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2007/04/17 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 国土交通委員会 第10号
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2007/04/17 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 国土交通委員会 第10号

#1
第166回国会 国土交通委員会 第10号
平成十九年四月十七日(火曜日)
   午後一時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任   
     中島 啓雄君     岡田 直樹君
     渡辺 孝男君     魚住裕一郎君
     長谷川憲正君     後藤 博子君
 四月十六日
    辞任         補欠選任   
     岡田 直樹君     中島 啓雄君
 四月十七日
    辞任         補欠選任   
     羽田雄一郎君     犬塚 直史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大江 康弘君
    理 事
                末松 信介君
                脇  雅史君
                藤本 祐司君
                山下八洲夫君
                谷合 正明君
    委 員
                小池 正勝君
                田村 公平君
                中島 啓雄君
                藤野 公孝君
                吉田 博美君
                犬塚 直史君
                加藤 敏幸君
                輿石  東君
                田名部匡省君
                魚住裕一郎君
                小林美恵子君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   冬柴 鐵三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
   政府参考人
       警察庁刑事局長  縄田  修君
       法務大臣官房審
       議官       三浦  守君
       外務大臣官房参
       事官       大江  博君
       国土交通省航空
       局長       鈴木 久泰君
       航空・鉄道事故
       調査委員会事務
       局長       各務 正人君
   参考人
       定期航空協会会
       長        山元 峯生君
       定期航空協会理
       事        西松  遙君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (航空機の運航における安全確保に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、長谷川憲正君、渡辺孝男君及び羽田雄一郎君が委員を辞任され、その補欠として後藤博子君、魚住裕一郎君及び犬塚直史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大江康弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁刑事局長縄田修君、法務大臣官房審議官三浦守君、外務大臣官房参事官大江博君、国土交通省航空局長鈴木久泰君及び航空・鉄道事故調査委員会事務局長各務正人君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、本日は、定期航空協会会長山元峯生君及び定期航空協会理事西松遙君に参考人として御出席をいただいております。
    ─────────────
#5
○委員長(大江康弘君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のうち、航空機の運航における安全確保に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○田村公平君 田村公平です。
 私は、昨年、平成十八年六月十三日、そして十九年の三月十五日、そして今日と、ボンバルディア社の航空機に関することで三回こういう質問に立つ場を与えていただいたのが有り難いのか、大変、あんまり愉快な話ではない。前向きのお話であれば、航空機に関する安全ですから、空の安全、陸の安全、海の安全、私どもの国土交通委員会は大変幅広い任務を負っておるわけで、今日、定期航空協会の会長、また理事、参考人として出席していただいたことも感謝をしていいのか悪いのか、そういう思いを持ちながら若干の質問をさせていただきたく思っております。
 まず、三月十三日、高知空港で胴体着陸をしました。私、高知空港のそばに生まれ育った者であります。飛行場の拡張、昔は日章の飛行場と言っていました。そして、やっと高知空港という名前になれたら、どこかの、どこかのって、うちの知事ですが、龍馬空港なんて恥ずかしい名前を付けて、それが全国的にまた有名になり、昨日、実は事務所の職員を高知空港に派遣をしました。ANAと書いた尾翼、機首の方はテントで覆ってあります。脚立のようなものを入れて、これを毎週毎週、金、土、日に、帰るたんびに見るのもつらい。観光客も減るでしょう。
 そういう中で、三月十三日以降、ボンバルディア社の副社長もやってきました。そして、同系列機で既に七回も胴体着陸をしておる。そういうことを、過去二回にわたる私の質疑の中で、航空局からはそういう話ありませんでした。一体どういうふうな情報収集をし、どういうようなことをやってきておるのか、まずそれが一つの疑問点。そういうことを含めて、三月十三日以降、本日に至るまでの胴体着陸に関すること、あるいはボンバルディア社の我が国に導入されておる航空機に対してどういう対応をしてきたか。
 私、限られた時間しかありませんので、大体のことはもう全部の資料頭に入っています、打合せも何回もやらしてもらっています。形容詞を除いて、事実関係のみ簡潔にお願いいたします。
#7
○政府参考人(鈴木久泰君) お答えいたします。
 先生の御指摘のとおり、今回の高知空港の事故は、もう非常操作である手動操作でも前脚が出なかったという大変重大な事故でありまして、私ども重く受け止めておるところでございます。
 したがいまして、事故当日の三月十三日に事故機400型機だけではなく同系列の100、200、300、全機に対しまして前脚部の緊急点検を指示するとともに、三月十五日には、当分の間この前脚部の点検をこれまでの十倍の頻度、C整備の四千時間ごとというのをA整備の四百時間ごとということで実施するように指導いたしました。
 さらに、三月十九日と二十六日に、同系列機を運航しております全運航会社を招集いたしまして、安全対策会議を開催いたしまして、ボンバルディア機の信頼性回復に向けまして、事故の直接の原因となった前脚部点検のほかに追加の安全対策についてとるべき措置を議論し、点検を強化するということで指導しております。
 それから、ボンバルディア社も直ちに副社長がやってまいりましたが、全面的に協力をしたいという旨申し述べておりますし、責任当局でありますカナダ航空局とも十分連携を取りながら、一日も早い事態の鎮静化に向けて努力してまいりたいと思っておるところでございます。
#8
○田村公平君 私が去年の六月十三日に質問させていただいたときに、極めて異例のことであると、カナダ政府の航空局、製造会社であるボンバルディア社、そして日本の航空会社、それから国土交通省航空局の専門家、四者でもって現地に行き、このようなことが起きないように、しかもこれ造ってから、YSのときも御案内のとおりかなりの事故もありました。世界の名機と呼ばれるようになるまでにはやっぱり五、六年とか七、八年掛かっています。しかし、この飛行機ももうそれ以上たっています。
 聞くところによると、ボンバルディア社は、ちょうどこのシリーズを造るころに大変な経営難に陥り、大変な合理化をし、それでなおかつ今収益を上げていると、何か日本の小泉政権の五年半に似ているなと。改革、改革、規制緩和、合理化の中で安全が、信頼が失われつつある、そういう会社。しかも、YS11の後継機としてはこのシリーズしかないという、つまり競合する飛行機がない。
 経済効率、いろんなことを考えたらボンバルディアのこの飛行機が一番いいということで、しかし、これはよく考えてみたら、我が国航空行政の在り方として、規制緩和の中で、国際線を主として運航しておったJAL、国内線を主として運航しておったJASやANA、これはもう壁を取り払ってしまった。そうすると、離島とか、私のような高知県のあのへき地だとか、よその県のことを言っちゃ悪いけれども、島根とかそういうところにどんどん参入するようになってきた中で、経済性を追い掛け、そういう中で航空行政としての、つまりYS11の後継機を造るようなことをしなかったという我が国の航空行政の在り方も私はあると思っています。それは、昨年六月十三日の当時の航空局長の答弁を聞いておっても、木で鼻をくくったような、何か他人事のような気がしてなりません。
 もう一つ言わせてもらいますと、それじゃ去年、既にカナダの方にそれだけの人間を派遣して、それが具体にどういうふうになってきたか、事故直後にボンバルディア社の副社長、何と言ったかな、ヤングさんという人が高知にやってきた。事故機はすぐ歩いて二、三分のところにいるんですよ。そこを素通りして、真っすぐ高知県庁に行って知事と会って、記者会見して謝罪しました。帰るときも寄りもしない。自分ちが造った飛行機が胴体着陸した、歩いて二、三分の高知空港におるんです、今もおるんですよ。そういう体質、幾ら自分ところの専門の技術屋さんが来てそこでちゃんと点検しているとか、あるいは事故調が入ってやっているとか。寄りもしない。
 どうも私は感情的に、民族が違うのか、国民性が違うのか、文化が違うのか。あるいは事故当日、南国市議会は本会議を開催しておりました。市長は私の高校の先輩であります。助役は私の小学校の同級生であります。議会は中断し、消防、救命救急、ありとあらゆるバックアップをいたしました。にもかかわらず、迷惑掛けてごめんねの一言もない。そういう現実が一つあります。
 そういうことについて一番不愉快なのは、次の日朝一便から飛行機を飛ばしたんですよ。安全性の確保も原因の究明もできていない。ボルトが飛んだというのは後の話ですよ。あれは飛んじゃいけないものなんですよ。冷ましておいて圧掛けて絶対に抜けないようにそれにピンを押し込んで、そういうことが、一晩のうちの点検でこれをオーケーしたというのは監督官庁としてはどういう神経でやったんですか。
#9
○政府参考人(鈴木久泰君) 今回の事故の原因につきましては、確かに先生おっしゃるように事故調査委員会が直ちに調査に入りまして、まだその運航再開の時点では調査中でございました。航空局といたしましては、今回の事故の直接の原因が前脚が下りなかったというところは明らかでございますので、事故当日に同系列のボンバルディア社製の航空機全機の運航者に対しまして前脚の手動操作に関する緊急の外観点検及び作動点検を指示したところでございます。
 これを受けまして、同系列型機の運航会社によっては、事故翌日の運航開始までに、夜中だと思いますが、当該点検を実施いたしました。また、特に、当事者であります全日空は事故当日は直ちに同系列機全部ストップいたしまして、前脚のみならず主脚についても点検を直ちに実施して翌日から運航を再開したと、これは十分安全を確認した上で再開したということでございます。
#10
○田村公平君 全日空さんにお尋ねしますけれども、全日空さんじゃない、山元参考人にお尋ねをいたします。
 ボンバルディア機に関する、この機種に関する確認整備士は一体何名おってどれほどの飛行場に配置をしておりますか。確認整備士です。
#11
○参考人(山元峯生君) 定期航空協会の会長のANAの山元でございます。
 委員長でいらっしゃる大江先生始め、御出席の諸先生方におかれましては、御多忙のところこのような場を設けていただき、大変恐縮でございます。
 まず冒頭に、三月十三日の高知空港で発生いたしました弊社便の緊急着陸につきまして、お客様並びに先生方に、あるいは国土交通省を始めとする多くの関係者の皆様に多大な御迷惑、御心配をお掛けいたしましたことをこの場をおかりして改めて深くおわび申し上げます。
 現在、原因究明、事故調の調査を待ち、再発防止に向けて特別点検を実施しております。更なる機体品質の向上に努めてまいる所存でございます。
 早速でございますが、田村先生の御質問、Q400の確認整備士の配置はどうなっておるのかという御質問にお答えいたします。
 現在、Q400型機が就航しております全十四基地のうちに主基地の伊丹、名古屋、福岡、高知、この四基地には確認整備士を配置しております。七十便中の四十七便でございます。それ以外の基地におきましては、Q400の有資格者ではございませんけれども、グループ会社の整備士、これが主基地の資格を持った整備士と連絡をして的確なアドバイスができる仕組みを構築しております。
 しかしながら、やはり不十分だという認識の下に、二〇〇八年度の上期までに、残っております七十便中の二十三便の飛んでおります基地、大館能代、福島、新潟、米子、関空、松山、石見、佐賀、対馬、福江、ここに確認整備士を、これはANAのあるいはエアーニッポンの、あるいは就航しておりましたエアーセントラルの、それぞれのどの会社でというのは今検討中でございます、ANAの確認整備士にQ400の確認整備士を取らせて例えば石見で兼任発令をするとか、あるいはエアーセントラル独自で確認整備士を養成するとか、形はいろいろでございますけれども、全便確認整備士がカバーできる基地体制を構築しようと思っております。
#12
○田村公平君 確認整備士の養成といっても、なかなか今日明日にできる話でもないと思います。
 今の山元参考人の話を聞いて、航空局長、次の日から飛行機飛ばしたというけど、その後一体系列機で何が起きましたか。天草エアラインの、天草のことを言っているんです。何が起きましたか。
#13
○政府参考人(鈴木久泰君) 一週間後に天草エアラインが飛んでおります同系列機におきまして、電気系統のやっぱりトラブルで油圧での脚下げができなかったと。ただ、こちらは手動では脚下げができましたもので無事着陸はできたわけでありますが、脚についてのトラブルが起きたということが発生いたしました。
#14
○田村公平君 つまり、二重装置が、安全装置が働いた。しかし、高知空港の場合は働かなかった。
 今いろんなのを見ていますと、昔JASとか、ローカル飛んでいるときに、例えば北海道の中標津でオーバーランしたとか、それは、飛行場、例えば東京なら東京を飛び立って、伊丹でもいいんです、そこで飛び立って降りるときにすべての何というんですか、着陸態勢が全部オーケーになって、しかし横風が吹いたとか、雪で凍っていてオーバーランしたとか、そういうことはあるんです。基本的にローカルの空港の場合、着陸するときに不具合が起きた場合は、このボンバルディアでも、全部母港である、母港というか、一番整備のある伊丹に引き返してきておる。にもかかわらず、何で、それはいろいろ聞きましたよ、機長の立派な判断だと、確かに立派な判断だったと思います。思いますが、何で伊丹に降ろさずに、何で関空に降ろさずに、設備もバックアップも救命救急のいろんな病院も、全部はるかに高知空港より整っているところじゃなくして、何で高知かなと。何となく格差というものを感じております。恐らく確認整備士が複数いるとは高知空港に思えません。
 私なんかの普通の常識でいえば、大ベテランがいて、セカンドクラスがいて、サードクラスがいて、目視、双眼鏡を使ってもいい、管制官とも連絡を取りながら、カンパニーラジオを使いながら、本当に脚が出ないのはどういうことなんだと先輩にも相談する、そういうやり方ができるのは多分伊丹しかない。そういう危うさを持ちながら、結局、次の日に再開させたということは何か変だなと。これは答えなくていいです、私が変だなと思っているだけだと思うんで。
 ただ、お伺いをしたいのは、ANAと書いてある尾翼に、その飛行機に何で違う会社のパイロットが乗っているのか。こういうことについて航空局はどういう見解を持っているんですか。
#15
○政府参考人(鈴木久泰君) ANAグループに限らず、JALグループでも便名を統一している動きがございます。これは、国内線におきまして同じグループ内の複数の航空会社が共同で運送を引き受けまして、旅客に対して連帯して運送責任を負うという共同引受けという運航形態で運航されているものでございます。
