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2007/05/09 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 少子高齢社会に関する調査会 第5号
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2007/05/09 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 少子高齢社会に関する調査会 第5号

#1
第166回国会 少子高齢社会に関する調査会 第5号
平成十九年五月九日(水曜日)
   午後一時十三分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         清水嘉与子君
    理 事
                荻原 健司君
                中原  爽君
                足立 信也君
                島田智哉子君
                鰐淵 洋子君
    委 員
                有村 治子君
                岡田  広君
                沓掛 哲男君
                田浦  直君
                主濱  了君
                林 久美子君
                松下 新平君
                森 ゆうこ君
                蓮   舫君
                山本 香苗君
                山本  保君
                小林美恵子君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        岩波 成行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○少子高齢社会に関する調査
 (少子高齢社会への対応の在り方について)
    ─────────────
#2
○会長(清水嘉与子君) ただいまから少子高齢社会に関する調査会を開会いたします。
 少子高齢社会に関する調査を議題といたします。
 少子高齢社会への対応の在り方について、本日は、おおむね午後三時をめどに、委員各位の御意見をちょうだいしたいと思います。
 本件につきましては、平成十六年の調査テーマ決定以降、順次調査を進めてまいりましたが、本日は、お手元に配付いたしましたテーマに沿って委員間で御議論いただきます。
 議論の進め方でございますけれども、まず、各会派からそれぞれ十分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、委員相互間で自由に意見交換を行っていただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず、自民党、中原爽さん。
#3
○中原爽君 お手元に資料を四枚ほど配付をさせていただきました。
 十分の時間でございますので、最初のページ、右下にページ数を打ってございますけれども、平成十七年の十月に本調査会として、テーマが団塊世代対策等少子高齢社会の課題に関する件と、こういうことでございまして、内閣府、文科省、厚労省からそれぞれ説明を聴取いたしました。そのときに、内閣府は全般的なこと、それから、文科省はどちらかといえば少子問題を説明されて、実際に団塊世代の説明をされたのは厚労省が説明をされました。
 そのほかに、この団塊問題について、元経済企画庁長官の堺屋太一先生以下、参考人の御意見を伺った記憶があります。そのときに堺屋先生は、団塊の世代という言葉をつくったのは私だと、そういうふうにおっしゃった記憶があります。
 そんなことなんですが、団塊の世代というのは、世代の出生年代の範囲というのが狭い意味ですと三年間、一九四七年から四九年までの三年間、それから広い意味でいいますと五年間になりまして、一九四七年から五一年までの五年間と、こういうことであります。
 このうち、世代の一番最長の年齢層が六十歳に達する、要するに一九四七年生まれの人たちが六十歳に達するのがこの二〇〇七年と、こういうことになっておりまして、これを二〇〇七年問題と、こういうふうに言ってきたんですけれども、実際に今二〇〇七年なんですが、もう何というか、団塊の世代の話が遠く行っちゃっているような感じで、どこでどうなっているのかよく分からないままになっているというふうに見えるんですけれども。
 すなわち、今年が二〇〇七年問題であるならば、もう一度これ見直す側面、必要なのかなと思うんですが、この二〇〇七年問題というのは日本の高齢化の一端を表すその象徴的な問題なんですけれども、この団塊の世代に特有の側面もあるんだろうというふうに思います。
 それで、十七年の十月に厚労省が説明をされた内容というのはこの@からEまでございまして、もっと文章になっていたんですが、要約して一行に縮めてございますけれども、大体こんなようなことを説明されたということであります。この中で、後から問題が出てきますので、特にこの@からEまでの内容は申し上げません。
 F、一番下のところは私が勝手に付けたところでありまして、年金支給年齢が今六十五歳ですから、六十歳定年で六十五歳までの五年間の雇用をどうするかということなんですけれども、実際に現時点でも企業、事業所のおよそ八〇%がやはり六十歳定年のままと、こういう状況になっているわけであります。
 二枚目の方ですけれども、この二〇〇七年問題の問題点があるわけなんですが、メリットもデメリットもあると、こういうふうに言われております。
 @のところで、団塊の世代の定年退職と、それから少子化が進展するわけですから労働力の人口というのは減少するという、バランスが取れなくなるということでありますので、構造的な労働力の不足ということに引き続いて経済の成長が抑制される、これがデメリットだと、こういうふうに言っているわけであります。
 その反対に、Aのところで、団塊の世代が大量に退職いたしますので、その穴埋めという形になる若年者層の雇用と失業率が改善されるんじゃないか、これはメリットだと、こういうふうに言う人もあります。
 それからBで、技術とか今まで日本が蓄積したノウハウを継承していくということができなくなる、それからものづくりの技能の低下が起こると、こういうことであります。これがデメリット。
 それからCに、退職金を大量に用意をするということになりますし、退職金以外に一時金あるいはその後引き続いての企業年金の給付を行うということですから、企業、事業所の財源不足というのが起こるだろうということであります。
 それからDで、高給取りの、六十歳代の給与水準の高い団塊の世代が退職しますので、それから以後は企業の人件費は減るのではないか、こういうメリットがあると、こういうふうに言う人もあります。
 それからEで、これは国の問題として、現在の年金制度は、この大量の退職者を含めてその後、年金を維持していくという、国の年金制度自体が賦課方式でやっているので、これはとても財政上、社会保障財源というのが少子化が進むということと併せて非常に財政が苦しいという国の状況が起こると。
 それからF、しかし団塊の世代が大量の、大量と言うとおかしいですが、一応退職金をもらうわけですので、その退職金を活用するということになりますと消費経済が活性化する方向性があるんじゃないかと、こういうふうに言う人もあります。あるいは、たんす貯金のような形になってしまって動かないかもしれないということもあります。
 それからGとして、この大量の団塊の世代の退職者はこれから何年寿命があるかという平均的な余命、六十歳以降の平均余命でありますけれども、これは平均寿命と違いますので、六十歳まで生存してきたという仮定の中からそれから先どのぐらい余命があるかというと、男子で二十三年ぐらい余命があるわけなんですね。そうすると、もう八十歳以上確実に生き延びるということになりますので、八十歳以上になっていく超後期の高齢者になればなるほど医療と介護というのがくっ付いてくるわけですから、これの給付それから保険料の問題、これがまた大きな問題点になると。こんなことがメリット、デメリットで羅列されているということであります。
 ところで、別の法律がありまして、高齢者等の雇用の安定等に関する法律で括弧書きのところ、平成十六年の六月に改正になったわけであります。
 これで主な改正点というのは、六十歳までの定年を引き上げろと、定年を六十五歳まで引き上げろということで、毎年一年ずつでいいから五年掛けて六十五歳まで引き上げていいんだと、こういうことであります。それから、六十歳で定年になっても引き続き雇用制度を導入しろと、あるいは定年そのものの定めを廃止してしまえと、こういうことがこの法律に改正点として書かれているわけでありまして、これを義務的に各企業は行えと、こういうことになっております。
 しかし、ただし労使協定で、継続雇用制度の対象労働者にかかわる基準の設定で希望者全員を対象としないことも可能だと、こういうようになって難しい表現になっているんですけれども、要するに、継続雇用の制度を労使でもって相談するときに、全員がその制度に乗っかるということじゃなくて、希望者だけで考えてもいいんだろうと、こういうことであります。
 それと、その次が、そういう関係のもので、政令で定める日まで、大企業と中小企業は少し年限が違いますけれども、それぞれ猶予期間を置いていいんだと、こういうことで、労使協定でなく就業規則等で当該基準を定めることは可能だと、こういうふうな表現になっているんですが、実際にこの法律の条文の中で労使協定、こういう表現になっているんですが、実際には協定という言葉は通用しないので、一番重きを置くのが法令でありますけれども、その次が労使の協約、協約という方式、その次がここで言っております、何というんですか、就業規則になって、その後が雇用の際の雇用の条件ということになりますので雇用契約と、こう三段階ぐらいに重要なものが来るわけなので。ですから、労使協定でなく就業規則等に当該基準を定めることは可能だという表現が、なかなか微妙な表現になってきます。ここで言っている労使の協定という意味は何なんだということになると、労使の協約なのか、労使の契約なのか、あるいは就業規則そのものなのかということのニュアンスが非常に表現をするのが難しいという面があると思います。
 それから、中高年者の再就職を促進させろと、それから多様な就業機会を確保しろと、こんなことが書いてあるわけですね。これで、じゃ企業は今どんな対応をしたかということですけれども、とにかく定年の年齢を引き上げろと、一年ずつでもいいですから、六十一歳、六十二歳、六十三歳というふうに年々引き上げてもいいということなんですけれども、それと継続雇用制度の導入及び定年の取決めの廃止と、この三つが条件になって、各企業はこれ義務付けてやれと、こういうことでありますけれども、一応、企業、事業所の九七・九%がこの雇用の確保の措置という義務化を導入するんだということは言っているわけなんですが、実際にどういうことをやったかといいますと、企業の対応、企業などが対応している中身のほとんどが、この措置の対応の基準は一応労使で決めるなりなんなり決めたと。しかし中身は、一応退職してもらうと、六十歳で退職してもらって退職金を払うと、それで再雇用をするけれども、その再雇用の期間は一年契約だと、こういうことがほとんどだというわけであります。
 したがって、その年の退職金以上のものは払っていないわけですから、それで再雇用した場合に、今までの雇用形態の給与よりもずっと減額した給料を払うということができます。それから、ボーナスは払わないと、こういうことになるわけなので、この対応が果たしてここで取り決めた雇用確保の措置ということに本当に合っているのかどうかというふうなことは疑問視されるというふうに思います。
 あと、カラーの資料の方でございますけれども、これ縦書きの方をごらんいただきますと、これは内閣府の高齢社会白書の資料でありますけれども、一番下のところを見ていただくと(5)というのがあって、技術・技能の伝承というのがあります。これで、大量の団塊の世代が退職するので、その団塊の世代が持っていたいろいろな技術、ノウハウを引き継ぐということは困難ではないかと、こういうことを言われていたんですけれども、実際のアンケート見ていただくと、特に変化はないよというのが五〇%近くと。あと、多少困難になるというのは四〇%ぐらいで、余り、企業としてはこの技術を伝承するとかそういうことはほとんど考えていないんじゃないかと、そういう気がいたします。
 それから、その上の(4)も同じ状況で、専門・技術者層の確保ができるのかできないのかということは、特に懸念はないと、多少懸念はある程度だと、こんな回答が出てくるということでありまして、法律上考えているものと実際の企業が対応しているものは何かえらいずれがあるような気がするということを申し上げたいと思います。
 それから、一番最後のカラーの資料ですが、これ左の方が二〇〇五年の実績でありますが、これで、大体六十歳のところで今の団塊の世代の第一陣が退職してくるということであります。もう一つ下の山が、これが団塊の世代の子供たちの、ジュニアの山であります。その両方の間に落ち込んだところがあるのは、これはひのえうまということになります。
 これが三〇年になりますと、団塊の世代はほとんど七十五歳、八十歳になってしまうということでありまして、次の団塊のジュニアの世代の、特にひのえうまに当たるところ辺りが六十五歳、すなわち団塊のジュニア世代、もう六十歳に掛かってくるということになります。
 一番右の二〇五五年は、これはもう完全に、こういう状況でいきますと、団塊の世代のジュニアの世代が既に八十歳に掛かるということになります。そうしますと、この団塊の世代のジュニアのもう一つ後のジュニアはないということになりますので、ここから先はもう完全に総人口も何もないということになりまして、団塊のジュニアの世代の年金を支えてくれるようなとにかく若年者層がいなくなるということが心配だと、こういうことになっているわけであります。
 しかし、私申し上げたいのは、どうもこの二〇〇七年の問題があやふやになったままになっておりまして、それで実際に企画をした法律上の対応というのは、企業は適当に対応しているんじゃないかということが私は申し上げたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#4
○会長(清水嘉与子君) 民主党、足立信也さん。
#5
○足立信也君 民主党・新緑風会の足立信也です。最終報告に向けての意見を表明させていただきます。
 私が少子高齢社会調査会の理事として入りましたのは三年目からでしたので、主に三年目の調査事項について意見を述べます。
 まず、不妊治療、生殖補助医療に関して申し上げます。
 今日、不妊カップルは全国で百二十万組と推定され、約三十万組が治療を受けております。現在、排卵誘発剤などの薬物療法や卵管通過障害に対する卵管通気法などの一般的な不妊治療については保険適用の対象となりますが、人工授精、体外受精については治療の概念とは異なるとして認められておりません。
 特に私が指摘したいのは、排卵誘発剤などの使用は保険診療であるのに対し、そこに男性の精子が少ないことなどによって人工授精が必要となると全額自己負担になる。すなわち、男性が加わっただけで本来保険診療であった女性は全額自己負担になるという矛盾、これは解決されるべきであると考えます。
 生殖補助医療について、我が国にはクローン人間を禁止する法律以外、基準を定めた法律がありません。これまでは専ら日本産科婦人科学会の会告という自主規制にゆだねてきたのが実態であり、国としても平成十二年十二月に厚生科学審議会の専門委員会が法律を含む規制の体制を三年以内に整備するよう報告書をまとめておりますが、いまだ実現を見ておりません。
 このような法的対応の遅れの下、本調査会に参考人として招致した長野県の医師による産科婦人科学会の会告に反した生殖医療の実施や親子関係をめぐる具体的な問題の訴訟が起きてきました。
 生殖補助医療は人の誕生という人権の出発点を左右するものであり、これをどこまで認めるのかは慎重な判断が求められるところでありますが、これ以上の問題の先送りは許されない段階に来ております。我が党は検討チームを発足させ、昨年十二月に中間報告を行い、この秋までに最終報告をまとめる予定です。政府においても社会的な問題になった代理懐胎について日本学術会議に検討をゆだねましたが、国民的合意を得つつ、早急に必要な立法化を図るべきです。
 子供を持つ、持たないの選択は当事者の問題としても、妊娠、出産には適齢期があるということを広く国民に周知していく必要があります。
 また、不妊治療などの普及により多胎妊娠が増え、低出生体重児のNICU、新生児集中治療室への入院が増えております。しかし、NICUは絶えず満床状態にあり、多くの周産期医療センターにおいては搬送依頼があっても受入れができないという状況にあります。そのような中、昨年八月、奈良県で、急変した妊婦が県内外十九の病院で受入れを拒否されたという事案がありました。NICUの確保及び長期入院患者の後方支援施設も含めた医療提供体制の整備並びにネットワーク化は緊急に対処すべき課題です。
 あわせて、安心できる出産体制整備のためには産科医、小児科医不足への対応も重要であり、特に地方での医師不足対策には、まず安全な医療を提供するには医師の絶対数が足りないという認識を共有することです。
 次に、仕事と生活の調和について申し上げます。
 ILOの調査によりますと、我が国は週五十時間以上働いている労働者の割合が二八・一%という世界一の働き過ぎ国家です。このような長時間労働を是正することこそが仕事と生活の調和を実現させる第一歩と言えます。
 また、仕事と生活の調和の取組の中で特に仕事と家庭の両立支援は重要でありますが、我が国の場合、正規職員で労働時間を柔軟に選択できる制度に乏しく、とりわけ女性の年齢階級別労働力率のM字型カーブが示すように、育児休業制度が導入されても七割の女性が出産前後に退職を余儀なくされております。この傾向は女性医師も同様で、せっかくの技術を持ちながら出産、育児のために退職をしなければならないという状況は医師不足が社会問題化している中で大きな社会的損失でもあり、一般の職員のみならず専門職職員についても柔軟な労働時間の選択を可能とする制度が強く求められるところであります。
 仕事と生活の調和の実現のためには企業の意識を変えていくことが何よりも必要でありますが、企業側の認識としては、仕事と生活の調和を図るための環境づくりよりも、むしろ正規職員の数を減らして非正規職員の数を増やしていくという姿勢が依然として見られるところであります。その背景にあるのが労働法制、あるいは社会保障制度等において非正規職員を増やすほど企業側にとってプラスに作用するという仕組みになっていることであり、その適用に当たって雇用形態間に差を設けないことなど、賃金体系を含めて、正規職員と非正規職員の均等待遇の実現は不可欠な要件とも言えます。
 最後に、高齢社会について申し上げます。
 生涯現役を続けられている日野原参考人から、平均寿命の延びを反映して、高齢者の定義を六十五歳から七十五歳に引き上げるべきとの指摘がなされました。今後、高齢化が更に進展し、いわゆる後期高齢者の割合が増加してくる状況の下で、七十五歳以上を高齢者と定義し直すことは、一面では理解できますが、我が国の場合、雇用定年年齢と年金受給開始年齢がリンクしており、高齢者を再定義することで高齢者にとって関係施策や制度上のメリットがあるのかどうかという点も考慮しなければなりません。再定義が逆手に取られてはなりません。
