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2007/12/25 第168回国会 参議院 参議院会議録情報 第168回国会 総務委員会 第12号
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2007/12/25 第168回国会 参議院

参議院会議録情報 第168回国会 総務委員会 第12号

#1
第168回国会 総務委員会 第12号
平成十九年十二月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月二十日
    辞任         補欠選任
     藤末 健三君     榛葉賀津也君
 十二月二十一日
    辞任         補欠選任
     石井 準一君     世耕 弘成君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高嶋 良充君
    理 事
                加藤 敏幸君
                那谷屋正義君
                内藤 正光君
                末松 信介君
    委 員
                梅村  聡君
                加賀谷 健君
                行田 邦子君
                榛葉賀津也君
                武内 則男君
                外山  斎君
                長谷川憲正君
                吉川 沙織君
                礒崎 陽輔君
                岸  信夫君
                世耕 弘成君
                二之湯 智君
                溝手 顕正君
                吉村剛太郎君
                魚住裕一郎君
                弘友 和夫君
                山下 芳生君
                又市 征治君
   衆議院議員
       総務委員長代理  石田 真敏君
       総務委員長代理  今井  宏君
       総務委員長代理  原口 一博君
   国務大臣
       総務大臣     増田 寛也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局長       岡本  保君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政書士法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
    ─────────────
#2
○委員長(高嶋良充君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、藤末健三君及び石井準一君が委員を辞任され、その補欠として榛葉賀津也君及び世耕弘成君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(高嶋良充君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政書士法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省自治行政局長岡本保君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高嶋良充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(高嶋良充君) 行政書士法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院総務委員長代理今井宏君から趣旨説明を聴取いたします。今井宏君。
#6
○衆議院議員(今井宏君) おはようございます。
 ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
 行政書士は、依頼を受けて官公署に提出する書類を作成すること等を業務とし、行政に関する手続の円滑な実施に寄与してまいりましたが、今日、行政書士を取り巻く社会環境が変化する中にあって、一層、国民のニーズを的確に把握し、国民の利便に資するものとすることが求められております。
 このため、行政に関する手続の円滑な実施及び国民の利便向上の要請に的確に対応するとともに、行政書士制度に対する国民の一層の理解と信頼を確保する見地から、本案を提出した次第であります。
 次に、その内容について申し上げます。
 第一に、行政書士は、行政書士が作成できる書類に関連する聴聞又は弁明の機会の付与等の手続に係る行為について、弁護士法第七十二条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除き、代理することができるものとしております。
 第二に、行政書士に係る欠格事由、懲戒、罰則等に関する規定を整備することとしております。
 なお、この法律は、平成二十年七月一日から施行することとしております。
 以上が本案の提案の理由及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
 以上です。
#7
○委員長(高嶋良充君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○那谷屋正義君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の那谷屋正義でございます。
