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2007/05/17 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 国土交通委員会 第16号
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2007/05/17 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 国土交通委員会 第16号

#1
第166回国会 国土交通委員会 第16号
平成十九年五月十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十日
    辞任         補欠選任   
     鰐淵 洋子君     魚住裕一郎君
 五月十六日
    辞任         補欠選任   
     魚住裕一郎君     鰐淵 洋子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大江 康弘君
    理 事
                末松 信介君
                脇  雅史君
                藤本 祐司君
                山下八洲夫君
                谷合 正明君
    委 員
                市川 一朗君
                岩井 國臣君
                太田 豊秋君
                小池 正勝君
                中島 啓雄君
                藤野 公孝君
                吉田 博美君
                加藤 敏幸君
                北澤 俊美君
                輿石  東君
                田名部匡省君
                羽田雄一郎君
                前田 武志君
                鰐淵 洋子君
                小林美恵子君
                渕上 貞雄君
                後藤 博子君
   国務大臣
       国土交通大臣   冬柴 鐵三君
   副大臣
       国土交通副大臣  望月 義夫君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       藤野 公孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       津曲 俊英君
       国土交通省総合
       政策局長     宿利 正史君
       国土交通省道路
       局長       宮田 年耕君
       国土交通省鉄道
       局長       平田憲一郎君
       国土交通省自動
       車交通局長    岩崎 貞二君
       国土交通省航空
       局長       鈴木 久泰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (派遣委員の報告)
○地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○港湾法及び北海道開発のためにする港湾工事に
 関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案の審査のため、本日の委員会に総務大臣官房審議官津曲俊英君、国土交通省総合政策局長宿利正史君、国土交通省道路局長宮田年耕君、国土交通省鉄道局長平田憲一郎君、国土交通省自動車交通局長岩崎貞二君及び国土交通省航空局長鈴木久泰君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(大江康弘君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題といたします。
 先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。末松信介君。
#5
○末松信介君 委員派遣について御報告申し上げます。
 去る十四日及び十五日の両日、国土の整備、交通政策の推進等に関する実情を調査し、もって地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案の審査に資するため、北海道を訪問いたしました。
 派遣委員は、大江委員長、藤本理事、山下理事、谷合理事、中島委員、加藤委員、小林委員、渕上委員、そして私、末松の計九名であります。
 以下、調査の概略を御報告いたします。
 初日、我々は、空路にて札幌に到着し、北海道旅客鉄道株式会社から経営状況及びDMV、デュアル・モード・ビークルについて説明を聴取いたしました。
 同社は、国鉄民営化の方針の下、昭和六十二年に設立され、営業総延長約二千五百キロを擁しております。輸送人員は、平成七年度に一億二千九百万人とピークを記録いたしましたが、その後横ばいで推移し、平成十八年度は一億二千六百万人となっております。
 鉄道運輸収入は、平成八年の運賃改定により八百億円を記録いたしましたが、その後漸減し、平成十八年度には七百三十億円となっております。営業損失は同社設立以来減少しているものの、年間約三百億円を計上しており、極めて厳しい経営状況が続いております。
 また、DMVについては、JR北海道の地方交通線の経営改善が限界に達したことから、輸送量に見合った輸送力、地上のインフラの軽減、地域に役立つ乗り物という観点から開発に着手し、本年四月から試験的営業運行を開始しているものであります。DMVは、道路及び線路上を走行可能とするバスであり、道路から線路へモードチェンジを行うことにより線路走行が可能となり、特に安全性確保のためGPS等を活用した運行監視システムが採用されております。
 DMVは、既存ストックの有効活用、利便性・サービスの向上、新たな需要の創出という特性を有しており、今後の実用化に向けて、少子高齢化の中で地域の交通ネットワークをどう構築するかという観点から、鉄道・バス事業者、行政、利用者の三者一体体制の下で、地域に密着した活用を図るべく検討が行われているとのことであります。
 翌十五日、空路にて札幌から女満別に移動し、網走バス株式会社から経営状況及びDMVの運行について説明を聴取いたしました。
 同社は、昭和二十七年に設立され、バス車両七十両、二十系統の路線を有しております。路線バスは、昭和四十四年度の年間利用客数五百六十万人を最高に年々減少しており、平成十七年度においては、年間百三十万人と最盛期に比べ七八%減少しております。
 平成五年度から十五年度まで黒字経営が続きましたが、平成十六年度及び十七年度と赤字に転じました。平成十八年度は不採算系統の休廃止等により黒字に転換しておりますが、今後は年々利用客が減少することが見込まれることから、都市間バス部門の充実、貸切り旅行団体の大幅な受注増を期し、会社存続、雇用確保に向けて経営健全化を図ることとしております。
 同社からは、北海道における二次交通、いわゆる空港や主要駅からの移動手段に対する公的支援について要望がございました。
 また、DMVについては、将来的に輸送システムの一つになる可能性が大きいとの判断から、同社としてDMVの道路走行の協力を行うこととし、試験的営業運行に当たり業務受託を行っております。その実用化は、バス事業者として厳しい局面も生じるとの懸念も抱いておりますが、同社の知名度の向上、乗客、見学者によるバス利用の増加等を期待しているとのことであります。DMVの試験的営業運行が成功裏に進むよう、管理体制の確立、乗務員の指導の徹底により安全運転を確保するとのことであります。
 説明聴取後、委員から、地方路線バスに対する補助の在り方、バス免許と軌道免許の一本化、道東地区における観光の状況等について質疑がなされました。
 続いて、JR釧網線において約一時間のDMV試乗を行いました。線路走行時及び道路走行時のそれぞれの運転士を含め定員十六名で、浜小清水駅から出発し、時速四十キロ程度で約十一キロの線路走行の後、藻琴駅において運転士の交代と併せわずかの時間で道路走行に切り替わり、出発の浜小清水駅まで約十一キロの道路走行を行いました。
 DMVの実用性、有効性が確保されれば、その導入により地域の交通ネットワークは発展する可能性があり、地域の活性化に貢献するものと見込まれております。地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案においては、DMV等の新しい輸送サービスの導入促進を図るため、事業免許の手続の簡素化等が盛り込まれておりますが、DMVの実用化、本格導入に向け、更なる技術開発と安全性の確保、コストの低減、運賃の低廉化等が課題となっております。
 以上が調査の概略であります。
 最後に、長時間に及ぶ私どもの調査に御協力いただきました関係の方々に対し、厚く御礼を申し上げて、報告を終わります。
 以上です。
#6
○委員長(大江康弘君) 御苦労さまでした。
 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
    ─────────────
#7
○委員長(大江康弘君) 次に、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。冬柴国土交通大臣。
#8
○国務大臣(冬柴鐵三君) ただいま議題となりました地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 我が国においては、急速な少子高齢化の進展や移動手段に関する国民の選好の変化等の社会経済情勢の変化に伴い、地域における公共交通の置かれた状況は年々厳しさを増しており、地域によっては住民等の移動手段として不可欠な公共交通を適切に維持することに困難を生じております。一方で、高齢者を始め地域住民の自立した日常生活及び社会生活を確保し、活力ある都市活動を実現する観点からは、良質な公共輸送サービスを確保することは極めて重要な課題であり、また、観光交流を始めとした地域間交流を促進するとともに、交通に係る環境への負荷の低減を図る観点からも、地域において公共交通を活性化、再生することは喫緊の課題となっております。
 このような状況を踏まえ、地域における公共交通の活性化及び再生を通じた魅力ある地方の創出に向けて、地域のニーズに最も精通した地方自らが、地域公共交通の在り方を主体的に考え、それに基づく具体的な取組及び創意工夫を総合的、一体的かつ効率的に推進することを可能とする支援を行うため、この法律案を提案することとした次第です。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、主務大臣は、地域公共交通の活性化及び再生を総合的、一体的かつ効率的に推進するため、地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針を定めることとしております。
 第二に、市町村は、基本方針に基づき、地域の関係者による協議を踏まえ、地域公共交通の活性化及び再生を総合的かつ一体的に推進するための計画を作成することができることとしております。また、計画に定められた軌道事業、道路運送事業、海上運送事業の高度化に係る事業等特に重点的に取り組むことが期待される事業について国による認定制度等を設け、認定等に係る事業に対して、関係法律の特例措置等各種の支援措置を講ずることとしております。
 第三に、鉄道事業と道路運送事業等複数の旅客運送事業に該当し、同一の車両又は船舶を用いて一貫した運送サービスを提供する事業について、国による認定制度を設け、認定に係る事業の実施に必要となる関係法律に基づく許可等の手続の合理化等の措置を講ずることにより、地域の旅客輸送需要に適したこれらの事業の円滑化を図ることとしております。
 以上が、この法律案を提案する理由です。
 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
#9
○委員長(大江康弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○中島啓雄君 おはようございます。自由民主党の中島啓雄でございますが、今御報告がありましたように十四、十五日の両日、北海道のデュアル・モード・ビークル視察というようなことで、委員長も大変お忙しい中を計画をしていただきまして、大変ありがとうございました。
 その中でも、JR北海道のみならず網走バスさんの最近の情勢といいますか、最近の苦境をいろいろ聞かしていただいたわけでございますが、モータリゼーションの進展、それから人口の減少あるいは道路渋滞というようなことで電車やバスのお客さんがどんどん減っているということで、当然その便数を減らしたり合理化をやってもなかなかペイしないというようなことで路線の廃止とかそういったことが相次いでおりますけれども、やっぱり、今大臣から趣旨説明にございましたように、地域の足として、特に高齢者とか児童生徒とかそういった方々の足としてはもう必要不可欠でありますし、観光その他地方の活性化にも非常に役立つと、こういうことでやはり地域の公共交通というのは是非維持をしていかなければならぬと。
 こういう考え方で、実は自民党でも、おととしの十七年七月から地域公共交通小委員会というのを設けまして、いろいろ勉強をしてきたわけですが、その中の提言もお取り入れいただいて政府としてこのような法案にまとめていただいたということを、大臣始め関係者の皆様に厚く御礼を申し上げたいと思います。
 そこで、まず最初の導入部といたしまして、地域公共交通機関の輸送量の推移あるいは経営状況といったものについて、概略、大臣から御説明をいただきたいと思います。特に、なかなか今の時代、企業努力のみでは限界に達しつつある路線、企業も多いと思いますので、その点も含めてお聞かせをいただければと思います。
#11
○国務大臣(冬柴鐵三君) 中島委員におかれましては、自由民主党の地域公共交通小委員会ですか、の主要メンバーとして海外にまで足を運び、多くの最新型の地域公共交通機関について御研究をされ、そして私にも過日はその提言もいただきました。こういうものを踏まえまして今回この法案を提案させていただくことになったわけでありまして、その御労苦に対してまずもって心から敬意を表したいと思います。
 地域公共交通の現状についての認識がお尋ねでございました。先ほど来申していますように、人口が減少していること、宅地の郊外化が進んだこと、あるいは自家用車の普及ということにより日常生活における自家用車への依存が非常に高まっております。特に三大都市圏以外では、公共交通の利用分担率が昭和五十年から平成十五年の二十八年間の間に五〇%から一六%と大きく減少するなど、長期的に公共交通の利用者は減少傾向にあるわけでございます。
 鉄軌道の輸送量の推移を見てみますと、地方民鉄でございますけれども、四億一千九百万人が利用されていました、昭和五十年。ところが、平成十五年、二十八年後でございますが、これが二億七千三百万人と激減をしているわけでございます。
 また、バスの輸送人員の推移を見てみますと、これも三大都市圏以外の部分でございますが、昭和五十年には五十一億一千三百万人がお使いになっておりましたけれども、これが平成十五年には二十一億四千七百万人にまで激減しているというのが現状でございまして、こういうことを受けまして、経営状況につきましても大変苦しくなっているわけであります。
 地方鉄道につきましては、平成十七年度において、全国の地方鉄道、地方鉄軌道ですね、鉄軌道事業者九十二社ありますが、その約八割に当たる七十二事業者が鉄軌道事業で赤字を計上しております。
 また、バス事業につきましては、平成十七年度において、三十台以上所有する乗り合いバス事業者二百五十四社ございますが、七割に当たる百七十九社が赤字であり、平均経常収支率が九三%というふうになっております。
 このように、地域公共交通をめぐる環境はもう非常に厳しい状況にあるというふうに認識をいたしております。
 以上でございます。
#12
○中島啓雄君 ありがとうございました。地域公共交通の大変な状況について御説明がありましたが。
 この法律で、じゃ国はどういうことをしてくれるんだというのを、第四条にございますけれども、第四条で、「地域公共交通の活性化及び再生を推進するために必要となる情報の収集、整理、分析及び提供、研究開発の推進並びに人材の養成及び資質の向上に努めなければならない。」ということで、ソフト面のことが書いてあるわけでございます。
 もちろん、ソフト面でいろいろ地域を指導していくということは大事なことでございますけれども、それと裏腹の関係として、やっぱりハード面も整備をしていただかなければならないと、こういうことだと思いますんで、資金の確保というような文言もございますけれども、その辺についてはどのように考えておられるのか、御説明をいただければと思います。
#13
○政府参考人(宿利正史君) お答え申し上げます。
 まず、地域公共交通の課題でございますけれども、これは地域ごとに多種多様なものがあると、このように考えておりまして、これに対しまして適切に対応するためには、市町村、地域の公共交通事業者、地域住民など、地域の関係者が総合的に検討して、自分たちの地域についてどういう公共交通が一番望ましいのかということについて合意をきちっとつくって、それでみんなで責任を持って取り組むと、こういうことが極めて重要だと考えております。この法律案は、そのような地域の関係者が共同して取り組む取組を総合的に支援するという観点から法律の制度を構築しているものであります。
 今、中島委員から御指摘がありました国のかかわりでありますけれども、法律の四条の中で、情報の提供や研究開発、人材の養成などについて努力義務が書かれておりますと同時に、三十七条の中で、資金の確保ということについても努めなければならないということが定められているところであります。
 この財政支援でありますけれども、これは特に重要だと考えておりまして、私どもといたしましては、平成十九年度予算から、この法律に基づきます地域公共交通総合連携計画の計画を策定する経費について新たな支援制度を設けております。また、同時に、この計画に位置付けられたLRTの整備やバスサービスのもろもろの改善、乗り継ぎの改善、地方鉄道の活性化などの施策、事業につきまして、ハード、ソフト両面から関係予算を可能な限り重点配分、配慮などをすることによりまして対応したいと考えておりますし、同時に、地方財政措置を講じまして総合的かつ強力に支援をしていきたい、このように考えているところでございます。
#14
○中島啓雄君 ありがとうございました。是非、ソフト、ハード両面からと、こういうことでありますが。
 今お話があった地域公共交通活性化連携計画のその策定経費というのは、本法も予算関連経費ということになっておるわけですが、この辺の補助予算というのは二・六六億円と、こういうことで誠にささやかなものでございまして、予算関連法案と言えるのかなと、余り申し上げては、せっかく予算を付けていただいたんですから申し訳ないんですが、ということで、やっぱりいろいろな知恵を絞って是非財政面の支援をしていただきたいと、こう思っておりますんで、例えば、まちづくり交付金であるとか、先日法律が通りました地域自立・活性化支援制度とか、そういった応用問題、様々な支援策との連携により財政的な支援もやっていただけるものと、こう考えておりますけれども、その辺についてはいかがなっておりますでしょうか。
#15
○政府参考人(宿利正史君) 御指摘の点でございますが、全く私どももそのとおりだと思います。
 ハード面の整備につきましては、今お話がありましたまちづくり交付金や、先般御審議いただいて可決成立をさせていただきました地域自立・活性化交付金、それから都市・地域総合交通戦略といった支援のスキームがありますが、少し具体的に申し上げますと、都市・地域総合交通戦略では、交通結節点の整備やLRT、BRTなどの公共交通の導入空間の整備などの支援が可能になっております。また、まちづくり交付金によりまして、駅前広場や駐輪場の整備など、公共交通の利便性向上のためのハード面の支援が可能であります。また、地域自立・活性化交付金では、都道府県による鉄道施設の整備などの支援が可能になっておるわけであります。
 このような各種の支援措置、それから交通事業に対して直接、鉄道や自動車や海上交通などの既存の支援スキームがありますけれども、このような各種支援措置が効果的に活用されることにつきまして、私どもの出先の地方運輸局や地方整備局が十分に連携を図りながら地域の皆さんに必要な情報の提供や助言などを行って、効果的に取組が進むように取り組んでいきたいと思っております。
#16
○中島啓雄君 ありがとうございました。この連携計画というのは市町村が主体になって作るわけでございますが、市町村はやっぱりそういったいろいろな予算科目をどう応用をして現実にするかというのはなかなか知恵が回らない面もあると思いますので、是非その辺はよく御説明をいただきたいと思います。
 そこで、総務省にお尋ねしたいと思いますが、地方財政の面でどういった財政面の措置を考えておられるのか。各軌道運送、道路運送、海上運送等の高度化計画の中には、計画で資金の調達方法を定めるとか、地方債の特例といったようなことも入っておりますけれども、もう少し具体的に御説明をいただければ有り難いと思います。
#17
○政府参考人(津曲俊英君) 地域における公共交通の活性化、再生は、市町村にとって重要な政策課題であると認識しております。このため、本法案については、総務省も共管で提出したところでございまして、国土交通省と連携して地域の公共交通の活性化、再生に取り組む市町村を支援することとしております。
 具体的には、まずこの法案に基づきまして、市町村が地域公共交通総合連携計画を策定する場合に、その策定経費については特別交付税措置を講ずるということにしております。さらに、民間事業者が軌道運送高度化事業として実施するLRTの整備や道路運送高度化事業として実施するコミュニティーバスやBRTの車両購入などに対して市町村が助成する場合に、その助成経費について地方債の特例措置を講ずることとしております。
#18
○中島啓雄君 ありがとうございました。是非よろしくお願いをいたしたいと思います。
 ところで、諸外国で地域の公共交通についてどういう政策を取っているかということを調べてみますと、かなり日本よりは大幅な支援をしているところが多い。
 例えば、アメリカでございますが、アメリカは従来自動車の国と思われていたんですが、なかなか道路渋滞というのも大変なことだと、道路を造っても造っても自動車があふれてくると、こういうようなことで、二〇〇四年から二〇〇九年までの六か年の総合的な交通投資計画という、SAFETEA―LUと短縮して言うようですが、非常に難しい長い名前の法律がありまして、この中で六年間で二千八百六十四億ドル使うと。年当たりで直しますと大体五・七兆円ぐらい使うということで、十二年前の計画に比較しますと一・八倍というようなかなり思い切った投資をすると、こういう計画になっておりますけれども、その中で、連邦公共交通局の所管、フェデラル・トランジット・アドミニストレーションと、こういうのがありますが、ここで〇七年度の予算では八十九億七千四百万ドル、日本円に直しますと一・一兆円ぐらい使って、地域のバスとかLRTとか、これはもう地域の公共交通のみに使えるようなお金を各州、地方に配分すると。さらに、それに地方予算も加わるというようなことで相当、二兆円とか三兆円の規模で交通投資が行われているんじゃないかと、こう思います。その財源は、八割ぐらいが道路財源を使っていると。
 それから、ドイツについて言いますと、ドイツは、一九九四年にドイツ国鉄が民営化をいたしまして、そのときに地方の交通というのは全部これは州に任せるよと、ただし財源も保障しますよと、こういうことで、いわゆるガソリン税、鉱油税を値上げをしまして、〇七年度の予算で見ますと千三百三十五億ユーロ、もう一つ公共近距離交通地域化法という法律がこれは前からあるんですが、それと合計しますと八千四十五億ユーロ、日本円に直しますと一兆三千億ぐらい連邦が地方に財源を供与していると、こういうようなことで、アメリカでもヨーロッパでも運賃で経費を賄える範囲というのはせいぜい四〇%とか五〇%ぐらいだと、こんな状況になっておるわけでございます。
 実は去年、私、ロサンゼルスをちょっと見てきたんですが、ロサンゼルスというのは七〇年代はもう車社会で、何か自動車の国だと、こういうように思っていたんですが、もう自動車だけじゃとてももたぬというので、一九九〇年に初めてロサンゼルスのダウンタウンからロングビーチまでの間をLRTができまして、その後どんどん拡張をして今四路線、いわゆるLRTといいますか地下鉄というか、そういう電車が通っておると。それに、先ほどからバスの高速化というのでBRTという話が出ていますが、BRTの路線もどんどん拡大しているということで、非常に今やロサンゼルスの公共交通というのは便利になって様変わりになっておるというのが現実でございます。
 そんな意味から、もっともっとやっぱり地域の公共交通というのは、国の社会的な施設として、言わば公共の装置として、都市の装置としてもっと公的支援を充実すべきではないかと、こう思っておりますが、その辺のお考えについてお聞かせいただければと思います。
#19
○政府参考人(宿利正史君) 中島委員御指摘のとおり、諸外国で地域公共交通に対して様々な公的支援が行われているということは私どもも承知をしているところであります。
 我が国の場合も、従来より、国と地方が適切に役割分担をしながら、地方のバス路線維持のための補助、あるいは離島航路維持のための補助、あるいは地方の赤字地方鉄道の安全確保や路線活性化のための補助などを行っておりますし、地方財政措置も先ほどお話がございましたようにバスなどについて適切に講じられているところであります。
 さらに、公共交通をより使い勝手の良いものにするという観点から、例えばバス交通を活用したまちづくりという観点で、オムニバスタウンの整備についての補助制度、あるいはLRTの導入促進のためのLRT総合整備事業補助、また、バスのバリアフリー化や福祉タクシーの普及などを推進するための公共交通移動円滑化事業としての補助といった様々な必要な公的支援を講じているところであります。
 こういった中でありますが、確かに今後の少子高齢化を始めとする社会構造の変化などにスピード感を持って適切に対応していくためには、地域公共交通の活性化、再生が喫緊の課題であるという大臣からの先ほどの答弁でお話し申し上げた認識に立っておりますので、今後、より効果的で使い勝手の良い財政支援の在り方、その充実につきまして、関係者の意見を踏まえながら幅広く検討していきたいと、このように考えております。
#20
○中島啓雄君 是非、よろしくお願いをしたいと思います。
 ところで、地方の公共交通機関ということで申し上げますと、電車というか、鉄道とバスが一番身近な存在なんだろうと。そのほかに、もちろん離島については航路がありますし、近距離の航空便というようなものがあって、それぞれ大事なわけでありますが、中小都市ないしは村に近いようなところで交通機関というと、バスが一番身近な存在だと思うんですね。
 ところが、先ほど大臣からお話もありましたように、輸送量が激減していると、輸送のシェアもどんどん減っていると。鉄道を廃止してバスに転換というようなことも国鉄の末期からいろいろ行われてきたんですが、どうも実績を見ると、バスに転換するとお客さんの数というのは半分とか三分の一とか、がた減りしてしまうんですね。一体これはどういうわけなんだろうというと、もちろんマイカーが発達したということもあるんですけれども、基本的にはマイカーより遅いと。そもそもバスは各停留所に停車しまして、乗降に運賃の収受とか非常に時間が掛かると。それから、道路が渋滞すると遅れる。それから、ドア・ツー・ドアでないとか、どうもバスは余り乗り心地が良くないねとか、いろんな話がございます。
 やっぱりバスをもっともっと使ってもらうためには、マイカーより速くて、定時に走って、快適なんだと、車体もいいし、停留所も、ちゃんと屋根があって次に何時にバスが来るか分かるというような設備にしないといかぬのだろうと。それの近年になって発達してきたものがBRTといいますか、バス・ラピッド・トランジット、こう称しておりますが、高速バス、いわゆる国道、高速自動車道を走る高速バスでなくて都市内を走る高速バスと、こういうことだと思うんですね。私はそういう意味で、もっともっとバスの革命をやったらどうだと、こう思っております。
 建設コストで見ましても、地下鉄は数百億円のオーダーだと。それから、LRTでもやっぱり数十億、キロ当たりですね、キロ当たり数十億円のオーダー。BRTですとキロ当たり十億前後、まあやり方によりけりですけれども、できるんじゃないかと。コストが安くて効率的な交通機関と言えるんじゃないかと思います。
 国交省の御説明の中にも、BRTの例として神奈川県の藤沢市でやっている連節バスの話が出ていますが、これはもちろん大型ノンステップの連節バスを使って、公共車両優先システムを使ってハブ・アンド・スポーク・システムみたいなのをやってということですね。なかなか革新的なんですけれども、まだまだ外国のBRTに比べると初歩的なものではないかと。
 例えば、先ほどロサンゼルスのお話を申し上げましたけれども、ロサンゼルスにオレンジラインというBRT専用の路線ができまして、これは昔の鉄道の線路敷をそのままバス専用の道路として整備をして、そこを非常に高速で快適に走ると、こういうようなシステムでございます。速度も時速三十五キロぐらい出ておるんですね、平均速度がですね。これは山手線より速いんですよ。山手線は平均時速三十二キロぐらいしかないんですね。そんなことで、もう速くて快適でというようなので私感心をしてまいりましたが、そういった、言ってみればバスの専用の通路で、タイヤの付いた鉄道と似たような仕掛けになっていると。
 それから、ドイツにエッセンという都市がございます。ちょっと北の方のいわゆるルーアゲビート、ルール地方と、こう称するところですが、ここではBRTが郊外は国道のちょうど真ん中を専用通路になって走っていると。これ、専用通路は全部舗装してあるわけではなくて、自動車の、バスのタイヤが走るところだけ、言わばわだちのところだけ舗装してあるというような構造になっておりまして、それから都心部は路面電車の軌道と併用して、路面電車の鉄の軌道の横に舗装をしてそこを走ると、こういうようななかなか面白いアイデアなんですね。
 そういった意味で、今回の法律の中でも新地域旅客運送事業というのが取り上げられておりますけど、これは二つのモードを、先ほどのDMVにあったように、道路も鉄道も走れますよと、こういうような話ですが、それと同じような感覚で新しいバスの建設方式といいますか、そういったシステムを大いに推進すべきではないかと、こう思っておりますけれども、その辺の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#21
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘のとおり、バスをスピードアップし魅力あるものにしていくというのは大変重要なことだろうと思っております。
 BRTでございますけれども、先生御指摘のように、海外ではいろんな事例が、いろんな工夫がなされておるというのを私どもも勉強させていただいております。日本では藤沢市に十七年の三月から導入されておりますけれども、大型の連節バスを使って、公共車両優先システムを使いながら走っておりますが、こういう初歩的なシステムでございますけれども、ラッシュ時の運行時間が十四分から八分に短縮されたと。非常に多くの旅客を一挙に運べると。利用者からも評価をいただいているというふうに聞いております。
 更にいいものに目指していくためにいろいろ課題はあろうかと思っておりますけれども、関係者の理解を得ながら、あるいはこういう法律のシステムを使いながら、より良いバス交通システムができるように我々も頑張っていきたいと、このように思っているところでございます。
#22
○中島啓雄君 今の話の続きになりますけれども、例えばエッセンの話は、バスのタイヤが乗る部分だけを舗装しているというと当然建設費も安くなると。その代わり、バスの専用通路になりますので、日本で言う道路法上の道路になるのかなと、道路法上の道路にならないとなかなか道路財源を使うわけにはいかないのかなとか、まあちょっと素人的な心配が出てくるわけでありますが、そういう路盤の工事費が減るだけでなくて、誘導技術まで使えば、今道路の道幅というのは片側二・五五メーター以上はないとか、いろいろ構造があるわけですが、その幅を狭くして日本のような土地が少ないところを走ることもできるんじゃないかというようなことで、そういった走行空間の改善を図るとか、バスの利便性向上のためには道路特定財源というようなものも積極的に使えるようにしていただきたいと思いますが、その辺についてはいかがでございましょうか。
#23
○政府参考人(宮田年耕君) 道路局といたしましても、地域の交通確保ということで公共交通機関の支援というのが重要なことだというふうに考えております。
 従来から、納税者の理解を得ながら、いろいろ公共交通機関の方に、特にインフラ部分に道路特定財源を投入をしてまいりました。路面電車あるいは新交通、それから地下鉄ということで、順次そういうふうに拡大をしてきております。納税者に説明をし、理解を得ながらやってまいりました。
 バスについていいますと、新交通の一環としてバスガイドウエー、名古屋で既にもう実用化をしておりますが、これは道路法の道路ということではなくて、道路法の道路は一般の交通の用に供すということでございますので、バス専用ということになるとなかなか道路法で仕切るというのは難しかろうと思います。バスガイドウエーの場合は、事業そのものは軌道法でございまして、インフラ部分を新交通の一環ということで道路特定財源を投入してやっておるということでございます。
 今後とも、納税者の理解を得ながら地域の公共交通に役に立つような施策を進めてまいりたいというふうに考えております。
#24
○中島啓雄君 ありがとうございました。道路法の道路でないとなかなか使えないよというようなことでないように、今後、頭を柔軟に是非御協力をお願いをしたいと思います。
 それで、そもそも交通計画というのは、やっぱり都市計画あるいは地域計画の一環なんだろうと思います。そういう意味で、今回市町村が主体になって、いろいろな関係者と一緒になって地域公共交通連携計画を作成すると、こういうことで、これは画期的なことだと思いますけれども。この協議会を有効に使って、すばらしい連携計画を作成するというためには、まずはその市町村が関心を持って、市町村がリーダーシップを発揮するということが一番大事なんでありますが、同時に、国なり県なり、国の出先として当然国交省の場合は運輸局とか整備局とか、こういうことがあるわけで、この辺の連携、指導、推進といったものが不可欠だと思いますが、そのような支援をどのようにやっていくおつもりか。
 富山でこの間LRTができたと。これは今回の法律の前にできているわけですが、これは正に富山の市長さんが大変積極的に働き掛けて、いろんな知恵で連続立体交差の事業費とか、LRTシステムの整備費補助とか、路面電車走行空間改築事業費の補助とか、JR西日本からも協力金をもらったとか、あらゆる財源を絞り出してああいう大変立派なLRTをつくったという意味でも、やっぱりかなり国なり運輸、整備局も積極的に支援をしていく必要があると思うので、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
#25
○政府参考人(宿利正史君) 地域の公共交通の課題は、先ほど申し上げましたけれども、もう全国で多種多様でありますから、そこで最適な公共交通をどうするかということを決めようとすると、地域の実情に精通して、その地域の住民の移動手段の確保に責任を有する市町村がリーダーシップを発揮すると、その上で地域の様々な主体が総合的に検討して合意形成を図ると、それに基づいて関係者が責任を持って取り組んでいくということが極めて重要だというのは、中島委員御指摘のとおりだと思っております。
 今、富山市のLRTの例が御紹介ありましたけれども、富山市のケースも森市長さんの強力なリーダーシップが功を奏したということは明らかでありますし、そのほか浜松市あるいは川崎市のオムニバスタウンの例などを見ましても、首長さんあるいは市町村の強力なリーダーシップが成功につながっていると私どもは認識をしているところであります。
 このような市町村がリーダーシップを適切に発揮するためには、地域の公共交通に関する専門的な知識であるとか情報であるとか、あるいは必要な人材といったものをその公共団体がきちっと確保しているということが重要になってまいりますけれども、現実に全国を見回しますと、地域の自治体の中でノウハウや情報や人材についてやはり不十分で問題を抱えているという実情にあるものと私どもは認識しております。
 従来から、地方運輸局や地方整備局を通じて必要な情報、ノウハウの提供や助言などを行って取り組んでおりますけれども、この法律を機に更にこうした私どもの出先機関における連携を強化いたしまして、地域の取組についていろいろな形で支援、助言、情報の提供を十分に行えるように取り組んでいきたいと考えております。
#26
○中島啓雄君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、やや細かい話になりますが、鉄道再生事業についてお尋ねいたします。
 実は、鉄道事業者が事業を廃止したい場合には、事業法の改正によりまして一年前に届けると、こういうことになっているわけですが、再生事業をやろうとすると、一年前に届出をして、それから再生事業計画の協議が本格的に始まるのではないかと思いますが、じゃ一年間で協議がうまく進むかねというと、なかなかこれ、うまくやらないと一年で事業の実施に至るというところまで至らないんじゃないかというような心配もございます。
 そうすると、事業者からすれば一年後に廃止するつもりだったのに、どうもうまくいかないのかなと、繰下げをしなきゃならないのかなというような心配が出てきますが、恐らく事業者側の合意がなければ廃止の繰下げというのはできないんだと思いますが、その辺どういう御見解であるか。繰下げの場合は損失補償をどうしてくれるんだなんという話も出てきかねないんで、そんなことも含めて御見解をお聞かせいただけたらと思います。
#27
○政府参考人(平田憲一郎君) お答え申し上げます。
 この法案の第二十七条の中において、廃止の届出が行われました鉄道路線につきまして、届出を行った鉄道事業者と沿線の地方自治体との間で鉄道再生事業の実施に関する協議が行われ、この協議が長引く場合には、委員御指摘のとおり、当初の廃止予定日を延期して協議を継続することができることとしております。しかしながら、これは鉄道事業者と沿線の自治体の両者が延期することについて合意した場合に限られまして、この点は委員の御指摘のとおりでございます。そのような合意に至らなければ予定どおり廃止されることとなるため、協議が無用な形で長期化するというような事態は考えにくく、むしろ協議の効率的な進行を促進することになるのではないかと考えております。
 また、事業者と沿線自治体が合意して廃止の期日を延長する場合におきましては、事業者において当該延長に伴います路線運営費用が追加的に発生することになるわけでありますが、その負担の在り方につきましては、事業者が延長の届出を行うに当たりまして自治体側と十分に話し合うことによって決められるべき事柄であると考えております。
 その際には、このような費用につきましては事業者において本来予定していなかったものであること、事業者の負担能力、さらには沿線自治体の財政事情などを考え合わせながら、双方がそれぞれどのような割合で費用を負担するのか、両者が十分に協議して決める必要があるものと考えております。
#28
○中島啓雄君 ありがとうございました。是非スムーズな協議ができますように御支援をお願いをしたいと思います。
 あと、ちょっと総務省の方にお尋ねいたしますが、先ほどの大臣の御説明の中では余り明快には言われなかったんですが、実は三十両以上の規模のバス事業者のうち公営事業者が二十八事業者あるわけですが、これすべて赤字ですね。それから、五月二日の日経新聞に実質債務超過の公営企業ワーストテンというのが出ておりまして、これは日経の調査ですから公的なものではないんでしょうけれども、このうち半数は交通事業なんですね。そういう意味で、どうも公営交通の効率というのはかなり問題があるんじゃないか、まずは公営交通の赤字対策というのをかなり真剣に考えていかなくてはいけないのではないかと、こう思いますが、総務省の御見解を聞かせていただければと思います。
#29
○政府参考人(津曲俊英君) 今お話がございましたように、公営交通事業の平成十七年度の決算を見ますと赤字額が六百三十三億円となっておりまして、経営状況は非常に厳しい状況にございます。例えばバス事業におきましては、輸送人員の減少、それから輸送効率の低下などにより経営状況が厳しくなっている状況でございます。公営交通事業を含め、地方公営企業につきましては、経営の総点検を行い、民間的経営手法の導入や給与の適正化などにより、経営健全化に積極的に取り組むことが重要だと考えております。
 総務省といたしましては、総務省の方からお示ししております新地方行革指針それから財政運営通知におきまして、サービス自体の必要性や地方公営企業として実施する必要性について十分検討し、特に公共性の確保などの意義が薄れている場合には民間への事業譲渡などについて検討することを要請しているところであります。また、事業を継続する場合でありましても、公の施設の指定管理者制度、地方独立行政法人制度や、PFI事業、民間委託などの民間的経営手法の導入を促進することも要請しております。
 さらに、昨今、公営交通事業の職員の給与につきまして、同種の民間事業の従事者に比べて高給になっているのではないかという指摘があることも踏まえまして、新地方行革指針や財政運営通知によりまして、職務の性格や内容を踏まえつつ、当該地方公営企業の経営の状況その他の事情を考慮しながら、引き続き給与の適正化に努めるよう要請しているところであります。
#30
○中島啓雄君 是非民間並みの効率になるように頑張っていただきたいと思います。
 最後に大臣にお聞きしたいと思いますが、本法律ができて一応構えはできたわけですが、本当に魂を入れて、地域社会の生活交通として必要不可欠な公共交通が元気になるということは非常に大事なことなので、これからどうトレースしていくかというのが一番大事だと思います。
 そういう意味では、国交省の推計では、何か車の渋滞損失というのは年間十二兆円ぐらいだというような推計もあるようですが、仮に、車といいますか、自家用車の一割が公共交通に移ったとすると恐らく一兆円ぐらい渋滞損失が減るかもしれないと。それから、ガソリンの消費量を、自家用車のガソリンの消費量というのは今恐らく五兆円とか六兆円とか、そんなオーダーじゃないか思うんですね。そうすると、一割減れば五千億ぐらい減るとか、相当大きな効果もあると思いますので、国として是非積極的に推進していただきたいと思いますが、その辺の大臣の御決意を承って、質問を終わりたいと思います。
#31
○国務大臣(冬柴鐵三君) 地域のこの問題に対するニーズは、課題は多種多様でございます。したがいまして、その地域に最も精通している市町村を中心に、その公共交通事業者とか地域住民、利用者、そういう関係者が総合的に検討されまして、その地域における最適な公共交通機関は何なのか、どういうふうにすべきかということの合意形成が最も大事でございますし、形成された合意に基づいて各主体が責任を持ってこれを履行していくということが非常に大事でございます。
 そのような中で、我々は、この法案に基づきまして、各種の措置や関係予算、あるいは地方財政措置等を、財源の手当ても積極的に行っていかなければなりません。また、必要な措置やノウハウの提供、充実強化、必要な人材育成というような総合的な支援も必要でございます。
 このような地域の関係者が協議して取り組む地域公共交通の活性化、再生に対する総合的な支援策を具体化したものがこの法律案でございますので、この法律案を円滑に施行し、大いに活用して主体的に創意工夫を発揮して頑張る地方を我々は強力に支援していかなければならないと、このような覚悟でございます。
 どうか、地方の抱えていられるこのような大きな大切な問題について、この法律に基づきまして一日も早くこれが解決されるように努力をしていく覚悟でございます、決意でございます。
#32
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 終わります。
#33
○輿石東君 私は、今、中島委員の質問をお聞きをしていながら、最初にこの法案が提出をされた背景と経過について若干御質問をしたいと思いますが、今この手元に、地方公共交通活性化・再生のための提言―便利で乗りたくなる交通機関を目指して、冒頭大臣が中島委員の質問に答えて、自民党の提言もいただいてという答弁をされました。その提言の中身がこの冊子だろうと、こう思っているわけであります。
 この冊子をいただいて、この冊子のメンバーを見たら、委員長が行革担当の今の渡辺大臣、事務局長に今質問された中島委員、委員をずっと眺めてみますと、岩井委員がいますし、末松筆頭理事も藤野政務官もいられると。これは、国土交通省の交通部会の審議会の昨年十二月に出された中間まとめ、これがベースになっている。その半年も前にこれが出ているというわけですから、さすがは政権政党の自民党さんだと。これをもって政府提案とすると。だとすれば、これはむしろ自民党提案ということで出していただいた方がいいのではないか。そういう意味では、国土交通省に質問するより、更に中島先生に質問していった方がいいのかなと、こんな感じもしないわけではありませんけれども。
 それはさておいて、そういう背景の中で、この自民党の出された小委員会の立派なこの提言と、国土交通省が十二月にまとめられた中間まとめとの関連等を含めて、再度、法案提出の、法案の趣旨説明で提案理由ももう明らかになっていますけれども、その点も含めてのこの背景と経過についてお聞きをしたいと思います。
#34
○政府参考人(宿利正史君) お答え申し上げます。
 まず、地域の公共交通をめぐる環境は極めて厳しい状況にあるということから、この活性化、再生というのは喫緊の課題として、近年、私どものみならず、この問題について関心を持っている方々、国民、社会が極めて大きな問題として認識をしてきたという事実があると考えております。
 そういう中で、今、輿石委員からお話がありましたように、平成十七年の七月に自民党の国土交通部会地域公共交通小委員会が設けられまして、昨年の六月に今お話がございました提言がなされております。ここでは、地域の協議会における総合的な交通計画を樹立して推進する仕組みの必要性などが提言をされ、その法制化について決議がなされた上で国土交通大臣に対して法制化について申入れが行われた経緯がございます。
 また、昨年、この参議院の国土交通委員会、それから衆議院の国土交通委員会で、私が当時担当の局長をしておりましたけれども、道路運送法等の一部改正法を御審議いただいて全会一致で可決成立をいただきましたけれども、その際の附帯決議の中で、地域交通の充実策を検討することや、住民の移動手段の確保策について地域の実情に応じた様々な観点から具体策を検討するようにという附帯決議をいただいております。
 また、この法案でも特に重要な事項の一つとして盛り込んでおりますLRTの整備に関しましては、超党派のLRT推進議員連盟というものがございまして、昨年の六月に関係者による協議会がLRT法試案といった法律の試案を取りまとめ、その考え方を国土交通省で検討しておりましたこの法案に反映をさせるようにということで、国土交通大臣に対して申入れがなされた経緯がございます。
 このような動きと並行いたしまして、私ども行政の側では、昨年の九月に交通政策審議会の地域公共交通部会をスタートをさせまして、公共交通の活性化、再生について精力的に御審議をいただきました。これが十二月に中間取りまとめとしてまとめていただいたわけでありますが、この中では、地域の関係者がそれぞれの地域にとって最適な公共交通の在り方について合意形成を図って、その合意に基づいて推進する仕組みづくりが重要であること、また、そういった合意形成を行った頑張る地域については国が総合的な支援を行う必要があること、また、新しい輸送サービスについて、その円滑な導入が図られるような環境整備を図る必要があることといった取りまとめをいただいたわけであります。
 今申し上げました種々の提言あるいは審議会での議論を十分踏まえてこの法律案を提出をさせていただいたということでございます。
#35
○輿石東君 今、宿利局長説明していただきましたように、道路運送法の一部改正で附帯決議の中で、そういうものも考慮したと、こう言われましたね。そこで一番大事な点は、住民の移動というものを、住民の足をどこに住んでいてもきちっと確保していくんだという、そういう理念が入っているのかとも思いますけれども、一方で、LRTの議員連盟もあって、そこの意見も耳を傾けたと、こういう経過のようですけれども、先ほど中島委員の質問の中で、道路法を再度変えなければ、新しい技術の、レールの上を走るのと道路を走る、そういうすばらしい技術でもって新しい交通機関をつくったときに、その法律に合っていない、間に合わない、だから財源も道路特定財源使えないんだと、こういう問題点をるる披瀝を協議の中でされたと思いますが。
 だとすれば、質問の順序がどんどん変わっていきますけれども、私ども民主党も、過日の本会議で藤本議員から、民主党も公共交通基本法というのを出しているんだけれど、やっぱり政権に就いてないからおまえのはそっちでいいよと、こういう話かもしれぬけれど、だから政権を取ってこいと、こういうことになろうかと思いますが、そういうここで我々が出している基本法というようなものについて、大臣どうお考えですか。本会議でも、ちょっと。
#36
○国務大臣(冬柴鐵三君) 民主党の交通基本法は、利用者の立場に立ち、バリアフリー化や生活交通の維持に推進する、あるいは交通による環境への負荷を低減し、持続可能な社会の構築に資するなどを柱としたものであると理解をいたしております。
 これら柱となっている考え方は非常に重要なことでありまして、本法案においても例えば「自立した日常生活及び社会生活の確保」や「交通に係る環境への負荷の低減」を目的規定に置いてあるわけでありまして、バリアフリー政策との調和を規定するなど民主党の交通基本法案の趣旨を十分踏まえたものとなっていると思います。
 ただし、移動に関する権利というものがあります。その実現のためには私どもは、交通事業に対する国の関与権限が余りに強化されるのではないか、あるいは財政支出が余りにも大幅な拡大、増大をするのではないかとか、あるいは非効率化というようなことを招くおそれはないかなど、このような問題点をすべて是認した上で移動の権利を確保するということについては、いまだ国民的コンセンサスは形成されていないのではないかというように我々は考えておりまして、本法案には移動に関する権利というようなものは規定をしなかったといういきさつがございます。
#37
○輿石東君 今大臣、二つの大事なことを言われたと思います。一つは住民の移動の権利、それから環境への負荷の軽減、この二点、この二つの理念が私どもの基本法には流れている。この負荷の軽減については大賛成だと、そういう意味ではこの法案にも生きていますよという答弁だと思います。
 もう一つの移動の権利、これを全部、どこに住んでいても移動の権利を保障するということになれば、言うまでもなく莫大な財源も必要で、効率という面で、二、三人しか乗らないバスを走らせているというような状況も出ざるを得ないと、こういう意味でしょう。
 しかし、憲法二十五条、安倍総理は憲法が今度の参議院選の争点だと言われているからあえて言わせていただくと、憲法二十五条、もう一度、この憲法二十五条まで変えてしまえということなのかというふうにも思うわけであります。憲法二十五条には、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と、こういう発想の中から我々はここの基本法でもうたった。おい、そんな山間へき地に生まれたのがもう宿命で仕方がないんだよと、そういう発想では政治も要らないし、そういうことにはならないだろう、こういうことも思いますし、もう一つ、局長も今大臣も、頑張る地方を支援するという、この理念がこの法律にはあると。じゃ、頑張りたいけど頑張れない地方というのが問題になるのではないかと、この点いかがですか。
#38
○政府参考人(宿利正史君) 私ども、今大臣から答弁申し上げましたように、この法律の第一条、目的の中に明確に規定をしておりますけれども、地域住民の自立した日常生活及び社会生活の確保を図ることが極めて重要になっているということにかんがみ、今回のようないろいろな総合的な支援をする仕組みを法律の形で提案をさせていただいているわけでありまして、やはり国民の日常生活の足の確保というのが極めて重要な、地域公共交通の政策課題の中で一番大きな課題だと認識していることは申し上げておきたいと思います。
 失礼いたしました。申し訳ありません。ちょっと時間をちょうだいしまして誠に申し訳ありませんでしたが、後半の部分を答弁させていただきますけれども、その上で、私どもが頑張る地域を支援すると申し上げておりますのは、先ほどから法律のねらいのところで御説明しておりますように、地域の公共交通の非常に難しい、かつ多様な課題を解決しようとしていくことになりますと、関係者がやはり主体的に自らの地域の足をどうやって確保するかということをきちっと協議をして決めるという、そういう合意が形成されなければ、なかなか全国で非常に難しいこの課題を解決することは困難だろうと思っております。
 それが、これまでいろいろな取組を行政や交通事業者や地域の関係者がやってきても、なお公共交通の利用者がここまで減ってきているという事実に表われているわけでありますから、そういう中で合意形成をして、それを何とか地域の皆さんで解決していこうと、こういうところまで持っていっている、そういう地域について、やはり限られたいろんな財政支援措置でありますから、そういうところから優先的にバックアップをしていくことが効果的ではないかという意味で頑張る地域を支援すると申し上げているわけでありまして、決して駄目なところについて温かい手を差し伸べないということではありませんので、御理解いただきたいと思います。
#39
○輿石東君 そして、環境負荷の軽減というところで先ほど中島委員が、車の渋滞でもう十二兆円も金を掛けているんだと、一割その渋滞が減ったら一兆円浮きますよという、どこから出てきた試算か知らないですけれども、そういうお話もあるわけですから、そういう点はきちっと、これは別に与野党超えて合意できる話でしょうから、努力をしていただきたい。
 そんなことばっかり言っているわけにもいきませんので、本法案に言う、じゃ具体的に、地域公共交通の地域とはどのような概念で言われているのか。これも本会議で、地域の範囲はどうだと、こうお聞きした。私は少し、その範囲じゃなくて、ここで言う地域という概念についてどういう認識をしていられるか、お答えいただきたいと思います。
#40
○政府参考人(宿利正史君) 地域の公共交通をめぐる状況は非常に厳しいものがあるということをるる申し上げておりますけれども、これは大きく二つの類型があるかと思っております。
 一つは、地方都市や過疎地域における問題でありまして、これらの地域におきましては、地域公共交通のサービスの低下や、場合によってサービスの廃止、撤退といった切実な問題が現に現れているわけであります。そこでは地方住民の足をいかに確保するかという課題が基本だと思っております。
 一方で、都市部につきましては、そういった問題がないのかといいますと、これはこれで、道路渋滞を始めといたしまして公共交通のサービスの質が問題になっていると。走行環境の悪化などを通じてサービスの質が低下しまして、公共交通の利用者がなかなか利便性を享受できない、あるいは質の低下によりまして自家用自動車の利用を余儀なくされると、こういう課題があると考えております。
 したがいまして、この法律で言う地域というのは国民の日常生活の範囲を念頭に置いておりますけれども、それは、しかしそういう範囲の中で都市部の地域交通の問題、あるいは過疎地あるいは中山間地域における足の確保が切実だという地域公共交通の問題、こういったそれぞれの問題に対応していく、そういう限られた空間概念というものを地域と考えているものでございます。
#41
○輿石東君 私もそう思います。
 今局長言われたように、今回の法案は都市部も含めた両者の交通、公共交通のサービスというものをとらえている。だとすれば、都市部はサービスの質ということにおのずから視点が掛かっていく。だから、深刻さからいえばサービスの質、もうちょっと、自民党さんがつくられたこの提言にもありますように、便利で乗りたくなる交通機関と、これはうまい表現だなと。あんなものに乗りたくないというよりも乗りたくなるような、そういう技術、そういうサービスが欲しい。
 しかし、今局長が言われたように、山間へき地という地方には、乗りたくても公共交通がなくなってしまう、路線バスが、地方鉄道がなくなるという、そっちの方がより近々で深刻な状況だろうと。だから、従来は地方公共交通という呼び方で、名称でその辺にかなりウエートを掛けて解決策をやってきたのではないかというふうに思います。
 その場合の、今まで言われた地方公共交通というのと今回の地域公共交通というその両者の違いや施策の違いはあるのかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#42
○政府参考人(宿利正史君) お尋ねの件でありますが、地方公共交通という明確な概念といったものが法律レベルなどで決められているかどうか、今私はつまびらかではありませんけれども、ただ、確かにいろいろな交通政策に関する議論をする際に、地方交通というのを過疎地域に代表されるような交通需要が比較的少ない地域を指す概念として使われているケースがあることは確かだと思います。
 地域公共交通の方は、繰り返しになりますけれども、大都市部あるいは準大都市、それから地方の都市、中山間地、それからいわゆる過疎地を含む全国の多種多様な交通問題を抱えるその問題だという意味で地域公共交通という概念で整理したものでございます。
#43
○輿石東君 その辺はこれ以上議論をする必要もないと思いますので、是非、従来から言われた地方公共交通という点が非常に問題になっているという認識と、そういう施策の展開をお願いしておきたいというふうに思っています。
 先ほども中島委員の質疑の中で、この法案が提出された背景というようなことはどうなのかということや、これが法案化しなければならないだけの現状になっているということで、大臣が自ら自家用車と公共交通の事例を出されまして、何か二十八年間の間に、前は自家用車と公共交通は五〇対五〇と、そういう比率が正に三四%も三大都市圏では差が出てきてしまったというような、一六%に落ち込んだというような事例も言われました。この辺について、ますます都市部と三大都市圏以外の公共交通の格差というか、開きはどんどん大きくなっていく。
 今回のこの法案でどのような、そういう施策に対して、課題に対してこたえることのできる、この法案の効用なり効果というものを大臣はどのように認識されているか、お伺いしたいと思います。
#44
○国務大臣(冬柴鐵三君) 国民にひとしく同じようなサービスを提供することはできないわけでございます。したがいまして、その地域地域のニーズ、多種多様なニーズの中から、話合いによって、協議によって、この地域で最も最適な公共交通は何なのかということのコンセンサスを得ていただく。この法律は、その手順なりそれを手助けできるような仕組みなりを規定しているところでございまして、予算の上でもそのようにいたしております。
 そして、そのようにして決めていただいた地域固有の公共交通につきまして、我々は、それが早急に実現できるように予算の措置あるいは地方財政措置というものを取りながら、あるいはどういうものを選択したらいいかということの情報も、なかなか地方だけでは得にくいという事情もありましょうから、そういうものについての情報を、我々の方は、外国の事例等も交えながら、あるいは国内の事例も交えながらその情報を提供し、そしてその中からこの地域では最もこれがいいだろうというものを選んでいただくことについての手助けをさせていただく、またその費用についても一部ですけれども負担をさせていただくというようなことで、我々としては、そのようなコンセンサスが早急に実現をし、そして地域の高齢者の方あるいは学童の方が公共交通機関を失うことがないように、そのような努力をしてまいりたい。
 また、本法は、成立をしていただければ、そのような手助けをさせていただくことに十分役に立つというふうに考えているところでございます。
#45
○輿石東君 今大臣も触れられましたけれども、高齢者や児童生徒、いわゆる自分で自動車の運転ができない、そういう交通弱者と言われるような人たちの足が万が一にも奪われることのないように、それを地域でどうやっていくかを地域の住民と協議を持って、協議会をつくってということでしょうけれども。
 そこで、私は、今の公共交通の現状と課題ということで、現状はみんなほぼ認識できたと思いますが、課題としては、やはり交通弱者と言われる人たちにどういうふうに、効率性とかコストということだけで片の付かない話ですから、その辺に日を当てるということをお願いしながら、少し事例を出させていただくと、先月末には宮城のくりはら田園鉄道ですか、それから茨城でも鹿島鉄道が廃止されたと。九月には宮崎で高千穂鉄道の一部が廃止される予定だとも聞いているわけですけれども、兵庫でも何か二つの鉄道、三木鉄道とどこか、そういうのが問題となっているようですけれども。
 一体、こういう鉄道、地方鉄道を一つ取ってみても、これらの鉄道を救う働きがこの法律でもって実際にできるのかなと。もう既に経営難に陥って大変、病気でいえば重症の状態、危篤の状態のようなところに本法案の有効性はあるのかな、その辺はいかがですか。
#46
○政府参考人(宿利正史君) まず、地方鉄道で、輿石委員からお話がありましたように、近年、路線の廃止あるいは一部の廃止が残念ながら続いていることは確かであります。今お話がありましたような線区がこの四月一日に三線区廃止されたという残念な事態も発生しております。
 そういった中で、先ほど鉄道局長から鉄道再生事業の中身について御答弁申し上げましたけれども、この法律の中で鉄道再生事業という仕組みを特定事業として盛り込むことによりまして、地域の関係者が、廃止が見込まれる状況になった地方の鉄道について何とか維持、再生できないかどうかという取組がやりやすくなる特別の手続を導入しようとしているところであります。
 あわせて、そのような関係者が何とかしようという問題意識を持ちましたときに、この法律の重要な柱であります協議会におきまして市町村を始め関係者が協議をしていただいて、その合意が地域公共交通の総合連携計画という形でまとまりました場合には私どものいろいろな支援措置をそこに講ずるということを考えておりますので、合意がうまくできれば維持、再生につながっていくということを私どもは期待しているわけであります。
#47
○輿石東君 いろいろ住民の合意を得て、理解を得ることが最優先だと、こういうお話が度々出てくるわけですが、私は、そもそも我が国の公共事業が、中島委員も言われたように、運賃で経費を賄うというこの仕組み、これを独立採算制と言うんでしょうかね、そういうのを取っていることが問題ではないのかと、こう思うんです。
 公共事業と言うんですから、公の事業と言うんだから、これは公共財だと、人間が生活していく、生きていくための基本的なものなんだ、財なんだという視点からすれば、これを採算に合うから合わないからというようなことで公共交通を再生しようと思っても、もうその発想の転換をしない限り無理だというふうに私自身は思っています。これは道路と同じ公共財の一つなんだと、もう我々が人間として生活していくために必要なものなんだと、そういうとらえ方からこれをしていかなきゃいけないし、環境の問題で環境への負荷の軽減、これは地球温暖化という視点からも当然行われなければならない。だから、渋滞していたら困るんだから道路はつないで早く通すということにもなるわけでして。
 だから、もう少しそういう公共交通の理念なりそういうものをきちっととらえて税金で投入していくんだという発想が最終的には必要であり、大臣も、外国の例も勉強しながらということは、中島委員も言われたように、財政支援でアメリカじゃ〇四年から六年間に五・七兆円投資していますよ、ドイツではガソリン税を値上げをしてまで公共事業を守ろうとしていますよというお話もあったわけじゃないですか。
 だから、運賃で経費を賄うというのにはもう限界があるわけですから、この独立採算制というものを見直す必要もあるというふうに思います。その辺のお考えをお聞きしたいと思います。
#48
○政府参考人(宿利正史君) 今、輿石委員から独立採算制の点につきまして問題提起がございましたが、今、我が国の公共交通事業につきましては、基本的には民間の事業者が創意工夫や効率的な経営努力をしていただくという形で営まれていることは確かであります。しかしながら、一方でそういう民間事業者の経営努力では維持ができないサービスや路線がある地域があることも事実でありまして、このようなケースにつきましては、生活路線の維持といったことで、バスの補助あるいは離島航路の補助など、それを支える仕組みを国と地方で役割分担しながら講じているところであります。
 また同時に、公共交通のサービスがやっぱり一定のレベルに達していないとなかなか利用していただけないという課題もあるわけでありますから、公共交通事業者のそういう取組についても別途の各種の補助制度でそれをバックアップしているわけであります。
 こういった取組に加えまして、これは昨年の道路運送法の改正で御審議をいただいていろいろ御指摘もいただいたところでありますが、私どもは、公共交通事業者によって対応できないようなサービスが現実には近年各地域で生じているということでありますから、コミュニティーバスといったような形や乗り合いタクシーその他、新しいきめ細かな輸送サービスが実現しやすいような制度改正をお願いをいたしました。昨年の十月から施行されております。また、交通事業者自体が対応できない、市町村も対応できないような場合には、NPOによる福祉輸送なども自家用自動車の使用の特別の制度として制度化をさせていただいて、昨年十月から新しい制度が施行しているわけであります。
 このように、いろいろな支援制度やそれから法律制度を改善しながら現在は地域公共交通の課題に取り組んでいるところでありますが、今般、さらに、合意形成、それを総合的にバックアップする基本的な仕組みを新たに導入することによりましてこういった取組が加速されることを期待しております。また同時に、支援措置の問題につきましては、先ほど中島委員に対しましてお答え申し上げましたように、今後、どのようにそれを進めていくのか、どのような形に持っていくかということは幅広く勉強していきたいと考えております。
#49
○輿石東君 今、交通事業者の努力や市町村の施策ではどうにもならぬ場合に国としての施策を当然考えていくでありましょう、そういうのも既に行われていると、こう言われて、別途の施策も併せと局長答えられましたんで、じゃ、これまでに公共交通に対する財政上、税制上の措置として具体的にどんなことをやってきたのか、また、新たな支援措置としてどう考え、どんな見通しでおられるのか、お答えいただきたいと思います。
#50
○政府参考人(宿利正史君) 少し具体的にお答え申し上げます。
 まず、現在の支援スキームでありますけれども、国と地方が適切に役割分担をして対応するということを基本的な考え方にしておりますが、バスの路線維持につきましては地方バス補助で対応しております。離島航路の維持につきましては離島航路補助という仕組みを用意しております。それから、地方鉄道につきましては、赤字の地方鉄道につきまして安全確保や路線の活性化のために近代化補助という支援の仕組みを国としては用意しております。あわせまして、地方財政措置といたしまして、バス等について生活交通の確保のための措置を総務省により講じているところであります。これらに加えまして、税制上の措置といたしましては、生活路線を運行する乗り合いバスについて自動車税を非課税とするといった各種の税制措置を講じて今対応しているわけであります。
 今申し上げましたのは不可欠な足の確保の部分でありますけれども、これに加えまして、公共交通サービス自体の改善と、あるいは更に使い勝手の良いサービスの導入という観点から、オムニバスタウンの整備に対する補助制度やLRTの整備に対する補助制度、あるいは公共交通の移動を円滑化するという観点からの補助制度などを各種の補助制度で対応しているところでありまして、今回の法律との関係で申し上げれば、法律に基づきます地域公共交通総合連携計画という中できちっと対応策が位置付けられた場合には、これらの予算措置を総合的にハード、ソフト両面にわたって講じていきたいと考えているところであります。
 また、ハードの部分につきましては、先ほどもちょっとお答え申し上げましたが、まちづくり交付金や、今般新たに法律として成立をさせていただきました地域自立・活性化交付金などが地域の公共交通との関係で活用できる余地が十分にあると考えているところでございます。
#51
○輿石東君 最後の方で言われたまちづくり交付金等の施策も併せてと、こうありまして、やはりこの公共交通はもうまちづくりと直結していかなきゃならぬ。この話はまた後ほど同僚議員からも出ると思いますので省きますが、一つだけ。
 バス路線の廃止が深刻になっているわけでして、先日、NHKの番組で最近人気のある「ご近所の底力」という、そういう番組があるんで、これは地域で何とか、地域の課題は地域で解決していこうという涙ぐましい努力、それをいろいろやったけれども結局限界があるというような、どこか事例が出て、私もちょっと見ていて、ああ深刻なんだなと、こういうふうに。
 その中で、私の聞き間違いでなければ、一昨年一年間にバス路線は全国で三百五十路線廃止されたと、このように聞いているんですが、これは私の聞き間違い、見間違いかどうか、ちょっとバス路線の廃止の現状。
#52
○政府参考人(岩崎貞二君) バス路線の廃止でございますけれども、件数で申しますと、十八年度、廃止系統数は二百九十二系統ということの数字は我々も承知をしております。
 多くの路線の廃止がされているところでございますので、こうした生活交通の足を守るためには頑張っていきたいと思っております。
#53
○輿石東君 せっかく来てもらったから、それに対する対策を教えてください。
#54
○政府参考人(岩崎貞二君) 先ほどの総合政策局長の答弁とダブるところもございますけれども、こうした地域住民の生活交通の路線の維持をするということで国としても補助制度を持っております。公的支援が必要だろうと思っております。
 収支採算だけではなかなか取れないということで、こうした路線の運行から生ずる赤字分について国と地方公共団体で分担しながら補助をしていく。あるいは、こうした路線で新しい車両、なかなか車両の更新もままならないと、こういうことでございますので、車両の更新についても補助をすると、こうした制度を取っております。国が広域的な幹線的な路線についての補助、支援を行い、その他の路線については地方公共団体に主体的にやっていただくと。そのために特別交付制度等の措置を総務省の方で取っていただくということでやっているところでございます。
 それから、こうした路線でどういう運行、どういう形態でやっていくのかというのは、今先生から御指摘ありましたNHKの番組、私も見させていただきましたけれども、いわゆる旧来型のバスでやるというのは必ずしも需要からいって適切でないところもございます。コミュニティーバス、あるいは乗り合いタクシー、NPOのいろんな輸送、こうした需要に応じた適切な手段が取られることも重要だろうと思っております。
 そうしたことを含めていろいろ地域で考えていただく、それを我々もいろんな情報提供もしていただくという努力もしていきたいと思っておりますが、そうしたいろんな努力の積み重ねで地域が必要とする生活交通の確保というのに頑張っていきたいと思っているところでございます。
#55
○輿石東君 私もそれを見て、一つ、ああいいアイデアだなと思ったけど、それが続かなかったということで見さしていただいて、局長もその番組を見たというから、まあ実感として分かっていただけたのではないかなと思う。
 その事例は、よく子供たちのスクールバス、幼稚園の送り迎えのバス、朝、スクールバスも幼稚園の園児のバスも、園児、生徒を乗っけて学校、幼稚園へ行くわけですけど、帰りは空っぽ。その帰りの空っぽを空っぽで走らせないで、その地域のお年寄りなんかに、さっきもバスの工夫が出ていましたけれども、定時じゃなくて拾って歩く、拾って歩くというとちょっと表現が悪いんですけれども、そういうきめ細かいサービスもできる。しかし、意図的、計画的にずっと長続きするかどうかが難しいということだろうと思いますが、その辺のことも支援策としてきめ細かく考えていっていただきたいというふうに思います。
 なお、先ほどからずっと私は、公共交通と言われるんだから、もう生活をしていくために、人間が生きていくために社会経済活動の基盤だという公共財だというとらえ方をすれば国民の理解を得て税金を投入できる、外国にもそういう例がある、そういう発想の転換をしてほしいというふうに申し上げましたけれども、じゃ、その財源、税金を勝手に使えないとすれば、先ほど大臣も、道路特定財源を投入する方法だって一つ考えられるのではないかと。そしてユーザーに、利用者に理解はできる。だって、その道路特定財源の徴収の仕方の基本的な考え方を見れば、その公共交通にこそ投資するということは反対しないじゃないですかね。国民やその利用者、又は負担をする側、三者が全部理解のできる共通点だというふうに私は思いますけれども、そしてまた、国土交通省、せっかく建設省と運輸省が一緒になって、そのぐらいのことをやってもらわなきゃ一緒になったかいがない、大きいだけだなんていう。
 その辺はいかがですか。
#56
○政府参考人(宮田年耕君) 公共交通の整備支援ということも大変重要な課題だと思います。他方、道路整備に関する要望、道路整備も極めて重要な課題だと思っております。
 委員御案内のように、特定財源、五年ごとに本則の税率の二倍若しくは二・五倍の税を道路整備に充てるということでちょうだいをしております。先ほど中島委員の御質問にお答えしましたが、そういう公共交通の整備が納税者に対して理解が得られる、例えば新交通を整備した場合に、並行する道路の混雑が低減をしてドライバーの方々が渋滞に遭わなくて済む、そういう観点で新交通に特定財源を投入している、理解を得ながら投入しているという経緯がございます。
 先ほどの答弁と同じになりますが、公共交通の整備、大変重要だと思いますので、納税者の理解を得ながらその方策について考えてまいりたいと思います。
#57
○輿石東君 大分時間も少なくなって、もう早くやめてほしいという心境でしょうから、ですけれども、あと三点ほど我慢していただきたい。せっかく立たしていただいたので、ちょっと地元のことにも触れたいなと。私は選挙に立つわけじゃないから、そんな誤解をしないでください。
 あえて申し上げますのは、私は山梨、大臣は大阪ですから一番便利のいい大都市に住んでいる、大きな違いでして。考えてみますと、山梨というのは四十七都道府県の中で空港もない、新幹線も通っていない。これは、ところが、まあ前田先生がおいでですけれども、山梨と奈良と三重、三県ですね。まだ、それで言っているわけじゃないけれども、奈良や三重は関西圏で、すぐアクセスできる、近くに空港はないけれど。山梨は日本列島のど真ん中にいるんだけれども、もう中央線と中央道という道路があるわけですけど、この二つしか頼りにならぬ。台風でも来たり人身事故でも起きれば陸の孤島になる。今日はいませんけど、四国の田村先生は、飛行機に乗って怖い怖い、鉄道局長しっかりしろと、こういう話が度々出ている。私は乗りたくても乗れない。
 そして、考えていただくと、新宿―甲府間は百二十キロしかないのに、どんなに速い「あずさ」に乗っても一時間半。新幹線で東京駅から一時間半「のぞみ」に乗れば、三百キロを超える名古屋に着いてしまう。こういう状況。それは山梨に生まれたから仕方ないよと、こういう話でもないでしょう。(発言する者あり)ああ、リニア、リニアの話もしますから、待ってていただきたいと思うんですが。
 この中央線の、せめて三十分で「のぞみ」の計算でいけば行けるはずだけれども、せめて一時間半掛かるのを一時間ぐらいで新宿―甲府間を行ったり来たりできたいなと、これは自分勝手な話だというふうにも思っていただけないのではないかと勝手に思っていますが。これを再三、山梨県知事は先頭に立って、どうか立川―三鷹間を複々線化にしてもらえば、それも夢ではない。E電を、大月まで行っているから甲府まで延ばしていただきたいなんというのを毎年陳情に来ていると思うけれども、そんなものは後だよというお話かどうか、その辺についてお伺いをしたいと思います。
#58
○政府参考人(平田憲一郎君) お答え申し上げます。
 山梨県と東京を結びますJR中央線の新宿―甲府間の高速化の状況についてでございますが、これまで、JR東日本が施設の改良でありますとか新型の車両であります「スーパーあずさ」の導入に取り組んできております。その結果、現在の表定速度は、新宿―八王子間につきましては時速八十キロ、八王子―甲府間につきましては時速九十六キロとなっておりまして、新宿―甲府間の所要時間は、現在では最速一時間二十三分となっているところでございます。
 在来幹線鉄道の高速化につきましては、もう委員御案内のとおり、基本的には、輸送需要の動向でありますとか、収支採算性を総合的に勘案した上で、事業者の経営判断によって行われるべきものでございまして、まずは、沿線自治体と鉄道事業者との間で十分な検討を行っていただいて、費用負担を含めて、案件の成熟度を高めていくことが重要と考えております。
 なお、今後の更なる高速化につきましては、JRの東日本によりますると、中央線の高尾以西につきましては、多数の狭いトンネル、それから小半径曲線、急勾配があることから、更に抜本的なスピードアップを目指すためには短絡線などの巨額の設備投資を行っていくことが必要であるということでございます。通例、このようなケースにつきましては、県が中心となりまして、自治体、事業者と相談をしながら十分に検討していただくことになります。
 JR中央線の高速化につきましては、現在、山梨県が中心となって、県レベルでの広域的な期成同盟会の設立に向けました事務レベルでの連絡会が昨年の十二月に立ち上がったところと聞いております。今後、こうした取組によりまして、関係者による検討が進み、案件の成熟度を高めていただくことを期待しているところでございます。
#59
○輿石東君 まあ、それ以上言っても仕方ないでしょう。
 リニアがあるではないかというお話があったので、リニアに触れさせていただきます。
 JR東海が先月二十六日に、二〇二五年というんですからあと十八年後だと思いますが、東京―名古屋間を営業運転を開始するんだと、こういう大きくニュースになりました。
 いろいろ申し上げたいことはあるわけですけど、時間が限られていますから、まずここで、最初に大臣に、この中央リニア新幹線の意義について大臣はどのように認識されているか、お伺いしたいと思います。
#60
○国務大臣(冬柴鐵三君) 超電導リニアの技術開発につきましては、従来から、学識者で構成をいたしました超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会というところで、これまでに開発した技術の評価及び今後の技術開発の方向性の提言をいただきまして、この提言を踏まえて、技術開発の基本計画等を変更した上で、鉄道総研、JR東海等の関係機関が技術開発を現在推進しているところでございます。
 昨年の十二月十二日にこの評価委員会から、平成二十八年度までに実用化の技術確立をすることを目指すとともに、将来技術評価を行い、その結果を踏まえ、必要に応じて技術を改善していくこととするとの提言をいただいたところでございます。
 この評価委員会の提言を踏まえまして、鉄道総研それからJR東海及び鉄道・運輸機構から、技術開発の期間を平成二十八年度までとする技術開発の基本計画等の変更申請が行われましたので、私の方で、一月二十三日付けでこれを承認したところでございます。
 このような流れを見まして、国土交通省といたしましては、平成二十八年度までに、他の交通機関に対し一定の競争力を有する超高速大量輸送システムとしての実用化の技術を確立することを目指すという所存でございます。
 一方、中央新幹線につきましては、全国新幹線鉄道整備法というものに基づきまして基本計画路線として定められておるわけでございますが、現在は、地形、地質等の調査を実施中でございます。
 基本計画路線である中央新幹線の整備につきましては、現下の厳しい財政状況の中で、今後の経済社会の動向、東海道新幹線の輸送状況及び整備新幹線、他の部分ですね、北海道それから北陸、九州等々の整備状況を勘案しながら、長期的に検討すべき課題であるというふうに認識をいたしておりまして、先ほど委員が新聞に掲載された記事で言われたのとは若干ニュアンスが違うのかなというふうに思います。
#61
○輿石東君 現状はそういうところだと思いますが、今、北海道、九州も、そういうところも視野に入れなければいけないと、そこだけではないと。しかし私は、三つの点でこれは国家的プロジェクトという発想を持たなければいけない。技術的にももう実用化の段階だという国交省の評価委員会の評価もあるわけであります。そして、中国の上海で、これやっぱり技術革新、国際的な競い合いもあるわけであります。まごまごしていれば中国のリニアが先を越すと。そして、この波及効果というのは、関西圏、関東圏、東京、これを中部圏と一まとめにすれば、その人口をトータルしただけでも一億二千万のうち七千万人の人たちが利用できるという、そういう。それから飛行機並みのスピードで新幹線並みの大量輸送ができる、こういう。そして経済効果は試算で十兆円、二十兆円という効果もあるんだと。お金も、名古屋まで八兆円ぐらい掛かる、大阪まで延ばせば十兆円も掛かる。
 だから、そうした中で、JR東海が汗をかけばできる話じゃないことは明らかでありまして、私は、今現行の新幹線の整備計画、整備新幹線の方式は上下分離方式という、これは言うまでもなく、トンネルやレールや道路は、国民の税金で下は造る、そして上を走る列車は民間事業者と。そうではなくて、これはそんな二つに分けていたんじゃどうしようもないということと、そういう上下分離方式という発想ではこれは実現しないでしょうという点が一点。
 それから、無利子でJR東海がやるなら、国から原資ぐらいは、お金ぐらいは出してやるぐらいの構えでやっていただくだけの価値のあるものだというふうに思いますが、その点について、大臣、お答えいただけますか。
#62
○政府参考人(平田憲一郎君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、超電導のリニアにつきましては、現在、平成二十八年度までに実用化の技術を確立することを目指して技術開発を進めているところでございます。
 委員から先ほど来御紹介がありました、JR東海が去る四月二十六日発表の決算短信におきまして、中央リニア新幹線については平成三十七年、二〇二五年に首都圏―中京圏での営業運転を開始することを目標としていきたいと発表されているわけですが、このJR東海の発表は、JR東海として二〇二五年に首都圏―中京圏での営業運転を開始することを目標にどういうことをやっていくのか、どういう形でやっていけるのかということも含めて、これから中身の検討を行っていくとの考えを表明したものと私ども理解しております。
 したがいまして、先ほど大臣の方から申し上げたように、全国新幹線鉄道整備法に基づく中央新幹線は基本計画路線でございます。したがって、この中央新幹線の整備について、現下の厳しい経済状況の中で、今後の経済社会の動向、東海道新幹線の輸送状況、整備新幹線の整備状況などを勘案しつつ、長期的に検討すべき課題と認識しております。
 したがいまして、ただいま申し上げましたような状況でありますことから、委員御指摘のような、具体的にどのような整備方法を行っていくかということにつきましては、現段階では何とも申し上げる状況にはないと考えております。
#63
○輿石東君 分かりました。
 最後になりますが、航空局長おいでいただいていますか。
 空港もない、リニアも夢のまた夢なんという話だと、じゃ、もっと現実味を帯びている話を一つ最後にお願いをしたい。
 横田基地の民間航空利用と、こういうことも東京都知事とも相談をして、山梨の知事はこう考えたいなんと言っている、窮余の一策で。それについてどう考えますか。それだけお聞きして、終わります。
#64
○政府参考人(鈴木久泰君) お答えいたします。
 横田飛行場の共用化の問題でございますが、平成十五年の日米首脳会談において共同で検討していくということが合意されて以来、平成十八年五月にいわゆる2プラス2で再編実施のための日米のロードマップというのが承認されましたが、この中で軍民共同使用の具体的な条件や態様に関する検討をスタディーグループというのをつくって進めていこうと、それを十二か月以内に終了するということを決められました。これに基づきまして、平成十八年十月からスタディーグループによる検討が進められておりまして、国土交通省も外務省、防衛省、防衛施設庁とともに参画してございます。アメリカとやっておるわけでございます。
 私どもといたしましては、この横田飛行場の共用化、石原都知事が一番熱心でございますが、東京都の問題だけでなく、山梨県の方からも、JRの中央線と八高線を使って鉄道でも参れますし、特に高速道路が、今度圏央道が来年開通いたしまして八王子ジャンクションとあきる野インターのところがつながります。そうしますと、中央道と圏央道を使うとほとんど高速でも行けるということで、大変便利になるわけであります。したがいまして、山梨県を含む首都圏西部地域の航空利便性を大幅に改善する大変意義あるプロジェクトであると考えておりまして、今後とも関係省庁や自治体とともに鋭意進めてまいりたいと考えております。
#65
○輿石東君 終わります。
#66
○委員長(大江康弘君) 午後一時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#67
○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#68
○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。
 この月曜日の代表質問に続きまして、質問を続けさせていただきたいと思います。
 先ほど来からの中島先生や輿石先生の話を聞いているといろいろな質問が出てくるわけでございますけれども、端的にポイントに絞りまして質問させていただきたいというふうに思っておりますが、先ほど輿石議員の方からは、山梨、三重、奈良だけが新幹線がなくて、空港もないというふうにおっしゃっておりましたが、幸い私の静岡県は新幹線は六つも駅がございまして、別に自慢しているわけではございませんが、六つの駅がありますし、一部では「のぞみ」が止まらぬじゃないかという話もありますが、距離的に近いので「ひかり」で十分だという話もございますし、また空港も今整備をしているということで、いわゆる広域交通という点では大変恵まれているかなというふうに思います。
 ただ、これをもう少し地域に絞った、いわゆる地域公共交通ということになればその辺の事情は若干違っておりまして、もちろん浜松のようにバスのシステムが結構進んでいるようなところもあれば、やはり地域に行くと、いわゆる二次的な交通という点では非常にまだまだお粗末なというか、なかなか整備が進んでいないとか利用率が低くなってきているというようなところがあろうかというふうに思います。
 正にこの地域公共というのは、この法案の中にも書いてございますとおり、いわゆる地域住民並びに観光旅客という二つをターゲットといたしているわけなんですが、この前の代表質問の中でも地域の範囲というのをお聞きしたわけなんです。そのときに大臣の御答弁は、基本的には市町村であると、市町村であるけれども、やはりそれ以上に、モータリゼーションの発達とか、いわゆるモビリティーが広くなってくることがあるので、ただ単なる一つの市町村だけで閉じていないような場合もあるという、もう少し広域になる場合があるんだろうというようなお話がございました。
 先ほど来からの質問と、あと、この法案の中身を見ていますと、きちっと第一条から、その目的、そして定義のところに地域住民の日常生活、そして社会生活の確保というふうにあるんですが、ちょっとこれ通告をしていなかったのでお答えにくいかもしれませんが、実は、目的のところには「地域住民の自立した日常生活及び社会生活の確保、」というふうに書いてございます。また、定義のところで、地域公共交通の定義が「地域住民の日常生活若しくは社会生活」というふうに書いてございまして、先ほど来から答弁をしていただくと、大体、日常生活、日常生活というのはあるんですが、なかなか社会生活という言葉が出てこない。
 そこのところでちょっと、日常生活と社会生活はこれ意図的に分けていらっしゃるんだろうと思うんですけど、その目的のときには「及び社会生活」、定義のところには「若しくは社会生活」というふうに書いてあるので、ちょっとその辺りの意図というか、当然意図があってこのように分けて、日常生活と社会生活を分けて考えているし、及び、若しくはで分けているのかなというふうに思うので、ちょっとその意味というか意図があれば教えていただきたいと思うんですが。
#69
○政府参考人(宿利正史君) 非常に難しい御質問をいただいたと正直思っておりますが、これを私が今質問を伺いながらよく見てみますと、目的規定の場合には、やはりどういう範疇のものを政策目的とするか、あるいは課題として考えるかということに着目をして書いておりますから、ここでは地域住民の足の確保という大きな政策課題といいますか、問題があるということを言いたいと。それが、足の確保という中身が、日常生活の場合の足と社会生活の足と、こう二つのものがありますので、それを合わせて「自立した日常生活及び社会生活の確保、」という、及びでつないだのかなと、こういう感じがしております。
 それで、定義の方もそのように書いて別に間違いだということではないのかもしれませんけれども、ここは、やはり定義規定でありますから、地域公共交通というのがどういうものかということをより正確に記述することが法律としては求められているということで、その中には、日常生活における移動というものもあるし、社会生活における移動というものもあって、それがどちらの場合でも、この地域公共交通と言っている公共交通機関として認識されるといいますか、定義の中で位置付ける必要があるということでこう書いているのではないかと思います。
 すなわち、大きな構文は、地域住民の移動と、それから観光旅客その他来訪する人の移動という、そういう二つのものがそれぞれあって、その地域住民の中に日常生活と社会生活と二つのパターンがあるので、それをそのいずれであっても地域公共交通と言うんだということに着目して定義規定を書いているためではないかと思います。
#70
○藤本祐司君 済みません。私の勉強不足で申し訳ないんですが、いわゆる日常生活ということと社会生活はどう違うんでしょうか。ちょっとそこの違い目というのは、教えていただきたいと思いますが。
#71
○政府参考人(宿利正史君) 日常生活につきましては、先日の本会議での大臣からの答弁でも申し上げましたように、通勤であるとか通学、それから通院、買物といった普通の行動パターンを念頭に置いているわけでありますが、社会生活ということになりますと、これは、例えばいろいろな、ボランティア活動をするために移動をするとか、あるいは通常生活をしている人が必ず行う移動ではないけれども、しかし人によっては当然そういう目的の移動が行われるであろう移動、すなわち、今例示でボランティア活動のことを申し上げましたけれども、それ以外にもいろんなケースがあり得ると思います。
 つまり、どんな人でも必ず起こるであろう移動は日常生活と、こう考えておりまして、それ以外のパターンではあるけれども、しかし生活をしていればそういうこともあるだろうと、そういうものを社会生活と、こう分けていると考えております。
#72
○藤本祐司君 特にそんなにこだわっているわけではないんですけれども、最初の定義のことなのでちょっとお聞きしているんですけどね。
 基本的には、やっぱり市町村がこういう計画を作って、市町村が主導でやっていくというのは分かるんですが、日常生活といっても、やっぱり通勤通学、通院、今おっしゃられた買物ということを考えてみても、合併で広くなって一つの市町村、市になっている、あるいは町になっているということもあろうかと思いますが、そうでないところもまだたくさんありまして、実際には何か一つの市町村で完結することの方がむしろ少ないんじゃないかなという感じがしてならないんですね。
 私事なんですが、中学、高校も熱海から沼津まで通っていた。在来線で通っていて、バスに乗って駅まで行って、在来線で行って、またバスに乗っていくという、そういうことが多分日常生活なんだろうと思うんですが、相当複数の市、町を越えていくことになりますし、買物と一口に言っても、いわゆる日用品を買う場合と買い回り品を買う場合と行動パターンが多分違って、広がりがどんどん、相当な広がりになってくるのかなというふうに考えると、やっぱり市町村の中では収まりにくいことの方が圧倒的に多いような気がしてならないんですけれども。
 基本的にはこれは市町村が主体となってやることは分かるんですが、どちらかというと、複数の市町村をまたいでいく行動パターンの方が結構多いのかなというふうに思っておりまして、そういう意味での地域公共交通というふうに考えてよろしいのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうかね。
#73
○国務大臣(冬柴鐵三君) そのような理解を私もいたしております。
 地域というのは、典型的には、やはり日常生活のパターンを考えて、市町村というのがほぼその範囲に収まるんだろうと思いますけれども、今例示されたように、複数の市町村をまたいで移動する、日常的に移動するというパターンもあります。そういうものも含めて、この典型的事例として市町村となっておりますけれども、またその発意をする単位として市町村ということになっておりますけれども、そういう複数になる場合は、複数の市町村が一つにまとまって地域の範囲を構成することになり、そして複数の市町が地域を越えた広域的な見地からこのようなものが行われる。その場合には、都道府県あるいは国というものがその調整なり、あるいは助言や支援ということを行うということになると思います。
 地域と言う場合に、正確に市町村だけを指すわけではございませんので、そのような生活パターンによって、その区域によって、その範囲は市町を超える部分もあるというふうに思います。
#74
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 今、日常生活圏、いわゆる地域住民のことをそう申し上げたんですが、観光になるともっとそれが広くなってくるのかなというふうに思いまして、この間、DMVを視察というか、委員派遣で行かせていただいて、女満別空港から網走の方まで行く。いわゆるこれが、一次交通で女満別まで行ったら、そこからの二次交通圏というのがいわゆる地域公共交通としてとらえればいいのかなというふうには私は思っておるんですが、そうなってくると、やはり相当の広がりを持って地域公共交通というのを考えていくことが必要になるんだろうと思っています。
 正に国土交通省さん、いわゆる観光の考え方をすると、観光はどんどんどんどん広域化しているよと。広域的な観光ルートということを多分熱心に進められているんだろうと思いますから、そうなってくると、二次交通圏というのは物すごい広がってくるんですね。田名部先生いらっしゃいますが、八戸まで仮に行って、東京から八戸、これが一次交通としたら、今度はそこからの交通、十和田湖に行くとか、そういうのが全部二次交通ということになるんで、この二次交通と一次交通がうまく連結していないと、結局観光というのも、途中で尻切れトンボになってしまって目的地までなかなか行かないということになると、観光面ではもっともっとこれ広域的な考え方ができるんではないかなというふうに思っています。
 そうなってくると、この前、この委員会でも審議をして法案として成立をした広域活性化の基盤整備ということで、あの中でもいわゆる観光の行動というのを想定されている。そうなってくると、この地域公共交通のと、あの広域のものが、割と今度一体的にとらえて法案が、二つのものが、大体同じ考え方というか、コンセプトとしては同じようにとらえていった方がいいのかなというふうには思うんですね、別々に考えるよりも。
 その辺りについて、この間の成立した広域活性化の基盤整備に関する法律との、何というのかな、整合というか一体性といいますか、その点についてはどのようにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
#75
○国務大臣(冬柴鐵三君) 御指摘のとおりでございまして、本法案の地域公共交通には、観光旅客などの地域に来訪する方々の移動のために利用される公共交通機関も含まれております。この場合の公共交通機関とは、例えば東京から京都までというような広域的な移動に利用される公共交通機関ではなく、ただいま二次交通とお呼びになりましたように、例えば京都に着いてから、京都市内の移動のように、地域内の移動手段として利用される公共交通機関を指しているわけでございます。
 このような域内の観光旅客も念頭に置いて、地域公共交通の活性化、再生を図るには、利便性の高い公共交通サービスを提供することによって当該観光地の魅力を増進し、地域間交流を促進する上で非常に有意義なことであると思います。そしてまた、公共交通機関の需要を喚起するという効果もあるものと考えております。
 観光旅客を念頭に置いた地域公共交通の活性化を考えるに当たりましては、御指摘のように、比較的広域なエリアの周遊観光の利便性向上を目指した取組が求められる場合もあると思います。この場合においては、先ほども申し上げましたように、本法案では複数の市町村で共同して地域公共交通総合連携計画を作成することも可能でありまして、また都道府県は広域的な見地から計画作成に際しての助言を行うほか、国も必要な情報やノウハウの提供、助言等を行うこととなっております。柔軟な計画作りが可能だというふうに考えております。
#76
○藤本祐司君 ありがとうございました。
 それで、観光のことでもう一つ申し上げたいのは、どうしてもこういう地域公共交通ということになると、ある意味地域住民のいわゆる交通弱者といいますか、運転をしない方、できない方という方々とかのことを考えがちでありますし、観光客といっても割と国内観光客ということを想定しがちなんですが、観光立国を進めていくということを含めると、やっぱり海外からのお客様が来て、そこからの今度また地域公共交通という、その辺の利便性を高めるというのも必要になってくるとなれば、いわゆる海外からの観光客にとって使い勝手が良くて便利なあるいは快適なという、その地域公共交通ということも併せて考えていく必要があるのかなというふうに思っておるんですが、それに対しての課題とか対策、サインの問題とか情報提供の問題とかいろいろあろうかと思いますけど、それについてお答えいただけますでしょうか。
#77
○政府参考人(宿利正史君) まず、観光と地域公共交通の一般論でありますけれども、藤本委員御指摘のとおり、その地域の公共交通が非常に便利に利用できるということは、やはりその地域の観光の魅力を高め、観光客をたくさん呼び込むということで極めて重要だと思います。
 ところが、現実にはその二次交通の情報を観光客がなかなか手に入れにくいと、きめ細かい情報が手に入らないために公共交通を利用しにくいという現実が国内のいろいろな観光地で見られるわけでありまして、まして外国人観光客のケースを考えますと、仮に情報が十分使いやすい形でありましても、それが適切な外国語表記になっているかどうかというもう一つハードルがあるわけであります。
 そういう意味で、この法律の中では観光旅客と、こういう言い方をしていますが、当然この観光旅客の中には、これからビジット・ジャパン・キャンペーンをより強力に進めていくという施策を進めているわけでありますから、外国から来られる観光旅客も含んだ概念でありますので、外国語表記あるいはサインの問題も含めて考えていかなければならないと、このように思っております。
 藤本委員御承知のように、外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律という法律がございまして、この法律に基づいて外国人が我が国に訪れるのを増やすための諸々の施策を今進めておりますけれども、こういう法律の施策とこの法律の施策を連携させて取り組んでいくと、それが地域公共交通の観点からは地域公共交通の改善、活性化、再生につながると、そういう取組も重要だと考えております。
#78
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 表示といいますか交通標示、サインの問題というのは、これはどんどん進めていくことによっていわゆる国際観光、海外旅行者にとっても便利になるんだろうというふうに思いますが、ちょっと数年前だったと思う、もう直っているんだろうと思うんですけど、ある都市で外国語表示というのがありまして、外国語表示をしている空港がありまして、空港行きの電車に、地下鉄に乗ったら、普通だったら何とかエアポートと書いてあるのに、何とかKUKOってアルファベットで書いてあっただけなんで、これじゃ分からないだろうなと、こんな表示してどうするんだろうなと思ったんですけれども。英語表示とアルファベット表示は違うということも、交通事業者の方がそのときは何を間違えてそんなふうになっているのかよく分からなかったんですが、電子指示板で何とかKUKOって、こうKUKOと書いてあったんで、これじゃ普通外国人分からないよなと思いながら見ていたこともありましたが、その辺は大分進んできているかなというふうに思いまして、その辺りについても推進をお願いできればというふうに思います。
 次の質問なんですが、先ほども輿石先生がおっしゃったんですが、その輸送分担率と機関分担率ですね、いわゆる公共交通とそれ以外との輸送分担率が大きく変わってきていて、昭和五十年代前半というのは半々ぐらいだったものが、もう今は八対二とか九対一とか、一五、六%と八五%ぐらいというふうに大きく変わってきているんですね。
 この中で、やはり公共交通の分担率あるいは利用率を高めていくためには、ある意味、半ば強制的と言ってはあれなんですが、交通需要マネジメントとか、乗り入れ規制も含めてなんですが、そういうようなことをやっていくことによって公共交通の利用率は上がっていくというふうにも考えられるのかなというふうに思うんですが、その辺りについての、まあいわゆる半ば強制的な措置をとりながらもやっぱり公共交通を維持していく、確保していく重要性といいますか、そこの考え方を教えていただきたいと思います。
#79
○政府参考人(宿利正史君) 公共交通の機関分担につきまして非常に大きな変化があったというのは藤本委員御指摘のとおりでありまして、現代の社会のように自家用自動車の利便性に慣れ親しんだ現代社会の中で、改めて公共交通機関の利用分担率をプラスの方に転じさせるというのは一般論としては相当難しい課題であると、まずそのように認識をしております。
 しかしながら、やはり社会が目指すべき方向としては、自家用自動車と公共交通の適切なバランスを実現する社会といったものが望ましい今後の社会の在り方として考えられるわけでありまして、そのための取組をちゅうちょしたり怠ってはならないというのも事実だと思っております。
 一つは、やはり公共交通の側が自家用自動車との選択の中でより利用しやすい、あるいは魅力的になるということがまず第一だと思いますから、そのためには引き続き公共交通事業者が利便性の向上、サービス向上に向けてたゆまぬ努力をしていただくということ、それを行政や地域がいろいろな形でバックアップするという取組が考えられるわけでありますが、加えて、今、藤本委員が御指摘がありましたように、モビリティーマネジメントというような形で利用者の側が日常の交通行動を変えていくという取組、これは現に地域によってあるいは企業において少しずつ進みつつあります。こういった取組も併せて進めることが重要だと思っております。この法律の中で、地域公共交通総合連携計画の中でそういったことをきちっと決めていただいて取り組んでいただくことは一つの重要なメニューだと考えております。
 さらに、これは地域の合意が前提になりますけれども、自家用自動車の乗り入れを規制するというような選択肢も、これは欧米の都市ではトランジットモールというような形で中心地においては市内の活性化であるとか環境の観点とか、いろんな観点から実行されておりますし、現に非常にうまくいっておりますけれども、日本では残念ながら地域の合意に至らずにまだほとんど実現しておりません。しかし、今後、いろいろなその社会情勢変わっていく中でそういう合意をして取り組んでいくということが実現すれば、それは観光振興やまちづくりや環境といったことで非常に大きな効果が得られるものではないかと思っておりまして、私ども、そういうメニューも含めていろいろな地域の知恵をバックアップしていきたいと、このように考えております。
#80
○藤本祐司君 なかなか、そういう例えばトランジットモールの場合なんかは相当議論もあって反対意見が多いということも分かるんですけれども、海外の例は最初からみんな賛成しているわけではなくて、意外とやってみないと分かんないということで、やってみたら、ああ、こっちの方が良かったと、むしろこれをやめるということになると、いや、今のままで乗り入れ規制してくれというような声が大きくなるというようなケースもあるやに私もちょっと海外へ行って聞いたこともありますので、ひとつそこのところは、憶することなくやるところはやるというぐらいの方がいいのかなというところもあろうかと思いますので、是非それは頑張ってやっていただきたいと思うんですが。
 正に、その機関分担率、輸送分担率を公共交通が上げていくということになりますと、どうしても地域公共交通というと一番最初に頭に浮かぶのは、路線バスとかやはり地方鉄道がやっぱり一番最初に頭に浮かんでくるんですね。もちろん、新しい交通システムというのはこれからのこととして出てくるし、オムニバスタウンとかそういうシステムを考えていくというのはあるんですが、割と、既存の路線バスあるいは地方鉄道というのが思い浮かべてくると。その中で、じゃ、具体的にいい取組というのもいろいろあるんだろうと。相当いろんなところでいろんなトライアルをしてるようなケースもあるのかなというふうに思います。
 私も以前、地方鉄道の活性化に関してのちょっと調査をやったことがございまして、これ、関東運輸局さんと一緒にやったんですが、関東圏内で、真岡鉄道とかいすみ鉄道とかわたらせ渓谷鉄道、これを対象にしてちょっとやって、全国のそういう鉄道を見て歩いたこともあったんですが、正にSLだとかトロッコ列車だとか、あるいは駅に花を植えるとかウオークラリーをやるとか、そういう地道な住民を巻き込んだ活動なんかもやっているところがあるんですが、なかなかそれも利用率アップまでは行きにくいところはあるんでしょうが、少しずつトライをしているところが幾つかあると思いますが。
 その辺りの地方鉄道の活性化で、うまくいっているよと、こんな条件だったがこんなにうまくいったよというのがあれば、是非、全部挙げてくれというと時間がなくなると思いますので、一つか二つ、ちょっと面白そうなものというのをこの場で御披露いただければと思います。
#81
○政府参考人(平田憲一郎君) お答え申し上げます。
 地方鉄道の維持、活性化に向けた具体的な取組の事例として、これから代表例を幾つか申し上げたいと思いますけれども、これらにつきましては、私ども、二つの成功のかぎと申しましょうかポイントがあるのかなと考えております。
 その一つは、地元の自治体の首長さんが積極的なリーダーシップを発揮をされて、財政支援を行って地域の鉄道の維持、活性化に取り組まれている、これが一つ大きな特徴かと思います。それからもう一つの特徴は、地元の地域の住民の皆様方が強いマイレール意識、自分のところの鉄道は自分たちで守るんだと、こういうマイレール意識を持って、物心両面において地域の鉄道の存続の支援に取り組んでおられるところ。この二つの要素が地方鉄道の今後の再生、活性化を考えていく上において非常に重要なポイントではないかと考えております。
 具体的に申し上げます。
 廃止届出が行われた路線について、事業の承継会社の確保に地元の住民が主体的な役割を果たして鉄道サービスの存続に成功した事例といたしまして、和歌山電鉄が挙げられると思います。和歌山電鉄が南海の貴志川線を引き継いだ事例でございます。
 これは、地元の住民による熱意ある存続運動が盛り上がりまして、これを受けて、沿線の市町、県を含みます地域全体で鉄道の存続に取り組むことによりまして、県と市が土地の買取りでありますとか運営費の補助などの財政上の支援を行うことを前提に、公募によりまして選定された鉄道事業者により存続することといたしました。現在でも、地元住民が自主的に駅の維持管理を行っておられます。
 また、長野県のしなの鉄道におきましてはファンクラブが設備の改修資金を支援しておられまして、さらに、福井県のえちぜん鉄道においては地元住民が出資を行うということなど、地方鉄道のサポーターの役割を担っておられます。
 それからまた、別の類型でありますが、廃止届出が行われた大手民鉄の枝線、支線につきまして、県及び沿線市町村が財政支援を行うことを前提に、近隣の地方民鉄が営業を承継するということで鉄道サービスの存続、充実を図っている実例といたしまして、三重県の三岐鉄道北勢線の例がございます。
 これは、最近、近鉄が廃止を届け出た北勢線の鉄道用地を沿線の市町村が取得、保有いたしまして、経営を引き継いだ三岐鉄道に対して無償で貸し付けると、こういうことと同時に、沿線市町村が運営費や施設整備費用を補助しているものでございます。
#82
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 こういういい例というか、あるいは逆に失敗した例というのも幾つかあるのかもしれないんですけれども、こういうものをやっぱり情報をどんどんどんどん出していくことによって、それが一つの国のいわゆる情報の一元化と、それを外へ公表していくというのが大切な役割の一つなのかなというふうには思っておりますので、こういうのをどんどん外へ向かってPRをしていただければというふうに思っています。
 その前に、関東運輸局さんと一緒に仕事をしたときに、やっぱり場所によって、地域によってはなかなか違い目があると思うんですけど、本当に日常生活、いわゆる通勤通学、いわゆる定期利用ですよね、この定期利用が全般としてはやはり地方鉄道もどんどん下がってきていると。マイレール意識を向上するのは確かに大切で、それができれば初めの第一歩は進んだようなものなんだろうと思うんですが、そこのマイレール意識は全体としてはやっぱり低下傾向にあるのかなという、だからそこの醸成をするのが難しいということもあろうかと思いますが、その定期利用を増やしていくということがなかなか困難な状況にはなりつつある。
 これは、どうしてもやっぱり車の利用というのが増えてきていると。通勤通学にしても、車の送り迎えが地方に行くと都心部、都会よりも非常に多いわけなので、じゃそこのところの地域の活性化をするには、やっぱり観光需要というのを増やしていかなきゃならないということになるのかなというふうに私は思うんですけれども、その辺りについて、いやそういうことだけでもないよと、やっぱり定期利用を増やしていくことが重要で、その定期利用を増やす手だてというのを十分考えられるよということなのか、やっぱりそこはもうなかなか厳しいから、やっぱり観光需要を増やしていく、あるいは観光といっても、いわゆる物見遊山的な観光もあるし、いろんな観光があるわけですので、そういう観光的な需要を増やしていくという方向に行く、かじを切った方がやっぱりいいとお考えなのか、その辺りについての御見解があれば教えていただきたいと思います。
#83
○政府参考人(平田憲一郎君) 地方鉄道をめぐりましては、今委員御指摘のように、沿線人口の減少でありますとか少子高齢化、道路整備が進む中でのマイカーの利用の増加などによりまして、旅客輸送が経年的に減少傾向にあります。
 しかしながら、地方の鉄道につきましては、地域におきます生活の足としてやっぱり非常に重要な役割を果たしておりまして、その維持を図る観点から、沿線の自治体、住民、企業などの関係者が連携して、パーク・アンド・ライドのための駐車場でありますとか駐輪場の整備をしたり、ノーカーデーの設定を行ったり、自治会、学校によります団体利用の促進など、地域の住民による利用促進の対策を講じている事例がございます。具体的には、長野県の上田電鉄の別所線における取組が挙げられると思います。
 一方で、今委員の方からの御指摘ございました、沿線に観光資源がある路線につきましては、地域の活性化という観点から、沿線の自治体、住民、それから商店などの関係者が連携して、車両のデザインでありますとか外装を観光客にとって快適で魅力あるものにしたり、また駅に地元の物産品の販売施設を設置したり、さらには周遊券の割引の切符など、観光施設と連携した商品の開発を行うことによって観光客による利用促進の対策を講じている事例もございます。具体的には、山口県の錦川鉄道清流線における取組なんかが挙げられるわけでございますが。
 いずれにいたしましても、このように関係者が連携してそれぞれの地域の実情に応じた形で、地域の実情に応じた鉄道の在り方でありますとか利用促進対策を検討して取り組むことが重要であると考えております。
#84
○藤本祐司君 どうもありがとうございます。
 今乗り物のデザインのお話とかが出ましたけど、そこでちょっと思い出したんですが、また全然別の仕事をして、離島航路の活性化のちょっと仕事をしたことがありまして、いろいろやっておりまして、そのときに、日本の船を、ある程度使った船をヨーロッパに持っていって、ヨーロッパでいわゆる中古、二次利用になるわけなんですが、使うということで、結構向こうのスペインとか利用がありますよという話をスペインの方で聞いたことがあったんですが。
 ただ、一つだけ言われたのは、とにかく日本の船の場合はデザインが全くなっていないというか、ほとんど考えていないんじゃないかと、デザイン面を。だから、デザイン面とかいすの配置とか、いすのデザインも含めてなんですが、そういうものの内装だけは全部変えないと使い物にならないと、みんな乗ってくれないと。
 やっぱり乗るのは、どうしても移動しなければならないので乗らざるを得ないんですが、先ほども話があるように、乗りたくなる、あるいは乗って楽しいとか、乗ることが目的になるような、そういうようなやっぱり交通施設、交通機関にしていかないといけないんだということを、ちょっと海外、スペインの場合は観光立国、日本以上に観光立国でございまして、その辺が多分ちょっと違うのかなというふうに思いますが、そういうところもやっぱり検討していくことも必要なのかなというふうには思って今の御答弁を聞かせていただきました。
 次の質問に移りたいんですが、今回いろいろ法案の中にも英語で一杯、LRTとかBRTとかDMVとかIMTSとか、いろいろ英語、しかも略語にしたものがあるものですから、交通はTDMがあったりETCがあったりとか、それを覚えるだけでもなかなか大変でありまして、どれがどれだか時々分からなくなってしまうんですけれども。
 そのDMVでございますが、デュアル・モード・ビークル。このデュアル・モード・ビークルも網走の方で乗せていただいて、これがそのチョロQというか、これJR北海道のオリジナル品らしいんですけれども、こういうキャラクターなんかを作ったりもしておるわけですが、今の段階では、JR北海道が研究開発をして、試行というか試しにやっているという段階ですのでいいんですけど、これを実際にビジネスに乗っけていかないといけないと。これを本当に導入して、やっぱりそれでかえってコストが余りにも掛かって結局駄目になったということになってはいけないということを考えると、このDMVを導入するような場合に、こういう条件だったらうまくいくんじゃないかとか、こういうところはなかなか厳しいねというような判断というのもしていく目安というのを立てておいた方がいいのかなというふうには思っております。
 今は十五人、十六人しか乗れませんので、これもうちょっと四十人ぐらい乗れるようにというような話も北海道でお聞きしたわけですけれども、それだけではなくて、地理的な、あるいは軌道、鉄道を走るその辺の条件といいますかね、こうやったらうまくいくんだ、こういう条件だったらよりスムーズにいけるんだけどねみたいな、そういう何か基準というのをお持ちであれば教えていただきたいと思います。
#85
○政府参考人(平田憲一郎君) ただいま先生の方からお話がございましたように、DMVというのは今JR北海道で試験的な走行をやっておりますが、輸送密度の低いローカル線区間を低コストで運営できるようにすることを目的として開発を進めてきた車両でございます。
 御案内のとおり、鉄道、バスの乗り継ぎが不要となるということとか、車体や燃料のコストが通常の鉄道車両より低廉であるという優れた特色がございます。このため、本格的に実用化することができれば、これらの特性を生かしながら、例えば利用者の少ないローカル線の区間と市街地などを結んで運行することにより、高齢者を始めとする地域の住民の皆さん方の移動の利便性の向上に役立てるようなことができると思います。さらには、渋滞する道路を迂回して線路区間を運行することで、観光地での移動のニーズに対応するといった活用ができるのではないかと想定しているところでございます。
 しかしながら、現地で御視察いただきましたように、現段階におきましては、安全確保のための設備についての低コスト化が必要であること、それから、十六名の定員では輸送力としても十分とは言えないことなどの技術的な課題も残されているところでございます。
 これらについて、国費による技術開発などを通じて解決を図っていくと同時に、現在行われております試験的営業運行の実績などを踏まえながら、実用化後の適正な活用方法の在り方について検討を深めていきたいと考えております。
#86
○藤本祐司君 今、試験段階ですのでいろいろと難しい点はあろうかと思いますが、研究開発費の投資の回収をしなければいけないとか、人材育成をしなければいけないとか、いろいろ問題、問題といいますか、解決していかなきゃならないところはあろうかと思いますが、ビジネスにのっけていくためにいろいろ情報提供なりも含めてやっていただければというふうに思っております。
 それで、ちょっと時間もあと二十分程度でございますので、少し法文について疑問があるところというか、教えていただきたいところが幾つかありますのでお願いしたいと思いますが、第二条の九号で乗継円滑化事業というのがあります。ここはどういう事業かというと、異なる二つ以上の公共交通事業者間の旅客の乗り継ぎを円滑に行うための事業ということで、運行計画の改善とか、共通乗車券の発行とか、交通結節施設における乗降場の改善、いわゆるバリアフリーとかそういうことも含めてだと思いますが、あるいはその他の国土交通省令で定めるものをいうと。国土交通省令で定めるものというのはどういうことをここで想定をされているのかなということをちょっとお聞きしたいんですが。
#87
○政府参考人(宿利正史君) 乗り継ぎ改善ということでは、この法文の中で例示しておりますようなことももちろん重要でありますけれども、先ほど藤本委員からお話がありましたような乗り継ぎに関する情報が適切に利用者に提供されるかどうかということも非常に重要でありまして、一部、携帯電話その他の手段を使って、以前に比べますとかなりそういう情報の入手が容易になりつつありますけれども、全般的に考えますと、初めて降り立った、あるいは乗り継ぎをしようとする利用者にとっては非常に不便だというのが一般的な国内の実情かと思います。したがいまして、ここの省令の中ではそういう乗り継ぎ情報の提供、これは一例でありますけれども、そういったことを定めまして、乗り継ぎ改善といった取組を強化していきたいと考えております。
#88
○藤本祐司君 定時定刻ですべてが動いていれば、ネットである程度今分かるようになってはいると思うんですけどね、携帯とかで。やっぱり定時定刻ですべてが動いているわけではないと。交通渋滞もあったりいろんな状況がある中で遅れが出たりしていくことを考えると、その乗り継ぎの情報というのを的確に入手できるかどうかというのは非常に重要な要素になってくるのかなというふうに思います。
 また、交通結節施設の乗降場の改善なんかも前にちょっとお聞きしたことがあるんですが、エスカレーターを造っても、エスカレーターのスピードというのは結構スピードがあって、高齢者の方はむしろエレベーターでないと大変厳しいんだとかいうお話もあったりするので、その辺りは多分、利用者のニーズを考えながらやっていただけるものというふうに思っております。
 同じく、この第二条の第十号のところに鉄道再生事業がありまして、ここは廃止の届出がされた鉄道事業についてということで、廃止届がなされたものだけに限定的になっているんですね。ただ、先ほど来いろいろお話を、朝からの質問を聞いておりますと、やはり地方鉄道相当厳しい経営環境の中でやっているということで、必ずしも廃止届が出されたもの以外でも、もう本当に四苦八苦して大変なところというのがたくさんあるだろうというふうに思いますが、ここで、廃止届がされた鉄道事業に限定した理由というか根拠というか、そこを教えていただきたいと思うんですが。
#89
○政府参考人(平田憲一郎君) 現行の鉄道事業法におきましては、鉄道事業者がその運営する路線を廃止しようとする場合につきましては、同法二十八条の二に基づく廃止の届出を行えば、基本的には届出から一年が経過した時点で当該路線は廃止されることとなっております。
 このため、廃止の届出が行われた路線につきまして、沿線の自治体が地域としての支援を行いながら存続を図る目的で鉄道事業者と協議を行おうとする場合にあっても、これまでは十分な協議が行われないまま、言わば時間切れというようなことで廃止に至るケースも多々見られたところでございます。
 このように、時間切れによって廃止に至る事態を回避するためには、廃止届出に関します手続について特例を設ける措置が必要でございます。このため、今回の法案に盛り込んだ鉄道再生事業の制度では、存続に向けた協議を開始した両者が合意すれば正式に廃止予定日を延期することができることといたしました。これによりまして、地域と事業者が協議を十分に尽くした上で、その結果に基づき鉄道路線の再生に取り組むことができることとしております。
 これに対しまして、委員御指摘のように、経営が悪化はしているものの廃止の届出は行われていない路線につきまして、その維持や活性化を図ろうとする取組もございます。こういうような取組につきましては、本法案の地域公共交通総合連携計画の枠組みを活用することが可能となります。
 具体的には、鉄道事業者と沿線の市町村、NPOや沿線の立地企業など関係する主体が幅広く参加できる協議会の場を通じまして、地域による支援策や事業者のサービス改善策などを内容とする計画を策定していただいた上で、関係者が連携してこれを実施することによって路線の維持や活性化に取り組んでいくことができることとなっております。
#90
○藤本祐司君 ということは、ここの鉄道再生事業については、廃止届出をしているものなんだけれども、その総合連携計画の中で、経営今後ちょっと厳しいなということについては、それを排除するものではないというふうに理解をすればよろしいんですか。
#91
○政府参考人(平田憲一郎君) さようでございます。
#92
○藤本祐司君 はい、分かりました。
 そして、鉄道再生事業につきましては、第二十六条以降が鉄道再生事業なんですが、ここでは、その地域交通総合連携計画において云々で、最後の方に、及び国土交通省令で定める者は、その全員の合意により、実施するための計画を作成し、これに基づき、当該鉄道再生事業を実施するものとするとなっておりますが、ここで国土交通省令で定める者というのは、どういうものを想定しているのかということと、なぜここの鉄道再生事業に限って全員の合意、要するにほかの事業にはこの全員の合意というのが特に設けてないんですが、ここだけ、どうしてこの鉄道再生事業にのみ全員の合意というのをわざわざ入れているのか、この二つにつきましてお聞きしたいと思います。
#93
○政府参考人(平田憲一郎君) 法案の第二十六条におきます国土交通省令で定める者については、廃止届出にかかわる鉄道路線が所在している都道府県を想定しております。
 次に、同条において鉄道再生実施計画の作成を市町村、それから鉄道事業者及び都道府県の全員の合意によるものとした趣旨でございますが、鉄道事業者がいったんは廃止を届け出た路線について、市町村などによる支援と鉄道事業者によるサービスの改善などを一体的に行うことでその存続を図ろうとする鉄道再生事業におきましては、事業者はもとより支援を行おうとする市町村でありますとか、都道府県のすべてが主体的に取り組むことが必要不可欠であると。いずれかが欠けても事業の実施による成果を見込むことができないことになります。
 このため、鉄道再生実施計画につきましては、これらの主体の全員が合意した場合のみ、その作成と実施ができることといたしまして、それによりまして事業者と地方自治体の一体となった取組が行われることを確保しようとしたものでございます。
#94
○藤本祐司君 先ほど、省令で定める者というのは都道府県を想定されているというお話だったんですが、じゃ、これ都道府県と書かなかった理由というのは、要するにもっとほかにもあるんでしょうかね。都道府県だけを想定しているんであれば、あえてこの省令で定める者としなくて、及び都道府県と書いてしまえばいいのかなというふうに単純に、素朴に思っているんですけど、そこはいかがでしょうか。
#95
○政府参考人(平田憲一郎君) 財政支援をしていただけるようなNPOの法人でありますとか、あとはこの都道府県、国土交通省令で定める者というのは都道府県を想定していると申し上げましたが、その他の財政支援をすることによって地方鉄道の再生を図っていこうという方々につきましてもこの対象に入る可能性があるかということで考えていたところでございまして、その代表例として現在は都道府県を想定しているということでございます。
#96
○藤本祐司君 ということは、都道府県は代表的なものだけれども、そのほかに財政支援をしてくれるNPOなりなんなりまた別のものがあるだろうと。それを踏まえて、ここで限定的にしてしまうよりは、この省令で定める者というふうにしておいた方がいいという解釈だという理解でよろしいんですね。
#97
○政府参考人(平田憲一郎君) さようでございます。
#98
○藤本祐司君 それでは、最後の質問にさせていただきたいと思いますが、これは附則の第一条で公布の日から起算して六か月、六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するということになれば、当然今年度に何らかの動きがあればそういう予算措置、予算を考えていかないといけないかなというふうに思うんですが、これは説明いただいたときの資料に、予算に関して、国による総合的支援として、予算で、計画策定経費支援というのと、関係予算を可能な限り重点配分、配慮等というふうになっておるんですけど、この平成十九年度、今年度の予算として、これが、この法案が成立した場合において、どういう予算編成をされていて、どこにどのぐらいの予算を掛ける御予定があるのかどうか、お聞きしたいと思います。
#99
○政府参考人(宿利正史君) まず、この法律は、地域の合意形成を図っていただく仕組みと、地域におきまして自らの公共交通の在り方についての合意が成立した場合に、それを総合的に支援するというのが骨格でありますが、その総合的な支援の中で、委員御指摘の予算措置によるバックアップというのは極めて大きな役割を担っていると思っております。
 十九年度予算、委員御指摘のように、十九年度、なるべく早い段階での施行を私どもも希望しておりますので、成立に合わせて予算の執行ができるように想定をしております。
 予算としては、先ほども申し上げましたけれども、一つは計画策定の経費、それから地域公共交通総合連携計画に位置付けられたLRTの整備やバスサービスの改善、乗り継ぎの改善、地方鉄道の活性化などの施策、事業について、ハード面からあるいはソフト面からの関係予算を可能な限り重点配分、配慮していくと、こういうことでございます。
 実際にどういう地域にどのように配分をしていくかということでありますが、これは法律の施行に合わせて各地域でその連携計画の作成作業が進んでいきます。既に法律の施行を見込んで熱心なところはいろいろな勉強をしておりますけれども、具体的に法律に基づいた手続、計画策定としてそういう動きが出てまいりますので、それを踏まえながら配分を検討していくということでありますから、現段階で配分の地域であるとか配分額とか、そういうものが決まっているわけではありません。
 いずれにしても、スピード感を持って、法律の施行後速やかに必要な予算措置が講じられ、地域の熱心な取組が実効につながるように配慮してまいりたいと考えております。
#100
○藤本祐司君 どうもありがとうございました。
 地域公共交通というのは、大変その地域の活性化あるいは不便なく生活が営むことができるようなこととして非常に重要なことだと思いますので、国土交通省として是非これを御支援をいただいて、地域が元気になるように、そしてまた当然交通事業者も元気になるように進めていただきたいというふうに思います。
 ちょっと時間余りましたが、代表質問と合わせると八十五分ぐらいやっておりますので、この辺で、五分ほど余らせて私の質問を終わりにします。どうもありがとうございました。
#101
○谷合正明君 公明党の谷合です。
 午前中から質疑を聞かせていただきまして、いかに地域公共交通の置かれている状況というものが厳しいかということが分かってまいりました。
 特に、三大都市圏以外、ここ三十年間でマイカーと公共交通機関の利用割合が著しく変化して、マイカーは八四%でしょうか、公共交通機関が一六%ということになりまして、確かにそういう実感も地域に住んでおりますとあります。
 しかし、一方で、その一六%が、例えば学生であるとか高齢者といった方が入るというわけなんですが、一人の人生にとらえ直してみると、人生八十年と考えたときに、マイカーに乗れない期間というのがあるわけでありまして、免許は十八歳から取れますけれども、ざっくり言って、生まれてから二十歳あるいは七十歳以降、合計しますと八十年のうち三十年近くは、これから例えばマイカーではなくて公共交通機関にお世話になるとか、あるいは公共交通機関を大切にしなきゃいけない期間があると私は思いました。
 ですので、この公共交通の活性化、再生を考えたときに、特にそのサービスの需要者の観点が大切なわけでありますが、地域住民といったときに、その対象というのは、その利用者のみならず一人一人が持ち合わせなきゃいけない課題なんだなということを私は午前中の質疑を聞いて思ってきたわけであります。そういう意味で、本法案は時宜を得た法案であると考えております。
 ところで、ちょっと気になる点が幾つかございまして、この地域公共交通総合連携計画の説明を聞かせていただいた中で、例えばLRTであるとかBRTであるとか、あるいは、私も北海道で視察させていただきましたけれども、DMVといった次世代の新しいタイプの新事業の制度化といったものが焦点となっているような印象を受けたわけであります。
 しかしながら、地域、全国見渡してみますと、こういった事業を計画しているところというのはなかなかそうはございませんでして、私としては、この法案というものは、例えばバスであるとかタクシーであるとか、そういったこれまでの公共交通のことを含めたものでなければならないんだろうと。特に今、在来のバス、タクシー、鉄道の公共交通の在り方については、現在、交通政策審議会の陸上交通分科会の関係部会で検討されている状況でもあります。
 こうした検討結果を踏まえてこの法案を練る必要はなかったのかどうか、そういったことも思うわけでありますが、この時点でこの地域公共交通活性化再生法案を提出した理由というものは何か、また、この法案でどういったことを、どういった成果を期待するのか、まず冬柴国土交通大臣の御答弁をお願いいたします。
#102
○国務大臣(冬柴鐵三君) 地域の公共交通をめぐる環境は、非常に厳しい状況にあります。急速な高齢化の進展や地球温暖化などの環境問題等への対応の視点から、地域の公共交通機関の活性化、再生はもう待ったなしの喫緊の課題と言えると思います。
 こうした状況を踏まえまして、昨年の十二月に、交通政策審議会交通体系分科会地域公共交通部会におきまして、地域公共交通の活性化、再生について、地方公共団体を中心に地域の関係者が当該地域にとって最もふさわしい公共交通は何か、その在り方について合意形成を図りまして、その合意に基づいて各自治体が責任を持って推進する仕組みづくり、このような合意形成を行った頑張る地域に対して国が総合的に支援を行うこと、あるいは地域公共交通の活性化、再生に資する新たな輸送サービスについて、その円滑な導入が行われるような環境整備を図ること等について、平成十九年度において具体化を図るべしというような中間取りまとめが行われたところでございます。
 また、平成十八年の道路運送法等の一部を改正する法律案に対する衆議院と参議院の附帯決議におきましても、地域交通の充実策の検討などについて決議をされているところでございます。
 このように、地域公共交通の活性化、再生は待ったなしで早急に対応すべき課題であるために、今般、地域公共交通の活性化、再生のための施策について法案化し、今国会に提出をさせていただいたというのが事実の流れでございます。
 なお、今後につきましては、現在行われている交通政策審議会の議論も踏まえまして、地域公共交通の活性化、再生のための施策の充実を図ってまいる所存でもございます。この法律が成立し、活用されることによりまして、地域にとって最適な公共交通が確保され、地域の公共交通の活性化、再生が促進されるものと考えているところでございます。
 そのような立場から、今回この法案を御指摘のような議論を待たずに今提案をしているところでございます。
#103
○谷合正明君 待ったなしの喫緊の課題ということで、この時点での法案提出だということで理解をいたしました。
 先ほど申し上げたように、地域公共交通というのは近代的な交通機関だけで構成されているものではなくて、既存の伝統的な地域公共交通が各地域において今なお圧倒的な存在であるわけであります。市町村が作成することとされております地域公共交通総合連携計画がその名称にあるように、地域公共交通についての総合、そして連携計画であるならば、既存の地域公共交通との調整は避けて通れない課題、事項であります。
 地域公共交通総合連携計画におきます既存の地域公共交通の位置付けというのはどうなるのか、また特定事業がなければ地域公共交通総合連携計画は成立し得ないのか、そういった点についてお伺いをいたします。
#104
○政府参考人(宿利正史君) 谷合委員御指摘のとおり、私どもは、地域公共交通の課題は、一つは多種多様であるということと、もう一つは、やはり従来の一般的な輸送手段でありますバスであるとか、タクシーもありますし、それから地方の鉄道などがいろいろ切実な課題にさらされているということだと思っております。
 委員御指摘のように、この法律の中でLRTでありますとかBRTでありますとか、それからDMVとか、新しいタイプの輸送形態が目に付きますけれども、これはLRTなどは特定事業ということで、この法律の中で特に法律の特例を定める必要がありましたから言わば目に付きやすい形で出てきております。それから、DMVも新地域旅客運送事業ということで、特別の事業開始の手続をこの法律で定めますので法律の中で非常に表に出てきておるということでございます。
 したがいまして、通常のバスのいろいろなサービスの改善を図るとか、地方鉄道の改善を図るとか、あるいはそれの維持のために地域でいろんな取組をすると、先ほど来出てきておりますようなものは当然この法律の主たるターゲットでありまして、これは地域公共交通総合連携計画の中で地域の皆さんで創意工夫していただく、その最も中心的なメニューだと考えております。
 したがいまして、今二番目に御質問がありました特定事業が含まれない地域公共交通総合連携計画があり得るのかということでありますが、これは当然あり得るわけでありまして、私どもは、一般的には特定事業やそういう新旅客地域運送事業というようなものが登場しない地域の方がむしろ圧倒的に多いのではないかと考えております。
#105
○谷合正明君 分かりました。
 それで、その地域公共交通総合連携計画、ちょっと長いんであれですけれども、その作成主体につきまして、今回市町村が主体となるわけでありまして、私も地域の住民の公共交通の事情をよく知る市町村が主体となるべきであると考えます。
 しかしながら、一方で、そのすべての市町村がそういう総合連携計画を作成する人材であるとかキャパシティーを持っているかというと、そうでもないというのは実情なのではないかなと思うわけでありますが、そういった現実もありながら、今回この総合連携計画の作成主体を市町村とした理由は何なんでしょうか。
#106
○政府参考人(宿利正史君) 先ほど来、地域の範囲という議論がありましたけれども、日常生活や社会生活が通常行われる範囲ということで、一般的には市町村の区域がおおむね妥当するかと思っております。
 その場合に、それぞれの地域で、自らの地域で一番ふさわしい公共交通の在り方を協議会を通じて議論していただくわけでありますから、その場合の中心になるのは、地域住民の移動手段の確保についての行政上の責任を有し、また地域の実情に最も精通していると考えられる市町村が中心的な役割を担うのが最もこの制度の目的を着実に実現するためにふさわしいと考えたわけであります。ただ、その範囲が複数の市町村にまたがる場合には、複数の市町村が共同して計画を策定するということが可能なように手当てをしております。
 なお、都道府県につきましては当然一定の役割を期待しているわけでありまして、この法律の中では、市町村の区域を超える広域的な見地から、必要な情報提供でありますとか技術的助言などを都道府県にお願いしたいと考えておりまして、そのような規定を手当てしているところでございます。
#107
○谷合正明君 複数の市町村が主体となることもできるということですが、例えば鉄道再生事業についてそういったケースになるわけでしょうか。都道府県を作成主体とした方が、特に鉄道の場合は地域性から考えると妥当なのではないかなと思うわけでありますが、その辺はどうなんでしょうか。
#108
○政府参考人(宿利正史君) 鉄道の場合も、確かにかなり長い路線から比較的短い路線までいろいろありますけれども、しかし活性化、再生というのが切実な課題になっている地域を想定してみますと、やはり地域の住民あるいは利用者が鉄道路線を本当に維持をしようと考えるのかどうか、いろんな努力をしてより良いものにしようかどうかということを決めていくわけでありますから、基本的にはやはりその市町村の単位で、今住んでいる方に考えていただくというのがいいと思っております。
 ただ、御指摘のように、鉄道のケースは複数の市町村にまたがるケースがかなり多いと思われますので、複数の市町村で考えていただいて、都道府県は広域的な見地から指導、助言、情報提供といった役割を担うことになろうかと思います。
#109
○谷合正明君 都道府県のそういう意味では役割というものを改めてしっかりと私も分かりましたけれども、この鉄道事業については連携計画がまとまるような措置を国としても都道府県を通じてやっていただきたいと思っております
 次に、財政措置でございます。
 いろいろ受皿等を今回決めたわけでありますが、やはり財政措置がどうであるかといったところが地域の一番の関心主体でございます。
 岡山にRACDAという路面電車と都市の未来を考える市民グループがございます。これ全国展開もしているわけでありますが、二〇〇二年に県内の電車・バス経営者、先ほど和歌山市の南海電気鉄道の貴志川線の事業の話をされたと思うんですけれども、その貴志川線の経営を引き継いだところが岡山のそこの会社なんですけれども、そのRACDAがその岡山の経営者に働き掛けまして、市内の路面電車に一両、一編成低床車両を導入いたしました。
 これは二〇〇二年の話なんですが、二・四億円のうち国と県が約一・一億円。市民からの寄附が大体約五百万円集まったそうなんですね。全国でも注目されたケースでございました。しかしながら、それ以来は、低床車両、LRVのニーズは非常にある一方で、その導入が二〇〇二年に一回あったきりで終わっているということでありまして、ちなみに岡山市の姉妹都市でありますサンノゼ市というところがあるんですけれども、ここは同じ二〇〇二年に、市内の路面電車全車両六十両をその年に一気に全部LRVにしたそうでございまして、そのRACDAの会の方が言われていたのは、本当にLRTとかいうのを推進したいんだけれども、なかなか財政の問題があって行き詰まっているようなお話を聞きました。そこで、LRTの整備にも制度、財源、つまり国の積極的関与が必要だとその会は考えているわけであります。
 今回の法案でも、上下分離、交付税措置、地域協議会など前進しているわけでありますけれども、この岡山でもそれぞれいろいろな事業者、住民とかいろいろなアクターがありまして、自助努力をして追求しても、LRVのもう一車両を購入するその財源をどうするのかと、非常に難しいんだと、地域協議会で協議した結果、やはりそこで行き詰まるんではないかというようなことを言われていたわけであります。
 そこで、本法案では、地域公共交通特定事業や新地域旅客運送事業を制度化するに当たっての前提条件あるんですけれども、今の財政支援措置をどうするかということがかぎであります。本法案提出に当たりとられた予算措置がわずか二・六六億円にすぎないといったところで、先ほど午前中からの質疑で、地域の公共交通というのは、その地域における公共財的役割は非常に大きなものがあるんだという議論を通じてきますと、この財政措置をどうしていくのかということが課題であると思います。
 別に私は、岡山のLRTがどうとかいうことじゃなくて、一般論としてこの問題についてまずどう考えるというか、今回どのように具体的に検討されているのか、お聞きいたします。
#110
○政府参考人(宿利正史君) 谷合委員御指摘のとおり、財政措置、財政支援の内容をどうするかということは極めて大きな課題だと思っております。今委員から御指摘がありました二・六六億円につきましては、これはあくまでも計画策定経費、地域公共交通連携計画の計画策定経費として十九年度予算に新たに盛り込んだ新規予算の部分であります。
 したがいまして、計画が策定されました後、この計画に基づいて行われるいろいろな事業、今委員の御指摘ありましたLRTの整備というようなものが仮に計画に位置付けられたといたしますと、既に国土交通省の中にこのLRTの整備を進めるための三つのタイプの補助制度がありまして、相当額が予算化されております。これを効果的に私どもは適用、配慮をしていきたいと考えておりますので、それを十分活用していただけることが可能かと思います。
 さらに、午前中の質疑でもありましたように、なお財政支援措置の拡充であるとか工夫といったことが今後の課題としてもちろんあり得るわけでありますが、そういうことについて私ども幅広くこれ勉強を続けていかなければならないし、そういったものを実現すべく努力をしなければならないと考えております。
#111
○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。
 それで、午前中にも出た話ですけれども、道路特定財源をこの地域公共交通の財源として使えないかと。実際今でも使われておるわけであります。その対象も徐々に広がってきて、例えば、ゆりかもめの下の部分であるとか、東京の地下鉄十三号線ですかね、あるいは京都の地下鉄東西線等には道路特定財源が使われていて、さらに、その先にどこまで拡充するのかといったところが関心のあるところであります。
 道路特定財源の使途を是非この地域公共交通の整備、維持運営に充てていただきたいと考えているわけでありますが、その点について改めて道路局長の方にお伺いいたします。
#112
○政府参考人(宮田年耕君) 午前中も答弁を申し上げました道路特定財源制度、受益と負担の関係で成り立っておる制度だというふうに理解をしておりまして、しかも、本則税率の二倍から二・五倍の暫定税率を掛けてお払いをいただいている、道路整備のために暫定税率を払っていただいているというそういう構図でございます。
 したがいまして、私、午前中に納税者の理解ということを申し上げました。例えば新交通とかバスとか路面電車、そういうものを整備することによって自動車交通が転化し、現道がすいて、渋滞が解消して納税者の利便が図られると、こういうものについては私理解が得られるんだろうと。そういうことで今まで例えばバス交通の支援でありますとか路面電車、委員御指摘のように地下鉄、新交通、都市モノレール、そういうもののインフラ部分にお金を投入してきております。更に申し上げますと、交通結節点の改善事業、乗換えがやりやすくできるようなもの。それから、もうちょっと大物でありますと、連続立体交差事業、いわゆる踏切除却の最も大きなやつでございますが、単独立体もございます。そういうものの整備をしてきております。
 午前中も申し上げましたが、公共交通の整備あるいは支援ということも大事でありますし、道路整備の課題、極めて重要だろうと思います。特定財源制度の趣旨にのっとりまして、今後とも納税者の理解を得て公共交通の支援ということを考えてまいりたいと思います。
#113
○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。
 それでは、協議会の中の話、法案の中の協議会の中の話に移らせていただきます。
 この協議会につきましては、協議会参加者の協議結果の尊重義務というものが付けられておりますけれども、実際に協議結果に従わなかった場合というのはどうなるんでしょうか。あるいは、協議結果が、いろいろな事情変更等あると思うんですけれども、どうしても協議結果に従うことができなくなった場合という、そのような場合にどのように対処すればよいのか、お伺いをいたします。
#114
○政府参考人(宿利正史君) この法案の中では、協議会における協議が調った事項について、谷合委員御指摘のとおり、協議会の構成員はその協議の結果を尊重しなければならないという努力義務を規定しております。これはやはり、この協議の実効性、計画の実効性を確保するためにこのような枠組みが効果的であると考えているわけでありますが、しかしながら、性格としては、その協議尊重義務に従わなかったときに何らかのペナルティーが用意されているというような性格のものではございません。そういう法律上の努力義務に従って努力をしていただくということが求められているわけであります。
 今委員からお話がありましたように、協議で合意が調って以降、事情変更その他によりまして、だれが見ても明らかにその合意事項を守ることが困難なような事情、あるいは不可能になったような場合に、その当事者が協議結果について尊重義務を履行できないということは当然ケースによってはあり得るわけでありまして、そのときに、ここで法律が求めている尊重義務違反に当たるというようなことではないと、そういう正当な合理的な事情がある場合には違反にはならないというふうに理解しております。
#115
○谷合正明君 分かりました。
 協議会の役割というのは非常に重要なわけでございます。協議会におきましては、地域総合的にこの公共交通をとらえていくんだということであります。この地域総合的にとらえていくということがこれまで欠けていた視点であるというように私も国土交通省の方から説明を受けました。正にそうなんだなと私は思うわけであります。
 しかしながら、市町村によっては、例えば先ほど話題にしましたけれども、リソース、技術力を考えると、その地域全体のすべての交通機関を含めた計画を合意の下に策定するというのは現実的には大変困難なこともあると。また、現実的な対応として、議論されるべき交通機関の特性とカバーするエリアを踏まえて検討の対象を絞り込むということもあるのではないかなと、あえてですね。その方がその地域の、総合的にとらえなきゃいけないわけでありますが、その方がよりベターになるということもあるのではないかなと思うわけであります。
 そのように、検討の対象を絞って当該交通と連携する交通機関との関係性を検討したいという市町村も出てきた場合、その法案の活用段階においても現実に即した柔軟な対応を取るべきだと考えておるわけでありますが、その辺りはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
#116
○政府参考人(宿利正史君) この法案の中で地域公共交通総合連携計画の対象としております事業でありますけれども、これはやはり計画が目標としておりますものを達成、実現するために必要な事業というものでありますから、ありとあらゆるものを計画の中に盛り込むことによって実現しようと考える地域もあると思いますし、谷合委員御指摘のように、喫緊の課題となっている部分について特に取り出して計画を作ると、それによって目標を達成するということもあり得るわけでありますから、単一のある特定のテーマに絞って計画を作るということを排除するものではありません。
 ただ、その際に、そういうある特定のものを対象に計画を作るときに、当然関連していろいろ考えなければならない事柄が出てまいります。その交通機関との接続を併せて改善しておく必要があるとか、そういうものは、単一のテーマを取り上げたとしても、一緒に検討されて結論を出しておきませんと計画自体がうまくいかないわけでありますから、そういう意味の総合性というものを法律は求めている、期待しているということでございます。
#117
○谷合正明君 よく分かりました。
 次に、協議会の構成員につきまして、地域住民が入っているわけであります。この地域住民の中にできるだけ利用者、例えば商店街であるとか高齢者であるとかを構成員に入れることが望ましいわけでありますけれども、先ほど私、冒頭に言いましたけれども、特定の人が使うわけじゃないと、公共交通機関、もう自ら一人一人がお世話になり、地域のことを全体考えると一人一人がその対象になるんじゃないかなということすら思うわけであります。
 その利用者を構成員に入れることが望ましいと考えるわけでありますが、協議会の構成員、その選定に当たってはどのようなことに配慮すべきなんでしょうか。
#118
○政府参考人(宿利正史君) まず基本的な考え方としては、今、谷合委員御指摘のように、利用者、つまり需要側の考え方や意見が適切に反映されるということが、この計画を真に実効あるものにするポイントだと思っております。そういう意味で、利用者が協議会参加メンバーとして法律上位置付けられているわけでありますが、一人一人の利用者をすべて協議会メンバーとするということは現実には不可能あるいは困難でございますから、そういった場合には、例えば、学生が所属しております学校であるとか、あるいは多くの労働者が所属しております企業の代表の方とか、あるいは利用者の多くが参加しておりますNPOの代表の方とか、そういう需要者側のニーズや意見を客観的にかつきちっと把握できるふさわしい主体を地方公共団体が選んで入っていただくということになろうと思います。
 ただし、個々の利用者の意見が反映されないのかということでありますが、これは、この法律の中で計画の作成や変更についての提案制度が設けられておりまして、これは個々の利用者として提案をすることが可能になっております。また、計画を決める場合にパブリックコメントということで利用者の意見を市町村は聴く措置を講ずることが必要になりますが、その場合に個々の利用者として意見を述べるということが可能になっておりますので、そういう形で意見を反映することを考えております。
#119
○谷合正明君 分かりました。
 それでは、時間も余りありませんので、次の質問に移らせていただきます。それは、乗り継ぎ円滑化につきましてであります。
 本法案では、乗継円滑化事業が一つ大きく打ち出されております。やはり特に都市部におきましては、駅の乗り継ぎラインの円滑化であるとか初乗り料金共通化を推進してほしいという声は非常に大きいわけであります。例えばヨーロッパには全交通機関が加盟している地域協議会というものが設置されておりまして、都市別の公共交通ネットワークというのはより緊密になっておるわけであります。
 そうした意味で、乗り継ぎ、乗換駅の隣接化、統合化などの推進について、具体的な施策も含めてどう対処していく考えなのか、御所見をお伺いいたします。
#120
○政府参考人(宿利正史君) 乗り継ぎ円滑化措置の重要性は、この法律の中で特定事業の一つとして位置付けているところからも明らかであります。この中には、先ほど御答弁いたしましたが、運行計画の改善や共通乗車船券、あるいは交通結節施設の乗降場の改善や情報提供といったもろもろのものが含まれるわけでありますが、特に物理的な対応として、そういう乗降場の改善、あるいは乗り継ぎが可能な施設の整備といったものが大きな役割、重要性を担っていることは確かであります。
 ただ、現実には、なかなか事業者が複数にわたるということや、多額の費用を必要とするということや、改良工事その他が容易にできないといったことで、やりたくても整備や改良が進まないというのが実情かと思っております。それを進めるためには、やはり関係者が協議をして、何とか改善するためのそういう合意をつくらなければ先に進みませんので、この法案の協議会制度などを十分に活用して合意形成を図ることが重要な取組だと思っております。
#121
○谷合正明君 続いて、公共交通機関の障害者に対する割引制度についてでございます。
 特に精神障害者の割引について私、調べてみましたら、やはりほとんどの公共交通機関で進んでいない状況でございます。精神障害者につきましては、先般、障害者自立支援法が成立いたしまして、この精神障害についても位置付けが明確になったわけであります。
 特に、事業者側が精神障害者の割引をなかなかできないという理由の一つに挙げていた、障害者手帳に写真が貼付されていないと、この写真の貼付の問題も、昨年の十月から写真貼付の義務化が随時始まりまして、これを受けて東京都と東京バス協会が、今年の四月から、都民に対して精神障害者の半額制度というものを導入したわけであります。
 国交省としては、この障害者の割引制度、特に精神障害者の割引制度について、どのように考えていらっしゃるのか、そしてどのように取り組んでいらっしゃるのか、その点についてお伺いいたします。
#122
○政府参考人(宿利正史君) まず、この障害者の方々に対する公共交通機関の運賃割引の性格でありますけれども、これは各交通事業者の自主的な判断によって実施をしているというものでありまして、割引で当然減収が出てまいりますけれども、これは他の利用者がその負担をしていると、こういう構図になっております。したがいまして、事業者の自主的判断にかかわる問題ということでありますが、私ども国土交通省としては、いろいろな機会をとらえましてこういう割引の導入について理解と協力を求めてきております。
 今、谷合委員からお話がありました精神障害者に対する割引の件でございますけれども、これは障害者基本法の中で精神障害が他の障害と区別なく取り扱われているとともに、去年の四月に施行されました障害者自立支援法の中でも身体、知的、精神の三障害の制度格差が解消されたということがございます。また、昨年成立、施行されましたバリアフリー新法の中でも、精神障害者を含むすべての障害者がバリアフリー新法の対象として明確に位置付けられたわけでありますから、こういったことを踏まえますと、国土交通省としては、精神障害者につきましても身体障害者や知的障害者と同様の取扱いがなされることが望ましいと、このように考えております。そういう観点で、必要な協力要請を関係のところにしているところであります。
 お話のように、精神障害者保健福祉手帳制度が昨年十月に改正されたことによりまして割引を実際に交通事業者が実施しやすくなったということで、東京都内のバスの割引が大幅に拡充されたといった取組が進みつつありますし、全体の傾向といたしましても、この精神障害者に対する実質的な割引は増加傾向にあると認識しております。今後とも、協力を要請していきたいと考えております。
#123
○谷合正明君 是非、その取組を一段と強化していただきたいと思っております。特に事業者に聞いても、その知的、身体と精神を分ける明確な理由がもうないわけでありまして、全国には精神障害者の方で手帳を持っていらっしゃるのが三十八万人、約いるというふうに私理解しておりますけれども、そういった方々の公共交通機関の問題というのもあると思いますので、今回取り上げさせていただきました。
 時間がありませんので、最後に環境問題と公共交通機関の観点から、これはもう質問をせずに終わりにしますけれども、今回の主務大臣には環境大臣というのは入っていないわけでありますけれども、特に地球温暖化問題を考えたときに、公共交通サービスの活性化というのも非常に大事になってくるわけであります。例えば二酸化炭素の排出量、これ一つ取りましても、バスと自家用車の割合というのは自家用車が三に対してバスというのは一の割合でありまして、鉄道というのは自家用車の十分の一の排出量で済むわけでございます。
 特に、京都議定書に基づくCO2排出量の削減目標というのも国を挙げての取組でございますので、こうした問題もしっかりとこの公共交通機関の中に位置付けていただいて取り組んでいただきたいと、特に環境省との連携もしっかりしていただきたいと御要望させていただきまして、私からの質問とさせていただきます。ありがとうございました。
#124
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。私は、まずこの法案を提出された背景にかかわって質問をいたします。
 法案第一条を見ますと、「地域公共交通の維持に困難を生じている」というふうに明記をされています。午前中からの議論の中で答弁の中でもございましたけれども、地域交通のサービスが撤退をして住民の皆さんの足が奪われているという、そういうお話がございました。
 そこでお伺いしたいと思いますけれども、実際この間、鉄軌道の場合でいきますと二〇〇〇年度以降、バス路線の場合でいきますと二〇〇一年度以降ということにしまして、それぞれ廃止されたもの、廃止予定されているもの、どれだけあるか、そしてそのうち公営はどれだけあるか、お答えいただけるでしょうか。
#125
○政府参考人(宿利正史君) お答え申し上げます。
 まず、鉄軌道のケースでございますが、二〇〇〇年度以降本日までの間に廃止された鉄軌道路線は二十八路線となっております。また、現在廃止届出が提出されている鉄軌道路線は二路線であります。これらのうち公営事業によるものはありません。
 また、路線バスにつきましては、これは二〇〇二年の二月以降のデータを申し上げますが、二〇〇二年二月以降に廃止の届出がされた系統数は、今後廃止予定のものを含めまして、公営事業者二十一系統、民営事業者七百十七系統の合計七百三十八系統になっております。
#126
○小林美恵子君 今お答えをいただきましたけれども、その御説明をお伺いしますと、結局、いわゆる民間事業者の場合は不採算路線というふうになっていきますときっぱり廃止をされていくと、こうした方向がうかがえるというふうに私は思いますけれども、国交省としての分析はいかがでしょうか。
#127
○政府参考人(宿利正史君) 午前中の質疑の中でも、公営、民営を問わず非常に厳しい経営環境にありますので、鉄道あるいはバスの撤退といったことも進んでおりますし、また経営も非常に厳しい状況にあるわけであります。
 その結果として今申し上げましたような数字が出ておりますが、しかしながら、私ども一方で、バスや地方鉄道それぞれにつきまして必要なサービスの維持のための支援措置を国と地方公共団体と連携をして講じておりますし、また総務省を通じた地方財政の措置も講じておりますので、これらを通じまして必要不可欠なサービスは維持をしていきたいと、そのように考えております。
#128
○小林美恵子君 今のお答えは私の質問に答弁になっていないかと思います。
 いわゆる公営、民間とも厳しいというのは分かります。私がお聞きしましたのは、そういう中で、民間の事業者の場合でいくと、今のお答えの数値からいっても不採算路線はやっぱり民間の方が廃止をしていく方向になっているんじゃないかと、この点はどうですかということです。もう一度お願いします。
#129
○政府参考人(宿利正史君) 確かに、民間の事業者の路線廃止が先ほどお答えしたようにこの数年間で実績として出ていることは間違いありませんけれども、どんどん廃止されていく方向であるかどうかということにつきましては、私どもは必要な措置を講じて対処しているということでございます。
#130
○小林美恵子君 民間の事業者の場合が廃止をされていっているということはお認めになる、数字が示している事実だということでございますね。
 こうした廃止の背景についてでございますけれども、二〇〇六年十二月の交通政策審議会地域公共交通部会の中間取りまとめを私も拝見をしました。それを見ますと、規制緩和による利便性の向上の一方で、地域によっては民間事業者の不採算路線からの撤退などによりと、ここにはしっかりそうやって明記をしています。交通空白地域が出現するとも明記をされていました。
 そうなりますと、私は、政府が行いました需給調整規制の撤廃ですね、鉄道の部門でいきますと、鉄道路線の廃止のいわゆる許可制から届出制に変えていく等含めまして、いわゆるこうした規制緩和の影響であるということを大臣はお認めになられるかどうか。いかがですか。
#131
○国務大臣(冬柴鐵三君) 規制改革によりまして、従来の退出規制というものが許可制から届出制に緩和されたというのは事実です。しかしながら、現実にこのように退出をしていくということは、規制緩和の影響というよりも、自家用自動車の普及、宅地の郊外化等により日常生活における自家用自動車への依存度が年々高まってきたということだと思います。
 先ほども申しましたけれども、昭和五十年、自家用車による移動というものが五〇%で、そのほかの公共交通が五〇%であったものが、平成十五年には自家用自動車による移動が八四%。すなわち、五〇%から八四%、三四%増えているわけで、そして、公共交通では、残りの実に一六%ということになっているわけです。したがいまして、そのうち、バスが一六%のうちの八%、そしてJR、国鉄ですが、それが五%、民鉄が三%。惨たんたる状況になっているわけです。
 したがって、これと、規制改革とがそういうふうに拍車を掛けているというふうには私は思えないわけでございます。
 そしてもう一つは、公共交通の需要が減少するとそれに伴って公共交通事業者の経営が悪化することは間違いないわけでございまして、先ほども、民鉄あるいはバス、ともに営業収支が非常に極端に悪くなっていると、赤字になっているというところが多くなっているということも述べました。そうすると、今度は、乗る人が少ないものですから運行の便数を減少させると、田舎のバスですね、なかなか待っておっても来ないというような、サービスが低下していくということが起こります。そういうものが悪循環になりまして一層の公共交通離れを招いているという要素の方が私は大きいと。
 届出手続が簡略化されたからどんどん撤退しているということではなしに、実質的に経営が困難になってしまったということであろうというふうに思います。
#132
○小林美恵子君 先日、本委員会で網走のバス株式会社に視察に伺いました。私も出席をいたしました。
 その説明の中で、利用者の減少はもちろんなんですけれども、規制緩和による競争の激化もあるという御説明がございました。つまり、ここの会社は路線バスももちろんなんですけど、観光もおやりになっている、両方やっておられる会社でございましたけれども、そういう規制緩和によってバス会社の経営が大変になってきていると、路線を廃止せざるを得ないということは視察に行った先でのお話であったということは紹介をしておきます。
 ということで、私は、本来、この法案を検討する際に、改めて規制緩和がどうだったのかということはしっかりと検証されるべきではないかということも強調しておきたいというふうに思うんです。
 大阪の場合について少し触れたいと思うんですけれども、国の規制緩和や官から民への構造改革の下で、二〇〇四年十月に近畿地方交通審議会が出しました近畿における望ましい交通の在り方というタイトルの答申がございます。この答申の中に、バスの活性化として公営バス事業の民間委託を掲げています。
 こうした下で大阪市では今どういう状態になろうとしているかということでございますけれども、大阪市の公共交通は百年の歴史を誇っていまして、地下鉄八路線、ニュートラム一路線の営業で、一日の利用者二百三十五万人です。市バスは百三十五系統、利用者二十二万人、その中には巡回の小さいミニバスもございますけれども。どちらにしても、市民の貴重な財産になっています。
 しかし、今、市バスは、五か所の営業所の民間委託を行って、赤字路線を維持するか否かの議論も出ています。いわゆる不採算部門を切り捨てていくという、こういうことですね。また、今回、地下鉄の民営化を打ち出した市営交通の経営見直し議論がされています。
 私は先ほど、昨年出されました交通政策審議会の中間取りまとめの文面を紹介しましたけれども、民間事業者の不採算路線からの撤退などにより交通空白地域が出現すると、これは国交省のいわゆる部会の中間取りまとめにそう書いてありますね。一方でそういうふうに書いておられまして、一方ではこうした近畿のこういう答申が民営化を促進するというふうに書いてあるわけです。それといいますのも、私、政府の施策といいますか国交省の施策といいますのは極めて矛盾しているんじゃないかというふうに思うわけでございますけど、この点、大臣いかがですか。
#133
○国務大臣(冬柴鐵三君) これは矛盾するとは思えないんですけれども、どの点が矛盾するんでしょうか。
 私は、市バスという場合に、それは市が直営ですから、それを独立採算にする、あるいは民間に委託をして、その経理のプラス、マイナスというものを各期においてきちっと検証することにより、冗費を省き、そして黒字が出るように頑張ってもらうということであろうと思います。しかしながら、それがどこまでも赤字が続く、そしてそれが、いろいろ工夫するけれども改善が望めないという場合にはそれは撤退をする。その撤退することによって空白が生ずるから、我々はこの法律によって地域の住民がそれに代わる公共交通をどういうふうにしていくのかということを考えていただき、それに対して我々は支援をして、交通空白地域が出現しないように努力をする、こういうことだと思います。別に矛盾をするとは思っておらないんであります。
#134
○小林美恵子君 交通空白をつくり出している、そのために住民の皆さんの足を確保する上で今回の法案を出してきたというのは分かります。私が申し上げたいのは、一方で、昨年のいわゆる国交省のこういう中間取りまとめの中で、民間事業者が不採算路線で撤退して交通空白をつくり出していると一方でそう書きながら、一方で近畿のこういう交通関係の答申では民営化を促進をするという文面があると。この両方の書き方というのは大変矛盾しているんじゃないですかということを指摘を申し上げました。これはもう指摘だけにとどめさしていただきたいというふうに思います。そういうことをしっかり検証した上で本法案が本来生きてくるものなんだろうと私は思うので、改めて強調さしていただいた次第です。
 では、法案について質問いたします。
 本法案でいきますと、市町村が地域公共交通総合連携計画を作成するとございます。先ほどの議論にもございましたけれども、その内容に地域公共交通特定事業ということで、LRT等など、とにかく高度化事業というのが私もどうしても重んぜられているように伺えてしまいます。
 先ほど議論がございましたけれども、そういう事業だけではなくて、やはり地域住民のニーズに即した公共交通の改善というのも計画にはしっかり位置付けられなくてはならないと思います。この点、改めて確認をさしていただきたいと思います。
#135
○政府参考人(宿利正史君) 先ほど谷合委員に対します答弁の際にもお答え申し上げましたが、総合連携計画の中で定めます事業は、公共交通の活性化、再生にとって有意義なあらゆるメニューが対象になるわけでありまして、特定事業だけに限られるものではありません。したがいまして、もっと地道なバスのサービスの改善や活性化の取組あるいは地方鉄道の再生、活性化の取組が当然重要なメニューとして含まれるものと考えております。
#136
○小林美恵子君 それでは、地域公共交通特定事業とそれ以外の事業に対する国の支援の違いについて簡潔にお答えいただけますか。
#137
○政府参考人(宿利正史君) 特定事業はこの法律に基づいて法律の特例措置が講じられているというところが違うわけであります。
 したがいまして、私どもが総合的に強力に支援すると言っておりますのは、計画に位置付けられる、すなわち合意ができて取組を進める事業に対して強力に支援いたしますから、特定事業であれ特定事業でなかろうが、同様に計画に位置付けられれば同じ支援をすることにしております。
#138
○小林美恵子君 それは、予算措置も含めて同じでしょうか。
#139
○政府参考人(宿利正史君) 予算措置で特に区別はありませんが、予算措置の中にLRTの予算はLRTとして使われますので、そういう意味では、LRTは特定事業に入っていますから、そういう意味の違いはありますけれども、別に、予算措置を適用する際に特定事業であるか特定事業でないかについて差別するようなことはありません。
#140
○小林美恵子君 それでは、法案の五条五項に、市町村が計画を策定するに当たって、あらかじめ住民、地域公共交通利用者その他の利害関係者の意見を反映させる必要な措置とあります。さらに、六条には、いわゆる協議会を組織することができるというふうにあると思いますけれども、私はこうして、いわゆる利用者であるとか住民の参画、意見反映というのは大変重要だというふうに思います。
 そこで、先ほども議論がございましたけれども、この住民の参画、意見反映というのを、この条文からいきますと、具体的にどういうふうに扱われていくのでしょうか。
#141
○政府参考人(宿利正史君) 具体的には、まず協議会の構成員として利用者、需要者側の声を代表する方に入っていただくわけでありますが、これにつきましては、どういう人を構成員にするかについて今、市町村が判断をして入っていただくということでありますから、先ほど申し上げましたように、利用者団体の代表者を加えたり、いろいろな判断が地域であり得ると思います。
 また、パブリックコメントをしなければいけませんので、そういった形で利用者の声が反映されるわけでありますし、その際には、インターネットその他の媒体を通じて行うことを考えております。
#142
○小林美恵子君 では、その協議会の中で、市町村や交通事業者が例えば高度化事業の計画整備などについて計画整備をしようというような立場であって、逆に住民の方が、いや、その整備はまだ待ってほしいとか、いや、その整備は住民にとっては今必要はないとかいう意見が出た場合、そういう場合、市町村や交通事業者のこの思いといいますか、計画が強行されるということはないですか。
#143
○政府参考人(宿利正史君) これはこの法律の考え方にかかわる部分ではありますけれども、やはり地域の関係者で十分に議論をして合意をつくるということがポイントでありまして、合意形成ができない計画は現実にはなかなか進まないというのがこれまでに明らかになっていることかと思っております。
 そういう意味では、住民に大きな異論があるような事業が計画に位置付けられて強引に強行されるというようなことは余り想定されないと私どもは考えております。
#144
○小林美恵子君 住民を含めた合意形成が重要になってくるということでございました。
 私、具体的にお聞きしたいんですけれども、大阪堺市でLRTの事業計画が検討されています。五月二日にその堺市に伺いました。
 同市は、南北の鉄道網は結構発達をしておりますけれども、東西は整備が余りされなくて、市としてのかねてからの計画であるということもあるんですけれども、その路線は、ちょっと地域的な話になりますが、JR阪和線の堺市駅と、いわゆる先日の委員会で取り上げました大阪湾ベイエリア開発の一つにもなっております堺臨海開発地域とを結ぶ八・三キロのそういう計画なんですね。この軌道の上下分離、堺市では公設民営化というふうにおっしゃっておられますけれども、この法整備が今回の法案でできますとこの事業も進むというわけでございます。
 今、その先行開発として南海高野線の堺東駅と本線の間の路線を、南海本線の間を進める計画が先行開発としてあるわけでございますけれども、既に事業者を公募して、既に南海電鉄、阪堺軌道さんが事業者案を出して審査会の推薦を受け、市として事業者を決定していく段階に今入っています。
 それで、市のこの八・三キロの事業単価等でいきますと、一番低い段階で五百四十七億円というふうに堺市側の説明でございます。市民からは、臨海というのはまだまだ開発途上の地域でございまして、そこに結ぶというのは大変無謀だという声が出ております。
 そこで、私伺いたいんですけれども、堺市が臨海までの路線を推進する背景に、先ほども申し上げましたけど、二〇〇四年の十月のこの近畿地方交通審議会答申にはっきりとその路線計画が明記をされています、臨海まで結ぶ路線ということで。
