くにさくロゴ
2007/03/20 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 環境委員会 第2号
姉妹サイト
 
2007/03/20 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 環境委員会 第2号

#1
第166回国会 環境委員会 第2号
平成十九年三月二十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     大塚 耕平君
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     岡崎トミ子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大石 正光君
    理 事
                大野つや子君
                橋本 聖子君
                福山 哲郎君
                加藤 修一君
    委 員
                愛知 治郎君
                真鍋 賢二君
                岡崎トミ子君
                小林  元君
                平田 健二君
                山根 隆治君
                荒木 清寛君
                草川 昭三君
                市田 忠義君
                田村 秀昭君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       環境大臣     若林 正俊君
   副大臣
       環境副大臣    土屋 品子君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  北川 知克君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渋川 文隆君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      丸山 浩司君
       内閣府政策統括
       官        増田 優一君
       法務大臣官房審
       議官       後藤  博君
       外務大臣官房審
       議官       新保 雅俊君
       外務大臣官房審
       議官       佐渡島志郎君
       外務大臣官房審
       議官       草賀 純男君
       外務大臣官房審
       議官       杉田 伸樹君
       外務大臣官房参
       事官       高橋礼一郎君
       財務大臣官房審
       議官       中村 明雄君
       財務省主計局次
       長        真砂  靖君
       財務省国際局次
       長        玉木林太郎君
       文部科学大臣官
       房審議官     布村 幸彦君
       厚生労働大臣官
       房審議官     宮坂  亘君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       石井 淳子君
       農林水産大臣官
       房審議官     吉田 岳志君
       農林水産省総合
       食料局次長    佐藤 和彦君
       林野庁次長    石島 一郎君
       水産庁漁港漁場
       整備部長     影山 智将君
       経済産業大臣官
       房審議官     伊藤  元君
       経済産業省製造
       産業局次長    照井 恵光君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       上田 隆之君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院審議官   青山  伸君
       国土交通大臣官
       房審議官     辻原 俊博君
       国土交通大臣官
       房審議官     和泉 洋人君
       国土交通省河川
       局次長      日比 文男君
       気象庁予報部長  櫻井 邦雄君
       環境大臣官房長  小林  光君
       環境大臣官房審
       議官       寺田 達志君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    由田 秀人君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       上田 博三君
       環境省地球環境
       局長       南川 秀樹君
       環境省水・大気
       環境局長     竹本 和彦君
       環境省自然環境
       局長       冨岡  悟君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (環境行政の基本施策に関する件)
 (公害等調整委員会の業務等に関する件)
○平成十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十九年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十九年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総務省所管(公害等調整委員会)及び環境省
 所管)
    ─────────────
#2
○委員長(大石正光君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官増田優一君外十七名、また、委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房審議官後藤博君外二十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(大石正光君) 異議なしと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(大石正光君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件及び公害等調整委員会の業務等に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○大野つや子君 おはようございます。自由民主党の大野つや子でございます。
 大臣には、G8環境大臣会合に御出席いただき、主要国及び途上国の環境担当大臣と有意義なお時間を持たれたこと喜ばしい限りでございます。本日は所信に対する質疑でございますが、まだお疲れが抜けないかと存じますが、よろしくお願いをいたします。
 生物多様性の問題は、地球温暖化と並び国際社会に共通する重要課題であります。九二年、リオ地球サミットにおいて、生物多様性条約は気候変動枠組条約とともに署名がされました。またその後、温暖化の問題は多くの人々に認識され、国際的に高い政治レベルで議論が進んでいるのに比べますと、生物の多様性は社会にまだまだ浸透しておらず、取組が大幅に進展しているとは言い難いと思います。そのような中で、さきのG8環境大臣会合では生物多様性が気候変動と並ぶ二大議題として取り上げられたと伺っております。
 人間は、様々な生物を食物など様々な形で利用し生存しているものであります。生物多様性の問題は、人が生きていく基盤として、後の世代のためにも不可欠なものです。今後、生物多様性の問題に多くの国民が関心を持ち、多くの人々が参画する中で議論を深めていかなければと存じます。また、国土の特性から本来美しく豊かな自然を有し、歴史的にも自然と上手に折り合いを付けながら共生してきた日本としては、その経験や知恵を生かし、この問題に積極的に取り組むべきと思います。
 そこで、質問をさせていただきたいと思います。まず、サンゴ礁などの生態系の悪化や野生生物の種の絶滅の危機が進んでいると聞きますが、世界と日本の生物多様性は現在どのような状況にあるのでしょうか、お伺いいたします。
#6
○政府参考人(冨岡悟君) お答え申し上げます。
 世界の生物多様性の状況につきましては、昨年三月に開催されました生物多様性条約第八回締約国会合におきまして、十五の指標を用いまして評価がなされております。その中では、生物多様性の生態系の規模の推移、種の個体数の推移など十二の項目で悪化傾向にあるとされるなど、その損失が進行していると報告されております。
 一方、我が国につきましては、南北に長く四方を海に囲まれた本来豊かな自然でありまして、生物多様性に恵まれておりますが、平成十四年三月に策定しました新・生物多様性国家戦略におきましては、一、人間活動による開発などの危機、二、里地里山などにおける人の働き掛けの後退による危機、三、外来生物等による生態系の攪乱の危機という三つの危機に直面していると認識しているところでございます。
 なお、サンゴ礁の白化や野生生物の絶滅のリスクにつきましては、昨年十月に公表されましたスターン・レビューでも、例えば、地球温暖化が二度C進行すると、サンゴ礁の回復不可能な白化が進むおそれがある、それから陸域の生物種の一五から四〇%が絶滅の危機に瀕するおそれがあると記載されているなど、大きな影響を受けるものと予想されております。
 こうした観点から、モニタリングの強化を含め、地球温暖化問題も視野に入れて生物多様性保全対策を進めてまいる必要があるものと存じております。
#7
○大野つや子君 ありがとうございます。しっかりと取り組んでいっていただきたいと存じます。
 そうした中で、G8環境大臣会合では生物多様性が気候変動と並ぶ議題として取り上げられ、生物多様性に関する会合での議論の印象を、また議題として取り上げられた背景を含め、大臣にお伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(若林正俊君) 初めに、委員各位の御了解をいただいて、過日、ドイツで行われましたG8プラス5の環境大臣会合に出席をさせていただきました。大変有意義な会合であったと、このように認識をいたしておりまして、委員各位の御理解にまず感謝を申し上げたいと思います。
 今、大野委員が御指摘、御質問がございました、G8環境大臣会合において生物多様性の問題が取り上げられた、大変大きな意義があるわけでございますが、その背景、そしてその議論を通じての私の印象をというお尋ねがございました。
 生物多様性が気候変動と並ぶ議題として取り上げられたその背景でございますが、ドイツのメルケル首相は前に環境大臣を御経験でございまして、この環境問題幅広く大変知見をお持ちでありますし、自らの情熱を懸けておられます。そのメルケル首相の強い意向があったというふうに聞いているわけでございます。
 この会合では、地球規模での生物多様性の悪化していくということの認識がG8各国間で共有をされまして、生物多様性条約二〇一〇年目標というのがございますが、その二〇一〇年目標の達成に向けまして各国が取り組んでいく諸課題を論じたわけでございます。議長国でありますドイツの方から、このことにつきましては、ポツダム・イニシアティブ、生物多様性二〇一〇という提案がございまして、その提案を中心に、生物多様性の損失が及ぼす経済的な影響、地球上の生物種に関する情報システムの構築といった生物多様性の損失への対策について、種々な観点から議論が行われたところでございます。
 私からは、二〇一〇年に開催されます生物多様性条約第十回締約国会議、いわゆるCOP10でございますが、その日本開催が閣議で了解され、事務局の方に申し出ておりますが、これが実現できますように各国への協力を要請したところでございます。おおむね各国とも日本が主催国になってCOP10を開催することについては好意的であったというふうに受け止めております。
 会議での議論を通じて生物多様性保全に対する各国の意識は確実に向上をしており、我が国としても取組を更に推進していく必要があるということを痛感した次第でございます。
 そして、印象として言えば、かねてから指摘されていることでございますけれども、途上国側からしますと、この生物多様性を保持するために、例えばアマゾンの森林の保全といったようなこととか、あるいはアフリカ諸国におきます動植物の保護の保護区の設定、そしてその管理、これは大変な費用が掛かるわけでありますし、当該国にとってみれば経済効果はむしろマイナスに作用する場面もあるわけでございまして、そういう意味で先進諸国が、この生物多様性が保持されることによって子供や孫たちの代に至るまで大変受益をしていくということも考慮をして、先進国側が積極的に支援をすることが強く要請をされたところでございまして、これらについて、私は、日本で開催するCOP10におきましてもこのことがかなり大きな論点になるという印象を受けたところでございます。
#9
○大野つや子君 ありがとうございます。
 次に、生物多様性の保全を世界の国々とともに進めていくために、生物多様性条約の枠組みが重要と考えます。その生物多様性条約の二〇一〇年第十回締約国会議、COP10を名古屋に誘致するというようなことで閣議了解したことは、非常に期待をしておるところでございます。日本での開催が間違いなく行われますように、他の締約国への働き掛けなど万全の準備をしていただきますとともに、締約国会議を実りのあるものとするため、愛知県、名古屋市とともに連携して受入れ体制の整備をしっかりと進めていただきたいと思います。さらに、ホスト国として恥ずかしくないよう、国内外の生物多様性の保全への取組をしっかり進めていただきたいと存じます。
 そこで、次に質問をいたします。
 先ほど申し上げましたように、生物多様性の取組を進めていくためには、人の生活の基盤である生物多様性というものについて多くの国民が関心を持つことが必要です。そのためには、学校教育の中で子供のころから生き物に興味を持たせることを始め、様々な場における生物や自然についての教育が重要と考えます。このように、生物多様性保全を進める上での基礎とも言える生物や自然の教育について、どのように重要性を認識し、どう推進していくのか、文部科学省のお考えを伺いたいと存じます。
#10
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 生物の多様性を保全し豊かな自然を次の世代に受け継いでいくためには、学校教育におきまして生物や自然に関する基本的な概念について理解を進めるとともに、生物や自然を愛することのできる態度をはぐくむことが極めて重要であると認識いたしております。
 このため、学校の教育内容の基準を定めております学習指導要領におきましても、例えば小学校の生活科では、動物の飼育や植物の栽培を通じて生き物への親しみを持ち大切にすること、また小学校の理科では、自然観察等を通じまして生物と環境とのかかわりについて理解を深めて生命を尊重する態度を育てること、それから中学校の理科では、自然界における生物相互の関係や自然界の釣合いについて理解をし、自然と人間のかかわり方について総合的に考えることなどの項目について指導をしているところでございます。
 また、文部科学省におきましては、環境省とも連携をさしていただきまして、環境教育の充実のための具体的な施策を展開いたしております。一つ目として、全国各地の優れた環境教育の実践の普及を図るための環境教育推進グリーンプランという形で、モデルの学校を指定したり全国的な実践発表の大会を設けたりしております。また、豊かな体験活動推進事業という事業の中で自然体験活動を推進するという取組も進めているところでございます。さらに、環境教育の重要性にかんがみまして、先般の国会でお認めいただきました改正教育基本法におきましても、教育の目標として新たに、「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。」を新たに規定していただいたところでございます。
 文部科学省といたしましては、今後とも改正教育基本法の趣旨も踏まえながら、環境教育充実のための取組を進め、学校教育活動全体を通じまして、生物、自然に関する教育の充実が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
#11
○大野つや子君 ありがとうございます。どうぞ、環境教育にもしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 生物多様性保全のための施策を取りまとめた生物多様性国家戦略について、現在その見直し作業を始めていると聞いております。その新たな生物多様性国家戦略をしっかりと作り、条約が掲げる二〇一〇年目標の達成年でもある二〇一〇年をにらんで施策展開していくことで、その年の日本での締約国会議もより有意義なものになると思います。是非、第十回締約国会議、COP10を盛り上げるためにも、各省庁が一丸となって、日本らしいしっかりした戦略を作っていただきたいと要望してまいります。
 今後、新しい生物多様性国家戦略に基づいて施策を行うに当たっては、政府のみでなく、地方公共団体やNGO、企業などの多くの民間部門と連携して生物多様性保全の取組を進めることが重要と考えます。国家戦略の見直しに当たってはこうした点を踏まえるべきと思いますが、環境省のお考えをお聞きしたいと思います。
#12
○政府参考人(冨岡悟君) ただいま新しい生物多様性国家戦略、第三次の国家戦略を作るべく検討を進めているところでございます。このことにつきましては、生物多様性条約の条約事務局長でありますジョグラフ氏が今年の初めに来日されましたけれども、その折に私どもの取組を御紹介申し上げましたところ、三次目を作るというのは世界でも例を見ない積極的な取組であるということで、励ましを受けたところでございます。
 現在、有識者によります懇談会によりまして第三次計画の論点整理を行ったところでございまして、この論点整理の中身につきましてこれから広く御意見を集めまして、また全国各地で地方説明会を開催しまして、地方公共団体やNGO、企業などの多くの方々の意見を聴いた上で、新年度には中央環境審議会に諮問し、本年じゅうに新しい計画を策定したいと考えております。
 ただいま先生御指摘のとおり、生物多様性の状況を好転させる上で地方公共団体やNGO、企業などの多くの方々と連携を保つことが不可欠であるというふうに認識しております。このようなことから、例えば第三次国家戦略の策定に当たりましては、地方における生物多様性戦略の策定など、地方公共団体による取組、NGOとの連携、企業の参画、生物多様性の重要性に関する国民の理解の促進、こういったものをできるだけ具体的に推進することを検討してまいりたいと考えております。
 その成果も踏まえまして、この第三次戦略の計画期間中に開催されるCOP10に向けまして、地方や民間の様々な主体との連携を強化し、是非とも成功に持っていきたいと考えております。
 以上でございます。
#13
○大野つや子君 ありがとうございます。各省庁が一丸となって戦略を立て、しっかりと対応していただきたいと思います。
 時間が参っておりますので、最後に大臣にお伺いいたします。
 二〇〇八年に日本で開催されますG8環境大臣会合及び二〇一〇年のCOP10に向けて、生物多様性保全の分野で日本が国際的なリーダーシップを発揮していく必要があると存じます。そこで、大臣の御決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#14
○国務大臣(若林正俊君) 委員御指摘のございましたように、生物多様性の問題は地球温暖化と密接にかかわり合いがございまして、温暖化が進行していきますと、委員御指摘のように、サンゴの死滅を始めとして、森林資源の劣化によりまして多くの種の減少などがもたらされてくるわけでございますので、去るG8サミット、来年の日本開催に当たっても、今年のドイツの会合の成果を引き継ぎながら、地球温暖化とともに生物多様性の問題についても方向性を示していかなければならない、こんな決意でございます。
 そして、COP10の開催される二〇一〇年でございますが、これは多様性の条約が掲げております二〇一〇年目標の国際的な達成する年、達成年でもありますし、また国連の国際生物多様性年でもございます。言わば、生物多様性保全にとりまして国際的に大きな節目になる年でございます。このような年に内外の情勢に即応した国家戦略の改定を先ほど局長が申しましたように本年中に行うなど、生物多様性の保全を環境行政の柱として取り組みまして、COP10が条約の目的達成に向けた意義深い会議となりますように努力してまいりたいと思います。
 具体的には、里山に代表されるような自然と共生してきた我が国の特徴を世界に発信をするということや、またポスト二〇一〇年目標のCOP10における設定をリードするといったようなことなどを通じて、ホスト国にふさわしい貢献ができるように努力してまいりたい、このような決意でございます。
#15
○大野つや子君 終わります。ありがとうございました。
#16
○岡崎トミ子君 民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。よろしくお願いいたします。
 大臣は、十六、十七日にG8の環境大臣会合に出席をされて、日曜日に帰国されたということですが、お疲れさまでございました。地球温暖化の大変大きなテーマとなる六月のドイツ・サミットに向けて大変重要な会合であったと思っております。今回は、このG8の八か国に加えて中国、インドも主要排出国でありますけれども参加をするということで注目もされましたが、まず日本として、まず若林大臣としても、この環境大臣会合におきまして、この会議自身をどういうふうに位置付けて、また何を獲得目標とされたのかからお伺いしたいと思います。
#17
○国務大臣(若林正俊君) 委員各位の御了解をいただき、御理解いただいて、ドイツで行われました環境大臣会合に出席をさせていただいたところでございます。
 この会議の議長国はドイツでございます。今回の会合を、ドイツの環境大臣は、交渉の場にするのではなくて、主要途上国を含む立場の異なる国々が率直な意見交換を行い、六月のG8、ハイリゲンダム・サミットに向けて共通の認識を形成する場というふうに位置付けておられまして、そのような前提で会合が進んだわけでございます。
 私からは、地球温暖化に関して、我が国の六%の削減約束を果たす、当然のことでございますが、その決意を表明をいたしますとともに、二〇一三年以降の国際枠組みとしては、すべての主要国が参加できる実効ある枠組みの構築が重要であるということを強く主張したところでございます。
 また、生物多様性に関しては、先ほども申し上げましたが、二〇一〇年に開催予定の生物多様性条約第十回締約国会議の招致に向けまして我が国が立候補したことを紹介をいたしますとともに、我が国への御理解を求め、世界の生物多様性の減少を食い止めるという二〇一〇年目標の達成に向けて意欲的に取り組んでいくという決意を申し述べたところでございます。
 議論の結果、気候変動について、先進国及び途上国の排出抑制に向けた更なる取組の強化の必要性などについておおむね見解が一致するなど、積極的に評価できる成果があったと、こう理解をいたしているところでございます。
#18
○岡崎トミ子君 大臣は、獲得目標に向けて、今は六%の削減の約束というようなことを強くおっしゃったようなんですけれども、新しい何か提案というのはされませんでしたか。
#19
○国務大臣(若林正俊君) 今申し上げましたように、議長の方から、非常に立場の異なる国々が集まっているわけでございまして、そして第一約束期間が終わった後の新しい枠組みに非常に関心が集まっておりますが、このことをめぐってはかなりの認識の違いがございました。
 そこで、私の方からは、先ほど申し上げましたように、主要な国々がすべて参加する形で新しい枠組みができなければ効果が上がらないということを強調いたしまして、会議の途中、議論がやや紛糾をいたし拡散する兆しがございました。そこで私は、共通の土俵をまず固めるという意味で、この温暖化が、現に進行している温暖化はこれをストップ掛けないと地球、人類にとっては破滅的な打撃を受けることになるので何か止めなきゃいかぬということについては、いろんな意見があってもそこは共通のものとして認識をしようではないかということと、止めるということであれば、いつ実現できるかというのは難しい問題で議論を要すると思うけれども、少なくとも現在地球が吸収できる温室効果ガスの量の倍以上が排出されているわけですから、この温暖化の進行を止めるという共通の理解に立てば、やはりいずれのときか、できればなるべく早く排出量を吸収の範囲内に収めるという意味で二分の一、半減するということは必要だと、このような認識をお互いに共有しようではないかということを提案をしたところでございまして、その共通の認識に立って次なる論議をそれぞれの違う立場の皆さんが意見を述べ合うというような場にしてもらいたいということを主張をしたわけでございますが、会議の展開としては、議長の裁きによりましておおむねそのような方向で進んだというふうに理解をいたしておりまして、我が国は具体的に次期枠組みをこのようにするというようなことを我が国が言うよりも、次のまたホスト国、議長国であることを念頭に置きながら、それぞれの国の共通の認識が得られるようなことに努力をしたと、こう申し上げておきたいと思います。
#20
○岡崎トミ子君 それでは、国連の気候変動に関する政府間パネル、IPCCが今年の二月二日に第四次評価報告書として「気候変動二〇〇七 自然科学の論拠」を発表しまして、日本でも大変な話題になりました。
 この報告書は、平均気温や海面上昇などから、気候システムの温暖化は疑う余地がないと改めて明確に示しまして、その上で、二十世紀後半半ば以降の温暖化は人間の活動による温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性がかなり高いということをはっきりと言ったわけですね。温暖化が人為的なものであると明確にしたと言っていいと思います。
 これまで特に温暖化議論の科学的根拠にさえ疑問を唱える議論をしてきたアメリカ政府もこの報告書を無視できなかったようで、エネルギー省の長官がこの報告書の内容に同意するというふうに発言したと報じられたのを目にしておりますけれども、この会合ではこの報告書について、これらについての議論があったのか。特にアメリカ、そして中国、インド、この反応が知りたいと思います。それが一つ。
 それから、アメリカは地球温暖化そのものについて疑ったり、地球温暖化対策に予算を掛けることを非合理だとするというような議論も見せてきたわけなんですけれども、この米国の姿勢は改まったと見ていいんでしょうか。そして、アメリカは、最大の温室効果ガスの排出国でありながら京都議定書には背を向けてきたわけなんですが、ここへ来て中間選挙の結果や新しい議会のリーダーの発言や、ゴアの「不都合な真実」、あるいは各州の取組、それから二〇〇八年の大統領選挙に向けた有力候補と見られる政治家たちのメッセージを背景にしまして、劇的な方向転換も大いにあるんじゃないかというふうに言われてきたわけなんですが、今回はアメリカは、特にこれまでの姿勢を改めるような発言、あるいは京都議定書に向けたスタンスを示すような発言を行ったのかどうかですね。
 また、繰り返しになるようなんですが、中国、インドは京都議定書以降に向けてどのようなスタンスを示したのか。何か新しい発言があったのか。トータルにお答えをいただきたいと思います。
#21
○国務大臣(若林正俊君) このたびの会合では、まず気候変動枠組条約の事務局長でありますデ・ブア氏から、IPCC第四次の評価報告書が公表されたことによりまして科学の面では各国間のコンセンサスが形成されてきたというふうに、そしてそれは評価できるという発言がございました。ということで、このIPCCの報告書自身をめぐっての議論というのは、それ以上に中身に入った議論は行われませんでした。大体、各国代表ともあのような科学的な知見というもの、そしてその報告書自身は承知をしているものというふうに受け止めたわけでございます。
 アメリカも特段このことに異を唱えるようなことはございませんでしたが、しかし、この京都議定書に関するその方針については、依然としてこれを変更をする、姿勢を変更するという態度は見せませんでした。そして、二〇一三年以降の次期枠組みに関する議論についても消極的な姿勢に終始いたしておりました。米国はそういう意味で次期枠組みには触れないで、米国が今この地球温暖化に対してアプローチしているそのアプローチの手法、つまり技術を中心とした削減効果の高いものを開発をし、それを推進しているということを数字を挙げながら説明をし、また自動車の燃費効率改善についても対策を強化している、相当の財政的な負担、費用負担をしながら温暖化を防止するために努力しているということを強調をいたしまして、これほどのエネルギーを掛けて温暖化に取り組んでいる国はアメリカ以上の国はないのではないかといったような姿勢を示すなど、今までのアメリカの態度を変更させていくという兆しを感ずることはできませんでした。
 また、中国は、気候変動枠組条約や京都議定書に基づく途上国としての義務は履行しているということを強調をいたしておりまして、国内でどのような取組をしているかというのを幾つか事例を挙げながら紹介をされ、姿勢としてはこの国際枠組みについてみんなと一緒に協力していくという姿勢を示していたと思いますが、具体的には先進国が引き続き率先して排出削減に取り組むべきであるという姿勢、主張は変わっていませんでした。
 議論の結果、先進国、途上国、双方の排出抑制に向けた更なる取組の強化の必要性というふうに議長が集約いたしまして、先進国もいろいろ取り組んでいるでしょう、途上国も頑張っているでしょう、しかし今のままでは駄目なんだと、それ以上のアクセスした努力が必要なんだということを議長が集約をいたしまして、このことにつきましてはおおむね見解の一致が見られたというふうに認識をいたしております。
#22
○岡崎トミ子君 アメリカは消極的だったし、中国も履行しているんだということで、具体的には取組は行っていく程度のことで、本当に国際的な枠組みの中で一緒にやるというようなことは示されなかったわけなんですけれども。
 一方、こうした国々に対して提案、更に本当に一緒にきちっとやってほしいという提案はされたのか。それから、その後で二国間会談ですね、中国、米国で行ったということなんですが、そのほかの国々など、そういうことについては話し合われたんでしょうか。
#23
○国務大臣(若林正俊君) かなり活発な会合における論議、しばしばコーヒーブレークを入れながらの会合の展開でございましたが、並行してコーヒーブレーク中あるいはその会議の前後、積極的に二国間の話合いを協議をさせていただきました。米国、英国、ドイツ、中国、それから欧州委員会の環境担当委員などともバイの話合いを精力的にしたわけでございます。
 当然、そういう会合の中では、先ほどの会合での議論を前提として、このまま放置したら大変な事態になるということについてはお互いにこの認識を共有しようではないかということを話をしながら、さらに、これを進めていくための方策について、アメリカに対しても、アメリカが次の枠組みで離脱をするというようなことになればそれは途上国が乗ってこないということもありますので、アメリカの責任において次の枠組みには是非ともアメリカが参加する、これが全体まとめていくための前提だということを強く要請をしたところでございます。
 アメリカの場合は、アメリカはそのことには触れないながら、アメリカはアメリカとして非常に積極的な先端的なエネルギー対策、環境対策をやってきたし、今後もそれは強力に展開するつもりであるということで擦れ違っていたのは先ほどお話ししたとおりでございます。
 中国との間では、この温暖化だけではなくて、黄砂の問題とか、あるいは酸性雨の問題とか水の汚染の問題とか、いろいろな課題をお互い持っております。特に、日中韓の環境大臣会合を昨年北京で行っておりますが、そういう流れを受けまして、幅広く環境改善について、そしてエネルギーと環境との関係についてかなり突っ込んだお話合いをさせていただきましたが、次の枠組みについても、言わば京都議定書第一約束期間の仕組みの延長線上で同じような形で進めるということについては、私は、中国も入ってもらわなきゃいけないので、今後やっぱり新しい枠組みについてはもっと多様な仕組み方が必要ではないか、中国もこれに参加、協力してもらえるような仕組みをお互いに工夫して考えていこうじゃないかというそういう提案をいたしまして、そのことについてはおおむね了解がお互いに得られていると、こう思っております。
 そんな事情でございました。
#24
○岡崎トミ子君 さらに一歩進めていくという意味で、先ほどの会合ではIPCCのことについては深く突っ込んだ話合いというか、なされなかったということなんですけれども、やっぱり私は、このIPCCの第四次の報告書を日本としては重く受け止めるだけではなくて、しっかりと生かしていくべきだというふうに思うんですね。
 アメリカ、中国、インド、ここを巻き込んでいくためにも、国内で積極的な政策を展開して、これを十分に生かしていくべきだというふうに考えますが、この点と絡めては、大臣の御決意はいかがでしょうか。
#25
○国務大臣(若林正俊君) IPCCの先般の報告書は、第一作業部会の報告書なんですね。
 それで、第二作業部会は、それらを受けてどういう影響があるのかと、地球の環境に対して、そういう知見を第二作業部会が、この四月の上旬ごろになると思いますが、四月に今度第二作業部会としてのレポートが出ることになっております。これは第一作業部会をさらに、影響という視点を当てての報告書になると思います。
 そして、その後、五月ごろになるかと思いますが、第三作業部会、これへの対応をどうするか。主として、温暖化が進行していきますと、いろいろな被害が予想されるわけであります、すぐには止まらないわけですから。それらの被害は、途上国といいますか、農林漁業などにまず第一次的に被害が及びますし、低湿地の国々にも被害が及んでいくことがあるわけですが、気候変動が、大きな変動が幅が広がっていくということを念頭に置いて、どういう対応策が必要かということが重要な課題になってくると思います。第三作業部会ではそれらについて作業結果が出されるということになっておりますので、このIPCCの約六百人弱の世界の科学者、日本からも三十人も参加いたしておりますが、こういう科学者の取りまとめというのは大変有意義なものとして評価をし、これを受け止めながら、これをどう政治が受け止めてこなしていくのかというのはこれからの課題でございまして、IPCCの報告書の出そろったところといっては、それまで待っているという意味じゃないんですけれども、それを注意深く見守りながら、影響及びこれへの対策というようなことも含めて総合的に取り組んでいかなきゃいけないと、こんな認識でいるところでございます。
#26
○岡崎トミ子君 次に、EUが今月九日の首脳会談で地球温暖化対策の行動計画を採択しましたが、二〇二〇年までに世界全体で温室効果ガスの排出を九〇年比で三〇%削減することを提唱して、自ら二〇%の削減排出を課するという、そういう内容になっております。二〇一三年以降のポスト京都議定書交渉に向けた議論でも主導権を握るねらいがあるんじゃないかというふうに解説されているわけなんですが、今後の議論をめぐって進めていくというのは私は間違いないことじゃないかというふうに思うんですね。
 日本としては、このEUの行動計画の採択はどう受け止めておられるでしょうか。短めにお願いいたします。
#27
○国務大臣(若林正俊君) EUが強力なリーダーシップを発揮するという姿勢を示して、お話しのように、EUは二十七か国あるわけですが、二十七か国の首脳が共通の認識を得るために、将来の温暖化対策について目標設定を含む議論を行って一定の方向を出したということは高く評価しているところでございます。
 しかし、これは、国全体をまとめていくには、全く立場の違う国々が一杯あるわけでございますので、日本も同じように、同じような路線でEUと同調していくことがまとめることに有効かどうかということになると、必ずしもそうも言い切れないところがあるわけでございまして、EUのその姿勢を、努力を高く評価しながら、日本は、これに反発をしている、反対をしている諸国の言い分もよく聞いた上で着地を探っていかなきゃいかぬと、こんなふうに思っているところでございます。
#28
○岡崎トミ子君 どのぐらい反対しているのかということについてもちょっと本当はお伺いしたいんですけれども、質問時間が短いので次に行きたいと思いますけれども。
 先週の十三日には、イギリス政府が長期的な視点に立った目標を、しかも法案の形で発表をしておりますよね。これは、二〇五〇年までに二酸化炭素の排出量を六割削減するというものでございます。
 京都議定書が先進国に義務付けた温暖化効果ガス、この安定化に向けた目標としては大変小さなもので、大切ではあるけれども第一歩にすぎないというふうに繰り返し言ってきた。日本は、その枠組みの中でも六%削減ぎりぎりという議論をしてやってきているわけなんですけれども、このEUの行動計画とかイギリス政府の法案で、ようやく温室効果ガスの安定化、現実感を持ってくるのではないかというふうに私自身は感じているわけなんですけれども。
 このイギリスについて言えば、この間、アメリカを国際的な枠組みに取り組むために非常に戦略的に迫っているんじゃないかというふうにも思うんですけれども、日本としてもこのイギリスのような強い姿勢、それを持つべきだというふうに思います。
 このイギリスの法案についてどのように評価していらっしゃるのかお伺いしておきたいと思いますし、このイギリスの法案は長期的な、そして具体的かつ数値目標を設けている、ここが私は大変評価すべきではないかというふうに思うんですね。二〇年に排出量を二六%から三二%削減する中間目標を設定していたり、定期的に第三者機関が達成度を評価したり助言をしたりする、そういう仕組みを設けているなど高く評価できると思いますけれども、大臣はいかがでしょうか。
#29
○国務大臣(若林正俊君) 英国が法案の形で提出をいたしたその中身も承知いたしておりますけれども、これからイギリスはパブリックコメントに課するということにしておりまして、パブリックコメントの締切りは六月末というふうに言われております。英国内でこれに対してどういうような反応が出てくるのか、どういう意見が出てくるのか、それらを見極めないと、我が国の方がこれに対してどうだと言うことはいかがかというふうに思っておりまして、この法案に対する私どもの見解というのは詳細にはコメントはできませんけれども、非常に高い関心を持ってその内容の把握、さらにその有効性というようなことについて検討してまいりたいと、こう思っております。
#30
○岡崎トミ子君 今申し上げましたように、数値目標を伴う長期目標を示さなくては、私は議論に説得力を持たないし、世界のリーダーとしてやはりそういう意気を示していかなければいけないというふうに思っているわけなんですけれども。
 大臣の所信の中で、環境立国戦略というのを今策定中ということを述べられました。一月のヨーロッパ訪問や東アジアサミット出席の際に各国首脳に触発された安倍総理が若林大臣に策定を指示して六月までに策定すると聞いておりますけれども、この環境立国戦略というのは何か、総理からどういうような御指示があったのかを伺っておきたいと思います。
#31
○国務大臣(若林正俊君) 今お話にもございましたように、総理は一月十二日から欧州を歴訪をいたしまして、それぞれの各国の首脳から、今世界が直面している大きな課題として地球温暖化を含む環境問題があるということが議題となりまして、お互いにこの地球環境の問題については積極的な取組をして貢献していこうというような話がなされたようでございます。と同時に、東アジアのサミットに総理が出られまして、エネルギー問題と環境問題は裏腹でございまして、このエネルギー問題と資源の問題などについても話し合われたわけでございます。
 そういう角度から、我が国は積極的に国際貢献を果たしていくという視点で、国内的にもこの温暖化対策が、今、先ほどからお話がございますけれども、速報値によれば予定どおり進んでいないといったような事情もあるわけでございます。そういうことも踏まえまして、かねて日本が世界にアピールしておりますスリーRのイニシアティブ、そのスリーRの問題も大変重要だというような幅広い観点でこの二十一世紀の環境立国戦略を策定をして、その下で環境政策を強力に推進していってもらいたいという、そういう御指摘が、御指導があったわけでございます。
#32
○岡崎トミ子君 環境立国というからには、やはり環境国家として売り出すくらいのことを私は期待してしまうわけなんですね。軍事力ではなく、経済力ではなく、世界に環境の面で貢献していくという、そういう姿が存在感を示していくという私はイメージを持ったわけなんですけれども。そのためには、環境に優しい技術を中心に据えて世界市場に打っていくイメージですとか、あるいは、町づくりの政策や国土の政策の中に環境とか循環型社会というその概念を据えて社会を変えていくというそういうイメージですとか、環境立国という言葉には環境を中心概念にして国の方向を変えていくんだという、そういう方向性を感じさせるものでなければいけないというふうに思うんですね。
 しかし一方で、最近余りにもしょっちゅう何々立国という言葉を耳にすることも思い出しまして、これ三文安にならないようにというふうに私は思うんです。というのは、政府が最近掲げたものだけでも、IT立国論、観光立国論、知的財産立国論、ものづくり立国論、金融サービス立国論、科学技術創造立国論、技術立国論とありまして、今回の安倍総理が若林大臣に指示されました環境立国戦略論というのがあるんですけれども、正直、立国論が乱立ぎみじゃないかなというふうな思いも私はしたんですね。環境立国というからには、環境という観点から国の政策全体、これを作り変えるというくらいのものでなければいけないというふうに思うんです。
 そのためには、内閣の最重要課題に位置付けて、他の省庁の施策にも大きく変更を迫るものでなければならないというふうに考えますが、この点についてはどうでしょうか。環境省の中だけで議論を進めるというようなんですけれども、環境省の中だけで議論をして決定する程度の、そういうものでいいのかどうなのか、お伺いしておきたいと思います。
#33
○国務大臣(若林正俊君) 御指摘ございましたように、環境問題は、環境行政、環境省だけでこれを責任を負うというわけにいかない幅広い問題でございます。その意味で、各関係省庁との連携を強めながら、環境省が中心になりながら、国の各間の行政を全部統合、統括する形で作り上げていかなきゃいけないと考えております。
 今、中央環境審議会に特別部会を設けまして、特別委員の皆さん方の御意見を承っているところですけれども、この特別委員は、関係省庁の方から御推薦をいただいた専門の皆さん方に幅広く参加をいただいて、今検討を進めていただいているところでございます。
 おっしゃるように、この環境立国戦略の組立てに当たっては、省庁を統括するような形で、幅広い視点でこれを作り上げていかなきゃいけないと、こういう認識を持っております。
#34
○岡崎トミ子君 この環境立国戦略目標を策定をするという大変大きなチャンスを得られたというふうに思うんですね。ですから、並大抵のことではこれは実現することができないというふうな思いで、是非、大臣もそういうふうに考えておられるのではないかと思いますけれども、もう少し明確に、これからです、今日、今この場でなくても結構ですけれども、何をしようとしているのかということを、具体的なことをこれからもお聞きしていきたいというふうに思っておりますが。
 温暖化対策でいえば、せめて排出権取引制度の本格始動、環境税の導入、あるいは長期的な数値目標、繰り返して言っておりますけれども、こういう問題ぐらい戦略的アセス、これを実現しないと環境立国とはなれないんじゃないでしょうか。
#35
○国務大臣(若林正俊君) 御意見としてしっかり受け止めていきたいと思いますけれども、排出権取引の問題につきましても、その有効性というのは果たしてどうなのかということをもっとしっかり検証しなきゃいけないというふうに私は考えておりまして、そういう立場で、国内的には御承知のように任意参加型の排出権取引を実証的に始めたところでございますけれども、いろいろと技術的な問題が一杯あります。
 それで、先般のドイツでの会合におきましても、欧州委員会の環境担当委員とも、あるいはイギリスの環境大臣ともこのことについて質問をし、その効果などについてやり取りをしたんですけれども、なかなか課題が多いということでございます。EUの実際実施している実情とか、あるいは英国における排出権取引マーケットの状況及びその評価といったようなこともこれからしっかりと詰めていかなきゃいけない課題だというふうに思っております。
 繰り返すようでございますけれども、これらで先進国が中心になって、先進国が背負って温暖化対策をやるというような流れができてしまいますと、これは地球規模全体の問題になりませんので、日本がドイツの後、議長国、ホスト国になることを考えますと、やはり反対をしている、あるいはこれに付いていけないと言っている国々に対しても十分な配慮をする姿勢というのを日本は持っていなきゃならないというふうに考えておりまして、どのような時期にどのような形で打ち出すかというのは大変重要な課題でございますので、慎重にこれに取り組んで判断をしてまいりたいと、こう思っております。
#36
○岡崎トミ子君 戦略アセスにつきましては、環境省が戦略的アセスメント総合研究会でまとめられておりまして、これは大規模公共事業などを行う場合に計画段階で環境影響評価を行うもので、長いことこの必要性が言われてきたわけなんですが、早速この二十六日にも、世界自然保護基金ジャパン、日本自然保護協会、日本野鳥の会、FoE―JAPAN、オーフス・ネット、里地ネットワーク、気候ネットワーク、日本生態系協会が連名で、戦略アセスの検討、策定に期待を寄せて早期の法制化などを求める声明を発表をしておりますけれども、せめてこの早期制度化ということについて明確にすべきだと思いますけれども、簡単にこの点について触れてください。
#37
○国務大臣(若林正俊君) 戦略アセスの適用につきましてはかねての課題でございまして、環境省は部内の専門家によります検討会を続けてまいりまして、その取りまとめもほぼ見通しが付いてまいりましたので、その取りまとめをベースにして今パブリックコメントに付しているところでございます。パブリックコメントが出た段階で最終的にこの実施についての取りまとめを図ってまいりたいと、こんなふうに考えております。
#38
○岡崎トミ子君 積極的にお願いをしたいと思います。
 環境大臣、所信表明の中で、ただいま脱温暖化社会の構築と、もう一つ、循環型社会の構築、これが二大改革であるというふうにおっしゃっておられます。
 そこで、循環型社会の構築の合併処理浄化槽の問題について、今年の一月に浄化槽ビジョンというものを発表されたわけなんですけれども、環境省として浄化槽推進の観点から現状をどう見ているのかについてお答えいただきたいと思います。
#39
○副大臣(土屋品子君) 汚水処理施設の人口普及率は平成十七年度末で八〇・九%、普及人口は約一億二百八十万人となっております。
 市町村の人口規模別に見ますと、人口百万人以上の市町村では九九・〇%であるのに対して、人口が三万人未満の市町村では六一・三%となっております。人口規模が小さくなるにつれて汚水処理施設の人口普及率は低くなっているため、これからの汚水処理施設の整備は人口の少ない地域において進めていく必要があると認識しております。
 今後の汚水処理施設の整備の中心が人口の少ない地域となることから、経済性、効率性に優れた浄化槽の整備は重要な施策であると認識をしております。
#40
○岡崎トミ子君 環境省の日本環境整備教育センター発行の赤星たみこさんの浄化槽漫画「おいしい水」というのを作られたようなんですけれども、この中には、別に小さな集落であるとかそういうところだけでなく、人口三万人とか人口五万人とかというふうな、それ以下のところというふうに言われておりますが、これにはそうではないですね。ビルという、そういう都市の真ん中にあるようなところでも大変有効であるということについて書かれておりますし、処理浄化槽は一時しのぎなんかじゃない、水を守り川を守り都会をも守るシステムなんだと、こういうふうになっておりますので、多分そういうところだけではないという認識を持っていただきたいなというふうに思います。
 それでもう一つは、市町村と地域住民に対してきちんとした情報を与えてそれを選択できるそのシステムが今ないというふうに思うんですが、このぐらいの漫画をもう少し本当に一般の人たちにも分かるような形で浸透しているといいなというふうに思ったわけなんですけれども、この下水道整備にかかわる国土交通省、農業集落排水の施設にかかわる農林水産省、それから地方財政にかかわる総務省、場合によっては内閣府や内閣官房などを連携しまして、自治体、住民が適切な判断によって浄化槽を選択できるようにする、制度や施策によって浄化槽の選択が妨げられないようにするように取り組んでいくべきだと考えますが、そのPRの仕方、浸透の仕方、そのことについてお伺いしておきたいと思います。
#41
○副大臣(土屋品子君) 正に岡崎先生おっしゃるとおりで、いかにPRをしていくかということが非常に大事になると思っております。その点では、今浄化槽の推進に向けて住民と市町村の政策決定に携わる市町村長さんなどに浄化槽の特徴を理解していただくことが必要であると思います。
 それで、環境省としては、平成十六年度から、一つは全国各地で幅広く住民等を対象としたシンポジウム等を開催しております。それからもう一つ、市町村長や市町村議会議員の直接対象としたセミナーを開催しているところでございます。また、ほかの汚水処理施設との連携については、浄化槽と下水道などの二つ以上の汚水処理施設の整備を行う市町村において市町村の自主性、裁量性を生かして現時点で最も効率的な整備手法が選択できるよう、汚水処理施設の整備に関する交付金制度が平成十七年度から設けられております。これにより地域の実情に応じた汚水処理施設の整備が進むことが期待されているところでございます。
 環境省としては、浄化槽ビジョンを踏まえ、引き続き浄化槽の普及に図ってまいりたいと思います。
#42
○岡崎トミ子君 これからの問題になっていくと思いますので、各省連携で積極的な取組、PRをよろしくお願いしたいと思います。
 昨夜のNHKの「クローズアップ現代」で、新法から一年ということでアスベストの問題について取り上げられておりました。また私の地元仙台で、御自身がアスベストとともに僕の作家生活はあるという佐伯一麦さん、野間文芸新人賞や三島由紀夫文学賞やあるいは大佛次郎賞、こういうものを取っている方なんですけれども、この方はずっと電気工を三十代後半まで行っていて、その生活のために行ったわけなんですけれども、二十代でどうもこの静かなる時限爆弾、アスベストに侵されているということが分かり、せきをしながら苦しみながら生活をしてきたという方なわけなんですけれども。これまで五十人の労働者あるいは医師らにインタビューをいたしまして、そういうこの現場の声というものがこの中に知らされているという、アスベスト禍に苦しみ、記録文学として刊行したということで、本のタイトルは「石の肺 アスベスト禍を追う」というものになっているわけなんですが、これ初めて、やはり被害者の中から記録として書かれたものは初めてだというふうに思っておりますが、それらをずっと考えながらこの一年間、この石綿新法を成立させましてからどのように進展していったのか、お伺いしておきたいと思いますけれども、なかなか救済が進んでいないということが問題にされてきております。
 死後五年の時効で労災申請ができなかった方たちを救済するための法律、あるいは労災補償の対象にならない工場の周辺住民、そういう方たちを救済する仕組み、積極的な法案の策定に民主党も独自案を提案しながらかかわったわけなんですけれども、この問題とされてきました、この一年間に何件の申請があって、指定疾病の判定件数、認定件数、保留の件数と併せて報告を求めたいと思います。そして、この指定疾病の判定、保留、取下げとなったケースはどのぐらいあったのか、そのまた理由、内訳ということについてもお知らせいただきたいと思います。
#43
○政府参考人(上田博三君) この一年間の認定件数等でございますが、昨年三月二十日から申請等の受付を開始しておりまして、本年二月末までで総数で三千七百九十件の申請がございました。このうち、現在療養中の方については一千六百五十三件の申請が行われ、そのうち一千七十八件について医学的判定を行い、六百九十四件が認定、百六十五件が不認定、二百四十二件が保留とされたほか、百七十五件が取り下げられております。
 また、法施行前死亡者の御遺族からは二千百三十七件の請求が行われ、千四百三十六件が認定、三十三件が不認定、四十六件が保留とされており、百六十六件が取り下げられています。すべての方が医学的判定を要するわけではございませんけれども、このうち医学的判定を行った件数は本年二月までで八十一件でございます。
 認定者の疾病別の内訳は、療養中の方については、中皮腫が五百三十九件、肺がんが百五十五件、施行前死亡者の御遺族については、中皮腫が一千四百七十四件、肺がんが三十件でございます。
 次に、指定疾病の判定保留、取下げとなったケースの割合でございますが、判定保留となっている件数の申請件数全体に対する割合は、療養中の方の申請については約一五%、施行前死亡者の御遺族からの請求については約二%ということで、申請者全体として割合は合計で約八%でございます。また、申請が取り下げられた件数の申請件数全体に対する割合でございますが、療養中の方の申請について約一一%、施行前死亡者の御遺族からの請求については約八%で、全体としては九%でございます。
 それから、保留と取下げの理由でございますけれども、保留となっているものの理由の内訳でございます。中皮腫につきましては、病理組織学的検査結果の記載に不備があり中皮腫と判定できないものが約六割、提出された資料のみでは良性か悪性かの鑑別ができないものが約一割、その他、例えば別の悪性腫瘍の可能性があるものなどが約三割でございます。肺がんにつきましては、石綿により発症した肺がんであることを示す画像所見が得られないものが大部分でございました。
 それから、申請が取り下げられたものの内訳でございますが、療養中の方につきましては、労災等の支給決定がなされたためという方が約五割、それから医学的資料が調わない方が約五割ということでございます。施行前死亡者の御遺族につきましては、労災等の支給決定がなされたためというものが約七割、優先請求順位者が別に存在されたということで取り下げられたものが約一割、それから医学的資料が調わないものが約一割でございました。
 以上でございます。
#44
○岡崎トミ子君 医学的な資料がそろわないために残念ながら取下げをしなければいけなかった、これはもう五割もいるというのは大変な問題ではないかなというふうに思うわけなんですね。こういう人たちに対して何か本当に救う道というのはなかったんでしょうか。そろえなければ駄目だという、もう本当に、国が本当はその責任を認めていれば、あなたの方でそろえてくれば認めますという、こういうふうな態度はなかったはずなわけなんですけれども、今そういう問題が出てきているということですよね、この一年間やってきたことに対して。大変重要な問題ではないかと思いますが、いかがですか。
#45
○政府参考人(上田博三君) できるだけ幅広く救済するという観点から、医学的資料がそろわないものにつきましては専門家の御意見を聞きながら御本人あるいは申請者、御遺族の方に、できるだけこういう資料をそろえていただきたいということを具体的にお願いをし、またかつ医療機関の先生方にもそういうお願いをしてできるだけそういう資料が集まるように我々も努力しているところでございます。
#46
○岡崎トミ子君 そこに限界がある、多分そろえられないということで本人は大変苦しんでいるのに認められないという現状があるということだけははっきりしているのではないかというふうに思うんですが。
 そういう苦しみの状況の中で認められていないということの中にこの石綿肺というのがあるわけなんですけれども、昨日もそのテレビをずっと見ておりましたら、この方はもう長年ずっとこの石綿肺で苦しめられてきているという状況が続いているわけなんですね。吸入器なくては生活ができないという状況になっている。息切れ、めまい、入院、そういうことが繰り返されているわけで、ある病院では月に二百人も石綿肺で苦しんでいる人が掛かっているわけなんですが、医療費は掛かるし、治療法がないし、仕事はできないし、貯金はないし、わずかな年金生活で暮らしているという。
 これは、もう長い闘病生活で深刻な、緊急なことがないというだけで認められていない、外されているというのがありますけれども、これどうしてこういう状況なのか。是非このことのお認めをいただきたいと思いますけれども、どの点までこの検討はいっておりますでしょうか。
#47
○政府参考人(上田博三君) 石綿肺でございますけれども、石綿健康被害救済制度は、石綿健康被害の特殊性にかんがみてその被害者の迅速な救済を図るものであり、中央環境審議会の答申においても、当面、指定疾病は中皮腫と肺がんとすることが適当とされたところでございます。御指摘の石綿肺でございますけれども、当答申におきましても、石綿肺は、古くからよく知られた典型的な職業病であるじん肺の一つであり、予後や発症までの期間についても中皮腫などのような特殊性が見られない、一般環境経由による発症例の報告はこれまでないと、このようなことから中皮腫等のような特殊性が見られないということでございまして、今後、更に知見を収集し、その取扱いについて検討していくことが適当とされているところでございます。
 このような中央環境審議会の答申を踏まえ、現時点では石綿肺について救済給付の対象とはしておりませんが、今後、医学的知見やデータの集積、海外の状況の把握等を進め、職業性暴露以外の暴露による石綿関連疾患の発症状況等を踏まえつつ検討を行ってまいりたいと考えております。
#48
○岡崎トミ子君 是非、今苦しんでおられる方がたくさんいられるということをしっかりと現場を見て、当事者の声を聞いて、一刻も早くこれが認められるように私の方から強くお願いをしておきたいというふうに思っております。
 それから、中皮腫の約八割が職業暴露によるものというふうに言われているわけなんですが、そうだとすれば、本来、労災補償が、時効救済の件数が新法による救済の四倍、これになるはずなんですが、実際には一対一というふうに言われました。
 この新法制定のときに、審議の際に、新法による救済と労災補償による救済のレベル、大変格差があるということを指摘をしまして、本来、労災対象の方たちがより低い新法の方に流れていくのではないかという懸念、これは前回も私は質問をしたというふうに思います。新法の対象に回されてしまうんじゃないかということですね。本来ならば労災補償を受けるべき人がこの新法による救済の対象となるということが実際起こっているのではないかというふうに、この問題について追及している市民の皆さんたちがそういうことを言っているわけなんですけれども、その心配はいかがですか。
#49
○副大臣(土屋品子君) 石綿による健康被害が生じている方々が適切に救済されるよう、機構や保健所等に労災補償制度や特別遺族給付金に関する資料を備え付けて、窓口に来られた住民に対しては、労災補償制度の対象となる可能性のある場合には労災補償制度等についても積極的に情報提供をするようにしております。
 今後とも、これらの対応により申請者の立場に立った円滑かつ迅速な救済を行っていくように努力してまいりたいと思います。
#50
○岡崎トミ子君 是非、労災認定の人が新法でということで、間違ったそういう対応にならないように連携も強力にしていただきたいというふうに思っております。
 もう最後に一、二問になってしまいましたが、随意契約の問題について昨年大掛かりな見直しを行ったわけです。二〇〇五年度に締結をしました随意契約について行った点検、見直しの結果、この委員会でも報告をされているわけなんですが、今年度締結した契約にも一部この点検、見直しの成果が反映されたと聞いております。
 具体的には何を行ったのか、予算の削減効果は見られたのか、また予算削減の額と具体例を挙げて説明をいただきたいと思います。
#51
○政府参考人(小林光君) お答えを申し上げます。
 昨年六月にもこの議論をしていただいたわけでございます。その結果を踏まえまして、本年一月にもこの随意契約の見直し計画、改定をされました。そして、今御指摘のとおり、今年度の契約にも当てはめが行われております。
 昨年十二月末現在でまとめておりますけれども、所管公益法人等との随意契約、この適正化、行ってきているわけでございます。
 数字だけ、時間もございますので、結論的に申し上げますと、全契約締結件数が百九十五件でございます。そのうち競争入札が九十四件、約半数の四八・二%、企画競争等が四十九件、二五・一%、そして問題でありました競争性のない随意契約が五十二件、二六・七%ということでございまして、十七年度の実績が、競争性のない契約、これが七六・九%でございましたので、同じ分母でございますと半減以上の勢いということで申し上げたわけでございますが、そういったことが既に実行に移されているというふうに申し上げることができるかと思います。
 それから、お尋ねの二点目、予算の節約効果、こういうことでございます。
 過年度来の競争入札等の結果で、例えば人工だとか単価とかそういったものが分かってくるわけでございますが、これが予算査定の中に反映をされております。その結果、これも計算結果だけで申し訳ございませんが、申し上げますと、十九年度、お諮りしております予算の反映された削減予想効果といったものを計算いたしますと、合計で約六千八百五十万円というふうに相なってございます。
 そういった節約が何ゆえに行われたかと、こういうことでございますけれども、例えば事業としてみますと、環境省のホームページの運用整備、あるいは不法投棄事案の対応支援事業等々の十二項目の予算について、今申し上げました人工、人数ですね、あるいは単価といったような調整が行われた、その結果でございます。
 以上でございます。
#52
○岡崎トミ子君 時間がないんですけれども、今のは十七年度の見直しを行うとこのぐらい実はできたんだということなんですけれども、今後の執行に生かされていかなければならないと思いますけれども、大臣、今後の意気込みですね、これからにしっかり生かすんだというその意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
#53
○国務大臣(若林正俊君) 十九年度以降の予算執行にどう生かしていくかということでございます。
 一層の透明性、効率性を確保するという観点から、今年一月に策定した随意契約見直し計画を策定しておりますが、これに基づいて、安易に随意契約によることなく、できる限り競争入札や企画競争などの競争性のある契約方式を実施していくという基本方針を定めているところでございまして、契約と同時に、契約に関する情報の公開性でございます、これまでも環境省のホームページ上において逐次公表してきたところですけれども、契約の透明性を確保するという観点から、引き続き情報公開に取り組んでいくことといたしております。
 いずれにしても、環境省は職員数が少ないわけでございます。そしてまた、専門的な知見を要するような分野が多いわけでございます。その意味で、環境政策を推進していくという上からは、外部の研究機関や民間のコンサルなどと契約をして、その専門的な知見を活用していくことがどうしても必要でありますし、それは極めて重要な意味を持つことでございます。
 そこで、その際に、競争性のある契約方式の一層の導入というのは当然のことでございますけれども、それに加えて、しかし結果的に安かろう悪かろうといったような弊害が生ずることがないように、本当に国民の利益につながるような適正な契約の推進に努めなければならない、このように思っておりまして、このことは設けた研究会からの報告書の中にもそのような指摘を受けているところでございます。これらを十分留意して対処してまいりたいと思います。
#54
○委員長(大石正光君) 岡崎トミ子君、時間が過ぎておりますので。
#55
○岡崎トミ子君 来年度を通して定期的に、また来年度が終わったところでは一括して評価を行うことができる、そういう材料が示されると思いますので、国会としてきちんと検証していきたいと思っております。
 ありがとうございました。
#56
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 まず私は最初に、地球温暖化問題についてお聞きしたいと思います。
 環境大臣にお願いしたいと思いますが、ドイツ・ポツダムのG8環境大臣会合、大変に御苦労さまでございます。
 ところで、EUは二〇二〇年に二〇%削減、またイギリスは、先ほども話がありましたように、二〇五〇年に六〇%削減を行うという法案を発表したわけでありますけれども、私は、明年の日本サミットでは地球温暖化問題などいわゆる環境問題を主要な議題にすることを改めて求めておりますけれども、今日の報道によれば、日本はポスト京都に向けて閣僚会議を設置すると、そういうふうに言われているようでありますし、あるいは、総理は本日、ポスト京都議定書の枠組みづくりで世界を先導すると、そういう決意表明をするというふうに報道がされているという話でございます。
 若林環境大臣は温室効果ガスの排出量を、中長期的にはこれを半減させる必要があると所信表明をしたわけでありますし、総理の報道のとおりに、総理が世界を先導するという言葉を用いたならばこれは極めて重い話でありまして、削減目標に対する中長期的な、すなわち二〇二〇年、二〇五〇年という、そういう次元の中で数値目標の策定について取り組んでいくことは非常に大事ではないかと。この辺に対する大臣の決意をお伺いしたいということでございます。
 また、G8環境大臣会合でテーマになりました不法伐採の関係でありますけれども、これは生物多様性への脅威にもなりますし、気候変動を加速させる、あるいは気候被害の関係では脆弱化を進めてしまう、あるいは持続可能な開発への脅威であるというふうに考えられるわけでありますので、不法伐採に関する我が国の取組については、特に、合法性確認システムに基づく適正な貿易措置、これを目指しているのがインドネシアだと私はお聞きしておりますけれども、そういった点については非常に大切な視点が含まれているというふうに考えておりまして、我が国は早期にやはりインドネシア等々とこういった面についての対応を進めていく必要があると、このように考えておりますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#57
○国務大臣(若林正俊君) 安倍内閣におきまして、施政方針演説で安倍総理が述べておりますように、内外ともに多難な環境問題につきまして環境立国戦略を打ち立ててリーダーシップを発揮していきたいというのは総理のかねての御決意でございます。
 先導するということであったかどうかというのは、私はそういう言葉遣いについて承知はいたしておりませんけれども、やはりEUとイギリスは、おっしゃるように、かねての考えであります次期枠組みについて今あるキャップを、つまり限度枠を更に強化する形で削減を進めていくという方針を明確にしたわけでございます。
 そのことについてはそれらの意欲及び努力を高く評価をするものでございますけれども、先ほども岡崎委員への答弁にも申し上げましたが、リーダーシップを発揮して世界をリードしていこうということでありますと、余り、そういう数字を示せばそのようになるかというと、非常に反発をしている国々が一杯あるものですから、そういう国々の言い分、そしてそういう国々はどういう形ならばこの枠組みに参加してもらえるものかというようなことについてかなり緊密な意見交換を重ねながら見通しを立てていかなければならないということがございますので、今、EUそしてその中の指導性を発揮しております英国が打ち出したような形で我が国もやることがリーダーシップを発揮するということになるのかどうかということについては、もう少し慎重に考えていかなければならないんじゃないかと私は思っておりまして、その点はこの間のドイツにおけるG8サミットの中で、あるいはそのバイの中でもそのように申し上げながら、中国やインド、あるいはブラジルや南アの皆さん方の意向、動向というようなものも注意深く打診をしてきたところでございます。
 いずれにしても、しかし日本がホスト国であります八年のサミットではかなりの見通しを立てた方向性を出さないと、次期枠組み、一三年から始まる枠組みの成果が難しくなってくるという思いでございますので、慎重な中にも決意を持ってこれに臨もうというふうに考えているわけでございます。
 違法伐採につきましては、生物多様性の論議の中にも主たる課題として議論がなされました。特にブラジルの代表は、アマゾン地域におきます森林伐採、これ違法というわけではありません、その森林伐採が温室効果ガス、炭酸ガスを吸収する吸収量を少なくしていく、そういう意味でブラジルが非難を受けているということに対して理解を求める主張をしておられまして、それをお聞きしながらもっともだなと思ったことでございますけれども、ブラジルは昨年、一昨年に比べて伐採量を半分に減らしたそうであります。伐採量を半分に減らしますと、当然この伐採の材木の販売収入というのが減るわけでございます。と同時に、伐採にかかわる労務者が失業をするわけでございます。そういう失業が出てきた、そういう労務者に対する雇用対策などにももう大変な負担を負っていると。したがって、森林保全、伐採を抑制をしながら地球温暖化にかかわっていくということは、あるいはまた生物多様性を保持するために伐採を制約、抑制するということは当該国にとっては大変な苦痛を伴う、負担を伴うものだということについての理解を強く求めておりました。
 そこで、御質問の違法伐採でございますが、この違法伐採は買手があるからそういうことが進んでいくという、そういう認識を持っておりまして、これはヨーロッパの諸国もそうですけれども、伐採の合法性、合法的に伐採されたものを、使用者側、利用者側はそういうものに限定して利用するというふうに、その利用、使用の方を強化すべきであるという国際的な意見も強まってきております。
 我が国については、委員が御承知のとおりでございますけれども、こういう公的な利用、グリーン購入法におきまして、紙類や文具類、オフィス家具などの器具類、公共事業に使う材料、製材、集成材、合板などに関して、その原料となる木材が原産国の森林に対する法令に照らして合法的に伐採されたものであることを判断の基準に盛り込んでその調達を推進するということを決め、法律の改正をお願いをしたところでございます。
 インドネシアとの関係は、二〇〇三年に違法伐採問題に取り組むための行動計画について署名を交わしておりまして、その合法性の確認のためのシステム開発等を進めているところでございます。
#58
○加藤修一君 数値目標の関係について大臣からお話がありましたが、私は具体的に数値目標を決めることがやはり世界を先導してやっていくという話に当然なってくると思う。数値目標を出せるということは国内で結束ができたというふうにも考えるわけでありまして、それで、数値目標が出せないということはある意味では国内がまとまっていないという部分でとらえがちであるというふうにも考えられるなというふうにとらえてしまいました。
 そういうことで、次に、私は今年の二月にアメリカの連邦議会で開催されましたG8プラス5の気候変動対話の関係のワシントン議員フォーラムに行ってまいりました。新しい農業、林業の観点からバイオ燃料についても発表させていただいたわけでありますけれども、会議の議論の基調というのは、やはりエミッショントレードということで、あるいは炭素価格が中心になっていたわけでありますけれども、アメリカの議員の発言も極めてキャップ・アンド・トレード、そういったことについてのコメントが多くて、会議全体としてはキャップ・アンド・トレードということで排出権取引制度についての関心が極めて強いと。アメリカは動き始めると非常に速いわけでありますので、日本が後々、この炭素取引制度の関係の列車の最後尾にようやっとたどり着くような状態になっては、これはこれからの時代というのは、環境を土俵にしながら経済的な競合というか競争といいますか、そういった面での闘いになってくるわけでありますので、この辺について遅れてしまうようなことは非常に私は後々困るんではないかなと、そう思っております。
 いずれにしても、一四%の削減をしなければいけないということでありますし、スターン報告とかあるいはIPCCの第四次レポートを考えてまいりますと、追加的な策をやっていかなければいけない。じゃ、全体的に追加策というのはどういうふうに考えるべきかというのが第一点目の質問であります。
 それから、日本のETSの実態は、先ほど大臣からお話がありましたが、どういうふうになっているか。今後、この面についての拡充ですね、今後の展開、拡充についての取組はどのようにとらえているのか。その辺について御答弁をお願いしたいと思います。
#59
○政府参考人(南川秀樹君) 加藤先生には、GLOBEのアメリカでの会議に御出席いただきまして、日本を代表して様々な御意見を発表されたと伺っておるところでございます。
 私ども、当面の削減でございます。現在把握しておる範囲では、九〇年、基準年に比べまして八・一%温室効果ガスが増加しておるということでございます。したがいまして、マイナス六%を合わせますと一四・一%の削減ということになるわけでございます。
 現在の政府の計画では、その内訳としまして、八・七%を削減する、三・八%は森林吸収源により吸収を増加する、また残りの一・六%については、京都メカニズム等の活用によりまして、政府によるクレジット購入等で諸外国での削減により達成するということでございます。また、最初の八・七%のうち二・三%につきましては、原子力発電が二〇〇二年以前の稼働率に復すれば減少が可能だということでございまして、国内的には六・四%の削減を急がなければならないということでございます。そのため、現在鋭意作業をいたしております。
 現状を申しますと、元々この二〇〇二年の段階で予測しましたことに比べますと、経済成長率も約一%近く高くなっております。それから、施策の進捗もいささか遅れております。したがいまして、御指摘のとおり、現在審議会で点検はしておりますけれども、現状のまま何もしないということでは達成がおぼつかないという危機感を大変深く持っております。
 そのため、まず産業部門でございます。これは量的には一番多うございます。かなりの努力はしておりますけれども、まだまだ産業界における自主行動計画につきましても、点検をした上で可能なところについては更にその間、削減を進めていく。それから、行動計画自身の策定が遅れているところには早くその行動計画を策定していただく。そして、私ども、担当省庁のみならず、環境省もそこに入ってチェックをしていくということを行っておるところでございます。
 それから、自動車関係、運輸関係でございますけれども、ここ近年、全体としてCO2が少しずつ減っております。ただし、基準年に比べますと大幅増加しておることは事実でございます。やはり、燃費改善した自動車、その導入の促進、またバイオエタノールの導入の促進、そういったことが是が非とも必要だと考えております。
 それから、問題一番大きなのは業務関係のオフィスビルでございます。増加率も最も多うございます。また、政府の計画からも一番乖離をしておるという現状でございます。
 それから、家庭につきましても同様の傾向が見られております。これにつきまして、建築物あるいは住宅の省エネ性能の向上、あるいは性能の高い家電、事務機器等の普及、そういったことも含めて相当の施策の見直しということも必要になってくるというふうに考えているところでございます。
 御指摘のとおり、このまま放置するということは許されないと考えておりまして、是非とも必要な手段を取っていきたいと考えております。
 それから、排出権取引でございます。現在、EUにつきましては強制的な排出権取引が行われております。アメリカにつきましても様々な動きがございますが、基本的には日本と同じようなボランタリーなシステムで動いております。日本でございますけれども、私どももこれについて大変重要な対策の一つだというふうに考えておりまして、そういった可能性を十分感じております。
 そういう観点から、自主的な取引でございますけれども、単にやりましょうというだけじゃなくて、実際に予算も用意しまして十七年度からその運営をしております。そして、参加企業につきましてはその対策費用の例えば三分の一程度を支援する、そして、削減ができない、あるいは必要なそのクレジットも買ってこれないということで目標を達成できないところからはその補助金もお返しいただこうということで、そういったシステムを用意しながら、言ってみれば実験を行っておるということでございます。
 これまでに八十九社の企業が参加しておりますし、実際にその取引も行われておる、排出枠の取引も行われております。また、これによりまして、年間、これまでのところ、年にしまして約五十万トンのCO2が削減を見ておりまして、参加企業の排出の約二割というところの排出も実際に削減がされておるわけでございます。
 私ども、こういった経験を経ながら、また様々な情報も得たいと思っております。そのため、JBIC、国際協力銀行ですか、そこと相談をいたしまして、JBICが主催する形でヨーロッパを含めた諸外国の排出権取引制度についても幅広く知っていただくセミナーを行っておりますし、これからもそれを続けていくと。そういう中で、私どもも知見をためますし、多くの人にもその排出権取引の実態をよく理解いただこうと、そういったことでこの問題についての検討を深めたいと考えております。
#60
○加藤修一君 JBICの話が出てきましたけれども、JBIC、私の認識ではやはりボランタリーでやっていくべきでないというふうに考えているようでありますし、そういった意味では、先ほどのほかの委員の答弁に大臣答えておりましたけれども、答弁としてありましたけれども、私は、やはりボランタリーじゃなくて義務的にやっていく、そういう排出権取引制度というのは望ましいと思っておりまして、これはもう質問いたしません。
 それで、次の問題に入ってまいりたいと思いますけれども、海岸の環境保全と整備の関係でありますけれども、昨年、私は千葉県に行ってまいりました。また、様々な九十九里浜の現状というのを知りたいと思ったこともありますが、発端は、海をよく知っているサーファーの千葉県の一女性の方でありますけれども、次のような意見が寄せられておりまして、白砂青松で知られている九十九里浜海岸が海岸侵食で遠浅の砂浜がなくなった、ウミガメの産卵ができないとの声を私は聞いたわけでありますけれども、早速、九十九里浜海岸に行ってまいりまして非常に私は驚いたのは、かつて百メーターもの遠浅の砂浜が消失していると。浜が一メーター以上の段差で数百メートルにわたって続いているような、非常に大変な状態だったんですね。
 今日、皆さんのお手元に資料を配付をさせていただいているわけでありますけれども、例えばこの一宮海岸、これ馬が今歩いている光景でありますけれども、これ一メーターぐらいの段差があって、これは昔は遠浅の砂浜だったんですね。正にそういった意味では白砂青松というそういう状態で、非常に風景もすばらしかったわけでありますけれども。それから、同じように一宮の海岸でありますけれども、護岸やったところがこういう形で崩れ、崩壊しているというような状況でございます。それから、一松海岸、これも非常に大変な状態であると思いますね。かなりの段差が生じていて、遠浅の海岸がこのような状況になっているということについては非常に残念な思いでございます。また、これは護岸工事をやった状況でありますけれども、針金とか何か非常に危険な状態で、海岸を利用するとか、そういった面はなかなかできないような状況になっているということでございます。
 そういった意味では、これは千葉県に限らず全国であるわけでありますけれども、私は、六月をめどに策定する二十一世紀環境立国戦略の目的に日本の美しい自然の保全、再生をまずはうたっているわけでありますし、所信表明の中でも、生物多様性の保全と自然との共生も重要なテーマであり、これらの保全、再生を更に進めていくというふうに大臣は表明されているわけでありますけれども、こういう惨たんたる現状に対して、例えばウミガメ等の貴重な動植物を守るために生物多様性国家戦略の視点からどのようにとらえるかということも極めて私は重要な時代になってきているんではないかなと、このように思いますけれども、この辺についての御答弁をお願いいたします。
#61
○国務大臣(若林正俊君) 委員御指摘のとおり、深刻な状態になってきているように思います。今拝見をしました一宮海岸のこの写真も大変ショッキングでございます。全国各地でこのような海岸侵食が進行をしているというふうに認識をいたしております。そして、その海岸侵食によりまして例えばウミガメの産卵地が狭められるというような事象が出ておりまして、貴重な動植物の生息・生育環境が減少していく事例があるということは承知いたしております。海岸は、委員御指摘のとおり、動植物の生息、生育にとって重要な場所でありますし、これらの生息・生育環境の維持に支障がないように海岸の保全が適切になされる必要があるということは、私もそのように考えているところでございます。
 そこで、新しい生物多様性国家戦略におきましても、その戦略内において、海岸に供給される土砂の減少などによって海岸侵食が顕在化しつつある、そこで生物の生息、生育の場を失うおそれもあるというその現状認識をその中で明らかにしておりまして、施設の整備に当たっては、これら海岸を生息、生育や産卵の場とする生物がその生息環境等を脅かされることがないように自然環境の保全に配慮しなきゃならないということを示しておりまして、施策の展開として、喪失した自然の復元や景観の保全も含めて、自然と共生する海岸環境の保全と整備を図る必要があるということは、この生物多様性国家戦略の中において指摘をし、方針を出しているわけでございます。
 この全国広い各地域において自然現象として起こってきています海岸侵食を止めるというのは、いろいろの努力にもかかわらずなかなか難しいわけでございますけれども、基本的には、委員が御指摘になりましたような考えに基づきまして海岸保全のための施策等をこれから展開していかなきゃいけないと、こう考えておりまして、国家戦略に記述されていることを踏まえて、希少動植物の保全を始めとして海岸における生物多様性が確保されますように、関係省庁との連携を更に深め、努めてまいりたいと思います。
#62
○加藤修一君 共通の認識を持ちたいと思うんですけれども、これは自然現象だけでこういう話になっているわけじゃなくして、やはり海岸を造り変えたという部分も含めて、あるいは河川の上流の土石が自然に流れ落ちてくるということも含めて、これは極めて、自然だけの話じゃなくて、人間が手を加えた結果こういったことが生じているということも当然考えられますし、さらに海水面が上昇してきているということにもつながってきている話であります。そういった意味では非常に重要な観点が私は含まれていると思います。
 海岸侵食が予想以上に私は進んでいると思いますので、例えば、一九九三年の土木学会論文で、海岸工学論文集の第四十巻、これについてまずは御報告をいただきたい点が第一点と、それから、今後、全国の海岸侵食の調査状況ですね、その後におけます、調査状況についてが第二点と、特に海岸侵食の著しい箇所はどこであるか、これが第三番目ということで御答弁お願いいたします。
#63
○政府参考人(日比文男君) お答えいたします。
 一九九三年の土木学会論文によりますと、明治時代から昭和五十三年まで年平均の侵食量が約七十二ヘクタールであったのに対しまして、昭和五十三年から平成四年までの十五年間では年平均の侵食量が約百六十ヘクタールに増加していることが判明したとされておるところでございます。
 その後につきましては、個別の海岸ごとに侵食に関する調査が実施されているところでございます。とりわけ、新潟県沿岸、遠州灘沿岸、九十九里浜等におきまして海岸侵食が深刻化しております。必要な対策等につきまして、それぞれ必要な対策を実施しているところでございます。
#64
○加藤修一君 今後、こういう調査についてはどう考えていますか。是非調査をしてほしいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 それから、国土交通省にまたお願いなんですけれども、海岸侵食の進行と漁港などにおける砂の堆積、これは消波堤や離岸堤、人工リーフなどの人工の構築物により漂砂の流れが変わったこと、ですから自然現象ということではないわけでありますよね、漂砂の流れが変わったことと砂の供給が断たれたためと指摘する専門家の意見があるわけでありますけれども、このまま人工の構築物で海を制御しようとすれば、海岸の侵食と砂の堆積が次々と繰り返される、いわゆるモグラたたきというふうに言ってもいいと思いますけれども、気が付いてみれば、美しい白砂青松の海岸にはほど遠い、コンクリートで囲まれた醜い海岸になってしまう可能性が十分考えられる。そういった点を考えてまいりますと、従来の生き方ということはやはりかなり改善していかなければいけないんではないかと。
 そういった意味では、抜本的な対策と美しい白砂青松の海岸の保全対策、こういったことが非常に重要になってくるんではないかと思いますけど、この辺についてはどのように考えておりますか。
#65
○政府参考人(日比文男君) 海岸侵食につきましては、海岸における土砂収支バランスが崩れていることに起因して生じていると、このように考えているところでございます。
 具体的には、河川構造物の設置や、河口からの砂利採取に伴う河川からの供給土砂の減少、沿岸構造物による沿岸流砂の流れの変化等が挙げられますが、実際にはこれらが複雑に絡み合って生じておるものと考えているところでございます。白砂青松の美しい海岸保全のためには、河川、海岸、港湾、漁港等の各事業者が連携をいたしまして、土砂の収支に関する広域的、総合的な検討を進めまして、山地から海岸までの一貫した取組を進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#66
○加藤修一君 海岸の侵食の一方で、九十九里浜の片貝漁港などでは、港内に土砂が堆積して漁港の航行が非常に危険な状態にあるからやはりその砂をどこかへ持っていかなければいけない、そのしゅんせつした土砂は沖合に投棄する、そういうふうになっているわけでありますけれども、投棄するだけではなく、やはり養浜などによりますサンドリサイクルとかサンドバイパスですか、そういった方法をすべきだと思いますけれども、その取組の進捗状況と、しゅんせつなどの事業に対し国としてどのような支援措置をとっていくのか、この辺について御答弁をお願いいたします。
#67
○政府参考人(影山智将君) 砂浜海岸に立地しております漁港におきましては、先生御指摘のとおり、砂による航路泊地の埋没が問題となってございます。その対策といたしまして漁港の整備事業の中で防砂堤あるいは航路泊地等の整備を行いまして、これに対しまして国が助成を行っているということでございます。
 整備に伴いますしゅんせつ工事などにより発生する土砂につきましては、侵食海岸におきましては、海岸管理者と連携しつつ、必要に応じて失われた砂浜へ土砂を戻す、養浜等へ有効活用をできるだけ図るということにしているところでございます。また、漁港の航路泊地に堆積しました土砂を侵食海岸へ移送する施設の整備等を行うサンドバイパス事業も、国土交通省と共同でモデル的に実施しているところでございます。
 今後とも、関係省庁と連携しつつ、現地の状況に応じました適切な漁港の堆砂対策を行ってまいりたいと考えているところでございます。
#68
○加藤修一君 そういう関係で予算措置が相当これから考えなければいけない。つまり、日本全体の話に当然なっているわけですけれども、その辺の関係についてはどのように今後積極的に対応するというお考えでしょうか。
#69
○政府参考人(影山智将君) 先ほど申し上げましたように、漁港の整備に関係いたしまして行われます堆砂対策につきましては、既存の事業の予算の中で適切に措置してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#70
○加藤修一君 なかなか適切に措置できるだけの資金がないわけでありますので、今後そういった面についてはしっかりと対応していただきたいと思います。
 それから、海岸法とか港湾法あるいは河川法、漁港法、森林法、様々な法律があってそれぞれ管理者が当然違うわけでありますけれども、管理者が違うことによってそごを起こしているということが現状でないかなというふうにとらえることができると思います。そういった意味では管理者相互間の連携が極めて重要なわけでありまして、ようやっとそれがこれからという段階であります。より一層管理者間の連携を深めて、十分な対応を是非していただきたいと、このように考えておりますので、お願いいたします。
 それから、また同じように国土交通省に対してのお尋ねになるわけでありますけれども、最近は極めて強烈な低気圧とか強烈な台風によりまして海岸が侵食されるケースが非常に多くなってきているわけでありますけれども、災害復旧事業の採択の基本要件としては、政令で定める公共土木施設であって現に維持管理されていることと規定されておりまして、海岸それ自体が被災した際の災害復旧事業の採択要件としては、堤防、海岸など、海岸を防護する施設であって、海岸の決壊は適用除外とされているというわけなんですけれども。
 私たちの調査では、もう相当テトラポットや緩傾斜護岸、積み上げられた布団かごなどは、下部が波にえぐられて沈み込んでいたり、崩れて針金の先が露出していて非常に危険だという声が多く寄せられておりまして、また千葉一宮海岸などは、沖合約百メートルの離岸堤近くまであった砂浜が大きく後退しているような状態であります。砂防林の間近まで波が迫っているような状態でありますけれども、これは災害の復旧事業の対象はコンクリートなどの人工構築物のみが対象になっているわけでありますけれども、養浜した砂浜等々を含めて私は対象にすべきだと考えておりますけれども、その辺についてはどうでしょうか。
#71
○政府参考人(日比文男君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、異常な天然現象によります災害復旧の採択につきましては、公共土木施設で現に維持管理されていることというのが要件になっているところでございます。ただし、維持上又は公益上特に必要と認められるものにつきましては、天然の海岸の決壊につきましても災害復旧の対象となっております。養浜された海岸につきましても同様に取り扱っているところでございます。
 具体的には、天然の海岸が決壊したことによりまして人家等が流失した場合、それから隣接の堤防、護岸が損傷した場合、当該天然の海岸が堤防として効用を果たし得なくなった場合、又はこれらのおそれが大きい場合等、被害程度が著しい場合が対象になっているところでございます。
#72
○加藤修一君 確認いたしますけれども、例えば百メーター海岸が内奥に削り取られてしまったという場合、これは排他的経済水域の関係を含めて考えてまいりますと、それが百メーター下がるという話で、狭くなってしまうという話に当然なるわけでありますけれども、いわゆる養浜事業に関しては復旧させるという話になるわけでありますから、国益を損することには当然ならないという話に当然なってくるわけでありまして、そういった意味では、養浜事業それ自体についても災害対策のあれに入るという確認の質問でありますけれども、それでよろしいですか。
#73
○政府参考人(日比文男君) 養浜事業につきましても、天然の海岸と同じように一定の条件に当たりますれば災害復旧の対象になるということでございます。
#74
○加藤修一君 それで、また同じように国土交通省に対して質問でありますけれども、海岸のこういった護岸をどういうふうに考えていくかが極めて重要な時代になってきておりまして、海岸法なんかでも防護ばかりじゃなくて環境保全の関係あるいは利用という観点も入っているわけでありまして、そういった意味では、利用という観点からは観光資源としては非常に貴重なものであるという点を考えてまいりますと、例えば国民の皆さんが自由にそこで自然を満喫できる、いやしを受けることができるということも考えられるわけでありまして、公衆トイレとかあるいはシャワーの関係とか駐車場、そういった周辺施設の整備、あるいは外国語表示板の設置、そういったことも推進する必要があるかもしれませんし、あるいは観光客やサーファーなどビーチスポーツ関係者などの観光客誘致では地域活性化を推進することにも当然なってくるわけでありますので、そういった意味では、こういった面での整備ということがこういうことにもつながってくるということは十分考えられると。
 しかし、海岸対策費用が年々減少してきているような状態であります。あるいは市町村の財政も逼迫していることを考えてまいりますと、いわゆる国民的財産である海岸の侵食対策については、国としては積極的に私は関与していくべきではないかと、ひいてはこれが地域の活性化にも当然つながってくることでありますけれども、国の関与をもう少し更に進めていくべきではないかと、このように考えておりますけれども、積極的な答弁をお願いいたします。
#75
○政府参考人(日比文男君) 海岸侵食対策につきましては、侵食対策事業等によりまして海岸管理者が実施いたします侵食対策につきまして、国としても積極的に支援を行ってまいりたいと思っているところでございます。
 それから、公衆トイレなどの周辺施設についてでございますが、これも海岸環境整備事業というのがございまして、海岸管理者が設置いたします利便施設整備に対しまして、地元など関係機関と調整をいたしながら国として支援を行っているところでございます。
 今後とも、防護、環境、利用の調和の取れた海岸づくりを目指しまして、必要に応じて支援を行っていく所存でございます。
#76
○加藤修一君 是非、そういった面については今まで以上に積極的に進めていただきたいことを強く要望して、質問を終わります。
#77
○市田忠義君 日本共産党の市田です。
 今日は、温泉旅館業への排水規制問題について質問をいたします。
 大自然の恵みである温泉というのは、湯治を始めとした伝統的な利用あるいは暮らしの中ではぐくまれた情緒ある町並みなど、我が国を特徴付ける貴重な文化資源であります。この地球の恵みであり、かつ限りある温泉資源を保護して適切な利用を図っていくということは政治の責任だと思うんですが、今温泉を利用している旅館業への硼素、弗素の暫定排水基準の適用期限が六月三十日で切れるわけですけれども、その六月三十日を前にして、これが全国の温泉地で大問題になっています。
 私、先月、大分県の旅館ホテル生活衛生同業組合の上月副理事長さん、あるいは別府市長の浜田さんなどと懇談する機会がありました。別府温泉は別府八湯と言われて、個性的な八つの温泉郷から成っている古い歴史を持つ温泉であります。
 その上月副理事長さんは、こうおっしゃっていました。国は工場排水と同様の視点で天然温泉にも一律に規制を掛けようとしている、これは納得いかない、規制が強化されれば温泉旅館の経営は成り立たなくなると、こう訴えておられました。
 また、別府の浜田市長さんは、日本有数の湯量を誇る別府で旅館業者への規制が強化されれば、その影響は地域にとっても深刻だ、壊滅的打撃を受けるだろう。温泉排水基準の罰則化は困る。法は守らなければならないし、守ろうと思う。しかし、適用延長など国には何らかの措置を講じてもらいたいと強い要望が出されておりました。
 こういう要望に対して大臣はどのように考えておられるか、基本的な認識をまず伺いたいと思います。
#78
○国務大臣(若林正俊君) 硼素、弗素に係る温泉旅館からの排水に関しましては、委員も御指摘になっておられますが、一律排水基準の達成に向けて処理技術開発などを進めてはきたものの、いまだに温泉旅館からの排水中の硼素、弗素を処理する技術は十分に開発されておりません。そういう現状を考えてみますと、今回の見直しにつきましても、暫定排水基準の適用は延長をせざるを得ないというふうに私ども今考えております。
 今後とも、この一般排水基準の達成に向けまして、温泉旅館の経営実態に見合った処理技術の開発を業界と一体となって取り組んでいく所存でございますが、そのために過大な投資をせざるを得ないような技術であれば、これ実際の実用は困難でございますので、そういう意味での技術的な開発、検討というのを、そういう視点も入れて行わなきゃいけないと、こう考えております。
#79
○市田忠義君 改めて確認しますが、適用期間を延長するという方向で検討されるということですね。もう一度。
#80
○国務大臣(若林正俊君) おっしゃるとおりでございます。
#81
○市田忠義君 改めてお聞きしておきたいんですが、硼素及びその化合物、弗素及びその化合物、二〇〇一年の施行令の改正で有害物質に追加をされて、温泉を利用する旅館業が適用業種になりましたが、いわゆる一般排水基準じゃなくて三年間の暫定排水基準が設定された。さらに、二〇〇四年の適用期間終了時に、引き続き三年間の延長を行って今日に至っているわけですが、環境省に改めて確認しておきたいんですが、どうして暫定排水基準が設定され適用期間が延長されたのか、簡潔にお答えください。
#82
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 硼素、弗素につきましては、WHOで飲用水質のガイドラインが設定された、あるいは国内におきましても水道水質基準等が設けられたということを参考にいたしまして環境基準を設定し、さらにそれを受けまして排水基準についても検討を進めまして、ただいま御指摘がありましたように二〇〇一年、平成十三年に一律排水基準を設定をしたと。
 ただ、この際に温泉旅館、他の業種もございますけれども、につきましては、一律排水基準設定時点で処理技術が十分ではないということでございましたので、直ちに対応ができないということで暫定排水基準を設定をいたしました。この期限が三年間でございます。
 三年過ぎまして二〇〇四年に更に見直しをいたしましたけれども、この際に、温泉旅館におきましては適用可能な省スペース、低コストの処理技術の開発が十分でなかったということで、再度、暫定排出基準の適用を延長したということでございます。
#83
○市田忠義君 岩手県の新安比温泉で硼素等排水処理技術実証モデル事業を行っていますが、ここではその省スペース、低コストによる導入ができる状況になっているかどうか、これも簡潔にお答えください。
#84
○政府参考人(寺田達志君) ただいま御指摘のありましたものでございますけれども、これは環境省が平成十五年度から環境技術実証モデル事業ということでやっておりますもので、ただいま御指摘のもののほか、もう一か所、合計二か所で適用可能な技術の実証実験をしたものでございます。
 ただいま御指摘のありました、二種の技術のうち新安比温泉において行いました一つでございますけれども、この結果でございますけれども、高濃度の排水を処理するに当たりまして、複数の処理施設を設置して多段階の処理を行うということで、省スペース、低コストという面におきまして課題が多いという問題が残ったというふうに認識をしております。
#85
○市田忠義君 今お答えがあったように、対応することがいまだ困難な状況にあるということだと思います。
 環境省は毎年、公共用水域での水質の常時監視を行っておられますが、直近の硼素、弗素が環境基準を超過した箇所は何地点で、調査地点全体の何%に当たるか、お答えください。
#86
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 まず、硼素でございますけれども、硼素につきましては、直近三年間ということで申し上げますと、環境基準値、これは一・〇ミリグラム・パー・リッター以下でございますけれども、これを超過していた地点はございません。つまり、ゼロということでございます。
 一方、弗素の方でございますけれども、公共用水域の常時監視結果によりますれば、三か年、この場合、二〇〇三年から二〇〇五年度ということになるわけでございますけれども、環境基準値〇・八ミリグラム・パー・リッター以下、これを超過した地点の数でございますけれども、各年度におきまして九地点から十四地点、全国の調査地点数に占める超過地点数の割合は、それぞれの年度で〇・三%から〇・五%ということになっております。
 なお、二〇〇五年について環境基準を超過した十四地点の原因を見てみますと、事業場からの排水が原因と考えられる地点が四地点であり、その他十地点は弗素を含む鉱脈の影響等自然由来によるものだというふうに考えているところでございます。
#87
○市田忠義君 温泉を利用している旅館業への排水規制問題に関連をして、弗素含有量が非常に多い草津町や日本温泉協会などから陳情書や要望書が大臣に上がっていると思いますが、どんな要望でしょうか、ポイントをお示しください。
#88
○政府参考人(寺田達志君) 私どもの承知しておるところでは、まずお尋ねの草津町からの要望でございますけれども、平成十八年二月にいただいたものがございます。この草津町からの要望につきましては、弗素及びその化合物等についてはいまだ実用的な除去方法が確立されておらず、現状において基準が完全施行されると旅館そのものの経営が成り立たなくなりますので、水質汚濁防止法施行令の施行の際、現に湧出していた温泉を利用する旅館業に係る排出水については、当分の間、適用除外又は本町を法適用除外地域としていただきたく、ここにお願いいたしますという内容となっております。
 また、日本温泉協会の方でございますけれども、こちらにつきましては、平成十七年六月に御要望をちょうだいしております。これにつきましては、硼素は温泉の賦存成分でありますが、現状では除去が困難な成分であります、貴省において研究班を設置して適切な処理方法の指針を作っていただきたく、ここに要望する次第でありますという内容になっております。
#89
○市田忠義君 私のところへも先日、全国八十七市が加盟している温泉所在都市協議会の登別市長さんや浜田別府市長さんなどが訪問されました。
 それで、当面適用を延長すると大臣おっしゃいましたけれども、これは装置の低廉化などが図られるまでは暫定排水基準の適用を延長するということでいいんですね、装置の低廉化が図られるまでは。当面というのはどういう当面なのか。いかがでしょうか。
#90
○国務大臣(若林正俊君) 排水基準を遵守できるような技術開発に業界もまた我々も取り組み、検討をしているところでございますが、先ほど私が申し上げましたのは、それじゃ、どんなにお金が掛かってもこれを除去できるという技術があればそれでいいのかというわけにはやはりまいらないでしょう。現実に温泉旅館業が経営をしている経営の実態の中から、それを負担をし得るような技術投資、そういう技術水準というようなものが見いだせないと、法制的にこれを強要するというのは、旅館経営が成り立たないということになったんではその趣旨に反することになるという認識でございまして、当分とかいつとかということはございませんけれども、そういう趣旨で、このたびはこの暫定基準をそのまま延長をしながら、なお今後技術検討を進めていくということでございます。
#91
○市田忠義君 仮に当面、更に暫定排水基準の適用期間が延長されたとしても、将来、三年後、六年後に再びこの問題が再発することになりかねない。別府の浜田市長さんは、別府温泉が日量十三万七千キロリットルの湧出、十一種のうち十種の成分が含まれている日本有数の温泉地だけれども、六〇%弱の下水道普及率となっていて、その引上げのための支援を強力に要望されていました。
 しかし、下水道が普及していない温泉旅館では、数千万もする新規設備を独自に導入しなければならなくなる。温泉旅館によって負担能力の違いがあるので、それに合わせた支援が必要になってくるけれども、仮に将来どうしても購入しなければならなくなった場合に負担を軽減するための支援が必要というふうに思うんですけれども、そういう場合はどういう支援を具体的には考えておられるんでしょうか。
#92
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 将来の仮定の話でございますのでただいま決定的なことを申し上げるのはなかなかはばかられるわけでございますけれども、現在でも排水基準の遵守のためには、例えば税制上の優遇でありますとか融資制度の活用でありますとかという支援が現に行われている業種もございますので、そういったことを念頭に置いて検討することになるのではないかと考えております。
#93
○市田忠義君 先ほど紹介した大分の旅館ホテル生活衛生同業組合の上月副理事長の話ですと、たとえ除去装置を導入するとしても、別府市内では二千七百以上の源泉と二百八十軒近い温泉旅館がある。全市的に百か所ぐらいの処理施設の拠点を造らないといけないので、コストやスペースで極めて困難だと。
 それで、私、別府市議会の意見書を見せていただいたんですが、この水質汚濁防止法施行令別表に掲げる旅館業の入浴施設から温泉を利用する入浴施設を除く、こういうことを市議会の決議では求めておられます。現在でも、温泉の特殊性にかんがみて、砒素、銅、亜鉛、マンガン、クロムなどについての排水基準が適用されていない。やはり、温泉を利用する旅館業への硼素、弗素の排水規制というのは適用除外も含めて検討すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょう。
#94
○政府参考人(寺田達志君) 既に水質汚濁防止法において旅館業というのは規制対象施設とされておるところでございますけれども、今般、大臣から申し上げましたように、技術上の開発可能性等も含めまして、暫定排出基準の延長ということがやむを得ないのではないかというような判断をしているところでございます。
 その上で、三年間、これまでも当初、弗素、硼素につきましては四十業種が規制対象業種であったものが二十六業種と少なくなっておりまして、それぞれの業種に努力をいただいております。温泉につきましても、更に三年間いろいろな努力をいただき、また我々も支援をさせていただいた上で更に検討を進めてまいりたいということを考えております。
#95
○市田忠義君 草津町の陳情を読みますと、草津町の宿泊施設から排出する温泉水は一級河川の湯川にすべて流れ込む、その下流に国の直営の国土交通省関東地方整備局品木ダム水質管理所、ここで強酸性温泉水の中和業務が行われておって、中和剤投入後の最終地点、品木ダムでの有害物質は国の基準を大きく下回っていると。この最終地点である品木ダムまでを一つの特定事業場としてとらえて、水質汚濁防止法施行令の施行の際に、現に湧出していた温泉を利用する旅館業に係る排出については砒素などと同様に適用除外という要望を出しておられるわけですが、これについてはどういう見解でしょうか。
#96
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 もちろん河川等に放流する前に共同処理施設で処理をするということではそれは何ら問題はないというふうに考えておりますが、お伺いいたしましたところ、この草津町での共同処理の案でございますけれども、いったん河川、公共用水域に放流した上で処理を行うということで、一度公共用水域に排出されるということになりますと、それを適用除外にするというのは難しい。もちろん、冒頭申し上げましたように、すべて処理をしてから河川に放流するということであればそれは全く問題ないと思っておりますけれども、ただいま申し上げたようなことで、この事案につきましては適用除外は難しいと考えておるところでございます。
#97
○市田忠義君 私は、法律を守りながらそれなりの一つの知恵、工夫としてこういうことを考えられたわけで、こういう考えにむしろ積極的にこたえるべきじゃないですか。
#98
○政府参考人(寺田達志君) 御指摘ではございますけれども、一応公共用水域に排出されるということになってしまいますと、これを法律から除外するというのはちょっと法の建前からすると難しいのではないかと考えております。
#99
○市田忠義君 もう時間が来たので終わりますが、大臣から、適用期間の延長、適用除外の期間を延長するということについては明確な答弁がありましたので、その方向で是非やっていただきたいと思います。
 私は、公共用水域での水質環境を保全するというのは当然だと思うんです。一定の規制が必要なことも分かっていますし、法律は守らなければならないと。しかし同時に、大自然の恵みの温泉を文化資源としている草津や別府、その他の温泉地域、急激な一般排水基準の適用で発展を妨げるわけにはいかないわけですから、是非環境にとっても町にとってもよい方策を今後慎重に検討していただきたいということを要望して、終わります。
#100
○荒井広幸君 大臣、御苦労さまでございます。
 安倍総理そして若林大臣の下で、今度は二十一世紀環境立国戦略を作ると、こういうことになりました。私は大変、前内閣よりも環境に対しての取組、非常に評価をいたします。実効あるように、この戦略が、そして効果が上がるように期待してこの質問をさせていただく次第ですが、改めまして、今度の二十一世紀環境立国戦略、これを作るねらいとその背景をお話しいただければと思います。
#101
○国務大臣(若林正俊君) 本年、二〇〇七年から来年の二〇〇八年にかけましては、環境行政の面では極めて大事な年に当たっているわけでございます。御承知のとおり、来年は京都議定書の第一約束期間が始まるわけでございます、二〇〇八年から二〇一二年まで。そして、日本ではG8サミットが開催されると。また、米国、中国、インドを含む主な国々が参加しております気候変動対話、いわゆるG20の対話の成果が、この日本で行われるG8サミットでそれが報告をされるというような年に当たっているわけでございます。
 そういう節目の状況の中で、安倍総理は、さきの欧州歴訪などにおきます環境問題に対する関心の高まり、その重要性が論じられるということを受けまして、地球温暖化への対応として我が国に積極的な国際貢献を果たしてもらいたいと、そういう要請を受けてきたこと。また、国内的に見ましても、地球温暖化対策だけではなくて、かねて推進しておりますスリーRの推進というものにつきましても大変重要性を増してきている状況にございます。そういう状況にかんがみまして、二十一世紀環境立国戦略というものをこの時点で固めて、その戦略に基づいて環境政策を強力に推進をしてもらいたいと、そういう御指示をいただいたところでございました。
#102
○荒井広幸君 先ほど来の質問でもいろいろと御意見はいただいているわけですが、第三次環境基本計画と、またそういう精神やら考え方、その実効性、いろいろな反省を踏まえて組み入れるんだろうと思いますけれども、そこに当然、今度は戦略ということもあります、大臣の背景もお話しいただきました、やっぱりかなり特徴が必要だろうというふうに思うんです。
 それから、私、環境省もそういう分類をやっておるようでございますけれども、社会を環境の分野から切り分けますと、循環型社会という言葉も使いますし、自然共生社会という言い方もします、また脱温暖化社会、こういう三つの切り口もあるわけですが、それぞれに、循環型社会という意味では循環型社会形成推進基本計画、そして自然共生社会でいえば生物多様性条約第六条に基づいての国家戦略もあります。また、議定書ですね、京都議定書、これによって〇八年からいよいよ約束期間始まりますが、脱温暖化社会というのがあるわけです。
 こういったものを見てまいりますと、それらのものをどのように連携しながらやっぱり特徴付けるか。特徴付けるかというより実行せしめるかということと、国内的にも海外的にもかなりの私は戦略性というのが世界も待っているんだろうと、こういうふうに思いますので、その辺の連携をきちんとしていただきたいと要望をさせていただいて、ここは要望止まりにさせていただきたいと思います。
 大臣、先ほどから、非常に重要な期間が今あるわけですね。そして、今、先ほど私申しましたように、三つの社会の裏付けとなるものも今見直しにちょうど当たっているわけです。ですから、そういう機会であり、大臣がお話しされたような機会を今、今年、来年と持ってきていると。
 こういうことを考えますと、いわゆる二十一世紀環境立国戦略、安倍戦略といいましょうか、この戦略というのは、日本のリーダーシップというもの、顔が見える、あるいは、人に人柄があるように国には国柄があるんだと思うんです。我々は武力や戦争による力の外交も力の立国もしないんだと、話合いや調和や、あるいはお互いさまだと協力をしていく中で生きていくんだと、こういう国柄であると私は考えているわけです。
 そういう国柄を示すときに、環境というのは正にそこにある危機です。もうすべての人類、地球が滅ぶかどうかという、IPCCの報告にもあるとおり、我々自身がその危機をつくっているわけですから、ここはこの環境戦略、安倍戦略というようなものには世界的にも生存、生き残りが懸かっていますから、極めて私は日本としてのリーダーシップ、発展的なそして実践的な内容である必要があると思います。
 大臣に改めてその中身についてお話をいただき、また、G8サミットに間に合わないんでは話になりませんが、いつまでにおまとめになるのか、今年のですね、このタイミングも非常に重要だと思うんです。ここをお話しいただければと思います。
#103
○国務大臣(若林正俊君) 委員御指摘のように、ちょうど今年から来年にかけまして我が国の環境政策の上で非常に大事な見直しの時期に当たっているわけでございますし、同時に、世界的に申し上げれば、世界全体が、国連の政府間レベルの中でございましたIPCCの報告が、第一次作業部会、第二次作業部会、第三作業部会と、そして年末には全部総括をした方向が出てくると。世界的にもそういう時期に当たっているわけでございます。
 そういうような状況を念頭に置きますれば、今年、来年というのが非常に重要な年であり、かつ日本の経済発展に伴う環境の諸課題、かつて大変に日本は公害の発生などいろいろな問題を起こしてまいりましたし、同時にまた、排出ガスにつきましてもなかなかこれを削減をしていくことが難しい事情にある。そんな状況を踏まえれば、ここでそれぞれの、お話ございました循環型社会の形成、それを進めるためのスリーRの推進、あるいはまた自然と共生する人間社会といったような問題も取り込みまして、この地球温暖化対策を中心に据えながら総合的な環境政策を組み立てていく必要があると。そういう中で、その羅針盤とでもいいますか、その基本的な方向性を示すというような意味合いでこの立国戦略を組み立てていくべきではないかと、こんなふうに考えているわけでございます。
 その時期は、御指摘ございましたように、今年のドイツにおきますG8サミットでこの環境課題が重要な課題の一つとして取り上げられることは明らかになってきておりますので、その際に日本の考え方というのを総理がきちっと示せるようなそういう意味合いを持たなければならないという意味で、総理からも六月中にはこれをまとめるようにということでございますので、あらかた方向性が出せるようにするには五月一杯ぐらいにまとめなきゃいけないのかなと、こんなふうに考えているところでございます。
#104
○荒井広幸君 大臣、お話の中にもございましたが、地球温暖化問題を、対策を中心にというお話があったんですが、ここだけに特化した安倍戦略、どうですか。地球温暖化対策だけに集中する、こういう戦略の作り方。私は非常に、日本の国柄、環境で世界共生社会を引っ張っていく、分かりやすいと思うんですが、大臣、改めてお願いします。
#105
○国務大臣(若林正俊君) しかし、委員も御承知のとおり、循環型社会を形成するというのは環境対策の基本にあるわけでございまして、廃棄物をできるだけ出さないように、また廃棄物については廃棄する前に再利用をするように、そういうようなシステムというものが社会の基本に据えてなきゃいけない。
 これは日本だけじゃありませんで、例えば携帯電話も大変な普及をアジア地域もしています。またパソコンも大変な普及をしています。これらが新しい機材に置き換えられていったときに、それらが廃棄されると。ただ、廃棄されますと、その中に非常に希少金属などの有益なものもある反面、害毒を流すようなものがあるわけですね。それが土壌を汚染し、地下水汚染をして汚染を広げていくというような問題、これはアジアだけではありませんけれども、かなり深刻な問題になりつつあると。
 そういう国際的な関心事もあるわけですから、この温暖化問題だけに限るというよりも、やはりそういう国際的な世界的な課題として、重要な課題として循環型社会を形成するというスリーR推進、これはもうサミットで日本が小泉イニシアティブで提案して、サミットで検討が進められてきている話ですから、これも併せて課題にしなければなりませんし、先ほども御答弁で申し上げましたけれども、生物多様性の条約によります二〇一〇年目標、そして二〇一〇年目標以後どうするかという問題がやはり世界的にも大きな課題になってきているわけですから、そういう意味で環境、温暖化問題を中心に据えながらも、環境政策全体にわたってどういう取組をしていくかという方向性は総合的に出す必要があると私は考えております。
#106
○荒井広幸君 外務省にお尋ねいたしますが、地球温暖化対策関連のODA、最近五年間のODAの総額と地球温暖化対策分野のODAの総額を見せてください。
#107
○政府参考人(高橋礼一郎君) お答えいたします。
 政府全体のODA一般会計予算額、平成十三年度からそれぞれ申し上げます。平成十三年度が一兆百五十二億円、平成十四年度が九千百六億円、平成十五年度八千五百七十八億円、平成十六年度八千百六十九億円、平成十七年度が七千八百六十二億円となっております。
 一方、実績としての地球温暖化対策へのODA二国間援助額はそれぞれ、平成十三年度が千百四十七億円、平成十四年度が千百六億円、平成十五年度が千八百六十六億円、平成十六年度が千六百七十二億円、平成十七年度が九百三十七億円となっております。
#108
○荒井広幸君 大臣、やっぱり地球温暖化対策というのはどちらかというと、というか減っているんですね。私、ここ非常に問題だと思いますんで、戦略の中を例えば期限を切ってもいいと思うんですね。まず、すべてやれ、特化しろ、それに集中しろといってもそれだけやれという意味では決してありませんが、十年間は地球温暖化だけやる、これ徹底してやると、その手法は一つはODAを使えるわけですよ。こういう関連性でやっていかないと、我々は笛を吹くという話になって、だれも踊らないのではないかという危惧を持つわけなんです。
 そこで角度を変えます。国連の安保理とか常任理事国会議、理事会、こういったところで地球温暖化がテーマにされて議論された経緯がありますか、外務省。
#109
○政府参考人(新保雅俊君) 荒井先生にお答え申し上げます。
 先生御案内のとおり、国連安保理におきましては、国際の平和と安全の維持に関する様々な問題が扱われ、議論されております。安保理の理事国の間においては公式、非公式に様々な協議が行われておりますが、我が国としてそれらの協議のテーマについてすべて把握しているわけではありません。ただ、少なくとも安保理の正式議題としてお尋ねのありました環境及び地球温暖化の問題が取り上げられたかといいますと、実は従来取り上げられたことはなかったと理解しております。
#110
○荒井広幸君 大臣、環境及び温暖化対策さえ、そういうものはちょっと知らないというんですね。私、ここ非常にゆゆしき問題だというふうに思っています。
 後半は、ODAで委嘱審査はお話をさしていただきたいと思いますが、日本の国柄、日本という性格や日本の人柄というのはこういうことなんだよと私は分かる非常にいいチャンスだと思いますので、改めて安倍戦略の中身については再検討をお願いを申し上げたいと、このように考えておる次第でございます。
 いただきました時間がなくなりそうでございますから、質問用意して御準備いただいて答弁をいただいた皆さんには失礼でございますが、はしょりながらお聞かせをいただきたいというふうに思っておるんですが。
 そうなりますと、外務省、大臣からのお話にもありましたが、来年のサミット、そしていわゆる気候変動のG20、そしてまたG8プラス環境大臣、プラスアルファ、このところは集中的に日本でやる必要があるし、そしてそのやる場所というのは正に我々の考えを反映するものです。私は、環境というもので選定した場所であり、そして集中的にサミットの前に今言いましたようなことを行いながら、地球温暖化対策を中心に据えて、日本がリーダーシップを取って、安保理でさえ話をしてないようなことですよ、きちんと方向付けして、そして数値も持って、その我々の最大の裏付けはODAですよ、一番は。そういう意味でも、どこでやるつもりか、どこで開催したらいいか、そして、サミットの主要議題になるべき報告があるからするんじゃなくて、するという意思があるかどうか、外務省、改めて聞かせてください。
#111
○政府参考人(草賀純男君) お答え申し上げます。
 地球環境問題につきましては、御指摘のとおり正に人類の生存基盤にかかわる重大な問題でございまして、また日本にとっても、日本自身にとっても大変重要な問題で、かつ国際社会として取り組んでいく必要がある問題であると。したがいまして、我が国の外交にとりましても重要な分野だというふうに位置付けて積極的に取り組んでおります。
 来年の日本サミットでございますけれども、一昨年、イギリスで開かれましたG8のグレンイーグルズ・サミットの結果立ち上がりました気候変動、それからクリーンエネルギー、持続可能な開発といったテーマに関する閣僚級対話の結果が報告されることに既にもうなってございます。来年の日本サミットのテーマでございますが、これについてはこういう動きといったもの、それから今年また六月にハイリゲンダム・サミットというのがドイツで行われますので、その結果も踏まえて今後、政府として検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 それで、場所でございますけれども、来年のG8サミットの開催地自身の選定につきましてはいろんな要素があると存じています。施設や警備の面もございますし、それから主催国であります日本をどうアピールするかといったこと、それから正に今おっしゃっておられる日本サミットの今後の主要なテーマは何かというようなこと、総合的に結局勘案して今後決定されていくものというふうに考えてございます。
#112
○荒井広幸君 時間になってしまいましたので、また午後の部に引き続きさせていただきます。ありがとうございました。
#113
○委員長(大石正光君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時三十七分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
#114
○委員長(大石正光君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 去る十五日、予算委員会から、本日一日間、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#115
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
 大臣におかれましては、G8環境大臣会合、お疲れさまでございました。大臣と今年、ゴア副大統領の「不都合な真実」についていろんな議論をさせていただきましたけれども、今年は正に温暖化イヤーで、あちこちで温暖化の問題が起きていると思ったら、暖冬だと言ったら最近は寒くなったり、よく分からない気候ですが、そんな中で本当に御苦労さまでございました。
 私、今日、最初は豊洲の土壌汚染の問題聞こうと思ったんですが、午前中の大臣の各委員との御答弁もお伺いをして、ちょっと今日質問が多いので、冒頭幾つかだけ、事前通告ない件なんですけれども、大臣お答えいただけると思うので、ちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。
 一つつまらないことを言いますと、例の「不都合な真実」でございますが、当初、二十劇場で封切られたんですが、一時期四十三劇場まで増えまして、一月ほど前、十万人の方がごらんになったというふうに私は連絡を受けたんですけれども、今日、問い合わせますと、四月以降五十六劇場にまた拡大をして、現状、恐らく二十五万人以上の方がごらんをいただいているということになっていまして、ドキュメンタリー映画としては大ヒットだということで、それだけ温暖化に対する関心が高まっていると思います。
 その中で、先ほど加藤委員や岡崎委員や荒井委員、それぞれ温暖化の議論が出ました。少し気になったのは、大臣が排出権取引市場についての有効性について若干御答弁の中で疑問を呈されました。
 実は大臣、私との昨年の十月の二十六日の委員会の質疑の中で、排出権取引については政府委員が、義務型を含めた排出量取引全般について準備をしてまいりたいと考えますと、これ南川委員がお答えをいただいて、それを受けて、実は大臣が、大変大事な課題だと、そして、そういう世界の中でみんなで排出を抑制するという経済環境をつくんなきゃいけないと、それにイニシアチブが取れるよう、もっと積極的な取組を学界あるいは経済界にも更に求めていきたいと思っておりますという御答弁をいただいて、私は実はこの御答弁に非常に評価をすると、いい大臣に御就任をいただいたと申し上げたこと、大臣も御記憶があるかもしれませんが、今日は若干有効性に疑問だという話になりまして、ちょっと後退されているかなという気がいたしておりまして、いや、後退じゃないんだと、いろんなことをかんがみて、重大性は分かっているし、やりたいと思っているけれども、有効性を検証しなきゃいけないぐらいならまだ私も納得はしますが、ちょっと後退されているかなと懸念をしましたので、御答弁いただければと思います。
#116
○国務大臣(若林正俊君) 福山委員には、この地球環境問題について大変積極的な御関心をお持ちいただき、御検討をいただいて、種々御指導をいただいておりますことを、まず敬意を表しながら御礼を申し上げたいと思います。
 今、委員が御指摘になりましたこの排出権取引について、その有効性に今疑義があるかのような私の答弁、受け止め方をされておられますが、この排出権取引自身が地球温暖化を抑止していくために有効な手段であるということにつきましては、私もいささかもその考え方を変えているものではございません。
 しかし、実際に排出権取引をいたしますには、それぞれ、国別で言えば国別のキャップを掛けなきゃいけませんし、そして国別に掛けられたその国は、それぞれの排出事業所ごとに、分野ごとにそのキャップを掛けていかなきゃいけないわけでございます。その事業所で見ますと、鉄鋼や電力、あるいはセメント事業から始まって各種のセクターがそれぞれCO2排出についての構造上の問題を抱えておりますから、これが果たして均衡あるキャップを掛けられるのか、どのような形でそれを掛けていくのか、掛けた後の取引市場というのが言わば炭素価格として本当に妥当な水準を決めることができるものなのかということについては大変に、初めてのケースでございますから、いろいろ問題が一杯あると思っております。
 我が国では、そういうことを、知見を得るためにキャップをまだ掛けておりませんけれども、それぞれの企業が自主的にこれに取り組んでいただくということで、自主参加型の排出権取引の制度を発足させてスタートさせてきているわけでございます。企業の側も各種のいろんな業種にわたっておりまして、それらの業種の方々がこの自主参加型の取引制度に参加をしてきていただいております。まだ実績は出ておりませんけれども、それらの皆さん方の努力、あるいはその実績、効果といったようなものはまだまだはっきりしない状況にあるわけでございまして、更にこういう知見を積み重ねていかなければならないなと、こういうふうに考えているところでございます。
 一方、EUは先行的にこの排出権取引、各国別にキャップを掛け、国がその事業に対して、それぞれの排出事業者に対して、すべてではありませんけれども、主要な排出事業者にキャップを掛けて、その取引を始めているわけでございます。イギリスが最も進んでおりまして、イギリスもそのような取引制度を充実させるべく大変な努力をしておられます。しかし、実際これを実施している状況を承知する限り、なかなか、公平にキャップが掛けられるのか、その排出権の価格形成がうまくいっているのかといいますと、いろいろ問題を持っているということが分かってまいります。
 その意味で、私は、やはりこれは強制的に公権的にキャップを掛けて取引を進めるとなりますと、形を変えた言わば税制のような負担をかぶせることになるわけですから、あくまでこれは公平でなければならない、公正でなければならない。同時に、その効果も国民の皆さん方にも納得できるような効果が説明できなきゃいけない。その辺のところをきちっと詰めていかないといけないなと、こういう意味でございまして、先ほどのG8プラス5の大臣会合においても、非公式な会合を通じてEUの委員長ともお話をいたしました。
 イギリスの大臣ともその点の意見交換をしたわけでございますが、私の方から少し調査をさせてもらいたいという申出をいたしましたら、快く、是非来てくれと、EUの委員会としても、あるいはイギリスとしても、日本の側からその専門的な立場で担当者が来ていろいろと意見交換をし調査をするということについては大歓迎だと、こういうお話をいただいておりますので、なるべく早い機会に日本から関係者が伺いまして調査をしてくる、調査をして意見交換をしながら、どのような形の排出権の設定及び取引を行ったら有効かということについて更に詰めたい、こんな思いでお話を申し上げたところでございます。
#117
○福山哲郎君 今のお話を伺うと、非常によく理解をいたしますし、是非、日本の調査というのは積極的に、また早く実現をしていただきたいと思います。
 私も排出権取引市場の中で、各それぞれのセクターにどうキャップを掛けるかという、仕組みの問題として難しいことは承知をしております。しかしながら、日本の自主的な取組が今参加社が八十九社、EUETSは現実にもう一万社がコミットしています。もう大臣は御案内だと思いますが、アメリカでは、GEやアルミのアルコア、それから化学のデュポン、それから金融のリーマン・ブラザーズなどの企業十社の大手の経営者は、削減の義務を負う仕組みをアメリカに導入するべきだという議論をアメリカで始めています。更に言えば、御案内のように、大統領選挙がアメリカございますが、民主党側の大統領候補であるクリントン、それからオバマ氏、そして共和党側の大統領候補の一人であるマケイン氏が、みんなある排出権取引というかキャップ・アンド・トレードの法律について、実は大統領法案と言われているような法案にみんな収れんをしていって、今議論をしています。
 そうすると、アメリカの大手の企業もこういう声が上がった、議会では法案が通る可能性がある、EUはもうできていると。実はアメリカの言っていることとEUの言っていることはだんだん共有化してくるのではないかと。先ほど加藤委員もおっしゃっておられましたが、やはりそこの中で日本が乗り遅れないでおくことが私は非常に重要だと思っておりまして、前のこの委員会でも申し上げましたが、生態系を守る、人類の生存を守る、地球の生存を守るということのもちろん温暖化対策は重要でございますけれども、グローバリゼーションの中でだれが勝者になるかというと、グローバルルールをつくった者です。
 今僕は、排出権取引も含めて温暖化というものをテーマにして、アジェンダにして、私はグローバルルールをどこの、EUなのかアメリカなのか、もちろん途上国も含めてですが、どういうふうにグローバルルールをつくっていくかという競争が間違いなく始まっているというふうに思っておりまして、是非そこは日本は積極的にコミットしていただきたいと思いますし、先ほどの有効性の議論も、実は環境税も有効性かどうか分からないと言っている間に原油が値上がりして、環境税の掛ける以上にガソリンの値段が上がりました。それはいろんなこと言っていると現実には前に進みません。
 もっと申し上げれば、じゃ、六%削減の目標に対してまだ八・数%日本は排出をしている中で、目標達成計画自身の有効性自身が問われるわけです。それは排出権取引市場の有効性ももちろん重要ですが、目達計画の有効性は一体どうなんだという議論がもちろん出てくるわけで、そういう点も含めて、大臣は実は分かった上で、いろんな日本のポジション難しいところでお答えをいただいていると思いますけれども、もし何か御意見があれば御答弁をいただければと思います。
#118
○国務大臣(若林正俊君) 排出権取引という手法が有効性を持っているというふうに考えていることにつきましては、委員の認識とそう大きく違わないと思っております。しかし、これをキャップを強制し、取引を言わば規制の中で行わせるというシステムをつくるとすれば、これは本当にまかり間違って失敗しますと全部崩れてしまうんですよね。その意味で、関係者がこの公平公正について信頼を持てるような説明を政府としては、私どもとしてはしないと、これを押し切ってそのまま実施に踏み切っていくというわけにはいきませんので、今実施過程に入っておりますEUについて更に知見を深めるためにまた意見交換をして、これならいけるんだというような判断をする基礎を、材料を欲しいと思っております。
 アメリカでいろいろな動きのあることも承知いたしておりますが、しかし、アメリカの仕組みというのはもちろん州によっても違うわけですけれども、大企業がそのようにおっしゃっておられましても、大企業と中小企業との間の経営構造の差、あるいはその技術の差によってその排出の程度も違っておりますし、それらを本当に中小企業も含めすべての主要な企業にこれを適用するためには、かなりの準備期間がないとそのようなことができないと思うんですね。
 そういう意味で、日本の場合は自主的な計画を立てて今日まで進めてきておりますから、その自主計画でどこまでできるか、それを一生懸命取り組んでいる皆さん方にそれを更に加速させてしっかりやってもらうということを求めつつ、排出権取引を導入した場合にどんなような姿になるのかということをお示ししなければならないと、こう思っておりまして、国際ルールについてどちらが先にやってどういうルールをつくるかということで競争的な関係に必ずしも日本は入っていかなきゃならないというふうには考えていないわけでありまして、ヨーロッパあるいはアメリカの検討の状況も常に注意をして、情報収集をし、協議をして、それでスタートを切って、国際社会の中で排出権取引が支配的な仕組みとして動いていくときには、そのときには日本も日本なりのシステムで対応できるようにしていかなきゃいけないと、このように考えております。
#119
○福山哲郎君 日本が自動車の排出ガス規制で、実は各産業、自動車セクターも厳しい思いをした中で、実は排出ガスの規制で、実は省エネの車も含めて、公害対策も含めて、技術的に大分、技術的にかなり私は進歩したという歴史的な経緯もあると。
 実は、安倍総理は片仮名のお言葉がお好きなようで、イノベーションイノベーションとおっしゃっておられますけれども、現実問題として、ハーバード大学のポーター教授というのは、いわゆるポーター仮説というのを今唱えておられまして、環境規制が強いとそれだけ国際競争力の強い企業、国際競争力が高まるというような仮説を今唱えておられます。要は、脱炭素技術をどう世界のマーケットの中で我が国が優位に立てるかというところも私は重要な観点だというふうに思っておりまして、環境を守ること、温暖化に対して対策をすることはイコール経済にはマイナスではないんだという仕組みをいち早く仕組みとしてつくっていく国がこれから先やはり国際競争力上も優位に立つ。
 現実にはトヨタという自動車会社もそういった観点で世界で非常に今売上げを伸ばしているということもあるわけでございますから、規制をすることに対して確かに慎重にならなければいけませんし、ある一部分のセクターだけを集中的に弱まらせるようなことをすることも私はやってはいけないと思いますから、それぞれのセクター、産業の合意形成は大臣がおっしゃるように必要だと思いますけれども、そこは規制に対して余り消極的になり過ぎないように、EUもアメリカもそのような動きがあるということを是非政府としても御認識をいただいて、温暖化対策については積極的に、来年のG8もあることでございますから、よろしくお願いしたいと思っています。
 これ言い出すと私ほとんど終わってしまいますので、ちょっとこれで次のテーマに一応移ります。
 豊洲の土壌汚染問題でございます。
 東京がいわゆる市場を新しいところに移すということで、最近話題になっております。そこが移転計画をめぐって水産の仲卸業者の方々から反対運動が起きていまして、現実問題として、この間の予算委員会でも議論になりましたように、環境基準を大幅に上回る有害物質、鉛、砒素、六価クロム、シアン、ベンゼン、水銀で土壌が汚染されていることも公表されています。
 問題は、この土壌汚染が食べ物を扱うところだということが大変な、非常に重要なポイントになっているわけでございますが、環境省がこの土壌汚染を確認したのはいつですか。
#120
○政府参考人(寺田達志君) 御説明申し上げます。
 まず、豊洲の土壌汚染問題でございますけれども、これは私どもの所管しております土壌汚染対策法の対象ではございません。そういう意味では、これまで法律に基づくいわゆる公文等での届出というものはないということでございます。また、土壌汚染対策法施行以前に明らかとなった事例でございますので、なかなか過去の記録というものも見いだし難いところはございます。
 実際は、平成十三年一月に東京ガスが豊洲地区の土壌汚染状況を自主的に公表しておりますので、この時点で何らかの形で情報を得ていたという可能性はありますけれども、そこまでは確認はできておりません。私どもが確認できる範囲では、平成十四年三月には本件についての情報は得ていたということを確認しております。
#121
○福山哲郎君 情報を得た後、何か環境省、対応されましたか。
#122
○政府参考人(寺田達志君) 先ほど御答弁申し上げました話と若干重複はいたしますけれども、平成十四年三月の前の時点で、既に十三年一月に東京ガスが調査結果を公表いたしまして、対策を実施するということを表明しております。また、十四年の六月には東京ガスから東京都の条例に基づく届出書が東京都に提出されている、すなわち対策の実行段階に入ったということだと思っております。それ以降、環境省といたしましては東京都から適宜情報の提供をいただいているところでございます。
#123
○福山哲郎君 土壌汚染対策法の施行前だという議論が、もちろん僕は理屈としては分かるんですが、土壌汚染対策法の公布はいつでしたっけ。
#124
○政府参考人(寺田達志君) 公布は平成十四年の五月でございます。
#125
○福山哲郎君 二〇〇二年三月、つまり平成十四年の三月には承知をしておったと。その二〇〇二年の五月に公布をされている中でこの土壌汚染対策法をまたこれ審議しているわけですよ、国会の中で。これ知っているわけでしょう。
 確かに施行は翌年の二月ですよ。それは対象外なのかもしれませんが、それは全く、これ今、審議をして公布している年に、これだけ巨大な土地の汚染を、更に言えば食べ物に関するものに対して知っていて何もしていないというのは、それはなかなかやっぱり通りにくいんじゃないですかね、環境省さん。
#126
○政府参考人(寺田達志君) 実際に、先ほど申しましたように平成十四年の三月というのは正にこの土壌汚染対策法の審議をしている時点でございまして、そこでの、国会で御質問をちょうだいしたということから我々がその時点で承知していたということが確認できたというものでございます。
 ただ、実際に法律そのものは、先ほど先生からもお話ございましたように、十四年の五月に公布され、さらに十五年に入ってから施行されているということでございまして、その時点以降の対応ということにはならないというふうに考えております。
#127
○福山哲郎君 いや、それこそ正に役人答弁でございまして、土壌汚染対策法の審議をしている最中にこのことを知って、これは公布後だからこれに対して何も対応していませんなんというのは、大臣、これやっぱりなかなか通りにくいですよね。どうですか、なかなか答弁しにくいと思いますけど。
#128
○国務大臣(若林正俊君) まず、当該豊洲の地区、所有は東京ガス所有でございました。この東京ガス所有の土地をどう利用するかというようなことは、これを卸売市場に利用するというようなことは、卸売市場を所管しております農林水産省が卸売市場整備計画の中で位置付けて、そして卸売市場整備計画に従ってこれが適正に供用されるかどうかというようなことを十分にチェックをする立場にあるわけでございまして、卸売市場の開設の認可権者は農林水産大臣でございます。そして、それを、卸売市場整備計画の変更をいたしまして計画に基づいて卸売市場として認めるというのはこれからの段階になっておりまして、当時の十四年の段階では、これを生鮮食料品の取引を含む卸売市場に供用するというようなことは公には何も明らかになっていたわけではございません。
 ですから、その意味で、そういう情報が入りました段階で、言わば公権力的に環境省がこの東京ガスを相手に、その調査の実施に当たって行政指導するという特別の立場を持っていたわけでは実はないわけでありまして、法律に基づいて、そういう権限に基づいてやるということはできなかったということだと思います。
#129
○福山哲郎君 じゃ、今大臣が言われた、卸売市場になるのは表になっていないと。なってから法律に基づいて、表になってから、法律に基づいてやれないとしても、環境省としては何らかの取組なり何らかの対応はされたことはあるんですか。
#130
○政府参考人(寺田達志君) 先ほど申し上げましたとおり、本件につきましては、所有者である東京ガス、さらには東京都において様々な調査検討が進められておるところでございまして、環境省といたしましては、そうした状況につきまして逐一情報の御提供をいただいたというところでございます。
#131
○福山哲郎君 今回問題になっているこの事業は、今御答弁ありましたように、土壌汚染対策法の施行前に廃止されているんですね、元々の東京ガスの事業所自身が。だから、環境省が法律上の権限を持って直接これを指揮、検査することはできないと。だから、東京都から情報を得て、報告を受けているしかできないという話なんですが、環境大臣自身も、生鮮魚類の取引という点から、万全の上にも万全を期するという意味で、これで安全だというふうに私どもとしても言い切れる状況ではないというふうに考えておりますと、この間、衆議院の予算委員会で答弁をされています。
 これ元々、土壌汚染対策法、私も実は相当審議にかかわりました、当時。このときにどんな話になったかというと、土壌汚染になっているところに基本的には、これそのときの議論でもあったんですが、要は公園とか住宅で何らかの健康被害が及ぼしてはいけないという議論が前提であったわけです。現実に、実際には大阪の方でマンションができて問題になったりしているわけですが、しかしながら、公園とか住宅でも問題だと言っていたんですが、これやっぱり食品、生鮮品を扱う市場なわけですから、そもそも土壌汚染対策法の中にすらこの市場までは想定していないんじゃないかと思うんですが、それはどうなんでしょうか。
#132
○政府参考人(寺田達志君) 土壌汚染対策法でございますけれども、この法律につきましては、委員御存じのとおり、水質汚濁防止法の特定施設が廃止された段階で対象足り得るということでございます。ただし、同法の第四条によれば、先ほど申しました水質汚濁防止法の対象施設が廃止されるということ以外にも、多数の方々が居住をするとか不特定多数の方が出入りをする、あるいは近傍で地下水飲用の事実がある等々の事例がある場合には、そこで人の健康に危害が及ぶということがある程度予想される場合には、都道府県知事はこの法対象にすべく調査を命ずることができるということになっておりまして、そこは用途を特別に特定しているわけではなくて、あくまで健康被害の蓋然性というところで判断をするということでございます。
#133
○福山哲郎君 今、東京ガスがやっている調査その他、東京都がやっているものに対しては、この土壌汚染対策法に想定されている調査に匹敵するものをやっているという認識ですか、環境省は。
#134
○政府参考人(寺田達志君) 東京ガス等が行っております調査あるいは対策については、必ずしも土壌汚染対策法で規定されているものと同一というわけではございません。また、私ども自身が土壌汚染対策法に基づいて本件事案につきまして個別具体に審査をしているということでもございませんので、確定的なことはなかなか申し訳ないことながら申し上げにくい状況にございます。
 ただ、対策レベルからいいますと、一般論としては、土壌汚染対策法で要請されているレベルに匹敵ないしそれ以上のものだというふうに認識はしております。
#135
○福山哲郎君 例えば土壌汚染対策法の中では、この調査は指定調査機関、環境大臣が指定したところが調査をすることになっていますが、東京ガスの土壌汚染状況調査をした業者、調査機関はどこか、環境省は把握していますか。
#136
○政府参考人(寺田達志君) そこまでは把握しておりません。
#137
○福山哲郎君 つまり、土壌汚染対策法は国の指定調査機関が調査報告をすることになっているわけです。これ東京ガスが調査をしているという前提で東京都も今いろんな報告を出したりして安全だと言っているんですが、その調査機関がどういう調査機関かも実は環境省は把握をしてないわけですね。じゃ、安全かどうか言い切れるかというと、そこも、先ほど環境大臣の予算委員会での答弁でも安全と言い切れるかどうか分からないという議論になっておりまして、これ農水省は今どういう御認識なんでしょうか、お答えいただけますでしょうか。
#138
○政府参考人(佐藤和彦君) お答えいたします。
 豊洲を含めまして卸売市場につきましては、食品の流通の拠点となるということから、食の安全、安心が確保されることが大前提であると、そういう認識をまず基本的に持っております。その上で、私どもも東京都の方から情報を取ったりしておるわけでございまして、東京都からは豊洲につきまして環境規制を十分にクリアした対策を実施するなどの説明聞いておるわけでございますが、さらに、今スタートしております、東京都が行っております環境影響評価、こういったこともしっかり確認していきたいと思っておる次第でございます。
#139
○福山哲郎君 今の答弁は予算委員会の農水大臣の答弁とほとんど一緒で、松岡農水大臣も、東京都とはしっかりと連携を取りながら、環境影響評価が行われておりますので、これもまたしっかり確認してまいりたいと思いますというふうに大臣答えられております。今もそのように答えました。
 じゃ、ちょっとお伺いします。都による環境影響評価には食品安全に関する事項は含まれていますか。政務官、答えていただけますよね。寺田さんですか、審議官ですか、政務官ではなくて。じゃ審議官。
#140
○政府参考人(寺田達志君) ただいま御指摘のございました環境影響評価、これは東京都の環境影響評価条例に基づいて行われているものと承知しております。その中での項目でございますけれども、十一の項目について評価が行われております。十一の項目と申しますのは、典型七公害から地盤沈下を除いた六項目、さらに生物・生態系、日影、風環境、景観、廃棄物及び温室効果ガスでございます。
#141
○福山哲郎君 農水省、食品の安全含まれてないじゃない、環境影響評価に。食品の安全含まれてないのに、どうやって食品の安全を、環境評価をしっかりと踏まえて東京都と連携して安全を守っていけるのよ。農水省、ちょっとお答えください。
#142
○政府参考人(佐藤和彦君) 卸売市場を造るという前提での環境影響評価であるというふうに認識しておりますが、したがいまして、これ農林水産省の方からということがいいのかどうかよく分かりませんけれども、直接に出てないにいたしましても、当然その食の安全ということが前提として環境影響評価がなされている。これは都民、何といいますか、住民の意見も聞くプロセスも入ってございます。
 私どもといたしましては、何せ食生活に大変に影響を持つ問題であるということから、しっかりとした食の安全性、信頼確保をされるような市場建設がなされると、そういうことが、そのための対策を講じるということと併せて、その辺りで、その関係者、消費者含めて、関係者からの理解を得るということが非常に重要であると思っておりまして、先ほど申し上げましたのもそういった趣旨でございますけれども、私どもとしては、東京都に対してはその点対策を講ずるということと、関係者、消費者の理解を得るということを強く求めていきたいと考えておる次第でございます。
#143
○福山哲郎君 今の説明で理解なんか得られるわけないじゃないですか。条例には含まれてないんでしょう。そして、あなた、直接表現をされてないかもしれませんけどと言っていたけど、今、環境省はさっき何て言っていたんですか。土壌汚染対策法では施行前だから無理でしたと、だけど東京都は条例に沿ってやってますからと言っているわけですよ。全部東京都の条例に今ゆだねているわけでしょう、国は。
 それで、農水省は、大臣も含めて今あなたが、環境影響評価が行われておりますので、東京都と連携をしてやって、確認してまいりたいとあなたさっき答弁したじゃないですか。その環境影響評価に食品の安全含まれてないんですよ。条例に書かれてないんじゃないですか。どうやって、表現されてないけれども、じゃその食品の安全担保できるんですか。農水省、お答えください。
#144
○政府参考人(佐藤和彦君) 東京都の中央卸売市場の整備につきましては、まず第一義的には東京都が責任を持ってやるというのが前提であろうかと思います。そして、卸売市場を整備するという観点からの手続が取られている、その中には食の安全ということも当然に含まれ、東京都において適切に対応されるものと考えております。
#145
○福山哲郎君 寺田審議官、何かあるんだったらどうぞ。
#146
○政府参考人(寺田達志君) 若干先ほどの答弁を補足させていただきますけれども、冒頭、私の方で東京都が条例に基づく対策を実行していると申し上げましたけれども、この条例は環境確保条例でございまして、環境影響評価条例ではございません。
 さらに、先ほどの答弁若干補足させていただきますけれども、当然、環境影響評価では環境への影響というものを評価するわけでございますけれども、その中では環境起因の人に対する健康影響、その中には食品にかかわる部分というのも概念的には含まれるものと考えております。
#147
○福山哲郎君 概念的に含まれるなんて当たり前の話じゃないですか、そんなものは。でも、現実問題としては、国会の答弁で農水大臣が環境影響評価をしているからそれに基づいて東京と連携しているって、そこに食の安全が入ってないんじゃないですか、項目として。概念的に含まれるなんて当たり前の話ですよ、そんなのは。市場で、なおかつ生鮮品で、人の健康にだって影響あるに決まっているじゃないですか。
 これ、どうやって新市場の安全性を、農水省さん、担保するんですか。これどうやって、逆に言うと市場の安全性を国民に理解する。だって、築地の市場って、全国に出ていきますよ。農水省さんは一体どういう認識なんでしょうかね。
#148
○政府参考人(佐藤和彦君) 先ほど委員も先月の予算委員会での松岡大臣の答弁を引用されました。そこでも私どもの大臣は、直接の開設者である東京都、それから環境省とも連携を取りながら対処してまいりたいというふうに答弁申し上げたところでございます。
#149
○福山哲郎君 じゃ、環境省と農水省と東京都、連携を取りながら確認してまいりたいと言われた農水省の答弁ですが、じゃ、まず環境省と農水省の間でどのような協議を実際行っているのか、環境省さん、お答えをいただけますか。
#150
○政府参考人(寺田達志君) お答えいたします。
 これまで両省の間では、現在行われております土壌汚染対策と土壌汚染対策法に基づく対策との比較について情報提供をし、また豊洲新市場の構想や今後の整備スケジュール等について情報提供を受けるなど、情報交換を行ってきたところでございます。
 今後とも、必要に応じ農林水産省と情報交換を行ってまいりたいと考えております。
#151
○福山哲郎君 情報交換を行うだけでは全然安全は担保できないんですよ。その後をどうするのかというのが重要なんですよ。
 現実には、潮位変動や汚染地下水の上昇で、処理をした後にも土壌再汚染の可能性だってあります。それから、ベンゼンやシアン等は、ガス化によっていろんな塗装の割れ目とかの、漏れてくる可能性だって指摘をされています。土壌の入替えやアスファルトでは不十分だという指摘もあります。更に言えば、直接の被害も可能性としては否定できないかもしれませんが、風評被害という問題も出てくるというふうに思います。
 これ、やっぱり土壌汚染対策法で東京都にカバーできないとなると、何らかの形で考えないと、検討していかないと、食の安全という点でいうと大変問題だと私は思っているんですが、大臣、どうですかね。
#152
○国務大臣(若林正俊君) 豊洲地区で東京都の中央卸売市場を開設をするということは、慎重の上にも慎重な判断をしなければならないというのを基本に考えております。
 その上で申し上げるわけですが、土壌汚染法上の法体系上の、東京都知事、これが第一義的には土壌汚染の責任を負っているわけでございます。と同時に、実はここを卸売市場として利用するということになりますと、開設者は東京都知事でございます。東京都知事が東京都の施設として卸売市場をここで開設をするということでございまして、その開設をすることについての適否は農林水産大臣の認可を必要とすると、こういう仕掛けになっているわけでありますから、土壌汚染法上の法的な措置あるいは指導に加えて、食品を取り扱う卸売市場の在り方として東京都が開設者たる責任をまず一義的に負わなきゃいけませんし、同時に、そのことが安全であるという、卸売市場として安全であるというそういう状況判断を、農林水産大臣に認可を得るに当たって、そのことを明らかにした上で農林水産大臣の認可を受けなければならないというのは、これは卸売市場制度の枠組みの中で当然のことだと考えているわけでございます。
 その意味で、農林水産大臣が開設者たる東京都に対して厳格な開設上の指導を行うと同時に、その開設が間違いなく安全であるという認識がなければ卸売市場の開設の認可はできないものと、すべきでないものというふうに私は思うわけでございまして、その過程で、農林水産省の方からこういうような土壌の状況で専門的な立場でどうだというような協議が資料を添えて出てくれば、当然、一般法の土壌汚染対策を所管する環境省としてこれにアドバイスをし、あるいは意見をしっかり申し述べると、こういう手順になっていくと思うんですね。
 開設者たる東京都知事が、そこで市場を開設することについて安全であるということの資料を添えての申請といいますか、協議を農林水産大臣にまだしていない状況にあるというふうに私は理解をしておりまして、そこのところをしっかりと、安全を基本にして卸売市場としての当否をしっかりと判断をするということがなければならないというふうに思うのでございます。
 実は私は、農林水産省時代に卸売市場課長を三年ほどやっておりまして、そのときに、築地市場の移転をどうするかというのは当時からの重大な課題でございました。衛生管理の問題あるいは物流の問題、いろいろな問題を考えながら、築地市場をどうするのかというのは当時から取り組んできた課題でありますし、これを大田市場の方に移転をするか、あるいはその他の地域に移転するかという場合も、当然移転先における食品安全の視点というのは整備計画上も欠かせない最重要課題だというふうに認識しておりましたし、そのような認識は今農林水産省も変わっていないというふうに思うのでございます。
#153
○福山哲郎君 さすが農水省出身の大臣でいらっしゃいまして、皮肉ではなくて、農水大臣のような御答弁をいただきまして、ありがとうございます。農水省の方、松岡大臣にちゃんと今の答弁をお伝えをいただきたいと思います。
 ただ、これは冗談は抜きでやっぱり非常に重要な問題でございまして、そこは慎重にも慎重を期していただきたいと思いますし、ある時点で法改正が必要なら法改正が必要なことも含めて御検討いただきたいと思いますし、実はこの問題、もう一つ裏の問題として、この土地を一部はもう既に東京都が先行取得をしているようですが、今後取得をするときに、一体どういう取得価格で取得をするんだという議論が出てきます。その汚染状況の評価によってその土地の価格の評価が変わるわけですよね。つまり、最終的には卸売市場が買うのかもしれませんが、東京都が取得するときに、それは税金で取得するわけですから、その価格を一体どういうふうに評価するんだと。これはもちろんちゃんと適切な審議会をもってやるんでしょうけれども、そういったことも含めてこの問題は二重にも三重にも課題を抱えておりまして、もう本当に安全の問題ですから余り軽々な議論で進めないように是非農水省さんにも、そして土壌汚染対策にかかわっておられます環境省さんにもお願いをしたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。余り楽しいことではありません。
 三月の十五日に北陸電力は、志賀原発で、一号機で一九九九年六月十八日に起こった臨界事故を国に報告せず、隠ぺいがあったと発表した。このことについて政府は今、実態どのような把握をして、評価をどのようにされているのか、お答えいただけますか。
#154
○政府参考人(青山伸君) この北陸電力での臨界の事故でございますけれども、昨年十一月三十日に、全電力会社に対しましてデータ改ざんなどがないかという点検を指示していた中で明らかになった事柄でございまして、今御紹介ございましたように、平成十一年六月十八日に北陸電力の志賀原子力発電所一号機で、原子炉の停止機能の強化工事において機能の確認試験の準備として制御棒関連の弁を操作していたところ、三本の制御棒が部分的に引き抜き状態になったということで臨界状態になったことでございます。
 この事故につきまして、原子力安全・保安院といたしましては、まず臨界事故という重大な事故を発生させたということ、それからその事故の報告を怠ったということ、それから重大な臨界事故にもかかわらずその後の原因究明や再発防止に取り組まなかったことなどを重大な問題と受け止めており、厳正に対処しなければならないと考えております。このため、北陸電力には原子炉を停止して安全対策の総点検を求めるとともに、改めて臨界事故の徹底的な原因究明と再発防止に取り組むように指示したところでございます。
 今後、北陸電力からの報告を受けてこの臨界事故について徹底的な調査を行い、原因究明と再発防止策を含め、国民に説明責任を果たしてまいるところでございます。
#155
○福山哲郎君 説明責任をそもそも果たしていなかったわけですけれどもね。今ごろ、もうはっきり言って七年も八年も前のことを今さら説明されてもという感じなんですけれども。
 これ、今回発覚した臨界事故の数日前に、定期点検中に、この志賀原発ですが、非常用発電機の部品にひびが入っていて、実はこのことがあったので、その直後にこの臨界事故ですから、隠そうという、組織的なそういう何とも言えない思いが働いたんじゃないかということもある種推測できるんですが、この辺については今国としてはどのように評価していますか。
#156
○政府参考人(青山伸君) 御指摘のように、志賀の原子力発電所一号機におきましては、定期検査中の平成十一年の六月十四日、非常用ディーゼル発電機にひびが発見されたということを当時の通商産業省に報告しております。この事象がその後発生いたしました今回の報告のあった臨界事故の隠ぺいに影響を与えたか否かにつきましては、現在、三月三十日までに事業者から提出される原因究明に係る報告、これを踏まえて検討していくことといたします。
#157
○福山哲郎君 実はこの志賀原発では、二〇〇六年ですが、タービン損傷の際に、安全であるとして運転を続けて、国からの指示があって初めて運転を停止をして損傷が見付かったという事案もあるわけですね。
 これ、組織として問題なんじゃないですか。国は今どう考えていますか、これ。
#158
○政府参考人(青山伸君) 志賀の二号機についてでございますけれども、同じ形の蒸気タービンを有しております浜岡の五号機におきまして蒸気タービンの損傷が複数確認されたということを踏まえまして、原子力安全・保安院では点検を指示したものでございます。
 事業者である北陸電力におきましては、この指示を受けて直ちに点検計画を策定し、速やかに原子炉を停止したものと考えております。
#159
○福山哲郎君 いや、だから組織として問題があったんじゃないかと聞いているんですが、どうですか。
#160
○政府参考人(青山伸君) この蒸気タービンでございますけれども、当然ながら、経験を踏まえながらも新しい技術も導入すると、こういう形で進められてきているものでございます。これについて、他の発電所で損傷が複数確認されたことを踏まえて停止して確認をしたということでございます。ということでございますので、対応を取られたというふうに理解をしております。
#161
○福山哲郎君 それはさっき聞きましたよ。組織として問題があったんじゃないかと聞いているんです。
#162
○政府参考人(青山伸君) このタービンの損傷でございますけれども、設計時に考慮が十分になされるような取組のない技術的な部分に基づくものとしての事柄でございましたので、これを基に、現在、タービンの事故のあった部分の複数を取り外して運転に至るような作業が進められているということでございますので、そのような対応ということでなされているということでございますので、対策において適切にその理解を進めて対応されてきているというふうに考えております。
#163
○福山哲郎君 何が適切に対応しているのかよく分からぬですね。まあいいですわ。
 例えば、じゃ、元に戻ります。この一九九九年の臨界事故ですが、今、年四回、通常は保安検査が行われています。八年間、なぜ今までこのことが明らかにならなかったんでしょうか。
#164
○政府参考人(青山伸君) 一つは、この事故が発生しました平成十一年でございますけれども、六月十七日から十八日にかけての深夜に発生した事柄でございました。事業者は運転日誌あるいは引継ぎ日誌に正しい事実を記録しなかった、さらには、平成十一年当時の通商産業省の運転管理専門官という者がおりましたけれども、現在の私どもの保安検査官に与えられているような権限がなく、詳細な記録の確認を行える状態ではありませんでした。当時の体制ではこのような事故を把握することは難しかったとまず考えております。
 その後、平成十一年のJCOの事故の後、平成十二年に保安規定の遵守状況を検査するという保安検査の制度を導入する、それから保安検査官を現地に配置するということで強化を行ってございます。それから、さらには、平成十四年の東京電力の不正問題の後、平成十五年に事業者の自主点検を定期事業者検査として法定化し、記録の保存を義務付け、また罰則を大幅に強化するなど段階的な規制制度の強化によりまして、検査の強化、それから不正を抑制する仕組みの導入を図ってきているところでございます。
 なお、保安検査、現在私どもが行っているものでございますけれども、保安規定の遵守状況を確認するための検査でございまして、過去の処理の適、不適正の確認を目的としているものではございません。
#165
○福山哲郎君 それは分かりますよ。だから、いろんな検査やいろんな報告の導入をいろいろされてきたわけでしょう、いろんな不祥事のたんびに。でも、八年間出てこなくて、何でじゃここで出てきたんですか。若しくは、八年間なぜ、今出てこなかった理由は、そうやっていたけど分かりませんでしたというんでしょう。じゃ、今回なぜ出てきたんですか。
#166
○政府参考人(青山伸君) 電力会社におきまして、そのデータの改ざん等がないかという総点検を行うという指示を昨年の十一月三十日にしているわけでございますけれども、そういう中で、各電力会社がそれぞれ、資料のみの確認ではできないような事柄について、例えばインタビューとかアンケートを取るなどの措置により、これまで明らかになっていなかったことが報告されるようになってきたと理解しております。
#167
○福山哲郎君 そうすると、いろんな不祥事が出てきて、ずっと検査だとか報告とか改善をしてきたけれども、そこは余り機能してこなかったということは認めるわけですね。
#168
○政府参考人(青山伸君) お答えをいたします。
 この原子力の安全の推進でございますけれども、やはり個々の事故あるいはトラブルについての適切に原因究明を行うということ、それから再発防止対策を講ずるということ、さらにはその情報を共有するということが大切でございまして、そういうことについてこれまでの規制の改善の取組は役割を果たしてきているということで、だんだん良くなってきているというふうに理解をしております。
#169
○福山哲郎君 あなたの言っていること何言っているか分かんないんですよ。だって、出てこなかったんでしょう。それは至らなかったってさっき答弁したじゃないですか、そこは、見付けられませんでしたと。ということは、それはこの九九年の臨界事故を発見するなり、ちゃんと表に出すのには、それまでの仕組みは機能しなかったということですねって聞いているんですよ。それはそうなんでしょう。
#170
○政府参考人(青山伸君) 三月十五日にこういう報告を受けたという点で、そのとおりでございます。
#171
○福山哲郎君 じゃ、今回はなぜ分かったんですか。正直に答えてください。
#172
○政府参考人(青山伸君) 先ほども申し上げましたけれども、データの改ざん等の不正がないかという調査の中で、インタビューあるいはアンケートというふうな形で、従来資料に残っていなかったことも、記憶に残っているかいないかというようなことも含めて調査を進めてきた結果だというふうに理解をしております。
#173
○福山哲郎君 ということは、内部でこんな問題が起こっていたんだよということを新たに表面化した方がいたということですね。
#174
○政府参考人(青山伸君) さように理解をいたしております。
#175
○福山哲郎君 つまり、そういう内部告発者がいなければ表に出てこないような仕組みというのは、やっぱり機能していないんですよ、今まで。これ問題なんですよ、やっぱりそこは。
 私は実は技術的には全く素人でございますが、今日、手元に、委員の方に保安院から御説明をいただいた資料をお持ちをいたしました。
 これ、下のところでございますが、誤った手順によりF101弁を閉めたために矢印に圧力が掛かって制御棒が想定外に引き抜かれたと。この真ん中にあるF101というのが閉まっていたので水が移動して制御棒が抜かれたということなんですね。
 その下なんですけど、原子炉が臨界状態となり原子炉自動停止信号が発生したが、F101弁が閉まっていたこと、及びなんですよ、及び水圧制御アキュムレーターに圧力が充てんされていなかったため、直ちに制御棒が挿入されなかったってこれ説明を受けたんですね。
 これ、実は二重に起こってはいけないことが起こっているんですよ。本来ならばちゃんと安全弁としてあるはずのこの水圧制御アキュムレーターも機能していないということになります。
 それから、制御棒というのは、普通、一本抜かれる分には安全にできていると思いますが、それはいかがですか。
#176
○政府参考人(青山伸君) 御指摘のとおり、制御棒は最大の価値を持つ、最大の制御能力を持つものが一本抜けても臨界には至らないというふうにできております。
#177
○福山哲郎君 これ何で三本も一遍に抜けたんですかね。
#178
○政府参考人(青山伸君) 委員御配付の資料のその下の方に、原子炉戻りラインへというところで、下の方に抜ける弁とそれから配管の図がございます。こちらが閉まっていた中で、F101という先ほどの弁が閉じられているという中で、八十九本の制御棒があるうち八十七本目の制御棒に作業をしたところ、F102の方の、上の方に流れている矢印の方ですが、これの圧力がこの制御棒を引き下げるだけの力を有するに至って三本引き抜きの方向に動いたというふうに今は理解をいたしております。
#179
○福山哲郎君 仮定の話は言いたくありませんが、これ三本でじゃとどまった理由は何ですか。
#180
○政府参考人(青山伸君) これは三月三十日に提出される報告も踏まえて十分に技術的に検討しなくてはいけないところでございますけれども、この下の方に、実はこれには記載をしてございませんけれども、こういう制御棒の駆動のための水を流す装置は大本は一本、一つのシステムでございまして、それが制御棒の数だけ分岐をするという中での操作になりましたので、最後の方に至ってこの制御棒が下の方の、抜けるような力が加わるようなものに足し上げられていったというふうに考えております。
#181
○福山哲郎君 それは偶然なんですか。つまり、三本のことも偶然であり、今の話もある種の偶然なのか、人為的にちゃんと制御するための、人為的な操作は働いていたのか、そこはどうなんですか。
#182
○政府参考人(青山伸君) 当然ながら、制御棒の操作に関する事柄でございますので、慎重に手順を踏んで進めると。その際の手順のルールというものを確立して進めているというふうに理解をいたしておりますけれども、そのどこが間違っていたのか、手順書が間違っていたのか作業員が間違えているのかということも含めて、詳細を正確に把握をしてまいります。
#183
○福山哲郎君 私が申し上げたいのは、要は人為的な操作の中で起こっているわけです。すべてが機械化されている場合にはそれは設計の問題だとかいろいろ出てくるでしょうけど、これ人が介しているわけですよね。人が介している中で、本当は一本までなら大丈夫なのに三本抜けたと。それに対してどう制御したかということに対しても、どうそれを止めに掛かったということについても、実は僕はある種の人為的な操作をされたんだと思いますが、それが三本でとどまらないでもっと抜けていたときのその臨界のスピードだとかそういうことも含めて、先ほど僕が委員に説明をした二点のことも含めて、逆に人為的なことによる事故だから僕は実は余計怖いと思うんですね。
 つまり、どこでもあり得べしことなんじゃないかと。それがもし、その手順書が間違っているなんと言ったら、最初から問題じゃないですか。それを実は隠ぺいをしていて、八年間も放置をしていたということは、それから先の事故に対する、何というかな、蓋然性みたいなのは非常に高いわけですよ。
 私は、これを隠していたことというのは非常に大きな問題だと思いますし、この作業自身も問題で、実は私、技術的なことは先ほどから申し上げているように専門ではないんですが、保安院に聞くと、もし臨界に達しても硼酸を入れることによってそこは最悪の状況は回避できるんだというふうに私は説明をいただきましたが、それは間違いないですか。
#184
○政府参考人(青山伸君) 間違いございません。
#185
○福山哲郎君 実はそこでも気になったんですよね。つまり、作業にかかわっている方々は、そういうもし臨界が起こっているような状況で自分の想定外のことが起こって、手順書どおりにやっているのに違うようなことが起こったときに、本当に最後の硼酸をということの作業まで冷静にできるかどうかということに対して、僕は、最後硼酸をやれば大丈夫だと言っていただいたからこそ余計、そこに居合わせている、作業されている方々のその精神的な動揺やパニックも含めて大丈夫なのかなというのが僕にとってはやっぱり非常に不安だったんですね。
 私は、事故があったことはもちろん責めなきゃいけないし、隠ぺいがあったことも責めなければいけないし、これは大変重要な問題だというふうに思いますが、原子力政策自身に対するやっぱり不信感が本当に広がると。温暖化の問題があって、原子力はやはり温暖化に対してはきれいなエネルギーだという議論ももちろんある中で、こういう状況があることは非常に私は遺憾ですし、厳正に対処してもらわなければいけないし、やっぱり処分するところは処分ちゃんとしなければいけないと。もう徹底的に原因を究明してもらわないと、これやっぱり良くないと思うんですよね。
 どうですか、実際にそのときの作業をされている方々のもちろん安全ももちろんあるわけですけれども、その方たちが冷静な判断で次の作業へ行けるかどうかということも含めて、どうお考えですか。
#186
○政府参考人(青山伸君) 先生御指摘のとおり、その発電所の運転に当たって、当然ながら安全の確保が譲ることのない大前提なわけでございまして、そういう点で今回の事故につきましては原因究明、それから再発防止対策ということが取られていなかったということも含めて、安全対策の総点検を原子炉を止めて確認をするようにということで進めてきているわけでございますけれども、私ども原子力安全・保安院では、常に国民の安全を第一に考える任務を行うという使命感、それから科学的知見に基づいて合理的な判断、それから日々の業務執行状況の透明性、あるいは産業の利益追求をおもんぱかって判断しない中立性・公正性という四つの行動規範に基づいて行動を行ってきているところでございます。
 今回の事故につきまして、それから各電力会社に求めております点検の結果は三月末までに報告されるわけでございますけれども、データ改ざんということは国民の信頼を失うことに、損なうことでございます。誠に遺憾でございます。特に、この事故については極めて遺憾であり、厳正に対処してまいります。
#187
○福山哲郎君 もう時間もありませんし、またその報告書が出てから細かいことも含めてどういうふうに今後の対応をされるのか、国民の信頼を回復していくのか、従業員の皆さんの安全を確保していくのか等について、やっぱり地域の皆さんも不安で一杯だと思いますから、そこについては今後も議論をしていきたいというふうに思っています。
 もうあと二分なので言いっ放しでやめようと思います。
 予算の委嘱審査でございますが、京都議定書の目達計画関係予算案というのがあって、全項目のリストを見ると、いろんなリストが上がっています。これが本当に温暖化に資するのかどうかという訳の分からぬ予算項目があるんですが、済みません、法務省、嫌らしいようで恐縮でございますが、法務省の国籍及び戸籍事務等処理に必要な経費、渉外戸籍・国籍事務処理対策経費が何で京都議定書六%削減約束に直接の効果のあるものに含まれているのか、ちょっと説明していただけますか。
#188
○政府参考人(後藤博君) 渉外戸籍・国籍事務処理対策経費には、法務局において帰化事件等の調査を行うための乗用車の購入経費が含まれております。これは、外国人から日本国籍の取得を希望するための帰化の許可申請がされた場合に、法務局において、その申請者が国籍法の定める帰化条件を満たしているかどうかを調査する必要がございます。その中には申請者の自宅、近隣、勤務先等に法務局の職員が赴いて行う調査も含まれております。これを機動的、効率的に行うために乗用車が必要でございますけれども、乗用車を購入するに当たっては、CO2削減に寄与するため低公害車の予算措置を求めているものでございます。
#189
○福山哲郎君 別に僕これ、この中ね、実は温暖化に資する予算項目案って一杯項目があるんですよ、各省庁。ちょっと怪しいの一杯あるんですけれども、今一番分かりやすいのを私は申し上げたんですが。
 そのもう一つに、登記の審査等事務に必要な経費で、これ温暖化に非常に効果のあるもののリストになっていまして、これ両方合わせてさっきので一億五千万ぐらい計上されているんですね。確かに省エネの自動車を買うのなのかもしれませんが、やっぱりこれを京都議定書六%削減約束に直接の効果があるものの予算の中に含まれるのは私はいかがなものかなと思っておりまして。
 こういう項目はたくさんありまして、二年か三年前の予算書では法務省は実は刑務所の整備費が温暖化に資する経費に入ってたりしてるんですが、それ言い出すともうほかのもあるんで切りがないんですが、やっぱりこういうことは私は予算の策定上はやめていただきたいなと思っておりまして、これはもう環境省の問題ではありませんが、温暖化の対策だといえば予算が付くみたいな話はやっぱり余り良くないので、そこは本当に温室効果ガス削減のために純粋に効果のあるものをちゃんと吟味してやっぱり予算の項目に入れるように各省庁御努力をいただきたいと思います。
 それだけ申し上げまして、今日の質問を終わります。どうもありがとうございました。
    ─────────────
#190
○委員長(大石正光君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に内閣府大臣官房審議官丸山浩司君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#191
○委員長(大石正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#192
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございますが、気候変動の関係については大きく政策を分けた場合は緩和政策と適応政策があるわけでありますけれども、適応政策の観点から質問をしたいと思います。
 それで、最近、集中豪雨あるいは竜巻等極めて厳しい状況になっている部分もありますので、局地的な天気予報という意味ではドップラー・レーダーというのが最近配備され始めているようでありますけれども、現在十一か所というふうに聞いておりまして、今後の設置の計画あるいは局地的な短期的、短時間の予報精度の向上、こういった面についてはどのように取り組んでいくお考えでしょうか。お願いいたします。
#193
○政府参考人(櫻井邦雄君) 気象庁では、昨年発生いたしました北海道佐呂間町での甚大な竜巻災害などを踏まえまして、ドップラー・レーダーの整備を加速し、平成十九年度末までに全国二十か所のうち十一か所でドップラー・レーダーを運用する計画でございます。これにより、過去に竜巻災害のあった地域をおおむねカバーすることとなります。残り九か所の気象レーダーの気象ドップラー・レーダー化への更新につきましては、気象レーダーの老朽化の程度を踏まえつつ進めたいと考えておるところでございます。
 それから、集中豪雨の短時間予測につきましては、今申し上げましたドップラー・レーダーで得られる上空の詳細な風のデータや、気象庁だけではなく都道府県等の部外機関の雨量データにより一層の活用を進め改善を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
 それから、竜巻などの突風に関する短時間予測につきましては、ドップラー・レーダーによる観測データを蓄積いたしまして、予測技術の開発を進めることにより三年程度先の情報の提供を目指してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#194
○加藤修一君 非常に大事な点でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、今年は暖冬ということで、これが一過性の暖冬なのか、地球温暖化と極めてつながっている暖冬なのか、非常に関心の深いところでありますけれども、ただ、現在起こっている、雪が非常に少ない、そうなりますと春先に水が不足する事態にもなりかねない。私は群馬県に住んでおりますけれども、群馬県の県北の方は大利根といって相当の雪が降るところなんですけれども、今年は例年に比べたらかなり少ないという話になっておりまして、これは恐らく、首都圏の水がめであるというふうに言われておりますので、首都圏全体の二千数百万の人口に対して水を供給しているということにもなっているわけでありまして、そういった意味では、ここが相当水がないという状況になってまいりまして、かつまた梅雨のときに空梅雨になってしまうとこれまた大変な状態になってくると思うんですけれども。
 こういった水不足の関係で、例えば気象庁は今後の長期予報の関係はどう見ているかということ。それから、国土交通省は水管理について様々なケースを想定していると思っておりますが、今回のケースについてはどういうふうに考えているか。三点目は、これ内閣府ですか、に対しての質問でありますけれども、危機管理の観点からこういう異常な気象の関係で水不足につながるということが想定されると、この可能性が非常に高いというふうに私自身も考えているわけでありますけれども、危機管理上どういうふうに今後詰めていくか、この点についてお答えいただきたいと思います。
#195
○政府参考人(櫻井邦雄君) まず最初に、この冬、といいますのは平成十八年の十二月から今年の二月まででございますが、その降雪量は北日本で平年の四七%、それから東日本で一四%となるなど、全国的にかなり少なくなってございます。また、降水量で見ましても、東日本、西日本の日本海側では平年の約八〇%と少なくなっております。
 今後の降水量の見通しという点でございますが、まずこの春から夏にかけての部分でございますけれど、北日本から東日本を中心に四月は平年並みあるいは平年より少ないというそれぞれの確率が四〇%となるなど、四月から五月にかけては平年並みかやや少ない傾向と見てございます。また、北日本では、六、七月の梅雨時期の降水量が平年並み、平年より多い確率というものがそれぞれ四〇%と予測しておるところでございます。
 それからさらに、長期的な見通しにつきましては、気象庁が平成十七年三月に公表いたしました地球温暖化予測情報第六巻というものを出してございますが、それに、中に書いてございますんですが、約百年後、これは二〇八一年から二一〇〇年という時期でございますが、その二十年間の日本の年降雪量の平均は、現在、これは一九八一年から二〇〇〇年というものを現在としてございますが、これと比べまして全国的に減少するというふうに予測してございます。一方、降水量につきましてはほとんどの地域で増加し、西日本では多いところで約二〇%程度増加するというふうに予測してございます。
 長期的にはこのような傾向を予測してございますが、降水量というもの自体は結構年々に変化の大きい自然現象でございますので、そのことを申し添えておきます。
#196
○政府参考人(日比文男君) お答えいたします。
 この冬の雪の量は例年に比べ少ない状況にございますが、現時点では国土交通省及び水資源機構が管理いたしますダムの貯水等への顕著な影響は表れておりません。ただ、水利用を融雪に依存する地域等におきましては春先以降に影響が生じる可能性が懸念されてございます。
 したがいまして、国土交通省といたしましては、引き続き河川流況の監視や適切なダム運用に努めてまいりますとともに、渇水に対しては早め早めの対応が大切であると、こういう認識に立ちまして、利水者等に春先以降の渇水に十分留意いただくための情報発信や関係者との連携に努めてまいりたいと、このように考えております。
 また、長期的には地球温暖化に伴い水不足などによります国民生活への影響も懸念されますことから、水資源への影響を具体的に予測、把握するための検討を進めますとともに、水資源の安定性を確保するために必要な水資源開発施設の整備を進めるほか、ダム群連携等の既存ストックの有効活用等の検討を行いまして、安全で安心な水資源の確保に努めてまいる所存でございます。
#197
○政府参考人(丸山浩司君) 危機管理からの対応というお尋ねでございます。
 風水害等の自然災害に関する危機管理につきましては、我が国では災害対策基本法などによりまして政府一体となった対応の枠組みが定められております。お尋ねの水不足対策につきましては、従来は適切な水資源の管理ということを中心にいたしまして水源の確保あるいは節水対策といったようなことを所管省庁が連携して対応してきております。
 災害対策という観点からは、農作物の被害対策として過去数回、激甚災害の指定をしたということはございますが、災害対策基本法の枠組みをフルに活用した対応といったようなことには至っていないような状況でございます。
 今後、異常な渇水の状況によりまして、人命に影響が及ぶ、あるいは地域社会の存立に影響が及ぶというふうな甚大な被害が発生し、従来の水不足対策では対応できないといったような状況が起こり得るとするならば、危機管理の観点からも政府一体となった対応が必要であると、そのような検討が必要であるというふうに考えているところでございます。
#198
○加藤修一君 いずれにいたしましても、過去の経験が必ずしも十全に今後延長して考えることができるという状況でないことは確かな話で、それがゆえに気候変動というふうに言うことができるわけでありますので、今答弁の中にありましたように、健康被害の関係、人命にかかわる問題等々含めて非常にこれは今後十分対応していかなければいけない課題であると思いますので、関係省庁の皆さんはよくよくこういった面についても対応をよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
 それで、次の問題でありますけれども、委員長の許可があれば、終わった方は退出されてよろしいんですが。
#199
○委員長(大石正光君) 結構でございます。
#200
○加藤修一君 次に、所信の関係で、トキの放鳥計画でございますけれども、平成十一年に中国から贈呈されたペアのトキから人工繁殖が成功いたしまして、現在九十七羽にまで繁殖させることができたという意味では、環境省を含めて多大な貢献をされてきた皆様方に対しては敬意を表したいということでございます。
 それで、平成二十年には試験放鳥を開始するという予定であるというふうに伺っているわけでありますけれども、これ、今後の放鳥計画の関係で、やはり周辺のいわゆるトキの生育の環境ということが十分把握をされていなければいけない。農薬の関係もどうなっているか等々含めて、あるいはえさの関係も含めてどういうふうになっているかという、そういう生育環境が整っているかどうかというのは極めて重要なものでありまして、地元の方々もそういった面についての心配をしているというふうに聞いておりますけれども、その辺の見解をお伺いしたいと思います。
#201
○政府参考人(冨岡悟君) トキの試験放鳥につきましては、先生お話ございましたように、現在九十七羽に増えておりますが、野生復帰に向けまして、来年度よりトキ野生順化訓練施設におきまして野生での環境で生存できるようにするための訓練を開始し、平成二十年にも試験放鳥を目指すということにいたしております。
 そのための環境整備のいろんな準備でございますが、トキのえさ場につきましては、平成十七年度に新潟県が水田などの状況を基にトキの推計生息可能羽数を試算いたしましたところ、特に冬期間における生息可能羽数は十二羽程度と推計されておりまして、えさの量が不足しているという結果が出ております。それから、農薬の関係につきましては、環境省が過去に実施いたしましたドジョウ、えさとなるドジョウ、サワガニといった生物への影響調査におきましては、農薬が個体数への増減へのはっきりした影響があったとできるという結果は得られておりません。
 こういう状況でございますが、環境省といたしましては、トキの野生復帰に向けまして、放鳥されましたトキが野生で安定的に存続できますよう、地元の皆様や関係機関と連携してトキのえさ場等、特にえさでございますが、えさ場等、生息環境のモニタリングや改善に取り組んで二十年にも実現いたしたいと、かように考えているところでございます。
#202
○加藤修一君 これ、日本がこういういわゆる自然絶滅種であるトキをここまで持ってきたということは、生物多様性の関係からいっても極めて功績のあるというふうに私は認識しているわけなんですけれども、トキそれ自体が、学名がニッポニア・ニッポンですか、そういうふうに言われておりまして、直接にトキからは日本のイメージが出てきませんが、学名からは日本ということがかなり強くアピールされるように思っておりますけれども、このような事業について国際的な評価はどういうふうになっているかということが第一点と、それから生物多様性の関係については、二〇一〇年に名古屋で開催されるというふうに、締約国会議がなされると聞いておりますけれども、生物多様性の関係についてここまで努力しているということについては私は日本は相当アピールすべきだというふうに考えておりますので、また明年は日本はG8日本サミットということで開催される予定になっておりますので、こういった面についてもやはりG8サミットの中で宣揚するというかアピールをするとか、そういった意味では何らかの形でそういう機会をしっかりとつくり上げるということが大事だと思いますけれども、この辺についてどうでしょうか。
#203
○政府参考人(冨岡悟君) トキは我が国では野生絶滅にランクされておりまして、これを増殖した上で野生下に安定的に存続できるようにすることは、先生お話にございましたように、生物多様性の保全の観点からも非常に大きな価値を有するものと認識いたしております。また、トキの野生復帰に係る国際的な評価につきましては、日中両国がともに協力し絶滅寸前のトキを増殖し野生復帰の取組を進めているという点で、国際的にも注目に値するものと考えております。
 いずれにしても、先生のお話ございましたように、トキは学名をニッポニア・ニッポンということで我が国を象徴する種でありまして、国際的な会議などの場において積極的にアピールするとともに、地元の佐渡の皆様方と手を携えながら、佐渡の空に再びトキが舞う夢を追ってまいりたいと考えております。
#204
○加藤修一君 今の答弁の中に、地元の佐渡の皆さんと手を携えながらという話がありました。
 私は昨年、実は佐渡に行って、この関係の話もいろいろと意見を伺ってきたわけでありますけれども、佐渡島は世阿弥が流されたところでありまして、現在も三十以上の独立の能の舞台ですね、ちょっと話が外れますけれども、能の舞台が残っておりまして、非常に住民の皆さんを含めて能が盛んであると。貴重な文化資源である能の鑑賞とか、あるいはトキの放鳥事業をどう組み合わせていくかということ、あるいは伝統芸能と自然との触れ合いは新しいいやしといいますか、何かそれに近いことも提供してくれるように思っておりますし、さらに環境教育の関係についても貢献できる部分があるんではないかなと、そう思っております。そういった意味では、トキの放鳥事業に併せて、島の環境再生、エコアイランドにしてほしいというそういう話もあったりするわけでありますけれども、環境再生と能の文化や、あるいは世界資産を目指しているというふうに聞いておりますけれども、佐渡の金山、そういった地域の資源をいかに組み合わせてやっていくかというのは極めて今後の佐渡にとっては重要な視点でないかなと思っております。
 そういった意味では、総合的な地域の再生ロードマップの作成、これは国にとっても支援措置を検討すべきであろうかなと、そんなふうにも思ったりもするわけでありますけれども、この辺についての御見解をお示しをしていただきたいと思います。
#205
○政府参考人(冨岡悟君) トキの自然放鳥につきましては、その実現につきましては専門家の皆様、それから地元の関係者の皆様方と十分協議を進めながら、地域の皆様方の御理解を得ながら進めるということにいたしておりまして、今年の一月にそういった専門家と地元の皆様方、それから環境省、それから県、市の皆様方から成る連絡の協議会を設置させていただいております。こういったことで、十分地元の御意向に沿ったような、またこれまでの経緯に沿った対応を取ってまいりたいと考えておりますが、自然再生といった観点から、環境省といたしましては、先ほど少し触れましたけれども、トキの生活の場、営巣、ねぐら等の生息環境の改善、それから地域住民やNPOの方々がトキの生息環境の再生に向けた取組、こういったものに対する支援、こういったことを通しまして地域の御希望にも沿ってまいりたいと考えております。
#206
○加藤修一君 国土交通省どうでしょうか。
#207
○政府参考人(辻原俊博君) 新しい制度についてはどうかというような御趣旨の御質問かと思いますが、今国会に私ども提出させていただいております広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律案の趣旨でございますが、民間と連携をした地域の発意に基づきまして広域的な人や物の動きを活発にする、そういうことを通じて地域の活性化を図るということを目的といたしておるわけでございます。そして、具体的には、そのような場合に必要となります基盤整備事業とソフト事業を含めた地域づくりに対する都道府県への支援等を一体的かつ計画的に行うというものでございます。
 このような制度の趣旨でございますので、議員御指摘のような、その地域にしかない地域資源を活用いたしまして個性ある地域づくりを進めていくということは、基本的にこの法律案の趣旨に沿ったものではないかと考えておるところでございます。
 今後、今国会におきましてこの制度が成立いたしましたならば、計画や事業の実施主体でございます都道府県に更なる周知を図りますとともに、関係者から具体的な御相談があれば適切にかつしっかりと対応をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#208
○加藤修一君 一般論として地域再生というのは極めて重要なテーマでありますので、いかにその地域の資源を最大限に活用して、最終的には活性化に向けてスタートできると、そういった意味では今の法律は極めて重要ですので、周知徹底のほど、成立後ですけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、生物多様性国際会議とG8日本サミットの取組の関係について、たしか二〇一〇年までには生物多様性の損失速度、それを顕著に減少させなければいけないということが大きな目的の一つになっているようでありますけれども、環境省は今年じゅうに、聞いているところでは第三次の生物多様性国家戦略を策定するというふうに聞いておりまして、そういった意味では、私はいろいろな要因が新しく出てきているんではないかなと、そう思います。
 例えば、スターン・レビューの関係とか国連のIPCCの第一作業部会の最新の報告書で指摘されている地球温暖化の関係については、極めて重大視してとらえていかなければいけないというふうに考えておりますので、そういった地球温暖化に対する適応という側面をどういうふうにこの第三次の生物多様性国家戦略の中に盛り込むかということは大事だと思っております。
 適応というのが、生物多様性というこの極めて広い中身についてどうするのかというのは、なかなか私自身は認識できないんですけれども、そういうことはやはり非常に大事だと思います。ですから、そういったものをしっかりと盛り込むべきであると思いますし、それからさらに、G8日本サミットにおけます関係についても、生物多様性のこの関係についてどのようにテーマとしてしっかりと取り上げて議論していくかということも極めて重要でありますので、この辺について環境省は現在どのようにとらえているのでしょうか。
#209
○政府参考人(冨岡悟君) 生物多様性と気候変動の影響の関係につきましては、スターン・レビューでも指摘されているところでございますが、私ども、現在我が国の生物多様性国家戦略の見直し作業をいたしておりますが、この中で、先日、専門家から成る懇談会におきまして論点整理がなされたところでございます。
 その中で、今までの第二次、現行の計画までにない議論といたしましては、やはり気候変動と生物多様性への影響の関係について、これまでになく重要な視点としてとらえるべきだという意見が非常に多く出されまして、私どもも非常に大きな示唆をいただいているものと考えております。
 こういった中で、G8サミットで、今年、ドイツにおきまして気候変動と並んで生物多様性がテーマになされたわけでございますが、来年の我が国でのサミットにおきましても、この流れを引き継いで生物多様性について大きなテーマとしてとらえていくということとともに、二〇一〇年の誘致を目指しておりますCOP10におきましても、これをつなげて国際的な貢献をしてまいるのが私どもの課題ではないかと考えております。
#210
○加藤修一君 なかなか難しい課題が多いようでありますけれども、是非よろしくお願いしたいと思います。
 次に、環境教育の関係で、今回の所信表明の中で大臣は、地域における環境学習機会の充実を目指して、だれもが使えるエコ学習トランクとしていわゆる全国に配布するなど、環境教育、学習の推進に力を入れると、そういうふうに述べられているわけでありますけれども、私はそういうことと同時に、環境教育の視点から今最も時宜を得ているものとしては、やはり今年ドキュメンタリー部門でアカデミー賞を受賞したアル・ゴア元アメリカ副大統領の記録映画「不都合な真実」、これを鑑賞してもらうことであるというふうに考えておりまして、これのDVD版を希望する全国の小中学校に配布すべきという考え方も一つは挙げることができるんではないかなと、このように思っておりますけれども、この対応をしっかりとやっていくことが大切だと思いますけれども、どうでしょうか。
#211
○政府参考人(南川秀樹君) 委員御指摘のとおり、「不都合な真実」につきましては、イギリスあるいはドイツでDVDが学校に配布されるという報道がございました。まだ事実は確認はしておりません。
 私ども、DVDを使った環境教育として、教材として、温暖化の対策について分かりやすく説明するといったことは大事と、大切だと思っておりまして、そういった観点からのDVD、私どもの、いろんな方の知見を得て作ったものについて配布あるいは貸出しは行っているところでございます。
 ただ、今回御指摘の「不都合な真実」につきましては、純粋な商業映画として実際に上映はされております。日本でのDVDが出るかどうか全くまだ分かりませんけれども、今後この映画のDVDが発売された場合におきましても、商業映画としての上映、あるいは商業用のDVDの発売でございますので、各小中学校の判断で購入していただくということが原則になろうかと考えております。
#212
○加藤修一君 環境省の主要な広報関係の予算を考えてまいりますと、地球温暖化防止大規模国民運動推進事業、これは三十億付けていますよね。テレビ、新聞、雑誌、ラジオを中心として、国民のライフスタイル、ワークスタイルの変革を具体的に訴え掛ける大規模な地球温暖化防止の国民運動を推進する。私は、アル・ゴアと特別どうこうという話じゃなくて、純粋にあの映画を見ることによって相当なインパクトはある、そういった意味ではこの国民運動に相当貢献し得ることでないかなと思うんですね。
 テレビ、新聞、雑誌、ラジオというふうに書いてありますけれども、この中にDVDも含めて、やはり学校も予算云々の関係があったり、あえて向こうの立場で判断してどうこうというよりは、やはりこちらがもっと周知徹底をしてやっていけるような方法の方が私は望ましいと思っているんですね。恐らく、学校の先生方も環境問題をどういうふうに、しかもこの地球温暖化の問題をどういうふうに伝えることができるかというのは、非常に苦慮しているところだと思うんですね。ですから、こういった問題については様々な課題が当然あると思いますけれども、やはり環境省が中心になって、そういうふうにやれるような方向で積極的に私は努力していただきたいなと思いますけれども、重ねての質問はどうでしょうかね。
#213
○政府参考人(南川秀樹君) 問題は、その中身についてとやかく言ってはございませんが、あくまで商業映画として純粋に商業ベースで放映されております。DVDにつきましても当然ながら普通に市場で売られるということでございまして、それを税金という形で購入して配布することが正しいかどうかということだと思います。金額の問題とは別だと思っております。
 それから、この映画は、今上映会も増えておりますし、なおかつ時間を選びますと非常に安い値段での鑑賞も可能になっておりますので、そういったことについては問い合わせがあれば是非各方面に広げていきたいと思います。
#214
○加藤修一君 いろいろな課題を乗り越えて、是非積極的に対応していただきたいと思います。
 それでは、漂流とか漂着ごみ対策の関係で、日本海側は非常にごみの漂着、漂流が多いという話になっておりますけれども、太平洋側も決して少なくはないというふうに聞いているところでございまして、非常に関係の自治体が苦慮しているということで、例えばこれ海洋だけの話じゃなくて、河川から上流の方から集中豪雨なんかによっていろんなものが流れてきて海洋に押し流されてくる。流木も相当あるわけでありまして、そういう漂着ごみの処理に苦慮している自治体は非常に多いわけでありまして、そういった意味では、今回環境省が更に積極的に、国土交通省もそうでありますけれども、予算措置をしているように聞いております。
 そういった中で、特に日本は海岸の総延長が三万五千キロメーターを超えるぐらいでありますので、ただその海岸はつながっているということで、どこでも漂着するという話に当然なるわけでありますけれども、その補助要件として海岸保全区域とそれ以外の区域によって補助要件が異なるということがあったり、あるいは海岸の保全区域の補助の規模を千立方メートル以下にしてほしいという、そういう等の要望が多いと。そういった意味では、国外からの発生源対策や補助金の支給対象を広げるという予算措置も含めて、やはり私は海の縦割り的な行政、どんなことをやったとしても縦割り行政は生じるわけでありますけれども、抜本的な漂流・漂着ごみ対策の確立が必要と思うわけでありますけれども、河川も含めた関係のそういうごみ対策についてどのように今後取り組んでいるか、現況はどうなっているか等含めてお願いいたします。
#215
○政府参考人(由田秀人君) 近年、外国由来を含みます漂流・漂着ごみによります様々な被害が御指摘のように深刻化しておりまして、漂着ごみの適正な処理は生活環境の保全を図る上で重要な課題というふうに認識しております。
 環境省では、現在、海岸保全区域以外に、国内での災害によりまして漂着いたしました流木等のごみにつきましては、市町村が処理する場合には災害廃棄物処理事業の補助制度により当該市町村を支援しているところであります。さらに、この海岸保全区域以外におきましては、災害によらずとも大量に漂着したごみの処理費用につきましても当該補助金の補助対象とすべく、平成十九年度の予算、政府予算原案の方に盛り込んでおるところであります。
 環境省としましては、関係省庁とも連携いたしまして、今後とも漂流・漂着ごみの処理に関しまして適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
#216
○加藤修一君 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、ちょっと質問はスキップしたいと思います。
 それでは、温室効果ガスの吸収源対策として森林が考えられているわけでありますけれども、この関係で林業、林産業をいかに再生させるかというのは極めて重要であると思っていまして、三・八%吸収源ということでありますけれども、その三・八%を十分達成が可能と考えているのか、また二〇一二年までどの程度の予算規模が必要と考えているか、その点について林野庁、お願いいたします。
#217
○政府参考人(石島一郎君) お答え申し上げます。
 京都議定書におきます温室効果ガスの削減目標六%という我が国の国際約束を達成いたしますためには、森林の整備保全によりまして削減目標の三分の二近くに相当いたします千三百万炭素トンを森林吸収量により確保する必要がございます。一方で、現状の森林整備水準につきましては、これまで間伐約三十五万ヘクタールを含めまして、総計で約五十八万ヘクタールの森林整備を毎年実施してまいりました。しかしながら、このような現行水準による森林整備だけでは、この千三百万炭素トンに対しまして百十万炭素トン分が不足する見込みとなっておるところでございます。この百十万炭素トンに相当する吸収量を確保いたしますためには、平成十九年度以降六年間、毎年二十万ヘクタールの追加的な森林整備を実施していくことが必要と考えております。
 これを踏まえまして、十九年度の予算案におきましては、十八年度の補正予算と合わせまして総額七百六十五億円、森林整備にいたしまして二十三万ヘクタールの追加的な整備に必要な予算を計上しているところでございます。この森林整備につきましては、平成十九年度以降、先ほど申し上げましたように、六年間の整備が必要と考えております。これに必要な予算の確保につきましても引き続き努力してまいりたいと考えております。
#218
○加藤修一君 林業、林産業の再生ということは極めてそういった意味では重要な点でありまして、川下の方でいかに消費されるということも確かに重要で、また川上の方も当然言うまでもなく重要なわけでありますけれども。
 ついせんだって栃木県に行ったときに、森林組合の人が、一ヘクタールの、六十年杉の関係ですね、いろいろ補助金も含めながら最終的に計算していくと、手元に残るのは二万円であると。二万円じゃこれは林家としては生活は当然、一ヘクタール売ったときの話ですね、二万円じゃこれは生活は当然できない話でありまして、そういった意味では、林業、林産業をいかに再生させるかという観点でどういう抜本的な政策を林野庁としては考えているのか、この辺についてどうでしょうか。
#219
○委員長(大石正光君) 時間が限られておりますので、短く答弁願います。
#220
○政府参考人(石島一郎君) 先生御指摘のとおり、非常に森林・林業を取り巻く情勢厳しくなっております。しかしながら、最近国産材の利用量が増加の兆しを見せているという新しい動きも見られております。こういった状況を踏まえまして、新しい森林・林業基本計画によりまして、国産材の利用拡大を軸とした林業・木材産業の再生を推進しているところでございます。
 具体的には、十八年度から地域材を大量かつ安定的に住宅メーカーなどの需要者に供給いたします新生産システムを全国十一か所でモデル的に実施しております。また、十九年度からは、曲がり材、間伐材などにつきまして、集成材や木質ボード類への利用を促進するために必要な施設の整備を推進するなどの取組をしているところでございます。
 これらの施策を通じまして、国産材の競争力を向上させながら、林業・木材産業の再生に取り組んでまいりたいと考えております。
#221
○加藤修一君 低コストの木材を供給していくためにはどうするかということについては、どのような見解をお持ちですか、山元含めての関係で。今後、平成十九年度の事業展開を含めての話になるかもしれませんが。
#222
○政府参考人(石島一郎君) 低コストの木材生産をいたしますためには、施業段階でのコストを引き下げることが非常に重要であるというふうに思っております。そのためには、高性能林業機械を導入いたしまして、また高性能林業機械が十分に能力を発揮できるように低コストの路網を整備していく必要があると考えております。まだまだ様々な施策をここに併せて投入することによりまして、低コストな林業生産を行ってまいりたいと考えております。
#223
○加藤修一君 いずれにいたしましても、用材ベースの話でありますけれども、年間三万立米とか五万立米、そういったものが生産できるような工場があることが非常に望ましいわけでありまして、そういった意味では、非常に零細的な企業が多いという中にありまして、そういう企業を、大きな企業をどう育てるかということも含めて、融資とか税制の措置をしっかりとやっていくことが望ましいと思っておりますので、この点についても積極的な対応をよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
#224
○市田忠義君 日本共産党の市田です。
 今日は、自動車排ガス対策と被害者の救済についてお聞きしたいと思います。
 私は、二〇〇四年十一月の当委員会で、いわゆる未認定患者についての実態調査を直ちにやるように求めましたが、その後、未認定患者の生活実態を把握されているでしょうか。
#225
○政府参考人(上田博三君) お答えします。
 公健法による認定患者以外の方々、すなわち、言うならばぜんそくにかかっている方全般の生活の実態については、環境省としては把握をしておりません。
 なお、昭和六十三年の第一種地域の指定解除以降は公健法による患者の認定は行っておりませんが、大気汚染の影響による健康被害を予防する観点から、旧第一種地域を中心に健康被害予防事業を実施しているところでございます。
 具体的には、発症の予防、健康回復を図る事業として、ぜんそく等に関する健康相談、健康診査及び機能訓練、また医療機器等の施設整備などを実施しているところでございまして、これらを通じてぜんそく等の健康被害の予防に努めていっているところでございます。
#226
○市田忠義君 東京経済大学の研究者たちが独自の調査を行った結果を発表していますが、未認定患者の一回当たりの通院で、病院と薬局の自己負担で平均五千五百四十五円、月平均三・一六回通うそうですけれども、一万七千五百二十二円の自己負担になる。ほとんどの患者が年収三百万円未満の家計収入で、医療費負担は相当な生活の重荷になっていると報告されています。
 このように、未認定患者が労働能力の低下、喪失などの公害病の影響で収入低下がある場合は、特に医療費の自己負担が家計を圧迫するために受診抑制が起こります。いわゆる通院や入院を抑制すると。その結果として、病状の悪化や不安定化などの悪循環を招いているということがこの調査の中からも明らかなんです。こういう生活実態に対して、大臣はどのように認識されているでしょうか。
#227
○国務大臣(若林正俊君) そういう疾病に伴いまして、十分な雇用に応じて勤労所得が得られないというような方々につきまして、基本的には医療保険の制度の下においてまずは対処していく、そういう方法を第一義的にしていかなければならないことだと考えております。
 その疾病について、その原因者が、あるいは原因者と思われるような場合には、その原因者の原因者負担ということを更に追求、検討をしていくべきだと、こんなふうに思っております。
#228
○市田忠義君 未認定患者のこういう深刻な生活実態の下で、例えば川崎市が医療費助成制度を一月からスタートさせましたが、どんな助成制度になっているでしょうか、環境省。
   〔委員長退席、理事福山哲郎君着席〕
#229
○政府参考人(上田博三君) 川崎市は従来から医療費助成制度を持っておりますが、新たに平成十九年一月に川崎市において施行されました医療費助成制度でございますが、これは川崎市成人ぜん息患者医療費助成条例に基づくものでございまして、アレルギー対策として健康の回復及び福祉の増進を図るために制定されたものでございます。
 その内容でございますが、まず一つ目は、川崎市全域を対象地域としております。二番目としまして、気管支ぜんそくを患う満二十歳以上の方を対象にしております。三番目に、気管支ぜんそくの治療にかかわる保険医療における医療費自己負担額の三分の二を川崎市が助成するものであると聞いております。
#230
○市田忠義君 今お話がありましたように、川崎市の医療費助成制度の内容は、全市域を対象とした成人気管支ぜんそく患者の医療費助成となっておるというところに特徴があります。
 現行の要綱ですと八百三十七人、四千四百万円なんですが、新制度で約二千三百人、七千九百万円です。この制度は、従来からのいわゆる工場近接の大気汚染地域以外に被害救済の枠を広げるということになっているという点で大変重要な意義を持っている。事実上、自動車排ガス公害の被害に対する救済になっているという点が大変重要だと思うんですが、環境省も同じ認識でしょうか。
#231
○政府参考人(上田博三君) 先ほど申し上げましたように、川崎市では従前より助成制度を持っておりまして、一つは……
#232
○市田忠義君 枠を広げたことが意味を持っているかだけでいいんです。
#233
○政府参考人(上田博三君) 今回の制度は、その要綱にも条例にも見られますように、アレルギー対策として健康の回復及び福祉の増進を図るために制定されたものということでございまして、必ずしも大気汚染とかそういうことのみで規定されたものではなくて、アレルギー対策というものが主眼にあるというふうに理解をしております。
   〔理事福山哲郎君退席、委員長着席〕
#234
○市田忠義君 できるだけ因果関係がないように、必ずしも大気汚染ではないんだと、一般的なアレルギーだと、そういう患者に対する対応だということをおっしゃりたいんだと思うんですが。
 この川崎での前進が東京都に大変な衝撃を与えて、患者や住民の運動もありました。東京都も医療費助成制度の創設を提起するようになりましたが、その助成制度の内容を御存じだったら簡潔にお答えください。
#235
○政府参考人(上田博三君) 昨年十一月二十八日に東京都が「東京大気汚染公害訴訟の解決に向けた都の提案について」という資料を発表しておりますが、その中で医療費助成制度が提案をされております。
 その内容でございますが、都内全域を対象地域とすること、気管支ぜんそくにかかっている十八歳以上の者について医療費の本人自己負担分の全額を助成するというものと承知をしております。
#236
○市田忠義君 大事な点をちょっと落としておられますので紹介しますと、年間四十億円の助成総額のうち、国と都が三分の一を負担し、残りの六分の一ずつを首都高速道路公団と自動車メーカー七社が負担すると、こういう制度の提案であります。
 現行の条例による十八歳未満の助成は約四万六千人です。現状では気管支ぜんそくのみを対象疾病に挙げていて、肺気腫など一定数の原告患者が救済から漏れ落ちるという不十分さがありますが、しかし自動車排気ガスによる汚染者負担の原則に基づいて助成制度に財源の負担が示されたということの持っている意味は大変重要だと思うんですけれども、大臣はどう認識されているでしょう。
#237
○国務大臣(若林正俊君) 東京都の方が新たな対策として提案をしている制度は、いわゆる都民の健康を増進させると、都民の健康を回復させるというそういう視点から東京都が提起されているものと承知いたしておりまして、その中で、そういう意味では、お話ございましたように、東京都が三分の一、国が三分の一というような形で負担を求められているわけでございますけれども、これはおよそ排気ガスと無関係な、例えば島嶼部におきます地域でのぜんそく患者、あるいはかなり過疎地域におけるぜんそく患者に対しても適用されるという意味で、東京都が都民の健康管理という観点からおやりになることについては国がとかくそのことに評価をすることではございませんが、いわゆる排気ガスを起因とします汚染による対策という位置付けをするのであるならば、国としてはそのような東京都の御提案に乗るわけにはまいらないという姿勢でございます。
#238
○市田忠義君 国の責任をお認めになりたくないようですけれども、判決では国と都の責任が断罪をされて、東京都は医療費助成制度の財源負担をしようとしていると。それだけじゃないんです。自動車メーカー七社も原告団との確認書に基づいて参加協議に入っていると。助成制度への参加を拒否しているのは国だけなんです。
 PM二・五や流入規制、あるいはロードプライシングといって都心に乗り入れる車両に通行料を課すというふうな道路公害対策、これは当然必要だと思うんですけれども、本当にそれだけで東京高裁のいわゆる解決勧告が求めているような抜本的最終的解決になるのかと。その点、いかがでしょう。
#239
○国務大臣(若林正俊君) この事案につきましては、現在、東京高裁の方で和解の可能性を求めるという意味合いで関係者と原告との間の和解の協議を進めているところでございまして、今委員がお話ございましたように、自動車メーカーなどについては一部解決金なども含みます措置について検討しているということを報道などで承知いたしておりますけれども、国の姿勢としては、先ほど申し上げましたように、因果関係が明確でないものについて国の責任としての措置をするということは考えにくいという姿勢でございまして、国として何ができるか、そういう観点で、公害防止対策の点で今原告との話合いを進めているところでございまして、原告の要望あるいは裁判所の意向も踏まえながらこの本訴訟の解決に向けて今最大限努力をしているところでございますが、直接東京都が提案する形での医療費助成制度については、国としては対応することは困難だという姿勢でございます。
#240
○市田忠義君 これまで謝罪や損害賠償には応じられないと、そう言ってきたトヨタや日産も解決金の支払に前向きの姿勢を示しています。
 これは一月十八日付けの読売新聞ですが、「枕を抱え、畳をかきむしりながら、ひたすら発作が治まるのを待つ。患者の苦しみは今も続いている。国は「因果関係は不明」と主張する前に、被害の実態から目を背けず、二十年近く放置してきた責任を認めるべきだ。」と、こういう新聞の報道もあります。
 先ほども言ったように、助成制度への参加を拒否しているのは国だけです。原告患者は謝罪と補償を求めていますが、今求められているのは、現実に苦しんでいる原告患者に対する直接的な救済なんですね。根本的には謝罪と補償なんだけれども、そこに行くまでに、今一番苦しんでいる、そういう原告患者に対する直接的な救済だと。そういう原告患者の願いにどうして国がこたえられないのか。もう一度お答え願います。
#241
○国務大臣(若林正俊君) 今、原告側から要求されていますのは、一時金あるいは謝罪というようなことだと承知をいたしておりますが、過去の大気汚染公害訴訟においても、いずれも一時金の支払等は行わず、環境対策を推進していくということで和解を取り結んできているところでございまして、本件につきましても過去の公害訴訟におきます対応を踏まえまして、一時金の支払等は行わずに環境対策を検討するということで解決点を探ってまいりたいと考えております。
#242
○市田忠義君 東京高裁の解決勧告のポイントは何だとお考えですか、大臣。一番の中心点は。
#243
○国務大臣(若林正俊君) 一つは、東京都の方がこの解決のために提案をしているその医療費制度について、国もそれに同じような形で対応する可能性がないかと、こういうことが一つだと思いますが、ほかには、今議論になっております、その解決を、長い期間のこれ紛争でございまして、そのために、解決のために一時金を拠出、一時金を支払う、あるいは謝罪、これについての謝罪をするということに掛かっているというふうに思っております。
#244
○市田忠義君 私、全然理解が間違っておると思うんですよ。
 東京高裁の去年の九月二十八日の結審に当たって次のような解決勧告を行った。少し紹介しますと、本件は第一審提訴以来既に相当期間が経過し、訴訟の当事者の数も多く、亡くなられた方も多い。裁判記録が十万ページに上ることに示されているように、事案の内容が極めて複雑であり、事実認定、因果関係など争点が多岐にわたる。恐らく、判決のみでは解決できない種々の問題を含んでいる。裁判所としては、できる限り早く抜本的、最終的な解決を図りたい。判決書き作業と並行して、和解の可能性と条件、内容について関係者からじかに御意見をお聞きしたい。解決ができるとすればそれに過ぎたるものはない。関係者が英知を集めてこの趣旨を理解して御協力していただきたいと。
 すなわち、この解決勧告が画期的な点は、公害被害者の救済制度を実現していくことが本判決の解決のための枠組みとして不可欠なことを裁判所が十分理解した上で、次が大事だと思う、あくまで被害者を救済していくことで最終的な解決を図る必要があると、そういうことを裁判所が呼び掛けたことにこの解決勧告の画期的な意義があるわけです。
 すなわち、公害未認定患者というのは、一時金をもらっても死ぬまで医療費負担が続く限り実質的な救済にはならないわけですね。最低限、将来にわたる医療費の全面救済が解決のための不可欠なものであって、その実現こそが患者の最大の願いだと、またそれがこの裁判の最大のハードルだったと。行政による制度的救済という裁判所にとっては極めて困難な課題、すなわち判決のみでは解決できない種々の問題に正面から立ち向かわせることができたのは、患者原告の必死の訴えが裁判官たちの心をつかんだからだというのがこの解決勧告の一番大事なポイントだというふうに私思うんですね。そこのポイントをよく私は大臣、しっかり受け止めて、この解決のための協議に臨んでいただきたいと。
 例えば、未認定原告の小柳晴子さんという方は、法廷陳述でこのように述べておられます。私は体が丈夫で、元気が取り柄で、運動大好きな人間でして、背筋力も筋力も呼吸量も肺活量も男性並みと言われていた。私はぜんそく発作になってこの十年来、獣はあおむけには寝られないですけども、私も獣と同じようにあおむけに寝たことは一日としてありません。横になって寝るか、発作のうんと強いときはもちろん横にもなれない。この十年、横にしか、動物と同じようにしか寝られない自分の姿が本当に悔しくてなりません。それに、私たちは救済されない人間ですので、これから先どんな病状に進むか考えると恐ろしいんですけれども、やはり医療を続けていかなければ私たちの呼吸は確保されないんです。そのためにこれからの医療費が莫大に掛かっていくと思うんですけれども、生活の問題を考えますとこの先真っ暗です。是非救済をしていただきたい、そのような制度を是非つくっていただきたい、こう訴えておられます。
 この現実の苦しみを辛抱しなさいというのか、この声に大臣どうこたえるのか、はっきり述べてください。
#245
○国務大臣(若林正俊君) 本訴訟をいたずらに長引かせるべきじゃないという思いは共有をいたしておりまして、東京高裁からの和解の道を探りたいというその意向に国としても沿いながら、原告との話合いをしているところであります。
 原告側との間で具体的にどのような話合いをしているかというのはただいま協議中でございますので明らかにできませんけれども、国として本訴訟の解決に向けて、原告の方々の意見をよく更に聞きながら、できるだけ幅広く誠意を持って検討したいと、このように考えております。
#246
○市田忠義君 原告や患者の悲痛な叫びにしっかりこたえて、正面から受け止めて、前向きな対応を是非やっていただきたいというふうに思います。
 もう時間がありませんが、ディーゼル車は七〇年代後半から八〇年代前半にかけて急増する中で、NOxとPMの規制は何年から始まったんでしょうか。
#247
○政府参考人(竹本和彦君) 自動車からの排出ガス規制でございますが、昭和四十年代の終わりごろから本格的に実施をされて、その後累次にわたりまして強化されてきております。
 具体的に申し上げますと、ディーゼル重量車、具体的には総重量三・五トンを超える車両についてでございますが、NOx、窒素酸化物につきましては昭和四十八年、規制が導入されたところでございます。粒子状物質、PMにつきましては、その主な成分でございます黒鉛の規制、これは昭和四十七年から導入してきておりますが、現在の測定方法によります粒子状物質、重量による規制につきましては平成六年からの実施でございます。
#248
○市田忠義君 今答弁があったように、NOx規制は一九七四年から始まるわけですが、PM規制はごく最近、九三年、九四年規制まで事実上の無規制状態だったと。これは私、国の責任大変重いというふうに思うんです。
 NOxと同時に粒子状物質が早急に対策を図らねばならない汚染物質だったと、そういう認識はあったんですね。それとも、そういう認識は全くなかったんですか。
#249
○政府参考人(竹本和彦君) 環境基準が定められておりまして、この達成、維持に向けて努力をすべきという点について政府の共通認識でございます。また、ディーゼル車については、先ほども申し上げましたが、黒鉛の規制という形でやってまいりました。
 平成一年、一九八九年に至りまして、WHOからの科学的な知見の集約も踏まえまして、当時は、中央公害対策審議会の方に諮問をいたしまして、議論をした結果を踏まえましてこの粒子状物質の規制に至った次第でございます。
#250
○市田忠義君 もう時間が来ましたから終わりますが、日本の排ガスのPM規制というのは大体アメリカから十年以上も決定的な立ち遅れ、日本の環境行政の大きな汚点というふうに言われています。そういうPM規制の遅れによるディーゼル車の野放し状態、それによる健康被害の増悪、正に私は国と自動車メーカーの責任だと思うんです。
 既に東京地裁判決では国の加害責任が断罪されています。国が原告との和解協議に臨むなら、やっぱり原告患者に謝罪して補償の協議に応ずると。当面、未認定患者の生活実態を見て、医療費助成制度に参加することが私は解決責任を果たしていくことになると。道路公害対策だけで対応するんじゃなくて、きちんと真正面から原告患者の声に立ち向かうことを強く要望して、終わります。
#251
○荒井広幸君 大臣、皆様、遅くまで御苦労さまでございます。私で最後でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 午前中の大臣所信につきましては、私は、言ってみれば二十一世紀環境立国戦略というのは地球温暖化というものに、もちろんそのほかの環境分野等すべて関連があるわけですが、思い切って地球温暖化対策に特化する、そうしたまあ言ってみれば安倍戦略は地球温暖化世界戦略であろうと。同時に、いろんな見直しを進めているわけですから、そういったものが十分機能すればいいわけですから、特化してこれらを、しかも非常に、今年、来年と、サミット、来年は日本ですし、非常にいい時期にあると。ここで日本の国柄といいますか、日本の考え、哲学、そして行動プログラムとその裏付けとなります資金や技術一式、過去の反省、こういったものを我々は持ち合わせているわけですから、国際社会に明確に提示する最大のチャンスだと思うんです。
 先ほどの外務省からのお話でも、国連安保理、全く世界の危機、こういったもの、重要なものを議論する。ところが、ほとんどこの環境を含め地球温暖化議論したということは外務省では承知していないということでございますが、緒方貞子さんのお言葉をおかりいたしますと、これは今回の中環審に意見をされている中の引用でございますが、気候変動による地球温暖化、気象災害の拡大といった負の影響は人類の生存や社会に対する脅威であり、正に人間の生活を守る、そういう意味で人間の安全保障の問題であると、こう言われております。
 そうした本当に生存の危機というものが議論されていないということは本当に残念ですが、大臣、我が国だからこそできるんじゃないでしょうか。そういったことが結果として日本の信頼を高め、常任理事国の一員になることも可能だろうと、このように思います。特に開発途上国に対しての我が国の役割と実行すること、これは非常に大切だと思うんです。
 そこで、外務省にお尋ねいたします。先ほど最後のところでお聞かせいただきましたが、地球温暖化分野ですね、このODAは二〇〇三年の千八百六十六億円をピークに減少して、二〇〇五年には九百三十七億円となっています。先ほどの説明です。逆にODA総額は一兆二百九十二億円から一兆四千四百七十四億円に増えているわけです。その理由はどこにあるのでしょうか。
#252
○政府参考人(杉田伸樹君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、地球温暖化対策への二国間援助につきましては、二〇〇五年には九百三十七億円というふうになっているということでございます。
 ODAの案件形成というのは、被援助国と政策対話を行ったり、あるいはその相手国の、そういう中で相手国の開発ニーズあるいは経済社会状況の変化等を踏まえて検討するということでございますので、ある意味で年により金額には変動が生じると、こういうようなことではないかなと思います。
#253
○荒井広幸君 では、今年の地球温暖化対策分野のODA総額及びODAの全体額をお示しください。
#254
○政府参考人(杉田伸樹君) 本年度のODAの一般会計予算額でございますけれども、これは七千五百九十七億円というふうになっております。
 地球温暖化対策分野の二国間援助実績につきましては、現在集計中でございます。
#255
○荒井広幸君 私は、相手国との政策協議や相手国のニーズ、これを非常に重要視することは重要なんだと思いますが、先ほど、JICAの緒方理事長が中環審に対して今度のいわゆる立国戦略を作るに当たっての意見を求められた際に行っている理由の中では、やっぱり経済優先、成長優先しがちなんだと、だから、日本がそういうところに対して、環境に対して配慮をしていくということは必要なんだと、協議していく、伝えていく、それが重要だと言っているんですね。
 ですから、そういう意味においては、我々の、先ほど来からも議論がありましたけれども、例えば、この水俣の問題は五十年たっているわけです。アスベストの問題も、これもまたある。そしてまた、高度成長による様々な負の遺産を我々はしょってきたわけです。そういったものを、今世界の開発途上国、特にそういう国々は、経済成長による分配でお互いが成長し豊かになっていこうと、こういう、やっぱり我々が今求めていると同じことをやっているんです。過去に求めたこともまたやっているんです。その結果、我々は大変なひずみを生んだこと、この経験をODAで生かそうとしなければならないわけでしょう。そういう観点に立ちますと、私は非常に不満に思っているんです。
 そこで、ODA全体に関して、これまでの反省に立った新たな取組というのは今年の予算の中に何か外務省、盛り込んでいるんでしょうか。
#256
○政府参考人(杉田伸樹君) お答え申し上げます。
 ODA全体の予算の特徴ということでございますけれども、まず、骨太方針二〇〇六で、今後五年間の歳出改革でODAがマイナス四からマイナス二というふうに決定されているということで、歳出改革の初年度に当たります来年度のODAの当初予算については、政府全体でも七千二百九十三億円、外務省の予算については四千五百四十四億円ということで、それぞれマイナス四%という一番厳しい削減幅ということになります。
 その一方で、骨太方針の二〇〇六にも記載されたとおり、五か年間で百億ドルの事業量積み増しといった国際公約を確実に達成するということで、我が国が二〇〇八年に開催するG8サミットあるいはTICADW、これは第四回アフリカ開発会議でございますけれども、これに向けて我が国の指導力の土台というものであるODAの実績を少しでも積み増す観点から、外務省としても、厳しい財政事情の中にあって可能な限りめり張りを付けて必要な事業量を確保するようにしたいと、こういうふうに考えています。
#257
○荒井広幸君 具体的には、時間がありますから、また、時間がないので、後にさせてください。
#258
○政府参考人(杉田伸樹君) はい。
#259
○荒井広幸君 項目を挙げていただくようになると、また時間が足りませんので。
 問題はやはり、せっかく大臣がいらっしゃいますけれども、大臣が午前中の答弁でも、今度のサミット、そして来年のサミットに向けても日本の考え方をその立国戦略で、安倍戦略の中で方向性を示していきたい、ポスト議定書についてもというようなことを、こう言われているわけなんですね。その方向性がやっぱり非常に重要であって、その方向性の中で予算の裏付けや技術や意識や過去の経験や様々なものがかみ合って、世界に本当に喜ばれ、特に発展途上国に喜ばれる、お互いがウイン・ウインになるわけです。
 こういった地球環境問題というものを総合的に考えていったときに、私はやはり経済社会、そこに環境というものをワンパッケージにした支援の在り方というふうなことをしませんと、もちろんお金を貸すときには国際協力銀行もある一定基準の環境対策をしなければ、排出対策も含めてそういうものをやらないと融資しませんよということはありますよ。ありますが、例えば経済成長、産業というものを優先しがちなところ、そこに対してこうした環境に対して抱き合わせの方策を取っていかないと、いわゆるポリシーミックスですね、そういうものをやらないと、我が国の反省、これが生きてこないんだと、だからどうだろうと、こういう進み方ということをやっぱり高らかに訴える必要があろうと、このように思います。
 もう一つは、ODAに対して、やっぱり今までの既存の枠組みのODAというのではなかなかこれも対処できないんじゃないかと。その財源の問題は後ほど財務省にその財源の構成によってお話を聞かせていただきますが、そういった問題点持っていますね。従来のODAの枠組みだけでできるのか。本当に今、本当に赤字財政で、これを立て直すためにどこからそれじゃ捻出する裏付けとしての予算があるんだと、財投というのをどう考えるんだと、こういうものと並行してやるのがやっぱり京都メカニズムなんです。京都メカニズムをどのように使うかということは非常に重要なところに来ている。
 そこで、お尋ねをいたしますが、CDMですね、特に。この部分のODAの活用については、昨年の地球温暖化対策の推進法案の改正で、この委員会で附帯決議において、京都議定書に基づく国際的な決定により禁止されているODAの流用との疑念を招くことのないよう、基本的な考え方を明確にし、適切な運用を徹底するよううたっていますけれども、環境省として今までの検討状況はどういうことになりますでしょう。
#260
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘のとおり、CDM事業に関しましては、公的資金供与がODAの流用となってはならないということが、COPMOP1、国連の国際会議において二〇〇五年に採択されたところでございます。私ども、こういった国際ルールに従って対応していく必要があるということでございまして、被援助国の同意を前提としてODAの有効な活用を進めることとしております。
 CDMプロジェクトを政府として承認するに当たりましては、プロジェクトの資金に公的資金が含まれている場合にはODAの流用となっていないことを確認するということでございますので、相手国の承認を得るといったことをしながら、それを確認をしたいと思っております。
 なお、CDMとして最終的にカウントされるためには、国連CDM理事会に登録をされる必要がございます。
#261
○荒井広幸君 そうしますと、相手国の理解とCDM理事会ですね、この理事会等の対応というのが、チェックというのが重要なわけですが。
 私は、やはり午前中の会議でも委員の先生方からもいろいろと御意見がありましたけど、私は、やっぱり方向としては国内の産業界にもきちんと割当てをしていくという方向になってくるし、それがいいんじゃないかと。そしてさらに、CDMへのODAの活用、こういったことも進めていかないとなかなか実効性が上がらないのではないかと。もちろん途上国としては複数のプロジェクトなどで来ていただいた方がいいので、ODAはこっち、CDMへのプロジェクトはこっちと、こういうふうになりがちですけれど、果たしてそれでうまくいくのかという疑念もあるので、CDMへの活用を進めていくべきと考えていますが、どうでしょう。
#262
○政府参考人(南川秀樹君) 国際ルールにのっとって、ODAも含めてCDMの適切な活用を進めてまいりたいと考えております。
#263
○荒井広幸君 国際、すべての国々が理解できるような形で活用していくと、実効性があるように、効果が上がるようにするという一工夫を求めたいと思います。
 それから、そうなりますと、ODAという予算の中でやはり一番変化が大きくなりますのは、二〇〇八年をもって中国に対していわゆる円借款が新規はストップになると、こういうことでございます。そこで私は、一衣帯水という言葉は皆さんお互いにかなり日中関係で使われる言葉ですが、環境兄弟だと思うんです。もう既にその影響は申し上げるまでもありません。お互いがいわゆる利害を超えて協力し合わなければ、正に生存の危機、世界的にも危機を起こすと、こういったことでございますから、ポスト対中国のODA、これについても、またその安倍戦略を含めて語っていかなくてはならない、それは環境、この分野だというふうに思います。
 この分野につきましても、例えば、若林大臣には去年暮れには日中環境保護合同委員会の再開を御確認いただいている、また日中韓の三国環境大臣は継続して日中間が厳しいときにも進んでいただいておりますが、私はこれは思い切って、言ってみればポスト対中国ODAというのは、これは日中環境共生枠組み、勝手な私のネーミングですが、日中環境共生枠組みとして提案をいたしまして、日中双方の産学官、地方自治団体もNGOも入りまして、産学官によるハイレベルの委員会設置というものをしていく必要がある、これもまた世界レベルでは焦眉の急だと思うんです。
 大臣、いかがでございましょう。温家宝総理が来日するというのが四月です。こうした日中環境共生枠組みでハイレベルの産官学による委員会設置を、安倍総理とともに若林大臣、御提案をして、両国で協定を結ぶ、早速研究と実践に速やかに入る、いかがでございましょう。
#264
○国務大臣(若林正俊君) 大変委員御熱心に日中韓、とりわけ日中のお互いのウイン・ウインの関係をつくりながら環境問題に取り組んでいくという熱意をお話しいただきまして、その熱意においては私も共有するものでございます。
 先般、ドイツにおきまして中国の代表であります解副主任とバイの会談もいたしましたし、またその会合の中においてもお話合いをしたところでございますが、かつて高度成長に突っ走った結果として起こってきました排水あるいは大気をめぐります汚染、公害問題、こういう日本の歩んだ非常に不幸な、そして苦痛に満ちた道筋は、中国においてこれを同じことを、同じ轍を踏まないようにしてもらいたいというお話をしておりますが、中国側もそのことを十分学習をした上で適切に対応をしていきたいと、こういう見解でございます。
 日中の環境問題は、大気汚染から、あるいは水の汚染、酸性雨の問題など幅広いわけでございます。それら環境全体にわたりまして日中間でより強い協力関係を打ち立てるということはお互いに望んでいることでございます。今度、温家宝首相が訪日されます機会にも、多分、幾つかの課題の中にこの環境問題にお互いどのような協力をしていくかということも大きな課題として取り上げていかれることと思います。そういう機会にお互いがその持てる知見を出し合って、知恵を出し合って解決する、その解決の方法は委員がおっしゃるようなそういう方法がいいのかどうか、これは相手国の意向も、中国の意向も十分確かめた上で対応していかなきゃいけませんが、委員会としては既にもう日中韓の委員会、その事務レベルの協議機関も設けて取り組んでいるところでございます。委員のそういう御指摘も踏まえまして検討をしていきたいと思います。
#265
○荒井広幸君 是非とも御検討お願いいたします。
 そうなりますと、裏付けとなるお金が必要になります。今日は財務省の方に二つ連続で質問させていただきますが、そうした円借款における、ODA円借款における財投の金額はどれぐらいでしょう、全体に占める。
 そして、もう一つ、その財政に占める財投の金というものが、実は、財投の金含めまして、ここ十五年から二十年は百兆以上の借換え含めまして国債で調達しなくちゃならないわけですね、当然。こういうものになってきますと、郵貯、簡保、年金資金が自由な運用ができるようになれば、どんどん景気が良くなって、民間で運用した方がいい、市場で運用した方がいいとなったときだれが国債を買うか、そして国債を買わなければ結局財投資金にも回らない、さてどうなるものかなと、こういう心配をいたしております。
 この二点について、ODAの財投資金は幾らで、そして、これからどんどんその財投も含めて国債で調達すると、こういうことになったときにどうやって安定的に消化するのか、二点連続でお願いいたします。
#266
○委員長(大石正光君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
#267
○政府参考人(玉木林太郎君) 平成十七年度実績の数字をまず申し上げます。
 十七年度円借款の事業規模六千五百七十七億円のうち財投資金は三千四百三十八億円、約半分を占めております。
#268
○政府参考人(中村明雄君) 先生おっしゃいますように、借換債を含めて今後とも国債の大量発行が見込まれる中で、着実かつ円滑な国債の消化及び中期、長期的な調達コストの抑制に細心の注意を払ってまいりたいと思っております。
 そのためにまず重要なことは、財政健全化の推進により国債に対する信認を確保していくことであり、二〇一〇年代半ばに向け、債務残高対GDP比を安定的に引き下げることを目指し、まずは二〇一一年度までにプライマリーバランスを確実に黒字化することを目標に歳出歳入一体改革に取り組み……
#269
○委員長(大石正光君) 時間が過ぎていますので、簡潔に終わらせてください。
#270
○政府参考人(中村明雄君) はい。
 その上で、市場との対話を重視しつつ、市場のニーズ、動向等を十分踏まえた国債発行等、国債管理政策の適切な運営をしてまいりたいと思っております。
#271
○荒井広幸君 時間が委員長からないということでございますので、また次の機会に引き続きさせていただきます。
#272
○委員長(大石正光君) 以上をもちまして、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#273
○委員長(大石正光君) 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト