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2007/10/31 第168回国会 参議院 参議院会議録情報 第168回国会 災害対策特別委員会 第3号
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2007/10/31 第168回国会 参議院

参議院会議録情報 第168回国会 災害対策特別委員会 第3号

#1
第168回国会 災害対策特別委員会 第3号
平成十九年十月三十一日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     森田  高君     鈴木 陽悦君
 十月三十日
    辞任         補欠選任
     郡司  彰君     風間 直樹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         一川 保夫君
    理 事
                高橋 千秋君
                森 ゆうこ君
                加治屋義人君
                神取  忍君
    委 員
                青木  愛君
                風間 直樹君
                鈴木 陽悦君
                広田  一君
                藤谷 光信君
                山根 隆治君
                吉川 沙織君
                佐藤 信秋君
                佐藤 正久君
                末松 信介君
                塚田 一郎君
                山田 俊男君
                西田 実仁君
                山口那津男君
                仁比 聡平君
       発議者      森 ゆうこ君
   委員以外の議員
       発議者      水岡 俊一君
       発議者      富岡由紀夫君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        泉  信也君
   副大臣
       内閣府副大臣   木村  勉君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        加藤 勝信君
       経済産業大臣政
       務官       山本 香苗君
       国土交通大臣政
       務官       金子善次郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        加藤 利男君
       総務大臣官房審
       議官       御園慎一郎君
       文部科学大臣官
       房審議官     青山  伸君
       文部科学大臣官
       房審議官     古谷  毅君
       農林水産大臣官
       房参事官     小山 信温君
       農林水産省農村
       振興局整備部長  實重 重実君
       経済産業大臣官
       房審議官     伊藤  元君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        北川 慎介君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院審議官   加藤 重治君
       国土交通大臣官
       房審議官     小川 富由君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  増田 優一君
       国土交通省河川
       局長       門松  武君
       国土交通省道路
       局長       宮田 年耕君
       国土交通省港湾
       局長       中尾 成邦君
       環境大臣官房審
       議官       黒田大三郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○災害対策樹立に関する調査
 (平成十九年台風第十一号等の復旧・復興対策
 に関する件)
 (被災者生活再建支援制度の見直しに関する件
 )
 (新潟県中越地震及び中越沖地震に関する件)
 (被災者の自立再建に向けた支援の在り方に関
 する件)
 (災害時の避難・救援体制の整備に関する件)
 (利根川流域における堤防強化策に関する件)
○被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案
 (森ゆうこ君外六名発議)
    ─────────────
#2
○委員長(一川保夫君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、森田高君及び郡司彰君が委員を辞任され、その補欠として鈴木陽悦君及び風間直樹君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(一川保夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官加藤利男君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(一川保夫君) 異議ないと認め、さように決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(一川保夫君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○鈴木陽悦君 おはようございます。当委員会で初めて質問をさせていただきます民主党・新緑風会・日本の鈴木陽悦でございます。
 泉大臣とは以前、経済産業委員会で御一緒させていただきまして、こうした質問の機会を得まして大変光栄でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、本日は大臣の所信を受けての質疑ということでございますので防災全般について伺ってまいりますが、私の出身地であります秋田県を始めとする北東北三県、それに沖縄県、先月の台風及び前線の影響で大きな被害を受けました。こちらの復興対策についても伺ってまいりますので、お願いいたしたいと思います。
 さて、御存じのとおり、今年に入ってから、日本海沿岸から神戸にかけてのいわゆるひずみ集中帯と言われます地域で地震が集中して発生しております。能登半島地震、それから新潟県中越沖地震でございます。中越地震では、地震発生後の原発の視察、これは経済産業委員会の一員として、また先週は民主党のワーキングチームの皆さんとともに地震の被害地を視察をさせていただきました。まだ残ります青いビニールシート、それから瓦れきの山、正に深いつめ跡を物語っておりました。
 それから、次は風のことなんですが、暴風雨に関してなんですが、フィリピンの東の太平洋上で形成されました北西方面への気圧の谷、これはモンスーントラフと言うんですが、モンスーントラフの影響で例年になく今年は台風の接近が高くなっておりまして、今年の接近率は過去に例を見ない七五%に上っております。そして、集中豪雨の増加にあっては従来の想定をはるかに上回る正に未曾有の降水量を記録しているわけでございます。
 こうした勢力の強い台風の発生と地球温暖化の間には大変深い関連性があるとの研究結果もございます。先ほどモンスーントラフの話をさせていただきましたが、もうちょっと規模を地球全体、上の方から俯瞰しますと、実はMJOという、聞き慣れない言葉だと思うんですが、マッデン・ジュリアン・オシレーションという言葉があるんですが、MJ振動とも呼ばれております。これは研究者の方の名前が付いておりますが、いわゆるサイクロンから台風、そしてハリケーンにまで影響を及ぼす地球規模の変化が起きているのではないかという研究発表もあります。また、現状で中国の気象台の方では、大雨、日本で相当する大雨を暴れる雨、暴雨という表現をしております。暴雨、さらには大暴雨、特大暴雨、こういうような三段階の表現を使っている。先月の大雨というのは正に日本では暴雨に匹敵するんじゃないかというぐらい暴れまくった大雨だと感じております。
 本日は、この発生の傾向と今後の調査分析に向けての対応方針についてもどのような認識か伺ってまいりますが、もう一つ申し上げておきたいんですが、平成十三年の省庁再編に伴って、内閣府に防災担当大臣、これを置くことができるようになって以来、この間、災害特命大臣が内閣府に置かれるようになりました。泉大臣にあられましては参議院の代表として是非頑張っていただきたいと思います。
 そこで、お願いといいますか、希望と申しますか、どうも政府は、災害といいますと担当は内閣府ということで、ある意味責任は内閣府であると言うんですが、実際の現場では国土交通省だ、農林水産省だ、いや総務省だというふうになるわけでありまして、担当大臣が現場とのかかわりがいまいち薄いんじゃないか、国民にはよく分からない。特に災害現場の被災者に向けた強いメッセージが感じられないような気がいたしております。特命大臣だからこそ省庁横断的リーダーシップ、農水関係では品目横断でございますが、省庁横断的なリーダーシップを是非発揮していただいて、被災者に不安な思いをさせない、安心、安全を確保する政治を強くお願いして、国民の目線を忘れないことが大事だと考えております。
 大変長くなりましたが、初めに大臣の防災に対する御決意、そして御認識を伺わせていただきたいと思います。
#7
○国務大臣(泉信也君) エールを送っていただきましてありがとうございます。微力でございますが、任務を全うしたいと思っております。
 お尋ねの我が国の災害の問題は、自然条件が大変厳しい、そういう中で、御指摘の地震あるいは台風そしてまた豪雪、火山噴火などによる災害が発生しやすい国土であると認識をいたしております。災害から国民の生命や財産を守るということは国政の大変重要な課題の一つでございまして、政府を挙げて取り組んでいかなければならない課題でございます。
 さらに、今年は、お話ございました超大型の台風や集中豪雨などが続発をしておる、次々に発生をいたしております。近年の温暖化による地球規模での異常気象が伝えられておるわけでありまして、いわゆるIPCCの検討結果によりましても、温暖化が起きている、あるいは海面の水面上昇が予想される、さらには熱帯低気圧の強度が強まってくるという予測がなされておるなど、日本の地形条件だけではなくて地球全体からくる災害の発生が心配されるわけでありまして、これまで以上に大規模の災害が発生し得るという懸念が持たれるわけであります。
 防災行政は様々な分野にまたがるわけでありまして、大変横断的に広がりを持った政策課題ではありますが、先生お話ございましたように、十三年の一月に防災担当大臣というのを新設をしていただき、これによって横断的な対処をやっていこうという政府の基本的な考え方が示されたと私は思っておるわけであります。当然、担当大臣といたしましては、災害の予防、応急対策、復旧復興、こういう各段階にわたりまして関係省庁と連携を取って万全の策を取っていかなければならないと思っております。
 私自身も、就任をいたしまして中越沖地震の現場を見せていただきました。避難住宅等のこと、それから原子力発電所、この場所も見せていただいたところでございます。
#8
○鈴木陽悦君 大臣は所信表明の中で公の力、自助、互助、共助、公の力というところを強調されておりましたので、是非ともその公の力を大いに発揮していただく大臣になっていただきたいと、希望でございます。よろしくお願いいたします。
 秋田の話になりますが、秋田県では八月の二十日、二十七、そして先月の十七日と、立て続けに大雨に見舞われました。各地で被害を受けております。中でも特に被害が大きかったのは先月の十七日のケースでありまして、降水量でいいますと、秋田県内ですが、十三か所の観測点で統計開始以来最高の記録を更新いたしました。今回の台風とこれに伴う大雨被害では、農林業関係を中心に被害額は大変莫大なものになっております。
 秋田県では、台風十一号の被害を受けた後、国民体育大会、第六十二回の国体が行われました。北秋田地区では、道路や大会施設の復旧に取り組みながら国体を行ったという現状でございました。県民の多くが国体の成功を喜んでいるわけでございますけれども、県民の間では、大会式典においでになりました天皇陛下が秋田における甚大な災害についてお見舞いの言葉を結構長く述べられました、これで非常に励まされたという声を聞いております。
 政治の出番なんでございますが、最近の連続する各種大災害のために大臣は多忙を極めていると思いますが、台風十一号によります秋田県におけるこの甚大な被害についても御理解いただいていると思います。かつてない大雨によります正に記録的な被害を受けたわけでございますが、現在、行政も県民も復興に向けまして全力で取り組んでいる現状でございます。既に県を始め政府に様々な要望をさせていただいておりますが、被害に遭った方々への心情を深く理解していただいて、全力で対処をしていただきたいとお願いしたいと思います。
 そして、激甚災害の指定、それから昭和四十三年に創設されました、限られた地域内での特例措置であります局地激甚災害の適用なども含めて早期指定への弾力的な運用も必要と思いますが、県民のその切なる要望について対処をお願いするものであります。
 そこで、今回の災害についての御認識並びに取り組む決意について伺わせていただきたいと思います。
#9
○政府参考人(加藤利男君) 台風十一号の災害については、先生お話しのようにかなりの被害をもたらしたということでございますが、その台風十一号の災害については、激甚災害の指定の関係についてでございますが、現在私ども、関係省庁からは、全国レベルの、いわゆる本激でございますが、この指定基準には達しない見込みであると聞いております。
 しかし、一方で、今お話がございましたように、局地激甚災害の指定につきましてですが、これは市町村単位で復旧事業費等の査定額、これにより判断することになるわけでございますが、この台風十一号の災害についても、今後全国的に精査を行いまして、該当するものにつきましては一括して年度末に指定すると、そういう考え方でございます。
#10
○鈴木陽悦君 是非前向きな対処をお願いしたいと思います。
 今回の大雨ですが、秋の収穫期に多大な被害をもたらしました。さっき申しましたが、八月の二十日からの大雨というのは、南の方の由利本荘市、こちらの方を中心に被害を受けました。秋田県北部は十七日、冠水とか土砂の流入の被害を受けておりますけれども、由利本荘市視察してまいりましたら、もう冠水した田んぼはちょうど収穫前でございましたんで稲が全部倒れてしまいます。農家の皆さんは、その泥水かぶった稲を洗い流して、さらに倒伏したものを立て直すという努力を続けられまして、収穫期には、その由利本荘市の方では何とか収穫できたんですが、品質の低下というのはこれは否めません。また、北秋田の土砂流入は、今後復興までかなりの時間を要する厳しい状況でございます。
 こうした土砂とか流入物によって被害を受けた水稲の被災状況、農作物の被害救済の取組として、農業災害補償法に基づく共済金の早期支払の必要、これが急がれると思うわけでございますが、あわせて、収量の減少のみならず、品質の低下に伴う損害評価を行って適切な特例措置を講ずる必要があると思うんですが、農水省としてはどのように対応されるのか、是非伺わせてください。
#11
○政府参考人(小山信温君) お答えいたします。
 九月中旬の大雨により発生いたしました冠水、土砂流出等の被害対策につきましては、秋田県から御要望があるところでございます。
 このうち、水稲共済につきましては、今後、秋田県農業共済組合連合会から特例措置の申請があれば国としても適切に対応してまいりたいと考えております。
 また、共済金の早期支払につきましては、被災農業者の要望を踏まえまして、迅速かつ適切な損害評価の実施と共済金の早期支払について農業共済団体を指導しておりまして、水稲共済につきましては年内を目途に早期に支払うよう努めているところでございます。
#12
○鈴木陽悦君 これも是非秋田県の方に、現場の方に状況を後ほど伝えたいと思います。
 先ほど土砂流入と言いましたが、小さい石から本当にこんな大きなコンクリートの塊までが一気に押し流されて田んぼの中に流入したという、非常に現地を視察しますと悲惨な状況でございます。これは一刻も早く、農家の皆さん、確かに土砂流入した現場を見て一番落ち込むのは気持ちの問題でございますので、気持ちを何とか復興させるような、そうした手当てを何とかしていきたいなというふうな気持ちを持っております。
 それから、農水省に伺いましたので、総務省の方に被災した市町村への支援という観点からちょっと伺いたいんでございますが、総務省ではどういった支援を考えていらっしゃるのか。支援法等についてはこの後、今日は終わってから被災者の生活再建支援法の趣旨説明もございますので、そちらの方の審議でまたいろんな、支援についてはお話しさせていただきますが、今日は総務省として今回の大雨災害に対する措置についてどんなお考え、対応をお持ちなのか、伺わせてください。
#13
○政府参考人(御園慎一郎君) お答えさせていただきます。
 委員御承知のとおり、災害による特別な財政需要が発生した場合には特別交付税によって措置をさせていただいております。被害の状況あるいは復旧事業費を基に交付額を決定するという仕掛けになっておりまして、本年の十月までに発生した災害、正に今御指摘の秋田の台風災害はこれに当たるわけですが、これにつきましては、この年十二月の特別交付税で措置することとしておりまして、現在、県を通じましてそれぞれの市町村の被害の状況等をヒアリングをしておりまして、算定作業を進めているところであります。
 被災した地方公共団体におきましても応急復旧事業等による財政支出、多額に上るものでありますので、私ども総務省といたしましても、各団体の事情を十分把握した上で、今申し上げました特別交付税を含めまして、これ以外に普通交付税あるいは地方債といったような地方財政措置を講じる中で、さらに当面の対応に必要な当該それぞれの団体の資金確保という点も勘案しながら、それぞれの団体の財政運営に支障が生じないように適切に対処してまいる所存であります。
#14
○鈴木陽悦君 秋田県の大雨を中心に各省庁のお考えを伺ってまいりましたけれども、今度はちょっと範囲を狭めた質問をさせていただきたいと思います。大臣に伺えればと思っておりますが。
 過疎化の進んだ能登半島の中山間地域、これを直撃した能登半島地震なんですけれども、ある集落のケースなんですけれども、住民が集落を去ってしまう、その代わりに産業廃棄物処分場を誘致した。つまり、住み慣れた地を離れる決意をしました。離れる決意をせざるを得なかった。つまり、この集落は六十五歳以上の高齢者の皆さんが半数以上でございまして、近い将来、地域の共同生活に困難を来す、最近いろいろとあちこち登場しています限界集落でございます。こうした集落が自然災害に見舞われますと加速度的に集落自体が消滅する、いわゆる限界から消滅集落につながってしまう危険性があるわけでございます。その結果、農地それから山林が荒廃して、さらには地域全体が災害に対しましてもはや何ら打つ手がないという悪循環に陥りかねません。
 国内にはこうした限界集落は、去年の四月時点なんですが、過疎集落六万二千二百七十一集落のうち一二・六%に当たります七千八百七十三集落、限界集落が七千八百七十三集落に上っております。こうした集落への対応というのは、強い地域コミュニティーの復活、活性化が必要ではないかと考えますが、この辺のお考えを是非聞かせていただきたいと思います。
#15
○国務大臣(泉信也君) いわゆる限界集落というような場所あるいは高齢化が進んだ集落というところは、平常時でも大変このコミュニティーを維持していくことは難しい状況になっておるわけであります。災害に遭われた地域にあってはなおさらのことだと思っております。
 災害に対しましては、安心、安全を守っていくために行政が責任を持つ、いわゆる公助ということがございますし、国民一人一人が自分や家族の安全を守るという自助という仕組みも大切だと思っておりますし、さらに地域の人々や企業や団体が力を合わせていく共助という役割も大変重要な、この三つが合わさってコミュニティーの守りが固まっていくというふうに考えております。
 例えば、中越沖地震では、あるいはまた今年の三月の能登半島地震でも、近所の方々が倒壊した家屋から被災者を、お年寄りを救出する地域ぐるみの活動で多くの方々が救われたということもお聞きをいたしておりますし、地域の助け合いによって短時間に高齢者の安否確認が行われたと、結果的に非常にうまくお助けすることができたというようなことも承知をいたしております。
 政府といたしましても、消防団の方々に一層御活躍をいただく、あるいは大変ボランティアの方々が被災後の救助活動あるいは被災前の防災活動等にも御活躍をいただいておりますので、こうしたボランティア活動の環境を整備をしていく。さらに、全国的にこの先進地域というか、例としてすばらしい活動をしていただきました事柄を多くの関係地域の方々にも知っていただく、そうした全国防災まちづくりフォーラム等を開催をいたしましてこういう実績を御紹介していくということをいたしておるわけでございまして、本当に公助、共助そして自助というこの三つの組合せをより緊密に連携をしていく、そのことによって、災害地の、過疎地域でありますとか限界集落と言われております部分の災害の対策をきめ細かにやっていきたいと考えておるところでございます。
#16
○鈴木陽悦君 是非きめ細かな対策をお願いいたしたいと思います。
 次に、被災者生活再建支援制度について伺ってまいります。
 災害時には、前にもお話ししました激甚災害制度の指定など公的な復旧復興のほかに、被災者個人個人の生活再建に対する支援制度が十分に機能しているのか、これが併せて重要な課題となってきます。
 私も、このたびの水害では現地で状況把握に努めましたけれども、被害に遭った皆さん、大きな絶望感に見舞われまして、復旧への希望なかなか生まれてまいりません。そうしたことが廃業とかさっき言ったように移転などにつながるわけでありまして、早めの支援の手が現場に見えるような形で必要だと強く認識をしてまいりました。
 被災者生活再建支援制度の現状とそれから課題について、いろいろと与野党案が出ておりますが、大臣の全般的な御認識、御所見を伺えればと思っています。
#17
○国務大臣(泉信也君) 平成十年のこの法律を作りましたとき、そして十六年の一部修正のとき以来、いろいろな議論を諸先生方からしていただいてまいりました。
 包括的に申し上げますと、この支援制度では、被災者一人一人を勇気付け自力によって生活再建を誘発するということ、それから地域社会の中核を担う人々が地域にとどまって住宅を再建する、さらにコミュニティー、地域社会の速やかな復興の実現、もう一つ言えば、その結果として全体の公費負担の低減、こうした事柄をねらって今日までも御議論をちょうだいしてまいりました。
 現在、私どもは検討会を設けて、中間報告もいただき、パブリックコメントもいただいてきたところでございますが、大方の御意見は、被災者の自立意識、生活再建意欲を高めてほしい、また支援の気持ちがストレートに伝わるようなものにしてほしい、こういうお話を承っておるわけであります。
 与党そしてまた民主党、それぞれこの法案の御提出をいただいておりますので、御議論を踏まえて一日も早く成立をさしていただきたいと、このように考えておるところでございます。
#18
○鈴木陽悦君 被災者生活再建支援法につきましては、今大臣からお話がありましたように、今国会、民主党案と与党案それぞれ提出されておりますけれども、与党案には半壊世帯が支援対象に含まれておりません。
 鳥取県の西部地震では、過疎・高齢者地域の被災者の世帯流出を防ぐために住宅再建が最優先との考えの下で、県独自の住宅復興補助制度が導入されました。その効果として、半壊世帯への住宅補修の対応が手厚かったことが集落の維持に大きく寄与したと評価をされております。
 一般の半壊世帯におきましても数百万円の費用が掛かるケースもありまして、半壊世帯、これを支援金の支給対象とすべきと考えるわけでありますが、これ、政府の認識をちょっとここで伺わさしていただきたいと思います。
#19
○政府参考人(加藤利男君) 被災者生活再建支援法の現行法は、自然災害によりまして生活基盤に著しい被害を受けた者を対象としております。このような趣旨から、この現行法の対象は全壊世帯及びこれに準ずる大規模半壊世帯を支援金の支給対象としているところでございます。
 お話のありました半壊でございますが、この半壊につきましては補修すれば元どおりに再使用できる程度の損壊というふうに考えておりまして、そうした考え方から現行法では対象にしていないというふうに理解をしております。
#20
○鈴木陽悦君 その件につきましてはまた法案の審議の中でいろいろとさしていただきたいと思っておりますが、最近では、能登半島の方ですか、新しい工法で、半壊のおうちを柱を元に戻すようなそういったかなり格安な工法も出てきたということでございますので、こうした半壊への対処というのは、やはり絶望感に襲われてしまった皆さんたくさんいらっしゃいますので、適切な支援というのは本当に必要だと思います。
 それから、余り時間ありませんので、いろいろと今日は項目用意さしていただいておりますので、もう一つ被災者再建支援法について伺いたいんですが、この支給要件ですが、年齢要件、それから所得要件が課せられておりまして、住宅ローンとか子育てを抱えた中堅ファミリー層が支給対象外になるケースがあるんですね。先週、民主党のワーキングチームの皆さんと現地の方々、被災者の方々といろいろと懇談をさしていただいてお話を伺ってまいりましたが、こういった悩みを訴える方もいらっしゃいます。使い勝手の悪さというのが指摘されました。
 年齢要件の廃止、それから所得要件の緩和については与野党ともに一致した方向性を示しておりますが、この方向性についての政府の評価というのはどうなのか、それを伺わせてください。
#21
○政府参考人(加藤利男君) 被災者生活再建支援法の関係の要件、年齢要件、所得要件についてでございますが、これは、自然災害により生活基盤に著しい被害を受けた者であって経済的理由等によって自立して生活を再建することが困難な者を対象としておりまして、このような趣旨から年齢、年収に関する要件がそれぞれ定められているものと承知をしております。
 一方で、ただいま先生お話のございましたように、年齢要件とか年収要件につきましては、この制度自体が被災者にとって、その年齢要件、年収要件がいろいろ複雑に決められている、こういうことから非常に使い勝手が悪い、非常に複雑で分かりにくいものとなっているという原因の一つというふうに挙げられようと思いますが、そういうことから、これらの要件を撤廃ないし緩和するということを、従前から被災地からの要望のうち、いろいろ上がっておりますけれども、その中でも大きいものの一つであると承知をしております。
 いずれにいたしましても、先ほど大臣から御答弁がございましたように、いろいろ与野党で御議論いただきまして、一日も早く成案を得ることができるようにお願いしたいというふうに考えておるところでございます。
#22
○鈴木陽悦君 では、次に移りますけれども、北秋田市の被災地で住民の方々から話を聞いて、いかに今、今お話ありましたけど、負担金額が明日への不安につながっているかというのを実感いたしました。例を挙げますと、水につかった店舗、これは取り壊さざるを得ない、余儀なくされた商店主、それから年金暮らしのお年寄りの声、これ正に悲痛な叫びでもございました。支援制度がこうした声に真にこたえられる制度になりますように、これからの議論の深まりに期待をしたいと思います。
 ところで、今回の大雨被害でございますけれども、夏から秋口にかけて降った大雨でございましたが、これもう数か月ずれますと、いわゆる冬場にずれますと、これ豪雪、大雪の被害という危険性もございました。
 そこで、雪害対策についても触れておきたいと思います。
 過疎化、高齢化という関係から見ますと、平成十八年豪雪でも明らかになりましたように、豪雪地帯は正に過疎化、高齢化の深刻な問題を抱えております。雪下ろしの担い手不足でありますとか、地域防災力の低下など、雪の処理が集落を維持していく上での大きな課題になっております。現に豪雪によって、去年、十八年の豪雪でもございましたが、孤立する、もう本当に交通網が遮断されてしまう集落も数多くあるわけでございます。秋田も雪国でございまして、度々この雪害に悩まされております。こうした過疎化、高齢化が進む豪雪地帯に対します今後の雪害対策はどのように考えていらっしゃるのか、御所見を伺いたいと思います。
#23
○政府参考人(増田優一君) お答えいたします。
 豪雪地帯では高齢化、過疎化が全国平均を上回るペースで進んでおりまして、特に雪の多い中山間地域におきましては、雪下ろしの担い手あるいはまた住民相互の支えの力というのが大変減少しておりまして、住民の皆様の負担が一層大きくなっていると認識しております。
 お話ありました平成十八年豪雪におきましては、一昨年の十二月から各地で記録的な降雪となりまして、雪下ろし中の事故などで百五十二名の方、これ秋田県内だけでも二十四名の方が尊い命をなくされております。このうち、六十五歳以上の方の占める割合が約三分の二ということでございまして、そういった対策が早急に求められているというふうに認識をしております。
 そういったことで、これ御案内のように、豪雪地帯の対策は豪雪地帯対策特別措置法、それからこれに基づいて定めております豪雪地帯対策基本計画に基づいて各般の対策を取っておるわけでございますが、そういった状況を踏まえまして、国交省におきましては、昨年一月に町づくり、高齢者対策、雪害などの各分野の専門家の皆様と自治体の代表から構成される座談会を設置いたしまして、豪雪地帯における安全、安心の地域づくりについて追加的な対策の御検討をいただきまして、これ昨年五月に御提言をいただいて、これを受けまして、昨年十一月に国の豪雪地帯対策基本計画の改定をいたしたところでございます。
 改定内容を二、三申し上げますと、雪処理の負担を軽減するハードの整備はもちろんでございますが、これに加えまして、一つは、雪処理の担い手の確保対策をしっかりやろうということが一つ。もう一つは、これまで公共団体の計画は道府県計画があったわけでございますが、これに加えまして、地域の特性を熟知している市町村によりまして効果的な雪対策のための総合対策を、総合計画を作るということを盛り込んだわけでございます。担い手の確保につきましては、昨年度、豪雪地帯各地で行われた地域の助け合いでありますとか、各地域の先進的な取組、私ども調査をいたしまして、そういった事例集、先進事例の普及促進を今進めているところでございます。
 また、市町村計画につきましては、これ市町村お慣れになっておりませんので、そういった雪対策計画の策定をスムーズに進めるための現在マニュアル作りをしておりまして、そういったことで、今後ともしっかりと豪雪地帯対策を推進してまいりたいと考えております。
#24
○鈴木陽悦君 雪国に住む者としてはいろいろな方策がありまして、利雪、克雪、雪を利用しようじゃないか、それから雪を克雪、乗り越えていこうじゃないか、そういった気持ちはあるんでございますが、十八年豪雪のように、朝起きていきなりどかっともう四、五十センチも降っていますと大変なことになります。実は秋田市内では除雪車が雪に埋まってしまうという、はまってしまうと、そういう現象も起きまして全国ニュースにもなったと思いますが、それぐらい激しい雪が、もうすごいすさまじい雪が降りました。
 また、大雪の時期には、町内ですとか市町村単位で一日除雪デーを決めたり、様々なコミュニケーションづくりも進められている、こうした面も、今後地域のコミュニティーを守っていく上では必要ではないかと思っておりますが、ただ、予測が付かないものですから、もう本当に降るときは一挙にどおんと降りますので交通網が遮断されてしまう。特に、今お話しされました過疎地域、それから高齢化、こうした地域では非常に難渋しているのが実情でございます。
 それからもう一つお話しさしていただきたいんですが、いったん雪が降りますと、今度は都市部の部分でございますが、いろんな工事がございますね、旧市内はあんまり大きな車幅がありません。双方向のところも、大雪降りますと、除雪すると一車線になって、ふだんは双方向の二車線ですが一車線になってしまう、これ余儀なくされてしまうわけでございます。こうしたときに、緊急車両の走行確保、これが大変問題になります。
 その時期に、今まで雪国では余り大雪の時期に地震というのはありませんが、この大雪にさらに地震というものが加わった場合には大変な事態になるわけですね。実際に秋田でも、そうした緊急時を想定した、地震が重なった場合のマップを作った学校の先生もいらっしゃいまして、これは本当に、いざ起きたときにどうなるかという想定の上では非常に重要な課題だと思っております。
 そこで、是非、防災対策としてその地域事情を考察した上での対応をお願いしたいと思います。
 主に都市部における豪雪時期の、今例えは地震の話をしてしまいましたが、豪雪に限りますと緊急車両の道路確保対策というのはどのような形で進められているのか、その辺をちょっと伺いたいと思います。
#25
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、雪で、積もった雪で、あるいは除雪をした雪で幅員が狭くなるということでございまして、一つはハード対策だろうと思います。堆雪幅を取った道路を造っていく、それからもう一つは流雪溝でございますとか消雪工、そういうものを整備をいたしまして自動的に雪が消えるようにする、これが基本でございますが、なかなか、先生御指摘のように都市内の細街路まで十分にそれができるという、そういう状況ではございません。
 御指摘のように、秋田市内では十八年の豪雪で路線バスが全線で運休して復旧まで二週間掛かったという状況でございますし、渋滞が起こる、あるいは交通安全上の支障が起こる、さらには緊急車両が通れないということでございますので、少し除雪の方に、市町村道も含めて、幹線市町村道も含めて補助を出すということもそういう豪雪のときにはやってございます。
 さらに、細街路になりますとなかなか大変でございまして、今年、秋田市内三か所でモデル地区を定めまして社会実験をしようというふうに考えております。社会実験と申し上げますのは、本格実施に至る前にいろいろ課題がありますのでそれをこなしながら本実施に至る、そういう実験でございますが、秋田市内三地区、町内会単位で堆雪場所を、小規模であっても見付けられたところを堆雪場所に指定をして、そこに、道路に除雪をするのではなくて堆雪をいったんそこにする、町内会の皆さん方にも協力をいただいてそれを有効に機能させる、夏場はそこをどういうふうに使うかというのも地元の皆さんで検討していただく、そういう社会実験を全額国費で今年度始めてまいりたいと思います。
 いろいろ手段はあろうかと思いますが、工夫をしてまいりたいと考えております。
#26
○鈴木陽悦君 どうも、そのいろんな実験の成果、期待したいと思いますので。雪国は秋田だけではございませんので、雪国全般に対する対策というのを是非お願いしたいと思います。
 最後になりますが、どうも今までは人間の方に集中しておりますが、ここで是非申し上げておきたいのはペットなんですね。とりわけ犬に対する対応について、災害時のペットについて、これ最後に質問させていただきます。
 救助犬として災害時に活躍する犬の姿、これは度々報道されていますが、こうした一方で、災害時のペットの問題というのは非常に深刻でございます。
 阪神・淡路大震災では、一月十七日でございまして、真冬の時期でございました。犬を連れて、体育館などの避難所に犬連れで行った人は施設内に入れませんでした。そこで段ボールの小屋を造って犬と一緒に暮らす、こうしたケースが見られました。体調を悪くした方もいらっしゃいます。三年前の新潟の地震でもそういったケースが見られました。現場ではこれ以外にも様々な問題が起きております。トラブルが起きております。
 あれから、阪神・淡路大震災からは十年でございますが、現状では犬を飼う方が大幅に増加して、全世帯数のおよそ二割、二割の方が犬を飼育している。これが現状でありまして、さらに室内犬が増加しておりまして、家族同様に暮らす家庭が多くなっております。
 こうした現状の中で災害が発生した場合、相当数の飼い主とそのペットの収容というのは必要になってくるわけでございますが、特に都市部の場合は数が多くて、避難所に殺到するケースが考えられるわけでございます。人命第一というのは分かりますけれども、犬との共生社会が進む中で、ペットとの共生が進む中でしっかりとした対応というのを、これ必要だと思うんでございますが、政府の認識、それから何らかの対応策、これどのように進んでいるのか、是非お聞かせください。
#27
○政府参考人(黒田大三郎君) お答え申し上げます。
 災害時における被災者のペットの救護支援についてでございますが、従前より、動物愛護管理法に基づきます基本指針、あるいは都道府県が策定いたしました地域防災計画、こういったものを踏まえまして、地方公共団体を始め地域の獣医師会あるいは動物愛護団体等が連携協力して、いろいろな対応を実施していただいているところでございます。
 例えば、本年七月の新潟県中越沖地震のケースでございますが、新潟県と新潟県獣医師会、そして新潟県動物愛護協会、こういった団体が共同して動物救済本部というものを設置しております。被災地に残されたペットの収容であるとか、あるいは避難所等におけるペットの一時預かり、飼育ケージやペットフード等の支援物資の提供、さらにはペットの健康、飼育に関するいろいろな相談、こういうものに対応するというようなことで効果を上げているところでございます。
 環境省といたしましても、今後ともこういう対応が円滑に進みますように、中越沖地震が好例でございます、こういう取組が広く行き渡りますようにいろいろな形で、情報提供を始め支援をしていきたいと思っております。
 また、飼い主の皆様方にとっても、ペットの救護に欠かせない所有明示といいますか、連絡先を明示してもらうとか、そういうことの徹底を図っていただくようにお願いをしていきたいと、かように考えておるところでございます。
#28
○鈴木陽悦君 災害全般ということで、最後は犬の問題を取り上げましたけれども、人間と同様に地震でのダメージによる犬のストレスというのは結構あると思います。今お話あったように、地方自治体、県とか市町村、それからボランティア、NPO、かなり積極的にこの問題、取り組んでおります。活動報告も私いただいておりますけれども、是非国としても、県、市町村、ボランティアなどとの連携を深めて、避難場所の確保、それからえさ、加えて犬と飼い主の精神的ケアというのが結構大事だと思いますので、この辺の対処を是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 今日はこの後、災害時の電話の使い方とかいろいろと考えておりましたけれども、今日はトップバッター初めてやらせていただきまして、全般にわたって質問させていただきました。私も日本海中部地震の、昭和五十八年の実際に体験した人間でございますので、災害時の緊急態勢、この必要性というのは非常に痛感しております。また委員会の方で質問させていただく機会が与えられればと思っております。
 この後は同僚の風間議員に質問を譲りたいと思います。ありがとうございました。
#29
○風間直樹君 民主党・新緑風会・日本の風間直樹でございます。
 七月の参院選で初当選をさせていただきまして、この委員会が初質問になります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今日は先般起きました中越沖地震、それから三年前に起きました中越地震にかかわる質問をさせていただこうと考えております。
 まず、この場をおかりいたしまして、今回の中越沖地震で亡くなられた多くの方々に対して心からお悔やみを申し上げますとともに、今なお家屋の倒壊などで仮設住宅等不便な生活を強いられている皆様、多くいらっしゃいます。一刻も早くこうした皆様が元の生活に復帰できることを願っております。
 また、これまで全国各地から多くの皆様が新潟県に温かい御支援を賜りましたことに対しまして、心から感謝の念を申し上げたいと存じます。
 申し遅れましたが、私、新潟県の上越市というところに住んでおります。地震の被災地でございます。今回の中越沖地震、それから三年前の中越地震、それぞれで震度約六の地震に見舞われました。今日、この委員会には、同じ地元新潟から森委員、佐藤委員、そして塚田委員と三人の同僚委員に同席をいただいております。この七月の地震では、私と佐藤委員は全国比例の選挙区でございましたので県内にはおりませんでしたが、森委員と塚田委員は新潟県選挙区の選出でいらっしゃいますので、正に選挙中に被災をされたということになるわけでございます。
 そこで、まず大臣にお伺いをしたいと思いますが、今回、この委員会が中越沖地震以降、参議院の場で初めてこの地震に関する質疑が行われる場というふうに伺っております。この中越沖地震の復興に関して大臣がどういう認識と姿勢で臨まれるか、そのお考えをまずお伺いしたいと思います。
#30
○国務大臣(泉信也君) 今回の地震は、三年前の新潟県中越地震と大変近接した震源域で発生したということでございまして、家屋の倒壊などが非常に多かった、二度の災害を受けた方もいらっしゃる、しかも高齢者が被災をしておられるということで、長期間の避難所生活を強いられておられるということが一つの大きな特徴であったと思いますし、またガス、電気のライフラインが復旧までに二十日間掛かった、信越線に代表されます交通網の復旧も時間が掛かった、結果として地方都市圏の生活や生産基盤に深刻な影響を与えたというのが一つの大きな特徴ではないかと思っております。
 また、今回の地震では、地震の特徴として柏崎刈羽原子力発電所が被災を受けた、このことによっていわゆる観光のお客様が風評被害によって激減をした、地域経済へ大きな影響を与えたという意味は大変特色的なことではなかったかと思います。したがって、原子力発電所の安全対策や防災体制の在り方などがこの地震で改めて問われたということが特色の一つであります。
 また、自動車部品工場の被災によって日本じゅうの自動車産業が、あるいは海外も含めてと言った方が正確かもしれませんが、大変大きな生産の一時ストップというような状況に追い込まれた。いわゆる事業継続計画というBCPの重要性が改めて認識された災害であったというようなことが挙げられると思います。
 政府としては、発災以来、関係機関と連携を取りまして各般の災害応急対策や復旧復興の対策に取り組んできたところでございますが、これらの今回の地震により得られました課題や教訓を踏まえまして、例えば先ほど申し上げました原子力発電所等につきましても、新たな知見が得られれば全国五十五基の原子力発電所の安全性についての検討もするということなどを踏まえまして、災害時の要援護者対策強化など、必要な対策を講じて災害への備えを更に確かなものにしていきたい、このように考えておるところでございます。
#31
○風間直樹君 三年前の中越地震の際には、私は直接地震を経験いたしました。そのときに私が持ちました率直な疑問が一つございまして、当時被災された多くの方が異口同音におっしゃいますが、普通の地震とはちょっと違う。といいますのは、地下から突き上げられるような強い衝動、これが中越地震で起きた、我々が感じた揺れでございまして、一般に地震といいますと横揺れをイメージするわけでございますが、正に震源地では地下からの強い突き上げを経験したわけでございます。
 今日、私がこの委員会で指摘をし質疑をさせていただきたいポイントは、実は私どもこれまで地震の原因というのは、いわゆるプレートが移動することによってもたらされる、そこから起きる、これが地震だというイメージを持っているんですが、どうもそれ以外にも地震の原因になる力学があるんではないかと。特に、実は新潟県内でここ数年間、経産省が補助金を出している財団法人が、CO2、二酸化炭素の地下への貯留実験というものを行っております。同時に、新潟県内に幅広く展開をしている帝国石油、この会社が地中への水の注入を二〇〇〇年ごろから行っております。この二つの行為が、もしかしたら中越地震あるいは中越沖地震を招いた原因になっている可能性があるのではないかという、このことについて今日は質疑をさせていただきたいと、このように思います。
 委員の皆様にはお手元にお配りしました資料をごらんいただきたいと思いますが、最初の資料の一―一、こちら、今私が申し上げましたいわゆるプレートテクトニクス理論と言われる、ふだん我々が持っている地震が発生するイメージでございます。
 今私が指摘をしました、どうも新しい原理によって起きているのではないかといいますのが、この資料の一―二でございます。ここに化学式を書いております。私もどちらかというと文系なものでございまして、余りこういったものには造詣が深くないんですが、調べてみますと、このFe+H2O、Feというのは鉄でございます。H2Oは御承知のとおり水でございます。これが触れるとH、つまり水素を発生させる、こういう原理がございます。
 これはどういうことかといいますと、地中に水を注入し、そこで地中にあった鉄ないし鉱分と水が接触した結果、水素が発生すると。これは化学的な原理として当然なわけでありますが、この発生した水素が地中深くで滞留をすることによって水素原子が自身で核融合を起こして、それが地下爆発につながっているのではないかという、これが最近唱えられている新たな地震の理論でございます。
 これ簡単にどういうことかと申しますと、今日こちらにホッカイロを持ってきたんですが、この原理と同じでございます。このホッカイロを今私が封を開けて取り出しますと、空気中に含まれている水分とこのホッカイロの中の鉄分が反応して熱を生じます。これがこの化学式の意味するところでございます。
 さて、そうすると一つの疑問が浮かぶんですが、一般論として、先ほど新潟県内でこういった行為が行われていますということに触れましたが、事業者の方々が天然ガスや石油を増産するためにガス田や油田に水を注入する、こういうことがよくあるわけですが、これはどういう理由で行っていらっしゃるのか、そのことをちょっと御説明いただければと思います。
#32
○政府参考人(北川慎介君) 御説明申し上げます。
 油田あるいはガス田への水の注入、これは石油、天然ガスの回収率の増進を図る、このために行われてございまして、幾つかの方法がございます。
 まず、地下に存在する原油は岩石に粘り強く粘着しておる場合がございまして、そのままでは完全な回収が難しいことから、水やガスあるいは水蒸気を加えることによりまして原油の粘り気を下げたり、あるいは油層内の圧力を上げて井戸に押し上げるということによりまして回収率の増進を図る石油増進回収法というものがございます。
 また、地中の石油あるいはガスを含んだ岩石、これに水を圧入いたしまして人工的な割れ目を作りまして、その割れ目の中に砂などを充てんいたします。この砂と砂との間の微細なすき間から石油、天然ガスが通りやすくなって出てくる、こういった方法がございまして、これを水圧破砕法と呼んでございます。
 このような生産方法は広く一般的に行われているところでございます。
#33
○風間直樹君 ありがとうございました。
 今の御説明、要約しますと、一種の潤滑剤として水を地中に注入することによって石油の取り出しを容易にしたり、あるいは天然ガスの取り出しを容易にすると、こういうことかと思います。
 実は、これは世界各国で広く行われている手法だというふうに伺っておりますが、この手法が地震を誘発するということにつきましては、特にアメリカにおきまして既に相当の広い認識を得ているところでございます。
 今日は手元に一つの資料を持ってまいりましたが、こちら、アメリカのオハイオ州の州都コロンバスというところにありますバッテル研究所、この研究所がまとめた資料であります。この資料の題名は、帯水層へのCO2注入が誘発する地震活動の調査、こういう名前になっております。つまり、地中に水ないしCO2を注入したときにどのような形で地震活動が誘発するかということを報告しています。
 皆様のお手元には資料としてお配りをしておりますが、資料の二―一、そして二―二。この二―一がバッテル研究所の報告書の末尾に添付されている表です。この二―一と二―二はほぼ同じものでございますのでごらんいただきたいと思いますが、ごらんのとおり、例えば一番上のコロラド州のデンバーで行われた廃液処理のための地中注入、深さ三千六百七十一メートルのところに注入をしました、注入時の圧力は七・六メガパスカルでした、それによって誘発された地震のマグニチュードが五・五だったということが記されております。さらにその下、日本語の表の三番目でございますが、同じコロラド州のラングレーというところ、石油回収を目的にCO2を注入したところ、深さ千九百メートルのところに注入し、その圧力は八・三メガパスカルだった、これが誘発した地震が三・一のマグニチュードだったということでございます。
 同じような例は日本でも報告されておりまして、昭和四十年の八月から松代市で約五年間にわたって群発地震が起きました。実はこのときには、調査研究という目的で、ちょうどこの地震が起きた期間に水を地中に注入していたわけでございます。もちろんこの地震との因果関係は当時は知られておりません。この水を注入している間、深さ千八百メートルのところに五メガパスカルで注入していたわけでございますが、二・八のマグニチュードの地震が誘発されたと。これは、地中への注水実験をやめると地震が止まるという因果関係が当時報告をされております。
 このように見てまいりますと、地中に水ないしCO2を注入することが、我々はそういう意識は全くないわけですけれども、実は地震を誘発していたということがこれまでの経験則から浮かび上がってまいります。
 この手元にありますバッテル研究所の報告書の中には、廃液処理その他の目的でCO2や水を注入した結果、地震が起きました、同時に、その注入の影響地域というものが数キロから数十キロ先にも及んだ、さらに、深さもこの注入した井戸のポイントから数キロ深いところまで及んでいると、こういう報告がこの中でなされております。
 また、アメリカでは、こういった水やCO2の注入が行われることによって頻繁に地震が起きている、それまで地震がなかった地域においてさえ群発地震が発生した、そういう結果を踏まえて、連邦政府が研究機関に依頼して影響評価の報告を行わせて、その結果、こうした行為を行う事業者が遵守すべき法令を定めております。これは地下圧入規制プログラムと呼ばれる法令でありますが、英語ではアンダーグラウンド・インジェクション・コントロール・プログラムと、こういう名称で呼ばれております。
 さらに、ここから一歩論を進めますが、このような原理、つまり地中に水ないしCO2を注入したときに地震が起きる、これを発展させますと、大きな水の注入につながる建設物、例えばダムがそうでありますが、このようなダムを造った場合に地震発生が伴うという、こういう報告が同じく米国内でなされております。それが皆様のお手元にお配りしております資料二―三であります。アメリカ、ギリシャ、インド、フランス、ローデシア、それぞれの地区で建設されたダムによってどの程度のマグニチュードの地震が起きたか、ここに表記をされております。
 アメリカの地質調査所という研究機関、ここが連邦政府の要請によりまして九六年にある報告書を作成いたしました。アメリカ国内である大きなダムを造るという計画が持ち上がった。そのときに地域住民の皆さんから、ダムを造られるとその後地震が発生するおそれがあるから十分な調査をしてほしいという声が出たために、連邦政府が調査を依頼したわけであります。
 この地質調査所のまとめた結論は三つございます。まず一つ、貯水による誘発地震を考慮する必要がある。二つ目に、自然に起きる最大の地震よりも大きな地震を誘発することはないだろう、ダム建設によって。さらに、しかしその地域で自然に起きる最大規模の地震の発生の可能性は高くなるかもしれない、つまり、ダムを造ることによって地震が起きるかもしれないと。加えてもう一点、もしダムを建設するなら、ダム着工前に地震計を多数配置して基礎データを集める必要があると、こういう結論でございます。
 ここまで、まず私が今申し述べましたことをまとめさせていただきますと、このように地中に水やCO2を注入することにより地震が発生するということになるわけでありますが、この地震の大きさ、様々な科学者の研究によりますと三つの要因によって規定されるということが大体分かっているようでございます。まず一番目に、地下への水の浸透度合い。二つ目に、地下に埋設されている、存在する金属の量。そして三番目に、原子状の水素ガス、水分と鉄その他の鉱石との反応によって発生したこの水素のガスが貯蔵されるのに適した地域、つまり地盤がそこにあるかどうか。この三つの要因が地震の大きさを決定すると、このようなことが言われております。
 そこで、お尋ねをいたします。
 財団法人地球環境産業技術研究機構が経産省の補助金を受けて新潟県内で二〇〇三年七月から二〇〇五年一月までに行ったCO2地中貯留実験について、それぞれの実験実施の年月日、場所、注入総量、注入圧力をお尋ねしたいと思います。また、実験を行った目的もお尋ねいたします。同時に、経産省から幾らの補助金が支給されているか、併せてお尋ねいたします。
#34
○政府参考人(伊藤元君) お答え申し上げます。
 経済産業省は、我が国における二酸化炭素回収・貯留、これは若干御説明させていただきますと、我が国及び世界が直面をしている喫緊の課題でございます地球温暖化対策という中で、CO2の排出量を削減をするというのが当然第一の対応でございますが、それでは処理をできないCO2というものを安全に地中に隔離することによってこの地球温暖化問題に対応しようというものでございます。これにつきましては、いわゆるIPCCという世界の科学者が集結した会合があるわけでございますが、この場でも大変有望な地球温暖化対策ということで位置付けられておりまして、実施及び先行的な研究が欧米を始め各国で精力的に進められているというものでございます。
 今申しました二酸化炭素回収・貯留の二〇一五年ごろの本格適用を目指しまして、財団法人地球環境産業技術研究機構、RITE等を通じて二酸化炭素地中貯留技術研究開発事業を実施しております。その一環といたしまして、新潟県長岡市深沢町にあります南長岡ガス田岩野原基地におきまして、二酸化炭素を実際に地下約一千メートルの帯水層に注入する実証実験を行いました。
 この試験は二酸化炭素の圧入を適切に行うため、圧力と量を安全に管理する技術開発等を行うことを目的にしております。そして、地下に貯留された二酸化炭素の動向を観察し、長期的な挙動シミュレーションを行うことを目的にしております。ちなみに、正にこの注入をしているときに新潟で地震が起こったわけでございますが、その後詳細な調査をしたところ、注入した二酸化炭素というのは数百メートルの範囲内にとどまっていたということも確認されております。
 本実証実験で実際に二酸化炭素の地中への圧入を行った期間は、二〇〇三年七月七日から二〇〇五年一月十一日までの間でございます。当然、安全性が重要でございますから徐々に量を増やしていくということで、詳細にわたりますが、二〇〇三年七月の七日、それから二〇〇三年八月の十二日から翌年三月九日、二〇〇四年四月三十日から七月六日、二〇〇四年八月十二日から十月二十三日、それから二〇〇四年十二月六日から翌年二〇〇五年一月十一日に分けまして注入をしたわけでございます。二〇〇五年一月にこの二酸化炭素の圧入が終了した後も、現在に至るまで地中の二酸化炭素の状況のモニタリングを続けておりますが、異常は発生をしていないというふうに承知しております。
 それから、二酸化炭素への地中の圧力でございますが、元々注入している部分というのは約一千百メートルでございますので元々の気圧が約百十キロあるわけでございますが、そこに圧入の圧力といたしましては約百二十気圧ということで注入をいたしまして、詳細の量でございますが、約一万四百トンの注入を行いました。
 それで、資金面でございますけれども、新潟県における実証実験はRITEが行っております二酸化炭素地中貯留技術研究開発の一部として実施しております。RITEが新潟県での実証実験にかかわっているのは二〇〇〇年度からでございまして、この二〇〇〇年度から二〇〇六年度までの間に本実証実験に要した額は約二十六億円ということになっております。
 先ほど先生から御指摘ございましたとおり、多くの地質学者は地震の原因というものがもっとはるかに深い地下で起こっておりますプレートの作用によって行われるというふうに認識されていると承知しております。様々な今後その学術的な知見も勘案しながら、かつ、その因果関係というのをしっかり確認をしながら、安全性に十分配慮しながら、この実証実験というのを続けていきたいというふうに考えております。
#35
○風間直樹君 今の御答弁の中で、ちょっと数字の確認をさせていただきたいと思いますが、補助金の額は二十六億円ということでよろしいでしょうか。
#36
○政府参考人(伊藤元君) この実証実験に直接使いましたお金は二十六億円でございます。
#37
○風間直樹君 併せてお尋ねをいたしますが、この注入をした箇所の地盤特性について御説明をいただければと思います。
#38
○政府参考人(伊藤元君) ただいま申し上げました実証実験、新潟における二酸化炭素の地中貯留試験でございますけれども、実際に二酸化炭素を圧入した箇所は地下約一千メートルに位置いたします砂岩で構成をされた帯水層でございます。
#39
○風間直樹君 続いて、この帝国石油による水の注入についてお尋ねをいたしますが、二〇〇〇年ごろからこれが行われているというふうに聞いておりますけれども、各注入の実施日、それから注入総量、場所、並びに注入箇所の中越地震それから中越沖地震の震源地からの距離をお尋ねしたいと思います。
#40
○政府参考人(北川慎介君) 御説明申し上げます。
 帝国石油におきましては、南長岡ガス田におきまして、先ほど申し上げました水圧破砕法による生産を行ってございます。帝国石油によりますれば、水の注入は新潟県長岡市親沢町のほぼ同一箇所にある二本の井戸によりまして、二〇〇一年七月に四日間、同年八月に二日間、また二〇〇六年十月に四日間、同年十一月に三日間実施されておりまして、総注入量としては約四千三百キロリットルの注入が行われてございます。
 また、当該井戸の位置といたしましては、中越地震及び中越沖地震の震源地より、それぞれ約十五キロメートル及び約二十三キロメートルの位置にございます。
#41
○風間直樹君 済みません。ちょっと御答弁が聞き取りにくかったんですが、実施の年月日についてもう一度教えていただけますでしょうか。
#42
○政府参考人(北川慎介君) それぞれの年月日でございます。二〇〇一年は七月十二日、二十日、二十五日、三十一日の四日間、八月は五日及び十日の二日間でございます。それから、二〇〇六年でございます。これは十月十六日、十九日、二十五日、二十八日の四日間、十一月は四日、十四日、二十日の三日間でございます。
#43
○風間直樹君 ありがとうございます。
 この委員会においては初めて、恐らく新潟県民の皆様にも、この特に帝国石油の水の注入が行われた、しかも二〇〇一年、二〇〇六年と地震に近接した年月日に行われているという事実が分かったということだろうと思います。
 委員の皆様のお手元に配付させていただいた資料の三―一と三―二をごらんいただきたいと思いますが、これはこの財団法人が行ったCO2の地中貯留の図と写真でございます。
 まず、三―一の図でありますが、大体行ったことを図で示すとこういう形になっている。今御答弁をいただきましたように、このCO2を貯留したそのすぐ下には砂状、砂岩の帯水層があるという御答弁でございました。
 御答弁にありましたように、CO2を注入したからといって水を注入したわけではないから、それが地震に影響しているということはちょっと考えられないというのが一般的なこれまでの考えだと思うんですが、この十九メガパスカルという圧力でCO2を入れたときに、この下にある水分、帯水層の中の水が恐らく移動するだろうと。その移動した水がその移動先で鉄ないし鉱分と接触をし水素ガスの発生を生んでいるのではないかと、こういうことなわけであります。その下にある写真が、今御答弁にありました長岡市内の岩野原のこの財団法人の実証試験サイトの写真ということになります。
 私は、この帝国石油の実験も、延べ日数にしますと二〇〇一年は六日間、それから二〇〇六年はやはり同じく六日間、合計で四千三百キロリットルの水が注入されたと、こういうことでございますが、地震、中越地震と中越沖地震の震源地からそれぞれ二〇〇一年の実験は十五キロ、二〇〇六年の実験は二十三キロと、極めて近いことが大変気になります。
 皆様には資料の四、ちょうどページ数で四ページ目になりますが、四をごらんいただきたいんですが、二つの図を掲載しております。まず、上の図はこの財団法人地球環境産業技術研究機構がホームページに掲載している図でございまして、この岩野原サイト、地中貯留を行った場所と、それから中越地震の震源地の相関関係が示されております。その下の図、この上の図に中越沖地震の震源地を加えた図でありますが、これを加えてみますと一目瞭然のように、実はCO2の地中貯留の地点を中心にして二つの地震の震源地がちょうど二十キロ、二十キロという直線上に並ぶことが分かります。この因果関係をどう考えるかということが実は大変重要なのではないかと私は思います。
 次のページ、資料をごらんいただきたいんですが、資料の五―一と五―二でございます。この五―一と五―二は、財団法人によるCO2の地中貯留実験が始まって以降、新潟県内、中越ですね、地震が起きた中越地域でどの程度の地震が発生したかを示しています。まず五―一をごらんいただきたいと思いますが、実験が開始されましたのが、財団法人による実験、二〇〇三年の五月です。その一年後、二〇〇四年に五件の地震が注入井戸から半径二十キロ以内で起きていることが分かります。
 さらに、その下の図をごらんいただきますと、幾つかの丸印が記されておりますが、薄い丸はこの注入実験を始める前に起きた地震、黒い丸は注入実験開始以降に起きた地震です。まず、皆様にはこの図のちょうど円形の下の部分、〇四年一月九日に二つの地震が起きていることを御確認いただきたいと思います。その後、少し左に参りまして、〇四年の七月五日に二番目の地震、そして反対右側に飛びまして、〇四年の九月七日に三番目の地震、そして翌日、九月八日に四番目の地震が注入以降半径二十キロ以内で起きていることが確認されております。
 冒頭、私が三年前の中越地震で体験した話を申し上げましたが、正に地中から突き上げる動きでした。非常に近い、体感としては、地中で爆発が起きているといった印象でありました。それを示す資料が資料の六―一と六―二でございます。
 六―一はちょっと見にくくて恐縮なんですが、これは中越地震の震源地となりました小千谷、守門、この地域の地盤が地震の瞬間にどう隆起したかという図でございます。特に、この守門地区の地盤の隆起が非常に著しいことがごらんいただけるかと思います。あわせて、その下の図、この震源地の川口町、この川口町の地盤が地震の瞬間何センチ上に移動し、その直後どれだけ下がったか。まず二十二センチ上に移動し、そしてその後、三十五センチ下に沈下しております。相当強い衝撃が正に真下から来たということが読み取っていただけるのではないかと思います。
 ここまでるる今回のこの新潟県内における二つの地震についての原因、これがどうもCO2と水の注入にかかわりがあるのではないかということを指摘させていただきましたが、ここまでの内容について、泉防災大臣、そして、今日お忙しいところをお越しいただきました山本香苗経産省政務官、どのような御感想と御認識をお持ちになったか、お尋ねをいたします。
#44
○国務大臣(泉信也君) 先生の大変学問的な説を初めて実は伺った次第でございまして、お話を承る中で、因果関係がこういう現象面を通して必ずしも否定できないのかなと、そう率直に思いました。
 ただし、今これで、先生御自身も思っておられると思います、決め付けることはできない。こうした事態が二十キロ以内で発生をしておる、しかも注入時期と相関をしておると、こんな分析結果が国内そしてアメリカでもなされておるという事態は、これから注意深く見守って更に検討をする、研究をする必要があると、大変貴重な御指摘をいただいたと受け止めさせていただきました。
 ありがとうございました。
#45
○大臣政務官(山本香苗君) 今るると御説明をいただきましたけれども、今御主張されましたことにつきましては、一部の雑誌等々で主張がなされていることは存じ上げております。
 それで、先ほど事務方の方からも御説明をさせていただきましたけれども、この地震発生のメカニズム等、いわゆる二酸化炭素の地中貯留との因果関係、今大臣からもお話ありましたけれども、直ちに確認するという手段はありませんけれど、海外におけるいわゆる年間百万トンベースで二酸化炭素の地中貯留事業が実施されているということも御存じであると思います。ノルウェーだとかカナダとか、そういった国々ではもう既にやられておりまして、地震を誘発しているという情報は今のところないわけなんです。
 いずれにせよ、今、この二酸化炭素回収・貯留技術というものは、先ほどの地球温暖化対策を推進するために欠くことができない技術であると思いますが、その実用化に向けましては、今御指摘をいただきました点も含めまして、いわゆる技術安全性をしっかり確保しなくちゃいけないと。それは、実証試験の実施に先立ってきちっと安全性評価及び環境影響評価等を確実に実施してまいりたいと思っておりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
#46
○風間直樹君 今、泉大臣と山本政務官から御答弁いただいたとおり、まだこれは科学的に確認された説ではございません、仮説でございます。
 さらに、世界じゅうでこうした実験が行われているわけでありますが、すべての実験場所で地震が起きたということが報告されているわけではございませんでして、先ほど申し上げましたとおり、この地震の大きさというものが、先ほど述べました三つの要件によって決まる、その条件を満たしているか満たしていないか、その地域特性というものがあるのだろうと私も考えております。
 そこでお尋ねをしたいんですが、去る十月の三日に少々気になる発表がなされました。経産省がこの財団法人が行ってきた実験を基にしまして今後更に大規模な実験の開始を決定したという発表をされたわけでございますが、このCO2の貯留実験、更に大規模にいつから開始をされるのか、その場所はどこか、そして量はどれぐらいを予定されているのか、お尋ねをしたいと思います。
#47
○政府参考人(伊藤元君) CCSの推進につきましては、経済産業省といたしまして、技術的側面、安全的な側面を慎重に検討する観点からCCSの研究会というものを設けまして、そこで専門家の皆様方に議論をしていただきました。その結果が報道された内容でございまして、今般の一万トン規模の正に実証実験の成果からして、やはり更に安全性を十分配慮した上でより大きな規模で実証実験をしていく段階ではないかという御提言をいただいたところでございます。
 こうした御提言を踏まえまして、経済産業省といたしましては、平成二十年度の予算において、こうしたより大きな規模の実証実験、十万トン規模を念頭に置いておりますけれども、についての予備調査を始めたいということで予算要求をしているところでございます。
 ただ、場所につきましては、先ほど御答弁させていただきましたとおり、正に場所の選定等に当たってはしっかりと安全性とかいろいろな科学的な裏付けというのが必要でございますので、現時点で特定の場所を選定をしているということではございません。今後、予算を付けていただいた上で、予備的な調査結果を踏まえまして具体的な調査内容について詰めていきたいというふうに考えております。
#48
○風間直樹君 長岡市でこの実験をまた予定されていると、新聞記事にはそう報道されておりますが、長岡近辺ではこれまで帝国石油さんが石油あるいは天然ガスの採掘をずっとされてきて相当その地盤の大体詳細が分かっていらっしゃると。それがこの地区で経産省さんがこういった実験をされる一つの理由になっているというふうに伺っているところでございます。
 ところが、今日私がこの質問をしましたもう一つの意図は、泉大臣が冒頭にもおっしゃいましたように、正に刈羽原発を抱えている地域だということがあるわけなんです。今回の中越沖地震で正に刈羽原発が直撃を受けたわけでございますが、もしも今後この経産省が補助金を支給する財団がCO2の地中処理を更に進めて、そして仮にもう一度新潟県内で大規模な地震が起きた場合、私は、刈羽原発の安全性もそうですし、原発の存在自体が恐らく非常に難しくなるだろうというふうに考えております。
 資料の九をごらんいただきたいと思います。これは新潟日報でございますが、新潟の泉田県知事が、この中越沖地震で刈羽原発が被害を受けたことを受けて、今後の原発の調査結果によっては刈羽原発の廃炉もあり得ると明言をされております。新潟県に確認をしましたところ、十分な安全性が確認されることなしには絶対に運転を再開させないんだと、それを県から東電にも申し入れているところなんだと、こういう話を聞いたところでございます。
 私、今回、この問題を調べておりまして一つ大変驚いた事実が出てきたんですが、お手元の資料の八をごらんください。この財団法人の地中貯留実験、その財団法人の役員名簿を付させていただきましたが、この理事の中に東電の勝俣社長のお名前がございます。つまり、地震の一つの原因になっていると今回私が指摘をした、その可能性があると指摘をしたこの地中貯留の実施主体、財団法人の理事に東電の社長が名前を入れていらっしゃる。これは、今御紹介しました新潟県の姿勢も考え合わせますと、非常に憂慮すべき事実ではないかと私は感じます。万が一、今後また新潟県内で同規模の地震が起きて、そして原発が被害を受けた場合、その場合の責任をだれが負うのかということも恐らく私は論議になるだろうと考えております。
 そこで、経産省には、この財団法人が行っております実験の、まず実験について地震との因果関係の調査をしていただきたい、このことを要請いたします。そしてもう一つ、この因果関係の究明までの間、現在行われている、あるいはこれからまた再開されようとしている実験はいったん中止をしていただきたい、このことを要請したいと思いますが、お考えを伺います。
#49
○政府参考人(伊藤元君) 御質問にお答えする前に、理事についての御指摘がございますので一言申し上げますと、いわゆるRITEへの役員、特に理事につきましては、個人的に有していらっしゃる知識、経験、能力等を踏まえて、適材適所の観点から御参加いただいているというふうに承知をしております。
 それから、今の御質問の件につきましては、先ほども先生御指摘のとおり、地震の因果関係という点については、現在の地質学の大勢の議論としては、その因果関係ということについては十分な論拠がないというのが一つの大きな通説ではないかというふうに認識しておりますけれども、そうした全体的な地質学の動向等も踏まえながら、今後のその実証実験の進め方については検討をしていきたいというふうに考えております。
#50
○風間直樹君 最後に委員長にお願い申し上げます。
 今日申し上げましたこの実験と因果関係の究明のために、参考人招致を要請いたします。
 地球環境産業技術研究機構の常勤理事、帝国石油のこの問題の担当副社長、そして静岡理工科大学非常勤講師の山本寛氏の参考人招致を求めます。
#51
○委員長(一川保夫君) 後刻理事会で協議いたします。
#52
○風間直樹君 以上、終わらせていただきます。
#53
○佐藤信秋君 自由民主党の佐藤信秋でございます。
 質問は初めてでございます。昨年まではどちらかというとお答えをさせていただく立場の方でおったものですから、多少の戸惑いを覚えながら質問させていただきます。
 まず、能登半島の地震、それから中越沖の地震、さらに先ほどお話のありました台風災害等、多くの皆様が亡くなられました。心からお悼み申し上げるとともに、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
 そういう意味では、大臣の所信にございました日本が災害が多発する国、そういう意味で、いかに自然が厳しいかという点について、こんなにたくさん被害が起きているんだ、これは確かですが、世界的に見た場合といいますか、地球規模で見た場合に日本という国がいかに厳しい状況の自然なのかというような点について、まず大臣に共通認識を持つという意味で御説明いただいて、幾つかの指標で御説明いただいて、そして防災対策が、災害対策がいかに日本にとって大事かという点についての決意を御披露いただければと思います。
#54
○国務大臣(泉信也君) 具体的に日本の地形状況が厳しい、自然条件が厳しいということを申し上げる前にと申しますか、先生よく御承知のとおりでございまして、大変日本の列島の位置が自然条件の厳しい大陸の外縁部にある、さらにまた、山から海までの距離が大変短く、降った雨が直ちに海に流れ出すというような条件の中にあるわけであります。
 地震火山活動が活発な環太平洋変動帯に位置しておるということがしばしば言われるわけでありますが、世界の〇・二五%の国土面積しかない日本で、マグニチュード六以上の地震の発生回数の約二割が日本で発生をしておる。また、活火山の分布数が全世界で約千五百と言われておりますが、その七%、百八が活火山として存在するという火山国である。こういうことが数字の上では具体的に申し上げられるかと思います。
 先ほど申し上げましたように地理的、地形的あるいは気象的な諸条件から、台風それから豪雨、豪雪、こうした自然災害が発生しやすい国土でありますので、今年も超大型の台風や集中豪雨などのように災害がしばしば発生しております。こうした国土にあって、国民の生命、財産を守るということは国政の最重要課題の一つであると認識をいたしておりまして、防災担当大臣としては災害の予防、特に減災に、災害が発生する前に減災を徹底的に行うということが第一だと。そして、災害に遭った場合には応急対策を行いまして、地域の方々の生活を一日も早く安定をさせる。その上で、復旧復興の各段階にわたり全力で取り組まさせていただきたい、このように思っておるところでございます。
#55
○佐藤信秋君 限られた時間でありますので、私の方は地震の問題を少しやらせていただこうかなと思っております。
 その前に、先ほど鈴木先生のお話を伺っておりまして、日本といいますか地球規模の気象の変動みたいなのが確かに気になるところでありまして、私いつも言っているんですが、日本の場合には雨が百年前に比べると百ミリ、平均減っています、百ミリ。毎年一ミリずつ減っているんですね、平均はですね。実は変動が倍になっていまして、昔といいますか百年前は千六百ミリ、これがプラスマイナス二百ミリぐらいだったんですね。最近は千五百ミリ、全国の平均の降雨量、年間ですね。しかしながら、プラスマイナス四百ミリ、つまり、時間的に、季節的にあるいは地域的に非常に雨の降り方が荒っぽくなってきている。片方は日照りで片方は大雨、こういう状態がしょっちゅう続くと。こうなってきているものですから、雨の点も台風の点もよほど気を付けていかなきゃいけない、こういう問題であると思います。
 しかしながら、限られた時間でありますので、今日は、所信のうちの地震にお触れになっておられる部分で幾つかお伺いしたい、こう思います。
 私自身も高校二年生のときに新潟の地震を経験して、それこそちょうどお昼の時間でしたから外に出ていましたら大揺れで、風間先生、先ほど下から突き上げるようなお話、こういうことでしたけれども、あの場合にもそうでした、新潟の地震の場合にもですね。そこは現象的にはいきなり縦揺れが来ますから、どどどどどっと、こう揺れて、後は家なんかを見ていると、ちょうど波にボートが浮かんでいるような、そんな感じで揺れるんですね。道路が上がれば家が上がりますが、大体差が一メーターぐらいあるんじゃないかと思うぐらいの揺れではありました。
 私自身はそうして地震に負けない町づくり、ふるさとづくりしようと思って仕事を選んだわけですが、辞めるころまた大地震があり、さらに選挙のさなかにも地震があったと、こういうことでありますので、地震についてちょっとあと御質問させていただこうと思います。
 御質問の最初は、日本の地震のおそれみたいなのがよく言われます、日本近海あるいはいろんな地域で、東海、東南海、南海。実は私自身も自分が書いた本の中にそんなのも入れてあるんですが、政府としてということではないんですね。予測ですから、どのぐらい起きる確率があるというようなことを政府が別に認めているわけではない。ただ、いろんな研究の成果として文科省関係でお出しになったり、我々もそれを使ったりもしています。
 地震を議論する上で、まず次の共通認識として、日本の周辺の大地震のおそれというものについて文科省の方でいろいろ研究もしていただいていると、こういうことでありますんで、その辺の幾つかの代表事例を教えていただこうと。よろしくお願いします。
#56
○政府参考人(青山伸君) お答え申し上げます。
 平成七年の阪神・淡路大震災を受けて、文部科学大臣を本部長とする地震調査研究推進本部が設置され、関係機関の連携協力の下、主要な活断層や海溝型地震を対象に調査、観測、研究を推進すると。それらの成果を基に地震の発生場所、規模、将来的な発生時期について総合的な評価を行い、公表しております。
 例えば、今後三十年以内に地震が発生する確率でございますけれども、二〇〇七年の一月一日を基準日といたしまして、例えば糸魚川―静岡構造線断層帯、これについてはマグニチュード八程度で一四%、それから、宮城県沖地震についてはマグニチュード七・五程度で九九%、東南海地震についてはマグニチュード八・一前後で六〇から七〇%程度、南海地震についてはマグニチュード八・四前後で五〇%程度と評価をしております。
 また、推進本部におきましては、こういった長期評価の結果を統合し、平成十七年三月に全国を概観した地震動予測地図として公表するとともに、最新の評価結果等を基に毎年度更新を行ってきております。この地震動予測地図でございますけれども、今後三十年以内に震度六弱以上の揺れに見舞われる確率ということを分布図等として示しておりますので、国民の地震防災に対する意識の向上、それから地方自治体が策定する地域防災計画の基礎資料、あるいは地震に関する調査観測の重点化といったことに活用を促しているところでございます。
 今後とも、この推進本部の方針の下で、関係機関連携協力しつつ地震調査研究を積極的に推進すると、将来的な発生時期等の予測精度の向上に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#57
○佐藤信秋君 ということで、文科省の方ではいろんな調査研究をしている。これに対して備えなければいけないわけですが、それこそ災害対策横断的におやりいただくというんで防災担当大臣が御苦労をいただいている。そういう意味では、今の調査研究というものを調査研究だけにとどめずに、いろんな対策を連動させる、こういう必要が本当はあるんだと思うんですね。ですから、別に文科省地震研究部門を防災担当大臣の下に置けと、こういうわけではありません、ありませんが、そこの連携は強く持つ必要があるだろうと思っています。
 そういう意味で、今のはマグニチュードと、それから起きる可能性、確率の問題ですが、だったらどのぐらいの被害が出るかと。それはマグニチュードから被害が出てくるわけじゃありませんけど、どれだけ地上が揺れるかと、こういう議論になるわけですが、どれだけ地上が揺れてどういう被害が想定され得るのか、それに対してあらかじめの備えとしてどういうことを考えておかなきゃいかぬのか、こういうことが問題だとは思います。
 その大前提としての被害想定、特に首都直下型地震というのは極めて影響が大きい。そのほか、どこでもそうですよね、中越だって中越沖地震だって能登半島だって、実は全然今の想定の、三十年以内に起こるであろうというような想定のほとんど外だったんですね。空白地帯と言ってもいいぐらいのところで地震が起きた。したがって、今言っていただいた被害想定の考えられるところが厳しいんですよというだけではもちろんないわけですけどね。ないわけですが、規模の大きさというような問題からいけば、一番政府として力を込めて今の段階でいえば対策を考えるというような必要もあるんだろうと。そうだとすると、被害想定というような問題を、今のままだったらどうなるのか、どのぐらいになるのかという点について教えていただきたいと思います。
#58
○政府参考人(加藤利男君) お答えいたします。
 言わば代表的なと言った方がいいかも分かりませんが、大規模な地震について被害想定をどう考えているのかというお尋ねであると受け止めております。
 被害想定につきましては、首都直下地震、東海地震、東南海・南海地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震といった主な地震については、先ほど先生お話ありましたが、マグニチュードから地震動を推定をいたしまして、それに基づいて被害想定を行っているということでございます。
 個別具体にそれぞれの地震についてどのような、どのくらいの被害想定を考えているかということについてでございますが、まず首都直下地震でございますが、これは被害が一番大きくなるケース、これは冬の夕方六時、十八時ですね、十八時に風速毎秒十五メートル、この十五メートルというのは関東大震災のときに吹いた風と同じケースを想定しておりますが、今申し上げたケースで、建物の全壊が約八十五万棟、亡くなられる方が約一万一千人、経済被害は約百十二兆と想定されております。
 また、東海地震のケースでございますが、これも冬の朝五時、風速十五メートルのケースでございますが、建物の全壊が約二十六万棟、亡くなられる方が約九千二百人、経済被害は、予知なし、予知がなくて突発的に発災する、そういうケースで見ますと約三十七兆円と想定をされております。
 東南海・南海地震のケースですと、冬朝五時の場合でございますが、建物の全壊が約三十六万棟、亡くなられる方が約一万八千人、経済被害は約五十七兆円と想定をされておるわけでございます。
 あともう一つ申し上げますと、宮城県沖地震のケースでございますが、これは冬の六時、十八時でございます、冬夕方六時、十八時ですね、風速十五メートルのケースで、建物の全壊が約二万一千棟、亡くなられる方が約二百九十人、経済被害は約一兆三千億と想定されているところでございます。
 私どもとしては、これらの被害想定を踏まえまして防災対策のマスタープランであります地震対策大綱を策定していますほか、大綱に基づきまして、先ほど大臣も減災が非常に重要だというお話が、御答弁がございましたが、大綱に基づきまして年限を定めて具体的な減災目標を定めまして、その実現方法等を定める、それを地震防災戦略といってございますが、そういう地震防災戦略ですとか、災害発生時に各機関が行うべき行動内容等を定めました応急対策活動要領といったものを策定しておりまして、地震防災対策に万全を期しているというところが現状でございます。
#59
○佐藤信秋君 宮城県沖でも、九九%というのがどの程度本当にそうかという問題はあるけれども、二万一千棟。
 その場合に、もちろん住宅被害だけではなくて多くの被害に対していろんな対策を講じなきゃいけないんですが、住宅被害に対して取りあえず絞ってみると、絞ってみるとですよ、長岡の中越地震のときはそれぞれ全壊された方々がどんなふうにその後再建されたか、あるいはされようと考えているか。いろんなやり方があるんだと思うんですね。そのまま家を再建します、それから集団移転、あるいは公営住宅に入る、いろんな再建の仕方があると思うんですけれども、実例としての長岡の場合には、中越地震の場合にはどうだったか、見込みでいいですから教えてください。
#60
○政府参考人(加藤利男君) ただいまの御質問でございますが、実は今年の十一月に、新潟県におきまして生活再建実態調査の実施を予定されております。今手元にありますのは、そういう実態調査のデータがないものでございまして恐縮でございますが、意向調査をやったことがございますので、その結果に基づきまして御報告をさせていただきたいと思います。
 この意向調査でございますが、生活再建の意向調査でございますが、新潟県中越地震の被災者のうち、仮設住宅の入居者の方を対象にいたしまして意向調査が行われております。平成十七年と平成十八年に計四回行われております。このうち一番、何というんでしょうか、直近で、しかも総数も多いという、把握するのに一番適当なのが恐らく十八年の一月の調査ではなかろうかと思いますので、それで御報告をさせていただきたいと思いますが。
 この十八年の一月の生活再建意向調査では、入居者、仮設住宅への入居者でございますが、二千四百二十一名のうち、自力で再建を志向されている方が六八・四%、公営住宅を志向されている方が一七・二%、その他の生活再建を志向されている方が五・八%ということになってございまして、九一・四%が再建志向を示されております。未定が八・六%、これはまだどうしようかなというところではっきり決まっていないという方だろうと想定されます。
 以上のような割合になってございます。
#61
○佐藤信秋君 時間がなくなってきましたので簡潔にお答えいただいた方が有り難いんですが、今のように、被災した、それをどう再建するか、その自力再建という中でもいろんなやり方があるというのも確かではあるんですね。その後いろんな知見を踏まえて、政策的にも再建の仕方について、町づくりであるとかあるいは住宅づくりという観点から、災害復旧復興の観点からの制度も整えてきた、こういう問題であるわけであります。生活再建支援法について、それぞれ民主党の皆様もまた与党の方も提案をしているのが今実態ではあります、法案の提案をですね。
 ただ、現状どうなっているかという点について、住宅を考えたとき、対象にしたときにどんな制度、仕組みがあるかという点についてここでお話できるだけしていただいて、そして、私、ちょっとお願いは、住宅と限らずに、スピードが大事ですから、復旧というのはスピードが大事なんですね。もたもたしている間にどんどん時間がたってくるんです。そういう意味では、あらかじめマニュアルを作っておく必要があるんですね。
 これは、地震は大体初めての経験ですから、市町村あるいは県の方も実際に、さて、自助、共助、公助のうちの公助を動かせようというときに時間が掛かってしようがない、まず勉強せないかぬ、こういう問題があって、したがって、地震と限らずに、どういう被害の場合にどんな、住宅の再建や、それから団地としての集団移転なんかも含めてですよ、あるいは町づくり、住宅交付金の、住宅づくり交付金なんかも随分と提案事業でいろんなことがやれるようにいたしましたというか、なっていますよね。
 そこで、そういうものを並べて、どれが使えるんですよ、大急ぎでやらないかぬのですから、いたずらに時間を掛けないというのが大事なことなんですね。あらかじめそういうマニュアルが必要だ、ガイドライン、ガイドが必要だと、こういうことだと思っています。
 取りあえず今使える手段というものを教えてください。
#62
○政府参考人(加藤利男君) 現在、住宅被害を受けた被災者に対します代表的な支援制度、使える制度ということでざっと御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、仮設住宅の提供から始まりまして、応急修理を行う、それと住宅金融支援機構によります融資、それと現在話題になっています被災者生活再建支援法に基づく支援金の支給、それと公営住宅の提供等がございます。
 それと、また別途、先ほど先生がおっしゃられました町づくり関連の制度においてもいろいろ使えるものがあるのではないかという御指摘の点でございますが、それから申し上げますと、代表的なものとしては、例えば小規模住宅地区改良事業ですとか防災集団移転促進事業ですとか、優良建築物等整備事業等がございます。
 以上でございます。
#63
○佐藤信秋君 特に住宅づくり交付金なんかは提案事業という形で、あるいは町づくりもそうですけれども、交付金の方は提案事業という形でかなり公助という部分でいえば住民の皆様と一緒に考えながら町並み再建なんかはやれるような手段が整ってきているんですね。個人個人でお建て替えいただくよりは町並み全体として商店街なんかはどう再建するかということを早めに取り組んでいただく方がいいという問題もあるんですね。そこのところはふだんからちょっと用意しておいていただかないといかぬなというので、さっきのガイドラインを、マニュアルをお願いしたいと思います。大急ぎで作っていただく必要があると思うんです。
 そしてまた、能登半島にしても中越沖地震にしても、その復旧そのものが、復興じゃなくて今の復旧そのものが、大急ぎで町づくりあるいはそれぞれ個別の住宅を再建する。いずれにしても、大急ぎで提供していくということが必要なんだと思っています。
 住宅再建支援法についてはまた別途に御議論をさせていただくということにしても、今ある手段でやれることたくさんあるのに実は余り動いていない、現状はですよ、というのがどうも実態である。
 いろんな手助けが入って少しずつ動き始めていますが、そういう意味での自助、共助、公助の中の公助の分というのが、お互いに習熟した上で活用するんだ、ここの部分を是非内閣府として大いにリーダーシップを発揮していただきたい、こう思うわけであります。そのためには、そうしたしっかりとした分かりやすい資料も提供する、どんどんと、ということが必要だと思います。よろしくお願いします。
 最後に一問、建築基準法の改正に関連しまして、二十メーター以上の建物、建築基準確認申請が物すごく遅れている、こういう問題があります。
 私にはちょっとなかなか分からないのが、大臣認定プログラムができないから待っていただくんですよと、こういうかのように言っている、地元では、言っている人たちが結構いる。ちょっと違うんじゃないかと思ってはいるんです、私自身は。大臣認定プログラムを変えなきゃいけないからといって、それまで待たなきゃ建築確認申請が出せないんですというのは何らかの言い逃れではないか、だれかがサボる言い逃れとは言いませんけれども。ここの関係は、まずそれを伺った上で、できるだけ早く建築確認申請が下りるように今大急ぎでやっていただかなくちゃいけない、その努力をどんなふうにしてくださっているか、これについて国土交通省に伺いたいと思います。
#64
○政府参考人(小川富由君) 耐震偽装問題の再発防止を目的といたしました建築基準法の改正、これを六月二十日に施行したわけでございますけれども、設計側、建築確認側、双方とも改正内容に習熟していないということで運用面の問題によって建築確認手続が遅延し、着工が大幅に停止をしている状況でございます。
 その中で、先生御指摘でございます認定プログラムの件でございますが、六月二十日付けの技術的助言におきまして、いわゆる旧大臣認定プログラム、これにつきましては引き続き構造計算に使用することが可能であると、確認の申請の際に入出力のデータを提供していただければ審査が円滑かつ効率的に行われると、こういった旨についても通知をしております。
 また、旧大臣認定プログラムを使用する場合の注意点、こういったものも整理いたしまして、財団法人建築行政情報センターのホームページに掲載するとともに、当該ホームページのコピーを説明会等で配付いたしまして実務者への周知を図り、活用促進を図っておるところでございます。
 なお、全体的に着工が遅延をしているという状況は早急に改善すべきものと考えておりまして、これまで質疑応答集や審査マニュアルの作成、電話相談窓口の設置、あるいは都道府県単位での説明会の開催や相談窓口の設置、研修会等へのアドバイザーの派遣、あるいは建築関連の中小事業者に対する金融上の支援措置、こういったものをきめ細かく取り組んでまいったところでございます。
 また、昨日、十月三十日には、新しい建築確認手続のいわゆる実務者の方々に対する要点をまとめましたリーフレット、これを三十万部配付をすると。また、これ地域的なばらつきもございますので、依然大幅に落ち込んでいる地域の行政庁、あるいはそういったところでの指定確認検査機関に対する個別のアドバイスの実施、こういった新たな取組を行うということも発表したところでございます。
 今後とも、実務の現場に即して、きめ細やかな情報提供を始め、建築確認手続の円滑化に向けまして全力で取り組んでまいりたいと考えております。
#65
○佐藤信秋君 もう時間でありますが、二点。
 そのプログラムは、今までのプログラムでちゃんといいんですということをもっと徹底してください。もう一つ、ちょっとした変更で、ちょっと変更があると一から出し直し、これがまた一番長くなっている原因でもあるんですね。金も掛かるんだそうです。この二点は改善すると、一言はいと言っていただければ結構でありますが。
#66
○政府参考人(小川富由君) プログラムが旧認定プログラムも使用可能であるということについての徹底は全力で取り組ませていただきたいと思います。
 また、計画変更、いわゆる現場が動き始めてから相当期間現場が止まるのではないかというような御心配ございまして、これにつきましてはいわゆる軽微な変更の範囲について明確化をするという方針を打ち出させていただいております。
#67
○佐藤信秋君 終わります。
#68
○委員長(一川保夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめまして、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#69
○委員長(一川保夫君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#70
○佐藤正久君 自由民主党の参議院議員、佐藤正久でございます。
 午前中の同僚の佐藤議員に続きまして質問させていただきます。今日は佐藤コンビでやらせてもらいます。よろしくお願いします。
 まず、泉大臣、御着任おめでとうございます。大臣の考え方は、この所信表明、そして今までの委員からの質問の中でいろいろと伺わせていただきました。非常に専門家らしく、いろんなところで国民の安心、安全の面でいろんな気配りがされているなという感じがしております。
 私も、この一月までは自衛官として、現場の方で被災した国民の救出とか救助というものの方に携わっている者として、現場の視点から国の方に、こういう部分はどうなっているんだろうかなという部分を中心にこれから御質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
 まずは、災害発生時以降、危機管理の観点から、社会基盤整備というものについて質問をさせていただきます。まず最初は道路、次は港湾という順番で質問をさせていただきます。
 道路というのは、災害が発生した場合、国民の生命、財産というものを守る上において物すごく大事な基盤だと思っています。住民が避難すると同時に、それを救出あるいは救助に行くためのいろんな警察や消防、あるいは指定公共機関、自衛隊等がやっぱり現場の方に行きます。そういう面で、道路の整備いかんによって、初動の、あるいは大臣が言われたスピードというものがうまく結果として表れるかどうかというものにもかかわってくると思います。特に感ずるのは、場所によっては避難経路とそういう警察、消防、自衛隊の進出経路がぶつかってしまう、住民の避難のために、実際そこに助けに行く部隊や機関が行けなくなってしまうというような場所も国内にはやっぱりあるんじゃないかなと感じています。
 例えば福井県の若狭地区、原発が四か所に十五基あります。原発銀座と言われるところなんですけれども、御存じのとおり、日本海に面した町々というのは、山が結構海にせり出しているという関係もあって、道路や町が海岸に沿っている。若狭湾においては二十七号線が一本海沿いに走っている。なかなか、その一本だけだと住民の避難とあるいはそういう救出部隊の進出経路がぶつかってしまう。そういう観点から、やっぱり基盤整備というのは私はこれは国がやらないと絶対いけない分野だと思っています。どうしても自治体になってしまうと経済とかあるいは住民の生活という部分にウエートを置きやすいんですけれども、やはり安全という観点からは国が是非ともやらないといけないと。
 ほかにも、今、東南海地震、和歌山の辺りが非常に焦点となっている。和歌山の方も同じように海岸にしか道路がない。特に南紀の方の勝浦とかあるいは串本、新宮の方に行こうとしても、実際に海岸道路がつぶれていたらそこには行けない。ヘリコプターで行くか、海から船で行くしかないということが考えられます。しかしながら、最終的には、陸上から大量の物資を運ばないといけないということになると、どうしても奈良県を通るこの南北の道路というのが非常に大事になってくると思います。
 そういう部分もまだこれからやっぱり国の方がリードして整備すべきだと思っていますし、あるいは、一つ焦点となっている東海地震、これがあります。静岡県の由比という地区においては、東名高速と一号線が本当に隣接して走っている。そこが地震等で壊れてしまったら、もうそこから先行けない、先に救出に行きたくても行けないというような状況があります。
 そういう観点でやっぱり国の方が洗い出して、危機管理の観点から整備すべきだというふうに私は考えますが、今現在のその検討状況、これからの取組状況というものについて、お考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
#71
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
 日本は地震、台風、それから豪雪ということで、災害非常に多うございます。委員御指摘のように、災害時の住民の避難でありますとか、あるいは救助救援活動、そういうことで、災害に強い道路ネットワークづくりというのは極めて重要だというふうに考えております。
 今、我々重点を置いておりますのは、二つの観点で現道を補強をしております。一つは地震対策でありまして、救援部隊の移動等のために必要な道路、緊急輸送道路等でございますが、ここにある橋梁が約五万橋ございます。これの補強をやってございます。それから、落石とか土砂崩れなど、災害発生のおそれがあるそういう箇所が十万か所ございます。その対策を急いでございます。
 一方、委員御指摘のように、道路が寸断された場合、一つの道路だけでは非常に困難が伴う。したがって、国道と高速道路と地方道が連携して防災のためのネットワークを組むというのが極めて重要だと考えておりまして、そういった複数のネットワークで全体を支えるというネットワークづくりも重要だと考えております。例えば、今年の七月に発生しました中越沖地震、これは北陸自動車道と八号、おかげさまで両方を使って支障なく幹線ネットワークが組めたという事例がございます。そういうものを全国で張り巡らすことが重要だと考えております。
 今、私ども中期計画の素案を作ってございますが、そういう中でも、安全と安心という観点から災害に強いネットワークづくりを位置付けて十年間の事業費を見積もり、それに沿って事業を進めていくということを考えてございます。
#72
○佐藤正久君 全国レベルでそういう橋とかそういうトンネルとか、危ないところを点検をしながら直していくというのも大事だと思うんですけれども、やっぱり重点というのも私は大事だと思っています。今言われたような東海、あるいは東南海、南海、あるいは前から言われている若狭の原発地域とか重点地区については、やはりここは災害という観点からは内閣府の方もリードをしていただいて、意見を言いながら整備をしていくという観点も大事かなと。正に災害というのは各省庁横断で対応すべき分野ですから、重点というものを考えながら整備していただければ非常に有り難いと思っています。
 次に、港湾なんですが、港湾の整備も、そういう対処という観点からの整備も大事かなと私は思っています。
 さきの七月十六日に発生しました中越沖地震、柏崎というところは港がございまして、おかげさまで自衛隊が災害派遣で出たときに港がまだ使えたと。今回、柏崎市長の方も大変感謝をし、効果があったと言われているのは、海上自衛隊の輸送船「おおすみ」とかあるいは補給艦、これが接岸できたと。よって、どういうことが起きたかというと、水の補給が物すごく潤沢にいただいて助かったと。船というのは物すごい水をたくさん同時に蓄えていますので、自衛隊の給水車だけではなく民間の給水車、あるいは地方公共団体が持っている給水車もほとんど待ち時間なく船から水をいただいてどんどん回すことができた。あるいは、入浴支援もその水を使っていろんなのができたというものがあります。
 と考えると、そういう港、港湾を整備するときに、災害のときに入る船の喫水というものを考えながら整備すると全然違うのかなと。設計では六メーターというのをもう少し深くするとか、そういう観点でも港湾整備、これは一例ですけれども。それから逆に、孤立するような地域や海岸等であればそこから船を使って避難するとか、いろんなことがありますので、港湾整備についても今の状況を教えていただければと思います。
#73
○政府参考人(中尾成邦君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、さきの中越沖地震につきまして、被災活動の支援活動につきましては、柏崎港の岸壁は大いに利用されました。海上自衛隊あるいは海上保安庁による給水活動とか緊急物資輸送が実施されまして、港湾が大きな役割を果たしております。
 港湾におきましては、全国各地で大規模地震の発生が危惧されていることから、国民の安全とか安心の確保を図るために、昭和五十九年から通常の岸壁よりも耐震性能の高い、耐震強化岸壁と呼んでおりますけれども、これを計画的、拠点的に整備しております。また、被災地の復旧とか復興活動の拠点となる防災拠点につきましても、耐震強化岸壁とともに整備を推進しているところでございます。
 耐震強化岸壁の整備に当たりましては、自衛隊などによる緊急物資輸送が円滑に実施できるように岸壁の水深とか延長を確保してきたところでございますけれども、今後の港湾整備に当たりましても、委員御指摘の点を十分に踏まえまして整備を推進してまいる所存でございます。
#74
○佐藤正久君 ありがとうございます。
 実際、柏崎港、今回の地震でも、耐震のそういう強化をやっていてもやっぱり波打っていたという状況がありますので、もしもそういう処置を施していなかったら更に被害が大きくて、接岸はできないという状況もあったと思います。今後とも整備の方よろしくお願いいたします。
 続きまして、災害時の航空安全確保、具体的にはヘリコプターの管制というものについて質問をさせていただきます。
 現代においてはヘリコプターの価値というのは非常に重要視されておりまして、自衛隊、警察、消防というものだけではなく、海上保安庁とかあるいはマスコミの報道機関も頻繁に使うようになった。また、ドクターヘリというものも最近は重視されています。
 都市型の災害が起きた場合、いろんなシミュレーションをやっていますけれども、首都圏の場合はもう五百機ぐらいのヘリコプターが飛び交うだろうということまで言われています。そうなれば、今の通常の管制だけでは安全というのは保てなくなる可能性があると思っています。これは今の法律の一つの盲点のような気が私はしています。
 約十二年前の阪神・淡路大震災のときも、実際にマスコミのヘリあるいはいろんなヘリコプター、小型飛行機が飛び交ってニアミス、危なかったという実際報告もあります。当時は、緊急的に王子グラウンドを緊急ヘリポートという形でそれの設置をし、そこには自衛隊の資格を持った管制官が展開をし、自衛隊の野外管制レーダーを用いながら自衛隊の航空機に対しては管制を行ったと。でも、そこはあくまでも自衛隊だけで、ほかのマスコミとか警察、消防、防災ヘリ等についての管制権はございません。今やっているのは情報提供という形だけやっていると。
 首都圏の場合になると、やはりいろんなヘリが来ますので、情報提供だけで本当に二次被害が防ぐことができるのかと。マスコミのように上を飛んでいるだけだったらいいんですけれども、ドクターヘリのような場合、臨時にヘリポートを造ってそこに離発着というふうになればなるほど、進入制限地域というものを設けたり、あるいは進入方向あるいは高度というものを現場の方で統制するまた必要が私はあると思っている。何か二次被害が起きてからでは遅いと。
 これは法的に今定まっていない分野ですけれども、実際にレーダー置いて、資格を持った自衛官が行ってできるのであれば、そこは国として意思があれば、そういう管轄地域を設定して効果的に統制というものができるシステムを今から検討していくべきではないかなというふうに私は考えます。現在のその検討状況についてお聞かせ願えればと思います。
#75
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。
 災害時におきまして救援活動に従事します航空機の安全確保についてでございますが、これにつきましては、災害時における救援航空機等の安全対策マニュアルというのを平成八年に定めておりますが、これに基づき安全確保を図っているところでございます。
 ただ、今御指摘いただきましたように、大規模地震などヘリの運用が相当程度見込まれる災害に対しましては、より具体的な安全マニュアルを策定するということにしております。このため、まずは、発災時に多くのヘリのふくそうが懸念されます首都直下地震を、これを対象といたしまして、災害応急対策活動に当たるヘリと一般のヘリの飛行高度の区分ですとか、活動エリアの設定などを具体的に定めたマニュアルの策定作業を進めてきたところでございますが、現在、関係団体でございます日本新聞協会等の関係団体と最終的な意見調整を行っていると、そういう段階でございます。
#76
○佐藤正久君 マニュアルの整備、それは非常に大事なことだと思います。ただ、これは強制力は全然ないわけで、やはり今法的に、管制官が現地の方で統制をするという部分は私は大事ではないかなと。従わなくても別にそれは法的に罰せられるわけでもないし、そういう部分では、現地の方では、自衛隊の管制官はあくまでも自衛隊の航空機に対しては管制できますけれども、ほかの飛行機、ヘリコプターに対してはあくまで情報提供だけです、今のマニュアルの検討状況を見ても。
 やっぱり国として、そこの地域を統制するという部分が私はこれからの検討課題かなと思っていますので、また御検討を願えればと思います。
 それと、これに関連しまして、今度、航空機、ヘリコプターと地上との情報のシェアリングといいますか、通信という分野についての整備について御質問をいたします。
 阪神・淡路大震災のときも、上空でヘリコプターから見て、バスが倒れている、近くにいる人たちがけが人というふうなメッセージを地上から送っていたというものがありました。結果として、自衛隊のヘリコプターから近くにいたマスコミのヘリコプターの方に一方的に送信をして、それから地上の方に送ってもらったということをやってはいたんですけれども、できれば、今この二十一世紀の時代ですから、直接、ヘリコプターから地上にいる警察あるいは救急車というものに直接、周波数帯が割り当てられて報告できたら、もっと早く人命の救助ができるという教訓が出ております。
 これは難しい話ではない。国の意思があれば、もうこの時代ですから、そういう救急車とかあるいは警察、消防というものに、日ごろから上空との無線、周波数というものを割り当てながら対応すれば、更に、特に首都圏のような大きな被害が出るときには早めの緊急対処というのができると思います。
 現在の調整状況について教えていただければと思います。
#77
○政府参考人(加藤利男君) 具体的には、今先生の御指摘でございますが、実際に広域的な避難とか救援活動を行うために、例えばいろんな地震、東海地震なんかもそうでございますが、それに対応した形で応急対策活動要領というのを決めておりまして、それでそれぞれの、個々の関係機関が具体的にどういう活動をするかというのを決めております。
 今の御指摘は、恐らくその活動内容として、例えばヘリコプターから直接現地の、例えば救援活動に当たっている部隊ですとかあるいは現地の指揮所に対してすぐ連絡が行き届くことが必要じゃないかということであろうかと思いますけれども、そういうことも含めて現在、応急対策活動要領というものを作っているつもりでございますが、足らないところについては、その応急活動要領を絶えず見直すことによりまして、現実的な対応ができるように心掛けていきたいと考えております。
#78
○佐藤正久君 やはり二次元よりは三次元で見た方がいいに決まっていますから、この時代ですから、そういう部分を含めて整備をお願いしたいと思います。
 次に、災害時の要援護者対策についてお伺いいたします。
 大臣の所信表明の中にも、この要援護者の避難支援対策について言及されておられます。これは非常に大事であり、なかなか難しいという分野だと思います。この前の中越沖地震のときに、柏崎市のえんま通り商店街というところで一人のおばあさんが助けられました。家がつぶれていて、みんな集まったらおばあさんがいない。いつもいる居間ではなくて、居間を見てもいない、じゃ土蔵の方で寝ているんじゃないかとか、そういう日ごろから隣近所のコミュニケーションが図られていれば、そういうとっさの判断で、みんな救援者を集めて土砂等を取り除いて実際に助かったという事例もございますし、また山古志村からの村民の避難というときにおいても、自衛隊の全部を統括する指揮官が部下からの報告を受けて驚いたと。住民の避難完了、全部終わりましたと。びっくりしたと。どうやってそんなことが分かるんだと、避難完了と。実は、避難のときに一番難しいのは、全員が避難終わったかどうかというのが物すごく一番の関心事項です。なぜ分かるんだと聞いたら、組長、区長が、一人一人がすべての避難所を歩いて顔を全部確認しました、間違いありませんと。そういうコミュニティーであればいいんでしょうけれども、今なかなかそういう部分が薄くなっている。実際に被害が発生しているのも、そういう老人とかあるいは子供とか、そういう俗に言う、いわゆる災害時要援護者という方々が被害を受けていると。
 一番の基本は、そういう情報をいかに把握するかだと私は思っています。ただ、これは個人情報保護法とかいう観点あるいは福祉関係の団体との連携というものがなければ、これは把握なかなかできないと思います。やっぱり日ごろからこういう防災関係者と福祉団体の関係者あるいは一部のそういう組長、区長とのやっぱり連携、あるいはその情報漏えいに対する措置とか、そういういろんなことが多分必要なんでしょうけれども、最もこれは大事な分野の一つだと思います。
 現在の取組状況についてお聞かせ願えればと思います。
#79
○政府参考人(加藤利男君) 災害時要援護者対策の取組についてのお尋ねでございますが、内閣府といたしましては、災害時要援護者の避難支援ガイドラインというのを示しておりまして、全国の市町村に対しまして、災害時の避難に当たって支援が必要となる人をまず特定をして、その一人一人について、だれが支援してどこの避難所等に避難していただくか、これを定めます避難支援プランの策定をお願いをしていただいているところでございます。
 御指摘ございましたように、その際非常に大切なのは要援護者情報の共有であると考えておりますが、この取組に当たりましては、福祉部局等が有する要援護者個人の情報を、防災部局はもとより実際に避難支援活動に携わる自主防災組織等の関係者の皆さんと共有することが必要になるわけでございますが、この要援護者の情報の取扱いについて、市町村の現場では個人情報保護法との関係で戸惑いも見られるというのは先生御指摘のとおりだと考えております。
 こうした中で、内閣府といたしましては、それぞれの団体の個人情報保護条例を適切に解釈、運用すれば関係者との情報共有は可能であると考えておりまして、各地方公共団体に対しまして具体的な進め方ですとか先進的な事例などについての助言や情報提供を通じて現場での戸惑いの払拭に努めているところでございます。
 また、福祉に携わる方を含めて広く関係者の皆さんに要援護者対策の普及を図っていくということが非常に大切だというふうに考えておりまして、シンポジウムの開催などのほか全国キャラバンの展開も計画しておりまして、そうした普及啓発活動を通じて、今後とも関係各省と連携をいたしまして、市町村の取組が更に加速されるよう積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#80
○佐藤正久君 大事なのは結果だと思います。いかにいろんな障害があっても、やるんだという強い意思の下に一つ一つそういう課題をクリアしていっていただきたいと思っています。
 次に、原子力施設被害状況の早期把握と情報提供についての質問をさせてもらいます。
 先般の刈羽柏崎原発においての情報の掌握あるいは住民に対する提供は、かなりの教訓事項が出ているんではないかというふうに思います。事業所自体の掌握の仕方も、聞くところによりますと結構お粗末だったと。また、国から、国の方に情報を得た後の地方公共団体、県とかに対する情報提供も、そこでもいろんな教訓事項があったと聞いています。
 事業所内においては、災害対策本部として使おうと思ったところの扉が変形して入れずに、指揮所が開設したのが四時間後だったとか、どこでも本来はいいわけで、極端なことを言えば。あるいはPHSが置いてあったのが、それが倒れたために自分のPHSがどれか分からなくなってしまったとか、情報の伝達のいろんな面で反省事項があったというふうに聞いています。
 また、国から県の方への情報提供という部分についても、保安院がなかなか到着が遅れたとか、いろんな要因があって遅れてしまったという部分がありますので、その辺のこれからの対応というのは物すごく大事だと。
 また、今回は、いろんな施設が集まっているオフサイトセンターの使用も十分ではなかったと。オフサイトセンターを本部としていろいろ対応すれば、また違ったものができたんではないかなと。どうしても原子力災害対象としかオフサイトセンターを使わないという硬直した概念がどこかにあったんではないかなという感じもします。
 大事なのは、いかにその情報を早く掌握をして住民に提供するかという部分も大事だと思います。この前の原発における情報収集あるいは伝達における現在の教訓の収集状況、あるいは検討課題と検討状況というものについてお聞かせください。
#81
○政府参考人(加藤重治君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の柏崎刈羽原子力発電所にかかわる対応でございますが、発電所そのものは今回の地震で、四つの原子炉が動いておりましたが、それは安全に自動停止をしたわけでございます。そのようなプラントの状況把握でございますが、私ども原子力安全・保安院といたしましては、事業者である東京電力から連絡を受けるとともに、現地に駐在しております原子力保安検査官、あるいは本院からも職員を現地に派遣いたしまして、発電所の中央制御室などに立ち入りまして、安全に停止している状況、あるいは放射線モニタリングの値、施設の被害状況などを直接我々の目で確認したわけでございます。
 また、住民の皆さんへの情報提供でございます。国、事業者も、プレス発表あるいは新聞広告などを行って正確な情報の提供に努めてきたところではあります。しかしながら、ただいま先生からも、委員からも御指摘ございましたが、事業者から国、自治体への連絡に円滑さを欠いた、御指摘ございましたが、発電所の災害対策本部が使えずに、ここが使えていればプラントの状況も非常に速やかに把握できますし、また消防あるいは自治体との専用回線もございます。そういったものが直ちには使えなかったというようなこと。あるいは私どもからの情報提供でございますが、安全性に関する情報、安全なのかどうなのか、避難が必要なのか、そういったことを速やかに分かりやすく提供すべきではなかったか。また、特に地震直後からその後一週間程度、現地でのプレス対応が手薄だったのではないか。また、これも委員から御指摘ございましたが、原子力災害のときに備えて造っていたオフサイトセンター、ここでは関係機関との間の通信機器など非常に整っているわけですけれども、それを使うということがなかったと。様々な課題が指摘されているところでございます。
 現在、原子力安全・保安院におきましては、中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会、これは、今回の地震を受けました技術的な影響だけではなくて、こういった情報伝達などの面についてもいろいろ厳しく第三者的に検証していただくために、理工系の専門家のみならずリスクコミュニケーションあるいは防災の専門家にも入っていただいた委員会で、改善策について厳しく御検討を行っていただいているところであります。
 原子力安全・保安院といたしましては、この委員会の検討結果も踏まえまして、事業者からの迅速かつ的確な情報連絡、また私どもから国民、地元住民に対する適切な情報提供、そこに当たっては地元自治体との連携というのも非常に重要な課題であると思います。こういったものに精一杯取り組んでまいる所存でございます。
 とにかく、今回のことから教訓をきっちり酌み出しまして、改善すべきは改善するという姿勢で臨んでまいります。
#82
○佐藤正久君 是非よろしくお願いします。ほかの原発地域に対してもこの教訓を是非普及していただいて、住民に安心を与えていただければと思います。
 最後に、時間がなくなりましたので要望だけ一点だけ言わせていただいて、質問を終わります。
 午前中の質問の中で、秋田の方のいろいろ農作物あるいは農地に対する激甚災害指定、局地で、今年度末までに一括で指定するという話がありましたけれども、やはりスピード感を持ってやるというのが非常に私は大事だと思っています。特に、農業という観点からいえば、秋口から春先までに融資をいただいて、それを復旧して春からの農作業に備えるということが本来一番望ましいわけですので、できるだけ、年度末とまで言わずに早目にいろんな知恵を出し合って指定というものを出していただければ、農家の方は春からの農作業というものに準備ができるんじゃないかと思います。それ、よろしくお願いします。
 終わります。
#83
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 この委員会、初めてでございますけれども、どうかよろしくお願い申し上げます。
 今日、防災また減災という観点で最初にお聞きしようと思っているのは、道路橋を含む道路の維持管理ということについてでございます。
 近年、この道路橋など橋の点検や補修の在り方が課題になっているわけです。アメリカでは、いわゆる「荒廃するアメリカ」という本がございましたけれども、それを象徴するような、一九二〇年代また三〇年代に建設され老朽化した道路橋の補修、架け替えが大きな課題になっております。
 また、我が国でも、三十年ぐらい遅れてでありますけれども、六〇年代また七〇年代に造った橋がこれからいよいよその耐久年数であります五十年をそろそろ迎えようとしている。こんな状態でございまして、我が国におきましての道路橋、十四万ぐらいあるそうでありますけれども、建設して五十年たつ橋が、二〇〇六年時点で六%ぐらい、これがだんだん増えてまいりまして、二〇一六年には二〇%、二十年後には半数近くの四七%と、こういうふうに達するという見込みがなされております。
 そうした中、もう御存じのとおり、八月にアメリカのミネアポリス近郊でのミシシッピ川に架かる高速道路橋が崩落、崩壊いたしまして多数の方が亡くなったわけでありまして、そういう意味でも、日本の橋についても、これ対岸の火事というわけにいきませんので、今後どのように点検、補修していくのかということが大きな課題になってきていると思います。
 そこで、まず国土交通省にお聞きしたいと思いますけれども、国の管理している、また県あるいは市町村、それぞれの管理している道路また橋があるわけですけれども、この道路橋の点検、補修状況はどんなことになっているのか、まず現状をお聞かせいただきたいと思います。
#84
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
 点検状況でございますが、高速道路、直轄国道につきましては五年ごと、定期的に点検をしてございます。それから、都道府県の方はおおむね定期的な点検ができているようでございますが、市町村、市区町村については九割が定期的な点検ができておらない、そういう状況でございます。
#85
○西田実仁君 九割が市町村におきましては定期的な点検がなされていないと。これは、今後ますます、五十年たとうとしている、ピークに達しようとしているときで大変に心配な点でありまして、なぜこのようなことになってしまうのか、御見解をお聞きしたいと思います。
#86
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
 今年の九月に市区町村に対して調査を実施をいたしました。先ほど申し上げましたように、九割の市区町村で定期点検がなされておらないわけでありますが、今年の定期点検の予定もないと回答されました千五百市町村の約半数が技術者不足を回答されてございました。そのほか、財政的に困難あるいは専門知識が不足しているという答えが多うございました。
#87
○西田実仁君 原因としては、財政が足りない、財源の問題と、また点検する技術者が不足していると、こういうことを原因に挙げているわけですね。これ、なぜ財源が不足しているのかとか、あるいは技術者が不足しているのかというのは、表面的にはそういうことなんでしょうけれども、その背景にそういうふうに財源の不足あるいは技術者が不足しているというものがあるんじゃないかというふうに思うわけなんです。
 そこで、道路法というのをひもといてまいりますと、四十二条という法律がございまして、「道路管理者は、道路を常時良好な状態に保つように維持し、修繕し、もつて一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならない。」と道路管理者の義務規定がなされております。その第二項には、「道路の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は、政令で定める。」と政令にゆだねられているわけでございます。
 点検する際の技術的な水準ということについては政令で定めるということになっていますけれども、この政令の中身はどうなっているでしょうか。
#88
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
 現時点で政令は未制定でございます。
 その理由でございますが、いろんな維持管理をやっていく際に、個別具体の道路でいろんな状況が、点検の状況が違うと思います。交通の状況でございますとか地形、それから雪等の気候の状況、そういうことが、いろんな観点から細かく考慮して点検の基準を定めるということでございまして、なかなか政令レベルで画一的に何か掛けるということではない、非常に作りづらいということもございまして、政令に代わる基準といたしまして少し細かく道路の維持修繕管理要領、そういったようなものを定めておりまして、これによって各道路管理者が維持管理ができるように措置を講じているところでございます。
#89
○西田実仁君 政令で別途定めるとなっていながら政令そのものが作られていないというのは、昭和二十七年に道路法できておりますけれども、それ以来変わってないわけでございまして、その理由として今幾つかの点挙げられました。
 しかし、今の理由を述べられたことは今までの国会答弁でも繰り返されております。その際に、併せてこのような国会答弁も過去ございました。昭和四十五年九月には、政令がないという変則的な状態を早く解消する、こういう答弁がこの参議院で行われております。また、昭和五十七年の二月の御答弁では、道路局長通達等によっているという現状のままでいいというわけではないので、その制定について引き続き検討すると、こういう御答弁も二度なされておりまして、この政令の中身、つまりこの道路維持補修に関する技術的な水準、確かに定めるのは様々な困難があるということは承知しておりますけれども、ではこのままでいいのか、あるいは局長通達だけでよいのか、ということではないというのが過去の答弁でございまして、昭和四十五年から今日まで、この局長通達ではない、政令によって定める方向を検討され続けてきていると思いますけれども、いまだにそれが未制定なのはなぜでしょうか。
#90
○政府参考人(宮田年耕君) 繰り返しになりますが、非常に事細かく規定をしないと実態としては維持管理が生きてこない。したがって、要領という形で、先ほど申し上げましたようないろんな地域の状況でございますとか交通の状況でございますとかあるいは気候の状況、それに即して分類をして、維持管理ができるような要領を定めておると。実態上これで進んでいるんでという言い訳でございますが、先生御指摘のように、ずっと長く委員会で御指摘になったものが実っておりませんので、引き続きこの政令、どういうものになるか検討を進めていきたいと、こう考えております。
#91
○西田実仁君 もうずっと検討し続けてきているわけでありまして、いつまで検討すると答えが出てくるのかよく分かりませんが、私は、市町村で点検等がなされていない理由の一つとして、もちろん財源の問題もあります、これはその後申し上げますけれども、しかし、技術者不足あるいは点検そのものをどうしていくのかということも市町村ではなかなか明確ではないということも背景にあるわけでありまして、その根本のところをたどっていくと、この道路について、道路の維持管理につきましての技術的な水準を定める政令が、その中身がずっとないままであるということは大きいと思います。
 また、先ほど御答弁されました道路の維持補修等管理要領、これを局長通達で行って政令に代えているという話がございました。しかし、この要領そのものも昭和三十七年に制定をされたものでありまして、実態に合わないのではないかという声が自治体からも聞こえてくるわけですけれども、この点いかがでございましょうか。
#92
○大臣政務官(金子善次郎君) お答えいたします。
 先生御指摘の点でございますが、現在、国交省におきましては、地方公共団体の橋梁の点検の問題、維持管理につきましては、これからも御答弁申し上げますが、非常に重要な点であるという基本的な認識は当然持っているわけでございまして、ちょうど平成十六年の三月に橋梁定期点検要領案というものを、実はこれは直轄道路につきまして定めたものでございますが、これを地方公共団体の橋梁点検にも参考にしてもらいたいということで、同時に地方公共団体の方に御連絡を通知を申し上げたと、こういうことがございます。
 また、本年度からの予算措置を講じているわけでございますが、地方公共団体が策定する長寿命化修繕計画、橋梁の長寿命化の修繕計画、これに対しまして補助を行うと、こういう制度を今回、今年度に新たに始めたところでございます。
 こういう中で、先ほど道路局長からも御答弁申し上げましたように、いろいろな、技術者の問題でございますとか財政的な理由でございますとかいろんな要素で地方団体の点検が余り進んでいないというような実態にあるわけでございます。そういう状況を踏まえまして、国交省といたしましては道路橋の、橋梁でございますが、予防保全に向けた有識者会議、有識者会議でございますが、設置いたしまして、既に検討を開始したところでございます。
 この会議におきまして、橋梁点検の義務化の問題、あるいは点検の資格の問題、技術者等々でございますが、また必要となる技術基準などをこの有識者会議におきまして取りまとめていきたいと、このように考えているところでございます。
 その結果を踏まえまして、今後、先ほど御指摘ございました政令の問題等もございますが、予算あるいは施策、そして制度にも反映することに努めていきたいと、このように考えているところでございます。
#93
○西田実仁君 その有識者懇談会で今後中身を詰めていくということになろうと思いますけれども、鉄道についての定期点検は、これはきちっと法律で周期等も定められて、国土交通省告示で明確に定められているわけですよね。ですから、道路についても、やはりこれ今後、五十年が間もなくたとうとしている、こういう時期に当たっていますので、また、実際に自治体で八八%、九割近くが点検全くされていないということでありますので、ここでもう一度、新たにきちっとそうしたことができるように環境整備を是非とも真剣に取り組んでもらいたいというふうに思います。
 また、その点検ができない理由のもう一つの大きな柱が財源の話でございます。この財源につきましては、特に地方公共団体から聞こえてくる声は、例えば、現状維持管理費を一億円出そうと思えば新規の建設費を十億程度抑制しなきゃならない、あるいは、維持補修は自治体の単独費で行わなければならないので、極論すれば、壊れるのを待って災害復旧で申請した方が通りやすいと、こんな声も実際のところは上がってきているわけなんです。なぜそうなるのかといえば、やはり新規の建設投資とそれから維持管理費に対する予算付け、これにやや制度上の不均衡があるんではないかという懸念がございます。
 具体的に申せば、補助金の制度も、もちろん橋梁の維持補修に関しても一定額以上の事業規模がございますれば橋梁に対する補助制度というのはございます。しかし、新規の建設と比べるとやや見劣りがすると。また、地方債、これも地方財政法の第五条を見る限りは、建設事業費ということでは地方債の例外的に認められておりますけれども、しかし基本的には、道路の維持管理の費用に地方債を充てるということは基本的に想定されていないと。
 こういう補助制度、また地方債の起債、それぞれのことを考えますと、新規の建設投資とまた更新、維持に関する予算と、やや不均衡、アンバランスがあるんではないか。これ自治体によって、それぞれがどちらかに誘導するということではなくて、その自治体にとって必要な新規の建設あるいは維持補修ということがバランスを取って裁量できるように、決定できるような、制度上の不均衡というものを、これはやっぱり仕組み自体を変えていかなければならないんじゃないかというように私は問題意識として持っているわけでございますけれども、財源にかかわる問題でございますので、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#94
○大臣政務官(金子善次郎君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘の、いわゆる道路についての維持管理と申しますか、この点につきましては、やはり基本的な方向といたしましては、いわゆる新たに造るという観点から、いわゆる管理と申しますか、維持管理というものに重点を置いた物の考え方を行う時期が来ているんじゃないかという基本的な御指摘だと思いますが、私どもといたしましても、基本的にはそういうことが非常に大切な視点であるという認識を持っているところでございます。
 ただ、これまでも国土交通省におきましては、いわゆるバイパスの整備でございますとか、いわゆる改修事業というような呼び方で呼んでいるところでございますが、また橋梁の補修、こういうのは修繕事業として呼んでおりますが、これらにつきましては、御案内のとおり補助金も出ておりますし、また地方債の起債も認められているというようなところがあるわけでございます。
 それに対しまして、先生御指摘のいわゆる管理面と申しますか、そういうところにつきましては、これまでも地方独自の財源で行うんだというような基本的な枠組みがございまして、その財源といたしましては、御案内の地方交付税でございますとか地方道路譲与税、いわゆる道路特定財源ですが、こういうもので行うと。
 そこででございますが、新たな視点を強調するということになればそうした財源の問題もどうしていくかということも当然問題になってくるわけでございまして、今後、関係当局ともまた国土交通省といたしましてはいろいろ相談をさせていただきながら、先生の御指摘の点につきまして十分配慮した行政を展開していきたいと、このように考えているところでございます。
#95
○西田実仁君 是非その取組をお願いしたいと思います。
 先ほど政務官がおっしゃられました道路橋の長寿命化修繕計画、これを補助して進めていくわけですが、その補助の採択要件として道路管理者の定期点検ということを掲げておられますよね。この自治体における点検、補修ということを更に促進していくためには、技術者不足、財源の問題指摘させていただきましたけれども、もうちょっとブレークダウンしますと、維持管理の点検マニュアルのようなものがやはりあった方が自治体としても行いやすいんじゃないか。実際に、既にそうした橋梁健全度指標という指標を作っている例えば横浜市とか北海道とかもあるわけでして、こうした自治体における先行事例なども参考にしながら、その維持管理点検マニュアルといったもの、あるいはそうした指標、こうしたものを早期に作るべきではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#96
○大臣政務官(金子善次郎君) 先ほど御答弁申し上げました道路橋の予防保全に向けた有識者会議、これも取り急ぎまして、取り急ぐというのはちょっと言葉は問題かもしれませんが、できるだけ早めに年度内に中間報告を出したいという方向で考えているところでございまして、この中で総合的な観点からそういう先生御指摘の点も踏まえた会議を行っていきたいと、このように思っております。
#97
○西田実仁君 あわせて、国民への情報の公開ということについても御意見をお聞きしておきたいと思います。
 アメリカなどでは実際に橋梁の点検データを公開することによって様々な注意喚起も含めて情報が共有されているわけでありまして、日本においても今後こうした橋梁の点検を促して、そして点検データを公開していくというふうに進むべきではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#98
○大臣政務官(金子善次郎君) この公開の点についてでございますが、先ほどの有識者会議の中でも既にそういうような議論も出ているような状況ございまして、有識者会議で総合的な観点からよく考えていきたいと、このように思っているところでございます。
 なお、基本的にはデータそのものは、点検を行ったところはそのデータをすべて取ってございますので、それを有効に活用すると、場合によっては一元的な扱いも必要かなというようなところも今議論に出ておりますので、先生御指摘の点をよく踏まえて対応してまいりたい、このように考えております。
#99
○西田実仁君 ありがとうございました。
 次のテーマでございますけれども、利根川流域の堤防強化につきましてお聞きしたいと思います。
 今年二〇〇七年はカスリン台風から六十年、関東から東北にかけて戦後最大級の被害をもたらしたわけでありまして、一千人以上の方がお亡くなりになりました。そういうカスリン台風の、私自身、埼玉が地元でございまして、大変に利根川の堤防強化ということについては地域住民の皆様も、また単に埼玉ということではなくて、首都圏全域に被害が広がる問題でもございますので、関心を高く持っているわけであります。
 今般、内閣府中央防災会議におきまして大規模水害対策に関する専門調査会というものができました。その際の試算として、利根川の堤防が決壊すれば最大二百四十万人に浸水被害、こういう試算が出されました。水害対策ということについてはこれまでは国土交通省が中心になって進めてきたと認識しておりますが、今回、中央防災会議がこの水害ということを対象に専門調査会を設けたというのは初めてではないかと私は思っております。そういう意味では、政府全体でこの水害について最悪のシナリオに基づいた防災体制の整備ということが認識されているんではないかというふうに思っているわけですね。これにつきまして泉大臣の御所見を承りたいと思います。
#100
○国務大臣(泉信也君) 西田先生から大変厳しい御指摘をいただいて、我々また気を引き締めて取り組まなければならないと思っております。かつての荒廃するアメリカと言われた、この社会資本の維持管理が十分なされていない事態がこの災害によってどんな大きな国民生活に混乱をもたらすか、被災をもたらすかという御指摘を十分に受け止めてまいらなきゃならないと思っております。
 今お話がございました二十二年のカスリン台風のこのクラスの台風が参りますと、利根川や荒川は大変な大きなはんらんが発生いたしまして、甚大な被害が生ずるおそれがある。堤防を造るというか整備水準を上げておりますけれども、その整備水準が追い付かないという状況でございます。
 たまたま一昨年のハリケーン・カトリーナによる高潮災害を始め世界各国で大規模な水害が発生しておりますし、我が国においても、一時間五十ミリ以上のいわゆる集中豪雨というものが昭和五十二年から六十一年までは二百回であったものが、この平成九年から十八年まで、途中も増えておりますが、平成九年から十八年までに三百十三回というふうに大変異常気象、集中豪雨が発生しておるわけであります。
 こうした背景の下に、中央防災会議に十八年の六月に専門調査会を設置して、大規模水害対策の検討を進めようということで取組を始めたところでございます。
 具体的には、つい先日テストケースとして、利根川や荒川等での大規模はんらんが生じた場合の被害の想定を行い、広域避難対策や孤立者の救助救援対策など災害時に政府として取り組むべき応急対策等についての検討を始めて、進めておるところでございます。
 具体的な対応策はまだ未確定な部分が多くあるわけでありますが、この事例を一つの踏み台にいたしまして、また、今後淀川とか木曽三川も含めまして対象を広げ検討して、対応策を政府一体となってつくっていきたいと考えておるところでございます。
#101
○西田実仁君 この今試算は、六十年前のカスリン台風よりも雨水が二割ほど多いということを前提に試算されているというふうに思っておりますが、そういう大量の雨水が利根川に流れ込んで堤防が決壊してしまうと、洪水が起きた場合にどういう被害があるのかということだと思います。そのカスリン台風では、先ほど申し上げたとおり一千人以上の方が亡くなっておられまして、今でも地元に行きますと、電柱にここまで水が来たという赤い線がどこも引いてあるわけですね。このカスリン台風を契機にして実は一九四九年に水防法ができていると。また、五二年には気象業務法というのが成立をしているということがあろうかと思います。
 このカスリン台風の被害に遭いました特に埼玉の栗橋地区では今堤防強化事業というのが進められておりまして、ここは利根川と渡良瀬川との合流地点ということもありまして、大変にその堤防整備の重要性が高い地域であると、こういうふうに指定をされて、住民の皆さんにもアンケートを取りながら、当初スーパー堤防でいくのか堤防強化でいくのかといろいろ議論がありましたが、最終的には地元の皆さんの御意見で堤防強化という事業のスタイルになったわけなんです。実際に堤防強化事業は既にもう計画をされて進められております。
 しかし、これとは別途に、ここでお聞きしたいのは、この防災の観点から、ここに走っております国道四号線の上下線の高さを合わせているわけですけれども、それとともに、更なる盛土を行うことによって、大変に危険な地域なものですから、やはりこれは避難場所を、これはやはり国の責任において設けていくということは考えてしかるべきではないかと、こう思いますけれども、国土交通省、いかがでございましょうか。
#102
○政府参考人(門松武君) お答えいたします。
 利根川の中上流あるいは江戸川の右岸側、山の方から海の方を見て右側でございますが、正に埼玉県側でございますが、そちらの堤防が切れますと東京の東部まで洪水流が達しまして壊滅的な被害が予想されるわけでございまして、通称スーパー堤防という幅の広い堤防、堤防の上を洪水が流れても決壊しないような堤防の整備等々で堤防強化の対策を実施しているところでございます。
 栗橋町の堤防部分でも堤防強化事業を実施しておるところでございまして、今先生御指摘のように、スーパー堤防にするか、あるいはもうちょっと幅の狭い堤防で我慢するかということで地元の町長さんあるいは地元の住民の方々と協議してまいりました。一定の結論が出たようでございますが、今回御指摘いただきましたその避難場所の確保ということでございまして、これについても、河川管理者といたしましては避難場所の確保というのは大事だというふうに思っています。これにつきましても、町長さんあるいは地元の方々と引き続き連携を取ってその実現性を探ってまいりたいというふうに思っております。
#103
○西田実仁君 単に栗橋町一地域の問題というよりも首都圏全域にまつわる話でございますので、是非、国としてその責任を持って対応していただきたいと思います。
 併せてお聞きしたいのは、やはり地域の防災力ということがよく言われます。その中で、水害に対しては水防団というものが大変重要な役割を果たしているわけであります。しかし、この水防団の実態はほとんど消防団になっている、兼任していると。しかも水防団の、全国平均ですけれども、もう七割方はいわゆる会社勤めをされている方ですので、日中出動することはほぼ無理と、そういう現状がございます。後継者もいないとか様々な問題が指摘をされていて、このままで本当に地域の防災力大丈夫だろうか。
 消防団の場合、火が起きてから、火が出てから行くわけですけど、水防団の場合は水が出てから行ってもしようがないので、水が出る前に、発災する直前に行かなきゃいけないという違いが本来あるわけだと思いますけれども、実際には消防団とほとんど同じ人がやらざるを得ないと。様々な工夫もされておりますし、一昨年に水防法の改正で様々な手当てをされていることも承知しております。しかしながら、現状としてはこのままいって水防技術、本当に大丈夫なんだろうかという大変懸念を私は持っております。
 そこで、一つお聞きしたいことは、今申し上げましたとおり七割方はサラリーマンというか会社勤めされている方々が水防団員になっているわけでありまして、水防団員として出動する場合に企業によっては有給休暇を認めているところもあるんですけれども、いまだそういう認識のない企業もございまして、そうした企業への啓発ということをもっと強めていくべきではないかというふうに思うわけですけれども、いかがでございましょうか。
#104
○政府参考人(門松武君) お答えいたします。
 今御指摘のとおり、水防団、非常に弱体化しております。弱体化の中身でございますが、団員の減少、高齢化、サラリーマン化というような中身でございまして、水防団の取り巻く環境というのは非常に厳しいものがありまして、様々な課題に対します対策が急務でございます。
 そういう認識の下で、その中の課題の一つとして御指摘のサラリーマンが働きます会社、事業所の方の温かい取扱いということにつきましては、先生も御存じのように自治事務でございまして、市町村長さんが基本的には責任を負うわけでございますが、我々河川管理者としてできることはやってきたつもりでございます。
 例えば、水防活動時の休暇の取扱いについての配慮など所属事務所の理解と協力が得られるよう、市町村長を長といたします水防管理団体などから働き掛けていただくようにしむけておりますし、今後とも全事業所の理解と協力が得られますように水防管理団体等を指導していきたいと、こう考えております。
#105
○西田実仁君 確かにこの水防団というのは自治事務になっていますし、ですから出動手当とか訓練手当とかもすべて自治体が決めているわけでありますが、全国平均を見ますと、出動手当は平均団員一人一回につき二千六百五十二円と、出動するのに二千六百五十二円なわけですね。訓練手当二千八百七十円と。かなり危険の伴う出動にしては非常に低いと言わざるを得ないと。そうはいっても、国が決めているわけではないということで終わってしまうのかもしれませんけれども、しかしこの辺も、本当に地域の防災力って考えたときには、いや、それは自治事務だからということで放置しておいて本当に大丈夫なのかということは大変強く感じるわけであります。
 あわせて、後継者がいなくなっている水防団員、その水防の河川の伝統技術というのが様々ございますね。私も何度か、そういう大会というんでしょうか、水防技術の大会に行かせていただいて実際にどのように破堤を防ぐかということを見させていただいた経験ございますけれども。こうした技術も、今、年に一回のそういうイベント的には行われていますけれども、これをきちっと伝承していくという仕組みを国としても、これ自治事務だから、地方事務だからということではなくて、バックアップしていかなきゃいけないんじゃないかと。
 特に、水防に関する研修とか啓発、また実際にそうした河川伝統技術を受け継いでいくための、座学だけではなくて実地の研修センター、そういう機能、これをやっぱりつくっていかないと地域の防災力本当に担保できるんだろうかと、こんな問題認識を持っているわけでございますけれども、いかがでございましょう。
#106
○政府参考人(門松武君) お答えいたします。
 先ほども申し上げましたが、水防団を取り巻く環境というのは非常に厳しゅうございます。特に、今御指摘のように、人の数が足らない、あるいは技術、技能の伝承ができにくいという状況にございます。
 水防団の技術、技能の伝承対策として一つ我々の対策を御紹介いたしますと、今年の二月に市町村等の要請を受けまして、水防訓練とか講習会に水防専門家、水防専門家とは、水防団とか消防団とか、あるいは国土交通省のOBの人たちを活用するという意味で、水防専門家を派遣する水防専門家派遣制度というものをつくりました。これによりまして、水防技術の指導者不足に悩みます市町村などでも専門的な技術指導を受けることができるようになったと考えております。
 いずれにいたしましても、水防技術の伝承は重要な課題でありますので、更なる水防活動の充実を図るために、御提案の研修センター構想も含めて引き続き対策を検討していきたいというふうに考えております。
#107
○西田実仁君 是非、検討の方よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、ちょっと地元の問題なんですが、秩父に二瀬ダムというダムがございまして、ここの地すべりの問題が大変に住民の方々が心配なさっております。私も現地に何度か、何度かというか一度行かせていただいて、二年前ですけれども、様々その後処置をとっていただいたわけですけれども。しかし、その後も、ひび割れが続いているとか、家の中にも十五センチぐらいの亀裂ができてしまっているとか、大変に住民の方は不安に思っておるんです。大丈夫だという情報があると思えば、いや、ダムが新しくできるとか、現存しているダムのかさ上げ工事が行われているとか、情報がいろいろ飛び交っています。
 大丈夫だと言われる割には心配だという住民の声も多くて、地すべり対策についてどのように今現状なっているのかということについてお聞きしたいと思いますし、また確実な情報をきちっと住民の方にお伝えいただいて安心いただけるようにしてもらいたいと。現状と対策について、最後、お聞きしたいと思います。
#108
○政府参考人(門松武君) お答えいたします。
 二瀬ダムの上中尾地区という地区がございますが、そこで地すべりが起こっておるというふうに認識しておりまして、昨年、十八年にボーリング調査を実施しまして、その変異等を観測しているところでございます。その観測結果によりますと、この一年間で〇・五ミリ移動があったという結果が得られております。
 今のところ、そう大事に至らないではないのかというふうに考えておりますが、なお観測を続け、その観測結果につきましては、今先生御指摘のように住民に不安を与えないような情報開示に努めてまいりたいというふうに思っています。
#109
○西田実仁君 終わります。
#110
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 今国会での私どもの参議院災害特別委員会は、参議院選挙の後の新しい構成の下で、とりわけ被災者生活再建支援法の見直しをめぐりまして被災地そして被災者の皆さんが正にかたずをのんで見守っていらっしゃる、そういった中で開かれております。正に国民の皆さん注視の委員会だというふうに申し上げてもいいかと思うんですけれども。
 先週土曜日に、十月二十七日ですが、この支援法の抜本改善を求める全国交流集会という会合が東京で開かれました。全国災対連、災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会が主催をされたものですけれども、私も、それから民主党の皆さんからは発議者であられます藤本祐司議員が御出席になり、与党からも、そして社民党の皆さんからもそれぞれ代表として御出席がございまして、その被災地から参加をされた会場の皆さんも含めて、今国会で必ず成案を見て成立をという思いがあふれた、そういう集いになったのではないかというふうに思っております。
