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2007/10/30 第168回国会 参議院 参議院会議録情報 第168回国会 財政金融委員会 第2号
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2007/10/30 第168回国会 参議院

参議院会議録情報 第168回国会 財政金融委員会 第2号

#1
第168回国会 財政金融委員会 第2号
平成十九年十月三十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十九日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     大久保潔重君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         峰崎 直樹君
    理 事
                大久保 勉君
                円 より子君
                愛知 治郎君
                田村耕太郎君
    委 員
                尾立 源幸君
                大久保潔重君
                川崎  稔君
                富岡由紀夫君
                長谷川憲正君
                水戸 将史君
                森田  高君
                簗瀬  進君
                横峯 良郎君
                小泉 昭男君
                椎名 一保君
                田中 直紀君
                中山 恭子君
                林  芳正君
                森 まさこ君
                荒木 清寛君
                白浜 一良君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣     額賀福志郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        渡辺 喜美君
   副大臣
       内閣府副大臣   山本 明彦君
       財務副大臣    遠藤 乙彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        齋藤  潤君
       警察庁長官官房
       審議官      井上 美昭君
       金融庁総務企画
       局長       三國谷勝範君
       金融庁監督局長  西原 政雄君
       財務大臣官房総
       括審議官     鈴木 正規君
       財務大臣官房審
       議官       川北  力君
       財務省主計局次
       長        真砂  靖君
       財務省国際局長  玉木林太郎君
       厚生労働省政策
       統括官      薄井 康紀君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   諸澤 治郎君
   参考人
       日本銀行理事   稲葉 延雄君
       日本銀行理事   堀井 昭成君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (国際金融に関する件)
 (租税特別措置に関する件)
 (景気動向に関する件)
 (国有財産の有効活用に関する件)
 (多重債務者対策に関する件)
 (証券税制に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(峰崎直樹君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、大塚耕平君が委員を辞任され、その補欠として大久保潔重君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(峰崎直樹君) この際、遠藤財務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。遠藤財務副大臣。
#4
○副大臣(遠藤乙彦君) おはようございます。このたび財務副大臣を拝命いたしました遠藤乙彦でございます。
 先週、ワシントンで行われました世銀・IMF年次総会におきまして、日本国の代表として総務演説を行っておりました関係でごあいさつが遅れてしまいました。
 財務省の行政運営に国民の高い関心が集まる中、大臣の御指示を仰ぎつつ、森山副大臣とともに誠心誠意職務の遂行に当たる所存でございます。峰崎新委員長始め委員の皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
    ─────────────
#5
○委員長(峰崎直樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官齋藤潤君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(峰崎直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(峰崎直樹君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、参考人として日本銀行理事稲葉延雄君及び同理事堀井昭成君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(峰崎直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(峰崎直樹君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○円より子君 おはようございます。民主党の円より子でございます。
 額賀大臣、御就任おめでとうございます。また、先々週はワシントンで開かれたG7の方に福井総裁とお出掛けになられて、御苦労さまでございました。
 今日は、明日の政策決定会合がありまして福井総裁にはお出になっていただけませんけれども、随行なさった日銀理事の堀井さんにも来ていただきまして、ありがとうございます。
 早速ですが、そのワシントンで開かれましたG7においてどんな総括がなされたのか、まず財務大臣と日銀の見解を伺いたいと思うんですが、まあ最近は金融市場も混乱しておりますし、原油価格は大変高騰しております。また、米国のサブプライムローン問題に端を発した住宅部門の弱さとか、成長を減速させる要因が随分出てきておりますが、それにもかかわりませず、経済のファンダメンタルズの強さが確認されたと聞いております。
 その辺りについて、まず大臣、日銀からお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(額賀福志郎君) 今お話がありましたように、先般、私は初めてG7の首脳会議に出させていただきました。各国の財務大臣あるいは中央銀行総裁等と率直に意見交換ができましたことは極めて有意義であったというふうに思っております。
 全般的には各般にわたって率直に意見交換がされました。総括的に言いますと、今お話がありましたように、サブプライム問題を始め金融市場の混乱があったけれども、若干時間が掛かるものの、世界経済の経済ファンダメンタルズはきちっとしておりますし、しかも、なおかつ拡大基調にありますから、必ずこれを克服して乗り切っていくであろうというような共通の認識を持ったところでございます。もちろん、そういうサブプライム問題については、今後も、どこに問題点があるのか、どういうふうに政策的に対応していくことが重要なのか、そういうことについては専門家がきちっと分析をしてこれからまとめていくという形になったわけでございます。
 基本的には、我が国も経済について、まあ若干弱さが一部見られるものの、基本的には経済の回復基調をたどっているという話をさせていただいたということでございます。
#12
○参考人(堀井昭成君) 堀井でございます。おはようございます。
 私、今御紹介がございましたように、福井総裁に随行してまいるとともに、その事前に行われました準備会合等に参加してまいりました。今、額賀大臣からお話がございました点、御報告にほぼ尽きておりますが、私どもも総裁始め同じような理解をしております。
 世界経済、最近の金融市場の動揺、それから原油価格の高騰、アメリカにおけます住宅部門の調整といったものがございまして、そうしたものが世界経済の拡大に減速の影響を与えると見られますが、主要国の経済ファンダメンタルズはしっかりしております。また、新興国も世界経済の景気拡大に寄与すると見られておりまして、そういったところで意見の一致を見たところでございます。
 日本銀行にとって関心の強い国際金融市場の動揺でございますが、八月ごろに比べますと機能の回復といったものが徐々ではございますが見られております。ただ、市場におきまして回復の程度というのは実はばらつきがございます。そして、しばらくこうした状態が続くんではないかというふうにも見られておりますので、引き続きこうした状況については注視が必要といった点でも意見の一致を見たところでございます。
 なお、日本銀行総裁からは、こうした世界経済、国際金融情勢に関する意見交換といったところに参画すると同時に、日本経済並びに日本銀行の金融政策について説明したところでございます。
#13
○円より子君 私は、やはり原油価格を始めとする原材料商品価格の上昇ですとか輸入品価格の上昇が、大変我が国の経済に直接的な影響を大きく与えるのではないかと心配しておりまして、特に企業部門から個人へ、国民生活に実感される形で、大臣が経済のファンダメンタルズについては強いとおっしゃっているような、そういったことがきちんと波及していないという、そういうゆがみや部分的な行き過ぎを感じざるを得ないんですね。
 時間があっという間に過ぎてしまいますので、金融担当大臣がいらしてからまたサブプライムローンの問題についてはお伺いしたいと思いますが、G7におきまして円レートについての議論があったかと思うんですけれども、為替レートに関しては経済のファンダメンタルズの反映という点が再確認されたと思いますけれども、また、会議の声明の中でも中国の元への言及がありました。このファンダメンタルズの反映という部分につきまして、我が国の円の対ドルレート、また対ユーロレートについてどのような議論や言及があったのか、教えてくださいますか。
#14
○国務大臣(額賀福志郎君) 今、円委員がおっしゃるように、為替の問題についても議論があったことは間違いがありません。それは、各国とも、あるいは中央銀行総裁とも共通の問題として、御承知のとおり、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映しなければならない、過度の変動とか無秩序な動きということは経済成長にとってよろしくない、そして、引き続いて我々は為替市場の動きをよく注目をしていかなければならない。その上に立っていろんな議論があったわけでございますけれども、基本的には、我が国は日本の経済のファンダメンタルズを反映したものにしていかなければならない、市場できちっと経済ファンダメンタルズが反映されていくものであるということを確認されたということであります。
 人民元については、おっしゃるように、今後、人民元が経済の動向、それから中国内のインフレ等々を考えながら増加していくことが望ましいというような趣旨の話がコミュニケでも出されたわけでございます。
#15
○円より子君 円相場に関しまして今大臣が何度かおっしゃった経済のファンダメンタルズを確実に反映すべきという、その真意はどこにあるんですか。
#16
○国務大臣(額賀福志郎君) それは正に経済の基本的なファンダメンタルズを反映したものとして市場が決めていくことであると、そういう原則に基づくものであるということでございます。
#17
○円より子君 現状認識を変更するものではないという御発言もあったと思いますが、これは現在の為替水準、動向を容認するものなんでしょうか。
#18
○国務大臣(額賀福志郎君) 為替の問題について私が一々、こうあるべきだ、こうすべきだということのコメントは差し控えさせていただきます。したがって、市場が日本の経済状況、経済ファンダメンタルズを反映したもので決められていくべきものであるという基本的な考え方を持っているということでございます。
#19
○円より子君 差し控えさせていただきますとおっしゃっていますが、何も言わないことは現状認識を容認するということになりますよね。
 アメリカのポールソン財務長官がG7において強いドルを確認したと報じられておりますけれども、これは何もおっしゃらなければ日本としては弱い円を容認するということになりますが、そういうことでよろしいんですか。
#20
○国務大臣(額賀福志郎君) 二国間の、米国のポールソン長官と会談したとき、それからG7の会合でも、ドルは強くなければならないという話はしておったことは承知しております。円については、今言った、私が説明した以上のことも言わないし、以下のことも言っておりません。
#21
○円より子君 以前に小泉さんが、ブッシュさんが強いドルのことを支持するとおっしゃったときに、彼も強いドルを支持すると。普通、日本国民の長であられれば強い円を支持するのが当然ではないかと私は思うんですが、額賀さんも、じゃ何もおっしゃらなかったということなんですね。これは、我が国のファンダメンタルズに関する現状認識を変更しないということでありましたら、今住宅市場問題を抱えて、その影響を深刻に受けたアメリカやヨーロッパに対しまして我が国の経済のファンダメンタルズ並びにファンダメンタルズを反映した円は相対的に強い立場に立つと認識するのが正しいと思いますが、いかがですか。
#22
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、日本の経済も我が国一国だけで動いているわけではありません。やっぱりアメリカ市場とかアジアの市場が拡大基調にあるからこそ我々も強い回復基調をたどっているということでありますから、お互いさま、連動し合っているので、そこは経済認識、あるいはまた為替だとか金融問題について、G7の首脳がお互いに今後の対応策についても確認していく、あるいは共通の認識を持っていくということは極めて大事なことであると思っておりますし、そういう中でそれぞれの国が、やっぱり経済安定と、一定の安定した成長を目指していく、あるいはまた先進国だけではなくて世界の経済が安定して繁栄をしていくためにどうしていくかということを考えているわけでありますから、日本一国だけのことで我が国が動いていることでもないので、お互いにそこは協力し合っていくところは協調していくということだと思っております。
#23
○円より子君 財政とか金融とか経済にお詳しい方はファンダメンタルズと言われてもお分かりになると思いますけれども、普通、私の周りの女性の支持者とか、なかなかそういうのはお分かりにならない方が多くて、この経済のファンダメンタルズというのは経済成長率や物価上昇率、失業率、財政収支、経常収支などの指標によって示されると言えますが、我が国におけるこうした指標の推移は随分硬軟織り交ざっておりまして、必ずしも一様と言えません。また、例えば、経常収支の黒字の大きさ、これは大変大きな問題になっておりますが、実際には不必要なほどの外貨準備の増大を招いているといった評価、批判も可能であると考えるんですけれども、大臣は、また日銀は、こうした財務大臣及び日銀の考える指標から見た経済のファンダメンタルズというのは一体どういうものなんでしょうか。
#24
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、日本の置かれた経済の状況というのが確かに回復基調をたどっておりますけれども、これは一定の前提、環境があるがゆえに、前提条件があるがゆえに回復基調をたどっているということがあると思います。それは、長い間の低金利、あるいはまた中国市場、アメリカの市場、そういう輸出環境がいいということ、それから、もちろん大企業、輸出産業を中心に競争力を保持し、リストラをし、そして企業の収益が上がっている、そういったことが今の経済を引っ張っていることだと思いますけれども、日本の国内全体としてはまだバランスが取れたものとは思っていない、特に非製造業部門、内需の問題等々についてはこれからきちっとしていかなければならない課題であると、そういうものが残されていると思っております。
 それから、外貨準備については、これはやっぱりいろんな説があるけれども、この辺が常識的だねという基準があるわけではないと思っておりますが、少なくとも日本みたいに海洋国家で貿易立国である以上は、重要な資源を輸入して手当てをしているということはそれなりの準備を持っていなければならないし、準備を持っていくためには為替が安定をしていかなければならない、一定の為替の安定を図っていくために外貨準備をしておかなければならないというのは極めて大事なことであるというふうに思っております。
#25
○参考人(稲葉延雄君) 先ほど財務大臣からお答えになったことで内容としては尽きているんではないかというふうに思いますけれども、私ども、経済のファンダメンタルズといったときに考えておりますのは、基本的な経済の生産、あるいは所得、あるいは支出がどのような循環のメカニズムで経済が動いているか、またそうした基本的な条件を支えている物価の状況はどういう状況であろうか、そういったことが総体として経済のファンダメンタルズを規定しているものと考えております。
 そういう意味で申し上げますと、これまでいろいろ得られました諸データから判断いたしますと、我が国経済は引き続き緩やかに拡大している、そういうふうに認識されます。この先も、先ほど申しました生産、所得、支出の好循環のメカニズムが維持されておりますので、息の長い、物価の安定の下での息の長い拡大が見込めるんではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
#26
○円より子君 大臣の方から内需の問題等これからの課題だとおっしゃっていただきましたし、また外貨準備の話も今出ました。それは後ほどまた質問させていただくといたしまして、例えば別の視点からの質問で、我が国の経常収支の黒字、これをどのように大臣は評価なさっていますか。
#27
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、日本が今は貿易収支よりも資本収支の方がプラスになっていると思っておりますけれども、それはやっぱり日本の経済がそれだけ高度化してきたというか、世界経済の変化の中で日本が今まで様々な汎用品的なものを発展途上国に移譲して、そしてアジアの発展のためにも我々は高度なものをつくることによって一定の経済の活力を生み出すという形にしておりますから、貿易収支は、物の貿易収支というのはだんだんと従来とは違った形になってくるのはやむを得ないというふうに思っております。逆に、そういう資本とか知的財産だとか、そういうことで我が国がやっぱり経済を一流にし、日本経済の水準を高めていくということは、当然そういうところに反映されてきているものと思っております。
#28
○円より子君 日本のこうした経常収支の黒字、これが、中国もそうですけれども、アジアの貿易黒字の還流や原油価格の高騰が生み出しているそのオイルマネーが還流して米国の経常収支赤字を支えているわけですね。米国の経常収支赤字は対GDP比で二〇〇六年で七%にも達しております。この巨大な経常赤字を支えているわけですけれども、米国内でも、この膨張する経常収支赤字が生み出す米国の巨大な累積債務について、もはや維持不可能だと警鐘を鳴らす人たちもいます。そういう動きが出てきておりまして、米国は一日に七十億から八十億ドルもの海外資本を調達しなければもはややっていけないという状況がありまして、アメリカのこうした経常収支赤字のことも考えますと、ただただやみくもに日本が経常収支の黒字を増やして、多ければいいという状況ではないという気がするんですね。このことはまた後ほど外貨準備の辺りでも話させていただきますけれども。
 円安のまず国民生活への影響についてお伺いしたいと思います。
 お配りしましたグラフの一枚目でございます。これは、今大変な円安になっておりまして、このグラフを見てもお分かりだと思いますけれども、日銀の発表しております実質実効為替レート、これは二十二年ぶりの円安水準になっております。
 それで、先ほど大臣も、今輸出企業が好調で収益が上がっているというお話なさいましたけれども、輸出者である企業は大変この円安基調を背景に潤っておりますけれども、そのしわ寄せが輸入者である国民の負担となっているのではないかと私は懸念しているんです。特に、最近は生活必需品の輸入が目立つようになっておりまして、こうした生活必需品価格の上昇が実感として顕著なものになっております。
 例えば、年収千五百万円以上の世帯では日常生活品の購入は三七%なんですけれども、今格差が広がっていると言われていますけれども、年収二百万未満の低所得者世帯では生活必需品の購入割合というのは六七%なんです。そうしますと、当然実感するコアのCPIは、今年四月以降、前年比プラスに転じております。そういうふうなCPIの上昇要因の分析も踏まえまして、これらの生活必需品の価格上昇が低所得者層への負担増加につながっている。
 こうしたことがよく都市部と地域の所得格差ですとかいろいろ言われますけれども、実質的にこうした円が弱いということが所得格差の拡大につながり、これが為替政策の私は負の部分だと考えるんですけれども、こうした格差の拡大や低所得者層の負担の増加について、大臣、政府はどのように認識しておられますか。
#29
○国務大臣(額賀福志郎君) 最近は、物が、物価を上げている商品、製品が出てきていることは承知をいたしております。しかし、全体としてはやっぱりゼロ%前後を行ったり来たりしているのが実態だと思います。で、誤差の差で、ゼロ%でも、だから本当はプラス一%なのかもしれないしマイナス一%かもしれないという、そういう誤差の差はあるんだと思いますけれども、全体的にはまだきっちりとデフレ基調を脱出しているとは思ってはいません。ただ、原油価格とか人件費の問題、初任給なんかは上がっておりますから、だんだんと物が上がっていく基調の環境が整ってくるのかなと、そういうところはよく注意深く見ていかなければならないというふうに思います。
 ただ一方で、その生活必需品的なものというのはやっぱり輸入品が多かったと思うんですね。中国辺りからいろんな、あるいはまたIT投資によって生産性が上がることによって物価が下がっている、そういうこともあったわけでございますから、我々は、国民の、消費者の皆さん方が生活にどういう影響を与えるかということについては、先生の、円委員の問題意識のように、今後注意深くこれを見守っていきながら政策を考えていく必要があるというふうに思っております。
#30
○円より子君 私は素人ですから、私のあれというよりも、日銀の政策委員の方でも指摘なさっていますけれども、先ほど中国などから輸入して物価が下がっているとおっしゃいましたけど、今逆にそういう輸入品が上がっておりまして、おなべやフライパンまで上がっているわけです。消費者物価という全体を集計したものの動きだけを見ていては、実体経済に起こっていることですとか、景気の体温を表すという意味での物価トレンドは私は見えてこないと。私だけじゃないんです、これ政策委員の方がおっしゃっているんですけれども。
 構造改革、技術革新などの進展で、低下傾向にある財・サービスの、もちろん物価もあります、大臣がおっしゃったように。でも、原油価格の上昇や円安による影響を受ける輸入品価格など比較的価格が上がりやすい物価もあるわけですね。ですから、先ほど申し上げたような低所得者のところで逆に生活必需品が上がっているわけですから、CPIだけに着眼した政策判断というのは政策の機動性や政策転換のきっかけを失うおそれがあるのではないか。その辺りをしっかり見極めながらやっていただきたいなと思っております。
 それから、その低所得者層のみならず国民全体にとりまして、円安で輸入価格の上昇というのは負担なわけです。結果として、現下の為替政策は国民の需要サイドを軽視して輸出企業のサプライサイドを重視する結果となっていると私は言えると思います。内需拡大の必要性、これ先ほども内需拡大のことをおっしゃっていましたけど、もうずっとこの必要性は叫ばれながら、現実の政策は全く私は逆方向となっていると思いますが、いかがですか。
#31
