この二点について大臣に見解をお伺いしたいと思います。
#102
○国務大臣(高村正彦君) おっしゃるように、まず初年度である本年度事業を成功裏に実施していくことが重要だと考えますけれども、人材育成という事業自体の性質上、中長期的視座に立って運営していくことが不可欠であると、こう考えております。
 そして、御指摘のとおり、修了生の就職支援は重要でありまして、国内研修、海外実務研修とともに、本件事業の三本柱の一つに掲げているわけであります。
 当省といたしましても、希望就職先の関連情報の収集あるいは研修員への情報提供と助言、国際機関等への働き掛けなどを通じて、修了生の就職を全面的にバックアップしていく、そのつもりでございます。
#103
○谷合正明君 是非、後押しをよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、官房長官にお伺いいたします。
 ODAの総合戦略、またこの総合戦略がなかなか見えづらいという指摘もありまして、海外経済協力に関する重要事項を機動的かつ実質的に審議し、戦略的な海外経済協力の効率的な実施を図る司令塔の役割の会議を、この海外経済協力会議というものが設置されたわけでございます。
 本年、これまでに約十回ぐらい開催されているかと思います。直近では十一月一日にアフガニスタンに対する海外経済協力について議論されていると思いますが、明年のTICAD、サミットがある中で、私は司令塔の役割とされているこの海外経済協力会議で、まずはここでしっかり議論というか戦略を国とトップが示していただかなきゃいけないと思っておりますが、今後のスケジュールまたどういったことを検討していくのかについて、最後にお伺いをいたします。
#104
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のように、この海外経済協力会議、国全体のまあ余り戦略というとちょっと仰々しいのでありますが、国全体としてどういうふうに我が国の海外協力をやっていくのかというのを議論する場として設置をされまして、十八年の五月から、第一回目からずっと行われております。先日、今御指摘いただいたアフガニスタンに対する経済協力の会議が第十一回目ということで開いたところであります。
 アフリカについて申し上げるならば、今年の四月十日にちょうどほぼ一年後にTICADを開くということを念頭に置きながら開いて、アフリカをテーマにした議論もやったところでございますが、今委員御指摘のようにだんだん近づいてもきているということもありますので、次回あるいは次々回で、この会議を開く際には大きなテーマとして、大きなテーマとして取り上げる必要があると私自身も考えておりますので、今後そのように取り組んでまいりたいと思います。
#105
○谷合正明君 ありがとうございました。
    ─────────────
#106
○委員長(溝手顕正君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岡崎トミ子君が委員を辞任され、その補欠として犬塚直史君が選任されました。
    ─────────────
#107
○委員長(溝手顕正君) 引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#108
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。私は、ミャンマーとそのODAのことについて質問をさせていただきます。
 八八年の軍の弾圧以降、日本はミャンマーへの円借款を中止したということでありますけれども、配付の資料にも明らかなように、実際は既存の貸付案件を継続して実質的に援助を続けております。また、〇三年の軍のスー・チーさんとその周辺に対する弾圧のときもいったんODAを縮小いたしましたけれども、〇五年以降、理由なくこれを元に戻しまして、七九年から〇四年の間、日本はミャンマーにとって最大の援助供与国であり続けました。日本のODAは、結果としてこのミャンマーの民主化の促進に役立たなかっただけではなくて、結果として軍政を支えたんではないかと私は思っております。
   〔委員長退席、理事谷川秀善君着席〕
 今回の軍の大弾圧を考えるときに、政府はこの厳然たる事実をどういうふうに総括をしておられますか、お聞かせください。
#109
○国務大臣(高村正彦君) 我が国のミャンマーに対する経済協力でありますが、昭和六十三年のミャンマーにおける政情の混乱を踏まえ原則として停止をいたしましたが、平成七年七月にスー・チー女史の軟禁が解除されたことを受けてそれまでの方針を一部見直し、民主化、人権状況の改善を見守りつつ、既往継続案件や民衆に直接利益をもたらす基礎生活分野の案件を中心にケース・バイ・ケースで実施することといたしました。
 その後、平成十五年五月にスー・チー女史が再び拘束されたことを契機に、新規の経済協力案件については基本的に見合わせることとし、ミャンマー国民に直接利益をもたらす人道案件や人材育成等に限定して実施しているところでありますが、今回のミャンマー情勢を踏まえ、一層絞り込むこととしたところであります。
 我が国のこれまでの対ミャンマー経済協力がミャンマー軍政を支援してきたとは考えておりません。
#110
○近藤正道君 政府は〇五年と〇六年、アメリカとEUで軍政の翼賛団体としてリストアップされております連邦連帯開発協会、それとミャンマーの母子福祉協会に無償資金協力を行っております。
 供与に当たって実施主体をよく調べられたのか、そしてこれはODA大綱に反するんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#111
○国務大臣(高村正彦君) 我が国は、ミャンマーに対して、ODA大綱の援助実施の原則にのっとり、民主化の促進並びに基本的人権及び自由の保障状況に十分注意を払いつつ、ミャンマーの経済社会状況、二国間関係など総合的に判断の上、ODAを実施しているわけであります。
   〔理事谷川秀善君退席、委員長着席〕
 これを踏まえ、平成十五年五月のスー・チー女史の拘束事件以降は、緊急性が高く真に人道的な案件等について案件内容を個別に慎重に吟味した上で実施することとしております。
 このような方針にのっとり、我が国は平成十七年度及び十八年度に連邦連帯開発協会やミャンマー母子福祉協会に対して、それぞれ貧困児童の小学校教育の環境改善や貧困層女性の婦人病に係る医療サービス改善に直接寄与する人道支援として草の根・人間の安全保障無償を供与しており、ODA大綱に反するものとは毛頭考えておりません。
#112
○近藤正道君 実施主体をしっかり調べたんでしょうかと、私はそういうふうな質問をいたしました。
 ODA大綱は、国際協調と連携、この原則を定めております。連邦連帯開発協会は、〇三年のスー・チーさん襲撃事件への関与が指摘されております。これは、アメリカの国務省が報告書の中で言っております。しかも、本年九月の例の大弾圧、ここでは協会のメンバーがデモ隊に対して暴力を振るっている。これはアムネスティ・インターナショナルが文書の中で指摘をしているところであります。
 アメリカやEUは、ミャンマーに対して経済制裁を今行っておりますけれども、軍政や連邦連帯開発協会の幹部を対象にしてビザの発禁あるいは資産凍結などの措置をとっております。また、母子福祉協会の会長はミャンマーの首相の奥さん、妻であって、首相とこの奥さんは、ともにEUの資産凍結そしてビザ発禁対象者に指定をされている人であります。
 このような人たちが言わばトップに立っている、欧米が制裁対象にしている団体に援助を行うということは、確かに学校等のそういう中身であるということはよく分かりますが、こういう人たちがやっている団体、かつこの団体はいずれも軍政の翼賛団体としてリストアップされるところなんでありますが、こういうところに支援、無償援助をするということは、やっぱり国際が共同して支援をするとODA大綱にうたわれている国際協調の原則に私は反するんではないかというふうに思えてならないんです。
 ですから、是非今後は実施主体についてもしっかりとやっぱり慎重に調べていただきたいというふうに思いますが、重ねてお尋ねをいたしたいと思います。
#113
○国務大臣(高村正彦君) 本件の実施に当たりましては、案件自体の内容を個別に慎重に吟味した上で実施を決定いたしました。案件内容は、ミャンマー国民に直接利益をもたらす人道案件であり、軍政を利するものでないため、私たちは支援をしたわけであります。
 連邦連帯開発協会については、民主化運動の弾圧を積極的に行う団体であるとは認識しておりません。
#114
○近藤正道君 今日は時間がありませんけれども、いずれにいたしましても、アメリカの国務省だとかアムネスティ・インターナショナルは、ホームページ等も使って公然とこれを事実として知らしめていると。あるいは、そこの幹部の皆さんは、EUがあるいはアメリカが具体的な制裁措置の発動対象にしている。こういう人たちがトップに座るところに簡単に出していいものかどうか。私は、是非今後は慎重に検討していただきたい、こういうふうに思っております。
 今回の軍の弾圧について総理は、今ほども大臣おっしゃいましたように経済協力を更に絞り込むことも検討するとこういうふうに答弁されておりますが、結局のところ、人材開発センターを取りやめただけで、その他は基本的にお構いなしと、大きな私は変化はなかったんではないかと。この人材開発センターも、言わば契約として成立したものではなくて、それ以前の段階でありますんで、本当に大きな変化はあったんだろうか。しかも、外務省は十月の中旬に、今の時点ではミャンマーに対して制裁と呼べるような措置をとるということは考えていないと、こういうふうに明言をしております。
 こういう日本の軍政に対する大変甘いといいましょうか消極的な対応は、ミャンマー軍政だとかあるいはもう経済制裁までしている欧米に、あるいは国際社会に対して誤ったメッセージ、これを伝えることになるんではないかと私は思えてなりませんが、いかがでしょうか。
#115
○国務大臣(高村正彦君) 人材開発センターは、閣議決定までしたものを取りやめたということでありますから、これは一つの大きなメッセージで、ブッシュ大統領もそのことを演説の中で日本に対して評価していると、こういうふうに承知をしております。
 国際社会といってもいろいろあるわけでありまして、例えばASEANとか、あるいはもっと言えば国連事務総長からの特使、ガンバリさん、私はガンバリさんとも話しましたし、あるいはASEANの議長国の外務大臣ともよく話しておりまして、日本の立場とほとんど差異はないと、こういうふうに考えております。民衆に対する支援をやめてくれなどとASEANの人も言ったことはないし、あるいはガンバリさんも言ったことはないし、アメリカだけが国際社会ではないと、私はそう思っています。
#116
○近藤正道君 アメリカのみならずEUということも申し上げておりますので、付け加えてもう一度言っておきたいというふうに思っています。
 長井さんが殺害をされました。軍事政権に真相解明、まあ犯人の処分も含めてでありますが、真相解明、すべての遺留品の返還、遺族への謝罪、補償、こういうことを日本の政府は求めておられるようでありまして、当然のことであります。これに対してどういう軍事政権は対応をしているのか、どんな成果がこの間見られたのか、お聞きしたいというふうに思っています。
 ミャンマー政府に誠意ある対応がないときには毅然とした態度で臨んでいただきたいというふうに思っておりますが、今後、政府はこのミャンマーの軍政に対してどういう対応をされるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#117
○国務大臣(高村正彦君) 長井氏の死亡事案については、政府は、これまでもミャンマー政府に対して極めて遺憾である旨抗議するとともに、事件の真相究明及びすべての所持品の返還を強く求めてきているところであります。ミャンマー政府からは、本件に関し謝罪の意が表明されておりますが、事件の真相究明及びすべての所持品の返還については十分な回答が得られていないところでございます。政府としては、引き続きミャンマー政府に申入れを行っていく考えであり、その結果を見極めつつ適切な対応を検討していく考えであります。
 一番大切なことは、このことももちろん大切ですよ、それと同時にミャンマーが民主化プロセスに入っていくということが一番大切なんで、そのために軍政側とアウン・サン・スー・チーさんの方と対話が、形式的なものではなくて持続的に進むということが大切なんです。
 今国連事務総長特使のガンバリさんが両方にアクセスできる唯一の人なんです、両方にアクセスできる唯一の人なんです。その人の活動を国際社会全体がバックアップしていかなきゃいけない。そのために日本政府としても、ASEAN等とあるいはその他国際社会と連携を取りながら、そしてガンバリさんの努力をバックアップし、そして民主化の方向でいい方向に軍政が踏み出せば、それに対してそれなりの措置をとるし、悪い方向に行けば悪い方に対するそれなりの措置をとるし、そしてそういう中でも、ただでさえ苦しんでいる民衆に更にかわいそうな状況にするようなことは、それはいけないでしょうと。
 例えばポリオのワクチン供与するの、これやめますか。軍政が悪いからといって、ポリオのワクチンを供与するのをやめろと言うんですか。私はそういう考えは取りません。
#118
○近藤正道君 今ほどの外務大臣のお話は私も理解できるところはございますけれども、ただ、ミャンマーへのODAは、私はこの間の一つの結果として民主化の促進に効果を上げなかったと、これはやっぱり否定できない事実なんではないか。そればかりか、民主化の促進あるいは人権及び自由の保障状況に十分注意を払う、こういうふうに定めたODA大綱、この趣旨がやっぱり生かされていないということはこれは明らかなわけでございます。
 ですから、今ほどの話は話としてそれは分かりますけれども、ミャンマーのODA、これがミャンマーの民主化に真に資する、それを支える、そういうものになるように、皆さんの努力も分かりますけれども、是非更に見直しを進めていただきたい、そのことをやっぱり強く申し上げまして、時間でありますので私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#119
○委員長(溝手顕正君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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