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2007/05/10 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 国土交通委員会 第15号
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2007/05/10 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 国土交通委員会 第15号

#1
第166回国会 国土交通委員会 第15号
平成十九年五月十日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月九日
    辞任         補欠選任   
     魚住裕一郎君     鰐淵 洋子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大江 康弘君
    理 事
                末松 信介君
                脇  雅史君
                藤本 祐司君
                山下八洲夫君
                谷合 正明君
    委 員
                市川 一朗君
                岩井 國臣君
                太田 豊秋君
                小池 正勝君
                田村 公平君
                中島 啓雄君
                藤野 公孝君
                吉田 博美君
                加藤 敏幸君
                北澤 俊美君
                輿石  東君
                田名部匡省君
                羽田雄一郎君
                前田 武志君
                鰐淵 洋子君
                小林美恵子君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   冬柴 鐵三君
   副大臣
       国土交通副大臣  渡辺 具能君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       藤野 公孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
   政府参考人
       国土交通省国土
       計画局長     渡邊  東君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  中島 正弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○広域的地域活性化のための基盤整備に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○委員派遣承認要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、魚住裕一郎君が委員を辞任され、その補欠として鰐淵洋子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大江康弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に国土交通省国土計画局長渡邊東君及び国土交通省都市・地域整備局長中島正弘君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(大江康弘君) 広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岩井國臣君 幾つか質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 我が国は、戦後、大変目覚ましい発展を遂げてまいりまして今日があるかと存じます。そういう中で、国土行政としては、国土総合開発法に基づいて全国総合開発計画というのを作っていろいろと強力に施策を展開してきたと。全国総合開発計画は第二次、第三次、第四次、五次まで来たんですよね。そういう中で、やはり私は、国土総合開発法に基づいて、いわゆる拠点開発方式、新産・工特、新産業都市・工業整備特別地域に関する施策がいろいろと強力に展開されまして、諸般の基盤整備がなされ、それによって昭和三十年代の世界が目をみはるようなすさまじい高度成長を遂げたということなんですね。もう新産・工特というのは、もう御案内のとおりでございまして、どちらかといいますと臨海工業地帯、重化学工業というものが中心であったかと思われます。しかし、時代は随分変わりまして、現在ではもう新産・工特の時代ではない、そのように思います。
 それからもう一つ、やはり時代が変わった、幾つかあると思うんですけど、大きな点を申しますと、地方分権ですね。明治政府になって、いわゆる中央集権というか機関委任事務論といいますけれども、国がやるのが基本であって、国ができないものを都道府県に、都道府県ができないものを市町村に移譲するというような形でやってきた。それが、いろいろ言い方あると思いますけど、いわゆる政府信託論ですか、地域、地域住民といいますか、地域でできるものは地域でやる、地域でできないものは市町村にやってもらう、市町村でできないものは都道府県でやる、都道府県でできないものは国がやるということで、もう全く百八十度変わってきたということで、もう地方分権の流れは大きな流れになってきておると思います。これはもう大変大きな時代の流れじゃないかと思いますね。
 それからもう一つは、少子高齢化の問題でございます。これもいろんな理由があるかと思いますけど、間違いなく少子高齢化の方に進んでいっておると思いますので、これも大変なことだと。そのほかにも幾つか時代の流れというものはあると思いますけれども、大変大きな時代の変化というものがあるかと思います。
 そういう時代の流れの中で、今回のこの法案、ちょっと長いですね、これ、どうも、もうちょっと簡単な名前にならぬのかなと思うんですけど、広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律案というものの位置付けがどうなるのか、そういう時代の流れを踏まえての必要性といいますか、その背景とか経緯も含めて、少し詳しく御説明いただければと思うんです。
#7
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 今まで国総法に基づきまして全国総合開発計画を第五次までにわたって作ってまいりましたが、それを先般、国土形成計画法ということで新しい法律に変えたわけでございます。その背景というのは正に委員がただいま御指摘されたとおりでございまして、地方分権の進展あるいは少子高齢化、もう既に日本の社会が人口減少社会に入ったと、こういう時代の中で、今まで開発基調であった社会からより成熟型の社会に転換していく必要があるんじゃないかと、そういう形で国土形成計画法に基づきまして国土形成計画を作るということになっておるわけでございます。
 国土形成計画の一番大きなポイントは、ただいまの背景に関係いたしまして、一つは、計画の中身を整備を中心としたものに変えていくと、それから資源の有効利用あるいは自然環境の保護、こういったものを重視するということがございます。それからもう一点は、今までは全国計画一本だったわけでございますけれども、これにつきましては全国計画と広域地方計画という計画を二層体系にいたしまして、より地方の創意工夫、発意というものを重視するような計画にしていこうということでやっておるわけでございます。
 現在、国土形成計画の全国計画を策定中でございまして、昨年の十一月にはこの計画部会というところで中間取りまとめを行ってございます。この中間取りまとめの中では、我が国の国土像といたしまして、東京中心の一極集中型の、一極一軸型の国土構造から、広域ブロックがそれぞれの資源を最大限に生かした特色ある地域戦略を描くことにより自立的な圏域を形成し、各ブロックが相互に、またアジア地域等と直接に交流、連携することで活力ある国土を形成する、広域ブロック自立型の国土構造への転換を目指すべきと、こういうことを示されたところでございます。
 この法律案は、このような状況を踏まえまして、民間と連携した地域発意の計画に基づきまして、広域的な経済活動を支える基盤整備と地域づくりに対するソフト面での支援等を一体的に促進するための、地方にとって自主性と裁量性、そういったものの大変高い財政支援制度を創設するなどの措置を講ずるものでございます。
#8
○岩井國臣君 今、国土形成計画全国計画の中間取りまとめの話が出ました。引き続き審議会の方でいろいろ議論がなされ、いずれ近いうちに正式に全国計画が決まるということだと思うんです。その後、またブロックでいろんな作業が始まっていくということになっていますね。
 その全国計画の中間取りまとめはもちろんですけれども、それ以外のいろんな議論、中間取りまとめにまとめられているもの以外にもいろんな議論が出ているわけだし、その辺を踏まえて、今、その全国計画に関連してどういうことが問題になっているのか、国土交通省の皆さん方の認識というか、その辺をちょっと教えていただければと思うんですね。
#9
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 国土形成計画全国計画、ただいま委員からお話がありましたように現在作業中でございます。一昨年来、計画部会というところで御審議をしておりまして、お願いしておりまして、昨年十一月に計画部会におきますこれまでの検討結果を中間取りまとめという形で報告されたところでございます。現在は、この最終的な報告の取りまとめ及び計画の策定に向けまして、各都道府県、政令指定市からの新しい制度でございます計画提案制度というのがございます、こういった計画提案につきましての検討などの作業を進めておるというのが現在の状況でございます。
 中身でございますけれども、これはやはり基本的には中間取りまとめで方向を示しましたので、そこの中の状況を御説明するのがいいのかなというように思います。その中では、人口減少あるいは東アジアの経済成長等のこういった経済社会情勢の大転換、それから安全、安心や環境、文化に対する国民意識の高まり、都道府県を越える広域的課題の増加や東アジア地域との直接交流機会の増大、こういった国土をめぐる状況を踏まえまして、国土構造構築の方向性といたしまして、広域ブロックを単位とする地方が文化、伝統、自然など、その有する資源を最大限に生かした地域戦略を描き、自立的に発展する国土構造への転換を目指すこととしておるところでございます。
 また、その実現を図るための五つの戦略的取組ということで、第一にシームレスアジアの実現、第二に持続可能な地域の形成、第三に災害に強いしなやかな国土の形成、第四に美しい国土の管理と継承、第五に新たな公による地域づくり、こういったことを掲げているところでございます。
 今後、中間取りまとめに示されましたこの基本的な方向を踏まえまして計画の策定作業を進めていきたいというように考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
#10
○岩井國臣君 大体、現時点での基本的な物の考え方というのは今の御説明で分かったと思いますが、これからのスケジュールはどんなふうになりますでしょうか。
#11
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 現在、国土形成計画の全国計画を策定中でございまして、今後、閣議決定に向けて鋭意作業をしていくということでございます。
 全国計画が閣議決定されますと、それ以降、広域地方計画を一年ぐらい掛けて作業していくということになりますが、既に広域地方計画協議会の方ではプレ協議会というような形で各地方で立ち上げていただいておりまして、そこでの作業も順次やっておると、こういうような状況でございます。
#12
○岩井國臣君 今、今の話の中に五番目でしたかね、地域づくりの話が出ましたが、いわゆる地域格差というのがあるのかないのかとかいろんな議論がありますが、地域格差は間違いなくあると。過疎問題というのは昭和三十年代に入って相当ひどくなっていったかと思いますけれども、私は過疎問題に特段の関心を持っておるわけですね。
 小泉内閣のときに、経済財政諮問会議で選択と集中ということを言われたんですね。極端なことを言えば、そういう過疎地域が非常に公共投資やるにしても何やるにしても経済効率が悪いので、そんなところにもう人が住んでいるのがおかしいんじゃないかという、そういうことを現に言った人もおるんですよね。
 私が思いますに、選択と集中というのは、これは企業の論理で、国土政策にはちょっと向かないというか、ちょっと違うんじゃないかと。御案内のとおり、グローバルな市場競争というか、物すごい競争を今各企業やっているわけですから、何でもかんでもやるんじゃなくて、やっぱり得意分野に集中してそれで勝負するという、選択と集中ということは確かに必要なんですね。
 ですけど、私は、国土政策、特に過疎問題を考えたときにはそういう哲学ではいかぬのではないかと。私は、共生と分散だと言っているわけですよ、共生と分散。共生というのは、このごろもう多くの人が共生と言っても大体違和感がないというか、大体そうだそうだと、こうなると思うんですが、本来、共生という言葉は生物学における言葉でございます。相手方を傷付けてもいいんです。滅ぼすようなことがなければ、それは多少傷付けるようなことがあったって、殺しちゃ駄目ですよ、それは構わない。それはもう生物学における言葉なんですね。
 ネットワークという言葉がありますね。これも哲学的に言えば同じような言葉でございまして、ネットワークというのは、やっぱりそういう傷付け合うという間柄ではネットワークは組めないんですよね。それで、相手の立場になって物を考えるということがないとネットワークは組めない。ただ、意見は一致せぬでもいいんです。意見は違っても構わないんですね。で、連携ということになると、一部でいいから、全部一致するということはあり得ないんだけど、一部でいいから意見は一致しないと連携というのはできませんよね。
 だから、そういうふうに、共生という言葉とネットワークという言葉と連携という言葉は、ちょっとニュアンスが違うんですけれども、私は哲学的に言えば同じような言葉であると。したがって、二十一世紀は、共生社会を目指そうと言ってもいいし、ネットワーク社会を目指そうと言ってもいいし、連携社会を目指そうと言っても、ちょっとニュアンスは違うんですよ、ニュアンスは違うんだけど同じようなことだと、そんなふうに実は思っておりまして、やはりこれからの地域づくり、特に過疎問題を考えていただくときにはそういう共生の思想でやってもらわないといかぬと、選択と集中じゃ困ると、これは絶対に思いますので、その辺を一つ申し上げておきたいと。
 幾つかちょっと重要な点、私が日ごろ思っていることを申し上げますので、その点について大臣の御所見をお伺いできればと思います。
 それで二点目は、これからの日本のリーディング産業というのはどうなるのか。
 先ほど、新産・工特の話を申し上げました。しかし、これからはどうなるのかなと、そこはどうもはっきりしていないんじゃないか。今度、国土形成計画全国計画を決められる中でそういうのがはっきりしてくるのか分かりませんけど、日本の産業のやはりリーディング産業というのは何かということをやっぱり真剣にひとつ議論をしていただかないといかぬのではないかと。
 先端産業、バイオだとかITだとか、いわゆる先端産業がこれからの日本の生きる道だということを言う人は多いですよね。そこまではいいんですよ。大体コンセンサスを得られると思いますよ。ちょっと違うんじゃないかという人は僕はいないと思うんですね。そうだそうだと。で、それだけかと。
 私、これはまた私の意見になって、大臣の所見をお伺いしたいわけですが、私は観光というのは、私に言わせますとちょっと概念が狭いと僕は思っております。
