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2007/03/27 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第7号
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2007/03/27 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第7号

#1
第166回国会 厚生労働委員会 第7号
平成十九年三月二十七日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     辻  泰弘君
     林 久美子君     山本 孝史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                阿部 正俊君
                中村 博彦君
                足立 信也君
                津田弥太郎君
                浮島とも子君
    委 員
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                櫻井  充君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                柳澤 光美君
                山本 孝史君
                山本  保君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
   副大臣
       厚生労働副大臣  石田 祝稔君
       厚生労働副大臣  武見 敬三君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       菅原 一秀君
       厚生労働大臣政
       務官       松野 博一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       内閣府経済社会
       総合研究所国民
       経済計算部長   後藤 正之君
       総務省人事・恩
       給局次長     阪本 和道君
       総務省自治行政
       局公務員部長   上田 紘士君
       法務大臣官房審
       議官       後藤  博君
       法務大臣官房司
       法法制部長    菊池 洋一君
       財務省主計局次
       長        真砂  靖君
       厚生労働省健康
       局長       外口  崇君
       厚生労働省医薬
       食品局長     高橋 直人君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省職業
       安定局長     高橋  満君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   奥田 久美君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    中村 吉夫君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       厚生労働省政策
       統括官      金子 順一君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
       経済産業大臣官
       房審議官     立岡 恒良君
   参考人
       独立行政法人医
       薬品医療機器総
       合機構理事    山田 耕蔵君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、神本美恵子君及び林久美子君が委員を辞任され、その補欠として辻泰弘君及び山本孝史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(鶴保庸介君) 児童手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#4
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 私は、民主党・新緑風会を代表し、児童手当法の一部を改正する法律案に対して、反対する立場から討論を行います。
 本法案の改正の趣旨は、三歳に満たない児童の子育てを行う家庭の経済的負担の軽減であり、その内容は三歳未満の第一子、第二子に対してのみ月々五千円の増額であります。第一子、第二子については、三歳に達すると月々五千円減額されることになります。
 しかしながら、平成十六年全国消費実態調査によれば、子供が一人ないし二人いる世帯の収入は夫婦のみの世帯の収入に比べて低く、第一子が小学生になって後、夫婦のみの世帯の収入に匹敵します。さらに、民主党の調査によれば、子供が育つために掛かる生活費は四歳から五歳児が平均月額で最も高く、中学生が続く状況にあります。子育てに伴う経済的負担の軽減という趣旨ならば、むしろ負担の重くなる三歳から五歳及び学齢期に厚くすべきであり、そもそも、生まれた順序や年齢にかかわらず、すべての子供が平等に児童手当の支給対象となるべきです。
 以上が反対する理由の第一であります。
 理由の第二は、今回増額される三歳未満の児童に対する手当の財源が、国庫負担分では中高年の離職者対策として積み立てた緊急雇用創出特別基金からの国庫返納分の前倒し、地方負担分は交付金の上乗せという、来年度に限ったものであり、恒久的な財源確保がなされていないことであります。
 理由の第三は、三歳以上小学校修了前の児童に係る特例給付についてであります。
 附則第七条第一項で特例給付の要件を定め、第四項に兄弟のある場合を区分し、その給付額を定めておりますが、委員会の質疑において明らかになったのは、三歳未満の兄弟を持つ三歳以上小学校修了前児童の父母に対する給付額が明記されていない点です。このままでは一部に対して小学校修了前特例給付が支給されないのではないかとの疑義が生じます。民主党の調査では、子供が中学校を卒業するまでに基礎的な生活費として一人平均月額二万五千四百三十三円が必要であり、その対象者は約千九百万人になります。本法案の特例給付五千円とは雲泥の差があります。
 少子化対策は日本が直面する最重要課題の一つであり、児童手当は打開策の大きな手段と考えます。大胆な改革の必要性を強調して、私の反対討論を終わります。
#5
○委員長(鶴保庸介君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 児童手当法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#6
○委員長(鶴保庸介君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、足立君から発言を求められておりますので、これを許します。足立信也君。
#7
○足立信也君 私は、ただいま可決されました児童手当法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    児童手当法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、今後の少子化社会における児童手当制度の在り方については、子育てを行う家庭の経済状況の実態にかんがみ、安定的な財源の確保を図りつつ、支給対象児童の範囲、支給期間、支給額等について更なる検討を行い、制度の充実に努めること。
 二、将来にわたって安心して子どもを生み育てられる社会を実現するため、児童手当を含めた少子化対策のための国・地方を通じて必要な財源の確保については、政府を挙げて検討し、適切な対応を講ずること。
 三、本委員会における審議の過程において、本法律案により小学校修了前特例給付の一部が支給されなくなるのではないかとの指摘があったことを踏まえ、その施行に当たっては、従前どおりの支給が確保されることについて十分に周到な周知徹底を図り、円滑な支給がなされるよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#8
○委員長(鶴保庸介君) ただいま足立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#9
○委員長(鶴保庸介君) 全会一致と認めます。よって、足立君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、柳澤厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。柳澤厚生労働大臣。
#10
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存であります。
#11
○委員長(鶴保庸介君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#13
○委員長(鶴保庸介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 雇用保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長高橋満君外十六名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#15
○委員長(鶴保庸介君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 雇用保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事山田耕蔵君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#17
○委員長(鶴保庸介君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。柳澤厚生労働大臣。
#18
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律において、労働保険特別会計については、雇用保険三事業及び労働福祉事業について廃止を含めた見直しを行うこと、また、雇用保険の失業等給付に係る国庫負担の在り方について廃止を含めて検討することとされており、船員保険特別会計については、必要な措置を講じた上で労働保険特別会計に統合するものとされているところでございます。
 このため、これら同法の規定を踏まえた特別会計改革に必要な措置を講ずるとともに、雇用保険制度の直面する課題に対応するための見直し等を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、雇用保険制度について、失業等給付のうち高年齢雇用継続給付に係る国庫負担を廃止するとともに、平成十九年度以降の当分の間、失業等給付に係る国庫負担について、国庫が負担することとされている額の百分の五十五に相当する額を負担することとし、また、雇用保険三事業のうち、雇用福祉事業を廃止することとしております。
 また、雇用保険の失業等給付に係る保険料率の弾力的な変更幅を千分の二から千分の四に拡大する等の見直しを行うとともに、被保険者資格と基本手当の受給資格要件を一本化し、育児休業給付の給付率を暫定的に引き上げるほか、特例一時金や教育訓練給付についての所要の見直し等を行うこととしております。
 第二に、船員保険制度について、雇用保険制度に準じた見直し等を行うほか、労働者災害補償保険制度及び雇用保険制度に相当する部分をそれぞれの制度に統合し、それ以外の部分を全国健康保険協会に移管することとしております。
 第三に、労働者災害補償保険制度について、労働福祉事業のうち労働条件確保事業を廃止し、事業名を変更する等の見直しを行うこととしております。
 最後に、この法律の施行期日については、平成十九年四月一日としておりますが、雇用保険の適用及び給付内容の見直しは平成十九年十月一日、船員保険の統合に関する事項については平成二十二年四月一日から施行すること等としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#19
○委員長(鶴保庸介君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#20
○坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子です。
 ただいま柳澤厚生労働大臣から、本法律案提案の理由の御説明がございました。
 最近の景気回復を受けて、雇用情勢は全体としては改善をし、この結果、雇用保険財政も持ち直しをしてきているところでございますが、今回、失業等給付に係る国庫負担に関しまして、行革推進法で廃止を含めて検討するということを受けて、国庫負担の減額が措置されているところであります。
 この失業等給付について、国庫負担を導入していることの意義についてどのようにお考えか、伺いたいと存じます。
#21
○政府参考人(高橋満君) 失業等給付に係る費用の一部につきまして国庫を導入をして負担を、国庫が負担をしておる、この理由、考え方でございますが、雇用保険の保険事故でございます失業につきましては、政府の経済政策あるいは雇用対策と無縁ではない、こういうことで、政府もその失業に対する責任の一端を担うべきであると、こういう考え方の下に国庫負担というものが導入をされておるということでございます。
#22
○坂本由紀子君 そういう考え方からすると、政府が雇用政策とのかかわりでこの責任を負うことの一端として失業等給付について国庫負担がなされているということであれば、行革推進法に言われている廃止というようなことについては、決して適当なことではなく、あくまでも国庫負担としては存続をするというふうに考えているということでよろしいんでしょうか。
#23
○政府参考人(高橋満君) 今回、この御提案をさしていただいております国庫負担の削減でございますが、今委員も御指摘にございました行政改革推進法の趣旨ということを当然踏まえていく。と同時に、現在の雇用保険財政の状況でありますとか、過去の国庫負担率の縮減等々にかんがみまして、かつ今後のやはり雇用保険制度の安定的運営を確保できるということを前提に検討をいたしたわけでございます。
 そうした観点から申し上げますと、国庫負担の基本的な考え方というものを変更するものではございませんで、当分の間の措置として本来の負担額の五五%に引き下げたというものでございまして、考え方、国庫負担を入れている考え方を引き続き維持をしておるというふうに受け止めております。
#24
○坂本由紀子君 今後とも国庫負担についてはきちっと措置をしていくという将来的な意思を確認させていただいたというふうに考えて、この問題を終わりたいと思います。
 次に、今回の改正においては、直面する課題への対応というのが言われております。
 昨年、私は本委員会におきまして、少子化対策としても育児休業給付を引き上げることが必要ではないかということを申し上げました。そのときに川崎当時の大臣からいただいた答えは、まあ考え方としては受け取っておきましょうというようなことでありまして、私はもっと踏み込んで是非実現していただきたいと思っておりましたので、今回この問題について積極的な取組がなされたことについては大変高く評価をしたいと思いますが、具体的な内容について御説明いただきたいと思います。
#25
○政府参考人(高橋満君) 育児休業給付でございますが、委員御案内のとおり、これは育児休業の取得をしやすくすることによりまして失業を予防すると同時に、雇用の維持継続を援助促進するということを通じて雇用の安定を図るという観点から、言わば雇用継続給付という形で位置付けておるわけでございます。
 現行の内容は、育児休業期間中に給付をいたします育児休業基本給付金と、育児休業終了後に六か月間被保険者として雇用された場合に給付する育児休業職場復帰給付金と、この二つに分かれておるわけでございまして、育児休業給付金が休業前賃金の三割、それから育児休業者職場復帰給付金が一割というふうに定められておりますが、今回、これを暫定的に引き上げることといたしまして、具体的には、育児休業者職場復帰給付金、これを一割から二割に引き上げるというものでございます。
#26
○坂本由紀子君 介護休業給付と異なって、育児休業給付が二種類の給付から構成されている理由は何でしょうか。
#27
○政府参考人(高橋満君) この給付の支給時期を二つに分けておるという理由でございますが、一つは、育児休業の場合、比較的長期間の休業期間となるということが一般的である。また、休業後の職場復帰に当たって種々の費用が必要となる場合も多いと。さらに、先ほどお答え申し上げましたように、雇用の継続を援助促進するというこの制度の趣旨に反した利用ということを防止をするということを踏まえまして、平成七年度の制度創設時からこのような形で給付を行っておるものでございます。
#28
○坂本由紀子君 この給付の中に、育児休業期間中の所得の確保という目的は入ってないんでしょうか。
#29
○政府参考人(高橋満君) 育児休業基本給付金が育児休業期間中に給付をされるわけでございますが、このことが、今委員御指摘のように、育児休業期間中の所得保障にも資することによって育児休業が取得しやすくなると、それをもって雇用継続給付としての趣旨というものが生かされるというふうに理解をいたしております。
#30
○坂本由紀子君 介護休業を取得する労働者と育児休業を取得する労働者は、同一企業で見れば、育児休業を取得する労働者の方が年齢が若いがゆえに給与水準も低いというのが一般的だろうと思います。そういう中で、介護休業については休業中の給付が四〇%、育児休業については休業中の給付が三〇%というのは制度としてはおかしいんじゃないでしょうか。
#31
○政府参考人(高橋満君) 育児休業給付と比較しての介護休業給付でございますが、これは休業期間が最長でも三か月と短期間であるということで職場復帰も比較的容易である、また休業後の職場復帰に当たっても種々の費用がまとまって必要となる場合も少ないということから、育児休業給付のような復帰後に給付するという仕組みを設けておらないところでございまして、休業期間中に今御指摘のような給付を一括して支給をしているというふうなことになってございます。
#32
○坂本由紀子君 私が申し上げているのは、現に休業していて給与がもらえない期間、所得がどれだけ得られるかということが働いている人にとっては大事なことなので、トータルとしてどうかということを聞いているわけではないんであります。
 取りあえず、これはまた後ほど聞くことにして、もう一点、労働政策審議会の雇用保険部会の報告書に、給付率を休業前賃金の五〇%の水準に引き上げ、雇用保険制度として最大限の対応を図ることはやむを得ないものという言い方をしているんです。これはもう誠に消極的な言いぶりで、ここには労働側も入っているんですよね。労働組合の委員も含めてやむを得ないという意見はいかがなものかと思うんでありますが、この辺についてはどういうことなのか、ちょっと解説してください。
#33
○政府参考人(高橋満君) 従前、現行の育児休業給付の給付水準は、今委員御指摘にありましたように、休業前賃金の四〇%ということであるわけですが、実は育児休業中におきます社会保険料の負担が併せて免除をされると、これがおおむね現行約一〇%程度負担が免除されていると。こういう実情を踏まえて考えますと、現行制度におきましては基本手当の五〇%、基本手当の基本給付率である五〇%とほぼ同様の水準で負担軽減と申しますか所得保障というものがなされていると。こういう中で今回、四割から五割に引き上げる、雇用保険制度としてはもう最大限の対応を図るということについてやむを得ないということでこの報告書、部会報告書において表現をされたというふうに私どもは理解をいたしております。
#34
○坂本由紀子君 その辺の認識は私は大いに改めていただく必要があるんじゃないかと思うのであります。現に、失業給付においても失業前賃金の五〇%から八〇%までということで、給与水準の低い人については五〇%が上限ではなくて、それなりの配慮をして所得の確保をしているところであります。そういうことからすると、五〇%がその上限だという考え方は少なくともおかしいのではないかというのが一点。
 それから、社会保険料が免除されているというのは、これはやはり次世代を育てるという重要なその責務を果たしていただいていることにかんがみて、国の政策としてそういう措置をとっているんであって、これがその所得保障の代替だと考えることは私はおかしいんじゃないかというふうに思うのであります。
 ですから、この点について、ともすればこれを雇用保険でやることが適当なのかどうかという議論が審議会ではあるように聞いているんですが、現在の制度として、雇用保険制度の中で財源的にも余裕があって、特に労働力の確保ということにも資する育児休業について休業給付を設けて措置をしているということは雇用保険の意義を増すものであって、誠に意義のあることだと思うのであります。ですから、この点については、是非、審議会におけるその議論の中に、国会の場においてそういう議論があった、あるいは国民の側からの期待はその審議会の中の狭い関係者だけの意識とは違うんだということを是非しっかり御認識いただくように働き掛けをしていただいて、今後この点での考え方の修正をしていただけないだろうかと思うのであります。
 そこで、今回のこの育児休業給付の引上げは暫定的な措置ということになっております。平成二十二年の三月末までで少子化問題が解決するわけではありませんで、むしろ家庭と仕事の両立を推進して就業の継続を図るということの意義が更に重要になってくると思うわけであります。したがって、その暫定措置の後には本格的な措置として育児休業給付の充実についてきちっとした取組をしていただきたい。
 その際に是非念頭に置いていただきたいのは、先ほど申し上げた、育児休業については給付を二段階に分ける、ここについては見直しをしていただきたい。つまり、所得のない期間中に集中して給付をするということを是非考えていただきたいと思うのであります。この点については、副大臣、これから政治家として、こういう問題について国民の期待にこたえて制度変更をリードしていただきたいと思うのですが、お考えを伺いたいと存じます。
#35
○副大臣(武見敬三君) 育児休業期間中の所得保障については、議員御指摘のように、いろいろな意見があることは私も十分承知をしております。今回、暫定的な給付率の引上げが終了する平成二十二年度以降について、今回の措置の政策的な効果、その時点での育児休業期間中の所得保障についての検討状況といったようなことをきちんと踏まえた上で、改めてその時点で見直しを図ると、こういう考え方でおります。
#36
○坂本由紀子君 先ほど復職の確保というような形で二つに分けているという趣旨の説明もあったかと思うんですが、育児休業給付を受給した後に離職した方について失業給付の取扱いはどうなっているのか、局長からお答えいただけますでしょうか。
#37
○政府参考人(高橋満君) 育児休業取得者が、育児休業を取得した後、職場に復帰して、まあ何らかの事情で失業した場合の基本手当にかかわる問題でございますが、これは従来、その育児休業終了後の失業にかかわる受給資格を判断する上での被保険者期間といたしまして、育児休業中の育児休業給付を受給している期間も含めて考えておるのが現行の制度でございますが、今回、この受給資格要件については何ら変わるものではございませんが、どれくらいの給付を受けられるかという際の算定基礎期間の中に従来もこれ入っておったわけでございますが、これについては、今回他の被保険者間との公平性を図るという点をも踏まえて、この算定基礎期間から育児休業期間は除外をするという調整を行うことといたしておるところでございます。
#38
○坂本由紀子君 私が伺いたかったのはそういうことではなくて、育児休業を取ってそのまま職場復帰しないで辞めてしまった方について失業給付が、一般的に育児休業を取らないで仕事を辞めた方と同じように失業給付が出るのかどうかということを聞きたかったんです。同じなんですね、そこは。
#39
○政府参考人(高橋満君) 受給資格要件として見ますと、そこは育児休業を取ろうと取るまいと、受給資格要件が満たされるかどうかという点で判断をするということでございます。
#40
○坂本由紀子君 つまり、育児休業給付は就業の継続ですけど、失業の予防ということでもあるわけですね。それで、給付をもらって、場合によっては、その六か月後の復帰の給付金ももらって、その後やっぱり辞めたということになると、妊娠した時点で辞めた人がもらうのと同じ失業給付をもらえるんですね、その期間が長い、短いというのはありますけれども。
 つまり、私は、先ほど育児休業期間中を基本手当の算定基礎期間に除外するのは被保険者間の公平性云々ということを言われましたけれども、むしろ被保険者間の公平性を言うのであれば、育児休業給付をもらって、そしてそのまま復帰しないで失業した方と、それからもらわないで失業した人との間の公平性というのは、これはやはり考えていいんじゃないか。つまり、さっき申し上げたように、復帰するために六か月後にあえて後から払うなんということをしないで、最初から五割なら五割、もうちゃんと休業給付を払って、その代わり、復帰しないでそのまま離職して失業給付をもらう方の場合には、その分は失業給付から調整をさせていただきますという方が、制度としては公平なんじゃないかと思うんですが、この点についていかがお考えでしょうか。
#41
○政府参考人(高橋満君) 今の委員の御指摘のような調整のやり方というものも確かに一つの考え方としては考えられ得る方策ではあろうというふうに思いますが、育児休業給付自体は、先ほど来申し上げているとおり、雇用継続を促進するという趣旨、目的での給付である。一方、失業給付、失業手当については、これは失業時におきます生活保障と同時に、再就職活動を円滑に行え得るような給付を行うと。二つのそれぞれの給付の性格なり目的なりというものがあるわけでございまして、そういう形で調整が可能かどうか、これはかなり慎重に検討をする必要があるのではないかとも受け止めております。
 いずれにしましても、今回の育児休業給付にかかわります算定基礎期間の調整ということにつきましては、労働政策審議会での議論も踏まえて慎重に検討した結果であるということを御理解賜ればというふうに思います。
#42
○坂本由紀子君 私は、本格実施の際に、先ほど申し上げたところの二種類の給付の一本化を実現する上でも、公平性、復職の担保ということを考えるのであれば、あえて分けて、ただでさえ給与の低い方の休業期間中の所得を低いものにするということではなくて、むしろ五割なら五割の休業中の所得が確保できるということをしっかりと担保するために、復職を確保するのは別途の措置でやるということで是非お考えいただきたいと思います。二十二年の三月までですから時間がありますので、是非その点についての検討を深めていただくことをお願いして、この問題は取りあえずここまでにいたします。
 ところで、育児休業については、育児休業を取れる人はまだ幸せだというような状態で、育児休業を取れないで就業を断念するという方が多いのも現実だろうと思います。この点については、国も育児休業の普及について努力をしていただいていると思うんですが、現状と、それから今後この問題についてどう取り組んでいくかということについてお尋ねいたします。
#43
○政府参考人(大谷泰夫君) 育児休業制度につきましては、希望する方が安心して利用できる職場環境を整備するということが大変重要でございます。御指摘の主張どおりでありまして、厚生労働省といたしまして、これまで、一つは、都道府県の労働局におきまして育児休業制度の普及、定着を図るという努力をしております。それから、二つ目としまして、次世代法に基づきます企業の行動計画の策定、あるいは実施の促進を図っているところでございます。また、三つ目としまして、これは十九年度の予算に盛り込んだところでございますけれども、育児休業制度等を利用しやすいような職場風土の改革に取り組む中小企業に対する助成制度の創設、こういったことを通じて、企業によって育児休業しやすい職場環境の整備に努めているところであります。また、これは平成十八年度からの制度でありますけれども、中小企業子育て支援助成金という制度におきまして、従業員の百人以下の中小企業において、初めて育児休業や短時間勤務制度の利用者が出た場合に一定額を支給という制度を創設したところでありまして、初年度でまだ普及が十分至っておりませんが、こういったものについても鋭意周知してまいりたいというふうに考えております。
 こういったことで、今も申しましたこの助成金を含めまして、仕事と家庭の両立支援に関する諸制度について一層の周知に努め、妊娠、出産によって離職するということがなく、安心して働き続けることができる職場環境の整備に鋭意努めてまいりたいと思います。
#44
○坂本由紀子君 是非頑張ってやっていただきたいと思います。
 次に、雇用保険三事業の見直しについて伺います。
 一つは、能力開発事業についてであります。
 能力開発というのは、雇用問題を解決する基本にあると思っておるんですが、審議会の部会報告書を拝見すると、この点についての認識が薄いのではないかというふうに感じられるのであります。
 能力開発事業の「評価」はしっかりやらなくてはいけないのでありますが、現在、政府が取り組もうとしている成長力底上げ戦略に照らしても、この点で能力開発事業については強化する必要が大いにあると思うんですが、この点、お取組はどのように考えているんでしょうか。
#45
○副大臣(武見敬三君) 雇用保険三事業についてお尋ねがございました。
 この平成十九年度の能力開発事業関係予算というものについては、これ、御指摘のように、前年比で三・三%の減と、こういう形になっておりますが、行財政改革に伴う徹底した歳出の抑制が求められている中で、予算全般について効率化を図るとともに、緊急性の高い施策については予算配分の重点化というのを図ってこういう形になっているわけであります。
 この具体的な中身についても申しておこうと思いますけれども、この独立行政法人雇用・能力開発機構交付金を四%程度、総額で三十一億円確かに削減をしておりますが、その一方で、本年十一月に開催されるユニバーサル技能五輪国際大会への補助として十億円を計上するなど、ものづくり立国の推進経費について約八割の増となっております。また、将来、企業における中核となる人材とするための実践型の人材養成システムの構築経費についても三・七億円、それから年長フリーターに対する常用就職支援として二十億円を新規に計上しております。また、障害者に対する職業能力開発の推進経費については九億円と、約三百万円の減額を行っているんですけれども、他方で、事業内容を見直しまして、訓練の対象人員は逆に五%増加させているわけでございまして、このように、非常に厳しい財政事情の下ではありますけれども、事業を効率的に推進をし、効果的な能力開発に努めてまいるというのがその基本にございます。
#46
○坂本由紀子君 今、副大臣のお話の中に雇用・能力開発機構についての交付金の四%削減というのがありましたが、平成十八年の七月に出された見直し検討会の報告書で、独立行政法人の交付金の中で人件費のラスパイレス指数が相当程度高いと指摘をされています。人件費の総額やその割合を抑制することが適当であると指摘をされていますけれども、この点でのお取組はどのようになされてきたのでしょうか。
#47
○政府参考人(奥田久美君) 雇用・能力開発機構におきましては、職員のうち大卒者が占める割合が高いことや、これまで年功的な職員の昇格、昇給等の人事管理が行われてきたというようなことを反映をいたしまして、国家公務員の給与水準と比較したラスパイレス指数は、平成十五年度には一一五・九でございました。このため、雇用・能力開発機構におきましては、人件費全体の抑制の中でこのラスパイレス指数も踏まえました見直しを段階的に実施をしているところでございまして、平成十六年度には一一四・六、平成十七年度には一一三・三、それから十七年度の末に定期昇給額を圧縮するという措置をとりまして、十八年度からはそれを実施をしておりますので、十八年度におきましては更に低下をするということを見込んでいるところでございます。
#48
○坂本由紀子君 人件費の総額やその割合を抑制ということになると、一般的にすぐ講じられるのは人を減らす、採用を減らすということだろうと思います。人が減るということはそれだけサービスが減るということでありますので、国民からすると、その必要なサービスがちゃんと確保できるかどうかということについて言えば、ただ単に職員の数を減らすということではなくて、多分、高年齢の職員の方の給与が国家公務員に比べて著しく高いという現状があるんじゃないかと思います。ですから、そういう個別のこれまでの給与の運用実態からきている弊害というものをしっかりと見直していただくということを今後きちっとやっていただきたい。定期昇給についての取組もやるということでありましたので、更にこういう点での取組を強め、国民へのサービスが減ることなくこの問題の改善が図られるようにしていただきたいと思います。
 次に、雇用保険事業につきましては、これを主として担っているのはハローワークでありますが、ハローワークの業務に関連して幾つか質問したいと思います。
 一つは、雇用保険の失業給付を受給している方については早期再就職というのが随分前からの課題でありました。この点についてはどのような取組をしていただいて、どこまで成果が出ているのでしょうか。
#49
○政府参考人(高橋満君) 雇用保険受給者の皆様方にできるだけ早く就職を実現していただくということは、正に雇用保険制度の趣旨にもかなうものでございますし、当然ハローワークにおきます基本の基本というふうにも私ども受け止めておるわけでございまして、こうした観点から個々の求職者のニーズに応じたきめ細かな就職支援を実施していくということに力を入れてまいってきておるわけでございます。
 具体的に申し上げますと、失業というのは通常なかなかあり得る話ではございません。そういう意味では、突然に失業という事態になる、そういうことで、なかなか今の労働市場の状況がどういう状況になっているかということを必ずしも十分御理解いただけない、いただいてない方が多いわけでございまして、そうした方々に対しまして、再就職プランナーという専門の相談員が就職実現のためのプラン、これを個人ごとに作成をして計画的、効果的な就職活動を支援していくと。また、中にはできるだけ早く就職、再就職をしていく必要性というものが高い方々も相当おられるわけでございまして、そうした方々に対しましては、就職支援ナビゲーターという、やはりこれも専門の相談員の方が、担当者制によりまして求人開拓から就職に至るまでの一貫した就職支援を行っておるところでございます。
 こうした取組によりまして早期再就職を実現した状況、実績でございますが、これについて私ども、所定給付日数を三分の二以上残して早期に就職された方を早期再就職者と、こういうふうにとらえましてその割合を見てまいりますと、平成十六年度におきましては一三・六%であったわけでございますが、徐々にこの比率も着実に上昇してきておりまして、本年度の一月までの累計の実績でございますが、一五・四%といったところまで上昇してきております。
 また、今後につきましては、今申し上げたような取組に加えまして、やはりこれもハローワークとしては基本の基本でございますが、失業認定時の求職活動内容の確認の際でありますとか、中には給付制限期間中の受給資格者もおられるわけでございます。こうした方々や、今申し上げたようなタイミングをとらえて職業紹介又は職業指導を行うことを徹底をしていくと、これによりまして失業の認定給付と職業紹介との一体的な業務運営を強化すると、こういうことを通じて更に早期再就職の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
#50
○坂本由紀子君 ハローワークの市場化テストというのが先般、落札者が決定されたと聞いております。キャリア交流プラザ、人材銀行事業、求人開拓事業とそれぞれについて総額十億円余に上る契約がこれから結ばれることになるんだと思います。
 ただ、その内容を見ますと、既存のハローワークの業務の中で当然行われてしかるべきもの、今局長がおっしゃったように、失業給付をもらっている人の早期再就職のためにいろいろやりますと言っている中にも当然入っているような事業と思われるのがかなり多いのであります。例えば、職務経歴書の作成だとか個別のキャリアコンサルティング、面接指導、こういうのはハローワークで当然やっている、やらなくてはいけないものだろうと思うのであります。こういうようなものを改めて公費を使って別のところでやるというのは果たしてどういうことなんだろうと思うんですが、この点について、どういうことなのか御説明ください。
#51
○政府参考人(高橋満君) 今回のこの市場化テストへの対応ということでございますが、それにかかわる私どもハローワークの関連事業というものに対してどういう形で対応してきたかということでございますが、基本的な考え方は、ハローワーク関連事業につきまして、無原則に市場化テストや民間委託を実施するということではございませんで、今後とも、私どもの考え方は、ハローワークのセーフティーネットとしての役割を維持した上で、行政効率化なりサービスの質の向上の観点から有効な事業については積極的に対応していくという考え方であるわけでございます。
 その中で、今委員が来年度の対象として考えておりますキャリア交流プラザ事業にかかわりまして若干御指摘ございました。
 キャリア交流プラザ事業は、主に中高年ホワイトカラー求職者を対象にいたしまして、求職者同士のその経験交流というものをベースに置いて、今御指摘のあったような職務経歴書の作成方法でありますとか、キャリアコンサルティング等々の就職支援を集中的に実施をしているものであるわけでございますが、例えば職務経歴書の作成方法の教示でありますとか、あるいはコンサルティングといったようなことは、こういう中高年ホワイトカラーを対象にしたキャリア交流プラザ事業のみならず、やはり一般的に様々な求職者にとっても有効な、効果的な手法であるというふうにも考えているわけでございまして、そういう意味で、現在でもハローワークにおきましても、早期再就職の必要性が高い方々に対しまして、職務経歴書の個別添削でありますとか面接シミュレーション等々、担当者制によります綿密な個別支援というものを行っておるわけでございます。
 今後とも、キャリア交流プラザといった市場化テストのみならず、やはりハローワークの窓口においても必要に応じてきめ細かな対応を図っていきたいというふうに考えております。
#52
○坂本由紀子君 求人開拓事業については、その募集した地域で全然応募がなかったというのもあるんです。求人開拓については、そもそも民間がやれば効果が上がるというものではなくて、むしろ産業政策と連携して雇用創出等を図ることによって成果が出るものであるので、私は、こういう市場化テストが国民にとってより良質のサービスが効果的に行われるかということとどうも違う方向に行っているんじゃないかという思いがしてならないのであります。これだって貴重な雇用保険料を使って事業をしているわけですから、そういう意味で、ハローワークがやるべきことはきちっとハローワークがやると、そして全国のセーフティーネットとして失業者あるいは障害者、高齢者、育児が終わった後再就職したいという女性たちにきちっとしたサービスを提供するということをやらなきゃいけないんじゃないかと思うのであります。
 この点について、こういうことを考えたときに、各ハローワークについて業務のばらつきが非常に大きい。大変、成果が上がっているハローワークもあれば、なぜここまでしかできないのか。それは、その地域の雇用情勢が厳しいからできないという合理的な理由があるのは、これは分かるんです。例えば、北海道が大変だというのは分かるけれども、例に挙げて恐縮ですが、神奈川のように首都圏に近くてこれだけ交通の便がいいところが実績が非常に低い。こういうことは、それぞれのハローワークでの取組が必ずしも十分なされていないということにあるのではないかと思うんですが、この点について厚生労働省としてどう考えているんでしょうか。
#53
○政府参考人(高橋満君) 委員御指摘のとおり、各労働局ごとに見ました業務の実績というものにつきまして、例えば就職率で見ましても、これはたまたま直近の一月の数字でございますが、全国平均二二・六%に対して、低いところでは一〇・三、あるいは二〇%台というところから、高いところで三〇%に乗っているところもあるわけでございまして、そういう意味で大変ばらつきがあるということは私どもも十分認識をいたしております。
 こうしたばらつきというものがどういう形で、どういう理由で出てくるのか、様々な理由があろうかというふうに思います。もちろん、なかなか雇用情勢の問題、産業構造の違いの問題、あるいはハローワーク以外の就職経路の有無の問題等々あるわけでございますが、しかし、そうした中で各労働局においてその取組度合いというものの違いが決してないというわけではないだろうというふうに思います。
 そういう意味では、私どもも、やはり全国斉一的な行政を行っていくのがハローワークとしてのいわゆるセーフティーネットとしての大変重要な機能であるわけでございまして、どこの地域においてもハローワークのサービスというものがきっちり享受できるということでなければならないというふうなことと考えておるわけでございまして、そうした意味で、実績が低い労働局については、その原因をよく分析し、更なる実績の向上に向けて様々な取組を行うよう本省としても個別に指導をしていきたいと考えておるところでございます。
#54
○坂本由紀子君 それぞれの業務を行うに当たって目標値を設定をするということは大変大事だと思うのですが、ハローワークについて達成すべきものについて目標を定めて、各労働局、各ハローワークがこういう目標でやろうというようなお取り組みをすることについてどのようにお考えでしょうか。
#55
○政府参考人(高橋満君) 現在、私どもも、このハローワークの業務につきまして主要な部分につきまして目標を設定し、それをPDCAサイクルと申しますか、定めた目標に向けて逐次その進捗状況を把握をするという中で必要な業務の改善を図っていくという取組を現在、鋭意進めておるところでございまして、私どもは、こうした目標管理制度というものにつきまして、単に数値を設定するということに終わることなく、なぜそれが十分に進捗しないのかということを一人一人の職員が問題意識を持ってもらって、一人一人の職員が自らの課題として改善に取り組んでいく、その契機にしたいということもねらいとしてあるわけでございまして、そうしたことを通じて実績の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。
#56
○坂本由紀子君 時間がなくなってきたので簡潔にお答えいただきたいんですが、目標値を設定するということは非常に意味のあることだと思うので、それぞれの業務について数値目標等を設定するのかしないのか、それから各労働局、各ハローワークについて、それぞれちゃんと目標を作ってやるのかやらないのかということについてお答えください。
#57
○政府参考人(高橋満君) 今申し上げましたように、主要な就職率なり雇用保険受給者の早期就職者割合等々につきましては、ハローワークまで含めたそれぞれの目標の設定を行っておるところでございまして、今後もそうした目標管理を通じてしっかり対応していきたいというふうに思っております。
#58
○坂本由紀子君 その二つだけではなくて、ハローワークがやっているのはほかにもいっぱいあるわけですから、それ以外のものについて聞いているんです。
#59
○政府参考人(高橋満君) 今ちょっと手元に、大変申し訳ございませんが、就職率なり、それから雇用保険受給者のうちの早期再就職割合というものにつきまして、これは安定所ごとに全国を通じてやっていく、設定をすると。それから、それ以外に労働局なり安定所ごとまでは求めてはおりませんけれども、各労働局が各安定所からヒアリングをし、また各労働局に対して本省としてもヒアリングしながら、例えば障害者の就職件数、フリーターの常用雇用者数等々、十一項目にわたっての目標を、これは全国ベースの目標でございますが、ベースには今申し上げたような下からの積み上げを踏まえながら必要な目標を設定をしておるところでございます。
#60
○坂本由紀子君 例えば、マザーズハローワークが目標数値を設定したんですけど、これを見ますと、地域によってすごい大きなばらつきがあるんです。対象者も多くて就職できる可能性もかなりあるにもかかわらず低い目標値しか設定していないところがある。これは一体どういうことなのかということについて多分説明できないだろうと思うんですね。
 そういうことで、目標数値そのものがどうなのかということと、それから目標数値を作る、その前提となる作るかどうかということについて、私は今の局長の答弁は非常に後ろ向きだと思います。やると言ったのは二つだけ、あとについては本省の目標を作ると言うだけで、労働局は、ハローワークについては、作るとは言ってないわけです。
 それで、社会保険庁が国民の期待を裏切って様々なあの問題を起こしました。特に記憶に新しいのは、国民不在の組合との協定を結んで、自分たちのことを先に考えていたというようなことで大いにひんしゅくを買ったわけです。
 ハローワークについていえば、正に国民のセーフティーネットとして、仕事がなくて何とか就職したいという人たちが大勢訪れてきているわけです。そういう方たちに対して自分たちができる限りのことをやるというのは当たり前のこと。そして、それがきっちり成果が上がるように、それぞれの地域の経済状況等ありますから、それぞれの地域の状況に応じて、そして目標を作って、それをクリアして、さらにそれを上げていくということをやらなければ、私は本来ハローワークがやってれば済むようなことを市場化テストで外にお金を出してやるなんておかしなことは解決できるんじゃないかと思うのであります。あるいは、包括的な市場化テストというような、国民のセーフティーネットから考えて、そういうことをやっていいのかということを感じるような問題というのは出てこないだろうと思うんです。
 ハローワークについては、求人の充足率というようなことは割合余り重きを置かれてこなかったことはありますが、これから人手不足になることを考えると、そういう求人の充足率というような問題、事業主に対するサービスというのもきちっとやっていただく。そういうこと全体について、ちゃんとハローワーク、労働局が目標を作り、そしてどういう結果だったか、そして社会保険庁で言われたようなことがないように、そういうことについて職員団体とどのような話合いをしてどういう議論になったかということについてきちっと公表をし、国民の理解を得てやっていただくことが必要だと思うのですが、この点について大臣の御見解を伺いたいと思います。
#61
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今日は十時ちょっと過ぎからほぼ一時間にわたりまして、坂本委員から大変私も一々考えさせられる問題提起をしていただきまして、本当に有り難く拝聴をいたしておりました。
 今、ハローワークの仕事を更にいいものにしていくためには、労使の間の話合いというものについて、その内容が本当に国民の立場に立って、国民の批判に堪えられるようなものでなければならないのではないかと、こういう考え方から、ある意味の情報公開ということの御提起がありました。私も全労働の方々と既に一度お会いしておりますけれども、とにかく労使の間というのは、やはりある種の交渉事で相対峙する関係にあるわけですけれども、やっぱりそこには信頼がなければならないと、私はそのように考えているわけでございます。
 したがいまして、この今の交渉内容の公開ということにつきましては、社会保険庁が行っているほかに承知はいたしておりませんけれども、とにかく、私といたしましては、労使関係の信頼感のある健全な運営ということと、それから今委員が言われたような、国民の本当の期待にこたえられるような内容であるかという見地からの透明性の確保あるいは説明責任といったような双方をきちっとよくにらんで、適切にこの考え方を整理していかなければならないなと、このように考えた次第でございます。
#62
○坂本由紀子君 最初、通告していなかった質問を加えたものですから、各労働局やハローワークごとに業務遂行の目標を作ってやっていただきたいと、今の担当局はそこまでは考えていないと、目標はあくまで就職率と早期再就職の割合だけだということなんですが、それだけでは私は不十分だと思いますので、是非、大臣、この点については担当部門に、できるところからやっていけばいいことでもありますが、きちっと業務が進展するように御指導いただけたらということをお願いして、私の質問を終わります。
#63
○津田弥太郎君 民主党・新緑風会の津田弥太郎です。
 冒頭、タミフルと異常行動との関係について数点質問します。
 先週、厚労省は、これまで公表していたタミフル服用後の飛び降り、転落などによる死傷事例に追加する形で、新たな負傷事例を公表しました。
 報道によりますと、これまで一部しか公表しなかった理由として、厚労省は、二月の小児、未成年者への注意喚起前の例だったので公表の必要はないと思った、あるいは、死亡事例を優先してチェックしていたため、死亡していない事例は十分な分析ができていなかった、隠す意図はなかったと述べているようであります。これは、少なくとも国民の視点からは到底納得できません。なぜなら、当初から問題とされていたのはタミフルと異常行動との因果関係であり、注意喚起が行われる前か後かということは因果関係の検討の際に必ずしも考慮すべき要素ではありません。大臣、分かりますよね。
 また、負傷事例を公表していなかったということについても、そもそも負傷と死亡とは完全に分離した概念ではなく、異常行動の結果として負傷した患者がいて、さらに、そうした負傷の最たる場合に残念ながら死亡に至るということのはずであります。すなわち、負傷と死亡というのはあくまでも程度の問題であり、タミフルとの因果関係という意味では同列に受け止めなければならないはずでありました。
 こうした厚労省の対応について、意図的に隠ぺいを図ったのではないかとの疑念を国民は多数抱いておるわけであります。また、仮にそうした隠ぺいという意識が厚労省にもし全くなかったとしても、異常行動の例が早期にすべて公表されていたならば、子供の患者を持つ親、さらに成人患者がタミフルの服用にもう少し慎重になったのではないか、新たな犠牲者を防ぐことができたのではないかという点で、厚労省の責任は極めて重大なものであるというふうに考えます。
 大臣、早期に異常行動による負傷事例を公表できなかった責任について、どのような認識をお持ちでしょう。
#64
○国務大臣(柳澤伯夫君) 医薬品の副作用につきましては、これはもう一つのシステムができ上がっておりまして、一つは、医療機関等から医薬品の製造販売業者へ情報がもたらされる、そして医薬品の製造販売業者自体が独自につかんだ情報についても併せましてこの医薬品機構にこれを報告をするということになっているわけでございます。
 この医薬品機構はこれをどうするかといいますと、取りまとめの上これを公表をすると。大体、かなりの頻度でこれを整理して公表するということをやっているわけでございまして、ただ、公表が余りにも数が多くて、それでなかなか注目度ということではいま一つ、それで十分な公表ぶりということになっているかということですと、今委員が指摘をされたようなことがあるということになるのかなと、このように考えるわけでございます。
 私どもといたしましてはそういうことが基本でございますけれども、これまでの経緯から申しまして、委員御承知のとおり、このタミフルは平成十四年九月から販売が、十三年二月と十四年九月、それぞれカプセルとシロップという形で販売が開始されたわけでございますが、その後の死亡例はなかったんですが、いろいろと意識障害、異常行動等、重篤な症例が集積されましたので、既に十六年五月の段階で、いわゆる添付文書の改訂ということで、そうしたことに注意を喚起いたしたところでございます。
 その後、更にいろいろ客観的に、十四歳の男の子あるいは十二歳の男の子というような方の転落死というものがございましたので、このそれぞれの事例につきまして専門家の先生方に検討をしていただくということをいたしました。で、片方、また疫学的な調査にも着手するというようなことでそういう事例の安全対策というものには取り組んでこさせていただいたというふうには考えております。
 で、今年の二月になりまして、本当にきびすを接するように十四歳の女性と男性のまた転落死というものがありまして、ここで二月の二十八日、もう男の子のその事故死から、翌日でございますが、注意を喚起する、そういうお願いをし、さらに、先ほど委員が御指摘のようなあの三月の二十日になりまして、これは十二歳の男性ですけれども、そういう方の転落、骨折というようなことがありまして、そうして緊急安全性情報の配布ということをいたしたということでございます。
 したがいまして、この成り行きを見ますと確かに委員の御指摘のような面があったかというふうに思いますけれども、私どもとしては、もう必要な措置を講じさせていただいたと、こういうことでございます。しかし、死亡に至らなかった事例について詳細な調査が行われていないなど、分析において不十分な面があったということは否めないということも考えられるわけでございまして、今後は更にこれまでのタミフルのすべての副作用症例を改めて精査をして、至急に検討をしたいと、このように考えているところでございます。
#65
○津田弥太郎君 まあ責任をお認めになっているわけですが、そこで、厚労省の研究班はこれまで小児患者約二千八百人を調査をし、インフルエンザにおける異常行動についてはタミフルの服用の有無により統計学的な有意差がなかったとの調査結果を昨年十月に発表しているわけであります。ただし、この調査では異常行動が目立つ十代の症例が少なかったなどの指摘を受けて、現在は対象を一万人に広げた調査を行っており、本年夏ごろに調査結果が出されることとなっております。
 今回、昨年の調査の主任研究者であり、現在も分担研究者という肩書で八人の調査班のトップに引き続いて位置している教授、あるいは他のメンバーについてもタミフルの輸入販売元の中外製薬から寄附金を受けていたことが指摘された問題で、柳澤大臣は、先週金曜日の衆議院の委員会で、寄附をもらっている先生は除外し、いささかも公平性が疑われない体制を構築して見直しに当たらせたいというふうに発言をされております。タミフルと異常行動との因果関係をめぐって厚労省自身が国民から信頼を失っているという現状からすれば、調査の信頼性を回復するためには当然のことであります。
 しかし、寄附をもらっている研究者を外すこととは別に、もう一つ問題がある。それは、現在の研究班のメンバー八人と昨年の研究班のメンバー八人が基本的に同じメンバー、同じメンバー。常識的に考えて、自らが研究班の一員として疫学的にタミフル服用の有無によって異常行動の現れ方に差は見られないという結論を昨年十月に下した方が、その結論を一年も経過しないうちに変えることは極めて難しいのではないかと考えるわけです。
 その意味でも、本来は寄附の有無にかかわらず研究班の八人メンバーを一新する、少なくとも研究班の責任者である分担研究員は昨年の結論を下した研究班に所属していなかった方を新たに抜てきすべきだと考えますが、大臣、いかがでしょう。
#66
○国務大臣(柳澤伯夫君) 委員の御指摘はいろいろ仰せられたわけでございますけれども、まず第一に私が委員に申し上げたいことは、この先生方の中に奨学寄附金と、学を勧めるという、そういう研究を勧めるという、そういうものをいただいていた方がいらっしゃるということが報道をされたわけですけれども、この点については現在、今調査をして、至急に調査の結果を分かり次第報告しようと、公表しようと、こういうふうに考えておりますが、この奨学寄附金というものは、別段この調査に対して行われているということではありません。それは、その先生の専門のことにつきまして更にいろんなことを研究していただくということで行われているということがございますので、まず一般的に言いますと、この奨学寄附金をもらった方をある調査から除外をしなきゃならぬか、その製薬メーカー、奨学金の出どころの関連のところでは必ずそうしなきゃならないかということについては、私、一般論としては、必ずしもそうであるというふうには実は考えておりません。
 それからもう一つ、先生の、委員の御指摘の中で、十七年のこの免疫調査とこの十八年から十九年に行われる免疫調査とが同一のメンバーの研究班によって行われていることがおかしいのではないかというちょっと観点のお話があったかと思うんですが、これは、実は十七年の調査を実施した研究班のメンバーが、やはりこの調査ではかなり規模がちっちゃいねと、免疫的な調査を行うにしても対象が少数だねということにもう気が付きまして、すぐに、もっと広範に広げて研究をしなければいけないという、そういうお気持ちになられたということでございます。
 そういうようなことからいたしまして、私は、一般論として言うと、こういうことはごく自然に行われているというふうに受け止めていただきたい、そのことについて御理解をいただきたいと、こう思うわけでございますが、ただ、私が先般申し上げたのは、これだけタミフルというこの薬剤の重要性、これはもう新型インフルエンザに対して我々は一千万人、二千万人というような方々に利用をしていただくような、そういう大規模な備蓄をしているというようなこともありまして、したがいまして、これはもう非常に国民的な関心も当然のことながら高いわけでございます。そういうことをひとつ考える。
 それからまた、今先生も少しニュアンスとしておっしゃられたわけですけれども、これだけ関心が深いところで行われる再調査というものについては、我々としてはもう絶対的な信頼を国民の皆さんにいただきたいと、こういうふうに思いますので、通常では考えられないかもしれないようなことにまでやはりこの立場をすっきりしたものにいたしたい、こういうふうに考えまして、今回もしそういう奨学寄附金であってもいただいているという方がいらっしゃる場合には、これはもう除外をして、そして研究班を組織して、その新しいお顔ぶれによる研究班の先生方によっていろんな研究を、あるいは調査を、最後の取りまとめをしていただきたい、こう考えているということでございます。
#67
○津田弥太郎君 通常では考えられない方法、どんな中身かと思うんですが、また新しいメンバーという言い方も大臣おっしゃいました。
 国民は、今おっしゃいましたように、大臣おっしゃいましたように、大変関心が強いです。今、医療の現場ではセカンドオピニオンというのがよく採用されております。セカンドオピニオンというのは、同じ医者に聞いたんではこれはセカンドオピニオンにならないんですよね。違う医者に聞くから意味が出てくるわけですよ。当然、今回のこの研究班の問題も、メンバーが一新するというところに意味があるわけですから、大臣、そこはしっかりこのメンバーを一新して取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。
 さて、マスコミにより研究班の主任研究者らが中外製薬から寄附金を受けたという指摘があって以降、厚労省は研究班のメンバーについて、寄附金を受けたかどうか、あるいは受けたとした場合、どのような手続を踏み、寄附金が調査結果に何らかの影響をもたらしているかなどの事実調査を行っている最中というふうに承知をいたしております。大臣は、調査結果の公表についてはできるだけ早くというふうに発言をしておられます。
 今回の対応の結果、寄附金を受け取っていた研究員が研究班から外れたとしても、過去の調査の信憑性そのものについて、あるいは厚労省の判断がねじ曲がったかどうかの検証といった問題、これは引き続き残された課題であるというふうに考えるわけであります。その意味で、研究班メンバーについての調査は当然に継続され、早期に結論が出されるべきというふうに考えるんですが、同じ認識でよろしいでしょうか。
#68
○国務大臣(柳澤伯夫君) 研究班が進めてまいりましたインフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関するいわゆる疫学的調査でございますが、これは、今申しましたように、国民の関心も非常に高いということでございますので、私ども、今回、報道によって指摘されたようなこの寄附金に関する事実というものについては、これはもう調査をして、これを国民の皆様に公表しなければならないということで、今委員御指摘のように、現在調査を進行させているところでございます。
 これはできるだけ早く、結果が判明し次第、明らかにすることといたしたいと、このように考えておりますが、この調査の内容によりまして、私どもとしては、今委員が指摘をされたような十七年度の調査はどうだった、あるいはその他の、十八年度から十九年度にかけて行っている調査について何かバイアスはなかったか、あるいはまた厚生労働省のこの安全性についてのいろいろな行政的な措置についてどうだったかというようなことも含めまして、できるだけ明らかになるというようにいたしたい。
 ただ、厚生労働省のことについては、当面この調査には、そのものの内容とはなり得ませんけれども、全体に今回のこの研究班の先生方による調査の、何と申しますか、中立性と申しましょうか、そういうことについて調査をさせていただいて、その結果を公表させていただくということの中で、そういったことを是非、国民の皆さんに理解できるようなものにするように考えているということでございます。
#69
○津田弥太郎君 しっかり進めていただきたいと思います。
 そこで、厚労省の研究班による疫学調査とは別に、タミフルの服用と異常行動との個々の因果関係については、これまで薬事・食品衛生審議会の医薬品等安全対策部会において死亡例など重大と見られる事例について分析を行った結果、否定的との見解を取ってきておりますが、これについても副作用約千八百件のすべてを再調査するということであり、調査結果によっては因果関係が認められる可能性が出てまいりました。もちろん、我が国においてインフルエンザ患者以外は一般にタミフルを服用しないというふうに思われるため、厚労省の研究班による疫学調査でインフルエンザ患者の異常行動はタミフルの服用の有無により有意差がないとされてしまった場合は、医薬品等安全対策部会の調査結果だけをもってして異常行動がタミフルの副作用と認定されるかどうかは現実的には難しいのではないかというふうに思うわけですが、厚労省の事務方の話を伺うと、この部会の調査単独でもタミフルとの因果関係が認められる余地はあるとのことということですので、是非しっかりと調査し、真実を明らかにしてほしいというふうに考えます。
 で、確認でありますけれども、この重要な役割を担う医薬品等安全対策部会のメンバー、このメンバーについても中外製薬を始めタミフルの関係者からの寄附金などは一切受けていないと理解してよろしいでしょうか。
#70
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほどもお話をさせていただきましたけれども、一般的に奨学寄附金というのは人を定めない寄附金でございまして、別段このタミフルの疫学調査向けに提供されたものではございません。各大学の、あるいは各機関の規定に従いまして、適正な手続の下で各施設で受け入れ、執行されているものというふうに私どもは見ているわけでございます。したがいまして、このような寄附金の受入れがあった場合、それをどう考えるかは寄附金の目的などいろいろと考慮する点があると私どもは考えている次第でございます。
 いずれにいたしましても、事実関係につきまして、現在のところ、この安全対策部会のメンバーについて詳細なことにつきましては承知をいたしておりませんが、確認はしたいと、このように考えております。
#71
○津田弥太郎君 そんな難しいことを言っているわけじゃないんですよ。簡単に分かることでありますから、しっかり調べていただきたいと思います。
 問題は、何で世界の中で日本だけが異常にタミフルを使用しているかということですね。これはもう明らかにおかしいわけです。これについて、大臣、どう思われます。何で日本だけがこんなにタミフルをたくさん使用しているんですか。
#72
○政府参考人(高橋直人君) お答え申し上げます。
 日本だけ特別に多いと、事実の数字としては確かにそうでございます。その原因は一体何かと。これは大変難しい問題でして、それを外国との関係で比較した調査なんかは、そういうものは一切ございません。
 ただ、いろんなタミフルを投与されているその患者さん方、その親御さんの話を聞きますと、どうも、まあこれは一つの推定ということでお答え申し上げますが、やはり先進国、特に北半球で四月、インフルエンザシーズンは大体一月、二月、三月でございます。日本は四月がいろんな生活の大きな変わり目になります。お子さん方はやっぱり一月、二月、三月というのは受験とか、あるいは三月は卒業式ですけれども、あるいは会社員の方は転勤とか、そういった時期は集中しますので……
#73
○津田弥太郎君 簡潔に。
#74
○政府参考人(高橋直人君) はい、済みません。
 ですから、そういった事情がある。先進国は大体九月が学校に入学する、そういった事情がございますので、どうもそういったものがやっぱり多少影響はしているのかなという、これは印象ですが、そういう印象を持っているということでございます。
#75
○津田弥太郎君 そんな言い訳しても国民は納得しないですよ。この問題は今後も続けて追及していきたいと思いますが、今日は雇用保険法についての質疑でございますので、本題に戻りたいというふうに思います。
 さて、大臣、この今回の法改正の理由を極めて簡単に分かりやすくお述べください。
#76
○国務大臣(柳澤伯夫君) この今回の雇用保険法改正法案は、行政改革推進法によりましてこの関係の制度の一部についていろいろと規定があったということが第一点でございます。
 それから第二点は、直面する諸課題に対応するために、この保険制度の制度としての安定性を確保しながらこの課題に取り組みたい。この二点が主たる目的でございます。
#77
○津田弥太郎君 財政面についての判断はいかがですか。
#78
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど申し上げました制度としての安定性ということで、私としてはこの財政面のことを含意したつもりでございます。
#79
○津田弥太郎君 大臣が今御答弁をされておりますように、今回の法改正においては、昨年成立した行政改革推進法が非常に重要な位置付け、もう一番に理由に挙げられたわけであります。この行政改革推進法は厚生労働委員会で審議をされたかどうか。これは厚労省に聞くわけにいかないんで、鶴保委員長にお尋ねします。
#80
○委員長(鶴保庸介君) お答え申し上げます。
 昨年召集の百六十四国会に提出された行革関連五法案、五件は行政改革に関する特別委員会で審議されており、厚生労働委員会では審議を行っておりません。
#81
○津田弥太郎君 そのとおりです。この今回の法改正は行政改革推進法を踏まえた改正内容だけでないことは本会議での大臣の答弁のとおりでありますが、しかし今回の法改正に対して行政改革推進法が非常に大きな影響を与えていることは事実であり、その行政改革推進法は行革特で審議をされ、本厚生労働委員会との連合審査といったものは衆参いずれにおいても行われていないわけであります。もちろん、形式的には、今回の改正内容については労働政策審議会の雇用保険部会で審議をされ、あるいは具体的な改正案そのものも当然ながら今回、厚生労働委員会で審議をされています。
 しかし、行政改革推進法においては、労働保険特別会計で経理される事業は、労災保険法の規定による保険給付に係る事業及び雇用保険法の規定による失業等給付に係る事業に限ることを基本とし、労災保険法の規定による労働福祉事業並びに雇用保険法の規定による雇用安定事業、能力開発事業及び雇用福祉事業については、廃止を含めて検討するというふうにされ、また雇用保険法六十六条の規定による国庫負担の在り方については、廃止を含めて検討するというふうに規定され、これに基づき今回の労働保険特別会計の見直しの方向性が定められ、あるいは失業等給付に係る国庫負担についても当分の間、本来負担額の五五%まで大幅に引き下げられることとなってしまうわけであります。
 私は、行政の在り方を見直す場合、個々の省庁の所管事項を超えて横断的な見直しを行うこと、個別法を超えてある種の一括法で対応を行うことを完全に否定するものではありません。そのことにより省庁の縦割りが排され、政府間の整合性が取れることもあるということは分かります。しかし、行き過ぎる、ここが問題。これ行き過ぎると、本来的な所管委員会での議論に先んじて重要なことがすべて決められてしまう。具体的には、厚生労働委員会がないがしろにされるといった事態にもつながりかねないわけであります。厚労大臣は、強くここは警鐘を鳴らしていただかなければならない。大臣は、政府部内でそのことについてきちんと意見述べておられますか。
#82
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま御指摘の点につきましては、政府部内の問題ということよりも、むしろ国会における審議の在り方と申しましょうか、国会運営の問題のような私は受け止め方をいたしておりまして、どのような審議のやり方がふさわしいかということについては、これはもう政府の立場としてこれにコメントをする、あるいは政府部内で何か意見を申し上げるというようなことではないのではないかと、このように考えます。
#83
○津田弥太郎君 いろいろ大臣も発言があったから政府部内で発言しにくいかもしれないですけど、ここはやっぱりしっかり発言してもらわなきゃ困るんですよ。もうあの発言のことは聞きませんから、しっかりやってもらいたいと思うんですよ。
 そこで、次の、時間がもったいないんで次に移らせていただきますが、武見副大臣、初めてのやり取りをさせていただきます。
 失業給付に係る国庫負担の削減についてお尋ねをしたいと思います。
 今回の改正案では、先ほど指摘をさせていただきました行政改革推進法あるいはその後の骨太の方針二〇〇六において政府は堂々と国庫負担の全廃を掲げ、法案提出段階で本則四分の一の国庫負担を当分の間五五%まで大幅削減をいたしました。そもそも、国庫がなぜ失業等給付に係る費用の一部を負担しているかについては、失業が政府の経済政策や雇用政策と無縁でないため、政府もその責任の一端を担うべきであるとの考え方に基づくものであり、このことは大臣もお認めになっていることであります。
 しかし、現実には今回の改正により、国庫負担は失業給付全体の比率でいいますと一三・七五%という極めて低い率にまで落ち込むことであり、このことは国の雇用政策への責任放棄を意味するものであるというふうに考えるわけであります。これでは底上げ戦略どころか底抜け戦略そのものであり、政府の掲げる再チャレンジ、あるいは格差社会の是正などとも逆方向の施策というふうに言わざるを得ないわけであります。
 今必要なことは、本当に救済が必要な人に対してしっかりとセーフティーネットを張っていくこと、雇用保険もその大きな役割を担う制度として国の責任をむしろ高めていくことが改革の方向性であるべきであります。今回の国庫負担の安易な削減については私は強く抗議をし、その上で今後の方向性について確認をさせていただきます。
 まず最初に、今回の国庫負担の削減の暫定措置の当分の間、これについて、これを解除する要件は、武見副大臣、何でしょう。
#84
○副大臣(武見敬三君) この当分の間ということは、雇用保険制度の安定的な運営を確保するために必要が生じた場合には、その時点で雇用保険財政の状況や雇用失業情勢、さらには国家財政の状況なども踏まえて国庫負担の在り方を改めて適切に検討すると、その間の当分の間と、こういう意味であります。
#85
○津田弥太郎君 よくできました。
 これ、衆議院による審議過程で、柳澤大臣は「国庫負担の基本的な考え方を変更するものではない、」というふうに答弁をされました。
 そこで、関連しますから武見副大臣に引き続き確認をいたします。この大臣の発言は、本則の枠組みである国庫負担四分の一については今後も堅持すべきとの考えと理解してよろしいでしょうか。
#86
○副大臣(武見敬三君) 本則にある基本的な考え方の変更はございません。この当分の間、本来の負担額を引き下げることとしていることでございまして、国の責任についての基本的な考え方、それから国庫負担についての基本的な枠組み、これを変更するものではございません。
#87
○津田弥太郎君 本則を変更して四分の一以下に引き下げるということは、国の雇用政策に対する責任放棄です、これは。憲法二十七条一項で勤労の権利が規定をされておりますが、これは一方で国の政策義務を意味するものであり、具体的には自己の能力と適性を生かした労働の機会を得られない労働者に対し生活を保障する義務というふうに解されているわけであります。
 雇用保険法は、その中心的な役割を果たす雇用保障立法ということであるはずでありまして、武見副大臣、この憲法二十七条一項を踏まえてもう一度明確な答弁をお願いします。
#88
○副大臣(武見敬三君) これはもう既に柳澤大臣もお答えをしているところでありますけれども、この失業というのが政府の経済政策、雇用対策とは無縁ではないと、したがって政府としてもこうした失業の問題に関してはその責任の一端を担うと、この基本的な考え方というのがまずあります。これは、改めてここの場でも御確認をさせていただくものであります。
 その上で、この行財政改革という国家にとっての一つの極めて大きな観点から、これとの連携の中で今回の措置が講ぜられたこと、しかもこうした雇用保険財政というものの中で、近年、景気が一定程度回復していく過程の中でその財政状況も改善されてきていること、こういったことなどが正に検討された上で今回の措置となったわけでありまして、基本的な政府の責任というものの在り方について何ら考え方を変えたものではございません。
#89
○津田弥太郎君 その考え方を引き続きしっかり堅持していただきたいと思います。
 さて、次に、受給資格要件の変更について、これは政府委員にお尋ねをしたいと思いますが、今回の改正により、自己都合離職の場合、短時間労働被保険者か否かを問わず、受給資格が被保険者期間六か月から十二か月へと延びるわけでありますが、その理由について厚労大臣は循環的な給付や安易な離職を防ぐということを挙げておられます。
 衆議院では、この受給資格要件の変更によって極めて大きな不利益が生じる労働者が多数生じるとして、質疑時間の最も多くの時間を割いて複数の議員から度重なる質疑が行われました。その結果、被保険者資格が一年未満で、いわゆる雇い止めにより離職をする期間雇用者や、雇用保険法三十三条の給付制限を受けない場合として規定されている正当な理由がある自己都合退職の基準、これに合致する者については解雇、倒産等と同様の取扱いとなるように省令の中に盛り込む、受給資格要件は六か月との答弁が厚労大臣からなされたというふうに認識をしております。これは一定の評価をするところであります。
 そもそも、自己都合退職、ここからが大事なんです、ここから、この自己都合退職という概念は会社都合退職に対峙する概念であり、何も好き好んで会社を辞めた人ばかりではありません。自己都合退職を好き好んで会社を辞めたことと混同することは、自殺した人はすべて自ら死にたかった人なのだということと同様にこれは大変な暴論であります。様々な事情があるわけです。
 是非とも先ほど指摘した二点についてしっかりと省令に記載していただくとともに、正当な理由がある自己都合退職の基準に合致するか否かについては、是非、実際の運用の場において、狭く解釈を行うことなく、循環的な給付や安易な離職を防ぐ、あるいは予期せざる失業に対して十分かつ的確な給付を行っていくことを念頭に置きつつ対応を行っていただきたいというふうに要望をしたいと思います。
 しかも、実際の労働の現場においては、嫌がらせやいじめを受け、本当は特定受給資格者に該当するんだけれども、もう面倒だから嫌とか、これ以上会社とかかわりたくない、いるんです。あるいは、特定受給資格者ということすら知らないで黙って会社から去るという人もいるわけであります。
 実は、この点のやり取りで、昨年ですね、十月十一日に行われました労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会、ここで、私が議員になる前いたJAM時代の私の部下でありました古川裕子委員からやり取りをさせていただいております。答弁者は宮川雇用保険課長。大変このやり取りの中で私は気になる宮川課長の発言に対して、本当にこれは問題意識を持っているわけであります。
 この自己都合退職というものを余り厳しく見ていくとこれは大きな問題になるんではないか、この十二か月になるということに対して大変これは問題が大きくなるんではないかという古川委員の質問に対して宮川課長は、古川君の聞いた言葉によると、労働者はしたたかですから、特定受給資格者に該当する場合は離職証明書に記入がなくても言いますよという言い方をされた。議事録は何かちょっと、「労働者の方は、そんな甘いものではないと思います。特に、出る出ないという話になれば、確実にそうなると思います。」と。まあ言ってみりゃ、したたかだと。したたかであればこんな問題は起きないんですよ。この見方をしている、保険課長が。こういう見方をしているというのは、これは今私がこの問題を指摘していることに関して、ハローワークの中で大変私はこの特定受給資格者の問題についてしっかり対応できるかどうかということについて不安を覚えざるを得ないわけであります。
 是非とも、ハローワークにおいてこの自己都合退職として求職の申込みをした労働者についても退職の理由について丁寧に再確認していただくということを強く厚生労働省に求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
#90
○政府参考人(高橋満君) 今回の見直しによりまして、いわゆる被保険者期間が六か月以上十二か月未満で離職をされた方につきまして、離職の理由によりまして受給資格の有無に差が出てくると。具体的には、その倒産、解雇等の特定受給資格者に該当するかどうかということが大変大きな分かれ目になるわけでございます。
 こうした制度改正の内容については、私ども施行までには、きっちり成立した暁には十分に周知広報活動に努力をしていきたいと思いますが、御案内のとおり、現在におきましても特定受給資格者とそれ以外の受給資格者との間ではいわゆる給付日数というものが異なるわけでございます。そういう意味で、現行におきましても、その離職理由というものを判定するに当たりましては慎重にハローワークの現場において行っているところでございます。
 具体的に申し上げますと、事業主が離職理由等を記載して離職証明書というものを提出するわけでございますが、その際に、この離職証明書に、離職者もその理由について、事業者が記載をした理由について同意をして署名捺印をすると、こういう取扱いになっております。ただ、この署名捺印があったといたしましても、具体的にハローワークの場にその後、受給資格の認定ということを求めてこられました際に、事後にその離職者が異議を唱えたと、こういう場合につきましては、安定所におきまして離職者と事業主双方の主張というものを改めて聴取をさせていただいた上で、個別に慎重に判定を行っておるところでございます。
 法の制度の趣旨を適切に踏まえて、この点についてはきめ細かな対応を今後ともハローワークの現場で行うべく指導をしていきたいと考えております。
#91
○津田弥太郎君 その宮川課長の発言にあるように、どっちかというと、労働者はしたたかだから、そんなの権利があるんだったら当然言うはずですよという認識でハローワークで対応するのと、そうじゃない、さっき私が申し上げました、もう様々な会社の中でいろんなことがあって、嫌がらせを受けて、もういいやと辞めちゃった。そうすると、自己都合退職になっちゃっている。ここで、ハローワークでちょっと待ってくださいと、どういう事情なんですか、本当にあなたは自己都合でいいんですかという再確認を行っていただくということが大事なことなんですよと、そのことをきちっとやっていただきたいというのが私の要請であって、今おっしゃっているのは、それもきちんとそういうことに対して労働者が分かれば対応できるようになっているという、労働者が対応できるようになっているということをおっしゃるんだけど、ハローワークの側からそのことをきちんと聴いていくということをおっしゃっていないんです。もう一回。
#92
○政府参考人(高橋満君) 当然、ハローワークの現場におきまして、担当の職員は決して予断を持つことなく、労働者側の意見も十分耳を傾けて、それで事業主が記載をした理由と異なるということであるならば、当然それは真摯に受け止めて、双方からよく事情を聴いた上で判断をするということにいたしておりますし、そのように私どもも指導をしていきたいと考えております。
#93
○津田弥太郎君 しっかりやっていただきたいと思います。
 あわせて、この制度変更後ですが、ハローワークを訪れて初めて被保険者期間が十二か月必要であるということにならないように、チラシ、パンフレット、こういうものは十分に作成をして、自己都合退職と特定受給資格者との違い、これを明確に、たくさん項目が挙がっておるわけですよね、被保険者の身体的条件に基づく退職である場合とか、妊娠、出産云々と、何項目も入っているわけでありますけれども、こういう違いを明確に周知する、そういう対策をしっかりやっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#94
○政府参考人(高橋満君) 今の御指摘の点でございますが、そういう意味で十分な周知期間が必要だということで、施行については本年の十月一日施行ということで御提案を申し上げているわけでございますが、成立をさせていただいた暁には、私どもの厚生労働省のホームページでの情報提供はもちろんでございますが、パンフレットやチラシ等作成をいたしまして、労働局あるいはハローワーク等を通じまして十分その内容を分かりやすい形で作成をして配布いたすと同時に、新聞等のマスメディアも活用しながら広報等を行うことによりまして周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
#95
○津田弥太郎君 しっかりやってください。
 さて、大臣、今回の法改正の大きな背景として雇用保険財政が好転しているということを大臣も先ほどおっしゃいました。具体的には、積立金残高が二兆八千億円余りまで膨れ上がったことが挙げられているわけであります。
 一方で、過去に給付を切り下げる法改正が行われた際、例えば平成十二年の第百四十七国会でも、当時の牧野労働大臣はこのように述べております。「このままの状況が続けば、料率その他も現在どおりにいたしますと平成十三年度の給付に大きく支障を来す、こういうことが予定されておりまして、そういう観点からも今回の改正をお願いいたしている次第であります。」と述べられています。
 もちろん、このときの法改正では、当時、雇用保険制度において、特に定年退職者を含む六十歳から六十五歳の方々の給付額というものが全体の三五%にもわたっており、本来、企業が払うべき退職金の肩代わりを失業等給付が果たしていたのではないかという問題がございました。これなどは、雇用保険財政と切り離して考えた場合でも制度的な問題として改善をすべき課題であったというふうに考えます。
 しかし、これ以外の例えば一般の離職者についての給付日数の縮減などは、先ほど大臣の答弁にありましたように、雇用保険財政の悪化を受けての見直しなんですね。雇用保険財政が好転した現在、この給付日数、水準等の拡充を検討すべきではないかというふうに私は考えるんです。特に、情報化、国際化の進展に伴い、社会の流動性も高まっている、現在。雇用の面では、年齢にかかわらず転職が極めて多くなってきております。転職に際してキャリアアップを図っていくためにはスキル向上のためのある程度の準備期間が必要となるわけであり、例えば一般の離職者について十年未満一律九十日間というふうにしているのは、これは極めて短過ぎる。
 今後の給付日数、水準等の拡充等について大臣は、そういう道を今後全く考えないかといえばそういうことではございませんで、いずれにしても、改正の効果を更に見極めて適切に対処していきたいという答弁を行っておられます。是非、そうしたことも念頭に入れながらの検討を行っていただきたいというふうに、私からもお願い申し上げます。
 そして、そうした検討を行うに当たって、ここからが大事なんです、失業等給付における国庫負担は現状ではわずか全体の一三・七五%であり、その三倍以上の負担を労働者自身がしているということ。三倍以上ですよ。こういうことにかんがみ、労働者自身が自らの失業リスクというものをどのように認識をし、それに対するセーフティーネットとしてどのような制度を欲しているかということを最優先に踏まえた上での制度改革、これを行ってほしいというふうに考えるわけでありますが、柳澤厚生労働大臣の所見を賜りたいと思います。
#96
○国務大臣(柳澤伯夫君) 津田委員からただいま、最近の雇用の流動化と申しますか、そういうような時代の変化の中で、雇用保険について、あるいは失業等給付の考え方そのものについて、できるだけ労働者自身の考え方というものを尊重するようにというお話がございました。
 先ほど委員がお触れになりましたように、平成十二年の改正、十五年の改正、これは一部委員も評価していただいた改正があるという御指摘もいただいたわけですけれども、私どもとしては、セーフティーネットとしての雇用保険制度の安定的な運営ということの考え方の下で、労働者の生活及び雇用の安定を図るという要請と、それから早期の再就職を促進するというそういう要請、こういうようなものを念頭に置きまして改正をしたわけでございます。したがいまして、雇用保険の財政状況が改善したからというようなことで改正以前の状況にすぐまた戻っていくという考え方を取るのもどうかなと、こういう感じが、考え方が取られるわけでございます。
 いずれにいたしましても、しかしながら、改正の効果を更に見極めて適切に対処していくということにつきましては、私の前回の答弁というものはしっかり踏まえていくつもりでございます。ただ、その際、いずれにいたしましても、この雇用保険制度の改正につきましては、労働者の代表も参加した労働政策審議会の意見というものが一番行政手続の上でも大事になるわけでございまして、その御意見を十分尊重していかなければいけないと、このように考えております。
#97
○津田弥太郎君 しっかり労働者の意見を聴いていただくというのは大事なことでありますし、指摘をさせていただきましたように、失業者が増えて厳しくなったときには料率を上げるという話にすぐなるんですよね。今みたいな財政になったときには、よしと、ここはやっぱり少し時代に合わせて内容を変えていこうという、その辺の思い切りを是非、大臣には持っていただきたいと思います。
 さて、関連をするんですが、政府委員にお尋ねをいたします。雇用保険法三十三条による給付制限についてお尋ねをしたいと思います。
 この三十三条は、被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合には、七日間の待期満了後一か月以上三か月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は基本手当を支給しないことというふうにしておりますが、失業等給付の受給件数のうち、この給付制限が掛かった件数は実際に何%でしょうか。また、期間について、一か月以上三か月以内の間で定められることになっておりますが、一か月、二か月、三か月というような区分けをした場合に、それぞれの比率及び給付制限の平均日数について数字のみお答えください。
#98
○政府参考人(高橋満君) 法律第三十三条の給付制限にかかわる件数でございますが、平成十七年度におきましては全体の受給資格決定件数のうちの四九%となっております。また、給付制限の期間でございますが、現行制度におきましてはすべて三か月という形で対応をさせていただいておるところでございます。
#99
○津田弥太郎君 三か月という、これ「雇用保険法(コンメンタール)」に書いてあるんですね。本条における給付制限を受けるべき該当事項の種類は極めて多く、それらの理由の軽重も各々異なるので、給付制限の期間については公共職業安定所長に幅のある決定権を与えている。三か月だけなんです。これ、幅のある決定権を与えているということは、当然一か月、二か月、三か月、いや日数でもいいんですよ。当然そういうものがあってしかるべきだと思うが何にもない。すべて三か月というのは一体どういうことですか。もう一回説明してください。
#100
○政府参考人(高橋満君) 法文上は今委員が読み上げたとおりでございまして、一か月から三か月の間の法の期間で公共職業安定所長が定めるわけでございますが、今申し上げましたように、様々な理由、該当する事項というものが大変極めて種類が多い、また理由の軽重というものも各々異なるということで、なかなか判断ということが現実問題として実態としては難しい部分がございまして、そういうこと等も踏まえて原則として三か月として運用をいたしておるというものでございます。
#101
○津田弥太郎君 大臣、これ、こういう対応というのは極めてこの趣旨に沿った対応をしていませんよ、実際に。
 現在、大臣、我が国も転職が当たり前の時代になっているわけです。変化の激しい時代になっているわけで、こういう我が国の今日的な流れ、雇用の流動化という名で経済団体が率先して流れをつくり、厚生労働省自身もこれを後押ししてきた経過があるわけです。
 その意味では、先ほどの答弁にあるような待機期間の実態については、かつての転職することが極めて例外であった我が国において、言わば懲罰的な自己都合退職を位置付けてきた。こういう対応は、これは異なった扱いがもう求められているんではないか。これ分かります。自己都合で辞めるんだから、それは当然、給付制限があってしかるべきだというこの考え方そのものが時代に合わなくなってきているということなんです。自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合はともかくとして、一般的な自己都合退職については幅広に給付制限の例外を認め、むしろ雇用保険からの給付を早めに出して、スキルアップを行って、その上で転職していく方向に誘導していくということが今の時代に合ったやり方ではないかというふうに考えるんですが、この今後の給付制限の在り方というものについて是非、大臣の、時代の流れをよく熟知された大臣の所見を賜りたいと思います。
#102
○国務大臣(柳澤伯夫君) 雇用保険の本質にかかわる御質疑というか、そういう感じも持ちましてお聞きをいたしておりました。
 雇用保険の基本手当というものが支給される要件というのは、やはり先ほど来委員も度々お話しなさる予期せぬ失業、そういう非任意的なものであるということと、もう一つはその保護の必要性ということであろうと考えておるわけでございます。したがいまして、自発的な失業の場合にはこの非任意的なということは欠けているわけでございまして、その後、この失業状態が長く継続することによって保護する必要が生じてくると、こういう考え方をしているわけでございます。
 したがいまして、正当な理由のない自己都合離職者に対する給付の制限というのは、このような趣旨で規定しているものというふうに解しているわけでございまして、今委員が御指摘のような給付の制限の例外を幅広く認めるということにつきましては、やはり雇用保険と、失業と給付ということの基本にかかわるお話だというふうに考えるわけでございまして、これは長期的な課題とはなりましょうけれども、現在、雇用保険制度が立脚している考え方の基本とはそぐわないのではないかと私は考えるのでございます。
#103
○津田弥太郎君 大臣、頭固い。時代の状況をもっと見なきゃ駄目ですよ。
 これはやっぱり、雇用保険というのはやっぱり今極めて、もっとはっきり言えば、国家公務員や地方公務員、一般的に見ればこの人たちは雇用保障もあっていい身分だという見方をされていますよ。でも、この国家公務員や地方公務員だって中途で退職する人、結構たくさんいるんですね。そして、とんでもない経済事件起こした経済産業の官僚もいるわけですけれども、そういうものなんですね。ですから、むしろ、この流動化というのはもう現実に物すごい勢い、ある面では一人の人間が二つや三つの職業を経験するというのはもう当たり前の時代になっている。大臣だって官僚の経験もあれば議員の経験もあって、二つの経験しているわけですからね。やっぱりそういうことはちゃんと見ていくべきだというふうに思います。
 さて、国際情勢に明るい武見副大臣にお聞きをしたいというふうに思います。
 完全失業者に対する失業給付の受給者人員の比率、これは二〇〇六年で二二・八%と六年前に比べて一〇%低下をし、失業者に対して雇用保険が果たしているセーフティーネットとしての機能が変質したのではないかという指摘もされております。また、雇用保険受給者が失業給付の給付終了後にどのような状況にいるのかということでも、企業に就職し再び被保険者資格を取得する割合は、平成十六年度で二十九歳以下が六〇・六%、三十から四十四歳が五九・六六、四十五歳から五十九歳が四八・二%にすぎず、これ以外のものに関しての詳細な分析調査はなされておりませんが、かなりの方が生活の危機に直面していることは確かではないかというふうに思われます。
 我が国において雇用保険と生活保護の間の断層が極めて著しく、ヨーロッパなどにあるような公費負担の補足的失業扶助制度が存在しないことが大きな問題として指摘できるのだというふうに私は考えます。
 厚生労働省から事前にいただいた資料で、全額国庫負担の補足的失業扶助制度、つまり雇用保険と生活保護の間の制度です。この制度が存在している国として、フランス、イギリス、ドイツ、オランダ、フィンランド、スウェーデン、スペイン、オーストラリア、副大臣がすべて行かれているところですね。
 また、国会図書館からいただいた資料では、このほかに、アイルランド、ポルトガル、オーストリアなども同様の制度を有しているようでありますし、また、フランス、イギリス、ドイツ、フィンランド、オーストラリアなどについては、その支給期間は無期限であり、長期失業者にとって本当の意味でのセーフティーネットとして機能しているのみならず、必要な能力開発に失業者を参加させるためのインセンティブとしても一般に機能しているわけであります。さらに、イギリスやフランスでは、自営業者もその対象に加えることで一層の制度の充実を行っている。これ随分違うんですね、我が国と。
 雇用保険による失業給付と厳格なミーンズテストが行われる生活保護との間の段差が著しく、社会的セーフティーネットの再構築という意味でも、そのすき間を埋める必要性が諸外国の実情を見てもますます高まっているのではないかというふうに考えます。そのような中間に位置する制度を創設することで、結果的に失業者が生活保護に大量にシフトしていくことを未然に防ぐことにつながり、公費の無駄を省くという意味でも意味あるものというふうに考えます。私は従前にも申し上げました、損して得しろ。
 諸外国における公費による補足的失業扶助制度を参考にして、武見副大臣、長期失業者等に対する生活就労支援制度の新たな創設に向けて専門的な調査検討を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#104
○副大臣(武見敬三君) 委員の御指摘という点については理解をするものでありますけれども、このイギリス、フランス、ドイツ等と比較して、アメリカとかカナダにはこの制度はございません。こうした失業保険を受給し終わった失業者に対して、今度は全額国庫負担でこうした失業扶持制度というものが行われている国、確かにEU諸国には多うございます。
 ただ、この点、また我が国の現状を考えたときに、給付額が確実に膨大なものになっていきます。それは、結果としては国民に対してまた新しい大きな負担を強いるということになること、これはやはり今の我が国の財政事情を考えたときには相当大きな懸念材料になるということはやはり否定し得ない事実ではないかと思います。
 それから、失業保険を受給し終わった後にもこの失業の扶助が支給されるということになりますと、ほかに果たしてどういう条件設定がされればモラルハザードが起きないかというようなこともやはり相当よく考えておかなきゃいけない問題だろうというふうに思います。
 したがって、現時点の我が国の置かれた状況を見ますと、委員の御指摘ではございますけれども、我が国の中ではまだ適当ではないというふうに私も考えざるを得ないというふうに思っておりまして、現状でそのような専門的な調査だとか検討というものを行うのはちょっと時期尚早であろうと、こういうふうに思っております。
#105
○津田弥太郎君 武見副大臣、私も考えざるを得ないというふうにおっしゃるということは、おれはちょっと考えてもいいかなと、そういう心理状態を表す言葉になるわけですね。
 私が何回も言っているように、損して得しろというのは、正にこういう制度のことを言うんですよ。やっぱりそういうことで、言ってみればドロップアウトしてしまったら、これは社会復帰がなかなかできないんですね。そのことについてもうちょっと、武見副大臣はまだ先があるんですから、しっかり検討を指示していただきたいなというふうに思います。
 さて、この雇用保険部会審議経緯、難しい言葉なんですが、こういうものが平成十七年一月十四日に出されております。その中で、育児休業期間中の所得保障の在り方について、雇用保険制度以外の制度で対応することも含め関係部局において検討することが適当であると書かれ、最終的な雇用保険部会の報告の中では、先ほど言いました雇用保険部会審議経緯に留意することとされております。
 抜本的な少子化対策を行う観点からも、育児休業期間中等の所得保障の在り方について積極的に検討すべきであるというふうに考えるわけですが、関係部局における検討は実際に行われたのでしょうか。また、今後、法改正後等にも関係することとなりますが、どのような場で検討することになるのでしょうか。これは柳澤大臣、明確な答弁してください。
#106
○国務大臣(柳澤伯夫君) 御答弁申し上げる前に、先ほどの津田委員の御質疑に対する私の答弁の中で言葉を誤ったようでございます。それは、本来、疫学的調査と言うべきところを何か免疫という言葉を使ったようでございますので、大変恐縮ですが、訂正をさせていただきます。おわびを申し上げます。
 さて、今委員御指摘のように、この雇用保険部会審議経緯の中で、育児休業期間中等の所得保障の在り方について、雇用保険制度以外の制度で対応することも含め関係部局において検討することが適当とされたことは承知をいたしておるわけでございますが、これまでにおいてそうした検討が行われたことは実はございません。この点、申し訳ないと思って申し上げる次第でございます。
 しかしながら、子育てに対する社会的な支援の在り方については、これはもう雇用保険で対応することがどうかということの中に、この言葉にもありますように、広い範囲で、もっと広範に、場合によっては厚生労働省の範囲も超えて、これはしっかりと検討しなければならないということぐらいの広がりを持った問題であるようにも考えられるわけでございます。
 そうしたことで、様々な議論があるわけでございますけれども、私どもといたしましては、こうした御注文もいただいておると、提案もいただいておるということでございますので、より積極的に関係部局において検討を進め、それが今度の内閣で進めるところの重点戦略会議での議論に反映するようにしていかなければならない、このように考えるわけでございます。
#107
○津田弥太郎君 先ほど、できたてほやほやの附帯決議でも、「将来にわたって安心して子どもを生み育てられる社会を実現するため、児童手当を含めた少子化対策のための国・地方を通じて必要な財源の確保については、政府を挙げて検討し、適切な対応を講ずること。」ということに対して、大臣は、真摯に受け止めてまいりますというふうにお答えになったわけであります。そのことをしっかり指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 更に質問したいんですが、時間の関係で一つを飛ばします。
 大臣にお聞きをいたします。
 高年齢雇用継続給付の廃止についてであります。
 この高年齢雇用継続給付の廃止ということについては、中小企業にとって極めて大きな影響を与えるということになる、私はそういうふうに思います。私が以前の仕事で会社と団体交渉をやっているときにも、この一五%の補助があるから何とかして六十歳からの雇用の延長をさせるということをかち取ってきたという、そういう交渉を随分やってきたんです。だから、これを廃止をするということについては、これは相当、六十五歳までの雇用延長措置に支障がないようにしていただかなきゃいかぬ。言ってみれば、本当にある日突然にばたんと切られてしまったんではとんでもないことになるわけでありまして、逆に高齢者雇用が進まなくなってしまうことになるわけであります。
 その具体策と決意について、大臣にお伺いします。
#108
○国務大臣(柳澤伯夫君) 昨年四月に施行された改正高年齢者雇用安定法におきましては、六十五歳までにつきまして、段階的な定年の引上げであるとか、あるいは継続雇用制度の導入であるとか、あるいはそもそも定年の定めを廃止するとかというようなことで企業に義務付けをしておりまして、現在その着実な施行に向けて集中的に取り組んでいるところでございます。
 今回の雇用保険部会の報告では、今後の課題として、今委員が御指摘になられましたように、高年齢雇用継続給付については原則として平成二十四年度までの措置として、その後段階的に廃止すべきとされたところでございます。ただ、具体的なスケジュールや方法は今後まだ審議会等で慎重に検討していくべきものだと、このように考えている次第でございます。
 いずれにいたしましても、改正高年齢者雇用安定法の円滑な実施ということに努めろと、こういう委員の御指摘でございますが、この点についてはよく念頭に置きまして六十五歳までの雇用機会の確保に努めていきたいと、このように考えます。
#109
○津田弥太郎君 よろしくお願いします。
 続いて、船員保険制度の見直しについてお尋ねをいたします。
 これまで、海上勤務と陸上勤務を数年周期で繰り返していた方が教育訓練給付金を受給できずに大変御苦労されておりましたが、今回の船員保険と労災保険、雇用保険との統合により制度の利用が可能となるということは率直にウエルカムでございます。
 そこで、確認であります。教育訓練給付金の利用については、法改正後の海上、陸上の通算のみならず、制度の統合時にさかのぼって両制度の加入期間の通算を行っていくべきというふうに考えますが、そのような対応でよろしいでしょうか、大臣。
#110
○国務大臣(柳澤伯夫君) 制度の統合時にさかのぼって両制度の加入期間の通算を認めるべきだと、こういう御指摘でございますが、私ども、今回のこの統合に当たりましては、統合前の加入期間につきましても船員保険の被保険者であった期間を雇用保険の被保険者であった期間とみなすことによりまして、被保険者期間の通算を行うということに考えておるところでございます。したがいまして、通算した支給要件期間が合計で三年、初回の受給については一年以上の期間であれば教育訓練給付金を受給できるということでございます。
#111
○津田弥太郎君 よろしくお願いします。
 続いて、船員保険との統合問題で二問まとめて質問します。
 一番目。船員災害の防止についての事業、防止のための事業及び船員に対する技能訓練等の事業についても、陸上勤務とは性格の異なる船員の特殊性を踏まえれば、船員の独自事業として引き続き実施すべきではないかというふうに考えるわけですが、いかがかというのが一点。
 二点目。メリット制の適用について、船員保険と労災保険では制度の適用となる規模に差異がございました。船員保険と労災保険が統合をされ、労災保険のメリット制が今後適用になりますと、それに伴い、労災隠しが発生することが危惧をされるわけであります。当然ながら労災隠しは犯罪でありますが、陸上と異なっている、船の上という、場合によっては数か月も日本を離れることもある事業場において、労災隠しの対応として具体的にどのような対策を講じるおつもりか。
 二点、政府委員、お答えください。
#112
○政府参考人(青柳親房君) 二点お尋ねがございました。前段につきましては私の方からお答えを申し上げます。また、後段につきましては基準局長の方からお答えをさせていただきたいと存じます。
 船員災害防止対策事業につきましては、船員災害の防止活動を促進するために、現行制度におきましては船員保険の福祉事業ということで実施をさせていただいております。これを労災保険に統合した後におきましては、一つには、依然としてこの船員災害は陸上の業務災害に比べて発生率が高いということ、それから船員の作業内容あるいは災害防止対策が特殊なものであるということを考えなければならない。他方、労災保険の社会復帰促進等事業においては、事業の必要性あるいは効率性等を徹底的に精査をしていくということとされております。こうしたことを踏まえまして、船員に着目した災害防止対策事業につきましては、その必要性等を精査しつつ、労災保険の社会復帰促進等事業の中で実施されるものというふうにお考えいただきたいと存じます。
 また、船員に対する技能訓練等を行う船員雇用促進対策事業につきましては、船員の雇用の安定のために現行制度においてはやはり船員保険の福祉事業として実施をさせていただいております。雇用保険への統合後も、船員に着目した技能訓練等の事業につきましても引き続き雇用安定事業等の中で実施されるものとお考えいただきたいと存じます。
#113
○政府参考人(青木豊君) 後段のメリット制と労災隠しの点についてお答えいたしたいと思います。
 委員がお触れになりましたように、現行の船員保険は、百人以上の船員を雇用している船舶所有者を対象としまして保険料の増減というものをしている、そういうメリット制でございます。また、労災保険については、二十人以上の場合も一定の場合にはそういったメリット制を適用しているということでございます。この統合後につきましては、船員を使用する事業主につきましても労災保険の取扱いを適用することになるわけでございまして、その際は、委員が御懸念になりましたような労災隠しが行われることのないようしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
 具体的な対策としては、例えば様々な要因が労災隠しにはあるわけであります、考えられますけれども、まずはやっぱりポスターの掲示等による広報啓発、基本的な認識をきちんとしていただくということであろうかと思いますし、それから関係団体への要請、それから、これはまた実際に働く現場でのことでありますので、労使の言わばチェックといいますか、そういうことで労使を交えた協議会の開催あるいは労働者の相談窓口の設置というようなことをいたしまして労災隠しに取り組んでいきたいというふうに思いますし、また、さらに今回お願いをしております中で新設をいたします関係機関との連携規定、こういうことを活用いたしまして、国土交通省を始め関係機関とともに労災隠し対策に取り組んでいきたいと思います。
 とりわけこの連携につきましては、労災補償については厚生労働大臣が行うことになりますけれども、監督業務については引き続き国土交通大臣が行うこととなるということになっておりますので、この労災、例えば監督署において労災認定を行う際に、船員労務官による監督業務だとか、安全性業務で得られた事業場における労働時間管理でありますとか、安全性管理に関する情報を提供してもらうということによって、その労災を発見し、迅速、適正な労災の補償ということをいたしたい、認定補償をいたしたいというふうに思っております。また、逆に労災補償から得た情報を基に、船員労務官に対しましても更にその労災防止のための対策指導というようなことも要請するというようなこともいたしたいというふうに思っております。
#114
○津田弥太郎君 しっかり進めていただきたいと思います。
 大臣、次は、国庫補助廃止になる労働相談の問題であります。
 都道府県の行う労働相談事業について、今回の雇用保険三事業及び労災保険事業の見直しにより国からの補助がカットされることになりますが、この件で我が党の山井議員が衆議院における審議の際、かなり強く問題を指摘をいたしております。その際に柳澤大臣は、労働相談事業は都道府県の自治事務であり、地方分権の趣旨にかんがみ、事業が定着するまでの援助として行うのは相当であるが、創設後相当期間が経過をして、各都道府県においてもそろそろ体制が整い、十分に定着したというふうに認めるに至ったというふうに答弁をされておられます。
 しかし、私に言わせれば、これは現状認識が不十分だというふうに思います。なぜなら、近年、労働条件の個別化に伴い個別労働相談が急増していることは統計的にも明らかであり、そのような背景を踏まえ、今国会でも厚労省は労働契約法を提案をしているわけであります。そうであるならば、今こそ労働相談事業については制度の拡充を行うべき時期に来ているというふうに考えるべきであり、単に制度創設後の期間のみに着目して国庫補助をカットするなどということは余りにも軽率ではないかという批判を免れない。
 是非とも、直ちに真に労働者の視点に立って不利益が生じないように取組を行ってほしい。都道府県の労働相談事業が今後縮減することはあり得ないということを是非、大臣、断言をしていただきたいと思います。
#115
○国務大臣(柳澤伯夫君) 都道府県の行っております労働相談事業に対しまして国から補助をいたしておるわけでございますが、この事業はそもそも自治事務だということで、一般的に国の関与を縮小していくべきという観点から、今回、特別会計の見直しの中で廃止をすることといたしたわけでございます。
 ただ、都道府県の行う労働相談につきましては、都道府県各団体の判断で、それぞれの地域のニーズに応じて実施されるということが基本になるわけですが、厚生労働省といたしましては、補助金廃止後も、事例紹介あるいは必要な情報提供、あるいは都道府県の労働局との連携という形でできる限りの協力をいたしまして、相談事業について都道府県が十分に力を発揮するように支援をしていきたいと、このように考えております。
 他方、労働相談の事案が非常に多くなっているのではないかということはそういうことでございまして、労働相談の内容が個別的な労働関係の相談という形で増加しておりまして、このような問題につきましては、我々の都道府県労働局の総合労働相談コーナー等におきましても対応をしているところでございまして、今後ともこの労働局における相談というものも同時並行的に充実させていきたいと、このように考えております。
#116
○津田弥太郎君 労働局の体制を充実するのは結構ですよ。結構ですけれども、私が従前にも指摘しましたけれども、例えば労働基準監督署は夕方の五時になるとぴたりとシャッター閉じちゃうんですね。昼休みとか夕方の五時以降というのは相談がしたい人がたくさんいるんですよ。だけれども、それはちょっと何とかしなきゃいけないじゃないかという指摘したことがあった。
 じゃ、それぞれの労働局において、どのくらい相談をしたい人たちのその時間帯、曜日を含めて対応しているかというと、様々な問題点がある。だから、身近なところに相談を行きたい。もっと言うならば、電話で対応するというのがメーンだというふうに事務方は言っているんですけれども、しかし、いざ相談することになりますと、例えば残業手当がもらえない、残業手当がもらえないんで何とかもらえるようにしてほしいという相談をするときに、どうしたって今度は明細が要る、いろんな問題が出てくるわけです。そうすると、書類見なきゃいけない。こういうことになると、近場にあるところに相談に行きたいことになるわけですよ。
 そういうことをやっぱり考えると、今回のこの国庫補助廃止というのは、大変これは相談したい人にとっては大きなデメリットになるんではないかという心配をしておりますので、大臣、そこは今後ともしっかりウオッチをしていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
#117
○委員長(鶴保庸介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十分開会
#118
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#119
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 雇用保険法等改正について御質問させていただきたいと思いますけれども、最初に、労働保険にも労災という意味合いでつながることでございますけれども、アスベストのことについてお伺いしておきたいと思います。
 石綿健康被害救済法が施行されましたのが昨年の三月二十七日でございますので、ちょうど一年が経過したということになるわけでございます。そういった意味で、総括的な意味で、この一年間の認定の状況、また給付総額、それについて御報告をいただきたいと思います。
#120
○政府参考人(青木豊君) 石綿健康被害救済法の施行後一年の状況につきましては、すべて集計して今お示しできる状況には至っておりませんけれども、同法が施行された平成十八年三月二十七日から平成十八年十二月末日までの状況についてお答えしたいと思います。
 石綿健康被害救済法に基づく特別遺族給付金につきましては、平成十八年十二月末日までに支給決定されたものは七百九十五人、肺がんが二百三十九人、中皮腫が五百二十人、石綿肺が三十六人でございます。
 それから、それまでの支給総額は約二十四億円でございます。内訳、年金、特別遺族年金が約九億七千万円、それから一時金、特別遺族一時金が約十四億四千万円ということになっております。
#121
○辻泰弘君 それで、最近もこの認定についていろいろと、認定されない事案とかが発生して若干係争になっている部分があるわけでございますけれども、先般も、岡山において石綿救済法の不支給処分が出ていたけれども、後に、審査の結果、認定されたという事案があったようでございます。そのことについて、簡単で結構ですので、御報告ください。
#122
○政府参考人(青木豊君) 今委員がお触れになりました事案につきましては、個別の事案でもございますし、プライバシー保護の観点から詳細を述べることは差し控えさせていただきたいと存じますが、この件につきましては、死亡診断書に記載されました疾病名が認定基準に定める対象疾病、石綿肺でありますとか、肺がんでありますとか、中皮腫、あるいは良性石綿胸水などに該当していなかったということから、最初の判断であります監督署長の判断に誤りが生じまして不支給としたものでございます。しかしながら、審査請求がなされ、審査官において調査を行ったところ、認定基準に該当することが判明したため、原処分を取り消して支給決定をしたということでございます。
 私どもは、これまでも研修や会議の機会を通じまして適正な認定について指示をしてきたところでございますが、今後ともより一層その設定に努めていきたいというふうに思っております。
#123
○辻泰弘君 詳細は必ずしもつまびらかではございませんけれども、ここで、岡山の労働基準監督署の方が、本省から示された処理要領や通達に従って不支給を決定したと、こういうふうに言っていらっしゃるというふうに報道されておりますので、そういった意味では、中央の通達とか方針というものが必ずしも現場のことにマッチできていない部分があるんじゃないかというふうにも思われますので、その点についてはしっかりと見直しといいますか、しっかりとチェックしていただいて、対処、万般を期していただきたいと、このことを申し上げておきたいと思います。
 そして、一年経過したところで、大臣として、懸案の中で出てきた対応だったわけですけれども、アスベストについてのこの一年間の経緯を振り返って総括的に認識と現状についての思いを大臣からお願いしたいと思います。
#124
○国務大臣(柳澤伯夫君) 石綿健康被害救済法が施行されてまさしく一年ということで、辻委員、注意深くそのことも御指摘の上でこの一年を振り返ってどうかということでございます。
 今、労基局長の方から御説明、御報告を申し上げましたとおり、支給決定された方々、それからまた支給総額もそれなりの数に、あるいは金額に上っているのではないか、このように思いますが、遺族の中にはまだこの制度によって救済されることを知らない方も少なからずいらっしゃるのではないかと、こういうことでございますので、周知の徹底を図りながら今後とも被災労働者の遺族の適正な保護に努めていきたいと、このように考えております。
#125
○辻泰弘君 局長、もう一つ。請求件数とか決定件数とか総額は教えていただいたんですが、これは年度が区切ったら結果報告が出るという理解でいいですか。
#126
○政府参考人(青木豊君) 年度で分かれば、その時点でまた集計をしていきたいというふうに思います。
#127
○辻泰弘君 私どもといたしましては、対象をもう少し広げるべきじゃないか、また救済についてももう少し充実すべきだということを申し上げてきたところでございますけれども、またこれからもこの問題について注視しながら議論をしていきたいと、このように思っておりますが、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたような点についてしっかりとお取り組みいただくように申し上げておきたいと思います。
 さて、もう一点、これも雇用保険法等そのものには関係はございませんけれどもと言ってもあれですけれども、関係ないと言えばそうですけれども、しかし重要な雇用労働にかかわる問題として偽装請負のことについてお聞きしておきたいと、このように思います。
 それで、この三月から、製造業務の派遣が一年ということに当面なっていたのが本則の三年ということになったということがあったわけでございます。それを踏まえて通知を出していらっしゃるということもあるわけでございます。
 私どもといたしましては、そもそも派遣労働を製造業に認めたということ自体問題があったというふうに思っております。ただ、皆様方の、政府のサイドからする見解は、やはり景気が悪いときだから対応したんだということだったと思いますが、しかし少なくとも景気が少し改善したというならば元に戻すべきじゃないかと、このように思っているわけでございます。ポジティブリスト方式からネガティブリスト方式に変えたということにやはり一つ大きな問題があったんではないかと、このようにも思っているわけであります。とりわけ、製造業においてということになるわけでございます。
 そこで、私どもといたしまして、やはり明確に請負というものを位置付けるべきではないかと。私どもは本来、製造業の派遣労働をなくしていく方向でいくべきだと思っていますから、それだとすれば、今の民法で規定しているということでいいのかもしれませんけれども、しかし政府のサイドはむしろそのことを、製造業の派遣労働も拡大していくという方向にお立場はあるわけですから、少なくとも期間においてですね。そうであれば、現場において請負と派遣労働というのが混在していて、本来、請負は現場で指揮受けられないわけですけれども、しかし派遣労働では指揮は受けられると、こういうことで、現場で分からないわけですね。そういうことが、派遣労働を製造業に認めることによってやはりその部分が拡大していっているという、こういう状況があると思うんです。すなわち、偽装請負を助長している側面があると、こういうことになるわけです。
 そうであれば、私どもはそもそも、派遣労働の製造業の部分を解消すべきだと思っていますけれども、しかし政府の立場に立つとするならば、やはり請負についてのしっかりとした法的な規制といいますか、法的な位置付けというものがあってしかるべきじゃないかと、このように私は思うわけです。
 そのことは安倍総理もおっしゃっていて、偽装請負は当然違法ですから徹底的に調べていくと、その上で、労働法制自体に偽装との関係で問題があるのであれば当然検討しないといけないと、このようにおっしゃっていて、そのことの翌日の大臣の記者会見のときに、昨日、安倍総理が偽装請負に関して関係法令、場合によっては改正が必要なのではないかという認識を示したと、このことについて問われて、大臣は、ガイドラインでは、なかなか一つのルールを、ルール化することが難しいのではないかというようなことも出ることも考えられる。そういうラインで、総理が、必要ならば法律改正もというのは、そこでつながっていくのだろうと、こう思いますねと、こういうふうにおっしゃっているんですね。
 今ガイドラインを検討されているやに聞くんですけれども、まずそのことをどう取り組んでおられるのかということが一つと、ここで大臣もいみじくもおっしゃっているように、ガイドラインではなかなかルール化するのが難しいんではないかと、これは私はそのように思うんです。そういう意味では、総理もおっしゃっていて、大臣もそのように考えておられるわけで、私は、基本的に請負労働法的なものがあっていいんじゃないかと、このようにも思うわけなんです。それは法律的な形式はどのようなことがあるか分かりませんけれども。
 そこで、ガイドラインということを言っておられる、そして、法制化ということも総理も意識を持っておられて、大臣もそのことについての理解もあるわけですが、そのことについてどう取り組んでいかれるか、お聞きしたいと思います。
#128
○国務大臣(柳澤伯夫君) 請負につきまして、今現場でいわゆる偽装請負というようなことで違法な状態があるのではないかと、こういうことが多く指摘されるわけでございますけれども、私どもとしては、まず第一に違反とあれば、これはもう厳正に指導するという基本的立場に立っているわけでございます。特に昨年九月以降、偽装請負の防止、解消を図るための取組を強化するということで、もろもろの周知啓発を始めとする措置をとって努力をしているところでございます。
 その中で、請負事業の適正化及び雇用管理の改善を図るため、このガイドラインを策定するということを今進めているわけでございます。日程、スケジュール的に申しますと、本年六月をめどにこれを策定するということでございまして、このことによりまして良好な雇用環境の整備のためにこれがうまく機能することを期待しているということでございます。今総理の発言絡みでのお話、御指摘があったわけですけれども、まだガイドラインを作っていないわけでございまして、ガイドラインを作って、それでそれの施行状況を見た場合に、なかなか難しいということになるとすれば、それはまたもろもろ広範に考えていかなければならないということであろうと思います。
 私といたしましては、まずできるだけ有効に機能するガイドラインというものを策定することに取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#129
○辻泰弘君 率直に言って遅いんですよね。一番ピークというか、一番大変な状況のときに明確なものを出さないで、まだ六月というんですから、三か月ぐらい先にガイドラインを出して、それでそれが駄目だったら法システムを考えると、こういうことなんでしょうけれども、やはりガイドラインというのはもう出ていて、これでしっかりやってくださいよということがあって、それで六月にまた法制なりを考えるというなら、ガイドラインの見直しを考えるというなら分かるんだけど、今何もなくて、現場でチェックはしているというのは分かりますけれども、ガイドラインというものを出す必要性を感じながらまだ六月まで出さないんだという状況を放置しているというのは、私は非常に、いつもながらですけれども、遅いといいますか、本当にどこを見て仕事をしていらっしゃるのかというか、本当にいささか腹立たしい気がいたしますけれども、六月と決めずにできるだけ早く作って、やはり大事なことでございますから、少しピークを過ぎてからじゃ遅いわけでございます。
 後で聞こうと思っていた破産法による労働債権の順位の租税債権に対する同等の位置付けも、実は倒産が収束を、少なくなってから平成十七年一月に施行されたということで、後手後手になっていて、一番必要なときに機能しないという、これが現実に間々あることでございまして、間々というかもうたくさんあるわけでございまして、これもそのようなことになってはならない、政治があるいは行政が果たすべき使命というのがあるわけですから、その点についてはしっかりとお取り組みいただきたいと思います。ですから、六月と言わずにできるだけ早く作るということで、大臣、いかがですか。
#130
○政府参考人(高橋満君) 現在、このガイドライン策定に向けまして、関係の学識経験者のみならず事業者の方からも参加をいただきながら鋭意策定の検討を進めておるわけでございまして、今委員の御指摘もよく頭に置きながら、できるだけ早くそこはまとめるべく努力をしていきたいと思っております。
#131
○辻泰弘君 そういうことで、是非積極的にお取り組みいただいて、早くガイドラインを作っていただいて周知徹底を図っていただくように、まずはその点について御要請を申し上げておきたいと思います。
 さて、雇用保険に関することの本体に入っていきたいと思いますけれども、まず、通告しておりますうちに雇用継続給付、高年齢雇用継続給付と育児休業給付と介護休業給付、これについて、並びに船員保険については同僚議員からの御質問もございましたのでちょっと後に回させていただくということで対応したいと思います。
 さて、まずマクロ的な視点からの御質問を最初させていただきたいと思っているんですけれども、まず厚生労働省にお伺いしたいと思いますけれども、国立社会保障・人口問題研究所がございますけれども、そこでいつも社会保障給付費というものを出していらっしゃるわけでございます。それで、この社会保障給付費の中に、今回一つのポイントになっております雇用保険の三事業、このことが社会保障給付費に入っているかどうか、そしてその財源たる社会保障財源にカウントされているかどうか、そこを確認させてください。
#132
○政府参考人(高橋満君) 御指摘の国立社会保障・人口問題研究所が公表をしております社会保障給付費という取りまとめた報告書でございますが、この中の社会保障費用の中に雇用保険三事業も含んだ雇用保険事業がこの中に含まれておるということでございます。
#133
○辻泰弘君 今おっしゃった社会保障費用というのは社会保障給付費のことですね。
 それから、社会保障財源はどうですか。
#134
○政府参考人(高橋満君) 財源につきましても、これは被保険者、事業主の拠出にかかわる保険料負担と国庫負担その他の資産収入等々が含まれておるというふうに理解しております。
#135
○辻泰弘君 そこで、内閣府の方にお伺いしたいんですけれども、SNAで統計として社会保障負担を出していらっしゃるわけですけれども、その対象としてこの三事業分は今どう取り扱われているか。
#136
○政府参考人(後藤正之君) お答え申し上げます。
 現行の国民経済計算では、雇用保険三事業は社会保険制度の一部として社会保障基金の中に含まれております。この三事業分の保険料につきましては、社会保障負担として扱っております。給付面につきましては、企業に対する助成という性格が強いことから、社会保障給付としてではなく、社会保障基金から企業に対する経常移転として扱っているところでございます。
#137
○辻泰弘君 現行は社会保障負担の中に入れていらっしゃるということで、私は実は昔からそのように、入れるべきだと思っているんですけれども、実は昔はこれは対象になってなかったんですね。そのことの理由が、経済企画庁のころの国民支出課長さんが論文で出していらして、SNAについては、雇用安定事業は被保険者個々人でなく、全員に対する集合的なサービスの提供であって、雇用保険制度自体の消費となり、社会保障の給付側にも計上されていないということで、雇用安定事業分の保険料の控除ということをおっしゃっているわけです。そのことについては、いろいろほかの学術論文もそのようになっていますから、社会保障研究所もそのように見解を示していますから、そういうことで間違いないはずなんですけれども、そういう時期があった。これは六八SNAのときですかね。
 だから、それが今度九三に変わっているわけですよね。だから、それ変えられた、何ゆえその対象を、社会保障負担の対象を変えられたのか、そのことについて御説明ください。
#138
○政府参考人(後藤正之君) 国民経済計算は、国連の方で国連統計委員会が採択、勧告した基準、これは体系と称してございますけれども、これに準拠して作成してございます。この国連の体系というのは一九六八年、一九九三年に作成されております。新しい九三年の体系におきまして社会保障制度、社会負担についての扱いがより具体化、明確化されたところでございます。この新しい体系を踏まえて精査した結果、雇用保険三事業につきましても、雇用者の福祉を損なう状況に対する保険として加入が義務付けられている制度であり、国民経済計算体系上の社会保険制度に該当するものと判断いたしたところでございます。
 これに対しまして、過去、六八年基準に準拠していた時代におきましては、この三事業の給付が企業に対する助成という形を取るといった性格を勘案いたしまして、この三事業分だけほかの労働保険とは異なり、三事業分の保険料負担を間接税、この間接税というのは、税法上の扱いとは異なりまして、当時の基準におきましては、強制的に徴収され、かつ生産費用の一部を成すものを指すという定義がされてございますが、保険料負担を間接税、給付の方を補助金という扱いに扱っていたところでございます。
 現行におきましては、先ほど御説明いたしましたように、この性格を吟味いたしまして、新しい基準の下で社会保障負担、あるいは社会保障基金から企業に対する経常移転というような扱いに変更したところでございます。
#139
○辻泰弘君 ただ、九三SNAにおける社会保険制度については、本質的に労働者がその雇用主体や一般政府によって、自分やその扶養家族の福祉に悪影響を与える一定の事業や状況に対する保険に加入することを義務付けられたり奨励されたりする制度であると、こういうふうになっているわけですね。国連の方からの基準ということでしょうかね。
 ただ、これは労働者が加入を義務付けられているんじゃなくて、この分は企業ですよね、全額企業負担なんだから。だから、このことをもってそれをしたというのは、私は論理的に合わないと思っているんですね。
 それで、この議論ばかりしているということはないんだけれども、私は少なくとも申し上げておきたいのは、当時は経企庁ではありましたけれども、世の中にこの三事業が社会保障負担の対象ではないということで、もう学術論文ではそれができ上がっているし、私は実はずっとそういうようなことを追っ掛けてきたんですけれども。そういうことで、私は実は昨日聞くまでそうなっていると思っていたんだけれども、今聞いたら違うということなんですね。それはそれで変えるのはあり得るんだけれども、しかし少なくとも世の中に今の社会保障負担に三事業分がカウントされているという論文はないんですよ、今。入れていないのは昔はたくさんあるんですね。
 だから、そのことはやはり明示すべきだと思うので、国民経済計算年報のどこかに入れるなり、かつて私、組合健保の調整保険料が入っていないということを言って、それを入れていただくことになりましたけれども、いずれにしても、その部分はやはり何らかの形で活字で世の中に示すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#140
○政府参考人(後藤正之君) 雇用保険三事業につきましては、これは企業の方に支給されるという面を従来から考慮していたところでございます。国民経済計算の体系におきましては、社会保障給付、これは家計に支払われるといった辺りを重視しておりますので、従来やや違った取扱いをしてきたというところでございます。
 この現行の取扱い、これは平成十五年からこのような取扱いにしてございますけれども、この取扱いをした段階では、この新しい取扱いをするということで参考資料、これは以前出させていただいたところではございますけれども、まだその周知徹底が十分でないという部分は私どもは反省すべきことと考えております。
 今後は、国民経済計算におけます考え方ですとか、あるいはその推計手法の変更等につきましては、幅広く御理解をいただけるように周知に一層努めてまいりたいと、かように考えております。
#141
○辻泰弘君 最近のは見ていませんけれども、国民経済計算年報の最後の方に用語の解説があるわけですよ。社会保障負担の定義があったりして、今、最近はどうなっているか分かりませんけれども。その中にやはり入れておいたら、それははっきりするわけですよ。一般には余り分からないけれども、やっぱり本で追っ掛ければ入っていないということになっていますからね。だから、そこの部分は次号、是非入れていただくようにお願いしたいと思います。検討してください。お願いします。
#142
○政府参考人(後藤正之君) 検討させていただきたいと思います。
#143
○辻泰弘君 では、次の問題に入らさせていただきますけれども、来年度予算におきまして、厚生労働省としては二千二百億円の削減ということを目指されて、そのうち四百が生活保護、千八百が雇用保険と、こういうことだったと思います、大きく言いましてですね。
 そこで、その千八百億円ですね、厳密には千八百十億円なのかもしれませんが、そのことについての内訳を明示していただきたいと思います。
#144
○政府参考人(高橋満君) 平成十九年度予算案におきます国庫負担の削減の内訳でございますが、総額、今委員御指摘のとおり、千八百十億円ということでございますが、その内訳として、一つは高年齢雇用継続給付にかかわります国庫負担、これを廃止すると、この分が百三十九億円の削減。それから、失業等給付の見直しにかかわって、これは一般求職者給付の見直しでありますとか、この内訳は、例えば受給資格要件の見直しでありますとか、それと雇用保険受給者の早期再就職の促進といったようなことも含めて、これらとか、それから特例一時金の見直し、この二つは削減効果でございますが、他方、育児休業給付の見直しということで増効果ございますが、差引きこれで百六十八億円の減。それに加えまして、本来負担すべき額の五五%に削減するということに伴います削減が千五百三億円。都合、合わせまして千八百十億円と、こういう内訳でございます。
#145
○辻泰弘君 ちょっと明確にしていただきたいんですけれども、一般求職者給付の中で、早期再就職促進で幾らなのか、それから受給資格要件の見直しで幾らなのか。
#146
○政府参考人(高橋満君) 一般求職者給付の見直しで総額百五十九億円と見込んでおるわけでございますが、このうち受給資格要件の見直しで九十九億円、それから早期再就職の促進で六十一億円、それぞれ削減を見込んでおるところでございます。
#147
○辻泰弘君 その早期再就職促進で六十億と出されていて、それは何らかの前提で言われたんですけれども、こういった早期再就職を促進することで六十億出るというのは、どういうふうに考えて算出されているんですか。
#148
○政府参考人(高橋満君) これにつきましては、失業認定のためにハローワークに来所をされる受給資格者に対しまして、職業紹介部門との連携を強めまして、あるいはまた、給付制限期間中の受給資格者に対しましても積極的に職業紹介を強化することによって基本手当受給者の早期再就職を促進すると、こういうような趣旨で、ハローワークの窓口におきまして従来以上に給付部門と職業紹介部門との連携を強めてその実を上げていくということを見込んでおるところでございます。
#149
○辻泰弘君 まあ総論的にはそうなんですけれども、なぜ六十一億ということが計算できるのかということなんですね。そういったことで窓口的にもそういう対応を強化するとかいいますが、当たり前といえば当たり前なことなんだけれども、それで六十一億出るという、そこがよく分からないところなんですね。これで議論するつもりありませんけれども、少しその辺は不分明なところがあるということは御指摘しておきたいと思います。
 それから、受給資格要件の方で九十九億と、こういうことだったと思うんですけれども、このことは九十九億歳出削減になるという意味ですから、受給要件の一本化ということで、短時間労働者についてはその被保険者期間が短くなるという、プラスということはそれだけ金が掛かるのかと思いきや、自己都合の十二か月への統一ということによって結局その分がマイナスが立てられるといいますか、コストが下がると、こういうことになっているという理解ですね、筋書としては。
#150
○政府参考人(高橋満君) 今回の受給資格要件の見直しに伴いまして、短時間労働者の場合には、従来十二か月必要であったものが、解雇、倒産等に相当する場合には六か月で短縮される。他方、従来六か月で受給資格が付与されていた自己都合、正当な理由のない自己都合の方とか、自己の責任に帰せられるような解雇によって辞められる方とかという方については、六か月から十二か月にこの受給資格要件が変更されると。こういうことに伴いまして、全体として給付が若干縮小すると、これに伴う国庫負担相当額が縮小されると、こういうことでございます。
#151
○辻泰弘君 ぱっと考えますと、受給資格要件の一本化によって短時間労働被保険者も厚遇をされるので金が掛かるのかと思いきや、トータルとしてはコスト削減になっているという、ここは新たな認識を持ちましたけれども、この点についてはひとつ注目をしておきたいと思います。
 さて、次に、国庫負担の引下げのことについては既にもう議論が多くございました。そのことを繰り返すつもりはございませんけれども、私どもが本改正案に反対する一番の大きなポイントはここにあると、このように指摘せざるを得ないわけでございます。やはり、失業は政府の経済政策、雇用政策の投影であると、このように思いますので、そういった意味では、国としての負担という意味での責任というものはやはり果たすべきであると、今回のことは後退であると言わざるを得ない。とりわけ、セーフティーネットの基本である、根幹である雇用保険においてのこの措置というものはやはり重要でございます。そういった意味から我々は反対するわけでございますけれども、それ以外にも問題ございますけれども。
 一点だけ、五五%という数字になっているわけですが、その五五%の根拠といいますか、そのことについて御説明ください。
#152
○政府参考人(高橋満君) 今回の国庫負担の削減にかかわる検討におきましては、行革推進法の趣旨を踏まえ、かつ現在の雇用保険財政の状況、あるいは過去の国庫負担率の縮減等に照らして、雇用保険制度の安定的な運営を確保できるということを前提に検討いたしたわけでございますが、この五五%ということの一つの参考といたしまして、過去の国庫負担率の縮減の経緯等にかんがみますと、過去最高五六%にとどめたと。つまり四四%の削減を行ったという経過がございまして、こうした経過に照らし、かつ行革推進法の趣旨を踏まえつつ、保険料負担者であります労使の皆様方とのコンセンサスも得る形で五五%という形で設定をさせていただいたというものでございます。
#153
○辻泰弘君 要するに、これまでの中より一%下げたと、こういうことでしょうか。
#154
○政府参考人(高橋満君) 経過としてはそのとおりでございます。
#155
○辻泰弘君 このことは私どもとしては反対であることを改めて申し上げておきたいと思いますが、それと同時に、保険料率についてお伺いしたいと思います。今、資料をお配りしていただきたいと思います。
   〔資料配付〕
#156
○辻泰弘君 今お配りいただくのは私から見れば当たり前の資料だと思っているわけですけど、昨日確認しましたら、こんな資料さえまだ出ていなかったということなんで、一応皆さんに配っていただいて、それを見ながらやりたいと、こういうことで配っていただくわけでございます。
 それで、私自身の問題意識は、保険料を状況が良くなれば下げていくということは、それは負担する側からすれば当然の要請でもあるし、労使からすればそういったことはある意味でむべなるかなということでもあるんですけれども、しかし雇用保険が果たすセーフティーネットとしての極めて大きな機能、一番ベースにあるべきセーフティーネットの一つだと思いますけれども、そういった機能を持つ雇用保険であるならば、私は状況が良くなったからといって簡単に下げていくことだけでいいのか、下げる方向でいろいろ手だてを講ずることでいいのかということを根本的に疑問に思っているわけでございます。
 振り返りますと、十五年の雇用保険法改正がございましたけれども、あのときは非常に財政状況も厳しかった、経済もしんどかったというのはこれはもう事実で、そのことの中で改正があったわけですけれども、しかし結果として、働く立場からすると一番厳しいときに基本手当、教育訓練給付、高年齢雇用継続給付、それぞれ給付率を引き下げたということがあったわけでございます。一番大事なときに、従前約束していたことが切り下げられるという、そういったことというのはやはり二度と繰り返すべきことじゃないと、このように思うわけでございます。
 そういった意味で、私は料率を今の段階で下げるということ、積立て度合いも二・九八でしたか、三に近くなるところだから二まで下げていいよという、弾力条項発動していいよと、こういうことになっているんでしょうけれども、そしてまた弾力条項自体を広げるということでございますけれども、私はそのことが果たして本来あるべきセーフティーネットの機能を果たすゆえんのものなのかということを大いに疑問に思っているわけでございます。
 そこで、料率の引下げの妥当性、また弾力条項の幅の拡大の妥当性、このことについて御見解をお示しください。
#157
○政府参考人(高橋満君) 雇用保険制度をめぐりましてこれまで、今委員も御指摘ございましたとおり、十五年改正、あるいはその前の十二年改正、大変厳しい状況の中で労使にも大変な御負担をいただきながら、雇用保険制度としての安定性というものを維持するための対応ということを図ってきたわけでございます。
 そういう中で、今回、景気、経済の回復等々もございまして、雇用保険財政としてはかなり改善を見てきた。こういう中で私ども、今回の見直しに当たりましては、将来的な制度の安定的な運営を確保するということを大前提にした上で、やはり保険料負担者の負担軽減をも図っていこうと、こういう観点から保険料率につきましても様々検討をいたしたわけでございます。
 そういう中で、一つのその考え方として、本則の保険料率をもし引き下げるならば引き下げるべきではないかと、こういうような御意見もあったわけでございますが、ただ、今後の経済情勢の動きというのはやはり不確実な面も当然あるわけでございまして、給付が大幅に増加する可能性ということも決して否めないわけでございます。そういうことも踏まえながら、雇用保険制度の安定的な運営を確保していくという観点から見ますと、やはり本則の保険料率はそのままにした上で、弾力条項というものを活用する。その際、この弾力条項の変動幅を、従来のプラスマイナス〇・二%でありますものをプラスマイナス〇・四%に拡大をするべく改正をお願いをし、その上で料率の引下げということを考えようとしているわけでございます。
 どれくらいの料率を引き下げ得るかということにつきましては、労働政策審議会の場におきましても、私ども、今後の雇用失業情勢についての幾つかのケースを想定をいたしました財政試算というものを提示し、それを基に慎重に御議論をいただいたところでございまして、その結果として雇用失業情勢の急速かつ極端な悪化がない限り、今後五年程度、つまり平成二十三年度ぐらいまでは今回のプラスマイナス〇・四%の弾力条項を踏まえた〇・四%の引下げということの水準で制度の安定的な運営が確保できるということで、今回御提案を申し上げていると、こういうことでございます。
#158
○辻泰弘君 だれしも当面の負担というのは少ない方がいいというのは世の常でございますけれども、しかし、やはり長期的に国民福祉といいますか、そういったことを、しっかりとセーフティーネットを張っていくということがやはり中心でなければならないと、このように思うわけです。
 この弾力条項も千分の四に引き上げるということなわけですけれども、結局、法改正なく大幅に下げていくことができるということにもなるわけですが、まあ下げるときはいいんですけれども、上げるときに上げられるのかと、こういうことにもなるわけですね。
 そういう意味で、これは今から考えても答えは出ないということかもしれませんけれども、この点は実は大きなポイントだと思うんです。ですから、ちょっと大臣、御所見をお伺いしたいと思うんですけど、今度は弾力条項で千分の二を千分の四に上げて、下げられるようにするわけで、逆に上げられるわけです。しかし、まあやはり何事もそうですけど、下げる方は大幅で、上げる方がなかなかしにくいというところもあり得るんですけれども、このことをどうお考えになっていますか。
#159
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今御指摘のように、弾力条項をプラスマイナス〇・二%からプラスマイナス〇・四%に拡大すると、こういうことにいたしました。この弾力条項の運用に当たりましては毎年その判断を行うこととしているところでございまして、雇用失業情勢の状況を踏まえながら適切なこの制度の運営を図っていかなければならないと、このように思います。
 確かに、今委員が御指摘のとおり、下げる方はこれは円滑にいくわけですけれども、上げる方についてはどうかと、こういうことでございますけれども、やはりこれは、この保険財政の適切な運営を図らなきゃならないということが大前提でございますので、この引上げについても公労使三者構成の労政審の意見をお聴きして進めるわけでございますが、適切な御判断をいただけるというふうに期待をしているわけでございます。
#160
○辻泰弘君 それと、その弾力条項発動の要件たる、まあ年金でいえば積立度合いということになるかもしれませんけど、三事業についての一・五というこの度合いですね、これが私は、今までのルールでいえば、十七年度決算額による計算によっては二・九八だということで、二を超えているから弾力条項を発動できると、こういうことで来ているというところが流れとしてはあるわけですけれども、二・九八まで来たら、むしろその二自体を三に上げるということすら視野に入れて、あの十五年のときの轍を踏まないということをやはり私は大事にすべきだと、このように思うわけです。
 政労使としての取組があるわけですが、労使はそれぞれ負担をするわけですし、私どもももちろんそれは国民ですけれども、しかし負担ということだけを考えていてはやはり長い目で見てのセーフティーネットにはならないという意味合いにおいては、私は労使でない政府こそが、こういったことについてはどうでしょうかと少し抑制的に、やはりそういうそれぞれの御意見にある意味ではしっかりと物申していただいて、そういったことでの、まあ安易に流れたとは言いませんけれども、しかしそういうことをもっと積極的におっしゃって、やはり制度の安定性ということを基軸に据えてやっていただくべきが政府の政の、政労使の政の役割だと思うわけでございます。
 そういった意味で、私はこの積立度合いも一・五、二の合理性は必ずしもないんだろうと思いますけれども、絶対的にこれでなきゃ駄目だということはないというふうに思いますけれども、いずれにいたしましても、十五年のときのような、本当に一番厳しいときに従前約束していた給付というものを引き下げるという、そういったことにはならないようにしっかりとお取り組みをいただきたい、そのことを申し上げたいと思うんですけれども、そのことについての御決意を聞いておきたいと思いますけれども。局長と大臣、一言ずつお願いします。
#161
○政府参考人(高橋満君) 今回の制度見直しにかかわりましては、正に雇用保険制度、セーフティーネットとしての雇用保険制度が安定的に運営できるということを我々も確認しつつ、かつまた、そうした考え方の下に御提案をさせていただいているところでございまして、そうしたことを踏まえて、私どもも今後とも雇用保険制度の運営については適切な運営に努めてまいりたいというふうに考えております。
#162
○国務大臣(柳澤伯夫君) 財政が悪くなったときに備えて積立金の水準もきっちり確保しておくべきだ、また財政が悪くなったときに保険料率の引上げということの難しさから給付が引き下げられるというようなことが一番心配ではないか、こういうようなお話でございまして、一つ一つ私ども、ごもっともな指摘だというふうに受け止めるわけでございますが、積立金の水準については、今事務当局も申したとおり、かつての不況期におけるこの給付費のどのぐらいを積むかというようなことについて一つのめどを立てて今回の改正に臨んでいるということでございます。また、保険料率の引上げの事態というようなことになったときに給付を引き下げるというようなことのないように、これはしっかりとこの弾力条項の拡大をさせていただきましたので、その趣旨を踏まえた対応をするように努めていきたいと、このように思います。
#163
○辻泰弘君 ちょっと確認しておきますけれども、積立割合というんでしょうか、この二というのはずっと変わっていませんか。
#164
○政府参考人(高橋満君) 弾力条項の発動要件でございます積立金の積立水準の要件でございますけれども、これは二倍という、二倍を超えたら引き下げ得る、それから一倍を下回ったら引き上げ得るという点については従来どおりでございます。
#165
○辻泰弘君 ですから、十四年、十五年の厳しい、十五年改正のときも二で、そういう状況でやってきているわけですから、そのこと自体やはり根本的に考えてしかるべきことだと思います。本当に必要にならないときにこそ考えておかなきゃいかぬことだと思いますので、その点についてはそういうことも含めて御検討をいただいてお取り組みいただくように、また私も議論をしていきたいと思いますが、そういうことで申し上げておきたいと思います。
 さて、今回の法改正の中の雇用保険三事業の見直しに関連してお伺いをしておきたいと、このように思っております。
 今回の三事業の見直しについては、雇用福祉事業の廃止ということになっているわけでございます。いろいろ三事業も批判すべき、使い道において非常に無駄遣いが指摘されるようなことがございましたので、見直しという流れになったことも理解をするといいますか、やむを得ないところがあると思っていますけれども、ただ、大事な部分もあるわけで、行財政改革は無駄は排除しつつ、また必要なものはしっかりとめり張りを付けていくということも必要だと、このように思うわけでございます。
 そこで、今回の雇用福祉事業の廃止の対象になる問題について一つお聞きしておきたいと思うんですけれども、労働保険事務組合というものがあって、小規模事業所に働く労働者の労働災害や雇用保険の実務についての運営をされているということがあるわけでございます。そこで、まず厚生労働省として労働保険事務組合の果たしている役割、評価、このことについて御見解をお示しいただきたいと思います。
#166
○政府参考人(青木豊君) 労働保険事務組合制度は、今委員もお触れになりましたように、中小零細事業主の労働保険についての事務負担を軽減するために事務組合をつくって、その事務組合が中小零細事業主から委託を受けて保険加入手続あるいは保険料の申告納付、そういった各種事務手続を実施するという制度でございます。
 事務組合の状況でございますけれども、これは現在、事務組合数一万一千ぐらいありますけれども、今申し上げましたように、中小零細ということであります。九割は大体十五人以下の事業主を大体組織をしているといいますか、組合の中に入れているということでございます。大体、委託事業場数が百三十四万事業ということでございます。これは適用事業全体が二百九十七万事業でございますので事務組合委託率というのが四五・三%ということで、かなりのウエートを占めております。
 そして、実際にこれで保険料を徴収し、納付をしているわけでありますけれども、その収納率で見ますと加入事業場全体で九七・七四%でありますが、これは加入事業場が小さい規模のところはやはり収納率が低くなっていくのが実情でございます。全体でいきますと十五人以下のところが九〇%の収納率に落ちるということでございます。その中にあって、今申し上げましたような非常に中小零細の委託を受けている事務組合におきましては収納率が九八・八六%ということでございまして、中小零細事業の労働保険の適用促進あるいは労働保険の適用徴収等その労働保険制度の円滑な運営については大変重要な役割を担っているというふうに考えております。
#167
○辻泰弘君 そういった小規模事業に働く方の労働保険をやはりしっかりと支えていただいていると、こういう機能があるという評価をお伺いしたわけですけれども、それについての助成措置というのがこれまでもあったようですけれども、今回、雇用保険三事業の見直し、雇用福祉事業の廃止という中でそのことが変わっていくということで、現場もいろいろと混乱もあるようでございますけれども、これまでの助成の措置と今後の方針についてお伺いしたいと思います。
#168
○政府参考人(高橋満君) 労働保険事務組合に対する助成制度の一つとして、雇用福祉事業で実施をしております、これまで実施してきております事業として小規模事業被保険者福祉助成金という制度がございます。これは、常時五人未満の労働者を雇用する小規模事業所から、一定数以上の事業所から雇用保険関係手続にかかわる委託を受けている場合、あるいは小規模事業所から新規の委託を受けた場合に一定の助成金を支給する事業であるわけでございますが、今委員御指摘ありましたように、今回の雇用保険制度の見直しに伴いまして雇用福祉事業というものが廃止される、それに伴ってこの事業、今の助成事業というものが残る雇用安定事業あるいは能力開発事業に位置付けることが可能かどうかいろいろ検討をしたわけでございますが、なかなかやはり雇用保険の附帯事業としては難しいということで廃止をさせていただくことといたしたわけでございます。
 ただ、労働保険事務組合が中小零細事業所を中心に雇用保険の適用促進に果たしてきた役割、大変大きなものがあるわけでございますし、今後も期待をいたすべき部分があるわけでございまして、そうした観点から、今般、雇用保険の業務取扱いに必要な経費という形で、労働保険事務組合が常時五人未満の事業所から新たに委託を受けた場合に、委託促進費を支給するという新たな事業を十九年度の予算で措置を、創設をしたいというふうに考えているところでございまして、来年度が初年度ということになるわけでございますが、今後、この運営を通じて労働保険事務組合の関係者の皆様方からも様々御意見をいただきながら、より効果的な事業にしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#169
○辻泰弘君 新たな予算の対応も助成の対応も変えていかれるということのようですけれども、やはりおっしゃったように、労働保険事務組合が果たしている役割、小規模事業所で働く労働者の労働保険の加入と定着に大きく貢献していると、こういう状況があるわけでございますから、その労働保険事務組合の活動を奨励、促進するための助成というものについては配慮があってしかるべきだと、このように思っております。
 そういった意味で、まず最初の年の対応としてなさるということのようでございますけれども、その過程でやはり労働保険事務組合の現場の声にも耳を傾けていただいて、やはりしっかりとした対応になるように取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#170
○政府参考人(高橋満君) 先ほどもお答えしましたとおり、大変、中小零細事業所におきます雇用保険の適用促進という意味で、この労働保険事務組合が果たしている役割、大変大きなものがございます。そういう意味で、労働保険事務組合の関係者の皆様方の御意見、十分拝聴しながら効果的な事業というものに今後十分努力をしていきたいというふうに思っております。
#171
○辻泰弘君 しっかりとその点については御配慮いただくようにお願い申し上げたいと思います。
 それで、次に、労働保険の適用ということについてお伺いしておきたいと思います。
 前回の質問のときには、タクシーの規制緩和に関連して、国土交通省の方に規制緩和の意味合いといいますか、そのこと自体を問うたわけでございます。安全性を考えて経済的規制を撤回するつもりはないと、こういう御答弁だったわけでございますけれども、ある意味では考え方がはっきりしたところあるわけですが。
 それはそれといたしまして、厚生労働省の取組ということについてお聞きしておきたいと思います。これは、昨年の七月の国土交通省のタクシーサービスの将来ビジョン小委員会報告書、この中に、タクシーの常勤乗務員による労働保険加入率は九四%ということで、法令遵守について問題が生じていると、こういう指摘があるわけでございますけれども、厚生労働省として、こういったタクシー事業における加入率が規制緩和後どうなったかと、こういうような調査はされているでしょうか。
#172
○政府参考人(青木豊君) タクシー事業につきまして、その業種に限定した集計というのは行っておりませんけれども、タクシー業を含む運輸業全体の加入事業場数というのを把握しております。それは近年、ほぼ横ばいということでございます。
 私ども、原則として、労働保険は労働者を使用するすべての事業に適用されるというものでありますので、この労災保険制度の健全な運営のためには未手続事業、これの解消を図るということが極めて重要だというふうに思っております。
 私どもとしては、平成十七年度から未手続事業一掃対策を今実施しております。今年度からはとりわけタクシー事業等、旅客自動車運送事業を対象といたしまして、労働保険の未手続事業に係る国土交通省との通報制度を実施しているところでございます。まだ件数そのものはそんなに実績がありませんけれども、こういった制度を活用することなどによりまして、タクシー事業等の適用促進を更に推進していきたいというふうに考えております。
#173
○辻泰弘君 今横ばいとおっしゃったんですが、どういう傾向で横ばいになっているんですか。
#174
○政府参考人(青木豊君) どういう具合って、本当に横ばいなのでございますが、数字を申し上げますと、平成十七年度末で、運輸業の適用事業場数が七万二千七百十一でございます。一年前、十六年度末が七万二千二百八十七、十五年度末が七万一千九百三十九、十四年度末が七万一千八百七十二、十三年度末が七万二千九百五十というような数字になっております。増減数でいけば、減じたときもありますけれども、三百とか四百という年間オーダーでここのところは増えているという状況でございます。
#175
○辻泰弘君 今のは未手続の事務所という数字ですか。
#176
○政府参考人(青木豊君) これは適用事業場数ということでございます。
#177
○辻泰弘君 いずれにしましても、実は昨年の十二月に私はこのことを青木局長にも御質問をしまして、今おっしゃったことにつながるんですけれども、国土交通省との合同による監督、監査の実施について半年間で仮集計をしたと、全国的に聞いて集計をしたと、こういうことをおっしゃって、そのことについて私が、報告書という形ではないか知らないけれども、とにかく統計を作られたなら出してくれと、このように申し上げましたところ、御提出したいと思いますと、こういうのを十二月十二日にいただいているんです。
 ですから、そのことにつながることでもあろうかと思うんですけれども、是非出していただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
#178
○政府参考人(青木豊君) 数字が集計、分析できましたらお出ししたいと思います。
#179
○辻泰弘君 十二月のときの答弁は、実施件数等については集計をいたしましたので、急遽、仮集計をいたしましたので、御提出したいと思いますと、こうなっております。だから、もうしたということになっているんですね。
 ですから、今からしてというんじゃなくて、これはもうできているという話ですから、そういう意味ではもう出せる状況だと思うんですけれども、出していただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
#180
○政府参考人(青木豊君) 集計いたしましてお出ししたいと思います。
#181
○辻泰弘君 こだわりませんけれども、もうこのときに集計はしたという言い方になっていますので、是非早く出していただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 さて、次に、労災のことについて質問したいと思います。
 まず、労災の本体のことについて大臣にお伺いしておきたいと思うんですけれども、今更ながらの議論かもしれません、もう答えが出たというふうにも思いたいことではございますけれども、規制改革の流れの中で、労災の民営化という、労災保険の民間開放の検討ということが規制改革会議で議論になったことがございました。報告書でございますが、答申で出たということがございまして、閣議決定の方には出てないわけですけれども。このことについて改めて大臣の認識を明確にしておいていただきたいと思います。
#182
○国務大臣(柳澤伯夫君) 労災保険制度でございますけれども、この制度そのものが非常に行政そのものという性格が強いものだという認識をいたしております。
 まず、労災認定の判断というものは、刑罰とも連動させている災害補償責任の有無の判断、事業主の責任の有無の判断そのものでございます。それからまた、労災の保険業務は監督・安全衛生行政と一体的に行うことによって労働者の保護を図っていると、こういうことが二点目でございます。それから第三点目は、労災の認定は、先ほど申したように、行政処分そのものとして行われているということで、その意味ではもう国の事務処理として行われる必要があるということでございまして、このことについては、今後また話題になった折にもそうしたことを指摘してまいりたいと、このように考えております。
#183
○辻泰弘君 一言で言えば、民営化になじむものでないと、こういう考えだということでいいでしょうか。
#184
○国務大臣(柳澤伯夫君) 御指摘のとおりでございます。
#185
○辻泰弘君 そこで、今回の改正にかかわることでございますけれども、労働福祉事業の見直しということがあるわけでございます。労働福祉事業を、名称を社会復帰促進等事業というものに、等というのを入れてセットにすると、こういうことになるわけでございますけれども、この労働福祉事業というのを事業名の変更ということをなさっているわけですけれども、何ゆえこの名称を変更されようとするのか、お示しください。
#186
○政府参考人(青木豊君) 現行法、現在、労働福祉事業として行っている事業は四つございます。社会復帰促進事業、それから援護事業、安全衛生確保事業、それから労働条件確保事業でございます。
 この四つでございますけれども、行政改革推進法を踏まえまして、労災保険事業として行うことがふさわしいと考えられる事業に限定することとしたわけでございます。
 具体的な今回の見直しの内容といたしまして、社会復帰促進事業等保険給付を補完して保険給付と一体的に運営される事業、それから労働災害の防止等、保険給付事業の健全な運営を確保するための事業に限定することといたしまして、労働条件確保事業は廃止することといたしました。
 このため、事業の名称につきましても、福祉という文言ではなくて、端的に社会復帰促進事業で代表させまして、社会復帰促進等事業という名称とすることといたしたわけでございます。
#187
○辻泰弘君 この名称の変更は審議会等でも議論になったりして、そういう流れの中で変えられたんですか、それとも役所独自の御判断でしょうか。
#188
○政府参考人(青木豊君) 最終的には審議会にもお諮りしておりますけれども、この名前を付けるには、代表するのを随分と検討いたしましたけれども、結局、社会復帰促進事業で代表して付けるというのが適切だということで、今のようなことでお願いをしているわけでございます。
#189
○辻泰弘君 少し名前が、好き嫌いがあるかもしれませんけれども、どうかなという気もしますけれども、まあそれはそれで受け止めたいと思います。
 それで、労災本体のことについてちょっとお聞きしておきたいと思うんですけれども、重大災害も発生が続いているわけでございます。それで、重大災害の発生状況とか業種別の年千人率というんでしょうか、こういった災害の状況を示す統計があるわけでございますけれども、この中で産業ごとに拝見をいたしますと、千人率を見ると林業が非常に多いということのようでございます。
 そこで、一番高い林業についてちょっとお聞きしておきたい、林業を象徴的にお聞きしておきたいと思うんですけれども、安全対策というものが十分行き届いているのかどうかということですね。どういうふうに取り組んでおられるのか、そのことについて、まず御説明ください。
#190
○政府参考人(青木豊君) 今委員御指摘になりましたように、労働災害の発生率といいますか、千人率ということで考えておるわけでありますけれども、労働者数に対する休業四日以上の死傷者数の割合を表している、千人当たり表しているということでありますが、確かに、御指摘になりましたように、林業が各業種分別してみますと最も高く、そういう意味では一番危険だということだと思いますが、二六・八でございます。全体が全産業で二・四でございます。それから、第二位が鉱業、マイニングですが、一八・八ということで、あとはぐっと下がりまして、陸上貨物運送業が八・四でありますとか、そういうことで、全体として二・四というようなことになっております。
 それで、そういう意味では、私どもとしては、林業については、他の業種に比べまして安全対策を進める上で重要な業種というふうにとらえているわけでございます。私どもとしては、事業者等に対しまして、労働安全衛生諸法令の遵守など必要な指導を行っておりますが、そのほか、林業・木材製造業労働災害防止協会、これは事業主の団体でありますけれども、が行うリスクアセスメントに関する研修会等の自主的な労働災害防止活動への指導、援助にも努めてきたところでございます。
 さらに、とりわけ林業の中では災害が多いのが伐木でありますが、その伐木作業に係る掛かり木、木が倒れ掛かったり、もたれ掛かったりして絡んでいるような木でありますけれども、そういった掛かり木による災害が非常に大きな割合を占めているということでありますので、その掛かり木の処理の作業における労働災害防止のためのガイドラインを策定いたしております。そして、これに基づいて労働局あるいは労働基準監督署におきましてそのガイドラインの周知徹底を図って指導いたしているところでございます。
 今後とも、そういう意味で、重点として労働災害防止対策、一層の推進を図ってまいりたいというふうに思っております。
#191
○辻泰弘君 私、今回初めて認識しましたのは、重大災害というのが、私は労災を見るときの一つのポイントだと思っていたんですけれども、重大災害というのがいっときに三人以上の労働者が業務上死傷又は罹病した災害、事故と、こういうことでございまして、それだけ見ますと、実は林業もゼロ、鉱業もゼロなんでございますね。しかし、千人率で見れば林業が二六・八、鉱業が一八・八と高いという、ここにすごく統計上の、まあマジックとは言いませんけれども、何か誤解を与えかねないといいますか、現実が隠れてしまっていると、こう思うわけでございます。そして、三人以上の労働者が業務上死傷又は罹病ですから、三人がけがをされたのはここに出てくるんだけれども、二人が亡くなられたときには出てこないと、こういうことになるわけですよね。
 そこが、私はどうも統計的に何か実態を、要は災害が多い業種というのを見るときに、私は今まで重大災害を見りゃいいと思っていたんですけど、それでは見えないものがあると、こういうふうに思うと、その辺についてはもう少し何か考えられてしかるべきじゃないかと。すなわち、重大災害の定義ということになるのかもしれませんけれども、その辺について何らかの形でもうちょっと御検討いただけないかというか、やはり重大災害でやはり新聞なんかにも出るわけですからね、はっきり申してね。そうすると、どうしてもそこが多いということになると、やっぱり実数として多い建設業だとか製造業とかなるのかもしれませんけれども、しかしやはりそこに隠れているのがあるわけですから、そういう意味において、やはり林業だとか鉱業という実際死亡が多い、千人率で高いところは断トツに高いわけですから、そういったものが統計上も出てくるように何か工夫もしていただきたいと思うんですけれども、その点どうでしょう。
#192
○政府参考人(青木豊君) 確かに、委員御指摘のように、重大災害というのは、一つ事故が起きれば多くの人たちが亡くなったりけがをしたりすると、そういう意味で重大災害ということで我々使っております。ですから、今お話の中でありましたように、大型の装置、設備をやって人がたくさんいるようなところでは、一つ事故が起きるとそういう重大災害になるという意味で私どもは従来から考えているわけであります。
 今お話にありましたような林業とかそういうのは非常に危険な作業、山の斜面で木も足場も非常に厳しい、そういうところで木もかなり枝がいろいろ作業の邪魔をするというようなところ、そしていったん木を切れば、それが思わぬ方向に、人間に向かって、人に、労働者に向かって落ちてきたり跳ねてきたりというようなことで、大変危険ではありますけれども、一度事故が起きたら一遍にたくさんの人が影響を受けるという意味ではないので、重大災害ということでは数が上がってきておりません。
 そういう意味では、私ども重大災害ももちろん注視をしなければいけないと思っておりますが、今ほどお話にありますような千人率でありますとか、そもそも死亡者数でも実はやっぱり林業が、もちろん製造業がその事業場、労働者多いわけですから製造業多いわけですが、やはり林業、あるいはマイニングの鉱業なども多いわけでありますので、そういったものも併せて私どもの行政、あるいは関係者、関係団体が十分認識できるように、そういった数字についての周知等にも努めていきたいというふうに思っております。
#193
○辻泰弘君 いずれにいたしましても、すべての産業ですけれども、こういった林業、鉱業についても労働災害が発生しないように安全対策に向けてお取り組みいただくように申し上げておきたいと思います。
 それで、次に、労災の中の労働福祉事業、そしてその中の労働条件確保事業、そのことについてお伺いしておきたいと思うわけでございます。具体的には未払賃金の立替払のことについてでございます。
 今回の見直しの中で、労災保険部会報告もありますけれども、その中でも未払賃金立替払事業の在り方について報告が出ているわけでございます。そして、そういったことの結果として、三つの事業に必ずしも入れられないということの結果だと思いますけれども、なお書きに、未払賃金立替払事業については、三の事業、すなわち保険給付事業の健全な運営のために必要な事業と位置付けると、こういった答えになっているわけでございます。
 そこでまず、なおというところに入れざるを得なかったという、そのことについてまず簡潔に御説明いただきたいと思います。
#194
○政府参考人(青木豊君) この未払賃金立替払事業の在り方について、なお書きで、検討すべきであるという意見も示されたというふうになっておりまして、今後とも部会で議論を行うんだというふうになっているわけでありますけれども、これは、例えばこの財源をどうするのかというような議論、保険でやるのか一般会計でやるのか、あるいは、使用者側の今負担でやっているわけでありますけれども、労働側も負担するべきではないかというような議論でありますとか、あるいはその水準でありますとか範囲でありますとか、そういったところについて御議論があったということで、それらについては十分議論が詰まって結論を得ることができませんでしたので、引き続き議論を行うということになって、このなお書きになったということでございます。
#195
○辻泰弘君 確認ですけど、未払賃金立替払の事業は安全衛生確保等事業の等に入ると、こういうことですね。
#196
○政府参考人(青木豊君) そうでございます。
#197
○辻泰弘君 実は私、これ平成十四年、この厚生労働委員会でも指摘をしているんですけれども、未払賃金立替払は今大分、そういう状況が大分薄れてきてはおりますけれども、私は制度としては非常に評価しているわけですけれども、ただ、その財源が労災の保険料から成り立っているわけです。労災の保険料は、労働災害の発生のリスクに応じて料率が決まっていて、それで徴収した保険料で充てられているのが未払賃金の立替払である。未払賃金の立替払は、倒産したときに、その未払の賃金、退職金に対して手当てされると、こういうものなわけです。すなわち、従前から私、指摘しておりますけれども、そもそも労働災害の発生リスクと倒産のリスクとは違うわけですから、しかも強制的に企業から徴収して、それで充てられていて、その趣旨と制度自体私はいいんですけれども、評価しているんですけれども、しかし労災の中に位置付けるというのがやはり無理があるのではないかと。だから、今回の報告においても未払賃金の立替払だけが浮いてしまって、そして最後の報告においても、未払賃金立替払の在り方について検討すべきであるとの意見が示されたことから、今後とも、本部会等において議論を行うとともに、その結果に基づき、所要の措置を講ずることが望まれると、このようになっていると私は理解をしているわけでございます。
 そういった意味で、ここに書いてあるように、今後とも議論をして未払賃金立替払事業の在り方について、すなわち私は独立した会計で、独立した制度として、少なくとも独立した勘定としてあるべきだと、このように思っているし、これまでずっと言ってきたわけなんです。そのことについて、ここで報告書に書いてあるとおり、この制度の位置付けについても検討していかれるということでいいかどうか、そのことを確認したいと思います。
#198
○政府参考人(青木豊君) 今申し上げましたようなことでございますので、今後、委員がお触れになりましたように、検討をしていくというふうに考えております。
#199
○辻泰弘君 これは審議会等でもこういった一つの制度をつくれという議論はあったわけですよね。そこを確認させてください。
#200
○政府参考人(青木豊君) 審議会では、今申し上げましたように、そういう議論があって、引き続き検討だと、検討事項、議論をしていこうということになったということでございます。
#201
○辻泰弘君 私は、今回の見直しの中でそういったことが、答えが出されるべきだったというふうに思っておりますけれども、なお書きという形で、等というところに含められた形ということでいかれるわけですけれども、やはり私は前向きな意味で、いい意味で、当初、未払賃金立替払のところは予算の各目明細書にも入ってなかったけれども、今は入っているわけですけれども、そういった意味で明示されたことは良かったと思っていますけれども。
 いずれにいたしましても、本来、負担と給付ということを考えましたときに、やはり、さっき言いましたように、労災の発生のリスクと倒産のリスクは違うわけですから、そういった意味で、労働災害の発生のリスクで取っている料率で未払賃金の立替払の原資にしているということは、私は根本的な制度設計としてやはり問題といいますか、疑問を持たざるを得ないわけでございまして、そういった意味での一つの制度をしっかりとつくっていただく、そのことに向けてお取り組みをいただくように申し上げておきたいと思いますし、同時に、今は未払の賃金と退職金ということになっているわけですけれども、やはり一時金や解雇予告手当なども立替払の対象とすべきじゃないかと、このようにも思うわけでございます。そういった対象の拡大ということも含めて御検討いただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#202
○政府参考人(青木豊君) 審議会では、先ほど来お話ししていますように、議論になりましたけれども、私ども、現在のところ、この財源、未払賃金立替払事業について労災保険でやっているというのは、一つは、賃金の支払というのは本来、事業主の基本的な責務だということで、事業主の連帯による公的な保険方式によることがふさわしいではないかと。それから、保険料の徴収だとか立替払金の支払のための経費だとか人員等を考慮すると既存の保険制度を活用することが簡素、合理的だということで現在のような形でやっているということであります。
 それでも、実際の今お話にありましたようなリスク、災害発生のリスクとの関係でいえば、現在、労災保険料率には二種類ありまして、一つは業務災害についての料率など、労働災害の発生状況に応じて保険料率が定められる部分というものと、社会復帰促進等事業のように業種にかかわらず一律の料率とされる部分と、この二つがございまして、こういったもので料率を決定するんだというのが徴収法十二条の考え方でもありますが、これがありまして、これについても費用負担者であります事業主団体の御理解を得られているというふうに考えております。
 未払賃金の立替払事業につきましては、この一律の料率とされる部分で行われているものでございまして、そういう意味では、正に截然と分けて運用しているということでございますし、委員もお触れになりましたように、かつて委員が御指摘があった後に私どもとしても予算のところで明示をするようなことをいたしたりしていまして、そういった努力を続けているところでございます。
#203
○辻泰弘君 今までの状況は承知をしておるんですけれども、私はやはりしっかりとした制度的位置付けがあってしかるべきと思うし、今の御説明であるならば、そもそもこうやってなお書きのところに出てこなくて、その中に入っていればいいのがなお書きに出てきているわけですから、そこだけやはり少し浮いていると言ってはあれですけれども、なじまないということだからそういうふうになっているわけですから。私は、ここでの報告書に書いてあるとおり、在り方について検討すべきと、今後とも議論を行い、所要の措置を講ずることが望まれるというのは、私は正確なところだと思いますから、そういった方向で取り組んでいただくように申し上げたいと思いますし、さっき答えていただいたのは、解雇予告手当と一時金の部分について拡充を検討していただきたいと、このことを御答弁いただきたい。
#204
○政府参考人(青木豊君) 今申し上げたのは現行の制度、私どもがそう考えているということでありまして、審議会でもそういうことで議論しようということでありますので、それは御議論いただいて私どもとしても考えていきたいというふうに思っております。
 それから、失礼いたしました、解雇予告手当等についてでございますけれども、これは未払賃金立替払制度は企業の倒産によって賃金の支払を受けられないまま退職を余儀なくされた労働者の差し迫った生活を救済しようと、そういうことから特別な措置を考えようじゃないかということででき上がっている制度でございます。
 それで、解雇予告手当などにつきましては、これは本来的に賃金債権ではないわけでございますし、この制度の趣旨からはなかなかその対象とすることは難しいんじゃないかと思いますし、ボーナスのように労使の交渉によってその都度その支給額が決定されることが多いようなもの、あるいは倒産に至るような企業ではなかなか支給されることもないというようなものについては、立替払の対象から現在そういう考えで除外をしているわけでございます。したがって、なかなかそういう意味での委員がおっしゃった方向での拡充というのもなかなか難しいのかなというふうに感じております。
#205
○辻泰弘君 未払賃金の立替払制度の上限額の引上げというのは平成十四年一月一日から成ったわけで、そのこと自体は私は数少ない個人に着目したセーフティーネットの整備だということで、一年前に小泉総理の前でも申し上げましたけれども、このことは非常に大事なポイントでもございますので、今後ともやはり充実の方向で、あるいは制度設計の明確化の方向でお取り組みいただくように申し上げておきたいと思います。
 それで、関連して、法務省にも来ていただいていますので、労働債権のことでお伺いしておきたいと思います。
 これも私ずっと質問をしたり、意見を申し上げたポイントでございますけれども、日本の法律は非常に冷たくて、企業、倒産したときに未払の賃金、未払の退職金が残っていて、かつ未払の税金、未払の社会保険料が残っているときに、税、社会保険料を先に納めにゃいかぬという租税債権の労働債権に対する優位性ということがずっとあったわけですが、そのことが議論の中で、平成十七年一月の破産法の改正で同等のところまで引き上げられたと、どちらも財団債権に位置付けられたと、こういうことだと思うんですが、そのことの結果、どのような効果があったというか、そういったものが数値でお示しいただけるならお願いしたいと思います。
#206
○政府参考人(後藤博君) お答え申し上げます。御指摘のとおり、平成十七年一月から施行されている破産法におきましては、労働債権の一部が破産手続において最も優先的に取り扱われる財団債権と位置付けられております。
 この法改正によりまして、労働債権の回収率がどうなったかという統計的な数値は私ども把握しておりませんけれども、破産事件の統計を見まして、法人の破産事件のうち、破産債権に対する、一般の破産債権に対する配当が行われたかどうか、あるいは財団債権の一部の弁済がされたかどうかという観点で統計数字を見てみますと、旧法当時、平成十六年でございますけれども、十六年の事件におきましては約二六%の事件で破産債権である労働債権の全部又は一部が回収することができた事件であったと。これに対しまして、平成十八年におきましては約九四%の事件において財団債権の全部又は一部の弁済がされておりますので、その大部分の事件においては労働債権の全部又は一部を回収することができたものというふうに推測されるところでございます。
#207
○辻泰弘君 おっしゃったことは、全部ではないかもしれないけれども、一部なりとも労働債権が回収された事案が平成十六年は二六・四%だったけれども、破産法の改正の後の数値で見れば九四・四%ですか、そこまでが、全部かどうか分からないけれども、一部なりとも回収されたとみなされると、それだけ大きく改善したと、こういう理解でいいんでしょうか。
#208
○政府参考人(後藤博君) あくまで推測でございますけれども、御指摘のとおりだと考えております。
#209
○辻泰弘君 遅ればせではありますけれども、その点は私は評価するんですけれども、しかし、そもそも私は根本的に、租税債権と労働債権がこの間の改正においても同等でしかないわけなんですね。
 そもそも、やはり労働者が働いて利潤が発生し、そこから分配があって、企業の利益があり、またそれぞれの所得があって、そこで税が発生する、社会保険料が発生する、そういう流れなわけですね。ですから、先に働いたところがあるわけですよ。ですから、どちらが優位かといえば、働いたところから出発するわけだから、賃金、退職金、そちらの方の労働債権が優位にあって、その後に租税債権があるというのが本来あるべき姿だと思うわけでございます。
 そして、そのことは、日本はまだ批准はしていないようですけれども、ILOの百七十三号条約においても、労働者債権については、国内法令により、特権を与えられた他の大部分の債権、特に国及び社会保障制度の債権よりも高い順位の特権を与えると、こういうことがあるわけで、私が思っていることがそういったことでも位置付けられるわけですけれども、これは法務省が直接ではありますけれども、やはり働く立場においては税の専門家である柳澤大臣も御見識があると思うんですけれども、私が申し上げたように、先に働いたことの後に税や社会保険料が発生するにもかかわらず、まだ同等でしかないわけですね。比率に応じて案分されるわけですけれども、やはり私は労働債権が先にあって、その後租税債権であるべきだと、こう思うんですけれども、柳澤大臣、どうでしょう。簡潔にお願いします。
#210
○政府参考人(青木豊君) 労働債権の保護については、正に今委員お触れになりましたように、これは非常に随分と問題で、議論もなされてまいりまして、破産法制、倒産法制の検討の過程で一応同等ということで処理がなされたわけであります。
 その過程では、やはり一つには通常の債権、抵当権などが付いた通常の債権との関係でいえば、それは取引の安全性との関係で労働債権をどう考えるんだということが大議論になったと思いますし、それから租税との関係では、何といいますか、租税が国家財政の基盤だと、私債権とは根本的に異なるではないかというような大議論があったりしまして、そういうことで、今委員がおっしゃったように、同等というところでなってきているというふうに理解をしているところでございます。
#211
○辻泰弘君 今のは国家が先に来ていて働く方が後になっていると、こういうことを如実に示したと思いますけれども、時間もありませんので、これはまた議論をさせていただくとして、最後に、司法試験のことで法務省の方にも来ていただいていますので、お聞きしておきたいと思うんです。
 これも三、四年前に私が提起したことで、司法試験で労働法と破産法がかつては選択科目だったけれども、一時それがなくなったときがありました。今の新しい司法試験においてはそれが選択科目に位置付けられているようですけれども、やはり個別労働紛争も多いし、いろいろ雇用、労働法の事案が多いわけですから、やはり司法試験の中で、あるいは、要は司法に携わる方々にはそういった労働法制、また破産法制、こういったものをしっかりと踏まえてやっていただくという意味合いにおいて、司法試験においてもあるいは司法修習においてもそのことについてしっかりと位置付けていただきたいと、このように思うんですけれども、その点について御見解をお示しいただきたいと思います。
#212
○政府参考人(菊池洋一君) まず、司法試験の関係ですが、御指摘のとおり、平成十八年から新しい司法試験が始まりましたが、労働法それから破産法、正確には倒産法という名称になっておりますけれども、いずれもその重要性にかんがみて選択科目ということになっております。
 もう一つ、司法修習についてのお尋ねでございますが、これは最高裁判所の中にある司法研修所で実施されているものでございますけれども、司法修習におきましても、労働法が重要であるということを踏まえて、実務修習などの場で労働事件を扱うなどの手当てがされているというふうに最高裁からお聞きしているところでございます。
#213
○辻泰弘君 時間が参りましたので終わりますけれども、いずれにいたしましても、雇用、労働、やはり人間の幸せの基本だと思いますので、是非しっかりとお取り組みいただきますように要請を申し上げまして、私の質問を終わります。
#214
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。
 今日は、雇用保険法について、あとはまあ一般の質問もさせていただきますが、前半は雇用保険法について質問させていただきたいと思います。
 まず、ちょっと基本的なことをお尋ねしたいんですが、雇用保険法の第一条にあります「雇用の安定」という言葉があります。この雇用の安定というのは一体何を指すんでしょうか。
#215
○政府参考人(高橋満君) 雇用保険法第一条の目的規定にある雇用の安定ということでございましょうか。まあこれは、第一条は、雇用の安定ということにつきましては、第一条の目的規定としては大変広くとらえられるものかと思いますが、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大といったようなものがその代表的な概念ということになろうかと思います。
#216
○櫻井充君 本当にそうですか。そんな失業がどうのとか何がどうのという、そういうことそのもの自体が雇用の安定ということを指すんですか。大臣、それでいいんでしょうか。
#217
○国務大臣(柳澤伯夫君) 雇用保険法の目的規定ということになりますと、やはり雇用の安定というのは、恐らくまず雇用契約が安定的に継続することと、こういうことだろうと思います。
 安定的にというのは、みだりに解雇なぞをされないということですし、また賃金等もしっかり契約どおり、約定どおり払われるというようなことであるとか、そういうように、雇用契約が全体として契約として安定しているということがまず基本にあるのではないかと。私もまだ、にわかの御質問でございますので、そういうふうに取りあえずお答えしておきたいと思います。
#218
○櫻井充君 済みません、ちゃんと紙も渡しておりまして、その一番最初のところに雇用の安定とは何かというふうに質問通告しておりますよ。一番大事な点なんだと思っているんですよ。
 つまり、今の社会の不安定さというのは一体何から生まれてくるのかというと、私は雇用の不安定さなんじゃないだろうか。つまり、定期的に賃金を獲得することができない、所得を得ることができないことが様々な社会不安を生んできておりますし、それから、今の派遣であるとかパート労働者の増加ということそのもの自体が、雇用の安定とは私はほど遠いような状況になってきているんじゃないのかなと、そう思っております。ですから、そういう点からいうと、雇用の安定ということをここにうたわれているわけであって、僕はこれ極めて重要な単語だと思っているんですよ。
 そういう点で、このことについて改めてお伺いしたいと思いますが、それでは、社会全体でも結構ですが、その雇用の安定というものは政府としてどのようにお考えなんでしょうか。
#219
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々の今の社会においては、やっぱりもう圧倒的に働く、あるいは所得を稼得する機会というものが雇用契約から生まれてきていると。自営業あるいは生業と、その前の生業といいましょうか、そういうようなものから所得を稼得するというものがもう社会全体の中では非常にシェアが小さくなっている、ほとんど圧倒的な比率でもって所得の稼得あるいは生活の糧というようなもの、言い換えてもいいですけど、そういうようなものがもう圧倒的に雇用の下で生まれると、こういうことであります。
 そういうようなことから、雇用の安定というのは非常に大事なことに当然なってくるわけですし、また、我々のそういう経済的なことだけではなくて、生きがいとか、そういうようなものもやはりその雇用から、雇用の下で労働することから生まれてくると、そういうようなことだろうと思います。したがって、そういう社会の安定と直結しているということは言えようかと思います。
 ただ、ここで、それじゃ我々の国に随分特徴的にあったと言われる生涯雇用とか、そういうような長期的な雇用だけが安定的な雇用と言えるかというと、やはり最近の雇用の流動化だとか、あるいは労働の形態の多様化だとかというようなことが選択されることもありますので、恐らくそういう中であっても、やっぱり安心、納得される、そういう条件をどうやって整えていくかということが我々の課題であろうと、このように考えるわけであります。
#220
○櫻井充君 今回、雇用保険法を改正いたしますよね。これは、雇用の安定というものが図られていっていると、そういう方向になっているという立場でこの雇用保険法を改正されたんでしょうか。それとも、雇用の安定というのはむしろ不安定な方向に行っているというふうに考えられてこれは改正しているんでしょうか。
#221
○政府参考人(高橋満君) 若干、先ほどの冒頭の御質問で第一条の目的規定の中にある雇用の安定というのはどういう概念かということとも恐らくかかわるんだろうと思いますが。
 この第一条の規定を読みますと、失業した場合、それから雇用の継続が困難となる事由が生じた場合、それから労働者が自ら職業に関する職業訓練を受けた場合に、それぞれ必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図ると、こういうくだりで雇用の安定ということが入っているわけでございますが、規定されているわけでございますが、砕けて言えば、失業した場合に、失業給付を行ってできるだけ早く再就職をしていただく、つまり失業という状態から抜け出していただく、あるいは、例えば育児休業というものが取りづらくなる、取りづらいという中で辞めざるを得ないということを防止するという意味で、例えば育児休業給付であるとか介護休業給付とかいうものはそうした雇用継続というものを支援をする、推進をするという機能があろうかと思います。また、自ら教育訓練を受ける場合の給付として教育訓練給付というものがあるわけでございますが、そうしたことを通じて自らの能力開発を行うことによって失業を防止する、あるいは仮に失業した場合でも、できるだけ早く就職できるような能力を身に付けていただくと。
 こういうような意味合いで雇用の安定ということが規定されている、そのように解釈されているというふうに受け止めておるわけでございまして、今回の改正につきまして、私どもは、この雇用保険法、雇用保険制度の目的である雇用の安定を図るということを念頭に当然置きながら様々な見直しについて御提案を申し上げているということでございます。
#222
○櫻井充君 答弁は長かったんですが、質問に答えておりません。雇用の安定化が今は図られている方向なのでの改正なのか、それとも不安定になっているから改正しなきゃいけなかったのか、端的にお答えいただけますか。
#223
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、今回の改正は、度々申し上げておりますように、行政改革推進の立場からの改正と、当面のもろもろの制度的な課題、これにこたえるということでございます。
 最初の行政改革絡みの話は、今、保険料の料率の引下げであるとか、あるいは国庫負担の割合というか、この引下げであるとかということがなぜ可能になったかというと、やっぱり雇用保険の財政状況が、いろいろ十二年改正、十六年改正といろいろありましたけれども、結果としては好転をしているということを受けて行われているわけでございまして、そういう意味では、あえて申し上げれば、雇用がそう不安定ではないということがあってこういう改正が許容される状況が生まれているということであろうと、このように申し上げたいと思います。
#224
○櫻井充君 そうすると、いい方向に向かってきていて、財政的に少しゆとりが出てきたので今回制度を改正するという理解でよろしいんでしょうか。
#225
○国務大臣(柳澤伯夫君) 基本の雇用保険法の改正の環境としては、そういうことであろうというふうに思います。
 もちろん、そのほかに、我々の今、労働市場が直面している多様化、流動化にどう対応していくかという課題は、また他方にあるというふうに私ども認識をいたしております。
#226
○櫻井充君 多様化、流動化という点をいつも強調されますが、それは多様化、流動化を望んでいる方々にとってはそれでいいかと思います。つまり、ヘッドハンティング等をされるような一部の方にとってみれば、その後どんどんステップアップされていきますから、そういう方々にとって流動化するということは決して悪いことではないと思いますが、一方で、一般の労働者の方々からしてみると、むしろ安定的な雇用を望んでくる。安定的なというのは、基本的に言うと、同じところで継続的に仕事を続けていきたいというふうに考えている方もいらっしゃるわけであって、その人たちは決して流動化を望んでいるわけではないし、多様化を望んでいるわけではありません。その人たちに対して、今の雇用情勢というのはきちんとした形で雇用というものを提供できているというふうに大臣はお考えでしょうか。
#227
○国務大臣(柳澤伯夫君) それはもう度々いろんな労働法制の総論的な議論の中で、私どもも御意見として、あるいは見方として申し上げていることでございますが、要は、正規雇用あるいは非正規雇用というようなことにつきましても、できる限り希望をされる方については正規雇用というか期間の定めのない長期的な雇用というものに移行してもらうのがいいと、こういうふうに考えておりまして、そちらの方向にできるだけ行っていただくような手助けをさせていただく。それからまた、しかし多様な労働の形態ということで違うことを希望される方々については、そういう非正規の、非正規というか、長期的あるいは期間の定めのないそういう労働を選択した場合にも、やっぱりその処遇において安心ができ、また納得されるような、そういうことを心掛けていきたいということで我々取り組んでいるつもりでございます。
#228
○櫻井充君 姿勢は分かるんですが、現状がどうなのかということだと私は思っておりまして、その現状について今質問させていただいております。現状はどうだというふうに大臣は認識されているんでしょうか。
 私は、要するに制度が変わってきている過渡期であって、基本的に言うと不安定な状態にあるんじゃないのかなと、そういうふうに感じております。つまり、一時的に正規雇用から非正規雇用に変えていって、一部の企業は御答弁いただいているように正規雇用に戻そうという動きもありますが、大きく考えてみたときには、非正規雇用にして基本的に人件費を削減して企業は利益を上げようという方向に行っていると私は思っていて、むしろ雇用からいうと不安定な方向に流れているんではないのかなと、現実はですね、そう思っていますが、大臣としてはいかがお考えでしょうか。
#229
○国務大臣(柳澤伯夫君) 非正規の雇用も増えているわけですが、よく総理も度々御説明をさせていただいているとおり、正規の雇用も最近になって増加し始めておりまして、できるだけ我々はこの方向を助長していきたいというように考えております。
 したがいまして、現在がどういう状況かというと、非常にいわく言い難い状況だとしか言えないんですけれども、まあちょっと前はもう本当に非正規雇用だけがどんどん増えるというような状況であったのに対しては最近違う方向の力というか、そういうものも増大しているのが見られるという状況ではないかと、こういうように考えております。
#230
○櫻井充君 今大臣、正直に大分苦しい胸の内を明かされたので、多分、厚生労働省として思っているような労働形態にはなってないんだろうなと、そういうふうに理解させていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。
#231
○国務大臣(柳澤伯夫君) まあ要するに、先ほど申したとおり、いろんな力が今労働市場に掛かっていると、必ずしも一方向だけの力が支配的になっているという状況ではないものですから、非常にそれは人それぞれに見方が分かれるということも当然ではないかと、このように考えます。
#232
○櫻井充君 まあここだけ議論していてもしようがないので、もう一つ、第一条のところの最後のところに、「労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。」というふうにこれはうたっております。
 今回は、雇用福祉事業そのもの自体をやめるということで六十四条を削除するという内容になっているわけであって、そうすると、この目的のところの福祉というものは一体何を指して、なぜ六十四条を削除するに当たってこの目的の変更の必要がなかったのか、これについて御説明いただけますか。
#233
○政府参考人(高橋満君) この第一条の規定でございますが、その中に「失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図る」と、こういう形で規定をいたしておるわけでございますが、この一番の最後の「その他労働者の福祉の増進」というこの規定の趣旨でございますが、これにつきましては現在ある雇用福祉事業、今回の提案ではこれを廃止させていただくわけでございますが、この雇用福祉事業のみならず、前段にございます「失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大」として例示された以外の、まあ六十二条で規定をしております雇用安定事業等々も含めて読み込んだ規定であるというふうに理解をいたしているわけでございます。
 いずれにしましても、労働者の福祉の増進という概念、法律上、この雇用保険法上の概念におきましても雇用安定事業、能力開発事業も含めた広い概念でありまして、したがいまして、今般の改正におきましてはこの目的規定は改正はしていないということでございます。
#234
○櫻井充君 雇用の安定化等で六十二条のというお話がありましたが、つまり、そこの部分は雇用の安定化というところで読み込めるわけであって、わざわざ福祉という文言を置く必要性はないんじゃないのかなと思うんですね。
 で、なぜそこにこだわるかというと、福祉というのは広い概念でこれをとらえていることによって何でも今までできてきたわけですよね。六十四条のところで読み込めていろんなことが行われてきたと。まあ典型的なのがスパウザ小田原でしたっけ、あの手のようなものをどんどんどんどん造って、たしか四千億以上のものを造っていって多額な損害を出してきているわけであって、もう一度お伺いしますが、福祉の概念、福祉の定義、その部分だけ端的にお答えいただけますか。
#235
○政府参考人(高橋満君) 雇用保険法上の福祉の概念、ここの福祉の増進という概念につきましては、現在ある雇用福祉事業のみならず、雇用安定事業、能力開発事業も含めた広い概念と受け止め、理解をいたしているところでございます。
#236
○櫻井充君 今おっしゃった事業がなぜ福祉に当たるんですか。福祉という概念に当たるところを教えてください。
#237
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、職業安定局長が言いましたことでございますけれども、この福祉の増進という言葉は現在の労働関係立法の中では目的規定の中でもう非常に多用されているということでございまして、何というか、何々の事業ももちろんそれは最終的にはその目的規定に合致しなければ許されないわけですから、そういうふうに個別の事業を挙げるということも大事なことかもしれませんけれども、そういうように個別の事業に直結している概念というよりも、正に目的として上位に置かれた概念、こういうことでございますので、ここのところは広くとらえていただくということが必要である。例えば、雇用福祉事業というものをこれやめるから、職業安定事業は残すけれども、それはもう福祉という言葉を削らなければいけないと、そういう一対一の関係にはなっていないというふうに我々は解しているわけでございます。
#238
○櫻井充君 雇用保険法という法律の中で福祉という概念を置かなければいけないんでしょうか。
 つまり、もう一つ申し上げておきますと、福祉という言葉を置いたがゆえにこの解釈は何でもできることになって、様々な無駄な事業が行われてきました。そして、そのことによって問題が生じてきて、これはいろんな人たちから指摘されて初めてやめるような形になっていっただけの話であって、今の法律の作り方を見ていると、何でも読み込めるような形に作っておいて、あとは官僚の拡大解釈によってもうどうでもいいような仕事をどんどんどんどんやってきているというのが今までだったと思うんですよ。ですから、仕事はきちんとした形で規定するためには、法律の文言そのもの自体も変えていかなければいけないと私は思っているんです。
 それでは、大臣、まずここは半歩譲ったとして、これまでのような無駄な事業はまず行わないと、きちんとした形でチェックしていくと、それから法律上の拡大解釈はしないということをお約束いただけますか。
#239
○国務大臣(柳澤伯夫君) 特に今回、雇用福祉事業を廃止いたしました。それが、何というか、単なる看板の掛け替えに終わらないように私どもも考えているわけでございますけれども、今回、特に私どもが強く考えておりますことは、やはり雇用保険三事業といえども、究極的には失業等給付の抑制というか、それが適正に行われるということとしっかりした関係に立つ事業でないとそれは許されないと、こういうふうに考えているわけでございます。
 そういうことで、規定を逸脱した省令を定めたり事業を実施することは私どもはあってはならないことだというふうにはっきりお答え申し上げ、議事録に残していただきたいと、このように思います。
#240
○櫻井充君 ありがとうございます。
 目的の最初のところに何が書いてあるのかというと、結局、雇用保険とは何かというところがまず書いてあるわけですよ、実際のところはですね。最後に、おまけに福祉などという言葉を付けているから、私は問題が一杯あったんじゃないのかなと、そういうふうに思っているからです。
 その意味で、もう一つ指摘しておきたいのは、元々のその雇用保険法の六十二条、六十三条、六十四条のところに、これまでの雇用安定事業、能力開発事業、そして問題になりました雇用福祉事業と、それが規定されてきております。六十二条と六十三条にはきちんとした形で運用主体、どういうところがこのことを行っていくという運用主体を書いていたにもかかわらず、六十四条にはその規定がないために、だれでもこの事業を行えるようなすごくいい加減な作りになっていたんじゃないのかなと、私はそう思っているんですが、その点に関してはいかがでしょうか。
#241
○政府参考人(高橋満君) 現在の六十二条及び六十三条、それぞれ雇用安定事業それから能力開発事業を規定した条文でございますが、これに基づいて行われる事業は大変多岐にわたるわけでございまして、法律上、個別の具体的な事業の内容や、あるいはその実施主体というものを個々規定をするということには限界があるわけでございまして、例えば助成金の支給基準といったような具体的な事業内容につきましては、雇用保険法施行規則等の省令におきましてその内容を規定しているところでございます。また、実施主体については、事業の内容、性格等を勘案して適切な主体を選定し、実施しているわけでございます。
 なお、六十二条、六十三条、それぞれに、独立行政法人が実施主体としてそれぞれの法人が行う業務のうち、この六十二条及び六十三条を根拠として実施している事業につきまして実施主体がそれぞれ規定をいたしておりますが、この規定に基づきまして、それぞれの法人が行う具体的な事業につきましてはそれぞれの法人の組織法において更に詳しく規定をしていると、こういうような構成になってございます。
#242
○櫻井充君 もうちょっと分かりやすく答弁していただけないですか。頭が悪いもんでよく分かりません。答えが、端的にこういうものなんだというふうに言っていただけると分かるんですが、私の理解を超えております。
 もう一つ、時間がないので、六十四条の部分のものは全部削除されていますが、六十四条で規定されているそのもの自体、事業そのもの自体はすべてなくなるわけではないというふうに私は聞いております。
 例えば、「労働者の職業に対する適応性その他職業の安定に関する調査、研究及び資料の整備を行うこと。」と、この仕事を恐らくやめないんだろうと思うんですが、まず、これはやめるんでしょうか、やめないんでしょうか。もしやめないとすると、この規定はどこに置かれているんでしょうか。
#243
○政府参考人(高橋満君) 調査研究事業でございますが、これにつきましては、これまで行っております事業のうち雇用福祉事業が廃止されたことに伴いまして、十分精査をした上で、雇用安定事業又は能力開発事業に該当するものに限ってそれぞれの事業として実施をすることといたしております。
 それぞれ、これの具体的な根拠条文としては、六十二条第一項第五号並びに六十三条第一項第七号に基づきまして雇用保険法施行規則を改正して明確化を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
#244
○櫻井充君 六十二条の第一項の五ですか。そこで読み込むんですか。つまり、ここにはその調査、研究という文言が全く入っていないんじゃないでしょうか。そのことがなぜその調査、研究やそこに書いてある整備等に当たるんですか。
#245
○政府参考人(高橋満君) 調査研究事業につきましては、今もお答え申し上げましたように、雇用安定事業、能力開発事業に該当するものに限ってそれぞれの事業として実施をしていくというものでございますが、具体的には当該研究成果が各個別事業の運営の改善等に結び付くものに限ったものとしていく、これによって雇用安定事業、能力開発事業にそれぞれ資するものとなるというふうな観点から精査をしていくということで考えているところでございまして、法律上はあくまでも雇用安定事業又は能力開発事業の一環として位置付けておるところでございます。
#246
○櫻井充君 大臣、こういうふうに条文に書いていないんですよ。条文に明記しないで解釈で、拡大解釈ですよ、はっきり言っておきますけれども。ここのところに「調査、研究」と元々六十四条に書いておいて、この部分の必要なものはその六十二条や六十三条のところでやりますというふうなことであれば、一項設けないと私はおかしいと思うんですよ。つまり、今のように、我々これ、どこにもその文言がない、これをですね、これを普通に読んだら、これを字面で読んだら、とてもじゃないけどそういうものが入っていないんですよ。
 こうやって官僚の裁量権で、僕からすればですね、法律を簡単にゆがめていくことができるような状況をつくり上げていることが問題じゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
#247
○国務大臣(柳澤伯夫君) 六十四条を削除することによって六十四条一項三号の調査研究事業というものがなくなる、それにもかかわらず今度は雇用安定事業ないしは能力開発事業の中でそうしたものが行われることは適当ではないではないかと、こういう御指摘でございますけれども、やはり六十四条で書かれた今の調査研究事業と、今度六十二条一項五号とか六十三条一項七号でこの規定を使って行われる調査、研究というのはやはり違うんだということでございます。
 それは、あくまでも雇用安定事業として行われる調査、研究あるいは能力開発事業の一環として行われる調査、研究に限定されるわけでありまして、現在、独立して六十四条で広く行い得る調査、研究とはおのずと範囲が狭まるということを先ほど来、政府参考人から答弁させていただいているということでございます。
#248
○櫻井充君 じゃ、文言の確認ですが、どの文字でそのことをやれるというふうに読み込むんですか、この法律は。具体的にこの文字なんだというふうにお答えいただけますか。
#249
○政府参考人(高橋満君) 例えば、六十二条の第一項第五号で申し上げますれば「雇用の安定を図るために必要な事業」と、それから六十三条の能力開発事業で申し上げますれば第一項第七号のやはり「労働者の能力の開発及び向上のために必要な事業」というところで読み込むということでございます。
#250
○櫻井充君 「必要な事業」というところで今のものが読み込めるとすると、何でもありになりますね。つまり、これが必要だというふうに判断されたときには、それは何でもやれるということになりますね、大臣。この「必要な」という部分の判断は、これは政省令に落とすんでしょうから、どなたが判断されるんでしょうか。──いや、大臣にお伺いしておきたい。大臣、ここですよ、こういう文言で全部読み込めるというふうに言ってくるから、だから何でもありになるんですよ。
 だから、改めて確認しておきますが、この「必要な」ということの解釈権はだれにあって、そしてそのために、あとは政省令に落とすことになるんでしょう。この場合、何か様々な問題を起こしていったら、今度はきちんと責任取ってもらいたいのでね、だれの責任になるんでしょう。
#251
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、具体的には厚生労働省令で定めるものを行うこととなっておりますので、省令で定めることになろうと思いますけれども、省令の制定権というのは当該省の長であるところの厚生労働大臣が決めさせていただくということになります。したがいまして、その具体的な省令の規定というのは、先ほど来の国会での御論議も踏まえた上で、大臣のところで最終的な決定をすると、こういうことになろうと思います。
#252
○櫻井充君 是非、きちんとした形で運用していただきたいと、もう本当に信用を失っていますからね。ですから、そこのところはきちんとやっていただきたいなと、そう思います。
 その上でもう一つ、雇用保険法の除外される職業が幾つかあると思うんですが、我々多分、国会議員もそこの中から外されておるでしょうし、それから官僚も外されているんだろうと思いますが、その認識でよろしいんでしょうか。
#253
○政府参考人(高橋満君) 雇用保険制度の適用の範囲といたしまして公務員並びに会社の役員等々については、これは自営業者ももちろん含めて除外をされております。
#254
○櫻井充君 もし仮に国家公務員の方が失業された場合には、失業給付みたいなものは受けられるんでしょうか。
#255
○政府参考人(高橋満君) 公務員につきましては様々な理由でこの雇用保険制度から適用除外をされておるわけでございますが、他方、公務員が失業いたしました場合、退職手当規定に基づいて支払われるであろう退職手当の額が、もし民間企業に勤めていて失業した場合に計算される雇用保険の失業等給付相当額、これを下回る場合にはその差額が、国家公務員の場合でしたら国、地方公務員の場合でしたら地方公共団体からそれぞれ支給をされておるということでございます。
#256
○櫻井充君 そしてもう一つは、この方々が受け取ることになるわけですが、何か月間かそれは給付が受けられるということでよろしいんですね。
#257
○政府参考人(高橋満君) 今ちょっと御質問の趣旨がよく理解できなかったんですが、その今申し上げた下回る相当額を雇用保険法の制度的枠組みに基づいて資格決定が行われ支給されるということでございます。
#258
○櫻井充君 済みません、ちょっと、じゃ具体的にね。例えば、いろんな条件で雇用保険法で最大三百日までたしか給付されますよね、失業保険が、失業手当というんですか。それは、国家公務員の場合には一体何か月間分最大で支給されるんですか。これは勤務年数によって違うと思いますけど。
#259
○政府参考人(阪本和道君) 御指摘のとおり、国家公務員の場合には雇用保険法の適用が除外されておるわけでございますけれども、その場合でも退職手当の額が雇用保険の失業給付相当額を下回っている場合に限りましてその差額を生活保障等の観点から支給するものでございまして、退職手当額は私どもの方から支給しますけれども、それを超えた失業給付相当額の部分については、その差額は公共職業安定所の方から規定に従って出ているものと承知しております。
#260
○櫻井充君 公共職業安定所から、そうすると最大何か月まで給付されるんでしょう。
#261
○政府参考人(阪本和道君) 最大、社会保険給付の月数の範囲内というふうに承知しております。
#262
○櫻井充君 それでは、その給付を受ける原資は一体何、どこから出ているんですか。
#263
○政府参考人(高橋満君) 国家公務員の場合について申し上げますと、先ほどちょっとお答えございましたとおり、これは……(発言する者あり)原資については、一般会計にかかわる職員については一般会計で、また特別会計にかかわる職員については特別会計からそれぞれ計上されて、厚生労働省の一般会計に繰り入れられて安定所の窓口で支給されていると、こういうものでございます。
#264
○櫻井充君 民間の方々は保険料を支払っています。国家公務員は保険料を支払わないでなぜ税金でそうやって保障されるんですか。
#265
○政府参考人(阪本和道君) 国家公務員の場合は雇用保険法の適用除外になっているわけでございますけれども、退職手当がその雇用保険の失業給付を下回った場合には、その生活保障的な観点からその差額分が支給されているものというふうに承知しております。
#266
○櫻井充君 税金を支払うべき根拠は一体何ですか。民間の方々と比べて、私は、民間の人たちは保険料を支払っているんですよ。国家公務員は保険料を払っていますか。払ってなくてなぜそういう形で手当が支給されるんですか。
 私は不公平だと思いますが、大臣はどうお考えになりますか。
#267
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは総合的にやはりとらえられているんだろうと、私、考えるわけです。
 それは恐らく、もし保険料を払えと、その給付が下回る場合に備えて保険料を払えといえば、それはその分だけ恐らくまた国家公務員の給与が上がるというようなことに……(発言する者あり)これ私は、そういうふうに言いますと非常に、具体的な制度の適用としては非常に不適切な感じを与えるかと思いますけれども、実際は、これ全体としての体系でそういうふうに成り立っているということしか言えないんではないかと、このように申し上げます。
#268
○櫻井充君 全体としてそのような体系でしか成り立たないのは、何でもいいですよ。
 大臣、公平ですか、不公平ですか。
#269
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、総務省の方で答えますので、先ほどの私の答弁より、より事務的、技術的にお答えできるかと思います。
#270
○政府参考人(阪本和道君) 国家公務員を雇用保険制度に加入させる場合には保険料の事業主負担分相当が必要になるわけでございますけれども、国の一般会計等の人件費がその分増大することになり、今度は納税者の負担が増すおそれがあるんではないかというふうに考えております。
#271
○櫻井充君 サラリーマンはだからといって給料上がるわけでも何でもないんですよ。その給料から天引きされるだけですよ。あなた方もそれは別にその分を給料上がる必要はないわけであって、もう一度お伺いしますが、皆さんは保険料を支払ってないんですよ。保険料を支払ってない人たちが、その不足の分に関して言うと税金から給付されるんですよ。一般の方々は税金だけじゃないんです。
 なぜこんなことを申し上げるかというと、税金の割合が今どんどんどんどん減ってきているから、そして保険料そのもの自体がまだあり続けますよね。だから、なぜ民間の人は保険料を支払って自分たちで積み立てておいて、そこからみんなで互助、助け合いの精神でそういうものが支払われる、国家公務員はそうではなくて、税金から担保されるんですか。それが公平ですか。制度上の設計のことを聞いているのではありません。
 もう一度申し上げましょうか。保険料を支払っていない人がなぜ給付を受ける権利が出てくるんでしょう。
#272
○政府参考人(阪本和道君) 国家公務員につきましては、先ほど申し上げましたように、身分が比較的安定していることもあり、雇用保険制度の適用除外になっているわけでございますけれども、ただその場合でも、勤続期間が三年以内等の短い場合には退職手当の額が雇用保険による失業給付相当額を下回る場合がございますので、そういう場合、限られた少数の場合でございますけれども、そういう場合には失業者の退職手当という形で差額が支給されているという制度になっているものと承知しております。
#273
○櫻井充君 答弁になっていない。なっていないよ、そんなの。
#274
○委員長(鶴保庸介君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#275
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
#276
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと先ほど私、そうではないかということで申し上げましたけれども、今ここに資料が手元に入りましたので申し上げますと、これは公共職業安定所から支払われるので、一見、雇用保険特会から支払われるように見えますが、そうではなくて、これは厚生労働省の歳出の中に政府職員等失業者退職手当という項目がありまして、そこを通じて今該当した政府職員等の失業者に、一般会計あるいは特別会計、それはもう職員の所属でございますけれども、そういうことで支払われるということでございます。それ……(発言する者あり)
#277
○委員長(鶴保庸介君) よろしいですか。
 じゃ、速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#278
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
#279
○政府参考人(阪本和道君) 先ほどから申し上げておりますように、国家公務員の場合には雇用保険制度が、公務員の身分が比較的安定しているということもございまして適用の除外になっているわけでございますけれども、いずれにしても、国家公務員に対する雇用保険の適用につきましては、雇用保険制度や公務員制度の在り方にかかわる問題であり、慎重に検討すべきであると考えてございます。
#280
○櫻井充君 それでは、国家公務員の皆さんは雇用が安定していると。こんなにいい御身分は僕はないと思います。これは国家公務員だけじゃなくて地方公務員も一緒ですよね。それだから保険料も払わないと。そして最後、もし万が一、自分から退職をしたとしてもその部分は担保されると。で、保険料は支払っていない。
 じゃ、提案をさせていただきたいと思いますが、民間の方々も税金で特別会計をつくって、それで雇用保険を賄ったらいかがですか。それが公平だということになるんじゃないですか。
#281
○委員長(鶴保庸介君) 御答弁をお願いします。柳澤厚生労働大臣。
#282
○国務大臣(柳澤伯夫君) それは、歳入はどこから来るかですね、税金を特別目的税、あるいは特定財源としてそういう仕組みをつくり得るかということになりますが、結局は保険料で払っているのと、その目的税なり特定財源なりということで税負担するのと、それはどうかという問題になってくるんだろうと思います。
 いずれにしても、失業を保険事故として考えて、保険料と保険の給付、その中には、もちろん国も一半の責任を持ちますから、国庫負担もあるという形で仕組んでいるのが雇用保険であるということでございます。
#283
○櫻井充君 それでは、国家公務員や地方公務員の方々の失業手当を出す際の担保となる原資は何をもって、今の御答弁のとおり、じゃ雇用保険は雇用保険で原資は何にするんだと、どういう収入によって賄うのかということになるんだとすれば、公務員の方々が今賄われているものはどういう収入によって賄われているんですか。
#284
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、歳入は、一般会計でしたら一般会計の財源で賄われていると。特別会計ですと特別会計からそれぞれ繰り入れられているということでございます。
#285
○櫻井充君 今大臣は、例えば特別会計をつくると言ったら、じゃ何をその財源として、どこから持ってくるんですかと、どういう形でその税収を確保するんですかというお話をされていたわけでしょう。ですから、じゃ国家公務員の方々はどの税金から持ってきているんですか。何の目的税があるんですか。今、先ほど目的税だとかとおっしゃったけれども、それはどうなんですか。
#286
○国務大臣(柳澤伯夫君) それは今、櫻井委員が特別会計をつくるとおっしゃったから、そういう、じゃ、その特別会計の歳入はどうされるんでしょうかということで、そういう問題提起をしながら説明をさせていただいたということでございます。
#287
○櫻井充君 それでは、公務員の方はこれ特別会計あると先ほどおっしゃいましたね。
#288
○国務大臣(柳澤伯夫君) いや、一般会計もある。
#289
○櫻井充君 あれ、先ほど特別会計もあると。
#290
○国務大臣(柳澤伯夫君) もあります。
#291
○櫻井充君 もありますね。じゃ、特別会計があるんだったら、その特別会計の歳入のところの原資は何になっているんですか。
#292
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと議論を整理させていただきますと、一般会計所属の職員は、一般会計の歳入から歳出が目として立てられて、そこから支給されると、こういうこと、それから特別会計所属の職員につきましては、それぞれの所属する特別会計の歳入から歳出が立ちまして、そこから手当が支給されると、こういうことです。
 じゃ、特別会計のその原資は何ぞやということですけれども、それはもう特別会計それぞれの歳入、これはもういろんな、何というか、例えば道路特会は例えば特定財源、揮発油税から来るとか、それぞれの特別会計の歳入、これはもう一概には言えないわけでありまして、事業特会みたいなものであれば事業の事業収入があるでしょうし、それからまた、一般会計からの繰入れがある場合には一般会計の一般の財源もその財源になっていると、こういうことでございましょう。
#293
○櫻井充君 大臣、今特別会計をと言ったら、それはどういう形でお金を集めますかみたいな話をされたでしょう。だったら、今はどういうふうになっているんですかと、ただ私は聞いただけの話ですよ。
 これは、多分、今日、傍聴している方もいらっしゃる中で、どちらの論が正しいというか公平なのかということは、あとは国民の皆さんが私は判断することだと思っています。
 その上でもう一つ、なぜそういうことを申し上げたいのかというと、先ほど辻委員からも示されましたが、雇用保険料の国庫負担と保険料の負担の割合というのがこれで適切なのかどうかということなんだと思うんですよ。国家公務員は最終的には、最後は税金で何とか担保されると。
 じゃ、今回どういうことが起こっているかというと、雇用保険料のところは結果的には少し引き下げられはしましたが、税金の投入額は失業保険ができ上がった昭和二十二年当時から見るとずうっと引き下げ続けられているわけですよ。であったとすると、税収そのものがもし上がってきているのであれば、国庫負担率そのもの自体を大きく下げるのではなくて、こちらの雇用保険料率をもっと引き下げていく方が私は公平ではないのかなと、そう思いますけれども、大臣はいかがでしょう。
#294
○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに国庫負担の率は、昭和二十二年の失業保険として雇用保険がスタートをしたころは三分の一ということであった。それが四分の一に引き下げられ、更にそれが最近の財政事情を反映する中で、これが当分の間ということですけれども、縮減をされているということでございます。
 しかし、一方、公務員の方ですけれども、公務員は、これは国家公務員であれば国が雇主ということになるわけですし、それからまた、地方公務員であればそれぞれの地方団体が雇主になると、こういうことでございますから、これはもう民間の企業等の労働者、従業員の場合とは、もう根本の仕組みが異なっているというふうに申し上げざるを得ないと、このように考えます。
#295
○櫻井充君 根本の仕組みが不公平じゃないかと思っているから私は申し上げているんです。
 もう一度申し上げますが、何でそうすると税の投入額を減らす。税の投入額はそのまま維持すれば、保険料そのもの、保険料率そのもの自体を引き下げることが可能になるわけですよね。
 今、国民の皆さんの可処分所得はどんどん減っていますよ。今回の定率減税の廃止によってまた可処分所得が減るということを考えれば、国民の皆さんに対して、せめて可処分所得がもう少し上がっていくような政策を取っていかない限り、私は経済の活性化というのはあり得ないんだろうと、そういうふうに思っているんですね。
 ですから、もう一度お伺いしますが、今回はなぜ税率も引き下げているのか。なぜ保険料率を引き下げるだけにしないで、つまり税率はそのまま残して保険料率だけ引き下げるという措置をとらなかったのかということです。
#296
○政府参考人(高橋満君) 今回の見直しに当たりまして、私ども、るる御説明しておりますが、行革推進法の規定ということを踏まえていく必要があるということと同時に、雇用保険制度の安定的な運営を図るという前提で、保険料負担者の、労使の保険料負担者の負担軽減にも資していく必要があると、こういう二つの観点をも踏まえて今回の御提案をさせていただいているというものでございます。
#297
○櫻井充君 だから、その観点だったら、何でそうやって税金下げるんですか。だから、それ端的に言ってくださいよ。
#298
○国務大臣(柳澤伯夫君) これ、国庫負担を引き下げたのは、それで雇用保険の財政状況、あるいは保険機能と申しましょうか、そういうものが引き続いて確保されるということを確かめた上で、それを財政再建に役立てるという考え方も行政改革でうたった背景としてはあるだろうと、このように考えます。
#299
○櫻井充君 要するに、財政再建のために、また国民の皆さんに犠牲になってくださいということだろうと、そういうふうに私は理解いたします。
 次に、無駄遣いの一つ、私のしごと館についてお伺いいたしますが、私のしごと館の目的は何ですか。
#300
○政府参考人(奥田久美君) 私のしごと館は、若年者の雇用問題が大きな社会問題となってきているわけでございますけれども、そういう中にありまして、生徒、学生といった若者の早期の段階から職業意識の啓発を図るための職業に関するいろんな情報、あるいは職業体験をワンストップで実施できる施設として造ったものでございます。
#301
○櫻井充君 私のしごと館の目的は果たされているんでしょうか。
#302
○政府参考人(奥田久美君) どういう数字をもって評価をするかというのは非常に難しいところがございますけれども、今私ども懸命の努力をしまして、一人でも多くの方に来ていただくことにしておりますけれども、来ていただいた方々に対しまして、来てどうだったかというアンケートを取りましたところ、八割以上の方々から、来てよかったといいますか、役に立ったというような評価をいただいておりますので、その意味では一定の効果を果たしているというふうに考えているところでございます。
#303
○櫻井充君 来てよかったという評価を得ることが目的ですか。
#304
○政府参考人(奥田久美君) まずは来ていただくということが非常に大事だというように思っておりますけれども、場所が京都の南の方にございますので、なかなか関東からしますと遠いところにございます。ただ、地元の学校を見ますと、例えば奈良の中学校ですと七割近い中学校が毎年必ずしごと館に行って勉強するといいますか、そういったような使われ方をしているわけでございます。
 そういう意味で、奈良だけではなくて、大阪、京都もそうですし、その近県もそうです。また、中高生の修学旅行の際に寄っていただこうということで、いろいろな普及を、にしておりますけれども、全体の利用者の三分の一はそういった修学旅行生の方が全国から立ち寄って、そこでいろんな勉強をしていっていただいているというような状況でございます。
#305
○櫻井充君 奈良の場合はフリーター減っているんですか。
#306
○政府参考人(奥田久美君) ちょっとそういった情報は持ち合わせておりません。
#307
○櫻井充君 それでは、この委員会に提出してください。私のしごと館に訪れた方々がフリーターになっている割合、これは一般の人たちと比較して減っているのかどうか、つまり当初の目的を達成しているのかどうかについての資料を提出していただきたいと思います。
#308
○政府参考人(奥田久美君) 以前にもやっぱりそういったような指摘がございました。ですから、しごと館を利用して、その後その人が就職活動をし、就職をしたといった、そういった段階を時系列的にやっぱり追っ掛けていく必要があるというふうに思っておりまして、そういったような調査ができますると今の委員のような目的に沿う資料ができるのではないかというふうに思っておりますけれども、今すぐということではちょっと困難だというふうに思っております。
#309
○櫻井充君 時系列であれば、調査はされているんですか。
#310
○政府参考人(奥田久美君) 館が発足をいたしまして約四年になりますので、まだそういった調査はできておりませんので、これから実施をしたいというふうに考えているところでございます。
#311
○櫻井充君 これはだれのお金を元に造っていますか。
#312
○政府参考人(奥田久美君) 雇用保険の三事業を財源としております。
#313
○櫻井充君 三事業ですが、だれがお金の負担をしているんですか。
#314
○政府参考人(奥田久美君) 事業主負担分でございます。
#315
○櫻井充君 事業主の方はこの事業を認めていらっしゃいますか。
#316
○政府参考人(奥田久美君) この事業を実施をするに当たりまして、平成の初めからいろんな研究会をつくってまいりましたけれども、その中には企業経営者の方にもずっと入っていただいております。また、経営者団体の方にも参画をしていただきまして検討を重ねてまいりました。また、でき上がりましてからも、推進協議会という組織をつくっていただきまして、企業の方々にもそれに参画をしていただき、年に何回か実際に見ていただきながら、またアドバイスをいただき、また御意見もいただいているというようなことで、産業界からも支援をいただいているというふうに考えているところでございます。
#317
○櫻井充君 なぜ、そのものを造ったからといって、そのお金を出している方々が了解していると、なぜですか、なぜそのようなことが言えるんですか。
#318
○政府参考人(奥田久美君) ちょっとそういうふうな形で質問したことがありませんので分かりませんけれども、地元の方が中心でございますけれども、非常にいい施設だということで、是非この施設の充実を図っていただきたいという意見は強く聞いているところでございますし、利用した方々からも有効な施設だというような評価をいただいているわけでございます。
#319
○櫻井充君 それでは、そんなにいい施設であれば、全国展開されたらいいんじゃないですか。
#320
○政府参考人(奥田久美君) 施設は今一つでやっております。これをたくさん造るということは事実上困難だというふうに思いますので、そこからいろんなデータベースの利用を通じて知っていただくとか、インターネットを使って知っていただくとか、あるいは先ほど申し上げたような修学旅行の途中に寄っていただくとか、そういったような利用の促進を図ることが現実的ではないかというふうに思っております。
#321
○櫻井充君 失業者が多いのは東北とか北陸とか、そっちの方が多いんですよ。何でそういうところに造んなかったんですか。
#322
○政府参考人(奥田久美君) これを造るときの経緯をちょっと今から、大分前になりますのであれですが、調べてみますと、地元から非常に設置についての強い要望があったと。それから、ある一定の土地が必要でしたので、すぐそういった土地が提供できるというようなことで、関西学研都市がそこにいろんな施設を造るというような計画をしておりましたので、その中核施設の一つとして是非、いろんなものが関東にできますけれども、関西にも造ってほしいと、こういう要請があって、当時、関西に造るということを決断をされたというふうに思っております。
#323
○櫻井充君 東北や北海道の方々は、企業の方々はこれで恩恵を受けられるんですか。
#324
○政府参考人(奥田久美君) 国の施設といいますのは、別にこの私のしごと館に限らず、そのときの情勢に応じて最も適地であるというところに設置をされているのではないかというふうに思うわけでございます。
 東北の方につきましては、なかなか利用に際して不便であるということは重々分かるわけでございますけれども、その辺りは御理解をいただきたいというふうに思います。
#325
○櫻井充君 私はそんなこと聞いていませんよ。
 お金を出しているのは全国の経営者が出しているんですよ。全国の経営者が満足しているんですか。これ、東北の経営者がみんな満足していますか。
 じゃ、調査していただきましょう。要するに、お金を出している人たちがこれを満足しているのかどうかに対しての調査をしていただけますか。
#326
○政府参考人(奥田久美君) 実際に調査をすることは極めて難しいというふうに思います。
#327
○櫻井充君 それじゃ、なぜほかの経営者の方々が満足したと言えるんですか。先ほどのは虚偽答弁じゃないですか。
 何で首振るんですか。じゃ、分かりました。全国調査もしていないのに、何を根拠としてもって経営者の方々がこれを了としているんですか。
#328
○政府参考人(奥田久美君) 申し訳ございません。直接そういったことを調べることはなかなか難しいわけでございますけれども、雇用保険の三事業の運用につきましては、三事業運営の懇談会といいますか、を毎年開催をしておりまして、懇談会を開催をしておりまして、企業の、事業主団体の代表の方に来ていただきまして、いろんな御意見をお伺いをして運用しているところでございます。
#329
○櫻井充君 協議会の法律的な位置付けは何ですか。
#330
○政府参考人(高橋満君) 設置にかかわる法律的な根拠はございません。
#331
○櫻井充君 法的根拠のないところでだれが意見を言おうと、そういうことは全く関係なくなるんじゃないですか。それがなぜ全体の……。
 後ろで首振っているやついるけど、何なんだよ。何なんだよ。さっきからずっとそうやっているけどさ。悪いけど出ていってくれないか。こっちはね、お金の無駄遣いに関してきちんとやっているんだよ。みんながおかしいと思っているから代表者としてやっているんだよ。その態度はないんじゃないかい。こんな態度の人たちがやっているからまともにできないんだと私は思いますよ。
 いいですか、今どれだけ地方の経営者が厳しい環境にあるか分かっていますか。そのときにこんな無駄なことやってどうするんですか。目的がちゃんとあって、目的を果たしてもいない、目的の調査もしていない、そしてお金を出している人たちが満足しているかどうかも調査していないにもかかわらず、強弁してくる。しかも、法的根拠もないようなところの協議会がイエスと言ったからといって、なぜそれが皆さんの代弁者、皆さんの声になるんですか。なぜ法的根拠のないところで私的に造られているものが多くの人たちの代表の声になるんですか。法的に教えてください。
#332
○政府参考人(奥田久美君) ちょっと今の御質問にはなかなかお答えできないんですけれども、こういった私のしごと館につきましてはもっとその運営について努力をすべきだという意見はいろんなところでいただいております。私どもも、この施設につきましては十九年度から新たに三か年のアクションプランというものを作りまして、利用者の増加を図るということ、それから経費の節減につきましても更に強化をする、そういった形でできるだけ国民の負担が増えないようにといいますか、減るように努力をしているところでございます。
#333
○櫻井充君 毎年赤字でね、それから経営者の人たちが本当に今、下田先生ここでおっしゃっていたけど、経営者の人たちが今どういう思いで経営されているのか。そこの中から、わずかずつの負担かもしれないけれども、そうやってお金を出してきている。そのお金をもうちょっとちゃんと使ってくださいよ。そのことを、ちゃんと使っていればだれも文句言わないわけですよ。こうやって赤字を出して、しかも目的があって、その目的を果たしているかどうかもよく分からない。そういうことをされていて、本当に納税者が納得できるかどうかだと僕は思いますよ、言っておきますけどね。
 そして、こういうものを造っていると言うけれど、何と言ったらいいのかな、本当の意味での代表者になっているのかどうかだってよく分かんないわけですよ。ですから、皆さん、ここの中に挙げられている方々の多くが関西の方でしょう。関西の方々が評価して、良かった良かったと言うのかもしれない。しかし、ほかのところから出てきている方々がいらっしゃらない中で、だったら客観的なことは言えないんじゃないのかなと、そういうふうに思います。
 この手のことについて幾つか質問したいと思っていましたが、今みたいな形で答弁されるんであれば、はっきり申し上げて、こういう場で質疑をしていっても仕方がないのかなと思うところもあります。大変悲しいことです。
 もう一つ、昨日、予算委員会でC型肝炎のことについて質問させていただきましたので、答えられる範囲で結構でございます。
 まず一つは、昨日、八三年のときのノンAノンBに関して、要するに国はその危険性を知っていたんではないかという指摘をさせていただいたかと思いますが、このときの班会議で、古田先生という方が中心になってノンAノンB肝炎の疫学的臨床病理学的研究というのをやられております。この報告では、慢性肝炎について、ノンAノンB型が三九・八%の例に輸血を認めていると。それから、その中で、肝硬変や肝がんになっている方々が全体で二一・六%いらっしゃると。そういうことから、輸血後にノンAノンB肝炎が本邦の慢性肝炎の成因として大きな役割を果たしているのではないかと。それから、緩徐ではあるけれども、ノンAノンBというのは、肝硬変や肝がんへの進展、発生もまれではなく、より長期の経過観察が重要であると。要するに、この時点で指摘されているわけですけれども。
 この研究班の研究成果に対して厚生労働省はどういう形で対応されたんでしょうか。
#334
○政府参考人(高橋直人君) まず、研究書、古田先生のあの研究報告は、昭和五十七年度とそれから昭和五十八年度に出ておりますけれども、二十年以上前のことでございますので、当時の厚生省がどのように評価していたかは、私どもちょっとつまびらかに現在、現時点では承知しておりません。
 ただ、中を拝見をいたします……
#335
○櫻井充君 それで結構です。
 これはちょっと今日午前中にお願いした件なので、後でもう一度きちんと調べていただけますか。つまり、その当時の厚生省がどういう形で、もう資料が残っていないから分からないということであれば、それはそれでも仕方がないことですが、もう一度調べていただけますか。
 その上で、その当時のフィブリノーゲンの有効性についてはどうであったのか、どのような知見をされて有効であったというふうに判断されているのか、今その資料はあるんでしょうか。
#336
○政府参考人(高橋直人君) フィブリノーゲン製剤の承認そのものは昭和三十九年でございますので、知見そのものはそれ以前のものになります。
 ただ、これは一般的には、釈迦に説法でございますけれども、フィブリノーゲン製剤は、これは血中の凝固因子の一番最後のあれがフィブリノーゲンですけれども、これが先天的あるいは後天的にこれが欠損する、あるいは非常に減少するというものでございます。それを外から補充するということでございますので、医学的には当然効果があるというのが一般的な見解であるし、現在もそうでございます。
#337
○櫻井充君 それはおっしゃるとおりですね。
 ただし、じゃもう一つ、出産のときに、出産のときにこのフィブリノーゲンそのもの自体を使うことの有用性という研究はされていて、そのデータはあるんでしょうか。
#338
○政府参考人(高橋直人君) ちょっと今手元に、その話はまた昭和三十九年当時のお話になりますので、ちょっと今手元にデータがございません。申し訳ございません。
#339
○櫻井充君 そのデータもできればこちらの委員会に提出していただきたいと思います。その知見があったからこそ多分、保険適用になっていたんだろうと思いますが、その後どのような経過でいろんなデータが出てきているのか、厚生労働省がお持ちのデータをすべてこちら側に提供していただきたいと思います。
 つまり、もう一つ問題は、有効性がどうであったのかどうかということを議論しなければいけないと思います。その当時、確かに診断上いろいろなことがあってフィブリノーゲンを投与しておいた方が安全なんだというようなこともあったのかもしれませんが、一方で、すべての症例にそのフィブリノーゲンを投与しなければいけなかったのかどうかという判断も、これ極めて難しいところだろうと、そう思います。
 じゃ、ちょっと視点を変えて、現在では、現在ではフィブリノーゲンの有用性というのはどのように判断されているんでしょうか。
#340
○政府参考人(高橋直人君) フィブリノーゲン製剤の有効性の方は、これ、東京地裁にも一貫して有効性があったというふうに認められておりますけれども、我が国では、平成十年に効能効果はこれは先天性の低フィブリノーゲン血症に制限されていましたことから、現在は後天性フィブリノーゲン血症に対しては使用されておりません。
 ただ、ドイツあるいはオーストリアの諸外国では、これは一貫して先天性、後天性問わず、低フィブリノーゲン血症に対して、いずれもですね、低フィブリノーゲン血症に対してこの製剤は使用されている、つまり有効であるということは認められております。
#341
○櫻井充君 低フィブリノーゲン血症に対しては有効であると、これはこれで分かりました。
 では、一般の方々に対してこれは使用するかしないかという判断はどうなっているんですか。
#342
○政府参考人(高橋直人君) 一般の方々というのは私ちょっと理解がよくできませんが、普通のときには一般の方に使いません。ただ、普通の、ごく普通の御婦人がお産のときに非常に大量出血を起こして、非常に血中のフィブリノーゲンの濃度が急激に下がる、そのときにこれを使うというのが当時の使い方だというふうに理解いたしております。
#343
○櫻井充君 フィブリノーゲンそのもの自体、じゃちょっと私、確認しておきたいんですが、一九八〇年代に使用された場合には、これ大量出血があったときだけ使われていますか。
#344
○政府参考人(高橋直人君) 個々の医療の場面でございますから、それは適用外の症例というのはどれぐらいあるのかちょっとよく分かりません。そういうものはないとはとても言えないと思います。
#345
○櫻井充君 そのことについての調査というものはされているんでしょうか。
#346
○政府参考人(高橋直人君) ちょっと私もそれはやっていないというような記憶であります。
#347
○櫻井充君 要するに、そのときに、今のタミフルと同じとは言いませんが、果たして必要な方々に適切に使われていたかどうかということが極めて問題なんだろうと、そう思います。つまり、もう少し申し上げると、有効性と危険性とをはかりに掛けた場合に適切に使われていたかどうかということです。
 その点でもう一度だけお伺いしておきますが、その当時の判断として、どういう場合には有効であって、そしてどのような場合に、要するに危険性をどの程度認識されて使っていたのか、この点についてお分かりいただければ御答弁いただけますか。
#348
○政府参考人(高橋直人君) ちょっと有効性の、その使用範囲のすべてについて私、ちょっと今記憶ございませんが、これはもちろん低フィブリノーゲン血症、先天性、後天性両方です。
 それから、肝炎のリスクにつきましては、承認当時から少しずつその知見の変化とともに記載のやり方が変わっておりますが、肝炎の問題につきましては、昭和三十九年の承認当時から肝炎のそういったものが出る可能性はあるというふうな記載はずっと最初からいたしております。
#349
○櫻井充君 そうすると、もう一度確認ですが、昭和三十九年当時から厚生労働省はその感染のリスクがあるということは知っていたわけですね。
#350
○政府参考人(高橋直人君) 昭和三十九年と申しますとB型肝炎もC型肝炎もまだ解明されていない時代でございますので、漠然と輸血後の肝炎とか、そういうふうに言っていたわけであります。
 B型肝炎ウイルスがたしか発見されたのは昭和四十七年、それからC型肝炎ウイルスは昭和六十三年でございますけれども、そういった知見の変化とともに、もちろんウイルスの不活化効果、入っておりますし、そのために肝炎のそのリスクについては表示の中で書いてきております。
#351
○櫻井充君 もう一度確認ですが、ノンAノンBそのもの自体が、我々、教科書でノンAノンBと学んだ記憶があります。これが認識されたのはいつごろでしたっけ。
#352
○政府参考人(高橋直人君) ノンAノンBですから、Bの実態が分かったということで、私、ちょっと教科書で何年ぐらいから書いてあるのか子細は承知はいたしておりませんけれども、Bが発見されたのは昭和四十七年、七二年でございますから、それ以降のことであろうというふうに考えます。
#353
○櫻井充君 そうすると、もう一度ですが、繰り返しになるかもしれませんが、ノンAノンBに関して、その感染リスク、血液製剤なりなんなりを使ってノンAノンBとして可能性があるのではないかということを認識したのはいつごろになるんでしょう。
#354
○委員長(鶴保庸介君) 時間が参っておりますので、簡潔に答弁いただきたいと思います。
#355
○政府参考人(高橋直人君) ですから、フィブリノーゲン製剤については、承認当時からこれを投与した場合には肝炎が出るかもしれないということを言っております。それが正体がだんだんだんだん少しずつ、BあるいはBが分かった段階で残りはノンAノンBになりますけれども、その中でCというのがはっきり分かったのは一九八八年になりますけれども、どのものかは別にしても、リスクはあるということは、これは程度の問題は少しずつ変わっていますけれども、最初からそういうことは言ってきたということでございます。
#356
○櫻井充君 最後に、大臣にお願いがあります。
 要するに、先ほど、制度設計の違いというのはあるのかもしれないけれども、私はちょっと不公平なところがあるんじゃないかというふうに、国家公務員とですね、公務員と一般の方々と、それからもう一つは、本当に今、現場厳しい中で保険料として払っていますから、そのお金をもう少し大事に使っていただきたい、有効に使っていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#357
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今の議論ありましたので、ちょっと順番変えて、法案に入る前に薬害の問題をお聞きしたいと思うんです。
 二十三日に薬害肝炎の東京地裁の判決が出て、東京、福岡に続いて三たび国の責任が裁かれた。国の責任はこれ揺るぎないものになったと私は思っています。控訴は大臣、絶対にしないでいただきたいということをまず冒頭申し上げたい。
 それから、先ほどからフィブリノゲン製剤の有用性について議論がされていますが、これはその司法判断自体に私、疑問を持っていますけれども、東京地裁の判決が認めたのは、これはあくまで後天性低フィブリノゲン血症に対する有用性だけなんですね。判決では、そうしたごく少数の症例を超えた使用が肝炎感染を拡大させたんだということを断罪しているわけです。このことをしっかり受け止めるべきだと私は思うんです。
 その点で被害者の方というのは、国の責任があるとされた時期、投与された方だけでももう二十年。C型肝炎というのは、大体二十年、三十年で肝硬変、肝がんになっていくという経過ですから、そういう意味では大変心配な時期に今なってきているわけです。時間ないわけですね。
 やはり、解決のための時間ないわけですから、これは恒久対策を取るべきだと思うんですが、何よりも大臣はやっぱり被害者に直接会うべきだと思うんですが、先ほど弁護団の方に大臣官房の総務課からファクスが来て、訴訟にかかわらない肝炎一般対策についてならば担当者がお会いしますと、こういう回答だったと聞いています。
 何で大臣が会わないのか。これは会うべきじゃないですか。お答えいただきたい。
#358
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう私、度々申し上げておりますけれども、片方で裁判をやっている。それで裁判の争点について、片方で裁判外で当事者同士が会って何か話をしていると。これは私は、通常、混乱をする要因になり得ると、そういう懸念がございまして、したがって、この争点になっていない一般的な政策についていろいろお話を聞かせてもらう、特に患者の方々の実情をいろいろ聞かせていただく、こういうことは担当者がお相手をさせていただきたい、いただけると、こういう考え方で一貫して今日まで来ているということでございます。
#359
○小池晃君 それがおかしいんですよ。やっぱり民事訴訟の係属中でも当事者同士が直接話し合うということは日常的にやられているんです。しかも、薬害エイズにしても、ハンセン病にしても、訴訟係属中にきちっと原告団と政府が会って、政治解決やっぱり必要なんですよ、この問題は。だとすれば、担当者じゃ解決できないんですよ。やっぱり大臣が直接会って、直接その声を聞いて、大臣の政治的な決断で道を切り開かなければ解決できない問題なんだと。
 しかも、この薬害肝炎の問題というのは、訴訟だけ、それから恒久対策、切り離せない問題です。やっぱり一体の問題として考えなければ、訴訟を踏まえて恒久対策を打ち出していくということであれば、やはりきちっと協議をしていくことが最低限必要だと。会わないということを今御回答になったようですが、これ撤回していただいて、是非やっぱり直接会って耳傾けていただきたい。このことを最初に申し上げたいと思います。
 それから、続けてタミフルの問題ですけれども、医薬品医療機器総合機構に被害状況が寄せられていると聞いております。二〇〇四年、二〇〇五年の神経障害、精神障害について、十歳未満、十代、二十代以上、これ分けて示していただきたい。
#360
○政府参考人(高橋直人君) 二〇〇四年度、平成十六年度のタミフルの副作用報告のうち、精神障害の件数は十代未満が五件、十歳代が七件、二十歳代以上が四件の合計十六件でございます。また、二〇〇五年度、平成十七年度につきましては、十歳未満が五十四件、十歳代が三十六件、二十歳代以上が二十三件の合計百十三件でございます。
#361
○小池晃君 神経障害についても。
#362
○政府参考人(高橋直人君) 神経系障害の方は二〇〇四、平成十六年度の件数は、十歳未満が六件、十歳代が七件、二十歳代以上が十八件の合計三十一件でございます。二〇〇五年度、平成十七年度につきましては、十歳未満が十六件、十歳代が十七件、二十歳代以上が三十七件の合計七十件でございます。
#363
○小池晃君 結局、今の数字をお聞きすると、二〇〇四年は全体で四十六件で、うち十代は十四件だけなんです。それから、二〇〇五年は百八十三件ですが、十代は五十三件だけなんです。
 今日、資料の三枚目にお示しして、二〇〇五年の精神障害の部分だけに限った数字を、表を配っておりますが、先日、局長は経験的なデータから見て十代にまず集中して考えようというふうに述べられたんですが、実態で見ると十代よりやっぱり十歳未満の方が多いわけですね。これを見れば、やはりその前提、十代に限って検討するという前提崩れているんじゃないですか。
#364
○政府参考人(高橋直人君) 十歳未満の方は、これはもちろんインフルエンザによる死亡あるいはその重篤性という、そこのリスクとベネフィットのバランスだというふうに考えております。ですから、インフルエンザの死亡率を見ても、過去五年ですともちろん十歳未満の死亡率が非常に高いということでございまして、そういった面。
 それからもう一つは、二月の末に投与開始後から二日ぐらいは保護者の方はよく見てくださいというお願いをしておりますけれども、それは今回の緊急安全措置の中にもそれはまた同様に強く警告のレベルを上げて入れておりますので、そういった意味では周りのケアがあるというふうに理解をいたしております。
#365
○小池晃君 いや、説明変わっているんですよ。この間、十代になぜ限定するかといったら経験的なデータで十代が多いからだと、だから十代だと言ったけど、今答弁は十代はリスク、ベネフィット考えて十代だと言ったんだと言っているわけですね。
 いろいろおっしゃるけど、やっぱり十代の使用制限というのは、もう世間はそう思っていますよね。やっぱりこれ十代だということで線を引くんじゃなくて、何度も何度も、これで三回目ですが、言っているように、考え方でやっぱりハイリスクグループに使用しない、十歳で切るということにやっぱり根拠ないんですよ。そのことを踏まえて、これ緊急対策についても見直しをすべきだというふうに思います。
 しかも、この過去のデータを精査するというふうにおっしゃっている。これいつまでも待てないと思うんですね、千八百件の。これは一体いつまでに結論を出すんですか。
#366
○政府参考人(高橋直人君) 一千八百件の、これはタミフルの副作用報告の件数全体でございます。ですから、過去これまでの全部でございますけれども、それは元々最初に医療機関あるいはメーカーの方から原票で上がってきまして、それをデータベースに打ち込んでいきますけれども、私どもとしてはその原票に立ち返ってもう一回一枚一枚見ていくということでございます。ただ、元々内部疾患系の副作用が多うございますので、そういった意味で作業にはそんな手間取らないだろうというふうに考えております。
 一枚一枚のその作業がどれくらい掛かるかはちょっと今、私、今はっきり申し上げませんけれども、できれば四月の上旬にはそういったものをまとめて一回、審議会で御議論いただきたいというふうに考えております。
#367
○小池晃君 医薬品機構の方では、これまで異常行動による転落の犠牲者あるいは突然死の場合については、これは副作用救済給付については不支給という決定をされているようです。これは一体なぜですか。
#368
○参考人(山田耕蔵君) タミフルが原因薬の一つとして含まれ、これまで肝機能障害あるいは薬疹等の健康被害を受けて救済給付の対象になった事例がございます。一方で、異常行動及び突然死がタミフルと因果関係があるとして給付金の支給を行ったケースはございません。
 医学的、薬学的判定につきましては、私どもの方で厚労省の判定部会の方に申出をしております。その結果も踏まえて今申し上げたようなことでございます。
#369
○小池晃君 大臣、被害者の方々はこの不支給決定を撤回して速やかに支給してほしいという要望も出しておられるんですね。
 因果関係について否定的だと、これは先々週ぐらいまではそう言っていましたよ。しかし、それは見直すと、やっぱりこれ撤回すると。方針変わってきているわけですよ、明らかに。やはり、今までのこの因果関係否定的という見解を見直すのであれば、これはやっぱり当然、救済給付の対象にしていくべきではないかというふうに考えますが、大臣、いかがですか。大臣、大臣。
#370
○国務大臣(柳澤伯夫君) まだ、要するに否定的ということはまだ変わっていないんですね。その否定的ということが正しいかどうかということを再度チェックするということを今我々は考えているわけであります。
#371
○小池晃君 だから、その結論が変われば、もちろんこの救済給付の不支給という決定についてもこれ見直しということになりますねということを聞いているんです。大臣、大臣。
#372
○政府参考人(高橋直人君) そこはちょっと一般的な因果関係と個別のケースをちょっと区別しなければいけないと思いますけれども、それは今審議会でこれから議論を始めるのは一般的なその因果関係の見直しです。それから、救済給付関係のものは、そういうものの知見が変わった場合に更に個別にどうかというものが審査が入るということでございます。
#373
○小池晃君 そんな仕組みのことを聞いているんじゃない、政治の問題として聞いているんですよ。やっぱり今まで因果関係がないということで不支給になっていたんであれば、もし因果関係否定的となれば、これは個別のケースがどうなるか、それはもう個別にあると思いますよ。しかし、基本的にはその因果関係がないということが、変更されたら当然見直すことになるんじゃないですか。その点について大臣にお聞きしているんです。当然見直すでしょう、それ。
#374
○国務大臣(柳澤伯夫君) そういうことでこの因果関係についての評価が変更されるということになれば、それはその段階で適切に対処するということでございます。
#375
○小池晃君 これは当然のことだと思うんです。
 それから、天下りの問題を前回、私、質問しました、厚生労働省から中外製薬に。大臣は利害関係が判断をゆがめるようなそうした事態というのは断固避けなければならないと答えて、これは私、全くそのとおりだと思うんです。だとすれば、やっぱり二年たってから行ったから、法律守っているからいいというんじゃなくて、やっぱり厚生労働省の官僚が在職後に製薬企業に天下りする、これは大臣、好ましいことではないという認識をお持ちですよね。
#376
○国務大臣(柳澤伯夫君) この問題は、今正に国家公務員の制度の問題としてこういうことを一体どういうふうに変えていくかということについて正に今検討をしているという段階でございます。
#377
○小池晃君 いや、私はそういう天下り一般の、今は一般論として言っているんではないんですよ。やっぱり薬害ってもう立て続けに問題になってきている。正に、薬害エイズのときにミドリ十字の問題、まあミドリ十字はフィブリノゲンも。全部天下りの構造があったわけですね。それがやっぱりこういった薬害の温床になってきたんじゃないかということはずうっと言われている。だから、私は、全体としての国家公務員の天下りの問題とは別に、やっぱり厚生労働省で特に薬務行政にかかわってきたような人たちが、二年間のクーリングオフがあったにしろなかったにしろ、やっぱり製薬企業に入っていくというような構造自体を見直していく必要があるんじゃないかと。
 これ全然問題ないと思いますか。その点についてちょっと大臣の認識言ってくださいよ。だって、断固として利害関係がゆがめるようなことあっちゃいけない、断固としてとおっしゃったんだから。
#378
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、国民の立場から見て、薬剤の安全性というものがもう何よりも大事だということについては、もう度々はっきり申し上げております。
 問題は、厚生省に勤めた方がそういう製薬メーカーに一つのルールに基づいて再就職をするということが、即国民の薬剤に対する安全性を揺るがすようなことになるのかと。私はそこにはいろんな要素があるだろうと思っておりまして、二つの事象を直結して考えるという考え方を取るかと言われれば、私はかなりそこにはまたいろんな要素が介在して、チェックをしなければならない、そういう事態だろうと、このように考えます。
#379
○小池晃君 もし現実にゆがめていたら、それはとんでもないことなんですよ。そんなこと絶対にあっちゃいけないんですよ。問題は、そういった疑いを抱かせる行政に対する中立性、公正性を、信頼を損ねるような行動を取っていいのかということが問われているんじゃないですか。当然ですよ、もし天下った人が行政の中身を実際にゆがめているとしたら、そんなのは重大問題ですよ。それは当然のことなんです。そうではなくて、やっぱりそういう疑いを少しでも国民に持たれるようなことについてはやっぱり正していく、特に薬害、薬事行政、本当にこの間、問題になってきたわけじゃないですか。
 そういったことに対して、やっぱり一定、見直しが必要ではないかという、そのくらいの認識もお持ちでないの。
#380
○国務大臣(柳澤伯夫君) もちろん、そういう事態を避けなければならないということは私ももう全く同じ立場なんですね。ただ、それが今直ちに、そのOBの人が製薬メーカーに第二の職場を求めるということが即そういう事態であるかということについては、私はそこにいろんな条件があるんだろうというふうに考えているということでございます。
#381
○小池晃君 そういう姿勢ではやっぱりこの構造を変えられないと、私、思います。
 中外製薬から自民党の政治資金団体である国民政治協会に対する政治献金、九三年から二〇〇二年までの十年間だけでも四千七百十一万円、私どもの調査で出てまいりました。公的医療保険をその収入源として命と安全性にかかわっている製薬企業からの献金というのは、私、重大問題だと。やっぱりこういう構造自体を本当に大本から見直す必要があるということを申し上げておきたいと思います。
 続いて、雇用保険法案の問題ですが、最初に雇用対策予算の現状についてお聞きをしたい。
 貧困と格差の広がりに対して国の責任を果たすべきなんですが、来年度は国庫負担を千八百億円も削減するということで、到底容認できません。
 ここでお聞きしたいのは、そもそも雇用対策費というのが予算全体に対してどれだけの規模を持っているか。局長、厚労省一般会計の〇七年度の雇用対策予算額と、うち雇用保険の国庫負担額、国庫負担を除く雇用対策費はそれぞれ幾らか。政府の一般歳出全体に対する比率も併せてお答えください。
#382
○政府参考人(高橋満君) 平成十九年度予算におきます厚生労働省所管の雇用対策関係予算でございますが、全体、一般会計分といたしまして二千三百十九億円でございますが、このうち雇用保険の国庫負担金が一千八百四十六億円、それからこの国庫負担金を除きます雇用対策費が四百七十三億円というふうになってございます。
#383
○小池晃君 一般歳出全体。
#384
○政府参考人(高橋満君) 政府の一般歳出全体に占める比率のお尋ねでございますが、ちょっと手元には数字がございません。
#385
○小池晃君 それは通告してあるよ。
#386
○政府参考人(高橋満君) 大変申し訳ございません。
 国の一般会計歳出に占める割合でございますが、先ほどの二千三百十九億円は、国の歳出全体に占める比率として約〇・二八%ということでございます。
#387
○小池晃君 それだけじゃなくて、国庫負担を除く雇用対策予算の比率は何%ですか。
#388
○政府参考人(高橋満君) 雇用保険の国庫負担を除く額四百七十三億円の占める割合は〇・〇五七%でございます。
#389
○小池晃君 本当にわずかなんですよ。雇用対策費というのは、雇用保険に対する国庫負担を除くとわずかに四百七十三億円です。これは失業率五%だった〇三年時でも五百三十億円。ずっと低い額で推移してきて、今年最低になっている。
 大臣、日本の就業者のうち雇用者というのは八五%を占める五千四百万人なんですね。その労働者一人当たりにすると、雇用保険の国庫負担を除くと雇用対策予算というのはわずか年間八百七十六円ということになるんです。これで胸張って万全を期していると言えますか。
#390
○国務大臣(柳澤伯夫君) 雇用対策にせよほかの何か対策にせよ、どういう財政措置が一番それに適しているかということを考えるわけです。
 ですから、例えば中小企業の予算、これはもう非常に少ないではないかと、こういって言われるわけですけれども、中小企業対策というのはやっぱり融資だとかそういうことでやる方がいいという価値判断があるわけですね。雇用対策についても、先ほどそれを、雇用保険特会の数字なぞを除いて一般会計歳出ではどうかという御質問をなさっているわけですけれども、やっぱりこれは雇用保険を含めてどういう雇用対策を打っていくかということを考えるということになりますから、その対策予算あるいはそうした特別会計を通じて行われる施策は除外してというようなことで論ずるというのは少し偏りがあると私は思います。
#391
○小池晃君 いや、どんどん雇用保険の国庫負担削っているからこういう数字でいろいろ示しているだけじゃないですか。
 それは、雇用保険に対する国庫負担だって大事な国庫支出だと思いますよ。しかし、もうこの間どんどんどんどんそれを削っているわけですから、そんなに何かむきになって胸を張るような話じゃないんじゃないですか。全体としては本当に貧弱なんですよ、やっぱり厚生労働省といっても。厚生省の中で労働省は本当に予算規模としても小さいわけでしょう。これは現実なんですよ。やっぱり雇用予算、本当に全体としては少な過ぎる。
 しかも、今回の雇用保険への国庫負担削減の理由としては、積立残高が増加して財政状況が良くなっていると言っているんですが、何でそうなったのかというのを今日、資料の一枚目にお配りをしております。
 これ前回、〇三年の雇用保険の改定で保険料を三千億円引き上げ、給付を四千百億円カットいたしました。これ私たちは、求職者、労働者と失業者の両方に深刻な打撃を与えるということで反対をいたしましたが、前回改定の結果どうなったのか示しているのがこの一枚目の表です。
 これ改定前と後で比べると、雇用保険の受給実人員は、年平均失業者全体の三二・一%から二一・三%に、実数でも四十万人減となっています。給付日数が大幅に削減されましたから、二〇〇〇年には百八十日以上が六二%、これが〇五年では二五・四%と半分以下になっている。逆に、百八十日以下の給付が三八%から七四・六%に二倍になっている。受給者の大半が半年以内という、こういう構造になっているんですね。この間というのは正にリストラが吹き荒れて、有効求人倍率も年平均〇・五から〇・六という大変厳しい時期だったわけですが、全体の給付が削られた。
 局長、もう簡単でいいです、余りのんびりしゃべらないで。
 給付対象をカットして給付日数を大幅にカットした結果、特別会計が大幅に黒字になってきた、そういう経過であることはこれ間違いないですね。
#392
○政府参考人(高橋満君) 基本的には、雇用失業情勢が改善をしてきているということが非常に大きな背景事情としてあるということと同時に、確かに御指摘がございました平成十二年の改正、平成十五年の改正といったような面から見た制度改正の影響ということも決して否定はできないというふうに受け止めております。
#393
○小池晃君 それが一番大きいんですよ、この財政について言えばね。雇用保険財政は潤ったかもしれないけれども、失業者はセーフティーネットからどんどんはじかれていると、こういう現実が生まれているわけであります。
 引き続き、その雇用保険の今の実態についてお伺いしたいんですが、日本の労働者の失業者のセーフティーネットというのは雇用保険だけです。ヨーロッパのように失業扶助などの制度がない。だからこそ、できるだけ広く加入してもらう必要があるわけです。
 ところが、働いている人のかなりの部分が雇用保険に加入すらしていない、そういう実態があるのではないか。前回の質問で、急速に広がるネットカフェ難民の問題、日雇派遣の実態も紹介いたしまして、フルに働いても社会保険に入れないという実態があるということを指摘をいたしました。
 局長にお伺いしたいんですが、日本の雇用者の中で公務員等除外される人、これを除いて雇用保険に加入していない雇用者、労働者というのは一体どれだけいて、雇用者の中に占める割合はいかほどのものか、お示しいただきたい。
#394
○政府参考人(高橋満君) 雇用者全体で平成十七年五千四百七万人というのが労働力調査のデータでございますが、このうち雇用保険の適用除外になっております会社の役員、六十五歳以上の者、それから公務員、それらを除きますと四千五百十五万人というふうに計算されるわけでございますが、これと被保険者数が三千五百十四万人でございますので、約八割のカバーということになろうかと思います。
 ただ、この残り二割の方については、例えば学生のアルバイトであるとか、週所定労働時間二十時間未満の方であるとか、一年の雇用見込みがない労働者等々が考えられるわけでございますが、と同時に、本来適用されるべき方でされていないと、何らかの事由で未適用になっているという方たちも当然あり得るわけでございますが、その人数がどれくらいかということについては必ずしも十分な数値を把握はいたしておりません。
#395
○小池晃君 今お話があったように、今日、資料の二枚目に入れておりますが、これが厚労省が作ってもらった表なんですけれども、大体一千万人雇用保険加入していない人がいる。今答弁でもお認めになりましたように、この中には雇用保険に本来入るべき資格を持っている人もいるはずなんですね。
 ところが、今の答弁では、そういう人がどれだけいるのかというのは把握していない。私は、非正規雇用とかフリーター問題、大きな問題となって、そこから抜け出せないということが格差固定化しているという、大問題になっている。そういうときに、雇用保険未加入者の状況が正確に分かっていないというのは余りに問題だというふうに思うんです。
 ちょっと詳しくお聞きしたいんですが、こうした未加入者の中には、いわゆるマルチジョブホルダーと言われている人、あるいは個人請負契約などの方も含まれると思いますが、そうした実態は調査しているんですか。
#396
○政府参考人(高橋満君) 今のお答えをいたします前に、本来適用されてしかるべき方で適用されていない方の場合、これは労働者の御本人から申立てをいただければ、公共職業安定所におきまして被保険者資格を確認するなどの適切な対応を図っておるところはまず御理解いただきたいと思います。
 それから、マルチジョブホルダーでございますが、これ、統計的には平成十四年の就業構造基本調査というものである程度数が把握できますが、雇用者のうち副業がある者であって副業も雇用である者、これが約八十一万人というふうに調査の結果が出ておるわけでございまして、雇用者全体に占める比率としては一・五%というふうに承知をいたしております。
#397
○小池晃君 個人請負は。
#398
○政府参考人(高橋満君) 個人の業務請負の人数でございますが、これにつきましては特段の把握はいたしておりません。
#399
○小池晃君 今あったマルチジョブホルダーと言われるような幾つものパートを掛け持っているような労働者、あるいは日雇派遣、実際は雇用されているにもかかわらず、契約だけ個人請負にされている人々等々、実際には働いていながら、雇用者でありながら、毎日毎日働いていながら雇用保険の枠外に置かれている人が急速に増えていると言われています。このマルチジョブホルダーの問題は衆議院の審議でも問題になって、答弁では見守っていきたいというふうな答弁だったんですが、これは見守っているだけじゃ駄目だと思うんですよ。
 局長、やっぱりこういうその実態、マルチジョブホルダーと言われる人たちの実態、あるいは個人請負契約の労働者の実態、特別な調査が必要だと思いますが、いかがですか。
#400
○政府参考人(高橋満君) マルチジョブホルダーにかかわります適用の問題、大体どれぐらいいるかというのは先ほどお答えしたところでございますが、ただ、マルチジョブホルダーの方を、それぞれの就業が雇用保険の適用の範囲を下回っているような、適用されないような働き方の場合、これをどう扱っていくかという大変難しい問題があると。一つは……
#401
○小池晃君 だから、調査するかしないかと言っているんです。
#402
○政府参考人(高橋満君) ここについては、我々、結局、調査の問題以上に、制度として失業というものをどうとらえていくかとか、あるいは給付をどうやっていくかとかという制度の設計の考え方にかかわる話でございますので、これは引き続いてやはり検討をしていくべき課題というふうに思っております。
#403
○小池晃君 実態分からなきゃ設計なんかできないでしょう。調査しなきゃ設計なんかできないでしょう。さっきから言っているんだから、実態把握していないって。だったら調査ぐらいしたらどうなんだと。今こういう働き方が大問題にもなっているときなんだからね。
 大臣、調査ぐらいするべきじゃないですか、やっぱりこういう実態広がっている、社会問題にもなっているんですから。大臣、いかがですか。
#404
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど、平成十四年の就業構造基本調査で、ある程度数字を把握しているという御報告、御説明を申し上げましたけれども、そうした調査の機会に、より重視をした姿勢でこの調査に臨んでいくということは考えることであると、このように思います。
#405
○小池晃君 どういう重視をするのか見守っていきたいというふうに思います。
 私たち日本共産党は、これまでも、この学卒者、フリーターなどの職業訓練の問題、そのときに生活保障をすべきだということを提起してまいりました。やっぱり非正規の若者などの多くが実際には雇用保険制度の枠外に置かれている方が多い。しかし、政府の今までの見解というのは、雇用保険の被保険者でない人に雇用保険財政から給付することはできないんだということで、これ、突っぱねられてこられました。
 私は、やっぱりこういう若者の今のそのいろんな多様な働き方を強いられている人たちに対して、きちっとやっぱりスキルアップをしながら生活を保障していくという、そういう枠組みをつくるとすれば、やはりその必要な施策をやっていく上で、雇用保険財政という枠組みだけではなかなかできない部分があると。やっぱりそこについては新しい枠組みを考えていくようなことが必要なんではないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
#406
○国務大臣(柳澤伯夫君) 現行制度でどういうことがあるかということをまず申し上げますと、ハローワークでこの受講あっせんを受けた者に無料で公共職業訓練を実施しているわけですが、同時に、雇用保険受給者以外の低所得世帯に対する教材費等の支援として技能者育成資金の貸付けもありますし、生活費等の支援としては生活福祉資金の貸付けといったものがございまして、こういうことで支援をすることができると。さらに、平成十九年度からは年長フリーター等を対象として職業訓練コースを開発しまして、一部、土、日、夜間の訓練を実施することによって、このような方々が訓練を受講し、生活と両立させるという意味でそうしたことが容易になる環境を整備することといたしております。
 ですから、今後とも、このような制度の周知に努めて、もっとこうした支援について活用してくれる若者が出てくれるように積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#407
○小池晃君 今の枠組み一歩も出ない答弁ですよね。フリーターをなくすというんだったら、やっぱり雇用対策予算そのものを大幅に増額することが必要だし、再チャレンジといいながら、フリーター二十五万人常用化プラン、この予算は昨年の二百二十四億から二百十八億に減らしているわけです。その上、雇用保険の国庫負担を削減する、正に逆行であり、言語道断だと私は思います。
 それから、今回の法改正の重大な問題点として、これまで六か月の被保険者期間で給付資格が得られていたものを、離職理由によって差別化する、自己都合の離職者を一年にする、この理由、何ですか。簡潔に、局長、答えていただきたい。
#408
○政府参考人(高橋満君) 短時間労働被保険者とそれ以外の被保険者について、もう既に給付面で差異がないわけでございますが、今回、この区分を撤廃をするということに伴いまして、受給資格要件も一本化することといたしたわけでございます。
 それで、一本化するに当たりまして、公労使三者構成の労働政策審議会におきまして種々御議論をいただいたわけでございまして、その結果といたしまして、一つは循環的な給付や安易な離職を防ぐことが重要であるということ、それから解雇、倒産の場合など、労働者が予見できない失業については配慮する必要があることといったような観点から、解雇、倒産等による離職者については受給資格要件六か月、自己都合等によります離職者は十二か月とされたことを尊重して、今回御提案を申し上げているということでございます。
#409
○小池晃君 資格要件を一年にすると安易な離職にならないという根拠は何ですか。
#410
○政府参考人(高橋満君) これは考え方として、そういう循環的な給付であるとか安易な離職を防ぐことが重要だということを踏まえて、解雇、倒産等による離職者が六か月との対比の中で、自己都合等について十二か月に設定をしたというものでございます。
#411
○小池晃君 根拠全く示せない。
 元々、自発的離職には給付制限期間三か月というペナルティーあるわけですね。安易な離職を防ぐというんであれば、このためにやっていたわけで、この給付制限だけで十分安易な離職というのは防げるんじゃないですか。
#412
○政府参考人(高橋満君) 給付制限は給付制限という制度の一つの目的、考え方があるわけでございまして、基本的に、雇用保険の基本手当というものを支給する対象としては、やはり非任意性のある離職であり、その保護をすることが社会的にも必要だと判断されるケースについて雇用保険が給付を行うと。
 ただ任意的、それとの対比で任意的な離職である自己都合につきまして、その後の失業状態が継続する中で保護の必要性も出てくる。そういう中で、この非任意的なものとの調整という観点で給付制限制度というものが設けられておるというものでございます。
#413
○小池晃君 全く説明になってないと思うんですね。
 前回の給付の見直しの際に、給付制限に加えて、これは離職理由によって給付期間の差別化したわけですね。今回、さらに資格要件まで差別化する。六か月で得られていた要件が十二か月になることは、これは正に不利益な扱いになるわけです。
 具体的にお聞きしますが、昨年度の自己都合離職者で、被保険者期間が六か月から十二か月という人は何人いますか。
#414
○政府参考人(高橋満君) 平成十七年度の平均の基本手当の受給者実人員六十二万七千八百三十七人のうち、被保険者期間が一年未満で離職理由が自己都合、重責解雇、本人の責による解雇である者の人数は、二万二千四百五十五人というふうになってございます。
#415
○小池晃君 不利益な扱いをされる失業者、二万人以上いるわけです。
 社会保険制度の制度改定に当たって、突然、受給が減るというのはあるかもしれないけど、受給資格が喪失する、突然、受給資格が喪失する、こんな不利益を被る改定を行ったこと今までありますか。
#416
○政府参考人(高橋満君) 例えば、雇用保険制度の中に関して申し上げますと、平成十五年改正の際、高年齢雇用継続給付の受給資格要件を見直したわけでございますが、この場合におきまして、従来の六十歳時点の賃金の一五%以上の低下に対して、これを二五%以上の下がった場合という形で給付を行うという例がございます。
 あと、あえて申し上げますれば、老齢年金の支給開始年齢の引上げというものも、ある意味ではそうした面もあったかというふうに承知をいたしております。
#417
○小池晃君 あのね、給付が減るとか減らないじゃなくて、全く受けられなくなるという改定ですよ。しかも、年金の場合は、年金の引上げだって我々は大反対だけれども、でも、何年も時間掛けて始めて、で、毎年一年ずつ上げていくというふうなことをやっているわけでしょう。ところが、今回、これは十月からもう失業手当、今まではもらえていた人がもらえなくなるわけですよ。私は、こんな乱暴な不利益な扱いをしたというのはいまだかつてないんじゃないだろうかというふうに思うんですよ。乱暴過ぎる。しかも、一年未満の自己都合の離職の場合でも、これはやむを得ない離職というのはあり得るわけですね、実態として見れば。二万を超える離職者、これが安易な離職だとでも言うのか。
 私は、受給資格の要件を一年にするに当たって、こういう今回、受給資格を失う可能性のあるような人の実態について検討を行ったんですか。
#418
○政府参考人(高橋満君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、十七年度の受給者実人員の中で一年未満で自己都合での離職をされた方というのは先ほどの御紹介をしたような数字であるわけでございますが、もちろん、この方たちがすべて正当な理由がある、あるいはないというふうに、あるいは安易な離職云々というふうに考えているわけではございませんが、先ほども申し上げましたように、制度のありようとして循環的な給付であるとか安易な離職を防ぐということが重要であると、こういう制度的な要請というものを重視したと、尊重したというものでございます。
#419
○小池晃君 全然、駄目ですよ。
 衆議院の審議でも、正当な理由のある自己都合離職については資格要件を六か月とするよう省令に書き込むという答弁もあるようですが、正当でない自己都合離職というのはどういう離職なのか、その判断というのは一体だれがどうやってするんですか。
#420
○政府参考人(高橋満君) 受給資格の認定をいたします場合、その前段として事業主が離職証明書というものを作成をいたして提出するわけでございますが、そこの中に離職理由というものが書かれておると。これについては労働者本人が同意しているか否かを確認する押印欄を設けて、両者で争いがなければそれで確認できると、こういうふうに措置をいたしているところでございますが、ただ、この離職証明書を基礎として労働者に交付されます離職票を持って安定所に来所をされました場合に、その時点で離職理由に、事業主が記載した理由とは実は違うんだと、こういうことで異議があるという形で申出をいただいた場合には、それは事業主、また求職者、両者に具体的に離職理由を再び聴取すると同時に、必要な場合には申立て内容に応じた調査を行うなどして、その判定を客観的かつ適正に行っておるところでございます。
#421
○小池晃君 大臣は答弁で、雇用保険というのは離職をしたときにその後の生活をある一定期間助けてもらうということと述べておられるんですが、私、失業給付というのは失業時の生活保障だけじゃないと思うんですよ。これは再就職するための能力開発、あるいは就職促進給付もある。
 で、同じ期間、被保険者でありながら、離職理由によって生活保障だけでなくて再就職の権利、スキルアップの手段まで奪われる、こういうことが許されるんでしょうか。
#422
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう先ほど来、度々職業安定局長が御答弁させていただいているとおり、要するに、失業等給付はやはり予見できない失業を保険事故として、保険金としての給付が払われると、こういうことでありまして、そうではない、自分で自発的な、あるいは任意の離職ということになれば、それはそれで自ら備えることも可能だということから、保険事故とこれを見ないという制度の立て方というのは十分あり得ると私は考えます。
#423
○小池晃君 一体、雇用保険というのは何なんだと。今の大臣のお話だと、自己都合離職者というのはこれは給付対象にならなくたってやむを得ないと言わんばかりの話ですよ。これはおかしいんですよ。
 やっぱり、自己都合ったって、例えばリストラの最中だって自己都合離職というのは出てくるんですよ。あるいは、経営状態によってこれ、職場の労働環境変わったらばその環境では長く働くことができないと、もう苦渋の判断するっていう場合だって自己都合。あるいは、上司との人間関係が悪くなって辞職する、そういう場合だって自己都合。どこまで踏み込んで正当な自己都合なのかどうか。こんなこと行政がそもそも判断できるんですか、大臣。
#424
○国務大臣(柳澤伯夫君) いやいや、私が申したのは、自己都合だったら保険金を払わないということまで言っているわけではなくて、それは解雇、倒産等による離職者とはおのずから違うことになるということを申し上げたつもりでございます。
 やはり、それを小池委員は、これから雇用というものが流動化するわけだから、その間に例えば教育訓練を自ら選択するということもあり得るんだからそういう制度設計をしたらどうかと、こういう観点からの御質問だと思いますが、そうであれば、それはやはり本当に制度設計を根本から見直すということの中で、一つの課題としてそれを受け止めてこれから取り組んでいくことだということになろうと思います。
#425
○小池晃君 余り分かってもらえないような感じなんで困っちゃうんですが、ちょっと具体的な事例で聞きますけど、ちょっと別のケースで、期間工の場合の問題ですよ。いすゞ自動車の工場で昨年三か月の有期雇用で働いていた労働者が、たまたまその後二か月、三か月、合計八か月って、そういうことになった。直前まで延長するかどうか分からない、そんなケースですよ。
 そもそも、期間工と呼ばれる労働者というのは、これは最初から更新は予定されない。それでも、工場の生産計画によっては引き延ばされたりするわけです。半年どころか本当はずっと働きたいんだけど、打ち切られる。局長、こういう労働者の場合の雇用保険の資格要件というのは、これは今度の仕組みではどうなってくるんですか。
#426
○政府参考人(高橋満君) 期間雇用につきましてのお尋ねでございますが、考え方として、労働契約の更新のある旨明示されていない場合にありましても、離職時点において労働者本人より、一年を超えての雇用契約の更新の見込みについて事業主から何らかの約束があった旨の申出があった場合については、これは事業主側にも確認の上、両者の申立てのそごがないと判断できる場合には、契約更新の明示があったものとして同様に取り扱う、すなわち解雇、倒産等と同じものとして取り扱うと、こういうものでございます。
#427
○小池晃君 これまでだったらば、半年以上働いたら受給資格がある。職安に行けば、受給申請やって次への再就職相談もできる。しかし、差別化されれば職安に行っても給付が受けられるかどうか分からないということになるわけですね。
 大臣、私、今有期雇用の主流というのは三か月なんかになってきてるわけですよ。労働者がやっていることは実際はもう基幹的な業務で、一般の、期間の定めのない労働者と全く同じような仕事をしていながら二か月、三か月の有期労働契約結ばれている。本来であれば、こういう本当に合理性のない有期雇用については規制するような国のルールが私は必要だと思うんですね。
 今回の仕組みで、雇用保険制度において労働時間にかかわらず一本化する、これはいいことだと思うんです。しかし、だったらば何で、それならだれでも、短期の労働者であろうが長期の労働者であろうがだれでも安心して給付ができるようにすればいいわけで、その中で非自発の離職者にはより厚い対応すると、こういう仕組みにすればいいわけで、何でそういう仕組みに仕立て上げていかないんですか。
#428
○政府参考人(高橋満君) 給付日数にかかわっては、特定受給資格者についてとそれ以外とでは異なっておるというのはあるわけでございますが、今回、被保険者資格の統一に伴って受給資格要件を一本化するという際に、どういうふうに考えていくか、どのように設定していくかということでございまして、そうしたことにつきまして、先ほど来御答弁申し上げているとおり、この点について労働政策審議会において様々御議論をいただいた結果、御提案申し上げているような内容で御理解を賜りたいということでございます。
#429
○小池晃君 労働政策審議会というのはあくまで審議会なんで、国会が最高機関なんで、労働政策審議会で決めたからこれでいくんですって、それじゃ説明になっていないんですよ。
 やっぱり私は、こういう受給資格そのものを奪うというような乱暴なやり方というのは、これは大変問題が大きいというふうに思いますし、やはりそういった点では受給資格というのは一本化していくと、労働時間にかかわらず。非自発であれば、そこのところは給付の内容で対応すればいいというふうに思っております。一本化するからといって不利益が生じる、今までよりも利益が後退する、不利益変更になる、こんなことを出すような改悪というのは私は絶対に許されない。再チャレンジ社会だというふうに言いますけれども、失業者が再チャレンジする権利がはっきり言ってこの二万人については奪われるわけですよ。こういう改悪は断じて認められないというふうに申し上げたいというふうに思います。
 それから、雇用に関連して、ちょっとこれは通告していない、今日起こった事態なんですが、東京労働局が日雇派遣最大手といわれるフルキャストに対して、派遣法で禁止されている警備や建設などの業務にアルバイトを派遣して業務改善命令出したというふうに言われている。しかも、これ全国五十三支店でやっていたというので、明らかに故意ですよね、これは。建設と警備ですからね、だれが見たって分かる。これは大問題だと。
 元々、私はそもそもそういう警備業者やあるいは建設業者がフルキャスト、まあフルキャストは悪いですよ、フルキャストに問題あると思いますよ。しかし、明らかに派遣法で禁止されている警備業者やあるいは建設業者からフルキャストに派遣を求めること自体が大変問題なのではないかと私は思うんですよ。
 大臣、これ細かい話じゃなくて、フルキャストに対する厳正な対応というのはこれもちろんです。しかし、やっぱり発注する側を取り締まる、こういう仕組みを作らないとこれはいけないんじゃないですか、今回の事案を見ても。大臣、いかがでしょうか。
#430
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは派遣法で、要するに派遣をする業者としての私ども規制を掛けているわけでありまして、これに基づいて今回のような適用除外業務への派遣を行うということがあれば、それは改善命令をするということもその枠内で可能になったということであろうと思います。
#431
○小池晃君 それはもうやっていることなんです。
#432
○国務大臣(柳澤伯夫君) その上で、今度はいわゆる派遣先の方をどうするかという問題については、もう度々ここで議論をしているわけでございますけれども、それらについては一定の今手続の中で行政の処分が行われるという仕組みの下にあるということでございます。
#433
○小池晃君 派遣先に処分が行われないじゃないですか。こういうふうにもう明々白々ですよ。間違っちゃいましたという話じゃないでしょう、故意でやっている。これに対しても何もできない、そういう仕組みでいいのかということですよね。
 この派遣、偽装請負の問題も含めてですが、キヤノンの問題、これキヤノンの偽装請負は社会問題になっています。
 これ厚労省にお聞きしますが、キヤノンに対してはいつ是正指導を行ったんですか。
#434
○政府参考人(高橋満君) 個別の企業にかかわります監督の状況に対するお尋ねでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#435
○小池晃君 もうマスコミみんな出ているのに、これ言えないわけでしょう。だから、こういう問題なんですよ。こういう受け入れた側の企業に対しては物も言えない、腰が引けている、これが今の労働行政なんですよ。これでいいのかということが本当に私、真剣に問われていると思うんですよ。
 キヤノンの問題も昨年七月に大々的にマスコミに出た。しかし、キヤノンの現場では実は法律違反だということを認識しながら偽装請負をやっていた。
 これは私ども入手したマル秘扱いの文書なんですが、これタイトルは外部要員適正管理の手引と書いてある。発行は〇六年の二月なんです。中に何て書いてあるかというと、現在、キヤノンで働く総要員の三分の一は派遣労働者と請負労働者ですと、派遣労働者、請負労働者の活用の機会は今後更に増してくると思われますと。さらに、この中には、偽装請負は違法であり職業安定法によって罰せられる、派遣先が一年を超えて派遣を受け入れる場合は直接雇用の申込みを行わなければなりませんとちゃんと書いてあるんですね。これを〇六年の二月にキヤノンはちゃんと出しているんですよ。
 法令遵守だといいながら、実態としては、ようやく昨年八月に厚生労働省の指導で偽装請負から派遣に切り替えると。分かっていながらずっとやっているわけですよ。これが今の大企業の実態です。しかも、キヤノンの会長は日本経団連の会長である御手洗氏だと。経済財政諮問会議で、請負法制に無理があるんだと、これを是非見直してほしいと、いけしゃあしゃあと要求しているわけですね。自分の会社では違法をはっきり、もうこれ動かぬ証拠ではっきり把握していながら、承知で偽装請負を行いながら法律が悪いと。余りにも身勝手過ぎないかと。
 そもそも、先ほど言ったように、偽装請負の是正指導では受入先への指導は極めて甘い。だって、実態聞いても答えもしない。これが今の現状なわけですね。
 先ほど、重ねてになりますが、最近ようやく限度期間を超えた場合は派遣に転換を認めないということで、三月一日に、この派遣期間の制限に抵触している労働者派遣は特に厳正に指導するという通達出した。これはこれで当然しっかりやってもらわなければいけないというふうに思いますが、しかしこれは派遣先への直接雇用というふうになっていないんです。適正な請負でもいいよと、その他の雇用確保措置でもいいよと。これで本当に偽装請負解決するか。
 大臣、やっぱり受入れ企業に対する社会的制裁をどう加えていくかということも考える必要あるし、同時に、法違反した企業にはきちっと雇用責任取らせると。つまり、私どもは、やっぱり制限期間を超えたかどうかにかかわらずに、違法をやっていたんだから、違法であれば、それは違反企業に対しては直接雇用義務を課すと、こういう措置をするしかないと思うんですが、大臣、いかがですか。
#436
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは私どもは、契約というのは両当事者の合意に基づくわけでありますから、そういう範囲の中で対処していくと。それで、しかもその中でできるだけ雇用というものを確保しようということで、今、小池委員が触れられたような幾つかのタイプの解決策というものを講じていくということでこの事態に対処しているということでございます。
#437
○小池晃君 幾つかのタイプじゃ駄目なんだと、直接雇用義務を課すというふうにしなければこの問題は解決しないんだ、だって法律違反やっているんだから。それに対するペナルティーというのは必要なんですよ。やっぱりそういう点では本当に問題がある。
 キヤノンは三月二十四日の記者会見で、派遣、請負から二年間で千人正社員にすると、二千五百人を最長二年十一か月の期間社員にするとしました。しかし、これで問題が解決するのかというと、実は私どもこの前にキヤノンの本社の広報に問い合わせしまして、昨年、その請負労働者から正規雇用したのは四百三十人で、今年の中途採用予定は五百五十人だと言っていました。
 ところが、今回の報道というのは二年間で派遣、請負から千人の正社員だと。これ聞いたらば、結局、その中途採用の今年五百五十人という枠内のものなんです。だから、新しく決めたのは二年間で二千五百人の期間契約労働者の枠を設けたというだけなんです。しかも、キヤノン全体の派遣・請負社員というのは二万一千四百人です。製造部門の七五%が派遣、請負になっているわけですから、千人正社員にしたって本当にこの構造変わらないわけですね。
 実態として、私どもにはキヤノンの工場で働く派遣労働者からメールも寄せられています。こんなメールなんですね。偽装請負から何の説明責任も果たさず、よく分からないまま派遣に切り替わった。給料は変わらず、仕事は忙しくなるばかりだと、そして直接雇用の話など全くありません、それどころか、中途採用の話があったが、我々派遣社員は対象外なので応募しないようにと派遣元を通じて言われたと、募集の件も事務処理上のミスだというふうに言っているけれども、これはうそだと、こういうメールが私どもに来ている。正に人間、物扱いにするような、そういう会社の言い分と現場の労働者の言い分全く違うという実態が出ているんです。
 大臣、私、このキヤノンの偽装請負というのは、これは大きな社会問題にまでなったんだから、私は、厚生労働省として、キヤノンの工場、全国に一杯あります、全国一斉調査をする、そしてやっぱり特別な指導監督を行う、踏み切るべきではないですか。
#438
○国務大臣(柳澤伯夫君) 個別の企業の問題についてはお答えは差し控えさせていただくしかございません。一般論として言えば、いわゆる偽装請負については、これはもう労働者派遣法に違反するもので、違反が確認された場合にはもう厳正に指導を行うということでございます。
 特に、昨年九月以降、偽装請負の防止、解消を図るため、いろんな取組をしているということはもう委員も御指摘になられたとおりであります。
#439
○小池晃君 そういう通達出していることは、それはそれで私ども評価をいたします。
 しかし、やっぱり実態を見れば、個々の企業ね、この規制をかいくぐって違法行為が蔓延しているという実態があるわけですよ。そういう意味では、やっぱりそのキヤノンなんていうのは正に日本経団連の会長出身企業ですから社会的責任だって大きいはずのところが、実際はその違法だということを承知でいながらやっているという実態があるわけですからね。ここはやっぱり本当に厳しくやる必要があるというふうに思います。
 委員長、私、最後に、今国会というのは格差是正国会だと、それで労働国会だというふうに言われていて、衆議院の予算委員会などでは現場の請負労働者も参考人として意見も言っている。是非一度、この委員会に、キヤノンの会長でもあり日本経団連の会長でもある御手洗氏を参考人としてお呼びをして、これから様々な労働法制の審議をやるわけですから、一度じっくりお話をお聞きして、彼は彼で経済財政諮問会議なんかではもう勝手放題発言しているわけですよ。
 そういう意味では、やっぱり国政、国会できちっとそういう人たちを呼んでお話を聞くと。もちろん、だとすれば労働側からも来ていただいて、双方のトップから厚生労働委員会として話を聞くと。今の労働行政、どう考えているのかということについてきちっと語ってもらうと。そういう場、しっかりつくって、それで労働法制の議論するんだったら、私は、やっていけばいい、そういう場を是非つくっていただきたいということを、まあこれは要望として申し上げておきたいというふうに思います。
#440
○委員長(鶴保庸介君) 後刻理事会にて協議をいたしたいと思います。
#441
○小池晃君 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
#442
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず冒頭、これは質問通告してなくて申し訳ないんですが、内閣の構成員としての大臣の見解をお聞きしたく、一問質問いたします。
 下村官房副長官が昨日の夜の記者会見で、いわゆる従軍慰安婦問題について、直接的な軍の関与はなかったと私自身認識しているとのお考えを示しました。若干また夜、訂正をし、強制連行について軍の関与はなかったということを述べたものだと修正をされましたが、柳澤大臣、この下村官房副長官の発言についての見解をお聞かせください。
#443
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう度々、安倍総理がおっしゃられていることですけれども、この従軍慰安婦の問題については、内閣として河野談話をそのまま引き継ぐということでございますので、官房副長官もそうしたことをきちっと踏まえて発言をなさっているものと私は受け止めている次第です。
#444
○福島みずほ君 河野官房長官談話と下村官房副長官の直接的な軍の関与はなかったというのは明確に矛盾をしていますが、いかがですか。
#445
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、私、下村官房副長官の談話をよく詳細知らないわけでありますから、それについてコメントをするということは元々困難であるとしか申し上げられません。
#446
○福島みずほ君 報道では、直接的な軍の関与はなかったと私自身認識している、強制連行について軍の関与はなかったということを述べたものだと修正していらっしゃいますが、明確にこの記者会見の中身は河野官房長官談話に反しています。これについていかがですか。
#447
○国務大臣(柳澤伯夫君) それはもうさっきのお答えと同じでございまして、報道での話でもって私がいろいろ下村副長官のこの考え方というかその表明された御意見についてコメントをするということは、やっぱり適切でないと思います。
#448
○福島みずほ君 明確にこういう発言していることが明らか、報道の中でこういうふうに発言しているというのが明らかです。これは副官房長官として重要な問題であるというように考えます。
 河野官房長官談話と、では、下村官房副長官が、直接的な軍の関与はなかったと私自身認識している、これは明確に反するのではないんですか。
#449
○国務大臣(柳澤伯夫君) それはやっぱり、福島委員のお言葉ではありますけれども、やはり私がここで何かこのコメントをするということは、これはもう実際上可能でないわけですね、本人の言っていることを知らないわけでありますから。報道で今、福島先生がそうおっしゃられますけれども、そういうことについて私がコメントをするというのは適切でないと思います。
#450
○福島みずほ君 では、確認をされた後、また再度御質問したいと思います。これは重要な問題で、しかも昨日、予算委員会で安倍総理に内閣としてどうかという確認をしておりますので、内閣の不一致、あるいは官邸の不一致ということで大問題だと考えます。また、官房副長官が誤ったメッセージを国際社会に発する問題であると考えますので、確認をされた後、またこの委員会で質問をいたします。
 では、次に、退院支援施設の問題について質問をいたします。
 これは四月一日から施行ということですが、この中身はどのようなものでしょうか。
#451
○政府参考人(中村吉夫君) 退院支援施設につきましては、受入れ条件が整えば退院可能な精神障害者の方々に、地域生活への移行を進めるために設けようとしている施設でございます。
 具体的には、長期に入院されている方々に生活訓練等を行い、地域生活に円滑に移行していただくことを目的としておるものでございます。利用者が地域生活に移行していくための選択肢の一つとして考えておるものでございます。
#452
○福島みずほ君 具体的にはどのような中身でしょうか。
#453
○政府参考人(中村吉夫君) ただいま申し上げましたように、長期に入院されている方々に生活訓練等を行い、地域生活に円滑に移行していただくための施設でございます。
#454
○福島みずほ君 その施設は、従来のその病棟と同じところでもよろしいんでしょうか。フロアの転換でも可能なんでしょうか。食堂、おふろは共用となるんでしょうか。
#455
○政府参考人(中村吉夫君) 一応、病院内の敷地の中でも設置が可能でありますし、病棟の転換ということでも可能でございます。
#456
○福島みずほ君 それがなぜ社会復帰になるんですか。
#457
○政府参考人(中村吉夫君) 退院施設につきましては、障害者自立支援法における日中活動の生活訓練事業又は就労移行支援事業と併せまして、夜間の宿泊を一体的に提供するものでございます。
 退院施設につきましてはそういうことでございますので、医療の場から福祉の場に移るということになりますので、病棟と異なりまして外部の福祉サービスを利用することが可能となりまして、地域生活のための訓練や経験を積むことが可能となるというふうに考えております。
#458
○福島みずほ君 社会的入院をなくすということで、どうやって社会復帰をするのかというのが大変重要です。そのためにNGOも含め、いろいろ努力をして社会復帰をやっているところがたくさんあります。
 今回この質問をするのは、この意味が分からないからなんです。
 先ほど、同じ病棟の中のフロアの転換でも可能ということでした。改めてお聞きします。食堂やおふろは従来のその病棟と同じところを使用することもあり得るということでしょうか。
#459
○政府参考人(中村吉夫君) それぞれのケースでケース・バイ・ケースということでございますけれども、おふろ、食堂につきましては共用することも可能というふうに考えております。
#460
○福島みずほ君 同じ病院でフロアをちょっと変えて、従前と同じく食堂も、そしておふろも一緒、どこが社会的な復帰になるんでしょうか。これは看板を立て替えるだけではないかと。
 この人たちは社会的入院と数えないことになるということでよろしいですか。
#461
○政府参考人(中村吉夫君) お答え申し上げます。
 退院支援施設の利用者につきましてはあくまでも地域移行の途中にいる方ということで認識しておりまして、これでもって社会的入院が解消されるというふうには考えておりません。このため、利用者につきましては、事業者を始めとしまして市町村の職員その他の地域の関係者等の連携によりまして、着実な地域移行のための支援体制づくりを図っていきたいというふうに考えております。
#462
○福島みずほ君 医療統計上はこれは入院していると数えるのか、社会復帰をしたというふうに数えるのでしょうか。
#463
○政府参考人(中村吉夫君) 今申し上げましたように、退院支援施設の利用者につきましてはあくまでも地域移行の途中にある方ということで認識をしております。
#464
○福島みずほ君 答えてください、入院なのか入院でないのか、どちらですか。
#465
○政府参考人(中村吉夫君) ただいま申し上げましたように、退院支援施設につきましては、社会的入院の患者さんが地域生活へ移行していく過程での選択肢の一つということで、地域移行への途上というような位置付けにしてございます。
#466
○福島みずほ君 これは退院支援施設として莫大な予算を掛けて造るわけです。しかし、従来の病棟のフロアを変えるだけで実は変わらない。そうだとすると、これは一見、社会復帰に見えるけれども実は全く変わらない、本人ちっとも自由になっていない、社会復帰じゃない、だからお聞きをしているのです。
 はっきり、これは入院している状態にカウントするのか、そうではなくて退院したということになるんですか。
#467
○政府参考人(中村吉夫君) ただいまも御答弁いたしましたように、退院支援施設につきましては、受入れ条件が整えば退院可能な方につきまして移行の途上ということで、そういう位置付けで整理をしてございます。
#468
○福島みずほ君 長年、精神障害者の人たちの社会的入院をどう解消するか、どう地域に復帰するかということはとても大事な課題です。だからお聞きしているんで、ちょっと私、頭が悪くてよく分からないんで、はっきり教えてください。これは入院なんですか、入院じゃないんですか。
#469
○政府参考人(中村吉夫君) 何度も同じ答弁をして恐縮でございますけれども、精神病院に入院しておられますけれども条件が整えれば退院が可能な方につきまして、地域への移行の途上ということで位置付けをいたしまして地域生活へのいろいろな訓練を進めていこうというものでございます。
#470
○福島みずほ君 時間がもったいないので、同じことを答えないで端的に答えていただけますでしょうか。
 社会的入院者、厚生労働省は約七万人と把握をしています。どうやって、あるいは精神障害者の人を地域へ戻すか、大事な課題です。
 じゃ、お聞きします。さっきおっしゃったフロアの転換をやりました。そして、退院支援施設です。食堂、おふろは共用です。そして、一部屋、相変わらず四人部屋です。これは厚生労働省の統計上は入院ではないということでよろしいですね。精神病院に入っていないということになるんですね。
#471
○政府参考人(中村吉夫君) 精神科病院に入院をしておるという数字からは除外されますけれども、あくまでそれは地域に移行する過程におられる方というふうな認識でございます。
#472
○福島みずほ君 それを答えていただければいい。精神科病院に入院してないということですね。
#473
○政府参考人(中村吉夫君) 入院患者という数字としては、今申し上げましたように、除外されることになります。
#474
○福島みずほ君 いや、初めからそう答えていただければ、時間が本当にもったいないというふうに思います。
 そのように、実は変わっていないんだけれども入院ではないことになるんですね。だから、数字上は一見、入院患者が減ったように見えるけれども、入院をしている、入院というか、そこに入っている人にしてみれば変わらないんですよ。一部屋四人部屋ということが続くということでもよろしいですね。
#475
○政府参考人(中村吉夫君) それぞれの施設につきましては、その実態によって四人部屋というようなことが続くというケースもあろうかと思いますけれども、できるだけ生活環境の向上に努めていただきたいというふうに考えております。
#476
○福島みずほ君 予算はどれぐらい付けて、どのようなものを考えていますか。
#477
○政府参考人(中村吉夫君) 施設整備費としては九十四億でございますけれども、全体としての給付費はその自立支援法の給付の中に含まれるということでございます。
#478
○福島みずほ君 いや、全く不思議で、フロアを変えたり、そのお金を九十五億掛けるとおっしゃいました。そうではなくて、違うやり方で社会復帰をするべきではないでしょうか。
 例えば、大阪府では退院促進事業として、例えば精神障害者によるピアサポート活動が重要な役割を果たしていると。少しずつみんなで相談業務を充実させたり、例えば社会的入院解消のためには退院促進やピアサポート活動の充実、地域での住まい確保、それを徐々に徐々にお互いに助け合いながらやっていくというものが非常に重要だというふうに考えています。
 地域生活支援事業という裁量的経費でわずかな予算しか付かないとも聞いております。この地域生活支援事業の予算は四百億円というふうにも聞いていますが、これは支援事業全体の予算であり、社会的入院に関する予算配分は実際にはこの十分の一程度の四十億程度だと言われていますが、それでよろしいでしょうか。
#479
○政府参考人(中村吉夫君) 精神障害者退院促進支援事業につきましては、平成十五年度からモデル事業として実施してまいりましたけれども、障害者自立支援法の中では地域生活支援事業の一つとして実施しておるところでございます。都道府県が行う基礎的事業として位置付けられておるところでございます。
 地域生活支援事業に係る予算につきましては、各自治体が地域の実情や障害者のニーズ等を勘案し、自治体の裁量により柔軟にサービスを提供できる事業を統合補助金としたものでございまして、平成十九年度予算におきましては、御指摘がありましたように、全体として四百億円を計上しているところでございます。
 こうした地域生活支援事業は、自治体の裁量が最大限発揮できるとともに、その創意工夫により、事業を効率的、効果的に実施していただくことが期待されておりまして、退院促進支援事業等の活用により、精神障害者の地域生活への移行に資する事業の展開についてもより効果的に実施されていくものと考えております。
 このほか、精神障害者の地域生活への移行にかかわる事業といたしましては、平成十八年度の補正予算において、障害者自立支援法の円滑な運用を図るための特別対策といたしまして、退院支援の専門家の養成等を行う退院促進支援事業を盛り込んでおりますし、平成十九年度予算においても、セーフティーネット支援対策等事業費補助金において、生活保護を受給しておられる精神障害者の退院促進を計画的に進めるための新たな事業を創設することとしておるところでございます。
#480
○福島みずほ君 地域生活支援事業は、実際は社会的入院に関する予算配分は十分の一程度の四十億程度だというのは、これでよろしいですか。
#481
○政府参考人(中村吉夫君) ただいま申し上げましたように、四百億円の地域生活支援事業につきましては、それぞれの地域の実情に応じて展開されるものでございますので、自治体の判断によるというふうに考えております。
#482
○福島みずほ君 退院支援施設に関して、現在、予定の地域や箇所数はどうなっているでしょうか。なぜ退院支援施設のようなものが必要なのか、その効果についての具体的なエビデンスはあるのでしょうか。
#483
○政府参考人(中村吉夫君) 退院支援施設につきましては、現在のところ、私どもとしてきちんと調査をしているわけではございませんけれども、私どものところに設置をしたいという相談が数件程度ございます。それから、退院支援施設は本年四月から施行されるということになっておりますけれども、病院から地域生活への移行を実践しております福祉関係者あるいは病院関係者からヒアリングをいたしまして、有効な事例を収集してまいっております。有効な事例としては、例えば地域生活に理解のある医療機関や支援者などの取組によりまして、入院中の状態からスーパーでの買物や銭湯通いなど地域生活のための経験を積んで、地域生活を実現されているなどの事例が報告されておるところでございます。
 先ほど申し上げましたように、退院支援施設につきましては、医療の場から福祉の場に移るということになりますので、外部のサービス、福祉サービスを利用することが可能になりますし、地域生活のための訓練や経験を積むことなどの支援が効果的に取り入れられることになるというふうに考えております。こうした福祉サービスの実施に当たりましては、先ほど御説明いたしましたように、有効な事例のノウハウを踏まえた運営の取扱いとすることを考えております。
 いずれにいたしましても、退院支援施設は社会的入院患者が地域生活へと移行していくための選択肢の一つというふうに考えております。精神障害者退院促進支援事業等、他の施策も併せまして、退院促進を積極的に進めていきたいというふうに考えております。
#484
○福島みずほ君 厚労省自身、この事業に対する厚生科学研究等の研究はなされたのでしょうか。実際、九十五億掛け箱物を造る、あるいはフロアの転換をするに当たってお金を出すわけですよね。そういうエビデンスはあるんですか。
#485
○政府参考人(中村吉夫君) 先ほど申し上げました施設整備費九十五億というのは障害者に関する施設全体の予算でございまして、この中から退院支援施設にも予算が充当されるということでございます。エビデンスにつきましては、ただいま申し上げましたように、有効な事例等について収集をして、現実の運用に生かされるようなマニュアルを作成していきたいというふうに考えております。
#486
○福島みずほ君 いや、これから作成するのではなく、現にこういう通院支援施設の件で有効であるというのがあるんですか。
 なぜこういう質問をするかというと、日本障害者フォーラムやいろんな団体、NGOが、当事者がこの退院支援施設に反対をしているからです。なぜ反対をしていると思われますか。
#487
○政府参考人(中村吉夫君) 精神障害者退院施設につきましては、実質的な退院、社会復帰につながらないのではないかという懸念が表明されているということには承知をしております。
 しかしながら、退院支援施設は、利用者が地域生活に移行していくための選択肢の一つとして必要な施設であるというふうに考えておりまして、これを実効性のあるものとするために、一つは外部の福祉サービスの積極的活用、二つ目といたしましては地域交流の推進等による開かれた施設運営、それから三つ目といたしましては病院からの一定の独立性の確保をするなど、運営上の取扱いをきちっとした上で、実施に当たって十分配慮をしていきたいというふうに考えております。
#488
○福島みずほ君 当初、昨年十月だった実施時期が四月に延期をされました。当事者やNGOは、これは社会的入院の件数を減らすためだけのものに使われるだけで、実効性がないんじゃないか。それでも、自分たちがいろんなところでやってきた社会復帰のやり方にこそお金を使うべきではないか。要するに、同じ精神科病院のフロアを変えて、食堂もおふろも一緒で、部屋もそのままで、しかしそれはなぜか入院ではないとされるということについて非常にみんな懸念を表明しているわけですね。
 今おっしゃったように、反対があるわけじゃないですか。もう三月の末ですよね。四月から施行ということであれば、見切り発車というふうに思います。もうこの間、障害者自立支援法やリハビリの問題など、厚労省が十分検討しないで見切り発車をしたことで、実は非常に問題が生じてきたというふうに思っています。
 この、ちょっと一杯言って済みませんが、当初、昨年十月だった実施時期がなぜ四月に延期されたんですか。
#489
○政府参考人(中村吉夫君) 私どもとしては、先ほど来の答弁で申し上げておりますように、この施策が有効に機能するようにマニュアル等を作成するために時間をいただいたというふうに認識しております。
 いずれにいたしましても、精神障害者の退院施設につきましては、入院治療が不要な社会的入院の患者さんのを明確化するということによって、入院による治療が不要な状態にある方が地域に移行していただくということで整理をさせていただいて、そのことを市町村もよく認識した上で取り組んでいただけるというような機会になるでしょうし、私どもといたしましては、地域移行への期間というのを原則二年又は三年というような利用期間で考えておりまして、できるだけ地域移行が進みますように、先ほど来お話をしておりますようなもろもろの施策と併せて実効性を高めていきたいというふうに考えております。
#490
○福島みずほ君 当初、十月だった実施時期が四月に延期されたと。マニュアル作るためとおっしゃいましたが、マニュアルできたんですか。あるいは、当事者、NGOの説得はできたんですか。
#491
○政府参考人(中村吉夫君) 障害者団体の方々とのお話合いにつきましてはせんだって二十三日にも行わせていただきまして、先ほど申し上げましたような、地域生活に移行をするために実効性のあるためのものの実施するに当たっての配慮をするようなことをきちんとお話をさせていただきました。
 それから、好事例等につきましては現在まだ整理をしておるところでございます。
#492
○福島みずほ君 現在、整理している状況で、まだ合意を作っている段階であれば、四月一日からやるという、もう今日は三月二十七日ですから、四月一日からやるという施行は強引ではないでしょうか。この凍結を強く求めますが、大臣、いかがですか。
#493
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど来、障害保健福祉部長からるる御説明させていただいているとおり、これはあくまでも利用者が地域生活に移行していくための選択肢の一つというふうに位置付けているわけでありまして、これを本当に実効性のあるものにするためにいろいろな優良事例等の収集に当たって、そしてその上に立って、共通項と申しますか、そういったことでマニュアル作りをするということでございます。
 ですから、すぐそうした努力をひっくり返して凍結とかというようなことを御主張になるのはいかがかなというふうに聞いておった次第です。とにかく、前向きに努力をさせていただきたいということをお願い申し上げる次第です。
#494
○福島みずほ君 社会的入院をなくしたり社会復帰をするのであれば、今の精神科病院を前提にしてどうやってケアをするかをやればいいわけです。実際は、病院の中に居続けながら、社会的入院は続けながら、実は社会的入院としてカウントされない、箱物を造ることにお金を使う、あるいは改装することにお金を使う、これは全然、当事者たちも大反対をしている。むしろ、実態が見えなくなるとして大反対をしています。見切り発車でやってろくなことはないということも申し上げたいと思います。障害者差別禁止条約は国連で日本も批准をいたしました。ですから、これについては反対であると、凍結を求めるということを申し上げます。
 次に、肝炎についてお聞きをいたします。これはずっと質問し続けていますが、三月十三日の厚生労働委員会での私の質問に対する答弁として、医療機関が不審に思わないように、肝炎発生との因果関係がはっきりしない段階で、余りあおらないように気を遣っただけであり、審査は中薬審の専門家がしたから問題がないという趣旨を含む答弁をされました。しかしながら、東京地裁の判断は、看過しがたい副作用というものであり、厚生省には認識の甘さがあったと明確に指摘がされております。
 一九七七年十二月のアメリカFDAによるフィブリノーゲンの具体的な承認取消しが出されております。このような重大な情報が出た当時に、日本での具体的な調査はなぜ行われなかったんでしょうか。また、一九七八年に非A非B肝炎の重篤性についての知見も確立していたのに、どうして実態調査を行わなかったのでしょうか。
 さらに、一九八六年秋の集団感染事件が発生してから後、一九八七年四月三十日に加熱製剤の承認を行っておりますが、集団肝炎をきっかけとして、使用実態についてなぜ確認調査を取らなかったんでしょうか。三月二十三日の東京地裁判決でもこれらの点が断罪され、不必要な投与を受け理由なく感染被害を受けた患者がいるとされていますが、国はどのように考えるのでしょうか。国が主張する、有効性、有用性を主張する以前の問題ではないでしょうか。
#495
○政府参考人(高橋直人君) 四点ほどお尋ねがあったかと思います。
 まず、一九七七年十二月のアメリカのFDAによるフィブリノーゲンの具体的なその承認の取消しの件でございますけれども、まずアメリカでは、出産時に発現する後天性低フィブリノーゲン血症のみならず、先天性低フィブリノーゲン血症も含めてこの製剤の承認を七七年に取り消しておりますけれども、これはほかの欧州各国、それから日本ではこれはフィブリノーゲン製剤はずっと販売され続けております。
 このアメリカの七七年のその承認の取消しについて申し上げれば、ウイルスの不活化処理が行われていなかったフィブリノーゲン製剤につきまして、ノンAノンB型肝炎ではなくてB型肝炎リスクを考慮して、使用が必要な症例について、代替可能なちょっと一世代前のクリオ製剤で供給可能であると判断して承認を取り消したものというふうに承知をしております。一方、我が国において使われておりましたフィブリノーゲン製剤につきましては、これはウイルス不活化処理が行われておりまして、現実に当時、肝炎の発生報告は極めて少のうございました。また、突発的に生じる出産時の大量出血の際には、やはりこの製剤は常備困難なクリオ製剤で代替することは大変難しかったんではないかというふうに考えております。
 それから、第二点目の七八年のノンAノンB型肝炎の重篤性の知見というお話がございましたが、これは、七八年現在ですと、やはりそのノンAノンB型肝炎の重篤性についての知見はこれは確立しているような時期ではなかったのではないかというふうに考えております。
 例えば、八七年の医学の教科書などを見ても、ノンAノンB型のその肝炎の予後は、ちょっと申し上げますと、例えば昭和六十二年発行の朝倉書店のこの内科学第四版でございますけれども、持続性肝炎は通常、数年の経過をたどるが、最終的には治癒すると言われている。あるいは、同年発行の中山書店の内科学書でございますが、これは慢性肝炎のうち非活動性肝炎の予後は良好で、大部分は非活動性のまま経過するか治癒するが、一部に活動性に移行するものがあると、こういった記載でございまして、一九八七年当時というのはこういった医学的知見が一般的ではなかったかというふうに考えます。
 それから第三点目でございますが、八六年秋の集団感染というお話がございました。集団感染は、これは八七年の一月から三月に起こったものというふうに言われております。厚生労働省の方には、三月の二十四日に青森県の診療所からフィブリノーゲン製剤を投与した患者につきましては肝炎が集団発生した旨の報告を受けております。これを受けて、私どもは同年三月二十六日にミドリ十字に対しまして、青森県の診療所における集団肝炎発生に関連しまして全国調査の実施を指示をいたしております。また、すぐその後でございますが、四月八日にミドリ十字社から医療機関における肝炎発生状況の報告を受けまして、厚生省は同社に対しまして早急に調査を実施し、報告するよう指示をいたしております。それから、翌四月九日には、さらにミドリ十字に対しまして、肝炎を発症した患者の現状と肝炎の型を早急に調査する、それから疑いのあるロットの全国調査の結果を時間を追って報告すること、それから青森県下で今回の件の関連のある医師のコメントを入手し報告すること、こういったことを指示をいたしております。
 それから、東京地裁のその判決の方でございますけれども、フィブリノーゲン製剤につきましては、肝炎のそのリスクの存在することはこれは添付文書に明記をされておりまして、臨床現場の使用については医師の専門的な判断によって個々の症例ごとの利益が、まあリスクとベネフィットを比較考量して使用されるべきものであったというふうに考えております。
 今回の東京地裁の判決は、フィブリノーゲン製剤の販売数と対象疾患の患者数を比較いたしまして、適用外の使用があった旨を指摘をされております。フィブリノーゲン製剤はこれは常備すべき医薬品とされていたわけでございますので、その販売数がそのまま投与数を示すわけではございません。それから、このフィブリノーゲン製剤の販売数を全国の産婦人科の施設数で割りまして一施設当たりの販売量を計算しても、適用外の使用をうかがわすようなデータは得られないものでございます。この辺は、ちょっと裁判の中でも私ども主張しております。
 ただ、いずれにしてもそれは二十年以上前のことでございますので、この辺は推定にはなるんですけれども、その詳細は不明と言わざるを得ません。
#496
○福島みずほ君 旧ミドリ十字が認めているだけでもフィブリノーゲンの肝炎感染患者は一万人。東京地裁判決でも感染から二十年を超えると肝硬変の進展率が増加すると指摘されていて、今るる局長は落ち度はないというふうにおっしゃいましたけれども、もう少しこの、こういう実際もう亡くなっていらっしゃる方や家族の人、今患者さんに私たちは会っていますけれども、もう少し厚労省が対応していればこれは救えたこともたくさんあるのではないかというふうに思います。
 肝炎患者の治療支援なんですが、これは衆議院の委員会で山井さんやいろんな方も質問をしております。これは、厚労省は二百億円、B、C合わせて二百億円というふうにも言っておりますけれども、実際もし肝硬変などの救済をすれば肝硬変だけでもこれは何兆円か掛かるんではないか、医療費が掛かるんではないかと言われております。実際、裁判が出て、それからもう一つどうやって救済をするかというのがあると、肝炎患者への治療支援に厚労省はもう一歩踏み込んで行うべきだというふうに思いますが、いかがですか。
#497
○政府参考人(外口崇君) 肝炎の対策を推進することは極めて重要と認識しております。
 具体的には早期発見、早期治療の促進、治療水準の向上という観点から、現在、検査体制の強化、診療体制の整備、治療方法等の研究開発等の総合的取組を推進しているところでございまして、今後ともこうした取組を一層推進してまいりたいと考えております。
#498
○福島みずほ君 全体的なそのさっき言った二百億円、B、C合わせて二百億円ぐらい掛かるだろうという、これは衆議院の厚労委員会で出ておりますが、これでよろしいですか。また、救済についてどのような試算をし、積算をし、何をやろうと厚労省はしていますか。
#499
○政府参考人(外口崇君) 二百億円の話でございますけれども、これは、例えばインターフェロン治療を行っている患者さんがこれがレセプトデータを基に、例えば年間五万人いると仮定して、現行医療保険制度における平均的な自己負担の状況を前提に、ごく粗い推計を行うと、その治療の自己負担分を仮に無料とする場合には、五万人掛ける約二百八十万円の医療費掛ける平均自己負担割合一七%掛けると約二百億円、そういう試算もございます。
 それから、あと救済について、治療費助成をどうかという御指摘かと思いますけれども、ウイルス性肝炎の治療費助成については、私どもはその難病と異なり治療法が確立していないわけではないこと、それから結核等の感染症と異なり、蔓延防止のための特別な措置を要しないこと等の他の公費医療制度の対象疾病と事情が異なるということもありますので、これはなかなか難しいんではないかと考えております。
#500
○福島みずほ君 患者さんたちと話をしますと、やっぱり治療費が非常に掛かるという話を聞くんですね。これは一つやっぱりある種の薬害、裁判所からは明確にこれは断罪をされていますので、厚生労働省としてこれからの救済をどうあるべきか。ある程度の試算もされているでしょうから、それに向けて、これはみんな何万人という人たちがこれから肝硬変などになったりすれば、よっぽどそれが三兆円ぐらい掛かるんじゃないかというふうにも言われていますので、厚労省は一歩踏み込んできちっと助成などに踏み切るべきだということをあえてまた申し上げます。
 これは今までも私も言って、ほかの委員とも質問がダブるのですが、柳澤大臣になってなぜ当事者の人と会わないのかと。問題は、やっぱり裁判の判決で完膚なきまでに言われて、救済がもう政治的な決着しかないというふうに思います。裁判は訴訟当事者同士が、弁護士同士が、当事者同士が会うことは、もうこれはもう当たり前というか普通のことでありますし、問題の解決をどうするかというのを政治が決断をすべきときだと私は考えております。
 また、三権分立に反するという答弁がかつてありました。三権分立に反しません。三権分立は司法が行政に介入するとか、行政のチェックをどうやるかという、三権分立とはそういうことであって、判決が出て、そして控訴中、争っている途中でも当事者が話し合うということは、これは日常的にもされていることで、何ら三権分立上も問題はありません。
 大臣、大臣在任中に是非この一歩踏み込んで政治的解決をすべきだというふうに思います。そのためにもとにかく当事者と会って話を聞くということを是非やっていただきたい。改めていかがですか。
#501
○国務大臣(柳澤伯夫君) 裁判の争点をまた別途に議論をする場を設けるということには私はかなりちゅうちょを感じて、前から、そうではなくて、一般的な肝炎対策等について話し合うということであればそれはまた担当者がお会いするということも考えたいということを申し上げている次第でございます。
 この一歩踏み込んだ支援ということで、もし治療費助成についておっしゃられているのであれば、今、健康局長が答弁したように、私どもは他の公費医療制度の対象疾病とは事情が異なるというふうに認識をしておりまして、これはこれでまた大変難しい問題であると、このように考えている次第でございます。
#502
○福島みずほ君 在外被爆者の問題、それから原爆認定の問題、じん肺の問題、それから中国残留邦人の問題、そしてこの肝炎の問題、とにかく当事者、命が続く限りという思いでやっています。そのためにも政治的解決、それは国会としてもやりますが、行政としても一歩踏み込んでやっていただきたいということを改めて申し上げます。
 雇用保険の国庫負担金削減について同僚委員たちから話が出ました。私もやはりその点をまず指摘せざるを得ません。厚生労働省は毎年二千二百億円社会保障関係費削減をやっております。平成十九年度予算、生活保護制度見直し四百二十億円、雇用保険の国庫負担見直し千八百十億円。
 私が言いたいのは、今回の国庫負担金削減は、制度から必然的に起こったことではなく社会保障費削減ありきから出てきた数字合わせではないか、これについてはいかがですか。
#503
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはそういうことよりも、前から御説明をさせていただいておりますように、一連の行政改革のこの計画、こういったことを踏まえて行われているわけでございまして、何かこの二千二百億円ありきということで考えられているという御指摘は当たっていないというふうに考えます。
#504
○福島みずほ君 雇用保険は働く人にとってのセーフティーネットです。その制度からどうするか、景気が良くなったからどうするかならまだ分かるけれども、今おっしゃったとおり、そして今日この委員会で出ているとおり、行政改革という観点から国庫負担金の削減が提案をされています。見事に二千二百億円ずつ毎年削減をしています。平成十九年度も正に二千二百億円、ちょうどぴったり数字上削減なんですね。
 ギリシャ寓話に、追いはぎの人が旅人を捕まえてベッドに縛り付けてベッドに合わせて手足を切るという、まあ恐ろしい話ですが、という寓話があります。やっていることはそういうことじゃないですか。実際こうだからこうしますではなくて、行政改革ということから二千二百億円見事に毎年削減をしています。そのターゲットになったのが雇用保険であり、だから千八百十億円これは削減するのだと。
 働く人のセーフティーネットをこういう形で削減をするということに反対です。むしろ、安易に引き下げると、廃止することはもう許されないというふうに考えます。
 今後、景気が後退した場合、国庫負担金の増額をするのでしょうか。
#505
○政府参考人(高橋満君) 今後、雇用保険制度の安定的な運営を確保するために必要が生じたというような場合には、その時点で、雇用保険財政の状況でありますとか雇用失業情勢、また国家財政の状況等も踏まえながら国庫負担の在り方については適切に検討をすべきものと考えておるところでございます。
#506
○福島みずほ君 厚生労働省は毎年、社会保障関係予算を申し上げたとおり二千二百億円削減していますが、二〇〇八年度予算においても削減をするのでしょうか。国民の生活、特に命に直結する社会保障費の一律的な削減は認められないと、予算の十分な確保をお願いしますが、いかがですか。
#507
○国務大臣(柳澤伯夫君) 骨太の方針、いわゆる骨太の方針二〇〇六では、社会保障における歳出の削減については本文の別紙で、過去五年間の改革を踏まえて今後五年間においても改革努力を継続することとすると、そういうふうにうたっているわけでございますが、その上で、別表におきまして、今後、国、地方を合わせた社会保障の削減額について一・六兆円程度のマイナスというか、削減ということとされているところでございます。
 したがいまして、平成二十年度につきましては、具体的な削減額につきましては、これは経済財政状況なども踏まえながら今後決めていくこととなるわけでございますけれども、いずれにせよ、骨太方針二〇〇六で示された方針を踏まえまして、社会保障費の伸びの抑制に努めていかなければならないと、このように考えております。
#508
○福島みずほ君 初めに削減ありきで、社会保障費が数字上だけで削減されていくことがこの間の、五年間ぐらいの問題点を生んできたと思います。厚労省は財務省や骨太方針に反旗を翻してくださいよ。私たちもそれは応援します。社会保障費を削って何やるんだというふうに思っていますので、これはもう二千二百億円、毎年、ようかん切るみたいに形式的に削らないでくれ、命を削らないでくれと、けんかしてくれと、防衛省でもどこでもけんかしてくれということを強く申し上げます。
 特例一時金についてお聞きをします。
 出稼ぎ労働者は年間三万人余り、季節労働者は二十万人余り、特例一時金が果たす役割は大変大きいです。出稼ぎの人たち、青森や北海道出身の人たちに会ってきました。一時金の給付水準を下げることについての認識、それから過疎が進む地域に住むからこそ第一次産業に頼らなければならない産業構造がありますが、収入の実情を無視しているのではないでしょうか。やはりお聞きをいたします。
#509
○副大臣(武見敬三君) 循環的な給付である特例一時金については、かねてより、これは複数回、平成十一年及び平成十四年にわたりまして労働政策審議会から見直しの必要性が指摘されております。今回、通年雇用対策の見直し強化に合わせて一定の見直しを行うこととしたわけでございます。
 また、見直しに当たっては、季節労働者の現状や関係者からの御要請等を踏まえました。その結果、暫定措置というものを四十日分を設けたところでございます。現在、二十三万人程度いらっしゃるということであります。その点については私どももきちんと重く受け止めなきゃいけないというふうに思っておりますが、また同時に、循環的な給付ということで、十回以上の循環的な給付を受けられている方が約五割存在しているということも事実です。その背景には、御指摘のような北海道の様々な季節条件であるとか経済構造というのがあることも私ども踏まえておりますが、その上で、こうした暫定措置を設けて対応と、こう考えておるわけであります。
#510
○福島みずほ君 当分の間とはどれぐらいの間でしょうか。
#511
○副大臣(武見敬三君) 当分の間の期間については、冬の寒冷地に対する地域雇用対策の効果や給付を受けている季節労働者の実態、動向などを踏まえて適切な時期までとするべきであると考えているわけであります。これは正にこうした政策の効果というものを一つ一つ見極めながら、その状況を踏まえた上で適切に考えるということであります。
#512
○福島みずほ君 もう御存じ、地域間格差が拡大をして、所得格差が拡大をしている中で、やっぱり出稼ぎの人たちをこうやって切るのかという思いになるんですね。
 出稼ぎ労働者への送り出し地における健康診断の廃止が盛り込まれています。健康を守るための代替案が保障されているのか、就労地における出稼ぎ労働者の相談窓口など、出稼ぎ労働者援護事業の廃止も検討されていますが、この代替案が一体あるのかと。平成十八年度予算で関連事業予算八千七百万円を削減することで労働者の安心と健康を無視するのかということをお聞きしたいというふうに思います。
#513
○政府参考人(高橋満君) 出稼ぎ労働者の皆さんに対する健康診断の問題でございますが、従来、北海道あるいは各県が実施をいたします出稼ぎ労働者援護対策事業として実施をされてきたわけでございまして、国としてこれに補助金を交付してきたというのが実態でございました。
 十八年度をもってこの補助金を廃止をいたすことといたしておるわけでございますが、これに伴いまして、就労前の健康診断の実施を継続するか否か、これは道県の判断にゆだねられることになるわけでございますが、国といたしましては、現実には受入れ事業所の方で七割強という率で健康診断は実施されているという実情にあるわけでございますが、ただ未実施の受入れ先事業所に対しましては、十九年度、来年度におきまして新たに出稼ぎ労働者就労支援員というのを就労地の方にも配置をいたすことといたしておりまして、こうした支援員を活用する中で未実施事業所に対しましての必要に応じた健康診断の実施についての助言、指導といったことを通じて、出稼ぎ労働者の健康確保に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
#514
○福島みずほ君 関連事業予算八千七百万円、そんなに多額ではないんですね。是非、健康診断や相談窓口を廃止しないように強く要請をいたします。幾ら雇い主に対して努力せよと言っても、やっぱりきちっと行政がやるということの違いは大変大きいと思います。
 次に、若年雇用労働者への対応についてお聞きをいたします。
 今度のこの法案がフリーターや派遣労働者、偽装請負、日雇派遣、あるいは今非常に多いスポット派遣と言われる人たち、携帯電話で呼び出されて行くスポット派遣の労働者の人たちがこの被保険者に該当しないという問題などについてはどうお考えでしょうか。
#515
○政府参考人(高橋満君) 雇用保険制度におきます日雇労働被保険者の扱いでございますが、既に御案内のとおりかと思いますが、日々雇用される者又は三十日以内の期間を定めて雇用される者であって、一定の要件を満たした場合に適用されるわけでございます。ただ他方、こういう形で就労をされる労働者でありましても、同一の事業主に直近二か月の各月におきまして十八日以上雇用される場合には、原則としては日雇労働被保険者ではなく一般被保険者になると、こういう扱いになるわけでございます。
 いずれにしましても、今委員が御指摘のその日雇派遣と申しますか、スポット派遣と様々な言い方があるようでございますが、御指摘のような就労形態で働く労働者にかかわりまして、事業主の方から雇用保険の適用について相談、照会が現在なされておりまして、これを受けまして当該事業所の雇用実態がどういうものなのかといったことを今調査をしておるところでございまして、その結果を踏まえながら被保険者資格の有無等については慎重に判断をしてまいりたいと考えております。
#516
○福島みずほ君 慎重にでなく是非前向きに考慮をお願いいたします。
 次に、他の委員からも出ておりますが、私も、今回、被保険者資格と受給資格を一般被保険者に一本化というのはいいと思うんですが、一般被保険者が、六か月ではなくて、受給資格が十二月になると。これは、だから被保険者資格の取得が延長されることになると。結局、短時間被保険者の水準まで引き下げられることになると。雇用の劣化や悪質事業主が増えている今日、一般被保険者が、離職前二年間のうち十一日勤務の月が合計十二か月なければならないというのは決して容易なことではありません。みんな細切れ雇用で雇われていますし、毎日、スポット派遣で違うところに行っている。これは結局、改悪になるんじゃないかということについてはいかがですか。
#517
○政府参考人(高橋満君) 今回の受給資格要件の見直しにかかわりまして、御指摘ありましたように、被保険者資格を一本化するということに伴いましてこの受給資格要件も一本化する。一本化するに当たりましては、循環的な給付や安易な離職を防ぐことが重要であるということ、それから解雇、倒産などの場合の労働者が予見できない失業について配慮をすると、こういうような観点から、解雇、倒産等による離職者については六か月以上、自己都合離職者等につきましては十二か月以上と、こういうことで設定をしたいというものであるわけでございます。
 なお、期間雇用者あるいは正当な理由のある自己都合離職者等々については、一定の配慮を、今回のその六か月から一年未満の間でこの受給資格要件の変更に伴って影響のある方々について十分に配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
#518
○福島みずほ君 十分な配慮をするといっても、実際は十二月に延長されて条件が引き下げられるんですね。これは明確な改悪であり、今のように雇用の劣化が起きている段階では本当に改悪がひどいことになるというふうに思います。
 予算委員会でずっと直接雇用義務、派遣についての話をしてきました。厚生労働省は、指導はしてもデータを取っていないということに本当に驚いております。厚生労働省は全国の労働局に、上がってきたり、いろいろ指導しているわけですね。そのうち、指導したうち直接雇用義務がどれだけ上がったか、どれだけ直接雇用義務の成果を上げたかについて一切データを取っていないというのは非常に分からないんですね。
 行政指導をしたらどんな効果が出たかというのを見るのが当然じゃないですか。本当にそれはないんですか。ちょっとそれが、わざと出していないのか、それとも、なぜその行政指導をした結果が行政が発表できないのか、私はどうしても分かりません。
#519
○政府参考人(高橋満君) いわゆる偽装請負にかかわりまして、私ども、これを是正を求めていくその中で、是正をしていく中で、現にそこで働いておられる労働者の雇用というものが失われるということがあるとこれは大変な問題でございます。そういう意味で、この是正指導をやっていく上で、労働者の雇用が失われることがないようにすることを前提にということで指導をさせていただいております。
 この具体的な労働者の雇用が失われることがないような措置として、もちろん発注先におきます直接雇用ということもその一つの選択肢でございますが、それ以外にも様々な対応があり得るわけでございまして、それらを派遣先、派遣元等々、双方の企業が適正な方法で改善をするよう指導をしておるわけでございまして、私ども、これまで法違反の是正を指導し、それに対して是正を確認をすると、その後。その際にどういう形で雇用の安定を図ったかという実は詳細な措置まで報告を求めていないというのが実態でございます。
 先生からも、この点いろいろ御指摘をいただいておるわけでございまして、私ども、今後、この直接雇用も含めた雇用の安定の措置の把握にも今後ちょっと努めてまいりたいと、今いろいろ検討したいというふうに考えておるところでございます。
#520
○福島みずほ君 それは当たり前のことで、よろしくお願いします。
 というのは、偽装請負があって、雇用を打ち切られないなんて当たり前のことじゃないですか。その結果、直接雇用になったのか、雇用が正社員なのか契約社員なのか、それとも請負という形で徹底したのか、派遣のままなのか、それについては非常に大きいじゃないですか。キヤノンの宇都宮工場では完全請負ですというふうに居直られましたよ。口利いてません、一切指示も出してませんと。請負、偽装請負、派遣、請負とくるくるくるくる変えながら、そうやって居直っちゃうわけですよ。労働者の本当に、労働局が入りながら、正社員や労働条件の向上に結び付いていません。現地の労働局は厚労省の中央と話をしておりますというふうに言っております。
 先ほども、キヤノンのケースで三千五百人、ただ正社員は千人だけということで、報道に関しての質問がありました。
 三月二十五日付けの中日新聞で、偽装請負指導厳格に、三年超なら直接雇用要求との指導を決めたという報道がありました。厚労省に聞いたら、この報道の基になるような発表は今回特にしていないということでした。ただ、偽装請負の是正指導や発注者の直接雇用などを徹底させていただきたいと。みんながやっぱり正社員になったり、より良い労働条件を求めている。雇用が打ち切られないなんというのは当たり前で、それを指導というふうには言わないと思います。
 今局長が、これからある程度データを取るというふうにおっしゃいました。直接雇用に向けて厚労省が頑張ってほしい。一言お願いします。局長。
#521
○政府参考人(高橋満君) 是正指導をする中で、どういうような形で是正をしていただいたか、特に雇用の安定の措置ということにつきましても十分把握をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#522
○福島みずほ君 直接雇用義務で是非正社員の道へ開くように、厚労省は是非汗をかいてください。それについては心から応援をします。
 終わります。
#523
○委員長(鶴保庸介君) 本日の質疑はこの程度といたします。
    ─────────────
#524
○委員長(鶴保庸介君) 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。柳澤厚生労働大臣。
#525
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 平成十六年に成立した年金制度改正法においては、平成二十一年度までに基礎年金の国庫負担割合を三分の一から二分の一に引き上げることとされております。
 この法律案は、これを踏まえ、平成十九年度以降における基礎年金の国庫負担割合を引き上げるものであります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 基礎年金の国庫負担割合について、現行の三分の一に千分の二十五を加えた割合から、平成十九年度以降は、三分の一に千分の三十二を加えた割合に引き上げることとしております。
 なお、この法律は、平成十九年四月一日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#526
○委員長(鶴保庸介君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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