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2007/11/06 第168回国会 参議院 参議院会議録情報 第168回国会 農林水産委員会 第5号
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2007/11/06 第168回国会 参議院

参議院会議録情報 第168回国会 農林水産委員会 第5号

#1
第168回国会 農林水産委員会 第5号
平成十九年十一月六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月六日
    辞任         補欠選任
     岩永 浩美君     佐藤 昭郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         郡司  彰君
    理 事
                主濱  了君
                平野 達男君
                加治屋義人君
                野村 哲郎君
    委 員
                青木  愛君
                一川 保夫君
                金子 恵美君
                亀井亜紀子君
                高橋 千秋君
                藤原 良信君
                舟山 康江君
                米長 晴信君
                市川 一朗君
                岩永 浩美君
                佐藤 昭郎君
                牧野たかお君
                山田 俊男君
                谷合 正明君
                紙  智子君
       発議者      平野 達男君
       発議者      高橋 千秋君
       発議者      舟山 康江君
   国務大臣
       農林水産大臣   若林 正俊君
   副大臣
       農林水産副大臣  岩永 浩美君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       伊藤  渉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 朝雄君
   政府参考人
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       藤崎 清道君
       農林水産省消費
       ・安全局長    町田 勝弘君
       農林水産省生産
       局長       内藤 邦男君
       農林水産省経営
       局長       高橋  博君
       農林水産省農村
       振興局長     中條 康朗君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農業者戸別所得補償法案(平野達男君外四名発
 議)
    ─────────────
#2
○委員長(郡司彰君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農業者戸別所得補償法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医薬食品局食品安全部長藤崎清道君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(郡司彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(郡司彰君) 農業者戸別所得補償法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○青木愛君 民主党の青木愛でございます。本日、初めての質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 私は、これまで専ら農産物の消費者としての立場でおりましたので、このたびこちらの委員会の方に所属をさせていただきまして、これからは農林水産業に従事される方々の立場でしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 私が子供のころは、農家の方々、大変豊かに生活をされているような印象を持っておりました。しかし、最近では、やはり米価の下落や、また後継者に悩む、暗い話ばかりが耳に入ってまいります。さきの参議院選挙で提示をいたしました民主党の農業者戸別所得補償法案は、全国の農家の方々が大変大きな期待を寄せている、また国民全体にとっての課題としても大変重要な法案でございます。本日は、基本的なところを改めてお伺いをさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 この民主党案の特徴でございますが、大きく三点あると思います。一点目として、民主党案、標準的な生産費と市場価格の差が生じる品目を扱うすべての販売農家をまず対象にしていること。二点目として、その対象品目に米が入っていること。三点目として、品目ごとに生産数量が設けられていること。この三点だと思います。順次このことについて御質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、その一点目、対象農業者についてお伺いをいたします。
 生産費そして販売価格の差が生じるすべての販売農家を対象としている民主党案に対しまして、政府の政策では面積要件でその対象が限定をされています。掛ける予算額が全く違いますので、農家一戸一戸への手厚さに差が出るのは当然だと思いますが、まず、このたびの民主党案でより幅広い販売農家を対象としたその理由をまず民主党発議者にお伺いさせていただきます。よろしくお願いいたします。
#6
○舟山康江君 ただいまの御質問ですけれども、御指摘のとおり、私たち民主党案ではすべての販売農家を対象としております。と申しますのは、農業、農村を守っているのは一部の特定の担い手だけではないということであります。
 御承知のとおり、農業、農村の役割は単に食料の生産だけではありません。国土や自然環境の保全、良好な景観の形成、伝統文化の継承、さらには地域社会そのものの形成など、様々な多面的な役割を担っております。正に、水や緑や空気など、お金では買えない、貨幣価値には換算できない掛け替えのないふるさとを守る大事な役割を持っております。
 そういった意味で、まず農業生産、地域社会、それを守るためには、規模の大きな担い手だけではなく、専業農家、兼業農家、また高齢農家、小規模農家、様々な形態の農家が農業を続け、農地を守り、そこに住んでいただくことが必要だというふうに思っております。そういった意味で、私たちは限定をせず、すべての販売農家を対象としているところであります。
#7
○青木愛君 ありがとうございます。
 それでは、一方、大臣の方にお伺いをしたいと思います。
 政府の政策では、助成対象を大変限定をしていることによりまして、結果的に小規模農家を切り捨ててしまい、ひいては農村の崩壊につながっていくことになるわけでございますが、先日の委員会の答弁の中の大臣のお言葉の中で、その覚悟があってやられているのかなというふうにも思ったんですけれども、生産費を賄えないような農家に若干の助成をしたからといって、高齢化は進む、人口減少は進む、そういう人たちをここでキープしたからといって、農業の将来展望が開けてくるとは私は思わないのですという御答弁がありまして、これまで農業を続けてこられた農家の方々、おじいさん、おばあさん方がこの言葉を伺ってどのように思われるかなと思うと察するに余りあるわけですけれども、改めてお伺いをさせていただきたいと思いますが、より幅広い農家をできる限り対象とした今回の民主党案について、改めて政府の今の現行との違いも含めてお伺いさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
#8
○国務大臣(若林正俊君) このたび政府が展開しようとしております農政改革というのは三つの柱があると考えております。一つは、米の生産調整のシステム、生産調整をどういう形で支援するかという対策でございます。それからもう一つは、土地利用型農業、とりわけ水田農業につきましてどのような形でこれを将来展望の下に担い手を育成をしていくか、担い手の経営を安定させていくかというのが二点目でございます。三点目は、農業は、先ほども発議者の方からお話がございましたが、農業の担い手と言われる生産者だけで農業が行われ得るわけではありませんし、また地域の皆さん方との一体の関係でその地域基盤というものが保たれ、また多面的機能の維持発展が可能になると。そういう意味で、やはり農地・水・環境保全対策という仕組みを用意いたしましたけれども、やはり農山漁村の活性化ということが必要になってまいります。その三本柱であります。
 民主党の案は、いろいろお考えだと思いますけれども、生産面で農業生産、販売農業者を支援することによって、すべてのそういう農業の多面的役割あるいは地域活性化、何かすべてそこのところから始まって、それで、何かほかの対策がどうなっているのかよく見えないんですけれども、やはり私は、今必要とされている農政改革というのは、担い手の経営安定を通じて、米、麦、大豆といったような土地利用型農業については足腰の強い農業構造をつくるということがどうしても目標として必要だと、こう考えておりまして、それが品目横断的経営安定対策ということになるわけですが、それを支えるものとして、農地・水・環境保全向上対策でありますとか農山漁村の活性化のための各種交付金などの地域振興政策、これを総合的に講ずるというところが違っているんじゃないかというふうに私は思います。
 そして、品目横断的経営安定対策におきましても、小規模な農家を切り捨てるというのではなくて、小規模な農家も含めまして地域の農家はすべて集落営農というものを構成し得るように設計されておりまして、その意味では、それらにまとまって参加していくということを通じて、高齢化が進む農村地域社会において、農地を守り、そしてまた将来の担い手も育成するということを期待しているものでございまして、この集落機能の維持を図るという役割をも念頭に置いているわけでございます。
 農林水産省としては、これらの施策を従来から実施している中山間地域等直接支払制度と併せまして総合的に展開することによりまして、農村地域社会の維持発展を図ってまいりたいと、こう考えているわけでございます。
#9
○青木愛君 ありがとうございます。
 正に、農政の構造改革に向かう基本的な考えといいますか理念がきっと政府と民主党案とは大きく違うのかなというふうに思うんです。どちらが正しいというのは今の時点で言えないのかもしれませんけれども、やはり生産性とか効率性を追求した産業政策に基づく政府に対して、民主党案というのは、やはり農業は高齢者の方々が最も働きやすい場所でもあると思いますし、そうした意味では雇用の問題とか社会保障の面とか様々な課題も含んでいるのがそういった農業という職場だと思うんです。ですので、民主党は、やっぱり人に着目をしていると思うんです。
 大臣がおっしゃられた、そういう人たちをここでキープしたからといってという、そのキープという言葉は私大変違和感を感じたんですけれども、民主党は、やっぱりともに暮らしてきたそういう農家の方々を大事にして、これからもともに生きていくことをその政策の理念としてこの農業政策も取り組んでいくのではないかと私は考えておるんですけれども、民主党の方からもし御意見があれば、お願いできればと思います。
#10
○平野達男君 まず、大臣の先ほどの答弁を聞いておりまして改めて思ったのは、やはり農林省の、政府の政策というのは経営体の育成であるという、その経営体に着目した政策ではないかというふうに思っています。
 他方、私どもは、その経営体という概念も決して否定するものではありませんけれども、これは何回も申し上げましたけれども、農業というのは農村というのと表裏一体であると。農村の構成される方々というのは、大規模な農家もあれば小規模な農家もある、兼業農家もあれば専業農家もある。そういった方々が一体となって農村が構成されていて、そういった状況を基礎にして農業が展開されるんだというふうに思っています。
 その上で、今回の品目横断対策の最大の私ども間違いだと思っているのは、こういう経営体をつくりなさいということを入口で指定したということです。具体的には、個別経営については四ヘクタール以上、それに該当しない場合には二十ヘクタール以上の原則ですね、集落営農をつくりなさいと、そういった場合に支援の対象にしましょうということで制度設計されているわけです。
 私どもは、今こういう状況、今非常に農業、農村を守る状況が厳しい状況だからこそ、その地域でどういう農業が展開されればいいか、経営体という言葉をあえて使わせていただきますけれども、どういう担い手が育成されていけばいいか、そこで考えさせていただければいいと、そういう発想に立っています。
 その上で、先ほど青木委員から御指摘のあった、大臣の私の先般の質問に対する答弁、私も、この生産費を賄えないような農家に若干の助成をしたからといって、高齢化は進む、人口は減少進む、そういう人たちをここでキープしたからといって、農業の将来展望が開けてくるとは私は思わないのですという答弁には、かなり私も引っ掛かるものを覚えました。
 今の農山村の状況がどうなっているか。こういった高齢者の方々は、特に米に関しては、これは何回も何回もこの議論を委員会で申し述べさせていただきましたけれども、米価が下がっている、下がっている中で、多くの農家は生産費以下の状況の中で米生産を続けているということです。中には、物財費すら割るような状況の中で米の生産を続けている。
 なぜ、そんなことをやっているかといいますと、高齢者の方々は、私が農業をやめたら、耕作することをやめたら、受け手がいないんですと。受け手がいないから、私は体の続く限りこれやるんですという状況なんです。裏を返せば何かといいますと、そういう人たちが赤字覚悟で、だけれども、私がやめれば農地を耕す人がいないという、その意欲といいますか、気持ちが今の現在の農村、農地、これを支えているという状況でありまして、この点を大事にするか大事にしないかというのが私どもと多分政府の明確な姿勢の違いだというふうに私は思っています。
 今、ちなみにこういう方々は、残念ながら私たちも、私の認識でも後継者はいないという農家が多いですから、五年、十年すれば、多分だれも耕作する人がいなくなるという状況なんです。ただ、繰り返しますけれども、その人たちがそういう気持ちで今耕している。だからこそ、今そういう状況を大事にしながら、その人たちが参加をして、この地域の経営体、担い手あるいは農業、農村、どうやっていくかということを考える仕組みを構築する。そのためにも、まず今せめて赤字を出しているような状況を改善するために一定の所得補償をすると、そういうことが非常に大事ではないかということで今回の農業者戸別所得補償案を出したということでもございます。
 以上です。
#11
○青木愛君 ありがとうございます。
 いつも平野委員がおっしゃられている、その農家の方々に考えていただく土俵と時間を今持っていただかなければいけないということだと思うんです。
 時間がない中で、やめてしまわないように、まず支えていくという民主党の考え方であろうと認識をさせていただきました。
 続きまして、米についてお伺いをさせていただきます。
 対象農家とも関連してくることなんでございますけれども、民主党案はその対象品目に米が入っています。これは現行と大きく異なる特徴であると思います。標準的な生産費と販売価格の差を基本として補てんをするということで、かなり米に相当の支援がなされることになると思うんですけれども、民主党はなぜ米に重点を置いたのか、その辺のところをお伺いさせていただきたいと思います。
#12
○高橋千秋君 ありがとうございます。
 米というのは日本文化を象徴するようなものでありますし、一番大事だというのはもうだれもが認めるところだと思うんですが、今回の戸別所得補償の中で、生産数量目標を掲げてそれぞれ作っていただくことに対してお金を払っていくということは、もう既に委員も御承知のことだと思いますけれども、その品目の中に、更に作っていただかなきゃいけない、増産をしていただいて自給率を高めていただかなきゃいけないという大豆とか麦のようなものと、それから、米のようにもう既に過剰になっていて生産をある程度需給調整をしていかなければならないものと両方あります。
 特に、米については、もう大きな生産量でございますから、少し計算が狂ってくるとがらっと変わってしまうというような状況があったり、作況によって大きく変わってしまうということから、大変難しいとは思うんですけれども、我々はこの戸別所得補償によって生産数量目標を設定して、そのことによって需給調整をやって適正な生産量を確保していく、これが第一の目的であります。
 その中に当然米というものが入る、米とその他の増産をしなければならないものとの区別はございますけれども、この中に当然米というものが中心になっていく、これは戸別所得補償の中の中心になっていくということでございます。
#13
○青木愛君 ありがとうございます。
 今の高橋委員の御意見を受けて大臣の方にお尋ねをしたいと思いますが、政府は、米についてナラシ対策という極めて限定的な対策になっておりまして、関税で守られているということでゲタは用意されていないと承知をしておりますけれども、米対策、これで十分だと思われますでしょうか。
#14
○国務大臣(若林正俊君) これで十分かというようなことが御質問であるとすれば、本当に十分ということはなかなか言いにくいですね。
 いろんな対策を組み合わせてやらなければならないと思うんです。特に米は水利用ですから、水を安定的に利用できるようなそういう基盤の整備、あるいはまた規模を拡大していくために必要な大圃場を整備をしていくというようなそういう整備、そしてまた大型の機械を利用できるような条件の整備、そういうふうなことを全部総合的に諸対策を講じなければならないと考えておりまして、これで十分かと言われれば、なおなおいろいろな工夫を凝らして、地域のきめ細かな実情に応じたような諸対策を生産対策のみならず環境対策も講じていかなきゃいけないと思っております。
 しかし、今度の品目横断的経営安定対策は、先ほど言いましたように、現下直面している農政課題にこたえるための三つの対策の柱の一つであります。その一つとして、農業基本法にも定めておりますように、効率の高い安定した経営が国民食料の相当部分を担えるようにするという、日本の農業の構造改善の中で最も立ち遅れている米生産に焦点を当てておりまして、そして他の麦や大豆への転換を図っていくという趣旨で品目横断的経営安定対策を講ずることにしたわけでありまして、その中で、米についていわゆるゲタ対策と言われている生産条件不利補正対策というようなものを講じていないということにつきましては、麦や大豆と違って、全体で今国境措置を講ずることによりまして外国との競争条件は遮断をした中で国内で米を作っていただくと、こういう対策として特化しているわけであります。
 そういう意味でいいますと、国内における米生産につきましては、やはり一つ大きなのは気象変動による減収であります。もう一つは価格変動による減収だと思います。気象変動による減収は農業共済で対応いたしておりますから、価格変動についての販売収入の減少につきまして、農業経営に与える影響を緩和するための収入減少緩和対策としてのいわゆるナラシ対策を措置しているわけであります。
 このナラシ対策については、九割、つまり一割しか補てんしないじゃないかという、一割部分をどうするんだという問題は残っております。これは農家の負担とのバランスの関係ですから、なお実施過程でいろんな御意見があれば、今後、改善していくことも含めまして見直しが必要になるかもしれません。スタートとしては、このナラシ対策は一割ということでやっていけるものという設計をしたところでございます。
#15
○委員長(郡司彰君) 時間が来ておりますので、青木愛さん。
#16
○青木愛君 ありがとうございます。
 ゲタ対策、米は過剰に生産されているということかもしれないんですけれども、先ほど高橋委員からお話がありましたように、民主党のこのたびの法案であれば、その仕組みの中で必然的に需給調整も調整が付くんだということのお話だったように思います。
 時間が参りましたのでこれで質問を終わりにいたしますが、やはり農業者お一人お一人が現に担っている食料安保の能力をしっかりと生かし続けていただける体制を早急に講じなければならないと思います。
 ありがとうございました。
#17
○金子恵美君 民主党の金子恵美でございます。
 農家の子として生まれ育った私が、多くの農業者の方々の支援を受けまして、こうして国政の場で農政についてただす機会をいただきました。我が国の農業を憂える人々の言葉、私がここでお伝えできればというふうに思ってございますので、よろしくお願いいたします。
 まず、これまでの農業政策の反省、評価及び見解についてお伺いいたします。
 言うまでもなく、農業は国民生活の安定に欠かすことのできない食料を供給する産業であります。同時に、その生活活動を通じて国土の保全、そして水源の涵養、洪水防止、良好な景観の形成、文化の伝承など、種々の重要な役割を果たしている産業でございます。この産業の多面的機能の効果は国民全体が享受するべきものでございます。また、農業は農山村地域における主要な就業の場であり、農家が収入を得る手段でもあります。
 しかしながら、一方では、過去二十年間において農業に関する主要な指標は大きく減少しております。昭和六十年と二十年後の平成十七年を比較してみますと、農業総産出額は約十一兆六千億から約八兆五千億円に、農家数は約四百六十六万戸から約二百八十五万戸と減少し、そして、農業就業人口は販売農家で平成二年の約四百八十二万人から平成十七年の三百三十五万人と大きく減少をしております。さらに、この間のカロリーベースの総合食料自給率も五三%から四〇%に減り、昨年は三九%と大きく低下しております。加えて、農業就業人口の高齢化率は六十五歳以上五八%、後継者がいない販売農家は四五%、耕作放棄地面積は約三十九万ヘクタールと、全耕地面積の八%強にも及んでおります。このような、明らかに農業の衰退傾向を示す数字は、新しい農業政策への転換が求められているということを示しているのではないかというふうに思っております。
 そこで大臣にお伺いいたします。
 以上、農業の現状について述べてまいりましたが、この間の農業政策はどのように進められてきたのでしょうか。これだけの衰退傾向が顕著であるにもかかわらず改善策を見いだすことができなかったというのは、この間の農業政策は失敗であったと言えるのではないでしょうか。生産構造改革についてはほとんど成果を上げなかったのではないかと思います。御所見を伺いたいと思います。
#18
○国務大臣(若林正俊君) まず、これまでの農政は失敗であったのではないかというその決め付け方につきましては、どうしても私、これについて私のお答えを申し上げなければならないと思います。
 私事を申し上げて恐縮ですが、私は、昭和三十二年に学校を出て農林省に入りました。二十五年間、農林水、農林行政をずっと勉強してまいりましたが、やはり行政だけじゃ駄目だという思いがありまして、二十五年前に農林水産省を辞めて衆議院に入り、そしてまた、今は参院議員をしていると、五十年にわたってかかわってきております。
 一々五十年を振り返って申し上げませんけれども、まず、農業基本法を作りました。そして、選択的拡大を軸としまして農業生産は大きく変わりました。しかし、外国との競争条件が非常に厳しくなってきているというようなことなど、その他の社会変化を考えまして、御承知のように、食料・農業・農村基本法というものを制定をして新しい段階に入っているわけでございます。
 結果として、例えば、今まではもうほとんど米が中心でありましたけれども、今の農業は野菜が、総産出額で見ましても、米と同じ、米よりも以上の構成比になっております。お米は二三%ですけれども野菜は二四%になっています。果樹、花、酪農、肥育牛、豚、そういったような生産は大体主業農家、言わば専業的農家によりまして生産の七割ないし九割が供給されております。つまり、生産性の高い経営によりましてそれらの国民が必要としている食料品の八割、九割を供給できる体制になってきたわけでございまして、これはもう大変な変化であると同時に進歩だと思うんです。
 需要に応じた国内農業生産を進めまして、福島県におきましても、果樹とか畜産とかあるいは野菜とか、非常に多様な農業が展開をされてきている現実を委員も御承知のことだと思います。
 ところが、米はいまだになお主業の農家の生産シェアは四割弱でございまして、準主業農家が四分の一、そして副業的な農家が三七%を占めているということでございます。
 農業基本法にありますように、何としても生産性の高い安定した農業経営が相当部分の生産を供給できるようにするということが農政の主要な課題だと私は思っておりまして、その方向に沿って、今、残された問題は水田の農業、土地利用型農業をどのような形で進めていくかということに懸かっているというふうに思っているところでございまして、決して戦後展開してきた農政が失敗であったというふうに決め付けられるものではないと、前進してきたと考えております。
#19
○金子恵美君 長い期間に農林水産関係に携わってこられた大臣がいらっしゃったのにもかかわらず、まだまだこの衰退傾向がとどまらないというのはとても残念でなりません。
 今、御尽力をいただいたということもいろいろとおっしゃっていただいたわけですが、切り替えまして、今年度から導入されました品目横断的経営安定対策、そして米政策改革推進対策、農地・水・環境保全向上対策と併せましてこれは戦後最大の農政改革であると喧伝されてまいったわけでございます。しかし、その割には、やはり農業現場での評価が低いというふうに言わざるを得ません。その原因というのは、やはりこれまでの農業全体の状況を悪化させてしまった農政に対する反省というものを踏まえて、それを十分に生かされていなかったのではないかというふうに思います。
 農水省は、品目横断対策に関して、農政キャラバンを実施して現場の声を集めてこられたということも存じておりますし、そしてまた、十月十一日には農政改革三対策の緊急検討本部を設置しております。
 大臣は、改善すべきところは改善をしていくという姿勢も示されているわけでございますが、現段階で、もちろん農政キャラバンの声も参考にしながら、どのような見直しをお考えでしょうか、大臣の御所見をお伺いいたします。
#20
○国務大臣(若林正俊君) 委員がお話しいただきましたように、私、農林水産大臣を兼務をいたしました八月、この品目横断経営安定対策につきまして、やはり地域の現場からの声をしっかりと吸い上げていかなきゃいかぬということで、御用聞き農政と称してキャラバン隊を組織して、本省幹部が各地に出前として出掛けていっていろんな御意見を聴いてまいりました。十月の五日に一通り終了いたしまして、その結果を取りまとめて十月の十二日に公表したところでございます。
 キャラバンで出てきたいろんな意見というのは、時間の関係がありますから省略いたしますけれども、改善すべき幾つかの項目について大変有益な御意見もいただいておりますが、一方では、この品目横断対策の基本的な方向付け、この方針というのは維持していくことが大事だという意見も強くございまして、既に多くの農家が、また多くの集落がこの問題に真剣に取り組んできているところでありますので、現時点でこの基本方針を変えることはかえって現場の混乱を引き起こすことになるおそれがあるという御意見も非常に強く承りました。
 現在は、農政改革の先ほど申しました三つの対策、この三つの対策について緊急対策本部を立ち上げておりまして、現場から上げてこられました種々の意見を真摯に受け止めながら、土地利用型農業の体質強化、そして一方で、WTOなど国際規約が変えていかれたとしても、これらの国際規約に堪えられるような政策体系というものを確立すべく今検討を詰めているところでありまして、なるべく早く結論を出して可能なものから実施したいと思っておりますけれども、今この時点で委員に対してこのような改善を加えるということを申し上げる段階にはございません。
#21
○金子恵美君 自民党でも水田農業振興議員連盟が一日に米政策や品目横断的経営安定対策の抜本見直しを求める緊急決議をしていらっしゃる。スタートして一年もたたずに抜本見直しということでございます。
 大臣もこのような動きについていろいろお考えはおありかというふうに思いますし、また、キャラバンの中で一番の声といいますのは、やはり、地方キャラバンで出された意見等について農林水産省内できちんと受け止めて、必ず実のある改善策を講じてほしいというようなことでございますので、まずはその辺のところもお願いしたいというふうに思っております。
 時間がございませんので、発議者の方にお伺いさせていただきますが、農業者戸別所得補償法案が成立しまして、そして実施に移されれば、現在の我が国の農業、農村の状況がどのように改善され、そして本来の姿を取り戻すとお考えでしょうか。
#22
○平野達男君 まず、御承知のように、我が国の自給率は四〇%を割って三九%まで落ち込んでいるということでありまして、およそ先進国と言われる国々の中でここまで自給率の落ちている国はないということであります。この自給率は何とか向上させにゃいかぬ。政府の方でも四〇%から四五%まで上げるというふうに言っております。我が民主党も四〇%から五〇%まで、何とかして十年以内に上げたいというような目標を設定しています。
 自給率を向上させるためにはどうするか。いろんなアプローチがあると思いますけれども、一つは国内産の消費をどんどん増やしていくんだというふうなことがあると思います。特に米の消費が落ちている。米の消費が上がっていけば自給率は上がっていきます。しかし、何といっても、今自給率の低い作物、例えば麦、大豆といったような、そういった作物については日本はかつて相当の量を生産していたというような、そういう歴史的な経過もございます。
 何とかしてこの自給率の向上のために、この自給率の低い、そしてかつまた日本で生産できる作物の生産振興を図りたいと。そのためには、一定の所得補償をして、特に麦、大豆、その他飼料作物、こういったものに対して、安心して生産振興、生産ができるんだと、そういうような環境づくりをすることで一歩でも二歩でも自給率向上のための基盤を整備したいというふうに思っておりますし、この法律を作ることによって自給率向上のプロセスが明確に示されますし、確実に自給率の向上につながってくるんだというふうに思うのがまず第一点です。
 それからもう一つは米価の下落であります。米価の下落によって今農業、農村が疲弊をしているということについては、もう改めて私が指摘するまでもないことだと思っています。特に、もう非常に大事なのは、生産費を割っているだけじゃなくて物財費すら割っているような米価水準まで落ちていると。
 そういう中で、何とか土地を守らなくちゃならないという高齢者の方々が頑張っているという状況の中で、まずは一定の所得補償をして、先ほども青木委員の御質問の答弁の中でも申し上げましたけれども、この急激に変わっていく農村の状況の変化に対応した農業、農村の在り方について自ら参加して、そのビジョンづくりに参加していただきまして、しっかりとした体制をつくっていただきたいと。そういったための土俵づくりのためにこういった戸別農業者所得というのが必要ではないかというふうに思っておりまして、そうした今までに経験したことのない激変に対応するための法律だというふうにも思っております。
#23
○金子恵美君 ありがとうございます。
 次に、担い手経営安定新法とそして戸別所得補償法案との比較という形で質疑を進めさせていただきたいと思いますが、まずは助成の対象となる農業者の選定方法の相違点ということなんですけれども、品目横断的経営安定対策については助成対象を経営規模面積で選別しています。そして、この基本的な考え方、農業生産の担い手になり得る一定経営規模以上の農家が農業地帯全体に満遍なく存在しているということを前提にしているようにも思います。言わば品目横断は産業政策一辺倒の効率性を追求して、そして早急に大規模農家による効率的な農業生産構造を確立しようとしているのに対し、戸別所得補償法案は産業政策に地域政策を加味し、そして高齢化、過疎化が進行している農村の維持、存続も視野に入れ、ひとまず農家全体を所得補償の対象にして農業生産構造の再構築を図ろうとしているのではないかというふうに思います。
 農業経営体の経営規模が大差がなく、実際には将来の農業の担い手になり得る農家が存在しない地域が数多くあるというふうに伺っています。現に農水省が行った地方キャラバンにおいても、集落営農においてのリーダー不在により組織化が困難であるという声も上がっております。要件の厳しさや経理の一元化等、そういう運営に対する不安を持つ農業者の声も多く聞かれました。にもかかわらず、現在の経営規模による助成対象農家の選別、産業政策としての効率性を追求する余り、地域の実情を無視した人為的規模拡大を図ろうとしているというふうに思われます。これでは結果として全体の経営規模拡大を阻害するということにはならないでしょうか。
 発議者にお伺いしますが、所得補償法案、経営規模の大小にかかわらず、その差額が補償され、対象の農産物の再生産が確保されるというふうに説明しています。もちろん集落営農組織による生産は一定の生産性向上も見込まれております。積極的に評価する側面もありますが、担い手新法のような無理のある集落営農組織化は避けなくてはなりません。
 そこで、集落営農の在り方についてどのようにとらえているのか、お伺いいたします。
#24
○委員長(郡司彰君) 舟山委員。舟山委員。
#25
○平野達男君 先に、先に大臣でしょう。
#26
○舟山康江君 大臣から。
#27
○平野達男君 先に大臣でしょう。
#28
○委員長(郡司彰君) 発議者に質問をしております。時間が来ておりますから簡潔にお願いします。
#29
○舟山康江君 本法案の第四条一項に明記してありますとおり、本法案では集落営農組織を否定するものではありません。
 今御指摘のとおり、品目横断経営安定対策に関しましては、集落営農に関しても、今御指摘いただきましたように、面積要件、経理の一元化など厳しいハードルを設けているわけでありますけれども、地域における実情は様々であります。
 やはり私の地域なんかでも、いや、なかなかリーダーがいなくて進まないとか、いや、今のようなこの米価が低落しているような状況では進められないんだというようなお話を聞きましたけれども、本法案ではそのようなハードルは設けず、例えば作業受託組織とかそういったもっと小さい組織、経理の一元化まで進んでいない組織なんかも含めて、やはり集落営農、共同して作業を行うということで効率性が非常に追求されるものもありますので、そこを否定することなく、そこも含めて支援の対象にしていきたい、そんなふうに考えています。
#30
○金子恵美君 最後に、発議者にお伺いします。
 望ましい農業生産構造に本法案のどの条項を活用して政策的に誘導しようとしているのか、お伺いしたいと思います。
#31
○平野達男君 望ましい農業構造というのは、私どもの民主党の立場では、こうあるべきだというような明確な、例えば四ヘクタールとか二十ヘクタールとか、そういった構造で示すべきではないと考えております。あくまでも、今農村が迎えている今まで、これまでに経験したことのない激変という状況の中で、地域の人たちがまず話し合ってもらう。その中で、二ヘクタールの人でも、私は、将来的に規模拡大したいという人であれば、多分担い手になると思います。あるいは七反であっても、兼業をやりながらやりたいという人であれば、それは担い手になってくる。そういう意味で、今、その地域地域の実情に合わせた、そういう農業がやられればいいというふうに考えておりまして、望ましい農業構造という言葉ということ自体については、私ども民主党としては具体的にこうこうこうだという数字を持ち合わせているわけではないということであります。
#32
○委員長(郡司彰君) 時間です。
#33
○金子恵美君 時間が参りましたので終わりますが、真の農政改革が進まれることを心から願いまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございます。
#34
○市川一朗君 自由民主党の市川一朗でございます。
 農業者戸別所得補償法案について、まず提案者にお尋ねしたいと思います。提案者である平野議員の御発言、注目して聞いておりましたので、できれば二人でやり取りを中心にしたいと思います。
 先日の答弁の中で、今日もちょっと触れておられましたが、この法案の趣旨として、日本は急速な人口減少に入っていくと、その人口減少圧力を強く受けるのが農山村地域である、その地域で農業を維持し振興していくために考えた制度がこの法案である、小規模でありながら赤字覚悟で農地を耕している方々の意欲を大事にするという意味があるという答弁をされておられます。平野議員は岩手県、私は隣の宮城県でございますから、言わば稲作単作地帯として特に厳しい状況にあります東北地方の農山村地域に対する思いというのは、二人は基本的には余り変わってないんじゃないかと思うんです。
 ただ、この法案がそういったものの解決策になるかどうかということで、この法案をよく読んでみましたけれども、この法案で農山村地域の農業を維持して振興していくということが本当にできるのかなと。それから、御答弁聞いておりましても、どうも必ずしも合点いかないんですよね。まず、その政策の中身自体がちょっとよく分からないんですわ。ですから、ちょっとまず細かいことからお聞きしたいと思います。
 この法案の一番の骨子は、交付金の交付という、それを具体的な政策手段にしているわけですが、その交付金を配るとして、ちょっと実例、具体的に言いましょうね。例えば、〇・五ヘクタールの稲作小規模農家には年額一体どのくらいの交付金が配られることになりますか。
#35
○平野達男君 この法案では、条文の中に、標準的な生産費と標準的な販売価格との差額を基本として、需給の動向等を勘案して交付金の単価を定めるというふうに規定がございます。
 今、その単価をどの程度に設定すべきかということにつきましては、この委員会でも何回も答弁をいたしましたけれども、場合によっては専門家の意見を聞く必要もあるんではないか、それからあるいはいろんな方々の意見を聞く必要があるんではないかということで、現時点ではその単価の水準というのは決めておりません。
 したがいまして、今の市川委員の御質問に対して、具体的に〇・五ヘクタール云々という御質問がございましたけれども、その単価の水準が決められていないということでございますから、これ、どれだけの交付金がされるということについての御答弁は現段階ではできないということです。
 ただ、繰り返しますけれども、今回のこの法案の中では、先ほど言った、今特に米価なんかではそうでございますけれども、標準的な販売価格が生産費を大きく下回っていると、そういう農家が多いということでございますから、そういった農家に一定の所得補償をする、それは非常に大きな政策転換ではないかと思っておりますし、それなりの効果が期待できるのではないかというふうに思っております。
#36
○市川一朗君 参議院予算委員会のエースの一人である平野議員の答弁にしては、やっぱりその辺まだ詰めていないんですな。
 しかし、交付金ですから、どれぐらい配られるかということによって金額がどれぐらいになるかがある意味で決定的な要素でもあるとは思うんですが、私はこの法案の元々の基礎となった発想として貿易の自由化問題があったんじゃないかと思うんですよ。貿易の自由化は避けて通れないと、その結果米の値段は大幅に下がると、それに対して所得補償をして交付金を交付すると。こういう考え方であるならば、WTO上も違反とならないし、それから農家の所得補償という意味でも説明が付くということで、例えば昨年九月に発表された基本政策でははっきりと、戸別補償制度はWTOにおける貿易自由化協議と各国とのFTA促進とセットで提案されているんですよ。何かいつの間にか貿易自由化は消えてしまいましたね。
 そうなりますと、ちょっと今御答弁なかったんですが、その基礎となっているのが販売代金と生産費との差額でしょう、それも標準的なあれでしょう。どう計算しても大した金額にならないんじゃないかと思いますが、どうですか。
#37
○平野達男君 まず、じゃ以下の話は米に限定して話をした方が分かりやすいと思いますんで、米を中心に話をさせていただきますけれども。
 しからば、まず委員の御認識でちょっと私が分からないのは、今関税で、日本の米は、外国からの米が入ってくることを防いでいます、ミニマムアクセスは例外として。この状態の中で、しからば今のこの米の状況というのはどのように認識されているのか。私は、先ほど言いましたように、生産費と市場価格との差を比較した場合に大変な差が出てきている。全国の平均でいきますと、全算入経費でいきますと十八年産米では一万六千八百円という数字が出ています。一万六千八百円です、生産費が。全国平均ですね。そして、農家の手取りは幾らかといいますと、これはなかなか分からない。これ是非山田委員にも聞いてもらいたいんですが、コメ価格センターの標準的な価格は一万四千八百二十五円というのがたしか十八年産米だと思うんですが、そこから農協の手数料を引かなくちゃならない。私が聞いた限りでは三千円だと言っていますが、農家の手取りはそれでいくと一万一千八百二十五円。これは私が先般この農林水産委員会で出したとおりです。大変なその差額が出ています。
 さらに、もっと言いますと、生産費を分けて考えますと、いわゆる家族労働費と物財費というのがあります。物財費は今の全算入経費、全国平均で見ますと、今はちょっと手元にありませんが大体九千七百円ぐらいだったんじゃないでしょうか。ところが政府の、政府のですよ、政府の米の生産費調査を見ますと、中国とか四国地方では一万二千円ですよ、物財費。赤字を出していながら生産をしているというような状況ですよ。この状況は自由化とかWTOとかFTAとか全く関係ないです。現にそういう状況が起こっているということです。
 そういう状況の中でこの米の問題をどのように扱うか。私どもは自由化を促進するとか自由化を前提としているとかという話がございますけど、そういうことではなくて、今のこの状況の中で米生産がどのようになっていくのか、あるいは農家がどうなっていくのか、農村がどうなっていくのか、こういう状況の中で、まずは私は赤字を出さないで米生産が続けられるような状況は、これは国の責任で確保しなくちゃならないだろうというふうに思っています。
 さらに、なぜそういうことをしなくちゃならないかというのは、現状だけではなくて、米価が下落するというのは構造的な問題ではないか。それから、このままほうっておけば本当にやめた農家が出てきたときに農地の受け手がいなくなるんではないかといった問題等々についても先般のこの委員会において指摘させていただいたことでありまして、もしその部分について補足が必要であれば、質問していただければお答えをしたいと思います。
#38
○市川一朗君 ちょっと細かい点ですけど、何か今手取りという話出ましたが、法律を読みますと、標準的な販売価格と標準的な生産費との差額と書いてあるんですよ。その関係はどうですか。
#39
○平野達男君 関係という質問の意味はよく分かりませんでしたけれども、あくまでも……
#40
○市川一朗君 販売価格じゃないんですか。販売価格……
#41
○平野達男君 販売価格は、農家の場合は庭先の販売価格になると思います。という位置付けだと思います。
#42
○市川一朗君 庭先。
#43
○平野達男君 はい。
#44
○市川一朗君 そうですか。
 ちょっと細かな話に入り込んでしまうかもしれませんが、ちょっと改めて確認したいんですけれども、貿易自由化の問題なんですが、平成十八年九月十一日公表、まあ御存じと思いますけれども、知らない人もいるかもしれませんから、衆議院議員小沢一郎「私の基本政策 公正な社会、ともに生きる国へ」というかなり立派なものが昨年の九月に出まして、その中に、戸別所得補償制度の創設という項目がございました。そして、そこで書かれておりますのは、WTOにおける貿易自由化協議と各国との自由貿易協定、FTAと書いていますが、FTAを促進すると。その中で、農産物の国内生産を維持、拡大するために、基幹農産物の生産費と市場価格との差額を各農家に支払う戸別所得補償制度を創設すると、こう書いてあるわけです。
 これは、法案出したタイミングとは、大分前ですから、考え方を変えたという部分があるのかもしれません。貿易自由化については、あんまり平野さん相手にぎりぎりしてもしようがないと思いますが、大体これが基本になっていると思うんですよ。この中にも生産費と市場価格との差額と書いてあります。法律も販売価格と書いてある。だから、手取りとか庭先とかというんじゃなくて、もう少し客観的に確定されたものを想定して法律が作られているんじゃないかと思いますが、その点、いかがですか。
#45
○平野達男君 まず、米の生産費調査というのは、圃場レベルで農家がどれだけの経費を掛けているかということの経費です。そうですね、生産費というのは、まず。そして、その差額を精算するときの標準的な販売価格というのを比較するときは、農家が、じゃ、その対としてどれだけ一俵をやったときに手元に入ってきますかということで、その販売価格を注目しなくちゃならないというのは、これは当たり前のことだと思います。
 私が申し上げたのは、ちまたで言う要するに販売価格というのは、コメ価格センターで言われている価格ベース。ところが、このコメ価格センターは、農家の価格プラス流通経費が掛かっています。特には農協の手数料でありますとか運搬費でありますとかが入っています。そこから除かなくちゃならないということを言っているだけで、これを除けば、先ほど言いました数字でいきますと一万一千ちょっとぐらいじゃないでしょうかということを申し上げたわけで、そこの時点に対してのそごはないというふうに思っていますが。
 ちょっと委員の問題意識が私は分かりづらいんですけれども。もうちょっと言っていただけるでしょうか。
#46
○市川一朗君 じゃもう一回。
 いや、私は、平野さんから明快にこれぐらいの金額が交付金になりますという答えが来ると思っていたら、それはないと言うもんですから、ない頭で、じゃどれぐらいの金額になるのかというのをいろいろ計算してみたら、余り大した金額にならないんじゃないかなと思ったんで質問をしているんですよ。いいですか。それでいいですか。
 平野さんが、例えば前の、十月二十五日ですか、委員会で配られた資料の中に、〇・五ヘクタール未満の生産費は、これは正しいかどうか分かりませんが、平野資料ですけれどもね、二万四千二十八円と出ていますね。十五ヘクタール以上だと一万九百六十四円となっていますね。標準的ですから、ならすわけでしょう、結局。
 それで、先ほどの大臣の答弁じゃありませんが、私らのような東北の稲作単作地帯で、しかも高齢者の方が小さな規模でやっているところは大変ですよ、平野さんおっしゃるように赤字覚悟でやっているところもありますが。しかし、やはり農業ですから、十分産業として成り立つために頑張っている農家も一杯あるわけですよ。そうしますと、販売価格が生産費よりも下回るというのが常態であると、平均してみますと。それはなかなか考えにくいけれども、まあ現象としてはあり得るわけですね、今度のように下がりますと。下がると、あると。
 だから、生産費をどう見るかという問題もあるけれども、要するに、あなたが金額言わないからまずいわけですよ。どれぐらいの金額考えているかという質問の繰り返しでもいいんですよ。
#47
○平野達男君 はい。分かりました。
 まず、もう事実だけを申し上げますと、米についてはこれは政府の数字ですよ、政府の数字。全算入経費については平均で一万六千八百七十円でしたか、忘れましたが、数字。一万六千八百七十円なんですよ、全国平均が。これだけの一俵当たりの米を作るときにお金が掛かっていると出ているんです。
 そして、これは、私は、先般の委員会でも出ましたけれども、市場価格は、じゃ幾らか。繰り返しますけれども、十八年産米の平均価格、コメ価格センターの全産地品種銘柄の年産別平均価格は一万四千八百二十五円です。ここから農家のいろんな流通経費を仮に三千円というふうに引けば一万一千八百二十五円、もう既に五千円近くの差額が出ているんです。ここから議論のスタートですよということを言っています。
 そして、しからば、じゃ、どれぐらいの水準で交付金のレベルになるか。これは需要と供給等の動向を勘案しながらその水準を決めなくちゃならないということで法律の中で言っていて、それを政令でしたか、省令なんかに今ゆだねています。
 この問題をどうするかというのは、場合によったら、政治的判断でえいやで決めるという場合もあるかもしれません。しかし、これは、いろんな要素を加味して、大変重要なインパクトを与える数字でありますから簡単には私は出せないと、軽々に出すべきではないということで今の水準については出していないということでありまして、ただ同時に、これも先般の委員会で申し上げたのは、今党内では、やっぱり米ぐらいは早く出すべきじゃないかという意見もございまして、その議論が進めば、米については反当たりあるいは一俵当たり平均にすればどれだけになります、二千円になるのか三千円になるか分かりません、そういった数字が出てくる場合もあるかもしれません。ただ、私自身は今、発議者として、この法案の責任者としては段階ではまだこれは慎重であるべきだというスタンスを取っております。
#48
○市川一朗君 この提案が政府提案だとして、参議院予算委員会を想像したら、平野さん、絶対あなたは納得しないと思いますよ。交付金を交付することを中心とした法案が、どれぐらいの交付金になるのか、金額がどれぐらいになるのか、予算規模も全然分からないと、そんな政策は認めるわけにいかないじゃないかとあなたは言うと思いますよ。
 じゃ、ちょっと聞きます。細かなことを聞いたんですが、今度は別に、じゃ、細かなことを聞いたんじゃ失礼かもしれません。細かな点は私もちょっと余り強くないんでね。
 じゃ、今度、総枠はどれぐらいになるんですか。何か一兆円は宣言だということは聞きましたが、やっぱり最終的には、この政策をやるとどれぐらいの予算が必要なのか、その予算は十分財政上執行可能かどうかというところがその政策の選択性になりますよね。取れるか取れないか。あなたは、ずっと予算委員会でそういう質問を繰り返していたでしょう。どうですか。
#49
○平野達男君 まず、私の予算委員会の質問をよく見ていただいてありがとうございます。
 一般論というか、一般論で申し上げますと、例えば政府の担い手、いわゆる品目横断対策の基礎となった法案でもこういった単価については全部省令若しくは政令に委任されております。私どもも野党が質問をするときには、その単価は幾らなんだということをしょっちゅう聞きます。場合によっては、こんなに省令に委任するのはおかしいじゃないかと、数が多過ぎるとも言います。
 ちなみに、担い手、何だっけ、あの法案の名前、今の品目横断の対策になった法律を見ますと、政省令に委任しているのは二十か所ぐらいあったんじゃないかと思います。私どもの法案は半分以下です。それぐらい気を遣ったとは言いませんが、それぐらいだということでありまして、大体そういうことは政府の方に任せるというのが、そういう流れがあるのではないかということもありまして、私も聞きますが、それは今、政省令の中で検討事項でございますよということを言われれば、引っ込む場合と引っ込まない場合があります。
 その問題については、それはあとは、政府はそのときのその重要性に応じて出せる場合と出せない場合があると思いますが、この米価の、あるいは個別の作物の問題については今の段階ではまだ出すまでに至っていないということであります。
#50
○市川一朗君 政令、省令の問題も含めて、この政策をやるとき、理念の法律ではないし、いわゆるいろんな制度の政策でもない、交付金を配るという政策をしておいて、この法律が通ったらどれぐらいの予算が使われるのかと、そんなもの分からないで国民が納得するとは私は到底思えませんが、まあ、平野さんと私がこの話で余りやってもしようがありませんので、私もそのことを宣言だけしておいて、ちょっと話題を変えたいと思いますが。
 要は、今のやり取りやっていても、何かちょっと、微々たる金がばらまかれるだけであんまり変わんないんじゃないかなという感じがするんですが、ちょっと私の考え方を聞いてください。これはほとんど政府の考え方と今同じになっております。
 今、日本の水田集落は約八万あると言われています。そのうち、定義の仕方が難しいんですが主業農家と、余り広辞苑引いても出てこないんですけれどもね、主な業、主業農家、これは所得の半分以上が農業所得の農家、これをあえて主業農家と、分かりやすいんで呼びますと、その主業農家が一人もいない集落、これが八万ある水田集落の中で半分あるんですよね。つまり、半分、四万ぐらいの水田集落には農業所得が全体の所得の半分を超えている農家が一人もいないという集落があるんです。半分あるんですよ。それで、しかも、あなたも言っておられるように、その働き手のほとんどは六十歳代、七十歳代、昭和一けたですよ、頑張っているのは。
 これで日本の水田を守っていくためにどうしたらいいかということで、やっぱり担い手を育てて、そして育った担い手を支援していくと。それから、大臣の表現には私もちょっと引っ掛かる部分はありますが、考え方は同じですから、いわゆる小規模な農家については、その中心として集落営農という手法を使いまして農作業の効率化を進めていくと。そして、農業所得の向上、生産費との関係でいけば生産費安くなるという意味も含めて農業所得を向上させていく。こういうことをすることによって、今の人たちが頑張っている間はいいんですが、その次の働き手が、じゃ、あの後はおれがやってやろうと、それが息子であるかもしれませんし、そうでない人もいるかもしれない。そういうふうに持っていくというのが私は大事な政策展開だと思っておるんですが。
 まあ、平野さんはその点は分かっていると思いますが、先ほど来この法案の提案者という立場にちょっととらわれ過ぎていると思いますが、こういう考え方に反対なんですか。
#51
○平野達男君 今のような議論を私は松岡大臣と何回もやりました。だから、だからこそ担い手の、要するに四ヘクタール、二十ヘクタールは間違っていると言ったんです。何が間違っているか。繰り返しになりますけれども、経営体というものに注目して、この経営体をつくると言ったことが間違いだと言っているんです。私の今の現状の認識は市川委員と全く同じです。基幹的農業従事者の六割は六十五歳以上、岩手県ではもっと高齢化が進んでいます。
 これは先般の委員会のところでも例としてたしかお話をさせていただいたと思いますけれども、あるところでちょっと座談会をやって集まっていただいたら平均年齢は六十八歳を超えていました。米作りを中心でやっています。そして、米作り、その中で出てきたのは、おら、要するに年金出して米作っていると言うわけですよ。それは、よく聞いてみますと、苗代、肥料代、それから機械での油代、それから、作業委託に出してもそれ一定の経費が取られる、だから手元に残ったお金で足りねえというわけですよ。じゃ、何で米作るんですか。答えはこうでした。おれやめたら、これ、田んぼ耕す人いないんだと。そうしたら、もうだれもいないから、だからやらなくちゃならないんだと、こういう状況ですよ。それが先ほど言われた、多分、市川委員の言われた主業農家というか、そういう要するに受け手がいないという状況だと思うんです。
 そして、今ここでこのまま何もしない状況をやったら、いずれ、そうやって赤字覚悟で今農地を守っている人がどっかでやめるかもしれない。やめたら受け手がいなくなりますよ。そして、だから、そういう中で、その地域の中で、やめた人の農地をどうするか、地域で考えていくことが大事です。
 集落営農もいいんです。しかし、私は、集落営農の現場感覚でいくと、集落営農がうまくいっているところは時間が掛かります。圃場整備やりながらここの将来の農業をどうしようかとか、参加者がいろいろ話をして集落営農をつくっていくと。それで成功しているところもあります。しかし、集落営農をやろうと思って失敗したところはどうなるか、感情問題になるんですよ。だから、これは絶対焦っちゃ駄目です。ましてや、今回みたいに経理の一元化をしろとか生産法人の計画を作れとか、こんなこといきなり言ったって分からないですよ。だから、経営体育成やって、そこだけに注目して、この入口の中でこれをつくったら支援をしますよというのは間違いだというのはそういうことなんです。
 そういうことじゃなくて、まずは、今そうやって守っている農地の農家の意欲の人を大事にしましょうと、そのためにせめて、繰り返しになりますけれども、赤字を出さないような所得補償をしようじゃないかと。その上で、市川委員も言われたように、五年後、十年後、この後継者この地域いませんね、どうしましょうかということを農協さんも自治体も地域の人も入ってやっぱり考えてもらうんです。考えてもらって、ひょっとしたら、言い方悪いですけれども、何もできないところがあるかもしれません。何もできないところは残念ながら人口減少社会ですから荒れていくかもしれない。だけど、その中でもやっぱりおらほのところはおらほのところで守るんだという意識があってきちっとした計画を作っているところはやりますよ。ところが、繰り返しになりますけれども、そういうタイミング、時期、その場さえ今、今回の政府は与えてないじゃないかということが私たちの明確な問題意識なんです。
 そして、繰り返しますけれども、そういった方々は、四ヘクタールだ、十ヘクタールだ、二十ヘクタールだ、何でもいいですよ、そんなもの今いきなり言われたって分かんねって言うんですよ。要綱を今日持ってきませんけれども、担い手の何だかの要綱なんてこんな厚いんですよ。私読んだって分かんないですよ。そして、ましてやリーフレット、雪だるまとか何か知らないけれどもいろんな小冊子作って、最後は七十ページぐらいのを作っている。あんなのだれが分かるんですか、あんなの。そんなものでやって、今、だからこういうことやって現場で混乱起きていますよ。だから、全国で品目横断対策見直せ見直せの大合唱じゃないですか。自民党さんだってあの品目横断対策に対しての批判というのはたくさんあるわけでしょう。
 そういうことに対して、私どもはこういう政策で、こういうきちっとしたある程度の一定の所得補償をすれば少なくとも今の現状打破する上での一つの大きな方策となり得るじゃないんでしょうかということで提案をしているということであります。
#52
○市川一朗君 確かに集落営農、コーディネーターというかリーダーがなかなか見付からないところも多いし、難しいですよ、なかなか。さっきちょっと御紹介あったんですが、自民党の水田振興議員連盟、私、会長代行ですから、分かってないというやじも飛びましたけど、同じイチカワ・イチカワ同士で、そっちの方がどの程度分かっているかよく分からないけど、まあいいや。
 それで、次の問題に入りますが、次の問題というわけでもないんですけど、先ほど来聞いておりましても、農家に対する戸別所得補償はすべての販売農家を対象にすると言っておられますね。さきの参議院選挙でも民主党はそれを言われたと。ところが、出てきた法案を見ますと、これすべてじゃないんじゃないかなという感じするわけですよ。
 いろいろ細かなことを言ってもいいんですが、結局のところはこうですか。すべての農家を対象にするが、標準的な生産費が標準的な販売価格を上回っている作物を作っている分しか交付金は行かないと。そうすると、交付金が行かない農家はたくさんあるんじゃないんですか。
#53
○平野達男君 考え方とすれば、この法案では、先ほど来言っていますように、標準的な生産費と標準的な販売価格を基本とした差額を補てんすると言っておりますから、それに該当する作物を作付けしている農家、その作付面積に応じて交付金をお支払いするということであります。
#54
○市川一朗君 それから、この生産数量目標というのもちょっとよく分からないんですが、これちょっとまた別な角度から改めてお聞きしますが、このすべての農家という点から見て、これはあれなんですか、生産数量目標が配分されない農家とか、あるいはそれに加わらない農家というのが出てくるような法文上の構図に見えるんですが、その点いかがですか。
#55
○平野達男君 まず、これは、配分するというその言葉のイメージでありますけれども、国から、あるいは県から市町村から一方的に押し付けるという、そういうたぐいのものではありません。特に、米以外の作物については農家の意向ということが大事でありまして、麦、大豆を作った場合にはこれだけの交付単価で支給をしますという数字が公表されますから、それを見て農家がじゃ参加しようかということで、その参加をした農家に結果的に配分面積が配分されるんだという、そういう構図になると思います。
 米は若干違っていまして、あくまでもこれは需給調整が前提ですから、米の場合は今の需給調整の仕組みがそうでありますように、国がまずマクロ的な数字を示した上で県、市町村という形で下りていって、最終的に各農家に、その需給調整に参加する農家に対して配分面積が決まりまして、その配分に応じて生産をした農家に一定の交付金が支払われるという、こういう流れになると思っております。
#56
○市川一朗君 私は、選挙ですから、参議院選挙ですべての農家を対象にすると言って、お茶の農家も含めてああ対象になるんだと、これはいいと思うんですよ。それは選挙ですからいろいろありだね、何でもありって言っちゃ悪いけど、いいと思うんですよ。だけど、法案として出す過程でいろいろ議論してきて、結局作物については、対象となる作物は、農産物はこういうものだと。それから、今の生産数量目標との関係でいくと、農家も入るものもあるし、入らないものもあると。
 こういう詰めの仕方は政策実現のためにはあり得ると思うんですが、ちょっと今日、気になるんですよ。余りこれ取り上げるつもりなかったんですが、今日お二人の御質問のやり取りの中で、平野さん盛んにすべての農家、すべての農家と、こうやっぱり言われるんで、すべての販売農家を対象にするということは中身とかなり違うんじゃないかと。ここはもう法案の審議なんだから、もっと正確に言うべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#57
○平野達男君 法案の審議でありますから法案で見ていただきたいと思います。法案はあくまでも、先ほど来申し上げましたように、あくまでも標準的な生産費と標準的な販売価格の差がある場合にそれを交付するということでありますから、そこでは限定ということであれば限定付きであります。それから、対象作物についても、その要件に該当しない作物を作付けしている場合にはその部分は該当しないということになりますから、そういうふうな要件に該当した農家についての販売農家については決裁があればすべてを対象にしますよという意味で言っています。
#58
○市川一朗君 分かりやすく言うと、いろいろ細かい作物についての説明もありますが、法律で米、麦、大豆と書いていますね。米、麦、大豆を栽培している農家で、かつ生産費が販売価格より上回っている農家に交付金が行くという理解でよろしいですか。
#59
○平野達男君 今出された米、麦、大豆というのは、私どもの理解ではいずれも生産費が市場価格を上回っている作物ですから、それをきちんと栽培していただければ、生産していただければ交付金の対象になると、交付対象になるというふうな理解です。
#60
○市川一朗君 それ以外。
#61
○委員長(郡司彰君) 先ほどの三品目以外。
#62
○平野達男君 いや、ですから、それ以外の作物についても、例えば先ほど言った、何回も繰り返しになって恐縮ですけれども、生産費を市場価格、販売の価格が下回っているということであればその対象になり得るというふうに考えています。
#63
○市川一朗君 ちょっと私はよく分からないんですけれども、要は、すべての農家を対象にするということは旗印として降ろさない、しかし実際に交付金がもらえる農家はかなり限定されるということですか。
#64
○平野達男君 このマニフェストで言っているのは、原則すべての販売農家という言葉を言ってきましたけれども、原則すべての販売農家ということであって、かつこれは交付金をしますから、交付金、お金を出しますので、それはきちっとした交付基準というのはやっぱり設定されなければならないというのはこれは通例であります。
 それで、その判断基準の大枠として出されたのが生産費と市場価格の差ということを基本としたということでありまして、その前提で当てはまるところに、農家、農地が対象になるということでして、実際にはこの間、先般の御答弁でも申し上げましたけど、多分農家数にしては、農家数というのは六割程度という数字を、ちょっと今、手元にありませんでしたけれども、農家数については六割がマキシマムじゃないかと、農地面積については七割、逆だったかもしれません、ちょっと今手元にないんであれなんですが、そういうことも御答弁として、ある一定の前提で試算するとそういうことになり得るということも答弁として申し上げたとおりであります。
 失礼しました。農業者の割合とすれば大体六割ぐらいがマックスじゃないかと、それから農地面積については約七割ぐらいではないかというふうにこの間御答弁申し上げたとおりであります。
#65
○市川一朗君 ちょっと次のテーマに入りますが、米価の下落について先ほど平野さんも心配しておられました。私らもかなり心配しておりますけれども、やっぱり米価の下落についてはいろんな要因があるわけですけれども、古くて新しい問題なんですけれども、やっぱり過剰米問題というのが大きい問題になっているわけです。これについてどう対応しようとしているのかなと。
 この法案ではなかなか出てこないかもしれませんが、しかし生産数量目標というのはその過剰米問題に直結する問題なんですよ。条文こう見てみても、今までやってきた生産調整みたいなことなのか、どうも文章を見ると、農業者の意向を尊重しとか相互に連携しとかいうと、基本的には好きなようにやっていいという部分が入っているから、そうするとえらい過剰米が出てもしようがないと、いやあ、元気があってよかったということでいったんじゃ、これは米価上は大変な問題になるわけですね。
 その辺はこの法律の外だという意味ですか。それとも、この法律の中に生産数量目標というのがある以上はその仕掛けがちゃんと組み込まれているはずなんですが、ちょっと分かりませんね、この条文では。
#66
○平野達男君 そのことについては委員会でも何回も答弁を申し上げましたけど、米と他の作物によってはやっぱり扱い方が違うであろうと。米につきましてはやっぱり需給調整が大前提であるということであります。そして、今の米価の下落、様々な原因があると思いますけれども、やっぱり過剰米が発生しているというのが大きな理由であることは間違いありません。そういった意味で、その過剰米対策、米価下落対策、基本は需給調整をしっかりやるということだと思っています。
 しかし、今の需給調整では今様々な問題があると思っています。その最大の問題は、何といっても参加する側のメリットがないということです。そして、いったん米の過剰が出て米価の下落が起こりますと、翌年度にその生産調整に参加している農家だけがその不利益を被ると、そういう大変大きな矛盾があるということはもう皆様方御承知のとおりであります。今回は需給調整を前提にしていまして、この計画に参加した農家、計画に沿って参加している農家に対して一定の所得補償をしましょうというはっきりとしたメリットが出てまいります。ですから、そのメリット措置を与えるということで、農家が参加しての需給調整というのは少なくとも今まで以上、よりは効果は出てくるんではないかというふうに思っているところです。
#67
○市川一朗君 この条文上はこういう仕掛けになっているという説明は何かあったんですかね。私、ちょっと条文見ただけじゃ全く分からないんで。
#68
○平野達男君 条文上は、第四条、「国は、毎年度、予算の範囲内において、生産数量の目標に従って主要農産物を生産する販売農業者に対し、その所得を補償するための交付金を交付するものとする。」ということで、この「生産数量の目標に従って」というところで規定しているということであります。
#69
○市川一朗君 そうすると、この生産数量の目標に従ったところにしか交付金は行かないというところでメリットを出そうと。
 この生産数量の目標というのは、そうすると各戸別に決まるわけですか。
#70
○平野達男君 ここも米に限らずすべての作物がそうなんですが、最終的には各農家が生産するわけですから、翌年度にどれだけの米を生産するか、麦を生産するか大豆を生産するか、それは面積が決まらなければ生産できないわけでありますから、答えは、今の質問に答えて言えば、そのとおりであります。
#71
○市川一朗君 そうすると、今までやってきた生産調整と基本的には余り違わないけれども、交付金が行くか行かないかというメリット、デメリットの関係でそこの実効性は担保しようと、そういうことですか。
#72
○平野達男君 私は、だから、今までの生産調整とは随分性格が違っていると思います。今までの生産調整は作らないことに対しての補償みたいな形で生産調整が仕組まれていたのではないかと思いますが、今回はこういう計画で作るということに対して、作ったことに対して交付金を払うという仕組みですから、まず、根本的にやっぱり考え方が違ってくると思っています。
 あわせて、今回の法律の中では麦、大豆の振興についても一定の補償をするということでございますから、それとセットでこの需給調整は今まで以上にしっかりやっていけるのではないかというふうに思っています。
#73
○市川一朗君 何か物事の表と裏の違いしか説明していないように私には思えますけど、何かそれしか分かりませんよ。私だけじゃないですよ、これ聞いているんですから、国民の皆さんが。
#74
○平野達男君 米に一定の所得補償をするという制度は今ないじゃないですか。米を作ったことに対して一定の所得補償をするということに対する制度は今ありませんね、今の政府の政策の中では。あるかないかといったら、ないですよね。我々はそれをやろうとしているわけです。これが需給調整にもいい方向で動くんではないかということを言っておるわけです、それが需給調整に参加するメリットとして動きますから。そういうことを言っておるわけです。裏表の云々の問題じゃないです。明らかに違います、これは。
#75
○市川一朗君 まあ、やっぱり平野さん相手で、余り、こっちが追い詰められることは何回かあったように思いますが、こっちが追い詰めるのはどうもあれですが。
 最後はやっぱり過剰米問題なんですよ、結局は。米価の問題。政策の問題だということもないわけじゃないけれども、要は需給バランスが崩れて供給が需要を上回ったら値段は下がるわけですよ。それで、まあそう言っちゃなんですが、我々のところは大体守っているんですよね。守っていないところがあるんです。それから、宮城県辺りでも仙台の近郊辺りの兼業農家なんかは余り米価関係ないからあるいはあの辺は守っていないのかなという感じはあるんですが、ちなみに岩手県はどんな感じですかね。
#76
○平野達男君 最優等生だと思っています。
#77
○市川一朗君 やっぱりそこは最優等生だと言い切れるような形に各地域を持っていかないと米の価格の問題はやっぱり駄目ですね。現に、幾ら余るから値段はこれだといって販売価格が決められたり仮渡金が決められたりするわけですからね。だから、やっぱりその辺、作況指数は九九なのに、農水省の計算と農協の計算とちょっと違うようですけれども、政府側では二十三万トン余ると、これは確実に過剰作付けがあるからだということになるんで。
 この問題は、この法案とはまた別に、やっぱりこの日本の農業の、特に米農業を守るための最も基本だと思いますね。やっぱり日本で水田を守っていかなければ、食料安保の問題もありますが、国土保全、環境保全という点でも大事なことなんで、だから、そのためにはトータルとして安定的な稲作経営ができるようにするにはどうしたらいいかということの追求だと思うんですね。だから、今日はこの法案の提案者と質問者という立場になりましたけれども、それはともかくとして、そういう方向で、やっぱり与党、野党とかということじゃなくて、関係議員はみんなで協力してやっていかないとこれ大変なことになると思うんですよね。
 まあ、一応、いいです、答弁は。
#78
○平野達男君 補足で。
#79
○市川一朗君 ああ、そうですか。どうぞ。
#80
○平野達男君 私、米については、先ほど言った米の価格の下落の問題につきましては、過剰米ということが突き詰めていけばその一言に尽きると思いますけれども、それ以外にやっぱり構造的な問題があるということはしっかり認識しなくちゃならないと思います。
 その一点はやっぱり需要サイドからの要因ということで、これは米の需要は残念ながら今の趨勢でいくと減る傾向にあるということだと思います。一人当たりの米の消費量につきましては若干六十キログラムちょっとということで下げ止まったかなという感じがございますけれども、これは先般も申し上げましたけれども、日本はこれから人口減少社会に入ってまいります。トータルとしての米の消費量はやっぱり減っていくんじゃないかと。
 農水省のいろんな単純な試算によれば、二〇二五年予測で八百六十万トンから六百七十万トン、これは単純なトレンドを伸ばしただけの話で大した確たる根拠はないんですけれども、そういった数字も出ていましたけれども、いずれ需要は減少していくということです。
 そしてもう一つは、これも申し上げたとおり、前にも申し上げましたけれども、通常ですと米価の価格が落ちたら需要が上がるというのが大体の経済原則なんですけれども、米については米の需要の価格弾力性が非常に小さいということがあって、その価格が落ちても米の消費は余り伸びないということであります。米は低級財と言われるゆえんだと思います。
 それからさらに、供給サイドの要因としては、これはもう言うまでもなく、米はやっぱり一番作りやすい作物だということでどうしても作るという傾向があるということでもありますし、何よりも需給調整で一番問題なのは、難しいのは、そういう長期的な減少傾向を踏まえた上での需給調整がそんなに簡単にいくかどうかなんです。これは私、構造的に本当に難しいと思います。だからこそ政府もうんと御苦労されている、苦労されていると思っていますし、そういうことも考える必要があると思っています。
 さらには、最近では米を特別扱いする感覚もなくなってきましたし、そういう中で米価が下がってくる、下落基調にあるんだということで、だからこそ、このある一定の下落に備えた所得補償をすることで生産が安定的にやっていく。特に農山村においては、先ほど申し上げたとおりですけれども、この変化の中で対応できるような仕組みをつくっていくための基盤をつくっていくんだということではないかというふうに思っています。
 時間を拝借して済みませんでした。
#81
○市川一朗君 東北を代表する稲作単作地帯という意味でどうやら岩手県は優等生のようですが、宮城はそれにちょっと次ぐぐらいのところかもしれませんけれども、とにかく深刻です、問題は。
 だから、今日は大臣お呼びしておりますけれども、やっぱり今までやり取りも聞いていただいたと思います。また、大臣自身はもう五十年のキャリアで十分の知識もおありなわけでございますが、結局、その稲作単作地帯では、先ほども話に出ましたけれども、品目横断政策といっても結局ゲタの部分は元々ないわけですから、米については。そうするとナラシしかないということで、メリットといいますか、恩恵が非常に少ないと。そこへ盛んに規模の問題が出てくるものですから、個々の農家は非常に危機感を持って受け止めているという意味では、まあ平野さんと私は党は違いますけど、今日は提案者とあれで、この法案余り好きじゃないんだけど、まあしかし、考え方はやっぱり基本的に一致するんですよ、そういう点ではね。
 だから、やっぱり大臣につくづくお聞きしたいんですが、農林水産省としてというのか、若林農林大臣として、この稲作単作地帯における農業というものについてどんなふうに考えているのかということを改めてお聞きしたいと思います。
#82
○国務大臣(若林正俊君) 御指摘ございました東北地域のような、冬期は降雪などによりまして野外での農作業が困難になるといったような厳しい自然条件もありまして、そのような中で稲作、米中心とした水田農業が発達をしてきたわけでありまして、その意味で、水田単作という農業形態、これが主流、主体を成しているということはよく承知をいたしております。
 しかし、この水田単作という農業形態だけで他産業に伍していけるような農業者の所得を確保しようとしますと、これは他産業の所得の向上、変化によるわけですけれども、経営規模は今想定しているような規模では済まない、かなり相当大規模な稲作経営面積が必要となってくるというふうに思います。
 したがって、こういう地域にありましては、経営規模の拡大を図るということはもちろん今後とも必要でありますし、この品目横断対策の中におきましても目標を定め、個別経営のみならず集落営農という形を通じて規模のメリットというものが発揮できる経営の確立の方向を目指して、非常に苦労がありますけれども、地域ぐるみで相談をしながら対応をしなければならないということは重要でありますけれども、稲作のほかに経営内の創意工夫による冬期間の労働機会の確保が重要だと思います。例えば、農産物の加工でありますとか販売であり、又は畜産などに取り組むといったような形で労働力の周年化を図っていくということがやはり必要になってくると考えております。
 また、個別の農業経営体としてこのような取組をすることに加えまして、農村地域の活性化を図るということが大事でございまして、そういう観点から、地域の農林水産物の生産、加工、販売に対する支援でありますとか、都市と農山漁村の交流の促進でありますとか、中山間地域などの条件不利地域への支援の拡充といったようないろいろな施策を講じてきているわけでございまして、これらの施策を活用した地域全体としての取組が重要であるというふうに考えております。
 もとより、このような取組が円滑に行われるためにも、その前提として、稲作経営にとっては米価の安定による稲作所得の確保が重要であることは当然でございまして、本年における米価の低落という状況に直面をいたしまして、先般、米緊急対策を決定をいたしました。
 米価の安定を図り、この下落に歯止めを掛けるということであると同時に、生産者の経営を安定をさせていく諸般の対策を組み合わせて実行してまいりたいと、このように考えております。
#83
○市川一朗君 どうも御丁寧な答弁、ありがとうございました。
 今大臣の答弁をお聞きしておりまして、昭和四十五年ぐらいだったでしょうか、私、県庁勤めしておりましたころ、農工両全というような話がありまして、その昔、我々のところは農村はみんな出稼ぎでしてね、冬は。それだと家族崩壊にもつながるというようなことも含めて、農村に工場を持ってくるというようなこと、元々誘致企業というのはあったんですけれども、改めて農のサイドから工場問題の話があって、今の大臣のお話の中にそれをもっと展開していくという取組の姿勢がうかがわれました。
 やっぱり、結局、水田は冬は使われないんですよね。麦を植えるといっても、例えば九州辺り、佐賀辺りに行きますと、稲刈りした後に麦を植えているんですよね。我々のところはそれじゃ間に合わないから、麦は畑に植えちゃうわけですよ。
 ですから、土地利用型といってもなかなか難しいから、冬の収入をどうするかというところも含めて、総合的な農家の所得向上ということをしっかり考えなきゃいけない。もちろんそれは農家一人一人の問題でもありますけれども、やっぱりこれは政府としてもっと真剣に取り組んでいく必要があるんじゃないかなと。私も、政治家の一人としてそれに命を懸けていきたいと思っている一人でございますが。
 ただ、今年の米価のあれを見ますと、これで緊急対策は打ちましたから何とか今年は間に合うでしょうが、来年以降心配ですね、これは。ですから、この問題は先々の話というよりも、もう来年どうするんだと。それが、正に稲作単作地帯に直撃するんですわ。まあ何か、平野さんに質問でなくて、今度は大臣に説明するんで少し延び延びになってきておりますけれども。結局、担い手とか集落営農を始めた連中が、今年はこの米価じゃやっていけないと、こうなったんですよ。これが来年どうなるか、再来年どうなるかということになりますと、是非大臣にその辺を先頭切ってきちっとした対応ができるように、私どもも全面的に協力いたしますので、よろしくお願い申し上げたいと思う次第でございます。
 以上お願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#84
○委員長(郡司彰君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時三十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#85
○委員長(郡司彰君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、岩永浩美君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭郎君が選任されました。
    ─────────────
#86
○委員長(郡司彰君) 休憩前に引き続き、農業者戸別所得補償法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#87
○佐藤昭郎君 まず第一に、この議員立法という、しかもこの極めて難しい法案に取り組まれた発議者の平野議員、そして後ほど来られると思いますが高橋議員、また舟山議員に私、心から敬意を表したいと思います。
 この二、三日、専ら報道、メディアの中心テーマはいわゆる大連立、政権の連立などの協議、こういったことが報道されております。
 小沢代表は、報道によりますと、民主党の役員会で、大連立をなぜするか、この農業再生法案、この法案だと思いますよ、この法案の成立、参議院選挙で約束した我々の法案の成立、あるいは子育て支援法案が我々は是非実現したいんだと、こういう御発言がありました。
 したがいまして、この法案というのは、ある意味、今の政治の行方を左右する極めて大事な法案なんです。私どもも今日も役連がありましたけれども、総理の方から、できるだけ民主党提案の法案について話し合って一致点を見いだしていって、場合によってはこれはそれぞれの個別の政策協議になっていくかもしれない、やりながらひとつ一致点を見いだしてくれという私はお話がありましてそのとおりだと思います。
 そういう点で、何とか参議院において、正にこの良識の府、そして政策の専門家が集まっているこの参議院において与野党が一致点を見いだして、いいこの法案の審査ができればいいと思って、その意味で御質問に立ちたいと、このように思っております。
 まず最初に、民主党の農産物貿易政策について伺います。
 この法案、ある意味内外の情勢を踏まえた法案だというふうに思います。その点で、民主党の農産物政策というのはどうなっているかただしたいと思うんですけれども。まず、小沢代表の発言についてなんですね、どう考えられているか。
 平野発議者は、先週木曜日の野村議員とのやり取りの中で、この問題、農産物自由化というのは小沢代表はこうなんですかと、どうなんですかと聞かれたときに、小沢代表あるいは民主党は、だからといって農業の今の関税を全部下げてよいと言ったことは私は一度もないというふうに理解しておりますと、こう述べられました。他党の党首の発言を我々が調べるというのもこれは非常に失礼かと思うんですけれども、しかし例えば十八年の五月、月刊ボス六月号にこう小沢さんは述べておられます。
 民主党が政権を取ったら、米国と自由貿易協定を結ぼうと考えております。韓国や中国とも結ぶ。ただし、結ぶからには例外はなし。金融も何もかも全部自由化する。日本の農水産品の総生産額は十三兆円、全部補償したとして、たかが知れている。日本の農業は競争力がある。だから農産物を完全自由化し、輸入農産物によって収入が減った分を農家に補償したところで、ほとんどお金は掛かりませんと。
 いろいろあるんですが、もう一点だけ御紹介しますと、十八年の九月の著書「小沢主義」。自由経済、市場開放の観点から、相手が本当に自由な貿易を望むなら農産物の輸入も自由化をすべきだということをかねてから私は堂々と主張してきた。貿易の自由化によって得られる我が国のメリットはそれによって被るデメリットをはるかに上回るものであるからである。日本の農産物は、量はさておきその質としては世界でもトップクラスの水準である。したがって、価格の安い輸入農産物が入ってきてもそれだけがたくさん売れるとは限らない。すべての農産物の輸入を自由化したとしても、きちんとした対策を講じておればそれで日本の農家が困ることがないという著書がありますが、木曜日の平野議員の御発言、どうなんですか。
#88
○平野達男君 まず、小沢代表の真意というか一番何を重点に置いているかといいますと、日本の農業、農村は守らなくちゃならないということです。
 そのときに小沢代表は、多分その著書の中で述べた背景としては、まず日本農業は守りますと、守るときに当たって、守ることは関税で守るということもあれば、場合によったら所得補償というのもあり得るんだということで、関税を下げたとしても、今の日本の農業、農村に、関税を下げて所得補償をして日本の農業、農村に影響が出ないんだということであれば、その手段もあるだろうと。
 しかし、その著書の中でははっきり言ってないと思いますけれども、関税を引き下げて所得補償だけで本当にやり切れない場合もあるいはあるかもしれません。特に、米についていえば、今、関税が一俵当たりに換算しますと二万六百四十円ですか、七七四%の課税で一キログラム当たり三百四十一円だったと思いますが、そういった課税がありまして、それが今一つの壁になって米は入ってきておりません。仮にこれを完全に例えば下げた場合にはどうなるかということにつきましては、所得補償だけで米の輸入がストップするというのはなかなか考えるのは難しいと思います。そういった場合には、この関税の取扱いというのはどうするかというようなことは、その段階でやっぱりきちっとした議論になるんだろうというふうに思っています。
 いずれ、根本は、どういう手段によってもここまで自給率が四〇%を割って三九%まで落ちた自給率、そして今農村も相当疲弊している、そういう中でそれを守るというにはどういう手段でやるべきか。他方、WTOやFTAというのもこれは推進しなくちゃならない、これはこの委員会で何回も述べましたけれども、日本は貿易立国でありますから、その推進は図らなければならない。その図る中で農産物の交渉をどのように進めていくかというのは、これはいろんな局面があると思いますが、根幹は農業、農村を守るんだということを言いたいんだと、言っているんだというふうに私は理解しております。
#89
○佐藤昭郎君 今の御発言聞いていまして、小沢党首とこの農産物の貿易政策について本当にお話しされたことがあるのかないのか、私は極めて疑問に思いました。
 端的に、私はもう一回言いますよ、自分の著書で、私は、相手が本当に自由な貿易を望むなら農産物の輸入の自由化をすべきだということをかねてから私は堂々とやってきたと、こんなふうに述べておられるんですよ。ですから、今の……(発言する者あり)いいです、私、まだ続けますから、今の委員の説明というのはかなり無理があります。
 これは、今我々がこの政策を真剣に論議する、この法案を論議するための大事な前提として取り上げられておりますから、端的に、そういう発言は御存じでないのか、それを伺ったんですが、いろいろと御説明されましたんで、時間がありませんので次行きます。
#90
○平野達男君 いやいや、是非説明させてください。
#91
○佐藤昭郎君 いや、もういいです。小沢代表の政策についてはあるいは御発言については、全く事実は違うようであります。
 そこで、民主党としてはどういうふうに考えておられるのか、農産物の貿易政策。
 これは民主党の政策マグナカルタですね、これは二〇〇六年の十二月。月刊誌「世界」の誌上でも、これは安全保障条約のことでこれ取り上げられましたけれども、「世界」というのが。その中でも、このマグナカルタについて、私が述べた意見というのは私自身の意見じゃないんだと、党内で二か月の議論をして自分たちの政策をこのマグナカルタにまとめたんですということで、安保政策、例の自衛隊の国連決議があれば出していけるということを御発言になって、党内の意見ですと申し上げられた。
 そういう意味で、このマグナカルタというのは非常に大事な私は、正に大憲章ですからね、あなた方の民主党のマニフェストの基本になるものだと思うんですけれども、ここには、「外交・安保政策」の中でこういうふうな記述があります。「真の日米同盟の確立」、日米両国の相互信頼関係を築き、対等な日米関係を確立する。真の日米同盟の確立を推進するために、米国と自由貿易協定、FTAを早期に締結し、あらゆる分野で自由化を促進する。五番目として、WTOにおいて貿易、投資の自由化に関する協議を促すとともに、アジア太平洋諸国を始めとして世界の国々との投資、労働や知的財産権など広い分野を含むFTA締結を積極的に推進する。それに向け、農業を含む政策を根本的に見直すことで、我が国が通商分野で国際的に主導権を発揮する環境を整える、このように述べておられます。
 この「それに向け、農業を含む政策を根本的に見直す」というのはこの法案のことですか。
#92
○平野達男君 まず、一方的に佐藤委員は決め付けの発言をされておりますけれども、よっぽど小沢代表を自由貿易主義者にしたいみたいですね、農産物の。そこは違うということだけは申し上げておきます。
 今までの経過で、例えばガット・ウルグアイ・ラウンドのときに、米を一粒とも入れないと言ってやった、頑張った政党がありました。だけど、今どうなっているか。七十七万トンのミニマムアクセス米が毎年入ってきています。当時、小沢代表は……
#93
○佐藤昭郎君 マグナカルタについて。
#94
○平野達男君 いや、だから、まず待ってください。一方的におっしゃっていますから、こちらに言わせてください。
 そのときに、米を関税化やるべきだというふうにただ一人主張した政治家は今の小沢代表です。その主張は何か。それをやった方がミニマムアクセスだって影響が少ないじゃないかと。そういうことでその関税化を主張してきた。だから、それは自由貿易だの自由貿易主義者云々というんじゃなくて、この国の農業にとって、農村にとってどういうふうにすれば一番利益があるかという判断でやっているということです。だから、単純に関税を下げれば、関税を下げるから農業はどうなってもいいんだとか農村がどうなってもいいというのは全然違います、それは。
#95
○佐藤昭郎君 マグナカルタについて。
#96
○平野達男君 むしろ、そうやって、そうやってですよ、あたかも、要するに、先ほどの関税化しないんだとか自由、一粒も守るんだというスローガンを掲げながら本当の部分の肝心なところをなくなってきているという事実があるということです。
 それから、じゃ質問にお答えしますが、この法案のことですかと言えば、この法案も入ります。さっきの言葉の中にその抜本的に見直すという措置とは何かと、この法案のことかという問いだったので、この法案はそこに入ります。
#97
○佐藤昭郎君 それ以外にどういうことを考えておられるんですか。これはマニフェストで早期に締結するんですよ、米国と。それはいつまでに結ぶんですか。そして、抜本的な農業政策というのはいつまでに、FTAにこれは早期締結ですから、これに間に合わなきゃいけませんな。どういう法案を考えておられますか。いつまで。
#98
○平野達男君 まずはこの法律を制定させたいと思っております。
#99
○佐藤昭郎君 全く答えになっておりませんけれども。
 それでは、FTAというものに対して、米国とのFTAを早期に結ぶというのはいつまでに考えておられるんですか。そして、FTAというのをどういうふうに考えておられるか。
#100
○平野達男君 いつまで結ぶとかというのは、この法案の、農業者戸別所得補償法案の発議者としては答弁の外の話だと思います。
 あと、最後、もう一つの問いは何でしたっけ。
#101
○佐藤昭郎君 FTAについての考え方。
#102
○平野達男君 FTAは民主党は、もう本当に繰り返し申し上げておりますけれども、WTOもFTAも、貿易立国たる日本、これは積極的に推進すべきだと考えております。しかし、そのために、繰り返しになりますけれども、ここまで自給率が下がった農業、それから疲弊している農村、これを犠牲にすることがあっては絶対ならないと思っています。
#103
○佐藤昭郎君 野党といえども参議院の第一党になられたんですから、こういった外交政策に対する政策的なメッセージの発信というのは非常に慎重にやってもらわなきゃいけない。御案内のように、FTAというのはガットの最恵国待遇の例外事項です。二十四条で、これを結べば自由化しなきゃいけない、原則。いろいろな緩和措置をつくるにも十年間という縛りが掛かっている。この条項に従って相手国と交渉していくわけですから、私どもがFTAについて発言するときは極めて慎重にこれに取り組むべきだということを、繰り返し実は党としても言ってまいりました。日豪FTAしかり。ですから、米国とのFTAを早期に積極的になんということは、これは外交交渉に間違ったメッセージを与える。やはり基本的な姿勢としては、FTAというのは、特に農産物輸出国側とのFTAというのはこちらは農業サイドで失うものばかりですよ。ですから、慎重にやらなきゃいけないんです。
 この米国とのFTA、あらゆる、早期にやっていく、日豪云々、この貿易協定の締結のそもそもの考え方について、同じ考えかどうか、確認します。
#104
○平野達男君 どうも私どもの今どういう行動を取っているか御理解いただいてないみたいなんですが、日豪FTAにつきましては当時の篠原孝、次の内閣ネクスト農林水産大臣が次のような党としての談話を出しています。
 はしょりますと、たとえ一部農産物で例外化が認められたとしても、多くの農産物の関税がゼロにされることで我が国農業は危機に陥り、関連産業、雇用へも甚大な影響を受け、地域の存立も危ぶまれる。民主党は、このような状況の中で豪州と拙速なFTA交渉に入るべきでないと考えているということで言って、日豪のFTAについては、農産物が危ないから、ちゃんと農産物に関しての条件が整備されない限りはFTAそのものには入るなということを明確に言ったんです。
 だから、FTA、WTOは推進します。だから、繰り返しますけれども、それによってこれ以上自給率の落ちた日本農業、疲弊した農村、これにダメージを与えることがあってはならないというスタンスで臨むということです。
#105
○佐藤昭郎君 アメリカというのは、日豪よりももっと手ごわい。アメリカとFTAを結べば、当然のことながら豪州とも結ばざるを得ない。もし、そのアメリカとの貿易協定を、さあ早期に締結してというのが基本姿勢なら、今の篠原さんの発言はおかしいですよ。またこれは水掛け論になるかもしれませんが、はっきり確認して次の質問に移ります。
 参議院選挙における民主党公約です。午前中の質疑で我が同僚の市川議員が、選挙だから何でもあり、私はいいですと言われたんですが、私はちょっと違いますよ。
 この選挙の公約というのでお互いに政党が戦った。どういう選挙の公約を民主党さんは出されたか。お手元にパンフレットを配っています。この「民主党が政権をとれば」というこのパンフレット、もう当然御自分がお作りになったパンフレットだからよく見ておられると思いますね。
 このパンフレットについて、野村議員とのやり取りの中で発議者はこう言っておられますね。米がたとえ一俵五千円になったとしても、中国からどんなに安い野菜や果物が入ってきても農業は続けられますよということで、これは仮定で言っています。当たり前ですよ、マニフェストですから。それから、野村議員に対してのやり取りの中で、ここで一つはっきりしているのはあくまで仮定であって、これで農産物を自由化するなんて私どもは毛頭考えてない、この法律、山田議員との間では、この法律の前提は、米五千円に下がるということはこの法律の中で想定外の話でありますと。
 この毛頭考えてないこと、想定外のことを、この国民に対する約束、マニフェストなんかはやはりなかなか国民は読みませんよ。小沢代表も言っておられましたね、厚いのなんかだれが読むかと、自分たちの政策を端的に表すワンフレーズなんだと。米が五千円になっても補償額が一万円あるから一万五千円上がると、これがこのあなた方のマニフェストの一番のキーポイントですよ。毛頭考えてないこと、想定外のことをマニフェストの一番トップに持っていくのは、これは誇大広告じゃないですか。国民をだましたことにならないですか。消費者保護法案でこういうことを禁じられているんですよ。不当表示もそうですよ。これ全然考えてないことをマニフェストのトップに持ってくるのは不当表示じゃないの、どうなの。
#106
○平野達男君 前回の委員会でも申し述べたとおりでありますけれども、このリーフレットの作成者はとにかく分かりやすく、とにかく効果があるんだということを、一生懸命なんだと訴えたかったんだと思います。それで、米が五千円、仮に下がったとしても、この制度を発動すればきちっとした所得補償はしますということを言いたかったんだろうと思います。
 それから、野菜については、これも前回述べましたけれども、今は農薬の問題等々あって中国産野菜は余り入ってきておりません。しかし、アメリカでは中国産野菜がどおっと入ってきて今大騒ぎになっているとも聞いています、価格が下がって。そういうことでありますけれども、こういう状況になったとしても日本の農業は守りますよということについての決意を示したものだと思います。
 その結果、様々な誤解があったということについては、我々の政策とは別として、この作成の問題についていろいろな御批判があったということについては真摯に受け止めたいと思いますが、ここ、この五千円、一万円ということについて、こういう数字と今回の法律との関係でいえば、例えば米については、繰り返し言ってきたとおりでありますけれども、外国との関係ではガット・ウルグアイ・ラウンドの枠組みを前提にしている、そういった、あとは大きな社会変動はないという前提で組み立てられているという意味において、ここまで下がるということは、この法律の制定するときではちょっと想定の外だろうなという趣旨で申し上げたとおりであります。
#107
○佐藤昭郎君 今の御発言でまだ私は納得できないところがあるんですけれども、何かこのパンフレットは自分たちのところじゃない、だれか人が作ったんだと、そういうお考えでお作りになったと思われますと言うんですけど、これはおたくのマニフェストなんですよ。農家の方は、何回も言うように、これを見てあなた方の政策を判断して、その結果、一人区であなた方は大勝利を収められた。二十三勝六敗ですよ。人ごとみたいに言わないでください。これはあなた方の党のマニフェストでしょう、これ。(発言する者あり)もう一度、どうですか。分かりやすいと言っていますよ、今。
#108
○平野達男君 我が党の正にマニフェストというか、リーフレットです。マニフェストは別にあります。マニフェストでは市場価格五千円とか補償額一万円なんということは書いてありません。マニフェストに書いてあることで戸別所得補償政策というのを実践すればこういうことがやれるんですよということを言ったわけであります。
 そして、このリーフレットで選挙で勝ったというお話ですけれども、これで勝ったというのは私はちょっと思っていません。それはいろいろ様々な要素があって、それでさきの参議院選挙の結果になったんだと思います。
#109
○佐藤昭郎君 そこで、また強弁というか、マニフェストとこのパンフレットは違うという言い方をされているんですけれども、同じですよ、これは。国民はパンフレットしか、大多数の方、お読みにならない、特に農家は。そういうことで、私と認識が違います。
 さあ、このパンフレットの中で五千円、一万円の例示を挙げて、「世界の先進国並みの所得補償制度を導入します。」、そして「民主党の国会提出法案(概要)」、これがこの戸別所得法案ということですか。
#110
○平野達男君 そうであります。
#111
○佐藤昭郎君 そうしますと、国民は、特に有権者は、農家は、今お出しになっている法案がこの民主党の提出予定法案だと思いますよ。そして、こんないいことをなぜやらないんだと、国民は。自由民主党は反対していると。しかし、先週来聞いておりますと、あなた方が提出になった法案とこのリーフレットでお約束された法案というのは全然違いますね。
 まず、生産調整のところを見ていただきますと、これ廃止となっていますね。先週来のお話をいろいろ聞いていますと、生産調整についていろいろと言って、何か言質を取られないようなことを言っておられる。基本法案では、昨年出されました民主党の基本法案では、第四条の生産調整は第六条で廃止すると書いてあって、菅直人議員は予算委員会で若林農水大臣に、あなた方の法案の内容よく分からないけれどもと言ったら、ちゃんとこの基本法案に書いてあります、生産調整を廃止するんですとおっしゃっておられました。生産調整は廃止するんですか、このとおり、どうですか。
#112
○平野達男君 現行の今までの問題のある生産調整は廃止するということであります。しかし、需給調整はしっかりやります。その需給調整をやる上でのメリット措置も私どもはしっかりと用意したつもりであります。
#113
○佐藤昭郎君 生産調整で、高橋議員そして平野議員がお答えになったのは、今の生産調整についてはこれはネガだから廃止だと、我々のはポジだと、こういう御表現でしたね。今の政府のやっている生産調整、与党がやっている生産調整はポジですよ。平成十五年度から制度変えたんですよ。十四年度までのネガ、これを変えてポジになっているんです。転作、畑作物を振興するためにしか米に補償を払っていないんです。
 伺いますけれども、この生産調整、午前中も市川議員から質問ありました。米単作農家、兼業農家、小規模の農家、米を生産している農家が転作に応じて畑作物作るケースもありますが、多くの場合なかなか難しい。排水も悪い、基盤整備も悪い、手間も掛かる。で、生産目標数量の設定には参加するけれども、いいですか、何も植えない、植えられない、減反だけする、こういう米作り農家に対してこの所得補償はされるんですか、どうですか。
#114
○平野達男君 減反だけをして、そこに作付けがされなければ、この法律では交付金は交付されません。
#115
○佐藤昭郎君 それは、あなた方がこの全販売農家という形について今まで御説明になり、生産を奨励する畑作物と米については違うということで御主張になりましたけれども、米の需給調整する大きな柱というのは、まず兼業農家や高齢者農家のいるところは転作できないんですよ。そこに初めて所得補償制度を払うというのが今度の法案の一番の大きな柱じゃないんですか。転作じゃないですよ、畑作じゃないですよ。米に対して所得補償するというのはどういうことなんですか。
#116
○平野達男君 米に所得補償をする、だから需給調整を前提にして各農家の毎年の作付面積が決まってまいります。その作付面積に応じて、あるいは作付け目標に応じて生産をした農家に、その面積に一定の単価を掛けた交付金を交付するということです。
 それから、先ほど来需給調整の話がございますけれども、今回我々が考えている需給調整というのは今までの需給調整とはどこが違うか。それは、参加した人が交付金を受けるということは決定的な違いなんです。今の生産調整は、今日午前中の、御質問にも答えましたけれども、生産調整不参加による過剰生産分については、生産調整の参加者が翌年度また生産を減らすことによって価格の浮揚策を取るという、浮揚を図るという、そういう制度でありまして、いわゆるフリーライダーというのが最大の問題になっているわけです。
 私どもは、米を需給調整のこの計画に参加した、つまり生産調整に参加した農家ですね、その農家に対して一定の所得をしましょうと。参加しない人がどんどんどんどん増えますと、多分場合によったら米価は下落すると思います。しかし、米価が下落したところは、そうやって参加しない農家は所得補償を受けられないから、米価の下落分は参加しない農家が全部不利益を被るんです。参加している農家は、この政策によって所得補償がされる、これがメリットだというわけです。
 完全な需給調整というのは私ら期待しません。しかし、今の生産調整は余りにもひどい、問題が多いんじゃないかと、それは問題があるんじゃないかと。それは、私がここでいろいろああだこうだと言う以前に、現場からそういう声がたくさん出ているのはもう皆さん方御承知のとおりだと思います。その現場の声に対して需給調整をしっかりやるにはどうしたらいいかという答えも私どもは用意したと、そういうつもりだということです。
#117
○佐藤昭郎君 米だけ作っている、減反には協力する、しかし畑作物は植えられない農家、これは今度の所得補償の対象から外すということになりますと、(発言する者あり)米に対してですよ、畑作物じゃないですよ。まあいいです。いいです。それは我々の考え方と変わらないです。
 そこで、今の生産調整について、このリーフレットの中では補償の金額を載せておられますね、一万円。これは積算根拠にまた移っていくわけですけれども。平野議員はこのやり取りの中で、山田議員とのやり取りの中で、また今日の、今朝の市川委員との間で、この一万円が大体五千円ぐらいの差が出てくると、今。一万円という補償が、今の情勢では。これすらどうも今やるかどうかはっきりしないと、こう言っておられるんですね。
 そうすると、この一万円というのは、これは正に誇大表示というか、そういうことになりますか。
#118
○平野達男君 誇大表示かどうかというのはいろいろ解釈はあるかと思いますが、要はこの政策の中身を分かりやすく説明したということで、米価が例えばここまで下がったとしても、多分この場合は目標価格的なものを一万五千円に設定したんでしょう、それで補償額が一万円だということで書いているものでありまして、これをそのまま約束しているという意味ではないということです。
 それから、先ほど来、畑作物の話がございますけれども、この法案では転作についてもきちっとした措置を考えています。
 それは、麦、大豆に対しての標準的な生産費と市場価格との差を基本とした補てんをするだけではなくて、今の産地づくり交付金のように、かつての転作奨励金ですね、そういった考え方に立って、水田において米以外の作物を作るときにおいてはまた更に一定の交付金、加算ではないですけど、交付金をそこにかさ上げするというようなことを考えているということであります。
#119
○佐藤昭郎君 それでは、主要法律事項に関して移っていきたいと思います。
 まず、この法案の大きな柱であります生産数量の目標設定について、この点、極めて難しいんですけれども、私ども今苦労しています。何とかいい方法がないかということで検討しておるわけですが、今、先週そして今日の午前中の生産目標の設定伺っていまして、これじゃ無理じゃないかと思うわけです。
 まず、平野議員は先週でも、農家の申請による積み上げだと。現場からこう上がってきますね。市町村、県、国。そして一方、国は目標数量を定める、これ需給の動向に応じて。そして、県や市町村がそれぞれ、行政がこの目標設定していく。両方から来るんですね。この上から来る方向、私どもの生産調整は十五年にやり方を変えまして、農業者自らが、自分たちの米がどれだけ売れるか、在庫増えるばっかりですから、売れないお米作っていただいても、そこをにらみながら、ある意味、市場プラス情報、情報の方はしっかり国や県や市町村が出していく、そういう方法で移ってまいりました。これは必ずしも、今日午前中市川議員もおっしゃったように、私はなかなかいろいろ難しい問題がある。
 ただ、今ここで、この法案で提案されているような、国や県や市町村が農家のそれぞれお作りになる米、米ですよ、畑作物について、需要を想定しながら目標数量を下ろしていくというのは、これは可能なんですか。何を基準にしてお米取ってください。それぞれの産地、それから品質、値段、いろんなもので今苦労しながらお米売っているわけですよ。君のところはこれぐらいということを市場に聞かずして、行政がどうやって判断されるか、そこを伺いたい。
#120
○平野達男君 まず、米と他の作物について分けて考える必要なんということは……
#121
○佐藤昭郎君 米だけでいいです、米だけで。
#122
○平野達男君 米でいいですか、米だけで。
#123
○佐藤昭郎君 はい。
#124
○平野達男君 米であれば、これは今の需給調整の仕組み、その枠組みをそのまま考え方としては使えるんではないかというふうに思っています。
 今の需給調整については、国が要するにトータルとしてのマクロ需給の数字を示した上で、最終的には現場に下ろすということでやっているわけでありますけれども、我が方の場合はここに今度は都道府県、市町村もかませて行政の関与を入れたというところが違います。
 しかし、もっとこの需給調整に関して何が違うかということについては、繰り返しになって恐縮ですけれども、今の需給調整の最大の問題点は、生産調整に参加している人のメリットがないということです。それがないために、平成十五年以降その仕組みを変えた。その仕組みも、考え方として私は反対ではありません。しかし、それがうまくいってない。そのうまくいってないのは今言ったような理由でありまして、そこに対してこの計画、政策、この計画に参加して生産をした農家に対しては一定の所得補償をするんだと。それがまたメリット措置になって、そのメリット措置を背景に需給調整は今までの需給調整よりはもっともっとうまくいくんではないかという期待ができるということを申し上げているわけであります。
#125
○佐藤昭郎君 今の生産調整、全然違うんですよ。今の生産調整は、それぞれのお米作りの産地が自分たちのお米がどれだけ売れるか、団体、農家中心となって自分たちがお米がどれだけ売れるかを考えながら自分たちで目標数量を設定しているんですよ。これを行政がやるわけでしょう。そこを聞いているんです。どういう基準でなさるんですか。
#126
○平野達男君 そういった個々の地域ごとの取組については、これはたとえ市町村が入ったとしても、都道府県が入ったとしても、基本的に尊重するべきだというふうに私ども思っています。
#127
○佐藤昭郎君 どういうことですか。その生産調整目標数量の設定について、もう一回お願いします、どういう仕組みで行政が関与していくんですか。
#128
○平野達男君 まず、米については、国全体として翌年度の需要量がどれだけあるかというのは、これ見積もるというのは今の制度でもそのとおりであります。そして、各県においてどれだけの生産が行われるか、それは過去の実績、現在の実績等々を勘案して配分されるというふうに想定します。その後、市町村においてもそういった考え方で各市町村別の数量の目標が設定されるということでありまして、そして最終的にその地域においてどういう個別の農家に対しての配分がされるかということについては、正に今、佐藤委員がおっしゃられたようなそういった仕組みを導入しながらやっていくんだというふうに私は理解しています。
#129
○佐藤昭郎君 いや、私が聞きたいのは、国、県、市町村、それがそれぞれの地域の米の生産量を目標を決めるわけでしょう。それは何に基づいて、上から下ろすんですよ、下からのやつじゃないですよ、上から下ろすんですけど、今は市場に聞いて、プラス様々な思惑で決めていくんですよ。しかし、その判断がないまま行政がそれぞれの地域のお米、ほかの作物もあるんですが、それぞれ目標数量を決めるツールは何かと聞いているんですよ。やり方は分かりましたよ。
#130
○平野達男君 今の需給調整でもそれなりの取組をしているわけです。その取組の中に市町村とか県、それがまず入ってくるという意味において、そこを連携すればいいということで、今の需給調整の枠組みを大きく変えることは考えていません。
 繰り返しますけれども、何が違うか。需給調整に参加する農家のメリットが違うんです、これが最大の違いなんです。それだけです。
#131
○佐藤昭郎君 時間もありません、もう。
 どうやって配分されるか、私はこのような膨大な行政事務を、やはり共産主義社会の計画経済じゃあるまいし、それはなかなか無理だということで十五年から新しい法案をやっている。しかし、多分今の、午前中も話もありましたこの下ろしていくやり方というのは、下から売れる米作りを考えていくというやり方も難しいなということで、我々は今どうやって米の需給調整をやっていくかということで真剣にこれ検討しているんですけれども、それに対して何か参考になればと思ってお聞きしたんですけれども、やはり思いは変わらない、こういうことで次に移ります。
 もう一つ伺いますけれども、この交付金の支払方法、午前中も市川議員の話にも出ましたけれども、交付金を決めるこの販売価格と生産費の間の決め方も非常に大きな私は難しさがある。今確かに一万円じゃない、五千円だって今どうか分からないという予算の範囲上のお話があったから、これは難しいの分かりますが、しかしこれはやっぱり生産目標を達成したかどうか、行政がここまで表に出るとするなら確認しなきゃいけませんね。個々の農家が生産目標に従っているという定義はどうやって確認していかれるんですか。生産目標に従っているという農家の定義。計画なのか実績なのか意欲なのか。どうなんでしょう。
#132
○平野達男君 まず、この交付が、最終的に農家とのやり取りで決まった当該年度、あるいは翌年度になるか分かりませんが、当該作物の作付面積に対して一定の単価が掛けられて交付金が支給されるという仕組みになっています。
 したがいまして、キーワードは作付面積でありまして、その作付面積については、いろんな協議会を設けてその人が確認する方法、あるいは最近では衛星写真が非常に発展しておりますから、発達しておりますから、そういった手法もあるのではないか、そういった様々な手法があるのではないかということで、今、中でいろいろ議論がされているところであります。
 いずれ面積については、面積を確認することによってそれが計画どおり作付けされたかどうかというのは分かるということであります。
#133
○佐藤昭郎君 想像するだに大変な私は行政事務になるんではないか。米以外、あらゆる農家、そのそれぞれが生産される麦、大豆、さらには将来はほかの作物もやらざるを得ませんが、そこら辺までについて全部管理していく、非常に難しいのではないかという思いは今のお話を聞いても捨て去ることはできません。
 次に、米以外の畑作物に関する支払交付金について伺いたいんですけれども、先週の論議の中で、今、畑作物直接支払、直接支払という言い方で民主党の方から中山間直接支払は二百二十億しかないというお話を伺いました。
 しかし、今の制度では米以外は所得補償の直接支払しているんですよ。産地づくり交付金、品目横断的経営安定対策、野菜価格安定対策事業、加工原料乳、五十項目で農家の所得を直接する支援を五千三百億かけて打っているんですよ。それはどうですか。その政策と、このおたくが一兆円をもってなさる畑作物については、どれだけ振り向けるおつもりか。いかがですか。
#134
○平野達男君 まず、先ほどの事務が繁雑になるかもしれないということについては、それは対象品目が増えますから今以上にはなると思います。しかし、かつて麦・大豆交付金を支給したときも、きちっとそれは生産の状況を確認して、品質加算をしてやっておるわけです。本当にやらなくちゃならないと思ったら、その体制をつくればいいだけの話です。その体制をつくるかどうかということだと私は思っています。
 それからもう一つ、次の、今の質問ですけども、確かに今現在でもいろんな政策があります。ただ、私どもは、やっぱり標準的な生産費と市場価格、これがキーワードだと思っていまして、これに対してきちっとした所得補償をする中で、しかも品目ごとにその措置をやることで自給率の向上を実現するための筋道が描けるというふうに考えています。
 あと、今、野菜産地とかいろいろお話がございましたけれども、そういったいわゆる農業の振興策としていろんな補助金があるということについては、これは理解して、理解というか承知しております。
#135
○佐藤昭郎君 この畑作物の振興に関しては、自給率との絡みを含めていろんな御提案いただきましたけれども、私どもが心配しておるのは、生産者サイドがいかに努力して畑作物を生産したとしても、世界一豊かな食生活に慣れた日本の消費者がこれを選択しない場合、これは在庫になってごみの山になるんですよ。そこと自給率向上対策の関係がよく分からないんです。
 麦、大豆に対して生産目標をお決めになるときに、実需者、消費者等の要望、そういうものは当然お伺いになるんでしょうけれども、日本の小麦というのは御案内の日本めんが主でありまして、パン、パスタ、中華めんなんか向かない。買いません、これは。品質が、精一杯努力したとしても、外国の農産物には負けてしまうんですよ。
 この目標数量を設定される際に、自給率の向上と併せて面積と生産高だけ御説明になったと思いますけれども、達成のための具体的な手法、こういった麦や大豆の一部を消費者に買っていただくための努力、こういうものも必要なんじゃないですか。そして、その可能性はどうですか。
#136
○平野達男君 全くおっしゃるとおりだと思います。
 麦に関して言えば、今の日本の小麦は、例えばいいパスタを作る、あるいはパンを作るというものについては、必ずしも外から入ってくる小麦に比較して品質がいいというものばかりではありません。しかし、それは、今まである意味においては米に重点を置いた政策、育種にしても品種改良にしても米中心にやってきたことの一つの弊害だろうというふうに思っています。
 その一方で、じゃ、国産小麦についてはそんなに需要がないんだろうか。私は、これから地産地消運動でありますとか、まずとにかく地域のものは地域で、地域で作ったものを食べようじゃないかと、そういった運動をやっぱりセットでやっていく必要があると思っています。そして、併せて先ほど言った品種改良、こういったことももっと今まで以上に重点的にやっていかなくちゃならないというふうに思っています。
 さらに、今小麦を、その地域で作ったものを地域でするためには粉にしなくちゃなりませんが、製粉所がない。製粉所は、今ほとんど大手商社が一括して小麦を輸入してそれを粉にしていますから、流通形態が完全に輸入依存形態になっています。だからこれも変えていかなくちゃならない。
 だから、そういったこともしっかりやりながらどこまでできるかというのは、なかなか難しい問題です。しかし、そういうふうなことをやりながら、やっぱり地産地消、国で作ったものを消費するということが大事だと思いますし、そういった運動とセットで、かつまた生産者に一定の生産をするための誘引的な政策を用意して、その自給率の向上に上げていくことが大事ではないかというふうに思っています。
 一言申し述べさせていただきますけれども、今おっしゃられた、佐藤委員のおっしゃられた問題は、全くそのとおりだと思います。ただ、あえて言葉を極めて言いますと、思考がそこで止まっているから、四〇%、四五%って何ぼ旗揚げしても全然自給率が上がらないんです。だから、そこにもう一歩、一歩二歩踏み入れて、本当に自給率を上げるためにはどうすればいいんだということについての一つの提案をこの法律でもしているということもあるということは強く申し上げさせていただきたいと思います。
#137
○佐藤昭郎君 一部意見が一致しました。極めて重要な部分であります。
 やはり、この問題を考えたときにはやっぱり農産物の自由化政策は非常に大事ですよ。先ほど、まず、所得補償を先におっしゃりになって、関税で守れないものはこれでやるという御発言ありましたけれども、我が国の農業を守っていく際には、関税というのは絶対頑張らなきゃ駄目なんです。ですから、小沢代表が「小沢主義」でも述べたように、全部自由化してもたかが十三兆円じゃないかと、そういう考えじゃ駄目なんですよ。
 だから、関税は堅持しながら、その間、委員がおっしゃった消費者に受け入れられる農産物を作っていくということで頑張っていきたいとお互いに思っております。
 時間が余りありませんので、一兆円の積算根拠について伺います。
 この一兆円の積算根拠をお尋ねした際に、野村議員、山田議員から、これは宣言だと、まず一兆円ありきなんだと。今まで政府、国会で議論された様々な閣法についても細かい部分は政省令にゆだねている、そのとおりですよ。しかし、政省令にゆだねているというのは、立法の効率化というか、立法の作業の過程で国会審議でそれは政省令にゆだねているんであって、国会審議の場に一兆円の、しかも法律事項です、これは、主な法律事項はこの予算ですよ、この根拠を国会審議の場にお示しにならないまま私は国会の審議がされた経験は寡聞にしてありません、私は九年間いますが。許されませんよ。政省令にゆだねるのはどこかという、国会審議の場と政省令の制定を間違えておられるんですよ。国会審議の場には国民の血税を使って一兆円のお金を使う、これは災害復旧とかそうじゃありませんよ、未来永久に続くんですよ。何十兆円にもなる可能性があるんです。その根拠を示さないまま、つかみでお願いしますと。
 民主党さんは、財源として様々な無駄な政策を挙げて、ここから節約してもらうと言っているんでしょう。その政策とこの戸別所得法案との政策の効率性というのが、それじゃ比較もできないじゃないですか。我々自由民主党は、いいなと、一生懸命比較したい、これが政策効果があるなら、今現に行われている効果と、政策と比べて。しかし、それには積算根拠がなければ分かりませんよ。
 岩手日報で議員は、今の農林予算からだけで四千億生み出せるということを岩手日報の一面で出ておりますな、写真付きで。どうしてマスコミに四千億生み出せるということをこの国会審議の場でどこから四千億出すんだということをおっしゃれないんですか。
#138
○平野達男君 まず、一兆円につきましては、この制度にのっとって自給率を上げる、あるいは下がっている米価に対しては一定の所得を補償する、そういった政策を講じるときのまず取りあえずの、取りあえずというか、枠というか、この額が必要ですという、私は宣言と言いましたけれども、民主党としての一兆円を確保するということの意思表示であります。
 そして、しからば、その積算のバックということでありますけれども、これについては、これは何回も申し述べましたけれども、これから米に対してはどれだけの単価で補償するか、麦についてはどれだけの単価で補償するか、そういったものについてはこれから詰める話であります。それは、繰り返しになりますけれども、いろんな方の意見を場合によっては聞く必要もあるというふうに考えておりまして、そこからスタートする話だと思っています。
 ちなみに、この一兆円ということについては、どのように使うかというのは、これは今度は予算の世界に入ってまいりますから、毎年度の予算の編成の中できちっきちっきちっと説明をして、そして国会の了解を得てその予算が成立するんだというふうに思っています。
 それから、岩手日報の記事につきましては、今品目横断対策というのはたしか一千七百億ぐらいあったと思います。産地づくり交付金が一千七百億から一千八百億ぐらいだったでしょうか。この予算はそのまま使えるんじゃないかということで約四千という数字で言ったと思いますけれども、そのつかみで言ったんだろうと思います。だから、まずこれは使えるんじゃないだろうかと。あと、まあ一つの考え方ですけれども、そのほかに例えば農林省の予算を少し節約をしていただくとか、あるいは農林省だけで二兆七千億しかありませんから、その中で一兆円を生み出すというのは、これはとても私は至難というか難しいと思います。残りの部分については、全体の予算の見直しの中で一兆円という枠を何とか絶対これは確保、何とかじゃない、是非確保したいというふうに思っているということです。
#139
○佐藤昭郎君 委員も私も行政府に身を置いて、予算要求あるいは法案審議をさせていただいた政府側にいて、積算根拠のない経済法案、しかも一兆円ということが通った国会審議というのはとても考えられない、このように思います。
 最後でございます。財源について。
 今もそちらから声出ました、全体から出すんだと。十五・三兆円というのを出しておられるんです、ここね。補助金の一括交付金等における無駄の排除六・四兆円。今、この六・四兆円というのは、多分この原資十五・三兆円を生み出すんですね。補助金の無駄、どこから出すんですか。今補助金の総額というのは十九兆円ですよ。そのうち十二・二兆円が社会保障、文教科学振興が二兆円、公共事業が四・一兆円しかないんですよ。どこを削ってこの十九兆円の中から補助金の一括、無駄の排除六・四兆円を出されるのか。これはこの財源全体にかかわる問題です。十五・三兆円を含めて、今の補助金の一括交付というのが多分農水省の節約のまず第一歩に挙げられているんでしょう。どこら辺から六・四兆円、今の地方向け補助金負担金が十九兆円の中から出されるのか、伺います。
#140
○平野達男君 今その具体の作業を党を挙げてやっているということでありますので、その中の一環として、例えばいろんな仕事の発注方法の見直しあるいは特殊法人の見直し、こういったことを今やっているところです。そういった中からできるだけまず無駄を排除していく、そして付けなくてもいい予算というものについてはそれを外していくと、そういったことで財源を生み出すと、その作業をやっているところであります。
#141
○佐藤昭郎君 最後になりました。冒頭申し上げていましたように、何とか一致点を見いだす、この気持ちでやってまいりましたが、冒頭示したこのマニフェスト、これを実現する法案だというふうにはどうしても私思えませんでした。難しい。
 もう一つ、我々が注意しなきゃいけないのは、こんないい法案なのにもう参議院の審議も限られていると思いますよ。これが実現できる、全く違った法案を参議院選挙に提示されて、今の法案は違う。でしょう、一万円ないんでしょう、そういう例示。しかし、国民はこれが今度の法案だと思っているんですよ。これを自由民主党が反対してつぶしたというような結果だけを招来するような参議院の審議であってはならないと思います。
 衆議院に行かれましても、これからひとつ誠実に、私冒頭申し上げましたよ、議員立法の提案者として今まで様々な議員立法にかかわってきましたけれども、どうか誠実に審議して審査していただいて、国民の理解をミスリードしないようにひとつお願いしたい、これを申し上げまして質問を終わります。
#142
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 前回に引き続きまして、発議者の皆様に質問をさせていただきます。本日は、まず交付金の交付について、具体的な項目を含めて、その点から質問をさせていただきたいと思います。
 まず、農業者戸別所得補償金として、主要農産物の種類ごとに毎年の主要農産物の生産面積に応じた支払を行うこととしていると。第四条の二には、主要農産物について標準的な生産費と標準的な販売価格との差額を基本としつつ需給の動向に応じて単価を決めていくということなんですが、まず初めに、これも繰り返し出ているかもしれませんが、標準的な生産費とは一体正確にどういうところまで考えているのか、全額地代を含めた話なのか。また、標準的な販売価格とはどういうことを考えていらっしゃるのか、それをまたどのように正確に捕捉していくのか。その点についてお伺いいたします。
#143
○平野達男君 まず、標準的な生産費につきましては、政府が出している生産費調査という統計がございまして、これの該当になっている作物としては米、麦、大豆等々があります。このデータをしっかりと活用するということだと思います。
 しからば、標準的ということでありますけれども、これについては、例えば過去の二年間の平均を取るとか三年を取るとか、いろんな考え方があると思っています。今そこについて、きちっとこれが標準的だというふうな算式までを今ここの中で詰めているわけではありません。
 そして、販売価格でありますが、これは生産費との関係からいきますと、どうしてもやっぱり農家が受け取る庭先の、いわゆる庭先の販売価格でなければなりません。ところが、このデータがなかなかないですね。これについては何らかの調査をして、モデル調査になるのか、あるいは生産費的な多分サンプル調査になるのか分かりませんが、そういった調査は対象となる作物についてやっていかなくちゃならないというふうに思っています。
 それから、もし生産費調査、政府のような生産費調査の対象とならないような作物でこの措置の対象になり得る作物については、生産費についてもやっぱり調査をするということが必要だと思っています。
#144
○谷合正明君 対象品目は今、米、麦、大豆でございますが、それはつまり、例えば飼料作物等を含めていった場合に、飼料作物の場合は余り販売されていないというケースもあるやに聞いておりますが、そういった例えば飼料作物を対象品目にするとしたときに、これはどのように捕捉をされていくんでしょうか。
#145
○平野達男君 例えば酪農家なんかでは、御承知のように自分で作って自家消費している例もありますけれども、例えば牧草なんかでも販売している農家もありまして、それはその農家を対象にした捕捉をやればいいというふうに、単純にいけばそういうふうに考えています。
#146
○谷合正明君 いずれにしましても、米についても庭先価格をどう捕捉していくのか。この法律案によりますと、成立した暁には、何年に実施でしたか、二十一年でしたかね、かなり、一年間の余裕しかないという中でどこまで正確性を追求できるのか、これ非常にこの中身の骨格というか腰になると思っておりまして、この点は、何というんでしょうか、これから鋭意精査するというか努力されるとお答えされましたけれども、ここは本当に実効性あるものとするべき、これもう少ししっかり検討していただきたいと強くここで申し上げたいと思います。
 次に、いわゆる主要農産物の需給調整、需給情勢からしますと、米とそれから麦、大豆については、全く需給調整の観点からするとベクトルが違うと。それは、先ほど来質問の中でも出ている話であります。こうした、例えば米の場合は生産を抑制的にする、麦、大豆の場合は生産を奨励していくという全く百八十度違うベクトルを向いているわけでありますが、そこに対して所得補償を行うと。それは、どういうふうにその違いを支援水準に出していくと考えているのか、その点について伺います。
#147
○平野達男君 これについては、正にこの条文に書いてありますように、需要と供給の動向を勘案して単価を定めるということでありますから、標準的な生産費と標準的な販売価格の差ということに、今どちらかというと生産が過剰なものについてはやっぱりそれを勘案しつつ単価を設定するし、もっともっと生産を振興したいものについてはその単価を踏まえてもっと生産意欲を刺激するような単価を設定するという、そういう方向で決めるということであります。
#148
○谷合正明君 当初、差額というのが、生産費と販売価格の差額というのが結構伝わっておりましたけれども、結局のところ、その法案の中には需給の動向を考慮して決めると、ここが非常にポイントなんだろうと思っておるんですが、言わばこれは差額に対して、当たり前の質問かもしれませんが、プラスアルファもあるしマイナスになるということととらえられるんでしょうか。
#149
○平野達男君 いわゆる減らすとか増やすというのは、この間、先般山田委員との御議論の中でもいろいろやらせていただきましたけれども、減らすとかプラスマイナスということではなくて、私はどうしてもこだわりたいのは、あくまでも単価を設定するにはそういった要素を考えながら適正な水準の単価を設定するということでありまして、結果的にいいますと、米については、どちらかというと、米については今の標準的な生産費と標準的な販売価格よりはちょっと下がった単価設定になり得るんだろうというふうに思っていますし、麦、大豆についてはその水準か、あるいはその水準よりちょっと上なのか、今の段階で私は確たることを申し上げられませんが、そういった方向が考えられるのではないかと思っています。
#150
○谷合正明君 そうしますと、結果的にはすべての販売農家の赤字、米農家ですね、赤字が解消されないということにつながるということだと思うんですね。
 まず、前回の議論の中で単価は下げないというふうに言われていた。単価は下げないんだと。しかし、そういう考え方じゃなくて、需給の動向を見極めて価格を、補てん額を決めるということがなかなか、私も聞く範囲の中でなかなかよく分からないと。結局、米農家の場合はどうしても、例えば一万六千円と一万一千円の差額が全部は補償されないということになると思うんですね。そこの若干減るというところに対して、前回はナラシ以上の水準は確保できるのではないかというふうに答弁されましたけれども、ナラシと今回の価格補てんが同列に比較できるかどうかという問題はおきまして、今の、現行のナラシ、九割の補てんというのは確実に補てんするという考えなんでしょうか。
#151
○平野達男君 私が申し上げた趣旨は、これまでのナラシの発動状況を見ますと、一番多いときで九百億ぐらいだったでしょうか。あるいは七百億だったかもしれません。それは発動したときもあれば発動しないときもある。これは、価格が下がってきて低位安定で止まればこれは発動されませんから。そういう性格を持っているということです。しかも、ナラシの場合は、一対三ということで生産者からの出資も前提にしております。
 今回の私どもの措置は、例えば米一俵千円ということを補償したとしても、一千二百億円ぐらいそれで予算が出てきます。しかも、それは、その一千二百億というのはある意味ではずっと支払われ続ける補償金でありまして、そういった観点で、少なくともナラシよりは農家にとっては所得補償されているんだ、あるいは農家にとっては目に見える政策ということで映るのではないかという、そういう意味で申し上げました。
#152
○谷合正明君 更に細かく聞きたいんですが、米については、特に地域差であるとか品種であるとか銘柄によって大きく状況が違うということなんですが、まず、標準的な販売価格というのは一律に決めていくのか、あるいは今申し上げました地域あるいは銘柄等に応じながら細かく、各、何というんでしょうか、最終的には農家ごとに設定していくのか、その点についてお伺いします。
#153
○平野達男君 結論から言いますと、今私どもは標準的な生産費と標準的な販売価格については全国一本で考えています。一本で考えておいて、そしてそれで需要と供給の動向を勘案して定めるわけでありますが、そこで差額が決まってまいります。
 そして、今申し上げた、今委員の御質問にあった、地域ごとによっていろいろ違うじゃないかと。確かにそうです。魚沼産コシヒカリもあれば北海道産のきららもあります。そういった米のいろんな違いについては、市場によってきちっとこれは単価差が出ておりますので、高いものは一俵当たり一万八千円でありますとか、ちょっと安いものについては一万一千円でありますとか出ていますので、その中で反映されるものだというふうに思っています。
#154
○谷合正明君 もう一つ付け加えますと、加算措置って法案の中にも書いてあると思うんですね、品質等を踏まえて。それは米に当てはまる話なんでしょうか。
#155
○平野達男君 そこはもうちょっときっちり御説明すべきだったと思います。
 品質加算については私ども畑作物だけを考えています。具体的なイメージとすれば、やっぱり麦、大豆という、ああいった作物に代表されるものでありまして、その品質が市場の中でなかなか反映されにくいというものについて考えています。
 米については、繰り返しになりますけれども、等級それから品種等においてかなり市場でそのままきちっと価格に反映されていますから、それをそのまま受け入れればいいというふうに考えています。
#156
○谷合正明君 そうすると、米の場合は加算措置等はやらずに、あくまでも標準的な販売価格、生産費との差額で、さらに需給の動向に応じて決めていくということになりますと、例えば、繰り返しになるかもしれませんが、ちょっと私の理解の不足なのかもしれませんが、米農家といいましてもいろいろ、直売でやっているようなところもあれば経営規模を拡大しながらやっているところがあって、一律に、何でしょうか、標準的な販売価格を定めていくことがすべての米農家にとって、この辺ちょっと若干の不公平感が、差は生じてこないのだろうかという疑問がちょっとあるんですが、もう一度答弁いただけますか。
#157
○平野達男君 不公平感というのはちょっとよく分かりませんけれども、いずれ、米については地域によって生産費が違います、また販売価格が違ってくると思います。だから、その地域ごとによって、じゃ補償する交付金の額、単価の考え方も違っていいんじゃないかという考え方もあると思いますが、これは私どもはやっぱり政策判断として、全国一本でまずその差額を決めて、そしてさらに、地域によっては単収によって差がございますから、その単収に応じて、単位当たり面積の単価が変わってきますが、その単価に応じてその単価を設定をして、いわゆる生産計画にのっとって生産した農家に対して交付金をお支払いするという、そういうことを考えているということです。
#158
○谷合正明君 分かりました。
 ちなみに、その単価は何年間か固定する、何年固定するとかいう今考えはあるんでしょうか。
#159
○平野達男君 発議者としては、やっぱり三年ぐらいは固定した方がいいんじゃないかというふうに考えておりますが、これについてもまだ専門家等あるいは内部でいろんな議論が必要だというふうに思っています。余り頻繁に変えるのはよくないと思っています。
#160
○谷合正明君 分かりました。
 次に、生産数量目標について質問を移らせていただきます。これも先ほど来から出ておりますが、改めて質問させていただきます。
 第三条には生産数量の目標が設定されると規定されておりまして、国は何を根拠に、どういう考え方で生産数量目標を設定するのか。また、その対象農作物、米、麦、大豆はありますが、雑穀だとか菜種だとか、あるいは飼料作物ごとの生産数量目標というのはどのように、すべて品目ごとに目標を設定していくのか、どのようにやっていくのか、その点について伺います。
#161
○平野達男君 まず、米についてはもう先ほど来申し上げているとおりですから割愛させていただきますけれども、他のいわゆる生産を振興すべき作物については、何といっても、今どれだけその地域で当該作物が生産されているかということがまず基本だと思います。
 そして、私どもは、この作物については十年後に何万トン、何万トンというような最終的な目標を必ずしも決めなくていいんではないかと。まずは、今も申しましたように、地域の中で麦、大豆、雑穀でもいいですが、どれだけ作られているか、それを三年間で生産を一割上げるあるいは二割上げる、そういったまず多分ガイドライン的なものを設定するんではないかというふうに思っています。
 そのために、例えば雑穀を作ったらこれだけの交付金が出てきますよ、大豆を作ればこれだけの交付金が支給されますといった単価を公表していますから、その単価を見ながら生産者が自分でじゃ作ってみようか、こういう計画に参加してみようかということで参加の是非を決めるわけでありまして、その積み上げの上に、最終的な国が設定したガイドラインの目標に到達するかどうかが決まってくると思います。
 どうしてもそれが到達できないといった場合については、例えばそれは地理的な条件の問題なのか、畑作物としてその作物が適さないという問題なのか、いや、そうではなくて、やっぱり交付単価がまだまだやっぱり少ないということなのか、そういったことをチェックしながらその生産振興を図っていくということになるんだろうというふうに思っています。
 この特に生産するべき作物につきましては、繰り返しになりますけれども、国、県あるいは市町村がこれだけ作りなさいということではこの計画は進まないわけです。何といっても、当該の生産者が分かりました、作りましょうという同意がなければどうしようもありませんから。だから、その同意を踏まえつつ、その生産振興を図っていくということです。
#162
○谷合正明君 米の場合、生産数量については供給が需要を上回っているわけなんですけれども、各農家の生産を抑制しなきゃいけないということですが、どのようにしてその配分した数量目標以下に生産を抑えていくか。
#163
○高橋千秋君 これも何度も出ている話でございますけれども、今回の我々の生産数量目標については、生産をある程度抑制をしなければならない、余剰になっている米、それとそれ以外の品目については分けて考えないといけませんが、先ほど委員の質問で、米のように余剰になっているものについてどうして抑制をしていくのかというお話でありますが、生産数量目標に従ってこの制度に参加をしていただく方には、作っていただく方に対して交付金を払うわけでありますけれども、これに参加をしない人若しくは参加をしても意図的に多めに作ったような方々に対してはこれが一切払われないわけでありますから、もしそれで余剰が更に大きくなって価格が低下をすれば、一番デメリットを負うのはこれに参加をしない人やこの制度を破っている人、その方々が一番デメリットを負うわけですね。価格が下がってもその差額分をもらうのは、その制度にきっちり参加をされている方々がそのメリットを受けるわけでありますから、これで参加をした方がいいという、そういうインセンティブが働くわけです。そのことによってその生産数量目標を達成をしていくというやり方であります。
#164
○谷合正明君 米の場合、その生産数量目標を少しでも上回った場合は一切支払われない、補てんされないんですか。
#165
○高橋千秋君 生産数量目標を設定する場合に、一反当たりどれぐらい取れるかという、そういう綿密な計算の上で、単価は面積に掛けますから、そのときはそれはたまたま、作況によって当然変わってまいりますけれども、面積に掛ける単価という形でありますから、それは予測の上できっちりと判断をしていくということです。
#166
○平野達男君 これは、生産数量目標というのは、戸別の農家については当該年度あるいは翌年度になるか分かりませんが、米についての作付面積が割り当てられます。それで、この交付金をしないか、罰則を科すか科さないかは、その作付面積を破ったときには、それは科さないということです。
 一方、米については、当然単収とか何かにはその年、折々によっていろんな変化がございますから、多く取れるときもあれば少なく取れるときもある。
 ここで考えなくちゃならないのは、本当にたまたまその年豊作だったらどうなるんだろうかと、豊作でですね。それは別に、作付けの面積が、割当て面積が守られている限りについては、それは何にもペナルティーになりません。ただ、全部が全国で豊作になりますと米が余ってきますから、これは残念ながら次の翌年度のときに作付面積の割当てがちょっと減ってくるということも考えられます。それは今の需給調整の仕組みと、考え方と全く同じです。
#167
○谷合正明君 分かりました。
 もう一つ、違う角度で確認させてもらいたいんですけれども、生産数量目標が守られたとして、これもあくまでも面積だという話なんですが、生産費が一定程度、差額が全額補償されるわけじゃないんですが、一定程度確実に補てんされるのであれば、逆に安売りが助長されるような可能性というのはないのだろうかと。つまり、買いたたきを防ぐ手だてというのはどのように考えていらっしゃるのか、その点について伺います。
#168
○平野達男君 それは一般論でいえば、補助金を付けることによって、本来生産する力のない方が生産をすることで市場にいろんな歪曲効果を上げてそれは農産物価格が下がるということは一般論としてはあります。しからば、今の議論の中で、一定程度のゲタ、要するに加算をしたときに、いわゆる市場においてその加算を見込んで米の価格が決定されるかどうかということに対しての質問だと思います。
 これは、多分ナラシ対策その他でもいろんな同じことが言えると思います。ナラシ対策をやっているからといって、じゃ米価の下落がしているか。これは、全く影響ないとは言えませんけれども、こういう対策をやっているからといってその分米価が下落するというような価格の形成のされ方は私はないと思っています。ですから、千円乗せても二千円乗せたとしても、これ、全く歪曲効果というか、価格に対する影響がないとは言い切れませんが、それを見込んで市場価格が形成されるというのは、米に対して市場がどのように物を、その米というものに対しての価値が市場に、どのように見ているかという問題でありますから、ここはやっぱり、そういうことはないということで私どもは考えています。
#169
○谷合正明君 それから、また確認ですけれども、先ほど、需給調整に参加するメリットがあるのかないのかが大きな、生産調整ですね、参加するメリットがあるのかないのかが大きな違いだと言われました。その今生産調整に参加していない稲作の面積の割合が約一五%だと思います。そのうちの一二%の人が、人というか、一二%が四ヘクタール以上の耕地面積であると。大体、十ヘクタールもかなり、大規模農家もかなりあって、そういった方々、元々コストをダウンしておりますので、そうすると、そもそもそういう人たちがこの戸別所得補償をすることによってどれだけ生産調整に加わろうとするインセンティブが働くのか。
 先ほど、価格下落があるから逆にデメリットがあるんだと言うんですけれども、どこまでそれが実効性あるのか、その点について伺います。
#170
○高橋千秋君 先日も大規模農家の方とお話をさせていただいて、この話をしていたときに、要は、規模が大きくなればなるほど生産費はコストダウンはできますね。ですから、標準の販売額との差はその農家に限って言えば広がるわけです。だから、規模が大きくなれば大きくなるほどそのメリットは余計に大きくなるわけで、逆に言うと、そういう規模拡大のためにもこれは非常にメリットがあるわけですね。
#171
○谷合正明君 何かいまいち、確実にインセンティブが働くかどうかというのが腑に落ちなかったんですけれども、最後にお願いします。
#172
○平野達男君 その問題は、今の需給調整にもそのまま当てはまると思います。
 ですから、この措置をとったからといって、例えば、今、十五ヘクタールの水田農家がいて、販路もしっかり確保している、だからもう自分で自由にやれますよと言って、それで、そういうことで自分の経営方針を決めてやっている方は、多分こんな措置やったとしても乗ってこないかもしれません。
 ただし、今回と今までの需給調整の違いは何かといえば、万が一価格下落が続きますと、その人は価格下落の余波を完全に受けます、需給調整に参加していませんから。それに参加していれば、作付面積は減りますけれども一定の所得は確保されるということで、多分その方は、我々が設定する、これが設定する一俵当たりの単価でどれだけのセーフティーネットが張れるか、他方、将来の米のいろんな価格の動向を勘案しながら単独でやった方がいいかという、多分双方の経営感覚で判断すると思うんです。
 だから、そういう農家は農家で、ある意味では自立した農家ですから、まあそれはそれでよろしいんじゃないかというふうに、まあよろしいんじゃないかと突き放した言い方じゃなくて、これこそ立派なプロ農家ですよ。いろんな政策があって、この政策に乗った方がいいか、いや自分の政策でやった方がいいかという経営判断を持ってやるわけですから、そこはそこでいいと思います。
 ただ、違いは、繰り返しになりますけれども、今の需給調整では、そういう農家の方々については乗ることに対してのメリット措置は何もありませんから、需給調整に参加しようというインセンティブは本当に少ない。しかし、我々の措置からいけば、少なくとも需給調整に参加しようとするメリットはありますから、じゃ、やってみようかという動機が働いてくる、これは大きな違いであります。
#173
○谷合正明君 それでは次、麦、大豆の方なんですけれども、生産数量目標を設定する場合に、麦、大豆にも、いろいろな用途ごとによってかなり需給状況が異なっていると。
 先ほど単価のベースで話をさせていただいて、単価もいろいろなことを勘案しながら最終的には決めていくんだという話だったんですけれども、やはりこの生産数量目標についても同じだとは思うんですが、この麦、大豆の用途向け品種を、各用途ごとの用途向け品種をどの程度生産できるかを完全に、完全にというか、できる限り把握した上での目標だとは思うんですが、この点についてお伺いします。
#174
○平野達男君 そういうことができれば、やれればいいんですが、私はやっぱりこれはできないと思います。先ほど言いましたように、麦は十年後までにはこれだけの生産やるから、個々の農家までレベル行ってこれだけの生産をやってくださいと言ってもそれだけのインセンティブを与えなければ農家は生産しません。
 それからあともう一つ、先ほど佐藤委員の質問の中にもありますけれども、作ったものが本当に引き取ってもらえるかどうかということもあります。これはだから難しいと思うんですけれども、そういったものを勘案しながらやっぱり毎年度の生産量を、先ほど言ったようにガイドライン的なものを設定しながら農家との対話を進める中で生産振興を図っていくということだというふうに思います。
 この問題は谷合議員にも是非考えていただきたいと思うんですけれども、政府が言っている四〇%から四五%まで自給率を上げますということに対しての目標が掲げられていますが、じゃどうやって上げていくんでしょうかということに対しての個別作物に対しての例えば筋道、それは何も示されてないんです。
 今回、我々は、麦、大豆についてはある一定の、現状を勘案しながら、当面二、三年ごとの地域のガイドライン的な生産数量の目標を設定していきながら農家との対話の中で生産数量、生産の増産を図っていこうじゃないかということを提案していまして、そこが大きな違いであります。
 ここをどうするかという問題は、本当にある意味では、今までやったことがないと言ったら言葉は語弊があるかもしれませんけれども、今まできっちりとやってこなかった分野でありまして、かなりの試行錯誤はあるのかとも思いますし、本当に自給率を上げるためにどうするべきかということについては是非知恵を出していただきたいというふうに思います。
#175
○谷合正明君 この点については、私もこれはもちろん同じ委員の一人として鋭意考える、考えるだけじゃありませんけれども、しっかりやってまいりますけれども。
 それで、この生産数量目標の設定に当たって農業者の意向を踏まえるというお話であります。この農業者の意向について、何度もこれは質問が繰り返されました。
 確認ですが、麦、大豆については、農家の希望に応じた生産数量、生産面積なんでしょうか、これがイコール生産数量目標になるということでしょうか。
#176
○高橋千秋君 先ほどもお話をしたように、生産を増進しなければならないものと、米のような供給を抑制をしなければならないという部分とありますけれども、麦、大豆については増進を更にしていって自給率を高めていかなければならない。その意味で、それぞれの農家から出てきた意向はそのまま酌み取っていきたい、そういうふうに考えています。
#177
○谷合正明君 意向を酌み取った上で、更にもっと生産してくれということはあり得る。
#178
○高橋千秋君 当然、それ以上にやっていただけるような努力はこちらからもしていかなければならないというふうに思います。
#179
○谷合正明君 米については各農家の希望は積み上げるんですか。それは違って、やはりあくまでも需給のバランスに応じてブレークダウンさせて下に下りていくということなんですか。
#180
○高橋千秋君 基本的には意向は聞きますけれども、それ全体の生産数量というのを目標定めていかなければなりませんから、国で定めたものをブレークダウンをしていくということが必要になると思います。
#181
○谷合正明君 その基本的に聞くというところのそれがですね、どのようにそれが反映されていくのかが、それが意味あるプロセスなのか。今聞いていると、最終的にはブレークダウンしていくんだという話になるんですが。
#182
○平野達男君 先ほどの議論でもありましたけれども、今の需給調整の、今、地域協議会なんかでやっていますね。その枠組みをまずそのまま使うんだろうと思っています。
 繰り返しますけれども、何が違うかというと、そこに県、市町村の行政の関与の度合いが今度は大きくなるということでありまして、あくまでも地域の主体性に任せる部分はございますけれども、需給調整は、最終的に作付面積そのものについては、作付面積等についてはやっぱりきちっと確定しなければなりませんから。その中で、ブレークダウンという言葉を使いましたけれども、割当て的な形になる場合もあるということでありまして、繰り返しになりますが、米については今の需給調整のその流れそのものをまず継承する形になるということです。
#183
○谷合正明君 生産数量目標ですけれども、国、都道府県及び市町村が相互に連携していく、目標を設定していくというふうに書かれているわけでありますが、どのようにこれを連携していくのか。先ほど、意向を酌み取っていくというような話だったんですけれども、合意形成がどれだけ容易にされていくのかがまだ私もはっきりとしたイメージがないんですけれども、これをだれが最終的にどのように判断して、配分という言葉を使いますけれども、配分を行うのかということなんですが。
#184
○平野達男君 じゃ、以下は米以外の作物、特に麦、大豆なんかをイメージしてお話しをさせていただいてよろしいでしょうか。
#185
○谷合正明君 はい、取りあえず麦、大豆。
#186
○平野達男君 そうですね。
 これはもう、先ほどもこれはずっと申し述べてきたとおりでありますけれども、麦、大豆を畑作で作った場合に、あるいは転作で作った場合にはこれこれの交付金が支給されますという単価が公表されます。そして、生産者はその単価を見ながら、じゃ、麦、大豆を作ろうかと、そういう判断をするんだろうと思います。そのときに、判断をするときに、地域の農業委員の皆さん方あるいは普及員の皆さん方、市町村の職員さんの皆さん方が、もっともっと作ってくれないか、何とか作ってくれないかと、そのために必要な、土地利用調整が必要だったら、土地利用調整の中にそういった形の人が入っていって、それで集団で例えば作付けをするとか、そういったことの調整が始まるんだろうと思います。
 だから、そういったいろんなやり取りの中で生産振興が図られていくという、そういうイメージでありまして、正にこれからの生産振興というのはそういった一つの、一種の運動論、ただ運動論だけではなくて、繰り返しになりますけれども、生産者がその作物を生産するときに、これだったら何とかやっていけるな、損はしないな、もうかるなと、多少これは利益が出るなというような、そういったインセンティブを与えながらやっていくということでありまして、そこにやっぱり生産者の最終的には意思が反映されてくるというか、意思で決まるということだというふうに思います。
#187
○谷合正明君 もっと作ってくれというのは多分、恐らく米に比べますと、生産抑制的な米に比べると割かし市町村職員もアプローチは容易ではなかろうかと思うんですね。
 そこで、米の場合、基本的には農家の意向を聞くと、その上で需給のあれに応じるんですね。合意形成できなかったときの、多分市町村が、職員というのが、今回、国が決めて都道府県が決めて更に市町村が決めていくと考えていくと、市町村職員というのは大分板挟みになっていくんじゃないかと、そんなふうに危惧をするわけでありますが、市町村職員はこれを多分聞いていると、おれたちはそこまでできるのか不安になっているんだと思っておるんですが、その点についてどうでしょうか。
#188
○平野達男君 かつてのいわゆる減反というのはそれでやったわけですよね。それを十五年度に改めて、自主的な生産調整ということであったので改めたというのは、先ほど佐藤委員が質問の中で言ったとおりです。
 要は、需給調整は本当に難しいですよ。これは何回も私も言ったとおりです。パーフェクトな需給調整なんというのはなかなか難しいです。特にこれから需要が変転する中で、来年、再来年の国全体としての需要量をどのように設定するか、それがまず難しい。そして、その需要量を最終的には各農家の方々にこれだけの米の生産でお願いしますというふうに持っていく、これは本当に大変なんです。だから今、本当に苦労している。その中で、私は需給調整に、あるいは生産調整に参加しないという方も多分結構、先ほど、一〇%以上の方々がおられるんです。
 今回の我々の政策はこれにパーフェクトにこたえているかどうか分かりませんが、少なくともこの今までの需給調整を進める中で一番言われていた、現場で言われていますけれども、需給調整にまじめに取り組んでいる人のメリットがありませんということに対しては、この計画生産にのっとった方々を対象としてある一定の米に対しての所得補償をしましょうというのがまず第一点。それから、需給調整についても、やっぱりこれだけタイトになってきますと自主的だ自主的だというわけにもなかなかいかないんじゃないかということもあって、県、市町村もどこまでかむかというのは、これから深く関与するかという問題がございますけれども、行政の関与もそこに入れていく必要があるということで、この二つの面で、需給調整は少なくとも今までよりはうまくいくんではないかということだし、そういうことが十分期待できる措置だというふうに思っているということであります。
#189
○谷合正明君 繰り返し、これは法案の骨子の質問じゃないのかもしれませんが、市町村の場合は事務の煩雑さということで、それは現行の政府のやっているやり方よりは膨大になるとお認めになられているんですけれども、特に今回は米農家に対して交付金を支払っていくということになると、各農家が生産数量目標に従っているかどうかというのを確認していくという必要が出てくる。これは市町村がやっていくんでしょうか。かつてこういうことをやっていたじゃないかという話なんですが、今これをもう一度できるというふうに見込みをされているのかどうかについてお伺いします。
#190
○平野達男君 いずれ、需給調整は、米価の安定、それから米以外の作物を作るための、推進していくという面においてもこれは重要な措置であります。
 様々な問題がありますけれども、この需給調整をしっかりやっていくための体制整備、それから市町村、そして地域協議会、農家、あるいはいろんな農業団体、それが一体となった体制づくりについては引き続きしっかり取り組まなくちゃならないというふうに思っています。
#191
○谷合正明君 分かりました。恐らく、もう相当しっかり取り組まないと市町村のレベルでは対応し切れないと思っておりまして、この辺りは市町村の人的配置の問題、今合併でもうかなり市町村数も減っておりますし、大丈夫なのかなというところがまだあるんですが、ちょっと時間の問題もありまして、次の質問の方に移らせてもらいます。
 もう一度、米の生産目標のところに行きますけれども、民主党のマニフェストで原則すべての販売農家に交付金を支払うとしていたと。今回、法案については、生産数量目標に従って生産する農家に対して交付するという、そこに強いリンクが掛かったわけであります。マニフェストを読んでいる限り、そこは必ずしもリンクしていなかったと私は認識をしているんですが、そこはマニフェストを作ったときと今回法案提出したときとやっぱり差はあるということなんでしょうか。
#192
○高橋千秋君 何事をやるにもやっぱりルールというのは必要ですよね。何でもかんでもやれるというわけではなくて、当然原則という言葉も書いてございますが、御質問に答えるのであれば、全くそのときのマニフェストと今もこの法案の中身も変わっておりません。
#193
○谷合正明君 いや、変わっておられないと言われるんですけれども、どうしても変わっているなと思うんですね、私は。どうしても、先ほどチラシを見させていただきましたけれども、どう考えても変わっているとしか思えない。どう考えても縛りがきつくなっているとしか思えないんですけれども、この点についてどうなんでしょう。
#194
○平野達男君 まず、農業者戸別所得補償法、補償というのは一体何なのか、あるいは戸別所得補償というのは何なのかということについての具体的なスキームは、この法案を通して明らかにしたところです。
 そして、マニフェスト、ビラ等々のことについては、いろんな解釈もございますけれども、基本的な考え方は私は変わっているとは思っていません。そして、今回のお話の中では、ちょっとこの書き方おかしいじゃないかという御指摘はいただいておりますから、それについては再三申し上げているように御意見として真摯にお聞きしておきたいということを申し上げているわけであります。
#195
○谷合正明君 まあマニフェスト、チラシの方はまだあれですけれども、マニフェストというのは私は非常に重い明文化された公約だと思います。御指摘を踏まえてと言われるんですけれども、もう出したものですので、マニフェストについても多分そのまま残っている、修正が書き加えられるわけではないと思うんですね。そう考えると、やはり私は今回の民主党の法案というのは、この参議院選挙を通じて訴えてきたところと比べますと、大分何というか温度差が違うんだというふうに思うんです。むしろ、本当にマニフェストどおりに出したものなんですかと。生産調整は廃止というのは、生産調整と生産数量目標と、まあ今の政府のやっているのと違うんだというんですけれども、やっぱり多くの国民の方は、そこは民主党はかなりマニフェストのときに比べると違うものを出したなというふうに思うと思うんですが、その点について再度答弁を願います。
#196
○平野達男君 マニフェストでは原則すべての販売農業者というふうに書いていたと思います。今回の法律では、じゃ原則というのは何なのかということを具体的に説明しているというふうに思っています。
 それから、イメージが違うんじゃないかと。それは、最終的には、この法案を出して皆様方がどのように判断されるのか、あるいは今日たくさんの傍聴をしている方々もおられますけれども、どのように判断されるかというのは、この判断まで私どもはああだこうだというふうに言うつもりはありません。もし違っているということであれば、いや、私たちの趣旨はこうでございまして、このような考え方でやらしていただきましたと、基本的なところは変わっておりませんという説明をさせていただいておりますけれども、それを繰り返し述べさせていただきたいと思っています。
 ということでありますが、よろしいでしょうか。
#197
○谷合正明君 マニフェストもちょっとすぐ出てこないもので。原則、原則ですか、分かりました。
 いずれにしても、ちょっと私は納得できないと。説明をずうっと聞いているんですけれども、聞けば聞くほど、何というか、無理があるなというふうに思うんです。生産調整を例えば廃止を明確に明記されていたと。でも、この法案にとってみると、現実的にやっぱり対応しなきゃいけないというふうにトーンが大分変わってきたというふうに思うんです。まあ答弁は、もういいですけれども、私は……(発言する者あり)ビラとマニフェストは違うということですか。
#198
○平野達男君 事実だけいきますと、生産調整の廃止ということは今回のマニフェストにたしか入ってなかったと思います。生産調整の……(発言する者あり)いや、マニフェストです。ビラにはあります。それは、生産調整の廃止というのは、平成三年の、昨年の、三年だったか、三年のいわゆる基本法の中に計画生産と生産調整の廃止という条文は入っていました。そのときの、これも国会答弁で何回も申し上げたとおりでありますけれども、需給調整はやるんですと。今までの生産調整とは違うんですという意味での生産調整の廃止だという、そういう趣旨で衆議院の方でも答弁されていると思っています。その流れの中で多分その今回のリーフレットも作ったということであって、生産調整の廃止そのものについての考え方というのは何も変わってないと、これ何回も申し述べたとおりであります。
#199
○谷合正明君 ますます何かよく分からなくなってくるんですけれども、昔の生産調整は廃止するけれども、新たに生産調整をつくるということですか、民主党の。そういうことですか。
#200
○平野達男君 ですから、何回も申し上げますが、需給調整をやるんです。(発言する者あり)いや、生産調整とか、要するに、きちっと計画生産やるんです。その必要性については認識一致しているでしょう。それは私たちも共通した認識を持っているんです。それはよろしいですね。よろしいですね、それは。
 あとは生産調整の廃止という言葉はけしからぬという話であれば、それは、私どもはそういうふうな説明でやってきましたと、いや、皆さんは、要するに生産調整の廃止といえば米をどんどん自由に作ってもいいですと取られるから、おかしいじゃないかと言いますけれども、米を自由に作ってもいいというふうにやったら大変な事態が起こるということぐらいは私たちだって理解していますよ。
 そういうことで生産調整の廃止というのを昨年の国会の中での法律の中では出したということであって、何か私どもは前から、要するに米の生産調整を廃止して、いや、どんどん自由に作ってくださいと、余った米は買い上げますとか、そういうことを言っているんだということではないということは、この法律を見ていただければ分かりますし、それから前の基本法においてもそういう仕組みになっているということです。
#201
○谷合正明君 まああんまりやってもあれなんですけれども、生産調整という言葉を使うか使わないかの話になっちゃっているような感じがします。(発言する者あり)ええ、ええ、まあそういうことだと思うんです。
 一番大きな違いは何かといったら、そのメリットがあるかどうかというふうな言い方もされますし、要は今の法案を読めば、それはもう需給の動向に応じるというのは書いてありますけれども、それが、今の法案はいいんですけれども、その前が、やはり説明が、繰り返しますけれども、マニフェストとビラが何か一部ちょっと違ったり、ちょっとそこの説明が不十分だったと、ちょっとじゃないかもしれませんが、不十分だったというふうに指摘をさせていただきます。
 今日は時間があともう一分、二分ですので、また次の機会に残りの質問をさせていただきたいと思いますので、今日のところはこれで終わりにいたします。
#202
○委員長(郡司彰君) 平野委員、簡潔に。
#203
○平野達男君 繰り返しますけれども、問題のある現行の生産調整システムに変えますということを言っているんです、我々は。今の現行の生産調整システムでは……(発言する者あり)いやいや、変えます、廃止です。それを廃止と言ったんです。私どもは廃止と言ったんです。それによって変わりますということを強調しているだけです。ワーディングの問題についてはいろいろ御意見があるようでありますけれども、私どもの趣旨はそういう趣旨だということです。
#204
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。前回に引き続きまして、また質問をさせていただきます。
 それで、農産物の輸入自由化とこの民主党の戸別所得補償法案ですね、この関係についてもう少し検討させていただきたいと。
 仮に、仮にWTO協定で完全自由化になったとした場合に、安い輸入農産品が入ってくると当然のことながら国産農産物の価格が大幅に下がると。国内の農業者の所得にストレートに影響を受けることになるわけですけれども、そのときに、この法案でその時点で発動できませんよね。というのは、販売価格という、さっきも話がありましたけれども、全国平均の販売価格を統計的に確定するということになるとやっぱり一年間掛かりますから、そういう点ではタイムラグがあるんじゃないかと。すぐそれに対して発動というふうにはならないんじゃないかと思うんですけれども、これについていかがですか。
#205
○平野達男君 まず、すぐに発動できるか、今その前提としてWTOドーハ・ラウンドが決着して関税が一気にゼロになっちゃったというようなことの想定だったと思います。そういう前提で話をするのが妥当かどうかよく分かりませんが、少なくとも、例えば米についていきなりゼロになったということになりますとこれは大変なことになります。まずそういうことを前提として議論するというのは余り意味のあることではないんではないかというふうに思っています。
 関税が引き下がることによって、繰り返しになりますけれども、まず所得補償します、関税が下がります。その結果として、先ほど来何回も申し述べておりますけれども、これ以上自給率が低下する、農村が疲弊するというような状況だけは絶対に避けねばなりません。関税が下がったとしても、これは選択肢の問題ですよ、選択肢の問題ですよ、所得補償をすることによって農業が守られるというのであれば、交渉の結果としてそうなったんであれば受け入れる余地はあるのかもしれません。だけれども、これは関税を引き下げることを容認するんじゃないですよ。しかし、関税が引き下がって所得補償をしても、これでも駄目だという場合には、日本は何としても関税を守らないかぬと思います。いろんなそういう選択肢を、選択肢というか、そういう状況状況によって判断をすることだというふうに思っています。
 ちなみに、繰り返しになって、冒頭の話へ戻りますが、いきなり関税がゼロになるということは、日本のやっぱり交渉官としてはそんなことは絶対受け入れないと思いますし、あり得ないというふうに思っていますので、そこのところの前提に立っての議論はちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
#206
○紙智子君 なかなか想定しづらい、いきなりというのはねという話ではあるわけですけれども、しかしながら、守るべきは守ると言いつつも、やっぱりWTO、FTAについて一応その推進の立場ということもありまして、交渉によってどういう事態かということもあるわけですけれども、もちろん我々も当然ストップしようという立場ではありますけれども。
 聞きたかったのは、例えば販売価格と生産費の差額について支給するという法律ですよね。そういうことでやった場合にも一年後に出るということになるわけですから、そうすると、その間は、一年間はどこからも出ないと。農家にとってみればそうですね。生産者はそういう事態になると。その間、じゃ、どうするのかという話なわけで、大変になってしまうと離農する農家も出てこざるを得ないんじゃないかと。
 そうすると、生産費と販売価格の差額を補てんしていくというこの法律で自給率を引き上げるというふうに言ったとしても、これは初年度から、もしそうなった場合ですけれども、初年度から自給率は下がる事態になるんじゃないのかなと思いますが。
#207
○平野達男君 そういう緊急事態が起こったときのために政府があって、多分大臣がおられるんだと思います。
 今の米の米価の下落についての緊急対策、あれがいいかどうかというのは私もいろいろ御意見はございますが、論評は差し控えさせていただきまして、そういう対策を取っていまして、そういう緊急事態については法律でない緊急対策として何かの発動をするということになるんだろうと私は想像いたします。
#208
○紙智子君 そうすると、緊急対策なんだということなわけで、この法律とはまた別枠でということになるわけですよね。
 つまり、結局、生産費と販売価格との差額を補てんすることによって食料自給率を引き上げるというこの法案の仕組みというのは、やっぱり現状の国境措置がこれが維持されていて初めて成り立つものじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
#209
○平野達男君 そのことについても再三御答弁申し上げましたけれども、今のこの法律の枠組みは、WTO交渉でいえばガット・ウルグアイ・ラウンドの枠組み、それを前提にして考えていまして、それが大きく変わったときの状況については今のところ想定外だということであります。
#210
○紙智子君 そうなりますと、前回も私ちょっとこの質問をして答弁が返ってきたわけですけれども、そのときにも、例えばWTOでもって一定の譲歩を迫られてしまって下がったと。関税で守るのと関税だけではなくて所得補償というふうなことで言われたんだけれども、関税で守られない場合は直接支払という形でという話をされていたように私は記憶していて、そういう説明の場合は、WTO交渉で関税が下がってもこの法案で対処できるというのはちょっと違ってくるんじゃないかなというふうに思うわけですよ。
 国境措置がなくなってしまうと、これはやっぱりこの法案でも日本農業の維持発展、食料自給率を上げるということはできなくなるんじゃないかというふうに思うんですけれども、これはどうでしょう。
#211
○平野達男君 まず、もう御承知のように、関税と直接支払の違いは何かというと、関税の場合について、関税の、米の例を取って考えれば分かるわけでありますけれども、ミニマムアクセス以外に米が入ってこないということであれば米の国際価格で国内市場価格が形成されるわけではない、理屈上は。その結果として、米価は国際価格に比べてかなりちょっと高い水準に置かれます。その高い水準に置かれたやつを、消費者が米を買いますから、その高い価格を払って米を買うと。その販売によって農業生産が持続されるという、そういう構図ですね。
 関税が下がりますと、国際価格が国内の農産物の価格にもろに効いてまいります。つまり、価格が国際価格に直接の影響下にさらされるということですから価格が下がります。その場合に何をするか。直接支払でそれで農業が守れるんであれば、直接支払で守れるという選択肢はあり得ると言ったんです。
 ところが、何ぼ直接支払やったとしても、例えば関税がゼロになったときに向こうがダンピング掛けてきて、市場を開拓するために、もう何ぼでもいいから、とにかく安いから、市場をまず席巻するというような措置に出てこないとも限らないです。そこで、品質で対抗できるという話もございますけれども、それがもし深刻な大きな影響が与えるということであれば、これは先ほど言いましたように、何回も言いましたように、関税を引き下げるということは体を張って守らないかぬと思います、関税を守るということは。
 核は、私は、もう特に私の思い入れが強過ぎるかもしれませんけれども、こんなに自給率下がって、繰り返しになりますけれども、農村が疲弊しているという中で、これ以上のダメージを受けるような措置というのはやっぱり何としても国を挙げて、政治の決断として、決断だけじゃなくて行動力をやっぱり示して、守るべきは守っていくんだということだということについては多分考え方は一致しているんじゃないかと思います。
#212
○紙智子君 そうすると、考え方ということで一致しているという話があるんですけれども、やっぱり国境措置ということでいうと、これがなくなってしまったときには、この今の出している民主党さんの法案でやっぱり自給率を上げていくとか維持ということは難しいという点では同じということで考えてよろしいですか。
#213
○平野達男君 理屈上は自給率を上げるということは十分可能です。ただ、違いは何かといいますと、もし今麦なんかを、例えばマークアップ全部やめるとか関税をゼロにするとかいうことで完全に国際市場の麦価のあれで形成されるということにすると、補てんの価格がどんと増えてまいります。だから、予算が掛かる、お金が掛かってくるということです。だから、ここは直接支払にすれば、繰り返しになりますけれども、農業を生産するためにはその農業を維持するためにだれかがコストを負担しなくちゃならない、それは農産物を買うときの消費者が払うのか、あるいは場合によったら税金としてのお金を払うかというその選択なわけです。
 繰り返しますけれども、直接支払で守れない場合もあるんです、何ぼお金やったとしても。向こうはダンピング輸出なんか掛けてくるかもしれませんから。そういったことに対しては、やっぱり関税の障壁を張って絶対これは駄目だということで守らなくちゃならないということで、その基本は、繰り返しになって恐縮ですけれども、農業、農村を守るということが大前提に立っているということです。
 それから、WTO、FTAについては、これも何回も申し上げましたけれども、国際交渉をやるときはもう絶対頑張ってくると言って政府はやります。当たり前です。何としても、要するにWTOの実を取りながら日本の農業を守りたいとみんな言っていますから。言って行きますけれども、農業交渉、交渉事でありますから、結果として多少の譲歩を迫られてきたという歴史があるわけでして、それは多分民主党政権になったとしても、絶対今のウルグアイ・ラウンドの枠組みを一歩たりとも崩しません、米の関税については一%も下げませんと言って臨むのはいいんだけど、そのようにやれるというふうに約束するというのは、民主党政権でも多分、もちろん自民党政権でもこれはできないというふうに思います。そういったダイナミズムの中でいろいろ考えていく必要があるということを言っているわけです。
#214
○紙智子君 我が党は、やっぱりすべてもう自由に入ってこれるようにしてやったとして、所得補償一本だけではもう全然、幾らお金が掛かるか分からないということになってしまうわけで、もう破綻してしまうというふうに思っております。そういう点では、国境措置が今の維持されてこそというふうになっているということでは、そういうところは一致しているというふうに思いますけれども、確認をさしていただきたいと思います。
 それから、これも前回実はもう質問したんですけれども、もう一度ちょっと質問いたしますけれども、食料自給率を上げるということにとって欠かせない飼料自給率の引上げとその段取りですね。そして、その飼料作物の対象品目、前回もお聞きしたんですけど、ちょっと十分お話しいただけなかったので、もう一回詳しく明らかにしていただきたいと思います。
#215
○平野達男君 この法案では標準的な生産費と市場価格の差を基本としたと、何回も言って恐縮ですけれども、それがこの法案の中のキーワードというか核でありまして、飼料作物についても、デントコーンでありますとかそういった作物は対象になり得ますので、そういった概念で、考え方で所得補償をするということはあると思っています。ただ、粗飼なんかについては国産の粗飼料の方が外国産よりも安いという実態もあるようですから、そういうことであればそういった牧草についてはならない場合もあるというふうに考えていまして、今手元の中に具体的な生産費とか市場価格のデータがございませんので確たることは申し上げられませんが、考え方としてはそうなり得るということであります。
#216
○紙智子君 飼料作物といった場合に、例えば飼料米ですね、飼料の米、こういうことなんかも、今例えば牧草、耕作放棄地などに作付けをしてやるということに注目が今当たってもきていまして、そういうので考えていったときに、やっぱり一定のお金も掛かってくるわけで、一兆円という予算なんかも法案の中で出ているわけですけれども、その飼料作物の自給率ということなんかも含めて考えたときに、どうやってそれを増やしていくのかというところについて、なかなかこれ見ているだけだと分からないものですから。
#217
○平野達男君 これは、例えば一兆円の中で飼料作物の生産振興にどれだけの予算が回るのかというような数字が示されればこれは説明がしやすいと思うんですが、この今回の法律については、米を始めとしてすべての作物について、その補償額については専門家の意見等々を聴きながら定めるということになっておりまして、今の段階では決まっておりません。いずれ、とりあえずは一兆の枠を設定しますから、その予算の枠内で、これは正に予算の範囲内という法律になっていますけれども、それを有効に使いながら国内の飼料についても振興を図っていくという考えだということです。
#218
○紙智子君 それからもう一つ、これは他党からもこの間質問が出されている問題ですけれども、米の生産数量目標の問題についてです。
 それで、我が党は、米の減反ということでいいますと、これは目標割当てを強制するということではなくて、やはり減反して代わりに転作する、作るもの、これによる収入のやっぱり水準がある程度見通しが立って、ああ、これなら大丈夫だなといって初めて転作というか、できるわけだと思うんです。そういうことで生産の誘導をすべきであるという考えにありますけれども、この民主党さんの今度の法案でいいますと、先ほどもちょっとやり取りありましたけれども、米の生産数量目標については、これを受けなければ米の生産に関する所得補償がもらえないということで、ちょっと確認の意味でもう一度お願いします。
#219
○高橋千秋君 生産数量目標に従っていただいて、その制度に参加をしていただく方に払うという、そういうことには変わりがございません。
#220
○紙智子君 そうしますと、生産者にとって、例えば米の生産数量目標ですね、この目標が当初考えていたよりももう減ると、少なくなってしまうということになったときに、ほかの作物に転作しようと思っても、それによって所得が減ってしまうというふうになる場合に、この生産数量目標で取り組めないという事態が出てくると思うんですけれども、これについてはどうするのか。ちょっとその法案というか、中身でそれについて特に何ら示されていないということもあるものですから、これはいかがですか。
#221
○平野達男君 今の委員の御質問は、多分、政府が今やっている需給調整、あるいは私どもが生産のメリット措置を与えたとしても出てくる問題だろうというふうに思います。
 要するに、米を作らないで水田に何を作物を作るか。そのときに生産者は、まず作りやすさと併せて、どっちがやっぱり、まあ俗な言葉で言えば、もうかるんだろうかという経営の観点から判断するはずです。そのときに、米については、我々の措置の中では一定の所得補償をしていきますから、収入はある程度単位面積当たりで確保されます。しかし、将来的に見たときに、需要が減ってきますと米の作付面積も減ってきますね。減ってくることも予想されるわけです、需給調整やりますから。じゃ、そのときに、減ってきたときに、その作付けしなかったところに何を植えるかということについては、これは大変本当に大きな問題だろうと思います。
 我々は、転作作物としていわゆる生産費と市場価格の差額を基本とした補てんプラス今の産地づくり交付金的な、かつていう生産調整奨励金ですか、何だか、そういった名称なんかでやっていたと思いますが、米に代わる農産物の生産要素を加味するということで、それに一定の別な加算を、加算と考えていますけれども、加算をすることで、米並みというふうにいくかどうか分かりませんが、まあある程度の、米を作ったときの所得との差を補正するような措置をしながらそういった作物の振興を図っていく必要があるというふうに考えています。
 しかし、ただ問題は、いずれにせよコストが掛かるということでありまして、二兆円も三兆円もこれに使えるというふうにはなかなかこれまたうちらも、今の段階で発議者としては想定できませんので、まずは一兆円を確保しながら、その予算を上手に使いながら振興していくということだろうというふうに思っています。
#222
○紙智子君 米に代わる農産物の生産、今でいうと産地づくり交付金的なものをやるという話なんですけれども、その加算措置の水準とかその中身について明確になっていないんですけれども、それどうするのかなと。これ、例えば政令だとか、どういう形でやろうとしているのかということについて、いかがですか。
#223
○平野達男君 法律では、これは省令ですね、あっ、政令ですか、政令に委任しておりますけれども、これも大変同じ答弁を何回もやって恐縮ですけれども、こういった単価の設定については我々議員がえいやっということで決めるわけにもなかなかいかないということもございます。まず専門家の意見等々あるいはそのデータの収集等もありますので、そういったことをやりながらやって最終的に決めていくんだということ、このことについては是非御理解をいただきたいと思います。
#224
○紙智子君 それじゃ、法案をめぐってはまたこの次に自給率の問題などを含めて議論したいと思います。
 それで、この後、ちょっと政府に対しての質問に変わります。
 それで、赤福それから白い恋人などの期限表示の偽装問題が相次いで起こっていると。組織ぐるみの偽装ということで、これ本当に消費者にとっても与えたショックは大きいですし許されないなというふうに思うわけですけれども、この期限表示の信頼性が本当に今大きく損なわれているというふうに思うわけです。
 それで、この期限表示の信頼性をどう取り戻すかということなんですけれども、まず流通している商品ですね、これを見て期限表示が偽装されているかどうかというのを商品を見て分かるかどうか、いかがでしょうか。
#225
○国務大臣(若林正俊君) 食品の供給事業者が表示を偽装した場合、外見だけで消費者がその真偽を判断するということは一般的には困難だと思います。食品の表示については、したがって、期限表示を含めまして事業者が具体的な根拠を持って正確に表示する責任を負っていると、関係する法令を遵守し適正な表示を行う必要があるというのが基本だと考えております。
 農林水産省としては、そういう前提の中で、今、食品表示一一〇番というものを設けておりますが、この一一〇番への国民の皆さんからの情報提供、これが非常に増えております。このような情報提供に迅速かつ的確に対応するということがまず行われなければならないと考えております。二番目は、農林水産省の職員による小売店舗などの日常的な巡回調査をしっかりと実施すると。三番目は、問題を把握した場合には立入検査により書類等の根拠を精査して表示の真偽を確認するということで担保していこうとしているわけであります。
 こうした調査の結果、不適正な表示が確認された場合には、JAS法に基づく指示、公表を行うなど厳正に対処しているところでありまして、引き続き食品表示の監視活動を徹底することによりまして消費者の信頼を確保してまいりたいと、このように考えております。
#226
○紙智子君 商品を見ただけでは偽装というのはよく分からない、困難であるということなんですけれども、例えば原産地表示の場合は、外国産を国産と偽った場合はこれは調べれば分かるわけですよね。DNA鑑定だとか科学検査で分かっていくというのがあるわけですけれども、期限の表示についてはこれは偽装表示を科学的な検査で摘発するというのはできないと思うんです。
 それで、期限表示については製造業者が今責任を持って表示するということになっていると。要するに、これ業者任せになっているんですよね、自覚的に決めるという仕組みですから。これではやっぱりいつまでたっても偽装が続くことになると思うんですよ、今のその表示の在り方で見ますと。
 それで、私は、やっぱりこの事態を変える決め手といいますかその大事な中身として言えば、製造年月日の表示の義務付け、これを今やっぱりやるべき、復活すべきだというふうに思うんですね。元々あったわけですけど、これ復活すべきだと。
 商品に製造年月日とそれから消費期限だとか賞味期限だとかいうことで併記するということをやって、それで消費者がそれを判断すると、判断に任せればいいと思うわけです。赤福は製造年月日も偽装していたということですから結局はできないんじゃないかと、それを規制できないんじゃないかということも言うかもしれませんけれども、現在製造年月日というのはあくまでもこれ任意なんですよね。だから、法律で禁止されていないものですから物すごく軽い扱いで、それでそれを言い訳にしてやってきているということがあるので、そういう意味では、法律で厳格に位置付けをすればかなりこれは訂正されてくると、改善されると。製造年月日が明記されているわけですから、これ期限の表示の偽装というのはできなくなるんじゃないかというふうに思うんです。
 それで、農水省、厚生労働省それぞれ検討すべきだというふうに思うんですけれども、最初にちょっと厚生労働省の方からお答えをお願いします。
#227
○大臣政務官(伊藤渉君) この件につきましては、食品衛生法及びJAS法において当初製造年月日表示を義務付けておりました。委員御存じのとおりでございます。
 その中で、技術の進歩により、消費者にとっては製造年月日からどの程度日もちするのか適切に判断することが困難であること、また、過度に厳しい日付管理による事業者の深夜、早朝の操業や返品、廃棄等の原因ともなっていたこと、また、国際的な食品規格コーデックスにおいても期限表示が採用されており、これとの調和が求められていたこと、こうしたことなどから製造年月日表示から期限表示に転換することが適当とされ、平成七年四月から期限表示を義務付けているところでございます。
 期限表示に加え製造年月日の表示を義務付けることにつきましては、一つは、消費者にとって期限表示があれば商品の日もちを判断することが可能と考えられること、また、もう一つは、EUやアメリカにおきましても双方の表示の義務付けは行われていないことから適当ではないと考えております。なお、今現在、委員のおっしゃったとおり、事業者自ら製造年月日を任意に表示することについて妨げるものではございませんので、こうした任意の表示も含め、食品表示の指導、監視活動を強化し、適正に図ってまいる考えでございます。
#228
○紙智子君 その過去の経緯というのは、議論はあったというのは当時の議事録読んでいますから分かります。一九九五年以降、それまであった製造年月日を取ってしまったと。そのときに、やっぱり議論になっていた中で、いろいろ労働がどうのという話もあるんですけれども、やっぱり一番大きなものは、アメリカが、結局当時の缶詰の輸出なども含めて、そういう大きな圧力が働いていたということがあると思うんですよ。
 そのときと今、違うわけですから、これだけやっぱり偽装が相次いでいる中で、今やっぱり変えるべきときだというふうに思いますし、この間の、福田総理がこれ十一月の二日の閣僚懇の中でも、今までの仕事は生産第一の視点でつくられてきたので、国民生活、安全、安心の視点が政策の中心になっていないと。消費者、生活者の視点に立って所管法令の総点検を行い、急を要する課題については年内に対策を打ち出すようにと指示をしているわけですよね。五日の国民生活審議会の場でもこういう発言をしているわけですよ。
 ですから、やっぱり今こそ、そういうことも含めて見直しを掛けて、しっかりとしたその対策を打つべきだし、見直しのちょうどいい時期でもあるということで、農水大臣いかがでしょうか。
#229
○国務大臣(若林正俊君) 委員も御指摘になりましたように、かつて製造年月日の表示を義務付けておりました。委員はアメリカからの圧力でこれをやめたんだというようなお話がございましたが、私の方はそう考えていないわけでございまして、このことによりましていろいろな問題が生じておりました。そこで、学識経験者の御意見を聴くということで、食品衛生法につきましては食品衛生調査会、またJASにつきましてはJAS調査会、それぞれ公的な調査会で学識経験者、関係者の意見を慎重に聴取し、いろいろな議論を承った中で今のような形の消費期限表示が適当だと、品質保持期限を表示するというふうに変えてきた経緯がございます。
 製造年月日表示は、商品によってはそれ自身、消費者も判断し得るのがあるんですけれども、先ほど厚生省の方から御答弁を申し上げましたけれども、非常に技術が進歩してきておりますし、商品も多様化してきております。そういう中で、その日もちといいましょうか、それの、どの程度の日もちをするのかということを適切に判断するのは非常に困難な商品が出回ってきております。その意味では、やはり先ほど申し上げましたように、製造業者自身の責任としてこれをきっちり賞味期限を、消費期限を表示させるということを徹底をすると。そしてまた、そのことがもしも、相次いで今発生しておりますけれども、不当な虚偽の表示というようなことになりましたら、そのことをしっかり公示されると、製造業者についてはもう営業の存続が困難になるというほど致命的な打撃を受けるわけでございます。場合によって罰則の適用もあるというようなことでございますから、やはり消費者の厳しい批判を受けることになるということを製造業者、販売業者に徹底をする、そういうコンプライアンスをしっかりと認識して、企業の持続可能性というのはここに懸かっているんだということを徹底するということが何としても必要なんだと、このような認識でおります。
 なお、総理からのお話がございましたことにつきましては承知いたしております。総理の方からは、食品に限らずすべての行政について、食べる、働く、作る、守る、暮らすといったような分野の法律、制度、事業などについてそれが十分かどうかということを総点検をしてもらいたいという指示を受けておりまして、今のお話の中にあります、農林水産省としては、食品であります食べる、それから暮らしの中で国民生活の基本とかかわる分野でございますので、緊急に講ずべき施策を検討をすることといたしておりまして、既に食品の安全性に関しましては先月、総理の指示の前でございますが、食品の信頼確保・向上対策の推進本部というのを省内に立ち上げまして、既に具体的な取組の検討を開始しているところでございますので、消費者あるいは地方の声をしっかりと受け止めながら現場感覚に即した検討を進めていきたいと思っておりますが、委員の御提案のような形で両方を併記することを法律上義務付けるということを今の私の段階でさような方向で検討するというふうに申し上げるわけにはまいりません。
#230
○紙智子君 消費者の皆さん、消費者団体の皆さんからずっとちゃんと明記すべきなんだということが要求として出されて今日まで来ているわけです。ですから、総理が言われるような消費者、生活者の視点からということで再点検ということである以上、やっぱりそういう声を真摯に受け止めて、これだけやっぱり現に偽装が続いて繰り返されてきたわけですし、結局、企業の側のことをおもんぱかって、そこはやっぱりきつくなり過ぎないようにということを言われるんですけれども、しかし、現にこうやって繰り返されてきている以上、やっぱり今ここできっちりと見直しを掛けていくというか再点検をする必要があるんじゃないかということを、ちょっと引き続きこれはこれからも取り組んでいくということを私も申し上げまして、質問を終わります。
#231
○委員長(郡司彰君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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