くにさくロゴ
2007/05/31 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第24号
姉妹サイト
 
2007/05/31 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第24号

#1
第166回国会 厚生労働委員会 第24号
平成十九年五月三十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     小林 正夫君     山本 孝史君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     広中和歌子君     櫻井  充君
     谷合 正明君     渡辺 孝男君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     中島 眞人君     岩城 光英君
     南野知惠子君     野村 哲郎君
     下田 敦子君     喜納 昌吉君
     辻  泰弘君     前川 清成君
     山本 孝史君     松下 新平君
     渡辺 孝男君     風間  昶君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                阿部 正俊君
                中村 博彦君
                足立 信也君
                津田弥太郎君
                浮島とも子君
    委 員
                岩城 光英君
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                西島 英利君
                野村 哲郎君
                藤井 基之君
                喜納 昌吉君
                櫻井  充君
                島田智哉子君
                辻  泰弘君
                前川 清成君
                松下 新平君
                森 ゆうこ君
                柳澤 光美君
                風間  昶君
                渡辺 孝男君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
   副大臣
       総務副大臣    大野 松茂君
       厚生労働副大臣  武見 敬三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局公務員部長   上田 紘士君
       法務省入国管理
       局長       稲見 敏夫君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省職業
       安定局長     高橋  満君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        岡崎 淳一君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   奥田 久美君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、小林正夫君、広中和歌子君及び谷合正明君が委員を辞任され、その補欠として山本孝史君、櫻井充君及び渡辺孝男君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(鶴保庸介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長高橋満君外六名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(鶴保庸介君) 雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。前回に引き続きまして、雇用対策基本計画に関連して、お別れの最後の質問をしておきたいと思います。
 さて、十五分と限られておりますので、かいつまんで申し上げたいと思います。
 前回、いろいろと申し上げましたけれども、そもそもどうなっているのかというのは、必ずしも皆様御存じないかもしれないと思いまして、恐縮ですけれども、昨日十一時半ごろ会館に戻って三時半まで、今日作ってまいりましたけれども、ちょっと余り美しくなくて恐縮なんでございますけれども、一ページ目が、これまでの経済計画と雇用計画の経緯ということで、厚労省の資料で出させていただいている。「改革と展望」もその中に位置付けられたという資料が出たことがあるということでございます。
 それから、二ページ目が、上が雇用対策法で、雇用対策基本計画は、政府の策定する経済全般に関する計画と調和するものでなければならず、こういうことが出ている。そして、過般議論になりましたけれども、平成十四年二月、平成十四年九月に、澤田局長、また福田官房長官に私が質問したときに、計画として、雇用対策基本計画と整合性を持つべき、調和あるべき経済計画として「改革と展望」をとらえていると、こういった答弁があると、こういうことが二ページ目でございます。
 三ページ目が、私が主張してきたことなんですけれども、要は私は、「改革と展望」がローリングプランになった、すなわち毎年変えていくということになったわけでございますが、私は、大変経済社会の変化というものが著しい、急激だという状況の中で、私は計画が、計画経済じゃございませんから計画がすべてではございませんが、一つの年間の先の見通しをそれなりに持って、政策官庁がみんな知恵を結集してこれからどうやっていくかという、そういう形というのが人間が考えられる一番いい形ではないかと思うと、このように十四年二月に申し上げて、そして八月には、経済計画と整合性を持ったものということは、すなわち経済計画がローリングシステムになったわけですから、それに伴って雇用対策基本計画も変動が著しいわけですから毎年見直しをすることもあってもいい、その基本方針を持って雇用対策を行うべきだと、このように私は申し上げてきたわけでございます。
 四ページ目は、これは昨年の小泉さんへの、総理への質問のときに使った資料ですけれども、雇対計画というものが今や余りにも陳腐化している、余りにも現状から外れている、しかしこれが現行の雇用対策基本計画である、これは見直すべきだということを申し上げたというのが四ページでございました。
 五ページ目が、その「改革と展望」につながる政府の閣議決定を三つ挙げていると、こういうことでございます。
 そこで、厚労省の方には、昨日申し上げて、二つのポイントについて申し上げ、御答弁も考えていただいているようでございますので、二つ、まず申し上げておきたい。一つは、前回局長から、平成十四年一月に終了したと、このように答弁があったわけですけれども、「改革と展望」を経済計画と位置付けた答弁というのはこれまであったというふうに思っていますけれども、その点についての認識をお伺いしたい。
#7
○政府参考人(高橋満君) お答え申し上げます。
 いわゆる「改革と展望」をどうとらえるかということでございますけれども、「改革と展望」については、委員も今お触れになりましたとおり、毎年度の経済財政の動向を踏まえて毎年度改定していくものであると。そういう意味では、固定的な期間を定めた従来の計画とは厳密な意味では一致はしない。ただ、いわゆる「改革と展望」の策定に至った経緯を踏まえると、経済計画に相当するものというふうに評価をできるのではないかと、こういうふうに思っております。
#8
○辻泰弘君 経済計画に相当するものと評価すると、こういうことですね、してきたということですね。
 大臣の方に一つ御質問を通告しております。これは、大臣が、小泉内閣になって計画という手法はなくなったという答弁をされているんですけれども、しかしそれは必ずしもそうじゃないんじゃないかと、このことを申し上げているんですが、その点について見解をお願いします。
#9
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、この間ずっと行政改革なぞに携わってきた立場から、経済企画庁が廃止され、そして経済審議会も廃止され、そこでの下で、本当に日本国民の英知を集約するという意味で広くいろいろな分野の専門家を糾合して経済審議会を構成して、そして国の行く末をかなり明確な形で計画として定めるという、そういう行政運営の仕組みというものは変わったというふうに実感をいたしております。経済審議会は、結局経済財政諮問会議というものに糾合、融合されたということがいきさつとしてあったわけで、いずれにしても消滅をいたしたわけでございます。経済審議会と経済財政諮問会議とでは、随分成り立ちも変わっていることは御案内のとおりでございます。
 そうしたところで、「改革と展望」というものをどう見るかということでございますけれども、計画という呼び方、あるいはローリングシステムの下での計画ということの呼び方はもとよりできるわけですけれども、しかし従来の、非常に、今私がるる述べたような形での国家の計画、その基本だと、基本たる計画だというような立場というか、そういうものは、随分策定の経過からいっても変質をしたというふうに実感を持っているわけでございます。
#10
○辻泰弘君 局長に確認しておきます。先ほどの御答弁の中に、政府の策定する経済全般に関する計画に相当するものと「改革と展望」を評価してきたと、こういうことだと思うんですが、その点、いいですね。
#11
○政府参考人(高橋満君) 今の御指摘の趣旨のとおりでございます。
#12
○辻泰弘君 そこで、大臣に一つ確認して、お聞きしたいんですけれども、現行の雇用対策基本計画というのがあるんですけれども、これ、ごらんになったことありますか。
#13
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは十か年計画で、最後の経済審議会における経済計画に相照合したものとして策定をいたしているものと承知をいたしております。
#14
○辻泰弘君 明確にお答えいただけないんだけれども、読んだことがあるかということなんですね。はっきり言って、時間がないんでそこまで聞きませんけれども。
 率直に言って、これ見ていただくと計画性というのはないんです。むしろ、方針が書いてあるだけと言ったらあれですけれども、要はビジョンなんです。ですから、計画という言葉にこだわって毛嫌いされますけれども、むしろ経済の方かもしれませんけれども、しかし雇用対策基本計画というのはビジョンであって、何も計画経済というふうなことで批判になるようなものじゃない。むしろ、本当にビジョンと言えるほどの代物かというようなことをむしろ言いたいぐらいでございます。ですから、そういう意味で私は、基本的に計画という位置付けで今後ともいくべきだったと、このように思っているということを申し上げておきたい。
 以下、時間もございませんので、私が思っている所信を申し上げておきたいと思っています。
 それで、まず、そもそもこの雇用対策基本計画を終了するということになった出発点、前回の局長の答弁もありましたけれども、審議会の課長の発言等を振り返りますと、政府の経済計画が平成十四年以降、「改革と展望」という毎年度改定する計画ではないものに取って代わったものですから、その前提がなくなっている、このことをおっしゃっていて、それがほぼこの根底にある終了、変更の理由ではないかと私は思っていますが、しかし、先ほど出した資料にもありますけれども、その一か月後の平成十四年二月に、私が質問したのに対して澤田、当時局長が、今般廃止されました従前の経済計画が新しい「改革と展望」に変わったと、このようにおっしゃっているわけです。ですから、当時経済計画として「改革と展望」を継続したもの、引継ぎの形として受け止めていたと、このように私は思っていますし、その上での議論をこれまでさせていただいたと、このように思っているわけでございます。
 ですから、私は、今経済全般に関する計画に相当するものと評価してきたと、このようにおっしゃったわけですけれども、そうであったとすれば、その上に立った判断、対応があってしかるべきであった。すなわち、雇用対策基本計画も「改革と展望」と調和する形でのローリングプランにするということがまず考えとして出てきて、その後にどうするかということだったと私は思うんですけれども、その部分を飛び越えて、そもそも計画はなくなったという。そうしたら、これまで評価してきたものをどう考えたのかというプロセスが全く見えていない、その点全く不分明である、このことを申し上げておかなければなりません。
 それと同時に、雇用対策基本計画というものは閣議決定を求めなければならない、このようになっているわけでございます。この閣議決定の義務付けという極めて重要な条文の削除に当たるにもかかわらず、今回の大臣の提案理由説明にはその規定削除について全く言及がなされておりません。そして、資料にありますように、昭和四十二年以降今日に至るまで、雇用に関する基本政策として閣議決定してきた雇用対策基本計画を以後策定しないという重要な方針変更であるにもかかわらず、提案理由説明には全く言及がない、このことも指摘しておかなければなりません。
 それと同時に、大臣は、経済計画というのは、もう計画というのは時代にそぐわない、細川内閣のときから発言したとかそんなこともおっしゃっているわけですけれども、そして小泉内閣になってから、もう計画という手法はなくなったと言っているんだけれども、しかし、小泉内閣の最たるものである平成十三年六月の正に最初の骨太の方針の中に、中期的な経済財政計画の策定ということが明示され、閣議決定されている。そして、それがビジョンであって、それに基づいて政策をやっていくんだということを明確に打ち出したのは平成十三年六月の骨太の方針、まず小泉改革の出発点のときにその計画というものを明示して、その流れの中で「改革と展望」ができているわけなんです。
 当時の経済財政諮問会議の議事録等を振り返りますと、平成十三年十一月二十七日の資料には、中期経済財政計画で明確な将来展望を示すと、本計画の計画期間は二〇〇二年度から二〇〇六年度の五か年とすると、こうなっている。それが一週間後の十三年の十二月四日には、「改革と展望」の対象期間は二〇〇二年度から二〇〇六年度の五か年とするということで、そこでネーミングが変わっているわけです。
 そのことを竹中さんはどう説明しているか。これは議事概要で出ておりますけれども、中期経済財政計画という言葉は骨太の方針に出てくる、我々はそれを全部承認している、それで本文の中でこの計画を略称で呼ぶ箇所では計画とずっと書いてきたと、今日、名前が正式に決まったのでこれは全部書き換える、すなわち、計画という名前を展望ということに書き換えたから以後は変わったと、こういうことになっているわけです。すなわち、名前はともかくとして、考え方なり精神は計画ということでずっと来ているということを言っている、このことも申し上げておかなければなりません。
 それから、平成十九年一月に「進路と戦略」が閣議決定されておりますけれども、「改革と展望」を今まで評価してきたとおっしゃいました。そうであれば、その「改革と展望」を引き継いだ「進路と戦略」をなぜ同等に評価しなかったのか。そのような検討がなされた上での今回の対処であったようには到底見受けられない。このことも申し上げておかなければなりません。
 それから、同じ今年一月の「進路と戦略」、その中には大事なことが出ております。政府の諸計画等との連携、今後政府が策定する中期の計画等(国土形成計画、社会資本整備重点計画等の公共事業関係計画、地方分権改革推進計画、道州制ビジョン、イノベーション25等)については、特に「進路と戦略」と整合的なものとする必要がある、このように明記されて閣議決定されているわけでございます。
 正に、「改革と展望」を引き継いだ姿である「進路と戦略」は、「改革と展望」にはなかった政府が策定する中期の計画等との整合性を求めている、これまでの雇用対策基本計画の精神をむしろ強く打ち出したものとなっていると私は理解します。それに逆行する形で、厚労省は整合性、調和を求めるという法制上の規定を削除している。このことは、正に政府の閣議決定の政策方針との調和、整合性をなくならしめているものだと言わざるを得ないと、このように思うわけでございます。
 また同時に、計画は時代後れだと言わんばかりの御発言でしたけれども、厚生労働省自体計画というものをたくさん出しております。障害福祉計画、障害者計画、老人保健福祉計画、医療計画、医療費適正化計画等々、多くの計画を出しておりますけれども、しからば、計画というものの名を冠することができるものとできないものはどこで区別するのか。
 私は、計画と言っているけれども、いずれもビジョンだと思っています。その点について、経済計画だけはそういった議論の経過が経済財政諮問会議でもあったにもかかわらず、計画という名前がおかしいんだと言って、ほかはそのまま御自身の出していらっしゃる計画は残しているわけです。そこの矛盾も申し上げておかなければならない。
 それから、審議会での議論です。審議会でも、椎谷委員、四十年前の法律なりその法律に基づいて初めて雇用対策基本計画が作られたことを思い返しますと、中身の問題というのは全省にまたがったり、もちろん厚生労働省の中の他局にみんなまたがるわけですが、安定局の中に閉じこもらないで、他の局なり省にどんどん働き掛けて、そういうものを実現するような方向で努力してもらうことが大事だと思いますと、雇用対策法に基づく雇用対策基本計画の中にはかなり幅広く書いてあった、幅広く政策的な努力をお願いしたいと、このように言われているのが、審議会でのこのことについての私が見る限り唯一のコメントであったと思っています。
 このことは、慎重であるべきだ、やはり私は計画というものを、これまでの位置付けというものを後退させるなという御議論だったと私は理解しているわけですけれども、いずれにいたしましても、今回の雇用対策基本計画の終了の理由は極めて不明確であり、根拠が薄弱である、説明が不十分であると言わざるを得ないと思っております。
 審議会ではむしろ慎重意見があった。また、国会では、十五回のうち五回は今次改革における衆議院の議論であって、残りの十回は私がずっとしてきたわけですけれども、その国会ではこのことについての価値判断を言っている唯一の発言者が私ですが、改定をして残してむしろ発展させていくべきだと言っていたわけでございます。そういった中で、議論が不十分な中でこのように終了させるということは、本当に理解ができません。
 厚労省の勝手な理解だけで、説明も十分でないままに、日本の経済社会の将来や今後の国民生活にかかわる重要事項を、内閣全体で総合的に取り組むという基本方針を持っていたものを軽率に変更している、このことは全く論理性がない、でたらめで容認できない、このことを申し上げて私の質問を終わります。
#15
○柳澤光美君 おはようございます。民主党・新緑風会の柳澤光美でございます。
 私は、雇用対策法が今回、労働国会と言われる労働法制全体を見直す根幹になるだろうなというふうに期待をしておりました。今後の我が国の雇用政策の進むべき方向、具体的にはどういった雇用形態で、またどういった働きを目指すのかと、この基本のことが明確になるというふうに思っていたんですが、正直言いましてがっかりしております。今日は少し今までも述べてきた思いも込めて御質問をさせていただきたいと。
 残念ながら、バブル崩壊以降のこの十五年間、我が国の雇用政策においては実態後追いあるいは対症療法をその都度行ってきている、対応が遅れ、その場しのぎのパッチワークのような法改正ではなかったかと言わざるを得ないと思っています。
 確かに、九〇年代初めにバブルが崩壊しグローバル化が進む中で、日本経済は債務の過剰、設備の過剰そして雇用の過剰という三つの過剰を抱え、長く苦しむことになりました。銀行の多額の不良債権による金融危機もあり、改革はせざるを得ない状況にあったことは理解ができます。ですから、小泉改革を全否定するつもりは私はありません。しかし、経済財政諮問会議と当時の規制改革・民間開放会議を使って改革を急激に進める中で、確かに最初は既得権益にメスが入りそれなりの効果があったと思います。しかし、労働者の代表も入らず、市場経済原理主義の偏ったメンバーにより雇用問題が論議されるようになり、人は財産であるという日本の雇用慣行が崩壊してしまったというふうに私は感じております。
 労働者を人件費コストとしか考えず、必要なときに採用し、要らなくなったら解雇する、それが正規社員から非正規社員への必要以上の切替えであり、派遣という外部労働者の導入だと思っています。規制緩和によって労働者派遣は大きく成長というか膨張をしました。もちろん適正に制度を活用している企業もあります。でも、中には労働力をコストとだけとらえ、人材育成を怠り、安易に外部に安い労働力として労働派遣を利用してきた企業というのが多く存在しているのも事実。このことは、私は経営者の少し悪乗りではないかというふうにとらえています。また、その後押しをしているのが経済財政諮問会議であり、規制改革会議だというふうに思っています。このことを今日は突っ込むつもりはございません。
 雇用対策法についてお伺いしたいと思いますが、まず最初にお聞きしますが、第一条の目的の部分について、法案要綱には、人口構造の変化等の経済社会情勢の変化に対応してというふうになっていたのが、改正案では、少子高齢化による人口構造の変化等の経済情勢の変化に対してというふうになっています。なぜ、わざわざ少子高齢化によるという文言を加えて限定するのか。
 政府としては一方で少子化対策を推進しておりまして、少子化を前提とした雇用対策を行おうとしていること自体問題ではないかというふうに私は考えています。また、今後、仮に少子化対策が功を奏して出生率が好転し、少子化が解消された場合はどうするのか。どのような経済環境や人口構成でも対応できる雇用対策でなければならないのではないかというふうに考えます。
 なぜこのような文言にしたのか、教えていただきたいと思います。
#16
○政府参考人(高橋満君) 法案要綱におきます文言とこの法律案の目的規定で記載されております文言、人口構造の変化の頭の方に少子高齢化によるという文言が法案の方に入っているわけでございますが、言うまでもなく、この要綱におきます意味もこの法案の中で記載されておる趣旨と同様の趣旨で要綱として記載されたものでございまして、基本的に考え方は一緒になるわけでございます。
 それで、少子化というものを前提とした雇用対策ということを行おうとしているのではないかという御質問でございますが、少子化対策そのものにつきましては、我が国社会にとって極めて重要な問題であるわけでございまして、国、地方、企業等が一体となって取り組むべき喫緊の課題であると考えておるところでございます。
 同時に、言わば、これまでの結果としての少子化というものの影響によりまして人口減少というものが見込まれるわけでございまして、そういう中で労働力人口というものも減少せざるを得ない。その減少をできるだけ抑えつつ経済社会の活力を維持増進させていくためには、若者、女性、高齢者など働くことを希望されるすべての方々の就業の参加ということを実現していくことが極めて重要でもあるわけでございます。
 こういうことで、今回の法案におきまして、人口減少下における就業促進ということを大きな目的といたしまして改正をお願いをいたしているわけでございますが、こうした改正案を踏まえまして、私ども、各般にわたる雇用対策の実施に今後更に努めていく考えでございますが、こうしたすべての働くことを希望する方々が就業の参加というものを実現できるというふうなことは、ある意味では働き方の見直し等を通じた少子化対策にも資する面があるものではないかというふうに考えております。
#17
○柳澤光美君 少し私の考え方を述べさせていただきたいと思いますが、確かに、少子高齢化による労働力の量の問題というのは大事な課題だというふうに思っています。ただ、私は、それ以上に問題なのは労働力の質の低下と格差の拡大だというふうに思っています。
 その中で、女性の雇用に対していえば、目的はM字をなくすことが大きな課題でありまして、女性が出産して退職しないように育児休業がきちんと取れ、その後は短時間社員として勤務し、育児が終わったら元に戻れる、これが一番目指している理想的な方向だろうと。ただ、一方では、退職をして、勤務時間が守られ責任が重くない仕事をしたいという短時間勤務を望む女性もいらっしゃいます。それがパート労働法でも確認をさせてきていただいたわけですが、それで大切なのは、均等・均衡処遇の確立とワーク・ライフ・バランスだというふうに思っています。
 それからもう一つ、高齢者の雇用も、これは雇用延長が必要ですが、それだけではなくて、私は、元気であれば週三日一日二時間、七十になっても八十になっても働けるような、誤解を恐れずにちょっと言わせてもらいますが、死ぬまで元気で働いてもらえるような雇用環境を整備することが重要だろうというふうに感じています。そのことが年金とか医療とか介護の解決につながっていくんだと、ただ労働力の問題だけではないと。
 しかし、少子高齢化のためにだけ雇用対策が必要というふうに出しているところに私は大きな間違いというか問題点があるというふうに強く思っておりまして、私がとらえているのは、むしろ、雇用における今の最大の問題点は、非正規社員が千六百三十三万人と三人に一人になって、その中に、本人は正社員になりたいのになれず、仕方なしに非正規社員になっている労働者が増えていることだというふうにとらえています。
 その第一が、パート労働法改正の中でも強く主張させていただいたんですが、学生バイトとか、いわゆる退職をして、先ほど言いました主婦パートで短時間で働きたいという人、それから、高齢者パートなど本人の希望で非正規社員を選んでいた時代から、この十五年間、非自発的にパート労働にしか付けなかった、特に新卒パート、男性パート、世帯主パートなど、特にフルタイムパートが増えている、この均衡待遇と正社員への転換が大切だということを先回も強く主張をさせていただきました。実現はかないませんでしたが。
 第二には、派遣という問題です。
 雇用契約をしている会社と働いている会社、職場が違うと。この外部導入型の労働者が急増して雇用管理が複雑になって、問題が本当に見えにくくなっている。結果として、ワーキングプアと言われる低い労働条件の下で人材育成がおろそかになって、短時間有期雇用や契約、派遣、請負など、機械の部品のように使い捨てにされる労働者が増えている。長期雇用や年功処遇という日本の雇用制度が大切にしてきた、一番の問題は、人的資本が私は失われているのではないかということを一番危惧をしています。
 この目先の人件費コストの削減は、企業内教育により技術や技能を高めて収益を上げてきた、その収益を結果低下させていることにつながっています。さらに、個々の企業にとっては合理的であっても、社会全体としては深刻な問題を引き起こしている。人口減少社会で経済成長を維持しようとすれば、非正規社員も含めた労働者一人一人の能力を高める、このことが何より私は重要だろうというふうに思っています。それが一方では、正規社員は長時間労働が常態化してサービス残業が蔓延する中で、うつ病など精神障害そして過労死や過労自殺が増加しています。
