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2007/03/20 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 経済産業委員会 第4号
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2007/03/20 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 経済産業委員会 第4号

#1
第166回国会 経済産業委員会 第4号
平成十九年三月二十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     田  英夫君     近藤 正道君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         伊達 忠一君
    理 事
                加納 時男君
                小林  温君
                佐藤 昭郎君
                藤末 健三君
                渡辺 秀央君
    委 員
                魚住 汎英君
                倉田 寛之君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                松山 政司君
                岩本  司君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                広野ただし君
                若林 秀樹君
                弘友 和夫君
                松 あきら君
                近藤 正道君
                鈴木 陽悦君
   国務大臣
       経済産業大臣   甘利  明君
   副大臣
       経済産業副大臣  渡辺 博道君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       松山 政司君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        世木 義之君
   政府参考人
       内閣府原子力安
       全委員会事務局
       長        片山正一郎君
       法務省入国管理
       局長       稲見 敏夫君
       外務大臣官房審
       議官       草賀 純男君
       外務大臣官房審
       議官       杉田 伸樹君
       財務大臣官房審
       議官       佐々木豊成君
       財務省国際局次
       長        玉木林太郎君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      福水 健文君
       経済産業大臣官
       房商務流通審議
       官        松井 英生君
       経済産業大臣官
       房審議官     高田 稔久君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   石田  徹君
       資源エネルギー
       庁長官      望月 晴文君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     広瀬 研吉君
       中小企業庁長官  石毛 博行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十九年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十九年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(公正取引委員会)、経済産業省
 所管及び中小企業金融公庫)
    ─────────────
#2
○委員長(伊達忠一君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、田英夫君が委員を辞任され、その補欠として近藤正道君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(伊達忠一君) 去る十五日、予算委員会から、本日一日間、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管及び中小企業金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
    ─────────────
#4
○委員長(伊達忠一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に内閣府原子力安全委員会事務局長片山正一郎君、法務省入国管理局長稲見敏夫君、外務大臣官房審議官草賀純男君、外務大臣官房審議官杉田伸樹君、財務大臣官房審議官佐々木豊成君、財務省国際局次長玉木林太郎君、経済産業大臣官房地域経済産業審議官福水健文君、経済産業大臣官房商務流通審議官松井英生君、経済産業大臣官房審議官高田稔久君、経済産業省貿易経済協力局長石田徹君、資源エネルギー庁長官望月晴文君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長広瀬研吉君及び中小企業庁長官石毛博行君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(伊達忠一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(伊達忠一君) 審査を委嘱されました予算について、まず甘利経済産業大臣から説明を求めます。甘利経済産業大臣。
#7
○国務大臣(甘利明君) 平成十九年度の経済産業省関係予算等について御説明申し上げます。
 我が国経済は、総じて見れば、堅調な景気回復を続けている一方、消費に弱さが見られます。企業部門の好調さが家計部門に波及することにより、バランスの良い景気回復が実現されることが必要です。また、我が国は、人口の減少、巨額の財政赤字、国際競争の激化など、構造的な対応が迫られる課題を数多く抱えております。
 こうした状況の中、昨年七月に取りまとめた経済成長戦略大綱の施策を一層充実強化し、その実行と新しい政策の実現に向けて全力で取り組むべく、以下の六つの柱を中心にめり張りのある予算編成を行っております。
 第一の柱は、新たな市場を開拓するイノベーションの創出であります。
 科学技術の振興によるイノベーションの創出は、豊かで強く魅力ある日本経済の実現に向け不可欠な取組であります。このため、次世代知能ロボットやがん対策等先進医療技術の開発など、成長の起爆剤となるようなテーマを中心に革新的な研究開発を重点的に推進します。また、研究開発プロジェクトの実践と併せて、国際標準化の推進や、イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン二〇〇七に基づく特許審査の迅速化、効率化、一つの発明が世界じゅうで円滑に保護される世界特許の実現といった、イノベーションを加速化させる研究開発活動の環境整備等にも積極的に取り組み、研究と市場との間に好循環を構築するイノベーション・スーパーハイウェイ構想を推進してまいります。
 第二の柱は、アジアとの共生、発展であります。
 アジア等の成長や活力を我が国経済に取り込むことは、将来の持続的な成長にとって不可欠であります。そのため、戦略的な経済連携交渉の強化、東アジアEPAの構築に向けた研究を進めるとともに、アジアの頭脳を集めた国際研究機関を創設し、その域内格差の是正に向けた協調を進め、東アジア経済統合の推進力とします。また、アジアとの協働を支える人材の育成、アジア域内の物流コストの半減を目指す国際物流競争力パートナーシップの推進など東アジア共通の産業基盤整備に取り組んでまいります。
 また、コンテンツ産業の競争力強化を図るため、映画、アニメ、ゲームなど多様なコンテンツを取り扱う国際的なフェスティバルの創設等に取り組んでまいります。
 第三の柱は、IT革新及びサービス産業の生産性向上であります。
 IT革新による我が国経済全体の生産性向上とその産業基盤の強化を図るため、IT関連の研究開発に取り組むとともに、ソフトウエアの共通化や中小企業のIT活用の促進を支援してまいります。あわせて、情報セキュリティー対策の強化に取り組み、安全、安心なIT利用環境の構築を進めてまいります。
 また、日本経済の約七割を占めながら、欧米に比べて低いサービス産業の生産性を向上させるため、産学官によるサービス産業生産性協議会の創設や民間の実践的な取組等を支援してまいります。
 第四の柱は、地域中小企業の活性化であります。
 地方の活力や中小企業の技術力は、我が国経済の基盤であり、産業競争力の源泉でもあります。地域固有の技術、農林水産品、観光資源を活用して、創意工夫あふれる商品、サービスの開発や販売等を行う中小企業の取組を支援するための中小企業地域資源活用促進法案、地域が主体的に描く戦略的なグランドデザインに基づく企業立地を促進するための地域産業活性化法案を提出し、予算、法律、税制によって、中小企業の新たなビジネスづくりや地域産業の活性化を支援してまいります。
 そのほか、高度部材・基盤産業を支える物づくり中小企業への支援、コンパクトでにぎわいあふれる町づくりのための中心市街地活性化の支援等を通じ、地域中小企業の活性化に取り組んでまいります。
 だれでも再チャレンジ可能な社会を実現することも大きな課題です。予算面からは、再生局面にある中小企業者や再起業を目指す方々への資金供給の円滑化を図るとともに、在庫等の流動資産を活用し、不動産担保や個人保証に過度に依存しない融資を推進してまいります。
 また、成長戦略の一環として、中小企業の生産性向上等を通じて、成長力底上げ戦略を推進してまいります。
 第五の柱は、人財立国の実現であります。
 成長力の強化には、それを担う産業人材の育成が不可欠であります。そのため、アジア等からの優秀な留学生の日本企業での活躍を促進するアジア人財資金構想の推進、大学等を活用した産学連携による実践的教育や地域産業の協力によるキャリア教育、理科授業づくり等に取り組みます。
 第六の柱は、資源・エネルギー政策の戦略的展開であります。
 世界的にエネルギーの需給が逼迫している中、天然資源の少ない我が国としては、エネルギー・環境問題は極めて重要な課題です。省エネルギー、新エネルギーの推進、バイオエタノールの導入促進を含む次世代自動車燃料イニシアティブの推進、安全確保を大前提とした核燃料サイクルを含む原子力発電の推進を図るとともに、石油自主開発の推進等による資源の安定供給確保や、我が国の優れたエネルギー・環境技術の活用によるアジアへのエネルギー・環境協力を進めるなど、総合的なエネルギー政策に取り組んでまいります。また、京都議定書の目標達成に向けて最大限努力し、地球規模での温暖化防止に積極的に貢献するとともに、循環型社会の構築に取り組みます。
 以上の施策を中心に、平成十九年度の経済産業政策の実施に向け、当省予算として、一般会計で総額一兆二百七十三億円を計上しております。このうち、中小企業対策費は対前年三・四%増となる千二百四十五億円、科学技術振興費は対前年一・四%増となる千四百六十一億円を計上しております。また、平成十九年度予算概算要求において新たに設けられた経済成長戦略推進要望を活用し、三百六十一億円を計上しております。
 特別会計につきましては、エネルギー対策特別会計に七千六百二十一億円、特許特別会計に千百九十億円、貿易再保険特別会計に二千百三十一億円を計上しております。
 なお、一昨年に閣議決定した行政改革の重要方針に従い、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計と電源開発促進対策特別会計を統合したエネルギー対策特別会計の創設を含む特別会計に関する法律案を提出し、あわせて、歳出全体を大幅に削減するなど特別会計改革を行っております。
 なお、経済産業省の平成十九年度予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますので、説明を省略させていただきたいと存じます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 以上です。
#8
○委員長(伊達忠一君) 次に、竹島公正取引委員会委員長から説明を求めます。竹島公正取引委員会委員長。
#9
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 平成十九年度における公正取引委員会関係予算につきまして、その概略を御説明申し上げます。
 内閣府所管一般会計歳出予算のうち、公正取引委員会の予算額は八十四億一千六百万円となっております。これは、前年度予算額に比べますと、総額で七千九百万円、〇・九%の増額となっております。うち、人件費は八千百万円の増となっております。人件費の中には、違反事件の審査部門を中心とした四十人の増員のための経費が含まれております。また、物件費は三百万円の減となっております。
 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の施行経費等として八十二億四千二百万円を計上しております。
 これは、独占禁止法違反事件に対する迅速かつ実効性のある法運用、ルールある競争社会の推進等、競争政策を積極的に推進するための経費であります。
 第二に、下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法の施行経費として八千六百万円を計上しております。
 これは、下請法の厳正な運用と啓発普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。
 第三に、不当景品類及び不当表示防止法の施行経費として八千九百万円を計上しております。
 これは、景品表示行政を積極的に推進し、公正な競争を維持促進することにより、消費者利益の確保を図るための経費であります。
 以上、平成十九年度における公正取引委員会の予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。
#10
○委員長(伊達忠一君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#11
○松村祥史君 おはようございます。自由民主党の松村祥史でございます。本日は、平成十九年度予算の経済産業への委嘱審査ということで、改めてまた質問に立たせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私も、予算委員会に今おりまして、大臣の答弁を始めいろいろと審議を聞かしていただいております。重複することもたくさんあるかもしれませんが、是非よろしくお願いしたいと思います。また、先般予算で質問に立たせていただいたときには大臣に大変御丁寧な御答弁をいただきました。大変分かりやすく、皆さん方の反応も、大変十二分に甘利大臣には御理解をいただいて、中小企業政策についても詳しい答弁をいただいたと喜んでいらっしゃいましたので、冒頭そのことに感謝を申し上げたいと思っております。
 まず、予算で総理の御発言なんかを聞いておりますと、大変力強いメッセージを感じるところであります。特に、中小企業においては、中小企業の活力がやはり日本の活力になっていく、地域の活力が日本の活力になっていくと、こういう思いをひしひしと感じているところでございますけれども、総理におかれては、やはり経済成長、それから財政再建、このことをどんどん進めていくことで税収を増やし、そのことが企業の収益を消費や家計に反映をしてと、冒頭大臣からもお話がございましたけれども、そういう意味では、これから我が国経済を成長させていく上で東アジアにおける我が国の戦略というのは大変大事になってくるかと思います。今回の予算でも、アジアとの共生、発展という意味で予算を組まれておられます。そういう意味では、今後、この東アジアにおけるEPA、FTA経済戦略をどのようにお考えなのか、まず一点お聞きしたいこと。
 それから、とりわけ中国、韓国、この両国、日中韓三国でありますね、この関係を今度どのように進めていくかと、これは非常に大事なものになっていくだろうと思っております。総理も就任以来早々に韓国、中国を訪問され、いろいろと会合を持たれたようであります。そのことを受けまして、甘利大臣におかれても、昨年の十二月でございますか、日中韓で経済貿易大臣会合を開かれまして、早期にこういう交渉に入るべきだという旨を取りまとめられたと、そのことを受けて今年の一月、安倍総理も日中韓首脳会議を開かれまして、日中韓投資協定を早期に開始するべきだというような見解を示されたというふうに理解をしております。こういったことを踏まえまして、今後、EPA戦略、どのようにお考えなのか、二点目お聞かせをいただきたいと。
 それから三点目は、我が国はやっぱり資源のない国でございます。そういう意味では、資源国たる国とどういう戦略、経済連携を取っていくのか、非常に大切なところでございます。
 この三点について、まず大臣の御決意、御所見をお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(甘利明君) 日本の国土面積は、御案内のとおり三十七万八千平方キロしかありません。その中で一億三千万人が生活、経済活動を行っているわけであります。人口が減少していく中では、消費人口も減っていく、あるいは労働力人口も減っていく、手をこまねいていればそうなってしまうし、経済規模は小さくなってしまうわけであります。物理的国境を大きくするということはこれはできませんけれども、実は経済国境を広げていくことは可能なんであります。つまり、日本の国内と同じような経済活動ができるような、そういう日本と、国内と同じような障壁がない経済活動地域を広げる、経済国境を広げるということは可能でありまして、それがEPAであり、WTOへの取組だというふうに思っております。
 EPAを推進するに当たりましては、昨年五月に策定をされたグローバル戦略というのがあります。つまり、どういう戦略に従って対象国を選定していくかという話であります。
 その第一として東アジアを挙げられているわけであります。貿易量が大きくて、とにかくお隣組であるということもありますが、日本企業の生産ネットワークが構築をされている、部品調達、製造、そして消費、輸出、そのネットワークが構築されているという理由であります。それから第二点目として大事な相手国は、資源戦略上、資源産出国が大事であると。それから三点目としては、潜在的な貿易量の拡大の余地が大きいということで人口の大きい国、こことの経済連携が大事だという、そういう戦略的な選択がなされているわけでありまして、そうした基本戦略に沿ってEPA活動が、EPAの締結に向けた交渉が進んでいるわけであります。
 もちろん、WTO交渉につきましても、極力貿易、貿易外、あるいは知財やルール等、各般の障壁を取り除くということでの交渉を進めているところであります。
 それから、日中韓の問題、今後どのように進めるかというお話、御質問がありました。
 総理は、就任してたしか二週間以内だったと思いますが、電撃訪中、電撃訪韓をされました。その後実は私は訪中をしておりますが、毎年訪中をしている状況から見ると、景色が変わったという印象を受けました。つまり、極めてネガティブな日中関係、印象から入ったのが極めてポジティブに、日本からの提案はまず取り入れて検討してみましょうという姿勢に変わった。今までは、日本からの提案はまず拒絶をして、拒絶する理由を探すというのから全く景色が変わったなという思いがいたしました。
 そういう関係で、日中間の経済貿易大臣対話というのをセットできました。これは定例でありますから、日中間の閣僚の定例対話としては初めてできたわけであります。これを御指摘のとおり経済閣僚に広げていく、つまり私とカウンターパートだけではなくて、私以外に、例えば経済閣僚ですから、外務大臣とか財務大臣が加わって、先方は、カウンターパートの大臣が加わって、それをまとめる副総理あるいは国務委員といいますか、まとめる役の人が加わる。つまり、米中経済閣僚対話のような仕組みを日中間でもつくろうということで、首脳間では基本的に前向きに取り組んでいこうということが確認をされております。
 恐らく、温家宝総理が訪日をされる際に、首脳間の首脳会議で何らかの具体的な形が出るんではないかというふうに期待をしているところであります。
#13
○松村祥史君 中国においては昨今、憲法改正も行われまして、私有財産、これを認めるような動きも出てまいりましたし、また、企業においての税制辺りも変えてきております。このことで私の友人なんかは、中国と取引をしようと、こう考えていた人たちは非常に敏感になっておりまして、果たして経済パートナーとしてどういう方向性に向かうんだろうというような危惧を抱いております。そういう意味では是非、環境整備を進めていただいて、どんどん進めていただければ大変有り難いなと、こう思っております。
 また、もう一つお尋ねをいたしますけれども、東アジアOECD構想についてでございますけれども、このことについては、東アジア・ASEAN経済研究センターの設立ということで予算を組まれておりますが、このことについて詳しくお尋ねをしたいと思います。
#14
○副大臣(渡辺博道君) いわゆるアジア版OECDの概要について、そしてまた、その間の進捗についても御説明をさせていただきたいと思います。
 東アジア・ASEAN経済研究センター、いわゆるERIAと申しますが、東アジア統合推進の中核となる新たな研究機関を目指すものであります。東アジア経済統合推進のためには、EPA、そしてまたFTAを通じた貿易そしてまた投資の自由化だけでなく、経済発展、格差の是正、そしてエネルギー、環境、物流等の幅広い域内共通の課題に取り組んでいく予定でございます。
 本年一月に開催されました東アジア・サミットにおいて安倍総理からERIA構想を提案したところ、東アジア地域のすべての首脳から歓迎をされたところであります。これを受けて現在、組織の在り方そしてまた研究のテーマについて関係各国との政府研究機関と協議を進めているところでありまして、目標としまして本年十一月には設立をしたいということでございます。
#15
○松村祥史君 是非、強力に推進をいただきたいと思います。
 しかしながら、昨日の予算委員会でもございましたけれども、これから日豪のFTA、EPAも進んでいくわけでございますけれども、昨日、我が党の常田議員も、他方で農業のことを心配をされておられました。このことはやはり国益でございますので、今の地方が衰退をしているところを考えますと、やはり一次産業の依存度の高いところ、これは非常に経済がまだまだ回復をしておりません。このバランスを見ながらやっぱり進めていくことが肝要であると思っておりますので、是非このことも、十二分に御配慮をいただいているものとは理解をしておりますけれども、御考慮をいただいて進めていただきたいなと、こう思っております。
 次に、IT・サービス産業の生産性向上についてお尋ねをしたいと思います。
 まず、今回、サービス産業の生産性の向上を図ることでいろんな支援を打たれておりますが、サービス産業の定義というのは、これは三次産業のことを指すんでしょうか。と申しますのが、サービス産業と申しますれば、GDPの七割を占めておりますし、雇用も七割ぐらいを占めております。
 このことを見たときに、アメリカと比べてみますと、製造業の生産性向上は大変日本も高いものがあるんですが、サービス産業の生産性の上昇率を見ますと、まだまだ低いものがあると、こういった理由の背景には一体その経済のどんな違いがあるのか、この点をまずお尋ねをしたいと思っております。
#16
○副大臣(渡辺博道君) 委員御指摘のとおり、我が国のGDPの約七割を占めているのがサービス産業であります。また、雇用についても七割近く雇用しているという現実であります。この定義につきましては、今第三次産業ということを対象としておりまして、大変広い概念だというふうに思います。すなわち、第一次産業、第二次産業を除いたものがすべて第三次産業というふうに理解をしているわけであります。
 具体的に申し上げますと、健康福祉サービスや育児支援サービスなどの対個人サービスというものと、それから、ビジネス支援サービスなどの対事業者向けのサービスなどのほか、卸売業、小売業、金融・保険業、通信業など、広範な業種が含まれていると思います。
 サービス産業はこのように多種多様な業種を含めているんですが、業種ごとの生産性に見ますと、とりわけ、健康福祉サービスや育児支援サービスなどの対個人サービスや対事業所サービスなどでは生産性が低い状況であります。
 また、今アメリカとの比較ということでありましたが、サービス産業の生産性の伸びをOECDのデータベースを用いて比較いたしますと、一九九五年から二〇〇三年までの我が国の生産性の伸びは年率で〇・八%であり、アメリカの年率二・三%に比べて半分以下にとどまっているという現実であります。その間、製造業を見ますと、アメリカは三・三%伸びておりますが、日本は四・一%伸びているということでありまして、サービス産業の生産性が低いということが数字の上でも裏付けられています。
#17
○松村祥史君 このサービス産業の生産性を向上させていくということは底上げ的には大変大事なことであろうと、こう認識をしております。そういう意味では、やはりサービス産業の方々のITの活用というのは極めて重要であると考えますけれども、まだまだこれは高める余地があると認識をしております。
 そういう意味では、今後、ITの活用、こういったものを含めてどういう支援策を考えていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
#18
○副大臣(渡辺博道君) サービス産業の生産性向上の基本となるものは、自由な民間の活力や知恵を十分に発揮していただくことが前提だというふうに思っております。
 経済産業省といたしましては、そのような民間の取組を支援するために、今先生御指摘のとおり、IT導入の支援というものをまず第一に考えております。さらに、サービス産業における人材育成、さらには、消費者のサービス品質に対する信頼性向上、産学連携、こういったものを含めて、今まで主に製造業において、念頭に行ってきた産業政策をサービス分野に広く展開してまいりたいというふうに思っております。
 また、産学官によるサービス産業生産性協議会、今春を目途に発足される予定でございます。協議会において行われるサービス産業の生産性向上に向けた様々な取組、例えば、ベストプラクティスの創出と普及啓発のための表彰制度の創設、産学連携の促進などの支援をしてまいる所存であります。
 あわせて、産業活力再生特別措置法を改正いたしまして新たに事業別分野の指針を策定するなど、生産性向上に向けた事業者の取組を支援してまいりたいと思っております。
 したがいまして、極めてトータルの支援を考えているわけでありますが、とりわけ、IT導入については中小企業にまだまだ行き渡ってないという現実があります。これをしっかりと支援する体制で取り組んでいきたいというふうに思っております。
#19
○松村祥史君 是非、サービス産業の生産性向上というのは底上げになると思っておりますので、強力に推進をいただきたいと思います。
 また、このサービス産業に従事する方々は中小企業が多うございますので、このことも是非御理解の上に進めていただきたいと思います。
 そこで、予算委員会でも質問させていただきましたけれども、中小企業政策についてお尋ねをしたいと思います。
 総理からは、頑張る地方の応援プログラムを始め、やはり今国会でよく言われております格差というものに対して、地域格差、このことを是正するためにいろんな施策を今回ちりばめられているなというふうに実感をしております。そんな中で経済成長戦略大綱関連の三法案も出されておられますけれども、地域産業活性化への支援についてどのようにお進めになるおつもりなのかと、これがまず一点。二点目が地域資源活用促進プログラム。地域に眠るいろんな逸品を掘り起こして、そのことをもって企業の活性化、地域の活性化をやっていただきたいというふうに考えていらっしゃると思っております。この二つについてまず御見解をお伺いしたいと思います。
#20
○大臣政務官(松山政司君) 本法案では、地域における個性豊かな産業集積の形成、これを支援するために三つの支援措置を講じております。
 第一に、企業立地に際しての人材確保やコスト低減のための事業者に対する支援であります。具体的には、人材育成のための研修費用への補助、あるいは立地企業に対する設備投資減税措置等を講じてまいります。
 二つ目に、スピーディーできめ細かい企業立地手続の実現を目指してまいります。具体的には、関係省が連携をして、企業立地に関するワンストップサービスを提供していく、手続の迅速化に努めるということでございます。また、工場立地法の緑地規制権限の委譲あるいは農地転用手続の迅速化を図っていくということでございます。
 三つ目に、関係省と連携をいたしまして、企業立地等に頑張る自治体を応援してまいります。具体的には、先ほど委員が申し上げました総務省との連携でございますけれども、頑張る地方応援プログラム三千億のうちの約三百億を活用いただけるということでございます。また、そのほか国土交通省との連携によってインフラ整備の支援を講じていくということでございます。
 このほか、雇用対策や教育機関による人材育成等、関係省が行う施策とも連携をしながら、関係六省が一体となって総合的な企業立地支援に取り組んでまいります。
 二つ目の中小企業の地域資源活用プログラムでございますけれども、中小企業が地域の強みである地域資源を生かして新たな商品、サービスに発展させる取組を総合的に支援する施策でございます。このプログラムを実現するために、本中小企業地域資源活用促進法案を今国会に提出をいたしております。地域の中小企業におきましては市場ニーズをとらえた商品づくりを効果的に行うことができる人材あるいは新商品開発に必要な資金等が不足をしておるために、ノウハウ面で支援と資金面での支援を組み合わせて、きめ細かく事業化までの支援を行うこととしております。
 具体的には、このノウハウ面の支援につきましては、全国十か所に設置する支援拠点にマーケティングの専門家等を設置をいたしまして、ビジネスプランの構築から事業化まで一貫してサポートする仕組みを導入することといたしております。また、資金面の支援につきましては、試作品開発、展示会出展に対する補助金、あるいは政府系金融機関の低利融資、設備投資促進減税など、各般の施策を総動員することを予定をいたしております。
 本プログラムを通じて地域が自律的にあるいは持続的な成長を目指すことができる環境整備をしっかりとしてまいりたいと思っております。
#21
○松村祥史君 ありがとうございました。
 私よりハスキーな声で、大変重く発言として受け止めさせていただきました。
 この関連三法を地方でお話をしますと大変喜んでいらっしゃいます。やはり、格差というのが、例えば不安という言葉で表すならば、その不安を解消できるようなツールの一つだと私は思っておりますし、何か希望を見いだせたような声を聞きます。そういう意味では大変有り難いなと、こういうふうに思っております。
 その関連を受けまして、国ではこういうことを今後やりますよというお話をしますと、今般、我が県のことで大変恐縮でございますが、県議会も三月で終了いたしまして、その県議会の中から我が党の県議会の皆様方が熊本県中小企業振興基本条例なんというのを作られました。これは、国と県というのは連携をしてやるべきものでございますし、連携をしておったというのが事実でございましょうが、やはりこれも、地方の皆様方も地方の中でそういうことを声を大きくして地方の税収を上げたり地域の活性化を図ろうというアピールであるし、その表れであると、大変いいことだなと思っております。是非、こういった条例等の整備を進めていらっしゃる県については、そこだけとは申しませんが、極力御支援をしっかりやっていただきたいなと、このように思っております。
 また、これは要望に代えておきますが、中小企業政策については、お尋ねをしようと思ったんですが、先般予算委員会でもお尋ねをいたしました事業承継問題、今朝も我が党で事業承継のいろいろと勉強会をやったわけでございますが、現場の方においでをいただいて、やはり六十過ぎの経営者の方でありましたけれども、非常に不安を抱いていると、今後どういう事業承継をしようかというふうなことを考えていらっしゃいます。どれくらいの規模で税収が掛かるのか、またその会社は一部上場でもございませんし、そのことで、個人の結局担保力が信用になって企業の利益を導けるような体制があるのに、そのことで借金をしなきゃいけないような状態である、本当に苦しいと。このことは、先般予算委員会でもしっかりと検討をしていくという御答弁をいただきましたから、併せて御推進いただきますようにお願いをしておきたいと思います。
 予定した質問をクリアすることなく時間が来てしまいましたので、あわせて、今般大変いろんな施策を出していただいて期待をしておりますし、私どももそのことで一生懸命頑張っていくべきだと、こういうふうに思っております。そのことを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#22
○渡辺秀央君 大臣、御苦労さまです。大変どうも、御就任以来、活躍そして実績を上げられておられて、喜んでいる一人であります。また、今日の経済状況、国内外とを問わず非常に難しい経済運営、あるいはまた産業政策という非常に大事な時期に入っている。特に、内閣が前向きに対応している、いわゆる弱肉強食みたいなことではなくて、少しかつての自民党のような目配りが少しずつ出てきている、そんな感じが私はいたしておりまして、この経済産業政策の今年からが言うならば今までのひずみの是正であろうという感じもいたします中で、先般、所信に対する一般質疑もありましたので、余りダブらないつもりではありますけれども、また私も、今日は本当は質疑を譲ろうと思ったんですが、大事な場面でありますので、ひとつ大臣あるいはまた経済産業省の皆さんの意見もお聞きしておきたい、こういうことで質疑に立たせていただきました。
 まず冒頭に、さっきも若干質問が触れておられましたが、私、実は先週の三月の十四日に日韓協力委員会というのを、いわゆる第四十三回目に当たりますが、四十三年前に岸信介先生、そしてその後は福田赳夫先生、そして今は中曽根康弘先生が会長を務められて、日本と韓国とのこの一衣帯水の新しい、言うなら戦後の体制のあの難しい時期に岸さんが、岸総理がスタートをせられて、そして今日的日韓の協力信頼関係のスタートを切られたこの日韓協力委員会というところで、中曽根会長の下で私は今お手伝いをさせていただいているわけであります。
 その会合が十四日に実はなされまして、日本で行われたのでありますが、毎回順番にソウルと東京等というふうにやっております。今年は東京でやりました。終わった後、また非常に成果もあり、今年から紙に書いてまとめるということよりも、中曽根会長の御意向で、一つは、本音の話合いをやれと、言うならペーパーに作り上げるということではないと、もうそんな時代でもないじゃないかということで御下命があったりして、かつもう一つは、大変私はそれには感動したのでありますが、次の時代の準備に入れと、こういう御下命で、実は日本側の方の役職、皆さん、ある意味においては一新をいたしまして、そして自民党、民主党、公明党さん、皆さんから、特に若いこれからの日本の政治を背負っていただく皆さん、大臣は今、大臣現職ですんでお声を掛けるのはためらいましたが、しかし党の幹部をやっておられる皆さんもお入りいただいたりして実はスタートを切りまして、非常に率直な話合いがなされました。
 私はずっとこの八年間議長席でやってまいりましたが、言うならば、先ほどの質問のFTAあるいはEPAの問題が、向こう側のこの業務に当たった人が基調報告をいたしたんです。そのときに、ちょうどそこには藤村さん、前の日韓経済協力委員会の委員長を長年やってこられた三菱の藤村さんも副会長ですのでおられまして、それに対してはお話はしておられましたが、要するに日本に誠意がないと、こういう趣旨でありました。それは一つには、私の今記憶で、議事録を持ってきてやっておる時間ももったいないんで省いておりますが、一つには、日本側の交渉の窓口というのが、言うなら通産省、外務省、農林省、まあ端的に言うと、そういうことで一本化されていない。これが非常に、韓国の言い分ですよ、韓国の言い分としては一つの妨げになっているんではないかと。で、こっちへ行くとこっちの問題だと。例えば経済産業分野においては、行きましょう、やりましょうと、行け行けどんどん、経済産業省。しかし、待てよ、さっきの話じゃないけど、結局、やろうじゃないかと言っていながら地元の農業、農産品を考えると慎重になると。ブレーキがそこに掛かってくる。だから、三年以上も実際にはこの問題が進んでいない。一体これなぜなのかと。
 首脳同士が話し合って、私どもはこれ、今回の共同声明にまとめましたが、まとめたというのはしっかりやるべきだということでまとめたのでありますけれども、民間のそういうのをここで申し上げても一々のことはとらえる必要はないと思いますが、日韓両国のFTA協定交渉が遅延していることに注目し、速やかな進展が成し遂げられることを期待して、東アジア共同体建設のための促進剤になるという見地で両国が先駆的役割を果たすべきであると認識をともにしたと、こういうまとめをいたしました。これは非常に大ざっぱなまとめであります。
 この日韓というのは、また私はつい悪い癖でしゃべってしまいますが、演説やるつもりはありませんけど、先ほどから大臣の話、それから質疑の若干のことを聞いておっても、いわゆるEUの関係を頭の中でどこかでとらえたり、やっていますね。しかし、これ、アジア共同体というのは、実際にはEUほど僕はスムーズだとは思わない。それは何も戦争とかそういうことじゃない、向こうは、ヨーロッパはもっとやっている、数千年の間。しかし、問題は、言うならば白色であり、あるいはキリスト教であり、あるいは言うならば国境、正に大臣が言った国境が拡大している、言わばなくなっている、国際化が進んでいる。国際は国と国の際が化けていく、なくなっていくというのが国際化ですよ。だから、そういうことでは、ヨーロッパとアジアの実態というのは、民族は北東アジアは大体一緒ですな。しかし、だけど東アジアということになると、宗教は違う、民族は違う、生活体系は全く違うんです。
 しかし、問題はそこで、まずまとめなきゃならぬのは日本と韓国であり、日本と中国なんです。これは漢字圏でもあるし、はし族でもあるし、あるいは仏教族でもあるし、あるいは同じ黄色民族でもある。だから歴史と文化と伝統は共有しているわけですね。
 だから、そういう意味では、本当は日韓という問題は、日本の政府としては何が何でも先にやらなきゃならないということではなかったのか、交渉を妥結しなきゃならぬことではなかったか。もちろん、メキシコと先やったのがいかぬ、シンガポールとやったのがいかぬというわけじゃありません。
 一体全体、この問題について、総理にも報告はいたしましたが、大臣、担当大臣として、本当にこのFTA、EPAの問題について、これはひとつの自分の在任中だけは目鼻を付けておきたいというぐらいの意欲でなかったら、また同じくこれは遅滞していくなという感じがして、これは老婆心か分かりません、しかしその感じがしてならない。これは大臣の強力な考え方が通産省全体に及んでいく、あるいはまた農林省にも影響を与えていく、こういうことになろうと思うんです。
 是非その点についての意欲のほど、もう経過は結構ですからお聞かせいただきたい。
#23
○国務大臣(甘利明君) 渡辺先生が各党を取りまとめ、日韓関係の改善、発展に御尽力をいただいている、また議員外交を展開していただいているということに関しては本当に感謝を申し上げます。
 御指摘のとおり、二〇〇四年の十一月以来中断をしております。私、APECの会合がベトナムでありましたときに、韓国の金鉉宗本部長を会議の席から外に、廊下に出てもらって、この日韓のFTA、EPA交渉が中断しているけど何とか再開できないかという話を話し掛けました。そのときに彼が、いや、問題はそっちにあるんじゃないのと私に言ってきたのであります。いや、問題がそっちにあるないよりも、とにかく事務レベルでもいいから再開すると、問題があるからやらないじゃなくて問題があるから再開するんじゃないのという話で、じゃ、事務レベルでいろいろ環境整備をすることについてはこっちも考えてもいいよというような話でありました。
 渡辺先生御指摘のとおり、経産省はもうどんどんやろうということですが、やはりいわゆるセンシティブ品目、農林水産品を中心にするここのことに関して韓国側が、日本側が考えている、まだ提示をしていない、考えているであろう水準はちょっと野心が低いんではないかということを先回りして言っているようでありました。
 歴代の首相は、そんなこと言っても交渉の後に最終的な数字が決まるんだから、出発点が悪いから協議はしないと言われたら何事も進まないじゃないかということをずっと言っているわけでありますが、向こうの大統領はかなりかたくななようであります。とにかく最終着地点を提示しているわけではないんだから、協議の土台についてのいろいろな情報が飛び交っているんだから、それは、そちらが入手しているとしたらそれが最終着地点というわけでもないんだから、交渉の議論の土台だからちゃんと議論を始めましょうということは今言い続けているところであります。
#24
○渡辺秀央君 是非努力していただきたい、またすべきだと思いますね。
 また、ある意味においてはチャンスだというふうに思うんです。アメリカと第八回の韓国との交渉が終わったというんですな。もう八回もやっておる。もう間もなく年内やっちゃうというんです。これはちょっといささかの感じがしますが、アメリカと韓国が日本飛び越えて交渉は妥結したなんといったら、一体それは安倍内閣に何の面目があるかということになっていく。是非検討をし、かつ御努力を期待をいたしていきたい。私も陰ながら期待をしながら見守ってまいりたい、こう思います。
 さて、先般の一般質疑の中で同僚藤末君から質問がありましたが、かつまた意見もありましたが、先般、私ども、私の出身地である新潟に時間の合間を縫って経済産業委員会として視察をいたしてまいりました。そのときにほとんどの理事の皆さんから、理事会メンバーから御出席をいただきましたが。
 一つは、あの中越地震後の経済状況、復興状況という大枠のことでもありました。同時に、もう一つは、前にも私が昨年の暮れに、国会会期末のところで大臣の就任の直後御質問申し上げた、いわゆる日本の産業リーダーであった繊維、その繊維関係が今非常に衰退している。これは時代の流れあるいは需要と供給の関係、自由経済ですから、これはやむを得ないこととはいっても、余りにもそのことに対する政府の措置が大ざっぱ過ぎるのではないだろうかという心配で、この繊維の今なお懸命に、中国からの攻勢、あるいは発展途上国と言うと失礼なんですが、要するに開発途上国の方からの攻勢、あるいはヨーロッパからのある意味では高級品は攻勢、こういう両方に挟まれた繊維産業の実態、これを見ておこうということで、かつては新潟県の中でも戦後の最も外貨を稼いだ繊維産業なんですね。米よりもはるかに大きな生産高を上げた。
 細かいことは抜きにして、その繊維の状況、今一生懸命にせっかく設備投資もしながらやったのに需要が伴っていかないというような面もあって苦闘している、苦しんで闘っている、しかし非常に努力している、そういうところを見ようというんで、皆さんと一緒に見てまいりました。
 この問題については、確かに、一つは資金面の問題、あるいはまたITの、大臣が先般藤末君に答弁しておられたそういう問題も確かにあります。また実際やっている、もう。本当にやっている、IT関係、全部駆使してやっていますわ。すばらしいものをやっている。
 しかし、どうしても今まで、これは私も責任があるんです、地元の国会議員として、今までの対応が細かいところに目が行き届いていなかった。これは地元の市町村長の諸君たちの責任もあります、あるいは地域の首長である県知事の責任もある。しかし、そういう声がやっぱり一体となって今なお頑張っている。斜陽産業ではないと思うんです、人間は衣食住から始まるんですから。そういうことを、しかも商品開発をしているところに対して、ただ、いや、やっていますよと、意欲のある人にやっています。意欲のある人というのは軌道に乗っている。軌道に乗っているところに補助金を出す。かつての構造改善をやった資金をつぎ込んでしまった。まあまあ、これは終わったことはいいですよ。だけれども、もう少しきめの細かいことをやった方がいいのではないかという感じは今なお受けました。これはまた後日やります。
 そのときに、もう一つの問題が、これが実は、また時間がなくなってしまってきていますが、実は私の、旧、私は衆議院時代は新潟三区というところなんです。要するに中越地域というところなんですね。これはもうエネルギー関係では柏崎原発、私が昭和五十一年の立候補のときには原発のことが始まりつつあったときなんです。田中角栄先生でも柏崎刈羽で柏崎原発のことについて発言しなかったぐらいのときに、私は中曽根通産大臣の秘書官をやらせていただいたゆえんもあって、行って、第一発目はこの原発というのはいかに大事かという演説をやったのを覚えておるんです。
 そのエネルギー関係のそういう原発、あるいは奥只見の電源開発、水力発電というようなことは、ある程度私も注意をしながら政治をやってきたつもりなんです。ところが、一番の問題が、この天然ガスの問題が私は非常に申し訳ないことながら少し見落としてきた感がある。
 先般、私が事前に見附の市あるいは長岡市に、当局に、こういうことをおれは考えているからそっちから質問を出せ、あるいは要望書を出せなんて一言も言っていないんですよ。全くこれは私の恥の問題ですから、あえてここで、今日は国会の場ではっきり言わなきゃならぬ、二十五年も表彰を受けながらこういう問題をなおざりにしてきたということは誠に恥ずかしい話だと。
 これは新潟だけの問題でなくて千葉にもある。今、倉田君いなくなったけど、千葉もいわゆる天然ガスが出ているんですよ。日本で非常に少ない、確かに全消費量から見れば微々たるものだ。しかし、地下資源を、地下エネルギーを持っている、自然エネルギーを持っているというところに対しての対応ということが、大臣ね、余りにもお役所任せになり過ぎておったという私が反省なんです、実は。
 それは、先般もここは水害がありました、見附は。水害があって、一朝、その刈谷田川という川の堤防が崩れたら一発でこの天然ガスの産出している地域が水で埋没するところなんです。あるいはまた逆に、これがもしいったん事故で、大事故は、まあ大事故というのを脅かすわけじゃないけど、起こっちゃいけませんが、しかしそういうことが起こったときに一体どうなのかというと、地域、すべてが地域の問題でしょう、すべてが地域にかかわってくる問題。これは原子力であっても、あるいは水力であっても同じですね。そのまた恩恵で地元の料金は確かに安くはなっている。一般、東京ガスや大阪ガスから比べると、私の生まれ在所の栃尾などは二〇%ぐらいは間違いなく安いんです、安く供給してもらっている。これは天然ガスを引き込んでいるから。
 しかし、どうも調べてみると、これはもうエネルギーの特別会計の電源立地交付金の問題じゃないけれども、財源の問題じゃないけど、この電源立地なんか私が自民党にいたときから一つも上がってもいないしね、課徴金が。私がやったんですけど、それから以後は一つも値上がりもしていない、したがって交付金も増えていないということですが。これはもっと無視されてきている。しかも、私は、これは通産省の事務次官経験者の人たちが、あるいはまた役職の人たちが全部この会社に、石油資源株式会社に入っておる。これ、言うならば、五〇%近いのは通産省、あなたが株主です、筆頭株主です。自覚ないでしょう。ないですよ、それは私もなかったんですから。
 だから、そういう意味では、この天然ガスの産地に対する政策はもう少し丁寧に考えて、かつ地元に対する、地下資源、これは先祖から預かっている財産ですよ。そうでしょう。それを一般に供給している、それに対して何ら反対運動も起こっているわけじゃない。しかも、大いに活用してくださいとやっているわけで、それをいいことにして、今のエネルギー庁長官望月君を怒るんじゃないんです。歴代の人たちが、私も含めてこれを見落としてきたということに対することは自分に怒りを覚えながら、かつ役所も余りにもちょっと、言わなかったから言うまいということではおかしいんじゃないか。
 しかも、大変なこの石油資源株式会社が利益を上げている。あしたにでもひっくり返りそうだというならこれはみんなで守っていこうということでもあるよ。しかし、だけど、それは大変順調に来ていますよ。しかも、また、これはもちろん天然ガスだけじゃないですよ。一般の石油に、原油に対しても、あるいはまたLNGに関してもやっているから、会社全体としては利益出ているんです。
 そういう意味において、大臣からこの石油資源株式会社の問題については少し基本から考えをしておいていただきたい。そして、かつ、この産出地域に対してもう少し手厚いことが、もう今年は間に合いません、殊にこれは予算ですから。来年度の予算に対して、この地方の自治体に対し、すなわちそれは、その地域の住民に対する手厚い政策ということが考えられてしかるべきではないか。
 原子力一つとらえてみたって、あれだけの手厚いことを、原子力だからだと言っていますが、じゃ、水力はどうなんだ。水力もやってきたんです。そういう意味で、是非検討をしてみていただきたいということを希望交じりに私の意見を申し上げたんですが、お考えがありましたらお聞かせをいただいて、今日はこのことでぎりぎり、じゃ、ああしろ、こうしろと、あるいは、こうやってほしい、ああやってほしい、細かいことを言うつもりはありません。大ざっぱに来年度予算に対する今までのことのフォローをしておいていただきたいということを申し上げて、一言だけ、今の大臣の私の話のひとつ反応を聞かせていただきたい。
#25
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のお話、つまり原子力発電所とか、あるいはそれ以外の水力でもしかりですが、設置をする、それをお願いする地域に対しては電源立地交付金等、何らかの引き受ける地域に対する配慮というのがあると。エネルギーという点では、天然ガスも大事な資源であるし、それの施設をお願いするというか、そこの採出する施設についてもエネルギー政策の大切さからいうとほぼ似通った対応があってしかるべきではないかという御指摘だと思います。
 紋切り型に言いますと、電源立地、そこにお願いする政策とそこの資源を活用する政策は若干異なると。また、そこの天然ガスを採出することによってそれ自体が地域振興になるし、あるいは若干低廉な料金で供給をされるという、答えが紋切り型の答えなんであります。
 先生がよく言ったという答弁はなかなかしづらいんでありますけれども、先生の御指摘について、地元がどういう御要望を持っていらっしゃるか伺って、その上で今の枠組みの中で、あるいは企業の対応の中で、どういうことが可能か少し検討をしてみたいと思っております。
#26
○渡辺秀央君 前向きだか後向きだか現状維持だかさっぱり分からぬ。それは駄目です。
 要するに、もちろん国策として、原子力発電は安全性を政府が保証して立地している、その危険負担であると。しかし、天然ガスは、じゃ危険ないのかねと、それを政府がやってくれというからやったというのに、じゃ採掘権というのはどうかという問題にも行くわけですよ。
 だから、これは大臣、役所の諸君たちが一生懸命そで引っ張っているの分かっているんだ、今、渡辺の発言に軽はずみに甘い発言をしないでくれということはよく分かる。分かるけれども、しかしこれは、もしも、私もまだこの場にいる人間ですから、この問題は問い続けていきますし、主張し続けていくつもりです。一気に百点を下さいと言うんじゃない。エネルギーの政策を預かっている役所の責任者として、こういう、まあ言うなら不公平です、これは。公平感がない、少なくとも公平感が出るような政策は考えていくという方向性ぐらいは持たないといけないのではないか。その間は私が監視をさせていただきますから、どうぞ申し上げておきたいと思います。
 それから、次の、時間がもうなくなってしまいましたが、ちょっと同僚議員に時間をお譲りいただいて、北陸電力の原子力発電のトラブルについて、北陸電力のみならず、九電力のうち七電力が、あなたが、大臣が指摘してから、いわゆる過去の事故がどんどんどんどん出てくる、まだ止めどもない。これで終わりと、今月一杯で大臣は全部終わりにしろと言っているそうですけれども、しかしこれ終わりませんよ、これは。ということは、大臣、いわゆる安全・保安院長も来ているけれども、過去の安全管理はエネルギー庁とそして現場と言うならばやってきたわけですよ。
 一番の過去の問題というのは、放射能が出ていないかどうか、汚染が大丈夫かどうかと、ここが当時、我々は原子力発電のスタートをやったときからの一番の問題だったんです。そうしますと、そこに問題がなかったとなると、やっぱり大きな事故につながるという可能性も、そう見えるわけではないからというような心のお互いの通い合いで、これは隠ぺいとかなんとかというんじゃなくて、そういう大きな大事故につながらないということをお互いが暗黙の了解で隠ぺいした事実も私はあると思う。だから、過去をあなたが調べていくと、役所の中の検査に至るまで、それから現場で定年で退職していった人たちのその問題まで行くんですよ。
 私は、むしろそういうことよりも、ここ二、三年の間にどうも問題が新しく出てきているようなことが本当にあったらえらいことだと。どうして一体、この電力業界というのはあれほど仲のいい業界で、まあ本当はテーブルの下でけ飛ばし合っているんだけれども、自由化になってから。これも経済産業省の政策でやってきたわけです。け飛ばし合ってはいるが、しかしお互いに護送船団ですよ。そうでしょう、だって電力料金そのものにしても。そういう中で、どうして情報の公開が、お互いの交換ができなかったのかと、これが非常に残念でたまらないですね。
 私なんかは、先ほど申し上げたように、国会に出るときから、この問題で地元に行って演説をするなということまで言われたのを演説やって、原子力の必要性を説いて、出てきてから、あなたも御存じのように、要するにこれ一本で私は十八年衆議院議員としての役割をある程度やってきたぐらいのことがあるんだ。であるにもかかわらず、こんなことでごちょごちょ出てくると涙が出る思いなんですね、僕は。腹が立つと同時に、一体地域の人たちはどういう気持ち持つだろうかと。あの先生は心配ないと言った、この先生は電力会社を信用しろと言ったと。また、地域に対しては絶対に不安感を与えないとも言ったと。そう言ってきた我々が居どころのない立場、あるいはまた政治家として本当に情けないことになっているんですね。しまいには水力発電まで貯水池の無届け工事をやったという、まあまあそれだってほっておいたらどうしようもないことをやったんでしょうけれども、それすらあなたのところでとがめるがごとくのことにもなっている。果たして、これはもちろん電力のことはもうこんな、これは事件ですよ。
 これはいずれ、私はこの際言っておきますけれども、これは北陸電力は参考人として一回来てもらわにゃいかぬ。我々は法案審議を優先しますが、私は初めて言いますけれども、私の気持ちです。これはそうでなければこれ国民納得しません。つい二年前に関西電力のあれだけの事故があった、それも参考人として来ていただきましたね。あるいは東海臨界のときもそうでした。もう嫌なことですけれども、これで三つ目なんですよ。私は参議院に来てからですよ。本当に深刻じゃないですか、これは。
 同時に、大臣、事業所だけ、電力会社だけ言うのはいかがかと思う。メーカーに対しても、本当に世界的に誇る技術力なのかということは、大臣、あなたの口からしっかり指摘してもらわないと、私は関西電力のときに来てもらったんだ、メーカーに、実は。あなたたち、これから中国が期待している原子力発電所というときに、一体本当に自信を持って、日本の最高の技術として中国に技術協力あるいは指導をやっていけるのかと、それに対する自信あるのかと。
 それは要するに、いいものを造ったというだけじゃなく、造ったって悪くなったところがチェックできなかったら造ったことになりませんわな。生まれたときに親がどんなに立派な頭を持ちDNAを持たせたって、それをあなたが教育をしてちゃんとしつけをしていかなかったら立派な人間にならないでしょう、同じじゃない、機械も。そういう意味では、メーカーに対しても、私は、あなたは大臣として、監督者として、やっぱり考えていかなきゃならぬことじゃないか。
 いずれにしても、ちょっと時間がなくなってしまいました。私はここでちょっとずっとこの疑問点と北陸電力の問題、チェルノブイリを始めとして、こういう今までの世界でやられてきたことをちょっと申し述べようと思ったけれども、時間がなくなってしまいましたので。
 是非、大臣、ここは正念場ですよ、原子力発電の。本当に、全部ストップしなかったら承知しないぞというような動きが出てきたときにどうしますか。日本の産業できませんよ、産業活動できませんよ、四〇%近くもこの発電でもって動いているんだから。そういう深刻さを我々は、ただ電力会社を非難する、あるいは電力事業者に対してどうだ、現場に対してどうだと言うだけじゃなくて、この問題をみんなが共有しなきゃいかぬ。原子力発電に賛成だ反対だって今更言って何の価値になるんです、はっきり言って。そうじゃないわけです。私はそう思いますよ。
 だから、まあそれぞれの考え方はあると思いますけれども、現実を踏まえた対応を我々もこれから議論し合っていきます。是非、それ役所の方も、今回は、これはもう今まで私もいろんなところで自分のできるだけの努力をしてきて、次の展望、次の期待を申し上げてきたつもりです。やってきたつもりです。先般も同僚議員が新エネルギーの話もしておられた、私はとてもまだまだそんな段階で、結局、だって消費者、今の電力を使っている消費者がそれ全部負担しているんだから。そんなことの実態だってもっとあからさまにしながら、新エネルギーの研究はしなきゃいかぬけれども、しかし実際には今現在生きている、今現在生活し、今現在経済活動をやっているみんなが今の電力に恩恵に浴しているわけです。その現実を忘れて、夢でぼたもちほおばったような話なんてばっかりしていられない。それは、政治家としてはそういうものでは、ロマンはロマンとしても、しかしそういうものではないという感じの中で、この問題が余りにも多過ぎて情けなさ過ぎるので、あえて苦言ではないけれども私の反省も込めて申し上げたんですが、大臣の今の気持ちはどういう、この北陸電力の一点だけとは言いません、今の現状について、三月一杯でまとまったときに改めた御見解は出てくるんでしょうけれども、お聞かせ願いたい。
#27
○国務大臣(甘利明君) 私が就任して以降ぽつぽつとデータ改ざんの案件が表に出てきました。私が一番懸念したのは、原子力発電がいろんなフェーズで次の段階にステップアップするというときに何かまたぼろぼろ出てきて、それによって計画全体が止まってしまうという不信感を醸成することについて極めて強い危機感を持ちました。
 そこで、十一月三十日付けで私は大臣名として、各電力会社に過去を全部さかのぼって、データ改ざん等、虚偽事実等があったら全部洗い出せという指示を下しました。これは、今たくさん出ているというのは、出ているじゃなくて、出させているわけであります。期限を切って出させて、以降、体質改善をしようと思っています。
 それから、もし重大な事故につながるような部分があったらそれを共有をして、あらかじめ先回りしてそういうことが起きないような体制を取りたいと思っておりました。それに対して、電力会社は調査に関しては真摯にやっていてくれると思っています。東京電力は書類だけじゃなくてOBを探していって、あなたの在任中に何か記憶に残っていることありませんかというのを延べ二千人もアンケート調査をしました。その姿勢は真摯にやってくれていると思います。その結果、実はその書類には残っていないと思うけれどもこういうときのデータを書き直した記憶があったみたいな話まで全部拾い集めて全部開示をしているわけであります。
 言わば今うみを出し尽くしてしまって、それから事故につながりかねないような情報は全部データベースに登録をしてすべての電力会社が把握できるようにしたいと。そして、それ以降その種のことがないと。例えばデータが、違ったデータがあったらちゃんと公表して、その原因と影響もちゃんと検証できるようにしていくということにしたいと思ってこの作業を今やっているわけであります。
 平成十五年の十月に法改正をしました。それ以降の改ざんは一切出てきていません。つまり、法律を改正した以降の案件はなくて、今、昔の、相当昔の案件であります。それをなぜやらしているかというと、それが、隠しているから新しい事象も出せないなんということになっちゃったら困るから、全部出して公開した方がいい、義務化されているものについてはすぐ公表して危機感を共有できるようにしたいという体制を今つくっている最中であります。そのことは国民の皆さんに御理解をいただきたいと。洗いざらい出させている作業中であると。それから、法改正以降の案件は、今のところ幸いにも法改正以降の案件は出ていないということは、平成十五年十月の体制がちゃんと機能しているということだと理解しております。
 ただし、過去の案件でも、今の平成十五年十月の法改正で拾い切れない部分で大切なところがあるかどうかを三月一杯終わったら検証したいと思います。今の体制で以降は出ておりませんけれども、それに加味していく案件があればそれを加味していきたいというふうに思っておりまして、それをもって原子力安全に対する国民の信頼を再構築、強固なものを再構築したいというふうに思っております。
 志賀原発については、これはけしからぬことでありまして、理由は三点であります。法律で報告をするという、まず重大事故である、臨界事故である、それから法律で報告しなきゃならないのを報告しない、そしてその試験をしたような改ざんを行っている、それから再発防止策を取っていない、そういう点でこれは看過できないというふうに思っております。
#28
○渡辺秀央君 基本的にはまあいいでしょう。だけれども、大臣、あなたはそう簡単に言うが、後の構築なんてそれは大変ですよ、本当に。これは再構築をして信頼を回復するということはそんなに容易なことではないと思うんです。だから、そのつもりで、手順をしっかりともう一度、要するに信頼回復するための手順ですよ、私が言うのは、地域の、それから国民ですよ。まず原子力発電立地市町村の、あるいは隣接市町村の、設置県の信用をまず回復するのにどうやるかという、それはスケジュールをつくっていかにゃいかぬと思いますよ。それに沿って努力している。それにはもちろん今言うような人たち、責任者に一緒にそのスケジュールづくりに入ってもらいながら努力をしてもらうと。経済産業省、エネルギー庁だけでやったって始まらぬ。
 それから保安院の方も、やっぱり具体的に安心していいんだというものをしっかりとアナウンスしないと、原子力発電はこれから、環境問題だってこれ以外にない、当面はよ、当面は。あしたにでも何か新エネルギーだからできるみたいな話をする人もいるけれども、とんでもない話で、できるわけがない。結局、原子力発電をしっかりやっていかなきゃならぬわけです。是非そういう思いでお願いをしたいなと。これも私は真剣に監視をさせていただきたいと思っています。
 それから、最後に、中小企業問題はまた後日にしますが、法案もありますから同僚議員に譲りますけれども、中小企業の問題というのもいつまでたっても、長官も見えているが、これ十年言いっ放しで来ているけれども、中小企業基本法というものの基本的概念がもう変わってきている、そこを是非大臣、このいい機会、あなたも随分長い間勉強してこられたんだから、これはこれも今の時期に整理をしておいていただきたい。いずれの機会にか私の考えをまた申し述べたい。
 今日は時間超過しましたが、以上で、是非今まで申し述べました点を、少し役所の諸君たちがそれは困るというぐらいのやつをおやりになってみたらいいと思う、新しい政策を。中小企業政策、その一つです。例えば電源立地の、今の言うような電源立地の市町村には電力料金半分と、例えばですよ、思い切った政策を出してみる。交付金で金出すなんというようなけちなことじゃなくて。そうしたら電力を使う企業が進出していく、働くところが出てくる、こういうことになっていくんですよ。思い切ったことを考えたらいいです、電力会社と相談して。それはそうだよ、事業者は電力会社ですから。
 是非そういう考え方を、与党の皆さんも真剣に考えていただいて、私どもは決してそういう冷やかし半分で無鉄砲な政策は、私は少なくとも、野党といえども第一党の中では言わせない、私がいる限りは言わせないつもりです。是非ひとつ、一緒にこれは考えていきましょう。よろしくお願いします。
#29
○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末でございます。
 私も冒頭に、北陸電力の原子力発電所の問題についてお願いだけをさせていただきたいと思います。
 私、先週三月十五日の経済産業委員会におきまして、原子力の発電所の安全と、そして環境問題、経済性のバランスを取っていただきたいということを申し上げましたが、この際でございますので、私がお願いしたいのは、やはり安全の確立をもう最優先で大臣のイニシアチブで行っていただきたいということをお願いさせていただきたいと思います。
 続きまして、平成十九年度経済産業省予算についてお話をさせていただきたいと思います。
 来年度予算におきます第六番目の柱としまして、資源・エネルギー政策の戦略的展開ということがございます。私が一つ御質問申し上げたいのは、京都議定書への対応ということでございますが、二〇〇五年における温室効果ガスの排出量は基準年、一九九〇年に比べまして八・一%の増加。日本の約束は基準年比六%減らすということでございますので、合計しますと一四・一%オーバーしている状況でございます。特に、業務用は基準年比の四二・二%の増加、家庭用は三七・四%増加、輸送部門は一八・一%の増加となっておりまして、この京都議定書の達成の見通しがどうなっているかということを是非お聞かせいただきたいということと、もう一つは、EU首脳会議が三月八日に、二〇二〇年の温室効果ガスを九〇年比二〇%削減ということで合意しております。現在、ヨーロッパのみならずアメリカもこのポスト京都議定書という議論を進めているわけでございますが、是非とも経済産業省におかれましては、日本のポジションを明確にしまして、我が国が得意分野であります省エネ技術や、また先ほど渡辺大臣からも指摘ありました原子力技術などを戦略的に利用して気候変動の問題に主体的に取り組んでいただきたいと思いますが、その点、どう考えるかを教えていただきたいと思います。お願いいたします。
#30
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、一九九〇年、基準年比で現在八・一%、正確に言いますと東京電力の原発が止まったのがカウントされていますから、それがもう稼働していますから、これからマイナス二・三ですからプラス五・八パー、先ほどの御質問いただいた志賀の停止がまたこれに、マイナスから更に今度はプラスになりますから六パーぐらいになるんでしょうか、八パーと合わせると一四%くらい削減しなければならない、これは大変厳しい目標であります。
 我が省の所管でいいますと、この目達計画を具体的にブレークダウンして、経団連が自主行動計画というのを持っております。これは目標値をクリアして、クリアしているところについては更に目標値を上げて、削減目標を上げて取り組んでもらっていますし、自主行動計画に参画してない業界もどんどん参画していってもらっています。ただ、今まで参画をして事実上目標を決めてやっていただかないところは、一番先頭に立って本来いただかなきゃならないマスコミ業界は、スローガンは掲げていますけれども、新聞もテレビも具体的にどれぐらい引き下げると一切言及をしていただいておりません。ですから、スローガンは結構ですから、じゃ、あなた方のところも参加して目標を掲げてやってくださいということを言っておるところでございます。
 で、所管外の部分が相当増えております。運輸部門とか、あと家計部門、家庭部門ですね。業務は、所管、官房所管だと思います。ですから、これについては電力会社の本社ビルとか鉄鋼会社の本社ビルでは極めて精力的に削減目標に取り組んでいってくれています。ですから、オフィスビル全体の取組に波及をしていくように、この削減プロセスを手本として横へ伸ばしていきたいというふうに思っております。あと、環境省中心に京都議定書の目標達成に向けた閣僚間の取組も今進んでいるところでありますし、我が省の所管外についてもノウハウを提供しながら進めていきたいというふうに思っております。
 それから、二点目の先生の御質問の、ポスト京都についてであります。まず、京都議定書は達成する、全力で達成するということに向けてやっています。そして、その発言力を高めていって、ポスト京都の枠組みに日本が主導的に割って入っていくということをしたいと思います。
 ここで、ポスト京都で一番大事なことは、すべての主要国が参加するということであります。それから、それぞれの国の努力が評価される仕組みであること。EUが削減目標を二〇パーとか三〇パーとかポスト京都に向けて決めておりますが、もっと言いたいのは、エネルギー原単位で言えば日本を一とすると、EUは今度新規加盟国が入りましたから、それも含めると一・九です。つまり、日本の二倍ぐらい効率が悪いんです。日本と同じ効率にしてくださいと。それだけで恐らくEU目標は五〇%ぐらい下がるんじゃないですか、たしか四六%と聞いておりますけれども。二〇%なんか甘いんじゃないですかと、日本と同じ効率でやっていただくんだったら四六%下がりますよということを申し上げたいというふうに思っておりますが。
 いずれにしても、効率の努力がちゃんと反映されること、それからみんなが参加すること、これが大事だと思います。
#31
○藤末健三君 是非、国際的なイニシアチブを取っていただきたいと思います。
 続きまして、来年度予算の第二の柱でありますアジアとの共生と発展について御質問申し上げたいと思います。
 松村委員そして渡辺委員からもお話がございましたが、今アジアの国々とのFTA交渉、EPA交渉、いろいろ動いているわけでございますけれど、一つ御質問したいのは、アメリカがAPECでFTAAPというAPEC関係国を包括したFTAの研究を進めようという話が出ております。それについてどのようにお考えかということを伺いたいと思います。
 渡辺委員からも御指摘ございましたが、今、韓国とアメリカはFTA交渉、もうバイの、二国間の交渉を始めておりまして、それとの関係などをきちんと見ていただかなきゃいけないんじゃないかというのが一つございます。
 そしてもう一つ、二つ目の質問としまして、松村議員からも御質問ございましたけれど、アジア版OECD構想というのがございます。アジアにOECDのような研究機関をつくり、いろんな政策を調整していこうという話でございますが、私が申し上げたいのは、国内の研究機関、アジア経済研究所や経済産業研究所、財政研究所とか様々な研究所がございますが、それらの研究所との連携を取りながら、是非ともこのアジアOECD構想を進めていただきたいと思っております。
 韓国の話が出ましたので私の感想を申し上げますと、例えば韓国はFTAの推進に当たりまして、大学に別途FTA研究センターをつくっているんですね、政府が。そして、それをコアにどんどんどんどんFTAの戦略をつくり動かしているという現状がございますので、我が国もやはり研究機関、OECDの研究機関単独だけではなく、国内の研究機関の連携をまず図っていただき、それを国際的に展開するということを行っていただきたいと思うんですが、以上二つの点についてお答えいただきたいと思います。お願いいたします。
#32
○副大臣(渡辺博道君) まず初めに、私の方から東アジアEPAの構築に向けた研究内容、そしてまたアメリカが主導として行っておるFTAAPの関係について答弁をさせていただきたいと思います。
 本年一月に行われました東アジア・サミットにおいて、我が国の提案によりまして、ASEAN十か国、そしてまた日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドによる東アジアEPAについて民間専門家による研究を行うことが合意されたところであります。本研究においては、東アジアEPAの意義、実現の可能性、そしてまた経済効果等について議論が行われる見通しであります。また、この東アジアEPA構想は、将来的な目標といたしまして、アジア太平洋自由貿易地域、いわゆるFTAAPの実現に向けた基礎となるものと考えているわけであります。
 ちなみに、現在、FTAAPの対象国としては、アジア側としては、対象に入っていないのがミャンマーとカンボジアとラオス、そしてインドであります。アメリカ側の方のAPECの関係でいきますと、アメリカ、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、香港、台湾、ロシア、パプアニューギニア等によって構成されているわけであります。
#33
○国務大臣(甘利明君) 若干の補足と、それから後段の質問にお答えしますが、東アジアEPAとAPECでのEPA、FTAとのかかわり合いなんでありますが、東アジアのEPA構想についてはほぼ参加国はみんな歓迎であります。APECのEPA化については参加国から、APECというのはもうちょっと自由な参加型じゃなかったのと、いろんな制約を個々に来るなんということを聞いていないよという戸惑いがあります。
 ですから、東アジアEPA構想で理解の土台ができて、そんなにびっくりするような困ることはないでしょうということを構築しながら、APECのFTAについて進んでいくという関係になっていくんだと思います。我々は、FTAAPのビルディングブロックに東アジアEPAがなるじゃないかという話をさせていただいております。
 それから、ERIA、東アジア・ASEAN経済研究センター、東アジア版OECDに関して、まず各国の経済研究所と連携をちゃんと図っていきます。国際機関との連携もしっかり図りながら、東アジアにおけるシンクタンクというんですかね、これ東アジアのEPA構想を図る上で、格差が相当付いていますから、これへのいろいろ政策提言をしながら水準をある程度は最大公約数は確保していかなきゃなりません。そのために政策提言をするERIAというのが大事になってくると思います。これはもう合意ができました。先ほど渡辺副大臣が答弁をしましたように、年内につくるということで進んでおりまして、これに対しては基本的な各国間の合意が成り立っております。
#34
○藤末健三君 私、一点お願いしたいことがございまして、是非ともこのEPAの戦略等を進めるに当たりましては、アメリカとの連携を取っていただきたいなということがございます。アジアのやっぱり巨大な輸出相手国アメリカでございまして、やはりアメリカとのうまく調整を図りながら我が国のこのEPA戦略を進めていただかなければ、どこかでそごが生じるんじゃないかということを心配しておりますので、是非ともお願いしたいと思います。
 そして、私、最後の質問でございますが、今般、改正会社法が施行される見通しでございまして、MアンドAの規則が大きく変わってくることがございます。私は今心配していますのは、我が国の経済や産業の基盤に関する産業、企業に関するMアンドAが行われた場合、何らかの規制が必要だと思っております。
 現状を勉強しますと、外為法で様々な規制業種がございまして規制できるということでございまして、例えば、電気、ガス、石油、農林水産、航空機というようないろいろな業種が挙げられておりますが、私が今ここで確認したいのは、現在の外為法において我が国の基盤である産業の規制、外資の買収に対する規制ができるかどうかということを確認さしていただきたいと思います。
 アメリカにおきましては、エクソン・フロリオ条項という包括貿易・競争法の中にも条項がございまして、大統領が外資のMアンドAを規制するようなことができ、実際に昨年ですと、中国海洋石油がアメリカのユノカルを買収しようとしたときにこのエクソン・フロリオ条項が発動するんではないかと、発動はしていません、ではないかということがあり、結局は中国海洋石油はユノカルの買収をあきらめたという話がございますが、そのような法規制を我が国で整備する必要があるんではないかということがまず一つでございます。
 そして、もう一つございますのは、我が国のインフラ的な企業、産業だけではなく、技術を持った我が国の企業がアジアのある意味ではライバルと言われるような企業に買収されるんではないかというおそれを非常に危惧されています。今、我が国の電機産業の中でも非常に経営的な体力が弱っている企業が幾つかございます。ただ、見てみますと、株価は非常に落ちているんですけど、見てみますと技術力は非常に強い企業が幾つかございまして、このような企業が中国に買収され、企業ごと技術が流出する可能性があるんではないかなということを非常に恐れております。
 先日のインターナショナル・エコノミックスという雑誌を読んでいますと、中国における外資系企業と中国の国内の企業との労働生産性の比率を見ますと、九倍なんですよ。外国の企業の技術をもってすれば、逆に言うと九倍の労働生産性の向上が可能かもしれない、中国国内企業は。
 という中で、この企業買収を通じた技術の流出に対してどのような対策を講じておられるかということについてお聞かせいただければと思います。お願いいたします。
#35
○国務大臣(甘利明君) 三角合併が解禁をされると、そういう中で、私は、党の当時、企業統治委員会というものを自分でつくりまして、その委員長としてMアンドAの公正なルールというのを、できていなかったものですから整備をいたしました。そして、提言をして、それに沿った策定案がなされて、企業が幾つも採用をしております。それは、攻める方も守る方もフェアなバランスできちんとなされると、それから、株主利益だけじゃなくてステークホルダー全体の利益が確保できるようにとか、それから、双方の、買収する方、される方の改善提案がちゃんと比較できるような時間を持つとか、いろんなことをやりました。
 そういう中で、関連して、日本の安全にかかわる技術が流出してしまうんではないかという御指摘が一方であります。お話のように、アメリカはエクソン・フロリオ条項によって、言ってみれば相当乱暴、全部に網掛けちゃうんですね。大統領が必要だと思えば、何の業種であろうともう全部イエローカードを出すことができると。ただ、これは国際社会からちょっとやり過ぎだという批判があって、もうちょっとフォーカスを絞るような要請が出ております。日本は外為法で、安全保障、国民生活に重大な影響があるというものはもう具体的なポジティブリストで列記してつくってあります。
 先生の御指摘は、それ、もう十五年も見直していない、それでいいんですかという御指摘だと思います。私の方は、安全保障上、国民生活上重大な影響を及ぼしかねないという部分が、今の、十五年前以降出てきた産業部門、新素材とかいろいろありますが、それらがカバーされていないところがないかと、大丈夫かという見直しはしております。
 ただ、これをてこに外資を入れないというようなことにとらわれちゃうと別な問題が起きますから、基本的に、安全保障上、国民生活上重大な問題を起こさないかということの視点の中で、十五年間見直していないところをちゃんと見直していくということをさしていただいております。
#36
○藤末健三君 是非、この外為法の強化をお願いしたいと思います。業種の見直しもそうですけれども、発動の手続なんかも明確にしていただきたいということをお願いしたいですし、もう一つやはり企業が丸ごと買収されて技術が流出するという危険性につきまして細かい分析を是非お願いしたいと思います。今、人が、元々いろんな情報がもう流れて競争力が強化される、そして人が流れるという話があって、だんだんだんだん強化の、規制の網も掛けていただいているんですけれども、やはり私は、企業を丸ごとという可能性も残されていると思いますので、国際的な調和は大事だとは思うんですけれども、やはり国益という観点から検討をいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事加納時男君着席〕
 以上をもって私の御質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#37
○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。
 今日は、委嘱審査ということなんですが、十九年度の予算の、経済産業省あるいはエネルギー庁の予算の中にも触れられておりますが、エネルギー政策の一環としての石油、天然ガスの自主開発の推進、これをどう戦略的に成功させていくかということについてお伺いをまずさせていただきたいというふうに思います。
 もちろん自主開発の推進に当たっては、これは当事者は民間の企業ということになるわけですが、様々な資源国の資源ナショナリズムの問題とか、あるいはそれぞれの産油国におけるカントリーリスクの問題であるとか様々なことがございます。
 したがいまして、やはり民間の問題ではありますが、同時に政府のいわゆる資源外交的なことも含めて、あるいは具体的に金融であるとか様々な面で制度的にもこれらの活動をやはり支援していくということでなければ、なかなか実現といいますか、政策目標は実現できないんじゃないかと、こう思っております。
 それで最初に、この資源開発企業に対する制度的な支援の部分についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 一つは、有力な支援の方策として、いわゆる石油天然ガス・金属鉱物資源機構というのがございまして、いわゆる旧石油公団の後の組織でございまして、私もこの名前は何年たっても覚えられなくて、JOGMECとこれ以降言わせていただきたいんでありますが、このJOGMECのリスクマネーの供給について、探鉱出資・債務保証について、負担割合の上限を今までの五〇%から七五%に引上げを決定して機能強化を図るということで、これは〇七年度予算にも反映をさせていらっしゃいます。まず、この点についてなんですが、資源開発の適用件数や実際の資源獲得量などを踏まえると、今のJOGMECのこのリスクマネー供給機能をどういうふうに評価されて、そして今回の決定を行われたのかということ。
 それからもう一つは、私もちょっと出資案件を拝見させていただきましたが、ここのところ安定しております。したがいまして、こういった拡大によって、この上限引上げによって進展を図り得る具体的な案件というのがあるのかどうか。これはこういう性格の問題ですから、別にどこそこのどういうことだというふうにお聞きをしているんではなくて、そういう当てがあるということならそういうことでお教えをいただきたいというふうに思います。
#38
○政府参考人(望月晴文君) お答えいたします。
 今日の世界各地における石油、天然ガスの開発をめぐる環境というのは、ここ数年の間に大変激変をいたしておりまして、一つは油ガス田の、特にオフショアにおけるものなどについて見ましても、水深が非常に深くなってきて、大水深化といいますけれども、深いところでやらなきゃいけないというようなこともあり、探鉱開発の実施が技術的に非常に困難なものが増えてきたというのが一つ。
 それから、いいものについては非常に数が少なくなってきている関係から、多数の企業が入札に参加をすることによって、いわゆるサインボーナスという一時金で払わなきゃいけないものが大変高騰をしているということで、プロジェクトの資金面での巨額化というものが目立つわけでございます。
 また、我が国企業の状況につきましては、これも累次言われていることでございますけれども、メジャーと言われる欧米の国際的な石油開発会社に比べまして財務基盤が依然として極めて脆弱なものであります。場合によっては、十分の一とか、そういう比較になろうかと思います。さらに、世界的に自国資源の国家管理を強化する流れというのが各国ともに進んでおりまして、油ガス田の権益を国営の石油会社が支配する例が各産油国において非常に増えてまいりまして、国としての、私どもの国としてのコミットメントを非常に強めなければいけないという必要性も高まっていると。
 こういった環境変化の中で、我が国開発企業がメジャーに伍して積極的に上流開発を行っていくという面で、今先生御指摘のように、JOGMECによる出資・融資機能の強化ということが必要になってきたわけでございまして、その点、今回特にプロジェクトによっては上限を引き上げていきたいと、こういうことになったわけでございます。来年度予算においてJOGMECによる出資・債務保証の上限を現行の五〇%から七五%までできるようにしたということでございます。
 今後、新たに拡充された出資・融資制度を活用することによって、若干今五〇%上限であることによって困難なところ、先ほど申し上げましたような事情で困難なものに手が出せないというようなものが、隘路が打破されていくということになるんではないかと思っております。
 特に昨今の案件を見ますと、従来の中東というよりは新しい地域、中央アジアであるとか、それからアフリカ地域であるとか、より開発の困難性が高いところに案件が散見されるようでございますので、こういったところについても我が国企業が積極的に手を出せるというような状況になることを願っているわけでございます。
#39
○直嶋正行君 それで、この出資比率の七五への引上げということになりますと、以前に議論した石油公団、石油公団を改革したときの議論を思い出すわけであります。あのときにやはり主体は民間であるということで、政府が余り強い力を持ち過ぎるとどうかというような議論もいろいろあったというふうに思うんですけれども、今回のこの施策の実施に当たって、この石油公団の改革時の反省といいますか、あるいはそのときの経過なんかをどのように反映されていらっしゃるか、この点もお聞きしたいと思います。
   〔理事加納時男君退席、委員長着席〕
#40
○政府参考人(望月晴文君) 石油公団時代におきましては、出資及び債務保証のほかに非常に有力な手段として成功払い融資制度というのがございました。しかし、プロジェクトによりましては、融資時の原油価格などを前提といたしますと、例えば、発見はいたしましたけれども、埋蔵量が小さいなどによって即座に生産へ移行できる程度の採算性を有さないような場合がございました。しかしながら、発見されたという意味では価値あるものでございますので、こういったプロジェクトについては生産に移行するまで保留するようなこともあったわけでございます。そういった事情の中で、融資でございましたものですから、融資の返済が開始するまでに多額の利払い負担が発生をし、これがプロジェクトの財務状態を悪化させる一つの要因になっていたわけでございます。
 また、もう一つの問題点としては、御指摘のプロジェクトの推進体制について、政府、石油公団、石油開発企業のそれぞれが主体性に欠け、責任の所在が必ずしも明確ではないという御指摘がございました。こうした反省を踏まえまして、石油公団の廃止に併せて成功払い融資制度というものは廃止することといたしました。政府措置は出資及び債務保証に限定するということにいたしたわけでございます。また、民間企業主導が確保されるよう、出資の上限については先般まで五〇%としたわけでございます。
 こうした経緯を踏まえまして、JOGMECの今回のリスクマネー供給機能の強化に当たりましては、引き続き出資及び債務保証を支援の中心とし、出資の上限の引上げに当たりましては、民間企業主導が確保されるよう、JOGMECが五〇%を超えて出資するような場合には、民間企業の出資分を上回る分についてはJOGMECに議決権がない種類株として出資をするというような条件を付けてまいります。
 それから、民間企業間での責任体制を明確にするため、民間企業出資分の過半をある一社が出資する案件に支援対象を限定すると、つまりリーダーシップをはっきりさせるというような対応を取ることといたしております。
 その他、細かい条件では、幾つかの五〇%を超える上限を設定する案件につきましては、非常に重要な案件であるとか、あるいは非常に難しい困難な案件であるとかいう細かい条件も幾つか付けまして限定的に実行したいということになっているわけでございます。
 今後とも、石油、天然ガスを取り巻く環境を踏まえながら、民間企業に対して最善の支援策を的確に講じてまいりたいというふうに考えております。
#41
○直嶋正行君 この種の問題について国がどこまでどういうふうに関与するかというのは、なかなか難しい問題があるというふうに思います。今回、こういう政策的な、政策面での拡充をされましたので、この成果も見ながらまた今後も議論をさしていただければというふうに思っています。
 続きまして、政府系金融機関の統廃合が論じられたときに、これJBICのことなんですが、JBICのこの国際金融業務は資源開発を支援するために残したと、こういうふうに言われているわけですが、実際の資源獲得との関連も含めて、JBICの資源金融をどのように現在のところとらえていらっしゃるか。
 それから、もう法案が出ているんですかね、二〇〇八年の十月以降新しい機関になるわけでございますけれども、ここにおいて、今申し上げた資源金融等について更に強化をしていこうと、こういう方針が政府の方におありになるのかどうか。
 実は、先日新聞で、この新金融機関において、債務保証の枠を拡大するというようなことが報道されたのを拝見をしました。こういうことも含めて、現時点でのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#42
○政府参考人(玉木林太郎君) JBIC、国際協力銀行についてお答えいたします。
 国際協力銀行の国際金融等業務は、これまで我が国の資源エネルギーの確保にとって必要不可欠な役割を果たしてきたところであります。承諾状況を見てみますと、近年、国際金融等業務の約四割が資源関連の融資となっております。
 御指摘の今回の政策金融改革でございますけれども、官から民への観点から民業補完に徹し、新政策金融機関に承継される機能は政策金融として必要なものに限定することにしておりますけれども、その際、我が国にとって重要な資源の海外における開発、取得を促進するための業務については、行革推進法において新機関に承継されることが明記されておりますし、これを踏まえて先般閣議決定されました日本政策金融公庫法案において新機関の業務とされているところであります。
 新機関の業務でございますけれども、従来の融資業務に加えまして、御指摘の融資に代わる保証業務の拡充等も図ることとしております。新機関においては、こうした機能を活用しながら、できる限り民間資金を生かすという基本の下に資源金融の適切な実施を図っていく必要があると考えております。
#43
○直嶋正行君 今のお答えの中でちょっと気になったんですけど、その融資に代わる保証機能の拡大という言い方されたんですけれども、要するに融資は減らして保証機能を増やしていきたいと、こういうお考えだということですか。
#44
○政府参考人(玉木林太郎君) 政府系金融機関として新機関の業務の基本はもちろん融資でございます。それに、保証というのは融資を伴わない行為として代わるということは申しましたが、融資と保証、両方活用して資源金融の充実に当たっていきたいということでございます。
#45
○直嶋正行君 これ、また法案審議の中でいろいろ具体的にあるんでしょうけど、要は、要するに今よりもしっかりやっていくと、領域も拡大するんだと、こういう理解でよろしいですか。はい。
 じゃ、続きまして、もう一つの政府の、こうした資源開発の支援として現在、貿易保険制度というのがございます。この貿易保険について次にお伺いしたいというふうに思うんですが、貿易保険も長い歴史持っていますので、いろんな、また内容も非常に複雑なんですが、一つは、もう四月から今の保険料最大七五%引き下げられた、しかも引受け枠は三千億円という新商品の引受けが始まるというふうにお伺いをいたしております。
 現行の貿易保険制度は、日本企業が海外で資源権益を確保する上で、私もちょっと民間の方もヒアリングさしていただきましたが、一つお伺いしたいのは、どういう課題があって、今回いろんな意見を反映した上でこういうふうに新しい制度を付け加えたのかどうか、この辺のねらいも含めてお伺いをしたいというふうに思います。
#46
○副大臣(渡辺博道君) この貿易保険のうち、今回、資源保険という形で新たに打ち出したわけでありますけれども、これは当然のことながら資源の安定的な確保というものを目指しております。貿易保険としては、これまでも資源開発プロジェクトに対する保険引受けを通じて支援してきたところでありますが、今般、資源外交の積極的推進の一層の貢献を図るため、制度運用を大胆に見直すこととしたわけであります。
 それは、まず現在どういう状況にあるかと申しますと、例えば保険料率が現行では余りにも高過ぎるということが一つあります。そしてまた、リスクの範囲が極めて狭いと、こういった問題があります。さらに、相談窓口ですね、保険審査における相談窓口が幾つかのセクションに分かれておりましてばらばらであったと、したがって保険審査の期間が大変長く掛かったという、こういった問題がありました。
 さらにはまた、環境アセスメントが終了しなければできないということになりますと、これは大体アセスメントで六か月近く掛かりますけれども、更にこの期間が長期化するということでありまして、使い勝手が悪かったわけであります。こういった点を見据えまして、具体的には二つの視点を持って改革に取り組んだわけであります。
 一点は、相手、外国政府ですね、相手国政府等によってプロジェクトによる不当な介入に対して政府及び日本貿易保険が連携して外交交渉を行い、プロジェクトのリスクを軽減する支援体制をつくっていくという点が第一点であります。さらに、実際に被保険者として利用する側として、今申し上げたとおり様々な制度の利用しにくい部分、これを解決するために、まず第一点として保険料率を五〇%から七〇%、現行保険料率よりも引き下げたということであります。
 第二点は、貿易保険が負担するリスクの範囲を拡大をさせていただきました。
 第三点、先ほど申し上げましたとおり、窓口が幾つかありまして、これが大変煩わしいわけでありますが、専用窓口の設置をいたしまして事務手続の迅速化を行った点であります。
 以上三点が大きく今回改正として盛り込まれた内容でございます。
#47
○直嶋正行君 私も、ちょっと今お聞きして、また資料も拝見させていただいて、かなり思い切った内容だなというふうに受け止めさせていただきました。
 それで、今、お話の中に、相手国の不当な介入によるリスクを軽減するというお話もありました。それで、ちょっと具体的な話になるんですが、先日も質問させていただきましたが、サハリン2プロジェクトというのがあります。これは、実はいろいろロシア政府から環境問題で指摘があって、一連、変化があって、ガスプロムというロシアの会社が出資をすることになったわけですが、このときに言われたのが、それに参加している日本企業が貿易保険に入っていなかったと。したがって、そのために交渉事に日本政府の出る幕がなかったんだと、こういうふうな話を聞いたことがあります。
 この件に関して、例えば貿易保険制度になぜ開発主体の日本企業が当時掛けなかったのか。それからもう一つは、仮の話でお答えしにくいかもしれませんけど、もし貿易保険がこのときに入っていれば、加入していれば政府はどういう形で関与できたのか、ちょっとお教えをいただきたいと思います。
#48
○政府参考人(石田徹君) お答え申し上げます。
 お尋ねのサハリン2のプロジェクトでございますけれども、一九九四年に我が国事業者も参画をして事業が開始されたわけでございます。このプロジェクトに貿易保険が利用されなかったということにつきましては、基本的には当然これ事業者の判断でございますし、当省がその理由を申し上げる立場にはないわけでございますけれども、事業者は、恐らく当時の状況下、これは政治経済情勢あるいは当時の石油・天然ガス資源をめぐる状況も今とは大分異なっておったわけでございますが、そうした中で、特に同プロジェクトに有力なメジャーの参加が得られたことなども考慮をして、その当時の保険料率等貿易保険の商品性なども総合的に勘案した上で貿易保険を掛けずとも事業実施が十分にできるという判断をしたというふうに推察いたしております。
 それから、仮にというお話で御質問ございましたけれども、仮に貿易保険が付けられていればということでございますが、その場合は恐らく、NEXIといいますか、この貿易保険の主体、独立行政法人と日本政府が連携して何らかの形でロシア政府と話をする、交渉する機会が持たれたと思います。その結果がどうなったかは、またこれはちょっと別の問題でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#49
○直嶋正行君 済みません、ちょっとお答えにくい質問しちゃったんですが。
 今お話しになった、政府がこれは再保険していますよね、日本貿易保険の保険を受けて政府が再保険している。こういうことになっていると、一般論でいいですけど、政府はどういう立場で例えばこういうことに参画していけるのか、それがどういう効果があるのかということをちょっと説明していただけますか。
#50
○政府参考人(石田徹君) 正に今先生おっしゃられましたように、政府は独立行政法人NEXIとの関係でこの保険の再保険を引き受けるという、こういう立場にございます。
 仮に保険の事故が起こりますと、一義的にはNEXIが保険金を支払うわけですけれども、それは当然のことながら、再保険を引き受けている日本政府、これは特別会計でございますが、そこから最終的に再保険金という形で支払われるという損失が立つわけでございます。そういう立場で、保険事故に至らないように、日本政府としても、案件の性格にもよりますけれども、前面に出て相手国政府等と交渉するようなことが往々にしてあるということでございます。
 仮にこれが保険事故につながる、相手政府の例えば不当な介入によって保険事故につながるというようなことになりますと、これはその国、その案件だけではなくて、その国に対する、言ってみれば保険の面での信用力が下がるということでございますので、ほかの案件の引受けにも今後影響を来すとか、あるいは、ひいては国際的にもそういった保険機関の連携がございますので、その国のそういった面でのリスク判断に影響を及ぼすということで、そういう意味ではかなり交渉のレバレッジとしては使えるものがあるんじゃないかと思っております。
#51
○直嶋正行君 以上、JOGMEC、それからJBIC、そして貿易保険ということで、具体的な融資であるとか保険のお話を聞いたんですが、政府は今回は政策的にもこの仕組みを強化されたということでありまして、この効果もまた引き続き見守っていきたいというふうに思っています。
 こうした政策と併せて、今後、特に資源国との関係を強くしていく上で有力になってくるなと思われるのが、一つがFTA、あるいはEPAの締結であります。特に資源の安定的供給という観点から、資源国とのFTA、EPAの取組が非常に重要ではないかというふうに思っています。既に、GCC諸国というんですか、湾岸諸国あるいはオーストラリアではアメリカや中国とそういう話合いをしていると、かなり進んでいるというふうに聞いています。
 日本も政府がGCC諸国、オーストラリアとの交渉に入るというふうに聞いていますが、やはりできるだけ早くEPA、FTAを締結して、そういう面での経済的な結び付きを強くするということによってこうした資源国との関係にも強化をしていくべきだと、こう思うんでありますが、この点についていかがでしょうか。御見解をお伺いしたいと思います。
#52
○政府参考人(高田稔久君) EPAあるいはFTAの推進に関しましては、二〇〇四年の十二月に関係閣僚会議で決定をされました今後の経済連携協定の推進についての基本方針というものがございます。ここにおきまして、我が国への資源等の安定的輸入に資するか否かということを交渉の相手国あるいは地域を決定するに当たっての判断基準の一つとしております。また、昨年五月に経済財政諮問会議で決定されました経済のグローバル戦略におきましても、経済安全保障上重要な資源産出国との取組が重要であるとされております。
 このような観点から、経済産業省といたしましても、関係省庁と協力をして、インドネシア、チリ、ブルネイ、それから先生御指摘のありましたGCC、湾岸協力会議の諸国、豪州との交渉に引き続き積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 インドネシア、チリ、ブルネイにつきましては、それぞれ昨年末までにいわゆる大筋合意に達しております。現在、協定案文の最終確定に向けて鋭意作業をしております。それから、GCCとの、これはFTAでございますけれども、既に交渉を始めております。現在、交渉中。それから、豪州につきましては、今後正式交渉に入っていくという状況でございます。
#53
○直嶋正行君 大臣に今後の考え方もお伺いしたいと思うんですが、特にその場合に、今オーストラリアの話が出ましたが、特にここオーストラリアは資源国であると同時に農業国であって、日本への農産物の、日本からいうと輸入、大きな輸入先でもあるわけです。特に農業の関係者から心配する声も強いんですが、この辺も含めて現在の御所見をお伺いできればというふうに思います。
#54
○国務大臣(甘利明君) 我が国は今まで複数の国とのFTA、EPA交渉を行ってきました。今回、オーストラリア、豪州とのこのEPA交渉を進めるに当たって、与野党双方から、今回の交渉は今までとは少し違うぞと、相当留意をしながら慎重に進めるようにという要請をいただいております。
 先ほど来答弁がありましたように、FTA、EPA交渉を進めるに当たって、戦略的見地があります。その中で、資源というのはとても大事だということにさせていただいておりますし、オーストラリアは資源という点に関していえば、鉄鉱石とか石炭とか天然ガスとかウラン等々、日本にとって大事なパートナーであります。このEPA交渉の際にも資源の安定供給という項目をしっかり立てなきゃいけないわけであります。と同時に、農業大国でありますから、まともに取り組んだら日本の農業が相当な影響を受ける、ダメージを受けるというような試算もなされているところであります。
 このいわゆるセンシティブ品目、もちろん農業だけじゃなくて、革、皮革製品、我が省の所管でもセンシティブな項目があるんでありますが、これらのセンシティブ品目について配慮をするということを意識として共有していかなければいけないわけであります。
 先般、ハワード首相が来日をされた際、私も会談を持ちました。その際に、日本の農業を中心とするセンシティビティーについて十分配慮してもらえるようにという注文は出しておきまして、それに対してハワード首相からは、そのセンシティビティーについては十分に理解をしていると、双方にとって利益となるような交渉を進めることが重要であるという発言があったわけであります。
 そういう点では、基本的に双方のセンシティブ品目についての認識を持って、いい点を伸ばしていくというそのスタートラインの基本線は共有できていると思います。ですが、これからの交渉はいろいろ厳しい点も多々あろうかと思いますが、しっかりと留意すべき点に心を砕いて取り組んでいきたいというふうに思っております。
#55
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 もう一つ、FTAと並んでといいますか、この資源獲得に向けて有効な外交ツールとして私はODAがあるんじゃないかというふうに思います。このODAも、やはり今まではどちらかというとアジアを中心にした途上国のインフラ整備といいますか、そういうところにウエートが置かれていたというふうに思うんでありますが、やはり今後、資源国も含めたこの対象国を拡大をしていくと、こういうことが必要じゃないかと。
 それから、もう一つは、ちょっと私もいろいろ聞いてみますと、特にこの円借款、今ちょっと円借款のお話で申し上げているんですが、この円借款についてはどうも時間が掛かり過ぎると、こういう声が非常に強くて、長いものになると十年近く掛かっちゃって、正直言って有り難みも薄れると、こういう話も聞いています。
 したがって、やはり一つは資源国も含めて対象を拡大していくと、円借款について。それから、もっとこの手続を、プロセスを迅速化すると、この点について、外務省の方、今日来ていただいていますかね、外務省の方の御所見をお伺いしたいというふうに思います。
#56
○政府参考人(杉田伸樹君) 円借款の迅速化の件でございますけれども、これまで円借款の供与決定ということに関しましては、要請から借款契約の調印までの期間を九か月以内というふうにするということで、それを目標としまして標準処理期間というものを平成十六年度から導入するということで迅速にしようということで努めてきております。また、来年度からの適用ということを視野に入れまして、案件形成段階あるいは事業実施段階をも含めた更なる迅速化を目的として、昨年の九月以降、政府部内で検討会を開催しているところでございます。
 現在、我が国政府における借款供与に係る検討時期の柔軟化、あるいは相手国の能力向上のための取組強化等の具体的な方策というものについて検討をしているところでございまして、こういうような施策を通じまして、今後とも、引き続き円借款を積極的に使っていただけるようにというふうに考えております。
#57
○政府参考人(石田徹君) ただいまの先生の御指摘の資源国への対象国の拡大の方の件でございますけれども、資源国との関係の強化でありますとか、資源開発のための環境整備を図るという観点から、この円借款を活用するというのは非常に重要なことだと認識をいたしております。
 これは、総理をヘッドにいたします、甘利大臣もメンバーになっておられる海外経済協力会議においてもその旨が確認をされておりまして、政府一体となってそういう方向で今取り組んでいるところでございます。具体的には、対象国に関しましては、例えば、直近ではイラクに新たに円借款供与を行う中で資源分野への協力を重視をした対応を行ってきたりしております。
 今後につきましても、特に資源国に対しましては、相手国の財政状況に起因する制約等、当然あるわけでございますけれども、そういったものに留意をしながら円借款を戦略的に活用していきたいということで、外務省、財務省とも協力をしながら、その具体的な円借款案件の形成に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#58
○直嶋正行君 それから、もう一つは、無償資金協力というのはODAの中にあるんですが、例えば、資源国の中でも非常に債務を抱えていて、いわゆる借款では難しいというところもあるというふうに思うんですが、例えばこういうところに対して無償資金協力ということを積極的に活用していくというのも一つのアイデアではないかなというふうに思うんですが、これは外務省の方で今こういうことは御検討されているのかどうか、お伺いしたいと思います。
#59
○政府参考人(杉田伸樹君) 委員御指摘のとおり、資源の乏しい我が国にとってその資源確保というのが重要な外交課題の一つであるということでございます。
 昨年八月に開催されました海外経済協力会議においても、ODAを活用して資源国との関係強化あるいは資源開発の環境整備を図っていくということが確認されております。資源確保のために、ODA、あるいはそのほかにもOOF、その他政府資金、あるいは民間とどのように連携が図れるかというものを検討しているということでございます。
#60
○直嶋正行君 ちょっと私が今お伺いした、無償資金協力の話についてお伺いしたんですが、ほかのことは結構ですから、それだけお答えいただければ。
#61
○政府参考人(杉田伸樹君) どうも失礼いたしました。
 無償資金協力、特に先生御指摘のような地域、例えばアフリカというようなものが頭にあるかと思いますけれども、アフリカに関して、我が国、従来からTICAD、アフリカ開発会議のプロセスというものを軸に支援をしていくということでございまして、二〇〇五年の四月のアジア・アフリカ首脳会議において、小泉総理からアフリカ向けのODAの倍増というものを表明したりしているということでございます。そういう意味で、二〇〇七年にはこの公約の達成が求められるということで、ODA予算全体として削減されている中、アフリカに対する無償資金協力についても可能な限り増額するように努めているところでございます。
 外務省としては、引き続きこの公約の実現に向けて取り組んでいく考えであるということで、その中で資源国との友好関係の強化というふうな資源確保の観点というものを踏まえていきたいと、こういうふうに考えております。
#62
○直嶋正行君 これ、まあもうちょっとやりたいところですが、もう私も持ち時間が乏しくなってきましたんで、この程度にしておきたいと思うんです。
 ちょっと一連の議論を通して、特に資源確保の問題について大臣の御所見をお伺いをしたいんですが、申し訳ありません、ちょっと私時間がなくなってしまいましたので、できましたら厚かましいんですけれどももう一つ付け加えさせていただいて大臣の御所見いただきたいんです。
 というのは、さっき渡辺議員の方からも今回の北陸電力の件について質問がありました。それで、実態がどうだったのかとか、技術的な問題はさっきありましたようにまた改めて質問をさせていただきたいというふうに思いますが、私が一番気になっていますのは、こういう隠ぺいと言われているようなことが相次いで起きると、特に今回の場合は臨界という、臨界事故ということでありますから非常に深刻なんですが、とりわけ新聞で報道されたりテレビで出てくる私は地元の方の声をすごく気にしているんですよね。
 私も日本のエネルギーの状況を考えると、原子力発電は推進しなければいけないと、これはもう明確にその立場に立っています。そんな中で考えますと、特にこれから控えているのがプルサーマル計画という、非常に重要なことが後に控えていまして、こういう事態が続いていくと、プルサーマル計画を実行する場合はやはり地元の了解を得ないとなかなかできないというふうに思うんですが、こういう事態が続くとこれも計画も後送りにならざるを得ないのかなと、後送りになってしまうようなことになるんではないかなと、スタートがですね、そういう懸念も持っておりまして、特にこういうことの今後のその我が国の原子力政策、とりわけこのプルサーマル計画への懸念を持っているんですが、この点についての大臣の御所見と、ちょっと誠に恐縮ですが併せてお答えいただければ有り難いと思うんですが。
#63
○国務大臣(甘利明君) まず、前段の資源外交に関して、首脳レベルあるいは閣僚レベルで積極的に取り組んでいくという、これはおっしゃるとおりであります。
 私自身もインドネシア、カタール、イラク、これらの国との間でエネルギー分野の協力を含む共同声明の署名を行ってきましたし、ゴールデンウイーク中にはウズベキスタン、カザフスタン、サウジアラビア等々訪問する方向で今検討を進めているわけであります。総理御自身も、もちろん小泉前総理も資源外交を積極的に展開をされましたが、安倍総理もそういう決意で臨んでおられますし、首脳・閣僚レベルの資源外交を積極的に展開をしていきたいというふうに思っております。
 それから、原子力発電所にかかわるデータの改ざんであるとかあるいは事故の隠ぺいについて、これらがこれから進めようとしていくプルサーマル、あるいはその先には高速増殖炉の商業炉化という大課題があるわけであります。これらのブレーキ要因となってしまわないかという御懸念であります。私も非常に心配をしております。
 ただ、私は記者会見でも申し上げているんですが、毎年毎年原子力安全というのは法律の整備が進んでいるんでありますと。今回は、その改ざん、データ改ざんとかあるいは事故隠し、これをその過去に、それこそ二十年もさかのぼって洗い出しをやっているわけです。つまり、何か不備があってぽろぽろ今出てきているというんではなくて、過去の洗い出しを掛けていると。なぜそんなことをするかといえば、今後そのデータ改ざんなどが行われない、その出たデータがちゃんと記録されるようにそういう体制をつくっていく。それから、事故につながりかねない案件についてはみんなでその情報を共有して事前の策が打てるような体制にしたいと。これをもって世界で一番原子力安全が徹底している国日本をつくりたいという思いでやっているわけであります。
 前回の法改正、十五年十月以降の案件は出てきておらないということは、その法改正がちゃんとワークをしているということであろうと理解しておりますし、その十五年十月の法改正でもまだその拾い落としている点があるかどうかを今過去洗いざらいを全部洗い出して、これのデータを基に全部検証して、十五年十月の改正でもまだ至らない点はどこかということを検証して、それこそ世界で一番安全体制の構築が図れるような法体系にしたいというふうに思っております。
#64
○直嶋正行君 大臣のお考え、特にこの原子力発電についての今の大臣のお考えは私なりに理解できます。
 問題は、やはりそういう御趣旨がきちっと国民に伝わっていくかどうかということで、やはりこういうことを隠していた電力会社は信用できないとか、あるいはこういう体質が続くんじゃないかとか、様々なことが言われておりますので、そういう意味でのいわゆる広報活動というんですかね、何のためにやっているか、それから、その中でもやっぱり今回のケースはちょっと悪質過ぎると私は思うんですが、いずれにしてもそういうものを透明にきちっと原因も含めて究明をして公開をしていくというようなことも併せて今後の努力もお願いを申し上げたいと思います。
 ほかに実は幾つか、地域活性化策もお聞きをしようと思って予定していたんですが、私の時間がちょうど二十七分までということでございまして、ちょうどいいようでございますので、これで終わらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#65
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私も質問に入る前に一言申し述べさせていただきたいと思います。
 あってはならないこと、起こってはならないことが起こったわけでございます。それは、商業炉での臨界事故が北陸電力の志賀原発で起こったと。もう言葉にならないくらいショックでございました。この臨界事故そのものも大変ショックでしたけれども、もっとショックだったのは皆でこれを隠ぺいしたということであります。そしてまた更にショックだったことは、今回の甘利大臣の御発言がもしなければ、これ出てこなかったんですよ。そして、あの中部電力浜岡原発、あるいは東北電力の女川原発の制御棒が抜けるトラブル、これも出てこなかったんです。
 先ほど、私は渡辺先生の御質問、本当にそのとおりだと胸にしみました。私も昨年は経済産業副大臣を務めさせていただいて、党の女性局長もさせていただいています。全国出掛けていって、女性フォーラムあるいは女性の大会等でしばしば私は、この原子力発電、御理解いただきたいと、CO2を出さない、環境に資する、もうこの本当大事な原子力政策に御理解いただきたい。また、地元の皆様、設置してくださった皆様に感謝申し上げます。言えないですよ、もう。なぜならば、安全対策は重ねて行っていますと言ってきたんです、今まで。本当に残念であります。これは別途また御質問させていただく機会があると思いますので、ともかく肝に銘じて、これはもう経済産業省、保安院、全メーカー、全電力会社挙げて根本的に一から出直していただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。
 それでは質問に入らせていただきたいと思います。
 コンテンツ産業の国際展開とアジア等との連携強化ということも経済成長戦略大綱における重要項目となっておりますことから、これと関係する海外から招聘するアーティストの問題について私はお伺いをしたいというふうに思います。
 法務省の出入国管理統計によりますと、平成十八年に日本に入国した外国人は約六百七十三万人、うち興行目的での入国が四万八千人だそうであります。その前年、十七年は実は十万人だったんです、興行目的で入ってきている人が。半分に減りました。
 これは実は理由がありまして、私も人身売買PT、与党の、頑張りました。つまり、フィリピン等から芸能人証明書を持って入国する外国人、この規制が強化されたんですね。なぜならば、興行ビザで入ってきて、あるいは風俗営業の店、あるいは性風俗の店で本当に働かされると、こういう問題があったので、これは何とかしなきゃいけない、頑張って規制が強化されました。これはいいことであると思っているんです。
 しかし反面、純粋に公演を目的として来日しようとする海外のアーティストも入国にはこの興行ビザで入るしかない。私は実は二年前に申し上げました、カンヌ映画祭で経済産業省がブースを出したと、これはすばらしいことだという、新聞で紹介もいたしました。それから、またこれは違う新聞ですけれども、三十年後の日本、五十年後の日本、ゴールドマン・サックスがこれを出しました。GDPにおける経済大国どうなるか。日本は五十年後には世界で第四位、一位が中国です。二位、三位でがんと離されて日本が四位で、五位のブラジルからももう入れ替わられるような状況。日本の国力は落ちると。ただその中で一つだけ日本が世界に勝てるものがあると、それが文化力だという。ゴールドマン・サックスが出して、また違う有識者の先生方がお話ししているんですけれども。
 日本は今、アニメあるいは漫画、キャラクター、音楽、こういう新しい文化が育ってきているんですね。これは昨日、十八日の日経新聞の社説、私読みましたら面白い記事が載っていました。「親日の輪を広げる発信力を」ということで、BBCが最近まとめた国際世論調査の結果に多くの日本人は意外感を抱いたのではないだろうかと。世界二十七か国の二万八千人を対象としたアンケートで、国としての日本の好感度が何とカナダと並んで世界第一位になったんですね。これは無作為に選んでいるわけでございます。別に政治外交に携わる当事者とか有識者の見解ではなくて、市井に住む人々の目に映る日本のイメージであり、好感度一位という事実は重要だと。日本人気の背景を知り、国際政治での含蓄を考えることには意味があろうと。アニメや漫画、ゲームが象徴する新しい日本文化の世界への浸透が好感度に貢献しているのも間違いないと。文学や芸術を含め日本の文化と関連産業には次世代の親日派を海外で増やしていく潜在力がある。その外交資産としての価値を過小評価すべきではないという、こういう記事でありました。
 また、これは私は、大臣はコンテンツ産業非常に以前から力を入れていらっしゃいます。大臣のこれはリーダーシップで設置がなされたんだと思いますけれども、これも日曜の新聞、「「日本アニメ」アジアに発信」ということで、シンガポールにジャパン・クリエイティブ・センター、これができるということで、多分これは甘利大臣のリーダーシップではないかと。つまり、文化ということが非常に大事であるということが申し上げたくて今お話をしているんですけれども。
 その中で、興行で入ってこざるを得ない芸術家、しかし実は興行のほかにも芸術という枠もビザにはあるんですね。興行と芸術の区別というのは必ずしも容易ではなくて、興行が芸術より下だとか、そんなことは私ども毛頭思っておりません。しかし、その芸術の枠で海外のアーティストを招聘してもいいのではないかというふうに思っているんですね。やはり芸術家は興行というビザで入国することに大変な違和感を感じております。
 平成十八年に芸術の資格で入国した外国人、わずか二百二十三人。出入国管理及び難民認定法によれば、芸術とは、収入を伴う音楽、美術、文学そのほかの芸術上の活動とあるんですね。アーティストの多くをここでこうやって、ここに入るんじゃないかと、これも私はあると思うんですね。しかし二百二十三人。
 それでは伺います。具体的にこの芸術の枠で入ってきた二百二十三人は活動内容どのようなものか、芸術と興行を区別する基準は何か、なぜ芸術資格でアーティストを招聘できないのかについて、簡潔に御答弁よろしくお願いいたします。
#66
○政府参考人(稲見敏夫君) お答えいたします。
 三点御質問がございました。
 まず、昨年、平成十八年一年間に芸術の在留資格で入国した二百二十三人の方、このうち私どもで詳細な資料を持っておりますのは百八十九名でございまして、これにつきまして具体的にどういう活動をしているかということを調査いたしましたところ、バレエ、フラメンコあるいはピアノなどの芸術上の活動につきまして日本で指導を行う、こういう活動を行う方が百八十二名、九六%、圧倒的多数でございます。残りの七名の方が画家、写真家などの創作活動に従事される方となっております。
 それから二点目の、興行と芸術の違いでございますが、現行の入管法におきましては、演劇、演芸、演奏、スポーツなど、これは公衆に見せる、いわゆる公演活動を行う、この場合には興行という名称の在留資格で入国を認めるということになっております。
 今申し上げました活動も、実は音楽、美術その他芸術上の活動ということになるんですが、芸術という在留資格につきましては、今申し上げました興行以外の音楽、美術、文学その他の芸術上の活動を行う場合、その場合に与える在留資格が芸術ということになっております。
 それから三点目の、アーティストの方が公演活動を行う場合に芸術で入国できないかという御質問でございますが、現行の入管法、これは在留資格で日本に入国、在留を認めるカテゴリーを決めているわけでございますが、この在留資格、その大半はどういう活動を日本でやるかということに着目をいたして決めております。したがいまして、アーティストという身分での在留資格ではなく、そのアーティストの方が日本で何をおやりになるかと、その活動に着目して在留資格を与える。したがいまして、アーティストの方につきましても、芸術で与える場合、芸術の在留資格を与える場合もあれば興行の在留資格を与える場合もある、あるいはそれ以外の在留資格を与える場合もある。それは活動で判断するという仕組みになっております。
#67
○松あきら君 今趣旨をお答えくださったんですけれど、何が言いたいかというと、芸術の枠で入ってこられた方々が、部屋の中で教える、部屋の中で何かお話をする、講演する、あるいは絵をかく、これはいいんです。だけど、一流のアーティストが、じゃ皆さんの前で演奏しましょうか、できないんですよ。何でこんな不思議なことが起こるんでしょうかと。私は、甚だこれはもう多くの方が疑問に思っているんです、おかしい。ちょっとやめてください、それは困るんです、だって別にお金取りませんよ、駄目です、こういうことになっているんです。おかしいんです。
 近年、有名な文化関係者、我が国への往来も激しくなっております。芸術家、文化関係者、大切に厚く対応することも私は文化立国の日本にとっては大事なことだというふうに思っております。
 外国にはカーティシービザ、儀礼ビザというのがあるそうであります。日本は、例えば、今興行と芸術なかなか区別できない、また芸術のビザではパフォーマンスができない、もういろんなことが本当にややこしいことがあるんですよ。もう嫌らしいぐらい細かく決まっているんですね。もうおかしいんです。ですから、例えば、じゃこのビザを作って、これから日本は文化で世界に貢献しなきゃならないんですから、世界的にそういう方であればどうぞ御自由に日本国内で活動してください。カーティシービザについてはいかがでしょうか。短くね。
#68
○政府参考人(稲見敏夫君) お答えいたします。
 委員御指摘の在留資格、芸術で入国されたアーティストの方が公演活動を行うと、こういう場合は、事前に現行法上は私どものところで資格外活動許可という名称の許可をいただくことになっております。ただ、昨日調べましたところ、昨年一年間でそのような申請は実は私どものところには出ておりません。申請がないからといってニーズがないというわけではないと思いますので、私ども入国管理局といたしましては、早急に芸術の在留資格で入国されているアーティストの方につきまして、公演活動に従事する予定の有無等、その実情について調査させていただきまして、芸術上の活動の指導に当たるとともに、円滑に公演活動ができるというように、資格外活動許可の運用の在り方を中心に検討させていただくこととしております。
 在留資格につきましては、その構造上、先ほど御説明させていただきましたとおり、活動を中心に組み立てておりますので、今後の研究課題ということでお考えいただければと思います。
#69
○松あきら君 もうこれが現実なんです。先生方に私は是非知っていただきたい。
 ここからが大事なんです、実は。本題の課題、重要な私は質問をいたします。
 次に、海外から招聘するアーティストに対する課税問題、これでございます。租税条約によって免税とされている外国の芸能法人、いわゆる免税芸能法人については、租税条約上免税とされているにもかかわらず、いったん日本の興行会社に一五%の源泉徴収を行わせております。免税芸能法人は一定の国で、これ欧米を中心に十二か国が免税芸能法人になっておりますね。そのほかの国は免税ではない。しかし、その免税の十二か国では、日本の国で特別に租税特別措置法四十二条三項で一五%の源泉税を取ると、こう決めているんです。そのほかの国には所得税法二百十二条一項で二〇%の源泉徴収、決めているんです。
 日本の興行会社は、その免税芸能法人より一五%又は二〇%の源泉税を徴収し、納税することになっておりますが、しかし、この税金は還付請求することになっているんですけれども、結果、免税となるよと日本は言っているんですけれども、とにかく複雑な手続、そしてまた、とにかく外国の芸能法人にこれ説明したって、諸外国ないんですよ、こういうやり方が。ですからなかなか理解してもらえない。
 どういうことになるかというと、日本の呼んだ芸能法人が払うんです、立て替えて。立て替えて払うんです。そして、後で外国の芸能法人の方からいろんな書類を取り寄せて、そしてそれを手続をして返してもらうということになっているんですけれども、外国の芸能法人は自分の国へ帰ると、あなたは免税されている国でやったんだから税金掛かってない、だから自分の国で払いなさいって取られるんですよ。つまり、自分の国で税金を払っているから、何で日本で免税のこの措置、だってそれは信じてもらえないわけですよ、幾らこの、あれがありますから、租税条約上免税になっているから、信じてもらえないから払うと。で、またこっちで払わなきゃいけない、そんなばかなことない。ですから、いろんな書類なんて送ってきやしませんよ、そんなもの。ですから、必然的に日本の芸能法人がそれをかぶるということになるんですね。
 それがどういうことになるかというと、いろんな有名な方たちも一杯来ていらっしゃいますけれども、みんなこれで悩んでいる。それでメトロポリタン歌劇場が来ても、どなたが来ても、まあはっきり言って高いです、入場料が。というのは、高くせざるを得ないんですよ、こういう税制の状況になっているから、どうしたって日本の芸能法人。これ普通は、私が思うのは、やっぱりこれおかしいと、だって自国で払っているんだから。こっちでは日本が呼んだ日本の芸能法人が、あるいは利益が出れば個人で払えばいいんですから。何でこれわざわざこんなことしなきゃならないのか。
 実は、私はこれ、日本の実は芸能法人も源泉税取られていたんです、一〇%。私はこれは絶対おかしいと。だって、例えばイベント五千万で請け負ったら、もうそこにはお弁当代から電車賃から宿泊代から全部入っているんですよ。それなのに、まず一割取られちゃう。後で還付すればいいでしょうと言うけれども、やっぱりこれはとっても複雑でなかなか、もうみんな泣き寝入りしている。芸能人はうさん臭い、差別をしている、こういうことがあると私は指摘をして、随分掛かりましたけれども、これ撤廃してもらったんです。今本当に助かっていると言われているんです。
 ですから、私は、この日本の芸能法人と同じように外国の芸能法人に対しても、日本がそれを肩代わりして払うなんという、こんなややこしいことしているから、私は日本は世界に信用されない。そして、日本人は分からないから、入場料はもうこれ高いのはしようがないのかな、有名な人たちが来るからと思っているんですけれども、こんな裏があるなんて知ったらみんな怒りますよ。
 いかがですか、撤廃。短く。二分しかないんで。
#70
○政府参考人(佐々木豊成君) お答え申し上げます。
 課税の仕組みにつきましては、先ほど先生の方からお話がございましたので、改めて申し上げませんですが、免税になりますと、条約上免税になりますと課税法人を介しまして、個々の芸能人がパフォーマンスを行いましたその報酬というものにつきましては、まず芸能法人がまずいったん、芸能法人に対して源泉徴収をした上で後で精算をして還付するという仕組みになっております。この仕組みは我が国にその拠点、(発言する者あり)はい、我が国に拠点のない芸能法人に対する、これはその適正な課税の確保という観点から導入したものでございます。
 我が国のこういう仕組みの在り方につきましては、このような適正な課税の確保という趣旨を踏まえまして、御指摘の納税者の負担とか、あるいは我が国における外国芸能人の活動への影響などの実態を把握し、また諸外国の仕組みを研究してまいりたいと思っております。
#71
○松あきら君 もう今これが実態なんです。私も細かく言いたいことは一杯ありますけれども、言いません。しっかりとこれは今ここで撤廃するとはおっしゃれないと思うけれど、しっかりと検討して私は前向きにこれはやっていただきたい、是非撤廃していただきたいと思います。
 大臣、今の御見解いかがでしょうか、伺っていて。
#72
○国務大臣(甘利明君) コンテンツ戦略を進めていく上で、日本のアーティストが海外に行き、海外のアーティストが日本に来ると。それで芸術活動を相互に促進をしていくと。そういう点に関して両国間の納税に関する整合性が取れていない、いわゆる移転価格税制の問題は過去からたくさん続いている問題でありますが、この種の問題も存在するということを先生の御指摘で認識をいたしました。不合理な点は早急に改善すべく取り組んでいくべきだと思っております。
#73
○松あきら君 ありがとうございました。どうぞ大臣、よろしくお願い申し上げます。
#74
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。志賀原発事故についてお尋ねをいたします。
 先日、事故現場に行って話を聞いてまいりました。所長も原子炉主任技術者も臨界事故のことを知りながら事故を隠ぺいいたしました。隠ぺいは立派なこれは犯罪行為でございます。しかも、これを会社ぐるみ、組織ぐるみでやったことも明らかになったというふうに思っています。
 問題は、なぜ隠したのかということでありますが、一部マスコミにも出ておりますけれども、着工が目前の志賀の二号炉のこの建設をスムーズにしたいと、これが露見すれば二号炉の建設がなかなか困難になると、これが主な動機ではないかと、こういうふうに言われておりまして、私もいろいろ話を聞いてそうではないかというふうに思っておるんですが、この最大の隠した理由、何というふうに皆さんは理解されておられますか。
#75
○政府参考人(広瀬研吉君) お答え申し上げます。
 事故が発生をしました際の状況、事故を隠ぺいした理由、隠ぺい決定に至る経過等の事実関係につきましては、現在、法律に基づきまして北陸電力に事実関係等を報告するように指示をしておるところでございます。その報告を待って中身を見ていきたいというふうに考えております。
#76
○近藤正道君 制御棒の落下の事故が志賀原発のほかに昨日、今日、女川、浜岡でも発覚をいたしました。これをどういうふうに受け止めておられますか。とりわけ沸騰水型原発の制御棒の駆動機構に問題があるんではないでしょうか。どうでしょう。
#77
○政府参考人(広瀬研吉君) 先生御指摘の平成三年、浜岡三号機、中部電力の浜岡三号機及び昭和六十三年の東北電力女川一号の事象は制御棒が試験中に引き抜けたものでございますが、いずれも臨界事故に至ったものではございません。また、事故当時に適切に記録がなされておりまして、原因究明及び再発防止対策がなされており、志賀一号機の臨界事故とは異なるものであると認識をいたしております。
 先生御質問の制御棒駆動機構について私どもの現段階の考えをお答え申し上げます。
 制御棒駆動機構にはコレットフィンガという歯止め機構が付いておりまして、制御棒を保持する機能を有しております。制御棒の引き抜きのところについてだけ御説明を申し上げますと、制御棒の引き抜き側の水圧が加わると、その水圧はコレットフィンガを押し上げて外すとともに、制御棒を下げるメカニズムとなっております。今回の事故のときには、弁の誤操作によりましてコレットフィンガに水圧が掛かった状態が継続したため、この水圧に従ってコレットフィンガが外れた状態が継続をし、その間に制御棒が連続的に引き抜かれたものと推定をいたしております。コレットフィンガが想定外の動作をしたために溝から外れ、制御棒が連続的に引き抜かれたものではないと考えております。
 このため、現段階では沸騰水型原子力発電所の制御棒に構造上の問題はないと考えております。
#78
○近藤正道君 女川と浜岡の事故が報告されていれば、私は、志賀の事故も起こらず、また隠ぺいも起こらなかったんではないかと、こういうふうに思っておりますし、志賀が起こらなければその後のジェー・シー・オーの東海のあの二人亡くなった大事故も起こらなかったんではないかと、こういうふうにも思っております。
 是非この機会に、その報告の義務の対象を拡大をして、制御棒の脱落事故も国への報告事項とすべきではないかと、こういうふうに思っております。
 そしてもう一つ、時間がありませんのでまとめてお尋ねをいたしますが、原発関連のやっぱり刑罰、この最高刑をもっとやっぱり重くすべきだと、こういうふうに思っています。三年の公訴時効というのは余りにも短過ぎると。平成十五年に改正をいたしましたけれども、この原発関連の事故の重大性にかんがみれば、もっと最高刑をやっぱり引き上げるべきだと。公訴時効ももっと延長させるべきだと。そういうことを是非私は大臣に御検討いただきたいと、こういうふうに思っております。併せてお考えをお聞かせください。
#79
○政府参考人(広瀬研吉君) 制御棒落下のようなことを国の報告事項とすべきかどうかという点につきましては、現在、三月末までに報告を求めておりますので、提出された全報告を精査をしていく中で検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
#80
○国務大臣(甘利明君) 三月一杯をめどにあらゆるこの種の情報の洗い出しを進めているわけであります。その中ですべてを精査しまして、事故につながるような案件の提出事項が義務化されていないということが仮にあるとするならば、それはきちんと追加をしていきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、すべての洗い出しをして、事故につながりかねないミスの起こり得る可能性の共有を、情報の共有を全電力事業者でできるようにしていきたいと思っております。
#81
○近藤正道君 いろんな事実が明らかになってきておりますが、法令違反、罰則に触れる犯罪行為もありますけれども、みんな時効で手も出せないと、これは本当にひどいと思うんです。たまたま事故が起こりませんけれども、しかし、万一の原発の事故の被害の甚大さを考えれば、私は、最高刑はもっと重くすべきだと、そして公訴時効の期間はやっぱり長くすべきだと、是非そのことを御検討いただきたいというふうに思っています。
 そして、今回、制御棒の落下事故、それも二本以上の落下事故が短期間に三件連続して起こったと。ところが、国の安全審査は、制御棒の落下事故、これは一本の制御棒が落下すると、その場合どうするかと、こういう事故想定しかしていない。これはやっぱり、原発の安全審査の基準の見直し、これも是非やっていただかなければならないんではないかと、こういうふうに思っています。これについては是非原子力の安全委員会の方で検討いただきたいというふうに思っています。
 時間がありませんので、もう一つ最後に申し上げたいというふうに思っていますが、私は今回の隠ぺいは、明らかにこれは、いろんな情況証拠から考えて、今の臨界事故の直前にあるトラブルがあったと。そして、その数日後にこの今回の日本で初の臨界事故が起こったと。これが明らかになれば目前の志賀の二号炉の建設計画がうまくいかない、これをとにかく回避したいと。そのために隠ぺいしたこと、これはもう明らかだというふうに思っています。正に安全よりも会社の都合、会社の利益を優先した、こういうやり方でありまして、私は、北陸電力には本当に原発を運転する資格はあるのかと、こういうふうに思えてなりません。
 是非この機会に徹底的に大手術をしていただいてうみを出していただきたいと。そして、やっぱり、電力会社にごまかされないで、国の検査官がやっぱりちゃんと現場を押さえるシステムをつくっていただきたい。そして、規制を緩めるんではなくて、今こそやっぱりきちっと強化をしていただきたい。そういうことがない中で、私は、プルサーマル計画という新たな段階なんかとんでもないと、国民はそんなものを全く許さないと、こういうふうに今思っております。そのことについても是非大臣の所見をお伺いをしたい。
 この二問でございます。いかがでしょうか。
#82
○政府参考人(片山正一郎君) 御説明を申し上げます。
 原子力安全委員会が定めた安全設計審査指針におきましては、最も効きの強い制御棒一本の引き抜きに対する原子炉の停止余裕、これを考慮した設計であるということ、これに加えて、ほう酸水注入系など、独立した原子炉停止系の停止能力を考慮した設計であることを求めております。また、安全評価指針に基づいて安全評価も行われているところでございます。
 原子炉施設の安全性は、安全審査において確認される基本設計あるいは基本設計方針のみではなくて、詳細設計あるいは建設、さらに運転段階の運転管理が相まって確保されるものでありますから、現在の状況をもって直ちに安全設計審査指針などの安全指針の問題とは考えておりませんが、いずれにせよ、現在、事実関係及び発生原因の徹底的な究明あるいは抜本的な再発防止対策の策定に向けた検討が行われているところでございますので、原子力安全委員会といたしましては、これらを十分踏まえた上で適切に対応してまいりたいと考えております。
#83
○国務大臣(甘利明君) ジェー・シー・オー事故以降、保安検査官というのを常駐させるようにしました。これは二十四時間どこでも立ち入っていける権限を持たしてあります。ですから、今回のような、それ以降事故隠しはできない体制にしましたし、それから記録をちゃんと保存をする、それから自主点検を法定義務化する、罰則を強化すると、こういうことを併せて十五年の改正で更に追加をしたわけであります。これの効果がきちんと続いていると思いますので、それ以降の虚偽案件の報告はないというふうに承知をいたしております。
 さらに、過去の案件を全部洗いまして、現状で拾い漏れをするような不備がないかどうか、これはきちっと検証して、仮にあるならばそれをきちっと追加をしていきます。
#84
○近藤正道君 終わります。
#85
○鈴木陽悦君 予算の委嘱審査でございますが、私も冒頭に今回の臨界事故の件につきまして、一言私の気持ちと、それから大臣に御所見を伺えればと思っております。
 ちょうど先週の十五日、この委員会では一般質問が行われていました。その委員会の始まる前に今回の事故のニュースが飛び込んできて、委員会の裏ではいろいろとニュースが飛び交っていた、そんな事情でございます。それから、昨日になって、東北電力、中部電力、いろいろと出てまいりました。十五年以降はこうしたケースはないというお話でございましたけれども、古いもののうみを出すという意味では、大臣の十一月三十日の指示というのは私も非常に共感できますし、承知できるものでございます。
 ところで、ちょうど三年前の平成十六年の八月でございますが、私がこの委員会に所属して一番最初の仕事というのは、福井県の美浜原発、この事故現場の視察でございました。その後、この委員会でもこの美浜原発についていろいろと議論をさせていただきました。かいつまんで言いますと、その中で、政府側の答弁、電力側も、そして院側からもちょっといろいろとお話、質問させていただいたんですが、出てきた言葉というのが、情報の共有、まさしく水平展開という言葉が盛んに出てまいりました。どちらの中でもいろんな形で水平展開、水平展開。
 私、そのときの理解としては、自分としては、水平展開というのは技術面じゃなくて安全意識全般に対する共通認識の水平展開であるというふうに認識をしたわけでございますが、ところが、今回のもう様々なこの出てきた事件、事故を見ますと、どうもその水平展開という部分が、確かにこれは三年前でございますが、その三年前をきっかけにまた水平展開というのがなされていれば、もっともっといろんなところで安全意識が働いていったんじゃないか、そんな気持ちに包まれるわけでございますが、今回のこの一連のトラブルを受けまして、大臣の安全意識に対する御決意を冒頭に伺えればと思います。
#86
○国務大臣(甘利明君) 先生のお話に全く共感をするところであります。
 私は、昔、商工委員会の委員長をやっているときに、フランスの原子力の委員長と対談をしました。そのときに、原子力を一生懸命先頭に立って進めていくのはフランスと日本だと。原子力を進めるに当たって何が大事かといえば、安全であるという信頼を確立することが何より大事だと。そこで、世界じゅうの原子力発電所に関するトラブルを全部IAEAにデータを集めて、それをすべての原発立地国で共有するというのをやるべきじゃないかということを言った記憶があります。正に国内的水平展開、国際的水平展開であります。
 あらゆるデータを共有をして、それでよそで仮に起きたようなことがそのほかのところでもう知見として習得していて、先回りしてそういうことを防げるというような体制にすることが大事だと思っておりまして、正に御指摘の点が極めて大事だと思っております。そして、こういうトラブルのデータバンクにすぐ登録するということにさせていただいております。
#87
○鈴木陽悦君 原子力の安全性、安全意識というのは、本当に水平展開、これは言葉は生きていると思いますので、是非徹底していってほしいと思っています。
 その原子力については、今回の一連のトラブルを受けまして、なかなかその立地関連、住民理解、難しい面があると思います。その一方で、最近にわかに注目されているのがバイオエタノール燃料でございます。新年度の予算でも、バイオマス由来燃料に係る調査研究・技術開発・実証に百二億円、今年度七十六億を大きく上回る額になっておりまして、政府は京都議定書目標達成計画で二〇一〇年度までに五十万キロリットル、原油換算ですけれども、これを目指していると。
 バイオマスとなりますと、内閣府、農水、環境、国交、経産省、省庁の壁を乗り越えて取り組まなくてはならない部分がたくさんあります。正に経産省も様々な面で積極的にリーダーシップを取っていかなくてはならないと思っておりますが、新しい情報を含めた現在のバイオエタノール、由来燃料、取組を是非聞かせていただきたいと思います。
#88
○政府参考人(望月晴文君) お答えいたします。
 バイオエタノールの導入は、エネルギー源の多様化及び地球温暖化対策の観点から大変重要な案件であります。しかし、現時点では、経済性、供給安定性、流通段階における対応の必要性といった課題を有しております。このため、経済産業省といたしましては、国産バイオエタノールのコスト低減に向けた技術開発や、各地におけるE3、エタノール三%混合ガソリンの実証事業などを引き続き実証する予定になっております。
 また、来年度から新たに関係府省と連携をしながら、例えば沖縄県の宮古島において大規模な実証事業を行う予定でございまして、E3には地産地消のエネルギーとなる可能性があるというふうに思っております。
 また、バイオエタノールをETBEとして導入する方式につきましても、来年度から石油業界が行うETBE混合ガソリンの流通に関する大規模な実証事業への支援を予定をいたしております。
 さらに、将来の自動車用燃料という観点からは、バイオエタノールを始めとして、ほかにも次世代バッテリーや燃料電池などの技術開発や導入を推進するため、次世代自動車燃料イニシアティブということを甘利大臣のリーダーシップの下、公表をいたしたところでございます。
 今後、関係業界と協力しながらその具体化に努めてまいりますが、その際、農林水産省、環境省など関係府省と緊密に連携をしながら、特にバイオエタノールの導入促進には積極的に取り組んでいきたいと思っております。
#89
○鈴木陽悦君 長官から宮古島バイオエタノール・アイランド構想という言葉が出てきませんでしたが、これは二十年度から本格的に展開するということでございます。バイオエタノールは、サトウキビ、廃木材、トウモロコシ、食品廃棄物などに加えまして、多収穫米、まあ味は別にした多収穫米の米についての実証実験なども進められていると聞いております。
 こうした、にわかに脚光を浴びてきたバイオマスエタノール、バイオエタノールの陰で、従来から行われてきましたいわゆる新エネ、太陽、風力についてはかなり、最近のバイオエタノールが脚光を浴びているのでトーンダウンしたんじゃないかとちょっと私懸念を抱いているのでございますが、新年度予算でも新エネルギーイノベーション計画予算、ちょっと減っておりますけれども、前回の委員会でも、新エネの安定性とそのコストの面に多くの課題を抱えているという点については委員の間から出まして議論をされました。しかし、すべてがバイオが救世主ではなくて、新エネは全体としての取組が必要であると私は思っております。
 前にこの委員会で参考資料として写真を配付させていただきました。秋田発の新しい風力発電、マグナス風車、これは地元産業にこだわって間もなくデビューをいたします。アメリカのNASAの方とも連携を行いながら、既に海外から予約を受けるまでになっています。
 こうした動きに対応していくためにも、政府の新エネに対する積極的な、まあちょっと最近トーンダウンしたとはいえ、様々な取組、必要だと思うんですが、今後の方向性を最後に伺わせてください。
#90
○政府参考人(望月晴文君) バイオマス以外の新エネルギーにつきましても、エネルギー源の多様化や地球温暖化の観点から大変重要でございまして、その際、主力は御指摘の太陽光発電あるいは風力発電であろうかと思っております。現在、更なる導入拡大を図っていくために、課題でございますコスト高や出力の安定性などの課題を解決すべく、技術開発や導入支援を行っているところでございます。
 進展に伴いまして、より経済の場面で補助金にできるだけ頼らない格好で進展をしつつあるところでございますので、私ども注意深く見守りながらその支援措置を決定しているところでございます。
 また、同時に、いわゆるRPS法、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法に基づきます電気事業者への新エネルギーの利用の義務付けなどによって、その積極的な導入を図ることもまた重要な手段であろうかと思っております。
 私どもといたしましては、今後とも、新エネルギーの導入促進に向けまして様々の工夫をしながらやっていきたいと思っているところでございます。
#91
○鈴木陽悦君 時間になってしまいました。新エネルギーパークなど、消費者の皆さん、国民の皆さんと触れ合う場面もいろいろと努力されているようでございますので、今後も私も新エネルギー中心にいろんな形で質問させていただきたいと思います。
 今日は時間が余りありませんでしたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#92
○委員長(伊達忠一君) 以上をもちまして、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管及び中小企業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○委員長(伊達忠一君) 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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