くにさくロゴ
2007/04/17 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 環境委員会 第4号
姉妹サイト
 
2007/04/17 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 環境委員会 第4号

#1
第166回国会 環境委員会 第4号
平成十九年四月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     岸  信夫君     真鍋 賢二君
     野村 哲郎君     矢野 哲朗君
     鰐淵 洋子君     荒木 清寛君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     平田 健二君     富岡由紀夫君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     西田 吉宏君     木村  仁君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大石 正光君
    理 事
                大野つや子君
                橋本 聖子君
                福山 哲郎君
                加藤 修一君
    委 員
                愛知 治郎君
                木村  仁君
                真鍋 賢二君
                矢野 哲朗君
                岡崎トミ子君
                小林  元君
                富岡由紀夫君
                山根 隆治君
                荒木 清寛君
                草川 昭三君
                市田 忠義君
                田村 秀昭君
   国務大臣
       環境大臣     若林 正俊君
   副大臣
       環境副大臣    土屋 品子君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  北川 知克君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渋川 文隆君
   政府参考人
       総務大臣官房総
       括審議官     久保 信保君
       総務大臣官房審
       議官       榮畑  潤君
       総務大臣官房審
       議官       岡崎 浩巳君
       厚生労働大臣官
       房審議官     宮坂  亘君
       厚生労働大臣官
       房審議官     白石 順一君
       水産庁増殖推進
       部長       重  義行君
       経済産業大臣官
       房審議官     伊藤  元君
       国土交通大臣官
       房総合観光政策
       審議官      柴田 耕介君
       環境大臣官房審
       議官       寺田 達志君
       環境省自然環境
       局長       冨岡  悟君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○温泉法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(大石正光君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、鰐淵洋子君、岸信夫君、野村哲郎君及び平田健二君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君、真鍋賢二君、矢野哲朗君及び富岡由紀夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大石正光君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 温泉法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務大臣官房総括審議官久保信保君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大石正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(大石正光君) 温泉法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○愛知治郎君 おはようございます。自民党の愛知治郎でございます。
 本日は温泉法の一部を改正する法律案について、私自身もそうですし全国的にもそうなんですが、私の地元、宮城県でもいろいろ懸念されている事態がございますので、それに関連して質問をさせていただきたいと思います。
 まず、その前にではありますけれども、実はラムサール条約というのがございまして、そのラムサール条約の湿地、保護すべき湿地ということで日本全国各地が登録されておるんですが、私の地元であります宮城県におきましても、本日お集まりいただいている、参加している委員の皆様方、委員長始め、これは与野党を問わず多くの方々に御理解と御協力いただきまして、一昨年でありますが、私の地元、宮城県の蕪栗沼周辺、蕪栗沼とその周辺の水田がこのラムサール条約の登録地に指定をされました。改めてこういった問題、しっかりと多くの方々に協力をいただきましたことを感謝を申し上げる次第でございます。
 また、それに先立ちまして昭和六十年には、その先駆けというか、随分早い時期に登録をされたんですが、宮城県の伊豆沼・内沼というところがこのラムサール条約の湿地に登録をされました。そして、その地元では、自治体や地域の関係者の方々が一体となって、この伊豆沼・内沼及び蕪栗沼・周辺水田をしっかり守っていこうと、世界に誇り得る貴重な自然資産として後世に継承すべく保全対策に取り組んでおるところでございます。
 ただ、そうした中で、この伊豆沼湖畔において、やはり地元の産業の活性化、観光資源をしっかりつくっていかなければならないということで温泉の開発計画が持ち上がりまして、またその中でこの環境保全ということを考えたときに、温泉の排水が伊豆沼に影響が出るんじゃないか、与えてしまうんじゃないかという懸念がなされてきました。そして、いろんな様々議論がある中に、結局、宮城県は昨年の三月にこの温泉の掘削を許可をいたしました。宮城県としてみれば、この伊豆沼の環境を心配する地元の声を聞いて対応に苦慮はしていたんですが、温泉法に言う公益侵害には該当しないとして、この掘削の許可を与えたという経緯がございます。
 ここで環境省に確認をしたかったんですが、温泉法における掘削等の不許可の基準となる公益を害する場合というのは一体どのようなことを想定しているのか、例えば温泉利用開始後の環境への影響まで含むものなのか、この点について確認をしたいというふうに思います。
#7
○政府参考人(冨岡悟君) お尋ねの公益を害するおそれといたしましては、温泉の掘削工事やポンプでのくみ上げによりまして、がけ崩れ等の災害の誘発、有毒ガスの噴出による被害、周辺の自然環境への悪影響などを生ずるおそれがある場合、こういったものを想定しております。
 温泉の利用開始後に生ずる環境への影響につきましても、温泉の掘削工事やポンプでのくみ上げとの関係が直接又は密接不可分のものであれば該当し得るものと解されます。
#8
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 該当し得るということでありましたけれども、ここが結構地元でも苦慮しているところでありまして、どういった状況のときに該当するのか否か、それを判断するのが非常に難しいということでありますので、後ほどまた質問させていただきたいと思います。
 今回の改正案ですけれども、今回の改正案におきましては、この温泉の掘削や動力の装置等の許可の際、条件を付する、付けることができるとしておりますが、その条件、その中身についてお伺いをしたいと思います。
#9
○副大臣(土屋品子君) 近年、温泉の利用が本当に拡大を続けておりますけれども、その中で、自噴している温泉の湧出量の総量がだんだん減少傾向にあるという状況にあります。それと、一部の温泉地においては、新聞等でも記事になっておりますけれども、温泉の枯渇と見られる現象が発生してきておりまして、温泉資源の枯渇が非常に懸念される状況にあるわけでございます。その中で、温泉の採取量の上限などを温泉資源保護等のための条件として付すことができることとしたこと、これは地域の実情に応じた温泉の持続可能な利用を進めるためでございます。
#10
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 確かに、温泉資源の枯渇、これは多くのところで懸念をされていることだと思います。それについてしっかりと管理をしていく、コントロールしていくというのは大事な視点だと思いますが、ただ、私が先ほど懸念しているという問題があったんですけれども、その温泉資源の保護という視点以外にも、貴重な自然を保護するため、例えば伊豆沼の環境を守るため、そういった温泉の成分、塩分が一杯入ってあるだとか、いろんな各、人体にとって、自然環境にとって有害となり得るような成分が出てしまう、出してしまうかもしれない、影響を与えるかもしれない、その温泉水を適正に、適切に処理をするといった条件、こういったものを付けることも可能であるのでありましょうか、お伺いをいたします。
#11
○政府参考人(冨岡悟君) 温泉法は、温泉という業種に着目して規制を行う法律でございます。温泉利用に伴います環境影響の防止につきましては、一般的には水等の環境媒体に着目して業種横断的に規制を行う、他の環境法令に基づいて行うことが基本でございます。一方で、他の環境法令では防止できない環境影響が生ずるおそれがあり、その防止を図ることが公益上必要と認められる場合には温泉法に基づき条件を付すること、これが可能でございます。したがいまして、お尋ねのような多量の塩分を含んだ温泉水の処理に関する条件も、周辺の自然環境の保全が公益上必要であるならば、その公益への害を防止するために条件を付することができるものと考えます。
 なお、個別具体の事案でどのような条件を付することができるかにつきましては、都道府県において事案に応じまして適切に判断すべきものと考えております。
#12
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 個別具体的な状況で都道府県が判断することができるということだったんですけれども。
 実は、ここでお願いというか、また確認をしたいんですが、先ほど温泉利用開始後に著しい環境影響が生ずる場合、許可を取り消したりすることができるという話もございましたし、今お話しのとおりに、条件を付すときに、様々な状況を踏まえた上で条件を付すことができるという話ありましたが、実はここが一番難しい問題で、地元でも苦慮しているのはこの点なんです。いろんな条件の下で、確かに問題があるときは不許可であるとか条件を付けたりしてコントロールしなければならないということであるんですけれども、その基準がなかなか難しいんですね、判断するのが。
 現実的に今日お話ししたかったのは、確かに個別の地域によってそれは違いがあります。全く同じ条件で一律に条件を決めたところで、様々な地域によって、例えば先ほど申し上げた伊豆沼・内沼という宮城県の地域、ラムサール条約の登録地域に関しても、伊豆沼・内沼、それから蕪栗沼、それと周辺の水田、こういった条件もやっぱり個別的に違うんですね。だから、一律に決めることはできない。都道府県、自治体、その地域が判断するというのは必要だと思うんですが、実際のところは物理的にも予算的にも人員的にもそこで判断するというのはなかなか難しいというのが現状であります。だからこそしっかりある程度環境省がバックアップをしてそれをサポートしていかなければならないと思うんですが、その点についてどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。
#13
○政府参考人(冨岡悟君) 先生御指摘のように、具体的なケースに適用しましてどのように判断するかという点につきましては、なかなか専門的な知識も必要でございますし、難しい点があるものと思っております。
 そういうことで、私どもといたしましては、こういった法律改正が成立しました後にすぐに専門家から成る具体的な検討会を設置いたしまして、御指摘のような点につきましても私どもとして知見を集めまして、できるだけ都道府県の担当の皆様、それから地元の皆様が納得が得られるような客観的な基準作りに努めたいと考えております。
#14
○愛知治郎君 ありがとうございます。是非それはしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 なかなか一概にこうだと、全国一律にという基準を設定するのは難しいかもしれないですけれども、やはり地域でこういった問題が出たときにしっかりとサポートしていくということだけは是非お願いしたいというふうに思います。
 この伊豆沼・内沼に関してでありますけれども、これは本来から、昔から言われていることで、またラムサール条約登録されたときのその目的でもあったんですが、もちろん温泉開発等いろんな様々な影響というのを防止するだけではなくて、これから改めて積極的に自然の再生や修復というのも図っていかなければならないというふうに考えておりますが、実はこういった問題、どのように取り組んでいくか、また非常に難しい問題ではあるんですけれども、その自然環境の保全を今後どのように進めていくのか、今環境省が考えていることをお伺いしたいというふうに思います。
#15
○政府参考人(冨岡悟君) 御質問にありました伊豆沼・内沼、それから蕪栗沼といった湿地は、ラムサール条約に登録されている湿地等の中でもガンカモ類の越冬地として非常に重要な湖沼であると認識いたしております。