 この雇用状況をどう改善するか、それが私は雇用対策の基本だというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#18
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもの今回の雇用対策法につきまして、非常に基本的な問題を御提起をいただいているものと受け止めさせていただきます。
 この雇対法第一条には、「労働力の需給が質量両面にわたり均衡することを促進して、」というふうに書かれておりまして、今委員が御指摘になられるように、量の面のみならず質の面の均衡の実現ということも明らかにこの法律は目的といたしております。そういうこの法律に照らして昨今の労働市場の現況というのは、今委員がるる御指摘いただきましたように、質という面ではいろんな問題を生じている、あるいは投げ掛けているということを私どもも明確にそこは認識をしているつもりでございます。
 それに対して、今回の法律がどういうような姿勢でこの問題に臨む、そういうことを表現させていただいているかということを申し上げたいのでございますけれども、一つは、やはり第四条の九号に、不安定な雇用状態の是正を図るため、雇用形態及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実すべきだということを書かせていただいておりまして、このくだりは基本的には改正前の六号を踏襲しているものでございますが、ここでも若干の修正を加えまして、昨今のいろいろな問題、派遣だとか請負だとかということに対してもここではっきりその改善等を促進するということをうたわせていただいておるということでございます。
 それから、十二号のところで、私どもは雇用管理の改善の促進ということをうたわせていただいておりますが、これも抽象的な言い方ではありますけれども、育児休業だとか男女の機会均等であるとかというようなことを含意しておりまして、今委員が問題ありとされた分野に対して、私どもがこうしたことについて同じような問題意識の下でその改善を図って、質の均衡ということに役立てていく必要があるという認識に立っているということはうたわせていただいているつもりでございます。
 そして、最後に、委員が正に触れられた職業能力の向上の面につきましては、ちょっとさかのぼるわけですが、四条の一項二号でその点をうたわせていただいておりまして、この面についてももちろん社内の研修制度の充実を求めるわけでございますが、場合によっては、それは社外での職業訓練あるいは職業能力ということの向上という施策も必要というふうにとらえまして、それらのことについてうたわせていただいているという我々認識に立っております。
 委員がおっしゃるとおり、現下のこの問題というのは、一時期の量的な均衡の回復ということについてはかなり好転をしたということですが、質の面に着目いたしますとまだまだ問題は大きく残っているという認識、これは私どもしっかりと持たせていただいておるということでございます。
#19
○柳澤光美君 本当に柳澤大臣の方も大変御苦労されて勉強をされて、前向きな答弁を最近はいただいておりまして、一つは、大臣が最初の私の質問のときにこういうふうに答えていただきました。やはり基本的には安定した職場に長期にわたっているという形を基本に置くべきだと、また、長期安定的な雇用の場というのは希望する人には絶対確保するという基本を揺るがすべきではないという御答弁をいただきました。私は、そのことがあらゆるところで対応をして実効性を上げるということが大事だというふうに思っております。是非そのことをお願いをしておきたいと思います。
 それで、パート労働法で短時間等はやりましたが、私は今一番気になっていますのが実は労働者派遣法に伴う派遣労働者の問題です。この雇用問題を議論する中では、どうしてもこの昨今の派遣労働問題について言及しなければならないだろうなと。
 戦後、強制労働や中間搾取の温床となってきた労働者供給事業については職業安定法において厳しく禁止されてきました。しかし、時代が変わり、今で言えばIT化、当時はOA化というふうに言っていましたが、コンピューターの技術者など、なかなか社内の教育では間に合わない専門的な分野の労働者を外部に求めるという企業の需要が高まり、そういった背景もあって一九八六年に労働者派遣法が立法化されたというふうに記憶をしております。言わば、実態が先行し後追いの形で法整備が行われたといった感じをしております。
 しかし、時代が変わり、その後、平成十一年、一九九九年の改正では、これが一番大きなポイントだったんですが、ネガティブリスト化によって、港湾運送、建設、警備、医療関係、製造現場などを除く職場への派遣が可能となる原則自由化が行われました。さらに、平成十五年、二〇〇三年改正では、派遣期間の原則三年への延長、物の製造への解禁など、急激に派遣労働者が増える体制になってしまいました。この改正に当たっては、読ませていただくと、国会での審議においても、違法な請負が横行しないのか、また常用代替にならないのか、しつこいほど何度も確認がなされ、当時の労働省、厚生省の答弁では、労働者派遣法の適正な運用を約束するので心配ないと答弁が繰り返されていました。
 しかし、どうでしょうか、昨今の状況を見れば、懸念されていたことがそのまま起こっているのではないでしょうか。労働者派遣は私は常用代替ではないとしていたというふうに思います。このネガティブリスト化以降、労働の現場では正社員が首を切られ、いつの間にか派遣労働者の置き換えが行われるなどの状況が散見されるようになりました。また、物の製造現場に派遣を解禁した途端、偽装請負が横行しました。結局は、労働派遣法は当初の説明とは大きく違って、法遵守のための措置や罰則規定が甘いために、運用の段階でざる法に私はなってしまったと言わざるを得ないと思っています。
 そこで、派遣法の問題で何点かお伺いをしたいと思います。
 私は、労働者派遣は、専門分野を除けばあくまでも臨時的、一時的な労働力の需給調整機能だというふうに考えています。ところが、実態は通常労働者の代替となっており、しかも常用派遣ではなくて登録型派遣が急激に増えている。
 そこでお聞きしますが、常用派遣そして登録型派遣の人数はどのくらいになっているのか、厚生労働省で把握している人数を教えてください。
#20
○政府参考人(高橋満君) 平成十七年度の派遣事業報告は、これは派遣事業者から報告をいただいておるわけでございますが、それによりますと、派遣労働者数全体では約二百五十五万人、そのうちいわゆる登録型派遣の労働者の数は約百九十三万人、それから常用雇用労働者、常用雇用型の派遣の労働者、これが約六十一万人と、こうなってございます。
#21
○柳澤光美君 実は、今答弁がありましたように、もうトータルでは二百五十五万人。その中でも、派遣労働がもう六十万人を超えてくる、登録が。
 私は、介護保険法のときに、電話一本で利用者宅に派遣される直行直帰型の登録型ヘルパーの問題を指摘をさせていただきました。教育どころか労働基準法さえ守られないような実態になってしまう。いわゆる、企業にきちんと来てコミュニケーションが取れてなくて、そのまま電話一本で動いている、こういう労働の仕方というのをもう一度きちんとしないと、人材育成にも、特にヘルパーの質的向上につながらないと。
 私は、この登録型派遣が、ネットカフェ難民だとか、若者たちがそういうところに追い込められているという実態になっているというふうに思うんですが、この登録型派遣について厚生労働省は実態をどのように把握されているのか、お聞かせいただけますか。
#22
○政府参考人(高橋満君) 今申し上げましたように、登録型派遣として、これは百九十三万人の方がおられるというふうに申し上げましたが、これは単に登録しておって何の派遣就業の稼働がなかった方は除いておりますので、何らかの形で働いておられる、一年間において働いた方ということでございます。
 この登録型のみならず常用型も含めまして、私ども、派遣労働者の実態ということにつきましては平成十七年にアンケート調査というものを実施をいたしまして、派遣元事業者から見た状況、それから派遣先事業者から見た状況、それから労働者から見た状況、それぞれ各般にわたります状況について把握をいたしているところでございます。
#23
○柳澤光美君 済みません、私が間違えました。登録型が百九十三万人ですね。ということは、むしろ常用よりも登録型の方が急激に増えている。
 私はいつも思うんですが、法案等を変えて、世の中の動きというのはすごいスピードで動くんですよ。その結果がどうなったのかという現場確認をして、それに対していわゆる行政がどういう手を打っていくのか。常々思っているんですが、私は行政の対応が遅いのと、非常に机上論では立派な形が取れるんですが、実態に追い付いていない。とすれば、現状の問題を解決するために法改正を行わなくても、適正な運用がされれば現行法でも十分対応できるものたくさんあるだろうと。その法の遵守をさせるために、厚生労働省としては今どういう対策を取っているか、具体的に教えていただけますか。
#24
○政府参考人(高橋満君) 今委員御指摘の、派遣のみならず請負、言わば外部労働力の活用の形態としての派遣及び請負につきまして、私ども、これは派遣法におきましてきっちり、請負はこれこれこういうもの、派遣はこれこれこういうものということで、その区分というものを明確に示して対応しておるわけでございますが、そういう中で、派遣という形態につきましては、正に労働者派遣法に基づきまして、種々の労働者保護の観点からの様々な派遣先及び派遣元に対するそれぞれの遵守すべき規定というものが整備されておるわけでございます。
 そういう中で、私ども、労働者派遣法に基づきまして必要な監督というものを行いながら、この派遣法に基づく状況というものの遵守状況というものを把握しながら厳正に指導を行ってきておるわけでございまして、その際に違反が把握できれば、当然それを是正させていくという形で取り組んできておるわけでございます。
 特に、昨年九月以降、いわゆる契約は、契約上は請負であってもその実態が派遣という形であると、こういうようなこととして判断できるいわゆる偽装請負の防止、解消ということを図っていくために、従来以上の取組を行っていこうということで、その強化に努めてきたわけでございまして、私ども、今後とも、この偽装請負を含めまして、労働者派遣法のきっちりその遵守を求めていくための取組について、最大限努力を傾注をしていきたいと考えております。
#25
○柳澤光美君 決して、私もやってないなんと言うつもりはないんです。ただ、結果としてこういうふうになってしまう。私は、政治とか行政というのは、そういう形で規制緩和なり規制改革を大きく変えようとするときには、今後どういう状況が起きるだろうと。とすれば、それは法案の中でどういう規制、今度は逆に罰則規定を設けるのかということをしておかないで、十年も十五年もたってぐちゃぐちゃになってまたやろうとする。特に人の問題は取り戻せないんですよ。
 労働者派遣法の問題点というのは、私は、派遣元に対する罰則、例えば指定の取消し等の処分はあるんですが、派遣先に対する罰則というのは非常に弱いというふうに感じています。業務請負では禁止されているんですが、派遣では指揮命令は派遣先企業の担当者が行うわけですね。利益を享受するのはむしろ派遣先の企業です。問題が起きたときには派遣先も応分の罰則などの措置をきちんと歯止めを掛けないと駄目なんではないかなということも強く感じていまして、派遣先に対する罰則の強化については、今どのように考えられていますか。
#26
○政府参考人(高橋満君) 労働者派遣という形態、今委員御指摘ありましたとおり、雇用関係が派遣元と派遣労働者との間にある、また指揮命令関係が派遣先と派遣労働者との間にあると。こういうような形態ということもございまして、労働者派遣法におきましては、派遣元に事業の適正な運営の責任を持たせて、それを通じて労働者保護に欠ける事態が生じないような、そういう法体系になっているわけでございます。
 このため、その派遣元につきましては、許可又は届出にかからしめて広く行政処分や罰則の対象になっている……
#27
○柳澤光美君 済みません、派遣先にはどうなんですか。
#28
○政府参考人(高橋満君) それで、派遣先につきましては、確かに行政処分というものはこういうことで設けられていないわけでございますが、そういう意味で、派遣法上の制裁の在り方というのは異なっております。
 ただ、当然のことながら、指揮命令に伴う労働基準法等の使用者責任にかかわる罰則というものは当然適用されるものでございます。
#29
○柳澤光美君 ですから、私が言いたいのは、登録型派遣がもう百九十三万人になってきている。派遣先、いわゆる二百五十五万を超える派遣労働者がいる。これは派遣元だけではなくて派遣先の方に対してもきちんと明確な基準を作ってあげる。必要であれば罰則規定を作る。私は規制緩和をしたり規制改革をするときに、そのいわゆる歯止めの部分をきちんと作らなければ、正直言いまして労働者は非常に弱い立場にいますから、使う方にいいように使われてしまうということを大変懸念しています。
 これはまた検討いただくということにして、実は、そんな中でも、やはりできるだけ正社員に派遣先でしてもらおうということで、一年以上継続して派遣が行われている場合には直接雇用をしてくれということになりました。直近のデータで、昨年ので結構ですが、このことによって全国で何人が派遣先企業に直接雇用をされたか教えてください。
#30
○政府参考人(高橋満君) 派遣労働者が派遣先に直接雇用された人数についてのお尋ねでございますが、紹介予定派遣というものは別といたしまして、今の委員が言われたいわゆる専門的業務二十六業務以外の業務にかかわる期間制限、これを実質的にその防止を担保するために、いわゆる一定の条件の下で雇入れ申込義務というものが付されておるわけでございますが……
#31
○柳澤光美君 いや、人数だけでいいです。
#32
○政府参考人(高橋満君) これについての、これも含めた直接雇用された人数ということについては現時点で把握はいたしておりません。
#33
○柳澤光美君 何で把握しないんですか。そういうことを厚生労働省としては大切にしたいということだったんでしょう。派遣先企業にできるだけ正社員で直接雇用してくださいというお願いをしていて、実態を把握しなくて何で指導ができるんですか。
 私は、その辺が本当に机上で何か形上はすごく格好いいことをつくって、つくっただけで全部ほうってある。ところが、実態はもう悪い方に悪い方に動いていっている。で、歯止めを掛けようとしたときにはもう取り返しが付かない状態になっている。
 もう一つ聞きます。
 今ありました紹介予定派遣をしようと。これを利用してどの程度の人が派遣先企業に採用されましたか。人数だけです。
#34
○政府参考人(高橋満君) 事業報告に基づきます数字でございますが、平成十七年度で、まず紹介予定派遣で派遣された労働者の数が三万二千九百九十一人、そのうち紹介を通じて直接雇用に結び付いた労働者は一万九千七百八十人でございます。
#35
○柳澤光美君 というふうに、前の直接雇用の人数も合わせて把握をしていかなければ私は駄目だろうというふうに思います。もう今日はこれ以上あれしませんが、私はこの派遣労働者の問題というのは非常に根深い問題を抱えているというふうに思っています。
 例えば、いわゆるスポット派遣などの求人情報を見てみても、残業ありとなっているところがたくさんあるんですね。で、基本的なことをお伺いしますが、派遣労働者の場合はだれからの指示で残業を行うことになりますか。簡潔にお願いします。
#36
○政府参考人(青木豊君) 先ほどの委員の御指摘にもありましたように、派遣労働者に対する指揮命令というのは派遣先の使用者によって行われるものでございますので、派遣労働者に対する時間外労働の指示は派遣先の使用者によって行われるものと考えております。
#37
○柳澤光美君 そうですよね。ということは、派遣先が派遣労働者に残業を指示する、いわゆる三六協定は派遣元において締結されている、これが必要条件になります。で、三六協定締結の一方となる労働者代表の選出方法や手続、届出等について適正に行われているのか。例えば、それが本当に派遣労働者にとって残業管理がきちんとされているのか、問題はないのか、結果としてサービス残業になっていないか、この辺はどのように把握をされていますか。
#38
○政府参考人(青木豊君) 今お話がありましたように、三六協定、時間外労働協定につきましては、その届けを労働基準監督署に派遣元が届け出るということになっているわけでありますけれども、そうした場合には、私どもとしては、労働者代表とされているものが管理監督の地位にあるものでないということでありますとか、その選出方法が投票でありますとか等の方法によって適正な手続で選出されているかなどを確認した上、それが不適切だというものにつきましては再提出をさせるなどして窓口で指導を行っております。
 また、事業場に立ち入ったりなどして監督指導をする際におきましても、やはり時間外労働協定の労働者代表の選出方法でありますとか手続が適正に行われたかどうかを確認しまして、問題があれば是正指導を行うなど対処をいたしております。
#39
○柳澤光美君 例えば全員が登録型派遣、電話一本で動いている、その人たちの労働者の代表をどうやって決めるんですかね。というふうに、その実態がどういう形になっているのか。私は、こういう雇用管理というか労働管理が、派遣労働の場合に非常に私は、登録型ヘルパーのときにも、あのホームヘルパーのときにもお伺いしたんですが、要は電話一本で動いているわけですから、代表が集まる機会だってあり得ないだろうと。この辺の実態を調べないと、例えば派遣先に残業やってくれと、本人は派遣元の三六協定なんて分かってないかもしれないんですね。で、残業を断ったら辞めさせられる、残業はじゃ受ける、でも結果、残業が付けにくくなっている、それは全部派遣先で起きているんですね。このことも含めて私は対応を取らないと、机上論だけでは進まないだろうということを強く主張しておきたいと思います。
 もう一つが、いわゆる偽装請負問題に関連して、この業務請負と労働者派遣というのが一緒くたになってしまって、訳が分からなくなって偽装請負等も起こっていると。
 で、何問か質問したいと思うんですが、労働者派遣法においては派遣元企業になるためには特定労働者派遣事業には届出が必要ですし、また一般労働者派遣事業には許可が必要となっています。しかし、業務請負の場合には何か特別な届出や許可が必要ですか。
#40
○政府参考人(高橋満君) 御指摘の業務請負でございますが、これは労働者派遣と異なりまして、自ら雇用する労働者を使用するというものでございまして、したがいまして、この業務を実施するに当たりまして特別な届出あるいは許可ということを必要とするものではないということでございます。
#41
○柳澤光美君 とすれば、今のいろいろそういう偽装請負とかいろいろな問題が起きてくる中で、現在業務請負業者数及び請負労働者数というのを厚生労働省はどのように把握しているんですか。数を教えていただけますか。
#42
○政府参考人(高橋満君) 業務請負にかかわります事業者数及び労働者数でございますが、これは全体的な数字と申しますのは私どもは把握はいたしておりません。ただ、製造業の、物の製造を行います請負労働者がいる事業所につきまして、それを対象にいたしまして平成十六年に派遣労働者実態調査という統計調査を実施をいたしました。その際の状況でございますが、物の製造を行います請負労働者がいる事業所の割合、これは全体で調査対象の二三・二%、そこに働いておられる労働者の数でございますが、約八十六・六万人、八十六万六千人というような数字がございます。
#43
○柳澤光美君 大きな人数になっていますよね。
 それではお伺いしますが、業務請負が適正に行われているのか、厚生労働省はどのようにチェックしているのか、ほとんどされてないというふうに思います。とすれば、例えば偽装請負が行われている事業所を探すのに、そういうチェックをするのに厚生労働省はどういう手段を使ってやっているんですか。
#44
○政府参考人(高橋満君) これは、私ども労働者派遣法に基づきます施行のための様々な監督指導という中で、いわゆる偽装請負につきましても必要に応じて監督指導の実施の対象にいたしておるわけでございますが、その契機といたしましては、一つは私どもも主体的に全国の労働局におきまして、特に製造業の大規模事業所等を中心に計画的な監督指導を行う、またそのほか、労働者からの申告あるいは相談等々を契機といたしまして監督を実施する、そういう中で把握をいたしております。
#45
○柳澤光美君 お答えはいつも、地方の労働局があります、あるいは雇用の問題ではハローワークがあります、そこできちんとやりますと。でも実態は、偽装請負が出てくるのは、マスコミで話題になる、あるいは従業員等の告発や労働相談など問題が起きて、そこからしか対応できないじゃないですか、今のままでは。
 私は派遣とか請負とか、その外部労働の問題というのは本当に穴抜けになっている。もっと言わしてもらえば実態も把握されてない、このことだけは強く指摘しておきたいというふうに思います。
 製造業務に派遣をする場合には、労働者派遣法においては様々な措置を派遣元、派遣先それぞれに求めています。例えば、百人当たり一人の派遣元責任者の選任を、また五十人以上を受け入れる企業においては百人当たり一人以上の派遣先責任者を選任しなければなりません。労働者派遣法においては、派遣先、派遣元の責任を明確にし、労働者の福祉の増進を目指すものであると認識していますが、そこでお伺いしますが、業務請負であった場合はこういった派遣先、派遣元の責任者のようなものを求める制度はありますか。
#46
○政府参考人(高橋満君) 少なくとも、適正に業務請負が行われている、つまり請負というものの要件というものがしっかり具備されておる場合には、これは請負事業主が雇用主としての責任のすべてを負うという観点から見ますと、派遣事業制度におきます責任者といったような設置というものが義務付けられているものではございません。
#47
○柳澤光美君 ですから私は言いたいんですね。派遣と業務請負は違うんですよね。それを一緒くたにして管理している。違うでしょう。だったら、それぞれのところをきちんと明確にこの辺もしていかないと。
 ですから、私はパート労働法でも強く主張さしてもらったんです。皆さんは、ハローワークがあります、労働局があります、雇用均等室でやりますと。できっこないですよ。だから、短時間雇用管理者を何できちんと企業につくらせないのかと、これは義務規定にしなきゃ駄目じゃないかと。パンフレットを皆さん一杯作るって、今積んであるだけですよ。だれが見ますか。そのことをきちんと分かっている人間が働く人にも企業にもきちんとつなげる。
 ですから、ずっとこの労働法制でパート労働法でも私は非常に不満に思っているのが、口だけでは周知の徹底を図ります、情報を伝えます、でも実態伝わっていないからこうなっているんじゃないですか。言いますよ、政省令出した、通達出した、パンフレット出した、だれが見るんですか。そのことが分かって、人と人の中できちんとつないでいくという役割を企業にきちんと持たせる、そのことができなくて僕は実効性は絶対上がらないというふうに思っています。
 実は、労働災害の問題もそうなんです。安全衛生法上の問題についていえば、派遣先事業所において派遣労働者が労災事故に遭った場合は安全衛生上の責任というのはどちらになるんですか。
#48
○政府参考人(青木豊君) 派遣労働者につきましてその安全衛生を確保するというためには、基本的には事業主責任ということで派遣元が基本的には持っているわけでありますが、派遣の場合におきましては、派遣先に責任を負わせることが適切な事項につきましては派遣先事業主に義務を課しているところでございます。例えば、安全衛生法に基づく種々の義務のうち、安全管理者の選任だとか安全委員会の設置だとか、具体的な作業を行っているときの機械器具あるいは有害物、そういったものの危険を防止するための具体的な措置等につきましては、あるいはまた実際にクレーンなどについて無資格者の就業制限でありますとか、そういったものにつきましては派遣先の事業者が責任を負っております。
 一方、雇入れ時の安全衛生教育でありますとか一般健康診断などは、原則どおり派遣元の事業者が行わなければならないというふうにいたしております。
#49
○柳澤光美君 そのようにもう一度きちんと整理をする必要があるだろうと。
 最後にお願いをしておきたいんですが、前回の委員会のときに、登録型派遣では三割、常用派遣でも二六パーを超える労働者が正社員になりたいというふうに思っているというアンケート調査が出たというお話がありました。ところが、その説明では、同じくらいの人がこのままでよいというふうに答えていますと、何かそっちを強めるような答弁だったというふうに私はとらえました。
 本当に派遣の場合には、自分が専門能力を持っていてそれでもいいという人がいないとは決して言わないんです。ただ、この就職氷河期の中で派遣に入ってしまって、できるだけきちんとした会社に勤めたいというふうに思っている方が三割近くいると。私は、派遣や請負で働く方が長期安定雇用を求めているんであれば、派遣先企業など正社員になりたいという労働者の希望をできるだけかなえてやるためにどうするんだと。さっき、実態調査もしていませんでした。このことが大切だというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#50
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私ども、冒頭、大変恐縮でございますが、前回の私の答弁の文言を引いていただいて我々の基本的な考え方を確認していただいたわけですが、とにかく今非正規な形態の雇用が広がっている中で、正規の雇用というものに移行したいという人については、これはできる限りその希望が実現するようなそういう政策を取っていきたいということははっきり方針として申し上げ、そしてフリーター二十五万人常用雇用化等、ここではるる申しませんけれども、そういったことについて私どもとしては力を尽くしており、一定の成果も上がっているということでございます。
 そういう中で、いや、自分の生活の中の時間配分から、このような非正規の、時間を短時間にしたり、あるいは登録型というようなことで自分の時間と向こうの時間が合ったときに働くという形態がいいんだということで選択をした上でそうした形態を選んでいる方については、これはもうできるだけ処遇の方を均衡化していくということが大事だというふうに考えまして、先般パート労働法の改正をお願いしたと、こういうようなことでございます。
 先ほど来、請負の問題についてもっと規律を考えたらどうかという御指摘もありましたけれども、これにつきましては、全体としては請負というものが民法の規定に基づく労働の形態であるというようなことで……
#51
○柳澤光美君 大臣、だったら次の質問に入っちゃうんで……
#52
○国務大臣(柳澤伯夫君) 済みません、それじゃ……
#53
○柳澤光美君 もう一問じゃ確認して、もう一度御答弁いただきます。
#54
○国務大臣(柳澤伯夫君) それじゃそういうことで、我々としては、今ガイドラインを策定して、雇用管理等責任者であるとか業務管理等責任者を設けるということも検討しているということだけお知らせさしていただきます。
#55
○柳澤光美君 今、ガイドラインというお話がありましたが、私は是非お願いしておきたいんですが、偽装請負や違法派遣が後を絶たない状況が現実に起きています。この制度の複雑さも起因しているというふうに思うんですが、請負、契約、派遣など様々な働き方がある中で、労働者自身がよく理解していないで仕事に就いているなんという問題も起きています。例えば、ひどい場合は、派遣労働との説明で働き出したら実は業務委託だったと。
 そういう意味でいくと、この問題は、労働者の保護の観点から、適正な運用及び執行も含めた外部労働力を活用する場合の包括的な法律も私は必要じゃないかというふうに思いますが、是非今後検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#56
○国務大臣(柳澤伯夫君) そういうアウトソーシングのタイプの形態について包括的な法律で、労働者も自分が一体どういう位置に立っているのかということを明確にするのに資するべきだと、こういう御指摘でございます。
 先ほども申しましたように、本当にそういった観点からは十分だとまでは私は申しませんけれども、この雇対法の四条九号というのがこれ一応改正をしまして、雇用形態というと、これはもう事業主と自分の雇用される形が変則であるというようなことになるわけですが、就業の形態ということになると、雇用主との間は、これはもう請負にしても全く正規なわけですね。ところが、その実際の仕事のやり方というのが、アウトソースされたところのことをやる。だから、そのことについて改善を促進するための必要な施策を講じますよということに一応なっているんです。
 ですから、ある意味でこれが母法というか、ここが基盤なんでございます。これをいかに具体的な施策としてやっていくか。ここからパート労働法も生まれていると言えますけれども、一応、一般的な規範としてはここがそういうスタート地点だということを先ほども申し上げたわけで、なおこれは研究をしてまいりたいと思います。
#57
○柳澤光美君 本当に、何というんですかね、あっという間に手を打たないと、現実はすごい方向に動いていってしまうというのを、私は全国歩く中でそういう現場をずっと見てきていますから、それがきちんとできなければ私は政治の責任が果たせないというふうに感じています。
 実は、地域雇用の問題と若年者の問題もあれしたんですが、時間ない、一分だけちょうだいね。最後に、ちょっとお願いして質問を終わりたいと思います。
 実は、昨日の新聞に、雇用改善が急ピッチということで、失業率が四パーを切るという報道がありました。これは大変私はうれしいニュースだというふうに思っているんですが、景気の回復と労働力不足の中で改善が進んだ結果であって、大変申し訳ありませんが、労働行政の努力の成果だというふうには言えないだろうというぐらいに私は感じているんです。
 実は、このことは、厚生労働省が行った平成十七年度企業における若年者雇用実態調査において、若年社員の採用を増やす理由を企業に尋ねているんです。それで、全体のうち三六・四%の企業が採用を増やすと回答していますが、その理由については、複数回答ですが、多かったものから言うと、企業の将来を考え、若年社員を育成し、技術者等を育成するため、これが七一・五%で大変うれしいことなんですが、企業全体の年齢構成のゆがみを是正する、若返りを図るため、五四%。しかし、これに対して、社会や行政の要請にこたえるためという回答はわずか二・九%しかないんです。
 結局、この雇用の問題、正社員の採用を増やしていく、これ幾ら政治や政府が声を掛けても、企業が必要としなければなかなか変わっていかない。特に、就職氷河期にたまたま当たったために、本人の責任ではなくてフリーターや派遣、ニートとなって不安定雇用の中にある、しかも三十代になって結婚もできない、不安の日々を過ごしている、この問題は私は一刻の猶予もならないだろうというふうに思っています。
 そういう意味でいきますと、雇用の問題というのは、企業への甘い期待や時代の変化に任せるのではなくて、政治と行政が腹をくくって一歩踏み込んで取り組まないと改善が進まない。今こそ私は、日本の将来のために、経済財政諮問会議や規制改革会議よりも雇用対策会議を立ち上げて、本当は総理が自らリーダーシップを取って国を挙げて雇用対策に取り組むべきだと。どんなにすばらしい政策でも机上論で実効性は上がらないということを指摘をして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#58
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 年金改革法案、それから年金特例法案、とりわけ今衆議院の厚生労働委員会でたなざらしになっている我が党提出の年金記録被害者救済法案、非常に心は引かれますが、私はやっぱりこの国の働き方を決めるということで非常に重要な法案だと思っておりますので、この二法案に対して集中してやっていきたいと、そのように思っております。
 まず、雇用対策法についてです。我が党の柳澤委員の質問の中で、第一条のこの目的の最初の部分の指摘がありましたが、私はすごく気になるというか、私自身が余りよく理解ができないというのが、むしろその後の、労働市場の機能が適切に発揮され、労働力の需給が質量両面にわたり均衡するという、このくだりなんですが、その労働市場の機能というのはどういうことを意味しているんでしょうか。
#59
○政府参考人(高橋満君) 一般に、労働市場の機能と申すときに、この労働市場として大きく外部労働市場といわゆる企業の中での内部労働市場と二つあろうかというふうに思っております。外部労働市場では求人企業と求職者を結び付ける正に需給調整機能というものが労働市場の機能となろうと思いますし、内部労働市場という観点から見ますと、労働者がその希望に応じて安定的に働き続けられるようにする機能というふうにとらえられるのではないかと。
 こういうことを踏まえながら、この今回の雇用対策法におきまして、質量両面にわたる労働力の需給の均衡を促進し、労働者がその有する能力を有効に発揮できるようにすることを目的といたしておるわけでございますが、それを支える労働市場の機能という意味では、一つは職業紹介や労働者派遣等労働力需給調整のルールというものが適正に設定され、遵守されながら的確に機能する。また、いま一つは、企業の中での労働者の能力向上でありますとか、あるいは雇用の安定的な継続とかいったことが図られる。こうしたことによって、法目的というものが、法目的と申しますか、労働者の有する能力が有効に発揮できるようにするということが実現できるというふうに考えるわけでございまして、そうした趣旨のことで法目的にその旨明記をいたしたものでございます。
#60
○足立信也君 内部機能と外部機能と、その両面を総じてそのように表現しているという説明でありました。
 これと似たような条文が、今必ずしもその需給のみを意味するんではないということでおっしゃったんだと思いますね。これが、第四条の国の施策の第三項には、労働市場を通じた需給調整の機能が適切に発揮されるようというふうにあるんですが、これは今の説明から考えるとむしろ、何といいますか、これ労働市場の機能とはイコール需給調整の機能ではない、違った、これを通じた需給調整の機能がというふうになっておりますので、これは先ほどの説明からいくと、むしろ内部機能の方を指されているというふうに解釈してよろしいんでしょうか。
#61
○政府参考人(高橋満君) ここの外国人の問題でございますが、不法就労活動を防止し、労働力の不適正な供給が行われないようにするということでございますので、一つは当然、外国人の場合は入管法等に基づきまして在留資格というものがあるわけでございまして、そうした観点からの問題と同時に、これが不法就労ということ、つまり資格外で働くということになりますと、どうしても需給の面から見ますと劣悪な労働環境になりかねないということを含めて、ここでは労働市場を通じた需給調整の機能が適切に発揮されるようということとして記載をいたしたものでございます。
#62
○足立信也君 大体おっしゃっていることは理解したんですが、私なりに言葉でもう一度確認したいんですね。
 この第一条の目的のところは、労働市場の機能、つまり内部と外部があるんだと、それが適切に発揮されることによって労働力の需給が質量両面にわたり均衡するということですね、大きな概念。ところが、この第四条の国の施策の第三項では、労働市場を通じた需給調整の機能が適切に発揮されるとあるので、需給調整の機能を適切に発揮されるために労働市場を通じているって書いてあるということは、これは主に内部機能の、安定して、安心して働けるんだという、そこのことに重点を置いて書かれているんですねということをさっきお聞きしたんですね。
 もう一度、その解釈でよろしいでしょうか。
#63
○政府参考人(高橋満君) ここで言う労働市場を通じた需給調整の機能というのは、先ほど目的規定の中で申し上げた外部、内部という両面の機能という観点から申し上げますれば、当然両面を含んだことであるというふうに考えております。
#64
○足立信也君 余りこれ長引かせる、そんな本論ではないんですけれども、言葉が重複しちゃうわけですよ、今の答弁ですと。同じことをまた二度言っている、通じてまた同じことを言っているようなことなので、じゃ、主に内部機能を中心に考えていられるんでしょうねということを言ったわけです。まあどちらも含まれていると、それはそうだと思いますが、そこを気になったものでちょっとお聞きしただけです。
 じゃ、同じ第四条の十号、高度の専門的な知識又は技術を有する外国人、このところなんですが、二年半ぐらい前に、私、自分の仕事をやっていた分野で外国人の方が、研究に来られている方がかなり多くて、その方が、日本でもちょっと働きたいので国家試験を受けたいんだと。これ、要するに永住資格を持っていないわけですね。その方が、国家試験を受けたいんだと、どうしたらいいだろうかと相談をされたことがありまして、そのときにお聞きしたら、ちょうど平成十八年、昨年ですね、昨年に行われる国家試験から永住資格のない方でも受験できるというような説明をされたんですね。それで、これ今、皆さん御案内のように、医師不足の問題はもう顕著でありますし、日本で研究者として働いている外国の医師の資格を持った方も臨床に携わりたいという意見が私が聞いている中では一杯ある。
 この方々が、去年と今年、永住資格のない方ですね、国家試験をどの程度受験されてそして合格されているのか、その実態を教えてください。
#65
○政府参考人(松谷有希雄君) 委員御指摘のとおり、平成十八年からは、在留活動に制限のある在留資格を有する者に対しましても、一定の条件を満たした場合には医師国家試験等の国家試験の受験資格を認定することとしたところでございます。
 受験者が永住権を有しているかどうかの統計は試験の際に取っておりませんけれども、外国の医学部を卒業して受験資格認定を受けて医師国家試験を受験した者は、永住権を有している者も含めまして、平成十八年は五十二名、平成十九年は七十六名となっておりまして、このうち合格者は、平成十八年は二十名、平成十九年は三十六名となっております。
 なお、ちなみに、十八年以前の平成十七年では受験者が四十九名ということでございますので、若干この制限の廃止による影響があるかもしれないというふうに考えております。
#66
○足立信也君 今のお話では確かに増えている、それはいいことだと思いますね。永住資格を持っている方あるいは持っていない方全部含めた数しかないんだと。これは、昨日の質問通告だったから時間的に間に合わなかったのか、それとも、永住資格は一切受験資格のところに問われないはずはないと思うんですね、分けられているとはっきりと思うんですけれども、それは時間的な関係で分けて永住資格のない人というのを抜き出して数を調べることができなかったという意味でしょうか。
#67
○政府参考人(松谷有希雄君) 認定に当たりましては、今は永住資格があるかどうかを問うておりませんので、外国の医学校を卒業をした方が我が国の医学部を卒業した方と同等程度かどうかという観点から認定をしているということでございまして、統計的に永住資格の有無ということを取ることがちょっと難しいと、そういう状況でございます。
#68
○足立信也君 分かりました。いずれにせよ、やはり増えているというのは、私は国際交流の面でも、あるいは研究、診療両面においていいことだと思います。
 じゃ、次に行きます。今度、第十七条の職業能力検定制度の充実、ここへ行きます。
 ここで、適正な基準を設定し、職業能力の程度を検定する制度を確立すると、こうあるんですね。私も、やっぱり卑近な例といいますか、自分の周りで物事を考えますので、これは、こういう程度を検定する制度を確立するとまで書かれていますので、じゃ、私の周りにいる、例えば国家資格だとか、あるいは都道府県の認定資格だとか、あるいは学会、協会、そこで認めている資格、あるいは、私、電車に乗って通勤してきますけれども、そのときに車内広告で一杯資格が出ています。そのような資格、これもう明らかに職業能力の程度を表す資格だと思うんですが、そういった制度を確立するということは、これから先、先ほど言いましたいろんな団体、主体が認定しているものも含めてこれからの職業能力の程度を判定する制度をつくっていくと、そういう意味なんでしょうか、それとも今全くそういう資格のないものを考えていると、どちらの意味なんでしょうか。
#69
○政府参考人(高橋満君) この職業能力検定制度でございますが、基本的には、個別法でございます職業能力開発促進法に規定をされたいわゆる職業能力評価のための基準によってその労働者の有する技能及びこれに関する知識の程度を調べてこれを判定する諸制度ということでございまして、具体的には、技能検定制度、それから社内検定認定制度といったものがその対象として考えられるものでございまして、今委員言われたような、世の中には様々な資格がある中で、例えば医療の資格、教師の免許等々は、これはこの概念には含まれておりません。また、職業能力開発促進法に基づいての一定の評価がされておる以外の様々な資格というものも当然入ってこないということでございます。
 私どもとしては、国家検定でありますこの技能検定について、今後とも社会経済情勢の変化を踏まえながら、必要に応じ見直しを行いながら、こういう労働者の職業能力の適正な評価というものに資していきたいと考えております。
#70
○足立信也君 この条文で職業能力開発促進法に規定されているものというのは、どこを読んでも読めないですよね。これは、あえてそういう意味だと言われても、そういう条文にはなっていないわけですね。その点、今教師のこともおっしゃいましたね、これは除外されると言いましたけれども、それは教員免許としてはそうかもしれませんが、その職業の能力の程度を判定すると言われたら、じゃ教員免許を持っている方だって上中下の判定しなきゃいけないというような形になっていってしまうんではないかと。どこに、職業能力開発促進法で規定されている職種みたいな表現がどこで読めるんでしょうか。
#71
○政府参考人(高橋満君) これは職業能力開発促進法の方で雇用対策法の規定と相まってと、こういうような規定がございまして、そうしたことを踏まえての今申し上げた考え方でございます。
#72
○足立信也君 開発促進法に雇用対策法と相まってと書かれているから、この雇用対策法でのこの条文についてはそれが当然そのまま引き継ぐ、相まってと、そういう解釈だということですか。
#73
○政府参考人(高橋満君) そのように私どもは受け止め、またこの規定の運用を図っておるということでございます。
#74
○足立信也君 それはこの条文、職業能力検定制度のところだけそういう解釈、ほかの条文のところは、ほかの法で相まってというものがなければすべてオールラウンドを守備範囲にしていると、この条文だけ相まってというのが開発促進法にあるのでそう解釈すると、その解釈の仕方は正しいですか、それで。
#75
○政府参考人(高橋満君) これ雇用対策法の性格ということでございますが、雇用対策法そのものは、雇用に関する基本的な対策の理念を法律という形で整理をし体系化しているということでございまして、それぞれの規定の実効ということは、具体的にはそれぞれ個別の法律におきまして、その雇用対策法で掲げられた理念というものに即した運用ということをそれぞれの個別法において規定をし、また運用をしておるということでございます。
#76
○足立信也君 それぞれの職種に関する個別法がそれぞれある場合はそちらを、雇用対策法の理念に基づいてそれらの法で決めていくと、規定していくという意味でよろしいんですね、今の解釈は。
#77
○政府参考人(高橋満君) そのように理解していただければと思います。
#78
○足立信也君 じゃ、個別法が存在していないものは全部入るでもよろしいんですね。
#79
○政府参考人(高橋満君) 個別法がないものにつきましては、もちろん雇用対策法の理念というものを踏まえながら、様々、個別個別に具体的な措置を講じていくということになろうかと思います。
#80
○足立信也君 働き方もいろいろ多様化してきましたし、新しい職種と言われるものもどんどん出ているような気が私はします。個別法のないと思われるものもかなり多くあるんだろうと思います。その際には、職業に関して新しいものと思われるものをまず実態調査して、それがこの雇用対策法の範疇に入るわけですから、その能力の程度を検定する制度を確立すると、新しい職種と思われるものに、そうやっていくとおっしゃっているんですね。
#81
○政府参考人(高橋満君) 先ほど来お答え申し上げているとおり、この第十七条、職業能力検定制度の充実ということにつきましては、別途職業能力開発促進法というものがその理念に即して技能検定制度等が規定をされておるわけでございます。そうした職業能力開発促進法の枠組みの中で、新しい職種なりというものも当然視野に入れながら必要な技能検定制度等の整備を図っていくということでございます。
#82
○足立信也君 この条文はそういう解釈だと、ほかのところはまた違った解釈という話に今なっているんだと思います。この点は私ももう一度調べ直してまた質問したいと思います。
 次に、第二十七条に行きます。これは大量の雇用変動の届出、そして三十七条には適用除外というのもあるんですが、この大量の雇用変動の届出なんですけれども、この中で相当数の離職者とあるんですが、この相当数の離職者というのは、例えば事業体の中で、全体で見て相当数、あるいはある部署に特定して一気に辞められる、どちらもあると思うんですね。どちらを指しておられるのか。あるいは、その届出というのはどれぐらい前に、辞められるという状況が分かった場合にどれぐらい前に届けるのかと、まずはそのことをお聞きしたいと思います。
#83
○政府参考人(高橋満君) 大量雇用変動の届出の規定でございますが、現在、現行の雇用対策法では第二十八条、改正法案では第二十七条ということになるわけでございますが、この規定並びに同法施行規則、雇対法施行規則において具体的な範囲というものが定められております。
 それは、大量雇用変動届出のまず届出の単位でございますが、これは事業所を単位とするものであると。それから、一定期間内につきましては、発生することが見込まれる一か月以内にと、それから規模でございますが、相当数となっておりますが、これは三十人以上の離職者が一時に発生すると、こういう場合でございます。
#84
○足立信也君 三十人以上で事業所単位、そして一か月前と、はい、分かりました。
 そこで、これもまた私の経験でお話しさせていただくわけですけれども、これは国あるいは地方自治体、国家公務員、地方公務員は除外されています。国立大学法人あるいは独立行政法人の国立病院機構ですね、こういったところは、私の経験上、大体看護師さんが百人程度一気に辞められます。これらの機構あるいは法人、これもすべてこの届出の義務をまず負っていると、それでよろしいんでしょうか。
#85
○政府参考人(高橋満君) お尋ねのいわゆる独立行政法人でございますけれども、これは大量雇用変動届出の対象になるかならないかというお尋ねかと思いますが、適用除外につきましては国家公務員及び地方公務員については適用しないと。適用しないとなっておりますが、この適用除外規定につきまして、大量雇用変動届出についてはまた除くと、こうなってございますので、したがって独立行政法人につきましては、他の民間法人と同様に、公務員型であろうと非公務員型であろうとを問わずこの届出の義務というものが掛かるわけでございまして、この取扱いについては今回の改正におきましても何ら変わるものではないということでございます。
#86
○足立信也君 分かりました。届出の義務があるということですね。はい、分かりました。
 次は、これ三十六条に行きたいと思いますが、権限の委任というところでございます。
 これは、ここを読みますと、厚生労働大臣の権限はその一部を都道府県労働局長に委任することができる、さらに、その委任された権限は公共職業安定所長に委任することができる、このように書かれているんですが、実際上、これでいくと一部委任できる事柄が、内容が厚生労働大臣から労働局長へ行き、公共職業安定所長へとんとんと移っていくということになるわけですが、実際にどのような権限を想定してこれは書かれた条文でしょうか。
#87
○政府参考人(高橋満君) 改正法三十六条の権限の委任の規定にかかわる厚生労働大臣の権限ということでございますが、これには、一つには大量雇用変動届出あるいは外国人雇用状況の届出等の受理にかかわる規定、権限、それからこの今の大量雇用変動なり外国人雇用状況の届出にかかわっての調査等の権限、それから事業主の義務、年齢制限禁止等の事業主の義務や努力義務規定、青少年の応募機会の拡大等の努力義務につきましての資料提出要求、それから助言、指導といったような権限がこの厚生労働大臣の権限というものに当たるということでございます。
#88
○足立信也君 分かりました。
 次は、なかなか、今までの委員会質疑も私も聞いておりまして、地域雇用開発促進法、この法案に関する質疑が余りないのでそちらをちょっとまとめてお聞きしたいと思います。
 資料をごらんください。これは条文を読みましても、あるいは参考資料を読みましても非常に複雑で分かりませんでした、私。自分なりに最初整理したんですけれども、それで正しいかどうか、厚生労働省の方に更に整理を依頼して作っていただいた表でございます。ちょっと私、それでも間違っているなと思うのは、右の改正後の、二段あるわけですけれども、この下の段は実はもう一個ちょっと約一・五センチぐらい上に上げた方がいいと思っているんですけれども、要は労働保険の特会ですね、特会の内容でございますので、それから地域雇用開発促進法にそのまま書かれていることですから、ちょっと一段上に頭の中で上げていただいて解釈していただきたいと、まずはそう思っております。
 雇用開発促進地域とそれから自発雇用創造地域というのが七条、十条に書かれておるわけですけれども、どちらも雇用保険法の六十二条、六十三条、つまり雇用安定事業、能力開発事業として助成なり援助なりされるわけですけれども、その業務の主体は、雇用開発促進地域については独法ですね、独立行政法人雇用・能力開発機構、そして自発雇用創造地域においては地域雇用創造協議会又は団体が行うと、そのように書かれております。だとしたら、それが今までとどう変わっていくのかということが分からなかったので、この表の作成を思い付いたわけでございます。
 説明にありますように、現行のところはこの四地域に別れていて、十七年度、十八年度、このような予算になっております。実施主体は労働局や独法、地域の就職援助団体、ばらばらですね。それに加えて、地域雇用開発促進法には無関係なといいますか、この地域雇用創造支援事業、無関係といいましても一番下のバックアップ事業というのがこれは関係していると思うんですが、その上の二つは、これは全く別の財源から、緊急雇用創出特別基金、三年の範囲でやられていると。こういうほとんど似たような内容であり、区別が付かないような内容なんですが、法に基づくもの、この法案に基づくものというものとそうではないものが混在しているのが改正後にはこうなっていくんだというふうに整理したわけでございます。
 これで見ますと、じゃ独立行政法人雇用・能力開発機構が行っている事業といいますか業務、十八年度予算で見ますと、この特会が合わせますと六十七億、この独法の部分が扱うのは約一億、上から三段目だと思います。で、一般会計が五十七億。それがこの雇用に関するところでいいますと、改正後は合わせまして七十二億、うちこの独法が扱う部分は五十五億なんだと、こういうふうになっていて、かなり変動が激しいという印象があります。
 そこで、この独立行政法人雇用・能力開発機構、ここの十八年度までと今法案が成立した、施行された後の変化ですね、それと、先ほどいろんな団体が絡んでいると、関係していると私言いました。地域就職援助団体あるいは高年齢者雇用開発協会あるいは地域雇用創造協議会、このような団体が今後どうなっていく、これからどうなっていく、今まであったのがどうなっていく、そしてまた新たに何ができると、その説明を一度お願いしたいと思います。
#89
○政府参考人(高橋満君) 大変複雑な体系になっておるということでございますが、今委員お示しになりました資料に基づきましてごく簡単に申し上げますが、現在の地域雇用開発促進法におきましては、この現行の制度にありますとおり、地域類型として四つの地域類型を設定をし、それぞれの地域類型に見合ったと申しますか、踏まえた支援措置というものが現在規定をされておるということでございまして、基本的に助成金ということ、あるいは特別奨励金というものは、これは国が直接支給をすると。
 ただし、能力開発にかかわる助成金につきまして、ここでいえば地域人材高度化能力開発助成金、これにつきまして雇用・能力開発機構で支給事務を行っておると。それから、最後の求職活動援助事業と申しますのは、これは地域の就職援助団体に事業を委託するという形で事業を実施してきたものでございます。
 これが改正後は、基本的に、雇用機会が特に不足している地域としての雇用開発促進地域にひとつ一本化してしまう。それに対応して、その助成制度につきましては、この一番現行の上の地域雇用促進特別奨励金でありますとか、それから中核人材を受け入れる場合の助成金でありますとか、それから能力開発を行った場合の助成金でありますとか、これを特に厳しい地域である雇用開発促進地域に重点化、集中化をした助成をしていこうというものがまず第一点でございます。したがって、その中に、能力開発にかかわる助成金は引き続き雇用・能力開発機構で実施をするというものでございます。
 他方、現行の下の方にございます地域雇用創造支援事業でございますが、これは雇用状況が厳しい地域ではあるわけでございますが、そうした中で、自らの地域をこうしていきたいという雇用創造に向けた意欲の高い地域、具体的には市町村というものを想定をいたしておりますが、これに対しての支援措置を新たに今回の地域雇用開発促進法の改正によって規定をしていこうというものでございます。
 実は、この考え方に基づく支援措置と申しますのがこの現行の中にございます緊急雇用創出特別基金という、非常に雇用状況の厳しい時期に一般会計で基金を造成して様々な雇用対策を実施してきておったわけでございます。その中で地域の支援という観点からパッケージ事業と、ここで言う現行のパッケージ事業というものが行われておりました。これは、基金そのものが十九年度で終了するということで、この基金としての事業は十九年度をもって終わると。ただ、この手法は、今申し上げましたように、大変地域の雇用開発を進めていく上では極めて有効な手法であると、こういうことで今回の改正法の中に位置付けて、新たな支援措置として規定をいたそうというものでございます。