 例えば、オリンピックだとかワールドサッカーだとかそういうもの、スポーツも国際的な交流が始まりますね。そういうのはちょっと観光じゃないですよね。それから、世の中様々な国際会議があるし、草の根の国際交流というのもありますですよね。そういうのも観光かというと、ちょっと違いますよね。
 ですから私は、観光もその中の誠に重要な一部だと思いますけど、私はビジター産業と言っているんです、ビジター。諸外国から、諸外国からもういろんな人にやっぱり来ていただいて、それで、日本の歴史、伝統、自然もあります。日本の自然というのはこうなんだ、歴史、伝統、文化はこうなんだと、そういうのをやっぱり知っていただく私は必要があると。
 観光立国宣言、小泉前総理にやっていただいて、二〇一〇年ですか、一千万人目標ということでやっておりますけれども、私に言わせますと、一千万人なんというのはそんな、だって、出ていくのは一千七百万人ぐらい出ているわけでしょう。少なくともそれぐらいの人にはやっぱり来てもらわぬことには。フランスは七千万人ですよ。
 ですから、いや、向こうは陸続きだからとかなんとか、でも、このごろは飛行機で行ったら余りそういう地理的障害というのはないわけだから。日本だって、まあフランスの七千万人ほどの目標はちょっと余りにも遠過ぎるのでいかぬと思いますけど、一千万人なんというような目標はちょっと小さいんじゃないかと僕は思っておりまして、観光、観光産業、僕に言わせるとビジター産業でございますけど、これを何とか日本のリーディング産業に育てたいなという実は願望を持っておるんですね。
 そのほかにも幾つかございますけれども、大事な点だけ申し上げまして、今、一応二点申し上げたんですけど、大臣の所見をひとつお伺いできればと思います。
#13
○国務大臣(冬柴鐵三君) もう国土交通行政には大先輩であられる岩井委員からの、大変深甚な哲学を含む御質問といいますか、かねての持論と申しますか、御展開をいただきました。大変感銘深く伺いました。
 私も、明治期以来、日本は極端な中央集権型行政システムを取ってきました。これが武家社会から一挙に近代軍事国家にまで躍り出たという、一つの少数支配の鉄則といいますか、そういう哲学的な意味合いもありましょうけれども、そういう行政型システムで日本は急激に世界の列強に並ぶほどのところまで来たわけですが、これが失敗をして、敗戦ということで何もかもついえてしまいましたけれども、その後、新しい憲法の中で、明治憲法にはなかった地方分権という章を立てて戦後スタートしたわけですけれども、私の見るところでは、戦後は、ある意味では戦前を超えるような中央集権型の行政システムがこの日本を支配したと見ております。
 したがいまして、そのような言わば一見合理的な方法によって、あの灰じんの中から短期間の間に世界も驚くような経済発展を遂げたことは事実でありますけれども、今振り返って、じゃ、どうなったのかというふうに考えたときに、日本は極端な行政集中ということが、東京一極集中ということを招きました。
 したがいまして、政治はもちろんですけれども、政治も経済も金融も文化も、そしてまた若い人たちを中心とする人口まで、その狭い東京首都圏に全部過度に集中をしたというところは非常に大きな問題を国土政策においても投げ掛けてしまったというふうに認識をいたしております。
 これは、東京に集中するということは、それ以外の地方が過疎になるということを意味するわけでございまして、そこへ、少子高齢社会の到来に合わせて、地方は優れた長い歴史と伝統と文化、そのようなものに裏付けられた文化というものを持ち、そして優れた、すばらしい自然、景観、温泉もあります。そういうようなものを持ちながら、こういうものがうずもれてしまいかねないような状況を招いてしまったわけであります。
 したがいまして、ここに来て私は、憲法の上では書かれていた地方分権というようなものを本当にこの国の骨格に据えなければならないということで、私も衆議院へ地方分権推進に関する法律案というものを平成六年に提案をいたしまして、政府案とともに審議をしていただき、平成七年には地方分権推進法が成立したという経過がございます。
 私は、これは、この方向は非常に正しかったと思いますし、また、国土政策もこれに合わせるべきだというふうに思っておりましたが、平成十七年に、今までの全国の総合開発法に代えて、その思想に代えて国土形成計画法というものが作られたということは、非常に私は時宜を得た、またそうあるべしという考えでございます。
 ここで、先ほど局長からも答弁をいたしましたけれども、国土形成計画は、その地域が持つ固有の歴史や伝統や文化や自然やそこに住む人の物の考え方、そういうものも生かしながら、その地域が地域として自主的、自立的に発達をしていくと、発展をしていくということを目指さなければならないし、そのときに何をリーディング産業にするか、これは観光立国だろうと、先生のお説のとおりだろうと思います。
 いろいろな法律の中に、法律というよりも普通の言葉の中に立国という言葉は、貿易立国、文化立国等々ございましたけれども、観光立国という言葉が法案の中に、法律の中に出てきたのはこれが初めてでございまして、国の基本とするという意味では、現時点で観光立国基本法が本当に議員立法で成立をしたということは、それは非常に敬意を表さなければならないし、すばらしいことだと思います。
 この観光は、やはりそこに住んでいる人に自信と誇りを持たせるとともに、訪れる人に対しても、心に響くといいますか体で感じるそこの良さというものを味わっていただくためには、そこの地域が持つ歴史や伝統や自然あるいは景観というものを尊重した、そしてまた、そこに特有の産物と申しますか、そういうものが地場産業として広く人々の心を打つようなものでなければならないと私は思います。
 そういうものが小さなエリアを超えて広域的に、あるいはアジアと直接結び付いて交流が進められるということが非常に大事だ。草の根の交流も必要だし、あるいは姉妹都市も必要だし、そういう形で、それを超えてまた観光がそれを求めて発達をするということも必要でありまして、私はこれからの地域づくりというものの一つの大きな核は、正に岩井議員おっしゃるように、観光、あるいはそれは狭いとおっしゃいましたけれども、広い意味でそういうものが中心になっていくべきだろう。私は全く同感でありますし、そのような御意見に対して敬意を表したいというふうに思います。
#14
○岩井國臣君 大変大臣の、何といいますか、いいお考え、全く同感なんでございますけど、お考えを聞くことができまして大変うれしく思います。
 そこで、観光について関連してジオパークということをちょっと申し上げて、まだまだこれからの段階でございますけど、ちょっと国土交通省の見解を聞いておきたいと、こう思うんです。
 世界遺産というのがあります。ユネスコ認定の世界遺産、これは文化遺産と自然遺産と両方あるんですけど、これはどちらかといえば保全型なんですよね。だから、むしろ規制をやるという面が強い、規制の面が強いと思うんです。それも必要なんですけど、やはり私は地域の資源というものをもっと活用すると、利用するということが必要ではないか。やはりユネスコの認定で、世界遺産ほど有名ではございませんけれども、ジオパークというのがあるんです。
 ジオというのは地質学だとか地理学だとか、それから地球だとか、そういう意味でございまして、ユネスコのジオパーク認定の基準の中に生態系のことも書かれております。それから、歴史、伝統、文化ということも書かれております。そういうことで、ジオという概念が大変広い、だから地球的な意味合いで考えるというふうに、大地だとか地球だとか、そういうふうに考えていただいた方がいいと思うんですけど、そういうユネスコ認定の、世界遺産ほど有名ではございませんけれども、ジオパークというのがありまして、世界で五十数か所、今認定を受けております。アメリカの場合には別途自分のところの法律でやっておりますのでアメリカはゼロなんでございますけど、中国が一番多いのかな。日本はゼロです。
 それで、やはりこれからはそういう保全型だけではなくて、観光資源としても大いに活用できるし、それからいろんな生涯学習あるいは教育、そういった面にも活用できるので、そういう地質だとか地理だとか生態系だとか、歴史、伝統、文化だとか、要するにその土地の資源、持っている資源ですね、それを有効に活用すべきではないかというふうな意見がいろいろ出てきているんです。
 それで、私も、これからは日本において、ユネスコの認定もさることながら、私は市町村レベルのジオパーク、都道府県レベルのジオパーク、そしてナショナルレベルのジオパークがあって、その中から幾つか優秀なやつをユネスコに申請するという、そういうことを考えていけばいいんではないか、場合によれば法律が要るのかなと思ったりしております。
 それで、今回のこの法案との関係を意識しながら、ジオパークについて国土交通省はどのような印象を持たれるのか、お聞きしたいと思います。
 今まで国土庁の時代、ほとんど業務は国土交通省へ来ているんですけど、国土庁の時代に事業調整費というのがありましたよね、事業調整費。それから調査調整費というのがありましたね。それで、国土庁がやっぱり仕切ってというか各省に予算を配分しておったということで、このジオパークも各省にまたがるんです。ですけど、私は、観光政策であるし、また国土政策になり得るのではないかと思う。事業そのものはいろんな関係省庁がやればいいんですけど、それは通産省も絡むでしょう、農林水産省も絡んでくる、それから文科省も絡むと、いろんなところが絡みます。
 ですけど、やはり何かそういう地域の資源を活用するということになりますと、国土交通省所管のいろんな事業、公園がありますね、道路を造らにゃいけませんね、水が要りますねとか、国土交通省所管の事業が多いと思うし、それから、それはちょっと横へ置いても、調査調整費あるいは事業調整費的な感覚からいくと、それを国土政策の中でちゃんとやっていくと、推進していくと、促進していくということになれば、これは国土交通省以外に私はないのではないかなと。内閣府というのはあるかも分かりませんけど、何でもかんでも内閣府がやるというのはちょっといかがなものか思いますから、私は、いろんなもう大事な事業、基盤整備になるような事業を一番多くやるようなところが所管すると。
 ですから、イメージからすると国土庁に代わる役所に今なっているわけですから、国土交通省がこういうものについての旗を振っていただくといいのではないかなと思ったりしているんでございますが、ちょっと感想を申し述べてください。
#15
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 委員からジオパークの資料もいただきまして勉強させていただきまして、またジオパークの公式ホームページというのがございまして、そちらをのぞいてみますと、ジオパークというのは、委員から御説明もありましたけれども、地質学的に重要な地層、地形や重要な生態系、景観などを含む一種の自然公園でありまして、これによる地質遺産の保護や研究活動だけでなくて、ジオツーリズムの役割によって自然と人間とのかかわりを理解する場所であるというようなことのようでございまして、ジオパーク構想によりまして、地質の遺産や地質学的な多様性を守ることや、ジオパークをその地域にしかない地域資源ととらえて地域の活性化を図っていくというようなことは、今回提案さしていただいております法案の趣旨と非常に似たところがあるんじゃないかなというように思っております。
 また、我が国におきましては、そのような効果を期待して学会などが構想の推進を図っておられるとともに、例えば、これも資料によりますと、長崎の雲仙とか、あるいは四国のカルストとか、あるいは山陰海岸、北海道の有珠山や白滝など、こういった幾つかの地域でジオパーク構想に関心を示しておられるというように承知しております。
 このジオパークというのを内容的に考えますと、関係省庁もかなり多数、文部科学省あるいは経済産業省、農林水産省、環境省、外務省、当然国土交通省というのも入ってくるわけでありますけれども、大変多数の関係するところではございますけれども、地域等に行われておりますこういったジオパークの取組につきまして、今後関心を持って見ていきたいと、見守っていきたいというように考えております。
 国土計画局で事業調整費等の予算があるという御指摘がございましたけれども、具体的なお話があれば、またよく勉強していきたいというように考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
#16
○岩井國臣君 ジオパークにつきましては、委員の先生方のお手元に資料を配らさしていただきました。国会でジオパークのことを言い出したのは今日これが初めてでございますので、何たるやということを御理解いただきたいし、各先生方のまた御指導もいろいろといただきたいと思いまして配付さしていただいた次第でございます。またいろいろと御指導を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 質問終わります。ありがとうございました。
#17
○加藤敏幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。
 テーマの質問に入る前に、エキスポランドのジェットコースター死亡事故について、これは通告をしておりませんでしたので、答弁をいただくということではなくて、少し要望をさせていただきたいと、このように思います。
 去る五月五日に発生したエキスポランドのジェットコースター事故は国民に大きな衝撃を与えましたが、特に遊園地の安全管理のずさんさに日々報道に接するたびにやっぱり怒りを新たにする、そういうふうな今日ではないかと思いますし、また亡くなられた方の大変残念な思いと、御家族、御遺族の気持ちも察しまして、またけがをされた方々を含めまして、一日も早い御回復をお祈りを申し上げたいと。
 一昨年の国会では、子供、食べ物、建物、乗り物の安全というようなことで、これ私どもが勝手に言ったということではなくて、全体的にそういうものの安全を議論をしておったと。私はそのときに、乗り物の安全という範囲の中で、まあまさかジェットコースターまでという思いを至らなかったということで、もう少し我々の視野も広げればと、こういう思いもあるわけでございますけれども、しかし所管官庁である国土交通省におかれましても、遊戯施設の事故対策については既に都道府県に緊急点検や定期検査の適正実施を指導するよう要請を出されていると、このように伺っております。
 こういったレールを走る遊戯施設のみならず、公園などに設置されている遊具や学校内設置の遊具についても、政府内におかれまして各省庁と連携されて、やはり子供の安全、乗り物の安全、遊具の安全、そういうふうなことで事故防止策を徹底していただきたいと、このことをまず大臣に御要望をさせていただきまして、この後質問に入りたいというふうに思います。
 さて、今回の法案に基づき実施されようとしております地域活性化のための施策は、自治体に対する国の支援策においてその目的と政策手段が非常に明快になっていること、加えて自治体の自主的な計画作りが重視され、地方分権の推進、あるいは将来的には道州制的なものまでが展望されていると、そういう点で私は一定の評価があり得ると、このように思っております。
 一方で、地域の活性化なり国土形成というものは短時間で政策効果を期待できるものではありません。終わってみれば無駄であったと、こういうことでは済まされない内容ではないかと。それだけに、逐次、費用対効果で見た政策評価が厳しく行われる必要があると、このように考えます。
 今回、国としても、都道府県から喜ばれる施策を作られたわけでありますが、新制度が本当にうまく機能し大きな成果を上げてほしいと、こういう素直な気持ちを持ちながら、以下、幾つかの質問を行いたいというふうに思います。
 まず、広域の概念と支援対象ということであります。
 広域的というタイトルをまくら言葉的に付けておるわけでありますけれども、何でもかんでも広域的とこう付ければ何か話が進むということではないというふうに思います。ここで広域という概念を使われておりますけれども、私たち過去、広域という言葉は広域行政という言葉に代表されるような、そういう使い方が多かったと思うんですね。ごみ処理や環境対策など自治体の境界線をまたいで対応した方が行政の効率が上がるとか、そういうふうな難しい課題についての取組方、あるいはこれは行政組織論的な議論としてとらえる傾向があったと、このように思っております。
 しかし、今回の法案では、第一条の目的にあるように、「広域にわたる活発な人の往来又は物資の流通を通じた地域の活性化」というように、政策の対象としての広域性、動態的機能を有した政策対象としての広域という言葉を使われているということだと思います。つまり、自治体間の連携で勝負するのではなく、人や物といった動く対象で勝負するんだと、そういうふうな気持ち、ニュアンスを出されようとしているんではないかと、こういうことなのかと私としては理解をしておりますけれども、まずこの広域の概念について説明をいただきたいというふうに思います。
#18
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 委員御指摘の正にそのとおりでございまして、本法案では、いわゆる広域行政といったときの広域の言葉とは違いまして、広域から地域へ人を呼び込んでくる、あるいはその地域が広域にわたって物を送り出す、こういったような広域にわたる人、物の交流を活発にする活動を政策対象にしておるところでございます。
 このような性格から、ここで言う広域の広がりのイメージといたしましては、都道府県の区域を越えて国土形成計画の検討におきます、例えば東北地方とかあるいは九州地方等のこういった広域ブロック、さらには全国、国外にも及ぶ広い概念としてとらえております。
 本法案におきましては、地域活性化に向けた取組といたしまして、例えば国際会議や高等教育機関の誘致とか、あるいは観光事業等、こういったものを例示として示しておりますけれども、このほかにも地域の特色ある資源を生かして人や物の交流を活発にする活動を核とした地域の知恵と工夫による地域発意の取組を広く受け止められるようにしておりまして、地域活性化にはこれらの諸活動の拠点となる関連施設が、既存施設も含めまして、ソフト面も併せて付加価値を高め、交流拠点として有効に活用されることが重要であるというように思っております。
 こういったことから、本法案におきまして、地域ごとの特色ある資源を生かした地域発意の計画に基づいて広域的な経済活動等を支える基盤施設を都道府県がその自主性と裁量の下で推進するのに対しまして、国がハード、ソフト一体となって支援する、こういった制度を創設することとしたものでございます。
#19
○加藤敏幸君 そういう御答弁をいただいて、率直に言って、それがどうしたのという言葉は失礼に当たりますけれども、じゃ一体何なんだということが、例えば広域的ということと今の御説明が、今言われたことは全くそういうことであって、殊更広域的という概念をばしっと張り付けなくたってよろしいんじゃないんですかという意味において、例えば先ほども言われましたように、第二条において、広域的特定活動として、一に国際会議、国際見本市、スポーツ大会など海外との交流、あるいは観光事業、高等教育機関、製造業、研究開発部門の誘致など例示されていますけれども、もうこれはよく見たら従来からこういう書き方しておるんじゃないですかと。だから、そのときに広域という見方をせっかく入れたんだから、そこから出てくるこの付加価値的な肝というべきか触りというべきか、そういうふうなものをやっぱり出さないと、単にお役人的に言葉で飾ったなという批判を受けるんじゃないですかということで、何かありましたら。
#20
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 実は、この広域的ということを打ち出した背景は、そもそも現在の国土形成計画の中で、これからの時代ということを考えたときに、東アジアの発展、あるいは国内におきます非常に広域的な課題、例えば観光にしましても一県だけではなくて広い地域で取り組むような必要が出てきていると。あるいはいろいろな、例えば中山間地の問題といったものもより広い意味で対応していく必要があると。そういった中で、広域的な取組ということが非常に重要になってきているということで、今度の計画の中では広域のブロックがそれぞれの地域の特色を生かしてその地域の発展戦略、あるいは課題も解決していく必要があるということで、現在計画の策定作業をしておるわけでございますけれども、この法案は、その策定の作業にも資するということを一つ大きな課題としてございます。
 広域の概念ということでございますけれども、ここでは正に、地域に人が入ってくる、あるいは物を外に出していくという中で、こういった活動というのは地域の小さいところで活動しているものと比べますと非常に効果が大きいというところが基本的な発想としてございまして、そういった活動をそれぞれの地域が持っている特色あるいは特性、それぞれの人材、そういったものを生かしながらやっていただく。そのための対策としましては、もちろん国際会議もございましょうし、あるいは企業の誘致もございますけれども、そこはいろいろ地域が資源ございますので、それを大いに工夫していただく。ただし、地域の中で、ちまちまとというのもちょっと言葉は悪いんですけれども、小さく中でやるんじゃなくてできるだけ外に打ち出していくという意味で広域ということをあえて使わせていただいたと、こういう趣旨でございます。
#21
○加藤敏幸君 せっかくいろいろ御答弁をいただきましたので更に質問をさせていただきたいんですけれども、じゃ広域広域というときに、そのことをしっかりと受け止め主体的に動いていくという主体者というのは、広域という人がいるわけじゃないんですよね、それはやっぱり行政論的に言えば都道府県ということでとらえていいんですか。
#22
○政府参考人(渡邊東君) 先ほど申し上げましたように、今後の国土形成計画の中で、特にブロック計画を作っていくに当たりましては、やはりブロックというところが一つの計画の主体ということになっていくと考えております。現在、広域地方計画協議会、正式発足してございません、プレ協議会というところでやっておりますが、その中では各地域の都道府県、政令市それから地域の経済界、こういったところが入っていただいて、正にその地域を担っておられる方が主体的に計画を作っていくということでございます。
 これに資するための計画ということでございます今度の制度ということでありますから、まあ気持ちとしましては、都道府県を越えるということでございますが、現行の仕組みでいきますと、やはり交付金の対象となります一番大きな行政対象ということになりまして都道府県ということでございますけれども、各都道府県が個別にいろいろな取組をされるというよりも、できるだけ各隣県と連携してこの制度を活用していただきたいというのが私どもの気持ちでございます。
#23
○加藤敏幸君 じゃ要するに、主体としては都道府県であると、これはもう間違いないけれども、そのときに自分の県のことばかり考えずに、周りのことだとか似たようなところだとか志を同じにするようなところとはしっかり連携をして、言われた連携、コミュニケートを取ってやれという意味での広域的という表題だということでよろしいんですか。じゃ、そういうふうに言っていただければよかったんですが。
#24
○政府参考人(渡邊東君) 正に委員御指摘のとおりでございます。
#25
○加藤敏幸君 ありがとうございました。
 そこは少しすっきりした形で、次の質問に移りたいと思います。
 今回、関連基盤施設整備事業の実施というハード面と一体となって実施される地域づくりに対するソフト事業も支援されようとしております。実は、このソフト面こそが一番大事であると私は考えております。立派な国際会議場やコンサートホールや美術館を造り、駅や空港からの道路を整備しても、そこでの催物が貧弱であれば結局人も集まらず一過性で終わると、こういうことであります。国としても、ソフトに関して様々なノウハウを提供するとか、例えばデザイナーや地域交流リーダーを育成するというような地道な活動を積み重ねていくことが重要であると、こう考えるわけであります。
 後ほど議論をいたしたいと思います観光についても、先ほど岩井委員の方からも非常に傾聴に値する御指摘もいただいたと思います。歴史的史跡や風光明媚な景観がないところは、やはり道路や宿泊所などのインフラ整備とともに人の心をとらえていく様々なソフトを重層的に積み上げていくことが大きな観光としてのポイントになってくると、こういうふうなことでございますので、ソフト面の支援についての国土交通省としての施策等ありましたら、お話をいただきたいと思います。
#26
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 ソフト面の重要性というのは、正に委員御指摘のとおりだと私どもも認識してございます。このため、大きく分けて二つのことを進めようということを考えております。
 一つは、この制度の中でソフト事業への支援ということを織り込んでございます。ソフト事業につきましては、いわゆる提案事業といたしまして、地域活性化に資する基盤整備事業と一体となってその効果を一層高めるために必要な事務又は事業を支援の対象としております。
 ソフト事業を含む提案事業の内容につきましては、都道府県の自由な発意を生かすことを基本としているために事前に国による具体的な制約ということは設けてございません。大いにいろいろと発想していただきたいということでございますけれども、例えばという例でいきますと、イベントや人材育成のための研修会、アドバイザー派遣等の諸活動及び社会実験等が考えられますけれども、それぞれの地域で大いに工夫をしていただきたいということでございます。
 第二点でございますけれども、政府全体といたしましても、官民の専門家が出張し、行政職員のほかNPO等地域の担い手からの相談に乗る地域活性化応援隊派遣制度、また地域活性化に係る施策や取組事例などの情報提供、こういったことを実施することによって、委員御指摘のようなノウハウの提供などのソフト面での支援を行うこととしておりまして、真に支援の必要な地方において本制度が活用できるよう、関係省庁とも連携を取っていきたいというように考えております。
#27
○加藤敏幸君 ありがとうございました。
 サービスとソフトはただと、これは日本の伝統だったと、こう言われますけれども、これをやっておったのではやっぱりソフト事業というのは発展しないんですよ。私は電機産業の出身ですからいつも思うんですけれども、ただだからこそ人も集まらないし、やっぱりマイクロソフトに負けてしまうんです。私は、これからはソフトにお金を払う、しっかりと払っていくことが大事だという意味で、やっぱり一歩踏み込まれたということについて冒頭評価を申し上げたいということでございますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 さて、一極集中、地域間格差の解消という視点から少し御質問申し上げます。
 先ほども私は共生ということを岩井委員の方から言われまして、その選択と集中という国土計画ということが一体何なんでしょうかという視点から、やっぱり六十余州共生をするということ、それをどう追求していくかということに我々は果敢に挑戦しなければならない、このようにも思うわけであります。
 そこで、しかし現実は首都圏への一極集中の流れが止まらない、地方においても、これはまた県庁所在地などの中核都市への人口、経済、サービスの集中が進んで、日本列島における東京現象が愛媛県においても起こって松山に集中して、新産業都市と言われた我がふるさとだって人口は減ることがあっても増えることはないと、南予の方はもっとひどいことになっていると。こういうふうな状況の中で、やはり私は、この一極集中をいかに解消し、地域間格差の解消、地域の活性化を図っていくべきだと、こう思うわけであります。
 そこで、橋本内閣のときに制定されました第五次全国総合開発計画で掲げられました多軸型の国土構造形成の基礎づくりは、この十年間、私は率直に言ってなかなか成果が上がらなかったんではないかと。それは、まあできない理屈はそれなりにあったと思うんです。強烈なデフレの中で、あるいは新たに少子高齢化が進んでいったとか、非常に難しい状況、環境がつくられていったことで、そうそう計画どおりにはいかなかったと。
 そこで、現在策定中の国土形成計画に関する、昨年十一月、中間取りまとめが行われまして、それを読んでみますと、地域の自立を促進する新たな地域発展モデルとかアジアとの関係における自立的で特徴の異なる複数の広域ブロックと、こういうふうな表現が、私の言葉で言えば宙をさまよっておるような私は感じに受け止められるわけであります。いろいろ言っておられますけれども、やはり首都圏や地方中核都市の主導による活性化、特に都市再開発などに機関車としての牽引役を担ってもらいたいと。そのことによって全体の底上げを図るんだと、そういうような施策も私はあるんじゃないかと、こういうふうに見れるわけであります。
 確かに、戦後の我が国の経済復興を担った傾斜生産方式とか、中国においては沿岸地域を先行発展させるというトウ小平の南巡講話に基づく施策は、私は、一面では成功したけれども、しかし、長期的な成果を挙げると、先ほど言った、津々浦々とは言いませんけれども、国土の地域の活性化と、そういう視点からいくとやっぱり問題も残しているということであり、かつ、ある部分犠牲を生じさせながら一極だとか中核都市の発展に寄与すると、私は結果的にそういうふうな面も見えるんじゃないかと。
 そういうようなことの中で、テーマとされている地域活性化という大変な大きなテーマにこれから立ち向かうわけでありますけれども、なかなかいろいろな難しい環境変化の中で厳しい状況であると思いますけれども、国土交通省として、新計画の基本政策が本当に多軸型国土形成につながっていくのかどうか、先ほど共生と言われた、そういうことにこたえられるような計画となるのか、それを前回の計画との整合性、連続性などについても含めて私は是非大臣のお考えを伺いたいと、このように思います。
#28
○国務大臣(冬柴鐵三君) 今お説のように、第五次全国総合開発計画の中で示されました多軸型国土構造というようなものと今回の国土形成計画の中の広域地方というブロック、いわゆるブロックですね、との関係について私の考えを申させていただきますと、多軸型というのは、縦断方向というか、方向に長くつながる筒状の圏域というふうに理解ができると思います。そこで示されましたのは北東国土軸、それからまた日本海国土軸、それから西日本国土軸、それから太平洋新国土軸ですか、そういうようなものを目指されたわけでありますが、今回の広域というのは、北海道と沖縄を除きますが、それを八つのゾーンといいますか、広域地方として、そしてそれぞれに地方の自主的、自立的な意思によって、そこの持つ歴史、伝統、文化、自然、そういう、あるいは特殊な食材もありますし、調理方法もありますが、そういうものを生かしてその地域に住む人たちがこのゾーンをどう生かしていくかという思想であると思います。
 例えば、私どもの住んでいます近畿地方ブロック、これは二府四県ございますけれども、ここの人口はオランダ一国を超える人口を抱えております。それで、GDPにおきましては今驚異的な発展を遂げている隣の韓国をしのいでいるわけでございます、現時点では。もう一国をしのぐようなそういう圏域が日本の中にはたくさんあるわけです。
 それから、例えば東北地方に新潟県を足したこのようなブロックは今、過去十年間、いろいろな貿易の荷物の港湾における取引は、ずっと日本海側の港がたくさんありますけれども、日本全国の平均の三倍に伸びているんですね、三倍。そういうことは、その東北地方プラス新潟というのは、昔の北前船ですかね、がずっと寄港していた、そのような地域だと思いますけれども、独自の海運、外国との海運で栄えているわけですね。そういうことを、これは日本海軸と考えてもいいのかも分かりませんけれども、東北地方全体としてとらえることもできるわけでございまして。
 そういうことを考えたときに、これを一律に、国土総合開発計画ということで一元的に国がとらえるんではなしに、多層的に全国、それから地方ブロックということで、それぞれにその地方が協議して、ここはこのようにやっていこうというようなことによってその圏域はより特色を、それぞれの固有の特色を持った発展をしていくことができると。そこには、その核になるのはその地域が持つ固有の歴史であり、伝統であり、そして自然の景観であり、文化であり、そこに住む人々のかたぎ、物の考え方であり、そういうものが中心になったものができてくるだろうというふうに思うわけです。それは必ず若い人たちを魅力あるものとしてその地域に自信と誇りを持っていただけるようなものをつくっていくんではないかというふうに思います。
 そのような意味で、軸と域の関係は、私は、日本の国を、近畿地方を、ここで言えば、何というんですかね、西日本軸の一つにとらえてもらうんではなしに近畿は近畿、近畿は一つというような、近畿は一つずつではなしに近畿は一つというようにとらえて、そこはそこなりの発展をしていくということになれば非常に大きいのではないかと、私はそのような考えでおりますが、相通ずるところがあるわけです。先ほど言いました東北ブロックは日本海軸あるいは東北軸と相通ずるところがあると思います。相通ずるところがあると思いますけれども、そこはそこなりの考えでやっていただきたい。
 私は、もう一つ、長くなりましたが、県単位で考えますと、県域のところには自動車道がなかなかできないんです。例えば、日本海軸、東北高速自動車道を見ていただければ分かりますけれども、県域をまたがった両脇は全く計画もできてないという形になりますんで、これを一つのブロックにとらえれば全部がつながる、私はそのように思いますので、そういう形で頑張っていきたいというふうに思っておるところでございます。
#29
○加藤敏幸君 お話の中で出てきている要素を非常に私も共感できるところもあるわけです。
 これはこれからの議論もたくさんありますから、この場でこの計画のことばかり言ってもしようがないんですけれども、例えば、沖縄から九州、中南九州、それから四国の高知県のあっちの辺り、紀伊半島、三重という、こういう太平洋軸とこう言われているんですけれども、もう早い話が黒潮が流れておるだけやないかと。それよりも、歴史的にいくと、じゃ瀬戸内海というものをどう考えるのかと。これは愛媛県と広島というのは非常に人流、人の交流もありますし。
 つまり、北前船と言われましたけれども、内航海運の、いわゆる物流の中では瀬戸内海が持つ大きな歴史的な意義があった中で、非常に物も人も交流していたという歴史の中で、じゃそれはどう考えるのと。別に太平洋軸をつくったからほかの軸はつくらないというそういう考え方じゃなくて、物の見方によればこういう軸が言えるんじゃないんですか、文化的に言えばこういう軸もありますね、産業的には、例えばシリコンバレーとこう言われていますけれども、そういう半導体事業での視点で精密だとか金属だとかという見方で見るとこういうゾーンも考えられますねと、それらを結び付けるような効率的な道路網だとか鉄道網が整備されるならばそれらの企業活動がもう一段発展する可能性をやっぱり探れるんではないかというような形で、フレキシビリティーを持った軸の、つまりチューブの見方を、大臣が言われたようなことをやっていきましょうと。
 と同時に、経済圏なり、そういうブロックと、近畿だとか阪神間だとか、それはそれとしてまた残って、当然これ、消そうと思ったって消せないわけですから、という見方で国土の発展を計画を持っていくと。それの主体者は、あくまでもそこに住んでいる人たちの意思に、そして責任に基づいて頑張っていただくというような感じの計画ですかということですけれども、もっとこう。
#30
○国務大臣(冬柴鐵三君) もうそのとおりでございます。
#31
○加藤敏幸君 それでは、次の質問に。
 この法律の中で民間事業者への出資金という項目がございましたので、少しちょっと確認をさしていただきたいと思います。
 今回、民間事業者による拠点施設整備事業について、民間事業者に対して、民間都市開発推進機構を通じた出資等の支援措置が行われ、既に機構への基金へ十億円拠出することが決まっているというふうに伺っております。
 そこで確認したいのですが、この出資金の性格、それからどのような民間事業所が対象になるのか、また事業所が倒産した際や売却された際の出資金の取扱い、そして、この出資金は税金が原資になっているということだと思いますけれども、事業が失敗した場合にだれがどのような責任を取るのか、この点について御説明いただきたいと思います。
#32
○政府参考人(中島正弘君) お答えをいたします。
 まず、対象は、県が計画を作りまして、その計画の中で拠点施設というのを決めますが、その拠点施設を整備する民間事業者、この方に対して支援を行うということでございまして、その支援の方法として、出資、融資、お金を貸すんではなくてその資本金を出すという方法、まあこの部分が一番資金が集まりにくいのではないかと、それでリスクを積極的に国が支援する機関が取ることによって全体としてのプロジェクトの資金を集めやすくすると、そういう趣旨でございますが、そういう出資の資金を出すということでございます。
 したがいまして、仮にその事業が売却された場合は、全体としてプロジェクトファイナンスの仕立てにしてありますので、売ればそこで終わりでございますので、出資金に応じた資金をその時点で回収するということになります。
 さらに、お尋ねのございました、仮に不幸にして倒産した場合でございますけど、これは、法的にはもちろん、倒産、適用した法律に従って整理がされて出資なら出資でそのリスクをかぶると。で、民都機構としてはその法の範囲内で最大限一生懸命回収するということであると思いますが、お尋ねの、もう少し踏み込んだ責任という意味で申し上げれば、結果的にデフォルトする以前に、事業の立ち上げ、ないしはその立ち上げ後の運営の期間にそういったデフォルトリスクをいかに最小にするかというところを工夫していく。
 元々、リスクを取って支援するのが目的でございますので、余り堅く堅くやると、大都会の一番収益のいいやつばっかりになって、そういうことではやっぱりいかぬと思うんですが、地方のリスクを取りつつも、やはり倒産リスクを最小にする努力をふだんのうちからしておくと、そういうことが肝要だと思っております。
#33
○加藤敏幸君 最後に、リスクを取ることがと、こう言われたんで、私はここは少し議論をしておくべきだと思うんです。決してそれを否定したりリスクを取っちゃいかぬと、そういう視点からではないんで、ここの出資金の在り方はやはりリスクを含んでいるからこそ意義があると。全然リスクのないところに出資するということでは、やっぱりちょっと違うと思うんです。民間が逃げるかも分かんないけれども、ここはひとつ出資をして、ここの機構が出資をすることによって呼び水となって、結果として大きな事業をつくっていくというねらいだと。これは質問取りに来られたときにそういうふうに言っておられましたんで、もう間違いないというふうに思いますね。そのとおりだと。
 そこで、そうした場合に、税金を原資にしたお金がうまくいかずに失敗しましたということを、やっぱりそれはリスクなんだからしょうがねえんだとか、あるいはこの金は場合によってはうまくいかないときにはまあいいんだよとか、そういうようなことであれば、逆にモラルハザード的な余地がやっぱり残ってくるんだと。
 そういうようなことで、私はこれ、ODAでいえば、無償供与ではなくて、どちらかというと円借款という形でお金を貸しましたと。今どんどん返ってきているんですよね、ODAの円借款は。それはいいことなんですよ。成功しているし、しっかり借金を返すというだけ援助国が伸びたということです。
 だから、そういうような意味では、やはり成功するということは、利益が上がれば配当も得られるし、場合によっては、出資金が返還されるということによってもう一回国庫に返っていくと。そういうふうな側面もよく考えた上で、株式会社が出資するといったら回収責任を持つということですから、これはただじゃ帰れないと。しっかり配当金をたくさんもらうのが第一の成功であって、うまくいかなくっても元本は取り返すと。これはもう民間企業としての鉄則です。
 そういうような意味でいけば、私は、責任とは何なんだと、こう言われたら、それはやはりしっかりとその事業を点検をし、その成功に向けて最大限の支援をすると同時に、やっぱりそのマネジメントをやっていくと。そのことについて民都機構にはそれなりのノウハウの蓄積があるというふうに思いますけれども、当初の事業の認定を厳しくするとともに、日常的な経営チェックということもちゃんとやるべきではないかと。
 こういうふうに質問いたしますと、やりますということになりますけれども、言葉だけじゃなくて、やるためには人が要る、能力が要る、そういうふうなことを含めて御答弁をいただきたいというふうに思います。
#34
○政府参考人(中島正弘君) 御指摘のとおりで、大変大事なポイントだと思います。
 幸い、先般御審議いただきました都市再生特別措置法でも同じようなスキームがございまして、もちろん、法律の目的とするところは違うんでございますが、民都機構が出資をするという意味では同じでございまして、民都機構も若干の先行したノウハウございますので、それを生かして、事業が成功して、成功すれば出資の果実も得られ、回収も可能になるわけでございますので、そういった目で見ていくことが大事だと思います。
 プロジェクトファイナンスの仕立てにしてございますので、もちろん出すときにも物件の調査、周辺の環境の調査、権利関係の調査をするとともに、事業スキームをしっかり見ると。それで、今運用としては、おおむね、配当が得られることを当然の前提としまして、少なくとも十年以内には、どんなに困難なプロジェクトであっても十年後ぐらいには一応配当していただけるという資金計画をいただいて、かつ事業立ち上げ後は毎年定期的にモニタリングといいますか財務書類をいただきまして、進行状況をチェックしていくという体制で臨んでおります。
 このような慎重な審査を通じまして、デフォルトリスクを回避するとともに、事業がうまくいきますように十分な支援をしていけるようにしたいと思っております。
#35
○加藤敏幸君 また、そのことについてはよろしくお願いしたいというふうに思います。
 次に、現状の地域活性化施策との違いについて少し質問をさしていただきます。
 広域的特定活動の例示、それから法案第二条第二項で例示されております拠点施設、そして第三項で例示されております拠点施設関連基盤整備事業の三つを並べてみますと、大体どのような事業に国が補助金を出したり、民間事業に出資して地域の活性化を促すのかという中身が見えてくると思います。
 残念ながら、公共施設とかあるいは道路、港湾、空港といった従来のインフラ整備のための公共事業が中心になるようにしか見えないと、こういう批判もあるというふうに思います。これじゃ、いわゆる箱物、乗り物が中心になりそうだねと、こういうことではないかと。特にインフラ整備については、道路、港湾、空港の整備では、国としても特別会計において特定財源を使った補助金が投入されております。
 今回の施策は、都道府県の裁量を拡大し、また民間事業者を活用するという方法を使った補助金行政の、まあある意味では使いやすいバリエーションということではないかと、そんな気もするわけであります。公共事業の量を減らしたくない都道府県や、何とか公共事業の仕事を取りたい民間業者からすれば、これは大変にいい交付金、出資金であると、そういった見方もされないためにも、そういう批判を受けないためにも、この新制度の法の目的に沿った運用が大事であると、こういうふうに考えます。そのことを担保する方策、考えがあれば御説明いただきたいと思います。
#36
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 本制度の趣旨というか一番ポイントでございますけれども、これは、地域の活性化に資する民間活動に合わせて必要な社会基盤整備をタイミングよく効率的に実施するために都道府県が事業を行う、それを、その必要な基盤整備と、また大変重要だと委員御指摘のありましたソフト事業、こういったものを併せまして一体的な推進を支援する制度として創設するものでございます。
 このような制度の趣旨にかんがみまして、国といたしましては、もう手取り足取り、地域のされることについてこうやってくださいというようなことでやるんじゃなくて、民間と連携した地域発意の地域活性化戦略につきまして必要な基盤整備を民間活動等の時宜をとらえまして、それにぴったりタイミングをよく合わせて効果的、効率的に成果が出るようにということで重点的に支援していきたいということでございます。
 既存の補助金と比べますと、都道府県の自由な発意によるソフト事業を含めて複数の事業に一括して交付していることとか、また年度途中での事業間の国費の融通に係る変更手続が不要である、こういった違いがありまして、都道府県の自主性とか裁量性を高めた、ここは非常に使い勝手のいい仕組みにしているわけでございますけれども、それだけではなくて、正に委員御指摘のとおり、これは法制度の運用というところが非常に重要だというように考えております。
 したがいまして、地域の発意を最大限に尊重して、必要な情報提供など国がやることはしっかりやりながら、地方の主体的な対応というのをしっかりと支援していきたいというふうに考えております。
#37
○加藤敏幸君 国が手取り足取り裏で指導して、まあ言うたらテストの模範解答を書いてこれを出しなさいというような方式ではないと。あくまでも民間の事業に軸足を置いた、その主体性に基づく計画でやっていくんだということでございますので、それはそれで本当にしっかりやっていただきたいということだと思います。
 さて次に、観光事業と地域の活性化について御質問をいたします。
 この法律の全体のスキームを眺めさしていただきまして、いろいろ考えられますけれども、その一つのポイントはやはり観光ということがあり得るんではないかと。これは岩井委員がくしくも御指摘されたことと同じように、やっぱりこの観光をどうとらえていくのかということは、この法律のある種成功を私は担っているんじゃないかなという視点で少し質問をいたしたいと思います。
 一つの考え方は、既存の観光地をより洗練化する、あるいはアクセスなどを整備することも大事だけれども、多自然居住地域という比較的人口密度の低い地域で観光事業を成り立たせていくことが私は目標になってくるんだと。つまり、地域の活性化ですから、今更東京に観光政策でばんばん人を呼ぶということが主眼じゃなくて、やっぱり少し人が近づかなくなったそういう地域を、例えば観光をどう考えていくのかと、こういうふうな視点だというふうに思います。これが成功すれば多くの自治体に夢を与えることになると思いますし、また成功のためのかぎは、その地域の特性を前面に出しながら美しい国土という、そういう印象づくりと、十分なアメニティー、快適性、居住性を用意するということではないのでしょうかと。
 そもそも観光という言葉は、中国の古典、易経の「観国之光」と、国の光を見ると、これが語源になっているというふうに聞いております。国の光がないのに観光はあり得ないと、こういうことだというふうに思うわけでありまして、正にその地域地域の光とは何なんだと。そして、それは、自然遺産だとか言われている風光明媚だとか奇観奇景だとか、そういうことだけじゃなくて、人の生きざま、住みざま、その町並み、文化、歴史と、そういうことも総合的にとらえた上での正に国の光、土地の光ではないかと、このように思うわけであります。そこに出掛けることにより、水、海、野、そこに住む人との光の輝きを融合すること、そこから人間の愛情が味わえると、こういうふうな解説もあるわけでありまして、この辺になりますと非常に岩井委員と近しい視点になってきたのかなと、このようにも思います。それに加えて国の光、つまりその国の統治状況をよく見て、その国の王の人徳を知ると、古来こういうふうな解説がされたということであります。
 私は、観光というものは、自然とともにそこに住む人の生きざまや価値観を感じてほしいと。そして、そこを治める言わば統治者の人徳も見てほしいという、今、歴史的に説明されたそういうもの、正に人やソフトそのものが非常に大事だと、このようにも思っているわけであります。
 そこで、一つ提案申し上げたいことは、それぞれの地域のリーダーの顔が見える範囲、あるいはアメニティーにかかわるソフトが及ぶ範囲を考慮する必要があるんじゃないんですかと。例えば、地方拠点都市とそれを取り巻く三万から五万の中小都市、そして周辺の観光地が役割分担をしながら連携をして、今言った国の光を見いだし、それをつなぎ、一つの観光の小さな軸、チューブをつくり上げていく、そういうふうなことが大切ではないかと。
 九州では、テーマパークや旅館が組んで広域の周遊観光のモデルケースのようなものができ上がって、そこに中国のお客さんだとか韓国のお客さんが結構来ていただいて、ああ、こんな日本なのかとか、国なのかと、中国にはないものもあるなということで喜んでいただく面もあると。そういうふうなことも含めて、私は観光における広域的な連携の在り方ということについて、是非とも、これは先ほど来お答えをいただいています近畿の冬柴大臣のお考えもいただきたいと思います。
#38
○国務大臣(冬柴鐵三君) ありがとうございます。
 地域の活性化を図る上において、観光振興等の役割が非常に大きいと、重要なものであるというふうに認識をいたしております。
 観光資源というのは、もういつも申しますけれども、歴史や伝統、あるいはそれに裏付けられた土地固有の文化ですね、そういうものは、名勝や神社や仏閣をその地に生み残し、そしてまた自然の景観というものは固有のものでございます。また、そういうものも残していかなければなりませんけれども、ただそれだけではなしに、共通する自然や文化、歴史、食というようなものを、そういうテーマごとに広域観光ルートを設定する、そしてまた、地域観光情報を共同して発信するというようなことを官民一体となって進めていくということが非常に必要だろうと思います。
 例えば、秋田県と山形県、県境に近いんですけれども、鳥海山がありますから、鳥海地域につきまして、秋田県の由利本荘市とか、にかほ市、あるいは山形県の酒田市とか遊佐町というようなところが一体になって共同パンフレットを作成したり、あるいは農産物の収穫体験を通したグリーンツーリズムを推進したりしていらっしゃいます。
 また、四万十川、これはもう高知県の中でございますけれども、その辺でも市と四町が一つになりまして官民一体で魅力ある観光周遊ルートの選定をして、そしてまたこれをPRをされるということによって、人口三万八千人のところに七十二万五千人の観光客が年間来ていられるということでも分かるように、四万十川はきれいだよ、一回行きたいということは分かるんですけれども、そういうものを、その周りに花街道を造ってみたりいろんなことで工夫をしてやっていられる。これは、中央で考えてやる話じゃなしに、そこに住む人たちが考えて、そしてこういうことをやられることによってすばらしい効果が出てくると思うんです。
 ちょっと大きな話になりますけれども、二〇一〇年がビジット・ジャパン・キャンペーンの最終年に当たっておりますが、ちょうど同じ年に平城遷都千三百年というすごいことが起こるんですね。奈良県ですけれども、平城宮、平城遷都が行われて二〇一〇年でちょうど千三百年になると。これはすごいことで、そこに造られたあおによしとか、そういうものは当時の中国の文化そのものですから、中国人が見たらびっくりする、今こんなの残るのかということだと思いますし、またそれから四十年ほど後には大仏開眼が行われているわけですね。これももちろん奈良の平城宮のすぐ横ですけれども、この開眼供養はインド人の高僧が来て当時やっていらっしゃるということで、私も過日インドへ行ったとき、その話をシン首相としてきたわけですが、是非インドからも来てほしいし、また日本人も、ブッダが悟りを開いたブッダガヤですね、そういうところにも我々も行きたい、こういうふうに思うわけですね。
 ですから、私は、そういうふうに考えたときに、平城遷都というものを通じて、国際的な広がり、ただ単なる奈良だけではなしに、近畿地方だけじゃなしに、日本だけでもない、そういうふうに広がっていくと。大きな交流を生じなきゃいけないし、またその千三百年の古都が今ここにあるということは、もう僕は世界じゅう探しても非常に希有だろうと思うんですね。
 そういう意味では、世界じゅうから人が来てもらって、この日本の歴史、そしてその伝統、そしてそれが残した仏教系のその建造物ですね、こういうものが今にして残っているという、そしてまた、来ていただければ、私は、奈良だけじゃなしに、京都とかあるいは鎌倉とか、そういうところにも仏教系の建造物はたくさん残っているわけですから、私はそういうものが連携されれば物すごい観光資源になるんではないか、観光というよりも人の交流が始まるのではないかというふうに思っています。
#39
○加藤敏幸君 ありがとうございました。
 私、観光というのは、これは非常にはやりもあって、私ら団塊の世代というのは少しへ理屈をこねまして、パック旅行だとか、もうそのお仕着せの旅行なんというのはあれはダサいんだと。旅行というのは、自分で全部きちっとプランを立てて、非常に個性的な、そういう個別旅行が本物だということをやっておった時代もあるんです。でも、その団塊の世代も年取って随分くたびれてくると、大分、最近パック旅行が一番いいと。なぜパック旅行がいいのかといったら、安いだけじゃなくて、やっぱりそれは何回も何回もやっている間に非常にいい合理的なルートが開拓をされて、それに付け加わるそのエレメントもなかなかこれはうまくできつつある。逆に言うと、競争されている観光業者が日々知恵を絞っている中で出てくるものというのはなかなかのものがやっぱり出てきて、そこに私は、単に物見遊山じゃなくて、やっぱりテーマ性を持ったそういう観光ということが出てきたんじゃないかと思います。
 また、最近は、東京の水害のときの貯水池を、巨大な貯水池、練馬にあるやつですね、あれを見に行くとかごみ処理施設を見学に行くとかいうこともはやっているわけでありまして、ある種のテーマ性を持った私は観光という辺りもこれから大きな一つのヒントになるのではないかというようなことで、海外のお客さんも来ていただくとともに、国内のお客さんも広く来ていただくということでやっていただきたいと思います。
 さて、もう時間的に最後の質問になりますけれども、冬柴大臣が衆議院での審議におかれまして、三年前に世界文化遺産に登録された紀伊山地の霊場と参詣道の事例として取り上げられ、時間が余り取れない人たちに短時間で観光地が巡ることができるように道路などアクセスの整備が必要だと強調されたというふうに聞いております。これはこれでそういう必要性もありますし、もっと言うと、ハンディキャップドパーソンの皆さん方にもひとしく観光に参加していただくという可能性を私は広げていくことも大切だと。
 私も、この熊野古道、四年ほど前に行きまして、それなりに感銘を受けたわけであります。ただ、この熊野古道というのは、やはり信仰の対象として、道中が信仰そのものである、平安時代の貴族のあの人たちでさえ自分の足で歩くことに意味があったという、そういうプロセスも含めて熊野古道というふうなものがあり、またそれを成り立たせている自然のありようということも非常に大きな要素であると、私はそう感じるわけであります。
 したがいまして、ここはなかなか難しいんですけれども、短期間にスポット的に行けるということと、そのこと自身、やっぱり環境を保全をし、本質的な、例えば山岳信仰である私たちの精神のありようも含めて、それを感得していただく、そういうふうなこともまた残さなければならないということでいけば、私は、安易ないわゆるハイウエーだとかアクセスの方法論を出すということだけではやっぱりちょっと結果的にまずいことになるのではないかと、そういうふうな思いがあります。
 日本には城郭がたくさん観光資源としてありますけれども、今、城郭のポイントはエレベーター付きなんですよね。昔のままの城郭というのは人を入れさせないから、本当に本格的な城郭だとなかなか上れないんですよ、階段も急で。ところが、観光資源としての城郭は物すごく上りやすいと。こういう矛盾をある観光学者が言っておられましたけれども、私は二つの要素はやっぱりあると思うんです。
 しかし、その中でやっぱり国土交通省としてある種の考え方、基準というふうなことを持って対応していただかないと、人さえ集まりゃいいという安易な開発に流れてしまってはいけないんではないかというふうなことを思いつつ、この点、大臣の御見解をいただきたいと思います。
#40
○国務大臣(冬柴鐵三君) 熊野古道のことも引用いただきました。昔はアリの行列と言われるぐらい、あの深山の中を信仰心を持って歩かれたという、そういうものですから、そういうものを現代人は味わいたいけれども、非常に短い時間の中でそれができませんので、その近くまでという趣旨で私申し上げたわけでございまして、熊野古道は和歌山県、三重県の方からも行けるわけですけれども、その近くまでは道路を整備をして、そしてそこから行っていただく。ただ、そうすることによってそこが車の渋滞をするようなことではまた困りますし、自然が破壊されても困ります。
 したがいまして、私どもは、都道府県がお作りになるようなそういう計画につきましても環境基本計画と調和をするものでなければいけない。もちろん、それで環境影響評価法も適用されるわけでございますから、今先生から、委員から御指摘があったようなことが起こらないように十分考えていかなければならないことであると思っております。
#41
○加藤敏幸君 最後に、私出身の四国にも八十八か所というすばらしいこの歴史の、あれは観光ではなく信仰だと地元では考えておりますけれども、しかし私は体験をしていただくこともすばらしいんじゃないかということを宣伝申し上げまして、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#42
○谷合正明君 公明党の谷合です。
 広域地域活性化法案について質問をさせていただきます。
 まず初めに、この法案を提出した趣旨、背景等について大臣にお伺いしたいわけでありますが、大臣も衆議院の質疑あるいは本日の質疑の中でも、我が国の明治以来の国の形成されてきた過程の中で、極端な中央集権行政システムがあった、あるいはそれが東京一極集中、これは政治、経済、金融、文化、学校だとか、そういったものを含めた東京発の情報が、価値観といいましょうか、そういったものがややもすると全国を支配してしまう、まあ大臣はそのようには直接は言われておりませんけれども、私自身も地方におりますとそういうことは本当に多いなと思っております。
 例えば岡山にいて、ラジオをぱっとつけて聞いてみると、ニュースが流れてきて、首都圏の東京の高速道路の渋滞状況なんかが、三宅坂を先頭に何キロ渋滞している、そういう情報を岡山で聞くというのは、こういうのというのは本当にいいのかなと思ったりするわけであります。
 また、大臣は、地域ブロック、これをこれまでの一極あるいは一地区型の国土形成から地域ブロックが自立し連携していく国土構造への転換ということも言われております。私が住む岡山県は、知事が大変道州制の議論に熱心な方でございまして、そういう意味ではよく比較出されます地域ブロックとヨーロッパ諸国との人口、GDPの規模、こういったものも従前からいろいろ拝見をさせていただいたわけでありまして、本当になるほどそうだなと、我が国の地域ブロックというものは本当に大きな力があるんだなと実感した次第でございます。
 もう一つは、今後、じゃ日本の社会が、構造がどうなるのかというと、人口減少という一つ大きな問題があります。団塊の世代の方が、二〇〇七年問題というのがありますけれども、大体一年間で二百万人を超える方が出生、生まれていたと。私は団塊ジュニアの世代でありますけれども、やはり一年間に二百万人生まれていた。しかしながら、今生まれる赤ちゃんの数というのは半分の百万人ちょっとでございまして、これを考えると、ちょうど今、今年から二〇五〇年ぐらいにかけて、私かその下の世代が六十代、七十代になっていくころの二〇五〇年というのが非常に、それまでにどういう国づくりを進めなきゃいけないのかということが非常に大事なんだろうなと。
 このまま人口減ると江戸時代並みになると言われていますけれども、江戸時代と違うのは、やはり急激な人口減少と、もう一つはその人口構成の比率が高齢化の率の方が圧倒的に高いのが今の時代でございますので、そういったことを含めながら、この交流人口というのをいかに増やしていくのかということを考えなきゃいけないんだろうなと、私もそのように思っておるわけでありますが、まず初めに、大臣の方から、この法案を提出した趣旨、背景、またあるいは地域ブロックの自立した姿、どういうイメージを持っていらっしゃるのか、冒頭に、最初にお伺いいたします。
#43
○国務大臣(冬柴鐵三君) もう今までも答弁申し上げましたけれども、明治期以降の極端な中央集権型の行政システムというものが東京に過度に集中を呼び、その反面、地方には過疎ということになってしまいました。地方にはそれぞれの歴史や伝統や文化があります。観光だけではなしに、固有の資源があるわけです。そういうところが今死に絶えんとしていたわけでございますが、私は、それは許されないわけでございまして、何とかそういうところがそれぞれ生き生きと活性化する、そうあらねばならないというふうに思うわけでございます。
   〔委員長退席、理事山下八洲夫君着席〕
 時は今、ちょうどそういうことの認識から地方分権推進が行われ、そしてまた国土につきましても国土形成計画法と、今までの全国総合開発計画法に代えて、そういうような地方広域ブロックというものを重視した、そういう形を国民は望んでいるというところからこの法律を提案しているわけでございます。
 地方には、岡山県もすばらしい歴史があり、そしてまた観光資源としてのものもあり、また備前焼等のすばらしい伝統の工芸というか、そういうものもお持ちでありますし、瀬戸内海の美しい景観、こういうものもあるわけです。そういうものが、東京一極集中で、そこに住む人たちがもうすべて高齢者ばかりになってしまって、若い人が魅力失ったということになりますと、そのようなすばらしい瀬戸内海の景観、自然、そしてまたそこでしか取れない食材と申しますか、またそれを加工する手法というものも死んでしまうわけですね。これは我々の世代で殺してしまってはいけないわけでして、私どもはそういうものをどうしたらいいか。
 そこで、国というレベルじゃなしに、一番そこのことをよく知っていられる都道府県が中心になって、そしてまたそこに住む財界の人も、そしてまた我々の地方支分部局もそこにはあるわけでございまして、そういう人たちが寄って、そしてここを、この魅力というものをどう生かしていくのかということになると思うんです。
 最初から話がありますように、そこを活性化し、そしてそこに住む人たちも自信や誇りを持つようにする。また、よそから来ていただく方も、その地域に身を置くことによって本当にその良さというものを体感していただく、そういうことができるようにするためにはどうあるべきか、こういうことになるんだろうと思います。
 私は、そのように日本というすばらしい自然に恵まれた土地が隅々まで生き生きとした形でやはり後世に伝えられていかなければならないというふうに思うがゆえに、このような法律は是非通していただいて、そしてこれを中心にそのような日本の国土が形成されていくことを心から願っているものでございます。
#44
○谷合正明君 大臣の方からお答えいただきまして、この法案の目的、趣旨に沿った形で国土形成がされていくことを私も望んでいるわけでありますが、一つ、この広域の概念について先ほど来お話があるわけであります。
 例えば、これは少なくとも都道府県を越える空間という範囲を想定ということで答弁があると思いますけれども、岡山県と鳥取県の県境には大山という観光資源がございます。私もそういったところに行きましていろいろ観光業に就く方のお話を聞いてみると、やはり県境というのが一つのネックになっておると。高速道路も近くは通っておるんですけれども、インターを下りて岡山県内の方にいると、鳥取県の側の大山の観光資源の情報というのがなかなかなかったりする。それは逆の話もあるわけであります。
   〔理事山下八洲夫君退席、委員長着席〕
 もう一方、大山のふもとには湧水がありまして、そこに飲料水メーカーなんかが工場を立地するという今計画、工事されているんですけれども、やはり工場の場所はこれは鳥取側なんだけれども、トラックで物流のためには高速道路に乗るとそのインターは岡山県側にあると。工場からインターまでの国道の整備が、鳥取側はいいんだけれども、岡山側になるとなかなか意思が伝わらないというような話を聞きました。正に、私はこの法案の趣旨を聞いたときに、どういう地域が星になるかといえば、正に県境の観光資源であるとかあるいは物流拠点、その周辺地域というものが一つ重要なエリアになるべきであると私は思った次第でございます。
 そこで、広域ブロックの自立という目的が掲げられておりますが、本法案は基本的にやはり都道府県単位で計画を作成し交付金を交付するという仕組みになっております。手段として、私の先ほどお話しした、いわゆる県をまたぐという広域的な概念から照らし合わせますと適当ではないのではないか。どのように広域的な視点を確保していくのか、その点についてお伺いいたします。
#45
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 委員正に御指摘のとおりだと思っております。特に観光資源というのは県境に重要なものが多くあるというふうなこともございますし、また企業が立地する際には、県境を、県の境を考慮してやるというよりも、その地域が全体として立地するに適切かどうかということを判断して立地するわけですから、やはり政策を考える方も、県境ではなくて隣の県と一体となって活動するということが今回の仕組みの中で広域活性化ということを図っていくためには非常に重要であるというように考えております。
 しかしながら、交付金制度という制度の仕組み上、最も広域的な行政主体であります都道府県が作成する広域的地域活性化基盤整備計画に対しましてハード、ソフト一体の支援をするということにしておりますが、繰り返しになりますけれども、この活動というのは一つの県を越えた活動でありますから、幾つかの県が一緒になって計画策定作業を協力、連携してやっていただくということが大変重要だと思っておりますので、一つは、ブロックの計画を作るに当たりまして広域地方計画協議会というのができますけれども、この広域地方計画協議会におきまして、都道府県が計画を作るときにはいろいろと連携方策を御審議いただくというようなことをこれから定めていきます基本方針の中で示していきたいと思っておりますし、また法案の中でも、この計画を実施するに当たってこの広域地方計画協議会の仕組みを活用するということを言っております。そういうような形で各都道府県の連携というのを大いに進めていただきたいというのが私たちの気持ちでございます。
#46
○谷合正明君 広域地方計画協議会が有効に機能するように、この法案の第六条にも書かれているわけでありますが、しっかりそこを見ていきたいと思っております。
 そこで、各都道府県から本制度に対してどういう今のところ反応があるのか、衆議院の質疑の中では、その当時は二十程度案が出ているというふうな話を聞いたんですけれども、またどういうプロジェクトが提案されているのか。先ほど二つの県をまたがるような、こういった案というのが実際にあるのかどうか、その点について伺いたいと思います。
#47
○政府参考人(渡邊東君) これまで各ブロックにおきまして、予算のPR等を通じまして本制度の周知を図ってまいりましたところでございますけれども、衆議院の審議では二十を超えると申し上げましたが、今日は既に二十五を超えるということで御報告申し上げたいと思います。二十五を超える都道府県から具体的な問い合わせというのを受けておりまして、最終的には相当数の都道府県から申請があるんじゃないかなというように考えております。
 地域別に見ますと、大都市圏よりもむしろ東北とか四国とか九州、こういったところからの問い合わせが多く見られるというようなことでございまして、内容といたしますと、やはり広域観光の活性化あるいは生産・物流機能の強化といったようなテーマが多く見られます。こういったものの中には県境を越えてというようなことの考え方もございます。そのほか、地方としての活性化とか、あるいは都市農村交流の活動とか、こういったものも今後上がってくるんじゃないかなというようなことを期待しておるところでございます。各地方でいろいろとそれぞれの地域の特色、特性、資源、そういったものを生かしたプロジェクトを御提案いただくことは大変有り難いというように思っております。
#48
○谷合正明君 先ほど来、私は岡山の話出していますけれども、まだ中国地方では出てないようなので、しっかりと国交省の方からも、まあ私の方からも県の方にも言っていきたいと思っておりますけれども。
 ところで、まちづくり交付金とこの本制度がよく比較されるわけでありますが、簡単に言うとまちづくり交付金は市町村バージョンであって、この法案は都道府県バージョンであると、大ざっぱに言うとそうあるわけでありますが、このまちづくり交付金とこの法案ですね、この目的であるとか対象などの違いはどういったところにあるのか。また、まちづくり交付金と交付対象エリアが重なって交付することは可能なのか。そして、まちづくり交付金の対象となる市町村と都道府県、こういった連携についてどのように考えていらっしゃるのか、その点についてお伺いいたします。
#49
○政府参考人(渡邊東君) 本制度の趣旨ということでございますけれども、正に民間の活動に合わせてタイミングよく必要な社会資本整備を都道府県が進めると。それを対象に必要な基盤整備やソフトのための支援をやっていくというものでございます。
 仕組みとしてはまちづくり交付金と似たところがございまして、どちらも地方の裁量性とか自立性を高める仕組みでございますけれども、大宗といたしまして、本交付金でありますと都道府県が対象でございますから、より広域的な地域活性化活動に資する基盤ということで、市町村を対象としたまちづくり交付金にはない補助国道とか、あるいは港湾や空港、こういったものを対象にしているといった違いがございます。
 この地域自立・活性化交付金による都道府県事業とまちづくり交付金によります市町村事業、こういったものが同一の事業に対する二重の補助ということになりますと問題でありますけれども、そうでない限りは同じ地域で適用することは十分可能であると思っておりますし、この二つの制度がうまくマッチングしましてより効果が高まるということであれば、それはより望ましいわけでございますから、両者の一体的な推進ということが図られるようなことを地域の方でも工夫をしていただければ我々としても一生懸命支援していきたいというように考えております。
#50
○谷合正明君 分かりました。
 次に、今回は地域の発意、これを大切にしているわけでありますが、地域の発意による計画作りということなんですが、その結果として採択される地域が偏る懸念はないのかと。これ、この国土交通委員会、さきの委員会でも都市再生特別措置法でも同じような質問が出ているわけでありますが、計画をする前の段階でこのことについてどのように考えていらっしゃるのか。
 また、交付率は今四五%で設定されておりまして、これは道路だとか下水道とかいろんな補助事業をならしたときに四五%出るということなんでしょうが、これは例えば北海道、沖縄は四五%のままであるのか、そういったところからの観点でこの採択される地域が偏る懸念はないのか、お伺いいたします。
#51
○政府参考人(渡邊東君) ちょっと繰り返しになりますけれども、都道府県が作成する計画に位置付けられる民間活動でございますけれども、これは地域外の広域から来訪者を増加させたり、あるいは広域にわたります物資の流通を促進する、こういった広域的な地域の活性化に資する活動であれば広範囲に認めていくという仕組みにしておりまして、確かに企業の誘致とか、それから観光とかそういったもの、そういったものが例えば大都市に多いんじゃないかというような御指摘もあるかと思いますけれども、そういったものだけじゃなくて、例えば都市と農村の交流活動とか、あるいは地域資源を生かした観光とか、あるいは農村への定住促進とか、あるいは地場産品の振興とか、こういった広域的な活性化の活動というところの点につきましては、地域でそれぞれの特色を生かして大いに工夫していただければいいんじゃないかということでございまして、そういった点では大都市だけではなくて地方でも十分活用できるんじゃないかなというように思っております。
 先ほど、今までどのくらい来ているかという御質問いただきまして申し上げましたけれども、むしろ現在の状況を見ますと、大都市圏よりも東北とか四国とか九州とかが多いということで、地方の方でも非常に関心を持っていただいておるということでございます。
 国土交通省といたしましては、これまで予算のPR等を通じて周知に努めてまいりましたけれども、本法案成立していただければ、ブロック単位での説明会の開催とか、あるいは都道府県からの相談等への積極的な対応、こういったことで地域の方でしっかりこの制度が使えるように努めていきたいというように考えております。
 なお、この交付金の交付率でございます。これは全国四五%一律ということでございます。確かに北海道とか沖縄、補助率が高いので若干使いにくい点はあろうかと思いますけれども、ただ、この仕組みというのの良さは、やはりソフト、ハード両面の幅広いメニューをタイミングよく使っていくというところが良さでございます。そういった点を大いに生かしていきたいということで、具体的な相談があれば、こちらとしても積極的に対応していきたいというように思っております。
#52
○谷合正明君 今後、この制度の良さを、メリットを周知されていくということでありますが、まず、その十九年度の予算額は、交付金が年間二百億円で事業推進費の方が百五十億円ということで、約三百五十億円でございますが、これは地域の要望に十分にこたえられる規模であると考えていらっしゃるのか、あるいは来年度以降どのように考えているのか、併せてお伺いしたいと思います。
#53
○政府参考人(渡邊東君) 予算の規模はただいま委員が御指摘のとおりでございますけれども、一つの事業が大体三年から五年ということで考えております。例えば五年ということになりますと、交付金の率を考えました事業費としましては五十億弱ぐらいの規模ということでございまして、これはまちづくり交付金の規模と比べまして倍程度かなということでございます。
 先ほどからちょっと繰り返しになりますけれども、具体的な活動というのはそれぞれ地域で工夫していただく、内容は様々でございますから、必ずしも平均ということで申し上げるのは難しいかもしれませんけれども、これだけの規模であれば、ある程度各都道府県から手を挙げていただいても対応できるんじゃないかなというように思っておりますし、それと併せまして、事業推進費というものも設けてございます。これは、この計画の推進に当たりましては、やはりタイミングよく直轄事業を推進していくというようなものもございます。また、本来の直轄事業やそれから都道府県の補助事業と、こういったものとも連携を図っていくということが必要でありますし、そういった点を十分考えていけば、この制度で十分まずはやっていけるんじゃないかなというように思っております。
 今後につきましては、この制度は大変使い勝手がいいねと、地域の活性化に大変役立つねというようなことで御希望が強いようであれば、我々としても更に今後努力していきたいというように考えております。
#54
○谷合正明君 分かりました。
 最後にお伺いしますけれども、評価制度についてお伺いいたしたいと思います。
 さきの統一地方選挙の結果を受けて、有権者の方は新たに当選した首長に何を期待するかといったら、やはり経営者の感覚というふうに答える割合が高うございました。やはりこの政策、制度、今後は、PDCAサイクルだとかいろいろありますけれども、チェックの部分、評価の部分をどうやってやっていくのかというところが大事であると思っております。
 この制度におきましては、この制度ならではの評価制度というのはどういったものがあるのか、その点について最後にお伺いして、終わりたいと思います。
#55
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 今回の制度につきましては、対象となる事業につきましては非常に幅広く地域の自主性を尊重した形で考えておると。それから、その事業の仕組み自体も都道府県の自主性、裁量性というのを非常に高めているという意味での使い勝手がいいわけでありますけれども、そうなりますと、実際この結果として成果がどう出てくるのかというところが非常に重要になるわけでありまして、そういう意味から考えますと、この評価というのは大変重要であるというように認識しております。
 このため、この地域自立・活性化交付金の運用に当たりましては、都道府県が広域的地域活性化基盤整備計画を作成する段階で、例えば観光客が入り込み数の拠点となる施設の利用者数とか、あるいは企業立地でありますと企業立地に伴う雇用者数と、こういった目標値をできるだけ数量化していただいてそれを設定していただくと。これを私どもとしましても公表していくということで、国民の目で、あるいは地域の住民の目で見ていただく。
 また、期間が終了した時点で、都道府県におきまして事前に設定したこういった目標の達成状況につきましてしっかりと評価をしていただくと、その結果も公表していただきますし、私どもとしても公表していくというようなことをしていきたいと思っております。
 私どもとしましては、都道府県に適切な指導を行いまして、交付金の効果的、効率的な活用、これが広く国民の目で分かるように、国民の目で十分チェックできるようにというような仕組みをしていきたいと思っておりますし、また都道府県が行いましたその評価というものが今後のまた制度の活用に結び付くように、正にPDCAをしっかりやっていきたいというように考えております。
#56
○谷合正明君 終わります。
#57
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
 質問に入る前に、まず私も、五月五日に発生をしました大阪吹田エキスポランドでのジェットコースター事故によりまして亡くなられた方の御冥福と負傷された皆さんに心からお見舞いを申し上げます。同時に、大臣そして政府に対しまして、徹底した原因の究明と安全優先の再発防止の対策を講じられることを強く要望しておきます。
 質問に入りたいと思います。
 本法案は、広域的地域活性化のために国が基本方針を定めて、その下で都道府県がその基盤整備計画を作成するというふうになっています。
 そこで、私もそもそもお伺いしたいんですけれども、広域的地域活性化のための基盤整備というのは具体的にどういうものを指すんでしょうか。
#58
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 本法案の趣旨につきましては、先ほどから申し上げてございますけれども、地域の活性化に資する民間活動に合わせて必要な社会基盤整備をタイミングよく効率的に実施するために、都道府県を対象に必要な基盤整備とソフト事業等の町づくりの一体的な推進を支援するということでございます。
 お尋ねの広域的地域活性化のための基盤整備といいますのは、支援の対象となります地域活性化に資する広域的な経済活動等を支える道路、港湾等の広域性や基幹性を有する社会資本の整備等を意味しておるところでございます。
#59
○小林美恵子君 道路、港湾というお話がございましたけれども、では、その計画、都道府県がする計画ですよね、計画といいますのは、民間事業者の拠点施設整備と連携するというものですか。
#60
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 本制度におきます拠点施設というものでございますけれども、これは例えば工業団地やホテル、会議場といった民間施設が当然入りますけれども、それだけでなくて、交流施設等の公的施設やあるいは既存の施設が幅広く含まれていまして、そこは地域が持っているこういった資産というんでしょうか資源を有効に活用していただきたいというのが趣旨でございますけれども、その中でも特に民間事業者によって拠点施設の整備が新たに行われる、ただいま御質問のようなケースにおきましては、都道府県は当該民間事業者とも十分に連携を取って広域的地域活性化基盤整備計画を作成していただくことになるというように考えております。
#61
○小林美恵子君 要するに、民間事業者が行う拠点施設整備としっかり連携をしていくという法案だということですよね。
 そこで、改めてお伺いしたいんですけれども、この国交大臣が認定をすると言われています民間拠点施設整備事業ですね、先ほども少しお話がございましたけれども、具体的にどういう事業になるんですか。
#62
○政府参考人(中島正弘君) 都道府県が計画を作ってそこに拠点施設を書くというのが前提で、それを民間事業者が整備するときに大臣が認定するということでございますので、当然、施設の性格、性格といいますか機能としては、法律にございますような会議場であるとかホテルとか商業用施設とか、民間が整備するものとしてはそういう施設が中心であろうと思います。
 それを申請が出てきまして大臣が認定するわけでございますけれども、認定に当たりましては、申請されました計画が基本方針とか都道府県の計画に合っているかと、あるいはその工事が事業遂行の時期とか施行期間が適切かとかいうような基準に照らして、その基準に適合したものが認定されるということでございます。
#63
○小林美恵子君 会議場とかホテルとかというお話がございましたけれども、法案を見ますと、会議場とか見本市場とか観光施設とか工業団地とかというのがございましたけれども、それでいきますと、例えば大阪でいきますと、もう既に国際会議場がありましたり、それから見本市もありまして、それからワールドトレードセンターとか、随分ありますけれども、結局そういうようなものになるということですよね。
 こうした民間拠点事業には、民間都市開発推進機構から融資の支援があって都市計画の提案などの特例が付くと。また、広域地域活性化基盤整備には、都道府県に対して交付金措置、先ほど予算規模がありましたけれども、〇七年度でいくと二百億円という話がございました。さらに、都道府県の基盤整備と密接に関連する直轄事業には推進事業費、これも百五十億円というのがありましたけれども。
 それで、私は改めてお聞きしたいんですけれども、この直轄事業とはどういうものですか。それと同時に、先ほどもありましたけれども、この法案の下で進められていく基盤整備というものがどんどんと計画が出されてきまして成りますと、つまり、基盤整備をする面積もそれから予算規模も今後どんどん増えていくということになるんでしょうか。
#64
○政府参考人(渡邊東君) 直轄事業ということでございますが、正に国がやります道路とかあるいは港湾の整備事業でございますけれども、ここで、先ほど委員御指摘の二つの予算があるということで、その中の地域自立・活性化事業推進費というのがございます。これは予算規模で百五十億円。
 こちらの方につきましては主に直轄事業等を対象にしていくということでございますけれども、これは都道府県が作成する広域的な地域活性化基盤整備計画に基づきまして地域自立・活性化交付金を活用して実施する事業と密接に関連する国の事業を対象にしていまして、言うように、具体的にはこの本推進費、これを年度途中に充当することによりまして、交付金を用いて都道府県が実施する事業と一体的に実施する、これによって民間活動に合わせてタイミングよく事業整備をしていくということでありましたけれども、それがより効果的に行われる、そういうための予算でございます。
 なお、来年度以降の予算額でございますけれども、先ほども申し上げましたけれども、十九年度におきます都道府県での計画の作成状況、あるいはこの制度に対する関心の状況というのを踏まえながら対応していきたいというふうに考えております。
#65
○小林美恵子君 ということは、増える可能性が大いにあるということでございますよね。
 結局、私は、そういう今の御説明を聞きますと、今法案といいますのは、交付金でありますとか事業推進費の新たな予算措置を設けて、大企業誘致でありますとか大規模なそういう拠点施設ですよね、国際的な施設、そういう民間拠点施設整備とその関連開発を行って地域の活性化を行いたいというものだということでございますよね。
 そういうふうにお聞きをしますと、私は、今国が既に制定をされました大阪湾臨海地域開発整備法に基づくベイエリア開発というのと類似をしているように思います。これも近畿二府四県と徳島をエリアにしているものでございますよね。
 そこで、この開発が関西、大阪の経済活性化につながったのかということを検証をさせていただきたいと思うんです。
 大阪湾臨海地域開発整備法の目的は、世界都市にふさわしい機能とありまして、途中ちょっと飛ばしていきますけれども、総合的な計画を策定し、当該地域とその周辺の地域における活力の向上を図り、我が国の経済、文化の発展に寄与するとございました。そして、目的に即した関連整備、中核施設と、先ほど今法案の拠点施設のお話がありましたけれども、何か似たようなものでございまして、会議場とか業務施設とか展示施設とか教養文化施設などの建設が掲げられています。
 大阪では、関空地域のりんくうタウン開発、テクノポート大阪咲洲開発でワールドトレードセンタービル、此花区の大型遊戯施設のユニバーサル・スタジオ・ジャパン、そしてまた湊町の大阪シティエアターミナル、OCATと言われている部分ですね、が進められてきました。
 そこで、質問をしたいと思いますけれども、こうした中核的施設の事業費は幾らであって、この中で破綻したのはどれなんでしょうか。
#66
○政府参考人(中島正弘君) 中核的施設は全部で四十二ございまして、そのうち二十七施設が平成九年四月現在で完成しております。
 事業費の全体の把握は、民間のものがございまして、そういう意味ではしっかりした把握が難しいんでございますけれども、私どもで二十七のうち二十二施設で大体六千四百億円という数字を今持っております。
 さらに、お尋ねがございましたその破綻施設ですが、その二十七の施設が完成しましたが、経営状況が厳しくなりまして、何らかの法的な整理がされつつあるものは四施設、四事業と聞いております。
#67
○小林美恵子君 その四事業のいわゆる施設名といいますか、おっしゃっていただけますか。
#68
○政府参考人(中島正弘君) 大阪府りんくうタウン等地区のりんくうゲートタワービル、同りんくうタウン等地区の泉佐野フィッシャマンズ・ワールド、これも大阪府でございますが、テクノポート大阪咲洲地区大阪ワールドトレードセンタービル、湊町地区の大阪シティエアターミナルビル、以上四事業でございます。
#69
○小林美恵子君 国交省が把握されている破綻をして処理をされているという施設は今御説明があった施設でございますけれども、それを踏まえまして、例えばワールドトレードセンターといいますのは、とにかくテナントがもう、大きなビルを建てたもののテナントが入ってくれなくて、今や第二庁舎と言われているほど市役所の各部局とその関連施設が入っているわけですよね。全体入居の七二%が市役所の各部局と関連施設が占めていると。その賃料ですけれども、賃料と共益費を含めますと、二〇〇四年度も二〇〇五年度も年間二十四億四千百万円です。結局、市民の税金がそこに投入をされているということになるわけですね。
 一方、先ほどりんくうゲートタワービルのお話がございました。それを含むりんくうタウンではどうかということになりますと、全体の事業費は六千四百五十億円つぎ込んできました。十七年たっても分譲率は四五%で、最終赤字は千八百億円と言われています。
 ここでは、進出企業のために廃棄物収集システムまで造ったんです。しかし、企業は来ないので廃棄物も出ないんですね。使われないままその施設も、システムを廃止されたと。これにだってお金が掛かっているわけですね。ところが、大阪府は補助金を引き上げて企業誘致を促進すると。まさしくそれは府民の税金が投入されていくということになるわけですね。
 そこで、私は、今一例を申し上げましたけれども、ここで少し質問したいんですけれども、例えばこれまでのこういう計画で破綻をしてきた、行き詰まった開発の補てんのために例えば企業誘致をするなどして新たに計画を立ててくる、都道府県が計画を立ててくる、こういう計画の場合も今回の法案の適用というふうになっていくのでしょうか。
#70
○政府参考人(渡邊東君) ただいま、すぐちょっと、そのものが対象になるかどうかというのは具体的な話をいただかないとちょっと何とも答えにくいところがございますけれども、基本的には、本制度というのは、繰り返しになりますけれども、民間の経済活動に合わせて都道府県が基盤整備をタイミングよくやっていくと、それを国として交付金として支援していくという仕組みでございます。その制度にしっかり乗るかどうかというところがポイントじゃないかというように思いますけど。
#71
○小林美恵子君 今、余りはっきりしない御答弁でございましたけれども、しかし、いわゆる都道府県が計画を上げてきた場合は、こういう法案に即してくるということになるんだと私は思うんですよね。別に、あんまり否定もされませんでしたし。
 そうなりますと、要するに私は、今回の法案といいますのは、破綻したものにまたそういう計画を立ててきて、今度はもう国の支援もどっと入っていくわけでしょう。そうしますと、破綻に破綻を招く上塗りの開発を後押しするような、そういう中身じゃないかというふうに私は御指摘を申し上げておきたいと思うんです。
 それで、もう余り時間がないんですけれども、改めて大阪湾のベイエリア開発について検証したいんですけれども、例えばベイエリア機構が既にデータで製造出荷額とか総付加価値額を一九八二年と二〇〇二年の数値で明らかにしているものがございます。大変申し訳ありませんけれども、その数字だけ教えていただけますか。
#72
○政府参考人(中島正弘君) 大阪湾臨海地域という法律で指定のされた地域に係る額を申し上げます。
 製造品出荷額、昭和五十七年、一九八二年は二十二兆六千億円、同平成十四年、二〇〇二年は約十七兆一千億円であります。また、総付加価値額でありますが、昭和五十七年、一九八二年は約八兆五千億円、平成十四年、二〇〇二年は七兆三千億円でございます。
#73
○小林美恵子君 ありがとうございます。
 要するに、どちらの指標も下がっているというのが現状ですよね。
 でも、こうした開発でだれが富を得ているのかということでございますけれども、ベイエリア機構に出資している企業はかなりありまして、もうその数は問いませんけれども、その企業名を見ますと、とにかく松下を先頭にしまして大手の企業ばっかりですよね。もう本当に大手の企業ばっかりが出資をしているわけでございますけれども、そういう大手の企業が、例えばその企業の一部、二十一社を見ても、〇一年から〇三年の間の人員削減は三万二千百七人なんです。地元の雇用に役立つどころか、職を奪われているというのが実態なんですね。
 一方、そうした大手の企業の利益はどうかといいますと、一番直近でいきますと、二〇〇七年三月決算でいきますと、当期純利益では二千百七十二億円、前年比一四一%というのは、これは松下です。さらに、新日鉄は三千五百十一億円で前年比七十二億円の増だと。シャープでは一四・七%の増だと、一千十七億円です。そういうふうになっているんですけど、今申し上げたところはすべてここに入っているところです、ベイエリア機構に出資している大手の企業ですね。富を得ているわけですね。
 私は、大阪湾の開発によって大手の企業は富を得たけれども、住民は、先ほども申し上げたように、大阪市がワールドトレードセンタービルに入居して、その賃料とか払って、結局府民の負担になっているわけですね。さっき申し上げましたけど、人員削減で雇用には役立っていないわけですよね。つまり、住民の負担をもたらしているわけです。
 ここで私は大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、こういう住民に負担増をもたらすような開発というのは、開発で本当に地域の活性化になり得るんでしょうか
#74
○国務大臣(冬柴鐵三君) 大阪湾ベイエリア法というのは議員立法でやりました。これは、東京一極集中というものを何とか複眼構造にして、昔の商都大阪と言われるような、そのような大阪湾の取り巻く近畿圏全体を浮揚させるためにはこういう法律が必要だろうということで、むしろ、補助というよりはそこへ出てきた企業に対する税の優遇とか、そういうようなことを目指したわけでございます。
 中には、今失敗事例ばかり挙げて、全部失敗しているみたいに見えますけれども、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、これはまあいろいろありますけれども、年間一千万以上の方がお見えになりまして、相当好評でございます。
 先ほど局長の方から二十七というふうに言われましたけれども、その中にはいろいろ成功している事例もありまして、ですから、ただ、これは泣き言ではありませんけれども、このベイエリア法ができたとき以降、日本経済は失われた十年とか、それから近畿地方では特に阪神・淡路大震災というものの未曾有の被害を受けたとか、そういうようなことが競合しているわけです。
 しかしながら、今この時点になりまして、私の地域で申し訳ありませんけれども、尼崎地先には松下電器が大きな工場を、一次は九百五十億、二次が千八百億ですか、三次が二千五百億というような大きな投資をしてプラズマディスプレー工場を造る。その横には21世紀の森という構想、これは黒川紀章さんに設計していただきまして、生駒山から六甲山までの間が、全部人間が自然を壊してしまって都市にしてしまったと。その反省から、尼崎地先の一千ヘクタールを森にしてしまおうというような、そういう構想も今進んでおりまして、事実着手しております。したがいまして、もう少し長い目で見ていただきたいと思うんです。
 確かに今の時点では、先ほど挙げられたように、大変な住民には御迷惑掛けるような事業もありまして申し訳ないと思いますけれども、必ずこれを何とかしなきゃならないというのは各地方の知事も共通した意見でございまして、今後、この法律に基づいていろいろな計画を立てる場合には国土交通大臣が作成することになりますので、十分そのような、今御指摘いただいたようなことも反省の資料としながら、十分考えてこのようなものを進めていきたい、住民の利益になるように、福祉につながるように頑張っていきたい、このように思います。
#75
○小林美恵子君 いろんな事例の説明もございましたけれども、やっぱり失敗したということはあるんだということで御答弁をいただきました。
 それで、大臣も先ほど既にお話をされておりますけれども、私は今回の法案を検討する前に、やはりそうした問題もしっかり分析をして検討をされるべきではなかったのかというふうに思うわけでございます。同時に、今後、大臣もおっしゃいました、国として方針を定められる、都道府県が計画を立てられる、そういう際に、今申し上げた点を十分に検討していただくということで、検討されるということでございましたけれども、そこを改めて強調して質問を終わります。
#76
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
 私もエキスポランドの事故に対し、亡くなられた方に対しては哀悼の意を表しますとともに、負傷されました方に対しては一日も早い回復をお祈りをする次第でございます。
 そこで、国土交通省にお願いをしておきますが、事故が起きないようにどうするかというのは、第一義的にはやはり業者の責任だと思うんですよね。そこのところをどうしていくかというこの点検の在り方について再度検討をいただいて、やはりシーズン、シーズンになってくれば、どの人たちがどういうような動きをしていくかというのは、もう長年の経験で分かっているわけですから、その安全点検にかかわる問題についていま一度きちっと見直した上で、御指導をよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 そこで質問に入りますが、これまで国として、地域独自のプログラムを支援するために都市再生、それから中心市街地活性化、構造改革特区、それから地域再生などの取組をされてきたと思うのでありますが、ここに来て改めてこの法案を提出をするというのはどういうことなのか、これまでの取組についてどのように考えてどのように評価されておるのか、お伺いをいたします。
#77
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 本法案の交付金制度でございますけれども、広域の視点からの地域戦略として、地域活性化に資する民間活動に合わせて必要な社会基盤整備をタイミングよく効率的に実施するために、都道府県を対象に必要な基盤整備とソフト事業等の地域づくりの一体的な推進を支援する制度として創設するというものでございまして、地域の知恵と工夫によって様々な地域やプロジェクトに活用可能であります。都道府県の自主性を生かし裁量性を高める、そういう仕組みであるというように考えております。先ほど来申し上げましたように、民間活動に合わせてタイミングよく基盤整備をするというのが特色でございます。
 委員御指摘のとおり、これまでも都市再生特別措置法による都市再生の制度とか、あるいは中心市街地活性化の制度とか、あるいは構造改革の制度、地域再生の制度、こういったものがございます。こういった制度をそれぞれ、それぞれの目的を持って行われているわけでございますけれども、やはり地域なり町の活性化というところは共通したところがございます。こういった制度とも連携を取りながらこの制度を活用していきたいというように考えております。
#78
○渕上貞雄君 提出法案では国、地方公共団体は、広域的地域活性化の基盤整備に当たっては、地域の自主性を尊重し、それぞれの地域の個性及び特色の伸長に資するよう努めるとあります。
 その一方で、広域的地域活性化基盤整備計画の作成では、国土形成計画、北海道総合開発計画、沖縄振興計画、社会資本整備重点計画及び環境計画との調和が保たれ、かつ、法令に基づく拠点施設関連基盤施設整備事業に関する方針又は計画に当たっては国土交通省令で定めるものに適合するものとするほか、都市計画区域に係る部分は都市計画区域の整備、開発及び保全の方針等の調和が保たれたものとすることとありますが、これはそれぞれの計画と調和を保ちながら地域の個性及び特性、特色を出せということだと思うんでありますが、具体的にはどのようなイメージを期待されているんでしょうか。
#79
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 地域の特性、特色を出してほしいというところでありますが、そこの趣旨は、やはり地域の持っている資源あるいは地域の特色、そういったものを活用してその地域としてふさわしい活性化の方策を検討していただきたいということで、その部分としましては、例えば具体的にある地域におきましては生産・流通機能の強化のプロジェクトをやりたいというようなところもございましょうし、あるいは地域の観光によりまして活性化を図ろうというようなところもあろうかと思います。また、地方におきまして都市と農村の交流を促進して地域活性化を図ろうとか、あるいは地場産業を振興して地域活性化を図ろう、いろいろそのやり方の手段、そこの部分は大いに地域の特性を生かして創意工夫を図っていただきたいということでございますが、ただ、この制度に基づきまして基盤整備を進める、この基盤整備を進めるに当たりましては、やはり大きなマスタープランであります国の計画あるいは環境計画、あるいはそれぞれ補助事業でございますので、補助事業が当然満たすべき条件、要件、こういったものはしっかり満たしていただきたいという趣旨でこのような調和規定を設けておる、こういうことでございます。
#80
○渕上貞雄君 広域的地域活性化基盤整備計画は都道府県が作成することとされていますが、複数の都道府県にまたがる計画の場合、関係する都道府県が共同で計画を作成した方がより効果的だと考えますが、合同で計画することはこれは認められるんですか、いかがでしょうか。
#81
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 正に委員御指摘のとおり、合同で計画を作成していただければより効果的であるということで、望ましいというように考えております。
 制度の仕組み上、都道府県が計画を作るということでありますけれども、実際のその策定に当たりましては、例えば共同で作るために、広域地方計画協議会の活用、あるいは複数の都道府県で連携を図っていただく、そういったことを大いに都道府県に対しては促していきたいというように考えております。
#82
○渕上貞雄君 広域的地域活性化基盤整備計画は地域住民の生活に最も大きな影響を与えると思いますが、地域住民の意思や意見についてはどのように計画に反映されるんでしょうか。
#83
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 本制度の中で、やはり地域住民の意思、意見、こういった点は大変重要だと思っております。
 この法案におきましては、地域の特色ある資源を生かして人や物の交流を活発にする活動を核とした地域の知恵と工夫による地域発信の取組を広く受け止められるように考えておりまして、支援対象となります広域的な地域活性化のためのプロジェクトにつきましては、先ほど来申し上げましたが、都市農村交流等といった身近なものから、生産・物流機能、こういった産業政策に係るものまで非常に多様なものが可能であるということでございます。
 本法案におきましては、広域的な経済活動等を支える基盤整備を推進するに当たって、国や地方公共団体だけでなく、地域住民、NPO、民間事業者その他の関係者が相互に連携を図りながら協力するよう法案の中で規定しておるところでございます。また、このため、都道府県が広域的地域活性化基盤整備計画を作成するに際しましては、プロジェクトの内容に応じて、住民に近い自治体の役割として、都道府県自らあるいは関係市町村との調整を通じまして住民の意見が把握され、計画にも適切に反映されるよう努めていただくということを促していきたいというように考えております。
#84
○渕上貞雄君 広域的地域活性化基盤整備計画には計画の目標を記載することとされておりまして、目標を達成できなかった場合はどのように対応されるんですか。
#85
○政府参考人(渡邊東君) 都道府県が広域的地域活性化基盤整備計画を作成するに当たりましては目標を定めます。その目標の妥当性、計画の実現可能性等を事前に評価しまして、その結果を公表する仕組みとしまして、客観性あるいは透明性の高い制度運用を図っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 こういったことで、県が目標を数値的に立てますが、それが仮に計画期間終了後の、三から五年後ということでありますけれども、評価におきまして目標の達成が確認されないケースということもあろうかと思いますけれども、そういった場合には、問題点は明らかにして改善策をまとめて、まだその事業続くわけでありますから、事態の改善に向けて努力するよう都道府県を促してまいりたいと思っておりますし、そのためのできる支援というのはまたやっていきたいというふうに考えております。また、都道府県で評価結果と改善策、こういったものをまとめられると思いますけれども、そういったものは更にこの制度の改善に向けて運用に生かしていきたいというように考えております。
#86
○渕上貞雄君 民間拠点施設整備事業計画の国土交通大臣の認定基準に、都市における土地の合理的かつ健全な利用及び都市機能の増進に寄与するもの、それから事業を適確に施行するに足りる経理的基盤及び技術的能力その他の能力があることとありますが、具体的にはどのようなものを想定しているんでしょうか。
#87
○政府参考人(中島正弘君) 計画に記載された事業を民間事業者がそうする場合に大臣が認定するわけでございますが、その認定の基準のお尋ねでございます。
 当該施設が広域的な、公共的な、機能的な効果を持つことという意味で、一つは、その事業が土地の合理的な利用、都市機能の増進に寄与するという要件を入れております。さらに、確実に施行され採算が取れることという意味で要件を入れております。具体的には、資金計画が出されていて資金面の問題がないこと、施行上の技術的な能力を有すること、事業運営管理上の能力があることなどを想定をしております。
#88
○渕上貞雄君 広域的地域活性化の基盤整備を推進するために民間事業者にも支援しようとするものでありますが、利益を第一とする民間事業者にあっては、公益的役割を十分担えるとは考えられているのでしょうか、それから民間事業者に対してどのような役割を期待しているのか、お伺いいたします。
#89
○政府参考人(中島正弘君) 拠点施設の整備は、もちろん公共が行う場合もあり得るということでございますが、民間に期待して民間に整備していただくことも想定しておると。その場合、公共性の担保をどうするのかということと、何を期待するのかというお尋ねでございます。
 公共性というのは、県が定めます計画にそもそも拠点施設の意義なり役割を書きますので、それへの適合性を見ることによって公共性をチェックするということであろうと思います。それをなお民間にやっていただくことの期待というのは、やはり民間事業者が持っている活力、ノウハウを期待して、整備されることによりまして効率的な整備、管理運営がなされることを期待しているということであります。
#90
○渕上貞雄君 提出法案では、都道府県に対して交付金を交付することができるとありますが、特にソフト事業にも活用できるとあります。ソフト事業が広域的地域活性化にどの程度効果があったのか、事業評価をすることが困難だと思われるんですが、どのように考えられておりましょうか。
#91
○政府参考人(渡邊東君) 今回の制度の特徴としまして、正にハードだけではなく、ソフト事業に対しても交付金を活用できるというのが特色でございます。これは正に、先ほどからの御議論もございますけれども、ハードだけで物事がうまくいくわけじゃなくて、ハードにソフトが合わさって初めて物事がうまくいくんじゃないかということでそのような仕組みを取っているわけでございます。
 都道府県におきましては、広域的な地域活性化基盤整備計画の策定時に基盤整備事業とソフト事業を総合的に進める、それによりまして達成する目標を設定していただくとともに、計画完了後、その達成状況について評価をしていただくということになっております。
 このような仕組みのために、計画そのものを総合的に評価するということでございまして、ソフト事業について、それだけで取り出して評価するという仕組みにはなっておりませんが、ハードとソフトが一体となって当初の目標がどう達成されたのか、そこをしっかり評価していきたいというふうに考えております。
#92
○渕上貞雄君 最後になりますけれども、提出法案は、広域的地域活性化のための基盤整備を推進するため、民間と連携をした計画に基づく交付金等の支援により、地域社会の自立的発展を図ることが目的とされていますが、本法案によってどの程度効果を期待されているんですか。
#93
○政府参考人(渡邊東君) 日本全国各地域におきましては、それこそ豊かな自然環境とかあるいは観光資源、産業集積、そういったそれぞれが持っているいいところというのはあると思います。そういった地域ごとの多様な特性あるいは特色、そういったものを生かした計画を民間とも連携しつつ、それぞれの都道府県におきまして、知恵と工夫を働かしてしっかりと計画を策定していただきたいというように考えておりまして、この計画の実現というのを私どもといたしましてはハード、ソフト一体となって支援していくことによりまして、正に活発な人の交流あるいは物の流通、こういったものを通じまして広域的な地域の活性化が図られ、ひいては地域の地域づくりが進むということを期待しているところでございます。
#94
○渕上貞雄君 終わります。
#95
○委員長(大江康弘君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#96
○小林美恵子君 私は、日本共産党を代表して、広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律案に対して反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、本法案が地域への工場誘致など広域的な経済活動を行う民間企業への支援とそれを支える道路、港湾等の基盤整備を目的としており、大企業立地を促進する地域産業活性化法などと一体となって大規模な工場や商業施設の誘致を促進し、それを中心とする大規模プロジェクトなど、大型開発事業を推進する口実とされかねないものだからでございます。
 これでは、大阪ベイエリア開発など、過去の地域開発政策がつくり出している負の遺産、すなわち、もうけを上げるために進出し、もうけ尽くした後には、もうからなくなれば撤退し、あとは野となれ山となれという立地大企業の身勝手な行動がもたらす住民犠牲と地域破壊の現実を更に全国に広げることになりかねません。
 第二の理由は、本法案が財界、大企業の要求に沿って国土政策、国土形成計画の広域ブロック形成の方向を具体化し、促進するものであり、大都市部と地方の地域間格差を更に拡大するものとなるからです。
 東京一極集中の歯止めがなく、広域ブロック内でも大都市部に支援が重点化され、大規模プロジェクトの中心の施策が進められると、一方の中山間地、過疎地は一層取り残されることになります。これでは、中山間地や過疎地対策や地域公共交通対策など地方自治体が実施すべき施策が縮小され、限界集落など消滅の可能性がある集落の維持、再生やそこで暮らす住民の生存権、交通権等が更に奪われていくおそれがあります。
 真の地域再生、活性化を図るためには、第一に、東京一極集中に歯止めを掛けるなど、大都市部への集中政策を抑制すること、第二に、限界集落などの集落消滅を食い止め、維持、再生に重点を置いた地域政策を進めること、さらに、住民の人権に配慮して、住民が住み続けられることを最優先にし、地場産業や地産地消など地域内循環型の地域再生、活性化を基本とする政策に切り替えるべきではないでしょうか。
 私は、これまでの地域振興政策の失敗に学び、大企業本意の地域開発ではなく、住民の生活向上本意の地域振興政策へと抜本的転換を政府に強く求めまして、反対討論といたします。
#97
○委員長(大江康弘君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#98
○委員長(大江康弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、藤本君から発言を求められておりますので、これを許します。藤本祐司君。
#99
○藤本祐司君 私は、ただいま可決されました広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、国の地域活性化策は多くの府省に関連していることにかんがみ、地域において適切な組合せにより施策の相乗効果が発揮されるよう、地方公共団体に対する相談窓口の一本化を図るとともに、国の出先機関の機能も活用しつつ、地域活性化施策や取組事例等についての有益な情報提供等を積極的に行うこと。
 二、広域的地域活性化基盤整備計画の下で整備される社会基盤が次世代においても有効に活用されるストックとして機能するよう、広域地方計画を含む国土形成計画を始めとする諸計画との整合性が確保されるように努めること。また、社会基盤が広域的観点から整備されるよう、広域地方計画協議会において十分な議論が行われるようにすること。
 三、地域自立・活性化交付金の採択に当たり、社会基盤整備による成果が広域にわたるような創意工夫がなされているかなどについても適切に評価し、交付金が広域的地域活性化に資するものとなるよう努めるとともに、計画期間終了後においても、事後評価及びその公表を行い、計画目標の達成状況や交付金の効果等について地域住民や国民に分かりやすい形で明らかにすること。
 四、民間拠点施設整備事業計画の認定に当たっては、当該計画の内容及びその実効性等について厳正な審査を行うとともに、認定後においても当該民間事業者による事業の確実かつ効果的な遂行について実態把握に努め、その結果に基づいて適切な措置を講ずること。
 五、地域自立・活性化交付金に基づく都道府県事業及びまちづくり交付金による市町村事業について、それらの事業効果が最大限に発揮されるように、都道府県及び市町村の連携による両事業の一体的推進が図られるよう、適切な支援を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#100
○委員長(大江康弘君) ただいま藤本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#101
○委員長(大江康弘君) 多数と認めます。よって、藤本君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、冬柴国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。冬柴国土交通大臣。
#102
○国務大臣(冬柴鐵三君) 広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
 大変ありがとうございました。
#103
○委員長(大江康弘君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#105
○委員長(大江康弘君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 北海道における国土の整備、交通政策の推進等に関する実情を調査し、もって本委員会に付託を予定される地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案の審査に資するため、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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