 平成十八年度より宮城県が事業主体となりまして国指定鳥獣保護区における自然再生事業に着手しておりまして、環境省は自然環境整備交付金によりましてこれを支援いたしております。この事業の目的は、伊豆沼・内沼について、農村環境や地域の人々の生活と共存しながら、マコモ、マツモといった沼を代表する豊かな水生植物群落を復元することによりまして、多様な水鳥やゼニタナゴといった淡水魚が生息していた湿地環境を再生し、これを次世代に継承することが目的でございます。
 自然再生事業の実施に当たりましては、伊豆沼・内沼流域全体の観点から環境保全対策を行うよう、地域の多様な主体が連携を図り、農業や河川の事業主体とも連携を図りまして、全体として効果的な自然再生に取り組んでいくことになっております。
 環境省といたしましては、今後この取組を積極的に支援してまいりたいと考えております。
#16
○愛知治郎君 是非よろしくお願いします。
 ただ、また懸念があるんですけれども、この伊豆沼の湖沼の水質に関してなんですけれども、いろんな生態系しっかりと守っていかなければならないということはあるんですが、水質に関しては、少なくともこの伊豆沼は全国で水質のワースト二位であります、残念ながら。この湖沼の水質改善に関してはどのようにこれから取り組んでいくのか、お考えをお伺いしたいと思います。
#17
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、伊豆沼は湖沼の水質を表す指標でありますCOD、化学的酸素要求量で見た場合に、平成十七年度において水質ワースト二位になっているということでございます。
 湖沼の水質改善につきましては、基本的には公共用水域の水質保全を目的といたしておりますところの水質汚濁防止法に基づく様々な措置ということになろうかと思います。内容的には、特定施設からの排水規制あるいは下水道事業等の生活排水対策の実施により湖沼の水質保全を図っていくということであると思っております。
#18
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 先ほど申し上げたとおりに、温泉の排水がどのような影響を与えるのか、また今おっしゃられた、御答弁いただいた法律は水質汚濁防止法ということでございましたけれども、この二つの法律、どのような関係になっているのか、どうやって水質をしっかりと保全していくのか、その点整理をしたいと思いますので、お伺いをしたいと思います。
#19
○政府参考人(寺田達志君) 先ほど申し上げましたように、水質汚濁ということについてはこの水質汚濁防止法がいわゆる一般法という位置付けになろうかと思います。その中で、先ほど自然環境局長から御答弁申し上げましたように、なかなか他の法令ではできないような事案が温泉に着目してあった場合には温泉法の適用の余地もあるということなんだろうというふうに考えております。
 また、広く湖沼一般の水質保全ということになりますと、例えば今の伊豆沼の問題でございましたら、水質汚濁防止法の体系上は伊豆沼は、例えば東京湾、伊勢湾、瀬戸内海のような広域的な閉鎖性水域とか、利根川とか淀川のような県際水域ではございませんので、県の方でどのように構想され、どうお考えになるのかというのが基本になろうかと思いますけれども、またさらに水質汚濁防止法上の特別法的な位置付けのものとして湖沼水質保全特別措置法というものがございます。
 例えば、県の方から国の関与を求めて湖沼水質保全特別措置法の適用ということをお考えになった場合には、これは湖沼水質保全特別措置法上の湖沼計画というのが国の関与の下に立てられて、伊豆沼において大きな汚濁の原因ともなっております面源負荷に対する対策なども取られるというような関係にございまして、水濁法が一般法であり、それを補足するものとして幾つかの特別法があるという関係だろうと思っております。
#20
○愛知治郎君 ありがとうございました。さすがにお詳しくて、また伊豆沼の状況も多分情報をしっかりと収集されて分析されているんだと思いますけれども。
 戻りますけれども、やはり地元でも苦慮しているいろんなことを、そういった知識的なものもまだまだ不足している部分があると思います。今の水質汚濁防止法なのか温泉法なのか、そういったすみ分けというのもちゃんと地元のそういった関係者の方々に伝えて、どういった体系になっているのかと分かりやすく説明をしていただきたい。是非よろしくお願いいたします。
 いずれにせよ、こういった自然再生の問題、重要だと考えておりますけれども、どういった取組をこれからしていかなければいけないのか、今までの継続ももちろんですけれども、やはりこれ確認をしたかったんですけれども、環境省としての取組を、考え方を大臣にお伺いしたいというふうに思います。
#21
○国務大臣(若林正俊君) 自然の再生というのは、過去に損なわれた自然環境を取り戻すというのが目的でございます。我が国の生物多様性を保全するという意味で極めて重要な事業であると、このように考えておりまして、これを積極的に進めていく必要があると認識をいたしております。
 このために、新・生物多様性国家戦略において今後展開すべき施策の大きな三つの方向の一つとして位置付けておりまして、湿原の再生など様々な自然環境を対象とした取組を推進しているところでございます。今後とも、伊豆沼・内沼を始め全国各地に自然再生の取組が必要な地域がございます。これらについて着実にこれが促進されますように、環境省としても多様な主体と連携協力し合って自然再生に関する施策を総合的に推進してまいりたいと考えております。
#22
○愛知治郎君 ありがとうございました。
 私自身、こういった問題、大臣の御答弁のとおりにしっかりと取り組んでいくという話でありましたけれども、実は更に環境政策というのはもう一つ大きな段階を迎えている、非常に重要な局面を迎えているというふうに考えております。
 申し訳ないですけれども、今回のこの温泉法のみならずちょっと大きな話で恐縮なんですけれども、大臣、副大臣、政務官にも是非お聞きいただきたい話なんですが、もちろんいい環境、すばらしい環境を守ってそして継承していこう、こういった視点、それから自然再生をしていかなくちゃいけないという視点というのは重要な視点だと思います。これは今までどおりにしっかりと取り組んでいくべき問題だと思いますが、一方で、大臣も積極的に取り組んでおられますが、地球温暖化の問題を含めて非常に深刻な問題が顕在化をしてきております。
 私自身は、国家の役割として最も重要な役割というのは、まず大前提としてやらなければいけないことに、国民の生命、財産を守っていかなければならない、いわゆる安全保障という観点、安全を保障していくという観点があるんですが、これはもちろん外交防衛上の安全保障という視点はあります。しかしながら、この環境問題に関してももはや、単にいいこと、いい環境に住みましょうのみならず、もっと深刻な段階に来ているというふうに考えております。
 私なりの言葉で恐縮でありますけれども、通常の安全保障に加えて環境安全保障という視点、しっかりと戦略的に構築をして政策として取り組んでいかなければならない国家の最重要課題の一つだというふうに考えておりますが、この点について、通告はしていなかったんですけれども、是非、大臣のお考えを聞かせていただきたいというふうに思います。
#23
○国務大臣(若林正俊君) 委員が御指摘になられましたけれども、この安全保障というのはいろいろな角度からの取上げ方があると思います。食料の安全保障とかあるいはエネルギーの安全保障といったような人間の安全保障といったようなとらえ方があると思いますが、実は今日、国連の安全保障理事会常任理事会で初めてこの気候変動を取り上げて、気候変動の安全保障とのかかわり合いというのが国連の安全保障理事会で協議されるということになったのでございます。それほど世界的にもこの気候変動、温暖化を中心とした気候変動というのがそれぞれの国家の存立にかかわってまいります。食料への影響がありますと食料資源をめぐっての紛争が出てくる、あるいは水の不足が出てきますと水資源をめぐっての国境を越えた紛争も予想される。それらがあるいは国家の境界紛争にもつながるかもしれないといったような問題意識があるやに伺っておりますけれども、幅広い角度からこの地球環境というものを安全保障という視点から取り上げていくという初めての試みではないかというふうに認識いたしております。
 我が国の場合はかなり前からこういう問題意識を持っておりまして、昨年のケニアでのCOP12の会議でも、日本として私から、気候変動の安全保障という視点からこの地球環境問題というのは取り上げていく必要があるという考え方を述べたところでございまして、世界全体がそのような方向に向かって今動きつつあるというふうに認識いたしております。
 そういう認識の下に、これからも人類の生存にかかわる基本にこの地球環境の問題があるという認識で取り組んでまいりたいと思います。
#24
○愛知治郎君 本当にありがとうございます。大変力強い、心強い答弁いただきました。
 是非、その視点をしっかり持って環境安全保障を進めていくんだと、強いリーダーシップを持って環境政策進めていただきたい。また、国際的にも、大臣、是非そういった発信をどんどんしていただいて、今アメリカのゴア元副大統領が注目はされておりますけれども、同時期にしっかりと日本でも進めてきているし、その視点は我々は持っているつもりでありますから、是非国際的な舞台で発信をしていただきたい、リーダーシップを発揮していただきたいというふうに心からお願いをしたいと思います。
 何点かまた質問あったんですけれども、もう時間が参りましたので、そろそろ終了させていただきます。
 ありがとうございました。
#25
○山根隆治君 実は私、川越の古市場というところに住んでいるんですけれども、私の家から直線で四百メートルほどのところで大深度掘削泉というのがいわゆる掘り当てられて、私も自転車ですぐ二分ぐらいで行けますので時折行かせていただいて非常に有り難いなというふうな思いを持っていたんですけれども、この温泉法を質疑させていただくということについて少し勉強させていただいたら、本当にこんなにいい思いしていいんだろうかというふうなちょっと思いがいろいろとしてまいりまして、様々な今思いが去来をするわけでありますけれども。
 大臣の先般の本法案に対する提案理由の説明聞かせていただき、そして改めて読ませていただきました。その中で、大臣の衆参両院での説明を読んで、少しお尋ねしたいことがわきました。それは、「我が国は豊富な温泉資源に恵まれていますが、その資源には限りがあるため、持続可能な利用を進める必要があります。」というところであります。何の変哲もないお言葉のようでありますけれども、この限りがあるということ、この有限性ということについての概念というのはどういうふうに受け取ったらよろしいのでしょうか。
#26
○国務大臣(若林正俊君) 御指摘ございました。元々、地球資源というのはいずれも有限のものだという認識を基本的に持っているわけでございまして、石油にしましてもあるいはガスにいたしましても、さらに言えば水資源もそうですし、さらに食料資源というのもやはり有限のものだと思います。
 この温泉資源について有限と申し上げましたのは、特定の地域について自然にわいてくるようなものから、あるいは掘削をして掘り当てて、そこからそれを湧出させるというような様々な方法があるわけですが、いずれにしても地下のマグマから出てきた温度を受けた地下水が、それを受けて、地下水がたまっているところあるいは流れているところ、それを通じてそれを人為的に吸引する、あるいは自然に出てくる、圧力で自然に出てくるというようなものですから、いずれにしても限りがあることは明らかだと考えております。
 当然、地上に降った雨などが浸透していって地下水になる。地下水になってその下から温められたものがまた温泉としてそれが利用可能であるといったような循環はあるわけですけれども、それにしても、限度を超えて掘り出してしまうとこれはやはり枯渇をしていく。あるいは、それが少なくなってきて周りから地下水がどんどん入ってくると温度が下がってきてしまうわけですね。その限りにおいて、やはり量には限りがありますから、その限度を超えて過剰にこれを利用するというようなことになると質的な変化あるいは枯渇も免れないということがあるという、そういう認識をしているわけでございまして、持続可能な利用を進めていくということがやはり温泉資源の利用には大事なんだという趣旨で申し述べたことでございます。
#27
○山根隆治君 それじゃ、大臣にとってこの地球上における無限の概念というのはどのようなものでしょうか。
#28
○国務大臣(若林正俊君) 専門家でないから分かりませんけれども、無限というのは私はないんじゃないかと、こういうふうに思っておりますけれども。空気にしましても、空気を組成している、その組成の変化が起こってくるという意味で、今あるような状況というのは無限にあるというわけではないんで、汚染されていけば空気もその機能が違ってくるという意味で、今までは空気だとか、更に言えばそのちょっと前までは水だとか、そういうのは天からもらい水で無限のような認識を持っていた時代はあったと思いますけれども、今やそれらもすべて地球を取り巻く自然環境の中で出てきた、発生してきている資源でありまして、遠く広く考えますと、それらもみんな限りがあるものと、そういう認識で大事にしていかなきゃいけないということがあると私は思っております。
#29
○山根隆治君 異論があるわけではないのですけれども、有限、無限の概念というものがかなり私はやっぱり環境行政に大きな影響を与えるということで、すべてが有限という概念を強く押し出すと、そこに様々な問題がある。
 つまり私は、私たちが無限という言葉を使っている場合の概念というのは、大気圏内における地球という一つの大きな生命体の中ではすべて、総体としてはすべての物質も目に触れる森羅万象やっぱり有限ということは言えるかと思うんです。しかし、私たちが無限ということを使う場合に、今お話、大臣ありましたように、一つの循環されている、システムとして循環されているものについては私はやはり有限ということの概念、一般の概念とやっぱりちょっと違うものがある。そこにやっぱり循環という物の考え方、見方というものを何らかの形で表現していく必要があるのではないか。つまり、有限、有限ということになると、私たちが温泉につかっていても、それは大事にするという、そういうメンタルな面での大切さというのはあるけれども、何かそこに私の心の中で、このような温泉につかっていることの、まあ罪悪感とは言いませんけれども、申し訳なさみたいなもの、そういうものを、肩身が狭くいい思いをしてしまうというふうなこともあり得なくはない。私は、そこのところで環境行政、様々な規制をどういうふうに加えていくかというふうなことばかりに走るということさえも私はその有限の概念から起こりやすいということを危惧し、問題提起する意味で有限、無限の話を今お尋ねをしたということでございます。