 実運航を行うグループの子会社が単独で運航を行う場合と比較いたしまして、親会社の大手の航空会社もグループ内子会社と連帯して運送に責任を負うという点あるいは機材繰りが柔軟にできるということで、欠航を防げるというような点で利用者にもメリットがあると考えております。
 ただ、なかなか表示がきちっとできていないというような問題もございまして、先生がおっしゃるようにいろいろ誤解を招くような部分もあると思いますので、そこら辺の表示の在り方等につきまして十分検討してまいりたいと思っております。
#16
○田村公平君 局長ね、そういうのを羊頭狗肉と言うんですよ。
 じゃ、山元参考人、もうこれは西松参考人もお伺いしてもいいんですけれども、似たような運航をしておることは承知しております。正規の正社員であるキャプテン、このボンバルディア該当とはいかないでしょう。それは持っていないわけですから、持っていることにはなっているけれども実際操縦しているのは別の会社の人間ですから。給与は、彼は三十六歳でしたか、高知におられる、機長の年齢的に言えば機長としては大変飛行時間が長い。多分、中日本航空で一杯頑張ってきて、それであれだけの飛行時間を積んだと思うんですが、それはさておいて。
 同じキャリアの人で、正規社員というんでしょうか、全日空の正規のパイロットとこのセントラル航空ですか、その給与は一体どういうふうになっているんです。平均値でいい、大体、アバウトな感覚でいいんですから、山元参考人、教えてください。
#17
○参考人(山元峯生君) 世界的に見ましても、大体、航空機の大きさ、乗せているお客様の数、747―400、五百六十九人乗りですが、このボンバルディアのQ400は七十四人乗りですけれども、大体機種の大きさでパイロットの賃金というのは格差があることは事実でございます。だんだん小型機、中型機、大型機というふうにプロモーションをしていく、それが世界的なパイロットの賃金の格差の実態であることがまず一つでございます。
 それからもう一つは、一般の小売業と違いまして、我々航空輸送を携わる業者は、離島、生活路線あるいは需要の低い路線、これを採算性だけから見てあしたからカットするというわけにはまいりません。したがって、需給の細い、収益性の低い路線にはそれなりの需要に見合った小型機で、かつその座席数に応じた生産性に見合ったパイロットの賃金、これを組み合わせて、何とかその路線の収益性を合わせて全体で公共輸送機関の使命を全うするという、この二つの要素があるというふうに思っております。
 御質問の、端的にお答えいたしますと、現在の現時点、ANA本体の大型機の機長を一〇〇といたしますと、このエアーセントラルのキャプテンの機長の給与は約五〇ということになっております。
#18
○田村公平君 山元参考人、世界の趨勢とかそんなこと全部分かっているから、限られた時間で質問しているわけですから、そういうふうに大型機の場合一〇〇とすれば五〇と、このボンバルディアクラス、つまり昔で言うとYS11クラスだったら三対一ぐらいだと、そういうふうに明確に正社員と子会社の場合は違うと、そういうふうにきちっと言ってもらったらいいわけで、別にあなたのここで責任を追及しているわけでもない。
 なぜかといいますと、ちょっとこれ嫌な話なんですけれども、伊丹―高知―伊丹、飛行機上がりゃ当然降りぬといかぬわけですから、十二便飛んでいます、関空入れると十四便ですが。離着陸、一機に限って、今、一便に限って言えば年間に直すと千四百六十回離発着繰り返すわけです、一便ですよ。十二便にすると一万七千五百二十回。これが何も伊丹―高知ばっかり飛んでいるわけじゃない、松本に行ったり、いろんなところへ行っている。大体使い回ししているわけですから、全路線に全部フィットするだけの機数は持っていません。そうすると、それ単純計算すると、物すごいこと、圧力が掛かったり、負荷が掛かっているわけです。
 だから、私は確認整備士のこともお伺いをした。だから、ベテランがいて、ちゃんと点検しなければならないことも指摘をさせてもらった。高知空港に何で置いてあるかといいますと、それは一晩泊まるからなんですよ。ばんばんばんばん行っているうちは見なくていいわけ。
 何でそういう飛行機を選定せざるを得なかったというのは、冒頭、我が国の航空行政に誤りがあったんではないかと。しかも、この400ですか、これは三菱がほとんど造っていて、エンジンはこれはよその会社。もうエンジンは日本でなかなか造れぬ、ライセンス生産ができるにしても。どうしてこういう航空機を選定せざるを得なかったか。
 そして、これを扱っている、これは我が国の航空会社は、直接製造会社からどんな飛行機であれ、エアバスであろうとですよ、代理店がないと買えないシステムになっていますよね。代理店は一体どこですか。
 航空局長、お願いします。
#19
○政府参考人(鈴木久泰君) 済みません。代理店があると思いますが、直ちに詳細は承知しておりません。
#20
○田村公平君 それではお尋ねしますけど、航空局にはボンバルディア機を所有しているんじゃないですか。
#21
○政府参考人(鈴木久泰君) 航空機、航空局で飛行検査機というのを所有しております。これは、いろんな無線施設とか、上がってくる電波がちゃんと正常に出ておるかというのをチェックする航空機がありますが、七機持ってございます。そのうち一機がこのボンバルディアのQ300でございます。
#22
○田村公平君 300と400は今も製造しています。100と200は製造中止になっています。それを試験のために持っていること百も承知、承知ですが、どうやって買ったんですか。カナダまで行って買ってきたんですか。
#23
○政府参考人(鈴木久泰君) ボンバルディアのQ300機を昨年の十二月に受領したところでありますが、元々YS11を二つ持っておったんですが、これがもう古くなってリタイアするということで、その後継機をいろいろ検討しておりました。平成十六年に導入説明会及び総合評価方式による入札を行いまして、このボンバルディアが一社だけ出てまいりまして、それをしっかりと評価した上で決定したところでございます。
 それから、代理店は双日でございます。旧日商岩井が今、双日というふうになっております。
#24
○田村公平君 先ほど聞いたら代理店知らないと言っておいて、今聞いたら、今度は旧の日商岩井と。日商岩井というのは海部という大変な人がいましてね。第一次グラマン・ロッキード、第二次含めて、旧日商岩井の幹部で飛び降り自殺があったぐらい航空機の売り込みというのは熾烈なものがある。一度入れたら大もうけできるんですよ。一機三十億円、該当機がない、ニッチ、すき間のようなボンバルディア社の飛行機を、しかもカナダからどうやって持ってくるんですか。航続距離考えたらどうやって持ってくるのか分かんないけども、アリューシャン列島でも飛び飛びに来るのかしら。それは客室改造して、燃料タンクを中にどんどんと仮設を入れて持ってくるか、そういうことまで今日時間ないからやりませんが。
 何で、じゃ私が三月の十五日に、事故直後に質問したときに、我が航空局もボンバルディアの300を持っておるということを何で言わないのか。今聞いたら、これ委員各位御案内のとおりですよ、代理店知らないと。
 じゃ、山元参考人、西松参考人、それぞれボンバルディアの航空機を所有しているわけですが、代理店どこですか。
#25
○参考人(西松遙君) 私どもは同じく双日を代理店としています。
#26
○参考人(山元峯生君) 私どもも双日でございます。
#27
○田村公平君 全部そうなんです。私がホリエモンのように大金持ちになったとしても、私が直接ボンバルディアから買えないんです。双日に頭を下げなければならない。
 だから、昨年の六月十三日もそういうことがあるんじゃないかという意味のことを申し上げたのは、具体の代理店名も出てこない、じゃ、代理店はそういう飛行機を引き渡した以上、あるいは海上保安庁、これは救命救急のため、救難のための大変大事な海上保安庁はオプションで、まだ納入されていないけど、私の承知するところでは三機、ボンバルディア社の飛行機を買うことに、それはYSの後継者だと思います、裏取っていないからそれ以上言いませんけれども。そういう意味で、代理店の責任というのも出てくるんじゃないか。トータルで航空行政を考えてほしい。
 もう一つ、これ出所を明らかにしておかないと、国会での発言ですから。私の家内が二月二十三日金曜日、伊丹発の一六五一便、十六時発石見行き十七時〇五分着の座席が三のBに乗りました。三のAには高齢の女性が座っておられて、いわゆるケアをしてあげないといけない。客室乗務員の方が非常に、AとBですから、お世話するのに苦労しておったもんですから、席が後ろ一杯空いていたんです。それで、うちの家内は後ろの席に移りましょうかと、一杯席が空いているわけですから。そうしたら、バランスが崩れるからと、私の家内一トンもありませんけれども、バランスが崩れるからそのままそこにおれと。
 いいですか。伊丹空港で、要介護とはいいませんけどお世話しなければならない御高齢の女性の方が乗ってこられる。席が、健常者である私の家内がおる。見るに見かねて席変わりましょうと。変わっちゃいけないと言うんですよ、バランスが崩れる、トリムというんですけどね。ということは、昔の何か雷撃攻撃に行くときに、左旋回と言うとよいしょとか、昔のDC3もそういうことがあったんです。昔乗ったことがちょっとあって、着陸するときとか旋回するときに体こっちへよこせとかね。まさか今ごろの飛行機で体重が六十キロかそこいらが違ったら飛行に支障を来すなんていうのが、これ実際の話なんですよ。これ一体どういう飛行機なんですか。
 それは、747―400でもショートレンジでもロングレンジでもいんです。767の300でも200でもいいんです。737でもいい。それは全部バランス取って燃料計算からどれだけの荷物ある。昔、石垣島に行くときに、返還前の沖縄、那覇から飛ぶときに検量所に行って上がって私の体重は何キロだという、そういうようなので飛んだ。それは離島ですから、生活物資も運ばぬといかぬから分かっている、飛行機のバランスを取るということは。
 しかし、そういうことが二月二十三日にあって、私の家内は、家内ですから当たり前の話ですけれども、しょっちゅうボンバルディア機のことは聞いているもんですから、びっくり仰天して、安全なのか心配になったと。こういうことを、私はだれそれがとかある筋にと言うのは余り好きじゃないもんですから、具体にそういうことがあったということ、そういう飛行機なんでしょうかね。
 耐空証明出すわけでしょう、航空局は。日本の空飛んでもいいと、ボンバルディア社の設計図に基づいて。それから実機が実際本物の、紙の上じゃなくして、我が国の飛行、いわゆるランクで言うとTになるんですか。Tというのは、飛行機の輸送はTですよ。まさか曲技のAなんかじゃないわけですから、Tのその型式認定というんですか、車でいうと車検みたいなもんですよ。それ、ちゃんとやっているんでしょう。
#28
○政府参考人(鈴木久泰君) 航空運送事業の用に供するT類の型式を認定したと思います。
#29
○田村公平君 そうすると、運航をしている、これもあの石見行きは一日一便ですけれども、昨日、石見神楽とかスタジオパークで放送せぬといかぬかったものですから、それに間に合うために取材に行って、それは陸路で行けと言われてもなかなか東京から石見まで取材に行くというのは大変ですから、放送はうまく出たんですけれども、バランスを取らなければならないような運航をしておるのが、この一六五一便は時刻表上では全日空ということになっていますので、山元参考人に、そういう教育をしているわけですか、飛行機に乗って、御高齢の方がおられて、テークケアしてあげなきゃならないのに、移っちゃいけないというぐらい微妙なバランスで飛行機飛ばしているわけでしょうか。
#30
○参考人(山元峯生君) 先生おっしゃったとおり、YS11のころはACL制限といいまして、距離が長いと六十四人乗れるところが五十五人しか乗れないとか、微妙なバランスを取っておりました。
 御質問のダッシュ400につきましても、先生御指摘のとおり、まだ大型機と違いまして、お客様が勝手に移動されると、もう決定的なその重心とかなんとかに影響を与えるほどの大きな問題はないんですけれども、やはり安全を考えて、キャビンアテンダントの客室乗務員への教育には御指摘のとおりのお客様に御案内するように教育しております。
#31
○田村公平君 違うんだよ。乗る前から分かっているわけ、御高齢でね。客乗がそんなこと判断できるわけないんですよ。どうやってバランスを取るんですか、客室乗務員がそんな判断できるはずないんですよ。それは地上のグランドが、何人のお客さんが乗って、その中に要介護というかテークケアしてあげなきゃならない人がいる。それについては乗客名簿に基づいてグランドから客室乗務員にこういう方がおられますと、車いすも途中、石見に着いたら使わぬといかぬ、それのやり取りをする、その上でバランスを取ればいいわけであって、後ろ、あなた、三列も四列もずっと空いているのに、最初からそういう運航の仕方をしなければならないというところに、グランドと客乗、客乗は操縦できませんから、お茶出して、あと何かのときにボールペンから全部、眼鏡を外して、非常体勢取れと。動かすのはパイロットとコーパイですから。
 つまり、トータルで飛行機を運航するという上での、分かってますよ、この手の飛行機に、それは一トンも別のものが乗ったらそれは飛行機おかしくなりますよ。燃料もどんどん消費していくわけだから。片側の燃料タンクからだけどんどんどんどん燃料が消費されたら、それはバランス崩しますよ。そうじゃなくして、私の家内が一トンはない、あるわけないじゃないですか。誤差のうちってあるはずなんですよ。それが百キロなのか二百キロなのか、私、専門家じゃないから、だけど、そのバランス取るというのは地上でやるんですよ。それ、そういう石見行きの便に対して、御高齢の女性に対してそういう配慮もないというのは、ただただもうけ主義じゃないかという気すらするわけですよ。
 それについてもう一度。技術論を言っているんじゃないですよ、技術論も言っているけれども。
#32
○参考人(山元峯生君) 御指摘のとおり、お体の悪いお客様はコールセンターに御連絡いただいて、それなりに地上の飛行機に乗っていただくところからケアをしていくという体制は取れてはおるんですけれども、結果的にこの便もそうでしたけれども、我々まだトータルで、コールセンターの情報と今おっしゃったような飛行機が出る前のそういうトータルでお客様のサービス、特に体の悪い方に対するサービスをしっかりできているかと申しますと、今御指摘のところもまだ残っているというふうに反省しております。
 コールセンターで得られた情報を実際、飛行機に御搭乗していただいて、トータルのキャビンアテンダントのサービスが御不自由な方にしっかりと行くような、理想的なサービスができるように努力してまいりたいと思います。今のところ不十分な点は多々あると思いまして、反省申し上げます。
#33
○田村公平君 進出著しい、成長著しい中国の航空業界、アジアの中でこのままいけば、日本の航空機産業じゃなくて航空業界は、私は非常に不安感を持っています。
 双日のことを含めてまだまだ質問したいのは山ほどあります。一体双日という商社がどんな対応をこの件についてしてきたか。しかし、限られた時間であります。
 最後に、このやり取りを聞きながら、大臣、本当に大臣の責任ではないんですけれども、これからの我が国の航空行政の在り方、トータルとして是非御見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。
#34
○国務大臣(冬柴鐵三君) 安全、安心は国土交通省の使命でありまして、特にこの運輸関係につきまして安全が何より大事でありまして、その次には乗客の利便を考えなきゃならない、私はそのような順序だろうと思います。今のお話を聞きながら、大いに反省しなければならない部分があるということを肝に銘じたいと思います。
 我々は、運輸安全マネジメント制度というものを導入いたしまして、社長から末端の方々まで、もちろん機中の乗客の世話をしていただく方はもとよりでしょうけれども、地上の職員の方にまでこの安全ということを徹底すべく、今後航空行政を進めてまいらなければならないと、そのようなことを、今質疑を聞かせていただきながらこのように感じました。今後、そのように頑張ってまいりたいというふうに思います。
#35
○田村公平君 願わくば四回目の質問ができないように、よろしく関係者の努力をお願いいたしまして、質問を終わります。
#36
○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。
 今、田村委員から相当専門的といいますか、非常にすばらしい的をついた質問を聞いておりまして、私の場合は、専門外ではございますので、少し素朴な疑問といいますか、その辺りを少しお聞きしたいなというふうに思っています。
 私、選挙区静岡なので飛行機に乗るということが余り多くはないんですが、前職のときに相当いろんな出張で飛行機に乗りまして、そのときいつも大丈夫なのかなと思っていたことが幾つかありますので、それを中心にお聞きしたいと思いますが。