 しかし、高齢者が終末期を迎えるまで自立して生活することは最も好ましいことであり、そのために六十五歳を超えても仕事をしたい人は仕事の場が、ボランティアを行いたい人にはボランティアの場が、健康づくりを行いたい人には健康づくりの場がそれぞれ提供されることは必要なことです。中でも、高齢者の移動能力の低下が生きがい、意欲、関心の低下につながりかねないことから、高齢者が外出しやすいまちづくりやコンパクトシティーの形成等の取組を地域で行っていくことが求められております。
 近年、医療や介護の予防への取組が重要視されてきましたが、医療・介護費用の抑制という財政上の問題にとどまらず、生涯を通じて健康で自立した生活を送るためにも予防重視の政策の更なる推進が望まれるところです。
 医療、介護に関しては、今後は医療に比べ介護の問題が大きなウエートを占めると考えられますが、介護の入口と出口には医療があり、そこでのかかりつけ医の導入、充実は大きな課題となっています。残念ながら我が国ではその取組は遅れており、その育成は介護面のみならず病院医療における医師不足対策としても重要な課題であると言えます。
 高齢期を自立して生活できるためには安定した生活保障基盤が必要でありますが、年金の制度間格差や就業機会の有無により高齢者間に格差が拡大していると言われております。とりわけ我が国の公的年金は中所得層以上に比べ低所得層には手薄になっており、貧困層の高齢化を避ける方策が求められます。また、少子高齢社会にあっては賦課方式からの脱却が必要であり、世代内の所得再分配機能を高めることが肝要です。高所得層に有利な所得控除から、税を還付する形の税額控除の創設や社会保険料負担における基準年収の上限引上げなど、早急に検討すべき課題であると考えます。
 以上、時間の関係で数点に限って意見を表明しましたが、一年目、二年目の調査を始めとして、私が触れてこなかった点については、後の討議の場で委員各位の活発な御議論にゆだねたいと私は思います。
 以上でございます。
#6
○会長(清水嘉与子君) それでは、公明党、鰐淵洋子さん、どうぞ。
#7
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。
 本調査会におきまして、少子高齢社会の課題と対策について、参考人の皆様より貴重な御意見を伺い、また皆様と意見交換をさせていただきました。この場をおかりいたしまして、清水会長を始め関係者の皆様に心より感謝を申し上げたいと思います。
 初めに、少子化対策について意見を述べさせていただきたいと思いますが、少子化対策につきましては、これまでの中間取りまとめの際にも意見を述べさせていただいておりますので、本日は簡潔に申し上げたいと思っております。
 出生率低下の最大の原因として晩婚化、非婚化によるもの、そのような報告もございます。この晩婚化、非婚化に至る過程には様々な理由が考えられますが、大きな課題として働き方が挙げられるかと思います。パートや派遣業など不安定で低所得の雇用や、仕事と家庭の両立が困難であることなどが晩婚化、非婚化につながっていると考えられております。そこで、働き方の見直しを進めていくことが最優先の課題であると考えております。
 具体的な対応といたしましては、生活を犠牲にしない働き方への転換でございます。仮称でございますが、仕事と生活の調和推進基本法を制定し、国を挙げて、企業と国民が一体となり働き方改革を推進するとともに、育児休業制度の改善や正規・非正規労働者の均衡処遇など、仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスを図るための雇用環境の整備に引き続き取り組む必要があるかと思います。
 次に、子育ての様々な負担が子供を持つことに対するちゅうちょを生み出しているという指摘もございます。我が党としましても、引き続き児童手当の拡充や妊娠・出産費用の軽減といった子育てに係る経済的負担の軽減を進めることに取り組んでまいりたいと思っております。
 不妊治療女性におきましては、二〇〇四年に創設され、当初通算二年であった支給期間が昨年四月からは通算五年に延長されました。さらに、今年の四月からは、支給額が年一回十万円から一回十万円を年二回まで、このように拡充をされ、所得制限も緩和をされております。しかし、参考人より指摘もございましたが、引き続き負担軽減の取組も必要であるかと考えております。
 そのほか、若者の就労支援も重要な取組でございます。安定した就労を確保するための再挑戦の機会を創出することが重要です。キャリア教育、職業体験、体験学習など、より充実した取組、また雇用行政と教育行政の連携強化、また企業の採用・人事制度の柔軟化、こういったことを進めていく中でさらに若者の就労支援にも取り組んでまいりたいと思っております。
 私たち公明党としましては、昨年の四月に少子社会トータルプランを発表しております。子供の幸せや子育ての安心が確保される社会こそ国民すべてに優しい社会であるとの考え方に立ち、子育てを社会の中心軸に位置付け、社会全体で支援するチャイルドファースト、子供優先社会の構築を訴えたもので、その改革の方向性と具体的施策について提起したものでございます。引き続き、このトータルプランに基づいて、少子化対策、子育て支援に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、高齢者対策について意見を述べさせていただきます。
 本調査会におきまして、生涯現役社会の推進、高齢期の生活保障基盤、地域社会と高齢者、高齢期の住生活環境、このテーマの下、参考人の皆様より意見聴取をさせていただきましたので、この観点から意見を述べさせていただきます。
 まず、日野原参考人より、高齢者が六十五歳と定義されたのが四十五年前のことで、その当時の平均寿命が六十八歳であった。その後、平均寿命が二十年延びたことを考慮すると、高齢者の定義を七十五歳以上とすべきである。また、人生を百歳とすれば、七十五歳からの人生に有終の美を持たせたい。単に生きるのではなくて、良く生きることが重要である、こういった趣旨のお話がございました。今後、高齢化が進む中で、一人一人が良く生きること、充実した生き方、それができるかどうかが、この視点が重要になってくると思いました。
 この生き方の実現のためには、生涯学習の推進や予防重視の医療、介護の推進によって、心身ともに健康であることも重要な課題であると思います。また、二〇〇六年四月に改正高年齢雇用安定法が施行され、六十五歳までの雇用確保が前進しましたが、意欲と能力がある限り、年齢にかかわりなく働き続けることのできる生涯現役社会を目指す取組として、そのほかにも、短時間勤務の導入やシルバー人材センターによる派遣事業など、多様な就業機会の確保も必要であると思いました。
 また、三和参考人より、定年退職後、元気な人が何もすることがないのは社会的損失であると感じ、NPO法人を立ち上げ、ボランティアとして地域の中で、何か世の中のためになればと地域活動を始めた、そのような報告もございました。
 団塊の世代の方が定年を迎えられますが、まだまだお元気でもあり、そしてすばらしい経験も持っていらっしゃいます。こういった方々が昼間も地域に在住し、ボランティアなど地域の活性化のための取組や培われたビジネススキルを生かし、コミュニティービジネスや事業型NPOの起業など、地域経済への貢献も期待できるのではないかと思っております。また、何よりも高齢者の皆様、団塊の世代の皆様の生きがいや居場所づくりにもなると思っております。団塊の世代、そして高齢者の方々が多様なライフスタイルに合わせた生き方が選べるメニューの開発や職業紹介の制度の構築を推進してまいりたいと思いました。
 次に、高齢者と地域社会、住生活環境ですが、高齢化の進展に伴い、その状況は地域によって大きく異なることが予想されます。今後、地域ごとの状況や将来展望に応じた対策を確立する必要があります。都市部におきましては、急速に高齢者人口が増大することが予想されます。既存の都市ストックを効率的に活用し、インフラの維持管理費用を最小限度に抑えながら生活の質を確保していくため、都市の中心部に機能を集中するいわゆるコンパクトシティーの形成が重要になってくると思います。また、高齢者や障害者を支援するバリアフリー施策にとどまらず、妊産婦や子供などすべての人が自分らしく生きていけるユニバーサル社会が求められてくるのだと思います。
 また、今後、ニーズがますます高まる介護サービスの計画的な整備に積極的に取り組む必要があります。高齢者が住み慣れた地域から切り離されることがないよう、地域密着型サービスの整備など、都市部の実情を踏まえた住宅ケア体制の確立を目指す必要があると考えます。そのほか、独居高齢世帯の増加も予想されますので、地域住民や関係機関が参加し、高齢者を支える福祉と住まいの連携、これらの対策も必要であると思いました。
 次に、地方過疎地域対策でございますが、保母参考人から、過疎地域は厳しい実情であるとの報告があり、生活用水の管理、買い物、移動手段の確保、この三つが最低レベルの住生活環境を確保するために不可欠であるとの御意見がございました。そのほかにも、医療、介護等の課題もあり、これらも生活をしていく上で必要なレベルの確保が最低限度保障されなければなりません。国と地方自治体との役割分担を整理しつつも、国と自治体と地域のあらゆる人々が協力し合って地方過疎地域におけるきめ細やかな高齢者対策を講じていかなければならないと思いました。
 最後に、高橋参考人より次のようなお話がございました。高齢者が普通に生活できる国づくりが重要な課題である、全人口の中で高い割合を占めるに至った高齢者はもはや特別な存在と見るべきではない、こういったお話がございました。政治の最重要課題として少子化対策、子育て支援とともに、高齢者の皆様のすべての方が生きがいを感じ活躍ができる社会づくり、環境づくりに引き続き全力で取り組んでまいりたいと思います。
 以上、簡単ではございますが、三年目の調査を中心に少子高齢社会の在り方について意見を述べさせていただきました。
 以上でございます。ありがとうございます。
#8
○会長(清水嘉与子君) 続いて共産党、小林美恵子さん。
#9
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子です。私は、日本共産党を代表して、少子化対策、高齢対策についての意見表明を行います。
 まず、本調査会が三年間のうち二年半を費やしてきました少子化問題について述べます。
 今、出生率は日本の人口を維持する最低水準二・〇八を大きく下回る一・三にまで下がっています。子供を産むか産まないかはすべてのカップルと個人が自由に決定する問題でありますけれども、子供を産みにくい、育てにくい、だから子供が少なくなるというのは決して健全なことではなく、日本社会の存立にとっても重大なことです。
 この要因について、政府の少子化白書でも、若者の不安定雇用と低賃金、子育て世代の長時間労働、経済的負担の増大を挙げています。まさに深刻な少子化は、労働法制の規制緩和による働くルールの破壊、子育て世代への増税や負担増、保育の公的責任後退など、政治のゆがみにあることは明らかではないでしょうか。
 では、どうすれば少子化を克服できるのか。
 欧州の国々では、落ち込んだ出生率を引き上げることに成功してきています。例えば、出生率が過去最低だった一・二四から一・三六に回復してきたドイツでは、女性に多くの負担を強いてきた子育ての現状を変えようと、保育所の拡充と育児休業手当の引上げを打ち出しています。育児休業手当を現行の定額約六万六千円から、収入の六七%、上限を約二十六万円に保障して、育児休業の取得率が五%と余りにも低い父親の育児参加を促すというものであります。出生率が一九九〇年代の一・六台から二〇〇六年には二・〇一に回復したフランスでは、出産後も働く女性が多く、男女ともに労働時間が短く、手厚くきめ細かい家族手当があります。働く権利とともに子育てする権利の保障をつくる社会づくりの姿勢がこれらの施策から伝わってきます。我が国でも、働く権利と子育てする権利の保障、社会保障制度の充実を始め希望ある未来を示す政治が必要です。
 そこで、私は具体的に次のことを提案をします。
 一、長時間労働と非正規雇用を拡大させる労働法制の規制緩和路線から、労働時間を短縮し安定した雇用の確保を大原則とする雇用政策に転換すること。
 二、女性も男性もパート労働者も含めて育児休業が取得できるように、休業中の所得保障を六〇%に引き上げ、また女性が働き続けることで不利益を受けることがないように再雇用を保障するなど、仕事と子育ての両立を図ること。
 三、子育ての経済的負担を軽減するために、児童手当の拡充とともに乳幼児医療費無料化を国の制度として実施をする、教育扶助や就学援助の拡充、高校、大学の授業料免除の拡大など、教育費の負担を軽減する。
 四、定員超過の詰め込みをやめ、待機児童をなくす保育施設の拡充や学童保育の拡充。
 五、小児夜間救急医療施設や産婦人科医療施設を拡充すること。
 六、子育ての不安を解消するために、子供の安全対策のための人員配置、スクールバスなどの財政支援措置を拡充すること。また、児童虐待防止のため、相談窓口の整備、児童福祉士など児童相談所職員の抜本的増員、児童諸施設の改善を図ることです。
 また、日本の家族政策への財政的支出は低く、対GDP比、デンマークは三・八、日本は〇・六となっており、国際水準に引き上げるように財政保障をすべきかと思います。
 以上、緊急対策として提案をいたします。
 次に、高齢対策について意見を述べます。
 高齢者の問題を考える上で最も重要なのは、生きがいを持って日本社会で生きる上でも、高齢者の安定した生活保障基盤ではないでしょうか。現実はどうでしょう。四月十六日の毎日新聞にも、八十歳夫婦が無理心中、介護疲れかと。こうした高齢者の悲劇な報道がされています。政府は、国民に自己責任を強調し、社会保障制度の改悪を進めてまいりました。二〇〇四年来の年金課税や定率減税の全廃などでは、所得税、住民税だけでも五百万人以上で、高齢者の五人に一人が増税となりました。昨年、年金減らされて、住民税がなぜ上がるのかと高齢者の怒りは広がりましたが、今年もまた増税になり、多くの高齢者は怒りと不安を強めています。
 介護保険制度はどうか。改悪介護保険法の下、要介護度が低い、決め付けられた高齢者は、介護保険で利用してきた介護ベッド、そして車いす、ヘルパーやデイサービスなどを取り上げられています。介護施設の居住費、食費が全額自己負担となったため、負担増に耐えられず退所を余儀なくされる。また、ショートステイ、デイサービスを断念した高齢者も少なくありません。
 医療改革関連法は、高齢者の負担を引き上げ、更に六年で療養病床を二十三万床も削減する計画のため、施設不足が一層深刻化するのは必至であります。
 さらに、全国四千七百万人が加入する国民健康保険は、今土台を掘り崩すような危機に陥っています。高い保険料の下、年収二百万円台でも三十万、四十万の負担を強いられるなど、多くの自治体の国民健康保険料は既に住民の負担能力をはるかに超える額となっています。昨年六月時点で国保料滞納は四百八十万世帯、制裁措置で国保証を取り上げられた世帯は三十五万を超えました。国保証を取り上げられ、医療費を全額自己負担する資格証明書に替えられた人が受診を控えて死に至る事件も続発をしています。
 さらに、老齢加算廃止、母子加算廃止など、生活保護費への国庫負担削減も広がっています。これらは、政府自らが憲法二十五条に明記をされている国民の生存権を否定するものではないでしょうか。このままでは、社会保障が国民の暮らしを支えるという本来の機能を大きく失い、逆に多くの国民を苦しめ、社会不安をますます増大させる要因となります。
 私は、この現実を調査会としても政府としてもしっかり直視をし、これまでの施策を根本的転換することが必要だということを声を大にして、以下、次の諸対策を政府に提言をいたします。
 一、社会保障を予算の主役に据え、暮らしをしっかりと支える社会保障制度の改革、拡充を求める。基礎年金の国庫負担を二分の一までに直ちに引き上げ、年金財源の基盤強化を図ることとともに、全額国庫負担による最低保障年金制度創設の実現に向かうこと。
 二、だれもが安心して利用できる介護保険制度に改善すること。
 三、介護ベッド、車いすやヘルパーなどの取上げをやめさせること。
 四、特養ホームなどを計画的に増設し、待機者の解消を図ること。
 五、食費、居住費の負担を軽減すること。
 六、介護保険料、利用料の免除・軽減制度を国の制度として確立すること。
 七、介護給付費の国庫負担を現在の四分の一から二分の一に引き上げること。
 八、国は、低所得者対策を拡充し、高齢者の介護施設、療養施設不足の深刻化を食い止めること。
 九、介護職員の労働条件を改善すること。
 十、保険で安心して掛かれる医療制度にするために、窓口負担の引上げをやめ、軽減すること。保険が対象とする医療サービスの縮小、切捨てをやめ、拡充させること。減らされてきた国庫負担を計画的に元に戻すとともに、高薬価や高額医療機器の見直しなど、保険財政の無駄もなくし、医療保険財政を立て直すこと。
 十一、国保料を引き下げ、国保財政を再建するため、国庫負担を一九八四年当時の水準に計画的に戻すこと。
 十二、老齢加算を元に戻し、生活保護費への国庫負担削減をやめること。
 十三、一・七兆円もの増税となっている定率減税廃止を撤回をし、年金への課税をやめ、高齢者増税をやめること。
 最後に、財源問題について触れます。
 少子化対策の施策に当たっては、財源問題になりますと、社会保障給付の中で高齢対策を抑制し、子育て支援にという意見もあります。しかし、それは国の予算全体を見ない議論であり、社会保障給付の割合議論は正しくないと思います。政府は社会保障の改悪に財政難を口実にします。しかし、一方で米軍再編に三兆円もの負担をするのは、その主張に全く道理はないのではないでしょうか。また、スーパー中枢港湾など不要不急の公共事業を節約し、五兆円規模に上る巨額の軍事費を大幅に削減するなど、税金の使い道を見直し、研究開発減税、IT投資減税など大企業向けの優遇税制にメスを入れ、適正な税負担を求めるならば、社会保障財源は十分捻出できるのではないでしょうか。
 私は、国民、若い世代、高齢者が置かれている困難な事態に当たり、国会の意思として、社会保障の拡充を始め少子化対策、高齢社会対策の抜本的充実を広く国民に呼び掛ける必要があることを述べて、意見表明といたします。
#10
○会長(清水嘉与子君) 以上で各会派からの意見の聴取は終わりました。
 これより、お手元のテーマに沿いまして委員相互間の意見交換をいたします。
 本日御発言いただきました御意見というのは論点を整理して報告書に取りまとめます。できるだけ多くの方に御発言いただきたいと存じます。できるだけ多くの御発言ができますように、一回の発言、おおむね三分程度とさせていただきます。
 それでは、少子化と高齢化という二つのテーマがございますけれども、まず少子化について御意見のある方は挙手をお願いいたします。
 それでは、島田智哉子さん。
#11
○島田智哉子君 民主党・新緑風会の島田智哉子でございます。
 三年目の中でも不妊治療、生殖補助医療のテーマの中で御議論がございましたけれども、私は女性の立場からしましても安心して安全な妊娠、出産ができるための環境づくりの重要性を強調したいと思います。この点につきましては、十七年の提言の中でも女性の健康と生命の大切さ、また十八年の提言では男女の健康と出産という柱でまとまっております。
 政府では周産期医療ネットワークを今年度中に全都道府県で整備するとしておりますけれども、先ほど足立理事の御意見にもございましたように、NICUの確保、それからそこに長期入院している子供たちの後方支援施設の整備につきましても、本調査委員会において武見厚生労働副大臣より大変前向きな御意見をお聞かせいただくことができましたけれども、さらにこうした問題への取組について、政府の取組を促すという意味からも是非強調させていただきたいと思います。
 以上でございます。
#12
○会長(清水嘉与子君) ありがとうございました。
 ほかに、いかがでしょうか、少子化の問題。
 はい、どうぞ。それでは、林久美子さん。
#13
○林久美子君 済みません、ありがとうございます。
 今、島田理事の方からもお話がございましたが、やはりだれもが、子供を持ちたい人が安心して産み育てていくことができるというのが、やはり少子化のベースにある問題であるというふうに考えております。そうしたことからも、多分委員の皆様方の御地元でもそうだと思いますが、今本当に産科の先生方が非常に不足をしていると。そのときに、じゃ、どのように医師を育成をしていくのか、あるいは偏在をどう解決をしていくのか、さらには今の医師の配置の仕組みの問題というのも当然あると思うんですね。あるいは女性医師がしっかりと復帰をできる環境、あるいは研修を整えていくであるとか、やはりその生命の誕生の部分を支えていく仕組みをやはりここできちっとつくっていくということが本当に今求められているのではないかなというふうに思いますので、どうかこの点も御検討いただければ有り難いと思います。
#14
○会長(清水嘉与子君) ありがとうございます。
 それでは、蓮舫さん。
#15
○蓮舫君 民主党の蓮舫です。
 本当にこの委員会では、少子化と高齢化という、今日本が直面する大きな問題について専門家の方、あるいは大変専門知識を持った方々から貴重な御意見を伺うすばらしい場所だったと思います。改めまして、委員長を始め皆様方に感謝を申し上げると同時に、少子化につきましては、これは政局ではなくて政策という部分で、与野党の垣根を越えて国会議員が、この国で生まれてくる子供たちをどのように育てていって増やしていけるのかというのを、真剣に話し合っていくべき大きな課題だという問題認識は共有をさしていただいたと考えております。
 現行法制の中で、例えば去年成立した認定こども園ですとか、実際に成立してみて問題点が幾つか出てきて、補助金が文科省と厚労省に分かれている部分、あるいは待機児童の解消に実はつながっていないという部分、あるいは幼稚園側から認定こども園側になる部分ではなりやすいけれども、逆に保育園側から認定こども園になるには自己負担がかなり多額に発生するというような問題点、現実的にそういう問題を、じゃ、どういうふうに今後改正していくのかという部分、あるいは今国会でもパート労働法の改正案が審議をされておりますけれども、女性の三人に一人がパートで働く現在において、仕事か子供かという選択を迫るのではなくて、仕事も子供も、女性も男性もという部分で同一賃金同一労働、どのように働き方を見直したら、仕事も子供もあるいは男性でも女性でも子育てに参加しやすい社会に、参加しやすいようなシステムができるのか、この部分も再度審議をきっちりとさせていただければとお願いを申し上げます。
 あるいは、今子供を育てていらっしゃる方たち、特に都心部あるいは地方というところに分け隔てなく、子供の通学路の安心と安全、これはまだ解決されていませんから、例えば学校は文科省ですけれども、一歩通学路に出ると国土交通省、塾に通うと経済産業省、やはり縦割り行政の弊害というものをもっと我々は真摯に受け止めて、子供というところに焦点を当てて、どのように守っていくのか、国会で審議すべき点が幾つかあったと思います。
 特に、この少子高齢調査会、今年度は高齢化にスポットを当てたとき、NPO法人のこのゆびとーまれの代表がお話ししたように、世代間を超えて集える場所、御高齢者と赤ちゃん、御高齢者と乳児、幼児、そういう何か言葉が通じなくても優しさとか思いが伝わる場所を用意することが実は子供にとっても御高齢者にとってもとても大切な結果を出すという実例も聞かせていただきましたので、どういう場所を私たちが提供していくことができるのかも今後含めて御検討さしていただければとお願い申し上げます。
#16
○会長(清水嘉与子君) ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか、少子化の問題。それじゃ、森ゆうこさん、どうぞ。
#17
○森ゆうこ君 民主党・新緑風会の森ゆうこでございます。
 少子化の問題につきましては、今ほど様々な御意見があったんですけれども、私は改めて、日本が人類がいまだかつて遭遇したことのない超高齢の人口減少社会に突入しつつあるのだという、そのような危機感をもっと国民全体が持つべきだと思いますし、そのように私ども国会が中心となって、また政府が中心となって国民がそういう危機感に目覚めるようにまずはすべきだと思います。
 この人口減少のもたらす様々な弊害、もちろん人口減少社会に適合した様々なシステムの転換を行えば若干は解消される部分もあるかと思いますけれども、やはり人口減少、なおかつ超高齢化というこのインパクトは非常に厳しいと思います。その危機感をもっと国民が共有すべきだと思いますし、高齢化に対する様々な政策もあるんですけれども、やはり財源が限られている中、ここは、これ以上の少子化は許さないのだ、少子化に完全に歯止めを掛けるのだという政府の意思をやはり予算措置で示すべきだと思います。
 財源を政府が確保する、そして具体的な施策は、やはりこれまでも様々な参考人の陳述等がありましたように、地域の新たな取組が行われておりますので、できるだけ具体的な施策がそれぞれの地域の実情に合って行えるよう改めて提言をさせていただきたいと思います。
 そして、妊娠、出産に関する環境につきましては、男女雇用機会均等法の改正もあり、また育児休業の期間の延長等もあり、制度的には随分整ってきた部分もあるのではないかというふうに思っておりますけれども、具体的にそれらの制度を利用しようとしますと非常に障害がある。特に、大多数を占めております中小零細企業の中で、女性がそのような制度を、また男性もそのような制度を利用するということに関しては非常に制約がありますので、この点について具体的に制度が利用できる環境を整えるための支援が非常に重要ではないかと思っております。
 更に付け加えますと、先ほど不妊治療等の生殖補助医療については様々な言及があったわけですけれども、やはり未妊という観点から考えましても、改めてこの晩産化ということが、本来、不妊治療そして生殖補助医療を受けなくてもいい人までも受ける対象にしてしまっているということを考えますと、やはり先ほどもお話がありましたように、結婚適齢期はないが出産適齢期はあるのだということをもっと若い人たちがしっかりと認識できるように啓蒙活動をすべきだと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
#18
○会長(清水嘉与子君) それでは、松下新平さん、どうぞ。あっ、手をお挙げになりませんでした。失礼しました。
 じゃ、中原爽さん、どうぞ。
#19
○中原爽君 先ほどは高齢社会をかいま見るために団塊の世代のことをお話ししたんですが、実際に今一番大事なのは、少子化の方が大事なんですね。というのは、少子化の対策として子育ての施設等々をやってきましたけれども、今お話がありましたように、出産あるいは結婚の適齢期というところ辺り、やはり足立先生がおっしゃっておられるように、この辺りの年代に対する医療の制度というものはまだ全くできていないというふうに思います。
 高齢者に対する、後期高齢者に対する医療制度、これからもう大体目鼻は付いているとか、あるいは年金制度を一元化したとか、そういう方で高年齢というか高齢化の方は大体手は打ったという感じがするんですけれども、少子化の方は全く手が着いていない、ここを何とかしないと幾ら高齢者の制度をいじっても意味がないと思うんです。やっぱり子育てと、それから結婚適齢期、それと出産適齢期、これに対する社会制度と医療制度、これをもっと確立すべきだというふうに思います。
#20
○会長(清水嘉与子君) それでは、蓮舫さん、もう一度。
#21
○蓮舫君 全く今、中原先生のおっしゃるとおりだと思うんですが、ただ、その高齢化と少子化、どちらが重要かという比較ではなくて、実は日本はこの両方において直面している危機感というのをもっと皆さんが共有しなければいけないと思っています。
 結婚適齢期というのは、多分、ちょっと言葉が難しくなってくるんですが、これから高齢化していったときに、伴侶に先立たれた場合に再婚する場合もありますから、再婚適齢期というのがじゃ果たしてあるのかということになるんで、そういう言葉というのは私は余り使うのはふさわしいとは思いませんが、ただ、出産適齢期というのは女性の体の部分であると思うんですね。
 今、三十歳から三十四歳の第二次ベビーブームに生まれた女性が人口でいうと大体四百万人、今二十から二十四歳の女性人口は二百万人です。もう半分になってしまっている。そうすると、これから数年間の分母が多い第二次ベビーブーム世代の女性がどうやったら産みたいと判断できる施策を国が用意できるかというのは、これはとても大切なことになってくるのと、これからどんなに頑張っても分母が減ってくる産める性である女性がどうやって産みたいと思えるような環境を整えていくのか、持続的な少子化対策というのは決定的に私は必要だと思っております。
#22
○会長(清水嘉与子君) ありがとうございました。
 それでは、森ゆうこさん、どうぞ。
#23
○森ゆうこ君 今の蓮舫委員の御指摘は私はもっともだと思うんですけれども、確かに、産みたいと思えるようにということはもちろん当然そういう環境を整えるべきだというふうに思うんですけれども、まずその前の段階として、いつでも産めるんだと、女性はいつでも産める、今や三十五歳で最初に出産、初産をするとか、そういうことは特に特別なことではなくて、いつでも産めるんだという錯覚があるのじゃないかなというふうに思うんですね。
 ですから、やっぱり出産適齢期はあるんだということをもっともっとやっぱり強くアピールしなければいけないというふうに思います。もちろん、産みたいと思える環境をつくることも重要ですけれども、その辺の意識が少し若い人たちに持ってもらえるようにまずすることも非常に重要だというふうに思っております。
#24
○会長(清水嘉与子君) ほかにはいかがでしょうか、少子化の問題。
 それでは、有村さん、どうぞ。
#25
○有村治子君 今、森ゆうこ委員がおっしゃっていただいたこと、全くもって同感で、具体的に出産できる期限というのが医療学的にも物理的にも限られているという現実をもっと伝えなきゃいけないというと、やはり保健体育の教科書に、以前も申し上げましたけれども、その事実をしっかりと伝えていくということをもっと積極的に取り組まなければならないということを書いていただきたいなというふうに思っています。今のところそれを書いているのは、保健体育の高校の教科書で変更がなければ一社、一教科書だけなので、特に十代後半、二十代、三十代のメーンの女性をターゲットにした女性月刊誌、週刊誌でも、事実として医療側からの発信をもっともっと力をかしてほしいなということと同時に、やっぱり教科書の掲載というのも提案の一つに入れていただきたいと思います。
 以上です。
#26
○会長(清水嘉与子君) ありがとうございました。
 ほかにございますか。少子化についてはよろしいでしょうか。
 そうしましたら、また後ほどもし時間があったらそこにしていただくことにして、それでは高齢化の問題に移りたいと思います。
 高齢化の問題につきまして、何か特に御発言がございましたらお願いします。高齢化。
 それでは、小林美恵子さん。
#27
○小林美恵子君 意見表明もさせていただきまして、新たに自由討議にも加わらせていただきたいと思います。
 先ほど自民党の中原議員から、高齢対策については手を打ったと、年金の問題とか今後の後期高齢医療制度ですかね、そのことについて紹介がございました。
 しかし、私は、そういう手の打ち方が本当に高齢者にとって安心して暮らせる生活保障基盤なのかというのは、そこをやっぱり直視をしなければならないということを意見表明で申し上げたんでございますけれども、この間の参考人の方の御意見の中にも、立命館大学の高橋教授は、そうしたこの間の社会保障の一連の改革について、特に年金の問題については、やはりどこにセーフティーネットを定めるかということも含めて十分には反映されていないと批判的御意見があったというふうに思うんです。そういう点はやはり直視をして、手を打ったというふうに、そういうふうに認識されるのはいかがかなとちょっと私は意見を申し上げたいというふうに思います。
 同時に、そういう高齢者に対して将来安心した生活保障基盤が保障されてこそ将来不安がなくなるという、若い世代へのインパクトにもなりますから、これは少子化を克服していく一つの要因でもあるというふうに思いますので、そこはどちらも私は大事だということで調査会としてはやっぱり深めていく必要があるというふうに思います。
#28
○会長(清水嘉与子君) よろしいですか。中原委員、どうぞ。
#29
○中原爽君 私が申し上げたかったのは、我々立法府ですから、例えば先ほど申し上げた高年齢者等の雇用の安定化等に関する法律、その雇用確保の措置というのを立法府として作った形になっているわけなんですけれども、作ったつもり、というよりも作ってしまったんですけれども、それが実際の世の中で企業とか事業所がそれに対応していないんですよね。適当に自分たちに有利なような形で対応してしまうということの、今何か随分我々と一般社会の企業とのずれがあるんじゃないか、そういう気がするんですね。それを今日、団塊の世代ということで申し上げたかったんです。
 そういうことで、もう一度申し上げますけれども、この法律に企業がどう対応したかというと、確かに再雇用はしますよということですから、雇用を延長するということは一つクリアしているわけですね。それで、そのために一応再雇用した期間はとにかくお給料は払っているということになりますから、生活の保障はできているということになります。でも、それは現役のときの給料の半分なのかもしれないし、同じ額ではない。それと、ボーナスはくれない、それから、再雇用ですからほとんど、再雇用の期間でまた退職金がもらえるということはあり得ないということですね。
 でも、今、我々が作った立法府のこの法律の一つ一つを見ていくと大体クリアしていると、いろんな条件を整えているんですね、企業の方は。そういうことに対して、法律を作った側としては今後どう考えたらいいのか。なかなか、六十歳の定年が九割近くそのままの状態で、今後六十五歳の定年まで持っていって年金の空白の年代をどう埋めるかということの対策を一生懸命考えてやったつもりなんですけれども、それが現実として遅々として進まないんじゃないかと、そういうことの問題をちょっと提案を申し上げたということでございます。
#30
○会長(清水嘉与子君) ありがとうございました。
 ほかに、高齢化の問題につきまして御発言ございませんでしょうか。
 それでは、足立信也さん、どうぞ。
#31
○足立信也君 ちょっと、活発な意見が一杯出ているのでちょっと触発されたところがあって、少子化と高齢化と両方ちょっと言いたいなと思っているんですが、僕は今まで、これ、厚生労働絡みのことが多いので、必ず言うようにしているのは、少子化に対しては、やっぱり一人いる子供を二人目、三人目が欲しいというためには何が必要か。これが子供手当であり、あるいは教育費の公費負担であり、そして働き方、休業の問題なんですね。
 ゼロ、今いない人が一人増やすためには何かと、その一番大事なことは、子供が望んでもできない、やっぱり生殖補助医療に入ってくる。
 じゃ、ゼロに行くためには何か。ゼロに行くためというのはどういうことかというと、産みたいという気持ちを起こさせるか結婚したいという気持ちを起こさせるか、どちらかなんですね。産みたいという気持ちを起こさせる、これ政府がずっと追跡調査をしているデータで明らかなのは、休業制度があれば産みたいという気持ちがはるかに増えるんですね。これはもう間違いないこと。
 じゃ、結婚したいという気持ちがどうやったら起きるかと、これはもう就業形態です。雇用の問題ではっきり、十年前に比べて一〇%下がっていますから、結婚したいという気持ちを起こさせるには、つまり給与を含めた労働形態、こういうことが分かっている。
 せっかく意見が活発に出ているので、是非とも皆さんに僕は聞きたいなと思ったのは、じゃ、そうなると、話題として出ていないのは婚外子の問題ですね。婚外子をどういうふうに考えていくかということと、その婚外子に含んで、熊本の「こうのとりのゆりかご」、赤ちゃんポストをどういうふうに皆さんがとらえているかということも議論していかないと、一度少子化に陥ったところを上げるために施策を講じたところでは婚外子が確実に増えていますから、これは日本としてどう考えていくかということをまず考えておかなければいけないというふうに思います。
 そして、高齢化のところで、僕は自分の立場だから言いやすいのかもしれませんが、皆さん、ぴんぴんころりんを望んでいらっしゃる。じゃ、ころりんは何で死ぬかということまで話をされているかどうか。
 例えば、がん対策基本法に基づいて今協議会がやられておりますが、七十五歳未満はがんの死亡率を二〇%下げると言っているわけですね。七十五歳以上でがんの死亡率が下がったら、皆さん、どうやって亡くなるのかと、想像がわかないと思います。例えば僕は分かりません。皆さん、どうやって死にたいと思っているか。そういうことを考えていかないと、どういうことが本当に望ましいのかという形になっていくんだと思うんですね。
 ころりんというのは、確かに世論調査でいくと、昔よりもあっという間に死にたいという人がはるかに増えている。それは家族に迷惑掛けたくないから、お金の面でも無駄な出費をしたくないからという理由でころりんと逝きたい。じゃ、ころりんは皆さんどういうふうに望むかと、どういう形を、これは実は僕は答えが出ていないんじゃないかと思って、糖尿病の発症率を二〇%下げるといったら、ころりんと逝く脳血管障害、心筋梗塞は減ります、確実に。じゃ、ころりんと逝けないということです。
 ということも皆さんの頭の中での考えで出てくるともっと具体的なイメージがわくのかなと思ったもので、ちょっと発言させてもらいました。
#32
○会長(清水嘉与子君) 新しい問題提起をいただきました。婚外子の問題、これは出生率の増えているところってやっぱり婚外子とかなんとかじゃないんですね、その問題。あるいは、今、死に方の問題、最期の問題ですね。
 それでは、蓮舫さん、どうぞ。
#33
○蓮舫君 死に方の問題は、医師である足立委員に対して私が言える立場ではないんですが、個人的に、ころりというのは眠ってそのまま起きないというのが一番理想的だなとは思いますが、まだ残念ながら自分のその末期というのは想定できるような年齢ではないので、これは是非一緒になってまた考えていきたい。医療問題も含めて、あるいは老人の孤独死も含めてだと思うんですけれども、死ぬ環境というのをどのように私たちはこれから整備していくのか。それは、病院だけではなくて、どうやって安心して死んでいけるのかという、死に方という整備はこれから政治に求められてくるのかなというのは一つ思っています。
 婚外子については、フランスが出生率がこの十二年間で二・〇八、日本は同じく少子化対策をして出生率が下がりっ放しで一・五六になっているんですけれども、それはやはりフランスの場合には半分が婚外子だという事実がありまして、日本は婚外子はやはり残念ながら社会的に認知されない、結婚しなければ子供を産んではいけないという空気、家制度というものが根底にはあるんですけれども、この部分を認めるのかどうするのかという前提、どちらの前提に立つのかによってこれからの少子化対策というのはやはりこれは大きく対応が変わってくるんだと思います。
 そのときに考えたいのは、例えば赤ちゃんポストができた、あるいはお母さんが娘の子供、自分の孫を産んだ、この二つに共通しているのは、法律がない、あるいは厚生労働省の指導がない、つまりやむにやまれず現場の声があって、で、率先してつくられた二つだと思うんですね。じゃそれに対して、命というものを私たちはどう扱うか、生命倫理基本法というものもないこの日本の法体系において、まず私はその法体系を作ることが第一にあるんだと思います。
 赤ちゃんポストに関して一言付け加えさせていただきますと、産んだけど育てられないから、じゃその赤ちゃんを預かろう、これをもし否定するのであれば、じゃその赤ちゃんはどうしたらいいんだろうかという議論も出てくるし、もっと言えば、産みたいけど産めないから、妊娠したけど産めないからという中絶数が今一年間で三十万人まだありますから、ここも政治は見てこなかった。じゃ中絶はどのようにするのか。アメリカの大統領選では大きなテーマ、年金に次いで大きなテーマになるこの中絶に対して、日本は政治がやはりここは無関心だったし、不作為が多かったと思います。
 生命倫理、あるいはその中絶、赤ちゃんを遺棄すること、あるいはその婚外子について、これは全部共通しているのは、政治が動いてこなかった部分に今どうやって私たちは立ち向かっていくかという部分は大きな課題で、これは政治家の皆様方と御共有させていただける課題だと思っています。
#34
○会長(清水嘉与子君) それでは、中原さん、どうぞ。
#35
○中原爽君 今お話がありました高齢者の死に方ですね、死に方というのは、まあどういう病気で死ぬかというのはこれ止められないんですけれども、死に方に至るその死ぬ環境ですよ、環境を国家としてどう整えるか、あるいは社会としてどう整えていくかということが今抜けていると思うんですね。後期高齢者に対する医療制度は考えてはいるんだけれども、今言ったように、どうやってその人が亡くなる前後の環境を整えてあげるかということが抜けたままになっていると思います。
 ですから、高齢者については、おっしゃるとおり、その部分をこれから考えていくということは必要だというふうに思います。
#36
○会長(清水嘉与子君) いかがでしょうか、婚外子の。
 どうぞ、森ゆうこさん。
#37
○森ゆうこ君 婚外子の問題について一言申し上げたいと思います。
 私は、基本的には、結婚ということに関して言えば、それは男性と女性とのやっぱり一つの約束事だと思いますし、これをきちんと法律上契約するというのが今の婚姻制度だと思っておりますし、そして今までは日本の中ではやはり結婚しないと出産ができないということで、ですからできちゃった婚と、まずは結婚、そして出産という順番というのが伝統的な日本の価値観に基づいた今の状況だと思います。
 それで、その出生率を、その婚外子を認めてもいいからまずは出生率が第一なんだというところまでもし踏み込むということであれば、それは私は一つの考え方だろうと思いますし、婚外子を認めてでもとにかく出生率を上げるということを選択するという選択肢もあるなと思いますが、個人的にはそれを軽々に認めたくない。
 少なくとも、全く他人同士だった二人が一つの家庭、社会の最小単位である家庭を築いていくわけですから、そのときにやはりお互いが責任を持って、いろいろな状況が起こって必ずしもその婚姻生活がずっと続けられるとは限りませんが、少なくとも最初の段階できちんとお互いがお互いの生活に責任を持って一つの家庭を築いていくんだという約束はまず果たし、そしてその中で生まれる子供についてやはりまず一義的に親が責任を持つというところが基本であり続けていってほしいなというふうに、個人的にそういう見解を持っております。
#38
○会長(清水嘉与子君) いかがでしょうか。
 仮にこの婚外子の問題を何か報告書で触れるとすると、今のちょっと御意見ではなかなかまとめにくいと思うのですけれども、もし御意見がありますればもう少し伺った方がいいのかもしれませんが。
 婚外子、これは確かに日本とヨーロッパの国とは相当違う状況です。しかし、やっぱりそれをそのまま容認するかというのは、なかなかこれ、森先生おっしゃるように難しい問題が日本ではあろうかと思いますけれども、調査会としてのメンバーとして、もしそういうことにもう少し御意見ございますればちょうだいしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、蓮舫さん。
#39
○蓮舫君 恐らく婚外子の問題については、世論からどんな声が上がってくるのか、あるいはそれとも国会で政策議論を中心に進めていくのか。全くこれまで議論が始まってこなかった部分ですから、世論の関心の喚起も今のところはそんなに高いものではなく、政治家の中の議論としてもそれほど関心の高いものではないかもしれませんが、将来的に日本の少子化を解消するんだという方向に持っていくという議論の共有の意識を持てるんであれば、調査会として報告書にテーマとして、婚外子を今後どうするべきか、家制度をどうするべきか、それこそ戸籍制度をどうするべきか、いろんな部分の整理も一つあるのではないかという課題提起という表記にとどめるべきではないかなと思います。
#40
○会長(清水嘉与子君) すごいいい御提案がありましたけれども。
 それでは、足立さん、どうぞ。(発言する者あり)
#41
○足立信也君 いや、反対じゃない。
 やっぱり視点が、「こうのとりのゆりかご」を含む婚外子と生殖補助医療、代理懐胎も含む、これの違いが何かというと、婚外子と「こうのとりのゆりかご」は子供の人権、だからそれは認めていかなければいけないし、子供の視点に立っているわけですね。代理懐胎、生殖補助医療というのは、その子供をつくるための親のまずは理論なんですね。ここを整理していくべきで、できた子供に対して人権をきちんと認めるためにはどういう形がいいのかと。ですから、親子関係もまず一義的であるべきだというのは大原則が成り立つんだと思いますから、そこで分けてやるんだろうなと思います。
#42
○会長(清水嘉与子君) いかがでしょう。
 それでは、森ゆうこさん、どうぞ。
#43
○森ゆうこ君 今、ごめんなさい、別に反論するわけじゃないんですけれども、「こうのとりのゆりかご」については子供の人権の問題だ、生まれてきた子供を、親がきちんと責任を果たせないという子供の人権を守るために「こうのとりのゆりかご」がある。
#44
○足立信也君 つくろうとしたわけで、つくったわけですね。
#45
○森ゆうこ君 ということなんですよ、つくろうと。これから本格的に、スタートしたわけですけれども、その認識が少し、これもう思想的な問題になるのかもしれませんけれども、私は、子供を「こうのとりのゆりかご」に託す、それは子供の人権を守ることなのだという考え方がどうも私には納得できないんです。遺棄されなければいいのだと、赤ちゃんポストに入れればいいのだ、それで本当に子供の人権が守られるのかと。
 人間というのはただ生命が守られればいいだけだ、これは死の問題も一緒なんですけれども、死は医療の敗北である、とにかく生かしておけばいいのだ、最後まで死と闘うのが医療なのだという考え方と私はちょっと相対する考え方を持っておりますので、やっぱり死についてもそれは、尊厳ある生を全うするために尊厳ある死を迎える権利、それが人間の私は権利だというふうに思いますし、同じようにその赤ちゃんの問題についても、「こうのとりのゆりかご」、赤ちゃんポストに入れることが子供の人権を守ることだというふうにはどうしても私は思えないということで、先ほど足立委員が子供の人権の側に立ってというふうにくくられたんですけれども、ちょっとそこの基本的な認識が若干相入れない部分があるかなというふうに思います。
#46
○小林美恵子君 今、婚外子でありますとか熊本の赤ちゃんポストの話が出されましたけれども、私は、婚外子であったとしても、生まれてくる子供についてはやっぱり不平等なく平等に権利が保障されるのが筋だというふうに思うんですよね。それが一つです。ただ、少子化の克服にだから婚外子を大いにというふうに、それはやっぱり慎重にすべき問題ではないかというふうに思うわけですね。
 もう一つは、熊本の赤ちゃんポストの件ですけれども、会長もそうですけれども、ドイツに重要事項の調査で行きましたときに、ミュンヘンの病院がちょうど赤ちゃんポストを既に実施をされておられまして、ちょうど熊本にあるような同じ構造のものを拝見をしてきました。ドイツのミュンヘンの場合はそのときに一件もなかったんですけどね、ポストに入れられた子供がいてたというのはなかったんですけれども。
 でも、私はいずれにしましても、生まれてきた命がそのまま置き去りにされるよりも、救われるという点でいきますと、それ自身はやっぱり否定することはできないなというふうに思うんですね。ただ、どうしてそういうことになったのかという背景といいますか、社会的背景というのを大いに分析をするというそちらの方が私たちの役目としては大事になってくるんじゃないかなというふうに私は思います。
#47
○会長(清水嘉与子君) 今、小林委員からも言っていただきましたけれども、おととしの暮れでしたかね、調査会でヨーロッパを見ましたときにミュンヘンで赤ちゃんポストを見たんですね。そのときのミュンヘンの病院の説明では、ミュンヘン市で赤ちゃんを捨ててしまうお母さんがいると、その捨て子対策として何とかしなきゃいけないというので編み出したのがこの赤ちゃんポスト、あるいは匿名でお産をしていくことができる、そういう二つの仕組みをつくったということだったんですね。
 ですから、やっぱり子供を救うために、お母さんを救うために、それでそういう新しい施策をつくったということでございまして、それなりの評価はできるものと私たちは見てきたんですけれども、日本の中でどう定着するのか、いろいろと御批判もあるようでございますけれども、それを、なければない方がいいわけですけれども、しかし、さっき蓮舫さんもおっしゃったように、三十数万まだ人工妊娠中絶というものが、しかも若い人たちが多くしているということについて、やはりこの問題について検討していかなきゃいけない問題がたくさんあろうと思いますね。
 有村さん、どうぞ。
#48
○有村治子君 私も小林委員の御意見に賛成で、少子化に対してどう立ち向かっていくかという範疇の中で婚外子というものが検討なり審議されるというのは私は本会の筋ではないのかなというふうに思います。ただ、生まれてくる赤ちゃんに何の瑕疵もないというのは事実ですから、婚外子の現状について、当事者の皆様、専門家の皆様のお話を聴くということは、やっぱり大変な御苦労もあるでしょうからやぶさかではないので、そういうことも機会があれば是非させていただくということでも私は同意させていただきますが、あくまでこれは少子化についての諸問題を考えるという中では切り離していただくのが健全かなというふうに思っています。
 それと、森ゆうこ委員がおっしゃったように、やはり本来は男女がお互い責任を持って一対一で家庭をはぐくむということが尊重される社会というのが基本的であるというその価値観は共有させていただきたいなというふうに思っています。
#49
○会長(清水嘉与子君) いかがでしょうか。
 大分いろんな議論が出てまいりましたけれども、少子化、高齢化、別に分けないでいいと思います、もう最後の時間でございますので。言い残したことがあるというような方があったら。
 中原さん、どうぞ。
#50
○中原爽君 今の問題以外のことでもよろしゅうございますか。
#51
○会長(清水嘉与子君) はい、どうぞ。
#52
○中原爽君 先ほど、ものづくりの技術の継承ができていないということがいろいろ厚労省や何かの意見の中に出ていっているということと、それと、それに対する企業のアンケート調査が、技術・技能の伝承というところで、特に伝承するしないということは変化はないんだと、あるいは分からないとか、こういう意見だけでもう五〇%を超えているんですね。
 いろいろ事故もありますけれども、例えば瞬間湯沸器のガス中毒、それから回転ドアに挟まれた、それからジェットコースターの車輪が外れた、それからエレベーターが規定のところで止まらないで挟まれた、それから自動車の車輪、車軸が壊れてタイヤが飛ぶ、それからパソコンの電池が発火する、火災を起こす、それから建築関係はもちろんなんですけれども、いろいろな外国人労働者や何かの大量導入によりまして建築の本当の基本的な技術がうまくいっているのかどうかという問題、それからお菓子や何かの材料が賞味期限過ぎたものを平気で使うと、こういうことで、これでその会社の社長、役員がテレビ会見で長いテーブルのところで深々とおじぎをしてごめんなさいと、これがワンパターンなんですね。
 これ全部ものつくりに関係があるんですね。しかし、企業の方は何とも思っていないと、ここに大きなやっぱり問題があるんじゃないかというふうに先ほど提案を申し上げたわけです。
#53
○会長(清水嘉与子君) ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 さっきから死ぬ問題が出てまいりましたけれども、この調査会でも井形先生に一度尊厳死の問題をお話しいただいたんですね。それをどういうふうにしてこの調査会の報告書にまとめるかということも問題かと思うんですけれども、その尊厳死の問題。
 足立さん、どうぞ。
#54
○足立信也君 論理的に矛盾があると僕が思っているのは、今、世論調査をずっと繰り返してみても、ころりと死にたいという人が多い。そこで、リビングウイルをあらかじめ取っておくということはかなり現状と合わなくなってきている。実際に、急変あるいは急病、急患で運ばれてきて、そこからの判断というのが実際多いわけですね。そこら辺が、書面の生前の意思というものを余り強調すると、またそれが、そうできなかった場合にどうするかという問題が僕はあると思っているんです。
 安心して死ねるまちづくりというのが僕は大事だと思いますが、そこでかかりつけ医の機能を重視しようという政策面があります。でも、これは医師には無理なことです。そこに何十年も住み続けていて、その人の生き方、考え方を把握している開業医さんなんて今後は恐らく出てこないと思います。昔は可能だったかもしれない。そこに任せるのは無理な話で、やはり同年代の、例えば私もうすぐ五十になりますけれども、七十の人、八十の人の考え方はやっぱり分かりません。医師として、患者さんとして見ていましても分かりません、それはね。じゃ、同年代の人のやっぱりコミュニティーの中での自分がどういう考え方を持っていたかということを周りの人が知っているということですね、そこが私はかかりつけ医よりもはるかに大事なこと。どういう亡くなり方、終末期の迎え方を持っているかということを友達が把握しているということが大事だと思いますし、その中の一つの考え方として、例えば地方の消防団組織のここをもっと強くする、補助を高める、民生委員の働きをもっと活用する、そこに補助を与えるとか、そういうことが私は大事なんではないか。余りにかかりつけという形の、死に方までの選択も医師に負わせていくような方向性はむしろ間違っている。私はコミュニティーで解決すべき問題だと思っています。
#55
○会長(清水嘉与子君) さあ、いかがでしょうか。
 コミュニティーがだんだん崩れてきている中でどこまでできるか、いろいろ地域によっても違うかと思いますけれども。
 はい、どうぞ。それでは、島田さん。
#56
○島田智哉子君 少し、考えがまとまってはいないんですけれども、命ということに関して、今、先ほど足立理事が尊厳死のことをおっしゃいましたけれども、一方で自殺という問題も多くありまして、私が調査させていただいた中で一番驚いたのが、子供の自殺が非常に多い、その数字に驚いたわけですけれども。そのことも厚生労働委員会の中で質問させていただきましたけれども、なぜ子供が自殺したいと思うんだろうと、そこからその質問に発展していったわけですけれども。
 いろいろな、電車が止まるのはなぜだろう、それは人身事故だ、飛び込みだとかいろんな事故もありますけれども、必ずしも大人が多く自殺しているだけじゃなくて、子供が自殺をする多くの事件がありました。また、高齢者の問題では、老老介護の中でもうどうしていいか分からずにパートナーを殺してしまったり、二人で自殺をしてしまったりといういろんな悲惨な事件も多くありました。そして、子供をどうやって育てていいか分からずに子供を置き去りにしたり、子供を殺してしまったりという悲惨な事件もありました。
 それはなぜかというと、やはり社会的な背景の中に、会長がおっしゃったようにコミュニティーの崩壊といいますか、だれにも相談ができないような状態というか、そういった社会になりつつ、もうなっているのかもしれないんですが、だれにも相談できないということが大きな問題なのかなと思っております。そういった社会的な背景もしっかりと考慮していかなければならないんではないかなと思っております。
#57
○会長(清水嘉与子君) いかがでしょうか。
 それでは、森さん、どうぞ。
#58
○森ゆうこ君 尊厳死の問題について先ほど会長の方から問題提起がございましたので、私は尊厳死法制化推進の議連にも入っておりますが、これは安楽死とは全く違いますけれども、終末期の部分のいろいろな難しい判断をお医者さんにのみゆだねるのは私はいけないのではないかなと思っております。
 病院の名前忘れてしまったんですけれども、最近ある病院の中でそのガイドラインというものも作って随分様々な試みがなされているようですけれども、できるものであればきちんと尊厳死というものを定義し、皆さんの御理解を得てそのような立法をすべきではないかというふうに思っております。
 また、先ほどからPPKの話が出ているんですけれども、ぴんぴんころりのころりという部分の話の中で、やっぱり地域の、地元に帰って様々な高齢者の皆さん、自分の家族も含めいろんな人たちの意見を聞きますと、ある日突然眠ったまま亡くなるというよりも、むしろ不必要と言ったらいいんでしょうか、延命治療をいつまでも受けたくないと、スパゲッティ症候群になって死にたくない。
 それから、昨年の医療制度改革関連法案の審議のときにも明らかになりましたけど、療養型病床群でいらっしゃるお年寄りの、済みません、今ちょっと正確な数字がないんですけれども、例えば胃瘻という処理を施されている方が三分の一ぐらいたしかいらっしゃると思いましたけれども、これは私としては驚くべき数字だと思いますし、そういうふうな諸問題についてやはり一定のきちんとした方向性というものを示すべきではないかというふうに思っております。
#59
○会長(清水嘉与子君) ありがとうございました。
 この調査会で、生殖補助医療の問題とかあるいは尊厳死の問題とか、なかなか生命倫理にかかわるような問題、ある程度やっぱりルールも作っていかなければいけない時期に来たかなという認識を皆さんも共通にお持ちになったかと思うんですけれども、そういう問題もお取り上げさせていただいたわけでございます。
 どのような形でこれから世に問い掛けていくのかということもあると思いますけれども、何らかの形で報告書に書かせていただけたらというふうに思っております。
 ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 いろんな分野で御発言いただきましたので、今日はこれで意見交換を終わらせていただければというふうに思っております。
 皆様方には、大変貴重な意見をいただきましてありがとうございました。本日の御意見を含めまして、これまでの調査の論点を整理いたしまして、各理事とも御相談の上、報告書の取りまとめに向けて対応してまいりたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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