 それでは次に、条文のひとつ解釈についてお尋ねを少しずつしていきたいと思います。
 まず、法律案の要綱に沿ってお尋ねをさせていただきたいと思いますけれども、第二の承継規定の新設についてでございますけれども、土地の掘削等の許可を受けた者である法人又は個人について、合併、相続等の場合における地位の承継ができることとするということがわざわざ盛り込まれているわけでありますけれども、これを法文として書いているということは、今までの法律の中では様々な支障があったからこのような規定というものを新たに新設をしたということになると思うんですけれども、実際にはどのようなやっぱり支障があったのかについてお尋ねをいたしたいと思います。
#30
○政府参考人(冨岡悟君) 承継規定につきましては、会社の合併とか、それから個人の場合の相続があった場合に、事業内容に変更がないにもかかわらず申請書作成や手数料の負担を再度行わせる、こういったことに対する都道府県の担当の方からの疑問、こういったことから、手続の簡素化といった観点からの許可の承継規定を設けるべきとの意見、こういったものが寄せられておりました。このような意見を踏まえまして、許可手続を再度行うことによります事業者と都道府県の負担を軽減し、行政手続を簡素化するために今回提案しているものでございます。
#31
○山根隆治君 各都道府県からそういうようなお話があったからということの御説明でございますが、それでは、それらの事例といいましょうか、問題になった事例というのはどれぐらいあったんでしょうか。
#32
○政府参考人(冨岡悟君) 都道府県が許可しております制度でございますので、具体的な何件あったとかそういったような数については私ども把握しておりませんけれども、具体的には、法人合併の際に承継規定がなかったので手続的に時間が掛からざるを得なかったとか、それから個人の場合に、父親が亡くなった後に娘さんがその権利を承継する場合に再度の申請をしなければならなかったわけでございますが、相続を受けた際に現に泊まり客がいる、そういったことから営業に支障を来さないために継続が必要であったわけでございますが、そういったことから、県としても継続するためになかなか事務的に苦労されていたといった事案を承っております。
#33
○山根隆治君 私、質問をすればするほど私の方が何か悪いことを申し上げるみたいに思うんですけれども、これはいいことなんで、全然反対じゃないんですよ。
 ただ、県からいろいろな御意見があったからということで、それでは、パブリックコメントもやられたでしょうし、県からもいろんな意見があって、しかもわざわざこういう法律をやはり変えてでもやっていこうとすることについての根拠というのをしっかりとやはり示してもらいたいということで件数のことをやっぱりお伺いをしたわけなんですね。ですから、今ちょっと件数が把握されていないというのは意外な気がしたし、ちょっとそれはどうなのかというふうな思いがいたしますけれども、その辺のところをしっかりした情報収集なりというものを、やっぱり数字でカウントすべきものはして、わざわざ法律まで変えてまでやるわけですから、そこのところはやはりしっかり今後こうした法律を提案するときには御説明できるようにしていっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、第三の掲示項目の追加についてでありますけれども、「施設内に掲示する事項として、入浴又は飲用上必要な情報として環境省令で定めるものを追加すること。」ということでございますけれども、これはどのようなことを想定されているんでしょうか。
#34
○政府参考人(冨岡悟君) 温泉を利用される方からのニーズが多様化している、こういった状況の中で、利用する温泉の具体的でできるだけ正確な情報を得たいというニーズは増大してきているものと考えております。こういった状況に対応しましてこの法律改正案を提案しているわけでございますが、現時点では具体的に掲示項目の追加を予定しているものはございませんけれども、現行の規定では読み切れないニーズが今後発生してくるものと考えております。
 そういうことで、そういった場合に迅速かつ適切な情報提供を図ることができるよう措置するためにこの法律改正案を提案しているものでございます。
#35
○山根隆治君 審議会の答申等もありまして、専門家の御意見、答申書を私読みましたけれども、その答申書にないものもいろいろ議論の中であったと思うんですね。ですから、こういうことは考えられるという想定があるからこそ書いている。つまり、何が起きるか分からないから、一応、逃げといいましょうか、安全装置として書いたということじゃないんだろうと思うんですね。想定できるものは何ですかということをお尋ねしています。
#36
○政府参考人(冨岡悟君) 専門家の方々の議論、それから温泉をめぐりますいろんな議論の中で要望が強いと申しましょうか、そういった観点から想定できるものとしては、掘削深度、それから自噴、動力、自噴か動力でくみ上げているかどうかといった別、それから最近比較的要望がありますのは加水の程度といったもの、こういったものなどが今後議論されてくるのではないかと考えております。
#37
○山根隆治君 次に行きます。
 第六の附則でありますけど、附則の三ですが、「この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。」ということでございますが、この場合の必要な措置というのは法改正ということを想定されているんでしょうか。
#38
○政府参考人(冨岡悟君) 規制の新設に当たりまして、一定期間経過後に見直しを行うこととし、法律にその旨の条項を盛り込むことにつきましては、これは政府の方針として閣議で決定されているところでございます。今回の法改正案にあります定期的な温泉成分分析の義務付けにつきましても、これに該当しますので、五年間の運用状況を踏まえて見直しを行うこととしたものでございます。
 この規定による検討の際には、法改正が必要となるような事項も含めまして、幅広く見直しを行うこととなるものと考えております。
#39
○山根隆治君 それでは、次に質問を移らせていただきます。
 温泉の成分の分析については、源泉の表示ということをされているわけでありますけれども、これは一般の利用者にとってはなかなか実感として分かりづらい部分もあるかと思うんですね。したがって、私は浴槽のやはりお湯がどのような成分が含まれているのかということにも国民の関心は高いと思うわけでありますけれども、この浴槽のお湯でなく、源泉を分析した表示ということの義務付けということになっていることについての説明を求めたいと思います。
#40
○政府参考人(冨岡悟君) 温泉成分の掲示は、入浴者の健康保護等を目的として行うものでございますので、成分分析は温泉の利用場所において行うことを原則としております。なお、この場合の温泉の利用場所とは、入浴している状態の浴槽そのものではなく、浴槽への注ぎ口や貯水タンクを指すものでございます。
 そういうことから、掲示されている成分と実際の浴槽そのものの成分が異なるという指摘があることは承知いたしております。しかし、浴槽の成分は、入浴する方の利用状況、どれだけの人が利用されるとか、いろんなことによりまして変化する、変動するものでございます。そういうことで、浴槽の成分を安定的なものとして正確に表すものとは必ずしも言えないという面があろうかと思います。
 したがいまして、比較的変動が少ない浴槽への注ぎ口等の成分を表示し、浴槽の成分を変化させ得る行為、例えば加水とか消毒とか循環ろ過をしている、こういった旨を掲示させる。こういうことによりまして、浴槽の成分につきましても適切な情報を提供できる仕組みに今なっているものと考えております。
#41
○山根隆治君 例えば、温泉に行きますと、こういう体の病気に効くとか、効能がずっと書いてあるわけですね。この質問をするに当たって、そのこともちょっとお調べ事前にいただいておりますけれども、医療法上全くそういうことは問題ないということでありますけれども。それはあくまでも、やっぱり源泉を前提としての効能だろうと思うんですね。しかし、お湯につかる利用者にとっては、源泉ではなく浴槽の中にあるそのままの成分がどうなのかということを知りたい、あるいは効果があるかどうかということの一つの問題点も私はあると思うんですね。そこに少し違いが出てくる。
 したがって、私は、源泉の分析、そして浴槽の成分の分析というものもやっぱり表示すべきだろうと思うんですね。つまり二つ、二種類を表示するということであれば問題ないだろうと思うんです。様々な条件によって変化するということを今お話ございましたけれども、成分も変化してくるというお話ございましたけれども、ある一定の条件を設定して、利用者がまだ入らない時間帯であるとか、一定のやはり条件の中でどうだったということは、浴槽の中の成分を分析してそれを表示する、それに基づいて病気に対してのいろいろな効能がこれだけこういうものがあるということが書かれるのが私は妥当だろうと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#42
○政府参考人(冨岡悟君) 先生御指摘の二種類の表示をしてはどうかという御提案につきまして、確かにいろんなその情報提供を丁寧にするということ自体は利用者にとって好ましい状況が生じてくる、一般的にはそういうことも多いかと思われます。
 ただ、これを制度上義務付けるといった場合には、やはり浴槽で割と客観的に皆さんが御納得いただけるような基準をどうするかとか、それから実際に表示する方の状況と申しましょうか、それなりにまたいろんなコストも掛かりますし、また何ですか、その努力と申しましょうか、そういったことも必要になりますので、そういったことをいろいろ勘案して考える必要があろうかと思いますが、サービスの質の向上として、こういったできるだけ丁寧な情報提供に手掛ける、任意で手掛けるといったことについては、それはそのサービスの向上としての意味があるものと考えております。
#43
○山根隆治君 国の方針として打ち出すということよりも、それは任意にということの今お話だったと思うんですけれども、これはパブリックコメントなんかでそうした意見というのはなかったんですか。
#44
○政府参考人(冨岡悟君) パブリックコメントの中ではかなりいろんなたくさんの実は意見が寄せられておりましたが、そういった中に先生御指摘の浴槽でという御提案もございました。
 そういうことで、我々、たくさん寄せられている中でいろいろ検討した上で、また中環審の先生方の最終的な全体の方向として、現在の、先ほど申し上げましたような方式、国として義務付ける方式としてはそういった方向というふうなものが出されたものでございます。
#45
○山根隆治君 私は実は積極的な意味でちょっと御質問をイメージとしてしているんですけれども、日本で「温泉療法」という本が書かれたことがありました。これはもう四十年以上前の話なんですけれども、やはり温泉を積極的に医療ということに活用していこうという考え方がかなり学者の間でも強くなってきた時期であったわけですけれども。
 私は統合医療という問題というものに取り組んできておりますけれども、残念ながら厚生労働省の方では今年の予算というのが前年度よりもちょっと下回るぐらいの予算になってしまったということはございますけれども、私は、温泉の効用というものを少しデータを蓄積して、それを科学的に分析をして、国民に温泉と医療というもののかかわり、効能というものをやはり大きく強くPRしていくべきじゃないかと、こういうふうに実は思っているわけでございまして、漠然として例えば玉川温泉ががんにいいとかというのは、民間ではすごく広がった話でありますけれども、それやはり科学的なデータを蓄積して国民に強くアピールしていくということが非常に必要だと思うんですが、そのデータの蓄積についての御努力というのはいかがでしょうか。
#46
○政府参考人(冨岡悟君) 環境省におきましては、温泉につきましては、昔から湯治という言葉にありますように、健康に効果があるということでございまして、ただ、その効果そのものにつきましては例えば必ずしも、成分そのものから直接的にくるといったものもあると思われますけれども、そのほかに物理的に熱い熱の刺激、それから圧力の刺激、それから転地療養と申しましょうか、いい環境の下で療養することによる効果、そういったことが総合的に重なり合わせまして健康にいいのではないかと、そういうふうに一般的に考えておりますし、私どもも考えております。
 そういった中で、具体的な効能と申しましょうか適応症につきまして私ども情報を蓄積するために、温泉気候医学会という温泉療法に大変関心を持っているお医者さんを中心とする学会がございまして、そういったところに委託いたしまして、そういった内外の文献を整理してもらうとかいろんな調査をしてもらう、そのようなことを委託しておりまして、そういった結果に基づきまして必要な情報提供を行ってまいりたいと、そのように考えております。
#47
○山根隆治君 少し時間がもうなくなりまして、最後の質問になりますのでほかに移らせていただきますけれども、大臣にお尋ねをいたします。
 大深度掘削泉などの流行といいましょうか、によりまして、既存の国民保養温泉地も様々な経済的な影響も十分受けているということが予測できるわけでありますけれども、今後、この国民保養温泉地の振興策というのを私は国としてもしっかりやっぱり考えていかなくてはいけないだろうと。温泉従事者といいますか、それにより生計を立てている人の数というのは相当数に私も上るというふうに考えられるわけでございまして、特に国民保養温泉地の振興策についてどのようにこれから考えていかれるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#48
○国務大臣(若林正俊君) 古来から、温泉というのは地域の住民にとっては憩いの場であったり、あるいは治療の場であったり、それぞれの温泉の特有の評価というのが伝わってきておりまして、それに新しい温泉も加わって各地で温泉が非常に多く利用されるようになっているということだと思います。
