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2007/10/23 第168回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第168回国会 本会議 第7号
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2007/10/23 第168回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第168回国会 本会議 第7号

#1
第168回国会 本会議 第7号
平成十九年十月二十三日(火曜日)
    ―――――――――――――
  平成十九年十月二十三日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(河野洋平君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案(内閣提出)の趣旨説明
#3
○議長(河野洋平君) この際、内閣提出、テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣町村信孝君。
    〔国務大臣町村信孝君登壇〕
#4
○国務大臣(町村信孝君) ただいま議題となりましたテロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案について、その趣旨を御説明いたします。
 我が国が、テロ対策海上阻止活動を行う諸外国の軍隊等に対し、現行のテロ対策特別措置法に基づき実施した海上自衛隊による給油その他の協力支援活動は、国際的なテロの防止及び根絶のための国際社会の取り組みに貢献し、国連安保理決議第千七百七十六号において、その貢献に対する評価が表明されております。また、いわゆる九・一一テロ攻撃による脅威がいまだ除去されていない現状において、国連安保理決議第千三百六十八号その他の安保理決議を受けて、国際社会はさきに述べた取り組みを継続し、その一環として、諸外国の軍隊等がテロ攻撃による脅威の除去に努めることにより国連憲章の目的の達成に寄与する活動を行っております。さらに、国連安保理決議第千七百七十六号においては、諸外国の軍隊等によるこの活動の継続的な実施の必要性が強調されております。
 本法律案は、これらの状況にかんがみて、テロ対策海上阻止活動を行う諸外国の軍隊等に対する補給支援活動の実施により、我が国がさきに述べた国際社会のテロ根絶へ向けた取り組みに引き続き積極的かつ主体的に寄与し、もって我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的として提出するものであります。
 以上が、この法律案の提案理由であります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 第一に、基本原則として、政府が補給支援活動を適切かつ迅速に実施すること、補給支援活動の実施は武力による威嚇または武力の行使に当たるものであってはならないこと、補給支援活動は戦闘行為が行われることのない地域等で行うことなどを定めております。
 第二に、補給支援活動を実施するに当たっては、あらかじめ、閣議の決定により実施計画を定めることとしております。
 第三に、補給支援活動としての物品及び役務の提供の実施について定めております。
 第四に、防衛大臣またはその委任を受けた者は、諸外国の軍隊等から申し出があった場合において、その活動の円滑な実施に必要な物品を無償で貸し付け、または譲与することができることとしております。
 第五に、内閣総理大臣は、実施計画の決定または変更があったときはその内容を、また、補給支援活動が終了したときはその結果を、遅滞なく国会に報告しなければならないこととしております。
 第六に、補給支援活動の実施を命ぜられた自衛官は、自己または自己とともに現場に所在する他の自衛隊員もしくはその職務を行うに伴い自己の管理下に入った者の生命または身体を防護するために、一定の要件に従って武器の使用ができることとしております。
 なお、この法律案は、施行の日から起算して一年を経過した日にその効力を失うこととしておりますが、必要がある場合、別に法律で定めるところにより、一年以内の期間を定めて効力を延長することができることとしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#5
○議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。浜田靖一君。
    〔浜田靖一君登壇〕
#6
○浜田靖一君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました法律案について、賛成の立場から質問をいたします。(拍手)
 まず、端的に問いたい。現在海上自衛隊が行っている活動が、どれほど我が国の国益と我が国が果たすべき責任に資するものであるかと。法案に反対される方は、この活動が、国益にも、国際社会に対する責任を果たすことにもなっていない理由を明確にお述べになるべきです。
 本年八月、私は、衆議院テロ対策特別委員長として、インド洋の現地を視察し、活動の現場に立ったときの感動を忘れることができません。体感温度は五十度を超え、湿度も高く、甲板は七十度以上にやけた、過酷な環境でありました。
 艦船は、補給のときが攻撃に対して最も危険な状態にあります。さまざまな脅威に細心の注意を払いつつ長時間にわたり正確に補給をする高度な能力は、米英、そして我が国のほか数カ国しか有しておりません。この補給活動がどれほど有益か、そして補給を受ける諸外国がどれほど感謝し、これを必要としているかを目の当たりにいたしました。
 我が国は、石油のほぼ一〇〇%を輸入に頼り、そのうち九割を中東地域に依存しています。中東地域やペルシャ湾を含むインド洋の安定は、すなわち我が国の死活的な国益なのです。洋上哨戒活動を行う他国の艦船の活動を支え、チームの一員として担う役割は極めて重要です。
 民主党の方々は、これを、国連決議の大義なき戦争に加担していると言われます。本当にそうでしょうか。なぜ理解しようとなさらないのでしょうか。
 アフガニスタンは、いまだ、麻薬の原料となるケシの世界流通量の実に九三%を生産しています。これは、テロリストの資金源となり、さらに、違法な武器の取引に使われています。アフガニスタンに安定を取り戻すことは、テロとの闘いにおいて極めて重要であります。
 我が国が自衛隊を使ってまで国際社会のために活動するか否かという意思決定は重大です。これは当然、我が国が自身の国益を冷静に判断して行うべきものであって、単に国連決議のあるなしという形式的な基準に置くなど、あってはなりません。ユナイテッドネーションズは直訳すれば連合国であり、あくまで主権国家の集まりです。世界政府などでは決してなく、集団安全保障のシステムとして理想の姿にもなり得ておりません。
 この現実を踏まえた上で、国連決議によって我が国の自衛隊の活動の可否を決めるならば、常任理事五カ国のうち一カ国でも拒否権を行使すれば、国益のために必要でも自衛隊は動かさないという、民主主義を根底から否定する極めて非常識な議論であると考えますが、総理の御意見を伺います。
 米国のアフガニスタンに対する戦いに加担する憲法違反の行為であるとの批判は、事実誤認の議論であります。他国の参加状況を見ると、G8の国だけを見ても、タリバンやアルカイダを掃討するOEF、治安を維持するためアフガン政府を支援するISAF、民生を軍民で支援するPRT、そして海上阻止活動であるMIO、これら四つの活動のすべてに米、英、カナダ、フランスが参加し、イタリア、ドイツもそのうち三つに参加しております。全く参加していないのは、かつてソ連時代にアフガニスタンと戦ったロシアだけです。
 総計四十カ国がテロとの闘いに参加している現状にもかかわらず、どうしてこれを米国の戦いと決めつけるのか。我が国は海上阻止活動の後方支援のみに参加をしておりますが、これもやめるとなれば、国際社会において極めて特異な立場に立つこととなります。
 日本は国際社会から多くの利益を得ている国であり、その自覚がないのは、恥を通り越して罪だと私は考えます。日本ほど豊かでない国でも、多くの犠牲を払ってまでこの活動に参加していることを、我々は重く受けとめなければなりません。
 民主党の中には、現在インド洋で行っている活動は、集団的自衛権を認めなければできない活動として反対しています。しかし、現在インド洋でやっている海上自衛隊の活動が集団的自衛権の行使であるとすることは、明らかに誤りです。この論理を突き詰めれば、周辺事態における我が国の後方支援活動も違憲であり、日米安全保障条約に基づいて我が国が米軍に基地を提供していること自体も集団的自衛権に基づくものと整理されてしまいます。それでは、現行憲法の解釈として正しいものだとは思えません。
 そして、我々は、このような根本的な議論を避けて通ることがあってはなりません。これを受けて立ち、国民の前に我々の考え方を明らかにする責任があると考えますが、総理の御見解を承ります。
 我々は一方で、傾聴すべき意見は、国民的な議論のもとにこれを取り入れていかなければならないと考えます。例えば、アフガニスタンの領土内における人道復興に政府としてさらなる支援をすべきだということについては、真剣に検討する必要があろうかと存じます。これまでにも政府は総額十二億ドルもの支援をしてきており、現在も四十名弱のNGOの方々が現地で活動されております。
 にもかかわらず、タリバン勢力は現地の貧困や不満を背景に、その復活を図ろうとしています。我が国は参加していませんが、ISAF、PRTといった各種の活動と連携して、治安と民生を安定させるのは評価されるべき行為だと思います。
 しかし、ここで考えなければならないのは、この活動をする方々の安全をどう確保するかということであります。警護する部隊もなく、武器の使用権限も他国に比べて制限されたままで民生支援を行えば、まさに弱い味方は敵より怖いということになり、他国にも大きな迷惑をかけ、活動全体の障害になりかねないのです。
 国連決議のあるISAFへ協力すべきだとの議論も、広く議論すること自体を私は否定するものではありません。しかし、ISAFのみならず、アフガニスタン領域における治安維持活動は、既に多くの犠牲を伴っている危険かつ過酷な活動です。派遣は、相応の武器使用権限と警護任務を付与しなければならない、それが国際社会の常識であり、我々の覚悟であるべきです。政府の御見解を賜ります。
 このように、幅広く検討してみれば、現在のインド洋における給油活動は、安全を確保しながら果たすことのできる我が国にとって最善の選択肢であり、また、多くの国との関係において、その中断期間は短くあるべきだと考えます。
 今回、活動の実施措置に係る国会承認規定が除かれております。このことが文民統制において、これを損なうものではないということについて、政府の考えを求めます。
 補給量の取り違えや、航泊日誌の誤破棄事案、さらには前事務次官の自衛隊倫理規則違反など、本来あってはならない事件が続出し、今、文民統制にふさわしい組織のあり方が問われています。本年、防衛庁が防衛省に移行いたしましたが、名前だけが変わり、実体が伴っていないのではないかとの念を捨て切れません。活動継続に当たり、この点をあいまいにすることは許されないものと考えますが、政府の所見を承ります。
 このような状況に直面して、私は、一般法を制定する必要性を痛感しています。
 実力部隊である自衛隊の海外における活動は、抑制的であるべきことは当然ですが、いついかなるときに自衛隊を派遣するかの原理原則、国際社会や国連との関係、国会の関与のあり方、武器使用基準のあり方などを定め、適切な文民統制のもと、迅速性と的確性を確保することが求められます。
 昨年夏、自民党国防部会防衛政策小委員会は、一年にわたる党内の議論を経て、一般法の原案を提示いたしました。その内容は、現行憲法のもとで許される最大限の活動をメニュー、選択肢として提示し、我が国の活動の範囲をあらかじめ内外に示すものであり、この枠組みの中から政府が基本計画という形で活動内容を選択し、それに対して主権者の代表たる国会が厳格に関与をするというものであります。
 一般法は自民党の公約です。自衛隊法において国際活動が本来任務化したことに伴って、この一般法はもはや議論すべき段階ではなく、早急に実現させるべき喫緊の課題であると考えます。
 次期国会において、政府・与党としてあるべき法律案を示し、我が国の国際活動の理念と枠組みを定めることが必要であると考えますが、総理の見解を承ります。
 以上、国際社会の安全と我が国の独立と平和を守るために昼夜を分かたぬ活動を続けている自衛隊の諸官に心より敬意と感謝の誠をささげ、本案が可及的速やかに多くの賛成を得て可決、成立することを望みまして、私の質問を終わりといたします。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田康夫君登壇〕
#7
○内閣総理大臣(福田康夫君) 浜田議員からお尋ねがございました。
 まず、海外における自衛隊の活動と国連決議の関係についてでございます。
 集団安全保障制度の一環として国連憲章が当初想定していたいわゆる正規の国連軍、これはいまだに設けられたことはございません。現実には、国連決議に基づくものを含めた各種の平和活動について、各国は、国家としての主体的判断に基づき、その関与のあり方を決定した上で活動をいたしております。
 自衛隊による国際平和協力活動につきましても、当該協力活動の実施が我が国の国際的地位と責任にふさわしいものであるのかどうか、中長期的にも我が国の国益に合致するものであるかどうか、自衛隊の能力を活用する必要性があるのかどうかなどにつきまして、個別具体的事例に応じ、立法過程等を通じ国民的な議論を経た上で実施をしてまいります。
 今後とも、国会を含む国民的な議論を踏まえつつ、我が国として主体的に判断すべき問題であると考えております。
 次に、インド洋における海上自衛隊の活動と集団的自衛権の行使についてのお尋ねがございました。
 集団的自衛権とは、国際法上、一般に、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利をいうと解されております。
 このように、集団的自衛権は、国家による実力の行使についての概念であります。したがって、そもそも実力の行使に当たらない行為については、集団的自衛権の行使といった問題は生じません。
 現在、インド洋で海上自衛隊が行っている補給活動も明らかに実力の行使には当たらないため、集団的自衛権の行使といった問題が生じることはございません。
 また、現行のテロ対策特措法に基づく補給活動は、それ自体武力の行使に当たらず、また、我が国の活動の地域が非戦闘地域であること等の法律上の枠組みが設定されているため、憲法第九条に違反することはないものと考えております。
 なお、周辺事態安全確保法に基づく後方地域支援や、日米安全保障条約に基づく米軍への基地の提供についても、憲法上何ら問題ないことは言うまでもありません。
 次に、三問目でございます、国際平和協力活動に関する一般法を早期に整備すべきとの御指摘がございました。
 近年の国際情勢の変化を受けた国際平和協力のための多様な取り組みに機動的に対応して、我が国として的確な国際平和協力の推進を図る必要がございます。
 国際平和協力のためのいわゆる一般法の整備については、政府としての考え方をいつ、どのような形でお示しできるか、具体的なお答えをできる段階にはございませんが、世界の平和と安定に一層貢献するためにも、与党における議論を初め、国民的な議論を十分に踏まえて検討していくべきものであると考えております。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣町村信孝君登壇〕
#8
○国務大臣(町村信孝君) 浜田議員にお答えをいたします。
 活動の実施の措置に係る国会承認規定が除かれていることについてのお尋ねがございました。
 現行のテロ対策特別措置法においては、基本計画に定められた具体的な協力支援活動、捜索救助活動または被災民救援活動を実施することについて、自衛隊の派遣先の外国の範囲を明示しつつ国会承認を受けており、それによりシビリアンコントロールを確保しております。
 これに対し、本法案においては、活動の種類及び内容を補給、すなわち給油及び給水に限定し、また、派遣先の外国の範囲を含む実施区域の範囲についても法律で明示することとしているわけであります。
 その結果、現行のテロ対策特別措置法において国会承認となった項目はすべて本法案に書き込まれることになるため、法案の国会審議そのものがテロ特措法に基づく国会承認と同等と見ることができるので、本法案が国会において可決、成立すれば、その後、重ねて国会承認を求める必要はないと考えるわけでございます。
 したがいまして、本法案には国会承認に関する規定を設けておりませんが、国会によるシビリアンコントロールについては本法案においても十分かつ的確に確保されていると考えております。(拍手)
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
#9
○国務大臣(石破茂君) 浜田議員にお答えをいたします。
 まず、アフガニスタン領域での治安維持活動への自衛隊の派遣についてお尋ねがありました。
 現在、アフガニスタンでは、極めて厳しい治安情勢の中で、ISAFがアフガニスタン国内の治安の維持のための活動を行っておると承知しております。そのような状況の中で、ISAFは、やむを得ず相当強度の高い実力の行使を強いられることが少なくないとも聞いており、ISAFで活動する各国部隊の犠牲者数は三百名にも上る、そのように言われております。
 このような活動を自衛隊が実施いたします場合には、武器使用のあり方やどのような任務を付与するかといった、浜田議員御指摘のような論点もございます。いずれにせよ、本件は、憲法解釈の問題を含むものであり、多方面から検討する必要があると考えております。
 また、要員の安全確保に加え、我が国による効果的な貢献ができるか否かという観点からも、総合的な判断が必要になると考えております。
 次に、文民統制にふさわしい組織のあり方についてのお尋ねがございました。
 今般、給油量取り違えが生じたことは、文民統制にかかわる極めて重大な問題であると考えております。私は、このことを一個人の責任に帰して終わりということであってはならない、このように考えております。組織的、構造的な問題である、そういうことであります。
 このため、文民統制の徹底を図るとの観点から、防衛省の組織のあり方を含め抜本的な措置を講ずるべく、昨日、防衛大臣を長といたします検討委員会を立ち上げたところであり、今後精力的に検討を進め、所要の措置を講ずることといたします。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(河野洋平君) 鉢呂吉雄君。
    〔鉢呂吉雄君登壇〕
#11
○鉢呂吉雄君 民主党の鉢呂吉雄です。
 民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりましたいわゆる新テロ対策特措法案について質問をいたします。(拍手)
 法案を議論するに当たり、まず、現行のテロ特措法に基づいて自衛隊が行ってきた六年間の活動の総括が不可欠であります。
 民主党は、今回、予算委員会や党の外務防衛部門会議などで、政府に対して情報開示を求め続けてまいりましたが、重要な部分は全く明らかにされませんでした。政府は、作戦上の理由や隊員の安全、諸外国との関係を理由に、情報公開を拒否しております。しかし、アメリカは、自国の艦船の航海日誌で、補給を受けた日本の艦船名や給油量を公開しています。日本側は、同様の情報公開を拒否するか、資料が出てきても墨塗りだらけで、意味がありません。
 総理は、所信表明で、国民と国会によく説明してと決意を述べられておりますが、我が国の補給艦がいつ、どこで、どのくらい給油、給水をしたのか、補給を受けた各国艦船がどのような作戦に参加したのか、間接的なものを含め、すべて公開することを約束すべきであります。答弁を願います。
 アメリカは、日本に比べますと驚くほど軍事事項を公開しています。情報公開を徹底することで、軍事組織に対する国民の監視、シビリアンコントロールを日常的に実現しているのだと考えますが、総理のシビリアンコントロールに対する考え方につき、答弁を願います。
 国権の最高機関たる国会に、法律を議論するための必要な情報を提供しない外務省や防衛省に対し、総理として毅然たる姿勢で開示を断行させると同時に、国会が国政調査権を行使できるよう自民党総裁として指示すべきではないでしょうか。答弁を求めます。
 イラク作戦への燃料転用疑惑は、二〇〇三年五月六日に、米司令官の、空母キティーホークは海上自衛隊から間接的に八十万ガロンの燃料補給を受けたという発言から、当時も国会で大きな議論となりました。
 福田総理は、当時官房長官でした。翌日の二〇〇三年五月七日、福田官房長官は、そういうことは当然ないとアメリカに確認したと会見し、そのことについて、先日の予算委員会では、当時は当時の知見で答弁をしたと述べられました。二〇〇三年五月七日時点では、だれに対し、どのような内容をアメリカに確認したのですか。給油量を確認しなかったと言われておりますが、なぜアメリカ側に数量の確認をしなかったのか、そうであれば、最初から意図的に数量を改ざんする考えがあったのではないか、アメリカとの確認した資料の提出を含め、総理の詳細な答弁を求めます。
 その後、二日後の五月九日の記者会見では、官房長官、福田総理は、二十万ガロンの給油を認めた上で、キティーホーク一日分の消費量に当たるので、イラク関係に使われることはあり得ないと発言されました。これは、どの省庁からどのような経緯で伝えられ、官房長官として五月七日の会見内容との食い違いをどう確認して会見に臨まれたのか、まさに総理自身の責任にも発展しかねないことでありますので、詳細な答弁を求めます。
 今般、補給艦「ときわ」からペコスへの給油量は、実際には約八十万ガロンであり、集計表の転記ミスであったことを十月十日の予算委員会で石破大臣が答弁されましたが、昨日、その二〇〇三年当時から防衛庁はミスを知りながら訂正しなかったことが明らかになりました。子供でもわかるようなミスで、しかも、当時からわかっていたのに訂正しない。これは単なるミスではなく意図的な改ざんであり、給油が法の目的に違反してイラク作戦に転用されていたことを国民と国会に隠ぺいしようとする最も悪質なうそで、シビリアンコントロールの本質にかかわる重大な問題だと考えますが、総理の答弁を求めたいと思います。
 総理は、昨日、私まで疑われると発言されましたが、まさに総理の文民責任者の力量が疑われているのであるというふうに思います。文民の責任者が、海上幕僚監部という制服のうそを放置したまま、国民と国会に対して虚偽の答弁を行った責任は極めて重いと言わざるを得ません。当時の官房長官、防衛庁長官である福田総理、石破防衛大臣はこの責任をどうとるつもりなのか、御答弁を願いたいのであります。
 民主党は、うその経過を明らかにするため、当時の守屋武昌防衛局長、石川亨統合幕僚会議議長、古庄幸一海上幕僚長など八名の証人喚問を求めます。総理は、自民党総裁としてぜひ同意すべきと考えますが、御答弁を求めます。
 また、二〇〇三年二月二十五日の補給艦「ときわ」の航泊日誌には、ミサイル搭載可能な米イージス艦ポール・ハミルトンへの給油が記録されていることも今回明らかになりました。これもイラク作戦に従事していた疑いが極めて強いとして、石破大臣は調査を約束されていましたが、その結果につき御答弁を願いたい。
 さらに、補給艦「とわだ」の航泊日誌が、保存期間内にもかかわらず破棄されていたことが民主党の部門会議で明らかになりました。このように、都合の悪いものは意図的に隠しているのではないかと疑いたくなることが頻発をしております。防衛省の文書管理はどうなっているのか、説明を求めるとともに、せめてテロ特措法等の重要な自衛隊の海外活動については文書保存期間を延ばすなど改善を図るべきだと考えますが、防衛大臣の答弁を求めます。
 先日の米国防総省の発表は、日本が補給した燃料を任務ごとに追及するのは困難であり、加えて、艦船は複数の任務につくというものでありました。実質的にテロ特措法の目的外の任務につくこともあることを表明したものと考えます。政府は、テロ特措法に基づく給油はイラク作戦に使うことはできないと説明をしておりましたから、これはまさに法律違反ではないですか。総理の答弁を求めます。
 最近、政府・与党が声高に主張する、インド洋への自衛隊派遣はシーレーン防衛であり、国益上重要だとの論調は、現行法や新法案の目的には一言も書かれておりません。シーレーン防衛は法の目的外と言わなければならないと思いますが、法案とシーレーン防衛の関係について、総理の見解を伺います。
 本年八月末時点で、補給に要した経費は約二百二十一億円、派遣自衛隊員の人件費等活動経費を含むと総額約六百億円にも達します。この間、燃料の調達は二社の随意契約によって行われており、民主党はその情報公開を求めてまいりました。しかし、なぜ商社から購入するのか、その価格は適正なのかという核心部分については、全く不透明なままであります。
 折しも、守屋前防衛事務次官が防衛専門商社山田洋行元幹部からゴルフ、飲食接待を受けていたことが明らかになりました。航空機エンジン納入をめぐる口きき疑惑も浮上しております。小池前大臣は在職中、守屋前次官にそのようなうわさがあったと発言をされておりますが、石破大臣は、守屋前次官にどのような疑惑があり、本人への事情聴取も含めどのような確認をしているのか、答弁を願いたいのであります。
 八十万ガロン問題とあわせ、守屋前次官の証人喚問が法案審議の前提と考えます。石破大臣も前向きと聞いておりますが、総理も自民党総裁として同意していただけますね。答弁を求めます。
 アフガニスタンの今日の情勢は、残念ながら一層混迷し、不安定化しております。多国籍軍による武力行使により、昨年だけで五千人以上の一般市民が巻き添え死亡したとも言われており、OEFの司令官は、だれと戦っているのかわからなくなったと述べております。国連アフガン支援ミッションも、二〇〇五年から六年にかけて自爆テロの件数が七倍にふえたと指摘した上で、軍事的手法のみでは短期的で不十分な結果しか出せない、反乱勢力の支持基盤を侵食し、封じ込め、減少させるためには、直ちに政治的な努力を行うことが必要であると述べております。治安、警察を再構築し、ケシ栽培から食料生産へ転換させる農業支援、教育、医療への取り組み等が求められております。
 民主党は、テロ根絶には貧困の克服と生活の安定が不可欠であると考えます。現在のテロ掃討作戦がテロの抑止と治安改善に効果を上げていない現実を踏まえ、アフガニスタンの包括的な和平合意のための国際会議を主導し、和平合意に基づき、農地の復興やかんがい施設整備等による食料生産の確保、医療の提供、警察行政などの改革、被災民に対する援助を重点に行うなど、民生人道支援を中心とした民主党の考え方をまとめていきたいと思います。
 るる申し上げましたが、六年間の活動の総括がなされないまま、新法の議論を行うことはできません。その上で、あえて新法の問題点を提起したいと思います。
 まず、本法案の目的は給油活動の継続にありますが、給油活動の問題点については幾つも指摘してきたとおりであります。間違ったことを目的としていることが本法案の最大の問題点であります。
 次に、国会承認を外すことはシビリアンコントロールの軽視であると断定せざるを得ません。今回、シビリアンコントロールの根幹を揺るがす問題が噴出していることから、なおさら実力部隊を海外に派遣する際には議会の承認を経ることが必須と考えますが、総理の御見解を求めます。
