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2007/03/15 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第4号
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2007/03/15 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第4号

#1
第166回国会 厚生労働委員会 第4号
平成十九年三月十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     芝  博一君     櫻井  充君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                阿部 正俊君
                中村 博彦君
                足立 信也君
                津田弥太郎君
                浮島とも子君
    委 員
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                武見 敬三君
                中原  爽君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                櫻井  充君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                柳澤 光美君
                山本  保君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
   副大臣
       厚生労働副大臣  石田 祝稔君
       厚生労働副大臣  武見 敬三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       佐渡島志郎君
       外務大臣官房審
       議官       田辺 靖雄君
       文部科学大臣官
       房審議官     村田 直樹君
       厚生労働大臣官
       房審議官     荒井 和夫君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       厚生労働省健康
       局長       外口  崇君
       厚生労働省医薬
       食品局長     高橋 直人君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省職業
       安定局長     高橋  満君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    中村 秀一君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    中村 吉夫君
       厚生労働省老健
       局長       阿曽沼慎司君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       厚生労働省年金
       局長       渡邉 芳樹君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
       国土交通省自動
       車交通局次長   桝野 龍二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (厚生労働行政の基本施策に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、芝博一君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(鶴保庸介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長松谷有希雄君外十六名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(鶴保庸介君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。
 先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。津田弥太郎君。
#6
○津田弥太郎君 委員派遣について御報告申し上げます。
 去る一月十八、十九日の二日間、鶴保委員長、阿部理事、中村理事、櫻井理事、浮島理事、南野委員、辻委員及び私、津田の八名により、和歌山県及び大阪府の社会保障及び労働問題等に関する実情を調査してまいりました。
 以下、その概要を御報告いたします。
 一日目は、まず和歌山県和歌山市におきまして、県の関係者より、和歌山県の医療提供体制、高齢者・障害者福祉施策等について概況説明を聴取いたしました。和歌山県では、人口当たり医師数では全国平均を上回っているものの、地域偏在が問題となっていると同時に、小児科、産科など特定の診療科での医師不足も深刻化しているとの説明がありました。また、障害者福祉施策については、県内八圏域のうち二圏域が就業・生活支援センターの空白圏域となっており、県単独予算により代替的な機関を設置する方向で検討中とのことであります。説明を聴取した後、医師臨床研修制度の在り方、医療計画の在り方、県の看護師の需給見通し等について意見交換を行いました。
 次に、精神障害者福祉工場である麦の郷ソーシャルファームピネルを訪問し、概況説明を聴取いたしました。当施設は、社会福祉法人一麦会が平成六年、全国初の精神障害者の福祉工場として開所したもので、障害者がクリーニング事業場等で働くことを通じて、社会参加と経済的自立を目指しているとのことであります。説明を聴取した後、個々人に応じたサービスを提供する仕組み、今後の所得保障の見通し、民間企業への就労移行状況、不登校児に対する取組等について意見交換を行うとともに、施設内を視察いたしました。
 次に、特別養護老人ホーム大日山荘を訪問し、概況説明を聴取いたしました。当施設では、入所者の平均要介護度の上昇に応じた職員の配置、近年の景気回復に伴う職員の他業種への流出が課題になっているとのことであります。また、平成十八年四月から、地域包括支援センターの受託運営を開始しているとのことですが、今後ケアプランの急増が見込まれるため、職員の増員を考えているとのことでした。説明を聴取した後、介護職員の離職防止策、介護福祉士法改正案による養成プロセスの見直し、在宅介護支援センターの在り方等について意見交換を行うとともに、施設内を視察いたしました。
 次に、知的障害者・身体障害者通所授産施設である、つわぶき授産工場を訪問し、概況説明を聴取いたしました。当施設は、和歌山市障害児者父母の会が母体となって設立した社会福祉法人つわぶき会が昭和五十九年に開設したものであり、身体障害者と知的障害者合同の施設としては全国で初めてのものであるとのことであります。説明を聴取した後、つわぶき会の各施設の運営状況、就労可能な障害程度等について意見交換を行うとともに、施設内を視察いたしました。
 次に、和歌山県立医科大学を訪問し、附属病院の救急医療用ヘリコプター、いわゆるドクターヘリを視察した後、概況説明を聴取いたしました。当大学においては、県内の病院における医師不足等の対応のため、六十名という全国の医学部で最も少ない入学定員を増員する必要があることが課題として挙げられました。説明を聴取した後、医師確保策、大学の果たすべき機能、ドクターヘリの運航状況等について質疑等を行いました。
 その後、和歌山市内の会場において、県知事を始めとする関係者の方々と県内の医療、福祉等について意見交換を行いました。
 二日目は、大阪市のいわゆるあいりん地区において、救護施設等を運営する大阪自彊館を訪問し、大阪市よりあいりん地区について、大阪自彊館より当施設について、それぞれ概況説明を聴取いたしました。我が国で最も多くの日雇労働者が居住するあいりん地区においては、福祉、医療等様々な施策が講じられているものの、労働者の高齢化や建設業における機械化の影響等により、生活保護に陥るケース等が増加しているとのことであります。また、大阪自彊館は、明治四十四年の創設以来、あいりん地区の改善のため、様々な事業を展開し先導的な役割を果たしてきたとのことであります。説明を聴取した後、日雇労働者の生活実態、ホームレス対策におけるあいりん地区の位置付け等について意見交換を行うとともに、大阪自彊館及びあいりん地区を視察いたしました。
 次に、大阪市役所におきまして、大阪市の生活保護行政等について概況説明を聴取いたしました。大阪市では、生活保護率が全国一高い状況にありますが、その原因として、失業率が高いこと、離婚率が高いこと、高齢者世帯の占める割合が高いこと等の事情が挙げられるとのことでした。説明を聴取した後、被保護者に応じた自立支援の重要性、医療扶助の適正化方策、リバースモーゲージを導入した場合の効果等について、大阪市長を始めとする関係者の方々と意見交換を行いました。
 次に、大阪労働局におきまして、大阪府の雇用情勢等について概況説明を聴取いたしました。大阪府の平成十八年七月から九月の完全失業率は六・〇と全国平均を大きく上回る一方、有効求人倍率は回復傾向にあるものの、新規求人の実態は正社員より非正社員の方が多いとのことであります。また、今年度は、労働者派遣事業及び請負関係事業の指導監督を重点的に実施し、昨年十月には違反事業所に対する行政処分を行ったとの説明がありました。説明を聴取した後、派遣、請負等の制度の厳正な運用、偽装請負厳罰化の必要性、介護職員の人材確保見通し、刑務所出所者等に対する就労支援、ハローワークの業務改善策等について意見交換を行いました。
 次に、住友電気工業大阪製作所を訪問し、概況説明を聴取いたしました。当製作所のうち、公衆回線網等で使用される光デバイスの製造工場では、製品の需要変動が大きいこと、熟練の技術を要しないことから、正社員とほぼ同数の派遣労働者を受け入れており、一方、専門的な技術を要する光通信ケーブルの工場は、ほとんど正社員により操業しているとのことであります。説明を聴取した後、これらの工場において就労の現場を視察いたしました。
 最後に、今回の委員派遣に当たりまして、和歌山県、大阪市及び訪問先の関係者の方々に特段の御配慮をいただきましたことを、この場をおかりして心から御礼を申し上げたいと思います。
 なお、和歌山県から、障害者自立支援法の円滑な施行及び地域医療を担う医師の確保について、和歌山県立医科大学から、入学定員の暫定的増員について、当委員会に対し、それぞれ要望がありましたので、これを本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願い申し上げます。
 以上で、委員派遣の報告を終わります。
#7
○委員長(鶴保庸介君) 以上で派遣委員の報告は終わりました。
 なお、ただいまの報告の中で要請のございました現地の要望等につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#9
○委員長(鶴保庸介君) 厚生労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○清水嘉与子君 おはようございます。連日、大臣、お疲れさまでございます。
 先日いただきました大臣の所信表明の中で、私は今日、介護の人材あるいは看護の人材について質問をさしていただきたいと存じます。
 この国会に介護福祉士法の改正が出てくるということで伺っております。参議院先議ということで間もなくこちらに回ってくると思いますけれども、それに先立ちまして、少し御質問をさしていただきたいと存じます。
 まず、介護の人材というのが一般的には非常に不足だというふうに一般に言われているわけですけれども、そういう中で、教育時間を増やすことでありますとか、あるいは新たに国家試験を付与するでありますとか、言ってみれば資質の向上をずっと図ってきたと、図る改正であるということが説明されておりますけれども、今この介護福祉士の制度を、そういうふうに資質を高めるということの趣旨でございますね、それをまずお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(柳澤伯夫君) 介護福祉士制度につきましては、昭和六十二年、制度が発足して以来、それぞれの現場で皆さんこの制度の運用に適切を期してきていただいたわけでございますが、最近におきまして、従来の身体介護にとどまらない認知症の介護などの新たな介護サービスへの対応など、近年、介護福祉ニーズの多様化、高度化への対応が求められるという状況が出てまいりました。
 近年のこのような介護を取り巻く環境の変化を踏まえまして、昨日、国会に提出いたしました介護福祉士法等の改正法案におきましては、今先生御指摘のように、介護福祉士の資質の確保、向上のための措置を講ずることといたしております。
 具体的に申しますと、介護福祉士の行う介護の定義を、従来の入浴、排せつ、食事その他の介護ということから、心身の状況に応じた介護に改めるなど、まず定義規定の見直しを行うことにいたしております。
 それから第二番目に、個人の尊厳の保持、認知症等の心身の状況に応じた介護、他のサービス関係者等との連携について新たに規定を設けるなど、介護福祉士が業務を行うに当たっての義務規定を見直しさせていただいております。
 それから第三に、資質の向上を図るため、すべての者は一定の教育プロセスを経た後に国家試験を受験するという形での資格取得方法の一元化を図らせていただくということを盛り込ませていただいております。
 このような内容のものになっておりますので、是非御審議をいただきまして、早期の成立をお願いしたいところでございます。
 このうち、養成施設を卒業して資格を取得するルートでございますけれども、教育内容を千六百五十時間から千八百時間まで充実してお願いするということにいたしておりまして、その上で知識、技能の習得を確認させていただくために新たに国家試験を受験していただくという仕組みにいたしておるところでございます。
#12
○清水嘉与子君 介護の世界、これはもちろん業務独占じゃございませんで名称独占になるわけでございますけれども、いろんな方々が働いているというふうに思います。そういう中で、この介護福祉士という資格を持っている方々が今介護職場の中で大体四割くらいになっているというふうに伺っております。
 将来的には介護現場で働く人の任用資格は介護福祉士を基本とすべきだというような提言も、平成十六年の社会保障審議会介護保険部会において行われているわけでございますけれども、その辺の、これからの介護福祉士あるいは介護人材のこれからの見通しというんでしょうか、少し局長からお伺いしたいと思います。
#13
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 ただいま委員の方からお話ございましたように、介護福祉士の現状につきましては、介護保険などの施設サービスに従事される方の約四割の方が資格を持っておられる、在宅サービスの従事者の方の二割が資格を持っておられるということで、これまで取得していただいた方の数は約五十四万八千人になっております。
 今委員から御紹介のありました社会保障審議会の提言の趣旨は、介護福祉士は我が国の介護を支える中核的な存在であるだけでなく、将来的には介護を支えるマンパワーは介護福祉士を前提とすべきというものであり、これまで以上に介護分野における介護福祉士の役割を重くとらえているものと理解いたしております。
 先ほど大臣から御説明いたしましたとおり、介護福祉士制度、実施されまして二十年近くが経過してきておりまして、様々な環境の変化もあるということ、それから今後も我が国の高齢化が進む、あるいは障害者福祉の充実が求められると、そういった中で介護福祉士の方々の資質の向上を図っていかなければならないということ、それからそういったことで社会的評価を上げ、資質が図ると、向上を図る中で、やはりそういった方々に対して適切な処遇をしていくという意味で、介護労働者の資質の向上と処遇の改善との好循環の仕組みをこれから構築していかなければならない、そういった意味で、今回の資格制度の見直しは処遇の改善を図り、またそういった意味で人材の確保を図るための前提の改正であるというふうに考えております。
#14
○清水嘉与子君 今言われたように、この資質の向上によりまして処遇の改善にもつながっていくというような御趣旨でございまして、私も大変これは賛成するところでございます。
 しかし、実際問題として、制度が変わるということに対しては戸惑いもあるんじゃないかというふうに思いますが、特に養成所、今まで養成所を卒業すればそのまま介護福祉士の資格がもらえたという方々が今度は国家試験になる、国家試験がなければ介護福祉士と言えない、言われないということについて、学生あるいはその関係者の意見、どんな意見がありますでしょうか。
#15
○政府参考人(中村秀一君) これも、先ほど大臣から御説明申し上げましたとおり、養成施設を卒業して資格を取得する方々について、二十一年四月からでございますが、教育内容を千六百五十時間から千八百時間まで充実を図っていただく、その上で知識、技能の習得の確認を図るため、新たに国家試験を受験する仕組みとしていただくということでございます。
 養成施設に関係されておられる方々につきましては、こういうことで、これからの、率直に申し上げまして、ハードルが高くなる面について御不安を感じておられる、正直申し上げて、おられる方も多いと思いますけれども、しかし介護福祉士の資質の向上を図り、またそれが処遇の改善にもつながるということを考えれば、そういったことについて養成施設の方でも対応をしていかなければならないんではないかという点では御理解をいただいているものと思います。
 ただ、こういうふうに制度が変わりますので、できるだけそういったことについてスムースにやってもらいたいということ、それから、従来、試験なしで千六百五十時間で国家資格をもらえていたということを考えると、これから教育内容も充実するわけでありますので、そういった卒業生の方々に対する配慮ということも何らかの形の配慮は望ましいということは御要望を受けてきたところでございます。
#16
○清水嘉与子君 介護福祉士が新しい資格制度を、質を高めるということでございまして、考えてみたら、これ看護師たちと同じ変化を、変化といいますか、チャレンジを行うわけでございまして、大変興味深く拝見しているわけですが、しかしその中でちょっと私も疑問に思うのは、せっかくこういうふうに高い志を持って資格制度をつくり、国家試験制度をみんなが受けるんだというふうにいたしましたにもかかわらず、准介護福祉士という、何か変な名前のものが置かれている。たしか今年の初めくらいまではそんなこと全然お話を聞いてなかったんですけれども、フィリピンのFTAの関係で、これを入れなければ協定が違反になるからというようなことで、というふうに私は説明を伺ったんですけれども、この准介護福祉士の制度を設ける理由をはっきりと教えていただきたいと存じます。
#17
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今回の介護福祉士の資格取得方法の見直しの中で、ただいま御説明申し上げましたとおり、養成施設の卒業者の方につきましては平成二十四年度から、二十一年度から教育内容を見直した上、二十四年度から新たに国家試験を受験していただく仕組みとすることといたしておりますが、今委員からお話しございましたとおり、当分の間、経過的措置といたしまして、養成施設の卒業者の方は国家試験を経なかった場合であっても准介護福祉士の名称を用いることができることとし、准介護福祉士の方につきましては介護福祉士と同様の、義務規定を変えるということは大臣から御説明申し上げましたけれども、その義務規定を適用するとともに、准介護福祉士は介護福祉士となるよう努めなければならないという規定も法律上明記いたしております。
 このような仕組みを設ける趣旨といたしましては、一つは先ほど御説明いたしました養成施設卒業者の方々が現在よりもより充実した内容での教育を受けておられるという、そういう千八百時間程度の教育課程を卒業した者であることを踏まえ、当分の間、准介護福祉士の名称の下で、様々な介護サービスの担い手の一員として実際の介護現場で働きながら介護福祉士を目指していただく仕組みを設けたところでございます。
 また、委員からお話のございましたフィリピンとの協定の関係でございますが、昨年九月にフィリピンとの間で締結され、我が国の国会において既に承認いただいている経済連携協定におきまして、養成施設の卒業者は国家試験を経ることなく介護福祉士の資格を取得することができるという現行制度を前提としてその受入れが盛り込まれているところでございます。
 今回の介護福祉士制度の改正を踏まえた受入れの在り方につきましては、フィリピンの方ではまだ現在、我が国で承認した経済連携協定がフィリピン側では承認、国会の手続済んでないと伺っておりますので、そういう状況の下で協議、調整を行うことは困難な状況でございますので、改正法案に盛り込まれている准介護福祉士の仕組みは、今回の制度改正と協定との整合性を確保する側面も併せ持っております。経済連携協定による受入れの取扱いにつきましては、今後フィリピン側と、直す場合については協議、調整を行っていく必要があると考えております。
#18
○清水嘉与子君 この准介護福祉士の資格というのは、そのフィリピンの関係という説明で、初めそういうふうに受け止めていたんですけれども、激変緩和のためにそういう日本の人たちにもそういう措置を与えるんだという御説明にすり替わっております。
 これは、せっかく国家試験の制度をつくりながら落ちた者にこういう救済措置をする。実際、現場でどういうふうになりますか、介護福祉士と准介護福祉士が一緒に働いたときに処遇でありますとか資格の位置付けでありますとか。どうなりますか。
#19
○政府参考人(中村秀一君) 今回の改正によりまして、社会福祉士及び介護福祉士法上、介護福祉士と准介護福祉士の取扱い、法律上の取扱いでございますが、誠実に業務を行わなければならない義務でございますとか秘密保持義務、信用失墜行為の禁止等につきましては、介護福祉士、准介護福祉士同様な義務が適用されることとなります。
 准介護福祉士と介護福祉士との差は、准介護福祉士は介護福祉士の技術的援助、助言を受けて介護等を行うと、こういうふうにされておりますほか、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、准介護福祉士は、介護福祉士となるために知識、技能の向上に努めなければならないという義務が課せられているという点で介護福祉士と異なっております。
 また、委員から御質問がありました法律事項以外の事項、例えば介護保険制度、障害者自立支援法等における報酬等の中での介護福祉士の取扱い、これは課題になっておりますし、それから審議会の意見書でも書かれておりますが、そういった資格を取った方については施設長等の任用要件についても見直すべきではないかと、そういう指摘いただいております。
 これにつきましては、今回の制度改正の見直しなどを踏まえて、報酬の点あるいは様々な職員の任用要件の見直しについては今後検討させていただきたいと考えております。
#20
○清水嘉与子君 当分の間というのは一体いつまでなんですか。私は、その協定がきちんと改正されれば、当然のことながらこれなくなっていくと思いましたけれども、どういうことを考えていらっしゃいますか。
#21
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 この准介護福祉士が生まれますのは、新たな国家試験制度が施行されますのが二十四年度でございますから、その後ということでございますが、当分の間は、法律で当分の間とされておるわけですが、暫定的な措置でございます。この新たな制度で国家試験が課されるわけですが、そういったことに対する養成施設やそこで学ぶ方々、学んでおられる方々のそういう新制度への対応の状況、それからフィリピンの協定がございまして、我が国にフィリピンの方が就労して介護等を行うために入国、一時的滞在、こういったことがございます。その協定について、フィリピン側と新制度に基づく協定の在り方について協議、調整の状況、そういったことを踏まえながら検討してまいりたいと思っております。
#22
○清水嘉与子君 外務省にお伺いいたします。
 この協定を結ぶときに、もう既にこの改正があるということはもう既に想定されていたんですよね。ですので、この部分については何か留保ができなかったのかなという疑問が大変ございます。しかし、そうはいっても、もうこういうふうに日本では承認してしまったわけですので仕方ないのかもしれませんが、しかし、外務省の何ですか、これ見ますと、介護福祉士として養成コースとそれから実務コースとがあるわけですね。養成コースの方も、養成コース出ると介護福祉士になると書いてあったわけですよね、協定の中では。しかし、これが准介護福祉士、これは何も問題ないんでしょうか。
 それと併せて、これからこの法律が通れば当然のことながらフィリピンと交渉が始まると思いますけれども、これ、いつごろ、どのくらいの期間で交渉がまとまるという、もし見通しがあったら教えていただきたいと存じます。
#23
○政府参考人(田辺靖雄君) お答え申し上げます。
 フィリピンとの経済連携協定の交渉中におきましては、この制度改正につきましては、その可能性があることにつきましては交渉の中でフィリピン側にも言及した経緯がございます。他方、この法制度の改正案が固まりましたのは本年に入ってからということでございますので、昨年の九月に署名をするまでの間におきましてはその詳細な内容が明らかではなかったため、この現行制度を前提として交渉を行ったところでございます。
 今回の法制度の改正案によりまして准介護福祉士という制度が導入されるということでございますけれども、これの日本・フィリピン経済連携協定における扱いでございますけれども、日本・フィリピン経済連携協定は両国の国際法上の権利義務を規定したものでございまして、この権利義務関係を変更しない限り、日本の国内の法制度上の資格の名称までが一言一句同じものであるという必要はないものというふうに考えております。
 こういう意味で、資格の名称よりも、当該資格に基づいて行い得る活動が協定上想定されているものを満たしているかどうかということが判断になるというふうに考えております。
 それで、今後でございますけれども、今後、この介護福祉士制度が変更になるということでございますが、これは日本とフィリピンとの経済連携協定との整合性につきまして慎重に検討いたしました上で、この経済連携協定の改正の必要があるかどうかにつきましては、フィリピン側とも調整をしながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#24
○清水嘉与子君 今の言い方でしたら、必要があれば協議を開始すると。私が伺っていたのは、もうフィリピンのこの協定を進めるために准介護福祉士を生むんだというこちらの御説明、随分擦れ違っているんですね。是非、介護福祉士として資格が取れるにもかかわらず、准介護福祉士でもいいんだと。それがよく分かりませんけれども、協定っていい加減なものなんですね。きちんと、例えば、入ってきて介護福祉士と准介護福祉士がどんな役割をするのか、あるいは処遇が違ってくるのか、これは分かりませんね。しかし、恐らくそれは現場ではいろんな問題が出てくると思います。介護福祉士になれると思って来たのに、准しかなれなかったと。現場でいろんな問題が出てくる可能性が私はあるんじゃないかなといろんな経験から思います。
 という意味では、私は、できるだけこの法律が改正、できましたら大急ぎですね、准介護福祉士をなくすような協定の結び直しを是非していただきたいと思うんですけれども、大臣、是非、同じ教育を受けながら国家試験を受かったか受からないかで差が付いて、そして何か局長の説明では、介護福祉士は准介護福祉士の助言を与えるんだと。こんなことをやっていたら本当に大きな問題になっちゃうと思います。
 そこで、できるだけ早く、この法律が成立し次第、できるだけその協定の改定作業を進めていただきたいというふうに思うんですけれども、大臣にまず御決意をお願いしたいと思います。
#25
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回の改正案では、介護福祉士の資質の向上を図るため、すべての者は一定の教育プロセスを経た後に国家試験を受けて合格していただくという形で介護福祉士の資格取得方法を一元化しているわけでございます。したがいまして、准介護福祉士の資格、仕組みというものはあくまでもこれは暫定的な措置と、こういうふうに考えておるわけでございます。
 この仕組みの在り方につきましては、各養成施設や、施設そのもの、またそこに属する学生の対応状況、それからまた今先生のおっしゃられた現場でのいろいろな現実の状況、フィリピン側との協議、調整の状況等を踏まえまして、今後、関係省庁と緊密に協議をしながら精力的に必要な協議、調整を行ってまいりまして、今委員の御懸念のような混乱というか、そういうようなものが極力回避されるように対応してまいりたいと、このように思います。
#26
○清水嘉与子君 是非よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 田辺審議官に、私はこの質問はこれだけなので、もし委員長がお許しいただければ退席していただいても結構なんですけれども。ありがとうございました。
#27
○委員長(鶴保庸介君) じゃ、御退席ください。
#28
○清水嘉与子君 ありがとうございます。
 次に、准看護師の問題に少しかかわりたいと思いますが、今介護福祉士の働いている職場というのは主に社会福祉施設が多いわけでございますけれども、ここにも看護師、准看護師が働いております。また、医療機関に働く介護福祉士も随分増えてきているわけですね。看護助手をしていた人たちから介護福祉士の試験を受けるようなチャンスも出てきておりますので、病院、医療機関の中にも介護福祉士が増えている。また、地域でも、介護士、准看護師そして介護福祉士が共同して働く場というのが当然のことながら増えておりますし、またこれからも増え続けていくと思います。
 行政の立場でいきますと、介護は福祉、そして看護は医療というふうにはっきり分かれていますけれども、現場では全然そうではない対応が進められているわけでございます。実際に医療の場で、無資格者の方々よりも介護福祉士と一緒に働いていいケアができるという看護師の方々はたくさんおられまして、そういうチームをこれから私は発展していけるんじゃないかと思って、歓迎するところでございます。
 ところが一方、その介護福祉士の資格がこれだけ高くなってくるということで、准看護師の業務だとか資格制度で大きな矛盾が出てくるというふうに思います。准看護師制度というのは中卒二年で知事試験を受ける、合格すれば医師、看護師の指示の下に看護師と同じ業務ができるということで、直接患者の生命にかかわるような仕事が一杯できるわけでございますけれども、そういう診療補助行為ができるわけでございますけれども、同じ厚生労働省の所管する職種で、しかも同じところで一緒に働く、そういう中で、本当に准看護師の方が基礎学歴あるいは試験の制度等について緩やかな資格になる。これをこのままにしておけるんだろうかという問題がございます。
 資格制度、それぞれ違うんだからいいじゃないかという意見もあるかも分かりませんけど、現に一緒に働く中で、しかも仕事も、先ほどおっしゃったように業務についてもかなり見直しが行われるわけでございまして、心身の状況に応じるような仕事ということが広がってくるわけでございまして、かなり共同して働くことが多くなってくると思うんですね。そのときに、やっぱり現場ではいろんな問題が起きてくるんじゃないかというふうに思っております。
 厚生労働省が准看護師の問題についてはもうトラウマにかかっていてなかなか改善できないというのはよく分かりますけれども、現実問題として、もうそろそろこの整理をするべきでないかなという気がするんですが、局長、いかがですか。
#29
○政府参考人(松谷有希雄君) 准看護師でございますけれども、准看護師につきましては現在約四十万人を超える方々が就業をされているところでございまして、これらの方々の資質の向上というのは委員御指摘のとおり大変重要であるというふうに考えております。
 このため、これらの方々の看護師への養成を進めているところでございまして、従来から二年制の看護師学校・養成所で修学すれば看護師国家試験の受験資格を得ることができることとしておりますが、このほか平成十六年四月からは二年制課程の通信制の看護師養成コースも創設したところでございます。
 現時点の対応といたしましては、まずこうした准看護師を看護師に養成をしていくということなどの施策を進めまして、委員御指摘の問題に対応していきたいと考えております。
#30
○清水嘉与子君 実際問題として、これから看護師の問題やりますけれども、看護師も卒業してからもう未熟な人たちが一杯出てきて業務ができないというようなことを言っているわけでして、准看においてはもうもっと大変な問題が出てきているわけですので、なかなか病院にはもう何となく採用できないというような状況にもなっているわけでございます。
 そしてまた、教育につきましても、かつては三万四千人もあった一学年定員が今一万三千人くらいですね。それでも結構ありますよね。そして、中卒なんてもういなくなりましたから、一〇%程度の中卒になりました。ということで、じゃ卒業したら、じゃ准看にみんななるかというと、その多く、三分の一はそのまま看護学校に進学してしまう。今おっしゃった進学コースに入ってしまう。つまり、その経過期間でしかないというような人たちがたくさん出てきている。つまり、准看護師になりたいというよりも看護師になりたいという人たちがたくさんいる。そして、しかも進学コースができ、そして通信課程ができたということで、みんな勉強好きなんですね。勉強してとにかく看護師になりたいという人がたくさんおります。
 そしてまた、現実問題、多くの病院の中はほとんどもう随分多く看護師になりましたけれども、診療所にはまだたくさんの准看護師がおります。ところが、診療所もこれから地域の、地域医療を担う大きな責任があるわけでございまして、こういうところにこそ本当はしっかりした看護師がいて、そして病院との連携、そして在宅との連携というようなことで大きな役割を取らなきゃいけない。そういう意味では、やっぱりそこにも看護師が行けるような政策をしなければ、医師会の先生方だけにお願いしているようなことでは、これは進まないんじゃないかと思うんですね。だから、そういう意味では、是非そういう医師会に、じゃなくて診療所にいる方々も是非看護師になるような手だて、そしてまた診療所にも看護師が行けるような手だてを是非進めていただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。
#31
○政府参考人(松谷有希雄君) 先生御指摘のとおり、准看護師の資質の向上ということは、病院はもとより、診療所においても大変大事なことだと思っております。先ほど申し上げましたような、看護師への養成ということを積極的に進めているところではございますけれども、これは病院、診療所にかかわりなく、特に診療所に勤務されている准看護師さんについてもこれを奨励をしていくということを考えております。
#32
○清水嘉与子君 次に、看護師の問題について御質問したいと思います。
 昨年の診療報酬改定で七対一看護ができたと。その影響で、大病院の看護師募集が始まって、そして中小の病院、地方の病院が非常に看護師不足になったということが大きな問題になりました。本当に必要な病院が七対一を取っているのかどうかということも問題になって、異例の中医協での建議というふうになりました。
 厚生労働省としては、この問題についていろいろ対処をしていらっしゃると思いますけれども、看護の配置基準を満たしたからといってその届出を認めるんじゃなくて、手厚い看護が必要かどうかを見ることによって、その基準をつくって対応するというようなことが中医協の中で言われているわけでございますけれども、その基準というのはどんなふうに今作業進んでいるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
#33
○政府参考人(水田邦雄君) ただいまお話のありました七対一入院基本料でございますけれども、これは急性期入院医療の実態に即した看護配置を適切に評価するという目的で平成十八年度に導入されたものでございますけれども、御指摘ありましたとおり、この趣旨に必ずしも合致しているか疑問なしとしない病院においても届出が行われていると、こういった御指摘等があったわけでございまして、平成二十年度の診療報酬改定に向けた建議を中医協からいただいたところでございます。
 この建議への対応についてでございますけれども、平成十八年十月一日時点で、この七対一入院基本料届出を行っております五百六十四の病院に調査協力を依頼いたしまして、このうち協力が得られた施設につきまして、吸引等の呼吸ケア、点滴の管理、寝返りの介助等が必要かどうか、こういった個々の入院患者の看護の必要度、それから看護職員の配置などの実態について調査に着手をしたところでございます。
 厚生労働省といたしましては、今後、この結果等を踏まえまして、手厚い看護が必要な入院患者が多い病院等に限定してこの七対一入院基本料が算定されるよう基準を設定する等、適切に対処したいと考えております。
#34
○清水嘉与子君 是非きちんとしていただきたいというふうに思うのですけれども、ただ、今の看護の必要度、これから明らかになってくるんだろうと思いますけれども、看護協会が、七対一看護ができてからどんなふうに現場が変わったかというのを調査したものがございます。改正してからまだ時間がたたないうちの調査でございますが、個々の調査でございますけれども、例えば、現場の看護師の表情が穏やかになったとか、朝の業務に余裕ができてトラブルが減っている、患者さんのそばにいる時間が増えた、丁寧なケアができるようになった、学生とか新人の教育にもゆとりを持てるようになったというふうな、ケアの質の改善。あるいは、夜勤体制の充実や、夜間の救急入院、二十四時間救急患者の受入れが可能になった、あるいは、ゆとりができたことで在院期間が逆に短縮できた、病床稼働率を上昇することができたというような、あるいは、七対一看護実施のために病床再編あるいは病床削減などの病床の整理もできたといったような、病院の機能分化の促進もできるようになった。あるいは、夜間に多い転倒、転落事故にも目が行き届くようになって、そういう事故が未然に防げるようになったといった医療安全の改善、あるいは新人看護師を含めた、少し収入が増えるわけですから、教育研修費が予算化できていろいろ良くなったというようなことも出ております。
 つまり、こういった働く環境の整備、そしてそれで看護師が辞めなくなる、これが非常に大事なことだというふうに私は思うんですね。是非、そういうことも含めて、実態を併せながら適正配置にしていただきたいというふうに思っております。
 本来は、こうした看護の必要度に応じて看護の余裕を評価しながら配置するというのが本当の形だと思うんですけれども、残念ながら今までは、いかに看護師を置いてもうけるかという立場からの作業しか行われてこなかったことを大変残念に思います。今度は必要度を少し考えるということでございますので、考えるときにこういった面も、是非患者さんの立場から見た面も考えていただきたいということをお願いをしておきたいと存じます。
 さらに、もう三月が終わり、四月からは新しい人が現場に入ってくるわけでございます。今、団体の方では、今の教育では、とにかく卒業してきてもできる、自信を持ってできることがすごく少ない、そして現場の患者さんたちにも御迷惑掛けているわけですし、もうとてもとても、いつヒヤリ・ハットを起こす、事件を起こすのかということで、一人ではもういられない、どんどん辞めてしまうというのが実態で、もうこれは大変問題になっているわけでございます。恐らく、この検討を厚生労働省でも進めてくだすっているわけでございまして、今までの幾つかの国会答弁の中でも、教育時間のことも、もうずっと見てくだすっているというふうに伺っております。
 そこで、今度、看護協会が看護学校を対象にその教育の実態を調べております。三百六十六看護学校の調査でございますけれども、指定規則の規定をする以上の時間で教育しているというのが、学校では七割くらいは教育時間を超えて教育している。特に、専門分野については多く教えている。ところが、肝心の実習については、もう規則以上に教えているのはたった五%しかない。もう、非常に実習が厳しくなっているということなんですね。
 本来は、看護の実践者でございますから、この教育基礎看護技術がきちんとしていなければいけないにもかかわらず、それが中途半端になって送り出されてきて、現場で非常に戸惑って辞めてしまうというのが、悪循環が続いているわけでございまして、これを何とかしていただかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っているわけでございます。
 指定規則、今までにも何度も改正されてまいりましたけれども、普通は教員が多くなったりいろんなもので充実していくんですが、実習の場所だけはどんどん条件が緩和されて、どこでもいいように実はなっちゃっているわけでして、もう実際に、学校が実習病院を選ぶのが大変な苦労になっているわけでございます。
 そこで、そういう面で、この実習病院を何とかする、するといいましょうかね、確保していくことについて知恵を出していただきたいというふうに思っているわけでございます。
 実習指導者が不足しているのが七〇%、実習の日程が調整できない六〇%、実習に適した例が少ない、つまり実習時間が限られているから実習に行けない、あるいは実習施設が確保できない、実習の場で指導を受けられない、あるいは、このごろは患者さんの家族の同意が得られないというようなことまでありまして、本当にいい実習ができない現場が増えております。
 医師の研修ですと、研修病院になりましたということが非常に誇らかに、みんな堂々とどこでも看板出ていて、研修病院になっています。ところが、看護学校の場合には、看護学校の実習病院になっていますなんてことはちっとも誇りにも何もならない、邪魔くさいというふうな状況が、今、どうしてこうなるんでしょうか。やっぱりそこにもうちょっと、実習病院になることというのはやっぱりある一定の条件をそろえなければできないわけですから、こういうところに、実習病院になることをもうメリットと感ずるような政策をしていかなきゃならないんじゃないかというふうに思うんですね。
 これから在宅医療も進みます。そういうときに、そういう人たちの指導もできるような、そういう役割も私は大きいと思うんですけれども、実習病院をもっと強化する、それを国としてもきちんと、各病院それぞれが苦労するんじゃなくて、きちんとした位置付けをする、いろんな処遇の改善あるいは実習指導者の手当、いろんなことがあると思いますけど、そこについてお伺いしたいと思います。
#35
○政府参考人(松谷有希雄君) 委員御指摘のとおり、現場で必要とされる看護技術などの実践能力を強化するためには、看護の基礎教育におけます臨地実習の充実ということは欠かすことができません。
 そこで、昨年三月から看護基礎教育の充実に関する検討会を開催をいたしまして、看護実践能力の強化等を図るためのカリキュラム改正について検討を重ねているところでございます。特に、臨地実習における指導体制の充実ということが重要でございますので、実習施設や学校、養成所における実習を担当する看護師等の実習指導者の配置の在り方等についても御議論をいただいているところでございます。
 また、厚生労働省におきましては、効果的な実習指導ができるように、実習指導に当たる方々の養成を図るために都道府県に対しまして実習指導者講習会開催の補助をしているところでございます。実習を引き受けていただく病院等におきましては、実習を経験した看護師養成所三年課程の新卒学生がそこを就職先として選ぶという、そういう傾向があるということを承知してございますけれども、御指摘のように、病院等が何らかのメリットを感じて実習に積極的に取り組む方策につきましても併せて検討していきたいと思っております。
#36
○清水嘉与子君 是非そこに力を入れていただかないと、幾ら教育年限が長くなっても、今のままだったらやっぱり実力のない不安な自信のない学生ばっかりが出てきてしまうというふうに思いますので、是非そこをよろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。
 次に、厚生省所管の看護学校の問題を少しお伺いしたいと思います。
 厚生労働省所管の看護学校というのは、もう今独立行政法人になった学校、そしてまたナショナルセンターの関係の学校というふうにあると思いますが、このナショナルセンターの方も将来は独立行政法人、近い将来独立行政法人になるということでございます。今、平成十九年、看護系大学がもう百五十七校になりました。そして、修士課程が九十九課程、博士課程が三十九課程というふうに着実に看護教育の大学教育化が進んでおります。
 こういう中で、戦後新しい看護の教育制度が始まったときに、国立の病院が一番先にまず看護婦養成を始めたわけですね。そして、ずっと看護教育をリードしてきました。ところが、こういう大学移行についてはどうしても遅れちゃうわけですね、厚生省ではもちろん持てないわけですから。しかし、かといって厚生省が持っているたくさんの看護学校を大学になかなかできないということもあって、平成十三年、みんなの期待を集めて四年制の国立看護大学校という教育がスタートをいたしまして、今これが非常にナショナルセンター等々、みんなが努力をして非常に万全の実習体制、それこそ理想的な指導体制をつくることによりまして優秀な学生が出てきております。非常に現場からも評判のいい学生がおります。
 こういう中で、ナショセンの、ナショナルセンターの独法化が進むわけでございますけれども、一体これから、独立行政法人化された国立病院機構の看護も含めまして、どういうふうにして厚生労働省の所管の看護学校が発展していくんだろうかということがどうしてもあんまり絵に描けないんですね。国立病院機構の中の看護教育は二十年までにこういうふうにするんだという絵がちょうだいいたしました。しかし、何か伺ってみると、独法になったおかげで、おかげでというんでしょうか、看護教育については運営交付金が全く対象になっていないそうで、病院の上がりで養成しなきゃいけないと。こういう中で、とても大学校に移行するなんてこともなかなかできないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、局長の方から是非、厚生労働省所管の看護学校の今後の展望についてお伺いしたいと思います。
#37
○政府参考人(松谷有希雄君) 国立病院機構の看護師養成所でございますけれども、校舎や実習病院等の状況等から、教育環境が充実している学校に集約、大型化をすることで教員数の増など教育環境を充実させて、より質の高い養成を行うことといたしたところでございまして、平成十五年度に再編成計画を策定をしたところでございます。
 この計画に従いまして、平成十五年度七十三校ございましたけれども、平成二十年度には四十七校とするように現在再編成を行っているところでございます。これによって生み出されました教員は、存続する養成所に再配置をいたしまして、平成二十年度には看護師等養成指定規則に対応した教員数となりまして、養成所の充実が図られることとなっているわけでございます。
 これら養成所の在り方につきましては、再編成計画が終了する平成二十年度以降につきましても、診療部門との密接な連携の中で教育を行うことができるという附属養成所の特徴を十分に生かしながら、質の高い看護教育を行っていくことができるよう引き続き検討していきたいと思っております。
 なお、今後の今申し上げました国立病院機構の看護師養成所における看護教育の在り方につきましては、その検討の中で国立看護大学校の状況も踏まえながら検討していくことが必要であると考えております。
#38
○清水嘉与子君 是非よろしくお願いをしたいと存じます。
 その国立の看護大学校の問題なんですけれども、これは文部科学省にお伺いすることになると思います。
 平成三年に学位授与機構が創設されるときに、大学審議会の答申の中で、大学、大学院と同等水準の教育施設で教育を受けた者に学位、修士、博士の学位を授与することにしようと、ただし学位授与権を認めることは適当でないということで学位授与機構が創設されたというふうに伺っております。その学位授与機関から大学教育と同等の教育を行う施設として国立看護大学校が平成十三年に認可され、そして教育をスタートしたわけでございます。私は本当に、厚生労働省の中でこの大学化を進めるのに当たって、こういう道しかないと思って一生懸命努力して設立に協力したわけでございますけれども、しかし今、修士コースもできているわけでございますが、いろいろと大学とは違う取扱いを受けているということでございます。
 例えばどんなことかといいますと、大学には大学の入試センターの試験というのがあって、希望する大学はそこに参加することができると。しかし、これは国立看護大学校は参加できない、許可されないということなんですけれども、実際に入試センターの十九年度のセンター試験を利用する大学を見ますと、六百八校ありましたけれども、この中で看護系大学が百四校もう既に名を連ねているわけですね。そういう中でも看護大学校は入れないと。そしてまた、教員の研究費に科研費も支給対象にならない、そして学生は育英会の奨学資金も対象にならないというようなことで、いろんな意味で私からすると差別的扱いじゃないかなというふうに思うんですけれども、そんなふうに思っているわけでございます。
 大学校で大学に相当する教育と、そしてまた機構が認めた教育を修了した学生で、機構が行う審査に合格した者に対しては学位が与えられるというふうになっているわけでございまして、大学校自身で学位はもちろん与えられないというふうになっているわけですね。そしてまた、今年は修士課程の卒業生も出てくるわけでございますけれども、学位授与機構のやり方を見ていると、課程修了後一か月以内に学位授与申請を出して学位審査会に審査を委託する、そして六か月以内に三人以上の専門委員で論文審査と口述試験、そして学位審査会の結果報告に基づき機構長が修士の学位記を授与するということで、結局、学位記授与されるのがもう九月の中旬になっちゃうというんですね。しかも、学生に負担を掛けるという意味では、審査の手数料に学士は二万二千円、修士は二万七千円、博士は六万円という高額のものを払わなければ認定してくれない。この専門委員の人がチェックするわけですけれども、専門委員といっても別にこの機構にいる人ではありませんで、専門家を募ってやるということでございます。
 何かすごい矛盾した、屋上屋を重ねたようなことをするのかなという気もしているわけでございますけれども、少なくとも大学校を大学並みの扱いにしていただけないだろうか、そしてまた審査をもっと、というのは、修士になってから今度博士に行きたいとか、あるいは就職するにしてもいろんな面で不利じゃないかと思うんですね。そういう意味で、そういうことの問題を、私も今度初めてそういうことを聞きまして、その成立、つくるときに大変努力した者の一人として心配しているわけでございますが、文部科学省の御見解を伺いたいと思います。
#39
○政府参考人(村田直樹君) お答え申し上げます。
 委員の御指摘につきましては、基本的に国立看護大学校といわゆる学校教育法に基づく大学の法制度上の位置付けの異なりという点にあろうかと存じます。
 具体的には、国立看護大学校は学校教育法上の学校ではなく、国立高度専門医療センターの職員の養成及び研修を目的として設置されている大学校という位置付けでございます。他方、一般の大学は学校教育法の第五十二条の大学の目的に基づいて設置された大学と、学校という位置付けになっているところでございます。
 こうした観点から、ただいま御指摘のございました大学入試センターの試験利用、それから日本学生支援機構が実施をしております奨学金の貸与といったことにつきましては、今それぞれのセンター、それから学生支援機構は独立行政法人ということになっておりまして、それぞれの法人を設立する法律に基づいてその事業内容が限定をされておるということでございます。
 例えば、日本学生支援機構の奨学金事業につきましては、独立行政法人日本学生支援機構法第三条によりまして、学校教育法上の大学、高等専門学校の学生及び専門学校の生徒を奨学金の貸与対象としているわけでございまして、この大学校の学生というものは対象にならないという仕組みになっておるわけでございます。
 また、センター試験につきましても、センター試験の性格は大学に入学を志願する者の高等学校の段階における基礎的な学習の達成度の程度を判定することを主たる目的といたしまして、センター法におきましては、大学と大学入試センターが共同して実施する試験という位置付けになっているわけでございます。
 独立行政法人の組織、業務全般につきましては、極力整理縮小する方向で見直すということが政府全体の方針であることを考えますと、なかなか委員の御要望の方向に持っていくことは難しいという状況にあることを御理解をいただきたいと存じます。
 また、この学位授与機構におけます学位の授与でございます。
 先ほど委員御指摘のとおり、大学評価・学位授与機構というところにおきましては、大学以外の高等教育段階におけます多様な学習の成果を適切に評価し、大学の修了者と同様の水準にあると認められる者に対して学位の授与を行っているところでございます。
 各省庁大学校の卒業者に対する修士の学位授与につきましては、省庁大学校の課程で大学院の修士課程に相当する教育を行うと機構が認定したものを修了し、かつ機構の行う論文審査及び試験に合格した者に対して行うということでございまして、論文の審査におきましては、大学における高い識見、学識を持った人に審査をしてもらうというルールになってございます。これは特に、学士までの学位につきましては四年制でございますと百二十四単位の修得をもって大学修了ということになるわけでございますけれども、修士や博士につきましては、例えば三十単位の修得に加えまして、修士課程修了の要件といたしまして修士論文の審査及び試験に合格するといった規則になっているところでございまして、先ほど委員御指摘のようなスケジュールで認定が行われているということでございます。
 しかし、委員の御指摘のとおり、学生の立場から、我々といたしまして可能な限り迅速に審査を行うことが必要と考えておりまして、大学評価・学位授与機構に対しまして、各省庁大学校修了者のニーズ等も踏まえつつ、審査期間の短縮が可能となるような審査の仕組みの構築について検討するように促してまいりたいと存じます。
#40
○清水嘉与子君 文部科学省というのは随分昔に比べたら柔軟な考え方を持つようになったなと思っていたんですけれども、今のお話を伺うとやっぱり違った、変わらないんだということがよく分かりました。
 大臣、今お聞きになってお分かりだと思いますけれども、もう規制改革をずっとリードしておられた大臣から見て本当におかしなこと、つまり大学と同じような教育をしているものについて文部省の設置している機構できちんと評価をして、そして条件も本当に同じようにそろえているわけですね。厚生労働省としてはこういう形でしか今学校教育、大学教育ができないということでつくったものがこんなに差別的な扱いを受けているということに対して、私はちょっと、何でなんだろうかなということをとても疑問に思うんです。
 そこで、是非、もう今そういう御答弁しかできないんだろうと思います、この場ではね。ですけれども、現実問題として学生に負担を掛けるのは本当におかしいと思いますし、この学生たちは別に国立のでしか働けないわけじゃありません。日本じゅうでリーダーとして働く人たちでございます。そういう意味で、是非学生にそんな変な負担が掛からないように、厚生労働省としてもこの差別的な取扱いを解消するための努力を是非していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。一言。
#41
○政府参考人(松谷有希雄君) 国立看護大学校につきましては、その設立の経緯から、厚生労働省の特に国立高度専門医療センターの職員を養成するという課程として設立をしたという経緯からこのようになっているというふうに承知しておりますけれども、今議員御指摘のとおり、その内容につきましては学校教育法に基づく大学と同程度又はそれ以上の内容を担保してやっているつもりでございますので、それにふさわしい処遇が与えられるよう今後とも努力していきたいと思います。
#42
○清水嘉与子君 現実問題として看護の大学教育化がどんどん進んできております。そしてまた、ここはちょっと文部科学省も柔軟なんですけれども、専門学校の卒業生にも編入する道ができまして、看護師さんたちは勉強するのが好きなんですね、非常にたくさんの方々が大学教育を受けるようになっております。そういう中で、また更にその上に、看護のスペシャリストとして専門看護師あるいは認定看護師という制度、これは団体がやっているわけでございますけれども、そういう人たちが活躍しております。昨年の診療報酬の改定の中でも、例えば褥瘡看護にかかわる人たち、褥瘡看護にかかわる看護師の活躍がきちんと評価されるような仕組みもできておりまして、大変うれしいことだというふうに思っております。
 こういうふうな教育を、高い専門的教育を受けるようになって技術を身に付けた看護師が活躍する場をやっぱりもっと私はこの医療改革の中で活用をするべきでないかというふうに思っております。
 医師も、より専門的な仕事をするために、このそういう人たちがもっと働いてくれれば、もっと働きやすくなるはずでございます。医師の不足が今大変な大きな問題になっておりますけれども、医師も、きちんとプライマリーケアのできる医師を本当にたくさんつくってくれなければ、専門家ばっかりつくったのであってはいつまでたっても不足、なくなりません。そういう意味で、是非そのこともよろしくお願いをしたいと思いますけれども、そういう力のある看護師をうまく活用することによってこれをある程度補うことができるというふうに私は思っております。
 アメリカでもイギリスでも、ナースプラクティショナーが今まで医師が領域と思われていた部分も一部負担しながら成果を上げておりますし、フランスでも在宅医療入院制度というお話もこの前伺いました。患者宅を病床とみなして病院のチームがそこに行って医療を行うというようなことが行われているそうでございます。あるいは、二十四時間対応の開業看護師というのがもうできていて、かかりつけ医と連絡をうまく取りながらどんどん仕事をしているというようなことで、在宅を支援しているわけでございます。
 これからの高齢者を地域でみとるためには、どうしてもこの在宅医療をする医師を増やし、そして看護師をもっと活躍させることが必要ではないかというふうに私は思っております。特に、職域の争いじゃなくて、患者の安心、安全の面から、そしてまた、ある程度費用のことも考えられると思います。医療費の適正化のことも考えられると思いますので、そういった意味でその看護師の活用をもっとしっかりと図って、もう辞めないでいい仕事をしてもらえるような対策を進めていただきたいというふうに思いますが、最後に大臣、よろしくお願いいたします。
#43
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今私ども、看護師さんの不足にも悩んでいるというか、そういう問題を抱えておりまして、これについては、とにかく看護師の学校を卒業しながら看護師の職場に出てこられて間もなく離職をしてしまうというような、大変惜しまれるような方々もたくさん出ているという話を聞きまして、何とかこういう方をいろんな手だてを講じて、せっかく研修、この教育も受けていただいたんですから、長くその力を発揮していただく、そういうことを是非お願いしたいと、こういうように考えているわけでございます。
 今委員の御指摘は、これからの医療のニーズの形が変わってくる。例えば、在宅で看護サービスを必要とする者が高齢化とともに増えるであろうと。それからまた、その中には当然ターミナルケアというものを受ける方もおりまして、それに対するケアの充実の必要性というものを、そういうような環境の変化も同時に出てくるという御指摘をいただきました。
 こういうことを考えますと、看護職員に求められる資質はますます高度なものになって、また看護職員がその能力を発揮していただく機会も一層広がっていくものだと、こういうように認識をいたしております。こうした看護をめぐる環境の変化に対応していろいろな動きがあるわけですが、今委員の御指摘のように、職能団体で進めている認定看護師等の取組もありまして、これに対しては厚生労働省としても支援を行っているところでございます。
 一方、現時点におきまして、今委員が問題提起をしていただきました法に規定する看護職員の業務の範囲を見直したらどうだろうかと、こういう問題提起でございますが、この点については今直ちにこれを見直すことはなかなか難しいということでございます。ただ、私といたしましても、このような機会をとらえて、自己研さんを励みつつ国民の医療を現場で支えていただいておる、そういう重責を担う看護職員の方々に大いに期待をいたしているところでございますので、その尽力に十分おこたえしていくということを念頭に置きながら今後とも医療行政を進めてまいりたいと、このように考えております。
#44
○清水嘉与子君 終わります。
#45
○坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子でございます。
 柳澤厚生労働大臣は先日の本委員会における所信表明の中で、地域医療における医師不足の問題について具体的で実効性ある各般の医師確保対策を進めていくという決意を示されております。具体的にはどのようなお取組を進めていただけるのか、教えていただきたいと思います。
#46
○国務大臣(柳澤伯夫君) この問題に対する私どものいつもの答弁は、お医者さんの数は総数として毎年三千五百から四千名増えておりますと。しかし、地域的に、あるいは診療科目的に偏在が起こっているというようなことで、そこここで医師不足というような本当に切実な声が上がっているという状況で、この点は承知しておりますと、こういう現状認識を述べているわけでございます。
 そういう中で、私どもとしても、地域医療支援中央会議というものを中央に置きますと。で、それと対応した形で各都道府県に都道府県の医療対策協議会というのがありますと。基本的にこの都道府県にある地域医療対策協議会で具体の問題をいろいろ解決の方途を見付けていただくということが必要なんですが、そのときの指針を中央会議が示すと、こういう体制で進んでいくということを申しておったのでございますけれども、今回、私どもとしては、そういう単に指針を示すということではなくて、役所の中に、ブロックごとですけれども、これは人数の制限もありますのでブロックごとですけれども、一つの担当のチームを編成しまして、そして中央の会議の指針と、それからそれぞれの県が持っている地域医療対策協議会との間をしっかりつなぐ役、つまり、場合によっては、必要によっては地域医療対策協議会の中に言わば参画していくような形で、具体的にその地域の状況に応じて偏在の問題を正すような方策を講じていかなきゃいけない、こういうように考えているということ。
 具体的には、拠点病院とネットワークを診療所とかその他の病院との間できっちり構築をしていただくということがさしずめの当面の対策ということですが、それも通り一遍にただ号令だけ下していたんではなかなかそれのネットワークの組成というものもうまく進まないかという懸念もございましたので、もう本当にその地域地域の実情に応じて、御相談にも乗ったりして、また役所として持てる政策的な手段も動員してそういったことの実現を本当に図っていきたいと、こういうことを考えているということです。
 短期的にはそういうことでやって、中長期的にはまたいろいろと、今も十県で、医師不足の十県で十人の定員増というようなことですけれども、そういうことを十年続けるというようなことを言っているんですけれども、これはまた正にお医者さん一人つくるには十年近くの日数が掛かるということもありますので、これらは中長期的な対応として考えていると、こういうことでございます。
#47
○坂本由紀子君 大臣がおっしゃいましたように、各地域様々な事情を抱えております。私の地元の静岡県でも国の方から診療機能の集約化、重点化を言われておりますけれど、先日、県としては、小児科、産科については困難だというような方針を示したというようなことがございまして、国が号令を掛けるだけでは地域のそれぞれの事情は解決されないわけであります。また、地域によって、静岡県という狭い地域の中だけ考えましても、例えば集約化をするについて市町村の合意形成が困難だという地域もあれば、元々医者がいないのでとても集約化してもそこに医師を集めるというようなことすら無理だという地域があるわけですから、全国の中は本当に様々な事情があると思います。ですから、国が方針を示して、それに基づいて本当に地元がしっかりと地域医療を支える仕組みをつくれるかどうかというところまできめ細かく支援をしていただくということが本当に大事なことだと思いますので、是非頑張って、よろしくお願いしたいと思います。
 それで、この所信表明の中には言及されておりませんでしたが、医師不足の原因の一つになっていて、そして個々の努力だけでは克服できない課題というのが幾つかあると思います。そのうちの三つについて是非早急にお取り組みをいただきたいと思って、お考えを伺いたいと思います。
 一つは、産科医療、分娩に係る医療事故に遭った患者に対する救済制度、いわゆる無過失補償制度についてであります。この点ではもう既に動きが出ておるわけでございますが、具体的なこの制度の導入に向けての時期等も含めて現在の動きを教えていただきたいと思います。
#48
○政府参考人(松谷有希雄君) お尋ねの産科の医療補償制度につきましては、昨年十一月に与党の検討会で、分娩によって脳性麻痺となった場合を対象とする制度の枠組みが取りまとめられたところでございます。
 私どもとしましては、これを受けまして、具体化に向けて今進めているところでございまして、詳細な制度設計につきましては、財団法人日本医療機能評価機構に準備委員会が設置をされたところでございまして、その第一回の会合は先般二月二十三日に開催されたところでございます。本省といたしましても、本制度が可能な限り速やかに実施されるよう協力していきたいと考えているところでございます。
#49
○坂本由紀子君 一刻も早く制度が実施に移されるよう努力をしていただきたいと思います。
 二点目といたしましては、医療事故に係る死因究明制度についてであります。
 現在、医療事故が発生した場合に、裁判によって解決が図られる、あるいは医師法二十一条の関係で、場合によって医師が逮捕されたりするような事案があって、こういうことが続いていますと医療従事者が萎縮をしてしまう、高度な医療に挑戦しようという医者がいなくなってしまう、あるいはこの医療事故に遭った患者、あるいはその御遺族の方からすると、大変なこの原因究明についての負担を負っているという課題があるわけでございます。
 この点について、今般、厚生労働省の考え方がようやく示されたわけでございますが、この考え方のおおよそと今後のスケジュール等についてお述べいただきたいと思います。
#50
○政府参考人(松谷有希雄君) 医療事故に係る死因究明制度等の在り方につきましては、今委員御指摘のとおり、大変重要な課題でございまして、昨年来、関係省庁、法務省、警察庁とも打合せを重ねまして、三月九日、先般でございますが、厚生労働省として「診療行為に関連した死亡の死因究明等のあり方に関する課題と検討の方向性」と題する試案を公表いたしまして、広く国民の御意見を求めるためにパブリックコメントに付したところでございます。
 その概要でございますが、背景につきましては今委員御指摘のとおりでございまして、安全、安心であるべき医療とございますが、一方、診療行為というのは一定の危険性が伴うわけでございまして、医療事故が発生したときに死因の調査、臨床経過の評価、分析、再発防止等の検討を行う専門的な機関というものが必要だということでございます。現在はこういうものがないために、結果として民事手続あるいは刑事手続に期待されるようになっているという状況がございますので、患者さんにとって安全、安心な医療の確保、あるいは不幸な事例の再発防止等に資するために、この考え方、「課題と検討の方向性」をまとめたところでございます。
 課題といたしまして、一つは診療に関連する死亡の死因究明を行う組織をどのようにするか、これには中立性、効率性、あるいは専門性、あるいは調査権限、秘密の保持等が求められますので、それらについての組織をどのようにするか。あるいは、委員御指摘にございました診療関連死の届出制度の在り方につきまして、その届出先をどのようにするか、その対象をまたどの範囲にするか、また医師法の二十一条による異状死の届出制との関係をどのように整理するかといったような課題。また、調査の在り方につきましても、現在モデル事業をしてございますが、これを踏まえて検討をいたさねばなりませんが、死亡に至らない事例あるいは遺族からの申出の場合のその調査開始の可否、その場合の遺族の範囲、それから解剖の必要性の判断基準といったようなもの。また、再発防止が非常に大事でございますので、その対応をどのようにしていくか。また、これに併せて行政処分、また民事紛争、刑事手続との関係をどのように整理するかという各般の課題があるわけでございまして、これらにつきまして、年度替わって四月には有識者による検討会を開催をいたしまして、今求めてございますパブリックコメントも参考にしながら御議論をいただくこととしてございまして、その議論を踏まえて必要な措置を講じていきたいと考えております。
#51
○坂本由紀子君 この組織が有効に機能するためには、それに従事する専門的な人材の確保等も必要だと思いますので、同時並行的にスムーズにこの組織が有効に機能するような取組を進めていただきたいと思います。
 三点目は、この「方向性」のところにも少し言及されておるんでありますが、医療事故の裁判外の紛争処理機関についてであります。
 やはり患者とそれから医師との間で円満な解決が速やかに図られるということは、双方にとって大事なことだろうと思います。今の裁判手続によりますと、結局相互の不信感だけがかき立てられて、仮に裁判で勝っても、患者に残るのはむなしさだけだというような声も聞くところでございます。是非この点についても早めに取組をいただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
#52
○政府参考人(松谷有希雄君) 委員御指摘の医療事故に係る裁判外の紛争解決手続、ADRでございますが、これにつきましても、今申し上げました今回の試案の中で検討課題の一つとして位置付けているところでございまして、行政処分、民事紛争及び行政手続との関係ということで、その仕組みと調整、あるいは刑事手続との関係等についてこれから専門家を交えて議論を詰めていきたいと考えております。
 四月からの検討会におきましてこの点についても併せて検討いたしたいと考えておりますが、まずは死因の究明ということがなければ、紛争の処理の前提でございますので、まずその仕組みを行うということと併せて検討するということになろうかと思っております。
#53
○坂本由紀子君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、病院勤務医の長時間労働の是正の問題について伺いたいと思います。
 様々な統計がありますが、確かなことは、病院勤務医が非常な長時間労働を余儀なくされているということだと思います。このことが医師不足を一層加速させているわけでございまして、先ほどの同僚の清水議員の指摘にもございましたが、看護師を活用する等々のことで、医師が医師でなければできない業務に専念できるようにするとか、あるいは患者が余りに大病院志向で、病院が診療時間が十分確保できないというようなこと等がございますので、こういう問題についても可及的速やかに対策を講ずるべきではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか。
#54
○政府参考人(松谷有希雄君) 委員御指摘のとおり、各種調査結果によりまして、開業医の方々に比べましても病院勤務医の方々の勤務状況というのは大変厳しいものと私どもも認識しておるところでございます。
 厚生労働省といたしましても、病院勤務医を取り巻くこのような厳しい勤務環境を改善していくということは大変重要な喫緊の課題であると考えておりまして、そのため、一つには医師の集まる拠点病院づくり、広く薄い配置ではなくて複数の医師が集まれるような状況をつくっていくこと。また、病院や診療所などの医療機関相互のネットワークの構築。特に小児科等におきましては、小児救急、特に時間外、休日、夜間の診療に病院のドクターがその多くの時間を割かれるということで疲弊をしているというような状況もございますので、病院に来る前の段階での診療所の先生方のネットワークによるその前さばき、さらにはその前の段階にございます小児救急の電話相談事業の普及充実といったような形で、病院勤務医と開業医の役割の明確化とともに協力関係を築いていくことなども大事だと思っております。
 また、今先生も御指摘になられましたように、本来医師でなければならない仕事以外のいろいろな仕事を病院内で医師がやっているというような状況も聞くところでございまして、いろいろな事務作業、また看護師さんとの協力関係、また産科におきましては助産師さんとの協力関係といったようなことについてまだまだ改善すべき点あろうかと思っておりまして、これらについて努めていきたいと思っております。
#55
○坂本由紀子君 是非しっかりとしたお取組を要請いたします。
 次に、難病対策について伺います。
 難病として指定をされないと治療のための研究も行われないと、特にFOPについてそういうことがずっと言われ続けてまいりました。先般、このFOP外一件の疾患を難治性疾患克服研究事業に追加をするという結論が懇談会から出されましたけれども、昨年の夏以来、この特定疾患対策懇談会で難病の追加指定等の問題についてどのような議論が行われてきたかということについてお伺いいたします。
#56
○副大臣(石田祝稔君) 特定疾患治療研究事業の対象の見直しにつきましては、昨年来、特定疾患対策懇談会において検討をされてまいりました。一つは、患者数が少ないという要件を満たさなくなった疾患について、より重症のものを対象に事業を実施する、二つ目には、新たに特定疾患治療研究事業及び難治性疾患克服研究事業の対象とする疾患の選定について検討する、こういうことを含む取りまとめが行われたところでございます。
 これに対しまして、現在、事業の対象となっているものの医療の継続を図ることなど様々な御意見がございました。それを踏まえまして、平成十九年度におきましては、これまでと同様の疾患に対して特定疾患治療研究事業を実施することといたしております。
 一方、疾患の克服に向けた研究を望む切実な御要望があることにもかんがみ、三月十二日の特定疾患対策懇談会におきまして難治性疾患克服研究事業の対象疾患の追加の検討を行いまして、今お話のありましたFOP、進行性骨化性線維異形成症、またXP、色素性乾皮症、この二疾患を新たに研究事業の対象とすべきと、こういう結論をいただいたところでございます。
#57
○坂本由紀子君 副大臣は、昨年十二月十一日に出されました懇談会の見直しについての見解をどのように評価をしておられますでしょうか。
#58
○副大臣(石田祝稔君) 今までのいろいろな議論を踏まえまして十二月十一日に御意見がまとめられたと、このように承知しております。
#59
○坂本由紀子君 まとめられた意見についての御意見をお伺いしたいのですが。
#60
○副大臣(石田祝稔君) 十二月十一日にまとめられた意見につきましては、それぞれの専門家の皆様が衆知を集めて御検討いただいたことであると思いますので、これは基本的には尊重していかなきゃならないと思っております。
#61
○坂本由紀子君 今回二つの疾患が難治性疾患克服研究事業に追加をされましたが、これは要請されている難病対策として十分な手だてが講じられたというふうにお考えでしょうか。
#62
○副大臣(石田祝稔君) この難治性疾患克服研究事業の対象疾患につきましては、専門的な検討に基づき切実な研究の必要性がある疾患から優先して選定をしていると、こういうところでございます。また、難治性疾患克服研究事業全体の予算額につきましても、厚生労働科学研究のほかの研究事業と同様、これまでの研究成果に応じて評価される仕組みとなっております。今年度につきましては二十五億七千万円を予算措置をしていると、こういうことでございます。
 また、難病の治療のための研究は重要と考えておりまして、今後とも研究者の優れた研究を推進し、治療法の開発など、より大きな成果を得られるよう研究事業の推進にも努めてまいりたいと思っております。
#63
○坂本由紀子君 この難病対策については現在の事業二つありまして、まず研究をするというところの事業について伺いたいのですが、難病の原因の究明ですとかあるいは治療法の確立に向けての研究というのは、これはあらゆる難病について私は必要性があるのではないかと思うんです。ですから、そこに優先順位というのを付けるというのはどういうことなんだろうと思うんです。つまり、そこに入らないと公がそういう難病について何の手を差し伸べることもできないことになるわけでありまして、今回もこの懇談会では二十四の疾病が対象にされたわけです。
 四つの条件を満たしているのは指定された二つだけだったのでしょうか。それとも、ほかにもあったんだけれども指定されなかったということなんでしょうか。
#64
○副大臣(石田祝稔君) 二十四の疾患のすべてについては今私も正確に御答弁をするものを持ち合わせておりませんけれども、それぞれが検討の場に上がったということは、それぞれ四つの大きな要因について満たしていると言ったら、これは語弊があるかもしれませんけれども、それぞれに困難な状況を抱えていると、こういうことであろうと思いますが、先ほど申し上げましたように、優先的に、どうしてもこの全部を指定できない、そのときの困難度、いろんな問題を検討して今回はこの二つに絞られたと、こういうふうに思っております。
#65
○坂本由紀子君 私は、治療の補助制度のところは困難度というのが入る余地があると思うのですが、研究について言えば、困難度ということではなくて、やはり四つの少なくとも要因を満たしていれば、予算を確保してこの研究を進めなければ問題は一向に解決しないのではないか、国として負うべき責任を果たしていることにはならないのではないかと思います。
 科研費が厚生労働省の予算の枠の中であるわけですが、この難病対策について言えば今回増やしていただいてはいますが、たかだか二億弱であります。全体の枠の中でもっと増やす余地があるのではないかと思いますが、この点についてどうお考えなんでしょうか。
#66
○政府参考人(外口崇君) 難治性疾患克服研究事業全体の予算額でございますけれども、私どもは難病の治療のための研究、大変重要だと考えておりますので、十八年度も増額いたしましたし、それから十九年度も今増額でお願いしているわけでございます。
 そこで、予算額の仕組みでございますけれども、これも厚生労働科学研究のほかの研究事業と同様に、政策的必要性ももちろんあるんでございますけれども、併せてこれまでの研究成果に応じて評価されるという、そういう仕組みでもあります。そこで、難治性疾患克服研究事業につきましては、これは総合科学技術会議でも評価されまして、そこでは着実に実施すべきと、これはランク的には上から二番目で評価されていると思いますけれども、そういった中で、先ほど副大臣から御答弁申し上げましたように、二十五億七千万円を確保したところでございます。
 こういった中で、御指摘のように、数が少なくてまだ治療法が未開発でといったところにできるだけ早く光を当てて治療法を確立していくということは大変重要でありますので、私どもも今後とも研究者の優れた研究を推進できるよう、より大きな成果が得られるよう、研究事業の推進に努力していきたいと思っております。
#67
○坂本由紀子君 予算額について言えば、十八年度、十九年度は確かに増えていますが、例えば十五年度から十六年度にかけては予算額は減っていますし、十六年度から十七年度にかけてもこの関係の予算は減っているんですね。ですから、この難治性疾患克服研究事業について言えば、厚生労働省は同じ数の対象疾患の中でも予算額の確保という点では不十分だったんではないか。そして、これまで百二十一でしたけど、それはある程度進んできたから減ったという理由が中にはあるかもしれませんけれども、今申し上げているのは、新たにやる必要のあるものがたくさんあるのになぜ必要な予算額が確保できないのかということを申し上げているんです。
 縦割りで予算がつくられていますから、これまでの実績見合いでなかなか予算が増やせないというのが現実問題として各省庁の予算の仕組みとしてはあるわけです。これを打破できるのは政治の力だと思いますので、是非副大臣、その多くの、多くのというか数が少ないんです、今回問題になっている方は。数は少ないけれども、幾多の難病にかかっている患者さんが切実な思いで研究に着手してほしいと言っているその願いをかなえるためには、今の増やし方では足りないんです。
 是非、ここのところについては、これまでの事務方の努力だけにゆだねるのではなくて、政治的なリーダーシップを発揮してここの部分の充実について努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#68
○副大臣(石田祝稔君) これは、大臣にお答えいただくべきかと思いますけれども、私も今回、FOPの方又はXPの患者の方々、お会いをさしていただきまして、それぞれに本当に大変な御苦労をされているということはまた改めて実感をいたしました。またそれと同時に、それ以外のいわゆる難病と言われていることで苦しんでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃるわけですから、気持ちとしてはもうこれは、全部の方にひとしくこれは対象になっていただきたいというのは率直な気持ちでありますけれども、これはもう委員も御存じのとおり予算の制約、そういうこともございますので、この予算のいろいろな分野につきましては是非また、委員を始め与党の皆さんの御協力もいただいて確保できるようにこれは取り組んでまいりたいと思っております。
#69
○坂本由紀子君 今までは難治性疾患克服研究事業について伺いましたが、もう一つ、治療費について補助をなされているところの治療研究があります。今回、FOPはここの対象には入りませんでした。しかし、非常に生活の困難度が高いですね。しかも、子供のときに発症をしますから。筋肉が骨になってしまうわけで、日常生活にも大きな支障が出てくるわけであります。小さいうちに発症しますから、親御さんもまだ若くて、必ずしも所得が高くない方たちが多いわけです。
 こういう方たちの医療費について、それこそ本来の趣旨からいえば、この対象にして、そして公費でそういうデータを集めて治療法等の研究をするということが当然のこととして必要ではないかと思うのですが、なぜこれが対象にならなかったのでしょうか。
#70
○政府参考人(外口崇君) 特定疾患治療研究事業、いわゆる難病の医療費の公費助成の対象者の範囲につきましては、昨年十二月の特定疾患対策懇談会における見直しの意見に対して様々な御意見があったことを踏まえ、今後更に検討をすることとしているところでございます。来年度予算においては、疾患の追加を行わず、これまでと同様の疾患に対して事業を実施することとしたものでございます。
 また、特定疾患治療研究事業の実施に当たりましては、研究対象となる疾患の実態把握等を行い、また診断基準を明確にすることも必要でございますので、まずは難治性疾患克服研究事業において疾患の調査研究を行う必要があるものと考えております。
 いずれにいたしましても、特定疾患治療研究事業の対象者の範囲については今後も引き続き適切に検討してまいりたいと考えております。
#71
○坂本由紀子君 この特定疾患治療研究事業については、私も前回の委員会で質問をした後、随分いろいろなメールや電話をいただきました。パーキンソン病を外そうとするのか、けしからぬというような御意見が多かったのですが、私は別に、パーキンソン病等既存のものを外せと言っているわけではないんです。必要な方に必要な手だてが届くようにしてほしいと申し上げているわけでありまして、特に必要度の高い方についてはそれを追加してもらいたいということを申し上げているわけであります。
 今の制度の中では、ここのところはもう追加が不可能なんでしょうか。ここのところについてはどうお考えでしょうか。
#72
○政府参考人(外口崇君) 今回、特定疾患治療研究事業の見直し等に関しまして様々な御意見をいただきました。与党等の先生方にもいろいろ御意見をいただきましたし、また患者団体の方からも様々な意見をいただきました。
 私どもといたしましては、やはりこの難病対策、いわゆる行政的な何かインセンティブを加えないと治療法の開発すらなかなか進まないという、こういった疾患に対して何とか光を当てて支援をしていこうという考えでおりますけれども、やはり事業でございますので、どうしてもやっぱり予算が無限にあるわけでございませんので、一定の制約というものが掛かります。
 そういった中で、我々としても、その予算を伸ばす努力をしながら、少しでもそのニーズにこたえていきたいというように考えて、今後とも努めていきたいと考えております。
#73
○坂本由紀子君 医療費の軽減という意味では、医療費全体の中で検討するという方策もあると思います。医療費全体であれば何十兆円という規模でありますから、この特定疾患治療研究事業はたかだか二百億のオーダーの予算でありますから、その医療費全体の中で検討をするのであれば、予算がないから救えないということにはならないのではないかと思います。
 数が少ない方たちについて、その薬価が高いとか、あるいは難病の方についてはその診療の頻度が多い等々、様々な事情があろうかと思います。それは、後から出てきたのでそういう方たちについてきちっとした手が差し伸べられないでいいということではないと思いますので、医療費全体の中での検討も含めて、抜本的に、この難病に苦しむ患者さんたちに国として必要な手だてを講じるということについてお考えいただきたいと思います。
#74
○副大臣(石田祝稔君) 委員の御指摘は、推察をいたしますと、保険制度の中でやられたらどうかということではないかというふうに思いますけれども、その保険制度の全体の中で難病の方々の負担軽減ということを考えていく場合、どうしても現在の保険の仕組みでいきますと、なかなか、業務外の事由による疾病については病名を問わず今は給付の対象にしておるわけでありますけれども、この保険制度そのものの根幹になかなかかかわってくる問題ということにもなろうかと思いますので、これはやはり慎重に検討していかなきゃいけないというふうに思います。
#75
○坂本由紀子君 私が申し上げているのは、医療保険が適用される中で、自己負担というのはそれぞれ状況に応じて変えているわけですね。ほかの国にはないような、高齢者については自己負担の軽減をやっているわけですし、今度、小学校入学前の児童についてもやはり自己負担の軽減をしているわけですから、こういう難病の患者について特にそういう軽減措置という、この特定疾患治療研究事業に代わるような措置を保険制度の中に検討をするということは可能ではないかと思います。
 保険制度の根幹にかかわるというような問題ではないと思いますが、いかがですか。
#76
○副大臣(石田祝稔君) 今お触れになりました保険の中での高額療養費制度、これは当然あるわけでして、また三つの疾病については公的医療保険制度の中で長期高額疾病と、こういう特例も設けられていることはもう御存じの上で御質問だろうと思いますけれども。
 そうすると、じゃどこまでの範囲でこれを拡大していくのかと、こういうことはやはりどうしても検討はしていかなきゃならないわけですので、直ちにこの場で、拡大をするとか、そういうことの答えはちょっとなかなか現時点では難しいというふうに思います。
#77
○坂本由紀子君 直ちに拡大するという返事をこの場でいただけるとは思っていませんが、医療制度の見直しをする中で、こういう問題を難病の事業の枠の中だけで解決を押し付けて、難病患者に解決の光が見えないような状況に置いておくのではなくて、もっと広い制度の中で解決をする方策も探ってあらゆる方法を検討して、この問題について真摯にこたえていくことが必要ではないかと思って申し上げているんであります。重ねて御答弁いただきたいと思います。
#78
○副大臣(石田祝稔君) この難病の問題につきましては、委員のおっしゃるとおり、大変大事な問題として真摯にこれは取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。
 現在は予算措置という形で行われておりますので、そういうことも含めまして、先ほど私も御答弁申し上げましたけれども、保険とのかかわり合いだとかいろんな意味で、これはやはり難病で苦しんでいらっしゃる方に光明が見えるようなことは考えていかなきゃいけないと思っております。
#79
○坂本由紀子君 大臣の御答弁までお願いはしてなかったんですが、私は、こういう問題こそしっかりとやっていくことが、成長力底上げ等々、いろいろ安倍内閣の下で国民に、すべてにしっかりとした光を当てるという政策をやっていただいていることにかなうのではないかと思いますので、是非この点について大臣からも広い意味で前向きにお取り組みいただくというお考えをお示しいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
#80
○国務大臣(柳澤伯夫君) この難病性疾患については、今委員ずっと御指摘いただいたように、まず克服研究事業という純粋の研究の部分がある。それからもう一方、治療法の解明を考えるところの治療研究事業というのがあるということでございますが、そのいずれも保険の事業ではなくて、健康政策というか、そういうことでの究明をするという、そういう研究事業として展開されると、こういう位置付けをきちっといたしておるわけでございます。
 したがいまして、この研究事業というものの予算というものがどういう、これは多分裁量的な経費ということになっていくと思うんですが、裁量的経費の中でどの優先順位の下で獲得できるかと、こういうことで、一に外口健康局長が年末から奮闘されたところでございますけれども、やっぱりもう、そう限られた予算の中で、全体から見ると、外から見ると割とあそこにもこういうお金があるんじゃないかと思うんですが、実際にもう、これはもう委員も実際そういったことの省にいらっしゃった方ですからよく御案内かと思うんですけれども、それぞれの主張というものがもう非常にきびすを、何というか、つばぜり合いをやるというか、もうぎりぎりのところの調整をするということの中で決まってくるということでございます。
 しかし、また別の面で、一つ政治の旗が立てられるとそこに向けてがっと予算付けが行われるということも予算編成の実態でございますので、これからまた知恵を絞って、私ども、今回非常に大きな、医薬産業の振興というものに大きな意味で取り組んでいくということをこれから推し進めますので、そういった絡みでまた何ができるかといったことも念頭に置いて取り組んでまいりたいと思います。
#81
○坂本由紀子君 是非よろしくお願いいたします。
 大分多くの質問が残ってしまいましたものですからちょっと飛ばしまして、若者の就職が、求人倍率は高いのですが、なかなか失業率も高いという、非常にミスマッチが多くなっています。これから労働力人口が不足いたしますので、そういう意味では若者が安定した雇用にしっかり就けるような対策というのは大変大事だと思いますが、この点についての取組は今後どのようにしていかれるのでしょうか。
#82
○政府参考人(高橋満君) 若者をめぐっての雇用でございますが、今委員御指摘がございましたように、全体的には改善をいたしておるわけでございますが、ただ、一つには、若者のその希望と実際いただいている求人との間で、例えば職種、能力、資格等々の面でミスマッチが大変まだまだ大きい。また近年、フリーターと言われる方々も、全体としては減少傾向を示しておるわけでございますけれども、いわゆる就職氷河期に正社員となれずにとどまっておられる年長フリーターの方々もまだまだ多いといったような問題があるわけでございまして、私ども、こうした観点から若者の就職支援ということにいろいろ努めてまいってきておるわけでございます。
 例えば、こうしたミスマッチという観点を踏まえて考えますと、ハローワークにおきまして職業相談などを通じまして希望の職種が必ずしも明らかでない人たちが多い、そういう意味で明確化をしていく。あるいは、希望しておる求人がなかなかないという中で、やはり少し求職の条件というものを変更していただく等々によってマッチングを図っていく。それからやはりお試し雇用と、言葉は悪いのでございますが、一定期間試行雇用をしていただく中で正規雇用に移っていただけるようなトライアル雇用事業。それから、企業実習と教育訓練機関における座学を組み合わせた日本版デュアルシステムによる実践的な能力開発等々の取組をやってきておるわけでございますが、今後ともこうした取組を続けると同時に、来年度におきましては、特にこの年長フリーターの正規雇用化ということに重点を置きまして、例えばジョブクラブ方式によります集団的な就職支援、それからトライアル雇用後、正規雇用に移行いたします事業主に対しましての奨励金制度。さらに、能力開発という観点で、企業実習を先行させて、それを評価した上で、失礼、職業能力をまず、十分、どれだけ持っておるのかということを判断していくために、その企業実習を先行させて、その上で必要な訓練を行っていくという仕組みも創設をしていきたいと考えておるところでございまして、こうしたことを通じて若者の就職支援に積極的に対応してまいりたいと考えております。
#83
○坂本由紀子君 ニートやフリーターになっている若者の中には、コミュニケーション能力が不足して就職が難しいという方も多いと聞いています。その原因の一つに発達障害がある方もいると伺うものですから、こういう若者に対する雇用の促進対策と障害者の雇用対策と連携をして必要な支援が届くようにすることが大事だと思うんですが、この点はどのように取り組んでいるのでしょうか。
#84
○政府参考人(高橋満君) 確かに御指摘のとおり、フリーターあるいはニート、特にニートと言われている方の中には、コミュニケーション能力の不足が原因でなかなか就職に至らないあるいは就職が困難だという若い人たちがおられるということの中には、発達障害を抱えておられる場合がかなり見られるということは私どもも承知をいたしております。
 ただ、こうした場合でも、なかなか御自身の障害を認識できない、あるいは認識があっても、認識があってもと申しますか、なかなか自分なりにそれを受け入れられないでおられる方もおられるということを聞いておりまして、そうした方々がいろんな窓口に来られました場合に、やはり場合によっては障害者向けの支援ということに誘導をしていくということがまず一点大事だろうと。
 ただ、一方でやっぱり一般的な就労支援を望む方もおられるということが実態としてあるわけでございます。私ども、来年度におきましては、こうしたことを受けまして、労働局が中心となりまして、若者の就職支援を行っております、例えば地域若者サポートステーションといったようなところと、それから地域障害者職業センターのような障害者の就労支援機関、就労支援を行っております機関との連携体制を構築をいたしまして、コミュニケーション能力に困難を抱えるこういう若い方々への総合的な支援プログラムを新たに、特に若年求職者の多い十の労働局におきまして実施をしていきたいと考えているところでございます。
 具体的には、関係機関が十分まず連携体制を取っていくという意味で連絡協議会を設置いたしました上で、例えば若者の就職支援機関に来られました場合、やはりまず自らの特性とか支援の必要性ということについての気付きというものを促しながら、御希望なり特性なりに応じて障害者の支援機関の方に誘導をすると。しかし、希望しない場合には、そうした障害者向けの支援を希望しない場合には、方もおられますので、ハローワークに発達障害の専門知識をお持ちの就職チューターという方を、専門の方を配置いたしまして、発達障害の特性に配慮した専門的な相談なり支援なりを実施する中で、十分な就労支援ということを図っていきたいと考えているところでございます。
#85
○坂本由紀子君 障害者だからほかの人より劣るということではなくて、特に発達障害の場合には、人より優れた能力を持っていて、ただコミュニケーションがうまくできないというだけの方もかなりいるわけでありまして、そういう意味では、その人が希望する仕事に就けるように必要なサポートをするということが大事なんだろうと思います。
 それ以外にも、障害者自立支援法と相まって、障害者の雇用を促進することによって障害者の方の地域での自立を進めていかなきゃいけないと思います。ハローワークにおける障害者の就職の状況も随分良くなってきているようでありますが、更に一層取り組んでいただきたいと思いますが、来年度新たにこういうことで頑張りたいというようなものがありましたら、御答弁ください。
#86
○政府参考人(高橋満君) 障害者の雇用の促進という観点から、私どもも、雇用率の達成指導でありますとか、あるいはハローワークの窓口での一人一人の障害の態様、特性に応じたきめ細かな就職支援ということを行っておるわけでございます。そうした中で、今委員からも御指摘ございましたとおり、相当な実績を上げさせていただいておるわけでございます。
 来年度に向けましては、この雇用率達成指導というものを一層やはり強化をしていくということがまず大事だろうというふうに思っておりますが、そうした雇用率達成指導を強化する中で、更にきめ細かな就職支援というものをハローワークの窓口において展開をするということと同時に、もう一つは、やはり福祉から雇用への移行という観点から、障害者の就労を通じた自立を支援していくということが大変大事な課題になっておるわけでございまして、そうした意味で、私ども十八年度なり、あるいはその前から取り組んでおります。
 一つには、なかなか福祉施設での御理解、一般雇用に向けた御理解というものがなかなか十分でない、そういう意味での理解を促して、就労支援の取組を強化を図っていく取組ということを来年度はすべての労働局に展開をすると同時に、今後、来年度には学校向けの取組ということを、特別支援学校への取組ということも拡大していきたい。それから、福祉施設と連携しての、いわゆるチームによる就労支援ということにつきましても、来年度につきましてはすべてのハローワークでこれを実施していこうということで、その取組の強化を図っていきたいと考えております。
#87
○坂本由紀子君 福祉から雇用へということで、やや福祉におられる方は雇用に行って果たして戻れるのかと心配されるということがありまして、私は、「福祉から雇用へ」というよりは、「福祉とともに雇用」、障害者の方については福祉が全く外れてしまうわけではないので、「福祉とともに雇用を」という方が、そういう心配、懸念を払拭する意味ではいいのではないかと思いますが。是非頑張ってやってください。
 以上で質問を終わります。
#88
○委員長(鶴保庸介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時十五分から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ─────・─────
   午後二時十五分開会
#89
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、厚生労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#90
○津田弥太郎君 民主党・新緑風会の津田弥太郎です。
 二十五人委員会で十三人いないと成立しませんので、委員長、そこのところはしっかりお願いします。
 本日は、先週木曜日に行われました柳澤大臣の所信表明に対する一般質疑ということで、私が筆頭理事として党内の一番手で質問をさせていただきます。
 今日は三月十五日でありますが、同様の大臣所信に対する質疑は、昨年も一日違いの三月十六日、一昨年は今年同様の三月十五日、日程的には例年と何ら違いがございません。ただし、少々異なっているのは、余りたくさん言いませんが、ここに座っている民主党内のメンバーの中で一昨日は既に島田委員が質問をしておりますし、既に五人が今国会における厚生労働委員会で質問を行っているということであります。これはもちろん、柳澤大臣の一月二十七日の松江市における発言を受けて、例年であれば開催されなかったはずの委員会が開催されているからであります。
 先週の所信表明においても大臣は、真っ先に自らの不適切な発言についておわびの言葉を述べられました。私は、大臣の発言そのものについて今日お尋ねすることはいたしませんが、今回の発言でどうしても気になったことがある。昨年十二月の厚労委員会で二度にわたり大臣とやり取りをしました財政と社会保障の関係であります。
 私は、こういうふうに申し上げました。財政が厳しいから社会保障を削るのではなく、必要な社会保障を確保するためには、閣内において他の省の大臣に働き掛けて、他の分野の無駄を削り、削った分を社会保障に持ってこなければならない。命そのものに直結する、あるいは人間の尊厳と密接にかかわる分野においては、景気や財政による公費の伸び縮みがあってはならない。人の命を犠牲にして制度の持続性が図られるなどということはあってはならない。このような指摘を再三繰り返したわけでありますが、大臣からは満足のいく答弁はいただけませんでした。
 実は、今回の大臣の発言を受けて、衆議院の予算委員会で我が党の枝野議員がこのような指摘を行っています。柳澤大臣は、社会政策についても経済同様にマクロをベースに物を考えている。社会政策は、ミクロにちゃんと目を向けていかないと、実は一番大事なところが欠けてしまう。そうした基本的認識のずれが機械という言葉に象徴的に表われている。
 この枝野議員の指摘は、私の再三の指摘と相通ずるものであります。すなわち、国家に重きを置いて国民を軽視している、あるいは財政に重きを置いて一人一人の命や生活を軽視をしているのではないか。今回の大臣の発言は、母性べっ視、女性べっ視という点でももちろん大きな問題ですが、ミクロよりマクロに偏り過ぎている点でも厚生労働大臣としての資質の根幹にかかわる問題なのではないかと考えます。
 率直に言わしてもらえば、このままでは柳澤大臣は、女性は産む機械発言を行った大臣として歴代で最も情けない厚生労働大臣として記録され、記憶されてしまうものと思われます。そうした汚名をそそぐためにも、厚生労働大臣として、財政以上に大切なものがある、自らそういう分野を今預かっている、そのような認識の下、今後は生まれ変わった柳澤伯夫、晩節を汚さなかった柳澤伯夫を形で示すことを強く求めていきたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
#91
○国務大臣(柳澤伯夫君) 津田委員から今、大変私の政治家としてのありように対して大変お厳しい指摘をいただきました。そうした指摘を受ける私は、本当に行き届かない自らのこの力のなさ、あるいは不徳というものをつくづく感じ、反省をしていかなければならないと、このように考える次第でございます。
 今、津田委員は財政と社会保障を相対峙させ、またそれはマクロとミクロというこの考え方を対峙させる中で、対峙させてどちらを取るんだと、こういうお話であったかと思いますけれども、私はこれは率直に言って両方大事だというふうに思うわけでございます。財政なんかはどうでもいいから、ただ社会保障、社会政策だけを一生懸命やれということをやったとしても、それはやっぱり、最終的にはやっぱり財政に対しての一定の配慮というものなしには、その社会保障を一生懸命やることも結局かなわないことに私はなるだろうと、こういうふうに思うわけでございます。
 片や、じゃ財政のことをすごく考えて社会保障をないがしろにするというような立場があり得るかといえば、現在の国際的にももう非常に大国になった我々の国日本では、もう財政の中でも他の支出にぬきんでて、むしろ社会保障が大きな割合を占めているわけでございますから、これはもう社会保障をどのように仕組み、また運営していくかということなしには一日もこれは過ごされていかないということでございまして、そういう意味では私は、ほかの分野ももちろん大事でございますけれども、あえて津田委員がその二つを対峙させてお話しになられましたので、その限りでお答えをすることでございますけれども、私は両方にバランス良く目配りをしていくということであろうと、このように考えるわけでございます。
 私の政治家としてのありようについて、津田委員は何かマクロの方に偏りがあるのではないか、こういうような見方をされるわけですけれども、これはそういうことはないと思うんですけれども。私がこれまでどちらかといえば、若くして社会人になったのも財務省というところでありまして、それから比較的長くそこにおりまして、その後政治家になったわけですけれども、私は実は政治家になったその瞬間からは、実は何をやっておったかというと農政をやっておりました。ですから、自民党農林部会長ということで、私のことは若い当時の同僚たちはみんな私が農政家だというふうに思ってくださっておりました。それが何の拍子か知りませんけれども、金融危機のときに金融大臣ということをさせられて、ああ柳澤は元はといえば財務省にいた人間なんだということで、言わば思い出すような形で私の出身と私とを結び付けるということになったと、私はそのように思って受け止めておりました。
 ですから、決して財政一本でやってきた人間でもありませんし、私はむしろずっと農政をやってきたということでございまして、私の元の出身のところから何か財政重視の男ではないかというような思いというものは是非少し、もう少し私の実態をごらんになっていただくと有り難いなという気を持ちまして、これはお願いをするつもりでございます。
 最後に申し上げますが、私がどういう人間であるかというのは、結局は、私がこの仕事を通じて実績を積み重ねられる、実績によって御判断をしていただくほかないと、私はそのように考えておりますので、よろしくまた御指導をお願いしたいと思います。
#92
○津田弥太郎君 私が申し上げているのは、現在厚生労働大臣ですから、厚生労働大臣としての仕事の優先事項があるだろうということを申し上げているんです。そういう立場に立つならば、財政も大切ではあります、しかしそれ以上に、厚生労働大臣というのは一人一人の命が大切であるという発信をすべきだということを私は申し上げているわけで、大臣は、厚生労働大臣はたった一人の命さえも見過ごさないんだと、そういうふうに思っていただきたい。
 実は、大臣の汚名をそそぐチャンスというのは至るところに用意をされているわけです。来週三月二十三日に、薬害肝炎東京訴訟の判決が言い渡される予定になっています。判決を受けての対応というのもその一つだというふうに思います。あるいは、天下の悪法と言われている障害者自立支援法についても、補正予算と十九年度予算で負担軽減策を盛り込むという対症療法ではなく、法案の誤りを認め、抜本的な見直しを行うこともその一つであります。先日行われました民主党の障害者自立支援法の実施状況の現地視察では、ある高齢の障害者から、三十年間積み重ねてきた障害者行政が崩壊した、三十年前に戻ってしまったという悲痛な叫びが聞こえています。
 大臣、実はあなたの後ろにいらっしゃる官僚の皆さん、この方々は、官僚は、過ちは官僚には直せないんです。官僚の多くは、まあちょっと言い過ぎですが、非常にまじめですから、前任者が正しい行政を行っていればそれは踏襲はできます。しかし、自ら前任者の過ちを認め、方針を転換することは組織の一員である官僚には現実には大変荷が重いんです。だから、政治主導で行うしかない。閣僚の中でも厚生労働大臣というのは、本来強き者、力ある者からは疎んじられ、その代わりに弱き者、力ない者から慕われるべき役割のはずであります。しかし、今や重度の障害者やその家族、あるいは薬害などで苦しむ方から厚生労働大臣に対して怨嗟の声が聞かれている。これは逆なんです。そこは大臣、強い自覚を持っていただきたいと思うんですけれども、もう一度いかがですか。
#93
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私もこの厚生労働大臣を拝命いたしまして、数々いろいろな懸案に直面してまいりました。もちろん、まだまだ十二分の力が発揮できているというつもりはありませんけれども、これはもう役所の有能な仲間たちとけんけんがくがくの議論を行う中で今委員も御指摘になるような点も私も指摘をし、また場合によっては役人の側から私の足らざるところについても発言をいただき、そういう議論の中から私どもは結論としての政策を打ち出させていただいておるということでございまして、今委員の御指摘になられることは、私、本当に胸の一番奥底のところで受け止めさせていただいて今後とも進んでまいりたいと思いますけれども、とにかくそういう、何と申しますか、ある人間が言い出したことで、なかなかこれはいわゆる官僚の無謬性などというようなばかばかしい神話のようなものに忠実なんでこういう結論だなどということであれば、私はそんなことは全く認めないわけでありまして、そういう、もう本当に国家国民のことを思って、国民お一人お一人の立場を思って、私どもがけんけんがくがくの議論を、素っ裸のような形で、何物にもとらわれないというようなことで、自分の見識を闘わせることで結論を得ていく、こういう姿で、外に出ればそれはもう我々は一糸乱れずにいろんなことを申し上げていくということですが、その手前の議論というのはそれはもう激しいものだということを私はあえてここで申させていただきますが、そういう形で結論を生み出しているんだということについて是非御理解を賜りたいと思います。
#94
○津田弥太郎君 しかと受け止めました。余り胸の奥に入れないで、入口に置いといていただきたいと思います。
 さて、それでは具体的な質問に移らせていただきたいと思います。
 最初に、障害程度区分についてお伺いをしたいと思います。
 これは政府委員の方で結構ですが、昨年十二月五日の本委員会の質疑において、私は障害程度区分の見直しの必要性を訴えました。あの時点では、手元には特定自治体における二次判定上位区分変更率しかなかったわけでありますが、厚労省では、私に対する答弁どおりに、本年一月に全国の自治体における昨年四月から九月までの全数調査の結果を取りまとめていただきました。その結果について、中村局長、二次判定の上位区分変更率について、全体と身体、知的、精神の区分で数字だけ簡潔にお答えください。
#95
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 全国の市町村の九月末までの約十六万ケース、これは十八年四月から障害程度区分の認定が行われておりますので、十六万ケースの判定結果で、二次判定で上位区分に変更されましたのは、率は、全体で三五・一%、身体障害者は一九・八%、知的障害者は四三・八%、精神障害者は五五・〇%となっております。
#96
○津田弥太郎君 今回は全数調査ということで、都道府県ごとの上位区分変更率も明らかになっていますが、知的障害者の場合、岐阜県では七四・三%、つまり四人に三人は二次判定で区分が変更されている。あるいは、精神障害者については七九・五%、もう五人に四人が上位区分に変更されているわけであります。
 こうした都道府県ごとの数字を眺めてみますと、当然ながら都道府県によって上位区分変更率に大きな格差があること、これが明らかになるわけです。介護保険においては、重度変更率の最も低い奈良県と最も高い宮城県の間に二・八倍の格差があるわけですが、私は十二月五日の審議の際に、障害程度区分でも恐らくは同様の都道府県格差が生じているであろうことを指摘をしておきました。実際に、中村局長、調査結果ではどうでしたか。
#97
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げました九月末までの判定結果、十六万ケースを都道府県別に集計いたしましたところ、二次判定で上位区分変更率が、これ全体でございますが、最も高い県、これ岐阜県、御指摘のとおりでございまして、三障害の合計で六一・八%でございます。最も低い県は沖縄県で、一七・三%ということでございます。先ほど全体の平均が三五・一%と申し上げましたが、六一・八%と一七・三%の幅になっております。
#98
○津田弥太郎君 そういうことなんですね。
 昨年十月に、会計検査院は、社会保障費支出の現状に関する会計検査院の結果についてと題する報告書を公表しており、その中で、介護保険の認定率等の地域格差の拡大については、財源が全国の被保険者の納付した保険料や国、都道府県等の公費負担で賄われていることから、好ましいものとは思料されず、難しい言葉で、普通の国民の言葉では良くないと、こういう意味ですよね、警鐘を鳴らしているわけであります。
 障害者についても、自己負担以外の公費は国が五〇%、都道府県が二五%を賄っており、会計検査院が指摘した問題は同様に当てはまるものと考えます。
 恐らく、厚労省は、上位区分変更率そのものは想定内の数値であると考えているのかもしれません。また、二次判定の地域格差についても、市町村の審査会メンバーのばらつきが原因であり、担当者の研修を行っていけば平準化すると考えているのかもしれません。しかし、私から言うならば、全国において知的で四三・八%、精神で五五・〇%という上位区分変更が行われること自体が一次判定において障害特性を踏まえていないということの表れであり、二次判定における上位区分変更率の都道府県格差は、そうした不完全な形で一次判定がなされてしまったその結果を受けて市町村の現場がいかに困惑しているかの表れと言わざるを得ないわけであります。
 私は、一日も早くこの現在の障害程度区分の判定スキーム、このスキームそのものの抜本的な見直しが必要だというふうに考えます。現在、障害保健福祉部長の私的勉強会において、それぞれの障害にどういう課題を踏まえるべきかという観点から検討を行っているものと承知をしておるんですが、その検討は抜本的な制度改革を行うことを前提に置いていると考えていいんでしょうか、大臣。
#99
○国務大臣(柳澤伯夫君) 委員御指摘のとおり、障害程度区分の判定というのは、最初は介護保険の要介護認定に用いられた項目を基礎として、それに障害独特の特性を反映できるような二十七項目を追加しまして合計百六項目で行われているわけですけれども、コンピューターによる第一次判定、それに専門家の合議による二次判定という二段階というふうに枠組みができております。
 そういう中で、今も委員が御指摘になられたように、どちらかというとコンピューターの判定になじまないグループの障害者の人たちが二次判定で適切に判定されるとすると、これはもう非常に上位に大きな率で引き上げられるというようなことが実態として明らかになったと。そもそも初めからこの一次判定、二次判定という枠組みでやってきた立場からすれば、いや、これで、二次判定で正しいことができているんだという言い方になるのかもしれませんが、ここはやはり関係各方面からの様々な意見をこれから聞きまして、今後それぞれの障害特性をより一層反映する仕組みを改めてつくり上げていく、そのための見直しというものを検討していくことが私は必要だと、このように考えます。
 したがって、現在、障害保健福祉部長の私的勉強会で行われている障害程度区分の勉強会というのは、言わば三年後の検証というか、三年後の見直しということで、委員がもしそれを本格的な、抜本的な改革というふうに名付けていただくとすると、要するに、それに向けての準備作業である、勉強会であると、こういうことは明言できます。
#100
○津田弥太郎君 抜本的な、私の言う言い方、大臣の表現はまた違うのかもしれませんけど、私が指摘をしておる抜本的な見直しを行うという意味でのこの障害保健福祉部長の私的勉強会であるというふうに理解してよろしいですね。首を縦に振られましたんで、速記録には首を縦に振ったというふうに書いといていただきたいと思います。
 分かりました。それじゃ、次に移らせていただきます。
 教員の医療的ケアの問題についてお尋ねをしたいと思います。
 平成十六年十月に、「盲・聾・養護学校におけるたんの吸引等の取扱いについて(協力依頼)」と題する厚労省医政局長通知が出され、吸引、導尿、注入などが必要な子供に対し、看護師が配置された盲・聾・養護学校ではそうした医療的ケアを教員が行うことが可能となっております。
 そこで、伺いたいんですが、この通知が出された後、実際に盲・聾・養護学校において看護師の配置は何%程度達成され、そうした医療的ケアを必要とする子供たち、その父母たちのニーズにこたえておられるのでしょうか。また、都道府県ごとに大きな数字の違いはあるのでしょうか。また、具体的にどのような医療的ケアが教員によって行われ、これまでのところ特に問題等は発生していないのでしょうか。政府委員、お答えください。
#101
○政府参考人(松谷有希雄君) お答え申し上げます。
 盲・聾・養護学校を所管する文部科学省に確認をいたしましたところ、平成十七年度におきましては、医療的ケアを必要としている幼児、児童、生徒が在学している盲・聾・養護学校は全国五百四十二校ございまして、常勤、非常勤としての配置等により全都道府県において六百三十二名の看護師が措置されているということでございました。
 また、都道府県ごとの看護師の措置状況でございますけれども、平成十八年一月現在では、宮城県四十四名、東京都三十三名、神奈川県三十五名、大阪府四十五名、兵庫県五十三名が比較的多いというところでございました。
 なお、これまでのところ、盲・聾・養護学校におけるたんの吸引等の医療的ケアの実施により何らかの事故があった等の具体的な報告は受けておらないところでございます。
#102
○津田弥太郎君 特に問題が発生していないということでありましたら、さらに看護師の配置を適切に進めていただきたいというふうに思います。
 しかし、現段階では、医療的ニーズが高い養護学校等であっても、看護師の配置が十分になされているわけではありません。まして、例えば人工呼吸器を付けた子供を仮に普通の学校に通わせよう、子供を通わせようとした場合には、その学校に看護師が配置されている可能性はゼロに近く、子供たちには入口で道が閉ざされるということになるわけであります。
 平成十七年三月には、在宅における療養患者、障害者に対するたんの吸引について、医政局長通知で家族以外の者について認められるようになっております。まずはこの実施状況を勘案することが先決とは考えますが、その上で、将来的な道筋として、看護師の配置されていない一般の学校において、例えば、日常の救急処置を行っている養護教諭による医療的ケアの実施の是非についても検討してみる必要もあるのではないでしょうか。もちろん、その場合は安全性の検討が十分に行われなければなりませんし、仮に行う場合でも、当該教員に対し必要十分な専門性の高い講習を行うことが不可欠です。さらに、緊急時の学校と医療機関との連絡体制の整備、前提として父母の同意なども要件となるものと思われます。また、そうした医療ケアは当該教員の負担増につながるため、訓練を受けて役割を果たす教員には手当等で評価をしなければなりません。
 そのようなことは考慮しなければならないわけですが、小学校、中学校で必置となっている養護教諭に医療的ケアを認めることで、例えば、たんの吸引のみを必要として、他の面では一般の学校に通学することに何ら支障がない子供についても、これまでの養護学校ではなく一般の学校に通う道が開かれるわけであります。また、一般の学校側がそうした子供の受入れを断ることを防げるのであります。
 そこで、大臣、是非とも有識者を交えた検討を行うということを是非進めていただきたい、省内に持ち帰って議論していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#103
○国務大臣(柳澤伯夫君) どうも最初の御質問から何か機先を制せられたような形で少し勢いがないわけでございますが、めげないでお答えをさせていただきます。
 養護学校等のように、手厚い教職員の配置がされていない一般の学校で、必要な医学的知識や技術を持たない者がたんの吸引等の医療行為を行うことは、医療安全、これはもう我々が最も大事にしている観点でございますが、この観点から問題があると考えておりまして、現時点でこれを認めることは難しいのではないかと、このように考えております。
 この問題につきましては、医師等の資格を有しない教員がたんの吸引等を行う際の、今委員も御指摘になっておられましたけれども、医療安全の確実な確保、それから、医師や看護師や保護者、教員等との間での連携等様々な論点があると考えておりまして、なかなか困難な問題だと、このように思いますが、委員のあえての御提案でございますので、文部科学省にも相談をしながら省内の担当部局で一度議論をしてみたいと、このように考えます。
#104
○津田弥太郎君 冒頭の質問が効いたようでございまして、是非今後検討を進めていただきたいと思います。
 それじゃ、次の質問に入らせていただきます。ホームレス問題であります。
 私の組合時代の先輩であります鍵田節哉元衆議院議員が中心となりまして、二〇〇一年の六月にホームレス対策の議員立法が国会に提出をされ、これを踏まえて翌年、超党派の委員長提案でホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が成立をし、現在、法に基づく五年後の見直しの時期を迎えておるわけでございます。
 この五年間、国においてあるいは地方自治体においてホームレスの自立支援に向けた各種の取組が行われ、全国の民間団体も積極的に協力する中で、間違いなく我が国のホームレスの実数そのものは減少しているものと思われます。しかし、ホームレスの問題はなお大きな社会問題でもあり、引き続き国政においても真摯な取組を続けていくべきとの立場から質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、住宅支援についてであります。
 特別措置法の下では、自立支援センターを経由した就労自立という道筋を理想論的な形で描いているわけですが、現在の雇用状況において、ホームレスが経済的に自立できるだけの仕事を見付けることは極めて困難であります。総務省が本年、今月の二日に発表しました二〇〇六年平均の労働力調査結果を見ても、雇用者全体に占める非正規社員、職員の割合は三三%、約千七百万人となっており、過去最高を記録しているわけであります。こうした非正規の労働者については、過半数が年収百九十九万円以下となっており、ホームレスが頑張ってパートの職を得たとしても、恐らく月収は十万円前後ということで、現実にはそういう収入になってしまうわけであります。
 一方で、アパートを借りるとなると一か月に大阪では四万円、東京では五万円、このぐらいはもう当然ということになってくるわけであります。
 こういう状況を踏まえますと、自立を始めた当初の期間に限定し、経済的な支援、しかも何にでも使っていいお金ということではなく、契約書などで家賃の額を確定した上で、自立した生活の基盤となる住宅に着目し、その一定割合を支援する制度をこの自立支援事業の枠内で考えていただきたいと私は思うわけであります。そのことにより自立の第一歩を踏み出そうとするホームレスを応援してほしいと強く願うわけですが、大臣、これ是非とも検討していただきたいと思うんですよ。冒頭まだ効いていれば、多分検討していただけると言っていただけるんじゃないかと思うんですが、これが一点。
 あわせて、東京都では平成十六年度から、テント生活からアパートへというスローガンの下に、ホームレス地域生活移行支援事業を行っております。これは、公園でテント生活をするホームレスに対し低家賃の借り上げ住宅を貸し付け、自立した生活に向けた支援を行うというものであり、この事業についてはドロップ率がほとんどない。これ、あめじゃないですよ、ドロップって、ドロップアウトです。この事業については希望者が多い。長期滞留のホームレスをアパート生活に移行することができたことなど、支援者の中でも評価の声が上がっているんです。私自身もこうした東京都の行ういわゆるハウジングファースト政策について一定の評価をするものでありますが、大臣は、この東京都の取組についてどのような評価をされておりますか。
 二問お答えいただきたいと思います。
#105
○政府参考人(中村秀一君) まず、私どもの作業状況について御報告申し上げます。
 先ほど津田委員の方からお話ございましたように、五年後の見直しに向けまして、ホームレスの数について十九年、今年一月に全国調査、二回目の全国調査を実施しているところでございます。国として全国調査を実施いたしましたのは十五年一月でございまして、そのとき二万五千二百九十六名のホームレスの方がいるということがその国の調査で分かっております。
 今回の調査は、措置法を作っていただきまして、それによる政策効果がどのくらいあるかということを検証するために調査いたしております。私ども、でき得る限り早く、まあ三月中にでも、概数でも御報告できるようになればいいということで作業をいたしております。四月以降、これらの結果を含めまして、ホームレス対策について評価をしてまいりたいというふうに考えているところでございまして、まずはその結果をごらんいただきたいというふうに考えております。
 その間、全国調査の結果が出るまでの間でございますが、幾つかの自治体でホームレスの調査を実施しておりますが、百人以上ホームレスがおられるような大都市の調査、独自の調査を見ますと、ホームレスについて二割くらい十五年一月調査に比べると減っているということでございますので、私ども、全国調査の結果で更に正確なものが出ますので、今委員が御指摘になった東京都のホームレス地域生活移行支援事業、このことについても私ども東京都の方から詳しく聞いておりまして、東京都の成果も聞いております。
 ただ、東京都の成果と、例えばホームレスが東京と並んで多いのは、十五年一月調査でも大阪市、大阪府の方が多いわけでございまして、また大阪市、大阪府などがやっておりますそういう自立支援の政策と東京都の政策など様々なものを今回の調査結果を踏まえて評価、有識者の方にも入っていただいて評価をしてまいりたいと思っております。その際、住宅の問題をどう考えるかということは当然テーマになると思いますので、そういうその政策評価を含めてよく考えさせていただきたいと思います。
#106
○津田弥太郎君 私は大臣にお伺いしているんです。特にこの東京都のハウジングファースト政策というのは、これは大変効果が大きいという当事者からの報告が来ているわけでありまして、この政策を継続、更にしていこうという声が出ているわけでありまして、大臣の評価の声があるかどうかというのは大変大きいわけでありまして、是非この東京都の政策についての大臣の評価をお聞かせください。
#107
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私も東京の新宿で、ホームレスの方々を呼んで、そしておふろに入れたり、おふろに入れた後、生活とか就労の相談をしている現場を視察したことがございます。いろいろと忙しい中で福祉関係の仕事をしていらっしゃる方々の現場でございましたので、まとまってどうこう意見を聞いたということではありませんけれども、非常に熱心に取り組んでいらっしゃる、そういう姿を見て大変頼もしく思った次第でございます。
 そういう中で、ホームレスの自立支援の一番の基礎は要するに居所を安定させることだと、こういう発想に基づいてハウジングファースト政策をやっていらっしゃると、こういうことでございます。その他いろいろそのときに聞いた断片的なことも今こうして頭に浮かんでまいりますけれども、結論的に言えば、私どもとしては全国のホームレス対策をやるという立場でもございますので、是非、今この援護局長の申したような全国調査、しかも二度目の全国調査でございますので、その調査を踏まえて、それを分析した上で私どもとしての施策を打ち出す、そういうことについて御理解をいただきたいと、このように思います。
#108
○津田弥太郎君 なかなか評価、言ってくれないですね。
 一問飛ばします。
 釜ケ崎の住民登録削除問題、これも実は非常に今、先ほど言った住宅支援ともかかわってくる問題であります。これは、昨年十二月に、野宿者の支援団体の三か所の建物、具体的には釜ケ崎解放会館に三千五百三十人、NPO釜ケ崎支援機構に百二十九人、ふるさとの家に二十七人の野宿者が住民登録をしていたことが明らかになり、実際には居住実態がないことから、結果的に二千五百人を超える野宿者の住民登録を関大阪市長が職権で削除をしようとした問題であります。
 釜ケ崎解放会館は、あいりん地区にある四十四平方メートルの敷地に建つ五階建てのビルであります。一か所に三千人以上の住民票登録がなされていることや、居住場所がない建物で住民登録されていることは、一般市民の感覚からしても不自然であるということは言うまでもありません。ただし、ここで問題になるのは、なぜ日雇労働者、野宿者がそうした場所に住民登録をせざるを得なかったかということであります。
 御案内のように、日雇労働者の失業手当は印紙が貼付された白手帳により支給されるわけですが、この白手帳の新規交付の際は、住民票や運転免許証など公的証明書の提出が義務化されていました。ところが、業者の飯場や簡易宿泊所、あるいは野宿と、転々とする日雇労働者には、一般の勤労者のように実際に住んでいるところを定めることは事実上不可能でありまして、簡易宿泊所に住民登録を置いても、すぐにそこでの居住実態がなくなる場合が多いため、公的な連絡があっても本人の手元には届かず、宿泊所側からその人は住んでいないという郵便物の返送がされた場合、住民登録削除の対象になってしまうこともあったんです。そういう事情から、飯場に行っていても野宿していても安心して住民票を置いておける場所、公的な連絡先として頼れる場所、それが支援団体の運営する建物ということになっていたわけであります。
 現在の公的サービスは、地方自治体が関与する度合いが高まっているため、責任主体の確定の意味でも多くが住所に基づき行われております。一か所に住民票を置き続けられない、あるいは野宿であるため住民票を置ける場所がないという場合には、生きていく上で不可欠な行政サービスも享受できず、基本的人権を維持できないこととなるわけですが、そうした場合には、本来、行政がどこに住民登録をすればよいかを検討し、適切な指導をすべきであるというふうに考えます。
 現在、この問題について、当初、職権削除が予定されていた三月二日の前日、三月一日に大阪高等裁判所が釜ケ崎解放会館に住所を置く男性の削除執行停止を命ずる仮処分決定を下したことにより、大阪市が一時的に住民票抹消を延期している、単に延期しているという状態なんです。しかし、仮に削除を、大阪市が職権で削除をしたとして、この問題、抜本的な対策が講じられなければ何の解決にもなりません。
 野宿生活から抜け出そうと就職を希望しても、住所不定で連絡先や銀行口座がないままでは雇用の道も険しいと思われます。ホームレスの自立支援を目指す立場の、そうですよね、厚生労働大臣、自立支援を目指す立場の厚生労働大臣として、ホームレスの住民票の在り方に関し、これは総務省に早急な協議を呼び掛けていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#109
○国務大臣(柳澤伯夫君) いろんな行政サービスがホームレスの皆さんの場合にも想定されるわけでございます。例えば、我々の生活保護あるいは介護保険サービスは必ずしも住民登録を要件としているわけではないというふうに承知をいたしております。
 しかし、いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、まず物理的に居所を確保するということと同時に、法的な居所と申しますか、住民としての登録場所が存在する方がこのホームレスの皆さんの自立、就労といったようなことについて好都合であることは申すまでもないことでございまして、その意味ではこの問題、私よく総務大臣の方にお伝えして、善処方を依頼しておきたいと、このように思います。
#110
○津田弥太郎君 是非、積極的にお願いを申し上げたいと思います。
 次に、製造業の派遣問題についてお尋ねをしたいと思います。
 製造業については、これまで派遣労働の受入れ可能期間は一年間でありましたが、今月一日から最長三年の定めをすることが可能となっております。まず、この三年に延長された経過について、職安局長、簡単に説明をしていただきたい。
#111
○政府参考人(高橋満君) 御指摘のとおり、平成十五年の労働者派遣法改正におきまして、物の製造業務への労働者派遣というものが解禁をされたわけでございます。それまで、それ以前までは、全面的に禁止されていたこの物の製造業務への労働者派遣の解禁に当たりまして、当時、製造業におきましてはいわゆる請負事業というものが広く利用が進んでおったといったようなことを踏まえまして、施行後三年間につきましては、十一年改正におきまして対象業務をネガティブリスト化をいたしましたときと同様に、まずは一年の派遣受入期間の制限を適用することによりまして、請負業でありますとかあるいは派遣先におきます事業運営に急激な変化をもたらすことなく、円滑な定着を進めていくということといたしたわけでございます。
 こうした経緯の中で、この三年間の経過措置が終了をし、労働者派遣法の本則どおりとなったことに伴いまして、この三月一日から最長三年までの期間という形で延長をされたところでございます。
#112
○津田弥太郎君 平成十五年の派遣法改正の国会審議においても、製造業への派遣労働の解禁については、偽装請負が追認されてしまうとの懸念が表明をされ、違法派遣に対する制裁措置が十分に担保されるよう強い要請が行われました。
 これに対して、当時の坂口厚生労働大臣は、偽装請負に対する指導監督体制を強化したい、現在、請負と派遣を明確に区分するための区分基準があるので、この適切な運用を図りたい、もしこれで不十分であれば更に検討をしたいとの答弁を行いました。
 しかし、製造業の現場では偽装請負は是正をされず、昨年十月には業務請負最大手、クリスタルグループの中核企業でありますコラボレートに対して、大阪労働局が労働者派遣法に基づく事業の停止命令と事業改善命令を出したことはまだ記憶に新しいところであります。
 また、新聞報道によりますと、政府の経済財政諮問会議の委員でもある御手洗氏が会長を務めるキヤノンにおいて、同社の工場で働く派遣労働者が偽装請負の状態で正社員への雇用を申し入れるなどの事態となっております。
 御案内のように、この御手洗氏は、我が国の代表的な経営者団体であります日本経団連の会長であり、他の企業の模範とならなければいけない立場であります。そうした企業で偽装請負が起こっているとするならば、当然、キヤノンだけではなく、我が国の製造現場に蔓延している問題と認識しなければならないはずであります。
 現に、厚労省が違法な偽装請負に絡んで請負事業者を文書指導した件数は、二〇〇五年の六百十六件に対し、昨年の四月から十二月までの九か月間に千四百三件と急増し、立入調査した請負事業者の八割近くで文書指導が行われ、発注業者についても、調査した七割以上で労働者派遣法違反などの違反が見付かっておるわけであります。
 このように、根拠となる平成十五年改正の派遣法が製造業の現場で遵守されておらず、違法行為が横行している実態を踏まえれば、違法行為をますます助長するおそれのあるこの派遣期間の延長に対して強い疑問を持たずにこれを淡々と実行してしまうことは、厚生労働行政としては明らかに職務怠慢であります。本来は、製造業の請負労働を行っている全事業所、さらには製造業で一年までの派遣労働を行っている派遣元、派遣先の全事業所について徹底した調査を行い、本当に予定どおりに派遣期間を延長して大丈夫なのか、再検証をじっくり行うべきでありました。
 大臣は、製造業への派遣可能期間の延長に対して何らの疑問もお持ちにならなかったのでしょうか。もし疑問をお持ちになったのだとしたら、どのような疑問を持ち、事務方にどのような検討を指示し、その上でその疑問はどのように解消されたのでしょうか。納得のいく答弁をお願い申し上げます。
#113
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、ただいま職安局長が答弁をいたしましたように、平成十五年の法改正によりまして、製造業務への労働者派遣の受入れ期間については三年と定められたものでございます。それが、これは附則……
#114
○津田弥太郎君 一年。
#115
○国務大臣(柳澤伯夫君) 失礼しました。十五年のときは附則で一年というふうに定められたと、こういうことであったわけでございます。
 したがいまして、私どもとしては、この期間が法律の原則に戻ったということでございますので、なお一層この偽装請負のような違反の状態が生じないように指導監督を強化してまいらなければならないと、このように考えている次第でございます。
#116
○津田弥太郎君 本当にその答弁でいいんですか。
 ちょっと速記録止めてください。
#117
○委員長(鶴保庸介君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#118
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
#119
○津田弥太郎君 じゃ、それでいいんでしたら。
 製造業に限らないんです。現行法においては、派遣期間は原則一年なんです。一年を超える場合は派遣先の労働組合から意見聴取義務が付されています。しかし、実際にはこの意見聴取が行われることなく一年を超える期間の派遣が行われていることが指摘をされているんです。悪質な企業では、派遣期間が三年になると三か月間直雇用、直雇用をして、三か月たったら再び派遣に戻すという脱法的なクーリングも行われているというふうに聞いているんです。
 厳格に対応するというふうにおっしゃっているんですね、先ほど。こうした法違反あるいは法の逸脱を許さないために徹底した行政指導を行っていただきたいということを私は申し上げているんです。いかがですか。
#120
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま、前の質問でも申し上げましたとおり、労働者派遣法では派遣受入れ期間に制限のある業務について、派遣先が一年を超え最長三年までの範囲で労働者派遣を受け入れようとする場合には、労働者の過半数で組織する労働組合等の意見を聞くこととされていることは今委員の御指摘のとおりでございます。このような意見聴取が行われない不適切な事案については、これはもう当然厳正に指導をしてまいらなければならないということでございます。
 また、派遣先が労働者派遣の受入れと有期の直接雇用を繰り返すというようなことがあるとすれば、これはもう職業安定法等に違反する形態での就業ということになりますので、そうした事実がある場合には厳正に指導をしていかなければならぬと、こういうことでございます。(発言する者あり)
#121
○津田弥太郎君 済みません。ありがとうございます。
 今日は時間がもうなくなってきましたんで、また次回の労働法制のときにしっかりやらせていただきたいと思います。
 ちょっと通告をしておりませんが、残った時間、要望として是非大臣又は局長に持ち帰ってもらいたいというふうに思います。
 ホームレス問題で三点要望を申し上げます。
 今年の一月に二度目の全国実態調査が行われ、五年前との比較を含め、路上生活の実態については明らかになるものと思われます。ただし、特別措置法に基づき行ってきた過去五年間の施策について、その効果を測るための全国の統一的な調査というものはこれまでのところほとんど行われておりません。今後、適切な時期に是非そうした観点からの調査を行っていただきたいというのが一点。
 二点目、目に見える形の野宿者は確かに減っていると思われるが、例えばサウナに泊まったり、不安定な仮の宿と路上を往還する人は幾らでもいるわけであります。また、ホームレス予備軍に対する予防についても法の三条で規定をされており、路上往還予備軍という三つの観点に立ったメニューの充実を行っていただきたい。これが二点。
 三点目、厚労省の自立支援施策は、先ほどから指摘しておりますように自立支援センターが中心となっています。例えば浜松、静岡、あるいは千葉、北海道など、自立支援センターのないところでは支援団体がアパートの確保なども行うこととなっております。今後はこうした自立支援センターのない地域でも国の支援が充実したものとなるように取組を行ってほしいということを最後に要望として申し上げて、私の質問を終わります。
#122
○森ゆうこ君 民主党・新緑風会の森ゆうこでございます。
 過日、大阪府吹田市で発生いたしましたスキーバス事故を契機といたしまして、貸切りバス運転者の過酷な労働環境が問題となっております。
 許可制への移行後、つまり事前規制から事後チェック体制へと大きな政策転換がなされましてから五年がたちました。事業用自動車の安全対策、またその労働環境につきまして悪化しているということが指摘をされているわけでございますが、大きく政策転換したわけですけれども、その事後のチェック体制、事後チェック体制というものが十分に構築されているのかどうか。まず、その事後チェック体制への認識について、国土交通省並びに労働行政を所管する厚生労働大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#123
○政府参考人(桝野龍二君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、貸切りバスにつきましては平成十二年から、また乗り合いバス、タクシーにつきましては十四年から需給調整という規制が廃止されまして、事業の参入が基本的には許可制に移行いたしました。
 国土交通省といたしましては、この事後チェック体制の構築につきましては三段階、本省、それからブロック単位の地方運輸局、それからおおむね県単位の地方運輸支局、この三段階の体制で体制を組んでまいりました。具体的には、平成十四年以降、関東局等々大きな局におきましては監査指導部というような部を設ける、また、その他地方運輸局におきましては監査指導課という担当の課を設ける、運輸支局につきましても監査課などを設置をして体制を整えてまいりました。
 監査要員につきましても、百名そこそこであったものが、本年の一月からは三十名増の百六十六名という体制まで増加しておりまして、この体制の中で精一杯頑張ってやってまいりたいと思っているところでございます。
#124
○政府参考人(青木豊君) 貸切りバス業を含めバス業に従事する自動車運転者に対しますいろいろな指導監督につきましては、これは一般の法定労働条件を監督をいたしておりますそれぞれ所轄の監督署において実施をするということでいたしてきております。これらについて、法定労働条件の履行確保を図るために実施いたしました監督指導件数、平成十七年で百十八件でございます。
 厚生労働省といたしましては、これまでも法定労働条件の履行確保上問題があると考えられる事業場の把握に努めまして監督指導を実施しているところでございまして、なおかつ同時に、そういった労働基準関係法令、あるいは改善基準告示違反が認められた場合については是正に向けて必要な指導を行っているところでございます。
#125
○森ゆうこ君 今その体制について御説明をいただいたわけですけれども、端的にお答えいただきたいんですが、この事後のチェック体制というものの構築は十分であるというふうにお考えでしょうか。
#126
○政府参考人(桝野龍二君) 監査が十分であるかという御質問でございますけれども、私ども、そういう意味では監査というものを実効あるものにするべくいろんな対策を打ってまいっていると思っております。
 一つは、入れ物の整備、先ほど組織申し上げましたけれども、整備でありますとともに、人員の増員につきましても努力してまいっております。
 また、監査のやり方につきましても、いろんな情報を基にした本当に実効性のあるもの、この事業者がそれなりにグレーであるというような情報を持ちながらその事業者に入っていくとか、あるいは無通告監査を行うとか、そういうような監査を行いながら、本当に監査が効いてくるような行政を行っていこうと努力しているところでございます。
 またあわせまして、実は組織として安全を守っていこうという組織をつくっていくということも大切でございますので、昨年の法律改正を行いまして、いわゆる運輸安全マネジメント、組織が本当に安全に向いた、安全を大切にするという組織であるかどうかという組織を監査するというような新しい監査の方法も導入いたしまして、総合的な監査を行ってまいっていきたいと思っているところでございます。
#127
○政府参考人(青木豊君) 私ども、労働基準関係法令、すべての事業場、すべての業種について所管をしているということでございます。そういった中で立入検査を基本として指導を実施しているというところでございます。
 そういう意味では、実際に指導監督に当たります労働基準監督官が主体的な力になっているわけでありますけれども、それらにつきましては毎年度増員要求をし、わずかではありますけれども増員を図っているというところでございます。
 なお、約三千人全国で監督官おりますけれども、そのほかに業界指導をする、あるいは国土交通省と連携を取りながら監督をするというようなことで体制を十分に活用して指導監督をしているということでございます。
#128
○森ゆうこ君 今、十分という言葉をお使いになりましたが、それは十分活用してという言葉に置き換えられているわけでして、チェック体制が十分構築されているのかという私の質問にはお二方とも端的にはお答えになっていただけなかったわけでございますが。
 いかがでしょうか、厚生労働大臣、様々な事故、そしてこの自動車運送事業、事業用自動車にかかわる皆さんの現場の状況というものは予算委員会等でも様々指摘されているわけですけれども、まずこの事後チェック体制というものが十分構築されているのかということについては大臣としてはどのように御認識でしょうか、端的にお答えいただきたいと思います。
#129
○国務大臣(柳澤伯夫君) 世の中の動きが規制緩和ということになりまして、この業界がそうだということまでつまびらかに承知しているわけじゃないんですけれども、いろんな業界で参入の障壁が取れて参入が自由になる、そういうことになりますと、今度はその参入した業者の行為規制というか、行為の規範というものがきつくなることによって、結果として、競争は行われるけれども、しかし安全というものも同時に確保される、そういうことが全体として整合的に構築されるということが予定されていると、あるいは想定されているということだろうと思います。
 したがいまして、先ほど来、森委員の指摘されている事後チェック体制というものはしっかり構築されていると思うかと、こういう指摘でございますけれども、率直に申して、他方、また行政改革による定員削減というものも進んでおりますので、そういう中ではありますけれども、少しずつでもこの事後チェックのための要員も確保していけているようでございますので、全体としてその方向に向けて努力が行われているというのが現況であろうかと思うわけでございます。
#130
○森ゆうこ君 十分ではないということはお認めになるわけですよね。
 徐々にというふうにおっしゃいましたけれども、その全面的な参入障壁を取り払って規制緩和が行われ、そして事後チェック体制へと移行してから既に五年がたっております、この業界におきましては。しかし、相変わらずそのような事後チェック体制が十分に構築されていない。
 ちょっと国土交通省に伺いたいんですけれども、監査官一人当たりの担当事業所の数は何件ですか。
#131
○政府参考人(桝野龍二君) バス、トラック、タクシー等々で若干差があるんでございますが、大体今先生のお言葉に何件と答えるんじゃなくて、大体平均でどのぐらいすべての事業者に監査で入れるかという数字を私ども公表しているんでございますが、乗り合いバスにおきましては大体平均三年で一回、貸切りバスにおいては大体五・八年ぐらいで一回、それからトラックにつきましては十二年ぐらいで一回というような感じで今のところは回るような体制というふうに御説明をさせていただいております。
#132
○森ゆうこ君 一人の監査官の担当する事業所の数は何か所ですかというふうにお聞きしたんですけれども、そういうお答えもできるかと思いますが。
#133
○政府参考人(桝野龍二君) 繰り返し申し訳ございませんが、過去何回やったかという数字はあるんですね。この体制の中で何回監査をしてまいりましたかという数字がありますので、それを事業者数で割って、大体一回り回るのに何年かと今御説明申し上げました。
 先ほどから、全国で大体百六十数名、今年の実は十九年度予算が成立いたしました場合二百名になる監査要員でございまして、これ、バス、タクシー、トラック、それぞれ実は現場が少し離れているものですから、単純に一人当たり幾らという御説明をしていいのかどうかということでございますが、またそれは整理いたしまして、後ほどよければ先生の方にまた差し上げたいと思います。
#134
○森ゆうこ君 この問題につきましては、昨日既に通告をいたしております。きちんと答弁をしていただきたいと思います。
 皆様のところに資料をお配りしてあるかと思います。様々な資料がございますけれども、国土交通省から御提供いただきました「自動車運送事業者数及び行政処分状況の年度別推移」という表をまずごらんいただきたいと思います。監査実施事業者数というもの、そしてその割合を見ていただければ、どの程度監査が行われているかということは一目瞭然だと思います。
 そして、もう一枚、合計で三枚ありますけれども、これは厚生労働省の方から、自動車運転者を使用する事業場、今回はバス業を取り上げましたけれども、バス業に係る監督実施状況ということで、監督の実施事業場数、そしてその労働基準関係法令の違反事業場数、そして改善基準告示の違反事業場数、そしてその割合というものがそちらに列挙してあります。
 これを見ていただければ分かるんですけれども、つまり、もう既に事後チェック体制が十分構築はされていないということは先ほどややお認めになったかと思いますけれども、結局、象徴的な事故としてこの間のあずみ野交通のバスの衝突事故というのがあったわけですけれども、この事業用自動車の自動車運転者を使用する事業場に係る労働状況、その状況というのは非常に厳しい状況に相変わらずあるというふうに考えられます。
 そこで、国土交通省は、規制緩和をするときにこのような状況が起こり得るであろうということについては、国土交通省自身が当初より懸念をしていたということでございます。これは国土交通省のホームページから取ったものでございますけれども、事業用自動車については、業態ごとにそれぞれ特有の安全上の問題を有しているとともに、いったん事故が発生した場合には、大型車が多いこと、乗車人員が多いこと等から大きな社会的影響を生じることが多い、途中抜かしますけれども、そしてその後、二〇〇一年度末までに需給調整規制が廃止されることとなる、需給調整規制の廃止は、市場原理と自己責任原則の下に競争を促進し、事業活動の効率化、活性化を通じてサービスの向上・多様化等を目指すものであるが、一方、競争が激化した場合に安全の確保が脅かされる可能性もある。このようなことを背景に、事業用自動車の事故を低減していくためには、事故情報の収集・分析を基本とし、安全対策を推進していくための体制の強化、適切な運行の維持方策の充実や安全規制遵守の確保のための施策の充実などを図っていくことが急務であるというふうに国土交通省自身が指摘しているわけでございます。
 そして、事業用自動車の事故件数を二〇一〇年までに二〇%削減することを目標とする。その事故率の低減目標まで掲げているわけでございますが、ここで国土交通省が掲げておりましたこれらの目標に関しては一体どうなったんでしょうか。
#135
○政府参考人(桝野龍二君) 今、森先生御指摘の私どもの方の二割という目標でございますが、これは平成十一年に、その十二年から規制緩和をする直前でございますけれども、運輸省の中の、当時運輸省でございますが、運輸省の中の運輸技術審議会というところで目標として出した数字でございます。
 この二割の数字の根拠なんですが、当時の事故が多発している事業者の事故率みたいなのを取りまして平均を取りました。平均一台当たり何件と出た数字の、大体倍辺りをまた目安としまして、その倍辺りより以上の人、極めて悪い事業者、この事業者が平均レベルの二倍ぐらいの事故率になるというぐらいまで落とした場合に全体でどのぐらい減るかということを起算した、意外とざくっとした数字が二割という数字でございました。
 結果どうなっているかでございますが、今事故件数におきましては、実は事故件数は微増をしております。実は、事業者数も規制緩和の影響でかなり増えておりまして、例えば貸切りバスにおきましては、平成十年度を一〇〇とすれば、台数が一八五、事故件数が同じく一〇〇とすれば一二五という形で両方増えております。これは割り込みますれば、貸切りバスにつきましては、一台当たりの事故件数は減っておりますけれども、件数としてはやはり伸びております。また、トラック等におきましては、同じような、事業者数は一一九、事故件数が一一四でございまして、これもちょっと一台当たりは微減でございますが、事故件数は増えております。
 もう一つ言わせていただきますれば、その中で死亡者数におきましては、数といたしまして一四%、約百人減少しておりまして、目標二〇一〇年までに死亡者数につきましては二〇%減を達成していくよう、また事故件数につきましても、微減と言わずもう少し減らせるように引き続き努力してまいりたいと思っております。
#136
○森ゆうこ君 今、減少しているというふうにおっしゃいました。しかし、平成十七年十月、自動車運送事業に係る交通事故要因分析検討会の報告書によれば、このように分析をされております。事業用自動車による事故は厳しい状況にあると。平成十六年中に事業用自動車が第一当事者となった事故件数は六万八千三十四件であり、十年前の一・三九倍に増加して高止まりとなっている。これらの事故による死者数は七百三十一人であり、十年前の〇・八三倍に減少しているものの全交通事故死者数と比べて減少率が小さいと、このように指摘をされているところでございます。
 そして、その要因として、規制緩和による新規参入事業者増加により競争が激化しており、就労条件が悪化している。また、トラックにあっては、荷主との力関係により到着時刻の指定など運送条件が厳しくなっている。このことが、交通規制違反や長時間労働の遠因となっている等々指摘がされているところでございます。
 先ほどから、監査官の数も微増であるけれども、徐々に増やして事後チェック体制の充実に努めている、努めているというふうにおっしゃいますが、先ほどお示しした資料をごらんいただいても、例えばバス業にかかわる改善基準告示違反事業場数、そして労働基準関係法令の違反事業場数ともずっと高止まりになっているわけです。全く改善が見られない。改善が見られなければ対策を全くやっていないと同じではないですか。いかがでしょうか。
#137
○政府参考人(青木豊君) 私どもの監督対象は、まず第一に、いろんな情報に基づきまして、あるいは過去の監督指導の経過、結果、そういったものに基づきまして、これは問題がありそうだと思うところをできるだけ把握に努めて、そういったものを対象に重点的に立入調査をすると。そして、事情聴取をする、文書を調べるというようなことをやっているわけでございます。もちろん、毎年の数につきましても、同じ事業場ということもありますけれども、多くはそういって順次新しいところをやるということでございますので、必ずしもいったん同じものがずっとこういう状況のままでいるということではございません。
 しかし、そうはいいましても、全体として非常に違反事業場数というのは高いというのは確かだろうと思います。一般的な産業における違反の率に比べれば若干高いだろうというふうに思っていますので、そういう意味では、私どもは自動車運転者を使用する事業場については、とりわけ特に、我々の行政対象としては重点の一つとして考えているところでございます。
#138
○森ゆうこ君 重点的にやっている、それから国土交通省も一生懸命取り組んでいるというふうに言っているわけですけれども、今のこの状況というのは私は大変ひどい状況だと思います。
 そして、この間のあずみ野交通の事件をきっかけに、国民の皆さんも公共交通については基本的には安全が確保されているというふうに認識していたと思うんですね。ところが、実際にはほとんど徹夜運転で、非常に過酷な労働状況で運転していると、そういう事業所が存在するということが明らかになったわけです。
 これはいつになったら改善されるんですか。いつまでに、どのようにきちんと改善策を取られるのでしょうか。国土交通省、いかがですか。
#139
○政府参考人(桝野龍二君) 先生おっしゃいますように、運輸業におきましては、安全というのは非常に大切であるということは私ども認識しております。特に、今回のあずみ野につきまして、そういう意味では非常に大きな反響があったということも私ども重く受け止めて、今後このような形で、あるいは法規違反をする、あるいは無理な運転をするということのないように、現場の方も含めて引き続き厳しく対処してまいりたいと考えております。
#140
○森ゆうこ君 いや、だからそういう答弁はもういろんなところでなされているわけですけれども、そういう答弁では納得できないんです、満足できません。いつまでに、どのような方策を講じて改善されるのかという具体的な御答弁をいただきたいと思います。
 規制緩和によって事前規制から事後チェックへというふうに大きく方針を転換したわけですね。事後チェック体制をきちんと構築していない、そしてそれが機能していないということであれば、全く違った方策を検討されるべきではないでしょうか。
 厚生労働大臣、この規制緩和への転換後、労働環境の悪化の上、事故も増加をしていることを踏まえて、労働行政を所管する大臣といたしまして、国交省と連携して労働条件の確保を図っていくべきではないでしょうか。
#141
○国務大臣(柳澤伯夫君) 事後チェックの体制で国交省は安全の確保を図っていく、そういう行為規制をいろいろ当然考えられていくわけでございます。そして、私どもの方は、これは労働条件と申しますか、労働の状況というものの違法状態というものがないようにするということが間接的に安全にも寄与すると。こういうことで、私どもにとりましても重要な分野であると、こういうように考えるわけでございます。
 したがいまして、私どもとしても国土省と自動車交通、特に公共自動車交通についてはいろいろと連携をしまして、監督の局面は違いますけれども、それでもいろいろな情報の交換をいたしまして、監督指導の実効が上がるように努めていかなければならないと、このように考えます。
#142
○森ゆうこ君 もう少し労働行政を預かる大臣として、もっと強く国土交通大臣に対してこの状況を早く改善せよということをおっしゃったらいかがでしょうか。それが私は労働行政を所管する大臣の役割ではないかと思いますが、いかがですか。
#143
○政府参考人(青木豊君) 先ほど申し上げましたように、実は今大臣からもお話ありましたように、国土交通省とは大変連携をしておりまして、この事業というのが大変そういう意味では私どもとしても重点でございますし、国土交通省としてもその安全を確保するということは大切なことでありますので、いろいろなレベルで会議を設けたりということで連携をしておりますし、あるいは違反事例につきましては、それぞれ道路運送事業法、あるいは我々は労働基準法なり改善基準告示を持っているわけでありますが、そういったものの違反を見付けた場合にはお互いに通報するというような通報制度も持っておりますし、そういうことで連携をし、あるいは先ほどもちょっと申し上げましたが、合同監査、監督を実施するというようなことで連携を図っているところでございまして、委員がおっしゃるように、両省相協力してやっていくということについては大変大切だと思っておりますので、今後ともそういうことで進めていきたいというふうに思っております。
#144
○森ゆうこ君 頑張っている頑張っていると言っていますけれども、結果が出ていないんですよね。規制緩和間違いだった、事後チェック体制では対応できないんだということだったら、元に戻せばいいじゃないですか。どう考えていらっしゃるんですか。もう五年もたっているわけですよね。
 そして、先ほど示した資料のとおり、その現場の状況は一向に改善されていない。そして、その象徴としてこの間のあずみ野交通の事件があったと思います。これは氷山の一角であります。市場原理主義を導入するということは、不適切な事業者は市場から市場原理によって排除される。しかし、じゃこの業種に限ってはどうでしょうか。それは、市場から排除されるというのは大きな事故を起こしたときですか。つまり、もっともっと人柱が立たないとこの現場は改善されないということなんでしょうか。いかがでしょうか。
#145
○政府参考人(桝野龍二君) 俗に言う規制の場合には、経済規制それから社会的規制と、こういう形に大きく分けて議論を今までしてまいりました。先生おっしゃるように、今までは経済規制というもので一部その安全が肩代わりされている実態があったんじゃないかという御意見をお伺いいたしました。そのときに、その安全というものを保つために経済規制を復活すべきかどうかについては非常に慎重な議論が必要かと私ども思っております。
 先ほどの私どもの回答の中で、監査、そういうような体制の中で、体制をうまく回しながら効率的な監査をしてまいりたいというのが私どもの立場でございまして、今回、あずみ野観光の話につきましては、いわゆるツアーバスと称せられる、お客様をエージェントが集めてスキーに行く、あるいはエージェントが集めて東京なりあるいは大阪なりに移動する、こういうバス、いわゆる路線バスと言われているものではない貸切りバスを活用した長距離輸送の分野について事故が起こりましたものですから、昨々晩でしょうか、冬柴大臣が新宿のそういうバスの乗り場を監査をしておる中を視察していただいて全国に督励していただくなど、これから地方におきましても、そういうある種限った一つの分野にピンポイントに光を当てたような監査をし、効率的な活動の中でできるだけ安全を確保していきたいと、そういう方向でこれからも行政を進めてまいりたいと思っているところでございます。
 御理解をいただければと思っております。
#146
○森ゆうこ君 御理解できません。
 先ほども申し上げました事前規制から事後チェックになった。そして、その事後チェック体制が機能していないということは、ほとんど無法地帯とも言ってもいいのではないかと思います。改善されていなければ、様々な対策はやっていないと同じことだと思います。
 私は、厚生労働大臣から、やはりきちんとこれは労働環境の悪化、そしてひいては国民の生命の安全にかかわる問題でございますので、冬柴国土交通大臣に対しまして、もっと具体的な、そして効果のある対策を早急に行うよう、勧告という言い方は難しいのかもしれませんけれども、きちんと言っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、大臣。
#147
○国務大臣(柳澤伯夫君) バス事業に係る規制緩和につきましては、基本的には業所管官庁でございます国土交通省の問題ではありますけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、厚生労働省としては、バス運転者の法定労働条件の履行確保を図るという観点から事後チェック体制の一翼を担っているという認識を持っておりまして、その認識の下で引き続き国土交通大臣と連携を図っていくことが極めて重要であると考えております。
 このため、国土交通省との連絡会議等の機会を通じまして、必要な意見交換、情報の共有化を図り、バス運転者の法定労働条件の履行確保を図るための積極的な取組を行ってまいりたいと、このように考えております。
 予算委員会でも同様にこの問題が取り上げられまして、たまたま私と冬柴国土交通大臣は隣の席でありますので、本当にこの問題にしっかりと取り組んでいかなきゃいけないというようなことで話をしたものでございます。そういう意味合いで、私ども大臣同士でもこうした問題を重く受け止めております。
 したがいまして、また事務当局の方もよりよりしっかりした協調体制の下でこうした事後チェックを、直接、間接、それぞれに協力しながらしっかりと努めていかなければならないと、このように考えております。
#148
○森ゆうこ君 何度聞いてもしっかりとした御答弁がいただけないので、大変残念に思います。
 ほかにも質問がありますので、質問を続けさせていただきたいと思います。
 それで、今回、国土交通省の方に、タクシー業務適正化特別措置法改正案が国土交通省から提出されているわけでございますが、バス事業に対しても予防的見地から厳格な措置を講ずるべきではないか。
 そして、今時間がありませんので続けて聞かせていただきますが、関連して、その中に指定都市というのが、政令指定都市がその指定都市に入るわけですけれども、私の地元新潟市も四月一日から政令指定都市になりますが、その中に新潟市は入っているでしょうか。併せて伺いたいと思います。
#149
○政府参考人(桝野龍二君) 先生、今御紹介いただきましたが、タクシー関係につきましては、タクシー業務適正化特別措置法というものの改正案を今国会に提出させていただいております。これは、タクシーにおきまして、いろんなところで、過労運転とか乗車拒否とか、それからいろんな苦情、それから事故等々増えておりますので、これにつきまして、運転者について、一定の大きな都市、これは流し営業と称していますが、いわゆる手を挙げて止める、つまり利用者の方が偶然性に基づいてタクシーをつかまえられる、いいタクシーだから選ぶ、悪いタクシーだから選ばない、そういうことが比較的起こりにくいような地域において、運転者の登録制をすることにおいて一定の質を確保していきたいという発想の下に作った法律でございます。
 どの都市に拡大をするか。今、実は東京と大阪で現在試行しておりますが、どの都市に拡大するかにつきましては、今後法律改正をいたしました後、関係のいろんな方の御意見を伺いながら政令で指定してまいる所存でございますが、基本的には、先ほど申し上げたように流し営業と称するもの、つまり運行管理所というところにタクシーがいるのではなくて、運行管理所から離れたところで運転手がお客さんと応対をすると、そのようなところを一定の比率で行われているような都市、非常に大きな都市といいますか、そういうようなところを考えておりまして、新潟市の場合に調査いたしますと、ほかの例えば横浜でありますとか、名古屋でありますとか、それに比べましてそういう流し営業比率はかなり低いものですので、現在、私ども事務的には新潟市は対象にしない方向で検討いたしています。
 引き続き、今後もまた関係者の御意見も伺いながら決めてまいりたいと思っているところでございます。
#150
○森ゆうこ君 その指定都市は、一応、当初準備段階でお話を伺っていたときには政令指定都市は入るのだというふうに伺っていたんですけど、それはじゃ、それぞれをいろいろ検討して、じゃ原則入るということではないんですね。
#151
○政府参考人(桝野龍二君) 政令が二つ出てくるので非常に面倒なんですが、このタクシー法に基づく政令で定めるというのが一つ政令指定都市となっておりますが、いわゆる政令指定都市すべて入れるんではなくて、政令指定都市の中で、あるいは政令指定都市のような都市というような趣旨で御説明をしてまいりました。よって新潟も政令指定都市になりますが、入らない方向でございますし、あわせて、例えば静岡なども政令指定都市になる予定でございますが、入らない予定でございます。
 そのような形で、いわゆる政令指定都市の中から、いろんな指標を踏まえ、関係者の意見を聞きながら設定してまいりたいと思っております。
#152
○森ゆうこ君 せっかくタクシー業務適正化特別措置法を出されるわけですから、どんどんその指定都市に入れて業務の適正化を私は図るべきだというふうに思っております。恣意的に外さないでいただきたいというふうに要望をさせていただいておきたいと思います。
 それで、時間がありませんので次の質問に移らせていただきたいと思いますが、医師不足、深刻な医師不足が指摘されておりますけれども、昨日は東京地裁で小児科医の自殺が労災ということが認定されました。さらに、医師不足の深刻化、そしてその様々な要因がございますが、一つには訴訟の急増ということが大きな要因と。特に高度な医療を担当する病院から勤務医が、立ち去り型サボタージュというふうに警鐘を鳴らしている先生もいらっしゃいますけれども、いなくなる、更に現場が過重な労働を強いられる、その中で医療事故がまた更に起きてくるということで、この問題を解決する一つの大きな手段として無過失補償制度というものが今検討されておりますが、特に産科医療における無過失補償制度が検討され、補正予算で枠組みの予算も付きました。
 ちょっと時間がありませんので端的にお答えいただきたいんですけれども、制度の開始時期はいつごろというふうにお考えでございましょうか。またあわせて、今後、医療制度全体における、産科だけではない医療全体における無過失補償制度の構築についてはいかがでしょうか、お答えをお願いいたします。
#153
○政府参考人(松谷有希雄君) 委員御指摘の産科医療補償制度につきましては、昨年十一月の与党の検討会で、分娩により脳性麻痺となった場合を対象とする制度の枠組みが取りまとめられたところでございます。
 詳細な制度設計につきましては、準備委員会が今設置されておりまして、第一回会合が先般開催されたところでございますけれども、厚生労働省としても、この制度が可能な限り速やかに実施されるよう協力していきたいと考えております。
 今先生御指摘の医療全体における無過失補償制度の補償対象者の拡大につきましては、本制度の設立後にその運用状況をまず見た上で、ニーズや効果を勘案しながら検討していく課題というふうに考えております。
 なお、いつこれがスタートできるかということでございますが、制度構築の進捗状況や制度創設後の周知時期等を考慮すると、具体的な時期を今の段階で見通すことは困難でございますけれども、できるだけ速やかにスタートすることを目指していきたいと思っております。
#154
○森ゆうこ君 大臣に伺いたいんですけれども、今、時期は答えることができないというふうに局長から答弁あったんですけれども、私はこれはできるだけ速やかに、もう既に先行して行われている国もあります。そして、特にスウェーデンなんかで行われているのが非常に効果があるということがもう研究の結果も出ておりますので、速やかにやっていただきたいんですけれども、時期を、できれば大体の時期をお示しいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#155
○国務大臣(柳澤伯夫君) なかなかこれは、制度の構築もいろいろとまた関係者の間で相談をしていただかなければなりませんし、それからまた、制度ができました後におきまして周知時期を考慮いたしますと、現段階で具体的なこの制度のスタートの時期を申し上げることは困難だということでございます。医政局長の答弁と変わりません。
#156
○森ゆうこ君 政府参考人と同じ答弁では大臣に質問するかいがないと思いますけれども、済みません。
 それで、最後、一問だけ端的にお答えいただきたいと思います。少し質問を飛ばさせていただきますが、医師不足、そして午前中にもありました看護師の争奪戦、様々あるわけです。人材の不足等が指摘されております。
 昨年の医療制度改革に伴いまして二十年四月から実施が予定されております特定保健指導の実施について、一つだけ確認させていただきたいと思います。
 今、検討会において検討されているようでございますが、実施者について幾つかの職種が書かれておりますけれども、その実施者について、その検討会における報告書、その職種に今の段階で限定しているわけではないということだけ確認をさせていただきたいと思います。
#157
○政府参考人(外口崇君) 特定保健指導の実施に当たりましては、保健指導に関する高い専門的知識、技能を有する医師、保健師、管理栄養士が中心となって担うことを基本として検討が進められているところであります。
 これに加えて、保健指導における実践面での指導などについては、一定の要件を満たしたほかの職種の方も加わっていただくこともできるのではないかと考えております。
#158
○森ゆうこ君 ありがとうございました。政省令策定の段階で他の職種の皆さんにも門戸が開かれるということを確認させていただいたということで、質問を終わらせていただきたいと思います。
#159
○柳澤光美君 民主党・新緑風会の柳澤光美でございます。
 何か人数も少なくて、非常に大臣の答弁も元気がないんで、少し元気を出してやりたいというふうに思いますんで、よろしくお願いをします。
 今日はちょっと難病対策について絞ってお伺いをしたいというふうに思っておりますが、昨年の十二月の十二日に、本委員会で雇用の質問の前に急遽、FOPという難病を指定していただきたいという質問をさしていただきました。そのときに、櫻井委員の方からも宮城でもあるというようなお話があって、大臣の方から、予算も確保したいし、年度内に懇談会を開いて進めたいという前向きな答弁をいただきました。
 その後、実はその患者さんというのが私の出身のUIゼンセン同盟の組合員の家族の方だということで、できるだけみんなで協力、応援をしてあげようということで、UIゼンセン同盟、全国の仲間、広島等では連合の皆さんも御協力いただいて、年度内にということなら二月末までにじゃ署名を集めてほしいということで、三十三万一千百九十七人の署名が集まりました。三月六日に院内集会を開いて両院の方に請願を出さしていただきました。三月の九日に厚生労働省外口局長に受けていただいたんですが、民主党の難病対策推進議連の先生方と要請にお伺いをさせていただきました。この場をかりて、本当に協力いただいた皆さんには感謝を申し上げたいというふうに思うんですが、その結果、十二日に特定疾患対策懇談会が開催をされて、二十四の対象疾患の中からFOPとXPかな、もう本当に難しい名前のばっかりなんですが、認定を受けるということになりました。ただ、これは健康局長の諮問機関であって、あくまでもそこで議論をされたと。正式に厚生労働省としてこれを指定をすると、そのことが決まって今後対応が取られていくというふうに思うんですが、大臣の方にまずその確認と、今後、では具体的にどういうスケジュールでどんな対応が行われるのかというのをお伺いしたいと思います。
#160
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、柳澤委員からあらかた概略の御報告みたいな形で御説明がございましたが、私からも、繰り返しになる点がございますけれども、改めて御説明を、御報告を申し上げます。
 三月十二日に開催されました特定疾患対策懇談会におきまして、FOP、進行性骨化性線維異形成症という疾患及びXP、色素性乾皮症という疾患、この二つの疾患を難治性疾患克服研究事業の対象として追加すべきとの結論がまとめられました。これを受けまして、この二疾患を平成十九年度から難治性疾患克服研究事業の対象といたしまして、速やかに研究に着手できるよう体制を整えていくこととなる次第でございます。
 このため、平成十九年度の早いうちに新たに両疾患に精通した専門の医師に研究班に加わっていただきまして、まずは疾病に関する情報収集や実態の把握を行うとともに、原因の解明や新たな治療法の開発に向けて取り組んでいくということになるわけでございます。
#161
○柳澤光美君 できるだけ早くお願いをしたいというふうに思いますけれども。
 最初にちょっと柳澤大臣にお伺いをしておきたいんですが、難病対策に関しては、この難治性疾患克服研究事業と、もう一つは特定疾患治療研究事業、二つがございます。今回は難治性疾患の克服研究事業のところだけ二つ進んだと。その後、医療費の補助がある特定疾患治療研究の議論も残されている。
 今後、まだ、二つ選ばれたのは大変、その中にFOPが入っているのは大変有り難いと思っているんですが、二十二の疾患は選ばれていない。その辺を今後どうするのか。あるいは、特定疾患治療研究で医療費の補助を四十五今あるわけですけれども、そこに加えるという議論は今後どうされようとしているのか。そして、それに対する柳澤大臣の難病対策について今考えられていることをちょっと簡潔にお話しいただければと。時間がないのでよろしくお願いします。
#162
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回の平成十九年度の疾患追加に関する検討のうちで今委員が申された疾患克服研究事業につきましては、研究を優先して進める切実な必要性のある疾患が選定されたものでありまして、今回選定されなかった疾患については、来年度以降再び対象疾患への選定を検討していくということになるものでございます。
 他方、特定疾患治療研究事業につきましては、昨年十二月に特定疾患対策懇談会におきまして事業の対象者の範囲を見直したらどうかという御提言があったわけでございますが、これに対して、その後、様々な御意見があったことを踏まえまして、今後更に検討をするということにいたしました。その結果、平成十九年度予算におきましては、これまでと同様の疾患を先ほど申した特定疾患治療研究事業の方の対象とすることとしたところでございます。
 いずれの事業におきましても、今後、対象疾患の追加であるとか対象者の範囲について、患者の状況や意見を踏まえながら適切に検討をしていきたいと、このように考えております。
#163
○柳澤光美君 実は私、労働組合の経験をしてきましたから、どちらかというと労働分野が専門でございまして、この難病については本当に知識も乏しかったわけですが、今回そういう取組をする中で、やはり自分の目でじかにいろいろ情報を集めたいということで、これは患者さん御本人及び家族の皆さんにも御了承をいただいたんですが、もう名前を出していいということなんで、率直にお話ししたいと思うんですが。
 実は、お兄さんが組合の役員をやられていまして、幸一さんというんですが、私も個人的に知り合っておりまして、二人兄弟でその弟さんがこのFOPにかかられているわけです。一月の二十三日に、お兄さんに東京へ足を運んでいただいて、それまでの御苦労等はお伺いをしました。是非、そのFOPにかかられた弟さんは今年三十二歳になられるんですが、佐賀に、お兄さんは今広島に勤めているんですが、佐賀にお住まいで、是非お伺いしたいということで、お兄さんと一緒に二月の十一日に佐賀に行って、健司さん本人そして御家族の皆さんにお会いをして、いろんなお話を聞かせていただいてきました。
 そういう知識のない中で、その後、十二日に懇談会がございましたが、今、十八年度から公開をして懇談会が開かれているということで、これは私は非常に英断をされているというふうに思うんですが、私も早速その懇談会の傍聴もさせていただきました。傍聴の方も詰め掛けていて、実は二時間にわたる議論を聞かせてもらったんですが、本当にむんむんとした熱気で、汗をふきながらという状況だったんですが。
 それを踏まえて、本当にちょっと素人というか、よく分かんない、ただ率直に感じたことを少し質問させていただきたいというふうに思っているんですが。
 実は、健司さんは四歳のときに発症しているんですね。ということは、発症してからもう二十八年たっているわけです。私は、すばらしいなと思っているのは、お会いして、本当に元気で頑張られていて、実は高校を出られた後、コンピューターの専門学校に行かれました。卒業されて、十九歳のときには運転免許を取っているんですね。実は、これも大変苦労しました。実は、警察の方で、病名が確定していないということもあって難しいということがありまして、民主党の佐賀の原口衆議院議員あるいは大串衆議院議員等がいろいろ働き掛けて、十九歳のときに運転免許を取ることができました。
 実は、二十一歳のときに就職もしました。これは、これも私は大変、障害者雇用促進法のときにも企業の協力が大事だというお願いをしたのであえて名前を出させてもらいますが、佐賀銀行の子会社の佐銀コンピュータサービスという会社の方に途中入社をされて、二十三歳のときには正社員になるという中でずっと頑張ってこられているわけですね。
 それが、四歳のときに発症をして、自転車に乗って転んであごを打つと、そこからやっぱり炎症が広がって、今、健司さん自身は口がほとんど開かない。それから、しゃべることと食べることにも非常に大きな障害が出ています。背中から固まり始めて、右足までずっと真っすぐ伸ばしたまま、腰掛けるのもかなり、それがよく運転をして、ただ、手が動きますからコンピューターの仕事ができるという頑張りをされているわけですけれども。彼が本当にそのときに言ってくれたのは、実は触らせてももらったんですが、大変な硬さなんですね。背中なんというのは本当にこちこちになっていまして、その中でそれだけの努力をして頑張ってくる。でも、情報は本当にない。そして、自分一人で、この痛みというのも恐らく健司さんにしてみれば、家族にも言えないその痛みの中でずっと耐えてこられたんだろうというふうに思うんです。ただ、非常に明るくて、むしろ今回こういうことが公になってきてうれしいと。
 ということで、実は佐賀はもう一人中学生の女子学生の方が、二百万人に一人と言われるんですが、そこにお二人いて、民主党の大串議員も非常に親身にいろんな相談に乗ってあげたりしているんですけれども。やっとその辺が今回そういうオープンになってきたと。私はこうやって頑張ってきたし、是非そういうのを同じ病気の皆さんに、小さいときから、子供でなられた人たち、あるいはその中学生とはメールのやり取りをして元気付けられているんですが、難病であったって頑張れるんだという希望の星になりたいんだという話の中で、今回こういう形で国がきちんとそれを認めてくれる、治療費とか何かの問題ではなくて、これはとっても大きいということがありました。
 それから、お母様も大変、お父さん、お母さんも苦労されたと思うんですが、本当に愚痴は一言もなくて、一番訴えられたのは情報がなかったと。それで、転んであごを打ってあごが動かなくなる。仕方ないからお医者さんに行く。そうすると、整骨医とかという、たらい回しという言葉が適正かどうか、分からないんですよ。そうすると、開かないので無理して、いわゆる開ける、それからカイロプラクティックみたいに温める、それからマッサージをする。後から分かったのは、このFOPという進行性化骨筋炎、もっとこんな難しい名前になっていて、いかに難病というのは名前が難しいかというのも感じているんですが、筋肉が炎症を起こしますから、いわゆるメスを入れたり刺激をしたり温めたりというのが逆に炎症を早めて、いわゆる骨になるスピードを上げてしまう。そのことさえ分かっていれば、実はできるだけ冷やさなきゃいけない。むしろ、うんと冷やして炎症を止めてあげるという手を打たないと、進行がうんと進んでいってしまう。こんなことも分からない人が一杯いるだろうと。だから、健司に対して一番悔しいのは、そのことが分からなかったことだということを一番訴えられているんですね。
 私も、初めてその難病の御苦労というのも、でもその中で、そうやって自立支援法、あるいは障害者雇用促進法でも、地域の企業とかいろんな方が連携をしてそうやって頑張られる。ですから、この対策というのは医療補助だけではなくて、そういうトータルの取組をしていかなければいけないだろうというふうに感じています。
 実は、懇談会に出させていただいて、これがそこへ出てきた資料なわけですね。お手元に概要が、出させていただいておりますが、対象疾患はこの四つの要素から選ばれてきているわけです。数が少ない。ですから、全国飛び飛びにあると、その情報もほとんど分からない。だからこそ、大きな病院であれ、あるいは医薬の会社であれ、その研究はとてもしない。これは、メリット性だけを求めればそういうことになりますよね。原因が分からない。だから、本来やってはいけない治療をしてしまう、逆のことをしてしまうという現象が起きる。効果的な治療方法が見付からないと同時に、健司さんのようにだんだんだんだん進行が進む中で、生活面というのも非常に大きな負担になっていく。それは、私はやはり国としてきちんと認めてあげるという仕組みをつくらなければ駄目だろうというのは、本当に心の底から思いました。
 その懇談会に出させていただいて、この資料を是非、僕は厚生労働委員の先生方のところには是非配っていただきたいというふうに思うんですが、今回、患者団体の皆さんから要望があったもの、それから研究者の方から要望があったもの、それで、希少価値もある程度考慮に入れて二十四の対象疾患がある。その細かい説明が病名ごとに全部あります。人数が、例えばこの一番最初に入っているHAMというのだったら千四百人しかいないと。原因の解明も進んでいない、主な症状というのは、本当に、麻痺等が起こる、合併症が起きる、治療法も薬の投与等の痛み止め等しかない。長期にわたるのでいうと、本当に高齢者がなってきたり、それから社会生活に非常に支障を来したり、極めていわゆる経過が長いんですね。ですから、この中にも、実は小児慢性特定疾患治療研究事業対象から、十八歳から外れて、こちらに入ってこなければならないというのも出ているわけですね。それで、私から、素人から見ると、これ二十四疾患すべて、この難治性疾患克服研究事業に選定をしてあげなければいけないんじゃないかなというふうに率直に思うんですが、大臣、どう思われますか。
#164
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、先生御指摘のとおり、難治性の疾患の克服研究事業と申します事業の対象疾患は四つの要件、つまり希少性、原因不明性、それから効果的な治療方法が未確立であること、それから生活面への長期にわたる支障があること、この四要件を満たす疾患の中から、医学、医療の専門家から成る、先ほど来、先生が傍聴された懇談会におきまして、研究の必要性を総合的に検討をして選定をされているというものでございます。
 三月十二日に開催された特定疾患対策懇談会におきましては、四要件を強く満たすなど、切実な研究の必要性があるものについて各委員より専門的な見地から御議論をいただいて、その結果、FOPとXPの二疾患が難治性疾患克服研究事業に選定されたと、こういうように承知をいたしております。
 研究の成果を上げるためには重点的に研究を実施すべきであるとの意見がある一方、いや、そうではない、できるだけ多くの疾患を難治性疾患克服研究事業の対象に選定して研究を推進してほしいという要望があることは、その両論があることは私も承知をいたしております。
 事業全体の規模には一定の制約が伴いますけれども、研究を優先して進める必要のある疾患がより速やかに研究事業の対象となりますよう、来年度以降も引き続きこれに取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#165
○柳澤光美君 大臣が官僚の皆さんに作っていただいた内容を読み上げるという答弁を聞くと、大変私は残念に思うんです。本当に、もう一回この二十四の病気を一度きちんと確認をしてみていただきたいと。できれば、是非患者さんにも会ってほしいと。
 私は、三年前に、二〇〇四年に当選させてもらったとき、初年度が厚生労働委員会でございまして、大臣は尾辻さんでした。私は、本当に今でも尊敬しているんですが、すばらしいなと思うのは、尾辻さんもすべて現場に足を運ばれて、いわゆる確認をされている。
 ですから、例えば自殺対策基本法、実はそのときに、対策基本法は去年通常国会で通したんですが、そのときには参議院で与野党を超えて参議院決議をしているんですね、対策を打たなければいけないと。私は、去年内閣委員会になりまして、安倍官房長官でしたから、せっかく省庁連絡会議をやっても全然進まないという中で、実はお座りの武見副大臣も入っていただいて、実は尾辻さんも、大臣は降りられていたんですが入っていただいて、それで、厚生労働委員会が審議が一杯でしたから、私、内閣委員会の理事やっていましたから、内閣委員会で実は自殺対策基本法というのを通させていただいた経緯があるんですね。私は、そういうことが私は政治判断だというふうに思っているんです。
 で、実はこの難治性疾患克服研究事業というのは、予算、事務方の皆さんもう大変努力されて、ここは経費、厳しいといっても僕はもっと伸ばして当たり前だと思っているんですけど、増やしてはきてくださっている。ただ、二十五億七千万なんですよ。で、もし二十四を、これ平均して今の予算を百二十一で割ってみると大体二千万なんですが、二十四全部認めて研究が全部スタートしたとしても何億、まあ億って単位は少ないとは決して言いませんよ、二十五億を倍にしても五十億ですし。で、すぐこれはお金が掛かってくることではないんですね、研究をする、その前にその難病というのはきちんと認知されるということが私は大事だろうというふうにすごく感じているんです。
 で、その懇談会の中でも、大臣も報告を受けていると思いますが、もちろん健康局長も出られていて、委員の先生方はすばらしい先生がたくさんいらして議論をされているんですが、すごい議論が苦しそうなんですよ、分かるんです。難病の傍聴の皆さんが、関係者が皆さんいるわけですから、どれを入れてどれを落とすという議論というのは私だってなかなかできないと思うんですね。ですから、もっと入れれるという声もたくさんあるんですよ。
 それから、すぐしなくても、名前をきちんとして、研究を立ち上げなくても既存の研究グループのところに入れられると、いわゆる原因が似ていると、類似性のところに入れることもできるではないかという議論も出ているんですが、結果として、私は事務方の方の進め方を見ていると、予算の枠があって今回二つしか認められないみたいな流れにどうしても感じられたんです。その辺に関しては、若しくは局長でもいいですが、そんなことはないのかどうか、何で二十、もっと広げられないのか、ちょっとお聞かせいただけますか。
#166
○政府参考人(外口崇君) 今回の三月十二日の特定疾患、まあ難治性疾患克服研究事業の対象疾患の選定についてでございますけれども、最初に総論で、どういった疾患を選ぶべきか、それから選び方をどうすべきかという議論をいたしました。そのときに、結果的に、より切実な研究の必要性がある疾患から優先して選定すべきであろうということで始まったわけでございますけれども、その過程におきましても、やはり先ほど大臣から申し上げましたように、重点的に研究を実施すべき、あるいはこれは言葉を換えて言えば、成果を出せるものを優先というような考えでございますけれども、そういったこと、それから、できるだけ多くといった意見と、いろいろ意見があるわけでございます。
 ただ、やはり先生先ほど申し上げましたけれども、本当はこういうのは予算と関係なくやるべきだという御意見もありますけれども、やはりどうしても予算の制約というものはやっぱりこういう事業でございますんで受けるということがございます。そういった中であのような結果になっているということでございます。
#167
○柳澤光美君 済みません。時間がなくなってしまって。
 実は、私は決算委員会なんですけれども、もうこの前の決算でも確認したんですが、労働局の不正経理だけだって六十億もあるんですよ。去年、決算委員会で指摘された無駄遣いも四百五十二億もあるんですよ、本当に。それから、このお金というのは、厚生労働省の中の予算の中であれば私はかき集めるぐらいの金額だというふうに思っているんです。
 本来、今回は患者、広がって患者団体さんから上がってきたり研究者に上がっただけなんですけど、ちょこっと起きてどこからも情報が上がってこない難病だってあるんだろうなと。とすれば、その情報をどう集めるんだと。これこそ国が私は絶対やらなきゃいけないことだと思いますし、いろんなルートからそういう情報を集めて、それをまず認知する。認知することによって、もっと今度は各地域で患者さんがいる、臨床の情報が集まってくる。研究事業はその後、研究グループをひっくるめてどうするんだというのはその後だと思うんですね。ですから、この難治性の難病を最初にもっと広くまず認める。それから、その次に研究を進めるところの予算を組むと、できるところから。そして、その中から医療費の補助が行くと。むしろ三段階ぐらいにして、厚生労働省が主導権を持ってやらなければこの問題は解決しないだろうと。
 予算の枠をはめて専門家の先生たちに議論してくださいというのは私は間違っていると思っています。先生方は予算は一切関係なしに専門的に考えて、これはむしろ一人しかいないけど希少性があるからこそ公的費用で認めなきゃいけないんだと。予算の問題はまた政治の場で私は議論すればいいだろうというふうに思っていますが。
 先ほど冒頭に、うちの筆頭が、マクロじゃなくてミクロだと。それと是非、私も事務所にまでクレームの電話をいただく親戚として大変迷惑を掛かりましたので、本当に政治決断、大臣の力でこの難病辺りのところはもうちょっとグランドデザインをどうつくるんだということを是非検討していただきたいと思いますが、御答弁を、できましたら是非文書を読むんでない答弁がいただければというふうに思います。
#168
○国務大臣(柳澤伯夫君) この希少な難病についての対応、まず情報収集に努めるべきじゃないか。そして、とにかく病気のまあ言わばそういう専門的な分析の前にその実態を掌握すべきではないか。しかる後にそれを専門家の先生方の俎上にのせて、で御議論をしてどれから研究をしていくかというようなことではあろうけれども、そうした意味で、それを病んでいらっしゃる方々からしますと、全く自分がだれからも顧みられない孤立した状況になってしまっている。いろんな町で売っている医療のいろいろな厚い書物を見ても自分の該当する病気も見当たらない。これもう余りにも孤立感にさいなまれ、疎外された存在になってはしないかと、そういう角度からの今先生からの切々たるお話でございました。
 私もこれはいろいろ考えてはおりまして、こういう予算の枠の方に出張っていって予算付けを獲得したらどうだろうかというようなことが思い浮かばないわけではありませんけれども、まだ成算のある話ではありませんので、ここでそれをこういうのはどうかと言うわけにもまいりませんが、今後いろいろ考えさせていただきたいと、このように思います。
#169
○柳澤光美君 委員長、済みません、一点だけ。今回、ですから、懇談会を今度は大至急開いていただいて、二十四になるのか、あと幾つ増やせるか分かりませんが、これに対して予算がどのくらい必要だということを今度は二十年度の予算の概算のところに持っていくというぐらいの、予算が決まってから選定するんじゃないと、流れを私は是非変えていただきたいし、流用だってできる金額ですから、是非この後も増やしていただきたいということを強くお願いして質問を終わります。
#170
○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。よろしくお願いいたします。
 まず、本日は少子化対策、そして子育て支援についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 我々公明党は、三月六日、現場からの教育改革として緊急提言を発表させていただいたところでございます。その中に、仮称ではございますけれども、パパママ・スクールの推進、親教育プログラムの普及を図っていくべきであると提言をさせていただいているところでございます。
 この親教育プログラムはカナダで行われており成果を上げている、効果を上げているノーバディーズ・パーフェクトというプログラム、日本でもございますけれども、これをモデルにしております。完全な親はいないということで、正に親とは親であるものではなく、親になるものであるということを示してある言葉だと考えているところでございますけれども、このプログラムはゼロ歳から五歳までの子供を持つ親を対象にして、参加者それぞれが抱えている悩みや関心のあることをグループで話し合って、そして必要に応じてテキストを参照して自分に合った子育ての仕方を学ぶということでございます。
 このテキストを私は国会図書館から借りて読んでみましたけれども、このノーバディーズ・パーフェクトは参加費が無料で自主的にまず参加をしているということ。そして、子供たちにとって最良のものを望んでいる。そして三番目に、良い親になりたいと願っていることだということでございました。このプログラムは非常に柔軟でかつ体系立ったものであるということを率直に感想として持たせていただいたところでございます。
 この参加者用のテキストだけではなくて、このプログラムを実施するファシリテーター、この促進者のための研修のテキストもございまして、このテキストも大変良くできておりました。このファシリテーターの研修は一日六時間、そして四日間のプログラムで行われているということです。
 日本でもこのNP―Japanという組織がこのプログラムを行っているということを伺っておりますけれども、この実施するファシリテーターの研修をするという、この日本のシステムをとてもいいものだと、私はこの間いろいろなものを読ませていただいて感じたところでございます。
 今、昨今ですけれども、本当に耳をふさぎたくなるような児童虐待や様々な親子にかかわる問題、そして事件等がございますけれども、そうした背景にはこの核家族化が進んできてしまった。これまでは、従来、おじいさんやおばあさん、そして家族が果たしてきた親となる教育が今求められているんではないかと考えるところでございます。
 そこで、厚生労働省として、この親になる教育、仮称ですけれどもパパママ・スクールの導入、普及を進めていくべきと考えているところでございますけれども、大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
#171
○国務大臣(柳澤伯夫君) 委員から、最近の世相と申しますか、特に子育ての家族をめぐる環境が随分変わってきた。
 まず、核家族化ということで、昔だったら兄弟多くて組んずほぐれつたくましく育ったわけですけれども、今は親御さんのところに一人っ子、あるいは多くて二人で、親の目が届き過ぎちゃうというような状況も生まれている。それから、地域の社会の関係も、子供も昔は道に出ればいろいろなお仕事をされているおじさんがいまして、いろんなお話をしながらその作業の状況なども教わると、こういうようなことで、それはお母さんと一緒にいる場合には育児不安の解消というものに非常に役立ったということがございました。
 ところが、今はみんなが働きに出てしまって、なかなか街角にそうした時間を過ごす人もいないと。こういうようなことの中で、非常に孤立感が出てきているということは否めないわけでございます。
 そうした中で、今委員が言われるように、ノーバディーズ・パーフェクトという考え方、だれも初めから完全な親はいませんよという考え方で、相互に、お互いに啓発をし合うというパパママ・スクールということを御提案をいただいたわけでございます。
 私どもの厚生労働省におきましても、今回、こんにちは赤ちゃんというようなことで、これは生後四十日間というような本当のみどりごを抱えるお母さんに対して家庭訪問するというようなことで育児を励ますということでございますが、また今度は、もう少し大きくなっても保育所等に設置された地域における子育て支援拠点というようなもので保育に経験のあるいろんな方からの意見交換ができると、こういうようなことで施策をそれなりに展開をさせていただいているわけでございます。
 しかし、今のお話も大変興味深いお話であると思いますので、また私どもこれから将来いろいろな子育てのための、お母さんを励ます、あるいはお父さんを励ます、そういう施策を展開する際の参考にさせていただきたいと、このように考えます。
#172
○浮島とも子君 ありがとうございます。
 今、大臣の方からも御答弁ございましたけれども、本当に核家族化になってきて、本当に孤立化していってしまうというところもありますけれども、今専業主婦の方がやはり子育てノイローゼになってしまうというお声も数多く伺っております。
 というのは、昔ですと、おじいちゃん、おばあちゃんが近くにいたもんで、いろんなものを相談したり、どうしたらいいのか分からないことを身近で相談してともに育てていたところが、独りになってしまって、初めて子供に接してどうしていいか分からないという、そんな中でノイローゼになってしまうお母様方も多くいると伺っているところなので、是非とも全力で普及を進めていただきたく、強く要望をさせていただきたいと思います。
 今、大臣の方からもございましたけれども、次に、平成十九年度より厚労省でこんにちは赤ちゃん事業をスタートさせるということですけれども、この事業の概要と実施予定について御説明いただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
#173
○政府参考人(大谷泰夫君) 生後間もない新生児や乳児がおられる家庭は、核家族化とともに少子化が進む中で、地域社会との接触も乏しく、周囲からの支援も少ない状況にありまして、今もお話がありましたとおり、お母さんが産後、身体的にも心理的にも厳しい状況の中で、孤立して育児を行っている場合が少なくないというふうに認識しております。
 また、そういったものとは違う見地からも、例えば虐待に関しましても、虐待による死亡の約四割というのは、これはゼロ歳児ということがございまして、生後、出産後間もない家庭への支援というのが児童虐待の予防という観点からも非常に重要というふうに考えております。
 このため来年度から、予算で成立させていただければ、各市町村において保健師さんや母子保健推進員などの方が生後四か月までの乳児のおられるすべての家庭を訪問しまして、乳児のいる家庭と地域社会をつなぐ最初の機会としまして、様々な不安や悩みを聞き、子育て支援に関する情報提供等を行う。また、お母さん、お子さん、母子の心身の状況や養育環境等の把握あるいは助言を行いまして、支援が必要な家庭に対し適切なサービスを提供する、そういうことにつなげる、いわゆるこんにちは赤ちゃん事業、こういうことを創設することとしております。
 新たな事業でもございますので、これは先月の全国児童福祉の主管課長会議におきましても、これ市町村の参考となりますようにこんにちは赤ちゃん事業実施ガイドというものを作成してお示ししたところでありますけれども、今後、市町村の取組状況を把握しながら事業の確実な推進、展開を図ってまいりたいと考えております。
#174
○浮島とも子君 新しい試みで本当に大変なことも多くあると思いますけれども、是非確実に推進をしていくようにお願いをさせていただきたいと思います。
 次に、障害者、そして子育て中の保護者の文化芸術活動についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 障害者の中には本当に驚くような芸術的な才能をお持ちの方がたくさんいらっしゃいます。障害のあるなしにかかわらず、ひとしく文化芸術に親しんでいくことができるようにするということがとても重要であると考えているところでございます。
 そして、そこで先日、文化芸術振興基本法に基づく文化芸術振興基本法に関する基本的方針が改定され、閣議決定がされたところでございます。その中には、高齢者、障害者、子育て中の保護者等の文化芸術活動を行う団体等の取組を促進するとございます。このような方針が定められたのでございますので、厚生労働省としても、これまでも様々取り組んできていただいているとは思いますけれども、このような方針が政府として出されておりますので、文化庁などとしっかりと連携をして障害者の文化芸術活動を支援していく新しい取組を考えていくべきではないかと考えますけれども、大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
#175
○国務大臣(柳澤伯夫君) 障害者が芸術文化活動に参加して、心豊かで実りのある生活を送る中で社会参加を果たしていくということは障害者自立支援法の理念にも合致したものであると、このように認識をいたしております。
 私ども、障害者の作業所なんかに行くときに、創造的な作業の場というふうなテーブルがありまして、そこでいろいろな作品をお作りになっているということ。それはもう非常にまたユニークでして、要は人のまねをするものではないものですから非常に創造的だということで、独特の価値を有するということでございます。それがためにある種のマーケットができて、これを買い付けてくれる方々がいらっしゃる。それでまた本人たちにもそれが逆にフィードバックして勇気付けられる。こういうようなことでありますので、私もそうしたことは非常に重要なことだと思います。
 平成十三年度から、全国障害者芸術・文化祭を開催すると同時に、各都道府県、市町村における同様の芸術文化講座開催等事業につきまして、地域生活支援事業の一つとして支援を行っているところでございます。
 また、国連障害者十年を記念しまして、平成十三年に大阪府に設置された国際障害者交流センターにおきましては、障害者の国際交流や障害者の芸術文化活動への支援も行っているところでございます。
 今後とも、そうした意味合いで、この障害者の持つ芸術文化活動の力というものを、才能を生かしていただけるように国としても取組をいたしていきたいと、このように思います。
#176
○浮島とも子君 ありがとうございます。
 様々な障害をお持ちの方が本当に頑張っておられる、私もいろんなところに行って見させていただいているんですけれども。
 一人、神戸の方でも、バレエをやっている男性なんですけれども、ある日、外を歩いていまして、普通だったんですけれども、歩いていまして、携帯電話を落として、その携帯電話を取ろうとしゃがみ込んだところに車が来てひかれてしまい、それで左足を切断しなくてはならなくなってしまいました、二年前だったんですけれども。でも、そこで彼は、自分がもう二度と歩けない、そんな、二度と踊れないではなくて、自分は障害者ではないと、これから頑張っていかなければいけないということで、本当にすばらしい動きだったんですけれども、一年間で、たった一年間で、義足を付けて、そしてまた舞台に復帰をして、今一生懸命一線で舞台に立たれて踊られております。
 その姿を見て、本当に子供たちが、やればできるんだな、自分たちも一生懸命頑張らなければいけないという姿も今ずっと見てきたところでございますけれども、今大臣が御答弁いただいたように、本当に受け取る側だけではなくて、創造していく側、そして活動していく側にも全力的に御支援をしていただけるよう、強くお願いをさせていただきたいと思います。
 また、子育て中の保護者の方はなかなかこの文化芸術活動に触れる機会を持つことができないというのが現実の声であります。そこで、保護者の方々が赤ちゃんを連れて文化芸術活動を鑑賞できる、例えば赤ちゃんコンサートなどが考えられるのではないかと私は考えております。
 このような取組も子育ての一環としてとても重要ではないかと今思っているところでございますけれども、海外では、海外の劇場で、まずアメリカですとメトロポリタン、ドイツですとベルリン国立歌劇場というのは、子供の年齢制限はございません。なので、小さいときから、本当に三歳ぐらいの子が大きい大人のシートに座りながら身を乗り出すようにお母さん、お父さんといろんなものを見る、そして心でいろんなものを感じ取っていくという、これも社会全体の取組として子育てをしていくという観点から非常に重要であると私は考えているところでございます。
 この子育て中の保護者の方々が文化芸術等に参加できるという支援について、大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
#177
○国務大臣(柳澤伯夫君) 乳幼児のころからそうした芸術的な環境に触れるということは健全育成の上で重要ではないかという御指摘は、私もそのとおりだというふうに考えております。
 いろいろとそうした機会も日本の中にもあるわけでございますけれども、厚生労働省といたしましては、これまでも社会保障審議会の福祉文化分科会におきまして、幼児を含めた児童を対象として演劇、映画、図書などの児童福祉文化財の推薦は行っているわけでございます。
 今後とも、この推薦活動を通じまして、児童福祉文化の振興に努めてまいりたいと考えております。
#178
○浮島とも子君 ありがとうございます。小さいときからいろんなものを見て聴いて触れる、これは本当に親子のきずなもとても深くなっていくことと思いますし、これからIT社会が進めば進むほどいろんな機械でのやり取りになってきて人と接することが少なくなっていく。その心で、その年齢年齢の応じた心で、いろんな気持ちで学び取っていくということもとても大切だと思いますので、どうかそういう機会がつくれるよう、確保していただけるよう、強く要望させていただきたいと思います。
 次に、介護福祉制度の見直しに関連して、その賃金、労働環境についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 大臣は所信の中で、福祉サービスの担い手である介護福祉士及び社会福祉士の制度につきましては、近年の介護、福祉のニーズの多様化、高度化に対応する観点から、資格取得の方法など制度の見直しを行う法案を今国会に提出いたしますと述べられております。
 この制度の見直しは、時代の変化とともにこたえてするものだと思いますけれども、質の高い介護サービスを確保していくためには質の高い人材を育成していかなければならない、これが何よりも重要だと考えております。
 今回の改正で、養成校も福祉系高校もそして実務経験ルートもこれまでよりもかなり厳しくなり、質の向上を図ろうとしているとは思われますけれども、それぞれのルートをたとえ厳しくして質の向上を図り国家資格を取った方々に対して、その質に見合った処遇を図っていかなければならないと私は考えております。
 現在、介護職員が置かれた環境は非常に厳しいものがございます。福祉施設介護職員の年収は、男性の場合、約三百十五万、女性の場合は約二百八十一万と言われておりまして、全労働者の平均の四百五十三万円を大きく下回っているところでございます。また、ある福祉施設では介護福祉士の月給は十六万で、准看護師の十八万よりも低く、ほとんど事務職と同じ給与になっておりまして、介護福祉士が現在この資格として現実にそのようにしか評価されていないことがよく分かります。また、このような低い給与では結婚をして子供を持って育てていくことはなかなか難しく、このような労働環境では志はあったとしても現実問題として生活していくために転職せざるを得ないという現場の声をたくさん伺っております。
 資格制度の見直しも当然であると思いますけれども、この介護職員の労働環境の改善、介護保険上での配置基準の設定、そして介護報酬上の措置が重要だと考えておりますけれども、この点につきまして大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
#179
○国務大臣(柳澤伯夫君) 委員が私の所信の中の言葉を御引用いただきましたように、介護・福祉サービスというものがだんだん多様化し、また高度化してきていると、そういうものにしっかり適合した介護福祉士を養成していかなきゃならないと、こういう考え方から今回この法律の改正を提案させていただいているところでございます。
 そういう中で、仮にそうした、より資質の向上に努めた介護福祉士という方々が世の中に出てきた場合に、それにまたふさわしい報酬というものを得られるような、そういうものをどうやってつくっていくんだと、こういうことでございます。
 で、介護報酬につきましては、一定のサービスの質を確保する観点から、介護サービスに要する平均的な費用を勘案して設定するということになっているわけでございまして、そういうことからいたしまして、これからまた介護サービスの質の向上が実現されるような、そういう力を持った介護福祉士さんが輩出してきて現実にサービスを提供してくださるということになりますれば、またそれを反映したようなことを考えていかなければならない。介護福祉士の配置による人材の質の確保というようなことを行っている事業者につきましても、そういったものをどう評価するかという点も含めまして、今後、社会保障審議会介護給付費分科会においてその点の御議論をいただきたいと、このように思っておりまして、施設についても同様に検討してまいりたいと考えております。
#180
○浮島とも子君 このままでは、たとえ人数が必要ということで人数をたくさん増やしたとしても、本当に実際に生活をしていけないということで車の両輪にはなりません。是非とも、しっかりとした配置基準、そして報酬上の手当てをしていただけますよう、措置をしていただけますよう強く要望をさせていただきたいと思います。
 また、ここで一つ確認をさせていただきたいんですけれども、厚生労働省の検討会、報告書では、五百時間の介護職員基礎研修を受けた方が二年の実務経験を経た後、介護福祉士の受験資格を得るというルートが検討されていたかと思います。このルートにつきましては、実務経験ルート、この実務経験ルートというのは実務三年以上、そして養成課程六百時間とされておりますけれども、この実務経験ルートとの整合性にも問題があると私は思っているところでございます。
 そこで確認なんですけれども、このルートにつきましては今回提出される法案には盛り込まれずに、国家試験は受けられないという認識でよろしいのでしょうか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#181
○副大臣(石田祝稔君) 今回の介護福祉士制度の見直しにおきましては、介護福祉士の資質の確保、向上を図るため、すべての者は一定の教育プロセスを経た後に国家試験を受験するという形で資格取得方法の一元化を図るということといたしております。
 今委員のお尋ねのありましたルートにつきましては、これは元々、法律改正事項ではありませんけれども、今回の改正案につきましてはそのようなルートは設けられておりません。
#182
○浮島とも子君 お伺いするところによると、このルートは援護局の管轄ではなくて老健局の管轄で、省令で規定するルートであると伺いました。このルートがほかのルートとの整合性が取れないことをこれまでも何度も指摘をさしていただいてまいりましたけれども、カリキュラムの見直しとか介護職員の研修の在り方を検討するということは、これは当然のことだと思います。
 そこで、今、今回確認を、お言葉をいただきたかったのは、この省令で規定されているこのルートでも、法律で規定されたルートと同様に国家試験が受けられるという厚生労働省の当初のお話でしたけれども、このルートでは国家試験は受けられないということになったのかということを御答弁をいただきたいと思います。
#183
○副大臣(石田祝稔君) 今御答弁申し上げましたように、今回のこの改正案につきましては元々法改正事項ではないということを申し上げましたし、今回は盛り込まれていないと、こういうことは明確に申し上げました。
#184
○浮島とも子君 それでは、国家試験は受けられないということで認識をさしていただきたいと思います。
 先ほど来から、午前中の方からもございましたけれども、昭和六十二年に制定されて以来の今回改正でございます。この人数を増やすということで質の低下になるんではないかという現場の懸念の声がたくさんあります。厚生労働省として、この改正後、やはり質が低下してしまったと言われないよう、改正後の制度の体制のチェック、どういうふうに担保されているかという教員の質、あるいは合格者の質がどうなったかという事後チェック、これをしっかりしていくべきだと私は考えております。
 例えば三年程度で実施状況をチェックして委員会や国会に報告するなど、きちんとした体制をつくっていただきたいと思いますけれども、大臣の御見解をお伺いさしていただきたいと思います。
#185
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回の改正法案につきましては、施行後五年をめどとして資格制度について検討を加えるということを盛り込ませていただいております。
 介護福祉士の教育カリキュラムにつきまして、認知症の方への介護など新たな介護サービスに対応できるようにするため、現行のこの時間数を千六百五十時間から千八百時間程度にまで充実するということを考えておりますが、これを平成二十一年度から実施することといたしております。
 今後とも、介護を取り巻く状況の変化に的確に対応するため、今申した施行後五年ということを、まあ一応めどでございますけれども、こうしたことをめどにして定期的な見直しを行っていく必要があろうと、このように考えております。
#186
○浮島とも子君 学校の教員等々の問題等、様々な問題があると思います。しっかりとした取組をお願いさしていただきたいと思います。
 そして、今日午前中に、清水委員の方からも御指摘がございましたこの准介護福祉士については、御答弁の中で、養成校への配慮、またフィリピン協定との関係等々とおっしゃっておられましたけれども、この制度、この准介護福祉士、「当分の間、」と書かれておりますけれども、この制度について私も疑問を持っているところでございます。そして、我が党内でもいろいろ意見があるということを申し添えさしていただきたいと思います。
 次に、アニマルセラピーについてお伺いをさしていただきたいと思います。
 アニマルセラピーには本当に様々なものがあるとお伺いしておりますけれども、主に三つ、ドルフィンセラピー、そしてホースセラピー、そしてドッグセラピーの三つがあると伺っているところでございます。これらの療法が、うつ、自閉症、そして認知症、身体障害の回復など効果があると言われているところでございますけれども、特にこのセラピードッグは、二〇〇五年に行われましたスペシャルオリンピックス長野大会でも五頭が参加をして聖火リレーの伴走や大会会場での選手との触れ合いで大きな効果を発揮したと言われているところでございます。
 このアニマルセラピーは、アメリカでは医療、介護の現場で行われておりますけれども、日本においては、民間の団体が特別養護老人ホームや介護福祉施設などで活動はしておられますけれども、残念ながらまだ幅広く一般に普及している状況ではございません。このアニマルセラピーについては、平成十六年の十月十五日の参議院の本会議にて我が党の浜四津代表代行が質問をさしていただき、当時の小泉総理より、「アニマルセラピーについては、その有効性について科学的な検証が必要であると聞いております。今後、有効性が認められれば、その普及方策を更に検討してまいりたいと考えます。」との御答弁をいただいたところでございます。
 この有効性について今までどのような検証を行ってきたのか、また、今後もこの有効性について科学的な検証を行うために厚生労働省として取り組んでいくべきと考えますけれども、御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
#187
○副大臣(石田祝稔君) アニマルセラピーには、委員も御指摘になりましたけれども、犬、猫それから馬、またイルカ、こういうものによる様々な方法があると聞いております。高齢者や障害者のケアの現場で利用者と動物が接することにより、コミュニケーションの活発化、生きがいづくりといった効果が期待されるという意見もあると承知をいたしております。
 平成十八年度の老人保健健康増進等事業におきましては、高齢者施設や障害者施設等への動物活動訪問を実施している社団法人日本動物病院福祉協会において、高齢者施設等で実施されるアニマルセラピーの効果を検証する研究事業が行われているところでございます。
 委員も御指摘になりましたが、平成十六年に小泉総理の御答弁もございました。今なおその科学的な有効性につきましては検証を続けておりまして、それが認められればしっかりと周知方策を検討していきたい、このように考えております。
#188
○浮島とも子君 先ほどもお話しさせていただきましたけれども、スペシャルオリンピックス長野大会で本当に大変な大成功だったということから、北京オリンピックにも是非参加させたいというたくさんのお声も今伺っているところでもございます。本当にアニマルセラピーというのはとても大切なことだと思いますので、是非、厚生労働省として科学的な検証を進めていただけますようお願いをさせていただきたいと思います。
 次に、難病対策について一点お伺いをさせていただきたいと思います。
 先ほども柳澤委員の方からもFOPの件に関してございました。私も、実は二月の八日、石田副大臣のところにこのFOPの患者様とともに、四十万三千三百六十一人の署名とともにお伺いをさせていただいたところでございます。私も、患者さんといろいろお話をさせていただいていまして、本当にお母様が子供を思う気持ち、本当に切々と心に痛いほど伝わってまいりました。
 そのときに、静岡から男性が来てくださったんですけれども、本当に体が曲がらないということで、ストレッチャーに寝たままずっと静岡から来ていただきました。そのときに、その方の手を握って、目を見てお話をしていたら、手を触ってくれてありがとうと、いろんな方々がそばに行って手を触って言葉を掛けてくださるんですけれども、今までそんなことがなかったと、本当に自分の手を触ってくれただけで本当にありがとうと、本当顔も動かせないんですけれども、本当に涙をつうっと流されて、本当に切実に、私たちもできることをこれから全力でしていかなければならないと決意を新たにしたところでございますけれども、先日の三月十二日の、先ほどにもございました特定疾患対策懇談会でこのFOPとXPが研究事業に追加するという方針が示されましたけれども、今後研究事業はいつ始まるのか、先ほど来もありましたけれども、もう一回確認のためにさせていただきたい。
 また、今回追加されなかった患者さん、御家族の皆さん、本当に支援者の方々のお気持ちを考えると、いても立ってもいられない本当に気持ちでございます。このような方々のお気持ちを大臣としてどういうふうに率直に受け止められて、今後の難病対策にどのように取り組んでいくのか、率直に大臣のお気持ちで御答弁を願えたらと思います。
#189
○国務大臣(柳澤伯夫君) 難病の方の苦しさというものについては、先ほども申し上げましたように、格別のものがあろうと、このように思います。私たちも、体のどこかがおかしいときには、これは何だろうかと、こういうふうに考えたり、あるいはお医者さんに行けないときは本なぞをめくって考えたりするというようなことで、大体その中には自分のかかった病気が分かるというようなことであるわけですけれども、それが病名というか、病気の性質すら分からない、まして治療法は分からないというようなことに追い込まれたときにどんなお気持ちになるだろうかというのは、これはもう想像できない、想像を超えたお苦しみだろうと、このように思っております。
 今回、今御指摘のように、特定疾患対策懇談会におきまして、かねてこの委員会でも度々お話が出ましたFOPとXPの二疾患を希少な難病として研究を推進するための難治性疾患克服研究事業の対象に追加すべしということで結論がまとめられました。これを受けまして、十九年度からこの二疾患を研究の事業の対象としまして、速やかに研究に着手するように体制を整えていくことになります。
 今後とも、そうした体制の下で、疾患の原因の究明や根本的な治療法の確立に向けて、患者団体、患者の皆さん、また関係者の御意見を伺いながら総合的に対策を推進していくということになろうと思います。
#190
○浮島とも子君 今も、先ほどもございましたけれども、速やかに、一日でも早く着手できるように強く要望させていただきたいと思います。
 また、今大臣の方からもございましたけれども、本当に自分がどんな病気なのかも分からない、そして不安、そしてさらに痛みを伴う、そんな中で本当に生活をされている方々、本当に苦しい、本当に大変な思いだと思います。どうか一人でも多くの方に支援の手を差し伸べてくださいますよう、心からお願いを申し上げさせていただきたい、そして強く要望させていただきたいと思います。
 次に、視覚障害者の情報バリアフリー環境の整備についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 三月十二日の参議院予算委員会で我が党の鰐淵委員が質問に立たせていただきましたけれども、その質問に対して大臣、副大臣ともに積極的に取り組んでいくとの御答弁をいただいたことについて、本日は具体的に質問をさせていただきたいと思います。
 現在、約三十万人の視覚障害者の方々のうち、点字を利用できるのは約一割、二十二万人と推計されております。中途視覚障害者の方々の多くは点字を習得できない現状にあるとも伺っているところでございます。
 このような方々のために、日常生活の支援事業で、視覚障害者用の活字文書読み上げ装置などが市町村の判断により給付をされているところでございます。この活字文書読み上げ装置はSPコードと呼ばれる二次元バーコードを使っており、このSPコードの付いた書類を装置に読ませると文書の内容を読み上げるという情報支援機器の一つであります。
 この機器の給付件数ですが、平成十五年、十六年度合わせても千二百三十一件となっております。この件数は、このような機器へのニーズが高いと思われる約二十二万人と推計される中途視覚障害者の方々の一%にも達していないのが現状でございます。この件数を見ると、この件数で十分とこれを見るのか、それとも少ないと見るのか、これは判断は分かれるとは思いますけれども、いずれにしても、このSPコードは視覚障害者の方々の情報バリアフリーの促進に有効であると思われます。情報提供体制をしっかりと整備していく必要があると考えているところでございます。
 そこで大臣、副大臣ともきめ細かい情報提供の、積極的に取り組んでいくという決意をお持ちであると先日伺わせていただきましたけれども、現在年間一万六千人もの方が視覚障害者になって、増加傾向にあるとも聞いております。このような状況から、視覚障害者の方々に対する情報バリアフリーの促進は一層重要になってくると考えているところでございますけれども、その意味で、このSPコードの普及のため、まずは自治体での取組が重要になってくると考えますけれども、御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
#191
○副大臣(石田祝稔君) この視覚障害者の方につきましては、委員も御指摘のとおり点字が読める方約一割しかいないと、そういう中で情報バリアフリーをどう実現していくかということで大変大事な観点だろうと思います。
 視覚障害者は、障害の状況や情報の種類等に応じて点字や音声、拡大文字など様々な方法により情報を入手しているところでございますが、その中で文字情報を音声情報に変換するSPコードについても、視覚障害者が取得できる情報の範囲を広げる有効な手段の一つであると認識をいたしております。
 私も去年現物を見させていただきまして、その機械にちょうどコードのところを挟み込みますと音声が明瞭に流れてまいりまして、耳から情報を入手ができると、こういうことも実際に私も見させていただきました。
 ですから、これにつきましては、今後とも視覚障害者の情報支援に対するニーズの把握に努めるとともに、自治体や関係省庁等と連携を図りまして、SPコードの活用など視覚障害者の情報バリアフリーの促進に努めてまいりたいと考えております。
#192
○浮島とも子君 この機器の普及に向けて、厚生労働省は平成十八年の二月の十六日、医政局指導課から協力を求める事務連絡が医療機関あてに出されております。病院は、人の命そして健康にかかわる重大なところでございます。薬の誤飲などによる問題が起こっているとも今伺っているところでございますけれども、だからこそ、この医療機関や民間事業所においても、このSPコードの普及が重要であると考えておりますけれども、現状での取組と普及状況についてお伺いをさせていただきたいと思います。
#193
○副大臣(石田祝稔君) 今委員が御指摘いただきましたように、医療機関又は民間事業所等がSPコードなどの情報支援のための技術を効果的に活用し、視覚障害者に対する適切な情報支援が行われることは、視覚障害者の社会参加や自立した生活につながるものとして重要であると認識をいたしております。
 このため、厚生労働省といたしましては、一つは関係団体が実施している情報支援機器の展示会、普及キャンペーンに対する支援、また医療機関において障害者への情報バリアフリー化を促進するための関係団体の協力依頼等々を行っております。こうした中で、視覚障害者に対する情報支援活動を行っている日本視覚障がい情報普及支援協会等によれば、医療関係機関や民間企業等において視覚障害者向けの情報支援の方法を活用した取組が拡大していることが報告をされております。
 私も、民間企業のパンフレット等も拝見をいたしましたけれども、こういうところもやっているのかと、こういうふうに改めてこの情報支援、いわゆる情報のバリアフリーというもの、民間にも着実に進んでいると、このように思っておりますけれども、それが果たして十分かと言われれば、やはりもっともっと進めていかなければいけないし、協力もお願いをしていかなきゃいけない、このように考えております。
#194
○浮島とも子君 とても重要なことだと思いますので、しっかりとした取組を、厚生労働省の一層の取組を求めたいと思います。
 このSPコードと活字文書読み上げ装置の導入事業を行ったのが東京都の世田谷区だと聞いております。この世田谷区で行われた事業の中間報告書の中には、次のような意見が述べられておりました。例えば、全庁的な導入が必要である。知らなかったことにより不利、不便等が生じないように配慮するべきであり、音声化による情報提供はとても有効だと思う。視覚障害者にはプライバシーがないと今まであきらめていた。音声コードを活用する意義を行政はもっと理解をしてもらいたいという声がありました。情報バリアフリーの解消、そして視覚障害者の方の人格的な尊厳を守るためにも、このSPコードの活用がとても有効であることがこの意見書からでも分かると思います。
 この視覚障害者の情報バリアフリーを促進するため、国の機関が率先して模範を示していくべきだと私は考えておりますけれども、その模範を示すという中では、やはり厚生労働省で全面的に導入を図っていくべきと考えますけれども、大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
#195
○国務大臣(柳澤伯夫君) 視覚障害者の方を含めた障害者の人々の社会参加が進み、地域で自立した生活を送っていただくためには、情報バリアフリー化を推進していくことが必要であることはもう申すまでもない、委員の御指摘のとおりだと思います。
 このため、情報支援機器の研究開発、既にもうすばらしい機器が生まれてきて、そしてまた、それを活用する視覚障害者の方々にこれまで自分が持たなかった世界が広がるというようなこともあるようでございますが、そうであるがために、私どもとしては、更にそうした機器の研究開発、普及などに努めていかなければならない。そして、そのための施策を継続して実施をしていく必要があると、このように認識をいたしております。
#196
○浮島とも子君 是非とも厚生労働省自らが、ほかに勧めるのではなくて、自らが率先して進めていただくよう、よろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、時間も限られておりますけれども、年金制度について若干お伺いをさせていただきたいと思います。
 大臣の所信の中でも、公的年金制度に対する信頼、サービスの向上、国民年金保険料の収納の対策の強化等、様々な業務改革とおっしゃられておりました。年金制度に対する国民の信頼を確保するためには、国民が制度を使いやすく、また分かりやすくしていく不断の改革が必要であると私は考えているところでございます。
 そんな観点から、今回は国民年金制度についてお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、まず国民年金保険料の学生納付特例制度についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 この制度は、平成十二年度に創設されて、大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校等の教育施設に在学する二十歳以上の学生で本人の前年所得が百十八万円以下であれば、学生納付特例の承認を受けることにより、在学期間中は保険料の納付が猶予されるという制度だと伺っているところでございます。
 そこで、この制度は年金保険料を払う資力のない学生への配慮措置でありますけれども、改めてこの制度の趣旨そして目的とするところを大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
#197
○国務大臣(柳澤伯夫君) 学生につきましては、平成元年の制度改正におきまして、障害無年金の発生の防止等の観点から国民年金に強制加入をお願いすることといたしました。しかし、学生本人が、では一般に所得があるかといえば、これはないのが普通でありまして、親が保険料を支払う例が多い等の問題が同時に指摘されたわけでございます。このため、平成十二年の今委員御指摘の制度改正におきまして、学生本人が社会人になってから保険料を納付することを期待して、在学中は納付を要しないという学生納付特例制度を設けたところでございます。
 具体的には、本人の所得が一定以下の、先ほどおっしゃられた百十八万円以下の学生につきましては、申請をされた場合、それに基づいて納付を要しないということにいたしまして、十年間は逆に追納ができるということでございます。そして、学生納付特例期間中に不幸にして障害を負ったような場合には、これは障害基礎年金を満額支給される、そういう地位を持つと、こういうことでございます。
#198
○浮島とも子君 ここで一点確認をさせていただきたいんですけれども、この制度は猶予であって免除ではないという認識でよろしいのでしょうか。
 と申しますのも、保護者の方が免除制度だとおっしゃっていることもよく耳にいたしまして、よく聞いてみると納めないでいい制度だという認識がありまして、これを納めていないと後で将来年金の額が減るとか、十分に理解をされてない親御さんがとても多くいらっしゃると思うんですけれども、御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
#199
○政府参考人(渡邉芳樹君) 制度の趣旨につきましてはただいま大臣から御答弁させていただいたとおりでございますが、今委員御指摘のとおり、この学生納付猶予制度は免除ではございません。
 と申しますのも、その趣旨ということでございますが、卒業後に所得を得る可能性が高いというのが学生ではないかと、こういう位置付けをしております。卒業後は保険料の追納をお願いをすることとしております。仮に追納されなかった場合には、その期間は国庫負担分を含め、この点免除と違いますが、年金は支給しない、こういう仕組みになっておるわけでございます。
#200
○浮島とも子君 この納付特例制度については過去、総務省の行政評価で取り上げられているところでございますけれども、そこでは、制度の周知用のリーフレット、ポスターが制度の対象となる教育機関すべてに送られていなかったり、また学内報への掲載を依頼していなかったりなど、周知、利用促進の体制に問題があると指摘がされているところでございます。
 この指摘を受けて社会保険庁はどのような手だてを講じたのか、そしてその手だてはしっかりと実行されているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#201
○政府参考人(青柳親房君) ただいま御指摘のございました行政評価につきましては、平成十五年に愛知の社会保険事務局に対して行われたものであると承知をしております。
 その際の改善所見といたしまして、ただいま御紹介ございましたように、学生納付特例の対象であるすべての大学等に対してリーフレットを配付すること、それから大学等に対し学内報への制度内容の記事の掲載を依頼すること、さらに、大学等において申請書の受付を行えるよう窓口を拡大すること等が指摘されているところでございます。
 こうした指摘も踏まえまして、私ども、学生納付特例の学生等への周知について徹底を図るため、昨年の四月に文部科学省を通じまして、まずは学内でのポスターの掲示、それからリーフレットの備付け、それから学内報等への学生納付特例制度の記事の掲載、さらに大学等で実施されるオリエンテーション等を利用した制度の説明、また学生等に対する年金セミナーの開催、こうしたことの依頼を大学等に対して行ったところでございます。
 また、この学生納付特例制度の利用を拡大するために、先般、国会に社会保険庁改革関連として提出をさせていただきました国民年金の事業等改善法案、この法案におきましても、大学等が学生の委任を受けて申請手続を代行できるという仕組みを盛り込ませていただいたところでございます。
 今後も、様々な機会を通じて、この学生納付特例制度の周知、広報に努めてまいりたいと考えております。
#202
○浮島とも子君 今、御答弁にもございましたけれども、文部科学省だけに任せるだけではなくて、本当に実行されているかというところまで今後とも確認をしっかりしていくように強くお願いをさせていただきたいと思います。
 また、今国会に提出される法案に、大学が納付特例制度の申請を受付することができるようにするという対策を盛り込んでいると伺っておりますけれども、何にしても、制度をつくり、そしてその執行を担保する運用体制が重要であると考えております。初めて年金に接する学生の皆さんが正しく年金、そして納付特例制度について理解することができるよう、しっかりとした運用をお願いさせていただきたいと思います。
 次に、この制度の利用状況についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 この制度の利用人数について、制度が創設された平成十二年から直近までの人数をお伺いさせていただきたいと思います。
#203
○政府参考人(青柳親房君) 学生納付特例制度の利用状況についてのお尋ねがございました。
 国民年金保険料の納付をこの学生納付特例制度によって猶予されている方の人数は、この制度が創設をされました平成十二年度から平成十七年度まで順に各年度末の数字を申し上げますと、平成十二年度百三十五万人、平成十三年度百四十八万人、平成十四年度百五十四万人、平成十五年度百六十八万人、平成十六年度百七十三万人、平成十七年度百七十六万人となっております。
#204
○浮島とも子君 この制度では猶予された期間の保険料を追納することができると伺っておりますけれども、この追納者数についても設立当初から直近までの人数をお伺いさせていただきたいと思います。
#205
○政府参考人(青柳親房君) 学生納付特例の追納の状況ということでございます。
 お尋ねでは、人数というふうにお尋ねございましたが、国民年金におきましては、具体的に、言わば各月ごとに保険料を納めていただくという仕組みになっておりますので、納付を猶予された各年度における月数のうち実際に納付された月数ということでお答えをさせていただきたいと存じます。
 平成十二年度分から平成十七年度分まで順に申し上げます。平成十二年度分百七万六千月、平成十三年度分百十六万四千月、平成十四年度分百十四万八千月、平成十五年度分九十九万九千月、平成十六年度分三十九万九千月、平成十七年度分四万月でございます。
#206
○浮島とも子君 この追納された分ですけれども、大体納付が猶予されてから何年後に追納されているのかについてもお知らせいただきたいと思います。
#207
○政府参考人(青柳親房君) 学生納付特例制度につきましては、制度的には特例を受けた後十年間追納が認められるということになっております。しかしながら、先ほども申し上げましたように、制度が創設された平成十二年度からまだ十年、現時点では経過をしておりません。したがいまして、御質問のあった追納までの期間については、その実績が十分に集まっていないことからはっきりした傾向は申し上げられません。
 しかしながら、特例を受けましてから一定の年数が経過した平成十二年度から平成十四年度までの納付特例の実績というものを、追納された時期を見てみますと、特例を受けた年度から二年後あるいは三年後といった時期の年度中における追納が他の時期に比べて相対的には多くなっているという傾向が見て取れると承知しております。
#208
○浮島とも子君 この制度の利用している方の人数は年々増えていると思いますけれども、しかし追納されているのは最高で約七%程度だと今御答弁があったと思いますけれども、この追納について周知をもっとしっかりしていけば、この割合は高くなるのではないかと思っております。
 そこで、この追納を増やしていくために、ほかの収納率向上策も含めて対策を取っていく必要が、必要不可欠だと思いますけれども、現在行っている対策、そして今後検討されている対策についてお知らせいただければと思います。
#209
○副大臣(石田祝稔君) 学生納付特例制度の周知につきましては、追納する場合に利子相当分が加算されることも含め、リーフレット等に記載するとともに、大学等と連携し、学内でのポスターの掲示及びリーフレット等の備付け等を行っております。また、この制度の利用を拡大するため、先般国会に提出いたしました国民年金事業等改善法案に、大学等が学生の委任を受けて申請手続を代行できる仕組みを盛り込んだところでございます。
 追納の勧奨につきましては、学生納付特例を受け始めてから二年後、これは利子相当分の加算開始の前年度になりますけれども、及び九年後、これは追納期限の前年度ということになりますけれども、そういう者に対しまして追納の勧奨状を送付いたしまして、追納についてお知らせをいたしております。
 しかし、現在の追納勧奨状の様式につきましては記載内容が必ずしも分かりやすいものではないと、こういうことでございますので、平成十九年度のできるだけ早い時期に記載内容の見直しを図ってまいりたいと考えております。
#210
○浮島とも子君 そこで、一つお願いがあるんですけれども、この勧奨状、これ今二年目と九年目に送付をしているということでしたけれども、例えば二年目にその勧奨状をうっかり気が付かないということもあると思うんです。そして、気が付かなければ九年まで気が付かないということで、九年後にそれが、勧奨状が来たときに、納付するやっぱり額が増えてしまうということから納付する意欲がそがれてしまうということもあると思いますので、この回数の見直しもしていっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#211
○副大臣(石田祝稔君) 先ほど御答弁申し上げましたように二年後と九年後と。これは、一つは、二年間は通常の方でも追納ができるわけですので、二年を過ぎますと、これはどうしても利子を付けて追納していただかなきゃならない、そういうことで二年後にお知らせをしている。九年後は、もうそろそろ十年になりますよと、こういうことでお知らせをいたしておりますけれども、今委員も御指摘をいただきました。これは、やはりいろんな状況の変化等もしっかりと見極めまして、今後さらにこの追納勧奨というものが効率、効果的にできるように検討していかなきゃいけないと考えております。
#212
○浮島とも子君 是非御検討の方をよろしくお願いいたします。
 まだ幾つか質問があったんですけれども、時間になってしまいましたので、最後に、この厚生労働行政の責任者として大臣のこれからの決意をお伺いしたいと思います。
#213
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回、国会におきましては、私ども省庁は、役所は、大変たくさんの法律案の御審議をお願いいたしております。これからこの御審議をいただくことになりますけれども、是非活発な議論を通じながらも私どもの改正の意図というものについて御理解を賜りまして、できるだけ早期の成立をお願いいたしたい、このように考えております。
#214
○浮島とも子君 我々公明党は、本当に死に物狂いで、大臣のいろんな発言等々の問題もあっていろいろ騒がれたところでございますけれども、本当に死に物狂いで闘っていく、本当に仕事を国民のために闘っていく大臣の姿を見させていただき、今後とも積極的に私たちもできる限り頑張ってまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。
#215
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 ちょうど一月前のこの委員会で、大臣は私の質問に対して、生産現場で働く労働者はベルトコンベアーの仕事、労働時間だけが売り物ですというような答弁をされて、これは労働者の本当に人格、尊厳を踏みにじる発言だというふうに思います。こういう立場では、私はまともな労働行政できないんではないかというふうに思いますが、しかし、今日は実態をお示しをしていきたいというふうに思います。
 ネットカフェ難民という言葉を生み出している日雇派遣という働き方について聞きたいと思います。
 先日、NNNのドキュメント番組でインターネットカフェ難民の実態を特集した番組があって、大きな話題を呼びました。インターネットカフェに寝泊まりしながら日雇派遣という働き方をしている、そういう人たちに光を当てた番組です。インターネットカフェ、あるいは漫画喫茶というようなところもあるんですが、これは非常に今増えておりまして、インターネットに今出ている全国一覧を見ますと三千四百四十九店と。さらに広がっています。
 私、実際行って体験もしてまいりました。(資料提示)これ、写真を撮ってきたんですけれども、インターネットカフェといっても別にコーヒーが出るわけじゃない。こんな仕組みであるんですね。大体一人一人小さなブースに区切られておりまして、そこにパソコンが置いてあると。いすは結構立派なんですよ、リクライニングできて、横になって寝れるようになっているんですね。
 私が行った店は、八時に行ったんですが、もう二百席以上ある店内は満員状態です。ワンフロアは五、六十席あるんですが、三分の一ぐらいの方はもう既に寝ておられました。まあゲームをするために来ている方も確かにいるんですが、中見てますと、大きな荷物を抱えて入ってきて、明らかにここに寝泊まりをしているという方も大変多いんです。年代も若者から中高年の方まで、女性も、若い女性も何人かおられました。
 先ほどのテレビ番組では、こうしたところに寝泊まりしながら日雇派遣で働いている若者を取り上げて、カフェで二年暮らしているという人も紹介されておりました。
 自分の家を持たずにネットカフェに寝泊まりしながら、どんな働き方をしているかというと、番組の中では、実態としてこんな働き方を紹介されているんですね。勤務時間は定まっていない。相場は一日六千円から八千円。集合場所に出発する時間、そのときの連絡も携帯メール。集合場所に着いたのもメールで派遣会社に連絡する。登録番号で呼ばれて、名前ではなく、おいと呼ばれる。工場のライン作業、倉庫業務、引っ越し、業種は様々だと。これ、迎えのワゴンの車でその日の現場に連れて行かれて、交通費もない、深夜手当も付かない、社会保険もない働き方だというんですね。正に当座のお金がないためにアパートにも入れない。住所がないためにまともな就職ができない。日々雇用で、辛うじてその日の生活を稼いでいる。ネットカフェ難民というのは正にそういう新たな形での、私、ホームレスが生まれていると思うんです。
 大臣に、率直に、こうした実態が今広がっている、このネットカフェ難民の実態についてどう思われるか、行政としてやはりこういう広がりをこのまま放置していていいとお考えかどうか、お聞きしたいと思います。
#216
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私ども、ずうっと今国会始まって以来、非正規雇用というもののウエートが高まってきているということの中で、まあこれには自ら選択してそうした形態の雇用を選んでいる方もいるけれども、そうでなくて、やむを得ずそうした形態の労働を選択しているという方もいるということであると、したがって、できる限り正規雇用の方にその方々を移行していただくようなそうした政策が必要だということを申し続けてまいりました。
 そして、そのために、雇用対策法で若い人たちの能力や経験といったものを十分評価してもらいたいというようなことを申させていただくし、また、パート労働法で、自分たちの企業が正規雇用を応募するようなときには、必ずそのパートの、現に雇用されている方に呼び掛けてもらいたい、さらには、いつも申し上げることですけれども、フリーター二十五万人常用雇用化というような、いろんなその中のプロジェクトを通じて、できる限り正規雇用を増やしていきたいということを申し上げてまいりました。
 そういう観点からいたしますと、今委員が指摘されたようなことについて、私どもがそうしたことを望ましい姿だなどと言うつもりは全くありません。
#217
○小池晃君 正規雇用、非正規雇用なんて生易しいものじゃないと思うんですよ。本当すさまじい環境ですよね。こういったところで何年も暮らす、もう本当に想像を絶するんですよね。私行ったら、もうあちこちからいびきが聞こえてくる。とても寝れるような状態じゃないですよ、普通の感覚で。まあかなり個室のようになっているところもあるようですが、本当に小さな仕切りだけがある。そういう中で若者が将来の希望を本当に持てるでしょうか。
 私、こういう事態を本当に放置してはいけないというふうに思うんですよ。現実にこういう事態が起こっているわけですから、大臣はこういうふうにするんだ、するんだとおっしゃるけれども、こういう生活を強いられている人たちが大量に今生まれているときに、これをどうするのかというのを真剣に考えなければいけないんではないだろうかというふうに私思うんです。
 そもそも、基本的な考え方ちょっと厚労省に確認したいんですが、日雇労働というのはこれは正に最も不安定な雇用、非正規雇用の究極の姿であると。これは本来なくしていかなければいけないというのが厚生労働省としての政策ですね。
#218
○政府参考人(高橋満君) 雇用の形態についてどういう形態をお望みになるかというのは確かに個人によって様々であるわけでございますが、しかし、やはり労働者が安定的な雇用機会を確保していただくということを、私どもとしても政策として重要視しながら対応をいたしておるわけでございまして、現に日雇労働という形で働いておられる方がハローワーク等の場におきまして常用雇用を望む形で様々活動を行われるという方々に対しましては、私どももハローワークの持つ機能というものを十分活用いたしまして、そうした御希望に沿えるような形で日雇労働者の常用雇用化というものを図ってまいってきているところでございます。
#219
○小池晃君 本来はやはりなくしていくべき雇用形態なんですよ。しかも、さっきから大臣もちらっとおっしゃったし、今も答弁であったけれども、好んでこんな生活すると思いますか。大臣、さっき好んでと言ったけれども、インターネットカフェで寝泊まりしながら日々の日雇労働をやる。これ、好んでそういう労働をやっているような人はいると思いますか。
#220
○国務大臣(柳澤伯夫君) いや、先ほど私は申したつもりですよ。好んでそういう、好んでと言ったかどうかはともかく、今委員がそうおっしゃいますから申し上げますが、そういう非正規雇用を選択している方々もいらっしゃるということを指摘しただけです。
 そして、そうした、今委員が指摘されたようなインターネットカフェで、もう言わば居所もそこにしているというような、そういう、それで、呼出しを携帯で受けてそこに労働に行くというようなことが望ましいかと言われたら、私は望ましいなどと言うつもりはありませんということを申し上げました。
#221
○小池晃君 彼らの実態ですが、紛れもない労働者です、雇用労働者。しかし、雇用保険、労災保険、社会保険も関係ない、まあある意味で労働基準法すら守られない世界に置かれています。
 日雇派遣であっても、同じ派遣会社の下で働いていれば、これは社会保険への加入も可能になる場合もあるかもしれません。しかし、別々の派遣会社から毎日仕事を受けて、働く場所も日々違うような、そういう日雇派遣の場合は、これは被用者保険としての社会保険の対象にはなり得ないんじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
#222
○政府参考人(高橋満君) まず、雇用保険の問題でございますが、委員御案内のとおり雇用保険におきます日雇労働被保険者でございますけれども、原則といたしまして、日々雇用される者又は三十日以内の期間を定めて雇用される者が対象になるわけでございますが、他方、今委員もおっしゃられましたけれども、同一の事業主に直近二か月、各月において十八日以上雇用されていると、こういう実態がある場合には日雇被保険者ではなくて一般被保険者になるということになります。
 それから、社会保険の方でございますが、社会保険の適用につきましては、これは雇用形態のいかんにかかわらず、各事業所におきます通常の就労者の所定の労働時間及び労働日数に比べておおむね四分の三以上である場合に健康保険、それから厚生年金保険の被保険者として認定をされておるというのが現在の保険の適用の考え方でございます。
#223
○小池晃君 だから、そういう条件を満たせばそれは社会保険の対象になるかもしれないけれども、そういう条件を満たさない労働者の場合、今全く被用者保険入りようがないじゃないですか。そこはそういうことですね。
#224
○政府参考人(高橋満君) 雇用保険の場合、日雇被保険者になり得るかどうか、これは複数の事業所で繰り返し日雇という形で働いておられる方について、先ほど申しましたような一般被保険者にならないような働き方であるかどうかということで判断をされるかというふうに思います。
 他方、社会保険の場合でございますが、今お答えしましたような要件でなければ被用者保険というものの被保険者にはならないと。ただ、この要件に当てはまらない日雇労働者の場合につきまして、一定の要件の下で健康保険につきまして日雇特例被保険者制度というものが設けられておるところでございます。
#225
○小池晃君 いや、しかし、実態は日雇健保、日雇雇用保険に入っているような労働者、こういう労働者なんかいないわけですよ、実態としては。全くこういう働く形態になると社会保険制度からはじき出されるというような今の制度になっているわけですね。
 そもそも、いろいろおっしゃるけれども、じゃ、こうしたネットカフェ難民あるいは日雇派遣、こういう実態、把握しているんですか。日本じゅうでどれだけ日雇派遣で働いているのか、そういう人たちがどういう社会保険に加入しているのか、調べたことあるんですか。
#226
○政府参考人(高橋満君) 委員、今、日雇派遣ということでおっしゃられたわけでございますが、日雇派遣という言葉である以上、当然派遣の事業として働いておられるということになるわけでございます。労働者派遣法、労働者派遣制度上はこういう形も含めまして特別な規制というものがないという中では、必ずしもその詳細というものは私ども把握はいたしておりません。
 ただ、現在、雇用保険の加入にかかわりまして、いわゆるおっしゃられたこの日雇派遣と呼ばれるような就労形態で働いておられる労働者を雇っておられるような事業所から、実は相談という形でこの雇用保険の適用の問題についていただいておりまして、それに伴いまして、今、労働実態、労働者の雇用実態というものがどういうふうになっているのかということを、事業所調査等を今現在実施をいたしているところでございます。
#227
○小池晃君 そもそも、こういう日雇派遣というような働き方がどうしてできるようになったのかということなんです。
 労務供給事業というのは、これは職業安定法四十四条で禁止されていますが、一九八五年に労働者派遣事業法が制定されて穴が言わば空けられた。当初は限定した業務、業種だったわけですが、これは特定派遣の期間制限の撤廃、一般派遣についても一年から三年に緩和、そして製造業も含めてほぼ全業種で労働者派遣ができる仕組みができ上がっていった。
 二十年前までは全面禁止されていた。始まった当初も限定だった。ところが、今やもう原則自由の世界になってきて、日本の働き方の大半を占める事態になって、その究極的な働き方が言わばこの日雇派遣ということになってきているんじゃないか。
 大臣、やはり、本来はこれはなくしていくんだという政策で日雇労働者の政策というのはあったはずなのが、逆に今どんどん拡大しつつある。なぜかといえば、これは人件費と雇用リスクをできるだけ低くしたい、利益を上げたいという大企業の要求があるわけですよ。あるいは、直接雇用原則から派遣解禁、緩和へという流れ、安定雇用から雇用の流動化へという流れ、そして解雇しやすい労働法制へという、そういう大きな流れの中で、こういう若者の働き方が言わばずたずたに切り刻まれてきたという経過があるわけです。
 大臣、やはり厚生労働省の大目標である、そういう不安定な雇用をなくすという在り方から見れば、やはりこの労働法制の規制緩和路線というのを根本的に当然問い直さなければいけない、その一番の破綻というのが現れてきているのが、正にこのネットカフェの問題じゃないですか、ネットカフェ難民の問題じゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#228
○国務大臣(柳澤伯夫君) ネットカフェ難民というか、日雇派遣というお言葉も使われたようでございますけれども、私は、今、小池委員がその模様をパネル等で示されて、こういうところで寝泊まりをして、派遣元からの連絡を受けて、そして連絡があればまた派遣先に働きに行くというようなことは、これはもう健康とか安全管理というような面からしても、望ましい労働の形態とは言えないと、こういうことを率直に申したわけでございます。
 ただ、それだからそれでは元の労働法制に戻るべきかと言われれば、やはりそういうふうに一概にはなかなかいかないわけでありまして、こういう緩和された派遣というものについては、これが、この働き方を自分は続けたいという方も現実にはいらっしゃるわけでございます。正規に行きたいという方とその人たちは大体同じぐらいの率でいるというのが私どもがよく見ている統計でして、したがって、やはり多様な働き方というものを認めながら、そして、しかし正規の雇用を望んでいる人たちに、できるだけそういう機会を与えてそちらの方に移行してもらうというのがやはり我々が取るべき政策の方向ではないか、私どもはそのように考えて、そうした方向への努力をしているということでございます。
#229
○小池晃君 こうした働き方を続けたいと願っている若者がいるというのは、私、とんでもない認識だと思いますよ。こういう実態をやはりなくすと。こんな働き方を望んでやっているような若者はいませんよ。
 みんな本当に条件がなくて、もうアパートを借りるような敷金、礼金、当座のお金もない、アパートがなければ実際にまともな就職はできない、それで追い込まれているわけですよ。こういうことはあってはならないという認識で、やはりなくすという認識でやらなければ、私はまともな対策打てないと思います。
 しかも、こういう働き方が広がれば年金制度の土台も揺るがすわけですね。将来に大きな問題が広がっていくわけです。あるいは、雇用保険に入らなければ、失業給付が受けられないだけではなくて、これは職業訓練の機会も提供されなくなる。よりスキルアップして仕事に就いていくということすらできなくなるわけです。本当に深刻な問題なんですよ。
 大臣、私、先ほど調査しているとおっしゃったけれども、やっぱり大規模にこの日雇派遣という今の実態について厚生労働省として緊急の全国調査をするべきだと。これは事業主特定できるはずですから、これ登録した労働者の構成とか平均賃金とか、そういう実態分かるわけですから、これは全国的な実態調査を是非やっていただきたい。大臣、いかがですか。
#230
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど来、小池委員は私が言うことを、もうちょっとすり替えられて言っていらっしゃる。私が言っているのは、派遣労働というその労働形態を選びたいという人たちもかなりの比率でいらっしゃいますよということであって、日雇、何ですか、派遣のような方を更に続けたいという人たちがそんなにいるなどということを私は言っているんではないことでございます。それはお分かりになって、まあ一つの議論としておっしゃっているんだろうとは思いますが、是非そこのところは正確に御理解を賜っておきたいと思います。
 この派遣については、これはもう派遣業者ということで、私ども、いろんな形でこれは掌握をしているわけでございますので、そうした業者を通じましてどういう調査が可能であるか、これは検討してみたいと、このように思います。
#231
○小池晃君 是非きちっと調査していただきたいし、やはり職業訓練の拡充とか、住む場を確保する問題とか、あるいは生活資金の貸与とか、厚生労働省だけではなくて、やはり閣議、内閣に提起をしてこういった問題に対する対応をしていくべきだということも申し上げたいと思います。
 残る時間、リハビリの打切りの問題についてお聞きをしたいんですが、昨日の中医協でこの見直しということが決まりました。この検証結果見ますと、身体機能の改善の見込みがありながら上限日数で打ち切られた患者さんが一割弱、あるいは、その状態の維持のためにリハビリの継続が必要であるけれども介護保険の対象とならないような患者さんもいるという結果が出ました。
 私は、昨年の当委員会で、この必要なリハビリが打ち切られているという問題を指摘をして上限日数の制限の撤回を求めましたが、そのとき大臣はこう言っているんです。一律に打ち切ることではない、一つ一つのケースについてお医者さんの判断を求めて、なお改善をするというような方々については引き続きリハビリを医療保険で行うとおっしゃった。ところが、その厚生労働省の調査結果によっても、改善の見込みがあるにもかかわらずリハビリが打ち切られたという患者さんが数%あるいは一割といえどもいたわけですね。ということは、大臣の答弁間違っていたということですね。大臣の答弁。短くやってください、短く。
#232
○政府参考人(水田邦雄君) さきの診療報酬改定におきましては、早期のリハビリを重点的に評価すると、その一方で、漫然と実施されている効果が明らかでないリハビリについては算定日数上限を設けるということをやったわけであります。ただ、この改定、大きな変更を伴うものであったわけでございますので、改定結果の調査、検証を行いまして、それを踏まえて必要な対応を検討するということも当初から言っていたものでございます。
 今回の見直しにつきましては、正にこのプロセスに沿ったものでございまして、早期のリハビリの重点評価、漫然としたリハビリの防止、こういった十八年度改定の基本方針を維持しながら、早急に、よりきめ細かな対応を行うこととしたものでございまして、従来の考え方と異なるものではないものでございます。
#233
○小池晃君 いや、とんでもないですね。だって、そうなると必要なリハビリを打ち切られているという指摘をしたのに、それ全部大丈夫だと、やっているんだと、ちゃんと大丈夫なんですよという答弁してきたわけですよ。ところが、実態違ったと。しかも、中医協の会長、何と言っているかというと、介護保険で受皿がある、ないという話聞いていなかったと言っているわけでしょう。これもちょっと問題だと思いますが。だから、本当にこれ重大な私責任だと思います。
 私は、この間、実際にリハビリを打ち切られて被害を受けた患者さんいるわけですから、大臣、率直にそうした方々にやはりその責任を取るべきじゃないか、きちっとこの場で厚生労働省の政策によってリハビリ打ち切られた人に対しておわびをするべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。
#234
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、今、小池委員の指摘をされたような答弁を申し上げて、実際に、これはあるグループの疾患ではありますけれども、その決められた上限の日数を超えて、なお改善の見込みがあるというお医者さんの個別の判断がある場合にはこれは続けられるんですよと、画一的な制度ではないんですよということは、そういうふうに申し上げました。私どもとしては、制度としてはそうなっておりますから、そういう答弁を申し上げたということでございます。
 そういうことの中で今、これはどういう、何というか、そこの現場でのいきさつがあったのかということは私はつまびらかでないんですけれども、我々がそういう制度で想定していたようなことでない方がいらっしゃったというのが今の小池委員の御指摘かと思いますけれども、いずれにせよ、私ども、今回のこの検証結果によるその新しい措置においても、基本的には前のこの制度の趣旨を貫いて一貫させているわけでございますので、私どもとしては、今後とも同様に一つの制度の下できめ細かな対応をしていくということについては変わりはないということで、現場もより一層、そこのところをよく認識して対応してくださると、こういうことを期待しているということでございます。
#235
○小池晃君 制度の責任じゃなくて現場の責任にする発言ですよ、今のは。けしからぬと思いますね。
 私、ちょっと確認だけなんですが、ポリオあるいはポストポリオ症候群の方は、これは症状の改善が見込めないという理由で今まで打ち切られていましたが、今回、これは上限日数制限から外れるようになるのかというのが一点。それから、維持期の受皿としてリハビリテーション医学管理料を創設されましたが、これは対象疾患を限定するという仕組みではないんですねということ。
 二点、これ確認を求めます。
#236
○政府参考人(水田邦雄君) 御指摘のポリオ後遺症それからポストポリオ症候群についてでございますけれども、障害児・者リハビリテーション料の対象患者のうち、神経障害による麻痺及び後遺症に該当する方々でございますので、今回の見直しによりまして、算定日数上限を超えても、また改善の見込みの有無にかかわらず、医師が治療上有効と認める場合には疾患別リハビリテーション料の算定を継続できることとなるものでございます。
 それから、もう一点、新設されますリハビリテーション医学管理料についてのお尋ねでございましたけれども、これは現行の疾患別リハビリテーション料の対象患者のうち、維持期にある方を想定したものでございまして、対象患者を更に限定することは考えてございません。
#237
○小池晃君 もう質問しませんが、これはやはり、これは誤りなんですよ、明らかに。これはやはり、こういうやり方したら必要な人、打ち切られるというのはもう野党からもみんなが指摘をしたけど、そのとき全部否定してきて、結局見直さざるを得なかったじゃないですか。これは誤り、しっかり率直に認めるべきだと。しかも、小手先の改定のままで、やはり今後もリハビリが必要でもあるにもかかわらず受けられない、そういう人は出てくると私は思います。
 そもそも、やっぱり百人いれば百通りあるはずのリハビリを四類型に分けて上限の日数を設定するというやり方自体が問題なんだから、大臣にはこういうやり方を白紙撤回するということを求めたいというふうに思います。
 質問を終わります。
#238
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 松岡農水大臣が三月九日の記者会見で水道水を飲んでいる人はほとんどいないと発言したことについて、私は三月十三日、予算委員会で質問、発言をしました。三月十四日、他の委員からもこれは質問が出ました。本日付けの新聞の「声」欄で、水源を守るのが農水相の仕事ではないかという投書が出ております。そのとおりだと思います。
 水道の所管大臣は厚労大臣です。国民や水道事業関係者から、この「声」の欄の投書のように怒りの声が私の方にも届いております。水道の所轄大臣としていかがお考えですか。
#239
○国務大臣(柳澤伯夫君) そもそも水道の水は、飲用に適した水を供給するというのが仕事でございます。したがいまして、我々厚生労働省といたしましては、安全でおいしい水道水を安定的に供給するために様々な取組を進めているところでございます。
#240
○福島みずほ君 では、三月九日、農水大臣がこういう発言をされたときに、みんな水道水飲んでますから問題だという声が是非もっと上がってもよかったんではないかと思います。
 そもそも、水道水を飲んでいる人は国民の何%ぐらいいるのでしょうか。
#241
○政府参考人(外口崇君) 水道水を飲んでいる方の詳しい統計はないんでございますが、関連した統計を申し上げれば、例えば浄水器協会の調べでは、浄水器の普及率が約三割ということになっております。それからあと、ミネラルウオーターが、これは量ははっきりしないんですけれども、ミネラルウォーター協会の調べでは、日本では年間一人当たり十四・四リッター、こういう統計がございます。
#242
○福島みずほ君 日本全国の水道の普及率は九七%ということでよろしいですね。
#243
○政府参考人(外口崇君) そのとおりでございます。
#244
○福島みずほ君 国民の生活に密接に関係する水道水事業について、厚生労働省はどのような努力をしていらっしゃいますか。また、今後の計画について教えてください。
#245
○政府参考人(外口崇君) カビ臭などの水のにおいについて、平成二年ごろをピークに約二千万人の国民が影響を受けていたという調査結果がございます。
 このため、厚生労働省といたしましては、関係府省、地方自治体等と連携して水源の水質改善に努める、これは下水道とか合併浄化槽、そのほかの施策でございます。とともに、昭和六十三年度から、カビ臭の原因物質を酸化分解するオゾン処理装置や吸着等により汚濁物質を除去する活性炭の処理装置といった高度浄水処理施設の整備に対する補助事業を行うなど、カビ臭問題の解決に努めてきたところでございます。
 現在、カビ臭などの水のにおいの影響を受けている人口は四百万人弱まで減少してきたところでございまして、引き続き水道への信頼を得られるよう努力してまいりたいと考えております。
#246
○福島みずほ君 よろしくお願いします。
 次に、中国残留孤児問題についてお聞きをいたします。
 中国残留孤児の皆さんの生活保護の受給をされている割合が極めて高いです。中国にいるときは日本人じゃないかと言われ、日本に帰ってくると中国人じゃないかと言われ、非常に苦労を皆さんされていらっしゃいます。中国残留孤児の皆さんのこれまでの経緯を考えた上で、その生活を支えるに当たって生活保護という制度でいいのでしょうか。私は、これについては生活保護に代わる制度をこれは設けるべきではないかと、生活保護に代わる独自の給付金制度の創設が必要ではないかと考えますが、いかがですか。
#247
○国務大臣(柳澤伯夫君) 委員も御承知のとおり、一月三十日に東京地裁の判決があったわけでございます。その日に総理から私に指示をいただきました。法律問題や裁判の結果は別として、中国残留邦人の方々への支援の在り方について、その置かれている特殊な事情を考慮して与党ともよく相談をしながら誠意を持って対応するようにと、こういうことが趣旨でございました。私はそれを受けまして、中国残留邦人の方々のまず声を聞こうと、それから生活の実態、それからその思い、こういったようなものを直接お聞きしたいということで、そのような方々と二度お会いしていろんなお話を聞かせていただきました。で、引き続いて事務当局におきましてもその中国残留邦人の方々のお話を十分伺う機会をつくっているという報告を受けております。
 そうしたいろんなお話から何が一番問題なのかといったようなことを私ども十分把握しなければならないと、このように考えております。そうした上で、第三者である有識者からも御意見をいただきながら、そして中国残留邦人の方々が安心して地域で暮らすような支援策を考えてまいりたい。その過程では、先ほど話にも出たかもしれませんが、与党にもPTという活動体がございますので、PTの先生方を始めとして御意見も聞きたいと、このように思っているところでございます。
 その結果、今、福島委員が生活保護とは別の支援策というものを考えるべきだという御指摘もありましたけれども、そういうことも参考意見にはさせていただきますが、いずれにしても、そうしたいろんな人の意見を聞きまして、私どもとして、総理が指示されるように、日本に帰ってきて良かったと、自分たちが苦労したけれども祖国の土を踏んで良かったと、そういう思いになっていただけるようなそういう施策を考えたいと、このように思っております。
#248
○福島みずほ君 参考にしていただくという点で、是非参考にしてください。
 大臣は、有識者にも意見を聞くと今おっしゃいましたし、今までも答弁されています。その人選については中国残留邦人の皆さんの意見を受けて行うということでよろしいでしょうか。
#249
○国務大臣(柳澤伯夫君) 中国残留邦人の方々につきましては、よくお話を聞く、先ほどちょっと申し上げましたように、現在の生活の状況、それから帰国後のいろんな思いというようなものを聞くということにいたしております。それとは別に、第三者の有識者の意見も聞くということを私ども考えているわけでございます。
 いずれにしても、その有識者の会の場にはいろんなことを御報告することになると思うんですけれども、その中には中国残留邦人の方々から直接聞いた今言ったような情報というものは率直に、正直に提供してまいりたいと、このように考えております。
#250
○福島みずほ君 支援策の案ができた時点でも是非中国残留邦人の皆さんの意見をきちっと聞いていただきたいと思いますが、いかがですか。
#251
○国務大臣(柳澤伯夫君) いずれにいたしましても、総理が仰せられるとおり、私どもとしては、いろんな人の意見を聞きながら、先ほど申したように、中国残留邦人の方々が祖国に帰って良かったと、そういうふうに思っていただけるような支援策を何とかまとめてまいりたいと、このように考えております。
#252
○福島みずほ君 二世、三世の支援や中国訪問中の生活保護打切りをやめる点などは、これは安倍総理が厚労大臣に対策を指示する前に決まっていたことであって成果とは言えません。私は是非、生活保護ではなくて新しいきちっと支援策を、生活保護に代わる独自の給付金制度の創設をつくっていただきたいということを改めてお願いを申し上げます。
 次に、原爆症の認定についてお聞きをいたします。
 今まで全国十六地裁三高裁で二百二十九名の人が国を相手に裁判をやっております。二〇〇六年五月大阪地裁判決、二〇〇六年八月五日広島地裁判決、二〇〇七年一月三十一日名古屋地裁判決、いずれも国は完膚なきまでに負けております。裁判所は、認定について抜本的に転換すべきだと、原爆の被爆の過小評価についてきちっと判決を出しております。これらの判決を受けて、審査方針はどのように変更されるのでしょうか。
#253
○政府参考人(外口崇君) 審査の方針についてでございますけれども、これは平成十二年の最高裁判決、いわゆる松谷訴訟において、原爆症認定の要件である放射線起因性について高度の蓋然性が必要とされたことを受け、より適正な認定を行うための審査会、疾病・障害認定審査会・原子爆弾被爆者医療分科会でございますけれども、この審査会が疫学調査等に基づく最新の科学的知見を踏まえて、公開の場で議論を行い、平成十三年五月に策定したものであります。審査会においては、審査の方針策定以後、これに基づき個別の申請について適正に審査を行ってきたところであります。
 平成十七年三月のいわゆる東訴訟の判決に対しては、これは肝機能障害の放射線起因性に関し、改めて科学的、専門的見地から検討を行ったところであり、昨年十二月にその検討結果を取りまとめた報告書について公開の場で議論が行われ、その検討結果が妥当である旨の御意見をいただき、審査の方針を変更する必要はないとの結論となったところでございます。
 また、これまでの集団訴訟の判決に対しては、医学、放射線学の一般的な理解と異なる点が見られるため控訴し、上級審の判断を仰いでいるところでございます。
 したがいまして、現段階で審査の方針を見直すことは考えておりません。
#254
○福島みずほ君 判決できちっと批判をされているのに、なぜ審査基準を見直さないんですか。しかも、今おっしゃった東さんの事件に関しては、地裁も高裁も本人の肝炎について、これは本人、原告勝訴をしているんですよ。しかも気の毒なことに、厚生労働省が控訴をしたために、高裁判決で本人は勝訴判決を得た段階では御存じ亡くなっています。本人は自分の勝訴判決見ることが、高裁段階では見ることができませんでした。おまけに、厚労省はこの上告を断念しています。
 しかるに、今おっしゃったように、報告書を出して被爆で肝炎を否定したんですね。私が問題だと思うのは、上告を断念しながら、なぜこういう報告書を出したのかと思います。もっと決定的なのは、これはひどいと思いますけれども、訴訟で国側証人を務めた人物が報告書を出しているんですね。そして、この人に対して厚労省は補助金を五百万円出しています。どこに公平性があるんですか。どこが、つまり国側の証人で証言をし、報告書を出している人間に頼めば、当たり前ですが、被爆で肝炎を否定するに決まっているじゃないですか。もう報告書を出す前から結論分かっているんですよ。こういう人を頼むということは、被爆で肝炎というのを否定するために頼んだとしか思えません。全く説得力がない。いかがですか。
#255
○政府参考人(外口崇君) 厚生労働省におきましては、平成十七年三月の東京高裁における肝機能障害の原爆症認定をめぐる訴訟、いわゆる東訴訟の敗訴を受けて、肝機能障害の放射線起因性に関し、改めて科学的、専門的見地から検討を行うこととし、昨年、研究報告書、いわゆる戸田報告が取りまとまったものでございます。
 研究報告は過去の論文の総括レビューという手法で行われており、研究手法と内容の中立性については海外の専門家からも適切であったと評価されたところでございます。この肝機能障害と放射線の双方に詳しい専門家は限られる中で、専門性が高いという点で、学問的見地から最も適切なものとして戸田先生を選任したものでございます。
 また、研究班は戸田先生だけではなく、複数の専門家によって構成されており、そしてその研究班の中には、訴訟において肝機能障害に放射線起因性ありとして使用された論文の研究者も含まれているところでございます。そういった点で中立的に議論がなされたものと考えております。
#256
○福島みずほ君 今おっしゃった戸田報告書、この戸田さんこそ東訴訟において国側の代理人として証言し、報告書を出した人です。それが地裁では負けました。高裁で負けました。厚労省は上告を断念しました。で、今度その人に戸田報告書を書かせれば、因果関係ないと出すに決まっているじゃないですか。自分が死んだ後に勝訴判決をもらった東さんはどんな気持ちでしょうか。公平性がないという私の指摘についてどう思われますか。
#257
○政府参考人(外口崇君) 判決については、これは個別の事例について判断をいただいたものと承知しております。
 ただ、こういった判決が出た場合に、一般的にC型肝炎の放射線起因性に関する科学的知見というものをやはり今後の審査のために整理しておく必要がございますので、私どもといたしましては、これを過去の論文の総括レビューという形で行ったものでございます。
 そして、確かにその戸田先生は裁判の関係者ではありましたけれども、他方、先ほど申し上げましたように、この別の放射線起因性ありとして使用された論文の研究者も入って、私どもはこの報告については中立的に純粋学問的見地から判断されたものだと考えております。
#258
○福島みずほ君 裁判で負けて上告も断念をして、そしてなぜまた同じ人で戸田報告書で出て、因果関係を否定するんですか。もし公平性について疑いを持たれたくなければ外すべきですよ。
 厚労省は、いかに完膚なきまでに裁判で負けようが、原爆の認定を狭めよう、狭めようとしているとしか思えません。また、司法をあざ笑うものだと私は思います。司法の判断の結果をなぜ真摯に受け止めないのか。どうですか。
#259
○政府参考人(外口崇君) 私どもは、やはりこの認定につきましては、科学的知見に基づいて公平、公正に行う必要があると考えております。もちろん、その被爆者の方々に対しては医療費の自己負担無料、各種の手当の支給等の援護施策を行っているところであり、今後とも保健、医療、福祉全般にわたり、被爆者援護施策の適切な運用に努めてまいりたいと考えておりますが、やはり裁判の判決の結果が医学放射線学上の一般的な理解と大きく異なる、あるいは大阪地裁と広島地裁の判決にも異なる点がある。それから、科学的知見に基づかずに被爆者援護施策を行うこととする場合、ほかのいろいろな件との均衡上も問題があるとか、種々いろいろな課題がございますので、私どもは上級審の判断を仰ぎたいと考えているところでございます。
#260
○福島みずほ君 公平、公正というのであれば外すべきですよ。それから、司法判断で厚労省が今まで完膚なきまでに負けていることを重く受け止めるべきです。
 で、上告審の判断を仰ぎたいとおっしゃいました。しかし、本人たちは高齢ですよ。原爆に遭って、例えば遠距離だったり、それから原爆が落ちた日に入ったり、いろんな事情があります。でも、脱毛したり、皆さん当時症状が出たりしているじゃないですか。東さんがいい例ですよ。地裁で勝ちました。地裁で判決で勝った。でも、厚労省が控訴をしたために裁判の途中で亡くなった。御本人が亡くなった後、高裁で勝訴判決ですよ。厚労省は上告を断念した。確定しているんですよ。でも、本人その間に亡くなっている。今苦しんでいる人たちが生きている間に厚労省は態度を変えるべきです。
 こんなに判決で完膚なきまでに負けていながら審査判断を変えていない、ましてや国側の証人、報告書を出した人間を戸田報告書として出して因果関係はないというのを出すというのは、もう本当に司法を愚弄しているもので許されません。
 厚労省、厚労大臣、今のこのやり取りを聞いて、今の原爆の認定でいいと思われますか。
#261
○国務大臣(柳澤伯夫君) 原爆症の認定について訴訟が行われておるわけですけれども、これは放射線と疾病の関係に関する科学的な知見をめぐっての訴訟と、こういうことになっているわけでございます。
 今、この私どもの外口局長の話をお聞きすると、この審査基準というものについては、専門家の先生方がこれが一番客観的に言えることだということを取りまとめていらっしゃると、こういうことですし、それはその話の過程でも国際的な批判にも十分耐えているというか、それに耐えられるものだとして提起されているということでございますので、私はこの、それとたがうことを判決の理由とするそれぞれの裁判所の判断についてはもっと上級審の判断を仰ぎたいということについては合理性があるというか、そういうふうに聞いておった次第です。
#262
○福島みずほ君 厚労省に、もう涙がないというか救済しようという気がないと。初めから審査基準は変えない、切り捨てる、自分たちの都合のいい報告書を出す。こんな態度を続ける厚労省は国民の信頼を失いますよ。
 次に、遺骨の問題についてお聞きをいたします。
 一月十六日の東京新聞夕刊によると、戦死したとして祐天寺で保管されていた遺骨とされる人物が韓国で生存していたということが明らかになりました。少なくても七人の生還者の名前が祐天寺にある名簿に記載されていると。これは、日本の遺族に対してはどのような手順で遺骨の返還作業を行うんですか。
#263
○政府参考人(荒井和夫君) 日本の遺族、つまり日本人の方が戦没者として亡くなられた場合のケースにつきましては、それぞれその戦争の間は陸軍省、海軍省、それからその後は第一復員省、第二復員省などが担当しておりましたが、そういったところがその御遺骨がだれであるかの確認をした上で御遺族のところへ連絡をし、そしてお送りするという手続だったと認識しております。
#264
○福島みずほ君 日本の遺族に関しては厚労省の方から連絡をして確認をするわけです。
 じゃ逆にお聞きをします。朝鮮半島出身者の遺族に関して、これは名簿には本籍地が記載されておりますが、金相鳳さんという方ですが、その人や遺族に政府は連絡をしたことがありますか。
#265
○政府参考人(荒井和夫君) お答え申し上げます。
 今の御質問の件につきましては、日本と韓国との政府間のいろんな交渉の中で、韓国の中で御遺族が遺骨の引取りを希望される場合に韓国政府を通して私どもがその確認をした上で御遺骨を韓国政府に引き渡すという形で対応しております。
#266
○福島みずほ君 結局、戦後六十年間この遺族の人に連絡しなかったんですよ。日本人に対しては厚労省から連絡をする、でも朝鮮半島出身者の人は本籍地があってもほっておいた。だから、最近になって自分は生きているのになぜか祐天寺の遺骨とされていると、おかしい事態が起きているわけですね。この本人がおかしいということで、要するにでたらめなわけですよ。それで、本人が来て面会を求めたが、政府は面会を拒否。
 私は、この問題についてきちっと名簿と遺骨の照合、遺骨と遺族の照合、きちっと照会作業を行っていくべきだと思いますし、政府はこの生還者に謝罪をするべきだというふうに思いますが、この点についていかがですか。
#267
○政府参考人(荒井和夫君) 多少の御説明を申し上げますと、御遺骨に関しては、戦中戦後の混乱の中で戦友又は部隊が日本に戻ったときに遺骨を持ってこられて、それを担当をしている当時の陸海軍若しくは第一・第二復員省の担当が話を聞きながらその御遺骨の特定、だれのものかということを特定して、そして保存をしたということだと思います。その後、いろいろ経緯がありますけど、昭和三十三年に私どもがその御遺骨を預かりまして、その後更に四十六年にお寺の方へ、祐天寺と申しますけど、ここにお預けしたという経緯でございます。
 その中で、私ども、その御遺骨の特定がされているものについて、陸軍と海軍の情報を私ども持っておりますので、その情報を、その遺骨の名前、個性のある名前に付加しまして、そして情報をより豊かなものにして韓国政府の方へ提供するということで対応してきました。また、韓国政府の方から具体的に御遺族が確認できたという情報があったときには、更に細かな情報を作成いたしまして、韓国政府を通して御遺族へその情報をお渡しする、そしてその情報に基づいて韓国の御遺族がまた韓国政府を通して私どもへ申請をするという形で対応してきてございます。
 こういう流れの中で、私ども一応頑張ってやってきたわけでございますけど、先ほどの新聞報道の問題に関しましては、新聞報道は確認してございます。それについての事実関係につきましては、これは韓国政府との協議の場において事実確認をしていく必要がありますので、その事実確認、それからあと、問題がある場合にはそれに対してどう対応するかということを真摯に韓国政府と協議してまいりたいと思っております。
#268
○福島みずほ君 本人が来て、これは私だと、これになっているのは自分だというわけで、日本政府として、これは間違っていたのでもう一回きちっとやりますといって本人に謝罪すべきだと思います。
 時間ですので、終わります。
#269
○委員長(鶴保庸介君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後六時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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