 したがって、支援のスキームとしては基本的に現在のパッケージ事業と同じでございまして、地域の協議会が雇用創造のための取組を行うその事業を国から委託をするという形でその取組を支援をすると、こういうものでございます。
 この資料での現行と改正後の整理と申しますのは、概略そのようなものでございます。
#90
○足立信也君 すらすらと御説明なさいましたけれども、なかなか理解は難しいということでございます、私としてはですね。
 シンプルにお聞きしますと、これ、雇用特会からこの分野で使われる予算というのが十八年度と十九年度から、特にこの法が改正された後からどう変わるのかということと、この独立行政法人の雇用・能力開発機構が事業として扱う金額はどうなるのかと、この点だけちょっと簡単に教えてもらえますか。
#91
○政府参考人(高橋満君) 雇用・能力開発機構で事業として実施しております能力開発にかかわる助成金、現行、平成十八年度におきましてはこの表にありますとおり一億円の予算で措置をいたしておりますが、改正法に基づく改正後の雇用・能力開発機構におきます助成金にかかわる予算としては九千万円を措置をいたしております。
 ただ、これは初年度、今年度成立後の施行ということもございまして、実際に出てくるのは非常に少ないということを前提にした数字で九千万ということでございます。
#92
○足立信也君 最初の部分、雇用特会としてはどう変化しますかという。
#93
○政府参考人(高橋満君) 基本的に、この改正後の地域雇用開発促進法に基づきます助成制度、支援制度につきましては、労働保険特別会計の雇用勘定で措置をいたすものでございまして、十八年度の予算と十九年度の予算、比較をいたしますと、ちょっとすぐにはあれですけれども……
#94
○足立信也君 分かりました。
#95
○政府参考人(高橋満君) ということでございます。
#96
○足立信也君 じゃ、後で教えてください。お願いします。
 ところで、この二つの地域とも地域要件というのはまだ、どうやって決めようかと。まだ実は決まってないと思うんですが、私が単純に思うのは、県境に近いところに住んでおられて都道府県が別の方、でも県境ですから近いところへ働きに行かれると、住所は違う都道府県でですね。こういった方というのはこの支援金の対象になり得るんでしょうか。
#97
○政府参考人(高橋満君) 助成金の対象でございます雇入れにかかわる雇入れ者の居住地というものをどうとらえるかということかと思います。
 基本的には、地域雇用開発促進法に基づきます地域雇用開発促進地域に所在をされる方を雇い入れたというのが基本でございます。ただ、隣接するやはり厳しい地域という場合についてもその雇入れ助成の対象にはなり得ると。ただし、遠隔地で通勤する場合で、その居住地が比較的雇用状況のいいところからの通勤の対象者については雇入れ助成の対象にはならないということでございます。
#98
○足立信也君 ごめんなさい、最初のおっしゃっていたことと、要するに、地域要件の今までの考え方を見てみますと都道府県あるいは市町村では切られていると思うので、その隣接するというのは結局どういうことですか。隣接するところから都道府県あるいは市町村を越えて行かれる方も対象になるということをおっしゃったんでしょうか。後半部分がちょっと変わったような気がしましたので。
#99
○政府参考人(高橋満君) 隣接する地域から通勤をされる場合の恐らくケースを、隣接する地域が雇用状況の厳しい地域か雇用状況の非常にいい地域かと、この違いによって雇入れ助成の対象になるのかならないのかということでございまして、厳しい地域から雇い入れられるという場合については、それは対象になりますと。しかし、雇用状況の非常にいいところから例えば通勤等で雇い入れられるということになりますと、それは対象にならないということでございます。
#100
○足立信也君 分かりました。
 単純に言いますと、雇い入れられる人の居住地域で決まるんであって、事業所の存在位置ではないと、そういうことですね。
#101
○政府参考人(高橋満君) そのとおりでございます。
#102
○足立信也君 分かりました。
 次の項目は、ちょっと質問ではなくて、まあ私の調べた結果だけを言わせていただきます。
 最近はフリーターの数が減ってきているんだという発言がよくあります。よくありますが、問題は、やはり団塊ジュニアの年代、これは少子化にも関連してと思うんです。このデータをやっぱり調べてみますと、二十五歳から三十四歳の年齢はやっぱりここ数年で明らかに減っておりますから、その当該年齢に占めるフリーターの割合というのは二十五歳から三十四歳ではやっぱり増えているんですね、増えていると思います。具体的に言いますと、平成九年が二十五歳から三十四歳の人口ではフリーター率というのは二・八%、十四年が四・八%、十八年が五・一%です。
 やはりその世代においては、今いろいろな問題を抱えておられるこの年代ではやはりフリーター率はまだ高い、むしろちょっと増えているという印象が私はあります。これはそれだけにとどめさせていただきたいと思います。
 次は、前回の質問で辻議員が医師の当直と時間外労働のことを質問されておりました。
 そこで、私もこの問題はやっぱり決着を付けなきゃいけないと思います、櫻井議員もずっと言っていますが。そのことで前回も用いた資料でございます。
 柳澤大臣が、私がその資料についてどう判断されるかという質問に対して、病院勤務医の実態をうかがい知ることができましたと、そういう資料だと。資料は評価しているという意味だと思います。
 そこで、まず質問をいたしますので、数を教えていただきたいと、そう思います。勤務医が不足している原因ですね、その原因を、実際に五千六百三十五名の勤務医はその原因をどう考えているか、このことを教えてください。
#103
○政府参考人(松谷有希雄君) 委員御指摘の日本病院会が実施をいたしました勤務医に関する意識調査におきまして、勤務医不足の原因として特に関係のあると思われるのは何かという質問がございまして、それに対する回答でございますけれども、最も多かったのは過酷な労働環境というもので六一%、次いで新医師臨床研修制度と回答された方が四四・六%、国民、マスコミの医療に対する過度な安全要求と回答された方が四二・一%などとなっているところでございます。
#104
○足立信也君 第一位が過酷な労働環境にあるんだと、六一%。実際、その同じ病院会のデータでも、週六十四時間以上の勤務時間である人が二三%あると。中でも、その中で抜き出した小児科の平均の週の勤務時間は六十・六時間だということも出ております。
 では、当直か夜勤かという話につながっていくわけですが、夜間当直の翌日も普通勤務である割合、この割合と、本来週休というのが定められておりますが、その週休を返上している率、これを教えてください。
#105
○政府参考人(松谷有希雄君) 先ほどの日本病院会の勤務医に関する意識調査によりますれば、夜間当直をすると答えた勤務医に対して、夜間当直の翌日はどのようにしているかというふうに尋ねておりまして、忙しさとは無関係に夜間当直の翌日は普通勤務をせざるを得ないというふうに回答された方が八八・七%ございました。
 また、週休の返上についてでございますが、時々返上している、二分の一未満というふうに回答された方が三六・八%、代休も含めればほぼ全部消化していると回答された方が二四・三%、しばしば返上している、二分の一以上と回答された方が二〇・八%などとなっております。
#106
○足立信也君 余り繰り返さない方がいいと思いますが、夜間当直の翌日も普通勤務をしている方が約九割ということですね。
 それから、週休を消化している人は二四%で、半分以上返上している方、今のデータ、三六・九%じゃないかと思いますよ。それはいいとして、それぐらいの方が週休すら半分以上返上しているということですね。
 これは、このアンケート、五千六百三十五名なんですが、注目していただきたいのは、四十歳以上の方が六割以上のアンケートなんですよ。それは若い研修医だろうとお考えになる方、多いんですが、これは六〇%以上が四十歳以上の方です。ある診療科の科長、部長、医長が五割以上を占めているアンケートです。このことは非常にもう十年以上、それ以上経験されている方が今までの変化や今の労働条件を答えているデータですから非常に私は重いものがあると思っておりますので。
 続けさせていただきます。
 今のような過酷な条件で、それに対して、ちょっと順番変えますね、過酷な労働条件がどういう問題を起こすかと、そのことについて聞きます。勤務医が考える、五千六百三十五名の勤務医が考える医療過誤の原因と紛争になった場合の影響、このことについてお答えください。
#107
○政府参考人(松谷有希雄君) 先ほどの意識調査におきまして、医療過誤の原因をどのように考えるかという質問に対しまして、過剰な業務のために慢性的に疲労しているというふうに回答された方が七一・三%、次いで、患者さんが多く、一人当たりの診療時間、密度が不足しがちであると答えた方が六二・八%、医療技術の高度化や医療情報の増加のために医師の負担が急増しているというふうに答えた方が五七・八%などとなっております。
 また、医事紛争による診療への影響につきましては、防御的、萎縮医療になりがちになると回答された方が七〇・三%、安全意識が高まると回答された方が一四・四%でございました。
#108
○足立信也君 医療過誤の原因は七割以上が慢性疲労にあるんだと答えていて、やはり七割以上の方が医事紛争が起きたら萎縮医療になってしまうと。これが経験豊富な勤務医の実感ですね。これが表れていると思います。
 じゃ、その過酷な労働環境に対する対策として彼らが考えていることについて教えてください。
#109
○政府参考人(松谷有希雄君) 日本病院会の勤務医に関する意識調査におきまして、どのような条件が合えばへき地勤務をしたいかとの質問に対して……
#110
○足立信也君 それ違いますよ。違います。その前の前です。
#111
○政府参考人(松谷有希雄君) ごめんなさい。間違えました。失礼をいたしました。
 勤務医の不足の要因として、過酷な労働環境、新医師臨床研修、国民、マスコミの医療に対する過度な安全要求等が先ほど申し上げましたように挙げられておりまして、その対策として何が必要かという質問が続けてされてございまして、その内容でございますが、国が医学部の定員数増、前期研修を含め医師の適正配置に責任を持つべきであると回答した方が四七・二%、都道府県に開業制限、地域別の医師配置数、保険医指定等の強制力を持たせると回答された方が二三・九%などとなっているところでございます。
#112
○足立信也君 これは経験豊富な勤務医がどう感じているかのことを今お話ししていますので、半分の方が定員増が必要であると、それから適正配置に国が責任を持たなきゃ駄目だというふうに答えておられて、その半分の方、更に半分の方が開業制限や医師の配置に強制権を持たせるべきだというふうに答えている。
 このことで私ちょっと気になるのは、自由開業制に対して開業制限をするとか医療圏内の医師の配置に強制権を持つということは、これは法的に、法律上考えて問題点はどこにあるでしょうか。
#113
○政府参考人(松谷有希雄君) 医師の開業を規制するということにつきましては、これまで我が国では自由開業制が取られてきておるということ、また憲法上の職業選択の自由、営業の自由等の観点も踏まえれば、規制を新たに設けるということにつきましては極めて慎重な検討が必要であるということではないかと思います。
 また、地域において必要な医療を確保するということはもちろん重要でございますので、先般の医療制度改革におきましても、地域医療計画の制度を見直しまして、医療機能の分化、連携を図り、国民が地域において安心、安全な医療が受けられるような提供体制を構築するということをその計画の中で少しずつやっていくという体制を取ったところでございます。
#114
○足立信也君 分かりましたけれども、慎重にやらなきゃいけないというのは当然そうだと思いますが、私がお聞きした法的に何か問題はあるんでしょうかということに対してはちょっと答えにくいということですか。
#115
○政府参考人(松谷有希雄君) 前段で申し上げましたように、開業について規制をするということになりますと、医師といえども一個人ということでございますので、職業選択の自由あるいは営業の自由というような観点から相当の問題点が法制面からも、あるいは実際面からも指摘をされるというところではないかと思っております。
#116
○足立信也君 憲法上の問題だということだと思います。
 次の質問は、ちょっと質問じゃなくて、私、言います。
 今問題になっている地域医療の崩壊だとか、へき地医療の問題だとか崩壊とかいうことに関して、じゃ経験豊富な勤務医がどうやったらへき地病院へ勤めることができる、あるいはへき地の病院に勤めるための必要な条件というのもアンケートがあります。
 よく一般的に言われているのは、子供の教育や家庭の問題、それから勤務時間、一日じゅう拘束されるんではないかというようなことをよく言われます。ですが、一番の問題は当直回数や休日の確保だと。それがあればへき地の医療機関へ行ってもいいということです。このことが私は一番大きな問題だと、私自身もそう感じております。当直回数が余りないこと、それから休日がしっかり確保されること。先ほど週休の返上が、半分以上返上している方が三割超えているというこの事態ですね、このことがやはり私は問題なんだと思います。
 そこで、先ほどから言いました時間外労働か当直かという話に、過酷な労働条件ということで入るわけでございます。
 労働基準局長の通知に関しては前回、辻議員がここで説明されていました。私は、平成十八年三月の労働基準局、宿日直許可を受けている医療機関に関する監督結果を基にお聞きします。これ資料の二でございます。
 これは、私が聞いたところによりますと、六千六百の医療機関を調査して、七百の医療機関を点検したと、そしてここにあります五百九十六の医療機関に対して監督を実施したというふうに私は聞いております。その中で、五百九十六の医療機関に対して監督実施した中で、労働基準法違反の医療機関の数を教えてください。
#117
○政府参考人(青木豊君) お尋ねの宿日直許可を受けている医療機関についての監督結果でございますが、これで労働基準関係法令違反が認められたのは、四百三十機関において何らかの違反が認められました。
#118
○足立信也君 この資料に書いてはあるんですが、その内容も、じゃ局長の方からお願いします。
#119
○政府参考人(青木豊君) そこに、資料にもございますように、四百三十件のうち、宿日直時に通常の労働を行った、これは宿日直というのは監視、断続労働ということで、通常の労働に比べて言わば労働が粗であるということで労働時間等の規制を除外しているということでありますので、それに反して通常の労働と同じような形態で働いていたというのは、これは労働基準法違反ということになりまして、これは三十二条違反、これが十七件。それから、それに対しましては、三十七条、割増し賃金を支払わなければいけませんけれども、その支払をしなかったというのが百一件ということでございます。
#120
○足立信也君 分かりました。
 通常の宿日直ではなくて、よく言われている宿日直ではなくて通常の労働を行ったのに割増し賃金の不払だったのが百一件と、そこに出ているわけですね。
 次に、今宿日直の話が出ましたので、宿日直勤務許可基準というのがございまして、この資料の下の段がそうですが、これ宿日直の勤務許可基準違反はどれだけあったんでしょうか。
#121
○政府参考人(青木豊君) これもその資料にありますけれども、個別の監督指導した結果、二百四十九機関において許可基準違反が認められたところでございます。そして、そこにございますように、この宿日直の許可基準では、まず通常の勤務と異なってと、はっきりと隔絶されているということで、基準として通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後、つまり継続して宿日直に移行していないということでありますけれども、そういう条件に反しているものが五十三件、それから実際に昼間と同様の労働に従事をしたというのが百九十五件、それからお話ありました回数、宿直回数が週一回の原則を超えているというのが百五件、それから日直の回数、これは月一回でありますけれども、これを超えていたのが八十一件ということでございます。
#122
○足立信也君 私、ここでなぜこういうことを言っているかといいますと、実は皆さん余り御存じじゃないと思いますが、通常の宿日直は、通常のというのは、先ほど言ったような勤務、通常の勤務とは違った形であれば、一回につき四千円の控除がされるんです。
 私が知っているある病院で過去五年間にわたって、これは通常の宿日直ではないと、時間外労働であると。ですから、一回四千円の控除は全部追徴課税されたんです。しかし、その後、割増し賃金率が上がったわけでもなく、割増し賃金が出たわけでもなく、通常の宿日直料で四千円の控除は受けられなくなってきた。これは労働基準局の問題ありますが、それあと税務署の連動した意見です、その病院の勤務実態は宿日直ではない、時間外労働だと、ですから控除は受けられないと。しかしながら、その後、給与の面では変わりない、やはり宿日直と称しているという実態があるからこれをお聞きしたんですね。
 時間がないので、大臣にお聞きしたいのは、この実態、このような実態、労働条件ですね、それから宿日直の問題、時間外労働の問題、この点を解決するには一体何が必要かということが一点。
 それと、予算委員会、それから少子化問題のときに私、大臣にお尋ねしました。女性が働き続けるためにはどうしたらいいのかと。院内保育所の件も言って、検討すると、必要だということはいただきましたが、じゃいつごろまでに何をするというのはまだ答弁として私いただいておりません。あのときも言ったんですが、女性医師が働き続けるために何が必要かということを統計が取られております。
 そこで、ちょっと申し上げますね、重要なところだけ。パートタイムやフレックス勤務の選択が可能であること、そして院内保育機関、二十四時間保育が可能であること、院内スーパーを設置してはどうか、病院から家庭へヘルパーを派遣してはどうか、病院機能評価に従業員の満足度評価を加えたらどうか、そして定員増、それには給与体系の見直しが必要であるというような提言がございます。この点に関する、ちょっと今言ったばっかりで大変申し訳ないんですが、その二点について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#123
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、病院の実態に対して労働基準監督機関から相当数の法令違反あるいは給与についての改善が必要だというようなもろもろの観点の指摘があったということが報告をされました。
 これを解決するには一体どうしたらいいかということでございますけれども、後に委員から御質疑のあった女性の医師のいろいろな能力をより発揮をしていただくということのための問題と一括してお答えさせていただきたいんですが、実は今朝、私ども、官邸におきまして医師確保対策につきまして協議をいたしまして、政府、与党一体となった医師確保対策ということにつきまして決定をさせていただいた次第でございます。
 その中に、双方について当然のことながらそれを取り扱っている文言がございまして、私どもとしてはこれを今回、来たる機会に骨太の方針にまずこれをうたい込むということ、そしてそのいろいろな予算等の措置については、また概算要求あるいは年末の政府案決定に向けて必要な措置をとっていくというようなことで取り組むということになってございます。もちろん、来年度以降にすべてを任せるということではなくて、いろいろな面で現行の法律あるいは現行の予算の範囲内で取り組めることは取り組むという気持ちでおるわけでございまして、実際そういたしたいと、こう思っておりますが、いずれにしても、一歩一歩、この問題に対して私ども真剣な取組をさせていただいているということを御報告して、答弁にさせていただきたいと存じます。
#124
○足立信也君 ありがとうございます。
 以上で終わります。それだけです。
#125
○委員長(鶴保庸介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#126
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、渡辺孝男君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君が選任されました。
    ─────────────
#127
○委員長(鶴保庸介君) 休憩前に引き続き、雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#128
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 本法案に関しましては、五月十八日の参議院の本会議で、与党の皆さんも大変評価をしていただいた質問をさせていただきました。引き続いて、委員会におきましても行わせていただきます。
 なお、附帯決議もございますので、確認答弁的なものもございますので、いつものようにうやむやな答弁をしないように、はきはきした答弁をお願いをしたいというふうに思います。
 まず冒頭、一点、先週火曜日のパート労働法改正案に対する質疑の際に、私は最後にこのような質問を大臣に行いました。今回のパート労働法の改正案は努力義務規定が中心となっていて実効性に乏しい、しかし、法律に強制力がないことにより、これまで以上に労使の間で法律の趣旨を実現させていくための真摯な意見交換が求められるのではないか、そのためには、健全な労働組合があらゆる事業所に結成されていくことが必要ではないかという質問に対して、大臣から、非常に私から理解をすると温かい答弁、要約すれば、労使関係の全体についても、健全な労働組合を通じて緊密な労使の話合いが行われていくことを強く期待をしていると、こういった答弁をいただくことができました。
 このやり取りを踏まえるならば、昨今、企業間の営業譲渡、これを行う事例が増えております。これはもう大臣も御認識されていると思いますが、この営業譲渡の交渉の過程において、譲渡先企業が被譲渡企業に労働組合があることを理由として拒否する事例が実際に生じております。中労委などに相談をしてみましても、契約が本決まりになってきた段階でこうした話が起こると、組合つぶしを間接的に指示した疑いが出てくるので、譲渡先企業を不当労働行為に問える余地があるようでありますが、契約の入口段階、ここで、おたくには組合があるから交渉を進めたくない、あるいは交渉を進めるならば組合を解散しなさい、それが譲渡の条件だということを言われた場合、大変対応が難しくなってくる。労使関係のある場所で組合を解散しろとか言えば、これは当然不当労働行為になるわけですが、まだ労使関係ができていないところでそういう話が出た場合に大変難しい。現実にそういう問題があちこちで起きています。表に出てこないだけなんです。
 私は、健全な労働組合が、単に労働者の権利のみならず、労使間の緊密な連携にも資するものであるということを踏まえるならば、このような労働組合の存在を否定する経営者の言動については歯止めが必要ではないかというふうに考えておるんですが、大臣の御見解をお伺いします。
#129
○国務大臣(柳澤伯夫君) 営業譲渡の場合に、その交渉の過程で、今委員が指摘するような事態があるという御指摘でございますが、私どもといたしましては、営業譲渡につきましても企業間の交渉によって初めて成立するものであると、このように考えております。譲り受けようとする会社でありましても、まだ交渉の過程という段階であれば、やはり営業を譲り受ける義務が生ずる等、何か拘束をされるということは考えにくいということを申し上げざるを得ないと思います。
 ただ、一般に、企業におきましては安定した労使関係が極めて重要でありまして、我が国におきましては、労働組合の存在意義が社会的にそうした意味で認知をされているところでございます。このことをすべての企業経営者の方々に十分に認識をしていただきたいと考えております。
 したがいまして、厚生労働省といたしましては、いろいろな機会に、安定した労使関係の重要性について労使関係者に啓発してまいりたい、このように考えております。
#130
○津田弥太郎君 啓発というのはやらざるを得ないまず一歩だと思うんですが、できれば、こういう自由経済社会の中でどこまでできるかという限界があることは十分承知をしておるんですが、少なくとも、この手の問題が今は水面下にあるからなかなか表に出てこないと。表に出てこないとなかなか厚生労働省としてもそれ以上の対応というのは難しくなってくると思うんですが、つまり、表に出てくるこないというのは、なかなかこの手の問題というのは労働組合が泣き寝入りをした場合には出てこない。結局、労働組合がこれを拒否をすれば営業譲渡が行われなくなって、結果的にはつまり企業の倒産あるいは解散、そういうことが起こり得ると。そうなった場合には、労働者はどうしても失業という、直面するわけでありますから、どうしてもそのことについて不当労働行為ではあっても聞かざるを得ないという、こういう側面があるわけでありまして、これは是非大臣、厚生労働大臣としてもそうですが、経済産業大臣にも是非このことについて十分な対応をしてほしいというような働き掛けをしていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
#131
○国務大臣(柳澤伯夫君) 委員も既に、民間の経済取引については、その取引が成立しているか、あるいはしたかまだしていないかということが一つの分水嶺であるということは御理解をいただいたわけでございます。
 この問題、ある種譲渡の条件というようなことになった場合に、契約自由の原則と不当労働行為との間のバランスをどう取っていくか等、非常に難しい、また個別の判断にゆだねるべきというような面もあろうかと思いますが、いずれにしても、委員の問題意識については私個人としても経済産業大臣との間で話題にはしておきたいと、このように思います。
#132
○津田弥太郎君 分かりました。よろしくお願いします。
 続いてお尋ねをしたいと思います。
 先般のパート労働法の改正によりまして、パートタイム労働者については、不十分ではあるものの、差別的取扱いの禁止や均衡を考慮した賃金決定の努力義務、通常の労働者への転換措置の義務化が行われました。
 残る大きな問題というのは、私も質問いたしましたが、フルタイムのパート労働者、すなわち、労働時間は通常の労働者と同じでありながら、雇用契約期間は三か月とかあるいは長くて半年というような有期の契約労働者の処遇であります。この方たちには直接にはパートタイム労働法の適用がありませんが、委員会答弁において、こうした有期契約労働者についても改正パート法の趣旨が、ここ重要ですね、趣旨が考慮されることという形で大臣からも局長からも繰り返し明らかにしていただきました。
 そこで、確認をいたします。こうした有期契約労働者についても改正パート法が定める均衡考慮、通常の労働者への転換措置の対象となるでしょうか。大臣、お願いします。
#133
○国務大臣(柳澤伯夫君) 御指摘のとおり、今後、改正パート法に基づきまして、事業主がパート労働者についてその働き、貢献に見合った公正な待遇を実現するということになりまして、その観点から、正社員との均衡を図るという場合に、雇用している労働者全体の納得性、公平性を考えますれば、法律によって措置を求められていないフルタイムの有期契約社員の雇用管理に当たりましても、私どもとしてはこの改正パート労働法の考え方、趣旨が考慮されるべきであると考えております。企業の雇用管理の実態を考えましても、そのようになることが望ましいというふうに考えております。
 厚生労働省といたしましては、今後、改正パート労働法の施行に向けまして、このような趣旨について事業主に対し周知をしてまいりたいと考えております。
#134
○津田弥太郎君 確認いたしました。
 それでは、次に移らせていただきます。
 雇用の二極化ということ、これはもう今回の様々な労働法制の審議の中でも様々に指摘をされておるわけでありますが、今大臣も述べられましたこの有期契約労働者については、とりわけ雇用が不安定であるということが大きな問題になっているわけであります。
 この今回の雇用対策法の改正案におきましても、国がこの法律の目的を達成するため必要な施策を総合的に講じなければならない事項が第四条第一項に列挙されていますが、その中の第九号には、不安定な雇用状態の是正を図るため、雇用形態及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実することというふうに明記をされております。この文言を読む限り、正にこの有期契約労働者も中心的な対象として考えられているというふうに思うんですが、この規定に基づき、厚労省は、非正規雇用から正規雇用への転換促進など、有期契約労働者の雇用の安定や労働条件の改善について具体的にどのような施策を行っていくつもりなのか。日本語ではなくて、まあ日本語でしゃべってもらうんだけれども、抽象的な言い方じゃなくて、具体的な策についてお述べをいただきたいと思います。
#135
○国務大臣(柳澤伯夫君) 第四条第一項第九号は、御指摘のとおり、不安定な雇用状態の是正を図るために雇用形態及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実することということで掲げられているところでございます。この規定に基づきまして、また短時間労働者について通常の労働者への転換の推進が図られるべきとなったこの趣旨を踏まえまして、有期契約労働者の雇用管理の改善や通常の労働者への転換を支援するための施策を今後講じてまいりたいと考えているところでございます。
#136
○津田弥太郎君 私が求めておりますのは、姿勢はいいですよ、姿勢の中身の問題なんです。つまり、三か月の雇用契約、これが例えば十回繰り返されると三年間。あるいは、半年の雇用契約、半年だから三年ということは六回ですか、繰り返されれば、これも三年間。つまり、例えば三年間程度連続して雇用契約が更新されていた場合には、一回当たりのこの雇用契約の期間をこれまで三か月だった人については少し一年に延ばしてあげよう、あるいは一年の人、半年の人についてはもう少し延ばしていく。いわゆる段階に沿ってより安定した雇用に仕上げていくという、そういうような取組も含めたことがないと、いきなり正規雇用という形にすれば極めて限られた人が対象になってしまう。しかし、この雇用契約期間というのを段階的に延ばしていくというやり方を取れば、かなりこの雇用の安定というものについては図られていく、その目的が達成せられていくのではないかというふうに考えるわけです。
 そういう面では、ただ単に大臣は正規雇用正規雇用とおっしゃるんだけれども、今私が申し上げたようなことも含めた対策を取っていくということが大変重要ではないか、私はそういうふうに考える、それが実態に即した取組ではないかと考えるんですが、いかがですか。
#137
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どももこの雇用契約の期間について、非常に短期間の細切れ的な期間を設定してそれを更新すると、頻繁に更新するというような雇用契約というものが望ましいとは、これは全く考えておりません。
 そうした意味で、これは今度の新しい雇用契約法案におきましてもその旨を規定させていただいているところでございますが、今委員が指摘をされるように、いきなり通常の労働者と同じ立場に移行させるということが難しいので、言わばそれに至る過程としてそうしたことに努力をするというのはどうかということですが、これは今申し上げましたとおり、新しい雇用契約法によりましてその趣旨の規定を置いておるということと今の委員の御指摘はほぼ同じ意に発するものだと思いますので、我々は雇用契約法を是非成立をさせていただいて、その法律の実現という形で今の委員の御主張とも合致するような目的を追求してまいりたいと、このように考えます。
#138
○津田弥太郎君 雇用契約法もいいんですが、私は、今回の法改正に基づいて行政指導としてそういう取組も段階的な取組という意味でできるのではないかと。そのことについても、大臣は雇用契約法も言われたけれども、そのこととは別に取り組めるというふうに理解をしたいと思います。
 次に移らせていただきます。
 本会議で私がネットカフェ難民の問題についてお尋ねをいたしました。このネットカフェ難民、あるいはもっと深刻なのはバーガーショップ難民、ハンバーガーショップでテーブルにうつ伏して寝るという、あれで本当に睡眠が取れるんだろうかというふうに思うんですが、あそこの方が料金が安いと。百円のコーヒーで三時間とか四時間粘れば何とかその間睡眠が取れると、二十四時間営業だから何とかなると。例えば、ネットカフェの場合には一晩ずっといると千円ぐらい掛かるんだけれども、このハンバーガーショップ難民の場合には一晩に三百円ぐらいで済むかもしれない、二か所とか三か所はしごをすれば。そういうことなんですね。
 ですから、そういう意味で私はより深刻なバーガーショップ難民というふうに申し上げたわけですが、この方々の多くが働き口としてはいわゆる日雇派遣に頼らざるを得ないというのが実態ではないかというふうに思うんです。実際ネットカフェのホームページを見ますと、日雇派遣のホームページにリンクしているんです。大臣もやってみてください、そういうふうになっていますから。
 先ほどこの有期契約労働者に関して引用しました四条第一項の九号、すなわち不安定な雇用状態の是正を図るため、雇用形態及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実することについては、こうした日雇派遣で日々の糧を得ているネットカフェ難民等に、当然に対象になるという理解でよろしいんでしょうか。
#139
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々の御提案申し上げております改正が成りました後の第四条第一項第九号の規定でございますけれども、これは雇用形態及び就業形態の改善を図る旨を規定しております、先ほど申したとおりでございますが。この改善を図ることの対象としては、いわゆるネットカフェ難民を含む日雇派遣労働者等も当然にそれになるというふうに考えております。
#140
○津田弥太郎君 それでは、実際にこの第九号の規定に基づき雇用形態の改善、すなわち日雇派遣状態から脱却するために、どのような具体策を大臣はお考えになっていらっしゃいますか。
#141
○国務大臣(柳澤伯夫君) このネットカフェで日雇派遣という形で就業をするという方につきましては、まず対策を考える前に実態を的確に把握することが重要であると考えております。ところが、これが通常の利用者となかなか区別がしにくいというようなことで、調査の手法自体を的確に編み出すのに今いろいろと工夫をいたしておるところでございまして、関係者との調整を図った上で早急にこの方法を見付け出して調査を実施いたしたいと、このように考えております。
 これらの者に対する具体的な対策につきましては、調査によって把握された実態を踏まえて検討をしてまいりますけれども、基本的にはやはり住居の確保とより安定的な就業機会の確保ということが双方必要となってくるというふうに考えておりまして、この課題に向けてきめ細かな支援を行うことが課題であって、これに取り組まなければならないと、このように考えておるところでございます。
#142
○津田弥太郎君 分かりました。
 そこで、今回の改正案には、この第六号に青少年に関する条項というのが盛り込まれました。この青少年について、実践的な職業能力の開発及び向上の促進その他青少年の雇用を促進するために必要な施策を充実することと規定をされているわけであります。ネットカフェ難民への対策を行う上では、この第六号も極めて重要ではないかと考えるわけであります。つまり、日雇派遣は一日ごとに雇用する事業主が替わっていくわけですね。事業主が主体で職業能力開発が行われるというのは、これはもう到底期待ができない。したがって、日々従事する職務内容も異なるわけですから、単純労働が中心にならざるを得ないと。これを、この仕事を積み重ねる中で職業能力を高めるというのは、これはかなり難しいことになる。これは調査されれば出てくると思うんですが。
 そこで、こうしたネットカフェ難民状態を解消するためには、公的な職業能力開発をいかに適切に機能させていくかということが極めて重要になってくるんではないかというふうに思うんです。当然、当然というか、推測ではありますけれども、彼ら、彼女らが雇用保険の枠外となっているケースの方が圧倒的に多いんではないかということも考えられるわけでありまして、従来までの施策にとどまることなく、どのようにして新たな有効な手だてを講じていくのかということが求められていると思うんですが、この新たなメニューをどう創設していくか、お考えを言ってください。
#143
○政府参考人(奥田久美君) 現在、若い人たちで、今委員お話しのような形で働いておられる方を就職をさせていくということで、フリーター二十五万人常用化プランというものを実施をしているわけでございますけれども、その順番からいいますと、まずはハローワークに相談に来ていただくというところから始まるわけでございますが、そういう中で、訓練を受けたいという方があります場合は、雇用保険に加入をされておられない場合でも、ハローワークの方で受講あっせんという措置をとりますと公共職業訓練を無料で今受けられるようになっております。まずはそういう形で訓練を受けていただいて、能力を高めていただいて就職をしていただくというのが現行の施策という中にあるわけでございます。
 それから、数年前から始めておりますのは、いわゆる日本版デュアルシステムということで、できるだけ早く実践的な能力を身に付けていただこうということで、座学の訓練をやりながら、それに実際会社での訓練も一緒にやってもらうというような仕組みも入れておるわけでございますけれども、そういう中で、訓練の実習についてはある程度会社から手当をもらえるような、そういったようなところも私ども開拓をいたしまして、そういったところに行っていただくというようなこともしております。
 それから、今年度からは、年長フリーター対策の新しい施策といたしまして、再チャレンジコースの開発ということを今始めております。
 これは、フリーターの方々が訓練を受けやすいようにということで、人手不足の業界の中でできるだけ短期の訓練で資格を取ることによって安定した職業に就けるだろうと、そういった仕事を今選定をしておりまして、そこでの必要な能力を訓練をするためのコース開発を行いまして、年度後半から大体標準三か月のコースですけれども、そういったコースを受けられるように、これも土日とか夜間とかそういったところにアルバイトをやりながら訓練も受けられるような、そういったようなコースを設定をして、そういったところで受けていただこうというようなこと。
 それから、訓練に必要な教材費等が掛かりますので、これについては技能者育成資金という制度がございますので、それを御希望になられる方には貸付けをすると、こういった形で対策を進めているわけでございます。
 また、現在、政府の方で、底上げ戦略の中で職業能力開発形成プログラムの実施ということを今検討しておりますけれども、そういう中でも、企業における訓練を実施をしていただいて、その訓練履歴等をジョブ・カードというものに書いていただいて就職をしていっていただこうという、こういった新しい今取組も始めておりますので、そういった対策を総合的に実施をすることで若い人たちの就職促進を進めていきたいというふうに思っているところでございます。
#144
○津田弥太郎君 分かりました。
 関連してお尋ねしたいと思います。
 今回の改正案では青少年の応募機会の拡大等が一つの柱になっているわけですが、私がこだわっておりますのは、その対象となる年齢層について、政府案の三十四歳以下、これでは不十分ではないかという思いを抱いております。
 参議院の本会議でも指摘をしましたが、念頭に置くべきは、バブル崩壊後のいわゆる就職氷河期に学校を卒業し、思うような就職ができず、正社員を希望してもパートやアルバイトの仕事にしか就けなかった、そしてそのまま今日に至っちゃったという、そういう人たちが現実にいるわけであります。
 このバブルの崩壊は、一般的には一九九一年とされておりますから、九二年とか九三年に大学を卒業した方たちは何歳になるか、これは足し算の世界でありますから簡単に数字が出てくるわけであります。仮に、現在三十代の後半に差し掛かっているというふうに見ることができるわけですが、これだと政府案では救済がされないということになるわけで、私ども民主党が衆議院に提出した若年者職業安定特別措置法案においては、対象を四十歳までというふうにしているんです。
 ですから、せっかく法改正を行って、青少年への対策を新たに講じるのであれば、是非、三十代後半、ここも対象すべきではないかということで、私は大臣に本会議でお尋ねをしたら、三十五歳から四十四歳の層の有効求人倍率は良好なんだと、完全失業率も決して高くないんだということを理由にして賛同してもらえませんでした。非常に残念でした。
 この三十代後半というのについて私が質問したにもかかわらず、大臣は、三十五歳から四十四歳、余計な分がくっ付いちゃった。四十以上がくっ付いちゃって、その有効求人倍率がどうたらこうたらって話になったわけでありまして、私はもう一度明確にお答えをいただきたいんですが、三十五歳から四十歳未満の若者に対して新たな施策を講じるべきではありませんかということについて、もう一度お答えください。
#145
○国務大臣(柳澤伯夫君) 青少年につきましては、今回の改正において、事業主に対し、応募機会の拡大の努力義務を設けたところでございます。
 今、委員が三十五歳以上四十歳未満の若者についても考えの対象にすべきだと、こういう御指摘でございますけれども、別にこの四十歳から四十四歳までを加えなくても同じことが言い得るというふうに私どもは見ておりまして、年齢別の雇用失業情勢の調査によりますと、三十五歳から三十九歳の有効求人倍率は一・二〇ということでございますし、また、完全失業率も、全体で四・一を記録していたときでも三・七というようなことになってございます。そういうことから、我々としては全体的に雇用が安定している状態であるというふうにとらえておりまして、現時点では法的な措置までの必要はないというふうに思っているところでございます。
 しかし、このような年齢層につきましても、個々の求職者の状況を踏まえまして、ハローワークにおきまして担当者制でのキャリアカウンセリングなど、きめ細かな支援を行っていく所存でございます。
#146
○津田弥太郎君 その数字が三十五歳から四十歳未満のところもあるということでありますが、私の言っている意味は、この就職氷河期の、言ってみれば先兵の年代層なんです、ここは。ここは大臣、認識は同じように持てますよね。
 つまり、量だけではなくて質の問題として三十五歳未満の方と同じ悩みを抱えている人たちなんです。つまり、大学を卒業したけれども、正規従業員を募集をしていないから、特に地方はそうなんです。ですから、派遣労働者になるとかフリーターになるしかない、そういう職業しか募集をしていないから、正規従業員を募集していないから。で、残念ながら、もう一度正規従業員のチャレンジをしてくれればいいんだけれども、そのチャンスを失ってしまった。
 阿部筆頭理事の住んでいらっしゃる山形県とか、結構私は地方でそういう話を聞いていて、行政が、正規従業員で雇ってくれたら企業に助成をするというようなことも実は山形県ではやっているんですね。阿部筆頭、聞いていますか。そういうこともやっているぐらい、何とかして正規従業員として採用できる枠を広げていこうと、そんなことが地方では涙ぐましい努力がされているということを分かった上で、できれば今回の対象に運用で是非拡大して適用できるような御努力をお願いを申し上げたいというふうに思います。
 そこで、この就職氷河期に学校を出た世代の雇用情勢が厳しいという認識の下に、出産あるいは育児あるいは復学などのためにいったん離職をし、再び就職しようとする人にとって就労への大きな妨げになるのが募集、採用における年齢要件、この問題でございます。
 働く意欲のある高齢者の働く場を増やすことが重要であり、このような多様な観点から私ども民主党では、労働者の募集及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を確保するため、衆議院段階で募集、採用における年齢差別禁止法案を提出をさせていただきました。今回の政府案におきましても、労働者の募集、採用の際の年齢差別について、現行の努力義務規定を義務規定にすることとしておるわけであります。
 大臣にお聞きをしたいんですが、一つ目、労働者の募集、採用の際の年齢差別の禁止については、現行法による努力義務規定により今日までどのような成果が上がってきたと評価をしていらっしゃるか、二つ目、また今回、義務規定への移行に伴い、従来、例外的に年齢制限が認められる場合として指針に定められてきた事項については、抜本的に見直して必要最小限に限定するという理解でよろしいか、以上二点、お願いします。
#147
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、平成十三年の雇用対策法の改正によりまして、募集、採用に当たって年齢制限を行わないことを努力義務としてその施行に努めてきたところでございます。これまでハローワークが企業に対し助言、指導を行った結果、年齢不問求人の割合は、努力義務の施行直前であります平成十三年九月の一・六%から平成十九年二月には五〇%まで改善いたしました。
 このようにハローワークにおける指導等を着実に進めてきたことによりまして、募集、採用に係る年齢制限禁止についての企業の理解も広がりまして、その結果として、義務化を導入するための基盤ができ上がったものと評価させていただいております。
 また、今回、募集、採用における年齢制限禁止を義務化するに当たりましては、合理的な理由があって例外的に年齢制限が認められる場合を厚生労働省令で規定することといたしております。現行法に基づく年齢指針では、例外事由として特定年齢層の就業が法令により禁止されている場合など十項目を定めているところでございますが、新たに定めます省令におきましては、企業の雇用管理の実態も踏まえまして必要最小限の場合に限定してまいりたい、このように考えております。
#148
○津田弥太郎君 この十項目、年齢制限のある求人の中で割合の大きいのが、体力、視力等加齢に伴い機能が低下するものが、採用後の勤務期間を通じ一定水準以上であることが不可欠な業務の場合というのが一番で、二番が、技能、ノウハウ等の継承の観点から労働者の年齢構成を維持回復させる場合という、これが二番なんですね。この二つが抜群に高い割合を示しているわけであります。
 私が問題だと見るのは、この二番目の技能、ノウハウ等の継承の観点から労働者の年齢構成を維持回復させる場合というのは、これは言ってみりゃ、こじつけりゃもう何でもいくわけですよ。こういうのが残っていると大変問題ではないのかな。まあ一番目の理由は、この体力、視力等云々というのは、これは一定の職種の場合にはそういうことはあり得るだろうと思うわけであります。
 厚労省から、直近の新規求人における年齢制限の状況についての資料によると、平成十九年三月時点でハローワークにおける年齢不問の求人の割合が五一・四%になっていると、量的な側面では過半数を超える状況になっているという資料をいただきました。
 この量的な側面とともに気を付けなければならないのは、やはり質の部分であります。つまり、年齢を問わずの求人と年齢制限のある求人について給与などに顕著な違いが見られるのかどうか、あるいは正規雇用、非正規雇用の割合などに顕著な違いが見られるのかどうか、この辺が質の点で問題になってくるわけであります。
 この年齢を問わない求人が量的に増えていること自体は評価をするわけですが、この年齢差別禁止の例外事由を使って、結果として良質な雇用が年齢を問わない求人にはシフトしていないということだとしたら、今後の省令を策定することにおいてそのことを踏まえた検討を行わなければならないというふうに考えるわけであります。
 年齢を問わない求人と年齢制限のある求人について、それぞれ平均給与あるいは雇用形態別の数字があれば明らかにしていただきたい。
#149
○政府参考人(岡崎淳一君) 現在、現時点におきましては、年齢不問求人とそれから年齢制限のある求人、それぞれの今先生がおっしゃいましたような平均給与あるいは雇用形態、これは今のところ把握しておりません。
 ただ、先生今おっしゃいました、現在の年齢指針の、労働者の年齢構成を維持回復させる場合、あるいは体力の場合もそうでありますが、このままの規定では、おっしゃいますような、何といいますか、こじつけ的な抜け道になるおそれもあるやに思っています。本当に必要な場合になりますようにきちんとした対応をしていきたいと、こういうふうに思いますし、義務化の後におきまして、今先生がおっしゃいましたような、平均給与とか雇用形態等につきましてどういう影響があるか、こういったことも把握しながらその後のフォローアップにも努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#150
○津田弥太郎君 分かりました。
 それで、今、岡崎さんがおっしゃった点の、ハローワークなんですね、この点は。ハローワークで全員がその職に就くんならいいんだけど、現実にはハローワークは少数派なんですね。民間の職業紹介が実は圧倒的にそちらの方が多いわけでありまして、民間の職業紹介事業所についてはこのハローワークで行っているような例外事由の根拠項目の把握が行われていないということでありまして、今回、この例外事由については、社会経済情勢の変化に応じて機動的に見直しを行えるように法律ではなくて省令で定めることにしたと大臣が答えているわけですから、例外事由の中のどの項目を理由として年齢制限を行うのかの把握は今後大変重要になってくるということになるわけであります。
 私は、この民間の職業紹介事業者についても、年齢制限のある求人の申込みを受けた場合には、省令で定める例外事由の主としてどの項目が理由となっているかについてハローワークと同様の把握を行う必要があるんではないかと、そしてハローワークのデータと民間の職業紹介事業者のデータの双方を用いて今後の政策立案を行っていかなければならないというふうに私は考えるんですが、大臣はいかがでしょうか。
#151
○国務大臣(柳澤伯夫君) 募集、採用における年齢制限禁止の義務化でございますけれども、これにつきましては、今委員からも御指摘いただきましたように、合理的な理由があって例外的に年齢制限が認められる場合につきまして、厚生労働省でこれを規定することといたしております。
 この省令規定を選びましたのは、今これまた委員御指摘のとおり、社会経済情勢の変化に応じて機動的に見直しが行えるよう、そうした形を取らせていただいているものでございます。
 そこで、この年齢制限禁止の義務規定でございますけれども、これはハローワークの求人だけではなくて民間の職業紹介事業者が受け付ける求人についても適用されるものでございます。したがいまして、民間の職業紹介事業者の受け付ける求人についても、もしこの義務の例外という措置をとりたいということであれば、それはもうこの同じ例外事由というものを援用しなければそれはできないと、こういうことになるわけでございます。
 したがいまして、私どもとしては、今後この法律を運用するに当たっては、民間の職業紹介事業者が受け付ける求人についても適切にその実態を把握して、今委員が御指摘のとおり施策の立案に生かしていかなければならないと、このように考えます。
#152
○津田弥太郎君 分かりました。
 この年齢制限の禁止につきましては、なぜ今回の法改正では公務員に適用されないのかということを衆議院でも再三再四議論になったわけであります。民間の事業主には厳しい義務化を押し付けて公務員だけ例外にするということは、これは大変不公平であり、私は本当にこういうやり方というのは本末転倒もいいところじゃないかというふうに思うわけであります。
 そこで、お尋ねをいたします。
 大臣御存じのとおり、独立行政法人は特定独法と非特定独法の二種類に大別をされるわけですが、今回の雇用対策法の年齢制限の禁止は、こうした独法に適用されるのでしょうか。事実関係のみ。
#153
○政府参考人(岡崎淳一君) 独法には、御指摘のように特定独法と非特定独法ございます。適用除外規定は国家公務員を適用除外ということでありますから、職員が国家公務員であります特定独法につきましては適用除外でありますが、国家公務員ではない非特定独法については適用されると、こういう関係でございます。
#154
○津田弥太郎君 そこで、柳澤大臣、この非特定独法、これについては民間企業の模範となるように、本末転倒にならないように、募集、採用時の年齢制限は原則として行わないよう、所管の各大臣に対して法案の趣旨をしっかり説明をして要請を行ってほしいと考えますが、いかがでしょう。
#155
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回、私どもはこの雇用対策法におきまして、募集、採用における年齢制限禁止の義務化を規定させていただきました。その規定は、今、岡崎の方から答弁させていただきましたとおり、民間の、非公務員の方々にはあまねくこれが適用されるということでございます。したがいまして、独立行政法人といえども、非公務員型、つまり非特定独法につきましてはこれが適用されるわけでございます。
 この点につきましては、もう当然のことながら、法律というものは公布されることによってあまねく国民に周知されるということでございまして、なかんずく、公的な部門の一翼を担う非特定独法は、これについてはすぐ直ちに適用の対象になるということを認識していただいて、今委員が言われるように民間企業に率先垂範の形でこれが履行されなければならないと思っております。これは、いろんな形で所管の大臣にも伝えるようにいたしていきたいと考えております。
#156
○津田弥太郎君 つまり、私が申し上げておるのは、民間と公務員、ここにおいては年齢差別の問題については、これは全く同じ考え方で臨むんだと。公務員より民間が厳しいとか、民間より公務員の方が厳しいのは私は多少あってもいいぐらいに思うんですけれども、少なくとも同等にいくんだという認識でよろしいというふうに理解してよろしいですね。
#157
○国務大臣(柳澤伯夫君) 当然そうなるべきだと考えております。
#158
○津田弥太郎君 分かりました。
