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2007/12/04 第168回国会 参議院 参議院会議録情報 第168回国会 厚生労働委員会 第9号
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2007/12/04 第168回国会 参議院

参議院会議録情報 第168回国会 厚生労働委員会 第9号

#1
第168回国会 厚生労働委員会 第9号
平成十九年十二月四日(火曜日)
   午前九時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     川合 孝典君     櫻井  充君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本  司君
    理 事
                家西  悟君
                谷  博之君
                蓮   舫君
                衛藤 晟一君
                渡辺 孝男君
    委 員
                足立 信也君
                大河原雅子君
                風間 直樹君
                小林 正夫君
                櫻井  充君
                津田弥太郎君
                中村 哲治君
                森 ゆうこ君
                石井 準一君
                石井みどり君
                岸  宏一君
                島尻安伊子君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                山本 博司君
                小池  晃君
                福島みずほ君
       発議者      家西  悟君
       発議者      櫻井  充君
   委員以外の議員
       発議者      前川 清成君
       発議者      松野 信夫君
   国務大臣
       厚生労働大臣   舛添 要一君
   副大臣
       内閣府副大臣   中川 義雄君
       厚生労働副大臣  西川 京子君
       厚生労働副大臣  岸  宏一君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       原田 令嗣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       内閣府規制改革
       推進室長     小島愛之助君
       法務大臣官房審
       議官       後藤  博君
       国税庁調査査察
       部長       杉江  潤君
       厚生労働省医政
       局長       外口  崇君
       厚生労働省健康
       局長       西山 正徳君
       厚生労働省医薬
       食品局長     高橋 直人君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省職業
       安定局長     太田 俊明君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    中村 秀一君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    中村 吉夫君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       社会保険庁長官  坂野 泰治君
       社会保険庁運営
       部長       石井 博史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (混合診療解禁論議の問題点に関する件)
 (厚生労働省職員の勤務実態とワークライフバ
 ランスの実現に関する件)
 (アスベストによる労災認定事業所名の公表に
 関する件)
 (労働者派遣法の見直しの必要性に関する件)
 (生活保護における扶助基準の見直しの在り方
 に関する件)
○特定肝炎対策緊急措置法案(家西悟君外六名発
 議)
    ─────────────
#2
○委員長(岩本司君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月二十七日、川合孝典君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岩本司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長外口崇君外十三名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岩本司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岩本司君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○櫻井充君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の櫻井充です。
 今日は、いわゆる混合診療一点に絞って質問をさせていただきたいと思います。
 まず、混合診療の議論をする前に、これを提案してきている規制改革会議とはまずまともな組織なのかどうかということについて質問をしていきたいと思いますが、規制改革会議は内閣府設置法の三十七条に規定されて設置されておりますが、そこの要件、何を行うところなのかというと、基本的に言うと、経済の問題を取り扱うんだということでございます。しかし、最近の規制改革会議を見ていると、例えばこの間は教育委員会について言及されるとか、経済の範囲を逸脱して様々な意見を述べられておりますが、私はこういう姿勢そのもの自体に問題があるんではないかと思いますが、内閣府としていかがお考えでございましょう。
#7
○副大臣(中川義雄君) 委員も御承知のように、規制改革会議そのものは政策を決定する機関ではありません。これをはっきりさせておいていただきたいと思います。ただ、広く意見を聴いて、内閣府としてはある程度の調整をしながら、そして国民に対して一定の責任を果たしたいと、それだけでございますので、そう認識していただきたいと思います。
#8
○櫻井充君 おっしゃるとおりなんですよ。権限のないところなんです、本来は。しかし、さも権限があるように振る舞っているところにまず大きな問題点があると私は思っています。
 もう一度ちょっとここは確認しておきたいんですが、経済に関する基本的かつ重要な政策に関する施策を推進すると。これはもう設置法の中に決められていることであって、所掌事務をまず逸脱することは私はやるべきことではないと思っております。その点についてはいかがですか。
#9
○副大臣(中川義雄君) 今、国会での議論の中で櫻井委員の意見ですから、これはそのとおり伝えたいと思っております。
#10
○櫻井充君 これは、伝えるということよりも、コントロールされるのはそれこそ大臣、副大臣の皆さんがその役所をコントロールしていくことになりますから、規制改革会議に申し伝えるのではなくて、これは政治家の責任としてきちんとコントロールしていただきたいと思います。
#11
○副大臣(中川義雄君) 大臣ともよく相談していきたいと思っています。
#12
○櫻井充君 よろしくお願いします。
 その上で、私は、今の社会の在り方を見ていると余りに不公平だと思っています。その規制緩和とは、言葉の聞こえはいいですが、実際やっていることは、例えばその会議に参加している人たちの利益を出すために制度を変えている、そういう組織じゃないかと思っています。その論拠になるものをお示ししますが、今皆さんに資料をお配りさせていただきました。
 第一回の、これはこの間の予算委員会でも使った資料ですが、規制改革の要望です。これを見ていただくと分かりますが、一位が経団連、二位がリース事業協会。このリース事業協会というのは、このときの規制改革会議の議長がここの団体の委員長を務められておる、トップの方がこの規制改革会議の議長というんですか、議長がこの団体のトップです。それから、この三番目の、伏してありますが、この会社が議長の会社です。世の中で、自分の関係している、この方は経団連のメンバーでもおありでしょうから、要するに、こういうようなところの人が議長を務めてまともな制度改正ができるんでしょうか。つまり、自分たちにとって有利に変えるに決まっていますよ、こんなものは。こういう人が議長を務めているから世の中私はおかしくなっていると思っています。この点についていかがですか。
#13
○副大臣(中川義雄君) これまでの議長についていろんな意見があったことは承知しております。今、櫻井委員の多分想定している議長は、今の議長ではないと思いますので、その点だけは御了解いただきたいと思います。
 それで、私は、あくまでも規制改革について優れた識見を有して幅広い議論をしている、それだけの規制会議の役割だと、そう思っていますので、それ以上のことはここでは答えることができません。
#14
○櫻井充君 まあ本音かどうか、そこがちょっと難しいところだと、苦しいことはよく分かっておりますが。
 まず、ちょっとこれ考えていただきたいんですけれども、例えば、この間タミフルの問題があった際に、タミフルが本当に安全なのかどうかを検証する際に、タミフルを販売している会社から研究費を委託されている大学の方には御遠慮願ったという経緯があったはずです。つまり、そこに利害が発生する可能性が、これは基本的に言うとなかったのかもしれませんが、表面上見たときにおかしいんではないかということが相当指摘があって、それで厚生労働省としては、班会議の班長だったかどうか忘れましたが、そこを差し替えているはずなんですね。つまり、社会ではそういうふうに見ているわけですよ。
 私は、この話を一般の方々に話をすると、百人中百人がおかしいと言います。おかしくないと言っているのは内閣府だけでして、僕はそこが全くの問題だと思っていますよ。
 もう一度申し上げますが、自分の関係している、自分の会社から挙げておいて、ここの採択率は一番多いわけでしょう。異常じゃないですか、こんなもの。少なくとも自分が議長のときには自分の会社から挙げさせないぐらいの、そのぐらいのモラルのある人じゃないと私は公平性という点からいったらとてもおかしいと思いますけれども、いかがですか。
#15
○副大臣(中川義雄君) ただいまの櫻井委員の指摘は、私もそれを了とするところが多いわけでございますから、よく考えてやっていきたいと思っています。
#16
○櫻井充君 そういう人をまずメンバーから外していただきたいと思っていますよ。
 それから、これはちょっと資料を要求しておきますが、ここの会社の人が派遣会社をつくったんですよ、この議長が、規制緩和しておいて。これは、そのグループから一〇〇%出資した人材派遣会社をつくりました。人材派遣会社の事業内容のところに何て書いてあるかというと、そのグループを始めとした企業へ派遣していますと、そう書いているんです。これは専ら派遣と言うんだそうですが、これは禁止されている事項です。禁止されている事項を堂々とホームページでこうやって会社の案内でうたっている会社ですからね。めちゃくちゃなことをやっている人ですよ。これが本当に専ら派遣に当たるのかどうか、きちんと調査していただいて、この委員会に御報告いただきたいと思います。
#17
○委員長(岩本司君) 理事会で協議させていただきます。
#18
○櫻井充君 それから、その当時の委員の方に女性の方がいらっしゃいました。この方は、今郵政の株式会社の社外取締役に就かれておりますが、この人は郵政公社と取引をやっている方なんです。これは同僚議員がこの間の委員会で指摘して、結局やめることになりましたよ。ですが、その人もこの規制改革会議のメンバーでしたね。私は、まともな人がいるのかなと思うときもあるんですよ。
 もうちょっと言うと、じゃ、今の議長はどうなのかということです。今の議長は、この間、これは平成七年なんでしょうか、とにかく申告漏れがあって、その申告漏れの額が約四十数億円だったと、追徴課税は約十五億円に上ると見られると。
 まず、ここは財務省にお伺いしておきますが、これは立派な犯罪ではないんですか。
#19
○政府参考人(杉江潤君) お答え申し上げます。
 一般に言う脱税には刑事事件に至るものと至らないものがございますが、いずれにしましても税法上の違法行為となります。
#20
○櫻井充君 違法行為の責務はだれが負うことになるんでしょうか。これは企業全体で、私は企業のトップも当然のことながらその責務を負うと思いますが、その認識でよろしゅうございましょうか。
#21
○政府参考人(杉江潤君) 法人税法の違反行為につきましては、納税義務者である法人に対して重加算税等の行政罰が課されるほか、刑事事件となる場合には、法人の代表者、代理人、使用人等で、その違反行為をした者及び法人に対してそれぞれ刑事罰が科されることになります。
#22
○櫻井充君 一般的に申し上げれば、例えば行政の長の場合も、部下が何か不祥事を起こした場合には大臣が責任を取らなきゃいけないような場合も出てくるわけであって、それは企業のトップたる者の私は責任は大きいと思いますよ。
 もうちょっと申し上げれば、我々政治家とて同じじゃないでしょうか。つまり、秘書が何かを起こした場合にその連座制という制度があるということは、私たちは事務所を構えていてそのトップですから、そのトップが知ろうが知るまいが、責任は負うことになります。そういう点で、私は企業のそのトップという人は責任が重いと思っております。
 そこで、お伺いしたいのは、規制改革会議のメンバーというのは一体どういう人がふさわしいのか。こういう社会的ルールを守らないような人が議長を務められていて、本当にまともな組織と言えるんでしょうか。
#23
○副大臣(中川義雄君) 委員も御承知のように、規制改革会議には一つの一定の考え方がありまして、広い識見を持った人、幅広く聴くというような人にその仕事に就いていただいておりまして、それにふさわしい人であると信じておりますが、今のような御指摘があったことは、十分私もよく知った上で対処したいと思っております。
#24
○櫻井充君 社会のルールを守るというのは、私はそこの前提の中に入るのが当然だと思いますけどね。まず、そんな社会的に、何というか、識見があるとかないの前に、まず社会のルールを守っている人を選ぶのが当然じゃないですか、違いますか。
#25
○副大臣(中川義雄君) 今の櫻井委員の指摘は重要な指摘だと思いますが、これが本当にルールに違反したものであるのかどうかというのは、私はまだそこまで確認しておりませんので、ここで明確に答弁するわけにはいきません。
#26
○櫻井充君 それでは、きちんと確認していただきたいと思います。そして、その上で本当にふさわしいかどうかの検討をしていただきたいと、そう思います。そうでないと、まともな議論にならないんですよ。自分たちの利益のことだけ考えてやっているようなところがあるから、この社会がゆがめられていきます。
 もう少し申し上げると、個人の意見なのか、それとも規制改革会議全体の意見なのかが分からない場合があります。例えば、ある委員は十一月二十八日の新聞に混合診療のことを書かれております。肩書は政策研究大学院大学教授となっていますが、その脇に規制改革会議の委員だとちゃんと書いてありますし、それから別な新聞に書かれている方も、最後のところに、出身大学の後ろに規制改革会議の委員というふうに書かれております。そうすると、この方々の発言がさも規制改革会議の発言のようにも取れますし、個人の発言なのか、どうもよく分からないところがある。
 こういったところも、これだけ大きなマスコミに出る場合には、少なくとも規制改革会議の全体の意見でない場合には、ちゃんと規制改革会議の委員だということをまず外させるべきじゃないかなと、私はそう思いますけど、いかがでしょう。
#27
○副大臣(中川義雄君) 今の新聞は読ませていただきましたが、新聞の内容が、それが真実であるかどうかも含めてよく検討しなければならないと、こう思っております。
 いずれにしても、私はその任命を外す外さないというような判断する立場にはありませんので、今ここでの、国会での議論を重要に考えて、大臣とも相談させていただきたいと思います。
 と同時に、これはあくまでも、規制改革会議は政策決定機関ではありません。これだけはここの国会の皆さん方も、それだけは承知しておきたい。最終的には隣にいる大臣が判断することでして、ある程度の意見があったとしても、大臣さえしっかりしていれば間違いなく行われるということだけは間違いない事実だと思いますので、その点だけは御了解いただきたい。その点でしっかりさせてやっていきたいと思います、いくつもりでおります。
#28
○櫻井充君 これは、二〇〇一年の十一月十九日にこの当時の議長が、これは私的な意見だといって十五の重点提言の事項を挙げられておりますね。これは、個人的にこうやって挙げてくるんですよ。その上で、今度は経済財政諮問会議のある委員が、これは最終ゴールですねといって、さも認めるような発言もされているんですよ。もうめちゃくちゃですよ。
 先ほどから副大臣おっしゃるとおり、権限のない人たちが、その人たちがさも権限があるように振る舞い、そしてその人たちが付けた道筋がさも正しく、そのことに対して物を言うと抵抗勢力だと言われると。自民党の先生方、僕は気の毒だなと本当に思いますよ。だって、自分たちが世の中で聞いてきて、社会でこれが正しいと思って幾ら発言されたって、抵抗勢力になって物が言えなくなってきている。だから今地方がみんなどんどん駄目になってきていますよ。中央にいる人たちで、しかも社会を知らない人たちが自分たちの企業の利益を上げるようなためだけにやっているからどんどんどんどんゆがめられていくのであって、もう少しそこのところをはっきりさせてもらわないといけないわけですよ。その経済財政諮問会議で骨太の方針とかいって出てくるとみんなそれが正しくて、そしてそれに物を言ったらみんなたたかれるわけでしょう。副大臣もその一人だったかもしれませんが、本当に私はお気の毒でなりません。
 ですから、そういうゆがんだ政治を早く変えていかなきゃいけないと私は思っているんですよ。その思いは一緒じゃないですか、違いますか。
#29
○副大臣(中川義雄君) 今までの櫻井委員の御意見は、正に国会らしい、国会議員としての責任ある立場での発言だと承知しております。
#30
○櫻井充君 それは、要するに同意していただいたと私は受け止めたいと思います。
   〔委員長退席、理事家西悟君着席〕
 その上で、今回、規制改革会議がいわゆる混合診療、それ全面解禁だと言ってきていますが、このことに関していうと、平成十六年で両院の、しかも全会一致によってある請願を採択しております。それは何かというと、だれもが安心して良い医療を受けられるための請願ということで、保険診療と保険外自費診療を併用する混合診療の導入は、患者さんの自費負担を大幅に増やし、国民医療の不平等を引き起こし、国民皆保険制度を破壊しますと、だれもが安心して良い医療を平等に受けられる国民皆保険制度を今後とも堅持するように請願いたしますという、この請願を採択しているわけです。そうすると、国会で決めたことに対して、なぜその決定権もないような人たちがまた蒸し返すようなことをしてくるのかと。これはまさしく国会軽視ではないのかと思いますが、その点についていかがでしょう。
#31
○副大臣(中川義雄君) 規制改革がどのようなことを言おうとも、国会が国権の最高機関であることには間違いありません。そして、そこで採択されたものは、それが軽く扱われてはいけないことだと、そのように私は認識しております。
#32
○櫻井充君 そうであれば、こんなことを議論の俎上にのせることそのものが間違いだと思います。要するに、彼らにだって一般職の公務員ですから多分手当を払っているはずであって、私はこんなことのために会議を開いてほしくないと思います。税金の無駄遣いじゃないですか。
#33
○副大臣(中川義雄君) 規制改革会議の設置された目的に基づいてしっかりとした働きをしていただきたいと、私もそのように念じております。
#34
○櫻井充君 もう少しきちんと管理していただきたい。あそこの組織は、この間は、閣議でまだ任命される前から、議長の会社の一室を使って、しかも議長の秘書までそこに入って、そして教育委員会制度はどうするかとか議論しているんですよ。そして、しかも、その結果を本来の規制改革会議にかけもせずに、持ち回りで取りあえず了解を取って、そして意見を発表するような、そういうこともやっています。めっちゃくちゃルール無視していますからね、今の議長になってからも。ですから、きちんとコントロールしていただきたいなと、そう思います。
   〔理事家西悟君退席、委員長着席〕
 その上で、ちょっとお名前を出しますが、松井主査が、混合診療の全面解禁に反対する厚生労働省の論理は破綻しているという旨の発言がございました。そうすると、我々はあの請願を全会一致で採択していることですから、国会議員の論理も破綻しているということを指しているんでしょうか。
#35
○副大臣(中川義雄君) その報道が、私はその内容については余り深く承知しておりませんが、いずれにしても、規制改革会議としても将来にわたり国民皆保険制度を堅持するという方針を踏まえて議論を行っていると、こう承知しておりますので、それだけはしっかりやっていただきたいと、こう思っております。
#36
○櫻井充君 今、要するに松井主査のことがよくお分かりにならないということでございましたので、是非、当委員会に来ていただいて、どういう趣旨で発言されたのか、その点についてお伺いさせていただきたいと思いますので、規制改革会議の松井委員の参考人の招致を求めたいと思います。
#37
○委員長(岩本司君) 理事会で協議いたします。
#38
○櫻井充君 それから、これは福井秀夫委員ですが、その混合診療全面解禁の主張の中に、少数にしか効かない薬は保険給付してはならないという意見を掲載しており、将来的にはそうだと。そうすると、例えば舛添大臣御尽力いただいて、ムコ多糖症のお子さんなど少数の苦しんでおられる難病患者さんたちに対して、今後医療がどんどんどんどん進んでいったとしても公的保険で救われなくてもいいんじゃないかというふうにつながるような私は発言されているんじゃないのかなと、そういうふうに取れますが、この点についてはいかがでしょう。
#39
○副大臣(中川義雄君) 規制改革会議の委員の中にいろんな発言があったとは承知しておりますが、いずれにしても、先ほど言ったように規制改革会議は政策決定機関ではありませんので、しっかりとした正しい議論であれば、それは参考にしなければなりませんが、間違った議論であれば、それは当然のことながら内閣府としても厳格に対処したいし、それから医療の問題ですと厚生労働大臣が最終的に判断する問題だと、そう承知しております。
#40
○櫻井充君 発言の自由という点ではそうかもしれません。しかし、少なくとも一般職の公務員であることには間違いがございません。一般職の公務員であれば一般職の公務員としてのまず責任をきちんと果たしていただかなければいけないと思いますが、それはその認識でよろしゅうございましょうか。
#41
○副大臣(中川義雄君) 一般職公務員であることは、そう認識しておりますが、それが内閣府の大臣だとか我々の立場から、それが、委員個々の考え方や取っている行動に対してそれに口出す権限はないものだと、こう思っております、表面的には、そう思っております。
#42
○櫻井充君 とにかく経済のことに関してということになっていて、何回も申し上げますが、経済のことがほとんど解決しているから、教育の分野だとか、それから今や医療や労働の分野であるとかそういうところに進出してきておりますが、規制緩和そのもの自体が失敗であったことがだんだんだんだん分かってきております。
 例えば、タクシーの規制緩和で今どうなったのかというと、これは本当にしゃれじゃなく、仙台市のタクシーは千台増えまして、大変なことになっております。それで、運転手さんの給料は三十万から十五万ぐらいまで減りました。だけど、この規制改革を進めた人は何をやっている人かというとその当時の議長でして、タクシーのレンタルリースをやっているんですよ。それから、そのときのメンバーの一人の方は自動車のメーター作っている会社の社長ですよ。そういう人たちがやって、自分たちがもうけるために制度を変えたら、規制緩和してみたら大変なことになったと。
 これは自分自身の反省も込めてですが、あのとき我々、たしか賛成しているんです。これはもう大いに反省しておりまして、それで、これじゃまずいと思って、何とか制限できるようにしなきゃいけないと思って、それで国交省とずうっと話合いをした結果、やっと仙台は来年から緊急調整地域になって、台数の制限を掛けられるようになりました。
 もう一つ、株式会社が大学経営に参入いたしました。その結果どうなったかというと、予備校生と大学生と一緒に授業をやっていて、しかも先生がそこに立つことなく、ビデオだけ流して授業をやっていたという株式会社立大学がありました。そのときに犠牲になったのは一体だれかというと、そこで学んでいる学生さんたちですよ。やめていっている人たちが随分いらっしゃいました。あのとき支払った授業料は一体どうなるんでしょうか。
 それも要するに、あの当時、あれは特区でしたが、いずれにしても、規制緩和しろ規制緩和しろとしてやってみたけど、失敗している例が随分出てきているわけですよ。そうすると、経済のことに関してであればそれはそれで市場原理の中で集約していくのかもしれませんが、そうでない部分に関していうと、早急にその規制緩和を進めていくということそのもの自体に僕は問題があるんだと思っているんですよ。
 ですから、もう一度申し上げておきますが、こういう事例も含めて、その規制改革会議そのもの自体が余り余計な口出しをしない、余計な発言をしない、これが当然のことじゃないかなと、そう思いますが、いかがですか。
#43
○副大臣(中川義雄君) 規制改革会議は、先ほども何回も申し上げましたが、政策決定機関ではありません。そこでいろんな議論がなされていることも承知しております。しかし、最終的には政治家が、又は政策の最高決定当事者がしっかりとした考え方に基づいて政策を決定すべきだと、こう思っております。規制改革会議に左右されるものではないと、こう思っております。
#44
○櫻井充君 本当に何回も何回も申し上げているのは、この国は、規制改革会議と経済財政諮問会議で相当ゆがめられましたので、その部分をきちんと是正していただきたいなと、そういうことで、しつこく、しつこく申し上げております。そこのところだけは御理解いただきたいと思いますが。
 先ほどの議論に戻りますが、この福井委員の発言ということは、要するに少数者を切り捨ててもいいというような発言というのは、これは規制改革会議全体の意見だと考えてよろしいんでしょうか。
#45
○副大臣(中川義雄君) 新聞記事は読まさせていただきましたが、このことが規制改革会議の最終決定であるとは聞いておりません。
#46
○櫻井充君 そうであるとすると、規制改革会議の委員だという肩書を使って僕は発言されることは不適切だと思いますし、この方も様々ひどいこと、ひどいというか、私はおかしいなと思うことがあるんです。
 この方は、「官の詭弁学」という本を書いておられて、情報公開を十分にしない官僚がさも悪いように言われていますが、自分たちのワークショップみたいな、要するに分科会なのかちょっと正式な名前は分かりませんが、そういうものを開催する際は非公式にやっておいて、情報公開しておりません。こういう方が本当に規制改革会議のメンバーでいいのかどうかと私は考えておりまして、この方も是非この当委員会にお越しいただいて、考え方をお伺いさせていただきたいと思いますので、福井秀夫委員の参考人招致を求めたいと思います。
#47
○委員長(岩本司君) 理事会で協議いたします。
#48
○櫻井充君 本質論にちょっと入っていきたいと思いますが、私の考えからすると、医療保険そのものは高額所得者、低所得者の方々、みんながお金を出して互助会的に運営されていく、そういう保険だというふうに私は認識しております。私のその認識でよろしいんでしょうか、舛添大臣にお伺いしたいと思います。
#49
○国務大臣(舛添要一君) おっしゃるとおりだと思います。
#50
○櫻井充君 そうしますと、その保険そのもの自体を使っていくということに関していうと、低所得者の方々も、それから高額所得者の方々も公平にこの保険を使えるというふうにしなければいけないと私は思いますが、その認識でよろしいでしょうか。
#51
○国務大臣(舛添要一君) それが国民皆保険ということの意味だと思います。
#52
○櫻井充君 ありがとうございます。
 その上でですが、例えば今は国が医療と認めているものに関していうと、保険が使える部分に関していうと、その保険から、保険の分で支払ができると。これは国が医療として認めてきているからこそこの保険を加入者の方々にお許しいただいて、ある特別な方々はこの保険からお金が給付されると。これは国が認めた医療であるからこそその部分が僕は許されているんじゃないのかなと、そう考えているんですけど、これは厚生労働大臣、私のその認識でよろしいんでしょうか。
#53
○国務大臣(舛添要一君) きちんと、どれが医療行為であり、どれが認められた薬であるかと、こういうことをきちんとした基準でなければなりませんので、委員がおっしゃったとおりだと思います。
#54
○櫻井充君 ありがとうございます。
 そうすると、問題はここから先です。要するに、医療でないとまだ国が認めていないものに対して、それも今度は一緒に診療した場合には保険で認められる分は保険でカバーしてくれというのが、今の規制改革会議からの出された提案です。
 ここで考えなければいけないことがまずあると、一番大きな点を申し上げると、この医療は、じゃ医療と呼べるかどうかまず分からない行為に対して、じゃ低所得者の方々もそれだけの支払能力があるかどうかということが僕は一番大きなポイントになるんだと思っています。
 例えば、これから与党、野党で肝炎の議論に入りますが、肝炎の治療であれだけいいものがあったとしても、高額療養費制度、月額八万円というあれだけの制度があったとしても、実はあの医療費を払えない人たちがいて、治療を受けられない人たちがいるわけです。そうすると、保険診療の上に医療行為かどうかが分からないものに対してアクセスできる人たちは、ある一定の所得のある人たちでないと僕は治療は受けられないんだと、そう思います。
 そうすると、その先ほどの概念から申し上げると、国民皆保険制度というのは、低所得者も、それから高額所得者の方々も同じようにアクセスできる、使えるということが原則からすると、こういうことにまでその健康保険そのもの自体を使わせるというのは私は筋が違うんじゃないかと、そう考えますが、舛添大臣、いかがでしょうか。
#55
○国務大臣(舛添要一君) 貧富の格差が命の格差につながることは断じて許すことはできないと思います。
#56
○櫻井充君 ですから、そういう観点から考えれば、その混合診療、いわゆる混合診療の話が出てくることそのもの自体が私は論理破綻しているんじゃないかなと、そう思っておりますが、中川副大臣いかがでございましょう。
#57
○副大臣(中川義雄君) ただいま混合診療のお話が出ました。私も規制改革会議の委員の中にはいろんな意見があるということは承知しておりますが、先ほども申し上げましたように、いろんな意見であっても最終的に政策決定は舛添大臣のところでされますから、こういう大臣がおりますので、私はしっかりやっていけると、こう思っております。
#58
○櫻井充君 舛添大臣はお忙しいですから、規制改革会議からそういう無駄な提案しないでいただきたいんですよ。そこのところに一々厚生省が行って、そしてそこで議論しなきゃいけないというそういう、無駄ですから。はっきり申し上げておきますが、そういう点でまずやめていただきたいなと、そう思うんです。
 もうちょっと申し上げると、なぜ私は規制改革会議がこういった問題を出してくるのか。例えば、アメリカで使われているような薬が日本でなかなか使われないんだということであれば、早期の承認ができるようにその部分の規制を緩和してくれと。例えば、治験をフェーズ1からやることではなくて、もうフェーズ4の段階から入るとか、もうあとは安全性だけ確認できれば、それは体内の血中濃度の測定などをやれば済むことだと思っていますけれども、その上で特定の病院に置いて使ってみて一年間結果を出して、その上で安全かどうかとかいう、効果がどうかとかいうことを確認するとか、むしろ規制を緩和してくれと言ってくるのは、そういった分野に対して規制を緩和してこいと、しろと言うのが私は筋じゃないかなと思うんですが、なぜそういう提案をされないんでしょうか。
#59
○副大臣(中川義雄君) 医療問題については私も専門家では正直言ってありません。ですから、今の議論を聞いていると確かによく分かりますので、十分今の委員の意見を参考にしながら規制改革会議が変な動きをしないように私もよく見ていかなければならないと、こう思っております。そういう動きがあればですよ、私はないものだと信じておりますが。
#60
○櫻井充君 苦しいことはよく存じておりますので、苦しいことはよく存じておりますので。
 ただ、やはり今、森さんもおっしゃっていますが、政治家としてある種の御発言もいただければ有り難いなと。僕はこれは別に、もし省を背負ってということが難しいのであれば、それは御自身の言葉で語っていただいても結構でございます。ですから、なるべくどういう方向でやっていくのかということの御提示をいただければ有り難いと、そう思います。
 じゃ、舛添大臣にこの点についてお伺いしますが、やはり繰り返し繰り返し起こってくるこういった議論というのは、やはり厚生労働省が新薬、それから新しい技術、そういったものの承認がどうしても遅くなってきているからこういった議論が出てきているんだろうなと、そう感じるんですね。大変難しいことはよく分かっております。
 アメリカと全然違うのは、アメリカは無保険者が四千五百万人から四千七百万人ぐらいいますから、治験でも何でも受けて薬をもらった方がいいという人たちがいる。それから、治験のシステムそのもの自体に参加できる医者なり治験のコーディネーターもいる。それから、判定する人たちが日本よりもはるかに多い人数がいる。そこのところをクリアしていかないとなかなか難しいんだろうなとは思いますが、毎回毎回こういう議論が出てきているわけですから、その点から考えると更なる努力が必要ではないかなと、そう思いますが、その点についていかがでしょう。
#61
○国務大臣(舛添要一君) まず、先般、訴訟になった件も含めてですが、新薬の承認を早める。今、大体四年掛かっています。これを五か年計画で一・五年、つまりアメリカ並みのスピードにするということを今着実にやっておりますし、予算も人員もそのために増やしました。したがって、二〇一一年には新薬の承認が現在の四年から一・五年に縮まる、これが一つの方針で、今もう既に動かしております。
 それからもう一つは、非常に難病、こういう方々で急がないといけないというような、オーファンドラッグというか、そういうものについては、もう十か月から一年で何とかできないかということで急がせています。そういう意味での緩和をすることによって、今委員がおっしゃったことに対する対応がやれるし、私は今それをやりつつあります。
 しかし、常に考えておかないといけないのは、拙速でやって、正に薬害、こういうものを起こしてはいけない。やっぱりこれは国民の命というものは市場経済原則でいくものではないということをしっかり認識して、国民の命を守る厚生労働行政を推進してまいりたいと思います。
#62
○櫻井充君 ありがとうございます。
 極めて大事なところだと思っておりますので、その点についてきちんと進めていただきたいと思いますし、今天下りといいますか、途中で辞めていく方々がどこかで再就職される問題が随分上げられておりますけれども、役所に勤めている皆さんは優秀な方々が一杯いらっしゃるわけですから、再チャレンジをその方々に僕はしてもらいたいと思っているんです。例えば、二年間なら二年間そういうことについて勉強するようなことをやってもらって、再就職するときには独立行政法人の医薬品何機構、ちょっと正確な名称忘れましたが、要するに査定するようなところに移ってもらうとか、そういうことをすれば、国民の皆さんからも御批判を受けなくなるんじゃないかなと。そういうふうに感じておりますので、そういった人の配置の在り方等についても御検討していただきたいと。これは答弁結構ですので、お願いしたいと思っております。
 こういうことを進めれば、私はきちんと多分皆さんに納得していただけるようなことができ上がるんだろうと思うんです。ところが、規制改革会議から出てきている中でいうと、これは平成十三年の規制改革会議の議事概要を見てくると、医療のパイを増やすためには、現状の医療を抜本的に変える必要がある、それが混合医療であり、医療産業全体ではあと十兆伸びる余地があると、こういうことを言っているんです。
 じゃ、十兆円伸びたのは、この文章、この発言だけから見れば、これは規制改革会議のですよ、これからだけ見れば保険外が十兆円伸びるということなんだろうと思うんですよ。じゃ、保険外が十兆円伸びたら、それを個人で負担することはなかなか難しいとなれば、当然民間保険の出番になるんだろうと。だから、民間保険を企業として持っている方が議長を務めて、そういうことを積極的に言ってきているんだと思っているんです。だから、要するにいわゆる混合診療の解禁をやれやれと言ってきているわけですよ。そういう自分たちの利益につながらないような規制緩和なんて全く言いません。
 あの方はプロ野球の球団のときもそうでした。十球団に減らせとか言って、まああの人が抵抗してくれたおかげで仙台にプロ野球球団一つできましたから、それはそれでもいいんですよ。でも、あの人は規制緩和とか言っているけれども、違うから、自分のところの利益が上がらないものに関しては極めて保守的ですから。
 そこで、お伺いしておきますが、この規制改革会議の中で、混合医療であり、あと十兆伸ばすと。これはまさしく保険外診療を増やすこと、公的給付を減らすことにつながっていくんじゃないですか。内閣、規制改革会議。
#63
○政府参考人(小島愛之助君) 申し訳ございません。十三年の総合規制改革会議の議論だと思っておりますが、つぶさにはそこはまだ承知しておりませんが、調べましてまたお答え申し上げたいと思います。
#64
○副大臣(中川義雄君) 櫻井委員はこっちの方の専門家であります。専門家が言っている話を私がここで肯定も否定もなかなかできません。しかし、規制改革会議が変な動きというか、間違った動きはしてもらっては規制改革会議の信用にかかわる問題ですから、いろいろと櫻井先生始めいろんな多くの有識者とも意見を交換しながら、間違った方向にだけは持っていかないように努力させていただきたいと、こう思っています。
#65
○櫻井充君 ありがとうございます。
 ここは極めて大事なポイントですからね。アメリカの医療にしたいのかどうかです。これは、「シッコ」という映画をごらんになったかどうか分かりませんが、アメリカは民間保険が主体です。民間保険と公的保険とどちらが効率的なのかというと、明らかに公的保険の方が効率的です。それは、メディカルロスという概念がありまして、保険料として集めたお金をどれだけ給付するかということです。民間保険は今七五ぐらいだと思いますけれども、あとの残りの二五は何になっているのかというと、そこで働いている人たちの、物すごい高い給料をもらっています。何億、何十億もらっている人もいます。それから、株主に対して配当しています。それだけではなくて、多くの政治家に献金をしています。そうやって民間の医療保険を守り続けています。公的保険はメディカルロスが九八です。つまり、集めたものがほとんど給付されるという世界になってきております。
 ですから、そういう点でいうと、日本も民間保険の枠がどんどんどんどん大きくなってくるということは、トータルとして見れば、国民の皆さんからすると僕は損につながっていくんだろうと、そう思っています。ですから、むしろ、今民間の、僕はあれは医療保険だと思っておりませんが、あれはあくまで病気になったときの所得の補てんであって、あれをまず医療保険などと呼んでもらっちゃ困ると思っています。
 あそこの中で様々な問題があって、例えば五十歳になってから入れるのは何とかだけですとか言っています。病気になったら入れるのはこの保険だけですとか言っていますが、ちゃんとこの国には幾つになっても、病気があっても入れる公的皆保険制度があるのであって、まずああいうコマーシャルそのもの自体を取り締まってもらわなきゃいけないんだと思っているんです。これは金融庁にちゃんと話をしてありますけれどもね。
 ですが、そこの中で例えばある商品で例を挙げますと、十年間病気にならなかったらお祝い金まで出ますよと言っているんです。だけれども、お祝い金が出る保険とお祝い金の出ない保険、十年間の保険料の掛金は十五万円違うんです、私が調べた商品。つまり、十万円はちゃんと別払いしていて、そして、使わなかったから給付を受けるんじゃなくて、自分でしかも一・五倍払っているんですよ。そして、十万円もらって終わりですからね。病気になったら一円ももらえない。こういう商品が横行、あるわけです。すべてとは言いません。ただ、一例を申し上げるとそういう商品もあるわけです。こういう商品が売られ続けていくということは、私は国民の皆さんは結果的に相当な負担をしなきゃいけなくなるんだと思っているんです。
 金融庁と話をすると、彼らも苦し紛れに言ってくるのは、三割負担が重くなってきているからとか差額ベッドがあるからとか、そういうことに対して保険が必要なんじゃないですか、そこをカバーするものだというふうに言っているわけですよ。であったとすれば、この規制改革会議が言うような、十兆円もパイが広がって、しかも彼らは、経済財政諮問会議は公的給付を減らせと言ってきていますから、当然のことながらそこに民間保険の出番が出てくるはずなんですよ。こんなの見え見えですよ、はっきり言っておきますが。
 しかし、それで国民の皆さんが本当に利益が得られるのであれば私はもろ手を挙げて賛成いたしますが、今申し上げたような理由で、私は、そうであったら民間保険にみんなが払っているお金はむしろ公的保険にちゃんと回してもらって、公的保険のパイをもっともっと大きくしていった方がよほどましなんじゃないかなと、そう思っているんです。
 それで、舛添大臣にお伺いしておきたいのは、改めて本当に民間保険の位置付けというものを定めていただかないと、こうやって自分たちの利益を上げたいようなやからが何回も何回も言ってきますから、もう少しきちんとした情報を国民に伝えていく必要性があるんじゃないかなと、そう思いますが、その点についていかがお考えでしょうか。
#66
○国務大臣(舛添要一君) これは金融庁その他の関係省庁ともきちんと議論をした上で、今の櫻井委員の提案を検討させていただきたいと思います。
#67
○櫻井充君 これは内閣府にもお願いしておきますが、もう一度きちんと調べてください。こうやって産業化していくことそのもの自体がいいわけじゃありませんよ。これが国民の皆さんの安全、安心につながっていくことならいいですよ。そうならないから私はこれだけ問題にしているのであって、その点についてちゃんともう本当に、申し訳ないけれども、規制改革会議から出ているような混合診療なんていうこと、いわゆる混合診療なんというのをまず取り下げていただきたいなと、私はそう思うんです。取り下げさせられませんか、副大臣。
#68
○副大臣(中川義雄君) 取り下げろというようなことを言うことは私の権限外だと、こう思っておりますが、しかし国民のためにならない政策決定は絶対させないように努力したいと思っています。
 内閣府も、規制改革会議のは規制改革会議の議論としてあって、そこで一定の提言がされることはありますが、それを取り上げるか取り上げないかは内閣府の担当大臣が決めることであって、そして内閣府の担当大臣と担当している閣僚との間の最終的な確認が成って初めてこれが政策決定されるわけですから、その点だけは、その過程においてはしっかりと今の櫻井委員の指摘を私は守っていきたいと、こう思っております。
#69
○櫻井充君 何回も申し上げますが、この議論やっていることそのもの自体が無駄ですから、舛添大臣忙しいですから、ですから余りそういう煩わせるようなことをやらないでいただきたいと、そう思うんです。
 じゃ、もう少し突っ込んでお伺いしますが、規制改革会議というのは責任のないところでしょう。もし仮に、先ほどタクシーの例やそれから学校の例を挙げました。タクシーの例でもうちょっと追加させていただくと、仙台の事故の件数は全国平均をもう上回るようになりました。ですから、そういう点でいうと市民の方々は本当に迷惑されているわけです。これの責任はだれが取るのか。あのときに我々もタクシーの規制緩和に賛成した口ですから、僕らはそれはそれとして責任を負わなきゃいけないんじゃないかと。社会実験してみたら失敗したので、それは早急に是正しなきゃいけないと思ってやらせていただきました。
 問題は、じゃ医療の現場でこれだけどんどんどんどん、じゃもうあとは国民の皆さんが、どうか分からないけれども医者がやっているんだから、じゃその人がやっていること、その行為そのもの自体が、医者がやっているんだから大丈夫だろうと思って信用してみてやってみたら駄目だったということは、これは多々あると思うんですよ。例として適切かどうか分かりませんが、日本で第一号として心臓の移植手術をやられた。あのときだって、まだまだ十分でなかった時代にああいう形でやられてしまっていると。これがちょっと例としていいかどうか分かりませんが。
 ただ、いずれにしてもそういうことが、要するに混合診療が、いわゆる混合診療が進んでいったら、そういった新しい治療と呼ばれるものが、僕は治療と呼んでいいかどうか分かりませんが、治療と呼ばれるものがもっともっと積極的に行われるようになるんだということも述べられております。
 そうだとすると、もしそのときに、実は後から振り返ってみると医療として不適切だったと、そういったものがあった際に、これは人が亡くなったときにだれが責任を取るんでしょうか。規制改革会議の民間委員の方々はその責任を取るんでしょうか。
#70
○副大臣(中川義雄君) 規制改革会議の民間委員はその責任を取る立場にないと思っています。政策決定をする、そういう権限を持っていませんから、もしその会議からいろんな異論が出たとしても、最終的には政策決定した機関や人が責任を負うべきだと。私も国会議員の一人として、そういった責任の重さを感じております。そういう重さを感じながらこの立場に立って仕事をしたいと、こう思っております。
#71
○櫻井充君 ありがとうございます。
 人の命を預かって、その人の命にかかわるようなことに関して意見を言いながら自分たちは責任を取らない、この人たちに語る資格は私はないと思っていますよ。人の命の重さをこの方々は知らない。もう名前出して言いますが、オリックスの宮内さんなんかあの当時何と言っていたかというと、家まで売ったって混合診療になったらやる人もいるでしょうって。そんなことしたらどうやって生活していくんですか。そんな考えの人が議長やって提案している案件ですよ、こんなものは、昔から。
 人の命の重さをどう考えているんですか。僕は、規制改革会議は人の命にかかわるようなことに関して議論するべきじゃないと思う。それはなぜかと言ったら、責任がないからですよ。責任のない人たちがこんな重要なことを語る資格は私はないと思っている。だから、内閣府設置法に定めたとおり、経済のことだけやってもらえばいいんですよ。それ以外のことに関して私は口出ししてくることそのもの自体が法律違反だと思っています。違いますか。
#72
○副大臣(中川義雄君) 私自身も、規制改革会議が責任を取らない、そういう機関であるということは十分認識しております。責任を取れない者が、いろんな政策決定について意見を言うのはいいが、それをいろんな形でそれが実施されるような、例えばマスコミの皆さん方も何か規制改革会議の委員が言うことだったら正しいような、そういう形で報道されるものですから、それがますます、まあここで私の言葉としていいのか、委員の助長につながっちゃいけないと、私はそう認識しております。そういう点では、櫻井委員と考え方は一つにしていると、こう思っております。
#73
○櫻井充君 ありがとうございます。やっと本音が聞けて、私は本当に満足でございます。
 もう少し申し上げると、保険財政を破綻させないためにも混合診療が必要だという言い方も、これは規制改革会議の中の当会議の主張の中に書いてございます。保険財政が破綻するという根拠は一体どこにあるんでしょうか。規制改革会議が言っているんですから。
#74
○副大臣(中川義雄君) 私は専門家でありませんから、ここではそれに正しい答えが出せないと。残念ながら、そういう副大臣であることを是非御了解いただきたいと思います。
#75
○櫻井充君 いや、これは多分大変なんだと思うんです。要するに、規制改革会議の人たちがどういうことを考えているのか分からない、そこの中に、議論に参加されてない方がここに来られて答弁されるというのは本当に大変なことです。そこは僕はもう重々承知しております。
 そこで、こういう大事なことを適当に言われている会議がありますから、是非国会に来ていただきたい、議長自ら来ていただきたい。私は、規制改革会議の草刈議長にこの場に参考人として来ていただきたいと思いますので、この点についてもお諮りいただきたいと思います。
#76
○委員長(岩本司君) 理事会で協議いたします。
#77
○櫻井充君 本当にこういう、何と言ったらいいんでしょうか、さも、さもですね、さも分かったような形で言ってきていますが、実態は違います。
 じゃ、例えばイギリスはどうなっているかということ。イギリスはブレア政権で医療費を六九%増やしました。そして今や対GDP比でいうと日本よりもはるかに医療費を多く使うような国になりました、全額税方式です。じゃこの国の財政が悪化したのかというと、対GDP比で申し上げますが、これは、国債の発行額やそういったその借金ですね、借金の割合は対GDP比でいうと全く増えていないんです。
 今まで政府の説明は、特に経済財政諮問会議の説明は、医療費が伸びていくと国家財政が破綻するから、だから公的給付を抑制しなければいけないんだということをさんざん言ってまいりました。しかしです、イギリスではブレア政権になってから、もう一度申し上げますが、六九%も医療費を増やしているにもかかわらず、借金の額は対GDP比でほとんど変化がありません。
 経済学をやっている方々はすっごくいい加減な人が多くて、それは何かというと、実験もしないまま、僕ら医療業界はちゃんと実験をしてデータを取って、そのデータをもってしてこれが正しいか正しくないかの判断をしますが、経済学者の方々は何となくイメージでただお話しされている。だから、とある大臣などは、この間お辞めになった方ですが、あの方は口からだけ物を言っていて、本当に中身ないですよ。ああいう方が経済学者として通用するというのは、私はそこにあると思っています。政治家としては超一流でしたよ。彼の思うように、あれだけこの国を変えたんですから。
 ですが、何を申し上げたいのかというと、僕は経済学というのを少し勉強してよく分かりました。それは、経済のことを語る際には、ほかの国でどういうことをやったらどう変わったのかとか、それから、例えば日本なら日本で前にこういう施策を取ったらどう変わったのかと、そういうことを根拠として提案するしかないと、それをもってちゃんとした議論をするべきだということが分かりました。
 ですから、イギリスは、何回も申し上げますが、税方式で税金の投入額を六九%増やしたにもかかわらず、国家財政は安定しております。ですから、そういう点でいうと、この保険財政がどうだとか、それから国家財政がどうだとか言っている彼らの認識そのもの自体が私は間違っているんじゃないのかなと、そういうふうに思っています。
 最後に、舛添大臣にちょっとお伺いしておきますが、今のやはり医療の問題は、このここだけではなくて医療費全体のことなんだろうと。それから医療従事者、その人たちの数の問題が僕は一番大きいと思っています。
 はっきり申し上げて、持続可能、持続可能ということを財政上のことだけ言ってきますが、実際現場で働く人たちがいなくなれば持続は不可能です。もうこれは産科や小児科が、特に産科ですけれども、物語っていますし、今や学生さんたちがリスクの高い診療科には行かなくなってきています。例えば、脳外科であるとか一般の外科を志望する人たちもどんどんどんどん減ってきている。
 そういったことを勘案してくると、イギリスだってあれだけ問題があって初めて、サッチャー政権からブレア政権に替わって医療費を増やしましたが、壊れてしまった組織を戻すというのは大変なことなんです。ですから、早急に手だてを取らないと、日本の医療というのが守られず、これはひいては国民の皆さんの安全、安心を、何というんでしょうか壊してしまう、そういうことにつながっていくんではないのかな。ですから、今、予算の獲得の中で極めて大変かと思いますけれども、全力で頑張って国民の皆さんに安心を提供していただきたいなと思いますが、大臣、いかがですか。
#78
○国務大臣(舛添要一君) その覚悟で頑張りますが、私の経済学を若干お答えとして申し上げたいのは、今、日本国のGDP、五百兆です、丸い数字で。そのうちの六割の三百兆が個人消費なんです。したがって、経済を良くするために六割の三百兆、つまり個人消費が拡大しないと駄目なんです。
 じゃ、その個人消費が拡大するインセンティブは何かといったときに、なぜみんな消費しないで貯蓄するか。老後の安心がありません、病気になったときの安心がありません、介護される立場になったらどうでしょうかというようないろんな不安がある。したがって、最後のセーフティーネットとして社会保障政策を充実させることが実は経済を活性化させることにつながる、それが今委員がおっしゃったイギリスの例だろうと思いますので、様々な経済学があります。私は私の経済学に基づいてきちんと社会保障政策を位置付け、最後のセーフティーネットをきちんとやる。そして、いろんな意味でのこの二千二百億円のマイナスシーリングということは限界に達していて、国民の生命を守るためには非常に苦しい。したがって、全力を挙げてこれを突破するために頑張ってやりたいと思います。
#79
○櫻井充君 ありがとうございました。
 ちょっと訂正しておかなきゃいけないと思いますので。必ずしもすべての私は経済学者と言ったわけではないので、その点についてだけは訂正させていただきます。本当にありがとうございました。
#80
○中村哲治君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の中村哲治です。
 本日、後半は移植医療の話を少しお聞きしたいと思うのですが、本日、私、参議院での初めての質問でございますので、過去私が衆議院で質問させていただいたことも踏まえまして、大きな観点での質問をさせていただきたいと思います。
 それは、これからの厚生労働省はどこに向かうのかということでございます。厚生労働省職員に対して私たち政治家は明確なビジョンを示さなくてはなりません。例えば、厚生労働省職員が入省のときに抱えていた動機は何だったのか。そこには志というものがあったはずです。それがこの組織において実現されているのか。
 ふだん、私たち野党の議員は厚生労働省そのもの、組織に対して質問をすることが多いと思いますが、今日は私、厚生労働省の社長は厚生労働大臣ですから、社長としての言わば経営方針を問うていきたいと思っております。そのときに余り抽象的な聞き方をしてもなかなか論点がはっきりしませんので、果たして厚生労働省の職員はワーク・ライフ・バランス、つまり仕事と生活の調和を実現できているのだろうかと、そのことを例に取ってお聞きしたいと思っております。
 まず、簡単なシンプルな質問ですが、大臣は、厚生労働省職員はワーク・ライフ・バランス、仕事と生活の調和は実現できているとお考えでしょうか。
#81
○国務大臣(舛添要一君) 個々の職員について具体的な実態調査をしないといけないと思いますが、例えば、それは国会を担当する人たちはそれこそ徹夜で作業することもある。しかし、そうじゃない部局は早く帰ることもある。私は基本的にできるだけ早くうちに帰れということを指示していますので、例えば私が役所を出たら早く帰れと、週末もできるだけ仕事をするなと、そういう方針を示しております。
#82
○中村哲治君 今大臣がおっしゃったことで非常に重要なポイントは、調査をしてみないと分からないというお話だったんですね。
 大臣が幾ら早く帰れと言ったって、具体的なデータなり具体的な理由の調査がなければ分からないわけです。そして、私が、平成十三年です、二〇〇一年の十一月八日に衆議院の総務委員会で、公務員の育児休業、介護休暇の延長を決める法案の審議がありました。その中で、当時の片山虎之助総務大臣に対しまして、男性公務員の育児休業や介護休暇の取得率についてのお話をさせていただきました。そのときに、いろいろとやり取りはさせていただいたんですが、超過勤務についての実態は調査しているのかというお話をさせていただきましたら、なかなか難しいが、関係機関と話合いをしながらまた相談させてくださいという、そういう趣旨の答弁だったんですね。
 六年たちました。しかし、私、国家公務員の皆さんの働き方が変わっているという実感はないんですよ。私事になりますが、高校の同級生とか大学の同級生とか、そういった人間が国家公務員になっているわけです。彼らの顔を見ていると、学生時代は生き生きしていた人たちが、何か本当に毎日の仕事で覇気がないといいますか、そんなこともないんでしょうけれども、疲れているような感じがするわけです。
 やはりデータに基づいて調査をして、きちっと理由を分析して、それじゃ過重労働になっている部分がどこにあるのかということを調査しなければいけないんじゃないかと。
 それで、まず厚生労働省職員のサービス残業の実態はあるんですかというようなことも担当の役人に聞くわけです。また、厚生労働省職員のメンタルヘルス、いわゆる精神疾患の罹患状況について調べているんですかということを聞くわけです。若手の厚生労働省職員が仕事の激務に耐えられなくなって辞めていないか、辞めているんだったらその理由は聞いているのかということを聞くんですが、即答できないと言われるんです。
 それは、私たち政治家が今の国家公務員の働き方に思いを寄せて、本当に人間らしい暮らしが彼らにできているのかということに対して私たち与党、野党の国会議員が思いをはせて、そこについてちゃんとできているのか調査をしろと言うことが必要なんじゃないでしょうか。
 大臣、いかがでしょうか。
#83
○副大臣(岸宏一君) 先生の国家公務員の、特に厚生労働省の職員に対する思い、今お聞きして、恐らく後ろにいる厚生労働省の職員は大変感動をしているんだろうと、こういうふうに思っております。
 超過勤務につきましては、建前からいいますと、当然これは超過勤務手当をお支払いするためにその超過勤務の実態というものは各個別に調べられていることは、当然そういうふうになっております。
 ただ、ただいま大臣が申されましたように、国会を担当する職員などにおきましては、厚生労働省は、各府省の中で最も、例えば質問主意書に対する回答の数でありますとか、それから通常国会における法案の出し方とか、出す数ですね、これは前国会では第二位でございましたし、そういうことでかなり、国会に関係している職員の例を一つ取ってみましたけれども、ほかの省庁と比べましてもかなり一生懸命働いていると、こういうふうに言えるだろうと思います。
#84
○中村哲治君 国会を担当する職員は一生懸命働いていると。その一生懸命さなんですけれども、じゃサービス残業はないのかどうかということなんですよ、例えば。サービス残業をさせていることを認識しながらホワイトカラーエグゼンプションの問題なんかを議論させるというのは、これちょっと、もう本当に絵にかいたもちですし、非常にこっけいな話ですよ。
 サービス残業が厚生労働省の中で行われているのかどうか、一般的に言われているサービス残業ですよ、それどういう御認識でいらっしゃいますか。
#85
○副大臣(岸宏一君) 残業の、超過勤務手当の適正な支払というんですか、それをしないという場合、これはたしか国家公務員法の八十六条によって措置要求をする権利が公務員の皆さんにあるわけです。
 平成十六年には四名で三件の措置要求がございました。そして、それが措置されました。ということは、そこに言わばサービス残業をさせられたと認識して、ちゃんとした支払を措置するようにという要求を出したという事実はございます。
#86
○中村哲治君 普通の日本社会において、措置制度があるから措置要求をしたのが四名で、三件で四名ですか、三名で四件ですか、ということで、きちっとサービス残業のことについては措置されているという御趣旨に伺うんですけどね。
 普通、日本社会において大体そういうことを請求する人というのは例外的な人ですよ。本当は自分は納得していなくても、社会全体、組織全体がそうなっているから泣く泣くサービス残業に応じて、その超過勤務の請求をしないというのが普通じゃないですか。民間企業はどうでしょうか。サービス残業していて、いや、残業代払われないからといって、これからずっとキャリアも続いていくのに経営者を訴えますか。サービス残業払われていないから給料払われていないと言わないじゃないですか、普通は。だから、そこのところに感受性がなければ僕は問題だと思うんですよ。
 厚生労働省職員のワーク・ライフ・バランスをきちっと確保するというように政治が考えるのであれば、そこまで思いをはせないといけません。今のような答弁であれば、いや、その措置の方法があって、それに基づいて請求しているんだからサービス残業はないんだ、そういう趣旨でもし副大臣がおっしゃったんであれば、自分たちの思いを副大臣、政治家は分かってくれていないんじゃないかと厚生労働省職員は思うんじゃないかと。やっぱりここはちゃんと調べて、過重な労働になっている原因は何なのか、そのことを変えていくためにはどういうふうなことをしないといけないのかということを考えていく必要があるんじゃないでしょうか。
 それじゃ、副大臣、次に行きます。メンタルヘルス、例えばうつ病になっている人とか、そういう方の調査とかされておりますか。
#87
○副大臣(岸宏一君) 本当に御心配をいただいて、感謝をしております。私が述べた数については、事実を述べたことでありまして、決して、全くそのほかに他意はないわけでございますので、是非誤解のないようにお願いいたしたいと思いますが。
 厚生労働省の職員のメンタルヘルスについてはどうなっているのかと、こういう御質問でございます。
 これにつきましては、人事院が本府省に勤めておられる方々の職員を対象に調査をやりました。その結果、十八年度でございますが、厚生労働省本省の職員のうち、言わばメンタルヘルス上問題、障害があったと、そういうふうな感じに見られると、こういう形で休暇を取った方々は六十一名でございます。うち五十五名が男性でございます。六名が女性でありました。なお、三十一歳から三十五歳の職員が三十人でありまして、全体の半数を占めております。
 職務別に見ますと、係員が二十七人、係長が二十人、課長補佐が十二人などとなっておりまして、若い世代に病気休暇取得者が多いと、こういうふうに見られます。
#88
○中村哲治君 まず、メンタルヘルスについての調査は人事院が行っているということなんですね。なぜ厚生労働省本体がやっていないのかなという疑問はまずあるわけです。そこについてはお答えになりたければ答えていただいても結構ですが、それよりも、このデータから分かることは、若い世代に顕著に現れているということです。ということは、この精神疾患というのは、すごく忙しい人が、特にまじめな人がなる傾向が強いと言われております。そうなってくると、若い世代の人たちの仕事の在り方というものが問題あるんじゃないか。その調査があればその次に対応ができるわけです。だから、しっかりと調査をしていただいて、その理由も調べていただきたいんですね。
 先ほどサービス残業の話のことも答えられましたから、他意はなかったとおっしゃいました。しかし、超過勤務命令に基づく超過勤務が、どのような実態がされているのか、それについてもしっかりと調べなければ、このメンタルヘルスともかかわってくるわけです。上に報告が上がってないから対応する政策が打てないと。大臣や副大臣として勤務状態の改善策を考えることもできないわけです。これは、調査をしろという命令を政治家の側が事務方の方に伝えなければ、これは調査ができないわけです。調査ができなければ当然上がってきませんから、それに対する政策も打てないと、そういう問題意識でいていただきたいんですね。だから、人事院の調査よりも、厚生労働省独自の調査といいますか、そういうことも必要なんじゃないかなと、改めてそういうふうに言えるんじゃないか。
 そこで、若手の人たちの負担が多いということがこのメンタルヘルスの人事院の方の調査の結果でも読み取れるわけです。それじゃ、またもう一つ、先ほどお聞きしましたが、若手の厚生労働省職員の退職率やその理由については調査されているでしょうか。
#89
○副大臣(岸宏一君) ちょっとお答えをする前に、厚生労働省でメンタルヘルスについて何らの手当てをしているのかと、こういうことも疑問に思っていらっしゃるようなお話でございましたが、実は、厚生労働省、このごろ年金問題や肝炎問題等々でいつも批判を浴びているわけでございますが、埼玉県の県政の何かアドバイザーという方が私のところに訪ねてまいりまして、わざわざ来まして、福利厚生室と、それから官房の人事課ですか、の皆さんから、メンタルヘルスについて埼玉県でもいろいろ考えたいのでということで相談に来たと。そうしましたら、非常によくやっていると、厚生労働省がこんなによくやっていると思わなかったというお褒めをいただきまして、これは本当の話でございます。そして、私も、職員の士気を高めるためにも、その名指しされたお二人を部屋まで呼んで、よくやっているということをこういう方から言われたよというふうなお話をして、今後しっかり頑張るようにと、こういうふうに申し上げました。
 というように、厚生労働省本体でもメンタルヘルスについては十分その対応をしておりますし、大臣が申しましたように、早く帰るようにという、電気を消す時間を定めましたり、様々な対応をして超過勤務を減らすよう精一杯の努力をしているということでございます。
 なお、具体的に、話があっちこっちに行きますが、メンタルヘルスの問題におきましては、外部の指定機関に頼んでメンタルヘルスの相談の事業をやりましたり、講習会をやりましたり、傾聴セミナーなどをやって職員の精神的な問題、これに対応する様々なことを努力しているということを申し上げておきたいと思います。
#90
○中村哲治君 私が申し上げたのは、若手厚生労働職員の退職率と退職の理由についてというのが私の質問だったんですが、それにお答えしてください。
#91
○副大臣(岸宏一君) 失礼いたしました。
 退職率でございますが、平成十八年度に退職した者は、二十歳代三百八十七人中十三人でございまして、三・四%。それから、三十代では千百七十五名中十八名でございまして、一・五%となっています。
 また、退職の理由でございますけれども、これは企業や地方自治体への転職を理由とする者や、資格試験などの受験を理由とする者、それから家業を継ぐ者などが挙げられております。
 退職するに至った事情については、上司等が個別に事情を聞いたり、相談に応じて状況の把握に努めておりますが、今申しましたようにその事情は様々であります。
#92
○中村哲治君 私、育児休業率というのは結構一つの指標になるんじゃないかなと思っておりまして、育児休業率について、昨日から厚生労働省にデータを出していただいていたんです。まず、厚生労働省から出てきたデータというのはこういう表でして、その表には社会保険庁及び中央労働委員会を含むというデータなんです。もう大体、全体として取るわけですね。恐らく、先ほどの若手の職員の退職率と退職の理由というのも、そういう全体のネット、がばっと取っているものだと思うんですね。
 そこで、いや、こういう表はいただいたんですが、それじゃ本省はどうですかと。そのうち、また、幹部候補生と呼ばれているT種の採用職員についてはどうですかというと、実は統計がないんですよ。やはり一番負荷が掛かるのはT種の職員さんたちだと思うので、そこの人たちのデータを聞くと、やっと昨日の段階で出てきた去年の数字で、やっぱり零人なんですね、男性は。女性は五人と。今、ほか、過去のデータは何人ですかと。また、そのゼロ人の分母になっている、対象となっている人数は何人ですかと聞くと、それは今日まで掛かっても出てこないんですね。ちょっと私、仕事増やしちゃって申し訳ないなと思っているんですけれども、こういうのをふだんからデータとして取ってないというところが問題だと思うんですね。本当に働き方に対して思いを寄せているのかどうか。
 恥ずかしい話かなと思うのが、ワーク・ライフ・バランス、福利厚生という広告特集、これ日経新聞の今年の十一月二十七日の新聞です。そこに出てきている職員は、これ経済産業省の山田正人課長補佐らしいですね。経済産業省の人が出てくるというのは、これは象徴的なのかもしれませんけれども、いや、厚生労働省の役人が出てもいいんじゃないかと思っていたら、やっぱりゼロ人だから出れないわけですよね。
 この山田さん、こんなのおっしゃってますよ。「育児休業を取る前は、育児がこれほど大変なことだとは思っていなくて、心の底では仕事に比べて育児なんてと、育児を一段下に置く思い上がった考え方をしていました。しかし、育児を始めた途端に、育児は仕事とはまったく違う脳の部分を使うし、本当に大変なことだと驚かされました。」と、こういうふうなことをおっしゃっているんです。
 厚生労働省の役割って何なのかということなんですね。何で私はこんなしつこくしつこく厚生労働省職員のワーク・ライフ・バランスの話をしているのかと申し上げますと、このワーク・ライフ・バランスが実現できない場合の問題点は二つあります。一つは政策の空洞化です。もう一つは組織の弱体化です。順を追って説明します。
 まずは政策の空洞化。厚生労働省職員が日本全国の言わば国民のワーク・ライフ・バランスを取り仕切って、きちっと政策として実現して守るという立場の職員なわけですよ。そういう人たちが、実際自分が働くときはそれは守られない、やっていることと言っていることが違うという状態になります。これは建前と本音の話になります。だから、どうせ建前でこんなことを言っていても民間もできないよねと、そうなりますよ。この政策の空洞化、形はできます、しかし実効性はないということを前提として政策立案者そのものが自覚していくことになります。果たしてこれでいいのかどうか。
 後述しますけれども、後で申し上げますけれども、グローバル化するこの世界史的展開の今大転換の時期にあります。世界じゅうの労働者がこのグローバル化する経済の中で、IT化する経済の中で非常に厳しい状況に置かれています。その中で、この歴史的な転換期の中で厚生労働省、行政が果たすべき役割というのはあります。しかし、それが果たせなくなってしまう、時代的使命が果たせなくなってしまうという、そのことに一番大きな政策の空洞化、問題があります。
 そして、第二点目が組織の弱体化です。政策の空洞化が起きているときに、それを担当する組織に優秀な人材は集まるのか、そして退職せずに残るのかということです。厚生労働省職員の志というのは、外資に行ってもうけるのじゃなくて、給料が低くても社会に貢献できる、そして弱い人たちを自分の力で守っていける、そういう思いで志を立ててこの省に入省されたんではないでしょうか。
 その志の部分を私たち政治家が守らなければどういうことが起こるのか、もし守らなければ個々の厚生労働省職員が求めるものは何になるのか。志も実現できず、そして給料も高くない、家庭と仕事の両立も実現できてない、そんなことであったら、天下りのシステムをなくそうとかいうような気持ちになるはずがないじゃないですか。何とかして、もう建前と本音が違うんだったら、形はいろいろ複雑にして天下りするシステムを温存して、生涯賃金のところで、厚生労働省を退職してから度重なる退職金をもらうことによってそれを埋めていこうと、そういう気持ちになってしまうじゃないですか。
 これから公務員のシステムというのは大きく変えなくちゃなりません。公務員制度改革のところも、今議論されているところでは、本省のT種採用職員の領域に対しては必ずしも踏み込めていません。しかし、これはもうやっていかないといけないことになります。職員は今まで経験したことのない大転換を働き方のところで強いられるようになります。そのときに、今まで代償措置も何もなくてやってきて、過重な労働もさせられておきながらということになってくると、もう非常に不安になっていきます。これは組織の弱体化につながります。こういった危機感を本当に政治家が持っているのかどうか、そこを改めて確認しないといけないと思うんです。
 この政策の空洞化と組織の弱体化、その二つの問題というのをどのように考えるのか。私は厚生労働省職員に対して個人的な思いで言っているわけじゃありません。国会議員は、この厚生労働省という組織体をオーナーとして持っている国民の皆さんから選ばれて、その組織体がきちっと運営してきているのか、その価値を毀損しないようにきちっと議論して保てるのか、そういうことを任務として負っています。だから、私は国会議員として、この政治の場で大臣や副大臣に対して、ちゃんと調査をして厚生労働省の組織としての価値を毀損しないような形で経営をしていってくれという私は義務があります。それで今日は申し上げているんです。
 改めて申し上げます。超過勤務、過剰労働になっているファクターには何があるのか、そういう洗い出す作業が必要なのではないか。厚生労働省のサービス残業はないのか。ないとすれば、単に残業を報告させていないシステムはないのか。そんなことについてやっぱり調査をしないといけないと思います。舛添大臣、このことについてどのようにお考えか、お答えください。
#93
○国務大臣(舛添要一君) 人事院の調査もありますし、我々もいろいろ調査する、できることはやりたいと思います。
 それで、先ほどワーク・ライフ・バランスのお話をずっとなさっていますけど、私はやっぱりまず隗より始めよで、しっかりやらないといけない、そういう方針で指示をしているところであります。そして、全体を見ていますと、真夜中までこうこうと役所に明かりが付いていると、光熱費だって相当使っている。その大半はやっぱり国会への対応が非常に大きいと思います。
 私自身は質問に立つとき何を心掛けたかといったら、できるだけ早く質問通告をする。そして、今までも私質問当たったら、とにかく一時間以内に自分でパソコンを打って質問通告をする。そして、来る役人には、きちんと答えればいいんであって、なるべく早く帰りなさいと。それをずっと、これはもう皆さん証言してもらえますよ、どの役所についてもそれをやってきた。やはりそういうことをきちんと我々国会議員の方もやらないといけないし、そういう意味で、国会の活性化を図りながら効率化をするのはどういうことかということを考えないといけないと思います。
 それから、非常に厚生労働省の役人の目線でいろんなことをお考えいただいているのは大変結構なんですけど、しかし何も問題がないかというと、やはり改革の大なたを振るわないといけないのが我々の省についても霞が関全体についてもあると思いますから、これはただ単に厚生労働省だけの問題ではなくて、霞が関、官僚機構と政治家との関係をどうするのか、そのことを含めて大きな転換期に来ていると思います。
 そしてまた、ワーク・ライフ・バランスを含めて、やはり私は長期的に夢と希望と、そういうものを掲げて、目標に向かってこの仕事をしていくということがなければ、どんな高い志を持ってどの職場に入ってもやっていけないと思います。ですから、そういう意味で、新しいビジョンをつくるというそういう作業、それは人生八十五年時代のビジョンということでこのワーク・ライフ・バランスもその中に入っています。
 それから、例えば日本の医療体制をどうするのかと、先ほど櫻井議員がるる御指摘になったような問題点についても、長期的なビジョンがなくて場当たり的な対応はできませんから、そういうビジョンを作成する形で我が省の各職員の士気を鼓舞し、そして大きな目標に掲げて、ともに協力して前に進んでいきたいと思っております。
#94
○中村哲治君 きれいな言葉を言っていただいたので、それをちゃんと実行していただきたいと思うんですね。
 それで、今質問通告の話だけされましたけれども、もっと構造的な問題があると思うんです。先ほど櫻井委員が質問された規制改革会議の話もありました。そのようなある種国会とは違うところで立案されたものを無理やり法制化の立案させられるような仕事、そして国会に来たら大問題になって、民意と違うということで非常に大変な議論になるのを分かっていながら、それを立案化して法案出していかないといけないわけです。
 根本的な仕事の大変さというのは、国会が国会らしく機能をしていない、また本来国会の議論で練り上げていって法案ができていかなくてはならないのに、それとは違う部分で、内閣主導という言葉だけの、美しい言葉で立案されていく、そこの構造的な問題があるのかないのか、そこに対しても検証をしていただきたい、私はそこを指摘さしていただきたいと思います。
 私も質問通告に対しては丁寧にさせていただいて、早くできるだけ、特に局長さんが答弁をしなくてもいいように、政治家が答えられる範囲でこういうやり取りができるようなことを心掛けています。だけど、それとは違う、構造的にもっともっと忙しくさせているファクターがないのかどうか、そこを検討しなければ、これは抜本的な改革というのはあり得ません。そこを指摘させていただきたいと思います。
 そこで、時間も迫ってまいりまして、次に移植医療についてお聞きをいたします。移植医療を受けたいと希望する人のうち海外で移植を受ける人はどれぐらいいるのか、またどのような問題が起きているのかという問題意識でございます。
 果たして日本の臓器移植は日本の患者のニーズを満たしているのか。満たしていないのであれば、海外に行って移植を受けている人が相当数いるのではないかと疑問を持ったわけです。そこで、厚生労働省についてその調査をしているのかという話を聞いたんですが、厚生労働省は自分では調査をされておりません。平成十七年に調査を依頼をして、そして調査結果が上がってきています。平成十七年度厚生労働科学特別研究事業ということで、渡航移植者の実情と術後の状況に関する調査報告書というものが出されて、そういうふうな調査はされておりますというふうにお答えを受けているんですね。
 でも、実際本当にそれで調査ができているのかどうかということに対する検証というのはなかなかできないわけです。調査報告書の内容を教えていただくと、どういう調査をしているかというと、結局、移植学会にそれぞれどういうふうな実例がありますかということを尋ねて、聞いているだけなんです。だから、当然そこの検証というのはできないわけです。
 だから、こういう状況では私、二点問題点を気付くわけですね。一点は、移植を海外で受けた人が術後、術後の回復のために国内で治療を受ける際に問題となっているケースがないのかという点。そして、もう一点は、この日本の今の体制が途上国での臓器売買の温床になっていないのか、つまり先進国の患者が金で臓器を買っているということはないのか。その二点が問題点として浮かぶのですが、この点についていかがお考えでしょうか。
#95
○国務大臣(舛添要一君) 評価の問題はなかなか役所自らということがやるよりも、やっぱり専門家の知見というのが必要なんで、そういう意味で今、厚生労働科学研究による調査ということになっていると思いますが、委員が御指摘のような問題点について、これは少し、どういう形で実情を明らかにし、またさらに省としても評価できるのかどうなのか、その点も含めて少し検討してまいりたいと思います。
#96
○中村哲治君 専門家の知見は確かに要るのですが、例えばこういったことがあった場合に報告をさせるような公的なスキームをつくるとか、今はそういうのがあるのかどうかということも検討していただきたいと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#97
○国務大臣(舛添要一君) 医療の問題は個人情報ともかかわります。ですから、どの方がどの国に行ってどういう臓器移植を受けたかということを、それは非常に個人のプライバシーにかかわりますので、そこの点をどうクリアするかというのがやっぱり一番問題かなというように感じてますが、そういう点をクリアしながら何ができるかということを少し検討してみたいと思います。
#98
○中村哲治君 術後の回復のためにどういうふうな治療を受けるべきかというのは、国がかかわるべきでなくて専門家に任すというお考えなのか、いや、そうではないのかということも含めて、どういう認識でいらっしゃるんでしょうか。
#99
○国務大臣(舛添要一君) それは、例えば海外で臓器移植をなさった、その方が帰ってくる、帰ってきてどういうふうにして医療を受けるかというのは、これは日本の保健医療の正にその体系の中できちんと決められたルールに従ってやるというわけですから、そういう意味ではきちんと国がかかわっていることになります。
 しかし、先生が御質問になった趣旨は違うと思いますので、それは非常に慎重な検討を要すると思いますので、どういう方向がいいかも含めて少し検討させていただきたいと思います。
#100
○中村哲治君 自分たちの国民が海外で移植を受けることが本当にいいのかどうかという根本的な問題がありますよね。やはり、臓器というのは人間の尊厳に一番かかわる部分です。そこが自分のところでできないからって海外に行って移植を受ける、これはもう海外での臓器売買の温床になる行為だと思うんですよ。ただ、プライバシー守らないといけないというのはありますが、国際的な人間の安全保障と申し上げますか、そういう人格の尊厳、人権の保障という観点から考えると、ここは日本がどういうふうな役割を果たしていくのかということが問われる部分だと思います。それについてはいかがお考えでしょうか。
#101
○国務大臣(舛添要一君) やはり、臓器移植法をきちんとこれは制定され、そしてその下において臓器移植が人の命を救うために使われるとすると、ドナーの皆さん方がきちんとこれは提供していただかないといけない。そういう意味では、国民的な御理解を賜って、できるだけそれは国内でやっていただくということが好ましいというように思っています。
#102
○中村哲治君 そのできるだけ好ましいというのは私も同じ考えで、それは当たり前の話で、ただ海外に出ていくことに関しては国際的な問題にもなり得ると、それについての認識をしていただきたいと、そういうことでお聞きさせていただいたことなんですね。
#103
○国務大臣(舛添要一君) ですから、それはケース・バイ・ケースで、ただお金に任して臓器を買いあさればいいと、そういう感じで他国に出ていくというのはそれはいかがなものかなと、そういう認識は持たないといけないと思います。しかし、逆に、医療水準の何かでどうしても海外でないとできないというようなケースだってあるわけですから、それはケース・バイ・ケースですけど、あくまでもそういう国際的な問題にならないような配慮は十分必要だと思います。
#104
○中村哲治君 ケース・バイ・ケースであるからきちっと調べていくと、そういう方向で考えていくという御答弁でよろしいですね。
#105
○国務大臣(舛添要一君) 先ほど申し上げましたように、個人のプライバシーの保護ということも観点に入れながら、そういうことはきちんと国際的な問題になるような問題については十分認識をして当たっていきたいと思います。
#106
○中村哲治君 そのような移植医療なのですが、抜本的な解決策というのはあるのかなと考えておりましたが、一つの解決策というのは再生医療なのかなというふうに思っております。
 先日、京大チームのiPS細胞を用いた研究についての報告が、報告といいますか報道がありました。山中教授に対する予算、予算といいますか研究費をこれからどういうふうに増やしていくのかというのは一つ考え方としてあると思うんですが、ここは厚生労働省、文部科学省、どのように考えていらっしゃるんでしょうか。
#107
○副大臣(西川京子君) お答えさせていただきます。
 なかなか今の移植の問題については、まだ今、臓器移植法案もこれから多分審議に入る予定にも入っているとは思いますけど、日本の中ではなかなかこれが大きく進んでいないという現実はあると思います。そういう中で一つの大きな、別なもう一つの方策として、人のできた臓器を使うのではなく、自分の細胞の増殖した中で自分に一番合った臓器が手に入ればこれは確かに本当に一つの大きな解決策の一つだなということを私自身は感じます。
 そういう中で、今般大きな話題として京都大学の山中教授による万能細胞に対する研究というのがありまして、これが言わば一つのこういう手なら手の細胞はそれだけしかできないわけですけれども、幹細胞の中でも特別にいろんなものに、臓器に増殖していく細胞というのが見付かったということで画期的なことだと思いますが。
 そういう中で、具体的には厚生労働科学研究費補助金ということで、独立法人医療基盤研究所からの助成金ということで再生医療研究には今合計で約七・二億円の研究支援を行っているところでございます。
 文部科学省の方の補助金は主に基礎科学研究という名目で補助金が出ております。それに対して、厚生労働省の方では人に対する研究ということでこの補助金が出ておりますが、特にこの京都大学の山中伸弥教授による研究に対しましては、画期的な治療法の開発研究ということで、平成十九年度で九千万円の助成が行われております。
#108
○大臣政務官(原田令嗣君) 山中教授が樹立しましたヒト人工多能性幹細胞は世界に誇れる技術でありまして、再生医療の実現に向けた大きな前進であるというふうに考えております。
 文部科学省としましては、平成十五年から再生医療の実現化プロジェクト、そして世界トップレベル研究拠点プログラムなどの支援を通じまして、山中教授にはこれまで五年間におよそ六億四千万円以上の支援をしてまいりました。世界最先端にある我が国のこのiPS細胞に関する研究を更に前進させ、そして研究者層を拡大させるということは再生医療の前進にとって極めて重要なことでありまして、再生医学研究との連携ももっと図っていかなければいけないということで、最も効果的、そして効率的な研究を推進されるよう、我々としても早急に実現可能なものを今年度から支援できるよう今検討しているところであります。
#109
○中村哲治君 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
#110
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 随分久しぶりの質問ですので、その間相当多くの問題が、質疑してほしい、あるいはただしてほしいという、山のように集まっておりますので、時間がもったいない面もありますから、すぐに本題に入ります。
 まず、資料をごらんください。一ページ目ですね、これはアスベストが原因である中皮腫、肺がんの労災認定の数の推移をグラフにしました。クボタ・ショック二〇〇五年六月と書いておりますが、これは尼崎のクボタ、ここで六件が表に出たわけですけれども、それ以来、昨年の新法の制定もあり、例えば今年で見ますと中皮腫、それから肺がんの労災認定は、中皮腫は千六ですね、肺がんが七百九十、それから新法による中皮腫が五百六十九、それから肺がんが二百七十二と相当な数になっているわけですね。なぜこのように急激に増えたかということについて、それから足りない部分についての質問をします。
 そこで、昨日の毎日新聞、皆さんごらんになって、紙面にすると五面にわたってこの報道がありました。そこで、ちょっと私、誤解があるといけないと思って、まず触れさせていただきますが、これは何も厚生労働省が公表したわけではございません。中皮腫・じん肺・アスベストセンターの、特にその中でもある一人の人が頑張って、情報公開法に基づいて四十七都道府県労働局に情報公開を求めたと。そして、不十分ではありますが、その資料の中から分析をしてまとめたと。そして、毎日新聞の関与は、主な企業三十六社に対して質問をして、そのうち二十三社から報告があったと、その内容でございます。必ずしもといいますか、厚生労働省が公表したわけではないと。
 その基になったのが、二年前の九月七日、厚生労働省は労働局に対して石綿労災事案の処理経過簿を作りなさい、それから報告も求めた。それがあったがためにそこから逆にたどっていったという話です。
 そこで、資料の二枚目、三枚目、ごらんください。二枚目に厚生労働省発表と書いてありますが、これが二〇〇五年七月のアスベストに関連する労災認定事業所一覧という四百十五事業場を公表した内容でございます。これによって、私は国民にとっては、自分の体のこと、それから将来のこと、非常に大きな情報であったと思っております。
 そこでまず、この二〇〇五年七月に公表されました四百十五事業場、これを公表した理由は何でしょうか。
#111
○政府参考人(青木豊君) 平成十七年度の御指摘の公表でございますけれども、これは石綿による健康被害に対する国民の不安等への緊急対策でありますアスベスト問題への当面の対応として、関係閣僚会合の決定を踏まえて実施したものでございます。
 平成十七年度に石綿の暴露作業に係る労災認定事業場の情報を公表いたしましたのは三点ありまして、一つは、公表対象事業場でこれまで業務に従事したことがある労働者に対しまして石綿の暴露作業に従事した可能性があることを注意喚起すること、それから二つ目が、石綿の暴露作業に係る労災認定事業場の周辺住民となるか否かの確認に役立ててもらうということ、三点目は、関係省庁及び地方公共団体などにおける石綿被害対策の取組に役立ててもらうことでございます。こういうことができる情報であると判断したからでありまして、また、当時はほかに周知方法がなく、データなども余りなかったために周知が十分になされていない、そういう状況の中で緊急的に実施したというものでございます。
#112
○足立信也君 今の理由三点は、これ厚生労働省のホームページにも出ております。そのとおり、その内容は私は高く評価したいと、そのとおりだと思っております。ですが、昨日の新聞報道によりますと、新たに五百二十か所以上の事業所で労災認定された石綿被害が出ていると、全部合わせると七百二十か所に及ぶという事態なんですね。
 では、これまで、二〇〇五年以降、今までこの事業場に関して公表できなかった理由、公表することは先ほども申し上げましたように三つの理由で非常に有意義だと思いますが、公表できなかった理由は何ですか。
#113
○政府参考人(青木豊君) 厚生労働省においては、平成十七年度以降の石綿の暴露作業に係る労災認定事業場の情報の公表を含めまして、継続して公表を行うことの効果でありますとかその及ぼす影響などの観点から、石綿の暴露作業に関する情報の周知の在り方を検討してまいりました。実際に、労災認定に必要な調査について事業主の自主的な協力が得られず調査に遅延を生ずる場合があったり、あるいは事業主の風評被害の有無だとか、あるいは他の方法による周知の有無などについて具体的に検討してまいりました。
 これらの検討と併せまして、厚生労働省としては、石綿の暴露作業や労災の認定基準に関するリーフレットの配付をずっといたしてきておりますし、また、石綿暴露のおそれのある作業について写真入り解説を盛り込んだ詳細で分かりやすい資料の作成、あるいは石綿暴露の把握の手引のホームページへの掲載、あるいは医療機関に対しまして石綿関連疾患等の専門図書の配付など、石綿による疾病についての労災補償制度等の周知、広報に努めてきたところでございます。
#114
○足立信也君 二年前の公表は非常に意義があったんです。この公表に関しては、環境省、今アスベストは環境省の管轄でしょうから、あるいは自治体、厚生労働省の内部でもこれは公表すべきだという賛成意見があるということは、私は調べて聞いております。後で医療事故に関することも言いますが、これ基本は、逃げない、隠さない、ごまかさないです。この基本に立つ必要がある。そして、事業場を公表することは、やはり住民、それからその仕事に従事された方、非常に受ける恩恵は大きいということがまずあります。
 そこで、資料三、ちょっとごらんください。これ、二年前の環境委員会で私使ったものですが、実は二〇〇四年の大阪府立成人病センターの森永先生が作った論文に加えたわけですけど、このときは石綿の被害の潜伏期間二十一年で計算しているんですが、現時点では日本は三十八年ということになっています。ということを考えると、過去の石綿消費量とそれから一九九五年までの石綿消費量を計算していくと、ちょっと分かりづらいと思いますが、赤と茶色の交点、これが三十八年後ですから、一九七四年から三十八年たった後、二〇一二年に人口百万人当たり十九人の死亡率になる。つまり、年間二千三百から二千四百人という形になるわけです。それがしかも三十年続くという話です。実際、先ほどの認定の患者数も増えておりますし、そこの値に近づきつつあります。
 そこで、先ほどから出しております中皮腫・じん肺・アスベストセンターの片岡さんが頑張ってやられたわけです。それに毎日新聞の取材、これ加えて新たに分かったことで非常に重要なことがあるんですよ。それを三点申し上げます。
 一つは、過去には知られていなかった業種があるということです。例えば、製紙、印刷、家具製造、航空機製造。金融機関もあります。二番目に、国際的な文献的には知られていますが日本では労災認定されてこなかった業種、これがあります。文献的にはもう知られていることです。例えば、製鉄、化学、鉄道車両製造、自動車製造。三番目が、今まで認識されていた、危険性が高いと知られていた石綿を直接製造する、あるいは造船業、建築業で非常に認定者が多いということです。これ、認定者が非常に多いということは、暴露量が多いということです。つまり、周辺の住民もかなり暴露している可能性があるということです。だから、公表する必要がある。この三点が非常に大きい要素だと、私はこの分析の結果でそう見ました。
 そこで、今まで公表されてこなかった。では、厚生労働省としては、実際に発生している、認定が非常に多い地域の自治体あるいは保健所あるいはその当該地域の医師、これ、診断のためには非常に有意義な情報だと思いますよ、早期発見のためにも、その人たちに情報は伝えているんですか。
#115
○政府参考人(青木豊君) 平成十七年度に公表した石綿の暴露作業についての労災認定事業場の情報につきましては、公表以来、継続して厚生労働省のホームページに掲載しておりまして、自治体や医師に限定することなく、広く国民への周知を図っているところでございます。
 なお、それぞれ医療機関や医師に対しても、先ほど申し上げましたようなリーフレットや専門図書、あるいは研修なども実施いたしまして、石綿関連疾患の診断を的確に行われるようにすることとしているところでございます。
#116
○足立信也君 今お答えになったのは一般論であって、この地域のこの事業場は非常に多いという情報がやはり大事なんですよ。そのことが、例えば自治体がやる地域住民の健康診断にも直結するでしょうし、その地域にいる医師のやっぱり啓蒙にもなるでしょう。私たちは学生のときから中皮腫を見たらアスベストを考えろというふうに教わってきました。でも、そう思っていない人たちも、医師も結構いるんですよね。個別にやはりその事業場、この地域には発生が多いんですよということを伝える、具体の例を伝える、このことが一般論ではなくて大事だと私は思っていますし、それは間違いないことだと思いますよ。
 そこで、最後に大臣にお聞きするわけですけれども、二〇〇二年の四百十八人の問題、そして大臣は今、相当あのとき何やっていたんだろうかなと疑問を持たれていると思います。とすれば、現時点で石綿による労災認定された方々がこれだけ増えている、事業所を公表していない、このことは多分、後代になると、二〇〇七年何やっていたんだという話に私はなると思いますよ。
 そして、大事なポイントは、昨年できた新法で、二〇〇一年以前に死亡した方が新法による時効救済が申請できるのはあと一年四か月後までなんですね。平成二十一年の三月までなんですよ。そこまでしか期間がないんですね。だとしたら、これを公表して、自分がひょっとしてそこに関係しているんじゃないか、あるいは以前亡くなった方がそれが原因だったのではないかというのは少なくとも一年掛かると思いますよ。ということは、もうタイムリミットになっているということですよ。
 そして、二〇〇七年時点で日本が何やっていたと後世の人に言われないように、また、私は度々この問題については言っているんですが、今後世界で一番中皮腫あるいは石綿が原因の肺がんが発生してくるのは中国ですよ、間違いなく、使用量が圧倒的に多いですから。これに対して日本がどういう対策を取ってきてどういう姿勢を示してきたかというのは非常に私は大事だと思います、国際協力の意味でも。
 その観点から、ここは大臣、やはり公表すべきですよ。それが国民のためになりますよ。そのことを踏まえて大臣の決断をお願いしたいと思います。
#117
○国務大臣(舛添要一君) 早急に調べて、できるだけ早くこれは公表したいと、そういう方向で指示を出したいと思います。
 そしてまた、中国、これは環境問題、いろんな問題、今、石綿の問題もそうですが、ありますので、お隣の友好国としてできるだけの支援をする、そのための前提としても私たちの経験を生かしたいと思います。
#118
○足立信也君 ありがとうございます。
 できるだけ早くとおっしゃいました。先ほど具体的なタイムスケジュールで私が申し上げたのは平成二十一年、二〇〇九年の三月までしか二〇〇一年以前に亡くなられた方は申請できない、このリミットがあるわけです。とするならば、少なくとも一年以上はそのことに対して皆さんが関心を持ち、申請できる期間が必要です。
 ということで、どれぐらいまでに、できるだけ早くというのは分かりますが、どれぐらいの見当でされていますか。
#119
○国務大臣(舛添要一君) 今の新法の請求期限もきちんと踏まえて考えないといけないですが、膨大な数の事業所の数があるというようなことも踏まえまして、何とか来年の春ぐらいまでには実現したい。これ何月何日と、ちょっと今作業中でもあり明言できませんが、そういう思いで頑張りたいと思います。
#120
○足立信也君 少なくとも申請の時効期限、申請期限が切れる再来年の三月、それまでには一年以上の申請期間があると、このことを確保していただきたい、そのことをお願いします。
 次に、先ほどちらっと申し上げました二〇〇二年の、四百十八人の肝炎ということになっていますが、私は一点だけ確認したいんです。
 非常にこれ、新聞報道が様々です。ある新聞では四百十八人が全員C型肝炎と書いてある新聞もありますし、全員がC型肝炎の疑いと書いてあるのもありますし、全員が慢性肝炎と書いてある新聞もある。全く、これは多分、各記者の医学的な知識のレベルの問題もあるとは思うんですが。
 そこで確認しておきたいのは、二〇〇二年の調査の時点で、このとき確定していたB型肝炎、C型肝炎、つまり、B型であればHBs抗原プラスですね、C型であればHCV抗体プラスです。その方々というのは何人いて、そして今までの調べる過程の中で、現時点で分かっているB型、C型、それぞれ何名いたんですか。
#121
○政府参考人(高橋直人君) 御答弁申し上げます。
 御指摘のその四百十八例の症例一覧表につきましては、フィブリノゲン製剤投与後に、C型肝炎やB型肝炎のほか、肝機能障害などの肝炎関連症状が発現したものを取りまとめたものとなっております。
 この当該症例一覧表の中で、それぞれの患者さんの現状、現在の肝炎に関する状況を示した欄が、これは肝炎(疑)と書いてございまして、それから関連症状という欄がございますが、ここの記載を見ていきますと、まず、そもそも詳細情報がないという方々も若干名いらっしゃいます。そのほか、今委員御指摘の、まずB型肝炎診断の根拠となります、これは現時点、現在の知見に基づく、あるいは平成十四年もそうでございますけれども、知見によるところのB型肝炎の確定診断であるB型肝炎抗原、これはアンチゲンということになりますが、その陽性であったとされるものは、このリストの上では三例。それから、C型肝炎にかかったあるいはかかっていたとの診断の根拠となりますC型肝炎抗体、アンタイバディーということになりますが、この陽性、あるいはHCV―RNA陽性、これであったものが十九例ということになっております。
 ほかにただ、C型肝炎という漠然とした記載なんかもございますんで、それがどういった事情でそういったC型肝炎という記載になっているか。その辺につきましては、今後私どもでやろうとしております、こういった方々に対する実態調査の中で更に医学的な調査をするということで予定いたしておりますんで、その中で調べてまいりたいと、かように考えております。
#122
○足立信也君 一覧表を見て、私も実際に確定している人は何人だろうというのは、B型三人、C型十九人で、それは数は同じです。
 今後は検討会を設けるという話はお聞きしました。これから個別の調査を恐らくされるであろうと思います。その際に、やっぱり大事なことは、日本が、まあ世界でもそうです、八九年にHCVが同定できるようになって、それから原材料のスクリーニングに使われるようになった九一年ですか、外国産の原料のプールされているものに対するスクリーニング調査も始まったのもその時期ですね、それから輸血歴ももちろんあります。そういうことを踏まえて、今後の個別の調査の予定、検討の予定についてお聞かせください。
#123
○政府参考人(高橋直人君) リストに載っている方々の投与された年月というのはかなり広いタイムスパンにわたっているものでございまして、もちろん今委員御指摘の非常に直近の方、直近といいますか平成に入ってからの時期に感染をしたのではないかと推測されるような方々もいらっしゃるわけでございます。そういった投与時期の問題も含めまして、今度の実態調査の中できちんと調査いたしたいと、かように考えております。
#124
○足立信也君 個別の検討の結果を見て私も当然自分なりに検討したいと、そのように思っています。
 今日少し話題が出ておりました混合診療のことです。地裁の判決もあり、私ども民主党の姿勢というのをまず示さなきゃいけないとは思っておりますが、これは国民皆保険の理念を守るということです。それはもう恐らく厚生労働省も同じだと思います。理念とは何か。必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により担保すると、このことであると思います。
 じゃ、今国民の皆さんとその基本理念の中に何がギャップがあるのかと。これは、現在評価療養という形で効果と安全性が確立したものは速やかに保険導入してもらいたいということが一点。それから、ドラッグラグ、デバイスラグと言われておりますように、海外と比較した場合、利用できるまでの時間の問題ですね。主に集約するとこの二点だと思っています。これは私どもはそういう姿勢であります。ここを何らかの法的措置あるいは制度上で早くできる、そのギャップを埋めることができると私たちは思っています。
 そこで、まずちょっと具体の例をお伺いしたいんですが、最近よく私のところに依頼が来る中で、脳脊髄液減少症に対するブラッドパッチ療法、このことが、ちょっと具体的な話なんですけれども。先日、訴訟を起こすという、少年が訴訟を起こすという報道もあったかと思いますが、今まで余りはっきりしなかった、何とも言えない症状を訴えて怠け病じゃないかみたいな形で言われた方もいらっしゃると思う。その中で、この脳脊髄液減少症それからブラッドパッチ療法、このことが今までどういう検討の過程でどういう結論になっていったかということをちょっとお聞かせください。
#125
○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。
 ただいま御指摘のありました脳脊髄液減少症に対するいわゆるブラッドパッチ療法についてでございますけれども、平成十九年七月二日の第二十回先進医療専門家会議におきまして、エックス線透視下での硬膜外自家血注入による髄液漏閉鎖術として検討されたところでございます。
 この検討に先立って評価を行った専門家から、この技術に関しましては、第一に、そもそも脳脊髄液減少症の診断方法について様々な議論があり、いまだ確立されていないということ、第二に、その治療法とされているいわゆるブラッドパッチ療法についても一般的なものとして認知すべきかどうかについては議論が分かれるところという理由が示されまして、保険診療との併用を認めること、すなわちこの場合には評価療養とすることにつきましては時期尚早との判断が下されたところでございます。
 私どもとしましては、まずはこの有効性等の評価につきまして関係学会での研究の成果を待つ必要があると考えております。
#126
○足立信也君 資料の四枚目をごらんになりながらちょっと聞いていただきたいんですが、今出ました評価療養ですね、下、改正後のところにA類型、B類型という形でございますね。今のその脳脊髄液減少症については、まず疾患概念も確立していないということで評価療養の対象とはならないと、その二点があったわけですね。ところが、脳神経学会とか今診断のためのガイドライン作成中だと聞いております。
 これは疾患概念として確立した場合、評価療養としての検討、再検討ということはあり得るんでしょうか。
#127
○政府参考人(水田邦雄君) 当然ながら、先ほど申し上げました二つの指摘につきまして新たな知見が出てくれば、それはもう一度検討をお願いするということになろうかと思います。
#128
○足立信也君 分かりました。
 そこで、この資料を、先ほど出したものを見ながら行きたいと思います。
 以前の高度先進医療は、これ指定医療機関というんですか、当然高度先進医療ですから、それに関する専門の方がいて、しっかり文献上も認められていて、しかも例数もかなりあって、そういう医療機関あるいは医師が申請をして、その場所で高度先進医療が受けられるわけですね。これがあったと。それが評価療養と選定療養という形になって、この部分では自由診療にもちろんなるわけですけれども、それ以外のものは保険併用が可になっていると、この認識だと思うんですね。
 これからお聞きしたいのは、じゃ、保険適用というものは何なのかと。これは普遍性が確立されて、安全性、効果の面で普遍性が確立された場合にすべての医療機関でその行為が可能になるという意味だと私はとらえているんですが、その解釈でよろしいでしょうか。
#129
○政府参考人(水田邦雄君) 評価療養として保険診療との併用が認められている先進医療の対象になるような医療技術につきましては、普及性、有効性、効率性、安全性、技術的成熟度及び社会的妥当性という点につきまして更に実績を重ねて将来の保険導入に向けて検証を行うと、こういうプロセスになるわけでございます。
 個々の技術の導入の際についてでありますけれども、ただいま御指摘のように、特に要件を設定せずにすべての医療機関において実施可能とする技術もあります。これは一般的なわけでありますが、そのほかにも、施設基準等を設定して医療機関を限定して実施を可能としている医療技術も現在の運用ではございますということを申し上げたいと思います。
#130
○足立信也君 今おっしゃった後半の部分は、恐らくハード面じゃないかと思うんです。その施設が認定されるような設備がある、あるいはそれに従事する専門的な業種の方が何名以上いるという話じゃないかと思うんですね。
 この治療法はここでしか、この指定機関でしかやれないということは、保険適用になったらなくなるんじゃないですか。
#131
○政府参考人(水田邦雄君) 例えば心臓移植の場合、その移植術を保険で請求できるためには、やはり一定の認められた施設であるということが必要でありますので、先生がおっしゃられた一般的な設備要件、人員要件、もう一歩踏み込んだ形で運用しているものもございます。
#132
○足立信也君 大臣、私はそこが大きな問題だと思っているんですよ。今まで先進医療の場合は届出医療機関があって、そこで行われる分は自由診療、でも保険併用可ですね。普遍性がある、それから安全性、それから効果の面で確認されたら保険適用になる、基本的にはこれどこでもやれるようになるわけです。そのギャップが大き過ぎるんですよ。ハードルが高過ぎるんですよ。
 例えば、肝炎の問題で我々が提示しているものは、やはりインターフェロン、ペグインターフェロンのリバビリンの併用療法というのは、ある程度しっかりした知識とその集積があるところじゃないと危険だろうと。安易に、乱診乱療ということもあり得るわけですね、どこでもやってしまう。ですから、保険適用となった場合の実態、これは国民の皆さんもある程度懸念があると思いますよ。あそこでやって大丈夫なのかなと、そういう気持ちがあると思う。そこのところと、今評価療養で自由診療が認められている部分との間が余りにハードルが違い過ぎるんですよ。
 私は、評価がしっかりして保険適用になった場合でも、届出医療機関といいますか、限定的にその治療がやれるというものをもっと増やすべきだと。これが保険適用への道筋、早く、スピードを上げて保険適用にするための一つの手段、中間的な手段ですね、これが実は足りないんだと私は思っているんですよ。
 そのことで、今私の考えはそういうふうに申し上げましたが、日本の医療が国民皆保険の理念を守る、そして新しいものを取り入れなきゃいけないとなった場合に、今のような考え方がないと、そのギャップが大き過ぎるために広まっていかないと思うんです。この点について大臣のお考えはどうですか。
#133
○国務大臣(舛添要一君) いい指摘をいただきましたんで、やはり今本当に高度の先進医療技術というのは、ハード面の下支え、そういうインフラがなければやっていけませんので、これ正に財源の問題を含めて、それから医療のネットワークをどうするか。一次、二次、三次という、こういう緊急医療についてもピラミッドを形成している。こういう中で、地域各拠点にこういうことを整備することを目標として掲げながら、その実現に向かって努力をしたいと思います。
#134
○足立信也君 いい提案と言っていただきましたけれども、やはり私は足りない部分はそのところだと思っていますし、これは我が党の考え方でもその部分をやっぱり広めていかなければいけないという形で、これから法案提出も含めて出していきますので、また議論したいと、そのように思います。
 最後の議題としては、議題といいますか、提案としては、十一月三十日に、これは新聞報道で来年の通常国会に法案を提出というふうに報じられました、いわゆる診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する第二次試案、この件について質問いたします。
 厚生労働省の方は御存じのように、全国の特に勤務医を中心として大変な批判の声が上がっているというのはもう御存じのとおりです。その矛先が、現時点では厚生労働省というよりも医師会やあるいは学会幹部に向かわんとしておりますが、このことも認識していると思います。
 私も実はその立場、ある意味同じような立場を取りたいと思っている人間ですが、この問題は何なのかと。これは大きく分けますと、ちょっと言葉で言いますが、問題点としては、予期しない死の届出の全例義務化、義務違反はペナルティー、これが一点。それから、委員会の構成メンバー、特にそこに被害者代表が入っているということ。それから調査委員会で調べた報告書は、民事訴訟、それから刑事事案として利用する、行政処分にも利用する、この点。
 要するに、これは完璧な、徹底的な統制手段ですね。これを見せられたら、現場としてはやっぱり萎縮医療になっていきますよ。現時点でももう副作用報告、厚生労働省あるいは医療機能評価機構も含めて副作用報告がかなり減少してきていますね。その報告を出したことが将来、医療事故の原因はそこの報告にあったと、副作用、従来の治療法でやったけれども間違って、いい経験をしたというような症例報告も出せなくなってきている事態です。
 それから、当然のことながらこれ憲法第三十八条一項、自己負罪拒否特権ですね。自分に不都合なことを全例届け出て、そこで全部話さなきゃいけないのかと。まあ憲法にも抵触する問題も含まれています。
 これは様々問題が今私が挙げましたようにあります。そもそもこれは医療界のバイブルといいますかヘルシンキ宣言ですね、患者さんのことを考えたヘルシンキ宣言、これに反している内容なんですよ、実際に申し上げますと。
 なぜこんなことになったのかなということをちょっと私なりの原因分析をしたいと思っています。
 これは、福島県立大野病院の産婦人科の医師の逮捕事案以来、死因究明は絶対にやるべきだと、調査委員会設置すべきだと、これは皆さん共通の思いです。そのことと、特に来年もう施行されるかもしれない無過失補償制度、このことが私は混同されているような気がしてならないんです。
 なぜかといいますと、無過失補償制度というのはそもそもは、そもそもは過失の程度に応じてその責任を決めて、その中で医師に過失がない場合に無過失補償制度ということだったわけです。過失認定が大前提にあるわけです。これは医療事故というよりも医療過誤ですね、これがターゲットだったわけです。
   〔委員長退席、理事谷博之君着席〕
 この無過失補償制度は、幸い現時点では通常分娩による脳性麻痺だけに限定されそうですが、欧米の方向を見ていますと、それから私自身あるいは大臣の考え方も、その疾患単位だけ、その範囲だけではとても足りない話だろうということは共通に認識されていると思います。これを広げていくに当たって、無過失補償制度をやるためには、やっぱり過失の認定と、それを処分する機関と、それから支払機関と、不可欠な要素なわけですよ。その過失の認定の機関を、先日自民党の方から日本医療機能評価機構に対して答申を求めた無過失補償制度のその答申の文面を拝見しましたけれども、その過失認定の委員会が死因究明の調査委員会とほぼ同じと、あるいはそれを利用するというような考えがあるんですね。ここに問題があるんですよ。
 そもそも死因究明の役割というのは、患者さん側あるいは遺族側と医療者側双方の納得ですよ。説明があって、そして理解する。お互いに納得が得られれば、それが一番いい。そういう死因究明のための制度を今考えているわけです。そのことと軌を一にして無過失補償制度の議論が上がってきたがために、過失の認定委員会というものを一緒にしようという発想がそもそも間違っている。医療事故というものはヒューマンエラーもあります、システムエラーもある、そして誤解によって生まれた不信もある。そのことを解決するための委員会と過失を認定するための委員会というものは一緒じゃないんですよ。全く別物だと。
 残念ながら、日本には先ほど言いましたヒューマンエラーやシステムエラーの考え方が非常に弱いです。何かあったら、それは医療者側の責任だろうという発想が非常に強い。まずやるべきは、当然のことながら医療従事者の自浄機関があるべきなんですが、そもそも医療事故というものはなぜ起きるのか。そのことの共通認識がないから、そのことをやるのがまず最初なんです。そして、無過失補償制度に行くんであれば、これは別の意味での過失認定が当然必要になってくるという発想に立たないと、本質が見えていないと思うんです。
 このことをまずは私は提案したいんですが、私の今までのいろんな会議での認識の中でそこに問題点があるような気がしてならない。そのことについて大臣の見解をまず伺いたいなと思います。
#135
○国務大臣(舛添要一君) ノーフォールトの認定、いわゆる無過失のこの認定、それから今おっしゃった死因の究明、別の見方をすれば、相当オーバーラップする部分は当然あります。
 しかし、今委員が重要な御指摘をなさったのは、結局、例えば医師の立場に立ってみたときに、その死因究明の結果というものがどういうふうに使われるかというのは非常にこれはある意味で問題になり得るわけですから、取りあえず死因究明という一つのステップが、これはどの患者さん見てもそのことを一番求めているわけです、アンケートを見ても。ですから、そこをまずきちんとやる。そして、じゃ、次にこの過失の認定をやる、何%過失があったか。それはまた非常に別の角度からもやっていかないといけない。
 ですから、これも私もまだ完全に整理できていないんですけれども、完全に分離した全く別の委員会という形で設けてやるのか、ないしはその死因究明制度の委員会の一部に仕事をさせるのか。しかし、今の委員の、足立先生の提案からいうと、これはむしろ完全に分けた方がすっきりするということだろうというふうに思います。ですから、そういうことも含めてきちんとこれは議論をしていく。
 自民党の中でもそのことを検討しているチームがありますけれども、要するに、極めて重大な過失でない限りは、例えば死因究明の委員会に出てきた結果を民事、刑事含めて使わないという歯止めを掛けたいという案を聞いております。
 しかし、これも一つの考え方ですけれども、委員のおっしゃった提言にすればより更に一歩進んだ形になりますんで、というのは、大野病院のケース、これはもちろん私は個人的に重大な過失とは思いません。しかし、現に逮捕されていますから、歯止めとして重要であるかどうかというのは議論が必要だと思いますんで、あくまで厚生省の出した案は一つのたたき台として、広く議論を踏まえた上で、パブリックコメントを含め、また民主党の皆さん方や他の委員の皆さん方の御意見も賜ってよりいいものにしていきたいと思います。
   〔理事谷博之君退席、委員長着席〕
 むしろ、私がもう一つ疑問なのは、患者の代表がそこに入っていることのプラスマイナスについての評価をどうするかを若干悩んでいる面がございます。その点について、もし時間の許す限り、むしろ補強的に委員の御意見が賜れればと思います。
#136
○足立信也君 繰り返しになるかもしれません。
 死因究明、これは患者と医療従事者双方の納得、紛争解決のための死因究明であるべきなんですね。ということは、説明と話合いの場を提供する紛争処理機関というのが大事、このことは指摘したい。大臣がよく言われている医療ADR、これも当然必要になってくる。それと、無過失補償の過失認定というものは、これはもう過失のグレーディングといいますかね、ということですから、そこの点はしっかりわきまえていただきたいと思います。
 最後に、一分間で。
 先ほど言いましたが、これは医師のバイブルと言われるヘルシンキ宣言を、これを踏襲した形で、平成十六年、日本医師会が医師の職業倫理指針というものを出しています。これをちょっと紹介したいと思います。
 これは、この報告制度というものは、医師及び医療施設の設置者、管理者が過失を把握する必要がある、その原因を究明して将来の再発防止に役立てなければいけない。したがって、施設内で作成、提出する報告書は自発的なものとし、外部に公表する必要はないものとするべきである。同時に、過失や事故を報告したことにより不利益処分がなされないように制度設計する必要があるというのが倫理指針でございます。
 この方向性に基づいて私どもも、もし来年法案提出されるんであれば、私どももしっかりした考えに基づいた法案提出するつもりでおりますので、また議論したいと思います。ありがとうございました。
#137
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 偽装請負を告発して正規雇用を求める労働者に対して、違反した企業側が直接雇用申込み義務を拒否したり短期雇用を繰り返したりするという事態が続出しているんですが、日亜化学の偽装請負問題、今お配りしております朝日新聞で昨年十一月一面、大きな記事が出たわけです。千六百人の直接雇用と。請負労働者千六百人について三年勤務を超えた者から順次正社員としていくと。試験も行うけれども経験を最も重視するというそういう約束をして、それで合意をして、組合側もその合意を前提にして申告を取り下げたと。そういう経過がこれあるんですね。これは偽装請負のあるべき解決方向だということで大きな話題になりましたし、徳島県知事も、全国のリーディングケースになるというふうに当時言いました。
 ところが、今これ現地でどうなっているかといいますと、告発した労働者は、日亜化学の工場の敷地内で、派遣労働者として別の会社から派遣されて草むしりの仕事をやらされている。日亜化学が当初の合意を守らずに、組合員が働いていたその部署からは一切直接雇用していないというそういう事態になっているわけです。明らかにこれ、報復的、見せしめ的なやり方であります。労組の島本委員長は、偽装請負を告発するという正しいことをしてきたのになぜこんなひどい目に遭うのか、六歳の子供に正社員になれたと胸張って言いたいと、是非企業をきちんと指導してほしいというふうに訴えておられます。
 これ、大臣にお聞きしたいんですが、こうしたやり方がまかり通っていっているものをなくせるのかと、偽装請負をですね。しかも、やっぱり違法行為を告発した労働者が見せしめのように不当な扱いを受けるというようなこと、私は、これは労働問題というより日本の社会の問題にとって、本当に私はこんなやり方、絶対あってはならないと思うんですが、大臣、こういう事態についてどう思われますか。
#138
○国務大臣(舛添要一君) 一般的に、労働者派遣法に違反すればそれはきちんと取り締まるということでありますし、今、小池委員がおっしゃった、これを告発する、申告したと、内部告発、申告したということを理由に解雇その他不利益な取扱いをしてはならないということを労働者派遣法においてきっちり決めているわけですから、法律違反があればそれは厳正に対処し、指導を行うということであります。
#139
○小池晃君 しかし、法律の網かいくぐってこういうことが行われているわけであります。
 厚生労働省、お聞きしたいんですが、労働者派遣法第四十条の四では、派遣限度期間を超えた労働者に対して派遣先による直接雇用申込み義務があります。日亜化学だけじゃなくて、これ、キヤノン、いすゞ、松下プラズマディスプレイ、いろんなところで労働者が、派遣限度期間を超えた偽装請負の問題取り上げて、直接雇用を要求して労働局に是正を求めておりますが、派遣期間制限違反によって、厚労省の指導によって直接雇用になった、そういう労働者は何人いるんでしょうか。
#140
○政府参考人(太田俊明君) 現在把握している数字で申し上げますが、平成十八年度の是正指導件数、これ全体で六千二百八十一件となっております。このうち、平成十八年十二月、これ一月分でございますけれども、是正指導の対象となった事案の三月末の状況について確認したところ、偽装請負及び派遣可能期間の制限に抵触したことを理由として是正指導を行った事案が二百二十七件ございますけれども、そのうち五百九人の労働者が発注者又は派遣先に直接雇用されたところでございます。
#141
○小池晃君 私が聞いたのは、この四十条の四で、この違反によって、厚労省指導して直接雇用になったというケースが何件あるのかと聞いているんです。
#142
○政府参考人(太田俊明君) 今の御質問でございますけれども、これは、平成十八年度において雇用契約の申込み義務違反によって直接是正指導の対象になった事案はございませんので、雇用契約の申込義務違反に対する是正指導の結果、直接雇用になった者はないという状況でございます。
#143
○小池晃君 ないわけですね。しかも、そのサンプル調査を見ますと請負八千四百四人のうち直接雇用は四百六十七人だとお聞きしていますが、期間の定めのない雇用はそのうち何人ですか。
#144
○政府参考人(太田俊明君) 発注者又は派遣先に雇用期間の定めのない雇用となった者の数が十八人でございます。
#145
○小池晃君 ですから、わずかこれ〇・二%なわけですよ。それから、派遣では四十二人ですが、期間の定めのない雇用になったのはゼロ人、一人もいません。これはサンプル調査の結果ですが。
 大臣、これ法律がほとんど私機能していないと思うんです、法律に基づく是正指導をやられていないと。やっぱり派遣法の抜本的な改正が必要だと思います。この間、与野党が集会も開いて、これは日雇派遣の禁止の問題、あるいは派遣業を一時的、臨時的な場合に限定するということを議論をしてまいりました。これは労政審という話もあるんですが、そうじゃなくて、やっぱりこれは厚労省の責任できちっと現場で起こっている違法をただせる、そういう法律に変えるという方向に私は厚生労働省のイニシアチブでこれは踏み出すべきではないかと思うんですが、大臣いかがですか。
#146
○国務大臣(舛添要一君) 労働政策審議会の今その検討を待っていますから、それも十分に踏まえた上で厚生労働省としてどういう対応を取るかということをきちんとやりたいと思っています。
#147
○小池晃君 ただ、そういう場になれば、これは労使合意、労使合意で歯止めになる部分ももちろんあるんですが、日本経団連が駄目だという法律が出てこないと、国会が幾ら力関係が変わっても審議会が正に国権の最高機関のようになってしまっては、私は政治の責任を果たせないと思うんですよ。だから、そういう点ではやっぱり厚生労働省がこの問題で審議会任せにしないで、これはイニシアチブを発揮すべきだと思うんですが、重ねて伺います。
#148
○国務大臣(舛添要一君) 審議会の意見も十分参考にした上で、厚生労働省としては政府・与党一体となってきちんと対応していきたいと思います。
#149
○小池晃君 私は、これは待ったなしの課題だと思っておりますので是非進めたいと思っております。
 続いて国保の問題についてお聞きしたいんですが、国民健康保険料の収納率が一定の基準に達しないことを理由にして国民健康保険の調整交付金を減額するというペナルティーがやられています。二〇〇二年以降の対象の保険者数と減額額及び五年間の減額の総額幾らかをお示しいただきたい。
#150
○政府参考人(水田邦雄君) 国民健康保険におきます普通調整交付金の減額制度の平成十四年度以降の対象保険者数、それから減額額のお尋ねでございますけれども、申し上げますと、平成十四年度は八百九十市町村で二百二十四・九億円、平成十五年度は千五市町村で二百八十四・七億円、平成十六年度は千五十一市町村で三百十二・八億円、平成十七年度は九百七十一市町村で三百七・四億円、平成十八年度は八百三十九市町村、三百九・六億円でございまして、総額は千四百三十九・四億円となってございます。
 なお、この減額制度と申しましても、あくまでも調整交付金の配分に傾斜を付けるものでございまして、調整交付金総額が減額されるわけではない点には御留意を願いたいと思います。
#151
○小池晃君 これは、昨年度末で全国の自治体数は千八百なわけですから、実に半数近い自治体がこのペナルティーの対象になっています。
 これは、二〇〇六年度に最大の減額幅二〇%が適用されている自治体は千葉県の八街市と大阪の門真市です。八街市は、これは二十六億円の国保料総額に対して八千百万円の減額、門真市は四十二億円に対して二億四千万円。これは、両自治体の保険料収納率が低いのは、決して努力していないからではないと思うんですね。低所得層が相対的に高くて、国保の加入率が相対的に高い自治体であります。しかも、その両市とも何をやってきたかというと、厚生労働省の指導どおりにやってきている面があって、例えば八街市などは、二〇〇四年にそれまで応納六割、応益四割だった保険料を厚労省の指導どおりに五対五にして、それで収納率が更に悪化しているという経過もあるんですね。
 これは、調整交付金というのは財政調整のために行われるというのが法律上の規定だと思うんですが、この措置についてはこれは減額で、減額された額はこれは不用額として扱われるというふうに聞いているんですが、何でこんなことをしているのか。これは財政の調整じゃないじゃないですか。いかがですか。
#152
○政府参考人(水田邦雄君) この減額制度の理由でございますけれども、これは普通調整交付金の算定におきまして保険者の適切な収納努力を促す観点から、収納率が被保険者規模に応じた一定の率を満たしていない場合には減額することとしているところでございます。
 御指摘のありました八街市及び門真市におきましても大変収納率低うございまして、平成十七年度、八街市が七四・六五%、門真市が七五・八%と、全国平均九〇・一五%に比べてかなり低い状況にあったわけでございます。しかしながら、千葉県及び大阪府の指導、助言を得まして両市とも徴収体制の整備図りまして、平成十八年度には前年度より収納率が上昇したと、こんなような実績も上がっているところでございます。
#153
○小池晃君 いや、私が言ったこと答えていないんですが、結局、これ減額された分は不用額になるわけでしょう。そういう扱いになっているんでしょう。
#154
○政府参考人(水田邦雄君) これにつきましては、先ほど言いましたように、個々の保険者において減額された交付金につきましては他に対する交付金として配付されることとなっておりますので、調整交付金全体が減額されるわけではないわけでございます。
#155
○小池晃君 大臣にお伺いしたいんですが、収納率が低い自治体に対して更にペナルティーで調整交付金減らすわけですね。その収納率低い自治体というのは、根本原因というのは、これは国保に対する国庫負担削ってきたことにあるというふうに私ども思っています。支払能力を超えた保険料が住民に押し付けられていることに根本原因があるというふうに考えております。自治体の責任ではないという面が大きいと思うんです。
 収納率が低い自治体というのは、結局、そうした自治体は自らの国保財政苦しくなるだけですから、そういうところに更に調整交付金の減額という追い打ちを掛けるようなやり方をすれば、ますます財政悪化して国保料引き上げなきゃいけなくなる。私、こういうやり方は本当に悪循環を呼ぶだけではないかというふうに思うんですが、こういう収納率の低いところ、意図的に収納率低くしているわけじゃないですよ、様々な事情でそうなっているところに更に追い打ちを掛けるようなこういうペナルティー制度というのは、せめてこれはやめるべきではないかと考えますが、大臣、いかがですか。
#156
○国務大臣(舛添要一君) 国保の保険料の収納率をどう高めるか、これはこれからの政府全体の課題として取り組まないといけないわけですけど、じゃ、なぜ収納率が低いのか。これは正に個々の自治体によって、今二つぐらい例出されましたけど、いろんな事情があると思いますから、きめの細かい対応が必要だと思いますが、しかし、やはり収納率を上げるためにその保険者の努力を促すという意味で、このペナルティーがあることの存在意義は私はまだあると思います。
 しかし、その上で、今おっしゃったような非常に低所得者をたくさん抱えるとかいうような問題があるところについては、昨年成立しました医療制度改革法で財政基盤の強化策は当面維持しますよと、それから、平成二十年度からは前期の高齢者については保険者間の財政調整というメカニズムを入れました。こういうことで、きめの細かい対応策は取っていきたいと思いますが、今すぐペナルティーをやめなさいという意見には私はくみしないわけであります。
#157
○小池晃君 いやそれは、きめの細かいことをやると言いながら、一方でこういう正に収納率低下に拍車を掛けるようなやり方になりませんかと私申し上げているわけで、やっぱりこれは見直すべきだというふうに思います。そのことは申し上げておきたいと思います。
 それから、保険法の改正についてちょっとお伺いしたいんですが、先ほどから混合診療の話もあるんですが、法務省の方で審議会もやられております。この試案では、保険給付の内容について現物給付認めるというふうになっております。現行法上はもう損害保険は現物給付認めておりますが、生命保険、疾病傷害保険の現物給付も新たに認めようという方向になっている。
 ニッセイ基礎研究所のレポートを見ますと、公的保険の守備範囲が縮小しようとしている今、民間保険は旧来の補完関係から抜け出さなければならない、公的保険の存在を前提とした発想を超え、進むべきは、公的保険と民間保険が積極的に協働して準備するという新しいセーフティーネットの形成への道である、こういうふうに民間保険会社なんかは言っているわけですね。
 要するに、医療保険で民間保険の現物給付が認められれば、これは正に保険会社による囲い込みということになっていきかねないわけですよ。フリーアクセスという日本の医療の一番大事な原則が脅かされる危険性がある。アメリカでは、あの「シッコ」なんかでも出てきますが、給付を削減した医師に対して民間保険会社がボーナス出すというようなこともやられているわけですね。
 私は、このやり方というのは国民皆保険制度に重大な影響を与えると考えるんですが、法務省としては医療給付への民間保険の現物給付を認める方向で検討していくということなんですか。
#158
○政府参考人(後藤博君) 今委員御指摘のとおり、法制審議会保険法部会におきましては、今後の少子高齢化社会を見据えると、例えば老人ホームへの入居権や介護サービスを保険給付とするニーズがあると考えられ、契約法上もこのような金銭以外の給付を保険給付とし得ることを前提とすべきであるとの意見が主張されております。これに対しまして、他方で、保険法部会におきましては、御指摘のあった医療や治療そのもの、療養の給付でございますけれども、療養の給付を給付内容として認めるべきであるとの意見はございません。また、この問題は医療制度や公保険の在り方と関連する問題であることから、保険法の改正において療養の給付を保険契約に基づく保険給付の対象として認めることは適当ではないと考えております。
 保険法部会におきましては、今後も審議を続けまして、来年一月に要綱案を取りまとめることを予定しておりますけれども、法務当局といたしましては、今申し上げた考え方を踏まえまして、今回の法改正により委員御指摘のような懸念が生じないような手当てを講ずる方向で検討を進めてまいりたいと考えております。
#159
○小池晃君 私は、医療給付に現物給付、民間保険を認めるべきでない、そういう方向で検討するというのは当然だと思います。そういうふうに当然していただきたいと思いますが、介護ではやるんだという議論も今ありました。
 例えば、生命保険の給付として有料老人ホームの入居権の取得というような例も出ております。しかし、この有料老人ホームというのもいろいろ問題があって、これは介護サービス付随してくるわけですが、終身介護をうたっていても実際には認知症を発症したら契約解除するというような問題があって、私も国会で取り上げたことがあります。私は、民間保険による介護の現物給付というのも医療給付と同じような問題を起こす危険性がある。しかも、介護保険の場合は営利企業がサービス主体に参入可能になっているわけですから、コムスン事件のようなこういう問題も起こっているわけですから、なお一層これ慎重を要するというふうに思うんです。
 この介護の現物給付については、やっぱり医療保険の現物給付と同じような問題、より一層利用者に対する害悪といいますかね、利用者にとってマイナスになる危険性が否定できないと思うんですが、その点についての法務省としての考え方はどうなんですか。
#160
○政府参考人(後藤博君) 先ほど申し上げましたとおり、保険法部会におきましては介護サービスを保険給付として認めるべきであるとの意見があり、これを基に議論がされております。
 介護を給付内容とすることによって加入者に不利益が及ばないかという問題でございますけれども、保険契約におきましては保険者がどのような給付をすべきかが契約の締結時に明確かつ具体的に定められている必要がございます。また、契約法上はその明確に定められた給付どおりの内容を履行しなければ保険者側には債務不履行責任が生じるということになるわけでございます。
 いずれにいたしましても、法務当局としては、今回の法改正によりまして委員の御指摘になったような問題が生じることのないように、どのような手当てをすべきかという点についても十分検討を進めてまいりたいと考えております。
#161
○小池晃君 私は、これ医療行政、介護保険行政にとっても重要な問題だというふうに思いますので、厚生労働省としてもきちっと対応していただきたいということはこれ要望として申し上げておきたいというふうに思います。
 最後に、生活保護の問題について。
 十一月三十日に検討会の報告書が出まして、ここでは、生活扶助額が収入の全世帯のうち下から一割に当たる低所得世帯、ここの生活費を上回っているということが指摘をされておりまして、これは生活保護基準の切下げにつながるということが大問題になって大きな批判が起こっております。
 大臣、基本的な考え方、私ただしたいと思うんですが、低所得者の生活水準、消費水準が下がっているからといって、だからといって、それに合わせて生活保護基準を下げていくというやり方をすれば、これは正に下に底抜けになっていくわけですよ。負のスパイラルになっていくわけですよ。一層貧困化が促進することになっていく。私は、こういう論理立てでやっていったらば、母子加算の問題もそうだったし、老年者加算もそういう面はあったと思うんですが、もう保護基準そのものまで一般の貧困化が進んでいるのに合わせて下げていったらば、正に国民全体の貧困化が促進することになる。こういうやり方は私は絶対に取るべきでないというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
#162
○国務大臣(舛添要一君) それは、経済成長が更に進み、さらに日本のGDPが上がるような形で今の小池委員のおっしゃる理想が実現すればそれは一番いいことだと思いますけれども、現に五年に一度きちんとしたルールに基づいて生活保護の扶助の水準を決めるということが決まっております。今回、その数字をきちんと出した。そして片一方では、現状として、今おっしゃったように、働いている方で一番所得の低い方と、これとのやっぱり均衡を考えたときに、生活扶助を得ている方の方が少し高いと。
 したがって、検討会としてはその水準をきちんと比較して答えを出したということですから、今後、予算編成過程においてその検討会で出されました検討結果に基づいて作業を進めていく、その過程においていろんな政府・与党内を含め議論をしていきたいというふうに思っております。
#163
○小池晃君 私は、そういうやり方をやっていったら、貧困と格差が問題になっているときに更に一層全体としては貧困を進めることになっちゃうじゃないかということを申し上げているんですよ。その生活保護水準以下で暮らしているワーキングプアが激増している、こういう人たちの実態を把握してそして底上げ図ることこそ、私、厚生労働行政の本来の任務だというふうに思うんです。その実態はどうなっているのか。
 いわゆる捕捉率というのがあるんですが、すなわちその生活保護の受給要件を満たしながら実際にはどれだけ生活保護を受給されているか。これについて、三年前の生活保護の在り方に関する専門委員会報告書では、捕捉率について検証を行う必要があると指摘しているんですが、これやられたんですか。
#164
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘のありました捕捉率、正に生活保護の受給要件を満たす世帯がどれだけ実際に生活保護を受けているかと、こういう率でございます。
 生活保護については、申請に基づきまして要否の判定がされるわけでございますが、その保護の要否の判定に当たっては、収入のみならず、その世帯の資産や稼働能力の活用状況も総合的に勘案して判断されると。したがって、生活保護を受けたいというふうにお申出のあった方について、預金通帳とか全部見せていただいて、そこで受給要件が決まるということになりますので、そういった意味では、そういう調査というのはなかなか困難であります。
 今委員御指摘の平成十六年の十二月の専門委員会の報告書においても、捕捉率の検証も行う必要のあるという指摘はございましたけれども、委員会自体としては、五年に一度、まず生活保護基準と一般低所得世帯の消費水準との均衡が適切に図られているかどうかを定期的に見極めるため、全国消費実態調査等を基に五年に一度の頻度で検証を行う必要があるということで、今回、委員のお話のあったように、下から一割の方の消費水準と保護基準を比べてみて保護基準の方が高かったということでございます。
 人口的に申し上げますと、保護を受けておられる方は百人に国民にお一人、今比べました方は、定義から申し上げまして百人に対して十人が水準でございますので、そういった意味では、その十人の水準、百人に十人の消費水準よりも保護基準の百人にお一人が該当している保護基準が高かったと、こういう状況でございます。
#165
○小池晃君 だから、百人に十人が百人に一人よりも低い水準に据え置かれているということが問題なんじゃないですか。その実態を把握しなきゃいけないということじゃないですか。
 できないできないと言うんだけれども、かつて厚生省は、厚生行政基礎調査で、一九五三年から六〇年代半ばまでは、生活保護世帯の消費水準と同等かそれ以下の低消費水準世帯、これ推計していたという事実がございます。そこに含まれる人数も発表されていたんですね。
 私は、こういう調査、今こそ必要だと。ワーキングプアのことがこれだけ重大な問題になっている、あるいはその生活保護の適正化の名の下に保護の抑制が行われていると、その実態はどうなっているのかと、それを把握する上でも、私、こういう実態把握することは必要だというふうに思うんですよ。
 大臣、私は、そういう生活保護水準以下で暮らしている人の実態の把握すらせずにこんなことやっていいのかと、まずこの把握やるべきじゃないですか、どうなんですか、その点は。
#166
○国務大臣(舛添要一君) いろんなワーキングプアについての実態の調査もやっております。しかし、これはきちんとした検討会がそのルールに基づいて五年に一回やるということで検証した結果でありますんで、これはきちんと尊重した上で対応したいというふうに思います。
#167
○小池晃君 私が言ったことに答えていないじゃないですか。私が言ったことに答えていない。それじゃなくて、やはりその生活保護水準以下で暮らしている人たちの実態について調査する必要があるんじゃないかということを言ったんです。それに答えてくださいよ。
#168
○国務大臣(舛添要一君) 前半の方で、ワーキングプアを含めて今きちんとその調査を行っておりますと答えております。
#169
○小池晃君 どういう調査なのかはっきりもうおっしゃらないので何とも言えません。
 しっかり実態を把握することが必要だし、私は、この生活保護の基準を引き下げるということは他に連動する問題が非常に大きい。国民生活に重大な影響を与えます。絶対にこの中身での切下げはやるべきでないということは申し上げておきたいというふうに思います。
 終わります。
#170
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、年金について、年金の記録の問題についてお聞きをいたします。
 一人残らず救済すると言ったことが実際はどういう状況なのか。ワンビシアーカイブズに私たちは行って、実際見れませんでした。ここの紙、旧台帳の件なんですが、千三百六十五万件あるということですが、衆議院の厚生労働委員会で明らかになったとおり、千三百六十五万件あるかどうか分からない、何かなくなっても分からないという状態であるということでよろしいですね。
#171
○政府参考人(坂野泰治君) これまでもお尋ねにお答えをしておりますが、千三百六十五万件については、基本的に電子データとして収録をされているというふうに私ども考えているわけでございます。その基になりました紙台帳についてもセキュリティー倉庫に保管をされているものと考えておりますけれども、しかし悉皆にわたり具体的にすべて点検を終えたと、そういう状況ではないので、現在確認中であるということを申し上げたわけでございます。
#172
○福島みずほ君 千三百六十五万件の保管状況が今まで分からなかったということそのものが大問題ではないですか、長官。
#173
○政府参考人(坂野泰治君) 分からなかったということではなくて、私どもとしては、これまでの様々な記録によってそういうものが保管をされておるものと基本的に認識をしておったわけでございますけれども、これまでの経過の中で悉皆にわたり改めて精査をすべきではないかと、そういう御要請を受けて、現在確認を進めているということでございます。
#174
○福島みずほ君 千三百六十五万件あるという認識だったが、調査中だ。あるということが確認できていないということを再度確認させてください。
#175
○政府参考人(坂野泰治君) 現在、精査中でございます。
#176
○福島みずほ君 確認をされていないということなんですよ。結局、契約書に千三百六十五万件ってないし、本当にあるかどうか分からないんですよ。実際に二千七百四十六件の索出を依頼したケースについて、なぜかきっちり千三百七十三件は検出ができた。でも、半分の千三百七十七件、ちょっきり半分は分からなかった、索出不能と出たわけですね。一体どういう状況なのか。本当に旧台帳があるのかどうかということを大変疑問に思っております。
 事務所に藤沢勇さんという八十歳の男性が来られました。彼は、十七歳のとき、地域の若者たち四十名と北海道の赤平炭鉱に徴用されました。六十歳になったとき、年金の裁定のため社会保険事務所に行って確認をしたけれども、赤平炭鉱で働いていた事実は社会保険庁の記録からは一切確認をされず、年金に加算をされませんでした。彼は、自分が働いた一年間がなぜ記録がないのか、六十歳の裁定以来二十年間、彼はこのことと闘ってきました。彼は労働者年金保険を払っていたんですが、藤沢さんの記録は社会保険庁で確認できたのでしょうか、長官。
#177
○政府参考人(坂野泰治君) 今御指摘の藤沢さんの件でございますけれども、御本人から被保険者記録の照会に基づきまして記録の確認を行いましたところ、オンラインやマイクロフィルム等では記録が確認ができなかったということでございます。
 ただ、十九年当時、その方の事業主が被保険者の資格取得を届け出され、また昭和二十年当時、その方の資格喪失を届け出た際の書類の控えなどを保管しておられましたので、今年の十月、これに基づいて記録を訂正をいたしました。
 それで、経過を申し上げますと、この藤沢さんから私どもの荒川の保険事務所にお申出がございまして、当時それを受け付けた担当者は、この件は第三者委員会、これに回付をして御審査をいただくことが適当ではないかという誤認をいたしまして、第三者委員会の方に回付をする手続を取ったわけでございます。その後、御本人からこういう書類があるということをお知らせをいただきまして、改めて本庁に処理の確認をして、先ほど申し上げたように記録の訂正を私どもさせていただいたと、そういう経過でございます。
#178
○福島みずほ君 マイクロフィルムと磁気テープになかったということなんですが、藤沢さんの記録は旧台帳にありましたか。
#179
○政府参考人(坂野泰治君) ちょっと、詳細にわたりますので運営部長からお答えをさせていただきます。
#180
○福島みずほ君 答えだけで結構です。旧台帳にあったかどうかだけ答えてください。
#181
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 旧台帳の喪失台帳というものに本来は収納されているべきだったわけでございますけれども、戦時中のこと、それから戦争直後火災があったということとも関連いたしまして、そのことについての確認は結果的に取れていないというのが状況でございます。
#182
○福島みずほ君 確認します。旧台帳があるかどうか確認したがなかったのか、それとも、そもそも旧台帳の確認をしなかったのか、どちらですか。
#183
○政府参考人(石井博史君) 旧台帳の確認はいたしておりますけれども、そこに記載は見当たらなかったと、こういうことでございます。
#184
○福島みずほ君 藤沢さんは、その炭鉱の徴用先の企業を引き継いだ、ここは朝鮮から来た人たちも多く働いていたそうですが、住友石炭鉱業株式会社に彼の記録がたまたまあったんですね。彼は直接会社からもらって、それを持っていっていたけれども、全然それは認められなかった。結局、彼の記録は旧台帳にもマイクロフィルム、データにもどこにも存在していない。要するに、彼は個人でたまたま先の勤めていた会社と直接交渉して出してもらったと。本来、彼の記録は旧台帳にあるべきだったんですよ。それ、どうですか。
#185
○政府参考人(石井博史君) おっしゃるとおり、戦時中あるいは終戦直後の様々な状況下にあるとはいえ、その当時における事務の取扱いというものにのっとったきちんとした取扱いがなされていたならば、昭和二十年の十月段階では、その方のその記録は旧台帳の喪失台帳の方に収載されていてしかるべきだったろうというふうに私ども今承知してございます。
#186
○福島みずほ君 彼のは会社にはあったけれども、結局旧台帳のどこにも載ってなかったわけです。
 先ほど、半分、つまり二千七百四十六件のうち、依頼があったうち半分の千三百七十三件しか検出をしていない。この旧台帳に関してはなぞが多いんですよ。さっき長官おっしゃったとおり、本当に今件数があるかどうかも分からない、何かがなくなっても分からないという状況なわけじゃないですか。半分しか索出できないというのは、本当は旧台帳の保管状況について本当に存在しているかどうか疑問も持っています。
 これに関して、大臣、旧台帳が今どういう状況なのか。半分索出不能ということもおかしいと思っています。サンプル調査を二十件あるいは百件でもきちっとすべきではないか。藤沢さんのケースは、たまたま私たちも動いて、記録が出てきて救済されました。でも藤沢さんの背後には多くの救済されない人が山のようにいるわけです。幾らデータベースと照合したって、最後の一人まで救済すると言っても、記録がでたらめ、ずさんなわけだから出てこないわけですよ。
 大臣、旧台帳の在り方についてサンプル調査をすべきだと考えますが、いかがですか。
#187
○国務大臣(舛添要一君) 私は、むしろサンプル調査をするよりも、旧台帳、これマイクロフィルム化されております。しかし、コンピューターのオンライン化をされておりません。ですから、サンプル調査をしてどこまで正確なそのデータが出てくるか、どれだけ無作為にできるか、これはいろんな疑問がありますので、むしろ私はオンライン化のための作業を優先的にやって、それを来年のいずれかの段階で終えて、名寄せの作業を更に進めていく方がはるかに労力の使い方としては、一人一人のその藤沢さんのようなケースを探し出さないといけないわけですから、それを優先的にやりたいというふうに考えています。
#188
○福島みずほ君 大臣、誤解をされているんですよ。つまり、旧台帳がマイクロフィルム化されているべきが、マイクロフィルムにもないし磁気テープにもないし旧台帳にもないんですよ。だから、彼は働いてお金を払っていたんだけれども加算されないという事案が残っているわけで、これ幾らデータベース化を探したところで出てきようがない記録がやっぱりあるということなんですよ。
 長官、サンプル調査すべきではないですか。いかがですか。
#189
○政府参考人(坂野泰治君) まず、先ほどの藤沢さんの件でございますけれども、確かに被保険者名簿、あるいは旧台帳、これを検索しましたところ、実はデータはございませんでした。それは、私どもが承知しております限りでは、昭和二十年の十一月に、当時の台帳、今で言う旧台帳ですが、あるいは当時の被保険者名簿を保管しておりました北海道庁の庁舎で火災が生じた。それで、そのために一部焼失をしたもの、あるいは消火のための水によって破損をして判読が不能になったものなどがあったということでございます。
 それで、当時、そういうものの破損をしたりあるいは判読不能になったものは、その後若干補正の努力もいたしましたけれども、かなりの部分はもう台帳として新しく補正ができないまま現在に引き継がれたという部分がある。場合によれば、そこにこの方の記録があった可能性がある。つまり、旧台帳に収録をする本来の元々のところが破損あるいは焼失をした、そういう可能性もあったということでございます。ただ、これはすべて詳細にわたって現在私ども事実確認をしておりませんが、現在まで得ている報告ではそのようなものでございます。
 そこで、この旧台帳、全部サンプル調査、あるいは全部データとして入れ直したらどうかというお話でございますけれども、何度も申し上げていましたように、電子データあるいはマイクロフィルムとして私どもは基本的には収録をされているというふうに考えておるわけでございます。ただ、その基になった、電子データを入力する基になった紙台帳について、これも基本的には私どもセキュリティー倉庫にあると思っておりますけれども、すべて一つ一つにわたって全部確認を終えているという状況ではない。
 かつ、申し上げれば、四千箱に及ぶ箱の中に台帳が入っているわけでございます。それを一つ一つ確認をする作業というのはかなりの人手と時間が掛かるということも御理解をいただけると思います。かつ、私ども、先ほど大臣からもお答えを申し上げましたけれども、五千万件に及ぶ未統合記録、これの名寄せ、あるいはそれに続く全国民の方々への特別便の発送、それに基づくデータの確認、あるいは、元々紙台帳とこの電子データ、全体的に統合するということをお約束をしております、その準備の作業など、各般の作業に現在集中をいたしておるわけでございます。その中で、可能な限りの人手と時間を割いて作業を進めている、そういう点も御理解をいただきたいと思います。
#190
○福島みずほ君 いや、全くブラックボックスだからサンプル調査をすべきだという主張をしているわけです。未統合の記録とかそういうのじゃないんですよ。そもそも記録がないんですよ。データベースもなければ紙台帳にもない人の記録があるということをお認めになったじゃないですか。しかも、旧台帳がどういう状況か、私たちに示していません。
 これはサンプル調査をすべきだということを強く求めていきます。理事会の中でもこれを、サンプル調査をきちっとすべきだと、実態が明らかにならないわけですから、強く求めていきます。
 この件について、例えば、サンプル調査もすべきですし、藤沢さん、高齢なんですね、彼のような人たち、旧台帳の中にもどこにもない人がかなりいるだろうと、索出不能が半分出ているわけですから。したがって、優先順位としてももう高齢の方たちからきちっとやるべきだということも強く求めたいですが、長官、いかがですか。
#191
○政府参考人(坂野泰治君) 御指摘の藤沢さんのような方が本当にどれぐらいいらっしゃるのか、どれぐらいあるのかということを、私ども今それを申し上げるデータは持ち合わせておりません。
 それから、もう一つ申し上げれば、先ほど申し上げたように、元々、旧台帳として本来ならば収録されているべき部分が戦災あるいは自然災害によって破損あるいは焼失をしておる、そういうのに該当した方が私どもの自らの調査だけで判明するというのはなかなか困難であろうと思います。
 私ども、名寄せの結果、あるいはその後に続く全国民の方々への特別便で加入履歴をお送りし皆様方の確認をお願いをしたいということを考えておりますが、そういうことを通じ、国民の皆様方の御協力も得ながら記録を正確にしていくという作業に努めてまいりたい、そういうふうに考えているわけでございます。
#192
○福島みずほ君 やっぱり本末転倒ですよ。個人が言ってこいと言って、藤沢さん、二十年間言ってこいの状態で闘っていたわけです。言ってこいと言われたって、記録がなかったわけだから認められなかったわけで、実際どのような状況かきちっと調査をして、サンプル調査をせめてすべきだと思います。
 津田先生も私も小池さんも入れなかった、保坂さんも入れなかったワンビシアーカイブズですが、今、全国の社会保険事務所から職員が来て年金データベースを調べているとあります。一体どういう状況なのか是非私たちに見せていただきたい。前長官は私たちを阻みましたが、現長官は一人残らず救済するという厚生労働省の下でまさかそんなことはされないと考えますが、いかがですか。
#193
○政府参考人(坂野泰治君) 先日、大臣がセキュリティー倉庫の視察について前向きに検討する旨お答えをいたしておりまして、それに基づいて現在私ども検討をさせていただいております。その結果に基づいて、可能であれば御視察をいただくこともあり得べしというふうに考えておるわけでございます。
#194
○福島みずほ君 一人残らず救済すると言いながら、うみが全然出ていないんですよ。全くうみが出ていない。非常に不透明です。大臣は一人残らず救済すると言ったけれども、そういう状況じゃないじゃないですか。ですから、是非サンプル調査もすべき、視察もさせるべきということを申し上げます。
 先ほども出ました生活保護の問題についてお聞きをいたします。
 二か月間に五回の検討会で結論が出ると。この点について、極めて重要な問題であるにもかかわらず当事者のヒアリングすら行っておりません。これは問題ではないでしょうか。
#195
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今委員からお話がありましたのは、今回の有識者に集まっていただきました検討会のことだと思います。
 この検討会は、平成十六年に専門委員会がございまして、そこで、先ほど大臣からもお答え申し上げましたけれども、専門家の知見を踏まえて、五年に一度の頻度で生活扶助基準と一般低所得世帯の消費実態の均衡が適切に図られている否かを定期的に検証すべきだと、その際、その専門家委員会の中では全国消費実態調査等でそれを検証すべきということが十六年十二月に決まっております。今回の委員会は、正にそのような検証をしていただくため、学識経験者の方に集まっていただきまして専門的な観点からデータについて検証をしていただいたということでございます。
 二か月で五回の検討ということでございますけれども、今申し上げましたように、ターゲットが限られて絞られておりますし、この検討を行うためには全国消費実態調査のマイクロデータが必要でございまして、このマイクロデータが利用可能になりましたのが二〇〇七年三月以降でございます。その三月以降、特別集計等の準備をいたしまして専門家の検証をいただいたものでございます。
#196
○福島みずほ君 専門委員会ではなくて、きちっと審議会でやるべきです。しかも、生存権が問われるような問題で当事者のヒアリングすらしないということは強く抗議をいたします。
 大臣、厚労省として、生活保護の引下げは支持されると考えますか。
#197
○国務大臣(舛添要一君) 検討結果をきちんと踏まえた上で、これを予算編成過程で具体的な作業をしていきたいというふうに思っております。
#198
○福島みずほ君 生活保護世帯と低所得世帯との数字のみの比較検討なんですね。正に困窮している中で引下げを出せば、ますますワーキングプアの人たちとの本当に、引下げ、足の引っ張り合い、生きていけないという状況が起きることは目に見えています。
 今厚生労働省がやるべきことは生存権のために戦うことであって生活保護の引下げをすることではないと思いますが、大臣、いかがですか。
#199
○国務大臣(舛添要一君) 議論の前提としては、きちんとした数字がまず前提にあるべきだというふうに思います。それから、いろんな国民がおられます。生活保護の水準は極めて厳格にルールに基づいて決めないといけない、これは皆さん共通の認識を持っていただけると思います。
 というのは、例えば国民年金のきちんと保険料を払ってくださる方々がだんだん減っている。それは社会保険庁自体の在り方を含めて今きちんと反省をし、立て直しを図っておりますけれども、ただ、その一つの背景に、生活保護の方が国民年金の水準より高いじゃないかと、なら年金なんて掛けなくて生活保護をもらえばいいじゃないかという意見があることもまた事実であります。それから、勤労してきちんと納税してくださっている方々の中で十段階で一番所得の低い方々から見れば、その自分たちの所得より生活保護水準の方が上だということについてまた御意見もあると思いますから、いろんな方の議論をお聞きした上で、しかし、今数字に基づいた一つの報告書が出たわけですから、この結果は尊重した上できちんと施策に反映していきたいと、そういうふうに考えております。
#200
○福島みずほ君 生活保護のよりも年金の受給が低いことの方が問題であって、今生活保護はとても受けることが厳しくなっていますから、だれだって安直に生活保護が受けられるなんて思っていません。
 それで、検討会の報告書で示されているように、現在の基準額はかつて基準額の設定に用いられてきた食費などを個々に積み上げる方式による水準より高く、仮に現時点でこうした絶対的な水準に準拠したとすると、生活保護基準は現行より引き下げられると見込まれるとありますが、マーケットバスケット方式によれば、最低生活費は幾らと考えていますか。
#201
○政府参考人(中村秀一君) 委員からお話ございましたように、かつて昭和二十年代から三十年代の最初のころ、マーケットバスケット方式、これは、生活していく上で必要な食料などを買うためにバスケットに物を入れて、その物が買えるためにどれだけあればよいかということでやってまいりました。この方式では国民の消費水準の伸びに追い付かないので、歴史的に格差縮小方式という歴史が取られ、今水準均衡方式になっております。
 マーケットバスケット方式のときのエンゲル係数は五〇でございました。したがって、今、現在では二〇程度でございますので、エンゲル係数の倍が生活保護だとすると、今の生活保護の四割くらいの水準になるんではないかと考えます。また、イギリスでは、そのマーケットバスケット方式を伸ばしてきているということでございますが、日本の保護基準に比べますとイギリスの単身者の保護基準は六割くらい。それから、アメリカではフードスタンプがありますので、食費は生活保護と別に出ていると。そうだとすると、日本の生活保護を一〇〇とすると、アメリカの生活保護が三四でございますので、三四に二〇足すと五四ということでございますので、そういうラフな推計でございますが、マーケットバスケット方式にすると、イギリスの例やアメリカの例など参考にすると、今の保護基準の六割くらいがマーケットバスケット方式、それで食べていける水準になるんではないかと。
 そういうことを念頭に置いて、専門委員会の報告書では、絶対的な基準を作るとするとかなり今の水準よりは保護基準が下がるであろうと、そういうことが書かれているわけでございます。
#202
○福島みずほ君 マーケットバスケット方式によると、社会的な費用を盛り込まない、ただ食べていくだけの最低生活費の数字になってしまうので、やはり生存権、社会的生存権、本当に生存権という観点から、この絶対的な水準に準拠するというふうな報告そのものが極めて問題だと思います。
 大臣、会見で大臣は、予算編成過程での具体的作業化は今からの検討と述べました。若干下げる方向の数字が出るとも明言しています。では、削減に私たちは反対ですが、総額幾ら削減されると想定していますか。
#203
○国務大臣(舛添要一君) それは今からの検討の結果次第であります。
#204
○福島みずほ君 今、格差と貧困が拡大している中で、例えば母子家庭の児童扶養手当も生活保護も最後の命綱になっています。餓死者が出るというひどい中で、この生活保護の切捨てを絶対に許さないということを厚生労働省としては是非決意をしてください。どうですか。
#205
○国務大臣(舛添要一君) 検討会の報告は受けた上で作業をいたしますけれども、激変緩和措置ということをきちんとやって、急激な、つまり二割カットとか、およそそういうことでは大変困窮している方々困りますから、そういうことがないように、きめの細かい激変緩和措置をやりながらきちんと対応してまいりたいと思います。
#206
○委員長(岩本司君) 福島君、時間が来ております。
#207
○福島みずほ君 はい。二割とか、激変緩和措置というのでは駄目ですよ。激変緩和措置というのは、痛みを与えるがゆっくり与えるということなだけですから。そもそもその二千二百億円、社会保障費を毎年毎年削ってきたという厚生労働省の政策に対しても批判の声が上がっているわけですから、これに関しては削減をしない、生活保護を守るという立場で強く……(発言する者あり)いや、分かっていますよ。
#208
○委員長(岩本司君) 御静粛に、御静粛に願います。
#209
○福島みずほ君 厚生労働省が財務省に対してもはっきり意見を言う。そして、厚生労働省が激変緩和措置というようなふざけたこと、ふざけたというか、問題のあることを言わないよう強く申し上げ、私の質問を終わります。
#210
○委員長(岩本司君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 舛添大臣は御退席されて結構でございます。ありがとうございました。
    ─────────────
#211
○委員長(岩本司君) 特定肝炎対策緊急措置法案を議題といたします。
 発議者家西悟君から趣旨説明を聴取いたします。家西悟君。
#212
○家西悟君 ただいま議題となりました特定肝炎対策緊急措置法案につきまして、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 我が国においてB型肝炎及びC型肝炎ウイルスの感染者数は三百五十万人とも言われ、年間四万人以上の患者がこれらの肝炎ウイルスの感染を原因とする肝硬変や肝がんで死亡しております。B型肝炎及びC型肝炎、すなわち特定肝炎は、進行性の疾患であり、特に患者が高齢化すれば進行が早くなると言われており、この点から考えると、早急にその治療を受ける必要性のある人が多数おられます。一方、医療の進歩に伴い、インターフェロンを中心とした治療により、B型肝炎の場合は約三割から四割の患者が、C型肝炎の場合は約五割から九割の患者が根治するようになってきました。特定肝炎の根治療法を行うことは、患者の肝硬変や肝がんへの進行を防ぐことになり、これらの病気を原因とする患者の肉体的そして精神的苦痛や死亡を防ぐことができます。ところが、インターフェロンを用いた治療については、経済的負担が過重であるためにこれを受けることができない患者の方々が多く、このような患者を救済するために、国として緊急の対策を講ずる必要があります。
 平成十八年六月に成立したがん対策基本法は、我が国において、がんが国民の疾病による死亡の最大の原因になっている現状にかんがみ、がん対策の充実を図ることで、がん予防の推進を掲げています。現在、肝がんの原因の九割以上がB型肝炎及びC型肝炎ウイルスの感染であると考えられており、特定肝炎の対策を講ずることは、がん対策基本法の趣旨にも合致するものです。
 一方、特定肝炎に罹患した原因は様々です。医学的知見が十分確立されていなかったため、予防接種や薬剤の投与によって感染した患者もいます。そして、患者の中には、国の対策が十分であれば、B型肝炎及びC型肝炎ウイルス感染を防げた方もおられ、その感染に関しては国にも責めに帰すべき事由があったと裁判所が認定しています。B型肝炎に関しては、最高裁判所平成十八年六月十六日の判決が、「国は集団予防接種等を実施するに当たっては、注射器の交換等を各実施機関に指導してB型肝炎ウイルスの感染を未然に防止すべき義務があったにもかかわらず、これを怠った過失がある」と認定しています。また、C型肝炎に関しては近時国の責任を認める下級審の判決が相次いでおり、本年十一月七日には、大阪高等裁判所が国に対して和解を勧告し、同月十二日には福岡高等裁判所が「早期に柔軟かつ妥当な解決が望ましい」と和解成立を目指す方針を示しました。福田総理大臣や舛添厚生労働大臣もこれに応ずる意向を示した上で、国の責任に言及しております。
 このように、特定肝炎は、他の疾患とは異なる問題を有しており、国が医療費を支給することで、現に苦しんでいる多くの患者に適切な治療を受ける機会を与える等、国が責任を持って特定肝炎の対策に関し緊急に措置を講ずる必要があるため、この法律案を提出することとした次第です。
 次に、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、医療費の支給であります。厚生労働大臣は、特定肝炎にかかり、かつ、当該特定肝炎についてインターフェロンを用いた治療を受けることが適当である旨の認定を受けた者が、その認定に係る特定肝炎につき、厚生労働大臣が指定する医療機関であって認定の際に厚生労働大臣が定めるものから、インターフェロン治療及びこれに伴うその他の医療を受けたときは、医療費を支給することとしております。医療費は、同一の月に一医療機関から受けたインターフェロン治療等に要する費用の額から健康保険法等による給付の額を控除した額のうち、一般的な所得の場合は一万円を超える額、所得が高額の場合は二万円を超える額、市町村民税が非課税の場合は全額を、それぞれ支給することとしております。
 第二に、検討等であります。政府は、この法律の施行後速やかに、特定肝炎の患者がインターフェロン治療以外の特定肝炎の治療を受けた場合における医療費の支給について検討を行うとともに、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行の状況を勘案し、特定肝炎の対策に係る費用の負担の在り方その他総合的な特定肝炎の対策の在り方について検討を行い、それらの結果に基づいて必要な法制上の措置等を講じなければならないこととしております。また、政府は、検討に資するため、特定肝炎の対策に関する調査研究を推進するとともに、検討を行うに当たっては、特定肝炎の患者及びその家族を代表する者、医療従事者、学識経験者等で組織する特定肝炎対策推進協議会の意見を聴くものとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#213
○委員長(岩本司君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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