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2007/04/26 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第15号
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2007/04/26 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第15号

#1
第166回国会 厚生労働委員会 第15号
平成十九年四月二十六日(木曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     山本  保君     風間  昶君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     郡司  彰君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                阿部 正俊君
                中村 博彦君
                足立 信也君
                津田弥太郎君
                浮島とも子君
    委 員
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                郡司  彰君
                櫻井  充君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                柳澤 光美君
                風間  昶君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
   副大臣
       厚生労働副大臣  石田 祝稔君
       厚生労働副大臣  武見 敬三君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       菅原 一秀君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       消防庁審議官   寺村  映君
       外務大臣官房審
       議官       田辺 靖雄君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    中村 秀一君
       中小企業庁事業
       環境部長     近藤 賢二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (救命救急制度に関する件)
 (救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の
 確保に関する特別措置法案に関する件)
 (国民の安心のための救急医療体制の確保に関
 する決議の件)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、山本保君及び岡崎トミ子君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君及び郡司彰君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(鶴保庸介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局長中村秀一君外一名の政府参考人の出席を、また、社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長松谷有希雄君外二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(鶴保庸介君) 社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○津田弥太郎君 民主党・新緑風会の津田弥太郎であります。
 いつも能書きを多少前段で言うんですが、今日は時間がないんで、限られた時間だということで早速質問に入らせていただきたいと思います。
 この本法案につきましては、既に一昨日、与野党による六時間の質疑が行われました。また、昨日は、参議院の厚生労働委員会としては今国会初めてとなる法案に関しての参考人質疑も行われたところであります。参考人質疑の中で多少ちょっと混乱がありましたけれども、まあそれはそれといたしまして、大臣は昨日の参考人質疑には出席をしておりませんが、参考人の意見陳述あるいは委員のやり取りについては事務方から報告を受けられているというふうに思うわけでございます。
 そこで、お尋ねをいたします。
 これまでの二日間の委員会審議を経て、本法案について、何が良くて何が大きな問題であるかという点で本委員会の共通認識といったものが醸成されつつあるのではないかというふうに考えるわけでございますが、その点、柳澤大臣自身はどのようにお考えでしょうか。
#7
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま津田委員の御指摘のように、これまで二日間にわたりまして委員会の審議をお願いいたしてまいりました。この間、非常に高い立場からの御意見をちょうだいいたしますと同時に、現場をよくごらんになっていただいているそういう立場からもまたいろいろと御意見をちょうだいして、私ども大いに参考にさせていただこうという気持ちでおる次第でございます。
 そういう中で、何がいいかということと同時に何が問題かという両面からの御質疑をいただきましたけれども、私といたしましては、今回お願いをしておりますこの法案の眼目であります、多様化、高度化する国民のニーズに的確に対応できる質の高い人材を養成して、そして質の高いサービスを提供できるというような仕組みを整えようとしているということにつきましては、私ども、御理解をいただいているのではないか、もとより、そうしたことが今問題になっている処遇の改善とどういうふうにつながっていくかということについてはいろいろな手だてが必要だという御指摘をいただいておりますが、基本的には資質の向上ということは必要だという意味で御理解を賜っているのではないか、このように考えます。
 他方、この改正案におきまして、私ども、国際的な協定からやむを得ない措置として准介護福祉士という仕組みを入れさせていただいているわけでございますけれども、この点につきましては、せっかく資質の向上ということで一元的な国家試験の下での介護福祉士資格の取得ということを志しながら、他方でこうした特別な立場の人を認めるということは将来にいろいろな悪い影響を引きずるのではないか、こういう御懸念からする御指摘もいただいたというふうに考えておる次第でございます。
#8
○津田弥太郎君 そうです。そこが問題なんですね。つまり、大きな問題点というのはこの准介護福祉士ということであります。
 そこで、今回の改正に当たり、平成十八年一月に社会・援護局長の私的懇談会が設置をされ、八回にわたる検討を行った結果、報告書が取りまとめられたわけであります。この報告書を踏まえ、社会保障審議会福祉部会において、平成十八年九月以降四回にわたって審議を行い、十二月十二日に介護福祉士及び社会福祉士制度の在り方に関する意見という形で取りまとめが行われたところであります。
 そこで、改めてお尋ねをするわけですが、十二月十二日の取りまとめまでの過程で今回の法案に盛り込まれております准介護福祉士の話は厚労省から説明をされていたのでしょうか。
#9
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 准介護福祉士の仕組みは、昨年十二月に社会保障審議会福祉部会において取りまとめられた意見書を踏まえ、法案を作成する段階において、養成施設の卒業者も新たに国家試験を受験する仕組みとする改正を今国会で行うため、現行制度を前提としているフィリピンとの間の経済連携協定との整合にも配慮しつつ盛り込んでいるものでございまして、意見書の取りまとめに至る審議過程で審議会に対しましてこの准介護福祉士という改正案を厚生労働省から御説明したことはございません。
#10
○津田弥太郎君 それでは確認いたします。
 准介護福祉士については、フィリピンとの協定がなければ改正案にその語句が盛り込まれることは絶対になかったという理解でよろしいでしょうか。
#11
○政府参考人(中村秀一君) 准介護福祉士の仕組みは、養成施設の卒業者も新たに国家試験を受験する仕組みとする改正を今国会で行うため、現行制度を前提としているフィリピンとの間の経済連携協定との整合にも配慮しつつ盛り込まれたものであり、協定の整合を確保することがこの仕組みを検討するに至った直接の契機でございます。
#12
○津田弥太郎君 分かりました。
 私たち民主党では、そのような准介護福祉士の創設については極めて問題があるという認識の下で与党との間で法案に対する修正案の検討を行ってまいりましたが、このほどその合意がなされたところであります。既に大臣はその内容について御存じだと思うんですが、御存じですね。
#13
○国務大臣(柳澤伯夫君) はい。
#14
○津田弥太郎君 簡潔に、この修正案についてどういう御感想をお持ちか、お答えください。
#15
○国務大臣(柳澤伯夫君) 准看護師制度に、看護福祉士制度につきましては、先ほども私、御答弁申し上げましたとおり、いろいろな角度からの御議論が行われて、こうしたことを置くのは、せっかくの今回の資質の向上ということと本当にそぐうのか、また将来に禍根を残さないか、こういうようなことを指摘をされたわけでございます。
 それに関しまして、今回、法律案の修正という形でこれへの手当てをいただいたということでございまして、私ども、もしそのような修正案が行われ、修正案が成立をするということになりましたら、その御趣旨を体して対処をしていかなければならない、このように考えておるところでございます。
#16
○津田弥太郎君 看護師じゃないですよ。介護福祉士ね、介護福祉士。
 今は修正案の話でありますが、また、法案に対する附帯決議につきましても、各党間で協議を重ね、参議院厚生労働委員会の総意としてまとまりつつ今あります。
 この中に、准介護福祉士の仕組みについての項目が予定をされているわけでございますが、その内容については、大臣、御存じでしょうか。簡潔にどうぞ。
#17
○国務大臣(柳澤伯夫君) 法律案に対します附帯決議につきましては、率直に申し上げて、私ども、これを同じ立場で知るということには相なりませんけれども、事前におまとまりの経過等につきまして事務方にお示しいただいておりますので、私としては、そういうチャネルを通じて、内容についても私なりに承知をいたしているところでございます。
#18
○津田弥太郎君 仮に、この修正案、先ほど言いました修正案が可決されましたならば、その内容は当然に政府を拘束することになりますし、附帯決議につきましても、これが可決をされますと、その後に柳澤大臣は、これはお決まりの言葉ではありますが、このように委員会で発言することになります。練習です。ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。一字一句間違いありません。
 それでは、修正案と附帯決議がいずれも可決されました場合に、それらを併せ読みますと、准介護福祉士の取扱いについてはどのようになるとお考えでしょうか。その趣旨に関し、大臣の認識をお伺いいたします。
#19
○国務大臣(柳澤伯夫君) 修正案と附帯決議案が可決をされたという場合には、准介護福祉士の制度がこのような観点から暫定的に置かれているということを踏まえまして、この協定の発効後に早急にフィリピン側との協議、調整を行っていくべきこと、また准介護福祉士の制度について検討を行う時期としてこの法律の公布後五年を目途という時期、さらに速やかに介護福祉士への統一化を図っていくという方向性、こうしたことが明確になるということかと、このように受け止めさせていただいております。
#20
○津田弥太郎君 分かりました。
 さて、その附帯決議を踏まえて、協定の見直しに向けて、今大臣おっしゃったように、政府はフィリピン側と速やかな交渉を行っていただきたいというふうに考えるわけであります。
 現在の協定に関するフィリピンの国会での批准が本年七月ごろというふうに伺っておるわけでありまして、批准後三十日を経て発効となるというふうに思われますが、厚生労働省としましては、発効後の協定の見直し交渉について、開始の時期をいつごろと考えているのでしょうか。また、フィリピン側を説得して協定の見直しを実現するために、どのような切り口を考えていらっしゃるでしょうか。
#21
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、御指摘にもございましたように、フィリピン側の批准手続が終わっておりません。そういう現状を踏まえますと、現時点においてフィリピン側に協定の修正を申し入れることは困難であると、このように考えております。したがいまして、フィリピン側の手続が終了して協定が発効した後におきまして、協定の運用状況や改正法案の公布後の状況を踏まえまして、適切な時期に必要な対応を行っていくことになろうと、このように考えておる次第でございます。
 今後、国際交渉の任に当たりますのは外務省でございますので、外務省とも連携を取りながら、フィリピン側との協議、調整を行い、できる限り早くこの仕組みが必要でなくなるという、そういう状況が出現しますように最大限努力をしていきたいと。その際、我が国におきまして介護に関する専門的な知識、技能を有する者としての介護福祉士の資格を得るためには国家試験の受験を必須とすることとした今回改正の趣旨につきまして、フィリピン側に十分説明をし、理解を求めてまいりたい、このように考えております。
#22
○津田弥太郎君 さて、七月ころの国会の批准、そしてその後三十日、ここから先、大臣、ちょっと失礼なことを申し上げて恐縮なんですが、今年の秋以降、おおむね交渉、再交渉が始まるということになりますと、大臣がその時点で厚生労働大臣をおやりになっているかどうかというのは、国会が新しくなりますので分からないわけであります。特に、この公布後五年間ということになっておるわけですから、この平成二十四年までの間に何としてもフィリピンとの再交渉をしていただかなきゃいかぬということになるわけで、これは、閣法を修正をするという大きな取組を今行おうとしているわけでありますから、大臣、是非、いかなる大臣が厚生労働大臣になろうとも、必ず、この問題につきましては平成二十四年までには必ず再交渉をして、この准介護福祉士というのはなくすんだと、この引継ぎをしっかりやっていただきたいと思うんですが、その辺について、何か特にお考えになっていることがあればお示しをいただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
#23
○国務大臣(柳澤伯夫君) 協定が発効した後におきまして、協定の運用状況や公布後の状況ということを踏まえまして、適切な時期に必要な対応を図ってまいりたいということを先ほど御答弁申し上げました。
 もちろん、この仕組みが必要でなくなる状況というものを最大限努力して実現したいというふうに考えておりますけれども、そういうことで、協定が発効してどういう状況になってくるのかということは、それなりの期間見させていただくということでないと、なかなかこのフィリピン側との交渉ということの我々の方の交渉の基盤というものがとらえることが難しいのではないかと、このようにも考えるわけですけれども、できる限りこの御趣旨に沿う方向で、そうしたことが可能となるように努めてまいりたいと、このように考えておりまして、その後、大臣人事のことまで委員はお触れになられましたけれども、これは通常、私ども、行政の連続性ということを非常に重視しながら内閣あるいは行政の運営ということをいたしておりますので、その点については御懸念のないようにいたしたいと、このように考えます。
#24
○津田弥太郎君 大事な、最重要事項って一杯あるんですけれども、本件も大変重要な事項でありますから、これからの我が国の介護制度を揺るがしかねない、この准介護がスタートしてしまうと揺るがしかねない事態になるわけでありますから、是非ともそういう形できちんとやっていただきたいと思いますし、中村援護局長におかれましても、今後五年間ずっと局長を続けられるということは恐らくないと思うんですが、事務方の責任者として、きちんと後の局長にしっかり、これだけは必ずやれよという形で引き継いでいただくという御決意を言っていただきたいと思いますが、いかがですか。
#25
○政府参考人(中村秀一君) 私どもは大臣の指揮を受けて仕事をいたしております。今大臣から御答弁申し上げたとおりでございますので、当然、行政の連続性ということで、組織としてきちんとやってまいりたいと思います。
#26
○津田弥太郎君 分かりました。
 さて、フィリピンとの問題については以上でありますが、今日、皆様のお手元にお配りをいたしております、外務省の作成をいたしました日タイ経済連携協定という二枚紙の資料をお配りを申し上げております。特に、マーカーでそれぞれ記したところがこの介護福祉士にかかわる部分でございます。
 この日タイ経済連携協定の資料を見てみますと、この一枚目の右側、人の移動の項目の中で次のように書かれております。日本側は一定の要件の下でのタイ料理人、それから指導員、指導員というのはタイ伝統舞踊、タイ音楽、タイ料理等、これらの人の入国、それから一時的滞在を約束、介護福祉士、スパ・セラピストについては継続協議。タイ側は就労目的の在留許可要件、就労に係る手続について約束。それから二枚目ですね。二枚目の左下のところは、介護福祉士受入れの可能性について継続協議というふうになっているわけでございます。
 まさか外務省は、今回フィリピンとの間で発生した問題をタイとの間で再び発生するなんということはないというふうに私は信じておるんですが、まあ信じてたってしようがないんで、念のため確認をしたいというふうに思うんです。
 このタイとの間の経済連携協定、あるいはその後にその他の国と経済連携協定が予定されたとした場合に、この介護福祉士の受入れについては、我が国の国家試験を受験していただくということで相手国との交渉が行われると理解して間違いないでしょうか。
#27
○政府参考人(田辺靖雄君) 今後、タイにつきまして介護福祉士の受入れの可能性につきまして協議をしていくということになっております。
 それから、現在まだ署名には至っておりませんが、インドネシアとの間におきましても介護福祉士の受入れの仕組みを構築するという大筋合意を得て、引き続き交渉を終了させるべく努力をしておるところでございますが、このような今後の介護福祉士の受入れの可能性について関係国と協議をしていくに当たりましては、現在御議論いただいております改正法案の御審議の状況及びその結果を十分踏まえてまいる所存でございます。
#28
○津田弥太郎君 十分踏まえてということの中身については、逆に厚生労働省がしっかり外務省に対して、言ってみれば、こういう形で交渉をしてもらいたいということをきちっと言っていかなきゃいけないわけでありますけれども、中村局長、その辺についての決意を語ってください。
#29
○政府参考人(中村秀一君) 今お話のありましたタイ始め今後出てくるであろう国々との介護福祉士の受入れというようなことが案件として上がってまいりました場合につきましては、その受入れ可能性について協議を行っていくに際しまして今回の法律改正を前提としていくよう、その際、この国会における議論を踏まえまして国際交渉の任に当たる外務省に申し上げていきたいと考えております。
#30
○津田弥太郎君 分かりました。
 さて、この医療と介護という分野は、今日の我が国の社会を考えたときに国民生活に最も密着した分野の一つであろうと思います。生まれてから死を迎えるまでの間、医療と全く接点のない方というのは皆無でありましょうし、介護につきましても、自分自身あるいは家族を含めて考えるならば、介護の問題と無縁のうちに生涯を終えるという方というのも恐らく極めて数少ないのではないかというふうに想像されます。
 私事で大変恐縮ですが、前回も私事言っちゃったんだけど、私の父親は今八十五歳なんですが、耳がほとんど聞こえなくなりまして、もうすぐお世話にならなきゃいけないと思っていますし、母親はもうすぐ八十三歳になるんですが、今、要介護一で、週に三回ヘルパーさんに来ていただいて本当にお世話になっているということで、恐らくこの会場にいらっしゃる方々も多かれ少なかれ様々な形でかかわり合いがおありなのではないかな、そんなふうに思うわけであります。
 しかも、この医療、介護の両分野については、他の分野以上にマンパワーの要素が極めて高いという特性を有しているわけであります。この先どんなに科学が進歩しようとも、やはり基本となるのは人と人との関係であり、提供側の人的資質が問われる分野であろうと思うわけでございます。とりわけ介護の場合は、正に人と人とが正面から向き合うことで一層その側面が強くなるというふうに考えます。そうであるならば、何よりも大切なことは、介護に携わる人材について期待されている役割にふさわしい処遇をしていくこと、そのことにより、まじめに働く方の意欲が失われることを防ぎ、優秀な人材の新規参入を促すことにもなるわけであります。
 私は、今回の介護福祉士の資格取得方法の見直しに併せ、介護福祉士の処遇の改善のための施策を早急に講じていただきたいというふうに考えるわけでありますが、柳澤厚生労働大臣の見解をお伺いいたします。
#31
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今の御指摘は私も全く同感でございます。いろいろエピソード的にも聞くわけでございますけれども、介護に当たる方々と対象の方々との関係というのは極めて難しい、そういうことを聞いておるわけでございまして、現実に介護福祉士になられてそうした業務に携わる方々にいかにふさわしい人材を得ていくかということは我々の大きな課題であると、このように考えております。
 そういう観点から、現在、社会保障審議会で福祉士の人材確保指針の見直しについて御議論をいただいておるわけでございますけれども、そこで良い結論をいただきたいと、このように考えておりますが、それと同時に、多分そういう中、この御議論の取りまとめの中でもいろいろと御指針をお示しいただけるかと思うんですけれども、施設経営者や介護事業者の方々に今回の改正の趣旨を十分に御理解いただきまして、その方々において可能な労働環境の改善に努めていただくということが求められるということになろうかと思います。
 また、今度は介護保険制度等における側におきましても、介護福祉士の取扱いについて、いかにしたら今言ったようなふさわしい人材を確保するだけの処遇の確保ができるかというようなことにとりまして、非常にそこのところは検討を要するところだと、このように思っている次第でございます。
 いずれにいたしましても、今委員が指摘されるような役割にふさわしい人材、そして、人材が確保された場合にその方々の意欲が失われることのないようにこれから施策の推進に努めてまいりたいと思っております。
#32
○津田弥太郎君 最初の冒頭の大臣の滑り出しは非常に良かったんですが、私と同じ意見だというふうにおっしゃったんですよね、冒頭。その後だんだん、何かあっちも課題があり、こっちも課題がありって、何だか訳が分からなくなってくるんですが、私が申し上げておるのは、介護福祉士の処遇の改善のための施策ということを申し上げているわけです。これ、様々なところで検討されているというのは、具体的にどう検討しているかということが大変大事なんですね。介護福祉士の処遇の改善のためにはどうしたらいいかというのは、これは極めて、これは金銭、財政にかかわる部分として当然出てくるわけでありますから、そこのところをもう少し突っ込んだ御見解を示していただけないでしょうか。
#33
○政府参考人(中村秀一君) 大臣からも御答弁申し上げましたように、今、万般にわたりまして福祉人材確保指針の見直しについて検討をいたしているところでございますが、具体的にどういう分野かということを申し上げますと、今委員からお話が出ておりますとおり、介護従事者のまず待遇の改善ということが大きなテーマになっておりまして、この点については、委員会でも御指摘がございました賃金それから労働時間、勤務体制、健康の確保も含めた福利厚生、こういったことが事項になっております。
 それぞれ、現在、例えば一般労働者に比べまして介護従事者の勤務時間が長いとか女性が七八%占めている労働現場であるとか、夜勤は看護師さんほど多くはありませんが、月に四・四回夜勤をなさっている方が、ホームヘルパーさんを除きましてでございますが、多いとか、そういう介護の就労の勤務状況を踏まえた点、それぞれの点についてどういう対策があるかということを検討しております。
 また、介護の事業所は、一つの法人で一つの施設というような形態でやっておられるところが多く、また最近、小型の施設が処遇の面から慫慂されるということもあり、少人数の職員の方で少人数の対象者の方をケアしていると。そういった中では、例えば研修を求めてもなかなか現員体制では研修に出れないといったような問題がございますので、そういったことについて事業者間の連携を図るとか、場合によっては法人の規模の拡大を図るとかいう経営面の検討もテーマに挙がっております。
 また、それらを含めまして、今大臣からも御答弁申し上げましたように、支える制度として介護保険制度や障害者自立支援法等がございますので、そちらの制度での介護福祉士さんの報酬も含めた扱いというのが課題になります。
 それから、介護福祉士の方々が、勤務年数も短いという問題、離職率が多いという問題も指摘されておりますので、逆の見方をしますと、長く勤めた場合のキャリアアップの仕組みというようなことが問題になってきますので、そこのところは任用の問題も出てまいりますので、そういった面、これは制度面にも絡みますし、また事業を経営している方々の御判断ということもありますので、そういった面などにつきましても検討しております。
 また、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律というのがございまして、介護労働者の方を雇用管理しておられる方々、経営者の方々の雇用管理の改善のための相談援助、助成金による活用促進等のこともやっておりますので、そういったことも検討テーマに当たっております。
 いずれにいたしましても、委員も課題が多いというお話を御指摘いただきましたけれども、こういったことを一つ一つ解決していかなければならないと考えておりますので、精力的に検討を進めまして、できるだけ早く指針の改定をし、それを踏まえた国、地方公共団体としての様々な対応をしていきたいと思っておりますし、また、事業所の方々にもお願いする点はお願いしてまいりたいと考えております。
#34
○津田弥太郎君 分かりました。
 また、本改正を真に実効あらしめるためには、現場のホームヘルパーの方々が介護福祉士を目指そうという意欲を持ってくださることが大切だというふうに考えるわけです。そのためにも、先ほどの処遇の改善を行うことで、頑張って資格を取れば報われるということが是非とも必要となってまいります。加えて、そうした処遇改善とともに、実務経験ルートでの国家試験の受験に関し新たに養成課程の修了を求めるに当たっては、介護現場で働く者の費用負担の軽減策を併せて講じるべきだというふうに考えるわけでありますが、大臣の見解をお伺いしたいと同時に、また、働きながらそうした受講が容易となるような職場環境を確保することも極めて重要な課題であります。厚生労働省は具体的にどのような指導を事業者に対して行っていくおつもりか、二問併せて大臣からお答えいただきたい。
#35
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回の介護福祉士制度の見直しにおきましては、今委員の御指摘のルート、介護現場で三年以上の実務経験のある方にも新たに理論的、体系的な勉強をしていただいた上で国家試験を受験する仕組みということを設定させていただいておるわけでございます。その際、介護現場で働いている方が介護福祉士を目指して勉強することが可能になるような職場環境の確保に努めていくことが大事である、こういうように考えます。
 事業者に対しましては、従事者の研修の受講機会というものを確保していただきまして、サービスの質の向上を図ることの重要性についてしっかり認識をしていただく、そういうことのために私どもとしてはこのことの重要性を改めて事業者に対して周知に努めてまいりたいと、このように考えます。
 また、費用の点でございますけれども、この点については、働きながら学ぶ方が勉強をしやすいように通信制等の幅広い選択肢を用意をさせていただくほかに、また、この新たな養成課程の基準を設定する際には、働く方の主体的な能力開発の取組を支援するいわゆる雇用保険の給付としての教育訓練給付制度の対象となるようにというようなことで適切に対応してまいりたいと考えております。
#36
○津田弥太郎君 ただいま大臣から通信制あるいは教育訓練といったお話があったわけですが、それらについてはいずれも質の確保が前提という理解でよろしいでしょうか。
#37
○政府参考人(中村秀一君) そのとおりでございます。
#38
○津田弥太郎君 時間も押し迫ってまいりました。昨日大臣に、ちょっとこういう場では不謹慎かもしれませんが、一冊の漫画本を届けたんですが、見ました。
#39
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今朝、ちょっとぱらぱらと見せていただきました。
#40
○津田弥太郎君 実は、介護の現場を描いた「ヘルプマン」という漫画があるんですね。今、単行本でたしか七号まで出ておりまして、「ヘルプマン」、大臣にその一号をちょっと見てよというんで届けたんですね。私の事務所の本棚に並んでいるんです。これ、今若い人たちが読む漫画ですから、余りここにいらっしゃる方は読まれることはないと思うんですが、そういう介護の現場が漫画になっているという、これすごいことなんですね。
 その中身としては、つらく厳しい介護の現実の中で、若い主人公たちが悩みながらもひたむきに前に進んでいくと。介護施設に行ったら、いきなりおしっこやうんこをされちゃって驚きながらも、やっぱりそれが現実なんだと、やっぱりその人を何としてもしっかり心を込めて介護していかなければいけないんだという思いで頑張っていく漫画であります。今朝ぺらぺらと見たというお話でございます。
 私は、この漫画のように、若い人たちが介護現場に魅力を感じ、あるいは福祉の現場に魅力を感じ、情熱を持って介護福祉士あるいは社会福祉士を目指していただきたいというふうに念じてやまないわけであります。
 最後でありますが、大臣、若い人たちに対してこの介護福祉士、社会福祉士の魅力を今後どのようにアピールしていこうとしているのか、その具体策があれば是非お述べをいただきたいと思います。
#41
○国務大臣(柳澤伯夫君) 介護福祉サービスを提供する仕事というのは、地域の高齢者の方々あるいは障害者の方々の様々なニーズにこたえて自分らしく生きがいを持った生活を直接支援するやりがいのある仕事だというふうに考えております。
 こういう高齢者の方というのは元々弱者であったわけではありませんけれども、今や加齢によって弱い立場になっている、障害を持つ方々は障害ということで弱者の立場に立たされていると、こういうことでございまして、私は、私の地元にも非常に日本の国でリーダー的な役割を担ってきた、いろいろこうした社会福祉の施設あるいはその運営に当たられた社会福祉の先達役のような先輩がおりまして、そういう方々からもいろいろな御経験からする考え方をお聞かせいただくことがありますけれども、その方々の言として一番私は感心をして今もって記憶にとどめておるのは、やっぱり弱い人がいることでもってこの人間の社会というものに優しさというものがどれだけ必要かということが、あるいは優しさそのものの存在がそういう方々がいるからこそあり得るんだというようなお話も聞いたことがありまして、私は、そういう意味合いではその第一線で働くということはやっぱり若い人々にとってやりがい、生きがい、こういうことを感じることのできる職場であるというように考えておるわけでございます。
 そういうようなことを、私がたまたまお聞きしたことということ、そういうようなことでとどまるのではなくて、その方も講演活動なんかもされているわけでありますけれども、是非そうしたことの考え方というのを中学校や高校の教育の場でもっと若い人たちに伝えていただくような、そういう機会も持っていただけたらなというふうに考えております。
 もう一つ、ちょっと最後ですから申し上げますと、いつかも申し上げたかもしれませんけれども、聖書の中の羊の例えというものを引用をされまして、そして、これもまた日本の指導的な社会福祉施設でありますが、その門前に碑を建てておられるところもございます。このおっしゃられること、その碑が述べていることは、九十九匹は帰りきたれど行方の知らなくなったもういま一匹の行方を尋ねよと、こういう趣旨の言葉でございます。これも私、福祉の先達から聞いた言葉として印象深く記憶にとどめておりますけれども、いずれにせよそういうようなことで、九十九匹帰ってくればそれでいいじゃないかではなくて、あと一匹が行方不明になった、この羊はどこに、今どんなことで苦況に立っているんだろうかということで、あくまでもその羊を捜しにいく、そういう気持ちということ、こういうようなものを原点に据えて生きていくということは若い人たちにとっても大事だ、こうしたことをこれから先、我々はいろんな形でアピールをして若い人たちの理解を求め、また若い人たちの志をかき立てていくことが大事だと、このように考えております。
#42
○津田弥太郎君 終わります。
#43
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。外務省にお聞きをします。
 一昨日の審議で審議官は、協定締結の過程で、昨年七月の厚生労働省の検討会においてそういう方向が示されていたということでございますが、そのような可能性についてはフィリピン側にも説明をしておったと答弁されています。
 このそういう方向、そのような可能性というのは、いわゆる制度が国家試験合格で一元化される、いわゆる養成施設コースでも国家試験合格が必要になる可能性があるという説明をされたということですね。
#44
○政府参考人(田辺靖雄君) 御指摘のフィリピン側とのやり取りでございますが、一昨日御答弁申し上げましたように、厚生労働省の検討会においてもそのような方向が示されているというような、この制度の改正の可能性があるという一般的な状況についてはフィリピン側にも説明をしておったということでございます。
#45
○小池晃君 いや、だからちゃんと答えて。そのようなというのは、要するに制度が一元化されて国家試験合格が条件になると、養成施設でも国家試験合格しなければ介護福祉士になれないという、そのような方向で検討されているということを説明したということなんですね。
#46
○政府参考人(田辺靖雄君) このフィリピンとの協定は、現在までの介護福祉士の制度である二つのコース、実務経験コースと養成施設コース、それを前提としてフィリピンとの協定もできておりまして、ただし、このような制度というものは将来変更の可能性があるということを説明しておったということでございます。
#47
○小池晃君 ごまかしちゃいけないよ。あなた、答弁では、昨年の七月に検討会でそういう方向が示されていた、そのような可能性と言っているんだから、一般的な制度改正の可能性について議論したんじゃないでしょう、これは。要するに、そういう方向という、ここで言っているそういう方向というのは正に養成施設も含めて国家試験がこれは課されることになるということに違いないじゃないですか。ごまかさないでちゃんと答えてください。
#48
○政府参考人(田辺靖雄君) 制度の改正の可能性があるということは、養成施設コース、すなわち養成施設を卒業すると国家資格が得られるという現在の制度の変更の可能性があるということを申し上げたということでございます。
#49
○小池晃君 ということは、その時点で准介護福祉士なんというのは影も形もなかったんですよ。だとすれば、そういう可能性を説明したということは、当然日比FTAと制度改定がそごを来す可能性があるということになるじゃないですか。そこはどう説明したんですか。
#50
○政府参考人(田辺靖雄君) 昨年の九月に日本・フィリピン経済連携協定を署名するまでの間におきましては、具体的な制度改正の内容、とりわけ法改正の内容については確定をしておらなかったというふうに聞いておりますので、そのような形でフィリピン側とは話をしておりませんでした。
#51
○小池晃君 駄目だよ、そんな説明じゃ。だって、そこが変わる可能性があるというふうに説明したのであれば、それは当然その条約とここは矛盾してくることになるわけでしょう、あなた方の説明によれば。そこはどうなるんだという説明はしなかったんですか。
 もし、制度の改正の可能性、要するにいわゆる養成施設コースでも国家試験合格が必要になるという可能性、説明しながら、そうなった場合の協定との整合性について説明もしないで署名したんだとすれば大問題ですよ、これ。説明してないということなんですか。
#52
○政府参考人(田辺靖雄君) 具体的な改正の中身について昨年の九月に署名をするまでの間においては確定をしておらなかったというふうに理解をしておりますので、その可能性については説明をいたしましたが、現行制度を前提とした協定を署名をしたということでございます。
#53
○小池晃君 私、これ本当に無責任だと思うんですね。
 しかも、じゃフィリピン側は、養成施設コースでも国家試験合格が必要になる可能性があるというふうに説明されたら、それはどうフィリピン側は受け止めたんですか。それじゃ話が違うじゃないかということになるじゃないですか。フィリピン側の反応はどうだったんですか。
#54
○政府参考人(田辺靖雄君) 協定の交渉の経緯につきまして、この段階におきまして公にするということは、これは外国政府との交渉、やり取りの中身でございますので、差し控えさせていただきたいと思います。
#55
○小池晃君 本当に、この日比FTAが私は本当にずさんに結ばれたというふうに思いますよ。明らかにこういう方向になる、こういう制度変更があるとすればこの協定に引っ掛かってくる可能性があるということは明らかであるにもかかわらず、それを説明もしない。しかも、その中でのやり取りについても言わない。で、署名してしまう。
 大臣、こういうやり方というのは私、問題があると思うんですが、いかがですか。こういう形で条約を結んだことが、これだけ国内制度を、すったもんだ、大騒ぎになっている原因になっていると思いませんか。
#56
○国務大臣(柳澤伯夫君) 外交の衝に当たっている外務省の審議官から説明がありましたとおり、この介護福祉士法の改正の動きといったようなものについては、あることを承知して条約交渉に当たってくれたということでございますけれども、その具体の中身が、まだ九月段階では、その前の大筋の合意といったようなところでは明らかになっていなかったということでありますので、こうした経緯になることについては、これはなかなか避け難かったというか、やむを得ないことであったと、このように考えます。
#57
○小池晃君 やむを得なくなんかないですよ、これは。余りに拙速なやり方だったということだと思います。
 それから、もう一つ聞きたいのは、これは厚労省側なんですけれども、准介護福祉士を置く理由の一つとして日比EPAとの整合性が言われていますが、もう一つ審議の中では理由として、養成施設の卒業者が千八百時間という現在よりも長い時間の教育を受けるということを挙げているわけですね。言わば、この二つの理由ということで説明をされているわけです。先ほど、きっかけはEPAだったというふうにおっしゃったんですが、この二つの関係はどうなのか。
 例えば、仮に日比EPA問題が解決したとしても後者の問題というのは、これはあるわけですね。そうすると、日比EPA問題が解決しても、その養成施設の教育内容が変わったということに対する対応という理由は残るんですか。
#58
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 教育内容の改正につきましては、養成施設のみならず福祉系高校その他もございますし、先ほど来問題になっております実務経験から受けるところでも六百時間のカリキュラムをやっていただくというようなことで、カリキュラムの改正自体は全部に及び、それは施行期日でも配慮しているということで、そこの点について、教育内容という意味では一般的な施行期日で解決する問題であると思っております。
 先ほど委員からお話がありましたように、端的に申し上げますと、この規定は海外との国際的な経済連携協定と法制的な整合にも配慮しつつ盛り込んだものでございますが、また、しかしフィリピンの方だけでなく日本人との間の、言わば法の下の平等という観点からひとしく適用されるものであると。そういった意味で、効果として、直接の契機とは別に、委員の言われるように養成施設校卒業生の方々に対してこの規定が適用されますので、その規定について改正するという際にはどういう形の処理にするかということについて一昨日の議会でも、この委員会でも議論になったところであると思いますので、そこのところは改正法のまた御審議をいただくというところで御判断いただく問題ではないかと考えております。
#59
○小池晃君 要するに、そういう関係であるならばいいんですが、しかし教育課程、養成施設の教育時間が延びたという議論自体は、これは審議会では全くなかった議論が後からくっ付いてきているわけで、こういうやり方自体は非常に問題だというふうに申し上げておきたいと思います。
 しかし、大臣、最後に確認したいんですが、ということは、日比EPA問題が解決すればこの准介護福祉士というのはこの世の中に生まれ出てこないと、五年までにやれればということになるということは、これ断言していただいていいんですね。まあ、いろんな議会の過程で法律変えなきゃいけないという、そういう機械的な問題はともかくとして、政治論として、日比EPA問題が解決すればこの問題が解消するんだということでよろしいですね。
#60
○国務大臣(柳澤伯夫君) 政治論としてどうかということでございますので、そういう観点から私の考え方というか感じ方を申し上げますと、日比のこの協定ではやはり人的なサービスの提供を行うということが非常にセンシティブな問題であったということは私もずっとこの交渉の中で聞いておったことでございます。したがいまして、その枠組みができたということで、相手国の立場に立ってみれば、これで自分たちの交渉の目標がある程度達成できたという、そういう受け止め方をしているのは、これは当然だろうと思うわけでございます。そういう意味合いでこの前説明をし、理解も求めたというような経緯を考えますと、この再交渉というのはやっぱり、先ほどの津田委員のお言葉を借用させていただければ、切り口を見付けていくというのはなかなか難しい問題だと私は考えております。
 しかしながら、我々としては、そうした附帯決議あるいは修正をいただいたということを考えて、これから外務省当局に対して、できるだけ早い時期にこうした仕組みが必要でなくなる状況を我々としては実現したいので、是非この外交交渉で適当なきっかけあるいは適当な切り口を見付けてこれをやってもらいたいということを求めていくということになります。それがすべてうまくこの設定された期間内に終えることができれば、それはもう論理的に今回の准介護福祉士というのはこの世の中に生まれずに済みますけれども、なかなか難しいことだと私は考えております。
#61
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 フィリピン側のEPAの問題についてお聞きをいたします。
 NHKの報道番組で、海外で介護労働に就くために勉強しているフィリピンの若者にどの国で働きたいかを問うたところ、ほとんどの学生がカナダなどを挙げ、日本を選んだのは一人でした。日本で資格を得て働くためには、まず四年生大学を卒業していたり、又は看護大学を出ているなど高い条件となっております。これは他国の事例と比べても高過ぎるハードルという面もあるのですが、いかがでしょうか。
#62
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 日比経済連携協定に基づきまして介護福祉士資格を取得することを目的に入国、滞在することを希望するフィリピンの方の要件は、実務経験ルートにおいては四年制大学を卒業し、フィリピンの介護士認定を保持しているか看護大学卒業者、養成施設ルートにおいては四年制大学卒となっております。
 厳しいのではないかという御指摘でございますが、今回の受入れが介護施設における就労、研修又は介護福祉士養成施設における就学を通じて日本の介護福祉士の資格を取得していただくことを目的とする仕組みでありますことから、一定の資質、条件、能力を備えていることを考慮に入れまして設定しているところでございます。
#63
○福島みずほ君 EPAが成立してから向こう二年間で六百人を受け入れる枠を設けているとしていますが、現在の見込みで何人を想定していますか。
#64
○政府参考人(中村秀一君) 協定が、まだフィリピン側の批准が済んでおりませんので発効しておりません。私ども、日比経済連携協定で介護福祉士の受入れ人数枠、当初二年間で六百人と設定しているわけでございます。その後につきましては、その状況を見てというふうにされております。
 したがいまして、全くこれ、機構が、仕組みが動いておりませんので現在想定ができませんが、我々としては、二年間で六百人受け入れられるように関係の方々と協議して、受入先の施設などにも、受け入れていただかなければなりませんので、六百人二年間で来た場合に対応できるようにということで準備を進めているところでございます。
#65
○福島みずほ君 私は、フィリピンから来た人は、もちろん本国に帰国する人もいずれ出るでしょうが、人間は、ある程度渡航費用を掛けて来て、そこで恋愛をしたり結婚したり、あるいは家庭を持ったり、あるいは住みやすいと思ったり、定住化をしていかれる人が実はかなり出てくるのではないかと、人間の心理や社会生活からして、というふうに思っています。
 そうすると、准介護士で来て日本に定住をしていく、にもかかわらず、この法案の下において准介護士が将来どうなるかという点は、答弁を聞いても当分の間ということで、将来見えないわけですね。そうすると、その問題が解決しなければ、結局、普通の介護士さん、国家資格を受けた人と准介護士のところがどうしても、二つの職種が共存していくという事態をどうやっていくのか、それについて明確な答弁をお願いします。
#66
○政府参考人(中村秀一君) フィリピンから来られる方について、正に委員からお話ありましたように、日本でずっと介護福祉士の資格を取れば在留できると、そういうことが協定になっておりますので、目指す方は大部分の方がかなり長期間、あるいはずっと日本で働くということを想定されていることと考えております。
 准介護福祉士の制度がないと養成校で来られた方が介護福祉士の資格を取れませんと帰国しなければならないということで、当初の約束と違うということが今回の発端でございますので、そういった意味では、フィリピンから来られている方々に対して期待権を保護するということが准介護福祉士の法的な意味だというふうに考えております。准介護福祉士の方については介護福祉士になっていただくように努めるということでございますので、そういった該当の方が出てきた場合について、更に介護福祉士の資格を取っていただくということがこの法律の整理になっているところでございます。
#67
○福島みずほ君 国家試験を受けるためには日本語がかなり、当たり前ですが、堪能で、専門的なことも理解できないわけで、もちろん日本で、アメリカで資格を取る人もたくさんいますが、日本語の習得が非常に熟達していなければ国家試験、日本の国家試験は通らないと思いますが、その点はどう思われますか。
#68
○政府参考人(中村秀一君) 今回の協定は、そういった意味で、日本の国家資格を取っていただくということを前提に言わば協定が結ばれたということになっております。したがいまして、日本に入ってこられた場合に六か月間の日本語研修、これはナースの方も介護福祉士の方も受けていただきますし、病院で就労研修、介護施設で就労研修する中で日本語の研修をしていただき、また国家試験に備えていただくというのが最初の四年間の在留期間での条件でございまして、その四年のうちに介護福祉士の国家試験に合格していただくと。いただければ日本で働き続けることができるし、合格できなかった場合については、在留期間が切れてしまうということで、在留期間の更新がなくて帰っていただくというのがそもそものシステムになっておりますので、したがって、六か月の日本語研修と最大四年の準備期間のうちに日本語で国家試験に合格していただくということを目指していただくことになります。
#69
○福島みずほ君 日本に来たいという人が一人だけでほとんどの学生がカナダを挙げたというのは、英語が使えるのでハンディキャップが、言語的なハンディキャップが多分極めて少ないからだと。
 私は、今回EPAの関係で導入はするんだけれども、本来介護士の国家試験の問題とEPAが突然入ってきたということの整合性がうまく取れないまま、とにかく法案を成立させてやるということの根本的な問題点がはっきりあるというふうに思います。
 そもそも国家試験で地位を高めていくというのはもちろん基本的にはいいことなんですが、この委員会でずっと一貫して出ているように、労働条件の向上がなければ地位の向上はあり得ないというふうに思っています。今日の答弁でも先日の答弁でも、審議会に諮っていただいて労働条件の向上をするという答弁しか出てこない。しかし、何年これを言っているか、もう何十年これを言い続ければ一体いいのか。
 厚生労働省は、介護現場で働く本当に現場の人たちの労働条件を上げるべく、政策変更や政策提起や現実に結果を出せということを言いたいわけですが、それについての決意をお聞かせください。
#70
○政府参考人(中村秀一君) 現在、まず、私どもも答弁申し上げておりますように、質を高め、こういう介護福祉士で技能を磨いた方についてはそういったものに相当する処遇をすることが基本であると、そういう方向性を考えまして、資質の向上と処遇の改善と良い循環をつくりたいと答弁申し上げているところでございます。
 現在でも、介護福祉士の資格を持っている方に対して、求人の賃金を見ますと、介護福祉士の資格必須のところはそうでないところより若干高くなっているということもあり、社会的にもそういうことが認められてきつつあると思いますが、更に私どもはその方向が強くなるように頑張ってまいりたいと思います。
#71
○福島みずほ君 私が言っているのは、介護福祉士として国家資格を取った人だけではなくて、介護の現場で働く、本当に女性が多い、そして現場で物すごく働く、ストレスも多い、セクシュアルハラスメントも多いという話をしょっちゅう聞いています。そんな中で、介護現場で働く人たち総体、つまり序列がまたできて、国家試験を受けた介護福祉士がいて、准介護士がいて、また資格のない人がいてという序列をつくって、結局格差がまたそこで生まれて低賃金というのでは困ると。ですから、総体として介護現場で働く人の労働条件を向上するという結果を厚生労働省は出してほしいと。そのための仕組みを考えるのが厚生労働省の大きな仕事の一つではないかというふうに思います。
 私たちは、私たちはというか私は、社民党は定点観測をして、労働条件が本当に上がっているのか、問題点が減っているのかということをこの委員会でも継続してやっていこうと思っておりますが、決意のほどと、それをやるということをお約束ください。
#72
○政府参考人(中村秀一君) 普通の例えば労働市場であれば、職を求めている人が少なく求人が多いところというのは、需要と供給の関係で、賃金だけ取れば上がるというようなことが一般的だと思いますし、しかしだれでも容易に参入できる事業についてはそのメカニズムが働かなくてなかなか賃金が上がらないとか、そういう問題もあろうかと思います。
 そういう中で、特に介護なりそういったものは賃金の原資というものが制度的に税なり保険料なりで決まっておりますし、事業者の方も料金を自由に変えるというふうにはできない公定料金の下で仕事をされている、そういったこと全体が、問題が重なり合って介護の従事者の方の労働条件なり処遇が決まっているという側面が多いと思いますので、制度全体の問題として、またそういう意味では財源の問題もかかわってくるわけで、この点については利用者なり負担者である国民の方々の御理解も必要になると思いますので、そういったことを踏まえながら、我々としては、私どもは介護従事者の方のことを所管している部局でございますので、精一杯努力してまいりたいと考えております。
#73
○福島みずほ君 資格は持っているけれども離職率が高いということがずっとこの委員会でも指摘をされています。介護で働く人の需要は多いにもかかわらず、みんな辞めていっている。ですから、今回、こういう法案を提出されたことも機に、もうはっきり結果を出してほしい。介護福祉士さん、准介護士さんだけでなくて、資格のないというふうに位置付けられる、今後、ヘルパーさんたちの労働条件も含めて、厚労省が労働条件の向上で結果を出す政策をきちっと打ち出してくださるよう強く要求し、私の質問を終わります。
#74
○委員長(鶴保庸介君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について津田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。津田弥太郎君。
#75
○津田弥太郎君 私は、社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党を代表いたしまして修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明いたします。
 本法律案では、介護・福祉ニーズの多様化、高度化への対応が求められている中、介護福祉士の資格取得については、その資質の向上を図るため、国家試験の受験を必須として一元化を図ることとしております。
 一方で、フィリピンとの間の経済連携協定においては、国家試験なしで資格を取得できる現行制度を前提としてフィリピン人の受入れが規定されております。本法律案には、一元化の趣旨を損なわない範囲で協定との整合を担保するため、当分の間、養成施設の卒業者に、介護福祉士に準ずるものとして准介護福祉士の名称を与える仕組みが盛り込まれております。
 このような准介護福祉士の仕組みの趣旨を明確にするため、附則第九条の検討規定に追加して、新たに准介護福祉士に係る検討規定を置くべきであると考えます。このような認識の下に本修正案を提出するものであります。
 修正の内容は、「政府は、経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定に関する日本国政府とフィリピン共和国政府の間の協議の状況を勘案し、この法律の公布後五年を目途として、准介護福祉士の制度について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」との検討条項を本法律案の附則に加えるものであります。
 以上であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。
#76
○委員長(鶴保庸介君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#77
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、社会福祉士・介護福祉士法改正案及び同修正案への反対討論を行います。
 反対の理由は、本法案が、介護福祉士の資格を国家試験の受験を必須とする一元化により資質の向上を図ると言いながら、養成施設卒業者について、国家試験に合格しなくても准介護福祉士という別の国家資格を付与するからであります。
 国家試験を合格していない者にも資格を付与することは、介護福祉士に対する社会的評価、制度に対する国民の信頼を損ねることになりかねません。さらに、介護福祉士資格への二重構造の持ち込みは、上下関係、処遇面から様々な混乱、差別を介護現場に持ち込むことになります。また、介護職全体の労働条件を低い水準に固定化、介護職員不足に一層拍車を掛け、むしろ介護の質の確保を困難にする危険もぬぐえません。
 准介護福祉士創設は、日比EPAとの整合性が理由の一つです。交渉中に介護福祉士の資格取得方法の変更の政府方針は明らかだったのに、全く反映することなく署名を行ったことには重大な問題があります。我が党は日比EPAに反対いたしましたが、本法案の質疑を通じて、この交渉がいかに拙速であったのかも明らかになったと思います。
 もとより、修正案提出の趣旨にあるように、日比EPAが早期に修正されることを強く求めるものであります。しかし、修正されてもなお、准介護福祉士という資格が生まれ、将来に禍根を残すことになるという懸念をぬぐい去ることができないのであります。
 さらに、准介護福祉士は、現行制度下では資格取得ができた養成学校卒業生に対する救済策との説明もされておりますが、本法案の基になった社会保障審議会部会では全く議論になっていないことであります。
 以上、反対の理由を申し述べて、反対討論とします。
#78
○福島みずほ君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、内閣提出、社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案に反対、修正案に反対する立場から討論を行います。
 私は、介護・福祉ニーズが多様化、複雑化する中で、社会福祉士、介護福祉士の定義、義務や資格の取得方法などを見直すという今回の法改正については基本的に評価をしています。しかし、本法案に准介護福祉士という新制度が導入されている点について容認できません。
 その第一の理由は、法案は、介護福祉士の資格取得方法を一定の教育プロセスを経た後に国家試験を受験する形に一元化するものであるにもかかわらず、准介護福祉士制度の導入は法改正の趣旨に反しているからです。介護福祉士国家試験の不合格者や未受験者のために新制度を導入する合理性はなく、逆に、国家試験に挑戦する者の意欲は高まらないばかりか、人材の資質や介護サービスの質の向上につながらないことが懸念されます。
 第二の理由は、政府は、准介護福祉士の導入は経過措置であり、養成施設の卒業者は、当分の間、准介護福祉士の名称を用いることができるとしていますが、当分の間の期限について明確な答弁が得られないからです。慢性的な介護施設の人手不足、将来的な労働人口力の低下を考えれば、准介護福祉士の導入は経過措置ではなく、介護福祉士でなくても働くことができる土壌をつくることになります。
 看護の分野で看護師と准看護師の統合が実現できず身分差別が根強く残っているように、制度は一度導入されてしまうとその解消は非常に困難です。また、公布後五年の経過規定を置く修正案では歯止めになりません。
 第三の理由は、准介護福祉士が安上がりの労働力として位置付けられ、また安易な外国人の受皿となりかねないという懸念があるからです。EPAは、今後の看護や福祉分野における外国人労働者の受入れの基本的な枠組みとなるものです。人の移動を伴う初の試みは、厳しい枠組みの中で行われるべきです。また、看護・介護分野における外国人労働者の導入については、広範な議論と国民の合意形成が必要であり、拙速な導入は避けるべきです。
 最後に、介護労働者の確保と質の維持や向上を図るためには、やりがいのある職業としての魅力を高めること、賃金等の労働条件の向上、離職者の防止、再活用など、介護労働をめぐる環境整備が最優先されるべき課題であることを申し添え、私の反対討論を終わります。
#79
○委員長(鶴保庸介君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、津田君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#80
○委員長(鶴保庸介君) 多数と認めます。よって、津田君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#81
○委員長(鶴保庸介君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 この際、中村君から発言を求められておりますので、これを許します。中村博彦君。
#82
○中村博彦君 私は、ただいま可決されました社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、介護福祉士の資質の向上を図るための教育カリキュラム等の見直しに当たっては、養成施設ルート、福祉系高校ルート及び実務経験ルートのそれぞれにおいて、同等の水準の知識及び技能が担保されるよう措置すること。また、本改正による介護福祉士の資格取得方法の見直しに併せて、介護報酬の見直しなど制度面を含めて介護福祉士の社会的評価に見合う処遇の確保につながる施策の推進に努めること。
 二、介護労働の魅力を高めるため、雇用管理や労働条件の改善の促進、生涯を通じた能力開発及びキャリアアップの支援、潜在マンパワーの就業促進等の実効性ある介護労働力確保対策を総合的に推進すること。
 三、介護職員の任用については、介護福祉士を基本とすることを念頭に置きつつ、介護福祉士への円滑な移行を促進するため、その施策の在り方を十分検討すること。
 四、准介護福祉士の仕組みは、フィリピンとの間の経済連携協定との整合を確保する観点にも配慮して暫定的に置かれたものであることから、介護福祉士制度の見直し後の介護福祉士の受入れの在り方について早急にフィリピン側と調整を行う等の対応を行い、その結果を踏まえ、速やかに介護福祉士への統一化を図ること。
 五、実務経験ルートに新たに課される六月以上の養成課程について、働きながら学ぶ者の負担軽減に配慮し、通信課程を認めるほか、教育訓練給付の対象となるように基準の設定を行うこと。
 六、厚生労働省令において介護福祉士の資格取得ルートを規定するに当たっては、法律上の資格取得ルートとの間で、教育内容及び実務経験の水準の均衡に配慮すること。また、今後、介護サービスの担い手の養成に係る新たな仕組みを設けるに当たっては、現在の資格制度との関係について十分検討を行い、現場が混乱に陥ることのないようにすること。
 七、社会的援助のニーズが増大していることにかんがみ、重度の認知症や障害を持つ者等への対応、サービス管理等の分野において、より専門的対応ができる人材を育成するため、専門社会福祉士及び専門介護福祉士の仕組みについて、早急に検討を行うこと。また、介護福祉士をはじめ、関連分野専門職が社会福祉士となるための必要な履修認定等について検討すること。
 八、社会福祉士及び介護福祉士の国家試験の在り方について、専門家による検討の場を設け、必要な知識及び技能を総合的に評価できるような内容となっているかどうかについて検証を行うこと。
 九、社会福祉士の任用・活用の拡大については、今回の改正事項の実効性を高めるため、関係機関に対し周知徹底を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#83
○委員長(鶴保庸介君) ただいま中村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#84
○委員長(鶴保庸介君) 全会一致と認めます。よって、中村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、柳澤厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。柳澤厚生労働大臣。
#85
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存であります。
#86
○委員長(鶴保庸介君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#88
○委員長(鶴保庸介君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、救命救急制度に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#89
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 私もかなり田舎の方に住んでおりまして、将来の国民の安心の中で占める割合、特にまた地方に住めるという条件の中に、医療の提供と教育環境だということはもう私自身も感じていますし、その意見は皆さん異論はないと思います。
 その中で、昨年来あるいはここ数年来続いております医療制度及び消防組織の改革によって医療機関の集約化が進んでおります。事実その方向で進めているとまた思いますし、救急業務、つまり患者搬送も広域化が進んでおります。となるとなれば、医療機関同士の距離、また自宅から医療機関への距離が延びているわけでございます。集約化だけでは果たせない、常にいつも安心して医療機関を受診できるという安心感を満たすためには、集約化だけでは達成できない、車の両輪の一つとして搬送体制、相談体制というものが欠かせないんだと、この認識で私は考えております。
 そこで、昨年起こりました事案を例に引きながら、今、日本の救急医療体制はどういう問題点を抱えておるかということを明らかにしていきたいなと思います。
 まず、昨年の八月に奈良県の大淀町立大淀病院の妊婦さん、三十二歳の方が亡くなられました。皆さんよく御存じだと思います。
 簡単に話をしますが、八月八日に妊婦さんが意識を失った。で、産科医は陣痛による失神だと判断した。その後、けいれんを起こした。これは妊娠中毒症の中の一つである子癇だと、クランプといいますが、けいれん発作だと判断した。ここから搬送先、まあ町立病院も地域の中核病院ではあるんですが、搬送先を探すと。しかしながら、十九軒の病院から転入を断られ、六時間後に最終的には国立循環器病センター、これ大阪ですが、に搬入されて、八日後に亡くなったということでございます。
 そこで質問ですが、十九病院に連絡を取り、搬入を依頼したわけですけれども、その依頼は、だれがどのような基準で病院を選んでそこへお願いしたのかということをお聞きしたいと思います。
#90
○副大臣(武見敬三君) 厚生労働省において、奈良県から、この事案が起きた後調査等を行い、聞き取りもいたしました。
 この町立の大淀病院において、母体搬送をまずこの県立医大附属病院へ要請をいたしております。そして、同病院での受入れが困難であったために、この県立医大附属病院において奈良県内及び大阪府の他の病院への受入先病院を探したということでございました。
#91
○足立信也君 ちょっと質問通告ではこれ抜けていると思いますので、参考人で結構ですが、それは、この妊婦さん、どこで待ったんでしょうか。車の中なんでしょうか、それとも大淀病院にずっといて待ってたんでしょうか。そして、車の中だとしたら、そこには救急救命士は同乗しておったんでしょうか。その点をお願いします。
#92
○政府参考人(松谷有希雄君) 担当の政府参考人ではないのですけれども、待っていたのは、大淀病院で待機をしていたということと伺っております。
#93
○足立信也君 そこで、奈良県立医大へ依頼し、そこからいろいろ探したということなんですが、多分、これは私の予想になると思いますが、奈良県立医大も救命救急センターではあるんですけれども、これは先ほど言いましたように、妊婦さんが子癇発作を起こしたという判断で、恐らくは産婦人科ルートで探したんではないかと思われるんですね。結果的には脳内出血があったわけなんですが、そこで判断が、診断が間違っていた可能性も否定はできないし、これ、奈良県立医大のところで救急専門の医師が状態を聞いていればその後の判断が違ったんではないかという可能性は私はあるとまず思っております。
 そこで、奈良県立医大から依頼を受けて十九の病院が転院を断ったと、その理由を分かる範囲で教えてください。
#94
○副大臣(武見敬三君) これも厚生労働省におきまして奈良県から事実関係について聞き取りを行っております。
 奈良県が把握している限りではございますが、この搬送を受け入れることができなかった主な理由につきましては、NICU、さらにはMFICU、母子のICUでございますが、これらが満床であったということがその理由というふうに聞いております。
 厚生労働省としては、一般の産科病院などと高次の医療機関との連携体制を確保する周産期医療ネットワークの整備を進めているところでございまして、この未整備県の奈良県においてこうした事案が起きてしまったということで、大変残念に思っておるところであります。奈良県では、今後奈良県を始めといたしました未整備県、十九年度中の整備に向けて努力していく所存であります。
#95
○足立信也君 満床だということなんですね。
 ただ、先ほど私、急な形でちょっとお聞きしたんですけれども、奈良県立医大の先生が搬送先を探したわけですね。それは産婦人科という限定があったんではないかと。そこで、今、母子センターのお話が出て、そこは満床だという話になってきたんですね。でも、本来、この状態を聞いたら、やっぱりこれ救急の専門医が判断していれば違ったんではないかと先ほど申し上げましたが、分かるかどうか分かりませんけれども、実際に奈良県立医大の附属病院で搬送先を探されたのは何科の担当の先生なんでしょうか、分かりますか。分からなければ結構です。
#96
○政府参考人(松谷有希雄君) 産科の先生が探されたというふうに聞いております。
 委員おっしゃるとおり、救急の専門医であればまた別な判断があり得たかと思いますけれども、仮定のあれですので、その方のそのときの病状等を見なければ確定的なことは申し上げられないと思います。
#97
○足立信也君 そうなんですね。状態をそのまま把握するんではなくて、やっぱり強い先入観が全体に働いているんですね。
 先ほど満床のことを言いますが、これは大きく分けると二つ問題点があると思います。
 一つは日本の今、救急医療の現状で、重症度に応じた搬送先になっていないというのは皆さんもう認識ありますが、初期やあるいは二次の医療機関で断られることが多いから最初から三次に行ってしまう、高度のところに行ってしまう。いつも三次のところは満床状態にあるということもありますし、そしてもう一つは、今は入院期間の短縮ということが進んでおりますので、その三次医療を受ける側も、それほど重症じゃない患者さんがいると、ある意味経営上は助かるところがあるんですね、回転が速くなるという意味で、ということもあります。ただ、やっぱり問題としては、三次医療機関、あそこへ行けば安心だという認識がある以上、集中してしまうと。つまり、救急を扱う病院に人的なあるいは物理的な余裕も全然ないという事態がまず考えられます。
 そこで、今回は、奈良県の救命救急センターは三つあります。県立奈良病院と奈良県立医大の附属病院、ここですね、近大奈良病院、このうち二つが拒否しているわけですね、今回、満床だと。これは、ここの時点ではやっぱり救急医が先入観が非常に強過ぎて、本来、先ほど武見副大臣からNICUの話がありましたけれども、実は脳外科もいなければ解決できなかったケースですね、この場合は。更に難しかっただろうと思うんですね。その全体的な症度の把握、トリアージに入ってくると思うんですが、この部分がやっぱり足りないということが一つ指摘しておきたいと思います。
 それから、人的な不足、物理的な不足。私も救急病院に勤めておりましたが、必ず、救急というのは不採算部門ですから、開けておかなきゃいけないんですね、何があるか分からない。でも、現状は、開けておかなければならないということも果たせないでいるということが一つですね。
 もう一つ、三月二十日の読売新聞に出ましたけれども、過去五年間で四百三十二の病院が救急告示医療施設を撤回しているという新聞記事がございました。総務省の調査では、救急告示病院の撤回の実態、どれほど救急告示病院という看板を下ろされているというのがお分かりでしょうか。
#98
○政府参考人(寺村映君) お答え申し上げます。
 消防庁で把握しております救急告示病院は、平成十八年四月一日現在で四千百六十九の病院、それと六百五の診療所の合わせて四千七百七十四か所でございます。五年前の状況でございますが、増減傾向につきまして、平成十三年四月一日現在では、四千三百四十七の病院、それと、八百五十四の診療所の合わせて五千二百一か所でございました。五年間で四百二十七か所減少したということでございます。詳細で申し上げますと、病院が百七十八か所の減、診療所が二百四十九か所の減でございます。
#99
○足立信也君 四百二十七、トータルですね。
 一般の国民は、救急告示病院、救急指定といいますか、看板がありますね、病院に。しっかり書かれております。これが四百二十七もなくなったらどうなってしまうんだろうと相当に不安感を覚えると私は思います、一般的には。しかし、現実として、これは医療提供体制の構築にかかわってくるんですが、実際に医療提供体制で問題は生じたんでしょうか。いかがですか。
#100
○政府参考人(松谷有希雄君) 今、施設数が話題となりました救急告示医療施設は、昭和三十九年以降消防法に基づきまして、一定の要件を満たして救急隊による救急患者の受入れに協力するとして任意の申出があったものにつきまして都道府県知事が認定しているものでございます。平成元年以降、今答弁がございましたように、その数は特に診療所において減少傾向にございます。
 一方、現在の救急医療体制はこうした枠組みとは別に、昭和五十二年度から各都道府県におきまして、初期、二次、三次の役割分担に基づいて体系的な整備が進められているところでございまして、それぞれの地区数、施設数はこの五年間ほぼ横ばい又は増加傾向にあるという状況でございます。中でも、特に三次の救急医療機関として最も高度な役割を担う救急救命センターにつきましては人口百万に一か所程度の整備目標で整備をいたしておりますが、既に二百か所を超えて整備されているという状況でございます。
 したがいまして、救急告示医療施設の減少が直ちに救急医療体制全体に大きな影響を与えるという状況ではなく、昭和五十二年以降の体系的な整備に基づいて今救急の体制が取られていると、こういう状況にあるという認識でございます。
#101
○足立信也君 私もそういうふうに認識しています。救急告示病院が四百二十七も五年間でなくなっても影響ないんです。国民の皆さんは相当不安を持ったと思うんですが、実際はそうなんです。
 これは、消防法による救急告示病院の指定と医療法に基づく都道府県の医療計画、医療提供体制の構築が全く、二本立て、別建てになっていて、片方は機能しっかりしていて、むしろ充実している、片方はもう有名無実化しているという証左なんですね。私は、この二本立てになぜなっているんだろうというところが問題点のまた大きな部分だと私は思うんです。
 今、救命救急センターについては人口百万に一か所を目指しているというふうにおっしゃいました。
 そこで、今度、消防本部のことなんですが、御案内のように救急業務、搬送業務は消防の機能の中の一つということで規定されたわけですけれども、その消防本部の数、今八百十一だと思いますが、この一つの消防本部がカバーする理想的なエリアといいますか領域といいますか、それと、そこへ住まれておられる人口、どの程度が妥当な、適切だと、そのように判断されているでしょうか。
#102
○政府参考人(寺村映君) 平成十八年度四月一日現在で、全国の消防本部は御指摘のとおり八百十一本部でございます。
 それから、平成十八年六月に消防組織法を改正いたしまして、現在、効果的、効率的な消防体制の整備を図る観点から、おおむね管轄人口三十万人以上の規模を目指しまして消防本部をつくるべく、市町村の消防の広域化を進めております。
 この管轄人口三十万人と申し上げますのは、一般論としては、消防本部の規模が大きいほど災害への対応能力が高い、あるいは組織管理とか財政運営等の観点から望ましいというふうに理解しておりますけれども、現状におきますいろいろ消防本部の実態を踏まえまして三十万人以上というふうに目標を定めたわけでございます。
#103
○足立信也君 消防と救急業務というのを一緒に話すので多少理解難しいと思いますが、要するに今おっしゃったのは三十万以上が望ましいということなんです。その答弁の中でも大きいほどいいだろうと、私もそのとおりだと思っているんですね。
 そこで、先ほどもありました、昨年、消防組織法の改正で広域化が図られるようになった、それから今年度、消防の広域化推進計画というのを立てられる、正にそのとおりなんですね。医療の分野もこれは、まずは保険の部分でも市町村ではとても賄い切れない、県単位という方向性でもありますし、医療計画、健康増進計画、介護の計画も県単位というふうになってきているわけですね。先ほど医政局長が救命救急センターは人口百万に最低一つだろうと、消防としては三十万以上が望ましいと。これはその形が整合性を取るのはもう間近にあると私は思っているんですね。しかも、そうしなければいけないんではないかという感覚でおります。
 そこで、実際に今どの程度やられているかということを順次お聞きしたいと思うんですが、まず救急車の、単年度になりますが、搬送人員と、そのうちの軽症者の割合、つまり軽症者というのは病院に来た時点で医学的判断で入院の必要なしという方ですが、軽症者の割合、それから消防本部の司令室に医師が常駐している消防本部の数を教えてください。
#104
○政府参考人(寺村映君) 平成十七年中の救急出場件数は五百二十八万四百二十八件でございます。そのうち救急自動車により搬送された傷病者は四百九十五万五千九百七十六人でございます。救急車で搬送された傷病者のうち、軽症者は二百五十七万九千九百十人でございまして、全体の五二・一%を占めております。
 また、司令室に医師が常駐している消防本部の数でございますけれども、現在、私ども把握した限りにおきましては、東京消防庁など四消防本部であるというふうに承知しております。
#105
○足立信也君 東京消防庁など、その後ちょっと聞き逃したんですが。
#106
○政府参考人(寺村映君) 東京消防庁など四消防本部でございます。
#107
○足立信也君 そうなんですね、四つですよね。
 評価からいくと、その四つの消防本部というか消防機能、救急業務も含めて非常に評価が高いですね。これは何といっても、通信を傍受した時点、それから現場に救急隊員が到着した時点での医学的判断が早いということですね。これが確保されているからその救急業務の実績もいいし、救急医療全体のレベルも高いということが言えるんだと思います。
 つまり、これも患者さんをそこで診て、重症度の判別、そして救急先の選別、どのレベルの病院に搬送するのがいいのか、そして搬送手段も含めて何が一番早く医療機関へ運ぶことが、あるいは医療を提供することができるのか、こういう判断になってくる。つまり、司令のところに医師が存在していて、医学的判断がそこに加わるんだと、最初から、このことが大事だと。もちろん、密接な連携関係があって、司令からいつでも救急の専門医、指導医に相談ができる体制があればいいのかもしれませんが、やはりフランスやスイスの事例を見ていますと、司令の中に二十四時間医師が常駐しているというのがもう当たり前の考え方でございまして、いかに判断を早くするか、次にやるべきことがいかに早く医療を提供するかのことなんですね。判断をいかに早くするかと。この点でまだまだ、八百十一消防本部のうち四つだと。しかも、その四つは非常に高い評価、例えば東京や横浜だと思いますが、高い評価があるということを確認したいと思います。
 そこで、先ほど私は判断を早くと言いました。次に大事なのは医療提供を早く。一番早いのは通報を受けた時点で医師がその場に行くことですね。そこで医療を始めるのが一番早いわけですね。
 全国の救命救急センターでドクターカー、つまりドクターが行く、その配備状況、まず配備状況はどのくらい配備されているでしょうか。数をお答えください。
#108
○政府参考人(松谷有希雄君) 医師とか救急車に同乗して速やかに処置を行うというドクターカーでございますけれども、昭和五十一年度から毎年補助を行ってきておりまして、その結果、平成十七年十二月時点で申しますと、七十三か所の救命救急センターに八十四台のドクターカーが配備されているという状況でございます。
#109
○足立信也君 七十三か所、八十四台。
 救命救急センター、今私の認識では二百一か所だと思います。少なくとも救命救急センターにはドクターカーはあるべきだと私は思っておりますし、先ほど、どれぐらいのエリアという話で、人口三十万以上、広ければ広いほど望ましいと消防に関してはおっしゃいましたが、私は少なくともその管轄するエリアの中に救命救急センターがない消防の管轄、救急業務の管轄のエリアってあり得ないと思っているんですね。救命救急センターもないことはあり得ない。つまり、エリアとしては少なくとも、というか、多くとも二百一よりも少ないはずなんですね、理想的には、そう思っております。
 そこで、例えば船橋市なんかは救命救急センターの中にドクターカー、それから救急車もあって、通報を受けた時点で必要だと判断したらドクターがそのまま乗っていくと。非常に高い救命率、それから後遺障害の軽減率を実際にもう現しております。そのことが、私は少なくとも救命救急センターにドクターカーは必須であろうと、そのように考えております。
 そこで、次はさらに搬送手段の一つとして今度ヘリコプターの話になってくるわけですが、気象条件やあるいは夜間の運航がどうかということがございます。とはいいながらも、車では行けない部分はやっぱりヘリコプターで補うしかないと思っておりますから、現時点のドクターヘリ及び消防防災ヘリの機数と直近の一年間の搬送人員を教えてください。
#110
○政府参考人(松谷有希雄君) 私からはドクターヘリの方について御答弁申し上げますが、ドクターヘリにつきましては、平成十三年度以降、都道府県に対して運営費を補助してきており、その対象となっているヘリコプターは現在十道県に十一機となってございます。また、平成十七年度の搬送件数は三千八百四十二件でございます。
#111
○政府参考人(寺村映君) 消防防災ヘリでございますけれども、平成十九年一月一日現在、四十五の都道府県におきまして七十機が運航されております。また、平成十七年中の搬送人員につきましては二千三百八十七名となっております。
#112
○足立信也君 三千八百がドクターヘリで、二千三百が消防防災ヘリということでございます。
 私は、日本の消防防災ヘリがどの程度の設備を持っているかということをお聞きしたんですけれども、かなり高い機能を持っていることはもう明らかでございまして、また、七十機あるわけで、都道府県でこれがないのは佐賀と沖縄だけ。それだけもう既に消防防災ヘリはあり、例えば高知県などはこの消防防災ヘリを使って年間三百件以上ももう飛んでいるということです。
 昨年の二〇〇六骨太方針の中でもこの消防防災ヘリを救急搬送へ活用すべきだと、こう方針は出ております。まずはやるべきことは、私はこの消防防災ヘリの活用がもっとできるんではないかと、そのように思います。
 これ、高知の先ほど例を私申し上げましたが、そこの熊田先生の話なんですけれども、このヘリコプターを使うというのは、先ほど言いましたように、いかに早く医療を提供するかにもう懸かっているわけです。いかに早く提供するためには、その目的は何かというと、防ぎ得る死を、時間だけの問題で防げたはずの命を防ぐ、防ぎ得る死ですね、プリベント・オブ・デス、これを少なくすることが目的なんだと。彼ら高知は、必要な器具をリュックサックに背負ってヘリコプターに乗って飛んでいくと。これがもう年間三百件を超えている。この活用の仕方がまず大事なんだろうと私は思っております。
 次に、問題点としては、先ほど消防白書からのデータで五二・一%が入院の必要のない患者さんであったと、搬送したけれども、という話がありました。それとともに、やっぱり一一九番通報でよく聞かれるものの中に、今日はどの病院がやっていますかという問い合わせ、あるいは病院は分かるんだけれども行く手段がないという、まあタクシー代わりの利用ということ、どうやって行けばいいでしょうかと、そういう問い合わせ業務というのももう非常に多いというふうに聞いております。
 その中で、救急医療情報システムというものが整備されていると思うんですが、消防本部あるいは都道府県単位でその救急医療情報システムというものはどの程度今整備されているんでしょうか。
#113
○政府参考人(松谷有希雄君) 御指摘の救急医療情報システムにつきましては、救急患者さんの適切な搬送を支援するため、消防機関等へ空きベッドや対応疾患などの情報の提供を行っているというものでございまして、厚生労働省といたしましてもその導入に対する補助を行っているところでございます。現在、四十二都道府県において導入されております。
 また、未導入の県におきましては、導入に向けて検討しているところもあると聞いておりますけれども、現状におきましては、当日対応可能な医療機関をあらかじめ消防機関に登録をする、あるいは救急搬送先となる医療機関が限られていることから、消防機関が事例ごとに電話で空床状況を確認するなど、地域の実情に応じて対応しているというふうに承知をしております。
#114
○足立信也君 四十二ということで、五、これ都は入らないですから五県でしょうか、五県がないと。
 私は、やはり患者さんの安心というものは、例えば市報とかで今日はどこの病院が輪番、当番ですというのはありますけれども、それを何か起きたときに一々探す人ってそうはいない。また、そのやっている病院をどこに問い合わせればいいのかも、すぐにそういう資料を見ながら判断できる人ってそうはいない。大体、ですから一一九番とか、あるいはあの病院だったらいつも大丈夫だという聞きづて、人づてで判断しているんだと思うんです。そこに、情報はやっぱり一元的にここへ聞けば必ず分かるというのが非常に強い安心感につながると思うんですね。そういった意味では、五県整備されていないということですが、この救急医療情報システムというものは必ず整備して、そして、そこで問い合わせたら必ず答えが返ってくるということの安心感が非常に大事なんだろうと私は思っております。そして、そこには正確な情報が常に伝えられるような形にしていただきたいと思っています。
 時間の関係で先ほどちょっと飛ばしたんですが、まだ手持ちの時間が大丈夫ですので、大臣に先ほどの関係でお聞きしたいと思います。
 先ほどドクターカーの配備のことが出ました。これで私は、七十三か所ですね、二百一救命救急センターのうち七十三か所だけだと、これはやっぱり全国配備が必要性が高いと先ほど申し上げましたが、大臣は、この救命救急センターとドクターカーということに関する考えはいかがでしょうか、全国配備については。
#115
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど医政局長の方から御答弁させていただきました十七年十二月時点での数字は、七十三か所の救命救急センターに今八十四台ありますと、こういう話でございます。その時点での救命救急センターの数は、先生は今二百一と仰せられましたけれども、百八十九ということで、百八十九のうち七十三センターに配備が行われていると、こういう状況でございます。
 これを掌握しておりますのは、私どもがこのドクターカーの配備について、昭和五十一年と申しますのでかなり古い時点から補助を行っておるわけですけれども、そのことの重要性と申しますか、必要性というものについてまだ十分認識が徹底しておらないのか、あるいはいろいろな財政上の問題があるのか、現在のところはこういう状況になっておりますが、今後、今委員が御指摘のとおり、ドクターカーというのは、やはり患者さんが救急車に乗って当該の医療提供の機関に来るのよりも、更にまたその少なくとも片道分は時間が節約できるということで非常に重要だと思っておりますので、この点については今後とも配備が拡充するように努めてまいりたいと考えます。
#116
○足立信也君 今の答弁で前向きな姿勢だと受け止めました。
 救命救急センター、今二百一ですよね、全部で、まあそれは後で結構です。
 そこで、さらに一つ、今回の大淀病院のことも含めまして、私はそのメディカルコントロール、これは狭義には救急救命士が行う医療活動については医師の指示が必要だということで、もちろん、それを直接的な、あるいはオンラインメディカルコントロールというわけですけれども、メディカルコントロールは全体に一つ一つの救急事案が何が問題があったか、あるいは良かったか、そういう一つ一つの事後検証というのが非常に大事だと私は思っております。
 そこで、メディカルコントロール協議会というものも設置されていると思いますが、この協議会のその後の検討事案といいますか、活動状況、そういったものを教えてください。
#117
○政府参考人(松谷有希雄君) メディカルコントロールと申しますのは、今委員御指摘のとおりでございますけれども、平成十六年度の厚生科学研究で全国二百六十地域のメディカルコントロールの協議会を対象とした調査をいたしてございますが、その結果、十五年中に協議会を開催をしていなかったところが三十八か所、一四・六%ほどあった、あるいは救急搬送と救急医療機関、救急医療間の連携方法など各種手順をまだ定めていない地域が二十一か所、一〇%ほどある、また事後検証を実施していない地域が十二か所、五%ほどあるといったような状況であるという調査結果が出ておりまして、すべての地域のメディカルコントロール協議会が十分に機能しているというふうにはまだ言い難いのではないかと思っております。
 病院前救急医療体制の確保のためには、地域のメディカルコントロールというのは大変大事でございまして、この協議会の充実が不可欠であるというふうに考えておりまして、厚生労働省といたしましても、総務省、消防庁とともに今後ともその活動状況の実態を把握するとともに、新たに全国メディカルセンター協議会連絡会を実施いたしまして、各協議会間での情報交換、あるいは好事例の紹介等の対応によりましてその活動の底上げをいたしたいと思っております。
#118
○足立信也君 救命センターの数は。
#119
○政府参考人(松谷有希雄君) 救命救急センターの数でございますが、現時点では二百一でございます。先ほど大臣が答弁申し上げましたのは、その時点での、十七年度時点での数字でございます。
#120
○足立信也君 分かりました。
 これは、医療というのはやっぱり一つ一つの事例から学ぶことが非常に多いわけですね。ですから、事後検証というものは必ず必要なことだと思っておりますので、今の御答弁のように推進していただきたいと、そのように思います。
 ここからは、私の考えを少しだけというか、述べさせていただいて、最後に、大臣のそれについての感想とかをお聞きできたらと思います。
 一つは、救急救命士、もう一万八千人を超えました。非常に今、もう救急現場では重要な役割を担っていますが、私がちょっと足りないなと思うのは医療現場での研修なんですね。医療現場で実際どういうことが行われていてという、患者さんに接する場面がやっぱり少ないんですね。この点が問題かなと思っております。
 二番目は、これはもう明らかなように、これも、救急医もそうなんですが、救急の専門医もやっぱり病院内にいる人が非常に多くて、実際にその現場へ駆け付ける、あるいは救急業務に精通しているという方は意外と少ないんです。これ、救急救命士も、それから救急の専門医も、研修の仕方をちょっと改めた方がいいんではないかと私は思っています。
 例えば医師なんかは、ある期間集中治療室で集中的に病院の中で研修する、またある期間はもう救急業務、現場へ飛ぶというのを専門的にやると、そういったことが私は必要なんだと思います。実際にドクターヘリに乗っている方、医師の意見で、そういう災害時でも、現場へ行っていろんな患者さんの判断をし、搬送の手段を決めるということをやっておかないと、このドクターヘリに乗っていった救急医は全部一人でやらなきゃいけないんですね、それを。つまり、現場を仕切ることができない医師はドクターヘリに乗ってはいけないと。これは現場のもう既にドクターヘリに乗っている方の意見です。こういう人材の育成ですね、救急救命士も、それから救急医も絶対に必要だと思っております。
 もう一点目は、今、ドクターヘリ、これ病院にあるドクターヘリあるいは救急車も患者さんの転院に使われることが多いんですね。無駄だとある意味私は思います、その間使えないわけですから。この転院、今、医療機関のネットワーク化というのが、これ図られておりますけど、その少なくとも転院の部分はもっと民間を活用していいんじゃないかと私は思います。
 それと、あとは一般国民に、やっぱりバイスタンダー、CPR、現場に一番近い人がまず救急処置をスタートするということが救命の最大の効果ですから、この点の一般国民への啓発がまずもう大事であろうと、そのように思います。
 そして、先ほどから申し上げました、これ最後です、やっぱり救急部門というのは不採算なんです。これ間違いない。しかも余裕がないと。空けておかなきゃいけない事態もあるわけですね。
 ですから、民間の資金の導入というのが私は欠かせないことだと思っておりますし、その場合に、民間の資金、要するに寄附金が必要だということを私は申し上げたいんですけれども、その場合に、ある目的一つに絞るというよりも、今私がいろいろ申し上げましたように、救急現場というのはいろんな足りない部分がある、しかも搬送手段一つについても、ここは救急車がいいのか、ドクターカーがいいのか、消防防災ヘリがいいのか、ドクターヘリがいいのかという判断もあるわけですね。民間の資金を活用するということが大前提で、その使用の仕方については透明性が確保されるべきであると思いますし、限定されない使用の方法というものもあるべきだと。以上、申し上げます。
 以上の私の意見に対する大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#121
○国務大臣(柳澤伯夫君) 何点かにわたりまして御高見を承りました。
 第一に、救急救命士は、医療の現場において医療と接したという経験が必要なのではないかという点でございました。これにつきましては、救急救命士は、その資格を取得した後、医療機関で実習を行っていると、こういうことがありまして、これを、常にこの感覚を磨いておくということの重要性の御指摘であったかと思いますが、この実習の上に立って、さらに常に感覚を磨いていくという、そういうことは努めなければならないだろうと、このように考えます。
 それから、次には専門医のお話がありましたけれども、私がたまたま、つまらない知識だったとは思いますけれども、テレビで救急の専門医というものがどういうものかということを啓発する番組をたまたま見たことがありますが、正にけがなどをされた、そういう災害での救急救命という場合にはどういう処置をするか、どこが一体悪いんだということについて即座に判断をして的確な診療行為をしなければいけないという意味で、判断と今委員の仰せられる現場を仕切るというか指示するという、そういう専門的な知識が必要だというのは、私はそのとおりであろうと思うわけでございます。これから、そういう意味では専門医を育てていくということも非常に大事なことだということをその番組も啓発しておりましたけれども、今先生の御指摘も同趣旨かと思いまして、この点については念頭に置いて、今後の、例えば標榜の問題等、これから取り組まなきゃなりませんけれども、それらに当たってもいろいろまた考えていく必要があろうかと思います。
 それから、転院の際のロスと申しますか、そこはもう民間の輸送機関による搬送でよろしいのではないか、こういうような御指摘がありまして、これはまあ我々の所掌ではないかもしれませんが、あるいは医療機関の判断かもしれませんけれども、これもまた参考にさせていただきたいと思います。
 国民への啓発ということが常に重要だということについても、そのとおりかと思います。
 また、この救急救命部門というのは不採算であって、なかなかこれは難しい運営が迫られているということと同時に、その一番最適な手段の選択ということは余り固定的に考えないで、取捨選択をする必要があるというお話でございました。これは、私ども、今回ドクターヘリということの議員立法をしていただくということで、これは有り難いと思っておりますけれども、同時に、先ほどドクターカーの点については、装備が非常にまだ行き届いていないということも御指摘で改めて再認識をいたした次第でございまして、それやこれやをいろいろ考えまして、今委員の御指摘のように、余り固定的な先入観でもって何が欲しいということではなくて、一番その地域地域にふさわしいドクターの乗った救急の搬送手段というものを整備していかなければならないと、そのように感じた次第でございます。
#122
○足立信也君 ありがとうございます。私の質問を終わります。
#123
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 救急医療体制についてお聞きをしたいと思います。
 消防庁にお聞きをしたいんですが、一一九番通報の段階で緊急度、重症度を選別することについて、消防庁が救急業務におけるトリアージに関する検討会の報告書を最近まとめられています。これです。これによりますと、試行事業でのいわゆるアンダートリアージ、すなわち、実際は重症なのに、緊急度、重症度が一一九番通報の時点では低く判断されたと、こういうケースが多数ありまして、例えば、一一九番通報の段階では頭痛、震えという八十二歳の女性が、病院到着時は心肺停止で呼吸不全で亡くなられている。あるいは、発汗、熱感ということで通報があった八十二歳の男性が、軽症というふうに判断されましたが、やっぱり病院到着時は心肺停止で心筋梗塞だったと。
 やっぱりこういった結果を見ますと、一一九番通報の段階で選別を行う、これについては、国民の生命を守るという点からも、あるいは住民合意の形成という点からも、あるいは法的責任がどうなるのかという様々な問題から見て、やっぱり問題がまだまだたくさんあるというふうに考えるんですが、御認識をお伺いします。
#124
○政府参考人(寺村映君) 救急の出場件数といいますのは年々増加いたしておりまして、平成十七年中は約五百二十八万件でございますので、十年間で約六一%増加する一方で、救急隊の方の数は十年間で約九%の増加にとどまっております。
 これらの結果、救急隊の現場到着所要時間というのは十年間で六分から六・五分ということで遅延傾向にございますので、救命効果の低下が非常に懸念されるところでございます。
 消防庁といたしましては、真に緊急を要する傷病者への対応が遅れることがないように、平成十七年度に救急需要対策に関する検討会というのを開催いたしまして、民間搬送事業者の活用とか、あるいは救急車の適正利用の呼び掛け、あるいはポンプ車との連携の推進等を対策として示してきたところでございます。
 この中で、一一九番受信時やあるいは救急現場におきまして緊急度あるいは重症度を選別しようとするトリアージにつきましては引き続き検討が必要であるということから、昨年、十八年度でございますが、救急業務におけるトリアージに関する検討会を開催いたしまして、緊急度、重症度選別のための判断基準でありますとか、あるいは質問要領の作成、さらには消防本部におきます検証を行ってきたところでございます。
 しかしながら、御指摘にもございましたように、緊急度、重症度の高い事案を次に低い事案と誤認することを少なくしていくこととか、あるいは最も低い事案というのは非常に少のうございましたのでそれを拡大するとか、そういう判断基準とかあるいは質問要領の完成に向けた更なる検討が必要であるというふうに考えております。また、住民等への周知あるいは合意形成の必要性というのも課題として指摘されております。
 こういうことでございますので、今年度も引き続きましてこういう課題を検証いたしまして、緊急度、重症度が高い事案により迅速な対応が可能となるように検討を進めてまいる所存でございます。
#125
○小池晃君 これ、いろいろまだまだ問題山積だと思うんですよね。
 それから、救急車の有料化の問題についてもお聞きしたいんですが、これもいろんな議論、検討されたようですけれども、かなり前向きに検討されていた横浜市なども、救急車の有料化は不適当だという結論を出しているようです。これはやっぱり経済力によって命の格差につながるような有料化というのはやはり断じて私ども導入すべきでないというふうに考えているんですが、この問題についての現時点での消防庁のお考えを聞かせてください。
#126
○政府参考人(寺村映君) 救急車の有料化に関しましても、平成十七年度に開催いたしました救急需要対策に関する検討会で取り上げられております。これは、他の対策を講じてもなお十分でない場合には、救急行政の予算、体制の充実の検討を行うとともに、有料化につきましても国民的な議論の下で様々な課題について検討しなければならないと、こういう御指摘をいただいております。
 そういうことでございますので、まず有料化の議論の前に、民間搬送事業者の活用とか救急車の適正利用の呼び掛け、ポンプ隊との連携の推進などに全力を掲げていく所存であります。
#127
○小池晃君 そのまず前にということで言いますと、先ほど答弁にもありましたけれども、要するに救急体制の問題なんですよ。十年間で出動件数は六五%増加しているのに対して、やっぱり救急隊数の、言い換えれば救急車の数の増加はわずか九%だと。六五%出動は増えているのに九%しか増えていない。このギャップを埋めるということこそやっぱり真っ先にやるべきことなんではないか。この検討会でもそういう指摘もされているようですけれども、やっぱりその供給力の強化ということが今優先課題としてはまずあるのではないかと思うんですが、その点についてはいかがですか。
#128
○政府参考人(寺村映君) 御指摘いただきました出場件数というのは十年間で六一%増しておりますけれども、救急隊の数は微増にとどまっております。地方公務員の数が純減を続けておりまして、消防本部の財政事情も厳しい中ではございますが、十年間で約九%増加をしているところでございます。
 しかしながら、現状におきましても、都市部を中心に消防力の整備に関する指針に基づく救急隊の配置基準を満たしていない消防本部もあることでございますので、この基準の充足に向けて、指針の充足に向けて取り組む必要があるというふうに認識しているところでございます。
 消防庁といたしましては、真に緊急を要する傷病者への対応が遅れることのないよう、先ほど申し上げました検討会、いろいろな検討会開いておりますけれども、これを開催いたしまして総合的な救急需要対策を示してきたところでございまして、これらの検討対策を講じてもなお不十分だという場合に救急行政の予算、体制の充実の検討を行う必要があるというふうに今認識しているところでございます。
#129
○小池晃君 大いにそれやるべきだと思うんですよね。真にといっても、誤ったトリアージ、あるいは料金が障壁になって重症者を搬送しないというようなことは絶対あってはならないというふうに思うんですね。やっぱりこういうやり方を先行させていくと救急業務に対する国民の信頼が揺らぐことにもなっていくだろうと。一一九番すれば必ず来てくれるんだと。やっぱり全搬送という基本的な制度の根幹を守るべきだというふうに我々思っていますし、救急隊の増加がやっぱり必要だと。不適切な利用については、やっぱりあくまで啓蒙活動を通じて正していくことが基本的な考え方なんだろうと思います。
 民間利用という話もさっきありましたけど、これは経済的な基盤もないんですね、診療報酬の手当てなどもないので、やっぱりそういったことも含めて大いに知恵を出していく必要があるのではないかと思います。
 続いて、心肺蘇生のための自動体外式除細動器、AEDの問題をお聞きしたいんですが、これは医療従事者以外も使用可能であって、普及が進んで、今年四月一日現在で千七百四十一か所だと。子供さん、八歳未満の小児に対する使用については、昨年八月、ガイドラインができて使用できるようになりました。ところが、そのガイドラインでも、小児用パッドを用いるべきであるというふうにしていながら、小児用パッドがないなどの場合は、成人用パッドについて薬事法上の有効性、安全性確認されていないが、これを代用すると書いてあって、これちょっと違うんじゃないかなという感じがするんですよ。
 医政局にお聞きしたいんですけど、まあ具体的にあれこれ言い出すと何かいろいろとややこしいことになるらしいんで、基本的な方向として小児用パッドをやっぱり普及していくという努力していく必要があるんじゃないかと思うんですが、その点いかがですか。
#130
○政府参考人(松谷有希雄君) AEDの設置は次第に進んできておりますけれども、今委員御指摘のとおり、小児用につきましては昨年の八月のガイドラインで普及を図るよう努めているところでございます。必要に応じて小児用パッドを備えたAEDが設置されるということが大事だと思っておりまして、AEDの普及啓発協議会や関係者を通じて働き掛けておるところでございます。
 根本的には小児用パッドが速やかに承認されるということが必要でございますので、そういう方面にも働き掛けて、いずれにしても実際に救急のときにすぐに助けられるような体制がより普及するという方向で努めていきたいと思っております。
#131
○小池晃君 やっぱり善意で助けようというときに、大人用のだと大きいから接触しちゃってショートしたりとかいろいろとトラブルが起こり得るわけですね。だから、やっぱりきちっと備えておくと。だから私、こういうのが備えあれば憂いなしと言うんだと思うんですけれども、きちっとやっておく必要があると思います。
 しかし、ちょっと厚労省としては、これは普及啓発だという範囲の施策でしかない。それから、消防庁もあくまで普及啓発ということのようなんですが、これお値段が五十万円程度掛かるんで、なかなか設置者の善意だけに頼るのでは限界があるわけです。
 そこで、経済産業省来ていただいていますが、経済産業省の方で全国の商店街にAED設置するために費用補助ということを今年度予算で決められたそうですが、どういう理由でこれをやられるのか、どの程度の規模を考えておられるのか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
#132
○政府参考人(近藤賢二君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘の商店街でございますけれども、商店街は地域の多くの人々が集まる地域コミュニティーの場でございます。商店街に来られる方々、地域住民の方々にとって安全で安心な商店街を実現するために、中小企業庁では全国商店街振興組合連合会と協力をいたしまして、全国の商店街のAEDの設置促進を支援するということをしたところでございます。
 具体的に少し申し上げますと、商店街の会員等を対象といたしまして救急救命講習会を実施することを条件といたしまして、その設置等に掛かる費用の半額を補助するということを考えております。来月下旬から募集を開始いたしまして、今後五年間ぐらいを重点的な整備期間と考えておるところでございます。具体的には、これから申請が出てきた段階で、どのぐらい申請が出てくるかによって執行額もちょっと変わってこようかと思いますけれども、できるだけそれに対応していきたいと思っておりますし、今後とも商店街が地域社会に根差した安全、安心な空間となるような努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
#133
○小池晃君 お聞きするところでは、全国すべての商店街が申し込んできても対応できるぐらいの規模で考えているみたいなお話もあったんですけれども、これは非常に私はいいことだと思うんですね。
 ただ、商店街だけが安全、安心であっては、ほかのところだって安全、安心でなければいけないわけですから、これ大臣にお聞きしたいんですけれども、これ経済産業省としてのこういう補助というのは、経産省自身の文書にも国がAEDの整備に補助を行うのは今回が初めてだというふうに書かれていますが、やっぱり商店街にとどまらず、これを全国的に展開していく必要があるんじゃないか。具体的にどうこうということを今おっしゃっていただかなくても結構ですが、やっぱりこういう考え方に倣ってAEDの普及促進のために具体的な手だてを、これは正に厚労省がこの旗振りをやる責任があるお役所だと思いますので、やっていく必要があるんじゃないかと思いますが、大臣、どのようにお考えですか。
#134
○国務大臣(柳澤伯夫君) 厚生労働省といたしましては、これまで、AED普及啓発協議会を都道府県に置く場合のその協議会の設置について補助を行う、またAEDの講習等について補助を行うというようなことで、今委員が御指摘のように、普及啓発という側面で補助を行ってきたところでございます。これまで全国でおよそ七万台のAEDが設置されて、量的には相当なテンポでもって配備されているというふうに認識をいたしております。
 現在、AEDの設置場所や使用実態等の調査を検討しているところでございますが、その調査結果等を踏まえまして、AEDの今委員の指摘されるような整備ということにどのように取り組んでいくかを考えてまいりたいと思います。
#135
○小池晃君 検討課題として受け止めていただいたということで、是非お願いしたいと思います。
 救急体制の充実にとってドクターヘリは重要だと思います。今から十六年前の九一年三月十三日の衆議院の予算委員会の分科会で我が党の辻第一衆議院議員が取り上げまして、当時消防庁長官だった木村仁さんが積極的に取り組みたいと答弁をして以来、私どもとしても一貫して要求をしております。
 救急医療体制全体を充実させる中でこそドクターヘリの活用も私は効果的に進んでいくし、役割を果たせるんだろうというふうに思いますので、もちろん今回のドクターヘリ法案、これから提案されるのかもしれませんが、こういうことをきっかけにしてやっぱり救急医療体制をあらゆるステージで充実させていく、そのために厚生労働省として役割を発揮していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
#136
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、ドクターヘリの必要性について教えてください。
#137
○政府参考人(松谷有希雄君) ドクターへリ、お医者さんが乗る救急用のヘリコプターでございますが、これにつきましては、交通事故や急病、災害などの発生時に、直ちに医師等が同乗してヘリコプターで救急現場等へ出動して救急医療を提供するというものでございまして、もちろん状況にもよりますが、搬送時間の短縮化あるいは救急医療に精通したお医者さんが救急現場等から直ちに救命医療を開始することができること、また救命救急センターなど救急医療機関に到着するまで継続的に必要な医療を行うことなどによりまして、救命率の向上や後遺症の軽減に大きな成果を上げると期待されているものでございます。
 厚生労働省といたしましても、平成十三年度以降、都道府県がドクターヘリを導入する際にその運営費の補助を行ってきたところでございます。
#138
○福島みずほ君 ドクターヘリの必要性については、この厚生労働委員会の理事懇談会や様々な場面で説明や資料等をいただいてきました。
 ドクターヘリの必要性ということはよく分かるのですが、今日の委員会の中でも出ていますとおり、先ほど例えば足立理事や小池委員の方からもありましたが、ドクターヘリ以外の緊急医療体制としてどうしていくのか。それから、ドクターヘリ以外の緊急医療体制との整合性や、どこにお金を使うのか、税金使うのかという問題について、例えば出産した後亡くなった女性のケースも含めて、日本の緊急医療体制あるいは根本的には医療体制に問題があるというふうに考えます。
 ドクターヘリ以外の緊急医療体制としてどのようなものを考えていますか。
#139
○政府参考人(松谷有希雄君) 救急医療体制は、まずそれを受け入れる医療機関の整備、ドクター等医療従事者の研修等があるという前提の下ですけれども、搬送について述べますと、各種の搬送手段を活用することによりまして、それによって医師等が速やかに処置を行うことができる体制を整えるということが救命率の向上あるいは後遺症の軽減に資するというふうに考えられるわけでございます。
 手段といたしましては、既に相当に普及してございますいわゆる救急車がございますし、これにドクターが乗るドクターカーというものがございます。また、ヘリコプターにつきましては、今厚生労働省で各都道府県が行っておりますドクターヘリについて補助を行っておりますけれども、これ以外にも消防庁の方で消防防災ヘリを所有されて、各地で消防防災ヘリが相当程度配備されるようになってきてございますけれども、これの救急患者搬送に用いるということも考えられるのではないかと思っております。
 医師が同乗するかどうかということは、その地域、その病態にもよりますけれども、医師をどこで置くかということについては、その全体の効率ということから、すべての例えば救急車、あるいはすべてのヘリコプターにお医者さんを乗せるというのはむしろ非効率になると、お医者さんの使い方としては非効率であるというふうにも考えられますので、必要なときにはお医者さんが同乗されるということ、そしてまず速やかに搬送される基礎体制があるということが大事なんではないかというふうに思っております。
#140
○福島みずほ君 搬送の体制ではドクターカーなど補助の対象となっているわけですが、厚生労働省としては、緊急医療体制として厚生労働省は今後どの点に力を尽くしていきたいと考えていらっしゃいますでしょうか。
#141
○政府参考人(松谷有希雄君) 搬送についてで申し上げますと、ドクターヘリについて必要なものについて引き続き拡大する方向で、まだこれは普及が足りないと思っておりますので、補助を引き続き行っていきたいと思っておりますし、ドクターカーについても、これはかねてより行ってございますが、これについてもその配備増について補助を行っていきたいと思っております。
 まあ、どこをと言われますと、それぞれ特徴がございますので、それぞれの特徴に合わせて配備がそれぞれの地域の特性もございますので、行われるというふうに考えておりまして、それが普及しやすいような援助を行うということではないかと思っております。
#142
○福島みずほ君 これから提案されるであろうドクターヘリの仕組みについてお聞きをいたします。
 民間などの受入れ体制についてですが、これについての国の責任、監督をどうお考えでしょうか。
#143
○政府参考人(松谷有希雄君) 現行のドクターヘリについて申しますと、現行のドクターヘリ事業は基本的に都道府県知事の要請等を受けた救命救急センターを所有する医療機関が運営を行っているところでございまして、国といたしましては、都道府県を通じて予算補助を行っているほか、必要に応じて技術的な助言、相談等を行っているところでございます。
 また、その当該医療機関には、都道府県等の自治体、地域の医師会、消防等関係機関から構成されます運航調整委員会が設置されておりまして、当委員会による地域住民への情報提供も行われているところでございます。
 厚生労働省としても、こうした取組に対しまして、必要に応じて助言等の支援を行うほか、厚生労働科学研究によりましてドクターヘリ事業の実績及び評価結果を公表しているところでございまして、今後とも適宜その情報公開に努めるなど、各般の対策をしてまいりたいと思っております。
#144
○福島みずほ君 ちょっと答弁しにくいかもしれませんが、これから提案されるであろうドクターヘリについての仕組みなんですが、新たにドクターヘリについてもっと補助をしていく、それについて法人、受入れ体制をつくってという仕組みがありますけれども、ということも考えられるわけですが、そうすると、その段階における国の責任、監督はどうなるか、あるいはその法人の国民への情報公開の必要性など、その点については厚生労働省としてどのように監督をされていくのか、あるいは国民の情報公開の要求、つまり厚生労働省が直接やる事業ではなく法人がやる事業だと間接的にクッションが入りますから、そこが的確、適正に行われているのかどうかということについての厚生労働省としての担保はどう取られたらよいとお考えでしょうか。
#145
○政府参考人(松谷有希雄君) まだ法案そのものは、案の段階ではいろいろお伺いをしておりますけれども、確定的なことを現段階ではちょっと申し上げるわけにはいかないかもしれませんが、助成金交付事業を行う法人に係る登録制度などを創設するといったような場合には、当然ですけれども、適切な法人を選定する必要があると思いますから、例えばそれなりの基準を設定をするとか、あるいは助成金がその法人から適切に交付されるような何らかの必要な措置ということが必要になるのではないかなと思っております。
#146
○福島みずほ君 助成金などはどの程度の規模というふうにお考えでしょうか。
#147
○政府参考人(松谷有希雄君) これはまだできていない法人がどのくらいお金を集めるかということでございますので、厚生労働省として答える立場にはないと思いますけれども、集められた資金に基づいて公平公正な立場で交付されるということがその基本ではないかと思います。その規模については今の段階ではちょっと分かりません。
#148
○福島みずほ君 これから新しくできるであろう仕組みについてお聞きをしているわけですが、法人ができてそこに助成金というものを交付していく、そうすると、それが適正かどうかということ、それは情報公開、資料の提供、報告などがこれは必要条件だというふうに考えますが、それについて厚労省はどのようにやろうと、あるいはそこから資料提供がもしあれば、当然それは国民に対して情報公開されるべきだと思いますが、その点の仕組みについての厚労省の現段階における考えをお聞かせください。
#149
○政府参考人(松谷有希雄君) 様々な法人等の運営あるいはお金の交付等につきましては、委員御指摘のとおり、情報を公開をするあるいは透明にするといったようなことが一番基本だろうと思いますし、いろいろな手段、又はいろいろな御提案もあろうかと思いますけれども、そういうのも踏まえて適正な交付が行われるような仕組み、情報の公開がその基本だと思いますけれども、を取っていくということになるのではないかと思っております。
#150
○福島みずほ君 現状でもドクターヘリについて国と都道府県から補助がそれぞれ行っていると思いますが、その内訳は二分の一、二分の一ということでよろしいわけですね。現行、ヘリについては、例えば都道府県が二分の一出せば、都道府県が事業主体で、出した金額と同じ金額を国が出すという形でドクターヘリについて補助をしていらっしゃいますが、新たな仕組み、ドクターヘリについて新たな仕組みをつくるということでは、国、都道府県の補助あるいはその対象、項目の変化はあるのでしょうか。
#151
○政府参考人(松谷有希雄君) 委員御指摘のとおり、現行、ドクターヘリの導入促進という観点から、都道府県に対して財政面、支援を行っておりまして、国は二分の一の補助をしておるところで、上限がもちろんございますけれども、二分の一補助をしているところでございます。
 新しい制度ができた後どうなるかということにつきましては、現時点ではまだあれですけれども、今の段階では、この補助につきましては引き続き今の方法で進めることがまだ必要なのではないかなと思っております。
#152
○福島みずほ君 社民党はドクターヘリを推進することにも、もちろんドクターヘリ以外の緊急医療体制を整備することにも大賛成、推進をしたいと考えています。ただ、今やっているドクターヘリに対する都道府県と国の補助では十分ではなく、新たな仕組みとして、法人もつくって助成金の交付事業をそこでやってもらうという仕組みをもし考えるとすれば、なぜそれが必要なのか。つまり、ダイレクトに国と都道府県が従前どおり補助をする、それを充実させれば足りるようにも考えられるのですが、仕組みの問題としてどうお考えでしょうか。
#153
○政府参考人(松谷有希雄君) 従前の仕組みにつきましては、まだその必要性はあるのではないかと現時点では思っております。
 今、新しい法案が考えられている段階でのことをお伺いした範囲では、新たに助成金の交付事業といったようなものもその中で考えるということのようでございますので、それが具体的にどの部分のどういうことに使われるのかというようなこと等を考慮しながら、ドクターヘリといったような事業をより国民の福祉の向上につながる、より普及するという方向で有効に使われるように仕組みをつくっていくということに尽きるのではないかと思います。
#154
○福島みずほ君 このドクターヘリに関して国と都道府県は補助をすると。そして、新たな仕組みとしては法人をつくって助成金交付事業が始まると。その法人はもちろん厚生労働省の登録を受けるわけですけれども、法人の数や中身について、まあまだ法案が出ていませんから厚労省として言いにくいと思いますが、どのようなイメージで考えていらっしゃるでしょうか。
#155
○政府参考人(松谷有希雄君) まだ現時点ではちょっとなかなかお答えし難いものもあるかと思いますが、余りたくさんの法人が乱立をしてそれぞれがばらばらに補助するというようなことは考えにくいのではないかと思います。当面一か所ぐらいの法人で、そこに集中してやる方が機能的ではないかとは思いますが、それは現段階では単なる感想でございますので、実際起きてからの話だと思います。
#156
○福島みずほ君 ドクターヘリの推進と、それについては大賛成で、新しい仕組みができることも大変いいことだと思います。ただ、どうしても、法人をつくってそこが助成金交付事業をするというふうになると、従来の補助では何が不十分なのか、あるいは法人の運営と、その法人が行うドクターヘリに対する施策が公平なのか、お金の使い道どうかという問題など、いろいろきちっと国民も監視する、国会も監視する、厚生労働省も監視をする、情報公開を徹底してもらうということが必要だと思います。また、ドクターヘリにおける救急医療体制とその他の緊急医療体制のバランス、お金の使い方、どうやって合理的にやるのかということも必要だと思います。
 また、ドクターヘリは基本的に都道府県が計画を作る形に恐らくなると思いますが、必要としている、とても必要とする都道府県と余りそうでない都道府県と、あるいは都道府県の財政力もそうですし、地域によって実はかなりまちまちで、その公平さとお金の分配と全体的なマネジメントのプロデュースが厚生労働省に任せられるというふうに考えますので、国会の中でも頑張っていきますし、社民党としても頑張っていきますが、厚生労働省の是非奮起と監督責任を心からお願い申し上げ、あと緊急医療体制とドクターヘリについての推進をお願い申し上げ、私の質問を終わります。
#157
○委員長(鶴保庸介君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#158
○委員長(鶴保庸介君) 次に、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法案に関する件を議題といたします。
 本件におきましては、理事会において協議いたしました結果、お手元に配付いたしております草案を本委員会から法律案として提出することに意見が一致しました。
 まず、草案の趣旨及び主な内容について御説明申し上げます。
 救急医療用ヘリコプター、いわゆるドクターヘリは、事故、急病や災害等の発生時に、消防機関、医療機関等からの要請に対し、医師等がヘリコプターに搭乗して速やかに救急現場等に出動することができ、搬送時間の短縮のみならず、救急医療に精通した医師が、救急現場等から直ちに救命医療を開始し、高度な救急医療機関に至るまで連続的に必要な医療を行うことにより、救命率の向上や後遺症の軽減に顕著な実績を上げております。
 政府は、平成十三年度よりドクターヘリ導入促進事業として、都道府県に対する補助事業を実施することにより、ドクターヘリの導入を進めておりますが、現在、十道県十一機が運航するにとどまり、全国的に整備されるに至っておりません。
 そこで、本案は、ドクターヘリを用いた救急医療の全国的な確保を図るための特別の措置を講ずることにより、良質かつ適切な救急医療を効率的に提供する体制の確保に寄与しようとするものであります。
 次に、本案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、この法律において、救急医療用ヘリコプターとは、救急医療に必要な機器及び医薬品を備えたヘリコプターであり、かつ、救命救急センターにおいて、その医師が直ちに搭乗することのできる場所に配備されているものをいうこととしております。
 第二に、この法律による施策は、救急医療用ヘリコプターにより速やかに救急医療を行う態勢を、地域の実情を踏まえつつ全国的に整備することを目標としております。
 第三に、厚生労働大臣は、医療法の基本方針に救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する事項を定めるものとし、都道府県は、医療計画を定める場合に、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保について定めるときは、その目標等を定めるものとしております。
 第四に、都道府県は、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の提供に関し、傷病者の状態等の連絡に関する基準の作成等のために関係者が協議する場を設ける等、関係者の連携に関し必要な措置を講ずるものとしております。
 第五に、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の提供に要する費用に対する補助の制度を定めることとしております。
 第六に、民間からの寄附に基づく基金を設けて、全国的に助成金を交付する非営利法人を登録する制度を設けることとしております。
 第七に、附則に検討条項を設け、政府は、この法律の施行後三年を目途として、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の提供に要する費用のうち診療に要するものについて、健康保険法等の規定に基づく支払について検討を行い、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしております。
 なお、この法律は、一部を除き、公布の日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の草案の趣旨及びその内容の概要であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いを申し上げます。
 それでは、本草案を救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 足立信也君から発言を求められておりますので、これを許します。足立信也君。
#161
○足立信也君 私は、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による国民の安心のための救急医療体制の確保に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国民の安心のための救急医療体制の確保に関する決議(案)
  医療は、国民が安心して生活を送るための重要な基盤であり、とりわけ救急医療については、先般の医療法改正においても、都道府県が策定する医療計画に重点的に位置づけるとしており、国民の生命、健康を確保するために必要不可欠なものといえる。
  昨今、医療制度改革、市町村合併等により、医療機関の集約化、救急業務の広域化が進み、関係省庁の連携も一層重要になりつつある。
  こうした中で、救急医療体制については、これまでも、初期、二次、三次の役割分担に基づいて体系的な救急医療の整備が行われるとともに、救急救命士制度の創設等により救急搬送体制との連携が推進されてきたところである。
  その一環として、政府は、平成十三年度よりドクターヘリ導入促進事業として補助事業を実施することにより、ドクターヘリの導入を進めているところであるが、現在、十道県十一機が運航するにとどまっている。
  このような観点から、本委員会においては、救急医療体制の充実を図るため、引き続き、必要な調査を含め、鋭意審議を行っていくものとする。
  政府においても、こうした現状を踏まえ、次の事項をはじめとする救急医療体制に係る諸課題について検討を行い、必要な施策を講ずるべきである。
 一、国民が安心して生活を送ることができるよう、引き続き、救急医療体制の整備に努めること。その際、隣接・近接する地方自治体間の連携・協力に留意すること。
 二、消防防災ヘリを含む救急患者搬送用のヘリコプター、ドクターカー等他の搬送手段についても、救急医療との緊密な連携の下、その有効な活用を図ること。
 三、いわゆるメディカルコントロール体制の一層の強化を図る等救急搬送と救急医療の連携に努めること。
 四、救急搬送体制との連携も考慮しつつ、現行の救命救急センターの量的・質的充実を図ること。
 五、救急医療体制に関わる従事者の確保のため、その育成について一層の強化を図ること。
 六、都道府県の救急医療体制の確保について、予算面での支援を行うこと。
 七、助成金交付事業を行う法人に係る登録制度等を創設する場合は、適切な法人を選定するよう基準を設定し、助成金が適正に交付されるよう、必要な措置を講ずること。
 八、傷病者の救命、後遺症の軽減等の観点から、救急医療用ヘリコプター等を用いた救急医療等に関する研究を推進すること。
 九、心肺蘇生法の普及等、引き続き、一般国民の救急医療に対する理解及び啓発に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#162
○委員長(鶴保庸介君) ただいまの足立君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#163
○委員長(鶴保庸介君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、柳澤厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。柳澤厚生労働大臣。
#164
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、救急医療の確保に努めてまいる所存でございます。
#165
○委員長(鶴保庸介君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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