 そこで、国家公務員法では第二十七条に平等取扱いの原則が明記をされ、さらに四十四条にはこのように書かれております。人事院は、人事院規則により、受験者に必要な資格として官職に応じ、その職務の遂行に欠くことのできない最小限度の客観的かつ画一的な要件を定めることができる。また、地方公務員法第十九条におきまして同じ内容が規定をされております。
 問題は、公務員の採用試験において年齢制限を設けることが果たして職務遂行に欠くことのできない最小限度の要件なのかどうか。さらには、そのことは合理的理由があるものとして差別に当たらないのかどうかということであります。
 実は、この本法案の衆議院における審議の際に、我が党の加藤公一議員が徹底的にこの問題を追及しました。その結果としてどうなったか。大臣は御存じのとおりでありますが、文部科学省の非常勤職員の募集、外務省の常勤職員の募集、これがちょうど委員会審議のさなかに行われたわけですが、そのいずれにつきましても、省庁の側が合理的な理由があるとして年齢制限を付けて募集をしていたにもかかわらず、加藤議員のやり取りの結果、合理的理由がなかったことが明らかになって、改めて応募期限を延長して、年齢制限も撤廃する中で募集を行わざるを得なくなった。
 今日は総務省より大野副大臣もお越しになっておりますが、このように役所の側が年齢制限をしているケースについても、個別に精査をしてみれば合理的な理由などないということが多く、言わば先例とか慣例に従って担当者が全く考慮をしない、先例、慣例のみに依拠している、そして年齢制限をしていたという実態が明らかになっているわけであります。
 今回、政府として民間企業に年齢制限の禁止を義務化することを踏まえ、国家公務員を所管する立場として、各省庁に対し、公務員の募集、採用に関する年齢制限については、改めて合理的な理由があるのかどうかを徹底して検証するように指示を出していただきたいと考えますが、いかがでしょう。
#159
○副大臣(大野松茂君) 国家公務員の採用試験における年齢要件についてでございますが、国家公務員法におきまして、採用試験を所管するとされている人事院が民間の状況や、あるいは公務における人材採用、また育成の在り方等を踏まえまして、必要かつ合理的な理由に基づき設定しているところでございます。
 そして、国家公務員に優秀な人材を確保する観点からは、試験採用のみならず、原則として年齢制限のない選考による中途採用や、あるいはまた官民交流等も活用しつつ、多様で有為な人材を確保していくことが重要でございまして、引き続きこうした対応を進めるべきものと思料いたしております。
#160
○津田弥太郎君 大野副大臣、私の話、聞いていたの。あのね、さっき言ったでしょう。外務省とか文科省で年齢制限を付けた募集をしていたところ、衆議院の議論の最中にこれはおかしいということになって、わざわざ年齢制限を解いて再募集しているんですよ。もうそういうことが行われている中で、そんな形式的な答弁したってしようがないでしょう。きちっと話聞いて答弁してよ。
#161
○副大臣(大野松茂君) 人事院でこのような対応をしているところでありますけれども、そのことの中で様々なまた改善が現に進められているところでありまして、そのことの中でこうした背景を十分理解、認識をしながら対応していくことであろうと、こう思っております。
#162
○津田弥太郎君 人事院でやっていることは分かっているんですよ。ただ、私が言ったように、先例とか慣例で習慣的にやっちゃっているんですよ。年齢制限をする必要がないにもかかわらず年齢制限をして募集をしているんですよ、文科省や外務省が。それはおかしいということになったの、衆議院の厚生労働委員会の議論の最中に。それで、これはおかしいということで年齢制限を外して再募集をしているんですよ。
 だから、もう一度きちっと総務省として各省庁に対して、そういう先例、慣例に、もう一度きちっと見直して、それを、全部やり直しなさいと。そういうやり直しをしているわけですから、もう一部の省庁では。それをちゃんと明言していただければいいんですよ。
#163
○副大臣(大野松茂君) ただいまのことにつきましては、規制改革会議におきましても実は議論をされております。年齢制限、受験年齢の上限を引き上げることにつきまして具体的な仕組みについて本年度末までに結論を得るべしという第一次答申がされたところでございまして、それは今まで各省が行われている対応などを十分しんしゃくの上でこのような議論がまた進んでいることと思っております。
 採用試験の受験年齢要件につきましては、何回も申し上げますが、人事院の所管ではございますが、今後、この答申を受ける中で政府としての方針を規制改革推進三か年計画として閣議決定するのではないかと、こう思っております。
#164
○津田弥太郎君 今日、資料を配付しているんですけど、千葉県の市川市ではもう既に、もう見てのとおり、ここまでもう既に、今年に入って五年目の、もう幹部職員の募集を完全に年齢制限撤廃してやっているんですよ。平成十五年から全国の自治体に先駆けて市川市は既に行っているわけであります。
 私は、この募集、採用時の年齢制限の撤廃については、年齢にかかわりなく均等な機会を確保するためという、主として労働者、求職者の立場に立ってその必要性を私は訴えております。
 ここで、市川市が年齢制限を撤廃した理由を申し述べさせていただきますが、市川市が作成したペーパーを読ませていただきます。
 平成十五年当時、バブル経済崩壊後の長期的な不況の中で多くの企業が倒産、あるいは従業員の大量解雇を行い、ちまたではたくさんの優秀な人材が次の就職先を探していた。一方、行政側では、市民からの要望が多様化、高度化する中で、従前の職員採用方法や研修ではこれにこたえるだけの人材を確保できないことが課題であった。そこで、様々な専門性や経歴を持った人材を幅広く募集するため、平成十五年度の職員募集から年齢や学歴の制限を撤廃することとした。
 総務副大臣、こういう答弁がいい答弁なんですよ。ちゃんと地方自治体ではそういうふうにやっているんだよ。
 平成十四年までは市川市においても職員採用試験の受験資格として二十八歳を上限として定めておりましたが、十五年からはこの上限を外したわけであります。この資料を見ていただければお分かりのように、外したことによって、二十代は当然ですが、三十代、四十代、そして五十代でも、まあ人数は少ないですけれども採用者が出ているわけです。これは実績です。うそも隠しもいたしません。こういう実績が出ている。
 こういう実績を見るならば、やっぱり三十歳代以上というのはこの実績を見ていただいても三割を占めているわけです。この中身を言うと、一級建築士、一級土木施工管理技士、一級造園施工管理技士を始めとした多様な資格を有する人たちも含まれているということでございまして、極めてこれは即戦力として有用な仕事をしていただいているという報告が市川市からなされました。
 で、この市川市が意図したとおりで、年齢制限を撤廃することでそれまでは採用できなかった新たな優秀な人材を得ることができたということなんですね。市川市においてはこの改革は市民も大変支持をしているというふうに聞いておるわけであります。優秀な人材を確保しなければならないというのは、先ほども副大臣おっしゃいました。民間以上に公共の自治体には求められるということ、これは当然のことだというふうに思います。そもそも住民が支払った血税でサービスが提供されるわけですから、住民ニーズにこたえるためにも優秀な人材の確保が不可欠であるはずです。この優秀な人材を確保するための最も近道が、今回市川市が行っているようなこの年齢制限の撤廃というのが極めて有効な手段になってくるわけであります。
 四十代、五十代が新人として働くというのは、これは職場の人間関係とかいろいろあるかもしれない。しかし、こういうこともある面では刺激として、新たな新陳代謝として、役所の世界ではそういうことがあってはならないなんて古臭いことを言っていたんじゃ駄目なんですよ。そういうことをしっかり踏まえて、この市川市の成功事例を他の自治体にも積極的にPRをしていただきたいと思いますが、是非副大臣の、書いてあるペーパーじゃなくて御自身の、私の提案に対しての感想をお聞かせください。
#165
○副大臣(大野松茂君) それぞれの地方自治体におきましては、この中途採用などにつきまして従来から各地方公共団体の実情を踏まえた上でできるだけ幅広い年齢層から募集して採用できるように、特に地方公共団体の場合には専門的技能について不足の部分が往々にしてありますものですから、このような採用をしておりますことについては十分承知をしておりますし、また適当なことであろうと思っております。
 総務省といたしましても、こうした進め方につきましては適切に今後とも助言をして、さらに推進できるようにしていきたいと、こう考えております。
#166
○津田弥太郎君 しっかりやってください。
 次に、技能労働者の問題についてであります。この問題につきましては、火曜日に同僚の小林正夫委員から質問が行われておりますが、近年、関係者の様々な努力もありまして我が国においてもコンテンツ産業など新たな産業が育ちつつあります。しかし、食料あるいはエネルギーの多くを海外に依存している我が国においては、当然外貨を獲得しなければ国民生活が成り立ちません。そして、この外貨獲得を可能とする基幹産業としては現在もなお製造業に比類する産業は私は現れていないというふうに考えております。そういう意味では、製造業、物づくり産業の屋台骨を担う物づくり労働者の確保、育成が極めて大切な国家的課題となるわけであります。
 火曜日に二〇〇六年度のものづくり白書が閣議決定をされましたが、その中では、団塊の世代が退職した後、企業の特殊技能が若い人材に適切に伝わるか極めて不安を抱えている製造業の事業主が四六・二%に上ることが明らかになっております。
 この製造業の二〇〇七年問題について、既にこれはもう何年も前から与野党双方から万全の対策が必要だということで国会においても様々に指摘をされてきたにもかかわらず、まあ今年は二〇〇七年ですから、この時点においても四六・二%、半数近い事業主が技能継承に不安を有しているというのは、これは一体どういうことなんだと。これは大変大きな問題だというふうに私は考えるんですが、大臣、いかがでしょう。
#167
○国務大臣(柳澤伯夫君) 委員御指摘のとおり、製造業の事業所の四六・二%が団塊世代の退職等によって発生する技能継承の上で問題があると、こういうことを表明しているわけでございます。
 この事業所のうち、しかし、退職者の中から、延長、嘱託等により再雇用し、指導者として活用するという事業所も八三・六%に上っておりまして、企業も技能継承の問題には積極的に取り組んでいるというふうに認識をしております。
 先般の高年齢者雇用安定法の改正によりまして、定年の引上げ、それから継続雇用制度の導入等を企業に義務付けているところでございまして、今後、数年間、この技能継承問題にとって非常に重要な時期でございますが、そういった対応も取らせていただいているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、このほかに、技能継承のための能力開発や人材確保に取り組む中小企業に対する各種の相談、援助や助成、あるいは高度熟練技能者を技能の継承、維持のために中小企業等に派遣してくれるところについてのそうした事業の推進等、技能継承支援に積極的に取り組むことといたしております。
 さらに、若年の物づくり人材の確保、育成が重要と考えますが、この観点からは、実践型人材養成システムということで、若者を現場の中核となる人材として育成する、そういうプロジェクトを行っておりまして、この普及に努めますとともに、また、特に本年十一月、我が国で開催されるユニバーサル技能五輪国際大会等を通じて国民、殊に若い人たちの技能尊重機運の醸成を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。
#168
○津田弥太郎君 分かりました。
 もっと突っ込んで聞きたいところですが、時間の関係でちょっとはしょらせていただきます。
 外国人の適正な雇用管理に関連した質問を行いたいと思いますが、ちょっと時間がないんで、労働基準法第三条あるいは職業安定法第三条において、労働者の国籍で労働条件や労働時間、賃金、その他の差別的取扱いをしてはならないということがそれぞれの分野で明記をされていることは御案内のとおりでございます。
 そこで、今回提出された法案において、事業主に対して外国人雇用状況の報告を義務付けているわけですが、その前提として、そもそも当該労働者が外国人であるかどうかといった確認が各職場で行われることになってまいります。外国人であるかどうか、日本国籍を有しているかどうかといった確認は、見た目で明らかになる場合もありますし、そうした場合だけとは限りません。現実には、外国人労働者に対する差別がこれ結構あるんです。その結果として、外国人労働者の多くが非常に不安定な雇用環境の下で就労し、その家族を含めて極めて不安定な状況、生活になっていることも事実であります。
 そうした状況において、今回の法改正に基づき外国人であることの確認が行われると、雇用における国籍差別が助長されてしまうのではないか、そうした疑念を持つ方が少なくないというふうに思います。この事業主が適切に対処するために必要な指針を大臣が定めることになっておるわけですが、この指針においては、雇用における国籍差別が助長されることがないよう、先ほど言いました職安法三条、労働基準法第三条の趣旨を明示するなど、適切な対策を講じていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#169
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回、私どもの雇対法におきましては、外国人の雇用管理を改善するということ、それからまた不法就労を防止するという観点から、外国人についての報告を事業主から徴するということを規定をいたしております。これは先ほど申したように、その目的が、今も委員がおっしゃられるとおり、現実に差別的な取扱いで不安定な雇用があるということを改善するということと不法就労を防止するということにあるわけでございますので、その趣旨が生かされるような指針を定めていかなければならないと、このように考えます。
 雇用におきます国籍差別があってはならないことは御指摘のとおりでございまして、改正法に基づく指針において、職安法第三条、また委員御指摘の労基法第三条の趣旨を明示するといった対策を関係審議会にお諮りする方向で検討してまいりたいと考えております。
#170
○津田弥太郎君 分かりました。
 次に、今回の法改正で雇用対策基本計画が終了することになるわけでありますけれども、全国指針、毎年度、雇用施策の実施に関する基本的な方針、いわゆる全国指針を策定すると、それに代わって。
 そこでお尋ねをしたいと思うんですが、この全国指針については、机上の空論となることを避ける意味でも、労政審において事前に労使の意見を十分に踏まえる必要がある、あるいはこれは地方においても同じこと、地方の労働局長がそれぞれの都道府県知事の意見を聴いて雇用施策の実施に関する方針を策定するわけであります。同じように地方労働審議会において地域の労使の意見を十分に踏まえる。中央、地方においてしっかり踏まえていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#171
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回の雇対法に定められる政策の実施に当たりましては、全国指針という形でその方向性を明示いたしたいと、このように考えております。
 全国指針につきましては、都道府県労働局による地方指針の策定に資するため、毎年度、地方方針策定の前に、厚生労働大臣が職業安定施策を中心とし、職業能力開発施策等をも含めた雇用施策を体系的に示すということになるものと考えております。この全国指針の策定に当たりましては、労働政策審議会へ事前に報告を行い、広く労使の御意見を賜りたいと考えております。
#172
○津田弥太郎君 時間になりましたので終わりますけれども、最後にハローワークの問題について私意見を述べさせていただきます。
 御案内のように、先ほどもやり取りをさせていただいた、ハローワークで職業紹介をしているのと民間の有料職業紹介事業、実際にはハローワーク以外で就職をしている人が八割になっている、ハローワークは二割しかやってない、これが調査結果で出ているわけでございます。ということを考えますと、この民間有料の職業紹介事業、ここがきちんとやっているかどうかというのは大変重要になってまいります。特に、ハンディキャップを持たれている障害者、高齢者、失業者、長期失業者あるいは母子家庭の母など就職困難層について、この民間の有料職業紹介事業がどうなっているか、ここは大変私は気になるところでありまして、ここはやっぱりしっかりやってもらわなきゃ困るというふうに考えるわけであります。
 経済財政諮問会議の民間議員から、今回の市場化テスト方針について、柳澤大臣の英断で道が開かれたなんて高く評価をされているようでありますけれども、大体こんな連中に評価をされるようでは大臣の位は高くならない、私はそのことをしっかり申し上げて、評価されないような大臣として今後活躍していただくことを期待して、質問を終わりにします。
    ─────────────
#173
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、下田敦子君が委員を辞任され、その補欠として喜納昌吉君が選任されました。
    ─────────────
#174
○委員長(鶴保庸介君) 引き続き、質疑を続けたいと思います。
#175
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 外国人労働者問題についてお聞きをします。
 今回導入されようとしている外国人雇用状況報告制度ですが、これは就労状況にとどまらずに就職、離職のたびに一人一人の氏名、在留資格、在留期間、国籍などを報告し、法務省から求められればこれらの情報を提供するというものであります。しかし、不法就労した本人はもちろんですが、不法就労を承知で働かせた事業者というのは入管法違反で刑事罰に問われる可能性もある。摘発する側の官庁である法務省に情報提供をすることを前提として適正に事業者が不法就労の情報提供を行うというふうに言えるんでしょうか。
#176
○政府参考人(岡崎淳一君) 今回の雇用対策法で考えておりますのは、そもそも不法就労をどうやってなくしていくかということでございます。そういう中で、事業主が外国人労働者の方を雇われる場合には、在留資格上就労が可能かどうか、これを確認していただく、それを届け出ていただくと、こういうことにしたわけでございます。
 したがいまして、不法就労があることを前提に制度を仕組んだということでは当然ございませんで、不法就労をなくしていくと。不法就労をさせてない、あるいは何といいますか、労働者の方が虚偽の在留資格を言ったがために間違って雇っているというような方につきましては、これで罰則が掛かるということもございませんし、そういうような運用もしていかないということにいたしているところでございます。
#177
○小池晃君 情報提供について、厚生労働省の側から、例えばこれは不法就労している者に限るとか、あるいは在留期間が切れている者に限るとか、条件を加えてその運用をすることはこれは可能なんでしょうか。
#178
○政府参考人(岡崎淳一君) 厚生労働省の方としまして、個々の外国人の方の在留資格を確認するすべはございません。したがいまして、私どもの方でどの方のものを出すかということを、その不法就労しているかどうかで確認した上で出すということは恐らくできないんではないかと、こういうふうに考えております。
#179
○小池晃君 要するに、特に条件を付けることもできないし、法務省から求められた場合はこれは拒否権はないということになるわけですか。
#180
○政府参考人(岡崎淳一君) 第二十九条の条文をごらんいただきますと、出入国管理法又は外国人登録法に定める事務の処理に関し、外国人の在留に関する事項の確認のため求めがあった場合でございます。法務省の方からこの条文の規定に当たるという理由を示していただいて、その理由に当たるかどうかを確認の上で提供すると、こういうことでございます。したがって、すべてがということではなくて、この条件に当たっているかどうかで判断していきたいと、こういうふうに考えております。
#181
○小池晃君 しかし、求められればこれは拒否することはできないという仕組みですね。
#182
○政府参考人(岡崎淳一君) 繰り返しになりますが、外国人の在留に関する事項の確認のための求めでございますので、確認のための求めでなければ拒否はできますが、確認のための求めであればこれに応じていくと、こういうことになります。
#183
○小池晃君 やっぱり現実問題としては、法律どおりの運用ということになれば人権を守るような運用というのは最初から排除されているというふうに思うんです。
 大臣、やっぱり、非常に劣悪な労働条件で働いている方の実態をしっかり把握する、不法就労を解消して労働市場の健全化図るということは、これは私どもも否定をいたしません。労働行政がそういう実態の把握ということは、これは必要なことだと思うんです。
 ところが、やはり、こういう法務省への情報提供を前提とするような制度で果たして適正な情報提供がなされ、適正に運用されるのか、きちっとつかめるのかというのは極めて私疑問なんですね。やっぱり、法務省への情報提供ということを前提としないような、こういう報告制度とするべきではなかったのか、御見解を伺います。
#184
○国務大臣(柳澤伯夫君) 外国人については、そもそも就労は在留資格の範囲内で認められるということになっていることは御承知のとおりでございます。したがいまして、現在でも、企業におきましては在留資格を認識した上で外国人を雇用することが求められているわけであります。
 不法就労と知りつつ雇っていない限り、事業主が摘発されるとかいろいろ問題になるということは全くないわけでございまして、法務省に情報提供をしても、そういう意味では適法な就労をさせているというような前提でありますれば、制度の円滑実施に影響がないものと考えられます。
#185
○小池晃君 国家公務員には告発義務もあるわけですし、人身売買などの悪質なケースではきちっと対応できるはずなんですね。新しい報告制度つくらなくても、現行制度でやっているはずだと思うんです。守秘義務があるというけれども、結局、合法的に働いている外国人も含めて、特別永住者は除きますが、すべての外国人の情報を提供する、これはプライバシーの観点からも、行政は不必要な情報を持たないという行政個人情報保護法の趣旨から見ても、これは重大な問題があるというふうに指摘をしておきたいと思います。
 関連して、この法案は合法的に働いている外国人労働者のプライバシーに関する情報まで不当に集めることになっているわけですが、正に、そういう不法就労対策と同時に、ひどい働かせ方をされている外国人の問題の解決が喫緊の課題であると思います。
 昨年、JITCOの問題を私取り上げて改善を求めましたが、外国人研修・実習生制度について、その後どんな対策取ったのか、こういう問題について改善したという点があるのかないのか、お答えください。
#186
○政府参考人(奥田久美君) 外国人研修・技能実習制度につきましては、総合的に今どういう対策を取るかということにつきまして、私ども、内部に学者の方に集まっていただいた研究会を設置をしてまいりまして、中間報告を先般報告させていただきましたけれども、その中には、今後取るべき対策ということで総合的にまとめたわけでございますが、それまでの間といいますか、現在どういったことをやっているかということでお話をさせていただきたいというふうに思うわけでございます。
 委員御指摘のように、外国人研修・技能実習制度におきましては、研修生でありながらいわゆる実質的な残業をさせられていたりとか実習中の実習生が最賃違反の状況にあるとか、いろんな問題が指摘をされてきたわけでございます。
 そういう実態に対しまして、私ども厚生労働省といたしましては、まず、JITCOを通じまして全受入れ機関に対しまして自主点検表というものを配りまして、それを回収をいたしました。現在、その回収結果を踏まえまして、回答してこなかった企業、また回答の内容に問題があるところということを重点的に巡回指導を実施をしているところでございます。
 十九年度におきましては、十八年度は年間で六千件ということでやっておりましたけれども、これを二〇%強件数を増やしまして、七千三百の事業所に入れるように今巡回指導を実施をしているということでございます。
 それから、労働基準監督機関におきます技能実習生に関するいろんな申告等も出てまいりましたので、労働基準監督機関におきましての労働条件の履行確保のための監督指導というものを強化をしているということが二つ目でございます。
 それから、入管当局との連携を強化をいたしまして、お互いにその情報を通報し合うというような形で、それぞれ問題があるところについて是正をしていくということをやっております。その結果、入管当局の方でも、不正行為の摘発といいますか、そういったものについてはかなり精力的に実施をしていただいているところでございます。
#187
○小池晃君 いろいろやっているとおっしゃるんですが、昨年の質問以来もいろんな事例が、相談が寄せられています。
 今年の二月、これは福島県の事例ですが、縫製企業で十六人のベトナム人が働いていた。時給三百円程度で、最賃の半分以下です。しかも、そこから毎月二万円から三万円の労働基準法違反の強制貯金をされている。十六人の労働者、これは企業倒産によって安い給料でさえ不払となった上に、新しい実習先も見付からずに帰国せざるを得なかった事例です。
 それから、茨城県でも、この三月、これ月三万円強制貯金されて時給は三百十二円、これも最低賃金違反。ここは逃亡防止のためにパスポートを取り上げていた。これも受入れ企業が倒産して給与不払、強制貯金の未返還の問題、これいまだに解決していません。
 それから最後、この五月二十五日にも愛知で、トヨタ自動車の下請によってつくられている豊田技術交流事業協同組合、ここが入国管理局から帰国指導と新規研修生の受入れ停止処分を受けました。ここはパスポートを取り上げています。トイレに行った場合に一分十五円罰金取ると。一年目の研修期間は、これは最賃法違反の時給三百円。不払残業もあります。この月六万円にも満たない研修手当から一万円強制貯金、文句言うなら強制送還だと脅されていたというんですね。これ、入管の処分があったために百人余りのベトナム人研修生、実習生がほうり出されていると、今そういう事態になっていて、愛知の労働局にも労働者が訴えております。
 大臣、受入れ企業の倒産あるいは違法行為による処分、こういうことで何の罪もない外国人が研修、実習を途中で打ち切られて路頭に迷う、こういうことは絶対あってはならないんではないか。やはり、今相談が来ている事例も含めて、JITCOや国の責任できちんと対応すべきだと思いますが、いかがですか。
#188
○国務大臣(柳澤伯夫君) 御指摘のような事案につきましては、現在、受入れ団体でその責任において実習が継続できるよう新たな受入先を探しているというふうに承知をいたしております。受入先の企業等が不正行為認定を受けた場合等について、本人に何ら責任のない研修生、実習生につきましては、できる限り当初の計画どおり実習が継続できるようにすることが当然望ましいわけであります。
 このことにつきまして、五月の十一日に取りまとめられました研究会の中間報告におきましても、受入れ企業等が不正行為認定を受けた場合について、他の受入れ企業や受入れ団体へのあっせん等JITCOが積極的に関与することによって、研修生、実習生が帰国することなく研修、実習を継続できるシステムづくりを検討することが求められるとされているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、こうした場合に、本人に責めのない研修生、実習生が帰国させられることなく研修、実習が継続できるような仕組みづくりにつきまして、今後、法務省とも連携をしながら検討をしてまいりたいと考えております。
#189
○小池晃君 今紹介した愛知の事例でも、帰国させるぞというふうに脅して違法な労働条件で働かせていたということが報道されています。
 これはいろんな事件にも発展していて、昨年殺人事件になった千葉県農業協会の事例では、高額な研修費を返すためにもっと残業したいと研修生が主張したためにトラブルになったということが要因となっています。この事例でも、受入れ企業が渡航費用などを負担しているにもかかわらず、中国の研修センターが研修生から研修費用を保証金名目で百万円もの現金を徴収していたと。この研修センター、日本の受入れ団体の役員によって経営されていて、研修生と農家の双方から多額の現金を得るためのシステムとなっていたという報道もあります。
 大臣、今も少し言及あったかと思うんですが、やはり高額な保証金を取る、研修費を取る、人権侵害につながるようなケースは、やはり入管行政と監督行政がしっかり連携して摘発、排除していくということが必要だと思いますが、いかがですか。
#190
○国務大臣(柳澤伯夫君) この御指摘の保証金等の問題につきましても、先ほど申し述べました研究会の中間報告におきまして、送り出し機関による不当に高額な保証金や違約金については、送り出し国政府に対し、その適正化を強く要請することが必要と、そういう指摘をされているところでございます。
 このような営利を目的として高額な保証金等を徴収する送り出し機関や受入れ団体等の存在は、制度の趣旨に反するだけではなく、研修生、実習生に対する拘束的な研修、労働の要因ともなっておりますことから、厚生労働省としても、今委員御指摘のとおり、外務省、法務省とも連携をし、送り出し国政府に対する要請や受入れ団体等に対する指導の強化等、適正化に取り組んでまいりたいと考えます。
#191
○小池晃君 引き続き、地域雇用開発促進法について聞きます。
 これは、地域に居住する労働者に関し、就職の促進その他の地域雇用開発のための措置を講じ、もってこれらの者の職業の安定に資することを目的とするとしているんですが、簡潔に、同法に関する施策の〇五年の予算と雇用実績、お示しください。
#192
○政府参考人(高橋満君) 地域雇用開発促進法、現行の法律に基づきます地域類型、四つございますけれども、そのうちの三類型にかかわる助成金の予算でございますが、平成十七年度は約四十一億円、またそれら助成金による支給実績は約一万二千人となっております。
#193
○小池晃君 一万二千人、そのほかに特別基金からの事業がありますが、これ含めても全国で二万三千人、地域雇用対策としては非常に規模が小さいと言わざるを得ないですね。
 自治体を本当に地域経済活性化させて、安定した雇用を増やして地域に定着する人を増やすというのは、これは更にそれが地域経済の活性化につながるということで非常に大事だと。地方自治体がこの間、企業誘致を盛んにやっているんですが、じゃ、実はそれで安定した雇用が生まれているかというと、そうなっていると言えない実情がございます。
 例えば、コマーシャルでよく出ていますが、シャープの亀山工場、ここは三重県が九十億円の税金を投入して工場を誘致しました。三重県は、一万二千人の雇用効果がある、地域振興になるんだというふうに言って宣伝してきましたが、実際には従業員三千四百人のうち半分が請負中心の非正規労働者です。県内の正規雇用は四年間でわずか二百人規模だと。地元亀山市での正規採用は、これ市議会での答弁で、四年間で二十一人、工場全体の一%にも満たないんですね。余りにも地元雇用効果が低いんです。
 それから、ほかの例では、千葉県茂原市の日立の関連工場、IPSアルファテクノロジ。この誘致では、県市が条例を作って、県が五十億、市が四十億円の補助金を出しました。しかし、正社員の新規採用はゼロ。従業員数千五百二十人のうち正規職員は六百六十名、しかし全員が誘致企業に隣接する親会社の日立ディスプレイズから、その工場から横滑りしただけだというんです。しかも、その日立ディスプレイズというのは、三千五百人から二千二百人に、千三百人の人減らしをしておりまして、異動した六百六十人のほかに六百四十人リストラしていると、こういう企業行動の中で新工場を造られた。
 内閣府の「地域の経済二〇〇五」によりましても、補助金交付の雇用への波及については、製造業の新規求人が増加するというような傾向は見られるのかと問い掛けておりまして、補助金設立年以降を見ると、むしろ寄与度は小さくなる、補助金の効果が明確に現れているとは言い切れないというふうに指摘をしているんです。
 大臣に見解をお伺いしたいんですが、地域の雇用だといって多額の誘致助成金を出して大企業を呼び込んでも、結果として労働者の地元への定着も経済効果も期待できない、あるいは場合によっては、かえってリストラに利用され、マイナスになっている、こういうケースもあるんです。大臣は、率直に、こういう企業誘致策というのは雇用政策から見て好ましいものだというふうにお考えになりますでしょうか。
#194
○国務大臣(柳澤伯夫君) 地域の経済の振興、また特に雇用の確保ということのために各自治体とも企業誘致に取り組んでいるということは、いわゆる地場資本による起業と、あるいは地場資本の企業の発展というものを期しつつも、同時にそういったことに熱心になるという背景は、私は理解できるところでございます。
 その場合に、雇用の形態というものがどうあるべきかということについては、これはもう言うまでもなく正規雇用、正社員としての雇用が増大することが望ましいことはもう言うまでもないと私は考えます。したがって、各地方自治体ともそうしたことを望みながら、しかし実際のその地域の経済あるいは雇用というものを確保するためにいろいろ厳しい選択を迫られているのではないかと、このように考えます。そして、その最終の判断というものは、それぞれの地方公共団体において行われるべきものと考えます。
 しかし、私、この厚生労働行政を預かる立場からは、やはり正社員、正規雇用がそれによって増大することが望ましいということは申し上げたいところでございます。
#195
○小池晃君 望ましいとおっしゃるのであれば、こういうことはどうなのかなと。例えば、京都府が条例で企業誘致の基準に正社員雇用を位置付けるような条例を作りました。これ地元雇用促進補助金というものであります。それまでは正規、非正規どちらでも一人三十万円という助成だったのを、正規雇用の場合は一人四十万円、障害者は五十万円、それ以外、つまり非正規雇用の場合は十万円ということで、その他の助成も含めて一企業当たり上限二十億円という制度なんですね。
 これは、若者たちが運動で正規雇用を増やすということを求めたり、府議会で共産党の府会議員も求めたという経過の中で、今年の二月議会でそういう条例が成立をしています。この条例では、本則に安定した雇用及び障害者の雇用の促進ということを盛り込んだ、これは全国でもこういう目的を盛り込んだのは初めてだというんですね。
 大臣おっしゃるように、自治体の判断だと言いつつやっぱり正規社員が増えることが望ましいということであれば、やっぱりこういう正社員の雇用につながるインセンティブを持つようなこういう自治体での取組事例、こういうものを是非研究していただき、あるいは普及するなど、やっぱり正規雇用を増やすということを明確にした取組を進めるべきではないかと、国の施策にもこういう考え方生かすべきでないかと考えるんですが、大臣いかがですか。
#196
○政府参考人(高橋満君) 私ども、地域において雇用開発を進めていく、またそれを支援していく上で魅力ある雇用機会を創出していくと、こういう意味では非常に大事な点でございますが、私ども、今般の改正におきまして、雇用創造に向けた意欲の高い地域が提案する地域独自の取組を支援する、その際に、地域におきます取組の好事例というものを把握しながら、また他の地域にそれを周知していくということも大変効果的であろうというふうに考えますので、正規雇用の増加に取り組む自治体の例ということも含めて、それぞれの各地域に情報提供に努めてまいりたいというふうに考えております。
#197
○小池晃君 大臣、ちょっと大臣、せっかく大臣って聞いたんだから、やっぱりこういう具体的にこういうふうなやり方って示したんで、こういうのいいと思いませんか。率直に感想をお聞かせ願いたい。
#198
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほどの答弁を申し上げましたとおり、地方公共団体としてはいろいろな総合的な見地からぎりぎりの判断をしていろんな誘致策、振興策を取っていることは当然だと思うわけでございます。ただ、厚生労働の立場から申しますと、やはり正規雇用と、あるいは正社員というものの雇用が望ましいということを考えているわけでございまして、今のいろいろな全国における取組の中で情報を収集し、いろいろの評価と申しますか、そういったことも随伴的に行っていくということはあり得ることと考えます。
#199
○小池晃君 それから、若者の雇用の問題、前回も取り上げたんですけれども、実はこんな調査があるんです。
 名古屋市立高等学校教員組合というところが高校を卒業してから六年ないし八年後の卒業生の生活状況等を調査した「どうしてる はたらく卒業生」という報告があるんです。これ、十年前にもやって、最近二回目なんですが、ちょうど高校を卒業して六年から八年、二十四歳から二十六歳ぐらいの若者の状況を調査しているんですね。
 この実態調査を見ますと、愛知というのは雇用先進改善地域だと言われつつ、そういうところでも正規雇用の比率は九三年の九一%から、〇四年、七一%に減少しているという結果です。正社員になった卒業生は安心しているかというと、そうでもなくて、残業代出ないという人が三〇・九%、一部しか出ないという人も含めて五七・六%がサービス残業あると回答している。有給休暇がない、あっても取れないという人が十年前の一五%から二九%に倍増。疲れを感じているという人が前回の三七%から八七%へ激増。
 よく七五三現象なんていって、卒業後三年までの離職率が中卒で七割、高卒で五割、大卒で三割なんてことをいいますが、なぜ離職に至るようになっているのか。やっぱり若者の雇用の実態をやっぱりリアルにつかんでいくということは大事なことではないかと思うんですが、そういう意味で、こういう若者の雇用をめぐる実態調査のようなものを厚労省として行うべきでないかと思うんですが、いかがですか。
#200
○政府参考人(高橋満君) 働いている若者が抱える悩みあるいは不安といったような今委員御指摘の点について、私どもとしては統計的な形での意識調査というものは行ってはおらないわけでございますが、ただ、こうした問題に関しまして、在職中の若者が職場における悩みを電子メールというような形で気軽に相談できる働く若者ネット相談事業というものに現在取り組んでおるところでございまして、この事業の中でいろいろ、どういう悩みがあるのかという点を把握をいたしております。
 その相談内容としては、一つは履歴書の書き方等の転職に関すること、それから仕事が合わないといったような仕事の内容に関すること、それから上司や同僚とうまくいかないといったような人間関係に関すること、そのほか労働条件に関することといったような事例があると私どもは承知をいたしております。
#201
○小池晃君 是非、こういう離職の理由などを把握するための調査をしていただきたいということを求めたいと思います。
 最後に、ちょっと通告していないんですが、今朝、新聞報道で年金の例の問題、いわゆる宙に浮いた記録問題で、五千万件について一年以内に調査をするんだという報道がされています。ところが、昨日の衆議院の厚生労働委員会のやり取りを聞く限りでは、柳澤大臣は、一年以内に五千万件やるというふうには答弁されていないと思うんですが、これ、一年以内に、要するに、年金受給権者だけでなく加入者も含めて五千万の記録について全部突合を一年以内に終わらせるということなんですか。
#202
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私も総理の答弁の場にいたわけですけれども、いろいろ、私自身の注意力ですべての言葉を全部聞き取るということが十分できなかったということもございまして、総理がそのことについてどのような発言をされたということについては、私、答弁する段階では必ずしも十分把握をいたしておりませんでした。
 したがいまして、私は与党・政府の間で、政府と申しましても具体的には厚生労働省でございますけれども、その間で取りまとめた新しい対応策のラインで答弁を申し上げたわけでございますが、後ほど、総理の方では、一年でこの五千万件の突合を行うということの趣旨の答弁をなさったということも承知をいたしましたので、今後これをどのように私として処理をしていくかということについては検討しなければならないと、このように考えております。
#203
○小池晃君 いや、ちょっと今ので言うと、やはりそういう一年以内にじゃ五千万件全部について処理をするということで、そういう方向で検討して進めていくということでよろしいんですね。
#204
○国務大臣(柳澤伯夫君) その方向でやらなくてはならないと、このように考えております。
#205
○小池晃君 この問題、本当に国民の深刻な不安の的になっていますので、政府の責任で解決していくことを求めていきたいというふうに思います。
 質問は以上で終わります。
#206
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 法案の一条で、現行法では「国民経済の均衡ある発展」、これが「国民経済の均衡ある発展」と「完全雇用の達成」という二つあるんですが、これが削除になっています。「国民経済の均衡ある発展」を削除をなぜしたかという点は、先日、櫻井委員が質問されましたけれども、改めてお聞きをいたします。「均衡ある発展」の「均衡」、これを削除した理由は何でしょうか。
#207
○政府参考人(高橋満君) 今回の法改正案におきましては、人口減少等の中で今後とも我が国の経済社会の安定等を図るという観点を明確にする必要があったということと、他の労働関係法令の規定ぶりも参考にしながら、「経済及び社会の発展」という文言を付け加え、今御指摘のような「国民経済の均衡ある発展」ということが削除されておるわけでございますが、ただ、従来の地域あるいは産業などの視点から見た国民経済の均衡ある発展という概念、これをも含んだより広い概念として私どもはとらえておるところでございます。
#208
○福島みずほ君 均衡ある発展ということと発展ということは違うように思います。発展というのはどこか発展すればいいんですが、均衡ある発展というのはやはり地域間の格差是正や均衡という概念が入っています。なぜこれを落としたのか。
#209
○政府参考人(高橋満君) 繰り返しの答弁になりますが、そうしたこれまでの地域や産業などの視点から見た国民経済の均衡ある発展、こういうことをも含んだ広い概念ということで経済及び社会の発展という形で表させていただいたということでございます。
#210
○福島みずほ君 経済及び社会の発展ということと均衡ある発展というのは違う概念です。でも、答弁がそのとおりですと、法案は均衡という言葉が削除されたけれども、均衡という概念を当然含んでいると。地域間の不均衡の是正ということ、これは厚生労働省としてもきちっと努力するという確認をさせてください。
#211
○政府参考人(高橋満君) 今回のこの改正法案の第四条第一項第十一号で、国が講ずべき施策ということで、「地域的な雇用構造の改善を図るため、雇用機会が不足している地域における労働者の雇用を促進するために必要な施策を充実すること。」と、こういうふうに書いてございまして、正に地域間のバランスある発展ということをも念頭に置いた国として講ずべき施策を掲げたというものでございます。
#212
○福島みずほ君 バランスある発展と均衡ある発展は概念が違います。均衡というのは、やはり格差は良くない、均衡ということはちょっとバランスという概念とは違うわけですね。
 改めて、均衡ある発展ということ、国民経済の均衡ある発展、これは厚生労働省としては努力するということでよろしいですね。
#213
○政府参考人(高橋満君) 当然、私どももそういう観点から努力をしていくと。
#214
○福島みずほ君 第一条の、「労働市場の機能が適切に発揮され、」というふうになっています。これは、「労働市場の機能が適切に発揮され、」ということはどういうことでしょうか。つまり、規制改革会議労働タスクフォースなども、労働市場の機能が適切に発揮されると。これはある意味、均衡ある発展がなくなって労働市場の機能が出てきたことで、ある種、労働市場主義、自由競争原理の強化に切り替えたのではないかとすら思えるのですが、この点いかがですか。
#215
○政府参考人(高橋満君) この点、先ほどもお答え申し上げたところでございますが、一般に労働市場の機能と申し上げるときに、一つは外部労働市場、企業の外での需給調整を図る機能と、それから企業の中で労働者が安定的に働けるようにするようないわゆる内部労働市場の機能と、こういう二つの概念があろうかと思います。
 それで、雇用対策法におきましては、正に労働者がその有する能力を有効に発揮できるようにすることを目的といたしておるわけでございますが、そのために需給の均衡を促進する、その前提として労働市場の機能が適切に発揮されると、こういうことであるわけでして、私どもとしては、外部労働市場という観点からいえば、職業紹介や労働者派遣と労働力需給調整のルールが適切に設定また遵守されると。また、内部労働市場という観点からいえば、企業の中で職業能力の開発及び向上あるいは雇用の継続等が図られるといったことなどを通じまして、適切にこの労働市場の機能が発揮されるということを期待しておるものでございます。
#216
○福島みずほ君 では、改めて聞きますが、この労働市場の機能が適切に発揮されということは、規制改革会議労働タスクフォースなどと方向は同じではないということでよろしいですね。
#217
○政府参考人(高橋満君) 今申し上げたような趣旨にかんがみて、規制改革会議の労働タスクフォースの意見の内容という点を見ますと、労働政策の在り方としては、相当納得できない点が含まれておるという意味では、私ども、今回の改正はこのタスクフォースの意見書とは同一の方向性のものではないと考えております。
#218
○福島みずほ君 OECDの対日審査報告書それから国連のESCAPの報告書によっても、日本においてジニ係数が大きくなっていること、正社員と非正社員との給料の格差があること、若い世代で非正社員の数が増えていること、正社員への移行が難しいこと、雇用者は企業の利益に比べて給料が増加していない点などが指摘されています。ESCAPの指摘を大臣はどう受け止めますか。
#219
○国務大臣(柳澤伯夫君) 御指摘のESCAPの報告につきましては先日発表をされたところでございますが、日本の経済社会の現状に対して様々な分析がなされているものと認識をいたしております。
 一方、日本経済の現状を見ますと、足下では景気の持続的拡大や、政府がこれまで講じてきた各般にわたる雇用対策の効果によりまして、完全失業率の低下や正規雇用者数の五四半期連続の増加や、さらには新規学卒者の就職内定率の改善など、状況の改善が着実に進んでいるところであります。
 したがいまして、私どもといたしましては、本日御審議いただいております雇用対策法及び地域雇用開発促進法を始めとして、一連の労働法制の整備に全力で取り組むことによりまして、これら雇用面におきます改善の動きを確実なものとしてまいりたい、このように考えております。
#220
○福島みずほ君 先日の発表でも、パートや派遣社員、非正規社員は六十三万人増、千七百二十六万人、ついに三三・七%に達したということが発表をされました。このように、雇用がESCAPやそれからOECDの報告書で指摘されるひどい労働の劣化が生じていて、これは取りも直さず、労働法制、厚生労働省、政府の政策の根本的な誤りがあるというふうに考えております。これは是非、現時点においても非正社員が増え続けているということはやっぱり改善が持たれていないと、これから労働法制の根本的な転換をしない限りこの改善はないというふうに考えますが、いかがですか。
#221
○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに非正規雇用者も増加いたしまして、この割合としては増加ということになりましたが、同時に正規雇用者も増加をいたしております。非正規雇用者の増加の非常に大きな部分が女性によって占められているということをどう考えるかということもあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、このようなことで雇用全体が増えている、正規雇用者も増えている、しかしまた非正規雇用者も増えているという状況でございまして、委員御指摘のように、雇用市場の全部の局面において劣化が進んでいるというような見方を私どもはいたしておりません。
#222
○福島みずほ君 OECD報告書、それからESCAPの報告は、日本の中において二極化の拡大や非正規労働者の拡大、パートタイム労働者の低賃金など、格差拡大の原因としてきちっと指摘をしています。それをどう克服していくかということが政府にも立法にも期待をされているところであり、格差の是正の方向をやるべきであるというふうに思います。
 次に、先日、外国人雇用状況の届出について質問しましたが、再度お聞きをいたします。
 厚生労働省の外国人雇用者についての情報は、離職した際に廃棄されるということでよろしいでしょうか。再就職をした際には前の職場の情報は厚生労働省に残っていないという理解でよいでしょうか。
#223
○政府参考人(岡崎淳一君) 外国人雇用状況報告につきましては、基本的に雇用保険の得喪届の中で在留資格等を外国人の場合には付加して出していただくと、こういうことにしています。
 これのうち、企業ごとに就職、離職の状況、これは在職期間中は企業ごとにどういう方がそれぞれの企業で働いているか、これを管理していくわけでございますが、一方、個人の情報としましては、これは日本人も同じでございますが、雇用保険の情報としてその後の再就職支援とか職歴に基づきます様々な支援その他に使うという意味におきまして、それは日本人の場合と同じような形では残っていると、こういうことになります。
#224
○福島みずほ君 日本人と同じように情報が残る。
#225
○政府参考人(岡崎淳一君) 残ります。雇用保険の情報として取っておりますので、そういう意味においては残ります。
 企業ごとの雇用管理の状況としては、それは離職した時点でその管理が終わると、こういう状況になります。
#226
○福島みずほ君 厚生労働省から入手した情報は、法務省は離日した際に破棄されるのか。また、再来日することもありますが、その際には以前の情報は破棄されているという理解でよろしいのでしょうか。また、再就職した際には前職場の情報は法務省で保有されるのか、廃棄されるのか。法務省、いかがでしょうか。
#227
○政府参考人(稲見敏夫君) お答えいたします。
 厚生労働省さんから提供を受けました情報につきましては、出入国審査、在留審査、退去強制手続などの各事務ごとに情報提供を求めました目的が終わるまで保有し、保有する必要がなくなったときは、出国、再就職といった事実の発生と関係なく速やかに廃棄するということになります。
 それから、御質問の再度来日したときに以前の情報は既に廃棄されているのか、あるいは再就職した際には前の職場の情報は廃棄されているのかという点につきましては、私どもが提供を受けました大多数の情報は御質問の時点、再来日あるいは再就職の時点のその前に廃棄されていると考えております。
 大多数と申し上げましたので、例外があるわけでございます。若干細かくなりますが、例外として想定される点、二点ほど御説明いたしますと、一つは、いただきました情報に基づきまして退去強制手続違反調査を開始した、そのときから時間が当然違反調査でございますので掛かることがある、その間に再就職された。この場合には、再就職の情報がありましても前の情報は私どもは保有させていただきます。これが一つ。
 それからもう一つは、退去強制をいたしました、その情報に基づきまして退去強制をしたということになりますと、これは私どもの処理の上ではその退去強制をいたしました外国人の個人記録の中に編綴いたします。この場合には、その個人記録としての廃棄期限に従って処理をするということになります。
 でも、委員御案内のとおり、退去強制した人間につきましては上陸拒否期間がございますので、大半の場合は再度の来日の前に廃棄することになるんですが、これも御案内のとおり、上陸拒否期間でございましても、特別な事情がある場合には上陸特別許可を与えるということがございます。この場合には、再来日のときも情報を持っているということが起こり得ると、こういう例外的な場合はあると想定しているところでございます。
 以上でございます。
#228
○福島みずほ君 書類の中に入れていくわけですよね。そうすると、それはかなり実は残って編綴されていくのではないですか。可能性としてはまた再来日することもあるわけですから。
#229
○政府参考人(稲見敏夫君) 委員御案内のとおりで、年間私どもが退去強制取っている件数、五万六千件でここ数年推移しております。そのうち、今後のことになりますが、厚生労働省さんからいただきました情報に基づいて退去強制手続が取れるものがどのぐらいあるかということになるわけでございまして、そんな大量な案件、それはあれば大変でございまして、全部逐一対応してまいりますが、そんな大量な案件になるとは考えていないところでございます。
#230
○福島みずほ君 根本的な質問ですが、法務省はなぜ厚労省に情報の提供を求めるのか、厚労省はなぜ法務省に情報を提供するのか。
#231
○政府参考人(稲見敏夫君) 私ども、御案内のとおり、適正な在留管理、所管しております。また、その中で今政府全体で取り組んでおります不法就労対策、不法残留対策という観点からも情報をいただきたいということでございます。
#232
○福島みずほ君 厚生労働省は、厚生労働という観点からこの管理というか、外国人に関しては届出制度を今回初めてきちっと採用するわけですね。
 とすれば、法務省の入管局における不法就労対策は、今までパスポートやいろんな形の入管法の改正をおやりになってやっているわけで、厚生労働省が行うこの制度によってそれを法務省にやはり上げるという、要するに、はっきり言えば入管の下請として厚生労働省が働くというこのシステムはやはり理解ができないのですが、法務省は法務省として不法就労対策をやればいいわけじゃないですか。
#233
○政府参考人(稲見敏夫君) 今、政府挙げて不法滞在者、不法就労者の削減に取り組んでいるところでございます。もちろん、年々効果は出ておりましてその総数は減少しておりますが、直近のデータ、今年の一月一日現在でございますが、いわゆる在留期間を徒過して不法に在留している者、不法残留、これは電算である程度検索ができるんですが、これが十七万、それからあと船舶等で密航してくる者、これが約三万、合わせて二十万の不法滞在者がいると推測しております。
 この二十万のうちの大半の者が不法就労に従事しているということでございますんで、まだまだ、政府全体、私どもとしましては、厚生労働省さんを始めすべての省庁と連携いたしましてその削減に努めていく必要があると考えているということでございます。
#234
○福島みずほ君 今の答弁によっても、不法就労対策のいわゆる現場として厚生労働省がこの届出制度を採用するんじゃないか。それはやっぱり厚生労働省としてどうなんだろうか。しかも、この間の答弁で、常識によって判断をすると、外国人かどうか、というのがありました。それも、大変、外見上あるいは日本語能力から見て明らかに外国人であっても日本国籍の人は相当います。外見で判断させることは差別の助長であり、日本が批准している人種差別撤廃条約に抵触するおそれがあるのではないですか。
#235
○政府参考人(岡崎淳一君) 各国ともそうだと思いますが、それぞれ在留資格等を定めまして、その範囲内で外国人の場合は就労できると、こういうシステムを取っています。諸外国におきましても、届出をするかしないかとかいろんな差異はありますけれども、やはり外国人を雇う場合には在留資格等をちゃんと確認して雇うようにと、それぞれいろんな形で制度化されております。我が国においても、そういうことを今回きちんと法律で定めまして、就職の際には、外国人の場合には在留資格を確認してそれを更に届け出てくださいと、こうしたわけです。
 したがいまして、そういう意味におきまして、だれが外国人かというのはその前提にあるわけでございますが、これはそれぞれ通常の判断力でもって基本的にはまず判断していただくということにならざるを得ないんではないかと思っていますし、そうしたからといって、それが人権条約等々に違反するということにはならないんではないかというふうに考えております。
#236
○福島みずほ君 在留資格を確認をして人を採用するという問題と、それを厚生労働省に必ず届け出なくちゃいけない。それが、場合によっては罰則の規定によって左右されるという、ここが問題だと思います。
 外国人を採用する場合に在留資格を確認するということは従来の政策上も一応まあ分かるわけですね。ところが、今回のポイントはそれを全部届け出させて、事業主にですね、すべての事業主に特別在留許可以外の人たちについては全部届けさせて、それが法務省の求めに応じて出すという、ここの仕組みを新しく導入している点が全く違うと思います。だから、なぜ日本人でやらないことを全部やるのかというところがこの法案は全く理解ができません。
 厚生労働省は、外国人雇用状況届出制度によって外国人就労の実態が分かれば労働条件や労働環境の改善が図られると答弁しています。では、今の時点で就労実態が完全に把握できている外国人技能実習制度において、なぜ人権を無視した労働環境が放置されて、労働環境が悪いのでしょうか。
#237
○政府参考人(奥田久美君) 外国人研修・技能実習制度につきましていろんな問題が起きているわけでございますけれども、まず、研修生の身分の間のいろんな問題がございます。これにつきましては、現行の制度ですと労働法の保護が及ばないということがございまして、そういった問題が起きているということがございます。
 それから、実習生の段階になりましての問題につきましては、先ほど小池議員の議論の中にもございましたけれども、実習生が置かれている状況、言わば多大の管理費を払っているというふうなことで、第一次受入れ機関に不正があった場合には自分たちも強制退去させられてしまうというようなこともありまして、なかなかそういったことを監督署に申出ができないというようなことも事情としてあるのではないかというふうに思っているわけでございますけれども、そういったようないろんな状況の下で、先ほどお答えをいたしましたけれども、不正が起きないようにということで各種の対策を講じているところでございます。
#238
○福島みずほ君 この外国人雇用状況届出制度が外国人の人にとって何かメリットがあるかとやっぱり根本的に疑問に思います。きちっと把握をされている外国人技能実習制度においてむしろ労働環境が悪く、放置されているわけですね。自分たちの実態を把握してもらえれば、じゃ労働環境が改善するのかと、その担保が実はないというふうに思います。
 法務大臣が求める情報は、入管法、外登法に定める事務の処理に関し、外国人の在留に関する事項の確認のために限定されるといいますが、これは極めて広範な範囲となり、限定がないに等しいと思います。法務省から要求され、厚生労働省が情報を提供するに足る理由について、基準をきちっとお示しください。
#239
○政府参考人(岡崎淳一君) これは、私ども厚生労働省としましては、法務大臣からの求めに応じて対応するということでありますので、法務大臣の方から、今先生の読み上げられました、要するに入管法等に定める事務の処理のために必要な理由、これを示していただいて、その理由を見た上でこの二十九条に当たっているかどうかを判断していきたいと、こういうふうに考えております。
#240
○福島みずほ君 いや、それが極めて広範囲なために、これ全部入るじゃないですか。外国人の在留に関する事項の確認のためって非常に広い。厚生労働省が把握している外国人の人たちの届出に関して法務省から言われたら、拒否できなくなりますよ、そうしたら。厚生労働省は自分たちのイニシアチブできちっと情報管理、個人情報保護法に基づいてやらないと、向こうが言ってきた基準に合わせるということでは、この法案、駄目ですよ。
#241
○政府参考人(岡崎淳一君) 法務省として入国管理、在留管理をする際にどういうことで必要かということは、まず法務大臣の方から示していただくというのが前提であろうと。それは、私どもの方で雇用対策法の二十九条に基づきまして適切に判断させていただくということだろうというふうに思っております。
#242
○福島みずほ君 法務省、基準を示してください。
#243
○政府参考人(稲見敏夫君) 詳細につきましてはこれから厚生労働省さんと協議させていただきますけれども、基本的に、情報提供を求める際につきましては、入管法で定める事務処理に必要な理由、これを示して、かつその提供を求める情報、例えば氏名、在留資格、在留期間というものをこれこれの理由で必要だから下さいというようなことで申し上げるということでございます。
 具体的に一つ申し上げますと、例えば外国人の氏名、在留資格、在留期間などの身分事項でございますが、これにつきましては外国人を特定するために必要不可欠な情報であるということに加えまして、その人物、当該人物が在留を認められている者かどうか、すなわち人物の成り代わりとかすり替わりがないかと。退去強制手続等において確認するために必要だから提供してくださいというようなことを申し上げて提供をお願いするということになろうかと考えております。
#244
○福島みずほ君 法務省は、顔識別機能だとかパスポートや外国人登録証で非常に努力を、いいか悪いかは別にして、されていらっしゃいますよね。こちらの、厚生労働省が持っている情報は、そういうものはないんですよ。どうやってその成り代わりや成り済ましの判断をするんですか。
#245
○政府参考人(稲見敏夫君) 一番簡単なのは身分事項を、私どもが承知しておりますのは、不法就労をする者の中にはいろんなブローカーにお金を払いまして、偽変造された外国人登録証明書等を使って不法就労しているという事実がございます。そこで使われている氏名は、はっきり言えばイミテーションのものでございます。私どもが正確に持っている実際のデータと突き合わせれば、成り代わり、成り済ましは分かってくるということでございます。
#246
○福島みずほ君 そうしますと、広範囲にそれをやるんでしょうか、個別にやるんでしょうか。
#247
○政府参考人(稲見敏夫君) 現時点ではそこまで、どういう場合にどの程度、まとめてとか個別にと、そこまでまだ細かく検討はしておりません。
#248
○福島みずほ君 だったら非常に問題です。すべての情報を提供しろといって全部照合するのか、Aという人物が問題になったときにやるのか、どの範囲でどう情報が共有されるのか、現時点で明らかになっていない。これ、国会で判断できないですよ。
#249
○政府参考人(稲見敏夫君) ちょっと説明が不十分でした。個別に照会するということは当然にございます。それはもう前提にしている。
 包括的な場合につきましては、包括的な照会も当然あり得ると考えておりますが、具体的な場合、どの程度の範囲というのは今後検討させていただきたいということでございます。
#250
○福島みずほ君 重要な行政官庁間における、どういう情報が行くのかに関して、かように個人のプライバシーに関する情報がどういう範囲で行くのか分からない。個別の照合はさておき、包括的もあり得ると。どういうふうに、この法務省と厚生労働省、全く趣旨の違う官庁同士でどう情報が行くのか、本日に至るも全く明らかになっていません。これはやはり非常にブランクで、極めて個人情報保護法上、あんなに頑張って国会で議論をしたにもかかわらず、極めて問題です。情報が全部スルーしていくかもしれない、その可能性が今日の答弁であり、極めて問題です。全く納得することはできません。
 次に、外国人労働者の社会保険の加入状況が低いので、雇用状況届出制度を加入促進に役立てるとしています。しかし、雇用保険の届出は職安、社会保険は社会保険事務所、健保組合等と違います。通常、職安と社会保険は事務を共有していません。社会保険の点はどのように改善するのでしょうか。
#251
○政府参考人(岡崎淳一君) これは日本人の場合も同様でございますが、最近は、社会保険と労働保険の適用につきまして、ハローワークと社会保険事務所は連携しながら仕事をしております。したがいまして、外国人の方につきましても日本人の場合と同様に、ハローワークでの把握した情報の中で未加入等の疑いがあるという場合には、社会保険事務所と協力しながら企業等に加入、適用を指導すると、こういう形でやっていきたいと、こういうふうに考えております。
#252
○福島みずほ君 外国人の人は、日本語はしゃべれても書くことが苦手とか、様々なハンディがあります。どうやって雇用の応援をしていくのか、ハローワークや職業訓練において、例えば言語の指導をする、日本語の教育指導をする、多言語で対応するという理解でよろしいのでしょうか。職業訓練に日本語教育も入るという理解でよろしいでしょうか。
#253
○政府参考人(岡崎淳一君) ハローワークにおきましても、外国人専門に支援する外国人雇用センターも二つばかり置いておりますし、それ以外に外国人の方を支援するためのコーナー、そこには、その地域のそれぞれの状況に応じまして必要な言語の通訳等も置いているというようなことでありまして、私どもとしましては、それぞれのハローワークにおきまして必要な語学等の問題も含めましてきめ細かに対応していきたいと、こういうふうに考えております。
 それから、職業訓練等につきましても、必要な範囲で日本語の点を含めまして対応していきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#254
○福島みずほ君 最後に一言。先日、小池委員の方からレストボックスについての質問がありました。私も一言話を聞きたいと思います。
 これは、問題なのは、単に住居を借りれないんですよ、住居は借りれない。要するに、そのレストボックスに入るためには、雇用契約を結んでそこで働かなくちゃいけない、だからウ飼いのウみたいな形になっていて、自分は泊まりたいということができないんですね。ですから、これは強制労働を禁止している労働基準法違反となり得るのではないか。この点についていかがですか。
#255
○政府参考人(高橋満君) 宿泊事業を営みながら例えばそういう派遣就業等々にもあっせん等々行います場合、職業紹介事業の許可をもちろん持っているということであるならば兼業禁止については今基本的にないわけでございます。ただ、専らその宿泊者のみに職業紹介を行うということに実態としてあるということになると、これは職業紹介の許可基準にそぐわない、基準から見てそぐわないということで許可されないということがあろうかと思います。それから、支配従属関係にある中で労働者を他人に雇用させるという実態にもしあるということになれば、これはいわゆる労働者供給事業等に当たりかねない。
 こういうことで、いずれにしましても、実態に即して職業安定法等に違反するような状況があれば、これは監督指導を行って是正を図らせていくということでございます。
#256
○福島みずほ君 聞きたいことがほかにも山ほどありますが、時間ですから終わります。
#257
○委員長(鶴保庸介君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#258
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山本孝史君、辻泰弘君、南野知惠子君及び中島眞人君が委員を辞任され、その補欠として松下新平君、前川清成君、野村哲郎君及び岩城光英君が選任されました。
    ─────────────
#259
○委員長(鶴保庸介君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#260
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました法律案に対し、反対の立場から討論いたします。
 反対の第一の理由は、本法案が、ふろしきは大きく広げていながらも、内容を精査していくとその一つ一つが不十分であることです。
 例えば、法案の第四条で就職困難層の類型ごとに国が行うべき施策を規定していますが、その内容は単に「必要な施策を充実すること。」にとどまり、具体的な施策の裏付けは何らなされておりません。とりわけ、究極の不安定雇用、日雇派遣で日々の糧を得ているネットカフェ難民については、調査を予定する時期さえも明言されずに委員会審議が終了することとなりました。
 また、就職氷河期に学校を卒業し、能力開発の機会を得られないままに今日に至っている若者に対し、早急な対策の必要性自体は認めながらも、政府案では三十五歳から四十歳までが施策の対象から抜け落ちております。さらに、募集、採用に係る年齢制限を禁止している規定の適用範囲が不明確であり、公務員を適用対象から外していること、ワーク・ライフ・バランスが盛り込まれていないことなど、不十分な項目は枚挙にいとまがありません。これでは、本法案が人口減少社会の到来を見据え新たな雇用モデルを構築する基盤であるとの認識を政府・与党と共有することはできません。
 反対の第二の理由は、本法案が雇用対策基本計画に関する規定を削除していることです。
 同計画は、国が雇用政策に責任を持つべきとの観点から、他省庁にも影響を及ぼせる閣議決定事項として政府が一丸となって雇用対策に当たる根拠となっておりました。本日の辻委員の質疑で明らかになったように、前提となる経済計画に相当するものが継続する一方で、雇用対策基本計画を安易に廃止し、その理由を国民の前に明確に説明することさえできない状況を、私どもは容認するわけにはまいりません。
 第三の理由は、法案中の外国人の適正な雇用管理の基本的な趣旨に疑義があることです。
 政府の答弁においては、不法就労対策と外国人の雇用促進、雇用管理の改善の位置付けに明確な優先順位がありませんでした。しかし、本法案が厚生労働委員会で審議される労働法であることを踏まえるならば、あくまでも不法就労対策は副次的なものであり、両者が等価値ということはあり得ないはずと考えます。厚生労働省がそれほど雇用の場における違法状態の解消に関心を持たれているのであれば、まず対策を講ずるべきは、例えば明確な違法行為である賃金不払残業を行っている事業主への厳しい対応であるはずです。
 さて、本法案の本会議質問の際、私は、現在の社会不安をもたらした最大の要因が働き方のゆがみであることを指摘いたしました。三人に一人が非正規雇用の労働者となり、若者を中心としたフリーターが二百一万人に達し、あまつさえワーキングプアやネットカフェ難民が急増している現状は、戦後最長の景気拡大を政府自らが喧伝する国とは到底思えません。
 一方で、正社員は、正社員であり続けるために、ノルマの達成に追われ、長時間労働に苦しみ、その結果として、過労や業務上のストレスによる自殺者が過去最高を記録し、うつ病など精神疾患による労災認定も、四年間で二倍以上に増加しています。
 これら同時並行している雇用の深刻な問題は、いずれも目先の人的コスト削減のみを至上命題としてきた経済財政諮問会議主導の雇用の規制緩和に基づくものであることは、今や疑うべきもありません。にもかかわらず、本法案の本会議質問が行われた三日後には、内閣府所管の規制改革会議において、労働タスクフォースなる名前の下、これまで先人が積み重ねてきた労働法制の根幹を否定し、閣議決定を経て国会に提出されている法案とも矛盾する内容が提言されたことは、正に許されない暴挙であります。
 選挙を経た国民代表である国会議員でもなく、国家公務員法で縛られ議院内閣制の下で責任を負いながら働く国家公務員でもない、そのような立場の民間人が国政の重要事項を実質的にコントロールしている現状を打破しない限り、今後どのような労働者保護策を厚生労働省が目指そうとも、それは右手で与え左手で奪うことにしかなりません。
 改めて、厚生労働省には自らの存在意義を問い直していただくことを強く求め、私の反対討論を終わります。
#261
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。
 雇用対策法は、その目的で、国が安定した雇用の維持を図ることで完全雇用の達成を目指すとし、国の雇用対策を具体化する雇用対策基本計画を策定してきました。今回、雇用対策基本計画が廃止され、今後は進路と戦略など、労働者代表も加わらない経済財政諮問会議など、経済界の要請に沿った雇用対策が決められることになります。
 これは、労働時間の短縮を始め、国が果たすべき労働条件の改善や雇用対策への責任を投げ捨てるものにほかならず、それに代わるという中期ビジョンについても、これまでの閣議決定から厚労省の方針へとその位置付けを後退させるもので、容認することはできません。
 さらに、今回、外国人労働者の雇用状況に関する報告制度が義務化され、公共職業安定所に集約された外国人労働者の個人情報が、法務省の求めがあった場合に提供することが義務付けられています。雇用保険未加入や極端に低い賃金、残業代の未払など、劣悪な労働条件の下に置かれている外国人労働者の無権利状態を改善することは急務の課題であり、そのために外国人労働者の就労実態を把握することは必要です。
 しかし、入管法違反を摘発する法務省への情報提供が前提になると事業者からきちんとした情報が提供される保証がありません。また、外国人労働者にとって自分たちの労働条件を守ってくれる行政である労働基準監督署やハローワークが自分たちを摘発する機関と一体だということになれば、労働行政機関から外国人労働者の足が遠のくことは明らかで、雇用管理の改善や再就職支援につながらず、逆行することになりかねません。
 なお、地域雇用開発促進法改正は、地域類型の再編や助成金の要件を変更するとしておりますが、いまだ深刻な雇用情勢の下で抜本的な地域雇用対策とはなっておらず、安定した正規雇用を創出することも含め、その制度や規模が極めて小さく、効果が期待できるものとなっていないことを重ねて指摘しておきます。
 以上を述べて、討論とします。
#262
○福島みずほ君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、内閣提出の雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 まず、本法案は目的を大きく変えています。現行法が国民の経済の均衡ある発展としていた部分が変わって、労働市場の機能が適切に発揮されとなっています。これまで国民全体を考えた労働政策が大きく転換することを意味しており、認められません。
 また、本法案は、若者、女性、高齢者、障害者の雇用対策を目的とうたいながら、これまで出されている施策と特段変わったところは何もありません。しかし、一つだけ飛び抜けて変わる点が外国人労働者への政策です。外国人を雇用した雇用主に対して、その外国人労働者の個人情報を厚生労働省に提供することを義務付ける外国人雇用状況届出制度を新設しています。外国人の不法就労をなくし、その雇用環境を改善することを目的としていますが、厚生労働省が外国人労働者の個人情報を把握することがなぜ外国人労働者の雇用状況改善につながるのか、厚生労働省の答弁を聞いても全く納得できません。
 雇用主に対して厚生労働省が外国人かどうかを常識的に判断してという方法は、人を皮膚の色や言葉遣いといった表面的なもので判断することを奨励するもので、人種差別撤廃条約に反する行為でもあることを指摘せざるを得ません。永住者にまで対象とするやり方は、多様な人々を社会の中で受け入れるというのではなく、むしろ区別し排除することにつながるのではないかという点に大変危惧を持っています。
 また、厚生労働省から入手した外国人労働者の個人情報は法務省の求めに応じて提供されることになっています。しかし、その保有の目的も保管条件も極めてあいまいであり、行政機関個人情報保護法違反を疑う制度になっています。雇用管理のためとの答弁ですが、むしろこの制度は、労働の現場から外国人の出入国を管理に資するための制度となるのではないかと思われ、極めて問題があります。
 以上の理由をもって社民党は本法案に反対であることを表明して、反対討論といたします。
#263
○委員長(鶴保庸介君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#264
○委員長(鶴保庸介君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、中村君から発言を求められておりますので、これを許します。中村博彦君。
#265
○中村博彦君 私は、ただいま可決されました雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、人口減少下における経済社会情勢の変化、雇用情勢の変化、雇用・就業形態の多様化等に的確に対応するため、若者、女性、高齢者、障害者等、働く希望を持つすべての者の就業参加の実現、良質な雇用の創出、セーフティネットの整備等に向け、積極的雇用政策の推進に取り組むこと。
 二、公共職業安定所(ハローワーク)は、政府の雇用対策の実施に当たり、雇用のセーフティネットとしての役割を担う中核的機関であることを認識し、その役割・機能を一層強化するよう努めること。
 三、青少年の雇用機会の確保については、これを事業主の努力義務とするに当たり、年長フリーターの正規雇用化が着実に進むよう、実効性のある大臣指針を策定するとともに、当該指針に基づき、都道府県労働局及びハローワークが関係企業に対して強力な指導を行うこと。また、三十五歳以上の者についても、個々の求職者の状況を踏まえ、きめ細かな支援措置を講ずること。さらに、若年者のためのワンストップサービスセンター(ジョブカフェ)は、地方における若者の雇用対策の中核的拠点となっていることを踏まえ、同事業を実施する都道府県に対して必要な支援を行うこと。
 四、いわゆるネットカフェ難民を含め常用雇用化を望む日雇い派遣労働者等の雇用の安定を図ることは喫緊の政策課題であることにかんがみ、適切な対策を講ずること。
 五、労働者の募集及び採用に係る年齢制限の禁止の義務化に当たり、事業主等への周知徹底に努めるとともに、真に実効性あるものとなるよう、従来、例外的に年齢制限が認められる場合として指針に定められてきた事項を抜本的に見直し、必要最小限に限定すること。また、国家公務員及び地方公務員についても、民間事業主への義務化を踏まえ、本改正の理念の具体化に向け適切な対応を図ること。
 六、不安定な雇用環境の下で就労する外国人労働者の雇用環境の改善に向けて具体的対策を推進すること。また、外国人雇用状況報告は、外国人労働者の雇用管理の改善、円滑な再就職の促進等に確実に役立てるようにするとともに、厚生労働大臣は、法務大臣からの情報提供の求めに対しては、その目的等に照らし、必要な範囲で、適正に対応すること。特に、個人情報の取扱いに当たっては、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に従い、その保護に万全を期すこと。また、外国人であることの確認が雇用における国籍差別を招くことがないように、指針に職業安定法第三条及び労働基準法第三条の趣旨を明示するなど、適切な対策を講ずること。
 七、「技術立国」、「ものづくり日本」を掲げる我が国にとって、技能労働者の養成は重要な課題であることにかんがみ、本改正により「技能労働者の養成確保」の表現が削除されても、その取組が低下することのないよう、今後とも、関係機関と十分な連携を図り、技能労働者の養成及び技能の向上に努めること。
 八、地域間で雇用情勢に大きな格差が見られる中で、雇用対策は、地域の実情に応じ、国と地方公共団体との密接な連携により機動的かつ効果的に実施することが重要であることにかんがみ、産業政策をはじめ地域再生に向けた取組と一体となって、実効ある雇用創出の取組の推進に努めること。また、引き続き、雇用情勢の特に厳しい地域に対する雇用対策の強化に努めること。
 九、雇用対策基本計画の廃止によっても、雇用に関する施策を総合的かつ計画的に推進することが重要であることから、別途、雇用に関する施策についての基本的な方針を定めること。その際、労働政策審議会において労使の意見を十分踏まえるよう努めること。また、都道府県労働局長が雇用施策の実施に関する方針を定めるに当たっては、都道府県知事の意見を聞くとともに、地方労働審議会において地域の労使の意見を十分踏まえるよう努めること。
 十、短時間労働者について通常の労働者への転換の推進が図られるようになったこと等を踏まえ、有期労働契約を締結している労働者についても、その雇用管理の改善や通常の労働者への転換を支援するための施策を講ずるようにすること。
 十一、すべての労働者に仕事と生活の調和(ワークライフバランス)が確保されるよう、労働条件の改善、就業環境の整備等の雇用管理改善に向けた施策を講ずるよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#266
○委員長(鶴保庸介君) ただいま中村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#267
○委員長(鶴保庸介君) 多数と認めます。よって、中村君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、柳澤厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。柳澤厚生労働大臣。
#268
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存であります。
#269
○委員長(鶴保庸介君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#270
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト