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2007/05/09 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 経済・産業・雇用に関する調査会 第4号
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2007/05/09 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 経済・産業・雇用に関する調査会 第4号

#1
第166回国会 経済・産業・雇用に関する調査会 第4号
平成十九年五月九日(水曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         広中和歌子君
    理 事
                小池 正勝君
                南野知惠子君
                松村 祥史君
                尾立 源幸君
                小林  元君
                澤  雄二君
    委 員
                大野つや子君
                神取  忍君
                北岡 秀二君
                小泉 昭男君
                松田 岩夫君
                伊藤 基隆君
                下田 敦子君
                藤本 祐司君
                柳澤 光美君
                和田ひろ子君
                松 あきら君
                井上 哲士君
                渕上 貞雄君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        富山 哲雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○経済・産業・雇用に関する調査
 (「成熟社会における経済活性化と多様化する
 雇用への対応」について)
    ─────────────
#2
○会長(広中和歌子君) ただいまから経済・産業・雇用に関する調査会を開会いたします。
 経済・産業・雇用に関する調査を議題とし、「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」について委員間の意見交換を行います。
 本調査会は、これまで三年間にわたり「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」をテーマに調査を進めてまいりました。
 本日は、これまでの調査を踏まえ、最終報告書を取りまとめるに当たり、委員各位の御意見をお述べいただきたいと存じます。
 議事の進め方でございますが、まず各会派から一名ずつ大会派順にそれぞれ十分以内で御意見の表明を行っていただきました後、一時間程度、委員相互により自由に意見交換を行っていただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、これより意見表明を行っていただきます。
 御意見を表明される方は順次御発言をお願いいたします。
 まず、小池正勝さん。
#3
○小池正勝君 自由民主党の小池正勝です。本調査会は「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」をテーマに三年間にわたって調査を続け、今国会はワーク・ライフ・バランスを中心に調査を行いました。本日は、この三年間の調査を踏まえ、自由民主党を代表し、意見を表明いたします。
 我が国経済は、目下、イザナギ景気を超える景気拡大局面が続いております。これまでの構造改革、不良債権処理、規制緩和などの諸施策の効果がようやく実を結びつつある状況と言えるかもしれません。しかし、失業率が約四%、経済成長率が一、二%と、経済社会の成熟化によりイザナギ景気ほどの景気拡大は望めず、また家計部門への広がりに欠けているため、好景気の実感がわかないとの声が聞かれます。とりわけ、地方や全企業の九九%を占める中小企業には好景気が十分に波及していないと思われます。地方では商店街がシャッター街と化すとともに、中小零細の製造業は人件費の安いアジアなど外国企業との価格競争に追われている状況にあります。
 現在の景気拡大を持続させ、真に豊かな国民生活を実現するためには、地域が地域として自立できる環境づくりが必要です。住民の目線に立った自立した地域づくり、安心して元気に暮らせる町づくりを推進するためにも、地方や中小企業に光を当てた政策を今後積極的に実施していく必要があると考えます。昨年、中心市街地活性化法が改正されましたが、こうした法整備も含めて、自助努力している地域を応援するスキームをしっかりと整備することが重要であります。また、地域経済と雇用を支える中小企業を支援するための施策の充実を図っていくことも欠かせません。
 一方、少子高齢化、グローバル化、地球規模の環境問題が進む状況において我が国経済が中長期的に成長していくには、技術革新を含めた経済社会システムの革新、すなわちイノベーションの推進が重要な課題となります。最近ではインターネットの普及が私たちの生活を一変させたように、新たな技術は経済の発展に寄与するばかりではなく、国民生活をより便利にする力があります。イノベーションの推進のための研究開発体制の強化、効率的、効果的な資金の配分、人材育成等、総合的な取組を一層進めていくことが求められております。
 次に、雇用をめぐる動向についてであります。
 近年、パートタイム、派遣労働、有期契約等、雇用形態の多様化が進んでいます。このような非正規雇用の拡大については問題視する声もありますが、単に非正規雇用者の総数の増加だけを見て否定的にとらえるのはいささか早計に過ぎると思います。正社員を希望する者には機会の平等の観点からチャンスを与えていくべきであり、正規、非正規の二極化構造の固定化は是正する必要がありますが、今日の多様な働き方は、情報化の進展、経済産業構造の変化、個人のライフスタイルの多様化、企業における人材の有効活用等を背景に広まっているものであり、成熟社会においてはある程度やむを得ない面もあると思います。留意すべきは、公正の確保という観点であります。
 今国会、パートタイム労働法改正案が提出され、パートタイム労働者と正社員の均衡処遇の実現が図られますが、今後とも、企業と雇用者がともに満足できる雇用システムを目指し、時宜にかなった法改正を進めていく必要があります。また、企業においては、非正規雇用者に対して職責に応じた処遇を行うとともに、正規雇用を希望する者に対して正規雇用への転換を積極的に行うなど、適切かつ柔軟な労働環境を整備することが求められます。
 また、本調査会でも取り上げたところでありますが、近年大きな問題となっておりました若年者雇用については、企業業績の好調さを背景として、行政が一丸となって様々な施策に取り組んだ結果、昨年はフリーター、ニートの数がともに前年に比べて減少するなど、その効果が現れつつあります。しかし、就職氷河期に学校を卒業した世代を中心としたいわゆる年長フリーターについては、その固定化が危惧されています。再チャレンジを支援する仕組みを喫緊に整備し、その固定化を防ぐ必要があります。行政においては、ジョブカフェや日本版デュアルシステムを始めとした各種教育訓練制度の充実を図るとともに、各企業においては、年齢にかかわらない能力に応じた採用をより一層重視することが求められます。
 少子高齢化、労働力人口の減少が急速に進行する中、我が国経済の活力を維持するためにも、働く意欲のあるすべての人がその能力を十分に発揮し就業できる社会とする必要があります。そのためにも、高齢者、女性が活躍できる環境整備が不可欠であります。
 高齢者雇用については、改正高年齢者雇用安定法が昨年四月に施行され、原則六十五歳までの雇用が各企業に義務付けられました。諸外国と比較した場合、我が国の高齢者の就業率は高いものでしたが、働くことを希望する高齢者がより働きやすくなったと言えますし、年金支給と退職との間に空白期間をつくらないという大きな意義があります。団塊世代の退職、いわゆる二〇〇七年問題という当面の課題はありますが、製造業を中心に高齢者が持つ技能伝承を円滑に行い、この難局を各企業が乗り越えられることを期待します。
 女性雇用については、いわゆるM字型カーブの問題があり、結婚・子育て期にいかに就業を継続できるかが大きな課題となっております。既に育児休業制度の充実、看護休暇制度の創設などの対策が取られていますが、これら制度の一層の普及を図る必要があります。また、子育て等のために女性がいったん離職しても適切な再就職が可能となるよう、労働市場や教育訓練機会の整備充実も重要であります。
 次に、ワーク・ライフ・バランス、仕事と生活の調和についてであります。
 ワーク・ライフ・バランスの実現に当たっての喫緊の課題の一つは、子育てや介護などと仕事を両立しやすい環境を整えることです。各企業がワーク・ライフ・バランスの取組を積極的に推進し、フレックスタイム、在宅勤務、短時間正社員など様々な選択肢を用意できれば多くの人が就業を継続することが可能となり、雇用者の満足度を上げるばかりでなく、企業にとっても優秀な社員の雇用維持につながると考えられます。
 言うまでもなく、ワーク・ライフ・バランスは、育児や介護といったことだけではなく、自己の生活ニーズに即しためり張りのある働き方を可能とするものであり、自己選択的な雇用環境を生み出し、これまでの硬直的な仕事の進め方や中身の見直しにより生産性の向上に資することが期待できます。
 しかし、残念ながら、先進的な企業を除いて余り積極的な取組が見られないのが現状です。それは、もちろん正社員の長時間労働の是正は必要でありますが、労働時間の短縮ばかりが注目され、企業に導入のメリットが余り伝わっていないからだと思われます。ワーク・ライフ・バランスは、働き方の見直しを通じて私的生活を充実させるための環境をつくるとともに、企業の生産性の向上を図ろうとするものであり、社員と企業の双方にとってプラスであることを企業に広く周知する必要があります。
 参考人からはワーク・ライフ・バランスについての情報公開や財政、税制支援の必要性について言及がありましたが、行政においてはこのような支援策についても十分検討することが求められます。
 成熟社会における日本の在り方を考えますとき、一人一人の生活の場であるそれぞれの地域に立脚した安心で健やかな日本、豊かな日本づくりを目指すことが重要であり、その一環としてワーク・ライフ・バランス社会の実現に向けた取組を一層強化していくことを強く望みます。
 以上で意見表明を終わります。
#4
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 では、小林元さん。
#5
○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。
 本調査会は、平成十六年十月に設置されて以来、「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」について三年間にわたり調査を行ってまいりました。本日は、これまでの調査を踏まえ、民主党・新緑風会を代表して意見を表明させていただきたいと存じます。
 第一は、格差の問題であります。
 我が国の景気は回復を続けており、イザナギ景気を抜き、戦後最長の景気拡大期間に入っていると言われております。しかし、多くの国民が感じていることは、景気の回復ではなく、所得の格差、教育の格差、大企業と中小企業の格差、都市と地方の格差といった社会の様々な場面における格差の拡大ではないでしょうか。このような格差の拡大の背景としては、バブル崩壊後の経済低迷期におけるグローバル化の進展やIT革命といった経済社会状況の変化に加え、小泉内閣のいわゆる構造改革路線による行き過ぎた規制緩和等によって社会の各方面にわたるゆがみ、ひずみが大きくなってきたことが考えられます。
 格差のうち、とりわけ大きな問題は、正規雇用と非正規雇用の格差であると思います。今や非正規雇用者の割合は全雇用者の三分の一を占めておりますが、特に若年層におけるフリーター等が増加することになれば、経済的な理由によって結婚や出産が困難となる若者が増え、少子化に一層の拍車が掛かることや社会保障制度への影響が懸念されます。
 さらに、幾ら頑張って働いても収入が生活保護の水準にも達しないワーキングプアと呼ばれる人たちの数が増加しているとも言われており、そのような若者たちは明日への希望を持てない生活を送っております。
 このように、非正規雇用が増加してきたことの背景として、就労形態の多様化に伴い自由な働き方としての非正規雇用を自ら選択したと言われることがありますが、現実には正社員として働く場がなく、非正規雇用を選択する以外なかったという場合が多いのではないでしょうか。特に、卒業時期が就職氷河期と呼ばれる雇用情勢の極めて厳しい時期と重なり、正社員の職を得ることができなかったいわゆる年長フリーターの人々は、雇用情勢が改善し新卒者についてはバブル期以来の売り手市場とも言われている今でも、非正規雇用としての就労を余儀なくされております。
 そこで、緊急に講ずべき施策としては、国や自治体がそのような非正規雇用を続けてきた人たちに対する職業訓練を実施し、必要な職業能力を身に付けさせることが挙げられます。
 また、企業に対しましては、正規雇用の採用を拡大させるとともに、非正規雇用から正規雇用への登用を積極的に行うことや、職員の募集に際しては中途採用を含めて行うことなどを求めていくべきであると考えます。
 また、正規雇用と非正規雇用の間の賃金格差の解消を図るため、賃金は同一価値労働同一賃金の原則を踏まえたものとするとともに、多くの労働者に雇用の機会を与えるため、短時間正社員制度の導入等を促進すべきであると思います。
 第二は、今後の人口減少時代における経済社会の在り方でございます。
 少子化の進展に伴う労働力人口の減少が避けられない中、我が国が今後とも活力ある豊かな社会を維持していくためには、労働者一人一人の生産性を高めていくとともに、高齢者や女性がこれまで以上に労働市場に積極的に参加することがますます重要となっております。
 本年二〇〇七年には、団塊世代の労働者が六十歳の定年を迎える最初の年に当たりますが、高齢者の中には若い人に負けない元気な方々もたくさんいらっしゃいます。昨年四月に施行されました改正高齢者雇用安定法では、事業主は定年の引上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止のいずれかの措置を講ずることとされました。当面は、このような制度を通じて知識や経験や意欲のある高齢者の方々が引き続き現役で働けるようにすることが重要でありますが、将来的には、だれもが年齢にかかわりなく能力を発揮して働くことのできるエージフリー社会を目指すべきものと考えております。
 我が国の女性の労働市場への進出は続いており、いわゆるM字カーブは以前に比べフラット化しておりますが、男女間の賃金格差は依然として大きく、女性にはパートタイム労働者が多いという状況もあります。また、管理者に占める女性の割合は極めて少なく、課長相当職、部長相当職では全体の一割にも達していません。男女間の賃金格差の解消はもちろんですが、昇進や処遇等についても、女性であるという理由から不利益を受けることがあってはならないと思います。
 社会のあらゆる分野における男女の固定した役割分担や差別、不平等な状態の解消を図り、男女共同参画社会を実現していくことが大きな課題であると考えます。
 第三には、仕事と生活の調和を求めるワーク・ライフ・バランス社会の構築であります。
 これまでも、主として少子化対策の観点から仕事と生活の両立支援のために様々な対策が講じられてきており、例えば女性労働者の育児休業取得率は現在七〇%を超えております。しかし、これには結婚や出産を機に離職した女性が含まれておらず、また中小企業では大企業に比べると育児休業の取得率が低くなっております。
 育児休業制度については、男女とも取得しやすい制度とするよう一層の工夫を行っていく必要があります。また、育児期の方からの要望の強い看護休暇の拡大等の施策を講じていく必要もあります。
 女性労働者の育児休業取得率が上昇する一方、男性労働者の育児休業取得率は一%にも達しておりません。この背景の一つとして、家事や育児は女性が行うものという意識が我が国においては依然として根強いことがあるように思われます。仕事と家庭の調和を図るためには、家事や育児に対する男性の自覚や協力が不可欠であり、家庭生活に関する女性の負担を軽減するためにも一層の啓発が求められると思います。
 また、各種の両立支援策の拡充の前提として、長時間労働の是正が必要であります。我が国では特に正社員の労働時間が欧米諸国に比べて極めて長く、週の就業時間が六十時間以上の就業者割合は一九九〇年以降、特に男性で増加傾向にあり、サービス残業も広く行われています。このようなことから、育児期の男性が家事や育児に参加することは困難となり、女性が家事や育児の大部分を行わざるを得なくなっています。サービス残業の解消は当然のこととして、育児期の男性が働きながら家事や育児に参加できるようにするためにも、長時間労働の是正は喫緊の課題であると考えます。
 保育所も仕事と生活の調和を公的にサポートする仕組みとして重要でありますが、我が国では保育所への入所を希望しながら入所できない待機児童が依然として多く、このことは特に働きながら子育てをしたいという女性にとって大きな障害となっております。早急に保育所を整備し、この解消を図ることが喫緊の課題ですが、さらに休日保育や放課後児童対策についても、利用者のニーズを踏まえつつ拡充強化していくことが望まれます。
 なお、このような仕事と生活の両立支援策が効果を上げるためには、包括的な施策を長期的視野に立って実施する必要があります。したがって、省庁横断的な体制を整備するとともに、そのための計画を策定するなど、政策に継続性や統合性を持たせる方法を検討すべきであると考えます。
 最後に、我が党といたしましては、格差のない社会、すべての雇用者が生き生きと働き、自らの能力を最大限発揮できる社会の実現のために一層努力することをお約束して、意見表明とさせていただきます。
#6
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 では次に、澤雄二さん。
#7
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
 当調査会は、「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」について三年にわたり調査を進めてまいりました。三年間の締めくくりとして、公明党を代表して意見を表明させていただきます。
 我が国は人口減少社会に突入をいたしました。国勢調査によりますと、平成十七年の我が国の総人口は戦後初めてマイナスとなりました。出生数は過去最低を記録し、六十五歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合は初めて二〇%を超えました。また、厚生労働省の人口推計によりますと、およそ五十年後の二〇五五年の人口構成は、総人口が約九千万人、六十五歳以上の老年人口がおよそ四〇%、十四歳以下の年少人口がおよそ八%となっております。
 このように、急速に少子高齢化が進み労働力人口が減少していく中で、将来的にも成長を持続させ生活の質を高めていくためには、就業率の上昇と労働生産性の向上が不可欠であります。就業率を上昇させるためには、特にその意欲と能力を十分に生かすことができていない若者、高齢者、女性について就業の場を拡大していくことが必要です。意欲と能力を十分に生かしていないということは、前向きに考えれば可能性が十分にあることを意味しています。このことは、将来の日本を考える上で大変重要なことであります。
 また、労働力の確保のみならず、労働生産性の向上のためにも、そして、何よりも人として生きていく価値を高めるために、仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスを推進することが重要であります。
 我が国の労働市場は、企業による保障も拘束も強い正規雇用と、企業による保障も拘束も弱い非正規雇用の二極化が始まっています。この二極化を解消するためには、非正規雇用の正規化、長時間労働の是正、柔軟な就業形態の導入、均衡処遇の確保等が喫緊の課題となっております。
 派遣労働者の増加などにより、今や非正規雇用者はおよそ一千六百万人と雇用者の三割以上を占めるまでに拡大しています。正規雇用と非正規雇用では、所得格差だけではなく、職業能力開発の機会にも格差があります。我が国の技術力低下の一因となることが将来危惧されます。また、非正規雇用は正規雇用に比べ未婚率も高いことなどから、非正規雇用の増加は社会全体としての人的資本の蓄積の弱体化、晩婚化、少子化につながる懸念が増大しています。
 このような正規雇用と非正規雇用との格差を是正するには、当然でありますが、働き方の実態に応じた均衡待遇の確保、正規雇用への転換の促進を図る必要があります。具体的には、一定の年数雇用を継続した場合には正規雇用への移行を義務付ける、契約期間が限定された社員が多い場合には雇用保険料率を引き上げるなどの雇用対策を行っていく必要があると考えます。
 非正規雇用の問題は特に若年層で深刻化しています。近年問題となっている請負労働者の多くは若者で、非正規雇用拡大のしわ寄せが若者に行っています。使い捨てのような働き方をさせられているとも言われています。政府は、請負労働の実態把握とその対策に強力に取り組むべきと考えます。
 景気回復による企業の新卒採用の拡大に伴い、二十代前半のフリーターは減り始めたものの、就職氷河期にやむなくフリーターとなった二十代後半以降のいわゆる年長フリーターでは正規雇用の職を得ることは依然として容易ではない状況があります。他方、これまで新卒採用を控えてきた企業では、組織の人員構成がゆがんでしまい、今後会社を支えていくべき二十代後半から三十代半ばの人材の不足が将来の禍根となることが懸念をされます。
 我が党は、年長フリーターを正社員として雇用した企業に助成金を支給するように主張し、本年度予算において措置されたところであり、今後の制度の利用が期待をされます。
 社会の発展のためにも若者の活力が不可欠であり、こうした若者に再チャレンジの機会を与えるためにも、新卒一括採用だけではなく、中途採用にも門戸を開いた雇用システムへの転換を促進する必要があります。さらに、キャリア教育の在り方を抜本的に見直し、雇用行政と教育行政の連携の強化、日本版デュアルシステムやインターンシップの拡充、職業経験豊富な社会人OBなどをキャリアカウンセラーとして学校に配置することなどを推進するべきです。
 人口減少へと転じ、労働力供給制約が次第に強まる我が国において、今後も持続的な発展を維持するためには、意欲や能力があれば年齢にかかわりなく働き続けられる生涯現役社会の実現を目指すべきだと考えます。
 今年から定年を迎え始めるいわゆる団塊の世代は、戦後の日本を支えてきた物づくり世代であり、世界に誇る高い知識や技術力を持った人たちです。こうした高齢者に活躍の場を提供するために、公明党の主張で、高齢者雇用安定法の改正により六十五歳までの雇用延長を段階的に進めることが義務化され、七十歳定年を目指す中小企業には助成金が支給されることになりました。
 今後は、シルバー人材センターやNPOを活用した多様な雇用・就業機会の確保、ワークシェアリングなどを活用した再就職や継続就労の支援拡大が求められております。
 近年、労働者全体の年間総労働時間は減少傾向にありますが、これは主としてパート労働者の割合の増加によるものです。一般労働者については依然として長時間労働の実態があり、労働時間の長短二極化が進行しております。この二極化を改善し、ワーク・ライフ・バランスを実現するためには、長時間労働の是正、柔軟な就業形態の導入、均衡処遇の確保の三点が課題となります。
 このため、サービス残業を抜本的に解消するとともに、時間外労働の割増し率の引上げを実現することが必要であります。割増し率の引上げについては、現在法案が提出されておりますが、将来的には四割に引き上げることを検討すべきであります。もちろん、中小企業対策は別途考慮する必要があります。また、短時間勤務、フレックスタイム、在宅勤務等の導入を促進することにより柔軟な働き方を実現すべきと考えます。均衡処遇を確保するためには、業務内容の明確化を促進するとともに、サービス業などの一部で比較的業務内容が明確な分野から同一労働同一賃金の原則の導入を実現すべきと考えます。
 出生率の低下が続く中で、ワーク・ライフ・バランスの中でも特に仕事と子育てを両立するための支援の充実は重要であります。最近は、出産後も仕事を続けることを望ましいとする就業継続型への支持が男女ともに多くなっています。しかし、現実には、男性の家事に掛ける時間が極めて少なく、保育所などの社会的な支援も不十分であり、女性が就業を継続することは容易ではありません。
 人口減少社会の中で、女性の就労率は今後も高まっていくと想定されており、仕事を続けながら出産、育児に困難を感じることがない働き方や、さらに男性、女性がともに働きながら子育てを担っていくライフスタイルの確立が求められています。
 公明党が昨年発表した少子社会トータルプランでは、育児休業制度の普及、拡充、次世代育成支援対策推進法に基づいて企業が策定した一般事業主行動計画の公表の義務化を進めるべきとしています。さらに、出産、育児等によって離職した者に対する教育訓練の機会の提供や企業の再雇用制度の充実を促進すべきと考えます。
 仕事と生活の両立を図るための働き方の改革が企業の生産性を低下させ、競争力をそぎかねないとの懸念を持つ人もいます。しかし、実際は、両立への先進的な取組をしている企業で順調に業績を伸ばしている事例は数多くあります。こうした企業では、育児休業取得や職場復帰支援などにより就業意識を高め、労働生産性の向上を図っています。参考人として来ていただいたクララオンライン社長の家本氏からも、中小企業におけるワーク・ライフ・バランスへの取組と効果について話があったところであります。
 企業にはワーク・ライフ・バランスを推進するための大きな責任があります。今後は、このような事例を周知することにより企業の意識改革を進めることが重要です。そして、少子化対策や地域における様々な活動の振興、家族関係や家庭教育などの観点からも不可欠であるという認識の下に、ワーク・ライフ・バランスのための施策を総合的、計画的に推進し、国を挙げて企業と国民が一体となった働き方改革を進める必要があると考える次第であります。
 最後に、現在、我が党は仕事と生活の調和推進基本法の制定に向けて鋭意検討を行っていることを申し添え、私の意見表明とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#8
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 では、井上哲士さん。
#9
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 本調査会では、三年間の締めくくり的にワーク・ライフ・バランスについても調査しましたが、人間らしく生きられる労働時間、その中で生活費が保障される賃金の両面が重要だと考えます。そこで、日本共産党を代表して、雇用労働問題に絞って意見を表明をいたします。
 低賃金で不安定な非正規雇用の増大が貧困と格差の広がりをもたらしています。正社員でも、異常な長時間労働が働く人たちの命と健康を脅かし、家庭も地域社会も壊しています。安定した雇用は国民の生活と安定した社会の基盤です。それが大きく崩れているのです。これは自然現象ではありません。財界や大企業の目先の利潤追求のためのコスト削減と、政府が行ってきた労働法制の規制緩和がもたらした雇用破壊と言えます。今求められているのは、これ以上の雇用と労働のルールの破壊、格差の拡大を許さず、是正のための実効ある措置をとることです。
 以下、大きく三つの柱から提案を行います。
 第一に、異常な長時間労働を是正をすることです。政府は、ホワイトカラーエグゼンプション法案は今国会の提出を断念をしました。この制度は、過労死など深刻さを増している長時間労働を更に激化させるとともに、残業代横取りでホワイトカラー労働者の所得を数兆円規模で奪うことになり、日本経済にも深刻な打撃となります。こんな法案は今後も提出すべきではないと考えます。
 また、長時間労働を是正するためには、違法なサービス残業の根絶が急務です。
 我が党はこの間、国会でも繰り返し追及し、職場からの告発もあり、この五年間で八百五十一億円の未払残業代が支払われました。しかし、これは氷山の一角です。監督や告発を強化するとともに、違法を繰り返したり隠ぺい工作をするなどの悪質な企業は、企業名を公表するとともに不払残業代を二倍にして支給させるなどのペナルティーを強化すべきと考えます。
 残業時間の上限の法定や連続の休息時間の確保も必要です。
 日本の労働基準法には、残業時間の上限を規定しないという他の先進国にはない異常な問題があります。これを是正し、長時間労働そのものの法的規制をすべきです。政府は、残業は年間三百六十時間以内とするという大臣告示を出しており、まずこれを直ちに法定化すべきです。残業代の割増しは、人を増やした方が経営面でもメリットがある水準を目指すべきであり、現行の二五%増を五〇%増にすべきです。過労死や過労自殺を始め、長時間労働による体と心の病をなくすためにも、EUのように連続休息時間を最低十一時間は確保することなどをルール化するよう提案をいたします。
 第二に、使い捨ての働かせ方をなくす、すなわち非正規で働く人たちの権利を守り、均等待遇と正社員化を進めることです。
 まず、労働者派遣事業法や職業安定法に違反をする偽装請負の根絶が必要です。
 請負業者は、労働者の賃金をピンはねして利益を得ます。受け入れた企業は、正社員の半分以下の時給で働かせた上に、労災事故が起きても、社会保険に未加入でも、一切責任を負おうとせず、契約解除の一言で好き勝手に解雇もしています。我が党は国会でも繰り返し告発をしてまいりました。社会的な批判が高まる中で厚生労働省も、昨年九月には偽装請負の是正を求める通達、今年三月には、偽装請負を是正する際に、派遣可能期間の制限を超えている労働者は派遣への転換は認めず直接雇用などにするという通達を出しました。この厳格な実施を強く求めます。
 違法な偽装請負を根絶し、安定した雇用に切り替えるためには、行政指導にとどまらず、派遣法などを改正し、直接雇用や労働条件の保障など、受入れ企業の責任を厳しく問えるようにすべきです。
 次に、派遣労働者の地位向上と正社員への登用を進めるための新しいルールが必要です。
 労働者派遣は、臨時的、一時的な場合に限定し、正規雇用の代替にしないという原則に立って、派遣労働者に正社員への道を開くべきです。派遣先企業は一年以上経過したら直接雇用を申し出る義務を負うように派遣法を改正することが必要です。
 複数の派遣会社に登録し、携帯にメールで仕事を紹介されて短期間の就労を繰り返すという新しい日雇労働も増えています。労働者派遣の規制緩和によって、登録型派遣が低賃金で短期就労を繰り返す事実上の日雇労働を供給する仕組みになっているからです。しかも、日雇健康保険、雇用保険の対象にもなりません。健康保険や雇用保険などをこうした労働実態に合わせて整備することは緊急の課題です。そして、登録型派遣による日雇型雇用をなくしていくべきです。
 さらに、労働者派遣事業法を派遣労働者保護法に抜本的に改正し、派遣労働を臨時的、一時的な場合に限定することを法律に明記するとともに、派遣先業種の制限、派遣先の正社員との均等待遇、登録型派遣の解消などを進めるべきと考えます。
 均等待遇を法制化し、パート労働者の権利を保障し、待遇を改善することも必要です。
 政府のパート労働法改正案が差別禁止の対象とするのはごく一部の範囲であり、同一労働同一賃金の原則、不当な差別や格差の禁止、均等待遇を法律に明記すべきです。
 さらに、合理的理由のない短期雇用は不公正な契約として規制し、正規常用雇用に移行させること、会社による違法、脱法行為を厳しく監視し、非正規で働く人たちの権利を保障すること、そのためにも労働基準監督官を二倍にすることが必要です。
 ワーキングプアやフリーターを支援をする国や自治体の取組の強化も重要であり、職業訓練の機会を抜本的に増やすことや、蓄えがない人には訓練期間中の生活資金の援助も必要です。アパートも借りられず、一泊一千数百円のネットカフェで寝泊まりしながら働いている若者もいます。若い世代向けの公共公営住宅の建設や借り上げ、家賃補助制度、生活資金貸与制度などの生活支援も強めることが必要です。
 第三に、最低賃金を引き上げ、全国一律最低賃金制を確立することです。
 一生懸命働いても貧困から抜け出せないワーキングプアが四百万世帯を超えると言われています。その背景には、最低賃金が時給六百七十三円というとても生計費を賄えない低さに抑え込まれていることがあります。日本の最低賃金は労働者の平均的給与の三二%と、世界でも最低水準です。EUでは、最低賃金を労働者の平均賃金の半分まで引き上げることを目標にしています。今、全労連も連合も労働団体の違いを超えて時給千円以上への引上げを要求しており、政府はこれにこたえるべきです。同時に、すべての労働者にひとしく適用される全国一律最低賃金制を確立すべきです。
 最低賃金の引上げは地域経済にも大きな波及効果があります。中小企業への支援と併せて最低賃金の引上げを進めてこそ、経済全体の底上げを図ることができます。同時に、最低賃金さえも無視した大企業による下請単価の買いたたきなどの下請中小企業いじめを厳しく監視することを始め、低賃金の過当競争を抑制するなどの対策を取る必要があります。
 以上、大きく三点の提案を述べまして、意見の表明といたします。
#10
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 では、渕上貞雄さん。
#11
○渕上貞雄君 社会民主党の渕上でございます。社会民主党の意見を申し上げます。
 この間、本調査会では、「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」をテーマに、今回、三年間にわたる調査のまとめとも言えるワーク・ライフ・バランスについての調査が行われました。私は、大変有意義な調査会だと思っております。
 さて、ワーク・ライフ・バランスについてですが、日本語で言いますと労働と生活の調和というふうになりますが、当たり前のようで当たり前にできていないというのが実態であることが調査会の中から浮き彫りになったと思います。
 参考人意見にもありましたように、ワーク・ライフ・バランスというと子育て支援を中心に考えられる傾向にあります。確かに、制度導入の入口としては、子育て支援は分かりやすく、少子化を食い止める非常に重要な考え方でありますが、ワーク・ライフ・バランスは、特定の年齢や業種において取り組まれる内容のものではなく、社会システムとしての一つとして存在させることが必要であると考えます。
 ここ十年間の働き方の変化、雇用形態の変化は激しいものがあります。長時間労働を余儀なくされる正社員と、労働条件が低く、企業の都合に合わせて便利に安く使われるパートや派遣、有期、請負労働など、働き方の二極化が確実に進行しました。パート労働者など、本来は生活との調和が容易であるとされてきた働き方ですが、現実には、育児・介護休業を取得するのが困難であるなど、両立支援が行き届いていないなどの問題があります。
 また、成果主義は時間ではなく成果によって評価することが基本ルールであると言われますが、時間管理の弛緩した結果、労働時間が短縮されるのではなく、かえって長時間化する傾向を加速させています。これらの結果、メンタルヘルス不全者が増加をし、過労死や過労自殺など、深刻な問題が惹起しています。また、家事、育児など家族的責任が果たせない、果たす時間がないなど、仕事と生活の両立が達成できずにバランスを欠いた生活となっております。
 このように、日本的雇用慣行が崩壊する中、新たな雇用の在り方が模索されてきましたが、この中でワーク・ライフ・バランスという視点はほとんど顧みられることなく、働き方の変質だけが着実に推移をしてきました。これは、利潤だけを追い求める経営者の姿勢に惹起するところが大きいと思います。非正規社員の問題、パートタイム労働者の均等待遇といいますと、経営側からは判で押したように国際競争力に勝てないという答えが返ってきます。国際競争力は収益率だけのことではなく、労働者をいかに大切に働いてもらうかということも国際競争力の一つと考え方を転換させていくことが必要です。
 参考人の意見の中でも、上司の理解がワーク・ライフ・バランスを進める上で重要であるとの発言がありましたが、私も同意見であります。ワーク・ライフ・バランスを進める上で経営者の理解、努力というものは何よりも必要であり、これからは労働人口が減少していく中で、いかに大切に働いてもらうかということで競争すべきではないでしょうか。ワーク・ライフ・バランスは、勤労社会に起きている様々なゆがみを治療し、改革するシステムで、大きな期待が掛けられています。
 この間、育児休業、介護休業など整備拡充されてきましたが、実態は女性の約七割が育児休業を取得する前に仕事を辞めており、残り三割の六四%が取得しているのが実情です。男性では取得率は〇・三三%です。育児休業など単独の制度は、当該の課題に関心がない人にとってはむしろ職務遂行にとって阻害要因にさえ映ります。多くの賛同を得るには、働くすべての人に両立課題があることを前提に、トータル的な生活支援の方策が必要です。両立支援の実施は企業にとっては投資ですが、企業に引き止めたい有能な人材が両立支援によって新たな意欲を持って業績向上に貢献すれば、投資コストは回収できます。仕事と仕事以外の生活の両立を支援することが社員から高い勤労意欲を引き出し、女性の活躍の場の拡大にもつながることは、参考人の意見陳述からも明らかとなっております。
 社会システムとしてワーク・ライフ・バランスを定着させるには、やはり政府の取組、後押しが大きいことは言うまでもありません。この間の政府の動きを見ますと、雇用保険法の改正、パート労働法の改正、雇用対策法の改正、労働基準法の改正、労働協約法、最低賃金法の改正など、どうも経営側を向いた内容のものとなっております。また、先日の政府参考人から報告のあったワークライフバランス憲章の策定でも、多様な働き方、成果主義が逆に労働者の生活を脅かしているという視点が欠けています。
 憲法二十五条には、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定をし、生存権を保障しています。労働基準法第一条第一項は、「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」と規定をし、生存権の規定を労働条件の分野で具体化をしております。この規定は、働く人が人間としてその人格を尊重されるような価値ある生活が営まれるだけの労働条件を保障することを宣言をしたものです。ワーク・ライフ・バランスを先取りした条文であると考えます。ワーク・ライフ・バランスは、この原点を踏まえて、政府が先行して誘導していくことが何よりも必要であります。
 以上、雑駁でありますが、私の意見といたします。御清聴ありがとうございました。
#12
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 以上で意見の表明は終わりました。
 これより意見交換を行います。
 御意見のある方は、挙手の上、会長の指名を待って簡潔に御発言くださるようにお願い申し上げます。
 それでは、御意見のある方、挙手をお願いいたします。
#13
○下田敦子君 座ったまま恐縮です。民主党の下田敦子でございます。まだ日が浅いので非常に場違いな意見を申し上げるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。
 本調査会に加えていただきまして、このたびのこういうワーク・ライフ・バランス等々においても大変勉強になりましたが、本調査会の骨子といいましょうか目的は、厚生労働省関係のとらえ方、それから経済産業省サイドのとらえ方として経済成長戦略等々の目的があるかと思うんですが、三年間の今日そのまとめということでありますけれども、私個人の願いでは、でき得るならば、例えば雇用問題をこのとおりとらえていただいても、このたびの最賃法あるいはまた有効求人倍率等考えても、かなりな地域間格差が大きいと思います。
 それから、本調査会の最終的な目的というのは、そういう意味からいえば、格差を解消しながらその土地土地で産業構造の改革が大きい目的の一つではないのかなと、それがなされていないがゆえに非常に立ち遅れた雇用環境があり、それらの雇用問題があると私は思っております。
 ですから、このお渡しいただきました緑の表紙の冊子の十一ページにもありますけれども、経済産業省の経済成長戦略大綱としては、各論の具体的施策として、国際競争力の強化についてだとか、あるいは地域・中小企業の活性化、地域活性化戦略、それからあとは新たな需要、産業の創出。私がかつて質問させていただいたことも、大変失礼ですが、ここに質疑項目として書いていただいております。
 必要とされる介護施設に伴う各学区に備えた場合に経済波及効果はいかがであるかということで、二〇〇七年問題及び高齢社会を迎えているについて、こういう意味での、語弊があると大変失礼なんですが、一つの仕事としてとらえた場合に、こういう介護にかかわる、今七兆円産業とか言われて、非常に困った面が今どんどんどんどん誇張されて出てきています。そういうことも軌道修正しながら、各地域でどうとらえていくか。
 あるいはまた、医薬品・医療機器産業のアクションプログラムをお話合いがいただいたわけですけれども、その意味での国際競争力強化というものは、イギリス、アメリカを中心に非常に大きな働き掛けが我が国にも、去年、おととし辺りから多くなってきている。
 そういうふうなことを考えたときには、この本調査会は、結論、お願いを申し上げますと、でき得ればもっと経済産業省的な、経済成長戦略的な調査が私はあって、すべての土台になっていけるのではないかなと思っています。
 以上です。
#14
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 ほかにございませんか。いかがですか。
 ほかの御意見が出る前に、ちょっと私、先ほどから伺っていて、雇用のことは一杯出てきたんですが、教育が十分に入っていないんじゃないかなという感じがいたしました。つまり、生涯学習の視点です。
 多くの方が高齢者も働く意欲があると、高齢者雇用をもっと進めるべきだということをおっしゃっているわけですけれども、長い人生、中年から何かキャリアチェンジをしようとか、そういうような人もこれから少なからず出てくるんじゃないかと思うんですけれども、そういう中で教育が雇用との、何というんでしょうか、その一部になるような、そういったような雇用政策というのもこれから必要なんではないかなと皆さんの発表を聞きながら思った次第なんですけれども、もし何か御意見があれば。和田さん。
#15
○和田ひろ子君 先生の今のお話に直接つながるかどうかは分かんないんですけど、お年寄りというか、退職の皆さんを是非地域に、地域で活用というと失礼だよね、地域が本当にお年寄りの皆さんというか退職者の皆さんを是非呼んでいただいて、結構高校の先生なんか、例えば古語を読む会とか、ああいうものをすごくもっと活用していただきたいなと私いつも思うんですが。
 そして、今回、今年ではなかったんでしたっけ、お年寄りの方が、いろんなシルバーのお話も聞きましたよね。是非ああいうことを充実していただきたいなと、ここには入らないのかもしれないけど、というふうに思いました。
 そして、あと、また別に私の意見として、正規雇用と非正規雇用、今日偶然に本会議の問題でありましたよね。我が党の岡崎さんは、例えば非正規雇用の人を優先的に次の就職試験には採っていただきたいというような話もしました。
 澤さんは何年間かの経過の後に正規雇用にする、また共産党さんも一年くらいのあれでというふうにおっしゃいました。でも、自民党の方からは、格差のこういう社会において、そういう成熟した社会、何ておっしゃったんだっけ、成熟社会においてはやむなしという今日意見表明をいただいたんですが、やっぱり成熟社会、今の社会が成熟社会といえば成熟社会なんですが、その社会が生んでしまった非正規雇用であるとすれば、もっと非正規雇用の人たちに温かい目で見てほしいな。
 今日の安倍さんの答弁は、それは新しい就職者の進路にも問題があって、そんなことできないという答弁だったような気がしますが、もっと何か正規雇用、非正規雇用の方たちの人権を大切にするとか、そういうことを、もっと温かい目で見てほしいなというようなことを何か入れてほしいなというふうに思います。是非お願いいたします。
#16
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。南野知惠子さん。
#17
○南野知惠子君 各会派からすばらしい御意見が出されたなと思っております。
 私は、三年丸々ここにはお邪魔できていなかったんです、途中からの参加でございましたが、多くの学びをさせていただいたかなというふうに思っております。
 今会長から教育ということについての提言もありますが、それはキャリアアップ、そういう人たちのために、一度家庭に入った場合に更に教育訓練を受けながら自分のキャリアを高めていくということも、これは雇用をいい形で展開していくためには必要であろうかなというふうに思っております。
 そのほかに、もう一つは、障害者の働き方ということも幾つかの御提言もございましたし、その中では、障害を持っておられる方々も自立しながら納税者になりたいという、そういう御意見があるところも我々大きくこれから見据えていかなければならないかなというふうに思っております。
 それから今、正社員と、それとの格差という問題も出ましたが、今日の総理のお話の中にもよく耳を澄ますと私は光るものがあったと思っております。それは、短時間正社員、私がいつも言いたいことは、短時間正社員という形の中で、ただパートとか、それから短時間というともう女性の働き方というふうに取られがちですが、それを、キャリアアップをしながらその中で短時間で、仕事を辞めてしまわないという形のものを取り上げていく短時間、そしてそれが正社員という枠の中へ入っていき、さらに社会保障をそれにつないでいけばキャリアを捨てなくても済む。キャリアをアップしていきながら、やがて自分の年金というものももらえるという形の中につないでいける形を取っていきたいというふうに思っておりますし、そのことも今日総理がおっしゃった中にも含まれていたと私は思っていますので、多くの課題を含んでおります。
 年金についても、五年後に見直すということでまだその途中でありますけれども、その中でも風穴を空けて、そういう年金をちゃんと担保するような働き方ということが今日のお話の中にもありましたし、私もそれを大きく賛同するものでありますので、御理解いただきたいというふうにも思っているところであります。
 男女雇用機会均等、男女がともに働くということの中でお互いを高めていくということの中にワーク・ライフ・バランスという文言があろうかというふうに思っていますので、このワーク・ライフ・バランスということを私はすてきなものとして育てていかなければいけないかなというふうに思っております。
 ほかの方からの御意見もあろうかと思いますので、この程度にしたいと思います。
#18
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 いかがですか、フォローアップ。北岡先生、いかがですか。
#19
○北岡秀二君 御指名をいただきましたので。
 私、今までは十分に出席もさせていただいておりませんでしたから、ひょっとしたらもう既に出た意見とか重複する部分もあるかも分かりませんが、今会長おっしゃられた部分、生涯学習、そしてまた高齢者雇用、その件に関してちょっと思い付く点が一点ございます。
 これは雇用という名前を使った方がいいのかどうか、最近特に言われておるコミュニティービジネス、NPOを創造して、特に今現実で立ち上がっているのが福祉の領域あるいは教育の領域、私も地元でよくお話をさせていただくんですが、徳島で、公務員の退職者や学校の先生の退職者、生活の上では、ある程度年金が充実しているからお金の上ではそう心配ない。ただ、もう仕事を退職したものですからやることがない。私が推奨しているのは、NPO法人でも立ち上げていろんな活動をしたらどうですかと、地域の活性化につながる。
 それに関連して、無料奉仕でずっとやるというのは継続性がないから、よく申し上げることの一つに、一日二千円でも三千円でもいいじゃないですかと。それを目標に、多少役所がやっている部分の分担をしていただいたり、あるいは創造的な部分で、最近では先ほど申し上げた環境関連、教育関連、福祉関連、ある意味でいうと、ビジネスということでとらえると語弊が出てくるかも分からぬですが、産業創造という観点でもすき間でやれることあるんじゃないですかと。
 先ほどからの話に相反することがあるかも分かりませんが、ここでまた最低賃金がどうだこうだということを言うとややこしくなりますが、今申し上げた状況の中で、一日二千円でも三千円でも、小遣い程度の多少なりとも何か報酬を得るという観点で、そういう仕事を創造していくことをこれからいろんな分野で更に更に振興していかなきゃならぬのじゃなかろうか。これがある意味でいうと私は成熟社会の中の、雇用という観点での最低賃金とかどうだこうだというところに同じように当てはめると全く話は進行しないだろうと思うんですが、新たな分野の、労働なり雇用という表現を使っていいかどうかは分かりませんが、そういう分野を意図的に我々自身そういう観点でNPOというのも促進をしておりますので、織り交ぜていけば更に奥深く豊かな社会ができるんじゃなかろうか。
 あと一点、最低賃金ということにこだわって申し上げますが、確かにこの必要性、その辺りの見直しの必要性もあるでしょうし、その辺りもあるだろうと思うんですが、私が先ほど申し上げた領域の分野、一日二千円でも三千円でもいい、それなりに役に立ちたいんだと。かといって無償報酬でずっとやるというのは継続性が伴わないから、一日三千円労働で何らかのそういう新たな分野の仕事の創造というのは私はもっともっと違う観点から広げていってもいいんじゃないかなというふうに私は感じております。
 以上です。
#20
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 今、北岡さんから非常に新しい視点が出されたわけです。つまり、多様な働き方、そしてその中には生きがいという分野も入ってくるし、社会貢献という分野も入ってくるしということで、単に最低賃金といった部分ではない別の分野があるというそういうお話で、大変興味をそそられるわけですけれども、これについて、あるいはそのほか御意見ございますか。
#21
○和田ひろ子君 北岡先生の意見についてごく簡単に。ざっくばらんに話をしていいんですよね。
 税制の見直しというか、企業が納める税金の一割でもいいからNPOにやれるというようなことを提言できたらいいですね。外国、諸外国はしてるでしょう、そういうこと。日本はそれ幾ら何回言ってもなんないんですよね。そうすると二千円でも三千円でもビジネスになるんですよね。みんな一生懸命やっているNPOに寄附できるという、それが税金のあれになるというふうであれば、企業はどっち、国に納めてもNPOに納めてもいいわけですから。一生懸命やっているNPOはたくさんもらえる、そういうようなことが提言できればすばらしいなと思いますが。
#22
○北岡秀二君 言いましょうか、何か。
#23
○和田ひろ子君 お願いします。
#24
○会長(広中和歌子君) 北岡さん、答弁お願いします。
#25
○北岡秀二君 余りこういうやり取りの委員会であるかどうか分かりませんけど、確かに、私は、NPOで働く領域の部分の労働が法的に言われる労働になるのか、あるいは賃金体系がどういう規定になるのか、一切分からずに申し上げておるんですが、そういう法の規制から全く外れた領域の中でそういう多少なりとも賃金という表現がまた適切かどうかという問題もあるんですが、その場はどんどんどんどん創造していって、かなりそういう意味での実績をつくり上げていってあげるのも一つのフォローアップにつながっていくなとは思いますし、実際私どももお付き合いしているNPOの中には、教育関連でかなり成果を上げながら、かなり広範に全国的な展開をしようと、これ全国的な展開まで行くと逆にもうこれNPOでなくなっていくのかも分かりませんけど、営利的な部分もかなり、そういう側面が出てきたりして、その辺りの判断もまた違う観点で難しいところも出てくるかも分かりませんが、もう正に生きがいと労働のすき間の部分をどう埋めるかという、本当に御賛同いただいて有り難いんですが、そういう部分の促進というのは更に更にやるべきだろうなとは思いますね。
#26
○会長(広中和歌子君) ボランティアが、ボランティアというんですか、NPOが正規の職場を奪うんではないかといったような考え方をお持ちの方もあるんではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
 井上先生とか渕上先生、今までいわゆる労働組合の運動というのはどちらかというときっちりとした労働に対してきっちりとした給料という、そういう非常にはっきりとした考え方が強かったんじゃないかと思いますけれども、多様化する労働というものに対してどういうようなお考えをお持ちでいらっしゃるのか、伺えたらと思うんですが。
#27
○井上哲士君 僕もそういうNPOなどのボランティア的なところが労働法制の中でどういう位置付けになるのか余り知識ないままに発言をするんですが、おっしゃるような、無料奉仕では長続きしないけれども、しかしある程度生活はできる年金などがあってという人たちの力を活用するということは大変大事だと思います。
 それで、それが普通の労働を圧迫するんではないかという今の懸念との関係でいいますと、結局、そういう部分を、何というんでしょうか、悪用するというんでしょうか、それを、むしろそういう本来は正規の人たちがやるようなものと取って代わって安上がりに使おうというような人たちがやっぱり出てくるわけで、そことの問題だと思うんですね。ですから、本来、北岡先生などが提起をされたような精神に沿った形で行われるようにしっかりこう網をかぶせていくというんでしょうか、そういうことがうまく行われれば、それぞれが両立をしていくんじゃないか。
 例えば今児童公園なんかも、例えば私が住んでいる京都なんかでいいますと、すごく、昔はいわゆる日雇労働の皆さん、失対事業の皆さんが掃除をされていたんですが、あれが打切りになっていますから非常に児童公園が荒れていますよね。なかなか地域で面倒を見ようと思っても、今共働きも多いという中でできない。一方、子供たちを遊ばせるのに不潔だとか危ないとかということもあるわけで、そういう部分を賄っていただけるような、ボランティアだけでも一定の報酬があるようなことというのは、それぞれ喜び合えるわけですから、そんなことはいろんな知恵が今後考えていく分野としてあるのかなということを、議論を聞きながら私も思っておりました。
 以上です。
#28
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 GDPには反映されないけれども社会そのものが豊かになるという発想でやっていくということもあり得るんではないかと思うんですが、渕上先生、何かございますか。
#29
○渕上貞雄君 渕上でございます。
 今、終身雇用が崩壊をして、働くという意味、雇用という意味というのが非常に大きく崩れてきている時代。しかし、一方で平均年齢は大変上がっている。体力的に見ても精神的に見てもまだまだ十分社会の役には立ちたい、こういう人は私は多いと思うんですね。
 ですから、そういう人たちが第一線から退いた後、NPOだとかそういうところで働いていくというのは、もう一度自分の生き方というものの尊厳と尊敬みたいなものが得られるかどうかということになってくると、私は賃金の対象として物を考えた方がいいのか、自分が生きていく、社会に存在している意味みたいなものを再度、そこで自分の能力を提供することによって再度尊厳だとか尊敬だとかというものが生まれてくるかどうか。そのときに、ボランティア活動を無償でやっていきながら生き生きとしているという人が大変地域に多いわけですね。ですから、金銭でない何かというのはあるのではないか。ですから、そこを労働ととらえるかどうかというところは、私自身もまだはっきり明確に労働の対価として物を考えるということにはなかなかならないんではないか。
 ですから、やはりそういう社会奉仕的な役割というものを果たすことによって再度自分の人間性を回復していく、そういうもののときに、ただ単に労働の対価というものを考えなきゃならないかどうかというところは、ちょっと私はよく分かりませんけれども、そういうふうに今思いながら、ではこれから先の高齢化社会の人生というものをどう考えるか、そのときにワーク・ライフ・バランスというものをこう当てはめていいのかどうかという、それは働いている間だけなのか、一生考えていくのか。ですから、余り窮屈に物を考えない方がいいのではないかと、このように思っています。
#30
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 今、私どもの経済・産業・雇用に関する調査会のこのサブタイトルとして、「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」と。確かに、雇用というんでしょうか、働き方は非常に多様化しているわけですけれども、それが経済の活性化という点につながるかどうか。つまり、いわゆるGDPという形で伸びていくといった意味の活性化ではない別の形の活性化みたいなもの、社会の活性化と言ったらいいんでしょうか、そういうようなこともあり得るのかなと思いながらお話を伺っていたところなんですけれども、ほかに何か御意見ございませんか。澤さん。
#31
○澤雄二君 参考になるかどうかは分からないんですけれども、多分NPOの中では日本でこれが一番成功しているNPOではないかと思っているNPOがあるんですけれども、FUSION長池といいまして、多摩ニュータウンの中にあるNPOですけれども、何をしているかというと、地域社会のために自分たちが何ができるかということを目的としたNPOです。
 その立ち上げのときからメールマガジンの一部に入れていただきましたので、皆さんがやり取りをしながら、そのNPOがどんどん成長していく姿をはたから見させていただいていましたけれども、例えば、学校が夏休みになりました、二十何日間学校が空きますと、この学校を、空いた学校を何かお使いになりませんかというのをだれかがぽっと、校長先生がそのNPOにほうり投げると、私は子供たちに株式というのはどういうことかと教えてみたいと思っていました、私は竹トンボの作り方ができますからそれを教えますといって、二日間か三日間の間に二十何こま全部埋まってしまう、例えばね。それから、コンピューターが故障しましたといったら、私直せますというのが五、六人ぱぱぱぱっとアクセスをしてきて、その人たちのもうグループをつくってしまう。今後そのNPOの中でコンピューターで困った人がいればその人たちが、何かタイトルは付いていましたけれども、グループ名の、お助け隊で行くとかね。それから、独り暮らしのお年寄りが病気になったっていったら、じゃ私が御飯を作りましょうとか、犬の散歩をしましょうとかということがNPOの中で動き始める。動き始めると、それがエコマネーに発展をしていくんですよね。どんどんどんどんそのNPOが発展していって、国土交通省とか東京都とかいろんなところから表彰されたりとか、外国から、日本のマスメディアも相当取材をしていますけれども、どちらかというと外国からの取材の方が多いというような、そういうNPOなんですが。
 話の趣旨は、それを始めた理事長が実は私の学生時代の友人でして、テトラパックという牛乳だとかを入れる箱がありますが、あれスウェーデンが本社で、日本の代理店をやっているところの営業部長をやっていて千数百万の収入があったんですが、親が死ぬときの遺言で、最後は世の中のために何かやれと言われたというんで辞めちゃったんですよ。収入がなくてNPOを立ち上げたんですが、三年ぐらいたったときに、澤さん、とうとう行き詰まったと、私もNPOを辞めて再就職を考えなきゃいけないと言い始めたときに、八王子の長池というところが自然館をつくって、八王子市がそこの館長さんに来ていただけませんかと言われて、年収五百万の収入を得てNPOを存続させることができたという。
 ですから、先ほどの話じゃありませんけれども、要するに全く収入がなくて、そういう社会的貢献だとか何か自分の生きがいを新しい形で求めようとすると、それは多分長続きはしないので、やはり収入の道を同時に考えるということは必要なんだろうというふうに思います。
 それから、会長の言われた、それが、何といいますか、雇用の労働市場を阻害するといいますか、新しい働き手を奪うんではないかという話がありましたけれども、奪うかもしれないですよね。奪うかもしれないけれども、欧米を見ていると、奪うことよりも労働市場の新しい開拓、先ほどから議論になっています、それが労働かどうか分かりませんよ、分からないけれども、生活をしていくだけの収入を得る、何か自分の生きがいのある仕事の場所を提供するということでは、労働市場を奪うことよりも提供することの方が多分はるかに多いんじゃないかなという気はしますけれどもね。
#32
○会長(広中和歌子君) ありがとうございました。
 ほかに、尾立さん、何かございますか。
 いかがですか、そちら。小泉さん。
#33
○小泉昭男君 ごく幼稚なことなんですが、一生みんな働きたいと思っているんですかね。私は働きたくないんですよね。
 それで、生まれてから周囲の世話になって、学校に入って、そして労働力として一時期働くわけですね。一生のうちの三分の一ぐらいは仕事をしないで、人のために尽くすのが働くことになればこれはまた別ですけれども、対価を求めてやるのは一時期だっていいと思うんですよね。
 それで、ある程度の一定の年になったらもう全く自分の自由に過ごしていくという、こういうライフワークみたいなのを考えていかないと、幾ら頑張ってもこれは一生、先ほども各委員の方のお話に出ていましたけれども、自分が何のために生まれたのかという原点ですね。自分が何歳まで生きていくのか、自分の、生まれてから、物心付いてから、自分は例えばお医者さんになりたいとか学校の先生になりたいとか、子供ながらにいろんな目標を持つと思うんですね。その目標に合った仕事に入れるかどうか、これはタイミングだとかチャンスだとか努力に懸かるんですけれども。
 結果的に、先ほどからのお話の中で、正規社員とそれと非正規社員、呼び方がちょっと適当と思わないんですが、そういういろんな御苦労の中で今いろんな議論がずっと続けてこられたと思うんですけれども、私、個人的に考えると、今の終身雇用的なものはもう崩壊したという委員の意見もありました。私も今はそういうふうに実感していますし、これから日本が外国から労働者を入れてやっていかなければいけないもう時代に入ってきているわけですね。こういう中で、日本人として本当に日本人の尊厳を守っていくために、もっと余裕を持った方がいいんじゃないかと思うんですよね、余裕を。
 そういう意味で、生活にもうきゅうきゅうとしている時期というのをなるべく短くしてもらって、そして年金制度だとかそういうものをしっかり確立して、ある程度一定の年になったらもう自由に生きて、そして人のために尽くすと。
 先ほどちょっと電子辞書で見ていましたら、労働とは何かというと、体力を使用して働くこととあるんですね。そして、働くこととは何かというと、他人のために奔走すること、精を出して仕事することとあるんです。これどっちも同じような意味なんですけれども。
 私、前に川崎の市議会議員をやっていたころにこういう問題があったんですね。公園の中にトイレを造ろうという話があったんです。これは、利用者はみんなトイレが欲しいんですよ。しかし、周囲の人がみんな反対するんですよ。これなぜかというと、駅前のトイレだったら一日に何回も掃除があるんです。公園のトイレというのは三か月に一回ぐらいっきり、二か月に一回か三か月に一回ぐらいっきり行政として掃除しない。そうすると、周りに住んでいる人がみんな掃除するようになっちゃうわけですよ。そういうのをみんなが理解してやればトイレもできるんですね。しかし、自分の主張だけをまず考えて理解しない風潮も少しあるんじゃないかなと、こんな気がするんです。
 だから、労働というものをもう一回、子供の教育から含めて、労働というものをもう一回教育の中で議論していかなくちゃいけないような気がするんですね。自分は、勝手かもしれませんけれども、余り働きたくないですから。みんな多分同じだと思うんです。
 そういう取り留めのない話になりましたけれども、原点は、自分が生まれて、自分が何をするか、人間としての尊厳、そして子供たちに対する責任、そういうものをごちゃ混ぜにして、労働の期間をいつまでに絞るかという自分なりの人生設計を立てないと厳しいと思うんです。また、立てられない人もいますから、障害をお持ちの方だとか、不幸にしてそういう状況にない方、こういう方々に対してはやはり行政だとか、そういう立場から手厚いそういう対応をしていかなくちゃいけない、こういうように思います。年金制度が最終的にネックになると思います。
#34
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 小泉さんからは、本当に深い問題だと思いますけれども、人生の価値は何かといったような問題提起があったんじゃないかと思いますけれども。
 神取さんは、御自分のお立場からどういうふうにお考えでございますか。
#35
○神取忍君 自由民主党の神取忍です。この委員会もまだ日が浅いので、知識がまだ不足な部分なので、大変失礼な発言があると思うんですけれども。
 私は、先日も提案したように、障害者の方のワーク・ライフ・バランスの確保がやっぱり大切なことなんじゃないかな。それがやっぱり今格差という中で、健常者の方と障害を持っている方の人間格差にもつながっていくと思うので、それはやっぱり重要なことかなという部分と、これからの時代、雇う側と雇われる側の新しい働き方とか、そういったものをつくっていかなければいけない時代に来ている中で、いろいろやっぱりこのワーク・ライフ・バランスを生かしていくように、いける時代に来ているかなと思います。
#36
○会長(広中和歌子君) ありがとうございます。
 いかがでしょう。伊藤先生、ちょっと。
 もうほかにございませんでしょうか。
 他に御発言もなければ、以上で委員間の意見交換を終了したいと思います。
 委員の皆様方からは貴重な御意見をいただきまして、大変ありがとうございました。
 本日の調査を踏まえまして、理事の方々とも十分協議の上、最終報告書案を作成してまいりたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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