 現行法の根拠とされ、新法にも引用されている国連安保理決議一三六八は、テロ行為を防止し抑止するため一層の努力を国際社会に求めていますが、自衛隊の派遣を直接的に要請する内容ではありません。また、この法案では決議一七七六に二度も言及していますが、決議の主文は、自衛隊の貢献に対する評価ではなく、ISAFの任務の一年延長であります。そもそも、決議一七七六の中にMIOへの謝意が盛り込まれたことは、日本政府のなりふり構わぬ働きかけ、ロビーイングによるものであることは公然の事実であります。政府が決議に謝意を潜り込ませ、それを根拠に法案をつくるのでありますから、ほとんどやらせと言ってもよいでしょう。
 また、現在の活動を踏襲する以上、イラク作戦への転用や武力行使につながるという疑念を免れることはできません。政府は給油した艦船の行き先すら把握していないわけですから、そのような状況下でどのように活動を限定するのか。アメリカも他の作戦に転用することを否定できない中、活動の限定方法について、総理の御答弁を求めます。
 本法案は一年の時限立法となっていますが、これは、状況が好転するにせよ、悪化するにせよ、一年で撤収するということでしょうか。それとも、最初から延長ありきで漫然と活動を継続するつもりなのでしょうか。自衛隊を派遣する以上、どのような状況になったら撤収するという出口戦略が描けなければならないはずです。政府はどのような出口を想定しているのか、総理の答弁を求めます。
 本法案が成立しない限り、九日後の十一月一日の期限をもって、海上自衛隊はインド洋から撤収することになります。この事態を引き起こしたのは、野党が反対しているからではなく、すべて自民党、公明党、政府の責任であることを総理は潔く認めるべきであります。参議院選挙後、活動継続が必要なら……(発言する者あり)
#12
○議長(河野洋平君) 御静粛に願います。御静粛に願います。
#13
○鉢呂吉雄君(続) 参議院選挙後、活動継続が必要なら審議は十分にできたのであり、まさに与党のこの間のどたばた劇、無責任きわまりない、政権担当力のなさを見せつけた、その結果と言わざるを得ません。期限直前の今になって場当たり的な法案を出しても、参議院の与野党逆転の状況を見据えれば、法案成立は不可能であります。ここは法案を取り下げるべきと考えますが、総理の率直な考えを伺いたいのであります。(発言する者あり)
#14
○議長(河野洋平君) 鉢呂君、申し合わせの時間が過ぎました。なるべく簡単に願います。
 議場の諸君は静粛に願います。
#15
○鉢呂吉雄君(続) この六年間の補給活動が、本当にテロ撲滅やアフガニスタンの安定に役立ってきたのか、目的外のイラク作戦に使われたのではないかということを、国政調査権を活用して情報公開を徹底して行い、業者との癒着構造や、シビリアンコントロールを危機に陥れた隠ぺい体質をしっかり国民の前に明らかにすることが先決でなければなりません。
 そして、国民への情報隠しや政官業の癒着を打開するには、衆参のねじれを解消する衆議院の解散・総選挙で国民の信を問い、民主党に政権を明け渡すことであることを訴え、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田康夫君登壇〕
#16
○内閣総理大臣(福田康夫君) 鉢呂議員から、まず、自衛隊の活動における情報の開示についてのお尋ねがございました。
 テロ対策特措法に基づく自衛隊の活動については、法の趣旨にのっとって行われていることに国民の御理解が得られるよう、必要な情報の開示に努めるべきものでございます。
 しかしながら、給油量の取り違え事案において、海上幕僚監部の担当課長レベルで情報の取り違えに気づいていたにもかかわらず、その上司や防衛省関係部局に報告が一切行われなかったことは、防衛省や自衛隊の事務処理のあり方に対する国民の信頼を損ねるとともに、シビリアンコントロールの観点からも問題であり、遺憾でございます。
 私は、防衛大臣に対し、速やかに事案の調査を徹底して、厳正な処分と実効ある再発防止措置を講じるとともに、幹部職員初め全職員、全隊員が厳正な規律を保持し、真摯に職務に取り組むよう、組織の掌握、管理の徹底に全力を尽くすよう指示したところでございます。
 今後とも、自衛隊の活動について国民の御理解を得るとともに、充実した法案審議に役立つよう、防衛省において私の指示を徹底させつつ、可能な限り積極的に情報開示を行わせていく所存でございます。
 なお、開示が困難な場合は、防衛省においてその理由を明らかにして、丁寧に御説明をさせていく考えでございます。
 次に、情報公開とシビリアンコントロールに対する考え方についてお尋ねがございました。
 シビリアンコントロールとは、軍事に対する政治の優先、軍事に対する民主主義的な政治統制を意味するものでございまして、我が国においても、国会、内閣、防衛大臣というさまざまなレベルでシビリアンコントロールが制度的に担保されております。御指摘の情報公開は、国民に自衛隊の活動を知っていただき、シビリアンコントロールを補完していく上で重要な要素と考えております。
 次に、国会への情報開示と国政調査権の行使についてお尋ねがございました。
 充実した法案審議を行っていただくために必要な情報については、可能な限り御要望に応じて開示していきたいと考えております。
 国政調査権の行使など具体的な国会運営に関することにつきましては、国会がお決めになることであり、私が申し上げる立場にありません。
 政府といたしましては、国会から御質問があれば、一つ一つ誠意を持って御説明させていただきたいと考えております。
 次に、平成十五年当時の私の記者会見での発言の経緯についてのお尋ねがございました。
 まず、平成十五年五月六日午後の私の記者会見で、イラク戦争に参加したキティーホーク空母戦闘群の司令官が、海上自衛隊から米補給艦が給油を受けた旨の発言をしたことについて質問があり、私から確認をする旨の発言をしました。この司令官の発言の趣旨について、翌七日、米国政府と米海軍は、海上自衛隊から提供を受けた燃料について、テロ対策特措法の趣旨、目的を外れて使用したことはなく、今後も使用することはあり得ない旨、米側に確認したとの防衛庁からの報告に基づき、同日午前の記者会見で私から、この報告内容の趣旨とともに、今のところそれ以上のことはわからないが、防衛庁の方でさらに調査する旨の発言をしたところでございます。
 御指摘の五月九日の私の記者会見での発言は、同日の防衛庁からの二十万ガロンの補給及び消費についての追加報告に基づくものでありますが、これは、七日の記者会見を補足、追加するものではあれ、御指摘のような食い違いはなく、そのときの私の発言の趣旨は一貫していると考えております。
 この経緯に関する資料の提出については、できる限り対応いたします。
 次に、給油量取り違え、私の官房長官時代の答弁及び証人喚問についてお尋ねがございました。
 給油量の取り違えについては、海上幕僚監部の担当課長レベルで重大な情報の取り違えに気づいていたにもかかわらず、その上司や防衛省関係部局に報告が一切行われなかったことは、防衛省や自衛隊の事務処理のあり方に対する信頼を損ねるとともに、シビリアンコントロールの観点からも問題であり、遺憾であります。
 また、この結果として、私が国会等の場において誤ったデータを用いて答弁したことは、まことに遺憾でございます。
 給油量の取り違えについては、さきに申し上げたように、私は、防衛大臣に対し、速やかに事案の調査を徹底して、厳正な処分と実効ある再発防止措置を講じるとともに、幹部職員を初め全職員、全隊員が厳正な規律を保持し、真摯に職務に取り組むよう、組織の掌握、管理の徹底に全力を尽くすよう、具体的な対策について指示したところでございます。
 充実した法案審議を行っていただくため、政府として、給油量の取り違えが発生した当時の経緯も含め、できる限り丁寧に御説明をさせていただく考えですが、証人喚問など具体的な国会運営に関することについては、防衛省における調査結果なども踏まえつつ、国会において決められることであると考えております。
 先日の米国防総省の発表についてのお尋ねがございました。
 御指摘の米国防総省の発表は、日本が補給した燃料を給油の時点から消費されるまで追跡することは複雑な作業であるとしながらも、すべての米国艦船が不朽の自由作戦を支援するために日本からの給油を受けていたことが確認され、また、米国政府は、日本がOEFに参加する艦船のみに燃料を補給するという日本政府との合意に誠実に従ってきたことが情報により裏づけられたとの趣旨を声明したものでございます。これは、海自補給艦から給油された燃料がテロ対策特措法の趣旨に合致して適切に使用されていることを改めて確認したものでございます。
 次に、テロ対策特措法及び本法案と海上交通の安全確保との関係についてお尋ねがございました。
 インド洋における海上阻止活動は、国際的なテロリズムの防止、根絶のための国際社会の取り組みであり、海上自衛隊の補給活動は、そのような海上阻止活動実施の重要な基盤であると認識しております。
 海上交通の安全確保につきましては、現行法や補給支援特措法案が直接目的としているものではありません。しかしながら、我が国は、補給活動を通じ、インド洋における海上交通の安全にも貢献しているのは事実でございまして、これは原油需要の約九割を中東に依存し、資源の多くを海上輸送によって輸入してる我が国にとって、安定的な石油供給の確保という国益にも資するものと考えております。
 次に、守屋前次官の証人喚問についてお尋ねがございました。
 すべての公務員は、その立ち居振る舞いが国民から疑念を持たれることのないように、日ごろから意識を高く持つべきことは言うまでもありません。
 御指摘の疑念についても、今後、充実した法案審議を行っていただくためにも、政府として、できる限り丁寧に御説明させていただく考えでございます。
 ただし、証人喚問など具体的な国会運営に関することについては、先ほども申し上げましたように、国会がお決めになることであると考えております。
 次に、国会承認についてお尋ねがございました。
 現行のテロ対策特措法における国会承認の対象は、基本計画に定められた協力支援活動、捜索救助活動または被災民救援活動を実施することについてでございます。
 このようなテロ対策特措法における国会承認の対象に相当するものについて、本法案においては、活動の種類及び内容を補給に限定し、また、派遣先の外国の範囲を含む実施区域の範囲についても法定することとしています。したがって、本法案が国会において可決、成立すれば、成立後、重ねて国会承認を求める必要はないと考えられるため、国会承認に関する規定は設けておりません。このように、本法案では国会の関与は的確に確保されているものと考えております。
 なお、本法案では有効期間を一年としており、その時点において活動を継続するか否か、改めて国会の御判断をいただくことといたしております。
 次に、補給支援活動の対象についてお尋ねがございました。
 これまでも、テロ対策特措法に基づく我が国の協力支援活動については、これが同法に基づくものであることを対象国との間の交換公文に明記するとともに、補給の都度、その艦船が法の趣旨に沿った活動に従事していることについて確認を行ってきております。したがって、我が国が補給した燃料については、テロ対策特措法の趣旨に沿って適切に使用されているものと認識をいたしております。
 新法案に基づく補給支援活動についても、その対象となる艦船がテロ対策海上阻止活動に係る任務に従事するものでございまして、その艦船に対して補給支援活動を実施することがテロ対策海上阻止活動の円滑かつ効果的な実施に役立つものと認められることが必要であります。
 このような本法案の趣旨等につきましては、本法案成立後、諸外国に対し十分に説明するとともに、対象となる艦船についても活動内容等を勘案して判断していくこととなります。
 いずれにせよ、我が国が補給する艦船用燃料等が新法の趣旨に沿って適切に使用されるよう、新たな交換公文の締結など適切な措置を検討していきたいと考えております。
 次に、いわゆる出口戦略についてのお尋ねがございました。
 国際社会によるテロとの闘いは依然として続いております。国際社会が引き続きテロとの闘いに一致して取り組んでいく中、我が国としても、これを我が国自身の安全保障の問題と認識した上で、引き続き国際社会の責任ある一員として積極的かつ主体的に寄与していくことが肝要でございます。
 議員御指摘の海上自衛隊の撤収の条件につきましては、一概に申し上げることは困難ですが、その上であえて申し上げれば、例えば、アルカイーダ等の活動状況、国際社会におけるテロとの闘いへの取り組みの推移、我が国として果たすべき役割等、種々の要素を総合的に勘案して、テロとの闘いにおいて我が国としてふさわしい役割を果たしていく上で、自衛隊による補給活動を継続することが必ずしも必要でなくなったと判断した場合には撤収することとなります。しかしながら、現時点でその時期を申し上げるのは困難でございます。
 次に、法案を取り下げるべきとのお尋ねがございました。
 インド洋における海上阻止活動は、アルカイーダ等の移動を抑止し、この海域の平和と安全に貢献するなど、大きな成果を上げております。我が国の補給活動は、この海上阻止活動の重要な基盤であり、我が国はこれを通じ、国際的なテロリズムの防止、根絶のための国際社会の取り組みの一翼を担い、結果としてインド洋における海上交通の安全の確保にも貢献しております。
 このような意義を十分に認識して、イスラムの国であるパキスタンも含め、多くの国がおのおのの持てる能力を持ち寄り、協力して海上阻止活動を実施しております。我が国としても、その持てる能力と憲法の範囲内で何ができるかを真剣に検討した結果、現在の補給活動を行っているところであります。
 テロとの闘いが道半ばである現在、また、他の国が我が国が直接行っていないアフガン本土における活動に犠牲者を出しつつも忍耐強く協力していく中で、我が国だけが補給活動から脱落することがあってよいのでしょうか。日本の国益を預かる私には、到底そのようには考えられません。だからこそ、政府は本法案を国会提出したところでございまして、国会の御理解をぜひともいただきたいと思っております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
#17
○国務大臣(石破茂君) 鉢呂議員から四点御質問を賜りました。
 まず、給油量取り違え事案についてのお尋ねでございます。
 ただいまの総理の御答弁にもありましたように、本件につきましては、担当課長レベルで重大な情報の取り違えに気づいていたにもかかわらず報告が一切行われなかったことは、文民統制にかかわる極めて重大な問題であり、まことに遺憾であると考えております。
 防衛省といたしましては、本件の重大性にかんがみ、昨日、私を委員長といたします文民統制の徹底を図るための抜本的対策検討委員会を設置したところであり、今後、速やかに調査結果を明らかにいたしますとともに、厳正な処分を行い、加えて文民統制の徹底を図るとの観点から、再発防止の徹底を含め、抜本的な措置を講じてまいる所存であります。
 アメリカ巡洋艦ポール・ハミルトンへの給油についてのお尋ねをちょうだいいたしました。
 海上自衛隊補給艦「ときわ」は、二〇〇三年二月二十五日にアメリカ巡洋艦ポール・ハミルトンに対し約二十万ガロンの燃料を給油しておりますが、ポール・ハミルトンへの補給について米軍等との間で調整を行いました際、同艦が海上阻止活動に従事していることにつき確認を行っております。
 ポール・ハミルトンの燃料消費量について承知をしておるわけではございませんが、同艦は海上自衛隊のイージス艦と同程度の大きさであり、また、同じ型のエンジンを搭載していると見られるところ、海上自衛隊イージス艦の燃料消費量から推察いたしますに、対イラク武力行使が開始された三月二十日までに「ときわ」が給油した約二十万ガロンの燃料はすべて消費されたと考えられ、こうした点からも海上自衛隊の燃料がイラクのオペレーションのために使用されたとは考えておりません。
 次に、防衛省の文書管理についてお尋ねをいただきました。
 防衛省においては、情報公開法に基づき防衛大臣が定めた規則等により、行政文書の管理を行っております。今般の「とわだ」の航泊日誌の誤廃棄につきましては、現在、その原因の詳細な調査を行っており、結果を踏まえて厳正に対処いたしますとともに、結果を取りまとめ、速やかに御報告をいたすことといたしております。
 重要な自衛隊の活動に係る文書の保存のあり方につきましては、今後、所要の検討を推し進め、必要な措置を講じてまいります。
 最後に、守屋前防衛事務次官と商社の元専務との関係に関する確認についてお尋ねをちょうだいいたしました。
 守屋前次官と元専務との関係について、報道等において、ゴルフ、飲食接待、装備品調達等をめぐる種々の指摘がなされることにつきましては、防衛省といたしましても、本人への事情聴取も含め必要な確認を行っております。
 このうち、守屋前次官と元専務との交際につき、防衛省として守屋前次官に聴取したところ、利害関係者とのゴルフを禁じた自衛隊員倫理規程が施行された平成十二年四月以降も、事務次官在任中をも含め、守屋氏が元専務とのゴルフをしていたことが確認をされました。
 みずからも自衛隊員であり、隊員の範となるべき事務次官という立場にあった者がかかる不適切な行為を行っていたことは、あるまじきことであり、まことに遺憾であると承知をいたしております。
 本件につきましては、今後とも、防衛省として必要な確認を行ってまいります。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○議長(河野洋平君) 富田茂之君。
    〔富田茂之君登壇〕
#19
○富田茂之君 公明党の富田茂之です。
 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりましたテロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案に関しまして、総理並びに関係各大臣に対し、質問いたします。(拍手)
 六年前、アメリカを襲った九・一一同時多発テロ事件は、人類全体を恐怖のどん底に陥れるとともに、国際テロの脅威を全世界に認識させました。私の高校時代の同級生も、この事件でとうとい命を失いました。
 同時多発テロを引き起こしたテロ組織アルカイーダは、アフガニスタンにおいて訓練を施したテロリストを世界に送り出すなど、同国やその周辺をテロの温床として活動してきました。
 国際社会は、同国を再びテロの温床としないという強い意志のもと、OEF、不朽の自由作戦と名づけられたテロとの闘いを開始、対イラク攻撃に参加しなかったフランス、ドイツ、カナダを含め約四十カ国がこの作戦に参加しています。陸上での掃討作戦に加え、海上阻止活動により、テロリストや武器、資金源となる麻薬等が海上を通じて移動し、世界に拡散することを防止しています。テロとの闘いは、国際社会の最重要課題にほかなりません。
 そこで、総理にまず、テロとの闘いに臨む決意について伺います。
 我が国も、同時多発テロ事件の直後、国連安保理決議一三六八号を初めとする累次の安保理決議を踏まえ、国際テロの防止、根絶のための国際社会の取り組みに積極的かつ主体的に寄与するために、テロ対策特措法を速やかに制定いたしました。
 悪天候でも給油できる高い練度と技能を有し、長期的、安定的に給油、給水活動を行える海上自衛隊の存在が、インド洋で各国が従事するテロ対策海上阻止活動を支える重要な基盤となっています。このような我が国の貢献に対して、各国から高い評価と謝意、継続への要請が寄せられています。
 このような国際社会からの要請にこたえるためにも、公明党は給油活動を継続する必要があると考えますが、その前提として、海上阻止活動がこれまでにどのような成果を上げているのか、テロ対策海上阻止活動を補給支援することにどのような意義があるのか、防衛大臣に、国民にわかりやすく具体的に説明していただきたいと思います。
 現行法で規定されている国会承認の規定が削除されている点をとらえて、文民統制が弱まるとの批判がありますが、誤った批判です。
 本法案では、現行法で国会承認の対象となっている基本計画に書かれた内容そのものが法文に直接書き込まれています。そのため、法案審議の対象と事後承認の対象とが全く同じものとなりますので、法案審議が事前承認の意味を持つことになります。民主党の皆さんが現行法審議の際要求されていた事前承認手続が、今回、法案審議という形で実現されたとも言えると思います。
 公明党は、文民統制の観点から、適切な期間で国会がチェックできるような制度上の保証が重要と考え、法案の期限を一年とし、延長する場合にも一年ごとに必ず国会がチェックできるようにしました。一年ごとに国会審議を行うことは、その後一年間の活動の事前承認を審議するのと同じことになるのですから、国会承認がなくなったといっても、文民統制が弱まったわけではなく、むしろ基本計画の事後承認を規定した現行法よりも文民統制は強化されたと言えます。総理のこの点に関する御認識をお伺いします。
 海上自衛隊がインド洋で米国艦船に給油した燃料の転用疑惑について、政府はこれまで、テロ対策特措法の趣旨に沿って適切に使用されたと説明してきました。
 去る十八日、米国防総省は、補給燃料の転用を否定する声明を発表しました。その要旨は次のようなものでした。
 米国政府は、日本政府に対し、米国中央軍の作戦海域内において日本からの給油を受けたすべての米国艦船は、OEFを支援するために日本からの給油を受けたことを確認した。米国政府は、日本がOEFに参加する艦船のみに燃料を補給するという日本政府との合意に誠実に従ってきたと考えており、提供している情報がこれを裏づけるものと考える。
 外務大臣、防衛大臣はこの声明をどのように評価いたしますか。
 転用が問題とされる以上、誤解を招かない工夫が必要です。
 本法案では、補給対象を「テロ対策海上阻止活動に係る任務に従事する諸外国の軍隊等の艦船」と絞り込んでおり、これにより他の任務で活動している艦船に対し給油されることはなくなります。もう一歩突っ込んで、転用の疑いが生じやすい補給艦に対する補給を認めない等の工夫が考えられますが、このような制限を加えなかったのはなぜでしょうか。法案担当者である官房長官の説明を求めます。
 また、外交文書である交換公文での取り決めにとどまらず、例えば実施要項等の細則の明文化、あるいは補給を受けた艦船の補給後の航泊日誌等の開示等を通じて、新たな転用疑惑を招かないような工夫が必要と思われますが、外務大臣、防衛大臣はこの点をどのように考えられますか。
 次に、我が国が補給支援活動から撤退した場合の影響についてお伺いします。
 本法案の成立が現行法の期限に間に合わなければ、十一月二日には、世界が見守る中、インド洋から我が国の海上自衛隊の補給艦船が撤退を始めることになります。
 唯一、イスラム教国で活動に参加しているパキスタンのイクバール国防大臣は、我が国の活動を、世界のテロとの闘いの一部をなすものであり、テロ特措法の活動が延長されることは大変重要、この延長、支援なしでは自分たちは続けることは難しいと、日本の補給支援活動が中止されれば、燃料を日本に依存してきたパキスタン海軍も活動ができなくなるとしています。
 日本が撤収することによって、海上阻止活動の脆弱化を招き、抑止効果が弱まり、アフガニスタンにおけるテロリストの活動が活発化するようなことになれば、アフガニスタン本土の治安維持活動を行う各国の部隊に甚大な被害が生ずることさえあり得るのではないかとの懸念を抱きます。
 そのような事態とならないよう、野党の皆様にも御理解をいただきながら、何としても一刻も早く新法の成立を目指していかなければならないと考えますが、仮に海上自衛隊が撤退することになれば国際社会にどのような影響を与えるか、外務大臣並びに防衛大臣にお尋ねします。
 総理は、去る十九日、シーファー駐日アメリカ大使に対し、海上自衛隊の給油活動について、一時中断もあり得ると述べたとの報道があります。また、総理は近々、ブッシュ・アメリカ大統領と会談する予定と伺っております。
 在日米軍駐留経費の日本側負担、在日米軍再編、米国の北朝鮮へのテロ支援国家指定解除等の懸案が重要な局面を迎える中、給油継続問題、特に本法案成立の時期、給油活動再開の見通し等に加え、これら諸課題について総理がどのような見解を表明するか、国際社会は大変な注目をしております。どのような決意で日米首脳会談に臨まれるか、総理の御決意を伺います。
 補給艦「ときわ」の補給燃料量の取り違えや、その後の上司への報告ミス、補給艦「とわだ」の航泊日誌の保存期間内の破棄等々、防衛省の情報管理はずさんきわまりない。特に、担当課長レベルで補給燃料量の情報の取り違えに気づいていたにもかかわらず、報告が一切行われなかったことは、文民統制にかかわる極めて重大な問題であると指摘せざるを得ません。
 防衛省では、昨日、本件に関し、我が党の要求にこたえて、速やかに調査結果を明らかにするとともに、厳正な処分を行い、再発防止の徹底を含め、抜本的な措置を講じるべく、大臣を長とする検討のための委員会を立ち上げたとのことですが、いつまでに調査結果を明らかにし、いつまでに検討を終えて抜本的な措置を講じるのか、期限を明らかにすべきと考えます。本法案の審議に関連する重要な問題ですので、今月末までに期限を区切るべきと考えますが、防衛大臣の所見をお伺いいたします。
 また、守屋武昌前防衛次官が防衛専門商社の元専務とたびたびゴルフや飲食をともにしていた等の疑惑が表面化しました。次々と報道される疑惑に国民はあきれ果てています。灼熱のインド洋上で黙々と任務に従事する海上自衛隊の隊員に、守屋前次官は我が身にやましいことは一切ないと弁明できるのでしょうか。アフガニスタンがテロの温床とならないよう、本法案の審議を始めようとしているのに、防衛省が疑惑の温床となっては、国民に本法案の理解を求めることすら困難になります。防衛省の責任者である防衛大臣は、この問題について今後どのように対処されるのか、見解をお示しいただきたい。
 最後に、テロの防止、根絶、そしてアフガニスタンの復興のために日本が果たす役割は大きいと考えます。我が国は、海上自衛隊の活動とともに、アフガニスタン復興に対する民生分野の支援を車の両輪として行ってまいりました。これまで幅広い分野で総額約一千四百億円以上の政府開発援助等を実施してきましたが、これは、アメリカ、イギリスに次いで三番目の額となります。
 このように世界に誇るべき貢献を主体的かつ積極的に我が国が行っていることを、残念ながら多くの国民が知りません。どうか、テロ対策とアフガニスタン復興への我が国の取り組みについて国民の理解が進むよう、政府が一体となって説明に力を注がれるよう切望いたします。
 国際テロを我が国が戦後一貫して貫いてきた平和主義への重大な挑戦であると受けとめ、国際社会と一致団結し、テロとの闘いを継続し、我が国が世界の平和と安定に寄与することを念願し、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田康夫君登壇〕
#20
○内閣総理大臣(福田康夫君) 富田議員にお答えをいたします。
 テロとの闘いに臨む決意についてのお尋ねでございました。
 二〇〇一年九月の米国同時多発テロ事件を受け、不朽の自由作戦を中心とするテロとの闘いにより、アフガニスタンをアルカイーダの拠点として利用させていたタリバン政権は崩壊しました。他方で、依然としてアルカイーダの影響を受けたと見られるテロ活動も各地で見られ、テロとの闘いは長期にわたる闘いであります。
 二〇〇一年九月の米国同時多発テロは、日本人二十四名も犠牲になったものであり、決して人ごとではありません。また、何よりも、テロリズムは我が国の平和と繁栄がよって立つところの自由で開かれた社会に対する挑戦であり、この闘いは我が国自身の国益にかかわるものであります。
 このような基本認識のもと、国際社会と連携してテロとの闘いに取り組むことが、我が国の国際的責務を果たし、我が国の国益にもつながるところであると考え、引き続き粘り強く対応していく決意でございます。
 次に、国会承認についてのお尋ねがございました。
 現行のテロ対策特措法における国会承認の対象は、基本計画に定められた協力支援活動、捜索救助活動または被災民救援活動を実施することについてであります。
 このようなテロ対策特措法における国会承認の対象に相当するものについては、本法案においては、活動の種類及び内容を補給に限定し、また、派遣先の外国の範囲を含む実施区域の範囲についても法定することといたしております。したがって、本法案が国会において可決、成立すれば、重ねて国会承認を求める必要はないと考えられるために、国会承認に関する規定は設けておりません。このように、議員御指摘のとおり、本法案においても国会の関与は的確に確保されているものと考えております。
 なお、本法案では有効期間を一年といたしており、この時点において活動を継続するか否か、改めて国会の御判断をいただくことになっております。
 次に、日米首脳会談に臨む決意についてのお尋ねがございました。
 私の訪米については具体的な日程は決まっておりません。国会のお許しをいただく必要がございますが、お尋ねがございましたので、お答えをさせていただきます。
 先月二十六日に行われましたブッシュ大統領との電話会談などで、私の訪米を早期に実現することで一致をいたしております。私にとりまして総理就任以来初めての訪米となるこの機会に、日米同盟の一層の強化、日米同盟とアジア外交の関係など、我が国外交のかなめである日米関係の基本的考え方につき意見交換を行うとともに、日米が直面するさまざまな課題について、日米でどのように連携していくことが適切であるかにつき議論を深めてまいりたいと考えております。
 御指摘の諸課題について政府の考え方を申し上げます。
 海上自衛隊の給油活動につきましては、海上阻止活動の重要な基盤となっており、活動の継続について、野党を含め国民の皆様の御理解を得たいと考えております。
 次に、在日米軍駐留経費の日本側負担については、国民の理解を得られるように所要の見直しを図りつつ、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保するため、適切に対応していく考えでございます。
 在日米軍再編については、抑止力の維持と負担軽減という考え方を踏まえ、沖縄など地元の声によく耳を傾け、着実に進めてまいります。
 米国が北朝鮮のテロ支援国家指定を解除するか否かについては、米国は、北朝鮮による非核化措置次第であり、その際、拉致問題を含む日朝関係の進展も考慮されるという立場であります。今後とも、米側と緊密に連携していく考えであります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣町村信孝君登壇〕
#21
○国務大臣(町村信孝君) 富田議員にお答えを申し上げます。
 本法案で規定する補給対象の内容についてのお尋ねがございました。
 広大な活動海域におけるテロリスト等の海上移動を阻止、抑止するためには、艦船等による常時監視が必要であり、海上阻止活動は、洋上補給を伴って効率性を可能な限り高めることが不可欠であると考えます。
 こうした観点から、現行のテロ対策特措法のもとでも、海上自衛隊の補給艦から他国の補給艦への給油も行われているところであります。この給油は、相手国との確かな信頼関係のもとに実施されており、海上自衛隊が提供した燃料が同法の趣旨に反して使用されないことは確認をしているわけであります。
 御指摘のとおり、補給支援特措法案においては、補給支援活動の対象を「テロ対策海上阻止活動に係る任務に従事する諸外国の軍隊等の艦船」としており、特定の艦船の種類が対象から除外をされているわけではございません。実際の本法案に基づく補給支援活動を実施するに当たって、個別の艦船が対象となるか否かについては、補給支援活動はあくまでもテロ対策海上阻止活動の円滑かつ効果的な実施に資すると認められる場合に限り実施するものであることなど、本法案成立後、諸外国に対し本法案の趣旨等を十分に説明した上で、対象艦船の活動内容等を勘案して総合的に判断することとなります。
 いずれにしても、具体的な運用のあり方につきましては、本法案の趣旨を踏まえて、補給した燃料が適切に使用されることを確保してまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣高村正彦君登壇〕
#22
○国務大臣(高村正彦君) 米国防総省が発表した声明に対する評価についてのお尋ねがありました。
 米国時間十八日、米国国防総省は、米国艦船はすべて、不朽の自由作戦、OEFを支援するために日本からの給油を受けたことを米国政府が確認したとする内容の報道発表を行ったと承知しております。
 同報道発表は、日本が補給した燃料を給油の時点から消費されるまで追跡することは複雑な作業を要するとしつつ、収集された情報により、米国政府が、OEFに参加する艦船のみに燃料を補給するという日本政府との合意に誠実に従ってきたことが裏づけられたとしております。
 政府としては、従来から、これまでに我が国がテロ対策特措法に基づいて実施した対応措置がOEFに従事する諸外国の軍隊等を対象としていることは、累次の協議等を通じ、米国とも認識が共有されていることを説明してまいりました。今般の米国防総省の報道発表は、このことについて、米側としても我が国と同じ認識であることを示していると考えます。
 新法のもとで新たな転用疑惑を招かないための工夫についてのお尋ねがありました。
 我が国が現行のテロ特措法に基づいて行う補給は、テロ対策特措法に基づくものであることを対象国との間の交換公文に明記するとともに、当該対象国との協議の間においてテロ対策特措法の趣旨について説明した上で、当該艦船の活動内容を確認した後に行っております。
 新法に基づく諸外国の軍隊等に対する補給支援活動についても、我が国が補給する艦船用燃料等が新法の趣旨に沿って適切に使用されるよう、新たな交換公文の締結など適切な措置を検討していきたいと考えております。
 仮に海上自衛隊が撤収することになった場合の国際社会に与える影響についてのお尋ねがありました。
 インド洋における海上自衛隊の補給活動は、海上阻止活動の重要な基盤となっております。先般採択された国連安保理決議第一七七六号にも示されているように、海上阻止活動に対する各国の貢献は、国際的に評価され、活動の継続が強く期待されております。
 万一、我が国による補給活動が終了した場合、まずインド洋における海上阻止活動の運用面での影響があります。仮に日本の補給艦が撤退した場合には、海上阻止活動の効率が大幅に低下するとの試算があります。インド洋をテロリストの自由にさせないため大きな抑止効果を果たしている海上阻止活動の手を緩めれば、テロリストの移動や武器輸送等を許し、事態を悪化させるおそれがあります。
 また、我が国はテロとの闘いへ消極姿勢であると国際社会に受けとめられ、米国を含む各国の対日姿勢に影響するおそれがあります。一九九〇年の湾岸戦争以来、我が国が国際社会の平和と安定に貢献するために積み重ねてきた努力と実績を無にすることがないよう、この補給活動を継続していくことが必要だと思います。(拍手)
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
#23
○国務大臣(石破茂君) 富田議員にお答えを申し上げます。
 まず、海上阻止活動の成果と補給支援の意義についてのお尋ねをいただきました。
 インド洋における海上阻止活動は、国際社会のテロとの闘いの一端を担うものであります。アフガニスタンとパキスタンの国境地帯を中心にアルカイーダなどの活動拠点が存在していると言われ、また、アフガニスタンは世界のアヘンの九割以上を生産しており、これがテロリストの資金源ともなっておると見られております。この海上阻止活動は、アルカイーダなどのテロリストがこの海域を利用して移動、逃走したり、武器弾薬、麻薬などが拡散することを阻止、抑止する上で極めて重要であります。
 我が国は、石油資源のほぼすべてを輸入に頼っております。そしてまた、そのうち約九割を中東に依存をいたしております。このような我が国にとりまして、資源の安定的供給は国民生活上極めて重要であります。この海上阻止活動は、中東地域から我が国への海上輸送路に当たるこの海域の平和と安定を維持することにも資するものであります。
 海上阻止活動は、二〇〇六年の一年間だけで約九千回の不審船に対する無線照会及び約二百回の乗船検査を実施しておりますが、例えば無線照会数は、二〇〇五年の一万四千回から約三五%減少するなど、年々減少傾向にございます。これは、当該海域におけるテロリストなどの移動や活動が減少した証拠であり、海上阻止活動が抑止効果を発揮しております何よりの証左であると考えております。
 インド洋での海上自衛隊による補給活動は、このような重要な意義を有する海上阻止活動に参加する各国艦船の作戦効率の向上に大きく寄与しており、その重要な基盤となっております。かつ、危険を伴う洋上におきまして安定かつ正確な補給活動を行いますためには高い技術と能力が必要とされるのであり、また、補給艦を多数保有し国外に派遣する余裕のある国は極めて限られておりますことなどから、このような活動は我が国に最もふさわしい形での貢献であると考えております。
 次に、米国国防省の発表についてのお尋ねがございました。
 御指摘の米国国防省の発表は、米国中央軍の作戦海域内において日本からの給油を受けたすべての米国艦船は、OEFを支援するために日本からの給油を受けていることを確認いたしたこと、また、米国政府は、日本がOEFに参加する艦船のみに燃料を補給するという日本政府との合意に誠実に従ってきたと考えているとしております。
 これは、海上自衛隊補給艦から給油された燃料がテロ対策特措法の趣旨に沿って適切に使用されていることを改めて確認したものであると考えております。
 燃料の転用について疑惑を招かないような工夫についてのお尋ねをちょうだいいたしました。
 本法案におきましては、補給支援活動の対象を「テロ対策海上阻止活動に係る任務に従事する諸外国の軍隊等の艦船」といたしております。実際に補給支援活動を実施するに当たって、個別の艦船が対象となるか否かにつきましては、補給支援活動はあくまでもテロ対策海上阻止活動の円滑かつ効果的な実施に資すると認められる場合に限り実施するものであることなど、本法案成立後、諸外国に対し本法案の趣旨などを十分に説明いたしました上で、対象艦船の活動内容等を勘案し、総合的に判断することとなります。
 いずれにせよ、具体的な運用のあり方につきましては、本法案の趣旨を踏まえ、補給した燃料が適切に使用されることを確保しつつ、より透明性を高めてまいる所存であります。
 海上自衛隊が補給支援活動から撤退した場合の国際社会への影響についてのお尋ねをちょうだいいたしました。
 先ほどもお答えをいたしましたように、我が国海上自衛隊の極めて高い補給能力は、海上阻止活動に参加する各国艦船の作戦効率の向上に大きく寄与し、その重要な基盤となっております。このような我が国の活動に対します各国からの評価は高く、活動継続に対する期待は強いものがございます。
 政府といたしましては、このような国際社会からの期待、評価の中、海自の補給活動の中断により、世界約四十カ国が参加し、G8諸国ではロシアを除くすべての国が参加する国際社会の一致した取り組みから我が国が抜けてしまうことがないよう、新法の早期成立に向け、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 次に、給油量取り違え事案等の発生原因とその再発防止等についてのお尋ねをちょうだいいたしました。
 まず、給油量取り違えの件につきましては、当時、現地の派遣部隊から送付されてまいりました給油量に関するデータを海上幕僚監部において集計する作業を行った際に、担当者が、米補給艦への給油量を、同じ日に給油した他艦艇への給油量と取り違えて数字を入力したことによるものであります。
 この件は、その後、当時の海上幕僚監部の担当課長らがその取り違えに気づいていたにもかかわらず、上司や内局への報告を一切行わず、また訂正の措置をもとらなかったものであり、これは文民統制にかかわる極めて重大な問題であると考えております。
 本件につきましては、速やかに調査結果を明らかにいたしますとともに、厳正な処分を行う所存であります。
 次に、航泊日誌の保存期間内の廃棄の件につきましては、海上自衛隊補給艦「とわだ」の航海科員が、本来廃棄してはならない航泊日誌を、当該日誌の管理責任者である艦長の許可を受けず、過去の航泊日誌とともに誤って廃棄をしてしまったものであります。
 なぜこのような事態が生じたかにつきましては、当時の関係者から事情を聴取し、より詳細な調査を行っており、結果を踏まえて厳正に対処いたしますとともに、この結果を取りまとめ、速やかに御説明をいたす予定にしております。
 防衛省といたしましては、これらの事案を踏まえ、文民統制の徹底を図るとの観点から、再発防止の徹底を含め、抜本的な措置を講ずるべく、昨日、私を長といたします文民統制の徹底を図るための抜本的対策検討委員会を立ち上げたところであります。
 先ほども御答弁申し上げたことでございますが、これは個人の責任に帰して、それで終わりというものだと私は考えておりません。抜本的な、組織的な、そのような対策が必要であると考えております。
 議員から、期限はいつまでかというようなお尋ねをちょうだいいたしました。
 このような事案に対応するための対応策はできるだけ早急に取りまとめ、発表する所存でございますが、構造的な問題につきましては、濃密な議論を行い、できるだけ早く成案を得たい、このように考えておるところでございます。
 次に、前防衛事務次官が商社の元専務とゴルフなどをともにしておった件に関する事実の説明責任についてお尋ねをいただきました。
 前次官と元専務との交際につき、防衛省として守屋氏に聴取したところ、利害関係者とのゴルフを禁じた自衛隊員倫理規程が施行された平成十二年四月以降も、事務次官在任中を含め、前次官が元専務とのゴルフをしておったことが確認をされました。
 防衛省におきましては、事務次官みずからも自衛隊員であります、隊員の範となるべき事務次官という立場にあった者、そして、この時期、有事法制あるいはイラク派遣、そして実際にイラクに派遣をし、そしてまたインド洋において活動しておる、そのように隊員全員が不眠不休でこのような活動に取り組んでおるときに、かかる不適切な行為を行っておったということは、あるまじきことであり、まことに遺憾であると考えております。
 私として、本件につきまして、今後とも必要な確認を行ってまいります。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○議長(河野洋平君) 赤嶺政賢君。
    〔赤嶺政賢君登壇〕
#25
○赤嶺政賢君 私は、日本共産党を代表し、新テロ特措法案について質問します。(拍手)
 まず、海上自衛隊の給油活動をめぐる隠ぺい問題です。
 私は、二〇〇三年五月、この問題を追及しました。イラク戦争から横須賀に戻ってきた米空母キティーホークの艦長が、海上自衛隊から八十万ガロンの給油を受けたと発言しました。これを受け、具体的な事実の確認を求めたのであります。
 そのとき、福田総理、石破防衛大臣は、イラク作戦には使っていない、給油した二十万ガロンは一瞬にしてなくなったと説明したのであります。
 ところが、政府は今になって事務的ミスだったと言い出し、さらに、四年前の当時から海幕の担当課長らが事実を知りながら隠していたというのであります。言語道断であります。
 これは、担当者の責任で済まされる問題ではありません。いかなる理由であれ、政府が自衛隊による隠ぺいを許したことが重大なのであります。福田総理、石破大臣は、この責任をどうとるのですか。
 石破大臣は、当時、私の質問に、改めて米側に確認したから間違いないと答弁しましたが、キティーホークの参謀長も、任務はイラク作戦だけだったと証言しています。米側にどのような確認をしたのか、はっきりすべきです。
 この際、これまで指摘されてきた他の転用疑惑も含め、海上自衛隊の活動と給油を受けた外国艦船の活動の全容を明らかにすることを政府に求めます。
 徹底的な事実解明のため、守屋前防衛事務次官を初め、関係者の証人喚問を強く求めます。
 今必要なことは、アフガニスタン情勢を安定させ、テロを根絶するために求められていることは何か、そのために日本は何をなすべきかを根本から議論することです。
 私は、現地を三度訪問しました。戦争でテロはなくせないというのが私の痛切な実感です。
 アメリカによる報復戦争開始から六年、アフガニスタンは今、深刻な情勢悪化に直面しています。反政府勢力と米軍、ISAFとの間で戦闘が激化しています。ことし九月の国連アフガニスタン支援ミッションの報告書は、外国軍隊による空爆と民間人への犠牲、アフガン人の尊厳を傷つける行動が自爆攻撃を急増させたと述べています。
 テロに対して報復戦争で対応したことが、軍事攻撃とテロの拡大という悪循環をつくり出してきたのではありませんか。この路線の行き詰まりは今や明らかではありませんか。
 今、アフガニスタンでは、カルザイ大統領自身が、タリバンを含む反政府勢力との政治的な対話による和平を追求する方向にかじを切りかえています。報復戦争をやめ、政治的交渉による和平を追求する。それと一体になってこそ、貧困、干ばつ対策などの民生支援も実効あるものになるのであります。そういう環境をつくる外交努力こそ、今、日本はやるべきです。政治的解決の最大の障害になっている報復戦争への支援は中止すべきです。こうした方向こそ、憲法九条を持つ日本が果たすべき国際貢献ではありませんか。
 新法なるものは、報復戦争への軍事支援にしがみつき、これまで続けてきたインド洋での多国籍軍への補給活動をこれまでどおり継続するものにほかなりません。
 戦争でテロはなくせないことが明らかになり、毎日新聞の世論調査でも、六割以上が、給油活動はテロを抑えるのに役立っていないと答えています。にもかかわらず、政府が軍事支援に固執するのはなぜですか。
 また、政府は、補給対象をテロ対策海上阻止活動、すなわちOEF・MIOを行う艦船に限定したと言いますが、洋上補給活動に関して、現行法とどこが違いますか。
 この間、高村外務大臣は、アフガン空爆は対象としない、石破防衛大臣は、補給艦への給油は中止したいと言ってきましたが、それらはどこに規定されていますか。複数の任務につく米軍艦船への補給は法律上除外しているのですか。
 実際に、米軍艦船は、インド洋上の海域で、海上阻止活動だけでなく、アフガン、イラク、ソマリアへの空爆から海賊対策まで、その時々の米軍の判断で必要とする作戦を遂行しているのであります。およそ、日本の法律で米軍の活動を限定することなどできないのではありませんか。
 さらに、国会の事後承認条項さえ削除したことは極めて重大です。今でも政府が自衛隊による隠ぺいや資料の破棄を把握できていないのに、一体どうやって自衛隊の活動をチェックするのですか。国会の監視がなければ、防衛機密を盾にした隠ぺい体質、現場の暴走に歯どめをかけられないのではありませんか。
 最後に、憲法違反の米軍戦争支援をやめ、インド洋からもイラクからも自衛隊を直ちに撤退させるよう求め、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田康夫君登壇〕
#26
○内閣総理大臣(福田康夫君) 赤嶺議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、給油量取り違えについてのお尋ねがございました。
 海上幕僚監部の担当課長レベルで重大な情報の取り違えに気づいていたにもかかわらず、その上司や防衛省関係部局に報告が一切行われなかったことは、防衛省や自衛隊の事務処理のあり方に対する信頼を損ねるとともに、シビリアンコントロールの観点からも問題であり、遺憾でございます。
 また、この結果として、私が国会等の場において誤ったデータを用いて答弁したことは、まことに遺憾でございます。
 私は、防衛大臣に対し、速やかに事案の調査を徹底して、厳正な処分と実効ある再発防止措置を講じるとともに、幹部職員を初め全職員、全隊員が厳正な規律を保持し、真摯に職務に取り組むよう、組織の掌握、管理の徹底に全力を尽くすよう指示したところでございます。
 今後とも、自衛隊の活動について国民の御理解を得るとともに、充実した法案審議に役立つよう、防衛省において私の指示を徹底させつつ、可能な限り積極的に情報開示を行わせていく所存でございます。
 なお、開示が困難な場合は、防衛省においてその理由を明らかにして、丁寧に御説明をさせていく考えでございます。
 次に、自衛隊及び給油を受けた外国艦船の活動についてのお尋ねがございました。
 テロ対策特措法に基づく自衛隊の補給活動については、法の趣旨にのっとって行われていることにつき国民の御理解が得られるよう、情報の開示に努めるべきものと考えております。
 自衛隊及び給油を受けた外国艦船の活動内容については、自衛隊や各国の部隊運用や要員の安全確保等のため開示ができない場合もございますが、各国の理解を得ながら、可能な限り積極的に情報を開示してまいります。
 次に、アフガニスタンにおけるテロを撲滅するための方策についてのお尋ねがございました。
 九・一一のテロの脅威を除去するために関係国が行った軍事作戦によりタリバン政権が崩壊した結果、アフガニスタンにおける一連の政治プロセスが可能となり、アフガニスタンの人々が、男女を問わず、政治、経済、社会のさまざまな局面で新しい国づくりに参加できるようになりました。
 アフガニスタンが再びテロの温床とならないようにするためには、人道復興支援と治安・テロ対策の双方に取り組むことが必要でございます。我が国は、厳しい治安状況の中でも知恵を絞りつつ、これまでに政治、治安、復興等の幅広い分野で支援を実施してきております。実施額では米国に次いで第二位となっており、我が国のこのような支援は、アフガニスタン政府を初め国際社会から高い評価を得ております。
 他方、人道支援や復興支援によって治安・テロ対策は代替はできません。引き続き、国際社会と緊密に協力しつつ、テロ発生を助長する貧困等の除去及び海上自衛隊によるインド洋での補給活動を含め、国際的なテロリズムの防止のために幅広い取り組みを行ってまいります。
 次に、我が国がアフガニスタンの和平達成や民生支援による外交努力を行うべきとの御提案がございました。
 タリバン政権崩壊後の二〇〇一年十二月、アフガニスタン国内の各派は、以後の和平の進め方に関して合意を達成しました。我が国は、この合意達成直後の二〇〇二年一月に、関係諸国を集め、東京でアフガニスタン復興支援国際会議を開催しました。その他においても、元兵士の武装解除、動員解除、社会復帰、いわゆるDDRで主導的な役割を果たす等、これまで同国の和平、復興に積極的に貢献してまいっております。
 他方で、テロリスト掃討作戦の継続、アフガニスタンへの新たなテロリストの流入や武器取引の阻止、抑止、テロリストの資金源となる麻薬取引の阻止、抑止、これらもアフガニスタンの治安改善、悪化防止のために極めて重要であり、国際社会が団結して取り組んでいるところであります。我が国の補給活動も、こうした国際社会の一致した努力への協力であり、決して報復戦争への支援ではありません。
 重要なことは、国際社会として、和平を求めるアフガニスタン国民の努力を人道復興支援と治安・テロ対策の両面において粘り強く支援していくことでありまして、我が国としてもできる限りの協力を行っていきたいと考えております。
 次に、給油活動とテロの抑止についてのお尋ねがございました。
 海上自衛隊の海上阻止活動は、これまでの約六年にわたる活動の結果、インド洋におけるアルカイーダ等の移動を抑止し、この海域の平和と安全に貢献するなど、大きな成果を上げております。
 我が国のインド洋における補給活動は、海上阻止活動実施の重要な基盤であり、先般採択された国連安保理決議一七七六号にも示されているように、国際的にも高く評価され、活動の継続が強く期待されております。我が国は、この活動を通じ、国際的なテロリズムの防止、根絶のための国際社会の取り組みの一翼を担い、結果としてインド洋における海上交通の安全の確保にも貢献をいたしております。
 我が国としては、テロとの闘いにおける我が国の国際的な責務を今後とも果たしていくため、この活動を引き続き実施していく必要がございます。こうした支援活動を継続するためには国民の理解が不可欠であり、今後とも、支援活動継続の必要性について国民の御理解が得られるよう、国会等の場を通じて、より一層、十分な御説明を行ってまいります。
 次に、現行法と本法案における補給活動の対象の違いについてお尋ねがございました。
 テロ対策特措法に基づく我が国の協力支援活動は、平成十三年九月十一日に米国において発生したテロ攻撃によってもたらされている脅威の除去に努めることにより国際連合憲章の目的の達成に寄与する諸外国の軍隊等の活動に対して実施するものであります。
 これに対して、本法案に基づく補給支援活動は、このような諸外国の軍隊等の活動のうち、テロリスト、武器等の移動を国際的協調のもとに阻止し及び抑止するためインド洋上を航行する船舶に対して検査、確認その他の必要な措置をとる活動に係る任務に従事する艦船に対して実施するものであります。
 このように、本法案に基づく補給支援活動の対象は、現行のテロ対策特措法と比べて、より具体的に特定されたものとなっております。
 次に、複数の任務につく艦船への補給についてお尋ねがございました。
 ある外国の艦船が本法案に基づく補給支援活動の対象となるためには、当該艦船がテロ対策海上阻止活動に係る任務に従事するものであり、当該艦船に対して補給支援活動を実施することがテロ対策海上阻止活動の円滑かつ効果的な実施に役立つものと認められることが必要であります。なお、その際、当該艦船が、実態として、テロ対策海上阻止活動に関する任務に当たっていることが重要であると考えております。
 次に、補給支援活動の対象となる米軍の活動についてのお尋ねでございます。
 これまでも、テロ対策特措法に基づく我が国の協力支援活動については、これが同法に基づくものであることを対象国との間の交換公文に明記するとともに、補給の都度、その艦船が法の趣旨に沿った活動に従事していることについて確認を行ってきております。したがって、我が国が補給した燃料については、テロ対策特措法の趣旨に沿って適切に使用されているものと認識をいたしております。
 新法案に基づく補給支援活動についても、その対象となる艦船がテロ対策海上阻止活動に係る任務に従事するものであり、その艦船に対して補給支援活動を実施することがテロ対策海上阻止活動の円滑かつ効果的な実施に資するものと認められることが必要であります。
 このような本法案の趣旨等については、本法案成立後、諸外国に対し十分に説明するとともに、対象となる艦船についても活動内容等を勘案して判断していくことになります。
 いずれにせよ、我が国が補給する艦船用燃料等が新法の趣旨に沿って適切に使用されるよう、新たな交換公文の締結など適切な措置を検討していきたいと考えております。
 次に、国会承認と政府における自衛隊の統制についてのお尋ねがございました。
 現行のテロ対策特措法における国会承認の対象は、基本計画に定められた協力支援活動、捜索救助活動または被災民救援活動を実施することについてでございます。
 このようなテロ対策特措法における国会承認の対象に相当するものについて、本法案においては、活動の種類及び内容を補給に限定し、また、派遣先の外国の範囲を含む実施区域の範囲についても法定することといたしております。したがって、本法案が国会において可決、成立すれば、成立後、重ねて国会承認を求める必要はないと考えられるために、国会承認に関する規定は設けておりません。このように、本法案では国会の関与は的確に確保されているものと考えております。
 なお、本法案では有効期間を一年としており、その時点において活動を継続するか否か、改めて国会の御判断をいただくことといたしております。
 防衛省及び自衛隊において、情報の管理や報告のあり方等について、国民の信頼を損ねる事案が後を絶たないことはまことに遺憾であり、私は、防衛大臣に対し、速やかに事案の調査を徹底して、厳正な処分と実効ある再発防止措置を講じるとともに、幹部職員を初め全職員、全隊員が厳正な規律を保持し、真摯に職務に取り組むよう、組織の掌握、管理の徹底に全力を尽くすよう指示したところであります。防衛省において、速やかな調査の上、厳正な処分と再発防止の徹底を含む抜本的な改善措置が講じられるものと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣高村正彦君登壇〕
#27
○国務大臣(高村正彦君) 海上自衛隊から給油を受けた外国艦船の活動内容についてお尋ねがありました。
 海上自衛隊が給油した燃料の目的外使用といった御指摘については、キティーホークの件を含め、米側より、我が国が補給した燃料がテロ対策特措法の目的や趣旨に反して使われたことはないとの説明を受けております。
 いずれにせよ、給油を受けた外国艦船の活動については、関係する部隊等の安全や円滑な活動の確保に支障を来す可能性、関係国との信頼関係を損なう可能性等を考慮し、公開の可否を判断する必要がありますが、各国の理解も得ながら、可能な限り積極的に情報を開示してまいります。
 我が国がアフガニスタンの和平達成や民生支援による外交努力を行うべきとの御提案がありました。
 タリバン政権崩壊後の二〇〇一年十二月、アフガニスタン国内の各派は、以後の和平の進め方に関して合意を達成しました。我が国は、この合意達成直後の二〇〇二年一月に、関係諸国を集め、東京でアフガニスタン復興支援国際会議を開催しました。その他にも、元兵士の武装解除、動員解除、社会復帰、いわゆるDDRで主導的な役割を果たす等、これまで同国の和平、復興に積極的に貢献してきております。
 他方、海上阻止活動への我が国の支援は、民生支援によって代替はできません。アフガニスタンが再びテロの温床とならないようにするためには、人道復興支援と治安・テロ対策の双方に取り組むことが必要であります。我が国は、インド洋における補給支援活動だけでなく、アフガニスタンにおいて、厳しい治安状況の中でも知恵を絞りつつ、これまでに政治、治安、復興等の幅広い分野で総額千四百億円以上の支援を実施してきております。実施額では米国に次いで第二位となっており、我が国のこのような支援はアフガニスタン政府初め国際社会から高い評価を得ております。
 我が国は、来年のG8サミット議長国であり、G8において重要な課題となるアフガニスタン和平、復興に引き続き積極的に取り組んでまいります。
 最後に、補給支援活動特措法案における補給対象についてお尋ねがありました。
 ある国の艦船が補給支援活動特措法案に基づく補給支援活動の対象となるためには、同法案第三条第二号に規定されるとおり、当該艦船がテロ対策海上阻止活動に係る任務に従事するものであり、当該艦船に対して補給支援活動を実施することがテロ対策海上阻止活動の円滑かつ効果的な実施に資するものと認められることが必要であります。(拍手)
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
#28
○国務大臣(石破茂君) 赤嶺議員にお答えいたします。
 まず、給油量の取り違え事案についてのお尋ねをいただきました。
 ただいまの総理の御答弁にもありましたように、本件につきましては、担当課長レベルで重大な情報の取り違えに気づいていたにもかかわらず報告が一切行われなかったことは、文民統制にかかわる極めて重大な問題であり、まことに遺憾であります。
 防衛省としては、本件の重大性にかんがみ、昨二十二日、私を長とする文民統制の徹底を図るための抜本的対策検討委員会を設置したところであり、今後、速やかに調査結果を明らかにいたしますとともに、厳正な処分を行い、加えて文民統制の徹底を図るとの観点から、再発防止の徹底を含め、抜本的な措置を講じてまいります。
 次に、海上自衛隊の給油がイラク作戦に使用されていないことへの米側への確認についてのお尋ねをいただきました。
 二〇〇三年当時、海上自衛隊が提供いたしました燃料は、テロ対策特措法の趣旨に外れて使用されたことはない旨を米国政府に確認いたしており、さらに、本年十月十日に米国防省が発表したとおり、キティーホークは、少なくとも二月二十五日からの三日間については、不朽の自由作戦、OEFを支援する任務を行っていたことを米国政府から確認をいたしております。したがって、我が国が提供した燃料は、テロ対策特措法の目的に沿って適切に運用されているものと考えます。
 なお、御指摘の米軍関係者の発言につきましては、当時についての個人的な記憶に基づいてなされたものと考えております。いずれにせよ、米国政府の立場は既に発表済みの声明のとおりであり、報道内容は米国政府の立場を正確に反映しているものではない、そのような回答を得ているところであります。
 次に、自衛隊及び給油を受けた外国艦船の活動についてのお尋ねであります。
 ただいまの総理の御答弁のとおりでありますが、テロ対策特措法に基づく自衛隊の活動につきましては、法の趣旨にのっとって行われていることにつき国民の御理解が得られるよう、情報の開示に努めるべきものと考えております。
 自衛隊及び外国艦船の活動に関する情報につきましては、自衛隊や各国の部隊運用や要員の安全確保などのため開示できない場合もございますが、各国の理解も得ながら、可能な限り積極的に情報を開示してまいります。
 次に、新法案における補給艦の取り扱いについてのお尋ねであります。
 本法案におきましては、補給支援活動の対象を「テロ対策海上阻止活動に係る任務に従事する諸外国の軍隊等の艦船」といたしており、特定の艦種が対象から排除されているわけではございません。実際に補給支援活動を実施するに当たりまして、個別の艦船が対象となるか否かにつきましては、補給支援活動はあくまでもテロ対策海上阻止活動の円滑かつ効果的な実施に資すると認められる場合に限り実施するものであることなど、本法案成立後、諸外国に対し本法案の趣旨などを十分に説明いたしました上で、対象艦船の活動内容等を勘案し、総合的に判断するものであります。
 いずれにいたしましても、具体的な運用のあり方につきましては、本法案の趣旨を踏まえ、補給した燃料が適切に使用されることを確保しつつ、より透明性を高めてまいる所存であります。
 次に、新法案に関連し、国会承認についてのお尋ねがございました。
 現行のテロ対策特措法におきましては、協力支援活動、捜索救助活動または被災民救援活動のうち、いずれかを実施することが必要であると認めるときに、基本計画について閣議の決定を求め、その実施の可否について国会の承認を求むることとされております。
 これに対しまして、新法案におきましては、活動の種類は給油及び給水に限定し、また、派遣先の外国の範囲も含め、自衛隊がいかなる地理的範囲で活動を実施できるかについても、法律そのものに明記することといたしております。
 この結果、本法案が国会における審議を経て可決、成立することになれば、成立後、重ねて国会承認を求める必要はないものと考えております。
 なお、国会の意向を実施面に反映させていく必要性があるため、実施計画の決定または変更後、遅滞なく国会に報告することを規定しており、また、補給支援活動が終了いたしましたときは、その結果を国会に報告することを規定しておるところでございます。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#29
○議長(河野洋平君) 阿部知子君。
    〔阿部知子君登壇〕
#30
○阿部知子君 社会民主党の阿部知子です。
 ただいま議題となりました政府提出のテロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案について、社会民主党・市民連合を代表して質問をいたします。(拍手)
 御答弁はすべて政府の最高責任者である総理にお願いいたします。
 二〇〇一年十月七日、先立つ米国における九・一一同時多発テロに対して自衛のための戦争を掲げて開始された米英軍によるアフガニスタン空爆は、六年余を経た今日に至るも、なお終結の展望を見出しておりません。
 また、それに対抗するかのように、反米、反多国籍軍、あるいは反政府の武装勢力による戦闘やテロが多発し、民間人の犠牲は二〇〇七年四月から八月に至る間にも千六十人余に及び、内外の難民は三百七十万人、そして治安は悪化の一途をたどっております。
 一方、いま一つの米国による対テロ戦争であるイラク戦争は泥沼化し、イスラエル、パレスチナの対立も激化、加えてパキスタンでもこの間政治的混乱が拡大するなど、米国主導の軍事力によるテロとの闘いは、むしろテロの脅威をかつてなく拡散させ、イスラム社会の反米感情を高めていると言わざるを得ません。
 そうした現実に対して、我が国が第一になすべきは、対テロ戦争そのものを見直し、タリバンをも含む敵対勢力や当事者、関係国による包括的な和平のための協議を働きかけることではないでしょうか。武力による解決以上の和平の場の設定は、我が国に寄せられた中東諸国からの信頼の上に是が非でも実現していかねばならない課題と考えますが、いかがでしょうか。
 この間、テロ対策特措法によってOEF、不朽の自由作戦の一環として実施されてきた補給活動については、国民に対してその実態がほとんど知らされることなく、我が国の市民団体が米国の情報公開制度を利用して入手した資料によって、イラク戦争への転用すら明らかとなりました。
 これでは、我が国政府の情報公開や国民への説明責任、シビリアンコントロールは余りにも立ちおくれていると言わざるを得ません。防衛機密とさえ称すれば一切を秘匿できるという発想を改めて、公開を原則とし、公開できない場合はその理由を明示すべきです。日本政府もせめて米国並みの情報公開を行うべきですが、政府の説明責任と情報公開のあり方について、総理のお考えを伺います。
 さらに、インド洋での給油活動は、バーレーンに置かれた有志連合部隊から情報を受けながら実施されておりますが、ここには同時に、中東での戦闘を指揮する米第五艦隊の司令部がございます。米国の軍事戦闘体制と常に情報を共有する形で展開される我が国の給油活動は、現地での自衛隊員の献身的努力にもかかわらず、既に米国の世界戦略の中にしっかり組み入れられたものと考えられます。さらに、また新法案でも、こうした形で自衛隊の海外活動が継続的に繰り広げられることになり、実際の武力の行使のいかんを問わず、明らかに憲法上許されないと思いますが、総理のお考えをお伺いいたします。
 かつて自給自足の農業国であったアフガニスタンの人々が、治安も平和も安定も保障されないまま、今はケシの栽培によって暮らしを立てざるを得ないのが実情です。
 そうした状況の中、この間、ISAF、国際治安支援部隊やPRT、地域復興支援チームでは、戦闘が続く危険地帯での軍事行動と人道復興支援の境があいまいとなり、このことがかえって文民支援やNGOによる人道復興支援を危険にさらしています。御存じでしょうか。既に、AMDA、国境なき医師団は二名の犠牲者を出し、撤退をいたしました。治安を確立するための軍の行動と人道復興支援は本質的に両立不可能であり、人道復興支援はISAF等の軍事的活動とは一線を画し、文民、NGOが政治的中立を持って行うことを原則とすべきと考えます。
 日本がアフガニスタン復興過程の中で担った旧国軍のいわゆる武装解除、動員解除、社会復帰、DDRも、むしろ日本が丸腰であったからこそなし得たと考えられています。日本が、憲法九条のもと、人間の安全保障を掲げて実践してきたことが大きな財産となっていると考えますが、総理のお考えをお聞かせください。
#31
○議長(河野洋平君) 阿部君、申し合わせの時間が過ぎました。なるべく簡単に願います。
#32
○阿部知子君(続) 我が国は、中村哲医師の二十余年にわたる地道な現地での活動や、JVCを初めとするNGO活動あるいは地雷撤去などを実践してきたことを誇りとして、今後のアフガニスタン復興に対し、徹底した非軍事的貢献を尽くすべきであることを申し述べて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田康夫君登壇〕
#33
○内閣総理大臣(福田康夫君) 阿部議員からお尋ねがございました。
 まず、アフガニスタンに和平をもたらすために日本が主導権を発揮すべきとの御提案がございました。
 タリバン政権崩壊後の二〇〇一年十二月、アフガニスタン国内の各派は、以後の和平の進め方に関して合意を達成しました。我が国は、この合意達成直後の二〇〇二年一月に、関係諸国を集め、東京でアフガニスタン復興支援国際会議を開催したほか、憲法制定のための専門家派遣、大統領及び議会選挙実施への資金協力、選挙監視団派遣など、和平実現に向けた協力を行いました。このような協力を行うに当たって、我が国の外交が中東諸国との間に築いてきた信頼関係が重要であったことは言うまでもありません。
 我が国を初めとする関係国の協力により、政治プロセスが完了したアフガニスタンでは、カルザイ大統領を中心として、国民の和解、復興に向けた努力が続けられておりますが、治安面では楽観できない状況が続いております。
 現在、重要なことは、和平を求めるアフガニスタン国民の努力を、国際社会として、人道復興支援と治安・テロ対策の両面において粘り強く支援していくことであります。ここで手を緩め、テロリストがばっこするアフガニスタンに戻ってしまうことがあってはならないと考えます。
 我が国は、来年のG8サミット議長国であり、G8において重要な課題となっているアフガニスタン和平、復興に引き続き積極的に取り組んでまいります。
 自衛隊の活動についての情報開示のあり方についてお尋ねがございました。
 テロ対策特措法に基づく自衛隊の活動については、法の趣旨にのっとって行われていることに国民の御理解が得られるよう、必要な情報の開示に努めるべきものでございます。
 しかしながら、給油量の取り違え事案において、海上幕僚監部の担当課長レベルで情報の取り違えに気づいていたにもかかわらず、その上司や防衛省関係部局に報告が一切行われなかったことは、防衛省や自衛隊の事務処理のあり方に対する国民の信頼を損ねるとともに、シビリアンコントロールの観点からも問題であり、遺憾であります。
 私は、防衛大臣に対し、速やかに事案の調査を徹底して、厳正な処分と実効ある再発防止措置を講じるとともに、幹部職員を初め全職員、全隊員が厳正な規律を保持し、真摯に職務に取り組むよう、組織の掌握、管理の徹底に全力を尽くすよう指示をしたところでございます。
 今後とも、自衛隊の活動について国民の御理解を得るとともに、充実した法案審議に役立つよう、防衛省において私の指示を徹底させつつ、可能な限り積極的に情報開示を行わせていく所存であります。
 なお、開示が困難な場合は、防衛省においてその理由を明らかにして、丁寧に御説明をさせていく考えでございます。
 次に、海上自衛隊の補給活動と集団的自衛権の関係についてお尋ねがございました。
 集団的自衛権とは、国際法上、一般に、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利と解されております。
 このように、集団的自衛権は、国家による実力の行使についての概念です。したがって、そもそも実力の行使に当たらない行為については、集団的自衛権の行使といった問題は生じません。
 現在、インド洋で海上自衛隊が行っている補給活動も明らかに実力の行使には当たらないため、集団的自衛権の行使といった問題が生じることはございません。
 なお、御指摘のバーレーンに常駐している要員については、補給活動の円滑な実施を確保するため海上阻止活動参加各国との間で連絡調整に従事しているものでありまして、他国の指揮下で活動しているものではなく、他国の武力の行使と何らかかわるものではありません。
 次に、アフガニスタンにおける日本の文民による非軍事的な支援活動についてお尋ねがございました。
 我が国は、厳しい治安状況の中でも知恵を絞りつつ、これまでに、政治、治安、人道復興等の幅広い分野で支援を実施してきております。
 他方で、こうした人道復興支援活動の実施も、また人間の安全保障を実現する上でも、一定の治安の回復が前提となっており、テロリストの掃討作戦の進展や治安維持の活動が成果を上げることが必要であります。アフガニスタンにはNGOの方々もいらっしゃいますが、その活動には危険が伴っております。現在の治安状況のもとでは、我が国がアフガニスタン本土で直接できる協力には、残念ながら限界がございます。
 人道復興支援と治安・テロ対策の双方が必要であり、いずれか一方が他方を代替できるものではありません。引き続き、国際社会と緊密に協力しつつ、テロ発生を助長する貧困等の除去及び海上自衛隊によるインド洋での補給活動を含め、国際的なテロリズムの防止のために幅広い取り組みを行ってまいります。(拍手)
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#34
○議長(河野洋平君) 下地幹郎君。
    〔下地幹郎君登壇〕
#35
○下地幹郎君 下地幹郎です。
 私は、国民新党・そうぞう・無所属の会を代表して、質問をさせていただきます。(拍手)
 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国における同時多発テロを受け、国際社会がテロリズムの防止と根絶のために立ち上がりました。我が国も、同時多発テロにおいて二十四人もの日本人が犠牲になったことを絶対に忘れてはなりません。我が国もテロの被害国であり、今もその環境は変わるものではありません。テロの防止と根絶に国際社会の一員として参加をしなければならない責任が我が国にはあるのであります。
 最高四十度を超えることもある外気温の中、大粒の汗を流しながら、みずからに与えられた任務を黙々とこなしてきた海上自衛隊員の皆様には、心から敬意をあらわすものであります。また、隊員を遠い日本から精神的に支えておられる御家族の皆様にも、国民の一人として感謝を申し上げたいと思います。
 海上阻止活動は既に六年にわたっており、政府は大きな役割を果たしたと言っております。ただ、残念なことは、アフガニスタンにおける治安の回復が海上阻止活動の成果と比例していないことであります。アフガニスタンにおける治安事件の件数は、二〇〇三年は約四百九十件、二〇〇六年は五千件を優に超える、大幅な増加を見せているのであります。自爆テロにおいても、二〇〇三年は二件、二〇〇六年は百二十三件、治安状況は悪化するばかりであります。
 このことからしても、自衛隊がただ単にアメリカの軍事行動を補給活動によって支援するというだけではアフガニスタン国内の復興が実現するということにならないことは明確であります。
 そこで、福田総理に質問いたします。
 インド洋において海上自衛隊が行っている海上阻止活動における政府による発表の成果と、アフガニスタン国内の治安の悪化による復興のおくれ、この二つに整合性が成り立っていないことについて、福田総理の御認識をお聞かせいただきたいと思います。
 テロの防止と根絶には、大きく分けて二つの方策が必要であります。一つ目は、軍事力による抑止と撲滅、二つ目には、テロの温床である貧困への取り組みと経済支援であります。
 また、我が国は、湾岸戦争のとき、大きな教訓を得ることにもなりました。それは、湾岸平和基金を通して行った一兆三千億という多額の支援を行っても、結果的に国際的な評価を得られなかったという点であります。
 この点は、石破防衛大臣が、テロ特措法改正案の質疑者として立った際、「つらくて危険なことはほかの国に任せ、我が国は安全なところに身を置いて、金だけ出して利益は享受する、そのような姿勢は「国際社会において、名誉ある地位を占めたい」とする我が国憲法の精神にも反するものだということを我々は学んだはずであります。」と述べておられます。
 他方では、石破大臣は、今月十九日の衆議院安全保障委員会において、なぜインド洋で我が国は無償で油を提供しているのかとの民主党の原口委員の質問に対して、「何ができるだろうかというときに、やはり金銭的な負担ということも我が国として行うべきではないだろうか。」「補給という負担も大変なものであるけれども、同時に金銭的な負担ということも我が国の経済力からして行うべきものではないだろうか。」と答弁されております。
 石破大臣の本音は、ショー・ザ・フラッグ、つまり人的貢献をもっと前面に据えるべきだとの認識なのだと思います。しかし、答弁は、経済面での貢献が前面に出ているように思えてなりません。実は、石破大臣は、補給支援活動における無償提供という支援の枠組みが、ショー・ザ・フラッグでもなく、アフガニスタン国民の経済支援でもないと感じておられるのではないでしょうか。つまり、今回の新法は、石破大臣からすると、どちらつかずの中途半端な支援策であるとお考えになっており、そのことがこのような発言として出てしまったとしか考えられません。その意味においても、テロの防止と根絶のための二つの方策、湾岸戦争の教訓が今回の新法に生かされておりません。
 そこで、石破大臣に質問いたします。
 今回の政府が提案した新法ではなく、自衛隊、NGO、民間活力を結集した日本独自のアフガニスタン支援プランを新たに提案するべきだと考えますが、いかがでしょうか。石破大臣のお考えをお聞かせください。
 最後に、総理に質問いたします。
 政府は、出口論も、新法を提案するときに、同時に国民に明確にすべきであります。テロの防止と根絶がどのレベルに達することになれば我が国の自衛隊は撤退するのか。治安状況、経済状況を具体的に、数字をもってわかりやすくお示しください。
 アフガニスタンの人々のためにも、国際社会において世界平和に貢献する日本の役割においても、我が国は現時点においてテロとの闘いから撤退することがあってはなりません。
 ただ、テロ特措法の施行から間もなく六年が経過し、新たなステップを迎えようとした段階において、さまざまな疑惑、問題や疑念が浮上しております。これらのことについては、政府みずからが検証し、今回の新法の審議に入る前に明確にすべきであります。
 福田総理が所信表明の冒頭で約束した、国民の信頼なくしては、どのような政策も必要な改革も実現することは不可能ですとおっしゃったことの約束を果たされ、疑惑、問題、疑念が解決した中で純粋に法案審議を行えるよう期待を申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田康夫君登壇〕
#36
○内閣総理大臣(福田康夫君) 下地議員にお答えを申し上げます。
 インド洋における海上阻止活動における成果とアフガニスタン国内の治安及び復興支援の状況についてお尋ねがございました。
 我が国がテロ対策特措法に基づき補給支援を実施している海上阻止活動は、これまで約六年にわたる活動の結果、インド洋におけるアルカイーダ等の移動を阻止、抑止し、この海域の平和と安全に貢献するなど、大きな成果を上げております。また、海上阻止活動の結果、アフガニスタンへの新たなテロリストの流入や武器の取引、テロリストの資金源となる麻薬の取引などが阻止、抑止されてきたことは、アフガニスタンにおける治安状況の改善、悪化防止に大きな役割を果たしてきていると考えております。
 残念ながら、アフガニスタンにおける治安はいまだ楽観できる状況にはありませんが、このことは、海上阻止活動が成果を上げていないということではなく、むしろ海上阻止活動継続の必要性を裏づけるものであります。
 アフガニスタンを早期に安定させ、再びテロの温床とならないようにするためには、アフガニスタンにおける人道復興支援と海上阻止活動を含む治安・テロ対策の双方に取り組むことが必要であり、我が国も引き続きその双方に積極的に取り組んでまいります。
 いわゆる出口論についてのお尋ねがございました。
 国際社会によるテロとの闘いは依然として続いております。国際社会が引き続きテロとの闘いに一致して取り組んでいく中、我が国としても、これを我が国自身の安全保障の問題と認識した上で、引き続き国際社会の責任ある一員として積極的かつ主体的に寄与していくことが必要であります。
 議員御指摘の海上自衛隊の撤収の条件については、一概に申し上げることは困難でありますが、その上であえて申し上げれば、例えば、アルカイーダ等の活動状況、国際社会によるテロとの闘いへの取り組みの推移、我が国として果たすべき役割等、種々の要素を総合的に勘案し、テロとの闘いにおいて我が国としてふさわしい役割を果たしていく上で、自衛隊による補給活動を継続することが必ずしも必要でなくなったと判断した場合には撤収することとなります。しかしながら、現時点でその時期を申し上げるのは困難であります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣石破茂君登壇〕
#37
○国務大臣(石破茂君) 下地議員から御質問いただきました。
 御質問の趣旨を正確には必ずしも把握をできておらず、失礼な答弁がありましたらばお許しをいただきたいと存じますが、議員から、自衛隊、NGO、民間活力を組み合わせた日本独自の支援プランを提案すべきというような御趣旨ではなかったかと理解をいたしております。
 議員の御質問の中で、私が、昨年の私の本会議におきます質問、あるいは委員会におきます答弁において、どっちつかずではないかというふうな御指摘をいただきました。私は、そのようなことを申し上げたつもりはございません。人的な活動も重要であるということは申し上げました。そしてまた、我が国の経済力にふさわしい資金的な貢献も必要であるということを申し上げました。それが、どっちつかずということを私は申し上げたものではございません。
 なお、アフガニスタンの支援というのは、我が国独自で行うものではございません。各国が協調して行うものでございます。その中において、多くの国々が、OEFあるいはISAFあるいはPRT、そういうような活動を、多くの犠牲を伴いながら陸上において行っております。
 私どもの国として何をすべきかということを考えましたときに、ニーズとそして我々の能力というものを勘案いたしましたときに、洋上におきます補給というのはまさしく我が国の能力にふさわしい貢献である、このように思い、今回、法案を提案申し上げた次第でございます。
 新たな法律案におきましては、活動内容を補給活動に限定をしており、国会におきます御議論、さまざまな機会をとらえまして、国民の皆様方に我が国の活動について御理解を賜りますよう、今後とも全力を尽くしてまいる所存であります。
 以上でございます。(拍手)
#38
○議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。
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#39
○議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十一分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  福田 康夫君
       外務大臣  高村 正彦君
       防衛大臣  石破  茂君
       国務大臣  町村 信孝君
 出席内閣官房副長官
       内閣官房副長官  大野 松茂君
ソース: 国立国会図書館
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