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2007/02/15 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第1号
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2007/02/15 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第1号

#1
第166回国会 厚生労働委員会 第1号
平成十九年二月十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事         阿部 正俊君
    理 事         中村 博彦君
    理 事         櫻井  充君
    理 事         津田弥太郎君
    理 事         浮島とも子君
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                足立 信也君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                柳澤 光美君
                山本 孝史君
                山本  保君
                小池  晃君
                福島みずほ君
    ─────────────
   委員の異動
 二月五日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     郡司  彰君
 二月六日
    辞任         補欠選任
     郡司  彰君     櫻井  充君
 二月九日
    辞任         補欠選任
     柳澤 光美君     大塚 耕平君
 二月十三日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     柳澤 光美君
 二月十四日
    辞任         補欠選任
     岸  宏一君     松村 祥史君
     坂本由紀子君     野村 哲郎君
     櫻井  充君     千葉 景子君
 二月十五日
    辞任         補欠選任
     野村 哲郎君     秋元  司君
     南野知惠子君     神取  忍君
     松村 祥史君     二之湯 智君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                阿部 正俊君
                中村 博彦君
                足立 信也君
                津田弥太郎君
                浮島とも子君
    委 員
                秋元  司君
                神取  忍君
                清水嘉与子君
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                二之湯 智君
                西島 英利君
                野村 哲郎君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                松村 祥史君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                千葉 景子君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                柳澤 光美君
                山本 孝史君
                山本  保君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   委員以外の議員
       議員       後藤 博子君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       ・男女共同参画
       ))       高市 早苗君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鈴木 政二君
   副大臣
       内閣府副大臣   平沢 勝栄君
       厚生労働副大臣  武見 敬三君
   政府参考人
       人事官      小澤 治文君
       人事院事務総局
       人材局長     鈴木 明裕君
       警察庁生活安全
       局長       片桐  裕君
       法務大臣官房審
       議官       後藤  博君
       財務大臣官房審
       議官       佐々木豊成君
       文部科学大臣官
       房審議官     布村 幸彦君
       文部科学大臣官
       房審議官     辰野 裕一君
       厚生労働大臣官
       房審議官     荒井 和夫君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       厚生労働省健康
       局長       外口  崇君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省職業
       安定局長     高橋  満君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    中村 秀一君
       厚生労働省老健
       局長       阿曽沼慎司君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       厚生労働省年金
       局長       渡邉 芳樹君
       厚生労働省政策
       統括官      薄井 康紀君
       厚生労働省政策
       統括官      金子 順一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (少子化等に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、草川昭三君、櫻井充君、岸宏一君及び坂本由紀子君が委員を辞任され、その補欠として山本保君、千葉景子君、松村祥史君及び野村哲郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(鶴保庸介君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に足立信也君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(鶴保庸介君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、社会保障及び労働問題等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(鶴保庸介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長青木豊君外十八名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(鶴保庸介君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、少子化等に関する件について内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○千葉景子君 おはようございます。民主党・新緑風会の千葉景子でございます。
 今日は、安倍総理と少子化にかかわる課題につきまして議論をさせていただく機会をいただきましたこと、心から私もうれしく思っております。実りのある議論をさせていただければと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 さて、大変そういう重要な課題を抱えながら、冒頭、柳澤大臣に大臣の御発言にかかわる質問をさせていただかなければいけないということは、私はもう大変残念な気持ちで一杯でございます。もうこれをあれこれ本来は言いたくないという気持ちもございますけれども、その発言のやっぱり根幹がこれまでの厚生労働行政の在り方、それから今後少子化問題等厚生労働問題の進め方、そういうものに、その根幹にかかわってまいりますので、どうしても冒頭大臣の御発言についてその問題点、お聞きをしておかなければいけない、そう考えているところでございます。
 そこで、まず柳澤大臣のいわゆる産む機械と発言をされたことについて、大臣の御認識をお聞かせいただきたいと思っております。
 もう余り繰り返したくはありませんけれども、一月二十七日、松江市内の講演において、出産年齢の女性の数、産む機械の数が決まっちゃっている、それが決まったとなると、あとはその産む役目の人が一人頭で頑張ってもらうしかない、こう発言をされた。まあ、これについて多くの皆さんが怒り、そしてとりわけ女性のげきりんに触れたというのは当然のことだと私は思います。
 ただ、この発言の何がこれだけ多くの皆さんの怒りを買い、そして問題視されているのか、大臣としてはそこをどう認識なさっておられるのでしょうか。この間、国会の冒頭から平身低頭謝罪はなさっておられます。しかし、一体何について謝罪をなさったのか、どういう問題があるから謝罪をなさっているのか、その点について御認識をお聞かせいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、千葉景子委員御指摘のように、私、去る一月の二十七日に島根県の松江で講演をいたしました。その一部におきまして、人口推計の説明をいたした際に、女性と人口の関係につきまして誠に不適切な発言をし、国民の皆様、特に女性の方々を深く傷付けたことになりました。この点、誠に申し訳ないと存じ、深くおわびを申し上げているところでございます。
#12
○千葉景子君 それはこの間、もう何度も伺いました。問題はそういうところにあるのではない。それは不適切な発言ですよ。それは当然、それについて謝罪をされるのは当然であろうかと思いますけれども、その発言の根幹に一体どんな問題があるのか、その御認識がないというところが問題なんだと思うんですよ。そこは大臣、どうお考えになっておられますか。
 不適切な発言であること、それはもう分かります。ただ、その発言が出てくる根幹、根底にどういう考え方あるいは今の社会に対する認識があるのか、そこをきちっと大臣の御認識をお聞かせいただかなければ、これから大臣が少子化にかかわっていく、あるいは厚生労働行政に携わっていく、私たちはそれを判断しようがないじゃないですか。そこをはっきりさせていただきたい。
#13
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど来先生も御指摘いただいておる点でございますけれども、このくだりは全く全体として適切を欠く発言であったと、こういうことでおわびをし、また反省をしているというところでございます。
#14
○千葉景子君 もうそれではこれから先、質疑を続けられないじゃないですか。そういうことではないと思いますよ。そんなことを続けていたら、本当に国会の実りある審議などできるはずありません。
 その大臣の御発言、これはやっぱり女性を産む機械に例えて、一人一人の事情、そういうことも顧みることなく、言わば人間を機械に置き換えているわけですよね、しかも産む機械だと。そうするとこれ、逆に考えますと、男性は何ですか。男性は働く機械とでも表現されるのでしょうか。違いますか。そうなれば、男性は働く機械、女性は産む機械、正にここに、今見直しをし、そして考えていかなければいけない固定的な性別役割というような考え方も見え隠れするんじゃないでしょうか。そういう御認識はおありですか。
#15
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもは、最近になりまして結婚、出産に関する若者の意識調査をいたしたその結果を参考にさせていただいておりますが、九割以上が将来結婚をしたいと希望しており、また希望する子供の数は二人以上となっている。全体としてこのような希望がある一方で、現実には生涯未婚率は二割以上、結婚したカップルの子供の数は二人に満たなくなる見通しが示されているわけでございます。この乖離を埋め、カップルが結婚、出産しやすい環境を整備し、結婚や出産に関する希望をかなうようにすることが重要だと考えておりまして、私としてはそういう考え方を基本に物事を考えておるわけでございまして、そうしたことが今回の発言で十分にというか、もう全く不適切にしか発言できなかったということを深く反省しているというものでございます。
#16
○千葉景子君 私のお尋ねしていることとはちょっと違うお答えだというふうに思います。要するに、何でこの発言が問題になっているかという御認識が全く欠けているんですよ。ただ謝罪をなさっている。私は、やっぱり大臣のその基本的な御認識、私は非常に欠落をしているというふうに考えます。
 さらに、続けさせていただきますと、柳澤大臣、今度は健全発言、これでまた多くの皆さんが非常に驚愕をし、そしてまた、これも怒りを買ったところでもございます。
 これは二月六日の閣議後の記者会見で、若い人たちというのは、結婚したい、それから子供を二人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけですと発言されています。私も、若い人たちが結婚して子供を二人持ちたいという、そういう統計があると、調査があるということは承知をしています。しかし、極めて健全な状況にいると、こういうことを付け加えられている。これも、何がその発言がこれだけ取りざたされている、どこに問題があるのかと、大臣はどのように認識なさっておられるんでしょうか。何か、こんないいことを言って何で自分が追及されなきゃいけないんだと、大臣何か困惑されているんじゃないかと思うんですけれども、そのやっぱり根幹ですね、なぜ問題になっているのか、どういう御認識を持たれておられますか。
#17
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほども申し上げましたように、私どもは今いろいろな角度、視点に立って各般の少子化対策というものを講じておりますし、また、これを更に充実したものにしようと、このように考えておるわけでございますが、その前提は、結婚、出産に関する若者の意識は、九割以上が将来結婚をしたいと希望しており、また希望する子供の数は二人以上となっている、こういうこと、これは今、千葉委員が自分たちもそういう統計は知っているという同じ統計かと思うわけでございます。
 私は、このようなことを統計として念頭に置いてこれからの少子化対策を考えていくときに、このような若者全体の意識の状況というものは、ある意味で私どもがこれから少子化対策を進めていく上で非常に有り難い、そういう状況だと思っているわけです。もしこれがもっと非常に低位にとどまっているとかいうようなことになりますと、これはもう我々の政策というのは非常に困難を窮めてしまうということが容易に想像されるのではないでしょうか。
 そういう意味合いで、私はこのような、一人一人の意識ではなくて、若者の全体の意識の状況、こういうものは、我々が少子化対策として、この希望と現実との乖離を埋めていこうという、そういうことを念頭に政策を考えるときには非常に有り難い、そういう状況にあると、こういうふうに考えるという意味でございます。
#18
○千葉景子君 今の発言も私は非常に問題だと思いますよ。有り難いというのは何ですか。こういう夫婦と子供二人、言わば結婚して子供二人を持つ、有り難いということは、それが最も理想な形だと、そう大臣は認識されているということではないんでしょうか。違いますか。
 この発言、今のも併せて考えますと、大臣のその健全だというふうにそれを評価した、そこにはやっぱり、人は結婚をし、そして子供を二人もうける、これが一つの言わば標準だと、世の中の規範となるべき姿なんだと、こういう考え方があるんじゃないでしょうか。そういう意味では、やっぱり多様な生き方あるいは一人一人の人生の選択、そういうものを言わば認めない一つの大臣流の価値観をこういう子供の問題、そして一人一人の個人の問題に持ち込んできたと、こういうことではないんでしょうか。そういう御認識はありませんか。
#19
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほどの御質問に対するお答えからまず申し上げますと、これは先ほど言ったような枠組みで私たちが少子化対策を進めていこうというふうに考える場合に、その困難の度合いというものを考えたときには、こうした状況の方が非常に、もっと若者の結婚だとか、あるいは子供を持ちたいという、あくまで総体の話ですよ、総体の統計で出てくる総体の数値というか、希望の程度というか、そういうものが低いということになると、我々の政策も非常に厳しいものになっていくと、こういうことに勢いそれはなるわけでございまして、そういうことと比較すると、今の状況は非常に我々として有り難いと、こういうことになるわけでございます。
 なお、これがあくまでも若者全体というか、そういう話をしているという限りで私は申しているわけでございまして、ちょっとこれは院が違いますが、平成十八年十月の二十五日、昨年の十月の二十五日に衆議院厚生労働委員会で質疑が行われまして、それに対してお答えを私が申しております。そのお答えの中で私が使わせていただいているこの発言、言葉、これを私は、私がどういうことを考えている人間かという意味合いでちょっと引用をさせていただきますが、よろしゅうございましょうか。
#20
○委員長(鶴保庸介君) では、大臣、お座りください。
#21
○千葉景子君 私の質問に答えていただければ結構でございますので、その引用はまた必要なときに私の方から求めさせていただきますので、結構です。
 私のどうも御指摘をさせていただいていること、それがなかなか大臣の御認識の中にはやっぱり欠けている、こういうふうに私は思います。
 本来であれば更に話をお聞きをしなければいけないんですけれども、毎回このような繰り返しだとすれば、総理大臣にお聞きをいたしたいと思いますけれども、やっぱり厚生労働行政を任せるということに当たって、しかも少子化という問題が非常に大きな課題になっている中で、今申し上げたようなやっぱり基本的な認識、そして何が問題になっているかということについてどうもはっきりしたお答えがいただけないと。こういう状況をそのままにしておいて、本当にこれから的確な少子化対策あるいは厚生労働行政というものを運営していくことができるのでしょうか。その辺、総理としてはどのようにお考えか。そして、このまま柳澤大臣に厚生労働行政任せていこうというふうにお考えなのか。そこを、御認識をお聞かせいただきたいと思います。
#22
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、去る一月二十七日の厚生労働大臣の発言は、女性を始め多くの方々の心を傷付ける極めて不適切な発言であったと、このように考えております。私からもおわびを申し上げる次第でございます。
 また、大臣も深刻に反省をいたしておりまして、今後、常に国民の立場に立った厚生労働行政を進めることにより、国民の皆様の信頼を得られるよう全身全霊を傾けて職務を全うしてもらいたいと、このように考えているところでございます。
#23
○千葉景子君 私は、これは多分最終的には国民のお一人お一人が大臣の発言、そして総理の判断、こういうものについて的確な判断を下すものというふうに思っておりますけれども、今、やはり大臣の御発言から考えるに、これまでの固定的な、男は外、女は産むもの、そして男は働くもの、あるいは一つのモデルケースとして、結婚をしてそして二人の子供を持つ、これが一つの日本の社会の大変大切な価値なんだと、こういう考え方でこれからの少子化問題あるいは厚生労働行政行われるとすれば、私は道を誤るのではないか、こう考えざるを得ません。
 そこを指摘をさせていただいて、こういう考え方に基づいて本当に総理がこれからも柳澤大臣を厚生労働大臣としてこのまま継続をさせていかれるのか、十分にお考えいただきたいということを私は申し上げておきたいというふうに思っております。
 さて、そういうやっぱり考え方に基づいて少子化対策行われてきたのではないかと勘ぐらざるを得ないんですけれども、これまで一貫して少子化対策行われてまいりました。しかし、それが効果を上げてこなかったその理由というのは、どういうふうに考えられておられるのでしょうか。
 一九九〇年の一・五七ショックと言われました。それを契機として、一九九四年のエンゼルプランに始まって、そして子育て支援計画立てて、対策に一貫して取り組んでこられたというふうに受け止めています。しかし、その少子化対策に取り組み始めてから十五年ということになりますけれども、その間、出生率はずっと下がり続けています。平成十七年には合計特殊出生率が一・二六ということにまでなりました。人口も減少傾向を迎えております。
 これは、政府として一体こういう事態をどういうふうに受け止めているのでしょうか。出生率を上げるというふうに目標にして対策を打ってきたとすれば、それは失敗だったと言わざるを得ません。一体どういうことを少子化対策として理念を持ち、目標に掲げ、そしてその結果どういうふうになってきたのか。その辺については、総理としてはどのように認識をなさっておられますでしょうか。これまでの対策が成功したのか、あるいは失敗だったのか、あるいは問題があったのか、その辺はどのように認識なさっておられますか。
#24
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは恐らく委員も同じ考え方であろうと、このように思いますが、出生率を上げて子供を増やすことを言わば目標としたことは政府としてはないわけでありまして、恐らく委員もそうすべきではないと、このようにお考えなんだろうと思いますよ。結婚や出産は個人の価値観の問題であって、これに国家が介入をするべきではないという考え方であります。
 しかし、その一方ですね、結婚したいけれどもできない、あるいは子供を持ちたいけれどもちゅうちょしているという状況があれば、そういう状況があって、それらの障害を取り除き、安心して結婚し、子供を産み育てやすい環境を整備をしていくことは我々の正に責任であります。このような考え方に基づいて、これまでも少子化に対し総合的な取組を講じる必要があるとの考えの下に、その時々に必要とされる施策を網羅的に盛り込んで少子化対策を行ってきたところでございます。
 しかしながら、長時間労働等の働き方の見直しが進まない、長い期間、未曾有の厳しい経済状況が続いてきた、また地域における子育て支援がまだ十分に展開をされていないなどが急速な少子化の進行に歯止めを掛けられない社会的背景になっているのではないかと考えています。また、育児休業制度など、政府の施策の効果が現場では十分に、実際に十分に浸透していない面があることもその要因ではないかと思われます。
 このような状況を変えるために、制度、政策、意識改革など、あらゆる観点からの効果的な対策の再構築、実行を図るために、「子どもと家族を応援する日本」という重点戦略を策定して強力に取組を推進していく考えであります。
#25
○千葉景子君 今、基本的な考え方、それからいろいろあれもこれも御答弁をいただきました。ただ、本当に基本的なその哲学、そういうものがあったのかどうか、そしてそれに基づいて施策が適切に講じられてきたのかどうか、私は大変疑問に思っております。
 昨年政府がまとめた新しい少子化対策というものがございますが、その中には「出生率の低下傾向の反転に向け、」と、こういう言葉も使われております。これを見ると、いささか、やっぱり出生率を何とか上げなきゃいけない、子供を産んでもらわなきゃいけない、こういう思いが強くにじんでいるのではないかというふうに思っております。それから、これまでの対策の大きな柱が、生まれてきた子供、そしてその子育ての支援ということに中心が置かれてきたということも言えるのではないかと思います。
 ただ、私は、この少子化という問題はそういうところに本当の原因そして問題があるのかどうか考えてみますと、むしろこの少子化という現象の根幹にある、子供を産もうとする人あるいは若い皆さんが安心して働いたりあるいは生活を楽しんだり、そしてその中で子供を産み育てることも一つの大変幸せな選択だな、こう思えるような社会をつくること、そこが欠けたら、幾ら子育て支援あるいは生まれた子供に支援をしてもなかなかこの出生率が上がるということはないし、そして少子化に歯止めを掛けるなどということはできないのではないかというふうに思いますけれども、その点について総理は御認識お持ちでしょうか。
#26
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、例えば出生率を目標にするということはないと、このように申し上げたわけでありますが、しかし私ども、政策を推進していく上において、我々の政策が効果を上げていくかどうか、上げているかどうかということは常に我々顧みなければならないわけでありまして、その一つの大きな大切な目安として出生率がどうなっているかということは当然私はあるんだろうと、このように思います。
 そして、今委員が御指摘になった言わば私どものこの考え方、基本的な考え方でございますが、子供は国の宝であり、安心して結婚して子供を産み育てることができる日本にしなければならないと考えております。また、子供をはぐくむ家族のすばらしさや価値を再認識することも私は必要であると、こう考えています。
 また、今回の戦略では、すべての子供、すべての家族を大切にを基本的な考えに置きまして、働き方の改革を含めた幅広い分野での対策の効果的な再構築、実行を図ること、そして、すべての子供、すべての家族を世代を超えて国民みんなで支援する国民総参加の子育てに優しい社会づくりを目指すことにしております。
 最近の出生数や婚姻数に見られる明るい兆しを確かな流れにできるよう、五十年先、百年先の国家の大計を考えて、内閣の総力を挙げて取り組んでいく考えであります。
#27
○千葉景子君 私は、やはり今、若い人たちが非常に将来に希望を持つことができない、そういう状況に置かれている。生活にゆとりがない、あるいは経済的にも安定感がない、そういうところに抜本的なやっぱり対策をしていかないと、今おっしゃったような、なかなか実を上げることは難しいと思っております。
 例えば、今景気が回復傾向にあると言われておりますけれども、結婚や出産年齢に当たる若年者の雇用というのは依然として厳しい状況でございます。世代内での格差も拡大している。政府の統計ですけれども、雇用者の三分の一が非正規雇用ですね。若者の場合は、およそ二分の一が非正規の雇用形態を余儀なくされている。これが更に増加傾向にございます。また、そのことが反面、正社員の長時間労働の原因の一つにもなっているわけです。で、多様な労働形態を選べるようになったというようなことが経済財政諮問会議などで言われているようですけれども、別に好んで非正規雇用、そこで働いているわけではない、むしろそれを余儀なくされているというのが実態なんです。そういうところを十分にやはり認識をしていただかなければいけない。
 労働ビッグバンなどということが言われております。そしてまた、ワーク・ライフ・バランスということが非常に大切だということが言われております。そういう状況を踏まえませんと、少子化対策あるいは少子化という傾向に対して適切な施策というのは打ち出すことができないというふうに私は思います。
 このような状況を改善して、若者の雇用と収入を安定させていく、そしてまた、ワーク・ライフ・バランスという、仕事も生活もやはりバランス良く過ごすことができる、こういう状況をつくること、これこそが少子化対策の一番のまず根本に置かれなければいけないのではないかと思いますが、いかがですか。
#28
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま、委員の御指摘によりますと、日本の経済は全く見通しも暗い状況であるという御指摘でございますが、私はそのようには認識をしておりません。
 有効求人倍率も、一時は〇・五だったわけでありますが、現在は日本全体では一・〇八まで上がってきたわけであります。また、正規雇用についても、前年比で三四半期連続の増加を続けています。また、やはり今年の春、就職を迎える方々について言えば、新規学卒の就職内定率は、高卒が四年連続、大卒は三年連続で改善をしていますし、十八年は、高卒の初任給が二年連続、大卒の初任給が三年ぶりの増加をしているわけでありまして、足下においては明るい兆しが見えてきている。こうした兆しを本格的なものにするためにも、我々しっかりとした成長を目指していかなければならないと、こう考えています。
 その上で、やはり現在正規の職に、正規雇用でない方々、またあるいはフリーターの方々、パートの方々に対してしっかりと光を当てていくことも当然大切ではないかと、このように考えているわけでありまして、安心して子供を産み育てられる環境を整備するためには、長時間労働を抑制して、仕事と生活の調和が取れた社会を実現をすることが大切であると、このように政府としても考えています。
 このため、法定割増し賃金率、言わば残業代ですね、について中小企業にも配慮をしながら引上げを行う労働基準法の改正法案を今国会に提出をいたします。さらに、フリーターなど若年者を中心とした低所得の非正規雇用の増加に対応するために、フリーター二十五万人の常用雇用化プランの推進を行ってまいります。また、正規労働者との均衡待遇の実現や正規雇用への転換を促進するパートタイム労働法の改正、そして、最低賃金制度がセーフティーネットとして十分に機能するように、四十年ぶりの改革に取り組むなど、働く人たちのための一連の労働法制、六本の法律をこの国会に提出をすることを予定をしておりますが、その一連の労働法制の整備等に取り組んでまいる考えであります。
#29
○千葉景子君 ちょっと今の御答弁に関して、二点お尋ねをしたいというふうに思います。
 一つは、経済が好調であると、良い兆しも見えているということですが、やっぱり今の経済の非常に好調な原因、そして背景には、非正規の労働、非常に安い賃金や不安定な雇用、こういうものの上に成り立ったそういうやっぱり経済なんだということはしっかりと認識をしておいていただきたいというふうに思っております。
 一人一人の働いている者、そして生活をしている者にとっては、経済、全くやはり還元をされていない、そしてその実感なぞ持っている人はほとんどありません。そういう意味では、もうちょっとそこは深刻に考えていただかなければいけないというふうに思います。
 そして、今、仕事と家庭の調和、そして働く者がもっと安心して働けるようなそういう施策を講じていくという幾つかの御披瀝がございました。それ自体は私もやっぱり大賛成でございます。
 だとすれば、これまでそういう施策、少子化対策と言いながらそういう施策がやっぱり足りなかった、あるいはそういうところに目が向けられてこなかった、そして単に子育ての支援というのみ、あるいは出生率を何とか高めようという、そういうところに力点が置かれてきた、こういうところを改めてやはり反省をする、これまでの施策の在り方、そして日本の社会の在り方、こういうものに対して非常に政策としては問題があったということをやっぱりここで改めて認識をしていただかなければいけません。
 そこはどうですか。これまでも少子化対策やってきた、しかし、今これからこういうことをやっていきたいとおっしゃいました。これまでなぜそういうことに政策が至らなかったのか、そこは正直に反省をしていただかなければいけない点だと思いますが、どうですか。
#30
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど委員は、全く現在のこの経済の状況の中で働く人たちに恩典がない、ほとんどないと、そういう表現を使われましたが、そんなことはないのは正に数字が示しているわけでありまして、雇用の状況は明らかに改善をしておりますし、新卒の方々も内定率は上がっているんですし、また新卒の給与も上がっている、正にそういう意味で明るい兆しが見えているということは数字が私は証明していると、このように思いますよ。そのことは指摘をさせていただきたいと、このように思います。
 そして、その上でただいまの御質問でありますが、その時々の状況の中で我々は考え得るそのときのベストの言わば少子化対策を行ってきたわけであります。そのときの社会の状況等の中での政策としてベストの政策を行ってきたわけでございますが、しかしながら、言わば出生数、出生率ということについて言えばなかなか効果を上げてこなかったのも事実であり、それはどこにやはり問題があったかということを分析をしながら、それはさきの質問にお答えをしたとおりでありますが、働き方等々にももう少し着目をしなければならない、そしてやはり国民みんなで支援をしていくという仕組みをもっともっと充実をしていかなければならない、そういう点を考慮して、今度新たな戦略を打ち出したところであります。
#31
○千葉景子君 私は、全く今の総理の認識とは私は異なった認識を持っています。格差は拡大していますよ。そういうやっぱり認識が欠けているんじゃないでしょうか。
 それから、そのときそのときに適切な施策を打ってきた、しかしやっぱりそれで駄目だから、今働き方、そういうところにも光を当てようとおっしゃったじゃないですか。ということは、これまでの施策あるいは少子化対策ということの中での言わば理念、そういうものにやっぱり欠けたところがあったんじゃないか。やっぱりそれを改めて検証し、別にいいんですよ。問題点があったら、やっぱり問題点があったんです、足りないところがありました、だから改めてまた新しく「子どもと家族を応援する日本」重点戦略会議、そういうものもつくってこれから対策をしていこうということなんですから、従来の検証なくして、あるいは反省なくしてまた同じことの繰り返しになるんじゃないでしょうか。別に、反省すること、それから問題点があったということをきちっと認められること、何ら恥ずることはないんです。どうですか。
#32
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、私先ほど申し上げましたのは、ですから私先ほど申し上げましたのは、その時々の社会状況の中で、限られたこの財源の中で、そのときの中でできることはやってきた。しかし、結果として成果が出てきていないという状況もあるという中においての分析はしなければならない、そして政策として欠けていたこともある、それは私が申し上げているとおりでありまして、それは例えば長時間労働等の働き方の見直しが進んでいないということも申し上げました。だからこそ、先ほど申し上げましたように、労働法制に関して今回法律六本を提出をしているところであります。今までの政策を検証しながら、当然、欠けていたものはこれだと、新たにこういう政策をやっていく、それがなければ進歩はないわけでありますから、それはもう言うまでもないことではないかと、このように思います。
#33
○千葉景子君 そういうことは、これまでの施策にも問題があったということですよね、おっしゃっていることは。いいです。問題があった、それをきちっと検証して、そして新しくきちっとした理念の下で少子化対策を考えていこうと、対策をしていこうということでいいじゃないですか。素直にそういうふうにお答えをいただければ私はいいと思います。正に検証なくして、反省なくしてまた新しい適切な対策というのはあり得ないわけですから、そういうことをきちっとお認めになっていただいたらいいのではないかというふうに思っております。
 その中で、私は、これから考えて、頭に置いていただかなければいけないというのが、やっぱり少子化施策における子供の視点ということだというふうに思っております。実は、民主党、二〇〇六年五月に育ち育む応援プラン、こういうものを策定をしております。御承知のところであろうというふうに思います。その中で、チルドレンファーストという形で、子供中心の政策、子供の視点に立った政策、これがやっぱり少子化、分かりませんよ、結果的にどういう出生率になるかは別として、やっぱりだれもが安心して子供を産み育てられる、あるいは生き生きと生きられる社会なんだと、こういうための政策を提言をさせていただいております。
 やはり少子化対策として経済的な支援、働き方の見直し、これはもちろん重要なんですけれども、やはり子供の視点から、本当に子供が伸びやかに育ち、そしてはぐくまれる、こういうことを十分に環境を整備すること、これが私は大事な点だというふうに思っておりますけれども、その点について総理の御見解を伺いたいと思っております。
#34
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最近の調査や研究では、結婚や第一子の出産には経済的基盤や継続就業の見通しなどが大きな影響を与えており、第二子以降の出産には夫婦間の家事、育児の分担や育児不安の解消、第三子以降の出産には教育費の負担の軽減が重要であると指摘をされています。
 少子化対策では、こうした国民の結婚や出産に関する希望が実現するには何が必要であるかに焦点を当てて、すべての子供を、すべての家族を大切にするという基本的な考え方の下に、子育てに優しい社会の実現を目指して取り組むことが必要であると考えております。
 このような考え方の下に、「子どもと家族を応援する日本」という重点戦略を策定することとして、先日そのための検討会議が発足をしたところであります。政府を挙げて議論を進めてまいる考えであります。
#35
○千葉景子君 もう一度徹底をさせていただきたいというふうに思うんですけれども、とかく少子化というのが議論されるとき、よく年金、税金等のことが取りざたをされます。子供が少なくなると国がもたなくなるとか、年金や税金減ってしまう、これは大変だと、こういう議論がされがちなんですね。
 ただ、私は、子供は国のために生まれてくるわけでもないし、経済のために、年金のために、税金のために生まれてくるわけではないわけです。やっぱり生まれてよかったね、一人の人間としてやっぱりそれぞれの生き方をしていくことができる、そうみんなから受け止められて生まれてくる、これが幸せなことだというふうに思うんです。
 そういう社会、社会の受け止め方、そういうことがなければ、やっぱり親として、あるいは子供を産もうという人も安心して子供を産み育てることができないと、こう思います。そういう意味で、やっぱり子供が育ち、そしてはぐくまれる、こういう子供中心の視点というのを改めて少子化対策あるいは少子化、子供の問題としてきちっととらえ直していく必要があるんじゃないかと思うんです。
 私はちょっと引っ掛かるものがありまして、総理の施政方針演説の中で子供は国の宝だという言葉がありました。何となく、この国の宝だというところに、子供は国のために生まれてくる、こういう何か発想が裏にあるのではないかということを大変懸念をいたします。(発言する者あり)笑っている場合じゃありませんよ。それだったらむしろ、子供たちは私たちの社会の宝だ、あるいは子供たちは未来の世代への贈物だ、こういうことの発想に立つべきなんではないでしょうか。
 国の宝という言葉、私は大変ちょっと懸念を持つところですが、この少子化施策の中で、子供を中心に、そして子供が本当に伸びやかに生きられる社会、その視点を忘れることがないようにしてほしい、その点について総理の御見解を伺いたいと思います。
#36
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員は、国という言葉に特別のアレルギーがあるのではないかと、そんなような印象を受けました。
 つまり、国として、やはりもちろん社会としてもそうなんですが、子育てを支援をしていかなければならない、やっぱりこれは、もちろんお父さん、お母さんにとっても本当に宝だと思います。そして、子供たちをはぐくみ育てていく、これはお父さんお母さんだけではなくて、もちろん御家族だけではなくて、地域や社会や、みんなで応援をしていく、そういう意味で私はこの言葉を使ったわけでありまして、私はこれは間違っているとは全く考えておりません。
#37
○千葉景子君 今、私が何か国という言葉にアレルギーを持っている、それは勝手な偏見じゃないでしょうか。私はそういうことを言っているんじゃないんです。いわゆる、先ほど言ったように、少子化というときに、とかく国の力とか、あるいは年金あるいは国の財政が破綻をしていく、そういうことが言われがちだから、子供はそういうことのために生まれてくるんじゃないよと。だから、国の宝と言うとそういう非常に懸念を持ちますと、その言葉にですね、そう指摘をさせていただいたんです。別に私、国に何のアレルギーなぞ持っているなどと思っておりませんけど、今の総理のその私に対する発言は撤回していただきたいと思います。
#38
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、委員が、私がまるで子供を国のために産ませようと、そのような、私から言わせれば偏見ですよ、私の発言に対して。ですから、それに対しての反論として申し上げたわけであって、それであれば私も、委員がそういうふうに考えておられたということに対して、それは取り消していただきたい。それを全部一々取り消すということになったら議論ができないじゃないですか。
#39
○千葉景子君 いや、私は、そうじゃないですよ。国の宝だという言葉から、私がそういう先ほど御指摘をしたじゃないですか、子供は別に国の経済のために、あるいは税金のために生まれてくるんじゃないんだから、その国の宝という言葉を使うとそういうちょっと心配がありますよと、こういう指摘をしたんです。その点については総理もお分かりですよね。
#40
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、今のような御説明を最初からしていただければ良かったわけでありますが、最初はそういう御説明ではなかったと思いますよ。
#41
○千葉景子君 いや、私は同じことを申し上げております。私に対する総理の御発言は、私は大変、私にとっては撤回をしていただかなければ私の立場なくなりますので、改めてそれは求めておきたいというふうに思っております。
 そこで、今、子供を大事にする、そういうことは総理もお分かりのようでございます。ただ、だとすれば、幾つか私は本当にそういうことが行き渡っているのかな、本当にどんな子供でも社会に温かく受け止められ、そして差別なく生きられるようになっているんだろうか、そういうことで何点か問題になるものがあると思います。例えば、婚外子の子供、婚外子の子供というのは変ですね、婚外子、あるいは戸籍が持てないお子さんが存在をしているというような問題、あるいは障害を持ったお子さん、あるいは外国から日本に来ている子供たち、様々な子供たちがいます。じゃ、みんなが本当に温かい目で、そして差別なく日本の社会で受け止められているでしょうか。
 一つ、婚外子差別。民法の九百条の第四項がかかわるんですけれども、これは一貫して国際社会からも、子供に対する差別だということで子どもの権利条約にも違反する、こういう指摘がなされ、その解消が求められてきました。こういう点一つ取っても、何かささいかもしれない、しかし、こういうところを一つ一つやっぱり解消していくことが本当に子供を大事にしていくということにつながるのではないでしょうか。
 この婚外子差別について、きちっと解消する、そして法律を改正する、そういう御決断はおありではないでしょうか。
#42
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 民法においては、嫡出でない子の法定相続分は嫡出である子の法定相続分の二分の一とされているところであります。嫡出でない子の法定相続分の在り方については、婚姻制度や家族の在り方と関連してこれまでも様々な議論がされてきたと承知をいたしております。本規定では、法律上の配偶者との間に出生した嫡出子の立場を尊重するとともに、他方、被相続人の子である非嫡出子の立場にも配慮したものであります。
 本規定の改正は、婚姻や家族という社会の基本についての国民の意識動向を十分に勘案した上で与野党間で議論を深めていただきたいと、そういう事柄であろうと、このように認識をしております。
#43
○千葉景子君 子供にとっては、どういうふうに生まれたかということ、本当に無関係なわけですよね。
 総理としてはどういうふうに考えるべきだというふうに思われているんでしょうか。与野党の議論等々の今お話はございましたけれども、総理は、やっぱりこういうことがあってはならない、そう考えておられるんですか、それとも、いやいや、やっぱり婚外子、とんでもない、そんなものは差別をされてもやむないんだと。どちらですか。
#44
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま申し上げましたように、民法の改正の問題でございまして、これは国民の意識動向というものを十分にやはりこれは勘案をしていく必要があると、こう思います。その上で、やはり政党間で議論を更に深めていく必要があるのではないかと思います。
#45
○千葉景子君 私聞いているのはそういうことじゃないんです。総理の御認識をお聞きをしております。
 婚外子について、例えばその相続分が二分の一だということは、総理は差別とは思いませんか、子供に対する。どっちですか。
#46
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私が申し上げましたように、制度としての意味としては、これは法律上の配偶者との間に出生した嫡出子の立場を尊重するとともに、他方、被相続人の子である非嫡出子の立場に配慮をしたものであるということでございます。
 いずれにせよ、この民法の改正にかかわる、これは社会のまた婚姻制度や家族の在り方と関連をしている問題であり、国民の意識動向等を十分に勘案をしていく必要があると、そういう問題であると私は考えています。
#47
○千葉景子君 答弁に全然なってないというふうに私は思います。
 先ほど、子供を中心に子供の視点で少子化あるいは子供施策というのを講じていくというのが大事だと、それは総理も分かっていただいたというふうに思いましたが、どうも今の御答弁から見ると、結局は本質は分かってないんじゃないかと思わざるを得ません。
 子供には本当に罪はないんです。罪というか、どういう結婚の形態からあるいはどういう親の形態から生まれようとも子供は同じじゃないですか。それが社会の中でやっぱり温かく対等に受け止められる、これが大事なんじゃないんですか。総理はどう思われますか。こういうやっぱり制度がある、子供にとっては差別ではないんですか、これ。
#48
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはもう先ほど来申し上げているとおりでございます。先ほど来申し上げているとおりでございまして、これは家族の制度、婚姻制度にかかわる問題であり、国民の中にも様々な意見があることから、国民のこの意識動向を十分に勘案をした上で議論を深めていく必要があると、こう考えております。
#49
○千葉景子君 もうこれ以上あれですけれども、要するに総理にはこういうことに対して認識というか、がないというふうにしか私は受け止められません。
 いろんな意見がある、これは当然だと思います。で、その中で総理はどう御認識されているのかということなんですから。やっぱりそういうところにどういう考え方を持っているのかということによって、先ほど言った子供を中心に、そして差別なく子供が受け止められるような社会をつくっていく、そのリーダーなんですよ。総理がそこに何の認識も持たないようだったら、子供施策、子供中心の、チルドレンファースト、そういう社会、できるはずがないじゃないですか。きちっとしたそこは認識を、改めて別な機会にもお聞かせをいただきたいというふうに思います。
 もう一つ、最近問題になっております戸籍を作ることができないお子さん方がいるという問題があります。これも民法にかかわりますが、七百七十二条に、女性の待婚期間が三百日ということになっている、これにかかわっております。今、いろいろな家族形態があったり、あるいは結婚の形態があったりする、そういう中で、この三百日以内に子供さんが生まれて、そのために届けを受け付けてもらえない、そして、結果、戸籍のない、そういう状態に置かれてしまっているお子さんがいる。これ、今大変問題になっております。
 この待婚期間が三百日というのは、もう明治のころに作られた法律ですから、状況が変わっている、こういうことも踏まえて、やっぱりこういう戸籍のない子供ができてしまう、こういうことを解消する、こういうことをやっぱり英断を持って総理がおやりになる必要があるのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
#50
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の民法第七百七十二条の規定は、婚姻中に懐胎した子や婚姻解消後に三百日以内に生まれた子を夫の子と推定する嫡出推定の規定でございますが、この嫡出推定制度は、法律上の父子関係をどのように設定するかという身分法の根幹となる規定であります。その規定及びその運用については、現在各方面でなされている様々な議論の状況等を視野に入れながら、見直しの要否を含めて慎重に検討を行ってまいりたいと思います。
#51
○千葉景子君 慎重にという問題なんでしょうか。やっぱりそういうものを解消していこうとするそういう積極的な姿勢を持つのか、それとも今のように、慎重にというのはやらない方向へということを意味しているのではないかというふうに思いますが、是非やっぱり総理として少子化あるいは子供というものに大きな力点を置いてリーダーシップを発揮されていこうとするのであれば、こういう点についてもきちっとした決断を、そしてリーダーシップを発揮いただきたいものだというふうに思っております。
 残念ながら時間になりますので、最後に、私どもは、従来から子供あるいは少子化含めて政策の一元化ということを考えるときに、やっぱり子供に関する様々な施策をまとめて対応できる子ども家庭省、こういうものの設置というのがやっぱり不可欠だ、こういう提起をさせていただいております。
 いろいろと省庁の再編という問題もあります。防衛省もできました。やっぱり時代に合わせてということでございます。いずれ情報関連を一元化した省庁というような構想もあるようでございます。そういうことを考えますときに、少子化そして子供、こういうことがこれからの社会で大変重要なことであるのだとすれば、高市大臣、今日申し訳ございません、ちょっと御質問ができなくなってしまいましたが、やっぱり子ども家庭省というようなものをきちっと設置をして、そして一元的に予算から、あるいは施策から講じていくということが必要じゃないかと思います。
 何かこういうことが構想されているやな報道がありましたけれども、総理の施政方針演説では全くこういうことには触れられておりませんでした。この点いかがでしょうか。その御決意をお聞かせをいただいて、終わりにしたいと思います。
#52
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この少子化対策については、省庁の在り方の問題というよりも内閣の総力を挙げて取り組む課題であると、このように考えております。
 少子化対策を担当する特命担当大臣、高市大臣でありますが、を設置をいたしまして、官房長官の下に「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議を設置をするなど、その重要性を踏まえた組織横断的な取組を進めてまいります。言わば内閣全体で取り組んでいく課題であると、このように考えております。
 これらの少子化対策は、働き方の見直しなどの労働行政、地域の子育て支援、保育、障害保健福祉などの福祉行政、幼小中高にわたる教育行政といった多岐にわたる施策であり、そしてまた緊急を要する課題でございますので、我々としては内閣を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
#53
○千葉景子君 終わります。
#54
○山本保君 公明党の山本保です。
 限られた時間でございますので、具体的な内容をお聞きするんですが、最初に柳澤大臣にも少し申し上げますが、十八年前、十七年前になりますか、平成元年の一・五七ショックがございまして、その直後に海部内閣で健やかに子供を産み育てる社会環境づくり政策ができました。実は、私も担当官でございまして、これができたときには大変感動したことを覚えております。
 といいますのは、この政策は、正にこれまで、それまでの人口政策的な将来人口というものを主たる目的ではない、主たる目的は現在の子育て世代の生きがい、働きがいというものをしっかり支え、その子育てと仕事を両立させるんであると、こういうことを打ち出した政策であったわけでございます。それから十何年たちましたけれども、現在もその政策の基本方針は変わっておりません。柳澤大臣は、そういう点で少し将来の人口政策というようなことに少し重点を置かれてお考えになっておったんではないかなと思いますので、この辺は是非反省をしていただきたいと思っております。
 正にそう考えますと、人生の各段階において再チャレンジをしていく。安倍総理が、再チャレンジ、そして人材、国の宝、人は宝であると、こういうものの中で子育て支援という政策もきちんと位置付けていくべきだというふうに思っております。
 そこで、まず最初に、まず児童手当について少しお聞きを、確認をしたいと思っております。
 十一月の二十四日に先生方の前で本会議で少し質問させていただきまして、そのときに私も応援をさせていただいて、高市大臣には大変御奮闘されたというふうに聞いておりますけれども、来年度予算で、四月からですか、ゼロ歳、一歳、二歳の子供さんへの児童手当が一万円ということになるというふうになりました。ただ、これを各現場でいろいろ聞いておりますと、財源について大丈夫だろうかと。これまでなかなか苦労してこの間拡大をしてまいりましたので、今回のこの拡充、加算につきましても大丈夫か、また言うならば、今年度はいいとしても、今年度、十九年度はいいとして、二十年度以降は大丈夫だろうかと、こういう御心配の声もありますので、この辺についてはきちんとした手当てが必要だと思います。
 先のことではありますけれども、特に地方の負担への手当てが重要だと思いますので、総理、まずこの辺についてのお考えといいますか、できれば積極的な御答弁をお願いしたいと思っております。
#55
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山本委員も大変熱心にこの児童手当の拡充に取り組んでこられました。改めて敬意を表したいと、このように思います。
 今回の児童手当の拡充に伴う平成十九年度分の国、地方の財源につきましては、緊急雇用創出特別基金からの国庫返納を前倒しすることで対応し、御指摘の地方負担分についても地方特例交付金により措置することとしたところでございます。
 そして、平成二十年度以降についてどうするんだという御質問でございますが、平成二十年度以降の公費財源については、与党の税制改正大綱において、少子化対策のための国、地方を通じて必要な財源の確保について、税制の抜本的、一体的改革の中で検討するとされていることを踏まえて、今後適切に対応をしていかなければならないと考えております。
#56
○山本保君 もう一度後でお聞きしたいと思っておりますが、その前に、一つ具体的に保育関係について、たくさん問題といいますか課題はございますが、一つだけ今日はお聞きしようと思っております。
 それは、保育園というのは、保育所というのはやはり専門的な子育てセンターでありまして、ただ単に食事とそして遊びの場を与えると、託児というような伝統的な概念ではございません。最近幼稚園と一体化されたような施設もできておりますが、当然の姿だと思っております。
 その中で一つ、病気になった、それが大分回復してお医者さんにはもう行かなくてもいいという子供さんが家庭にといいますと、これはお母さんが大変でございます。また、保育園にお願いをして預けていましても、何かあったときにはすぐに呼出しがあって帰らなくちゃいけないと、こういういわゆる病後児というんでしょうかね、こういう子供さんのための保育という制度が、もう十年ぐらい前からやっているわけですが、なかなか進みません。これは本来、小児科の先生方のところでまずやっていただくというところからたしか始めまして、その後、特別なそういう設備を持った保育園でもよろしいというふうにたしか以前つくったなという気がするんでございますが、これでもなかなか足りませんので、これは抜本的にといいますか、是非、各市、区、最低一つ以上あるような形で伸ばしていただきたいという声が非常に大きいんでございます。
 柳澤大臣、この辺についてはどうでございましょうか。
#57
○国務大臣(柳澤伯夫君) 山本委員、いつも実情を踏まえた的確な御質疑をいただいて大変感謝いたしております。
 体調不良の児童や病気の回復期にある児童に対する保育、いわゆる病児・病後児保育につきましては、今委員の御指摘のように、地域児童を対象として、特定の医療機関、保育所等において一時的に預かる乳幼児健康支援一時預かり事業というもので行っております。どちらかというと、医療機関が主で保育所は後で加わったという形かと思うんです。全国六百か所でございますが、これが今御指摘のようにかなり地域によって区々でございます。
 こうした事業あるいは事業の今の実績に対する状況を踏まえまして、近年のニーズの高まりもございますので、平成十九年度予算案におきましては、従来の事業に加えまして、現に保育所に通う子供が微熱を出すなど体調不良だが保護者がすぐに引取りに来られない場合に、その保育所の医務室において看護師が緊急的な対応等を図る病児・病後児保育事業、自園型というものを創設しまして、これを全国一千か所において実施可能な予算を計上しているところでございます。
 いずれにしても、この予算措置によって事業の大幅な拡充が図り得るものと考えているところでございます。
#58
○山本保君 大臣の今の御答弁で、いわゆる看護師さんなどに来ていただくというところを前提としております。ただ、御存じのように、看護師は今不足しておりますし、もちろん逆に、厳しい病院の勤務よりは保育所の方でという方も当然おられると思いますけれども、これは看護師さんの全体の政策という中でも一つ課題だと思いますので、是非そういうことを進めていただきたいと思っております。
 総理にもう一度確認でございます。
 先ほどお答えもあったんですが、つまり今の制度にしましても、今度、大体十九年度一・七兆円ですか、子育て支援策が国の予算として今後これから審議をするわけでございますけれども、これは、今の制度というのは国以上に地方負担が大きい制度でございます。私どもも実際やってまいりましても、なかなか使っていただけないということをいつも感じておったわけでありまして、是非これは、地方にそのための費用をきちんと、交付税というようなことも最後はあるんですけれども、できればもっと恒常的にきちんと税として置いていただくということが必要だと思っております。
 来年度はいわゆる国税、地方税の見直しということも予定になっているわけでございますので、是非ここは、特に子育て支援については、最近、先ほどもお話出ました二月九日の検討会議ですか、そこで尾身財務大臣が非常に少子化については頑張れというようなことをおっしゃったという、新聞報道でございますから本当かどうか分かりませんが、そういう声もあったというふうに漏れ聞いておりますので、是非来年度以降については少子化対策についての地方負担についてしっかり担保していただきたいということをお願いでございますが、総理、どうでしょうか。
#59
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この財源の問題、これは極めて重要であって、やはり財源の手当てを行いつつ政策的な経費を我々少子化については拡充していきたいと、こう考えているわけでありますが、二十年度以降どうするかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、今年の秋に抜本的な税制の改革を我々議論をしなければならないと、このように思っております。その中で、地方の言わば財源等々の拡充をどうしていくかということも含めて議論をしていかなければならないと考えております。
#60
○山本保君 地方負担につきましては、ほかにも例えば非常に問題になっております特定疾患の地方分とかございます。是非、我々も与党としてその辺は積極的にきちんと入れておくようなことを考えたいと思っております。
 次に、保育ともう一つ並びますのが育児休業制度でございます。これについて一、二点お聞きします。
 どうも今見ておりましても、男性がほとんど取られていない、全国で五百人ほどであるとか、また、女性の方がなぜ取りやすいのかといいますと、まとめて休んでいただくということの方がいいというようなこともあるようでございます。
 私は、理想論というか一つのモデルとして、例えば男性が、父親が週二回休まれる、女性が週二回、母親が休まれる、もう一日は保育所へ行くとか、まあちょっと機械的ですがね、これは。しかしトータルな話なんです。そんな形で、正に若い夫婦が子育てにしっかり参加していくような、それを担っていくような、そういう労働の形というのが必要なんじゃないかなと思っているんです。
 どうも今の育児休業の、しかもそれが、今度給付が四割から五割にしようと、これはまあ非常にいいことなんですが、こういう政策がもう少し柔軟に使えないだろうかと、こう考えておりまして、この辺について何か最近の施策の方針をお聞きいたしたいと思います。
#61
○国務大臣(柳澤伯夫君) 育児休業制度をまとめて取るのか、あるいはやや、毎日の中で必要な時間に短時間取るのかというのは、なかなかこれは大事なところかと思います。
 かなり子供が大きくなればあるいは長期間取るようなことも必要かとも思うんですけれども、しかし、特に乳幼児のときには、先ほどの話もありますように、もっと熱が出たらやっぱりお父さん、お母さんどちらか行かなくちゃいけないというようなこともありますと、短時間で言わば育児休業の時間を、育児の時間を取るという柔軟な働き方を整備することが必要である、これは非常に理解できるところでございます。
 育児・介護休業法におきましては、三歳に満たない子を養育する労働者に対しては、事業主は勤務時間短縮等の措置として、短時間勤務やフレックスタイム制、あるいは始業・終業時刻の繰上げ、繰下げ等の六つのメニューの中から適切な措置を選択して実施しなければならないということが言わば義務付けられております。
 厚生労働省といたしましても、このような制度に対するニーズを踏まえまして、平成十九年度予算案におきましては、育児のための短時間勤務を行う労働者に経済的な支援を行う事業主に対する助成措置の創設を盛り込んだところでありまして、今後とも短時間勤務等の柔軟な働き方の普及、定着に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#62
○山本保君 いろんな手段があるということはお聞きしておりますし、ただ、今度の育児休業給付というようなものが充実していく、もっと充実させたいわけですが、こういうときに少しアンバランスがあるのではないかなという気もしております。この辺は、また引き続いて委員会でいろいろ議論したいと思っております。
 総理にちょっとお聞きしたいんですが、こういうことを考えていきますと、子供のいない家庭もございます。私は子育てというものを、先ほどちょっと申し上げましたように非常に重要ですけれども、若い方の世代、若い子育て世代の生き方とか働き方を充実させるということを考えますと、子育てだけに育児休業という形をするのではなくて、社会貢献活動、社会貢献休業といいますかね、もちろんその中の多くが子育てになるけれども、しかし場合によってはボランティア活動、NPO、そして介護というようなものをやるということについても同じように保障すべきではないかなという気がするんです。
 これはなかなか難しいことかもしれませんですけれども、そうしませんと、やはり子供がいない方の方が昇進が早くなるとか、いろんな形が考えられるのではないかという気もするので、何かこういう幅広い制度が要るのではないかと。
 今、公務員ではボランティア休暇というのがあるんですが、これは割と古い考え方でして、NPOのようにずっと常態的にあるものを応援するというのではなくて、突然のものに出ていくというような考え方ですね。そうではなくて、持っている力をもっと社会のために使っていけるというようなことも必要ではないかなと思いますけれども、総理、どうでしょうか。
#63
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 仕事と生活の調和を実現をし、労働者の生活を生きがいのあるものとするためには、労働者の社会貢献を促進をしていくことも重要であると、正に山本委員の御指摘のとおりであろうと、このように思います。
 現在、企業における社会貢献を目的とする休暇の取得については、大企業ではある程度普及をしているわけでございますが、全体としては普及が進んでいない状況にあります。このため、政府としては、労働時間等設定改善法に基づきまして社会貢献を始めとする休暇取得の推進に取り組む中小企業団体等に対する支援を行うほか、来年度から、社会貢献等を目的とした企業内の特別休暇制度の普及を図るための周知啓発事業を実施することといたしております。
#64
○山本保君 それでは、時間がなくなりましたので、もう一つ、少子社会というのは少子高齢社会でございます。この高齢、つまり元気で長生きをしていただくということについても、少しこの際お聞きしたいと思います。
 一つ端的に申し上げますと、こういう声がございます。一年間一生懸命頑張って介護保険を一度も使わなかったと。使わなかった保険なので、何かそれに対して頑張ったというものが出てこないだろうかと。実は、一昨年法律改正、今年度からそういういわゆる要支援以前の方に対する介護保険の費用を元にしたサービス、いろんなもっと元気になる対策というのはやっていいことになっておりますが、なかなか進んでいないと思っております。
 私ここでちょっと、なぜ進まないのかを一つ御指摘といいますか、させていただきますと、例えば、これ全体の二%とか三%使うんですよというが、一人当たり例えば幾ら使えるのか、昨日、おととい、自分で大ざっぱに計算しまして、担当の方にどうだと言いましたら、大体そんなものだと。
 実は、介護保険を使ってない方に、その介護のお金だけで、市の負担なしで、介護保険だけで幾ら使えるかというと、一年間大体一万円使えるんでございます。このことをもっと周知しまして、今はそれをただ単に、市町村の言わば事業費に使いまして、こういう事業をやりますから参加してくださいよと、こういうやり方では参加する方はもう限られますし、はっきり言って元気出ません。
 私は、もっと市町村にこのお金を元にして、例えばお年寄りのための食事でありますとか、喫茶店のメニューでありますとか、日本舞踊でありますとか、いろんなことを、やれるところに参加していただいて、そこに、まあ全額でもいいですが、半分でもいいです、参加できる新しい、今のお年寄りが若いころやりたかったけれどもやれなかったということについて、もっと参加していただけるような、そういう手を打つべきではないかなと思っているんです。その辺の方針がちょっと国が地方に示しているのと違うような気が、ちょっと私はポイントがずれているような気がしますので、厚生大臣、この辺はどうかということと、もう一つ、時間がないので一緒にお聞きします。
 もう一つは、介護の職員というのは今大変不足しております。非常に施設が困っております。この仕事というのはやはりある程度若い方に頑張っていただく必要がございます。介護福祉士は今度、専門家職としてより充実させますが、私は、ヘルパーという資格は、これは正にボランティアといいますか、そういう資格としてしっかり守っていくべきではないかなと思っておりまして、この辺は、実は若い方、特に高校生は全員ヘルパー資格を持てるようにすべきではないか。
 総理がよく美しい日本と、美しい国、私は、美しい国日本、美しい日本人だと思うんですが、この美しい日本人というのは、世界じゅうで、日本人がいれば介護ができる、看護ができる、国のために戦うということもこれも重要な資質でございますけれども、日本人がいれば、そういうことができる国民であるという、こういう姿を作りたいという気がするんでございますが、この辺は一緒にお答えいただければと思っております。
#65
○国務大臣(柳澤伯夫君) 介護保険につきまして、介護予防事業というものを創設いたしたわけですが、今先生からはその実施についていろいろアイデア、いつもながらのアイデアをいただきました。
 現在は、その実施については、その事業が介護予防に効果があるかということなど、また高齢者の自立支援に資するものであるかどうか、こういったこと、さらには、保険料や公費を財源として実施するものにふさわしいものであるかどうか、こういうものを見極めた上で市町村が決定をすると、そういう事業の仕組みになっているわけでございます。
 今ちょっとお触れになられたかと思いますけれども、これを、金額で一万円なんだから、例えば商品券のようなものを配付することによって介護予防などに資するかどうかということで、いろいろちょっと疑問がありそうなんですが、いずれにしても、そうしたことにバラエティーを持って効果的な事業実施というものを考えたらどうかと、こういうお話かと思うわけでございますけれども、やはり原理原則からいいますと、本当に介護予防に効果があるか、自立支援に資するものかどうかというようなこと、また保険料、公費の財源として実施するものにふさわしいものかということについては、それを基本にして考え、検討していかなければならない、このように考えます。
#66
○政府参考人(布村幸彦君) 中高校生の福祉・介護施設での就業体験につきましては、まだ全員という段階ではございませんけれども、体験をした生徒からは、将来、福祉関連の職に就きたいという感想も出ているところでございます。
 今後とも、各学校において積極的に取り組まれるよう努めてまいりたいと考えております。
#67
○山本保君 終わります。
#68
○委員長(鶴保庸介君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#69
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
#70
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 女性を産む機械という柳澤大臣の発言というのは、これは単なる言葉遣いの問題ではないというふうに思います。今の女性は余りたくさん産んでくれない、産む役目の人が一人頭で頑張ってもらうしかないという、こういう言葉が付いているわけで、これは正に女性を国家の人口政策の道具としている、ここが一番の問題なんだろうというふうに思っております。
 今日も、不適切だった、おわびということはありましたが、この基本的な言わば憲法の人権思想にかかわる根本問題についての反省の言葉というのは聞かれていないわけであります。厚生労働大臣としては不適格であると考えますし、罷免を強く求めてまいります。
 その上で、少子化の克服のために今日は長時間労働の問題に絞って総理にお聞きをしたい。
 一月六日の記者団の質問に答えて、総理は、日本人は働き過ぎと感じている方が多い、家で過ごす時間は少子化対策にとっても必要だというふうに答えておられますが、労働時間の短縮が少子化にとって大事だと、少子化対策として重要だという認識でよろしいでしょうか。
#71
○内閣総理大臣(安倍晋三君) やはり、日本人は長時間労働、働き過ぎだと言われておりますし、私もそのように思います。家族みんなで過ごす時間を増やす、家族の団らんを増やす必要はあるのではないかと、このように思います。そして、それを、やはり子供を両親がまた家族ではぐくんでいく上においては、そのワーク・ライフ・バランスを取っていくことがいいのではないかと、このように思います。
#72
○小池晃君 その長時間労働の実態が一体どうなっているかということなんですが、私持ってまいりましたのは、これは昨年十二月に日本労働弁護団が発表した長時間労働酷書というもので、ここに電話相談で寄せられた事例が挙げられているんですが、例えば製造業で男性で三十代の後半、残業は月二百四十時間、月火水は帰りは午前三時、木曜は零時、金曜も深夜、休日は月二日から四日、もう限界で辞めるしかないというふうに言っている。あるいは、大手家電量販店の売場主任、三十代、残業は月百二十時間、残業代未払で労基署が二回指導に入っている、売上げが上がらず、毎日帰宅は午前一時か二時で、睡眠時間は三、四時間、人間としての生活が成り立たないというふうに言っています。あるいは、スーパー、男性二十七歳の方、月の残業は百四十時間で、残業代一時間分だけしか出ない、週休二日制だが有休は全く与えず、職場の離婚率が九割になっている。まだまだあるわけです。
 人間生活が成り立たない、あるいは離婚率が九割だ、こういう働き方が野放しになっていて、どうやって子育てしていけるのかという実態があると思うんです。しかも、これは特殊な例ではなくて、東京労働局の調査では、労災認定の目安とされている一か月に百時間又は二か月から六か月に八十時間を超える時間外・休日労働を行ったか、又は今後このような長時間労働を行う可能性があるという企業が五七・六%になっているわけで、正にこの例に挙げたような働き方は異常ではなくて、大きく広がっているというのは実態だと思うんです。
 総理はこういう実態についてどのように考えていらっしゃいますか。
#73
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘されたような数値は私は承知はしておりませんが、しかし、日本人が働き過ぎであるということは事実だろうと、このように思います。この状況を変えていかなければならないと、私はこのように考えております。
 長時間労働を抑制し、仕事と生活の調和が取れた社会を実現をしていくことが必要でありまして、このため、法定割増し賃金率、言わば残業代でありますが、法定割増し賃金率について中小企業にも配慮をしながら引上げを行うため、労働基準法の改正法案をこの国会に提出をいたします。そして、それとともに、時間外労働の削減に取り組む中小企業に対する助成金を創設をいたしまして、一定時間以上の時間外労働をできるだけ短くすることを労使の努力義務として位置付けるほか、労働基準監督署による重点的な監督指導の強化等を図り、長時間労働の抑制に正面から取り組んでいく考えでございます。
#74
○小池晃君 今おっしゃいました残業代割増しですけど、まずやっぱり圧倒的にサービス残業野放しになっているわけで、これはやっぱり根絶することが大前提であると思うんです。しかも、今回検討されている案というのは、四十五時間までは変わらない、八十時間までは努力すればよい、八十時間超したときでないと割増しとせず、その割増し率も明確にしていないと。これではやっぱり不十分だと思うんですね。
 元々は一日八時間以上働かせてはならないというのが労基法の考え方なわけであって、時間外労働を抑制するというのであれば、まず、今大臣告示という目安になっているわけですが、何の歯止めにもなっていない年間三百六十時間の残業上限、これ法定化すべきだと。あるいは、その割増し賃金を支払うよりも新しい労働者を雇った方がいいというところまで割増し率を引き上げなければ、これは実効性のある制度にならないということは申し上げておきたいと思うんです。
 この長時間労働にとって重大な問題としてホワイトカラーエグゼンプションのことがございますが、これはいろんな報道あるんですが、率直に総理にお聞きしたいんですが、この国会には提出されないということなんですか。これは明確にしていただきたい。
#75
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自己管理型の労働制につきましては、今国会への法案提出を見送り、法定割増し、先ほど申し上げました法定割増し賃金率について、中小企業にも配慮をしながら引上げを行うための労働基準法改正案を今国会に提出をするということにいたしております。
 この自己管理型労働制は、一定のホワイトカラー労働者を対象に、働く人が自ら労働時間を管理をし、仕事と生活の調和を図りつつ、弾力的、効率的に働くことを可能とすることにより、労使双方にとってメリットのある制度として創設を目指して検討が行われてきたものであります。労働時間の短縮がどの程度図られるかについては、この制度の適用を自ら選択する労働者個人、個々人の意向等によるものと、このように考えております。
 なお、国民の理解を今回なかなか得ることができていないという状況になったのは、残業代がなくなってしまう、残業代がなくなるということが先行をして、制度の趣旨、目的や具体的な内容について議論を深めることができなかったことによるものと思います。
 いずれにせよ、ホワイトカラー労働者の働き方の改革は、働く人たち、国民の理解を得ながら取り組まなければならない課題でもあり、今後とも労働時間制度の在り方について検討をしていく考えでございます。
#76
○小池晃君 その理解が得られていない理由として、今、残業代が出ないということが先行したというふうにおっしゃいましたけれども、これ残業代出ないというのは事実ですよね。要するに、この制度の対象となった労働者というのは労基法の労働時間管理の適用から外れるわけですから、すなわち、その労基法三十二条の対象でなくなるわけですから、そうすると三十七条の時間外、休日及び深夜の割増し賃金の適用が外れることになるわけですから、これは総理ね、残業代が出なくなるって、これは事実じゃないですか。誤解でも何でもない。これは残業代が出ないことにその対象者はなっていくということは間違いないことではないですか。
#77
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が誤解として申し上げたのは、これはもうすべての言わばホワイトカラーの人たちにとって残業代がなくなってしまう、我々が対象としている人たちではなくて、また労使双方の協定によるもの、あるいはまた本人が納得するということはかかわりなく、すべて残業代をなくしてしまうんではないか、そういう誤解が広がったという意味について申し上げたわけでございます。
#78
○小池晃君 要するに、この対象となった労働者からは残業代がなくなるという事実はお認めになった。
 しかも、別に国民はそんなこと誤解していませんよ。これは、ホワイトカラーエグゼンプションの対象というのは年収要件とかいろんな報道もされているわけですから、その人たちがその対象になるんだという理解は正しくしていますよ。しかし、それでもおかしいということでこれは怒りが広がったわけでね、私は今のような認識では全く間違いだというふうに思いますね。
 先ほど、労働時間が短縮するんだというようなこともおっしゃったように聞いたんですが、長時間労働の改善というのは少子化の克服にとって大事だという基本認識の上に、ホワイトカラーエグゼンプションを導入するとなぜその労働時間が短縮するのか、そこをちゃんと説明していただきたい。その根拠と保証は一体どこにあるんですか、それ明確に説明してください。
#79
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、これはいわゆる自己管理型の労働法制でありまして、労働制でございまして、そこで、言わばこの成果を上げるということを、会社との間においてお互いにこれは言わばこういう成果を上げるという約束事を成り立たせていくわけでございまして、その中で例えば、毎日出社をしなければいけませんが、その中で例えば、一日八時間でなくても、一時間でも二時間でもこれは仕事を終えて帰る、あるいはまた家で仕事をしても構わない、そういう働き方を実現をすることは可能であるという意味において申し上げているわけであります。
#80
○小池晃君 それは全く実態が違うと思いますよ。私が最初に紹介したように、今の労働者というのは本当に厳しい長時間労働、さらされているわけですよ、実例挙げたように。ホワイトカラーエグゼンプションの対象というのはこれ管理職一歩手前の人だと。すなわち私が紹介したような、毎日、百数十時間も残業しているような係長や主任という人たちが対象になっていくわけでしょう。しかもこれ、相次ぐリストラと人員削減で一人当たりのノルマというのはどんどん増えているわけですよ、ホワイトカラーエグゼンプション導入したって仕事量が減るわけじゃないんだから。何でこれは労働時間短縮するんですか。
 今は割増し賃金の支払というのが、不十分だけれども唯一の歯止めになっているわけです。ところが、エグゼンプション導入して、賃金と労働時間の関係というのがなくなってくれば、これは働かせる側はどれだけ長く働かせても痛みを感じないという制度になっていくわけで、それどころかその成果主義賃金が徹底されていけば、これは徹夜してでもそれほど、それこそ死ぬほど働かせるということになるじゃないですか。これは今の実態、労働者の実態から見れば、こういうふうに労働時間が逆に拡大していくことにならざるを得ないと考えますが、総理、いかがですか。
#81
○国務大臣(柳澤伯夫君) 委員長。
#82
○小池晃君 総理が手を挙げている。
#83
○国務大臣(柳澤伯夫君) やや技術的な側面になってまいりましたので、私から御答弁申し上げます。
#84
○小池晃君 技術的じゃないよ、これは大事な問題だよ。
#85
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、委員も御案内のとおり、既に裁量労働制というものが行われております。専門型裁量労働制、企画業務型の裁量労働制というのが行われているんです。しかし、現実の今の活用のされ方はどうかというと、もう非常に専門型のむしろ裁量労働制の方が多いんです。それで、企画業務型の裁量労働制、少ない。それで、もっとここのところを拡充して、本当にこの企画型の人たちの力を出して、同時に労働時間の抑制を図るにはどうしたらいいか、これが我々が直面した問題なんです。
 したがいまして、我々としてはこの裁量労働制の足切りをしまして、企画型の裁量労働制のうちのどちらかというとまだ十分な使用者側との交渉能力等を持ってない人たちの足切り、これはもうそういうグループには入れない。で、そして、企画裁量型の労働についてはもっと使いやすくすると。こういうような、言わば現実に今行われていることの手直しをするに当たって、より用心深く、労働強化にならないような形でこの制度を仕組んだという側面がありますので、是非、更に御検討をいただいて、我々が法案として出したときには是非御理解をし、御賛同を賜りたいと、このように思います。
#86
○小池晃君 実態全く分かってないですよ。
 厚生労働省の調査で、専門業務型の裁量労働制も企画業務型の裁量労働制も、その適用労働者は何て言っているか。労働者の不満で一番多いのは業務量が過大だということですよ。それから、労働時間、在社時間が長いというのはその次ですよ。裁量労働制になって、みんなそういう悲鳴を上げているんですよ。それを更に、裁量労働制より更に一歩進んで、労働時間管理そのものをしなくなる、労働基準法の対象でなくなる、こんなことをしたら正にこういう実態が更に広がることになるじゃないですか。そこ、どうなんですか。
#87
○国務大臣(柳澤伯夫君) 個人としてはいろいろ言う人は、どこか探してくればいるかと思いますよ。しかし、我々は実際に、例えば専門型の裁量労働制をやっている人の中には、やっぱりビジネススクールに現実に行って非常に有効に時間を使っている人も現実におります。
 そういうようなことを考えますと、このクラスの人たちの日本の労働者の方々、ホワイトカラーの方々がワーク・ライフ・バランスを現実のものにしながら、しかもそのライフの中で家事、育児を共同してやる、それからまた自己啓発に努める、こういうような自由度を持ってやっていただくということがやっぱり私はふさわしいと思うんです。そういうことを実現しなければ、いつまでもいつまでも、工場労働というかベルトコンベヤーの仕事、もう労働時間だけが売り物ですというようなそういうところでなく働いていらっしゃる方々の現実に着目した労働法制を作ることが我々に課された課題だと私は思うのでございます。
#88
○小池晃君 全く実態を踏まえてない、どこか別の国の話しているんじゃないかという話ですよ、今の労働者の実態から見れば。
 私、国民は決して、この問題、総理は誤解だとおっしゃったけど、誤解しているんじゃないと思います。この本質を見抜いているからこそ、これだけ多くの反対の声が上がっているんだということを申し上げます。これ、先送りでは駄目です。これはもう根本的に撤回する、そういうふうにしなければこの問題は解決しないと思う。ホワイトカラーエグゼンプションは先送りではなくて撤回をせよということを申し上げて、私の質問を終わります。
#89
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 柳澤氏の一月二十七日の発言に関しては、戦後六十年たってこのような発言を聞くことになろうとは全く思っていませんでした。極めて残念ですし、極めて悲しいというか、問題があるというふうに考えています。
 総理にお聞きします。柳澤氏の発言の、その産む役目の人が一人頭で頑張ってもらうしかないんです、この発言の何が問題でしょうか。
#90
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一月二十七日の厚生労働大臣の発言については、子供を産み育てることは男女が人間の営みとして行うものであり、また様々な事情にある方々もいる中において、この発言は配慮を欠き、女性を始め多くの方々の心を傷付けることとなった、不適切なものだったと、私からもおわびを申し上げる次第でございます。
#91
○福島みずほ君 役目、産む役目の人とおっしゃっているんですね。役目というのは、広辞苑で調べますと、「役として務めなければならないこと。つとめ、職務。」なんですね。女性は産む役目を持っている、務めなければならない、そして一人頭で頑張ってもらうしかないと。私は、多様な生き方があり、多様な選択があることを傷付けた、それを理解してない、根本的に厚生労働大臣として不適格だと思います。
 しかし、二つ目のポイントがあります。総理がおっしゃらなかった点なんですが、厚生労働省そして内閣は、人々が、持ちたい人が子供を産み育てることを応援すべきであって、頑張って産めと、一人頭で頑張れと言う立場ではありません。労働法制をどんどん規制緩和をして働けない状況にしたり福祉を切り捨ててきたのは、正に政府・与党です。
 月刊「世界」三月号のある派遣の女性の実態を御紹介します。私も本人に会ったことがあります。東京都の派遣社員の場合は、一時、中絶まで思い詰めた。数年前、派遣元に妊娠を告げると、育児休業の対象外と解雇通告されたと。中絶を決意して病院を訪れたが、踏み切れないでいるうち、派遣社員の労働組合を知った。会社と交渉して育児休業明けに仕事を紹介してもらう確約を得て出産をした。だが、出産後も、子供の病気で休むと派遣元から、契約更新は難しいとほのめかされます。社会が私に産むなと言っているとその女性は言っています。
 先日、派遣の男性の話も聞きました。年収が二百万から三百万円台、好きな人が将来できても告白することができないんじゃないかとその人は言っていました。
 労働の劣化、悪化はすさまじいものです。偽装請負にメスを入れずに、派遣を規制緩和をし、非正規雇用をつくってきた正に政府の責任です。政府は女性に産めない状況をつくっているわけです。手かせ足かせ掛けてがけを登れと言ったって、それはがけは登れませんよ。
 総理、この女性の発言、あるいは政府こそがいろんな人を応援すべきである、ですから私は政策の転向、変更をすべきであると考えますが、いかがですか。
#92
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この数年、派遣を始め働き方が大変多様化をしてきているわけでございます。その理由には様々な理由があるわけでありますが、しかしその中で、派遣からあるいはまたパートの方が正規の、正規雇用に進みたければそれが可能な社会をつくっていくべく我々も努力をしていきたい、このように考えております。
 そしてまた、この国会におきまして、労働法制、六本の法案を提出を予定をしておりまして、我々、働き方を変えていく、そしてまた先ほど申し上げましたように、パートの方々を含めての均衡待遇、あるいはまた正規社員になりたい、正規雇用になりたいという方々の望みが、また努力が実現されるような、そういう仕組みをつくっていかなければならないと思っております。
#93
○福島みずほ君 今日の答弁を聞きながら、政策の転向が全くなされない、今国会提出される労働法制問題あり、日本版エグゼンプションについては断念をしない、これでは雇用が不安定ですから、少子化、これの解決にはならないですよ。
 総理、厚生労働大臣は、このパート法案の対象は四%から五%だと言いました。それでよろしいですか。──いや、総理に聞いて……
#94
○国務大臣(柳澤伯夫君) 厚生労働省が把握しておりますデータのうち、推定対象者数として最も近いものは、平成十三年に厚生労働省の外郭団体、二十一世紀職業団体が実施した多様な就業形態の在り方に関する調査による数字でございます。これによりますと、責任の重さが同じかパートの方が重い方、重いこと、あるいは残業、休日出勤が同じかパートの方が多いこと、配転、転勤等の取扱いが同じことも含めて同じ仕事をしているパートのいる割合は四ないし五%との結果であり、二月十三日、私が予算委員会で御答弁申し上げました根拠はこの調査結果を踏まえたものであります。
#95
○福島みずほ君 いや、間違っているんですよ。大臣、これはまた午後でやりますが、要綱は契約期間の定めのないものとなっていますから、大臣が今言ったのは正社員的パートの数なんですよ。つまり、四、五%を前提としても、期間の定めのないものという要綱になっておりますから、今度提案されるパート法案で対象となる者は四、五%よりはるかに低くなるんです。厚労大臣、間違っていますよ。
 次に質問を続けます。
 先ほど割増し賃金の話が出ました。しかし、これは残業時間八十時間以上の者について割増し賃金率を五割にするというものです。八十時間というのは過労死デッドラインです。だったら、もうちょっと初めから五割増しにすればいいものを、私たちは八十時間以上残業するという働き方はやはり危険であると、このことを認めるわけにはいきません。残念なのは、こうやって議論をしながら、雇用政策における政策の転換がなされるべき、しかし出される法案は非常に欠陥があって問題がある、この中で、全然どうやってみんなを応援するかという視点が実はないことです。
 総理、次に家族の健全ということについてお聞きをいたします。極めて健全な状況と極めて健全でない状況とあるのでしょうか。あるいは、総理は健全な家族と健全でない家族があるとお考えでしょうか。
#96
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はないと思います。また、柳澤大臣は健全か健全でないかということで健全ということをおっしゃったわけではないと思いますよ。それは正に、将来若者たちへのこの意識調査の中において、多くの若者が将来結婚したい、あるいは将来子供を二人を持ちたい、そう思っている。もしそうではないとして、ほとんどの若者が結婚なんかしたくない、あるいは子供なんか持ちたくないと思っていれば、これは大変私は悲しいことではないかと、こう思うわけであって、そしてそれは別に価値観に踏み入っているわけではないんですよ。やはり多くの人たちが若者がそう思っていることについて、それは健全なことだな、良かったなと、こういうことでございまして、それはそうではない、そういう道を取らない人を否定しているものではないと、このように思いますよ。
#97
○福島みずほ君 子供を持てない人や持たなかった人や、結婚しないで子供を持った人や一人しか子供が持てなかった人、流産したり中絶をしたり死産をしたり、いろんな人たちがこの結婚をして子供を二人持つことが、持つという極めて、極めて健全な状況にあるという発言を聞いたらどう思うでしょうか。
 それで、総理にお聞きをします。
 フランスに行かれて、ロワイヤルさん、フランス社会党大統領候補に会われたと思います。私も彼女に会いました。彼女も私も事実婚で子供を持っております。
 家族についてですが、私は、あることを標準世帯あるいは健全ということではなく、多様なすべての家族を応援すべきだと考えています。しかし、婚外子差別撤廃について自民党は反対をしてきました。フランスやスウェーデンなどは家族、多様なすべての家族を応援するという観点から事実婚の保護や婚外子差別撤廃、これも出生率を上げたと言われております。出生率を上げないと頑張ってきたのはむしろ自民党の政策ではないんでしょうか。検討の余地はないんでしょうか。
#98
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、福島委員の指摘は当たっていないと私は思っています。すべての子供、あるいはいろんな多様な価値があるのも当然我々も承知をしておりますし、その多様な価値を認めないということではない、このように思います。その中で、いろんな形態があるということも私もよく理解をしているわけでありまして、そういういろんな形態の中で頑張っている親子を我々は応援をしていかなければならないと、このように考えております。
#99
○福島みずほ君 政府は多様なすべての家族を応援していません。婚外子差別があるということは子供の中に差別があることです。そして、もし子供を応援する、子供を持つ家庭を応援するというのであれば、母子家庭の人たちへの福祉をなぜばんばん削っていく政策を取るのでしょうか。金持ちのうちの子はいいんですよ。しかし、下支えが必要な家族をみんなで支えていくことこそ政治じゃないですか。
 これは、例えば九万一千世帯の命綱となっている母子加算、生活保護の規定ですが、単年度の削減額はわずか六十億円です。削って一年間の間に節約できる予算は六十億円。でも、その生活保護の母子加算で生きられる、それに頼っている世帯は九万一千世帯です。
 総理、すべての多様な家族を応援する、特に下支えが必要な、特に困難を抱える一人親家庭やシングルマザーを応援すべき。なぜ児童扶養手当の削減や六十億、この国家予算の中ではそんなに多額ではありません。ここの部分の母子加算、生活保護の部分のカットを検討しているんでしょうか。
#100
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずはこの児童扶養手当の削減についてお答えをいたしますと、平成十四年の改正では、母子家庭に対する支援をそれまでの児童扶養手当中心の経済的な支援から就業自立に向けた総合的な支援へと転換をしたのであります。
 児童扶養手当については、離婚時における生活の激変を緩和するための給付へとその位置付けを見直しをして、受給期間が五年を経過した場合にはその一部を支給停止する仕組みを導入をしたわけであります。しかし、その際、母子家庭が置かれている状況を踏まえて、八歳未満の児童を養育している者、障害を有する者などについて一部支給停止の対象外とするほか、支給停止する場合も給付額については少なくとも二分の一は保障することといたしております。今後、平成二十年四月の実施に向けて、支給停止する額などについて改正法の施行後の状況などを踏まえながら検討作業を進めていくとしているわけであります。
 母子家庭の経済的な状況を改善するためには、児童扶養手当等の経済的支援に加えて、特に就労支援を進めることが重要であります。今後更にハローワーク、自治体を通じたきめ細かな就労支援に力を尽くしていきたいと思います。
 そして、母子加算の廃止についてでありますが、生活保護はこれはもう最後のセーフティーネットとして重要な役割を担っている私は制度であると思います。制度の公平性の観点から、自立促進等の観点、国民生活の実態等を踏まえて制度の在り方について適宜見直しを行っていくことが必要であります。現行の母子加算を含めた生活保護の基準額は、母子世帯全体の平均的な所得層の消費水準を上回っています。このため、今回の見直しでは生活保護を受けている母子世帯と受けていない母子世帯との公平性の観点に立ったものであります。
 また、激変緩和にも留意をしながら段階的に行うこととしています。その際、現状の一律、機械的な加算を廃止する一方で、生活保護を受けている母子世帯の自立を促進する観点から、就労している母子世帯等に対しては自立支援を目的とした給付を創設することとしています。
 あわせまして、来年度中に全自治体で就労支援プログラムを策定をしまして、これに基づき個々の母子世帯の状況に応じたきめ細かな支援や福祉事務所とハローワークとの連携による就労支援を一層推進するなど、生活保護を受けている母子世帯の自立をしっかりと支援をしてまいる考えでございます。
#101
○福島みずほ君 明確に間違っています。
 全国の母子家庭は百二十三万人ですが、全国の就労の平均が五百七十九万が平均年間所得ですが、母子家庭は手当や年金を含めても二百二十四万円。日本の母子家庭の就労率は八四%、ただ、臨時やパートが半分強です。先進国の中では日本の女性の母子家庭の就労率は高いんですが、いわゆるワーキングプアになっている。年収の中央値は百八十三万円……
#102
○委員長(鶴保庸介君) 福島委員、福島委員、時間が過ぎておりますので、手短におまとめください。
#103
○福島みずほ君 済みません。
 年収の中央値は百八十三万円です。つまり、極めて困難を抱えている、子供を抱えて極めて困難、そこのカットするんですよ。
 で、総理が言ったのは、すごくおかしいと思うのは、頑張って生活保護を受けていない母子家庭はたくさんあります。しかし、生活保護を受けているところと受けていないところの母子家庭の差ではなくて、共働きや普通の人や富裕層の人たちと比較をしてどう生活を上げるかではないですか。生活保護を受けている母子家庭よりももっと悪い人がいるからそれを削減するというのでは、間違っています。多様なすべての家族を応援するとなっていない。それは健全ということの下に切り捨てている家族があるということです。
#104
○委員長(鶴保庸介君) 福島委員、時間です。
#105
○福島みずほ君 はい。厚労大臣は厚生担当あるいは労働担当としても明確に不適格であり、辞任を求め続けていきます。
 また、この厚生労働大臣、この政策転換できない厚生労働大臣を総理がかばい続けるということについても任命責任を追及していきます。
#106
○委員長(鶴保庸介君) この際、お諮りをいたします。
 委員外議員後藤博子君から少子化等に関する件についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認めます。
 それでは、後藤君に発言を許します。後藤博子君。
#108
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございます。
 国民新党の後藤博子でございます。本日は、質問の時間を許可いただきまして本当にありがとうございます。委員の皆様、そして理事の皆様、失礼しました。委員長、それから委員の皆様に感謝申し上げます。
 午後に柳澤大臣に質問しようと思っておりますので、お答えは後でよろしいんですけれども、私たちが柳澤大臣の発言を、私たちといいますか、私が問題にしていることは、大臣の発言そのものという言葉じりを取っているわけではなくて、そういう男性の意識をどう変えていくかということがこれからの課題だと思うんですね。
 大臣は先ほど一生懸命おわびをされましたけれども、どういうふうに、私もいろんな男性に聞きました。若い方も年配の方々もやはりそういう意識がどこかしらあるわけですね、まだまだこの日本社会の中に。その男性の意識改革を是非やっていただきたいということは後でお答えいただきますけれども、高市早苗大臣にも、また女性としての大臣としてやっぱり男性の意識を変えていってもらいたいと思っておりますし、特に総理には、そういう男性が本来意識していないようで潜在的な意識の中にあるという、この日本の伝統文化の中で培った、いいも悪いもそういう文化がありますが、そういうことをこれからの問題として、是非男性の意識改革をしていただきたいということを先に指摘させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 私の時間が十五分でございますので、いろんなことも含めて総理にお尋ねしたいと思っております。
 私事で大変申し訳ないんですけれども、私は一九八一年にブラジルへ移住しておりました。今、南米の、アメリカを始めとする南米の諸国に日系の日本の方々がおられますが、約二百五十万人の方が行っていらっしゃいますし、私が住んでおりましたブラジルでは百三十万の方が移住をされておられます。そして、私もわずか三年ほどでございましたけれども行っておりました。
 その方々が口々に申されていることが、最近、年に一回日系人大会がある中で耳にしている言葉が、非常に私はつらい悲しい言葉をよくお聞きいたします。私が胸に付けておりますこのバッジもブラジル移住百周年をお祝いする、二〇〇八年がいよいよブラジルに移住して、笠戸丸が日本の国を離れて百周年になるんですけれども、その中で最後の生き残りであった中川トミさんも百歳の誕生日迎えられて、日本の童謡を口ずさみながら亡くなっていかれました。
 そういう日本の方々がこの三十年、五十年たって日本に帰ってくる。この日本の状況は決して、今、日本から遠く離れた方々が思い描いた日本ではない、いつの間に日本はこういう国になってしまったんだろうかと嘆いて、肩を落として日本を離れ、またブラジルに戻られる方々がおられます。そういう方々のことも考え、また総理が目指される美しい国日本という、そういう美しい国日本という思いの中には、その遠く離れた日系移民の方々の思いも重なるのではないかと思っております。
 是非、そういうことを基本にいたしまして総理にお尋ねいたしたいんですけれども、安倍総理の目指しておられる美しい日本、美しい国日本を実現される中で、少子化問題はどのように位置付けられているのでしょうか。また、一定の数の人口は美しい国の要素となるのでしょうか。
 人口増の核となるのは家族や家庭です。その家族や家庭なくして子供さんもなかなか生まれませんし、家族とか家庭が非常に大事だと思っております。総理がせんだって出されました教育基本法の中にも、家族の、家庭の大切さをうたって織り込んでいただきました。少子化対策を実施する中で重要な要素である家庭や家族の位置付けはどのように考えておられるのでしょうか。それを中心として総理にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#109
○内閣総理大臣(安倍晋三君) やはり、若い人たちが結婚したいと思いながらもなかなか結婚できない状況があったり、あるいは子供を持ちたいと思っても、それをちゅうちょする状況があるということであれば、それは私が目指す社会、また日本ではないわけでございます。そういう障害になっている要素を除外をしていくべく我々は努力をしていきたいと、こう考えているわけでございます。
 そしてまた、子供を慈しみながら両親が、また家族が育てていく、お互いに家族のきずなを大切にしていく、こういう家族の良さ、価値は私はやはり再認識をしていかなければならないと思います。そういう家族がいて、また地域みんなで助け合って子育てを応援をしていく、そういう姿は私は大変麗しいのではないか、このような考えを持っているわけでございます。また本来、日本の伝統や文化の中にはそういうものがしっかりと根付いていると、このように認識をしているわけでございます。
 この中で、我々、家族やまた子育てに頑張っている方々、子育てをしておられる方々、そしてまた子供たちを支援をしていきたいと、このように考えております。
#110
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございます。
 先ほど冒頭に申し上げた、海外に行っていらっしゃる日系の方々のためにも一言総理からの思いをお言葉としていただきたいんですが、これは質問の中には入れておりませんけれども、海外に行っていらっしゃる日系移民の方々、今日本のことを非常に心配し、憂えておられる方々がたくさんおられます。毎回毎回、日本の中にも労働者問題ということで出稼ぎの方々が来ていらっしゃいますし、せんだっても新聞の中ではいろんなブラジル日系移民の方々の事件等もありまして、私としては、第二のふるさとと思っているブラジルの方々にとってのこの日本の良さ、この日本というものをもっともっと広めていきたいし、日本人でいてよかったと、私も日本人であることに非常に誇りに思っていますし、日本で生まれ育ったこと、そしてそれがまた海外に発信できれば、できるその役が私にできればなと思っておりますし、またふるさと、大分県出身でございますけれども、ふるさと大分県のこと、そんなことをいろいろと思いながら私はブラジルで三年間過ごしてまいりました。
 今、ブラジルの方々は年老いて一世の方々がどんどん亡くなられていっておられます。そういう海外にも日本を思う日系の方々がたくさんおられるということで、総理のコメントを一言いただきたいと思います。それをまた私は日系の社会にお伝えしたいと思いますので、大変恐縮ですけれども、一言コメントをお願いいたします。
#111
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 後藤委員がブラジルで三年過ごされたというのは私は今日初めてお伺いをしたわけでございますが、私の地元の山口県からも多くの移民がハワイやブラジルに行っています。実は私の親戚もハワイに移民した家族がいますし、また小泉総理の大変近い御親戚もブラジルに移民をしておられます。
 そういう移民の方々は本当に祖国日本に対する思いは強いものがあって、その中で、だからこそ日本が立派な美しい国になってもらいたい、そういう思いは大変強いのではないか。そういう思いにも我々こたえていかなければいけない、彼らが祖国と思っているこの日本が世界から尊敬される国になるように努力をしていかなければならないなと、こんなように思います。
 また、ブラジルの移民の方のお子さんたち、二世、三世の方々が日本に来て仕事をしておられます。そういう方々の今いろんな状況がございますが、そういう方々に対しての支援も我々行っていかなければならないと思っております。
#112
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございました。
 今日は総理に対して美しい国日本ということを質問いたしますということなので細かなことをお伝えしておりませんので、総理と十二時二十一分までの間にやり取りができればということで通達をさせていただきましたので、どんな質問するということを細かく通達しておりませんので大変申し訳なく思っております。
 やっぱり日本の国の存亡は日本の国の人口にも掛かっておりますし、やっぱり人口に、日本人という多くの方々がいてこの日本を支えていただいておりますので、やはり人口減少どんどんどんどんされるということに心配をしているわけでございまして、今から二〇五〇年にも今と変わらない一・二六じゃないかというような数字も出ております。
 人口を増加をするためにはどういう国をつくっていったらいいのかということで、ちょっと私資料を見ておりましたらこんな資料が出てきまして、戦国時代の日本の歴史がありますが、信長から秀吉、家康の時代に、一六〇〇年辺りから急に人口が増えているんですね。それを見たときに、やっぱり戦国時代であった日本から安定してきた日本ということは、やっぱり明るい社会ということで日本の皆さんがこれから未来に対して明るい希望を抱いたと、そういうことからこの数字が急に上がってきたのではないかなという、この数字だけを見て私が勝手に感想を持っているんですけれども。
 でも、美しい国日本ということにプラスして明るい国日本という、是非明るい国にしていただきたいという思いがあるんですけれども、総理の中には、美しい国ももちろんその中には明るい国ということも入っていらっしゃると思うんですけれども、やはりこれから若者たちが希望や夢を描けないこの社会、雇用状況も、ワーキングプアと呼ばれる方もたくさんいますし、子供を産み育てられるような社会ではない。果たして子供を産んでも結婚をしてもやっぱり仕事に出ていかなければならないという、そういう状況があるんですが、是非明るい日本ということで総理のお考えをお聞きしたいと思います。
#113
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 明るい日本はどういう日本であるかということを考えますと、やはり今日よりもあしたが良くなっていく、今年よりも来年はもっと豊かな年になっていく、そう思える、そういう未来を描くことができる日本ではないだろうかと、このように思います。
 そのためにも、私たち今進めている新しい成長戦略を進めていくことによって経済が成長していく、多少この人口の減少局面が続いても経済は成長していく、そして仕事に生きがいを持ち、やりがいがある、自分が従事をしているこの仕事に対して誇りが持てる、そういう日本にしていきたいし、また、一生懸命頑張っていけば、そして努力をしていけばそれが必ず報われる社会、そしてそれによってやはり将来に希望が持てるし、自分ももっともっと努力をして向上していくんだという日本にしていきたいと思います。
#114
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございます。
 少し質問の内容が具体的でなくて大変申し訳なく思っております。思いとかそういう気持ちとか夢とか、何かそういうことをお聞きして、もっともっと具体的に少子化対策とは何かというようなこともお聞きをしたいと思っておりますが、限られた時間ですから、基本的にはどういうことを自分の胸の中、奥の中にあるかということから、また口に出たり不用意な発言であったり、いろんなことが出てくるわけです。人間が生きていく基本の中にしっかりとした理念とかあるいはまた志というようなものがあればそういう美しい言葉も出てくる。私は、そういう美しい国日本を目指す総理を応援をしておりますし、また私ども国民新党がそういうことでまた政権担うようなことがあれば、国民新党も一生懸命そういう国を目指して頑張っていきたいと思っているところでございます。
 もう一つ、私が今感じていることがございます。
 美しい国日本をつくるということの総理のお考え、今美しい政治になっているのかな、あるいは美しい国会になっているのかな、国民の皆さんが答弁を聞き、国民の皆さんが国会を、本会議を見ながら、あるいは評価していること、それは私たち議員一人一人が戒めなければならないと思いますけれども、美しい政治、美しい国会を私は是非目指していただきたいと思っております。そういう点では一人一人が注意し、総理であろうと大臣であろうと一議員であろうと、国民の皆さんの負託を受けて私たちは仕事をしているわけでございますから、このたびの発言のようなことがあって国会が止まったりしないように、また尊敬される議員の一人として、国民から信頼されるような国会であっていただきたい。そのための美しい国会、美しい政治を是非皆様方にも、私たちも行っていきたいと思っておりますので、最後にそのコメントをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。総理。
#115
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 後藤委員とも、委員が自由民主党におられたときから一緒に仕事をさせていただきまして、大変尊敬を申し上げているわけでございます。また一緒に仕事ができたらどんなにすばらしいかと、このように思っているところでございますが、確かに国会において我々は論戦を闘わせながら私どもが進めていこうという政策についての国民の理解を得ていきたい、国会でしっかりと議論が、深い議論がなされているなと、そういう国会にしていくことが政治への信頼に私はつながっていくと、このように思う次第でございまして、今後とも努力をしていきたいと、このように思っております。
#116
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございました。
 午後から具体的にお聞きします。ありがとうございました。
#117
○委員長(鶴保庸介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ─────・─────
   午後二時七分開会
#118
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、少子化等に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#119
○阿部正俊君 当委員会、休憩が長くなりまして皆様方に迷惑掛けましたが、当委員会、衆議院との関連もありまして、予算委員会の持ち方等との関連で余り後々禍根を残すようなことはしたくないなということで、少し時間取りましたことを御了解いただきたいと思います。
 今日は、厚生労働委員会で厚生大臣に対する質疑を中心にさせていただきたいと思いますが、この二時間余りの間にいろいろ、少しかっかするところがありましたものですから、できるだけ冷静にやりたいと思いますけれども、時によっては少し頭に血が上ったような発言もするかもしれませんけれども、御勘弁いただきたいと思います。
 今日はこうやって、厚生労働委員会としては異例かもしれませんけれども、率直に申しまして、担当の、担当といいましょうか、中心の人物でございます厚生労働大臣の発言をめぐりましていろんな物議を呼びまして、国会審議にも影響したわけでございまして、それの言わば立ち上がりといいましょうか、新しい道筋を踏み出すに当たっての参議院としての一つの場としてこの委員会がセッティングされたということでございますので、その問題を中心に、私は、むしろ厚生労働大臣の発言の中身あるいはその良しあしというふうな、まあ失礼でございますけれども、言葉の問題ということではなくて、本当の意味での政府としての少子化対策、後で私、少子化、名前が不適当じゃないかということを提案しますけれども、その問題について、実質的な意味でのこれからの展望を開く議論をさせていただきたい、こういうふうに思います。
 最初に、そうはいいながら、大臣にも、本当に陳謝、反省ということを何度も繰り返されたわけでございますが、その時期はもう過ぎたのかな。国民が期待するのは、そのときの陳謝、反省の弁を何回も聞くということではなくて、それはそれとしながら、これから先、次の世代を育てる政策というものをきっちり我が国として展開していくということについて、大臣の考え方と将来展望を語り、実行への道筋を示してほしいと。
 そのためには、必ずしも個別施策の中身の説明にとどまらず、日本のこれからの長い将来に当たって影響を与える施策でございますので、相当やはり思い切ったといいましょうか、実際、今までの仕組みをいろんなところで手直しするというふうなことの思いを込めて、その決意についてまず最初に語っていただきたいと思います。
 大臣、お願いします。
#120
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我が国の少子化の現状につきましては、多くの国民が結婚したい、子供を産み育てたい、結婚しても、子供を持っても働き続けていきたいと希望しているにもかかわらず、その希望がかなえられない結果として少子化が進んでしまったという面が多いのではないかと、このように考えるわけでございます。
 私といたしましては、この国民が希望する結婚や出産を実現できる環境を整備することが重要だと考えておりまして、このため、何が希望と実態の乖離を招いているのか、それを解消していくためにはどのような方策が有効なのかを明らかにするため、有識者の先生方のお知恵もおかりしながらこれまで議論を進め、これを先般、整理して公表したところでございます。
 いわゆる、潜在出生率に基づく仮定人口試算の出生仮定の設定というような一連の書類でございますけれども、これにおきまして、経済的基盤や雇用、キャリアの将来の見通し、安定性、こういったものであるとか、子育てしながら就業を継続できる見通し、仕事と家庭の調和であるとか、夫婦間の家事、育児の分担であるとか、育児の不安であるとかなどが結婚や出産に影響を及ぼしている要素として整理されておりまして、大変私ども、参考になる資料としてまとめていただいたと、このように考えた次第でございます。
 このような点に焦点を当てまして、先般発足いたしました「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議において、今後、効果的な対策の再構築、実行を図るべく検討を進めていきたいと、このように考えております。
#121
○阿部正俊君 今、大臣から出た「子どもと家族を応援する日本」重点戦略会議、スタートということでございますが、私、余り今まで聞いたことなかった話なんですね。急に降ってわいたような話ではないかという感じするんですよね。厚生労働省の施策では十分じゃないというような前提なのではないかと思いますけれども。
 まあ、今日は少子化相おいででございますし、正に今までの仕組みというのを様々な意味で直していくということ前提にないとこの問題うまくいかないと。あれこれあれこれ、ちょこちょこしたことを一杯やるということじゃないと思うんですね。というふうな視点で、どうかひとつ少子化大臣には、少子化大臣と言うとちょっと失礼な話、何と言ったらいいんでしょうかね、担当大臣には思い切った展開をお願いしたいと思うんですけれども。
 この戦略会議の目標と、正に戦略と目標、同時に私は工程表は絶対要ると思うんですね。いつまでにどれだけの数値をどう実現するんだということ、何を。ただ羅列した項目だけ、うたい文句というようなもう時代は終わったと思います。具体的に就業者はこういうふうな条件になりますとか、所得保障はこうなりますとか、医療はこうだとか、目標を持ってやらないと駄目だと思うんですよ。ヨーロッパ諸国の状況を比較しても、正直、日本は決して十分ではないと思います。まあ消費税もないんですけれどもね。その問題まで僕は行き着くんじゃないかと思うんですよ、真剣に考えれば。
 やはり、次世代をどうするかという戦略を持って思い切った戦略を取ってほしいと思いますけど、大臣の見解をお願いいたします。
#122
○国務大臣(高市早苗君) 先般発足いたしましたこの重点戦略の検討会議でございますけれども、今後、分科会を設置いたします。四つ設置いたしまして、その下で具体的な議論を行っていくんですが、今後の工程といたしましては、まず六月を目途に基本的な考え方を取りまとめまして、経済財政諮問会議にも報告いたしまして、骨太の方針に反映させたいと考えております。その後、税制改正等の議論も見極めつつ、本年末を目途に、今年の年末ですね、を目途に全体像を提示するということで、具体的には平成二十年度の予算、税制に必要な施策が反映されていく、こういった形を想定いたしております。
 なぜこの重点戦略会議がセットされたかということなんですが、御承知のとおり、昨年、新しい少子化対策、四十項目にも及ぶ非常に幅広く総合的な政策というものが発表されまして、平成十九年度の予算案、これはその中のものを具体化していく過程としてかなり新しい制度などもスタートするわけでございます。
 ところが、やはり新しい少子化対策にも入ってはいたんだけれども、具体的なこの実施方法などで掘り下げが足りないところというのが幾つかあると思うんですね。例えば、若い人たちが、昔でしたらもう学校を出たら自立をして、自分で職業を持つ、少々会社で嫌なことがあってもそこはちょっと我慢しながら仕事を続けてみると、そういった形だったかもしれないけれども、今はなかなか離職率も非常に高い。それからまた、就職、自分が選んだ職業と職場のミスマッチというのがあるのかもしれませんね。離職率が高かったり、職業観というものも昔とは随分変わってきている。やはり、若い方々が自分が望む職業に就いて、その仕事を続けられる環境が整い、なおかつやはり経済的に自立していくということじゃなければなかなか少子化という問題は解決しないだろうと。だから、若者の自立支援といったところの視点、ここはまだまだ掘り下げが足りないと私どもも考えてます。
 それからまた、今内閣府でも、少子化対策で既にスタートしているものについて、使い勝手が悪いとか実際にうまくいってないということの御意見をホームページで募集しているんですけど、会社ではちゃんと産休ですとか育休ですとか制度的に整っているんだけど、取りたくても取れないと。とてもじゃないけど、経営者の方に理解がないですとか、同僚の方がなかなかそれを応援してくれる雰囲気じゃないとか、それから、本来、労働基準法もあり、そして育児・介護休業法もあり、男女共同参画、男女雇用機会均等法もあり、法律で例えば産休を取ること、育休を取ることというのはきちっと保障されているにもかかわらず、その法律を皆さんが御存じないと。働いている方もよく理解してないし、経営者の方にもその自覚がないというようなことで、社会全体の空気、子育てというのはすばらしいんだ、みんなで応援するんだと、ちゃんと法律は守ろうよと、こういった空気というのがなかなかまだ醸成できてない。
 そのためにどうするかということで、分科会の方では、働き方の改革の分科会もセットいたしますし、また地域、家族の再生分科会というものをセットします。これまで打ってきた施策が効果がないとか十分にうまく機能してないというところもまずきちっと点検、評価をしなければ改善はできませんので、点検、評価の分科会もセットいたします。そして、先ほど先生がおっしゃいましたような予算措置、税制の面ですね、ここは基本戦略の分科会の方で検討させていただきたいと思いますので、年末に向けましていい結果が出るように頑張ってまいります。
#123
○阿部正俊君 意欲が見えますけれども、ただ高市大臣、やっぱり今までの仕組みを、財政配分も含めて、あるいは国の財源もどう確保するかということも含めて、相当思い切った転換がないと駄目だと思うんですよ、私。何か制度はできている、使ってないの、認識足りないみたいな発想されているようでございますけれども、全く違うんじゃないのか。それだけの力強さがないということ。今までの仕組みでは駄目だと、駄目だという、いい悪いじゃないですよ。社会情勢に合ってないということで、例えば女性と仕事の場面だとかね。
 だから、情勢をどう変えるんだという目標を持たないと駄目だと僕は思うんですよ。そういうのがない、感じられないですね。何か、今までやってたこと何か使い勝手がいいとか悪いとかという話じゃないと思う。後でもう少し具体的な話触れますけどね。その点、やはり今までの仕組みは仕組み、いろんな意味で、やってきた中身も力強さと本当の意味での目標がはっきりしないというような僕は気がするんですよ。その辺触れてみたいと思います。
 それで、少子化対策ということに今言われてますけれども、私は、その少子化対策というのはずっと昔から疑問に思っています。少子化少子化というと今の世代にとっては何か少子化が物すごく困ると。よく年金で言われましたね。おれたちの年金は少子化だともらえなくなる、心配だと、だからもっと産め産めみたいな話になってしまうと。少子化じゃないんじゃないかと。
 それは、現世代にとっては、先世代は年金受給者ですな。現世代にとって働いている人、まあ六十五まで、二十四、五歳からね、と思うんですね。それ以下は僕は後世代だと思うんですね。後世代がどういうふうな形でこれから育成されていくのか、そのための条件というのは現世代が用意しなきゃならぬということだと思うんです。だから、私は、少子化対策と、子供の数の問題というのはえてして、午前中も千葉さんからも攻撃されていましたけれども、どうしてもやっぱり個別の子供の数とかなんとかになっちゃうんですよ。個々人の、あるいは職業別のとかね、あるいは家庭の主婦がどうだこうだとかね。個人の問題じゃないと思うんです、この問題というのは。
 正直言いまして、例えば女性の就労の話というのはヨーロッパ諸国と比較しましても、別にするまでもないんですが、私は、女性の権利とかなんとかということよりも、これからの経済社会、物すごく高度になった経済情勢を維持し、その中で経済を、社会を維持するとなれば、正直に言って、女性も従来の専業主婦とかいう言葉にあるような形をモデルにするのではなくて、すべての女性がそれなりの、言わばフルタイムの労働に従事できる社会というのをつくっていく覚悟が僕は要るんじゃないかと思う。そうでないと、言わば一馬力でやっていた、のうのうとやれる時代じゃないし、かつまた、それでは足りない相当高度でかなり豊かな現実が展開されるわけでございますので、それをやはり二馬力でやっていきましょうということじゃないと僕はできないと思うんですよ、一言で言いますと、権利じゃなくて。
 そういう経済情勢を維持するかということをどうするのかねと、そうなったときに、従来のモデルからいえば女性が育てるというふうなこと、常識だったかもしれませんのですけれども、それじゃうまくいかぬと、これはやっぱりそうすると次世代の育成への力が物すごく落ちますと、それは次世代の育成に責任を持つ現世代として余りにもおかしいんじゃないかと。そこのところをもう少し、言わば私は次世代育成力と言っていますけど、それを保持してこの社会を引っ張っていかなきゃいかぬということが成り立つんではないかと。
 したがって、少子化というと、何か将来、年金心配だからもっとどんどん産んでもらって、おれたちの年金を心配ないようにしてくれみたいな発想で、僕は現世代のエゴだと思います。そうじゃなくて、次世代に対する、次世代をきっちり育ち得る条件をつくりますというのが現世代の責任じゃないのかなと思います。そういうことに立てば、私は、例えで言えば、次世代育成政策と言った方がいいのではないかと思います。この後、子供が、個人個人が産む、産まないとか、人数がどうだこうだとかという話じゃないんですよというふうなことを是非提案申し上げて、そういうことで柳澤大臣も少し御自分の見てきた視点をちょっと変えてみるということをやっていただくと有り難いなというふうに思います。
 これから、やっぱり一つは、前提として、例えば女性の、後でM字カーブというのをちょっと取り上げますが、あの辺の対応になると全然進んでないわけですよね。結果としてやっぱりそれが、全員がフルタイムで、パートタイムがいいわけじゃないんですよ、フルタイムで働いてもらわなきゃこれからの経済は成り立っていきません。特に女子労働と高齢者の労働への参加ということが絶対必要なんですから、それを実現するためにどうするかというような視点ね。
 僕は、もう一つは、親の育児支援という格好をどうしても取るんですけれども、そうじゃなくて、個別の親の問題じゃないんですよ。社会全体と次世代がどう育っているのかねということについてどう考えるかということを、その条件づくりを言わば全体で、経済界、社会でも、あるいは公的なサービスなりも含めて実現するかということなんじゃないかと、勝手な思い込みかもしれませんけれども、私はそう思います。
 そういうことで、だから、今までの個々人の対応に着目した少子化対策という視点じゃなくて、あるいは親から子を見る視点から一歩進めて、次世代の育成をどうするんだと。それから、我々の現世代としては次世代を育成する力を落とさず保持していくためにどうするかという視点で物を考えていただきたいと思いますけど、この辺の考え方について柳澤大臣はどうお受け取りされますか。御見解を聞かせてください。
#124
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま阿部委員から大変高い、また広い視野に立って我々のこれまで取ってきた少子化対策ということの発想を抜本的に次世代育成力という視点から組み直してみたらどうかと、こういう御示唆に富んだお話を承りました。
 私どもも、ただいま高市大臣の方から御報告をいたしましたとおり、第一回の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議を先般開いたのでございます。もとより、その基礎になったデータというのは、先ほどちょっと私が冒頭触れましたような、我が省のやりました希望を反映した仮定人口試算というものでございましたけれども、そのときに各委員の先生方から発言された幾つかの発言でも、本当に今、阿部委員の御主張と軌を一にするような発言が大変多く出されたように私は受け止めました。
 もう本当に日本のこれからのことを考えるときに、もちろんこれまでの少子化の施策というものを一々その実績を分析して、どこがどう改めるべきかというようなことを考えなければいけないけれども、同時に、この戦略会議なぞは恐らく日本の将来を考えると歴史的な転換点に立っているんじゃないかと、そういうようなお話もありまして、みんなそのくらいの自覚を持って、社会の成り立ちを本当に組み替えるような、そういう発想を持ってこれから臨んでいかないと、本当に我々が考えるような日本の、と言うとまたしかられるかもしれませんが、未来、明るい未来がとても描けるような状況にないんではないか、こういうようなお話がありまして、我々、そのメンバーは本当にそのとおりだと。別にそれぞれが発言したわけじゃありませんけれども、その顔つき、目つきを見ますと、本当にそのくらいの気持ちで取り組まなきゃいけない問題だと、しかも非常に複雑な問題だということをそれぞれ胸にしまったと。それから、それを基にこれからの検討に臨んでいかなきゃいけない、そんなことを考えた次第でございます。
 お答えにはなりませんが、今の我々の立っている状況について、その一端を御報告させていただいた次第です。
#125
○阿部正俊君 それじゃ、よろしくお願いします。
 それは、私個人の見方ですのであれするつもりはありませんけれども、どうも本当にかなり大きなテーマになっているということですので、今までの見方、社会通念というのはこだわらずに、将来、五十年、百年先を見越して日本というのはどうするのか。多分、人口がどんどんどんどん減っていく先には、僕は未来はないと思います。それなりの社会を維持していくという覚悟が要るんではないかと思いますので、それはまあ数がすべてじゃありませんけれども、世代全体として連綿と続いていくということを維持するためにどうするかということで考えていただきたいと思います。
 それから、もう一つの視点を申し上げたいと思います。それは親と子の関係でございます。
 子育てという言葉がございます。私は、子育てという言葉に換えて子育ちという言葉を考えてみてほしいと思います。子供は、まあミルク飲む、あるいは母乳いただくときは別にしましてといいましょうか、それはまあそれなりの支えがないと生きられません。だけども、基本的にはやはり私は育つんだと思うんです、育てられるんじゃなくて育つ存在ではないかと。まあそれは、二、三歳までどうだと言われりゃ、それはいろいろな議論あるでしょう。ためにする議論はともかくとして、どうも最近何か、昔は親の子育て支援というようなことで教育費の控除を何かしたことありました、小中学生なり高校生の辺りの年齢階層を持つ親御さんは、所得控除、教育費控除みたいにしまして。だけども、これは私、大変疑問なんですね。つまり、消費を増やすだけでございまして、本当の意味で子供を育成するということに役に立ったのかどうなのか分からぬわけですよね。
 教育というのは物すごく、まあ変な話ですけど、五十兆円ぐらいあるんじゃないかと思いますけども、その半分ぐらいをどうも選別のための教育に使われているなと、こう言う人もいます。本当の意味での教育の在り方って考えると、奨学資金の方、後でちょっと触れますが、相当考えないかぬ。ただ、親がやるんだから親を楽にしてやろうという発想だけじゃなくて、子供自身に行き着くような施策というような物の考え方が要るんではないかと。
 そう考えると、あともう一つは、どうも最近の何というか親に対する子の暴力と親の子に対する虐待、お分かりになりますか。最近よく話出るのは、子供の親に対する、ある種の殺人だとか殴り殺したとかあります。一方で、親という存在の絶対視されているような日本ではないかと思いますけれども、一方で虐待というのは結構あるんですね。私の調べたところ、親に対する子の暴力の数よりも親の子に対する虐待の方が一けた違いますね、多いんですよ。親を子に対する絶対的な存在というのをちょっと、少し引いてみる必要があるんじゃないかと。子供はむしろ自主的に育つものだと、それをみんなで育てましょうと、環境をつくりましょうと。その中で、親というのは、それは引き算しようがありませんので、存在は絶対かもしれません。だから、サポーターとしては親が一番の重要なサポーターです、というふうな位置付けをして、全体で、社会も家庭もほかの家族も兄弟も、あるいはほかの公的な制度も、やはり子供の自主性を持って育てる、育つということを応援するんだというふうな仕掛けで物を見てみることが必要なんじゃないかと。
 先ほど、親の子に対する虐待なんかも、あるいはその反対もどうも親の責任みたいな、子は親の絶対性というのを、何か頼ってやらなきゃいかぬみたいなのがおのずと何か重荷になってるんじゃないかなという気もするわけですよ。その辺も少し肩の荷を下ろしてなきゃいかぬのじゃないかと。
 よく、特に欧米なんかでは、子の自立ということを非常に促しますよね。十八歳以降は教育なんか一切面倒見ないというのが一般的でございます。日本はどうでしょうか。大学生になって、すねに毛が生えたやつまでみんなで親のすねかじる、こっちは細っているのにね。みんなで金出して面倒見てやって、大学四年間遊びほうけて、私もその一員だったかもしれません。ですけれども、そういうことが行われているのではないかなという気がするんですよ。本当の子の自立というのはいかがなものかなという気がします。
 親も社会的に、子育て、子育てばっかり言われますから、物すごく何か行き場がなくなっちゃってるんじゃないかなという気がするんですね。少し目を離して、十八までがせいぜいよというふうな感じで物を見るのなら大分違うんじゃないかと思うんですね。
 あと、ついでに言いますと、選挙権は日本は二十です、二十歳ですけれども、世界的に見ても日本と韓国ぐらいではないですかね、これやっているのは。ほとんど十八歳ですよね。というふうなことも、私は個人的にはそう思っています。そんなことも考えてやらないと、子の自立っていうのがなきゃ、私はこれからの日本の社会は先々危ないなという感じするんですよ。
 一方で、子の自立もどうしても遅れてるんじゃないですか。二十歳になったら社会人なんて言葉がありますね。これ、なくしてはどうですか。小学生だって社会人ですよ。当たり前ですよ。義務もあり、エチケットもあり、それを要求して当然なんですね。それまでは何かかごの中に入れられてやっているみたいに言うものだから、まあそこから先は余りあれですけれども、どうも就職なんかについてももう一つ迫力がないみたいなところもあるんではないかという気がするんですよね。
 だから、したがって、一つの視点で言葉遊び、これこそ言葉遊びと言われるかもしれませんけれども、子育て支援ではなくて子育ち支援というふうなことで物を見ていくということが私は必要なんじゃないかと思いますけど、これは感想で結構ですが、柳澤大臣及び少子化相、どうでしょう、これは。
#126
○国務大臣(高市早苗君) その自立という視点については、今般立ち上げました重点戦略検討会議でも非常に大きな柱になっております。
 この自立の遅れということですけれども、海外の事例を見ますと、やはり日本と同じようにパラサイトシングル化というんですか、実家をなかなか離れず経済的にも精神的にも親に依存をする、こういった傾向の強い国、スペイン、イタリアがございます。スペイン、イタリア、日本がパラサイトシングル的傾向が強いと言われておりますけれども、こういった国ではやはり出生率が低いと。どこかで若者がきちっと自立をして、独り立ちをして、そして自分の家族をまた新たにつくっていく、こういった形になっていかないとなかなか少子化という問題も解決しないんだろうと思います。
 それから、昨年の新しい少子化対策の中では、一義的には子育ては家族の責任であるけれども、やはり社会、企業、地域社会挙げてファミリーを応援していこうと、こういった理念が提唱されました。私たちも、これはとても大切に引き継いでいくべき理念だと思っております。
 とにかく、子供を産み育てる、家族によってなされる営みを社会みんなが応援しているんだと、社会全体が応援団なんだと、こういった安心感、一緒に子供、大事な大事な子供を育てていくんだと、こういった社会の、世の中の空気というものが醸成されなければなかなか安心して子供を産み育てられない。特に、昔と違って、親元を離れて遠いところで一人で子育てをされる、こういった状況というのも増えておりますので、こういった意味では社会全体で育てていく、育ちを助けていくという考え方は大変大切だと思っております。
#127
○阿部正俊君 それじゃ、次、言わば、今の話にありましたように、やっぱり親の子離れ、子の親離れということを日本は少し意図的にやっていかないと、なかなかお互い自立し合えないんじゃないかなという感じするんですよね。そこはやはり一つのポイントなんではないかと思いますので、よく御検討いただきたいと思います。
 それから、具体的な話で、先ほど言いました女性の就労状況を示すいわゆるMカーブというのをちょっと一言とらえたいと思います。
 御存じのとおり、二十四、五辺りから日本の女性就労者というのはがくんと減ります。それで、元に復するには四十四、五歳まで待たないと復活しないと。この状況というのはここ数年、ヨーロッパなんか相当改善されてきましたし、ほぼ、何というのか、なだらかな山形になっているんですけど、日本だけがなぜかがくんと減っているんですね。これね、私たまたま上の直線で減った分計算しましたら、これは労働省に聞いたんですが、大体百二十万人ぐらいになるんだそうですね。百二十万人の雇用が非常に不確かな形でしか実行されていないということだと思いますので、これをやはりフルタイムでちゃんと一つも減ることなく自然な状態で働ける状況をどうつくるかというのは、私、その労働力政策としても大事なことだし、逆に言うと、そこのところ、フルタイムで働くためには、一方で両立というのをしないと、子供に、育成に障害が出ますので、それはやはり何らかの手を打たないといけないんだと思うんですね。
 目標は、なだらかな形にするのが目標だと思うし、そのためにどうするのかというのは政策なんだと思うんですね。それを意図的にやはり、極めて明示されているわけですから、年次計画持ってどうするんだということを是非取り組んでもらいたいと思いますけど、これは同僚、昔同僚であった武見副大臣、お願いします。
#128
○副大臣(武見敬三君) 御指摘のとおり、このMカーブの問題、これ欧米諸国ではこの年齢層で労働力率の落ち込みというのはほとんど見られなくなってきておりまして、ほぼ台形になっていますね。また、日本の場合には、現在は働いていない、しかし働きたいと希望している人を労働力に加えて算出した潜在的な労働力率というのがあります。これで見ていきますと、M字の底の部分というのは一〇ポイント以上もこれ上昇をいたしまして、M字カーブというのは相当程度なだらかになる、こういうことも分かっております。
 私といたしましては、働きたい人がその希望を実現できる環境をつくるということがとにかく重要であって、このM字の底の年齢層の女性の大半がやっぱり家事であるとか育児ということを働けない原因として挙げているんですね。したがって、これらの問題を解決をして、そしてこの一〇ポイント以上上がる可能性の高いこの部分というものをしっかりとサポートしていくと、これがまず基本的な考え方としてあるべきだと、こういうふうに思っております。
#129
○阿部正俊君 分かりました。
 それで、これ、出産で減ってくるというのが最大の原因ではないかなと思いますが、今度、法律改正で育児休業手当についても若干の手直しは行われるようでございますが、ただ私、何かもう一つ十分だなと思えないのは、職場に復帰したら後で金やるよという話なんですね。これは何だというと、離職防止だから復帰したことを確認して出すんだとおっしゃるんだけど、何か出産のときにぱっと手が伸びるんじゃなくて、復帰したらと。なかなか復帰できないのが現実ですよね。
 どうも私は、もう一つ、一歩進めて考え方を取ってくれないかと。離職しないようにしましょうということなら、最初から出していくということをなぜしないのかと思います。そうしたら、後で取り返しの付かないことになるということ、いったん出しちゃうとね、取るのが面倒くさいとかおっしゃるんだけど、それはちょっと話違うんじゃないのと。それは、悪いやつは悪いやつだという話なんであって、それでどうだというとちょっと役人的過ぎるんじゃないかなという気がするんですよね。どうか、今回の改正は改正として、一歩進めて将来展望を開いてもらいたいと思っています。
 さて、今言われたことは、MカーブはMカーブとして、もうこれは時間がありませんので申し上げませんが、どうかひとつそこに重点を絞って、非常に目標は明確なんですから、それに対する今年どれだけ改善したかという検証をしながら、どこでだれがどういうふうな働き方をしていて、あるいは辞めているかということを実証的に検証をしていくという施策を是非展開してもらいたいと思います。
 あわせまして、ひとつ今度、子供さんの育児の方でございますが、保育所の問題お尋ねしたいと思います。
 私、元々厚生省なんで余り偉そうなことも、自分の責任にも跳ね返ってくることなんですけれども、言えませんが、やはり保育所についての要件の一つとして、保育に欠ける児童という表現あるんですよ。保育に欠ける児童、どこが欠けているんだろうかという感じするんですね。
 これは、昔流で言えば、お母さんが育てるのを前提にして、モデル的にですね、それが育児ができない状態、例えば働きに出るなんということは本来はどうかなと思われたのかもしれません。それは欠陥の保育状況にある、だからそれはパブリックな形でサポートしましょうという保育だと、こうなんだと思うんです。これは、戦後、児童福祉法、二十五、六年だと思いますけれども、多分私は、言っちゃなんですけれども、上野の公園にベンチにたむろしている浮浪児といいましょうかね、辺りを念頭に置いた表現なのかなと思うんですよ。
 今、保育に欠けるといったって、私の子供も昔、保育所へ行っていましたんで、私も保育に欠けたのかもしれませんね。それはもうこの時代ですから、だから、さっきも私が言ったみんなで応援しましょうということからいえば、フルタイムで働くならば当然それはだれかがどこかでカバーしなきゃいかぬわけですよ。それをカバーするのに保育に欠けるから見るという発想じゃないだろうと思います。
 いわゆる福祉という視点を私は否定はしませんけれども、この時代、保育というのはもっとやっぱり労働と経済とをマッチングした仕掛けというのを構成されるべきではないかと思いますけれども、これについて御見解ありましたらお聞かせください。
#130
○副大臣(武見敬三君) 保育というのがやはりこうした少子化対策の中で一つの重要な柱になってくるということは恐らく共通の認識であろうかと思います。
 そして、その保育を実際に必要とされる母親、父親、そしてさらにお子さん自体というものを考えたときに、いかに適切にこの提供体制を充実していくかということを常に考えておかなければなりません。そういう中で、次世代の社会を担う子供たちが健全に育成されるための環境整備として非常に重要であるという考えの下で、保護者が就労している場合に子供を保育する施設としてこの保育所、これは認可保育所を整備するとともに、企業の事業所内の保育施設の設置、運営への取組を支援しているということは御案内のとおりであります。そして、この認可保育所についてはその質の確保の観点から運営費を公費で負担しているところでありまして、また事業所内保育施設については、従業員の雇用の継続を図る観点から設置、運営にかかわる費用を助成しているところであります。
 このような具体的な施策を推進することによって、先生御指摘の保育というものについてしっかりと強化をし、少子化対策の柱としてその役割をしっかりと確立をしていきたいと、こういうふうに考えております。
#131
○阿部正俊君 さらに、今の話で触れられましたけれども、事業所内保育所がございますよね。経済的に考えますと、うっかりすると企業によっては外部経済、保育所というのは面倒見てくれるものですから、事業所内保育所をつくらぬでそっちで世話になった方がコストは安いわけですね。一方では、近くに保育所がないものだから自前でやらなきゃいかぬ。それで非常に不公平になっているんじゃないかと、ある意味じゃね。というような面もあるわけでございますので、その辺やはり何というかな、認可保育所だから公費で見る、事業所内保育所だから公費で見ないという発想は、私は余り、子供ということを考えますと、施策として私は整合性は取れないんじゃないかなと思うんですね。その辺、やはりもう一つ考え方を変えて仕組んでもらいたいということを御要望を申し上げておきたいと思います。
 さて、それで最後にあれですけれども、あと奨学金なんかも、どうも日本は貧弱でということを言いたかったんですけれども、ここら辺もやっぱり子供を中心に考えて、子供を育成するというような視点からもう少しやるべきことたくさんあるんじゃないかと思います。
 あと、あえて言いますと、そのためには例えば保育所の保育料その他についても、だれでもできましょうというようなことで一定の定額にして、保育料は、あとは消費税で賄いましょうなんということは私はあり得るんではないかと思うんですよ。だから、奨学金にしましても、今、外国に比べて日本の奨学金って非常にシャビーですよね。この辺、やはりそれなりのこの自立あるいは育成ということを考えるともっと充実しましょうというのがあっていいんではないかと思うんですね。そのためには財源措置を、今の財源はどうにもならぬという感じがするんで、消費税なりを考えましょうかということはあり得るんじゃないかと思います。
 そういった意味でも、私は現世代が次の世代を育成するためには、現世代がしなきゃならぬこと、上がる税収から配分するのだけじゃなくて、それへの責任を果たすためにはこれなりのみんな出し合わなきゃならぬよというのを出そうじゃないですか。そんなことをやはりむしろ国民に提起をしていく必要があるのではないかと思うんですね。でないと、何かどっかから削ってきてなんてこと、これはできないと思いますよ。というようなことを、まあこれは意見ですので、考えがあったらお聞きしますけれども、そんなふうな考えも含めて、もっとやはり多面的かつ、まあ例えば家族の問題、就労問題、教育問題、所得保障、育成コスト、税制などの多面的な政策を展開し、今までの仕組みを直していくというふうなことをしませんと、どうも今までそれぞれが問題起こらぬように充実していくという発想では駄目ではないかと思います。
 その重要な一つの柱として私は財源問題ということも是非取り上げてもらいたい。現世代で出していく、ましてや次の世代に借金を残すなんて愚策はもうやめにしてもらいたい、本当に思います。これで少子化対策もないですよ。ツケを残しながら、三千億円の、何か少子化対策を打ちながら、三兆円の借金残して、これ何ですか。何にもしない方がよっぽどいいですよ。じゃないですか。これ、だれか現世代で文句言える人いますかね。言えないと思います。
 是非、そういう発想もあるんだということを、その辺について思い切った我々の現世代の任務を果たしましょうということをしないと、少子化対策、年金が心配だからもっと産んでもらいましょうなんというのは駄目ですよ。本当思います。社会全体が、日本が駄目になると私は思います。そんな覚悟で取り組んでいただくことをお願いし、かつ、以上の点について柳澤大臣、今までの反省も含めて決意を語ってもらいたい。
#132
○国務大臣(柳澤伯夫君) まあ先ほど来度々申し上げておりますように、私どもとしても基本的なデータを出しましたけれども、それはまあ一応念頭に置きましてこれからの日本社会の在り方について広範な立場から検討をいただくということで、恐らくこの発想は今の阿部委員の御主張とかなり近いものがある、あるいは重なっている部分があると、このように考えます。
 そうした中で、単純に子供の、あるいは少子化対策というような狭い観点ではなくて、日本人の働き方をどうするんだということ、それからまた地域、先ほど言った社会と言ってもいいと思うんですが、社会や家族というのは一体どうするんだというようなことと同時に、マクロの経済の中で、そういった社会のありようと密接に関連する諸経費をどのような賄い方をするんだと。これを専門のその分科会を設けてそこで御議論をいただくということになっているわけでございます。
 したがいまして、この中で、実はまあ高市大臣と協力し合いながらなんですけれども、我々の役所がこのうち三つの分科会の事務局を務めるという仕組みで進んでいくというふうに想定されておりまして、まあ非常に、私の責任も高市大臣と共々に非常に高いものがあると、重いものがあると、このように考えておりまして、まあここは本当に、一度もう白紙的なところから新しい社会を組み立てていく、かなり野心的で歴史的な仕事なんですけれども、それを諸有識者のいろんな刺激のある発言の中から我々実務的にそれをどうとらえ、それを組み立て直していくかと、こういうのが今回の課題だというふうに思っておりまして、是非またいろんなお立場でアドバイスもいただきたいと、このようにお願いを逆にいたしておく次第です。
#133
○阿部正俊君 終わります。
    ─────────────
#134
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、南野知惠子君、松村祥史君及び野村哲郎君が委員を辞任され、その補欠として神取忍君、二之湯智君及び秋元司君が選任されました。
    ─────────────
#135
○下田敦子君 厚生労働委員の下田敦子でございます。
 少子化対策についてお伺いいたします。
   〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕
 柳澤大臣におかれましては、このたびの一連の出来事に大変お疲れのことと存じます。御心中拝察して余りあるものがあります。いつもノー原稿でシャープな御答弁をなさっておられる大臣ですので、何とか人口を増やさなければいけないというリーダーとしての思いからあのような思考回路になられたのではないかと、良しあしは別として、個人的には理解できるような気がいたします。
 ただ、御発言のお言葉に対して、年代、現在まで置かれてきた環境、そして男女の性差、これを強く感じました。
 例えば、私どもの身の回りを見ましても、言葉の問題は大変日本が少し遅れがあるように思います。例えば、婦人、主婦、それから夫を呼ぶ場合の主人、欧米ではこれは死語になっています。あるいはまた新聞用語として使ってはいけない言葉もあります。ですが、我が国では普通に日常用語として使われています。
 例えば、婦人という言葉は、男性側からの対語がないので、相対する言葉がないので現在ほとんど使われなくなりました。これは軌道修正されたと思います。しかし、夫を呼ぶ場合の呼称に、主人と呼びまして、何か言葉のグレードが高くなったような錯覚を持っておられるようなきらいがありますけれども、妻は夫に仕えますサーバントではありません。主婦、いわゆるハウスワイフという言葉はもはや新聞用語としては使ってはいけない言葉、これがアメリカでは常識になっています。このような男女平等文化の違いから、このたびの大臣の御発言に対して欧米のマスメディアがアレルギー反応を示しました。
 例えば、アメリカのロサンゼルス・タイムズ、ニューヨーク・タイムズ、シカゴ・トリビューン、それからイギリスのロンドン・タイムズ、フィナンシャル・タイムズ、ガーディアン、それからインディペンデント、フランスのリベラシオン、ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ新聞、それからフランクフルター・ルントシャウ、それから南ドイツ新聞、それからシュピーゲル、ベルリン新聞、それから中国の人民日報。中国の女性は天の半分支えているそうですから理解もできますが、何と少子化が進んでいる朝鮮時報まで一斉に報じました。
 ここで、大変失礼ですが、大臣にお尋ねしたいと思います。
   〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕
 「男の家政学」という、十七世紀、オーストリアのホーベルクという男爵が著しました「家政学大全」という本をお読みになったことがありますでしょうか。日本だと、例えば男子厨房に入るを禁ずの考え方がついこの間まで、今もあるかもしれません、ありますので、とんでもない本だと思われるかもしれませんが、この本はいまだによく読まれています。その考え方に、家政、家を治めるというのは本来男のものだったと、それから家を治めるのはその家のあるじの仕事だったと書き著しています。「主婦の家事労働」、それから「産業革命と主婦の変化」、そして最後にこの本は「男と女の家政」というまとめをしています。
 私はここで何を申し上げたいかと申しますと、子供、家庭、そして少子化の現象に対する欧米と日本の根本的な違いがあるということを強く申し上げたいんです。
 韓国も少子化が進んで悪化していると言われています。韓国は伝統的に性的役割分担が強くて、意識がそういう意味では偏ったものがあります。夫は育児に対して参加しない、いわゆる男性の家事労働時間は日本とともに一日平均十五分間だそうであります。そして、欧米の一日二時間という男性の家事労働時間と比較いたしまして大きな違いのある環境の中で、少子化は加速し、八〇年代半ばには合計特殊出生率が二を割りました。二〇〇五年には一・〇八を割って、そして過去最低を更新しているのが現在の韓国の状態であります。
 それからまた、イタリアの出生率の低さ、これも深刻ですが、第二次世界大戦の中のファシストの考え方があります。国による人口政策、家族政策がタブー視されていたことから、少子化の政策は講じられていませんでした。
 先ほどの、先輩の千葉景子委員が国にアレルギーを持っている云々の御発言でありますが、大変びっくりいたしましたけれども、そういうことが日本も第二次世界大戦から以後受け継いだ土壌があるということをやはり、これを理解をしていかなければならないのではないかと、私はそう思います。
 そこで、この「男の家政学」を含めて具体的なお尋ねを申し上げたいと思います。
 今まで、我が国の今日までの少子化対策、たくさんたくさんありました。私事で恐縮ですが、平成三年に県議会議員をさせていただいて以来、毎度毎度この少子化問題を取り上げさせていただきました。そうしましたら、下田議員は口を開けば少子化だと、それを言われましたのが平成三年以後です。御案内のとおり、青森県の若年労働者並びに人口はひどい数で、年間四万人ぐらい減った年もありまして、そういうふうなことを理解できなかった当事の部長が今どういう思いでいるかなと、私はそう思います。ですから、今までの少子化対策の政策とその成果についてお伺いしたいと思います。
#136
○副大臣(武見敬三君) これまで政府においては、御案内のとおり、平成七年度からのエンゼルプラン、それから平成十二年度からの新エンゼルプランに基づきまして、保育関係事業を中心に具体的な目標を掲げて計画的な整備に取り組んでまいりました。また、平成十六年に策定した子ども・子育て応援プランに基づき、若者の自立、働き方の見直し、地域における子育て支援を柱として総合的な施策の推進を図るとともに、次世代育成支援対策推進法に基づき、地方公共団体及び企業においても行動計画を策定し、国、地方公共団体、企業など、社会全体での取組を進めてきたわけであります。またさらに、児童手当の支給対象年齢の拡大、それから育児休業制度の充実にも取り組んでまいりました。
 こうした取組によりまして、子育て支援サービスの整備が各地で進み、また育児休業取得者の増加、そしてまた企業における仕事と子育ての両立支援の取組の普及などが実際には具現化したと、こういうふうに考えております。
 また、子供を産み育てやすい環境づくりに向けて、こうした試みを通じて一定の成果は上げてきたというふうには考えておりますけれども、残念ながらこの少子化の流れというものをしっかりと変えるというところまでは至っていないと、こういう認識におります。
#137
○下田敦子君 効果が、成果が上がらないのはどういう理由であったかをお尋ね申し上げます。
 それから、あわせまして、いろんな少子化政策を掲げて、政策を持っていらっしゃいます担当省、部局は幾つありますか。そういう意味では私は、世界にまれに見る少子化政策の持ち方だと思っておりますが、いかがでしょうか。
#138
○副大臣(武見敬三君) 他の国、例えば欧米諸国との比較という観点で考えて、またその理由等についても考えてみますと、フランスにおきましては国際的に見ても手厚い家族政策を展開をしておりまして、報酬の五・四%に相当する企業からの拠出金などによる相当規模の財源が確保されていることに支えられ、第二子以降、二十歳未満の児童を対象にした家族手当制度の給付、それから集団託児所や認定保育ママなど充実した保育サービスの提供、この認定保育ママというのは在宅でいわゆるベビーシッターのような形で子育て支援をする方々であります。また、育児休業中の所得保障などを実施しております。これらの施策に加えて、国際的にも短い週三十五時間労働制などの社会的な条件というのもフランスにはございまして、こうしたことがかみ合った上で、男性も女性も仕事をしながら子育てにかかわる時間を確保できる環境が整えられているということが指摘されております。
 また、スウェーデンのケースでありますけれども、七〇%に及ぶ高い国民負担率に支えられまして、児童の健全育成、男女雇用機会の均等の観点から、子が一歳六か月になるまでの全日休暇と、八歳までの部分休暇が取得できる両親休暇制度というのがあります。また、子が八歳に到達するまでの間、両親合わせて子一人の出生について最高四百八十日まで受給可能な親保険による両親給付というものがございます。それから、二歳以上の約九割をカバーする保育所やファミリー保育による保育サービスの提供などを柱とした手厚い家族政策の展開によって、男女とも高い労働力率の中で子育てできる環境の整備が図られているというふうに指摘されております。
 こうした点見ながら、我が国としても、やはりこの子育て支援に対する総合的な施策の充実というものが急務であろうというふうに認識しております。
#139
○下田敦子君 それほどにたくさんいろんな情報を得ながら、なぜそれを取り入れられないのか、非常に私は不思議に思います。
 海外から指摘されていることがあります。日本のそのたくさんな様々な諸政策、なぜ成功しないのかということを専門家に言わせますと、一貫性がないこと、それから継続性がないこと、これの二点が海外からも指摘されています。
 例えば、昨年のことでありますが、猪口大臣が、その就任のときから全国の都道府県知事に対して政策対話を行っていらしたようです。予算編成に少子化対策を盛るようにということをやっておられましたが、この事業は、以後どうなりましたか。各地域でそういうことをやっていらしているかどうか、各県でどうであるか、これをお尋ねします。
#140
○政府参考人(大谷泰夫君) 前猪口大臣が中心になっておまとめになりましたプランでありますが、この中身は、例えば乳幼児加算の実現を含めまして、大小様々多岐にわたっておりましたけれども、昨年の予算編成過程の中でほとんどのものが今盛り込まれて今国会に審議をお願いしておりますし、また関連する諸制度に変わってきているものありまして、着実に推進に移されたものというふうに理解しております。
#141
○下田敦子君 先ほども千葉委員の方からお話ありましたが、やはり子ども家庭省という一本化した省庁がないことには、これはやっぱり総合的に総体的に継続性を持って一貫して進めていくということは私は無理だと思います。
 例えば、社会保障給付費の中で児童・家族関係の給付の割合が平成十五年度、ちょっと古いのですが、高齢者関係給付費が五十九兆三千百七十八億円、全体の七〇・四%です。ところが、これに対して児童・家族関係給付費三兆一千六百二十六億円、全体の三・八%です。大変な開きがあります。
 また、OECDの基準には、社会支出のうち家族分野への支出給付割合、これが二〇〇一年では、イギリスが九・九七、フランスが九・八六、スウェーデンが九・八、そして何と我が国は三・四三と、国際比較数値から見て、少子化対策に対しての予算の持ち方、大変な開きがあるということをここで申し上げたいと思います。
 新たなその少子化対策の推進に当たっては、まず第一に家族政策、第二に子育て支援、第三にワーク・ライフ・バランス、先ほども出ましたけど、働き方の改革です。第四に子供、いわゆる子育て支援のための税制の改革もあると思います。
 そこで、我が国がここまで全く取り組んでこなかったと思われる税制についてちょっとお尋ねします。
 お手元の資料に差し上げてありますが、所得税の税率構造の中で「N分N乗方式」というのがありますが、これはいわゆる家族単位で課税方式でやっているわけですので、家族が多いほど納税に優遇され有利になるという方法でありますが、これに対しては、格差が出るんじゃないかと、所得の多い人は受ける恩典がもっともっと多くなるけれども、所得が低い場合にはそれぞれに、幾らN分のN乗であっても恩典が薄いというふうな一つの政策の陰に隠された一つの欠点といいますか特徴があるとは思いますけれども、でも、こういうことに対して全くやってこなかった我が国の一つの社会的な備え。
 それから、これは贈与税の場合も言えます。例えばフランスでは、祖父母から孫へ贈与される、これは十年ごとにできるというんですね。ちょっと日本の贈与税の考え方とは違います。これに対する控除が一万五千ユーロ、これから三万ユーロへと引き上げられて大変贈与に課税される税金が軽減されたと聞いております。
 そういうことを考えたときに、やはりこれは全部の省庁からしてこういう目標を持った考え方をしなければ、フランスのような人口は力なりということまでに、特殊出生率が二・〇〇五まで上がらないのではないかなと、そういう気がいたしてなりません。こういうことをまずここで一区切りをしてお尋ねを申し上げたいと思います。大臣にお尋ねしたいと思います。
#142
○国務大臣(柳澤伯夫君) 後で何か財務省の担当者も補足をしてくれるのかとも思いますけれども、御指名ございましたので、厚労大臣という立場をちょっと離れまして、私がここへ座る前に務めておった税制調査会でどんな議論をしたかということだけちょっと御報告させていただきます。
 これは今、下田委員の御指摘になられたとおり、こういうことをやりますとお金持ちが大変得するという税制になると、これはもう簡単な見やすい理屈でございます。ただ、我が国の場合に、そのお金持ちが得をしつつも、とにかく世帯の構成員の数を広くするほどのインテンシブが働くような高い累進度を持つ税制を今持っているかというと、そうなってないんですね。ほとんど累進カーブは寝てしまっていますから、これのメリットを享受するのは明らかに高額所得者なんですが、その人たちにも大して効かない。どうも今の我が国の税制には余り効果がないんではないかと。これが議論の大体の結論でございまして、そういう意味で、もちろん一部積極的な議員もおりましたけれども、大勢としては余り積極的になられなかったと、こういうのが状況でございました。
#143
○下田敦子君 相続税に対してはいかがですか。例えば、フランスでやっているような十年ごとの相続課税ということがありますが。
#144
○国務大臣(柳澤伯夫君) 何かもういい加減にやめなきゃいけないかと思いますけれども、この元税制調査会長の発言は……
#145
○下田敦子君 いや、大いに聞かしていただいて。
#146
○国務大臣(柳澤伯夫君) いや、やめますけれども。
 むしろ、相続税につきましては贈与税と一体化するということを最近やりましたものですから、そういう意味で、その趣旨、今、下田委員の御指摘になられるような趣旨もかなり実現に向けてもう一歩も二歩も進んでおるということでございまして、それを踏まえると、今喫緊の課題としてその問題を我々課題として受け止めるには及ばないんではないかと、こんな感じの御議論でございました。
#147
○下田敦子君 ここで、まだまだちょっと質問申し上げたいことがありますので、いったんこの税金の話は、また別の場でさせていただきますけれども。
 日本の人口がなぜ増えないのかということをいろいろ考えたときには、例えば世の中、私どもの社会保障の内容は医療、介護、年金というのがあるんですけど、これに対してこういう喫緊の課題、しかもその柳澤大臣の御発言にちなんでやっぱり世直しをしていくということを一大テーマにしたならば、お気になさらないで、大変失礼な申し上げ方かもしれませんので申し訳ありませんが、子育て基金というものを私は海外並みにつくるべきだなと。何でもかんでも国に頼るというふうなことは限界があります、こういう状況の中ですから、企業もそれから国も地方自治体も併せて様々な形でこの子育て基金の創設というものは考えていかなければならないんではないかなと思います。
 それから次に、この問題からちなんで、家族手当、出産休暇、育児休暇、大変我が国の政策とフランスの場合とは開きがあるようであります。例えば、先ほど病気のお子さんの場合のお話が出ましたが、病児の取扱いで現在、年間十六日間休めると。それで、身近なそれぞれの医師会の方々も大変殊勝な方がいらっしゃいまして、病児の保育所をつくられました。ですけど、全く公的な、例えば市役所等の補助金が薄くてとても困るという話をされました。ですから、そういうことも、先ほどのお話に大変力強く思いましたけれども、是非やらなければならない分野だと思います。
 それから、御案内と思いますが、大家族カード、これがあれば、フランスの国鉄の七五%の割引、動物園、美術館、プール、これらの公共施設は無料、それからデパート、ホテル、レンタカー会社の割引がある。社会全体が少子化を支援しているということもあります。もっといいなと思ったのは、お手伝いさんを雇う場合に国庫補助があるということです。
 我が国で待機児童が多くて非常に困っている話を聞きましたので、私なりに、昨今のこの東京におけるベビーシッター会社の会社の状況をちょっと調べてみました。例えば、一時間子供を見てもらいますと、大体千六百円から二千八百円、そしてそれに交通費、そしてまた保育園、幼稚園に通うお子さんの場合には送迎費なども差し上げなきゃいけないということで、一日約一万二千五百円以上掛かるというのが分かりました。これであれば、とても子供さん二人目などという場合、あるいは普通のサラリーマン世帯では頼める状態のものではありませんが、大変このベビーシッター会社が今大繁盛であります。随分あちらこちらにありまして、一つの企業化しているということが分かりました。
 そこで伺いますが、待機児童がこの港区で特に多くて八十八人、六人募集するところに二十六人応募している保育所もあります。例えば、去る二月の十二日ですが、厚生労働省が発表されました認可保育所での定員オーバー、これ五年連続して続いている。ですから、待機児童ゼロ作戦の三千七百十五億円のこの使い方がどんなふうになっていくのか、私は大変心配になりました。
 続けてちょっとお尋ねいたしますが、安倍内閣の組閣については、これはいずれ予算委員会に譲らせていただきますが、私は非常に驚きました。高市早苗沖縄北方担当相でいらっしゃいますが、科学技術政策、イノベーション、少子化・男女共同参画、食品安全と多岐にわたって担当されております。私の記憶では、今までにない重責だと。本当にオールマイティーでいらっしゃいます、担っておられると思います。高市大臣は有能な大臣とはいえ、欧米においてはそれぞれ単独に省庁として進めている生活に密着した行政分野であります。例えば、食品の安全それから消費者行政などについても、アメリカのケネディ大統領が自ら消費者の五つの権利を言い表しまして、昨今、現在ではこれが消費者の八つの権利に定めるに及んでいます。それほど大事な部分であります。
 ですから、安倍内閣の政策の取り方に、私は率直申し上げまして非常に古いと思います。それから、生活イコール政治の概念が時代錯誤であると、私はそう思います。アナクロニズムを感じました。これ、「美しい国へ」のここに、昨晩もちょっと読み返しましたが、少子化を含めましてこれは一度きちっとお尋ねをしなければならないなと思います。このままの考え方では戦後のレジームは変えられないと、本当に私は痛切にそう思い続けてまいりました。
 一応ここで質問を閉じさせていただきますが、お答えをいただきたいと思います。
#148
○国務大臣(高市早苗君) 私の職務が多岐にわたることについて御同情をいただきながらの御質問かと思います。
 内閣府設置法に私の役どころというものが記載されておりますが、私の仕事は、複数の省庁にわたる案件で総理が特に力を入れて進めたいと思っておられる政策に関しての総合調整役でございますので、食品安全の方でも、JAS法に基づいて農林水産省が行っておられるリスク管理、それから食品衛生法に基づいて厚生労働省が行っておられるリスク管理、これがきちっとなされているかどうかのチェックと、両方から諮問があった場合に、科学的な知見に基づいて食品安全委員会で安全かどうか評価を下していくと、こういった仕事です。
 少子化も非常に多くの省庁がかんでおられます。民主党さんの方でも、子ども家庭省というような形で一元化できないかといったアイデアをお持ちなのは承知いたしておりますが。
 例えば、私の仕事でしたら、少子化担当大臣であると同時にIT政策の担当大臣でもありますね。そうすると、子育て中の特にお母様からテレワークを早く進めてほしいという御要望も多いんですね。だから、少し、産休が終わって育休が終わったぐらいに、若しくは育休中にも更に所得を得るために何か家で仕事をしながらもっと多くの所得が得られないか、こういった御相談が多いんですが、テレワーク一つ実現しようと思いましても、まずは総務省で全国各地のブロードバンド環境を整えていただかなきゃいけません。文部科学省の方で、やはりこのテレワークを使っていく上でのインターネットリテラシーの問題もしっかりやっていただかなきゃいけないし、科学技術の方では、やはり個人認証ですとかセキュリティーの問題をきちっと進めていただかなきゃいけない。また、厚生労働省では、時間で計る働き方よりも、テレワークですから御自宅で何時間働いているか分からないと、その場合に成果できちっと評価していただくような仕組みも要るかもしれない。それから、経済産業省の方で、企業のIT投資ですね、これも進めていただかなきゃいけない。
 非常に幅広い省庁で、少子化対策以外のことでも使わなきゃいけない施策というのはたくさんございます。そのために私が、総合調整、全体を見渡しながらそれぞれの省庁がきちっと進めているかどうか、ちゃんとやっていただいていない場合には私には勧告権がありますので、しっかり目配りをしながら進めてまいりたいと思います。
 大変仕事が多いので、私も今、気力も体力も一杯一杯ですが、それでも精一杯努めてまいりますし、がっかりされるような結果は出さないつもりでおりますので、御理解いただきたいと思います。
#149
○下田敦子君 お立場の今のお大変さはよく理解できました。ですが、願わくば、大臣が少子化担当相というところの、名前はともあれ、トップで、気力も体力もあるところを一〇〇%全開してやっていただかないとこの少子化はやはり改善できないと私は思います。よろしく。(発言する者あり)はい。
 最後にお尋ねいたします。
 これは柳澤大臣にお願いいたします。ノルウェーの女性大学という大学があります。ここの学長のオオスさんという方は女性ですが、この方があるときにいろいろ御指導をくださいました。政策決定の場に男性議員、女性議員の数の差が、性差があった場合に、そこに例えば男性議員だけが多いとか女性議員が極めて少ないとか、そういう状況になると政策に偏りが出るというお話がありました。それは確かだなと。
 例えば、我が国の女性議員の衆議院における数は全体の九・四%です。参議院で一四・二%。各国順位の中で、世界的には過去に内乱があった国あるいは貧困問題を抱えている国、例えばお手元にこの資料を差し上げましたが、ちょっと原語で、国連の資料なので大変恐縮ですが、一番目がルワンダです。ルワンダが女性議員が非常に多くなった。ところが、ずっと探しても探しても日本が出てきませんで、実は九十九番目であります。こういう性差がある。これに対して、クオータ制を韓国並みに、もう韓国からもう実は追い付かれてしまいました。韓国並みに早くもクオータ制をしきたい旨をお願いするのですが、男性議員から反対が出ます。
 こういう状況の中で、確かに私は、少子化対策が遅れているということは、やっぱり政策決定の場の女性議員の数の少なさだと、一つにはこの強い要因があると思っておりますけれども、こういう考え方、あるいはまたノルウェーの女性大学のオオス学長のお話を含めて、柳澤大臣はどのような御見解をお持ちであるかお尋ねして、終わりたいと思います。
#150
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我が国におきましても、政策や各種の方針決定過程へ女性が参画を拡大していくことは極めて重要であると、このように考えております。政府は、十七年、平成十七年十二月に第二次男女共同参画基本計画におきまして、二〇二〇年までに、指導的地位に女性が占める割合が少なくとも三〇%という目標が盛り込まれまして、各分野での取組を推進しているところというふうになっております。
 実は、昨晩、この会議がございまして、まず指導的地位とは何かということでございましたけれども、あれは、民間会社の場合でも課長さん以上というところを目安にしようということで話が進みまして、とにかくこの三〇%の二〇二〇年までの目標達成というものをやらなければいけないということで、かなり熱心な議論が行われました。
 厚生労働省においてどうかといいますと、民間企業におきます管理者、管理的な職業従事者に占める女性の割合を増やすために、まず昇進、昇格等における女性差別的雇用管理をなくすとともに、更に一歩進んで、企業自身が男女共同参画の趣旨を理解して、女性の活躍推進のための自主的かつ積極的な取組、ポジティブアクションですけれども、これを進めていくことが重要だというふうに考えております。
 そのような企業の取組を支援することを通じて管理職への女性の登用を促して進めていきたいと、このように考えております。
#151
○下田敦子君 政策決定の場のみで結構です。お答えがないんですけれども。
#152
○国務大臣(柳澤伯夫君) 政策決定の場。
#153
○下田敦子君 はい。
#154
○国務大臣(柳澤伯夫君) 政策決定の場においては指導的地位というものの中として考えておりまして、それを三〇%にするということでございます。
 昨日の議論をちょっとだけ紹介しますと、例えば県議会議員のレベルで、先生は県議会での御経験があるということですが、どうもそこが少し少ないんじゃないかというような指摘もありまして、今後メンバーの間で鋭意この向上を図っていくためのポリシーというか政策を練っていこうと、こういうような話で話が今進んでおります。
#155
○下田敦子君 ありがとうございます。
 終わります。
#156
○山本孝史君 山本です。
 本題に入る前に、中国残留孤児と在外被爆者の問題について、厚生省にとっては大変重要な問題ですので、お尋ねをしたいと思います。
 大臣は、二月の九日、中国残留孤児の皆さんと面会し、謝罪をされたと聞いております。
 そこで、お尋ねをしますが、何について謝罪をされたのか。帰国を妨げた、早期帰国を図る義務を怠ったことを謝られたのか、あるいは帰国後の自立支援策が十分でなかったとして謝罪をされたのか、あるいはその双方で謝罪をされたのか、お答えをいただきたいと思います。
#157
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、今、山本委員の御指摘にありましたとおり、去る二月の九日、中国残留邦人の方々とお会いをいたしました。その際、実は私が、この東京地裁での判決のあった日に総理官邸でその原告団の方々が総理にお会いになり、その流れで言わば私のところにお寄りになられて、そこでも私、お会いしたんですけれども、何しろ日程が詰まっていて十分な時間が取れなかったわけです。
 この前お会いした残留邦人の方々というのは、実はその東京地裁原告団の方も若干名、二名かそこいらですけど……
#158
○山本孝史君 済みません、時間が押しているんですけれども。何を謝罪したのか。
#159
○国務大臣(柳澤伯夫君) ごめんなさい。
 その方々も入っておりましたが、ほかの方々が大半でございましたので、私は今回こうして皆さんにお会いするいきさつからお話を申し上げました。特に総理から指示のあった向きをお話し申し上げまして、この一連の政府側の動きというのは、法律理論であるとか、あるいは裁判の結果であるとかということとは全く離れて、別途のものとしてお会いをさせていただいていますということで、その辺りのことをすべて、総理からの御指示のいきさつ等を含めて私から申し上げました。
 その間、私も本当に皆さん方の御苦労に対していわゆるおわびを申し上げましたが、今あえて山本委員の方から、どちらであったか、あるいはそのいずれでもあったのかというお問い掛けがございましたので、あえて申しますと、私は、帰国後の支援策、細かくやったけれども、一番語学の点等について私どもの想定と違ってしまって、それがゆえに皆さんに大変な御苦労を掛けた、本当に申し訳なかったと、こういう趣旨での謝罪というか、陳謝をいたしたと、こういうことでございます。謝罪はちょっと取り消させてください。
#160
○山本孝史君 帰国後の自立支援策が十分でないことについて謝ったんだと。ここは裁判でいろいろと言われているところですから、また、それはいいんですけど、何を謝られたのかなというふうに思ったんですが。
 そうすると、支援策はいつまでにまとまるのか、手順として、厚生省と残留邦人の皆さんがお会いになって決まるのか、あるいは検討会のようなものを設けて決めるのか、これはどうでしょうか。
#161
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもといたしましては、これは、まず何といっても中国の残留邦人の方々のお話を、あるいは実情を聞かせていただくということ、これをやらせていただいております。同時に、私ども、総理からの御指示の一か所でもあったわけですが、一部分でもあったわけですけれども、第三者である有識者の意見もよく聞きなさいということも言われたのでございます。
 そういうようなことで、率直に申して、与党にもPTなどもございますので、それとのすり合わせも事実上必要になろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、この中国残留邦人の皆さん方の実情をお聞きするということ、それから有識者を中心に取るべき方策についていろいろな御意見をお聞きするというようなことがメーンの手続になろうかと思います。
#162
○山本孝史君 これから考えるということですね。これまでいろいろ言われてきたのにというふうに思いますけれども。
 与党PTの案は白紙に戻ったというふうに聞いております。残留邦人の皆さんが帰国されて生活保護を受けなきゃいけないのは尊厳を傷付けられたと、こういうふうにおっしゃる気持ちは私はよく分かるんですね。しかしながら、生活保護制度の利用は日本国民に与えられた権利でございますし、もしそこに制度運用上の問題があるとすれば、それは解消しなければいけないだろうと思います。
 しかし、与党PTの案、今白紙だと言いつつも、もし厚労省が生活保護制度に代わる特別給付金制度を設けるということになりますと、生活保護制度を自ら否定するようなことになってしまうのではないかと今私は危惧をしているのですが、ここは皆さん方の御要求の部分もありますので、どんなふうに受け止めておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#163
○政府参考人(中村秀一君) 生活保護制度との関係でございます。これからの対応案につきましては、大臣から御答弁申し上げましたように、有識者の方の御意見も賜りながら中国残留邦人の方々の実情をよくお聞きした上で、また与党ともよく御相談してという手順になるかと思います。
 先生から御指摘いただきましたように、生活保護制度、年金等の社会保障給付などを活用してもなお生活に困窮する場合に最低限度の生活を保障するものであり、すべての国民の権利として保障されている最後のセーフティーネットでありますので、正に安心の基盤でなければならないと考えております。
 私も、大臣が中国残留邦人の方々にお会いいただきました際に残留邦人の方々の実情を聞かしていただいたときに、特に生活保護を受けておられる方が残留邦人の六割ないし原告団の七割とお聞きしておりますが、大変やはり運用、受ける上では誇りを傷付けられたとか大変制約があるというようなことはお伺いいたしておりますので、どういう問題が更にあるのか、生活保護の立場からも中国残留邦人の置かれている特別な御事情ということをよく踏まえて、改めるべき点があれば改めていく必要があると、こういうふうに考えております。
 所得保障制度としては、年金等生活保護制度ございますので、給付金というようなお考えも各方面からいただいておりますが、所得保障制度の体系としてはなかなか一般制度として、老後についていえば老後を中心として年金があり、それでセーフティーネットとして不十分な場合に生活保護があるという所得保障制度の体系からいいますと、給付金制度、いろいろ根拠はあるのかも、御主張の根拠はあるのかもしれませんが、社会保障制度の体系についてかなり大きな問題があるのではないかというふうに考えており、よくその辺については有識者の方々の御意見も承りながら今後の対応策について検討を進めさせていただきたいと思っております。
#164
○山本孝史君 今の大臣なり局長なりの御答弁で一つ分かったことは、帰国を妨げた、あるいは早期帰国を図る義務を怠ったことはないんだと、それについては謝らないと、こういうことですね。それから、今更ながらに生活保護に何が問題があるかということについてもう一遍実情を聞くんだとか、あるいは、もう高齢になっておられるのにこれから検討会をつくってやりますと、こういうふうにのんびりとした姿勢でおられるわけです。
 私、残留孤児の支援策の充実というのは、これは安倍政権の人気浮揚策として官邸と与党がおぜん立てをした話ですよね。それで、安倍総理自身が官邸に皆さんを招かれて支援策を約束をされた。しかし、手ぶらでお会いになったわけですよね、これから支援策考えるわけですよね。
 そういう状態の中で、私、去年十二月四日の決算委員会でも申し上げましたけれども、岸元総理に捨てられて、安倍総理にまた捨てられるということになるんじゃないか。これから先まだまだ行ってしまって、参議院選挙の前にこんな支援策つくりましたよ、それはだって今の支援策をどれだけ充実するかという話でしょう。それは今までの支援策が充実していなかったということを言っているわけであって、全く対応としてまずいというか不誠実だというふうに思います。いずれにしても、早く支援策なりを決めていただきたいと思います。
 もう一つの問題、被爆者援護の問題。
 在外被爆者への健康管理手当支給打切り訴訟で、私は国は敗訴したと思っております。最高裁まで行きました。在外被爆者の皆さんは、多くの訴訟を通じて四〇二号通達は違法なんだと、こうおっしゃってきた。私も同じ立場でそう訴えてまいりました。厚生官僚が法律を、被爆者援護法を勝手に自分なり流に解釈をして、それで違法な通達を出して、結局のところ病弱で高齢な被爆者の皆さん方にそのしわ寄せを押し付けているということについて、私は明らかに間違っていると思っています。
 結果として、長い間違法行政を行ってしまったということについて厚生労働省としては総括をしなければいけないと思っていますが、大臣の見解をお尋ねします。
#165
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回の最高裁判決におきましては、これまでの取扱いが適切でなかったと指摘されたことを重く受け止めておりまして、在外被爆者の方々のお気持ちを十分踏まえて、手当の支給のための措置を速やかにとることといたしたいと考えております。
#166
○山本孝史君 手当の支給は当たり前の話です、負けたんだから。そんなことを言っているんじゃない。違法な通達を出してしまったという、結果として、四〇二号通達は違法だと我々は言ってきたけれども、そうではないと言って最高裁まで争って、で、負けてという、やっぱり何でそうなってしまったのかということについて厚生労働省として総括する必要性はないんですかと聞いているわけです。
#167
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは厚生労働省といたしましては、諸手当の支給決定をするに当たって関係の法律に定められたところで自分たちとしては善かれと、これこそ適法だという考え方でそういう決定をしたということでございまして、今回それが法的に争われて敗訴したと、こういうことが今回の事案であったと、このように認識しています。
#168
○山本孝史君 だから、自分たちで勝手にやってきたことが負けたんでしょう。それをあなたたちは自分たち勝手にやってきたんですよと言われたことについて大臣はどう思うんですかと聞いているわけです。理解しません、僕の質問。大臣、今言われたじゃない、自分たち勝手にやってきたんでしょう。
#169
○国務大臣(柳澤伯夫君) いや、これは行政庁としてはその準拠すべき法令に照らして、それはかくあるべしという、そういう判断をするわけでありまして、それが後日、国民から争われて裁判所が一定の判断を下すということは、通常の三権分立の手続としてこれはそういうこともあるという前提で事が進んでいる、行政は運営されているということだと私は認識しています。
#170
○山本孝史君 じゃ、次の質問に先へ行きますけれども、被爆者健康手帳の申請のためには、今もやっぱり病弱であっても高齢であっても日本に来なきゃいけないという仕組みになっていますよね。これを、法律を改正しなきゃ駄目なんですけれども、この法律改正の意思はありますか、ありませんか。意思があるかないかと聞いているんです。
#171
○政府参考人(外口崇君) 被爆者健康手帳につきましては……
#172
○山本孝史君 イエス、ノーで答えてください。あるかないのか。
#173
○政府参考人(外口崇君) 厚生労働省としては、現在、在外被爆者の高齢化に配慮して、被爆者健康手帳の交付を受けるために渡日する方々の旅費を支給する事業などを行っているところであり、今後とも現行法の枠組みに従い、またこうした渡日支援の事業を円滑に行っていくこととしたいと考えております。
#174
○山本孝史君 法律改正の意思はない、今も高齢であってもお金を出すから日本へ来いと、こういうことですよね。それはやっぱり私はあんまり冷たいと思うんですよ。私は今日言いたいのは、原爆症の認定でも今まだ訴訟続きますよね。ずっとこう、とにかくその三権分立だとおっしゃったけれども、裁判に訴えて最高裁まで行って、それで結果を求めていって、それでようやく行政が変わる。それはやっぱり行政のトップにいる大臣が政治家としてそんなことを続けていていいのかと。私は、当事者と国が最高裁まで争うというのは、結局、政治がないということですよ。それは、当事者同士の争いに任せてしまっているから。いや、そうじゃなくって、やっぱり本来やるべきことは何なんだと考えたときに、そんなに来日してまでということなのかと。あるいは、さっきの中国残留孤児の問題もそうですけれども、もう支援策だけなのかと。今ちょうど朝日の夕刊で井出孫六さんが書いておられますけれども、中国から引き揚げてこられた皆さん方のあのときの状況というものに心すれば、もっと私は違う答弁になるだろうと思っています。
 いずれにしても、できるだけ早くこの問題も片付けなきゃいけないと思っていますし、大臣として、やっぱり政治家としてリーダーシップを発揮しないと、ここは何をやっても物事は片付かない、私はそう思います。
 本題の少子化対策の問題に入りたいと思います。
 もうテレビ見ていると、毎日、柳澤さんの顔を見ます。これは参議院選挙まで続くのかなと、私はそう思いますけれども、しかしながら、結局、柳澤大臣は、結婚して子供は二人以上が模範家族なんだという価値観を持ち込んだんだと私は思うんです。午前中の質疑で総理も同じ考えだというふうに言われましたけれども、もう価値観が多様化していますよね。その中で、旧来の、昔の日本の価値観に戻ろうといったってそれは戻りませんよ、時計の針は戻らないんだから。しかしながら、いや、そういう中でいにしえの、今日は麗しき国とかっておっしゃいましたけれども、そういうところに持ち込もうとしても、結局何がなるかというと、安倍内閣は多様な生き方を尊重しないんだということを私は言っているにすぎないというふうに思っています。だから、そういう意味で残念な今日の午前中の答弁だったなと思っておりました。
 私は平成五年の七月に衆議院議員に初当選をしまして、当時、厚生省は、児童福祉への予算を増やすためにいろんな方策を練っていたんですね。それが平成六年十二月のエンゼルプランになって、以来、先ほど武見副大臣お話しになったように、新エンゼルプラン、少子化対策プラスワン、子ども・子育て応援プラン、そして「新しい少子化対策について」というふうに、プランは一杯出てきて打ち上げられたんですけれども、結局それは余り効果は出なかった。
 それをずっと見てきますと、中心は、やっぱり保育対策が中心だったわけですね。肝心の働き方を変えるということについては結局、企業任せになっていて、むしろやってきたことは、労働法制を規制緩和をすることによって長時間労働になってしまうとか、そういう逆の流れをつくってきただけだと私は思うんです。それと、そもそも少子化対策と言ってしまった途端に、少子化は悪いことなんだと。産めよ増やせよになって、人口政策になってしまうわけですね。
 ここがやっぱり発想を変えないと非常にまずいだろうということで、民主党が、例の少子化社会対策基本法ですとか、あるいは次世代育成支援対策推進法が成立する一年前に、我々としては、このパンフレットですけれども、「多様なライフスタイルを生きる時代の自立と安心の政策」という、むしろやっぱり男女共同参画政策を進めるということが一番重要なんじゃないかということで我々は案を発表させていただいたわけです。
 去年の六月に小泉内閣で決められた新たな少子化対策ですけれども、四十の対策が列挙されているわけですが、相変わらず総花的になっている。何でそうなってしまうんだろうと思ったときに二つ理由はあって、一つは、申し訳ないけど、公明党の方たちが新しい今度は少子化対策をやりますというふうに、こうおっしゃるもんだから、それによって、その手柄にしたいということがあってどんどん数が増えていっちゃう。
 もう一つは、各省庁の各課単位で、少子化という冠を付けたら予算が取れるんだというので新しい事業をどんどん生み出してこられるもんだから、もう総花的なものが並んでしまう。だけど、もうこれまでの経過を見ると、もうやるべきことは実は決まっていて、こういろんなことをやるんじゃなくて、もっと予算を集中して使うべきじゃないかというふうに私なんかは思うんですね。
 今度、子供と家族を支援する日本重点戦略検討会議ですか、の委員になられた岩渕勝好さんによる出生率の地域格差に関する研究会というのがありまして、そこが、一九九〇年から二〇〇〇年までの十年間に合計特殊出生率が上がった市町村の中から五つ選んで、それに対象する市町村と比較したときに、なぜ上がったんだろうかという要因を分析したというのがあるんですね。そこは六つ共通点があって、一つは経済が活性化し雇用の場があること、二つ目は保育施設が充実し経済的負担が軽い、三つ目に子育て家庭向けの良質な住宅がある、四つ目に小児の医療が充実している、五つ目に首長の取組、六つ目が住民が地域活動に熱心だったという、この六つなんですよ。だから、雇用、保育、住宅、医療、首長の姿勢と、地域住民の取組。
 大臣にお尋ねをしたいんですけれども、東京とか愛知などの財政の豊かなところですといろんな政策が打てるんですけれども、この子育て、次世代育成で地域再生を図っていこうとすると、地域、やっぱり非常に厳しい地方財政なので、全国的にその次世代育成支援策を展開しようとしてもなかなかいかないんじゃないかと、こう思うんですけれども、何か良案はお持ちでしょうか。
#175
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、岩渕先生の研究成果を踏まえて、豊かな地方自治体ではかなりうまくやっているところがあるということの御報告をいただきながら、では豊かなその地方政策、地方を実現するための政策として何か腹案があるか、こういうお尋ねでございますけれども、私は今、自身の所掌の範囲としては地域雇用開発促進法というものの法律を持っておりまして、これでもってとにかく地方のもう少しこの雇用を上げていきたい。
 そういうことを考えているんですけれども、しからば、その雇用の場というのはどうやって確保できるのかと。これはもう私の役所の範囲をまあ言わば超えている部分でございます。もちろん投資が行われる、企業で投資が行われるということであれば、その投資が行われることによって生ずる雇用の促進、これはまあ我々の所掌事務の範囲内でできますけれども、雇用の場そのものを、例えば企業立地を求めるとかというようなことは、まあ少なくとも当面は私の所掌事務でなくて、したがいまして私は今、経済産業大臣にそのことを非常に強くお願いをしているという状況であります。
 したがいまして、今まずこの安倍内閣のやっていることをあえて言えば、全体の成長の軌道をこれからも引き続いて走るためのマクロ政策、それからもう一つは、少し影になっている部分に対して個別的な手当てをする地域経済政策、そういうような取り合わせでもって何とか底上げを図っていくということでございまして、私はそういうものを受けて、雇用の面でできることを目一杯やっていくと、こういうことで今進めさせていただいているわけでございます。
#176
○山本孝史君 まあ私の所掌事務でないとかという話になると、なかなかこれまた難しい話で、いや、だからその対策会議であったり、総理が本部長ですか、議長になられたりしながらやっているわけですよね。その会議、一杯つくってきたわけですよ、プランと同じように。しかしながら、それ、船頭多くして船山登るじゃないけれども、だれが一体やっているんですかというところもはっきりしないし、何が重点かというところも結局ばらばらだったんですよね。
 だから、今、雇用の問題は経済産業省でやってもらうんだと、こうおっしゃるわけだけれども……
#177
○国務大臣(柳澤伯夫君) 雇用の場。
#178
○山本孝史君 いやいや、だから、結局、さっき岩渕さんのお話をしたけれども、やっぱり働いていないと、その先進まないんですよね。保育はもちろんあるけれども。どうやって就労して一定の収入を得るかという場を各地域につくる、地域再生のためにどうするかと。こう考えたときに、現実問題としては、工場が海外へ行ってしまったり、あるいは外国人労働者に取って代わられたりして、なかなか日本の方たちが働く場所がないというか、というのが現実だと思うんですよ。地場産業を挙げてとか、あるいは農業をという話もしておられますけれども、私の友人なんかに聞いても、農業の現場でも中国人の方たちがもう今働いておられるのが非常に多いんですね。
 だから、若い人たちが仕事を選んでいるわけではないんだろうけれども、ここはどうやってそこに仕事をつくっていくのか、あるいは魅力のある職場にしていくのかということについて、これは正に国を挙げての取組が必要なんで、そのために、対策会議じゃないけど、皆さん方で一緒にやっておられるんだと思うんですね。
 で、私は、やっぱりその中で、一つはやっぱり介護とか医療とか福祉とか、これからの高齢社会を迎えていく中で、そういうやっぱり人手、手当てをするというところがやっぱり必要なので、そこは一つのやっぱり産業だと私は思うんです。その若い人たちにやっぱり、今看護師さんが足りない、あるいはヘルパーさんがフィリピンから来るという、看護師さんですか、とか、あるいは外国の方たちに代わってもらうというのじゃなくって、やっぱり専門職として日本の中でしっかりと育てていくということが必要。
 そのためには何かというと、実は社会保障関係費がどんどん削減されていってしまうとそういうところに回らないんじゃないかと思うんですね。だから、今財源が厳しいということは分かるんですが、今やっている方向性は、皆さん方が言われる少子化対策ということからすると逆の方向に行っているんじゃないか。私は、もっとやっぱり社会保障関係費を何とか確保しながら、地域でそういう雇用を生み出していくという施策に転換していくということが実は一番重要なんじゃないかと思うんですが、大臣の御見解をお伺いします。
#179
○国務大臣(柳澤伯夫君) 雇用が確保されるということが一番基本ではないかと、そこでワーク・ライフ・バランスもあり得るしという、あと申しませんけれども、そういう一つの考え方の系列があると。したがって、雇用がまず確保されるということが非常に大事だと。私も全くその点は同じです。
 考え方は同じなんですが、ただ私は、その場合に恐らく必要なのは能力開発と就業支援だろうと私は思っています。私は、職業能力開発を、これをもうかなり本腰を入れてやっていかなきゃいけない、こういう考え方を持っておりまして、そしてそれと、まあ私の所掌事務の範囲にとどまってしまうのは別に意図があって言っているわけじゃないですが、就業支援をそれともう密接不可分の形で展開していく、こういうことだろうと思うんです。
 つまり、これは余り強調し過ぎてもいけないかもしれませんが、現実に生産工程の従事者というような方々の職場のシェアというのは正直言って少なくなっておりまして、それを今度は就業したい側が従来と同じような職場があり得るというような前提でそれにアプローチしたら必ずミスマッチが起こって、非常に仕事の場を与えられない、あるいはいわゆる非正規というようなことに望まずしてなるというようなことも生じがちになると。これはまあある意味でやむを得ないことになってしまうわけです。
 そこで、そうならないためにはどうしたらいいかということを私としては考えておりますが、それはそれとして、今途中まで山本委員と同じような考え方を取ってきたわけですが、そこからがちょっと違って、いや、就業の場としては、せっかくだから医療だとか、医療はともかく、介護だとかというような場が雇用の場としてあるじゃないか、こういうお話を承ったわけです。これはもうかねて、まあどなたとは申しませんが、同じようなお話を承った記憶を私は持っておりますが、そこと、さあ予算とをすぐ結び付けていくという考え方には、私はちょっと、山本委員の御発言ではありますけれども、少し留保を感ずるというのが今の私の気持ちです。
#180
○山本孝史君 介護報酬であれ医療報酬であれ、どんどん下がっていくわけですね。若い人たちが働いていても、なかなかその先に向かって希望が持てないというところがあって、どんどん辞めていくわけですね。
 そういうことを考えても、私はやっぱり地域で高齢者も子供たちも安心して暮らせるというためには、そこにきちんとした医療や福祉や介護の基盤があるのが前提であって、診療所なんかも今どんどんなくなってしまっていますけれども、そういうやっぱり基盤があった上で、もし子育て支援ということであればできるのであって、地域がまたそれで活性化されることによって日本が元気になるという話ですから、そこのところ違うとおっしゃいましたけれども、やっぱりお金がないと始まらない話で、だから、こちら側で技能の習得はしていただかなければいけないけれども、同時に働く場所をつくり上げていくような社会保障政策というものの視点を持っていかないと、ここから先はなかなかうまくいかないのではないかということを申し上げているわけです。
 時間がもうないので先、飛ばしますけれども、私、やっぱり、少子化少子化と騒ぎますけれども、問題はその少子化そのものにあるんではなくて、少子化が進んでいく中で、それに対して社会保障制度がしっかり対応できないというか、改革が遅れるということの方が実は問題なんだと思っているんですね。
 そういう意味で年金の将来像というのも非常に気になるところですけれども、この間、二月の六日ですか、年金財政への影響ということで暫定試算を出していただきましたけれども、これを見ておりますと、基本ケースであれ参考ケースであれ、出生が低位の場合も含めて、二〇二七年から二〇二九年の間に、ほぼだから二十年先ですかね、六十五歳のときの年金給付率が所得代替率で五〇%になるんだと、こういう話になっているわけですね。
 六十五歳でということでいくと、一九六二年から一九六四年生まれが五〇%なんですが、ちょっと済みません、でかいの持ってきて恐縮ですけれども。(資料提示)結局、大臣、申し訳ありません、この人口ピラミッドはもうほとんど決まってしまっていて、問題はこの先どれだけ生まれてくるかという話しているわけですよね。申し上げたように、試算だと二〇二七年、二九年、五〇%とおっしゃっているので、とすると、二千まあこれ二五年ですけれども、六十五歳のところ、ここのところで五〇%、所得代替率五〇%と言っているわけですね。この上はもう五〇%下がっていっていますけれども、私が聞きたいのは、団塊の世代の次に来る団塊ジュニアですね、この人たちが六十五歳になるときに所得代替率は一体どのぐらいになるんだろう。それは五〇%を保障することができるという見通しなのかどうかをお尋ねしたいんです。大臣、お願いします。
#181
○政府参考人(渡邉芳樹君) 恐れ入ります。数字の話でございますので簡単に申し上げます。
 今回、まだ正式の財政検証ということではございませんが、新しい人口推計に基づきまして、足下の経済動向等を加味いたしました暫定試算を発表させていただきました。
 その中で、基本ケースということで、最近の経済の動向を入れ込んでみますと……
#182
○山本孝史君 分かっているんですよ。だから、保障ができるかできないかと聞いているんです。
#183
○政府参考人(渡邉芳樹君) 将来にわたって、今御指摘の世代も含めて所得代替率につきましては五一%台ということで、五〇%を上回ることで推移していくことが十分可能ではないかということを発表させていただきました。正式には、専門家の集まりを設けて更に詳しい検討を加えていく予定でございます。
#184
○山本孝史君 もう一遍聞きますね。大臣に聞きますね。
 今の渡邉さんの御答弁だと、この団塊ジュニアの世代が六十五歳になったときも五〇%の給付率は維持できるんだと、こういう御答弁だったんですけれども、そういう御認識でよろしいですか。
#185
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、これ釈迦に説法みたいになっちゃうんですけれども……
#186
○山本孝史君 いやいや、いいんです。そういう御認識でいいですかと。
#187
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々はそういう認識です。
#188
○山本孝史君 さっき申し上げたように、二〇二七年から二九年で五〇%になるという推計ですよね、このこの間示していただいたやつだと。ということは、ここのところで五〇%、前回の年金改革のときに、給付時五〇%ですから、給付していった後は下がってきますので、そうすると、この人たちのところは実は四五%ぐらいに団塊の世代はなるんですよね。そういう話でいくと、六十五歳のここの団塊の世代のジュニアですよね、ここには大変たくさんの人たちがいて、なおかつ、ロストジェネレーションと言おうか、この三十五歳の今の若い人たちの就業が非常に不安定で、思っているほどに私は賃金の上がり方からしても、あるいは厚生年金の納付総額というか、というところから見ると、ここの人たちがこの団塊ジュニアを支えるというのはよっぽどのことなんじゃないかと私は思っているわけです。
 そういう意味で御質問申し上げているので、推計として団塊ジュニアも、安倍内閣というか柳澤大臣としては、六十五歳になったときに五〇%が受給できるんだと、こうおっしゃっているので、金額的にそれがどの程度下がるかは、実際のところ、いや、この人たちの賃金の五〇%ですからね、現役世代の平均賃金の五〇%ですから、額面的に考えるとどのぐらいになっているかというのはまた別の話だと思いますけれども、いずれにしても、少子化が及ぼす一番の問題は社会保障の安定性の問題なので、今の五〇%が確保できるんだというところの根拠も含めてもう一度議論させていただきたいというふうに今思います。
 団塊ジュニア、心配するなと、五〇%だよということでしたので、また議論させていただきたいと思います。
 時間ですので質問を終わります。
 ありがとうございました。
#189
○島田智哉子君 民主党・新緑風会の島田智哉子でございます。よろしくお願いいたします。
 私からも一連の柳澤大臣の発言についてお伺いいたしたいと思います。
 一年間の分娩件数はおよそ百八万件、一日当たり三千人以上の、およそ三千人以上のお母さん方が出産されておられます。大臣の発言がありましたその日にもたくさんのお母さん方が我が子の出産という一大事に命懸けで頑張っていらっしゃったのです。多くの場合において無事に赤ちゃんが生まれて、御家族共々お喜びになられたことと思います。
 しかしながら、出産は一方では喜びだけではございません。先般の奈良のケースのように、お母さんが自らの命と引換えに我が子の命を守る、また命に代えても我が子を守れなかったという悲しみに直面している母、そして家族もあったかもしれません。
 大臣、出産そしてその命の誕生というのはそう簡単なものではありません。大臣におかれましてはこれまで再三にわたっておわびをしていらっしゃいますけれども、大臣御自身が厚生労働大臣の職にとどまることについて、子供の誕生を願う母親、悲しみに直面している母親や家族がどのように感じるとお考えでしょうか。大臣の率直な御認識をお聞かせください。
#190
○国務大臣(柳澤伯夫君) 度々申し上げたことを重ねて申し上げるようになってしまうわけですけれども、私、松江で講演しました。そして、そのときに今、山本先生がお示しになられたような人口推計のお話をしたわけです。その中で、女性と人口との関係について本当に不適切な発言をしまして、女性の皆さん、特に出産というような本当に命懸けの仕事というか、そういう命懸けの営為ですね、そういうことをやられる女性の方、そして広くまた国民の皆さんのお気持ちを傷付けてしまいまして、本当にこれは申し訳ない極みであると、このように思っております。本当に反省しておりますけれども、その反省の上に立って、力一杯私の所掌の仕事に取り組んでいきたいと、このように考えています。
#191
○島田智哉子君 機械からは機械しか生まれません。数としてではなくて、国民一人一人のその命の尊さをもっと重く認識していただきたいと思います。
 それでは、少子化対策について、私は妊娠、出産をした女性が働きやすく、働き続けることができる職場環境の整備という観点から御質問申し上げます。
 出生率低下の要因として、非婚、晩婚、晩産化、そして出産育児費用の増加などが指摘されております。意識調査によりますと、そもそも結婚するつもりはないという方は多くはいらっしゃいませんし、また子供を欲しくないという方も決して多いわけではございません。しかしながら、格差社会において雇用、収入の不安定な若者が増加し、子供を持ち育てる意欲があっても経済的な理由からあきらめてしまう方々が増えています。
 経済力への不安が非婚化、晩婚化、そして子供を持たない、持てない大きな理由となっています。若年層の共働きが上昇していますが、こうした子育て世代の不安を和らげる上で、女性が結婚、妊娠、出産後も仕事を続けられる環境を整備することは極めて重要だと思います。
 先ほどの御答弁でも、また先週の予算委員会の中でも、高市大臣は、企業で幾ら制度があっても使えないだとか、不妊治療をしている人に対して休みを取るのも理解してもらえないとか、地域社会の中で支え合うための空気づくりというものが必要だと思うとおっしゃいました。正に、子供を産み育てながら働き続けられる職場における環境の整備、そして何よりも働く者同士、お互いの理解、支え合いが必要なんだと思います。
 まず、高市大臣にこの点について御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#192
○国務大臣(高市早苗君) よく少子化対策といいますと、出生率の目標だとか人口政策としてとらえられがちですけれども、私が今の仕事に就いて一番大切に思っている価値は、人生一回ですから、男性であれ女性であれ、やはりその人生で自分が成し遂げたいという夢を一つでも多く実現できる、そういう社会にしたいということです。ですから、女性が出産、子育てか仕事か、どっちか片っ方あきらめなきゃいけないとか、どっちか片っ方選ばなきゃいけないと、二者択一しかないというような状況ではこれは大変残念なことだと思いますので、やはりキャリアを積みたい、若しくは仕事を続けざるを得ないという場合もあるかと思いますけれども、仕事とそして出産、子育て、両立できる環境をつくりたいと、こういった思いでございます。
 特に、平成十九年度の予算案の中では、事業所内の託児所を設置される中小企業の事業主に対する助成措置の拡充ですとか、育児休業給付の給付率の引上げ、これは十月からでございますけれども、そういった経済的な措置でございますとか、また企業独自の給付を育児休業の取得者に対して行った事業主に対して助成制度を創設するとか、こういった対策は盛り込まれております。
 ただ、もう一歩進んで、やはり企業の中で経営者の方も同僚も、出産、育児をされる、それが男性であれ女性であれ、子育てをされるために自分の時間が欲しいと、必要だという人に対する理解を深める。それから、企業にとってもメリットがあるんだと。ファミリー・フレンドリーな企業というのは生産性が非常に高いとか、それから従業員の方に休んでいただかなきゃいけませんから、無駄な仕事を見直す、仕事の効率化をきちっと図っていく、こういった工夫がなされているというふうな調査の結果も昨日ですね、これは男女共同参画会議で発表されたところでございますので、企業の方にもメリット、いい人材を集め、企業の生産性を上げるためにも、もっともっと少子化対策にも協力し、家族を応援する姿勢を取ってください、こういう情報をどんどん発信していきとうございますしね。
 それから、やはり働く方にも経営者にも今ある法律をまずきちっと遵守していただくと。育児・介護休業法もそうです、男女雇用機会均等法もそうです。こういったものをきちっと遵守していただくと、こういったことを徹底していきたいと思っております。
#193
○島田智哉子君 同じ女性として本当に心強く思います。また、その働く女性が安心して子供を産み育てることができるよう、大臣のおっしゃるように、社会全体が意識を変えていく必要があるということが求められているんだと思います。
 以前は女性が結婚や妊娠、出産を機に退職する、退職を余儀なくされるケースが多く見られましたけれども、このような性別を理由とした不当な差別については、大臣がおっしゃいましたように、男女雇用機会均等法によって明確に禁じられ、職場環境の改善が進められているんだと思いますけれども、この四月には間接差別という新たな概念を盛り込んだ改正男女雇用機会均等法が施行されるわけですけれども、正に私は少子化対策の観点からも雇用機会均等政策が果たさなければならない役割というのはとても大きいものがあるんだと思います。
 この点については武見副大臣のお考えをお聞かせください。
#194
○副大臣(武見敬三君) 委員御指摘の点は全く私も同感でございます。人口が減少する社会の中で、日本が本当に活力のある社会を維持発展させていくということのためには、正にこうした少子化対策と雇用均等行政とを、これを表裏一体のものとして考えていくという基本姿勢は非常に重要であろうというふうにまず認識しております。
 そのために、子育ての総合的な支援とともに、公正かつ多様な働き方を実現できる労働環境の整備が極めて重要な課題であって、雇用均等行政が担う男女雇用機会均等対策、それから仕事と家庭の両立支援対策、パートタイム労働対策などは、これからの課題に対応し少子化対策の一役を担う役割を持つ具体的な政策だと、こういうふうに考えております。
#195
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 男女差別ですとかセクシュアルハラスメントの問題はもちろんですけれども、働く女性の母性管理でありますとか、仕事と育児、介護の両立といった問題につきましても、雇用均等行政における需要が急速に増加しております。また、改正男女雇用機会均等法が四月に施行されようとしている中で、私は現在の雇用均等行政において、それらに対応する機能を果たしているんだろうかというふうに思っております。また、厚生労働省としてあるいは都道府県の労働局の雇用均等室という組織が組織として行政サービスを行う機能を果たしているんだろうかと、そのことに対して実は大変に疑念を抱いております。
 例えば、機会均等調停会議による調停についてですけれども、厚生労働省の重点施策として、妊娠、出産を理由とする解雇等に関する個別紛争については、機会均等調停会議による調停を積極的に運用するとされておりますが、ここ数年の調停申請件数を見ますと、平成十二年度三件、十三年度五件、十四年度十一件、十五年度二件、十六年度三件、十七年度四件、極めて低くなっております。この要因についてはいかがお考えでしょうか。
#196
○政府参考人(大谷泰夫君) ただいま機会均等調停会議によるその調停の件数についての御指摘がございましたけれども、確かに御指摘のとおり、近時、非常に少ない数字で推移しております。これは、調停制度の存在がよく知られていなかったり、あるいはその相談される方御自身が名前を明らかにして事業主と争うと、こういったことをちゅうちょされる、こういった理由があって活用が進んでいないんではないかというふうに考えております。
 今後とも、この調停制度があるということについて周知を徹底していくとともに、雇用均等法に関する個別紛争についての相談があった場合に積極的にこういった調停の利用についても説明するようにということもありまして、実はこの二月の五日でありますけれども、全国雇用均等室長会議というものが開かれたわけでありますが、そういった席でも今申し上げたようなことを徹底するように、一層活用するように指示、指導したところでございます。
 今後とも、御指摘の趣旨で調停制度の活用を図りたいと考えております。
#197
○島田智哉子君 おっしゃるように、確かにその背景には、まだまだ労働者の方々に周知されていないと、あるいは相談まではしたとしても、相談者、相手側からちょっと調停まではという抵抗感が強くあるということも事実だと思うんですけれども、しかし、一方の当事者からの申請で調停が開始可能となった平成十一年度では三十一件と一気に増加したという経緯もございます。
 その意味におきましても、私自身、先々週、秘書二人との三人で、ある都道府県の雇用均等室にお邪魔をいたしまして、その辺りの現場の実情をお聞きしてまいったんですけれども、私自身の持った疑念として、果たしてその調停件数が極めて少ないのはそうした理由だけなんだろうかと、実は行政機能として、組織機能としてまだまだ改善される余地が少なくないんではないかという印象を持って帰ってまいりました。
 例えば、雇用機会均等法二十五条あるいは育児・介護休業法五十六条に基づく事業主指導についてですが、まず、その目的と具体的な業務内容についてお聞かせください。
#198
○政府参考人(大谷泰夫君) 男女雇用機会均等法第二十五条及び育児・介護休業法第五十六条に基づきます報告徴収並びに助言、指導及び勧告は、この法の目的を達成するための行政機関固有の権限といたしまして、厚生労働大臣又は都道府県の労働局長がそれぞれの法律の施行に関し必要と認めるときに事業主に対して行うものでございます。
 この雇用均等室における具体的な業務内容でありますけれども、労働者の方からの相談等を一つのきっかけにしたり、あるいは計画的な事業場の訪問というものを行ったりいたしまして、事業主に対して男女雇用機会均等法又は育児・介護休業法に基づく雇用管理を実施しているかどうかという事情聴取を行う、また、法に違反している場合には都道府県労働局長の名前で助言、指導、勧告を行うと、こういったことを行っているものであります。
#199
○島田智哉子君 この雇用機会均等法二十五条について、今日、委員の先生方のお手元にも資料をお配りしているんですけれども、厚生労働省の業務マニュアルに書かれておりますのは、その事情聴取の内容、そして提出された関係資料については的確に分類、整理をして、そして分析を行うということです。
 そして、その業務に大変に重要な役割を果たすのが、このお手元にお配りしております一枚目の資料、二十五条カードということになるわけですけれども、現場に出向く前に本省の担当の方に御説明をお聞きしました際には、病院でいえばカルテのようなものですと表現されました。つまりはそれだけ重要な資料であるんだと思います。しかし、その分類、整理ができていないこともあるやにお聞きしておりましたので、現場に出向いた際に、例えばそのカード、昨年度中の対象案件の中で年度中に室長が決裁されていない件数はどれくらいあるものかとお伺いしましたところ、そのようなケースはありませんと。再三お聞きしましても、ありませんと。では、それを御確認いただきたいと再三申し上げても、ないですと。そのような御回答でした。
 ただ、私自身、そのような御対応に納得できなかったものですから、改めて本省を通じて問い合わせをさせていただきました。資料二枚目がいただいた回答です。
 昨年度、二十五条カードの作成対象となる事業場数は二百五十九件。そのうち、現場で再三お聞きしても、ないとの答えしかいただけなかった昨年度末において室長印のない未決裁状況にあったカード数について、二十五条カードは室長決裁日欄がないため把握できないと。では、私が参りました二月二日現在ではどうかという問いに対しましては、カードを作成して室長決裁のないカードはゼロ件、ただしカードそのものを作成していないものが三十七件ありましたと。つまり、未決裁のカードと聞かれたので、ないと答えたと。ただ、その未作成のものは多数あったというわけなんです。作成していて決裁のないものより、作成していないというのはそれ以前の問題ではないですか。また、室長の決裁日が把握できないということですけれども、これも極めて問題があると思います。二十五条カードは五年間管理、保存することになっていますが、ではこれはいつから五年間になるんでしょうか。極めて誠意のない御対応であり、担当部局に強く抗議いたしたいと思います。局長、いかがでしょうか。
#200
○政府参考人(大谷泰夫君) ただいま御指摘いただきましたこの二十五条カードでありますけれども、これは今御説明のとおり、この均等法第二十五条に基づく報告徴収、それから助言、指導、勧告を実施した場合に、その内容を記録し、業務の進捗状況をこれは所内で管理するための内部の事務処理用の文書でございます。
 御視察に行かれたその労働局の雇用均等室におきまして、平成十七年度において実施しました報告徴収のうち、これも今お話しのとおりでありますが、これは決裁未了というよりもその前段階でありますけれども、いわゆるカードの未作成のものがあったということでございまして、これは私どもも確認の上、承知したところでございます。
 本来、この二十五条カードと申しますのは、報告徴収あるいはその実施後の速やか、報告徴収実施後に速やかにこれは作成されるべきものでありまして、当該労働局の雇用均等室においては、未作成のカードがあったということについて十分把握でき得なかったということ、またその適切な説明が行われていなかったということは誠に遺憾なことであったというふうに思います。その対応につきましては、誠に不十分であったということでおわび申し上げたいと思います。
#201
○島田智哉子君 私が参りました二月二日の時点では、室長さんを含め四名の方から御説明をいただきました。皆さんその事実を御存じでありながら御説明いただけなかったのか、それとも皆さんそうした事実をどなたも把握されていなかったのか、どういうことなんでしょうか。私は漠然とした答弁は要りません。それから、室長が決裁した日を書く欄がないので、いつ決裁したかは把握できないという、そういう点もきちんと答えていただきたいと思います。室長が把握していないとか、把握できないということは、組織として全く機能していないということではないでしょうか。再度御答弁いただきます。
#202
○政府参考人(大谷泰夫君) 室長が全体の進行管理をきちっとできていなかったということは、誠にこれは望ましくないということで、そういうことがないように今後厳重に注意、指導していきたいと思います。
#203
○島田智哉子君 私自身は、法の実効性が確保されているのかどうか、もし問題や課題があるとすればその背景にはどういった問題があるのか、そうした実情を少しでもお聞かせいただきたいという思いでお伺いしたのであって、都合の悪いことは隠すとかごまかすとか、それに対する本省の対応についても、それを無理に正当化するという対応自体、これは私自身という問題ではなくて、国会に対して誠に不誠実であると思います。議員の立場でもあられる武見副大臣の御見解についてもお聞かせいただきたいと思います。
#204
○副大臣(武見敬三君) 御指摘の点は極めて具体的な点、室長の決裁等を含めて、やはり改めてこれをきちんと検討し直して、改めてこうした問題が起きないように厳しく対応しなければならない問題だろうというふうに考えております。
#205
○島田智哉子君 いえ、武見副大臣、私は、議員が調査に行ってそういう態度を取られたということに対して、自分がおごり高ぶった考えではなくて、国民の皆さんの負託を受けて議員となって、そして仕事をさせていただいているわけでして、そういった、もう一度調べてくださいと言っていることに対して、ないの一点張り、ありませんの一点張りでした。そういった対応を受けて、誠に不誠実な対応を受けたことに関して議員としていかがお考えかとお聞きしているんです。
#206
○副大臣(武見敬三君) 私も、同じく国民から選ばれた国会議員として、行政府に対するきちんとしたチェック機能というものを果たす責務がございます。そのことも私も十分認識した上で、実際に御視察に行かれたときに現場でそうした不誠実な対応がなされたということに対しては、大変に遺憾に思います。
 具体的な内容、お聞きしているその中身も、やはり実際にかなり問題もあるということも今日よく認識をできましたので、私も担当の副大臣としてでき得る限りの努力をして、こうした問題を具体的に是正する努力をいたします。
#207
○島田智哉子君 どうぞよろしくお願いいたします。
 この二十五条カードを的確に分類、整理をして、そしてその分析を行うということで現状を明らかにして、今後の相談、指導につなげていくと、とても重要な業務であると思います。そして、そもそも分類、整理どころか作成されていないというのであれば、どのように分析されているんでしょうか。
 それから、その均等室の説明の中で、昨年度の相談件数が前年度比およそ一九%も少なかったということでしたが、その要因についていかがお考えでしょうか。
#208
○政府参考人(大谷泰夫君) 先ほどの未処理の部分につきましては、これは早急に処理をさせたところでありまして、今後ともそういうことがないようにこれは厳重に指導していきたいとは思っております。
 それから、今御指摘のありました、法に基づきまして平成十七年度に受理しました相談件数がこれは前年度に比べて減少をしたところでありますけれども、これは特にセクシュアルハラスメントに関する相談件数の減少が原因であったというふうに理解しております。
 この相談は、相談者から労働局の雇用均等室のアプローチがあってこれは初めて成立する業務でありますけれども、この減少した要因を正確に分析するのはなかなか難しいわけでありますが、このセクシュアルハラスメントに関しましては、これまでの周知徹底の効果で企業等からの簡易な問い合わせが減るとともに、企業が個別的な対応を考えて行ったということで雇用均等室に寄せられた労働者からの相談も減少したのではないかというふうに見ておりますが、一方で、この十八年度十二月末現在の相談件数を見ますと、これは本年四月に、改正されました男女雇用機会均等法の施行が控えているということもありまして、これは昨年度同時期と比べますと、改正法に関する相談の増加が見られることから二六%増加しておるということで増減が見られておるところでございます。
#209
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 その点についても更に積極的にお取り組みいただける方法があると思うんですけれども、例えば、この資料、三枚目にあるんですけれども、厚生労働省からいただいた業務要領です。ここに書かれております相談の方法として、電話、ファクシミリ、文書、電子メール、来室等いかなることでもよいこととございます。
 この中で、電子メールによる相談についてですが、今回お伺いした均等室では受け付けていないということでしたが、どのように御認識されているんでしょうか。
#210
○政府参考人(大谷泰夫君) この男女雇用機会均等法等に関する相談につきましては、これは特にセクシュアルハラスメントや性差別に係る法的判断など、なかなか微妙な事実関係を含んだものが多いということで、できるだけ来室やあるいは電話等、詳細を聴取しながら対応していくということが基本であろうというふうに考えております。
 こういったことから、これまで積極的にこの電子メールでの相談を受け付けるような指導は私どもも国として行っていないところでありまして、現在、統一的に電子メールで受け付けるという対応はしていないのが現状でございます。
#211
○島田智哉子君 これだけ電子メールが普及している中で電子メールの対応ができていないと。業務要領の中にもありますし、その中で対応していないというのはいかがなものでしょうか。
 私が聞く限り、今のシステムでも対応できるということですが、今後の対応はどのようにお考えでしょうか、武見副大臣。
#212
○副大臣(武見敬三君) 御指摘の点、十分理解できるところではございますけれども、実は人員の体制の整備、それから都道府県労働局雇用均等室の現在のコンピューターシステムの中では、もし大量にメールで相談が来た場合に対応できないというふうに現状では認識されております。したがって、もし少量であれば恐らく対応できるのではないかと思いますが、それがもしかなりの量になっていった場合の対応能力は現在のシステムの中ではないんだというふうに私自身は今認識をしております。
 そうした中で、将来的に、こういった相談メールという形での相談業務ができるように考えていくことは将来的に必要であろうということも当然認識しておりますので、今後の課題として是非検討させていただきたいというふうに思います。
#213
○島田智哉子君 当たり前のことなんですけれども、やはり相談者が置かれている状況やニーズに的確に対応していただくためにはそういったシステムの確立というものは是非ともやっていただきたいことでございますし、また本省と各地の均等室において緊密な連携が必要であるわけですけれども、その機能が果たしてなされているのだろうかと疑問を持たざるを得ません。是非とも職員の方々の意識を高めていただき、事務処理体制などの見直しも含めて御対応いただきたいと思います。
 そして、少子化には様々な要因があって、その一つ一つにきめ細やかな対策が必要であると思います。男性も女性も性別によって差別されることなく、そして子供を産み育てながら仕事も続けられるような職場環境の改善に向けて、雇用均等行政の果たすべき役割、ますます重要なものとなっていくことを深く認識する中で、そのためには更に、悩み苦しんでいる労働者の方々の立場に立った行政が行われますように、厚生労働省には緊張感を持って対応していただきたいと思いますが、副大臣、どうでしょうか。
#214
○副大臣(武見敬三君) 今日のお話を伺って、実際に現地に視察されたときの現地の対応、また実際の具体的な中身、これらの問題を含めて、やはり私自身も相当改善の余地ありという認識を持ちました。また同時に、そうしたことは早急に是正しなければならないと考えておりますので、緊張感を持ってその指導に当たらせていただきたいというふうに思います。
#215
○島田智哉子君 よろしくお願いいたします。
 終わります。
#216
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 午前からの会議で度々出ております重点戦略検討会議、二月九日に初会合開かれましたが、これはもう明らかに昨年の新しい少子化対策というものが各省各局の意見をただ並べただけという総花的、いかにも総花的。先ほどうちの山本委員は少子化対策と書けばお金が付くという判断をされておりましたけれども、やっぱり私は、具体性、実効性に欠けているがために今回再構築を図ったと、そのように認識しております。ただ、基本戦略に関してはまだ一向に見えてまいりません。
 私は、少子化対策考える場合に、まず、結婚して子供が欲しい方がなぜ子供を授かることができないのか、ゼロから一にするためにはどういう戦略があるか、そして一人お子さんがいる家庭に二人目、三人目を望むことができるような家庭にするためにはどうすればいいのか、一から多へ向かう。そして、その前提として未婚率が、非常に今急速な勢いで生涯未婚率が増えている。これをゼロの状態、結婚する状態まで持っていくにはどうしたらいいのかという、そういう考え方を持っております。その前にもっと大事なことは、今ある命を無にしないという、一からゼロにしてはいけないんだという考え方だと思っております。
 そこで、まず初めに、児童虐待についてお伺いをいたします。
 まず簡単に、被虐待児の年齢分布、特にどの年齢層に多いかということを教えてください。
#217
○政府参考人(大谷泰夫君) 平成十七年度の全国の児童相談所におきます児童虐待の受付件数の分布でありますが、ゼロ歳から六歳未満が最も多く全体の四一・〇%、次いで六歳から十二歳未満が三八・六%というふうになっております。年齢別には、三歳児が最も多くて八・二%、次いで四歳児、これが七・四%、二歳児が七・三%となっております。
 それから、死亡事例についても併せて御説明申し上げますと、厚生労働省で把握しました平成十五年七月から十六年十二月までの死亡事例八十三人の中では、ゼロ歳児が四二・二%と最も高く、次いで二歳児一五・七%、一歳児が一二・〇%となっております。
#218
○足立信也君 後半部分は被虐待死の話に絞られておりましたが、警察庁の虐待に関する犯罪ですね、この届出から見ましても、その場合、一歳未満がやはり一番多いんですね。復習みたいになりますけれども、六歳未満が何といっても多い。年齢で単純に言うと、三歳、五歳、四歳という順番で多いわけですね。
 そこで、武見副大臣にお伺いしたいんですが、幼児の虫歯の数、齲歯なんですが、これからは虫歯と言います、虫歯の数、そしてまたその虫歯を処置していない、未処置の歯の数と虐待の関連についてどういう認識を持たれておるか、教えてください。
#219
○副大臣(武見敬三君) 平成十五年に東京都が取りまとめました被虐待児童の口腔内状況調査というのがございます。
 これによりますと、六歳から十二歳の虐待を受けた子供の永久歯については永久歯の虫歯所有率が高く、これは七歳児で三八・五%と、八歳児では五八・三%、これは一般児童の二倍以上ということでありますし、また一人平均の永久歯の虫歯数も多いと。十一歳児の場合は四・二本と一般児童一・六本の二・七倍、それから十二歳児は六・九本と一般児童二・二本の三倍以上と。また、その上に永久歯の虫歯治療がなされておらず、治療率は十一歳児で一二・七%と一般児童の二割以下、十二歳児は二四・二%と一般児童の約三割となっておりまして、児童虐待と口腔内の状況について大きな関連があるという調査結果がこの東京都の中では取りまとめられております。
 ただ、国レベルではこうした調査はまだ行われておりません。
#220
○足立信也君 ありがとうございます。
 東京都衛生局は、要するに、今、副大臣がお述べになったそのとおりで、更に強調しますと、じゃ二歳児では虫歯の所有は一般の方の三倍なんですね。やはり同じ二歳児で虫歯の本数は七倍なんですね。
 これから何を言っているかというと、被虐待の早期発見につながる。特にこれネグレクトですね。歯を健診することによって、このデータはどこから得たかというと、一時保護委託を受けた方、あるいは措置入所をされたお子さんですね、そのお子さんを健診したわけですね、歯科健診したんです。そうすると、こういうふうに一般の方に比べて何倍も高かったと、だからこれは早期発見につながる可能性が高いということを言っているわけです。
 ところで、幼児の歯科健診は母子保健法で一歳半と三歳ですね。じゃ、二歳と五歳と四歳、ここに今非常に多い、被虐待が多いということを今数値で出ました。歯科健診をここで行ったら被虐待の早期発見につながるんではないですか。そのことに関してはどう思われますか。
#221
○副大臣(武見敬三君) 確かにそうした考え方もあろうかと思います。
 ただ、現状でこの母子保健法において、市町村では満一歳六か月を超え満二歳に達しない幼児、及び満三歳を超え満四歳に達しない幼児に対して歯科健診を行うことを義務付けております。そして、これに加えて、市町村は必要に応じて幼児に対して歯科健診を行うこととしておりまして、地域の実情に応じて実施されているというふうに認識をしております。
 なお、その御指摘の二歳、四歳、五歳児において歯科健診を義務付けることについてはまだ、現段階では医学的な見地からまだその意義が、費用対効果について十分その議論が熟しているという状況ではございません。また、同時に、こうした虫歯であるというところから早期発見に幼児虐待についてつながるというところまでのまだしっかりとした議論がなされておらないものでございますから、現状ではもうしばらくその議論の中身を見ていきたいと、こういう状況にございます。
#222
○足立信也君 副大臣になられて大分ニュアンスが変わられたような気がしてなりませんが、じゃ国として、この問題に取り組んで、調査をするというつもりがあるのかということです。
 私は、先ほど言いましたように、具体的実効性のあるものを提案したいと思っているんです。これは私は実効性あると思っています。
 そこで、児童虐待防止法第五条、これは学校やあるいは病院、医師は虐待の発見に努めなければいけないんですね、そういう決まりになっているんです。私たちもそういう通知も得たこともございます。
 ところで、今、市町村、地方の判断で二歳、四歳、五歳にもできるんだということがございました。それを私は国として義務付けることの方が被虐待の早期発見につながるんじゃないかという提案しているわけです。
 そこで、それでは、この児童虐待防止法に基づいて、第五条に基づいて歯科医師に対してどのような要請あるいは通知を今まで出されているんですか、虐待に対して。
#223
○政府参考人(大谷泰夫君) この児童虐待防止法の第五条でありますが、これにおきましては、その児童の福祉に業務上関係のある者について、児童虐待の早期発見等の努力義務というものを規定しているところでございます。この対象者には当然、歯科医師も含まれているというふうにまず考えております。
 そのために、地域において児童虐待の早期発見、早期対応を進めるための要保護児童対策地域協議会、いわゆるネットワークでありますが、ここには歯科医師を始めとした関係者の参加を求めているところではありますけれども、特にこの歯科医師を含め、個別の職種の方に対して通知等で特段措置をしているというところは現在ございません。
#224
○足立信也君 そうなんですね、具体的に参加されてないんですね。虐待の予防、防止のネットワークというものがございますけれども、そこに歯科医師の参加はないんですね。是非、この点、検討してください。
 次に、先ほど私言いました、まず結婚という形を取る、その無からゼロへという話なんですが、これはちょっと時間がもうほとんどありませんので、私の方で言います。
 これは、厚生労働省の労働経済の分析でもう明らかなように、二〇〇二年のデータですが、正規従業員の二十五歳から二十九歳までの配偶者を持っている男性の割合、三四・四%。ところが、非正規従業員は一四・八%ですね、七人に一人。正規の場合は三人に一人。パート、アルバイトは一〇・二%、十人に一人。これはもう明らかに、その就業形態によって配偶者を持つ男性の率が明らかに減っているということです。なおかつ、これが十年前に比べると、約一〇%程度下がってきているということですね。
 そして、今、就業形態が明らかに非正規雇用が増えていると、これはもう皆さん常識ですから、全体の数が増え、非正規雇用のですよ、なおかつ配偶者を持つ率が十年前に比べて減っているわけですから、これは明らかに結婚される男性が減っているということです。それは私は就業形態に大きく関連しているんだと思います。このこれから先のことは今国会のメーンテーマでございますから、また後日やらせていただきたいと思います。
 次に、じゃ結婚していてお子さんが欲しいのにできない、ゼロから一へどうやって持っていくかと。私はこれは不妊治療だと思っています。現在、二〇〇二年で不妊治療を受けた患者さんの数は四十七万人です。治療中は三十万組です。結婚しているカップルの七組に一組が受けている、一四%ですよ。
 そこで、この中で、まあ原因はいろいろあります、いろんな段階がありますから。男性の異常、つまり精子の異常ですね、少ないとか機能が弱いとか、これが五八・五%、原因が。これは重複しますから、卵巣の異常が五〇%、子宮の異常が七一%、これが重複するわけです。ですから、トータルが一〇〇になるわけではないんですが、男性は少なくとも五八%あるということです、原因が、不妊のですね。
 そこで、不妊の治療というのはステップアップ治療といいまして、まず排卵を調節する。その次の段階で、妊娠に至らなければ人工授精というふうになっていくわけですが、じゃ、今卵巣機能に原因がある不妊治療において排卵誘発剤の投与をします。これは保険適用になっていますね。ところが、それに男性が原因の不妊が加わって人工授精が必要になったという場合は、これは全部保険外診療になるんですよ。これはおかしくはないですか。卵巣機能に異常があって排卵誘発剤を使っているときは保険診療であって、そこに男性の異常が加わったから人工授精が必要だというふうになったら全部が保険外診療です。矛盾がないですか。
#225
○政府参考人(水田邦雄君) 不妊治療に対します保険適用についてでございますけれども、まず不妊治療のうち、お話のありました排卵誘発剤投与につきましては、これはホルモン異常等に対するものでございまして、治療と疾病の関係が明確であると、それからもう一つは、治療の有効性、安全性が確立しているということから保険適用の対象としているところでございます。一方、人工授精につきましては、その不妊の原因となる疾病そのものの治療を目的とするものではないということがございますし、またその成功率も高いとは言えないということから保険適用の対象外としているところでございます。
 この排卵誘発剤投与と人工授精を一連の診療行為として組み合わせた場合についてどうかということでございますけれども、これは保険診療と保険外診療との併用、いわゆる混合診療に当たりますので、保険診療部分を含めて全額自己負担となると、こういった整理になるわけでございます。
#226
○足立信也君 やはりちょっと見方を変えれば、おっしゃる意味はよく分かるんですね。今まで、女性は卵巣の機能が不十分で病気だ、それは保険診療であった。そこに男性の精子に関して異常が見付かったから人工授精、今度は保険が使えないんだと。何か男性と女性で別に扱っているような印象も受けるんですよ。そのことだけ申し上げておきます。私は保険適用にすべきだと思っています。
 それから、じゃ次の段階、体外受精になっていくわけですけど、今現在、体外受精あるいは顕微授精で一万八千人生まれているわけですね。全出生の一・五%です。確認なんですが、これ来年度から、今まで特定不妊治療費助成事業というのは、今年までは毎年度最高十万で五年、つまり五十万が限度、それが年度当たり十万掛け二、掛け五年で、今度は百万円が限度になると、こういう解釈でよろしいですか。
#227
○政府参考人(大谷泰夫君) 平成十九年度予算案をお願いしておりますが、その中でそういった充実を図ることとしております。
#228
○足立信也君 不妊に関する悩み、不妊治療を受けている方の悩みのトップが治療費がかさむということです。そして二番目が、不妊治療のゴールが見えないということです。いつまでやっていいのか分からないし、切りがない。周囲の期待はどんどん広がっていくわけですね。経済的理由により治療を中断したいと思っている人は五六%に上る。
 これ実際に掛かっている原価というのは、私が見ましたら、平均五、六万で終わるのを、治療費としては三十万、四十万掛かっているんです。最低でその治療費を取っているところが九万、最高が六十三万、体外受精。物すごくばらつきがあるんですね。自分が住んでいるところによって、その違いによって、受けている、同じ子供が欲しいという望みの同じ方が違う負担を強いられている、物すごい差があると。私は、ここは保険導入をして、そしてある期間を区切る、無駄な期待をいつまでも抱かせない、何回までと、あるいは何歳までと、そういう保険導入が私はやるべきだと思っています。じゃないと苦しいですよ、周りから期待されるだけで。お金がつらいからもうおまえはやめたのかと言われたらどうすればいいんですか。私は、是非ともそういう保険導入、条件付きの保険導入をやるべきだと思っています。
 これはもう終わりますから、あと一言で終わらせていただきます。
 私は、女性を産む機械と言うのは言語道断でありますが、私が一番気になっているのは、一人頭で頑張ってもらうしかないという発言なんですよ。そういう社会にしたのはだれなのか。日本では女性が頑張らなきゃ子供もできないんですか。女性の頑張りに期待するしか子供をつくることができないんですか。そういう社会にだれがしたんですか。その先頭に立ってそれを改善しなきゃいけないという立場にあるのが厚生労働大臣じゃないんですか。
 私は、ですから今日、質問、私たちは、厚生労働大臣はそういう考えを持っている以上、少子化対策を先頭に立ってできない、だから辞任を要求している。それで、私は今日は大臣には質問をしませんでした。
 以上で終わります。
#229
○小池晃君 午前中に引き続いて、長時間労働の問題をお聞きします。
 安倍首相は、サービス残業の問題については、衆議院の本会議で、周知啓発、監督指導の強化、悪質な違反が認められた事業主に対する厳格な対応をという答弁をされたんですね。具体的にどうするのかが大事であると思います。
 二〇〇五年にサービス残業を摘発した金額は二百二十三億円、千五百二十四社、十六万人になります。これは氷山の一角にすぎません。全体でどれくらいあるのか。そのものの統計があるわけではありませんが、事業主が毎月支払っている毎日勤労統計の時間外労働、これと、労働者が実際にどれくらい残業をしているかという調査である総務省の労働力統計、この差がサービス残業に相当すると言われてまいりました。二〇〇五年で見ると、年間一人当たり二百十四時間、二百時間以上で毎年ずっと推移してきている。こういう実態というのはやっぱり少子化ということに本当に大きな悪影響を与えていると思うんです。
 大臣、やはり違法である未払が蔓延しているというのは国民の実感でもあると思うんですが、これはあらゆる方策を打つべきだと思いますが、その点どうお考えですか。
#230
○国務大臣(柳澤伯夫君) 賃金不払残業は労働基準法の違反でございます。あってはならないものであるということでございます。
 厚生労働省としては、平成十五年五月に策定いたしました賃金不払残業総合対策要綱等に基づきまして、賃金不払残業の解消に向けた総合的な対策を推進しています。
 今後とも、この要綱に基づきまして、企業全体として労使の主体的な取組を促すとともに、重点的な監督指導を実施する、そういうことを通じまして賃金不払残業の解消に取り組んでいきたいと、このように考えております。
#231
○小池晃君 ちょっと具体的に基準局長にお聞きしますが、今年度と来年度でサービス残業に対する予算額はどうなっておりますか。
#232
○政府参考人(青木豊君) 賃金不払残業の解消に向けた取組の推進についての平成十八年度の予算額は一億三千九百万円でございます。
 平成十九年度においては、賃金不払残業対策に加えまして、長時間労働そのものの抑制を図る観点から、過重労働対策と併せてキャンペーン月間の設定を行うことなどを考えております。こういったものを合わせまして、平成十九年度予定額は一億二千五百万円というふうになっております。
#233
○小池晃君 これは、二〇〇四年は一億五千二百万、二〇〇五年は一億四千三百万、二〇〇六年が一億三千九百万、そして来年度予算で一億二千五百万円と、毎年こう減っているわけですね。これでは、やっぱり解消どころか後退しかねないという実態だと思うんです。
 しかも、その内容が非常に巧妙になってきている、悪質になってきているということでありまして、先ほど午前中にも紹介した労働弁護団の長時間労働酷書でもこんな例があります。
 これは飲食店の五十代の男性で、月の実残業百五十時間ですが、正社員にはタイムレコーダーの時刻を打刻しないように設定されている、残業代の欄には固定額が記載されている。これは整備工場の三十代の男性の例ですが、全員六十時間以上残業しているが、十五時間分しか支払われない、自己申告制で、提出先の工場長が月十五時間になるように書き直し、本社に報告している。大手電機メーカー四十代の男性、月百時間以上残業がある、会社はパソコンで労働時間を把握しているが、過少申告を強要している、最高で四十時間しか出ない、残業代が一定程度を超えれば無能とみなすと脅かされているという告発です。こうした手口というのは、これは管理職一人がやればできるわけじゃないわけでありまして、正に企業ぐるみでやらなければできないだろうと。しかも、こうしたことが、前回も質問しましたが、三井中央信託銀行であるとか、あるいは大手宅配便会社であるとか、だれでも知っているような大企業で起こっているわけです。
 ところが、おととしの暮れに、日本経団連が経営労働政策委員会の報告というものの中で、労働基準監督行政に対してこう言っているんですね、企業の実態を無視したかのような指導がなされていると、はね付けるような見解出しました。その際、厚労省は文書も出して、労使慣行に介入していないと、実態に合った指導監督をやっていると、そして指摘を受けた企業は冷静に自らの企業の在り方を見直すことから始めることが望ましいと、日本経団連においてもそのような立場で傘下の企業の指導を行うことを期待したいという文書を出された。これは、当時、尾辻大臣にもお聞きをして、尾辻大臣は厚労省の考え方を申し入れて、経団連側も地方組織にその趣旨を伝えると回答したと、回答どおりにやってくれるかどうかまず見たいと答弁をされています。
 そこで、大臣にお聞きしたいんですが、その後、日本経団連はこの問題についてどのような取組をやっているか、厚労省としてどのように把握されていますか。
#234
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま、尾辻大臣当時に行いました申入れにつきましては、日本経団連が平成十七年一月から三月ごろにかけまして都道府県の経営者協会を回ってその趣旨を説明したことを確認しておるということでございます。
#235
○小池晃君 しかし、その後の経過、推移を見ても、大企業の実態というのは改善したとはとても言えない、悪質さを増しているということになるんではないかと。
 私、先ほどその指針、通達に基づいてやっていくという御答弁あったんですが、二〇〇一年の四月六日にサービス残業解消のための通達を出しました。それ以降、やはり違法であるサービス残業をなくせということで、日本経団連に厚労大臣、厚生労働大臣として直接申し入れたというようなことはあるんでしょうか。このことについて、大臣のことですから大臣にお答えいただきたいんですが。
#236
○国務大臣(柳澤伯夫君) 平成十五年の五月に賃金不払残業総合対策要綱、それからまた賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針を策定いたしました際、労働基準局長が日本経団連に対し、文書により賃金不払残業の解消について協力を要請しております。
#237
○小池晃君 いや、基準局長でしょう。私が聞いたのは、厚生労働行政のトップである大臣がやっぱり率先して具体的に行動することが必要なんじゃないか。柳澤大臣、やはりこれをなくすために、日本経団連のトップに対して本気でこのサービス残業解消のために取り組むべきだと、大臣自ら言いに行くべきじゃないですか。その点、どうですか。
#238
○国務大臣(柳澤伯夫君) 賃金不払残業対策につきましては、平成十五年に賃金不払残業総合対策要綱を策定いたしまして、以後、十一月を賃金不払残業解消キャンペーン月間と定めまして、賃金不払残業の解消と適正な労働時間の管理に向けた労使の主体的な取組について、日本経団連を含む経営者団体等を通じて周知に努めておるところでございます。それに加えまして、監督指導にも力を入れているというところでございます。
#239
○小池晃君 いや、そんなことは知っているわけで、それだけでは不十分なわけだから大臣自ら率先していくべきじゃないかと。これは決意を示すと、厚生労働行政として、サービス残業を許さないと、これが必要なんじゃないですか。少子化対策で頑張るんだというのであれば、率先してそういうことをすべきですよ。そうでなければ、本当に上っ面の反省ということになるんじゃないでしょうか。しかも、やっぱり労働者に対しても周知徹底するということも必要だろうというふうに思います。今ありましたけれども、年に一回電話相談やると、それだけじゃ駄目なんですよ、やっぱり。日常的に周知徹底を図っていくということをこれはすべきだというふうに思っております。
 それにあわせて、もう一つ、労働の現場での非常に重大な問題として、やっぱり不安定雇用の問題がある。不安定雇用で労働条件が極めて厳しいということも少子化の大きな原因になっているということは言うまでもないと思います。
 参議院の本会議で我が党の市田議員が質問いたしまして、総理は、これは労働者派遣法への対応でも、派遣先企業の違反に厳正に対応すると答弁されていますが、大臣、これは、違反企業名の公表についてもこれしっかりやるんだということと受け止めてよろしいですか。
#240
○国務大臣(柳澤伯夫君) この件につきましては、法の枠組みがあらかじめ設けられております。これはもう何回も答弁いたしますともういいと言われかねないんですけれども、違反しておる派遣先に対しましては、まず各労働局におきまして是正指導を行いまして、違法状態の解消、この段階でも図っているところでございます。さらに、そういう是正指導をやりましてもなお改善の見られない悪質な派遣先に対しましては勧告をし、また勧告に従わなかった場合は公表をすると、こういう一つの枠組みの下でこの法制度が運用されておりまして、この法の仕組みに従って厳格に対応しているということでございます。
#241
○小池晃君 厳格に対応しながら、公表は一例も今までないわけでしょう。ないんですよね、これは。だから、やっぱりこれでは駄目なんですよ。労働者は是正されるまで待っていられないんですから、これ速やかに指導、勧告すると、従わなければ直ちに公表するというふうにしなければ、今言った仕組みだって絵にかいたもちなんだというふうに思いますよ。
 実際にじゃ何が行われているか。日本を代表するような大企業が、この派遣法に基づく直接雇用の申入れ義務といいながら、実際はその名前だけで、事実上数か月間という短期雇用にほうり出していると、こういう例がございます。これは去年の十二月にも私この委員会で取り上げましたが、いすゞ自動車の例ですが、これ、製造業で一年過ぎた派遣労働者千五百人、これ昨年十一月に直接雇用にしましたが、短期雇用です。しかも、雇用契約書すら労働者に渡さないような状況があるということでこの委員会でも指摘をいたしまして、調査も要求いたしました。
 局長、その後どのように対応されましたか。
#242
○政府参考人(青木豊君) 個別の事案についての具体的な回答は差し控えさしていただきたいと思いますけれども、管轄の署におきまして適切に事実関係を踏まえて対応しているものと認識しております。
#243
○小池晃君 いすゞ自動車では、労働者が申入れもして、やっと二か月間雇用期間が延びたというんです。それでも今年四月までという細切れな雇用契約になっているわけですね。
 大臣、これインターネットで出ているんですが、十一月三十日の経済財政諮問会議の議事録、これを見ますと、大臣はこう言っているんです。労働者派遣の雇用申込義務について、雇用申込義務は、期間制限に対する違反の防止のために、期限が終了したときに更に使おうとする場合には必ず長期雇用を申し込まなければならない義務があるということですと、こう述べているんですね。
 大臣のこの経済財政諮問会議の発言に照らせば、いすゞのように派遣労働者を短期、一か月、二か月という短期雇用にするというのは、これは指導しなければいけないんじゃないですか。
#244
○国務大臣(柳澤伯夫君) まあこれ、そもそもそうした契約、労働契約の申込義務を設定した理由というのは、私が申したような考え方の下で行われていると、そういうものだと言っていいと思います。
 ただ、現実の雇用契約あるいは労働契約というものは、これは基本的に労使の当事者同士の契約でありまして、私としてはそういう方向で労使の話合いによる、交渉による契約が結ばれることを期待をしているということでございます。
#245
○小池晃君 いや、それはおかしいでしょう。だって、議事録ではっきり出ているんですよ。もうそういう場合は必ず長期雇用を申し込まなければならない義務があるんだと、こういうふうに経済財政諮問会議で発言されているわけですから、これはそういうことを期待するということじゃないですよ。長期雇用をする義務があるんだということを厚生労働大臣として発言されているわけですから。だとすれば、こういういすゞのようなやり方はおかしいということを、大臣、言わなきゃいけないじゃないですか。
#246
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私といたしましてはそういう方向で是非努力をしてもらいたいということですけれども、労働契約の個々について私どもが立ち入っていろいろ差配をするということは、これは慎まなければならないもう一つの命題だと思います。
#247
○小池晃君 いや、これは契約だからそれは自由なんだとは一言も言ってないですよ。
 もう一回読みますよ。期限が終了したときに更に使おうとする場合には必ず長期雇用を申し込まなければならない義務があるんだと、これが労働者派遣法の趣旨だと、こう言っているじゃないですか、全然違いますよ。
#248
○国務大臣(柳澤伯夫君) その制度の趣旨はそういう方向のものだということを私としては考えております。しかし、具体の個々の労働契約について私どもがこれに介入していくということは慎まなければならないことであると、このように考えます。
#249
○小池晃君 これはちょっと納得できませんね。これ趣旨だと言っているんじゃないですよ、この趣旨は。
 私は、この長期雇用を申し込まなければならない義務があるというのは、これは当然のことだというふうに思いますよ。やっぱり派遣労働者を直接受け入れるというんであれば、これは雇用の安定というのは趣旨なんだから、それは長期雇用をやはり申し込まなければならない、これはおっしゃっていることは私はこれは正しいと思いますよ。
 だったらば、長期雇用を申し込まなければならない義務があるんだというふうにこういう公式の場でも発言されているのであれば、そうではない事態が起こっているんだから、そこに対してきちっと指導すると、これは最低限の厚生労働省としての役割じゃないですか。それはもう労使の問題だからもう手は出せませんというんじゃ、何のための厚生労働省かということになるんじゃないですか。
#250
○国務大臣(柳澤伯夫君) これも何度お尋ねいただいても、個別の労働契約に対して私どもが介入する立場にはないと、こういうことです。
#251
○小池晃君 これでは、やはり労働者の権利は守れないと私は思うんですね。
 このいすゞの問題では、栃木県の知事と労働局長連名の要請書があります、このいすゞの工場がある栃木県ですね。栃木県の雇用情勢についてこう言っているんですね。求人数は増加傾向にあるが若年層の正規の職員、従業員の割合の低下が続いており将来の生活設計に不安感が予測されています、正規求人は四割に対して正規を求める求職者は七割を超えミスマッチの大きな要因となっている、労働者雇用計画の再構築及び格段の、格別の御配慮をと、これを栃木県下の五つの経済団体に送っている。
 景気回復というけれども、正規雇用になっていない、こういう実態がある、これはいすゞの労働者の話を聞いてもそうなんです。正社員と同じ仕事をしているにもかかわらず、二か月、三か月の短期雇用だと、不安な日々を送っているんだと、一刻も早く安定した雇用で働きたいというのは労働者の切実な願いなんです。これは、多くの労働者は独身寮に入っていて、もし雇い止めになったらば仕事とともに住まいまで失うということになって、不安が今広がっているというふうにも聞いています。労働者はこう言っているんですね、正社員の採用試験を受けさせてほしいんだと。私、こういう願いにこたえることこそ再チャレンジなのではないかと思うんです。
 大臣、再チャレンジ、再チャレンジと言いながら、派遣が終わっても雇用申込義務が結局細切れの雇用ということであれば、私はこれは再チャレンジに到底ならないし、いつまでたっても不安定な雇用から抜け出せない、こういう事態を打開するために企業にもしっかり物を言うというのが厚生労働省としてのあるべき姿なんではないですか。いかがですか。
#252
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々も、非正規雇用者が正規雇用に転換していくということが、これはもう希望をすればということですけれども、基本的に必要な方向だと、このように考えております。そのために、今度、雇対法あるいはパート法を改正するその内容では、できる限り正規雇用を希望する若者たちにその機会を与えるようにということを法定して努力義務を課そうと、そういった方向での努力をしてもらいたいということを今度法定しようというふうに考えているわけでございます。
#253
○小池晃君 今ある法律でできることをやらずに、新しい法律があるからというんじゃ、それじゃ説明になっていないんです、今ある法律だってできる、やるべきことをやるべきなんですよ。
 私、じゃ大臣にお聞きしたいけれども、その会社の基幹的業務をやっているわけですね、恒常的に必要な部分を担っている労働者なんですね、みんな。そこに従事する労働者は二か月、三か月の短期間雇用になっちゃうというのでは、これは全く不公正な雇用契約になるんじゃないですか。大臣はそう思いませんか。
#254
○政府参考人(青木豊君) 今多様な雇用形態が日本の労働現場でなされていると思います。これは様々な事情によって、経営上の事情もありましょうし、働く側の事情もございますが、そういったことで言わば社会が動いているということだろうと思っております。
 したがって、個々の企業でどういう雇用形態がなされているかということについては、それぞれの事情に応じて考えていくということになるだろうというふうに思っております。
#255
○小池晃君 そういう姿勢では不安定雇用から抜け出そうという労働者の期待にこたえることができないんですよ。再チャレンジなんて絵にかいたもちになるんですよ。私は、しかも、今経済財政諮問会議などで議論されている労働ビッグバンなんというのは、こういう雇用申込義務すらなくして、もう派遣労働を永久化するような方向まで出されてきているわけでしょう。こんな方向は断じて認められないということを申し上げたいというふうに思います。
 それから、少子化の問題にかかわって、医学部の定員の問題について大臣に残る時間ちょっとお伺いしたいんですが、産科や小児科の医師不足が非常に深刻になって、これは抜本的な医師数の増員を図るべきだと我々は提案をいたしました。
 ところが、新医師確保総合対策では、医師不足県の医学部の定員を暫定的に増やすと。しかし、これは十県だけ、しかも最大十人まで、しかも十年間。こういう縛りが掛かっていて、しかもこれは前倒しなんですね。結局、十年間増やして、もうその後十年間、結果によっていろいろと対応は違いますが、増やした分はまた減らさなきゃいけないという、そういう枠になっている。
 なぜこんなことになっているかというと、大枠があるわけですよ、医学部の入学定員の削減という閣議決定。私、やっぱりこの閣議決定の範囲内では抜本的な解決はできないというふうに率直に言って思います。やっぱり今これだけ医師不足が深刻になっているんだから、やっぱりこの際、閣議決定見直すということを踏み出す必要があるんじゃないですか。大臣、いかがでしょう。
#256
○国務大臣(柳澤伯夫君) 現在、医師の総数につきましては、毎年三千五百人から四千人程度増加をしているという状況にあります。したがって、まだ過剰な状態などには到底至っていないわけですけれども、将来的には必要となる医師の数を上回る数の医師が供給されるという見込みを昨年の七月に厚労省は示したということでございます。
 このため、現状におきましては、医学部の抜本的な定員増は必要はないと考えておりまして、御指摘の平成九年の閣議決定の見直しも、これまた必要ないものと考えております。
 なお、中長期的な対策として、文科省及び総務省と協力して、今、小池委員が触れられたように、特に医師不足の著しい県における大学医学部や自治医科大学の暫定的な定員増を進めることといたしております。
 いずれにせよ、国としては、いま一度それぞれの地域の実情をしっかりと把握し、都道府県と協力をしながら、地域ごとに具体的で実効性のある医師確保対策を構築してまいりたいと、このように考えております。
#257
○小池晃君 二十五年前に、そういう、これからは医師過剰になると言って減らして、今医師不足だって大問題になっているじゃないですか。OECDの平均とどんどんどんどん乖離していっているじゃないですか。この医師数の抑制という政策自体誤りだったんですよ。そのことを率直に認めなければ、私は現状の打開はできないというふうに思いますし、抜本的なこの問題の解決にはならないというふうに思うんです。
 しかも、これ、たとえその定数を増やそうとしても、奨学金制度をつくることが各県の条件になっているんですよ。十人の入学定員を増やすだけなのに全体の定員の五割の奨学金制度を用意しなければいけないと。だから、例えば百人の定員で百十人にしようと思ったら、五十五人分の奨学金制度を用意しなければ定数増ができないという仕組みでしょう。だから、県の財政の負担が非常に大きいので、ちゅうちょする声も上がっています。私も直接対象の十県に全部電話してみました。どこでも、びっくりしたとか、定員の五割の奨学金というのは厳し過ぎるという声が上がっている。
 私、このようなハードルを条件にするということはやめるべきだと思うし、せめて少なくとも柔軟にこれ対応できるようにやっていく必要があるんじゃないですか。その点いかがですか。
#258
○国務大臣(柳澤伯夫君) このような方針の下で医学部の定員増を容認することにいたしたわけですけれども、その際には、卒業後地元で医療に従事することを条件とする奨学金を用意していただかなきゃならないということにいたしております。このような条件を設定した理由は、医学部の定員増が医師の地元定着につながらなければ意味がないと考えられるためであります。
 したがいまして、奨学金を用意するという条件の意味は、貸与希望者がいる場合にはその用意の努力をしていただきたいという趣旨でありまして、貸与希望者の見込みにかかわらず、増員後の医学部定員の五割以上の人数分の予算をあらかじめ当初予算で用意をしなければならないという意味では必ずしもありません。その旨は、対象県に対して平成十九年一月三十日付けで医政局が発出した事務連絡におきまして明らかにしているところでありまして、具体的な各県からの医学部定員増の協議の受付に当たっては柔軟に対応していく考えであると、こういうことでございます。
#259
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 一月二十七日、柳澤大臣の発言を聞きまして、私は、産む機械と、私も含めて女性たち、思っている厚生労働大臣の下でこの厚生労働委員会で審議はできないというふうに思いました。人として扱われず、産む機械というふうに見ている大臣の下で、私たちが説得力のある論争ができるのか、その施策について私たちが信頼感を持てるのか、少なくとも私自身が信頼感を持てるのかというところでは、持てないというふうに思いました。
 私は、柳澤大臣の人生や人格を否定するものでは全くありません。しかし、やはりその発言は、根本的に間違っている、根本的に厚生労働大臣として不適格である、そのことをお聞きいたします。
 先ほども同僚の足立委員からもありました。私は、実は、産む機械という言葉ももちろん問題なんですが、その後の言葉、その産む役目の人が一人頭で頑張ってもらうしかないんです、女性たちは産む役目なんですか。
#260
○国務大臣(柳澤伯夫君) 度々申し上げておりますけれども、私、去る一月の二十七日、島根県松江で講演をいたしまして、その講演の一部で人口推計の説明をいたしました際、女性と人口との関係について誠に不適切な発言をいたしました。これによりまして、女性の方々、また広く国民の皆さんに深く心に傷を付けたということでございまして、誠に申し訳なく、深くおわびをいたす次第でございます。
 これで、この発言を反省をいたしておりますが、その反省の上に立って、今後とも安倍内閣の下で所掌する職務に全力を挙げてまいりたいと、このように考えております。
#261
○福島みずほ君 安倍総理も柳澤大臣も、準備された答弁書を同じように繰り返し繰り返し読むだけで、本当に何が間違っていたかということが実は国会、国会議員の私たちに全く伝わってこないんですね。どうして、産む役目の人が一人頭で頑張ってもらう、これは間違いなんですか。女性たちはもう謝ってほしいなんて思ってないですよ。不適格だから怒っているんですが、なぜこの発言が問題なのか、自分の言葉で答えてください。
#262
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今御指摘の文言、表現、発言、これは誠に女性の方々を深く傷付けるものと思っておりまして、深くおわびを申し上げているところでございます。
#263
○福島みずほ君 傷付けられたから、もちろん傷付いた面もあります。しかし、だから怒っているのではないんです。現在の子供の産みにくい、どうして若い人たちが、というか、どうして人が子供を産まないのか、その原因をつくった大きな原因は厚生労働省にあります。柳澤大臣は厚生労働省のトップ、最高権力者、雇用とそして福祉における最高の取りまとめ者じゃないですか。その人の発言がこれ、当事者不在だからこそみんな怒っているんです。それは分かりますか。
 何に怒っているか、済みません、傷付けたということに怒っているんじゃないんです。何が問題なのか答えてください。
#264
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう度々申し上げておりますとおり、私の発言が極めて不適切であるということでございまして、この点は深くおわびを申し上げている次第でございます。
#265
○福島みずほ君 何が不的確なんですか。
#266
○国務大臣(柳澤伯夫君) いろいろ指摘をいただいております私の発言が不適切であるということでございます。
#267
○福島みずほ君 どのような文脈において不適切なんですか。
#268
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは余り深く説明もしなくても、私も本当にもう、全くもってこの不適切な発言をしたと、このように思っているということでございます。
#269
○福島みずほ君 何で謝っているか、不適切だからと言われても分からないんですよ。何についてどう反省しているからどう何が変わるのか、それの確証が取れない限り、やはりそれは、私たちは不適格だとしか言いようがないんです。
 合計特殊出生率が一・三台に下がり出すのは九〇年代の後半ですが、これは非正規雇用の増加と大変関係があると学者の人たちは指摘をしています。若年失業者が高い国ほど合計特殊出生率は低いわけです。安定した収入が得られ将来への希望が持てて初めて若者は結婚ができるかどうかと、こう思うわけですね。
 若者の非正規雇用の増加を招いたのは、労働者派遣事業法を始めとした政府の労働法制じゃないですか。大臣、いかがですか。
#270
○国務大臣(柳澤伯夫君) 実は、非正規雇用というのは派遣労働法を改正する以前から趨勢的には増加傾向にありまして、そういう増加傾向が非常に日本経済が低迷をした期間を通じて上昇を示したということだと認識しています。
#271
○福島みずほ君 違うんですよ。
 偽装請負が増えた。だったら偽装請負がこういうのがあるから、例えば製造業に関しても労働者派遣法を認めるべきだ。二十七の専門職しか認められなかった労働者派遣事業法をどんどんどんどん規制緩和して、原則として製造業にも可能としました。しかし偽装請負にはメスを入れない。
 社民党は、日野自動車、そして今日キヤノンの偽装請負の人たちの話を聞きました。つまり、偽装請負にはメスを入れない、だけれども労働者派遣事業法はどんどん規制緩和していく、雇用の劣化が起きたわけです。非正規雇用は見事に増えました。それについて大臣、どう思われますか。原因つくった、元々非正規雇用があったんだったら、それをどうやって良くするかと考えるのが厚生労働省でしょう。しかし、規制緩和したわけですよ。だったら非正規雇用が増えるのは当たり前じゃないですか。だったら人が結婚しにくくなる、それは当たり前じゃないですか。どうですか。
#272
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと私、委員のお話のうち二つにちょっと分けてお話をしなければいけないかと思いますが、偽装請負については、私どもも法令違反ということでこれはもう断固これに対応していかなければならない、このように考えているということでございます。
 それからもう一つは、非正規雇用ということについては、そのうち派遣のことを今先生はこの立法の経緯に触れましておっしゃられたのでございますが、私は、申し上げましたように、非正規雇用が増嵩を示しているのは、実はこうした派遣労働法の改正以前からの一つの傾向でありまして、それでそれがだんだんこう増えていったということは、やっぱり双方に、労使双方の間に多様な労働の形態というものを望む、そういう事情もあったと、このように考えているわけでございます。
#273
○福島みずほ君 労働者の権利を守るために労働基準法を始めとした法律があります。どのような労働法制を作るかによって人々の権利が歴然と変わります。
 政府が非正規雇用を増やすような見事な労働法制をされました。規制緩和をされ続けてきました。だからこそ非正規雇用が増えたんじゃないですか。原因をつくっているのは厚生労働省ですよ。原因をつくっているのは厚生労働省であるにもかかわらず、頭一人分頑張れと言われるからみんな怒ったんですよ。
 政府に求めているのは子育て奨励策。頑張れ頑張れと、あんたの責任だと、自己責任だと言われる筋合いはありません。みんな子供を持てるような社会であれば、とっくの昔に持っていますよ。それが持てないからこそみんな苦しんでいるわけです。原因をつくった厚生労働省が、その反省もなく頑張れと、一人頭分頑張れと、しかもすべての女にそう言うことは私は許されない、そう思っています。
 次に、次の発言。御当人の若い人たちというのは、結婚をしたい、それから子供を二人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけですねとおっしゃいました。
 では、お聞きします。極めて健全な状況、極めて健全でない状況というのはどういう状況でしょうか。
#274
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々が、例えば人口推計するときにも、もう全然、若い人たちが結婚の希望を示す、あるいは子供を持ちたいというような希望を非常に低いレベルでしか示さないというようなことになりますと、私どもはその希望と現実とのギャップを埋めようというようなことの政策をすらなかなか構想できないということになっていってしまうと、こういうことでございます。
#275
○福島みずほ君 いや、そういうことを聞いているのではありません。柳澤大臣はここで、人々は二人以上子供を持ちたいと多くの人は考えている。しかし実際持つのは一・二九人だと。この希望と現実の間には制度的な問題点があるから、厚生労働大臣としてそのギャップを埋めるべく制度的に頑張りますとおっしゃれば何も問題ない、みんな応援しますよ。しかし、大臣は、二人以上、結婚をしたい、それから子供を二人以上持ちたいという極めて健全な状況にいると。
 再び私は質問します。極めて健全でない状況というのはどういう状況ですか。
#276
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、福島委員もいみじくもおっしゃられたように、希望がこういうレベルであると。
#277
○福島みずほ君 大臣、質問に答えてください。
#278
○国務大臣(柳澤伯夫君) それから、現実がこういうレベルでしかない。このギャップを、我々はもういろんな手だてを講じて、環境整備ですよ、しかも。そういうような形で私どもは取り組ませていただきたいと、こういうように考えているということでございまして、そういう希望が示されているということは非常にいいことだということであります。
#279
○福島みずほ君 いいことではなくて、健全とおっしゃっていますよね。極めて健全でない状況はどういうことなのか、それを教えていただけますか。
#280
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、日本の若い人たちの全体の意識、これはいずれにしても統計での数字でございますから、そういう個々の問題ではなくて統計の数字としてですね、それを若い、そこに示される若い人たちの全体の状況がいい状況にあるではないかと、こういうことを申したということでございます。
#281
○福島みずほ君 正直言って、柳澤大臣がもし財務大臣か経済産業大臣だったらよかったのかもしれません。それは、マクロ的に物を見て解決する、それでいいんですよ。しかし、結婚をしない人もいる、そしてもちろん同性愛の人もいる、それから性同一性障害の人もいれば子供が一人の人もいる。持ちたいけど持てない人もいれば、いろんな苦労をしている人もいる。そもそも持ちたくない人もいるかもしれません。いろんな人がいるわけで、健全という一つの価値観をおっしゃることは私は間違っていたと思います。
 大臣、どうですか、この発言、撤回されませんか。あるいは問題があると認められませんか。
#282
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は本当にそういうことを申したわけですけれども、同時に私の気持ちの中に、今、福島委員が指摘されたように、いろんな方々がいろんな選択肢を持って人生を過ごされて進んでいく、これをもう考えていないことは私はありません。
#283
○福島みずほ君 カイロ会議におけるリプロダクティブライツに関するカイロ宣言を柳澤大臣は認めていらっしゃるということでよろしいですね。
#284
○国務大臣(柳澤伯夫君) そのとおりでございます。
#285
○福島みずほ君 だとしたら、カイロ会議は健全か健全でないかということを問題にすることは違うと、一人一人の生き方があって、一人一人の選択肢を尊重するのだと言っているので、柳澤大臣、ここで健全発言を撤回されたらどうですか。
#286
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私がそのような考え方を持っている、それぞれ個人は自由意思を持って自らの人生でいろんな選択肢の中からその選択をしていくということは、私はこの国会の中で既に申し上げております。
#287
○福島みずほ君 ある状態を健全と言うということは、例えば法律もそうですが、原則があれば例外、健全という言葉の対概念は健全でないということですよね。極めて健全でない状況というのがあるので、私は、大臣はこの発言をされたときに、やっぱり人は結婚して子供を二人持って、それが普通、当たり前、健全、そうしてほしい、で、人々は健全だ、だからというふうに思っていらしたと思うんですよ。
 でも、もし大臣がおっしゃるようにリプロダクティブライツアンドヘルスをお認めになるのであれば、健全ということはそれはおかしいと思います。人に上下がない、人の生き方に上下はない、人の生き方にないわけで、健全、ある状態の、ある状態のライフスタイルを健全と表現されることは厚生労働大臣としてちょっとやはりこれは問題があるのではないか。いかがでしょうか。
#288
○国務大臣(柳澤伯夫君) もう先ほど来申し上げておりますように、私は国会で、本当に個人は自由であり、自由意思でもっていろんな選択肢の中から人生でいろんな選択をしていく、そういう国、我々の国はそういう自由社会であるということをはっきり申しております。どうぞ御理解を賜りたいと思います。
#289
○福島みずほ君 もし例えば、若い人が結婚をしたくない、あるいは子供を持ちたくないという数が物すごく高いというデータが出たとします。大臣はそれは健全でない状況というふうに表現されますか。
#290
○国務大臣(柳澤伯夫君) 仮定の議論ではございますので、そのときに私がどういう表現をするかというのはちょっと答えにくいんですけれども、気持ちとしてはやはり、少子化対策というか、そういう、このことを担当している者としては困ったなと思うだろうと思います。
#291
○福島みずほ君 私は、困ったなというのは、私がこの健全発言を問題だと思うのは、ある人が結婚して子供を持つという状況を健全という一つの価値概念で示していることです。
 家族にはいろいろある、多様なすべての家族を応援するべきだ、社民党は先日、子育て家族政策を発表しました。事実婚を法律婚と同様に扱うような検討を始めるべきだ、婚外子差別を撤廃するべきだ、あるいは、いろんなライフスタイルを応援するようにすべきだということも盛り込んでいます。特にシングルマザーや外国人の家庭や社会的になかなか年収の低いところに属するシングルマザーのところなど、底支えをきちっとやって多様なすべての家族を応援するのであれば、シングルマザーのところの福祉政策の切捨てをやるべきでないと考えています。ですから、この健全というのが実はシングルマザーの今回政府がやろうとしている切捨てやいろんなところにつながっているんじゃないか、そういうふうに思って問題にしているわけです。
 ところで、大臣は、今後国会に上程されるパート法に関して、適用対象者は四%から五%だと言い、午前中にも答弁がありました。ところで、この統計は私も見ましたけれども、期間の定めあるなしの区別がありません。しかし、政府が出そうとしている要綱案は、期間の定めのない、しかも正社員的パートの人のものが入っております。そして、データで見ますと、五人以上の雇用常用者のところでのアンケートを取ると、六六・六%は期間の定めがある。もしこれを単純にしますと、〇・一何%ぐらいしか適用対象者はないんですよね。だとすると、一体この法案は何物なのかと言いたいのですが、いかがですか。
#292
○政府参考人(大谷泰夫君) このデータの扱いについて、入口からちょっと御説明を申し上げたいと思うんですが、今回の法案化しましたこの差別的取扱い禁止の対象となりますこのパート労働者の人数を直接示す統計とかデータはないわけでございます。これはなぜかといいますと、今回、この……
#293
○福島みずほ君 コンパクトで結構です。
#294
○政府参考人(大谷泰夫君) はい。その差別的な扱いを禁止するという要件をこの審議会で議論して、三要件今回明確化されたわけでありますから、それに基づいた過去の統計がないということはひとつ御理解いただきたいわけであります。
 それから、朝方、大臣が申し上げましたそのデータの中で、契約の期限の話がございました。今回の私どもの提案しております法律のこの期限の考え方は、契約期間の定めがないものもありますけれども、その契約期間の定めがあっても反復更新を繰り返して実質的に無期契約と同じとなっているものについても含んでいるわけでございます。
 そうなりますと、今回私どもが参考といたしました十三年の調査につきましては、この調査の中で配置転換や転勤等の取扱いについても聞いておりますから、そういう中からある程度そういった長期の雇用が推認されるのではないかということで、これが一応のよりどころになっているわけでありますが、あくまで推定でございます。
#295
○福島みずほ君 でたらめじゃないですか。つまり、四%から五%と言ったときには期間の定めのあるない、区別がないんですよ。だけれども、パートの人たちのほとんどは実は期間の定めがあるんですよ。
 今度要綱で出すのは、期間の定めがなくて、正社員的パートじゃないですか。おっしゃった期間の定めがあっても反復継続すれば期間の定めのないものとなるというのは判例ですが、何十回と更新しなければならないという判例もありますよ。原則としてパートの多くの人は期間の定めが今あるんですよ。それを、今度、厚生労働省、だから、大臣が四%から五%対象だと言うのはミスリードですよ。それは期間の定めのあるないが入っているわけです。
 大臣、私の言っている意味分かりますか。
#296
○政府参考人(大谷泰夫君) 要綱には明記しておるわけでありますが、その期間の定めのないものも、それから契約期間の定めがあっても、反復更新を繰り返して実質的に無期契約と同じとなっているものを含むというふうに要綱にも明記しておりますので、ごらんいただきたいと思います。
#297
○福島みずほ君 反復継続して期間の定めのないものは極めて例外的です。現に厚生労働省が取っているパートの実態調査は、期間の定めがあるもの、ないものと取っているじゃないですか、六六・六%、三三%。しかも、これは五人以上常用雇用がいるので比較的いい職場ですよ。ほとんどの人は、パートは期間の定めがあるんですよ。にもかかわらず、だから、大臣が四%から五%と言ったのはその区別がないんですよ。
 これは四%から五%、実際統計取ると一%を必ず切ると思いますよ。厚労省はデータを取ってないと言いますが、まあ四%か五%か一%かってもうほとんど余り差がないかもしれませんが、物すごく限られた人しか差別禁止の規定が掛からないんですよ。これを再チャレンジと言い、これを均等待遇と言うのはデマですよ。一%か四%か五%の論争を今ここでしておりますが、ごく限られた、一%も切るかもしれない人たちの差別禁止を法律でうたって、あとの人たちは差別禁止の条項が掛からないんですよ。これはパート差別拡大法案としか言いようがありません。一%しか差別禁止しないで、何を再チャレと言うのか、何をパートを保護すると言うのか、こんな法案は認められません。
 私が今日申し上げたいのは、少子化対策頑張る、子育て支援頑張るとさんざん言いながら、規制緩和をやり、これからもまともに向き合おうとしない、そして、法案はひどいのを出してくる、これで子育て支援をやりますって言うのは許せないというふうに思っているからです。
 例えば、深夜免除について一言お聞きをします。
 これはJALの、日本航空の深夜免除の件で、裁判になっておりますが、例えば育児・介護休業法十九条は単に深夜帯に仕事をさせないことしか命じていないので、昼間の仕事を与えなければならないとまでは書いてないとして、実際深夜免除をすると昼間の仕事がもらえない。で、客室乗務員の人たちは苦しんでいます。こういう実態についてどうお考えですか。
#298
○委員長(鶴保庸介君) 答弁者、時間が迫っておりますので、早く答弁なさってください。
#299
○福島みずほ君 じゃ、そうしたらいいです。委員長、もういいです。しゃべります。
 私は、弁護士として、実は妊娠、出産したことで退職に追い込まれた女性の裁判を均等法の下でやりました。現場はやっぱりすさまじいですよ。五世帯に一世帯が年収二百万円以下で、シングルマザーの人は二つも三つも四つもお仕事を掛け持ちしている。政治は、そういう弱い部分や援助が必要な人たち、会社と闘っても困っている、そのために法律を作ったり、だから労働、厚生労働省は雇用と厚生と二つあるわけじゃないですか。雇用では労働者の権利を守ってくれと。そして、その厚生の面では、やっぱり子育て支援を含め、特に多様なすべての家族を応援してくれと。それをやるべきです。
 今日の議論を通じて、安倍総理、そして柳澤大臣が、何が根本的に問題なのか、実は分かっていらっしゃらないんじゃないかということの感を強くいたしました。厚生労働省の政策転換と、もしこの政策転換ができなければやっぱり厚労大臣として不適格だということを申し上げ、私の質問を終わります。
#300
○委員長(鶴保庸介君) この際、お諮りいたします。
 委員外議員後藤博子君から少子化等に関する件についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#301
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認めます。
 それでは、後藤君に発言を許します。後藤博子君。
#302
○委員以外の議員(後藤博子君) 委員長ありがとうございます。
 国民新党の後藤博子でございます。お疲れさまでございます。最後の質問ですので、よろしくお願いいたします。
 大臣、大臣の発言に似たようなことがありまして、つい最近、ちょっと人から聞いた話で、その方の研修の資料の中にあったそうなんですけれども。
 アメリカで離婚問題の訴訟があってまして、お父さんというか、親権を争っているんですけれども、そのお父さんがどうしても自分の子供はやっぱり自分で欲しいということで申し入れた言葉の中に自動販売機を言われた方がいらっしゃいまして、要するに、自分のお金を自動販売機に入れると物が出てくると、それは自分のものだと、だから子供も自分に返せというような発言をされたんですね。それについて、もちろんその裁判長はそれを一蹴して取り上げなかったんですけれども。
 アメリカも結局は、レディーファーストだと言われているそこでさえ男性の意識の中にそういうものがあるということなんですが、それについてちょっと大臣、どう感想を述べられますでしょうか。
#303
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私と同じと言いたいところですが、私は人口推計の説明をしていたときですけれども、その方は親権を争うときにしているということで、随分違うんじゃないかと、このように思います。
#304
○委員以外の議員(後藤博子君) 違うんですけれども、結局、その発想の中にやはり、コインを入れて出てくるものは自分のものだ、じゃ、コインを入れたそのものは何なのかというと、やっぱり女性の体というふうに想像してしまいますよね。
 そういうふうなことがありまして、これはやはり男性じゃなければそういう言葉が出てこないというふうに思うんですが、高市大臣はいかがでしょうか。
#305
○国務大臣(高市早苗君) やはり女性であっても、子供を産んだことがある人も産んだことがない人も、また産めない人もおられると思います。男性はもちろん、自分のおなかを痛めて子供を産むということはなさらないわけですけれども、それでもやはり全員でイメージをしていただきたいと思うんですね。
 子供を産むというのは、妊娠してから出産に至るまでの間、もうそれはそれは女性は苦しい思いをしながら命をはぐくんで、出産のときの痛さというのは、初めて子供を産んだ友達なんかはもう鼻からスイカ出すより痛かったと、もう二度と嫌だわと言いながら、また次のお子さんを産むという決心をされる、そしてまた育てるというのもこれまた大変です。
 一喜一憂しながらやっと命を授かったときの喜びに至るまでのその痛み、苦しみというもの、そういうことを考えますと、何というんですか、こう簡単に、例えば何かこう生産性で例えるような、そしてまた機械でぽっと子供を製造するような、そういうイメージを女性に与える発言というのはやはり私は不適切だと思います。そんなに簡単なものじゃない、命の誕生というのは。それだけは申し上げておきたいと思います。
#306
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございます。
 そうなんです。テレビを見ている人たち、大臣の発言に同情する方もたくさんいらっしゃるわけですね。大臣が育った時代背景の中ではそういう発言をされるというのはもうそれはしようがないかなという女性もいるんですけれども、ただ、国の厚生労働大臣を預かる大臣の発言ということで女性たちも怒っていまして、ほかにもお仕事がたくさんあるでしょうから、その大臣という、厚生労働大臣というその仕事を少し退いていただければこの問題はその女性たちにとっても一段落すると、そして大臣にはほかの仕事、また頑張っていただければいいなと、これは私の取り巻きの女性からのその声も上がりました。
 今はもう二十一世紀ですし、男女共同参画社会ということもありますので、大臣のその発言に関しては非常に時代錯誤だということで指摘をしておきたいと思います。
 午前中にもいろいろと私はお話をしたんですけれども、今そういうことで女性が、結婚して子供を産み育てようとする女性たちが一番求めていること、女性たちが一番、結婚して子供を産み育てようとする女性たちが一番求めていることは、大臣、何だと思いますか、柳澤大臣、どういうふうなことだと思われますでしょうか。ちょっとそういうことで質問の内容には入っておりません。申し訳ありません。
#307
○国務大臣(柳澤伯夫君) やはり、みんなそれぞれに、先ほど申したように、人生にはいろんな選択肢がありますので、本当に自分の自由意思でその数多くの選択肢の中で選択をして、自己実現をし、また社会にも貢献し、そういう生き方を望んでいらっしゃるのではないかと、このように思います。
#308
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございます。
 そのことは非常に大臣、きれいなお答えなんですね。結婚して子供を産み育てたいと思っている女性が一番望んでいるのはお金と時間です。お金と時間が欲しい、そしてできれば仕事も続けたい。ですから、仕事を続けるためには能力開発もしていかないと、でも子供がいる、じゃ、子供をいつでもどこでも預けられるようなシステムはないだろうか、制度はないだろうか、そしてどんなときでも、何というかな、そのお母さんがちょっと預けて仕事の職場に行くような、職場に行ったりとかあるいはその能力開発のために勉強に行ったりとか、そういうことを助けてくれる制度、そういうものが欲しいんだということで、一番望んでいるのが、これは一番望んでいるといったって千人に聞きましたというわけではありません、わずか私の取り巻きの五十人ぐらいの女性たち、そこには二十代から七十代、八十代の女性がいますけれども、その方々に聞いたときには、一番必要なのはそうだよね、現実的にそうなんですよね、やっぱりお金と時間が欲しいわけですよ。そして、安心して子供を産み育て、なおかつ手伝いが欲しいということです。そういうことで、やはり男性の意識改革もさることながら、男性、要するにお父さんになる方にも是非子育てをやっぱり手伝ってもらいたいということがあるわけです。
 ちょっと時間がありませんが、大臣が、ちょっと前後して申し訳ありません、大臣が発言された後、今大臣が発言されましたね、大臣が謝られましたけれども、発言された後、大臣はじゃ自分のその言ったことを撤回するためにどのような政策をお持ちなんでしょうか。
#309
○国務大臣(柳澤伯夫君) それこそが今、高市大臣が幹事役をなさっている「子どもと家族を応援する日本」戦略会議、この会議で行われていることがそのものであるというふうに申し上げます。
 要するに、我々はその会議に一番多分基礎的な資料になるであろうデータを出させていただきました。そのデータは、日本の若い人たちが結婚をしたい、あるいは子供を持ちたいという、そういう一つの希望のレベルを示すものでした。そして、それに対して我々が今現に立っている現実というのはこうですよねと。このギャップをどうやって我々は埋めていくんだろうかと、そのために一番効果的な政策は何だろうかということをこれからいろんな人が知恵を絞って検討してもらうわけですけれども、私ども厚生省も、それからまた個人的には私も、その中に、いろんな我々の構想、考えというものを是非その中には入れていきたい、盛り込んでいきたい、このように考えているということでございます。
#310
○委員以外の議員(後藤博子君) ですから大臣、構想を入れていきたいという、その構想の中身は何なのかということが重要なんですね。今まで武見副大臣もおっしゃいました、いろんなエンゼルプランなりなんだという、たくさんのプランを出されましたけど、なかなかうまくいっていないという、そこに問題があるんであって、大臣がこれだけの失言をされた後に、大臣がこういうことを自分たちはやっていくんだという、もう明確に具体的なものがあれば、その失言も、ああ、やっぱり大臣に頑張ってもらいたいと思う方がいらっしゃるかもしれないんです。しかし、明確なそういうことが出てこない、政府というのが出てこない。それに対していら立ちがあるし、じゃ、その原因をつくったのはどこかと、今、先ほど隣で委員がおっしゃいましたように、その原因をつくってしまった厚生労働省に対するいろんなものの怒りというものがやっぱり国民にあるわけですよね。そういうこともありますので、是非具体的にやっていただきたいと思っております。
 その具体的にやっていただきたいということですね、ちょっと事例を紹介いたしますけども、お父さん・お母さん休暇、これは広島県の三次市にこんな例があったんですが、これは去年の四月でしたか、清水嘉与子先生が取り上げられておられまして、広島の三次市に、子供が生まれたら男女を問わず職員の育児休暇二か月取得を義務とするということで、育児二か月を命ず、男性育児参加へ義務化、広島・三次市というのがありまして、広島の三次市がそれに取り組んでいるわけですよ。それはもういろいろこれは賛否両論あると思いますけども、そういうふうに男性の意識を改革をする、男性の意識を変えるためには、もう半強制的にでも家庭の中にしっかり帰って育児をしてこいという、二か月間はしっかりやれと。そして、奥さんと二人で一生懸命試行錯誤しながら子供を育ててこいよという、そういうシステムがこの三次市にあるわけです。そういうことを国家プロジェクトとして何かできるような手だてはないものかと思います。
 もちろん、出生率上げることを、国家が介入するから良くないということは総理も先ほど言っておられましたけども、この今少子化の問題を解決するためには、この三次市が取り組んでいるようなことをも具体的に国家としてプロジェクトとしてやる必要があるのではないかと思うんですが、その辺いかがでしょうか。大臣にお尋ねします、まず大臣に。
#311
○国務大臣(柳澤伯夫君) 男性も女性も子育てをしながら安心して働き続けることができる社会を実現すること、そのために希望に応じてだれもが育児休業を取得できる、そういう職場環境の整備が重要であることは私ども全くそのとおりと思っております。
 で、男性の育児休業取得率が進んでいない理由としては、職場の理解不足や法制度に関する理解不足があると考えております。これらのことについては、昨晩のこの会議でも随分議論が出たところでございます。
 厚生労働省といたしましては、全国の労働局におきまして、男性も育児休業を取得できることを周知徹底すること。それから、次世代法に基づく企業の認定基準に男性の育児休業取得実績を盛り込み、男性の育児休業取得を促進していこうと考えていること。それから、男性の育児参加促進のためのモデル的な取組を行う企業二百社に対して支援及びこれらの事例については他にも普及を図っていくこと。それから、昨年十月に取りまとめた男性が育児参加できるワーク・ライフ・バランス推進協議会の提言を更に普及していくこと、こういうようなことに今取り組んでいるところでございます。
#312
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございます。
 制度は非常にすばらしくて、これから成果が上がるとは思いますが、なかなか現場は、まあ先ほど言いましたけれども、この少子高齢化社会、資料の中にもありますが、まだまだわずか〇・五%なんですね、男性が育児の休暇を取るという数字がですね。もちろん職種によっては、不動産業なんかは一七・二一とかなっていますけれども、まだまだ全体的ではわずか〇・五%しかないということでございますので、高市大臣におかれましては日々奮闘されていると思いますけれども、大臣として、男性の意識改革をすると同時に男性の育児休暇をどう取得させていくかという具体的な案がございましたらお示しください。
#313
○国務大臣(高市早苗君) 先ほど柳澤大臣が答弁されましたとおり、まず企業にモチベーションを持ってもらうというのも一つの方法だと思います。今、取っ掛かりでございますけれども、これから更に、そういった男性の育児休暇取得促進をした企業に対して幾ばくかメリットを与えていくということも一つだと思いますし、それから経営者の意識を変えていくということなんですけれども、今政府の中でワーク・ライフ・バランスについて議論している会議って三つあるんですね。
 一つは経済財政諮問会議でございます。ここは御承知のとおり、閣僚もおりますけれどもたくさんの経済人が入っておられます。
 それから、ゆうべの会議というのは男女共同参画会議なんですね。ここでも新たにワーク・ライフ・バランスの検討会議が発足いたしました。この中でゆうべ出ていた議論というのも、やっぱりこれ経営者の意識変えなきゃいけないねと、企業にとっても大いにメリットがあるんだと。例えば、育児休業を取って帰ってきた方が、社員が男性であれ女性であれ、子供と触れ合ったことで新たな視点、新たな価値観を持って企業の仕事に従事してくれる。それからまた、非常に仕事の効率化ということ、みんなが考えるようになると。そのメリットもどんどん発信していかなきゃいけないねという話が出ていました。
 そして、今度立ち上がりました「子どもと家族を応援する日本」重点戦略会議でございますけれども、ここに働き方の改革分科会がございます。ここは、主に子育て、少子化問題に絡んだ働き方という視点ではありますけれども、メンバーというのは本日この後発表するんですが、そのメンバー、分科会に入っていただく委員を選ぶ際に一つ気を付けたことは、大企業のそういう人事関係をやっている人も入れましょうと。そして、中小零細企業ですね。ここではなかなかローテーションの問題からそういう対応が難しいという声もありますので、中小零細企業といったところの代表者も入れましょうと。それから、労働組合の方にも、現在法律で保障されている育児休業というものをもっともっと労働者の権利として発信していただきたいという思いから労働組合の代表の人にも入っていただきましょう。こういう体制でスタートいたしましたので、いかに日本全国に、男性であれ女性であれ育児休業取るの当たり前、こういう空気を広げていくかということだと思います。
 ただ、その休暇を取られる個人、その御夫婦に対して、男性が取りなさい女性が取りなさいという強制をするのはまだちょっと現実的に難しいかなと思います。といいますのは、育児休業給付率が今年の十月から五〇%になるとしても、御夫婦の中でのトータルの所得ということがそれでどうなるのかということでそれぞれに御判断されますので難しいと思うんですけれども、ただ、取りたいと思ったときにちゅうちょなく取れる、そういった形の社会にしていきたいと、そこをまず力入れたいと思っております。
#314
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございます。非常にすばらしいことですし、是非力を入れていただきたいと思います。
 そういういろんな代表者の中には作業服を着て超零細企業の方も入れていただきたいと思いますし、本当に下支えをしている方々が一番困っているわけですよね。ある程度育児休暇が取れるような制度をやろうかというところはまあまあできるところであって、本来、本当にここに欲しいんだというところになかなか伸びていっていないという、救いの手というか、そういうのが伸びていっていないのが現実でございますので、現場をしっかりと見ていただいて、そういう制度であったら是非お越しいただきまして、現場の方々にどうなっていますかということをお調べいただければもっともっと分かっていただけると思うんですが。
 片方では、これ今、三次市の話をしたときの同じ資料の中に付いてあるんですけれども、厚生労働省職業家庭両立課が、民間企業を含めても珍しい制度だと、三次市の取組は、制度だと。給料や代替要員の問題などを考えると民間にすぐ広がるのは難しいだろうというこのコメントがあるんですが、もちろんこれがすぐ、三次市が取り組んだから、もちろん民間や今大臣がおっしゃるようなところに全部広げて取り組んでいただきたいと思いますが、すぐに広がるのは難しいだろうというコメントは分かるんですけれども、難しいだろうという言葉を発した途端にこの制度をやろうかということは実現しなくなるわけですよね。
 だから、役人の省庁の方々も絶対にこれをやるんだという、今、日本の国家の危機にあるんだというその意識改革こそ、省庁の役人さんの意識改革こそがまた一つの大きな大臣や高市大臣の私はお役ではないかと思うんです。外に発信することはもとより、中の人間、中にいる省庁の皆さん方の意識改革を是非やっていただければ大変有り難いと思いますが、これについてのコメントをいただけますでしょうか。
#315
○国務大臣(柳澤伯夫君) 本当にそういう職場の理解、雰囲気というものをつくっていくことが非常に重要だと、このように思います。私もちょっとよく正確には記憶しておりませんけれども、我が役所でやはりまず第一号を出そうというようなことで、育児休業を取る男性職員が出たというようなことで、みんながその方を励ましたというようなエピソードが何年か前にあったそうですけれども、やっぱりそうしたことで、それがいいことなんだと、推奨されるべきことなんだというようなことをやっぱりみんながしっかり認識する。それからまた、経営者、管理者の側も、先ほど来、高市大臣が非常に一生懸命御説明していたように、それが逆にいろいろなイノベーションの知恵を出すときでもそれがプラスの方向に働くし、また働きぶりというのも、あるいは生産性というものもそれでプラスの影響を受けるんだと、そういうようなことがどんどん弾み車が回るようにだんだんうまく展開していく、こういうことが期待されているのだろうと、このように考えております。
#316
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございました。
 せんだって地元の合同新聞に政府の少子化対策新会議というのが二月四日の記事にありました。船出にも影ということで、ちょっと大変、何度も申し上げますが、大臣の発言を問題にされておりました。これからいろんな新しいスタートを切って、これからまた取り組むんであろうと思いますけれども、大変失礼かもしれませんが、柳澤大臣のお考えの、そういう発言をされる方がまたそのメンバーの中にいるということに関して、高市早苗大臣、いかがでしょうか。
#317
○国務大臣(高市早苗君) 人事権は総理にあります。総理がもうとにかく柳澤大臣にしっかりと、今回の発言は不適切だったけれども、しっかりと働いて結果を出してくれと、そうおっしゃったわけでございますので、私は柳澤大臣と力を合わせてとにかくいい結果でおこたえするしかないと、そのように思っております。
#318
○委員以外の議員(後藤博子君) ありがとうございます。
 私も今まで自民党にいました。で、いろんなことがあって国民新党に今身を寄せております。私が目指す政治は、与党とか野党とか、党だとかなんとかいうことではなくて、本当に国民のための国民の政治が行われるように、明るい社会、元気な社会が築けるように、そしてお年寄りも子供たちも本当ににこやかな日本というこのすばらしい環境の中で育ってくれるような、その環境整備ができるのが私たち議員の役目ではないかと思っております。
 そういう点で、そういうすばらしいものを掲げたとしても、やはり御自分の発言に対してやはり一度は責任を取って国民の皆さんに形を見せていく、そしてその後またすばらしい議員として国に尽くしていただけるということで皆さんが求められております。今日は私の、以外の後援会の者、いろんな者から大臣に是非言っていただきたいのは、一度もう退いていただいて、そして新たなスタートを切っていただく方が大臣のためにもいいのになという、そういう感想を漏らしておりましたので、お伝えをしたいと思います。
 いろいろ申し上げました。まだまだ、じゃ子供の育つこと、あるいは親が育つこと、人間が育つこと、いろんなことを質問したいと思っておりましたし、現場では介護で限界を感じたお年寄りが自分の夫を殺したりとか自分で自殺をしたりとか、現場はそういう点ではまだまだたくさんの現場を抱えているのが今の現状でございます。病んでいる日本を変えていきたい、その変えていくのは、今いる私たちが責任を持って、一人一人が議員として人間として役割を果たすことが大切ではないかと思っております。
 非常に、大臣の発言に対して今日は質問させていただきました。今後とも、私たちは自分をいさめながら、自分の言葉に責任を持ってしっかりと国民のために働けられるような国会であってほしいと思いますし、私もそうありたいと思っております。
 今日はありがとうございました。これで終わります。
#319
○委員長(鶴保庸介君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後六時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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