 今日は十二月二十五日、御案内のようにクリスマスということで、その日にこうした質問をすることができるということについて大変光栄に思っておりますし、その日にこの法案ができるということで、是非この法案が広く国民に利用されていくことを望みながら、また、法案について一定確認をさせていただくという観点で質問をさせていただきたいと思います。
 まず、この行政書士法改正案でありますけれども、立法府の本来的な在り方からして、議員立法の取組というもの、そして衆議院におかれましては全会派一致の委員長提案となったということについては高く評価をさせていただきたいと思っております。
 ところで、この法案が閣法ではなく、衆議院の、要するに議員立法が妥当、衆議院の方で提出をされたというふうなことが妥当とした判断基準、その根拠というものについてお答えをいただけたらと思います。
#9
○衆議院議員(今井宏君) 行政書士法は、御存じのように、昭和二十六年の制定が議員立法によって行われたところでございます。その後、何度かの改正もあるわけですが、その都度、議員立法によって改正をされていたと、こういう経過がありまして、全部議員立法でございます。もちろん閣法でほかの閣法と一緒に行政書士法を一部直したところはありますが、それは例外的なものでございまして、通常は議員立法によって改正されていると、こういう経過を尊重させていただきました。
#10
○那谷屋正義君 ありがとうございました。ということで、今回も議員立法でということで理解をしたいというふうに思います。
 ところで、本改正の第一義的な目的は、国民の利益を確保する、また利用者の利便優先等に見いだせるというふうに考えているところでございます。こうした観点からしまして、今回どのような見直しが行われるのか、確認の意味でもう一度お答えをいただけたらと思います。
#11
○衆議院議員(原口一博君) おはようございます。お答えをさせていただきます。
 那谷屋委員御指摘のとおり、正に国民の利便向上のために今回の改正をするわけでございますが、その内容は、行政書士が作成することができる官公署に提出する書類に係る許認可等に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与等の手続に係る行為について代理することを行政書士が非独占業務として弁護士法第七十二条に抵触しない範囲で行うことができる旨を規定するものでございます。
 これにより、例えば建設業者に対する行政庁が許認可取消処分をしようとする場合に聴聞の手続が取られる際や、あるいは行政庁が営業停止処分をしようとする場合に弁明の機会の付与がなされる際に、行政書士が手続を代理することによって、高い専門性を持つ行政書士が当初の建設業の許可申請から聴聞、弁明に至るまで一貫して担うこととなり、事務の迅速化等が図られ、国民のニーズにこたえることとなるものでございます。
 以上、お答え申し上げます。
#12
○那谷屋正義君 今お答えいただいたことというのは、実はこれまでの行政書士の方の仕事といいますか、その業務が広がったということでは必ずしもないんだろうというふうに思うんですけれども、ただし、国民側が行政書士に様々なことを依頼する場合に、文言上にこのことについては触れていないので、このことを行政書士の方に聞いていいのかどうかというような疑問、あるいは自分の中でそれをもうやめてしまうようなことがこれまでにも多々あったのではないかというふうに思うわけでありますが、このことがこうして明文化されることによって、いわゆる町の身近な法律屋さんというふうにこれまで言われてきた経緯もありますけれども、それが実質的になってくるんだろうというふうに思うわけであります。
 ところで、その業務の中身が特に広がったわけではないんですけれども、欠格事由のところが、例えば禁錮以上のところが二年から三年になるですとか、あるいは罰金が額が増えてしまうとか、そうした少しいろいろな、何かあった場合に大変そのことが、欠格事由、罰則等が強化されているということになっているわけですけれども、この必要性はどのように理解をすればいいのか、お答えいただけたらと思います。
#13
○衆議院議員(石田真敏君) 御指摘のように、今回の改正におきましては、欠格事由、懲戒及び罰則に関しまして、他士業との比較、そういう中で改正をお願いしているところでございまして、御指摘のように、業務の禁止の処分を受けた場合、その資格を有しない期間を二年から三年にする、あるいは都道府県知事による業務の停止又は業務の禁止の処分の場合は一年以内から二年以内、さらには守秘義務違反の罰金を五十万から百万へ増額するというようなことを整備を行うわけでございまして、これは他士業との比較を踏まえたものでございまして、これによりまして行政書士の規律の向上を図り、国民の一層の理解を確保できるものというふうに思っておりまして、行政書士制度の基盤を強化することにつながるというふうに考えておる次第でございます。
#14
○那谷屋正義君 行政書士の方のその責任の重さというものも踏まえて、また他の士業と一緒に併せてという、比較をしてということで理解をさせていただきたいというふうに思います。
 ところで、今回の改正は行政書士の皆様方にとっても大変宿願であったといいますか、それがかなったことになるのではないかというふうに思うわけであります。様々なことが一貫して行えるというふうなことについては、かなり業務も国民の皆様のためにやりやすくなったのではないかというふうに思うわけでありますけれども、まずこの行政書士会の本改正に対する評価というものはどんなふうになっているのか、発議者の方にお聞きしたいと思います。
#15
○衆議院議員(原口一博君) お答えいたします。
 正に先生御指摘のとおり、国民のニーズにこたえるとともに、国民の利便に資する、そういう観点から、日本行政書士連合会は、紛争性のない聴聞、弁明その他の手続の代理を行政書士法第一条の三に非独占業務として規定すること、あるいはコンプライアンス強化、基盤の強化という観点から、罰則の強化、資格の欠格事由の拡大等を御要望なさっていたところでございます。こういうことを背景に今回の改正になりまして、事務の迅速化等が図られるなど、正に国民の立場に立った改正がされたものだというふうに評価していただいていると理解をしております。
