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2007/06/19 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 環境委員会 第13号
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2007/06/19 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 環境委員会 第13号

#1
第166回国会 環境委員会 第13号
平成十九年六月十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     山崎 正昭君
     岡田  広君     西田 吉宏君
     小川 敏夫君     平田 健二君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     福山 哲郎君     山本 孝史君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     山本 孝史君     福山 哲郎君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     小林  元君     神本美恵子君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     小林  元君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     大野つや子君     福島啓史郎君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     福島啓史郎君     大野つや子君
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     西田 吉宏君     山本 順三君
     岡崎トミ子君     和田ひろ子君
     市田 忠義君     紙  智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大石 正光君
    理 事
                大野つや子君
                福山 哲郎君
                加藤 修一君
    委 員
                愛知 治郎君
                矢野 哲朗君
                山本 順三君
                小林  元君
                平田 健二君
                山根 隆治君
                和田ひろ子君
                荒木 清寛君
                草川 昭三君
                紙  智子君
                田村 秀昭君
                荒井 広幸君
                島尻安伊子君
   衆議院議員
       環境委員長    西野あきら君
   国務大臣
       環境大臣     若林 正俊君
   副大臣
       環境副大臣    土屋 品子君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  北川 知克君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渋川 文隆君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      齋藤  潤君
       内閣府大臣官房
       審議官      梅溪 健児君
       内閣府沖縄振興
       局長       清水  治君
       外務大臣官房長  塩尻孝二郎君
       外務大臣官房審
       議官       杉田 伸樹君
       財務大臣官房審
       議官       中村 明雄君
       財務省主計局次
       長        松元  崇君
       財務省国際局次
       長        玉木林太郎君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       小野  晃君
       農林水産省生産
       局畜産部長    本川 一善君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    由田 秀人君
       環境省総合環境
       政策局長     西尾 哲茂君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       上田 博三君
       環境省地球環境
       局長       南川 秀樹君
       環境省水・大気
       環境局長     竹本 和彦君
       環境省自然環境
       局長       冨岡  悟君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (G8ハイリゲンダム・サミットにおける気候
 変動に関する結果に関する件)
 (森林地域におけるエコツーリズム推進に関す
 る件)
 (アスベストに係る健康被害対策に関する件)
 (蜂群崩壊症候群の国内対策に関する件)
 (環境省広報活動の政治的中立性の疑念に関す
 る件)
 (地球温暖化対策に重点を置いた途上国援助に
 関する件)
 (鳩間島及び波照間島の西表国立公園への編入
 に関する件)
○エコツーリズム推進法案(衆議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(大石正光君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六日、岩城光英君、岡田広君及び小川敏夫君が委員を辞任され、その補欠として山崎正昭君、西田吉宏君及び平田健二君が選任されました。
 また、昨日、西田吉宏君、岡崎トミ子君及び市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として山本順三君、和田ひろ子君及び紙智子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大石正光君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大石正光君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に大野つや子君及び福山哲郎君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(大石正光君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官齋藤潤君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(大石正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(大石正光君) 環境及び公害問題に関する調査を議題といたします。
 この際、G8ハイリゲンダム・サミットにおける気候変動に関する結果に関する件について若林環境大臣から報告を聴取いたします。若林環境大臣。
#8
○国務大臣(若林正俊君) G8ハイリゲンダム・サミットが、六月六日から八日までドイツのハイリゲンダムで開催されました。
 本会合は、主要先進国の首脳らが一堂に会し、国際社会が直面する様々な問題につき意見交換を行うものです。今回は、主要途上国である中国やインドなどの五か国、また、アフリカ各国からも首脳が参加いたしました。今回の会合では、議長国ドイツは、「成長と責任」をテーマとして、「世界経済」「アフリカ」を主要議題として提示いたしました。このうち「世界経済」の分野では、特に気候変動問題が主要議題となりました。
 本日は、気候変動に関する結果について、簡潔に御報告いたします。
 サミットにおいて、安倍総理は、さきに発表した日本提案、美しい星50を各国首脳に紹介し、世界全体の排出量を現状に比して二〇五〇年までに半減することを全世界の共通の目標とすること、また、次期枠組みを構築するに当たっての三原則を提案されました。
 その結果、主要排出国を含む新たなプロセスを立ち上げ、二〇五〇年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減させることを含む、EU、カナダ及び我が国による決定を真剣に検討することでG8首脳の合意が得られました。安倍総理が世界に向けて理解と協力を呼び掛けてきた長期目標が、サミットの場でこのような形で合意された意義は大変大きいものであると考えております。また、今回、国連の下で次期枠組みを交渉するとの合意が得られたことも重要な成果であると思います。
 この間、安倍総理は、ドイツ、米国、フランス、ロシア、中国の首脳及び国連事務総長と会談し、二〇一三年以降の次期枠組みに関し、実効性のある国際的枠組みの実現に向けた協力などについて率直な意見交換を行いました。
 今回のサミットの結果を受け、我が国がG8議長国となる来年は、二〇一三年以降の次期枠組みに向けた議論が一層活発になると思われます。安倍総理は、北海道洞爺湖サミットにおいて気候変動問題を中心議題とする意向を示されており、我が国としては、安倍総理の提案に基づき、本年後半に米国が開催する主要排出国の会合を始め、バリで開催される第十三回気候変動枠組条約締約国会合、COP13等の会合において、主要排出国の実効ある参加を一層呼び掛けてまいります。また、来年のサミットに先立ち、三月に開催される気候変動、クリーンエネルギー及び持続可能な開発に関する閣僚級対話、いわゆるG20対話及び五月に開催されるG8環境大臣会合において、最大限のリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。
#9
○委員長(大石正光君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○大野つや子君 おはようございます。自由民主党の大野つや子でございます。質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、気候変動問題の重要性、緊急性は、先ごろ発表されましたIPCCの報告によって更に確実性が増しております。科学からのこうしたメッセージを受けて、国際社会としても今や世界の首脳が最重要課題の一つとして取り上げるに至っております。
 今後の気候変動に関する議論の中心は、紛れもなく京都議定書第一約束期間の二〇一三年以降の次期枠組みづくりだと思います。次期枠組みについて日本政府はどのような考えを持っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(若林正俊君) 委員が御指摘になりましたように、この地球環境問題、とりわけ地球温暖化の問題は、世界、地球人類共通の最大の課題となっております。そのような課題に世界挙げて取り組んでいくために、先般のハイリゲンダム・サミットでは、G8諸国のほか、主要な途上国、新興国であります中国、インドなどG5、さらにアフリカ諸国なども参加をいただきまして、会合、協議が行われたわけでございます。
 その会合におきまして、この地球温暖化の問題は、世界の課題としてどうしても解決、乗り切らなければならないという認識を共有いたしまして、そして二〇五〇年には少なくとも今の温室効果ガスの排出量を吸収量まで落とすという意味で、半減をするということの方向で今後検討を進めることになったわけでございます。
 それらを受けまして、来年の日本におきます洞爺湖サミット、日本が議長国になるわけでございますが、ここでこれからの枠組みの協議が行われるわけでございますが、この協議の重要な課題というのは、委員が正に御指摘になりました二〇一三年以降の具体的な温室効果ガスの排出抑制というのをどういう枠組みで組み立てていくかということになっていくわけでございます。
 このことにつきます我が国の考え方は、先月、安倍総理が発表されました美しい星50に盛り込まれておりますが、そこで三つの原則を提案をしております。
 すなわち、一つは、主要排出国がすべて参加し、現在の京都議定書よりも大きく前進するものとした上で、世界全体での排出削減にそのことがつながっていくものでなきゃならない。二番目として、共通だが差異のある責任と各国の能力の原則の下で、先進国と途上国の取組が同じである必要はなく、同じ途上国というグループの中でも新興国とその他の国との間では能力も事情も異なることを踏まえて枠組みをつくらなければならないということ。三つ目は、省エネなどの技術を生かして環境保全と経済発展とを両立をさせていること。この三つの原則が次期枠組みの骨格として適切に盛り込まれるようにリーダーシップを発揮し、様々な機会をとらえて各国と積極的に議論を重ねていくつもりでございます。
#12
○大野つや子君 ありがとうございます。しっかり取り組んでいっていただきたいと思います。
 次に、気候変動問題は地球規模で起きております。世界全体が取り組まなくてはならない問題でございます。特に米国や、中国、インドなどの新興諸国を今後の国際交渉のプロセスに確実に取り込み、積極的な協力と貢献を引き出していくことが重要であると存じます。今月上旬に開催されましたG8ハイリゲンダム・サミットにおいては、我が国の建設的かつ積極的な姿勢が評価されたものと、私も高く評価したいと思います。
 そこで、改めまして、今回のサミットの成果を踏まえ、二〇一三年以降の次期枠組みを実効あるものとすべく、更にこの分野での我が国のリーダーシップを発揮していくことが求められると思いますが、そのための具体的な道筋をお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(若林正俊君) 先般のハイリゲンダム・サミットにおきまして、米国がこの次期枠組みを含みます地球温暖化対策のテーブルにのったということは、大変大きな意味があると思います。そして、米国が呼び掛けて十五か国の各国の首脳との会合を持つという提案をされましたが、それも国連の枠組みの下で行うんだということが確認をされておりまして、これも大変意義のあることだと考えております。
 問題は、御指摘のございました中国、インドなどの新興国と、どうしてもまだまだこれから発展をしなければならないけれども温暖化問題の被害を受ける可能性の高い途上国の皆様方でございます。こういう皆様方も一緒に舞台に入ってもらって一緒に協議していくという体制をつくっていくということが大変大事なことになると思います。
 今年の九月には、国連の事務総長が呼び掛けまして国連総会の前に主要国の首脳と会合をするということになっておりますが、同時に、アメリカもこの秋には十五か国の首脳に呼び掛けまして地球温暖化問題について協議をするというようなことになっているわけでございます。そして、この表舞台としては、今年の十二月にバリで開催されますCOP13における次期枠組み交渉、このことを通じて主要排出国の実効のある参加を確保するように、これに参加するように呼び掛けているところでございます。来年我が国がG8議長国として主催するG20の対話、これは三月に予定しております。また、G8環境大臣会合、これは五月に予定いたしておりますが、これらは北海道洞爺湖サミットを控えて交渉の極めて重要な局面になると考えておりまして、議長役としての最大限のリーダーシップを発揮してまいりたい、このように決意をいたしているところでございます。