 私ここで伺いたいんですけれども、この答申は答申であって、あくまで答申であって、計画立てるというのは堺市の主体であり、住民の主体になってくるということは間違いないですか、その点、確認したいと思います。
#145
○国務大臣(冬柴鐵三君) あくまで中長期的に望まれる路線の一つとして位置付けられているわけであります。また、答申には行政その他の主体に対する強制力はございません。したがいまして、お説のとおりでございまして、これから進められることだろうと思います。この答申の内容に沿って強制的に事案が、この段階でですよ、これから手続が進んでいけば別ですけれども、この答申を受けて、それが強制されるという法律関係にはありません。
#146
○小林美恵子君 それでは、実際、先行開発事業の計画路線も現に南海の低床のシャトルバスが数分置きに走行しています。私は先日、乗車もしてまいりましたけれども、大変利便性があるものでございました。
 そこで、それは事例として挙げまして、一般的にお伺いしたいと思いますけど、この法案で、市町村が総合計画を策定する際には、そのいわゆる整備をしようとする交通網の必要性、そして合意なく住民に負担をもたらしていくということがないように、本当に十分に検討されなくてはならないというふうに思うんです。
 同時に、例えば、堺市で鉄軌道ができましたね、LRTの整備ができて、整備は堺市がお持ちになって、運営は仮に南海さんが運営するとなりますと、それが採算が取れなくなった場合、仮にですよ、運営事業者が他の路線を廃止をしていくということも考えられないわけでもないわけでございまして、私はこの法案で言う市町村が総合計画を策定する際は、継ぎはぎの交通計画ではなくって全体として計画を立てる、こういう位置付けにしっかりとならないといけないというふうに思いますけど、この二点について大臣の御見解を聞いて、質問を終わります。
#147
○国務大臣(冬柴鐵三君) 一般的に、地域にとって最もふさわしい公共交通の在り方を検討するに当たっては、地域住民等の意見も十分に踏まえ、多様な関係者の合意の下に計画を作成し、これらの関係者の緊密な連携の下で真に必要とされる事業を着実に実施することが肝要であるということが第一点。
 それから、御指摘のとおり、地域公共交通総合連携計画に位置付けられる事業につきましては、市町村が事業に必要な費用を負担する、すなわち地域住民がその費用を賄うということになる場合も想定されますが、このような事業についても、地域公共交通総合連携計画の作成過程において、住民等の意見も十分に踏まえつつ、地域にとって真に必要かどうか、採算性、ベネフィット・バイ・コストはどうなるかという観点も十分に考慮しながら検討することが重要でございまして、そのようになされるものと考えております。
#148
○小林美恵子君 質問を終わります。
#149
○渕上貞雄君 社会民主党の渕上でございます。
 本法案は地域公共交通活性化及び再生に関するものですが、国土交通省は、本法案を提出するに当たって地域公共交通についての現状認識をどのようにされているのか、お伺いをいたします。
#150
○国務大臣(冬柴鐵三君) 人口の減少、あるいは宅地の郊外化、自家用車の普及等により日常生活における自家用車への依存度が高まっておりまして、特に三大都市圏以外では公共交通の利用分担率が昭和五十年、いわゆる五〇%ずつであったものが平成十五年には八四%が自家用車、そして残りのたった一六%をJR、民鉄、バスというようなものが分け合っているという、そういう状況に減少いたしました。したがいまして、長期的に公共交通の利用者はなお減少の傾向にあると言わなければなりません。
 路線バスにつきましては、例えば平成十八年十一月に鹿児島県のいわさきグループが運行していた七百六十三系統のうち約二割に当たる百六十系統が廃止されるというようなことで、大変地元でも大きな問題になりました。
 また、地方鉄道につきましては、例えば平成十九年四月に宮城県のくりはら田園鉄道、茨城県の鹿島鉄道、福岡県の西日本鉄道宮地岳線の一部が廃止されるなど、利用者の減少による経営環境の悪化等に伴う交通事業者の不採算路線からの撤退や事業の廃止が続いているわけでございます。このほか、地方都市部における道路渋滞等におけるバスの走行環境の悪化などによる公共交通のサービス水準の低下も課題となっております。
 このように、地域の公共交通をめぐる環境は著しく厳しい状況にあるものと認識しておりまして、そのようなものが契機となって本案を提案しなければならない、このような思いで提案しているわけでございます。
#151
○渕上貞雄君 本法案の目的において、移動のための交通手段に関する利用者の選好の変化により地域公共交通の維持に困難を生じている等を明記をされていますが、今も説明ございましたけれども、地域公共交通の一番の衰退の原因というのはどのようにお考えになっていますか。
#152
○政府参考人(宿利正史君) もちろん、地域によりまして少し異なる事情があるケースもありますが、一般的に申し上げますと、やはり法案の目的規定にも書いておりますように、自家用自動車の普及が圧倒的だったということ、また宅地の郊外化などによりまして、日常生活における自家用自動車への依存度が年々高まり続けてきたことが大きいと思っております。
 これが結果として、反面で公共交通の需要の減少、公共交通事業者の経営の悪化ということにつながり、それが公共交通サービスの低下につながって公共交通の利用者の公共交通離れをもたらし、悪循環等を続けていると、これが基本的な衰退の構図だと考えております。
#153
○渕上貞雄君 法案では、地域公共交通の活性化を図るための基本方針の策定や地域公共交通総合連携計画の作成等の諸施策を行うことが提起をされていますが、地域公共交通の衰退の最大の原因である、今もお話ありましたように、マイカー利用の抑制については何も触れられておりません。したがって、マイカー規制については地域にゆだねるのではなくて、国としてマイカー利用者を公共交通へ誘導する施策をやはり行うべきだと考えるんですが、その点いかがでございましょうか。
#154
○政府参考人(宿利正史君) 私どもも、過度な自家用自動車の利用から公共交通への利用転換を図るということが極めて重要であるということは十分認識しております。このためには、公共交通のサービスを一層向上させることが重要でありますから、そのためのいろいろな取組を進めておりますし、またパーク・アンド・ライドのための駐車場整備などもマイカーから公共交通利用へ転換するための有効な施策だと考えております。さらに、通勤交通マネジメント、これは従業員の通勤交通に関して公共交通への利用を促進をしていく取組でありますが、こういったものや、地域住民の一人一人がその意識を変えて公共交通の適切な利用に変わっていくというモビリティーマネジメントといった取組も推進しておりまして、こういったものもこの計画の中に位置付けられて進められることを期待しているところであります。
#155
○渕上貞雄君 公共交通維持、活性化は地域住民の福祉に資するものでありますが、国の政策として行うべきものと考えますが、提出法案の目的には公共の福祉という言葉がありません。法案はあくまでも公共交通活性化を目的としていますが、私は、やはり本法案においても、憲法上やはり十四条、憲法二十二条、憲法二十五条を根拠として、目的にやはり明確に公共交通を公共の福祉として位置付けるべきじゃないか、明確に位置付けるべきじゃないかと考えますが、その点いかがでございましょうか。
#156
○国務大臣(冬柴鐵三君) この法案の目的にも「地域住民の自立した日常生活及び社会生活の確保、」というふうに規定をしているわけでございまして、国といたしましても、必要な公共交通の維持、確保を図るために、地域の関係者に対する助言、情報提供、人材の育成に努めるほか、関係予算、また地方財政措置などによって地域の取組を総合的かつ強力に支援するわけでございますから、これは公共の福祉そのものでございます。
 確保、増進を図る観点からこの法律が組み立てられているわけでございまして、そのような表現、公共の福祉という言葉こそ使っていませんけれども、この法律全体がそのような立場から組み立てられていると信じております。
#157
○渕上貞雄君 法案は国の努力義務を設けていますが、その内容は、情報の収集それから整理、分析及び提供、研究開発の推進並びに人材の養成及び資質の向上となっています。しかし、活性化、再生に向けての取組においては財政的措置を伴うものが発生することが多分に予想されますけれども、財政的な措置についてはどのようにお考えでございましょうか。
#158
○政府参考人(宿利正史君) 財政措置に関しましては、この法案の三十七条の規定で、「国及び地方公共団体は、地域公共交通総合連携計画に定められた事業及び新地域旅客運送事業の推進を図るために必要な資金の確保に努めるものとする。」という規定が置かれております。
 この規定の趣旨に照らしまして対応していく必要がありますが、既にこれまでにも足の確保のための鉄道やバスに対する補助制度、地方財政措置、また公共交通の利便増進のための支援措置などが講じられているところでありまして、この法律が成立いたしました暁には、この連携計画に基づいて行われる取組について関係予算を可能な限り重点配分、配慮する形で対応をしていきたいと考えております。
#159
○渕上貞雄君 一昨日も視察を行ってきましたけれども、本法案のねらいとするところの軌道高度化事業、DMV関係について少し具体的にお尋ねをいたしますが、特に運転操縦免許関係についてお尋ねをします。
 まず初めに、運転士の資質の向上検討委員会の検討状況についてお尋ねをいたします。
 約二年前に中間報告がなされていますが、余りにも簡単な内容であり、検討状況を把握することはできません。しかし、その後、情報が公開されておらず、どのような検討がなされ、実行がなされてきたのか分かりません。特に、今回のDMVの運転操縦免許との関係でどのような検討がなされたのか、それとも検討がなされていないのか分かりません。検討委員会の検討状況、実施状況についてどのようになっているのか、まずお尋ねをいたします。
 あわせて、検討委員会の情報公開についての考え方についてお尋ねをいたします。
#160
○政府参考人(平田憲一郎君) 事実関係も含めてお答えをしたいと思います。
 運転士の資質の維持向上策につきましては、平成十七年の四月二十五日に発生いたしました福知山線の列車脱線事故を契機といたしまして私どもの鉄道局の中において検討を進めて、平成十七年の八月に中間取りまとめを行ったところでございます。この内容のうち、安全管理規程の作成義務付けなどにつきましては法令の改正により既に対応済みでございますが、より一層の運転士の資質向上策につきましては、外部の有識者を構成員とする運転士の資質向上検討委員会を設置いたしまして、更なる検討を行うこととされたところでございます。
 具体的に申し上げますと、平成十七年の九月に委員会を立ち上げました。その下に二つのワーキンググループを設置をいたしました。具体的には、新たな適性検査の必要性、有効性を検討し、二つ目には、適性を効果的に判断するための総合的な方策、三つ目には、効果的な教育システムの在り方、四番目には、風通しの良い職場、ストレスを引き起こしにくい職場など、職場環境改善方策などについて検討を進めているところでございます。
 それから、お尋ねの検討委員会及びワーキンググループにおけます検討状況の公表についてでございますが、まだ様々なデータの収集などを行っている途中の段階でございますので、今後、作業の区切りが付いた時点で公表することを考えております。
#161
○渕上貞雄君 やはり今のような状況がございました。余りにも情報が公開をされておりませんので分からない部分も多いんでありますけれども、適性検査ワーキンググループの検討状況、それから身体機能にかかわる基準等の調査検討会の状況はどのようになっているのでございましょうか、お尋ねいたします。
#162
○政府参考人(平田憲一郎君) 検討委員会の中に二つのワーキンググループが設けられたというお話を申し上げました。その一つが適性検査ワーキンググループでございます。
 このワーキンググループにおきましては、平成十八年の二月から新たな適性検査の必要性、有効性などの検討を行っておりまして、具体的には、現行の適性検査の整理、課題の抽出、運転士に求められる運転適性の内容、それと、新しい適性検査の具体的な内容でありますとか、検査が運転士に与える負担度合い、合格基準の考え方などの検討を行っているところでございます。
#163
○渕上貞雄君 質問の通告はしていませんけれども、重要な運転士になる場合の検査の一つとしてクレペリン検査がありますけれども、国土交通省は、運転士の資質の判断に当たって有用と考えられておりましょうか、それとも別の検査を検討しようと考えられているんでしょうか、分かれば。
#164
○政府参考人(平田憲一郎君) 現在、先ほど申し上げましたように、適性検査のワーキンググループの中で、新たな適性検査を導入するのであるんだったらその必要性はどうなのか、それから有効性についてはどうなのかという検討を行っているところでございまして、その一環で様々な検討が加えられていくものと考えております。
#165
○渕上貞雄君 じゃ、まだ具体的にその検討委員会の結論が出ていないという認識でよろしゅうございますか。
#166
○政府参考人(平田憲一郎君) さようでございます。
#167
○渕上貞雄君 現行法では、DMVの運転操縦をする場合にですね、動力車操縦者運転免許と自動車大型又は中型二種免許が必要になると思いますが、運転免許の資格の取得についてはどのように考えられておられるんでしょうか。
 私は、やはり動力車操縦者運転免許の資格を緩和することは安全問題と直結をするものであり、必ずしも良いものとは考えないんですけれども、現場を見てきてそのように実感したんですが、いかがでございましょうか。
#168
○政府参考人(平田憲一郎君) DMVにつきましては、委員御案内のように、線路上と道路の双方を走ることを最大の特徴としておりますが、両者ではインフラの構造はもとより、信号システムなど様々な面で安全確保のためのハードそれからソフトの体系が異なるため、乗務員につきましては走行システムの違いに応じた運転ができるための適性、知識と技能が不可欠であると考えております。
 したがいまして、線路上と道路上の双方を一人の乗員で運転する場合には、鉄道の動力車操縦者免許と道路交通の大型第二種運転免許の双方を持っていることが運行の安全を確保する観点から必要であると考えております。
#169
○渕上貞雄君 現場を見て、これから一般化していく場合に免許の在り方について少し現場で思ったことなんですけれども、やはりDMVを運行するならば、動力車操縦者免許を限定免許とするしかないと思うんですね。そうすることによって、実態に合ったやはり試験を行うことで比較的容易に資格取得が取れるようになり、DMVの普及にもつながるものと考えられます。
 そして、私は、やはり現在ある鉄軌道法についても、一律の国家免許試験をやめて限定免許制度を取り入れるべきだと考えますが、見解はいかがでございましょうか。
#170
○政府参考人(平田憲一郎君) 先ほど申し上げましたように、現在の基本的な考え方としては、動力車操縦者免許とこの大型二種の両方の免許を持っていただくということが必要であると、安全性の観点からも必要であると考えております。
 今後、じゃ一体どういうような形で進めるべきなのかというお尋ねでございますが、現在の試験的営業運行の成果などを踏まえまして、将来、安全で安定した運行やそのための技術の確立によりまして、免許制度につきましても、DMVの特性に応じてその見直しをすることがより安全でなおかつ普及促進のために合理的であると考えられるような状況が生ずることになった場合には、例えば他の列車と混在しないDMVの専用線区での運行に限定した専用免許を新設するなど適切に見直しを行っていくということも検討をしていく必要があるかなと考えております。
#171
○渕上貞雄君 じゃ、よろしくお願いを申し上げておきます。
 先ほども質問がございましたが、鉄軌道、バスにおける運賃割引は、営業施策としての割引のほかに、通学通勤定期のように公共政策的な割引があります。一部の自治体においては割引負担をしているところもありますが、割引の大半は法律ではなくて事業者の負担で実施をされております。地方の中小鉄軌道・バス事業の収入において定期割引利用者の占める割合は非常に高い実態にありますことはもう御案内のとおりだと思います。
 私は、国の産業政策、文教政策、それから社会政策等の要請に基づいての公共的な割引については、やはり政策発動の責任者である国が負担することが必要ではないかと考えるんですが、その点いかがでございましょうか。
#172
○政府参考人(宿利正史君) 渕上委員御指摘のように、現在の障害者あるいは学生その他の方々に対する公共交通機関の運賃割引は、経営者の判断により、他の利用者の負担によって賄う形で行われているのは御指摘のとおりであります。そういうことでありますから、福祉政策上の観点から、地方自治体の支援によりまして高齢者や障害者等の方々に対する運賃割引が実施されている事例は確かにございます。
 渕上委員の御指摘は、国による、国の負担による運賃割引の実施と、こういうことだと理解いたしましたが、これは例えば一義的には障害を持つ方々や通学する児童生徒に対する支援の問題と、こう考えられますから、交通政策の観点というよりも、やはり障害者に対しましては社会福祉政策の観点、児童、学生に対しては文教政策の観点と、こういった観点から検討されるのにふさわしい課題かなと認識をしております。
#173
○渕上貞雄君 だから、そこら辺りをまとめて面倒見てくれないかと、こう言っておるわけで、なかなか難しいかもしれませんが、機会があればひとつどうか検討いただきたいというふうに、縦割り行政だから仕方がないといえば仕方がないことかもしれませんが、そこら辺りを何とか横の方でつないだらいかがと、このように言っているわけでございますんで、よろしく御検討をお願いを申し上げておきたいと思います。
 公共交通にかかわって今日、朝から質問をずっと聞いていますと、やはり公共交通を運営するに当たってはもう運賃だけでは限度があるということは、中島先生もおっしゃったし、民主党の輿石先生も今朝おっしゃいましたんで、大体認識はそうだろうと、このように思っているところでございまして、大体運賃でできないことは分かってきたということになれば、どのような方策を取っていくかということが私は大事なことではないかと。
 したがって、公共交通に対しての維持整備というのはやはり国がある程度責任をきちっと持っていくべきではないか。持っていき方はいろいろ私はあると思いますね。国だけでなくて地域をどうするのか、地域の中でも自治体がどうするのか、じゃそこを通っている商店街の方々がどうするのか、利用者がどうするのかといういろいろな方策、私は出てくるのではないかというふうに思います。
 したがって、やはり公共交通の目的としては、先ほどもお話ありましたように、地域の住民が利用しやすいような安全な交通網の計画ということを立てていくことが最も大切なことでありまして、少なくともやはり公共交通というならばシビルミニマムとしての地域住民の生活にとって必要最小限度のものをやはりきちっと確保するということがやはり国の責務であるし、同時に国が保障していくべきではないかと考えるんですが、その点はいかがでございましょうか。
#174
○国務大臣(冬柴鐵三君) 先ほども申し上げましたように、従来から、民間事業者の経営努力だけではもう十分に維持できないということが考えられます。そのような生活路線の維持とか適切な公共交通の整備のために、従来から、国と地方公共団体の適切な役割分担の下に様々な公的支援を行っているところでございます。
 特に、近年の急速な高齢化の進展等を踏まえまして、地域住民の足の確保はもう待ったなしで早急に対応すべき課題となっておりますので、今般、地域公共交通の活性化、再生を図るための仕組みを法案化をして、今国会に提出してきたところでございます。
 地域住民の足を確保するための地域の取組につきましては、この法案に基づく各種の措置に加えまして、関係予算あるいは地方財政措置などにより総合的かつ強力に支援をして、それが維持できるように頑張ってまいります。
#175
○委員長(大江康弘君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#176
○委員長(大江康弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、山下君から発言を求められておりますので、これを許します。山下八洲夫君。
#177
○山下八洲夫君 私は、ただいま可決されました地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、公共交通が地域の経済社会活動の基盤であり、その地域における公共財的役割が非常に大きいことにかんがみ、地方自治体の積極的な取組の支援にも資するよう、地方の鉄軌道及び路線バスを含めて地域公共交通の整備・維持・運営に必要かつ十分な財源を確保することなどにより、地域公共交通に対する財政支援制度の充実を図ること。
 二、各地域において公共交通の活性化及び再生の在り方を検討するに当たっては、コンパクトシティの形成や観光地としての魅力の向上など、まちづくりと一体的に行われるよう、地方公共団体や交通事業者への支援に努めること。
 三、地方の鉄軌道の活性化及び再生に当たっては、運行会社の経済的負担を軽減し、その路線の維持に資するため、いわゆる「上下分離制度」が一層活用されるよう、助言や指導に努めること。
 四、乗継円滑化の促進に資するため、公共交通施設・車両等におけるバリアフリー化の一層の拡充と質的向上を図るとともに乗換駅等の隣接化を推進することにより、利用者の移動負担の軽減を図るほか、最近におけるIT技術の発達や交通系ICカードの普及等を踏まえ、公共交通機関の合理的な運賃の形成に向けて助言や指導に努めること。
 五、新地域旅客運送事業の円滑化を図るため車両又は船舶に係る保安上の技術基準の作成及びその運用について行われる配慮が、車両又は船舶の運行の安全の確保に真に支障のないよう適切に措置すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#178
○委員長(大江康弘君) ただいま山下君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#179
○委員長(大江康弘君) 全会一致と認めます。よって、山下君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、冬柴国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。冬柴国土交通大臣。
#180
○国務大臣(冬柴鐵三君) 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
 大変ありがとうございました。
#181
○委員長(大江康弘君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#183
○委員長(大江康弘君) 次に、港湾法及び北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。冬柴国土交通大臣。
#184
○国務大臣(冬柴鐵三君) ただいま議題となりました港湾法及び北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 港湾においては、従来より港湾及びその周辺の環境を保全するため、当該区域から発生する廃棄物を埋立て処分するための海面処分場等の整備を推進してきたところであります。
 近年、内陸部における最終処分場の確保が次第に困難となってきていることから、海面処分場における廃棄物の受入れに対する要請がますます高まっております。このため、今後とも海面処分場を計画的に確保できるよう、その整備に係る国の負担割合を引き上げることとし、このたびこの法律案を提案することとした次第です。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 海面処分場の計画的な確保を図るため、廃棄物埋立て護岸等を建設又は改良する工事について、港湾管理者施行の場合の国の補助率及び国土交通大臣施行の場合の国の負担率を、現行の十分の二・五以内から三分の一以内に引き上げることとしております。
 その他、これに関連いたしまして、所要の措置を講ずることとしております。
 以上が、この法律案を提案する理由です。
 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
#185
○委員長(大江康弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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