 私ども日本共産党の提案について参考に皆さんにお配りをさせていただきました。これは九月の二十七日に泉大臣あてに申入れをさせていただいた文書でございますけれども。この被災者生活再建支援法が〇四年に見直しをされたときに、阪神・淡路以来悲願となってきた肝心かなめの住宅本体の再建費用が対象から除かれた。その居住安定支援制度がその後相次いだ豪雨、そして地震、火山災害などの被災地でそれぞれ試されてきたのだと思うんです。そしてその中で、被災者の皆さんから、最初、この生活再建支援法が適用されて、これで住宅を建て直せるのではないかという喜びが起こるんだけれども、実際には一番支援してもらいたいところには駄目だというふうに言われたという、こういった正に怨嗟の声が大きく広がって、これでは再建支援法ではなくて阻害法ではないかといった厳しい声も出されたこともございます。
 私ども、その中で、被災者の皆さんの生活基盤を一刻も早く再建する、このことが地域全体のコミュニティーの維持においても、そして災害からの復興においてもかなめなのだということをかねてから申し上げてきたところでございます。そういった意味で、この支援制度を真に実効ある制度とするのかどうか、することができるのかどうか、ここで国の支援の在り方が厳しく問われているわけでございますが、現に支援を求めておられる被災者の皆さんを支援の対象とすること、そして被災者の皆さんが一番必要としている支援策を最優先に実現をすることができるように、党派を超えた議論が本当に急いで深められることを心から期待をしたいと思いますし、共産党としても全力を尽くして頑張りたいと思います。
 この私の質問の時間が終わりますと、民主党の皆さんの方から、歴史的なと言ってもいいのではないかと思いますけれども、法案の趣旨説明がされるわけでございまして、前座というつもりはないんですが、この問題について幾つか大臣にお尋ねをしたいと思うんですね。
 政府としても取組をしてこられたということで、私どもも前向きに評価をしております。検討会を設置されて、中間報告が出されました。それを受けて、八月の三日からというふうにお伺いをしていますが、パブリックコメントを集めていらっしゃるわけです。わずか一か月の取組なんですが、九十件の意見が寄せられたというふうにお伺いをしております。正式には次回の検討会が開かれる際に御報告ということになるようですけれども、その中では、被災者御本人やボランティア支援団体の皆さんからもたくさんの意見が寄せられているということで、大臣がすべてお読みになるいとまがあったかどうかは私もつまびらかではありませんけれども、この感想も含めて、パブリックコメントあるいは国民の皆さんの要望、要求、ここについての特徴などを大臣にまずお尋ねをしたいと思います。
#111
○国務大臣(泉信也君) 被災者生活再建支援制度につきましては、政府といたしましても、与野党のお話合いの中でこの国会中に成立、実現を図ることを期待をいたしておるものでございます。
 そうした本来の予定から申し上げますと、来年の通常国会に政府としては改正案を提出させていただきたい、こういうことで三月に検討会を立ち上げて、そして七月に中間報告をいただき、今先生御指摘のように八月の三日から九月二日までパブリックコメントをちょうだいしたところでございます。しかし、事態が大変、被災者の皆さん方の御要望も高い、何とかしてほしいという各先生方からの御要望もありますので、先ほど申し上げましたように今国会で成立をさせていただければ、政府としても更に被災地への、被災をされる方々へのお手伝いがより確かなものになると思っております。
 そこで、寄せられました意見は九十件でございまして、意見をお寄せいただいた方々は、これまで災害の被災者御本人、被災を受けられた御本人、被災者を支援していただいておる団体、こうした方々が多数であったと承知をいたしております。意見の内容に関しましては、ちょっとかいつまんで申し上げますと、支援金の使途を住宅建設費、購入費や補修費等の本体に入れることができないか、それから支出対象を弾力化することができないか、例えば地盤修復費などにも広げられないかということでございます。それから、年齢要件、年収要件のいわゆる支給要件を緩和してほしいということでございます。さらに、支給額の上限を引き上げることができないか、そしてまた中越地震や能登半島地震等、過去の災害にさかのぼって適用することができないか、こういうことが寄せられた意見の主なものであったと思います。これについては近く開催されます検討会で御報告をさせていただく予定にいたしておるところでございます。
#112
○仁比聡平君 ありがとうございました。
 今大臣からもお話のあったような被災者の皆さんの本当に切実な願い、要求を、本当に正面から受け止めた見直しが今回行われることを改めて期待をしたいと思うわけです。
 その中で、過去に発災をした災害にさかのぼって見直し後の適用をしてほしいという要求が、今大臣が御紹介のようにパブリックコメントの中でも強いということなんですけれども、この点は法案の議論の中できっちり深めてはいきたいと思うんですけれども、一つだけお尋ねをしておきたいなと思いますのは、この点について、法理論上あり得ないとか法理論上困難であるといった議論がありまして、まるで刑罰法規のように、これは刑罰法規は憲法上もあるいは近代刑法の原則上も、遡及適用するということはこれはあり得ないということになるわけですけれども、まるでそれと同じかのような議論が一部にあるかあるいはあったようで、そこが少し、いささか議論を混乱させているのではないかと思うものですから、私は法理論上あり得ないなんていうことは全然ないと思っているんですが、いかがでしょう。
#113
○国務大臣(泉信也君) 専門家の先生から御指摘ございましたように、法理論的にさかのぼって適用することはできないということはないと思います。
 ただ、法律が誕生した経緯、過去の議論の中、それからこの法が目的とするところ、そうしたことから遡及適用が難しいのではないかという議論があることは事実でございます。
#114
○仁比聡平君 法理論的には当然あり得るわけで、その制度をどういうふうにするのか、あるいはどの災害までさかのぼるのか、そういった際にどれほどの費用を国やあるいは基金の方で考えなければならないのかというようなこういった問題は、政策的な判断の問題として国会で法案審議の中できちんと議論をしていきたいというふうに思っております。法理論上は十二分にあり得るということを私は強く申し上げておきたいと思うんですね。
 その上で、本年一月一日以降に起こりました被災地の実情が、今日もそれぞれの委員の先生方から御紹介もございました。能登やそして中越沖のこの地震被害の被災者の皆さんがどれほど困難な状況に置かれているかということは申し上げるまでもないと思うんですけれども、私、一つ取り上げたいのは、豪雨被害の秋田の被災者の皆さんの声なんですが、先ほど御紹介をした災対連の皆さんの全国交流集会に、わざわざ東京まで北秋田市からある方がおいでになられたんです。
 そのお話をお伺いをしますと、農村が大変広く広がっている地域の中で三八%の農地が冠水をして、稲作なんですが、水稲の収穫を目前にして、あしたからでも刈り取ろうかというときにそれがすべて被災をしてやられてしまったとおっしゃるわけですね。そういう形で生産と収入の道に大変な被害が起こった上に、生活の基盤である御自宅は泥が流入をして、これを撤去をするために床板まで上げて、家財道具はすべてもうこれは災害ごみになってしまって、すべてを失った状態で、泥をかき出してやっと乾いたところだというんですね。やっとこれが乾いて、床板を入れて、さあ、そしたら畳をどうしようかという事態に今その北秋田市の被災者の皆さんはあるんだというわけです。
 そして、もう一月もたたない時期には、先ほども鈴木陽悦委員からお話がありましたように、豪雪、そういう冬の時期が間近に迫っているわけで、先ほど鈴木委員からは絶望感というお話がありましたけれども、そういった被災の中で絶望感に近い、そういう心情になる、なっておられるというのはこれは当然のことだと思うんですね。
 私も、三年を超えてこの委員会で各地の被災に取り組まさせていただいてまいりましたけれども、水害の被害の場合に、見る見るうちに増水して、何を持ち出すこともできないまますべてを失う。そして、この住宅の再建に御自身の力では展望が全く見えないといったときの、この被災者の皆さんの思いというのは本当に深刻だと思うんです。
 この北秋田市のお話を一つ御紹介をしましたけれども、こういった被災者の方々に、住宅の本体再建の支援を含めて、適用要件の緩和はもちろんのことですけれども、これを含めて、救いの手、支援の手を差し伸べるというのが私は政治の責任なんだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#115
○国務大臣(泉信也君) 水害、秋田の水害の例、あるいはまたこれまでの地震の例からしましても、被災者の方々にとっては、とにかく何とか自分も努力するけれども公の力もかりたいと、そうした後押しをしてほしいという国民意識が横溢していることは私もよく分かります。
 この被災者生活再建支援法は、先生御承知のように、そもそもこの枠組みが、将来の災害に備えて都道府県が相互扶助の観点から積み立てした基金を原資として被災者に支援金を支給すると、こういう基本的な枠組みがあるわけであります。したがって、既に起こってしまった災害に対してこの基金を原資とする支援金を支給するという遡及適用は、この制度にはなじまないんではないかというふうに考えております。阪神・淡路のときも、これは平成十年のそもそもの議論のとき、阪神・淡路に遡及できないか、あるいは十六年の支給額を最大三百万にするといった議論がなされたときの法改正でも遡及適用ということはなされなかったという事実があります。
 したがって、今回どうするのかということは、正に自民党、公明党の与党の案、そして民主党が出されました案を委員会で御議論をいただき、その御議論の中で方針を決めていただくということではないか。政府としては、従来の、今申し上げました、そもそもの法の立法の過程から見まして、遡及ということについてはこの法律になじまないという考え方を今取っておるところでございます。
#116
○仁比聡平君 泉大臣ほどの政治家が、今の御答弁の中身は、これまで内閣府や政府の部内で議論をされてきたことであるというのは私も従来の答弁でも承知をしておるわけですけれども、やはり目の前が真っ暗で立ち行かないということになっている被災者を前に、やっぱり私たち政治家が、いや、あなたには支援はできないよというふうに突き放すことはできないと思うんですよ。
 実際に、例えば民主党の皆さんの御提案のような形での見直しが実現をしたとして、だけれども遡及適用はしないという話が、これは民主党の皆さん遡及適用されるとおっしゃっているんですが、しないということに仮になったとしたら、そうしたら、御自身も生活再建支援法の申請期間なんだけれども、旧法による申請しかできない人は本体再建は支援をしていただけなくて、新法の申請者の方は実現をしてもらえる。これは私、同じ被災者にとって不公平じゃないのかな、これほど不公平なことはないんじゃないのかなと思うんですよ。
 現実に被災をされた方々がその生活基盤の再建のために何を求めていらっしゃるのか、それの法律的な枠組みや制度的な枠組みがどういう形で行われるかはいろいろ政治家や行政の中で議論があっていいと思うんですけれども、同等の救済がしっかりと行き届くようにするというのは、これ政治の責任なんではないんでしょうか。
 与党の皆さんの方では復興基金と交付税の組合せというような議論があっているというふうにもお伺いはしていますけれども、秋田で復興基金という見通しは当面ないんじゃないかと、今のところないのではないかと思うんですよね。いかがでしょう。
#117
○国務大臣(泉信也君) 被災を受けられた方々の思いは、先生御指摘のように、この法律の成立、この法律というか、これから議論をいただく支援法の結果で、現行法での対象の方々と新しい法律によっての支援の内容、差が出てくるということは、これはそのとおり、今の、遡及を適用しないということになれば、そういう事態が出てくると思うんです。
 その中で、与党で、私が今御検討いただいておるやに伺っておりますのは、基金を用いてということで、実質的に何とか遡及をしなくても、例えば能登半島でありますとか中越地震の方々に元気を出していただけるような方策を考えようと、こういうことでございます。
 今、秋田の問題につきましては、確かにその点についてこれからの議論が残されておるのかもしれませんが、基金をつくってというお話は、まだ私自身は承知をいたしておりません。
 そこでは、同じような被災を受けられたにもかかわらず、この法律の適用いかんによって差が出てくるということは本当にお気の毒な面もございます。しかし、そこはまた、そのほかの幾つもの救済措置をあるいは自治体の中でお考えをいただいて、できるだけのことをやっていただけるんじゃないのかな、こういう思いを持っておるものでございます。
#118
○仁比聡平君 私としては、遡及適用をそのまま認めるということが一番すっきりする。その点で民主党の皆さんの提案に私ども賛成なんですけれども。
 大臣がおっしゃるような幾つもの救済措置をということを考えるとしても、そういう考え方だとしても、被災者の皆さんに、どこに住んでいようがどの発災であろうが、目の前で救済を必要としている方々に同等の支援が行くということが私は本当に大切なことだと思いますので、この点についてはまた議論を深めていきたいと思っております。
 最後に、この支援法の見直しの議論の中で直接のテーマに今は上がっているわけではないんですが、私が災害対策を取り組んできた上で強い関心を持っている住宅の被害度の認定の問題について、一点だけお尋ねをしたいと思います。
 これ、二枚目の写真は、昨年の豪雨災害で出雲市の所原という地域で河川のはんらんによる被害を受けた家屋の写真なんです。私が調査をしてきたところなんですが、ごらんのように、写っているのはこれ家屋の一階の部分ですね。これ一階の部分はすべてもう生活の機能が奪われてしまっている状態にあるわけです。
 これは、濁流がこの一階部分を突き抜けた形になったおうちなんですけれども、だけれども、これが被害度認定としては一部損壊としか認定をされなかったんですね。というのは、地方の集落によくあります大きな古くからの建物で、二階部分もあるものですから、面積比などとの関係で今の点数、ポイント制の中では半壊にも届かなかったというような、そういうようなことがあったんです。だけれども、現実に暮らせないのはごらんいただいて明白だと思うんですよ。
 そういった意味で、今の基準が、基準そのものというよりも基準に基づくマニュアルといいますか、これが本当にすべての場合に被災者の立場に立った科学的な認定になっているのかというと、そうでもないという問題があって、そこでやっぱりトラブルが起こっている。
 そんな中で、水害の関係で一件だけ御紹介をしますと、宮崎で、一昨年ですか、台風豪雨の被害があったときに、自治体から認定作業に来たんだけれども、三分で帰ってしまった。調査に来ても家の中には上がらずに、浸水が五十センチ床上、五十センチ超えましたか、それとも五十センチには届きませんでしたかということだけを聞いて、被災者の方が五十センチには届きませんでしたと言ったら、もうそのまま家にも上がらずに帰ってしまったと。それは、床上五十センチを超えれば半壊の対象になり得るけれども、そうじゃなければならないというような簡易な基準をつくっていたからなんですね、そこの自治体が。
 これらの点についてはこれまでこの委員会で私も議論をいただいてきたところなんですけれども、こういった問題がやっぱり残されている。そういう意味では、基準の問題もそうですし、これをきちんと弾力的な活用を周知するという問題でもそうですし、それから実際に現場で認定を担っていく担い手をどうつくっていくのかという問題もあろうかと思います。
 この点について問題意識だけ申し上げまして、御答弁一言いただいて、終わりたいと思います。
#119
○政府参考人(加藤利男君) お答えいたします。
 現行の被害認定基準は住家の居住のための基本的機能に着目して策定したものでございまして、被害認定に際しては、具体的な被害の実情に応じて適切に判定していくことが先生おっしゃるとおり重要なことだと考えております。その際ですが、これも非常に重要なことだと考えておりますが、判断する人の主観によって認定結果が左右されるということになっては公平の観点から適切ではないということでございまして、私どもとしては、住家の被害認定に係る標準的な調査方法及び判定方法として被害認定基準の運用指針を作成しているところでございます。
 被害認定は各種被災者支援策に非常に密接に関連する罹災証明の発行のために必要とされるというものでございますので、被害認定には迅速性が求められる、一方では的確性も要求されるという、その両面の要請があって、それらにこたえていく必要があるというふうに考えております。したがいまして、このような被害認定にまつわる、先ほど先生からもお話がございましたいろいろな課題に対しては今後とも様々な観点から検討を行って、できることから、できることから一つずつ運用の改善に努力をしていきたいというふうに考えております。
#120
○仁比聡平君 終わります。
#121
○委員長(一川保夫君) 本日の災害対策樹立に関する調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#122
○委員長(一川保夫君) 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者の森ゆうこ君から趣旨説明を聴取いたします。森ゆうこ君。
#123
○森ゆうこ君 ただいま議題となりました民主党・新緑風会・日本提出の被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案につきまして、発議者を代表し、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 自然災害による被災者がその被害から回復するためには、日常生活の再建とともに、その生活の基盤たる住まいの再建を欠かすことはできません。また、被災地における住宅再建は、単に個人のレベルにおける再建だけではなく、地域社会全体においていかに迅速な復興を遂げるのか、すなわち地域再生の見地からも極めて重要であります。阪神・淡路大震災を契機として制定された本法に対しては、制定当初より住宅再建支援の充実を求める声が多方面から寄せられてきました。また、平成十六年には本法改正が行われましたが、住宅再建の支援に関しては、個人財産である住宅に公費を充てることはしないとの政府の誤った方針の下で、瓦れき撤去費やローン関係経費などいわゆる周辺経費の追加にとどまり、肝心である住宅本体への支援策が見送られたことは皆様周知のとおりであります。
 しかしながら、その後、地震や集中豪雨、台風来襲などの悲惨な災害が発生するたびに、被災者の住宅再建が繰り返し大きな課題として取り上げられ続けています。また、全国知事会や日本弁護士連合会など、関係諸団体の多くは被災住宅の再建に公費を投入することについて賛意を示しており、住宅再建支援制度の創設に対する世論の理解も進みつつあります。
 そこで、本法を真に被災者のために役立つ法制度とすべく、立法府の責務においてここに改正案を提出するものであります。
 次に、本案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、被災者生活再建支援金の支給制度の拡充に伴い、法律の目的を、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者に対し、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めることにより、その生活の再建を支援することに改めることとしております。
 第二に、対象となる被災世帯について、その居住する住宅が全壊した世帯又は半壊した世帯をいうものとすることに改めることとしております。
 第三に、支援金は、年収合計額八百万円以下の世帯の世帯主に対して支給するとともに、支給限度額は被災世帯の区分に応じ最大五百万円までとすることに改めることとしております。
 第四に、支援金の支給対象となる経費として、当該世帯の居住する住宅の建築費、購入費又は補修費を法定するものとすることにしております。
 第五に、支援金の支給に要する経費に対する国の補助の割合を、二分の一から三分の二に引き上げるものとすることとしております。
 第六に、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するとともに、この法律による支援金の支給制度の拡充措置は、平成十九年一月一日以後に生じた自然災害に係る支援金の支給について適用するものとすることにしております。
 以上でありますが、何とぞ本案の趣旨を御理解いただき、速やかに御審議の上、委員各位の御賛同を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
#124
○委員長(一川保夫君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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