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2007/04/17 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 経済産業委員会 第8号
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2007/04/17 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 経済産業委員会 第8号

#1
第166回国会 経済産業委員会 第8号
平成十九年四月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十日
    辞任         補欠選任
     小林 正夫君     山本 孝史君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     芝  博一君     若林 秀樹君
     山本 孝史君     小林 正夫君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     小川 敏夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         伊達 忠一君
    理 事
                加納 時男君
                小林  温君
                佐藤 昭郎君
                藤末 健三君
                渡辺 秀央君
    委 員
                魚住 汎英君
                倉田 寛之君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                岩本  司君
                小川 敏夫君
                小林 正夫君
                若林 秀樹君
                弘友 和夫君
                松 あきら君
                田  英夫君
                鈴木 陽悦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        世木 義之君
   参考人
       野村證券株式会
       社顧問
       元株式会社産業
       再生機構産業再
       生委員長     高木新二郎君
       福島学院大学前
       学長・教授
       福島大学名誉教
       授
       元福島大学地域
       創造支援センタ
       ー長       下平尾 勲君
       亀山市長     田中 亮太君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (経済成長戦略大綱に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(伊達忠一君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、芝博一君及び直嶋正行君が委員を辞任され、その補欠として若林秀樹君及び小川敏夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(伊達忠一君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済成長戦略大綱に関する件を議題といたします。
 本日は、本件調査のため、参考人として野村證券株式会社顧問・元株式会社産業再生機構産業再生委員長高木新二郎君、福島学院大学前学長・教授・福島大学名誉教授・元福島大学地域創造支援センター長下平尾勲君及び亀山市長田中亮太君の御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様には、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございました。
 本日は、皆様からの忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、会議の進め方について申し上げます。
 まず、お一人十五分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席したままで結構でございます。
 それでは、参考人の皆様から御意見をお述べいただきます。
 まず、高木参考人にお願いいたします。高木参考人。
#4
○参考人(高木新二郎君) 高木でございます。
 私は、先月三月十五日まで産業再生機構の産業再生委員長をしておりました。先日解散いたしましたが、清算中でございます。そういった関係から、私の申し述べさせていただくところは、産活法改正法案の第四章、事業再生の円滑化という題になっておりますが、その点に焦点を絞らせていただきたいと思います。(資料提示)
 こういう資料を作って先生方にお配りしてございますので、おめくりいただきたいと思います。
 一は目次でございます。
 なぜ、産活法第四章、事業再生の円滑化、この部分が必要なのか、それから改正産活法案第四章の中身、事業再生円滑化の中身はどうなっているのか、それから法律になった後の運用上の問題は何かと、こういう点について述べさせていただきます。
 おめくりいただきますと、二ページでございます。
 改正産活法第四章、事業再生の円滑化は、私的整理ガイドラインの運用と産業再生機構の活動によって普及しました早期事業再生のためのアウト・オブ・コート・ワークアウト、片仮名で申し訳ございません、裁判所外の私的整理の実務を日本に定着させるために不可欠なツールを提供するものであります。この法律の制定とその活用によって、日本の早期事業再生のための文化は世界的水準に達するものと考えております。
 金融庁が応援しまして全銀協と経団連が中心となって組織しました私的整理ガイドライン研究会が、二〇〇一年九月にガイドラインを制定いたしました。過剰債務により経営困難となった債務者企業を再建させるために、メーンバンクとそれ以外の金融機関が再建計画について協議して、中立公正な専門家アドバイザーの助けをかりて債権放棄やデット・エクイティー・スワップ、これも片仮名で恐縮ですが、債務の株式化について合意するための民間の自主的なルール、紳士協定でございます。このガイドラインを使って、これまで三十社余りの大企業などが再建されました。
 ガイドラインが作られたのは不良債権処理のためですが、それだけでなく、早期事業再生のための有用なツールでございます。九九年から二〇〇五年にかけて整備されました民事再生や会社更生などの法的手続がございますが、資金繰り破綻してからでないとこれらの手続は利用されないのが現実。一般の商取引債権を巻き込んでしまうので、事業価値を毀損することにもなりかねない。ガイドラインによる私的整理はそれよりも早い段階で開始されて金融債権者だけで金融支援しますので、混乱は少なく済みます。手遅れになる前に早期に着手して迅速に事業を再生させることは経済安定のために必要ではございます。
 二〇〇三年に産業再生機構が創設されました。金融と産業の一体的再生を図るためでございます。事業再生は民間の手法で行われるべきものですので、機構は株式会社とされました。また、政府保証で調達できる資金を使って準公的機関が事業再生を行いますと、民間の再生ビジネスの活動を阻害することにもなりかねませんので、時限立法とされました。私どもはそれを一年前倒しにして、先ほど申し上げたように解散いたしたわけでございます。
 ガイドラインによる私的整理は、できれば銀行の資産である貸金債権を減らしたくないというメーンバンクのイニシアチブによって、逆に借金をできるだけ減らしてもらいたいという債務者の債務を削減するために行われますので、利益、利害が相対立する問題が生じて財務リストラが徹底してなされないというおそれがございましたが、産業再生機構はそういったしがらみを気にせずに、御案内のとおり四十一グループ、百九十八社の再生を支援することができました。
 機構の仕事を始めるに当たりまして、対象事業者を再生させるだけでなく、日本経済の持続的な発展のためには早期事業再生の文化を日本に根付かせるということが必要であると考えておりました。その目的はある程度達成されたようでございます。この四、五年の間に日本で再生ビジネスが育ちました。しかし、世の中も随分と変わりました。いろんなプレーヤーがかかわるようになってまいりまして、銀行と企業の癒着を意味するメーンバンクシステムもメガバンクに関する限りは変わったようでございます。しかし、その代わりに貸金債権の売買も行われるようになりまして、銀行はポートフォリオの内容を良くするために貸金債権をファンドなどに売るようになりました。元々、ガイドラインによる私的整理には債権者全員の同意が必要でございます。もうこれは三ページに入っております。
 私的整理ガイドラインの参考になったのは、ロンドン・アプローチという不文律のプラクティスでございます。しかし、ロンドンのシティーの金融村の銀行だけで紳士的にワークアウトをしていたのに、ファンドなどが債権に入って、考え方が違う人たちが入ってきたので、話合いによる解決が難しくなりました。そこで、英国では二〇〇二年にエンタープライズ法というのを作りまして、ほとんどの債権者が合理的な再建計画に同意したのに少数債権者が反対した場合には裁判所の多数決で計画を認可するということになりました。こういうことは世界的な傾向でございます。
 皆さん、ユーロ・トンネルを御存じだと思いますが、ユーロ・トンネルはロンドンとパリの間を列車で一時間半の距離に縮めましたが、思ったほどにトラックが通ってくれないので通行料収入が足らずに、銀行団がワークアウトによって有利子負債を削減いたしました。一昨年に二回目のワークアウトが行われましたが、二〇〇五年フランス新法を適用して、裁判所が介入して解決しました。最初のワークアウト時の債権者は、バークレー銀行、ソシエテジェネラル、住友銀行などの有名銀行でございましたが、二度目のときには銀行から債権を買ったファンドの名前が多くなっておりました。
 そこで、事業再生のためのワークアウトをバックアップする制度を新設するために、二年間にわたり経産省と法務省が学識経験者の力をかりて研究を続けて作ってくださったのが、この産活法第四章でございます。私は、勝手にこれを早期事業再生円滑化法案と呼ばせていただいております。ちょっと読んだだけでは分かりにくい法律ですが、おおむね次のとおりであると解釈しております。
 四ページに入ります。
 いわゆる認証ADR法に基づく法務大臣の認証を受け、かつ事業再生に特化しているために、経産大臣の認定も受けた中立公正な認証紛争解決事業者、例えば私的整理ガイドライン協会のようなものが専門家アドバイザーのような者に私的整理ガイドラインのような公正妥当な準則にのっとってワークアウトを実施させたが、一部少数債権者の同意が得られないために私的整理が成立しないときは、裁判所に特定調停の申立てをすれば、裁判所は改めて調停委員を選任して長々と調停するんじゃなく、裁判官一人で関係者等から事情を聞いて、相当と認める場合には速やかに民事調停法十七条に基づく調停に代わる決定をすると。この決定は当事者の異議がありますと失効いたしますが、それでも不同意債権者が尊重することを期待できますので、ワークアウトの成立を助長する効果があると思っております。
 三か月ぐらいのワークアウト期間中も多額の運転資金が必要になりますが、そのために金融機関がいわゆるDIPファイナンスをしている場合には、中小企業基盤整備機構や信用保証協会がある程度の信用保証をしてDIPファイナンスを出しやすく助けてくれます。それから、先ほどの手当てにもかかわらず、私的整理が成立しないで会社更生などに移行した場合には、DIPファイナンス融資債権は他の一般の債権に比べて優先的に取り扱われるように保護する、これが大体の中身でございます。
 五ページに行かしていただきます。
 早期事業再生円滑化法案は英国法に比べて不徹底であることは否定できませんが、一歩か半歩は前進ではないかと思っております。法案が成立した後の運用におきましては、認証紛争解決事業者を中立公正な者に限定して、金もうけを目的とする不純分子が紛れ込まれないように、その認証や認定は厳格にしていただかないと、逆に弊害が起きるおそれがございます。特に、経産省と法務省にはその辺の手当てはきちんとしていただきたいと考えております。いわゆる事件屋、整理屋と、こういった者が紛れ込んできますと大変な弊害がございますので、是非、法律施行後はその点について所管官庁はお気を付けいただきたい、これが私のお願いでございます。
 以上でございます。ありがとうございました。
#5
○委員長(伊達忠一君) ありがとうございました。
 次に、下平尾参考人にお願いいたします。下平尾参考人。
#6
○参考人(下平尾勲君) ただいま紹介いただきました下平尾でございます。
 経済成長戦略大綱関連三法案のうち、中小企業地域資源活用促進法案を中心に意見を述べたいと思います。
 今回、中小企業地域資源活用法案を出されましたことは、地域から見ますと大変期待が大きいものでございます。この法案を起爆剤として、地域及び中小企業の方でも主体的に、そしていろいろ知恵、工夫を出して良い町をつくっていく動きが活発化するであろうと。そういう意味では非常に画期的な法案であるというふうに考えております。
 ただ、今日の地域の状況というのは大変厳しいものがございまして、地域の側からする政策と、そして今回出されてきた政策との間に少しずれがあるのではないかと思っております。
 地域で今何が重要かというと、失業率を減らすと、完全雇用の問題をいかに達成していくかということが大切であります。地方の大学を卒業いたしましても、ほとんど大都市へ出ていきます。地元には働く場所がないと。特に、広域合併されたために役場がなくなり、農協がなくなり、商工会がなくなり、学校が統合されるというふうになりますと、地元で働く場所は極めて限られております。銀行も人減らしをやっておりますので、金融機関にも就職できないと。商工会議所はどうかというと、商工会議所もそれほど人を増やさないでいる。こういう状況で、地域の優秀な人材を地元に残して地域を担っていくべきである、そういうような目的でつくられた実業高校は、労働力の流出の予備校になっております。大学もまた、地方の大学は大都市へ人を流出させる予備校になっているわけであります。
 しかしながら、地域は産官民学の連携が非常に重要であると、そういうふうに言われているわけですけれど、それを実現するべき人材の流出が大きな影響を与えております。したがって、完全雇用をいかに地方で確保していくかという観点で、全体的な計画を是非作っていただきたいと。その中で中小企業政策等々も考えるという、全体構想が大切ではないかと思っております。
 それから、地域自体も自立化の動きが非常に活発になっております。地域の産業というのは、地場産業が発達し、誘致企業が増えて、そして土木建設業が力を持っているという、それに関連して、通信、運輸関係が膨らみ、結果的には雇用が拡大し、収入、所得は増えると。その経済基盤の上に商業が発達し、サービス業が発達してきたわけであります。ですから、商業及びサービス業だけで発達するという、こういうことは全くありませんで、したがって、最も基本的な地域の地場の産業と誘致企業と土木建設業が低迷をしたというところに問題があります。そして、地方から大都市へ労働力が流出したために、一挙に少子高齢化の問題が表面化をし、そして社会福祉的費用が増大をしていくと。
 したがって、今日の政策は、現在起こっている結果に対する対策が中心であって、どういう原因からそれが発生してきたかという発生原因に対する対策が少し遅れているんではなかろうかと、こう思っております。したがって、地域では様々な資源を何とか有効に結び付けながら自分たちで自立していこうと、こういうことで、地域文化、歴史、コミュニティー、自然環境ですね、こういったものも含めていろいろ取り組んでいるところへ今回のように法案が提出されましたので、非常に勇気が出るとは思いますが、なかなか容易に進められる状況ではないのであります。
 それから、地域循環と再生産ということが地方では問題になっております。これまでは、メーカー、産地の問屋さん、消費地の問屋さん、小売業、消費者というふうに縦の連携でずうっと動いていたわけですが、今日大切なのは横の連携でありまして、農業と観光と地域商業とが連携すればもっといろんなことができます。それから、大学と商工会議所と金融機関と、そしてマスコミも含めて横の連携をやりますと、面白いユニークな町づくりができるわけであります。そして、地域の中でやはり循環と再生産を考えていくという、こういうことが地域から見て大きな課題になっているわけであります。
 とりわけ、平成の大合併で、ここに挙げておきましたが、わずかの間に三千二百三十二の市町村から千八百十七の市町村に四五%ほど減りました。特に、広島県では八十六の市町村から二十三、新潟は百十二から三十五、愛媛は七十から二十と、そして今日、十九市町村よりも少ない県が六つございます。そして、二十から二十九の市町村の数の県が十三県あります。
 こういう状況で、そういう地域はやはり行財政の効率化によって投資を拡大をし、住みやすい地域を実現していくんだという、こういう基本があるわけですが、そこにおきまして何が大切かというと、やはり産業の問題が最も重要であります。したがって、産業基盤の強化なくしてこの広域合併がどんどん進んでいきますと、空洞化というものが発生してくるわけであります。
 今日、ここで書かれていますように、地域資源を活用してと、こういうふうに言っておりますけれども、地域資源を活用して発展してきた地場産業、特に大都市に市場を求め活躍してきた地場産業ほど深刻な状況になっております。
 これは資料のところに挙げておきましたが、第一表は中小企業庁の産地概況調査結果を基にして作ったものでありますが、生産額は、一九九一年から二〇〇五年の間に生産額は四一%になっております。有田焼産地は生産額は一九九一年から二〇〇五年に四百億円から百三十五億円に、三三%に減ると。西陣織の場合も九〇年から二〇〇三年の間に生産額は二二%、輪島は四八%、それから山中漆器は生産額三五%、組合員の数は六五%というふうに減っております。家具では広島の府中、大川の家具ですね。それから日本の仏壇産地も惨たんたる状況で、資料を挙げておきませんでしたが、非常にブランド力があって大都市向けの産品を生産している地場産業はこういうふうになっております。
 したがって、地方の産業政策というものは、既存の産業をどういうふうに活性化をしていくかというものをベースにして、そしてベンチャーとか新事業とか新しい取組を行っているものについて支援をしていくというふうに、二階建ての構想が必要なのではないかと、こういうふうに思っております。
 とりわけ山中漆器産地はどういうルートのものが駄目になったかというと、産地のメーカー、産地の問屋、消費地問屋、デパートへ持っていって販売するという、そういうオーソドックスなところが駄目になっていくと。これはデパート自体が合理化をして、そして、今まで例えば東京、千葉、神奈川に店のあったところは東京に一極仕入れ部分を集中して、そして、しかも自分のデパートの方で商事会社をつくって、そこへ余剰人員を持っていって仕入れを行うというふうなことから、消費地の有力な問屋が相次いで倒産をいたしました。そしてそれが産地の有力な問屋に跳ね返り、それが更に産地の有力メーカーに影響すると。
 したがって、消費地及び産地のリーダー的な役割を果たしてきた企業が破綻あるいは縮小、停滞をしております。とりわけしにせの企業というところに大きな影響が出たわけであります。したがって、組合活動、地域を取りまとめていくべきリーダーが不足をしております。したがって、地域にはたくさん人がいるわけですけれども、リーダーがいないという、こういう問題が出てまいりました。
 それから、ギフト商品関係も物すごく落ち込んでおります。例えば、山中は弁当箱をたくさん作ったわけですが、弁当箱が売れなくなったので、それを改良して置き時計を作り、あるいはオルゴールを作り、ふたを開けてティッシュペーパーボックスを作るというふうに既存の技術を用いて展開をしてきたわけですが、余りにもよく売れたので、短期間の間にそういう業者が増えて自滅をしていくという、こういう経過をたどっていったわけであります。
 したがって、山中漆器産地は、時間がありませんが、どういう経過をたどったかというと、一九九三年から九六年までと九七年から二〇〇〇年と二〇〇〇年以降では全く衰退の原因が異なっております。最初は消費需要が減っており、そして続いて流通機構が動揺し、そして海外からの輸入が増えて生産構造が変わってくると。したがって、消費と流通機構と生産構造という三つの問題に直面して今日のような状況に立ち至っております。
 したがって、マーケッティングについても、地元のマーケッティング、それから全国の中都市のマーケッティング、大都市のマーケッティングというふうにきめ細やかにやっていかないと、マーケッティング一本とかブランド戦略論というだけではなかなか難しいものがございます。
 それからその次は、資料の四ページ、挙げておきましたが、海外からの輸入が急増して、それとの対抗上、日本の有力地場産地は苦戦をしております。
 仏壇についていいますと、七〇%ぐらい海外生産になっております。せめて日本の仏壇を使いたいと思っているわけですけれども、台湾とベトナムと中国で部品を作って、組立てだけ日本でやると。日本の有力な仏壇師は月に三本、四本作っているわけですが、大きな商店は一か月に五千本ぐらい海外で生産した仏壇を運んでくるという、こういうふうにして国際競争の中に地域産業が巻き込まれております。特に織物関係は深刻でありますし、そして今の木工・家具ですね。とりわけ地域資源に基づいて発展をしてきた産業というのは、売れ筋商品を中心に国際競争に巻き込まれております。これが実は、日本の文化と非常に密接に関係している産業については、文化政策の面からある程度規制を加える方が必要ではないかと思っております。
 この四ページの図の四でありますが、これは陶磁器の日本の国内の生産額は一九九一年、一千八百億円ありました。消費は一千四百億円で、国内消費は一千四百億、生産は一千八百億。じゃ、その四百億というのは輸入に対して輸出超過四百億でバランスを取っていたわけでありますが、二〇〇三年になりますと輸出入が逆転して二百億の輸入超過になり、生産額は七百億になり、そして国内の消費量が九百億になると。国内の消費が九百億で生産は七百億で海外の輸入が二百億と。したがって、わずか十数年の間に一千八百億円から生産額七百億円というふうに落ち込んでおります。したがって、業界内の過当競争というのは非常に激化をしております。
 それで、あと、結論的部分でありますが、地域産業が空洞化しているという場合に、空洞化というのは、販売不振、販売数量が減って単価が下がって過当競争になるというのがベースであります。そして、建物や設備、店が空洞化をすると。組織が形骸化をし、産業集積、特に人材、技術、社会的分業、商人活動、原材料、そして体制という、こういう条件ががたがたになるのを産業集積の空洞化というふうに申し上げております。そして、人々の意識、意欲が空洞化すると。
 こういうふうに五つの道をたどりながら進んでくるわけですが、再生をするために人々の意識を高く高めていくということと、組織を強化するということと、地域循環をしっかりさせていくという三つのことが必要であります。したがって、志の高い人材をいかに確保するか、そして推進体制をいかに強化をしていくか、地域内の再生産をいかに強化していくかと。
 そういう意味からしますと、今回の法案のかなめ石は、県でどのような具体的な構想をつくりそして着眼点を明快にするかということを示した上で、地域がそれに対して地域自らが置かれている現場、現状に即して計画を立てて推進していくということが大切であります。そして、地域としては、産官民学の連携と同時に、大学の果たす役割が非常に大きいわけであります。
 今日、付け加えて言えば、日本の大学生及び短期大学生の四二%は東京、神奈川、千葉、埼玉に集中しております。したがって、これからの日本の国土計画を考えるときに、高等教育機関の地方への配分という問題が大変重要になってきているというふうに思います。
 以上でございます。どうもありがとうございました。
#7
○委員長(伊達忠一君) ありがとうございました。
 次に、田中参考人にお願いいたします。田中参考人。
#8
○参考人(田中亮太君) おはようございます。三重県の亀山市長でございます。
 実は、十五日、私どもの地元で地震が発生しました。気象庁の発表では五プラスという形で、私どものところが非常に地震災害が多かったのではないかという御心配をいただいたところでございますけれども、ちょうど震動の時間が本当に短かったものですから、人命とか家屋、全壊、半壊、こういうものもございません。また、道路の方の損壊で通行止めというものがなかったところでございますので、御心配をお掛けいたしましたけれども、今回、私どもの参考人としてお呼びいただいた問題についてお話しさせていただきたいと思いまして参上させていただいたところでございます。
 そういう中で、皆さん方に一番御関心がございましょうシャープ株式会社の亀山工場、これは日曜日は休日でしたが、その間に修復されまして、月曜日からもう完全に操業されているということ、また他の企業も操業されているということを申し添えさせていただきたいと思います。
 それで、参考人という立場から意見を述べさせていただきたいと思いますが、実は私ども、そんなところで取り紛れまして、参考資料、皆様方に御提出するところが遅れておりましたので、後でお送りさせていただきたいと思いますので、ひとつお許しを是非ともお願いいたしたいと思います。
 私ども亀山市では、ちょうど平成十三年、当時非常な不況の中でございましたけれども、三重県が発想されました三重県型の産業クラスター、こういうものを形成しようとしますクリスタルバレー構想の拠点地域を目指して、三重県と連携しながら世界的液晶関連企業の誘致に成功いたしました。このような最先端技術を有する国内ものづくり拠点の立地は、これまでの自動車関連部品や光ファイバー等の既存製造業群とともに、市における強力な産業構造を構築する上で飛躍的な発展要因となっております。
 おかげさまで、着工から一年四か月というスピード立ち上げを実現し、平成十六年から操業を開始したシャープ亀山工場の貢献もあり、それまで〇・八程度の財政力でございました亀山市が、平成十七年度から財政力が一を超え、地方交付税の不交付団体となります一方、先般発表されました平成十六年度県内市町の経済成長率が三四・四%と県下第一位にランキングされるなど、バブル崩壊後の景気低迷期のころと比べますと、地方税額の伸びにより、予想をはるかに上回るレベルで順調な都市成長を遂げております。
 しかしながら、人口五万程度の地方の小都市でございますので、企業誘致へと至るプロセスは苦難を極めましたが、企業立地による地域経済の活性化は様々な要因が相まって初めて成立するものと考えておりましたので、亀山市の持つ特性を存分に発揮できる数少ない機会ととらえながら積極的な推進を図ってまいったのでございます。
 当時を振り返りますと、企業誘致の成功のポイントは何であったのかと考えますと、大きくは三点ほどが挙げられるのではないかと存じます。
 まず第一点目には、都市の優位性やポテンシャルであります。
 このような観点から、私どもの市では伊勢湾内陸部の温暖で自然豊かな地域に属します。また、工業集積が進む三重県北西地域の中で、中部、関西両経済圏の中間に位置する地理的優位性を有した内陸工業都市でもございます。また、高規格の名阪国道、平成二十年春開通予定の第二名神高速道路、東名阪自動車道、近畿自動車道伊勢線など幹線道路が結節する交通の要衝でもあり、その地の利を生かし、亀山インターチェンジ直近に位置するオーダーメード方式による民間産業団地が順調に開発が伸長している一方、周辺地域には有力な関連部材の供給源も存在いたしましたことから、機動性や発展性ある生産活動に十分な産業基盤が確立されているところであります。加えまして、中部、関西の両国際ハブ空港や名古屋港、四日市港といったスーパー中枢港湾の利用可能範囲に位置し、陸海空のインフラがバランスよく活用できる立地条件も兼ね備えております。
 二点目といたしましては、県のリーダーシップの発揮と企業誘致に向けたエネルギーやスピードを維持することであります。
 三重県は、長く続いた平成十年代初頭の景気低迷と国内の産業空洞化が進行する厳しい状況の中で将来の県内産業の方向性をバレー構想という形で取りまとめられ、その推進に向けてトップセールスを展開されるとともに、企業誘致ワンストップサービスの窓口役割や、開発主体、立地企業、行政が一体となった調整会議のリーダー的役割を積極的に担われ、企業ニーズに即応できる環境を構築されております。
 このような下で、関係機関等と連携できたことにより、より円滑かつスピーディーな企業立地を進めることができたものと考えております。また、全国でも当時、異例規模の県独自優遇措置を有する条例を新規制定をされております。
 続いて三点目でございますが、前例にこだわらない自治体独自の施策を展開することであります。
 このことにつきましては財政力や都市規模により様々であるとは思いますが、本市は、周辺道路整備に対する要望活動の実施や、市工業用水道事業、初めてこれを立ち上げ工業用水供給をするなど関連インフラの充実を図ることはもとより、企業立地のインセンティブとなる独自の優遇措置を講じるなど、創意工夫を凝らした取組を展開いたしております。
 中でも、投下固定資産総額や新規雇用数が条例で定める基準以上でもある事業者に対し奨励金を交付する産業振興奨励制度や、従業員の住宅確保を通じた定住化促進を図るための民間賃貸共同住宅新築促進奨励制度など、ハード面からソフト面まで、企業ニーズに対応したできる限りの取組を講じてまいったところでございます。
 これらの取組は正に私ども地方の小都市が手探りの中から見いだした戦略ではございますが、その結果、すそ野の広い液晶産業であるがゆえに、各企業の新規立地が関連企業の集積や既存企業の事業拡大に結び付き、人口、税収、製造品出荷額など直接的なものから第三次産業の経営拡大や本市の知名度向上といった派生的なものまで、幅広い経済波及効果を生み出しております。
 また、これらの動向は、中長期的な視野に立てば一層拡大基調にあるものと期待をいたしております。同時に、今後もより一層地域アイデンティティーを駆使した施策を将来ある町づくりに結び付く様々な側面に組み入れ、都市の求心力や成熟度を高めながら、次なる企業誘致、これを可能にする受皿づくりを推進してまいらなければならないものと考えております。
 このような考え方に立ち、今般の法案を拝見させていただきますと、私どものこれまでの県市共同の取組や考え方と共通する部分もございますことから、地方における課題や自治体独自の政策に目を向けていただけたことは、地域の強みを発揮した産業振興を展開する上で心強く感じている次第でございます。とりわけ、幅広く地域経済に明るい兆しをもたらします企業誘致は、国から地方へと地方分権の波が押し寄せる中で正に地域間競争の真っただ中にあり、今後更に激化していくものと予測しております。
 世界に冠たる日本のものづくりが国内展開され、企業の設備投資や研究開発が促進していかれることが、元気な地方都市、ひいては日本経済の発展に重要であることには違いございませんので、そのためにも、是非産業振興にやる気のある地方自治体に対し国からの支援をいただければと考えている次第でございます。
 なお、都道府県及び市町村が策定する基本計画につきましては、より地域性が発揮されるよう、場合によっては複数の策定圏域にまたがっての策定も可能とするような柔軟な対応も必要なのではないかというふうに考えるところでございます。
 こんな中で、私どももう少し申し上げますと、この法律が関与が強過ぎるところもあるのではないかと、こういうところが地方の自主性を欠かせるところがあるのではないかと。それと同時に、また、昨年の償却期間の短縮、それと地方の財政に大きく影響を与える固定資産税、償却期間の短縮から固定資産税へとそれが結び付くような税制改正というものが一時これに、政府税調の方で取り上げられたようでございますけれども、私どもはこういうことはやはり何かこの法案とちょっと断層があるんじゃないかと、そんな感じもしているところでございます。
 こういうふうに私ども考えておりますけれども、そういうところは皆様方のおかげでこれは思いとどまっていただいたと思うんですけれども、ひとつこれからもよろしくお願い申し上げる次第でございます。
#9
○委員長(伊達忠一君) ありがとうございました。
 以上で参考人各位の御意見の陳述は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○松村祥史君 おはようございます。自由民主党の松村祥史でございます。
 今日は、三人の参考人の皆様方には、朝の早い時間から貴重なお時間をいただきまして大変中身の濃いお話を聞かしていただきましたことを、まずもってお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 安倍内閣も順調に進んでおりまして、初めての予算でありますところも先般成立をいたしました。経済成長を図ることで税収を上げ、そのことにより財政再建をやっていこうというような中身であると思っておりますし、また、地域格差をなくしていくという意味では、地域の活力が日本の活力だと、こういったメッセージもちりばめられております。その中での経済成長戦略の中の今回の関連法案でございます。大変な期待をしておりますし、このことをどうステップアップ政策の中で取り入れていくかというのは非常に大事な観点だと思っております。
 そういう観点から少し、またいろいろと三人にそれぞれお伺いをしたいと思っておりますが、まず田中参考人にお尋ねをしたいと思いますが、亀山市の事例というのはとてもこれから、疲弊していく地域、地方がどうやって都市を形成していくかという意味では非常に成功事例であろうと思います。特に、三重県が政策を掲げられ、シャープの進出に対する九十億の補助金ですか、そして亀山市としても四十五億ほどの補助金をなされたと、大変な決断であったと思います。また、こういったことが、更なる投資的経費を投入することによって税収を上げ、雇用をしっかりと確保できたと、正に成功事例でございます。
 最近の地方を見ていますと、大変財政難でございまして、今統一地方選も行われておりますが、マニフェストなんていう政権公約の中には非常に耳触りのいい削減的経費、これしかございません。亀山市で行われたような投資的経費の使い方という部分はまだまだその感性の中に入ってないんじゃないかなと思います。数年前に御決断をなさってのこういう経過をたどられての成功事例でございますけれども、実際四十五億を補助金として投入された場合、大変ないろんな議論があったと思うんですね。それを英断をされて進まれたと、その結果、やっぱり良かったじゃないかというお話、結果になっておるわけですけれども、今振り返られて、あのときの決断、四十五億を投入したというときに、もっとあのときにこういう国の施策があれば簡単な理解も得られたし、もっともっと促進ができたと。また、今現在、成功事例として税収も上げられておられます。今後これを拡張していくためにはどういった施策が必要かなと、この二点。
 それからもう一つ、先ほど御発言の中に、やはり立地条件がというお話がございました。今地方を見ていますと、疲弊している地域というのは、私が思いますに三つぐらいの要素がございます。一つは第一次産業の依存度が高い地域ですね、それから二つ目が港湾の利用率が低い地域、それから公共投資のやはり依存度が高い地域、こういったところはまだまだ疲弊をしているかなと、こういったものをやはり具体的に変えていく必要があると、こう思っておりますが、それぞれの地域がこういった法案を整備をして企業の誘致を進めていくに当たって、こういった地域の条件もございます。そんな中で、一律に成功するとは決して言えません。どういった法整備が必要か、御見解がございましたらば、まずお尋ねをしたいと思います。
#11
○参考人(田中亮太君) それでは、よろしゅうございますか。
 私ども、今回も申し上げましたけれども、ちょうど平成十二年、十三年ごろ、これは私どもの一番景気低迷している、私どもの財政も非常に難しい時期に来ているという、そんな時期であったと思います。これに対して、私ども、ちょうどその当時、北川正恭、三重県知事時代に、正恭って言いましたが、私は仲人をしましたので申し上げますけれども、実はこういうお話ししているときのその熱から、私どももこの知事と一緒にというつもりでいろいろとお話ししている中でこの構想が出てきたというところであります。
 私どもそれに対して、これに加わっていくという決断は、やはり私どもちょうど平成六年に就任したんですが、七年から、八年ごろからです。実は公共事業、私らよく言われたんですが、歩切りや歩切りやと言われたんですけれども、五%、一〇%は下げるようにと、もうその当時からこれを期しましてやって、それに対応するようなやっぱり資金は財政調整基金、ここへ積み立てていくという形で積み上げて、それが四十八億円ぐらいまで上がっていったところです。
 こんなに積んでどうするんだと。私は、その当時に、何か私どもの発展のためにこれを是非ともつくっておきたいということが、それが一番、積み上げたときにぱっと時期が合ったというところは、私どもは幸運であった。特に、ほかのところではこんな発想を、三重県と私たち二つが共同の中でこういう発想ができたということはよかったんだな、一番幸運だったというふうに思っております。
 それから、企業の拡張関係はこれからということでは、この液晶でそれ以上に、これ以上これに頼るということは、私は今のところで充実していただくということにならざるを得ないと思います。というのは、シャープ自体、自分たちの考えたより生産の前倒し前倒しで大変でございまして、海外へ輸出の問題は、やはり港湾にもっと近いところというような考え方も示されておりますので、これに対して、出てくれという、そのインセンティブがなかなか我々では発想できないと思っておるところでございます。その中で、私どもは、これについては、ちょっと一歩、もう一つ考え変えて、何か新しいものをということで今模索をしておるところであります。
 そんなんで、私どもには道路も港湾もこういうものもございますけれども、これからさらに、それに三重県のクリスタルバレーという中でのものには、やはり四日市とかそういうところがございますから、そういうものとのつながり、もう一つそういうものを生かした産業というものを是非とも模索したいなと思っております。
#12
○松村祥史君 ありがとうございました。
 成功事例の一つでございますから、更なる成功を重ねていただいて、トップランナーを走っていただければ大変有り難いなと思いますので、市長の御手腕に懸かっているかと思いますので、御健闘をお祈りしたいと思います。
 次に、下平尾参考人にお尋ねをしたいと思いますが、地域資源の活用ということで今回法を整備させていただいて、いろんなものの技術であったり、観光であったり、農産品であったりと、こういう幅広い範囲をもってやろうということでありますけれども、私も実は商工会の青年部の出身でございまして、地域活動を一生懸命やっておりました。なぜゆえに、その地域の逸品が、隠れた逸品がありながらそれぞれに販路の拡大ができないかといいますと、やはり資本力なんですね。なかなか、お店を閉めたまま販路拡大というのは、インターネットは普及したものの、やはりその商品の良さというもののうまみを出し切れていないというところに弱点があったかなと思っておりますけれども、今回こういう法を整備することでいろんなチャンスを広げていくということは非常に有り難いことであると思っております。
 また、お話の中にも、やはり地域の提案が必要なんだと、国からの提案ではなく、私もそのように思います。しかしながら、今回、この地域資源の活用促進法の事例の一つを取りますと、広島の筆の業者さんがいらっしゃいます。筆の技術がすばらしい、ゆえに、ある方のアドバイスによりまして、パリコレのモデルさんのメークアップ、メークをするときのはけになると、そのことによって付加価値が高まるとか。ただ、こういったものは成功事例の一つでございますけれども、筆屋さんはやっぱり筆の観点しかないというのが実情だと思うんですね。だから、こういったものに、やっぱり経営者の方々に多岐にわたる視点を与えるアドバイザーなんというのがやっぱり私は重要な位置を占めると思っております。
 そのことによるアドバイス、そのことによっての経費的な措置、販路拡大というようなことがございます。国も今やっておりますのが、経済産業省でやっていただいているのが小規模の事業者の皆さん方には全国の販路拡大支援なんていう事業もやっていただいておりますし、そのことによって地域ブランドを確立して、そのことによってこれから世界に闘うようなジャパンブランドという、ステップアップ政策を今取っていただいております。非常に有り難いんですが、なかなか経営者の方々がこのことに気付いていないという観点がございます。
 先生のおっしゃる地域のプラン、地域の発案が大事だと、このことをやっぱり啓発していくには、もっと具体的に、何か御私見がございましたらお聞かせをいただければ大変有り難いと思います。
#13
○参考人(下平尾勲君) 一番大切な点は、人の問題であります。人の考え方を変えるということですね。作ったものを売りにいこうとしているわけです、地方の場合は。売れるものを作るという観点がないということと、あの店ははやっているんだというんですけど、店がはやっているんじゃなくて、買物に来る人が多いということなんですね。だから、買物に来る人を多くするためにどうすればいいかという、そういう発想はないわけですね。それから、地域も、あの地域はいいというんですけど、地域はいいかどうかじゃなくて、そこに住んでいる人が立派な人が多いという、そういうことですから。だから、今までのように地域の中から外を見るのじゃなくて、外から地域の中を見ると、やることが非常にたくさんあるわけです。
 ですから、成功している地場産業というのは、まず父親が早く死ぬこと。それから養子をもらうこと。それから分家させて、おまえはおまえでやれと、おれはおれだと、がたがた言うなというふうにして分家させること。それが一番成功しているんですよ。だから、そういうふうにして違う考え方を持ち込むことなんです。だから、違う考え方は、UターンとかIターンとかいろんな帰ってきて遊んでいるのが一杯いますからね、そういう人を中に取り込んでいけば一番やりやすいんであって、まず人の考え方を変えると。だから、地域が変わらなければ人間が考え方を変えればいいわけで、だから、そういう意味では交流とか、ここの今回の法案にありますように、いろんなアドバイザーの方が入っていただくというのはこれは大変すばらしい発想で、特に小さな産地というのは期待が大きいと思いますね。まず人。
 それから二番目は、組織をつくらないといけない。組織の原点は飲みニケーションですよ。朝なんか見ていると、酒飲みで、大好きで、会議よりも酒の方が好きで、そこで大きなほらを吹いていると、次の朝はやっぱり自分がやらざるを得ないと。だから、やっぱりそういうふうにして、お互いに腹を割って酒を飲んで集まるような雰囲気をつくって、そして、やっぱり大変なんだけど、あいつには負けてたまるかとかいうふうになってくると、仲間が三人、五人と増えてくるわけなんです。だから、そういう組織を、形式的な組織と同時に実際の具体的な組織と、二本立てが必要だと思うんです。田舎へ行くほど、肩書のある人を外すとつぶしに掛かりますよ。だから、それはそれでしっかりつくっておいて、もう一つはそういう具体的に現場に即した飲みニケーション型の組織をつくって、よしやるぞと、実際やらなくてもやるぞという、それがやっぱり大切なんじゃないかと思っておりますが。
 以上です。
#14
○松村祥史君 まさしくそのとおりであると思います。親が早く死んでいる方々、それから親がいるときに、いや、これは私も経営者をやっておりましたから、そこが一番大事な観点だと思います。いかに自立してやっていくかと、その発想が、やはり若い経営者をつくるということはその地域の発展にもつながると。だから、こういったツールをいかに連動させていくかというのが大事だと思っております。
 高木参考人にも御質問したかったんですが、申し訳ございません、時間が参りまして、また後ほど個人的に質問させていただきたいと思いますので、お許しをいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#15
○岩本司君 本日は大切なお時間をつくっていただきまして御協力賜りましたことをまずもって感謝、お礼申し上げます。誠にありがとうございます。
 まず、高木参考人にお伺いしたいというふうに思っております。
 私も早期事業再生の文化を日本に定着させるということは本当に必要なことだと思います。
 イギリスの例を、高木参考人、例を幾つかお示しされましたけれども、イギリスの場合は、例えば原子力発電開発までやはり他国のお金でするぐらいの発想の国なんですよね。そこにはやはり、根底には大英帝国のときからのイギリスからしてみればメンバー国である英語を話す国々、アメリカですとかオーストラリア、ニュージーランドですとか、そういう国々とのやっぱり強力な信頼関係が軍事も含めてあるからそういう自由な発想のビジネスモデルを生んでいく、そういう国ではないかなというふうに思っております。
 事業再生の現状における我が国日本の問題点、それをもう一度明確に御説明いただければというふうに思います。
 それともう一点が、私的整理中の中小企業が十分な融資を確保することを可能にするために、我が国としてどのようにバックアップすべきか、国民の皆様方にちょっと分かりやすく御説明賜ればと思います。
#16
○参考人(高木新二郎君) まず、今の日本の事業再生の問題点は何かと、こういうことでございますが、御案内のように、もちろん大企業で、私どもがやっているのは個別事業の再生でございますが、御案内のように大企業については、特にメガバンクについては不良債権の処理は大方片が付いたと、まあもちろん残っている問題もございますけれども。これからは地域の、地域銀行の方の不良債権がまだ残っておるね、これはやはり地域の事業再生と一緒にやっていかなきゃいけないねと。そのために何が必要なのか。先ほど下平尾参考人がおっしゃいましたが、やはり人材でございます。
 この産業再生機構を解散いたしまして、一斉にプロフェッショナルの連中が地方に今散っております。地方の再生に、相談を受けて、これは民間ベースでございますが、コンサルタントなどとして活躍し始めました。それを統括するものとして、経産省、中小企業庁でおつくりになりました中小企業再生支援協議会、これが、当初私が考えておりましたよりもうかなりやはり利用されるようになってまいりました。これは、先生、イギリスの例をおっしゃいましたけれども、もっと細かいことになっちゃいますけど、日本の文化かもしれません。
 私は元々弁護士でございますが、法律事務所へ行かないで無料の区役所の法律相談へ行くと、こういうのが日本人はやりやすい方でございまして、民間のコンサルタントへ行くよりも中小企業再生支援協議会に相談に行くと。こういうことになって、大変中小企業再生支援協議会が活用されてくるようになりましたが、その再生支援にはかなりのばらつきがございまして、これは、その支援事業を担当する人材の質の問題でございます。
 例えば中小企業、私どもも再生させましたがホテルの、温泉旅館の再建。これは、借金減らしただけでは駄目なんですね。やはり、例えばじゅうたん一つ取ってみましても、借金減らすために節約ばかりしていたんでは駄目。借金をうんと減らして次のニューマネーが投じられるほどにやはりいい財政内容にして、それでニューマネーが入り込むようなところまで、喜んでニューマネーがつぎ込まれるようなところまでやはり財務リストラを進めなきゃいけない。それで、そこで初めて活性化してくる。
 ところが、地方銀行の方がおやりになりますと、旅館の歯ブラシをコストダウンした、一円やったんだ、年間幾ら助かるのか、二万円だと。これではやっぱり再生しない。そういった事業再生のスキルというものをやはり高めていく必要がある。そのために中小企業庁では再生支援協議会の全国協議会というようなものをつくってこの能力のアップを図ろうとしておりますが、一方でいろんなやからが、不純分子がやっぱり入ってきております、中小企業を食い物にする。
 例えば、中小企業を再建、再生するにはそのオーナーの家を残してやらなければ再生じゃないというような甘言を弄しまして、自分のダミー会社に、銀行とこわ談判いたしまして担保債権を減らし、その家をダミー会社に買わせて、三年たったら買戻しをさせてやる。いやそんな、再生しなきゃ三年たったって買戻しできないわけでございます。それでさや稼ぎをすると。これは昔のやくざがやっていた整理屋の手口でございます。そういうようなやからがやはりこういうところに入ってきた。再生ビジネスが盛んになりますと、やっぱりそういう副作用が出てくる。
 そういう、今度できますこの改正産活法では、認証ADR、中小企業再生支援協議会の幾つかがそうなっていくのだと思いますが、そういうところにそういうやからが入ってこないように、かつそういう人材がたくさん育っていくような中小企業再生支援協議会の全国協議会などの活躍などが期待されると、こういうふうに思っております。ほかの、中規模以上の事業再生の問題もございます。
 それから、その活性化のための事業再生の資金はどうするんだ、これについては、今回の改正産活法第四章の事業再生の活性化の中に、中小企業基盤機構の信用保証、信用保証協会の信用保証。つまり、そういうリストラクチャリングをやっている間にも、過剰債務の会社の再生をやっている間にも運転資金が必要になる。そういったものについて資金を供給するのはDIPファイナンスですが、そういうのの信用保証をやるというようなことで、そういったことを推進しようということも考えられておりますが、これも余りルーズに運用いたしますといろいろ問題が出てくるわけでございますが。
 問題は、そういった本当の再生プランが本当に活性化するものになっているのか、単に何百年続いたしにせの跡取りさんをお助けするだけのもので、そのために国のお金を使うというようなことではなくて、本当に、例えばその中の従業員の中で育ってきた経営能力のある人に経営を任すとか、そういうこととも結び付けて本当に活性化していくと、地方のボスだけを助けるものじゃないんだと、こういう視点も必要なのかなと思ったりしております。
#17
○岩本司君 ありがとうございます。
 もう一点、高木参考人にお伺いしたいんですが、アメリカやヨーロッパにエンゼルと言われるような投資家、担保を求めずに投資をするような方々が多くいらっしゃるわけですけれども、我が国日本がそこまで、担保なしでお金を借りれるようなそういうエンゼルがどんどん増えていって世界並みに、欧米並みになるにはあと何年ぐらい掛かるんじゃないかというふうに想定されますでしょうか。
#18
○参考人(高木新二郎君) 何年と正確なことは申し上げられませんが、欧米ではやはりそういったものは何十年という歴史を経てなっているわけでございます。日本は、そういったアメリカで約三十年ぐらい掛かった事業再生のためのいろいろなツール、これを活用し始めましたが、そのためにここ四、五年掛かっております。日本は欧米でそういった発達したいろんなスキル、ノウハウ、これを理解して取り入れると、これを早期に取り入れるということについては大変優れておる。ただ、それを理解して取り入れ始めるのに、やはり最初はハゲタカであるとかいうことでいろんな抵抗感がある。だけれども、いったんこれが必要だなということになりますと、先ほど申し上げましたように四、五年ということで取り入れることも可能で、日本人はそういう点についてはこれは優れた資質を持っていると私自身は思っております。
#19
○岩本司君 ありがとうございます。
 下平尾参考人にお伺いさせていただきます。
 先ほどの同僚議員の質問の中でもすばらしい、何といいますか、御意見をちょうだいいたしましたけれども、有田焼の産地ですとか、あといろんな例をお示しにされました。たまたま、まあ私的な話ですけれども、私の母も有田焼を何十年も小売店で売っておりまして、柿右衛門さんとか源右衛門さんとか今右衛門さんとか、今でもずっと店を経営し続けているんですけれども、私もたまに有田に行きますけれども、本当に悲惨な状況で、やはり職人さんも減っていますけれども、もう売上げもどんどんそれらの店も落ちていっていると。
 私は、ここでやはり観光と、何というんですか、セットにするような形で、やっぱり世界から、以前有田焼はフランス等やいろんな国々に輸出していましたから、今でもフランスとかのシャトーにも有田焼が置いてあったり、お城にですね、するわけですけれども、そういう先ほど先生がおっしゃった、人が集まる、その交流、飲みニケーションというキーワードをおっしゃいましたけれども、小泉総理が余計なことを今まで、例えば郵政民営化とかやりましたけれども、いいことはビジット・ジャパン構想、僕はこれはすばらしい考え方だなというふうに思っているんですけれども、これをどんどん進める必要があると思うんですけれども、そういう、何といいますか、町をもっと活性化させるために観光というキーワードで世界にアピールしていくと。国内の方々も、引退された方々もいろいろ旅行に行ったりとかそういう楽しみも増えますし、観光とそういう町を結び付けることに対してどういう御意見ございますでしょうか。
#20
○参考人(下平尾勲君) 生産規模によって違うと思うんですね。益子とか信楽とかいうところは大都市に近いので、観光依存と地場産業と町づくりと一体化できると思うんです。益子の場合は、九一年からほとんど落ち込みが少ないんですよね。ある程度スケールを持っているところは、観光の売上高といったってそんなの〇・何%ぐらいしかないわけです。やっぱり大量生産、大量販売ルートというふうに持っていかないと難しいと。
 しかも、観光の場合は単価がせいぜい二千円とか三千円ぐらいのところが限度で、柿右衛門さんのものを観光で売れるかというと、とてもとても売れないですよ。これはやっぱりデパートの外商で売っていくべき商品か、おたくの親戚のように専門店が責任を持って売っていくところなんです。ところが、今は中心市街地が空洞化して、空き店舗三兄弟の中に、そういう焼き物屋さんだとか雑貨屋さんがなくなって売り先がないんです。だから、有田焼とか輪島塗を百円ショップとかスーパーマーケットで売れといったって売りようがないんです。
 だから、今のそういう西陣の織物にしても有名ブランドのものは売り先がなくなったので、だからそれを大量生産、大量販売のシステムから、もうちょっと通信販売の方に転換をしていくとかいうふうに売り方の多様化というところを考えて、その中の一つとして観光を考えていくというふうに全体構想の中で見ていかないと有田は難しいと思いますね。
#21
○岩本司君 ありがとうございました。
 時間が来ましたので、終わります。
#22
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。
 三人の参考人の先生方には、本当にお忙しいところありがとうございます。また、田中参考人、地震の大変な中、お見舞い申し上げます。ありがとうございました。
 まず、高木参考人にお尋ねをしたいんですけれども、産業再生委員長として、五年間を一年前倒しで四十一グループ百九十八社再生をなされたわけでございますけれども、先ほどお話しのように、日本の早期事業再生のための文化が世界的水準に達したと、こういうお話でございまして、主要行については不良債権処理等、先ほどお話しのように大きく進展したが、地域金融機関ですね、これはまだまだ遅れているし、地域の再生、いろいろな企業もなかなか遅れているという。
 先ほど、機構の方々が地域に散っていろいろ御尽力されているというお話でございましたけれども、やはり地域の金融機関というのはなかなかそういう人もいないし、考え方が、さっきの歯ブラシの件じゃありませんけれども、なかなかいないんじゃないかということで、中小企業の皆さんが早期に事業再生、先ほど、早期にとにかく手を付けるのが大事だというお話でございましたけれども、なかなか中小企業の場合は事業再生に対する認識が非常に甘いということで、形骸化していても、何か次はこうなるんじゃないかという希望的観測でだんだん手遅れの状態に追い込まれているわけですけれども。
 まず、中小企業の方が今回のこの措置法に盛り込まれている早期事業再生円滑化対策というのをどのように利用して、どう考えて再生に向かっていけばよいのかということをまずお伺いしたいと思います。
#23
○参考人(高木新二郎君) ただいまのお話でございますが、誠にそのとおりでございます。
 例えば、御案内のように、地域にはそれぞれ、例えば特産物のしにせであるとか長い歴史のある造り酒屋さんであるとか、そういうものが今までかなり幅を利かしていたという言い方は良くないですが、安定しておったと。そういう、何と言いましょうか、名の通った商品を作っていれば何の経営の心配も要らないんだという状態が長く続いて、経営者は財務諸表もろくに見なくとも経営している、何百年と経営していると、こういう方が結構多いわけでございます。
 こういうところを、そういうものじゃないんだよ、作れば売れるというものじゃないんだよと。デッドストックがこれだけたまったよ、これ何とかしなきゃいけないよと。あるいは、商品の種類を変えて今の若い人のニーズに合うようにしていかなきゃいけないよと。こういうことをやっぱりアドバイスをしていかないといけないわけでございますが、それをやるには、まず、おっしゃいました、やっぱり地域銀行、地域の信用組合、信用金庫、この辺りが、やはり財務内容が、収益内容が良くなってないじゃないか、悪いことが続いているじゃないかということで背中を押していただく必要がある。早めに先ほどの中小企業再生支援協議会とか、私が申し上げました機構出身のコンサルタント会社の人たちに相談するとか、そういったようなことが必要になってくる。
 そういうことが必要なんだねということはかなりやはり普及してまいりましたが、なお、そういったことは地域金融機関に対してはやはりダブルスタンダードで、金融庁さんの方のレギュレーションも必ずしも強くないというところから、その辺にはまだよどんだものがかなりたまっておるというふうに思っております。
 その辺のことも含めて、いろんな背中を押す、そして背中を押した上で一緒に相談に乗って活性化すると、こういうことが必要なのかなと思っております。
#24
○弘友和夫君 今地域銀行、ダブルスタンダードというお話がありましたけれども、なかなか大企業であればあるんですけれども、地域のやはり銀行と一度にやるのはなかなか難しいということで、そういうダブルスタンダードの部分、それの対応する地域の企業、それもなかなかそれに付いていけないんじゃないかという、この何というか猶予期間みたいなのが残っているんだと思うんですけれども、そこら辺でどうなんですかね、そういう部分というのは一遍に全部なたを振るうというのも少し現実的ではないんじゃないかなという考えはあるんですけれども。
#25
○参考人(高木新二郎君) おっしゃるとおりだと思います。だから、ダブルスタンダードでやってきたんだろうし、また、それを一気にということもできないんだろうと思います。だから、産業再生機構が終わったわけでございますが、中小企業再生支援協議会はこれからだということで、先日、全国協議会ができたわけでございます。
 そういうことで、だんだんやはり地方にもそういうことが普及し始めているし、これはやっぱりいろんな意味で背中の後押しをしなきゃ、背中を押す、あるいは場合によってはけっ飛ばすということが必要になってくるんじゃないかと思っております。
#26
○弘友和夫君 ありがとうございました。
 次に、下平尾参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、先ほど来、産学官民の連携という、縦ではなくて横の連携、地域における、これは非常に必要だという、私も全く同感でございますけれども、中小企業、地域の中小企業というのは、例えば何か開発しても、リスクの高い研究開発に取り組むというのは非常に困難な部分があるんですけれども、近年、大学の知的財産を有効に活用して技術開発に取り組む事例というのは増加しているわけですけれども、これの連携がうまくいく条件というか、先ほど一杯飲むんだというお話がありましたが、何かそういうものがございましたら教えていただきたいと思います。
#27
○参考人(下平尾勲君) 連携の場合、どういう分野でどういう連携をしたいかというのをはっきりしていないといけないと思います。大学は大学で、どこまではできるけれども、どこから先は駄目ですよと。企業も、ここまではやりますが、それ以上は求めませんというふうに、お互いにはっきりと限界を示した上で連携しないと難しいと思いますね。
 それから、連携するときに、それぞれの中小企業、地域の産業で非常に優れているものがあるんですよ、やっぱり、得意分野があって。それに何かをプラスをして新しいものを作っていって、でき上がったものを磨きを掛けていくと。そうしたら、今自分の会社ではこういうところが得意だと、もう一つこれを入れたいが、それを入れるときにどうかというふうに問題立てられると、大学も、自分はできないけど、だれかこういうのがいるからというふうに紹介できると思いますよ。
 大企業で例、ちょっと外れるか分かりません、オリンパスという会社があります。そうしたら、カメラ部分は非常に強いわけですね。それで、胃カメラ作ったわけです。初めは、こうして後ろへ縛り付けてこうして曲芸師に飲ませていくわけですけれども、それを改良改良して、バリウム飲むよりも楽に飲めるようなものに持っていったわけですね。そうしたら、カメラの技術はあるから、それにプラスして胃カメラへ行くときにやっぱり専門家の意見をうんと聞いたわけです。
 だから、そういうふうにして、中小企業の方も、これからスーパーとかに出すときにカット野菜がいいというわけですね。カット野菜だったら洗わなくてもすぐ使えるからというと、じゃ、カット野菜を作るときに窒素ガスでやるとすれば、どういうパーセントでどうすればいいかというと、やっぱりそういう食品関係の先生からすればそんなもの何でもないことなんで、そういうふうに絞り込まないといけないと思いますね。
#28
○弘友和夫君 ありがとうございました。
 じゃ、次に田中参考人にお聞きしたいんですけれども、大変亀山市の場合は先ほどのお話のように成功されたんですけれども、これは、全国で企業立地という場合に、今回はこの法案ができて全国的に企業立地が、うちもうちもという話になってきた場合に、例えば地方税を減免しようだとかいろいろなことによって企業を誘致しようということになっていくと、現に余裕のあるところはそういういろいろ誘致することはできるんですけれども、もうもっとひどい悲惨な状況になっているところじゃなかなかこれ難しいんじゃないかなという、ますますそこで格差が出てくるんじゃないかなという危惧をするんですけれども、それについていかがでございましょうか。
#29
○参考人(田中亮太君) 私どもこの企業立地の場合に、前提としてはやはり国関係の施策、やっぱり企業というものは人、物、情報の動きと、これが円滑に行われる、これが保証されなければこれは立地しないだろうというふうに考えるところでございまして、私ども、先ほど申し上げましたけれども、高速道路、高規格道路というものが私どもではずっと集中して三重県内の中心にあるというぐらいの道路の関係がございます。それはやはり国に期待されなきゃならないと思うんですけれども、そういうものを入れた中で、やはり私どもも、行政関係では財政をやっぱりきっちりしたものにつくっておいてから、そういう財政力というものを自分に、町に付けるというのをまず第一にやらなきゃいけないんじゃないかということでありまして、私どもはそういう意味での財政力を付けたんですけれども、そこのところで、遠いところ、私ども三重県でも、私は中部というか北の方なんですが、南の方へ行きますと、やっぱり財政力指数も私どもより大分落ちるところ、こういうところでやはり財政力とかなんとかいう力、援助とかなんとか、奨励とかそういう形の、奨励金とかそういうものでの競争はできないだろうと。これはもう間違いないだろうと思っております。
#30
○弘友和夫君 先ほど参考人は、今回の法案が国の関与が強過ぎるという、部分もあるというお話もありました。これちょっとお三人に一言ずつ、時間がありません、一言ずつお答えいただきたいんですが、こういう、国が法律、法案いろいろ、今までもやってきました。成功したものもあるし成功していないもの、だから、国なり県なりのそういう関与と、地域の自主性というか、地域のやる気というか、そこら辺の兼ね合いというのはどういうふうに考えられているか。一言ずつ、ちょっと時間がございません、高木参考人からお願いします。
#31
○参考人(高木新二郎君) 国の関与を長くやっておりますと、私どもの再生ビジネスはスポイルされる。つまり、一言と言われましたが、だから私どもは一年前倒しで解散したわけでございまして、政府保証で何百億、何千億という金を欲しい、借りたいよと、投入するために借りたい、そうすると、TIBORより低い金額で多くの銀行から殺到して借りてくれと、こういうことが起きます。こういうお金を使って投入してやっていますと、頭おかしくなってきます。お金の感覚がなくなってきます。こういうことであってはならないと。やはり投資家を説得して、こういうことであればこの会社は再生できるんだからお金を出してくださいと、こういうことでなければいけない。やっぱり民間ビジネスが主体である、それを助力するのが法律であると、国の施策であると、こういうふうに考えております。
#32
○参考人(下平尾勲君) 今回は、方針は国が決めて、構想は県で、そして具体的な計画は地域だという三段構えになっておりますね。地域からいうと、地元の行政が介入し過ぎて困るということじゃない、介入が少な過ぎて困ると思っているんです。というのは、地域の方は司令塔というのがないんですね。だから、その司令塔が行政なりそれから金融機関なり、そういう第三者がやっぱりもう少ししゃしゃり出た方がいいと思っております。
#33
○参考人(田中亮太君) 私どもはその反対的なところでありまして、やはり県とか私ども市とか、この二つがきっちりした形を自分たちでつくり上げたところですから、そういうものを充実していくには、国の方は援助という形、この関与が強過ぎるとどうもそこのところが難しいのではないか、そんな考え方をしているところでございます。
#34
○弘友和夫君 ありがとうございました。
#35
○鈴木陽悦君 無所属の鈴木でございます。
 最後の質問をさせていただきます。
 まず初めに、おとといの正午過ぎでございますが、三重県を襲ったマグニチュード五・四の地震で被害を受けられた皆さん、お見舞い申し上げます。今日お見えの田中市長、亀山市は特に震度五強ということでございまして、地震後の対応がお忙しい中での御出席、本当にありがとうございます。
 さて、早速入りますが、今回の法案ですが、中小企業地域資源活性化促進法、これも地域産業活性化法も、正に地域の自立型を目指していると言えると思います。しかし、いざ地方に目を向けますと、景気のイザナギ超え、これを実感していない地域がまだまだ数多いわけでございます。地域全体のパワーが衰退してしまったところがはい上がるためには、相当な覚悟が必要になると思いますし、地域特性をしっかりと見据える目線が必要だと思います。
 そこで、最初、下平尾さんに伺いたいんでございますが、福島県は浜通り、中通り、会津地方、大きく三つに分けられまして、それぞれ独自の風土と特色を持っています。その福島県をごらんになってきた下平尾さん、大学では地域創造支援センター長も務められておりまして、地域と大変密接な関係を図ってきたと思っております。
 先ほど地域活用型産業の現状とその活性化の方向についてお話しいただきました。ちょっと時間がなくて、もうちょっと聞きたかったんでございますけれども、その中で、地域資源の豊富な北海道、九州地域、それから東北地方が低迷している現状もレジュメの中に載っておりましたが、私も秋田でございますので、同じ東北の出身の議員として非常につらい立場でありますし、一刻も早くその特効薬が欲しいなと思っているところでございます。
 ただ、ここで地域資源、この言葉を一言で語ろうとしますとかなり幅が広くて、定義付け、これが大変難しいと思うんですよ。そこで、地域資源のとらえ方によって施策の効果も様々になりますし、効果の維持についても大切な要素になると思いますので、大変冒頭大きなくくりで申し訳ございませんが、この地域資源とはどういうものか、その定義付けとその見いだし方、これについて下平尾先生から伺いたいんですが。
#36
○参考人(下平尾勲君) 普通、狭い意味では原材料ですね。だから、旭川の家具のように地元に立派な木材があって家具産地に行くとか、陶磁器のように原料があるから展開をしていくとか、水産加工品なんかはみんな原材料ですね。
 それから資源で今大切なのは技術蓄積というのがあると思う。これは説明するまでもないと思います。
 それから人の蓄積、人脈とか人材の蓄積。地域にはそういう風土があると思うんですね。今日は九州の人と東北の人しかいませんので、質問者ですね。だからやっぱり九州の風土はなるほどと思って、私も九州におりましたのですぐ分かるんですが、始めは、出だしはいいんですけど最後の詰めが甘いと。そういう人脈というものがやっぱりあるわけです。
 それから資本の蓄積も技術になりますね。それから情報の蓄積と。だから、やはりその産業が成立していく条件を資源というふうに見て、だから今までの取引先とかいうのがあるんですよ。
 特に地域の産業で大切なのは商人がいるかどうかという。商人は財産であるというのと、えげつないことをやるやつだというのと二つ評価がありますけど、商人の力がしっかりしていないと産業は発達できないと思う。だから、そういうふうにして、資源というものをどこのところの切り口で考えていくかというところはやっぱり地元で考えないといけないと思います。
#37
○鈴木陽悦君 関連して下平尾さんにもう一つ伺いたいんですが、実例としてごらんになって、この地域はこういうところを地域資源として見いだして成功しているんだというところがありましたら、ちょっと御紹介いただきたいと思います。
#38
○参考人(下平尾勲君) 今、だから、九州は非常に力がありますよね。なぜかといったら、日本の九州という考え方じゃないんですよ。アジアの中の九州として九州をどう考えていくかという発想に立てば、九州の資源というのは物すごく豊富になりますね。
 東北の場合は、アメリカ型と中国、ソ連型が向いていて、秋田の方は一番遅れている中国、ソ連の方を向いているから駄目になっちゃったんです。だったら、秋田は市場の拡大をどういうふうにしていくかというところから見ないと、昔は日本海側が船で運んだので交通の便が非常に良かったんです。鉄道政策のときに縦貫道路の建設に反対しちゃったものだから遅れてしまったわけです。だから、その置かれている地理的条件だとか成立条件とか歴史的な問題とかいうところを見て、どう持っていくかと。
 だから、地場産業の場合も物すごい奥が深いんです。だから、今までやったものをデザインを変えていくだけでも売れていくし、形を変えるだけでもいいし、組合せ考える方でもいいし、もっといいというのは名前を付けて、しゃれた名前に変えたらいいんですよ。小林一三みたいに、クヌギ林番外なんて言わないで花屋敷とか、どぶ池言わないで蛍池とかいって、そういうふうに名前をしゃれた名前に変えていくだけでもいいと思います。
 だから、今度の地域資源活性化法案の方は、法律はこういうふうにしっかりできて補助金付いてくるわけです。どういうふうに具体化するかというのは、地元の方で厚かましく法律すれすれのことをやっていけば活性化すると。だから、非常にいい僕は法案だと思いますよ。
#39
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。
 秋田県にとって、まあショックもあるんですけれども、大変アドバイスをいただいたと私は思っております。ありがとうございました。
 次に田中市長に伺いたいんですが、ある新聞社が行った自治体アンケートによりますと、地域の活性化に関する意見で、住民参加とか住民の意識改革をすべきだという声が非常に多かったんですよね。また、活性化の意義については住民の合意が必要とする意見、これ大変圧倒的に強かったので、活性化イコール経済発展だけではないという意見もありました。それほど地域の活性化、奥が深いなと思っております。
 亀山市は、今や全国どこの家電店でも目にすることができる亀山工場製のテレビで大変有名でございます。地域の将来というのは、先ほどお話がありましたけれども、現在は本当に盛んに発信されていますが、液晶テレビだけが握っているわけではないと思うんでございますが、そこで、液晶につながる展開、住民と一体となった、今アンケートの話をしましたけれども、住民と一体となった住民合意としての町づくりをどのようなビジョンで描かれていらっしゃるのか、お聞かせください。
#40
○参考人(田中亮太君) 市長に就任してから私どもの市政というものは、住民お一人お一人に顔を向ける市政から向けてもらえる市政に変えていく、そういうふうな形にしたいという中で、自分たちの町をどうつくっていくかということに考えたときに、特に住民の方々は、ふだんは何にも言わない、何か考えられたときに、だれかが先頭に立つとわっと沸き上がる。これだけではいけないんじゃないかと、そういうような思いで住民の方々に、例えば私ども行政改革大綱って作ったんですけれども、私どもの補助金というもの、こういうものについて、これが本当に必要なのか、これは節約するのか、できるのか、廃止すべきか、こういうことは住民の方々に入っていただいて、その方々の意見をたくさんいただくという形で住民の方々の発想の方が先に立つ補助金行政やったんですけれども、そういうふうにやっぱり住民の方々に入っていただくということが必要であろうと思います。
 そういう中で、私ども、例えばごみ処理につきまして、これは溶融炉、高温溶融炉って千三百度から四百度のごみ溶融なんですけれども、これ溶鉱炉の原理を取り上げたごみ溶融炉を造ったんですけれども、これのときには市民の方々にやっぱり先進例、それから先生方にたくさん来て勉強していただくという、そういうのを期限を切ってやってやるというのではなしに、もう時間掛けてやらしていただいて理解をしていただきました。そうしますと、それで造りました、造った結果が物すごく住民理解を得た、そうだなという形で言われておるんですけれども、途中経過ではちょっと外からは大分意見あったんですけれども、そういうふうになりました。
 今回も、火葬場を造るときにも、どうということが出ないんです。私どもは、その前に住民の方々に見ていただいて、そしてその御意見をいただいて、そして十分、設計から何から全部、大学の先生にも入っていただいて、そういうものの研究もきっちりしてからこれを提示するというこういう形、ちょっと時間は掛かりますけれども、一年、二年掛かりますけれども、それをシステム的にやっていくように今やっています。それがやっぱり一つの資源になっていきますね。何かのときに住民が理解してくれます。そういうところが一番私ども最初だと思っています。
#41
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。
 ということは、田中市長のお話ですと、さっきの話を蒸し返しているわけじゃないんですが、地域資源というのは人である、そういったところに目線があるということでしょうか。
#42
○参考人(田中亮太君) もう一つ足させていただきますと、私どもの地域資源というのはやはり地の利というものがあろうかと思います。
 先ほど、秋田県やソ連だとか言われますけれども、私どもは東海道の宿場町の時代から、東海道五十三次ありますけれども、そのときに、私どもはそれを自分で私どもの町が利用していたんだろうと思いますけれども、明治になりますと、この東海道五十三次が廃止になりますと、今度、鉄道は岐阜の方を回ると。それから、また新幹線も向こうを回る。高速道路も名神高速道路を回る。こういう中で私どもも、ああ、そういう昔のこの東西の経済の中心の部分を占めたこの人、物の動き、それを保障するものが要るんだということで、高速道路関係の設置を運動しました。東名阪、西名阪とかいう、そういう大阪、名古屋をつなぐ道路ができました。今度、第二名神高速道路ができます。もう一つ、リニア新幹線をねらっているんですけれども。そういうふうに、やっぱりそういう地の利というものが一つ要るんじゃないかと。それと、もう一つは、自然の中から出てくる水も、私どもはきれいな水が出ています。そういうものは守っていくと、こういうことをやらせていただきたいと思っています。
#43
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。
 最後に、高木さんに伺いたいんでございますけれども。
 産業再生機構の果たした役割は大変大きいし、大きな評価を得たと思っておりますが、この中で、ターンアラウンドを実際に見てこられました立場から、大変これも大くくりな質問で申し訳ないんですが、再生できる地域と再生困難な地域の違いは一体どこにあるのか、そのポイントとなる点、お示しいただければと思うんですが。
#44
○参考人(高木新二郎君) 申し訳ないんですが、地域別……
#45
○鈴木陽悦君 もし、御専門の立場でも結構でございます、企業で結構です。
 こういう聞き方はちょっと失礼かなと思ったんですが、もしもその地域的な部分があればと思って伺ったんですが、その再生。
#46
○参考人(高木新二郎君) 地域的な部分というのは日本に関する限りは、この地域の企業は再生できないとか、こっちは再生できるとか、そういう区別はないんだろうなというふうに思います。地域別ではないんだろうなと。
 ただ、地域によってそういう考え方の格差はかなりあるなということは間違いございません。これからそれをどうやってなくしていくかと。かなりのギャップがございます。人材の面にいたしましても、考え方の面にいたしましても、それをこれから埋めていくんだろうなと。その一つの動きが、例えば中小企業再生支援協議会の全国協議会の設置という形でなって表れたんだろうなというふうに思っております。
#47
○鈴木陽悦君 高木さんは、チームで取り組む必要性をいろんな文面でお書きになっています。要するに、人材の育成を挙げておられますよね。財務、会計、営業、販売、機械、得意分野によるチームの重要性を挙げていらっしゃる。地域のノウハウを生かした戦略を展開するというと、産学官連携に加えて金融、この連携も不可欠。最近の動きでは地域のファンドもかなり活発になっていますが、その点をどうごらんになりますでしょうか。
#48
○参考人(高木新二郎君) ですから、みんな、こんなことを言っちゃなんですが、産業再生機構のプロフェッショナルも、何といいましょうか、若い人たちが多かったわけで、私から見れば未経験な人が多いわけで、私だって何十年とこのターンアラウンドの仕事をしていますけれども、新しい案件については一件一件が未経験。そういう、未経験だがこういう仕事をやろうという人たちが集まってやればそれぞれの経験を補充し合って、欠陥を補充し合ってやっていけるだろうと、そのためにもプロフェッショナルがチームでやはり企業や地域に入っていく必要があるだろうと。そうすると、それなりの金が掛かるわけでございますけれども、それは一つの企業に集中しないでいろいろやっていくことによって薄められるだろうというふうに考えております。
#49
○鈴木陽悦君 時間でございます。
 ありがとうございました。
#50
○委員長(伊達忠一君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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