 また、後段の欠格事由、懲戒及び罰則に関する規定の整備も含め、今回の改正内容は日本行政書士連合会の御要望に沿ったものであり、同会からも評価をいただいているというふうに理解をしておるところでございます。
#16
○那谷屋正義君 行政書士会の方からも高い評価を得られている、また念願のものがここでいよいよ成立するという、そういうふうな評価だということで理解をさせていただきたいというふうに思います。
 そういう中で、そうはいうものの、今後にもしかしたら積み残された課題というものもあるのかもしれないんではないかというふうに今ちょっと思うわけであります。そういったものがあれば、まず発議者の方、そして続いて総務省の方にお尋ねをしたいと思います。
#17
○衆議院議員(今井宏君) 御案内のように、司法制度改革あるいはICT化の進行によりまして行政書士を取り巻く環境が大きく著しく変化をしているところでございます。具体的には、ADRにおきまして行政書士などの活用が可能となるADR法が施行されておるわけでございまして、行政書士の果たす役割はなお一層大きなものになってきているわけでございます。
 こうした中で、ICT化に対応した一層の行政書士の皆さんの研さんを行うなど、資質の向上や、あるいはコンプライアンスの強化を通じまして国民の一層の理解と信頼を得られるものが重要なことになってくるのではないか、このように考えているところであります。
#18
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 今、発議者の方から御答弁がございましたとおり、行政書士を取り巻く状況が変化している中で、その状況の変化に対応しながら、国民から行政書士が期待されている役割というものを的確に果たしていくこと、またその要望の変化に対応していくことが大きな課題であるというふうに考えております。
 お話ございましたようなADRに対します認証事業者の認証を受けるというような努力によってより国民の信頼を一層高めていくということが何よりも当面する課題であると存じますし、また日々の業務、また研修等を通じまして国民の信託にこたえていくということが重要な課題であるというふうに考えております。
#19
○那谷屋正義君 ありがとうございました。
 これからの課題ということで、実際にこれから走ってみないと本当の課題というのは見えてこないかもしれませんが、今この法案を御提出なさるに当たって、やはり一番大事な国民の利益確保、利用者の利便性優先、そして国民からの信頼性を得るという、そのことそのものが今の課題ではないかというふうな御認識であると、このように理解をさせていただきました。
 是非そのことが実現しますことを祈念いたしまして、少し早いですが、これで質問を終わらせたいと思います。
#20
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 行政書士法の改正ということで若干質問させていただきます。今、クリスマスという話ございましたけれども、クリスマスプレゼントにしたかったわけでありますが、どうもお年玉になりそうだという感じもするわけでございますが、待ち望んでいる改正でございますので、しっかりやっていきたいと思っております。
 さて、今回この行政書士法の改正、行政書士が作成できる書類に関連する聴聞又は弁明の機会の付与についての手続に係る行為について代理ができるということでございますが、確かに行政書士さんの先生のところに相談に行って、法律問題の相談も多分あるでしょう。そして、書類を作成してもらって、それに関連する問題点が出てくる。そういうときに、これを新たな段階で代理をしてもらえない、不便だなと。これまた、今度これが訴訟とかあるいはADRとかになったら、これも代理できないとまた不便だなといろいろ考えるところでございますが、今回の改正は非常に大事なことだと思っておりますが、これによって、国民の利便性向上というお話もございましたけれども、この寄与程度はどの程度になるんでしょうか。
#21
○衆議院議員(石田真敏君) 先ほど原口さんからも答弁をさせていただきましたけれども、今回の改正は、行政書士さんが作成することができる官公署に提出する書類に係る許認可等に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与等の手続に係る行為について代理することを行政書士が非独占業務として弁護士法第七十二条に抵触しない範囲で行うことができるということでございまして、これによりまして、先ほども例がございましたけれども、建設業の関係の方とか、あるいは食品を扱っておられる方の営業停止の問題とか、そういうような問題につきまして、高い専門性を持つ行政書士さんがその手続の当初から、許可申請から始まって、そして一貫してやっていただけるということで、非常に事務の迅速化を図れるということにもなるわけでございますし、国民ニーズからいいますと、弁護士さんがなかなか御多忙の中でそういう問題に十分対応していただけないという現実もある中で、行政書士の方が今回の法改正によってその辺りを迅速に、また国民の皆さんの立場に立って対応していただけるものということで、非常にこの利便性向上につながるのではないかと考えておるところでございます。
#22
○魚住裕一郎君 弁護士さんは確かに法律の専門家ではありますけれども、必ずしも行政の手続に精通しているわけではないわけであって、当初から申請書類等に関連されております、かかわっておられます行政書士の先生方が聴聞の手続までおやりになることは非常に大事だなと私も思っております。
 さて、今回の改正でかなり、欠格事由の年数を三年に引き上げるとか、あるいは業務の停止年数を一年から二年に引き上げる、さらには使用人等の守秘義務違反に対する罰金が最大百万円まで引き上げるという、大変厳しくなっているところでございますけれども、この趣旨をもう一度御説明いただきたいと思います。