 また、米国は次期枠組みづくりへの参加を初めて表明するとともに、この米国の姿勢というのは、中国やインドが参加しない場合にはこの温室効果ガスの抑制というのは効果が出ない、よって自分たちは参加しないんだというのが京都議定書から離脱をしたときの理由でございます。その意味で、米国がインド、中国を含めて主要排出国からの対話の場を設けるということを提案したと先ほども申し上げましたが、これは大変意義のあることでございまして、各国から歓迎されているところでございます。
 我が国は、委員御承知のように、このハイリゲンダム・サミットに先立って日中の首脳会談をいたしました。日中首脳で地球温暖化問題に積極的に取り組んでいこうという意思の確認をいたしておりまして、その後、日米の首脳会談を経てハイリゲンダム・サミットに総理は臨んだわけでございます。日中との間に様々な環境問題をめぐりまして長いお互いの協調関係が続いてきておりますから、我が国は中国との関係について非常に太いパイプを持っていると思います。その意味で我が国の責任も大きいというふうに認識をいたしておりまして、このようなプロセスを通じまして、中国、インドを含む新興途上国、さらに一般途上国の皆さん方に積極的に働き掛けを行いまして、世界全体で新しい枠組みができますようにイニシアティブを発揮していかなければならないと、そのような決意で臨んでいきたいと思うところでございます。
#14
○大野つや子君 大臣、ありがとうございます。
 今後、しっかりした対応を期待いたしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、エコツーリズムについて質問をさせていただきたいと思います。
 エコツーリズムは、地域の自然環境の保全を図りながら地域振興を図るという、正に環境と経済の好循環の具体的手段であると理解をいたしております。日本国土の七割、私の地元では、岐阜県では九割をも森林が占めているわけでございますが、森林地域はその格好の場であるとも考えるわけでございます。このような生物多様性豊かな森林地域でエコツーリズムを推進する意義について、大臣はどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
#15
○国務大臣(若林正俊君) 委員の御地元の岐阜県と同じように、我が長野県も大変な森林の多い地域でございます。その森林というのは、生物の宝庫でありますと同時に、伝統、文化、そしてまた地域の自然環境を保護するためにも大きな役割を担っておりまして、自然と人間との共生を図っていくという意味で、これは洋の東西を問わず、やはり森と人とのかかわり合いというのは非常に深い関係を持って今日に至っているわけでございます。
 その意味で、その森を見直して新たな森の価値を見いだすということは大切なことでありまして、エコツーリズムの推進というのも、地域住民を始めとして自治体やあるいは関係の事業者、NPO、専門家などの多様な主体との連携によりまして、その対象となっております自然資源、森を中心とした自然資源を明確にしていく、言ってみれば森の中の、自然の中の宝探し、そしてその保全利用をどのように図っていくかという、その在り方を検討する、そういう宝を磨いていくというような一連の活動がエコツーリズムを通じて期待されるわけでございまして、このような地域の自然を大切に思い保全しようとする意識や地域の誇りを形成していくというものに積極的につながっていくものであると、このように考えております。また、地域の自然を紹介するガイドが活用されるなどによりまして雇用の機会も生まれるとともに、滞在型の観光へつながっていくということが期待されると思います。地域振興に大きく資することが期待されていると思います。
 一方、我が国の森林は、原生的な森林から人とのかかわり合いにおいて維持形成されている里地里山の森林まで多様なタイプがありまして、地域特有の自然資源でありますことから、御指摘のとおり、エコツーリズム推進の格好の場になっているものと認識しております。このような森林地域においてエコツーリズムが推進され、山村の精神的、経済的な活力化や、また地域の生物多様性の保全に大いに寄与することを期待いたしているものでございます。
#16
○大野つや子君 ありがとうございます。
 次に、地域の誇りの源であり日本国民の伝統の源流とも言うべき森林を守っていくことについていろいろお話をいただいたんでございますけれども、環境大臣の御認識をもう一度お願いしたいと思います。
#17
○国務大臣(若林正俊君) ただいまも申し上げたとおりでございますが、日本国全体で見ましても三分の二を森林が占めているところでございます。この森林というのは、生物多様性を保全をする、また地球温暖化を防止するといったようなことなど、環境保全上重要な役割を果たしているわけでありますが、それだけではなくて、四季折々変化をする美しい風景や豊かな文化の根源でもあると、このように思うのでございます。
 このような森林は、地球の悠久の歴史の中で多種多様な生物とそれを取り巻く環境との相互作用を通じてはぐくまれてきたものでございます。古来から私たち日本人は、無意識の中にこのことを感じ取っておりまして、生きとし生けるものが一体となった自然観というものを持っておりまして、自然を尊重し、自然と共生するということを常としてきたのであると思います。
 今後とも、自然に対する謙虚な気持ちを持って、森林を始め我が国の自然環境を守り育てていくということが非常に大切なことだと認識しているわけでございます。環境省としても、環境保全に責任を有する立場から、日本の多様で緑豊かな森林を将来の世代に確実に引き継いでいくように努力してまいらなければならない、このように考えているところでございます。
 山が戦後、外材との関係で非常に材木としての生産価値が落ちてきておりまして、そのために山の手入れをする人がいなくなってくる、また高齢化、過疎化が進んで、ますます山が放置されて荒れているというようなことが続いてまいりました。そのようなことから災害を多発させることになり、また生態系にも大きな影響を与えてきているというのが現状でございまして、その意味では、この森林整備というのはしっかりとした、人が手を加えてこれを育てていくという視点で、人とのつながり、人とのかかわり合いをかつてそうでありましたようにもっと深めていかなきゃいけない。そのためには、経済的な価値というものも森林にもう一度付与していくような各種の政策を取っていかなければならないんじゃないかと、このように思うわけでございます。
 委員の御指摘、委員の御意見をしっかり受け止めまして、これからこの青い山、清い水、そして美しい自然というものを形成している森林の整備に一層力を入れてまいりたい、このように認識しているところでございます。
#18
○大野つや子君 大変ありがとうございました。大臣の先ほども気候変動問題に対する並々ならぬ情熱を感じさせていただきました。
 たった一つしかないこの地球でございます。大切な地球を、地球上に生きる生きとし生けるもののためにしっかりと今後取り組んでいっていただきたいことを強く要請し、私は議員として最後の質問をさせていただきましたことに感謝を申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
#19
○山根隆治君 民主党の山根でございます。
 まず、ちょっと通告外で恐縮でございますけれども、昨日の夕刊と今日の朝刊に報道されておりました、トンネルじん肺の原告団と国との和解についての報道がございましたけれども、これについて大臣、何か御感想ありましたら。いろいろな訴訟問題等、環境省もかかわっておられることが多かったわけでありますけれども、この国との和解についての御感想が何かあれば一言お述べいただければと思います。
#20
○国務大臣(若林正俊君) 直接の環境省所管の事業にかかわるものでございませんけれども、今委員が御指摘になりましたように、このじん肺問題は、この被害を受けた方と国及びその関係者との間に長い訴訟が係属されておりまして、その訴訟の過程で多くの方がお亡くなりになる、そしてこの訴訟の係属によって苦痛を続けられた方々が大勢いらっしゃるわけでございまして、そういう状況の中でこのたび国と原告団との間で和解に至ったということは大変喜ばしいことだというふうに評価をいたしておりまして、訴訟の場面ではそれぞれの責任の所在をめぐって激しい意見の対立、論争があるわけでございますが、この被害を受けられた方々もそれぞれがいろんな立場の違いを持っておられますけれども、共通の問題として国の責任というものをどのように認識するか。これも突き詰めるといろんな議論があるわけでございますけれども、今申し上げたように長い間このことで苦しみ続けてこられた原告の立場というものを国としても認識した上での和解の成立だという意味で、この和解は歓迎すべきものだと考えているところでございます。
#21
○山根隆治君 通告外で恐縮でございました。
 今、大野先生が議員としての最後の御質疑ということでのお話を聞きまして、少し詰まるものもございました。その御議論をちょっと聞いていて、これも細かしい話ではないので、基本的なところでございますので、通告をこれもちょっとしてなかったんですけれども、ちょっと御感想といいますかお考えを聞かせていただきたいと思うんですけれども。
 今御報告のありましたハイリゲンダムのサミットで、安倍総理が二〇五〇年までに半減をしたいというふうなお話が、排出について現状から半減したいというふうなことを述べられて、国際的な注目を浴びてほかの国々の御理解、共感も得たと、こういうことでございますけれども、ふと疑問が思い浮かんだんでありますけれども、半減ということの意味は何なんでしょうか。
#22
○国務大臣(若林正俊君) 地球温暖化を止めなきゃいかぬ、ストップしなきゃいけないというのが基本でございます。今の状況を見ますと、温室効果ガス、特にCO2については自然の吸収源というのがあります。吸収源の一番大きいのは海でございます、海面から吸収する。それから森林です。これらの吸収する量が三十二億トン余という、プラスマイナスありますけれども、それが吸収量なんですね。ところが、排出はどうだということになりますと、年々蓄積される排出量が増えてまいりまして、これも七十一億トンプラスマイナスというようなことで倍以上になっているわけであります。
 この温暖化を止めるためには、排出されている量を少なくとも吸収量まで落とさないことには止まらないわけですね。ですから、削減をしていくときに長期的に見てその吸収量とイコールになるところまで抑え、削減していかなきゃいかぬという、そういう考え方に基づきまして、それをざくっと言いますと、これは現状から、分かりやすく言えば、みんなの理解として言えば、半分にするということがなければ温暖化は止まらないね、温暖化を止めるためには半分にしようじゃないかと、こういうことを世界の共通の認識にしたい、共有したいという意味で提案を申し上げているわけでございまして、正確に言いますと、このIPCCの予測もこれ数字でございますからいろいろ幅があるんですね。いつのときを起点にするかというのはそれぞれいろんな議論があるんですけれども、分かりやすく言えば、今我々が生活をしている地球の中で排出している量と想定されるものを少なくとも半減しないと吸収量に見合ったところまで行かないという意味で半減を提唱したということでございます。
#23
○山根隆治君 そうしますと、半減という数字には科学的な根拠はないということでいいんでしょうか。
#24
○国務大臣(若林正俊君) 正に科学的な根拠だと私は思うんですけれども、IPCCが予測を報告をしておりますように、その吸収量というのがあるわけですね。これはもう海の中の生物諸活動などを通じて炭酸ガスを吸収していくという、これがどのぐらいの量あるかというようなこと、正に科学的な知識、分析の結果から出てくるわけですね。森林がやはりどのぐらいの炭酸ガスなどを吸収しているかというのも、これ全世界の森林面積を想定をし、その森林の吸収する量というものを推定して吸収量というのは出しているわけですね。しかし、世界全体ですから統計的には誤差があります。非常に幅があるという意味で限界があるんですけれども、大ざっぱにいきますと先ほど申し上げたような数字になるわけですね。
 じゃ、排出量はどうかといえば、これは石炭とか石油とかその他の、例えばツンドラ地帯で発生してくる、これが解けてくるとメタンが発生するとか、様々な温室効果ガスがあるわけですけれども、そういう排出量というようなものを各国の状況を積み上げながら推定をしてきておるわけです。
 しかし、これやはり地球の自然の大きな営みの中でありますから、ある幅があるという意味で、そういう意味では幅のある話の中をつないでどのくらいかということですから、科学的根拠に基づきながらみんなが理解できる、共通に理解できる、つまり対立もあるわけですよね、考え方の違いが、科学的根拠の主張の仕方が。その共通の部分をお互いに共有していきたいという意味で半減、少なくとも半減という提案をしたということでございます。
#25
○山根隆治君 例えば、半減ではなくて五五%だ、六〇%だということもあり得たわけですね。しかし、今の大臣のお話、御答弁聞くと、やはり何かレトリックといいましょうか、そうした象徴的な数値としてやっぱり挙げられたのかなという気はしたんですね。
 もう古典的なレポートですけれども、ローマ・クラブの報告などはかなり世界じゅうの学者がいろいろな科学的なデータを分析して、そしてレポートにまとめた。それへのいろんな当時から批判も、科学的な面からの批判ということもございましたけれども、一応すばらしい歴史的なレポートに当時なっていたと思うんですね。
 この五〇%削減というのも、分かりやすくすっきりするということで、何か大根をばさっと切ったようなそういうさっぱり感というのはあるんですけれども、科学的に五五だとか六〇ということじゃなくて、五〇というのは一つの象徴的な数字、分かりやすいというかメンタルな部分に訴える、訴えやすいということが強かったという理解でよろしいんでしょうか。そのことがいけないと言っているんじゃなくて、そういう理解でいいかということを申し上げているんです。
#26
○国務大臣(若林正俊君) 先ほど科学的根拠がないとおっしゃられたものですから、そうではありませんと。
 それで、IPCCの推定を申し上げますと、これは世界の科学者六百人ほどが集まり、日本の科学者もこの中にメンバーに入りまして相当大きな貢献をしているわけでございます。そのIPCCの第四次報告では、排出量を七十二プラスマイナス三億トンというふうに想定しています。吸収量については三十一億プラスマイナス十一億トンという幅を持って出しているわけでございます。
 しかし、このIPCCの報告とは別に、いや、もっと吸収量が多いんだという主張をしている国もありますし、そういう科学者もいるわけですね、個別に見ますと。だから、IPCCのものだけが絶対にこれで共通の認識が得られているとも言い切れない。
 そういう意味で、ある幅のあるそれぞれの科学者あるいはそれぞれの国の主張というようなものを共通にどこでこの認識を共有するかというふうに考えまして、このハイリゲンダム・サミットのときにも、EUとカナダと、そして日本の主張をベースにしたわけですが、少なくとも半減というのは、それじゃ、少なくともってどのくらいなのかということもあります。そこはそういう主張をまとめていく中で、お互いにこれだと共通の認識が得られるだろうという意味で半減、少なくとも半減という言い方をしたということでございます。
 それなりに科学的な主張に幅があるということの中で共通の点をお互いが共有をするために認識を提案をしたと。これもその方向に向かって検討するということになっておりまして、結論を得るにはなおなお議論のあるところだと思います。
#27
○山根隆治君 大臣の御答弁で背景と大体の風景が見えた気がいたします。
 しかし、もう一つあれと思う疑問は、そうすると、数値の話でありますから少し細かしくなりますけれども、京都議定書で定められた期間というのがあって、二〇一二年、それを待たずに現状の半減というふうな表現をされているわけでありますけれども、ここは少し丁寧に二〇一二年の時点を踏まえてというふうなことではなかったところについてはどのような解釈をしたらよろしいのでしょうか。
#28
○国務大臣(若林正俊君) この半減というのは実は二〇五〇年という長期の目標に対してどういう目標設定をするかということでございます。
