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2007/06/07 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 国土交通委員会 第19号
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2007/06/07 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 国土交通委員会 第19号

#1
第166回国会 国土交通委員会 第19号
平成十九年六月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十一日
    辞任         補欠選任   
     小池 正勝君     福島啓史郎君
     末松 信介君     川口 順子君
 六月一日
    辞任         補欠選任   
     川口 順子君     末松 信介君
     福島啓史郎君     小池 正勝君
     谷  博之君     前田 武志君
 六月四日
    辞任         補欠選任   
     小池 正勝君     川口 順子君
     末松 信介君     南野知惠子君
     谷合 正明君     山本  保君
 六月五日
    辞任         補欠選任   
     川口 順子君     小池 正勝君
     南野知惠子君     末松 信介君
     前田 武志君     大塚 耕平君
     山本  保君     谷合 正明君
     小林美恵子君     井上 哲士君
 六月六日
    辞任         補欠選任   
     大塚 耕平君     前田 武志君
     羽田雄一郎君     櫻井  充君
     井上 哲士君     小林美恵子君
 六月七日
    辞任         補欠選任   
     北澤 俊美君     広田  一君
     前田 武志君     高嶋 良充君
     魚住裕一郎君     白浜 一良君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大江 康弘君
    理 事
                末松 信介君
                脇  雅史君
                藤本 祐司君
                山下八洲夫君
                谷合 正明君
    委 員
                市川 一朗君
                岩井 國臣君
                太田 豊秋君
                小池 正勝君
                藤野 公孝君
                吉田 博美君
                加藤 敏幸君
                北澤 俊美君
                輿石  東君
                櫻井  充君
                田名部匡省君
                高嶋 良充君
                広田  一君
                前田 武志君
                白浜 一良君
                小林美恵子君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   冬柴 鐵三君
   副大臣
       国土交通副大臣  望月 義夫君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       藤野 公孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
   政府参考人
       内閣官房構造改
       革特区推進室長
       兼内閣府構造改
       革特区担当室長  大前  忠君
       国税庁課税部長  岡本 佳郎君
       厚生労働大臣官
       房審議官     森山  寛君
       厚生労働大臣官
       房審議官     御園慎一郎君
       国土交通省自動
       車交通局長    岩崎 貞二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○タクシー業務適正化特別措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、谷博之君及び羽田雄一郎君が委員を辞任され、その補欠として前田武志君及び櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大江康弘君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に末松信介君及び谷合正明君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(大江康弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 タクシー業務適正化特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房構造改革特区推進室長兼内閣府構造改革特区担当室長大前忠君、国税庁課税部長岡本佳郎君、厚生労働大臣官房審議官森山寛君、厚生労働大臣官房審議官御園慎一郎君及び国土交通省自動車交通局長岩崎貞二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(大江康弘君) タクシー業務適正化特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○吉田博美君 自由民主党の吉田博美でございます。
 タクシー業務適正化特別措置法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 いわゆる流し営業中心の地域におきまして、輸送の安全性、利用者の利便性の低下が懸念されている状況の中にあって、タクシー運転者の質の確保、向上を図ることにより、輸送の安全、利用者の利便をより確実に確保していくことが近々の課題となっております。このような状況を踏まえ、このたびの法律案が提案されたものと考えております。
 これは法案には直接関係はありませんが、最近景気が回復してきたと言われますが、地方におきましてほど遠い現状であります。そうした中、地方のタクシーを取り巻く現況は非常に厳しいものがございまして、景気が良くないためタクシー利用者が減り、そこに、平成十四年二月に規制緩和が実施をされたわけでありまして、より厳しさが増してまいりました。言わば供給過剰の状態になっているわけでございまして、私の地元の長野市におきましては、例を取ってみますと、平成十年に長野冬季オリンピックが開催をされました。その当時は、オリンピックの影響もございまして会社の業績も良く、運転手さんの収入もかなりありましたが、景気低迷と供給過剰の中で、タクシーの運転手をしている友人に聞きましたら、その当時と比べて収入が半分になってしまったと、もうそろそろ限界だと、生活していくのが大変だということを言っておりました。
 私から申すまでもなく、タクシーは、鉄道や路線バスの廃止、縮小が続く中、医療や福祉の面においても地域住民の足となり、特に高齢者の皆様にとっては極めて重要な交通手段となっておりまして、このままの状態では地方のタクシー会社がなくなるんではないかと。そうすると、労働している運転手さんも雇用の場がなくなるんではないかという心配をしている一人でありまして、そこで、大臣にお伺いをしたいわけでございますが、規制緩和後のタクシー業界の状況について大臣はどのように認識をされているのか、お聞かせいただけますでしょうか。
#9
○国務大臣(冬柴鐵三君) 委員が御指摘のように、十四年二月、規制緩和が実施されました。その結果、言わば光と影といいますか、そういうものが鮮明になってきたように思われます。
 光の部分につきましては、例えばそれまでなかったような福祉タクシーというような、弱い立場にある人たちに対して優先して運ぶというようなことを専ら行われるタクシー、そういうものが十七年度には従来の十三年度に比べて三・九倍に増えたというような問題があります。また、観光タクシーというものにつきましても増えているわけでございます。また、各地において運賃体系が多様化したというようなことがあります。例えば、私、地元関西の方では、五千円以上乗りますと、例えば一万円乗るとしますと、超えた分を半額にする、すなわち七千五百円でやるというような多様な運賃が導入されたり、また定期券割引というようなことを北九州や香川ではやっているとか、あるいは定額運賃で、成田空港あるいは関空から都心部までもう一定の値段で運びますというような今までになかった料金体系等が出てきたと。これは一つの光の部分だろうと私は思いますが。
 しかし、御指摘のように、この影の部分といたしましては、輸送需要が停滞をしています。公共交通につきましても、乗用自動車に乗るという部分が多くなりまして、非常に、いっときのことでは公共交通機関を使うのは半分以下になってしまうわけでして、そういう需要停滞。それから、景気の低迷等がありまして、平成十三年では一兆九千四百三十億円でありましたタクシーの運送収入が、十七年には一・八%減の一兆九千億円に減額した、伸び悩みということでございます。それから、厳しい経営環境等を背景として、特に流し営業が中心の地域では、台数当たりの事故等の発生件数が五年間で三倍となったとか、事故や苦情が増加する傾向にあると、こういうこと。影の部分が目立ち出しました。
 そういうことから、規制緩和のいい面、光の部分は生かしながら、マイナスの面、影の部分を是正していかなければならないというふうに考えているところでございます。
 このため、今回の法改正によりまして、運転者の登録制度を強化して、従来、東京、大阪のみで実施していたこのような制度を主な政令指定都市等にまで拡大をしていこうと。それから、必要な監査担当要員を確保いたしまして、事業者に対する重点的かつ効率的な監査の実施をやっていこうと、これは労基法違反とか最賃法違反とか。こうした対策によって、安全やサービスについて問題がある事業者等にペナルティーを科すとともに、公正な競争の確保を図って輸送の安全と乗客の利便性の確保ということを図っていこうというのが現状の認識でございます。
#10
○吉田博美君 大臣の方から光と影があるということをおっしゃいましたが、確かに光の部分は福祉タクシーあるいは観光タクシー等でかなりいい部分も出ていると思うんですけど、そうしたにもかかわらず現状が一・八%減退をしておるということを考えたときに、イザナギ景気を超える景気が回復をしていると言われる中にあって、この業界がいかに厳しいかというものを改めて感じるところでございます。
 そこで、タクシー業界は過当競争の中でも事業者数、台数とも増加をしており、市場原理がこの業界では機能しないんではないかと考えますが、その点についてお聞かせいただけますでしょうか。
#11
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘のとおり、タクシー事業というのは必ずしも市場原理がなかなか機能しにくい面があるんだろうと我々も認識をしております。
 具体的に申しますと、特に流しの地域でございますけれども、一回限りのサービス、それから事前にその会社がいい会社、そのタクシーがいい会社かどうかというような評価はなかなかできないといったことで、利用者による選択性が低い、それから問題のある事業者がなかなか退出をしないと、こういうタクシー業界の特性があるんだろうと、このように思っております。
 大臣答弁させていただきましたように、規制緩和の良い点を生かしながらマイナス面の是正を図っていくという観点に立っておりますが、マーケットメカニズムというのは利きにくいところはあるんですけど、できるだけそのマーケットメカニズムを生かしながら、それに堪えないものを規制で補っていくというのが基本だろうと思っておりまして、マーケットメカニズムがもう少し利きやすいような、例えば、このタクシーの評価がいいタクシーなのか悪いタクシーなのかという評価なんかをもう少し分かりやすくするとか、そうした工夫みたいなのを今後とも考えていきながら、一方で、公正な競争をしていただくために監査等を通じて、質の悪い、法令違反をするような事業者、運転手なんかについての退出を促していくといった環境づくりをしてまいりたいと、このように思っているところでございます。
#12
○吉田博美君 先ほど大臣言われた光の部分でございますけど、規制緩和の後、福祉タクシーの普及が進んでおるということで三・九倍というお話をお聞きしたんですけど、国交省はどのようにこの福祉タクシー普及に取り組んでおられるのか、お聞かせいただけますでしょうか。
#13
○政府参考人(岩崎貞二君) 福祉タクシーがより進むように環境づくりをやっているところでございます。
 具体的に申しますと、こうした福祉輸送限定については、許認可の際の最低車両台数なんかについて、通常のタクシー事業よりも少ない台数でもいいよといったような許認可の弾力的な運用を行っております。また、税制上、特別償却でございますけれども、そうした措置を講じておるところでございます。それからさらに、十八年度からでございますけれども、福祉輸送普及促進モデル事業というのをやっております。福祉輸送を先端的にやっている地域を指定をいたしまして、その地域で共同配車なんかうまく進むといったようなシステムについて補助をするといったようなことの措置を講じておるところでございます。
 今後とも、やっぱり福祉のタクシーというのは、少子高齢化社会を迎える中で重要だろうと思っておりますので、積極的に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
#14
○吉田博美君 積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 さて、今回の法改正の基になっていますタクシーサービスの将来ビジョン小委員会報告書の主な提言内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
#15
○政府参考人(岩崎貞二君) 平成十七年の十月に交通政策審議会の部会小委員会の中で、この今後のタクシーのビジョンというのを取りまとめさせていただいたところでございます。
 先生御指摘のとおり、昔はタクシーというのは二地点間の輸送ということで機能していたわけでございますけれども、特に地方部なんかにつきましては、単に人を運ぶというだけではなかなかタクシー事業としても成り立っていかないというところがございます。それから、少子高齢化の中で、繰り返しになりますけれども、福祉の面とか、よりケアの高いようなサービスをしていくということが重要だろうと。そういうことを踏まえながら、今後のビジョンとしては、単なる輸送機関から地域に密着した多面的なサービスを提供する総合生活移動産業へ転換をしてくださいと。そのために、安全、安心な輸送サービスでありますとか多様なニーズに対応したサービスの提供でありますとか、こうしたものを中心に業界あるいは私ども関係者一同頑張っていこうということでビジョンを取りまとめていただいたというところでございます。
#16
○吉田博美君 安心、安全、そして多様なサービスにこたえるべきタクシーの今後の業界の在り方ということでございますが、タクシーは医療や福祉の面でも生活者の交通手段として不可欠なものとなっており、地域の生活交通の中でタクシー事業者の果たす役割はますます重要になっていると考えますが、その点についてのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
#17
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘のとおり、私どももそのように思っております。
 先ほど申しました福祉面の話のほかに、特に地方部の輸送では、従来乗合バスというようなことでやっておりましたけれども、なかなか大きなバスほどの需要はないということで、最近では乗合タクシーなんかということで地域の生活交通のニーズに効率的にこたえようというような動きも始まっております。そうした面も含めまして、各地域地域に合った多様なサービスの展開を図っていくことが必要だろうと思っておりますし、私どもも、制度面なんかで、あるいは予算面なんかでお手伝いできるところについては積極的に頑張っていきたいと、このように思っているところでございます。
#18
○吉田博美君 いろいろ知恵を絞っているようでございますが、ただタクシーの事故が大変多発しておりますよね。その発生件数が増加をしていますが、その原因についてはどう考えているのでしょうか。
#19
○政府参考人(岩崎貞二君) 事故の件数でございますが、死亡事故自体は、平成十三年と十八年、五十七件から四十九件と若干の減少はしておりますけれども、人身事故自体、二万六千件弱だったのが二万六千七百件と二・五%増えております。
 特に、タクシーの事故の特徴は、実車中じゃなくて空車中の事故が非常に多いと。恐らく、空車中でお客さんを探しながらということでございますので、そういうときに二輪車、自転車との接触、あるいは歩行者との接触みたいなのが非常に多いというのが特徴でございます。
 そうした事故について我々は分析をして、こういう事故が多いんですよということをできるだけタクシー事業者の方にも、あるいは運転者の方にも分かっていただくように努めているところでございますけれども、必ずしも運転者に対する指導等が十分ではなかったかと、このように思っておるところでございます。今後、こういうことも強化をしていかなきゃいけないと考えているところでございます。
#20
○吉田博美君 事故が起きてからではなくて、事故をいかに抑制するかということが極めて大事だと思いますので、そういう点、よく努めていただきたいと思います。
 また、昨年二月より、監査の充実、行政処分の厳格化を図ってきたとのことでございますが、タクシー事業者に対する監査、処分は具体的にどのように行っているのでしょうか。
#21
○政府参考人(岩崎貞二君) 監査の体制も、今年度末には二百名体制に増強するということで、規制緩和当時と比べますと約倍ぐらいの人数で頑張っていくということで、体制も充実をさせていただいているところでございます。
 それから、タクシー事業も含めてですけれども、監査というのはやはり効果的に、特に違法なことをやる可能性の多いところに集中的にやっていくということが必要だろうと思っております。従来ですと、監査に入りますよという通告をしてやっておりましたけれども、これはもう原則として無通告にするとか、特に参入後の事業者に対しては一回は必ず監査をするとか、あるいは事故を起こした事業者には直ちに監査に入るとか、そうしたことで監査のやり方なんかにも工夫をしているというところでございます。
 平成十八年度の数字でございますけれども、全国タクシー、約、法人タクシー一万事業者ぐらいございますが、平成十八年度では約三千の法人タクシーに対して監査を実施いたしました。事業停止を二件やりました。三百六十六の事業者に対して行政処分なんかをやっているところでございます。
 効果的な、効率的な監査を実施していって、悪質な、ルールを守らない事業者の市場からの退出を促していくというような運用をしていきたいと、このように思っているところでございます。
#22
○吉田博美君 運転手さんのことについて伺いますが、今タクシーの運転手さんは労働時間や賃金面で非常に厳しい条件を強いられておりますが、国交省はどのように認識しているのでしょうか。
#23
○政府参考人(岩崎貞二君) 具体的な数字でございますが、十八年度の数字ですが、全産業は五百五十五万円でございますが、タクシー運転者の全国平均の年間賃金は三百二十九万円でございます。二百二十六万円の差がございます。また、労働時間につきましても、全産業平均二千二百二十時間に比べて百九十八時間多い二千四百十二時間ということで、労働時間は長く賃金は低いと、こうした実態だと認識してございます。
#24
○吉田博美君 労働条件は厳しく賃金は低いなんといったら、もう本当に大変な状況なんですよ。いろんなことの中で他業種から職を失った皆さん方がタクシー運転手さんにおみえになっているということがかなりあるんじゃないかと思うんですけど、タクシーの運転手さんは他業種に比べ深夜勤務を含め労働時間が長いにもかかわらず、報酬は著しく低くなっていますが、国交省はこのような課題についてどのように取り組んでいかれようとしておるのですか。
#25
○政府参考人(岩崎貞二君) 一つは、労働時間が長くなるとどうしても事故なんかを起こしやすいと、こういう傾向がございますので、我々も厚生労働省と連携しながら、監査なんかを通じて労働時間の長いことについてはルールを守ってくださいということでの指導監督をやっております。
 また、最低賃金を割っておられる事業者も幾つかありますので、そうしたものについても、これも厚生労働省と連携しながら最低賃金法違反の事業者については指導強化をしていると、こういう状況でございます。
 そうしたルール違反についてチェックするとともに、やはりタクシー事業の適正な運営を図っていく、輸送の安全を確保していくということで、タクシー運転者の適切な労働条件を確保していくということは重要だろうと認識しております。
 現在、タクシーの運賃改定をしたいという動きも全国各地で出ておりますので、今政府部内で調整を行いながら適切に対応していきたいと思っておるところでございます。
#26
○吉田博美君 そこで、大臣にお伺いいたしますが、今回の法改正では輸送の安全と利用者の利便が主目的とされていますが、目的達成のためには、私はまずタクシー運転手さんの生活改善が先決だと考えていますが、その点については、大臣、どのようなお考えでございましょうか。
#27
○国務大臣(冬柴鐵三君) 委員と全く同じ認識でございます。
 したがいまして、今全国各地のタクシーの運送事業者から運賃の値上げについての申請が出ているところでございます。そして、その申請の理由といたしましては、労働条件の改善ということが共通して挙げられているわけであります。そのほか、燃料が値上がりしているというようなことも理由になっています。過去十年ほど値上げをしていないわけでございまして、そういうところから、我々としましては、安全、それからまた利用者の利便の確保という、増進、向上というためには、どうしても現場で働く労働者である運転者の処遇ということが非常に大事なものだと認識をいたしております。労働時間は長くて、一日十六時間ぐらい働きながら、平均賃金より二百万以上年収が低いというこのような劣悪な条件の中で事故が起こったり、あるいはすさんだ気分から乗車拒否が起こったり、いろんなことが起こるわけでございますから、ここは改善しなければならないと考えております。
 政府部内の調整等を図りながら、的確にこれを判断していかなければならない問題だというふうに思っております。
#28
○吉田博美君 大臣も同じような御意見でございまして、是非その大臣のお気持ちを大事にしながら、タクシー業界あるいは運転手さんのためにいろいろと御指導いただければと思っているところでございます。
 運賃の改定につきましては後ほどでございますが、さて増車等により著しく供給過剰状態になった場合、輸送の安全、利用者利便の確保を図るための措置として緊急調整措置があるとお聞きしましたが、具体的な発動基準はあるんでしょうか。
#29
○政府参考人(岩崎貞二君) 緊急調整措置でございますが、法律では、供給輸送力が輸送需要量に対して著しく過剰になっている場合であって、当該供給輸送力が更に増加することにより、輸送の安全及び旅客の利便を確保することが困難となるおそれがあると認められるときに緊急調整地域として指定すると、こうございます。
 この著しく過剰になっている場合、あるいは輸送の安全、旅客の利便を確保することが困難となるおそれがあると認めるときとはどういうときか、ケースかというのを通達で定めておりまして、具体的に申しますと、一日一車当たりの実車キロあるいは営業収入、こうした数字が低下していること、それから延べ実働車両数が二年連続して増加していること、それから事故の件数が増加していること等々、要件を定めているところでございます。
#30
○吉田博美君 増車等が進む現状から見ますと、緊急調整措置についても私はある意味では見直すべきではないかと考えていますが、その点についてのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
#31
○政府参考人(岩崎貞二君) 緊急調整措置でございますが、先ほど申しました要件で運用させていただいているところでございます。緊急調整措置、例外的、特例的な措置でございますので、広く発動するのはいかがなものかと思っております。
 これまでの実績で申しますと、平成十四年の九月から平成十八年の三月まで沖縄本島を緊急調整措置として指定されたのみとなっております。先生御指摘のとおり、一部の都市において供給過剰から、主要な繁華街なんかで駅前で客待ちのタクシーが集中しているといったケースもございます。
 繰り返しになりますが、例外的、特例的な措置であるという趣旨を念頭に置きつつ、この発動基準について適切なのかどうか、もう少し弾力的に考える余地がないのかということについては議論してみる必要があると、このように思っております。
#32
○吉田博美君 やはりそうしたことも、原則的なものじゃなくて、やはりある意味での幅のある中で議論をしていただき、その場に応じた中で適正な措置をとっていただくということも大事なことではないかと思うんですけれども。
 さて、運賃改定につきましては大臣先ほどお触れになったわけでありますが、申請について、私ども長野県では既に認可されたところでありますが、現時点における、東京はたしか仄聞すると却下されたとかというようなことをちょっとお聞きしたんですけれども、全国の運賃改定の申請状況、認可状況はどのようになっているんでしょうか。
#33
○政府参考人(岩崎貞二君) 昨年の六月以降、全国各地で運賃改定の申請が出ております。現在、全国の五十一の地区から運賃改定の申請が出ておりまして、東京を始め幾つかの地区については現在審査をしているところでございます。
 一番最初に申請が出ましたのは長野と大分でございまして、この長野と大分につきましては、先生御案内のとおり、四月の六日付けで上限運賃の改定及び自動認可運賃の公示を行いまして、四月二十日認可をして、四月の二十七日から新認可運賃が実施されたところでございます。
 東京以下の地区につきましては、現在審査をしております。
 特に東京につきましては、物価安定政策会議という会議の議を経た上で、物価担当閣僚会議の審議を経てやるということでございますので、国土交通省だけではなくて政府部内全体で調整しながら進めていくということでございますので、今、物価安定政策会議というのも二回開催をいたしましたが、その中での意見も踏まえながら調整をしているという状況でございます。
#34
○吉田博美君 却下じゃなくて、調整を今されているところでございますね。間違えました。済みません。
 運賃改定の申請の主な理由につきましては大臣の方から言及されましたので、その点については結構でございますが、今回の法改正後に運転者登録の対象となる指定地域の拡大を図るとのことでございますが、どのような基準でどこを指定するのでしょうか。
#35
○政府参考人(岩崎貞二君) 今回の法律でございますけれども、法律の方でも対象地域となる要件を定めておりますが、具体的には、流し営業が中心の地域、かつ過労運転や乗車拒否等の行為の状況に照らして、タクシー事業の業務の適正化を図る必要があると認められる地域を政令で定めると、こういうことになっております。具体的な指定基準につきましては今後検討させていただきます。
 流し営業比率の高い地域の中から、重大事故の件数でありますとか乗車拒否や運賃不正収受等の苦情件数が多いと、運転者の登録制度を導入することが必要な地域ということで考えていきたいと思っております。
 大まかに申しますと、現行の東京、大阪のほか、主要な政令指定都市、この辺りまで拡大することを考えているところでございます。
#36
○吉田博美君 流しを中心とした主要な政令都市ということをおっしゃったわけでありますが、その辺が、安全性というのはどこでもやっぱりしっかり安全性を守らなきゃいけないということで、流し中心もあるわけでありますが、指定を受けないいわゆる白地地域の安全対策はどのように確保されるのでしょうか。
#37
○政府参考人(岩崎貞二君) 指定を受けない地域でございますけれども、やはり安全というのは大変大事だと思っておりますので、私どもも、安全に対するチェックというのは充実強化を頑張っていきたいと思っております。
 特に、安全面についての事後チェック体制の充実強化でございますが、これについては、先ほども申しましたように、我々も体制を強化するとともに、無通告の監査を実施するでありますとか、特に問題の多い事業者についての早期監査を実施するでありますとか、厚生労働省と連携をするでありますとかやっていきたいと思っております。
 それから、処分自体も、監査するだけではなくて、監査の結果出てきた処分につきましても、非常に形式的な違反行為なんかについては逆に処分を軽減いたしますけれども、本当に悪質な、例えば、タクシーで申しますと酒気帯び運転なんかを全然運行管理面でチェックしていないとか、こういう事業者については行政処分を厳格化していくといったことをやっていきたいと思っております。
 こうしたことを通じて、指定を受けない地域での安全対策についても頑張っていきたいと思っておるところでございます。
#38
○吉田博美君 運転者登録は、現在、東京と大阪のタクシーセンターが実施していると聞きましたが、新たに指定される地域ではどこが行うのでしょうか。それと、運転者登録事務は公正中立の確保が重要と考えますが、どのように担保していくのでしょうか。
#39
○政府参考人(岩崎貞二君) 現在、東京と大阪では運転者の登録事務、財団法人でございますが、東京タクシーセンター、それから大阪のタクシーセンターがございますので、東京と大阪ではその両機関が引き続き登録の実施機関として行うものと考えております。
 それから、今回、主に政令指定都市中心に地域を広げたいということでございますが、ここでの登録の事務を行う機関としては各地のタクシー協会というのを想定をしております。既に今、こうした各地の協会では自主的に登録あるいは研修等をやっておられるところがございますので、そうしたものの実績を評価して、引き続き法律に基づいてきっちりやっていただけたらいいなと、このように思っております。また、新たな法人を設立しますと、やはりそれなりの事務経費も掛かりますので、できるだけこうした既存のやっておられる協会を活用しながら登録事務を円滑に進めていきたいと思っております。
 それから、この登録事務は、やはり先生御指摘のように、公正中立にやってもらわなきゃ困るわけでございますので、これにつきましては、現在の東京、大阪でも、現行法に基づきまして登録諮問委員会というものの設置を義務付けております。
 具体的には、この委員会のメンバーとして、タクシー事業者の団体の推薦を受けた人、それからタクシー運転者の団体の推薦を受けた人あるいは学識経験者等々から成ります登録諮問委員会がございます。
 そこで、登録諮問委員会でどういう形で登録の事務を進めていくかという基本的な事項について調査審議いただくとともに、特に登録を拒否する場合、この拒否が適切だったかどうかといったことについての審議をやっていただくというのを今の東京、大阪ではやっております。これを同じように、今後新たに指定する地域での登録事務を行う、先ほど申しました主にタクシー協会を想定をしておりますけれども、こうしたところで登録諮問委員会というのを法律でも義務付けまして、登録事務等の公正、迅速、的確な実施を担保していきたいと思っております。
 更に申しますと、この登録実施機関に対しては、私どもも報告徴収権限、立入検査権限が可能であるというのを法制化で提案させていただいております。登録諮問委員会でチェックいただくとともに、私ども国土交通省としても、それがちゃんと行われているかどうかということについて、監査等を通じて、立入検査等を通じてチェックし、改善命令等も出せるという形の制度に設計をさせていただいております。公正中立性の確保について万全を期していきたいと思っているところでございます。
#40
○吉田博美君 新しく運転登録の要件となる講習の具体的な内容と、それとその講習についてのいろんなことがございますが、今回の改正に新たな講習受講命令を発令できることとなりますが、この講習の具体的内容はどのようなものでしょうか。また、運転登録時の講習との違いは何でしょうか。この二点についてお聞かせ願います。
#41
○政府参考人(岩崎貞二君) 最初に、運転登録時の講習からお話しさせていただきます。
 運転登録要件として一定の講習を修了することというのを決めさせていただいておりますが、講習の内容をできるだけタクシーの実態に合った講習にしたいと思っております。道路運送法、タクシー業務適正化特別措置法、こうした法令の基礎知識に加えまして、タクシー事業者に対する基本的な接遇の在り方について講習をやりたい、一つはやりたいと思っております。利用者の方も、最初先生御指摘のとおり、今は高齢者とか介護を要する人とか子育ての人とか、いろいろ幅広くなってきておりますので、そうした一般的なもちろん接遇だけではなくて、タクシーの利用者はそういう形で広がっているということも含めた基本的な接遇について講習をやりたいと思っております。それから、当該地域の地理についてもちゃんと講習をすると。
 あわせまして、先ほど答弁させていただきましたタクシー特有の交通事故の状況がございます。こうした事故の発生状況等々につきまして、具体的に即したような形の講習を二、三日やるということで考えておるところでございます。
 それから、講習の命令をいたしますけれども、その講習の命令につきましては、タクシーの運転者がある程度適切なことをしなかった場合、事故を起こした場合等の講習をやっておりますので、それに応じまして個別具体的な、これは少人数の講習になりますので、効果の高い講習をやっていきたいと思っております。
#42
○吉田博美君 そこで、講習のことにつきましてはおおむね分かったわけでありますが、今回の制度改正によりどのような効果が得られると考えているのでしょうか。
 また、先日、ある新聞で、国交省はこの秋にもタクシー業界への新規参入や台数の増加を制限する方針を固めたとの報道がありましたが、この点について事実でしょうか。
#43
○政府参考人(岩崎貞二君) 講習等を実施することによりまして、今も起こっております、タクシーについてやっぱり事故が増えている、苦情が増加している、こうしたものについて改善が図られるということを期待をしております。また、そうしたことが実際にできるように、いい内容のものにしていきたいと、このように思っておるところでございます。
 それから、タクシーの新規参入を制限するということについて新聞報道等ございましたけれども、これにつきましては、先ほど御質問ございました緊急調整措置の在り方について勉強するということでございますので、まだ方針を固めたわけではございませんけれども、そうしたことを勉強していくということで、現在、検討をしているという状況でございます。
#44
○吉田博美君 いずれにいたしましても、大臣のお考えもお聞かせいただいたわけでございますが、タクシーの果たしている公共交通機関としての役割、非常に大きいわけでありまして、特に、どちらかというと、自分の自家用車を持っている方は結構でございますが、高齢者の皆さん方がお医者に行くとか、そうしたいろんなことの中で生活にとって欠かせないものでありますし、いろんな知恵を絞って、タクシーの関連会社の皆さん方も頑張っておるわけでございますが、しかしながら、他業種と比較して非常に厳しいのが現状でございまして、やはりこれはある意味では十四年の二月の規制緩和というものも影響しているんじゃないかと思いますが。
 もっと大きなことは、やはり景気が低迷をしているということが一番大きなことじゃないかと思います。特に、今の年金の問題等でお年寄りに不安を与えているというのが現状でございますから、私たちはある意味ではこの景気の回復を、地方の景気の回復を図ることが一番大きなことだなと思いまして、その責任の一端を感じているわけでありまして、地域の活力ある地域づくりがまさしく国の発展にもつながるんじゃないかと思いますので、今後、私どももその責任を感じながら、また大臣の御指導をいただきながら一緒になって、ともに考え、ともに行動してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 これにて終わります。
#45
○櫻井充君 おはようございます。民主党・新緑風会の櫻井充でございます。
 民主党はたしかタクシーの規制緩和に賛成したんじゃなかったかというふうに思っておりますが、タクシーの規制緩和にあの当時賛成はしてみたものの、現状を見てみると、本当にその規制緩和が正しかったのかどうかということを考えさせられております。特に、これ全国各地によって全然違うんだろうと思いますが、我が宮城県、特に仙台市のタクシーの台数の増え方というのは日本で一番多くて、タクシーの運転手さんたちの給料というのも激減しております。十年ほど前は手取りで三十万円ぐらいあったタクシードライバーさんたちですが、今はもう手取りで十五万行かないというのが当たり前になってきてしまっていると。
 ですから、そういうことを考えて、以前に宮城県のタクシー協会とお話をしまして、特区の申請もさせていただきました。しかし、残念ながらあのときに、特区を却下された結果、あの当時タクシーの台数が四百台ぐらい増えた時点でしたが、現在では、もうこれは本当しゃれじゃなくて千台増えました。そのぐらい厳しい状況にあって、地域間の格差というのが本当にすさまじいものがあるわけです。
 もう少しバックグラウンドをお話しさせていただきますと、名古屋に行ってタクシーに乗ると、運転手さんとお話をすると、大体最低の方でも二十五万円ぐらいなんだそうなんですね。仙台だともう二十五万円取れる人がいるかいないかという状況ですね。
 ですから、今回のことに関して言っても、名古屋のタクシー協会と宮城県のタクシー協会と意見が違うというのは、これは至極当然のことなんだろうと思うんです。ところが、制度上、全国一律の制度を掛けようとしているところにかなりの無理があって、もう少し自由に地域ごとの実態に合わせた制度設計をしていただかないと、これは相当厳しいんじゃないのかなと、そう感じております。
 その上で、まず基本的なことをお伺いしたいと思うんですが、国土交通省としては、タクシーというのは公共交通の一部を担っているというふうにまずお考えなのかどうかということと、それから、世界の中でタクシーの地位が高いというのは多分イギリスだと思います。イギリスのドライバーは本当にすごくて、番地を言うとそれでちゃんと運んでくれる。ですから給料も極めて高い。そういうタクシーを目指していくのか、それとも、アメリカのようにある種移民対策、給料はすごく安いんですが、そういう国を目指していこうとしているのか、私にはちょっと理解のできないところがありますので、まずその基本的な認識をお伺いさせていただきたいと思います。
#46
○政府参考人(岩崎貞二君) タクシーにつきましては、地域の生活交通においては欠くことのできないドア・ツー・ドアの輸送を担う機動的、個別的な公共交通機関であり、これまでも重要な役割を果たしてきた、このように認識をしております。
 特に、先ほどの答弁でも触れさせていただきましたけれども、少子高齢化が進んでいく人口減少社会を迎える中で、タクシーに寄せられる期待、役割というのは多様化、高度化をしていると思っております。地域高齢者や移動制約者の生活に密着した移動手段として、また乗合タクシーなど、鉄道やバスでは対応できない少量の個別輸送ニーズも担う機関としてタクシーの重要性というのは高まっていくと、このように考えているところでございます。
 それから、イギリス型、アメリカ型の話がございましたが、私どもの方も、日本のタクシーがいいタクシーになってもらいたいと、このように思っております。道路運送法の法規制や事業者の経営努力、運転者の取組によって、これまで安全かつ質の高いサービスが提供されてきたと思っているところでございます。
 世界に冠たるサービスの日本のタクシーということがございましたけれども、そういうことを引き続き継続できるようなものに持っていきたいと思っておるところでございます。単純にどこの国のタクシーを目指すかということではなくて、我が国のタクシーの事業の実態、使われ方、経営環境、こうしたものを踏まえながら、安全かつ質の高いサービスの提供を行えるよう、各国の事情も参考にしながら考えていきたいと思っておるところでございます。
#47
○櫻井充君 今の御答弁で重要なことというのは、政府がそういうふうに認識しているということはよく分かりましたが、じゃ、実際にやられていることは、政府として取り組まれていることが実態に合っているとお考えでしょうか。
#48
○政府参考人(岩崎貞二君) 特に規制緩和の点なんかについても御議論ございましたけれども、大臣からの答弁もございましたけれども、そうしたことによってサービスの多様化等、いい面も出ていると思っております。
 そういう意味で、今、光の部分も出ておりますので、そうしたことはどんどん伸ばしていきたいと思っておりますが、私どものタクシーの要請、今の輸送需要の減少という中で、少し影の部分も出ているというのは事実でございます。特に安全面あるいは利用者からの苦情、こうしたものも増えておりますので、そうしたものについては的確に対応してまいりたいと思っているところでございます。
#49
○櫻井充君 的確に対応されていないから問題なんですね。的確に対応されていれば、こういう法案を提出する必要性は僕は全くなかったんじゃないのかと思うんですよ。
 タクシーというと、バブルのころを皆さん思い出されて、私も本当にひどい目に遭いました。つまり、乗車拒否はもう当たり前、それから相当繁華街から離れたところまで行かないとなかなかタクシーがつかまらないとか、そういうひどい時期を皆さんが知っているので、タクシーはひどいということをおっしゃいますが、しかし景気が悪くなってきて、規制緩和する前からそういうタクシーはもういなくなりましたね、ほとんど。つまり、あの当時から、需給関係からいうとタクシーの運転手さんたちの方が客を選べないような状況になってきていて、もうその時点で僕はある程度のサービスは向上されていたと思うんですよ。
 今、規制緩和になったからサービスが向上されたようなお話をされていますが、私はそうではないんじゃないかというふうに思っていますが、いかがでしょう。
#50
○政府参考人(岩崎貞二君) タクシー規制緩和する前、先生御案内のとおり免許制というので厳格な需給調整をやっておりました。このために、こういう新しいタクシーサービスをやっていきたい、こういういいタクシーサービスをやっていきたいという事業者の方についても、当時の免許制の中ではなかなか参入してもらえないという結果がございました。
 需給調整を緩和して、やりたい人に、一定の要件はございますけれども、一定の要件をクリアする事業者の方には参入いただけるという制度をつくりまして、先ほど大臣答弁させていただきましたように、福祉の面あるいは観光タクシーの面なんかについても新しい動きは出ております。
 それから、利用者の方にアンケート調査をいたしましたけれども、そうした中でも、規制緩和前と現在の状況と比べると、タクシーについてどうかということにアンケート調査をいたしますと、接遇態度でありますとかサービスでありますとか、そういうものは良くなったという評価をいただいておるところでございます。
 そういう意味で、いい面もありましたが、繰り返しになりますけれども、安全面等々、影の部分もございますので、そういうものについての対応をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#51
○櫻井充君 仙台の実情をちょっと申し上げておきますが、利用者の方々がそういうことをおっしゃっている方もそれはそれで認めますが、むしろそれよりも、一時期ひどかったのは、タクシーの台数が余りに増え過ぎて、夜、繁華街のところで客を待っているタクシーがもう二重、三重に駐車して、本当に通行がままならなくなったようなときもありましたし、これは今タクシー協会の努力によって、何というんでしょうか、本当に一台だけ待ってくれというようなシステムも何とかやっていますが、でもなかなかそれも守られていないという実態もあります。そうしないとまずタクシーの運転手さんたちが食べられないからですね。
 それから、狭い路地のところまでタクシーがずっと入り込んできていまして、特に雪のときなどは、歩行者が端っこしか歩けないから雪深いところしか歩けないとか、それからタクシーの運転手さん同士が結構けんかしたりとか、客の取り合いでですね、あの手を挙げたのが自分の方なんだという感じでけんかをしていたりとか、市民の人たちから見てみると、もう増え過ぎて本当に大変だと。タクシーの運転手さんたちの労働条件も悪くて、これじゃ気の毒ですねという声の方が、私は聞いている中では、これは仙台は特別かもしれませんよ、ですが、そういう声の方が私は圧倒的に多いんだと、そう理解しております。ですから、地元の代表者としてみれば、この惨状を何とかしなきゃいけないんじゃないかということで特区を申請させていただいたんです。
 まあ、今のことについては御答弁結構ですが、その上で、ちょっと前向きに話をしたいので、私は、あの時点で特区をタクシー協会と一緒になって相談して出させていただきましたが、結局却下されました。なぜあの時点で特区の申請を却下したんでしょうか。
#52
○政府参考人(岩崎貞二君) 緊急調整措置というのは平成十四年の需給調整規制の撤廃と同時に導入をさせていただきまして、一定の基準に基づいて運用をしていたところでございます。
 先生御指摘の特区の申請でございますけれども、こうした基準につきまして、我々が運用しておりました指定基準につきまして特区申請がございました。平成十六年の十月でございました。緊急調整地域の指定要件、当時、実車率とか苦情件数というのを一つの目安の数字にしておりましたけれども、そうした数字は除くべきではないか、あるいは指定要件の日車営収等の基準について法改正以前の五年間の平均との比較を行うべきじゃないかということで御提案をいただいたところでございます。
 こうした緊急調整措置についての基準の変更を求めるものであったわけでございますけれども、一方、緊急調整措置というのは、一定の地域に対して、国が新規の参入や増車を抑制するということを可能とする極めて権利制限性の高い措置でございます。こうした権利制限性の高い措置につきましては、限定的、例外的に運用するというのが必要だと認識しておるところでございます。
 したがいまして、こうした権利制限性の高い措置の適用を拡大しようと、こういうことでございましたので、これについては全国各地の実態についても十分な調査をすることが必要である、また、当時、その特区の提案があった直前に指定基準の見直しもやっておりましたので、こうした見直しを行ったことでもあったので、基本的に短期間で変更することが望ましくない等々、総合的なことを勘案いたしまして、特区に対して提案を却下させていただいたというところでございます。
#53
○櫻井充君 緊急調整地域に指定してくれということではないんですよ、これはまず誤解のないように申し上げておきますが、ここはもう一度はっきりさせておきたいと思いますが、緊急調整地域に指定してくれという特区ではないはずですよ。要するに、緊急調整地域の指定要件があったので、その指定要件が実態に合わないから、その指定要件を緩和してくれという特区の内容ですよ。
 それから、全国のことを勘案してとおっしゃいますが、特区というのは全国にやるものじゃないですよ、これは。地域のところの問題があるから地域限定してやることなので、今の答弁は答弁になってませんからね。いかがですか。
#54
○政府参考人(岩崎貞二君) 御指摘のとおり、指定要件についての特区申請でございました。それから、御指摘のとおり、仙台圏についての指定要件の緩和ということが申請でございましたけれども、こうした、繰り返しになりますが、権利制限性の高い措置の拡大に当たっては、やはり全国でどういう形に波及していくかということも踏まえて検討すべきものだと、このように認識しておりました。したがいまして、全国各地の実態を踏まえながら慎重に対応するということで当時対応させていただいたと理解しております。
#55
○櫻井充君 それでは、特区の意義についてお伺いしたいと思いますが、特区というのは僕はすばらしい制度だと思っているんですよ。それは、例えば岩手であったどぶろく特区のように、地域のものをちゃんと生かしていきましょうという、これが一つ。それからもう一つは、全国展開するに当たって、全国で一遍に規制を変えたりいろんなことをしたりすると影響が大きいから、言わば全国で社会実験ができないので、言葉は悪いですけれども、地域で社会実験してみて、それがうまくいったならば、じゃ今度はそれは全国展開しましょうということなんですよね。
 今の答弁は、全国に影響するとかしないとか、そんな話をしていますが、それは特区の中身が分かってないんじゃないですか、制度そのものが。私は、特区というのはそういう制度だと理解していますけれども、特区室としていかがですか。
#56
○政府参考人(大前忠君) 構造改革特区の取組の本来の趣旨は、今、櫻井先生がおっしゃっていただいたものであると思っております。
 本件につきましては、平成十六年の十月に御提案をいただきまして、その後、私ども特区室と国土交通省の間で何度もやり取りをいたしております。その結論は先ほど局長の方からおっしゃっていただいたとおりでございます。権利制限性の高い措置であるということでございまして、参入制限を伴うものでございます。それにつきましては、全国の状況も踏まえた上でないと前向きの結論は出せないということでございました。ということでございます。
#57
○櫻井充君 いや、だから、そこが間違っているんでしょう。要するに全国の状況、じゃ、そんなこと言うんだったらお伺いしますが、LECなんというのは、何であれ株式会社立大学として認めたんですか。あの惨状どうなっています。それについてどう考えますか、じゃ。
#58
○政府参考人(大前忠君) 株式会社立の学校の設置につきましても、特区の取組の一環として実現したものでございます。多くの方々から御提案をいただきまして、その御提案を踏まえて、私ども特区室と文科省の間で御議論をさせていただきまして道を開いたものでございました。
 個別の設置の認可につきましては、それぞれ設置の認可の権限を有しております部署におきまして設置の許可がなされたものでございまして、その後の問題点につきましてはそれぞれ指摘を受けて改善に向けた努力がなされているものと思っております。
#59
○櫻井充君 言っておきますが、あのときに文部科学省は相当抵抗したはずですよ、株式会社立大学そのもの自体に対してね。それを強引に押し切ったんじゃないですか。そして、今LECのあの中身が余りにひど過ぎて、結局、予備校とほとんど変わらないまま大学を経営していたわけでしょう。だって、予備校生と大学生と一緒になって授業を受けているんですよ。そういうところを特区で認可し、全国に波及するのがどうのこうのと言うけど、こんなひどいところは、めちゃめちゃなところは認可しておいて、我々のように地域の実態がこうやって困っていることに対してなぜ認可できないんですか。
 もう一度申し上げますが、前提がおかしいですよ。全国に波及する影響を考えてと言いますが、それは違うはずですね。特区をまずきちんとやった上で、五年間なら五年間やった上でですよ、基本的に言うと、その上でこれは地域限定ではなくて全国展開していいかどうかということを調べるものですから、制度ですから、そういう点でいえば局長の答弁は私は答弁になっていないと思いますよ。大臣、いかがですか。
#60
○国務大臣(冬柴鐵三君) 今にして思えば、櫻井議員が指導されて特区申請されたというものは本当にもっとよく考えなければならなかった事例ではないかと反省します。
 しかしながら、当時、お出しになった十月の前の八月に、規制改革委員会の方で緩過ぎるんじゃないかと。例えば、規制緩和をした十四年の前五年間と照らしてどれだけ下がったかという、そのような見方は緩過ぎるんじゃないかという指摘がありまして、十月に出されたんですが、八月に、その比較する直近の五年間で比較をすべきだという、櫻井議員御指導の特区申請、それとは全く違うような改正をしなければならないような全体の大きな流れというものがあったわけです。したがいまして、この前五年間の全国平均を二〇%以上下回るという、そういうふうな厳しいものにしたところへ、二か月後に、いやそうじゃなしに、規制緩和する前の五年間と比較すべきだという全く違うことで出されたものですから、ここは私はそれと全くバッティングするような、二か月で朝令暮改するようなことはできなかったんではないかというふうにも私は思うところがあります。
 しかしながら、そのほかの部分については、例えば実車率とかというものは、仙台のように、駅でずっと待っていて、そして注文があればそこへ走っていってまた帰ってくるという場合には往復だけですから、後は駅で待っているわけですから、実車率というものを、そういうずっと流していてお客さんをどれだけ拾ったかというようなもので測るのは仙台においては適当ではないとか、非常にきめ細かく正当な指摘がありました。したがいまして、平成十八年二月九日の第二次の改正ではその部分とかそのほか指摘された部分については改正をしているところでございまして、冒頭申し上げたように、そのときなぜもっと細かくやらなければならなかったかという点については私、反省も含めながら、どうもその直近に全くバッティングするようないろいろな勧告とか答申とかがあったために我々はそれに踏み切れなかったことも御理解いただきたいなというところでございます。
#61
○櫻井充君 今のように答弁していただければ理解いたします。
 それはそうですよ。あの当時のことについて今考えてみればもう一度検討する要があったんじゃないかというふうに言われればですよ、それはこちら側だって、そこまで言っていただければ本当にこれは感謝いたしますよ。しかし、一方的に局長は、自分たちの論理だけ振りかざして自分たちの正当性だけを主張されるから、僕は根本的な問題として言わせていただきたいところが一杯あるんですよ。
 ただ、そこの前提の中で、大臣、今の規制改革会議というのは本当に真っ当な集団なんでしょうか。いや、これは皆さん本当のところですよ。
 例えば、今日だってコムスンの問題が新聞紙上を躍っていますが、皆さん、株式会社が医療やそれから教育や、そういうところに参入してくることが本当にいいことですか。コムスンという会社は、介護保険ができ上がった当時に宮城県の県北のところでやりますと言って手を挙げたんですよ。だから、そこの介護事業者みんな辞めたんですね。ところが、三か月間やってみたらペイしないことが分かって、さっさと撤退したんですよ。だから、そこの県北の地域はまたこれからどうしようかといって、大変になったわけですね。
 それから、先ほどのLECだって、株式会社立大学はやって、あそこのLECは特別かどうか分かりませんよ、だけどあのときに一緒になって昇格した株式会社立大学だって、ここ何年間で文部科学省が、もうひどい大学でここを改善しろと言っているところがこの二つが物すごい多いわけですよ。
 そうすると、規制緩和、規制緩和といって、何でもこういったものを全部参入しろと、競争原理だということ、そのもの自体がおかしいんじゃないですか。大体ですよ、その当時の宮内さんという方は、在日のアメリカの商工会議所からパーソン・オブ・ザ・イヤーといって表彰されている人ですよ。この人たちがやっていることが本当に日本のためになっているのかどうかです。
 もう少し申し上げますと、オリックスという会社はですよ、タクシーのレンタルリースをやっているんですよ。そうすると、タクシーの台数が増えれば増えるだけもうかる企業ですね。ここはもっと規制緩和しろ、規制緩和しろと言うのは当たり前じゃないですか。もっと申し上げましょうか。そのときのメンバーの中である会社の社長さん、そこの会社は何やっているかというと、タクシーの料金メーター作っている会社ですよ。しかもそこの前のパネルの部分もやったりしているようなところですよ、会社。この人たちが規制改革会議の中のメンバーにいたら、タクシーの台数が増えたらもうかる人たちがやっているんですよ。こんなところをこういう人たちやっているのを、基本的に言うと利害の抵触というんですよ。利害の抵触に当たるような方々が制度を決めていることに、私は基本的に大きな問題があると思っているんですが、大臣、いかがですか。
#62
○国務大臣(冬柴鐵三君) 大変重大な御指摘で、議事録にも残っているわけですから、これを契機に国民全体でこの問題を、そういう視点で議論をしなければならない問題だろうと思います。
#63
○櫻井充君 ありがとうございます。
 これは野党だけじゃないんです。与党の先生方と話をすると、もう皆さん本当に困っていらっしゃいます。それから、官僚もやる気なくしていますね。大体、言うと、我々は選挙で選ばれているんですよ。有権者の代表ですよ。国家公務員は、国家公務員法があって、そこの範囲の中でちゃんとやらないと責任取らされるんですよ。だけど、彼らは何でもありですよ。責任も全然取りませんよ。何でこの人たちが大手を振ってやっているのかよく分かりません。
 キヤノンの御手洗さんなんていうのは、自分ところの会社で偽装請負やっているんでしょう。普通ならもうそういう人は辞めなきゃ駄目じゃないですか。規制改革会議の今の議長の草刈さんところの会社、何でしたっけあれ、六億の所得隠しだったか脱税か忘れましたが、そういう不正を働いているんでしょう。だったらそういう人にはお辞めいただくのが筋ですよ、これは。なぜそれを辞めさせることができないんですか。
 今のこの国を悪くしているのは経済財政諮問会議と規制改革会議、この二つをまず解体することから始めることが私は安倍内閣の仕事だと思いますけどね。大臣いかがですか。
#64
○国務大臣(冬柴鐵三君) にわかに同調するわけにはまいりません。
 私は、先ほどの答弁でも申しましたように、規制改革も光と影がありまして、大きな光の部分も見落とすわけにはいかないと思います。しかし、影の部分については、我々はそれは国民のためにもこれは厳しく、やはりそういうものに対して少なくともそのようなことが行われる前よりも悪くなるようなことはどうしても防ぐように努力をしなければならないと、そのように思います。
#65
○櫻井充君 いや、大臣、この際だからもうちょっと踏み込んで言っていただけないんですかね、ここは。これは、本当に皆さんが御苦労されているわけでしょう。僕はまずルール変えた方がいいと思っているところがあるんですよ。
 これは、ちょっとここは法律上、御提案いただければ有り難いと思っているんですが、内閣府設置法の中で経済財政諮問会議というのが位置付けされています。もう一つ、同じように内閣府設置法の中に総合科学技術会議というのが設置されております。この総合科学技術会議は、メンバーは国会の承認がまず必要なんですよ。それから、罷免されるんですよ。守秘義務も課せられているんですよ。ところが、経済財政諮問会議は、同じ内閣府設置法で定められながら、両院の承認を経るわけでもなく、それから罷免されることもなく、そして守秘義務も課せられていないと。同じ内閣府設置法に掛けられている会議でありながら、それだけの差が付いているんですね。これは、総理のリーダーシップを発揮するためということでつくられた制度かもしれませんが、今や総理のリーダーシップではなく、経済財政諮問会議の中で申し上げれば、元々役人だった何とかさんという方がもう一人でリーダーシップ取られて、駆け回って、めちゃくちゃなことをされています。
 例えばこの方は何と言っているのかというと、名前も言っていいんですが、八代さんという方ですが、この人が最悪ですね。この人が今やっていることは、特区の際に何と言っているかというと、有識者が省庁と直接話合いができてやれるような制度をつくれとか、そんなことまで言っているんですよ。それから、市場化テストに関して言うと、各省庁が市場化テストを拒む理由などないと、そこまで言っているんです。思想、信条の自由は認めますが、しかしこういう人が本当にこのメンバーとして適切なのかどうかということを考えてくると、罷免権がないというのは僕は最大の問題だと思っているんですよ。
 ですから、そういう制度設計も踏まえていただいて、もう一度この国の政治の在り方を考えたときに、このところを僕は変えていかないと良くならないんじゃないのかなと。改めて大臣、いかがでございますか。
#66
○国務大臣(冬柴鐵三君) 重要な御提案として重く受け止めさせていただきます。
#67
○櫻井充君 ありがとうございます。そういう前向きな御答弁をいただきまして、本当に感謝申し上げます。
 もう一つ、あのときに特区のところで、実車率のお話が今大臣から出されましたが、仙台のタクシーが決して駅でずっと待ち続けているわけではありません。これは、小さな町になりますと流しているタクシーがなくて、僕はJCOの事故のときに東海村へ行ったときに、仙台と同じようにタクシーが流れてくるものだと思ってずっと待っていたら来なかった経験がありますが、仙台はそういうことではなくて、タクシーも流しております、これは。そうすると、実車率のあの当時の要件は、実車率が一五%落ちることということが要件だったんですよ。じゃ、現実的に実車率が一五%落ちるという状況をどうやったらつくれるのか、これは局長、御答弁いただけますか。
#68
○政府参考人(岩崎貞二君) 当時の議論でもございましたけれども、実車率が前五年間の平均と比較して一五%減少することというのは、例えば仮に実車率が五〇%であった場合、総走行距離等が一定だと、こう仮定した場合でございますけれども、実車距離で見ると二六%減少しなければならないということで、これも提案主体から御提案いただいたところでございます。
#69
○櫻井充君 それは僕が全部書いた文章じゃないですか。
 私が申し上げたいのは、一五%実車率が落ちるということが現実あるのかということですよ。現実あるんですか、そんなこと。どういう場合にそうやって落ちるんですか。
#70
○政府参考人(岩崎貞二君) 現に沖縄の例では実車率が落ちておりましたから、緊急調整措置を発動させていただきました。
#71
○櫻井充君 それは実車距離として何キロ落ちたときですか。
#72
○政府参考人(岩崎貞二君) 恐縮ですが、今そのデータは持ち合わせておりません。
#73
○櫻井充君 この点についてはちゃんと通告してあるはずです。
 つまり、本当にそういうような実車率というところがちゃんとなるのかどうかということについて、僕はそこのところ、ここが一番大きな根幹だと思っているんですよ。
 ここは大事なことなんですが、例えば、私がそこに書いたとおり、空車の距離が、空車で走っている距離がまず変わらなかったという前提を置くと、例えば空車、面倒くさいんで百キロなら百キロ空車で走ったとしましょう。そして、実車も百キロ走ったとしましょう。これは行って帰ってきたことですから、一般的にはそうなりますね。じゃ、そうすると、分母がまた小さくなれば、実車率一五落ちるということはだんだん難しくなりますから、空車の距離が百キロのまんま前提を置いて、そうすると実車距離は幾ら落ちないと実車率が一五%下がらないのかというと、今局長が御答弁されましたが、私が計算した結果、約二十七キロ減らないと実車率が一五落ちないわけですよ。これは実車距離が二十七落ちたら、これ空車で走る距離も基本的に落ちますから、そうすると、永遠にずっとつながっていって、実車率一五なんてことは、落ちることはあり得ないんです、理論上。だから、こういうことを要件にしておくことがおかしいんじゃないかと。
 つまり、規制のその制度そのもの自体が僕は間違っていたと思うんですよ。その点についていかがですか。
#74
○政府参考人(岩崎貞二君) 当時、実車率のその指標にさせていただいておりました。これは、私ども免許制をしていたときから需給を見る指標として、総走行距離に占める実車走行距離の割合というので実車率というのを判断の要素とさせていただいたところでございます。特に、東京とかそういうところではこうした、先生さっきおっしゃったように、客待ちとか駅待ちとかで待っているわけではなくて、ふだんはぐうっと流しておりますので、そうしたところでは、どちらかというと実車率という指標は一定有効ではないかと、このように考えておりまして、また、繰り返しになりますけど、これまでこの実車率というのは基本的な指標としておりましたので、緊急調整措置の要件として採用させていただいたところでございます。
#75
○櫻井充君 実車距離なら分かるんですよ、これは。なぜなら、日車営収がたしか一五%落ちることが一つの要件でしたね。これはそれでいいですか。
#76
○政府参考人(岩崎貞二君) 御指摘のとおりでございます。
#77
○櫻井充君 日車営収が一五落ちるということと実車率が一五落ちるという要件は同じ要件ですか、これは、基本的に言っておきますが。日車営収が一五落ちました、実車率は一五落ちました。本当にそうなりますか。
#78
○政府参考人(岩崎貞二君) ちょっと直ちに計算できませんが、例えば東京なんかの場合、総走行距離が例えば一定だと、一日千キロ走るなら千キロ走るということで、その中で五百キロの部分が、まあそんな距離はありませんけど、五百キロの部分が実車であったと、そしたらその五百キロの部分が収入の基礎になるわけですね。それが、総走行距離が千キロの中で実車率が減れば、総走行距離が一定の場合、空車の比率が増えますから、収入が減っていくということで、厳密には一回一回のその乗車の人の距離がどうだったか、運賃がどうだったかによって少々の誤差はありますけれども、大きな意味で総走行距離等々が一定の場合、あるいは増えるような場合については、この実車率と日車営収というのはある程度バランスするものだと、このように考えられると思っております。
#79
○櫻井充君 その前提は、計算の前提は正しいんでしょうか。つまり、今おっしゃった、総走行距離が一定ならばと言いますが、実車距離が減った分、じゃ、空車の距離が増えるわけでしょう。そういうことにならない限りは、まず分母が一定だということは、これは前提として成り立ちませんよ。タクシーの人たちはそういう運転をしていますか。
#80
○政府参考人(岩崎貞二君) 御指摘のとおり、地域地域によってそれは少し違うと思っております。ですから、その実車率を取るというのも一つの選択であったろうと思いますし、現在は日車実車キロに変更しておりますけれども、日車実車キロを取るというのも一つの選択だと思っております。
 日車実車キロの欠点と申しますのは、例えば一台の車に二人の乗務員を張り付けている場合、二人一車でやっていたところを一人一車の方に変えていくと、こういう運行形態なんかを変えた場合は、お客さんが減る減らないにかかわらず総走行距離が、一車当たりの距離が減ってしまいます。そうしたことがないわけじゃありませんので、実車率で取るのがいいのか実車キロで取るのがいいのかということについてはやはり勉強が必要だということでございまして、繰り返しになりますけれども、先生からの御提案も踏まえて、どちらを取るのがいいのかということについて検討させていただき、全国の状況も調べさせていただいた上で、去年の二月にこの基準の改定をさせていただいたところでございます。
#81
○櫻井充君 仙台のタクシーはあのときに拒否されたから物すごく苦労しているんですよ。さっきも言ったけれども、あの時点で止めておいてくれれば四百台で済んだんだけれども、今千台まで来ているわけでしょう。ですから、ここのところをちゃんとしてもらわないと困るんですよ。つまり、じゃこの後、仙台は緊急調整地域に当たるのか当たらないのかというと、事故の件数が足りないから当たらないんだと、今度はそういうふうになっているわけですよ。運転手さんたちが努力した結果、事故を起こさないようにしたことが皮肉にも緊急調整地域にならない、こんなばかなルールってあるんでしょうかね。
 もう一度申し上げますが、私は納得していませんからね、今の答弁は。ここだけは絶対譲れませんからね。あなた方が間違っていることに対しては、ちゃんと間違っていたと僕は答弁してもらいたいと思っていますよ。
 もう一度申し上げますが、実車率が一五落ちるということが現実的に本当にあるのかどうかということと、日車営収が一五落ちるということと本当に相関関係があるんですか。
#82
○政府参考人(岩崎貞二君) 例えば、東京のタクシーなんかを例に取りますと、過去大変、例えばバブルで景気のいいころでございますけれども、そのころは、数字が少々うろ覚えでございますので正しくないかもしれませんけれども、六〇%近くまで実車率が行ったことはございました。今、東京のタクシーでも実車率は四十数%でございますので、かなりの、一五%近いダウンをしております。そういう意味で、実車率が一五%下がるということはないかと言われれば、それはあるんだろうと思っております。
 ただ、繰り返しになりますけれども、この実車率という指標が、東京以外も含めてこうした主な都市、特に流しの営業比率が多い地域で適切かどうだったかということについては少々判断が必要だったと思っておりまして、全国調べました結果、日車実車キロの方に変更させていただいたということでございます。
#83
○櫻井充君 東京のバブルの異常なときを基準にされればそうなのかもしれません。しかし、一般的に申し上げると、何回も言っておきますが、これは空車の距離が変わらないという前提を置いた、もうこっちの方がいいのかな、日車営収が一五落ちるということは、基本的に言うと実車距離が一五%落ちるということですよ、単純に言えばね。これは大体平衡していますよ。それはそれでいいですか、まず。
#84
○政府参考人(岩崎貞二君) それで結構だろうと思います。
#85
○櫻井充君 そうすると、空車の距離が変わらなくて実車距離が一五%落ちると実車率は一五落ちるかというと、一五落ちないですね、これは。八%だったか七%か忘れましたが、その程度しか落ちないわけですよ。つまり、日車営収の一五とそれから今要件にあった実車率の一五というのは根本的に違っているんですよ。そして、この実車率の一五を要件を満たすとなると、相当な実車距離が落ちない限りこのことは実現できないんですよ。だから、このルールを作ったことそのもの自体が僕は大きな問題だと思っているんです。だから、そこの部分を緩和してくれと、制度の見直しをちゃんとやってくれと。
 ところが、先ほど大臣からお話があったけれども、こういうルールを、まあ前々からあったものかもしれないし、ある方向を打ち出してしまったから、自分たちのメンツがあって結果的にそれをのむことができなかった。のむことができなかった。これは、だけど官僚のメンツであって、それは実体経済をちゃんと見ていない僕は証左だと思っているんですよ。その点についてどうお考えですか。
#86
○政府参考人(岩崎貞二君) 私どもできるだけ実態を見て行政をしたいと思っております。
 それから、当時の状況でございますけれども、先ほど大臣も答弁させていただきましたとおり、この緊急調整措置の要件を決めた最初のときも、やはりこうした緊急調整措置を運用していくのはできるだけ限定的にしていこうということは我々思っていたところでございます。したがいまして、緊急調整措置の発動基準なんかにつきましても、かなり厳しめに設定したということは事実だろうと思っております。
#87
○櫻井充君 大臣、改めてですが、やはり地域によってこうやって困っているところが出てきた際に、もう今地域間格差って本当にすごいわけですよ。先ほど、長野のお話もありましたが、東京と名古屋以外は本当景気が良くなっている実感をしている人たちはいないんじゃないかと、そういう状況ですよね。ですから、それは地域ごとの格差が大きくなってきている現状から考えると、もう少しちゃんとその地域の実態に合わせた対応を早め早めにやっていただかないと地域の経済そのもの自体が崩壊してしまうんじゃないのかなと。
 それで、特にこういうタクシーというのは公共交通の一部だという先ほどの御答弁があった。タクシーというものが大事な位置付けだとすれば、余計そういう形で対応していただかなきゃいけないんじゃないのかなと、そう思いますけれども、大臣、いかがですか。
#88
○国務大臣(冬柴鐵三君) 規制緩和という大きな流れは国民のコンセンサスだと思います。しかしながら、緩和をすることによってそのようなひずみが諸所に出るということも我々知るところでございます。
 したがいまして、規制緩和をいたしました十四年の二月には、緩和はするけれども緊急調整地域の指定というものをその中へ組み込んで内在させたわけです。したがいまして、これは大きな原則から見れば例外でありますけれども、したがって、非常に厳格な要件が全部、アンドはアンドで、オアではないというもう大変厳しい、これがあってこれがあってこれがあってこの場合にというようなことになっていますけれども、しかし私はやはり反省するに、もう少しそういうふうにせっかく内蔵したものを地域ごとに実情に合わせて適時適切に発動できるような見直しは必要だろうというふうに思います。
 したがいまして、この部分についても政令で定めることになっておりますが、これはやはり考えなきゃいけないなというふうに今思っております。
#89
○櫻井充君 ありがとうございます。是非地域ごとにきちんと対応していただきたいと思います。
 その上で、タクシーの宮城県で特区を出しました。出した後、じゃ、何かしてくれていたのかと、役所が。何もしてないんですよ。何もしていないからいまだにずっとタクシーの台数が増え続けたわけですね。問題を提起したんですよ、あのときに。そして、何か勉強会みたいなのをつくったことはつくったんですよ。だけれども、その上で、じゃ、何か制度を変えてくれたのか、そういう形でタクシーの参入を止めたのかというと、そうはなっていないわけですよ。この失われた何年間について、これはどう考えられますか。
#90
○政府参考人(岩崎貞二君) 今御指摘ございましたとおり、平成十六年に提案がございましたので、それを踏まえまして、平成十七年の三月、仙台圏におけるタクシー問題対策協議会というのを設置させていただきました。私どもの出先であります東北運輸局、県と地元地方自治体、県警察本部、タクシー事業者等で構成をさせていただきました。その中で、意見等を踏まえまして、国土交通省と厚生労働省も連携しつつ監査等を充実していくということ。
 それから、先生冒頭御指摘ございました仙台の繁華街なんかにおける、非常に夜間、交通が渋滞しているという問題に対応しようということで、共通の量の設定をするとか、あるいはこの三月でございますけれども、社会実験ということで、ショットガン方式ということで、そこの繁華街の方では待たない、少し離れた駐車場で待ってもらって、タクシー乗り場でずっと並んでいないと、タクシー乗り場の台数が、お客さんが乗るにつれて少し離れた駐車場から出ていくというショットガン方式の社会実験をやっていたところでございます。
 また、監査、処分等につきましても、宮城県、その地域でございますけれども、平成十四年、十五年、それぞれ監査対象事業者は、十四年は二十五事業者、十五年は五十四事業者でございましたけれども、平成十七年には八十事業者の監査をすると。車両停止処分につきましても、五十の事業者にやっていくといったことで、そうしたチェック等につきましては充実を図ってきたところでございます。
#91
○櫻井充君 それが問題の根本を解決することになったんでしょうか。つまり、需給問題というところが一番大きな問題であって、そのことがそういうことをやられたことによって解決しましたか。
#92
○政府参考人(岩崎貞二君) 現在でもやはり仙台のタクシーの数につきましてはこうした対策を講じておりますけれども、必ずしも一〇〇%うまくいっていると我々も認識をしておりませんで、こうした問題についてどういう形で対応していくのか、今回の法律を踏まえて、あるいは法律も踏まえ、あるいは、先ほど大臣答弁させていただきました緊急調整地域の指定の在り方の問題なんかも踏まえ総合的に考えていきたいと、このように思っているところでございます。
#93
○櫻井充君 一〇〇%うまくいってないんじゃなくて、一〇〇%全くですよ、全く効果ないですよ、言っておきますけれども、需給問題に関して言ったらね。
 じゃ、今回のこの改正でこの需給問題は解決するんですか。
#94
○政府参考人(岩崎貞二君) これは一つの手段として、武器としてはさせていただきたいと思っておりますけれども、タクシーの今の問題についてこれだけが一つの決め手になってできるものだとは思っておりません。
 繰り返しになりますけれども、やはり、これまでもやっておりますが、監査を充実するでありますとか、あるいは安全に対する社会規制なんかを適時適切に見直すでありますとか、緊急調整措置の発動についても検討するとか、いろいろ総合的な対策を講じなければいけないと、このように思っているところでございます。
#95
○櫻井充君 そういうことなんだと思うんですね。
 今回の法律の改正はタクシーのドライバーさんに対しての登録制でしたね、たしか。そういうことであって、台数の制限はこれは全く掛からないんですよ。私は、実は登録した人数に合わせてタクシー台数も制限される法律が出てくるものだというふうに、私はそう理解しておりました。ところが実際はそうではありませんね。今これは違法なんですよ。例えば、台数が四十台あって運転手さんも四十人しかいないと。だけれども、基本的に、十二日ルールだったかと思いますが、月のうちそれぐらいしか働けないと。だけれども、運転手さんからしてみれば、休んでいるよりは出てきた方が金も稼げると。それから、事業者にとってみてもその方が有り難いと。お互いに目をつぶっているところがあって、結果的にはオーバーワークになっているということですよね。
 ですから、私は、登録制になったら、当然登録制になって、その上で、四十人なら四十人のドライバーさんを抱えている会社からすると、それ掛ける何台までしか持てないと、そういうことで私は台数の制限が掛かるものだと理解しておりました。ところが、今回台数の制限全く掛からないんですね。こういうことで、需要と供給の関係、僕はもう全く変えられないと思っているんですよ。ですから、今回の登録制にすると、形はやったように見えるけれども、これは効果僕は全然ないと思っています。
 大臣、その点について認識されていますか。
#96
○国務大臣(冬柴鐵三君) 当面、私は今のドライバーの人数と車とは相関関係があると思っております。
 しかしながら、それで十分でなければ、規制緩和のときに内在させた、車両の増車とか、そういうものについて措置をする手段が留保されているわけでございますから、ただ、これは大変厳しい条件が先ほど申したとおりでございます。したがいまして、その点について、今後と言ったら御不満だと思いますけれども、早急に検討して、もう少し適時適切にそういう措置がとれるように、内在したそのような措置というものがとれるようにこれは考えていかなければならないというふうに私は思っております。
#97
○櫻井充君 是非本当にそうしていただきたいんですよ。早いところ緊急調整地域にしていただければこういう問題は起きていないんですね。ところが、そうでないから、伝家の宝刀を抜かなかったから、だからどうやったって何も解決していかないわけです。
 しかも、今タクシーの運転手さんたちの今度引き抜きが始まっていまして、どうやって引き抜きを可能にしているのかというと、これは法律上は合法ですが、うまく法の穴をかいくぐってこういうシステムをつくっている業者がいます。
 つまり、新規開業者は二年間消費税を払わなくて済むというやり方です。これは消費税を払いませんから、その部分がどうなるかというと、売上げ五%乗っかるわけですよ。そうすると、その分を乗務員の人たちに転換することができると。二年間こういうやり方をして、また、あくどいところは、その会社をつぶして別なまた名前に変えて、そしてまた二年間開業するというやり方をしているわけですよ。こういうことでもしないともう新規開業ができなくなっているような現状を考えてくると、早くに僕は調整必要だと思っているんですよ。
 まず、財務省にお伺いしておきますが、こういった問題が起こってくる中で、ある種、税制上網を掛けないと不正というのが、これは不正じゃないんですよ、実際のところは、これは合法的なんですが、そこでその不利益を被る人たちが多く出てくるわけです、まじめにずっと継続してやっている人たちからしてみるとですね。そういう点を早急に僕は解決しないといけないんじゃないかなと思っていますが、いかがですか。
#98
○政府参考人(岡本佳郎君) 櫻井委員の御質問にお答えいたします。
 私ども執行当局ということでお答えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、御指摘の消費税の課税取引を行ったとされます新設法人が単なる名義人であって、実質的に既存の他の法人や個人事業者が取引を行っていると認められる場合には、実際にその取引を行っている者に課税をすることとなります。
 いずれにしましても、我々執行当局としては、課税上有効な資料情報の収集に努め、問題があると認められる場合には税務調査を行うなどして、適正な課税の実現に努めてまいりたいと考えております。
#99
○櫻井充君 とにかく、新しいところが出てくればすべてが解決するということとは僕はもう違っていると思うんですよ。
 先ほど大臣は、規制緩和というのはもうみんなのコンセンサスだとおっしゃいましたが、僕は、それは何年か前のその当時は皆さんそう思われていたかもしれないけど、もう今や規制緩和って本当にいいものかどうかって、僕はもうコンセンサス取れていないような感じがしますし、それから、僕は日本のやり方が本当の意味で規制緩和かどうかすごく難しいと思っているところあるんですよ。
 それは、ある一部の人たちが規制を変えるのはなぜかというと、自分たちの企業の利益を上げるためにだけ制度を変えていると、僕はそのことだと思っているんですよ。だから、何で、あの会長やら議長をやられたところの会社が、あのプロ野球球団を買われた当時あのぐらいの規模だったところがあれだけ大きくなったかということですよ。
 だって、例えば、レンタカーならレンタカーの車検を二年に一回にしたわけでしょう。だけど、一台二十万ぐらい掛かっていたとすると、一年間百億掛かっていたわけですよね。それが半分になるわけですよ、これ初年度だけかもしれないけど。だけど、経費節約がこんな一遍にできるなんて、企業努力したってあり得ませんよ。制度を変えたからこういうふうにできるわけでしょう。
 だから、僕は規制の、その制度をやっている人たちはちゃんと利害の抵触に当たらない人たちをまずやることを、そのことをやらないとめちゃめちゃになると思うんですよ。
 それから、もう一点申し上げると、相撲なら相撲というのはちゃんとルールがあって、土俵というのがあって、ここの上でまず戦いなさいと。そして、しかも行司がいて、行司だけじゃ駄目だから審判がいて、それでも五人じゃなかなか難しいようなのは、今ちゃんとテレビで全部撮っているから、それも参考にして、そして審判下すわけでしょう。だけど、今の日本の規制緩和って本当にそうされていますか。つまり、事前規制から事後チェックに変わったことによって、人がいない。人がいないから、僕から言わせれば、野っ原でけんかしているようなもんですよ、こんなもんは。
 だから、本当の意味で規制緩和するんであれば、出口のところのまずチェック機関をきちんとつくると。今お役所の人たち、適当なところに天下っていないで、もう少しちゃんとした機関をつくってやるべきですよ、ここのところは。再チャレンジして勉強しろというんであれば、優秀な人たちなんだから、二年間ぐらいちゃんと勉強させてそういうところのチェック機関のところをやらせるといえば、これはみんな納得することですが、そうでないわけですよ。
 いずれにしても、申し上げておきたいのは、過度な規制緩和ということが社会のひずみを生んでいて、しかもこういうような税制まで悪用しないとやっていけなくなっているという社会なんだということを、取りあえず認識しておいていただきたいと思います。
 それからもう一つ、タクシー業界としてすごく企業努力したのは介護タクシーに対しての参入だったわけなんですよ。これは、悪用している人たちもいたということは、それはそれで知っておりますが、一部悪用していた人たちがいたことによって、逆に言うと、真っ当な人たちまで全部苦労してしまっていると。
 仙台で、地元の話ばかりして恐縮ですが、もう台数が増えて自分たちはやっていけないんじゃないかというときに、介護保険制度の中で介護タクシーというのを位置付けていただいて、それで、みんな結構一生懸命企業でお金を出してヘルパーまで取った。ところが、今回の介護保険制度の改正で、僕は業界の方々と話をすると、七割ぐらいもう適用じゃなくなってしまったんだと。そうすると、今までそういう形でその設備投資、設備投資というか、人に対しての投資をしたのに、全くそれが無意味になっているじゃないかということも言われているわけです。
 今は要介護一から要介護五の方しか適用になりませんが、基本的に申し上げると、要介護四とか要介護五の方はタクシーでそんな移動しないですね、ほとんど寝たきりですから。だから、家で寝ていられるか施設で寝ていられるかと。そうすると、一番使われる人たちのところが全く適用外になっていると。ですから、そこら辺のところも併せて考えていただかなきゃいけないんじゃないかなと思っているんですけど、その点についていかがでしょう。
#100
○政府参考人(御園慎一郎君) 今、委員御指摘の介護タクシーの問題につきましては、御指摘のとおり、前回、一昨年の介護保険法の改正で制度的な変更を加えたわけですが、これはタクシー業界というよりも、私どもの介護保険の制度を持続して運用が可能にするために、軽度者の方に関しては自立して、そしてその自立を目指して目標志向型のサービス提供にしていこうということにいたしましたので、そういうことで介護予防サービスというのを創設いたしました。
 その見直しの中で、軽度の要介護者の一部の方を要支援としたことになりましたので、委員の御指摘にありましたように、私どもの通院等の乗降介助と、いわゆる福祉タクシーサービスは要介護者に対するサービスでございますので、仙台で利用者が七割減ったかどうかという実態は私ども承知しておりませんが、一定の数の方がサービスを受けられなくなった実態があるということは承知しております。
 ただ、これは介護保険制度の中で、やっぱり自立を目指していただくというその制度目的のために改正をしたところであるということをまず御認識していただきたいということと、それからもう一つは、介護保険制度の大原則ですが、必要なサービスを、サービスを必要とする方に適切に提供するという原則で事業展開をしていっていただかなければならないと我々は考えております。したがいまして、その通院等の際に車両への乗り降りをすることが困難である方には、これはこのサービスの適用をしていただくことは当然でありますが、その際にはきちんとしたケアマネジメントをしていただいて、この保険給付がなされるようにしなきゃいけないというふうに思っているわけでございます。
 要は、通院等乗降介助を含みます介護サービスというのは、ケアプランに反映された地域の介護ニーズに対応して提供されるべきものだと考えておりますので、適切なケアプランが作られていれば、現在支給されている保険給付サービスというのが適正量であるというふうに考えているところであります。
#101
○櫻井充君 その介護保険制度そのもの自体の財政が逼迫していて相当大変だということは、これは理解しております。ただ、これも本当に全国一律、そういうことがいいのかどうかというのはこれ御検討いただきたいところがあるんですよ。
 それは何かというと、東京のように鉄軌道の公共交通が発達しているところと全くそうでない地域というのは別物なんですよ。例えば病院に来られる方も、月に一回来てくださいといったときには、仕事を休まれて、そして御両親を連れてこられるというようなこともあるわけであって、それがやっとやっとなんですね。そうすると、自立して何とかしてやってくれといったって、自宅でまず車の運転ができなければ、もう何メートル歩いてすぐバス停ですという社会でもないんですよ、ここのところは、大事なところはね、田舎というのは。それは、都会はそれは違いますよ。少し歩けば、それこそ歩行して訓練してくださいという世界かもしれないけれど、でも田舎は、どこまで行ったってバス停すらないようなところ一杯あるわけですね。そうすると、その人たちに対してはやっぱり別にしてもらわないと困ると思うんですよ。
 だから、これも全国一律カットしていることに私は大きな問題があって、地域の実情実情を勘案していただかなきゃいけないんじゃないか。もう一度申し上げますが、鉄軌道が発達している東京と車社会で生きているほかの地域と全然違いますよ。ですから、そこの部分をどう制度上担保してもらえるのか、ここは一度考えていただきたいところだと思いますが。
#102
○政府参考人(御園慎一郎君) これも委員に改めて申し上げる必要のないことかもしれませんが、介護保険サービスというのは、それは制度的には一律でございますが、どういうサービスを提供するかということに関して申し上げますと、それぞれの利用される高齢者の状態を総合的に勘案して必要なサービスというのを定めるということにしておりますから、それぞれの、全国一律の制度であるとは言いながら、必要な方には、今委員が申されたような本当に今問題になっております通院等乗降介助というものが必要な方であれば、それはそのケアプランの中にきちんと定められていくだろうというふうに私は思っております。
 それから、ただ、このサービス提供されるのは、繰り返しになりますが、要介護と認定された方しか提供されません。それは、要支援と認定された方は基本的にそれは歩けるでしょという判定が下ったということになりますから、この制度の骨格を私どもは今変える必要はないと思っておりますけれども、ただ、要支援と認定された方でも本当にその状態が変わる、あるいは歩けないというような状態になれば、それは、これも御承知のことと思いますが、原則的に三か月に一回はその状態の見直しをなすことになっておりますから、その段階で要介護認定を受けることによってこのサービスが受けられる状態になっていくというふうに思っております。
#103
○櫻井充君 歩けるでしょというのは、それは理解いたしますよ。でも、歩ける距離は限定されていたとして、五百メーター歩けることなら五百メーター歩けることにしましょうか。一キロでもいいですよ。一キロのところに駅がある人たちと、一キロ以内に駅のない人たちがいるわけですよ、これは実際。現実そうですよ、これは。だから、そういう人たちで歩ける歩けないの問題じゃないんですよ、住んでいるところそのもの自体が問題なんですよ。そこもちゃんと勘案してもらわないといけないんじゃないですか。
#104
○政府参考人(御園慎一郎君) 具体のケアプランの策定の際には、私どもは、通院等のための乗降又は乗車の介助の際には生活全般の解決すべき課題に対応したサービスを提供しようということにしておりますので、その人の生活実態、今の委員の申されたような状況も勘案して、本当に必要であれば提供していくということが制度の趣旨でありますので、またそれは個々の実態に即して判断しなきゃいけないことだと思っています。
#105
○櫻井充君 いずれにしても、とにかく地域ごとによって違います。
 それから、もう一つ申し上げておきますが、今回の介護保険の改正で、いわゆる軽い筋肉トレーニングのパワーリハビリというのが介護の目玉として取り入れられましたよね。あれ、僕、現場見に行きましたし、竹内先生とも随分話をさせていただきましたが、あれはやっぱりすばらしい内容でして、特に、予防というよりも、やっぱりある程度体が動けなくなった人たちが回復していくという点では僕はあのやり方はすばらしいと思っているんですよ。
 例えば、これは川崎のデータですけれども、四十一人の要支援、要介護一、要介護二の方にパワーリハビリ、週二回、三か月やった結果、三十一人の方の要介護度が改善し、十五人が自立になっているんですよ。そうすると、意欲があってそういうところに行って改善しそうな実は要支援者という方々は全員介護保険から外れる、自立になったんですね。
 ですから、本当に政府がそういう点で介護予防のところ、若しくは軽い人たちに対して自立を促していくということであれば、そこのところ、そういうことでやっていきたいという人たちに対してのプログラムをもう少しきちんと提供した方がいいんじゃないか。最終的には、長い目で見れば、例えば川崎の場合には三十一人の方が改善した結果、一人頭、改善した人もしない人も含めると、年間の介護保険料が約百万円減額されている。これはもう釈迦に説法だということはよく分かっておりますが、しかし、いずれにしても、そういうことがあったからこそ目玉としてパワーリハビリが取り入れられていると。そうすると、そういうことが利用したいけど実際は利用できないと。
 それからもう一つ申し上げておきますが、高齢者の方々が初老性のうつになっていかれるのは、家の外に出ていけないからですから。特に田舎の場合には、何回も申し上げますが、交通手段がないからなかなか出ていけないと。笑い話のようによく言われますが、具合が悪いと病院に来れなくなってとか、病院にばっかり人が集まってといいますが、これは病院だったら家族が朝早くわざわざ回り道して乗せていってくれるから、だから病院に行きましょうという世界になっているだけの話なんですよ。これ、昼間迷惑掛けないでどこかに外に出れるんであれば、そんなことしないですよ。
 ですから、そういうことも含めて地域の足としてすごく大事な役割を担っているので考えていただきたいなと、そこのところだけは申し上げておきたいと、そう思います。
 大臣、もし御感想があれば、一言お話をいただきたいと思いますが。
#106
○国務大臣(冬柴鐵三君) タクシーというのは、ドア・ツー・ドアで本当に公共的な、特にこの高齢社会の中にありまして、そのような役割を果たしていただいている公共交通手段だと思います。その意味で、このような真に必要な人たちが利用できるようなことを考えていかなければならないし、それは一律ではなく、地域ごとにいろいろ考えなければならない部分もあると思います。
 したがいまして、我々、国土交通省だけではなしに、総務省等もあるいは地方とも協議をしてきめ細かくやっていかなければならない問題ではないかと、今委員のいろいろなお話を伺いながらそのような感を深めたところでございます。
#107
○櫻井充君 ありがとうございます。是非、御検討いただきたいと思います。
 それから、今回の改正のことについてもう一つお伺いしておきたいんですが、登録することになりましたと、これ、タクシー協会がやることになっていて、タクシー協会そのもの自体がかなりの出費をしなきゃいけない、結構大変だと。しかし、運営金も出なくて、おれたちはもうそういう制度だけ変わるだけであって、お金の面やそれから手間暇だけ掛かって何も変わらないんじゃないかと。まあそこの部分は後でまた検討されるということですが、じゃ現実論、タクシー協会に加入されているところの業者の方がドライバーの登録される場合とそうでない場合と、これは何か差が出てくるものなんでしょうか。
#108
○政府参考人(岩崎貞二君) 今回の運転者の登録業務は、タクシー協会が会員事業者に対する協会の業務として行うものではなくて、登録実施機関として国の業務を代行して行っていただくということでございますので、運転者の登録手数料については、協会の会員事業者の運転者かどうかと関係なく同じ額が設定されるべきものと考えております。
#109
○櫻井充君 しかし、それは政府のある部分を委任されて、そこのところがやりますと。ですが、実際はそれは協会に加入している方々がお金を出してその部分を運営されていくことですよね。それは私のその認識でよろしいんでしょうか。
#110
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生のおっしゃっていただいた認識で結構だろうと思いますけれども、それに伴ういろんなコストについては、原則、そうした登録料でありますとか、今回講習なんかやりますけれども、講習の手数料の中から賄っていただけると、こういうふうに思っているところでございます。
#111
○櫻井充君 済みません、ちょっと最後のところがよく聞こえないんですが、もう一度整理させていただきたいのは、要するに政府からの業務を委託してやる人たちがいますと。この人たちは、基本的に言うとタクシー協会に加入している人たちがそこの部分を賄うんですよね。それとも、そうじゃないんですか。要するに、タクシーに参入する人たち、業者全員が、いわゆる今までのタクシー協会に加入する加入しないと関係なしに、そこの部分にタクシーの運転手さんの登録とか、そういうのを求めていく際は全社お金を出してやっていくという、そういうシステムになっているんですか。
#112
○政府参考人(岩崎貞二君) 繰り返しになりますけれども、それに登録あるいは講習に要する費用がございます、もちろん。これに要する費用につきましては、登録の手数料なり講習の手数料というのは賄っていただこうと思っておりますので、それで賄っていただければいいと思っておりまして、そういう意味で、別に協会加入事業者と非加入事業者と区別する必要性もないと思っております。
#113
○櫻井充君 じゃ、その講習の費用で本当にこの組織が運営されるんですか。
#114
○政府参考人(岩崎貞二君) タクシー協会の行っております事業は、もちろん今までやっております協会としての協会の会員向けの事業はもちろんございます。それに対しては会員向けにサービスを行っておりますから、そういう事業につきましては、従来どおり協会の会員事業者に対して協会がサービスを提供するということでやっていただければいいと思っておりますが、今回の業務につきましては、登録、研修、それぞれ非会員事業者も含めて国の業務等を代行する立場で行っていただくものですから、その部分につきましては登録の手数料なり講習の費用なりから賄っていただければいいと、このように考えております。
#115
○櫻井充君 済みません、何回も同じことになりますが、御答弁いただけないので。
 つまり、その講習の手数料とかそういうものでそこの部分は賄っていけるんですか。つまり、タクシー協会と話をしてみると、今回の登録のために新たに三人ぐらい人を雇わないとそのもの自体ができないと。特に最初はそうですよね、きっと。ですから、そのために年間、人件費として一千万ぐらい計上しなきゃいけないかなという話をされているわけですよ。だから、それが本当にその講習料だけで賄えるんですか。
#116
○政府参考人(岩崎貞二君) 基本的には、こうした業務については手数料なり講習料で賄っていけるようにしたいと思っておりますけれども、今後、協会側の意見も聞きながらどういう制度ができるのかどうか考えていきたいと思っております。
#117
○櫻井充君 賄っていけないというのが今の協会側のお話でした。ですから、協会のところである部分は持ち出しをしなきゃいけないと。そうすると、協会に加入している業者と協会に加入していない業者とあって、それじゃ不公平じゃないかと、そういう話になっているんですよ。それはそうですよね、企業から持ち出しているんですから、一方で企業から全然持ち出しもしないでやっているということになると不公平じゃないかと、そういうふうな指摘があるんですが、それに関してどうお考えですか。
#118
○政府参考人(岩崎貞二君) そういうことは確かに先生おっしゃるとおり不公平だと思っております。したがいまして、そうしたことのないようなシステムあるいは手数料の設定というのが現実的にどういうことでできるか、それから本当にコストがどれだけ掛かるのかということについて協会等とよく話をしてまいりたいと思っております。
#119
○櫻井充君 すごく不思議なんですが、今回その制度を組むに当たって、そういうことは全然検討されないで法案提出されたんですか。
#120
○政府参考人(岩崎貞二君) 詳細なところまでは検討しておりませんけれども、基本的にこの講習の手数料と受講料で賄えるという判断をしてこういう制度設計をしております。
#121
○櫻井充君 これは詳細じゃなくて、これ根幹じゃないですか。つまり、国の権限なりなんなり業務を委託するわけでしょう。委託するところがうまく運営されるのかどうかという現実のことを図りもしないで、それでやるんですか。
 これ実車率と全く同じじゃないですか。実車率のときの要件だって、何となくこういうのがあった方がいいんじゃないかと思って掛けていて、時代に合わなくなったものをずっと引きずっている。実車距離なら分かりますよ、あのときも何回も申し上げましたからね。
 それと同じように、その制度設計しておきながら運営されるかどうかも十分分かっていないと。そういうことで制度設計されることそのもの自体おかしくないですか。
#122
○政府参考人(岩崎貞二君) 答弁が言葉足らずだったと思いますけれども、詳細のことまでの細かい数字まで積み上げておりませんけれども、大きな判断として、こうした事業が現実にその手数料等々で賄えるという判断をした上で、設計をした上で今回の制度を提案させていただいたところでございます。
#123
○櫻井充君 それでは、その判断した根拠になる数字を教えていただけますか。
#124
○政府参考人(岩崎貞二君) 今、手持ちには持っておりません。
#125
○櫻井充君 手持ちにないというのは、今現場に、ここにないということですか、それとも試算してないということですか。
#126
○政府参考人(岩崎貞二君) 数字のことまで細かく詰めておりませんけれども、この制度を導入するに当たりまして各事業所、協会とも話をしております。特に仙台の方からはそうした問題も提起されておりますけれども、全国のいろんな団体からは、おおむね今のシステム、適正な手数料、受講料をいただければ、今私が申し上げているような協会からの持ち出しはなしにできるのではないかということの感触を得た上でこうした判断をさせていただいたところでございます。
#127
○櫻井充君 これも、じゃしようがないので、きちんと詰めていただきたいと思いますが、僕が聞いている範囲では持ち出さなきゃいけないと、そういうふうに言っております。
 ですから、問題は、僕がそのときにタクシー協会の方に申し上げたのは、私はそのとき制度をちょっと誤解しておりまして、それは何かというと、これで台数が制限されることになれば今度はそのパイの取り合いそのもの自体が、規模が、何といったらいいんでしょうか、各々それほど激しくなくなってくれば企業としての利益が出てくるから、そうであったとすればそのお金を回せるんじゃないかと。そういうことで、タクシー協会の方にはこれはこれで補助金みたいなものが出ないのは仕方がないんじゃないかなという話をしたんですよ。
 ところが、今回は登録を課すだけなんですね。台数がそこで減るわけでも何でもないとなってくると、企業の負担だけが増えるようなことになってくればまた大変なことになるわけですよ。そして今企業も決していい状況ではなくなってきているから、今度はタクシーの運転手さんたちのその労働条件が悪化してくる中で、賃金体系がもうみんな歩合制になっているでしょう。そこまで達しないから物すごく安く給料が抑えられているでしょう。だから、彼らにとってみたらまたすごく苦労するわけですよ。そういうこと一つ一つ現実のことを分かって制度をつくっていただかないと何の解決にもならないよりも、むしろタクシーそのもの自体の経営だけではなくて労働者に対して負荷を掛けるだけの制度になってしまうんじゃないかなと、そういう心配もいたしますけれども、大臣いかがですか。
#128
○国務大臣(冬柴鐵三君) いろいろ御指摘いただいた点についても省内でもよく協議をして、御心配のようなことにならないように頑張ってまいらなければならないと思います。
#129
○櫻井充君 最後に、私は規制緩和にあの当時勉強していないで賛成票を投じて恥じている一人でございます。その思いで自分自身はここ何年間か規制緩和のことについて勉強して、やはり市場原理ということがそれは原則かもしれないけれども、やはりこういう公共交通であって、公の一部を担っているところに関していうと、ある部分制度がきちんとできるように政治の力で僕は調整していかないと駄目なんじゃないんだろうかと、そういうふうに考えて、勉強して提案をさせていただきました。
 しかし、残念ながらそのことを、僕の感じからいうと役所の方はそれほど重く受け止めてくれてなくて、もう後手後手に回っているだけではなくて、根幹にかかわることに対しては結局何の対処もしてもらってないから、仙台の状況はひどいまま、むしろもっともっと悪化していると。これは仙台だけではなくて地方都市、僕は同じなんだと思うんですね。そこら辺のところを、全体を踏まえてきちんとした改正をしていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#130
○委員長(大江康弘君) 午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時二分開会
#131
○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、タクシー業務適正化特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#132
○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。
 午前中に吉田先生と櫻井先生の質疑を聞いておりまして、重なった部分につきましては省略をさせていただいて質問をさせていただこうというふうに思っておりますが、最初にこの改正の背景と目的をお聞きしようと思ったんですが、大体吉田先生と櫻井さんの中でいろんな課題とか問題点というのは指摘ありましたので、それは省略いたしまして、ただ、この今回の改正によってタクシー事業を取り巻くいわゆるタクシーの事業者、それとタクシーの運転者、そしてそのタクシーを利用する利用者に対してそれぞれ具体的にどういうようなメリットがここで、この改正で発生するのかと、それぞれのメリットについてお聞きしたいと思います。
#133
○政府参考人(岩崎貞二君) まず、事業者でございますが、今回運転者の質を上げていきたいと、このように思っておりますので、事業者にとっては雇用する運転者の一定の質を確保され、タクシーサービスの水準の向上が図られるという直接的な効果のほかに、やっぱりこうした法律を作るということによっていいタクシー運転者を育てていく、雇っていくというような意識がさらに高まればいいなと、このように思っておるところでございます。
 運転者につきましては、直接の対象でございますが、安全性や利用者利便についての自覚が高まり、当該地域の運転者全体の質の確保、向上を図られるということを期待をしております。
 それから、利用者にとりましては何よりも大切な安全、安心、より質の高い輸送サービス、これを提供する直接の主体は運転者でございますので、そうした運転者の質の向上によってこうしたことが実現できるというふうに考えているところでございます。
#134
○藤本祐司君 突き詰めて言えば、タクシーの運転手さんの質が高まっていくことによって事業者もメリットあるし、運転手もメリットあるし、利用者もメリットあるんだというようなお話なんですが、質が高まることによって、当然利用客にとってはとても有り難いことだというふうに思うんですが、質が高まるということ自体に関して運転手には、それが直接運転の質が高まるわけであって、運転手さんにそれがメリットということではないですよね。特に、だから改正をすることによって運転手自身にメリットがあるのかなというところなんですが、ちょっとそこのところ分かりにくかったので、もう一度御説明いただけますか。
#135
○政府参考人(岩崎貞二君) 運転者の方にも講習等を受けていただくことによって、大変まじめにちゃんとやっていただく運転手さん、あるいは向上意欲のある運転手さんにとってはいい制度だと思っております。
 それから、残念ながら、やっぱりタクシーの運転手さんの中にも質の悪い方、ルールの守らない方もおられることは残念ながら事実でございますので、そうした方について、ひどい方にはタクシー運転手の登録を認めない、あるいは拒否をするというようなことによりまして、これは逆にマイナスの方のペナルティーを科すことになるわけでございますけど、逆にそうした質の悪い方が排除されることによってタクシーのドライバーというものに対しての評価というのが、間接的ではありますけれども、高まっていくものだと、このようなことも考えております。
#136
○藤本祐司君 分かりました。
 午前中からいろいろな話、需給規制の撤廃の問題とか出ていたわけなんですが、規制撤廃後、基本的にはタクシーの台数が増加をしたと、約全国で二万台ほど増加をしたと。新規参入とか営業区域の拡大、あるいはいわゆる増車届出によって二万台ぐらいが増えてきたということで、過当競争が激化をしたということでありますけれども、この賃金が基本的にこれは歩合制を取っているということで、むしろ賃金を上げるために長時間労働というのが当たり前になってしまったということで、労働環境が悪化をしたということがいろいろなところで指摘をされているわけなんですが、その労働環境が悪化して、そして一生懸命長時間働いた割にはなかなか賃金が上がんない、むしろ賃金が下がっているというところが非常に大きい問題でありまして、全産業の平均年収と比べると大変このタクシーの運転手さんの年収というのがどんどん格差が拡大しているというように認識をすることができるのかなというふうに思うんですが。
 ここで厚生労働省にお聞きしたいんですが、規制撤廃後、前後で、最近までですね、このタクシーの運転手さんの収入がどのように推移をしているのか、そしてもう一つ、都道府県ごとによってこの格差というのが拡大をしているというふうに見ていいのかどうか、ちょっとその点についてお聞きしたいと思います。
#137
○政府参考人(森山寛君) お答えを申し上げます。
 タクシー運転者の労働実態でございますけれども、賃金構造基本統計調査によりますと、平成十八年では年間の平均賃金は、先ほど先生も御指摘ございましたけれども、三百二十八万円でございまして、全産業と比べまして百六十一万円少ないという状況でございます。
 それからまた、年間の総実労働時間でございますけれども、二千四百十二時間でございまして、これも全産業と比べまして二百四十時間長いという状況になってございます。
 ちょっと各県のものにつきましては今手元にございませんので、そういう状況でございます。
#138
○藤本祐司君 直近の数字はいただいたんですが、これ規制撤廃後の数年間で、平成十四年以降、この傾向がどのようになっているのかということも併せてお願いします。
#139
○政府参考人(森山寛君) 年間の賃金でございますけれども、平成十三年と比べますと、平成十三年は三百三十三万円でございまして、平成十八年は先ほど申し上げましたように三百二十八万円ということで、五万円の減少でございます。
 それから、年間の労働時間でございますけれども、これは大体横ばいでございまして、平成十三年二千四百二十四時間、それから先ほど平成十八年は二千四百十二時間という状況でございます。
#140
○藤本祐司君 午前中の櫻井先生の質問の中でもいろいろ地域性があるんじゃないかというようなお話がありましたけれども、地域間格差というものですね、その格差が拡大しているところと、いや、格差の拡大じゃなくて、規制撤廃後、年収が横ばいのところと下がっているところと、そういうところがいろいろあるんだろうと思いますが、これ都道府県ごとで考えてみた場合にはどういう傾向になっているか、教えていただきたいと思います。
#141
○政府参考人(森山寛君) 都道府県ごとにつきましては現在手元にございませんので、先ほど申し上げました全体の調査しか現在ないというところでございます。
#142
○藤本祐司君 いや、都道府県ごとはこれは当然出ているわけでありまして、東京が一番高くて沖縄が一番低いとか、その辺りのことはこれは別に統計がないわけじゃなくて、多分今は持ち合わせていないというだけの話だというふうに思いますけれども、これは昨日通告で規制撤廃後の収入の話というのは質問しますよということはお聞きしていますので、ちょっとそこのところはちゃんと準備をしていただきたいというふうに思うんですが。
 具体的な数字でなくて結構なんですが、やはりこの規制撤廃後の格差の拡大があったところ、そうでないところはやっぱり地域ごとによって明確になっているかどうか、その点だけで結構ですのでお答えいただけますか。
#143
○政府参考人(森山寛君) これはちょっと今手元に、申し訳ございませんけどそういう実態の数字を持っておりませんけれども、先生御指摘になりましたように、地域によりましてやはりその差というものはあるというふうに認識をしておるところでございます。
#144
○藤本祐司君 とても基本的な質問なものですから、これ一々細かくすべて質問を、どこの県がどのぐらいですかということは聞いておりませんけれども、基本的なことだと、その辺りが多分、厚生労働省は認識をしているんだろうということでお聞きしたんですが。
 もう一つ、じゃ、ちょっと関連してお聞きしたいんですが、タクシー運転手の賃金というのは基本的に歩合制を取っているということで、それでさっき長時間労働になってしまいますよということも御指摘をさせていただいたんですが、この辺りの構造ですよね、賃金構造というか、なぜこういう状況になってきているのか、あるいは歩合制を取るとどういうことが影響があるのか、あるいは運転手の年齢構成の雇用実態どうなっているのかという、そういういわゆる傾向としてタクシー事業者の賃金構造がどうなっているのかということぐらいは多分把握できているんだろうと思いますけど、お答えいただけますか。
#145
○政府参考人(森山寛君) タクシー運転手の賃金構造でございますけれども、特に問題になっておりますのが先生今御指摘あった歩合制の中でも累進歩合制度でございまして、これにつきましては私どもも、累進歩合制といいますのは非連続的に逓増していくものでございますので、労働時間の長時間労働、あるいはスピード違反を極端に誘発するおそれがあるというふうに認識をしておりまして、これにつきましては望ましくないものとして廃止するように指導をしているところでございます。
 具体的には、この指導状況でございますけれども、平成十七年におきまして九百十一件の事業場の監督をしておりますけれども、そのうち累進歩合制度が八十七件ということで、約一〇%程度がこういう歩合制度を取っているということでございまして、これにつきましては廃止をしていくように指導を行っているところでございます。
#146
○藤本祐司君 廃止を行うように多分通達で出されているんだろうと思うんですけれども、まだ依然として八十七件ですか、というのがあるということでございますが、これをどのような形で指導していく予定でございますか。
#147
○政府参考人(森山寛君) これにつきましては、平成元年に自動車運転者の労働時間等の改善のための基準ということで通達を出しておりまして、今申し上げましたように、これは廃止をしていくということで監督省といたしましても粘り強く指導しているところでございます。廃止をしていくように指導していくということでございます。
#148
○藤本祐司君 具体的には、それは労働基準監督署がそれぞれのタクシー事業者に対して実態を把握して、そしてそれを指導していくということなんでしょうか。
#149
○政府参考人(森山寛君) これは、毎年タクシー事業所についていろんな労働基準法上の違反等ございますので、これを監督指導強めているところでございまして、先ほど申し上げましたように、大体年間千件程度このタクシー会社の指導をやっておりますけれども、その段階で特にこの累進歩合制度を取っているところにつきましては廃止をしていくように具体的に監督官、監督署がその事業場に行きまして指導しているというものでございます。
#150
○藤本祐司君 毎年毎年、一年に一回ずつきちっとこれは定期的に指導されていると、実態を把握して指導しているんだと、それで今後もそうしていくんだということで解釈でよろしいんでしょうか。
#151
○政府参考人(森山寛君) 事業場につきましてはこれは大体千件程度でございますけれども、これは同じ事業場ということではなくて、これは大体千件程度選出いたしましてやっていますけれども、いったんこういう違反が認められた場合につきましては、これは粘り強くその事業場について指導しているという状況でございます。
#152
○藤本祐司君 国土交通省にお聞きしたいんですが、今の答弁のように、ある意味ほかの産業では見られないような構造というのがこのタクシーの事業にはございまして、台数が大幅に増えたと、それによって一台当たり、あるいは一人当たりの営業収入が減った分というのは、基本的に運転者の方にわっとしわ寄せが来ているような構造になっているんですね。基本的には歩合制という、あるいは累進歩合制という形を取っているということになると、ちょっとほかの産業なんかとはまた少し違った、要するに売上げが減少しても、リスクというのが経営者のところには直接行かずに、むしろそこで運転手の方々のところに行っているというような構造になっているということであるわけなんで、ちょっとそこのところにつきましては、今後どういう方向になるのかというのは大変難しい問題だろうとは思いますけれども、その辺の原因に対する御認識、そしてその構造に対してどのような考え方を持っていらっしゃるのかという御見解をいただきたいと思います。
#153
○国務大臣(冬柴鐵三君) タクシー業というのは事業場外労働というのが主流を占めまして、特に流し営業をやってられる運転手さんは、始業時に車庫から車を出せば十五、六時間働いて、最後納車するまで事業場外で働かれるわけですね。食事も外食と、トイレも公衆のところを使ってられますが。
 そういう、要するに営業主が親しく働いている従業員を指揮監督する、具体的にするという関係がありませんので、売上げが減ったとかということについて、従業員が一部そのリスクを負担するという歩合給というものは、この業界としてある程度そういうものを取られるということについては私も理解ができるわけです。そして、しかもこれは恐らく、古いことは分かりませんけれども、少なくとも終戦後今日まで六十年間、このような業界でほとんど例外なく取られている、そのような労使間の協定だろうと思うわけです。
 したがいまして、このような自由主義経済の中で労使が協議をして、そしてその賃金をどのように決めるかということは自由のはずでございます。ですから、我々がそれに対して、先ほど厚生労働省も指導という言葉を使われました。違反したらそれを罰則をもって臨むという、命令とかいう関係ではなしに、やはり指導だろうと思うんですね。
 私どもも、今回運賃改定、要するに増額でございますが、申請がたくさん出ております。これを認めるということのときに、我々は、その申請の理由自身が労働条件をもっと改善しなきゃならない事情があるということをひとしく書いていらっしゃるわけです。したがいまして、私どもはこれをきちっと値上げした分が労働者に多く均てんできるようにしてほしいという私は強い指導をしたいと思いますし、守ってもらいたいと思います。
 したがいまして、定時にそれは報告を後にしていただいて、その結果を公表して、みんなの目で、ガラス張りの中で、やはり値上げした部分については、事業主が取ってしまうんではなしに、労働者の方に多く配分されるというふうな、私どもの指導でございますけれども、これは指導を強め、そしてまたみんなの目で見ていただくようにその結果は公表しなきゃならないというふうに思っています。
#154
○藤本祐司君 今大臣から運賃の話が出されましたので、またちょっとそれは後ほどお聞きするといたしまして、その前に一点、タクシーという業務は、一回会社から外へ出て、外で仕事をするということで、お昼の時間とか夜の時間という、そういう夕食の時間なんかも、要するに自分で自己管理をしなきゃならない部分があるんだろうというお話もありましたけれども、正に運行管理とか労務管理というのも運転手任せになるような部分というのも大変強いのかなというふうに思うんですけれどもね。
 更に言ってみれば、いわゆる企業内個人タクシーというか、リース制でやられているタクシーが規制緩和後増えたというふうには言われているわけなんですが、このリース制が増えると、更に言えば、一定のリース料を支払うと運行管理とかいわゆる労務管理はもう完全に運転手任せという形になってしまうわけなんですが、いわゆる企業内個人タクシーについての管理とかあるいは規制についてはどのようにお考えになりますでしょうか。
#155
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘のとおり、リース制とか企業内個人とかというのは幾つかあるというのは我々も聞いておるところでございます。
 ただ、リース制であるとか企業内個人という形態自体が直ちに違法なものではないだろうと、こんなふうに思っておりまして、しかし、御指摘のとおり、こうしたリース制とか企業内個人みたいな形になりますと、安全管理がどうしても運転者任せになる傾向がある、運行管理が適切に行われない傾向にあるということは問題だと思っております。
 このため、私ども、特に監査とかをやるときに、こうしたリース制でありますとか企業内個人をやっているんじゃないかというようなところにつきましても特に重点的に、これまでもやってきているつもりでございますけれども、今後、そうした違反行為のおそれの多い事業者については重点的に厳正に対処してまいりたいと、こんなように思っているところでございます。
#156
○藤本祐司君 運転手さんのいわゆる労務管理というか、そこのところが大変難しいことは分かっているんですが、労働環境は大変良くないというふうにも指摘されておりますので、そこのところはやはりきちっと監督指導をしていただきたいというふうに思うんですが。
 それに直結して、先ほど冬柴大臣からもお話がありましたとおり、運賃のところなんですが、午前中に吉田先生も運賃の話をされました。長野と大分で先行して運賃改定がされたわけなんですが、去る五月三十一日に内閣府の物価安定政策会議で東京地区のタクシー料金について議論がされている。東京地区のタクシー運賃というのが大変その他全国への影響力が高いということで、そこを中心に議論されているんですけれども、その中で、料金改定というのが先送りされるのではないかというような報道等々があるわけなんですけれども、この先送りする、まあいつまで先送りするのかというところは明確ではないと思っていますが、運賃値上げに関して懸念をしている、あるいはもう少し延ばした方がいいだろうということを言っている、その主な理由というのはどういうことがあったのかを教えていただきたいと思うんですが。
#157
○政府参考人(岩崎貞二君) 四月の十九日と五月の三十一日に物価安定政策会議というのが開催されまして、そこで、今先生御指摘のように、運賃改定について慎重、否定的な意見もありましたが、一定理解を示すという意見もございました。
 慎重にやるべき、否定的な意見というのは、主に申し上げますと、一つは、全体の物価が上がっていない中でタクシーの運賃だけ上げるのはどうかというような議論、それから、もっと経営努力をすべきではないかというような議論、それから、先ほどの議論でも出ておりましたけれども、需要が減っている中で供給が増えている、それで収入が下がったからといって消費者に転嫁するのはどうか、もう少し構造的な問題を解決してからやるべきではないかといったようなことが主に慎重あるいは否定的な意見をおっしゃる方の論旨だったと理解しております。
#158
○藤本祐司君 その中で、私もちょっとこの議事録等を読ませていただいて、もっと市場メカニズムに任せるべきであるというような意見があったかというふうに思うんですが、そのような意見はやっぱりあったんですか。市場原理にもっと任せておくべきであるということを言われている意見があったというふうに認識しているんですが、いかがでしょうか。
#159
○政府参考人(岩崎貞二君) 御指摘のとおり、市場メカニズムに任せるべきではないかという意見もございました。
 今、需要が減っている中で供給が増えているということについては、市場メカニズムの調整過程なんで、もう少しすれば、供給は減っている中で収入が減っていけば退出も進んでいくのではないか、だから市場メカニズムに任せておけばいいんじゃないかと、こういう意見もあったのも事実でございます。
#160
○藤本祐司君 ちょっとここで相関関係をいろいろお聞かせいただきたいと思うんですが、運賃を上げると、今のお話だと、それを、エンドユーザーというか利用者に不利になるんじゃないかというようなお話があったわけなんですが、運賃を上げると利用者が減るというのは、一般的にはそのように考えがちなんだと思うんですが、料金のこと、運賃ですね、それと利用者数とのいわゆる相関関係というのはどうなっているのか、ちょっと教えていただきたいんですが。
#161
○政府参考人(岩崎貞二君) 景気の動向にもタクシーの需要というのは左右されますので、必ずしもきっちりしたことは言えないという状況でございますが、昭和五十六年以降七回の運賃改定をやっております。七回の運賃改定、平均いたしますと約九%弱の改定率でございました。それから、改定後一年間の需要を見ますと、需要の減少率が二・三%程度でございます。九%ぐらい上げるとやっぱり二、三%はお客さんが逃げていくと、こういう傾向でございます。
 したがいまして、改定した率そのものの増収になるわけではございませんが、過去の傾向からいきますと、改定した増収の約六、七割ぐらい、これぐらいは増収と結び付いているという結果になっているところでございます。
#162
○藤本祐司君 ざっくり言ってしまうと、料金を一割とかそのぐらい上げると、利用者数は減るけれども、いわゆる営業収入というのはそれと同じように減るわけではなくて、ある一定の割合だけは戻ってくるということだというふうに今のお答えで理解できるかと思うんですが、そういうことでよろしいわけですよね。
#163
○政府参考人(岩崎貞二君) 御指摘のとおりでございます。
#164
○藤本祐司君 そうなってくると、運賃の値上げということで先ほどの労働環境というのが必ずしも悪くなるわけではなくて、やはりいい方向に動くということを考えると、ちょっと特殊な構造であるということを考えると、そこのところはやっぱり慎重に前向きに考えていただいた方がいいのかなという部分もあろうかと思います。
 ただ、これは多分、運賃値上げと利用者の関係というのは相当経済状況にも影響してくる、関係が出てくるのかなというふうに思いますので、その地域の経済状況によってもやっぱりそこのところの相関関係というのは微妙に違ってくるのかなというふうには思っているんですね。東京と先ほど櫻井さんが言った仙台と私の静岡とか、そういったところとの、あるいはもっと、収入が一番今低い沖縄とか、その辺りによって若干相関が変わってくるのかなというふうに思いますので、そこのところはやはり地域事情というところを全面にやっぱり考えながら決定をしていっていただくのがいいのかなと。全国一律で考えるのではなくて、地域事情を考えていただくのがいいのかなというふうには思っております。
 ちょっと時間も足りないので次の質問に移りますが、流し運転、いわゆるタクシー運送の引受けが専ら営業所以外の場所で行われるという流し運転についてなんですが、今回の法律の改正で流し運転比率というのが、流し比率が五〇%以上をめどとして指定地域の要件としているということでございますが、この流し比率というのはそもそもある特定の地域、例えば東京なら東京、政令市なら政令市の中で大体これ一定しているものなんでしょうか。あるいは、割とデータを取るときによって流し比率というのは私は変わるのかなというふうに思うんですが、その辺の一定で推移するものなのかどうなのか、その傾向を教えていただきたいと思うんですが。
#165
○政府参考人(岩崎貞二君) 過去の例を見ますと、基本的にそう大きな変動はないんだろうと思っております。ただ、タクシーの需要構造なり都市化の進み具合なり、そうしたことで若干の変更はあると思っておりますが、大きな変動はないんだろうと、このように理解をしております。
#166
○藤本祐司君 若干というのはどの程度のものなのかということもちょっとあいまいなんですけれども、流し率五〇%以上で指定地域の要件としているわけなんですが、今回、主な政令指定都市ということで私の静岡が抜けております。除外されておりまして、その静岡の流し比率というのが、もちろん駅待ちとかそういうのも含めるわけなんですが、四九・三%という非常に微妙な、五〇%に〇・七ポイント足りないということで除外されておるわけなんですが、先ほどの若干の変動があるということを考えると、〇・七%というのはその若干に入るんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#167
○政府参考人(岩崎貞二君) まだ詰めているわけではございませんが、その〇・何%は確かに若干の範囲だろうと、このように思っております。
 指定地域の考え方でございますが、法律にもございますとおり、流しの営業が中心の地域であって、過労運転や乗車拒否等の行為の状況に照らして、こうしたことの措置が必要な地域というのを政令で定めることになっております。先生御指摘の静岡辺り、あるいは新潟、浜松、この辺りについては微妙な数字になっております。
 全体の傾向で申しますと、いわゆる以前からの政令指定都市、この辺りは大体七〇%を超しているのが普通でございます、流し比率が。最近政令指定都市になりました新潟、浜松、静岡はそれを下回るということでございますので、その辺りどうするかというのはこれからの検討課題であろうと思っておりますが、今後、施行までに、法案通していただければ、その施行までに検討していきたいと思っておりますけれども、現時点では、これも一つの規制でございますので、その規制を掛けるほどの必要性がないのかなというふうには思っておりますが、いずれにしろ勉強させていただきます。
#168
○藤本祐司君 流し比率だけではなくて、乗車比率とか勤務時間とか、その辺りのところを勘案してということであるということであれば、静岡はその辺りはちゃんとクリアしているというふうに解釈できるのかもしれませんが。
 昨年の教育基本法改正のときに、静岡にハイヤーがなくて東京からハイヤーを飛ばしてタウンミーティングをやって、仕様書で行くと十一万円で済むものが五十三万円も掛かったという静岡市の状況があって、あのときタクシー事業者が、いや、静岡だってタクシーやハイヤーあるぞというふうに私も言われまして、何かハイヤーが静岡にはないかのようにあのとき内閣府から答弁をされまして、静岡のタクシー事業者が大変怒っておりましたが、これで今、静岡はその辺り、乗車拒否とかそれがないということでお墨付きをいただいたのかもしれませんが。
 今、その中で浜松と新潟も微妙なところだというふうに言っていますが、質問通告のときにお聞きしたら、この流しのデータというのは去年の六月、七月のデータであって、浜松と新潟はまだ政令市になっていなかったと。そのときに、浜松と新潟のデータはまだ取っておりませんという回答をいただいていたんですけれども、それは、その通告での回答は違って、新しく、私がそう申し上げたので調べた結果、浜松も新潟もやはり流し比率は五〇%以下だったのかどうか、ちょっとお答えください。
#169
○政府参考人(岩崎貞二君) 十七年に実施しました調査は、各個別都市について細かくサンプルを取ったやつではございませんで、大都市でどうだった、旧政令指定都市で大都市でどうだったか、中核都市でどうだったかと、こうした一定のサンプルの数字でございます。中核都市で、この中核都市には新潟等も含んでおりますが、そうした地域での数字で見ますと、旧政令指定都市ほど高い比率ではなかったと、こういうことでございます。
 繰り返しになりますけれども、新潟、浜松、静岡等につきましては、現時点ではまだ詳しい調査、これから詳しい調査をいたしますけれども、我々つかんでいる感触からいたしますと、そんなに流し比率は高くないんじゃないか。それから、苦情とか事故とか、こうしたものを見ますと、新しい規制を掛けるほどのことではないのではないかというふうに思っておりますけれども、今後、施行までに調査をした上で適切な判断をしていきたいと、このように思っているところでございます。
#170
○藤本祐司君 じゃ、ちょっとごめんなさい、浜松と新潟は確かに今年の四月から、ちょっと余り細かいことに突っ込んでもしようがないんですが、四月に政令市になったからそれの理由は分かるんですが、静岡はそうでなかったので、どうしてこういう、都市ごとではないと言っていながら静岡は四九・三と出ているのかどうか、ちょっとそこがつじつま合わないんですけれども。
#171
○政府参考人(岩崎貞二君) 失礼いたしました。
 そのとき、中核都市についてはざっくりやりましたけれども、いわゆる政令指定都市、当時の政令指定都市については都市ごとにデータを取りましたので、静岡も当時のデータとして四九・七%という数字があったということでございます。
#172
○藤本祐司君 今回の法律の改正によってこういう指定地域を拡大していくという方針が出ているわけなんですけれども、であるならば、これは毎年毎年、大体定期的にその流し比率というのは、これ多分、さっきは若干変動があるというふうにお話がありましたけれども、その若干の変動がどうなっているのかということはやはり定期的にデータを取っていく、そういう予定なんでしょうか。
#173
○政府参考人(岩崎貞二君) 変動がございますので調査はしたいと思います。ただ、毎年毎年かと言われますと、そこまでやる必要性があるのかどうかというのは少し検討していきたいと思いますが。一定期間ごとに適切にそうした流し比率のデータがどうであったか、あるいは事故のデータ、苦情のデータ、こうしたものについて分析をしていきたいと思っておりまして、指定地域につきましても一回指定したら指定しっ放しということではなくて、見直しをする必要がないかどうかというのは検討してまいりたいと、このように思っておるところでございます。
#174
○藤本祐司君 そこの流しのことにつきましてのデータはやっぱりある程度定期的に取って、一年がいいのか二年がいいのか分かりませんけれども、それは随時ということではなくて、やっぱり定期的に取っていった方がいいのかなというふうに思いますので、是非そこは考えていただきたいと思います。
 もう一つ、この法律の改正で特定指定地域というのを設けたということと指定地域を拡大したということがあろうかと思いますが、今回の改正で東京と大阪は特定指定地域として、先ほど来午前中からいろいろ出てきているタクシー事業の課題、問題点というものが解決するんでしょうか。
 そもそも交通事故とか地理不案内というのは、指摘はもう圧倒的に東京とか、グラフを見せていただくと圧倒的に東京とか大阪が多いわけであって、今回の改正によって東京と大阪で事故が減少して地理不案内者が減少することにつながるかというと、そういう改正ではないかのように思えるんですが、その課題、問題点を解決することに、良くなることにつながるかどうか、それについてお答えいただきたいと思います。
#175
○政府参考人(岩崎貞二君) 少し古い話になりますけれども、東京、大阪でタクシーセンターをつくって、地理の試験をやったり、あるいはいろんな苦情に対して処理をするというようなシステムをつくったのは昭和四十年代だったと記憶をしております。そのころ非常に神風タクシーというような言葉がございまして、乗車拒否でありますとか、非常に乱暴な運転というのが横行していった時代でございます。それから比べますと、この東京、大阪のタクシーの、今回提案させていただいていますタクシー業務適正化法の前身の法律でこの制度でき上がったわけでございますけれども、そういう意味で随分東京のタクシーの質が上がってきたと、このように思っているところでございます。
 地理の試験も東京、大阪はやっておりまして、東京ですと今合格率は大体四割弱ぐらいの厳しい試験をやっている我々はつもりでございますけれども、今先生御指摘のとおり、やっぱり地理の不案内が多い、主な場所を言っても全然知らないというようなことはあちこちで聞いております。私ども何とかしたいとは思っておりまして、例えば地理の試験の在り方なんかにつきましてもいろいろ工夫はしておるところでございますが、更に一工夫できないかどうかよく考えてまいりたいと、このように思っているところでございます。
#176
○藤本祐司君 ちょっと今のあれでもうちょっとお聞きしたいことがあるんですが、ちょっと時間もないので、どうしても確認したい点が二点あるので、そちらに行ってしまいますが。
 登録要件の見直しで、今後、いわゆる利用者利便に関する講習の修了を追加するということで、タクシー協会へ委託してその講習をやるわけなんですが、講習はこれ受ければ済むということになるのか、やはり講習後何らかの試験をやるのか、そこのところを明確にお答えいただきたいと思うんですが。
 これは、衆議院の方でのこれいろいろ答弁が、質問があって、ちょっとこれ読んでいても私も余り明確に分からなくて、講習の最後に効果測定を行うという話、テストをやるというけれども試験ではないと言っているんですが、効果測定とテストと試験のどれがどのような区別なのかがちょっと分からない。テストはやるけど、テストといいましょうか、それは試験ではありませんと言っていて、ちょっとそこまた分からないので、分かりやすく御説明いただきたいと思います。
#177
○政府参考人(岩崎貞二君) 講習を受けっ放しということではなくて、講習修了後の効果測定をやっていきたいと思っておりますし、それをテストという形を取るのも一つの方法だと、このように答弁させていただいたところでございます。
 語感の問題かもしれませんけれども、試験というのは私どもやっぱり相当厳しい水準で、どちらかというと落とすためというか、いわゆる入試みたいな割合厳しいものだと、このように思っております。東京、大阪ではやっぱり地理について相当苦情がございますので、やはり厳しいものをやっていかなければいけないと、このように思っておるところでございます。その他の地域につきましては、地理の苦情も多いわけではございますが、相対的に東京、大阪と比べますとそこまでではないと、こういうことでございますので、講習の修了、効果測定というような言葉を使わさせていただいたということでございます。
#178
○藤本祐司君 落とすためのものが試験で、合格させるためのものがテストなんですか、ちょっとその辺のところ、全く分からないです。じゃ具体的に、講習の最後の効果測定というのはどうやってやるんですか。
#179
○政府参考人(岩崎貞二君) 我々もテストと言っておるんですけれども、やはり単に受けてもらって、講習を受けてもらっただけでは困りますので、やっぱり幾つかの問題を出してその解答状況をチェックするということだろうと思っておりますけれども、そうしたもののやり方を含めまして効果のあるものにしていきたいと、このように思っておるところでございます。
#180
○藤本祐司君 じゃ、幾つか問題を出して、クイズみたいなものを出して答えてもらってもし全部間違えたらどうなるんですか、その場合は。
#181
○政府参考人(岩崎貞二君) 再講習なりを受けていただくということになろうかと思います。
#182
○藤本祐司君 それを試験と言わないで何を試験と言うのかよく分かりませんが、きっと試験というのは落とすためのことが試験なんだろうなという、今の御答弁からなるわけですが、これやっぱり講習を受けて、落とすわけではなくて、ちゃんとそれを理解をしていただくというための何らかのチェックをするということなんだろうと思いますけれども、それで駄目だったらもう一回再講習を受けて、再講習を受けてもう一回チェックをするということで、そういう何度も繰り返しながらきちっとその質を確保するという、そういうことでまあちょっと無理やり解釈をしておりますけれども、それでよろしいわけですね。
#183
○政府参考人(岩崎貞二君) そういう形で運用していきたいと思っております。
#184
○藤本祐司君 本当はちょっとここでもっと突っ込みたいなと思いますが、ちょっと時間もありませんので、あと一つだけお聞きしたいと思いますが、指定地域というのを定めるということは、その指定地域の運転手にとっては、あるいは利用者にとってはよろしいんですが、そこで講習を受けたくないとか、あるいは講習で今言ったように再講習、再講習でもうこれ以上やってられないよといって講習を受けなくなってしまった方々が隣の町に行くということは十分考えられると思うんですね。その政令市の隣の地区へ行って今度そこでやれば、ある意味質の悪いと言っていいのか悪いのか分かりませんが、そういう人たちがほかのところへ逃げていって、ほかのところが悪くなる可能性というのがあるんじゃないかと思うんですが、その辺りについての防御策とか予防策とか、その辺りは御検討なさっているんでしょうか。
#185
○政府参考人(岩崎貞二君) 指定地域でございますけれども、例えば今大阪市を指定地域にしておりますけれども、大阪市だけではなくて周辺の市町村も含めて一定のエリアではやっております。今回の指定に当たりましても、例えば千葉市も政令指定都市でございますし、流し比率が高うございますので指定をするつもりでございますが、東京と千葉の間の京葉間の船橋とかいろんな諸都市もございますので、ある程度そうした近接のエリアも含んだ形でやっていきたいと思っております。
 ただ、どうしてもある種のエリアを設定をいたしますので、そのエリアから外れたところについては、午前中、白地地域ということがございましたけれども、そのことについては否定をいたしません。そういうところでは、先生御指摘のような質の悪い運転手さんがそちらの方に流れていくという可能性はあるんだろうと思っております。私どもそちらに対しては事業者に対して、やはり安全とかこういうものについて、繰り返しになりますけれども、監査、指導等を強化していくということだろうと思っておりまして、そうしたものについても今後充実を図っていきたいと思っているところでございます。
#186
○藤本祐司君 時間が来ましたのでこれで終わりにしますけれども、そういうことで静岡、浜松が指定されませんので、静岡、浜松へ流れてこないことを祈っておるわけなんですが。
 先ほど午前中には櫻井先生がおっしゃったように、規制緩和ということに関しては、やっぱり規制緩和は、していい分野としない方がいい分野、してはいけない分野とすべき分野というのがやっぱりきちっとあるんだろうというふうに思いまして、このタクシー事業なんかに関して言えば、市場メカニズムは働かないわけですよ、完全には。みんながタクシーを予約して運転手を指定するあるいは事業者を指定するだけではなくて、流しであるとか駅待ちであっても順番で乗っていくわけですから、自分が五台目の乗りたいなと思ってもなかなかそういうことはできないということで、完全にこの市場原理に乗ってこないような分野であるわけですね。
 そうなってくると、やっぱりその規制緩和ということが悪い方向に悪い方向に行く部分というのがこの分野についてはやっぱりあるんじゃないかなというふうに私は思っておりますので、規制緩和すべてそれがバラ色だというような考え方はやっぱり間違っているんだろうというふうに思いまして、それを最後に付け加えまして、私の質問を終わりにします。
 ありがとうございました。
#187
○谷合正明君 公明党の谷合です。
 タクシー業務適正化特別措置法の改正する法律案について質問をさせていただきますが、質問の順番をちょっと若干変更いたしまして、初めに東京地区におきます運賃改定の状況について確認をさせていただきますが、午前中の質疑より今の検討状況というのが分かったわけでありますが、東京地区の申請というのは、長野、大分に次いで三番目に来ていると。その後、今五十一地区から申請来ているんでしょうかね。
 となりますと、東京地区がどうなるかということがはっきり決まらないと、東京地区の後に申請した地区の値上げ申請の処理、これに影響があるのではないかというふうに考えるわけでありますが、この辺りどういうふうに今後されていくお考えなのか、まず最初にお尋ねいたします。
#188
○政府参考人(岩崎貞二君) 先ほども答弁させていただきましたとおり、東京のタクシーの運賃改定については、物価安定政策会議を二回やっていただいたところでございます。さらに、東京の運賃改定につきましては、物価問題に関する関係閣僚会議の了承がございますので、政府部内で調整を進めていくものと、このように思っているところでございます。
 今、先生御指摘のとおり、五十一地区から今タクシーの運賃改定の申請が出ておりまして、長野、大分の三地区については既に認可をしたところでございますけれども、その四番目が東京でございまして、その後にずっと控えていると、こういう状況でございます。原則としては、一般的には申請の出てきた順に処理するというのが通常適切な方法だろうと思っておりますので、東京と運賃改定についての調整を進めていって対応してまいりたいと、このように思っておるところでございます。
#189
○谷合正明君 原則申請順ということでありますが、その東京地区の運賃改定がまだこれいろいろプロセスがおありでしょうから、この影響もあるのではないかと思いますので、しっかりとした対応をしていただきたいと思っております。
 次に、タクシーの規制緩和によるプラスとマイナス面、これについてどう評価しているのか。これも午前中以来の質疑で出ております光と影の部分、その影の部分については、例えば事故数が増加していることが挙げられると、あるいは一人当たりの、乗務員当たりの運賃、これも下がってきているというようなこともあります。
 今回、その運転者登録制度を強化するということで質の強化を目指しているわけでありますが、またこの対象地域を拡大することによりまして、規制緩和の今申し上げました負の側面、マイナス面にどの程度効果があると見込んでいるのか。これで事故はなくなるのかと聞いても、まあ事故は全部なくなるというわけじゃ、単純な話ではないかもしれませんが、どの程度その効果をあると見込んでいらっしゃるのでしょうか。
#190
○政府参考人(岩崎貞二君) 事故をなくしていく、それから事故の多いような事業者、運転手の方には市場から退出していただくと、こういうことが必要だろうと思っております。特に、公正な競争をやってくださいということでございますので、そうした問題のある事業者は退出していただく、運転手も退出していただくということが必要だろうと思っております。
 このため、今回の法律は運転者の方に規制を掛けますけれども、運転者の方に規制を掛けるとともに、ここ近年力を入れておりますけれども、事業者の方の監査、処分でありますとか指導でありますとか、こうしたことも充実していきたいと、このように思っております。
 定量的にどうかということについての答えは持ち合わせておりませんけれども、こうした今回の法律の措置、それから他のいろいろな手段等を通じまして、タクシーというものの規制緩和のマイナスの部分を少しでもなくしていきたいと思っておるところでございます。
#191
○谷合正明君 それで、次にタクシー運転者の登録制度を導入する指定地域でございますが、先ほど来政令指定都市の話題になりまして、新潟、静岡、浜松は対象と現時点のところでは考えてはいないというような話でございますが、これ政令指定都市の中だけで決める話なのか。流しの営業の割合が高い地域、例えば中核都市、これ平均で流しの割合というのは三四%みたいですけれども、地域によっては高い地域もあるでしょうと。政令指定都市の平均は六〇%だから、政令指定都市の中にも高い地域もあれば五〇%を下回る地域もあると。
 そう考えていきますと、政令指定都市以外の地域の広がりというのも考えてしかるべきだと思うんですが、この辺り、どのように今考えていらっしゃるんでしょうか。
#192
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘のとおり、法律上の文言では政令指定都市というのは一言も出てきませんで、流し営業が主な地域であること、それから安全とか利用者利便で問題のある地域というのが法律で書いておるところでございます。したがいまして、政令指定都市であるかないかにかかわらず、制度的には指定が可能でございます。
 ただ、私ども、御説明の際にも政令指定都市が中心ですよと、こう申し上げているのは、現実に流しの比率が高く、安全や利用者利便で問題のある地域というのが主要政令指定都市と一致するものですから、分かりやすく説明をさせていただいているところでございます。
 先ほど答弁させていただきましたとおり、政令指定都市以外でも、東京と千葉の間の地域なんかも指定することを考えておりますし、先生御指摘のとおり、中核都市なんかでこの要件に該当するもの、我々の今の調査、認識では該当しないと思っておりますが、今後そういうことになりましたら、繰り返しになりますけど、法律ではそういう政令指定都市でなきゃいけないという要件は書いているわけではございませんので、そういうことが当てはまるところがありましたら、それは提起をしていきたいと思っておるところでございます。
#193
○谷合正明君 分かりました。
 続きまして、登録要件となります最初の講習ですね、この講習の対象者というのは、新規のこれから参入してくる運転者を対象と聞いているわけでありますが、現在実際に運転しているドライバー、こうした方々が、すべてのドライバー、全国で四十万人近くいらっしゃるんでしょうかね、そういった方々はどういうふうにしていく考えなのか、この点についても確認させていただきます。
#194
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘のとおり、新規の運転者を対象として考えております。既存の運転手の方については弾力的な取扱いが必要だろうと、このように思っているところでございます。
 また、今後これから制度設計してまいりますけれども、長年その地域で問題もなくタクシー乗務を、運転をしておられる方について、登録はしてもらいますけれども、新たな講習を課するというのは制度としても行き過ぎだろうと思っております。ただ、まだタクシー乗務の経験も浅い、あるいはトラブル等も起こしておられることもあるといった方には、やはり一定の講習は受けてもらうことは必要だろうと思っております。
 そうした考え方の下に具体的な取扱いを設計していきたいと、このように思っているところでございます。
#195
○谷合正明君 そうしますと、その運転歴の浅い、これがどのぐらいの期間なのかというのもまたあれでしょうけれども、事故の多いドライバーについては別途今後対応していくということですね。それはつまり講習命令だとかの措置とはまた別に新たな仕組みを考えていくということでよろしいでしょうか。
#196
○政府参考人(岩崎貞二君) 御指摘のとおり、登録は既存の運転手の方も受けてもらいます。そのときに、まるっきり新規の方については法令、地理試験等々、いろんな分野にわたりましてきっちりした講習を受けていただくと、こういうことを考えておりますが、繰り返しになりますけれども、新規の方じゃない、そこで既存のタクシーで経験のある方については、その運転経歴等に応じて講習の長さ、内容等については弾力的に考えていきたいということでございます。
#197
○谷合正明君 それで、いったん登録された後、登録の取消し要件の見直しが今回の法改正であります。また、登録運転者の講習受講命令制度の創設もあるということでございまして、この登録の取消しであるとか、講習受講命令の対象となる運転手というのはどういうケースを想定されていらっしゃるんでしょうか。
#198
○政府参考人(岩崎貞二君) 現在のタクシー業務適正化特別措置法というのは、これは利用者利便を中心に、利用者利便を阻害するような行為をやった場合に取消しをするということになっておりまして、具体的には乗車拒否でありますとか運賃の不正収受、あるいは悪質な客引き行為、こうしたものについては登録の取消しを行うという制度になっております。
 今回は講習命令という制度をつくりました。それから、安全の観点も加えたわけでございます。このため、今までの要件に加えまして、講習命令を出したのに講習を受けなかった人、あるいは死者、重傷者を生じた重大事故を引き起こした場合等も想定をしております。ただ、この事故を引き起こしてから直ちにというわけではございませんで、やはりその運転手の関与度を見て、運転者に責任のある事故を、タクシードライバーに責任のある死者、重傷者を生じた事故なんかを出した場合について登録の取消しを行うことを考えております。さらに、輸送の安全の確保の観点から、例えば著しいスピード違反をやる、常習的にやっている、あるいは最近話題になっておりますけれども、酒気帯び運転等を繰り返している、こうした運転手についても取消しの対象とすることを考えております。
 こうしたかなりレベルの悪いものにつきましては登録の取消しをいたしますけれども、そこまで至らない行為であっても、輸送の安全、利用者の利便を確保する観点から講習を受講させるということを、受講命令を発するというのを考えております。登録の取消しほどの死亡事故、重大事故ではないけれども、やはりタクシーの運転者に問題のある事故を引き起こした場合、あるいは利用者に対する接客で苦情が多い場合等については、こうした講習の受講を命ずるということを考えておるところでございます。
#199
○谷合正明君 登録の取消しに至らないような事故の場合は講習受講命令に行くわけでありますが、私は個人的に先日タクシーとぶつかる事故がありまして、交差点での追突というか、当てられた事故だったんですけれども、結局被害側の乗っている本人がけがをしなかったものですから、その扱いは物損事故になるわけですね。タクシー運転手は信号無視で入ってきた。信号無視というのはいわゆる点数は二点なんですね、減点は。物損事故ということで、結局その人は次の日からハンドル握って営業されているんですよ、私、確認しましたけれども。そういう人身事故ではないんだけれども、かなり事故というのは、物損事故なんかも含めると多いんじゃないかなと思うんです。
 そういうものを講習受講命令に行くような、これから具体的に措置を検討されていくんでしょうけれども、私はそういうことをしっかりやっていただきたいなと思っているわけでございます。一方で、タクシードライバーにしてみれば、一発退場なんというのもなかなか大変な措置かもしれませんけれども、この法の改正の趣旨は、いわゆる質の向上、事故をなくす、いかになくしていくかということが第一の主眼であろうと思いますので、私は、その講習受講命令が、受講内容そのものもありますけれども、そこにどういう人が入っていくのか、これもしっかりケーススタディーしていただきたいと思っております。
 さらに、事故を防ぐ観点から事業者が自主的に取り組むものというのがありますね。例えば運行記録計、タコグラフというふうに呼んでいますけれども、この運行記録計による記録を義務付ける地域というものが決まっておりまして、これは最高乗務距離が制限されている地域でございまして、この最高乗務距離が決まっている地域というのは、実はかなり前に、昭和三十年代のころに何か決められていったような話を聞いているんです。
 ただ、この地域をもっと拡充していくべきだという声もありまして、実際、そのような措置を講じたと聞いているんですけれども、具体的に、この運行記録計による記録を義務付ける地域、どのように今拡充されているんでしょうか。
#200
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘のとおり、従来は最高乗務距離が定められている地域を対象に運行記録計による記録を義務付けておりました。具体的に申しますと、関東でまいりますと、二十三区、それから武蔵野・三鷹、京浜地区、それから大阪でまいりますと、大阪市周辺の地域、それから福岡の周辺の地域と、この地域を指定したところでございます。
 ただ、運行記録計は最高乗務距離のチェックにも役立ちますけれども、運行管理一般にもこれは役立ちますので、安全を重視する観点から、昨年の七月に取りまとめられた交通政策審議会の小委員会でも、これを拡充していくべきではないかということで御指摘をいただいているところでございます。
 関係省令を改正した上で、昨年十二月に、流し営業の割合が高く、人口おおむね十万以上の都市を含む地域であって日車走行キロが相対的に長い、運行記録計によってより確実、合理的な運行管理が期待できるという地域につきまして、具体的に言いますと、千葉でありますとか名古屋でありますとか札幌でありますとかでございますが、運行記録計の義務付けを開始するということで制度を設計しているところでございます。
#201
○谷合正明君 分かりました。
 もう一つ、タコグラフのほかに、今ドライブレコーダーというのがございまして、これは飛行機にあるフライトレコーダーの自動車版でございまして、実際に衝突事故を起こした場合なんかは、その前後の十八秒を映像で残すことができるようなものでございます。
 私も、先ほどの体験談じゃないですけれども、信号のある交差点でタクシーが信号を無視してぶつかってきました。それは、保険会社に言ったときには、まあ通常八、二の割合で保険が決まっていくと言われたんですけれども、タクシーでしたので、そこにはドライブレコーダーがございましたので解析したわけです。そうすると、もうしっかりタクシーが信号を無視して突入したということが分かったと。もしこのドライブレコーダーがなければこれはどうなっていたのかなと思って、私はそのときにぞっとしたわけであります。
 ドライブレコーダーはまだ義務付けではない。しかしながら、実際ドライブレコーダーが装置されている車を運転すると、緊張、緊張というか、背筋伸ばして運転する、結果的に安全向上にも役に立つし、また事故を起こした場合、それを映像を解析して、ほかのドライバーにも安全教育という面でしっかり活用できるということをそのタクシー事業者の方からも私聞きました。
 しかしながら、今その助成制度ですね、タコグラフのデジタル版、デジタルタコグラフに係る助成制度というのはあるんですけれども、こういったドライブレコーダーの導入に係る助成制度というのがないわけでありまして、私はこれ、公共交通を業とする方々、業者は、こういったドライブレコーダーなんて当然設置してしかるべきだなと思うわけでありますが、ただ、事業者にも本当に少数でやっている事業者もあれば、もう何百、何千人と抱えた事業者もあればいろいろ様々でございまして、そういったことを考えますと、ドライブレコーダーの導入に係る助成制度というのを考えてもしかるべきではないかなと思うんですが、この辺り、どうでしょうか。
#202
○政府参考人(岩崎貞二君) ドライブレコーダー、私も大変いいものだろうと、こう思っております。事故を起こしたときのちゃんと証拠写真が残りますので、だれが有責だったかというような判断に役立つほか、先生御指摘のとおり、うまく活用するとやっぱり運転手の緊張感につながる、あるいは運転者の教育に役立てられるといったことで非常に効果があるんだろうと思っております。
 現在、二十二万台、法人のタクシーがございますけれども、約五万台の法人のタクシーにドライブレコーダーが搭載されていると、こういう状況でございまして、大ざっぱに言いますと四台に一台は付けておりますので、かなり普及が進んできたかなと、こう思っております。
 ドライブレコーダーの助成でございますけれども、簡易なものですと一台三万円から七万円で付けられるということ、それから相当普及が進んでいること、それから一部のタクシーの共済組合でございますけれども、これに対して助成や無償貸与を行っているということでございますので、私どもの方として直ちに助成制度を設けなきゃいかぬかどうかということについては若干疑問を持っておりますが。
 ただ、私ども、このドライブレコーダーを単に積んでおくだけではなくて、それを、ドライブレコーダーをちゃんと、せっかく映像を撮ってあるわけですから、何も事故が起こったときだけではなくて、急加速をしたときあるいは急ブレーキを踏んだときといったときの映像もあるわけですから、そうしたものを安全教育に是非役立てていただきたいと、このように思っておるところでございます。そういう普及の方策、それから教育への生かし方、こうしたもので側面的に助成をしていくということで考えていきたいと思っておるところでございます。
#203
○谷合正明君 いずれにしましても、しっかりとした性能のあるドライブレコーダーの普及を望みたいと思います。
 次に、乗合タクシーの質問をさせていただきたいと思います。
 地方、特に地方へ行きますと、バス路線が廃止ということが実際に起きております。岡山県の県北のある地域の方が先日も乗合タクシーのことを勉強しにこちらの方に来たわけでありますが、特に、市町村合併等で市の面積が広くなって、その市では基本的に中心市街地を巡回するようなバスはやっているんだけれども、それ以上のところになると余りにもちょっと効率が悪いので、実際今バスも、遠いところだと週に一回その中心市街地に行くというバスが辛うじてある、週に一回というのは余りにもちょっと、それは余り生活交通になっていないんじゃないかと。今考えているのはその乗合タクシーを考えていると。
 しかし、地方のバス路線の維持対策として路線維持費、車両購入についてはたしか七十一億円の補助金というのがあるんですけれども、バス路線が廃止された地域、例えば乗合タクシーの導入をしたいという地域があると思います。実際にあるわけでありまして、先日やりました地域公共交通の活性化の中でも、協議会というものを市町村でつくって、その中で実際、じゃ乗合タクシーを地域の生活交通の足と位置付けたとしても、実際今の状況だと事業者がさすがに参入するにはなかなか難しいという声もありました。
 そこで、こうした地方のバス路線が廃止された地域でも乗合タクシーの導入を促進するような助成措置というのは講じることはできないのだろうかと、その点についてお伺いいたします。
#204
○政府参考人(岩崎貞二君) 御指摘のとおり、地方のバスの確保は重要な課題と認識しておりますが、国と地方公共団体の役割分担として、広域的な幹線的な路線、これについては国と都道府県でやっていきましょうと。さらに、こうした広域的、幹線的ではない更にローカルな足につきましては地方公共団体でやってくださいという大きな役割分担をしております。このため、乗合タクシーというところについて、私ども、今適切な財政措置を持っているわけではございません。
 ただ、この前御審議いただきました地域交通の活性化の法律の中でも、市町村の方がこうしたものについて積極的にやっていきたいというようなことも幾つか出ておりますので、そうしたものは我々も積極的に育てていきたいと思っておるところでございます。
 これから、来年度の予算要求を考える時期でございますので、今御指摘のございました路線バスが廃止になった後の交通について、先進的なあるいはモデル的ないい取組を一生懸命やっておられることについては何か支援できることはないのかなということで勉強をしているところでございます。
#205
○谷合正明君 是非前向きに取り組んでいただきたいと思っております。
 さらに、福祉タクシーの普及促進について質問をさせていただきます。
 福祉タクシーの導入や運転手のいわゆる乗降する介助の知識ですね、この習得について支援措置を講じていくことというのがまた重要だと考えるんですけれども、この点についてはどうでしょうか。
 また、地域指定ですね、今回のその地域指定の運転者登録の要件となる講習においては、こうした福祉対応についての内容も是非追加していただきたいということを併せて要望させていただきます。
 このタクシーの将来像としては総合生活移動産業という言葉が出ておりまして、やはりその地域の公共交通の位置付けが重要になってくるわけでありますが、そうなってきますと、やはりこの福祉タクシーの重要性というのが更に増してくるわけでありますが、この福祉タクシーの普及促進についてどのようにお考えでしょうか。
#206
○政府参考人(岩崎貞二君) 我々も福祉タクシーが更に進んでいくといいなと、このように思っております。
 タクシーの許認可に当たりましても、福祉輸送の事業限定については許認可の弾力的な運用を行って、最低車両台数を緩和するとか、税制上の優遇措置を講じております。
 それから、十八年度には福祉輸送促進モデル事業というのを創設をいたしました。福祉輸送に対して先進的に取り組む、実施する地域をモデル地域として認定いたしまして、そこでの福祉輸送をやられるのが必ずしも一つの会社だけではございませんし、NPOなんかがやられる場合もございますので、そうした共同配車センターを設立していく、あるいは福祉車両の導入について支援していくということで制度をつくったところでございます。十九年度は、大阪府、大阪市、堺市辺りでこの事業をやるということで予定をしております。
 それから、福祉輸送を行う運転手の乗降介助知識のやっぱり教育が必要でございますので、そのカリキュラムの策定に要する経費について予算措置をさせていただいておるところでございます。
 さらに、先生御指摘になりました今回の法律の指定地域での講習の中にも、こうした障害者あるいは要介護者の方の接客についての講習も加えていきたいと、このように思っているところでございます。
#207
○谷合正明君 分かりました。
 では、最後に大臣にお伺いいたします。
 タクシー業界の構造的問題について、これも物価安定政策会議の中でも度々指摘されているところでございます。いろいろ議論のある中で、結果、運転手の賃金に跳ね返るだけであるとか、そういう指摘もあって、タクシー業界の構造そのものについての指摘をする意見が相次ぎました。
 大臣に、このタクシー業界の構造的な問題についてどのように見解を持たれているか、またこの将来像について最後併せてお伺いしまして、質問を終わりにします。
#208
○国務大臣(冬柴鐵三君) 先ほどもお答えしているところでございますけれども、自由主義経済の下で、タクシー営業者と運転者との雇用契約の内容というものは、本来、労使間で決められるべきものでありまして、国がそこに介入するということについては相当抑制されると思います。
 そして、このタクシー営業というのは、もう御案内のとおりですが、特に流し営業の場合、出庫してから帰るまでの十数時間は、事業者の事業主体が運転者についてその働き方とかそういうものについて指揮監督をするという機会がないわけですね。そういう特性がありますから、極端なことを言えば、途中でサボっているという人も、そうじゃなしに走っている人も皆同じように賃金はもらうというようなことがなかなかできにくいというところから、慣行的でしょうけれども、ほとんどの事業者が歩合制というものを、私の知る限り、この数十年間、戦後取っていますね。したがいまして、そのような労使慣行が確立されている中でそれをするわけにはいかない点があります。
 しかしながら、今の現状は、一般労働者よりも相当長時間働いていらっしゃるにかかわらず、その所得というのは年収は相当低いわけですね。そういう事実があります。
 したがいまして、我々としても、できるだけの手段を通じて指導と申しますか、そういうことで、このような労使間の問題ではありますけれども、それが直接に乗客の安全とかあるいは乗客の利便というものに跳ね返ってくるわけですね。相当過労に陥っている、そういう運転手さんの運転する車に乗った乗客というものは大変不安でしょう。事故も多くなっている。
 したがいまして、今回、流し営業が中心になっているようなところについて、あるいはそれを指定地域にしまして、そこの運転手さんの資質の向上というものを考えようというところから今回の法律を提案をさせていただいているわけですけれども、私どもとしましても、運賃を上げてくれという申請も相次いでいるわけでございまして、その申請書には、すべてと言ってもいいんですけれども、働いている運転手の労働条件を改善したいということが書かれているわけですね。
 したがいまして、そういうものを通じて、我々は、できるだけの手段を用いて運転手の待遇といいますか労働条件が良好なものになるように努力をしていかなければならないと、このように思っております。
#209
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
 本改正案は、運転者登録制度の実施の地域の拡大と、運転者登録要件の追加を図るものとなっております。
 そこで、私は、まず運転者の登録制度についてお伺いをします。
 そもそも、この法案のベースになっております交通政策審議会タクシーサービス将来ビジョン小委員会、ここが報告書を出されました。この報告書の中に、「今般、輸送の安全の確保と運転者の質の確保・向上を図る観点から、この仕組みを改善・強化した上で活用し、運転者登録制度について全国的に導入を図ることとする。」とございます。
 全国的に導入を図るというこの立場といいますのは、国交省も今も変わらない立場でしょうか、これが一点です。もし変わらないとするのでありましたら、いつごろまでにどういう計画で行おうとされているのか、教えていただけますか。
#210
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘の小委員会の報告では、「運転者登録制度について全国的に導入を図ることとする。当面、少なくとも政令指定都市について導入することを基本として、対象地域の拡大を図ることとする。」と、このような形で御提言をいただいているところでございます。このため、今回、主な政令指定都市等を対象としてこの登録制度を提案させていただいたところでございます。
 対象地域の更なる拡大につきましては、今般の改正による制度の運用実績を踏まえまして、将来的に検討すべき事柄だと考えております。
#211
○小林美恵子君 ということは、立場としては全国的に導入を図ろうという立場であるということは変わりはないですね、この確認です。
#212
○政府参考人(岩崎貞二君) こうした輸送の安全の確保、運転者の質の確保、向上を図る観点から必要とある地域につきましてはやっていきたいと思っておりますけれども、一方で、これは新しい規制制度の導入でございますので、その規制をやることの効果、メリット、デメリット踏まえながら対応していきたいと思っております。
 したがいまして、今般の改正による運用実績を踏まえながら、将来的にこの拡大については検討していく課題だろうと、このように考えております。
#213
○小林美恵子君 何となく、その話でいきますと、全国的導入を図るとせっかく報告書は書いているのに、少し、少しちょっと後ろに下がっているというふうに私は感じますけれども、それは決して良くないなというふうに思っています。
 それで、先ほどからの御答弁にございますように、当面、少なくとも政令指定都市について導入することを基本として、対象地域の拡大を図るということで、そういう報告があって、それで今回、改正案では、東京、大阪を特別の指定地域として、それ以外のところを一般の指定地域といいますか、そういうふうに設定をされています。
 局長は、さっき、午前中の議論の中でも主要な政令指定都市というふうに述べておられました。そして、先ほどの議論の中では、例えば安全面でありますとか流しの問題でありますとか利用者利便の確保でありますとか、こういうことが当てはまるのであれば中核都市もというお話でございました。
 改めて私は確認をさせていただきたいと思うんですけど、今回国交省が考えておられます指定地域といいますのは、いわゆる従来の政令市、これはもう確実に入ると。それと同時に、静岡市、浜松市、新潟市は検討中、中核都市は要件満たされれば入ってくる、こういうふうに理解していいんでしょうか。
#214
○政府参考人(岩崎貞二君) 指定につきましては、先ほど来答弁させていただきますとおり、政令指定都市であるとか中核都市であるとかというのは別に法律上の要件ではございませんので、流しの比率が高い、あるいは利用者の利便あるいは安全の観点から業務の適正化を図る必要がある地域というのを政令で定めたいと思っております。
 したがいまして、これからの指定都市、地域については検討課題ではございますが、いわゆる旧政令指定都市については、今のところ、我々の検討状況でございますが、対象にしていくのが適切かなと、このように思っておるところでございます。
 最近政令指定都市になりました静岡、浜松、新潟でございますけれども、現在までの私どもの分析では、ここについてこうした規制を掛けるのは必ずしも適切ではないと、このように思っておるところでございます。
 それから、その他の中核都市でございますけれども、現在候補として考えている都市はございませんが、将来この法律にあります要件に該当するような事態になりましたら、これはもちろんその法律の中で政令指定都市だからどうだといったことを書いているわけでございませんので、適用対象とすることは検討はいたしたいと思いますが、今現在、中核都市等でそのようなことは必要であるということを考えている都市はございません。
 ただ、繰り返しになりますけれども、単なる政令指定都市だけではなくて、京葉間の地域でありますとか、阪神間の尼崎でありますとか、あの辺りの地域でありますとか、政令指定都市に隣接する地域、こうしたものについては一体としてみなされるような地域がございますので、こうしたものは政令指定都市以外であっても今回の指定の対象になると、このように考えているところでございます。
#215
○小林美恵子君 流しの多い少ないのというふうにあるんですけれども、その指定地域にする流しの比率というのは一定数値的に考えておられるんですか、それが一点です。同時に、どうしてその流しの多い少ないがこの指定地域の要件に入ってくるのかどうか、この点はどうなんですか。
#216
○政府参考人(岩崎貞二君) 一つは、流し地域の場合は、タクシーの運転者に対する事業者監視監督の目が行き届きにくいと、こういうことがございます。特に、やっぱり流し地域になりますと、利用者の方の評価がどうしてもいいサービスのタクシーを利用する、悪いサービスのタクシーを利用しないという選択がなかなかうまくいきませんので、流し地域においては特に規制というのを考えていかなきゃいけないと、このように思っておるところでございます。
 流しがほとんどない地方部の地域でございますと、ちゃんとしたサービスをやっている、安全もきっちりやっているという事業者の方にやはりお客さんは頼まれるということがございます。非常に評判の悪い、事故の多いようなタクシー会社には頼まないという選択が利きますけれども、流しの多い場合はそういう選択が利きにくいという構造がございますので、流し比率にも着目しているわけでございます。
 それから、どれぐらいの数字かということでございますが、法律の方でもタクシーによる運送の引受けが専ら営業所以外の場所で行われておりということでございますので、やはりかなりの部分が流しの比率が高い地域を考えております。少なくとも五〇%以上だと思っておりますが、五〇%という数字だけではなくて、この地域の安全の問題、利用者の利便の問題含めて総合的に判断をしていきたいと、このように思っております。
#217
○小林美恵子君 私、今御説明いただいたんですけれどもね、例えば、その流しが多くても少なくても、タクシーの運転手さんといいますのは、当然お客さんを乗せて走行される公共交通の運転手さんでございます。ですから、当然安全は最優先されなくてはなりません。どういう地方であったとしても、利用者の利便性というのは、私はやっぱりどういう地方であったとしても確保されなくてはならないというふうに思います。
 そういうことを考えますと、流しの多い少ないの基準でこういう指定地域を設けていくというのは、なかなか私には理解ができないことだということを申し上げたいと思うんですけれども、この点は大臣はどうなんでしょう。
#218
○国務大臣(冬柴鐵三君) この法案、法文、タクシーの業務適正化特別措置法第二条第五項の中で「この法律で「指定地域」とは、」と書いてあります。タクシーによる運送の引受けが専ら営業所以外の場所において行われており、かつ、道路運送法二十七条一項の規定に違反する適切な勤務時間とか乗務時間によらない勤務、あるいは十三条、乗車拒否ですが、そういうことを確保することが困難となるおそれがある行為の状況に照らして、そこを指定地域にすると、こういう規定の流れになっているわけです。
 したがって、この法案としましては、流し営業という業務、それが専らと書かれてありますが、まあそれは一〇〇%そうだとは言わないにしろ、もう法文の解釈からいえば相当な部分が、業務の相当部分が流し営業であるというような人に対しては、その人が乗車拒否する、近いところだから嫌だとか、そんな遠いところはおれは行かないとかいう、乗車拒否をしてはならないという十三条を営業者がチェックすることができないんですね、流しですから、運転者の判断でありますから。
 それから、休憩の場所をつくらなきゃいけないとかどうとかいうことも、ほとんど始業時に出ていって納車の時間、十数時間は外でずっと働いて帰ってくるまで営業所には帰ってこないという、そういう人たちに対しては、休憩の場所を提供するとかどうとかこうとかいう、ここに規定されているようなことが事実上強制することが無理だと思いますね。
 そういう前提に立って、そういう地域については指定区域として運転者自身、営業者じゃなしに運転者自身に対しても規制を掛けるというのがこの法律の趣旨だと私は理解しています。
#219
○小林美恵子君 私はこの法案の趣旨を聞いているのではございませんでして、いわゆる指定地域にするというのでありましたら、基準というのはやはりタクシーの輸送の安全が第一で、そして、どこにいようとも利用者の利便性が確保されるということが最大の基準にしないといけないんじゃないかということを申し上げたことでございます。
 次に、地理試験についてお聞きをします。
 地理試験についても、小委員会報告にはこう述べておりました。タクシー運転者は人命を預かるプロのドライバーであり、安全、安心な輸送サービスの提供が最大の使命であることから、中を飛ばしまして、安全運行のために必要不可欠な基本的な地理の試験については十分体得することがむしろ求められるため、地理試験の合格を運転者登録の要件とすることが必要であると書いてあります。
 改正案では、いわゆる特別指定地域は今文字どおり地理試験をやっておりますけれども、一般指定地域での登録には講習はありますけれども、地理試験は明記をされていません。こういう、報告と法案が異なったのは一体なぜなんでしょうか。
#220
○政府参考人(岩崎貞二君) 御指摘のとおり、小委員会の報告では地理試験という言葉を使っておりますが、今回の提案させていただいております法案では、東京、大阪では地理試験、それからその他の地域につきましては講習を修了していると、このように表現をさせていただいております。
 先ほど申し上げましたけれども、現に地理に対する苦情、今回指定する地域は地方都市に比べると相当多いわけでございますけれども、東京、大阪と比べますとそこまで及ばないという状況でございます。そうした地理に関する苦情の実情、それから現に地理も、今回政令指定都市でも札幌とか名古屋とかそういうところで実施しておりますが、比較的地理が分かりやすいところもございます。そうした地域地域に応じた適切な制度を設計していく必要があるということでございますので、今回の法律では地理試験ではなくて講習の修了という言葉を使わさせていただいております。これまでの答弁でも述べさせていただいていますとおり、その際に当たりましては、単に講習を受ける、受ければいいというだけではなくて、テスト形式も含め効果測定をやっていきたいと思っておりまして、知識の確認はきっちり適切にやっていきたいと、このように思っておるところでございます。
#221
○小林美恵子君 先ほど、講習の修了のいわゆる効果測定に対してはテスト形式も含めてきちっと修了したということが分かるようにしたいというお話がありました。それは先ほどの議論からもありました。そういうことはきちっと省令で書き込まれていくということなんでしょうか。
#222
○政府参考人(岩崎貞二君) まだ省令の具体的な内容まで検討しておりませんが、今答弁させていただきました趣旨については、それはきっちりできるような制度設計にしていきたいと思っております。
#223
○小林美恵子君 はい、分かりました。
 私は、その地理試験にもあえてかかわるんですけれども、先日、大阪のタクシーセンターに伺いました。それでいろいろお話をお聞きしてまいりましたけれども、地理試験の取組についてもお聞きをしてきましたけれども、試験は全部で四十問で、合格は三十二問、正解は八十点ということでございました。中身は文章問題とか地図とか道路問題となっておるわけでございますけれども、こういうテキストを作っておられまして、研修も行っておられました。これ結構私も大変勉強になるなというテキストでございました。試験は毎日行っているという話です。二〇〇六年度では、受験者が二千三百九十二人で、うち合格者が千六百一人で、合格率が大阪の場合は六六・七%なんですけれども、それは一つ紹介をしておきまして。
 そうした事業は、先ほどのいわゆる登録の事業等も併せまして、いわゆるセンターの会計といいますのは区分、独立採算を取っているというふうにお話をされていました。適正化事業では国からの補助が年間千六百万円あるそうでございますけれども、ほとんどは、センターの収入といいますのは、いわゆる地理試験のときの受験料、お一人二千八百円、登録とか運転者証交付の費用というのは三千四百円、これは事業者に掛かる負担だと思いますけれども、こういう徴収と、あとセンターを維持するために、法人タクシーは事業者から一台三万円徴収をしているそうでございました。例えば、三十台の車を持っているとしますと九十万円になりますね。センターのお伺いした担当者は、結局はどこが負担するかが課題になっていますというふうにいみじくもおっしゃっておられました。
 そこで、私はお聞きしたいんですけれども、例えば、今回の法案で地理試験の導入が指定地域すべてになっていない問題でありますとか、登録地域が全政令市になかなかなっていないという問題は、こういう負担を伴うという事業者からの意見があるということなんでしょうか。
#224
○政府参考人(岩崎貞二君) 今の東京と大阪のセンターでは事業者から負担金をいただいております。ただ、東京と大阪のセンターでございますけれども、ここでは、先生も御案内のとおり、夜の繁華街等に出ていって、あるいは新大阪なり大阪の駅前に出ていって、指導員がタクシーの業務をちゃんとやられているかどうか、そうしたこともやっておりまして、その部分の人件費等が相当掛かっておりまして、そうした意味で事業者からの負担金もいただいているというふうな現状でございます。
 今回、こうした新しい拡大する地域においては、講習の修了でありますとかいろんなことを考えておりますけれども、今先生が御指摘になった、別に負担があるからということを考えているわけではございませんで、やはり安全とか利用者利便等を考えて、適切なところで、適切な地域でこの事業をやっていただこうと、事業が必要ではないかと、このように考えておりまして、特段、負担の問題について考慮した上でこうした制度を提案させていただいたというわけではございません。
#225
○小林美恵子君 ということは、国交省の姿勢いかんだということでございますね。
 では私、次に、タクシーの運賃値上げ問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 自交総連の皆さんの調査によりますと、一九九一年をピークにいたしまして、以降十三年間でいきますと、百十二万七千三百円、二九・五%ものタクシーの運転者の皆さんの収入、これが低下となっています。二〇〇二年の規制緩和は、既に賃金が低下していた現状に拍車を掛けたものだと言わざるを得ないと私は思います。
 二〇〇五年度の自交総連の調査でも、県庁所在地におけるタクシー運転者の年収が生活保護基準を下回るのが三十五道府県ございました。もうこれは、先ほどからもありますけれども、運転者の賃金が余りにも低いというのはもう周知のことだというふうに思います。
 そうした下で、今タクシーの運賃の改定の申請が出ておりますけれども、先ほどの答弁からでも、今、全国九十地区のうち五十一地区から改定申請があって、大分、長野県では認可をされたと。長野県は上げ幅は申請の半分程度になっておりますけど。この運賃改定について、東京のいわゆる運賃改定については、特別ないろんな対策会議を経なくてはならないということで、物価安定政策会議で様々な意見が出ていますよね。値上げ反対の意見も出ています。
 改めてそこで、国交省としてはこの運賃改定についてどういう立場で臨んでいるのか、この点をお聞きします。
#226
○政府参考人(岩崎貞二君) 物価安定政策会議で、先ほども御紹介さしていただきましたけれども、いろんな意見が出ております。物価安定政策会議の議論でもなるほどと思われる意見もございます。タクシーのやはりもう少しいい事業者、いいタクシーが評価されるようなシステムをもっとつくるべきではないかとか、もう少しマーケットメカニズムを働かすべきではないかといった意見もございますので、そうした意見も十分尊重しながらやっていきたいと思っております。
 ただ、タクシーの運賃改定につきましては、これまで大臣も答弁さしていただいておりますとおり、やはり労働条件が一定でないと安全面、サービス面について課題が出てくるんだろうと、このように思っております。一定水準を確保することが必要だろうと思っておりますので、私どもも、この物価安定政策会議で出た意見も踏まえながら、政府部内で調整を行って適切に対処していきたいと思っておるところでございます。
#227
○小林美恵子君 労働面、安全面はきっちりと保障する形で行っていくということですよね。その立場はしっかりと堅持をしていっていただきたいというふうに思うんです。
 私、そういう問題を考えますときに、歩合給の問題と車両規制の問題がやっぱりどうしても外されない問題だというふうに思います。タクシー業界では、需要がないのに増車を繰り返す、また、これはタクシーの産業構造を無視した規制緩和政策にあったと言わなければならないと私は本当に思います。タクシー労働者の賃金は歩合給ですので、売上げが下がると賃金も自動的に下がると、よって、増車すればするほど会社としては総売上げを確保することができて、需要がないのに増車が続くというのは規制緩和の当然の結果だと言えると思うんですね。やはり、重要なのは車両規制と歩合給問題。
 この歩合給について、先ほどからも大臣、様々御答弁をいただいているんですけれども、昨年の五月十日の決算委員会でも、当時の北側大臣も、歩合制のありようについてこれで本当にいいのかと、厚生労働省とも連携を取り対応したいというふうにございました。大臣も、労働者にしわ寄せをされるということは客観的に事実だから、そこらを厚生労働省と考えて、単に労働時間とあるいは最低賃金が守られておればそこからは一歩も出れないということじゃなしに、何かそこに考えるところはないのかというお話もされておられます。
 私は、もういよいよこの歩合制については本格的に検討していかなくちゃならないと。本当にタクシーの運転手さんの生活を守っていくためには、大臣としての大きな知恵が必要だというふうに思いますが、その点どうですか。
#228
○国務大臣(冬柴鐵三君) もうすべて私の気持ちを今おっしゃっていただきました。本当に思い悩んでいるところでございまして、どういうふうにしたらいいのか。これ、やはりそこへ踏み込まないと現実にはこれは本格的には解決できないと思いますけれども、自由主義経済ということを大きな前提にしますと、そこには非常に大きな限界があるなという、その中で、そこで止まってしまってはいけないので、何ができるのか、これは考えていかなきゃならない、そういう思いでございます。
#229
○小林美恵子君 私が申し上げたそのとおりでございますということでございましたので、この歩合制については本当に検討していっていただきたいというふうに私は思うんです。
 もう時間も参っておりますけれども、私は最後に、昨日、朝日新聞にタクシーの運転手の方の投書が載っておりました。それを読み上げて大臣に質問をして終わりたいと思いますけれども、北九州のタクシーの運転手さんでございましたけれども、こういうふうに述べておられました。
 「私が勤めている会社のノルマは月三十九万円である。ノルマを達成するには、所定勤務で一日約三万円以上の稼ぎが必要になる。しかし北九州交通圏での平均収入は一日二万円前後で、月二十五万円ほどだ。この収入では四〇%のオール歩合制になるので、給与は十万円にしかならない。そのため超過勤務が必然化する。 この業界が歩合制を前提とし、国がそれを認めているのならば、労働者が所定勤務時間でノルマが達成できるだけの需給バランスの確保が必要だと思う。利用者の安全と利便を保障するためにこそ、業界と労働者の生活が成り立つ最低限の規制が必要だと私は思う。」と、こういう投書でございました。
 本当に胸にしみ入るような投書でございましたけれども、こうしたいわゆる車両の規制、緊急調整ですね、今日も大いに議論になりましたけれども、大臣も弾力的運用について検討してまいりたいという御答弁を衆議院でもされておられます。
 いよいよこれも、抜かずの宝刀状態を解消するという点で、実車キロに関する発動要件を緩和する、こういう報道もございましたけれども、こうしたことも検討の視野に入れていただいて、緊急調整は検討した結果、過去の沖縄止まりだけではなくて、更に指定要件の緊急措置がされた地域が増えるというような検討にしていただきたいと思いますけど、この重要性について最後に大臣にお聞きして、質問を終わります。
#230
○国務大臣(冬柴鐵三君) そのようにしたいと思います。
 それで、私は、本当に要件読めば読むほどもうがんじがらめになっていますね。しかし、それは規制改革という大きな流れの中で新たに作ったわけで、その中に内在する、行き過ぎた場合にはこういうブレーキ掛けますよという、そういう十四年二月の法の仕組みなんですね。
 したがって、非常に抑制的になってしまっているわけですけれども、ここまで大きく、労働時間は長いのにその所得は著しく低いという客観的事実があちこちで現れ、今の投書のようなことが行われているということになりますと、やはり大きな流れではあるけれども、そこに内在するブレーキというものも掛けやすいように考え直さなければならないと私は思っております。
#231
○小林美恵子君 ありがとうございました。終わります。
#232
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
 今まで同僚議員のお話を聞き、今の冬柴大臣の決意を聞いて思ったんですが、やはりこの規制緩和、行き過ぎましたね。ですから、大臣はもういろいろ迷わない、決断すべし。そして、なぜそういうことを言うかというと、やっぱり行き過ぎた規制緩和をやった結果が今の状況になっているわけですから、そこはすぱっと決断をして改める、このことがやっぱり大臣、一番大切なことじゃないか。それには、もう新免、増車はやらない、減車をやる、これだけでいいですよ。ここを決断したら、大体この問題、全体片付くんじゃないかと私は思っております。
 そこで質問ですが、二〇〇二年二月一日以降、規制緩和を実施して、その目的に沿ったことになったのかどうかというところを一つ質問をしておきたいと思います。したがって、この規制緩和についての認識、評価についてお伺いをいたします。
#233
○政府参考人(岩崎貞二君) これまでも大臣も答弁させていただいておりますけれども、規制緩和の一つの目的は、サービスを良くしていこうというのが一つの目的でございました。運賃の多様化、福祉タクシー、観光タクシー、あるいは利用者からの評価からも、タクシーの接客態度が良くなった、こうした前向きの評価もいただいております。そういう意味で、サービス面等々については一定の成果が現れたと我々は認識しております。
   〔委員長退席、理事山下八洲夫君着席〕
 ただ、これも繰り返しでございますけれども、影の部分、事故、苦情が増えているといった面もございますので、そうしたものの是正は図っていきたいと、このように考えております。
#234
○渕上貞雄君 タクシーの長時間労働、賃金問題については先ほどの答弁でも明らかになりましたが、タクシー労働者の非常に厳しい労働環境にあることについての認識が一つ。もう一つは、やはりタクシー運転手さんの賃金体系全体にかかわってどのような認識をされているのか、お伺いいたします。
#235
○政府参考人(岩崎貞二君) タクシーの運転手さんが大変労働時間が長く賃金が低いということで、問題だろうと認識をしております。特に、それが安全面でありますとかサービス面に悪影響を及ぼさないかということで心配をしております。
 どれだけ給料を払い、どういう形で運転手の給与制度を構築するかというのは、先ほど大臣答弁させていただきましたとおり、労使の問題ではあろうかと思いますけれども、私ども、今回の運賃改定等について適切に対応するほか、厚生労働省とも連携を取りまして、最低賃金法違反でありますとか、あるいは労働時間がルール違反になっていないかどうかということについてはちゃんとチェックしてまいりたいと思っております。
#236
○渕上貞雄君 今回の法改正の目的は、現在東京、大阪で実施をされているタクシー運転者の登録制度をそのほかの地域にも広げようということだと認識をしております。
 改正では、流し中心や改善基準告示違反が多い地域などを指定地域の要件として挙げられていますけれども、具体的にはどの地域を対象にしておられるのか、お伺いいたします。
#237
○政府参考人(岩崎貞二君) 主要な政令指定都市は対象になろうかと、このように思っております。北は札幌から、いわゆる旧の政令指定都市でございますけれども、こうしたものは対象になるのかなと思っておりますし、また、その周辺地域も含んでやっていきたいと思っております。
 新しく政令指定都市になられた新潟あるいは静岡、浜松等については現在のところ対象としては、ならないのかなと、このように思っておるところでございます。
#238
○渕上貞雄君 政令都市なら政令都市として一律にやはりきちっと決めるべきじゃないですか。今言われたような地域、例えば新潟なんか大変な問題なんですよ、タクシー。
   〔理事山下八洲夫君退席、委員長着席〕
 ですから、なぜさじ加減で、政令都市と決めておりながら差別して選ばなかったんですか。
#239
○政府参考人(岩崎貞二君) 繰り返しになりますけれども、旧政令指定都市だから、新しい政令指定都市だからということで考えているわけではございません。流しの比率の問題、それから利用者からの苦情、あるいは事故の状況、こうしたものの数字をそれぞれの地域ごとに見まして指定をしていきたいと思っております。
 そうしたチェックをした上で、現在までの検討でございますけれども、先ほども答弁させていただいたところが対象になるのではないかというふうに現在のところ考えておるということでございます。
#240
○渕上貞雄君 これまで東京、大阪ではタクシーセンターを指定をして運転者登録業務を行わせてきましたが、今度は指定機関制が登録機関制に移行しますが、新たに登録実施機関は個人でも可能であり、一地域一つということではないようですが、私は、やはり登録制度機関を実効あるものにして質の高い運転者を確保するためには個人による登録実施機関は認めるべきではないと考えるんですが、これまでどおりやはり一地域に一つでよいのではないかと考えるんですが、その点いかがでしょうか。
#241
○政府参考人(岩崎貞二君) 今の東京と大阪のタクシーセンターは私どもが指定をするという形でやっておりましたので一地域一機関でございました。
 今回の登録実施機関でございますけれども、これは申請によってやっていただくと、こういうことになっております。他の立法例を見ましても、一般的なこういう登録の機関制度を申請によってお任せするという場合には、必ずしも一地域一に限定するということにはなっておりませんので、制度上は、個人でもあるいは一地域複数の機関というのもあり得るという制度設計にしております。
 ただ、やみくもに機関を認めるというわけではなくて、この登録実施機関につきましては、ちゃんとした登録ができるかどうか、法律の方でも、必要な設備を有する、的確に登録事務が行われる、そのための専任の管理者が置かれているといった要件を課しておりますので、ただやりたいと言ってできるというものではないものですから、その内容を見て、きっちりしたことができる機関にお任せしていくということで考えております。
#242
○渕上貞雄君 登録実施機関は主にタクシー協会が行うことになるだろうと思われますが、業者団体、実質は経営者団体に任せることになることは、運転手さんの質を確保できる、運転者の質が確保できるかどうかという疑問があります。
 規制緩和をして五年余りになるわけですが、この間、法人タクシーの経営者は、利用者が減っているにもかかわらず、先ほどから議論がありましたように、車両台数を増やすことには躍起になっておりまして、五年間で約二万台が増えております。増車するためには、運転者の質を問わず雇い入れる傾向が非常に強まっていると聞いております。
 したがって、登録運転者の質の確保、運営の公平公正の確保について国土交通省はどのような手だてをしようとしているのか、お伺いをいたします。
#243
○政府参考人(岩崎貞二君) 運転者の質を確保していくというのは非常に先生御指摘のように重要だろうと思っております。今回のこの法律もそのためにお役に立てればと、このように思っておるところでございます。
 また、こうした措置と併せまして、繰り返しになりますけれども、いいタクシー、いい運転手と悪いタクシー、悪い運転手がなかなか、特に流しの場合、市場で選別されないと、こういうことがございます。そうしたことについて、御案内のとおり、例えば個人タクシーですとAランク、スリースターのマークを付けたり、東京でも法人タクシー、この会社はAだとかツーAだとかという評価をやって、少しでも評価してもらえるように努力はしておるところでございますけれども、まだまだそうしたことも足らないなと思っております。既成制度と併せまして、こうしたいいタクシー、いい運転手の方が選ばれるような市場構造をできるだけつくっていくためにも頑張っていきたいと、このように思っておるところでございます。
 それから、登録実施機関の公平性、運営する上でもこれは重要な課題だと思っておりまして、法律でも登録諮問委員会を設けるということで、これはタクシーの事業者の方の推薦をする人だけではなくて、タクシーの運転者が組織する団体が推薦する方、学識経験者から構成するように法律でも決めさせていただいておるところでございます。
#244
○渕上貞雄君 登録実施機関においても登録諮問委員会が設置をされますが、委員会はどのような権限と業務を行うのでしょうか。単に運営チェックだけでは不十分ではないかと思われます。運転者の登録の取消しはタクシーで働く労働者の権利を奪うものでもあり、登録取消しの決定に至る経過で運転者の代表が何らかの形で関与できるようなことが必要ではないかと思うんですが、例えば労働組合の代表を入れるとか、そういうことが必要ではないかと思うんですが、東京では入っておりますけれども、その点いかがでございましょうか。
#245
○政府参考人(岩崎貞二君) 登録諮問委員会でございますが、登録の事務の、どういう形で運営していくかということについての基本的な事項に関する調査審議を行ってもらうとともに、登録の際拒否する事案が出てまいります、そうした拒否について適切だったかどうかということについて調査審議をやってもらおうと思っておるところでございます。
 それから、登録の取消しの方は、これ登録の拒否は、最初登録の申請があったときの拒否は新しいこの登録実施機関にお任せをいたしますけれども、登録の取消し、これについては国の方で直接行います。いったん登録を認めた運転手の方に対して、実質もう運転手をやっちゃいけないという非常に強い行政処分でございますので、これは国の方の処分としてきっちりやっていきたいと思っております。その際には、行政の手続法に基づきまして、聴聞等の機会も設けながら公正公平にやっていきたいと思っております。
#246
○渕上貞雄君 大阪のタクシーセンターでは、昨年の十月からタクシー乗務員等の違法行為に対する措置要綱が定められて点数制が導入をされました。累計二十点になれば登録取消しを含む行政処分が運転者に科せられることになっているようですが、やはり一方的に違反点数が決められ、それによって登録取消しとなることに運転手さんは不安と不満が大変多く募っているわけでございまして、やはり登録制の拡大に当たっては、法九条の取消しの要件として大阪のような方法を取ることにはやはり強い私は疑問を持っておるわけですが、好き好んで運転者も事故を起こしたりいろいろなことをするわけじゃございませんので、深刻なやはり供給過剰状態と安売り競争、労働者の働く労働環境が一つはやはり無理に無理を重ねて事故を起こしている等々のことがあるのではないかと思うんで、罰則だけを強化をして生活権を剥奪するようなことにならないように、やはり制度の具体化に当たっては、ここでもやはり関係の労働団体との協議をして十分なコンセンサスを得るということは大変大事なことだと思うんですが、その点の認識はいかがでございましょうか。
#247
○政府参考人(岩崎貞二君) 残念ながら質の悪い運転手さんもおられることは事実でございますので、そうした方について登録の取消処分をきっちりやっていくということが重要だろうと思っております。
 私どもの方も、直接いろいろ事故の状況あるいは苦情の状況、運輸局の方にも参りますけれども、東京、大阪ではタクシーセンターがございますので、そうしたものへのいろんな情報も重要な情報提供源であろうと思っております。
 大阪のタクシーセンターでは点数制度を設けられて、一定点数になったら運輸局の方に通報していただくというシステムをつくりました。これは、あくまで情報の端緒という意味で我々取り扱わさせていただいております。そうしたことがありましたら私どもの方でも調べて、先ほど申しましたとおり、先生も御指摘のとおり、これは言わば生活権を奪うことでありますから、公平公正にやらなきゃいけないという使命もございますので、国が直接、これは地方運輸局でございますけれど、行政手続法の手続もちゃんと経て、公正公平に不満のないような制度でやっていきたいと思っております。
#248
○渕上貞雄君 関係する労働組合とは十分協議していただけることになりますかね。その点、いかがでございましょうか。
#249
○政府参考人(岩崎貞二君) 個々の処分につきましては、これは私どもの方の国が責任を持ってやることでございますので、個々の処分のありようについて労働組合の方とお話しすることは想定をしておりませんけれども、こうした制度の運用の在り方なんかにつきまして、日ごろから経営者団体の方、労働組合の方、我々も意見を交換をさせていただいておりますので、そうしたものについては耳を傾けていきたいと思っております。
#250
○渕上貞雄君 では、十分労働組合の方も配慮いただけますようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 運転者登録制は、輸送の安全確保、サービスの向上のために運転者の質の確保が最も肝心なことだと思います。それにはやはり、問題を起こした運転者を排除することも必要ですが、事故が起こってから対処するのではなくて、やはり登録時に、つまり入口のところでしっかりした講習や教育を施して、優れた運転者をやはり確保することが最も重要なことではないかと思います。
 そのためには、講習の質、それから水準を高くして、その効果を確かめることができることが私は不可欠だと思います。したがって、法律で言う講習の修了とは、講習の受講者に試験的なものを実施をして、一定水準に達したかを確認することが必要ではないかというふうに思うんですが、その点いかがでしょうか。
#251
○政府参考人(岩崎貞二君) これも先生の御指摘のとおり、事故が起こってからでは遅いわけですから、未然の防止を踏む上でも、こうした講習、登録制度というのは適正に運用していきたいと、このように思っております。
 そのために、講習も受けっ放しということではなくて、講習の修了に当たっては効果測定をきっちりやっていきたいと思っております。やり方につきましては、テスト等の方法も含めまして工夫をしていきたいと思っております。
#252
○渕上貞雄君 登録に際して、講習に関し自社研修も可能とするようでございますが、質を問わず運転者を集めて増車に走っている事業者が大変多い中で、自社研修制も可能とすることは制度の空洞化につながるのではないかというふうに思われます。これはやはり認めるべきではないのではないかと思うんですが、仮に認めるのであれば、自動車免許取得時のように、自動車教習所修了後に公安委員会の試験を受けるように、自社研修修了時に講習試験を受けるようなシステムというものを考えるべきだと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#253
○政府参考人(岩崎貞二君) 御指摘のとおり、自社講習についても排除するつもりはございませんので、非常に質の高い講習をやり、それをきっちり効果測定もやられればそれは認めていきたいと思っております。具体的には、その要件等々につきましては省令等の中で適切に定めていきたいと、このように思っております。
#254
○渕上貞雄君 できるだけ、自社でやると甘くなりますし、ですからそういうことのないように、くれぐれも注意をして監視おさおさ怠りなく、よろしく、国土交通省、お願い申し上げておきます。
 二〇〇二年の規制緩和以降、タクシー運転者の賃金、それから労働条件は極端に悪化をしております。これは今までの同僚議員の質問でも明らかになっておるところでございます。運転者がもう仕事で疲れ果てて事故を起こすようなことも非常に多くなっておりますし、輸送の安全のためにもやはり運転者の待遇改善は私は急務であると思うのであります。
 タクシーでやはり家族が養える賃金、これを保障するというのはタクシー業として当然のことだと思うんですが、それがやられていないところが今社会問題に私はなっていると思うんですね。ですから、やはり家族が養えるような賃金というものをやはり業として成り立つようにしていくべきではないかと思います。
 したがって、そういう環境をつくっていくためには、やはり優秀な運転者を確保するようにしなければならないと思います。それにはやはり私はタクシーが多過ぎる、台数が。したがって、タクシーを減らす努力、それからダンピング、それから長距離割引運賃、これは乗車拒否のもとになりますよ。長く働いて向こうに行って帰ってくるだけ余計空車時間が多くなるわけですから行きたくないですよ、実質に働いている人は。
 ですから、やっぱり制度でそういう乗車拒否が起こるようなことをさせてはならないと私は思います。その点は運賃の面からも十分ひとつ、ダンピング運賃については廃止するようなことを考えてもらいたいと思いますし、やはりタクシー改善、実行していくことが切実に今求められていることだと思います。
 そこで、二〇〇〇年の附帯決議にもありましたように、緊急調整措置をやはり機動的にかつ適切に運用することが必要ではないかと。そのためにも発動の基準の見直しも私は必要ではないかというふうに思います。そして、今回のやはり法改正の目的でもある運転手さんの登録制を少しでも実効あるものにしていくためにしなければならないし、具体化をしていくことが最も緊急、肝要なことではないかというふうに思っておりますし、タクシー業界全体の問題等含めて、最後に大臣、何とか今のタクシー業界の置かれている状況、そこに働いている労働者の生活状況、何とかここを改善するためにひとつ大臣の所見、決意というものをお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
#255
○国務大臣(冬柴鐵三君) 今、二つの問題、供給が過剰になっているという問題、それからもう一つは労働慣行、長く慣行になっておりますけれども、歩合給というもの、こういうものについて踏み込んだ考え方を取るべきときではないかという趣旨の御質問でございます。
 二つとも大変難しい、自由主義経済ということを取っている以上、大変難しい問題ではありますけれども、しかし行き過ぎたものは改めなければなりません。そういう意味で、努力できる範囲は努力をさせていただかなければならない。
 平成十四年二月にこの規制緩和をしたときに、その中に行き過ぎた場合のブレーキというものがちゃんと仕組まれているわけでございます。したがって、このブレーキというものがなかなか利きにくい仕組みになっております。それは規制を改革しようというところが強かったがゆえに、そのブレーキをできるだけ掛からないような形になっておりますが、しかし、このやってみて五年、大変いろいろなところでひずみが出ているということが明らかになる以上、ここはやはり真剣に見直して、そして早急にそのようなブレーキが利くような形を取らなければならないのではないかというふうに思っております。前向きにそれは検討しなきゃならないということ、今日の質問に立たれた方にはすべて私はそのような考え方を申し上げたつもりでございます。
 もう一つの労働問題につきましては、これはもう一つ難しい問題のように思われます。しかしながら、ただ単に最低賃金とかあるいは最低の労働時間とか、そういうようなことだけではなしに、やはり指導であるかどうかは別としまして、厚生労働省と相連携をしながら、生活保護費よりも低い、一生懸命十数時間働いてそれで家族を養う人がそれだけしか手取りがないという、これは本当非常に異常な状態だと思いますので知恵を絞らなければならないと思いますが、今具体的にこういたしますということは申し上げられないのは甚だつらいんですけれども、関係の省庁相携えてこれに対処していかなければならないという思いで一杯でございます。
#256
○渕上貞雄君 終わります。
    ─────────────
#257
○委員長(大江康弘君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、魚住裕一郎君、北澤俊美君及び前田武志君が委員を辞任され、その補欠として白浜一良君、広田一君及び高嶋良充君が選任されました。
    ─────────────
#258
○委員長(大江康弘君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 タクシー業務適正化特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#259
○委員長(大江康弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、藤本君から発言を求められておりますので、これを許します。藤本祐司君。
#260
○藤本祐司君 私は、ただいま可決されましたタクシー業務適正化特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    タクシー業務適正化特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、近年におけるタクシーの事業者数や車両台数の増加に伴う競争の激化により、運転者の労働条件や事業者の経営状況が悪化している状況を踏まえ、事業をめぐる需給状況を勘案した上で、タクシー業務の適正化に向けて、現行法上の緊急調整地域制度を活用しつつ、必要に応じ総量規制についても検討すること。
 二、指定地域の要件については利用者及び事業者に分かりやすい基準を設定するとともに、重要な指標となる流し比率等に関して定期調査を実施し、その結果等を踏まえて適時指定地域の見直しを行うこと。
   また、指定地域において登録を拒否され又は取り消されるなどした運転者による指定地域外での不適切な業務が横行するような場合には、是正措置について検討すること。
 三、指定地域における登録要件である講習について、その実効性を確保するため、適正な実施と厳正な効果測定が行われるようにすること。また、登録後についても、タクシー事業を取り巻く状況の変化に応じて、適時適切な講習が行われるようにすること。
 四、タクシー事故や利用者からの苦情等が多発している状況を改善し、タクシー事業が安全・安心な輸送サービス機関として利用者の信頼を得られるよう、自動車運送事業に対する指導・監督の強化に必要な自動車運送事業監査担当要員の員数を確保すること。
 五、タクシー運賃については、事業の健全な経営及び運転者の待遇改善が輸送の安全と利用者利便の向上に資することから、社会経済情勢を反映した適正な人件費、実態価格に基づく燃料油脂費、車歴に応じた車両修繕費等を踏まえた査定を行うとともに、申請に対して適時適切に改定が行われるようにすること。
 六、少子高齢社会の進展に向けて、タクシー事業が「総合生活移動産業」に移行するために必要な環境整備について、具体的内容、実施時期等を早期に明らかにすること。
   また、今後、需要が増大すると見込まれる福祉輸送サービス及び乗合タクシー等について、高齢者、障害者等の移動制約者が利用しやすいものとなるよう、財政面も含め必要な支援を行うこと。
 七、近年における地方分権の推進、都市間格差の拡大にかんがみ、タクシー事業についても地域の実情に応じた対応ができるような制度の在り方について検討を進めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#261
○委員長(大江康弘君) ただいま藤本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#262
○委員長(大江康弘君) 全会一致と認めます。よって、藤本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、冬柴国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。冬柴国土交通大臣。
#263
○国務大臣(冬柴鐵三君) タクシー業務適正化特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝を申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
 大変ありがとうございました。
#264
○委員長(大江康弘君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#265
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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