 私は長野県なんですが、温泉地の多いところでございます。もう温泉の出ない市町村がないほど温泉が非常にありますが、その中でもやはり委員がおっしゃられました国民保養温泉といったような健全な、そして長く親しみを持たれてきた温泉地もかなりございます。
 こういう温泉地の振興というのは、やはり地域ぐるみでその信用を保持するための環境を整えていくというようなことが必要ですし、また、差別化といいますか、あの温泉とこの温泉はこういうことで違うんだという特徴を工夫しながら、リピーター、繰り返し利用できるような工夫をそれぞれが凝らしているのが実情であろうかと思います。
 そういう意味では、それぞれが持っている特色をどうしてどのような形で情報発信していくか、そういうことが非常に大事な、振興上大事なことではないかというふうに考えておりまして、環境省としては、このようなそれぞれの地域ぐるみで考えられる魅力を高めるための創意工夫について広く全国にこれを紹介をしていく、そして自然との触れ合いができるような周辺整備を図って、それらの環境とともどもにこの温泉地が健全な保養地としても評価され利用されるというふうに進めていくことが大事であり、そのような活動について支援を講じてまいりたいと、このように考えております。
#49
○山根隆治君 終わります。
#50
○富岡由紀夫君 民主党の富岡でございます。よろしくお願いします。
 今議論されておりますけれども、山根議員に続いて関連質問させていただきたいと思います。
 今回のこの法案の提案理由説明の中に、一番最初に書いてありますけれども、入浴者に対する温泉の成分等についての情報提供の充実ということが一番大きな項目として最初に述べられていらっしゃるわけでございますけれども、私もそのとおりだというふうに思っております。いろいろ昨今、偽装温泉の問題がありまして、利用者を結果としてだましてしまっているような状況というのは、これは申すまでもないんですけれども、決して望ましい状況ではございませんので、利用者にもしっかりと、何というんですか、本当に十分な情報提供を行って、納得していただいた上で温泉を利用してもらうと。入ったら実はだまされたというんじゃ非常に残念なことになりますから、そういうことのないようにすべきだというのが本来のこの大きな趣旨だというふうに理解しております。
 その流れで申しますと、一般国民が抱いている温泉のイメージというのはどういうものなのかというところをちょっとやっぱり考えておく必要があるのかなというふうに思っております。
 私は、個人的にはやっぱり温泉というのは山の中でぶつぶつぶつぶつ自噴していて、硫黄とか様々なこういう鉱物資源をたくさん含んでいて、色も少し、いろんな色がありますけれども、赤いのがあったり白いのがあったり無色透明ももちろんありますけれども、いろんなそういう成分が入っていて、いかにもそれにつかると体が非常にリフレッシュされて関節痛とかいろんな病気にも効果がある、そういうものをイメージとしては期待、私なんかはしているんですけれども、若干それとは違うような温泉も今かなり出てきているんじゃないかというふうに思っております。
 温泉の定義というのはいろいろと、この法案の中にもいろいろと盛り込まれておりますけれども、要は自噴しているものとそうじゃない動力によってくみ上げているものの比率というのを概要で、簡単で結構でございますので、今どういう状況なのか、教えていただきたいというふうに思っております。
#51
○政府参考人(冨岡悟君) 都道府県の協力を得まして集計したデータによりますと、平成十八年三月末現在で全国で二万七千八百六十六本の源泉があります。そのうち自噴しているものが八千百十五本で二九%、動力によりくみ上げているものが一万九千七百五十一本で七一%となっております。
#52
○富岡由紀夫君 続きまして、温泉法上の温泉の定義というのは、温度が二十五度以上又は様々な、いろんな鉱物資源というか物質をある一定の濃度以上含んでいる場合に温泉と言っていいよということなんですが、温度が二十五度以上というのは別としまして、特定の物質がある一定の濃度以上含まれていて、それで温泉だというふうに定義されているものの実態をちょっとお伺いしたいと思っております。
 実質的に今全体で二万七千八百件ぐらいあるというお話ですけれども、そのうち物質を一定の濃度以上、温泉の定義にあります一定の濃度以上含んでいるものの数を教えていただきたいなと思います。いろんな鉱物資源ありますけれども、そのうち一つだけをクリアしているものとか二つとか三つとか、そういう分類でもし分かれば教えていただきたいというふうに思っております。
#53
○政府参考人(冨岡悟君) 平成十六年に全国の温泉事業者を対象に環境省が実施いたしましたアンケート調査の結果によりますと、特定の成分が一定量未満で摂氏二十五度以上の温度の要件を満たす温泉の割合は三二%となっております。
 そして、もう一つのお尋ねでございました、温泉の成分の基準を満たしている温泉のうち成分が一つじゃなくていろいろと、そういったことにつきましては、実は、含有する成分を満たす温泉のうちそれが幾つの基準を満たしているかとかそういったことにつきましては、誠に申し訳ございませんが、私どもその数の把握はいたしておりませんが、ただ、例えば温泉の表示でも分かりますが、ある一つの源泉の温泉成分の中で、例えば水素イオンと鉄と二酸化炭素など複数のもので複数の泉質を持っている温泉、こういったものもあることは御案内のとおりでございます。
#54
○富岡由紀夫君 幾つずつというのが分からないということであれば、その成分の定義を一定の基準、定義でうたわれている基準を満たしている温泉の数と比率、その全体の総数でももし分かれば教えていただきたいと思います。
#55
○政府参考人(冨岡悟君) 分類ごとで申し上げますと、先ほど単純温泉ということで温度の要件を満たしているものが三二%と申し上げましたが、一般的に硫黄温泉と分類されるものが約一五%、それから塩類泉と言われるものが四八%、全体としてこのような成分の分布になっております。
#56
○富岡由紀夫君 今の硫黄温泉、塩類温泉というのは、それぞれ温泉の基準の、何というんですか、温泉の定義にある含有量の基準を満たしている数字ということですか。
#57
○政府参考人(冨岡悟君) そのとおりでございまして、温泉の成分の基準のうち硫黄の基準を満たしているものというのが一五%ということでございまして、その他の塩類の基準を満たしているものが四八%ということでございます。
#58
○富岡由紀夫君 今回の改正で、その表示がしっかりとされるようにということでうたわれているわけですけれども、ちょっと幾つかサンプリングでそれぞれの温泉の地域の成分表示の内容を見させていただいたんですが、実は、個別に名前を申し上げるとあれなんで申し上げませんけれども、かなり有名な名の知れた温泉でも、実は成分表示はしているけれども、その温泉の定義の、温度はもちろん満たしている部分がありますけれども、鉱物資源というか物質が温泉の定義で示されている基準を満たしていない温泉というのがかなりございます。ですから、濃度が一定の基準に満たないところをこれ表示しているわけでございますけれども、それというのは、ちょっと利用者に対しては誤解を招くことにつながるんじゃないかなと私は思っているんですね。
 その表示された物質が、濃度が、温泉の定義である基準を一定の濃度を超えているものは超えているとか、それは超えていないんだということが分かるようにしないと、何というんですか、表示する意味が私はないんじゃないかというふうに思うんですが、その点、大臣、もしこの考え方について何か御意見あればちょっとお伺いしたいんですが。
#59
○国務大臣(若林正俊君) この温泉成分というのは、委員御承知のとおりでございます、非常に細かく決められているんですね。硫黄などの七成分以外のものもそれぞれ、それがラドンだとかラジウムだとか、そういう言わば単純泉に分類されるような中でも、微量ではありますけれども、それが自分に効くと思っている人もおられるんですね。ラジウム温泉とかがあります。それは、いわゆるこの七成分の中に入っていない、温度が二十五度以上でラジウムとかそういうような物質が入っているものは単純泉に分類されています。でも、温泉場に行きますと、そのラジウムだとかラドンだとかというのは書いているのもあるんですね。
 やはり私は、温泉というものについては、リピーターが、すぐ即効性のあるものじゃありませんから、いろんな要素でそこが自分に合っている、自分がいいと思うような人がリピート、リピートしていくという中で、言わば、即効性ではありませんけれども、健康にもいいというふうに思っていただく。そういう意味では、やはり情報をきちっと提供していくという意味で、細かい微量な成分であっても分析した結果で出てきた成分は細かいものもできるだけお示しをして、やっぱり選択はユーザーが選択していくと。それも一度行って、ああこれだから効いたというようなお薬のようなものと違いますから、そういうものかなと思いながら、自分に合っているというような認識を持っていただく、風評が広がっていく、そんな中で温泉というのはなじみ親しまれて利用されていくのが普通一般的でありますし、またそのこと自身は健全な温泉の利用方法じゃないかなと、私はそんな認識でおりますので、役所が決めた定義上のこの分類水準を超えている、超えていないといったようなことを、これ決める、それは一義的に決まっているわけですが、それをそのように分類表示をさせろということはいかがなものかなというふうに私は考えております。
#60
○富岡由紀夫君 もちろん、ユーザーが何回も行く機会があって、これはいいからもう一回行ってみようということで何回も足を運べるようなところばかりならいいんですけれども、一回きりしか行けないような、何というんですか、遠いところとか、そんなにめったに行けないような温泉もありまして、そんな何回も何回も自分が入ってみて試してみて結果として良かったかどうかというのが分かるところはいいんですけれども、そうじゃないところもかなり一杯あると思うんで、そういうようなときはやっぱりいろいろなそういう情報を基に行かれる方もいるのかなと私は思っているんですけれども。
 ただ、その情報の、表示をしろと言っておいて、ただ、何というんですか、濃度がわずかでも含んでいればその表示にされますけれども、それを出して、この温泉はちゃんと微量ですけれども含んでいますよということをやって、それが本当に効くのか効かないのかというのが分かる利用者というのはほとんどいないんじゃないかと私は思うんですね。
 ですから、そういう指標を示す意味で、そういう、何というんですか、基準値と、それを満たしているかどうかという対比表ぐらい、出している温泉もあるんですよね、そういうのを出しているところもありますけれども、そうじゃなくて、一杯ちゃんと表示はされているけれども、これはほとんど微量で温泉の基準を満たしていないというのを堂々と掲げている。それを出されると、利用者は、ああこれはすごいんだなというふうに誤解しちゃうという、そういう私はちょっと心配があるものですから今申し上げた次第でございます。
 あと、成分表示の更新が今度十年ごとに義務付けられたということでございますけれども、この十年というのは妥当なのかどうなのかというところはちょっとお伺いしたいと思います。具体的に、十年以内に成分が変化した温泉というのは過去何件ぐらいおありになったのか、教えていただきたいと思います。
#61
○政府参考人(冨岡悟君) 御案内のように、法律的にはこれまで測り直しといった規定がございませんものでしたので、十年以内に成分が変化したとかそういったことについてのデータの件数の把握は私どもしておりません。
 ただ、新聞報道等で、枯渇して温泉が出なくなったとか、それから成分が変化して温泉じゃなくなったといったそのような報道がなされているケースもございますし、研究報告におきましても、温泉法上の温泉に該当しなくなったような成分の変化があったと、そういうふうな変化し得るものであるという研究報告、こういったものはございます。
#62
○富岡由紀夫君 具体的にそういう過去の統計というかそういうのを取らないで十年というのは、何か思い付きで十年にしたような今の答弁だと受け止められるんですけれども、先ほどの山根先生の質問もそうでしたけど、相続のときの承継するときも、実態の状況が把握できていないところで今回そういう法改正が行われたというようなことをちょっと考えると、実態をまず押さえて、問題点がどうなのかと、そういう具体的な統計というか、そういうものをまず押さえた上で、それでそれに基づいて、じゃ今回は十年にしようとか、そういうお話ならいいんですけれども、今のお話だと、調べてなくて十年にしたというのはちょっと、何というんですか、思い付きで十年に取りあえず区切ったような感じがするんですけれども、その点、大臣、いかがでしょうか。
#63
○国務大臣(若林正俊君) 決して思い付きで十年と、こう目の子でやったつもりはないはずでありまして、審議会の専門の委員の先生方にもいろいろとお聞きをしながら、どこで区切るかということですね。
 今、現実、この温泉の事業者側が表示をどんな状況で表示しているのかということを調べた十八年四月一日現在の資料によりますと、分析表を掲げて五年以内であるというのが四〇%ぐらい、五年ないし十年、分析を表示してから五年ないし十年というのが二二%でありますから、六二%が表示してからまだ十年をたっていないということでありますけれども、一方、十年から二十年の間、もう表示してから十年を超えているというのが二二%あり、二十年を超えているというのも一六%ある、十年を超えているのが三八%あるという現実がございます。
 それぞれ温泉は一つ一つの特徴がありまして、先ほどもお話ありました自然に湧出しているところがだんだん減りまして、何らかの形でポンプでくみ上げているというのが増えてきているわけで、そういうふうになると、ポンプでくみ上げていくと温泉の質が変わってくる、あるいは温泉が、温泉量自身が少なくなってくると加水をするというようなことも出てきているわけですね。
 ですから、そこはもう一つ一つでみんな違う、温泉によって対応が違っておりますから、どこで、ユーザーに対してどの時点で切っていったらいいかというのは一義的に決めにくいんですけれども、現実を見まして、十年はほっといていいということじゃなくて、温泉業者として、三年で分析をして表示する業者もいれば十年で表示するというのもありますでしょう。それは、やはり自分の温泉の評価を高めるためにどういう努力をしていくかということによって差が出てくるわけでございます。
 一般論として言えば、温泉の成分というのは徐々に変化していくというもので、急激に変化するというのは、人為的に何か加えたりすることがない限りは急激に変化をしないという性質のものでありますから、そのようなことを考えますと、従来から実はおおむね十年ごとに分析表示をすることが適当だというような行政指導をしてきたという経緯と、現実が四割弱ぐらいは十年を超えてもその指導に従っていないというのがあるということも踏まえまして、まあ十年ごとに、まずは十年以内で分析表示をしてもらうというふうに決めるのが今の時点では妥当ではないかというふうに判断をしたものでございます。
#64
○富岡由紀夫君 そういう理由は分かりましたけれども、是非統計を取ってくださいね。今後十年間やってみて、十年間で成分が変化した温泉がどれだけ出てきたのかと、客観的なやっぱり数値を押さえておく必要が私はあろうというふうに思いますので、やはりそういうことはやっていただきたいと思います。
 要は、一般国民が、利用者がイメージしている温泉なのかどうか。それはだまし討ちというか、利用者の期待を裏切ることのないような表示の方法を是非取っていただきたいというふうに思っております。
 大臣の、今、長野というお話ありましたけれども、私の群馬も非常に歴史的な有名な温泉が一杯ありまして、そこはやっぱりちゃんと振興対策というか、そういったものをはぐくんでいく対策が私必要だというふうに思っております。
 こういったところが、いわゆる一般の国民がイメージしている本当の、本当のと言ってはちょっと語弊がありますけれども、イメージに近い温泉が非常に多いわけでございますけれども、そういった歴史的な温泉地に対するいろんな振興対策というか、今そういうんじゃない新しい日帰り温泉とかたくさん出てきましたけれども、それに対抗して、そういった歴史的な、いわゆる昔からある温泉地をちゃんとしっかり支えるための対策はやっぱり必要だというふうに私も思っているんですけれども、これについて大臣、御所見あればお伺いしたいというふうに思います。
#65
○国務大臣(若林正俊君) 群馬では草津温泉などを始めとして有名な古来の温泉が多数あることは承知いたしております。ちょうど白根山を挟んでその裏側が長野県の志賀高原の一帯でございまして、ここも大変な温泉、昔からの温泉地になっております。
 それらが非常に昔からユーザー、利用者が継続的に多数来るというのは、もちろんそれが体に効くという、そういうような評価というものが広がっているということもありますけれども、同時に、最近、自然との触れ合いとか、それから歴史、伝統、文化の町並みに一定の風情があるといったようなことなど、やはり地域の持っている特性というようなものに引かれて皆さんが集まってくるというようなことも私はあるように思うわけでございます。
 そういう意味では、この温泉地の魅力を高めるというのは、それぞれの温泉地で工夫を凝らしていく必要があり、地域の伝統の文化、自然を大切にしていく、そしてその魅力を有効に活用していくというのはそれぞれの知恵だと思うんですね。その創意工夫だと私は思います。
 そういうことで、その特徴のある取組を我々は全国に紹介をする、そして、併せてその温泉地周辺の、周辺施設の整備などを通じて支援していくということが温泉地の活性化につながっていくものというふうに考えておりまして、そういう意味では、温泉地域の温泉事業者と地域の自治体と温泉を維持してともに利益を得ているその事業者の団体、こういうような人たちと一緒になった町づくりを環境省としては総合的に支援をしていきたいと、このように考えております。
#66
○富岡由紀夫君 ありがとうございます。
 カワウの問題についてもちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、お時間の関係で、お伺いしてからそれを受けてまた質問しようと思ったんですけれども、私の方からちょっと実態をお話しさしていただきますと、カワウがいろんな魚を食べて、そこで漁業を営んでいる人に対していろんな被害が出ております。私のいる群馬県も、その群馬県の漁業協同組合の連合会の調べによりますと、年間百三十三トンぐらい漁獲高の被害を受けておりまして、金額にすると三億五千万円ぐらいの漁業被害を受けているということでございます。
 この漁業被害を防止するというか、のためにいろんなカワウの追い払いとか駆除をしている、今、必要があるかと思うんですけれども、スムーズに駆除を推進するためにカワウを鳥獣保護法にかかわる狩猟鳥獣に指定すべきだというふうに思っておるんですが、この点について、大臣、今具体的などのような動きをされていらっしゃるのか、お分かりになれば教えていただきたいと思います。
#67
○国務大臣(若林正俊君) 富岡委員が御指摘になりましたように、近年、カワウが非常に数が増えているという状況にございます。そのことによりまして、お話ございましたように、内水面でアユなどの放流魚が捕食をされまして漁業被害が出てくる、あるいはこれ集団で営巣する習慣がありまして、そういう意味で、その営巣地ではカワウのふんだとかそのようなことによってその地域の樹木が枯れてしまうといったような環境被害なども出ております。そういう意味では、捕獲数をもっと増やして個体を抑制する必要も認められるということから、都道府県や漁業関係の団体などからも狩猟鳥獣への指定の要望が強く出されてまいっております。
 こういう状況から、環境省として、専門家の意見も聴いた上で、実はこのカワウを狩猟鳥獣に追加指定をするということで省令改正をしたいと、こう考えまして、現在、パブリックコメントをしているところでございます。今年の三月の二十二日からこの四月の二十日まででございます。この三十日間、今パブリックコメントをいたしておりまして、このパブリックコメントが四月二十日締め切られますと、その結果を踏まえて公聴会を開催をしたい、そして四月の下旬には中央環境審議会に諮問をし、答申を得て、農林水産省とも協議をして、カワウをそういう御意見をいただければ狩猟鳥獣に指定したい、こう考えております。
#68
○富岡由紀夫君 私も市民の一人として、そして市民の代表としてでも、是非狩猟鳥獣に指定していただけるようにお願いしたいというふうに思っております。パブリックの代表として申し上げたいというふうに思いますので、よろしくお計らいをいただきたいと思います。
 そして、今お話ありましたけれども、この生息地域というのは非常に広範なところにわたりますので、自治体、単独県だけでは対応できないところもあろうかというふうに思います。私は、やっぱり国がある程度音頭を取って広域的なこの対策を講ずるべきだというふうに思っておりますが、予算措置を含めて、今の現状で大丈夫なのかどうか、これからさらにいろんな考え方が、計画はあるのかどうか、その辺を改めてちょっと大臣にお伺いしたいと思います。
#69
○国務大臣(若林正俊君) カワウは広域的に移動するという状況がございますから、当然都道府県の行政区域を超えて移動をいたします。ですから、都道府県を超えた広域での連携協力が必要になってまいります。このために、環境省が中心になりまして、関東地区と中部・近畿地区、これがカワウが多いんですけれども、その地区につきまして、関係都道府県や漁業関係機関等も加えまして、農林水産省、河川の関係がありますので国土交通省の参加も得まして、カワウ広域協議会というものを設置いたしまして取組をいたしているところでございます。関東地区では十都県、中部・近畿圏地区では十五府県が加入をいただいております。
 関東カワウ広域協議会では一斉の追い払いの事業を、相談の上、これを行ったりいたしまして、それなりの効果を上げてきているところでございますが、カワウに関する科学的知見を関係の都道府県に情報提供をするために、発信器による追跡調査でありますとか生息情報の広域的な分布などについて調査を実施し、この情報を提供をする。さらに、関係府県の職員の研修の実施といったようなものについて支援をしているところでございます。
 今後とも、お話ございました広域にわたるということから、広域協議会を中心に関係する都道府県との相互連携を更に強化をし、広域的なカワウによる被害対策に努めてまいりたいと、このように考えております。
#70
○富岡由紀夫君 是非、カワウ対策についてはしっかりと対策を講じていただきたいというふうに思います。
 最後に、もう時間になりましたので、先ほどの温泉のところに戻りますけれども、排水規制がこれかなり、温泉の旅館業界とか実際に営んでいる人たちにとっては大きな問題になっているというところでございますけれども、いわゆるさっき言っていた歴史的な温泉地に負担を掛けるようなことがないように、いろんな施設を、排水規制をクリアするためにいろんな機械を購入したり、そういう資金的な負担のところがないように、是非十分考えていただきたいというふうに思いますので、それについてちょっとお考えだけお伺いして、私の質問は終わりたいと思います。大臣、もしお願いできたら。
#71
○委員長(大石正光君) 時間が過ぎておりますので、大臣、申し訳ありませんが、簡単によろしくお願いしたいと思います。
#72
○国務大臣(若林正俊君) 硼素、弗素に係る暫定排水基準につきましては、温泉を利用する旅館について、その処理の困難性などを考慮しまして、現在の基準をそのままで延長するという方針で臨んでおりまして、新たな負担を掛けないようにしたいと思います。
 今後においても、一律排水基準の達成に向けた改善を、更に改善努力を促すとともに、業界が実施する処理技術開発などを支援していきたいと考えております。
#73
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 温泉は我が国にとって貴重な自然資源であり、将来の世代に残すべき大切な資産であると考えているわけでありますけれども、今回の改正案では、この大切な温泉資源を保護するための、都道府県知事が掘削等の許可を行う際、条件を付けることを可能とすることが盛り込まれているわけでありますが、この温泉資源をめぐっては、昨年の八月、東京高裁において、これは群馬県の水上町における温泉掘削申請を不許可にした県の判断は誤りである旨の判決が出されたということがありました。
 この裁判の中で、県が、いわゆる掘削がほかの温泉に影響を与える可能性が高いと、こういう調査報告書に対しまして、裁判所は、あくまでもその可能性を指摘しているにすぎないと、そういうことで県の主張を認めなかったわけでございますが、今後、全国の温泉地においてこうしたトラブルが生じることを懸念しているわけでありますけれども、温泉資源の保護の難しさということを改めて感じたわけであります。
 そこで、環境省にお聞きするわけでありますけれども、環境省として、いわゆる温泉資源保護の観点から今回の法改正の中の条件をどのように想定しているか。さらに、科学的な根拠に基づく温泉資源保護対策を実施するために、いわゆる都道府県から掘削等の許可を行う際の技術的なガイドライン、指針を作成する予定と聞いているわけでありますけれども、どういった内容のガイドラインとなる見込みであるかどうか。両方通して今後とも抑止的な効果が期待できるか、あるいは、裁判になったとした場合に堪えられる内容とすることができるかどうか、その点についての御見解を示していただきたいと思います。
#74
○政府参考人(冨岡悟君) 御質問の、今回の法改正によります条件の内容といたしましては、私ども、具体的な例といたしましては、例えば、新規掘削の許可につきましては、温泉井戸の大きさ、口径の上限、掘削深度の上限、下限、有害物質や可燃性ガスの噴出等の事故防止対策の実施、こういうものが考えられると思います。それから、ポンプ設置の許可につきましては、揚湯試験の実施、こういうことを条件とする。それから、公共の浴用、飲用への提供の許可に当たっての条件につきましては、有害ガスを含む温泉の場合には浴室に開口部を設け換気を促す、それから高濃度の成分を含む温泉を飲用する場合にはその希釈といったこと、こういったことが条件になり得るものと考えております。
 それからもう一つの、ガイドラインについてでございますが、温泉資源保護のためのガイドラインの内容につきましては、今後、専門家から構成されます委員会を設けまして具体的に検討することとしておりますが、この検討項目といたしましては、新たな掘削を制限する温泉保護区域の設定や既存源泉からの距離規制、事前の影響調査と事後モニタリング等の具体的な手法を示すことを考えております。
 この条件付与の規定の運用やガイドラインの策定に当たりましては、先ほど申し上げましたように、地質や地下水の専門家の意見の聴取、先進的な都道府県の対策の把握等に努めまして、都道府県が実効ある対策を実施するために役立つものとしたいと考えております。
 なお、お尋ねの中に抑止的なものかどうかというお尋ねがございましたが、この点につきましては、客観的に科学的根拠を持ったものとして説明し得るものにしたいというふうに考えております。
 それから、裁判に堪えられるようにという点につきましては、先生の御質問ありましたように、都道府県からも、この裁判の後、是非とも環境省に、国におきましてこういった客観的なものを示していただきたいという御要請がございました。そういう御要請を踏まえまして作るものでございますので、裁判といったもの直接というよりも、客観的に判断できるものというものを作りまして、結果としてそういった紛争の事例になった場合にも堪えられるものにしたいと考えております。
#75
○加藤修一君 よろしくお願いしたいと思います。
 それで、ただいまの答弁の中にありましたけれども、距離規制の関係でありますけれども、そういう既存の源泉からの距離規制を行う場合などでどういった調査が行われることが望ましいか、具体的な事例があれば、それを交えて説明をしていただきたいと思います。
#76
○政府参考人(冨岡悟君) 既存源泉からの距離制限や保護区域の設定による温泉掘削の規制は、温泉の湧出量等に影響を及ぼす蓋然性が高いことを理由に行うものでございます。こうした影響の内容や程度は温泉地ごとに様々であると考えられますが、湧出量等への影響を把握するための調査を必要に応じて行うことは、説明責任の観点から非常に望ましいものと考えております。
 具体的な調査の中身といたしましては、地質や地下水の実態調査、湧出量等への影響が生じた事例の把握、自然からの温泉の供給量に見合う利用の密度の分布、井戸の分布の密度でございますが、こういったものが考えられます。
 実例に即して申し上げますと、例えば神奈川県におきましては、大深度の温泉については、自然から供給される温泉の量に見合う利用密度は半径約一キロメートルにつき源泉一つとの試算を行いまして、大深度掘削温泉につき一キロメートルの距離規制を行っております。どのような調査が効果的かにつきまして、今後、温泉資源保護に関するガイドライン策定作業を進める中で、専門家の意見を聴きながら具体的に検討してまいりたいと考えております。
#77
○加藤修一君 よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、温泉と健康にかかわる関係でございますけれども、温泉は最近では専ら観光の面で着目されておりますが、我が国では古くから、湯治ですけれども、そういう形で病気やけがを治すために温泉が利用されてきておりまして、今や高齢化社会を迎えているわけでありますので、正にそういった意味では温泉療法を普及することが必要であるというふうに私は特に考えてございます。
 先ほどもこの関係の質問があったわけでありますけれども、環境省では温泉療法に適していると考えられている病気、病態、すなわち適応症に関する調査研究をしているというふうに聞いているわけですけれども、その内容は大体どのようなものであり、かつまたその成果をどのように活用する予定であるか、あるいはこういった観点につきましては、私は、厚生労働省あるいは総務省などの関係省庁とやはり連携して総合的な取組が必要でないかと、そんなふうに考えているわけでありますけれども、御答弁をよろしくお願いいたします。
#78
○政府参考人(冨岡悟君) 環境省におきましては、現在、温泉の禁忌症、適応症及び利用上の注意事項に関する最新の医学的知見を収集するために、日本温泉気候物理医学会に対しまして、温泉と医療に関する研究論文等の文献調査を実施しているところでございます。
 調査の結果を踏まえまして、禁忌症や適応症の表示の在り方について必要に応じ見直しを行い、利用者に対しましてより適切な情報提供が進められるよう努めてまいりたいと考えて、現在その研究を継続しているところであります。また、今後、厚生労働省などの関係省庁の協力も得ながら、健康増進のために温泉を活用したいという利用者のニーズに対応した施策をどのように進めていったらいいかを検討してまいりたいと考えております。
#79
○加藤修一君 連携の関係については特によろしくお願いしたいと思います。
 次に、厚生労働省にお尋ねいたしますけれども、厚生労働省が推進しております健康増進施設認定制度、それには運動型の健康増進施設のほかに三十か所のいわゆる温泉利用型と二十か所の温泉利用プログラム型の健康増進施設が認定されているわけでありますけれども、その検証結果等、いわゆる健康増進にどのように貢献しているか、そういった面についての御報告をいただきたいということでございます。
 物理的な療法と組み合わせた形でなった場合に初めて効果的ということなんでしょうけれども、その御報告と、また、その検証結果が前提になるということに当然なるわけでありますけれども、こういった事業についてはより一層推進していくべきであろうと。今後の取組についてもお尋ねをしたいと思います。
#80
○政府参考人(宮坂亘君) まず、私の方から温泉と健康増進の研究についての状況を申し述べたいと思いますが、まず、厚生労働省といたしましては、健康づくりに活用できる場としての温泉と健康づくりについての研究を現在行っているところでございます。
 具体的には、厚生労働科学研究費補助金におきまして、平成十八年度からでございますが、温泉利用と、今委員おっしゃられましたように、生活、運動、食事指導、これらを組み合わせた職種別の健康支援プログラムの有効性に関する研究を実施しているところでございます。この研究、具体的には、研究参加者を介入群と非介入群に分けまして、介入群に対しては温泉入浴それから運動の指導それから食事の指導、これを行います。また、非介入群に対しましては温泉入浴以外の介入を行いまして、それぞれ一定期間後の身体測定、血液検査、体力測定等を行いまして、両群の介入効果を検証するというものでございます。
 今後とも、このような研究等を温泉を利用した健康づくりの取組に活用してまいりたいと考えております。
 以上であります。
#81
○加藤修一君 温泉の成分は温泉地ごとに様々でありますけれども、今答弁がありましたように、そういう検証をやっていただいているわけではありますけれども、温泉療法の科学的な根拠、エビデンスでありますけれども、そういったものもなかなか明確に出すというのは難しい部分も決してなくはないわけでありますけれども、しかし、実際に今、認定された施設の利用において温泉医療費が所得税医療費控除対象になっているわけでありまして、そういった意味では、その辺の検証というのが十分行われている部分についてもあると、そういうふうに考えております。
 いずれにいたしましても、今の答弁にありましたように、更に予防的な観点含めて懸命に温泉療法に関する研究を進めていただきたいということと、将来は、これはドイツで実際やっている話でありますけれども、健康保険の適用まで視野に入れて考えるべきではないかというふうに思っているわけでありますけれども、この辺についての見解をよろしくお願いいたします。
#82
○政府参考人(白石順一君) お尋ねありましたように、特定の技術、健康づくりという観点ではなく治療という観点から、医療技術が公的な健康保険の対象になるかどうかということは、今先生から御指摘がありましたように、有効性、科学的な観点からのいろんなチェック、普及性、技術的成熟度等々を勘案するわけでございまして、そういう科学的根拠に基づいて有効性等が確立されたということを判断した場合には、医療保険上の取扱いということが検討されると、こういうことになると思います。
#83
○加藤修一君 それでは次に、情報提供の推進ということで環境大臣政務官にお尋ねしたいと思います。
 今回の法改正では、定期的な成分分析、そういったこととか、その結果の提示ですね、掲示、それを義務付けることとしているわけでありますけれども、これは当然のごとく、信頼できる情報を求める温泉利用者の要請に応じるためでも当然あるわけでありますし、さらには、温泉成分の変化を把握し温泉資源保護の基礎データとして役立たせるためにも非常に意義のあるところだと考えております。
 現在の温泉に関する情報というのは、インターネットや旅行雑誌など、あるいは温泉宿に関する情報がそういったところで情報として提供されているわけでありますけれども、温泉の成り立ちや多様な温質などの科学的な情報、それから、先ほど申し上げましたように、温泉の適応症や禁忌症に関する情報など、まだまだこれ伝えていくべき情報がたくさんあるというふうに考えているわけであります。そういった意味では、温泉という商品に関する情報提供の充実、これに向けて環境省は今後どのように取り組んでいくかということは極めて重要であると思っておりまして。
 ただ、その情報提供の充実の中身でありますけれども、伝えるべき情報と伝えてはいけない情報といいますか、要するに誤解が生じるような情報は当然伝えてはいけないわけでありまして、例えばの話でありますけれども、これは考え過ぎかもしれませんが、美肌効果は抜群とか、それは因果関係をどういうふうに考えていいのかちょっと分かりませんが、染み、そばかす、美肌に効果がある温泉地とか、あるいは子宝の湯とか、そういうことが言われているところも決してないわけではないんでありまして、大体そういったことについてはごく普通の日本人は、ある幅があってのそういう表現だなというふうにとらえていると思っておりまして、私もそういうたぐいでありますけれども。
 ただ、観光がどんどん国際化していく中にありまして、温泉地も当然観光客が訪れるようになってくる。そして、そういう説明をいかに翻訳するかによっては誤解を生じかねないということにもつながってくる。それが、これは杞憂でありますけれども、場合によっては、訴訟までいかなくても何だかんだという話になりかねないという、これは心配し過ぎかもしれませんが、そういうこともありますので、そういった面における情報についてはやはり整理すべきではないかと。整理というのは、と言われているとか、そういう伝説だとか、何かそういう表現でもう少し明確にすべきではないかと、そういうふうに考えておりますが、この点も含めてよろしくお願いしたいと思います。
#84
○大臣政務官(北川知克君) 加藤委員の方から非常に難しい質問でございまして、今表記の面で、美人の美しくなる湯とか子宝に恵まれるとか、観光地、温泉地へ行くとそういう看板が目に付くところもありますけれども、これはやはり地方における、その地域における伝説とか言い伝え、そういうものありますし、実際に温泉に入って体が温まる中で身体が活性化をしていく、そして周りの景色等々、様々な観点の中で精神、心身がリフレッシュして、きれいになったかな、肌が美しくなったかなと、こういう感じを抱くのもあるかもしれませんし、実際、アルカリ泉においては肌がすべすべすると、こういう効能もあるものでありますから、肌に関してはいい効果というのもあるんでありましょうが。
 いずれにいたしましても、先ほど大臣の方からの答弁もありました、この温泉というのは即効性のあるものでもありませんし、そういう点も踏んまえながら、特に今は温泉に対するニーズも多様化をいたしておりますし、先ほど来からの質問でもありました古来からの温泉と違う大深度掘削温泉等々、様々なこういう温泉も出てきておりますので、そういう情報の提供に関しましては、今後、自治体又は温泉事業者の方々や、そして海外へのアピールということになれば、これは旅行業者、そして今ビジット・ジャパンということもあります、観光立国としてやっぱり国土交通省等とも連携をしていかなければなりませんし、海外の方々に誤解を招かないような表記ということが今後求められていくと思っておりますので、いずれにいたしましても、今後、利用者の立場に立った様々な情報の提供を積極的に進めていきたいと考えております。
#85
○加藤修一君 温泉は、ある意味では日本のアイデンティティーというふうに言っていいんじゃないかと思われます。そういった意味では、よく言われるようなホットスプリングではない、温泉は温泉であると。最近は英文字でONSENということで世界語にしようという動きもあるように聞いておりまして、温泉文化を日本ブランドとして世界に発信していこうと、そういうふうに力強い動きもあるようでありまして、そういった日本の温泉文化という中で幅広で先ほどの美人云々の話があるんで、日本の温泉文化とはそういうものであるということをしっかりと認識させるということが私は非常に大事だと思っておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げる次第です。
 次に、温泉地の活性化ということになりますけれども、温泉地は利用施設の規模や豪華さよりも、先ほど今大臣政務官から話がありましたように、温泉そのもの、個性ある温泉地の風情や歴史、文化などが重視される時代に入っておりまして、かつてのように大型化を目指した温泉地や温泉旅館の多くは、今日極めて厳しい競争に余儀なくされている。そういった意味では非常に経営的には不安定な状態に入っているわけでありますけれども、そうした温泉地を魅力あるものにしていかなければいけない。地域の再生、活性化を図ることには、これは政府全体の方針でも当然あるわけでありまして、現在、社団法人でありますけれども民間活力開発機構において健康づくり大学ネットワーク支援事業という地域活性化事業を推進しておりまして、この中にも温泉地の活性化という点についてアプローチしている案件もあるわけであります。
 一方、総務省が中心になり推進しております頑張る地方応援プログラム、これによりますいわゆる地方交付税等の財政支援はこういった温泉地の活性化にも十分適用していくべきではないかと思うわけでありますけれども、適用できるかどうか、そういった面についての御説明をお願いしたいと思います。
#86
○政府参考人(久保信保君) お尋ねの頑張る地方応援プログラムでございますけれども、これは独自のプロジェクトを自ら考え前向きに取り組む地方公共団体に対して御指摘のように地方交付税などによって支援をしていこうと、こういうものでございます。
 御指摘の温泉地の活性化への取組につきましてもこの応援プログラムの支援対象になり得るものと考えておりまして、一市町村当たり三千万円を限度といたしまして取組経費に対し特別交付税措置が講じられるということになっております。この場合、当該プロジェクトに対しまして私どもがその内容について査定をするとか、いいとか悪いとか、そういったことを一切することは考えておりません。
 ただ、例えば入り込み観光客が何年後に倍になりますとか、そういったような具体の成果目標を掲げていただきたいというふうに申し上げております。また同時に、当該プロジェクト、これを住民に公表していただきたいと、こういうふうに考えております。
#87
○加藤修一君 非常にいい施策でございますので、更に積極的な対応をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、同じように温泉地の活性化の関係でございますが、環境大臣にお聞きしたいと思います。
 今回の温泉法でありますけれども、その温泉法の二十五条ということに当然なってくるわけでありますけれども、健全な温泉地を育成するため、全国に九十一か所の国民保養温泉地を指定しているわけでありますけれども、この国民保養温泉地を対象にいたしました共同浴場や遊歩道等の施設整備に対する環境省の補助金でございますが、これ平成十六年で終わってしまったわけですね。
 お金がなくなったということなのかどうかよく分かりませんが、これは今申し上げましたように、温泉法の二十五条に基づく指定地域であるわけでありまして、何らかの支援の手が差し伸べられていないことについては非常に私は残念に考えておりまして、やはりこの指定地域の内容について検討してまいりますと非常に重要な内容を持っておりまして、あるいはさらに、予防医学的な見地から温泉を活用した国民の健康増進を進めていくということで、さらに、地域再生、地域の活性化に向けて是非ともこの国民保養温泉地への支援というのはやはり復活させるべきではないかなと、こんなふうに考えておりまして。
 これさらに、この九十一の指定の中にさらに国民保健温泉地二十一か所とか、さらに、ふれあい・やすらぎ温泉地がその九十一か所の中の二十五か所というふうに細かくこれ立て分けて指定しているわけなんですね。それなりの根拠があってそれなりの対応をしてきているわけなんですけれども、やはり私は復活して更なる積極的な対応を進めていかなければいけないんではないかなと、このように考えているわけでありますけれども、大臣の御所見をいただきたいと思います。
#88
○国務大臣(若林正俊君) 大変御理解のある御意見を含めた御質問でございました。魅力のある温泉地づくりを進めるということのために温泉事業者のみならず地域住民、行政が一体になって、地域ぐるみでそれぞれの温泉地の魅力を高めるための創意工夫が大事だというのは度々申し上げてきているところでございます。
 御指摘ございました国民保養温泉地が、その区分を設けながらこれを国民保養のために進めているわけでございまして、そういう意味で、効果を高めるために、お話ございましたように、施設整備にかかわる国の補助事業をやっていたわけでございますが、平成十六年に三位一体改革、地方にいろいろな地方での独自性を発揮していただくための、地方分権を推進するという視点に立った政府全体としての三位一体改革に伴いましてこの施設整備の補助金が廃止をされたわけでございます。
 残念ではありますけれども、そういう時の流れでございますので、このことはやむを得ないと、こう受け止めながら、しかし、こういう創意工夫の努力をしていく地方自治体に対する支援の在り方ということにつきましては、やっぱり改めて、国民保養温泉地の位置付け、制度の在り方といったようなことを、視点を変えて、国としてこれを今後どのように支援していくかということは、新しい観点から検討をしていかなきゃならないのではないかなと考えております。
 なお、御承知のように、国立公園とか国定公園という制度がございます。この国民保養温泉地の中には国立公園、国定公園の中にある温泉地も相当数あるわけでございます。九十一か所の国民保養温泉地の中のうち二十六か所がこういう国立公園、国定公園の中にございます。こういう中に位置している温泉地につきましては、公園整備の一環として、遊歩道でありますとかあるいは休憩所の設置でありますとか、そういう公園と一体としてこの温泉地を位置付けて整備をするというような仕組みは現在ございます。
 そういう趣旨をどうやって生かしていくかということで、どのような支援ができるのかという観点で御指摘の点を踏まえて検討をしてまいりたいということでございます。
 失礼しました。二十六か所と申しましたが、二十五か所でございました。
#89
○加藤修一君 大臣の、地方の支援の在り方あるいは制度の在り方について検討していくという極めて積極的な答弁をいただきました。ありがとうございます。
 それでは、硼素、弗素の排水基準の関係でございますが、これは一九八四年に、もう御存じのようにWHOが勧告したことでございますが、諸外国の実態を調べてみますと、アメリカでは、一律の排出基準ではなく、個々の事業所ごとに達成可能な最適技術を採用しているかを審査し、対策を促すこととしている。あるいはEUでは、EU指令附属書、これ二〇〇六年の十一月でありますけれども、リスト二番目、リストツー、有害性が比較的低い物質というのがリストツーでありますけれども、そこに指定されておりまして、排出基準は設定されていない、加盟国の検討にゆだねられている。また、業種ごとに設定しているドイツにおいては硼素の排出基準はない。イギリスでは硼素、弗素に関する排出基準はないという、そういう実態のようであります。
 このように、硼素、弗素の排出基準に関する各国の対応が、WHOの勧告はあるものの、あるいはそれに対してかちかちに従っているというような状況でもないように私は個人的に認識しているわけなんですけれども、そろそろこの現実的な対応、温泉由来の硼素、弗素についての話でありますけれども、現実的な対応について見直しを検討すべき時期に来ているんではないかなと。三年延ばして、三年延ばして、また三年延ばしてという話になっていく話になって、十年、次二十年、次という話になりかねないかもしれないんですね。
 それぐらいこの機器の開発については、メッキ業界の関係の機器の開発と違って、ここは、メッキ業界の方もそれはそれなりに難しい話ですけれども、大量の温泉水を高スピードで安く処理をしなければいけないというのは、これは、それと同時に温泉も非常に様々な化学物質が含まれているわけでありますから、化学物質が含まれているものによっては機器の構成の在り方も当然変わってくる、それから浄化のプロセスも当然変わってくるということを考えてくると、様々な機器の開発が必要になってくるということも想定されるわけでありまして、そういった意味では極めてこれは難事中の難事だというふうに判断しかねない状況だと私は思っておりまして、そういった意味では現実的な対応を考えてそろそろ見直しを図るべきではないか。これは暫定的な延長とかそういうことではございません。よろしくお願いいたします。
#90
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 現実に水質汚濁防止法におきましては、様々な新しい規制項目が追加されるごとに、業界の実態を踏まえまして暫定排出基準というものを設定してまいりました。過去におきましても、暫定排出基準を三回、四回と延長していく中で、暫定排出基準の強化あるいは暫定排出基準の対象業種の削減が進みまして、最終的にすべての業種において一律排出基準の達成が図られているという状況にございます。
 このように、ただいま御指摘の硼素、弗素、これと硝酸性窒素という三物質についての暫定基準延長の検討を今回しているわけでございますけれども、この三物質につきましても、当初の規制時には四十業種が暫定排出基準の対象でございましたけれども、三年後の十六年には二十六業種になり、そして今回、近々パブリックコメントを行って方針確定させたいと思っておりますけれども、さらに一律排出基準に移行する業種、あるいは一律排出基準に至らないまでも基準を強化できる業種もあるところでございまして、そうしたことから、今後とも一律排出基準の達成に向けて改善を促してまいりたいと考えております。
#91
○加藤修一君 誤解のないように改めて確認しますけれども、私は温泉由来の関係について言っておりますので。ほかの業種についてはそれなりの規制が必要だと思っておりますので。
 それで、この硼素、弗素の関係で、今まで技術開発を懸命に省庁としてもやってこられていると思いますけれども、環境省とそれから経済産業省に、この辺の現状と今後の取組についてお聞きしたいと思います。
#92
○政府参考人(寺田達志君) まず、環境省からお答えを申し上げます。
 硼素、弗素に係る排水基準導入後、最初の三年間におきましてはなかなか技術の開発が進まなかったということで、環境省といたしましても、平成十七年度からは環境技術の普及を目的といたしました環境技術実証モデル事業の対象に硼素、弗素の処理技術を加えまして、民間で開発された技術の現場での性能試験を実施してきたところでございます。
 その結果でございますけれども、残念ながら、実証試験の結果、必ずしも所期、予定いたしました除去性能に達しなかったという場合もございますし、なかなか省スペース化ができない、あるいは大量の汚泥等が発生するというような結果になり、今般、暫定排出基準の延長という方針で臨んでおるところでございます。
 今後は、業界において実施されます技術開発に協力してまいるとともに、業界だけでは対応できない問題につきましても環境省としても支援を行っていくという方針でございます。
#93
○政府参考人(伊藤元君) 続きまして、経済産業省よりお答え申し上げます。
 製造過程で硼素、弗素の発生を伴う業種のうち、電気メッキ業を始めとする水質汚濁防止法に基づく暫定基準の適用業種につきましては、硼素、弗素を省スペース、低コストで除去する技術の開発、導入が特に重要であるというふうに認識をしております。こうした認識に基づきまして、経済産業省といたしましては、平成十六年度から平成十八年度まで硼素と弗素を同時に処理できる薬剤の技術開発を進めてまいりました。この結果、処理コストでは、硼素は従来の二十五分の一以下に、弗素は百五十分の一以下に、処理スペースにつきましては、硼素は従来の五分の一以下に、弗素は三十分の一以下に低減することが可能となる見込みでございます。今後、こうした新しい技術の中小企業者への導入、普及に努めてまいりたいと思っております。
 さらに、本技術の導入、普及に加えまして、資金的に脆弱な中小零細事業者に対しましては、今後事業者の状況を十分に把握しながら、並行してやっております金融税制措置の効果、あるいは事業所にどこまで自助努力を期待できるのか、あるいはさらに、技術開発を通じて一層のコスト削減がどこまで可能なのかという調査等通じまして、課題や問題点を踏まえながら必要な対応について引き続き検討してまいりたいと考えております。
#94
○加藤修一君 環境省、よろしくお願いします。
 それから、経済産業省には税制とか融資の支援措置だけじゃなくて、別の支援措置も当然三番目としてあるわけでありますから、そういった面についてもしっかりと対応していただきたいということを要求しておきます。
 それから最後に、温泉法では自然にわき出たもの、あるいは掘削による温泉かにかかわりなく当然規制対象にしているわけなんですけれども、しかし、水質汚濁防止法では共同浴場で利用する温泉水と国有地から未利用のままで出てくる温泉水については適用外であります。同じように温泉を利用しているのにもかかわらず、温泉旅館は規制の対象になる、日帰り温泉施設であれば対象外であるというのは公平性に欠けるなというふうに非常に強い議論があります。こういった面についてはやはり私はそれなりの取組を考えていかなければいけないんではないかと、公平性をいかに担保するかということを考えるべきだと思いますけれども、この辺についての見解をお願いいたします。
#95
○政府参考人(寺田達志君) ただいま御指摘いただきました問題でございますけれども、これは水質汚濁防止法上の対象として、温泉ということではなくて旅館というものをとらまえていることから生じてきている事態でございます。おっしゃるような御意見が非常に多方面からいただいているということは承知をしておるところでございます。
 ただ、日帰り温泉入浴施設につきましては、実際に硼素、弗素を多く含む火山地帯の温泉地にあるものから、最近増えておりますけれども、鉱物を恐らくほとんど含まないで大深度掘削をしている都心の温泉まで、その形態は極めて多様であると心得ております。要検討課題だとは思いますので、そうした実態について精査を行い、引き続き情報収集を行って検討を進めてまいりたいと考えております。
#96
○加藤修一君 その辺については非常に重要ですので、よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
#97
○市田忠義君 今回の法改正の成分検査十年義務付け問題についてお聞きしたいと思います。
 先日、私、別府の市長さんや同業組合の皆さんと懇談する機会がありました。既に別府では去年から温泉カルテというのを始められて、それが、ちょっと遠くで見にくいかもしれませんが、こういうやつなんですけれども。実際見てきましたけれども、要するに、成分検査に加えて浴槽検査も行って掲示されているわけですけれども、この温泉カルテというのは別府独自の安心して入れる温泉への取組で、循環、加温、加水、お湯の感覚評価、これは五感で感じる湯の感覚を分かりやすくグラフで表示したものです。それから、浴槽内、源泉の温泉分析情報、それから温泉分析表で源泉と浴槽の両方を表示しておられます。
 今度の法改正で十年に一度の成分検査の義務付けが行われるわけですけれども、別府温泉がやっているような温泉水の成分検査だけじゃなくて、更に浴槽検査まで拡大して温泉利用者への安心、安全に資するべきではないかと、これは山根委員も先ほどその種の質問をされました。先ほど冨岡さんは、利用人数によって異なるし費用も掛かるということもおっしゃいましたが、同時にサービスの向上にも役立つということも言われました。自主的努力に任せるんじゃなくて、浴槽検査まで拡大するというお考えは全くないんでしょうか、改めて簡潔に。
#98
○政府参考人(冨岡悟君) 利用する温泉につきまして、できるだけ多くの正確な情報を知りたいというのは利用者の願いでございますし、そういった傾向は強まってくるものと思っております。そういうことで、御指摘の別府の温泉におきましても、利用者のそういったニーズにこたえる、それから信頼性を高める、そういった観点から独自のそういった取組が行われているものと思っております。
 それで、御指摘の成分の分析について、浴槽での成分の分析もという御指摘でございますが、これまで成分分析につきましては法的には期限の義務付けがなくて、今回いろいろなことから判断しまして新たに導入するとしたわけでございますが、それに加えまして、浴槽での、源泉での、そういった源泉からの成分に加えまして、また浴槽でもということを義務的に課するということにつきましては、やはり広範な事業をされている皆様方の御理解も必要でございますし、またそういった検査をするという点につきましては、検査能力とかいろんな点もございます。
 そういった点から考えまして、私どもとしては、現時点におきましては、現在の利用場所での成分分析、それに加えまして加水とか消毒、循環ろ過をしている、そういった場合にはその旨それを掲示することによって利用者の方々の理解を深めてもらうと、こういった対応が現時点におきましては妥当な対応ではないかと考えております。
#99
○市田忠義君 湯布院にも行ってまいりました。組合に加盟している旅館は百軒程度なんですけれども、ただ一軒当たりの部屋数は平均十一室なんです。家族経営の旅館が多いわけですけれども、十年成分検査に掛かる費用が十万円程度なんですけれども、お聞きしますと御負担が大きくて五〇%の旅館はかなり厳しいということをおっしゃっていました。
 それで、十年成分検査を義務付けるには、検査料に補助することや検査料のコストを低くするなどの支援措置を検討すべきじゃないかと思うんですけれども、その点についてのお考え、いかがでしょうか。
#100
○政府参考人(冨岡悟君) 今回の十年ごとの分析、そしてその表示につきましては、その趣旨につきましては利用者の信頼にこたえるということでございまして、その意味では事業をなさっている温泉旅館の方がそれぞれの事業につきましてやっぱり安心して利用していただけるように、事業として信頼性を増すという観点からしていただくわけでございまして、その意味では御負担いただける性格のものであるし、またこの案を作る過程におきまして、審議会とかそういった過程におきまして、こういった温泉旅館の団体の皆様方、温泉の経営者の委員の方からも、どちらかといいますと信頼向上という観点から積極的な支持が得られたものと考えております。
#101
○市田忠義君 信頼向上は大賛成ですし、十年に一度の成分検査も私も賛成なんです。ただ、実際、湯布院に行ったときにそういうことをおっしゃる方がかなりおられたので、そういうこともよく考えて対応していただきたいということを言いたかったんです。
 次に、大深度掘削問題についてお聞きします。
 大深度掘削が集中している東京都自然環境保全審議会でも、この大深度温泉の増加の問題点として幾つか挙げられています。地盤沈下の発生のおそれとか、あるいは温泉資源の枯渇、水質の低下のおそれ、隣接する温泉に影響が生じるおそれ等々が挙げられておるわけです。
 大深度掘削の源泉に必要な最小範囲というのはかなり広いわけですから、規制されるべき源泉間距離というのは通常の掘削より遠距離になるのは当然だというふうに思うんですけれども、そういう意味では大深度掘削と通常掘削とで同様の対策を講じることは無理があると思うんです。それで、掘削規制や影響調査、モニタリング、これはそれぞれに応じた、いわゆる大深度掘削と通常掘削とそれぞれに応じた措置をとるべきだと思うんですが、その辺の考え方は、環境省、いかがでしょうか。
#102
○政府参考人(冨岡悟君) 大深度掘削につきましては、近年新しく許可されるものにつきましては大体半分ぐらいが大深度ということで、増えてきております。ただし、この大深度掘削によります影響、地下への影響とかそういうことにつきまして、必ずしも地質的また地下水という観点から解明されてない点が多々あるようでございまして、そういうことにつきましてこれから知見を蓄積して対応を考えなければならないというふうに考えておりますが、今後予定しておりますガイドラインにおきましては、専門家の方々の意見を踏まえまして、それぞれの温泉の性格とかその地域の実態に応じたガイドラインの適用、そういったものが必要じゃないかと考えております。
#103
○市田忠義君 御丁寧な答弁で有り難いんですけど、質問数が多いので、もう少し早口でしゃべっていただけると有り難いと。
 そもそも、掘削許可制度というのは大深度掘削想定してないわけですから、別途の規制が必要だということだけ指摘しておきたいと思います。
 東京都の北区の温泉掘削現場のメタンガス火災では掘削深度が千五百メートルに達していたと言われています。メタンガスは大深度の温泉掘削やれば至るところで噴出する可能性があるわけですし、一昨年でしたか、宮崎県の西都市での温泉掘削火災も発生したと。こういう事態を踏まえて、掘削坑内のメタンガスの厳重監視の義務化など安全防災基準が必要だと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
#104
○政府参考人(冨岡悟君) 平成十七年二月に東京都北区で発生しました大深度掘削に伴います火災事故を受けまして、東京都は平成十七年五月に安全対策指導要綱を策定し、様々な対応を求めているところでございます。
 環境省におきましては、東京都の取組も含めましてこういった安全対策の状況を調査しまして、先進的な取組の都道府県の内容等を全国に普及する、そしてその同様の対応を取ってもらうというふうな技術的な支援を行ったところでございます。
#105
○市田忠義君 天然ガスに関する安全基準というのは都道府県にはほとんどないわけですから、事故防止対策のための安全基準がやっぱりどうしても必要だと。
 そこで、大臣にこれはお聞きしたいんですけれども、現在、水溶性メタンガスを含む温泉開発ではメタンガスを大気放散で処理しているわけですけれども、このメタンガスの大気放散という方法はメタンガスの温室効果やオゾン層に対する影響など地球環境の保全という視点から、私は見直す必要があると思うんです。現に沖縄県の那覇市では、温泉水くみ上げによる水溶性メタンをガス灯だとかプールサイドのかがり火として燃焼して大気に放散していると。温室効果の高いメタンガスの大気中への放散を見直して、非温室効果に変える有効利用を積極的に促進すべきだと私は思うんですけれども、大臣、基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#106
○国務大臣(若林正俊君) 今委員から具体的なお話ございましたので、そのような継続的にかなりの量の水溶性のメタンガスが継続的に発生していくと、それを何かとらえて他の熱源利用にするというような状況があるのかどうか、そういうことも踏まえまして、少し調べさせていただきたいと思います。
 一般的には、一度にぽんと出てくると、これはいろんな事故の対策しなきゃならない。あとは、余りまとまって継続的に出てくるというような事例は承知していなかったものですから、今委員のおっしゃられたようなことを少し調べてみたいと思います。
#107
○市田忠義君 次に、第三セクターの温泉事業についてお聞きしたいと思うんですけれども、ふるさと創生資金が全国に配られた一九八八年度以降、温泉掘削ブーム、火が付いたわけですけれども、ふるさと創生資金で三百二十七市町村が温泉事業を試みて、三セク温泉、二百以上の法人が設立されました。当時ちょうど掘削費用が一億円以内でやれたということもあったと思うんですけれども、それを、掘削費用がそれだけで済んでも、温泉施設の建設費用十億円とか二十億円掛かって、これが自治体負担になったわけですけれども。
 これは総務省にお聞きしますが、第三セクター等の状況に関する調査結果、これは私、事前にチェックした資料を総務省にお渡ししましたが、第三セクターの温泉事業法人二百四十九社について、経常損益、債務超過、補助金の交付、それから廃止法人などの経営状況の事実関係、分かっている範囲で簡潔にお答えください。
#108
○政府参考人(榮畑潤君) お答えいたします。
 御指摘のございました第三セクター二百四十九社に関しまして、経常損益に関しましては、経常黒字法人数が百四十一法人でございまして、その経常黒字の計が約十二億円、また経常赤字法人数は百八法人で、その赤字が約十二億円でございます。それから債務超過法人数は二十五でございまして、債務超過額は約二十八億円でございます。また、地方公共団体からの補助金が交付されているところが三十九法人でございまして、その交付金額が七億円ということでございます。
 それからさらに、平成十七年度に廃止された第三セクター、計十一ございますが、北海道羽幌町の羽幌観光開発、北海道遠別町の遠別町観光公社、北海道美幌町の美幌ふるさと振興公社、福島県の旧新鶴村の新鶴村振興公社等々、十一ございます。
#109
○市田忠義君 今言われましたように、温泉事業を営む第三セクターの債務超過率一〇%、これは法人全体の超過率の二倍です。それから単年度赤字法人、これは百八法人ですから四三・四%、かなり高い率です。この理由は、過当競争で売上げが伸びないという中で、建設後十年以上を経て人件費がかさんだり施設の改修費用がかさんだと。その赤字を自治体が増資や補助金で補てんする、すなわち住民の負担になるわけですけれども、二〇〇五年度に温泉施設に投入された補助金、これは六億九千五百万円です。
 三セクの温泉ブームというのは、二〇〇二年に九州の二つの三セク温泉施設でレジオネラ菌の感染が発生して、債務超過、解散に追い込まれたと。さらに、広域合併機会に三セク温泉整理する動きが大変目立って、施設を指定管理者に委託するケースが増えています。
 今言われたように、廃止した法人が十一社に及んでいるわけです。そのうちの、例えば羽幌観光開発、これは北海道ですけれども、総事業費は三十億円です。それから美幌ふるさと振興公社、これも北海道ですが、十二億五千万。それから筑前おおしま、これは福岡県ですが、十二億円。それから東郷温泉ゆったり館、鹿児島県ですが、十一億七千六百万です。
 私、大臣にお聞きしたいんですけれども、このふるさと創生資金による三セク温泉事業が相次いで失敗していると。解散した際の法人の負債、これは自治体がしょい込むことになるわけですし、また温泉資源の保護という観点から見ると大きな文化資源の損失にも私はなると思うんです。
 そこで、こういう経営状況の厳しい三セクによる温泉事業については、温泉資源の保護という観点から、温泉の廃熱利用などを組み込んだ環境保全型の温泉地づくりなどでの支援を積極的に図るべきではないかと思うんですが、大臣の基本的な考えをお聞きしたいと思います。
#110
○国務大臣(若林正俊君) 今お聞きしまして、相当第三セクターによります新たな、新しく生まれた温泉地、温泉業が苦況に陥っているという状況を知りましたが、しかし、環境省の方で助成をしながらこれを再建を図っていくと、今言いました新たな視点を加えてということでありますが、これ民業と第三セクターと、やるとすればやっぱり同じような、温熱利用を進めるんであれば、それは有効であれば民業にもやらなきゃいけないというような気がいたしますね。
 第三セクターに肩入れをするということは民業圧迫にもつながることでもありますが、環境省の温泉行政、あるいは熱利用というような観点で環境省でこれを助成対象に加えるということは、私自身は今考えておりません。
#111
○市田忠義君 時間が来ましたので終わりますが、地球の恵みである温泉資源について、いまだにその影響の解明が十分でない大深度掘削が非常に増えているわけですし、ずさんな計画で住民に負担を押し付けることになる温泉事業など、そういうことで貴重な文化資源が損失することがないように強く求めて、ちょうど時間になりましたので終わります。
#112
○委員長(大石正光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#113
○委員長(大石正光君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、西田吉宏君が委員を辞任され、その補欠として木村仁君が選任されました。
    ─────────────
#114
○委員長(大石正光君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 温泉法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#115
○委員長(大石正光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 福山君から発言を求められておりますので、これを許します。福山哲郎君。
#116
○福山哲郎君 私は、ただいま可決されました温泉法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国民新党の各派並びに各派に属しない議員荒井広幸君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    温泉法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、大深度掘削泉等新たな形態の温泉が近年広がりつつあるが、一般に国民に浸透している温泉概念とは異なっていることにかんがみ、諸外国の例も参考としつつ、温泉の定義の在り方について検討を行うこと。
 二、温泉の成分・ゆう出量が短期間で急激に変化した例等が見られることにかんがみ、急激に変化したことが明らかな温泉に対しては、十年の期間内であっても温泉成分分析を行うことが望ましい旨を周知しその実施を指導すること。また、温泉成分分析を行う登録分析機関の分析能力の確保に努めること。
 三、温泉に対する国民の信頼を確保するため、温泉成分等の情報提供に当たっては、効能等に関する掲示内容や掲示方法等について必要な見直しを行うこと。また、利用者の健康保護の観点から、温泉分析に当たっては、温泉のゆう出場所ではなく、利用者が実際に温泉を利用する場所での分析を検討すること。
 四、近年、大深度掘削泉開発が多く行われていることにかんがみ、大深度掘削による温泉資源、地下水、周辺地盤等への影響について調査・研究を行うこと。また、未利用源泉についても、その実態の把握に努めるとともに、温泉資源への影響の程度等に関する調査を行うこと。
 五、温泉利用施設からのほう素、ふっ素に係る排水規制については、暫定排水基準を再延長することとしているが、対象となる温泉利用事業者に零細事業者が多いことにかんがみ、低廉な除去技術の実用化に向けた取組を加速化させること。
 六、温泉の掘削等の許可に関するガイドラインを作成するに当たっては、都道府県が地域特性をいかした対策を十分に行えるよう配慮するとともに、温泉が国民共有の資源であることにかんがみ、利用者、NPO等の意見についても十分に留意すること。
 七、利用者にとって魅力ある温泉地をつくり、はぐくむため、我が国を特徴づける文化資源である歴史的な温泉地については、地方自治体と協力して必要な振興策を講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#117
○委員長(大石正光君) ただいま福山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#118
○委員長(大石正光君) 全会一致と認めます。よって、福山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、若林環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。若林環境大臣。
#119
○国務大臣(若林正俊君) ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力する所存でございます。
#120
○委員長(大石正光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○委員長(大石正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト