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2007/05/29 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第23号
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2007/05/29 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第23号

#1
第166回国会 厚生労働委員会 第23号
平成十九年五月二十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     野村 哲郎君     南野知惠子君
     犬塚 直史君     辻  泰弘君
     松下 新平君     森 ゆうこ君
     谷合 正明君     山本  保君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     山本 孝史君     小林 正夫君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     広中和歌子君
     山本  保君     谷合 正明君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                阿部 正俊君
                中村 博彦君
                足立 信也君
                津田弥太郎君
                浮島とも子君
    委 員
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                小林 正夫君
                櫻井  充君
                島田智哉子君
                辻  泰弘君
                柳澤 光美君
                谷合 正明君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
   副大臣
       内閣府副大臣   林  芳正君
       厚生労働副大臣  武見 敬三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       人事院事務総局
       人材局長     鈴木 明裕君
       内閣府大臣官房
       審議官      飛田 史和君
       内閣府規制改革
       推進室長     田中 孝文君
       内閣府経済社会
       総合研究所国民
       経済計算部長   後藤 正之君
       総務省自治行政
       局公務員部長   上田 紘士君
       総務省統計局長  川崎  茂君
       法務省入国管理
       局長       稲見 敏夫君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   宮島 俊彦君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省職業
       安定局長     高橋  満君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        岡崎 淳一君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   奥田 久美君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    中村 吉夫君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
       経済産業大臣官
       房審議官     立岡 恒良君
       国土交通省自動
       車交通局次長   桝野 龍二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、犬塚直史君、松下新平君、谷合正明君、野村哲郎君及び山本孝史君が委員を辞任され、その補欠として辻泰弘君、森ゆうこ君、山本保君、南野知惠子君及び小林正夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員長から一言申し上げます。
 規制改革会議の名で出された文書が、当委員会で審議している労働法制の内容に言及しており、本委員会でも議論となりました。本日質疑で行う雇用対策法に係る内容も含んでいるとの議論がありましたので、委員長といたしましては、この件についての見解を求めるため、会議の所管省庁である内閣府で責任ある立場にある林内閣府副大臣の出席を本日求めました。
 この際、林内閣府副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。林内閣府副大臣。
#4
○副大臣(林芳正君) おはようございます。
 去る五月二十二日の当委員会の審議におきまして、規制改革会議の労働タスクフォース名で出された文書につきまして、御審議中の法案や政府の方針に反する不適切なものであるといった御議論がありまして、本日は、委員長の御要請により、同会議を所管、所掌する責任者として、本件についての政府としての見解と対応を御説明するために参上いたしました。
 最低賃金の改善、正規雇用労働者とパートタイマーとの差別の禁止、同一労働同一賃金の実現を始めとする労働政策の重要課題について、政府提出の関連法案との趣旨に照らしまして進めるべき政策の方向と異なる内容のある文書が、規制改革会議そのものではないものの、下部組織である労働タスクフォースの名をもって公表されたことは不適切なことであり、誠に遺憾であります。
 このため、規制改革会議の運営に当たっては、自由濶達な議論が行われるとしても、閣議決定を経て国会提出中の法案とそれに示された政策の方向に反することのないよう、渡辺規制改革担当大臣より草刈隆郎規制改革会議議長に指示をいたしたところでございます。
 政府といたしましては、同会議の適切な運営がなされるよう、今後とも指導してまいる所存でございます。
 以上でございます。
    ─────────────
#5
○委員長(鶴保庸介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長高橋満君外十六名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(鶴保庸介君) 雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○櫻井充君 おはようございます。民主党・新緑風会の櫻井でございます。
 昨日、現職の大臣が自殺されるという本当に大変なニュースが飛び込んでまいりまして、我々まず、松岡大臣の本当に心から御冥福をお祈りいたしたいと思いますし、極めて、何と言ったらいいんでしょうか、複雑な気持ちでございます。あとはまあこれから様々検証されていくことがあるんだろうというふうに認識はしておりますが、そういう点でもう一度、国会や内閣であるとか、そういったものの役割等を改めて検討していかなければいけないんじゃないのかなと、そういうふうに思っております。
 その意味で、私は、今、林副大臣からるる御説明がございましたが、私は林副大臣には何ら責任がないんじゃないだろうかと。つまり、確かにそこのナンバーツーとしての責任はおありなのかもしれませんが、はっきり申し上げまして、規制改革会議の問題は今回に限ったことではなく、この暴走をいい加減に止めないと、この国のその政治の在り方そのもの自体がおかしくなるんじゃないのかなと、私はこれはもうどこの委員会でもずうっと続けて申し上げているところでございます。
 ここは改めて柳澤大臣と林副大臣のコメントを求めたいと思いますが、我々は、国会議員は選挙というものを経て国民の代表者としてこの場に立っております。国家公務員の方々は、国家公務員法というその縛りがあって、そこの中で自分たちもちゃんと責任を負って働いているわけでございます。そこの中で、規制改革会議の方々は、そういうその選挙も経ていない、それからある種の責任をきちんとした形で負うようなシステムになっていない。もう少し言えば、何か不適切なことがあったとしても社会的な地位まで失墜するわけではないという方が、余りに今の構造の中でいうと権力を持ち過ぎているんではないんだろうか、私はそのように感じていて、今の政治の在り方そのものを変えていかないといけないんではないのかなと、そう思っておりますが、大臣そして副大臣としてはいかがお考えでございましょう。
#9
○国務大臣(柳澤伯夫君) どの時代もそうしたことが言い得るかと思いますけれども、私は今の日本の立っている時代的な背景というのはやはり転換期ということだろうと思っています。戦後うまくいってきた経済のシステムがバブルにまで至ってしまって、その崩壊の中で再生のために非常に苦しむということで、言わば、今若干景気の回復というようなことがあるとしても、これですべて、将来の展望に立ったときでも、一つの、何というか、国家の経済の運営モデルというものを我が物にしたという段階ではないというふうに思います。そういう中でいろいろな形の改革が試みられているということが現実の姿だろうと思います。
 改革を行う場合に、ボトムアップでできるかということになると、なかなかボトムアップでは改革というのはうまくいかないというのが通例でございまして、そういう意味では、現在、一時期の戦後の政治のやり方と随分変わったトップダウンのやり方が、時として、また場合によっては多用されるというような、そういうことにあると思います。
 そういうことで、いろいろ内閣の中にトップダウンのための装置と申しますか、そういうものができまして、そこでいろいろ識者が改革を進めるための、意見を言われるということが行われておりまして、櫻井委員や特に私なぞは昔なじんだ政策の運営からすると随分違う形になっているわけでございますけれども、しかしいずれにしても、そうであったとしても、最終の我が国の意思決定というのはこの立法機関でございますし、また内閣としての提案というのは閣議に諮って提案がまとまって出てくるわけでありますので、その過程でかなりいろんな意見を闘わせて、昔のように役人が準備をしてきたものをボトムアップするということでなく出てきたとしても、最終のところでは内閣の閣議決定、それから立法府における法律の制定ということで進んでまいりますので、大きな枠組みは十分維持されておると、その中でいろいろな御見識なり、我々もそうですけれども、使命感を持った仕事をするということが期待されていると、それに何とかこたえていこうとそれぞれの立場で努力をしているということではなかろうかと考えております。
#10
○副大臣(林芳正君) 今、柳澤大臣から御答弁があったとおりだと私も思っておりまして、この規制改革会議の委員というのは、あくまでそれぞれの識見を持たれた方が答申をいただくと。しかし、その答申を受け止めてどうしていくかというのは、最終的には選挙で選ばれた我々、また議院内閣制における政府というものが政策決定を内閣の責任において行っているものでございます。
 櫻井委員から大変優しい言葉を掛けていただいたわけでございますが、与野党問わず、これはやっぱりどういう政策の決定をしていくのかということ、そして最終的にだれがどういうふうに国民に対して責任を取るのかということは大変大事な問題だと私も思っておるところでございまして、この審議の、規制改革会議のプロセスの中でどうしてもタスクフォース的なものの存在が、私もちょっと言葉に気を付けなければなりませんけれども、必要以上にクローズアップされているんではないかということを感じることが正直言ってございます。それは、我々がもう少しクローズアップされるように我々自身が努力をしなければならないということかもしれませんけれども、そういうことも含めて、きちっと最終的には、今、柳澤大臣がおっしゃられましたように、内閣として最終的なものを責任を持って決めて、その上で国会にお諮りをして審議をいただくと、この原則はきちっと担保してまいる、このことが基本であろうというふうに考えておるところでございます。
#11
○櫻井充君 お二人がおっしゃったとおりになっていれば全く問題ないんですよ。言っているようになっていないから問題なんです。これは、今与野党がというお話がありましたが、私は自民党の議員の方々と話をしても、良識のある方々は皆おかしいと、そういうふうにおっしゃっていますよ。(発言する者あり)ですよね。
 ですから、そういう点から考えると、もう一度僕は原理原則に返ってやっていただきたいんです。別にボトムアップ方式をずっとやれと言っているわけでもありません。トップダウン方式が悪いと言っているわけでも何でもありません。これは、規制改革会議というのは国家行政組織法の中のいわゆる八条に定められている八条委員会ですね。八条委員会の役割は一体何なのかというと、この人たちは意見を言うことができるということだけの話であって、その後に対してこの自分たちが言ったことをどうやって通していこうかとか、どうやって反映させていこうかとか、そういうところまで僕は権限としてないんだろうと思うんですよ。
 その点について、まず改めて林副大臣に確認しておきたいと思いますが、私のその認識でよろしいんでしょうか。
#12
○副大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、規制改革会議は答申を出すというのが仕事でございますので、その意見を出した後、今度は我々が政府として受けてそれを決定するということでございますので、この規制改革会議のお仕事は答申を作るということであろうというふうに思っております。
#13
○櫻井充君 そうすると、これは第九回の規制改革・民間開放推進会議の中で、福井委員が、労働契約法制の中身について、きちんと協議を受けて、細部にわたって答申の趣旨が具体的に反映されているかどうかを事前にチェックするという手続が極めて重要だと思いますと、まずこういう発言もされているんですね。つまり、自分たちの意見がちゃんと通っているかどうかもチェックしていこうじゃないかと。そして、その場合に、駄目だった場合には、要するに、いずれにしろ、労政審で決まって閣議決定され、国会に提出されると、それ以降の段階でこの答申とは違う法案ができたことが仮に判明したからといって、事後的に修正を求めるということは、多大な労力、時間等の取引コストが掛かりますので、やはり法案を出す前に、内閣として決める時点でちゃんと事前にコミットすることが手続的に極めて重要ではないかと思いますと、そういうふうにコメントされているんです。越権行為も甚だしい。
 私は、まず一つ申し上げておきたいのは、このような委員が本当に適切なのかどうかということであって、改めて求めておきますが、当委員会に規制改革会議の福井委員の参考人としての招致を求めておきたいと思います。
 そして、その上で、今のコメントに対して林副大臣としていかがお考えか、その点について御答弁いただきたいと思います。
#14
○副大臣(林芳正君) ちょっと今のところの、手元に資料がございませんが、私が今御意見を聞いて受け止めましたのは、多分その答申を基に、先ほど御答弁いたしましたように、閣議決定を政府としていたしますと、その閣議決定とどういう整合性があるのかと、こういうチェックをするということであれば、それは閣議決定の基になった答申をお作りになられた委員の方がその立場で閣議決定と、新しく法案も閣議決定されるわけでございますので、そういう趣旨であればあり得ることかなと思いますけれども、答申は答申でございますから、答申ということになるとその辺の整合性はどうなのかなと、そういう印象を今持たせていただきました。
#15
○委員長(鶴保庸介君) 櫻井充君。
#16
○櫻井充君 さっきの。
#17
○委員長(鶴保庸介君) 後日、理事会にて協議をいたしたいと思います。
#18
○櫻井充君 もう一度確認いたしますが、もう一度確認いたしますが、この発言の趣旨というのは問題があるというふうに認識されたんでしょうか。
#19
○副大臣(林芳正君) 手元にその詳細な議事録がございませんので、その全体を見てきちっと判断をしたいと思いますけれども、答申そのものがあたかも全部実行されなければいけないと、こういう趣旨であれば、多少与えられている任務とどうなのかなという印象は持ちますが、全体を見て御判断をさせていただけたらというふうに思います。
#20
○櫻井充君 これ、きちんと調べていただきたいと思います。
 そこの中で、もう一度だけ申し上げておきますが、内閣として決める時点でちゃんと事前にコミットすることが手続的に極めて重要ではないかと。僕はこれは八条の制度から完全に逸脱していることだと思っています。つまり、こういうことをやり続けているから問題なんですね。
 これだけではありません。もう一つは、経済財政諮問会議というのは、経済のことを取り扱うのがこれ基本原則ですね。それでよろしいでしょうか。ああ、規制改革会議です、ごめんなさい、規制改革会議というのは経済の重要事項について取り扱うということで、それでよろしいですね。
#21
○副大臣(林芳正君) 規制改革会議につきましては、所掌を、内閣府の本府組織令で三十九条というのがございますが、「規制改革会議は、次に掲げる事務をつかさどる。」と、「経済に関する基本的かつ重要な政策に関する施策を推進する観点から、内閣総理大臣の諮問に応じ、経済社会の構造改革を進める上で必要な規制の在り方」、「(国及び地方公共団体の事務及び事業を民間に開放することによる規制の在り方の改革を含む。)に関する基本的事項を総合的に調査審議すること。」となっておりますので、経済社会の構造改革という意味では、経済に直接かかわるものだけということではないのではないかというふうに考えております。
#22
○櫻井充君 そういう話になると、基本的に言うと全部やれることになりますね、多分。
 教育委員会制度についても規制改革会議の中で実は議論されているわけです。ただし、これは規制改革会議の中でではないんですよ。調べてみると、規制改革会議の委員が決定される前に、新しい委員が決定される前にワーキングチームと称した会合が持たれているわけです。
 これはしかも、要するに、郵船かな、まあ草刈議長のところの会議室なんだろうと思いますが、そこで教育ワーキンググループという名前を付けられておりますが、自由討議をされるわけですね。自由討議されている内容を原案として、たたき台として、あとはメールの持ち回りで一応承認してもらって、規制改革会議の名前でこのことについても発表しているわけですよ。これは手続、全くのっとっておりません。渡辺大臣はこれは合法だというようなお話をされていましたが、大臣がそういうようなことで認めてしまうから、認めてしまうから、このようなことが何でもありでやられていっているんだろうと私は思っているんですよ。
 これは、教育再生会議の第一次報告について、それは問題があるんじゃないかということで、規制改革会議のある一部の人間が自由討議をしたんです。その上で、今度はその内容をたたき台にして、あとはメールの持ち回りの中で、会議もせずに、会議もせずに規制改革会議の一応意見として報告がされているわけですよ。なぜ彼らがそういう議論までしなきゃいけないんでしょう。
 そして、そこの中で、また、要するに我々の意見をどうやって反映させるのかということを言及しているわけですよ。これは草刈会長が、総理との見解相違があるとたたかれる可能性もあるので、渡辺大臣との会合を持ち、意見を合わせる必要があると、大臣に意見を言わせた上で、それをサポートする形がよいのではないかと。福井委員は、大臣との意見調整が利けば、流れを変えてくれる可能性もあると、まとめた見解を大臣経由で総理に訴えて山谷補佐官へ指示させる流れがよいのではないかと。大臣を経由して規制改革会議の名で出すのもいいが、逆効果になることも考えられると、こんなことまでいろいろ意見が交換されているわけですよ。こういう人たちを、こういう人たちを今までのようにやらせていいのかどうかということです。特にこの福井さんという方は、いろんな場面で顔を出してきて、いろんなことを自由に物を言ってめちゃめちゃにしていく方です。
 もっと申し上げると、彼は驚くべきことを言っているわけですよ。今のワーキンググループは、これ、公開されておりません。彼は「官の詭弁学」という本を書かれていて、そこの中で何と言っているかというと、要するに情報公開しないということ、官僚の情報公開が不足していることが最も問題なんだということを彼は言っているわけですが、彼の会議そのもの自体が実は情報公開なんかされていないんです。しかも、番記者を引き連れていって、さも規制改革会議で議論されたかのようにそのことを、たまたま番記者にその情報を提供して、それを有り難く書くマスコミがいるということが私は一番情けないことだと思いますけどね。しかし、こういう人に本当に何で委員をやらせるんですか。だから、ゆがめられていくんですよ。
 私からすれば、憲法四十一条に、国会は要するに国権の最高機関であると定められているわけでしょう。それが完全にゆがめられていますよ、この人たちによって。ですから、私はこの福井さんという方ははっきり申し上げて委員にふさわしくない、罷免させるべきではないのかなと、そう考えておりますが、副大臣としていかがでしょう。
#23
○副大臣(林芳正君) この福井委員につきましての御指摘でありましたけれども、今国会の提出中の関連法案の趣旨に照らして進めるべき政策の方向と異なる内容のある文書と、今回の件につきましては冒頭申し上げたとおりでありまして、これを踏まえて適切に運営をするということを渡辺大臣から指示をしたところというところを先ほど申し上げたとおりでございまして、先ほど委員のおっしゃった、その読み上げられました資料というのがどういう性質のものか。
 要するに、非公式で委員方が自由にお集まりになってやることを全部やるなと、こういうことではないというふうに承知をいたしておりますので、最初から申し上げているところですけれども、最終的に会議として答申を受けた我々がきちっと、憲法の御議論もありましたけれども、内閣として、そして全体として、政府・与党としてということになりましょうか、最後は国会で御審議をいただくわけですが、そこの部分というのが非常に大事であると思っております。
 一方、民間の方に、有識者に入っていただいて議論していただくということでありますから、基本的には見識を持った方に自由に御議論をいただくというのがこの規制改革会議の趣旨であろうと、こういうふうに思っておりますので、そのところにつきまして、冒頭申し上げたように、国会の審議との関係でお願いを、指導をしなければならないところはすると。しかし、元々の趣旨はそういう知見を生かそうということでありますので、委員が御指摘になられたようないわゆる中身の問題ではなくて、どういうふうに運営していこうとかいうところにつきましては十分我々も注意をしてまいりたいと思っております。
#24
○櫻井充君 自由討議をするなとは申し上げておりませんが、問題は、規制改革会議の新しいメンバーは一月三十一日に、たしか私の記憶が正しければ一月三十一日に閣議決定されているんですね、閣議決定されているんです。この自由討議は一月の二十六日に行われていまして、それは旧来のメンバーだけが集まって、新しい人は入っていないんですよ。ワーキンググループだからそれはそれでいいのかもしれませんが、それがたたき台になって、二月の十三から十五にかけて持ち回りの中で随分変わりました、その見解の内容を見ていただければ分かりますが。変わりましたが、閣議決定される前のメンバーがまずやっているものがなぜたたき台になるのかということなんですよ。彼らはメンバーじゃないですからね、正式な。
 それから、今回の規制改革会議の中でおかしいと私は思うのは、本来であれば今回の規制改革会議はどういうものなんだというまず方向性が決まってから人選されるべきなのに、まず十二月にはもう内々に人選されているんですね。そして、そのまだ正式なメンバーでもない人たちが決まってから、じゃ今度は規制改革会議はどういうことなんだという方向性をこれ決めているんですよ。ですから、やり方そのものがめちゃくちゃなんです、すべてが。だから、おかしいというふうに申し上げているんです。
 それから、これは自由だから何でもありなのかもしれませんが、この場で草刈議長の秘書の方も発言されているんですよ。秘書の方まで、田島さんという秘書が発言されているんですよ。もうここまで来ましたからあえて名前挙げますけれども、問題じゃないですか。幾ら自由討議だといっても、規制改革会議の教育ワーキンググループの会合、これは正式な名称かどうかは分からないけど、そのメンバーが話合いをする中で、なぜ全く関係のない議長の秘書まで発言しているんでしょうか。そういうやり方をしているから問題なんですよ。
 そして、しかも、これは持ち回りでその見解を出されましたが、今度はその後の規制改革会議の中で、ほかの委員の方からどういうことか十分によく分からないのでちゃんと補足の説明をしてほしいということを求められて、規制改革会議の会合の中で補足説明をしております。やっていることがでたらめなんです。
 こういうことをやられたら、まじめにやっている官僚はばかばかしくなりますよ、本当に。それから、我々国会議員だって、我々は国民の代表者ですよ。我々だってばかばかしくなるじゃないですか、こんなこと勝手にやられて。そして、今の流れでいえば、この人たちが正義であって、特に御苦労されているのは歴代の厚生労働大臣ですが、さも抵抗勢力のように言われて袋だたきに遭うと。これは大臣として心労がたまるのはこれもう当然のことだと思いますね。
 ですから、そういう点でいったら、まずここの組織そのもの自体をちゃんと見直さなきゃいけないですよ。今、有識者というお話がありましたが、福井さんはなぜ有識者として認めるんですか。その根拠を挙げていただけますか。
#25
○副大臣(林芳正君) これは総理の諮問会議でございますので、私も所管の、先ほどナンバーツーと言っていただきましたけれども、あえて総理が御指名をされたわけですから、それぞれの専門分野での有識者ということでございまして、私が存じ上げている範囲で申し上げますれば、先ほど御著書の御紹介がありましたけれども、それ以外にも特に法務の分野等で多数の御著書もあり、非常な深い見解をお持ちだと、こういうふうに私としては承知をしております。
 今委員が御指摘のあった非公式な打合せの部分、草刈会長の秘書の方の御発言があったというところは、公式な会議をきちっと手続を取って最終的に会議として答申をまとめるというところは大変大事だというふうに委員の御指摘どおり思っておりますが、そこに至るたたき台を作る、委員の個人的な協議とか、自由濶達ないろんなそのたたき台作るためのブレーンストーミング的なものというのは一概には否定されるべきものではないだろうと、こういうふうに思っております。
 しかし、今、持ち回りとおっしゃいましたけれども、最終的にその会議として答申をまとめるというところの段階でデュープロセスというのがきちっと働くようにしていく、これは我々きちっと見てまいらなければならないと思っておるところでございます。
#26
○櫻井充君 私が申し上げているのは、決まってないメンバーなんです、まだ、正式にね。正式に決まってないんですよ。今回の規制改革会議のメンバーとして閣議決定される前のメンバーが自由に議論したものがたたき台になっていることが問題だと申し上げているんです、ここのところは。
 つまり、閣議決定されるときに、もしかするとですよ、もしかすると、やはりこの方は駄目だとか、いいとかいう議論があるかもしれないし、少なくとも正式メンバーじゃないんですからね。ですから、手続がちゃんと踏まれていないからおかしいというふうに私は申し上げているわけです。
 それから、なぜ教育再生会議に対してまで意見を言わなきゃいけないのか私には理解できませんし、それから教育委員会制度に対してまで言及されているんですよ。経済の問題じゃないでしょう。教育委員会制度までこれが経済だと言われてしまったら何の歯止めもないし、こんな根拠法なんて要らないですよ。この規制改革会議の中の、これは政令だったか、省令かな、根拠法じゃないかもしれぬ、根拠法の中から出てくるようなこういうもの自体が形骸化しているから私は問題だというふうに申し上げているんですよ、手続として。
 ですから、林副大臣、ここのところはもう一度帰ってきちんと御検討していただけますか。その上で、その上でね、その上で、あとは考えていただければそれで結構ですよ。今、副大臣として苦しい立場におられてかばわなければいけないというところは大変だろうと私は思います、これは。私がそちら側にいたら、これは相当しんどいなと思いますよ。
 ですから、その意味で申し上げておきますが、まずちゃんと調べてくださいよ。事実確認をして、問題があると思ったらちゃんと処分していただきたい。そのことをまず申し上げておきたいと思います。
#27
○副大臣(林芳正君) 規制改革会議がどういう範囲でやるかということについては先ほど内閣府令を読み上げさせていただきましたが、櫻井先生、総理と同じやり取りをされておられる中でも、総理からも、経済的な規制だけではなくて、教育や医療等の分野の社会的規制についても調査審議を進めてきたと、こういう御答弁もあるところでございまして、そこは先ほどの私が申し上げたところを御理解いただければと思います。
 その上で、先ほど来繰り返し御答弁申し上げているところでございますが、非公式に、自由に委員が議論をするということと、会議として正式にこの手続の中で最終的な答申をまとめる、ここをはっきり区別をした上で、その正式な手続の中で定めたいろんな規則等に照らしてデュープロセスでない部分があればこれはきちっと見ていきたいということを申し上げておきたいと思います。
#28
○櫻井充君 本当にちゃんと見てくださいよ。
 それから、じゃ、もう一つ。その五月二十一日のところで、労働タスクフォースという名前でこれ出ていますが、一番上にもこれ規制改革会議と出ているんですよ。規制改革会議はちゃんと会議して了解事項ですか、これ。
#29
○副大臣(林芳正君) これはあくまでタスクフォースとして出したものでございまして、逆に申し上げれば、規制改革会議として、会議として了承しておれば規制改革会議というクレジットで出すべきものと、こういうふうに考えております。
#30
○櫻井充君 そういうところが、こんな文書まで偉そうに発表できるような権限がどこにあるんですか。どこの根拠法に基づいてこんな文書をまとめられるんですか。
 それからもう一つ、これは事務方が協力しているんでしょう。事務方がこれは協力しているんですね。これは正式な会合ですか、じゃ。
#31
○副大臣(林芳正君) タスクフォースは正式な会合でございますので、事務方もそのタスクフォースの指示に基づいて事務的な協力をしているということでございます。
#32
○櫻井充君 この人たちがこういう形でコメント出すことそのもの自体、こんな文書出すことそのもの自体を、副大臣としてはこれ真っ当だと思われますか。
#33
○副大臣(林芳正君) 先ほど来繰り返しの御答弁になりますが、自由濶達な議論をしていただく、タスクフォースとしての意見を出すと、このこと自体は私は否定をされるべきものではないと思っておりますが、最初に申し上げましたとおり、政府として今御提案をして審議をいただいております法案、その法案についての政策の方向というものと、これ正式なタスクフォースということになりますと、全く違った方向であるということは、先ほど来申し上げましたように、不適切であるというふうに我々は認識をしているところでございます。
#34
○櫻井充君 苦しいのはよく分かりますから、もう一度とにかく、僕はおかしいと思っているのは、規制改革会議の中の一部なんですよ、暴走しているのは、多分。それから、経済財政諮問会議もたった一人暴走している人がいてね、この人が民間委員という名前を称して四人の名前で全部出しているけれども、あれ四人じゃないでしょう、多分後ろで一人絵をかいているの、八代さんだけだと思いますがね。
 そういうことをやっていいのかということです。彼らは何の権限もないですからね、はっきり言っておきますけれどもね。何の代表者でも何でもなくて、それは皆さんが有識者だというふうにお決めになって、その有識者だと名のっているだけの話であって、例えばそれじゃ、これからその議論しなければいけない話になるんですけれども、年齢制限を撤廃しろというふうに今政府は進めているわけでしょう。じゃ、その当時、規制改革会議のメンバーだった、規制改革会議のメンバーだった、しかも今、労働政策審議会のメンバーの奥谷さんの会社のザ・アールという会社、じゃ、これは年齢制限撤廃していますか。
#35
○政府参考人(高橋満君) 今、櫻井委員御指摘の個別の企業にかかわる状況については、今の時点では把握はいたしておりません。したがいまして、お答えは控えさせていただきます。
#36
○櫻井充君 何言っているんだよ。あのね、ホームページ上にちゃんと掲載されていますよ、堂々と。じゃ、私がお話ししてどう思われるか、コメントを求めましょうか、そこまでおっしゃるのであれば。
 二十五歳から三十五歳って資格制限のところにちゃんと書かれていますよ、二十五歳から三十五歳と、堂々とホームページに掲載されていますよ。この方が労働政策審議会のメンバーですね、ホワイトカラーエグゼンプションをどんどん進めていって、やられている方ですね。この方は、規制改革会議のメンバーでしたね。過労死は自己責任と言った人ですよ。こういう人が本当に有識者ですか。
#37
○政府参考人(高橋満君) 今の募集、採用にかかわって二十五歳から三十五歳という年齢を限って募集を行っておるということにつきまして、現在の雇用対策法で規定をされております努力義務規定と、これに基づきます年齢指針等で定められている一定の制限を掛けることについての合理的な理由のどれに当たるのか、これが明示されているのか、されていないのか、ちょっとその委員御指摘のホームページ上でどのように記載されているかつまびらかにしておりませんが、もし一定の合理的な理由というものが示されていないということになりますと、正に雇用対策法で定めております努力義務規定の趣旨に反するのではないかというふうには理解をいたしております。
#38
○櫻井充君 じゃ、それはちゃんと調べていただけますか。
 つまり、労働政策審議会のメンバーなんですよ。そのメンバーとして適切なのかどうかということを私は問うているんですから、ですからこういうやり方をされている方、それから何回も、いつもこの委員会で問題になっていますけれども、過労死は自己責任だとか、そういうことをおっしゃっている方が適切なのかどうかということですよ。
 私は、様々な意見を持たれている方がその会議に出られることそのもの自体を否定しているわけではなくて、すべての人が同じ意見の人が集まればいいとは思っていませんよ。それは、今総理がつくられている自分のところの勉強会のあの集団的自衛権なんというのはまさしく自分の趣味、自分の意見と同じような人たちだけ集めてやっている、これがいいとは思いませんよ。
 しかし、一般的な社会常識から逸脱するような発言をされているような方からしてみると、本当にそれでいいのかどうか、きちんとした議論ができるのかどうかということを改めて考えていただきたいと思いますし、規制改革会議というのは福井さんに見られるだけでなくて、例えばいろんな規制を緩和しろと自分たちはほかの人たちに向かって言うけれども、自分たちのところはちゃんとやらない人たちが多いんですよ。宮内さんがその典型でしたけれどもね。プロ野球球団ができるときに一番反対したのは宮内さんですからね。おかげで仙台に楽天という球団ができて仙台としては良かったですけれども、結果的に見れば。ですが、ですが、あのときだって十球団にしてどうしてという、もっと一杯参入してきたらいいじゃないか、規制緩和して何とかだっておっしゃっている方ならそう言うのかなと思ったら全然違って、自分のところの利益を最優先されると。
 そういう人たちが民間委員として集まって制度をつくっているということが問題なんですよ。我々は、有権者の代表として、国民の代表としてちゃんと議論していますよ、これは。国家公務員だって、みんなどうやったら平等でというか、ちゃんと全体を見てやっていますよ。この人たちは自分たちの利益だけ考えているような人たち、やからが多過ぎるから、私は問題じゃないかなというふうに思っているわけですよ。
 ですから、そこら辺のところを、ここはお願いです。とにかく、林副大臣、改めてもう一度全部検討してみてください。そして、その上で、この規制改革会議の在り方、特にメンバーの構成、そして今までやってきているような内容について、余りに今の法制度上から逸脱しているところがあるんじゃないか、あったらそこをちゃんと是正していただくと、そういうことのまず御決意だけいただきたいと思います。
#39
○副大臣(林芳正君) まず、手続については、先ほど来、委員の御指摘にお答えしているように、自由濶達な議論とそれからデュープロセスというのはきちっと精査をしてやってまいりたいと思っております。
 それから、中身につきましては、先ほど所掌を申し上げたとおりでございますので、いろんな経済社会の分野について御議論をいただくということでありますけれども、これは御判断の問題になるかと思いますけれども、例えば社会的に非常に不適切なそういう行動、行為といったものがもしあるようなことがあれば、これはきちっとそういうことのないように対応してまいるというのは当然のことであると、こういうふうに思っておるところでございます。
#40
○櫻井充君 よろしくお願いしたいと思います。
 先ほど、総理からというお話がありましたが、総理に私が質問したのはもう相当前でして、その後も規制改革会議などで問題の、僕は、行動として問題点が随分ありまして、たまたま今日は午後から文部科学委員会で塩崎官房長官も出席している場で質問させていただくことになっていますから、改めてその場ででも質問をさせていただきたいなと、そういうふうに思っております。
 さて、本題に入りたいと思いますが、まず最初に、この雇用対策法の第一条で、「労働力の需給が質量両面にわたり均衡することを促進して、」とありますが、質量とあるんですね、質量。この量的な部分でいうと、私は、景気が回復して雇用情勢が解決しない限りその量の確保というのは極めて難しいことであって、むしろ、ずっと厚生労働省から説明をお伺いしていると、量的な問題ではなくて質的な問題を担保するのがこの雇用対策法ではないのかなと、そういうふうに感じていたんですが、量的な部分を、もしここにあるように、労働力の需給のその量的な均衡というのはどういう政策でおやりになろうとしているのか、これは大臣からまず御答弁いただきたいと思います。
#41
○国務大臣(柳澤伯夫君) 労働力の需給というものを質量両面にわたって均衡させるということが目的の一つになっておるわけでございます。
 そのうちの量的な面につきましては、今委員がおっしゃられるように、基本のところでは、マクロ的な経済政策による労働力を含めてのいろいろな物資あるいはサービスというものが需給関係が緊張してくるというような、あるいは需給が均衡してくるというようなことであるというのが通例でございますけれども、マクロ的に量的な均衡が少しいびつになっている、ゆがんでいるという場合に、個別的ないろいろな雇用政策でもってこれを補完していくという余地が全くないかと言われれば、それはそうではないということはしょっちゅう見られるところでございます。
 というのは、マクロ的な均衡というもので、マクロ的にはこうですねということを言っても、そうすべてマクロの経済的な原理というのが、あるいはダイナミックスと言っていいんでしょうか、そういうものが隅々にまで貫徹するということはまず通常あり得ないので、そこここにいろんな余裕がある。そういうところに向けて個別の雇用対策を打っていくということは私は十分あり得るというふうに思っておりまして、その意味でこの雇用対策というのがマクロ以外に労働力の需給の量的な均衡を図るための政策としてもそれなりに位置付けられるものだと、そういう考え方が取られているのではないかと、このように考えております。
#42
○櫻井充君 御趣旨は分かりました。
 では、具体的に言うと、どういうような場合をそのゆがめられているというふうに想定されているんでしょうか。
#43
○国務大臣(柳澤伯夫君) 例えば、今の地域的な労働力の需給の均衡の度合いの違いというようなものは明らかにそういうものだというふうに思うのでございまして、これは例示でございますけれども、例えば東北なり北海道というのは需給が非常にまだまだ緩んでいると、それに対して愛知県とか東海とかいうようなところは非常に需給が逼迫していると、こういう状況が見られるわけでございまして、そういうときにマクロ的に、じゃもっと景気を全体として良くするということになると、そのままですと、愛知やなんかは恐らく過熱状況になってしまうんじゃないかと。
 私の地元の静岡県なんかでも、もう中小企業の人と会うと、先生、人、人がいないんだよ、人が、何とかしてよと、こうなんです。信じられない、恐らく北海道だとかそういうような地域では信じられないようなことが、浜松商工会議所の会頭の職にある人、たまたま個人的にも友人ということあるんですが、そういうことなんです。ですから私は、昔と同じなんだよと、とにかく青森でも北海道でも行って連れてくるということなんですよということを言うんですが、そういう時代ですかと言うから、そういう時代ですよというようなことも言ったりしますが。
 もちろんそれ以外に、これは、例えばそういうことで昔、雇用促進というのをやりました。産炭地で非常に産業が構造的に雇用を維持できなくなったときに、この雇用をどこかに移動、地理的に移動させて、その受皿として雇用促進住宅というのを造って、それでいろんな雇用の確保をしましたけれども、例えばこういうこともあったわけでございまして、現在、北海道だとかそういったところに対しても、いろんな雇用政策ということで今回も地域の創造的な雇用開発というものを我々考えておりますけれども、そういうような個別の雇用政策で雇用の量的な均衡を図っていこうと、こういうことは十分あり得るということでございます。
#44
○櫻井充君 一例としては、その点について理解いたしました。
 そうすると、今、僕、大臣の御発言をお伺いしていてちょっと疑問になった点が一つありまして、そうすると、例えば景気のいい東京や愛知、それから御地元の静岡、浜松なんでしょうか、その地域にはもっと人が集まってこいと、そしてその景気の悪い地域は過疎になっても仕方がないじゃないかということになるんでしょうか。
#45
○国務大臣(柳澤伯夫君) もちろん、それぞれの自分が生まれ育った、あるいは現に居住しているところで雇用が確保できれば最もいいわけでございます。いいわけでございますから、我々が雇用政策ということでやる場合には、これはそれぞれの地域での雇用が均衡するようにという施策を打たなければなりません。
 ただ、先ほど私がお話し申し上げましたエピソードでございますけれども、その限りでは、そう浜松に人を持ってくるってどういうことだと、もっと外国人労働者でも持ってくるのか、もう相当おりますけれどもね。そういうことでは私はないんで、だったらどこにいるんだという感じで問答が進みましたので、北海道とか東北には一杯いますよと、今私はデータでしか見ていないけれども、ということを言ったということでございまして、政策としてそういうことをやるというところまで今何か決断をしたり、政策としての決定を行っているということではございません。
#46
○櫻井充君 いや、なぜかというと、雇用対策法の目的のところの一条が今回随分変わりました。追加された部分もありますが、一方で、「国民経済の均衡ある発展」という文言は、これ落とされたんですよ。これは落とされているんですよ。
 地域間格差があるんだと、それが問題で、そこの需給関係を是正しなきゃいけないということを大臣はおっしゃったんです。それはそのとおりだと僕も思いますよ。ですから、そこは意見は一致しているんです。しかし、先ほどの大臣のお話ですと、じゃ景気のいいところに対してはもっと人が集まってきたらいいじゃないかと。そうすると、じゃ、そこで働いていた人たちも、確かに失業された人たちも失業しなくなるからいいかもしれないんですよ。ただ、そうすると過疎の地域はますます過疎になりますねと。そのことを僕は、今の大臣のお話だと、もう一度申し上げますが、「国民経済の均衡ある発展」という文言を落としたというのは、じゃ、まさしくそういうところに意図があったのかなと思わざるを得ない文言と大臣の発言なんですね。そういう認識でよろしいんでしょうか。
#47
○国務大臣(柳澤伯夫君) エピソードを紹介したというのはまあちょっと、何というか、需給には、特に雇用なぞの需給には常にマクロのレベルと乖離したという意味でひずみがあるところが生じがちだということを例示をさせていただいたものでございます。
 そこでとどめておかせていただきますが、今回、私どもがこの「国民経済の均衡ある発展」ということを今度削除をいたしまして違う表現にしたということでございます。「経済及び社会の発展」という、より一般的な表現にさせていただきました。
 しかし、私が今申し上げた、昔やったような産炭地域の労働者を一般の地域に持ってくるということ、そのための受皿として雇用促進住宅を造ったというような雇用政策というようなことをもうすべて、何と申しますか、そういうことで均衡ある発展ということをもう目的としないんだということでは必ずしもなくて、より広義の言葉遣いとして「経済及び社会の発展」ということを使いましたので、私が今例として申し上げたようなことが正にこの「国民経済の均衡ある発展」を削除した何よりの考え方の転換を示しているんではないかという、そういうお受け取り方は私として本意ではございません。
#48
○櫻井充君 いや、大臣は本意でなくても、大臣の御発言とこの法文とを読むと全く違うんですよ。だってね、大臣ね、じゃもう一度、じゃ今御自分でおっしゃったところ、「経済及び社会の発展並びに」ということですね、これはマクロで日本社会全体のことを指しているんでしょう。大臣は、量的な部分ではマクロ経済でゆがみがあるからそれに対して量的な雇用対策というのは地域ごとでやれるでしょうというお話を今されたんでしょう、御答弁されたんでしょう。自己矛盾していませんか。つまり、雇用対策の中で、だから、私は何をやりたい法律なのかよく分からないからこれお伺いしているんですよ。これで本当に雇用対策が促進されると僕、ちょっと思えないものが随分あったものですから、だからあえて、どういうことをやりたいのか分からないのでお伺いしているんです。ここは根幹ですからね。
 私は、もう一度申し上げておきますが、量的な部分に関して言うと、マクロ経済が回復しない限り、これは基本的に無理だと思っています。そして、そのマクロ経済を回復させるためには、今のような手法では僕は無理だと思っていて、ある種の産業政策をきちんとやっていかなきゃいけない。特に、医療や介護の分野なんというような人手が本当に足りない分野になぜ税金を投入してくれないのか。公共事業の一部だって回してくれたら、ずっと田舎でいうと雇用は促進されますよ、ここのところは、資格のない人たちでも幾らでもやれるし。
 それから、医師不足のところで、まあ質問ができれば申し上げておこうと思いましたが、医者をかき集めるよりも、医者がやっている医者以外でもできる仕事をほかの人に全部やらせた方が早いんですよ。その方が、医者として、医者として今八時間働いているなら、もっと働いていますよ、その働いている時間の中で医者しかできない仕事をさせてもらえばもっと医者の仕事は楽になります。その分をワークシェアという形でほかの人たちに補ってもらいさえすればそこで雇用が生まれてきますからね。そのことがなぜできないのかというと、医療に対しての予算が少ないからであって、そこの部分をちゃんとお金さえ回してくれれば雇用対策としてこれは十分やれるはずなんですね。
 ですから、そういう意味でいうと、僕は、産業構造そのもの自体が大きくゆがんでいるから、ゆがんでいるから必要なところに税金が投入されず、不必要なところに多額の税金が投入されているということそのもの自体が、今の雇用対策の中で、まあ景気の中でもいいですけれども、一番大きな問題で、政府がそこはまさしくやれるところなんだけど、残念ながらやれていけないところなんじゃないかなと、これは私の認識です。
 ですから、その雇用対策の質的な部分は、それは、じゃ例えば今申し上げましたが、もう少し、じゃこういう資格の必要な職種もあるんであれば、その人たちに資格を取ってもらいましょうという点の質的な雇用対策なら分かるんですよ。しかし、この雇用対策法には量的もと書いてある。だから分からなくなっているんですよ。量的に、じゃどうするんですか。今大臣は、地域間格差がもうあるから、そこの部分のところを埋めていくのが我々の仕事だと。であれば、ここに書いてあったような「国民経済の均衡ある発展」というふうに書いてあるんだから、それは残せばいいはずなのに、それを、それを今度は「経済及び社会の発展並びに」というふうに変えた。これ、例えば地域とかそういう文言が入っていれば別かもしれませんけれども、そうではなくて、これは社会全体ですよ、この法律の読み方からすれば。だから、自己矛盾されているんじゃないですかということなんですよ。
 だから、量的な部分に関して言うと、ほとんど手だてがないんであれば実は落とした方がよかったのかもしれないし、雇用対策法というのは質的なことをやっていくんですということであればそこに特化していくような政策にするべきだと思うんですが、それを全部、これを法律でさも全部ができるような御答弁されるから、私は、おかしいんじゃないのかなと、そういうふうに思っているんですよ。
 改めて、ちょっと、これはもう僕は法律上の文言ちょっとおかしいと思っているんですけれども、この法律を提出した目的というのは一体何なんですか。どこに問題があって、何をしようと思ってこれは改正して出されたんですか、大臣。大臣にお願いします。これは大臣に。
#49
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと先に、今、私、櫻井委員と論議をしてきたところは、量的な雇用政策あるいは雇用の向上政策というのはマクロ経済政策しかないんじゃないかと、こうおっしゃるから、それはそうではありませんということで私はお答えしたんです。
 現に、私ども今度、これは今度の立法措置の非常に重要な部分ですが、第四条というものに必要な雇用政策というものをずらっと列記させていただきました。その中に、十一号には、地域的な雇用構造の改善を図るため、雇用機会が不足している地域における労働者の雇用を促進するために必要な施策を行うことというところを入れさせていただいたのは、正にそうした考え方で、地域的な雇用の均衡の度合いの違いというものに対してこういう手段を講じてその均衡を図っていこうということですから、全く量的な雇用政策というものはないという前提で法文ができているんではないか、あるいは作るべきではないかというのには、ちょっと私どもは違う考え方を持っているということを是非お話をさせていただいたわけでございます。
 そういうようなことで、今回の我々の法律の目的というものにつきましては、目的の条項に「人口構造の変化」でというような、労働力が不足の一般的な背景の中でこれからどういう雇用政策を打っていくべきかということの、言わばこれちょっと、本当は雇用基本法的なところもあるんですが、後ろの方で雇用の具体的な政策もある、ちょっと不思議なというか、前からそうなんですけれども、法律でございますので、そこだけですべてができ上がっているわけではありませんが、私どもが国の施策としてこれからここに力を入れていきますよというようなところを列記させていただいて、全体として我々が今の日本の雇用情勢、一般的な背景としてはさっき言ったように労働力の減少というものが見えるわけですが、そういうものに対してどういう施策を講じていくという姿勢にあるかというその基本的なところを明らかにしようとしたということを、あと外国人等がありますが、あえてそこだけにとどめさせていただきますが、そういった構えの法律だということを御理解いただきたいと思います。
#50
○櫻井充君 理解いたしました。それからもう一つは、私の言葉がちょっと足りなかったということも反省しております。
 ただ、大臣、先ほどの地域の雇用対策のときに、むしろもう一本その法律出されていて、地域雇用開発促進法という法律を提出しているわけですから、むしろ、そちらの法律があって、それで需給問題をある部分解決していきますというふうにおっしゃられるんであれば、なるほど、全体の発展という文言を落としても地域を見捨てているわけではないんだなということは分かるわけですよ。
 ところが、先ほどのお話だと、先ほどのお話だと、じゃ、いいところがあるんだからそっちに移ってくればいいじゃないかということになっちゃうと、これは宮内さんと全く同じ考え方に立つので、私の余り好みではありませんから、そういう意味で申し上げただけなんです。
 ちょっと、済みません、予定していたものがもう時間の都合でなくなってしまいそうなので、今日は、先ほど四条のお話がありましたから、四条の中の六号、このことについて特化して質問をさせていただきたいと思いますが。
 私は、ちょっと、これは、まずこちらからお伺いした方がいいんでしょうか。青少年の方々の、確かに就労率が低いとか、それからその職に継続して就けないとか、そういった問題があることはこれ重々承知しておりますが、まずその原因は一体何だというふうにお考えなんでしょうか。
#51
○政府参考人(高橋満君) 今御指摘の青少年の就労率の低さ、これは、就労率の反対概念として完全失業率というのがあろうかと思いますが、十五歳から二十四歳の完全失業率、年齢平均に比べまして、十八年は八・〇%でございますので、倍程度という高い水準にございます。また、学校を卒業して就職してもかなり早い時期に離職をする方が、いわゆる七五三という言葉で言われるとおり、大変多いという現状にあるわけでございます。
 こうした状況の原因、背景、どういうふうに考えられるのか。様々な恐らく理由があろうかと思いますが、概して申し上げますと、一つには、やっぱり我が国の企業におきます新卒採用というものを特に重視する企業がまだまだ多い。こういう中で、直近におきます新卒採用が特に厳しい時期でございましたその時期に正社員として就職できなかった方々が、その後なかなか安定した雇用機会に恵まれない状況で今日まで来ておることでありますとか、それから実際の中途採用等も含めて考えました場合、求人の内容というものが、一方で非常に高度な知識でありますとか能力を必要とする業務での求人がある一方、他方でパート、アルバイト等の比較的定型的な業務の求人という形でかなり二極分化が進んでいる。こういう中で、企業の求める人材と若者の能力なり希望する仕事の内容との間で必ずしもうまくマッチングができていない。
 更に申し上げますと、若者の中には将来の目標が立てられない、あるいは、目標を立てたとしても、その実現のための実行力と申しますか、そういうものが不足をしておる若者も増加してきているのではないか等々の事情といったものが考えられるのではないかと受け止めておるところでございます。
#52
○櫻井充君 今の中で、絶対的な数量の問題をまずこれ議論しないといけないと思っているんですよ。つまり、なぜかというと、雇用対策法を作られて、第六項に「青少年の職業の安定を図るため、」というふうに書かれておりますが、まず一番の原因は一体何なのかということをちゃんと考えないと、対策そのもの自体が全く間違って、見当外れで役に立たないということになるわけですね。
 ですから、もう一度お伺いしたいと思いますが、今るる御答弁ございましたが、どういう分野に属される方が何割程度いらっしゃって、だから我々は今回こういう対策を立てたんだということにならないと、これは全く意味がないわけですよ。原因分析がされないと、例えば今るるお話しされたことが、一番最初に言われた理由が九割であったとすれば、その年齢制限の撤廃を義務付けて何とかすれば良くなるんだというお話のとおりだと思いますよ、これは。それから、ミスマッチだったとすれば、そういうことをちゃんと勉強させればいいことになりますから、それはそのとおりだと僕は思いますよ。でも、最後のところでその目標や何とかという精神的な問題を抱えているとした場合は、今の前者の二つをやったって、これは雇用対策として全く意味がないんですね。そうなってくると、一体今の若い人たちが働かないということの一番大きな原因は一体何なのか。これは数量的にまずきちんと分析する必要性が私はあると思っております。
 まず、この数字がおありなのかどうか、あるとすればその数字を教えていただけますか。
#53
○政府参考人(高橋満君) 若者の失業率というものを、例えば先生の言われる、委員の言われる就労率と申しますか、それの反対概念としてとらえた場合に、この高い失業率というものが、今るる申し上げた原因のそれぞれのどれくらいの割合で説明できるのかというのは、なかなか、正直申し上げて、数量的にそれらの要因分析をするというのは、率直に申し上げて困難だろうと思います。
 そういう意味で、今申し上げたような様々な事情というものを踏まえながら、今回の雇用対策法におきまして、委員御指摘の第四条第六号の部分でも、実は、一つはやはり職業、青少年の皆さん方に対して職業についての関心と理解を深めるということを施策の一つのねらいとして掲げる。と同時に、最初に申し上げた、やはり採用する側の企業の募集・採用方法の改善ということを取り組んでいただくことが、これもまた極めて大事なことでございまして、そうした観点から、今回、雇用対策法の改正案におきまして、新たに事業主の努力義務としての募集・採用方法の改善等を通じた雇用機会の確保ということを求めておるところでございます。
#54
○櫻井充君 原因の分析がちゃんとできずして、なぜ対策が立てられるんでしょうか。
#55
○政府参考人(高橋満君) 今申し上げましたように、どれだけの要因が、どれだけの量的な説明ができるのかということは、今申し上げましたように、なかなか正直申し上げて、率直に申し上げて、それは困難な面がありますが、しかし様々な観点からの調査結果等を総合的に勘案するならば、今申し上げたような様々な事情、特に企業の募集・採用方法の問題、あるいは青少年、若者の意識の問題、さらには、能力という観点からいいますと、いわゆる採用した後、定着をしていただくためにも、やっぱり実践的な職業能力の付与というものを早期にやっていただくということも重要な点でございますので、そうした観点も含めた施策というものを今回の改正法において盛り込まさせていただいたところでございます。
#56
○櫻井充君 具合が悪いといって来られた患者さんを治療する際に、ああ、具合が悪いんですか、じゃ何となく具合が良くなる薬を使いましょうって、そんなことないですね。具合が悪いときには、どこが原因で具合が悪いかをまずちゃんと検査して、そしてその部位に対しての治療をするというのは、これは当然ですね。
 政治も一緒でしょう。要するに国が病んでいて、そこの部分が問題があるから、こういう対策をつくったわけでしょう。であったとすれば、今いろいろおっしゃられましたが、原因がきちんと分析されないまま、なぜ対策をつくることが可能なのか、もう一度明言していただけますか。
#57
○政府参考人(高橋満君) まあ、ある意味では、個々の若い人たちがなぜ就業に至らないか、あるいは、例えばニートといったような状態にあるのか、それぞれは、恐らく個々の若者のそれぞれの方々によって違うわけでございます。そうした個々の若者の違い等々を踏まえながら、やはり施策としては、今申し上げたような様々な施策というものを用意しながら、それぞれの若い人たちの抱えている事情というものに応じた適切な対策を取っていくということが求められるのではないかというふうに受け止めております。
#58
○委員長(鶴保庸介君) 速記をお止めください。
   〔速記中止〕
#59
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
 再答弁をお願いします。
#60
○政府参考人(高橋満君) ただいま、若者をめぐって今どういう状態、状況にあるかと。この特に数量的な面から見た実態ということについて私ども非常に大きく問題、課題として認識しておりますのは、一つは、やっぱりフリーターと言われる人たちが二〇〇三年をピークに減少はしてきておりますが、それでも二〇〇六年ではいまだ百八十七万人の方がおられる。こうした方々は時として失業ということにも陥りかねないわけでございます。他方、ニートと言われている就業もしない、それから教育訓練も受けてないといったような方々が、これがやはり二〇〇六年、平成十八年では六十二万人の方が現に存在をしておると。
 他方、先ほども若干申し上げましたが、学卒として入職した後、早期に離職される方が中卒、高卒、大卒、それぞれ七五三、七割、五割、三割と三年以内に離職をしてしまうと。こういうような実態ということを踏まえて、今回、必要な対策を講じていく、またそのための法的な整備を図るといたしたところでございます。
#61
○櫻井充君 数字がないと先ほどおっしゃいましたね。そのために無駄な時間を随分使わされましたよ、こちら側からすると。数字あるじゃないですか。その調査ができるのは困難だとおっしゃいましたね。でも今、数字あるじゃないですか。どういうことですか、このことは。数字が先ほどない、調査ができない、そうおっしゃった。だけど今、ちゃんと立派な数字がありますよ。何でそういう答弁されたんですか。
#62
○政府参考人(高橋満君) 大変、私の十分な理解がなされない中でお答えをいたしたわけでございますが、就労率の反対概念としての失業率、これをどう説明できるのかと。個々のそれぞれの要因ごとに説明できるのかということについては量的な形で把握をするというのは困難だと、こういうことで申し上げたわけでございますが、委員の御質問の趣旨を十分に理解せずに御答弁させていただいたことはおわび申し上げます。
#63
○委員長(鶴保庸介君) お続けください。櫻井充君。質問をお続けください。櫻井充君。
#64
○櫻井充君 私は、個人的にも雇用対策をやっております。私は、うちの事務所に拒食症の女性を二人雇い入れました。一人はおかげさまで今回、高松の市議会議員選挙、トップで勝たせていただきました。もう一人の子は今、一流企業で働いております。この子たちは、働ける能力がありながらなぜ働けなかったのかといえば、自分に自信がなかったからと、精神的な問題を抱えていたからそういうふうになってきています。この六号の内容では正直申し上げましてこの子たちは救われないんです。
 この子たちが、僕は、本当に能力がある子たちが一杯いるんですよ。まじめな子たちがそういうふうになっているからこそ、なっているからこそ問題で、今六十二万人という数字を出されましたが、それが百万とも百五十万とも言われております。僕はこれ、日本の労働問題というよりも日本の社会全体にとって極めて大きな問題だと思っているので、特に、いろんな外国人の労働者や様々な問題がありますが、今回、主としてここを取り上げさせていただいたのはそういうところにあります。
 特に今一流企業で働いている子は、自分自身が摂食障害になって、働きたいと思って中小企業の面接を受けに行ったけれど、全部落とされました、十何社。しかし、私の事務所で働いてくれて、その間、周りの人たちに支えてもらって、自分自身が自信を付けて、この事務所で働くのもいいんだけど、私は本当にやりたいことをやりたいんだといって、その後、中小企業の面接を受けに行って、全社受かりました。ただし、一方で、自分は摂食障害であったということを既往歴の中に書いたときに、半分の企業にこれは落とされております。しかし、そういう中で、彼女は一生懸命努力して、結果的には一部上場企業から引き抜かれ、今はそこで元気に働いております。
 この人たちに対しての支援策が全く僕には見えないんです。だから問題だと私はこれから申し上げようと思いました。そこをどこまで厚生労働省が把握しているのかどうかということが私は最大の問題だと思っております。
 この間、生協法のときに中村社会・援護局長に申し上げましたが、もういい加減、厚生労働省の中に引きこもりの対策のちゃんとしたものを置いていただきたいと。それを、様々なところでやっていますと言いますが、様々なところでやっているからまともなものが全然でき上がってこないんですね。
 生活保護の方が百万人いて、その保護課というのは極めて大きいんだというお話でしたが、今そういった形で引きこもって職業に就かれない方々が恐らくそれと同じぐらいの数字がいるんじゃないか。ましてや、この方々の御両親が亡くなった後、これは御両親の方々の最大の問題は、自分たちの子供がこの後どうやって暮らしていくのかと。これ全部、生活保護にするんでしょうか。そういうことになったら困るわけでしょう。
 それからもう一点。私は二人しか経験はありませんが、二人とも優秀です。二人とも極めてまじめです。いい加減な気持ちでその辺を職を転々としているような人たちとは全く違っていて、この人たちを立ち直らせることこそ私は社会にとって極めて大事なことだと思っているんですよ。
 そういう観点から今日は質問させていただいておりますが、今の御答弁は、本当に私はもう悲しいというか腹立たしいというか、人をばかにするなと。あなた方が、はっきり申し上げておきますが、きちんと考えていないあかしだと私は思っていますよ。
 これだけ社会に問題が起こっていて、その数字を出してくれと。あった数字すらないというような答弁をされる。そして、理解をしていないとか理解できなかったとか言うんであれば、今後、政府参考人など悪いけど答弁席に来ていただきたくないと私は思いますね。私は出席要求など求めていないんですよ。役所の方から答弁席に置いてくれと、そういうふうに言われているから、こちら側は仕方がないから座ってもらっているだけ。それがこんな答弁しかできないんだったら、今後一切座らない方が私はいいと思いますよ。
 大臣ね、この国の僕は雇用対策の中で、実は一番力を入れるべき点はそこにあると思っています。彼らの能力を生かすことこそが私はすごく大事なことだと思っています。ここの表現の中で、今日は通告してありますが、職業能力の開発とかいろんなことを言っているけれど、その能力って一体何ですか。こんな文言だけただ並べて、字面並べて、実態調査も十分にやられていなくて、うまくいったかどうかも分かんないような対策を取っている。それよりも、民間でうまくやっているところありますよ、最近なんかは。
 宮城県でいえば、わたげという組織は物すごい一生懸命やっていますよ。ですが、今度はそのわたげのところも、制度が変わって、補助金を入れるために、今度は精神的な病気がないと駄目なので医者の診断書が欲しいと、なかなか医者の理解がなくて診断書を書いてもらえないからといってわたげの理事長が私のところに来られて、私がちゃんとした診断書を書いて、一応、厚生労働省からたしか補助金がまた下りることになったかと思いますが、そうやって民間で一生懸命やって、彼女のところではちゃんとそば屋さんとか居酒屋をつくって、そこで教育をして、社会に出ていく第一歩としてそういうこともきちんとやって対策を立てているわけです。問題はその先に行けるかどうか。今度は協力してくれる中小企業も現れて、何とか道筋が一つ一つやっとでき上がってきているわけですが、これをシステムとしてきちんとやらなきゃいけないんですね。
 もう一点申し上げると、不登校の時代からそのまま引きこもっている子たちも随分いるので、本来であるとすると、これは厚生労働省の問題だけではなくて、文部科学省や本当は内閣が中心となってやっていくべき問題だと私は思いますが、そこのところを継続してだれが社会に対してきちんと、まあ社会適応という言葉を使うとこれはおしかりを受けるかもしれませんが、でもしかし、社会の中で生活していく能力そのもの自体を身に付けていくということになると、今の学校教育、家庭教育、社会教育、そういったものを全部含めた上で、そこでどうしていくのかという議論になるんだろうと思うんです。そこの実態が分からないから、ここに書いてあるような職業能力であるとか、そんな文言にしかなっていないから、幾ら対策をつくったってまともなものができないし、残念ながら救われるということは僕はないんだろうと、そういうふうに思っております。
 大臣としていかがですか。
#65
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、特にお医者さんとしての専門知識もお持ちの櫻井委員の方から、実例を挙げて青少年の就職、就業、雇用というようなことについて御注意をいただいたわけでございます。
 あえてこの第四条第六号を申させていただきますと、要するに、今の私どもの認識としては、職業についての青少年の関心や理解というものがやはり希薄になっているということが一つあるのではないか、それを深めなければいけない。それからまた、実践的な職業能力の開発あるいは向上の促進ということで、後でも出てくるわけですけれども、青少年に実践的な職業能力を付与していかなければいけない。そういうことが言わば例示として掲げさせていただいているということでございまして、その他青少年の雇用を促進するために必要な施策ということで、一応法文としての体裁というか、そういう器の規定は置かせていただいているということになっているわけでございます。
 そういう中で、いわゆるフリーターという若者、あるいはニートと言われている若者、こういうようなことについて、この法文にそこが活写されているわけではありませんけれども、具体的な施策としては、若者ワークステーションというようなものがあって、フリーターの若者たちに対して就業のためのサービスというようなものをしておりますし、またニートの若者たちに対する代表的な施策を言わせていただきますと、若者自立塾というようなものを持っておりまして、そういうようなことで厚生労働省としての努力も、特に雇用関係での努力というものもさせていただいておるということでございまして、もちろん、櫻井委員のようなそういう医学的な知識をもって若者の雇用を実現していくということを何かプログラムの中に入れているということかと言われれば、そういうところはないわけでございますけれども。
 しかし、若者ワークステーションにしても自立塾にいたしましても、それなりのノウハウを蓄積した人たちでもって懸命な努力をしているということでございまして、そういう実態を御理解いただきますと同時に、また、この私ども新しい法律を作った暁において、青少年の雇用を促進するために必要な施策の充実をすることと、こう書いてありますので、その必要な施策を充実させるということの中でまたいろいろ御指摘もいただき、御鞭撻もいただいて、具体的な施策の中身を詰め、それをまた必要な予算化等のプロセスを通じて施策として実現していきたいと考えているということでございます。
#66
○櫻井充君 最後に申し上げておきますが、僕は月二回まだ診療しているんですよ。それで、不登校と引きこもりと拒食症の患者さんの治療に当たっていますがね。現場知らないと政策つくれないから現場にいるんですよ。
 だから、先ほどああいう質問をさせていただいて、大臣、僕は、局長の答弁に問題あったでしょう、やっぱり僕はそこにはちゃんと言及していただきたいと思いますよ。こんな人に本当に任せていいのかと思いますもの。我々、有権者の代表としてちゃんとやらないといけないですよ。そうだからこそ、つまらないことでごちゃごちゃごちゃごちゃ怒られるけれども、そうじゃなくて、やっぱり国会議員がちゃんと主導してやらなきゃ駄目ですよ。だから、あんな規制改革会議だとか、経済財政諮問会議だとか、あんなやからが出てきて、ごちゃごちゃごちゃごちゃ政治をやっていくんだけれども、そのことそのもの自体が社会をゆがめていくわけでしょう。
 官僚だって、なぜパッシングを受けるかといったら、ちゃんとした仕事をしていないから、僕は官僚能力あると思いますよ、一生懸命やっていますよ。だけど、その部分がうまく生かされていかないシステムって一体何なのかといったら、僕はそれこそ本当は政治家に責任があると思っていますよ。政治家が官僚をうまく生かせないから、だから彼らの能力を発揮できなくて、今のような形で全体として批判を受けているんじゃないのかなと、私はそういうふうに思っております。
 いずれにしても、政治の在り方そのものが変わらないと社会の構造が変わらなくて、国民の皆さんが大変苦労されますから、その点のことを十分踏まえて、これからはきちんとやっていただきたいなということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#67
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山本保君が委員を辞任され、その補欠として谷合正明君が選任されました。
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#68
○委員長(鶴保庸介君) 引き続き質疑を続けたいと思いますが、よろしいですね。
#69
○島田智哉子君 民主党・新緑風会の島田智哉子でございます。
 先日の大臣の提案理由の御説明の中で、働く希望を持つすべての人の就業の実現を図ることを明確化するという御発言がございました。また、今年一月二十五日閣議決定をされました「新たな「創造と成長」への道筋」、「再チャレンジ可能な社会に向けて」の中で、「機会の均等化」として、子育て、長期の離職、心身の障害、保護者の経済環境、配偶者からの暴力、犯罪被害、犯罪歴等、様々な事情、困難を抱える人が、就労や学習に積極的にチャレンジできるよう、相談、助言、訓練、指導、情報や学習の機会の提供、テレワークの促進等の取組や関係諸機関の連携を強化すると、このような内容が盛り込まれております。
 私は、この中から心身の障害、配偶者からの暴力、そして犯罪歴等の様々な事情、困難を抱える方に対し、今回の改正案、改正法によって具体的にどのように就労機会を確保するための支援をしていくとされているのか、そうした視点からお聞きしてまいりたいと思います。
 冒頭、大臣に、働く希望を持つ一方で様々な事情、困難を抱える人に対して、その困難を克服するために何が必要とされているのか、どのようにお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#70
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回の雇用対策法でございますけれども、ここで、先ほども触れました第四条におきまして、第一条、先ほども話題になった第一項に規定する目的を達成するため、次に掲げる事項について、必要な施策を講じなければならないと、こういう規定を置きまして、その中に、今回初めて女性、青少年、それから高年齢者、障害者と、それからまた、これは前からありましたけれども、不安定な雇用状態にある者、それからまた、改めて外国人というような、あえて、働く希望を持ちながらなかなか困難に逢着することの多い、そういう方々の名前を掲名しまして、これについて就業が実現するような施策を講じていくんだということについて規定を置かせていただいたわけでございます。
 もとより、この規定そのものからすぐ具体的な施策が描写されているわけではなく、そこにすぐに政策が出てくるわけではありませんけれども、ここでは法律としてそういうことをうたわせていただいて、あとはそれを具体化するための、場合によっては法律だとか、場合によっては予算措置だとかいうような形で、これらの方々に対して就業の実現を支援していこうと、こういう構えの法律を今御提案させていただいているということでございます。
#71
○島田智哉子君 そこで、その改正案の第四条第一項の五号についてですけれども、ここでは女性の職業の安定を図るためと、女性の就業促進対策を追加するとされておりますけれども、その趣旨について御説明ください。
#72
○政府参考人(高橋満君) 御指摘の第四条第一項第五号についてでございますが、これは、女性をめぐりましては、妊娠、出産又は育児等を契機に仕事を辞めざるを得ないという現状というものが現にある等、こういうことを踏まえまして、現実には男性と比べてやはり職業の安定が十分ではない。こういうことから、国の講ずべき施策ということで、女性の雇用を継続し又は再就職を促進することを始めといたしまして、その就業を促進すべき旨を国の施策として明らかにいたしたものでございます。
#73
○島田智哉子君 その女性の中でも配偶者からの暴力を受けた被害者、いわゆるDV被害者への就業支援も含む自立支援についてお聞きいたしたいと思います。
 平成十三年四月にDV法が議員立法により成立し、また十六年には精神的暴力を含めるなど、配偶者からの暴力の定義の拡大など一部改正が行われ、現在においては更なる改正の検討が行われているところでございます。
 DV法第三条第三項第四号について、配偶者暴力相談支援センターは、「被害者が自立して生活することを促進するため、就業の促進、住宅の確保、援護等に関する制度の利用等について、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を行うこと。」と、このように規定されております。
 改めて申し上げるまでもなく、被害者の自立を支援するという意味において就業支援というのは極めて重要であります。しかし、そうした被害者への就業支援も含めた自立支援を必要とするまでにはいろいろな経過をたどることになるんだと思いますが、まずそうした相談体制なり一時保護の状況についてお聞きをいたします。
 まず、現行の相談体制、また被害者からの相談に関する現状と推移についてお聞かせください。
#74
○政府参考人(飛田史和君) 相談に関する現状と推移についてお答え申し上げます。
 配偶者からの暴力につきましては、現在百七十七か所におきまして配偶者暴力相談センターが設置されております。その配偶者暴力センターや警察等において被害者からの相談等に応じているところでございます。
 配偶者暴力相談支援センターでございますが、具体的に申し上げますと、婦人相談所、女性センター、福祉事務所、保健所、児童相談所、こういったようなところが相談支援センターの役割を担っているというところでございます。
 相談の推移でございますけれども、センターが設置されました平成十四年度におきましては三万五千九百四十三件でございました。年々その数字は増加いたしております。平成十八年度におきましては、その約一・六倍でございます五万八千五百二十八件ということになっております。
#75
○島田智哉子君 それらの相談者について、すべてのケースがパートナーから逃げることを望んでいるということではないんだと思います。例えば、ひどい暴力や暴言を受けて、強いコントロール関係にあるにもかかわらず、御自身がDVの被害であることを認識していないケースも少なくないとお聞きしますし、またパートナーとの関係につらさや限界を感じながらも、その関係を維持したいというケース、しかしその一方で、加害者から逃れることを決意し、保護命令や福祉制度などの情報提供あるいは一時保護を求めてくるケースもあるなど、相談内容は様々であるとお聞きいたしております。
 その意味では、少なくとも都道府県に一か所は夜間、休日を問わず対応できる体制が必要であると思いますが、現状はどのようになっているんでしょうか。
#76
○政府参考人(飛田史和君) 配偶者暴力相談支援センターにおける相談窓口の開設時間についてのお尋ねでございます。
 私ども内閣府におきまして、昨年七―八月にかけまして全国の都道府県並びに政令指定都市及び中核都市を対象に調査をいたしました。配偶者暴力相談支援センター、その当時は百五十二施設でございましたけれども、十七時台に閉館しているところが百四施設、六八・四%で最も多く、十八時台から二十一時台に閉館しているところは四十施設、割合に申しまして二六・三%、二十二時以降まで開設しているところは八施設、五・三%でございました。
 また、相談窓口の閉館時間であったり、あるいは閉館日であっても、当直員等が電話連絡等を受けることが常時可能であると、そういうお答えをいただきました配偶者暴力相談センターが一か所以上ある、失礼しました、常時可能であるというセンターが一か所以上ある都道府県の割合でございます、都道府県につきましては四十五か県、九五・七%ということでございます。
#77
○島田智哉子君 そこで、先日、愛知県で発生しました発砲立てこもり事件に関連してお聞きをいたします。
 今回の事件では警察官が殉職され、また三人の方が負傷を負われました。お亡くなりになられました警察官の御冥福を心よりお祈りしますとともに、負傷を負われました被害者の一日も早い御回復を心よりお祈りいたしたいと思います。
 そこで、十八日金曜日に、愛知県による県の女性相談センターにおける対応、経過について記者発表が行われております。まず、そもそもこうしたDV被害者についての情報をこのタイミングで記者発表すること自体、被害者保護あるいは被害者のプライバシーの保護を重視しなければならない立場にある機関の対応として非常に問題があるのではないかと思いますけれども、こうした点については後ほど時間がございましたら政府の御見解をお聞かせいただきたいと思いますが。
 この記者会見の内容の中で非常に気になりましたのは、平成十七年十一月十五日の夜間に愛知警察署生活安全課からDV被害者本人が警察に来ているとの電話が女性相談センターにあって、翌朝までの一時保護センターから愛知署に依頼したと、このような内容がございました。当然、警察に相談に行くこともあることだと思いますが、しかし逆に言いますと、土曜、日曜、祝日、そして夜間に対応する相談支援センターがなければ警察に行かざるを得ないわけですけれども、この愛知県の場合は夜間、休日についてどのような対応が行われているんでしょうか。
#78
○政府参考人(大谷泰夫君) この事件につきまして愛知県に確認したところでありますが、愛知県におきましては、平成十七年十一月に愛知県警察署生活安全課からその被害者が警察に見えているとの電話が婦人相談所にあったと、その時点からの状況しか把握していないということで、御指摘のような以前の状況についてどうだったかということについては事実関係は把握していないということのようであります。
 この愛知県の婦人相談所でありますけれども、これ、平日夜間につきましては二十一時まで電話相談を受け付けているというふうに聞いております。また、平日の十七時以降、あるいは休日といった閉庁の時間ですね、この時間には、被害者がその保護を求めてお越しになった場合には、二十四時間対応しているいわゆる一時保護所の当直の者がいると、応対するというふうにしておるということを聞いております。
#79
○島田智哉子君 DV法に基づく基本方針には、都道府県においては少なくとも一つの施設で、夜間、休日を問わず対応できることが望ましいと書かれているわけですけれども、ただ、その夜間、休日の対応が宿直員の方や警備員の方の電話対応だけで十分なのかどうか、この点も含めた支援センターの夜間、休日対応の整備について検討が必要なのではないかと思いますが、政府としてどのようにお考えでしょうか。
#80
○政府参考人(飛田史和君) 先生御指摘になりましたように、基本方針、望ましい姿を示す方針といたしまして、都道府県において少なくとも一つの施設で、夜間、休日を問わず対応できることが望ましいとしているところでございます。今後とも被害者の安全を確保できますように、夜間、休日の対応については都道府県の方に働き掛けていきたいと思っております。
 各省庁とも連携いたしまして、基本方針につきましては今後見直しを予定しておりますので、配偶者暴力相談支援センターにおける相談対応の望ましい在り方を示すなど、具体的に整備、充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
#81
○島田智哉子君 次に、一時保護についてお聞きしたいと思いますが、まず、一時保護施設、一時保護の状況についてお聞かせください。
#82
○政府参考人(大谷泰夫君) 婦人相談所の一時保護所でありますが、これは今現在、全国に四十七か所、また一時保護が可能な委託先、これが平成十八年四月一日現在で二百二十九か所ございます。この一時保護委託を含めました一時保護の状況につきましては、平成十七年度において六千四百四十九人を保護しており、うち約七割の四千四百三十八人が夫等の暴力を主な訴えとして保護されているというふうに承知しております。なお、入所者の平均の一時保護期間でありますが、これは十四・九日というふうに承知しております。
#83
○島田智哉子君 被害者の中には体一つで逃げてくるというケースも少なくない中で、身の安全の確保とともに心身の安定を図る、そしてその後の生活の準備を行うということで、被害者に対する保護、支援という大変重要な役割を担っているんだと思います。
 内閣府の調査によりますと、多くの被害者が生活費の確保、就業機会の確保、住宅の確保、子供の就業の問題など複数の課題を同時に抱えていることが明らかになったということでございます。その中でも、当面の生活をするために必要なお金がないが最も多くなっておりますし、適当な就職先が見付からないとなっておりまして、就業支援はとても重要なことであると言えると思います。
 この一時保護期間中の就業支援についての取組の状況について御説明ください。
#84
○政府参考人(大谷泰夫君) この婦人相談所の一時保護期間の待遇でありますけれども、基本的に一時保護という期間は、さっき申しましたように、平均十四・九日と短期間であることから、まずは心身の健康の回復であるとかあるいは住居の確保等、そういった支援が中心に行われているのが現状でございます。
 御指摘の一時保護期間に就業支援をしたということのデータは現在まだ把握をしておりませんけれども、確かにケースによりましては、一時保護中であってもその被害者の状況等に応じてハローワークや母子家庭等就業・自立支援センターと連絡調整を行うことなどによりまして、就業支援が行われているものもあるというふうに承知しております。
#85
○島田智哉子君 その結果、就業できた方の割合はどのくらいでしょうか。
#86
○政府参考人(大谷泰夫君) 一時保護期間中の就業支援の言わば達成のデータというものは把握しておらないところであります。
#87
○島田智哉子君 就業支援はされているにしましても、その支援によってどの程度の方が実際に就業ができて、また就業できなかったのか、またその就業できない背景にはどのような理由があるのか、そうした在り方の分析についても是非御対応をいただきますことを要望させていただきます。
 それから、この一時保護については二週間がめどとされているということですけれども、この二週間という短期間で、仕事を探して住まいを探して、新たな土地で新しい生活を再スタートさせるということは大変なプレッシャーになっていると思います。何より心を休める時間が必要な状態の中で、急がなければ、あと何日というのでは余りにも酷なんではないでしょうか。
 もちろん、弾力的に対応しているという御説明になるんだと思いますけれども、しかし、自治体による格差もありますし、また委託費については二週間を境にして引き下げられるということは、厚生労働省としての理屈があるんだと思います。しかし、施設の現場からはそのことが非常に大きな影響を与えているという切実な声があることも事実ですし、そもそも一日六千四百九十円の委託費自体決して十分ではない中、それを引き下げるということはいかがなんでしょうか。せめて一か月程度の期間は必要なのではないでしょうか。武見副大臣、いかがでしょうか。
#88
○副大臣(武見敬三君) 委員御指摘の件でありますけれども、一時保護の委託費につきましては、保護開始後二週間とそれ以降でその額が異なっていることは事実でございます。
 この二週間までの委託費の中には、先ほど御指摘があったように、本当に着のみ着のままでいらっしゃるということだそうでありますので、特に衣類であるとか日用品を当初買いそろえなきゃならないというようなところでのコストなども考えた上で、こうした六千四百九十円という委託費になっているわけであります。
 この一時保護の期間につきましては二週間を目安としているというところでございまして、これは決して二週間という形で画一的に限定しているわけでは全くありません。婦人の保護施設への入所等の措置がとられるまでの期間、それから一時保護施設退所後の生活に向けた指導とか援助に要する期間、これは、それぞれ本当に入所者の方々の置かれた状況というのは大変大きく異なるものが多いものですから、相当にその点については弾力的に取り扱うよう指導しているところでございます。
#89
○島田智哉子君 被害を受けた方々が安心して次のステップへ進むことができるように、是非支援の充実をお願いしたいと思います。
 それでは次に、一時保護を退所した被害者の状況について御説明ください。
#90
○政府参考人(大谷泰夫君) 平成十七年度におけます婦人相談所一時保護所で保護した方の退所後の主な状況につきまして御説明申し上げますと、総数で六千二百五十七人おられたわけでありますけれども、そのうち帰宅されたという方、これは自宅でありますが、そちらに帰られた方、これが千百七十二、それから実家に戻った、いわゆる帰郷といいますか、そういう方が九百二名、それから自立、いわゆるアパート等を賃借して自分で生活を始めたと、こういう方でありますが、こういう方が八百六十六人、それから婦人保護施設に入所されたという方が七百十七人、その他ございますが、おおむねそういった退所の状況でございます。
#91
○島田智哉子君 婦人保護施設、母子生活支援施設あるいは民間団体の運営による施設など、施設などへの入所する方の割合が最も多いという状況の中で、その後の自立支援としての就業支援は極めて重要であると思います。
 DV法による基本方針の中では、支援センターは被害者の状況に応じてハローワーク、職業訓練施設などについての情報提供と助言を行い、関係機関と連絡調整を行うなど、被害者の就業に向けた支援に努めることが必要であると、このように言われております。具体的な支援の状況と就業状況についてお聞かせください。
#92
○政府参考人(飛田史和君) 私の方からは、支援状況につきまして御説明させていただきたいと思います。
 今御指摘ございましたように、被害者の状況に応じまして就労に関する情報提供と助言を行っているところでございます。具体的に申しますと、例えば支援センターの職員がハローワークと連絡を取る、あるいは被害者のハローワークの就職活動に同行すると、こういったような具体的な支援、センターによっていろいろ異なってくるとは思いますけれども、例えばそういうことを行っております。
 就労支援を含めまして被害者のニーズに合致したきめ細かな自立支援を行う、こういうためには、今申し上げましたように、配偶者暴力支援センターが関係機関と連絡調整を行う、こういうコーディネートの機能が非常に重要だというふうに考えております。今後とも、いろんなところで良い事例が進められております、そういった情報を収集して情報を提供する、あるいはそのセンターの職員に対する研修の実施等を通じまして今申し上げましたコーディネート機能を強化してまいりたいと、そういうふうに考えております。
#93
○政府参考人(高橋満君) 婦人相談所を含みます配偶者暴力相談支援センター、ここの方からハローワークあるいは母子家庭等就業・自立支援センターに対して御連絡をいただく中で被害者の状況に応じた就業支援というものを行っておるわけでございますが、ハローワークにおきましては、このDV被害者の方も含めまして、個々の求職者が置かれております状況あるいはその就業ニーズといったことを踏まえまして、担当制によりカウンセリングを行う、カウンセリングを伴います就職支援といったようなことを行うなどきめ細かな対応をいたしておるところでございます。また、母子家庭等就業・自立支援センターにおきましても、やはりDV被害者も含めました母子家庭の母等に対しまして就業相談から技能講習、就業情報の提供までの一貫した就労支援サービスの提供ということを実施をいたしておるわけでございます。
 ただ、それぞれハローワークあるいは母子家庭等就業・自立支援センターにおきましてDV被害者の方の就職実績というものがどういうふうになっているかということについては、特段、DV被害者という形で件数の把握はいたしておらないのが実情でございます。
#94
○島田智哉子君 もちろん、支援センターが連絡調整をしていただいてハローワークによる職業相談、紹介をしていただくことは、それはそれでよろしいんだと思いますが、ただ、そうはいいましても、就業がとても難しい状況にある方も少なくない中で、婦人保護施設あるいは母子生活支援施設、この施設の中で、生活面での相談、援助と併せて、就業面での相談、援助ができる体制が必要なんだろうと思います。
 この点については、平成十六年に当時の伍藤局長が衆議院において次のように御答弁されております。「被害者の方に婦人保護施設あるいは母子生活支援施設に入所をしていただくケースもございますが、こうした場合には、こういった施設からどういうふうに社会へ出ていくかということがこれまた大きな課題でございますので、こういった施設からの退所後の自立に向けた就業面あるいは生活面での相談、援助をこういった施設で行えるような体制を今整備しているところでございます。」と。
 ここで御答弁されている施設で就業面の相談、援助を行えるような体制について、現状はいかが整備されているでしょうか。
#95
○政府参考人(大谷泰夫君) 婦人保護施設に入所している方も含めたDV被害者に対する就労支援としまして、一つは、平成十六年十二月に母子家庭等就業・自立支援センター事業というものの対象にこのDV被害者を追加するということで、センターの方に連絡調整していただければそちらで対応するような形を取ったというのが一つ。それから、平成十八年度には、婦人相談所において弁護士等によるDV被害者等に対する司法的な調整や支援を行うこととしたこと。さらに、平成十九年度におきまして、婦人保護施設に配置されている心理療法職員の常勤化を図り、DV被害者及び同伴家族の心理的ケアの充実を図る。それから、もう一つとしましては、婦人保護施設等を退所するDV被害者等について、その就職やアパート等の賃借に際して身元保証人を確保するための事業を創設したと。こういったことで、生活に対する相談・援助体制を進めているところでございます。
#96
○島田智哉子君 今いろいろと御答弁いただきましたけれども、私自身、この施設で行うという部分が大変重要だという思いからその後の整備状況を調べたんですが、ところが当時の伍藤局長が答弁で明確におっしゃっている就業支援を施設で行うという部分が、私が調べた限りそうした事業がないんですが、これはどういったことでしょうか。
#97
○政府参考人(大谷泰夫君) 伍藤当時の局長の答弁、私も点検したわけでありますけれども、自立に向けた就業面あるいは生活面での相談、援助を行うという意味で、これは例えば、じゃ婦人相談施設に何かそういう機械を置いて能力開発するとかと、そういうことではなくて、関係機関との連携を取りながら援助をしていくということが現在の考え方でありますし、母子家庭対策におきましても、福祉の方でいろいろな相談を受けながらも、例えばハローワークにつないで実施を図るとか、そういう形になりますので、そういう流れの中で、この婦人保護施設も関係機関と連携、調整しながらその支援を進めているというふうに理解しているわけであります。
#98
○島田智哉子君 本当に様々な事情、困難を抱えている方々ですから、その施設における就業支援ということは、当時の御答弁にあるように、しっかりと取り組んでいただきたかったと私は思うんですけれども。
 また、子供さんのいらっしゃる方々に対しては、平成十六年の十二月二日付けの通知において、母子家庭等就業・自立支援センターにおいても対象にするとされておりますけれども、内閣府の調査によりますと、そのセンターの利用については、利用したとする方が一三・二%に対して、知らなかった、利用できるものがなかったとする方が二五・四%と倍近くになっていまして、情報提供は十分にされているんでしょうから、知らなかったというよりも利用できるものがなかったという場合の方がほとんどだと思うんですけれども、その背景をどのように御認識していらっしゃるんでしょうか。
#99
○政府参考人(大谷泰夫君) 内閣府が実施いたしました調査の実施時期におきますこの母子家庭等就業・自立支援センターの事業の自治体における実施状況を見てみますと、これは平成十五年にスタートしましたまだ新しい事業でありまして、中核市において依然として未実施の自治体が存在するなど、こういった取組状況に地域差が見られたということも、こういった意味でその地域で周知なり、それから利用がされなかった原因の一つではなかろうかというふうに考えているわけであります。
#100
○島田智哉子君 幾ら雇用対策法で新たな理念を盛り込んだとしても、それぞれの個別法でその理念が生かされないのでは意味がないと思いますし、このDV被害者の就業支援を含めた自立支援対策についてしっかりとニーズの把握、そしてニーズに対応できる支援事業を行っていただきたいと思いますが、武見副大臣、いかがでしょうか。
#101
○副大臣(武見敬三君) この平成十六年十二月二日の通知でこの母子家庭等就業・自立支援センターにおいてもこのDV被害者を就業支援の対象とするということで、改めてこうした母子家庭等就業・自立支援センターとこうした婦人保護施設と、こういったところとの連携というものを更に強化する努力はやはりしなければならないというふうに私は思います。
 そこで、この母子家庭等就業・自立支援センター事業について、平成十九年度におきまして、中核市と都道府県との共同設置、それから都道府県による中核市区域の代行実施など、地域の実情に応じた取組を推進するということによって、対象となる自治体すべてをカバーすることとしておりますが、平成十八年度末の実施状況は、九十四の自治体で実施されておりまして九四・九%になります。それから、平成十九年度の対応は、旭川市、高槻市及び姫路市が単独で実施することになっておりまして、岐阜市が岐阜県、長崎市が長崎県とそれぞれ共同設置によって実施する予定になっています。また、各地域ごとに事業実績ばらつきが見られるということがありますので、各地でこうした就業支援等成功した事例、これを周知徹底させまして、そしてより効果的にこの就業支援等を行うという、そういう措置を講ずるところでございます。
 いずれにしましても、この就業、資格取得、それから常用雇用転換などについて、実効が上がるような事業展開を促していくという考えでございます。
#102
○島田智哉子君 それから、様々な事情、困難を抱える方ということで見ますと、婦人保護施設には正にそうした状況にある方が多く入所していらっしゃいます。
 この婦人保護施設については、昭和三十一年に成立した売春防止法第三十六条に基づき設置されてきたわけですが、今日まで五十年間にわたる経緯の中で、高度成長期を過ぎると新規施設利用者の数は減少し、平成に入るころには障害を持っているために社会復帰が困難とされている女性が施設に残るということで利用者は高齢化していきました。そのことから一時期にはこの施設の廃止論も取りざたされたこともあったとお聞きいたしております。その後、平成十一年には家庭環境などによって行き先のない女性も対象となり、そして平成十三年、DV法施行後にはDV被害者の利用が増えているということで、この五十年間の間には施設の利用者が大きく変化をして、それに伴って利用者が必要とする援助の内容も大きく変わってきています。
 しかし、私自身が昨年来この施設の調査をする中において、その機能でありますとか、実態を把握できるような調査結果でありますとか、研究結果というのがなかなか見付かりませんでした。厚生労働省において、最近の施設の実態について調査研究をされたということはございましたでしょうか。
#103
○政府参考人(大谷泰夫君) 最近の婦人保護施設の実態につきましては、これは私どもの局におきまして、これは毎年度、婦人保護事業実施状況報告というものを取りまとめておりまして、それにより施設の入退所の状況や、在所者の状況等について把握するというふうにしておりまして、また、ふだんからそういう関係の、婦人保護施設を経営する方々と意見交換を担当の方で続けているという状況であります。
 また、東京都の社会福祉協議会においても、十八年度に東京都に所在する五つの施設を対象に実態調査を行い、報告書を取りまとめておられるということを聞いております。
#104
○島田智哉子君 非常に限られてはございますが、御熱心に研究されていらっしゃる研究者あるいは施設関係者の報告を読ませていただきましたが、その中で、東京都社会福祉協議会による、平成十八年度婦人保護施設あり方検討会が報告書をまとめられておりまして、大変その実態を詳細に報告されております。
 この報告によりますと、利用者の五〇%が暴力を受けていたという方々で、それは、DV法によらない施設利用者の二〇%の方についても暴力を受けていた被害者であるという事実、また、利用者の多くが精神障害者や知的障害を抱えている現実。そうした状況の中で、就労自立することは極めて困難な状況にある方が多くいらっしゃるということが報告されております。
 この報告の中では、性暴力被害者治療センターあるいは地域生活支援としての見守り支援の必要性など五つの具体的な提言が行われておりまして、その提言も含めて、私は、厚生労働省として実態を正確に把握することがまず今必要なことではないかと、これは何としてでも行っていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#105
○国務大臣(柳澤伯夫君) 島田委員から、私どもの新しい法律の女性に対する就業促進施策に絡んで、特に今DVの被害者との関連でいろんな問題を取り上げていただきました。傾聴をさせていただいた次第でございます。
 そういう中で、婦人保護施設、この施設は当初は今御指摘のとおり売春防止法対策ということで、その中で位置付けられた施設でございますが、社会環境の変化に伴いましてその対象者の像というものも大きく今日変わっておりまして、正に現在はDV被害者など、五十年前の法制定当初は想定されなかった方々が多く入所される施設になっております。
 これまで、こうした対象者の変化に合わせて、入所者に対する心理的ケアの充実であるとか退所者の自立支援の強化などを図ってきたところでございますが、今後とも、婦人保護施設が保護を必要とする女性に対して適切な支援を行っていけるように、直近の様々な実態調査なども踏まえまして、より正確な実態の把握に努めてまいりたいと考えております。
 私も実は、せんだって御勇退になられた片山知事さんとかもう非常に御熱心な知事さんから御報告をいただいておりまして、この問題に対して、もう本当に熱心な知事さんのお取組ということに敬意を表しながら、我が省としても必要なことをやっていかなければならないということを実感をいたしておる次第でございます。
 今の東京都社会福祉協議会の、委員お勧めの婦人保護施設あり方検討会報告書というものも是非、目に触れたいというふうに考えた次第でございます。
#106
○島田智哉子君 ありがとうございました。
 終わります。
#107
○委員長(鶴保庸介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#108
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として広中和歌子君が選任されました。
    ─────────────
#109
○委員長(鶴保庸介君) 休憩前に引き続き、雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#110
○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林正夫です。
 早速質問に入らせていただきます。
 労働に対する基本的な考え方ということで、大臣にまずお伺いをしたいと思います。
 雇用はどうあるべきだ、このことについてなんですが、特に私たちのこの日本の国というのは、四方を海に囲まれていて大変国土も狭い、資源がない、こういう国だと思います。なおかつ、少子高齢化社会が急速に進んでくる、進んでいるという状態ですね。こういう中において、我が国の雇用はどうあるべきなのか、また世界の国と比べて日本の雇用の特徴は何か、この辺について大臣の御所見をお伺いいたします。
#111
○国務大臣(柳澤伯夫君) 大変幅広い問題を御質問としてお受けしたわけですが、まず第一に、人口減少は当然のことながら労働力減少につながりますし、それから労働力の減少ということになった場合には、一国の経済成長の非常に大きな要素であるところの労働力というものの減退を招きますから、他方でもちろん一人当たりの生産性を高めればという議論が同時にあるわけですが、まずこの労働力の減少をいかにして補いを付けていくかということが一つあるだろうと思います。これはもう言うまでもなく、今労働力率としては若干低いんではないかと、まだもうちょっと伸ばしていただく余地があるんではないか、こういう年齢層、あるいは男性、女性、こういうような方々の労働力率を上げていく、そういうための雇用政策が一つあるだろうと思います。
 それから第二番目は、今ちょっと言い掛けたところですけれども、生産性を向上させなければならないということで、やっぱり、人材という言葉がありますけれども、職業能力の改善を図っていくと、職業能力の向上を図っていくと、こういうことが非常に大事でありまして、これは日本の場合、これまでは社内での研修というものに力が入っていたわけですけれども、最近になってややそういった努力が希薄化しているのではないかと、こういうようなことも言われるわけでありますので、したがって社内研修というものの復活を進めるような、そういう施策を進めると同時に、また労働者自身が社外において自己啓発をすると、そういうようなことも生み出せるような雇用政策ということが必要なのではないかと。
 それから、思い付きの順に申し上げるわけですけれども、やっぱり本当に労働者がその能力を発揮するという場合の能力とか発揮とかというのは、職場の人間関係というのがもうとっても大事だと。これは昔、私ども、昭和三十年代から四十年代のときにソニーの工場長さんが、これは有名な実験ですけれども、実験をしまして、ソニーの工場の中で、照明を照らすと能率が上がるのか、あるいは空調を掛けると気持ちよくて能率が上がるのかというようなことを、いろいろケーススタディーをやった結果、そういうのではあんまり影響を受けなくて、要するに、隣近所で働いている人と仲がいいことが最も能率を上げる、また不良品を出さないということで、いかに職場における人間関係というのが大事かというようなことの結論を得たというようなことを私どっかで読んだ記憶がありますが、それはもう本当にそのとおりだと私は思います。人間というのはそうしたものだろうと思いまして、やっぱりそうした意味で人間関係というか、例えば年功序列の賃金とかあるいは終身雇用とかというようなことのメリットというのは、恐らくそういうところにも非常に労働者の気持ちを安定化させると同時に、日ごろの人間関係というものをとても濃密なものにして、それがまた能率だとか、不良品を生まないとかというようなところに結び付いていく。したがって、いわゆる日本的な雇用というもののどこを今後とも残していくかというようなことも雇用政策の一つの側面であるに違いない、こんなことを思っている次第でございます。
#112
○小林正夫君 ただいま大臣からお伺いしたことは雇用対策の基本的な大きな考え方と、このように受け止めております。後の質問の中で今の答弁に対しまして質問もさしていただきますので、次の質問に入ります。
 二〇〇七年度版の労働経済白書の骨子案が四月二十六日、明らかになったということで、マスコミに報道されました。その内容によりますと、二〇〇〇年代に入ってから、生産性は上向いているにもかかわらず賃金はわずかに減少する異例の状態になっている、五〇年代から九〇年代までは生産性の上昇率が高まれば賃金の上昇率も同様に高まるという比例関係にあった、しかし二〇〇〇年代に入ると、九〇年代より生産性の上昇率は高くなったものの賃金が微減するという正反対の傾向を示した、このように新聞が報道されていました。
 現在、白書の作成中だと思いますけれども、白書はこのマスコミが言っているような内容になっていくんでしょうか。現段階で、方向性だけでも結構ですから、お話ができる範囲でお聞きをしたいと思います。
#113
○政府参考人(高橋満君) 労働経済白書でございますが、毎年、現下のそれぞれの労働経済をめぐる状況なり課題なりを分析し、公表いたしておるわけでございますが、二〇〇七年版の今御指摘の労働経済白書、現在、公表に向けて鋭意作業をやっておる途中でございまして、大変申し訳ない次第でございますが、その内容については詳細はコメントは差し控えさせていただければというふうに思っております。
#114
○小林正夫君 大事なポイントで、白書が最終的な決定を見ていませんから余り強烈にその答弁を求めるということもなんだかなと思いますけど、既にあるマスコミではそういう方向でまとめられるんじゃないかということが示されておりますから、ここの部分だけでも現在どういう方向なのか、改めて質問をしたいと思います。
#115
○政府参考人(高橋満君) 今、先ほど申し上げましたとおり、毎年の労働経済白書、現下のそれぞれの時点におきます労働経済をめぐる現状の分析とそれに向けた課題ということをまとめておるわけでございますが、現在の我が国の経済の状況を見てまいりますと、平成十四年の初めに緩やかな景気回復局面に入ったわけでございますが、その後、一時、輸出や生産が弱含みで推移しておりましたが、十七年央には再び持ち直し、景気は引き続き回復をしておるわけでございます。
 そうした中で賃金の動向ということについて現下の様々な指標を見ますと、御指摘のように企業業績が高まる中で所定内給与の動きに弱さが見られるということで、国民全体が景気回復を実感できるようにしていくためには、やっぱり経済成長の成果を雇用や賃金の増加という形で経済社会全般に広く行き渡らせていくことが重要な状況ではないかというふうにも認識をいたしておるところでございます。
#116
○小林正夫君 お話を聞いていると、おおむねマスコミが報道している内容の方向にあるのかなと私は受け止めました。また、生活実感としては正にそのような方向にあるんじゃないか、このように私は考えております。
 私は、日本はこれからも民主主義であり資本主義を守っていかなきゃいけない、このように思っております。ただ、資本主義において守っていくということは、当然、株主があり、経営者があり、そこに雇用される労働者があると、この構図なんですね。
 ところが、今雇用されている労働者の労働環境を見てみますと、非常に落ち込んでいるというか、悪い労働環境の中で働いているということが多いんじゃないかというふうに思うんです。したがって、資本主義を守っていって、雇用労働者がいることがいいんですよ、いることはいいんです。ただ、いるんであるならば、その雇用されている労働者の環境を良くしていかなきゃいけない、私はこのように思うんです。
 今の実態をよく考えてみますと、正に私が今思っているのは、安全で働ける職場であるのかどうか、あるいは長期雇用の確保ができているのかどうか、あるいは労働に対する適正な配分ができているのかどうか、こういう視点で見ると、今の労働環境というのはなかなか問題があるのかなと、このように感じているところでございます。
 私は、先ほど大臣がおっしゃったように、人間関係を良くして、情報を良くして、社会の私は共通なことだと思いますね。したがって、そう考えていきますと、私は、企業の生産性向上のためには良い労働環境をつくって、そして働いた分、汗を流した分、適正な報酬をきちんと働いた人に与えていくと、そこでまた自分も頑張る、そういういい循環ができていって、初めて日本が頑張れる国になっていくんじゃないかというふうに思うんです。
 そこで、はっきり先ほど答弁はされませんでしたけれども、二〇〇七年度版の労働経済白書の内容の中に、収益、あるいは生産性が向上しているけれども賃金が下がっていると、この傾向はあると思うんです。このことに対して、こういう状態に対して厚生労働大臣としてどのように考えているか、是非ともお考えをお聞きをしたいと思います。
#117
○国務大臣(柳澤伯夫君) もとより、労賃というのは労使の合意に基づいて決定されるものでございますので、厚生労働大臣がどういう思いを持っているかによって何か具体的なことができるかというと、それはもうないというふうになろうかと思います。
 ただ、現状をどうかと言えば、今職安局長も申し上げたとおり、所定内給与の動きが非常に鈍い。特に中小企業の所定内給与の伸びは非常に伸びが悪いと。伸びが悪いというか、むしろ微減だと。こういうような状況になっておりまして、私ども、月例経済報告等の経済関係の者の集まりなどでも、その点は常に気になるところだということでお互い指摘し合っているところでございます。
 なぜこうなのかということでございますけれども、一つには、経営者が余りにもバブルの崩壊でひどい目に遭ったものですから、もう一度自分のときにああいう波が来たときにどうなんだろうというようなことで、やや先行きに自信を持てないというようなことがある。
 あるいは、二つ目には、この前もちょっと津田委員とのお話で申し上げて、同じような御認識を打ち返していただいた記憶ですけれども、やはり経営者が賃上げをしようと思っても、すぐ近くのところで、中国の労働者がもっと低い賃金で働いているというのはやっぱり勘定入っていますから、じゃ、それだけの賃金払うくらいだったら、この工場、全部海の向こうへ持っていったらどうかというような、常にそういう比較が頭に浮かんでくるというようなことも一つ心理的なブレーキになっているんじゃないかと言う方もおりますし、私もそういうことがあるかもしれないと、こういうように思っております。
 いずれにせよ、もう少し時間がたつことによって経営者が自信を持ち、それからまた、今、小林委員に冒頭申し上げたとおり、本当に労働者が能力を発揮するというのは、やっぱり信頼関係というか、そういうことが並列的にも垂直的にもあるということが、私は非常に重要だと思いますので、そういったことを重視するような経営というようなことが私は期待しなきゃいけないし、またできるんじゃないかと、こう思っておりまして、いずれ企業の収益が家計に賃金という形を通じて広がっていくということを期待をいたしたいと、こんな考え方を持っております。
#118
○小林正夫君 安倍内閣の経済政策の基本は経済成長だと私は考えています。経済全体が成長すればあらゆる問題が解決するというものと、私はそのように理解していますが、しかし、企業は収益を上げているけれども労働者の賃金が微減とはいえ下がっていると、こういうこと、あるいは景気の回復が戦後一番長い、そういう回復になっていると、こう言われるものの生活実感としては全くそういうものを感じられない。
 このようなことを考えていくと、この現実は安倍内閣の目指す方向、すなわち経済が成長すればあらゆる問題が解決するという政策に誤りがあったんじゃないか、私はそのように思うんですけれども、内閣の一員である厚生労働大臣はどのようにお考えですか。
#119
○国務大臣(柳澤伯夫君) 安倍総理も今年のお正月に経団連での年頭のあいさつにおいて、皆さん賃金をもう少し上げてくださいって、そうおっしゃられた。その現場に私もおりまして、この総理大臣は近時見られない総理大臣、あるいは総理大臣の発言なんじゃないかと思いながら聞いておりました。
 つまり、安倍内閣の方針というのは、経済成長をすると、それを経営なりあるいは株主なりが独り占めしていいなぞと全く思ってはおりません。もとより、先ほど冒頭言ったように、賃金というのは労使の合意の下で決定されるものでありますから、内閣総理大臣といえども賃金を決めるわけにはいかないわけでございまして、しかし、それにしても、そういう呼び掛けをしているというのが私は安倍内閣の姿勢であると、経産大臣といえども、また厚労大臣といえども、そういうところに非常に、何というか、今重視をして、注視をしていろいろ発言もしているというのが正直なところでございます。
 いずれ、今、最初は輸出、その後生産上げて設備投資してというところで企業の業績も上がってきたわけですが、これ内需にするためにはどうしたって消費をもうちょっと盛んにしなきゃいけない。消費を盛んにするということになるとやっぱり所得でございますから、所得というのは今の所得の大宗は雇用者所得でございますから、雇用者の賃金を上げていくということがやっぱり必要だということは、この経済の循環からいったって言えることでございます。
 ただ、先ほど言ったような、経営者側にちょっと、何というか、従来とは違ったいろんなそこに反対側のベクトルとして働く、中国を始めとする近隣の低賃金の存在とか、あるいは自分の先輩たちがバブルの時代にとんでもない正に自らの企業を危殆に瀕せしめるようなそういうことを経験したことがあって、非常に注意深くなっているという辺りが、どこで少し自信を持っていただくようになるかということなのかなと思いつつ、また我々としてできることをいろいろ側面的に考えているところでございます。
#120
○小林正夫君 安倍総理の本音は私もよく分かりませんが、ただ、いずれにしても、二〇〇七年の労働経済白書の検討の中に、生産性は向上しているけれども賃金が微減しているという、こういう方向にはどうも間違いないようですから、その現象をとらえると、安倍総理は経済成長すれば本当に分配もされてすべてが解決するようなイメージを持っているけれども、現実の社会はそうなっていないということですよ。だから、景気の回復感を感じなかったり、あるいは働いている労働者は大変厳しい労働条件の中で働いているという環境がいまだ続いているんじゃないかと、私はそのことが大変問題だというふうに思っているんです。そのことの指摘なんです。
 そこで、今回のこの改正法ですけれども、いろいろ読ませていただきました。雇用対策の基本方針が示された、このように理解はしておりますけれども、就業の促進を図ること、あるいは雇用失業情勢の改善だけが雇用対策じゃないと私は思うんです。雇用対策のもう一方では、そこに働く人たちがより良い労働条件で働けるという、こういう環境をつくってこそ初めて私は雇用対策になるんじゃないかというふうに思うんです。
 ところが、この法案をずっと読んでみますと、労働条件を改善していくという姿勢が私は読み取れないんです。確かに、個別の労働条件については労働基準法の改正とかいろんな個別法案で当然出てきていろんな審議はしますけど、でも、基本的な姿勢としては、この雇用対策法の中で雇用の確保はしますよと。でも、もう一方、雇用を確保された働く人たちについては、こういう労働条件というか、こういう環境の下で働いてもらいますよという、私は人と環境がセットになって初めて雇用対策じゃないかと思うんです。
 そういう意味で、私は、今回の法案は、長時間労働だとか、あるいはそのほか劣悪な、世界的に見て本当に劣っている労働条件一杯あるんですけれども、そういうものを改善していくという姿勢がこの法案の中には見えないんですよ。このことに対して大臣はどのように思われていますか。
#121
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと誤解を生むと困るんで、あらかじめ申し上げておきますが、私が以下申し上げることは、別に縦割りを是認しているわけじゃないんです。そうじゃなくて、役所の縦割りは悪いこともあるんですが、やっぱり一つの政策体系というものを組織に反映させている面もありますので、そういうことで申し上げるんですが。
 この法律というのは、基本的に職安局の法律なんですね。ですから、職安局ですから、正に今委員が言われたように、職業に就く、就職、それからまた、それを継続するというようなことが基本でございまして、みんなが、いろいろハンディを背負っている人もちゃんと職業に就いて雇用を安定するということがこの法律でございます。職業安定というか、局の名前を言うような話になりますが。
 他方、実は労働条件というのは、基本は、最低の条件を決めている労基法、基準法、それからその上に、いろんなこれから御審議をいただくような、そういう労働条件をどうするかという問題が一つ並び立っているというふうに是非御理解を賜りたいのでございます。
 この法律というのは、基本的には職業の雇用の場を確保し、それを確保したら、それをいかに安定的に継続させるかというようなことがこの法律のもう一番底の底にある思想だということでございますので、この法律をお読みになって、何だ、これは労働の条件が何にもうたっていないじゃないかとおっしゃられても、それは別のところでうたわれる法体系の話でございますというふうに御理解をいただけたら大変有り難いというふうに思うわけです。
 おまえはまた縦割りを是認するのかといってしかられると困っちゃうんですけれども、一応今の政策の体系として今申したような体系が背景にありまして、そういう体系を背景にしてこの法律が書かれているということで、もし違ったらこっちの方で補足をさせますけれども、大胆不敵な議論を私はさせていただいたんですが、御理解をいただければ大変有り難いと思います。
#122
○小林正夫君 確かに、個別法案で具体的な問題については当然話し合って、その法律の下で決めていくということはこれは理解をするところなんですが、ただ私は、この法律の受け止めとしては、やはり働く環境まできちんと配慮した法律であると、人と環境というのがセットになって初めて雇用対策というものだ、このように私は理解しているものですから、そういう点ではなかなかこの法案からそういうことが読み取れなかったものですから、今の質問をいたしました。もし何かあれば。
#123
○政府参考人(高橋満君) 今大臣から答弁があったとおりでございまして、雇用の促進なり、あるいは雇用の継続を図っていく等々を実効あらしめるためには、やはりそれを管理する雇用管理という立場からも一定の改善を図りながら、産業にとっては必要な労働力が確保される。また、労働者の側にとってみれば、より自らの持つ能力を有効に発揮できるような働き方というものが実現できるということだろうと思います。
 ただ、雇用管理ということを、この雇用対策法でも様々な観点から改善に向けた施策ということをうたっておるわけでございますが、それ自体が直接的に労働条件をああするこうするというものを予定をしているというものではないということは御理解を賜りたいというふうに思います。
#124
○小林正夫君 次の質問に入ります。
 改正案と現行法との比較という点で何点かお聞きをいたします。
 まず、現行の第二章、雇用対策基本計画、こういうものがあったんですが、これが削除をされております。その理由は何だろうかと、このように質問をしたいと思うんですが、衆議院の政府答弁では、もはや計画に実効性がなくなったから、このような答弁がありました。
 私は、少子高齢化社会による人口構造の変化などの経済社会情勢の変化、又は国、地方公共団体、事業主の連携がなければ雇用に関する施策に実効性がないなど、このことを考えていけば、私は、政府自ら雇用基本計画を策定して、雇用に関する施策を総合的かつ計画的に推進するということが大事じゃないかというふうに思います。そして、すべての労働者が、生涯にわたって生きがいを持って働き、安全で安心して生活することができる社会の実現、こういうことに資するものだというふうに思いますけど、雇用対策基本計画が削除された理由について改めてお聞きをいたします。
#125
○政府参考人(高橋満君) 今回の改正法案におきまして雇用対策基本計画にかかわる規定を削除をさせていただいておるわけでございますが、したがいまして、雇用対策基本計画というものを終了をさせるということにいたしたわけでございますが、この理由でございますが、一つには、現行法にございますが、雇用対策基本計画を策定する場合には、政府の策定する経済全般に関する計画、いわゆる従来ですと経済計画といったものとの調和というものが求められておるわけでございます。
 ただ、その調和を求められる中長期的な経済計画というものが平成十四年一月に終了をしたと。したがいまして、その経済計画の法的根拠も既になくなっておるわけでございますが、そうした点に加えまして、非常に経済の状況というものがグローバル化の進展など大変状況の変化が大きく、かつ速くなっておる。こういう中で、国が固定的な期間を定めて計画を示すということの実効性が乏しくなったと。
 もちろん、雇用対策の考え方、方向性についてお示しをするという必要性は今後も当然あるわけでございますが、一定の固定した期間を定めて、何かしらいったん作ったものに基づいて施策を行っていくということの実効性が低くなったと、こういうことなどを理由として、今回、この雇用対策基本計画を終了をさせていただきたいということで御提案を申し上げさせていただいているところでございます。
#126
○小林正夫君 もう一つ危惧をする点があるんです。
 それは、日本の国が少資源であり、貿易立国、このように私は思っておりますけれども、技能労働者の育成という面で、私は日本にとって大変技術者あるいは技能労働者の育成というのはもう大変大事なことだというふうに思っているんです。
 そして、現行法では、第四章に技能労働者の養成確保等と、こういう項目がありまして、今日までその対策を進めてきたということでしょうけれども、今回の改正案では、第三章として、職業訓練等の充実というところに変わっているというふうに私は受け止めました。したがって、職業訓練と技能労働者の育成の意味合いは私は大きく違うんだと思います。冒頭、私の方でお話しした、特に日本は島国で、狭くて資源がなくて、原材料を輸入して日本の技術力でいろんなものを加工して、世界にまた貿易として出していくという、こういう国が日本の特徴だと私、思いますけど、そういう点から考えていくと、やはり日本にとってこの技術者の養成というのが一番大変大事なことじゃないかというふうに私、思うんですけれども、そういう点で、現行法の第四章の技能労働者の養成確保等が設定されたときの理由は何だったんでしょうか、お聞きをいたします。
#127
○政府参考人(高橋満君) この雇用対策法が制定をされましたのが昭和四十一年でございますが、その当時の状況ということを振り返ってみますと、産業構造が高度化をしていく、あるいは技術革新というものが進展してくるのに伴いまして、特に日本の産業を支えつつあった製造業でありますとか、それから製造業といったものを中心に技能労働力に対する需要が増大をしてきたと。そうしたことを背景に、技能労働者の養成確保を図るべく、この雇用対策法におきまして規定が設けられたというふうに理解をしております。
#128
○小林正夫君 そこで、やはり日本という国は今後とも、先ほど私の方が言った、そういう環境の下というのは変わらないんだと思うんですね。したがって、やはり我が国においては技能労働者を育成していくということはこれからも大きな課題だというふうに思うんです。
 そういう点で、技能労働者の育成をしっかり私は今回のこの改正の中でもうたうべきだ、このように思いましたけど、この点に対してはいかがお考えでしょうか。
#129
○政府参考人(高橋満君) 委員御指摘のとおり、製造業というのはやはり我が国にとっても大変重要な産業分野である。そういう物づくりを支えます技能労働者の養成確保ということの重要性については、今日においても変わることなくあるというふうに認識をいたしておるわけでございますが、ただ同時に、この職業訓練でありますとか職業能力検定等の含みます広い意味での職業能力開発施策というのは、こうした技能労働者の養成確保だけではなくて、むしろ労働者が自発的に行うものも含めまして、職業生活を通じて有する能力を有効に発揮できるようにすること、これがますます重要になってきているのじゃないかと。
 そうした認識の下で、今回その規定ぶりを職業訓練の充実等という形で改めさしていただいておるわけでございますが、いずれにしましても、技能労働者の養成確保ということの重要性については、現行法の規定の精神とは全く異なるものではないというふうに理解をしていただきたいというふうに思っています。
#130
○小林正夫君 大臣、今の関係をちょっと確認をさしてもらいたいんですがね。
 私は、職業能力の開発というのは否定するものじゃありません。もちろん、もうだれしもがそういう能力を開発していくということも大事なんで、これはいいんです。いいんだけど、技能労働者というのは日本にとってやっぱり特徴的な一つの私は事象だと思いますので、このことをしっかりやっていくということも日本にとっては私は大事な点だと思うんですね。
 今の参考人の答弁で、まあそういう方向も考えていくというお話がありましたけど、大臣、どうでしょう、この技能労働者の育成をしっかりここの法律の中では表現が変わったけどやっていく、このようにおっしゃっていただくことはできませんか。
#131
○国務大臣(柳澤伯夫君) 法律も、その時代その時代の時代の客観的な状況を反映しますし、またその客観的な状況からくる要請というものにこたえていくというのが当然の姿だというふうに思うわけでございます。
 今回、章立ては違いますけれども、かつて技能労働者の養成確保というふうなタイトルの下で二条を設けまして、職業訓練の充実と技能検定制度の確立という条文を二条置きました。それに対して、今回は章立てのタイトルも職業訓練等の充実ということで、一条は職業訓練の充実ということでかつてと同じなんですが、もう一つの方は技能検定制度の確立ではなくて職業能力検定制度の充実という微妙に違うわけでございます。
 いずれにいたしましても、その背景の違いの説明は今職安局長がしたように、製造業とかあるいは物づくりというものが非常に重視された時代に、こういうふうに技能という側面から技能労働者を育成していこうということでこういう条文立てになったということですが、今や、もちろん物づくりは大事なんですが、もうちょっと例えばコンピューターのソフト、これもまあ技能と言えば技能じゃないかと言えるわけですけれども、そういうソフトの面も同じように大事だというようなことが背景にあるのかと思いますけれども、もうちょっと広い職業という概念でもってこの事態をつかもうとしたということかと思いますが、中核的にはやっぱり日本物づくりが非常に大事だし、今日も私、今朝、閣議でものづくり白書というのを、私どもの方も人材の方は担当しましたので、閣議決定してまいったんですが、そのくらいやっぱり物づくりということは日本の今後とも維持発展させなきゃならない分野だということは小林委員の御指摘のとおりだと思いますので、この条立てでもってそういったことが手抜きになる、軽視するというようなことは断じてないようにいたしたいと、このように思います。
#132
○小林正夫君 次に、第四条なんですけれども、国の施策、このようにうたっております。これは平成十八年の十二月十二日に労働政策審議会から、人口減少下における雇用対策について建議が出されて、その内容が今回の改正案の骨格となって、現行と比べますと、一つは就職が困難な者に対する考え方、二つ目が事業規模の縮小による失業の防止、三番目が女性の職業の安定、四番目が青少年の職業の安定、以下、高齢者の職業の安定、障害者の職業の安定など、いろいろの立場の人たちが雇用を促進するために必要な施策を充実すると。このいただいている資料に、最後には必要な施策を充実することというのがもう書かれているわけですね。これ、一項目ずつ具体的に聞いていますと時間もないんですが、この雇用を促進するために必要な施策を充実するということはどういうことなのか。本来ならば今私が挙げた個別ごとに説明をいただくことの方がいいと思うんですが、ちょっとほかの質問もしたいもんですから、全体的に国民の皆さんが、ああこういうことを言っているのかと、こういうふうなことが分かるようにちょっと御答弁いただけませんか。
#133
○政府参考人(高橋満君) 今御指摘の第四条の各号にかかわる問題でございますが、基本的に考え方は、人口減少等の中で働く希望を持つすべての人の就業の実現を図っていこうと、そのために、それぞれ抱えている事情等々を踏まえながら、女性、青少年、高齢者、障害者等々にかかわる就業促進等を個別に規定をして、それぞれ必要な施策を充実させていくと、こういうことをうたっておるわけでございます。それぞれ個々別々に御説明ということは、なかなか時間も限られているということでございますので、それぞれの女性なら女性、青少年なら青少年、高年齢者なら高年齢者、それから障害者なら障害者のそれぞれ置かれた状況を踏まえた、それに対応した現行の施策等々も踏まえながらあるべき必要な施策を講じていくということを規定をいたしたものでございます。
#134
○小林正夫君 午前中の質疑で同僚の島田議員あるいは櫻井議員の方から女性あるいは青少年に対する質問がありましたので、私の方では特に高齢者雇用対策についてこれから幾つか質問をさせていただきたいと思います。特に、高齢者対策では就業支援ということで、厚生年金の支給開始年齢と整合を図ると、こういう意味から、二〇〇四年に改正高年齢者雇用安定法を成立させて、二〇一三年四月一日までには六十五歳までの定年の引上げだとか継続雇用を実施をしていこうと、こういうことが既に法律で決まっているわけであります。
 私も今月で六十歳になりました。正に私、団塊の世代で、私たちの仲間が今六十を迎えて、これから就職あるいは働き方どうするのかと、そういう話題が非常に私の周りで多いものですから、改めてここでお聞きをしたいと思うんですけれども、特に中小企業においては、今言った技術能力などあって、中小企業としても熟練された人たち、六十過ぎた人も雇用していこうじゃないかという動きが片方にはあるんですが、片方では、先ほど来言っているように、景気が回復したといってもなかなか実感が持てないと、そういうところから、今後の中小企業経営考えても、この六十五歳まで雇用するんだという法律が決まっているんですけれども、なかなかそこまで踏み出せないということも私の方は多くの声を聞いております。
 したがって、年金支給年齢と整合を図った六十五歳までの高齢者雇用対策が順調に進んでいるのかどうか、今の社会の中で順調に進んでいるのかどうかが一つと、特に中小企業におけるこの高齢者雇用対策について現状どうなっているのか、あるいは今後の見通しがどうなのかについてお聞きをいたします。
#135
○政府参考人(岡崎淳一君) 高齢者雇用確保措置の状況、正確には六月一日現在で毎回状況を取っております。昨年六月一日の報告によりますと、これ五十一人以上の企業が対象でございますが、八四%の企業が法律に基づく確保措置を講じているという状況でございました。その後、この四月から御承知のように六十三歳ということになりましたので、この間いろんな形で各企業への指導等をしてきております。
 そういう中で、この四月の状況を把握した限りでございますが、三百人以上の企業では九九・一%、まあほとんどが対応していただいているということでございますが、中小企業といいますか、五十人から三百人のところ、これちょっと時点がずれておりまして恐縮でございますが、今年の一月現在で八八・六%ということでございまして、まあそれなりには対応してきていただいていると。ただ、まだ残り一〇%強のところが対応していただいておりませんし、それ以下のところはちょっと個別には把握できておりませんが、今委員おっしゃったようないろんな状況のところもあると思います。高齢・障害者雇用支援機構のアドバイザーを活用するとかあるいは事業主団体と連携を図るなどして、そういった中小企業を含めまして高齢者雇用確保措置がきちんと行われるように今後とも努力していきたいと、こういうふうに考えております。
#136
○小林正夫君 年金についてはいろんな不安要素がまた露出しておりますけれども、いずれにしても六十五歳から年金が支給ということは既にもう決まっていることですから、私たちとしては、現役、特に働いている人は現役引退したら年金をもらって生活をしていくと、こういうイメージを描いて今日の社会をつくってきたわけですから、是非六十五歳の雇用が順調に、あるいは課題があればすぐ直して、このことが実現されるように要望しておきたいと思います。
 そこで、大臣にお伺いをしたいんですけれども、今日は資料を用意をさせていただきました。資料一というものに基づいて少し質問をさせていただきたいと思います。
 第四十五回の労働政策審議会の職業安定分科会が三月の三十日に開催をされて、高年齢者等職業安定対策基本方針の一部を改正する告示案について論議が交わされ、同日に職業安定分科会から労働政策審議会あてに報告書が出されました。さらに、同日に労働政策審議会から厚生労働大臣あてに答申が出されました。それを受けて、四月一日の日に厚生労働省は、高年齢者等職業安定対策基本方針を改正して七十歳まで働ける企業の普及促進をうたった、こういう現在状態になっていると思います。
 私は、年齢にかかわりなく働き続けることができる、この社会は大変大事だというふうに思います。ただ、現状において、今日お手元に提出をさせていただいたこの資料一ですけれども、これは職業安定分科会から労働政策審議会に出された公文書、その記というところの二行以下なんですけれども、これは労働者代表の委員からこういう意見があったということで、ここに書かれたものが文書として出されました。
 この中を読んでいきますと、三つに課題提起がされておりまして、一つは、現段階では希望者全員が六十五歳までの雇用される実態に至っていない。先ほど報告のとおり、まだ六十五歳の雇用確保は途中経過であると、こういうことですよね。それと二つ目は、七十歳までの雇用を打ち出すことで、公的年金の支給開始年齢が引き上げられてしまうという懸念があるんじゃないか。三つ目には、六十五歳以降の雇用の在り方については、国民的論議が不足している。こういう意見が労働者代表の意見としてここに記載をされたわけなんです。
 このことに対して、厚生労働大臣はどのように受け止めているんでしょうか。お聞きをいたします。
#137
○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに、この報告によりますと、七十歳まで働ける企業ということでいいじゃないかということでありますが、他方、労働者代表委員からはこういう意見があったということが記されているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、六十五歳までの雇用機会の確保を確実なものとするということが何といっても現下の最重点課題だということは、この労働者代表委員の認識と重なる部分があるということでございますけれども、同時にまた、幾つになっても働ける社会ということを目指していくということは、それはそれなりにいいことではないか、これはもう小林委員もそれはそれでいいと、いいではないかと自分も考えていらっしゃると、こういうお話もあったわけですが。その場合、この七十という数字を出すか出さないかということについては両論あるんだろうと思うんですね、確かに両論ある。
 しかし、政府といたしましては、やはりそうした六十五を超えてなお働ける意欲のある人には働いてもらう社会を実現するということであれば、一応のめどみたいなことで具体的な目標をうたった方がいいんじゃないかというようなことで、七十歳という具体的な年齢をお示ししたという経緯でございまして、決してこれは公的年金の支給開始年齢の引上げのためというような何か隠された意図があるなどということは全く毛頭ないわけでございまして、再チャレンジで後で先生からまた御指摘あるかもしれませんが、再チャレンジで七十歳まで働ける企業ということで、大いに七十歳過ぎても元気な人が多いんだからそういうことで働き掛けていこうということになりましたので、こういうようなことになったということで御理解をいただけたら有り難いと思っております。
#138
○小林正夫君 今、大臣の方から七十歳という数字も出てきました。少し私ここの部分にこだわって、ちょっと自分自身が敏感になり過ぎているのかもしれないんですが、ちょっと質問をさせていただきたいと思います。
 今日は総務省の方にも来ていただいておりますけれども、資料二を用意をいたしました。これは用語の解説として総務省の統計局のホームページから用意をした資料でございます。
 ここの中の二重丸の上から三つ目のところに、年齢構造に関するものという欄がありまして、年少人口、ゼロ歳から十四歳の人口、生産年齢人口が十五歳から六十四歳、老年人口が六十五歳以上、このようになっているんですけれども。この年齢区分は元々いつ何を基に決めたのかということと、今日までこの年齢を変更したことがあるのかどうか、それと今後変更する場合はどのような手続が必要なのか、この三点について教えてください。
#139
○政府参考人(川崎茂君) お答え申し上げます。
 統計上の年齢区分でございますが、これは統計を利用する上で時系列での経年比較ですとか、あるいは異なる統計の間での比較、さらには国際比較がやりやすくなるように社会の実態に応じまして決めておるものでございます。
 国勢調査におきましては、一番最初は大正九年に行われました第一回の調査では、当時人口学で一般的に用いられておりました年齢区分を用いまして、年少人口につきましては現在と同じゼロから十四歳、それから生産年齢人口は十五歳から五十九歳、それから老年人口につきましては六十歳以上の人口ということでこの区分を採用してきたところでございます。
 その後、昭和三十五年の国勢調査の結果から老年人口の区分を六十五歳以上というふうに変更しております。これは、当時、昭和三十一年に国際連合の方で各国の高齢化の水準を示す目安といたしまして、今先生の方から御紹介ありました三つの区分、十五歳とそれから六十五歳ですね、この区分の三区分を用いた割合が公表されまして、これが世界的にも使われるようになったということでございまして、これを受けて改めたものでございます。その後、我が国の統計でもこの区分が広く使われるようになったという経緯がございます。
 そういうことで、現在の老年人口の区分、この年齢区分は、これまでのデータの蓄積の状況ですとかあるいは諸外国の統計の状況などを見ますと、比較の観点からは有用な区分であるというふうに考えております。
 これにつきましては、変更してはどうかというようなお尋ねかと思いますが、こういう区分につきましては、利用者の便宜を考えながら、今後、いろいろな議論がございましたら必要に応じて検討を進めていきたいと考えております。
#140
○小林正夫君 結論的には、いろんな社会情勢の変化などによって変更は可能であると、このように私は受け止めました。
 そこで、大臣に質問をいたします。
 政府の再チャレンジ支援総合プラン、こういう行動計画においても、七十歳まで働ける企業の実現に向けた取組を進めると、このようになっております。また、今回の基本方針の改定の中では七十歳、七十歳という、この七十歳という数字が幾つも出てくるんですよ。それで、七十歳までが現役で働く年代層であるという、国民の皆さんにそういう思想を浸透させていく、こういう考え方があるのではないか、このようにちょっと私、思うところあるんです。
 その延長線上に考えられるのが、生産年齢人口を現在の十五歳から六十四歳というものを十五歳から六十九歳にするという、生産年齢人口の七十歳化ではないか、このように思うんですけれども、仮にそうなると、私が今考えるのには、数字を変えることで何か社会的な問題が解決したような印象を世の中に与えることにそれはなっていくんじゃないかというふうに思うんです。ですから、それはやはり懸念されることなんです。
 したがって、私、これ合っているかどうか分かりませんが、私なりに計算してみますと、現在の生産年齢人口が六十四歳までですけれども、これを五歳上乗せして生産年齢人口を仮に六十九歳にしたときの試算をしますと、生産年齢人口が六五・五%から七一・五%に六ポイントこの数字が増えて昭和四十五年段階の数字になると。さらに、老年人口が二〇・八%から一四・八%と、ここは六ポイント下がると。これは幾つかポイントがあったんですけれども、平成七年の数字に近くなると。
 したがって、こういう数字をちょっといじくることによって、先ほど言ったように、あたかも何か私たちの今少子高齢化社会の大きな課題が解決をしたごとく私はなっていくんじゃ中身がないものだから、それはまずいんじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣の気持ちの中に生産年齢人口の定義を変えてしまえという、こういう発想はありますかないですか、いかがでしょうか。
#141
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず第一に、結論を言えば、そういう気持ちが私があるかないかということをお尋ねですから申し上げれば、ないし、また政府の公のいろいろな検討を考えてみましても、そうしたことではないということだと思います。
 端的に申して、労働力人口が非常に少子化の影響があって減少するということは、冒頭にも申し上げましたけれども、そのときに高齢者の男性のところで少し労働力率が低まったところを引き上げるということと、女性のM字カーブのところの三十歳から三十四歳の出産年齢の人を引き上げると、こういうことをやっているんですが、その場合、前者の男性の高齢者層を引き上げるという場合には六十から六十四か六十五、そういうようなところであって、決して七十のところを引っ張り上げようというような、そういうことは考えておらないわけでございます。
 そうしたことから、生産年齢人口につきましては、やはりそうした今の七十歳まで働けるということについて特別な、何というか、考え方を定義として持って、そうしたことを打ち出しているというわけでは全くないということを申し上げたいと思います。
#142
○小林正夫君 次に、第四条の九に、「不安定な雇用状態の是正を図るため、雇用形態及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実する」と、こういうふうに書かれております。
 私は、不安定な雇用を生み出している大きな要因の一つに派遣労働法があると思っているんです。このことは、予算委員会やあるいはこの厚生労働委員会で私の方としては何回か指摘をさせていただきました。
 そこで、改めて厚生労働大臣の御所見を伺うんですけれども、四月の十日の日の厚生労働委員会一般質疑の参考人質疑において、労働者派遣法と、派遣労働者を登録しておいて注文の都度、雇用契約を結んで派遣する契約型の派遣労働の問題点を指摘した上で、参考人の方のお考えをお聞きをしました。そのときに厚生労働大臣にも質問をするということで予定をしていたんですが、時間の関係で三名の参考人の方しかお話を聞けませんでしたので、改めてこの契約型派遣に対する厚生労働大臣の認識についてお伺いをしたいと思います。
#143
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもの方は、委員が今契約型というふうにおっしゃられたことを登録型というふうにちょっと言葉遣いを変えて呼んでおりますけれども、いずれにしても実態は同じでございます。
 この登録型派遣という仕組みでございますけれども、私どもとしては、企業側にも現実に臨時的、一時的な労働力としてのこの形態の労働に対する需要があるというふうに考えておりますし、労働者側にも仕事の内容であるとか働く時間を選びたいということでこの形態の労働を必要とするニーズがあるというふうに認識をいたしておりまして、この双方を満たすために必要なものであるということを考えております。
 現に、この登録型の派遣労働者の希望の有無というものを見ますと、できるだけ早い時期に正社員になりたいという人が約三割いる一方で、今のまま今後も派遣労働者として働きたいという人がやはり同じくらい、約三割いるというような状況で、そのニーズがほぼ同率で拮抗しているという状況でございます。
 そういうようなことで、私どもとしては、基本的にこの労働形態については両者のニーズが双方とも満たされるものであると、このように認識をいたしております。
#144
○小林正夫君 そこで、今大臣がおっしゃった登録型派遣ですね、この会社が本当にもう新聞広告を見ますといろんな求人をしていますから、まあすごい数あるんだなと、漠然と私とらえているんですが、政府としてこういう派遣の会社の数を、今日現在、どのような数字を把握しているのかということと、あと、今派遣労働を希望している人については大臣の方から三割程度というお話がありましたけど、もう少しできれば詳しく把握をしている数字があれば教えていただきたいと思います。
 よくこういう会議で、要は派遣を希望している人もいるんだと、こういう答弁なりお話は随分多いものですから、改めて本当に政府としてどういう数字をつかんでいるか。今大臣三割程度とおっしゃいましたけれども、もう少し納得できるような数字があれば教えていただきたいと思います。
#145
○政府参考人(高橋満君) まず、労働者派遣事業を行います事業所の数、委員お尋ねは会社の数ということであったかと思いますが、ちょっと会社という単位での数字は現在把握されておりませんで、事業所単位での把握となっておりますが、十九年四月一日現在で五万三千七十二事業所が届出がされているというものでございます。
 それからもう一点の、派遣労働者の希望にかかわる、いま少し立ち入ったと申しますか、詳細な状況ということでございますが、大臣からただいま御答弁がございました数字は、現に今派遣労働者として働いておられる方のうち登録型派遣で働いておられる方の希望の数字であったわけでございます。できるだけ早く正社員になりたいという方が約三割、他方、今後もこの派遣という形で働きたいという方が三割ということで、登録型派遣の場合でそれぞれ三割あると。
 他方、もう一つ、労働者派遣としてはいわゆる常用型の派遣というものがあるわけでございます。この常用型の派遣で見てまいりますと、やはり実は双方、できるだけ早く正社員になりたいのが二四・六%、それから今後も派遣労働者として働きたいというのが二五・二%ということで、これも実は登録型から見ますとやや率は低うございますが、やはり両方の希望が併存をしておるというのが実態でございます。
#146
○小林正夫君 もう一点質問をいたします。
 非正規雇用者の正社員化に厚生労働省も取り組んでいる、こういう報告もあります。これはどのような実効が上がったのか、企業側のまた協力は十分得られているのか、現状の状況について報告を願いたいと思います。
#147
○政府参考人(高橋満君) 非正規労働者の正社員化に向けた取組でございますが、私ども、まず一つ大きな課題として若年フリーターの方々に対する常用雇用化を進めていくということで、平成十七年度からフリーター常用雇用化プランというものを掲げて、その取組を推進してまいったわけでございます。
 この際、十七年度におきましては、目標を二十万人というものを設定して取り組んだ結果といたしまして二十三・二万人というものの実績を上げたところです。また、十八年度におきましては、この目標を五万人上乗せいたしまして二十五万人という形で取り組んだわけでございますが、これはもう少し精査は必要でございますが、大体速報段階で約三十五・一万人の常用雇用化というものの実績が出たところでございます。
 こうした若者に限らず、ハローワークにおきましては正社員を希望される求職者に対する就職支援ということにも取り組んでまいってきておるわけでございます。統計的には、実は十六年の十一月からこの正社員についての就職件数というものを把握するようにいたしたわけでございますが、それ以降の現時点までの二年六か月間の期間におきまして約二百五十四万人の方々の正社員就職を実現をいたしたという実績がございます。
#148
○小林正夫君 今日は内閣府の林副大臣にお越しいただきました。今日の委員会の冒頭でこの再チャレンジワーキンググループ労働タスクフォースからの内容についても御説明を受けました。そこで、何点か質問をさせていただきたいと思います。
 私は、この内容を読んで非常に働く人側の視点に立つと不快を覚える内容だなと、このように受け取っております。そこで、この規制改革推進本部が平成十九年一月二十六日に設置されて、規制改革会議も同じように設置をされたわけです。
 その前にあった規制改革・民間開放推進本部と規制改革・民間開放推進会議の関係は密接に連携すると、こういうことが、省のホームページの中でも密接に関係するんだということがうたわれておりました。密接に連携するという中身を読んでいきますと、これは規制改革・民間開放推進本部のことですけれども、これは全閣僚で構成され、推進会議の代表者もここに出席をする、必要に応じ推進会議の代表者と関係閣僚が個別テーマについて折衝すると、それほど綿密に連携を図るんだということがこの会議と本部の間柄になったわけです。
 これが今回、規制改革推進本部と規制改革会議と、こういうように衣替えをしたわけなんですけれども、衣替えしても前のような関係というのは維持されていると、このように理解してよろしいんでしょうか。
#149
○副大臣(林芳正君) 委員が今お話しになられましたように、今度新しくなりました規制改革会議と規制改革推進本部の間の関係というのは、前身の、今御指摘のありました規制改革・民間開放推進会議と規制改革・民間開放推進本部の関係と同様に、会議が取りまとめた答申の具体施策の推進や民間からの提案募集に基づく規制改革の推進をするということなど密接な連携を図るということでございまして、同様に密接な関係を図るということになっておるところでございます。
#150
○小林正夫君 そうしますと、今回の労働タスクフォースというところのこの文書というのは、会議があって本部がありますね、それで会議の下の組織としていろいろ研究するところがあったと、ここがまとめてこの文書が出てきたということですね。
 そうすると、この内容と推進本部との関係はどのようになるんでしょうか。
#151
○副大臣(林芳正君) 今回の労働タスクフォースの、今委員が御指摘になりましたいわゆる見解は、会議の下部組織であります労働タスクフォースと、まあ少人数で精力的にということでございますが、労働分野の規制改革の課題につきまして、今後いろんな関係者の皆様と御議論を進めるための出発点といいますか、基本的なスタート地点としての考え方という性格のものでございまして、現時点におきまして、今委員が御指摘になりました政府の方の規制改革推進本部としてまだ受け止めている段階ではない、こういう段階であるということに御理解いただきたいと思います。
#152
○小林正夫君 今日の朝の副大臣のお話で私はこのように受け止めたんですが、再チャレンジワーキンググループが出したものは、要は本部側と調整せず勝手に出してしまったものだと、こういうふうに副大臣おっしゃったというふうに理解してよろしいんでしょうか。
#153
○副大臣(林芳正君) 再チャレンジワーキンググループのまたその下に労働タスクフォースというのがございまして、分科会の中の分科会ということでございますし、今申し上げましたように、これを決定して取りまとめたということではなくて、この考え方を基に今から議論をしようと、こういう性格のものでございますので、事前に規制改革本部の方に諮られて、これで結構だというような性格のものではないということでございます。
#154
○小林正夫君 そうすると、今後もいろんなこういうグループが検討して提言するということがあり得ると思いますけど、それは今副大臣がおっしゃったような位置付けで今後も進めていくということの理解でよろしいんでしょうか。
#155
○副大臣(林芳正君) 基本的にはそういうことで自由濶達な御議論をいただいていきたいと思っておりますが、委員会の冒頭で発言させていただきましたように、政府全体としては、閣議決定をした法案を御審議をいただいているという、そういう側面もございますので、この御審議をいただいている途中の法案と明らかに方向性が違うものは、たとえタスクフォースと、また問題意識といってもいろんなことで誤解を生じてはなりませんので、そういう意味で、政府として提案させていただいた法案ともう明らかに違う方向というものについては十分注意をしていただきたいということを大臣から議長の方に御指導していただいたと、こういうことを冒頭申し上げさせていただいたところでございます。
#156
○小林正夫君 そこで、厚生労働大臣にお聞きをいたします。
 今回の提言は労働行政にかかわる提言の内容になっておりまして、解雇権の濫用法理の関係、あるいは労働者派遣法の見直しの関係、それと労働政策の立案に関するという、こういう三つのテーマから成っておりまして、いずれも厚生労働大臣が所掌する労働行政の内容なんですけれども、厚生労働大臣としてはこの出された内容についてどのように受け止められているのか。
 それと、先ほどのお話ですと、この会議の下部組織が検討したものなので、特に今の林副大臣のお話を聞いていると、厚生労働大臣が今回のこの提言に当たっていろいろ折衝したというかかわりはなかったのかなと、私はそのように理解しましたけれども、そこのことを含めて、そういうことでよろしいかどうか。
#157
○国務大臣(柳澤伯夫君) 正直申しまして、規制改革会議と会議につながるその組織というのは、これは政府の一部門ではありますけれども、ねらいとする改革が改革の内容だけに、いわゆる政府部内の調整というか合い議をするということはまず期待されていないんだろうと思います。
 ところが、我々は、そうはいいましても余りとんでもないことを言われても困りますから、そこで役人の組織としては懸命の努力をしてその草稿なるものを入手しようと恐らくするんじゃないかと、私は詳しいことは知りませんけれども、多分そうだろうと思うんですね。それで、そういう冒頭申したようなものであったとしても余りにも問題ではないかというようなことで、いろんな意見を、どういうつてを頼っていくか知りませんけれども、表明するということはあるんだろうと思います。
 ところが、元々、政府部内で調整するという性格のものじゃありません、これはもう本当に改革でございますから。最終的には閣議決定ですから、そこで我々の見解というのは担保されるわけでございますが、会議そのものが提案するものについてはある程度、ある程度というかインディペンデントに独立して意見表明するという性格のものだろうと思います。そうではあるんだけれども、事実上役所としては余りにもそれが飛躍のあるものでも困るものですから、今言ったような努力をすると。これがありていに言って実情だろうと、こう思うわけでございます。
 そういう意味で、我が方でもその入手した後いろんな働き掛けをしたやに私も仄聞しておりますけれども、しかし、やっぱりもう本当に、もとよりそういう調整のためのオファーをしているわけでも何でもありませんから、結局こうしたものとして提出をされたということであります。
 その感想やいかにということでございますけれども、私は、今一生懸命我々が、最低賃金を引き上げたいと思っていろいろな意味で努力をしているときに、最低賃金なんか引き上げたらもう雇用が失われるぞみたいなことを、まあそれは経済の、何というか、メカニズムとしてはそういう面はあるということまで私ども否定はしませんけれども、今我々が最低賃金を引き上げようという方向で法案を出しているときに、私はもう全く余計なことだというふうに正直言って思ったのでございまして、そういう意味で、前回でしたか、御質疑のときにも、全く政府の、いろいろ改革をするという立場は分かるけれども、とにかく政府部内の組織として今法案を御審議いただいているわけですから、そういうときにそういうことを言うというのは適切さを欠いているというふうに申し上げたわけでございまして、私の感想はそういうものでございます。
#158
○小林正夫君 労働者派遣法にちょっと質問を戻したいと思います。
 現在の労働者派遣法は、平成十五年に派遣の業種を拡大をして、原則すべてに派遣ができると、こういう法の改正になって今日に至っています。私は、どの業種においても使用者が使い勝手のいい労働者を自由に使えるという、本当に非正規雇用を生み出した大本の一番何か悪いこの法律が派遣法じゃないかと、このように考えているんです。
 それで、先日の新聞にも、自殺の数あるいは今日の状況についてあるマスコミが報じておりましたけれども、政府の自殺総合対策大綱には、社会的な取組で自殺を防ぐと、こういう項目もあって、二〇〇五年までに八年間連続で三万人を超えた自殺者数は景気が回復しても減る気配が見えていないと、五月二十一日のこれは読売新聞でしたけれども、どの会社も派遣社員やアルバイトを多く雇い、その分、少ない正社員の負担が重くなっている、現場を任される二十歳から三十歳代の社員の責任や業務量が増えて労働環境はむしろ悪化した、そのことが自殺にもつながっているんだという、こういう論調で過労死のある弁護団の方が記事を寄せておりました。
 私は、いろんな意見があると思うんですけれども、使用者だとか実際に額に汗を流して働いた経験が乏しい人たちの声に多くの耳を傾けるんじゃなくて、実際にやっぱり働いている人たちの声に大きな耳を傾けていただいて、そういう点で労働者派遣法を見直す必要があるんじゃないかと私は思いますけれども、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
#159
○国務大臣(柳澤伯夫君) 労働者派遣法でございますけれども、これにつきましては、前から申し上げておりますように、一定の時代背景、グローバライゼーションの進む中で、企業としても構造改革を進めなければならないという条件にあったと。それからまた、労働者の側にも、多様な働き方に対する選択肢としてそういう求める考え方があったと。こういうようなことで、我々としては、必要な改正による一つの制度の歩みであったという考え方を持っております。
 これにつきましては、今、小林委員が指摘をされるように、やはり緩和のし過ぎだから規制をまた戻すべきだと、強化をすべきだと、こういう御意見がある一方では、御承知のとおり、いろいろな政府の場所でも、やはりもっと緩和すべきだと、こういう意見が闘わせられているというか存在しているということは委員も御案内だと思うわけでございます。
 私どもは、現在、この制度の施行状況につきまして、関係者のヒアリングであるとか、あるいは実態調査というものを行ってフォローアップをしているわけでございますが、そういったものがまとまっていく中で必要な見直しということになれば、それらを踏まえて適時適切に検討をしていかなければならない課題であると、このように考えているというのが現況でございます。
#160
○小林正夫君 幾つか質問をさせていただきまして、まだ通告ではいろんな課題について質問をさせていただきたいと思いましたけれども、私の持ち時間が参ってきました。
 私は、経済成長を図るにしても、大臣冒頭おっしゃったように、やっぱり人との情報交換だとか、人のコミュニケーションがやっぱりうまくいくことがすべてのことにつながるんだと思うんですね。働くこともそうですし、社会で生活をしていくことも私はそうだというふうに思います。やはり、人を大事にして、安全で安心して働ける労働環境を図ることが日本の活力あるいは国力を維持し、発展していく私は大本だと思います。
 そういう意味で、すべての労働者が公正な労働条件の下で、人としての尊厳を重んじられて、安心して働くことのできる社会を目指すという点において、いろいろ今日も質問をさせていただきましたけど、また答弁もいただきましたけれども、私は、この法案はやはり不十分なところが多いと、このように受け止めております。
 そのことを指摘して、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#161
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 雇用対策法等について御質問を申し上げるわけでございますけれども、私にとりましては大変感慨深い今回の法改正、また今日の質問になると思っております。私自身が長らく取り上げておりました雇用対策基本計画がなくなるということでございまして、そういった意味でお別れの質問になるわけでございますけれども。四月に、実は社会保障協定で一度お別れの質問をさせていただきました。あのときは包括的特例法でございましたので、またお会いできるということで笑ってのお別れの質問だったわけでございますけれども、今回は、もう雇用対策基本計画が終了ということは廃止されるということでございまして、涙のお別れになるわけでございます。
 そのことを中心に御質問したい思いではございますけれども、恐らく、今国会においての雇用、労働を主テーマとする質疑というのはあるいは今回が一つの区切りかというふうにも思います。また、雇用対策法自体が、国が雇用に関し、その政策全般にわたり必要な施策を総合的に講ずるということを目的規定に掲げているわけでございまして、そういった意味で、まずは当面する雇用、労働にかかわる諸課題につき、またこれまでの質疑等にかかわる問題について最初に御質問する、その後にそちらの方に入っていきたいと、このように思っております。時間の都合上、一部通告の質疑を後回しにさせていただくかもしれませんけれど、その点は御了解いただきたいと思います。
 まず、雇用保険法改正のときに内閣府に質問したことがございました。これは、日本の社会保障負担という統計の中で雇用保険三事業が従来カウントされていなかったということを申し上げ、その点についての御所見を求めたところでございますけれども、今のSNAの中ではカウントされているんだという御説明があったわけでございます。
 それで、私は、日本のいろいろな社会保障研究所の文献、日本におけるアカデミックな資料等ではカウントしないというのが一つの、結論とは言いませんけれども、一つの説明になっていたけれども、それがないじゃないかということを申し上げまして、国民経済計算年報の用語解説に入れていただきたいと、このような提起を申し上げたわけですが、そのことについてどのようにお取り組みいただくか、御説明いただきたいと思います。
#162
○政府参考人(後藤正之君) 国民経済計算についてお答え申し上げます。
 今先生からお話しいただきましたように、雇用保険三事業の国民経済計算上の扱いに関しましては、去る三月二十七日の本厚生労働委員会におきまして辻委員から、現在、雇用保険三事業の保険料が社会保障負担の計数に含まれていることを国民経済計算年報の上で明記すべきではないかと御指摘をいただいたところであります。
 この御指摘を受けまして、六月上旬に発行予定の国民経済計算年報、平成十九年版から、雇用保険三事業保険料の扱いについての記述を盛り込みたいと思います。
 具体的には、年報の参考資料の中に掲載されております計数表について解説する国民経済計算の見方・使い方という章がありますので、該当いたします付表十、社会保障負担の明細表の解説の中に、なお、このうち、このというのは表中のという意味でございますが、このうち雇用保険には、雇用保険三事業、括弧書きで雇用安定事業、能力開発事業、雇用福祉事業、に関する保険料が雇主の現実社会負担に含まれているとの記述を加える予定であります。
#163
○辻泰弘君 そのこと自体は了としますけれども、前回、実は質問したときに、平成十五年からこのような取扱いにしてございますと、この取扱いをした段階では、この新しい取扱いをするということで参考資料、これは以前出させていただいたと、こういうふうに出ているんですけれども、実は私、それを確認させていただきましたら、雇用安定等給付金のことについての説明にはなっていますけれども、負担のお話はないんですね。だから、これは実は今まで出していらっしゃらないわけですよ。だから、そのことは説明として私は不適切だったと思っています。その点、指摘をしておきたいと思います。
 御見解ありますか。
#164
○政府参考人(後藤正之君) 前回の委員会で御説明申し上げましたのは、国民経済計算年報の利用上の注意の中に、雇用安定等給付金の取扱いの改定という欄があったことを申し上げたんですが、この中に、雇用保険三事業につきましては社会保障基金として取り扱うというふうに書いてございまして、この部分をもって、負担につきましてもその社会保障負担の中に含めるというふうに私どもは考えておったんですが、舌足らずな部分があったと思います。以後、十分注意してまいりたいと思います。
#165
○辻泰弘君 当日の質問は、雇用保険三事業分のその保険料の社会保障負担への算入のことを言っていたわけですから、このおっしゃっている部分というのは、その給付金の方の話で、ですから本来のこれまでの入っていないという統計とマッチすることではなかったわけですから、その点については御説明として、率直に言って、今までやっていたということを強調されたかったように思いますけれども、実は別にそのことはされてなかったということだと思いますので、その点は指摘をしておきたいと思います。
 それから、先ほどおっしゃっていただいた年報に載せていただくことは私は結構なことだと思いますので、そういうことでお願いしたいと思います。
 さて次に、先ほど来同僚議員の質問にもあったことと関連いたしますけれども、前回の五月二十二日の当委員会において、私もタスクフォースの出された規制緩和の流れについてお伺いをして、柳澤大臣の方から、不適切極まることだと、このような御答弁があったわけでございます。そして、その後に大谷局長の方から、政府部内でもし違う考え方があるならば、これは必要な調整をしなければならないと考えていると、こういうことでございました。政府部内で、外部に出る意見が最後、出ていくところでは違う意見がないようにしていかなければならないと考えていると、こういう御答弁だったわけでございます。
 そこで、お伺いしたいと思うんですけれども、月内に規制改革会議が第一次答申を出されるというふうにお聞きしているんですが、その中にあの部分というのは入るのか入らないのか、そのことについてどう把握されておりますか。
#166
○政府参考人(大谷泰夫君) パートタイム労働法に関するくだりにつきましては、月内について、私どもの出しておる法案、あるいはここの委員会における説明と食い違う内容のものが今のところ出ていくという流れにはなっていないというふうに理解しております。
#167
○辻泰弘君 パートについての御指摘がありましたけど、あと、最賃とそれから派遣の部分がありましたですね。その辺のことも含めてどうですか。
#168
○国務大臣(柳澤伯夫君) 御指摘の提言でございますが、結果的に明日、取りまとめ予定の規制改革会議の第一次答申にはこの提言の内容は盛り込まれないこととなったという連絡を内閣府より受けております。
#169
○辻泰弘君 前回、政府部内で必要な調整をしなければならないと、このようにおっしゃっていたんですけれども、その後、厚生労働省として規制改革会議なりと御相談、調整をされたという、その結果だと理解していいでしょうか。
#170
○国務大臣(柳澤伯夫君) 恐らく、私がここで辻委員に対して御答弁として申し上げたこと等もいずれ政府の担当の大臣に伝わったのではないかと、これはもう推測ですけれども、そう思っておりまして、先ほど、林副大臣の方からは、渡辺担当大臣から草刈会長にその旨を申し上げてこういう結果になったということでございます。
 それがどういう道行きで渡辺大臣の発言に結び付いたかということについて、ここで申し上げるちょっと材料を持っておりません。
#171
○辻泰弘君 あの後、働き掛けてそういうふうにしたんだと言っていただければ格好良かったんですけれども、いずれにしても、つぶれたのはいいことだと思います。
 さて、次のテーマに行かしていただきますが、パート労働法のときにパート労働者の数について御質問をお聞きしたことがございました。そしてその後、ちょっと私、もう一遍調べたところ、やはりちょっと理解に苦しむところがあったわけでございます。
 すなわち、パート労働者等の非正規雇用の統計を入手したい、統計が欲しいといいますと、総務省の方からの前にも言っておりました数値が出てくると、雇用形態別雇用者数の推移というのが出てくると。そして、パート・アルバイトが、例えば十七年平均だと千百二十万と、こうなっているわけですね。パートが七百八十万、それからアルバイトが三百四十万ですか、足して千百二十万、十七年平均と、こういうふうになっているわけです。しかし、あのときに出しておられたパート労働者数・割合の動向というペーパーがございまして、これは同じく総務省の労働力調査なんです。それで見ますと、パート労働者数は、平成十七年には千二百六十六万人に達しということで、厚労省の方は千二百六十六万、そして総務省の方が千百二十万と。これは事前にお聞きして、統計の取り方で、労働力調査の基礎調査票で調べているものと労働力調査の特定調査票で調べているものの違いだと、だからそもそも違うんだという、それはそういうことかもしれませんけれども、しかし、なぜその違った数字を出したのかという。
 私はあのとき申し上げましたように、厚生労働省がやはり一番詳しい定義ももって示すということで、だからその千二百六十六万でいいわけですけれども、しかし、統計を求めたら総務省に行って、それは千百二十万であるという、その部分というのはやはり政府内でしっかり統一していただきたいと思うんですね。その部分どうですか。
#172
○政府参考人(大谷泰夫君) パート労働者の人数でありますけれども、御指摘のとおり、数字の取り方が二様にあるわけでありまして、一つは、厚生労働省で最もパート労働法の施行について用いるわけでありますけれども、先週のパート労働法の法律関連についても説明しましたように、総務省の労働力調査を基にして、一週間の就業時間が三十五時間未満の雇用者という人数をこの法律の施行に用いていると。一方、同じ総務省でありますが、労働力調査(詳細調査)というところにおきましては、個々の事業所における呼称、どのような名前で呼ばれているかを基準としてパート、アルバイト、あるいは派遣労働者、契約社員といった、いわゆる正社員ではないことを推定される名称で呼ばれている労働者の数を調査しているということであります。
 ただ、私どものこのパート労働法の定義といいますのは、言わば通常の労働者よりも所定内労働時間が短いということが定義になっておりますので、法律の施行上はこの三十五時間という時間を援用した今では千二百五万人、この数字がより汎用性があるということでこちらで説明しているわけでございます。
 しかしながら、いわゆるパート労働法というその施行だけの立場ではなくて、非正規雇用全体について検討するということになりますと、非正規雇用全体の推移や、あるいは非正規雇用のうちでどの働き方がどの程度増減しているかと、こういったことを推定させるという意味では、呼称、呼び方を基準とした調査にも政策的な重要性があるものと考えておりまして、私どもとしてのパート労働法についてはこの時間を、言わば三十五時間という基準を使った数字で説明することが多いというところでございます。
#173
○辻泰弘君 前にも申し上げたわけですけれども、だからこそ私は、厚生労働省が主体となってこのパートや派遣等のそういった非正規雇用の統計を主体的に作るべしと、このように私は申し上げたわけです。
 ですから、厚生労働省が千二百六十六万使うのはそれでいいわけです、厳格な定義により近いものとして。だから、そうであれば、総務省の方の数字もそれが出てくるように持っていくべきだと思うんですね。そこの部分を厚生労働省がむしろ主導してでも、できるだけそっちの、皆さん方が使われるときに千二百六十万使われるわけですから、そちらが表に出てくるような調査結果というか統計に持っていくように、厚労省としても総務省と相談して対応すべきだと思うんですけど、いかがですか。
#174
○政府参考人(大谷泰夫君) 法の施行上の定義として時間を用いて説明できるものを使うわけでありますけれども、一方で、この非正規労働全体ということを見る場合には、本人がどう呼ばれているかということで全体の労働市場のバランスを見るという言わば役割もあるわけでありまして、全部をいわゆるパート労働法による時間割、時間の区分だけで割り切れないという面があって二つのやり方が併存しているんではないかと思います。
#175
○辻泰弘君 いや、だから呼称じゃなくて、呼ばれ方じゃなくて、実際としての定義に基づいての統計が本来あるべき姿であって、パートについてはそれに近いのができているわけでしょう。そうしたら、ほかのものもそれに近づけるように努力するというのがそれはあるべき姿じゃないですか。
#176
○政府参考人(大谷泰夫君) そういう意味で、パート労働法の施行という意味においてはもうそんなに揺らぎがないわけでありますけれども、例えば法案の審議の中でも御議論がありましたように、パートと呼ばれているものの中に、例えばパート労働法に含まれていないいわゆる疑似パートといったようなもの、フルタイムパートといったものは、本人がそう呼ばれて自分がその頭数に入っていると考えている人があるとか、こういったことがあって、いわゆる時間の定義によるものとそれから職場の慣行によるものがあって、そこは二つそういう意味でいろんな数字があるということで、一方に言わば限定することはある意味ではなかなか難しいのかと考えております。
#177
○辻泰弘君 こういう質問しているとむなしくなるんですけれどもね。役所というのはいつもそういうところがあるんだけれども。しかし、やっぱりパート、派遣、非正規雇用、非常に大きくクローズアップされてそれに対する対策が求められるときに、その実情がどうなっているかということを把握することが前提になるわけで、そのところが、パートのところだけは守備範囲だけれども、まあそれ以外もやっていらっしゃるのがあるんだろうけれども、総務省の統計が全くそれと違った形で取られている。それが私どもが政府に統計を求めたとき出てくるというこの形は非常にやはりおかしなことだと思っています。
 そういう意味で、その点については問題点として指摘しておきますので、是非、厚労省が主体となった非正規労働の統計をしっかりとつくるというそういう方向でお取り組みをいただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 それから、次のポイントになりますけれども、個別労働紛争が昨今急増しているという状況にあるわけでございます。先日も個別労働紛争の相談件数等が出ていたわけですけれども、最近の数値について簡単で結構ですのでお示しいただけますか、その内容について。
#178
○政府参考人(宮島俊彦君) 平成十八年度の一年間に都道府県労働局の総合労働相談コーナーに寄せられた個別労働紛争の相談、十八万七千三百八十七件ありまして、前年度より約一万一千件増加しております。
 相談の主体ですが、そのうち正社員の相談が千六百件、それからパート、アルバイトに関する相談は九百件、派遣、契約社員に関する相談は三千五百件増加しているというようなことになっております。
#179
○辻泰弘君 それで、私がこの質問をするに当たって通告しましたところ、毎日新聞の記事が間違っているんだと、こういう御指摘がありまして、そのことを見せていただきますと、要は、トータルとしての今の十八万七千三百八十七件の就労形態別の状況のことをおっしゃっている数字をいただいていると私は理解しているんです。
 ただ、この報告の、毎年、その個別労働紛争の件数が出ているわけですけれども、これにはトータルの十八万七千三百八十七件の中の労働者の就労状況別の内訳がないわけなんですね。ですから、私は、政府としてその統計は持っていらっしゃるんだと思うんですね、その十八万の内数を、就労形態別の。その分をはしなくも教えていただくことになるんですけれども、しかしほかの助言・指導申出受付件数の中の内訳は示している、あっせん申請受理件数の中の就労別の状況は出しているんですね、この報告書に。しかし、本体の十八万七千三百八十七件の内訳はここには示されてないんだけれども役所としては持っていると、こういうことだと思うんですね。そこは確認させてください。
#180
○政府参考人(宮島俊彦君) 十八万七千三百八十七件の個別労働紛争の中で就労状況別の内訳を相談者から確認した労働者の就労状況ということで言いますと、正社員が九万一千四百八十六件で四八・八%、パート、アルバイトが三万三千九十七件で一七・七%、派遣、契約社員が二万三千四百九十八件で一二・五%、その他というような大まかな内訳でございます。
#181
○辻泰弘君 そのことはこの報告書に出ていませんね。
#182
○政府参考人(宮島俊彦君) その報告書には多分載せてなくて、これは相談者から確認した就労状況だということで集計しているものでございます。
#183
○辻泰弘君 それで、大事なのは、それより件数の少ない助言・指導申出受付件数、そしてあっせん申請受理件数の中のその就労状況別の数字が出ているわけですよ、パーセンテージだけどね。だけど、その本体の十八万七千三百八十七件という民事上の個別労働紛争の相談件数の就労状況別の数字が出されてないんです。
 今お聞きしたように出ているわけだから、これは今後、当然のこととして、それが一番本体だと私は思いますものですから、その中でパートや派遣の方がどれだけ占めるかというのを見るにはそれが一番いいわけだから、だから、実際持っていらっしゃるわけですから、ですから来年以降は、あるいは今年もそうなんだけれども、その部分は必ず入れていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
#184
○政府参考人(宮島俊彦君) あの少し……
#185
○委員長(鶴保庸介君) 宮島総括審議官、指示をされてから発言をしてください。
#186
○政府参考人(宮島俊彦君) はい、失礼しました。
 持ち帰ってちょっと相談させてください。
#187
○辻泰弘君 重ねて申し上げておきますけれども、毎日新聞がミスったというのがあって、それはなぜミスったか私なりに調べて理解したんですけれども、ほかの数字を使っていたんですけれどもね。しかし、そのことの過程でやはり十八万の内訳があるわけだから、それがやっぱり一番傾向を示すわけですから、ですから、そのことはしっかりと出していただく、そのことでお取組を求めておきたいと思います。これは出していただくということで理解をしますから、後日、まずその内訳をお示しください。それから、来年以降は是非入れていただくように申し上げておきたいと思います。それが一つ。
 それから次に、アメリカの最低賃金についての報道がございました。最低賃金については法案的には議論ができないまま終わるのかもしれませんけれども、私どもとしては、やはり全国最賃をつくって、生計費も、労働者本人だけじゃなくて家族の生計費も入れた数字とすべきだと、このようなことを申し上げているわけでございます。そこで大いなる関心を持っているわけですが、アメリカも二年間で六百三十円近くから八百八十円まで引き上げるというふうなことが出ていたわけですが、まずアメリカの最賃制度についての基本的な仕組み、その今度の引上げの内容、それから引上げをするときに減税なども加味したというふうに聞いておるんですが、その辺について簡単に御報告いただければと思います。
#188
○政府参考人(宮島俊彦君) お答えいたします。
 今般、五月二十五日に大統領の署名した法律は、現行一時間当たり五・一五ドル、日本円で百二十円で換算しますと六百十八円の連邦最低賃金を、署名の日から六十日後には五・八五ドル、七百二円、一年後に六・五五ドル、七百八十六円、さらに一年後に七・二五ドル、八百七十円へ引き上げるという内容でございます。
 なお、引上げに伴いまして中小企業に対する減税も実施し、企業負担の軽減も図るというふうに聞いておるところでございます。
#189
○辻泰弘君 まあ国情が違うんであれですけれども、基本的には全国最賃みたいなものであると、こんなイメージでしょうか。
#190
○政府参考人(宮島俊彦君) アメリカの最低賃金制度でございますが、これには連邦制度と州の制度の二つがございます。
 連邦最低賃金の適用範囲、これは州を越えて営業する企業、それから連邦、州などの公務員、それから年商五十万ドル以上の事業所などが連邦最低賃金の適用ということでございます。州においてはその連邦で適用されないものについても最低賃金を決めておりまして、適用範囲、金額とも州において独自に決めているというようなことでございますが、連邦賃金と州賃金が差異が生じる場合は労働者にとって有利な方を優先すると、そういうような制度になっているということでございます。
#191
○辻泰弘君 また、最低賃金の議論は今後させていただきたいと思いますけれども、私どもとしては最低賃金を、このアメリカでも二百三十円ぐらいでございますか、上げていくということに、二百五十円ですか、上げていくというふうなことを、まあ二年間でございますけど、あるわけで、そういうことも、そしてまた中小企業減税も加味しながらということのようですけれども、そういったことも模範としながら取り組んでいきたいと思っております。
 またあわせて、最賃の引上げと同時に残業代の割増し率の引上げというものをもっとしっかりと取り組んでいく、そういうことのトータルとしての労働分配率の引上げに政策的にも対応していかなければならないと、このように思っているところであります。
 さて次に、これも私がかねてより、労働という側面、規制緩和の今日的なありようということで何度もポイントとして取り上げてきたタクシーの規制緩和に関連してでございますけれども、昨年の十二月にも本厚生労働委員会で質問をし、青木局長から御答弁いただきました。また、本年三月二十七日の質問においても御答弁いただいているんですけれども、すなわち、昨年の四月から国土交通省の地方運輸機関と労働基準監督機関との合同監査が行われたと、こういうことで、それはそれでお取り組みいただいたことを了とするわけでございますけれども。
 そのことに関連して、昨年十二月においても、九月までの半年間で仮集計をしたと、急遽、仮集計をいたしましたので、御提出したいと、このように言っていただいたわけでございます。そして、その中には、仮集計でございますので法違反の状況までは把握をしていない、年度、たったところで集計をきちんとしたいと、このように昨年の十二月に言っていただいたわけでございます。
 そして、過般の三月二十七日の質問のときも、そのことについて提出を求めたところ、数字が集計、分析できましたらお出ししたいと、このように言っていただいたわけなんですね。
 しかし、先日、それについての統計はどうだったのかとお聞きしますと、昨年四月一日から昨年の十二月三十一日までの実施件数が百九件だということをお示しいただいただけで、実はその詳細は何も、中身が何もないままだったわけでございます。実施件数はそれはもうすぐ分かると思うんですね。だから、集計をしてどう分析したか、あるいはその内容がどうだったかということを教えていただけると思っていたのに、実は何もお示しいただいていないような状況なんです。
 だから、このトータルの百九件はいいとして、その中で法違反の状況はどうだったとか、そういったことの報告がなかったら、あのときの、これまでの何度もの約束を満たしていただいたことにならないと思っているわけなんですね。そのことはどうですか。
#192
○政府参考人(青木豊君) タクシー事業者に対する国土交通省との合同監督、監査の状況でございますけれども、今お話ありましたように、再三御質問ちょうだいいたしております。
 今現在は百九事業場に対して実施をいたしまして、実は、この件につきましては、法違反の状況、内容については実は一件一件精査をいたしております。タクシー運転者の労働時間を始めといたします各労働条件、実際に働いている状況については、私ども、改善基準告示というのを作って、それに基づいて指導しておりますし、国土交通省の方は、過労運転の防止ということで道路運送法違反ということに位置付けて指導しているということでございます。
 したがって、同一事案につきまして、どういう事実、どういうふうに違反と認めていくかというのを十分精査する必要が一件一件あるということで、現在一つ一つ、それぞれの労働局からも上げさせまして精査をいたしているところでございます。いずれ、これは全体、もちろん全然分析できていないわけではございませんが、順次いたしまして、全容を分析できましたところでまた御報告をいたしたいと思いますが、いましばらくお待ちいただきたいと存じます。
#193
○辻泰弘君 このことを見ても、お取組が非常にはっきり言って後ろ向きというか消極的だと思わざるを得ないわけなんですね。
 十二月の、去年の、半年前に、急遽、仮集計をいたしましたので、御提出したいと言っていただいたんですね。別に何も最終的なことを求めていたわけじゃなくて、その段階でのことでよかったわけですよ。そして、三月の二十七日にも、数字が集計、分析できましたらお出ししたいと、このように言っていただいていて、たしか五月には出せるという話を内々聞いていたように思うんですけれども。
 いずれにしても、このような数字の出し方自体、何か本当によく分からないといいますか、何をやっているんだろうというか、それだったらもう最初からこういうふうな答弁をなさらなければよかったというふうにも思うわけですけれどもね。
 いずれにしましても、年度が区切ったら出しますと、こう言っていただいているわけですよ。もう年度が区切ったわけですから、いつまでに出していただけますか。
#194
○政府参考人(青木豊君) これは年度単位で分析をしようということでございましたのでそのような御答弁を申し上げたわけでありますけれども、今申し上げましたように一件一件精査をいたしておりますので、かなり進んでおりますので、早急にお出しできるというふうに思っております。
#195
○辻泰弘君 その統計を見たからといってすぐ状況が改善するというわけじゃありませんけれども、しかし、その中からやはり問題点を把握してしっかり対応していくということにつながるわけですから、何かいつもこんなパターンでもどかしい思いばっかりしていますけれども、是非その点についても早めにお出しいただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 それと同時に、そもそものタクシーの規制緩和についてですけれども、国土交通省の方にお伺いしたいと思いますけれども、私もこれ数年間、規制緩和の実験場ということで、一つの政府の意思を持った政策方針の中にこのことが現実にあって、最低賃金さえ守れないような状況が大阪やその他地域で現出していると。そういった意味で、緊急調整区域があって、沖縄がしばらく適用されたことがありましたけれども、それがもう解除になって今はないわけですけれども、そもそも規制緩和に伴う激変といいますか、非常に大きく変動し、それらがマイナスの側面を持った、そういったときには発動する緊急調整区域というものが非常にがんじがらめになっていて動かない、何のためのそういった緊急調整区域なのかという質問もさせていただいたわけですけれども、ここに来て、やはり安全性というものが問われる、労働条件も低下していると、こういった中で、規制緩和のやはりあるべき見直しというものがあってしかるべきだと思っています。
 そういった意味で、緊急調整区域の要件緩和といいますか対象拡大といいますか、そういったことにつながるお取組についての方針をお伺いしたいと思います。
#196
○政府参考人(桝野龍二君) 今、辻先生の方からございましたように、タクシーにつきましては、規制緩和をいたしましてから五年がたちました。待ち時間の短縮でございますとか運賃の多様化など、いわゆるプラスの方の成果も出ておるわけでございますが、一方、事故とか苦情の増加もございまして、マイナス面もあるなということは認識いたしております。
 このため、いわゆる監査など、厚生労働省と一緒になりながら、連携を深めながら監査の強化や行政処分の厳罰化なども行うとともに、今国会で運転者の登録制度の充実強化というような施策もさしていただいております。このような話の中で、今先生お話がございました、一時的にタクシーの増車や新規の参入を停止する緊急調整措置という条文について、これを動かしたらどうかというお話がございます。私どもは、この処分がいわゆる特例的、例外的な措置ということで立法いたしましたことなどもございまして、慎重に考えていかなきゃならないと思っております。
 ただ、先ほども申しましたいろんな状況もございますので、その一環として、本当に必要な場合に活用できる状況になっているのか、各地域の実情に応じてもう少し弾力的に運用する余地があるのかないのかという観点から議論をしていきたいと思っております。
 そういう意味で、これから検討でございますが、あくまで例外的、特例的な制度であるということで作った条文等々、その性格も十分踏まえながら検討を進めてまいりたい、こういう立場でございます。
#197
○辻泰弘君 何度もこれまで取り組んでまいりましたけれども、タクシー事業というのは、公共事業が細る中で雇用の受皿になったという側面もございますし、ある意味では、そもそも規制緩和が、事後チェックというものを想定した中で規制緩和であったはずなのに、事後チェックの体制が整わないままに規制緩和だけしたという、そういったことの実験場というべきものがタクシーの事業だったと、このように思っております。
 そういった意味で、今おっしゃっていただいたことは若干の見直しにつながることかと希望を持って受け止めますけれども、安全性ということ、また労働条件という部分についてもやはり大きな問題が生じ、それが顕在化しつつあるというふうに思います。バスの問題も発生しておりますけれども、タクシーについて、まずそういったことで緊急調整区域の、まあそもそも緊急調整区域の要件があって、もうほとんど引っ掛からないようになっているというか、何のためにそういうのを作ったのかというふうに思うようなところがありました。そういった意味で、是非、今の状況の中でタクシーの規制緩和というものについてしっかりと見直しをしていただくように求めておきたいと、このように思います。
 さて、次の問題に移らせていただきますけれども、次に、最近、バーンアウトといいますか燃え尽きるといいますか、大事なお仕事をしていただいている中で、やはりいろいろな状況の中で、一生懸命やっている方がもうやれなくなるといいますか、疲れ切ってその場から離れていくという状況があるわけでございます。一つが勤務医の問題であり、一つは教員のことでもあろうかと思っております。勤務医の方も非常に、夜勤等で睡眠を取らないまま手術と診療に継続をされるということがあるようでございますし、教員の方々もかなり病気で休んでおられて、精神疾患を病んでおられる方も統計的に地方公務員の中ではかなりぬきんでて多いと、こういうふうになっているようでございます。そういった意味で、やはり私は、根本的に労働基準ということからそれらのお仕事の方々の現状というのを見据えて、それを貫徹していくということが今日必要ではないかと、このように思っているわけでございます。
 まず、宿日直の勤務をされる医師の方々についての労働法制ですけれども、労働基準法があり、労働時間に関する規定の適用除外があり、そして施行規則があると、こういったことであって、そしてまた通達もあって、非常に、三分の一の賃金を払えば、宿日直ということで、ほとんど軽度のことだけするという前提の下にそういう位置付けをしておきながら、実際は治療に当たられている状況がずっと続いているというふうにお聞きしているわけですけれども、まずその法制度の現状について簡単に御説明いただけますか。
#198
○政府参考人(青木豊君) 勤務医の宿日直のお話がございましたが、これにつきましては、宿日直というのは通常の労働と比較いたしまして労働密度が薄いということで、宿日直を行う労働者については、労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しなくても労働者保護に欠けることがないというところから、これらの規定の適用除外が認められているところでございます。
 それで、こうした趣旨を踏まえまして、医師の宿日直の許可基準というのが、今少しお話に出てまいりましたけれども、通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること、それから二つ目が、夜間に従事する業務は特殊の措置を必要としない軽度の又は短時間の業務に限る、三つ目に、夜間に十分睡眠が取り得ることということになっております。そのような制度で現在運用をしているということでございます。
#199
○辻泰弘君 それプラス、宿直中に突発的な事故による応急患者の診療又は入院、患者の死亡、出産等があり、あるいは医師が看護婦等にあらかじめ命じた処置を行わしめる等、昼間と同様、同態様の労働に従事することがまれにあっても、一般的に見て睡眠が十分に取り得るものである限り、宿直の許可を取り消すことなく、その時間について時間外労働の手続を取らしめ、第三十七条の割増し賃金を支払わしめる取扱いをすることということになっていまして、非常によく考えたといえばいいわけですけれども、抜け道といいますか、本来の労働基準を満たすということを回避することをしてあげているといいますか、それはまれにというのがやはり違うと思うんですね。まれじゃなくて、それがもう初めから想定されているにもかかわらず、まれにそういうときがあったときは時間外労働の手当てをすれば取り消さなくて対応していいんだよということを言ってあげているという、これは当時の状況というのは、それは私は分かりませんけれども、しかし少なくとも今の段階で、これは一度その指定を受ければずっとそのことが適用されるわけでしょうから、何も個人の医師に対してじゃないんでしょうから。
 ですから、一遍受けたらそのまま状態が続いているんでしょうけれども、これが変わればすべて答えが良くなるというわけじゃないんですけれども、しかし少なくともこのことによって、三分の一の手当を払えばそれで済むという、そういった労働条件で済ましているといいますか、やはり本人が置かれた状況がこれでは説明できない状況をつくっているということは、やっぱり私は根本的に問題だと思うわけなんです。ほかの手だても講じつつではありますけれども、少なくともこういった変則的で、何か本来の姿と違う状況をその中へ置いているということは、やはり私は改善するといいますか、是正するというか、はっきり言えば、これは、この通達の内容での位置付けはなくすべきだと思っているんですね。
 現に、厚労省も平成十四年に私が思っているような趣旨で通達を出されて、そのことについて日本病院会会長にもおっしゃり、また都道府県労働局長にも、そういったものはしっかりとチェックをして、割増し賃金を払う、交代勤務をする、そういった本来の姿に持っていけという趣旨で出しておられて、それは私、見て了とするんですが、意識はだからそういう意味では共有できるところもあると思うんだけど、だけど実際どれだけできているのかいいますか、やれているのかと。そして、それは取消しまで行くよとは書いてあるけど、多分取消しはないんでしょう。また、それは、医療というものはそれはなかなかそう簡単には消すことはできませんけれども、しかし、やはり私は今日の状況を見るときに、やはり労働基準というものを満たすというその見地から、勤務医の方々の置かれた状況はやはり見詰めていって、できるだけそのことから改善していくということが問われていると思うんですけど、その点はいかがですか。
#200
○政府参考人(青木豊君) 正に委員がおっしゃいましたように、労働基準を満たして働いていただくというものは同じ思いということであろうかと思います。
 今のお話の中でもありましたけれども、私どもとしてはこういった基準に基づき運用を行っておりますけれども、もちろんこれがきちんと守られるように、今のお話の中でありましたように、平成十四年以来取組をしてまいりまして、現実の指導なども行っております。そういった中では、確かにまれにそういった突発的な事情によって通常の労働等と同じようなことがあるといった場合には、時間外労働として割増し賃金の支払をしていただくと。
 しかし、これは正にまれにあるという場合であると思っております。こういった場合、現実に今まで十四年以来の取組の中で指導等をした中では、そういったものについてももちろん若干ございますけれども、そうではなくて、かなりまれでないと考えられるような事案につきましては、増員をお願いしてきちんと体制を整えてもらうとか、あるいは交代制勤務を導入してもらうというようなことを指導いたしておりまして、そういったものもかなりの程度そういった形での改善というのが行われているというふうに承知をいたしております。むしろ、そういう改善をするのがかなりの数になっているということは、本来の宿日直勤務ということではなくて、基本的な勤務体制の在り方として非常に忙しいということで改善をしていただくということであろうかというふうに思っております。
 それぞれ、こういった勤務医の勤務の態様あるいはそこにおける事業場での態様に応じまして、私ども労働基準守っていただけないところを完全に直していただくという、そういう心組みで対処いたしているところでございます。
#201
○辻泰弘君 この問題は、今の産科、小児科の医師不足とのかかわりの中でもいろいろと注目されているところだと思いますけれども、過般の、ここでも議論になったと思いますけど、日本医学会が出した調査結果などを見まして、医師の方々から、四二・七%の方々が医師の報酬を上げるべきだというふうな答えが出たということで、この統計の取り方は議論があったかもしれませんが、いずれにしましても、その報酬というのが診療報酬という意味の報酬なのか何らかの形の手当という意味なのか、その辺は必ずしも明らかではございませんけれども、いずれにしても勤務医の方々に対しての真っ当な対価といいますか対償といいますか、そういったものが必要だということの思いの表れだと思うわけなんですね。
 そして、それは非常に大事なポイントで、どういうふうに具体的にこなしていくかというのは賢い方々がお考えいただければいいと思いますけれども、やはりこの部分、やはりさっきの法制度の在り方と同時にこの報酬の部分ですね、しっかりと見詰めていくべきだと思うんですけど、保険局長、いかがですか。
#202
○政府参考人(水田邦雄君) 診療報酬の設定に当たりましては、これは委員御承知のとおり、医師あるいは病院団体の関係者が参画する中医協におきまして、病院や診療所の経営実態に関する調査、医療経済実態調査でございますけれども、これ踏まえて定めているところでございます。
 平成十八年度の診療報酬改定を例に申し上げますと、産科や小児科、救急医療等につきまして、地域において必要な医療が確保されていないというこういった指摘があったことも踏まえまして、手厚い評価を行ったところでございます。これが十分であったかどうかというのは、これはまた議論があるところでございます。
 いずれにしましても、こうしたやり方によりまして、診療報酬上の措置をとることによりまして、医療機関の診療収入の増加、ひいては医師の雇用環境の改善に資するものと考えてございます。広く病院団体等の御意見も伺いながら、適切な評価に努めてまいりたいと考えております。
#203
○辻泰弘君 今の医療機関、ひいては勤務医の雇用労働条件の改善という、そのひいてはというところが診療報酬では直接的じゃないわけですから、そこがそうならないのが多いということの今の現状だろうと思うわけですね。ですから、それはその部分をしっかりと考えなきゃいかぬということと同時に、直接的に医師に出すという制度にはなっていないわけですけれども、そういったことの何か在り方も含めてやはり考えていかなければならないんじゃないかということで、その点は問題提起をしておきたいと思います。
 それから、昨今の医師不足対策の中で、やっぱりここに関連して、勤務医の過重労働を解消するため交代勤務制を促進していくというふうな考え方が御検討されているようですけど、その点について私もあるべき姿だと思いますから、先ほどのああいった施行規則、通達による適用除外ということじゃなくて、時間外勤務、そして交代勤務という形での本来の姿を追求していくように求めておきたいと思いますけど、その点いかがですか。
#204
○政府参考人(水田邦雄君) 担当局長、医政局長ここにおりませんけれども、委員から問題提起があったことを伝えたいと思います。
#205
○辻泰弘君 労働基準局長という立場でも今のポイントを是非、やはり最初に申し上げましたとおり、直接的な監督でないと言ったらあれですけれども、労働基準法はもちろん適用になるわけで、その意味でのやはり今日的な状況の中でその視点からずっと見ていくということ、そしてその中でそれを貫徹して、それができないときにはどうしたらいいのかということを考えていくという、そこの部分が私は非常に大事なところだと思いますので、そのことについて労働基準の見地からお取り組みをいただきたいと、このことを申し上げておきたいと思います。
 それから、先ほど言いましたように、同様と言ってはあれですけれども、状況が違うんですけれども、しかしある意味では労働基準法の、その本法の中の適用除外なのか、別の法律をもってする適用除外なのかという違いがあるんですけれども、しかし、いずれにしても労働基準の求めるところの適用除外になっているという意味においての教員の部分でございます。これは大変いろいろ、価値観の多様化ということもございましょうし、やはり少人数学級ということを求められていくということにも結論的にはなるのかもしれませんけれども、学校の職員の方々も疲れているという状況が現実にあるわけでございます。それで、精神疾患を患っていらっしゃるような方々も統計的に見てもかなり多いという状況が出ているわけであります。
 そこで、お聞きしたいのは、これは元々直接文科省じゃないかというふうなお考えもあるかもしれませんが、まずこれは、労働基準法の適用の対象になっているわけですが、そこは確認させてください。労基法の適用ですね。
#206
○政府参考人(青木豊君) 学校の先生は、私立であれば当然、全部適用になりますけれども、公立、地方公務員の教職員、教員につきましては、その事項によりまして適用除外があるということでございます。
#207
○辻泰弘君 一部の適用除外というのはそれに当たるわけなんですけれども、昭和四十六年に給特法、国立及び、国立というのは今ないのかもしれませんが、公立の義務教育諸学校等の教員職員の給与等に関する特別措置法というのが定められまして、時間外労働、超勤手当は出ないと、その代わりと言っちゃなんだけど、四%分を教職調整額ということで位置付けて出しますと、こういうことの法律を作って、そのことをもって労働基準法の三十六条、七条ですか、この適用除外に位置付けたということになっているわけなんですね。
 その当時の審議会の会長、中央労働基準審議会会長さん、石井照久さんですか、この方が時の労働大臣に昭和四十六年二月に、労働基準法が他の法律によって安易にその適用が除外されるようなことは適正ではないと、こういった建議をされているわけなんですね。その建議の後に法律化されたということでしょう。そのころの経緯というのは私もよく知らないわけなんですけれども、しかし、まずその位置付け自体がおかしいし、それと四%という教職調整額が算出された当時の前提といいますか、何ゆえ四%に至ったかというと、一週間平均の時間外の勤務、これが平均一時間四十八分ですから、大体二時間ぐらいだったと、当時、昭和四十六年ですね。しかし、最近のこれは国立大学法人東京大学の平成十九年三月の小中学校の教員勤務実態調査報告書を見ますと、一日当たりが全体で二時間だということで、週二時間と一日二時間ということで大きく違いが出て、もう大きく乖離している、昔のような前提じゃなくなっている、超過勤務が大きく広がっているということなんですね。元々想定していた中に収まらない超過勤務の求められ方もされていると、こういうことになるわけです。
 そこで、私が申し上げたいのは、先ほどの医療の部分も、医師の部分も同様ということになるわけですが、やはり大事な職を担っていただいている教員の方々ですけれども、その方々の超過勤務というものを四%で打ち切ってしまって、そして、それは当初四%つくったときの前提条件は大きく変わっている、五倍以上にもなっているような、その中にもかかわらず、それで打ち止めにして、超勤手当は払わなくていいよという労働基準法の適用除外をしているというこの状況を、まあ歴史的経過もさることながら、今日段階として見たときに、やはりこれはおかしいじゃないかというふうに思うわけです。
 そして、先ほど申しましたように、昭和四十六年の中央労働基準審議会の会長さんが、労働基準法が他の法律によって安易にその適用が除外されるようなことは適正ではないと、わざわざこのことを時の労働大臣に言っていたということは私は非常に意義が深いし、それは立派なことだったと思っています。
 やはり、今日的にそれを振り返って、今の置かれた状況を根本からやっぱり見詰め直す意味において、この原点に返って、どう具体的に対応していくというのはそれは文科省のこともあるわけですけれども、しかし、これもやっぱり私は、労働基準をしっかりその角度から求めていくという、そして、それでやはり必要に応じて意見も言っていくということであるべきだと思うんです。アンタッチャブルにするんじゃなくて、やはり労働省としての、あえて言えば労働省と言いますけど、労働省の立場からして意見を申し上げていくということがあってしかるべき。そこの従業員の、学校の中は人数少ないといっても、全国はたくさんおられるわけですからね、これは大きな意味があると思うんです。だから、その点について、労働基準の視点に立った教員の方々のこの適用除外の部分も含めてしっかりと見詰めて対応していっていただきたいと思いますけど、その点について御見解を求めたいと思います。
#208
○政府参考人(青木豊君) 今、お話の中にありました公立の教員に対する給与等に関する特別措置法のお話でございますが、これにつきましては、公立の義務教育諸学校の教員の職務というのが修学旅行だとか遠足だとか、あるいは学校外の教育活動だとか、あるいは夏休み等の長期の学校休業期間があるとかいうことで、教員特有の勤務態様があるということで、この給特法、昭和四十六年の給与に関する特別措置法ができました。そういうことで特別の取扱いがなされていると。
 そして、お話ありましたような労働基準法三十七条、割増し賃金の支払についての規定の適用がないということになっているわけであります。しかしながら、これにつきましては、文部科学省設置法四条五号において、地方公務員である教育関係職員の任免、給与その他の身分取扱いに関する制度の企画及び立案は文部科学省がつかさどる事務ということとされておるところでございまして、文部科学省においてこれらについては、制度につきましては適切に対処していただくものと考えております。
#209
○辻泰弘君 今局長、夏休みのことをおっしゃいましたけど、この四%を根拠としたときには、八月を除く十一か月の平均の超勤の時間を取ったと、こういうことを聞いておりますから、そこは事実関係として違うんじゃないかということを申し上げておきたいと思います。
 それから、中教審においても、教職調整額の制度と実態との乖離が進んできていることから、教員に一律支給されている教職調整額の在り方について見直しを行う必要があるというのが、これは今年の三月二十九日の答申にも出ているようですからそういったお取組もあるかもしれませんが、これは休憩時間のこともございますし、また労働安全衛生にもかかわることでございまして、厚生労働省として、あるいは私は、一つの今日的な問題点といいますか、多くの方々がかかわっておられるわけで、それはやっぱり社会のありようにもかかわってくるわけだと私は思いますので、労働基準という見地からも、今のおっしゃったのは文科省がやっているからこっちは関係ないよということに突き当たるんでしょうけれども、そういうことではなくて、私はやはり労働基準という見地からも見ていっていただきたいし、そもそも労働基準法の適用であるものを他の法律によって除外したと、それが適切でないという原点がやはり中央労働基準審議会の会長から発せられていた問題であるという、そのことについて根本に思いを持っていただいて取り組んでいただきたいと思うんですけれども、大臣、ちょっとこのことについて所見を求め、また、一つの教員のやはり労働条件というのは、やっぱりこれは大事なポイントですから、労働行政という見地からも注視していただきたいと思うんですが、いかがですか。
#210
○国務大臣(柳澤伯夫君) なかなか難しい問題かと思います。
 労働基準法というのは、労働者ということの、労働の最低基準を定めているということでは一般法的な性格を持っているわけでございますけれども、その労働者が一定の身分を持っていて全然違う法体系の下で律せられているというのが現実でありますので、むしろ労働基準法が云々するというよりも、それをその別体系を所掌している方々によって適切な処理が行われるということではないかと、このように考えます。
#211
○辻泰弘君 誠に残念な答弁だと思いますけれども、やっぱり、労働基準法というものがやはり適用されるということをやはり私は労働行政は追求すべきだと思うし、この審議会の会長のこの発言は非常に重いものがあると、このことを申し上げておき、またこのことについては引き続き質問をさせていただくことを申し上げて、最後のお別れの質問に入らせていただきたいと思います。
 そこで、雇用対策基本計画に直接的にかかわるわけでございますけれども、現行の雇用対策法は雇用対策基本計画の策定を求めているわけでございます。そして、その雇用対策基本計画は政府の策定する経済全般に関する計画と調和するものでなければならない、また雇用対策基本計画の案を作成して閣議の決定を求めなければならない、そして基本計画案を作成する場合にはその概要について経済財政諮問会議の意見を聞かなければならないと、これが現在の規定になっているわけでございます。
 私は、六年前に初めて国会にたどり着かせていただきましたときに、当時は大変雇用、労働厳しい状況でございまして、その中でこの雇用対策基本計画を拝見して、ああ、こんなにいいものがあったんだというふうに私は率直に言って思ったわけでございます。
 振り返りますと、経済計画といえば昭和三十年から経済自立五か年計画というのが出発点だったように聞いておりますけれども、昭和四十二年の経済社会発展計画、四十年代への挑戦という経済計画がございましたけれども、これに連動した形で、経済計画が閣議決定された昭和四十二年三月と同じ時期に第一次雇用対策基本計画が定められて以来、平成十一年、一九九九年の第九次計画まで至り、今日もその第九次計画が政府の雇用対策基本計画であると、こういう状況が今続いているわけでございます。
 それで、私は、平成十三年の十二月四日を皮切りに平成十八年まで十回、この雇用対策基本計画について質問してまいりました。拝見しますと、衆参通じて十五回のうち十回、辻がやっているということのようでございますけれども、小泉さんにも言い、福田官房長官にも言い、竹中さんにも言い、尾辻さん、川崎さん、坂口さんの各厚生労働大臣にもお伺いしたところでございます。そういった意味で感慨深く思っておりまして、私はこれは非常に大事なものだった、今も大事なものだと思っているわけでございます。
 働くという字がにんべんに動くと書いて働くと書くわけですけれども、人間の幸せを追求する、それが政治の使命であり、また行政の目的であり、私どものつながりの深い労働運動の目的もそこにあると思いますけれども、そういったものを追求する過程で、やはり雇用と、にんべんに動くと書くから労働の働であるということが示すように、やはり人間の人生とか生きるプロセスにおいて労働という領域が非常に重要であるということを意味していると私は思います。
 ですから、幸せというものを追求する過程においては、その労働の領域をいかに質を高め、労働条件を向上し、労働環境を改善していくかという、そのことがその大きな幸せ追求の一つの大きなポイントであると、このように私は思っています。
 ですから、そういうことを思うときに、せっかく政府自身が閣議決定までして、経済計画と連動する雇用対策基本計画というものを作って閣議決定をして、それで政府全体で取り組んでいこうという制度があるにもかかわらず、それを自ら労働省が、これもまたあえて労働省と言いますけど、労働省が放棄するというのは、非常に私は残念に思います。気概がなくなったのかというふうにも思うし、その閣議決定があるがゆえに雇用というものを一番中心に担う労働省が、そのことを中心に据えていろんな役所の政策を動員するという、そういった構えで私は対応してほしかったと思いますし、今までは曲がりにもその形があったと思います。
 もとより、計画といっても経済計画、計画経済でないわけで、実際、今の第九次計画だって方針、文章がつながっているだけで、数値は参考資料になっているわけです。しかも、私がずっと追及していたように八年、九年たなざらしになっていますから、内容ももう既に失効した法律に基づきなどというのが出ているということになっているわけです。
 私は、今回の一連のことを拝見いたしましても、なぜやめるのかと、なぜ終了させるのかというのが実は明確になっていない。審議会の資料も拝見いたしましたけれども、当初の課長の説明に、政府の経済計画は平成十四年以降、「改革と展望」という毎年度改定する計画ではないものに取って代わったものですから、その前提がなくなっていると、こういった御指摘でございました。また、先ほど同僚議員の質問に対して高橋局長は、雇用対策計画は経済全般の計画と調和あるものが求められていると、その前提の上に立って、経済計画は十四年一月に終了したと、経済計画は十四年一月に終了した、法的根拠がなくなっていると、このようにおっしゃいました。
 しかし、私はそのようには理解しておりません。まず高橋局長、経済計画は十四年一月に終了したと、この見解は間違いないですね。
#212
○政府参考人(高橋満君) いわゆる、現在の第九次雇用対策基本計画が策定されるに当たりまして、その整合性を図るべき対象たる平成十一年七月に策定をされました経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針という経済計画があったわけでございますが、これは十四年一月に構造改革と経済財政の中期展望について、いわゆる「改革と展望」と、こういうものに代わった形になっておるわけでございまして、したがいまして、いわゆる経済計画、十一年七月に策定をされた経済計画は終了をしておるというふうに理解をいたしております。
#213
○辻泰弘君 終了しているというのは経済計画として終了しているということをおっしゃっている意味なんでしょうね。すなわち、経済計画というものはなくなったんだということを言っているという理解に立たざるを得ませんね、今のはね。
 それで、「改革と展望」ができた年ですよ、平成十四年一月、閣議決定されています。このときには、本「改革と展望」を決定することにより経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針、平成十一年七月八日閣議決定は終了することとすると、こうなっているわけです。ですから、これを素直に読めば、それまでの経済新生の政策方針という計画が引き継がれて「改革と展望」になっているというふうに読むのが普通であって、それが、計画自体が終了したという、その理解は私はおかしいと思いますけれども、どうですか。
#214
○政府参考人(高橋満君) 従来の「改革と展望」以前の経済計画、いわゆる経済計画というのは、一定の計画期間というものを固定的な形で定めて、その計画期間中において、様々な経済諸政策あるいは雇用を始めとした様々な政策の方向性というものがそこで盛り込まれておるわけでございますが、その後の「改革と展望」におきましては、その「改革と展望」自体は五年という期間というものを視野に置いておりますが、毎年毎年いわゆる見直しを行う中でのローリングプランという形で策定をされ、運営をされておるというふうに理解をいたしております。
#215
○辻泰弘君 ですから、私はあのころから、経済計画と調和ある雇用対策基本計画であるべしというその規定からして、経済計画がローリングシステムによる毎年度改定の「改革と展望」に変わった時点でローリングシステムによる雇用対策基本計画を作れと、こういった主張をしてきたわけです。
 ですから、その点は前提としてはありますが、ただ大事なところは、平成十四年二月です。一月に「改革と展望」ができて、その一か月後に私は国民生活・経済調査会でこのことについて当時の澤田局長に質問しています。そのときに、私は改定すべしだという主張をしたわけですね、九次計画を十次計画にしろと、こういう主張をしたときに、政府の策定する経済全般に関する計画と調和するものでなければならないという御指摘の雇対法四条三項の規定に照らしましても、「改革と展望」との関係で調和は保たれている、今般廃止されました従前の経済計画が新しい「改革と展望」に変わったという形式的な理由とのリンクで現行雇用対策基本計画を直ちに改定することは考えておりません、このように答えておられます。
 すなわち、ここではっきりしていることは、「改革と展望」が従前から言っていた経済計画として位置付けられているという認識の上に立っていらっしゃるからこういうことになっているのであって、だから整合性は保たれていると言っているわけです。
 ですから、今局長は十四年一月に終了したとおっしゃったけれども、十四年二月の時点の労働基準局長、労働基準局長でしたか、とにかく澤田さんがそういう見解を示しておられるんです。ですから、それは終了してなかったんです。そこは間違っていると思いますけれども、どうですか。
#216
○政府参考人(高橋満君) 確かに、経済計画としては終了しておると、ただ……
#217
○辻泰弘君 終了してないよ。
#218
○政府参考人(高橋満君) いや、計画という形で閣議決定をしたものはその時点で終了したというふうなこととして受け止められるのではないかというふうに思っております。
 当時、既に策定をされておりました第九次雇用対策基本計画にかかわりまして、委員かつての質疑の状況について今御紹介ございましたが、正に当時の政府委員から答弁があったとおりでございまして、第九次雇用対策基本計画が想定をしておりました当時の経済の状況なり、あるいはそうしたことを踏まえた中期的な雇用対策として講ずべき趣旨といったものは、「改革と展望」というものに示された考え方と基本的に基本的方向が一致をしておると、こういうことで、こういう認識だということを踏まえて、第九次雇用対策基本計画をその時点では改定する必要はなかったということであったというふうに思います。
#219
○辻泰弘君 全くポイントをずらしていますよ、その計画と認知していたかどうかの問題ですから。今のは局長ですよ。
 平成十四年九月、私は決算委員会で当時の福田官房長官に質問しております。この中で官房長官はこうおっしゃった。雇用対策基本計画は、雇用対策法に基づいて政府の策定する経済全般に関する計画との調和を考慮して策定すると、こうなっておりますと、これは事実関係です。
 政府といたしましては、現在の第九次雇用対策基本計画と本年一月に策定いたしました構造改革と経済財政の中期展望、「改革と展望」ですね、との間でもって経済や雇用に関する施策の基本的方向性は一致しているという認識をしておりまして、現状においては本計画を改定する必要があるとは考えておりませんと、このようにおっしゃっているわけです。すなわち、雇用対策法に求められているところの経済計画と雇用対策基本計画の調和あるもの、整合性、このことを認識された上で、すなわち「改革と展望」が経済計画であるということをこの答弁は物語っている、おっしゃっているわけです。これは平成十四年九月十二日です。
 ですから、局長は平成十四年一月に計画は終了したとおっしゃいましたけれども、終了していないわけです。「改革と展望」はローリングプランになったけれども、当時の官房長官も経済計画と認知した答弁をしているわけです。ですから、そこは、あなたのおっしゃったことは事実関係として間違っていますよ。だから、それが理由となった、法的根拠はなくなっているとあなたおっしゃったけれども、それが根本的な理由である経済計画、雇用対策基本計画の終了というのは根本的に理由として成り立たない、そのことを指摘したい。どうですか。
#220
○政府参考人(高橋満君) 法的根拠がなくなったということについてでございますが、雇用対策法に、この雇用対策基本計画を策定する際に、調和を図るものとしての対象でございます経済計画については、実は当時の法的根拠としては経済企画庁設置法にその根拠がございまして、経済企画庁の所掌事務という中に長期経済計画の策定に関することということが規定をされておりました。
 これに対しまして、その後、中央省庁改革等がございまして、この「改革と展望」というものの根拠につきましては、内閣府設置法の中で短期及び中長期の経済の運営に関する事項というものがこの内閣府の所掌事務として規定をされておる。言うまでもございませんけれども、経済計画という文言というものはこの内閣府の所掌事務には盛り込まれていないという意味で申し上げた次第でございます。
#221
○辻泰弘君 内閣府の所掌事務であろうがなかろうが、現実に今まで雇用対策基本計画、計画として今もこの第九次が現行計画だと言ってきているわけですよ。だからそれは、雇用対策基本計画はずっと現存してきているし、経済計画もずっと、さっき言ったように、今のは法的な方に逃げられたけれども、しかし根本的に、もう一つ言えば、竹中経済財政担当大臣も同趣旨を言っていますよ。平成十四年八月八日。雇用創出に対する考え方、需給のミスマッチに対する考え方ないしは失業率の長期的な見方に対する考え方、そういったところで「改革と展望」と今の基本計画がそんなに大きく外れているわけじゃないと私は認識しております。
 すなわち、これは経済計画と雇用対策基本計画の調和あるという、整合性のことについての質問について、雇用対策基本計画と「改革と展望」が外れていないということを言っているわけです。ですから、「改革と展望」が経済計画であるという位置付けを時の経済財政担当大臣の竹中さんが平成十四年八月、このあなたが一月に終わったと言っている後に言っているんですよ。だから、その部分は説明として成り立たないということを申し上げている。
 これは重大な変更ですよ。今まで官房長官あるいは経済財政担当大臣というような人が経済計画と位置付けてきた、ローリングプランではあろうとも「改革と展望」、今は「進路と戦略」でしたね、新しいものになっていますけれども、いずれにいたしましても、そういったものを、評価というものを根本的に変えることになるんですよ。そのことは私は根本的に問題だと思うし、おかしいと思うし、不統一ですよ。これは局長の答弁を変えていただくしかないと思いますけれども、どうですか。
#222
○政府参考人(高橋満君) 繰り返しでございますが、雇用対策法で規定されておる経済計画というものの法的な根拠が先ほど御説明しましたとおりなくなったということは、法的にはそういうことでございます。ただ、……
#223
○辻泰弘君 聞いているポイント全然違いますよ。経済計画は十四年一月で終了したと、そのことなんだよ。
#224
○政府参考人(高橋満君) ですから、経済企画庁設置法で規定されておりますいわゆる経済計画というものは平成十四年一月をもって終了したということは先ほど来申し上げているとおりでございます。
#225
○辻泰弘君 これはおかしいですよ。これははっきりちゃんと形をつくってくださいよ。福田官房長官自体が経済計画と位置付けている「改革と展望」ですよ。それなのに一月に終了したという認識でいくんですか。おかしいじゃないですか、そんなのは。
#226
○政府参考人(高橋満君) ですから、経済計画という形式でのものは先ほど来申し上げているとおりでございます。
 ただ、中長期的な観点からの経済財政運営の方向性を定めたこの「改革と展望」というもので整理されております当時の経済状況に対する認識、あるいは雇用施策も含めた様々な施策の方向性という観点から見ますと、現在もございます第九次の雇用対策基本計画で含まれておる考え方と施策の基本的方向というものは基本的に一致しているということをるるこれまでも私どもも御説明をさせていただいてきたところでございます。
#227
○辻泰弘君 これは重要なところです。
 委員長、お聞き及びのとおり、局長は、経済計画は十四年一月に終了したと、このようにおっしゃっているんです。しかし、平成十四年九月十二日の福田当時官房長官は、経済計画であるという認識の下に「改革と展望」をとらえた答弁をされているんです。ですから、経済計画という位置付けなんです。終わってないんですよ。内閣官房長官もそうだし、当時の竹中経済財政担当大臣もそうなんです。経済計画という認識での答弁になっているんです。しかし、局長は一月に終了した、経済計画は終わったと言っているんですよ。根本的な認識の違いだと言わざるを得ません。この点はやはりはっきりしてもらわないと困りますよ。
#228
○委員長(鶴保庸介君) よろしいですか。ちゃんと答弁できます。
#229
○政府参考人(高橋満君) 当時の福田官房長官の御答弁を今見ておりますけれども、「政府といたしましては、現在の第九次雇用対策基本計画と本年一月に策定いたしました構造改革と経済財政の中期展望との間でもって、」云々ということでございまして、経済計画というような御発言ではなかったというふうに理解をいたしております。
#230
○辻泰弘君 うそ言わないで、その上を読んでよ、その上を、冒頭の答弁を。
#231
○委員長(鶴保庸介君) 時間がございませんので、局長、速やかに答弁ください。
#232
○辻泰弘君 ごまかしだよ、そんなの。根本的な問題ですよ。
#233
○政府参考人(高橋満君) 前段の御発言でございますが、これは私どもが先ほど来申し上げているとおり、雇用対策法に基づく規定、雇用対策法の規定ということを……
#234
○辻泰弘君 はっきり読んでください。あなたたちの言っていることと反対のことを言っている。
#235
○政府参考人(高橋満君) 「雇用対策基本計画は、雇用対策法に基づいて政府の策定する経済全般に関する計画との調和を考慮して策定すると、こういうことになっております。」というふうなことを……
#236
○辻泰弘君 そのことを言っているんじゃないですか。
#237
○政府参考人(高橋満君) ということを御答弁されておるということでございます。
 いずれにしましても、今申し上げましたとおり、「改革と展望」ということについては経済計画ということとして御答弁されているわけではなくて、中期展望という形で、構造改革と経済財政の中期展望という形で申し上げておられるというふうに理解をいたしております。
#238
○辻泰弘君 勝手なこと言わないでよ。
#239
○委員長(鶴保庸介君) ちょっと速記をお止めください。
   〔速記中止〕
#240
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
#241
○辻泰弘君 今日はペンディングにせよという理事からの御意向もありますのでペンディングにさせていただきますけれども、この部分は根本的な問題だと思います。すなわち、説明が全然なされていない。審議会でも十分な審議がなされていない。そしてまた、審議会でも、椎谷さんという方は私が言った思いにつながるような発言をされているんですよ。他の省にも物を言える状態にしてあったと、幅広く政策的な努力をお願いしたい、そういうふうなことを言っていらっしゃいます。私の思いと同じです。自ら大事な計画を失っていくという労働省の気概のなさに私は本当に情けない思いをしております。
 いずれにしても、このことはこの審議の過程でやはりはっきりさせなきゃいかぬことだと思いますので、次回に持ち越させていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#242
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 四月十日の質疑で、労働者派遣法違反で行政処分を受けたフルキャストグループに関して質問いたしました。
 このほかにも、雇用関連業務の委託先企業が法令違反をやっていないか総点検をして、違反が摘発された企業やグループ企業への委託や指定は見直すべきだとただしました。それに対して柳澤厚生労働大臣は再検討すると委員会で答弁され、いろんな報道もされております。早急に対応すべきだと考えますが、検討結果はどうなっていますか。職安局長、答えてください。
#243
○政府参考人(高橋満君) 四月十日の本委員会におきまして、委員から、親会社が労働者派遣法に違反した企業がハローワークの就職支援業務、これを受託をしておると、この事実について問題ではないかとの御指摘があったところでございます。
 私どもといたしましては、この事業がハローワーク関連事業であると、こういう観点から、事業の適正な実施を図っていくという観点からは、当該事業の入札参加資格等におきまして労働者派遣法等の違反があった事業者の関連会社をそのまま受託できるようにするというのはなかなか問題ではないかと、こういうことで、排除する方向も含めて今現在検討を行っておるところでございます。
 現在検討中ということで、具体的な見直し内容については申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、できるだけ早期に結論を得ることができるよう対応してまいりたいと考えております。
#244
○小池晃君 排除する方向でというのはもう少しはっきり言ってほしいんだけれども、大臣は片方で仕事をお願いしながら片方で行政処分するというのはおかしいじゃないかとはっきりおっしゃったわけだから、大臣、やっぱりこれはきちっとけじめ付けていくということですよね。そこをちょっとはっきり言ってください。
#245
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回、いろいろな法制をお願いしているわけですが、その際、私ども関連の、二つ問題ありますね。労働関係法令に反している、しかし違う法律体系の下だけれども、我々の行政の行使する、そういう執行する労働法令に、関連法令に反しているという場合に、違うんだからいいじゃないかという考え方のケースが一つと、それからもう一つは、その問題で、正に我々が検討している問題で、子会社なら、関連会社ならいいのかという二つの側面があるんだろうと思うんですけれども、やはりこれらは関連の仕方にもよります。ただ出資しているだけとかということだと、それをどこまでそのアームを伸ばしていくかというそういう判断も別途必要かと思いますけれども、いずれにせよ、非常に、ほとんど一〇〇%子会社とかというようなことになりますと、ただ法人格が違うということだけでこれを認めるというようなことはむしろ適切でないと、こう私は思いまして、具体の問題としては、なお事務当局に検討させます。
#246
○小池晃君 こういうのは、やっぱり毅然とした態度で臨んでいただきたいというふうに思います。
 それから、法案では雇用対策基本計画の廃止が先ほども問題になっています。なぜ、これまで閣議決定してきた政府としての雇用対策基本計画をなくすのかという問題なんですが、これは、これまで経済計画で国際公約をして、現在の第九次雇用対策基本計画にも明記されている、例えば年間総実労働時間千八百時間、これはもう実現しないままですね。で、常用労働者の段階で二千時間超しているなど非常に深刻なわけです。その上、サービス残業も蔓延しております。時短法がなくなり、今回、計画自体がなくなることで、千八百時間の達成という目標、完全になくなってしまうと。
 元々こういう労働政策あるいは雇用計画というのは、一年だけではそう簡単に進まないからこそこういう長いスパンの計画を持ち、取り組んできたんではないかと。常用雇用労働者の労働時間の削減目標を掲げるとか、こういった形で今後とも国民に見える形でしっかりと中期計画を持つということが必要だと思うのに、なぜこの大事な雇用対策基本法をなくしてしまうのか。やっぱり、きちっとした中期計画というのは必要ではないですか。
#247
○政府参考人(高橋満君) 今回の改正法案におきまして、雇用対策基本計画につきましては、その調和を求められる中長期的な経済計画が終了しているということ、また経済のグローバル化の進展など経済社会の状況変化が大変大きく、また速くなっている中で、国が固定的な期間を定めて計画を示すと、こういう実効性というものが乏しくなってきたということなどから今回廃止をするということを提案をさせていただいたわけでございます。
 ただ、いわゆる政府としての中長期的な雇用対策の基本的な考え方ということにつきましては、いわゆる「進路と戦略」というものに示されておるわけでございますし、私ども厚生労働省といたしましても、私どもが実施をいたします雇用対策の具体的施策の方向性につきましては、今申し上げた「進路と戦略」を踏まえつつ、本改正案、本案で規定をされております国が講ずべき施策に即しながら、中期ビジョン、仮称でございますが、こういうものを策定して公表をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#248
○小池晃君 中期ビジョンというのが出ているわけですが、これは実態としてどうなのか。政府全体の方針ではないわけですよね。これは厚生労働省の行政運営上の方針ということなのかどうか。こうした計画の中には主人公たる労働者の意見は一体どのように反映されるのか、その仕組みについてはどうですか。
#249
○政府参考人(高橋満君) ある意味では、政府全体としての基本的な考え方というものは「進路と戦略」の中で示されることになるわけでございまして、そうした基本的な考え方を踏まえて、厚生労働省として実施をします雇用対策の具体的な方向について中期ビジョンというものでお示しをしていこうということでございます。
 この中期ビジョンを策定するに当たりましては、私ども、労働政策審議会に対しても御報告、広く御意見を賜りたいというふうに考えているところでございます。
#250
○小池晃君 その閣議決定の基本計画から厚労省の政策目標ということですから、明らかに、格下げという言葉が適切かどうかは分かりませんが、そういう位置付けになってくる。一方で、先ほどから議論になっているように、規制改革会議あるいは経済財政諮問会議の方からは、労働者の代表は排除されておりますし、そこから規制緩和が声高に、最賃上げるな、解雇しやすくしろ、派遣緩和しろと、画一的な労働時間の上限規制は導入するなと、もう本当に戦後の労働法制の基本を踏みにじるようなことが様々出てきているわけですね。
 大臣、私、こういうときだからこそ、やっぱり国が一定の期間の目標というのをしっかり定めて責任を負うと、勝手な議論は許さないと。やっぱり労働者の立場に立って、きちんと労働者の意見も反映した形で閣議決定をしていくという役割は本当に逆に大きくなってきているんじゃないかと。こういうものをなくせば、一層、経済財政諮問会議なんかから起こってきているような正に経済政策最優先の名前で、雇用対策は後回しにされて、労働者を守るルールが次々破壊されていく、そういうことになるんじゃないかと。
 そういう意味では、やはり廃止せずに、しっかりこの労働政策の基本である基本計画というのは残すべきじゃないかと考えますが、大臣、いかがですか。
#251
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど来、辻委員の方からも、一つは、法の形式というか計画、中期計画というものが存在しなくなったということなのか存在しているのかということを論点として議論があったわけですが、私はこれは計画、中期計画はもうなくなったという見解です。
 それはなぜかというと、そもそも私は、この中期計画は、細川内閣のときに赤松さんが経企庁長官になった、そのときに私は、細川内閣の出していることからすると、計画なんというのはおかしいじゃないかということを予算委員会でやったことがあります。まあそれと関連があるわけじゃないんですが、今度のローリングシステムの「改革と展望」は……(発言する者あり)ごめんなさい、じゃ、もうこれは省略します。「改革と展望」は、あくまで展望なんですね。つまり、ある種、見通しなんですね、計画ではない。そういうことですから、私は、そこはもう重大な変質が起こっているんで、やっぱり我々が依拠すべき計画ではないと、こういうことでございます。
 そうして、今度は実質的に計画というものを重んじるべきではないかということについては、私どももビジョンという形で、計画とは名のらないわけですが、ほかも、中期的な計画はほとんどもう政府は、ほかの役所のものも大体終わっているんではないかと、このように思いますが、私ども、そういう例からしても、やはり計画ということでなくてビジョンということで、私どもとしては今後、労働法制の具体化の展望を公表していくのがよろしいと思います。
 それから、中身の問題で、経済財政諮問会議あるいは規制改革会議からいろんな意見が出ているではないかということについては、私どもはその都度、私どもの考え方に基づいてしっかり意見を闘わせていきたいと、このように思います。
#252
○小池晃君 大体、中期計画みたいなものはほとんどなくなっているからこれもなくすんだというのは、余りにも乱暴な話でね。先ほどのやっぱり話もありますけど、経済計画については、なくなったというのはやっぱり私も聞いていて根拠ないなと思います。やっぱり国として責任ある雇用対策の計画を出さなくなるというのは、極めて無責任な改定であるというふうに思います。この部分も撤回を求めます。
 それから、今回の法案では、青少年の応募機会の拡大を進めるために雇用機会の確保を図られるように努めなければならないと、青年の雇用の問題が出ておりますが、問題は具体的な中身であります。
 そこで、お聞きをしたいのは、厚労省はフリーター二十五万人常用化プランというのを掲げておりまして、二〇一〇年までに、フリーターについて、ピーク時で〇三年の二百十七万人から二割削減が目標だと。百七十二万人が目標になるわけですが、既に昨年、百八十四万人になったわけですから、残り十二万人ということになるわけですね。しかし、フリーターで正社員を希望している人は、最近の統計でも、男性の九割、女性の七割。だとすれば、これから先、十二万人正社員になったとしても、百万人以上の圧倒的なフリーターは希望が実現できないということになる。これ我慢しなさいということなのか。しかも、三十五歳以上のフリーターはこの計画の中には入ってこない。これで十分な対策と言えるのか、参考人にお尋ねします。
#253
○政府参考人(高橋満君) フリーター常用雇用化プラン、平成十七年五月から策定をして取組をやってきておるわけでございます。
 当時はフリーター二十万人常用雇用化プランということで、二十万人の常用雇用化を図っていこうということを打ち出したわけでございます。この当時の考え方は、とにかく年々増加をしてきておるフリーターの増加傾向の転換を図っていこうと、こういうことで、二十万人ということで開始をいたしたわけでございます。その後、十八年度におきましては、その目標を更に二十五万人まで引き上げて取り組んでおるわけでございますが、それぞれ十七年度は二十三万人余、十八年度は三十五万人余という常用雇用が実現したわけでございまして、こうした効果もそれなりに寄与する形でフリーターの減少ということを見ておるというふうに思っておるわけでございます。
 今後とも、正社員を希望されますフリーター等の常用雇用化の実現ということに、今後とも更に力を入れて対応してまいりたいというふうに思っております。
#254
○小池晃君 全然答えていないじゃないですか。これから先、百万人以上のフリーターそのままでいいのかと聞いているんですよ。これ、この計画ではこれに答えていないんですね。しかも、この数字の問題点として、派遣労働者が入っていないわけです、このフリーターの数には。
 実は、内閣府の調査というのが以前あって、これは派遣社員も含めて四百十七万人、二百万人厚労省の統計と違いがあるということで問題になって、その後、内閣府はこの数字出すのをやめてしまった。厚労省の数字だけになって、実はこれでフリーターの現状というのは正確に把握されていると言えるのかという問題があると思うんです。
 派遣労働者、とりわけその中でも登録型派遣の労働者、現在百九十三万人に上るわけです。この場合、期間は半年程度が圧倒的なんですね。とりわけ、この間質問で取り上げている日雇派遣というのは究極の不安定雇用だと思います。少なくとも、急速に増えている日雇派遣を含む登録型派遣は、やはり明確にこの対象として含むべきではないか、どうですか。
#255
○政府参考人(高橋満君) フリーターの定義につきましては、私ども、年齢が十五から三十四歳までで、男性は卒業者、それから女性は卒業で未婚の者、このうちパート、アルバイトで働いている方、あるいは失業者でパート、アルバイトの仕事を探している者、さらに非労働力人口のうち、希望する仕事の形態がパート、アルバイトだけれども具体的な求職活動を行っていないその他の者と、こういうことで定義をいたしているわけで、御指摘のとおりフリーターの中には派遣労働者というものは含まれておらないわけです。
 派遣労働者については、元々派遣元に常用雇用されている者も一方でおるわけでございますが、他方、登録型派遣として働く方々の中には既婚女性の方もおられる等、様々な実態としてあるわけでございまして、なかなか一律にこれらの方をすべてフリーターということでとらえて定義に入れていくというのは、必ずしも適当ではないんではないかと。
 ただ、派遣労働者の方におきましても、私ども、ハローワークにおきます常用雇用化プランの中で取り組んでおる対策については、当然、派遣労働者の方も含めて対応しているところでございます。
#256
○小池晃君 派遣労働者を全部フリーターに入れろなんてことを私は言っていないんですよ。さっきから言っているように、登録型派遣は入れたらどうかと。
 元々実態としてはパート、アルバイトと同じ働き方をしながら、間接雇用ですから派遣会社に一部賃金も差し引かれるわけで、直接雇用のパート、アルバイトに比べればより不安定で低賃金という実態もあると思うんです。だから、雇用政策の対象だというのであれば、削減すべき数値目標の中に入れるのは当然ではないかと私は言っているわけですよ。
 大臣、こうした労働者を不安定な身分から脱却させて常用雇用にしていく、できるだけ安定させていくというのが政策課題だとすれば、どれだけ達成するかの数値目標の中にやっぱりきちっと、こういう登録型派遣のようなものを組み込んで、それをきちんと数値目標として政策課題にしていく、これは当然じゃないですか。これを入れないで、これがフリーターの目標、こうでこうなりましたというだけでは、こういう登録型派遣の人たちはこれはもう知りませんと、このままでいいということになるじゃないですか。そこ、どうですか、大臣。
#257
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、いずれにしても派遣という概念で分類をするのか、あるいは、何というか、それが期間的にいうとごく一部の労働であるというところに着目して分類するのかということでありまして、また、小池委員等が御質疑の中で触れられたように、マルチジョブの人をどうするかというようなことも問題提起としてあるわけでございますから、私どもとしては、今後いろんなビジョンを作成するときなぞの機会に、もう一度本当にそうした非正規の方についてどのようなコンセプトで事態を整理するのがいいかということは考えてみたいと思いますが、今すぐに、小池委員が言われるように、すぐにここで回答をするということにはならないと思います。
#258
○小池晃君 余計なこと言わないでいいから。きちっとやっぱり政策課題であるというふうに認めていただいたというふうに私、受け止めます。
 さらに、先日の質疑では、日雇派遣労働者の人数は不明だという答えがあったんですが、延べ就労数というのは、これは業者の側、日雇派遣を専門とする派遣事業所ってこれ一杯あるわけですから、そこを調べれば把握可能なんじゃないですか。局長、どうですか。
#259
○政府参考人(高橋満君) いわゆる、日雇派遣と言われている方がどういうような実態なのかということについて、委員からもいろいろ御指摘を受けているところでございます。
 私どもといたしましては、派遣元事業主を通じまして、日雇派遣労働という形で働いておられる方の状況について、サンプル調査的なものも含めて今現在、実施に向けて検討を進めておるところでございまして、こういう中で一定の属性と申しますか、数という、全数というものが必ずしも日本全国の中でどれくらいいるかということまで把握できるかどうか、これは正直申し上げて非常に難しい面がありますが、どういう属性なのかということはある程度、サンプル調査という形ではありますけれども、把握できるのではないかというふうには思っております。
#260
○小池晃君 これ、実態把握急いでやるべきだというふうに思います。
 やっぱり登録型派遣、日雇派遣、雇用対策の対象となるといいながら、やっぱり一番大変な事態に置かれている人たちがこういうところなんですね。だから、やっぱり大臣、政策課題だというふうに私は先ほどおっしゃったと思うんですが、やっぱりきちっと実情に応じた実態把握、それから数値目標の設定ということをこういう分野についてもやっていただく検討をしっかりやっていただきたいということを申し上げたいと思います。
 その上で、先日、東京で三千三百人の人が参加をして、不安定雇用の問題解決を求める青年の大集会というのが開かれました。その実行委員会が翌日、厚生労働省の交渉をやりまして、私も同席しましたが、その中ではネットカフェ難民やハンバーガーショップ難民と言われる人たちの相談を受けている首都圏青年ユニオンあるいはNPOの皆さんから、何といっても住宅確保が大事だと、最大、最優先の課題だという話がありました。
 そこで、大臣にお聞きしたいんですが、大臣は、この法案の本会議での答弁で、ネットカフェ難民対策を問われて、これらの者には、まず住宅、住居を確保するための相談支援とともに、より安定的な就労機会を確保するための支援を行っていく、これが中心課題だと答弁されました。この住宅を確保するための相談支援、どういう相談支援をしようと考えておられるのか、御答弁願います。大臣。
#261
○政府参考人(高橋満君) ネットカフェ難民の方のある部分は、住宅というものが確保できないということでこういうところに寝泊まりをしておるという方がおられるということは確かにあるわけでございまして、そういう意味でそういう方々に対して住宅を確保していくということは非常に大事なことであるわけでございますが、私ども、ハローワークでどういうことがこの住宅確保に向けての相談支援ということでできるか、様々検討をしなければならない課題だというふうに思っております。
 例えば、ハローワークがこれから求人を確保していく上で、寮付きの会社の求人を確保して情報提供をしていくとか、そのほか、どういう形であれば住宅の確保ができるのかの関係機関等も含めた相談や情報提供といったこともその検討の課題になるのではないかというふうに思っております。
#262
○小池晃君 いや、ちょっとその話は違うんじゃないですか。だって、寮付きの会社の求人ということと住居を確保するための相談支援というのは、これ違うと思うんですよ。やっぱり、しっかり家を確保するという問題と、寮付きの会社の求人というのは非常に重大な問題があるんですね、実態を見ると、後でちょっとその問題は議論しますが。これは全く違うと私は思います。その問題はちょっと後で議論したいんですが。
 ちょっと大臣に聞きたいんですが、大臣は住居を確保するための相談支援とおっしゃったんですよ。やっぱりしっかりと、こういう社会問題になっているわけですから、国交省なども含めて、省庁を超えて、やっぱり低家賃でしっかり家に入れると、そのための支援をやっていく。これ、まず本当に政府を挙げて取り組む課題として正面から受け止めてやっていくべきじゃないですか。そのことをまずちょっと大臣に確認したい。
#263
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもは、今のネットカフェ難民の方々が住居がないということでそういうところに寝泊まりしながら仕事に出掛けるという、そういう実態をまず的確につかむということが大事だということを申し上げているわけです。
 その後において私どもがやらなければならないのは、住宅の支援であるということだし、またそれが、私どもの方は就業が一番中心ですから、就業と住宅とが、住宅支援をやって就業をやるというよりも、そこに関連付けたものがあるのがやっぱり我々向きだということであります。
 その中で、今、小池委員が言われるようなことも、私ども今、全然違う、これは医療の方ですけれども、国交省ともいろんな話をしていますから、場合によってそういうようなこともあり得るかとも思いますけれども、この人たちとの関連でいえば、やっぱり仕事との関連性ということを私どもとしては考えざるを得ないということです。
#264
○小池晃君 私、そういう姿勢ではこの問題を解決することにならないし、むしろそういう労働者を非常に苦境に追い込むことになるんだというふうに思うんです。
 実態をちょっとお話ししたいんですが、寮のある会社なら、じゃ何でもいいのかというと、すごい実態があるんですよ。
 例えば、紹介すると、あの羽田空港、成田空港にあるリムジンバスがやられています。ここで働く労働者というのは、これホームページなんかで寮が付いているからということで、全国から若者が集まってきているそうなんです。これは日航とか全日空、京成電鉄などが主要株主になっている東京空港交通というのが運行しているんですが、これ外部委託をしています。その請負会社というのが大変問題だと。
 そこで働く労働者の話を聞くと、早朝から夜十一時、十二時まで働く。そのまま空港に寝泊まりして、翌朝五時半からという働き方もある。月平均の労働時間、三百数十時間。休日は月二日もあればいい。二日、三日。一日実働で十五から十七時間の勤務が続くが、残業代なし。雇用保険、社会保険は未加入だと。彼らが首都圏青年ユニオンに加入して交渉して、割増し賃金の未払は是正することの回答がありましたが、労基法違反の働かせ方は続いています。
 問題は今度、寮なんですよ。これ民間アパートを借り上げた寮が光熱費も含めて一括して会社が管理している。二DK、三Kなど、三人で同居しながら、寮費が月五万円取られる。しかし、各部屋にはかぎが掛からないようなところに、顔も知らない、名前も分からないような人が一緒に住んでいる。交代の仕事だから、隣にだれがいるか分からない。いつの間にか隣に違う人がいるということもあるんだと。物がすぐになくなると、そんな状況もある。
 寝るところがあればよいといっても、こんな労働時間のひどい状況でありながら、プライバシー全く守れないような、これを寮だと言って押し付けるような、こういう実態が今広がっているんですよ。
 基準局長にお聞きしますが、労基法では寄宿舎として守るべき基準というのは定められていると思いますが、こうした法律はきちっと守られているのか。そもそも、届出されている寄宿舎というのは幾つあるのか、全国で。実態調査、やっているんですか。
#265
○政府参考人(青木豊君) 委員のお尋ねでありますけれども、寄宿舎につきましては、現在設置されている総数というものは把握しておりません。
 この労働基準法九十六条の二に基づき、事業附属寄宿舎あるいは建設業附属寄宿舎を設置、変更又は移転する場合には、お話ありましたように労働基準監督署長への届出というものが必要であります。その件数というのは平成十七年で一千九十六件ございます。しかし、廃止の届出を取っているわけではございませんので、そういう意味で総数が幾つになるかというのは、残念ながら承知をいたしておらないわけであります。
 この平成十七年において労働基準監督機関が定期監督を実施いたしました。この際に認められた事業附属寄宿舎、それから建設業附属寄宿舎についての労働基準法の違反件数は、まず規則を作って届け出るということになっておりますが、こういったものの未作成、規則の未作成、未届け、これは基準法九十五条違反でありますけれども、百三十七件でございました。
 それから、寄宿舎の設備又は安全衛生の基準、こういったものは、清潔だとか、それから保温だとか防湿だとか、そういったことを定めているわけであります、あるいは定員とか、そういったことも定めておりますが、この基準に違反しているというものが、これは労働基準法九十六条違反でありますが、百八十七件でございました。
 それから、設置変更、移転の未届け、これが四十九件ということになっております。
#266
○小池晃君 総数や実態も把握されていないんですね。
 今、東京ではやっているレストボックスという会社があるんですよ。これ、一晩千五百円程度で二段ベッドに宿泊できるような場所なんです。そこに泊まると自動的に建設現場などの仕事と一体になっていて働きに行くことができるっていう宣伝していて、ホームページなんか見ますと、駅の近くにビルがあって、その部屋の中に二段ベッド幾つか置いてある。今はネットカフェよりは少しまし、横になって寝れるだけいいと、こういうような実態ですよね。プライバシーの問題もある。そういったところで働いて、稼いで、アパート借りれるようになりたいと思っても、なかなかまとまったお金たまらずに抜け出せないという状況だというふうに聞いている。このレストボックスというのは年商八億円というビジネスに今なっているそうなんですね。
 基準局長、聞きますが、こういう形態の場合は、労基法上の寄宿舎としての届出というのは必要ないんでしょうか。
#267
○政府参考人(青木豊君) 労働基準法九十四条に規定する事業の附属寄宿舎というものを規制をいたしておるわけでありますけれども、これは元々、通勤距離内の地域からの労働者の確保が困難だという事情があったときに、かつて、こういった事業附属寄宿舎というのを事業主が造って、そこに入れて労働者を確保するというようなことがございまして、それが言わばその事業者の事業の生産活動と密接にかかわっていまして、私生活との混交が起きるという弊害が現れまして、結局、その労働者の私生活の自由が損なわれるということで、その私生活の自由の保障と併せて安全衛生、そういったものも全うするということでこの九十四条の規定を作って規制をしたわけでございます。
 そういう意味で、この九十四条に言います寄宿舎につきましては、まず寄宿舎であり、かつ事業に附属すると、こういう要件になっております。
 お話の具体的なのは、ちょっとそれ聞いただけでは分かりませんけれども、寄宿舎であると、相当人数の労働者が宿泊して共同生活の実態を備えているということであれば、仮に寄宿舎であるといたしましても、事業に附属するかということでありますと、それは言わば労務管理上、共同生活がこれは要請されているものなのかどうか、あるいは事業場内又はその事業場の近辺にあるのかどうかと、そういったことで判断をいたしているわけでございますので、この届出が必要かどうかという、寄宿舎に当たるかどうかと、附属寄宿舎に該当するかどうかというのはレストボックスそのものを一概に判断することはできないと思いますが、そういう意味では、今申し上げたような要件に該当するかどうかということを総合的に判断をするということがあるというふうに考えております。
#268
○小池晃君 事前には、何か共同浴場とか共同トイレとか寮としての自治とか、そういうのが条件だと聞いたんですが、そうじゃないんですか。簡単に。
#269
○政府参考人(青木豊君) 今お話しになりました便所とかふろとか、そういうものにつきましては、そもそも寄宿舎なのかどうかと。例えば、アパートであるとか正に宿舎ですね、そういうものと違って、ここで規制する寄宿舎であるかどうかというときの判断として先生がおっしゃったとおりであります。だから、そういう意味では、ちょっとお話にあったのは、仮に該当するにしても、もう一つ、事業に附属している寄宿舎かどうかということが要件があるということでございます。
#270
○小池晃君 そうすると、こういうのは対象になってこない可能性もあると思うんですね。非常にやっぱり問題だと思うんです。
 寮付きの働き口というのは今本当に広がっていて、NHKが漂流するフリーターという番組やりましたが、そこでも紹介されていました。請負会社などが普通のアパートを寮と称して入居をさせて、病気で休みたいと言っても合いかぎ開けて入ってくるというような話ですね。しかも、賃金からは高い家賃、光熱費を差し引いて、少ない金額しか渡さない。生産計画変わると、また次の寮に移れということで連れていく。ニコンの偽装請負で過労自殺に追い込まれた上段勇士さんのケースもこういう働かせ方だったわけです。
 私、住み込みあるいは寮付きの求人ということをさっき、大臣までおっしゃったんですが、こうした実態を把握した上で言っておられるのかと。私は、こういう働き方がどんどん、まあ寮が付いた仕事が駄目だとは言いませんよ。しかし、住むところがないという弱みに付け込むような形で、やっぱり家に付いている仕事みたいな形で提供していくようなやり方がどんどんどんどん商売として広がっていく、こういう実態、そのままにしておいていいと思いますか、大臣。
 やっぱりこういったことについては、しっかり労働行政として問題意識を持って取り組んでいくべきではないかと。ただ単に、寮付きだからいいんだというような形で私は認めてはいけないと思いますよ。大臣、いかがですか。
#271
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私ども、このインターネットカフェ、そこに寝泊まりをしてということについては、もう余りにも劣悪な条件の下で、将来ある若者をそうした生活に追い込んではいけないという考え方から、まず実態を把握する、しかる後に住居の確保というものが必要だろうと、同時にそれは就業の確保でなければならないと、こういうことでありますが、他方において、今労基法でも、届出という意味である意味牽制をしている、健全性あるいは健康保持の牽制をしているといういわゆる宿泊、寄宿舎付きの労働の現場というものについてはこれまた別の問題があるということでございますので、これらを総合的に勘案して、今のいろいろな形で大変大きな勢いで広がり始めている、そうした若者を対象にした住居付きあるいは住居なしの労働の形態ということに対してしっかりした取組をしていかなければならないと、このように考えます。
#272
○小池晃君 住居と仕事を結び付けた、昔は飯場、ひどい場合は逃げ出すことができないタコ部屋なんというのがあったわけですね。
 現代の日本で、正に働きたくてもお金がないということで、住むところがない人にその弱みに付け込むと言うとあれですが、困っている人を対象にした言わば貧困ビジネスというようなものが急速に広がっているわけですね。やっぱりこういったものに対して、労働行政としてしっかり向き合っていただきたい。きちっと適切なやっぱり規制というのはしていかなきゃいけないというふうに思っております。
 私は、日雇派遣などの派遣労働の激増を始めとして、こういう不安定雇用の増大というのが正に労働法制、派遣法制の規制緩和が根本問題だと思うし、こういうネットカフェ難民とか、あるいはこういう事態に追い込まれるような若者が多数生まれてくるような国は断じて美しい国とは言えないというふうに思っております。厚生労働省として他省庁とも連携して、やはりしっかり住宅を確保するという独自の政策を持ってこれは臨んでいくべきだということを強く求めて、質問を終わります。
    ─────────────
#273
○委員長(鶴保庸介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に社会保険庁運営部長青柳親房君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#274
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#275
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、社保庁の問題について、参議院には来ておりませんが、どうしても質問したいので質問をいたします。
 国民救済法ならぬ安倍内閣救済法案が議員立法として出るかどうかというふうに言われております。総理が議員立法として出すということを明言されたことに私は驚いております。閣法で出した社会保険庁改革法案のしりぬぐいをなぜ議員立法でやらなければならないのでしょうか。
 厚生労働大臣、これはもしも社会保険庁改革法案に不備があるとすれば、厚生労働省自ら責任を持って出すべきではないでしょうか。いかがですか。
#276
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは閣法で私ども機構法案と業務の改善法案を出しましたけれども、この法案を御審議の過程で年金の記録問題というのが別途問題になったんです、記録問題というのが。そうして、この記録問題に対しての対処策ということを今度は考えて議員立法として出すということですから、閣法で出している機構法案とか今の業務改善法案とは直接何か関係があるというものではありません。
#277
○福島みずほ君 五千万件のものが宙に浮いているということは厚生労働省、社会保険庁の責任ではないですか。
#278
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々にも責任がないとは言わないわけですが、しかしながら、これがどうして生まれたかということは、本来、年金の手帳というものは各個人別にずっとつながって、どこの会社に行こうとしっかりと把握されるというシステム、そういう法制度の下にあるわけです。ところが、それがぶつぶつに切れたまま管理されるに至ったということが生じてしまったわけです。これがだれの責任かといえば、まあ法律の建前が厳格に守られるという前提に立てば、それはそれを法律が命じていることを懈怠した人たちの責任ということになるんですが、しかし、逆にそういったものを長年放置しておいた責任はだれにあるかという問題だと私は考えているわけです。
 したがいまして、ここでだれが責任かということについては、私はもうあえて社会保険庁がやっぱりもっとしっかりしなきゃいけなかったんだという意味合いで我々は責任を大いに感じているということを申しているんですが、事のこの客観的な、どうしてそういうことが生じたかということを申し上げさせていただくならば、実はそういうことなんですということをお答え申し上げます。
#279
○福島みずほ君 厚労省の責任そのものですよね。
#280
○政府参考人(青柳親房君) ただいま大臣からもお答え申し上げましたけれども、制度上の建前は、かつて、例えばオンラインやあるいは基礎年金番号のなかった時代から、各制度に属するたびに一つの被保険者番号を一人の方が振られて、これを、職場が変わっても、あるいは住所が変わってもこの番号を、手帳に付いたものでございますが、これを持ってそれぞれの記録を積み重ねていくという考え方でございました。したがいまして、その時々に申請の届出がなされない場合には元々この記録というものが切れてしまうというおそれを、可能性というものをこの制度的には持っておるわけでございます。
 したがいまして、私どもは、そのことについて、ただいま大臣も申し上げましたように、十分に言わばケアをしていないということについて管理責任があるのではないかという御指摘に対してはそのとおりかと存じますけれども、制度の言わば前提としている仕組みというものについては、引き続き被保険者の皆様にも十分にこれを遵守していただいて、的確な制度運営を図ってまいりたいと考えている次第でございます。
#281
○福島みずほ君 いや、驚くべき答弁です。コンピューター化するときの入力ミスだとか、あるいは私のごく最近知り合いの人からも、あなたは十年間しか入れていないですねと言われて、彼女は厚生年金の記録を全部持っていたので、いや、そんなことないですよということになったらしいんですが、国民には何の落ち度もないですよ。国民には何も落ち度もなくて、社会保険庁、そして社会保険庁は厚生労働省の外郭団体ですから、社保庁の改革法案……(発言する者あり)あっ、外庁、ごめんなさい、外庁団体ですから、でも、それは外庁であることは間違いないじゃないですか。要するに、社会保険庁の改革法案を厚生労働省が閣議決定をして出しているわけですから、そのずさんなものをそのままにして、そして社会保険庁の改革法案を出すことは許されないですよ。大臣、どうですか。
#282
○国務大臣(柳澤伯夫君) 要は、先ほど私が申し上げたように、社会保険庁の再編の法案、日本年金機構の法案、それから業務の改善の法案というものは出しております。おりますけれども、この審議の過程で年金記録の問題が問題になったと、この年金記録の問題を処理するこの法案というものをどうするかということですから、すぐにこことここが関係があるというお考えの下で、閣法で出したものだからこちらも閣法ではないかという議論にはならないんではないかということを申し上げているんです。
#283
○委員長(鶴保庸介君) 福島先生、雇用対策法案の審議でございますので、できる限りその案件に沿ってやっていただきたいと思います。
#284
○福島みずほ君 国民の安心、安全な年金制度を保障することは政治の責任です。五千万件宙に浮くという問題が起きたために、国民の年金に対する不信感は非常に高まっています。それは社会保険庁、そしてひいては厚生労働省の責任であると考えています。社会保険庁改革法案を出す際にこの問題が噴出しているわけですから、その問題もきちっとうみを出して、こういう形でやります、あるいはこういう形で救済しますということが明確に示されない限り、それは無責任であるということを強く申し上げたいと思います。
 閣法で出し、その問題を切り離して議員立法でやれというのは、厚労省はこの問題の深刻さや問題を認識していらっしゃらないというふうにしか言いようがありません。極めて問題があるということを指摘をしておきます。こういう厚労省の居直りは許されないというふうに考えます。
 次に、ずっとこの委員会でも問題にしてきました規制改革会議、再チャレンジワーキンググループ労働タスクフォースのことについてお聞きをいたします。これは雇用の対策とも直結をしますのでお聞きをいたします。
 この提案は様々な点で問題です。閣議決定を経た法案と明確にベクトルの異なる見解を示していること。二つ目は、審議会方式やあるいは判例について全く無視するなど今までの労働行政を根底から覆すものであること。三点目は、暴言に次ぐ暴言、天下の暴言のようなひどい中身であって、どの立場からも看過することができないというふうに考えております。
 それで、先日もお聞きをしましたが、内閣府副大臣にお聞きをいたします。
 例えば、ここで不用意に最低賃金を引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらし、そのような人々の生活をかえって困窮させることにつながる、このようなことについての意見をお聞かせください。
#285
○副大臣(林芳正君) 委員会の冒頭に発言をさせていただきましたけれども、そのときに申し上げましたように、本来ここの会議というのは、有識者の皆様にお集まりいただいて自由濶達な御議論をいただくという場でありますが、しかしながら、この規制改革会議という政府の会議で正式なタスクフォースということでございますので、現在この政府全体として提案をさせていただいている法案について、今委員が逆の方向とおっしゃいましたけれども、そういうところが明確にあるものについては、我々は不適切だというふうに思っておるところでございます。
#286
○福島みずほ君 いや、聞いたことに答えてください。この表現についてはどうでしょうか。
#287
○副大臣(林芳正君) そこにつきましては、まだこれはタスクフォース自体の、先ほどの午前中の答弁でも申し上げましたように、議論の出発点ということでございますので、この時点で我々としてこの中身について、冒頭申し上げました以上に立ち入って評価することは差し控えたいと、こういうふうに思っております。
#288
○福島みずほ君 記者会見でこの責任者は盛り込みたいと、それから三年以内に実現をしたいというふうに言っております。
 労働法制からいって、全く看過できない中身ばかりなので、例えば過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控える結果となるなどの副作用を生ずる可能性もある、この点についての御見解はいかがでしょうか。
#289
○副大臣(林芳正君) 同じような答弁で恐縮なんでございますが、あくまでこれはタスクフォースの内部でのある一つの御主張と、こういうことでございますので、最終的に会議として取りまとめいただいたものを受けて、それから政府案をまとめる私の立場としては、この段階でいいだとか悪いだとか言う立場にないということを御理解いただきたいと思います。
#290
○福島みずほ君 極めて問題で、均等法や間接差別、パートをどうやって均等待遇するかや労働法制をどう考えるかということと全く百八十度違う見解がとても示されています。労働政策の立案についても示されています。根本的な欠陥はこの経済財政諮問会議やこの規制改革会議が規制緩和をして被害を受ける、痛みを感ずる人たち、働く人たちの代表がだれも入っていないということに尽きると思っています。
 これは何度もこの委員会で質問してきました。規制緩和に賛成する人を入れているのでありますという答弁なんですが、労働タスクフォースに入っている弁護士も経営法曹であって、労働者の側の立場を代弁をしておりません。論点や政策は異なる立場の人からの多角的な論争によって、あるいは被害を受ける人や問題があるという人の声を見て、多角的に議論をして初めて立体的な政策、あるいは妥当な政策が起きると考えております。
 裁判も原告、被告がいるからこそ真実とは何かということが生まれるわけで、一方の人たちだけで盛り上がって作るこの提言が極めて暴論になっているのはむべなるかなというか、ひどいというふうに思います。
 改めて、今日は副大臣に来ていただいているので要望しますが、根本的にこの規制改革会議の構成そのもの、成り立ちそのものに大疑問がありますが、いかがですか。
#291
○副大臣(林芳正君) 規制改革会議は冒頭も申し上げまして、また午前中の質疑でも申し上げさせていただきましたけれども、規制緩和に賛成をする人だけといいますよりも、規制改革について見識を持っておられる方に集まっていただいておるという認識でございまして、正に委員がおっしゃったように、緩和をした方がいいという方がたくさんおるというのは、私もそういう印象はありますけれども、正にその会議としての答申というのを、今度は政府の決定としてまとめていくときに、必ず閣議決定というのは各省と協議をさせていただいて最終的に政府としての案とまとまっていくわけでございまして、正に今裁判の例をお引きになりましたけれども、そういうところで規制を所管している省庁と十分討論をする、必要に応じて公開討論というのもやっておりますので、国民の皆様がいろんな立場で見ておられる中できちっと議論を重ねた上で、最終的には政府の案というのは閣議決定という形になっていくわけでございますので、その前段階がまずこの規制改革会議であると、その前段階の前段階のタスクフォースがスタート地点としてこれからこういう考え方で議論してはどうだろうというのが実はこのタスクフォースの今回の文書だということを御理解をいただければと思います。
#292
○福島みずほ君 以前、委員会で質問したときは、なぜ労働者の代表を入れないかという質問に対して規制緩和に反対する人は入れませんということの答弁がありました。それは間違っているというふうに思っています。非常に多角的な議論ができるわけがない。そして、労働タスクフォースだったとしても、労働問題についての一つの見識が示されているわけですから、これについて、出されているものについては私たちはとことん議論させていただく。問題があり欠陥があり、駄目だと。
 是非、今後、この規制改革会議がこのようにへんぱな形で構成をされ、極端な議論が出てくる、戦後の労働法制をゼロから全部ひっくり返すような提言をしていることそのものについて、国会の中でも強く議論が出たことを是非伝えて、是非総理大臣にも伝えて、このような規制改革会議の見直しをしてくださるよう強く要望をいたします。よろしくお願いします。
#293
○副大臣(林芳正君) ほかならぬ福島議員からの御意見でございますので、しっかりと受け止めさせていただきまして、しかるべく関係各省にも伝えてまいりたいと思っております。
#294
○福島みずほ君 よろしくお願いいたします。
 では、この雇用対策法の一部を改正する法律案なのですが、私は外国人の雇用について、今日は特に質問をいたします。
 これが、外国人雇用状況届出制度ということがあることに非常にびっくりしております。女性、高齢者、障害者、若者、これについては、今まで出されている施策からほとんど変わりがありません。しかし、飛び抜けて、傑出して変わっているのは、この外国人の雇用の政策です。
 雇用主は、雇用する人が外国人だとどのように判断するのでしょうか。また、特別永住者、永住者、日本人とどのように判断をするのでしょうか。
#295
○政府参考人(岡崎淳一君) 外国人であるかどうかにつきましては、御当人のお名前でありますとか言語でありますとか、そういったことを中心にそれぞれ常識の範囲で判断していただくというのが基本だろうというふうに思っておりますが、どうやって判断するかについては、労使それぞれから御議論もありまして、今後、労働政策審議会の中でもその判断の仕方等についても改めて基準を示してきちっとやっていくと、こういうことにしているということでございます。
#296
○福島みずほ君 就職するときに必ず戸籍あるいは外国人登録証の提示をさせるのでしょうか。
 御存じ在日コリアンの人たちなど、通名使用をしている人が多いです。分からないです。常識的にどうやってやるんですか。しかも、事業主はきちっとやっていないと罰則の規定もあるわけで、結局これは外国人を締め出すことになるんじゃないか、あるいは外国人差別を助長することになるのではないでしょうか。どういうふうに判断するんでしょうか。
#297
○政府参考人(岡崎淳一君) そもそも、外国人労働者の方につきましては在留資格の範囲内で働くことができるというのが基本になっているわけでございます。
 そういう中で、もちろん、御本人の方も在留資格の範囲内で就職活動をするというのが基本でありますが、企業の方も、それに応じて逆に在留資格の範囲内の方で就労できる範囲の方を雇うというのが本来的な法のシステムだろうというふうに思っています。
 したがいまして、これをきちっと履行していくというために、就職の段階で外国人の方、外国人と判断される方についてはきちっと外国人登録証なりでその在留資格を確認していただいた上で届出をしていただくということを考えているということでございます。
#298
○福島みずほ君 特別永住者、永住者の人は別に在留、ワーキングビザで働いているわけではありません。
 そうすると、外国人か日本人かを区別するには、就職・求人活動の人はすべての人に戸籍か外国人登録証を出せと言うしかないじゃないですか。
#299
○政府参考人(岡崎淳一君) 特別永住者の方につきましては、戦前からの経緯で日本におられて、基本的には日本の労働市場で制限なく働けると、こういう方でございますので対象にしないと。
 そこの特別永住者の方であるかそうではない、韓国等の出身の方であるか、その辺の判断の仕方については、もう少し審議会の中で議論して判断の仕方を示していきたいと、こういうふうに考えております。
#300
○福島みずほ君 いや、答えていないですよ。
 特別永住者は外してあるけれども、特別永住者、日本人と永住者、ほかの外国人の区別をするためには何かの提示をしないと分からないじゃないですか。私が日本人なのか特別永住者なのか永住者なのか、あるいは最近来た外国人なのか分からないじゃないですか。
#301
○政府参考人(岡崎淳一君) 氏名でありますとか、言語能力でありますとか、そういったところで判断していただくと。日本語能力でありますとか、そういうことで判断していただくということだろうというふうに思っています。
 それで、そういう常識的な判断の下で、本来、外国人である方を見逃したからといって、それは、何というか、そこまで問う話ではなくて、それは常識的な判断で外国人である方について在留資格を確認して届出をしていただくということを考えているということでございます。
#302
○福島みずほ君 この法案が、外国人に関しては雇用促進や労働政策ではなくて、入管の下請になっているからこちらは理解ができないんです。外国人管理政策ですよ。だって、帰国子女だっているし、顔と名前と言語能力は必ずしも国籍に反映をしていません。違いますよ。怪しいという感じでやったらそれこそおかしいし、一体何なんですか。
#303
○政府参考人(岡崎淳一君) 外国人労働者の方を管理だけをするために今回提案しているわけではございません。
 今回の雇用対策法の中では、専門的、技術的な外国人労働者の方等、その在留資格の中で日本国内で能力を発揮していただきたいということを基本にして、その雇用管理等々もきちんとやっていただくと、そのための指針等も示して、企業にも外国人労働者の方につきましてもきちんとした労働条件の下で働けるようにしていくと、そういったこととセットにして今回この提案をしていると。したがいまして、企業にもきちんと在留資格を確認して届出をすると、その代わりにきちんと基本的に日本人と同等の形で働くようにしていただくと、それをセットにして私どもは今回やっていきたいと、こういうふうに考えております。
#304
○福島みずほ君 外国人かどうかというのを把握するのが実はとても現場では難しいからです。例えば、今片仮名の名前の人もいるし、外国人かどうか、それから国籍と民族と名前と話し方と身ぶりとそぶりと全然関係ない場合だってある。だとしたら、すべての人に対して外国人登録証か戸籍の提示を求めない限り分からないじゃないですか。しかも、通名使用をしている人もいると。
 結局、これをやると、在日コリアンやいろんな人に対する差別を結局、助長するんじゃないか、あるいは面倒くさいから何となく外国人みたいな人は雇いたくないなというインセンティブが働くんじゃないですか。
#305
○政府参考人(岡崎淳一君) そこは、就職の際にやはりそれは在留管理制度もあるわけですからきちっとした在留資格の下で働けるようにしていくというもう一つの要請もあるわけです。その中でどうやってきちっと募集、採用をして、就職をして、それできちんとした労働条件の下で働けるか。この全体の流れをつくるために、最初の段階で各企業はやはり在留資格はきちっと把握、確認をしていただくというのはやはり必要であるというふうに考えております。
#306
○福島みずほ君 問題は、在留資格の確認ということもありますが、これが全部、法務省とリンクしているということです。ということは、これがどうして外国人の雇用政策になるのか。
 外国人、ちょっとくどいんですが、明確な答弁されないので食い下がりますが、その人が外国人かどうかという判断を現場で逐一やらなくちゃいけなくなるわけですよ、この法律で。でも、そのためには、すべての人は外国人であり得るわけだから、戸籍か外国人登録証の提示が必要となるわけです。
 御存じ、外国人登録証の記載の中で、一九九九年の改正で特別永住者、永住者については除外をしました。だけれども、今回は永住者については法務省に届け出る前提になっているわけですよね。要するに、外国人雇用状況届出制度において、永住者はこれの管理の対象ですよね。とすると、一体その外国人登録制度とこの制度との関係はどうなのか。
 じゃ、お聞きをしますが、これは法務省。厚生労働省が保有する外国人雇用状況届出制度における情報はどのぐらいの期間保有をされるのでしょうか。法務省は厚生労働省から入手した情報をどのくらいの期間保有するのでしょうか。どういう形でリンクをするのか、インターネットかどうか、教えてください。
#307
○政府参考人(稲見敏夫君) 後のリンクの方から申し上げますと、リンクがどういう意味なのかちょっと定かでございませんが、私どもが今回この労働省さんの方から情報をいただくのは、これ、私どもの入管法に定める事務の処理に関しまして外国人の在留に関する事項の確認のため、私どもの方から下さいと申し上げて情報をいただくと、こういうことになっておりますので、労働省さんの方が事業主の方から届けられた情報をリアルタイムでそっくりうちの方に来るというようなことは想定されないところでございます。
 それから、保有の期間でございますけれども、今言いましたとおり、私どもが入管法に定める事務の処理、これは出入国審査、在留審査、退去強制の審査、そういう事務でございますが、それぞれの目的でちょうだいいたします。
 したがいまして、そのそれぞれのいただいた目的の事務が終わるまでは保有させていただくということになりまして、一律にその保有期間が決まるというわけではございません。以上、今のところはそこまででございます。
#308
○政府参考人(岡崎淳一君) 今回の届出制度につきましては、就職の際と離職の際に提出していただく、したがいまして、勤めている間におきましては在職中ということで情報を管理すると、こういう形になります。
#309
○福島みずほ君 もう一回、再度確認ですが、厚生労働省のデータベースと法務省のデータベースはリンクをしないんですね。
#310
○政府参考人(岡崎淳一君) リンクという意味でありますが、法務省の方の端末から私どもの方のデータベースに直接アクセスするとか、そういうことは考えておりません。
#311
○福島みずほ君 行政機関個人情報保護法八条の目的外利用に該当すると考えますが、いかがですか。
#312
○政府参考人(岡崎淳一君) 今回の外国人登録制度につきましては、外国人の方の雇用の状況を改善する、それから雇用政策としても不法就労等については防止したいと、こういうことで、そういうことを目的として今回、雇用対策法の中で外国人労働者の雇用状況報告を出していただくと、こういうことでございますので、法務省におきまして入管法の範囲内で行うことにつきましては、基本的にはその今回、雇用対策法の中で設けた全体の趣旨の範囲の中にははまっているというふうに考えております。
#313
○福島みずほ君 個人情報保護法案の審議のときに、省庁間における情報の共有について相当議論をしました。今回、厚生労働省が特別永住者以外のすべての外国人に関して、全部、どういう人が働いているか明らかにし、データベース化し、それをもって法務省の求めに応じて出していくということになれば、外国人の人たちがどこでどういう働き方をし、その企業の中でどういうふうにしているのか、全部情報が共有されると。これはすさまじい情報が法務省と厚生労働省の間で共有され、個人情報保護法八条の趣旨に反すると考えますが、いかがでしょうか。
 そして、入管制度のためにこういうことをやるんですか。
#314
○政府参考人(岡崎淳一君) 入管制度のためにやるのではなくて、雇用対策法の法の目的の範囲に不法就労対策もあるということを申し上げたということでございます。
 それから、法務省への提供の話でございますが、これは今回の改正法の二十九条に規定がありまして、法務大臣からその入管法に定める事務の処理に関し、外国人の在留に関する事項の確認のため求められたときはと、こういうことになっておりますので、この範囲内で提供すると。どの範囲内かというのは法務大臣から求めがあったときということでございますので、法務省からのどういう理由でどの範囲の情報が欲しいかという求めを受けた上で、この条項に則して私どもとしては判断していきたいと、こういうふうに考えております。
#315
○福島みずほ君 このデータベース化はどこでどのようにやるのでしょうか。データベースをするのかどうか、それから厚生労働省のどの部署が管理をするのでしょうか。どのような形で保管しますか。
#316
○政府参考人(岡崎淳一君) データベースって、サーバーの管理ということであれば私どもの労働市場センター業務室というところがサーバーを全体管理しているということでございますが、制度としましては外国人雇用対策課が所管していると、こういうことでございます。
#317
○福島みずほ君 外国人雇用対策課。
#318
○政府参考人(岡崎淳一君) はい。
#319
○福島みずほ君 法務省は、どのような頻度でどのような情報をどのように取ろうと思っていらっしゃいますか。
#320
○政府参考人(稲見敏夫君) まだ、現時点では厚生労働省さんが雇用主の方からどういう情報をお取りになるかという、全部詳細まで決まってないという状況でございますんで、今後その辺は私どもも詳細に検討してまいりますが、繰り返しになりますが、一律にはなりません。退去行政業務で必要な情報をどうやって取るかということと期間更新等在留管理で必要なものをどうやって取るかと、その範囲等々は全部それぞれの事務によって必要性は変わってまいります。それは個別に適切なものを、範囲を決めていくということになります。
#321
○福島みずほ君 この法案は不法就労対策なんでしょうか、外国人の雇用促進なのでしょうか。どちらなんでしょうか。
#322
○政府参考人(岡崎淳一君) これは両方でございまして、条文を見ていただきましても、専門技術の外国人等、我が国で働ける方については就職を促進し、雇用管理もきちっとやっていくと。それから、雇用対策、雇用政策としてもやはり不法就労を野放しにするということは、やはり労働条件の低下の問題でありますとか日本人の雇用機会との関係とか、いろいろな問題もあると思いますので、それはそれでもう一つの目的になっている、要するに両方を目的にしているということでございます。
#323
○福島みずほ君 不法就労対策であれば、なぜ永住者についてもこのような雇用管理をするんですか。
#324
○政府参考人(岡崎淳一君) これは目的が両方あるわけでございまして、永住者と申しましても、最近増えておるのは、日系人が定住者から永住者に在留資格が上がっている方が相当多いわけでございますが、私どもが把握している限りでは、やはり日系人で入ってこられた方等を見ておりますと、社会・労働保険等の適用の関係等々問題がある場合も多いわけでございまして、やはりそれはきちっと把握した上で、適切な社会保険等の加入促進でありますとか、そのほかの労働環境の対応、こういったことをしていく必要があるんではないかと、こういうふうに考えているということでございます。
#325
○福島みずほ君 理解ができないのは、雇用対策だ、不法就労対策だということを理由に、すべての特別永住者以外の外国人が、どの事業所にどう働いているかを全部管理し、書面化しデータベース化し、必要があれば法務省に出すという仕組みをつくっていることです。先ほども出ていますが、若者にしろ女性にしろパートにしろ派遣にしろ、不安定雇用や問題のある人たちはたくさんいます。でも、すべての日本人の雇用の管理の、このような雇用状況届出制度というのは取っていないわけですよね。なぜ外国人、しかも不法就労かどうか関係なくやるわけで、これが一体雇用対策なのか。私は、やっぱりこれは不法就労対策、外国人管理対策にしか見えないんですね。
 じゃ、改めてお聞きをしますが、外国人雇用状況届出制度の理由として雇用管理の改善や再就職援助を挙げていますが、どのように関連するんですか。
#326
○政府参考人(岡崎淳一君) どのように関連するといいますか、要するに、企業で外国人の方を雇っている、その場合に在留資格等を見て、職種も分かるわけでございますが、そういった中で、何といいますか、それぞれの職種とかそういうようなことを見た上で全体として外国人雇用で問題があるような状況、業種とか職種とかで問題のある状況を私ども把握して、それに適した企業の指導をしていくということができるんだろうというのが一つと、それから、離職した場合に外国人の方の場合には在留資格に応じた再就職支援をしていくわけでありますが、そういったところもできるだけ円滑に進めていくということにしていきたいと、こういうふうに考えております。
#327
○福島みずほ君 必要ないですよ、関連ないじゃないですか。再就職支援だったら頑張って外国人の就職支援すればいいわけだし、在日コリアンの人も含めて企業に入りにくい状況などの改善をすればいいわけです。氏名を全部管理をして届出をさせて、そしてどこが雇用改善になるのか。外国人の研修生制度にメスを入れる方がよっぽど改善になりますよ。
#328
○政府参考人(岡崎淳一君) 雇用管理の改善の話と再就職の支援の話とそれから不法就労対策、これは三つを全体としてセットとして制度を考えたということでありますので、一つと一つがそれぞれ対応しているということではないだろうというふうに思っております。
#329
○福島みずほ君 違いますよ。外国人雇用状況届出制度の理由として、というか、このような制度を設ける理由として、不法就労対策と雇用の促進と二つ挙げられました。実際、外国人雇用状況届出制度の理由として、条文上、雇用管理の改善と再就職援助が挙げられていますし、そのように答弁されています。しかし、どう結び付くのかさっぱり分からないからなんです。日本人に関しては、もちろん再就職支援や雇用管理の改善は重要です。でも、どの事業所にどのパートが、どういう名前の人が、どの年齢の人が入っているか全部出せなんてやっていないじゃないですか。やっぱりこれは外国人というところに着目してやっているのではないか。
 ちょっと質問がくどくなって済みませんが、雇用管理の改善、再就職援助と外国人雇用状況届出制度はどうリンクするんですか。
#330
○政府参考人(岡崎淳一君) 各企業におきます外国人の雇用状況を的確に把握できるわけです。それで、最初の段階で在留資格をきちっと確認して、その範囲内で雇っていただくということが本来の基本になるわけですから、そこがきちっとされるというのがまず第一点あるわけですが、それを基に届け出ていただくことによって、ハローワークにおきましても、どの企業でどういう職種でどういう在留資格の方が働いているかということが把握できると。その前提の下に、企業に対してありがちな問題点をきちんと指導していくということによって雇用管理の改善を図っていくということを考えている、雇用管理の改善という意味ではそういうことを考えているということでございます。
#331
○福島みずほ君 永住者の人たちは、私が言うまでもなく、ワーキングビザじゃないですから、全部十把一からげにすべて外国人ということで、特別永住者以外はこの管理の対象にするわけです。そうすると、やっぱり就職やいろんな点で不利を受けるのではないかという、ちょっと繰り返しになって済みませんが。
 それから、不思議なのは、名前やいろんな点って関係ないじゃないですか。ある企業が、非常に外国人を低賃金で使っている、どうもタコ部屋で使っている、外国人研修制度を実質は労働者として使っているんであれば、それにメスを入れればいいわけで、すべての外国人の、特別永住者を除いて、どの事業所でどういう氏名の人の、どんな年齢の人の、どんな資格の人がどう働いているか、個別の個人情報ではなく、労働の実態に着目した政策こそやるべきではないですか。つまり、名前の把握のためにやっているんじゃないか。
#332
○政府参考人(岡崎淳一君) 企業におきまして的確に在留資格を把握してきちんとした管理をするというためには、企業としてはやはり外国人の在留資格はきちっと確認するというのが本来第一にあるべきですし、それで確認した範囲のことについて届け出る。これは、雇用保険の資格の得喪届と一緒に出していただきますので、結局、名前が元々ある中に、その外国人在留資格等を上乗せして出していただくと、こういうことを考えているわけでありますが、そういう形の中で把握することによって、職種とかそういった、だから、その段階で個々の個人名を基に指導するというわけではありませんが、きちっと企業が在留資格を確認して届出をしていくと。この制度をきちっと動かすということと、それによって出てくるものできちっとした雇用管理の改善のための指導をしていくと。それはセットで全体として制度が考えられているというふうに考えております。
#333
○福島みずほ君 低賃金で外国人を使いたい事業主が自ら申請するとは思えず、不法就労を隠ぺいし、不法就労外国人の雇用環境はより悪化するのではないですか。
#334
○政府参考人(岡崎淳一君) これはむしろ、外国人を雇えばきちっと在留資格を確認して届け出なければいけない。届け出る以上は行政機関に外国人労働者を使っているということが分かるわけですから、そこできちんと日本人と同等の賃金を払っているということを確保していくと。そのためには、やはりきちっと届出をしなきゃいけないと思えばきちっとやるというふうに、私どもはそういう循環になっていくんではないかというふうに考えております。
#335
○福島みずほ君 外国人を使用している事業主に日本人と同じ賃金で全部やれという指導できますか。
#336
○政府参考人(岡崎淳一君) そもそも労働基準法三条におきまして、国籍を理由として労働条件等について差別をしてはならぬと、元々そういう規定になっているというふうに考えておりますし、今回、外国人の雇用管理の改善のための指針も大臣告示で定めることにしておりますが、そういう中でも、そういうことを含めて明記して、きちんとした、外国人の方も日本人と同じように働けると、こういう形をつくっていく。そのためにも今回の雇用対策法があるんだというふうに考えております。
#337
○福島みずほ君 外国人が働いて、多くの人が働いている職場というのはある程度限られているように思っています。
 この法律に私がとても違和感を持つのは、その働いているというか、とにかく外国人はすべて届け出ろと、特別永住者を除くわけですから、だれかを採用するときには何かの身分提示を求めないと本当の確認にはならないわけです。しかも、外国人だというのが分かれば、それを全部データ、事業所、厚生労働省に届けて、それが場合によっては法務省に情報が行くわけですから、いわゆる不法就労の人たちやできるだけ隠れて働きたい人たちは水面下に潜ってしまうし、それから特別永住者、永住者、日本人関係なく、やっぱり就職の際の非常にこれはハンディキャップになっていくだろうということを強く思っています。
 こういう制度が雇用の促進としてではなく、やっぱり外国人の管理になるんじゃないか。私は、いずれ厚生労働省が把握した外国人労働者のデータベースと法務省の入管のデータベースが全部逐一点検され、どうなっているかがされる日も出てくるんではないかと大変危惧を持っております。
 その意味で、今日は外国人のことのみで、これでもまだ不足をしていますが、多くの法案に問題があると指摘し、私の質問を終わります。
#338
○委員長(鶴保庸介君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時散会
ソース: 国立国会図書館
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