#23
○衆議院議員(原口一博君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、今回の改正においては、欠格事由、懲戒及び罰則に関する規定について、他の士業法の比較等を踏まえて、今お話しのような主に三つの強化を整備をさせていただいています。守秘義務違反の罰金も、御指摘のとおり多額の、五十万円から百万円への増額という形になっています。これにより、行政書士の規律の向上を図り、コンプライアンスの強化、さらには国民の一層の信頼確保、こういったものに資するものである、これが今回の罰則等を強化する趣旨でございます。
#24
○魚住裕一郎君 そこで、総務省にお聞きしたいと思いますけれども、行政書士に対する懲戒処分の措置請求ということが何人でもできるということでございます。管轄の知事に事実を通知して適当な措置を求めることができるわけでございますが、この請求数というものはこれは増加傾向にあるんでしょうか、減少傾向にあるんでしょうか。そしてまた、ひどい事例もあるようでございますが、行政書士に対する信頼性確保に向けてどのような担保策が考えられるのか。ただ罰則を強化するだけでいいのかという趣旨でございますが、お答えいただきたいと思います。
#25
○政府参考人(岡本保君) 行政書士に対します措置請求の数、直ちにちょっと今、手元に数字ございませんが、二年ほど前に戸籍謄本などを不正に取得していた問題が発生をいたしまして、これに対しまして各都道府県、関係の知事による処分が何件か行われているというような残念な事例が多数あるところでございます。
 そういう意味で、その際にも私どもから行政書士の連合会に対しまして再発防止策につきまして検討を強く求めまして、関係の請求用紙の書式の変更でございますとか、あるいはその取扱い方の改善でありますとか、また関係の市町村におきましてそのチェックを強化するといったような具体的な手続等の厳正化といったことを強く求めたところでございます。
 このような取組と通じまして、また今回の改正によります、これは他の士業との並び、二年を三年にするとかいったようなことは並びの規定でございますが、これによりまして、行政書士会の連合会、また行政書士の中の自治におきますよりコンプライアンスの強化に伴って自律的に強化をしていただくということと同時に、私どもの立場からも、この法令の遵守といったことについて強く求め、また指導していくことが必要であるというふうに感じております。
#26
○魚住裕一郎君 ところで、現在、政府においては電子政府を構築して、やはり住民の利便向上あるいは行政運営の簡素合理化ということでオンライン化が進められているところでございまして、国に対する申請手続等に対するオンライン利用率、二〇一〇年までに五〇%以上とするというふうに目標が掲げられているところでございます。
 オンライン申請というのは、要するに国民がいつでも簡単に申請できるようにするという目的を有するものでございまして、その進展は行政書士の役割あるいは在り方にも影響を及ぼすというふうに考えられるところでございます。行政書士は一層の専門性を有することが求められてくると思うところでありますが、この電子政府の進展の中で、行政書士の在り方について政府はどのように考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#27
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 今の委員御指摘ございましたように、オンラインの利用の状況につきまして数字で申し上げさせていただきますと、国の行政機関に対します全申請で約八億一千二百万程度ございますが、このうちオンラインを利用したものは一億二千万程度で、利用状況は約一五%ということになっております。
 今、十八年度におきまして各行政機関でオンライン化の対象としている手続は、件数ではございませんが、一万四千百四十九種類ございまして、そのうち一万三千四百四十八種類、九五%がオンラインにより申請、届出が行うことが可能だという状況ではございますが、現実の利用状況は今申し上げましたような状況になっているということでございます。
 そういう中で、政府といたしましては、このオンラインによる申請、届出が可能になっている、またその手続といったことについて国民によりきちんと周知をするということが求められているわけでございますし、またそれに対する取組を続けておりますが、同時に、この行政手続に関しまして大きな役割を担っていただいております行政書士の方々の取組といったことについても引き続き大きな役割を担っていただかなければならない。そういう意味でのICT化、行政手続のオンライン化といったことに対応した研さん、あるいはその利用者といいますか申請者の方々との十分な話合い、利用といったことについて行政書士の立場からも取り組んでいただきたいというふうに考えているところでございます。
#28
○魚住裕一郎君 確かに雰囲気が、状況が変わってくるなというふうに思います。今までの代書屋的な業務というよりも、本当にコンサルティングといいますか、そういう専門性を持ってアドバイスするという立場に変わるんだろうなというふうに思うわけでありますけれども。
 そこで、先ほども司法制度参入というお話がございました。私も司法制度改革、担当させていただいたところでございますし、このADR法の成立により大きく前進できたかな、ただ、この行政書士さん、あるいは社会保険労務士さん、あるいは土地家屋調査士さん、将来に、今後に持ち越されたところでございます。この実現を図るには、ただ要求するだけでは駄目で、やはり信頼性の高い能力担保措置、これを講じることが必要だなということと、また相応の実績をつくることが要求されているというふうに考えるわけでございますが、行政書士の諸先生の能力向上と能力担保制度の確立のためにどのような方策が考えられているか、総務省にお伺いをいたします。