 航空の安全といいますと、今回例えばボンバルディアのいわゆる機材の故障と不具合ということをまず最初に頭に浮かべるわけなんですが、多分この安全ということを考えるときに、もう幾つかに分かれるんではないかなと。時系列的に分かれるというか、先ほど田村委員の方もありました。
 航空機材の調達、購入というのが一番最初にあって、それが本当に安全かどうかというところがまずチェックできないといけないと。その次には、やはり実際に飛行機が飛び立つまで、いわゆる整備とかメンテナンスとか、そういったところでのやはりチェックが必要になってくるんだろうと。今度はその上、今度その後の段階では飛行機が飛んでいるとき、これは乗客あるいは乗務員も含め、乗務員なんですが、いわゆるキャビンアテンダントやパイロットを含めてその辺りの訓練が大丈夫なのかどうか。今度はそれが、飛行機が今度着陸して降りるとき、その段階での空港の整備の問題であるとか、あるいは故障が分かったときの対応とかということがある。
 今度は、その次の段階に行くと、今度着陸をした後に、けが人が出なければいいんですが、軽い、重い関係なくけが人が出た場合のその後のフォローアップ体制ということということで、いろいろ段階が順番にあって、それぞれがやはりチェックができる、それぞれのところで事故をなくす、あるいは起きてしまった、不幸にも起きてしまったら、それをできるだけ小さな事故に、事故というか小さく、被害を小さくするという、そういう努力というのがだんだん順番に起きてくるのかなというふうに思いまして、少しずつその前段階からお聞きしたいと思いますが。
 航空機材の調達につきまして、今、田村委員の方から御指摘があったとおり、これは代理店が入って航空機材を調達するということの構造というのは大体分かるんですが、その機材調達、この機材にしようという、それを決める決め手というのは恐らく航空会社がお持ちなのか、あるいはそこまでも代理店の思うどおりに動いてしまうのか、ちょっとその辺り非常に複雑なのかなというふうに思っております。
 我々が車を買うような場合は、もちろん排気量だとかメーカーの信頼性とか価格とか、あるいはデザインとか様々なことで我々車を、じゃ乗用車を決めようというふうに決めるわけなんですが、航空機を決める、その購入、この機材にしようということの決定する基準というのは、価格だけで合ってもやっぱりこのように問題が頻発するようなところでやってはやはりまずいということを考えるのか。何を基準に、何を決め手に、どういうところが一番のポイントで決めていらっしゃるのかということをちょっとお聞きしたいと思います。
#37
○参考人(西松遙君) 先生の御指摘のとおり、機種を決めるというのはいろいろな作業を必要としているわけでございますが、まずどの路線に入れるかというところが一番最初に出てきます。当然距離もありますから、アメリカに飛ばすのか、あるいは近距離の大阪に飛ばすのか、そういったところがキーポイントになりますので、まず路線につきましてどういう路線に投入するかというのを、必ずしも限定的じゃないんですけども、イメージとしてまずそれをつくり上げまして、その路線に適合する機材、すなわちその大きさですよね、機材の。お客様、やはり多いところには大きな機材を投入するということになりますので、そういった意味では、路線を決めた後、大きさを決めます。そして、同時に航続距離も問題になってきますから、今は昔と違って途中で降りて最終目的地にまで行くというのはほとんどなくて、直行化が主流になっていますので、航続距離がどこまであるかというのが非常にポイントになりますので、こういった航続距離を次に調べていくということになります。
 それも決定の第一段階で、第一段階、第二段階とございますけれども、さらにその機材の信頼性、今までの実績等々がありますので、そういった実績を踏まえてリライアビリティー、信頼性が高いのかどうかと、こういったところも判定の基準になりますし、さらに、売りっ放しではなくてその後のアフターケアもきっちりとした体制が取られているかどうか、こういったことも決定の一つの要素になってまいります。
 これを総合的に決定するのは、もちろん価格、我々も営利企業でございますので、価格等の前提を入れまして、トータルとしてどちらが有利か、こんな順番で判定をしているというふうに我々としては認識をしております。
#38
○藤本祐司君 三月の十三日に高知空港でのボンバルディアのいわゆる胴体着陸したその以前に、同型機が二〇〇四年十一月に高知空港で着陸後、滑走路から脱輪したトラブルがあって、それに関しましては、三月三十日に航空・鉄道事故調査委員会の報告として、新聞報道によれば設計上の問題がトラブルの一因となったというふうに記されておるわけですね。
 これは、航空・鉄道事故調査委員会の事務局長、各務事務局長いらっしゃっていると思いますけども、これは、やはりボンバルディア社のこの機材というのは設計上の問題と新聞が書いてあるんですが、そちらの調査報告書にはそこまで具体的には書いていないんですが、設計の改善を検討するようにというようなことで読み取れるのかなというふうに思うんですが、これ、やはり設計上の問題だったということで認識してよろしいんでしょうか。
#39
○政府参考人(各務正人君) ただいま先生の御指摘になりましたインシデントでございますけれども、私どもの発表いたしました調査報告書におきましては、要は原因といたしましては、横風の中で着陸した際に機長がハンドル操作を始めた時期が早過ぎたということで、前車輪のステアリングが不作動になった、つまりぶらぶらな状態になったということと推定をされております。
 なぜそうなったかについては、機長による方向の制御が適切に行われなかったこと、それから会社が適切な訓練を行っていなかったことが関与したと考えられると、こういうふうに原因としては結論付けておりますけれども、ただ、本インシデントにかんがみまして、こういったステアリングが利かなくなるということが起きないような設計の改善を検討することが必要ではないですかということにつきましてカナダ運輸省に対しまして勧告を行ったと、こういうことでございます。
#40
○藤本祐司君 広い意味でいくとやはり設計上の問題ということになるのかなというふうに思うんですが、機材を調達するときというのは、いわゆる設計上のミスとかそういうことというのは、図面とかそういうところではやっぱり全く分からないものなんでしょうか。西松参考人か山元参考人にちょっとお答えいただきたいんですが。
#41
○参考人(西松遙君) 我々、もちろん整備についてはきっちりとマニュアルに基づいてやるという、そういう体制は取っておりますけれども、設計にさかのぼって性能上正しいのか云々ということにつきましては、ちょっと我々航空会社の域を超えているのかなと、ちょっと印象論で申し訳ございませんけれども、そんなふうにちょっと今伺いました。
#42
○藤本祐司君 というと、その辺は、設計上の問題というのは事前にはといいますか、購入するときにはどこもだれも分からないんですか。航空局の方でもそんなところまでは当然分からないわけですよね。これ、じゃ相手のメーカーを信用するしかない、そういうことでよろしいわけですね。あるいは代理店の言っていることを一〇〇%うのみにするということでしかチェックができないというふうに解釈してよろしいんですか。
#43
○参考人(山元峯生君) 来年五月に入ってまいりますボーイング787の例で申し上げますと、我々、ボーイング社と787の初号機を入れる契約をいたしました。したがいまして、我々の技術陣と、例えば国内線を飛ばす787の重量は大体ターゲットをどのぐらいにするかとか、それから、当然、国内線を運航するので脚回りの強さをどうするとか、どこからどこまでが性能というふうに、ちょっと私も専門家でないので分かりませんけれども、我々がこの飛行機に性能上期待するものを率直にボーイング社と話し合って、トゥギャザーチームといいますか、一緒になって初号機の品質、性能を決めていくということでございまして、今先生のおっしゃったように、一方的に造られたものをただあてがいぶちのように受け入れるということには少なくとも787の場合はなっておりません。
#44
○藤本祐司君 今、787の場合はという限定の助詞を使われているので、それ以外はそうじゃないのかなというふうにうがった見方をすると出てしまうわけなんですが、我々というか、乗る、いわゆるカスタマーといいますか、そちらの立場からすると、これは安全だというふうに思って乗っているわけなんですが、こういう設計上の問題があるというふうに言われると、どの飛行機に乗ったらいいかというのが全く不安でしようがなくなってしまうわけなので、そこのところはやはり調達時には最低限のところは確認をしていないといけないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがですか。
#45
○参考人(西松遙君) 先ほどもちょっと触れればよかったのですが、こういった型式に関しては、それぞれの国でそれぞれの型式の航空機について型式証明というのを出していますから、今回のケースでいきますと、ボンバルディア社というのはカナダでありますので、カナダの国から型式証明が出ているという理解でありますので、そういった意味でいうと、設計上といいますか、基本的な製造にかかわる部分についての一応サーティフィケートはそれぞれの国でオーケーを出しているという認識で我々はおります。付け加えさせていただきますけれども。
#46
○藤本祐司君 いわゆる平成十六年十一月の高知空港で発生したその重大インシデントの結果というのが、結局のところ、平成十九年三月三十日、つまり二年四か月たってから公表されているということを考えると、その間は何事もなかったかのように結局飛んでいると。その結果がこの間の三月十三日の高知空港と、その後の、直後の熊本空港、天草エアラインに結び付いてしまっているとなると、先ほど田村委員からは、高知空港の事故があった翌日に飛ばしたのはどうだという話もありました。もっと言ってしまうと、この平成十六年から二年四か月間そういう飛行機を飛ばして、我々、まあ私は乗ったことはありませんが、乗っていたということになると、物すごいこれ不安で、飛行機なんか怖くて乗れないんじゃないかというふうに思うんですが、これ二年以上運航していたということに対して、航空局長、これ、どういうふうにとらえたらいいんでしょうね、どういうふうにお考えになりますか。
#47
○政府参考人(鈴木久泰君) まず、先ほど来のやり取りを聞きましての航空局からもちょっと御説明させていただきますが、基本的に航空機の製造につきましては製造国がまず責任を持つという体制になっておりまして、ボーイングであればアメリカの連邦航空局、ボンバルディアであればカナダ航空局がきちんと世界的な基準に基づいて耐空証明を行う、あるいは型式認定を行うと、型式証明を行うというようなことでやっております。我々運航国の方の当局は、それをきちんと確認するというような仕組みでございます。
 ボンバルディアにつきましては、余りにも十六年から十七年ぐらいにかけてトラブルが多発しましたもので、これはやはり設計上の問題があるんではないかということで、昨年の四月に私どもの担当をカナダに派遣いたしまして、カナダ政府とボンバルディア社と両方と話をしまして、設計の変更なり部品の改良なりをお願いしたところでございまして、一部の部品については改良型部品ができまして、既存の航空機についてもそれの交換がなされているというふうな状況にございます。
 ただ、今御指摘のありました十六年のトラブルにつきましては、事故調の報告が最近出たところでございまして、これは、この点を踏まえまして、また必要な対応をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#48
○藤本祐司君 もう終わってしまったこと、飛ばしてしまったことについてはけしからぬとしか言いようがないんですが、今のような設計上の問題点があるんだということが分かって申入れをしているというふうに言っているんですが、その回答がある間もずっと飛ばし続けるということですよね。今も飛んでいるわけですよね、既に。それはそのまま、放置したままにしておくということなんですね、これは。
#49
○政府参考人(鈴木久泰君) 設計上の問題等はやはり製造者でありますボンバルディア社がまずきちんとその対応を考えなきゃいかぬという問題でございます。
 我々、一々すべてのトラブルについてここはどうだと言うほどの権限を持ち合わせておりませんので、一般論としてそういう話を申し上げてボンバルディア社にきちっと対応を迫ったところ、一部の部品についてはそういう手当てがなされたということでございます。
 もちろん私どもとしては、今飛んでおる、日本で飛んでおる飛行機につきましては、エアラインとともに十分安全が担保できるようにきちっと整備なり検査をして飛ばしておるというところでございます。
#50
○藤本祐司君 そうなると、整備をちゃんとやりますよという、そういう話に受け取ることができるんですが、実際に整備、このボンバルディアの機材だけではなくて、もうたくさん多様な機材が全日空さん、日本航空さん以外を含めて飛んでいることになるんだろうと思いますが、その整備体制というのが非常にそういう意味では次のステップでは重要な、当たり前ですが、重要なんだろうなというふうに思いますが、その整備体制自体が本当に大丈夫なのかというのは素人から見ると全く分からないんですよね。大丈夫だと言われて、ああそうですかと言うしかないんだろうというふうに思いますけれども、本当に大丈夫なのかなというところが非常に不安なところがございまして、また国際線に関して言えば、日本国内だけではなくてシンガポールとか中国とか、そういったところにも整備を出しているということになってくると、そこのところの日々、日常的なチェックが大丈夫なのかどうかということ。
 それで、もっと言ってしまうと、機材がどんどんどんどん複雑化していきますので、もう私なんかでも車を購入した、運転免許を取り始めた三十年ぐらい前だと自分で事前に整備して分かっていたんですが、今はもう全く分からなくて、何が故障なのか、何がいいのか悪いのかを分からないものだから、そのままパッケージで全部交換という形になってきてしまうと相当複雑になってくると。
 やはり整備士のいわゆる技能というのか、技術というのか、能力というのが相当高い中で機材が一杯あると、またそこでミスが生じやすくなってしまうんじゃないかなというふうに思うんですが、その整備の体制等、整備士の量の問題と質の問題なんですが、そこの辺りについては今どういう課題があるのか、あるいはどういう対応をされているのかということについてちょっとお聞きしたいんですけれども。
#51
○政府参考人(鈴木久泰君) 先生おっしゃるように、航空機がどんどん進化する中で、それに対応した整備の在り方というもの、大変重要な問題だと私ども認識しております。
 各エアラインは、航空法の百四条に基づきまして、整備に関する事項につきまして整備規程というのを定めまして、国土交通大臣の認可を受けることになっています。この整備規程には、整備の間隔、内容、整備の実施体制、実施方法等に加えまして、整備士の教育訓練方法それから資格の管理方法等を定めることとなっておりまして、国土交通省としてはその規程につきまして、製造者が定めます技術的資料、マニュアルみたいなものでございますが、あるいは事業者の事業計画等を勘案しまして、安全上問題がないということを審査して認可しております。
 それから認可後の実施体制につきましても、立入検査を実施しておるところでありますが、特に、一昨年来、いろいろトラブルがありましたことを考えまして、航空局内に安全監査の専従部門を設置いたしまして、厳正な監視、監督を行っておるということでございます。
 それから、海外の整備工場などに、整備事業者に整備を委託している部分がございますが、これも私どもの認定事業場ということで認定をしておりまして、直接立入検査等も行えるような体制になってございます。
#52
○藤本祐司君 素人目に考えると、いろんな種類の機材があると、メーカーのいわゆるマニュアルに従って恐らくチェックをする、整備をすることになるんだろうと思うんですけれども、余りにもたくさんの機材があると非常に複雑で、時にはやっぱり間違いを起こしやすくなるんじゃないかなというような考え方もできるのかなというふうに思うんですが、アメリカのサウスウエストとか今欧州の例えば中堅航空会社というのは、機材をどんと絞り込んで、絞り込んで、できるだけ部品はストックも少なくして、分かりやすく間違いのないように、あるいは定時性を保つというようなこととか、いろんなまたほかの理由もあろうかと思うんですけれども、そうやっていくことによって間違いが少なくなるという考え方もあるのかなと、できるのかなというふうに思うんですけれども。
 定期航空協会さんとしてその辺りの方向性、あるいは全日空あるいは日本航空としてでも結構なんですけれども、その機材の問題、絞り込んだ方がやりやすいとか、あるいは技能が追い付いていきやすいとか、その辺りのところもあろうかと思うんですが、どのようにお考えになって、実際にどう対応されているんでしょうか。
#53
○参考人(山元峯生君) 整備体制の問題につきましては多分個社によって方針があると思いますので、定期航空協会としてかくあるべきだという方向性は持ち合わせておりません。ただ、ANAグループといたしましては、今先生がおっしゃいましたように、機種の数が少なくなればそれが即安全、品質の維持にダイレクトに結び付くかというと、そうでもないというふうに思っております。ただ、機種が多いのと機種を統一していくというところは、今おっしゃいましたように、部品の問題、それから訓練の問題、それからパイロットの飛行訓練の回数が減る問題、中長期的に見ればエアラインのコストの構造改革に一番資するものというふうに考えております。
 ただ、整備士につきましては、今局長からお話がありましたように、厳重な整備規程とそれから訓練の要領に基づきまして大体五年ぐらいで一人前になります。一機種導入いたしますと最低で十五年は機種はもちます。したがいまして、たくさんあるからといって年がら年じゅう機種間を訓練移行していって、その機種についてのスキルがたまらないんじゃないかということではございませんで、今言いましたような十五年という単位で中長期的な整備の人員計画、これを立てて我々も静々と養成しております。
 特に、二〇〇七年問題、シニアの大量退職が始まりますから、彼らが今まで培ってきたスキル、これをグループ内でやはり雇用延長制度とかこういうものを使いながらグループ内で活用して、後継者に技量の伝達を続けると、こういう努力もやっていこうと思っております。
#54
○藤本祐司君 整備の状況というのが一番大切な部分なのかなというふうに思いましたので、そこのところはしっかりやっていただかないといけないというふうに思っておりますが。
 先ほど、乗務員の、キャビンアテンダントの件で、いわゆるパイロット、キャビンアテンダントだけじゃなくてパイロットも訓練というのがまた必要なんだろうと思いますが、二〇〇四年の十一月の重大インシデントで、訓練が適切でなかったというふうに鉄道事故調査委員会の方から指摘されております。ちょっとこれは通告をしていなかったんですが、具体的にはどういう不適切な、訓練が適切でなかったと、どの点がどのように適切でなかったということだったんでしょうか。
#55
○政府参考人(各務正人君) 基本的には、訓練マニュアルの中でこういった状況が発生するということについてのきちんとした情報伝達とそれに基づく訓練ということが制度の中で取り入れられていなかったということを指摘しているということでございます。
#56
○藤本祐司君 情報伝達ということになれば、先ほど田村委員も御指摘ありましたとおり、パイロットがANAのパイロットでないということになってくる、それで乗務員ももしかしたらそういう形で外部委託してしまうということになると、日ごろの訓練ってどうやるのかなと。逆に言うと、一生懸命訓練してもコミュニケーションが取れない、チームワークが取れない中で本当にうまく動くんだろうかということは大変疑問なんですけれども、その点についての指導とかをしていかないといけないと思いますが、航空局長、どうお考えになりますかね、そういう点は。違う、他社の人が乗るということについて。
#57
○政府参考人(鈴木久泰君) パイロットの訓練につきましても、各エアラインがそれぞれ運航規程を定めまして、その中できちっと計画を立てて、何時間置きとか、定期的な訓練、あるいは飛行機を乗り移るときに機種変更するための訓練、それから副操縦士から機長に昇格するための昇格訓練等をやっておるわけでありますが、その中できちっとなされるべき問題だと思います。
 ただ、この十六年のトラブルにつきましては、どうもこのボンバルディアの飛行機がきちっとスピードダウンしてから前輪を操作せないかぬものだったところを、ほかの飛行機で慣れておったせいか、速いスピードのうちに前輪の操作をして、前輪ががたがたいってしまったという、そういう状況のようでありますので、そこら辺の訓練が十分であったかどうかという問題があると思います。
#58
○藤本祐司君 山元参考人にお聞きしたいんですが、先ほどの他社の乗務員が乗っているということで、いわゆる共同運航という話はありましたけれども、共同運航のときの乗務員同士のコミュニケーションあるいはチームワークというのは、ふだんからほかの他社と一緒になって訓練なんかはされているんでしょうか。
#59
○参考人(山元峯生君) 共同運航で確かにグループの中に何社かエアラインがございます。ただ、そのエアラインの中のキャプテンと客室の中の客室乗務員とのコミュニケーション、これは便ごとに、例えばANAのパイロットが運航する便にエアーセントラルの客室乗務員がある日突然入ってきてというような混乗はやっておりません。エアラインごとに、エアーセントラルあるいはアンクネット、それぞれのパイロットを採用し、パイロットを養成し、客室乗務員を採用し、訓練をする。ですから、小さいながらも一つの運航会社としてのコックピットとキャビンのコミュニケーションというのはしっかり取れているというふうに思っております。
#60
○藤本祐司君 もうちょっとその辺りを本当はお聞きしたいんですが、時間がなくなってしまいましたので、あと一、二点お聞きしたいのは、まず、この三月十三日の高知空港での事故を受けて、岡山空港事務所、これは県営空港でございますが、岡山空港事務所が緊急マニュアルを見直しているということのようでございますが、これと同じように、ほかのいわゆる県営空港、三種以下の空港になろうかと思いますが、こういうマニュアルを見直しをして再点検をしているという例はあるんでしょうか、航空局長。
#61
○政府参考人(鈴木久泰君) 県営のいわゆる三種空港という地方管理空港につきましては、当該空港の設置管理者であります地方公共団体が飛行場手引書というのを定めまして、これを我々もいただいたり、あるいは定期的な検査でチェックをしたりということでやっておりますが、三月十三日の事故の後、そういう地方管理空港でマニュアルを見直したような動きがあるというのはまだ私ども承知しておりません。
#62
○藤本祐司君 じゃ、今のところは岡山空港だけしか、まあほかやっているかもしれないけど、国交省として情報を把握しているのは岡山空港だけということでございますね。
 ちょっと時間がありませんので最後の質問にしたいと思うんですが、空港周辺のいわゆる医療緊急体制なんですね。これは、不幸にして何か問題が起きてしまって事故になってしまった、あるいは昨日も御前崎沖で実際に乱気流があって、これはJALだったと思いますけれども、キャビンアテンダントの方がたしか軽いけがをされたというのがニュースで報道されたんですが、いわゆる空港で着陸した後の救急医療体制、これについては総務省が平成十五年の十二月に、国土交通省に対して、地方公共団体が管理する空港等における救急医療体制の充実強化というのを指示をしたというのが行政評価の中で書いてございますが、指示をしたということになっておりますけれども、国交省としてはそれを受けて各地方公共団体に対してどういう指示をされたのかということが一点と。
 もう一つ、医師不足というのが言われているわけでございまして、人口当たりのお医者さんの数というのは東京辺りも非常に少なくなりますけれども、ただ、人口規模が多いので医者の数はあるだろうと。ただ、地方に行きますと、正に医師不足がある中で、本当に高知空港に降りて、確かに自信があってパイロットが降りたという、結果としてはそれがよかったのかもしれないんですが、それはたまたま結果論であって、よかったんですが、本当に地方空港に降りて大丈夫なのかと。仮に小さなけがであっても、それを応急処置なり救急医療しなきゃならない体制というのが本当に地方は整っているのかと、これだけ医師不足が言われている中で整っているのかということを考えると大変不安でならないんですね。
 これは、お医者さんのことは国交省の所管ではないということになろうかとは思いますけれども、やはり空港を整備をしている責任上、その辺りの情報管理はやはりきちっと把握しておかないといけないんだろうなというふうに思いますし、実際どこの空港に降りるかどうかというのは最終的にはパイロットなり航空会社の判断だろうということにはなるんだろうと思いますが、その辺りについてのやはり情報提供、医師、救急医療体制、消火体制、いわゆるバックアップ体制というものの情報というのは国交省が把握しているのか、把握しているものをどのように航空会社に伝えているのか、どういう課題があるのかということをちょっと取りまとめてお答えいただきたいと思います。
#63
○政府参考人(鈴木久泰君) 地方公共団体の管理空港におきます緊急時の医療体制の問題でございますけれども、まずはその空港の管理者であります地方公共団体が確保するというのが原則でございますが、私どもとしても、国土交通省の防災業務計画という中で、空港管理者及び地方公共団体は、あらかじめ、空港管理者と医療機関、消防と医療機関及び医療機関相互の連絡体制の整備を図るとともに、医療機関の連絡・連携体制についての計画を作成するように努めるというのを定めておりまして、これに基づきまして各管理者に周辺の医療機関と十分連携を取りながら体制を取るようにお願いをしているところでございます。
 また、消防につきましても、一定の機材の大きさによりまして消防車を何台配置すべきかという基準を定めておりまして、高知空港の場合はボーイング767が飛んでおりますので三台配置してございますが、十分な体制を取るように努めておるところでございます。
#64
○藤本祐司君 ちょっと時間が参りましたので、私の質問はこれで終わりにしますけれども、国交省としてそのような体制を取るように地方公共団体に言ってあるからいいという、そういうことではなくて、やはりほかの各省庁、厚労省なんかと、あるいは総務省なんかとも横の連携を取りながら、そこのところはちゃんと担保していかないといけないだろうし、もしここは危ないなと思うんであれば、余り体制がちゃんとしていないなというのであれば別の空港に切り替えるというような、そういう指導というのはやはり常にしておくべきだというふうに私は思っております。
 それを申し上げまして、私の質問を終わりにします。
#65
○犬塚直史君 民主党の犬塚直史でございます。
 私は、地元が長崎県ということがありまして、ボンバルディア社のこの飛行機にはしょっちゅう乗っております。200タイプというやつですね。あれに乗っておりまして、長崎空港から五島、壱岐、対馬に行くにはもうこれに乗らないと駄目だと。乗ると二十三分で行くんですね。非常に早いんです。特に海がしけたとき、ボンバルディア社のこのタイプになってから、特に五島に行くやつはほぼ一〇〇%飛んでいただける。
 今まではこんなことなかったんですね。アイランダーというのが前あったんですね。アイランダーだと雲の下、多分飛ぶんですね。ですから、ほとんど就航率がけた違いに低かったと。そういうことになると、今度はジェットホイールだと。ジェットホイールに乗ると、わざわざ長崎の空港からほぼ小一時間掛けて港まで行くと。そこから船に乗ると。離島に行くと、離島からまた違う離島に渡らなきゃいけないと。しかも、波が三メートル超えてしまうと欠航することがよくあると。あるいは、渡った後にそういうことになると、もう何日も足止めに遭ってしまうというようなことが別に珍しくはないという中で、今日の質問の趣旨は、事故調査委員会の各務事務局長に来ていただいておりますが、頑張っていただきたい。
 本当に機械ですから、私もこの質問の機会をちょうだいしましたので、地元のあの小さなローカル空港の、しかも小さな会社が運営しているボンバルディアの200を二機持っている会社に行って、忙しい運航の間の整備それから夜の整備見せていただいて、問題になった前輪の下も潜って見せていただきましたけれども、本当にこんな小さな見えにくいところにあるあんなちっちゃいものが外れたりなんだりするだけで、これだけマスコミに騒がれるような大きなことになってしまうと。しかし、類似の前輪の、事故とまではいかないけど、類するようなことが過去八件あったと。しかし、それがどうも生かされてこなかったということが一体どういうことなのかなと思うんですね。
 私は、先ほど来ちょっとお話を聞いていて違和感を覚えましたのは、飛行機は壊れちゃいけないという前提にあるんじゃないかなと、そんな気がしました。いや、飛行機だって機械ですから壊れますね。パイロットだって人間ですから間違いはやると思うんですね。そういうことがあったときに、それじゃどういうふうに、事故調査及び刑事捜査というものの中でどうやって危ないよというシグナルを先の事故防止に結び付けていくかと。正にここのところは、資料配っていただけますか。資料、お手元ですね。ちょっと資料見ていただきたいんですけれども、事故調査というものがありますよと。これは、技術的な調査、通常、機械のこと、気象のこと、管制のこと、地形のこと、地上施設のこと、そして及び人間のこと、もういろんな要素がかみ合って事故になっていくと。どれが本当の原因かと言われても確定することは非常に難しいと。
 例えば、ANAの一六一七便、これの調査委員会の報告書によりますと、平成十六年十一月二十一日、高知空港における航空重大インシデントの原因は機長のハンドル操作が原因と推定をしているがですね、これは通告で申し上げたんですけれども、前車輪がキャスターモードになった理由について私はまだ必ずしも十分な報告がなされていないと思うんですけれども、事務局長はこの辺はいかがでしょうか。
#66
○政府参考人(各務正人君) ただいま御質問の件でございますが、先ほども少し御答弁申し上げましたが、キャスターモードになったということでございます。
 それにつきましては、本件の報告書の中におきまして、この前車輪がキャスターモードになる条件ということを詳細に記述してございます。さらに、そのDFDRの記録などから、この当該着陸のときに、前車輪のWOWセンサーがいったん接地した後に浮揚したということを検知して、さらに五秒後に再接地を検知したということを記述してございまして、こういった事実からキャスターモードに入ったということを推定したと、こういうことでございます。
#67
○犬塚直史君 おっしゃるとおりのことがこの報告書に書いてございます。その中でも、私は注意を喚起したいのは、キャスターモードとなったのは、いわゆる浮揚状態であった、要するに前輪が着いていなかったときにハンドルをプラス・マイナス八度以上動かすとそういうことに、ロックしてしまうということが一つと。もう一つは、仮にこれが接地したとしても、一秒以内にハンドルを動かすと、やっぱり八度以上動かすとこれはまたロックしてしまうということのどちらによるものであったかは特定することはできなかったわけですよね。そういうことですね。
 それはいいんですけれども、この報告書の中にも、それ以外の原因かもしれないというのがたくさん書いてございます。例えば、着陸直後はかかとを床に着けたままペダル操作をすることを機長は習慣としており、このためステアリング不良になってとっさにブレーキペダルを踏んだが、かかとを床に着けていたのでブレーキペダルの踏み込み量が不足したものと推定されると書いてあるんですね。
 これはちょっと専門的かもしれません。私ちょっと勉強したんですが、ランディングのときラダーペダルというのがあると。ラダーペダルの上半分がブレーキになっているんですね。ラダーペダルをこういうふうに動かすと垂直尾翼が動いて機体をコントロールすることができると。普通はブレーキは踏まなくてもいいので、かかとを床に着けてやっていたと。しかし、今回に限ってはブレーキを、特に右に行ってしまうので、左のブレーキを掛けて、左の車輪をブレーキ掛けてセンター方向に戻したかったんですね。そうですよね。ところが、かかとが床に着いていたためにその操作ができなかったということがここにも書いてございますね。それはそれでよろしいですよね。
#68
○政府参考人(各務正人君) おっしゃるとおりだと思います。それにつきましても、先ほど申し上げたように、その関与要因として、機長による方向制御が適切に行われなかったことということを先ほど申し上げましたが、それは今先生がお話しになられたような、ブレーキの操作が適切に行われなかったということが関与していると、こういうふうに考えているところでございます。
#69
○犬塚直史君 そういう細かい例のもう一つとして、例えば前車輪の軽い接地とさっきのWOWの不作動というところも、非常にこれも面白い部分なんですけれども、つまり、飛行機が後輪から着地をして前輪が着くと。前輪が着いて一秒たったらこの前輪を動かしていいよと、だから真っすぐ行くのに役に立つんだよということなんですけれども、この機械によると前輪が着いていなかったというんですけれども、実際は前輪着いていたんじゃないかと。そのために、一生懸命いろいろパイロットが元に戻そうとしても、前輪が軽く接地していたために滑走路外に出てしまうことを防げなかったということがここに書いてあるんですね。
 報告書の二十五ページです。前脚柱が充分に圧縮されず、前車輪のWOWセンサーは接地を検知するに至らない状況であったものと考えられると、こう二十五ページに書いてあるんですね。まあこんなこともあるのかなと思います。あるいは、その下に書いてあるんですけれども、ステアリング機能の不作動が本重大インシデント以前に八件発生していたが、抜本的な対策を講じておらず、ステアリング・ライトが点灯した原因等についても十分に探求はされていなかったということなんですね。
 何を言いたいかといいますと、またこの図をちょっと見ていただきたいんですが、事故調査をするに当たって今申し上げたように推定原因というのはたくさんあるわけですよね、物すごい一杯推定原因があると。例えば、そのうちの一つは、機長のブレーキ操作の量が足りなかったんじゃないかと。じゃ、何でそんなになったかというと、どうも機長が足の置き方が悪かったんじゃないかと。かかと、足を着けていたからいけないんじゃないかと。あるいは、コーパイロットが六十ノットのコールをしなかったということも書いてあった。あるいは、マスターコーションライトが点灯したのをコーパイロットがコールしなかったというのも推定原因の一つ。あるいは、今申し上げた前車輪の軽い接地がWOWの不作動によって検知できなかったんじゃないかということもあると。あるいは、そういう機械的なこともあれば、人為的なこともあれば、トレーニングのこともあれば、マニュアルを読んでいなかったということもあれば、もう何しろ無数にあるこの推定原因の中で一体何が本当の原因かというのは非常に難しいんですね。
 何でこんなことを言っているか。ここの黒い網掛けてある犯罪捜査、実はこの事故調査の大きないろいろな推定原因の中で犯罪捜査というものがあって、犯罪捜査はもちろん法令遵守と、法の執行の部分ですから、これはもうあくまでも厳格な証明が必要なわけですよね。そういう犯罪捜査と事故調査の関係が日本の場合はどうも逆転していると。
 つまりは、今回の出たばかりのこの判決なんですけれども、JALの七〇六便、これは二〇〇七年の、今年の一月九日、名古屋高等裁判所で最終的に無罪判決が言い渡された事例であります。この判決の中をちょっと読ませていただきます。これは、第一審で無罪になって、それを上告しまして、高裁で今年もう一度無罪になったという判決なんですけれども、ちょっと読みます。
 原審公判における各供述、これは検察官に対する供述です。検察官の質問に端的に答えず、証言を実質的に回避しようとする意図がうかがわれ、真摯性にも欠ける上、それぞれの日本航空株式会社内での立場、同僚である被告人への配慮、被告人が有罪判決を受けることによる自社への悪影響、捜査段階で被告人の注意義務を基礎付ける事実について積極的に供述したことへの負い目や、自己保身から真実を供述できない状況にあることがうかがわれるのに対し、上記各調書、これは裁判所ではなくて警察が取った供述調書のことなんですね。この供述調書における同じ両名の供述は、ほかの文書とも中核部分において符合しており、特に信用すべき状況の下にされたものであると認められるのであってというのが上告をした理由なんですよ。
 つまり、これ、私何言いたいかというと、つまり、こういう供述をすることは犯罪捜査にあっては当たり前のことなんですね。黙秘権がありますし、そして本人に不利になることは別に述べなくてもいいわけですよね。ですから、罪の有無を判定するために黙秘権が認められている、しかも本人に不利になることを述べなくてもいいというこの枠内で行われる犯罪捜査の中で、事故原因を究明して将来の事故防止につなげていくということ自体にこれは無理があるんですよ。
 そこで、今日はせっかく来ていただいておりますJALの西松参考人に御意見を伺いたいんですが、特に高裁でこのような判決が出たわけですが、警察あるいは今までの調査の中で十分な事故防止に向けた調査が行われるというふうに感じておられますか。
#70
○参考人(西松遙君) 我々、被告人の立場でございますので、多くを語る立場にないとは思いますけれども、事故原因についての調査は、当然事故調査委員会で十分にこれはなされたというふうに思っておりますので、それを踏まえた、御質問の趣旨でいけば十分に調査されたと思いますし、それを踏まえた上での今回の判決ということでありますので、我々としてもそれを真摯に受け止めているという状況に今ございます。したがいまして、我々としても、十分この調査そのものはされたというふうには認識をしております。
#71
○犬塚直史君 そういうお答えになるとは思うんですけれども、それでは国交省に聞きます。
 航空法第一条、ここのところを、もう時間ないので私読みます。航空法第一条の一番頭に書いてある言葉です。この法律は、国際民間航空条約の、これICAOというんですね、ICAOの規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続に準拠してこの法を定めると、こう書いてあるんです。これはこのとおりでよろしいですか。
#72
○政府参考人(鈴木久泰君) 航空法一条の「この法律の目的」という条文の中に確かにそういう記述がございます。
#73
○犬塚直史君 それで、その航空法第一条、そしてその次は事故調査委員会設置法第十五条ですね。ここにも全く同じものが書いてあるんですけれども、第一条、これも私が読みます。事故調査委員会設置法第一条、この法律は、国際民間航空条約の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続に従って定められると書いてある、これもこれでよろしいですか。
#74
○政府参考人(各務正人君) 事故調設置法の、多分先生がお読みになった部分、十五条だと思いますが、十五条の第一項にそのような趣旨の規定があるということでございます。
#75
○犬塚直史君 済みません、十五条でした。
 何でこれを読んだかといいますと、今申し上げた正にその設置法及び航空法の言わば根拠になっている国際条約、しかも日本が批准をいたしました第十三附属書、ここに何て書いてあるかといいますと、航空機事故が発生した加盟国は、国内法が容認する限り、国際民間航空機関が勧告する方式に従って航空機事故の調査を開始することを規定している。そして、その先、勧告、罪又は責任を課するすべての司法上、また行政上の手続は、この附属書の規定に従って実施するすべての調査とは切り離すべきであると書いてあるんですね。つまり、調査委員会の調査と、そして司法上の、刑事訴訟法に基づくものとは切り離すべきだと、こう書いてあるんですね。
 そして、さらには、五の十二、事故又はインシデントの調査実施国は、その国の関係司法行政当局がその調査又は今後の調査に及ぼす国内的及び国際的な悪影響よりも重要であると判断した場合でなければ以下の記録を調査の目的以外に使用できるようにしてはならないと、こう書いてあるわけですね。つまり、どうしてもこの調査報告書の中身、あるいはその関係資料を法廷に持ち込んで責任追及に使いたければ、これは司法の判断がなければいけないよと、こう書いてあるんですね。
 にもかかわらず、日本の場合、こちらによりますと、我が国では過去二十件の航空事故のすべてにおいて調査報告書が証拠として採用されていると書いてあるんですが、このとおりでよろしいんでしょうか。
#76
○政府参考人(各務正人君) 過去二十件すべてがという御趣旨がどの事故のことなのかちょっと承知しておりませんけれども、一般的にそういう事例があるということについては、私どももそういう事実があるということは承知いたしております。
#77
○犬塚直史君 大臣、そういうことなんですけど、やっぱりいろんな問題があると、あるいは問題の兆候があると。機械的なものもあれば管制のこともあれば、あるいは人間のこともあれば組織のこともあれば、フライトマニュアルもあれば、いろんな条件があると。その一つ一つについて問題の兆候が現れたときに、これを罰せられるというおそれなしに自由に調査委員会にいろいろ申し上げて、それをもって将来の安全を確保するような体質をつくるために、やっぱりここは調査委員会というものは国交省から外して独立の委員会にすることが第一と。
 それからもう一つは、日本の場合は捜査をする場合に、警察がいきなり来て、場合によってはフライトレコーダーを押収してしまうと。で、調査委員会の要求に、要請に応じてこれを警察が出してあげて、まあ海外と逆なんですね。
 こういうことがあるわけですけれども、その辺は私は、大臣、リーダーシップ取っていただいて改善していくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
#78
○国務大臣(冬柴鐵三君) 事故調査委員会は国家行政組織法第八条に規定される委員会でありまして、我々の国土交通省の中にはありますけれども、それ自体、独立性が保障されているわけでありまして、事故調査委員会の設置法等にもその趣旨が表れるように書かれているところでございます。したがいまして、この調査委員会の委員というものは衆参両院の同意を得て任命されるというようなところ、あるいは二十一条によって国土交通大臣に勧告することができると、あるいは二十二条には国土交通大臣又は関係行政機関の長に建議することができる。その独立性、公正性は十分に確保されておりまして、そのように取り計らわれていると思います。
 しかしながら、そのような強力な事故調査委員会が収集した証拠に基づいて認定した事実その他は、報告書を作って国土交通大臣に提出するとともに、これを公表しなければならない。公の文書になっているわけでございますから、それを、裁判所は裁判所の判断に基づきましてそれを証拠として採用する。これは司法権は裁判所に属するという憲法七十六条の規定をまつまでもなく、裁判所の判断によってこれは行うことができる。ただし、そこに盛られた、収集した、事故調査委員会で収集したその余の証拠物とか書類とか、あるいは供述とか、そういうものについては特に裁判所が、先ほどお読みのICAOの附属書の規定から援引すると思うんですけれども、裁判所が必要と判断した場合にはそれに対しての提出を求めることができるわけでございまして、そういうものがあれば事故調査委員会はそれを応じなければならないという仕組みになっていると承知をいたしております。
 私は、そういうことで、事故調査委員会としては、事故の原因をいろんな観点から、今委員が御指摘がありましたように、いろんな観点からその原因について論じ、また証拠を集めるという作業を通じてその原因に迫るという作業はもちろん必要だし、それなりの権威も持っていると思います。その報告書はやはり公表されるわけですから、我々も見られるし、裁判所も見られる。また、採証の法則から見ても、裁判所はそれは非常に有力な事故原因を究める一つの資料として使うことができるというふうに思います。しかし、それ以外の部分については、裁判所が真に必要と判断した、そして提出命令その他をしなければ、事故調査委員会としては自主的にそれを公表するということは避けなければならないのではないかと。そういうところで微妙にこれはバランスを取った法制度になっていると私は考えます。
#79
○犬塚直史君 いや、大臣、私が申し上げているのは、一義的に警察ではないんじゃないかと言っているんです。一義的には調査委員会が、フライトレコーダーでも何でもまずは調査委員会の手元にあって、警察が必要な場合それを出してあげると。今とは正反対ですよ。そういう形にしない限りは、しかも、その上、証言をした、あるいは証拠を出した、あるいはこんな原因が考えられるんじゃないかという発言が自由にできるような、あくまでも事故の原因を一緒になって解明していくというような風土をつくるには絶対これは発想の転換が必要なんですよ。
 例えば、アメリカの場合は五百人いるんですね、調査委員会に。ちょっとこれは通告していないんですけれども、各務事務局長、日本の場合、何名いるんでしょうか。それから、アメリカは二十四時間体制だそうですよ。しかも、独立している機関だそうですけれども。その辺はいかがですか、日本と比べて。
#80
○政府参考人(各務正人君) 私ども、航空の事故調査官は首席を含めまして二十二名おります。それから、もちろん官執勤務でございますが、事故の発生を通報されればどんな時間でも、物理的に交通機関が動いていないときには動けませんけれども、それ以外の時間帯では動くということで対処できるように準備しているところでございます。
 ただ、アメリカと違いますのは、アメリカは非常に国土広大でございまして、非常に件数、航空事故の件数も多うございますので一概に比較はできないというふうには思っておりますけれども、いずれにしても、私どもとしては必要な体制を整えるべく常日ごろから努力をしていると、こういうことであろうかと思っております。
#81
○犬塚直史君 是非頑張っていただきたいと思うんですが、しかし二十五分の一の人数と、国土交通省の下にあって、どちらかというと本当に独立した形を担保するためには相当国交省の方々の御理解もいただかなきゃいかぬ。そして、今の仕組み全体として、十分なこの調査を行うためには警察の相当な協力も仰がなければいかぬ。もう一つは、証言をする人たちにとっては、この証言をすることが後で自分の身に降り掛かってくるんだというこのどうしようもない状況を、これ何とかしなきゃいけないんです。これは立法の側からもやっぱり今後取り組んでいくべき一つの大きな課題だと思うんですね。もう一つは、物すごい過密スケジュールというのがあるんですね。
 やっぱりそういうこともすべて含めて、トレーニングも含めて今後どういうふうにやっていくかということは、ただ単に調査委員会だけの問題ではありませんが、今後我々も協力しながら、トラブルがあったときに隠さなくてもいいような社会的な風土づくりに向けて御一緒にやっていきたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#82
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 私の方からは、まずJALと全日空さんがそれぞれ過去の事故からいろいろなことを学ぶべき施設を、例えば昨年四月に安全啓発センターをJALの方がつくり、また全日空さんの方が今年の一月に安全教育センターをつくられたと。私も昨日、全日空さんの方の安全教育センターを視察させていただきました。
 いずれ、JALの方は、昭和六十年の御巣鷹山の五百二十名の死者を出した事故、またその事故の今残っている当時の機体を展示する。あるいは、全日空さんの方は、昭和四十六年に起きました雫石の自衛隊機との衝突事故のあのプロペラのやはり残っているものを、現物を展示している。それを通じて、事故の悲惨さだけでなくて過去の事故からどんなことを学んでいったのかというストーリーで追う、そういうセンターであったわけですが、私も視察して、例えば雫石の衝突事故の、昭和四十六年ですから三十五、六年の前の話でございますけれども、その当時のプロペラの残っているものが、実は昨年まで雫石の山中に残されていたと。本当に事故というのは、風化させちゃいけないなとは思いつつも、風化させるどころか、事故というのは本当に残っているんだなと、事故というか、地元のところに行きますと、やはり、いや、まだ機体は残っていますよとかそういう話を聞いたわけでありますけれども。
 そういったところは非常に印象的でありましたし、あるいは家族を失った方の意向、子供さんが書いた作文なんかを読んで本当にじいんと来ました。当時の映像なんかを見まして、経営陣に対して乗客の方、残された家族の方が詰め寄る姿を見て、もう何とも言えない気持ちになりました。
 お二人の参考人は、それぞれの施設を、センターを視察されているとは思いますけれども、実際それを見られてどんな思いを持ったのか、端的におっしゃっていただきたいと思います。
#83
○参考人(西松遙君) 先生御指摘のとおり、私ども昨年の四月オープンいたしましたけれども、安全啓発センターということで、旧ジャンボジェットの事故の残骸につきましては今展示しているところでございますが、私自身も最初に入って一番ショックを受けたのは、今度ごらんいただければお分かりになると思いますけれども、一番施設の奥の方にひしゃげた座席が実は残っておりまして、まあ、私は事務屋なものですから、圧力隔壁よりも圧倒的にひしゃげた座席に、何といいますか、ショックを受けたわけであります。あの座席を見れば、お客様がどういう状態にその後なられたかというのは容易に想像付くわけでありますので、そういった意味で、この展示センターというものの持つ意義というのは大変に大きいものがあるというふうに思っています。
 百聞は一見にしかずでありまして、これをみんな、新入社員も含めて、整備にとどまらず事務系の人間も含めて新入社員にも全部これを見せておるわけでありますけれども、一様に大変にショックを受けたの一言であります。これをやはり事故を風化させるということのないようにするという意味でいうと、大変に意義あるものであろうというふうに思っておりますので、今後ともこの施設の維持、並びに更に一層の利用拡大についてやっていく必要があるだろうというふうに思っております。
 この施設そのもので、安全性のプロシージャーとか、安全はこうしたら担保できますよというようなところを実はねらったものじゃないものですから、そういった部分につきましては、いろいろな教育を通じまして、例えばで言いますと、直接運航に携わっている者に対してはヒヤリ・ハット事例集、これはどういったケースでどういったシチュエーションでどういったことが起こったかという事例集でありまして、ある意味、失敗事例と言ってもいいかもしれませんけれども、そういったものを作って安全の、何というんですかね、意識の高揚を図るというのが一つと。
 もう一つは、確認会話集というものを作っておりまして、これは中途半端な会話をしますと安全に支障が来ると。ここまで言ったならここまで全部語れと、それで会話をしろと。こういったことを含めてやりながら、安全性確保という意味でのプロシージャー、あるいは対応というものは更に一層深めていきたいというふうに思っています。
 そういった意味での原点がこの安全啓発センターであり、かつ御巣鷹山そのものである、こんな認識でやっていきたいというふうに思っています。
#84
○参考人(山元峯生君) 谷合先生にはお忙しい中、グループの安全教育センターを御視察いただいてありがとうございました。
 御指摘のように雫石事故、昭和四十六年の七月三十日でございまして、私が入りましたのが四十五年でございます。したがいまして、社員のもう九九%が事故を知らない社員で構成されております。やはり、過去の事故を風化させないための教育施設ということで、これは羽田の旅客課の若い女子社員の提案で実現したものでございました。
 ごらんになってお分かりのように、確かにこの事故の生々しい現物あるいは新聞記事、我々、ANAグループに入社した者は、大変な会社に入ったんだ、一歩間違えばお客様の命を預かる大変なグループに入ったんだというのをその時点で理解できるようにはなっておりますけれども、我々が一番大事に思っておりますのはその後半の部分の、人間はエラーをするものである、そのエラーをどこかで断ち切らなくちゃいけない、それをシステムで断ち切らなくちゃいけないというのを、具体的な事例を挙げて研修をさせるという目的です。
 したがいまして、今まで安全、安全といいますと、整備、パイロット、客室乗務員はそれは毎日乗務しておりますから身にしみておりますけれども、セールスの現場あるいはコールセンターで電話を取る人間は、そうはいってもエアラインのグループにはいても、直接自分たちが安全にかかわっているという意識はなかなか持てなかった。ですけれども、その研修センターの中の最後のコーナーで、例えばコールセンターの一係員の電話で団体の構成人数を、子供さんの数と大人の数を間違ったところから、それだけで即事故には結び付きませんけれども、いろんなものが連鎖して、結果、しりもち事故につながるというようなケーススタディーも作っておりました。
 要は、ANAグループ、セールスを含めて、航空輸送事業に携わる者というのが安全をすべてに優先するんだというのを新入社員のときからきちっと教育をして、安全優先という風土を醸成していきたいと、この一念でつくりましたので、新入社員の教育はもちろんもう最初から優先的にやりますけれども、三万人のグループ社員をなるべく短い期間内にこの研修施設で研修をさせたいというふうに思っております。
#85
○谷合正明君 今なるべく短い期間のうちに研修させたいというお言葉がございましたが、確認させていただきますが、JALの系列社員は約五万人と、全日空さんの方におきましては約三万人でございますけれども、ただいまのところ、それぞれ両社の目的等経緯は違うかもしれませんが、研修の系列社員、どのくらいまで研修を行ったのか、現状と、あとどのくらい、重なる部分もありますけれども、全社員を研修させていくのか、そのめどについてお聞かせください。
#86
○参考人(西松遙君) 私どもの安全啓発センターがオープンしたのがちょうど四月の二十四日でしたのでおおむね一年になるわけでありますけれども、この一年の間に内外を含めて二万人の方にごらんいただいています。中は当然、グループ社員を含めてということでございますけれども、比率が、大体六割がグループ含めたJAL社員、それから残り四割が外部の方と、こういう構成になっています。
 したがいまして、この一年間にグループ社員という意味ではまだ一万二千人であります。グループ全体で、先生御指摘のとおり、今五万三千人ぐらいの世帯になっておりますので、そういった意味ではまだまだ三分の一から四分の一ぐらいしか見学していないという実態であります。これをなるべく早い時期に、単純計算するとあと三、四年掛かっちゃいますけれども、こういった大事な施設でありますので、なるべくいろいろな教育のカリキュラムにグループ各社とも取り入れまして、積極的にこの施設を使って安全意識の高揚を図っていきたい。
 先ほど山元社長もおっしゃったとおり、直接運航に携わる、あるいは安全に携わるという者だけではなくて、グループ社員全体がこの安全意識をきっちり持つことによって、例えばでありますけれども、安全に直接かかわる人たちに対するプレッシャーにならないような配慮をするとかいうことも含めまして、グループ全体の安全性の向上に努めていきたいと、こんなふうに思っております。
#87
○参考人(山元峯生君) 今年の一月にオープンしまして、二月の一日からの新入社員教育から始めました。三万人、三年以内に研修させたいと思います。
#88
○谷合正明君 それで、先ほどからグループ内あるいはグループ外という言葉出ているわけでありますけれども、私も実際見てみて、本当に重要な施設だなと。聞いてみましたら、国土交通省の航空局の方も研修に行かれているようなことも聞いたわけでございますけれども、例えば整備に携わる人間でも、その三万人、五万人の中に入っていない整備に携わる方も業界にはたくさんいらっしゃいます。あるいはテロ対策なんかでは、空港の警備員なんかもこれ非常に重要なポジションにいらっしゃる要素なんでございます。
 そういったことを考えますと、系列社員だけで安全対策というのは完結するものではございませんので、むしろ、せっかくの安全の原点となるものを両社ともに造られたわけでございますので、決して自社の安全PRのためのものではないわけでありますので、もう少し、最初はコアの部分から研修していくんだと思いますけれども、もっと広めた概念を是非導入していただきたいなと思っております。
 次に、質問に移らせていただきますけれども、二〇〇七年、今年からいよいよ団塊世代の方の退職が始まるというわけでございます。両社ともに新規採用を増やしてこれまで乗員養成というものを行っておるわけでありますが、それだけでは必要数の運航乗務員を確保できないために、今定年退職後の加齢乗員の採用であるとか、あるいは外国人の運航乗務員の採用にも踏み切っていると。しかし、思うように現場の方ではその乗員の体制が進んでいないというふうに聞いております。
 特に小型機領域においては事態が深刻と聞いておりますが、こういった運航乗務員に限らず、あるいは整備等の分野におきまして、団塊世代の退職期における技術の伝承をどうするのか、そしてまた、先ほど山元参考人の方から話がございましたが、系列社員の九九%が雫石の事故を知らないという方が占めておるわけでございまして、過去の事故を風化させないためにも、この技術や経験の継承といったものをどうするのか、どういう取組をされているのかについてお伺いいたします。
#89
○参考人(西松遙君) まさしく二〇〇七年問題は私どもの会社も例外ではございませんで、もう大量に、いわゆるベテランの整備士が退職する時期に入ってきておりますが、御案内のとおり、再雇用といいますか、再雇用をするというような仕組みも実はございますので、我々としましては、できるだけこのベテランの整備士、あるいはスキルを持った経験のある人たちにつきましては、こういった再雇用制度なんかも利用しながら、まだまだしばらく会社に貢献してもらおうと。
 それと、若い人たちになるべくミックスして仕事をすると。そうすると、まあ若い人たちも、ふと気が付いたときにベテランの技を盗める、あるいは聞ける、質問ができるということになりますので、それをひとつきっちりやっていきたいということと、やはりそのベテランの方も、やっぱり教えることに大変に、何といいますか、生きがいを感じるみたいなところがありまして、やはり自分の学んだものを次世代に継承していくと、こういう作業は、やはり日本人のいいところなのかもしれませんけれども、大変そこで生きがいを感じるという部分もありますので、そういったところを踏まえて、やっぱり交ざって仕事をする、ベテランと新人が交ざって仕事をすると、こういったところを心掛けていきたいなというふうに思っています。
 当面のところ、そんな形で対応していきたいというふうに思っております。
#90
○参考人(山元峯生君) まずパイロットでございますけれども、二〇〇七年問題、二〇〇七年から五年間の間に四百五十名の退職が起こります。これはもうずっと構造ですから分かっておりましたので、二〇〇九年に卒業生が出てまいりますけれども、東海大学と提携いたしまして、東海大学の工学部の中に操縦士養成講座というものをつくりまして、軌道に乗りましたら二〇〇九年から六十名ずつ卒業生が出てくる。
 それから、まあこれは主に、外国人パイロットの派遣という会社は海外の会社が専門にしておりましたけれども、我々のグループもハワイにクルーズという外人パイロット派遣の専門会社をつくりました。これが軌道に乗るのはもう一、二年は掛かるんだというふうに思いますけれども、先ほど言いましたように、四百五十名が定年退職をしていったその後に、いわゆる羽田の第四滑走路、あるいは成田の延伸、こういう航空ビッグバンが待っております。それに向けて乗員については対応していこうと思っております。
 整備につきましては、先ほど申し上げましたように、雇用延長制度その他をつくりまして後継者の教育に当たらせたいと、こういうふうに思っております。
#91
○谷合正明君 それでは、次の質問に移らせていただきますが、定期航空協会の役割なんですが、今のところ十七の事業団体が所属をしております。安全、安心のその情報や技術のシェアという面においてどんな役割を持っているのだろうかと。
 今回の高知空港でのボンバルディア機の事故についてはどのような対応を取られたのか、山元参考人にお伺いいたします。
#92
○参考人(山元峯生君) 御案内のように、二〇〇五年の初頭から、エアライン、我々も、二〇〇五年の四月、五月、六月、三件の厳重注意を国交省から受けまして、それからJR西日本の事故等もありました。あの年というのは、前半から公共の輸送機関に対する国民の信頼を失われたときだったと思います。
 それで、定期航空協会で安全委員会というのを二〇〇五年の七月に立ち上げまして、二〇〇五年は毎月一回、それから二〇〇六年は二月に一回、安全委員会をやってまいりました。最初は各会員会社の安全対策に対する各社の現状、それから企業のヒューマンエラー、これを、例えばJAXAのロケット事故の教訓を講師として招いてお聞きしたり、あるいは国交省の当時の岩崎局長から航空輸送の安全確保に向けた今後の取組、それからJALさんが柳田先生から提言を受けました安全アドバイザリーグループ、この提言を協会として、JALさんに提案がなされましたけれども、これを協会としてもう一度かみ砕いて会員会社で共有できないかと。
 こういう安全に関する活動を二〇〇五年、二〇〇六年、二〇〇七年と続けてまいりました。
#93
○谷合正明君 先日、十三日に、スカイマークエアラインについて、国交省の方から、整備ミスを認識しながら運航を続けていたということで、安全運航確保についての基本認識が不十分との厳重注意が出されたわけでございます。
 同社におきましては、定期航空協会を脱退しております。脱退したそのスカイマークエアライン社は、先ほど定期航空協会の取組をるる御説明いただきましたけれども、そのような安全対策、お互いに協議し共通の対策を講じるという中に入っていないわけでございまして、安全確保については不利になるのではないかなと思うわけでありますが、定期航空協会の見解を伺いたいと思います。
#94
○参考人(山元峯生君) 先生おっしゃいますとおり、この定航協の安全委員会等で議論をしております。この委員は各社の社長が基本的に出ておりますので、安全に関する情報、あるいは他産業のヒューマンエラーに対する教育の実態、知見の共有、安全管理体制、こういう貴重な情報を共有していただきたいと思いますし、これが、スカイマークさんが脱退されてこれを共有されていないということは非常に残念なことだというふうに思っております。
 ただ、二〇〇五年の六月十五日に、協会の運営に関する認識の違いということを理由に脱退をされております。
#95
○谷合正明君 ちょっと時間がないので更に突っ込んで質問できないんですけれども、いずれにしましても、乗る方としては、航空会社によって安全の対策というかレベルが違うというのであれば、それは私は本当に不安になることでありますし、もう少し業界全体として取組を図っていただきたいなと思っております。
 最後に、残された時間で、先ほど来お話がありましたヒューマンエラーについて、国交省さんにお伺いいたします。
 航空事故の原因についてはいろいろあるわけでありますけれども、その多くはヒューマンエラーにあると言われていると。特に、まあ何割かという科学的なデータはないのかもしれませんが、雑駁に言うと六割とか、そのぐらいはヒューマンエラーではないかと。さらに、その大部分というのは乗員、特にパイロットの占める要素というものは大きいんだと言われております。
 そのヒューマンエラーについては、初心者は初心者なりのエラーもありますし、経験者は経験者ゆえのエラーもあると。だから、ヒューマンエラーというのはゼロにすることはできないんだと、そういう前提の上でこの安全向上対策を図るべきだということを、私、昨日、施設を見学して学んだわけでございますけれども。
 ただ、ヒューマンエラーについてもここ数十年いろんな面で質も変わってきていると思います、内容も。最近のヒューマンエラーの傾向と分析について、あと、国交省としてはどのような対策を講じられているのか、最後に国交省にお伺いして、質問を終わりにいたします。
#96
○政府参考人(鈴木久泰君) 先生おっしゃるように、昨年以来の多くのトラブルのかなりの部分がヒューマンエラーに起因するものと私ども考えております。例えば、マニュアルなんかをきちんと遵守されなかったがためにヒューマンエラーで起こった事例、あるいは乗員間のコミュニケーションが不足しておって全体として効かなかった事例、いろいろございます。
 このため、私ども、専門家を集めた委員会もつくりましていろいろ今検討しているところでありますが、特に、エラーが発生する前の、スレットと言っている、そのもう一段階前のいろんなきっかけ、そこから掘り起こして、スレット・アンド・エラー・マネジメントと言っておりますが、エラーを未然に防止できるようなやり方できないかというようなことも含めまして今やっておるところでございまして、また、昨年十月に施行されました改正航空法におきましても、これまでは事故と重大インシデントという、重大なトラブルだけ報告を受けておったんですが、その前の安全上の軽いトラブルについても事業者から報告を受けて、それを十分分析することによりましてこのヒューマンエラーに向けての対策もしっかりやってまいりたいと考えておるところでございます。
#97
○谷合正明君 終わります。
#98
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
 先月に起こりました高知空港でのボンバルディア機の事故は、国民に航空への一層の不安をもたらすものとなりました。
 そこで、私は、まずANAの山元参考人に伺いたいと思います。
 事故以降、なぜ、このボンバルディア機の飛行停止をして、代替機の導入に踏み切らないのでしょうか。
#99
○参考人(山元峯生君) 事故の直後、先ほどから局長からも御説明ありましたとおり、まだ事故調の結果は出ておりませんけれども、比較的早い段階で原因、原因といいますか、その直接の事故のトリガーになったところは分かりました。
 それで、先ほど経緯は御説明ありましたから時系列的には申しませんが、この飛行機の安全性というものは、直接的なものについてはきちっと確保をした上で運航をさせております。不完全な機体、あるいは、我々も運航品質、設計思想に疑問を持ちながら、不安を持ちながら運航をしているということは全くございません。
 お客様の一便一便お命をお預かりして運航しているわけですから、きちっとした、確かに、導入してから三年間の間に我々のグループだけでも四十件ぐらいのいろいろなインシデントがありました。それについては、本当にささいなものから、フェータルとは言いませんけれども、脚回りのものまで、あるいは繰り返し出てくるものまで、いろいろと出てまいりまして、我々も、それは初期故障ととらえて、先ほど言いましたように、カナダに我々の整備士を派遣して世界じゅうのボンバルディア社に関するインシデント情報を取ったり、一緒にワーキング・トゥギャザーのチームをつくったりして抑え込んでまいりまして、この二年間の間で、例えば機材故障による欠航率、これなども一千便のうちの三便ぐらい二〇〇四年度はありましたものが、二年たったころにはちょうど半分の一千便のうちの一・四便に修復したり、それなりの効果が出てきていたところだったんですけれども、御案内のようなああいう事故を起こしてしまいまして、その結果については大変申し訳なく思っておるんですけれども、繰り返し申し上げますけれども、きちっとした安全に対する確信を持って日々運航しております。
#100
○小林美恵子君 今おっしゃられましたけれども、そういう修復してきたとおっしゃいましたけど、あの事故はそういう修復を担保したものではないということを示した事故だと私は思います。
 そこで、ANAもそうですけれども、JALも含めまして、このボンバルディア機の事故以降、このボンバルディア機の運航者や国交省が安全対策をされています。そこで、着陸装置系統、主翼や操縦系統などの主要部品やその結合状態について、詳細な目視点検や作動点検をゴールデンウイーク前に全機について自主点検実施とございます。
 そこで、山元参考人に伺いますが、その点検はすべて終了したのでしょうか。
#101
○参考人(山元峯生君) 従来、この型機の整備につきましては、C整備と申しまして、就航してから四千時間たってするきめ細かな整備がございます。これにつきまして、そのC整備の項目全体をやるんではないんですけど、C整備に含まれていてこれは大事だなと思う整備項目を挙げまして、これを前倒しで四月中に、我々が持っている事故機を除きまして十二機について、それから入ってきました新鋭機につきまして全部点検を終える予定でございます。
#102
○小林美恵子君 四月じゅうですので、今はまだ点検中ということでございます。
 そこで、私、事故調査委員会にお聞きをします。先月のあの事故につきまして、その原因、なぜそうしたことが起きたのか、このことについていつ明確になるのでしょうか。
#103
○政府参考人(各務正人君) ただいま御質問のございましたボンバルディア機の事故でございますが、本件の事故につきましては、事故直後に目視をいたしまして、一つは、前の脚の扉の開閉に関係しているリンクの左右を結合している部分のボルトとナットが脱落していたということが分かりました。それから、このボルトは円筒形の部分、部品を介して挿入してあるんですけれども、その部品が中で一部抜け出していたということで、抜け出した部分が構造部材と接触して開閉ができないような形になっていたということが確認されたということでございます。
 現在、このような事実がなぜ発生したかということにつきまして、事故の発生に至った経緯等について多角的な観点から鋭意調査を進めているところでございます。
 また、最終報告の取りまとめの時期でございますが、今後、今申し上げましたような各記録、部品の調査を慎重に進める必要もございますし、また、外国航空局への意見聴取等の手続も必要になっておりますので、現時点でその見通しを申し上げることは困難なことを申し上げたいということでございます。
#104
○小林美恵子君 いわゆる直接の原因というのは今御説明がありましたけれども、いわゆる根本的な要因といいますか原因については今究明中で、いつになるかは分からないという御報告でございました。
 先ほどの議論にもございましたけれども、事故調査委員会では、二〇〇四年の十一月二十一日に同じ高知空港で起きました今回と同じ機種のボンバルディア機の重大インシデントの調査報告を先月末に公表されました。二〇〇四年のものを今年報告をされましたよね。その勧告として、設計の改善を検討というふうにございます。これは要するに、点検整備の問題にとどまらない飛行機の設計、構造そのものが問題だという私は勧告だと理解をします。
 今回の事故も、直接の原因について今説明がいただきましたけれども、いつ最終報告出されるか分かりませんけれども、出してきた段階ではどういう報告になるか分かりませんよね。それでいきますと、私は、やっぱりこのボンバルディア機といいますのは構造上の問題も抱えているというふうに思うんです。
 そうしますと、この飛行機をこのまま飛行させて絶対に安全だと、ここは大臣にお聞きしたいんですけど、絶対に安全だと断言できるでしょうか。
#105
○国務大臣(冬柴鐵三君) 絶対に安全じゃないと飛ばしてはいけないと思います。私はそのように思います。したがいまして、これは単に日本の全日空だけが飛ばしているわけじゃなしに、全国で、全世界でこれ飛んでいるんですね。いろんなインシデント、ほかの機種に比べて非常に多かったと私は思います、事実。その都度、我々としましては、ボンバルディア社はもちろんのことですけれども、責任当局であるカナダ航空局に対してもそのことは強く申入れをいたしまして、そしてそれの改善を求め、必要な処置は今までとってきたわけでありまして、ただ、じゃこれを、すぐなぜ航空を差し止めないのかと、こうおっしゃいますと、これは例えば先ほど犬塚委員もおっしゃいましたように、離島とかそういうところにとっては非常に必要な機材で、これをもし止めたとすれば、次の機材を購入し、そしてまた、それの操縦士とか整備士とかそういうことを考えれば、これをやはり、乗客としてもこれは待ってられる方もたくさんあるわけでして、この機材の配置その他を考えれば、直ちにそれを止めろということはなかなか難しいというふうに思います。
 しかしながら、我々は、あとう限りの努力をして、そしてこれの乗客には絶対安全だというふうに確信しないと私は飛ばしてはいけないというふうに思います。しかしながら、今の状況は、私は、全世界で飛んでいる事例、そして今回の事実は大変重大ではございますけれども、その問題について一応クリアをしながら飛ばしているというのが現実だと思います。
#106
○小林美恵子君 絶対に安全でなければ飛ばしてはいけないと、大臣はそうお答えになりました。しかしながら、今飛んでいます。それは、安全だから飛ばしているということではないですね。不安を持ちつつ飛ばしているということですね。
#107
○国務大臣(冬柴鐵三君) いや、そうは思っていません。
 事故というのは、それは機械のことですから完璧じゃない部分があるのかも分かりませんけれども、今、安全に飛ぶことができるという極限まで迫って、カナダの航空局もこれについての型式についての認可をしているわけでございますし、我々国土交通省としてもそういうものを総合考慮して、これについて安全であるということでそれを飛ばすことを我々としては認めているわけでございまして、不安を持ちながら乗客を乗せるというようなことは私はできない、私はそう思います。
#108
○小林美恵子君 私は、カナダの政府の設計改善の対応でありますとか今回の事故調査委員会の最終報告が出されて安全が本当に担保されるまでは、航空の安全に責任を持つ国交大臣としてはボンバルディア機の飛行停止の英断をするべきだと私は申し上げたいと思います。
 次の質問に移ります。次は、航空の安全の役割を担います地上での作業事故、特にランプ事故について質問いたします。
 昨年十月二十三日、成田空港で、到着便の作業中にJALグループのベルトローダーが、運転者が降りたところ、無人のまま走行して車両に衝突する事故がございました。人身事故や航空機損傷には至りませんでしたけれども、この事故、見逃せないと私は思います。この背景に、運転者が離れると自動的にベルトローダーが停止をするシートセンサーというものがございまして、二〇〇二年、JALとJASが統合した際に取り外したと。労働者が反対したにもかかわらず、会社が、暴走することはあり得ないということで取り外しを強行したとあります。
 さらに、昨年には搭乗橋の誘導者の廃止が決められまして、今年二月からは実施をされておられまして、例外的には誘導者や監視員を配置することを認めているものもあると。ところが、二月九日、成田空港では、誘導者ではなく監視員はいたけれども、オペレーターが到着機の搭乗橋を装着する際に車両事故が起きたと。
 ここで、JALの西松参考人にお伺いしますけれども、こうした事故が航空の安全に大きくかかわると参考人はお考えなのかどうか。お考えでありましたら、シートセンサーの設置、誘導者配置を復活すべきだというふうに思いますけれども、この点、申し訳ありません、簡潔にお答えいただけるでしょうか。
#109
○参考人(西松遙君) 大変こういう事故を起こしまして申し訳ないというふうに思っていますし、こういったことの積み重ねが航空の安全につながってくるものだと、こういう意識で気を引き締めてやっていきたいというふうに思っておりますが。
 今の御質問のまず第一点目でございますけれども、自動停止装置ですけど、元々このベルトローダーという機材なんですけれども、元々実は付いていないのでありまして、これを意図的に取り外したとかというケースではございませんので、その点ちょっと御認識をいただきたいというのが第一点と、それから、簡潔にいきますと、誘導員につきましては一応配置をさせていただいておりますので、今後この誘導員を含めて教育をしっかりして再発防止に努めていきたいと、こんなふうに思っております。
#110
○小林美恵子君 西松参考人は、ベルトローダーのシートセンサーは元々付いていないというふうにおっしゃられましたけれども、私は現場の人の話をお聞きしますと、シートセンサー取り外しの会社からの回答があったというふうにお話をお伺いしております。
 それで、改めてこのシートセンサーの再度整備をする考えはないのかというふうに問いますと、JALグループではシートセンサーを取り外した経緯がございましてということで、そういう御回答になっているということを聞いておりますけど、西松参考人は私は現場の状況というのは把握されていないのかなというふうに思うわけでございますけど、改めて現場の声、改めて聞いていただいて、この点について検討していただきたいと思うんです。
#111
○参考人(西松遙君) 済みません。私の持っている情報が正しいと今でも確信をしておりますが、先生御指摘のとおり現場の意見を聞くというのは大事なことであります。本件を含めて現場の意見を十分に吸い上げた上で啓発したいと、こんなふうに思っております。
#112
○小林美恵子君 次に、国交省に質問したいと思いますけれども、地上での作業事故、特にランプ事故について把握をされているのかどうか、そしてまた把握しているのなら、この五年間の成田、羽田、関空の件数を報告していただけますか。
#113
○政府参考人(鈴木久泰君) 平成十四年から十八年までの五年間に、成田、羽田、関空で発生しましたランプ内事故でございますが、成田が百六十四件、羽田が百七十七件、関空が七十二件でございます。
#114
○小林美恵子君 では聞きますけれども、羽田空港でも例えば航空機損傷などの事故がございました。この件につきまして、これは昨年十一月十日の羽田ランプ安全調整会議の文書でございますけれども、羽田空港の管理者というのは当然国交省ですよね。しかし、この文書にはこういうふうにありました。最近発生した事象において、社内的な処置は進められていたものの、当局へのしかるべき事故通報が行われておらず、主管部より指導を受けるという事例があったと書かれています。つまり、これは下請からJALには報告が入った、しかしJALは国交省に未報告だったということですね。
 それで、西松参考人に伺いますけど、この未報告については知っておられたのですか。なぜこうしたことが起きるのでしょうか。
#115
○参考人(西松遙君) 本当に本件も誠に申し訳ない事例だと思いますが、承知をしております。これも、昨年の十月十三日の件、ケースだというふうに認識をしておりますけれども、本来、当然管理者の方に報告すべきというところでありましたけれども、この報告を怠ったということについては誠に申し訳ないというふうに思っておりまして、関係者に対しましては注意を喚起しているというところでございます。
 いずれにせよ、こういった事故、ランプを含めていろいろございますので、そういったものにつきましては、再度グループ内の各部門に対して十分に注意するように指示をしているというところでございます。
 したがいまして、先生の御質問の、承知をしていたかという御質問に対しては、承知をしておりました。
 以上でございます。
#116
○小林美恵子君 承知をしておられて国交省に報告をしなかったというのは、私は重大な問題だというふうに思います。
 それで、国交省にお伺いしますけれども、この事故も私どもが現場の皆さんの声を取り上げまして改善を要請して初めて国交省が把握されたという実態がございました。こういう報告の求め方について、今後どのように改善されていくおつもりですか。
#117
○政府参考人(鈴木久泰君) ランプ事故が発生した場合には、その関係のエアラインから管理者であります空港事務所の方へ報告がなされ、その重大なものについては私どもの、本省の方にも上げてもらうという仕組みになっておりまして、先生がおっしゃるように、平成十八年十月十三日に羽田空港で発生しました事故につきましては、747―400型機の洗機作業中に洗機作業車が主翼の下部に接触いたしまして、二か所の亀裂とへこみを生じさせたという事案でございます。
 この報告がなかったということにつきましては大変遺憾でありますので、十一月十日に報告の徹底について羽田事務所から日本航空に対して指導を行っております。この指導に基づきまして日本航空内の関係部署あて報告の励行について周知されているということでありますので、ここのところの報告、しっかり取れるように、私どもも十分指導してまいりたいと思っております。
#118
○小林美恵子君 私がお聞きした現場からの報告でいきますと、例えば、JALグランドサービスだけでですよ、羽田、成田、関西の三空港の二〇〇六年度でのこうした事故件数は百四十七件。一年度だけですね、百四十七件。六空港で合わせますと、〇六年度だけで百八十四件ございます。中には人身事故が四十件、そして航空機損傷が八件。人身事故の重大さは私本当にもちろんだと思うんですけれども、航空機損傷も飛行中の大事故につながるというのはもう周知のことかと思います。
 国交省として、こうした地上での作業事故について把握する仕組みをつくられる、そしてまた、空港の管理者任せにしないで安全対策を講じるということが私は大変大事になってくると思いますけれども、この点、大臣いかがですか。
#119
○国務大臣(冬柴鐵三君) 重大な、重要な御指摘だと思います。事故の状況を把握して、再発防止策を検討する上では大変重要なことでございますので、その仕組みが機能するように引き続き関係者に対して指導を行い、そしてまた、そういうものについての検査その他、また安全マネジメントにおけるそのようなものについての認識の喚起、そのようなものも努めてまいりたいというふうに思います。
#120
○小林美恵子君 今、報告の仕組みが、こういう飛行場運用業務指針というのがございますよね。私は、これはもちろんのことなんですけれども、本当に地上での作業事故といいますのは空の問題だけじゃなくて航空の安全を担保する上で大変重大な問題だと思いますので、やっぱりこの指針の徹底はもちろんなんですけれども、この指針だけではなくて、そのおそれのあるものについてもしっかりと国交省が積極的に把握をしていくということは本当に必要だと思います。この点も改めて確認したいと思います。
#121
○国務大臣(冬柴鐵三君) 御意見のとおりだと思いますので、努力をしたいと思います。
#122
○小林美恵子君 時間が参りましたので、これで終わります。
 ありがとうございました。
#123
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
 様々な角度から事故の問題についていろんな意見が出ているところでございますが、航空安全上のトラブルがここ数年増加傾向にあるというふうに理解をしています。トラブルはやはり運航、客室、整備等全部門、全職種において発生をしていますし、しかも国から業務改善命令や輸送安全点検の緊急な実施などが行われ、改善策が実施されているにもかかわらずトラブルの発生は引き続いており、これでは安全の基盤が崩れているのじゃないかというふうに私は理解するわけであります。
 そこで、定期航空協会にお伺いをいたしますが、この間の度重なるトラブルの発生についてどのように認識されているんでしょうか。また、トラブル発生の原因はどこにあると考えておられるでしょうか、お伺いいたします。
#124
○参考人(山元峯生君) 先ほど谷合先生の御質問にお答えいたしましたが、二〇〇五年の、航空輸送機関に対する国民の信頼を取り戻すために、定期航空協会として安全委員会を設け、二〇〇五年は毎月一回、二〇〇六年は二月に一回ずつ定期航空協会の会員会社の社長を集めまして数々の議論をしてまいりました。
 それで、その経過の中で、昨年十月に国交省が航空法を改正されまして、安全を各エアラインがシステムで担保するセーフティー・マネジメント・システムという仕組みをつくっていただきました。今我々は、それは形はできましたけれども、本当に魂を入れて、今先生御指摘のとおり、増加傾向にある運航のトラブルを少しでも減少させるべく定期航空協会として努力しているところでございます。
#125
○渕上貞雄君 業界の認識は分かりましたけど、発生の原因がどこかというのをお尋ねしたんですが、まあそれは次にいたしまして、昨年の四月の公共交通に係るヒューマンエラー事故防止対策検討委員会の最終取りまとめにおいて、航空各社がその合理化、効率化に取り組んでいく中で、経営と現場の距離感が生まれ、航空会社の安全への意識が相対的に低下、次に、社内構造が複雑化、多様化する中で、安全情報の報告、共有の不備、これに伴う適時的確な対策の策定、実施の不備が発生、次に、従来のヒューマンファクター訓練が不十分、次に、業務の実施方法が現場の実情に即していない、マニュアル設定の技術的背景に対する理解不足等の理由により業務が適切に実施されていないなどの問題が発生したと指摘をされております。
 以上の四点の指摘がされておりますが、指摘されるような事態がなぜ発生したと思っておられますか。協会の方。
#126
○参考人(西松遙君) この御指摘、我が社固有の、個社ということでお聞きいただきたいと思いますけれども、まず、現場と経営の距離という観点からすると、従来、当社グループは持株会社があって、下にジャパンインターナショナルというふうな別会社になっていたというところも一つその現場との距離を拡大していたというふうな認識をしておりまして、実はこれ、昨年の十月に事業会社を合併をいたしまして一つにして、なるべく、なるべくといいますか、経営と現場の距離を縮めたいと、こんなふうに思っているところであります。
 それから、安全情報の面についても、これもやはりいわゆる現場と経営の距離、これがやっぱりあったということがこの安全情報がきっちり経営陣に伝わっていなかったということのまあ一番大きな原因であろうと、こういうふうに認識をしております。
 それから、ヒューマンファクターでございますけれども、これも、すべてがそういうふうにつながってくるわけでありますけれども、実は現場でいろいろなことが起こっている、あるいはヒューマン、ヒューマンのいろいろな問題点が起こっているということについてその対応策が十分に取れていないということは、そこを経営陣がじっくり認識していないからであるというふうにも思っておりまして、そういった意味で、この先生の御指摘の四点の原因の在りどころやいかんという御質問に対しては、経営が現場の実態を十分に把握していないから起こってきたんだと、こういうふうな反省に実は立っておりまして、我々もなるべく、私自身も含めまして、現場に出掛けると。まあ、出掛けるといってももちろん限度はあるわけでありますけれども、全役員が現場に出掛けていって現場の声を聞いて、それに対して十分な対応策を考え対応を取っていくということをしていけば、今御指摘のありましたような幾つかの視点というものはおのずから解決していくんじゃないか、こんな意識でこれからもやっていきたいと、こんなふうに思っております。
#127
○渕上貞雄君 今言われましたけどね、現場に出ていくことは分かりました。
 では、現場に出ていくに当たっての、トラブル回避のための具体的な取組をする姿勢がないと現場に出ていっても意味がないと思うんでありますが、今後どのようにされようとしていますか。
#128
○参考人(西松遙君) 昨年の四月に組織的にいいますと安全推進本部というものを実は立ち上げをしまして、これ現状今八十人ぐらいおるわけでありますけれども、これが運航、整備それから客室、まあ社内のあらゆるところにネットワークを張りながら、そこでいろいろな情報も集めるという役回りをしてもらっています。これはある意味社長直轄の組織ということで、そういうふうにして情報の確認をしていきたいというふうに思っております。
 それから、先ほどもちょっとお話の中で触れさせていただきましたけれども、やはり具体的な事例をやはり集めるということがこれが一番大事なことで、抽象的に安全対策といってもしようがないわけでありますので、そういった意味でヒヤリ・ハット事例集と、これ結構役に立つと思います。いろいろな局面で、こういうときに実はこういうことが起こりましたというところをきっちり整理をして、それぞれの直接の担当者にこれを確認するということをすれば、相当な部分思い当たる節がありますので役に立っていくんじゃないかなと思いますし、確認会話集なんというのもそういう一つでありますけれども、そういったことを含めて具体的に、安全は抽象的な答えがなくて、具体的にいろいろなこういう手法を現場、経営陣が確認をしながらやっていくというところがこれからの安全に十分資するんじゃないかなと、こんな意識で今やらさせていただいております。
#129
○渕上貞雄君 両方の方にお伺いをいたしますが、この間、航空業界において運航システムそれから整備システムが自社中心から外部委託が急ピッチに進められているのが現状でございますが、外部委託が進めば進むほど、技術力を持った人が社内にいなくなってしまい、将来には安全に対する脅威になっていくのではないかと心配をするわけですが、技術の伝承は、先ほどもお話ありましたけれども、航空安全を守る上で大変重要だと考えます。そのために自社整備体制を確立していくことが必要だと思いますが、見解はいかがでございましょうか。
#130
○参考人(山元峯生君) 先ほども少し申し述べましたけれども、〇七年問題の整備士のスキルを伝承するという問題についてはしっかり認識しておりまして、大体十年先、十五年先を見越したグループの整備体制について計画を立てておりまして、先生御指摘の中国とかその他の外部の委託の問題ももちろんございますけれども、グループとして、ANA本体のコアとなる整備士が何%、そして現在九社関連会社、整備会社がございますけれども、その九社と構成比をどのようにしてやっていくかという中期的な視点で整備士のスキル、グループ内でのスキルの維持には努めてまいろうとしております。
#131
○参考人(西松遙君) 私どもも整備に関してのいわゆる別会社といいますか関連会社を持っておるわけでありますが、我々としてはグループ全体としてこの整備を担当しているという意識でございますので、こういった子会社はすべて一〇〇%のもちろん資本関係のある会社でございますので、そういった意味でグループ挙げてやっているという認識でございます。
 したがいまして、この整備士の採用のソースですとか、あるいはこの育成のプログラムですよね、こういった教育を含めてすべてJALと同様の方式を取りながら、また旧来と同様のクオリティーを要求しながらやってきているわけでございます。
 問題になるのは一体感を持てるかどうかという辺りだと思いますが、ここはもう我々も十分認識をしておりまして、できるだけそういう別会社にはJALの社員も出向なりなんなりということでしょっちゅう行き、かつ、まあこれはたまたまですけれども、年次的に年配の人材がJALに多い、若い人たちが関連会社に多いということがありますが、先ほどのいわゆる一体感でございますけれども、年配の人とこういった第一線の若い人たちが同じ場所で仕事をするということをなるべく進めていきまして、きっちりとした技術伝承を進めていくというふうな方向でこれから持っていきたいというふうに思っております。
 それからもう一つは、海外委託のお話も多分先生されたんだろうと思いますけれども、先ほどからも議論ありましたとおり、海外の委託先につきましては日本の国土交通省、あるいは場合によってはアメリカのFAA、あるいは欧州当局の事業場の認定をもらっているという、そういうところでありますので、そういった意味では整備能力につきましては十分担保されているというふうに思っております。
 ただし、我々としても、いわゆる丸投げということになるのはやっぱり避けたいということもございますので、現地にチェックをする布陣を置いております、チェックをする。最終的に整備が終了した段階で、その整備が十分であったかどうかにつきましてチェックする組織体制を実はつくっておりまして、こういったところのいわゆるベテラン勢をその現地に派遣をしております。こういう形を取りながら、当社としての整備品質の確保に努めているところでございます。
#132
○渕上貞雄君 続いて、事故調の方にお伺いをいたしますが、事故調査委員会の主な仕事に被害軽減のための講ずべき施策について勧告あるいは建議があります。これまでに行った勧告又は建議数についてお教え願いたいし、また勧告、建議を行った後どのようになされておられるのか、勧告、建議をされたらそれで終わりなのかどうなのか、その後どのような対策されておるのか、お伺いいたします。
#133
○政府参考人(各務正人君) 申し訳ございません。建議、勧告数、ちょっと手元にございませんので、後ほど先生のところにお届けさせていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、事故調査委員会の行います勧告につきましては設置法二十一条に基づいて実施をされるものでございます。二十一条二項の規定によりまして、国土交通大臣は勧告に基づいて講じた施策につき委員会に通報するという制度になっております。
 また、建議につきましては、講じた施策につきまして法律により委員会への通報についての定めはございませんけれども、対応した措置については私どもとしても必要に応じて適宜フォローアップを行っているところでございます。
 今後とも、進捗状況の把握に努めていくということが基本的な考え方でございます。
#134
○渕上貞雄君 じゃ、勧告、建議を行った後、特別にいろんなことをやっているということじゃないんですね。
 事故調は重大なインシデントについて調査をして、当該航空当局を始め関係機関に対して安全勧告を行っていますが、これはどの程度拘束力があるかどうか、お伺いいたします。
#135
○政府参考人(各務正人君) ICAO条約に基づいて、外国関係当局に対して安全勧告を行うという制度がございます。これにつきましては、条約上は法的にこれを担保しなければならないという義務自体はございませんが、そういった勧告を受けた場合には、そういったものに対してどう対応するのかということをきちんと考えて、それぞれの航空当局において適切に対応がなされるものというふうにお互いが信頼し合ってやっていると、こういうことではないかと思っております。
#136
○渕上貞雄君 国交省は、事故調から、勧告、建議に基づき必要な施策を講じることになると思いますが、勧告、建議に基づいてどのような対応をなされているのか、その内容についてお教え願いたいと思います。
#137
○政府参考人(鈴木久泰君) 今、各務事務局長からお答えありましたように、事故調査委員会の勧告、建議について、これを遵守しなければならないというような直接的な規定はございませんが、大変重大なものであると私ども受け止めておりますので、これまでいただいた勧告、建議につきましては、航空事故の防止及び被害の軽減のために必要な施策をその都度講じておるところでございます。
#138
○渕上貞雄君 事故調の勧告、建議にもかかわらず、トラブルに増加傾向があることは大変残念なことなんですね。
 今までのやり取りでおおむね分かりましたが、事故を防止する、再発を防ぐという意味では、事故調はもっと強いやはり権限を持つべきじゃないかと思うんですよ。勧告、建議だけではなしに、権限としてもう少ししっかり、先ほど同僚からもお話ございましたが、非常に強い権限を持つべきだと私は思います。そのためにも、事故調はやはり行政、司法からの独立、公平中立の組織でなければならないと考えています。
 もちろん、ICAOとの関係において、我が国の事故調とICAOとの関係の間に矛盾があることも知っています。しかし、より事故調が強い権限を持つことの必要性というのが今迫られているんじゃないかと思うんですが、その点、いかがでございましょうか。
#139
○国務大臣(冬柴鐵三君) 先ほどもこの点については答弁申し上げましたけれども、この事故調査委員会というのは、国家行政組織法第八条の規定に基づく独立性が担保された公正な委員会として構成されております。したがいまして、この国土交通省に属してはいますけれども、航空・鉄道事故調査委員会設置法というものにおきまして、第四条により委員会の委員長及び委員は独立してその職権を行うということが明文化されておりますし、六条にはこの委員長及び委員の任命につきましては両議院、衆参の両議院の同意を得た上で行うということもあります。
 先ほど来言われているように、二十一条には国土交通大臣に勧告することができる、また国土交通大臣又は関係行政機関の長にも建議することができるという、他の行政庁の傘の中にある局とかそういうものとはまた全く違う性格で構成されているわけでありまして、したがいまして、事故調査に当たりましては航空や鉄道の運航に係るデータあるいは事故の要因と関連する気象データというようなものは国土交通省から取り寄せることができるわけであり、そういうメリットもあります。
 それからまた、事故調査を円滑かつ効果的に実施するに当たって国土交通省と緊密に協力の下に行うことが有効であるというふうにも考えておりまして、独立性を担保しながら、したがいまして、国民の皆様方も、この事故調査委員会の報告書というものはちょっと遅いなという批判はありますけれども、その中で記載された記述については相当程度に御納得をいただくようなすばらしい報告がなされているものと私は認識している次第でございます。
#140
○渕上貞雄君 事故調の報告は私は立派なものだと思います。出されたやつをそのまま神棚に上げているような感じじゃないかと、下ろしてきて現場で実施していただきたい、そこに拘束力を持たせていただきたい。どうかひとつ冬柴大臣の下で再度御検討いただきたいと、このように思っているところです。
 最後になりますが、両協会の方にお伺いをいたしますが、やはり安全こそ経営の基盤でなきゃならないことは口を酸っぱくしてどなたも言うことでありますけれども、国民、利用者の信頼なくして航空機業界の発展は私はないと思います。したがって、安全にコストが掛かることは分かっておりますが、やはりそのことを十分に認識された上で今後どのように取り組んでいくのか、双方の協会の決意を聞かしていただいて、質問を終わりたいと思います。
 以上です。
#141
○参考人(西松遙君) もう御指摘受けるまでもなく、安全運航は会社のもう基盤であります。これが失われたときには会社は存在してないわけであります。そういった意味で、我々も安全憲章というものを作っておりますが、その中にも、安全運航はJALグループの存立基盤であり、社会的な責務であると、こういうふうに明記しております。この言わば会社の憲法でありますけれども、この憲法を土台としまして、言葉多く申し上げるつもりはございませんけれども、安全運航を絶対確保するという責任感を持って事に当たっていきたいと、こんなふうに思っております。
#142
○参考人(山元峯生君) 安全は経営の基盤であり社会の責務であると我々も安全理念でうたっておりますけれども、これに魂を入れるということが一番大事だというふうに思っております。
 国内線だけで一日八百八十便運航しておりますので、我々、毎週火曜日の朝九時に副社長含めて羽田に集まりまして、前日までの八百八十便掛ける七日間に、国際線の運航便の運航実態、天候によるキャンセル、いろいろな機材によるキャンセル、機内で何が起こったか、これの報告をしてもらっております。中にはまたかというようなものも出てきておりまして、それについては再発防止のためにどうするかと、こういうふうにまず、先ほど先生の御質問がありましたように、どういう姿勢で経営が安全に対して取り組むかということをまずそれでやっておりますし、これを続けていこうと思います。
 それから、取締役が、例えば〇六年ですと四十回、ダイレクトトークといいまして現場に行きます。そして、必ず聞くことは、まず安全について、自分たちの職場でハインリッヒの法則、三百の不具合事象が起こっていないか、隣と隣のセクションで起こっていないかということを、たくさん集めて話をしても仕方がないので大体十人前後、航空機を運航する、油を入れるところからお客を乗せるキャビンアテンダントまでの若い人を十人程度集めて、安全について実施しております。
 やはりトップがいつも安全第一ということを、要は、理念でなくて現場に足を運び、あるいは毎週そういう報告会を開いて即対応すると、これを地道に続けていくことが、今先生がおっしゃいました安全確保につながるものだというふうに確信しております。
#143
○渕上貞雄君 終わります。
#144
○委員長(大江康弘君) 山元参考人、西松参考人には、特に今日は御出席をいただきましてありがとうございました。
 JAL、ANA、これは二つ、日本を代表する大きな航空会社であります。定期航空協会といたしましても、定期航空協会の加盟全社を挙げて、今後、乗客の皆さんが更に安心して利用できるように更なる安全対策の努力をお願いを申し上げます。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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