 お話の京都議定書は、二〇〇八年から二〇一二年までの期間をどのような形で、これは先進国だけですけど、地球全体がどうなるかということについてはそこでは明らかにしていないんですね。その参加した二十七か国の先進国について言うと、少なくとも一九九〇年比で五%減らそうと、先進国で。その中で日本は六%、EUは八%、そして離脱をしましたけどアメリカは七%ということを協議で決めたということでありまして、そういう二〇一二年までの期間の何%削減するかという手法として基準年を一九九〇年に置いたということでございます。
 今度の長期計画は、五十年先ですから、そういう長期の先をどこを起点にしてというふうに、今言いましたように、少なくとも半減という程度の幅の中で言っていますから、今の時点というのはそれじゃ幾らなんだと。今というのはいつかというと、IPCCの報告だと、二〇〇〇年から二〇〇五年までで幾らというのはIPCCで推定したものがあるんですけれども、じゃ、それを固定して世界共通の認識が得られるかというと、それにはまだ異論を持っている方もいます。いますから、だから数字を挙げて幾らということは、その起点についても申し上げなかったと。
 しかし、いろんな議論があるけれども、現状においてこうだろうと思われるもの、数字は明らかにされていませんけど、幅があるものから少なくとも半減というふうに表現をしたわけでありまして、京都議定書とのかかわり合いは直接は意識しておりません。
#29
○山根隆治君 御説明はよく分かりましたけれども、やはりちょっと私の疑問にはまだすっきりとした御答弁でなかったと思いますけれども、マクロの話ばかりしていても時間もございますので、少し進めさせていただきたいと思います。
 私は、アスベストの問題についてお尋ねをさせていただきたいと思っております。
 実は私、埼玉県の選出の議員でございまして、建設労働者の方々で組織する建設埼玉というところがございます。ここでいろいろな調査をされ、いろんな日常活動の中、調査をされておられるわけでございますけれども、その調査結果の中で、建設労働者の五十代から六十代の方々の生活習慣病の検診などで多数の粉じん、石綿による検診結果で多数の健康障害が出ているという資料を実は私いただきまして、今後も発症の可能性というのは非常に高いと思われるわけでございますけれども、今後の、私、埼玉県の一例を申し上げたわけでありますけれども、アスベストの被害の状況予測についてはどのようにお考えになられるのか、お尋ねをいたします。
#30
○政府参考人(上田博三君) 今後の被害の予測ということでございますけれども、一説に言われておりますのは、アスベストが我が国で輸入をされて使用されてからその輸入量、使用量がピークになるまでの期間がございまして、そのピークの期間から大体三十年ないし五十年ぐらいの間にこの被害のピークが来るんだろうということでございますので、ちょっとまだ予想については十分推定ができない状況でございますけれども、まだこれから被害者の方は増えるんではないかというふうに考えているところでございます。
 なお、現在のところ、私どもとしては、救済法に基づいて適正なる、また迅速なる認定を進めているところでございます。
#31
○山根隆治君 なかなか試算ができない、まだできていないということでございますけれども、ある組織での試算ですと、胸膜中皮腫の死亡者数について、今後三十年間で約五万八千八百人、四十年間では十万三千人になり、二〇三〇年から三四年の五年間で死亡者数のピークを迎えると、こうした予測を出しているところもございます。
 冒頭申し上げましたように、五十代、六十代の労働者の方々に対する補償や処遇について、それなりに適切にというふうなことでもございましたけれども、具体的にこういった相当多くの被害者の方々が予測されるわけでございまして、こうした予測、ある程度は国としても想定をされておられると思うんですけれども、石綿の救済法での補償ということの内容についてどのようなことをお考えになっておられるのか、もう少し詳しくお尋ねをしたいと思います。
#32
○政府参考人(上田博三君) 石綿による健康被害の被害者の方々に対しましては、石綿健康被害救済法に基づきまして、昨年三月から申請等の受付を開始されまして、独立行政法人環境再生保全機構が申請等を受け付けまして、医学的判定が必要なものについて、中央環境審議会の専門家による審議を経て、機構が認定を行っております。
 現状でございますけれども、本年五月末時点までに千九百件の申請を受け付けまして、九百十三件が認定、それから施行前死亡者に係る特別遺族弔慰金等につきましては、二千二百六十四件の請求を受け付けまして、うち千六百七十二件が認定をされております。認定の対象疾病といたしましては、いわゆる中皮腫と石綿に起因する肺がんということで、現在認定の対象としているところであります。
 今後、こういうことにつきましても、附帯決議にございますように今後五年間の見直し期間がございますので、そういう中で様々な情報を収集をし、制度について検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#33
○山根隆治君 アスベストについて、日本及び主要国での製造、使用に関する状況はどのようになっているか、お答えをいただきたいと思います。
#34
○政府参考人(小野晃君) アスベストの製造、使用の規制状況について、諸外国、我が国の経緯も含めまして少し御説明をさしていただきたいと思います。
 製造、使用等の禁止につきましては、クロシドライト、これはいわゆる青石綿、それからアモサイト、茶石綿につきまして、我が国は一九九五年に禁止をいたしました。
 このクロシドライトにつきましては、それまでも行政指導等によりまして既に一九八九年の段階で使用の実態がなくなっているということを確認をいたしております。ドイツが一九八六年、それからフランスが一九八八年に禁止措置を講じていたわけでございますけれども、これら両国では依然使用の実態があったということを考えますと、我が国として実態面でこれらの国に後れは取っていないというふうに考えております。
 それから、アモサイト、茶石綿につきましては、ドイツが一九九三年、それからフランス、一九九四年に禁止をしております。我が国は先ほど申し上げましたように一九九五年でございますので、禁止の時期には大差がないというふうに考えております。
 これまでも我が国として、その時々の知見に応じて必要な規制は講じてきております。ちょうど昨年、平成十八年に我が国が白石綿も含めまして全面禁止にいたしました。EUではその前年、平成十七年、二〇〇五年に使用等が全面禁止をされていると、こういう状況でございます。
#35
○山根隆治君 先に進みます。
 二〇〇五年、フランス上院の報告書によれば、フランスでは今後二十年から二十五年以内に六万人から十万人がアスベストにより死亡する可能性があり、その責任は産業界の強い影響を受けて禁止措置を遅らせた政府にあると、こうされたわけでございますけれども、我が国の場合、こうしたフランスの例を持ち出すまでもなく、重々いろいろな責任についての御認識もあるかと思うんですけれども、日本政府の責任についてはどのようにお考えになっておられますか。
#36
○政府参考人(小野晃君) お答えを申し上げます。
 先ほども御説明いたしましたように、厚生労働省といたしましては、これまでもそれぞれの時点において、当時の科学的知見に応じて必要な規制等の対応を行ってきたというふうに考えておりまして、実態面も含めて対応に遅れはないというふうに考えております。
 一昨年、政府としての検証、この間のアスベスト対策についての検証報告をさしていただきましたけれども、その中でも触れられておりますけれども、現時点で予防的アプローチが国際的に認知された現状から見ますると、生命、身体に係る法令上の禁止措置については世界的な動向を見ながら実施するという考慮が十分なされたとは言えないという面があるものの、いわゆる不作為等についてはないというふうに私どもも考えております。
 今後とも、このアスベストによる労働者の健康障害を防止するため、昨年全面禁止の措置をとりましたけれども、この全面禁止措置の遵守の徹底を図りますとともに、これから今まで使われましたアスベスト等の建築物の解体等も増えてまいります、こういう面での暴露防止対策につきましてその徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
#37
○山根隆治君 今、御答弁にありましたように、建築物の解体に伴ってアスベスト廃棄物の大量排出ということが十分予測されるわけでございますけれども、この最終処分場というのは全国的には充足されているということになるのか、不足しているのか、お尋ねいたします。
#38
○政府参考人(由田秀人君) アスベストに係ります特別管理廃棄物として現在取り扱っておるものに関しましては、最終処分場に関しまして、現状の収集におけるこん包等、処分におけます溶融処理、あるいは耐水性材料での二重こん包等の措置を行って所定の場所に最終処分を行うという点につきましては、最終処分場につきまして特段不足しておる状況ではないという認識でございます。
#39
○山根隆治君 特段不足していないということでございますけれども、それはいかがなものかなというふうな思いが実はいたしております。
 相当の私は廃棄物、アスベスト廃棄物の大量排出ということで、本当にそれが全国的にも、トータルでは満たされていても、例えば大都市圏等ではその最終処分場の建設あるいは更なる増設ということについては、住民意識の問題もございましてなかなか思うように進まないという場面がこれから出てきはしないかということを私自身は心配をいたしているところでございます。
 私も埼玉県の県議会の議員もしていたことがございまして、様々な地域の方々の御意見等も、お話も聞かせていただいたことがあるんですけれども、国が方針を少し変えまして、例えば一つの県の中で排出したものは県の中で処分するということが一つの原則としてもあろうかと思うんですけれども、前提があろうかと思うんですけれども、しかし、現実にはなかなか、量が多くなった場合には近隣の他県の協力を得ているというところもあるわけでございまして、実は埼玉県もそのような状況に一つなっているわけでありますけれども、そしてお隣のこれ群馬県の処分場をお借りをしたりするというところが、実は事情が埼玉県もあるわけでございますけれども、そうしますと、事業者は、排出事業者自身が持ち込むわけでございまして、その他県の担当者と直接に事前協議を行う必要があるということで、それを遵守多くの方はしておられるわけでありますけれども、この事前協議の手続が非常に煩雑で、処分コストの増大などがありまして、人によってはどうも不法投棄を心配する向きもかなりあるわけでありますけれども、こうした不法投棄の可能性、現状についての御認識というものはどのようなものをお持ちなのか、お尋ねをいたします。
#40
○政府参考人(由田秀人君) 不法投棄に関しましては、かなり、平成九年の廃棄物処理法の改正におきまして、個人では一千万、法人で一億円、あるいはその後の改正によりまして懲役も五年と大幅に強化いたしておりまして、不法投棄、厳重な、断固として不法投棄を許さずという立場を取っておりますが、今御指摘のように、自治体の事前協議制というものが極端に行政指導等によって行われます場合には、そのリスクというものが高まる可能性というものはございます。
 そのような観点から、環境省としましては、従来より、事前協議制度によりまして産業廃棄物の処理が怠りましたり不法投棄の不適正処理が生じる事態を招くことがないよう、このような指導を見直すように指導をしてきたところであります。昨年九月にも、各自治体に対しまして搬入抑制をすることなく円滑な処理の確保に留意すべき旨の通知を発しまして、この旨も周知を図っているところでございます。
#41
○山根隆治君 しかし、大都市圏のいろいろなところで起こっている現実としては、山の中に不法投棄が後を絶たないという状況もまだ実はあるというふうに私自身思っております。
 これは、卵か鶏がどちらが先かという話もありますけれども、例えば駐車違反なんかもそうですよね。非常に迷惑駐車だからといって罰則をどんどん厳しくして駐車をなくすということがありますけれども、しかしなかなか思うようにいかない。しかし、だんだん解決していった場合にどういうことになっているかというと、大体、民間の駐車場がどんどん増えていったりすると、そこに入れるということで駐車違反がなくなる、これがやっぱり現実だろうと思うし、素直なところだろうと思うんですね。
 ですから、私は、この産廃、特にアスベスト建材の問題についても同じようなもので、幾ら罰則を強化しても、それはもう巧妙に不法投棄するというふうなことというのはなかなかなくならないんだろうというふうに思っております。やはり各四十七都道府県それぞれに私は最終処分場が十分充足されているという状態をつくらないと、根本的な解決は難しかろうというふうに思っております。
 しかし、今お話ししましたように、大都市圏では必ずしもそれぞれの自治体ごとに最終処分場を充足させるということは、これからなかなかやっぱり困難になってくる場面も私は出てくるように思えてならないわけでございます。PCBの廃棄物の処理では、首都圏では一都三県での処理施設の配備ということで決められているわけでありますけれども、このアスベストの最終処置についても、私は広域処理というものがこれから現実的に検討されるべき課題だろうというふうに思っているわけでございまして、これにはやはり国の強力なバックアップ体制というものがないと、それぞれの各県にその処置をゆだねるということについては非常に現実的にやはり私は無理がある、負担が大きいというふうに思えてなりません。費用の問題、そして住民の皆さんとの協議ということも当然あるわけで、理解ということもあるわけですから、そうした非常に大きな負担ということがあるわけでございますので、国の広域処理ということについてもう少し前向きな検討が今必要な時期に来ていると思うんでありますけれども、この点についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#42
○国務大臣(若林正俊君) 委員がいろいろと御心配になられ、処分場が不十分であるために、規制を免れるために不法投棄が増えるんじゃないか、不法投棄の心配があるんではないか、自治体だけに任せていていいんだろうかと、PCBにおきますような広域的なその処理体制といったようなものを考えるべきじゃないかと、こういう御意見であろうかと受け止めているわけでございます。
 実は、この石綿の廃棄物の円滑な処理体制を確保するために、昨年の二月に廃棄物処理法を改正をさせていただきました。それで、この廃棄物処理法の改正によりまして、新たに溶融などによって石綿の被害がその後も拡散することがないような処理方法によります石綿廃棄物の無害化処理につきましては、環境大臣が認定をいたしますと、民間の事業者ですけれども、認定いたしますと、もう都道府県の設置許可などを不要として、そこに持ち込んでもいいというような昨年の法律改正をお願いをし、成立を見ているところでございまして、この制度を有効に活用をして、大臣認定によります無害化処理の施設を促進を図っていくというようなことで、円滑で適正な石綿廃棄物の処理が確保されるように努めていかなければならない、こんな問題のとらえ方をしているところでございます。
#43
○山根隆治君 いずれにいたしましても、私は、やはり各都道府県の実情に応じて、建築廃材でアスベスト処理ということが本当に大変な問題をこれから引き起こすことは間違いありませんので、適切な、やはり各都道府県の現状に応じた、実態に応じた措置というものを国として何ができるか模索を是非していただきたいというふうに思いますので、最後にもう一度、重なりますが、御決意のほどをお聞かせください。
#44
○国務大臣(若林正俊君) ただいま申し上げましたように、このアスベストの処理につきまして、その処理後の事故が発生するようなことがないように、昨年の成立を見ました法律に基づいて、大臣の認定に係る施設を整備をするように勧奨し、指導をし、そしてこれらの石綿の廃棄物処理が適正に行われますようにきっちりと指導してまいりたい、このように考えております。
#45