#29
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 今委員御指摘のように、司法制度改革の中で二つの取組があるというふうに考えております。
 行政書士につきましては、いわゆるADR法に基づきまして、現在各都道府県に設置されております行政書士会のうち十の行政書士会が民間紛争解決事業者としての認証に向けて準備を進めておられるというふうに承知をしております。また、今御指摘のように、紛争当事者の代理人としての活用につきましては、実績が見極められたところで将来において検討という課題と整理をされております。そういうことの取組に向けましては、何よりも国民に信頼される行政書士ということの実績を積み重ねるということが何よりも一番大事なことであろうと思いますし、またその高度の専門性をより高めていくということが求められるというふうに考えております。
 今回の改正、直接的には司法制度改革とは関係ないわけでございますが、このような改正によりまして国民といろいろな観点における信頼を高めていく、そういう場面が多くなり、その意味で非常に行政書士の資質、信頼といったものを高めていくには非常にいいことではないかというふうに考えております。そういう意味で、より現実の活動の中で信頼を高めていただくということと併せて、先ほど来申し上げておりますように書士会におきます各種の研修、研さんといったものによって資質の向上を努めていっていただきたい、また行政の立場からそれについての投資といったものを行っていきたいというふうに考えております。
#30
○魚住裕一郎君 最後に、いろいろな士業、あるいはお医者さんもそうでございますが、要するに一人法人という問題がございます。弁護士さんは一人で弁護士法人ができる。お医者さんも一人で医療法人できますわね。ただ、行政書士さんの場合、二人以上の資格者が必要となっている。もちろん、全国に広く分布されておりますから、地域においても町の法律家として活躍していただいているわけでございますが、二人でやっていて一人が動けなくなった、亡くなったといった場合、この法人がうまく機能しないという形になってきて、やっぱり規制改革の要望も寄せられているところだと思いますが、一人法人について国民のニーズ、資格者団体の要望、資格者の業務の実態を踏まえ、今後も検討が必要になっていくんではないかと思いますが、総務省の御見解をお伺いをして、終わります。
#31
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 行政書士事務所の法人化につきましては、今御指摘ございましたように、担当者が疾病や事故によりまして業務を行うことが困難になった状況のケースなど、他の社員が代わって業務を行うことで安定的なサービスを提供できるということで、複数の行政書士が共同して利用者に良質で多様なサービスを提供するということが可能なように、そういう制度として行政書士の法人制度というのは設けているところでございます。
 そういうことから申しますと、基本的にはその法人制度の設立には二人以上の社員を擁することがこの本来の制度の目的にはかなうというふうに考えておりますが、一方で、一人の行政書士の方で法人をするといったことの場合に、資産、負債の峻別でありますとか、あるいは依頼者に対する信頼でありますとか、そういう意味から一人法人制度についてメリットがあるということも指摘をされておるところでございます。
 現在、士業の中では弁護士のみが一人法人といったものが認められておりますが、それぞれの特質、それから他の士業との均衡といったことも考慮しながら、今後検討を進めていくことが必要であるというふうに考えております。
#32
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 まず提案者に質問をいたします。
 弁護士でない者が報酬を得る目的で業として法律事務を行えば即弁護士法違反という見解がございます。日弁連も同様の見解のようでありますけれども、本改正案の提案理由説明では、行政書士は、行政書士が作成できる書類に関連する聴聞又は弁明の機会の付与等の手続に係る行為について、弁護士法第七十二条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除き、代理することができるものとしておりますと、こう述べられました。
 そこで伺いますけれども、法律事件に関する法律事務に該当するものと該当しないものに区別をされているわけですが、弁護士法第七十二条の法律事務をこのように区別して解釈することができるのかどうか、また区別して解釈することが一般的に認められているものなのかどうか伺いたいと思います。
#33
○衆議院議員(今井宏君) 山下委員にお答えを申し上げます。
 御指摘ございましたような見解があることは承知はしておりますけれども、弁護士法七十二条では、弁護士でない者が法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱う、このことを禁止する旨が規定されているところでございますけれども、御質問ございますように、この法律事件に関する法律事務に該当するのかどうかにつきましては、紛争性があるかどうか、すなわち法律上の権利義務について争いや疑義が具体的に顕在化しているかどうかで判断することとなるわけでございまして、その判断は可能であると、このように考えておる次第でございます。
#34
○山下芳生君 法律事務のうち紛争のない法律事務については報酬を得て業として行っても弁護士法違反にならないという立場からの御提案だと思います。
 そこで、不利益処分を前提とする聴聞や弁明にはそもそも元々紛争性があるのではないかという批判もございますが、これについて提案者はどうお考えでしょうか。
#35
○衆議院議員(原口一博君) 山下委員にお答えいたします。
