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2007/11/08 第168回国会 参議院 参議院会議録情報 第168回国会 災害対策特別委員会 第5号
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2007/11/08 第168回国会 参議院

参議院会議録情報 第168回国会 災害対策特別委員会 第5号

#1
第168回国会 災害対策特別委員会 第5号
平成十九年十一月八日(木曜日)
   午後零時三十分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         一川 保夫君
    理 事
                高橋 千秋君
                森 ゆうこ君
                加治屋義人君
                神取  忍君
    委 員
                青木  愛君
                郡司  彰君
                鈴木 陽悦君
                広田  一君
                藤谷 光信君
                山根 隆治君
                吉川 沙織君
                佐藤 信秋君
                佐藤 正久君
                末松 信介君
                塚田 一郎君
                山田 俊男君
                西田 実仁君
                山口那津男君
                仁比 聡平君
       発議者      高橋 千秋君
       発議者      加治屋義人君
       発議者      森 ゆうこ君
       発議者      神取  忍君
       発議者      西田 実仁君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        泉  信也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○議案の撤回に関する件
○被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案
 (高橋千秋君外四名発議)
    ─────────────
#2
○委員長(一川保夫君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 この際、議案の撤回についてお諮りいたします。
 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案について、発議者森ゆうこ君外六名から撤回の申出がありました。
 本案の撤回を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(一川保夫君) 御異議ないと認めます。よって、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案は撤回を許可することに決定いたしました。
    ─────────────
#4
○委員長(一川保夫君) 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者高橋千秋君から趣旨説明を聴取いたします。高橋千秋君。
#5
○高橋千秋君 ただいま議題となりました被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 被災者生活再建支援法は、平成七年に発生した阪神・淡路大震災を契機とし、平成十年に議員立法により制定されたものであります。その後、平成十六年に、被災者の居住の安定の確保による自立した生活の開始を支援するため、居住関係経費の支給等の措置を講ずる改正が行われ、その際、衆参の災害対策特別委員会における附帯決議において、「居住安定支援制度等の充実を図るため、本法の施行後四年を目途として、制度の施行状況等を勘案し、制度の見直しを行うなどの総合的な検討を加えること。」とされております。
 これを踏まえ、政府においても、被災者生活再建支援制度に関する検討会を設置し、検討が進められておりますが、本制度の使い勝手の悪さ、支給要件の複雑さ等が指摘されており、その結果、居住関係経費の支給率が三割に満たず、被災住宅の再建を始めとする被災地の速やかな復興が必ずしも十分になされているとは言い難い状況にあります。
 本法律案は、こうした認識の下、立法府の責務として、思い切った制度改善を早急に行い、被災者の居住の安定の確保による生活の再建等に向けた一層の支援を図るため、提出したものであります。
 以下、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、支援金の支給制度の充実を図ることに伴い、法律の目的を、「自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者に対し、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めることにより、その生活の再建を支援し、もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資すること」に改めることとしております。
 第二に、現行制度の煩雑な手続、複雑な支給要件及び支給内容を見直すこととしております。
 具体的には、まず支援金の支給方法について、使途を限定した上で実費額を精算支給する現行の実費積み上げ支給方式を改め、使途の限定をしない定額渡し切り方式とすることとしております。
 これによって、これまでの生活関係経費について、対象経費として三十品目だけ認められ、その物品や医療費等の項目ごとに申請並びに実績報告が必要とされていた手続を不要とし、全壊世帯に百万円、これまで支給対象外であった大規模半壊世帯に五十万円を罹災証明書ベースで一括支給することとしております。また、これまでの居住関係経費については、対象経費ごとに実費支給するのではなく、居住する住宅の再建の方法に応じて定額を支給することとし、居住する住宅を建設又は購入する世帯については二百万円、補修する世帯については百万円、民間住宅を賃借する世帯については五十万円を支給することとしております。この改正によって、全壊で補修による再建を選択した世帯に対しても支援金が支給されることになります。
 次に、支援金の支給対象要件については、年齢年収要件を撤廃することとし、被災者間の不公平感を是正するものとしております。
 第三に、住宅の敷地に被害が生じ、やむを得ない事由により住宅の解体に至った世帯を支援の対象として追加することとしております。
 第四に、この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内で政令で定める日から施行することとし、公布日以後に生じた自然災害に係る支援金の支給についても適用することとしております。
 また、平成十九年能登半島地震による自然災害、平成十九年新潟県中越沖地震による自然災害、平成十九年台風第十一号及び前線による自然災害、又は平成十九年台風第十二号による自然災害につきましては、公布日以後に申請を行った場合の支援金の支給は、改正後の支援金の支給制度によることとしております。
 以上が本法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(一川保夫君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御意見もなければ、本案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本案に対する意見を聴取いたします。泉防災担当大臣。
#7
○国務大臣(泉信也君) 本法律案につきましては、政府としては特に異存はございません。
#8
○委員長(一川保夫君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願いたいと思います。
#9
○山口那津男君 私は、公明党を代表して、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に対しまして賛成の討論をいたします。
 現行の被災者生活再建支援法は、その使い勝手の悪さ、支給要件の複雑さ等々が指摘され、その結果として居住関係経費の支給率が三割に満たないという状況にあります。
 そこで、被災者の速やかな生活再建に真に資するための改正を目指し、与野党による政策協議が重ねられてきました。そして、このたび、民主党、自由民主党、公明党の三党による共同提案として被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案が本院に提出されました。
 以下、本法案に賛成する主な理由を申し述べます。
 賛成の第一の理由は、使途を限定した上で必要額を積み上げる現行の支給方式を改め、住宅の再建の仕方に応じて使途を限定せず定額渡し切りで支給することとした点です。これにより、生活関係経費について、物品や医療費等の項目ごとの申請並びに実績報告が必要とされる煩雑な手続が一切不要となり、全壊世帯に百万円、これまで支給対象外であった大規模半壊世帯に五十万円を、罹災証明書により一括支給されることとなります。
 また、居住関係経費については、これまでのように対象経費ごとに実費支給するのでなく、居住する住宅の再建の方法に応じて定額が支給されます。具体的には、居住する住宅を建設又は購入する世帯については二百万円、補修する世帯については百万円、民間住宅を賃借する世帯については五十万円となります。
 さらに、現行制度では支給対象外となっている全壊で補修による再建を選択した世帯に対しても居住関係経費が支給されます。同じく、支援の対象外となっている住宅の敷地に被害が生じ、やむを得ない事由により住宅の解体に至った世帯もその対象として追加されるなど、被災者の生活再建の実態に即した制度に改善されます。
 賛成の第二の理由は、現行制度で五百万円以下となっている年収要件、年齢要件が撤廃されたことです。これにより、被災者間の不公平感が是正されることとなります。
 賛成の第三の理由は、今年発生した特定四災害、すなわち能登半島地震、新潟県中越沖地震、台風十一号、十二号による災害について、改正法公布後に申請すれば新制度が適用される特例措置がとられていることです。現行法に基づき既に支給された世帯に関しても、支援金の申請がなされればその差額分が支給されることになります。
 以上、本法案に賛成する主な理由を申し述べました。
 九年前に難産の末に成立した被災者生活再建支援法が、被災自治体や被災者にとって使い勝手が悪く、被災実態に合わない制度となっていることは誠に不幸なことであります。本改正案は、そうした多くの問題点を解消し、かつ財政負担にも配慮しつつ、真に被災者の側に立った被災者の迅速な生活再建に資する内容となっていることを確信いたしますとともに、本院におきまして与野党の真摯な協議によって合意を見た初めての成果として、その意義は極めて大きいものと考えます。
 いつ起こるか分からない災害に対応できるよう、本改正案の一刻も早い成立を強く願って、私の賛成討論を終わります。
#10
○仁比聡平君 日本共産党を代表し、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に賛成の討論を行います。
 阪神・淡路大震災では、家計と地域経済を支えていた多くの中堅層が住宅再建のための二重ローンに苦しみ、再建できなかった被災者は住み慣れない土地の復興住宅に住むことを強いられ、震災から十二年たった現在でも、だれにもみとられずひっそりと亡くなる孤独死が後を絶ちません。生活再建が果たせず、被災直後の援護資金の返済が今なお精神的な負担となって生活再建の足かせとなっています。
 阪神・淡路大震災を教訓に、二〇〇〇年十月の鳥取県西部地震では、鳥取県がいち早く住宅再建に支援金を支給し、被災者の生活再建を支援しました。被災者生活再建支援法は二〇〇四年の改正で居住安定支援制度が創設されましたが、肝心かなめの住宅本体の再建費用は支援対象から除外され、改正直後から相次いだ豪雨、台風や大規模地震、火山災害など全国の被災地で、特に住宅再建支援をめぐり制度の不備を指摘する声が、被災者のみならず被災自治体からも相次ぎました。同時に、被災者の生活を一刻も早く再建することは、地域の維持、再建にとって不可欠であることも明らかになってまいりました。
 被災地からは、党派を超えた、超党派の努力で一日も早く住宅本体への支援を実現してほしいという切実な声が寄せられ、こうした声にこたえて、この間、民主党、私ども日本共産党、社会民主党の野党三党共同による改正案を一度ならず提案してきたのです。今回の見直しに当たり、与党の側からも支援の対象を実質住宅本体に拡大する提案がなされたことでようやく与野党の足並みがそろうこととなったものであり、全会派共同による提出にふさわしいものであります。
 自民、公明、民主三党提出の改正案は、実質的に被災住宅の再建に支援金を活用できることとしているほか、被災世帯の年収と世帯主の年齢要件を撤廃し、煩雑な制度を改め使い勝手を高めていること、また、今年発生した災害のうち、本制度が適用されている能登半島地震や新潟県中越沖地震などに適用するなど、これまでの被災者と被災地の願いを受け止める内容とされていることについて率直に評価し、歓迎するものです。
 その上で、残された以下の事項について引き続き検討し、更なる見直しを行うことで、被災者生活再建支援制度を真に実効あるものにすることが必要と考えます。
 第一に、住宅の補修に係る被災者の経済的負担を軽減することは不可欠であり、支援被災世帯の範囲を半壊世帯にまで拡大をすることです。また、生業あっての生活であり、被災住宅に店舗兼住宅を始め、個人事業所や個人商店を含めることです。
 第二は、支給限度額を引き上げることです。住宅の公共性、地域社会再建への貢献などを考えれば、被災者の住宅を始めとした生活再建への支援は国の責任で行うべきものであり、見舞金の枠を超えた支援が必要です。実際に住宅再建に要する経費からいっても求められています。
 第三は、被害認定の在り方の見直しです。改正案の渡し切り方式は、煩雑でない反面、全壊又は大規模半壊に認定されるかどうかで明確に支援の有無が区別されることとなります。一人でも多くの被災者を支援の対象とする上でも、地盤や浸水被害を正確に反映した認定基準とすること、専門家による的確な認定作業とそのための体制の確保が不可欠となります。
 そのほか、法適用災害の規模要件の緩和など、実際の災害への運用の中で生じた課題を踏まえ、制度を適宜見直すことがどうしても必要です。
 見直しに当たっては、日本共産党は、被災者と被災地の実態を直視し、現に支援を求めている被災者を支援の対象とするとともに、被災者が一番必要としている支援策を最優先に実現すること、被災者が使い勝手のいいものとすること、大多数の被災者が活用できるものとすること、居住を含めた生活再建に足る支援金額とすることが不可欠と考えてまいりました。
 今後とも、被災者の方々と力を合わせ努力することを申し上げ、賛成の討論といたします。
#11
○委員長(一川保夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#12
○委員長(一川保夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、末松君から発言を求められておりますので、これを許します。末松信介君。
#13
○末松信介君 私は、ただいま可決されました被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・日本、自由民主党・無所属の会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  自然災害による被災者がその被害から回復するためには、日常生活の再建とともに、その生活の基盤たる「住まい」の再建を欠かすことはできない。また被災地における住宅再建は、単に個人レベルにおける再建だけではなく、地域社会の迅速な復興のためにも極めて重要である。かかる見地から、政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、支援金の支給限度額については、被災者の住宅再建に対する意欲に十分応え得るよう、今後の実績等を踏まえ、引き続き検討すること。
 二、本法施行後四年を目途として、支援金の支給限度額、国の補助割合を含め、制度の見直しを行うなどの総合的な検討を加えること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#14
○委員長(一川保夫君) ただいま末松君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#15
○委員長(一川保夫君) 全会一致と認めます。よって、末松君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、泉防災担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。泉防災担当大臣。
#16
○国務大臣(泉信也君) ただいま議決になりました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
#17
○委員長(一川保夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(一川保夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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