○国務大臣(額賀福志郎君) 生産者と消費者ということのとらまえ方でございますけれども、企業は生産者とすれば、企業に勤めている人は生産者になるんですけれども、これは家庭に帰れば消費者であります。したがって、このバランスをどういうふうに考えるかのことでございますが、やっぱり企業が元気でなければ、そこに社員の給料も上がらないわけでありますし、あるいは企業がリードしていろんな中小企業とか地域経済にも波及効果が生まれてくるわけでございますから、そういう意味では、やっぱり我々もバブル経済崩壊後、日本の経済をどういうふうに正常な姿に戻していくかということを考えたときに、やっぱり日本一国だけで考えてもこれは何もできないと。世界が、正に百九十か国が一つの市場になって、その中で競争を演じながら日本経済、国民生活を守っていかなければならないという視点に立って、国際競争力を維持しながら、しかもなおかつ不良債権だとかそういうものを処理し、そして、いろいろと生産性の向上につながるもの、それから生き残っていくものができるもの、生産性の悪いものはほかに転換をしていくこと、そういう大いなる構造転換をして今日に至っているんだと思っております。
 それはまだ過程の問題であって、これから更に更に形のいい正常化した姿につくっていかなければならない、そのために様々な政策を行っていく必要があるというふうに思っておりまして、そういう意味では、これから海外に移転をしていった工場をじゃ日本に持ってきてまた物をつくりなさいと言ったって、同じものをつくるわけにはまいらないわけでありますから、そこはやっぱり我々も人材を育成し、あるいはまた将来の展望を図りながら、我々のリーディング産業は何なのか、我々が生きるべき産業は何なのか、そういうことをよく考えていかなければならない。あるいは地域に密着した資源をどう活用していくのかということを考えなければならない。
 と同時に、八十年社会ですよね。平均年齢が延びている社会でありますから、そういう高齢化社会に対応した産業はないのか、あるいは教育をどういうふうにしていけば地域に密着していくのか、そういうことについて我々は今模索をしているというか、お互いに知恵を絞って、日本の国が都市部だけが元気であってはならないんであって、全国的にそういう地域おこしや産業おこしをしていくことを、これは与野党を超えてお互いに知恵を絞って頑張っていく形をつくっていきたいというふうに思いますので、是非、円委員の御提言もどんどん採用しますから、言っていただければ有り難いというふうに思います。
#32
○円より子君 新しい産業構造をつくるということは同感でございます。是非それをやっていかなきゃいけないと思いますけれども、それを阻害しているのが今の円安を歓迎する構造だと思うんですね。企業をしっかりと強くしなきゃいけないということも大臣おっしゃいましたけれども、我が国の企業経済全体が言わば円安を歓迎する構造に過度に転換してしまって、そこに慣れて安住してしまっているのではないかと思います。
 例えば、日本は輸出依存の製造業を中心とする経済構造から抜け出せておりません。日本の製造業の海外依存度は五〇%近い、そのことは御存じだと思います。GDPに占める製造業の割合も二〇%以上です。米英では脱工業化が進み、製造業比率は一〇%程度、半分ですね、日本の。円の実質実効為替レートがプラザ合意以来の安値になっても国際政治の場でそれほど問題になっていないのはそのためです。以前はもう大変でした、そういうことがすぐあると。介入もありました。
 日本の金融政策は表向き先ほど申しましたようにCPIとか物価を見ながら行われていると言われておりますが、実際は輸出産業の利益のために円安を維持してきたという指摘もございます。低金利、円安政策を続けた結果、古い産業構造がそのまま維持されておりまして、この数年イザナギ景気を超えたと言われていますけれども、この回復は古い産業が円安の追い風で復活しているだけで、大臣が、これから教育だとかいろいろ、高齢化社会に向けて新しい産業構造を構築しなきゃいけないという、そういうふうには全然なっていないんですね。
 日本の経常収支黒字、先ほど聞きましたけれども年間約二十兆円です。貿易決済の多くがドル建てのために、その多くが米国の銀行に貸し置かれたままで、円に転換できておりません。一九七〇年ごろの経常黒字の累積額は三百兆円になりますけれども、積年のドル安で今百兆円の損になっております。そういう計算があるんですね。黒字をしっかり日本に還流をさせ、国民が本来自ら稼いだお金を使うことができるようにすることが国民の生活を豊かにすることだと私は思うんです。だから、ブッシュさんにしてもポールソン財務長官にしても、皆さん強いドルをとおっしゃるのは本当にすばらしい政治家なんですよね、皆さんね。アメリカの国民のためにそう言っていらっしゃるわけで、そこで黙っていらして何もおっしゃらないという、私は日本の国民のために本当に汗して働いている国民の生活を今豊かにしていないと思うんですが、いかがですか。
#33
○国務大臣(額賀福志郎君) やっぱり通貨の話は、じゃドルと円の関係、あるいはドルをどういうふうに評価するかということでありますが、やっぱり今後も、ニクソン・ショック以来三十年余り様々な通貨の制度が変わってきましたけれども、基本的には今後も十年、二十年はやっぱりすべての国力、それは経済力だとか教育力だとか人材力だとか資源力だとか、あるいは知的な分野、あるいは情報産業、それから軍事産業、軍事部門、そういうすべての国力からして、やっぱりドルが中心で世界の経済が動いていくことはまあ間違いがないんだろうと。そういう中で日本経済のことも考えていかなければならないというふうなことが私は基本的な姿勢なんだと思います。その中で、日本の国民生活や日本の経済をどういうふうに活性化をさせ、水準を高度化していくかということでございます。
 そういう中で、円がどういうふうに評価されていくかということは、先ほど来私が言っていますように、それは市場で決められていくことであると。我々は今の日本の経済は正常な姿にまだ到達はしていない、まだ回復過程にある。我々は、だから、日本の経済をきちっとした本格的な回復軌道に乗せて、将来展望が生まれてくるようなまず経済を立て直すことが大事であると、それによって通貨に反映されていくことが望ましいと思っております。
#34
○円より子君 渡辺金融担当大臣がおいでくださいましたので、お聞きしたいと思います。
 大臣は先週の委員会におきまして、サブプライムローン問題については日本の金融システムに深刻な影響を与えるような状況にはないと発言されましたが、その後、大手銀行がそれぞれ数百億円の損失を計上するとの報道がなされました。
 当局は複雑な金融連鎖のリスクをどこまで的確に把握していらっしゃるのか、大変不安な面が残りますが、いかがでしょうか。
#35
○国務大臣(渡辺喜美君) 御案内のように、日本の金融機関はこの十年間大変な試練の中にございました。しかし、幾多の試練を乗り越えて、金融システムは非常に安定して落ち着いてきていると思います。
 サブプライムローン問題が起こした影響が日本にも若干及んでいることはそのとおりであろうかと思います。しかし、日本の金融システムがこうした市場の動向を注意深く見ていくことはそのとおりでありますけれども、日本の金融システム全体としては健全性は決して失われていない。不良債権の比率の低下にかんがみれば、むしろ健全性は高まっていると考えてもいいと思います。
 また、サブプライム関連商品に直接関連するリスクというのは、全体として見れば総体的に限定をされているということが言えようかと思います。現時点においてそういった観点から日本の金融システムに深刻な影響を与えるような状況にはなっておりませんということを申し上げた次第でございます。
#36
○円より子君 しかしながら、リスク商品を証券会社が買って損失を被るのは、まあそれなりの自衛手段も講じていると思いますけれども、そのリスク証券を投信に組み入れられているために、あたかも安全で有利な商品であるごとく売っていた業者はどう一般国民の損失を償うのか。また、銀行や信託銀行、ゆうちょ銀行は、確定拠出年金も含めてこうした投信を国民に販売し手数料を稼いでまいりました。国民が損失を一方的に負わされるのはいかがなものかと思います。
 国民が額に汗して築いた財産を守るのが政治の責任だと思うんですが、今のあれだと、それほど損失はないんじゃないかみたいなお話でございましたけれども、国民がどのくらい損失被っているのか、こういったことを、サブプライム問題は世界じゅうで、どこにどういう損失があるのか分からないというような不安で、結構大きくなっているというふうに言われておりますけれども、こうしたことはちゃんと把握なさっておられますか。
#37
○国務大臣(渡辺喜美君) 金融庁としては、それぞれの金融機関のリスク管理については適切な開示を求めております。今回は九月の中間決算の開示が行われているわけでございますが、日ごろのヒアリングを通じて、早期発見、早期治療、とにかく早め早めに手を打っていくということが何より大事だと考えております。
 一方、個人の投資家保護につきましては、御案内のように、九月三十日から金融商品取引法の体制がスタートをいたしております。これは、言うまでもございませんが、お客さんの判断に影響を及ぼすような重要事項などの表示を義務付けた広告規制や、業者が金融商品を販売、勧誘する際にリスク情報を表示をした書面の交付を義務付けた行為の規制などのルールを整備をしているところでございます。
 こうした規制を通じて、お客様に対してリスクの適切な説明が求められるわけでございまして、現場からは、これはちょっと厳し過ぎるんじゃないかとかいろんな御意見をいただいておりますが、是非こうした体制に早くなじんでいただきたい、お客様の方も、リスクを取るということについて、是非いろいろな情報を持って判断をしていただきたいと思うのでございます。
#38
○円より子君 八月の米国からの資金の流出というのは空前の規模だったと報道されております。円キャリートレードの巻き返しもその大きな一因だったと思われますが、実際、円キャリートレードの巻き返しによって円高になり、輸出産業の収益に悪影響を及ぼしたと考えられたために株価が下落いたしました。
 こうした状況から、今後米国の資金調達が困難になるのではないかという意見もありますし、また一方では、米国経済への信認や金利高による資金の流入、基軸通貨たるドルへの信認については、そこまでの不信感には達していないとの考え方もございます。
 こうした点について、政府は、今後生じ得る様々な状況について、その可能性や影響、我が国として取るべき対応策について検討を進めるべきと思いますが、財務大臣、いかがですか。
#39
○国務大臣(額賀福志郎君) 先ほども申し上げましたけれども、サブプライム問題の影響が今後どういうふうになっていくのか、特に米国市場においては住宅市場に影響があり、それがアメリカの実体経済にどういう影響を及ぼしていくのか、これは極めて大きな関心を持って見ていかなければならない課題であると思っております。
 そういう動きをよく見極めながら、我々も日本の経済を運営するに当たって対応していく必要があると思っております。これはアメリカだけではなくて、ヨーロッパあるいはまたアジアにも影響を与えることでございますから、各国のそういう影響についてよく見定めながら考えてまいりたいというふうに思っております。
#40
○円より子君 お配りしました資料の二ページ目のグラフを見ていただきたいんですが、これは日米欧の公定歩合等の推移でございます。これをごらんになりますと分かりますが、日本が濃い青で書かれております。米国が茶色ですね。そうしますと、ちょうど一九九〇年代前半、ここだけが日本が米国の金利を上回った時期なんですね。バブル経済を鎮静化するために日銀が利上げしたこの一時期のみなんですけれども。
 あした日銀は金融政策決定会合を開催されると聞いておりますけれども、私は、今ずっと大臣もお答えいただいたサブプライムローン問題の背景には、長期にわたって継続しております日銀の超低金利政策があると思っております。日本国内では、超低金利政策によって合理的な投資先が見当たらない状況が続いたために、国民が海外に資産の運用先を求めざるを得なくなったということなんですが。
 実は私、今年亡くなられました宮澤喜一元総理が小渕内閣で再度財務大臣に登板されたときに、参議院でこのゼロ金利について質問させていただいたことがあるんですね。そのときに、ゼロ金利で消費が喚起するのか質問したんですけれども、宮澤大臣は、金利ゼロというのは何か人類の歴史では紀元前にあったとかなかったとかいうことで、それが何を意味するか、どうも私にはちょっとこの話は手に負いかねると答弁なさったんですね。まあシーラカンスみたいなというような話も出たんですけれども。
 ゼロ金利は、今、脱したとはいえ、人類の歴史で経験したことのないような長期の低金利政策を今後も続ける意義があるんでしょうか。財務大臣と日銀にお聞きしたいと思います。
#41
○国務大臣(額賀福志郎君) だから、先ほど来言っているように、本来の経済の姿としてはまだ正常な形にはなっていないという意味で、今の金利もその一つであろうと思っておりますが、しかし、日本の経済を正常な姿に戻していくためには、こういう政策を取らざるを得なかった、それくらい厳しい状況であったということもまた間違いのないことであります。
 我々は、経済の議論を、論理構築をしているんではなくて、実体経済をどう引き上げるかということが問題なわけでありますから、あらゆる手段を講じてここまで回復過程をたどりつつあるわけでございますので、確かに、金利が低いことによって、恐らく一般の預貯金者は低金利に甘んじてきた、そういうことは、恐らく多くの人は、もっと正常な姿になってくれないかなという思いを持っておるでしょう。しかし、低金利政策をつくることによって、継続することによって、企業の皆さん方は設備投資をする環境が整ってくることになるし、いろんな意味でこれは、こちらを立てればあちらが立たずみたいなところがあるんだけれども、まず経済の活性化を図ってきた、経済を支えてくるために今日の金利の状況があると思っております。
 だから、そこは、日銀がこういう政策、金融政策を続けていてくれるのは、経済を支えていこうという思いがそこには流れているものと思っております。
#42
○参考人(稲葉延雄君) 先ほどお話がございましたように、日銀は、九九年にゼロ金利政策、そして二〇〇一年に量的緩和政策を実施するという形で、長期にわたって低金利政策を実施してきたわけでございます。低金利は経済を活発化させると、そういう働きがございますので、こうした政策は、企業の抱える構造的な問題の調整を後押しするとかあるいは設備投資の積極化といった企業の活動を活発にしてまいりました。それが様々なルートを通じて家計部門にも波及しまして、日本経済全体の回復、成長に貢献してきた、こういうふうに考えております。
 このように低金利、メリットはあるわけでございますけれども、その一方で副作用というのもございまして、低金利政策の副作用としては、家計部門の利子所得が減少するとか、あるいは年金などの機関投資家の運用難になってしまうというようなことが指摘されております。
 さらに、こういった低金利には別のリスクもございまして、例えば経済が活発になっても、それでも低金利を経済や物価の実態から離れて長く維持すると、そういうような期待や思惑が定着いたしますと企業や金融機関の行動に行き過ぎた面が生じるというリスクでございます。こういった場合には、長い目で見て経済や物価の振れをかえって増幅しますし、あるいは非効率な資源配分につながるというリスクがあります。こういったリスクに対しても、蓋然性は必ずしも高くはないといたしましても、金融政策運営上、十分念頭に置いておく必要があるというふうに考えます。
 したがって、政策運営に当たりましても、こういった政策の効果、副作用、リスク、十分念頭に置いて判断していくものだと考えております。
#43
○円より子君 一般国民の低金利に甘んじてきたと大臣もおっしゃいましたけれども、その低金利政策によって、本来国民が受け取るはずだった利子の総額は過去十数年で三百兆円にも上ると福井総裁が以前、ある委員会で、まあ一九九一年をベースにすればというふうにおっしゃっているんですけれども、これ以上国民に負担を強いるのは私はおかしいと思うんですね。異常な低金利を改めて正当な利子収入が期待できる経済を復活させれば、今団塊の世代以降みんな定年になって、収入は入らず、利子で本来だったら食べていけるのにとおっしゃっている方々の怒りは結構私どものところにも来ておりますけれども、それでいて今消費税増税の話がもうどんどん出ておりますけれども、そうした年金財源も消費税を上げることなく容易に手当てが可能ではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
#44
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、円委員のおっしゃるとおり、日本の経済をやっぱりこういういびつな形ではなくて正常な姿で本格的な軌道に乗せていくこと、そのために今まで努力をしてきて今日まで来たわけでありますから、更にその改革と成長をきちっとさせることがまず第一であって、そうすると、これまで様々な影響を与えてきた分野においても波及効果が生まれてくるだろうというふうに思っております。
 それから、やっぱり一方では急速な高齢者社会を迎える、少子社会を迎えるわけでありますから、年配の人たちに安心して生活を送ってもらうということ、若い人たちにもやっぱり夢というか希望を持ってこれから社会で活動する、経済活動をする、活躍しようというためにも、それは、まずしていかなければならないことは、年金だとか医療だとか介護だとか、そういうことについてしっかりとした安定した財源をつくっていくということだと思います。これをやっぱり中途半端にしておったんではそれぞれが夢を失ってしまう、日本の経済もおかしくなってしまうということになるんだろうと思いますから、その安定した財源をどうつくるかということについては、これもまた国家的な課題でありますから、与野党を超えて、お互いに共通の認識を持って具体的な政策をつくっていく必要があるというふうに思っております。
 したがって、一定のこれは給付と負担の関係でありますから、負担を少なくするんだったらば給付もそれは少なくしなければならない、給付を下げるならばそれは負担も下げてもいいけれどもと、そういうことになるんだけど、全体的に言うと、我々は、日本の国はどっちかというと、北欧みたいに高福祉高負担ではないし、アメリカのように小福祉小負担でもないし、その中間的に、お互いにもうちょっと負担をして、そして安定した連帯の社会をつくるというためにはやっぱり負担の議論をせざるを得ないというのが本当だろうと思います。国会議員たる者はそれくらい勇気を持って議論した方がいいというふうに思います。
#45
○円より子君 今、いつも負担とそういうお話なさいますけれども、まず財政構造を抜本的に改めて将来世代にツケを残さないということはできるわけですから、それを常に増税で、じゃ、負担は多く、嫌だったらその見返りも少なくなりますよみたいな、そこの議論にやってしまうことは私は結構欺瞞ではないかと思っているんですが。
 先ほど稲葉理事から日銀の超低金利政策の副作用の話ございました。その低金利政策を続けると、市場が期待しているためにデフレを再生産しているのではないか、また、つまりデフレを脱却しようとして日銀が低金利政策を続ければ続けるほどデフレを長引かせてしまうという指摘が最近多くあります。金利を私は正常化する環境が整ってきたのではないかと思われるんですが、物価動向が今後の判断に影響を及ぼす第一の要素となると思いますけれども、加えて、その金利正常化には国債の利払いにも、このことが大変皆さん懸念で、これには当然注意を払う必要があると思います。また、金利が上がれば円高となって輸出に悪影響が及ぶとの懸念もあります。しかし、先ほど申しましたように、いつまでも超低金利、それから円安を続けて、国民が受け取るべき利子を剥奪し、輸出産業に実質的なこれは補助金を与え続けていることですから、それでそして財政赤字を積み上げていくこと自体が大変不健全だと思います。
 ですから是非、上げるって、金利上げるというと随分誤解を呼びますけれども、全然上げたって正常化するということと同義ですから、金利を正常化しても対応できるような経済財政政策を構築すべきだということを申し上げまして、あっという間に時間が過ぎましたので、次はちょっと国債購入の是非についてお伺いしたいんですが。
 グラフの三枚目、これは政府債務残高の名目GDP比ですけれども、ごらんのように、第二次世界大戦時と近いくらいに政府債務のGDP比が上がっております。国家の抱える債務のGDPに対する割合、国債だけを見ましても日本は一〇〇%を超えております。これほどの債務を国家が抱えた例は、このグラフのように、戦時中を除けば、一九九〇年代前半に財政危機に見舞われましたスウェーデンや九〇年代後半に通貨危機に見舞われましたアジア諸国ですら例がないんです。平時においては正に人類史上経験したことのない事態なんですね。
 そういう中で、日銀が長期国債を毎月一・二兆円、毎月ですから年間十四・四兆円、新規国債の年間発行額三十兆円程度ですよね、その半分を購入し続けております。これだけの国債が中央銀行によって購入され続けていることは、日銀による直接引受けではないにしても財政規律上問題があると感じられるんですが、国債購入を減らしていく道筋についての検討は、大臣、行われているんでしょうか。
#46
○参考人(稲葉延雄君) 長期国債の買入れは、あくまで経済が必要とする資金を円滑に供給する、そういう目的のために金融市場の調節上行っているものでございます。お金を供給するために市中にある国債を買い入れて供給をする、こういうことでございまして、長期金利に影響を与えるとか財政のファイナンスのためにこれに支援をするとか、そういった目的で行われているものではないということをまず申し上げたいというふうに思います。
 買入れに際しましては、先行きの日銀の資産あるいは負債などの状況を踏まえまして、銀行券の発行残高を上限として買い入れるということで実施してきてございます。その結果、実際にもその上限は厳格に守られているということでございまして、市場に対してその財政赤字をファイナンスするための手段になっているというような印象を与えるということはないというふうに考えております。
#47
○円より子君 量的緩和政策を解除なさいましたけれども、依然として長期国債を対象とした国債買入れ額には変化がございません。これは私は問題ではないかと思うんですが、毎年新規に発行される長期国債の半分は必ず、金融機関にとっての中央銀行というのはラストリゾートだと思うんですが、そこが購入するという絶対的な安心感を市場に与えていると考えられます。
 そうしますと、マーケットへ当局がこうした影響を及ぼしているのではないかというその是非について、また長期国債の保有残高を銀行券の発行残高を上回らない水準に制限していると説明なさっていますよね。そこには経済合理性があるんでしょうか。
#48
○参考人(稲葉延雄君) 先ほど申しましたように、国債買入れというのは、経済が必要としている資金、お金の供給を行うためにやってございます。言ってみれば、人々が銀行券を使いたいと、銀行券を必要とすると、そういう需要に見合ってお金を供給するということでございますので、銀行券の発行残高を上限に国債の買入れを制限するという考えはそれなりの合理性があるのではないかというふうに考えております。
 それから、国債の買入れでございますけれども、一方で国債には償還というのがございますので、ネットアウトした国債残高の推移というのは、これは銀行券の発行残高の枠内に収まると、こういうふうなメカニズムになっております。
#49
○円より子君 ゼロ金利政策や量的緩和政策の解除を受けまして、直近では縮小しつつあるものの、先ほどのグラフのように戦時並みに日銀の資産が大きくなっているのは、状況は変わりがございません。
 そうしますと、中央銀行への信頼性という点で、他の主要国の中央銀行の資産と比べてもGDP比で大変大きいんですけれども、その辺りはいかがですか。
#50
○参考人(稲葉延雄君) 日銀のバランスシートが拡大してきましたのは、正に委員御指摘のとおり、量的緩和政策を実施する中で銀行の日本銀行に預けてあります当座預金の残高を増やしていくという政策を実施してきたためにそのバランスシートが拡大してきたわけです。
 この量的緩和政策は昨年の三月に解除いたしましたので、それ以降、バランスシートは順次縮小、是正されておりまして、おおむね通常の状態に戻っているというふうに理解しております。
#51
○円より子君 それでは、もうあと時間が少なくなりましたので、外貨準備の運用の在り方について質問させていただきたいと思います。
 配付資料の最後でございます。
 今タイトルが「前代未聞の規模で外貨準備の保有が急増している」というふうに書いてあるこのグラフでございますけれども、積年の為替介入によって百兆円にも達する巨額の外貨準備を今有しております。輸入の支払に必要な額との比較で前代未聞の額に達しておりまして、これほど巨額の外貨準備が必要なのか、国会でも度々議論されております。
 とりわけ、外貨準備の大宗を占めると思われますドル建て債券の価値がドル安によって減損する危険性についても何度となく指摘されてまいりました。外貨準備は政府の信用によって発行された政府債務、つまり負債と一体でありまして、外貨準備が毀損すれば政府の負担によって負債の処理が必要となるおそれがございます。こうした視点から、外貨準備について政府はどのような基準によって積み上げているのかが伺いたいんですね。
 米国債の残高は四・三兆ドルございます。そのうち、外国人保有は二・二兆ドル。その中で、日本が一五・三%、中国八・三%、英国五・四%、石油輸出国二・三%、韓国一・六%、台湾一・五%。こう見ますと、対米経常収支黒字と外貨準備はもちろん今中国が日本を上回るんですけれども、官民合計の米国債保有残高は日本が中国を上回っております。
 こういった点について、政府は本当にどのような基準で積み上げていらっしゃるのか、この巨額の外貨準備ですね、お伺いいたします。
#52
○国務大臣(額賀福志郎君) 先ほども若干話があったわけでございますけれども、通貨の安定のために将来為替介入する場合も予想されるわけでございますから、そのために準備を持っているということは当然であります。
 よく輸入の何か月、輸入代金の何か月分かを持てばいいんじゃないかとか、あるいは外国に対する借金もあるわけですから、そういうことに対する支払がきちっとなっていればいいんじゃないかみたいにいろんな説があるそうですが、先ほども申し上げましたように、しっかりと我々は一定の外貨準備を用意しておくということが大切であると。その運用に当たっては、安全性それから流動性というものを最も大事にしながら、為替市場やほかの国債市場に大きな影響を与えることがないように配慮して、きっちりと利益を出すようにやっているということでございます。
#53
○円より子君 今また何かがあったときに介入をするためにとおっしゃいましたが、今全部ドル建てで、ほとんどドル建てで持ってるんですね。例えば、ユーロの場合は金で四〇・七%です。日本って金は一・五%程度しかたしか持ってないと思いますし、インドでも四・二%、ロシアでも四・九、イギリスでも七・一、金を持っています。
 日本ってほとんどドル建てで持ってるわけで、それで介入をするということは、ドルをお売りになるんですか。
#54
○国務大臣(額賀福志郎君) いや、だから、それはどういう状況に、為替の状況によって、為替があんまり混乱をしないように考えるわけでございます。
#55
○円より子君 ドル建てで持ってる外貨準備のあれを売れば、ドルはますます暴落します。そうしますと、先ほど申しましたように、どんどんどんどん毀損していくわけですよね。更なる毀損を呼んで、まるきり日本の財産をなくすということになりませんか。
#56
○国務大臣(額賀福志郎君) ですから、我々も、円が急激な変動があっては経済の安定に支障を来す場合もあるわけでございますので、そのためにそういう外貨準備をしているということでありますから、その状況状況によってどういうふうに対応するかは考えていくわけでございます。
#57
○円より子君 この三、四年はたしか介入一切なさってないんですが、もう物すごい額の介入をその前はやっていらしたんですよね。
 そういう介入のときも、どうも財務大臣等が余り相談に乗っていらっしゃらないような気がするんです。国会での質疑もほとんどありませんし、チェックなしに介入というのはやられてますし、こういう外貨準備の、今の大臣のお話を聞いていれば、なぜ介入をしたり、なぜ外貨準備がこれだけ増え続けて必要なのかということに対しての御認識が、どうも大臣としての資格の点で、資格なんてそういうことを言っちゃいけません、申し訳ありません。大臣としてあんまりよく分かっていらっしゃらないんじゃないかなという気がして、大変不安でございます。
 この私の時間もうなくなってまいりましたけれども、本当に、今外貨準備高からその金額、百兆を超える中から介入をしようということはドル売りだと思うんですが、それでよろしいですか。
#58
○国務大臣(額賀福志郎君) だから、そういうことを、我々が何を幾ら持っていて、こういうことを今やろうとしているとか、やりますとかいうことについては大臣にはちゃんと報告があり、また協議をした中で考えていくことになります。
 したがって、為替の安定のために我々が今の時点でこうする、ああするということを言うべきではありませんが、きっちりと為替の安定のためにはしかるべき措置はとりますということであります。
#59
○円より子君 先ほど介入するためにこれだけの金額を積み上げているとおっしゃいました。その基準についてははっきり分かりませんでした。また、外貨準備の運用は市場へ中立的にやるのが大切とおっしゃっていますけれども、その中立という意味も、巨大な円キャリーファンドが存在していること自体が市場に余計な思惑を引き起こして、市場に非中立的な存在であるということが言えます。
 外貨準備の運用の安全性ということと中立性ということは異なるんだと思いますし、外貨準備高がこれだけあるということを谷垣財務大臣が十分な額だと思いますとおっしゃったように、十分なというのは何に十分なのか全く分からない。この外貨準備の積み上げ、つまり今まで介入によって積み上げられてきたんですが、その介入も、今大臣おっしゃいましたが、国会にもとおっしゃいましたが、事後報告はありますけれども、事前になんか全く、財務大臣も多分よく見ずに判を押していらっしゃるんじゃないかと思いますし、もう少ししっかりと、国会にというよりも国民に見える形で、本当に外貨準備高の積み上げが必要なのかどうか、それから、ドルの毀損によって外貨準備高もどんどんどんどん減ってしまうというようなことをしっかりと私どもチェックしていきたいと思います。
 私の質問、これで終わります。また続いてこの問題させていただきますので、よろしくお願いします。
#60
○尾立源幸君 民主党の尾立源幸でございます。
 額賀大臣、まず、大臣御就任おめでとうございます。私、初当選以来三年とちょっとなんですが、この間、谷垣大臣やまた尾身大臣、そして今度額賀大臣と三人目でございますが、私たちが政権をちょうだいするまで是非一日でも長く大臣をやっていただきまして、政策の深い議論ができるようによろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、所信表明の後半部分、我が国財政の現状と財政運営の基本的な考え方において、大臣は財政再建への取組姿勢について述べられております。そこで、まず財政再建の見通しと具体的な方策についてお伺いをさせていただきたいと思います。
#61
○国務大臣(額賀福志郎君) もうこれは尾立委員御承知のとおり、今の日本の財政事情というのはGDP比一・四八倍の赤字を抱えておりまして、これをどうしていくかということは、国家財政再建が最大の課題であると思っております。ただ、現実、日本の経済の置かれた状況もようやく回復過程になっているという状況でございますから、この経済の立て直し、経済成長もしっかりとさせていかなければならないというのが車の両輪として推進していくことが大事であるというふうに思っております。
 そういう中で、一方で、少子高齢化社会というのがどんどん進んでいる、世界の中の高齢化社会の先陣を切っていて、各国が日本の国がどういうこの人生八十年から九十年代時代の国家の在り方をつくっていくんだろうと注目をしているんだろうというふうに思います。
 そういう中で、私どもは、当面国民の皆さん方が一番関心があるのは、そういう高齢化社会の中で年金だとか医療だとか介護だとか、そういう社会保障制度が安定した形でどういうふうにつくられていくんだろうかということ、それは年配の人も考えているし、あるいはまた、若い人たちも将来の自分の姿を映し出して、自分たちはどうすればいいのかということを考えているわけでありますから、その社会保障制度を安定していくためには相当のお金が掛かると、厚生労働省の試算だと、今は九十兆円ぐらいの金が掛かっているそうですが、二十年後は百四十兆円余り掛かるということでありますから、医療に至っては毎年一兆円ずつ、このまま抑制していかなければ増えていくというようなことのようであります。そういうものをどういうふうに考えていくかということでございます。
 そういう中で、私どもが一番今考えなければならないことは、先ほども円委員からも指摘されましたけれども、負担をお願いする前に、やっぱり国として地方として無駄を省き、そして効率的に国民の税金を使っていかなければならないということ、それをきちっとした上でやっぱり少子化、高齢社会の安定した財源をつくっていくことが大事であるということであります。
 その中で、今我々が考えているのは、二〇一一年に基礎的財政収支、プライマリーバランスを黒字化をしていこうという考え方をお示しをしているわけであります。しかし、この目標もやっぱり、これは経済財政諮問会議の試算でありますけれども、経済もうまくいって、しかも歳出削減もきちっとした上でも、やっとそういうプライマリーバランスが到達できるかどうかという本当に楽観ができない状況であるということになっておりますので、しっかりとこの財政再建を目指して、歳出削減に取り組み、無駄を省く、そういう作業をしていきたい。一方で、高齢化社会の安定した財源を確保して、国民の皆さん方に安心感を与えていくことも併せて考えていきたいと、そういうふうに思っております。
#62
○尾立源幸君 財政再建の必要性については異論がないところでございますが、その前提となる現状認識、将来見通し、財政再建の手段とその効果、こういったことについては様々な意見や考え方があると思います。
 今、いみじくも大臣が厚労省の試算のお話や財政諮問会議の試算のお話もされたように、特に国会審議を経験する中で、財政に関する様々な見通しや試算については与野党が正確な情報と認識を共有することはなかなか難しいと常々私たちは感じております。それは与野党間のみならず、同じ党の中にあっても、財務省、内閣府、厚生労働省などが提示する見通しや試算に対する受け止め方は様々で、これは与党の皆さんの内部においても同じようなことが言えるんではないでしょうかと思っております。
 その原因として、前提条件や試算の方法が十分に公開されていない、これが一つでございます。そして、各省庁間で考え方が異なる、これは二つ目。さらには、限られた時間での審議においては全体像を明らかにすることに限界がある、これは三つ目でございますが、こういったことが影響していると思います。
 そこで、一例としてお聞きいたしますが、内閣府の経済財政モデル、こちらにございますが、これでございますが、これと財務省の後年度影響試算、こちらにございます、それぞれどのような計算を行っているのか、またどのような点が異なるかについて、簡単に財務省、内閣府、御説明をいただきたいと思います。
#63
○政府参考人(齋藤潤君) 私の方から、内閣府の経済財政モデル及びそれを用いました試算について御説明いたします。
 内閣府の経済財政モデル、これは、マクロ経済とか財政あるいは社会保障といったものがそれぞれお互いに影響を及ぼし合うということを踏まえまして、それをモデルの形で組み込んでおります。それを用いまして、様々なシミュレーションを行うということを目的として開発をされております。
 例えば、このモデルを用いまして行われました試算といたしまして、進路と戦略の参考試算がございますけれども、ここにおきましては、例えば基本方針二〇〇六あるいは進路と戦略で示されました改革あるいは歳出削減策あるいは世界経済の状況等についての想定を前提にいたしまして試算を行っております。それによりまして、実質成長率や名目成長率といったマクロ経済の姿、あるいは国だけでなくて地方も含めました基礎的財政収支などの財政の姿、こういったものを内生的な試算結果としてお示ししているところでございます。
#64
○政府参考人(真砂靖君) 財務省の後年度負担推計でございますが、これは直近の予算を前提にいたしまして、その予算の中で採用しております制度あるいは施策、これを前提として、それをそのまま延ばしたらどういうふうになるのかというような推計をしているものでございまして、個々の経費の個別の積み上げ計算というものでございます。
 毎年通常国会に予算の審議の参考資料として出させていただいておりますが、基本的には当該予算から三年ぐらい、例えばこの通常国会でございますと、十九年度予算を御審議していただくために二十年、二十一年、二十二年までの予算が後年度推計をするとどういう姿になるかというものをお示しさせていただいているものでございます。
#65
○尾立源幸君 今それぞれの内閣府と財務省からモデルについて御説明いただきましたが、どこが異なるかについてはお互い言えないですかね、言えますか。簡単にお願いいたします。
#66
○政府参考人(齋藤潤君) 今、私の方から内閣府の経済財政モデル、それから財務省の方から後年度影響試算についての御説明をいたしましたけれども、内閣府の方から見ますと、少なくとも三つの点は違うのかなというふうに思っています。
 一つは試算の性格でございまして、内閣府の場合には改革や歳出削減といった政策努力を前提にしておりますけれども、財務省は今御説明のありましたように、その予算に織り込まれた制度とか施策を前提にして、それが継続された場合の姿をお示ししていると、それが一つ目でございます。それから、二つ目は試算の方法でございまして、私どもの場合には計量モデルを使って試算をしておりますけれども、財務省の場合にはマクロ経済の状況を所与として財政の姿を描いているということかと思います。三つ目は、試算の内容といたしまして、私どもは国の一般会計だけではなくて国全体あるいは地方も含めて財政の姿を試算をしておりますけれども、財務省の場合には国の一般会計の姿についてお示ししているというふうに理解をしております。
#67
○尾立源幸君 異なる点は三つ、明確にお答えいただきましたが、モデルについてはなかなか素人には難しいなと、答弁を聞いただけではよく分からないということでございますが、まだこれらの試算のほかに、厚生労働省の年金財政再計算や社会保障の給付と負担の見通しなどもあります。これらがどのような計算に基づいているのか財務省は理解をされているのでしょうか。また、後年度影響試算にどのように反映されているのかについても御説明ください。そしてまた、厚労省からも御説明をいただければと思います。
 財務省と厚労省、よろしくお願いします。
#68
○政府参考人(薄井康紀君) まず、年金の財政再計算のお話出ましたので御説明をさせていただきます。
 直近の年金の財政再計算、平成十六年でございますけれども、これは国民年金法それから厚生年金保険法の規定に基づきまして、推計の開始時点におきます被保険者数、受給者数あるいは受給者の死亡率等の基礎データ、それから将来推計人口なり労働力率の見通し、それから物価上昇率や賃金上昇率の経済前提といったものを基といたしまして将来の年金給付費等を一年ずつ逐次推計することによりまして、年金財政の収入、支出、積立金等の長期的な見通しを作成しているものでございます。今経済前提と申し上げましたけれども、足下につきましてはその当時、これ平成十六年当時の内閣府の、当時は改革と展望と呼んでおりましたけれども、それの参考試算に準拠して経済前提を置いております。二〇〇九年度以降につきましては一定の年金の方の前提を置いて計算をしているということでございます。
 それから、社会保障の給付と負担の見通しでございますけれども、直近は平成十八年五月に行わせていただきましたけれども、これにつきましては、二〇一一年度までは内閣府の改革と展望、これは昨年の一月の改定の参考試算を基にいたしまして、二〇一二年度以降につきましては二〇〇四年の年金の財政再計算、先ほど申し上げましたけれども、それの前提を基にいたしまして経済前提を置いております。
 その上で、各制度ごとの給付と負担につきまして、年金につきましては平成十六年の財政再計算をベースにいたしまして二〇一一年度までは改革と展望の経済前提を織り込んでおりますし、それから医療につきましては二〇〇六年度予算を足下に一人当たり医療費の伸びを基準といたしまして高齢化、人口増減の影響等を織り込み、また介護につきましてはこの二〇〇六年度予算を足下に今後のサービスの利用状況あるいは高齢化の影響と、こういったものを織り込みまして計算をしているところでございます。
#69
○政府参考人(真砂靖君) 今御説明ありました推計についての活用方法でございますが、御指摘の後年度影響試算におきましては、これは先ほど申し上げましたように先三年間という非常に短い推計でございますので、その直近の予算の施策を前提とした推計ということで、今の少し長目の推計よりは、直近の予算における制度、施策をそのまま反映した場合の推計ということでやらせていただいているところでございます。
 片や我々も先週末、長期推計ということで財政制度審議会に起草委員から出た、これは二〇五〇年までの長期推計でございますが、こういった長期推計では、今御説明のあった社会保障給付の見通し等々を前提に推計をさせていただいているところでございます。
#70
○尾立源幸君 大臣始め委員の皆様も今お聞きになっていただいたとおり、各省府がそれぞれいろんな前提でいろんな数値を出しております。そういうことが何となく分かっていただけたんじゃないかなと思います。よくその細かいところは私も理解できませんけれども、そういった印象はお持ちではないかと思います。
 そこで、提案をさせていただきたいんですけれども、いずれにしてもこの財政に関するこうした様々な見通しや試算について、当委員会として整理された情報を共有すること、あるいは整理した情報を他の委員会に提供することが私は財政再建に関する議論や予算の審議において有用であると、そしてまた国会全体の有意義な議論に資すると思います。
 そこで、委員長並びに委員の皆様に御提案を申し上げたいのですが、今後の議論を深めるために、この財政金融委員会の下に財政に関する諸計算の全体像や内容、前提などを整理するための小委員会を設けてはいかがでしょうか。
 こうした対応は財政再建が喫緊の課題になる中、有意義な取組であると私は思っております。幸い財政金融委員会には、各会派ともそうした問題について専門的な関心を持つ議員が増えており、この際、財政金融委員会の下に財政に関する諸計算の概要、分析、報告する小委員会を設け、しかるべき成果を上げるべく対応していただくことを御提案を申し上げます。委員長においてはよろしくお取り計らいください。
#71
○委員長(峰崎直樹君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議することといたします。
#72
○尾立源幸君 それでは額賀大臣に、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 所信の中で、先ほどもお話によく出てまいります、歳出改革を徹底した上でなお対応し切れない社会保障等に伴う負担増については、将来世代への負担の先送りとならないよう安定的な財源を確保するため、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく本格的な議論を進めてまいりますと、そのようにおっしゃっております。また、例年十二月ごろには税制調査会の答申や政府の税制改正大綱が発表されます。
 私は、実は民主党の方の税制調査会の事務局長をさせていただいております。そういった観点から、税の在り方についてお聞きしたいと思います。
 八月末ごろに各省庁から税制改正要望が提出され、現在は財務省が各省庁からヒアリングをしているところだと思います。私どもも今年初めて、主計局長いらっしゃっておりますが、税制改正要望を含む概算要求というものを各省庁から聞かせていただくいい機会を設けさせていただいております。この中で気付いたことは、各省庁からの税制改正要望には減税見込額が記載されています。こういった見込額の計算について、実は根拠が乏しいのではないかと思うことが多々あったんです。一例を申し上げたいと思います。
 本来、この要望を査定する側の財務省のおひざ元の話でございますが、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入、いわゆるオーナー課税の増収見込額について、財務省は平成十八年度改正における増収見込額を二百九十億円と積算をしていました。その積算根拠は皆様のお手元にお配りをさせていただいております資料の一でございます。
 タイトルとして、平成十八年度改正における増収見込額の積算根拠というものが行っておると思いますが、平年度分プラス二百九十億円の積算方法ということで、損金算入減少額掛ける対象法人数掛ける税率ということで、この基礎となる減少額が百八十六・七万円と対象法人数が五・五万社、税率は二八%と仮定されて二百九十億円という金額が出ておりましたけれども、十月十八日に財務省が発表したサンプル調査の結果、これは資料の二ページ目に付いております。真ん中辺りがそのサンプル調査の結果でございますが、その調査によると、平成十八年度改正の対象法人数は五・五万社ではなくて、約十一・七万社となっており、実際には積算の二倍もの対象法人数だったことがこれでお分かりだと思います。したがって、サンプル調査を反映させると、税収見込額は五百八十億円と倍増します。オーナー課税による中小企業への影響も倍増するわけでございます。
 これについて、大臣の見解をお聞かせください。
#73
○国務大臣(額賀福志郎君) 実態は、今尾立委員がおっしゃったとおり、調査の結果と導入経過だと思います。十八年度改正での制度導入の際は、適用対象の見込み件数は、おっしゃるように五万から六万社ということでありました。この試算に当たっては、同族会社に占める実質的な一人オーナー会社の割合であること、オーナーへの役員給与の額の水準などを見込んだ中で、当時入手し得る最善のデータに基づいて推計を行ったというのが我々の対応だったわけでありますが、おっしゃるように、今度の適用した後の実態を調査するためにサンプル調査を行ったと。特に、十九年の三月決算法人の申告状況を受けて調査したわけでありますが、その結果、十一・七万社が適用対象になったということもおっしゃるとおりでございます。
 これは、今回のサンプル調査の数字と当初の見込みには食い違いがあったことは間違いがありませんが、これは会社法の改正によって法人設立が容易になることを踏まえて、個人事業主が法人成りを行うことによって経費の二重控除が可能になるという問題に対応して、個人事業主との負担の公平を図るための課税の適正化措置としての意義を持っているということについては変わりがないわけであります。ただ、当初の所得金額を八百万円から千六百万円に上げたりしていることもあるわけであります。
#74
○尾立源幸君 見積りが違ったという説明にはなっていないんですけれども、いずれにしても倍の誤差が出ているということで、これはまだいい方なんです。何でかといいますと、我々がしつこく前国会中に、じゃ実際に適用がどのぐらいになるのか年度が経過してから調べてくださいということをきつくお願いしていたからこういうようなサンプル調査をして、倍の差があるということが分かったんですけれども、そういうお願いをしなければ積算の最初のまま議論は進んでいたということでございます。これは、事前と事後のチェックをちゃんとしたからこういうことが分かるということなんですね。
 そこで、委員会への資料要求をちょっとお願いしたいんですが、見積りにすぎないとはいえ、数字に基づいたこういう政策議論をするためには、各省庁から提出されている税制改正要望や現在実施されている租税特別措置の減収・増収見込額の積算根拠についてもう一度精査する必要があると思います。というのは、財務省でさえこの程度なんです。他省庁はどうなんですか、ちゃんと見ていらっしゃるんですか、その根拠は。チェックされていますか、その後。
 そういう意味で、委員会に積算根拠の詳細な資料の提出を財務省に求めたいと思います。
#75
○委員長(峰崎直樹君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議することといたします。
#76
○尾立源幸君 それともう一つ、各論に入っていきたいと思いますが、これまた財務省なんですけれども、資料の三ページ、この資料の三ページは、各省庁から税制改正要望をされるときのひな形と申しますが、記入用紙でございまして、実際に記入されたものでございます。
 そこで、この要望書の中には政策目的を記入する欄があります。真ん中辺りですね、政策目的。例えば、この例で言うならば、適格退職年金制度を安定的に運営することと、こういうことでございます。租税特別措置を延長、拡充する際にはこの政策目的の達成度について検証しているかどうかを財務省にお聞きしたいと思います。
 この財務省が提出した適格退職年金の積立金にかかわる特別法人税の延長要望が、これ、手元にあるものなんですけれども、これまでの政策効果の欄には、これは一番下見てください、これまでの政策効果の欄、そこには減税額が記入されているだけなんですね。平成十六年、十七年、十八年、国税、地方税で合計幾らと、こういう額が記入されているだけで、政策目的である適格退職年金制度はこの租税特別措置で安定的に運営されているかどうかは全く明らかではないと思います。
 大臣、どう思われますか。政策目的というのは額ですか。これまでの効果というのは額のことを言うんですか。
#77
○国務大臣(額賀福志郎君) 租税特別措置というのは一定の政策目的を持って税の軽減措置を講じたりすることでございますから、これは十分に吟味をしていかなければならないことは当然だと思います。したがって、財務省としても、各省庁からそういう要望があって最初にやるとき、それから次年度にやるときはきちっとヒアリングをして、それがどういうふうに使われたのか、どういう、おっしゃるように、政策効果があったのか、それが今後も継続していくことが価値があるのかどうか、そういうことについてはヒアリングの際に当然そういうやり取りがなされているものと思います。
 こういう数字だけが形の上でなされていることについては、これはもうちょっときちっと書いておくべきだろうと思います。
#78
○尾立源幸君 大臣、これはちなみに大臣のところの要望書なんですよね。もうちょっときちっとやっていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、これ何か各省庁のもう既得権益になっちゃっていまして、この租税特別措置というのは、形式的に言ってきたものはある程度通すと、もうほとんど手が付けられてないんじゃないかと、私はこれまでの過去を拝見いたしましてそのように感じております。
 そこで、委員会に要求をさせていただきたいんですが、租税特別措置の中には長期にわたって適用実績のないものもある可能性があります。また、政策効果の疑わしいものもあります。そこで、租税特別措置のこれまでの適用実績と政策効果についても委員会に資料を提出いただきたいと。これは財務省にお願いすればよろしいんでしょうか。委員長、よろしくお願いします。
#79
○委員長(峰崎直樹君) ただいまの件につきましても、後刻理事会において協議をすることといたします。
#80
○尾立源幸君 それともう一点、平成十三年十二月の税制調査会の報告書の中に、その報告書は平成十四年度税制改正に関する答申というものでございますが、この中で、租税特別措置については実質的に補助金の裏返しである、いいですか、実質的に補助金の裏返しであると書かれています。これ、認めているんですね、補助金だということを。これは、租税特別措置による減税を通じて法人、個人に税の恩典を与えることは補助金を出していることと実質的には同じだという趣旨でしょうか。大臣、改めてお聞きしたいと思います。
#81
○国務大臣(額賀福志郎君) 一般的に申し上げれば、補助金というのは特定の事務とか事業に対して国が交付する給付金になるわけですね。もらう方からすれば収入の面から財政支援を行うということになるわけでありますが、租税の場合は、租税の軽減措置とか減免とかで、言ってみれば支出する側から財政的支援を行うということであります。
 それから、租税特別措置の場合は、どちらかというと、一つの政策研究の軽減措置だとすると、特定の企業じゃなくて一定のそういう企業全体、業界全体とか、そういうところで対象者が絞られて、自発的にその軽減措置を受けたいという形で特別措置がなされていくことになるわけでございますから、そこは表と裏から見たような感じで、税と一般会計の違いであって、実態的には、補助金という定義をどういうふうにするべきかということの問題もあると思いますけれども、それぞれの事業あるいはまた企業等に対して、グループに対して一定のインセンティブを与えるという意味では共通のものがあると思います。
#82
○尾立源幸君 いろいろおっしゃっていますけれども、補助金の裏返しというのは表と裏の関係で、もらえるのか、本来払わなければならないものを払わなくて済む、その部分は逆に言うとまけてもらったわけですから、ある意味もらったのと同じわけなんですね。
 特に、租税特別措置に関しましては申告をするときに、補助金の場合は申入れをしてということをおっしゃいましたし、税の場合もちゃんと申込み、ちゃんと税務申告の中で記載をすることでその制度は受けられるようになっておりますから、これは私は全く同じだと思います。ただ、おっしゃるように、個別の企業がだれなのかがよく分からないということだと思うんです。
 そこで、会計検査院にお聞きをしたいと思います。
 補助金など財政援助の交付先は会計検査院の任意的検査対象になっています。税制調査会は租税特別措置は実質的には補助金と同じと言っており、財務大臣も、見方は違うけれども、それに同意をされていると私は解釈しております。また、減税というのも財政援助の一部だと思います。
 会計検査院にお聞きいたしますが、租税特別措置の有効性を検査したり、租税特別措置の適用対象となっている企業に検査に入ることは法律上可能でしょうか。また、これまでに検査に入られたことはありますか。もし検査に入ったことがなければ、なぜ入らないのか、その理由も併せて御説明ください。会計検査院、お願いします。
#83
○説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。
 ただいま先生から御質問ございましたが、三つの点になろうかと思います。まず第一は、租税特別措置の有効性を検査したことがあるのかどうかといった点について。それから二番目は、その適用対象となっている企業にこれまで検査に入ったことがあるのかどうかということ。それから、順序逆になって申し訳ないんですが、三番目として、その適用対象になっている企業に検査に入ることが法的に可能なのかどうかという、その点について整理して申し上げます。
 まず第一点でございますが、私ども会計検査院といたしましては、国の収入を検査する一環として租税特別措置の適用状況については検査をしたことがございます。例えば、簡単に申し上げますと、最近の例では小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例に関する特別措置、それから肉用牛売却所得の課税の特例措置、それから農地等についての相続税の納税猶予の特例措置、それから社会保険診療報酬の所得計算の特例措置などでございますが、これらにつきましては、有効性等の観点から検査を行いまして、その検査状況は十七、十六、十五、最近三か年継続して検査状況を決算検査報告に掲記しているところでございます。
 それから、それらの検査に当たってそれではそれぞれの企業等の納税者に検査をしているのかというお尋ねでございますけれども、これらの検査に当たりましては、税務署等の実地検査におきまして、納税者からの申告書でございますとかその添付書類、そのほかに各税務署が作成しております業務資料などの提出を受けることによって租税特別措置の適用状況等を把握いたしましてこれを分析しているという方法を取っておりますので、これまで適用対象となっている企業などの納税者を検査したことはございません。
 それでは、法的にはどうなのかというお尋ねでございますので、それについてでございますが、租税特別措置につきましては、先ほど先生からも御指摘ございましたように、特定の政策目的の達成を図るための一定要件を満たす場合についての税負担の軽減という措置であると承知しておりますし、このような措置は国からの財政的な支援という点で補助金等と異なるものではないという、そういう御指摘につきましても承知しているところでございます。
 ただ、私ども、租税特別措置にはいろいろな内容のものがございます。したがいまして、会計検査院が検査の対象としてとらえる国からの財政援助に該当するかどうか、それは個々の措置の内容などを総合的に勘案して法律上それに当たるのかどうかということは判断する必要があるというふうに考えておりますので、今までの検査の状況としては、先ほど申し上げましたとおり、企業などの納税者を検査したことはないという状況でございます。
 以上でございます。
#84
○尾立源幸君 検査に入ることは法律上可能だということ、また直接入って租税特別措置による有効性を検査したことはないと。税務署の申告書レベルということですね。
 それでは、また財務省に資料の要求をお願いしたいんですが、補助金の交付先は公開をされています。それは事実ですよね。しかしながら、この租税特別措置の対象となっている企業については全く公開されたことがありません。何でですかね。同じ話なわけなのに、なぜ公開されないのか。
 そこで、租税特別措置の政策効果を議論するためには、どのような企業がどのような恩典を受けているのか分からなければ不可能です。
 プライバシーの問題もございますので、東証一部に上場している企業で結構ですので、租税特別措置が適用されている企業とそれぞれの減税額を委員会に提出していただきますようお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
#85
○委員長(峰崎直樹君) 答えなくていいですか。
#86
○尾立源幸君 お願いします。
#87
○委員長(峰崎直樹君) じゃ、額賀財務大臣どうですか、今の要求に対して。
#88
○国務大臣(額賀福志郎君) そういう個別の企業の租税特別措置の対象の企業について、その政策効果がどうなっているのか、企業がどういう、それによって行動に影響を与えたのか等について知ることは政策効果を考える場合に大事だと思っておりますけれども、企業がそれをきちっと報告ができることが法的に問題がないのか、機密の問題とか企業秘密の問題だとか、あるいは企業行動にどういう影響を与えるのか、そういうことをよく精査した上で、尾立委員の御提案に対してできる範囲で対応できるようにしたいというふうに思います。
#89
○委員長(峰崎直樹君) ただいまの件につきまして、後刻やはり理事会で協議をしてまた決定してまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
#90
○尾立源幸君 ありがとうございました。
#91
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。
 今日は、両大臣に所信表明の中身についてお尋ねをしたいと思っております。
 所信表明の中にも書いてありますけれども、先ほどの答弁にも出ておりましたけれども、財政再建が必要だと、そのためには様々な歳出削減改革を行って無駄を省いていくということを述べられておりますし、先ほども御説明ございましたけれども。無駄を省くというふうに書いてあるんですが、おっしゃっていらっしゃるんですが、無駄というのはおありになるんでしょうか。
#92
○国務大臣(額賀福志郎君) 今、無駄を省きというのは、やっぱり今までいろいろな予算を使ってきて政策効果がどの程度に上がっているのか、時代の変遷、あるいはまた環境の変化によって最大的な効果を上げる予算の使い方、そういうことを考えた場合に、おのずと費用対効果というものが生まれてくる場合があると思っております。
#93
○富岡由紀夫君 昨日、前防衛事務次官の証人喚問がありまして、本当は防衛庁時代のお話も聞きたいんですが、それはあえてお尋ねしないんですが、一般論として、こういう省庁、役所と民間の業者がこういう癒着をしている、接待攻勢を掛ける、これは国民の税金を扱っている立場といたしまして私はかなり無駄が生じているんじゃないかと思うんですけれども、その点に対する御認識はどういうふうにお持ちでしょうか。役所と業者との癒着、接待攻勢ですね、そこに無駄が発生するかしないか、どういうふうにお考えなのか、お尋ねしたいと思います。
#94
○国務大臣(額賀福志郎君) ですから、行政を的確に行っていく、あるいはまた的確な政治判断をしていく場合に、やっぱりきちっとした実態の在り方、あるいはまた情報というものをきちっと把握していくことは、効率的、合理的な仕事をしていく上に不可欠であると思います。
 したがって、その手法、やり方ですね。やっぱり役所としては、自分が担当している、例えば農林省であれば農業の方あるいはまた食品会社の方、それぞれ、国交省であれば運輸関係の業者あるいはまた建設関係の業者、そういうものを的確に把握するために、しかるべき透明性を持った形できちっと状況を把握していくことは大事なことであると思っております。
 そういう中で、守屋次官のように、そういう、ゴルフをしたり、接待を受けたり、そういうことは、それはあるまじき行為であるというふうに思います。
#95
○富岡由紀夫君 なぜあるまじき行為なんですか。
 具体的に申し上げますと、ゴルフのお金を、ゴルフ代を、プレー代とかいろんなプレゼント代とか、そういったお金が多分業者の側からとすると支出として出ているわけなんですけれども、そのお金はなぜ出すんだというふうにお考えですか、一般的に。
#96
○国務大臣(額賀福志郎君) それは本人に聞いてみなければ分かりませんけれども、私が言っているのは、状況把握、実態を知るためには、ちゃんとある政策目的を持って、しかもなおかつ、役所なら役所に呼んで状況の報告をさせるとか、そういうことのやり方が適切だろうというふうに思います。
 したがって、ゴルフに行ってどうのこうのということは、それはプライベートな時間であるけれども、かかわり合いのある業者と誤解を与えるようなことがあってはならない。しかもなおかつ、昨日の証言から見れば、長い間そういうことが続けられていて、公務員倫理規程にも違反をする、国民の理解を得ることがとてもできない、そういう意味で私はあるまじき行為であるというふうに言いました。
#97
○富岡由紀夫君 ちょっとお尋ねしたのは、プレー代を持ってあげたり食事代を持ってあげたりするのは、なぜそういうことを業者がするのか、どういうふうに御認識されているのか、ちょっとお尋ねしたんですけれども、その点についてお答えいただいてなかったんですけれども、もう一度改めて端的に、簡潔にお答えいただきたいと思います。
 なぜそういった形で業者がプレー代を持ったりするのか、役人に対して接待をするのか、負担をしながらやるのか、お伺いしたいと思います。
#98
○国務大臣(額賀福志郎君) それは、当事者ではない私がコメントすることではありません。
#99
○富岡由紀夫君 お答えいただけないんですか。
 多分、何か見返りがあるために、見返りを目的としてそういうことをしているんじゃないんですか。ただ単に慈善事業として役所の人に、役人の方に接待したり、いろんな供与、いろんな贈物をしたりするんですか。それがどうしてそういうことが行われるかというのは、全く当事者じゃないから分からないというお答えでよろしいんですか。
#100
○国務大臣(額賀福志郎君) それは、倫理規程からいってもそういうことがあってはいけないことであるというふうに思います。
#101
○富岡由紀夫君 何で倫理規程があるんですか、それでは。
#102
○国務大臣(額賀福志郎君) それは、だからお互いに行政が利害関係のことでゆがめられてはいけないと、そういうことであります。
#103
○富岡由紀夫君 じゃ、財務大臣ですから財政的な観点でお答えいただきたいと思うんですが、そういった癒着が行われると、国の予算の使い方、先ほど申しました無駄遣いがあるのかないかという観点でいうと、そういったところに無駄というのは発生する余地はないとお考えですか、それともそこから発生する可能性もあるんだとお考えなのか。その辺の財務大臣としての財政的な面からその癒着についての、何というんですか、マイナス面、あればお答えいただきたいと思いますけれども。
#104
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、具体的な事象があってこういうことが起こっているということであれば分かりやすいけれども、常識的には行政マン、政治家はそういう業界と利害関係でお互いに行政をゆがめてはいけない、政策をゆがめてはいけないというのは当たり前のことであります。
#105
○富岡由紀夫君 ちょっとお答えいただけないんで申し上げますけれども、なぜそういう接待をするかというと、当然業者としては見返りを求めて、経済的なリターンを求めてやっているんだと思うんですよね。そうしなければ、先ほど言いましたように慈善事業を役人に対してしているようなものですから、そんなことはあり得ないと思います。民間の会社でも、接待するときにはちゃんと、仕事を受注したいとか商品を買ってほしいとか、そういった目的があって接待しているわけなんですけれども、そういった目的を持って役人に対してやっているわけなんです。
 そのお金というのは、出したお金のところは、仕事を受注することによって元が取れると踏んで多分いろんな接待をされているんだというふうに思いますけれども、そういったことになるとどういうことかというと、本来であれば、価格に、安い価格で発注できたものを、その接待費まで上乗せして多分契約をして、その分はちゃんと元を取っているというふうに考えるのが普通なんですけれども、ということはどういうことかというと、国民の税金が無駄に使われているということに私はなっているんだというふうに思っておりますけれども、その点に対して大臣のお考えはいかがでしょうか。
#106
○国務大臣(額賀福志郎君) それはだから、私も防衛庁長官時代に施設庁の事件とか調達本部の事件があって、そういうのは無駄なお金が使われたと同時に、それは役人として、これは犯罪行為でありますから、そういうことが再び起こることがないようにきちっと綱紀を粛正し、そしてチェック機関を設けて組織の再編成を行ってきたりしたわけでございます。
#107
○富岡由紀夫君 ちょっと、本当はもっとお伺いしたいんですけれども、時間がないんであれなんですが、是非今度財務大臣という立場で、そういった業者との癒着というのは国の税金の無駄遣いにもつながっているんだと、本来であれば安い価格で発注できるものを、接待費、ゴルフ代を上乗せして発注しているということになっておりますから、その点も踏まえて厳しく各省庁の監督をお願いしたいというふうに思っております。
#108
○国務大臣(額賀福志郎君) それは当然のことで、入札とか随意契約においても、それは透明性、競争性を発揮してできるだけ合理的にそういうことがなされていかなければならないということ、それから役人は、あるいはまた我々も業界とそういう癒着関係をつくることは行政をゆがめることであるということは当然のことであります。
#109
○富岡由紀夫君 額賀大臣は多分そんなことなかったと思いますけれども、防衛庁の長官時代も、守屋次官の自宅に行ったり、いろんな会合に一緒に同席したり、接待の場に同席したり、そういったことはなかったということでよろしいんでしょうか。
#110
○国務大臣(額賀福志郎君) それは、そういうことはありません。ただ、防衛庁でもいろいろ仕事がありますからね。行政マンで、どこかの知事さんと、あるいは市長さんと交えて会食しながら状況報告を受けたりしたことはありますけれども、あとはパーティーか何かありますよね。パーティーというのは、あれですよ、防衛庁なら防衛庁で、何だっけかな、防衛父兄会だとか隊友会だとか、そういうときにOBの人とか来られて、そういうときには僕も大臣として参加をしたりしてあいさつをする、そういうことはあります。
#111
○富岡由紀夫君 是非しっかりとちゃんと国民に説明できるような接し方をしていただきたいなというように思っております。
 ちょっとこの所信表明について詳しくまたお伺いしたいと思うんですが、今日の新聞で、昨日、国税庁が法人申告所得額、直近一年の、発表されました。それによると、所得額は過去最高の五十七兆円だということで非常に景気がいいということを結果として出しているんですけれども、ただ黒字の企業の割合というのはまだ三割ぐらいしかないということで、バブルのときはまだ半分ぐらいが黒字企業だったのに、今回の景気回復局面は、史上最高の利益を上げておきながら、黒字企業というのは三割しかないと、この違いはどこにあるのか、どのようにお考えなのか、財務大臣としてお考えをお示しいただきたいと思います。
#112
○国務大臣(額賀福志郎君) 私も実態的にきちっと分析をしたわけではないけれども、どうも大企業の製造業は元気がいい、収益がいい、しかしどうも中小企業とか非製造業部門というのはなかなか元気が出ない。じゃ中小企業がどうして元気が出ないのかということについては、やっぱり一つは、本当に中小企業が競争力を持つためには生産性を上げていかなければならない、生産性を上げていくためには、技術力だとか商品開発力だとか、そういうものができなければ人件費を抑えていくしかないということでございますから、そういうところにやっぱりまだ日本の経済が正常な姿になっていないところがあるというふうに思っております。
 したがって、これから、大企業中心ではなくて、中小企業もきちっと価格転嫁ができて波及が及んでいくような形をどうしてつくるかということ、もう一つは、やっぱり設備投資とか消費とか、そういうものがうまく回転をしていくためにはどうしたらいいのか、消費をどういうふうに拡大をしていくのか、そういうことも含めて政策を考えていかなければならないのではないかという思いがいたします。
#113
○富岡由紀夫君 今お答えいただいた内容なんですけれども、中小企業に景気の波及効果を、実感を味わってもらうと、景気の回復を波及させるには考えていかなくちゃいけないというんですけど、今どのようにお考えなんですか。全く手付かずの状況なんですか。中小企業に対してもそういった景気回復の恩恵を持ってもらうようにするための政策、具体的な政策、今どのようなものを持っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#114
○国務大臣(額賀福志郎君) そうですね、大きな眺めで大局観から見れば、やっぱり企業の空洞化で汎用品的な物づくりは全部海外に移転をしてしまった。地方にもやっぱり企業の誘致をしてもなかなか出てこれない。元気がいいのは、やっぱり自動車産業だとか液晶テレビだとか、そういうところの企業が配置されているところが元気がいいことでありますから、もうちょっとそこのところを、個別に従来の中小企業政策を延長するのではなくて、世界の中で日本の中小企業がどういうふうに生きていくことができるのか、人材育成、技術力、そういったことをやっぱり総合的に考えていく必要があるのではないのか、日本のリーディング産業は何なのか、そういうことをひとつ考えていくことが大事であると思います。
 もう一つは、やっぱり地方の活性化に伴うことと、それから国民の生活の安定をするという意味で、教育だとかあるいはまた医療だとか福祉だとか、そういうところに、行政サービスだけではなくて、やっぱり産業化をしていく中でそういうものが地域の中で生かされていく道はないのか、そういうことを考えていくことが大事なのではないのか、そういうためにインセンティブを与えていく必要はあるのではないかというふうに思います。
#115
○富岡由紀夫君 ちょっと具体的な中身がお答えいただいていなかったんですけれども、中小企業、先ほどちょっと具体的な話あったのは、人件費を抑えるような効率的な努力をしてくれと、若しくは技術改革によって生産性を上げるんだというお話ありましたけれども、そういったことが、中小企業といっても二百今五十万社ぐらいありますから日本全体で、そういった企業、日本全体の企業に対してそういったことを要望して、本当に中小企業がそれによって、景気のまだ回復の実感を持てていない状況から脱せるというふうにお考えですか。
 すべての企業に対して、厳しい厳しいと今非常に厳しいという声が大きくなっているわけなんですけれども、それに対して更にもっと人件費を下げろと、効率化しろと、生産性を上げろと、効率化をしろと、そういうことをおっしゃって、それによって中小企業の景気が回復するというふうにお考えなのか、お伺いしたい。改めてそこの点だけに絞ってお伺いしたいと思います。
#116
○国務大臣(額賀福志郎君) いやいや、人件費を下げろとは言っていないんですよ。いや、生産性を上げていくために、競争力を維持するために、生産性をいろいろ技術革新等で上げるか、やむを得ず人件費を下げざるを得ないような状況になっているからやっぱり元気が出ていないという話をしたわけでございます。
 だから、やっぱり今の日本の経済は構造転換の真っただ中にあるわけでございますから、我々もそういう中小企業の生きるべき道というものについて、人材育成だとかITの革命だとか、様々な分野でインセンティブを与えながらこれをやっていかなければならない。現実的に、新しい企業が生まれるよりは廃業する数の方が多いということでございますから、そういうものをどういうふうに打破をしていくのかということは重大な政策課題であるというふうに思っております。
 したがって、経済は、やっぱりすべて我々がかゆいところにまで手を届かせることが本当に経済の活性化になるのかどうか。インセンティブを与えて呼び水的な政策をしてやることの方が大事なんだろうと、こう思います。したがって、中小企業の皆さん方もやっぱり自らの問題として、これはきっちりと企業の改革あるいは人材育成、技術革新等について臨んでもらわなければならないというふうに思います。我々が全部お抱えでやれるわけではないというふうに思います。
#117
○富岡由紀夫君 基本的には自己責任でやってくれというふうに聞こえるんですけれども、技術革新、人材育成しろといいましても、それに対応できる企業というのは私は限られていると思うんですね。ほとんどの企業は今汎用品は海外で生産していると言っていますけれども、日本の企業でもまだほとんど汎用品を作っている企業は一杯あります。そこの中で生産性を上げろといったって、できないところがもう一杯あるんですね。それにもかかわらず、そういったものを技術革新せいというふうに言っても、無理なことを言っているようにしか聞こえないんですね。ですから、それではいつまでたっても実効性のある景気回復にはならないんだと私は思っております。もっと例えば消費全体を活性化させるような具体的な政策を、お考えをお示しいただけるのかなと思ったんですけれども、そうじゃなかったので非常にちょっと残念に思っております。
 それと、なぜ今中小企業が余り、これだけ大企業が景気がいいのに中小企業が利益を上げられないかという理由の一つとして、私は、企業の努力、今言ったような技術革新しろとか人材育成しろとか生産性上げろとか、そういった企業努力だけでは及ばないところに原因があるんじゃないかなと私は思っております。具体的には、もうみんな一生懸命企業が、勝った企業と負け企業ありますけれども、そこは企業のそういった総合力というよりは、価格決定権を持っている企業とそうでない企業、具体的に言うと発注元と下請企業、この差だと私は思っているんですね。ですから、そこは企業が幾ら努力しても、同じ業界のレベルで、中小企業のレベルであればみんな一生懸命そこそこ努力していると思うんですけれども、ただ、親元と下請企業、若しくは材料の納入企業、そういったところの価格決定権を持っているか持っていないかによって差が付いてしまっているというのが今の日本の構造的な一番の問題点だと私は思っているんです。
 ですから、そこのところを根本的に改めないと、一生懸命、日本全体の景気が良くなったといっても、一部の企業だけが利益を上げて、ほかのところはみんな犠牲者になっていると。中小企業もそうだし、若しくは大企業で働いている従業員もそうですね。人件費を抑制させられて厳しい、賃金を下げられて厳しい労働を強いられている。それで利益を上げているということで、この姿が決して私は美しい、安倍さんが言っていましたけれども、美しい日本の姿、日本の美しい景気回復の姿とは思えないと思っているんです。ですから、その今の構造的な問題点を是非解決できるような施策を考えていただきたいなと私は思っております。
 なぜこういうふうになったか、本当はいろいろとあるんですけれども、具体的には、これ金融庁の方にも関係あるんですけれども、株主の権利が強くなり過ぎて、短期的な収益を企業に求め過ぎている。その結果、企業のリストラ、過剰なリストラをやったり、下請企業に対する価格の抑制をしたり、そういったことが起きているんじゃないかなと思っております。
 一生懸命上げた利益がどこへ行っているかというと、みんな配当金という形で株主とか、役員報酬という形で役員に行ってしまっているんですね。会社が栄える、日本の景気を良くする、経済を良くするというのは何のために大臣はやっていらっしゃるか、お考え後で教えていただきたいんですけれども、私は、やはり日本の国民を豊かにするために日本の経済というのは成長しないといけないと、会社も利益を上げないといけないと思っているんですが、今は全く本末転倒で、日本の国民がないがしろにされていて、その犠牲の下に一部企業のところが利益を上げている。株主が配当金を受け取っている、若しくは役員が役員報酬をかなり多額な金額を受けている、そういう状況だと私は思っております。
 そういう状況が、日本の景気を良くする、経済を回復するというふうに言っておりますけれども、決して国民のためになっていないと、本末転倒だと私は思っております。是非その点をしっかりと御認識をされていただいて、本当に国民のためにはどういった景気回復がいいのか、経済の成長が望ましいのか、是非考えていただきたいなと私は思っております。そういった意味で、今の景気回復局面というのは決して日本の国民のためになっていないと、こういうふうに思っておりますので、是非その点も踏まえて景気回復のいろんな具体的な政策を取っていただきたいなと思っております。
 ちょっと今の考えについて、御意見があればお伺いしたいと思います。
#118
○国務大臣(額賀福志郎君) おっしゃるとおり、雇用の面、賃金の面等においてやっぱり構造的に問題が出てきているわけですね。
 バブル経済崩壊後、やっぱり学卒でもまともなところに就職ができていない。ニートだとかフリーターだとかが出てくる。だから、私は、そういうところにやっぱり何らかのインセンティブを与えて、きちっとまともな仕事、正社員として仕事ができるような環境づくりをして、若い人たちに希望を持たせなければならない。そのためにどういうインセンティブを与えていくか。これは税金で給料を払うわけにはまいりませんから、どういうインセンティブを与えればそういうことができるのかということは知恵を絞る必要があると思います。そういうことがなされていくことによって若い人たちが一定の所得を得ることができるようになれば消費者対策の一環にもなるし、あるいはまた消費を刺激することにもなるし、そういうことを、賃金をどういうふうになだらかにしていくことができるのかということは一つの課題であるというふうに思っております。
#119
○富岡由紀夫君 時間がないので次の財政再建のお話に移らせていただきますが、二〇〇九年度までに、財源の問題ですけれども、基礎年金の国庫負担割合を二分の一に増やすと。そのためには数兆円の新たな財源が必要だということなんですけれども、その財源はどのようにお考えなのか、現時点で分かる範囲でお答えいただきたいと思います。
#120
○国務大臣(額賀福志郎君) 二〇一一年までにプライマリーバランスをきちっとするということでございまして、ようやく……
#121
○富岡由紀夫君 いや、年金のこと、年金。年金、二〇〇九年の年金。
#122
○国務大臣(額賀福志郎君) 二〇〇九年の、例の二分の一ですね。
 二〇〇九年の年金の国庫負担を二分の一に、三分の一から二分の一にするということについては、これは消費税も含めた形で安定した財源をどうしていくかということで議論をしたいというふうに思っております。
#123
○富岡由紀夫君 今、二〇一一年のプライマリーバランスを黒字化させるというのと、二〇一〇年代半ばには安定的に財政再建ができるようにするという話なんですけれども、その中で消費税の果たす役割をどの程度考えていらっしゃるのか、追加的に教えていただきたいと思います。
#124
○国務大臣(額賀福志郎君) いや、これから議論をしていくことにします。それから、与党としても今お互いに議論を始めたところでございます。と同時に、これは与野党ともに共通の国家的な課題であると思っておりますから、この国会の場でも議論をしていただいて、そして民主党とよく議論をし、すり合わせをし、国民の安心をつくるために安定した財源をつくっていくためにどうしたらいいかということの議論をしていくこと、協議をしていくことが大事であると思っております。
#125
○富岡由紀夫君 先ほど二〇〇九年に基礎年金の国庫負担を二分の一にするのにも消費税を考えていくというお話だったんですけれども。
 あともう一つ、経済財政諮問会議の中で議論されたという報道を聞いているんですが、プライマリーバランスを二〇一一年に黒字化するためにも今頑張っているんですけれども、それが成長率が当初予定していた三%じゃなくて二・二%に下がったときには、更に追加的な増税として六兆六千億円、六・六兆円の追加的な税収増が必要だというふうに議論されたと聞いております。それも消費税で充てるとすると、やはり二%から三%ぐらいの消費税の引上げが必要だというふうに議論されたというふうに報道されているんですけれども、この点をどのように財務大臣は考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。展望だけじゃなくて、具体的な行動が見えるようなお答えをいただきたいというふうに思っております。
#126
○委員長(峰崎直樹君) 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
#127
○国務大臣(額賀福志郎君) これは先ほども言いましたように、我々与党の中で消費税も含めた形でどう対応していくかを議論したいと。消費税だけを取り上げて、消費税ばあんといくんではなくて、法人税とか所得税とか全体的な枠の中でどういうふうに安定した財源をつくるかということでございます。
#128
○富岡由紀夫君 終わります。
#129
○委員長(峰崎直樹君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十一分開会
#130
○委員長(峰崎直樹君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 理事の皆さん方には、遅れないように是非次回からよろしくお願いいたします。
 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#131
○愛知治郎君 自民党の愛知治郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 額賀、渡辺両大臣におきましては、私自身も公私ともに御指導いただいている関係でございますので大変質問するのに恐縮をしてしまうんですが、諸先輩方からびしっと質問してこいということでございましたので、一生懸命やらせていただきたいと存じます。
 まず、私自身、この委員会にも所属何度かさせていただいたんですが、やはり諸先生方、委員の先生方、非常にお勉強をされておりまして、高度な専門的な議論をされておるんでなかなか付いていくのが大変なんですが、やはり一般国民の皆さんの視点に立って、私自身も分かるように分かりやすい質問、そしてやり取りをさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、まず両大臣から所信的なごあいさつをいただきました。その中で、額賀大臣が、我が国経済は構造改革の取組により長期停滞のトンネルを抜け出し、息の長い景気回復を続けておりますというお言葉がございました。先ほど午前中の質疑でもありましたけれども、景気回復について、日本経済、景気の状況というのをやはり正確に認識しなければいけない。様々な要素があると思うんですが、まずはその言葉の問題ですね。大きな認識というところで、その視点で私は質問をさせていただきたいと存じます。
 といいますのも、国民側にとってみれば、景気の状態、経済の状態が今どうなっているんだろうと。我々は政治家ですから、やはりそういった言葉の表現一つで随分とらえ方が違ってくるということもございますので、この景気回復を続けておりますと、この点についてお伺いをしたいと思います。
 果たして日本経済はどうなのか。イザナギ景気を超えて景気回復をという表現を使われますと、今の日本経済は非常に絶好調の好景気ではないか、景気がいいのではないかというふうにとらえられると思うんです。私自身、イザナギ景気というのを経験して実感をしているわけではないですけれども、多分イメージ的には物すごい好景気だったというふうに思います。ただ、今の状況はそうなのであろうか、景気がいいのか、好景気なのだろうか、その点を、両大臣の御認識をお伺いしたいと存じます。
#132
○国務大臣(額賀福志郎君) バブル経済崩壊をしてから十数年たつわけでありますが、あの当時、設備投資の過剰、それから雇用の過剰、それから債務の過剰、そういう大きなダメージを受ける中で、日本の経済をどう再生させるかということで試行錯誤し、今日に至っているわけでありますが、そういう時代、そのころと比べると、企業の収益も良くなっているということからすると、データ的には景気が良くなっているという表現は間違ってはいないと。
 ただ、その景気がやっぱり国民全体に浸透しているのかということは昔のようではないと。賃金の上昇についても跛行的であるし、あるいはまた、産業構造的にもどちらかというと輸出部門が好景気であって、あるいはまた製造業が好景気であって、非製造業というのはなかなか元気が出ていないと。そういうことからすると、まだ正常な姿ではないと。
 一方でまた、都市と地方とか、様々な分野から見ても格差があるというふうに指摘がされているわけでございますから、景気は良くなってきたんだけれども、これを更に加速させて正常化させるということがまだまだ我々がやっていかなければならないことであると同時に、それが中小企業とか非製造業分野にも浸透していくように様々な政策をつくっていく必要があるのではないか。
 一方で、地域をどういうふうに元気にさせるかということも当面の目標になっていると。しかし、従来型で地方の活気を取り戻すというわけにはまいらないので、新しい視点に立って、それぞれの地域地域が自らの力で自立していく、そういうことを真剣に考えていかなければならない。そのために我々がどういうインセンティブを与えることができるのか、そういうことが問われていることであると思っております。
 したがって、国民全体が景気がいいというところまでは行っていないけれども、あの暗いトンネルは抜け出したと、これから更に景気の上昇を続けていく、成長をきちっとさせていくことが問われているというふうに思っております。
#133
○国務大臣(渡辺喜美君) 十年前のちょうど今ごろ、私が当選をしてまだ一年目ぐらいのことでございました。三洋証券がコール市場でデフォルトを起こしまして、その半月もたたないうちに山一証券とか拓銀が相次いで破綻を見ました。その翌年には長銀、日債銀が破綻をいたしました。ちょうどそのころから失業率が大幅に増加し、残念なことに自殺をする人の割合も大変高くなったわけでございます。まさしく、私の個人的な感覚からいたしますと、金融危機というものが相当日本に深い傷を残してきたなという思いがございます。
 金融サイドの不良債権は、借り手の方から見ますと過剰債務であります。過剰債務があると経済活動はどうなるか。まず前向きの投資ができなくなります。設備やその他、前向き投資ができないわけでありますから、当然生産性が落ちてくるんですね。サービス業であるとお客様が寄り付かなくなったりする。そうすると売上げが落ちるんですね。当然、給料も昔のようには払えなくなる。お客様というか取引相手に過剰債務企業がありますと企業間信用が収縮をしてまいります。そういった過程を通じて経済全体が非常に停滞をしてきたのが金融危機以降の日本経済だったのではないでしょうか。
 過剰債務というのは言ってみれば過剰供給構造とセットになっています。過剰設備とか過剰雇用とかですね、そういうものの一番裏側にべっとりとへばり付いているのが過剰債務なんですね。これがありますと、マインドそのものがデフレ状態に入ってきてしまう。精神のデフレと私は呼んでいるんでございますが、こういう状態から脱却をすることがまず先決だったのだろうと思います。
 金融サイドの不良債権は大幅に改善をいたしました。一方、地方経済を見てみますと、非常に残念なことにいまだに過剰債務に苦しんでいたり、あるいは過剰供給構造の下で延々とデフレが続いていたり、そういった地域や業種がある現実がございます。したがって、こういうところを取り除きませんと、日本全体として本当に景気が回復をしたという感覚にはなかなかならないのかもしれません。
 私の担当ではございませんけれども、福田内閣においては地域力再生機構というものをつくろうと。増田総務大臣が大臣になる前に会議を主宰をいたしましてその大枠をつくり、今、大田大臣がその御担当をされています。こういうものは正に地域の面的再生につながっていくスキームでございまして、金融大臣としてもできる限りの協力をしていきたいと考えております。
#134
○愛知治郎君 ありがとうございました。分かりやすく丁寧に御説明をいただきました。
 もう一点、先ほどの話ですけれども、国民のサイドから受け取る実感なんですけれども、特に渡辺大臣、先ほど破綻し掛かった非常に危機的な状況、それを様々な政策をもって脱却してきたという御発言がございましたけれども、そのとおりだと思います。ただ、破綻を免れただけであって、まだ脆弱であると、これからはしっかりとした政策を取っていかなければいけない。特に金融政策、時間があればその点についても多く聞きたかったんですが、そういった施策も打っていかなければいけない、まだまだだという状況だということを国民にも分かりやすくこれを発信していかなければいけないと私は考えています。
 先ほどのように、景気回復という言葉とイザナギ景気を超えたという言葉を二つ合わせると絶好調のいい景気だと、好景気なんだという誤解を受けてしまうということが問題だと思います。今非常に景気がいいにもかかわらず、実感がない。じゃ、取り残されてしまった。格差の問題というのは確かに是正しなければいけない問題たくさんあります。ただ、何でもかんでも格差であるかと言えば、それはしっかりと精査をした上で適切に対処していかなければいけないと思います。今景気がいい、いいと言われてしまうと、実感のない人はみんな格差で取り残されたという被害妄想的なマイナス思考に陥ってしまう可能性がある。それがまたマインドを冷やしてしまうということの悪循環に陥ることもありますので、表現は是非気を付けて、正確に、国民が不安にならないような表現を使っていただきたいと、これはお願いでございます。
 また、実質上、先ほど円委員からもありましたけれども、国民生活直結している問題として、一般の普通預金、特にですね、普通預金の金利があります。やはりこの今金利の状況で日本経済が正常なのか否か。日銀の政策金利という話もありますけれども、今の経済状態が果たして正常、まともな状態なのか。私はそうは考えていません。まだまだ金利水準低いですし、こういった状況を早く正常に戻さなくてはいけないと思いますが、何となく異常な状態であるにもかかわらず、それに慣れてしまってこれは当然じゃないかという感覚に陥るのが一番怖いと思います。その点で現状認識を、金利の点も含めて副大臣にお伺いをしたいと存じます。
#135
○副大臣(遠藤乙彦君) 委員御指摘のとおり、確かに今低金利、国際的にも非常に低い水準にあるかと思っております。普通預金でも今〇・二%、それから定期預金で〇・三五%、それからいわゆる長期金利でも一・六二%でございまして、国際的にも確かに低い水準にあることは間違いないわけでございます。
 ただ、こういった金利の水準は、国内の資金需給といった様々な要因を反映をしまして、最終的には市場で決まるものでございますけれども、最近の低金利の背景としては、例えば消費者物価がずっとこの近年ゼロの近傍で推移してきていると。例えば二〇〇五年に至るまでの七年間、消費者物価、対前年度比ずっとマイナスが七年間続いてきておりまして、やっと二〇〇六年に至りましてプラス〇・二という数字になったわけでございますけれども、こういったことがこのいわゆる物価上昇率のインフレ期待がちょっと低いというところにあるかと思っておりまして、こういったことが低金利の背景にあるかと理解をいたしております。
#136
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 私自身、両大臣に関してもそうですし、今副大臣の御答弁もお伺いして、しっかりと現状認識をされておると思っておりますし、また信頼もしておりますので、是非その点では分析をした上で冷静な対処をこれからもしていただきたいと存じます。
 いずれにせよ、その金利の問題、もう時間がなくなってきましたので、金利の問題、正常に近づけていかなければいけないという認識の下、ただ一点、現在のこの低金利、財政の視点から見ると確かに金利負担が抑えられるという点で歓迎されるべきですけれども、先ほど申し上げたように、正常に近づけばこれは実際財政面でも厳しい局面を迎えざるを得ない。徹底的な歳出改革、財政構造改革を断行していかなければいけない。もちろん大臣もプライマリーバランス、二〇一一年までに黒字化するという断固たる姿勢で臨むと思うんですが、様々な手法をやはり取っていかなければいけない、この点については私自身も多くの議論をさせていただきたかったと思ったんですが、時間がもう来てしまいましたので、一点だけ、歳出の無駄をなくすというテーマについてお伺いをしたいと存じます。
 副大臣にもちょっとこの点で深めたかったんですが、せっかくですので大臣に、午前中の議論でもありましたけれども、私自身防衛庁時代に大変お世話になりました。その中で、無駄遣いというテーマが今日出たんですが、やはり無駄遣い徹底的に省いていかなければいけないと思います。
 そして、あのときもそうでしたけれども、今まあ疑念が抱かれているのは残念に思いますけれども、税金を食い物にするようなこういった無駄遣い、これはもう徹底的に、言語道断で徹底的に改善をしなければいけない。あのときにも経験しましたけれども、施設庁の問題ありました。徹底的に改善をするということで施設庁を解体し、様々な面で見直しを行い、また組織もつくりました。大臣直轄の防衛監察本部ということで、内部監査、徹底的に政治の側からもチェックをするということで、内部には評判悪かったんですけれども、これはしっかりと取り組むということで、大臣の御指示の下、実績を上げてきた。また、歳出の無駄遣い、一般的な無駄遣いに関しても、例えば陸海空、あれは自衛隊のときですから、陸海空ばらばらに調達していたものも一括調達をして効率化を図る、また、まとめ買いをすることによって削減をしていく、これは大臣の指示によって私自身も汗をかかさせていただきました。
 こういった取組を各省庁がすべて徹底的に国民の視点に立ってやっていくことがこれから必要だと思うんですが、そのときに是非、あの当時取り組んでこられたことを、今財務大臣になっていることですからお願いをしたかったんですが、各省庁がそういった取組をしたときに、私自身が実感をしておるんですが、一生懸命やったけれどもだれにも褒めてもらえない。だれにも認めてもらえない。財務省にも認めてもらえない。これだとインセンティブ働かないんですね。せっかくこういった取組、中で本当に血を流しながらけんかをしながら削減努力をしたにもかかわらず、何にも実績として認められないということであれば、これはやる気も出てきません。是非、財務大臣の視点から、各省庁のそういった削減の取組にインセンティブを働かせるような政策を取っていただきたいと思いますけれども、その点、見解をお聞かせいただきたいと存じます。
#137
○国務大臣(額賀福志郎君) 私も長官時代、愛知政務官には本当にお世話になって、ありがとうございました。おかげさまで、防衛庁の省昇格とか防衛庁内の改革ができたと思っておりまして、愛知先生ならではの説得力でいろいろと御協力ありがとうございました。
 さて、その歳出削減、無駄を省くということでございますけれども、おっしゃるように、やっぱり努力すればそれが認められる、報われる、それが次のやる気を引き起こす、これはもう人間心理として当然のことだと思いますから、そういうことを基本にして、どういうシステムがつくれるか、ちょっと考えてみる必要があると思いますね。
 これは、各省庁の予算もそうだし、あるいは地方と中央との関係もそうですよね。地方で一生懸命努力をしたにもかかわらず、じゃ、見込み収入、支出が減ったんだから、見込み収入が減ったんだから、じゃ交付税減らしますよということでは何もインセンティブが働かないわけですから、そこはひとつ提言としてよく受け止めて、どういうやり方があるのか研究する価値があるというふうに思います。ただ、じゃ、そういうことを見越して、要求額を多くしておいて相当削りましたよという程度の話では困りますね。そこはよく精査をして、いい仕組みができるかどうか考えたいというふうに思います。
#138
○愛知治郎君 御期待を申し上げておりますので、是非びしびしとやっていただきたいとお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。
#139
○田村耕太郎君 今日は、財務大臣と金融大臣に各々、所信表明的な演説の中から、財務大臣には国有財産の有効活用の話、主にですね、金融大臣には我が国金融市場のグローバル化の話、これ非常に国民のこれからの生活にとって、そして税から年金、そして将来の日本経済の競争力、ここまでわたる大きな話ですから、しっかりと両大臣のお言葉で思いを述べて、日本国内に、国民に、そして世界にシグナルを送っていただきたいと思います。
 まず、金融市場のグローバル化の話から金融大臣にお伺いしたいと思います。
 渡辺大臣の下で前政権まで私も政務官として金融庁の中で、また山本前大臣の御指導をいただきながらグローバル化の話進めていきました。最初は、これいいことだからやろうと、大臣が午前中言われました、金融行政もブレーキばっかり踏まずにアクセル踏んでいこうよと、ギアチェンジの時代にあるんでいいことやっていこうということで始めたんですが、その後、私がグローバル化のPRでアメリカ、ヨーロッパ、アジア行かせていただきまして各国の状況を見る中で、いいことだからやろうというのから、もう本当に危機感を持って取り組まねばならないと、これもうこのチャンスを逃したら本当に置いていかれると。それぐらい金融はすごいスピードで変わっていますし、日本の競争力というのは金融に限らず製造業でもかなり落ちている。
 例えば、先ほど愛知先生の話で経済の話が出ましたけど、これからやっぱりグローバルに戦える企業じゃないと、その企業をたくさん持っている国じゃないと、なかなか経済というのが安定的に成長しないと思うんですね。日本の製造業を見てもトヨタぐらいしかないわけです、グローバル・マーケット・シェアでトップファイブに入るのが。もう既にそんな状況で、ほかの製造業を見てみますと、山東省とか大連とかの中国の製造業を見てみますと、もう日本の製造業に負けないようなチームワークと勤勉性を持った人たちがしっかり取り組んで、技術レベルももう研究開発のレベルも上がっているわけですね。これ、もう金融でしっかり食っていく、稼いでいく、日本の中にあるお金を働かせてしっかり稼いでいくということが必要になってくるわけです。
 そのグローバル化の議論の中でいろいろやりました。金融庁自身も変わらなきゃいけない。検査監督体制の見直し、人材の更なる育成強化。東京証券取引所も変わらなきゃいけない。空港から都市インフラまで、これも改善していかなければならない。
 この中で私が一番思ったのは、プレーヤーなんですね、日本の金融機関ですよ。本当にやる気があるのかということですよね。十年間任せてきましたけど、何をやったんだと、世界と戦える準備をしたのかと。ボードミーティングを英語でやっている会社がどれだけありますかと、外国人の取締役や外国人の有能な人材をしっかり引っ張ってくるようなインセンティブの報酬体系をしているところがありますかと、これもうずっと言いたかったことなんですね。
 ですから、大臣に、同じ問題意識を共有していただいていると思いますが、我が国金融機関のグローバル化、これ一番遅れていると思うんですね、グローバル化の課題の中で。これどのように、いつまでにどうやってしりをたたいて実現していくか、是非大臣の決意と計画をお聞かせください。
#140
○国務大臣(渡辺喜美君) ついこの間まで私、金融副大臣をやっておりました。そのときの大臣政務官が田村委員でございまして、私が副大臣を辞めた後に、今御指摘のように、ミスターグローバル大使として世界じゅうを駆け巡ったエピソードを聞きました。何と、田村耕太郎なる人物は日本よりも海外で有名だという話も聞きました。フィナンシャル・タイムズにもその紹介が出されて、欧米のプロに聞きますと、みんな田村耕太郎という名前を知っていると言うんですね。それぐらいに一生懸命PR活動をしていただいたものと思います。是非そういう活動は引き続き日本市場の競争力強化のために行っていただきたいと思います。
 今、私が福田総理から指示を受けましてやっております仕事の大きな一つが正に国際競争力の強化プランでございます。金融審議会においていろいろな議論をやっていただいております。その中の一つが、田村先生が非常に一生懸命取り組んでこられたプロ向け市場の導入でございます。
 これは、各取引所が必死の生き残り作戦の中でそれぞれのゲームプランをお書きになっているんだと思いますが、こういうプロ向け市場というのが残念ながら日本には非常に少なかった。こういう市場を育てようという発想が余りなかったんだろうと思います。したがって、これはまさしく喫緊の課題の一つとして取り組んでいかなければならないと考えております。金融資本市場競争力強化プランを策定する中で、ホールセール市場での自由度を確保、拡大をし、プロに限定した取引の活発化を図るための方策について目下検討をしているところでございます。
#141
○田村耕太郎君 是非頑張っていただきたいと思うんですね。
 例えば、もう日本の金融機関には委員会等設置会社を義務付けて、本当に株主の声が届くようにする、執行側に。ちゃんと株主の声に応じて経営をしないなら経営者に交代をしてもらうと。それぐらいの、法務省と一体となって、会社法とか、また新たに公開会社法みたいなのを作られてもいいと思いますし、取引所に取引所規則みたいな形で、上場している金融機関にはそういうものを義務付けるとか、それぐらいしりをたたかなきゃいけないんじゃないかなというような気がします。
 もう先ほどのエピソードをちょっとだけ話させていただきますと、ロンドンに行ったとき、ボストンに行ったとき、例えばボストンのアルマーニですね、金融の人が五百万円のスーツ買っていたんですね。スーツで五百万ですよ。僕はスーツ好きなんですけど、五万円以上のものは着ないようにしているんですけど。五百万あったら、普通もう車買いますよね。そういう人がいるわけですね。ネクタイ一本十万円なんかがロンドンのハロッズで売れているわけですね。中級のホテルに泊まっても、もうロンドンは十万円。今や世界で最も高価なものが売れる都市は、上からモスクワ、上海、ムンバイ、ドバイと、そのあとロンドン、ニューヨーク、パリというような形で、世界のマネーの動きや金融市場のスピードの変化が非常に激しくなっていますので、是非頑張っていただきたいと思います。
 そういう中で、私も今でもいろんな大学とか証券会社とかセミナー会社に依頼されましてグローバル化のPRをやっているんですけど、その中で、海外から日本に投資しようかなと思っている投資家に話してみますと、びっくりすることは、イメージが大事だというのを非常に感じます。これは当たり前といえば当たり前なんですけど、細かい数字よりも、日本のマーケットがどのように変化しようとしているのか、シグナルを送れるかどうか、これがまあ大きいなと思いました。ちゃんと説明すれば非常に関心を持ってくれる、ちゃんと説明してないからなかなか関心を持ってもらえない。
 例えば、今、中東マネーというのが非常に注目を浴びています。なぜかといいますと、中東マネーというのがテロの関係でロンドンやニューヨークでは非常に差別的な扱いを受けていまして、行き場をなくしているわけですね。ひとつアジアをターゲットにしようかと考えている中で、一生懸命やっているのが残念ながらシンガポールとマレーシアですね。テレビのスポット広告も打つ、そして中東でいろんなセミナーを開いたり、PRの機会をどんどん設けたりして売り込んでいる。ところが、日本は顔が見えない。ですので、大臣が言われたように、これからはもうPRがすごい大事になってくると思うんですね。
 どうでしょう、大臣。前の大臣をやられたときに地域伝道師みたいなのをやられていましたけど、グローバル化伝道師みたいな形で、PR大使をつくって任命して世界に発信していって、例えば、もう金融グローバル化ですから金色のスーツを着せて何かPRするとか、もう本当に世界に対して日本も変わるんだと、日本の金融は変わるんだというシグナルをしっかり送れるような具体的なプランを作っていただきたいと思うんですけど、大臣、いかがですか。
#142
○国務大臣(渡辺喜美君) 大変面白い御提案ですね。確かに、私ついこの間まで地域活性化担当大臣というのをやっておりました。その中で、お宝発掘応援隊のカリスマ的な人には地域活性化伝道師なる称号を賜って、私が自費で作った和紙に認定証を書いて、差し上げて頑張ってもらったわけでございます。日本マーケットのPR伝道師をつくるというのはいいですね。これちょっと考えてみたいと思います。
 何といっても今、世界じゅうのマネーが、それぞれの取引所の時価総額の伸び率を見ていますと、どういうところに集まっているかがもう一目瞭然なんですね。残念ながら我が日本市場、非常にそういう点では出遅れているのは否めないところでございます。それだけではなくて、先日ある委員会である委員の方が作ってきた資料を見て私驚いたんでありますけれども、時価総額ベスト二十五の中に、何と日本が、日本勢はトヨタ一社、それも二十五番目だという資料を見せられて愕然といたしました。二十五社のうち八つが中国系企業、その一年間の時価総額の伸び率たるや一〇〇%以上のところがごろごろしていると。一二〇%とか二百何十%とか、すごいところは三百何十%の伸び率とか、そういう世界が、いい悪いは別として繰り広げられているというのが今の世界の現実でございます。まさしく、こうした現実を戦略的に冷徹に見詰めて我が国の金融戦略をつくっていくことが大事かと思います。
#143
○田村耕太郎君 大臣、今いみじくも言われましたが、午前中の話で、円委員から日本の債務残高の話があったわけですね。なぜあれだけ借金ができるかというと、国に個人金融資産があると。千五百兆円ぐらいあると言われますが、その千五百兆円が今世界にあるお金の中でどれぐらいの割合かというと、世界にあるお金全部今足すと二京数千兆円と言われますね。ですから、二万五千兆円ぐらいですか。もう七%ぐらいなんですね。微々たるものなんですよ。その九三%のお金は国外にあるわけですね。これをいかに引き寄せてくるかで、国民の生命、財産、これを守り育てるということに直結してくると思いますんで、是非大臣、お願いしたいと思います。
 それともう一つ、これも後で額賀大臣にもお聞きしたいんですけど、もう一つグローバル化の中でやらせていただいた議論が、今話題になっていますソブリン・ウエルス・ファンドですね、政府系投資会社。これを日本もつくろうじゃないかというのを私かなり熱心にやらせていただきまして、といいますのは、日本にはいろんな公的な財産がたくさんあるわけです。国有地を見ましても、日本の面積の四分の一、二五%が国有地になっています。まあ有望なところを挙げますと、国立競技場とか神宮球場とか、あんなところに本当に競技場が必要なのかというような意見もありますし、そのほか一等地にもたくさんの財産があります。また、霞が関自身を高度活用して、リースバックや賃借料を取ってキャッシュをちゃんと生んでいくというような計画もあります。
 また、年金の話でも、これからの少子高齢化の中では、今の賦課方式を前提にすれば負担は増えて給付は減るのが当たり前みたいに言われていますけど、世界の年金基金見ていますと、積極運用しているんですね。例えば、ノルウェーの年金なんかは一七%で回っているんですね。アメリカのカルパースなんかも一一%で回っている。我がGPIF、旧年福ですか、あそこはまあ五%切っているんですね、上げ相場入れても五%切っている。やっぱりそういう財産も積極的に運用していかなきゃいけないんじゃないかと思うわけです。
 また、円委員の話にありました外貨準備ですね、これもある意味国民の財産なわけですよね。これをどういうふうに有効活用するかというのも、後で額賀大臣にも聞きますが、そういう財産をすべて集めて、本当の一流のプロにしっかり運用してもらう、公的なお金をマーケットに出してくる、これはいろんな意味で呼び水効果があると思うんですね。そのお金を目当てに世界のプロが集まってくる。そのプロと切磋琢磨することによって、市場の魅力も市場で働く人の能力も上がっていく、こういうこともありますんで、ソブリン・ウエルス・ファンドを是非我が国でもやるべきだと思うんですけど、まず金融大臣のお考えをお聞かせください、お聞きしたいと思います。
#144
○国務大臣(渡辺喜美君) ソブリン・ウエルス・ファンドについては額賀大臣がG7で議論をされてきたことでございますので、額賀大臣のお話をお伺いした方がよろしいかと思います。
   〔委員長退席、理事円より子君着席〕
 私のところで金融市場戦略チームというのを立ち上げました。専らサブプライムローン問題の議論を今のところはやっております。この問題についての提言を来月第一次レポートとして出していただくことになっております。その次の課題は、正に日本の金融戦略であります。制度の問題は金融審議会で議論をしていただいておるわけですが、戦略を議論をする、そういうところがなかったんですね。したがって、私は真っ先にこの戦略チームを立ち上げていろいろな議論をしてみようと考えたところでございます。ソブリン・ウエルス・ファンドが世界の中で今や無視できない存在となり、正にそのベストプラクティスが望まれる、そういう時代にあって、我が国の在り方をこの金融市場戦略チームで議論をしてみたいと考えております。
#145
○田村耕太郎君 是非よろしくお願いします。
 額賀大臣には後で、G7でも監視を強めなきゃいけないという議論がありましたんで、その政府系ファンドに対してですね。その話も含めて後でお聞きしたいと思いますが。
 最後に金融大臣、証券税制、これが非常に大事なんですね。もう私なんかが申し上げるまでもないですけど、一生懸命やっていただいています。もう額賀大臣にもお願いしたいと思うんですけど、これ非常に大事。まあ民主党さんにも是非お願いしたいと思うんですけど。
 これはなぜ大事かといいますと、先ほど円委員が非常にいい質問をされていまして、金利の機能を正常化するという話で、日銀の機能も大事なんですが、それに加えまして今貯蓄から投資へというのを進めないと、これだけ貯蓄にお金が偏在していますと、日銀が幾ら頑張っても貸出し競争が起こって金利が正常に決まらないということになってくるわけですね。ですから、一つは金利の正常な機能を取り戻すためにも、貯蓄から投資へというのを進めなきゃいけない。また、グローバル化のためには、株式市場だけじゃなくて債券市場もグローバル化しなきゃいけませんので、クレジット市場をしっかりとした正常なものにしていくためにも、貯蓄から投資へを進めなきゃいけないと思うんですね。
 それと、さっき愛知先生が言われましたけど、なかなか実感できない、この経済成長がですね。その背景にあるのは雇用なき成長、これは八〇年代アメリカもあったんですけど、企業がいろいろ人件費をいろんな形でカットしていて、企業の業績だけは良くなっている。しかし、消費者である従業員はなかなかそれを実感できない。その差を縮めるのは、アメリカも行ったんですけど、八〇年代に、やっぱり資産効果ですね、株式市場を通じた資産効果。業績が上がることによって株式が上がって、それによって株主として消費者そして従業員が豊かになっていく、この図式をつくることが大事だと思うんです。
 貯蓄から投資へを進めるということは、資産効果を通じて企業の業績の改善を国民の所得の増大につなげるという大切な機能があると思いますので、そういう意味でも、是非、証券税制、堅持どころかゼロ%にしてもいいと思うんですけど、大臣、いかがですか。
#146
○国務大臣(渡辺喜美君) 戦前のちょっとした産業資金は株式市場で調達をされるものが非常に多かったという話を聞いたことがございます。一方、戦時体制の下で直接金融から間接金融へのシフトが行われ、官僚主導型中央集権体制が確立をしていくわけでございます。正に、今我々の構造改革というのは、官から民へ、貯蓄から投資へ、こうした流れなのではないかと思います。そういうことを考えれば、まさしく私が今行革大臣と金融大臣をワンセットでやっているという意味がよく分かるのであります。
 貯蓄から投資への流れを促進をするために証券税制は避けては通れません。世界じゅうどこの国に行っても、利子所得とキャピタルゲインや配当所得との違いは出しているのでございます。日本だけがなぜ利子所得とキャピタルゲイン、配当所得を同じ税率に戻してしまうのか、私にとっては大変残念なことでございます。
 まだあきらめたわけでは毛頭ございません。是非この国会においても、今例えば投資信託をたくさん買い増しをしている所得階層がどういう方々かを御研究をいただきたいと思います。大体、年収において五百万円とか四百万円とか、そういう所得階層の人たちが正に投資信託を増やしているんですね。
 所得税の実効税率は、額賀大臣のお株を取ってしまって申し訳ございませんけれども、大体、夫婦子二人七百万円の辺りで実効税率は六・六%でございます。配当所得というのは、これは税引き後の利益から配られるものであって、それにまた一〇%も税金を掛ける、そのお金でお買物をしたら消費税も払うと、これは三重課税というんじゃないかと言う人すらいるわけでございます。したがって、一〇%の税率が、これが高過ぎるということにはならないのではないでしょうか。是非この問題は与野党を超えて考えていただきたい課題だと思います。
#147
○田村耕太郎君 本当に力強いお言葉ありがとうございました。
 本当に与野党を超えて、今大臣のお話にもありましたが、金持ち優遇とか格差助長とか、そういうことになっていませんので、是非統計をしっかり見て、皆さんと一緒に前向きな議論をさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。この同じ質問、後で額賀大臣にもお聞きします。
 額賀大臣、お待たせしました。G7お疲れさまでした。
 G7の中で二つ大きなテーマがあったと思うんですね。一つはサブプライム、もう一つは政府系ファンドに対する監視の強化という話なんですけど、私、政府系ファンドに対する監視の強化という話、いろんな新聞を読んでフォローしていましたけど、非常に奇異に思うんですね。何でそんなことをするのかなと。
 というのは、もう政府系ファンドも、まあ言わば成金みたいな扱いだと思うんですね。新しく伸びてきて、お金たくさん持っている。そういうところが世界を動かす金融グループの中に新参者として入ってくるのが、もう排除しようというか、生意気だと。例えば、実態面見ても、世界のその金融市場の乱高下の要因をつくっているのは政府系ファンドじゃなくて僕はヘッジファンドだと思うんですね。ヘッジファンドの方が短期に大量の売買をしていて、しかも借入れを行っていますから、借入れを行ってそういうファンドをしているということは、間接金融のマーケットにも大きな影響を与えるわけですね。今回のサブプライムがいい例ですよ。
 ファンド一般の問題として監視を強化しよう、していこうというのは分かるんですよ。そういう前提なら分かるんですが、政府系ファンドだけ監視しようというのは、僕はこれは、何というんですかね、時代錯誤の愛国主義、で、新参者は排除しようとする、何というんですかね、排他的な主義の高まりだと思うんですけど。大臣、政府系ファンドに焦点を当てて、そこだけ監視していこうということに日本が乗るかどうかというのは大きな問題だと思うんですけど。例えば欧米がそう言っていますけど、欧米なんかは自分たちの国にあるヘッジファンドやプライベート・エクイティー・ファンドの透明性なんか全然分からないわけですよ。それをどうしようともしていない。その人たちが、例えば日本のマーケットでも乱高下を引き起こして、上がるときと下がるときに一粒で二度おいしい目に遭ったりしているわけですよね。こういうのも渡辺大臣、全部つかまえてほしいんですけど。そういう人たちを監視するなら分かるんですけど、そういう人たちはおいておいて、中国とかシンガポールとか中東とか、そういうところで借入れじゃなくて国の財産を有効活用しよう。そして、大量に株を取得したら大量保有報告書というのをヘッジファンドでも政府系ファンドでも出すわけですよ。なのに、何で政府系ファンドだけ目の敵にするのかというのは解せないんですけど、大臣はこの流れ、どう思われますか。
#148
○国務大臣(額賀福志郎君) 確かに、この前のG7でこのソブリン・ウエルス・ファンドについても議論がなされました。でも、基本的には、このファンドは世界市場に参入してきて経済に刺激を与えているというか拡大をしているということで評価をしているのが基本的な流れでございます。したがって、これを規制をするとかそういうことではなかったというふうに思っております。
 ただ、問題は、政府がコントロールすることでございますから、いろんな意見の中に、安全保障的な視点から、これは金融でも企業でも通信でも、何でもそうですけれども、それぞれの国でやっぱり基幹部門がそういうソブリン・ウエルス・ファンドに支配されるとかそういうことになったときどうするのかねというようなことから、問題があるのではないかという意見は出されたことはありました。
 それから、規模が大きいこと、あるいはまた組織化されているということ、それから透明性がないということ、そういうことから、それではどうしようかねということについては、これからそのSWFもきちっとした自主的な規律というか自主性でもって市場に信頼されるような形を自ら考えてくれないかと、そういうことを国際機関で考えてもらったらどうでしょうかという話でございまして、これを何も排除するとかそういうことではなかったということでございます。
#149
○田村耕太郎君 今の話を聞いて安心しました。特に、積極的な評価が優勢だったという話はなかなか伝わってこなかったので、その話を聞いて本当にうれしく思います。積極的な評価が多かったということは、僕はじゃ、日本もやればいいんじゃないかと思うんですけど、どうですか大臣、やりましょうよ。いかがですか。
#150
○国務大臣(額賀福志郎君) じゃ、政府系、政府のそういうファンドをつくるとき、何を財源にして何を目的にしていくのかということがまず問われます。
 それからもう一つは、例えば、先ほども円委員の御質疑にもあったけれども、外為特会を活用してというような話もないわけではありませんけれども、そういうことは市場、為替の安定とか流動性とか、そういうことをやっぱり中心的に考えてきたわけでございますから、これをもってそういうファンドにしていく、SWFにしていくという考え方は今のところ持っておりません。
#151
○田村耕太郎君 外貨準備のところですけど、外貨準備の元本、百数十兆円ですか、ここを分散投資するというようなシグナルを出したら、それは確かに為替市場に大きなインパクトを与えると思うんです、短期的にですけど。
 例えばこういうのどうですか。毎年、運用益って上がっているわけですよね、五%ぐらいですか、たしか。百兆円だと、ざっくり百兆円と見まして、五%ということは五兆円上がっているわけですよね、リターンが。その毎年の、元本はじゃ不変にしておいて、その毎年のリターンの部分だけ、これを切り離してためていって、それを積極運用したらどうでしょう。例えばシンガポールのGICというのは有名ですけど、あれは二十兆円ぐらい行っておりますけど、日本の場合規模が大きいですから四年でGICに追い付いちゃうと思うんですよ。元本は今までのとおり、リターンだけ別会計にして積極運用。こういう考え、大臣いかがですか。
   〔理事円より子君退席、委員長着席〕
#152
○国務大臣(額賀福志郎君) 外為特会ではこの十九年度でも一・何兆円か財政再建のために活用させてもらっているし、これまでも通算すると相当貢献をしてきていると思っております。したがって、今のところ、そういう財政に寄与していくことが、日本の国にとっては財政再建が国家としても大きな課題でございますから、そういう方向でやらせていただいておりますし、それからそれぞれの特会においても余剰金を国の財政に還元するようにということを言っておるわけでございます。
 その意味で、先ほど言ったように、今SWFについてのことについて外為特会を利用してということについて、安定した形を損なうことがないようにするためにも考えてはいないということです。
#153
○田村耕太郎君 財政再建、借金を返すやり方にしても、一つはその上がったリターンをそのまま国庫に入れるという今の大臣のお考え方もありますし、もう一つは上がったリターンを再投資して更に大きくして国庫にもっと大きな貢献をしていくという考え方もあると思うんですね、そこの違いだと思うんですけど。
 じゃ外貨準備の話はおいておきまして、もう一つ、去年、国有財産法を変えましたよね。これは大きな進歩だと思うんですよ。国有財産を有効活用して、消費税を上げる云々の前に、しっかりと財政再建に寄与させていこうというお考えの下変えられたと思うんですけど、これまた更に一歩進めて、僕はこう変えてほしいと思うんですよ。
 こう変えてほしいというのは、行政財産というのは今のところ各省庁の管轄になっていて、それをどう取りまとめて運用するかというのは財務省と各省庁が話し合って決めるようになっていますけど、これやっぱり一括で管理するところがあるべきだと思うんですね、ばらばらに使っているから。
 例えば、私、この前新美術館にフェルメールの絵を見に行ったんですけど、びっくりしました。あれ一万坪あるんですってね。一坪二千万と言っていました。更地で売って二千億ですよ。あれ有効活用して売ったら、もう一兆円ぐらい行くかもしれない。勝手に文部省があんな美術館建てて、常設展のない美術館ですよ。しかも、六百五十億円だか掛けて、あの有名な建築家の方に建ててもらっている。これ本当にこの使い方が良かったのか、財務省さんも知らなかったんじゃないかと思うんですね。
 ですから、やっぱり各省庁が隠し持っている国有財産をしっかり全部明らかにもう掘り起こして、そのデータを、財務省でもいいですよ、財務省か首相直結の財務大臣と総理と一部有識者で成るチームみたいなものにしっかりとデータ等管理をお願いして、そこが必要に応じて切り離して、民間にしっかりとして運用をしてもらって国庫にお金を返してもらう。そういうふうな国有財産をもっと一体的に管理をしていって効率的に運用、活用するような制度が必要だと思うんですけど、そして、そのためには組織が必要だと思うんですが、大臣、一歩進んでこれやっていただきたいと思うんですが。
 これ、党の中で中川さん、前の幹事長の中川さんの下でこれ進めていまして、提言まで出させていただいたんですが、大分財務省さんの方も話を聞いてくれて方向性も出てきましたんで、これ一歩進めていただきたいと思いますが、大臣、よろしくお願いします。いかがでしょう。
#154
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、田村委員、もう本当に専門家でありますから、田村委員のいろんな御提言とかこういう委員会においての質疑等々の効果があって、国有財産を有効利用しようという形が整ってきたわけでございまして、これがまた閣議決定をされたと。それで、宿舎だとかそういうのがこれから一・何兆円か売却されていくことも決まっているわけでございます。
 それを、国有財産を、じゃ、どこにどういうものがあってそれがどういう評価されているのか、あるいは今後どういう価値があるのかということをやっぱり統括的に判断をして、できるならば有効に利用し、しかもなおかつ財政的にも利用させていただければこれにこしたことはないわけでございますから、財務省としても総括的な役割を担っていることでございますので、田村委員の御指摘のような形を実質的に行うようなことで有効活用ができればいいというふうに思っております。
#155
○田村耕太郎君 是非、更によろしくお願いします。
 最後に、先ほど証券税制で渡辺大臣から力強い決意表明がありました。財務大臣としまして、この証券税制、是非堅持、できたらもう私はゼロにしてもいいと思うんですけど、いかがですか、大臣、決意表明よろしくお願いします。
#156
○国務大臣(額賀福志郎君) 今、田村委員それから渡辺大臣の思いをそばで聞かせていただきました。この問題は一年限り延長という形になっておりまして、これ、これからの来年度税制改正の重要な視点でございますので、私も証券それからあるいはまた消費者というか国民の立場、あるいはまた国際的な状況、様々な視点からこの問題について考えさせていただきたい。それからまた、党や与党の御議論も踏まえて最終的な結論を出すようにしたいと思っております。渡辺金融大臣ともよく話合いをさせていただきたいというふうに思います。
#157
○田村耕太郎君 額賀大臣、渡辺大臣、よろしくお願いします。そして、与野党の先生方、是非よろしくお願いします。
 以上です。ありがとうございました。
#158
○荒木清寛君 それでは、まずG7で議論されましたサブプライムローン問題につきまして両大臣の見解をお尋ねいたします。
 先ほどから種々議論されておりますが、このサブプライムローン問題は世界経済や金融市場に様々な影響を及ぼしていると考えられますが、以下の三点に分けて考えてみたいと思います。
 一つは、米国の住宅市場及びアメリカ経済に与える影響であります。住宅市場の低迷に伴い、それが個人消費、企業生産、雇用に影響をするということが予想されまして、ひいては我が国経済にも影響があります。現に、九月の対米輸出は減少しておりまして、ただ、アジア向けまた欧州向けの輸出が伸びておりましたのでカバーをしたという状況でございます。
 二つ目には、サブプライムローンが組み込まれて証券化された金融商品、格付会社への市場の不信の発生という問題でございます。
 三点目には、関連をいたしますが、金融における流動性の不足と信用収縮が発生した場合にどのように対処するかということでありまして、この点につきましては、報道によりますと、既に欧州の中央銀行や米国連銀が大規模な資金供給を行ったですとか、あるいはアメリカの民間銀行が中心となって約十二兆円の基金を創設をする準備をしている等々の報道がされております。
 先ほどから、我が国経済への影響は限定的であるというお話ではございましたけれども、この問題についてはサブプライムローン問題の全容がなかなか明らかにならないというところにひょっとすると根深さがあるのではないかと、このように思っております。
 そこで両大臣に、政府としてこの三つの観点を中心といたしましてどういう見通しとまた対応策を持っているのか、お尋ねいたします。
#159
○国務大臣(額賀福志郎君) 今、荒木委員からそれぞれ御指摘があったり、また分析もあったわけでございますけれども、まず第一点の米国の市場、住宅市場及び米国経済に与える影響についてでございますけれども、確かに住宅市場には影響があっているように思います。これがどういうふうに米国国内の他の分野、経済に影響をしていくかということが重大なわけでございまして、幸いアメリカの住宅市場以外のところは堅調に動いている、貿易もしっかりしているというようなことでございます。ただ、今後どういうふうな影響が出てくるかということは十分注意して見極めていかなければならないというふうに思っております。
 それから、証券化された金融商品とか格付の問題でございますけれども、これはやっぱり金融機関のリスク管理がどうなっているのか、ヘッジファンドとの関係はどうなっているのか、あるいはまた、サブプライム商品の格付がどういうふうだったのか、そういうところに問題があるのではないかということもG7の中でいろいろと議論が出ておりました。
 これについては金融安定化フォーラムでしっかりと政策要因で何か問題があったのかどうか、今後の対応策について議論をして整理をして、次の総会か何かでその報告をするということになっているわけでございます。
 それから、流動性の不足と信用収縮が発生した場合の対処の問題ということでございますけれども、これはもう八月の時点で米国もヨーロッパも我が国もきっちりとお互い協調した形で資金調達等万全の体制を取ったし、それからアメリカもきちっとその後の住宅対策手当て等々を、金融対策等をしているわけでございますので、これは国際的に協調してしっかりと対応していくことが大事なことであると思っております。
#160
○国務大臣(渡辺喜美君) アメリカ経済がどうなるか、最大のポイントはやはり住宅価格がどこまで値下がりするのかということではないでしょうか。株価が高いうちはアメリカの消費者はある程度お金は使っていただけると思います。しかし、住宅価格が値下がりをして、例えば二割とか三割とか下がっちゃったりいたしますと、これは相当厄介なことになるなという思いを持っております。やはりアメリカが財政、貿易、家計、三つの赤字を出して世界じゅうからお買物をしてくれてきたことは間違いのない事実でございます。この巨大な不均衡を支えてきたのがジャパン・マネーであったり中国マネーであったりオイルマネーであったりしたわけでございますから、このお金の流れが逆流するような、そういう金融資本市場の問題が出てまいりますことは我々にとって油断大敵だと思っております。
 したがって、今のところ日本の金融システムにダメージを与えるような事態には立ち至っていないと認識しておりますが、そういったグローバルな要因も併せて考えていく必要があろうかと思います。
 また、サブプライムローンが組み込まれ、証券化された金融商品や格付会社の問題でございますが、この問題については、先ほど来申し上げております私の私的諮問機関の金融市場戦略チームで今議論をしているところでございます。今週はムーディーズやS&Pなどの格付機関にもおいでをいただきヒアリングをするところでございます。十一月中には第一次レポートを出していただく予定になっております。
 また、流動性の不足と信用収縮の問題でございますが、かつてジャパン・プレミアムと言われた時代がありました。今は正に逆になっております。日本においては金融システムが非常に安定的に推移をしておりまして、流動性の不足が信用収縮とともに生じているということにはないと考えております。
 いずれにしても、早期発見、早期治療というのが大事なことでありまして、早め早めに手を打っていくことが日本の歴史の教訓だと考えております。
#161
○荒木清寛君 財務大臣にもう一問お尋ねいたします。
 G7の共同声明では、いわゆる金融安定化フォーラムに金融市場の混乱の背景にある分析を求めた、このように求めたわけでございまして、そうした中で、今お話しのサブプライムローンの格付問題等についても分析、報告があるものと聞いております。日本も当然この金融安定化フォーラムの一員でありますけれども、そうした中で、我が国としてはその検討の中でどういう姿勢で臨み、発言をしていくつもりなのか、お尋ねいたします。
#162
○国務大臣(額賀福志郎君) 日本の金融危機と今度のサブプライム問題が共通しているところがあるのかないのか、一定の経験則的に我々は公的資金を投入したりして難局を乗り切ってきたわけでありますが、今度の場合はリスクが世界に分散をしておったり各金融機関に分散をしておったりしていることなので、ストレートに我々の経験がどういうふうに生かされていくかはちょっと研究してみる必要があるかと思いますけれども、基本的にはこれは市場の中で市場の規律が保たれていくということが大事なんだろうというふうに思っておりまして、ただそこで、先ほども言ったように金融機関のリスク管理とか格付の問題だとか、そういうことがこれから議論されていろいろと報告されてくるわけでございますので、私どもとしては、そういう流れの中で、証券市場の中で証券の規律が生かされていくような形の中で市場機能が取り戻されていく、強化されていく、そういうことが基本になければならないという姿勢でいきたいと、対応していきたいというふうに思います。
#163
○荒木清寛君 次に、多重債務者問題につきましてお尋ねをいたします。
 昨年、貸金業法の改正が行われまして、同年の十二月二十日に公布をされました。これを受けて、本年の四月二十日、内閣府に設置をされました多重債務者対策本部から多重債務問題改善プログラムが公表をされまして、これを推進をしておるところでございます。
 そこで、このプログラムの進捗状況、また最近の貸金業をめぐる様々な状況について何点か質疑をいたします。
 まず、貸金業の利用者の現状についてお尋ねをいたします。
 我が国の消費者金融の利用者は千四百万人、多重債務者はそのうちの二百万人を超えると言われております。昨年の貸金業法の改正では、貸金業への参入規制、行為規制の強化等、様々な改正が行われましたけれども、一番議論になりまして、また特筆すべき改正は、いわゆるグレーゾーン金利を撤廃をしたと、すなわち上限金利を引き下げて利息制限法の金利規制に一本化をしたということでございます。その折に、このグレーゾーン金利の撤廃に反対をする反論の中には、これがなくなると貸金業の貸出しの審査が厳しくなりまして、そうしたところで借りられなくなった債務者がやみ金融に手を出すのではないか、こういう反対の理由があったわけでございます。当時の金融担当大臣は与謝野大臣でありましたけれども、そういうときには貸さないのも慈悲なんだという、そういう発言も、やり取りもあったわけでございます。
 そこで、現段階ではまだこのグレーゾーンの金利の撤廃の部分は施行されておりませんけれども、新聞広告等を見ましても、あるいはテレビの広告等を見ましても、大手貸金業者は既に利息制限法の金利に引き下げている例が多いと承知をしております。そういう中で、当然審査も厳しくなっているというふうに予想いたしますけれども、実際にそういう事態で借りられない人が出てきているという報道もございます。
 そこで、金融庁に、その辺の利用者のいわゆる動向、特にそういうやみ金融に手を出しているというようなケースが多くなっているのかどうか、その辺、また、もしもそういうことがある場合にはどういう対策を考えているのか、お尋ねいたします。
#164
○政府参考人(西原政雄君) お答えいたします。
 昨年の貸金業法の改正以降、貸金業者の動向ということですが、今御指摘のように、貸付金利、この動向を見ますと、低下傾向にあるということが言えようかと思います。
 また、与信の審査、これについては厳格化が進みつつあるということで、例えば大手五社の貸付けの状況を見てまいりますと、新規成約率、これで見ますと、今年の三月末では四三%であったものが六月末では三九・三%ということで、この成約率が下がってきております。この与信審査の厳格化が進んでいるのかなというふうに思うわけでございます。
 こうした状況の中で、やみ金の利用が進んでいるんではないかというようなお尋ねでございますが、残念ながら私ども直接にそれを知るすべはないわけですが、私どもが知るすべといたしましては、金融庁、それから財務局、それから都道府県、ここに寄せられました苦情ですとか相談、そういった件数を見てまいりますと、その中で無登録営業に関するものというのがございます。これを見てまいりますと、無登録営業ということですのでやみ金融と、こういうことでございますが、これを見てまいりますと、平成十七年度では二万三百六十四件だったものが、平成十八年度においては一万九千七十五件。この数字を見ている限りではほぼ横ばいで推移しているのかなというふうに思うわけですが、いずれにしましても、これは慎重に見極めをしていく必要があるというふうに思っております。
 そこで、このやみ金対策ということでございますが、これにつきましては、まずこの法律自身、貸金業法の改正におきまして、今年の一月から、他の規定に先駆けまして大幅に罰則を引き上げてございます。特にこの無登録営業、あるいは高金利、超高金利による貸出し、これについては大幅に引き上げたところでございます。
 それから、今御指摘がありましたように、今年の四月には多重債務問題改善プログラム、この策定の中で、やみ金対策といたしまして、警察と監督当局がやみ金融の撲滅に向けて取締りを強化すると、徹底するということ、それから被害相談を受けた監督当局、警察による無登録業者への電話による警告、これの実施と、こういったことも実施しているところでございます。
 いずれにいたしましても、我々、関係省庁と連携をいたしましてやみ金対策のために取り組んでまいりたい、今後もそういう決意でございます。
#165
○荒木清寛君 いずれにしましても、今の報告でも、大手五社で断られる人の割合が四ポイントですか、増えているということですから、そういう人は、断られてお金を借りるのをあきらめて済むんであればいいんですけど、何らかの方法でまた調達をしているということも当然予想されるわけですから、特にこのやみ金の動向というのは本当に厳格に監視をしてもらいたい、このことを要請をしておきます。
 次に、都道府県、市町村の相談窓口の整備、強化について、同じく金融庁にお尋ねいたします。
 先ほどの多重債務問題改善プログラムでは、この市町村の相談窓口の整備、強化、都道府県における多重債務者対策本部の設置等、いわゆる地方公共団体における多重債務者対策が盛り込まれております。これは、それぞれの自治体が自分の責任問題であるという考えで取り組まなければいけないという、こういう前提で言われております。そして、改正貸金業法完全施行時には、どこの市町村に行っても適切な対応を実現をするという、何らかの形で自治体の窓口に行けば対応してもらえるという目標が設置をされているところでございます。金融庁としても、なるべく多くの市町村にそういう相談窓口を設けることを要請をしているというふうに聞いております。
 私の地元の名古屋でも、これは愛知県弁護士会、また愛知県司法書士会の協力を得まして、全国初めての試みとして、名古屋市の消費生活センターにサラ金・多重債務に関する特別相談窓口を常設をするということになったわけでございまして、これは関係者の、ボランティアでこういう弁護士会や司法書士会もやるのかと思いますけれども、そういう協力があってできたということでございまして、一つのモデルになるようなケースかと思います。
 そこで、プログラム策定後、半年現段階で経過をしているわけでありまして、都道府県や市町村における多重債務者のための相談窓口等は増加をしているのか、またこの完全施行時に全部の市町村で対応するということの達成の見通しはあるのか、お尋ねをいたします。
#166
○政府参考人(三國谷勝範君) お答えいたします。
 多重債務問題改善プログラムにおきましては、地方自治体による取組といたしまして、丁寧に事情を聞いてアドバイスを行う相談窓口の整備、強化が求められているところでございます。この相談窓口、平成十九年二月時点では、千八百三十の市町村のうち、多重債務者向けの相談窓口が整備されておりますのは三百八十六市町村でございました。現時点で、相談窓口の具体的な現段階での数字は把握はしておりませんけれども、本年七月に作成いたしました多重債務者相談マニュアル、これらを参考に既に今御指摘ありましたように多くの自治体において前向きな取組が進められていると聞いております。
 なお、私ども、九月末に各自治体に対しまして多重債務者相談窓口アンケート、これを発出しております。この中で、十月から三月にかけましての窓口の整備状況等を把握してまいる予定でございます。
 また、政府といたしましては、相談窓口の整備を一層促進し、各地域の多重債務者が相談窓口を訪れる一つの契機を提供すべく、本年の十二月十日から十六日までの間を全国一斉多重債務者相談ウイークと設定いたしまして、当該期間内に都道府県及び管内の弁護士会、司法書士会が共同で無料相談会を実施することとしているところでございます。
 改正貸金業法の完全施行時には、どこの市町村に行っても適切な対応が行われるよう適切に進捗状況をフォローアップしてまいりますとともに、政府としてできる限りの取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#167
○荒木清寛君 これは、相談窓口に来られて相談をして、場合によってはそういう専門家に依頼をすれば超過払いをした金利が戻ってくるケースが非常に多いと、このように承知をしておりますけれども、ただ、先般の報道を読みますと、なかなかそうはいってもそういう返還が進んでいないといいますか、求める人がそれほど増えないという、そういう実態も報告をされておりました。
 そういう中で、相談窓口とともに、盛岡市では、債務を一本化をしたり、訴訟費用などに充てるための資金を貸す公的融資制度を全国に先駆けて実施をしたということでございます。こういうことも、要するに相談に行っても依頼をする場合にはそれは何がしかのお金が要るでしょうし、そういう試みも随分参考になると思います。一律にはいかないかと思いますけれども、こういう先行的な取組を政府としても支援をして、またほかの自治体も倣えるようなそういうことも考えていく必要があると思いますが、副大臣、いかがですか。
#168
○副大臣(山本明彦君) 荒木委員御指摘のように、地方自治体の対応というのは大変大切でありますし、金融庁としても是非そうした形で進めていきたいと、こんなふうに思っておりますけれども、多重債務者イコール借り手対策というのはやはり一番大事でありまして、顔の見える融資ということで事情聴取もしっかり行ってきめ細かい対策を練っていくということが大事かなと、そんなふうに思っております。
 もちろん返済能力がなければ駄目でありますけれども、低利子で融資するということも一つの方法だというふうに考えておりますし、実際にそうした形のものをもう日本ではありませんけれどもやっているところもあるわけでありますんで、是非取り入れていきたいというふうに考えております。
 先ほど盛岡市の話もございましたけれども、岩手県ではこういう例がございまして、県の消費者信用生活協同組合が自治体と協力いたしまして、借金状況等に関する聞き取りや解決方法の無料相談を行うだけでなくて、解決方法の一手段として今申し上げましたように低利の融資をこれは信用生協組合が取り組んでおりまして、実際に相談者の一六・八%には約九%の低利で融資をしております。しかも、これちょっと特筆すべきだと思うんですけれども、この貸倒れ率が〇・一%前後しかないということでありますんで、ちょっと信じられない点もないではありませんけれども、実際にこういった点が進んでおるようでございますから、こんな形のものを是非これからはほかの団体でも地方自治体でも進めていただければなと、あくまでも顔の見える、本当にきめ細かいこれから対策を是非取っていきたいと、こんなふうに考えております。
#169
○荒木清寛君 次に、警察庁にも来ていただいておりますので、やみ金融の撲滅に向けた取締りの強化についてお尋ねいたします。
 先般の法改正ではこのやみ金融に対する罰則を引き上げたわけでございます。町中歩いておりましても昔のように電話番号が、携帯の番号書いてあって、すぐ貸しますというのが大分、余り見掛けなくなったという感じはいたしますけれども、ひょっとすると地下に潜ってやはり生き延びているのかもしれません。
 この多重債務問題改善プログラムでは警察庁において当分の間集中取締本部を設置する等の対応をすると、取締りを強化をするということがうたわれておりますけれども、その後、このプログラムが発表されまして後、このやみ金融に対する摘発状況といいますか、取締り状況はどうなっておるのか、お尋ねいたします。
#170
○政府参考人(井上美昭君) 高金利貸付けや違法な取立て等のやみ金融事犯につきましては、依然として深刻な被害が出ておりまして、警察としても国民生活の安全を脅かす重要な問題と認識をしております。
 警察庁におきましては、昨年十二月の貸金業規制法等の改正を機に、全国の都道府県警察に対して通達を発出いたしまして、全国の担当者を集めた会議を開催するなどしております。そういう場で取締りの強化、適切な相談対応、多重債務問題改善プログラムの警察担当施策の適切な推進などについて指示してきたところでございます。
 平成十九年上半期におけますやみ金融事犯の検挙事件数は二百二十七事件、検挙人員は四百三十一人でありまして、前年同期に比べ検挙事件数は七十九事件、約五三%、検挙人員は七十八人、約二二%、それぞれ増加をしておりまして、全国警察が集中取締本部による取締りを強力に推進した結果と認識をしておるところでございます。
 警察といたしましては、今後とも、被害者からの相談に適切に対応し、関係機関との連携を密にするなどして違反情報の収集に努めるとともに、悪質な違反を摘発するなど取締りを更に強力に推進してまいる所存であります。
#171
○荒木清寛君 恐らくこうした摘発した案件の相当部分に暴力団の関与というのもあろうかと思いますし、資金源になっておるということが予想されるわけでございますけれども、分かればそういう摘発した案件の中で暴力団の関与というのが、関係者の関与というのがどの程度になっておるのか、これも御報告をいただければと思います。
#172
○政府参考人(井上美昭君) 検挙人員ベースで見ますると、暴力団が四百三十一人中九十七名ということになっております。
 以上であります。
#173
○荒木清寛君 要請ですけれども、四百三十一名中九十七名ということは、私がイメージしておるよりは割合が低いんですけど、検挙されたのはいわゆる実行部隊の方で、その背後には暴力団が正に金主としておるというケースもあるわけでございますから、あらゆる関連法令を駆使していただきましてこうした犯罪の摘発に取り組んでいただきたい、このことをお願いをしておきます。
 最後に、貸金業の経営の現状についてお尋ねをいたします。
 貸金業法の改正によりまして業者に対する規制は大変厳しくしたわけでございますけれども、しかし一方で、貸金業者も社会的な存在としてやはり一定の社会的な役割を担っているわけでありますので、健全な業者の経営がきちんと成立をしていくということも私は大事であろうと考えております。
 そうした意味で、この消費者金融や信販会社、カード会社を含めた貸金業の経営が今岐路に立っている、こういう報道が行われております。過去に取り過ぎた利息の返還を請求をする、これは当然法律的な義務としてしなければいけないわけでございまして、先ほども私は、もっとこれは権利者が権利を行使をすべきである、こういう考えを表明しましたけれども、しかし一面においてそれが経営を圧迫をしていることは間違いがございません。
 また、資金調達を受けていた銀行がなかなかそうした資金の供給に応じない等、先般の法改正による規制強化等で経営が非常に厳しくなっている、このように言われております。
 現に、先日、大手のクレディアという、そういう貸金業が、消費者金融が民事再生法の適用を申請をいたしました。直接の破綻原因というのは、金融機関による借換え融資が断られたということが原因である、このように聞いております。
 金融庁は、こうした貸金業の現状をどう認識をしておるのか。そしてまた、対策というのはおかしいんでしょうけれども、ただ、先ほども言いましたように、健全なそういう資金供給というのがストップをしてしまうとまたこれはやみ金融ということになるわけでございまして、対応すべきは対応する必要があるかと考えます。
 そこで、この貸金業者の経営の現状と、また、それについて当局としてはどういう対応をしようとしているのか、御報告を願います。
#174
○副大臣(山本明彦君) 今、荒木委員お話がありましたように、貸金業界大変今厳しい状況になっております。先ほど委員もお話ありましたけれども、金利も法施行を前にして、もう二年以上前にして次第に下がってきております。ちょっと数字を申し上げますけれども、十六年三月ぐらいが二三・四%が、十八年の三月末で二三%、それから十九年三月末には二二・二%と急激に下がっておりまして、これが一年後の二十年三月には恐らく二〇・八%ぐらいまでは下がるんではないか。正にもう法規制の中に収まってしまうというぐらいのところまで来ておるところでありますので、非常に厳しい状況だろうというふうに予想されます。
 しかも、それ以上に今直接原因があるのがいわゆる過払い金の返還請求でありまして、これも特に、十八年度が特に多いんですけれども、このときに過払い金請求の引当金を今年は特別に積むことが要求されましたので、引当金を一兆八千億積みました。その結果、赤字が一・七兆円という、大幅に赤字が増えております。ただ、ここで特別に引当金を積みましたので、来年度からは恐らく、予想するに、来年度は一千億ぐらいの引当金で済むのではないかと予想されておりますけれども、そんな形で多少は一息つくかも分かりませんけれども、先ほど委員お話ありましたように金利が下がってくることは間違いないわけでありますので、非常に恐らく厳しい状況になっていくというふうに考えております。
 したがって、当局といたしましては、貸金業者が利息制限法以下でのビジネスモデルでできるように、今のうちにできるように是非そうした形で図ってもらいたいというふうに考えておりますし、いわゆるガバナンスやコンプライアンス体制を強化して利用者の安心が図れるようなそういう体制をつくってもらえるように考えておるところであります。
 今、来月中には政省令を公布するわけでありますけれども、同時に貸金業者向けの総合的な監督指針を発表することになっておりますので、こうしたことも踏まえて、貸金業者が健全な形でやっていけるように、やはりやみ金融に走らない貸金業者を、健全な貸金業者を育てるというのが我々の責任の一つだと、こう思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
#175
○荒木清寛君 終わります。
#176
○委員長(峰崎直樹君) この際、渡辺大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
#177
○国務大臣(渡辺喜美君) 先ほどの田村委員の質問に対する答弁の中で、一〇%の税率が高過ぎることはないという旨の発言をいたしましたが、これは一〇%の税率が低過ぎることはないと言うべきところを誤って発言したものでございます。謹んで訂正させていただきます。
#178
○大門実紀史君 大門でございます。
 最初に、金融庁関係、一つだけ質問とお願いをしておきたいと思います。
 新保険業法の施行で自主共済が大変になっているという問題は再三この委員会でも取り上げてきたところでございますが、法改正の趣旨は金融被害、共済を利用した金融被害をなくそうということだったわけですが、あるいは破綻からも守ろうということだったわけですけれども、ところが、この改正、特に政令の部分でまじめに助け合いをやっているところまで運営を困難にしているということで、今本末転倒の事態が起きているわけでございます。
 この問題は、自民党の議員の皆さんも質問をして何とかしろというふうにおっしゃっていますし、民主党の皆さんは法案を提出されるということでございますし、我が党も、私は五月二十九日に前の金融担当大臣に質問しましたところ、まじめにやっている自主共済を適用除外にする物差しを検討すると、それを私が示したら、大臣も検討するということと、金融庁自身も研究するというふうにおっしゃっていたのが今の到達点でございます。
 五月に質問したときは、届出業者数が三百八十九あって、うち四二%の百六十五の団体が廃業の予定だというふうにお聞きをいたしました。現時点でどうなっているか聞きたいんですけれども、その三百八十九のうち、法律どおり登録団体に移行したのは今の時点で幾つなのか、また、今の時点で廃業の予定はどれぐらいなのか、これは数字だけで結構ですので、教えてくれますか。
#179
○政府参考人(西原政雄君) お答え申し上げます。
 特定保険業者の届出の状況等でございますが、この届出の期限というのが平成十八年の九月末でございました。その時点での数字というのが今委員おっしゃられました三百八十九業者でございました。それから、その後、実は届出期限後でございますが、四十三業者届出がございまして、現在までその累計で言いますと四百三十二業者という状況になってございます。
 これに対しまして、その後、少額短期保険業者として登録が行われている業者、これを現時点で見ますと、五つの業者が登録をいたしてございます。ただし、念のために申し上げますと、このうちの三つの業者というのは先ほどの届出のあった業者ではなくて新規の参入業者でございます。残りの二業者がその特定保険業者という届出のあったものでございます。
 それから、廃業を予定する業者数でございますが、先ほど先生からもお話ありました当初の数しか現時点では把握できておりませんで、この三百八十九業者のうち、これは届出のあった時点でヒアリングを掛けてございます、それによる把握でございますが、百六十五業者、四二%と、こういう状況でございます。
#180
○大門実紀史君 ありがとうございました。
 あれから五か月以上たっても、四百三十二のうち結局法律どおり移行したのは二つだけと、変わらないわけですね、参入が三つあるということですけれども。大変な事態だと私思います。
 やはり政令、適用除外そのものに問題が、やり方に問題があったんじゃないかと思いますし、これはもう、大臣、自民党も民主党も我が党ももうこのままでは大変な事態になるということで申し上げている問題で、下手すると、来年の三月三十一日が期限なんですよね、完全実施になるわけですけれども、その時点まで、その時点へいきますと四割の廃業が私はもう七割、八割以上になる可能性もあると、もうやめちゃうと。そうすると、この法案は何だったのかと、そもそも被害をなくそうと思ったのが、まじめにやっているところをただつぶしちゃったと、こう言われかねない事態に、今それに近づいているというふうに思います。
 これはもう政治全体の責任になってしまうと思うので、私は少なくとも、実施期限、来年の三月三十一日までに移行申請をやりなさいということですけれども、それを少なくとも一年は延ばして、もう総合的に、この法案の中身も含めてみんなで、これこそ超党派で金融庁も含めて検討し直すことが必要ではないかと思います。
 それで、取りあえずもう一年延ばすという決断をしないと更に混乱を生む事態になりますので、ぎりぎりで急に延ばすというわけにいかないと思いますので、御決断をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか、大臣。
#181
○国務大臣(渡辺喜美君) 実は、この問題、私がまだ政府に入る前にこういう問題があるということに気が付きました。私のところに知的障害者の団体の皆さんが来られまして、話を聞きますと、ああ、そうか、これはちょっと大変な事態だなと正直私も思いました。よくよく相談に乗りまして、金融庁にもいろいろ検討するようにお願いをしまして、それでできましたのが今の政令でございます。したがって、この政令において、来年の三月ですか、来年三月末までに少額短期保険業者としての登録申請を行うというのはそのときに決めたことでございまして、そのときは、時間は十分ありますから、懇切丁寧に金融庁としても御相談に乗りますので、是非この制度趣旨を御理解をいただいて対応策を考えてくださいということになったわけでございます。
 金融庁としては、真摯にどんな種類の相談にも腹を割って聞く耳を持っておりますので、どうぞ何でも御相談に来ていただければと思います。
#182
○大門実紀史君 もうその御相談の時期が過ぎて、やってきたんです。本当に金融庁には相談に乗ってもらって、幾つもいろんな手を打ってきたんですが、それでもこれだけ残っているというのは大変な事態なんで、今日は、まだこの段階で延長しますというのははっきりなかなか言えないでしょうけど、そのことも含めて十分検討をお願いしたいということを申し上げておきます。
 金融庁に対する質問、これで終わりですので、委員長、御退席いただいて結構でございます。
#183
○委員長(峰崎直樹君) じゃ、渡辺大臣、結構でございます。山本副大臣も結構でございます。退席ください。
#184
○大門実紀史君 それでは、財務省、額賀大臣に、今日は税の問題を中心にお考えをと思ってたくさんの資料を準備したんですけれども、午前中、民主党の富岡委員の質問で、官業癒着の問題で、仕事上はいろいろあるというふうなことを言われたので、そういう言い方されるとちょっと聞きたくなって、いろいろお聞きしたいなと思うんですけれども、やっぱりこれから大臣と議論する上で一定の信頼関係がないとなかなか難しいと思うんで、前提として、いろんな疑問を先に払拭できるものはしたいなと思うので、本題に入る前に幾つかお聞きしたいと思います。
 この間、昨日今日もいろいろありました。昨日の守屋事務次官の証人喚問で、山田洋行との宴席、これはゴルフも私は含まれるというふうに解釈しておりますけれども、防衛庁長官経験者が同席していたという証言がございました。その後いろんな取材に対して、石破さんは私は一切ないと、久間さんも同席していないと、自分では会ったことあると言っていますけれども、同席していない、中谷さんはもう一度も会っていないと。この三者は、三人の方は明確に否定をされております。額賀大臣だけ、これは報道ベースで申し訳ないんですが、今日改めて聞きたいわけでございますが、記憶にないという表現をされておりまして、ほかの三方は明確に否定されております。
 消去法でいくと額賀大臣しかなくなっちゃうわけですけれども、昨日の時点では急に出てきた話なので覚えていないというようなことがあり得るかも分かりませんが、大変重要な問題でございまして、焦点にもなっておりますので、その後確認されたと私は思うんですけれども、同席されたかどうか、もう今の時点だとお分かりだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#185
○国務大臣(額賀福志郎君) 同席したことはありません。
#186
○大門実紀史君 じゃ、はっきりと、同席はされていないということですね。
 じゃ、ちょっとかねてから私、思っていることも含めて、せっかくの機会ですのでお聞きしたいと思いますが、額賀大臣はゴルフが趣味だということで、結構なことだと思いますが、〇二年の六月二十三日に、この事実はもう守屋さん自身が国会で認めておられますけれども、山田洋行のグループの山田地建というのがあります。要するに、山田洋行のグループがあります。それが千葉県にゴルフ場を持っています。山田ゴルフ倶楽部といいます。幾つかのゴルフ場を持っております。そこで〇二年六月二十三日に、額賀さんと久間さんと浜田靖一さんと東さんですね、今山田洋行の顧問をやっていらっしゃいますが、元衆議院議員ですけれども、それと守屋当時の防衛局長、プラス防衛庁から七人、合計八人、課長級以上がその山田洋行経営のゴルフ場でゴルフをされたという事実はこれはもう国会でも認められているわけですけれども、終わってから当然飲食もあったのではないかというふうに私思いますが。
 昨日の流れでいきますと、ちょっと疑問なのは、これは会費を払ったゴルフだったのかと。守屋さんがこのときだけお金を払ったとは思えないんですけれども、これはお金を払ったゴルフだったのかどうか、大臣、いかがでしょうか。
#187
○国務大臣(額賀福志郎君) それは私が出ているんですか。全く分かりません。覚えていません。
#188
○大門実紀史君 じゃ、これ後でまた調べてお聞きいたしますんで、会費を払ったかどうかがこの間でいけば非常に重要な問題になりますので、後でまたお答えいただきたいと思います。
 そうすると、出たことも覚えていらっしゃらないと、同席した人間もよく覚えていらっしゃらないということですね。じゃ、ついでに調べてもらえればと思いますが、このときに山田洋行の人間がゴルフしたというのは、これは防衛庁から聞いておりますので、額賀さんも出られているのは間違いないわけですけれども、後で確認していただきたいと思いますが、そのときに山田洋行の人間が一緒にいなかったかどうかですね。
 といいますのは、このゴルフの主催そのものが、これは大臣よく御存じの安全保障議員協議会の主催でございます。大臣もメンバーですし、山田洋行の宮崎元専務もその理事をやっていらっしゃいますから、その主催ですので、当然私は山田洋行の人が、宮崎さんかどうか分かりませんが同席していたのではないかと思いますので、一緒にまた調べて、機会があればお聞きしますので、お答えをいただければと思います。
 もう一つ、私、防衛関連企業、いろいろ調査をしてきているところがあるんですけれども、山田洋行だけではございません。ミサイル防衛とかいろいろいきますともっと大きなところがいろいろあります。
 大臣は、三菱重工、三菱電機、つまり三菱グループの皆さんと宴席をともにされたということはございますか。
#189
○国務大臣(額賀福志郎君) 三菱重工の皆さん方と安全保障協議会等で忘年会とかそういうときに参加をして、大勢いる中で一緒になったことはあります。
#190
○大門実紀史君 あんまりやるとこればかりになるので、もう一つだけお聞きしておきますが、三菱グループは港区の高輪に三菱開東閣というのを持っております。これは三菱グループの迎賓館みたいなものですが、そこに大臣行かれたことはございますか。
#191
○国務大臣(額賀福志郎君) かつて一回ぐらい行ったことがあるかと思います。大分前のことだと思います。
#192
○大門実紀史君 じゃ、もうこれでやめますが、それがいつどういう目的だったのかもできれば調べておいていただいて、次の機会に明らかにしてもらえればというふうにして、今日はこれくらいにしておきます。
 いずれにせよ、大臣とこれから議論する上でも、こういういろんなものがもやもやしていると、もう答弁が、聞く気にもならないというのがありますので、すっきりさしておきたいんで、是非また調べておいていただきたいと、またお聞きしたいと思います。
 じゃ本題に入りますが、まず基礎年金と消費税の問題でございます。
 資料の一枚目に付けておきましたが、何が言いたいかといいますと、この間、経団連あるいはこの前の経済財政諮問会議で、基礎年金の財源を全額税方式でやったらどうかとか、やったらこうなるというふうな議論がかなり活発になっております。これは、基礎年金を二〇〇七年度予算ベースで基礎年金の財源がどうなっているかというのを厚生省の資料に基づいて作りました。左側が今どういう拠出で成り立っているかということでございます。これが、今言われている全額税方式、ほとんど消費税という議論があるんですけれども、こうなった場合どうなるかという話でございますが、国民年金の保険料負担、これは消費税でなくなるかも分かりません。しかし、消費税負担が国民の皆さんには生じます。厚生年金の被用者の方の保険料負担、これも基礎年金に該当する部分は下がるかも分かりません。しかし、消費税負担がございます。
 要するに、今言われてもおりますが、企業の保険料負担、〇七年ベースだと四兆円になります。これが要するにゼロになるだけで、何のことはない、全体考えますとだれかがその四兆円、企業の四兆円抜けた分を負担しなきゃいけないわけですから、だれかが代わりに負担する。つまり、国民全体でその四兆円を負担するだけのことではないかというふうに言えると思います。
 この点は、財政諮問会議でも民間の委員の方からそれはちょっと不公平じゃないかと、企業だけゼロになるのはとか、あるいは経団連の皆さん自身もその辺は批判されたらどう言っていいのかと困っていらっしゃるところがあります。そもそも我が党も最低保障年金制度をつくって全額国庫負担でという考えですが、消費税となった場合こういうことになります。
 この企業負担ゼロになってしまうということについて、大臣、どういうふうにお考えか、聞かせていただければと思います。
#193
○国務大臣(額賀福志郎君) 全額税方式になった場合という仮定でございますけれども、そういう場合に、やっぱり従来の長年の保険料方式をどういうふうにしていくのか、これまでの保険料を負担されてきた方々に対してはどういうふうに対応するのか、それから税額がどれくらい負担になるのか、それはどういうふうにして財源を確保するのか、様々なことを考えていき、議論をし、しかもなおかつ国民の皆さん方の理解も得なければならないという前提があるわけでございます。
 したがって、当然その事業者負担については、その場合どういうふうになっていくのかということについてもそれは議論をしていかなければならない問題であるというふうに思います。
#194
○大門実紀史君 これは本当に重要な問題ですので、だれが負担するかというところ、まあ未納者解決とかいろんなことあるんですけれども、これは全額税方式の場合は解消される部分はありますが、消費税にした場合こういう問題が生じるということで、慎重に検討をお願いしたいというふうに思います。
 それと年金とか社会保障目的税という言い方が最近かなりされるようになりました。財務省は余り目的税化というのは積極的じゃない、慎重に考えておられましたけれども、今の時点で、例えば年金目的税化という話ですね、この辺は額賀大臣、これはどのようにお考えでしょうか。
#195
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、国の消費税については高齢者の介護とか老人医療とかに使っていくということを予算総則に書いてあって、事実上目的税化しているわけでございます。これから御議論をしていただくことになるわけでございますけれども、二〇〇九年度に国庫負担を三分の一から二分の一にするとか、あるいはまた社会保障の安定した財源をどうしていくかということを考えていくときに財源をどうするかが最大の懸案でありますから、我々は消費税を含めた形で議論をして、国民の皆さん方に安心できるような税源確保をしたいというふうに思っております。
#196
○大門実紀史君 いや、消費税はもうはっきり我が党は反対の立場ですから、制度としての目的税、今、目的化はされていますね。目的税ではありません。目的税化そのものの制度の考え方をお聞きしているわけですが、もう少しその制度について。
#197
○国務大臣(額賀福志郎君) 要するに、目的税、確認でございますけれども、目的税にするのかどうかということですか。
#198
○大門実紀史君 いや、それについて財務省は、いや、この議論は何度もこの委員会で、私ここにもう六年以上いますから、やってきた中で、財務省は目的税化というのは、まあはっきり言って増税してもほかにも使えるようにしたいということはあるかも分かりませんが、いずれにせよ、目的税化というのはどちらかというと反対といいますか、慎重といいますか、そういう立場でこられたものですから、それを聞いてきたものですから、今そういう議論がある中で、財務省は今の時点でどうお考えになるかということをお聞きしているわけでございます。
#199
○国務大臣(額賀福志郎君) 最初に制度があっていくわけじゃないんで、我々は当面の問題として社会保障の問題等の負担をどうしていくかということを考えたときに、消費税も含めてどういう形で財源を確保していくかということはこれから議論をしていくことでございます。
#200
○大門実紀史君 いいです。要するに、目的税というのは福祉と、福祉上げるか増税かというような議論になるとか、ヨーロッパはやっておりませんから、その辺の議論を前していたんですけれども、もう一度ちょっと財務省のレク受けてまた改めて議論したいと思います。
 証券税制の方でございますが、あといろいろ資料をお付けいたしました。先ほど、国際派の田村委員からいろいろ、ちなみに私もフィナンシャル・タイムズに出たことございますが、また田村委員と渡辺大臣が合作で延長してほしいというアピールをされました。ゼロにしろという暴論も出ましたけれども、私はもうちょっと無理じゃないかなと、あきらめていただきたいなと思うわけでございます。
 もうこれも民主党の皆さんも議論されましたし、うちもしましたし、いろんな議論をしてきたところですけれども、例えば余り一々反論したくないですけれども、いたしますけれども、田村委員が言われた格差拡大の原因になっていないというのは、なっているんです。
 これはもう去年の予算委員会でもやりましたし、この資料にも付いております。一部のお金持ちが非常にまたお金持ちになるという意味では格差拡大の、お金持ちの方を増やすという意味で格差拡大の原因になっておりますし、貯蓄から投資というのも、これも長い議論がありますが、国民はもっとリスク取れということでございますが、こんなの大きなお世話でございまして、国民は自分で判断すればいいので、政府が誘導する必要はないと思います。
 また、この間金融庁が中堅所得層が増えているじゃないかと、そのとおりです。増えておりますけれども、それはこの軽減税率のおかげではございません。なぜならば、もう細かいこと言いませんが、例えば年収、給与を合わせて六百万、七百万クラスの人が株取引で何百万かやっているとした場合、配当控除、配当の税額控除を使った方が税金が安くなります。すなわち、この軽減税率、余り使われていないんです、その人たちには。したがって余り関係ないんです。むしろ、この間増えているのは、ネット取引が普及したり、あるいは主婦が何千万円もうけたという本が一杯出たり、そういう誇大広告とか、損している人も一杯いるわけですけれども、もうかるんではないかというので増えているのが原因で、余りこの軽減税率のことは関係ないわけでございます。
 大体、外国に比べて、資料を付けておきました、今年の予算委員会では譲渡の部分やりましたけれども、配当の資料も付けましたけれども、どう見たってもう日本が安いんです、低いんです。ちょっと異常な事態になっていると。それが資料の二枚目のグラフに表れているということを申し上げた、予算委員会で申し上げたことがあります。つまり、五千万を超えると累進税率の、日本は仮にも累進課税ですけれども、五千万超えていくと負担率は下がるという事態に、戦後初めてだと思いますが、なっているんです。
 この原因について、前尾身大臣は私が指摘している証券税制の優遇だということもお認めになっているわけでございますので、ゆがみを生じているのが今のこの証券優遇税制でございますから、私はもうきっぱり廃止するべきだというふうに思います。
 更に言えば、国会の議論でいきますと、これには長い議論がありました。私は三年ぐらい前からこの問題、質問で取り上げてまいりまして、谷垣大臣は〇五年十月のこの委員会で私の質問に対して本則の二〇%に基づく方向だという答弁をされたことがありますし、ところが、その翌年も結局また延長になったわけですけれども、今年も尾身大臣がこういうふうに言われています。今回の延長は一年間延長して、その延長の間にマーケットの問題とかいろいろ検討した上で廃止すると、検討して廃止するということをはっきりおっしゃっていますし、三月十四日の予算委員会です。また、三月二十日の当委員会では、民主党の大久保議員の質問にも答えて、同じことをおっしゃっております。
 だから、大臣の答弁としては、これ廃止するというふうになってきた経過がありますし、去年の与党税調の文書にも、一年後に廃止しますと、廃止するとはっきり書いているわけですね。それをもういろんなことを言って今まで延ばしてきたわけでございますので、もうはっきりと廃止をすべきだと、決断すべきだというふうに思いますし、国会答弁を余り甘く見ないでもらいたいという点も含めて、きっちりした、余りいろんな意見に惑わされないで決断をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#201
○国務大臣(額賀福志郎君) それは、尾身大臣とかがお話しになったのは与党でですね、おっしゃるように適用期限を延長して廃止をすると。もちろんこの延長の間に、いろいろ証券市場とか、どういう手だてがあるとか、リスクというか激変緩和をどうするかとか、損益通算の範囲を拡大するとか、いろんなことを考えていきましょうという話をきっとなさったんだと思います。だから、それは今でも同じスタンスでございます。
 したがって、これから年末にかけてしっかりと議論をして、先ほど言ったようにいろんな視点から考えて対応していきたいというふうに思っております。
#202
○大門実紀史君 じゃ、一言だけ申し上げます。
 そういう経過があったわけですけれども、去年の場合は与党も廃止、政府税調も廃止の方向。ところが、経団連の皆さんから強い要望が出て急遽予算に盛り込むと、こうなったわけですね。
 私は、やっぱり財務省がしっかりしたスタンスを持っていただいて、もちろんこれから検討というのはそのとおりだと思いますので、きっぱり廃止する方向を決断してもらいたいと、廃止を決断してもらいたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#203
○委員長(峰崎直樹君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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