くにさくロゴ
2007/03/29 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第8号
姉妹サイト
 
2007/03/29 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第8号

#1
第166回国会 厚生労働委員会 第8号
平成十九年三月二十九日(木曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     木俣 佳丈君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     岸  宏一君     小泉 昭男君
     藤井 基之君     岡田  広君
     木俣 佳丈君     白  眞勲君
     下田 敦子君     松下 新平君
     山本 孝史君     岩本  司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                阿部 正俊君
                中村 博彦君
                足立 信也君
                津田弥太郎君
                浮島とも子君
    委 員
                岡田  広君
                岸  宏一君
                小泉 昭男君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                岩本  司君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                白  眞勲君
                松下 新平君
                森 ゆうこ君
                柳澤 光美君
                山本  保君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
   副大臣
       厚生労働副大臣  石田 祝稔君
       厚生労働副大臣  武見 敬三君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       菅原 一秀君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       内閣府計量分析
       室長       齋藤  潤君
       外務省国際法局
       長        小松 一郎君
       財務大臣官房審
       議官       佐々木豊成君
       財務省主計局次
       長        真砂  靖君
       厚生労働大臣官
       房審議官     荒井 和夫君
       厚生労働省健康
       局長       外口  崇君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    中村 秀一君
       厚生労働省年金
       局長       渡邉 芳樹君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 この際、柳澤厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。柳澤厚生労働大臣。
#3
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回、雇用保険法案を御提案させていただきまして、非常に私ども大事な法律案ということでこれまで委員各位に御熱心な御審議をお願いしてまいりました。本日も午前中、委員会での御審議を引き続いてお願いをいたしておりまして、これ四月一日施行ということでございますので、是非とも私ども、御質疑に誠実にお答えした上で審議議了に御理解を賜り、しかるべく成立の運びとなるように、委員会各位にもお願いをいたしておりました。
 ところが、こうして御熱心に審議を引き続いてお願いするというこういう重大な段階であるにもかかわりませず、事前にあたかもこの法律案が成立いたしたかのようなそういう表現をいたしております文書を配付をいたしたというような大失態を演じてしまいました。国権の最高機関たる立法府の威厳を著しく傷付けるというようなことになったことに対しまして、ここに、行政機関のトップとして心からのおわびを申し上げる次第でございます。
 この文書につきましては、直ちに回収をさせていただいております。その上で、この件につきまして早急に事実の経緯を究明いたしまして、その責任を明らかにした上で、管理の責任を含めそうしたことに責任のある者につきましてこれを厳正に処分をいたしてまいりたいと、このように考えております。
 今後、二度とこうした事態が生じないように、再発防止のために懸命に努力をしてそのことを徹底してまいりたいと、このように思っております。
 どうぞ、ひとつこの法律案の重要性ということにも御理解をいただきまして、是非とも私どものこの事態を御寛恕できればそうしていただいて、そして国民に迷惑の掛からないように、御善処方と申しますか、わがままなお願いでございますけれども、そうしたことをお願いできれば大変有り難いと、このように思っておりますことを付け加えまして、おわびの言葉とさせていただきます。本当に申し訳ございませんでした。
    ─────────────
#4
○委員長(鶴保庸介君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君が選任されました。
    ─────────────
#5
○委員長(鶴保庸介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長渡邉芳樹君外八名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(鶴保庸介君) 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 冒頭、大臣から謝罪といいますかその意のお言葉があったわけでございますけれども、やはり私どもといたしましても大変ゆゆしき許し難い厚労省の対応だったと思うわけでございます。
 消化試合と思っているんじゃないかと、国会審議を本当に形だけのものと思っているんじゃないかと、このようにも常日ごろ思っておりますけれども、今回のことはそれをまざまざと思い知るような思いがするわけでございます。審議さえ済めば行政がすべて自分らの思いでいいようにしていくと、そういうふうなことにもつながるようなことだと思うわけでございます。
 大臣は、責任を明らかにするというお話がございましたけれども、大臣にはかねてからのいわくの問題もございますけれども、このこともトータルとして責任を自ら取られて法案の成立に尽くすおつもりはございませんか。
#9
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回のことにつきましては、本当に、重ねて申し上げますが、誠に遺憾極まりないことと思っておりまして、重ねておわびを申し上げます。
 先ほど、責任のことにつきましても、責任者については管理責任を含めてよく事態を明らかにした上でそうした処分をさせていただくということを申し上げましたが、この点につきましては、管理責任ということの中に当然自分自身も含めて考えておるということでございますが、私といたしましては、非常に問題山積のこの厚生労働省の仕事を引き続いて全うさせていただく中でそうしたことを明らかにしていきたいと、このように考えております。
#10
○辻泰弘君 私としては、かねてよりの発言もこれあり、今回のこともこれあり、トータルとして大臣が責任を取られるように改めて申し上げておきたいと思います。それと同時に、午前中、同僚議員が質問を予定していたわけでございますけれども、それが結果としてそういった形で延びたわけでございます。次回、やはりしっかりと時間を取って、最後まで審議をするということで臨ませていただかなければならないと思っております。
 さて、今回の法案、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案と、こういう名称でございます。普通、法律の一部を改正する法律案というのはよく審議するんですけれども、今回は一部を改正する法律等の一部を改正するという、一部の一部を改正するという法律の名前になっておりまして、正に中身を表していると、このように思うわけでございます。そういった意味ではネーミングも非常に言い得て妙だと、このように思っている次第でございます。正に一部の一部と、こういう気がするわけでございます。
 私ども民主党、かねてより、年金制度改革にはひときわ私どもの案をお示しして取り組んできたところでございます。三年前になるわけでございますけれども、そのときには、公平、公正、安心、安定、こういった価値を追求するという見地から、平等、公平の価値の追求としての一元化、また安心、安定という価値の追求としての最低保障年金の確立、そして公正という価値の追求の具体的な形である納税者番号制度と国税庁と社会保険庁の統合と、こういったことを基本に据えた改革案を出させていただいてまいりました。
 そういった中で財源のことも触れてきたわけでございますけれども、私どもは、昨年の十二月に政権政策の基本方針というものを出させていただいておりまして、そこで申し上げておりますことは、基礎年金の部分、最低保障の部分の財源はすべて税とする、そして消費税は現行の税率五%を維持し、税収全額を年金財源、基礎部分に充当するということを私どもの党として決めさせていただいているところでございます。
 そういった意味で、私どもからいたしますと、今でいえば基礎年金の全額税方式化、それに最低保障的な意味合いを持たせて、高所得者には低減させていくと、こういった形のことをお訴えしてきたわけですけれども、そのような立場から見ますと極めて微々たるものである、正に一部の一部と、このように言わざるを得ないわけでございます。少なくとも、十九年度の国庫負担の引上げというものを二分の一に上げるというならばもっともっと抜本的なお取組があってしかるべきと、このように思うわけでございますけれども、今回の改正以後の二分の一への引上げの財源は秋以降考えるということで全く無責任極まりない、このように申し上げざるを得ないわけでございます。
 そういった意味で全く抜本的な改革になっていない。そもそも三年前の政府の改革案、百年安心の抜本改革とおっしゃいましたけれども、その後、一元化はこれからやる、また社会保険庁の徴収の問題はこれからやるというようなことばかりでございまして、そういう意味でも全く抜本的な改革でなかったということを自ら証明しておられる今日であると、このように指摘せざるを得ないわけでございます。そのことであるがゆえに私どもとしては今回の法案については反対である、そのことをまず申し上げておきたいと思います。
 さて、まず最初に、国庫負担割合が引き上げられるということになっているわけでございますけれども、正に一部の一部ではございますけれども、千分の十一、一番初めに引き上げることが十六年度にあったわけでございます。そのうち千分の七が引き続き、そして今日千分の三十二になっているわけでございます。それぞれの数字の根拠を簡単に御説明ください。
#11
○政府参考人(渡邉芳樹君) 基礎年金の国庫負担割合につきましては、十六年の制度改正によりまして初めて法律の本則上二分の一国庫負担が明記されたところでございます。その附則におきまして、二分の一引上げに至る道筋を法文の上で明確に示したところでございます。
 その道筋に沿いまして、十六年度におきましては、今御指摘がございましたが、初年度ということで年金課税の見直し分の増収分を引上げに充てました。十六年度は初年度ですので、二百七十二億を定額で加算し、満年度化する十七年度以降について千分の十一という引上げを行いました。国分の税収の一千六百三十二億円全額に相当いたします。これは十六年改正法で規定をいたしたところでございます。
 十七年度以降における国庫負担割合の引上げにつきましては附則において規定がございまして、所要の税制上の措置を講じた上で、別に法律で定めるところにより、適切な水準に引き上げると、こうされておりましたので、十六年の与党税制改正大綱に基づき、定率減税の縮減、廃止による増収分の一部を国庫負担の引上げに充てることが想定されたわけでございます。
 具体的には、十七年度において、年末に与党の政調会長合意に基づき、定率減税の縮減による初年度の増収分千二百五十八億のうち一千百一億円を基礎年金の国庫負担引上げに充てることとされ、それを定率化し、千分の七に相当するものですから、千分の七を定率化して所要の改正を行ったところでございます。
 十八年度におきましては、これも年末の政府・与党合意に基づきまして、前年度に比べて千分の七の引上げ幅となるだけの予算を計上した上で、三分の一プラス千分の二十五というところに数字を引き上げたわけでございます。
 そして、十九年度におきましては、これも年末予算編成過程で、与党の幹事長・政調会長合意に基づき、一千百二十四億円を加算することとし、それを定率化して千分の七を国庫負担割合として加算をする、こういうこととし、今回そのための法律改正案を提案したところでございます。
 したがいまして、十九年度以降におきましては、従来の国庫負担割合三分の一に加え千分の三十二の国庫負担が加算されると、こういう案を御提案申し上げているところでございます。
#12
○辻泰弘君 一番初めの十六年度は、十七年一月から公的年金等控除の見直しと老年者控除の廃止、その分が一月から二月、三月と、その分だけ二百七十二億手当てしたと、こういうことだったわけでございます。すなわち、一番初めのときはいわゆる年金課税の強化、この分が財源として出発したと、こういうことになっているわけでございます。
 そこで、大臣にお伺いしておきたいと思うんですけれども、去年も私、大臣にお伺いいたしましたけれども、この年金課税強化、実はこれにプラスして定率減税の廃止もあり国保、介護の保険料も連動してきた、そして昨年の十月から医療の部分も引き上げられていると、こういうことがあるわけでございます。こういったことで、それぞれ個別のことは必ずしも御存じないにしても、トータルとして年金生活の方々がやはり負担を非常に急増させられたという思いを、去年の六月、そして今年の六月も余波が来るわけですが、そういうことを感じておられ、それが市役所に殺到したということが現実にあるわけでございます。
 そういった中で、私は、一つ厚生労働省としてできること、それは私も申し上げて、国保の算出上、公的年金等特別控除を創設するということがあって二年間の措置でやったわけですけれども、例えばそれを継続するということは厚生労働省の権限でできるわけですね。そのことをやるつもりはございませんか。