 今委員が御指摘のような批判があるということも承知をしておりますが、不利益処分を前提とする聴聞や弁明が行われる場合であっても紛争性がない場合があると私たちは考えております。例えば、依頼者である不利益処分の名あて人が不利益処分について争わないということをしている場合などがこの場合に当たるというふうに考えております。
#36
○山下芳生君 次に総務省に伺いたいと思います。
 二〇〇四年十一月二十六日の「今後の司法制度改革の推進について」という司法制度改革推進本部の決定には、「税理士、不動産鑑定士及び行政書士の代理人としての活用の在り方については、裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の施行後におけるこれらの隣接法律専門職種の手続実施者としての実績等が見極められた将来において改めて検討されるべき課題とする。」とあります。政府としてこの決定をどのようにフォローしておられるんでしょうか。
#37
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 今御指摘ございましたように、平成十六年十一月の司法制度改革の推進本部決定におきましては、司法書士、弁理士等につきましては、裁判外紛争解決手続、すなわちADRにおいて、当事者の代理人としての活用を図るというふうにされました。一方、行政書士につきましては、税理士及び不動産鑑定士と同様にADR法に基づいて、その施行後における認証事業者としての実績等が見極められた将来において改めて検討されるべき課題というふうに整理されております。
 したがいまして、このADR法に基づきまして、各都道府県に設置されております行政書士会でこの認証に向けた準備、研さん、体制の整備といったことが行われているというふうに承知をいたしまして、具体的には十の行政書士会でそのような準備を進められているというふうに承知をいたしております。
 このような取組を通じましてこの行政書士の実績といったものが評価されたことを通じまして、行政書士の活動の舞台といったものがより国民に信頼されるものとなっていくことが必要であろうというふうに感じております。
#38
○山下芳生君 ということは、これからしっかりとフォローしていく、見守っていくということでよろしいでしょうか。
#39
○政府参考人(岡本保君) 今申し上げましたように、そういう取組等を通じて国民の信頼を得られるような行政書士に、より充実をさせていくことが重要であるというふうに考えております。
#40
○山下芳生君 今回の改正の動きがこの政府の司法制度改革とどういう関係にあるのかというのは、先ほど魚住委員から質問があって、直接的には関係はないが、信頼を行政書士の皆さんがかち取る上で非常に重要な改革になるであろうという御答弁がありましたので、そこで、国民の側から考えた場合に、今回の法改正が、これは通告してないんですけれども、どのような意義があるとお思いか、総務省の見解をもしおありでしたら伺いたいと思います。
#41
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 国民の側からいたしましても、先ほど来提案者の方々から御説明がございますように、言わばいろんな行政手続、一貫して行われているわけでございますので、またその手続を進めていく中で、国民の当事者の方と言わばその代理人をされている方との信頼といったものがこのような手続を進めていく上では一番肝心なことであろうと存じますので、そういう意味で、この今回の改正に伴いまして、より行政書士に対する当事者の信頼、先ほども申し上げましたが、信頼がより深まっていく、そういう意味では逆に厳しい目も向くということになろうと思いますが、このことによって、行政書士の側からすればその信頼を高めていくということになりますし、国民の側からもそのような利便性の向上が図れるということであろうと存じます。
#42
○山下芳生君 いろいろな行政手続の迅速化ということになりますと、これは直接の依頼者だけではなくて、更にそのまた関連する様々な国民にとっても利便性が向上するという広義の意義も私は含んでおるんではないかというふうに期待しているところであります。
 さて次に、弁理士、税理士、司法書士、土地家屋調査士、社会保険労務士には一定の範囲で不服審査の代理が許容されております。ところが、行政書士だけが不服審査の代理権が認められておりません。これはどのような理由によるものでしょうか、総務省。
#43
○政府参考人(岡本保君) 不服審査の代理等につきましては、高い専門性が必要だということから、このため、原則としてはまず弁護士法の七十二条におきまして、他法に別段の定めがある場合を除き弁護士でない者はこれを業とすることはできないというふうにされておりまして、弁護士については分野を問わず代理を認めているということでございます。ただし、特定の分野につきましては、その特定分野ごとの高い専門性といったことに着目して、今委員御指摘のような、例えば税理士でございますと租税の分野について不服審査の代理権が認められているということでございます。
 そういう観点から、現時点では、行政書士につきまして特定の分野についての不服審査の代理権といったものが認められるというような体系として整理されているものというふうに考えております。
#44
○山下芳生君 済みません、ちょっと今答弁を私理解しづらかったんですが。行政書士については不服審査の代理権が認められていないというふうに私は理解しておるんですけれども、その理由をもう一度。
#45
○政府参考人(岡本保君) 今申し上げました不服審査の代理権の体系は、基本的にまず全部の分野で限定なしに認めるといったものをまず弁護士で基本形としてつくっていると。その弁護士を基本として認めて、それ以外のものは基本的には駄目だという整理をまずいったんしております。そのうち、例えば税理士であればその税という特定個別の分野という、分野ごとにある意味では弁護士法で他の業の者はできないといったものを個別に解除していっているという体系を取っているというものでございます。
 そういう意味で、行政書士については、個別の分野ということでは特段ないという整理の中で、今の現行法の中では代理権を認めていないということでございますが、私どもの考え方としましては、そういう意味で、行政書士のそういう意味での専門性といったものをより高めるということが必要であろうと思っておりますし、行政書士の方々からもそういう御意見がございますので、その行政書士に関します専門性の向上のための検討といったことを私どもからもお願いをし、また行政書士の方の自発的な具現としてもそういう研究会を立ち上げて今後検討を進めていただくというふうに伺っているところでございます。
#46
○山下芳生君 要するに、行政書士の皆さんの仕事というのはかなり幅広くやられているということだと思います。
 ただ、そういう意味では士業の沿革も違いますのですべて横並びにとは申しませんけれども、同じ士業としてのバランスという面もございますので、今おっしゃったような努力方向で行政書士会の要望にこたえていく意向はおありだというふうに理解してよろしいんでしょうか。
#47
○政府参考人(岡本保君) 今委員御指摘のように、この中でできるだけ国民にとって利便の高いいろいろな制度である必要があるわけでございますから、そういう中で、しかしその士業とのバランス、それから今の全体の制度もございますが、そういう意味で行政書士がより高い専門性を有しているというふうに国民に認められるような、そういう意味での専門性を高めていくという努力と相まってその方向に向かって頑張っていくことが必要だろうというふうに考えております。
#48
○山下芳生君 終わります。
#49
○又市征治君 社民党の又市です。
 本改正案の主眼であります行政書士の代理業務の拡大には賛成をしながら、幾つか確認の意味で質問を総務省と発議者の皆さんにお願いしたいと思います。
 まず、この拡大について、これまで司法書士会や日弁連から慎重であるとか反対であるという意見が出されておりました。例えば、司法書士会からは、手続の代理権がない段階で一足飛びに重大な権利に直接かかわる聴聞、弁明の代理権を持つことは、他の士業の専門特化された手続代理業務権を前提とした制度に比べ、整合性が取れず、国の法制度や資格制度の根幹を揺るがすという、こういう意見がありました。また、日弁連からは、聴聞、弁明の手続は私人と行政庁の利害が対立する法的手続で、聴聞、弁明の結果確定された事実を前提として処分が行われ、国民の権利義務にかかわる法律問題を常に含むのだから弁護士法第七十二条に該当する、こういう意見も、反対意見もあったわけであります。
 これに対して他の士業とどういう調整を行って今回の改正に至ったというふうに認識されているのか、この点は総務省の方からお伺いをしたいと思います。
#50
○政府参考人(岡本保君) 今回の改正に当たりましては、今委員御指摘のような、日弁連を始めいろいろな団体から御意見があったというふうに承知をいたしております。
 そういう中で、各団体と日本行政書士会連合会との中でいろいろな意見交換が行われたというふうに承知をいたしておりますし、またそういうものの状況の中で、発議者の方々等によりますいろいろな意見交換、調整の御努力があって今回の改正法に結び付いたというふうに理解をいたしているところでございます。
#51
○又市征治君 ところで、発議者の方にお伺いをしてまいりますが、今回の改正について、日本行政書士会連合会の「月刊日本行政」二〇〇七年四月号、今年の四月号ですけれども、ここでは聴聞、弁明の代理業務を確認的に追記するんだと、こう書かれております。
 しかし、本来、総務省は、行政手続上は行政書士が聴聞の代理を行うことの制限はないと、こう説明していたやに聞いてきたつもりでありますが、確認的に追記ならばわざわざ法改正することもないのか、こういうふうにも思えるわけですが、これはそういう意味で、確認の意味で改正の意味を発議者の方からお伺いをしたいと思います。
#52
○衆議院議員(石田真敏君) 非独占業務として規定するのであれば意味はないのではないかということでございますが、従来、不利益処分について争わないこととしている場合などにおきましては、その高い専門性を持つ行政書士にこうした手続の代理を依頼をしまして行政庁に対する説明等を行ってもらいたいとのニーズがあったところでございます。
 一方、聴聞又は弁明の機会の付与等の手続につきましては、法制上、行政書士が代理することができるのか否かについて、必ずしも明確ではないとの思いを抱いている依頼者もおられたところでございまして、今回の改正法の規定に基づきまして、依頼者は安心して行政書士さんに依頼することができるようになる、そういう意味で国民の利便性に資すると考えているところでございます。
#53
○又市征治君 私のところにも行政書士の皆さんの中から、日弁連のように日本行政書士連合会の自治権を確立すべきだ、それが専門性を高め、行政書士制度の充実強化を図っていくためにも必要だという声が届けられてまいりました。
 例えば、「月刊日本行政」二〇〇六年、昨年の十二月号ですが、これによりますと、行政書士会の自治権の確保が法定化されることを望むという、こういう記述がありまして、今おっしゃったようなことだろうと思います。それは、今後の課題として行政書士が行政手続や行政不服審査で国民の代理をする、つまり国民の権利、利益を守っていくためにも必要だということだろうと思うんです。
 行政書士会の行政からの独立性、自治権強化を図ることについて、発議者はどのようにお考えになっておられるのか、お伺いしたいと思います。
#54
○衆議院議員(原口一博君) 又市先生にお答えいたします。
 先生がおっしゃるとおりだと思います。今般の改正は、紛争性がない、すなわち法律上の権利義務について争いや疑義が具体的に顕在化していない範囲において、聴聞又は弁明の機会の付与等の手続に係る行為について代理することを行政書士の先生方が非独占業務として弁護士法第七十二条に抵触しない範囲で行うことができる旨を規定するもので、具体的には、依頼者である不利益処分の名あて人が不利益処分について争わないこととしている場合など紛争性のない聴聞等において行政書士が代理人として業務を行うことができるものであって、行政機関等との対立関係を前提とするものではございません。
 しかし、先生が御指摘のように、やはり国民の権利義務にかかわるところ、そこに向かう適正な手続のデュープロセスと申しますか、しっかりとした強化をすること、行政書士会自らが独立し、その自治を、今も発揮をしていただいているという認識でございますが、更にそこを強化していくことが大切であると提案者として考えているところでございます。
#55
○又市征治君 ありがとうございました。
 次に総務省に伺いますが、私たちは今述べてきたように、行政書士の皆さんが今後の業務権限の拡大を求め、これによって国民の権利行使のよき手助けとなってくれることを願うわけでありますけれども、他方で、残念ながら、現在の実情として、行政書士がそのなりわいに関して行った行為によって行政処分すなわち戒告、業務停止や業務禁止を受けたケースがあります。一九七五年度以降で五十件あるというふうに伺っています。その一つのパターンは戸籍抄本や住民票の不正取得であって、これが十件余り占めているようです。
 戸籍法や住民基本台帳法が改正を重ねてプライバシーの厳守が進む中にあっても、行政書士などの士業者は職務上の請求書という用紙を用いて特別に取得が認められている、こういうことなんですが、この地位を悪用して多数の人の戸籍、住民票を取って興信所などの職業的な第三者へ高いお金で横流しをしていたという、こういうケースだと思うんです。
 二〇〇五年に兵庫県で業務禁止となった例と、同じく、同年、二〇〇五年、東京都で八か月の業務停止になった例はどのような事件であったのか。特に私は、この問題は非常に悪質であって、どうも部落差別のための請求だったんではないかというようにお聞きしているんですが、この点について総務省から状況について把握されている点をお知らせいただきたいと思います。
#56
○政府参考人(岡本保君) 平成十七年の六月に兵庫県、東京都等でそれぞれ処分が行われております。
 兵庫県の事例におきましては、他人から第三者の戸籍謄本、住民票の写しの交付の請求のみを依頼され、職務上の請求に該当しないにかかわらず職務上請求書によりまして戸籍謄本等の不正な取得を全国的に行っていた、また帳簿等の保存をしていなかったというような事例であると承知をしております。これに対しまして、兵庫県知事が平成十七年六月七日、業務の禁止命令を科しております。
 また、東京都の事例におきましては、他人から第三者の戸籍謄本の交付の請求のみの依頼を受けておりましたが、職務上の請求に該当しないにもかかわりませず職務上請求書によりまして戸籍等の不正な取得を行い、書類一通につきまして五千円で販売をしていたというような事例というふうに承知をいたしております。これに対しましては、東京都知事が平成十七年六月二十一日、八か月の業務停止命令を科しております。
#57
○又市征治君 今お聞きのとおり、行政処分の中には、不正取得に比べれば罪は軽いと思いますけれども、無資格の補助員に業務をやらせていたとか、また補助員としての登録の義務を果たしていなかったというケースもあるようです。これは顧客に対する法律上の義務違反であると同時に、雇用主としてそこに働く人々に対する責任の問題でもあるわけです。今回の法改正で罰則の強化が行われるのもこうした違反が背景にあるんだろう、発議者の皆さんもそこをお考えいただいたんだろうと思います。
 いずれにしましても、行政書士や他の各種の士業もこういう不正を犯すことなく、法令を遵守し、国民の信頼にこたえるよう各団体、連合会において自主的に規律を高めていただくように努力もお願いしたいし、また業界の皆さんからもそのような努力をしていくんだということの強い決意も述べられているところでもございますけれども、是非とも総務省としてもそのような他の業界も含めて行政指導を強化をしていただくようにお願いをして、そういう中でやはり信頼性が高まっていく、法令がしっかり守られていく、こういうことになっていかないと何のための改正かということになるんだろうと思うんであります。
 そうした各般の努力というものも期待をしながら、最後に総務省からのそうした努力に向けての決意のほどをお伺いしておきたいと思います。
#58
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。
 今委員正に御指摘いただきましたように、行政書士を始めといたしまして各士業がそれぞれの業務分野におきまして国民の信頼を得て、国民の利便の向上のためにそれぞれその業務を全うしていただくということが何よりも肝心なことであると考えております。そういう意味で、先ほど御報告させていただきましたような住民基本台帳等、市町村の窓口におきますいろいろな法令の遵守という日常の活動におきます正に遵守が肝心なことでございますので、そういう徹底に向け、私ども関係省庁とも連絡取りながら、そういう法令遵守の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
#59
○又市征治君 終わります。
#60
○委員長(高嶋良充君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 行政書士法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#61
○委員長(高嶋良充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(高嶋良充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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