○山根隆治君 それでは、ハイリゲンダム・サミットでの話に少し戻らせていただきたいと思うんですけれども、報道されたところによりますと、カナダが京都議定書の削減目標達成を事実上断念したというふうな報道があるわけでございますけれども、我が国としてもカナダについてはこうした認識を持っているのかどうか、お尋ねします。
#46
○国務大臣(若林正俊君) 努力をしないということではないと受け止めております。いろいろ努力しても、この京都議定書の第一約束期間中に約束をした削減は困難な状況になったという認識をカナダが示されたものと考えております。
 我が国については、もう委員御承知のように、本来来年から始まるわけですけれども、始まる前の事前の努力というものを重ねてきたわけですが、減るどころか、実は先般確定値見ましたら、二〇〇五年で七・八%増という結果になっているわけですね。そういう意味ではカナダと同じようになかなかこの達成は困難だという事情にあるわけですが、決して、ギブアップをし、これは困難だから無理だなというような認識は持っておりませんで、今年中にこの全体の見直しを今仕掛けております。
 それぞれの排出源ごとに京都議定書の目標達成計画の細部にわたって、中央環境審議会、産業構造審議会の合同、あるいはそれぞれの審議会でヒアリングをかなり精力的に続けてまいっておりまして、先般中間的な取りまとめをしていただいたところでありますが、政府におきましてもそれら関係者との協議を重ねてまいっております。そして、今年中に更にこの京都議定書の目標達成計画の達成が確実になるような措置について、これを強化し、拡充を図り、必要があれば制度的な対応も含めまして、今年度中に新しい見直し後の体制でこの目標達成を確実なものにしたいと考えております。
 当然のことながら、来年は日本が議長国を務めるわけでございまして、議長国たる日本が第一約束期間の約束が守れないというようなことでは世界に対して、次の二〇一三年以降の説得をする立場でございますけれども、誠に説得力のない立場になってしまうわけでありますから、何としてもこうやっていけば達成できるんだという見通しを明確にしたいと、こう思っております。
#47
○山根隆治君 日本は頑張るんだと、こういう決意の表明もいただいたわけでありますけれども、今お話ありましたように京都議定書の目標達成計画を見直すということでございますけれども、いろんな見直し方があるんだろうと思いますけれども、当然、釈迦に説法ですけれども、排出削減ということが一つある、そして植林等による二酸化炭素の吸収促進ということがある、そしてもう一つはクリーン開発メカニズム等の措置があるということでございますけれども、どこに重点を置いて見直しをされようとされているのか。もうここまでの時点に来れば、私は排出権取引というところに重点を置かざるを得ないんではないかというふうに思いがいたしますけれども、目標を達成するための重点というものをどこに置かれようとしているのか、お尋ねをいたします。
#48
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘の見直しでございます。
 まず、需要の削減でございます。これにつきましては、産業あるいは業務、家庭、いろいろございますけれども、やはりその排出が増えております。想定よりもはるかに増えておりますのはオフィスなどの業務部門、それから家庭部門でございます。これにつきまして非常に対策が遅れていることもございますので、この辺りの需要減ということを最大限進めなくてはいけないというふうに考えているところでございます。
 それから、森林吸収につきましては、三・八%ということで想定して補正予算も付けていただいておりますので、何とかこれを達成したいと思っております。
 それから、CDMなどの京都メカニズムでございますけれども、これにつきましては、あくまでその様々な対策を取った後に必要なことについて補完的に使うということが原則でございまして、私どもこの原則はきちんと守りたいと思っております。そういったことから一・六%ということを見込んでおりまして、政府による購入は一・六%と見込んでおるところでございまして、これについて特段これを増やそうという見解は今のところ持っておりません。ただ、これ自身がうまく、安く効率的なことはかなり大変難しゅうございますので、私どもとしては、国民の皆さんに納得いただけるようなリーズナブルな購入を進めていきたいというふうに考えております。
#49
○山根隆治君 国内的に、東京都も非常に今いろいろな施策を展開して、全国の注目も浴びているところでございますけれども、温暖化排出量が相当程度高い事業所を対象にして五か年の削減計画を求めたりして都内の事業所に対しておられるということでございますし、排出量取引という制度についてもこれから行っていくというふうな方針を東京都は出されているわけでありますが、これについての評価はどのようになされておられるのでしょうか。
#50
○政府参考人(南川秀樹君) 地方公共団体、中でも東京都は、しばらく前からでございますが、熱心に対策に取り組まれております。
 それで、具体的に、大型事業者につきましては、その需要を減らすための指導ということをされておるところでございます。また、先般発表されました計画によりますと、来年度に条例を策定するということを考えておるようでございまして、その中では、大規模事業者あるいは大規模ビルについて排出権取引も含めた制度化を考えたいと、またそれ以外のビルについても具体的なかなり規制に近い指導といったことも導入したいということで検討を進めるということでございます。
 私ども、大変この東京都の動きにつきましては注目をしておりますし、またその実施内容についても東京都から話を聞いているところでございます。
#51
○山根隆治君 環境省も今年度から自主参加型国内排出権取引制度に参加する企業団体を公表をされたという新聞報道がございます。今までの、この制度が発足をしましてから成立した売買というのはどの程度になっているのでしょうか。
#52
○政府参考人(南川秀樹君) この制度は自主的な取引制度でございますけれども、平成十七年度から始めております。各年度に参加した企業が三年間でその削減まで至る、あるいは取引を行うということで、三年で一度締めるということにしております。
 第一期の事業に参加した社が三十一社、十八年度から参加した社が五十八社、第三期、十九年度からが六十二社ということでございます。第一期事業につきましては今年度で締めるわけでございまして、これまでのところ三十一社の中で四件ほどの取引が成立をいたしております。
#53
○山根隆治君 非常に数としては少ない数、数字だと思うんですけれども、今後もこの程度のものにとどまりそうなんでしょうか。見通しはいかがでしょうか。
#54
○政府参考人(南川秀樹君) 多いか少ないか、ベースが三十一でございますので判断難しゅうございますけれども、第一期に開始された参加者につきましては今年度にその排出量の確定を行います。したがいまして、過不足が明らかになってまいりますので、その中で足らないところは余ったところから買ってくるという取引がこれから増えてくるというふうに考えております。
#55
○山根隆治君 次に、環境省は環境会計ガイドラインに基づき環境会計を促しておられますけれども、環境会計の開示状況がどのように今なっているのか、現状についてお尋ねをいたします。
#56
○政府参考人(西尾哲茂君) 御指摘の環境会計は、企業等がその事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識して可能な限り定量的に測定、公表するという仕組みでございまして、環境省では、平成十二年に環境会計ガイドラインを作成いたしました。それを具体的に進めるために、翌年、環境報告書ガイドラインの中に位置付けまして、企業における環境会計の自主的な導入の促進に努めているところでございますけれども、その環境会計の導入状況でございます。
 毎年、上場企業と従業員数五百人以上の企業を対象に、環境にやさしい企業行動調査ということを行っております。平成十七年におきまして環境会計を導入している企業数は、二千六百九十一社のうち七百九十社ということでございまして、三割に達しております。調査開始以来年々増加傾向でございまして、今後とも、この環境報告書の取組を促進する中でこの環境会計の導入の促進にも努めてまいりたいと思っております。
#57
○山根隆治君 企業からの評判、評価はどうですか。
#58
○政府参考人(西尾哲茂君) 環境報告書の取組自体は進んできておりますし、その中での重要な手法として環境会計は着実に定着しているんじゃないかと思っております。
#59
○山根隆治君 その効果、社会的な評価、効果、企業にとっての社会的な評価、評判、そういうものはどうですかということを伺っています。
#60
○国務大臣(若林正俊君) 私は、この環境会計というのは非常に評価をいたしております。これは、やはり将来のリスクというものを投資家が十分承知しておく必要がある、その意味で環境会計を通じて開示をしていくわけでございます。その意味で、このことは一般の企業者に対する環境についての認識、これを高めていくという意味合いもありまして、非常に大きな効果を持つものと期待をいたしておりますが、実際のこの導入状況を見てみますと、上場企業と非上場企業と、こういうふうに分けてみますと、上場企業については、平成十三年度はこれを導入しておりますのが二三・一%でございましたが、平成十七年度では三七・五%と割合が高まってきております。それだけやはり株式市場を通じての企業評価という点を企業側も認識しなければ、企業の株主、一般投資家からの評価が得られないという認識が高まってきた結果だと思います。
 非上場の会社について見ますと、これは一定規模以上なんですけれども、平成十三年で一二%でございます。つまり、上場企業の半分ぐらいであります。その後も余り伸びませんで、平成十七年で二二・七%ということでございます。
 非上場ですから株主が閉鎖的な中にいるという意味で、それだけ認識がまだ十分じゃないと思いますが、少なくとも上場して一般の投資家から資金を集める企業については、これは有価証券報告書その他でどのような開示の仕方をするかということを今検討してもらっておりますけれども、そういうことを通じて今の環境会計というものを更に推進をしていくべきだと、こう考えております。
#61
○山根隆治君 将来、義務化するお考えはあるんでしょうか。
#62
○政府参考人(西尾哲茂君) 現在、環境省で進めております環境会計、これは環境報告書の中の一環ということで進めておりまして、この環境報告書を進めるというのは企業が自ら環境配慮に取り組むということでございますから、企業の自主取組という枠でやっております。したがいまして、これはひとつ自主取組という枠で進めていきたい。
 ただ、今義務化はどうかというお話でございました。これだけでいいのかということはございます。近年、大臣からも御指摘がございましたように、環境と投資、金融ということは非常に大事になってきています。投資家の目にとったときにどういう環境情報の提供が必要なのかという議論がございます。これにつきましては、これから、そもそもどのような環境情報をどういう形で提供するというような、投資家のニーズに本当に合うのか、あるいはそれがどれだけ現実的で可能なのかということにつきましてきちんと把握する必要がございますので、今年からその辺につきましての把握のための調査をやりたいというふうに思っております。
#63
○山根隆治君 終わります。
#64
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
 先ほど大野委員から議員最後の質問だという重たい御発言がありまして、この環境委員会の運営にも大変御尽力をいただきまして、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 大臣に、今日は農水省にも来ていただいておりますが、農水省のお役人さんもお詳しいと思いますが、農水政策は大臣もお詳しくいらっしゃいますので、いろいろ逆にお伺いしたいと思います。
 まずは、ちょっと済みません、突拍子もないことをお伺いするようですが、結構重要な問題だと私は認識しておりますので、農水省共々お答えをいただきたいと。
 昨年の秋、ペンシルベニア、ジョージア、フロリダ州で発生して以来、アメリカ全土でミツバチが巣箱から集団で失踪するいわゆるCCD、コロニー・コラプス・ディスオーダーが広がっていると。ある新聞によりますと、元気だったハチが翌朝に巣箱に戻らないまま数匹を残して消える現象は昨年の十月辺りから報告され始めたと。二十七日付け、これは二月でございますが、ニューヨーク・タイムズは、この集団失踪が既にカリフォルニア、フロリダ州など二十四州で確認されたと報じたと。実際、これ二十四州だけではなくて、三十州を超えてきて確認をされています。ハチの失踪数に見合うだけの、次が問題なんですが、死骸は行動圏で確認されないケースが多く、失踪か死んだのかも完全には特定できない状態だというような報道が出ています。成虫の働きバチが数週間以内に巣箱から姿を消して、後には女王バチと幼虫、ごく少数の若い働きバチだけが残されるといった現象が起こっていると。
 ミツバチだけの問題ではこれはとどまりません。アメリカでは約百種類の植物がミツバチによる受粉に頼っている。アルファルファ、リンゴ、アーモンド、かんきつ類、タマネギ、ニンジン、これはミツバチの受粉で農作物となっているわけですが、これが年間約百五十億ドル、約一兆八千億円の生産量になっていると。実際にハチに依存する農作物のこれから開花期を迎えるわけですが、どういう状況が起こるかはまだまだ分からないというような状況だということでございまして、アメリカでは、連邦議会の方では、造園・有機農業小委員会では公聴会も開かれたと。過去、十九世紀にもこういった現象はあったらしいんですが、今回のような状況は規模としては例がない、もう圧倒的に今回は規模が大きいと。スイスでも実は四〇%のミツバチの死骸、失踪が記録されているらしいですし、スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、ブラジル、カナダ、イギリスでも同様な被害が報告されていると。
 原因について後でお伺いをしますが、いろんな説が出ていてよく分からないというのが報道レベルの話でございます。例えば、病気、カビ、ダニ、農薬、ストレス、携帯電話の電磁波の影響、いろんな原因が言われているんですが、よう分からぬというような状況だそうです。
 もう海外だけではなくて、一部の報道によれば、日本でも宮崎の椎葉村というところで女王バチができるどころか、親バチ、働きバチも次第に減り始めていると。熊本、福岡、佐賀、長崎などでも若干報告があると。私の知り合いの岡山県の方も最近ミツバチが減っているという話を聞いたというふうに承りました。
 あえて私は不安や風評被害を起こす気も全然ないですが、現実にこれだけの報道が出ていて、大変な失踪が起こっていると。ミツバチのみならず他の農作物にも影響を与えそうだという報道をされている中で、国内外における現状把握、農水省はどの程度把握をしているのかについて。また、農水省に聞く前に、大臣はこのことを御存じだったかどうか。御存じないと言われても私は別に責める気は今日は全然全くありませんので、まず大臣、ちょっと御答弁をいただければと思います。
#65
○国務大臣(若林正俊君) 実は、新聞報道で知るまではこういう現象は知りませんでした。九州で起こった話は、これまた承知はいたしておりますが、そういう現象というのはこんなに大量にかつ広範に発生している現象につながるものだとは思ってもみなかったわけでございます。果たして、九州で発生したものがこういう欧米においてかねて歴史的に、十九世紀からと聞いていますけれども、発生したこのような現象と同じようなことになるのかならないのか、その辺も明らかでございませんが、委員がおっしゃられますように、これは単に花からミツを取る、そしてそれを非常に有効なミツの産物として我々がそれを享受しているということができないだけじゃなくて、委員がおっしゃるように受粉を通じて農業生産に大変大きな影響を及ぼすわけでございますから、今、原因不明と、こう言われておりますけれども、これらが欧米で起こっておりますこのような現象、これ自身も原因不明だそうですが、それらの知見を基にしながら、日本でミツバチが減少してきている、あるいは地域によっては大量に一時一斉にいなくなるといったような現象が起こっているとすれば、それらの調査を十分した上で原因を究明をしていかなければならないと、こう思うところでございます。
#66
○福山哲郎君 じゃ、農水省、お答えください。
#67
○政府参考人(本川一善君) お答え申し上げます。
 先ほど委員が御指摘のあったような、アメリカでそのような事態が起こっているという報道を私どもも承知をしておりまして、その報道があったときに、国内の養蜂生産者の団体、国内で四千八百程度の方々が養蜂業、南から北まで花を追い掛けてハチを放してハチミツを集めるという仕事をやっておられますが、その方々が大体半分程度加入しておられる団体がございまして、そこを通じて我が国に類似の現象が生じているか否かの情報収集を行いました。ただ、今のところは国内ではそういう方々からは類似の状況は報告されていないということであります。
 それから、九州でも報道があったことは承知しておりまして、このときにも生産者団体に聞き取ったわけでございますが、会員からの報告はないということと、それからニホンミツバチはミツ源となる花が少ない場合には間々巣を捨てることもあるということでございますので、必ずしも現在のところそのCCDとの関係は明らかになっておらないという状況でございます。
 ただ、いずれにしましても、先ほど大臣がおっしゃったように、もしいろんな原因で生じているとすれば重大なことでございますので、私どもとして、今後とも生産者団体と連携して、国内外での大量失踪の発生動向について重大な関心を持って注視してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#68
○福山哲郎君 大臣、今もこれからも注意をしていきたいと農水省、いただきましたし、大臣も情報収集して知見を集めて今後の対策をというようなお話がありましたが、これ実際、今の話を聞いていると、生産者側から報告が上がってくるまでは余り積極的にやるという空気はないような感じを私は受け取ったんですが、農水省さん、いかがですか。
#69
○政府参考人(本川一善君) いずれにしても、ハチを取り扱っておられる方というのは全国四千八百おられて、その半分の方が組織しておられる、それからハチの数にしてみれば六割強が入っておるというふうな団体でございますので、いずれにしても、それをなりわいとしてやっておられる方々が大量失踪すれば一番身近で把握をできる立場にあるというふうに私ども思っておりまして、やはりその方々から実際に被害、そういう大量失踪の被害があるということが御報告をいただければ、それが一番のやはり警鐘ではないかなと考えておりますので、その辺、言いっ放しでほうっているわけではなくて、常にそういう報告があれば直ちに御報告くださいということで団体にもお願いしておりますし、我々としても引き続きそういう注視をもっとしていきたいというふうに考えております。
#70
○福山哲郎君 農水省として、海外で起こっていることに対する知見を集めたりというような、アメリカの政府や州政府等との情報交換等については何かやられていることはあるんですか。
#71
○政府参考人(本川一善君) 今のところまだ、公聴会が行われたとかそういう事情については把握しておりますけれども、そもそもまだ我が国内での発生がないということと、それから米国におきましても必ずしも原因究明なり原因の特定がなされる段階には至っていないということで、まだその程度の情報収集にとどまっているのが正直なところでございます。
#72
○福山哲郎君 これ、大臣、農水省の管轄だと思いますので、環境省が何かできるという状況ではないと思いますが、昨日も環境省の役人の皆さんとお話をさせていただいて、どこかね、環境省で言えばという話があって非常に悩ましかったんですね。自然環境局か何か、どこかなというような話があったんですが。
 ただ、これ今の農水省の話も結構受け身の話でございまして、だからといって、あえて何ができるか僕もよく分からないですけれども、大臣、是非、環境省内でもウオッチングはしておけというような指示は出していただいて、農水省との連携も含めて、これ、実際日本でいろんなことが起こってから起こりましたといってそこから原因みたいな話で、また後手後手になる可能性もあって、だからといって対策が取れるかどうかも僕はよく分からないので、逆に今日は私は問題提起というか、こういうことが起こっているので農水省や環境省の省内の中にもしっかりとある程度のウオッチングをする意識を持っていただきたいということの今日は質問の趣旨でございますので、大臣、もし、趣旨をお酌み取りをいただきまして、御答弁いただければと思うんですが。
#73
○国務大臣(若林正俊君) 福山委員からの御指摘をしっかり受け止めて、環境省内においても、自然環境局でございますが、動物を所管をいたしておりますし、動物の生態などについて知見のある職員あるいは関係の研究所もございますから、そういうところともよく連絡を取り合うと同時に、これは産業動物として農林水産省が所管をいたしておりますから、農林水産省の方とお互いその情報交換をし、それぞれ協力し合ってこれらの実態把握に努めてまいりたいと、このように思います。
#74
○福山哲郎君 どうも大臣、前向きな御答弁ありがとうございました。
 もう言わずもがなでございますが、これは先ほど言ったようにいろんな農作物との関係がある、状況によってはまた穀物と同じように値段が高騰するような話も可能性としてはなくはないということもありますので、農水省も是非そこはしっかりとウオッチングをしていただきたいというふうに思いますので、強く要望をさせていただいて、次に行きたいと思います。
 次は、ちょっと後ろ向きな話でございまして、ちょっと資料をお配りいただけますでしょうか。
   〔資料配付〕
#75
○福山哲郎君 私、この環境委員会では余りこういう話題はやりたくなくて、ずっと余りしてこなかったんですが、ちょっといろんな形で出てきてしまいましたので、やむなく少し環境省にいろいろ問いたださなければいけない問題が出てまいりました。
 皆さんももう御案内のように、これが六月の五日の安倍総理が「電球から、日本を明るくしよう。」という奥様と一緒に出た広告でございまして、皆さんももうごらんいただいたとおりだと思います。選挙のちょうど一月前、選挙、今延長含みで延びるかもしれないと言われていますが、選挙のちょうど一月前でございまして、これが本当に政治利用で正しかったのかどうかという議論が実は衆議院側で起こりました。
 実はこの新聞広告だけではなくて、もう皆さん御案内だったと思いますが、六月の四日から十日まで新宿の駅で、新宿駅の柱に大きく安倍総理の、いろんなたくさん人通りのしているところに安倍総理の等身大みたいな写真がべたべたとポスターが張られていると。大手町の駅でも六月の四日から十七日まで、JRの大阪駅でも六月の四日から十日まで、阪急の梅田駅でも六月の一日から七日まで、丸の内ビルディングでも六月の一日から八日まで、こういう形でポスターが張られた。さらには、六月の五日にこの新聞広告が出て、選挙分かっている、日程が分かっているにもかかわらず、このことが妥当かどうかという議論が衆議院で起こりました。
 そのときに、やはり政治的中立性も重要だから、もうこれ以上の予定はないのかと言ったら六月の十二日にまだ予定があって、衆議院でいろいろ紛糾をしていたにもかかわらず、実は日経に両面刷りで安倍総理が登場するという広告が、全部ではないんですが、企業の経営者の方との広告が出されました。
 衆議院側で、国会でかなりいろんな議論が起こっている最中に、六月の十二日に出て、これはもう確実に選挙よりも一月以内ということでございまして、私としても遺憾に思っているところでございまして、これまでも環境の日だから小泉総理が出たり小池環境大臣が出たりということはよくよくありましたが、選挙の前だということと、ほかのモデルを使われて、タレントさんとかを使われた例もこれまで多々あるにもかかわらず、この参議院選挙の日程がほぼ確定をしている中でこういった形でやられたことについて非常に私は残念に思いますし、遺憾に思っているところでございまして、大臣にまずそのことについて何らかの御答弁をいただければと思います。
#76
○国務大臣(若林正俊君) 経過は委員が今御説明、御指摘にあったとおりでございますが、我々は、御承知のようにこの地球環境、とりわけ地球温暖化問題は世界的な大きな課題になっております。それを深刻に受け止めて、我が国も京都議定書を確実に達成するための京都議定書目標達成計画というものを定めたわけでありまして、その目標を達成するために、国民運動を強力に展開するということを閣議で決めました京都議定書目標達成計画の中で決めているわけでございます。
 そういう国民運動の展開の母体として地球温暖化対策推進本部というのを内閣に作っておりまして、その本部長を、安倍総理自身が本部長になって陣頭指揮を取っているわけでございます。様々な広報活動もその下で行われているわけでありまして、チーム・マイナス六%の活動というのもその中心の活動になっております。このチーム・マイナス六%のチームリーダーは安倍総理がチームリーダーでございまして、私がチームサブリーダーという立場でございます。
 政府の断固とした決意というものを表していくということが国民のこのことについての取組、理解に有効であるというふうに考えておりまして、その意味で、省エネルギー製品の選択の問題と併せて温度を二十八度で設定をしていく、そのことによってクーラー、冷房のエネルギーを減少をさせる大きな効果があるわけでございます。そのためには、やはりそこで働いている人たちの服装が、例えばネクタイを締めると体感温度が、締めるのと外すのでは体感温度が二度違うと言われておりますけれども、そういうことを広く働き掛けていくと。
 それで、クールビズというのはその一つの大きな手段でございます。そのことを国民に直接訴えるために、そのリーダーである総理とサブリーダーである私が政府の姿勢の強さというものをしっかりと見せていく、民間での取組を促すというような効果があるという判断をいたしまして行ったものでございます。
 これは今年だけではなくて、実は昨年も行っております。このクールビズの運動というのも三年目を迎えていてかなり普及をしてきておりますけれども、これをしっかりと定着をして、ライフスタイルを変えていくというところまで持っていかないといけないという認識でございます。
 その意味で、私の判断として、これは全く選挙と関係がなく、政治的な中立性を損なうようなことはないということを御説明も申し上げ、衆議院においてもそのように私の考え方を申し上げてきたところでございまして、この六月十二日の日経新聞におきます広告につきましても、その時点で既にそういう計画を持っているということを申し上げていたつもりでございます。
#77
○福山哲郎君 政治的中立性が保たれたかどうかという議論はもう水掛け論になりますが、ただ、もう何回も話が出ていますけど、小池環境大臣が、前の郵政選挙の直前にこの状況が起こったときに、衆議院は解散があるから時期は特定できないんだと、環境の日は六月にあるんだから、それは衆議院は解散だから、それは想定できない、だけど選挙中は配慮しなければいけないという発言をいただきました。
 確かに六月の五日とか十二日は選挙中ではありません。しかし、ここの委員会にも改選の議員がたくさんいらっしゃいます。そうはいっても安倍総理は自民党の総裁でいらっしゃいまして、だれが見たって自民党の選挙戦うリーダーであることも間違いない。確かにチーム・マイナス六%のリーダーであることも間違いないんですが、それだったら、百歩譲って、例えば本当に国民的な運動にしたいんだったら野党の党首も全部寄って新聞広告載せたらいいじゃないですか、みんなでクールビズで載せたらいいじゃないですか。国民全部でやるんだったら与野党関係ないじゃないですか。
 そこが私は、ある種の矜持というか、残念ながら今の安倍政権にはそこら辺の何というか配慮というか、政治家としての、何とも言えない、まあいいか、やっちゃえというような空気を感じるわけです。やっぱり、いつも総理が出ているんだったらまだしも、ほかのモデルを使うこともあればイメージ広告使うこともあって、選挙の前にそんなことをすること自身が本当にいいのかどうかと。ましてや一億六千万も新聞広告ではお金が掛かったわけです。
 実際に、じゃ、この一億六千万以外にどんな経費がこのチーム・マイナス六%に掛かるんだと。逆に言うと、大きく問題はこのことによって広がりつつあって、お手元に委員の先生方にお配りをいたしました、簡単に私が作成いたしました一覧が、平成十七年度、十八年度、十九年度のこの国民運動の費用、業務委託費用でございます。ほとんどが二十七億円、二十八億円ということで、委託で丸投げという状況になっているところでございます。
 ただし、大臣、私はチーム・マイナス六%やクールビズが浸透したことに対して駄目だと言っているわけではありません。先ほど大臣がおっしゃられた国全体でライフスタイルを変えること、クールビズも、この三年間で圧倒的に小池大臣のある種のリーダーシップと小泉総理のリーダーシップでクールビズも浸透しました。そのことに関して私はよかったと思っています。だからこそ、実は何でこういうことを選挙前にするんだと。逆に言うと、国民にとって、何だ、安倍さんはこれでまた宣伝しているのか、税金を使ってと。逆に言うと、この運動自身が、そういう政治的に、自民党に有利に働くとか働かないだけではなくて、国民から見てもそういうふうに取られることに対して私は非常に残念に思っているというのが私の今の本音でございます。
 さらに申し上げれば、じゃ、この二十七億の使い方が具体的に正当だったのかどうかと。これは特別会計からお金が出ているわけですから、いわゆる特別会計の別の財布だから、何でもいいや、使っちまえというような意味合いがなかったかどうかも含めてやっぱり議論をしていかなければいけないんじゃないかなと思います。
 まずは、余り細かいこと、私、こういうのもうすごく嫌なんですけど、大変な人件費が掛かっているわけです。二十七億のうちの、これ上見ていただければ人件費で、単価が一日当たり七万五千円の人が三年間、百七十二人日、二百人日、二百九十二人日という状況で、こうやって使われているわけです。単価が六万四千円の人、これ一日の単価です、大臣。こういう形で人件費が計上されるわけです。
 まず簡単な話からお伺いしますが、平成十七年度、十八年度に比べると、今年は例えば日当七万六千三百円と七万五千円の方が二百人日から二百九十二人日に増えています。平成十七年度から見れば百七十二人日から二百九十二人日に約百二十人日増えているわけですが、これ何で一気に十九年度これだけ、ほかの方もそうなんですけれども、人件費が膨張、膨れ上がったのかお答えをいただけますでしょうか。
#78
○政府参考人(南川秀樹君) 人件費の御質問でございます。
 まず私ども、済みません、最初にちょっとこういう契約を結んだことだけ話させていただきますと、私ども自身は、これは企画書で競争いたしておりまして、外部の方にたくさん入っていただいてまず業者を選定しております。その上で中身をまたさらに打ち合わせておるわけでございますが、もちろんそのときに人件費の件も全部点検をしております。
 今年度につきましては、十八年度まで取り組んできたクールビズ等の重点事項にエコドライブなど様々な実践を加えました。もう一つは、そういう項目を加えたこと、またこの運動の賛同者につきましてもこれからまだ百万人以上追加したいと、そういったことでの運動を増やすということもございます。そして、こういった運動をするに当たりまして各関係の企業に対して個別の働き掛け、さらにテレビ、新聞、ラジオといったメディア、あるいはイベントなどを通じて働き掛けるということから、昨年度に比べまして一・三倍の人件費を計上しておるところでございます。
#79
○福山哲郎君 これ、例えば平成十八年の精算済で結構なんですけれども、七万六千三百円の方が何人従事されたんですか。二百人日ということですから、何人従事されたかよく分からないんですが、何人この方たちはこの運動にはかかわられたのかお答えいただけますか。
#80
○政府参考人(南川秀樹君) まずプロジェクトリーダーの方でございますが、人数としては六名でございます。六名の方でございまして、この方たちは経験年数が三十年前後ということで一部役員のクラスの方を含んでおるということで、具体的には全体の企画また個別企業の幹部との調整、そういったことが主でございます。
#81
○福山哲郎君 この六人の方は別に常勤されているわけではないですよね、このプロジェクトに。そこはお答え確認いただけますか。
#82
○政府参考人(南川秀樹君) 六人の方は私の把握しておるところでは博報堂の職員の方でございます。ただし、この仕事だけやっておるわけではございませんので、全体として六人の方で百十四日ということで、そのある仕事の相当部分をこれに費やしておるということでございます。
#83
○福山哲郎君 ということは、日当ですが、常勤しているわけではない、それで一日当たり七万六千円が支払われると、これはまあ妥当だと判断したということですね。
#84
○政府参考人(南川秀樹君) 私どもしてはこの人件費については妥当だと考えております。人件費の議論、いろいろございます。ございますが、大手の広告代理店の場合につきましては、その総括するリーダーの方としては妥当な金額だというふうに考えております。
#85
○福山哲郎君 じゃ、例えば、七万六千円が高いか安いかという議論はあるんですが、六万四千円の方は九百九人日、平成十八年ですが、この方は何人従事されているんですか。
#86
○政府参考人(南川秀樹君) 人数にしまして十四名と承知をしております。
#87
○福山哲郎君 そうすると、この人たちは九百九人日ということは、平均すると約五十日とか五十五日ぐらい働いていることになるんですが、それも多分常勤しているわけではないので、これ朝の九時半から五時までみたいな計算働かないわけで、これは時給とかいう計算もできないぐらい丸々ぽんと渡しているという話になるわけです。
 今、日当八万円なんという人はそうめったにいないわけですし、六万円という人もそうめったにいないわけで、こういう人件費を払った上で、下の方を見ていただきますと、事務局運営業務というのが平成十八年の真ん中のところで約三千五百万円、月間でいうと約三百万円近くのお金が払われています。この三百万円近くのお金は何に使われているかお答えください。
#88
○政府参考人(南川秀樹君) この外注費でございます事務局運営業務費でございますが、御指摘のように約、月にしまして三百万円ほど支出をしております。これにつきましては、主にその業務を、オペレーター等でございまして、実際にそのチーム六%の方からの連絡を受けてその様々なアドバイスをしたりとか、あるいは企業の登録事務をする、そういったことでございまして、例えば電算機のオペレーター、それから電話、メールでの受付のオペレーター、それからさらに、それを総括する方ということでございます。人数的にも六、七名の方がこれに当たっているということでございます。
#89
○福山哲郎君 大臣、これ上の人件費すごい金額ですよね。この人件費の方は常勤してないんですよ。常駐してなくて、さらに、なおかつ事務局の運営費として今御説明いただいた年間、平成十八年度、真ん中のやつでいうと、三千五百万円ぐらい、七人から六名の別の人の人件費がまた掛かっているわけです。平成十七年度でいえば、八千三百万円のまた別の人の人件費が掛かっているわけですね。上の人は一体何をやっているのか僕はよう分からぬのですが、それにプラス事務局の人件費がまた掛かっていると。
 じゃ、報道対応業務、これも実は平成十八年度は二千四百万、平成十七年度は三千五百万、これも月間でいうと約二百万から三百万のお金が掛かっているんですが、この報道対応業務は何人でどういう業務をしているんですか。
#90
○国務大臣(若林正俊君) 私はそういう何人でどういうことをやっているかというのを、私、答弁できないですね。
#91
○福山哲郎君 いや、大臣じゃない。大臣じゃないです。
#92
○政府参考人(南川秀樹君) まず内容でございますけれども、報道対応業務の中ではマスメディアを相手にした業務でございます。その企画作成、それからリスト作成、メンテナンス、これは具体的に呼び掛けますメディアのリストを作成し、これはスポーツ新聞とか雑誌とか業界紙ございますけれども、こういったものを作成してそことの連絡を常に取るということ、またその広報事務局でマスコミからの問い合わせへの対応、それからニュースレターの作成、あとはテレビ、新聞、雑誌等のモニター、そのほかいろいろバイク便の手配費などもございます。
 この人数でございますけれども、まずその企画作成業務につきましては二名の人が従事をしております。それからリストの作成、メンテナンス業務についても二名、それから広報事務局については二名ということでございます。
#93
○福山哲郎君 これもリストを作成したりマスコミの対応をしたり記者会見の案内をしたりという話なんですけれども、それで二名、二名、二名、六名ですが、これまた人件費掛かっているわけです。
 じゃ、上の人は一体何をやっているんですかと。上の日当七万円とか日当六万円の人は何の仕事をしているんだと。それはみんなで指導しているのかもしれない、みんなで企画を練っているのかもしれない。でも、これまた報道対応業務も事務局運営業務も別の人件費が掛かっているわけですよ。これちょっとよく分からぬのですわ。やっぱりここは本当にこれが対応としていいのかどうか。例えばリスト作成とかマスコミの問い合わせとかモニターとかなんていうのは、ある一定のパターンができりゃルーチンの業務になるわけですよね。これが本当に該当するのかどうか。
 さらに言うと、その下、やはり書いてありますが、事業評価調査、これ事業評価調査といって月また四百万掛かっているんですね。年間五千万ぐらいずつ掛かっているんです。この事業評価調査を環境省のホームページで見ると、ほんのわずか、ここに何月分の調査結果の公表というのが何ページかにこう書かれているわけですけれども、これもコンピューターのモニターでやっている調査ですから、ある種のプログラムさえできればあとはモニターにチェックをして答えてもらえば自動的に集計できるわけですね。これも月五百万ぐらい、四百万から五百万掛かって、年間約五千万ぐらい掛かっているんです。これ、ホームページでいうと本当これだけです、大臣。副大臣も政務官も見ていただきたい。
 じゃ、逆に言うと、この事業調査はその事務局の運営業務や報道対応業務ではできないのかとか、そう考えるともう何か、一個一個見ていくとこれ切りないんですけどね。これ、一応、事業評価調査、お答えになられます。
#94
○政府参考人(南川秀樹君) これにつきましては、御指摘のとおり、約、月額にしまして三百五十万程度の調査費を計上しております。中身としては、調査票の企画作成とか調査実施、それから回答の結果の集計とか解析、それから分析をして、それを報告すると。また、もちろん非常に安い謝礼もございますし、またその集積、分析に使う機器の使用費もございます。
 私ども、当然ながら、言い訳っぽく聞こえるかもしれませんけれども、各費用につきましては、それを精査いたしまして、必要なものについて当然ながら精算してお支払いするという姿勢については徹底してやらせていただいているつもりでございます。
#95
○福山哲郎君 こういうことの結果が総理の六月のこの新聞広告になって、そしてこれは政治的に中立性を侵すのではないかということを僕らは非常に残念に思いながらこうやって指摘をしているわけです。私も、もう時間がないのであれですけれども、非常に残念に思いますし、私、この委員会で温暖化のこととかサミットのことやりたかったので、こういう後ろ向きなことをやるのは非常に残念なんですけど、大臣、この数字を見て率直にどう思われるか、お答えいただけますか。
#96
○国務大臣(若林正俊君) 広報活動というのは本当に、物をつくるとか、あるいはある物理的に物を動かすといったようなものと違ってつかみにくい分野ですよね。その費用対効果といってもなかなか分かりにくい分野だと思います。それだけにやっぱり専門性が高いわけで、その世界でテレビから新聞から雑誌から、それらの媒体を使ってもう大変な広報活動をやっている専門集団というのがあるわけですね。
 そういう専門集団の皆さん方が、激しい競争があると聞いておりますが、そういう競争の中で批判を受けながらもしのぎを削って営業をやっているわけですから、私はそれは、うちの担当者は透明性あるいは客観性、そういうものを持たせるべく、もうこの事業を始めて以来、大変に優秀な職員がチェックをしながら、ほかの業界の人たちの水準だとかそういうことも聞きながら精査をしているというふうに私は報告を受けていますし、非常に分かりにくいことであるだけに、そういう業界内部から起こってくる批判や何かにも耐えられるだけのことはきちっとするようにと言ってまいったところでございまして、こういう場面で、こういうやり取りで、言葉だけで説明がなかなかしにくい分野であることを御理解いただきながら、私どもはその担当職員が非常に苦労しながらチェックをし、その客観性を確保するように努力をしていると、そこは私は申し上げられると思うんです。
 私たちは、そういう部下のやっていることを信頼をして、この事業がしっかりと批判を受けることがないように執行されることを今後とも注意をして指導していきたいと、こう思っておりますが、このこと自身については、こういう世界があって、こういう世界の他の企業者の方においてもこの水準で行っているものと聞いているわけでございます。
#97
○福山哲郎君 大臣はかばわれるのは、それはそれ、大臣のお立場だと思いますが、しかし、それなら税金を使ってこういう状況の中で、さっき言った政治的な中立性ぐらいのことは最低限やっぱり守っていただかなければいけないというふうに思いますし、これが妥当かどうかの判断は、それは国民がしていただけるものだというふうに思いますが、やはりこういったことの無駄遣いの精査はしっかりとチェックをしてもらわなきゃいけないし、二十八億円予算が取れたから丸投げで使いましょうと。私から見ると、これ全部数字は二十八億を基に後から積算して出てきた数字だというふうに、そういううがった見方もできなくはないので、そのことも含めて非常に残念な六月のこの広告の一件だった。
 こういうことに対しては、これからはできれば配慮をしてしっかりと対応していただくことを強く求めて、私の質問を終わりたいと思います。
#98
○荒井広幸君 私は、参議院の政府開発援助に関する特別委員会提言「新たな国際援助の在り方に向けて」に関連して、併せてサミットの成果についてもお尋ねしながら提案をさせていただきたいと思います。
 まず、大臣にお尋ねをいたしますけれども、本会議で報告をされましたこの参議院による政府開発援助に関する特別委員会の提言についてどのような感想、評価、見解をお持ちになりましたでしょうか。特に、環境についても、ODAの在り方です、これはODAの在り方ですから、環境についても申し述べられているわけですが、その辺りについて大臣の御見解、お聞かせください。
#99
○国務大臣(若林正俊君) 参議院がODAの在り方に特に熱心に取り組んで今日に至っておりまして、様々なこのODA特別委員会が成果を上げてまいりました。私も参議院の一員として、そのことについて常日ごろ敬意を表しているところでございます。
 先日、この参議院のODA特別委員会が取りまとめた提言におきましては、ODAは地球環境などの地球規模問題への対処、省資源対策など、本当に国際的な利益に貢献をするとともに、我が国の国益にも資するというふうに評価をし、述べていただいているところでございます。
 政府としても、先日閣議決定をいたしました二十一世紀環境立国戦略で、戦略の一つとして国際環境協力の推進というものを位置付けまして、我が国の公害克服をしてきた、また失敗も含めまして、その貴重な経験と知恵というものを生かして、国際環境協力の更なる展開でありますとか、ODAの戦略的拡充をこの戦略の中に盛り込んだところでございます。
 参議院の特別委員会の御提言は政府の戦略と一致するものでありまして、大変心強い御意見と受け止めております。今後、環境省としても関係省庁と連携をして、また専門家の方々の御助言をいただきながら国際協力の推進に努めてまいりたいと思います。
 特に、この美しい星50の中でも資金メカニズム、新しいメカニズムを提案をいたしておりまして、地球温暖化によって多くの被害を受けるのはまだ途上国の中でも開発の大変遅れた地域でございます。そのために、これらの対応といいますか、これらの方々への温暖化への対応策というのも国際的に大きな課題になっているわけでございますし、またこれらの人たちが地球温暖化、省資源に取り組んでもらうためには、技術支援を含めインフラ整備などについても特段の支援対策が必要になってまいるわけでございまして、そのことも先般の提言の中に新たに盛り込まれております。
 そういう問題も含めまして、このODAを積極的に活用をして、途上国の皆さん方の発展のために、また地球温暖化への取組のために貢献をしていくべきだと、こんなふうに考えているところでございます。
#100
○荒井広幸君 いわゆる安倍プランといいましょうか、大臣中心につくられた環境立国戦略にも合致するという評価でありましたが、同時に、先ほど与党筆頭理事の大野つや子先生からも重要な御指摘があった地球温暖化についても今大臣お触れになりました。
 そういったことが必要だと、国際協力を環境でしていくんだと、こういうことなんですが、残念ながら、例えば地球温暖化対策分野のODAは二〇〇三年の一千八百六十六億円をピークにして減少しました。二〇〇五年に至ってはわずか九百三十七億円にしかすぎないわけです。これは国民の生活に直結する国益にもかなうとこの参議院の報告書も言っているわけですから、国民の皆さんにも経済厳しい中ですけれども御協力いただきながら、これはみんなのためにもなるんだと、相手の国のためになるんだということですから、そういったことを念頭に置いてこの提言は、歯止めを掛けなけりゃならないと言っているわけです。積極的に質に転換して、予算、必要なものは確保すると、こういうことを言っているわけですけれども、この十年間でODA全体予算は四〇%削減されています。
 そこで、財務省そして外務省、この参議院の提言を含め、政府と一致しているという大臣のお話でもありますが、ODA全体予算、これについて増加させるべきだと考えますが、どんな見解でしょう。財務省、外務省、お願いします。
#101
○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。
 環境分野、地球温暖化対策分野についての予算でございますが、基本方針二〇〇六におきましては、供与対象国・分野の更なる戦略的重点化を図るとされているところでございまして、この環境等の地球的規模の問題の重点的な課題ということにされている、これが政府開発援助大綱においてそうされておるわけでございますが、これを念頭に置きつつ、ODAの供与対象国・分野の戦略的重点化によりまして一層効率的なものになるよう留意していくことが重要と考えております。
 ODAの全体の予算についてでございますが、現在、歳出改革を通じました財政再建、これが我が国にとりましては現在最も重要な課題の一つということでございます。基本方針二〇〇六におきましては、ODA予算につきましてこれまでの改革努力を継続するといたしまして、平成十九年度から五年間の歳出削減の目安としてマイナス四%からマイナス二%と明記されているところでございます。こういったことを踏まえまして今後の予算編成に当たってまいりたいと考えております。
#102
○政府参考人(杉田伸樹君) ODAでございます。我が国にとってODAというのは非常に重要な外交の手段の一つということでございまして、ODAを通じて世界の平和と繁栄に貢献するということは、国際社会における我が国の存在感と信頼を高め、我が国自身の安全と繁栄の確保につながるということでございます。
 委員御指摘のとおり、ODA予算につきましては過去十年間で約三八%削減されております。参議院のODA特別委員会の調査報告書では、ODA事業量の削減に歯止めをかけるとともに、適正な援助水準に向けて純増による量的確保を行うべきというふうに提言されておりますけれども、我が国といたしまして、二〇〇五年に表明いたしましたODA事業量の百億ドル積み増しの国際公約達成というものを念頭に、あるいはまた来年、G8サミットなどの主催をするということも踏まえまして、今後とも、我が国にふさわしい事業量の確保に努めていく考えでございます。
 あわせて、ODAの質の改善に引き続き努めるとともに、環境、気候変動問題を始めとする国際社会の諸課題の解決、我が国の国益確保のためにODAを戦略的に活用してまいりたいと、このように考えております。
#103
○荒井広幸君 財務省は財政再建を優先にしていきたいと、外務省は非常にこれは戦略的に重要な外交手段であると、そういったことを含めて両者に共通するところは、重点的に、参議院でも選択と集中ということを言っているわけですけど、効率的にやろう、これは当然のことですね。しかし、どうしても総量にいかざるを得ない状況が我々の前にあると思うんです。
 大臣、お聞きいただきたいんですが、美しい星50じゃないんですが、この調子で暖かくなってしまいますと干からびた梅干しという感じになっちゃうわけですね。ですから、その辺の意思が、総理は今度G8、これを主催するわけです。大臣から、先ほど大野委員のときにも、ずっと国際会議、アメリカもやるようになりましたね、そういったもの含めて御披瀝があったわけですが、いいんでしょうかね、このような対応で。人間の安全保障、正に真っただ中ですよ。
 そういう意味で私は、地球温暖化対策分野、これをもう重点的に、第一約束期間の来年から二〇一二年までの五年間に集中してこの温暖化対策にしていくと、これこそ選択と集中でしょう。こういう手法も私は取るべきだと、このように申し上げているわけです。この点については環境省、どうお考えになりますか。
#104
○国務大臣(若林正俊君) 委員が御指摘にもなりました先般の美しい星の提言でありますが、その中で、資金メカニズムにつきましては、今までの支援の仕方に加えて新しい視点を提案をいたしております。これは、支援を受ける途上国でございますが、温室効果ガスの排出の抑制と経済成長を両立させようとする志の高い途上国を我が国は広く支援することを表明すると、こう言っております。そして、温室効果ガスの排出削減や森林保全、海面上昇や干ばつなどの温暖化の影響を受けやすい地域の対策、クリーンなエネルギーの利用促進など、我が国の技術と経験を生かした支援を途上国の事情にきめ細かく配慮しながら行っていくと。
 ただ、こうした支援は、我が国の提案に比べて、やはりその受ける国、自国の政策を積極的に変えていく途上国に対して行っていきたいんだということをもう天下に表明したんですね。ですから、そういう意欲のある途上国としっかり協議をした上で我が国のイニシアティブを取れる、そういう支援の仕方に、資金的な援助ができるような新しい、その意味では新しい資金メカニズムを構築したい、こういうことを提言をしているわけでございまして、それを今までのODAの中で、どのようにODAを組み替えながら新しい資金メカニズムをつくっていくかというのはこれからの課題だと受け止めております。
#105
○荒井広幸君 広い意味でいろいろ課題があるわけです。
 先ほど財務省さんからもお話があり、また大臣からもお話がありましたが、新しい資金のメカニズム、これも重要ですよね。今ある財布からだけでやろうといったら、各分野で、しかも赤字なんですから取り合いになります、厳しい。だから、新しい発想じゃないでしょうか。環境国債です。
 前回、にべもなく財務省は断りましたね。しかし、よくよく考えていくと、環境国債というものを国民に引き受けていただくということが、国債管理政策上、そして日本が自らのいわゆる、何といったらいいでしょうか、一人一人が環境立国をしていくんだ、世界に貢献していくんだ、そういう意味でのSRI、社会的責任投資的発想がそこにきちんと組み込まれるわけです。政府部門と市場経済部門と、そしてそこに、みんなで助け合っていく、その志というものをシステムにして回していくということでないと、世の中の私はバランスは崩れていくという、そういう考え方を持っていますから、国債、これを今ある、発行する中で、国債を、環境国債という目的国債を発行するんです。そうすれば、利息が、利回りが低くてもそれを引き受けるようになるわけですよね。これポイントですよ。こういうことできるできないなんか言っている時代ではない、こういうことを思いますが。
 ちょっと話が大臣からも出ましたので十四番のところに飛びますけれども、どうでしょうか、国民からの国債購入、これを増やすためにも、そして国債管理政策上、百数十兆円、ここ十五年から二十年発行し続けて引き受けてもらわなくちゃいけないんですから、一石三鳥じゃないでしょうか。環境国債、これを目的的に発行する、その発行するタイミングと思っています。どうでしょう。
#106
○政府参考人(中村明雄君) お答え申し上げます。
 御指摘のような環境対策国債を発行することを純粋に国債消化の面から考えてみますと、まず国債市場の流動性を維持するという観点から見ますと、このように一般の国債と異なる付加価値を有する商品を市中に発行することは、唯一の円建て無リスク金利である国債の金利体系に混乱を生ずるおそれもありまして、好ましくないと考えております。
 他方、個人向け国債のように市場に流通しないような形態で発行することは一つの考え方としてはあり得るとは思いますが、仮に環境対策国債が売れても、その分一般の個人向け国債の販売額が減少し、全体としての個人消化額がそれほど増えない可能性もあること、また、そもそもこのような施策を取ること自体が、国債の消化が相当困難になっていることを示しているのではないかという不安を招くおそれがあるというふうに考えておりまして、当面、環境対策国債を導入する必要があるとは考えておりません。
#107
○荒井広幸君 米国から起きているという見方が大体の見立てですけれども、十年物の国債、これが長期レートの目安になります。アメリカでは今五・三%、十年物の国債利回りですよ。じゃ我が国幾らかというと、昨日で調べますと、十年物国債で一・八八五、十三日に一・九八五まで上がりましたけれどもまあ一服したと。これは日銀が再利上げしないというような観測を流したからだとも言われているわけです。どんどん国債の利回りを上げなきゃならないということは、国の価値、国債の価値が、これが減っているということなんです。こういうことを見ながら金融政策というのは皆さんやっておられるわけでしょう。
 その中で、後で聞こうと思っておりますけれども、どうなんですか、郵貯と簡保とそれから不祥事続きの年金、年金の厚生年金と国民年金の基礎年金の部分、この部分を運用する、年金積立金管理運用独立行政法人がやっているわけですよ。二〇〇五年に百五十兆円積立てしているわけですから、基礎年金の。この積み立てている基礎年金、これで自治体の融資もやっていますし、それから全額償還、財投の償還に、来年来るわけです。満額これ全部戻ってきちゃう。そうなったときに、国債を今専ら買っているんですよ。ところが、財政諮問会議や首相の諮問機関の金融審議会は、今度はそんな安全運用じゃなくて株や不動産、デリバティブにも運用先を向けてもうけていこうかと言っているわけです。それは一理あるんです。年金の保険料の上昇、これを抑えるためにも、うまく運用できりゃ上昇する分を遅らせたり下げることができますけれども、このように、いずれにしても非常にグローバルな社会においては難しいんですよ。
 そのときに、私が言うのは、目的国債をそのまま市場で金利を付けろと言っているんじゃないんです。国債の中に、例えば一兆円、これについては目的的に使う国債が入っています、こういう言い方ですよ。これは、財投機関債は財投がきちんとリスクを生じながら自分たちの会社と同じように出す、そういうやり方と、もう一つは、財投債というのがあるじゃないですか、今も。市場原理が成り立たないから国債と何ら変わらない形で、財投機関、財投機関債だけでは賄えないから国が政府保証して財投債で資金調達しているんじゃないですか。
 こういうことを考えていったら、国民の皆さんが、やっぱり私たちも環境は大切だ、リターンを求めるんじゃなくて、国にお願いしながら、世界の国々に協力しながら環境お互いに良くなっていこうね、ああ私が買ったこの国債はそういうものに役立っているのか、そういう性格を付与しなければ、これからの時代やっていけますか。生き馬の目を抜くこの金の社会ですよ。日本の国際評価なんというのはばたっと下がりますよ、そんなことをやっていたら。
 私は、新しい国債管理政策にそういう視点を加えろと、そういう中で環境国債、環境対策国債というのを言っているんです。財務省の方でもう一回御見解お願いしたいと思います。
#108
○政府参考人(中村明雄君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、マーケットの場合、それが何に使われたかということではなく、発行体が国であるということでその一つの商品が成り立っておるわけでございまして、例えば今先生がおっしゃいましたような財投債も、これは国債ということで一般の新規財源債、借換債と同じ商品として流通しているわけでございます。したがいまして、マーケットの観点からすれば、それが何に使われるかということではなくて、だれが発行体であるのかということが重要なわけでございまして、その中で分けて、何といいますか、別扱い、別の金利体系になるものをつくることは余り適当ではないというふうに思っております。
#109
○荒井広幸君 クローズなところで引き受けさせるというのはあるけれども市場にはそういうものは出せないということですが、私は金利を別な国債を立てろと言っているんじゃないんです。そこのやり方はいろいろあるということなんですよ。そこの一工夫がないようじゃ、これ本当に財務省、困っちゃいますね。これについては後ほどまたお話をさせていただきたいと思いますが。
 それじゃ、これ外務省になりますか、ODA。お金を仮にみんなが国債を買って協力したとしますよ、こういう説明の方が早いですから。そのODAは有償資金、後で返すお金ですね。それぞれの国々に協力しながら国民の皆さんのお金を出しているわけです。きちんと戻ってきているんでしょうか。また、不確実なところがあるんでしょうか。実態を教えてください。
#110
○政府参考人(杉田伸樹君) 円借款でございますが、これは市場における金融ということではなくて、援助というふうに実施するということでございます。いずれにしても、途上国が借款資金をしっかりと返済するということが大事で、そういう返済はされてこそ自助努力を促すという円借款の長所というものも生かされるというふうに考えております。こういったことを念頭に置きまして、政府としても、供与先から確実に返済を受けられるようにいろいろな努力をしております。このような努力もあって、これまでおおむね問題なく返済が行われているところでございます。
 平成十七年度末時点で、JBICの海外経済協力勘定について、貸出金残高は約十兆九千四百三十六億円でございますけれども、このうち延滞債権総額は約九百七十億円というふうになっております。ただし、例外的なケースといたしまして、予想できないような政治情勢の不安定化、あるいは紛争、自然災害等の事情ということによって返済が非常に困難になるということも残念ながらございます。この場合、特に返済の不能の状態というのが長く続くような場合については、債権国の集まりでありますパリ・クラブで債務の取扱いが議論されるということもございます。
 国別でございますけれども、国別について延滞債権額を公表するということに関しましては、その当該国の国際金融市場での信用にかかわるということもございます。ひいてはその当該国との二国間関係にも悪影響を及ぼしかねないということから、我が国政府としてはこのような延滞債権額を公表するということは適切でないと考えております。
 しかし、いずれにしても、政府といたしましては、これらの国民から預かりましたお金でございますので、供与先から確実に返済を受けられるよう今後とも最善を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
#111
○荒井広幸君 おおむね返していただいているということです。だからこそある意味では安心ということもあるんですね。
 同時に、なぜ郵貯、簡保、年金資金でODAの大半を賄っていたかというと、それは郵貯、簡保、年金資金が滞留期間が圧倒的に長いんです。銀行でこれを預貸といいますかね、大体半年で回ります。郵貯の場合は四、五年です。こういったことから、その長期資金で世界各国に支援するというものにはその期間のマジックが効きますから、非常に有効だったんです。
 本当深刻ですよ、これから。郵貯、簡保、年金が、先ほど年金も今度はハイリスクだけどもそこにも投資できるようにしようなんということにして、郵貯、簡保は、銀行と同じ商品を出すことになれば、国債を引き受ける損なんかはだれもしませんよ。市場で運用するようになりますよ。ポートフォリオは別ですよ。そうなったらだれが引き受けるんですか、国債。そういうときの意識付け、動機付けというところに我々は着目しているんです、私は。そういう発想を取り入れなくて国債管理政策などということはとてもできないだろうというふうに思います。これについてはまた後日にお話をさせていただきたいと思います。
 外務省、そうして各国と協力する、環境を含めてODAで支援する、特命全権大使、これは日本外交を担う責任者であり、その国と顔の見えるそういう重要な日本の代表であります。これは国会同意人事でありませんね。国会で同意しません、これは。
 私は、自民党、当時、時代だったときの研究会で提言をして、毎日新聞にも載っておりますけど、国会同意人事にするべきであると、こう申し上げています。やっぱりみんなで各国を協力し国民の皆さんとともにお互いに良くなろう、そういう発露ですから国会同意人事を必要とすると思いますが、法改正を考えておられますか。
#112
○政府参考人(塩尻孝二郎君) お答え申し上げます。
 委員も御承知のとおり、外交関係の処理は内閣の事務に属することが憲法で規定されております。この規定に基づきまして、外交関係をつかさどる外務大臣の命に従って大使が外交活動を行っております。その任命については、外務大臣の申出により閣議決定の手続を経て内閣が行っているということでございます。こういうような観点からも、大使人事につきましては国会の同意を求めることについては慎重に検討することが必要であるというふうに考えております。
 それからまた、ほかの先進国の例を見てみますと、米国の場合については大使の任命に当たりまして議会の承認を必要としておりますが、これは例外的でございます。大統領制を取るフランスを含めまして、ドイツ、イタリア、イギリス等、ほかの主要先進国においてはこのような制度は取っていないというふうに承知しております。
#113
○荒井広幸君 陛下からの認証官です、特命全権大使。同時に、あの外務省問題のときに、一定割合を民間からも登用、ノンキャリアさんからも登用と、こういうことにして改善はしました。しかし、より多く国民の皆さんを代表する方がその国との関係で大使になられる機会をつくるためにも、同意人事にするということが私は適当だろうというふうに思います。
 同時に、同意人事も、議運においてこれをある意味で形式的に近い形で処理するというやり方にも問題がある。やはり委員会に付託をしてその方の所信を聞く、このようなことをして同意人事をしなければ、一義的には内閣や役所のその選考を信頼するとしても、会ったこともない、見識を聞いたこともない、そういうことでは私は話が進んでいかないだろうというふうに思います。
 ですから、どうぞ、そういう意味では国会同意を必要とするという考えも検討に入れていただくようにひとつお願いをしたい、私たちもそれらについてまた対応していきたいと、このように思います。
 さて、内閣府にお尋ねをいたしますけれども、参議院の提言を受けて、総理の発言もありましたが、内閣としてODA、環境も入っています、これを積極的にするべきだということについて、どのように具体化するのか、内閣として何か取組はありますか。
#114
○政府参考人(梅溪健児君) 現在、経済財政諮問会議において基本方針二〇〇七の審議をお願いしているところでございます。
 参議院政府開発援助等に関する特別委員会からいただいた御提言については、政府の関係機関において所要の検討がなされ、ODAに関しても今後決定される基本方針二〇〇七に基づいて着実に実施されるものと承知いたしております。
#115
○荒井広幸君 その内閣府がある一種隠れみのにもなっていると言われても仕方がない経済財政諮問会議です。この経済財政諮問会議は、同じような諮問会議ございますが、この経済財政諮問会議だけが、あと四つか五つあるんですよ、その中の一つがこの経済財政諮問会議ですが、これも国会同意人事でありません。法律を作られた立法の意思ですというような逃げ方はしないでください。経済財政諮問会議は、これは内閣の責任にあるわけですよ。出してきたのも内閣だ。同意人事にするべきではありませんか。法改正をする意思はございませんか。
#116
○政府参考人(齋藤潤君) 個々の会議等の委員の任命に当たって国会の同意を得るべきものか否かにつきましては、当該会議等の位置付けあるいは構成等に応じましてその設置の根拠となる法律によって個別に定められているところでございます。
 経済財政諮問会議については、内閣府の設置法に定められているところでございます。その内閣府設置法におきましては、内閣総理大臣が優れた識見を有する者のうちから任命するというふうに規定されているところでございまして、私どもとしては、同法の規定に沿って手続を取っていくということが求められているというふうに承知しております。
#117
○荒井広幸君 それは法律の定めだからということなんですが、そこにやはり問題が残ってはいやしないかと。やはり国会同意をすると、こういうところが一つの、今度のODAの参議院の提言の中に、幅広く読んでいけば、参議院、先生方とともに国会同意人事の在り方、もう一回その対象を含めて考えていかなければならないのではないかと問題提起をいたしまして、時間を残しまして終わります。
#118
○島尻安伊子君 島尻安伊子でございます。
 早速質問させていただきたいと思いますが、その前に、本日は大野つや子先生の議員として最後の質問ということでございまして、これまでの先生の御尽力に心から敬意を表したいというふうに思っております。
 昨今は環境問題に対して大変に国民の関心が高くなってきたというふうに思います。本屋に並ぶ雑誌の表紙には地球温暖化とか環境というような文字が目立っておりますけれども、ある女性誌によりますと、プラネット感覚とか地球規模というような言葉を多く使って国民の意識を喚起するといいますか、環境に向けてその目を向けさせるといいますか、そういう一種キャンペーンを張っているような女性誌もございまして、このことから考えますと、ある程度の報道といいますかマスコミによるリードというのは必要なんじゃないのかなというふうに思っております。
 安倍総理がおっしゃる美しい日本というのがありますけれども、美しい国というのは、私は美しい島日本という言葉にも置き換えられるのかなというふうに思っておりまして、日本は島国でございますし、そういう意味で、それぞれの島々といいますか、これをきちんと守るということは、自然環境のみならず、もちろん国防というような重要な観点からしても真剣に取り組むべきことだろうというふうに思っております。そういうことで、私は、本日は美しい島々という大きなテーマで質問させていただこうというふうに思っております。
 美しい島、美しい島を美しい島として守るという、これは環境を守るという大きな意味で語ることができるというふうに思いますが、環境と一言で言っても、そこには様々な環境が存在しているところでございまして、人を取り巻く環境という観点からいきますと、自然のみならず歴史、それから文化も当然含まれるものだろうというふうに思っております。
 そこで、本日は内閣府の方にまず質問したいというふうに思っております。
 御存じのとおり、沖縄県は琉球王国という一つの国として存在をしておりました。そのシンボルの首里城を始めとして、戦前、国宝に指定された文化財が二十四件ございまして、また国宝指定、国宝指定候補という重要建造物も二十五件ございましたが、去る第二次世界大戦で焼失をされております。
 このたび、実はウチャヤウドゥンといいまして、この音だけを聞きますと、発音だけを聞きますと何のこっちゃというふうに思われるかもしれませんけれども、この御茶屋御殿というものは首里城と一体となって使用された施設でございまして、琉球国の文化の伝統としての役割を果たしてきた施設でございます。
 このたび、この御茶屋御殿の復元に向けて絶好のチャンスというのが訪れておりまして、地元での土地の問題等々、この復元に向けて大変に県民の関心が高くなっているところでございます。今回、このチャンスを逃すと復元が大変にまた難しくなってしまうわけでございまして、是非国が、特に内閣府の沖縄振興にかかわる皆様には、是非リーダーシップを取っていただく中で、この御茶屋御殿の早期の復元に向けて御尽力をいただきたいというふうに思うんでございますけれども、その辺について御答弁をお願いします。
#119
○政府参考人(清水治君) お答え申し上げます。
 首里城の関連施設でございました御茶屋御殿の復元整備につきましては、地元において熱心な取組が行われていると承知してございます。
 これまでに行われました発掘調査で一部の遺構が確認されたと聞いております。御茶屋御殿の復元整備につきましては重要な意義があるものと考えておりますが、その前提といたしまして、史跡指定など文化財としての位置付けを明確化する必要があると考えられるところでございます。
 このような点を踏まえまして、御茶屋御殿の復元整備にどのような形で取り組んでいくかにつきましては、沖縄県、那覇市、国土交通省などの関係機関と今後よく協議すべき課題であると考えているところでございます。
#120
○島尻安伊子君 ありがとうございます。
 今のお答えの中で、文化財としての裏付けといいますか、そういうことがございましたけれども、具体的にどういうことがその裏付けになるのか、一つお聞きしたいというふうに思っております。
 いろいろな、地元において沖縄県の埋蔵文化財センターの発掘調査というのも行われておりまして、その写真や図面等の資料もございます。具体的に、その裏付けとしては今後どのようなものが考えられるのか教えていただけますでしょうか。
#121
○政府参考人(清水治君) 文化財の位置付けについての、史跡指定等についての裏付けということでございます。
 その点については、内閣府については直接所管しているわけではございませんが、これまでに県の埋蔵物文化財センターで行われた発掘の結果等を踏まえまして、関係の方面とよく協議していくべき課題であると考えているところでございます。
#122
○島尻安伊子君 是非これは前向きにといいますか、先ほどもお話しさせていただきましたが、美しい島を美しい島として守っていくという意味におきましても、絶好とないチャンス、今回ですね。こういう文化財の復元につきましては、いろいろな、沖縄県のみならず全国的にこういう復元につきましては大変なハードルをそれぞれに抱えていると思いますけれども、今回この土地の問題もどうやら解決しそうでございますし、ただ、それにおきましても、この今のチャンスを逃すとまたこの先、首里という地域が大変に意義のある地域でございまして、この首里においてこれだけの土地が見付かるということもそうそうないわけでございまして、だからこそこの絶好のチャンスを見逃す手はないというふうに思っておりますけれども、その辺を踏まえて、いま一度御答弁いただけますでしょうか。
#123
○政府参考人(清水治君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますが、御茶屋御殿の復元整備については重要な意義がございますので、その復元整備にどのような形で取り組んでいくか、いろいろ御指摘の点もございましたが、今後、沖縄県、那覇市、国土交通省など関係機関とよく協議していくべき課題であると考えてございます。
#124
○島尻安伊子君 ありがとうございます。
 再度でございますけれども、内閣府の沖縄振興にかかわる皆様方におかれましては、是非是非、国としてのきちんとしたリーダーシップを取っていただく中で、この御茶屋御殿の復元について御尽力をいただきたく思います。
 それでは、次に移りたいと思います。
 同じく、美しい島日本という中で、西表の国立公園の件でございます。次年度になりますけれども、西表国立公園の指定区域の拡張見直しということが計画されているとお聞きしております。この具体的なタイムスケジュールといいますか、これからの進み具合といいますか、それについてお聞かせください。
#125
○国務大臣(若林正俊君) 沖縄は本当に美しい島であります。私は、農林省に勤務しておりましたときに、沖縄の復帰が間近に迫りましたとき、私は、沖縄復帰対策室を新設しましてその初代の室長を拝命いたしました。約二年間、復帰まで、沖縄復帰にかかわったわけですが、復帰後の沖縄の振興計画というのがどういう計画であるべきだろうかと、沖縄の関係の皆さん方ともいろいろお話合いをいたしました。
 そのときに、やはりこの美しい自然を生かした、その美しい自然を基盤にしたやはり観光開発というのが大きな柱でありましょうと。それからもう一つは、やはり本土から離れておりますけれども、ああいう亜熱帯の温暖な気候条件を生かして、それに即したパイナップルでありますとか、サトウキビもそうですけれども、そういう農業というものを振興していかなきゃいけないんじゃないかと、これが沖縄の皆さん方の強い意向でございまして、私もそのために何回も何回も沖縄に渡りましていろいろな方々と意見交換をしてまいりました。当然、その島々の中には石垣島もありますし、西表にも参りました。私は、この沖縄のすばらしい自然環境に心を奪われた者の一人でございます。
 そんな体験もございますが、石垣島は、於茂登岳を始めとする亜熱帯性の森林だとか、白保を始めとするサンゴ礁などの優れた景観を特に有しているということから、これを国立公園に編入するための必要な手続を今進めているところでございまして、地域の方々の中には、国立公園になりますと開発が抑制されるからこれは賛成できないという方もいらっしゃいました。私のところにも参りましたけれども、そういう方々に、制度への誤解もあるんじゃないかということで、地域の公聴会などを公民館などで開けば私の方から担当者行きますよというお話をして、もう既に何回か現地でお話をしまして、ようやく沖縄県としてこれを国立公園に編入することを進めていただくことになっております。
 その申請を受けまして、今月の二十九日に開催予定の中央環境審議会において、石垣島の国立公園編入について御審議いただくことにいたしております。この審議会において適当である旨の答申が得られれば、今年の夏までにはこれを告示をして国立公園に指定する、そういう手順になっていくと、このように思います。
 これからの沖縄の発展のために、自然環境の保全とその適正利用の推進への取組を一層推進してまいりたいと、このように考えております。
#126
○島尻安伊子君 ありがとうございます。
 その国立公園の編入といいますか、区域の拡張見直しの中で、鳩間島の、それから波照間島の全域及びその周辺海域も含めての西表国立公園に編入していただきたいという陳情が出ているかと思いますけれども、この辺についてお答えいただけますでしょうか。
#127
○政府参考人(冨岡悟君) 先生お尋ねの点につきましては、先日、竹富町の町長さんの方から私どもの方に御要望がございました。その中身は、今後の西表国立公園の公園計画の見直しに合わせて、西表島、鳩間島及び波照間島の全域を、これらの周辺海域も含め西表国立公園に編入してほしいというものでございました。
 これらの地域での公園区域や公園計画の見直しについては、今年度から必要な調査に着手することといたしております。その中で、竹富町を始めとする地元関係者と意見交換をしながら具体的に検討してまいりたいと考えているところでございます。
#128
○島尻安伊子君 御答弁ありがとうございます。
 もう時間がないのでこの辺でとどめますが、美しい島々の日本という中で、この美しい島を美しい島としてまた守っていただきたく、それに対しての皆様方の御尽力いただきたく、またよろしくお願い申し上げます。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#129
○委員長(大石正光君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#130
○委員長(大石正光君) エコツーリズム推進法案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院環境委員長西野あきら君から趣旨説明を聴取いたします。西野衆議院環境委員長。
#131
○衆議院議員(西野あきら君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 エコツーリズムにつきましては、自然環境の保全、地域における創意工夫を生かした観光の振興及び環境の保全に関する意識の啓発等の環境教育の推進において重要な意義を有していることから、国の施策として推進が図られてまいりました。
 しかしながら、その趣旨が十分に浸透、実践されていないといった状況もあり、本来保全されるはずの自然環境、特に世界自然遺産地域などの原生自然を有する地域におきましては、大勢の観光旅行者が訪れることによる踏み荒らしやごみの廃棄など、自然環境への悪影響が問題となっており、自然保護に配慮した観光の推進が求められております。
 また、近年の環境問題への関心の高まりとともに、実際に自然と触れ合い、その仕組みや大切さを理解することがより重要となっております。
 このような状況の下、エコツーリズムに関する施策を総合的かつ効果的に推進するため、本案を提出した次第であります。
 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、エコツーリズムは、自然観光資源が損なわれないよう、生物の多様性の確保に配慮しつつ、適切な利用の方法を定め、その方法に従って実施されなければならない等の基本理念にのっとり、政府は、エコツーリズムの推進に関する基本方針を定めなければならないものとしております。
 第二に、市町村は、エコツーリズムを推進しようとする地域ごとに、当該市町村のほか、事業者、NPO等、専門家、土地所有者、関係行政機関等から成るエコツーリズム推進協議会を組織することができるものとし、同協議会は、エコツーリズムの実施方法や自然観光資源の保護、育成のために講ずる措置等を内容とするエコツーリズム推進全体構想を作成するものとしております。
 また、市町村は、その組織した協議会が全体構想を作成したときは、当該全体構想について主務大臣の認定を申請することができるものとしております。
 第三に、主務大臣は、インターネット等の方法により、認定した全体構想の内容について周知するとともに、国の行政機関及び関係地方公共団体の長は、当該認定全体構想に基づくエコツーリズムに係る事業が円滑かつ迅速に実施されるよう、許可等の際に適切な配慮をするものとしております。
 第四に、当該市町村の長は、認定全体構想に従い、保護措置を講ずる必要がある自然観光資源を特定自然観光資源として指定することができるものとし、その指定した特定自然観光資源が多数の観光旅行者等の活動により著しく損なわれるおそれがあると認めるときは、当該特定自然観光資源の所在する区域への立入りの制限をすることができるものとしております。
 また、特定自然観光資源の所在する区域内においては、何人も、その汚損、損傷、除去及びごみの廃棄等をしてはならないものとしております。
 以上が、本案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
#132
○委員長(大石正光君) これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 エコツーリズム推進法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#133
○委員長(大石正光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(大石正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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