#13
○国務大臣(柳澤伯夫君) このところ、年金課税強化であるとか定率減税の廃止であるとかというようなことで、年金に依存して生活していらっしゃる方々にも応分の負担をお願いするという税制改正を行ってまいりました。この考え方はかねてからの税制改正において説明がなされておるとおりでございまして、税の負担につきましては、年齢ということだけではなくて、やっぱり所得というものを高齢でありましても相当程度なさっていらっしゃる方々もあると、現役世代との公平を図る必要があるのではないかというようなことの考え方の中でこうした見直しが行われてきたということは委員も御理解のとおりでございます。
 そういうようなことの中で、今回の定率減税の廃止というものが本年六月から実施されることになるわけですが、これについては国保で住民税にリンクしている方式を取っている一部市町村の場合を除きまして、多くの市町村におきましての、取っている方式を考えますと、直接的な跳ね返りというものはないというふうに認識をいたしておるわけでございます。
 そうした中で、今委員がいろいろと御提案をなされたわけでございますが、我々としては、そうした跳ねの中でどうしていくかということについては、現在、定率減税の跳ねというわけでもありませんけれども、いずれにしても、介護の保険料につきまして段差を設けた保険料率の設定をしておるそういう仕組みについて、これを見直していく必要があるのではないか、その場合にどういう方式が考えられるかということは検討いたしておりますけれども、それ以外の点については当面検討課題とは認識しておりません。
#14
○辻泰弘君 私が言っているのは定率減税の跳ね返りというよりも、元々の老年者控除の廃止と公的年金等控除の縮小の連動のことを申し上げているわけですけれども。
 確認させてください。国保の経過措置は今年で切れるということになるんでしょう、今年というか、来年度といいますかですね。そのことはもうそれで終わりだということですね。それはもう継続するというお考えはないなということをまず一つ確認させてください。イエス・オア・ノーで結構ですから。
 それと、私ども、前も言いましたけれども、老年者控除、やはり出発点が間違っていたんじゃないかということで、老年者控除の復活ということで、適用要件を一千万だったのを三百万に下げた形でやれというのを衆議院の方で格差是正法案の中に入れているわけですが、老年者控除の復活ということを御提言される御意思ありやなしや、そのことだけお願いします。
#15
○国務大臣(柳澤伯夫君) 経過措置と申しますか、そういうことは文字どおり、私ども、移行期の措置と考えておりまして、これを延長するという考え方は持っておりません。
 また、老年者控除につきましても、私どもこれを廃止させていただいたという基本の考え方は今後とも維持いたしたいと、このように考えております。
#16
○辻泰弘君 このことは、今後とも党として国会内外を通じて主張していきたいと思っています。
 さて次に、そもそも基礎年金とは何ぞやということになるわけですけれども、基礎年金の意義ということになるんですけれども、かねがね小泉さんのとき、総理の答弁等もあるわけですけれども、改めて簡単に、恐縮ですけれども、創設のときの、どういう考え方で五万円に設定し、今の六万六千円は何をカバーしているのかということを、簡単で結構ですのでお願いします。
#17
○政府参考人(渡邉芳樹君) 基礎年金は高齢期の基礎的な生活費用に対応して、現役世代に構築した生活基盤や老後の備えと併せて一定の水準の自立した生活を可能とするという考え方でございます。必ずしも基礎年金だけですべての生活費を賄わなければならないというものではございません。
 基礎年金の給付水準の設定の考え方の変遷について今お尋ねがございましたが、確かに変遷がございます。
 昭和六十年改正によって導入した当時は、六十五歳以上の単身者の基礎的消費支出を始めとし、高齢者夫婦世帯の基礎的消費支出や現役世代の消費支出など総合勘案して基礎年金額を設定するということでございました。
 ただ、その後の変遷の中で、六十五歳以上の単身者の基礎的消費支出を参考にして政策改定することについては、年金でございますので、現役世代の賃金の伸び、つまり御負担される側とのバランスということも考え合わされなければならないということもあり、平成六年以降、専ら前回改正以降の消費者物価指数の伸びなどを基に改定をしてきていると、こういう性質で変化してきておるというものでございます。
#18
○辻泰弘君 今のちょっと、必ずしも十分御説明でなかったかもしれませんが、創設当初は単身者でとらえていたけれども、今は夫婦でとらえていると、こういうことですか。
#19
○政府参考人(渡邉芳樹君) 創設当初は六十五歳以上単身者・無業の基礎的消費支出というものを重視して、さらにその上で総合勘案したと、こういう経緯でございますが、平成六年以降は、全世帯の消費水準の伸びという要素も入れて総合勘案するようになりました。平成十二年以降は、消費者物価上昇率を勘案して改定をすると、こういうことで、基本的には今日そういうような方向になっております。
#20
○辻泰弘君 単身はクリアにされたようですが、あとの方が、あるときの坂口さんの答弁は「高齢者夫婦世帯におきます」と、こうなっているわけですよ。だから、夫婦世帯というとらえ方なんですか、そこの部分。
#21
○政府参考人(渡邉芳樹君) 基礎年金を見ておりますときには、先生もよく御承知のとおりですが、高齢者世帯の生活費と年金の給付水準ということをよく私ども視野に入れて見ております。
 御夫婦二人分の満額で十三万二千円余りというものと、家計調査年報によります基礎的消費支出十一万三千円余りというようなものを勘案しながら見てまいったわけでございますが、現実の改定の指標ということで申しますと、今は消費者物価指数を基本としております。十六年改正以降は、それにマクロ経済スライドが加わるわけでございます。
#22
○辻泰弘君 いや、私が言っているのは、夫婦でとらえているのかどうかということです、そのことだけですよ。恐らく夫婦でとらえているんでしょう。だから、そうだと言ってくださいよ、時間掛からないです。そのことだけ。
#23
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほど来申し上げましているとおり、単身・無業の方の消費支出を勘案して設定するという考え方は改めております。
 現在の基準は、前回までの基礎年金額というものがあったら、その後の消費者物価指数で改めていくというのが基本となっております。
#24
○辻泰弘君 ちゃんと答えてくださいよ。私、こんなところで止まるつもりは全然ないんだけど。
 ずっと事務局の説明だとそうなっているわけじゃないですか。単身で来ていて、今は夫婦でのをとらえているんですよ。坂口さんのときの答弁も「高齢者夫婦世帯におきます衣食住を始めとする老後生活の基礎的な部分をカバーする水準」と言っているんだから、それだけのことじゃないですか。
#25
○政府参考人(渡邉芳樹君) 私の申し上げていることとは一致していると思っておるわけでございますが、設定の仕方は消費者物価指数を使っております。それはそのとおりなんです。ただ、それによってでき上がった水準というものをどのように評価するかというときに、夫婦世帯で先ほど申し上げました基礎的生活支出というものとの対比をにらんでいるということでございます。
#26
○辻泰弘君 だから、そのにらんだことを最初に答えてくれたらいいんじゃないですか、私が聞いているのはそこを聞いているんだから。何でこんなに時間掛けなきゃ駄目なんですか。私よりもよくもっと分かっていらっしゃる局長なんだから、そのぐらいちゃんと答えてくださいよ。こんなことで時間取られたらやってられないですよ。
 取りあえず、じゃ、次行かしてもらいますけれどもね。
 生活保護と基礎年金の関係です。これまでも、従来から答弁をいただいています。来られている中村さんにも聞いたこともありますし、川崎さんにも聞いています。
 改めて、基礎年金の水準と生活保護費の水準、このことについての、リンクさせる議論がありますけど、それは分けるべきだと。元々切り口が違うと川崎さんもおっしゃったし、私もそう思っていますが、そのことの確認です。
#27
○国務大臣(柳澤伯夫君) 年金制度は、まず基本的に自律自助の考え方を基本にしているわけでございます。そういう中で、すべての国民の老後の生活の安定を図るために、国民全体で現役期間中に保険料を拠出し合って老後に備えるという社会保険方式を基本といたしております。
 機能としては、役割としては、老後の所得保障の中核的な役割を担っているというふうに考えておりまして、殊に基礎年金というのは、そのうちでも文字どおり基礎的な部分を構成していると考えております。
 一方、生活保護制度は、これはもう言うまでもないことですが、公的扶助の仕組みでありまして、現に生活に困窮している方に対し、収入、資産等を厳格に調査した上で最低限度の生活保障を行うというものでございます。したがいまして、基本的に今委員の御指摘になられたとおり、考え方が違いまして、これは別の制度であると、別個の考え方に基づく制度であると、こういう理解をいたしております。
#28
○辻泰弘君 ともすれば、これをリンクして議論する向きが自民党の部会などでもあるように聞いておりますけれども、どうかそこははっきりと区分けして議論していただきたいと、こういうふうに思います。
 それで、生活保護に言及になりましたので、母子加算のことをちょっと聞いておきたいと思うんですけれども、今回、母子加算の廃止ということでやっていかれるということで総理もおっしゃっておるわけです。要は、実際働いて稼得していらっしゃる方とのバランスと、こういうふうにおっしゃるわけです。しかし、今度審議になるであろう最低賃金法のときは、生活保護との整合性によって最低賃金を上げようと、こう言っているわけです、生活保護に上げようとしているわけですよ。
 母子加算の方は、生活保護という生活保護の論理で積み上げていった数字があって、それよりも現状が低いから生活保護を下ろそうと、こういう話なんですね。これは私は、基本的にいかがなものかというか根本的におかしいと思うんですね。やはり生活保護はそれなりの論理で積み立てて計算されているわけですね。調べたら、最低生活費の認定という形、経常的最低生活費という中に母子加算が位置付けられているわけですよ。だから、それは独自のあるべき姿というか理想というか、そういうものを考えられた上で上げられているもので、それが現実との差があったときに、現実の方にそのあるべき姿を落とすということは逆であって、その現状の方を何とか引き上げるという、それはすぐは上がらないにしても、その生活保護の方は守りつつこちらの低い方を、現実を上げていくという方に政策は行くべきであって、そしてまた生活保護の独自の見直しということがあるならば、それはそれであるかもしれないんだけど、しかし、生活保護として計算した数字があって、それが現実と比べてそっちの方が高いから落とすんだという、これは根本的に私は厚生労働行政の姿勢が問われることだと思っていますけれども、大臣、一言そのことについて御見解をお示しいただきたい。
#29
○国務大臣(柳澤伯夫君) 母子加算につきましては、昭和二十四年、生活保護の基準自体が低かった時代に子育てを一人でする母親には追加的な栄養が必要である等を理由として創設されました。
 その後、生活保護基準は、一般国民の消費の伸びに更にプラスした伸びを用いて基準を引き上げてきたということでございまして、そういう意味で生活保護の基本的な部分に加算される母子加算を含めたレベルにつきまして、全母子世帯中の中位の所得のある世帯と比較をしてその消費水準を上回る水準になっていると、こういうことでこの母子世帯の間の公平性の観点を踏まえて今回是正をさせていただく。ただし、激変緩和にも留意しつつ、これは時間を掛けて段階的に廃止をさせていただくということで、それなりの配慮をさせていただいております。
 その際、もちろん、ただ廃止をするということではなくて、現今の福祉から就労へというこの基本的な考え方の中で、就労している母子世帯等に対しては自立支援を目的とした給付を創設し、さらにまた併せて、就労支援プログラムによる個々の母子世帯の状況に応じた支援あるいは福祉事務所とハローワークの連携による就労支援事業などのそういう就労への支援を通じて母子世帯の自立を助けるということにいたしている次第でございます。
#30
○辻泰弘君 私どもとしては、やはり内容もやり方も間違っていると、このように指摘せざるを得ないと思います。基本的に間違っていると思っております。
 これも私ども、格差是正法案の一つの項目として入れさせていただいております、計画の中へ入れさせていただいておりますけれども、今後ともこのことについては主張していきたいと、このように思います。
 さて、基礎年金の平均額、それから厚生年金の理論値としての最高額、また実績としてどれほどが現実に支給されている最高のランクかと、このことを事務的に簡潔にお示しください。
#31
○政府参考人(青柳親房君) 私の方からは、基礎年金の平均年金額及び厚生年金の場合は実績と申しますかデータ上の数字をお答えし、理論上の金額につきましては年金局長の方からお答えをさせていただきたいと存じます。
 まず、国民年金の老齢基礎年金の受給権者の平均年金額でございますが、平成十七年度末現在で六十六万三千七十二円というふうになっております。また、厚生年金の方の老齢年金については、実は厚生年金の加入期間が原則二十年以上の方の基礎年金分と厚生年金分を合算したものという形でこの金額を考えるのがいわゆるサラリーマンOBの老齢年金額としては意味のある数字であろうかと存じますが、いずれにいたしましてもこの金額は平均標準報酬月額とか加入期間の違いによってそれぞれ差がございます。私どもが把握しております年金額階級別の統計では、平成十七年度末現在で年金額が六百万円以上となっている方が一千七十八人というデータがございます。
 ただ、これ一言お断りを申し上げておきたいと思いますが、いわゆる船員保険、あるいはかつての坑内員の特例というような形で期間が加算されていたような方々が恐らくこれに反映しているのではないかと思いますので、やや六百万円以上というのは高い金額だというふうに御認識をいただければと存じます。
#32
○政府参考人(渡邉芳樹君) 理論上の最高額はという御指摘でございましたので、簡単に申し上げます。
 御承知のとおりでございますが、標準報酬月額と被保険者期間に比例して計算される厚生年金の年金額でございますが、標準報酬月額は六十二万円が上限ですし、七十歳未満の者という被保険者の限界がございます。年金額が青天井に増えていくわけではございません。
 また、基礎年金との組合せで所得再配分機能が働くというような要素にも留意することが必要と思いますが、一定の仮定を置いて、例えば月額給与が六十二万円、賞与が年間三百万円の者が四十年間厚生年金に加入した場合、本人分はおよそ三百万円、月額二十五万円、夫婦二人の基礎年金を合わせた年金額はおよそ三百八十万円程度、月額三十一万七千円、こういうことになろうかと承知しております。
#33
○辻泰弘君 前半の方で六百万以上の方がおられると、こういう台の方がおられるという話だったと思うんですけれども、これは公的年金ということでいいんですね。確認です。
#34
○政府参考人(青柳親房君) 先ほどもちょっと最後に申し上げましたように、主に、例えば船員保険であるとか坑内員の期間というのが三分の四倍されるというような特例がございましたので、そういったことがこれに反映しているものかというふうに存じますけれども、すべて私どもが厚生年金あるいは昔の船員保険のいわゆる公的年金として把握している年金額の数字でございます。
#35
○辻泰弘君 そこで、今資料を配付していただいたんでございますけれども、それは二月に人口の変化等を踏まえた年金財政への影響ということで暫定試算を年金局が出されているわけですけれども、その中身を具体的に見ていかないと分からないということで、現実に年金改革のときには、基礎年金がどういうふうに変わっていくかとか代替率がどうなっていくかということを出していただいたわけです。今日はまだそれの一部でしかないことではあるんですけれども、第一歩として出していただいたということで、そのこと自体は評価させていただきたいと思うんですけれども。
 そこで、まず、局長、これ暫定試算がベースになっているんですけど、基礎年金額を出していただいたんですけど、これの若干の御説明をいただけますか。
#36
○政府参考人(渡邉芳樹君) 恐縮でございます。私の方から簡単に説明させていただきます。
 暫定試算を一月に出させていただきましたが、マクロ的な給付と負担の推計ということで行いましたので、基礎年金の年金額の見通しそのものを出すことを目的としてやっておりませんでした。しかし、暫定試算の枠組みの中で基礎年金の金額というものを計算することはこのように可能でございますので、お示しさしていただきました。
 その結果、人口の基本ケースにおける基礎年金額は、平成二十二年度七・〇万円、平成三十七年度八・七万円、平成六十二年度十六・〇万円で、それぞれ括弧内に機械的に物価で現在価値に割り戻した額を、今申し上げました数字でいうと六万七千円、七万一千円、十万二千円と記さしていただいたところでございます。
 これから新しく年金をもらい始める受給者の年金額と、こういうことでございます。
 それから、今後、マクロ経済スライドによる変化というものはこれから出てくると、こういうものでございまして、そこの部分を表示させていただいております。
#37
○辻泰弘君 ここでちょっと教えていただきたいんですけれども、実質価値が今は六・五万円であると。これは物価スライドがあった場合の本来額の数字になっているわけですけれども、それが一応機械的ではあるけれども二〇五〇年には十万二千円に実質価値がなると。これだけ、三万七千円上がるということになるわけですね。
 このことの意味というのは、こっち側の参考ケースの方は六万五千円が七万九千円、さほど上がらないわけですけれども、それは機械的なことではあるんですけれども、その四万円近く上がるということの意味はどういうことかというのを御説明いただけますか。
#38
○政府参考人(渡邉芳樹君) 一言で申し上げますと、賃金上昇率がかぎになるというふうに思っております。
 新しく年金をもらい始める受給者の年金額は賃金の上昇率を基本として改定される、こういうことになっているわけでございます。そのため、ここは物価で割り戻しておりますけれども、賃金の上昇率が物価を上回っている場合には相対的にこのように高めの数字が列記されると、こういうことでございます。
#39
○辻泰弘君 数字的には、事務的にはそのとおりなんですけれども、そのことの何というか意味というか意味合いですね、それだけやっぱり豊かになっていくと、そういうことになるんでしょうかね。
#40
○政府参考人(渡邉芳樹君) 暫定試算で見通しております将来の図柄というのは、経済の動向も足下も踏まえ、また今後のことも考えて、一定程度軌道に乗ってきているという数値を用いて計算をしているわけでございます、基本ケースの場合でございますが。
 そういうことでございますが、その中でのやはり賃金上昇率の見込みというのは経済成長率に連動しているわけでございまして、こうした傾向値を示すということは、現役世代の賃金が次第に上がり、ある意味で支える力が強くなる、そういう社会ということを想定しておるわけでございます。
#41
○辻泰弘君 年金局長としては支えることばっかり考えていらっしゃるのかもしれませんけれども、しかし、世の中自体がどうなるのかというようなお話だけど、まあトータルとしてはそれだけ豊かになるということの意味合いをおっしゃっているんだろうと思います。
 それで、一つ確認ですけど、この表は、すなわち新規裁定についてずっと書いてあるわけですけれども、一度ここで裁定された人はその後ずっと既裁定でいくわけですね。そのときは物価スライドでいくわけじゃないですか。それは、だから三年前に出したあのときの表と一緒なんだけれども、その人にとってはマクロ経済スライドが掛かっている間はずっと〇・九マイナスでいくわけですから、その分低減していく、すなわち実質価値が低下していくという状況になることが一つ筋書としてあり得るんですけど、そのとおりですね。
#42
○政府参考人(渡邉芳樹君) 御指摘のとおり、マクロ経済スライドで給付調整をしております際には、上昇した物価から一定の係数を減じて年金額を設定、改定していくということになりますものですから、おっしゃるように、その分実質的な価値は減じた状態の時期が続くと。ただ、一定程度それを続けたときには、そうした措置を終了し、元の賃金スライドというもの、あるいは物価スライドですね、既裁定でございますと、そういうものがきちっと復活すると、こういうものでございます。
#43
○辻泰弘君 要は、この表だけ見ますと新規裁定がずっとつながっているから何か増えていくように見えるんですけれども、一個人にとってみれば新規裁定された後は既裁定でいくわけですから、ずっと低減していくということになるんですね。すなわち、ここでいえば、基本ケースでいえば、平成三十八年度までマクロ経済スライド続くわけですから、その間は基礎年金の実質価値が低下していくということを意味しているわけですね。
 ですから、私、この表はこれで一つ意味があると思いますけれども、是非三年前に出された、何年生まれの人がどうなっていくかというのありましたよね、代替率と基礎年金額の実質を示されたね、是非それをまた改めて求めたいと思いますけど、是非そのことについてもお示しいただきたいと思いますけど、そのことについて確認させてください。
#44
○政府参考人(渡邉芳樹君) 暫定試算の段階でございますのでそこまで作業が至っておりませんでございます。誠に申し訳ございません。
 これから本格的な財政検証作業を審議会を通じましてもやっていくことになります。適切な段階で御指摘の点についても私ども資料として用意をして、整備をしていくという考えでございます。
#45
○辻泰弘君 そういうことで、また求めていきたいと思います。やはりこういうことをベースにして議論すべきだと思いますので、今回のことは、これを出していただいたことは評価させていただきたいと思います。
 さて、次のポイントとして、無年金者、低年金者ということになるわけでございますけれども、無年金者、すなわち基礎年金さえあずかれない状況と、こういうことがまだまだあるわけでございます。
 それで、かつてこの議論も当委員会等々でもさせていただいてまいりましたけれども、尾辻大臣のときには無年金者八十万という数字を一定の前提の下にお示しをされたことがございました。そして、私も要求をしたりしまして、とにかくデータについて調査をして公表する方向で検討していきたいと、こういった答弁をされているわけなんです。
 そういった意味で、今厚生労働省として無年金者がどれぐらいかというふうに問われたときどうお答えになるか、その取組の今日までの経緯はどうか、これをお示しいただきたいと思います。
#46
○政府参考人(青柳親房君) 無年金者についてのお尋ねでございますが、御承知のように、無年金者そのものを直接に把握する方法はなかなかなくて、私どもも大変苦労しておるわけでございますが、一つよすがとしては、三年に一遍実施しております公的年金加入状況等調査というのがございます。これはあくまでもアンケートプラス聞き取りの調査でございますので、その対象となった方々を今度は人口で割り戻して全国でどのくらいいるかということを推計するという、方法的な制約があるわけでございますが、最新の平成十六年の調査によりますと、六十五歳以上で公的年金受給権なしというふうにお答えになった方々が推計で全国で六十二万六千人いらっしゃると。ただ、このうち夫婦としては年金もらっていると。したがいまして、昔、サラリーマンの妻が、専業の奥さんが任意加入であった時代に、そのまま老齢期を迎えて、だんなさんは老齢年金を受けていると。したがって、だんなさんが亡くなったときには例えば遺族年金という形の年金に結び付くと、こういう可能性のある方が十八万二千人いらっしゃいますので、差引きしますと四十四万四千というのが十六年時点で公的年金受給権なしということを把握できている人数ということになります。
 ただ、この中には、若干ではございますが、いわゆる繰下げ支給をするために六十五歳以降に初めて受給権の発生する方もいらっしゃいますので、これが直ちに無年金者ということになっているわけではないという点をまず押さえていただきたいと思います。
 これだけでは実は、まだ六十五になっていないんだけれども、もうこれから加入をしても、今七十まで任意加入できるわけですが、その期間加入をしても年金受給権に結び付かない人がいるんじゃないだろうかというお尋ねがあったことから、私ども、初めてその平成十六年に言わば納付記録を全部回すことによってどのくらいそういう方がいらっしゃるかという調査を始めてみました。
 これをまず六十五歳以上の方について納付記録を回したところ、およそ四十万人の方がいらっしゃるということで、オーダーとしては先ほど申し上げた公的年金受給調査と大体同じぐらいかなというふうに確認ができたわけでございます。
 さらに、これに加えて、六十歳になる前であっても、長い間ずっと未加入を続けて、未納を続けて、そのことによって年金受給権に結び付かない方がいらっしゃるのではないかという御指摘があったことから、二十歳から六十歳の方について同様に納付記録を全部回してみたらどうかということで推計した数字がおよそ三十九万人でございました。
 先ほど辻議員の方から御指摘のあった八十万人というのは、この三十九万人と四十万人を足すとおよそ八十万人の方がそういう形で無年金になるおそれがあるのではないかという御質問に対して、当時の尾辻大臣が、これは一定の仮定においてやると確かにそういう数字は出てくると、こういうやり取りの中でお答えになったものと承知をしております。
 私ども、どうもこういうやり方をしておりますと一貫性を持った数字としてなかなか把握ができないということがあるものですから、改めてこの納付記録を全部言わば回すような形で調査ができないかということで、これ、現在調査を進めております。まだ本日時点ではその結果を御報告できませんけれども、この現在進めておる調査がきちんと整理ができましたところで、機会を得て御報告をさせていただきたいというふうに考えております。
#47
○辻泰弘君 今のは、六十五歳以上の方、六十歳から六十四歳の方とか、そういうことも含めてやっているという意味なんですか。
#48
○政府参考人(青柳親房君) 従来の調査が、ただいま申し上げましたように六十五歳以上でどのくらいいらっしゃるか、それから二十歳から六十歳までの方でどのくらいいらっしゃるかということで、六十から六十四の部分がちょうどぽっかり抜けていたような形になったものですから、私どもとしては、そういうことも含めて全体としてそういう無年金になるおそれのある方がどのくらいいるかということを調べたいということで検討しております。
 ただ、一言付け加えさせていただきたいと存じますが、何分に共済年金の加入記録は私ども、現在保有していないという制約がございますので、あくまでもそういう制約の下で精一杯努力をしたらどうなるかというふうにお受け止めをいただきたいと存じます。
#49
○辻泰弘君 制約というのはいつもおっしゃるんだけど、だから早く一元化すべきということになるわけですけれども。
 ただ、これだけ、私も実は平成十六年十二月一日に青柳さんに聞いているんですよ、このことを。そうしたら、今後はこれらのデータについてもきちんと調査をいたしまして、国民にいたずらに不安や誤解を与えることがないような形で公表するというふうに大臣もおっしゃっておられますので、私どももその方向で一生懸命努力させていただきたいと考えておりますと。これが平成十六年十二月一日の答弁ですから、二年半ぐらい前なんですよ。それが今までこんなになっていて、今八十万というのは、もう昔のことをおっしゃっているだけなんですよね。どうなっているのかというふうに言わざるを得ないわけですよ。
 だから、どうなんですか、これ。今は何人だというのをどうお答えになりますか。
#50
○政府参考人(青柳親房君) 現在の数字を考えますときに一つのよすがとなりますのが、先ほど申し上げた平成十六年の公的年金加入状況等調査報告、四十四万四千人というふうに申し上げました。その三年前の十三年との間でどのくらい違いがあるかと比較をしてみますと、十三年の調査ではこれが四十万四千人ということでございましたので、およそ六十五歳以上であれば四十万人台という大きな流れは変わっておらないのかなというふうに私ども現時点では受け止めております。
 したがいまして、その八十万人という数字がそう大きく増大をするというようなことはないのだろうと思いますが、例えばその間の六十歳―六十四歳の分が、じゃどのくらいいるんだろうかということも併せて調べなければなりませんので、調査が遅れておることについてはこの場をかりておわびを申し上げますけれども、私ども一日も早くこの整理をしたいということで努力をさせていただいております。
#51
○辻泰弘君 それは今更ながらではあるんだけど、しっかりやっていただきたいと思いますけれども。
 今のことでいうと、やっぱり八十万を下らざる方々が無年金者であろうと推測されると、こういうことでいいですか。
#52
○政府参考人(青柳親房君) 私どもの把握している記録の中では、これが年金受給権に結び付かないおそれのある方が八十万人台いらっしゃるというふうにお答えをさせていただきたいと思います。
#53
○辻泰弘君 それから、基礎年金番号の未加入者ということも別のこととしてあるわけですね。これはどれぐらいおられるのかという部分、数字だけありますか。
#54
○政府参考人(青柳親房君) 基礎年金番号の未加入者というお尋ねがございましたけれども、私ども実は国民年金の未加入者について、三年に一度行っております公的年金加入状況等調査で大体把握をしておりますが、平成十六年度は三十六万三千人という推計値を現在把握しております。
#55
○辻泰弘君 いや、それは付番されていない人だという意味でしょう。
#56
○政府参考人(青柳親房君) 当然、未加入ということでございますので、基礎年金番号はお持ちでないというふうに推測されますが、基礎年金番号を持っていますかという聞き方ではないものですから、正確にお答えすると、未加入ということでお答えになった方というふうに御理解いただきたいと思います。
#57
○辻泰弘君 それで、要は無年金者解消のための対策というものが、今のことを見ても、その状況を調べることすら遅々として進まない中で、実は無年金者の解消に向けての対策というものがもう本当に抜本的にもなかった。我々としては、なるがゆえに全額税方式における最低保障年金をつくるということを言っているわけですけれども、その部分が実は全く対応ができてなかった。
 ただ、一つのよすがとしてあり得たのは、総務省が提言したことがあって、住民基本台帳ネットワークシステムと基礎年金番号システムを突合させることによってチェックをしていくということを提言したことがありました。結果として、今日まだそのことはやられてないんだろうと思います。今後やられるという方針もあるやに聞きますけど、そのことについてはどうですか。
#58
○政府参考人(青柳親房君) 未加入者対策きちんと、今後どうするかということについてのお尋ねということでありますけれども、ただいままずお尋ねのございました総務省行政監察の指摘に対する対応といたしましては、三十四歳に到達した方の情報を住民基本台帳ネットワークシステムからいただきまして、未加入者の把握を行いまして加入促進を図るというようなことを実は、いわゆるねんきん定期便の前倒しという形で年金の加入記録をお知らせするということも併せてサービスとして実施するものですから、これはある意味で一部そういうことが導入できるようになったというふうに考えております。
 また、将来的には、現在国会に提案をさせていただいております国民年金事業等改善法案の中で、二十歳以上、すべての被保険者ということで考えておりますが、この方々との、住基台帳情報と基礎年金番号の突合をすることによって加入漏れがないようにするという対応もしたいということで、現在検討させていただいております。
#59
○辻泰弘君 ですから、二十歳の人はもう既に全員付番するようになっていると、二十歳を超えたらですね。それから、今おっしゃったように、三十五歳の方は、二十五年残しているということでチェックするという意味で、三十五歳の人はやっていくということですね。今三十五から三十四へどんどん下へ下りていくということでしょう。だから、二十でやった人のところで一応全部つながるということをおっしゃっているんですよね。
 で、問題は、三十五以上の人のところは全然手付かずだということをおっしゃっているわけですよ。だから、前半の方はいいですからね。だから、要は三十五以上の人たちについては実は手付かずのままいくということを今おっしゃっていることになるわけですよ。だから、そこの部分もしっかりやるべきだということを申し上げたいんですが、どうですか。
#60
○政府参考人(青柳親房君) 順番から申し上げますと、まず、今、ただいまのお尋ねの中にもございましたように、二十歳到達者については既に実施をしております。それから、今申し上げましたように、三十四歳に到達した方についてこれから実施をすると。
 さらに、実はねんきん定期便の実施の仕方については、最終的には二十年四月から全面実施ということで考えておりますが、その前に、四十四歳でも三十五歳と同様に四十四歳時点までの加入記録を御通知するというサービスを実施しようと考えておりますので、その意味では四十四歳の時点の言わば突合というものもこの三十四歳に引き続いて実施をする予定が入っております。で、最終的にはすべての被保険者に対して実施をするということで考えております。
#61
○辻泰弘君 今の、もう一遍聞いたから四十四歳のことをおっしゃったんですよ。四十四歳だって六十歳で受給権がなければ後で納められるわけだから、そのことを最初から見据えて四十五から出発すべきなんですよ、それやってね。
 最初は、あなた、三十五からおっしゃったでしょう。だから、そのこと自体、私はやっぱり非常にこのことに向けての積極的な姿勢を感じない一つのポイントでもありますよ。
 いずれにいたしましても、無年金者というもの、その存在というものが、やはり老後における不安、安定感の喪失といいますか、そういったことにつながっている。それなるがゆえに我々は最低保障年金を言っているわけですけれども、その部分が政府の方は、こういった取組もそうですし、そもそも国際的に見ても最低加入期間が二十五年、基礎年金の導入以前は二十年だったけど、基礎年金の方で二十五年をむしろ増やしたと、こういうこともあるわけです。
 まあ短けりゃいいというわけじゃありませんけれども、とにかく無年金者を解消することに向けての努力というものが、実は抜本的なものは何も見えてきてないんですね、この前回の改正以後だけ見ても。そこは本当に極めてゆゆしきことだと思っています。
 そういった意味で、無年金者の実態調査というのをやっていらっしゃるとおっしゃいましたけれども、早急にやっていただいて、まずそこから実態調査した上で、そのことの解消に向けて取り組んでいただきたい。今おっしゃった三十五歳、四十五歳というのもこれからやるよという話ですからね。本来はもっと早めにやっていただくべきことだったと思っています。そのことは強く申し上げておきたいと思います。
 それから、次に基礎年金の拠出金単価のことをお伺いしておきたい。
 まず、拠出金単価が平成十九年度ベースでどうなっているかということ、それからいつもお聞きしていますけども未納の保険料の総額、また免除された保険料総額、これを数字だけお示しください。
#62
○政府参考人(青柳親房君) まず、基礎年金拠出金の単価についてのお尋ねがございました。基礎年金拠出金の単価、平成十九年度、月額で申し上げますと二万四千九百五十九円という単価になっております。
 次に、未納保険料の総額についてというお尋ねでございました。これは平成十七年度末において納期限までに納付されなかった国民年金保険料の総額ということで推計をいたしますと、約八千二百億円となっております。
#63
○辻泰弘君 まず一つは、基礎年金の拠出金単価は二万四千九百五十九円とおっしゃいましたかな、そのうちの保険料相当額は幾らですか。
#64
○政府参考人(青柳親房君) この拠出金単価から言わば国庫負担に相当されている部分を除いた保険料相当額ということでございますが、一万五千八百七十七円となっております。
#65
○辻泰弘君 それから、後半の方で、納期限までに納付されなかった国民年金保険料の総額、昨年の予算委員会等では十六年度末が九千八百とおっしゃっていたんですけど、それが八千二百に相当すると、そういう理解でいいですか。
#66
○政府参考人(青柳親房君) そのように御理解ください。
#67
○辻泰弘君 それから、その予算委員会のときに、国民年金の保険料が免除された額を推計して加えた数値として一兆七千二百億というのを出していらっしゃる。これに相当する額は幾らですか。
#68
○政府参考人(青柳親房君) 十七年度末において国民年金の保険料が免除された額を推計しますと九千三百億になりますので、両方合わせますと一兆七千五百億程度ということで御理解いただきたいと思います。
#69
○辻泰弘君 それから、事実関係としてお聞きしておきますけども、国民年金の保険料の納付率ですね、これは議論になるわけです。年度はまだ区切ってませんけど、十八年段階での数字は出ていますか、十八年の末ということで。
#70
○政府参考人(青柳親房君) 国民年金の保険料については、現在、各月ごとにどこまで納付がされているかという管理をしております。この結果、十八年十二月末現在における国民年金保険料のうち、現年度に納付すべきもの、正確に申し上げると四月分から十一月分までの保険料ということになりますが、この納付率は六四・二%となっております。
#71
○辻泰弘君 これについては昨年も集中的な議論もさせていただいたわけですけれども、十九年度目標が八〇%ということを掲げてやってこられているわけです。それで今六四・二%と、こういうお話があったわけです。
 昨年、私も村瀬長官に聞いたことがありますけれども、その時点でも六七、八%だったようですけれども、八〇%について目標は達成可能かというふうにお聞きしたら、今日の段階ではそうだというふうなお答えでした。この八〇%というような目標に向けて、今六四・二ですけれども、八〇%を可能だと思われるか。大臣、いかがです。
#72
○国務大臣(柳澤伯夫君) 現在が六四・二%、十九年度の目標として八〇%を掲げておるということはそのとおりでございまして、これからねんきん定期便等も前倒しで行われる部分もございますので、そのときにいろいろと気付かれたり考えたりして年金に加入してくださる方が多いことを期待をいたしておりまして、そういったこと、さらにはまた、いろいろと納付のための努力を社会保険庁、新しくまた組織を変えて一生懸命やってくれるということを展望しての十九年度までのこの目標達成には私は期待をいたしている次第でございます。
#73
○辻泰弘君 期待をするのは自由ですけれども、期待して達成できることとできないことがあるわけで、現実問題としてこれは到底なし得ないことだと思いますが、あくまでも八〇%の目標を掲げてやられるということですか、大臣。
#74
○国務大臣(柳澤伯夫君) 村瀬長官もその気持ちで頑張ってくれているということでございますので、私といたしましては、この目標を掲げて続けていきたいと、このように思います。
#75
○辻泰弘君 これは二年半前の年金のときの資料だと思いますけれども、十五年度実績が六三・四%、そして十六年度の目標が六五・七%と、十七年度の目標は六九・五%、十八年度の目標は七四・五%、十九年度の目標が八〇%、こういうふうな段階になっていたわけですよ。A、B、Cという何か機械的な、何か面白い図式を作っていただいてやっていたんですけど、こんなこと到底できないだろうと思ったら、やっぱりできない。今も六四・二%でした。
 十六年に議論していたときに、六五・七%といって十六年度の目標を出していたのに、それ以下なわけですよ。それで十七、十八でやって、十九に八〇に持っていくというのに、足下の十六年度のことすらできてないわけですよ。それでどうして三年後の目標にあと一年でやれるのと、こういう話になるわけですね。
 この点について、もう時間を取ってもあれですから、いずれにしても、この目標、全く空文化していると思いますけれども、空文化しているからこのことはいい加減でいいというわけじゃないですけれども、抜本的な、要は、今までの政府の対応によってはそのことは実現できないということを私は意味しているんだと思います。
 それはそれとして、八〇%をあくまでも目標にするかどうか、大臣、そこだけもう一遍確認させてください。
#76
○国務大臣(柳澤伯夫君) いろいろ私どもも内部で検討しているときに、この目標はなかなか難しい目標だということは率直に話に上ることもありますけれども、当面、私どもとしては、この目標を引き続いて掲げてまいりたいと、このように考えているということでございます。
#77
○辻泰弘君 それで、基礎年金の全額税方式ということを私ども申し上げております。それについては厚労省としては保険方式のメリットと、こういうことをおっしゃっているわけですが、そのことを、簡単でいいですから、大臣、一言だけ、そのことの評価ですね。
#78
○国務大臣(柳澤伯夫君) 基礎年金を全額税方式にするということにつきましては、私どもといたしましては、そもそも自律自助の考え方に立つ社会保険方式にメリットがあると考えているということ。それから、そういうふうに税で全部賄ったときに生活保護との関係を一体どう考えるのかというような問題等々ございまして、私どもとしては現行の社会保険方式にメリットがあると、このように考えております。
#79
○辻泰弘君 まず一つは、自律自助とおっしゃるんですけど、このことになると自律自助っておっしゃる。いつも自助、公助、共助と、こういうこともおっしゃっているわけです。ですから、ここの部分で自律自助ということを追求すると、要は保険料を納めていなかった人は無年金でいいんだということをおっしゃっているのに等しいわけですね。だから、そこの部分が我々とは根本的に違うと。
 自律自助ということは、結局は無年金は放置するんだということを意味しているわけです。そのことを私どもとしては、税を払うということは、消費税なども払う中でやはり負担をしているわけですから、そういったことでの負担をしていただいている国民に対しては一定の年齢の後には七万程度の最低保障年金を保障すると、こういうことを申し上げているわけです。
 自律自助ということの貫徹、すなわち社会保険方式ということの意味は、納付していなかった人は高齢期において年金にあずかれなくていいんだというその冷たい論理の一環になるわけでございまして、そのことはしっかりと指摘をしていきたい、今後ともその議論はしていきたいと思います。
 さて、そこで、次のポイントとして、二分の一への引上げのことでございます。国庫負担の二分の一への引上げの問題でございます。
 お聞きしていると時間がたってしまいますので、私がある程度言ってしまいますけれども、十二年改正のときは「安定した財源を確保し、国庫負担の割合の二分の一への引上げを図るものとする。」ということで附則に規定があったわけでございます。しかし、それは結果として達成できなかった。そのことについては尾辻大臣が、ストレートではないけれども、「安定した財源を確保し、」というこの部分がクリアできなかったと。それから、「図るものとする。」という書き方だったと。だから、努力義務というか努力規定というか、そういうことだったんだということをおっしゃっているのかもしれません。そこも本当は聞いておきたいところですけれども、時間もあれなので、そこはそれとして。
 そして、十六年改正のときには本則に二分の一を位置付けて、むしろ附則の方で、現状から出発して上げていくことを附則でうたっていると。附則の方で、所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で二十一年度までに引き上げていくと、こういう位置付けになっていると。
 すなわち、十二年のときと比べると、本則に二分の一を位置付けたということが大きいということと、税制の抜本的な改革ということを附則ではあるけどうたったと。このことが十二年のときのとは大きく違うというふうにおっしゃるのかと思うんですけれども、その点はどうですか。簡単で結構ですから。
#80
○政府参考人(渡邉芳樹君) 今おっしゃられたような様々な違いが十六年改正法と十二年改正法にはあると思います。
 私どもは、税制の抜本的改革に関する動向も踏まえつつ、所要の安定財源を確保して、二十一年度までに二分の一への引上げを実現すべく最大限、最善の努力をしてまいりたいと思っています。
#81
○辻泰弘君 まあ余り聞かなくてもよかったような答えしかいただけなかったように思いますけれども。
 それで、確認します。
 二十一年度に所要となる財源について厚労省は幾らと見ているか、数字だけで結構です。
#82
○政府参考人(渡邉芳樹君) 二十一年度において基礎年金の国庫負担二分の一への引上げを実現するための所要額は、平成十六年財政再計算ベースで申しますと約二・五兆円でございます。
#83
○辻泰弘君 財務省にお伺いします。
 財務省の方も試算を出しておられますけれども、その算出の中での二十一年度の引上げの所要財源を幾らと考えておられるか、お示しください。
#84
○政府参考人(真砂靖君) 御指摘の後年度影響試算におきまして、基礎年金の二分の一への引下げに係る所要財源は、平成二十一年度におきまして二・四兆円と計算いたしております。
#85
○辻泰弘君 内閣府試算ではどうですか。
#86
○政府参考人(齋藤潤君) 二〇〇九年度時点で国庫負担割合を現行の三分の一プラス一千分の三十二に据え置いた場合と、それから二分の一に引き上げた場合の基礎年金に係る国庫負担額の差として所要額を計算いたしますと、私どもの参考試算でいいます新成長経済移行シナリオの歳出削減ケースAにおきましては二・五兆円程度と見込まれております。
#87
○辻泰弘君 まあ二・四、二・五と大体、違いはあるといえども、前提条件の違いかもしれませんが、そこはそれほど大きな意味はないかもしれませんけれども。
 ただ、内閣府に申し上げておきたいのは、私もこれ、ずっと追っ掛けて予算委員会等でも質問してきましたけれども、竹中さんの十四年、最初からでしたかね、そのときの内閣府の試算があった。そこのときは明確に間接税を財源としていると、こういうことをおっしゃっていたと思うんですね。その後に間接税と所得税を半分ずつとかいうことをおっしゃっていて、それでも一応そのことの内容、税制で手当てするということの内訳もおっしゃっていたわけです。しかし、昨年のと今年はそのことは何もしていないということをおっしゃっている。去年、与謝野さんに私申し上げましたけど、率直に言ったけど、そのことについてまともな答えはなかった、余りよく分かっていらっしゃらなかったというように思っていますけれども。
 この部分、政治的な意味合いがあるということになるかもしれませんが、何ゆえ、かつてはそこまではっきりと出しておられたのに、だんだんトーンダウンして、結局何もそのことは手当てしていませんということを書いていらっしゃるんだけど、そのことをどう御説明になりますか。
#88
○政府参考人(齋藤潤君) 先生御指摘のとおり、例えば「改革と展望」の二〇〇四年度改定の参考試算におきましては、基礎年金国庫負担割合の二分の一への引上げの財源につきまして、所要財源を確保するために、モデルの操作上でございますが、所得税、消費税に機械的な前提を置いたというようなことはございました。他方、今回の参考試算におきましては、税制改革については本年秋以降に本格的、具体的な議論を行うこととされておりますので、これに予断を与えないということをするために具体的な想定をあえて行わなかったということでございます。
#89
○辻泰弘君 一番初めのときにむしろ私は、間接税とおっしゃったときは、むしろある意味では踏み込まれたと思ったぐらいですけれども、しかし、そういう中身をそれなりに想定して、あくまでも試算なわけだから、そういうことは私はあり得るし、それは決しておかしなことだったと思わないんですけど、そこの部分あえて消していこう、ぼかしていこうというのはこれは私は違っていると思っています。そのことは御指摘をしていきたいと思っています。
 それで、次に、時間も経過しておりますから、物価スライドのことも聞こうかと思いましたけれども、まあ物価スライドは結果として、十八年のCPIはプラス〇・三だったけれども、賃金変動率が〇・〇なので、それとの連動で改定をしないということになっている。そして、それは一・九の取戻しの中には入らないと、こういうことですけど、年金局長、それはいいですね、そこで。
#90
○政府参考人(渡邉芳樹君) 御指摘のとおり、賃金変動率がゼロでありましたものですから十九年度の年金額というのは据置きとなっておるところでございます。本来の年金額との差の特例水準との乖離、今おっしゃいました一・七%、これはまだ減っていないということでございます。
#91
○辻泰弘君 私、一・九と言ったかもしれないけど、一・七の間違いですから。私が間違えました。一・七が取戻しの対象になっていないと、だから一・七が残っていると、こういうことでございます。
 さて、そこで、マクロ経済スライドについてお聞きしておきたいと思います。
 まず、これはもう既に厚労省が示していらっしゃるわけですけど、死亡中位、出生中位のときの既裁定、新規裁定のマクロ経済スライドの開始年度をお示しください。
#92
○政府参考人(渡邉芳樹君) 今の御質問は今回の暫定試算においてのことかと考えますので、それでよろしゅうございましょうか。
#93
○辻泰弘君 はい。
#94
○政府参考人(渡邉芳樹君) でございますれば、この暫定試算では先般公表された内閣府の進路と戦略、参考試算に準拠して経済前提を設定しております。この前提の下でマクロ経済スライドの開始の時期は、新規裁定者については平成二十一年度、既に年金をもらっている方については平成二十二年度と見込んでおります。
#95
○辻泰弘君 終了年度は、一応一つ基準ケースのときの平成三十六年度、二〇二六年度と、こういうことですね。
#96
○政府参考人(渡邉芳樹君) 済みません。今おっしゃいました基本ケース、中位の出生率の仮定ということで、マクロ経済スライドの終了年度につきましては二〇二六年度、平成三十八年度かと思いますが、そういうことと見込んでおります。
#97
○辻泰弘君 それから、内閣府の方もいつも聞いているんですけど、試算において開始時期をどうされたか。新規裁定と既裁定の時期をお示しください。
#98
○政府参考人(齋藤潤君) 進路と戦略の参考試算におきましては、マクロ経済スライドが適用されますのは、新規裁定者については二〇〇九年度、平成二十一年度から、それから既裁定者については二〇一〇年度、平成二十二年度からというふうになっております。
#99
○辻泰弘君 やっと厚労省と内閣府の開始時期が合ったわけですね、この一、二年違っていたわけですけれども。それはおめでたいとお祝いを申し上げておきたいと思います。
 それで、財務省の方も試算をされているわけですが、開始時期、新規、既裁定、いつと想定されているか、お願いします。
#100
○政府参考人(真砂靖君) 御指摘の後年度影響試算におきましては、物価について一定の仮定を置いております。この仮定の下でマクロ経済スライドは平成二十二年度から、二年度に適用開始になっているところでございます。
#101
○辻泰弘君 平成何年とおっしゃいました、開始。
#102
○政府参考人(真砂靖君) 平成二十二年度でございます。
#103
○辻泰弘君 とすると、今の御説明というのはよく分からないんですけれども、新規、既裁、新規裁定と既裁定の差は設けていないということですか。
#104
○政府参考人(真砂靖君) 年金額の改定につきましては、平成十六年度改正法に基づきまして、既裁定者は物価変動、それから新規裁定者は賃金変動率ということでございますが、私どもの推計では消費者物価の変動率に一定の前提を置いて推計した関係上、特段、既裁定と新規裁定を分けて試算をしておりません。
#105
○辻泰弘君 そうすると、二〇〇九年度の厚労省なり内閣府が考えておられるマクロスライドは試算の中ではカウントされてないということになりますか。
#106
○政府参考人(真砂靖君) 今先生の御指摘は新規裁定についてのこと。
#107
○辻泰弘君 そうです。
#108
○政府参考人(真砂靖君) 先ほど申し上げましたように、私どもの試算、一般会計歳出で八十数兆の推計をやっております。正確さも当然必要でございますし、一方、分かりやすさも大切だと思っておる関係上、年金の改定につきましては物価変動一本で計算しております。その関係で、既裁定、新規裁定については特段分けて推計してないということでございます。
#109
○辻泰弘君 物価変動で割り切ったというのは一つで、それは賃金スライドも物価スライドも同じ率で考えるということは試算上あるかもしれませんけれども、今おっしゃったのは開始年度ですよ。マクロ経済スライドは二〇一〇年度からとおっしゃったわけだから、それは既裁も新規裁定もということだから、どちらかといえば新規裁定が二〇一〇年度から始まったということをおっしゃっているわけで、そのことは今までの内閣府と厚生省が言っている新規裁定、二〇〇九年度から比べれば、そこの部分カウントしてないことになるわけです。
#110
○政府参考人(真砂靖君) そういう意味では、二〇一〇年度から始まるマクロ経済スライドは、既裁定について申し上げているということだろうと思います。
#111
○辻泰弘君 そうすると、二〇〇九年度から始まる新規裁定はカウントしてないということですね。
#112
○政府参考人(真砂靖君) 何度も同じ答弁になって恐縮でございますが、推計上、既裁定と新規裁定を区別してないということでございます。
#113
○辻泰弘君 私は、財務省の試算というのは非常に精緻だと期待していたんですけれども、非常に何かこの辺が、逃げておられるところあるんだろうけれども、突き詰めて言えばもう少し正確さ、分かりやすさというか、どっちみち分かりにくいんですから正確さを期してほしいと思うんですよね。しかも、厚労省に聞けばいいわけじゃないですか。だから、財務省の、大蔵省のときの主計局は非常に何か偉い人が集まっていて、何か自分らで良いものを作っているんだというふうなことで来ているようなところがありますけれども、だんだん質が落ちてきていると思いますよね。
 今の御説明というのは、実は本質的なところを答えてないんだけれども、実は二〇〇九年度におけるマクロ経済スライドを財務省は見込んでないということを言っているに等しいと私は思います。その点は問題点として指摘をしておきたいと思います。
 それから、大臣、一つ。マクロ経済スライドということ、難しい言葉です。これは私、何遍もここでも言ってきたんですけれども、小泉さんも、マクロ経済スライドは何だと言われたら、私は経済の専門家の知識が乏しいですからとおっしゃっているのが、これが二年半前の六月のあの強行採決の日のことだったんですね、六月三日。私はあそこへ座っていて、首を絞められて、後ろへ倒されたんですけれどもね。そういった、言わば経済の専門家の知識と、こうおっしゃるわけです、マクロ経済スライドはね。それから、ああ、その後、また小泉さんは、マクロ経済スライドは給付者に対して下がらないようにする制度だと、もう逆のことをおっしゃったこともあるんですけれども。それから、尾辻さんは、恐縮ですけれども、今日もお会いしたんで申し訳ないようなところもあるけれども、尾辻先生も大臣のときに、年金の給付の伸びというのは正にマクロ経済スライド、マクロ経済で計算していますと、GDPの伸びというのはその中で非常に占めるまあ一つの要素だと、マクロ経済スライドでいくとそういう答えになるなと思いますと。要は経済の、マクロ経済ということでいっている指標なんだろうと、こういうふうに思うし、素人的、素人というか、普通に見たらそう思うわけですよ。
 しかし、現実には被保険者の減少の率の〇・六%と平均余命の伸びの〇・三%の上がっていくのとの足した〇・九%を物価スライドの、物価の上昇率、賃金上昇率からマイナスするという、そういう調整ですから、何もマクロ経済と関係ないわけですよね。これは審議会等での議論のときにそういうマクロ経済での指標を使ってやるんだという考え方があったけれども、それを採用せずに後ろの方のを採用したんだけど、名前はそのマクロ経済を使ってしまったと。この答弁も尾辻さんのときのもあるんだけど、私が質問したのあるんだけれども。マクロ経済スライドという名前自体が私はふさわしくないと思っています。
 そういった意味で、もう少しいい名前に、少子高齢化のスライドではあるんですよね、少子高齢化対応スライド、まあもっといい名前があるかもしれませんが、実は名前を私は変えるべきだと思っていますが、大臣いかがでしょう。
#114
○国務大臣(柳澤伯夫君) マクロ経済スライドによる自動調整ということを私ども十六年度改正でさせていただいたわけでございますけれども、これは、今後労働力人口が減少していく中で、平均賃金が上昇しても、それと同程度に年金制度を支える力である社会全体の所得や賃金は上昇しないと。つまり、一人当たりの平均賃金が上昇すると一見年金を支える力が増えるように見えるけれども、労働力人口は減少していくものですから、それを、平均賃金が上昇しているほどには年金制度を支える社会全体の所得や賃金は上昇しないということ、つまりこの社会全体の所得や賃金が平均賃金の上昇に応じて上昇していかないと、こういうことをマクロという名称を使ってそういうことにしたんだという説明を私も聞いておりまして、そういう意味で、私、外におったときはなかなか分かりにくい名称だなと思いながら、まあそういうことかというふうにその説明を理解したということが率直なところでございまして、これは年金を専門にする事務方あるいは審議会の先生方が命名したものでございますので、私としてはこれを尊重してまいりたいと、このように考えている次第でございます。
#115
○辻泰弘君 これ、当初、マクロの経済成長率(GDPや国民所得の伸び率)と、あるいは賃金総額の伸び率を年金改定率に反映させる方法ということが最初あって、その後に社会的なことも含めた変動もあると。最初の方の経済のことのやり方を使ってマクロ経済スライドと多分総称していたと思うんですね、この書きぶりから見ても。尾辻さんにもそういうことを申し上げたことがあります。
 ただ、それなのに、その後者の方の社会的な要因での変動なのにマクロ経済スライドという、それを使ってきているということを私はやはり、さっき財務省は分かりやすさとおっしゃったけど、まあ実際は違いますけれども、やっぱり分かりにくいことだと思いますし、いつも大臣が最初このことで困られるんじゃないかと思うので、マクロ経済という名前を外しておいたらどうかというふうに改めて申し上げておきたいと、このように思います。
 さて、時間が迫ってまいりましたけど、もう一点、別の角度からお聞きしたいと思います。
 昨年の十月に会計検査院が「特別会計の状況に関する会計検査の結果について」というのを発表をいたしております。そしてその中で、国民年金特別会計の基礎年金勘定について九千八百十六億円の使途未定の金があると。これはかつての任意加入の積立金の運用等の額だというふうにはお聞きしておりますけれども、これについてどういう方針で対処していかれるのか、御説明いただきたいと思います。
#116
○政府参考人(渡邉芳樹君) 御指摘の点は、私どもも当面する課題の一つであるというふうに考えております。
 長い間この処理ができてこなかった経緯は、今るる述べ立てるのは控えさせていただきますが、この問題につきましては、今般の被用者年金一元化の検討と併せて、関係者の合意形成を図って、必要な政令の制定などを進めて確実に処理してまいりたいというふうに考えております。
#117
○辻泰弘君 今まで結局できずにずっとほったらかしになっていて、今度一元化するときに、恐らく各制度に割り振って返してあげるというか、分配金で配ろうと、こういうことになりつつあることだろうと思うんです。
 私は、やはり一元化の精神ということから考えても、そしてこれは元々配分するには論理性がないというか、配分の仕方が分からないというところから、任意加入の方々がどこに配分になるか分からないということからきているわけだから、これを今更、一元化のときに各制度に返すというのは、これは極めて恣意的というか、極めて手前勝手な話であって、これは私は、やはり基礎年金勘定の歳入に入れてしまって、そこで国民全体のものだというふうに位置付ける、そういった性質のものだと思っておりますが、いかがですか。
#118
○政府参考人(渡邉芳樹君) 長いかつての経緯の中で、今御指摘のように、ここの部分は、各被用者年金保険者の基礎年金への拠出金の軽減に充てるとして、そもそも必要な加入状況はどうだったのかということが記録も何もないという、なかなか難しい議論がございました。
 しかしながら、今日、こうした任意加入時代の妻の基礎年金につきましても、現在の基礎年金制度の拠出金制度の下でしっかり財政的に支えられておる状況にもございますし、この間の一元化の検討の中で、この基礎年金勘定の積立金は被用者年金制度全体の一、二階給付の共通財源の一つということに明らかに位置付けられ直すわけでございますので、様々な検討で立ちはだかっていた論点というものが解消するというふうに考えております。
 したがいまして、公平、公正な整理を今回はできるのではないかというふうに考えて調整を鋭意進めているところでございます。
#119
○辻泰弘君 そうすると、各制度に分配するということじゃないということですか。
#120
○政府参考人(渡邉芳樹君) これは既に法律上、基礎年金拠出金に充てられたものとみなすという、きちっとした法律条文がございます。それを実施するための政令が未制定であったということでございまして、今回はこうした一元化の議論の環境の中で位置付け直しをして、各制度からの基礎年金拠出金として使われたものとみなすという処理が可能であろうと思っております。
#121
○辻泰弘君 ということは、一度、各制度の分配的な形にして、それがこれから拠出としてまた上がってくるということで、実質的には基礎年金勘定に全部入るという理解でいいですか。
#122
○政府参考人(渡邉芳樹君) 一元化法もまだ政府・与党で最後、調整中でございますので、その前提となる事柄も様々にあろうかと思いますが、大きな考え方からいいますと、今の基礎年金勘定の中で積み立てられているお金というものを基礎年金勘定の給付に充てられるようにするということでございまして、各共済制度の方に資金を還付するというようなプロセスを取るものではないというふうに考えております。
#123
○辻泰弘君 それはおっしゃる筋だと思いますので、是非その方針で臨んでいただきたいと思います。
 あと、遺族基礎年金についてお伺いしておきたいと思います。
 遺族基礎年金の遺族の範囲は死亡した人の妻であってということで、女性しかないということで、遺族厚生年金の方は五十五歳以上の男性もあるということなんですけれども、そういった意味では社会全体の状況の投影ではありますけれども、男女の平等性がその意味においては貫徹されていないということになるわけです。
 このことをどう考えておられるのか。諸外国では遺族年金をむしろ縮小していく方向だというふうな議論もあるようですが、その点について御見解をお示しいただきたいと思います。
#124
○政府参考人(渡邉芳樹君) 御指摘のとおり、いろいろな議論がございました。
 現在の遺族基礎年金自身は、かつて国民年金法上、母子年金と言っていたものを引き継いでいるという位置付けのようでございますので、その名のとおり、子のある妻には支給されても子のある夫には支給されない、こういう系譜をたどってきております。考えますに、自ら稼得を得られるようになる可能性が高いというふうに昔は判断しておったものと考えられます。
 では、男女平等という観点で子のある夫にも遺族基礎年金を出すべきかどうかという点につきましては、むしろ御指摘のように、平成十五年の社会保障審議会年金部会の意見書におきましても、男女で雇用機会、雇用条件等に格差がある現状では、現行制度の支給要件に男女差はやむを得ないものと考えられるが、将来の雇用の動向を踏まえつつ、その在り方を検討していくべきであるという御意見もいただいております。
 方向として、子のある夫に出るという方向よりも、そもそも世帯単位、個人単位、あるいは加給年金、それから遺族年金というものの在り方というのが将来に向けてどうなのかという点から説き起こされて検討がなされるべきものと考えております。
#125
○辻泰弘君 時間が来ておりますので終わらなければなりませんけれども、私どもは、前回の改正は抜本的なものではないと。一元化をすべし、最低保障年金を創設せよ、また社保庁と国税庁の統合等々の抜本改革を行えということを三年前から言ってきたわけですけれども、結局それらのことが今政府がある意味では後追い的に、それもイコールではないにしてもそういうようなことをやっていると、こういった状況だと思います。
 今回のことに係って言うなれば、やはり無年金者を放置しているという状況はやはりゆゆしきことだと思うわけでございます。そういった意味で、政府の制度内においても無年金者を解消するという方向での取組が絶対求められると、そのことを申し上げますとともに、私どもといたしましては、私どもが掲げているあるべき年金制度の改革の実現に向けてこれからも頑張っていきたい、そのことを申し上げまして、質問を終わります。
    ─────────────
#126
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山本孝史君及び下田敦子君が委員を辞任され、その補欠として岩本司君及び松下新平君がそれぞれ選任されました。
    ─────────────
#127
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 雇用保険法をめぐる文書配付の問題については、立法府を愚弄するものでありまして、厳しく抗議をいたします。国会は採決する機械ではありません。やはりその多数を与党が取っているからといって、もう予定調和的に議案が通っていくかのような、そういう姿勢がやっぱり厚生労働省にあるからこういう事態になったんだろうというふうに思います。その姿勢が問われているというふうに思います。
 本法案ですが、基礎年金の国庫負担をわずか〇・七%引き上げるというものであります。二〇〇四年の年金制度改正の際に、基礎年金の国庫負担を二分の一にすることが本則に書き込まれましたが、本来はこれ直ちに二分の一にすべきものでありました。しかし、そのために必要な二兆七千億円の手当てができないからということで、遅くとも二〇〇九年までのいずれかの年までと見送られたわけであります。その後、二〇〇四年から二〇〇七年までの四年間で国庫負担率の引上げはわずか三・二%であります。
 大臣、引上げは遅々として進んでいない、この現状についてどう思われますか。
#128
○国務大臣(柳澤伯夫君) 平成十六年の年金制度の改正におきましては、先ほど来るる御説明をさせていただいておりますが、法律の本則上で国庫負担割合を二分の一と定めました。そして、附則においてその引上げに至る道筋を明確にしたところでございます。
 具体的なことはもうここでちょうちょう申し上げませんけれども、十七年度、十八年度においてはこの道筋に沿って国庫負担の段階的引上げを実施したところでございまして、さらに今般、平成十九年度以降の国庫負担割合を〇・七%引き上げ、約三六・五%という法案を提出したところでございます。
 引き続き、税制の抜本的改革に係る動向も踏まえながら、所要の財源を確保して、平成二十一年度までの二分の一への引上げを実現するように努力してまいりたいというのが私の立場でございます。
#129
○小池晃君 その財源財源というふうにおっしゃるんですけれども、これ引上げの財源としては、当初、与党や政府は、公的年金等控除の縮減、老年者控除の廃止、あるいは定率減税の廃止ということを挙げておられました。
 財務省にお聞きしますが、公的年金等控除額の縮減、老年控除の廃止、定率減税の廃止で、来年度予算において国税分の税収増はこの分で一体幾らになっているでしょうか。
#130
○政府参考人(佐々木豊成君) お答え申し上げます。
 年金課税の、来年度の、十九年度ということでございますね。年金課税の見直しは十六年度税制改正によって行われましたけれども、この改正は平年度ベースで約二千四百億の増収でございます。それから、定率減税の縮減、廃止は二年にわたって行われておりますが、そのトータルの平年度ベースでの増収額は二・六兆円でございます。
#131
○小池晃君 トータル二兆八千四百億円の税収増になっているわけです。
 一方で、基礎年金に対する国庫負担はこの間どれだけ増えたのか。年金局長、〇四年以来国庫負担は少しずつ増やされてきたわけですが、来年度予算において今までの引き上げられた国庫負担の増加分というのは幾らになるんでしょうか。
#132
○政府参考人(渡邉芳樹君) 十九年度における引上げ幅千分の七に必要な所要額は一千百二十四億円として予算に計上いたしました。これまでの分を合わせまして、三分の一からの累積の引上げ幅千分の三十二に相当する所要額は約五千百億円ということでございます。
#133
○小池晃君 二兆八千四百億円の税収増がありながら、基礎年金の国庫負担に回されたのは五千百億円ということになるわけであります。
 私ども反対いたしましたけれども、政府・与党は、この国庫負担率の引上げの財源として、年金課税の強化、あるいは定率減税の縮減、廃止ということを充てるというふうに説明していた。しかし、大臣ね、実際には増税分の二割弱しか基礎年金国庫負担引上げの財源に充当されていない。
 大臣、これは国民を欺くものということを言われても仕方がないんではありませんか。
#134
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、私どもがお約束というか、法律においてうたっておりますものは、平成二十一年度までに国庫負担二分の一を実現するということでございまして、その安定的な財源を確保する道というのは十九年度における税制改正で基本的に担保していると、こういう考え方でございまして、それまでの道行きとしては、今日まで着実にその道筋を歩んでいるというふうに私どもは考えている次第でございます。
#135
○小池晃君 着実に歩んできたと言うけれども、五分の一しか回っていないわけですよね。国民は、この増税というのは国庫負担引上げのために使うんだという宣伝されていましたから、そう理解している人が多いんです。ところが、五分の一だと。
 しかも、これ最初何と言っていたかというと、これ言い出しっぺは公明党だったんですね。その公明党の皆さんは、これ定率減税ですべてやるということを当初おっしゃっていて、私、公明新聞を持ってまいりましたけれども、これは二〇〇三年九月、当時政調会長だった北側氏による北側試案というものであります。この北側試案によれば、五年間掛けて三段階で国庫負担を引き上げる。第一年度は年金課税見直しで六千億円。第三年度は定率減税見直しで一兆五千億円。第五年度は定率減税の廃止で二兆七千億円。だから、結局、国庫負担二分の一に対するその費用というのは五年間でできますよという計画を打ち出されて、この計画どおりであれば、今年はめでたく基礎年金の国庫負担二分の一、実現していたはずなんです。しかし、実際にこの計画どおり実行されたのは増税の部分だけだということになるわけですよ。
 大臣、もう一回聞きますが、こういう議論の中でやられていたのに、増税分の五分の一しか基礎年金の国庫負担に回っていないというのは、これは国民に対するこれ約束違反ということになるんじゃないですか。
#136
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう重ねてお答え申し上げますけれども、厚生労働省としては、厳しい財政状況の下ではありますけれども、国庫負担割合の二分の一への実現に向けて、それぞれの年度の財政事情の中で最終的なゴールに向かって適切な財政運営をしているという認識でございまして、二十一年度までには必ず国庫負担二分の一を確保するための安定的な財源を確保していくと、こういう考え方で進んでいるということでございます。
#137
○小池晃君 結局、この経過振り返れば、基礎年金国庫負担の引上げというのは、年金課税の強化、あるいは定率減税の廃止の口実に使われたにすぎないんじゃないか。
 しかも、安倍首相は今何と言っているかというと、これは昨年九月の党首選の討論会で、二〇〇九年には基礎年金の国庫負担の引上げの財源が必要だから今年の秋から消費税増税の議論を始めると言っているわけですね。今度は正に年金国庫負担の引上げが消費税増税の口実にされようとしているわけです。正に偽りの証文で二回増税をやるような、そんなことだと思います。私、こういうやり方は絶対許されないということを申し上げておきたいというふうに思います。
 それから、年金にかかわって、無年金障害者の問題について、これも依然として解決をされておりません。
 超党派で議論もして、特別障害給付金、これつくりました。この受給状況、一体どうなっているか。総数と、その中の内数である学生、元学生、主婦、これそれぞれ数を答えてください。
#138
○政府参考人(青柳親房君) 平成十九年一月末時点での特別障害給付金の受給者数は、総数七千四十七人となっております。その内訳でございますが、学生であったことに基づく学生の要件に係る方が三千五百四十六人、それから配偶者の要件に係る方が三千五百一人となっております。
#139
○小池晃君 これは、一昨年末時点で五千六百二十人だから、余り増えていないんですね。そもそも、当初のいわゆる坂口試案で対象者とされたのは二万四千人ですから、非常に少ない。なかなかやっぱり周知徹底も遅れているし、手続も非常に、簡素化したということは、手続で簡素化ということは言われてはいるんですが、なかなか実態としてはそうなっていないんではないかということも言われている。ここは引き続き簡素化、改善を求めたいと思います。
 同時に、この問題では無年金障害者による訴訟が全国で起こっています。そのうち、統合失調症による精神障害者については、初診日が二十歳の後であっても、本人や周囲が発症に気が付かない、気が付きにくい、あるいはその社会的偏見からなかなか受診が遅れがちになる、こういう点を考慮して、その初診日を発症日と解釈して障害年金の不支給決定を取り消すという判決が相次いでこれ出ております。最近では仙台高裁が二月に国の控訴を棄却する判決を出しています。
 大臣、これ、発症日が二十歳以前であることがいろんなその材料から判断できるような場合があるんですよね、特にこの統合失調症という病気の場合は。しかし、実際に病院に行って診断が付いたのは二十歳後だと。これで無年金になってしまうと。私は、これはやっぱり余りにも理不尽だと思うんですよ。やっぱり、こういう場合は初診日が二十歳を過ぎた後であっても障害年金の支給対象とするという、やっぱりそういう決断をすべきじゃないでしょうか。大臣、いかがでしょう。
#140
○国務大臣(柳澤伯夫君) 国民年金法第三十条の四に定めます二十歳前障害による障害基礎年金の支給に当たりましては、初診日において二十歳未満であることが受給資格要件とされているところでございます。このため、二十歳前に統合失調症を発症した者が二十歳以後に初めて医師の診断を受けた場合には、二十歳前障害による障害基礎年金を支給することは、一つには、初診日において二十歳未満であることを要件とする法律に抵触しておりまして、これは法解釈の範囲を超えるものだということがございます。
 それから、加えまして、統合失調症の発症時点を医学的に特定することは極めて困難であるということから、もしそうしたことをした場合には法の統一的かつ公平、迅速な運用に支障が出ると、こういう問題を我々は考えておりまして、現行法に基づく取扱いを運用によって変更するということは難しいということでございます。
#141
○小池晃君 しゃくし定規に当てはめたらそういう話になるんですけれども、それでいいんですかと私は言っているんです。やっぱりせめてこれぐらいはという話なんですよ。しかも、公平性とかっておっしゃるけれども、私はその統合失調症の方でこういう事情をしんしゃくして運用することに国民から不公平だという声は上がらないと思いますよ。やっぱりせめてこのぐらいはやるべきだというふうに思います。
 これ、法律どおりにやるのであればそういう話になるのかもしれませんが、しかし運用の変更によってこれは改善できる問題だと、政治的決断が求められているというふうに思います。これは、医学的に二十歳前に発症したと判断できるケースでの司法判断は、東京高裁、仙台高裁というふうにこれは司法判断の方向性固まりつつあります。やはりきちっと政治決断すべきだというふうに申し上げます。
 最後に、難病対策についてもお聞きしたいと思うんですが、三月十三日に開催された第四回特定疾患対策懇談会で、進行性骨化性線維異形成症いわゆるFOP、それから色素性乾皮症いわゆるXP、これが難治性疾患克服研究事業に追加されたことはこれは歓迎をしたいというふうに思っております。
 一方、FOPとXP以外で希望を出していたHAMあるいは線維筋痛症などの十五疾患については研究事業の対象とさえなりませんでした。さらに、拘束型心筋症、肥大型心筋症など、既に研究事業の対象となっているけれども、特定疾患の対象にしてほしいという希望は議論すらされなかった。
 局長にお伺いしたいんですが、特定疾患対策懇談会で研究事業のことだけに今回議論を絞ったその理由は何でしょうか。
#142
○政府参考人(外口崇君) 特定疾患治療研究事業につきましては、対象の見直しについて、昨年末、特定疾患対策懇談会において検討されたところであります。これに対しまして、現在事業の対象となっているものの医療の継続を図ることなど、様々な御意見をいただきました。平成十九年度におきましては、これまでと同様の対象に対して事業を実施することとして、特定疾患治療研究事業の対象疾患は追加は行わないとしたところでございます。この方針につきまして、第四回の特定疾患懇談会の冒頭に事務局の方から考え方を説明して、了承をいただいたという経緯がございます。
#143
○小池晃君 しかし、実態としてはやっぱり本当に患者さんたちの暮らし、大変なわけですよ。毎年、何年間も要望を出し続けている、そういう疾患もあるわけです。この間、四年間、新たな疾患の追加がない。だから、患者団体の皆さんも、今回は追加されるんじゃないかということでかなり期待もされていた。ところが、されなかった。
 このまま打ち止めになるようなことというのは私許されないと思うんですが、局長、今後これらの疾患の扱いはどうなるのか、もうこのまま打ち止めにしてしまう、そんなことは決してないですよね。
#144
○政府参考人(外口崇君) 治療研究事業の方につきましては、これは先ほど申し上げましたように、特定疾患対策懇談会の中でもいろいろ議論をしてきたところでございますけれども、今般、様々な御意見もいただいておりますので、特定疾患治療研究事業の対象疾患の追加の在り方や対象の考え方につきましては、今後も引き続き適切に検討してまいりたいと考えております。
#145
○小池晃君 特定疾患については、これは二〇〇二年度まではほぼ毎年対象疾患を一つずつ、あるいは二つとか、追加してきたという経過がある。しかし、四年間追加がないわけです。これは何でなんですか。何かもう追加しないというような内部での取決めでもあるんですか。それとも、これで打ち止めではないというのであれば、はっきり言っていただきたい。
#146
○政府参考人(外口崇君) 打ち止めと決めるようなことはもちろんないわけでございますけれども、そもそも特定疾患治療研究事業の対象疾患でございますけれども、希少性、原因不明、効果的な治療法が未確立、生活面で長期にわたる支障を来すという四要件をすべて満たして、全国規模で研究を行わなければならない、また、治療法の開発を進めなければならない疾患から、治療が極めて困難であること等を総合的に考慮して特定疾患対策懇談会において選定されているところでございます。
 最近、平成十四年度に二疾患を事業の対象に追加したほか、平成十五年度におきましても、このときは疾患の分類を見直して三疾患を事業の対象として明確化したところでございます。平成十六年、十七年度には、この懇談会におきまして対象疾患の選定等のための要件の明確化に向けた検討を進めることが提案されて議論が行われてきたところでございます。平成十八年度、十九年度については先ほど申し上げた経緯でございます。
 いずれにいたしましても、特定疾患治療研究事業の対象疾患につきましては、今後も引き続き適切に検討してまいりたいと考えております。
#147
○小池晃君 いろいろ検討したけど増やさなかったと言うけれども、二〇〇三年以降も要望は出続けていたわけです。こういったものが対象とならなかったというのは、これ予算の問題がやっぱりある。
 特定疾患の予算というのは、二〇〇一年度、二〇〇二年度の二年間、前年度比で一〇%ずつ減少いたしました。その結果、都道府県への交付率も大幅に下がって、そういう議論の中でパーキンソン病やあるいは潰瘍性大腸炎の軽症者というふうに位置付けて、そういった人たちを特定疾患から外そうという動きもそれが最大の理由であっただろうというふうに思うんです。
 大臣、先日の第四回特定疾患対策懇談会の閉会に当たって座長の金澤氏はこう言っているんです。前回の第三回懇談会では予算がないとのことなので厳しい結論を出させてもらった、これは例の潰瘍性大腸炎やパーキンソン病の問題。患者会からは力強いサポートをいただいたが、政治の面から予算を増やしてくださるものと期待していると、こう述べたそうなんですね。
 やはり、本当に今の経済状況の中で更に難病も抱えていると、非常に困難に置かれている人たちを更におとしめるようなやり方というのは、私はきっぱりやめるべきだというふうに思っております。懇談会の金澤座長も政治に対する期待というのを述べている、しっかり予算を増やしてほしいという声を上げている。大臣もこの点にこたえてやっぱり決意するべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
#148
○国務大臣(柳澤伯夫君) 特定疾患治療研究事業の国の予算でございますけれども、平成十五年度以降、毎年増額を実現しておりまして、十九年度予算におきましても一般歳出の伸び率より高い伸び率を確保いたしております。
 特定疾患治療研究事業の対象疾患につきましての経緯については、先ほど健康局長から御説明させていただきましたように、範囲を見直すという提言があったわけですけれども、その後、いろんな御意見がありまして、十九年度におきましてはこれまでと同様の疾患を対象とするとしたところでございます。
 今後、特定疾患治療研究事業の適正な実施、それから予算の確保に努めますと同時に、対象疾患の追加の在り方については、さらに今回の経験にもかんがみて、関係者の意見、患者の状況を踏まえながら適切に検討していきたいと、このように考えております。
#149
○小池晃君 予算を増やしていると言っているけれども、でも、疾患が増えないというのはやっぱり予算の増やし方が足りないわけですから、ここはしっかり見直していただきたい。
 以上です。
#150
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず冒頭、この委員会の中で審議が継続中であるにもかかわらず、昨日の夕方、厚生労働省から、委員会での採決終了、本会議採決終了、二十九日成立という文書が、私には来ませんでしたが、この委員の中の一部に関して配付がされているという、とんでもない事態。これは与党、野党を問わずもう怒り狂うべき問題です。
 国会の審議を行政は何と思っているのか。この国会の中で、野党はこの法案に反対です、雇用保険法案に。これに関して、お互いに議論を尽くしながら議論をしていくということを余りに無視している。これは国会無視でありまして、三権分立の中での行政の傲慢であるとしか言いようがありません。
 このような態度で緩んでやっているとしたら、すべての国会議員に対する、やっぱりそれは冒涜であるというふうに私は考えます。猛省を促すとともに、原因や、なぜやっぱりこういうことが起きるのかということについて真摯な反省をしていただきたい。大臣、いかがですか。
#151
○国務大臣(柳澤伯夫君) この件につきましては、先ほどお許しをいただいてこの委員会の冒頭でも発言をさせていただきましたけれども、私ども、本当にもう反省をいたしております。二度とこのようなことの起こらないように、国権の最高機関たる立法府の審議というものに対してもっと姿勢を正して厳しく臨んでいきたいと、こう思っております。
#152
○福島みずほ君 また、資料をどのように配付しているかについても、私は社民党として抗議文を出しますけれども、どのように出しているのか。資料をいただくこともありますが、同じ理事懇談会の中で共産党には来ている、社民党には来ていないとか、非常にばらつきがあるんですね、あるいは民主党でも来ていなかったり。いや、すべてに来ていないことを怒っているという意味では、来た中身が問題なんですが、配付やその他についてもそもそも国会をやっぱり愚弄しているということで、徹底調査も含めて厳しく追及をしていきたいと思います。
 次に、ただ次は私は一言お礼を申し上げます。
 この厚生労働委員会の中で、ハンセン病補償法による補償金の対象施設に南洋諸島の入所者がなぜ入らないかという点を質問してきました。このたび、厚生労働省が四月上旬予定で告示の中に南洋諸島の四つの施設を指定することを決定されたと聞いて、これは大変喜んでおります。大臣を筆頭に、調査を含めて厚生労働省で御努力いただいた皆さんに感謝するとともに、補償がスムーズに進んでいきますよう、更に御努力いただきたいと思います。いかがですか。
#153
○国務大臣(柳澤伯夫君) このたび、南洋群島にありましたハンセン病療養所を補償金の対象施設に追加をさせていただきました。これは、終戦時に日本の統治下にあった南洋諸島ということでございまして、この法案審議の際に、今後必要な情報を得て追加に関する検討を行うというふうに説明をしていたところでございます。その後調査を続ける中で、三月上旬、現地調査を行うとともに関係者から当時の状況等を聴取した結果などから、今回、四療養所における隔離収容の事実が確認されました。そういう事実を踏まえまして、今回、告示指定をさせていただいたということでございます。
#154
○福島みずほ君 国民年金改正法案についてお聞きをいたします。
 国庫負担を平成二十一年度までに二分の一へ引き上げるための財源は何ですか。
#155
○国務大臣(柳澤伯夫君) 基礎年金国庫負担割合の引上げにつきましては、平成十六年度改正法の附則におきまして、平成十九年度をめどに所要の安定財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で、平成二十一年度までに二分の一に引き上げるということにさせていただいております。
 今後、税制の抜本的な改革に係る動向も踏まえながら、所要の財源を確保し、平成二十一年度までにこの法律の附則の規定を実現するように努力をしてまいりたいと、このように思っております。
#156
○福島みずほ君 三月十六日、衆議院厚生労働委員会の答弁で、消費税も含めて財源を検討するというふうに答弁されています。しかし、格差が広がっている日本社会で国民年金の財源を消費税に求めれば、更に低所得者らの負担が増え、ひいては国民年金の未納も増えるのではないでしょうか。
#157
○国務大臣(柳澤伯夫君) 税制改正の内容そのものは、厚生労働省の担当分野というわけではありません。ただ、本年秋以降、本格的な具体的な議論をするということが想定されて、日程として決まっておると思います。平成十九年度をめどに消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるよう取り組まれるというふうに承知をいたしております。その際には、今委員の指摘になるようなこと万般を踏まえまして税制改正は行われるものと、我々は認識をいたしております。
#158
○福島みずほ君 最近の労働力調査で、御存じ、パートタイマーの女性の賃金がまた下がったと、格差は拡大をしています。低所得者の可処分所得を減らす、あるいは負担を増えるような消費税のアップでこれをしないように強く申し上げていきます。
 次に、昨日、新編靖国神社問題資料集、国立国会図書館が分厚い資料集を出されました。これを見て大変驚きました。
 一九六六年、昭和四十一年、祭神名票、祭りに神に名前に票と書きますが、祭神名票を出した以降、厚生労働省、厚生省は合祀に関知してないということでよろしいでしょうか。
#159
○政府参考人(荒井和夫君) 私ども旧厚生省におけまして旧軍の人事資料を保有していたことから、昭和六十一年度までは、靖国神社を含めて遺族それから戦友会などから調査依頼があった場合には、一般的な調査回答の一環として回答してきました。
 どのような者を合祀し、どのような者を合祀しないかということは、靖国神社の……
#160
○福島みずほ君 問いに答えてくれれば結構です。
#161
○政府参考人(荒井和夫君) 判断で行っています。
#162
○福島みずほ君 問いに対して答えてくだされば結構です。
 一九六六年、昭和四十一年以降、厚労省は合祀に関知してないということでよろしいですね。
#163
○政府参考人(荒井和夫君) 今申し上げましたように、昭和六十一年までは調査回答業務の一環として、靖国神社からの要求、求めに応じて情報を提供しておりますけれども、しかし合祀に関して関与はしてございません。
#164
○福島みずほ君 再度確認します。はっきり答えてください。
 一九六六年、昭和四十一年以降、厚生省は合祀に関知していないということでよろしいですね。
#165
○政府参考人(荒井和夫君) ちょっと関知という意味がどういう意味かということはございますが、私どもは靖国神社の求めに応じて、靖国神社が出してきた基準に応じたそのリストを出しております。それに基づきまして靖国神社が合祀をするということでございます。
#166
○福島みずほ君 厚生省がどのような関知をしていたかということをきっちり答えていただきたいんです。
 厚生省が関知をしていない、合祀に関して一切関知していないということでよろしいですか、一九六六年以降。よろしいですか。
#167
○政府参考人(荒井和夫君) 繰り返しの答弁になりますが……
#168
○福島みずほ君 はっきり言ってくだされば結構です。
#169
○政府参考人(荒井和夫君) 靖国神社からの求めに応じてそのリストを出しておりますが、そのだれを合祀するかの決定は靖国神社自身が行っているということだと思います。
#170
○福島みずほ君 問いに答えてないですよ。私が聞いているのは、一九六六年、昭和四十一年以降、厚生省が合祀に関知していないということでいいかということを聞いているんです。名簿を出したか出していないかということを聞いているのではありません。合祀に関知していないということでよろしいですね。
#171
○政府参考人(荒井和夫君) 合祀自体の決定には関知はしてないと。関与していないというか、それに対しては私どもは靖国神社が判断するものだというふうに考えております。
#172
○福島みずほ君 全く事実は違うんですよ。今と同じ答弁を厚生省は今まで国会で繰り返してきました。昭和六十一年の委員会でも、「合祀するかというのは靖国神社の判断であり、厚生省は合祀には関知はしていないわけでございます。」と答弁し、今審議官も関知をしていないとおっしゃいました。
 しかし、この書類を見ると、資料が、昭和四十四年一月三十一日、合祀に関する検討資料、これについては、はっきりと再確認事項でA級戦犯合祀可という話合いをやっているわけです。これを関知と言わないんですか。
#173
○政府参考人(荒井和夫君) 御指摘の資料を含めまして靖国神社が作成した文書について、私ども詳細は確認できておりません。確認しておりません。
 ただ、今の件につきましては、事前にどういう方を私どもとして靖国の方へ情報として提供するかというその事前の会議をやったということについては、情報として私も聞いてはおります。
#174
○福島みずほ君 祭神名票に名前を出したかどうかということを聞いているのではありません。関知したかどうか、関知してきたかどうかについて、関知していないとおっしゃいました。実はそれはこの国会で繰り返されてきた厚生省の答弁です。私の質問にもそう答えてきました。
 しかし、はっきりと資料でそうでないというのが出てきています。これは出席者も、例えばこれは昭和四十四年一月三十一日に厚生省援護局の課長とそれから靖国神社側みんな出席をしておりまして、確認をしております。再確認事項でA級戦犯合祀可という確認事項が出てきております。
 厚生省は、当時、課長も出席をして、A級戦犯合祀可という話合いを靖国神社側としているじゃないですか。これは関知しているということではないんですか。これは関知しているじゃないですか。今までの答弁、うそじゃないですか。冒頭、審議官が関知してないと言ったけれども、関知しているじゃないですか。合祀可という検討をしているんですよ。再確認事項にはっきりA級戦犯十二名合祀可ということで合意をしています。関知しているじゃないですか。今まで国会にうそついてきたんですよ。
#175
○政府参考人(荒井和夫君) 私どもが靖国神社の方へ情報を提供するに当たって、事前に円滑にいくためのそういう会議を持ったという話は聞いてございます。ただ、その中でどういう議論をされたかということにつきましては、全く確認はできておりません。
#176
○福島みずほ君 A級戦犯の合祀、BC級戦犯もそうですが、話合いを持っているわけじゃないですか。合祀可ってやっているじゃないですか。これは共同行為ですよ。むしろ国の主導を示すような他の資料もありますよ。これははっきりと昭和四十四年の検討資料、いつからいつまで、場所はどこで、出席者はだれで、どういう話合いをしたか全部残っていますよ。再確認事項、A級戦犯合祀可ってやっていますよ。これを関知と言わないんですか。
#177
○政府参考人(荒井和夫君) 繰り返しになりますけれども、円滑に私どもの事務を進めるために靖国とは協議をやっているという話は聞いてございます。ただ、その中でどういう方をやったらいいかという議論もあるいは出ていたかもしれません。その辺は事実は確認できませんが、そういう議論はあったかもしれません。
 ただ、それを決めるのは靖国であり、靖国からの要求に応じて、求めに応じて、私どもはその基準に応じて資料を提供してきたということでございます。
#178
○福島みずほ君 いや、全くおかしいですよ。祭神名票を靖国神社に提供をかつてはしてきた。しかし、一九六六年以降はしていないかもしれない。しかし、はっきりこの資料集で昭和四十四年、一九六九年に話合いやっているんですよ。課長が出席していて、再確認事項の中にA級戦犯十二名合祀可って確認しているんですよ。関知しているじゃないですか。(発言する者あり)これは認めますね。
#179
○政府参考人(荒井和夫君) また繰り返しになりますけれども、私ども、この会議でどういう内容の議論が持たれたか全く承知してございませんが、ただ、繰り返しになりますけれども、私どもはいかに円滑に調査業務がうまくいくかということからの観点から議論をしてございます。
 その中で、あるいはそのA級戦犯、いわゆるA級戦犯の問題が出てきたときに、何らかの議論があったかもしれませんが、あくまでもそれは意見交換の中の議論だというふうに私ども認識しております。
#180
○福島みずほ君 政教分離の原則が憲法にあります。同席して議事録が残って、出席者も分かって、靖国神社側はもちろん出ていますが、厚生省援護局西村調査課長、補佐、全部名前出ていますよ。再確認事項、A級戦犯合祀可とやっているんですよ。
 つまり、今まで国会で質問してきたり、過去の議事録でも関知していないと答えてきました、厚労省側は。本日、私の質問の冒頭にも関知していない、答えられたじゃないですか。関知しているでしょう。一緒に協議をして、一緒に会議をやって、再確認事項を作ってA級戦犯合祀可ってやったら、これは合祀に関して厚生労働省が確認をしているということですよ。
#181
○政府参考人(荒井和夫君) 繰り返しになりますが、円滑に事務を進めるための話合いは持たれたということは聞いてございます。その中でいろいろな議論があったのかもしれませんが、ただ、私どもが承知していることは、あくまでも基準をつくるのは靖国神社であるし、靖国神社からの求めに応じて、私どもはそれに合った、基準に合った方々を祭神名票という形で出してきたということでございます。
#182
○福島みずほ君 これは、こういう資料があるかどうか、厚労省の中できちっと精査してくれますか。
 なぜ私が怒っているかというと、かつて先輩たちも含め国会で審議してきたんですよ。私も質問しました。関知していないと言ってきたじゃないですか。資料も出さなかったですよ、関知していないと言い切ってきた。この資料が厚生労働省にあるか。合祀に関するすべての資料を厚労省は出していただきたい。
 大臣、いかがですか。この資料を厚労省の側から出していただきたい。いかがですか。
#183
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今審議官から度々御説明させていただきましたように、どのようなものを合祀し、どのようなものを合祀しないということは靖国神社の判断でございまして、靖国神社がいわゆるA級戦犯を合祀した経緯については、政府としては承知をしていないということでございます。
 なお、この旧厚生省におきまして、昭和五十四年四月十九日の新聞記事等により、いわゆるA級戦犯が靖国神社に合祀されていることを認識しているわけでございまして、この資料も今、福島委員が指摘した資料の写しもここにありますが、これも靖国神社作成ということでございまして、私どもとしてはこの資料について確認すると、資料作成靖国神社調査部と記されておりまして、このことを確認するということはできないわけでございます。
#184
○福島みずほ君 しかし、これははっきりと出席者、厚生省援護局となっていて、確認をし、再確認事項として非常に重要な点ですよ。A級十二名合祀可ということを確認をしているんですよ。これは関知ですよ。政教分離に明確に反することですよ。厚労省は今まで関与してない、関与してない、関知してないと言いました。でも関知を示しているじゃないですか。これについて厚労省は今まで国会に対して、国民に対して明確にうそをついてきたということをきちっと謝罪をすべきですよ。
 それと、例えば同じ資料の中に、例えば五八年四月九日、合祀基準に関する打合会、旧厚生省援護局職員四名、神社側五名などが出席、BC級戦犯に触れ、厚生省の担当者が、個別審議して差し支えない程度で、目立たないよう合祀に入れては如何、研究してほしいと提案、神社側は総代会に相談してみる、その上で打合会を開きたいと応じている。つまり、資料で出てきているのは、厚労省が主導しているんですよ。靖国神社側に提案をしているんですよ。
 それから、もう一つ、例えば慰安所を経営していた人が、占領下のアジアで慰安所を経営していた一般人を合祀するということで、それも全部入っていますよ。というようないろんな、もう本当に貴重な資料が出ているんですが、これは客観的な資料です。
 で、今日私が質問した最大のことは、厚労省は一九六六年以降一切関知してないですねということに関して、会議を持ち、確認事項をし、A級戦犯合祀を決めた再確認事項の重要な会議に厚労省側の人たちがきっちり参加をしているということです。これに参加をしている厚労省の人は、西村調査課長、石田補佐、山野業務班長、中島資料係長、村岡業務第二課長、阿部補佐、脇田補佐、元木係長、全部名前が出ています。調査をしてください。
 これは資料として出ていますが、国が今まで国会に対して、国に対して、そして今日も冒頭においてうそをついた。違うじゃないですか。関知しているじゃないですか。一緒に会議を持ってA級戦犯合祀可ってやっているんですよ。BC級戦犯については主導していますよ。政教分離に明確に反し、かつ……
#185
○委員長(鶴保庸介君) 時間が来ておりますので。
#186
○福島みずほ君 分かりました、はい。
 かつ、今日の冒頭においても事実と違うことを言ったということについて強く抗議をします。この点について厚労省が根本的に戦後の厚労行政におけるものを洗い直すよう強く求めます。
#187
○委員長(鶴保庸介君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#188
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岸宏一君及び藤井基之君が委員を辞任され、その補欠として小泉昭男君及び岡田広君がそれぞれ選任されました。
    ─────────────
#189
○委員長(鶴保庸介君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#190
○小池晃君 日本共産党を代表して、国民年金法改正案に反対の討論を行います。
 本法案が、基礎年金の国庫負担二分の一と国民年金法本則に明記されているにもかかわらず、国庫負担率の引上げを更に先延ばしする、そういう法案だというのがその理由であります。
 二〇〇四年改正の際に、与党は年金課税の強化、定率減税の縮小、廃止によって基礎年金国庫負担率二分の一引上げに必要な財源を確保すると説明してきました。
 年金課税の強化、定率減税の縮減、廃止によって増税は国税分だけで二兆八千四百億円に上ります。この増税分を基礎年金財源に充てていれば来年度から二分の一への引上げは達成されていたはずです。ところが、実際には基礎年金国庫負担は五千百億円しか増えておりません。本法案も定率減税縮減、廃止による増収が財源といいながら、そのわずか十分の一を充てるのみであります。
 安倍首相は、基礎年金国庫負担率の引上げを理由に、今年秋から消費税引上げの議論を始めるとしています。基礎年金国庫負担率引上げを高齢者増税、サラリーマン増税の口実に使っただけでなく、今度は消費税増税に使おうとしています。偽の証文で税金を二度取り立てるようなものであり、断じて許せません。
 以上、申し上げて、反対討論といたします。
#191
○福島みずほ君 社会民主党・護憲連合を代表して、国民年金法の一部を改正する法律案について反対の立場から討論を行います。
 国民の生活に対する不安が高まっている中で、特に年金制度については、社会のセーフティーネットとして安心感を与えるものに改革していくということは多くの国民が政治に求めていることです。特に、基礎年金部分の国庫負担を二分の一に引き上げることについては、年金制度を安定的なものにするためにも不可欠であり、多くの国民が望んでいるところであり、そのために努力する点では評価するところです。
 しかしながら、本案では、その実行に当たって財源に定率減税の縮減分等を充てるなど、人々の不安を一層高めるやり方を取っており、認められません。社民党は、ただでさえ厳しくなっている個人の生活からではなく、法人税の見直しなどを進める中で、安定した財源を確保する中で実現すべきと考えます。
 また、高齢者への増税や定率減税の廃止によって国税の財源が二兆七千億円増えました。にもかかわらず、それが年金の国庫負担に充てられておらず、二〇〇七年度までに約五千億円しか増えていないということも納得できません。
 また、厚生労働大臣は、財源の確保のために消費税も検討に入れる旨の答弁を衆議院でもやっております。消費税は所得の低い人々に大きな負担を強いる税制です。
 国民年金は不安定な職場の方や離職者、高齢者の割合が非常に高いという特徴があり、これらの人々に一層の負担を強いることになります。このことは一層の国民年金の空洞化へとつながり、要請されている年金制度の安定化に反するものとなりかねません。
 以上の理由から、社民党・護憲連合は本法案に反対であることを述べて、反対討論といたします。
#192
○委員長(鶴保庸介君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#193
○委員長(鶴保庸介君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#194
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト