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2007/06/08 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第27号
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2007/06/08 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 厚生労働委員会 第27号

#1
第166回国会 厚生労働委員会 第27号
平成十九年六月八日(金曜日)
   午後一時十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     羽田雄一郎君     櫻井  充君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     犬塚 直史君
     福山 哲郎君     白  眞勲君
     弘友 和夫君     鰐淵 洋子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                阿部 正俊君
                中村 博彦君
                足立 信也君
                津田弥太郎君
                浮島とも子君
    委 員
                岸  宏一君
                小泉 昭男君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                中原  爽君
                西島 英利君
                犬塚 直史君
                島田智哉子君
                白  眞勲君
                柳澤 光美君
                鰐淵 洋子君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   参考人
       東京都社会保険
       労務士会常任理
       事        大野  実君
       株式会社江原食
       品代表取締役
       全国社会保険委
       員会連合会理事
       埼玉県社会保険
       委員会連合会会
       長        江原 靖幸君
       社会保険労務士  廣瀬 幸一君
       自営業      中村 正見君
       自営業      中村美津子君
       社会保険労務士  原田 朋之君
       主婦       梅原喜代江君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○日本年金機構法案(内閣提出、衆議院送付)
○国民年金事業等の運営の改善のための国民年金
 法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に
 係る時効の特例等に関する法律案(衆議院提出
 )
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、秋元司君、羽田雄一郎君、福山哲郎君及び弘友和夫君が委員を辞任され、その補欠として小泉昭男君、犬塚直史君、白眞勲君、鰐淵洋子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(鶴保庸介君) 日本年金機構法案、国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案及び厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 本日は、三案の審査のため、四組七名の参考人から御意見を伺います。
 本日御出席いただいております参考人の方々を御紹介申し上げます。
 東京都社会保険労務士会常任理事の大野実参考人でございます。
 株式会社江原食品代表取締役・全国社会保険委員会連合会理事・埼玉県社会保険委員会連合会会長の江原靖幸参考人でございます。
 社会保険労務士の廣瀬幸一参考人、自営業の中村正見参考人及び自営業の中村美津子参考人でございます。
 社会保険労務士の原田朋之参考人及び主婦の梅原喜代江参考人でございます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございました。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、三案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様から一組二十分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者ともに発言は着席のまま、委員長が指示をいたしますので、その指示に従って御発言をいただければと思います。
 それでは、まず大野参考人にお願いをいたします。大野参考人。
#4
○参考人(大野実君) 社会保険労務士の大野実でございます。
 私は、本日の意見陳述に当たりまして、年金問題の専門家として年金の実務家として、二つの事項につきまして意見を述べさせていただきます。
 まず初めに、五千万件に上るとされる年金基礎番号ですね、統合されていない記録が残っていることなどの問題、いわゆる年金記録問題で、多くの年金受給者や将来年金を受け取るであろう被保険者の年金不安あるいは年金不信が広がっていることに関しまして発言させていただきます。
 年金制度は、何よりも年金制度への強い信任や信頼があってこそ成立し維持できるものというふうに考えているところであります。こうした中で、現在、年金制度が崩壊するような衝撃的な表現や一部のマスコミの報道があったり、更なる不安あるいは不信が増幅しているような状況にあるというふうに考えているところです。
 そもそも、五千万件に上るとされる基礎年金番号に統合されていない記録の意味合いにつきましても大きな誤解があって、年金記録の未統合の問題であるとか入力漏れなどの問題、あるいは保険料を納付していながら年金の記録が確認されない、あるいは年金が受給できないというようなケースなど、それぞれのケースを十分に整理されることなく国民に伝えられているような偏った議論がなされているような印象を強く持っているところでございます。
 年金制度の立案やあるいは運営にかかわる私たちも含めて、年金制度の仕組みや年金法制、あるいは法制定の背景であるとか実際の実務処理の状況であるとか、十分に理解をした中で真摯な姿勢で事実に基づいて冷静な対応が望まれるところだというふうに考えています。そのような中で、年金記録問題への速やかな対応によって国民の年金制度に対する信頼回復を図っていくことが何よりも重要であるというふうに考えています。
 つきましては、去る六月四日付けで厚生労働省社会保険庁から提出されています年金記録問題への新対応策の進め方などで、例えば、名寄せ作業を行うとか、あるいは年金記録相談体制を強化していこうとか、納付記録がない場合の第三者委員会だとかあるいは検証委員会などを設置して具体的な対応策について進めていくんだというような御提案につきましては、私は真摯に受け止めているところであります。
 しかしながら、それぞれの対応策をより実効性を高めていくためには、例えば名寄せ作業においても、個々の相談者の履歴を直接対面をして聞き取る、そういった作業を実施して、埋もれている年金履歴などを引き出すとか洗い出すというような作業を丁寧に行っていくことで緻密に作業を進めていくんだというようなことが必要だというふうに考えていますし、現在の窓口の相談対応だけでは必ずしも十分ではないのではないかというような感想を持っています。今日のような年金不安が増大している中にあって、年金不安を持つ相談者、そういう者に対して、特に高齢の方、年金受給者に対しては、一定の所定の文書をお送りしてそれに回答してくれというような手法では高い効果は見込めないというふうに思っておりまして、実際に対面をすること、聴き取りをするというような中で、制度に対する十分な説明をしながら実施していくということが不可欠なんだというふうに考えています。
 身近で安心して相談できるというような立場であるとすれば、私たち社会保険労務士は、日ごろからいろいろな場面で年金の相談や説明会だとか、あるいは企業の中で年金制度を周知するような作業をいつも行っているわけで、私たち社会保険労務士は、組織的な支援をするというようなことでこのような実効性を高めることができるのではないかというふうに考えています。
 また、年金記録の相談体制を強化するということにつきましても、行政の窓口体制は、要員の問題であるとか端末の機械の問題であるとか様々な問題、あるいは遠くにあるということも含めてなかなか十分な体制は取れないのではないかというふうに危惧しているところであります。そうした中で、社会保険労務士が年金の専門家として実際に年金相談をするために現場に派遣をしていただく、そういうような形でも支援ができるのではないかというふうに考えています。
 また、第三者委員会だとか検証委員会というものの構成につきましても、社会保険労務士が参画することが不可欠だというふうに考えています。
 例えば国民年金などで、報道によりますと、例えば領収書が発行されていたらそれを確認しましょう、口座から引き落としされているんだったらそういうものを持っていきましょうと、こういうようなお話があるわけですけれども、例えば厚生年金でいうんだったらば、領収書の発行なんというのはされていないわけですよね。そうすると、じゃ今度は何で見るんですかということになります。例えば厚生年金に加入期間を確認しようということになったときに、そのときの賃金台帳を持ってこようと、こんな話もあるかもしれません。でも、例えば雇用の形態であるとか実態があって、それと法律との例えば加入要件の関係、こういうものをちゃんと照らし合わせて加入の是非を判断するような必要も当然あるわけですね。そう考えますと、年金関係の法令の例えば改正の経緯だとか、変貌だとか、背景そのものを十分熟知した者でなければ、適正で公正に判断することができないのではないかというふうに考えています。
 労働契約の法制や、企業ごとに定められている就業規則であるとか賃金制度であるとか、そういったものの理解の中で、実際の手続の方法をどういうふうにやっているのかということを十分承知している私のような社会保険労務士であれば、実際に法令と実務の関係を洗い出してサポートをしていくということができるんではないかというふうに考えています。
 私たち社会保険労務士は、年金に関する唯一の国家資格者として、今申し上げましたように、国民的な課題になっている年金記録問題を解消して国民の権利を救済する、そんな支援をしていこうと、行動していこうということを決議しているところであります。
 お手元の配付資料にありますように、私たち社会保険労務士は、今申し上げたとおり、六月の六日、百四十八回全国社会保険労務士会連合会理事会決議であるとか、同日六月六日に東京都社会保険労務士会長の声明などによってこのような決意が表明されているところであります。少し読ませていただきたいと思います。
 連合会の決議の内容につきましては、お手元の資料の中ほどにありますけれども、全国四十七都道府県の社会保険労務士会が設置している年金相談センター、その機能をより一層強化して相談に応じようということが書かれています。全国二万か所に社会保険労務士事務所が、年金加入者等により、事前に年金空白期間等に関する相談を受け、適切に対処すること、社会保険庁が行う年金記録問題解決のための施策について協力すること、広く地域の国民的要請に応じるため、地方都市等の市役所や企業等において年金相談に応じようと、こういうことが理事会で決議されています。
 あわせて、東京都社会保険労務士会の会長声明の中にも、中ほどに書いてあります。東京都社会保険労務士会としては、会員社会保険労務士に対して業務に関する法令及び実務に精通し、品位を保持し、公正な立場で誠実にその業務を遂行すべく指導してきたことなどもあり、ということが書いてありまして、問題解決の具体的な方策として、都内三千か所を超える社会保険労務士事務所を年金記録漏れ相談窓口として開放して、年金問題に困窮する方々の申立て、これを受けて、これらを取りまとめた上で社会保険事務所に持ち込み、突合作業をするということをサポートしようと、また、各社会保険事務所における相談窓口の混雑緩和等の解決の一助として、相談員の派遣等も含めた協力を検討していくことを考えていますということが書かれています。最後に、当然のことながら、政府が約束している一年以内での年金記録漏れ問題の解決には、社会保険労務士の助力がこの時期欠かせないことから、広く国民に訴えていこうというようなことが示されているところであります。
 東京都社会保険労務士会では、既に御承知のとおり、平成十七年度に市場化テストモデル事業において実施した政府管掌健康保険、厚生年金保険の未適用事業所の適用促進事業においても、競合する会社の五分の一、対象管内の社会保険事務所の六分の一という極めて効率的な経費で対応してきた実績を持っているところであります。
 この適用事業促進の大きな要因となったものも、社会保険労務士が専門的な知識に基づいて事業主に直接対面をして説明をする、あるいは説得するというようなことが行われたために効果が上げられたというふうに評価されています。このような市場化テストなどで明らかになったとおり、年金に関する十分な専門知識や手続などを、実務を実践してきた社会保険労務士であるからこそ、国民の年金への疑問や問い合わせに対応できるものというふうに確信するものであります。
 このような年金記録問題の解決支援に向けて、取組については、是非とも政府が広報していただきまして広く国民に紹介していただく、併せて予算の措置についても御検討いただければということをお願いするところであります。
 二番目として、国民年金機構法案の概要において示されています民間へのアウトソーシングの推進等によってサービスの向上及び効率的、効果的な業務遂行の実現を図るという趣旨に即した対応につきまして、全国社会保険労務士会連合会では、既に街角の社会保険支援センター、これは仮称でございますが、構想を打ち出しているところであります。
 街角の社会保険支援センターの構想は、さきの市場化テストで実績などを踏まえまして、労働社会保険諸法令に関する専門家集団として国民生活への利便性の提供などを目指しているもので、身近に相談できる機関としてニーズにマッチするものであろうというふうに考えています。内容につきましては、配付資料の中にあります街角の社会保険支援センターの構想のメリット、業務想定図、こういったものを見ていただければというふうに考えます。
 その中で、全国約二万人の開業社会保険労務士、社会保険労務士法人が支援センターを設置した場合、全国三百九か所の社会保険事務所を少なくとも十数倍、数十倍と書いてありますが、十数倍は上回る数の支援センターの開設が可能であり、国民の社会保険関係の手続に関するアクセスが容易になり、サービス及び利便性の大幅な向上が期待できるというようなことが書かれています。また、支援センターは出来高払制によって報酬を導入するということによって、固定費が削減され、行政予算が大幅に削減できるだろうということを期待しています。こんなことが書かれているところであります。
 このセンター構想につきましても、東京都社会保険労務士会は、本年度の事業計画などでも決議されたものでありまして、連合会の事業計画にも掲げられているところであります。さらに、具体的な支援センターの要件などについても検討が進められているところであります。
 意見の結びといいますか、私の意見を最後に述べさせていただくとしますと、私は三十年以上社会保険関係の手続や実務を、事業主やそこに働く人たちの代理人として実際に書類を作成をし届け出るというような仕事から個々の年金の裁定請求の相談に至るまで、直接国民の方たちと接して業務を進めてきたところであります。年金関係法令の改革や紙ベースの手続から今正に進められている電子申請に至るまで、実務家として直接かかわってきたところであります。
 その間、公的年金制度の枠組みを始めとして、時代の要請によって年金制度そのものが大きく変貌してきました。また、紙ベースの時代からコンピューターの時代になって、更にコンピューターの容量も飛躍的に増大する中で、行政でストックされる情報、それもより追加されてきている状況にあります。氏名の振り仮名に始まりまして、被保険者の住所の情報なども最たるものであります。基礎年金番号への統一なども、このような背景の中で行われたものと理解しています。振り仮名や住所のデータも、基礎年金番号への統一確認作業も、当時、私が記憶するところによりますと、所定の用紙があって、その書類に振り仮名を振りあるいは住所を書き、重複している年金の番号を書き、そういう中で手続をしてきた、そういうふうに記憶しています。その中で、その記録が実際に十分に整理されていないというような状況になっているんだというふうに理解をしています。
 今思い起こせば、より正確で詳細な届出のための仕組みであるとか、届出の姿勢といいますか、そういったものについてもいろいろ見直す、あるいは反省すべきところがあったのではないかなというふうにかかわる人間として思うところであります。
 申請者側の手続実態も、制度に対する理解不足であったり、誤った解釈で一人で何枚もの年金手帳を持っていたというような、八枚、十枚というようなことを、実際に私は多くそういったケースを見ているところでありますし、振り仮名や氏名というものにつきましても事実と異なるようないろんなケースで届出されていたというケースがあったというふうに記憶しています。
 厚生年金につきましても、事業主が届出をする、被保険者が直接届出をするということではなくて、事業主が従業員さんの、被保険者の届出をするというような中で、事業主が誤った認識をして手続をする、あるいは被保険者が直接内容を確認するような機会がない中で手続がなされていた。そんな中で、法令の知識も十分でない、あるいは働く側、被保険者も十分に年金制度のことを身近な問題として考えてなかったというのが現状ではないでしょうか。このように年金制度の実務運用の現場では、実務上様々な課題が山積みになっているというふうに考えています。
 年金記録問題についてあえて申し上げるとすれば、実務に実際にかかわってきたら、私たちを始め、私自身を始め、年金制度にかかわっているすべての組織、行政も含めて、年金記録問題の背景だとか事実について、やっぱり先ほど申し上げたように真摯に受け止めて大いに反省して、加害者であるとかあるいは被害者だというような視点で問題を解決していくということではなくて、真にあるべき姿で議論をして、納得性のある具体的な対応策や新たな年金関係の法令の整備を進めていただきたいということを強く願っているところであります。
 更に申し上げると、年金記録の問題につきましては、明らかに個々の問題としては、私も実務家として多くの事例を抱えていて、確かにゆゆしき、あるいは非常に残念な、あるいは非常に困った問題ということが事実は一杯あるように感じているところであります。それでも、年金制度のあるべき姿を考えた中で、制度として考えるべきことと個別の問題で対応すべきこと、こういうものを十分に整理した中で一つ一つ解決をしていくようなことが望まれるのではないかというふうに考えています。
 私たち全国の社会保険労務士は、いわゆる年金記録問題を始めとした年金制度の改革に対して決意を持って支援をし、支持をし、行動することをお約束いたしまして、意見発表を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。
#5
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
 次に、江原参考人にお願いいたします。江原参考人。
#6
○参考人(江原靖幸君) 私、ただいま紹介されました江原でございますが、肩書に全国社会保険委員会連合会の理事ということと、埼玉県社会保険委員会連合会会長という立場で申し述べさせていただきます。
 皆様方のところに社会保険委員の組織という組織図がお手元に配られているかと思うんですが、まず社会保険委員というのはどういう仕事をするのかということで、御存じない先生方もおられるかと思いますので、説明させていただきます。
 まず、頂点といたしまして全国社会保険委員会連合会、その下に、各都道府県に社会保険委員会連合会というのがございまして、その下に社会保険委員会、これは社会保険事務所のあるところに委員会が設置されております。全国三百九か所の事務所に設置されております。その中に社会保険委員が全国で現在約十七万人おります。特に、被保険者十名以上の事業所から一名で、また三百名以上の事業所からは二名ということで、事業主と被保険者のパイプ役ということで現在活動しております。
 これも、先ほど大野先生の方からお話があったように、直接、被保険者あるいは被扶養者と接する部分がございますので、今回の年金の五千九十五万ですか、問題点につきましても、被保険者に聴いてみますと、非常に危機感を持って、自分の年金大丈夫なのかなということで、実際統合されているにもかかわらず事務所へ相談に行くという事例もございますが。
 こういう組織図の中で我々、今までは社会保険庁から、先生方のお手元にこういう社会保険委員必携というのが配られているかと思うんですが、今までは庁から副読本ということで社会保険委員には一冊ずつ提供があったんですが、一昨年から税金の無駄遣いということで、印刷物は一切駄目よということで配られなくなりました。私、全委連の総会で、こういう社会保険委員として、毎年法案が変わるたびに勉強しなきゃならない部分で参考になるものがないといかぬということで、自費で委員さん買いまして、現在もこの社会保険委員必携というのが存続しております。この中も後日見ていただければ参考になるかと思うんですが、我々委員のバイブルとして活躍させていただいております。
 それからまた、年金の裁定請求するに当たりまして、先生方のお手元にパネルの資料が配られているかと思うんですが、全委連の方でこういうふうな冊子を、年、今まで二回だったんですが、予算が削られた関係で年一回に減ったわけでございますけど、全国十七万の委員の皆さん方にこの会報が届いているんですが、ここの中の記事になった部分でございますが。
 たまたま埼玉県春日部社会保険事務所は、全国でも一番人口を抱えた事務所でございます。約百七十二万の十市八町の地域でございまして、年金相談も一日に二百名、三百名ということで、埼玉県は東京のドーナツ圏ということで、春日部に限らず川越、先般も朝日新聞に載りました所沢なども五時間待ちということで、相談ブースは十五あるんですが、相談員が八名しかいないということで、五時間待ちということでおしかりをいただいたというふうな記事が出ておりましたんですが、埼玉県全体に相談件数が多いんでございます。
 そんな中で、高齢の相談に来られる方々が裁定請求書の書き方見ても、素人の初めて見る方々はどうやって書いていいか分からないというのが現実の問題でございます。そこで、相談に来られた方々の意見を聴きまして、新聞大のパネルを春日部の事務所に寄贈いたしまして相談者から喜ばれたというようなことで、たまたま村瀬長官が就任したばっかりで春日部の事務所を訪問されてそのパネルを見られまして、非常に分かりやすくていいというようなことで喜ばれたということから、埼玉県内の七つの事務所全部、社会保険、埼玉の連合会で六か所にパネルを寄贈いたしまして喜ばれるということにつながったわけでございますが、それと同時に、その以前に、今事務次官でございます、辻事務次官が年金局長のときに、局長、裁定請求書を書くに当たってもプロでも分からないと言われているのを国民に書けという方が非常に問題ではないのかと、もっと簡素化して分かりやすく、自署捺印すれば済むぐらいの簡素化をお願いしたいというようなことを申し上げましたところ、担当部署に伝えるということと、辻年金局長のとき、ビデオを辻局長自ら出演されまして年金ビデオを作っていただいたという経緯がございまして、今の五十八歳のターンアラウンドの御案内という部分につながってきております。
 それと、また我々社会保険委員が、事業所から退職間際の年金を受給される被保険者を、出てきた場合に、先ほど申し上げました一日三百人とか三百五十人見える中で、十市八町といいますと一日掛かりで相談に行くようになっちゃうんです。例えば、春日部へ行くために三郷から春日部へ行きますと約一時間、で、着きまして受付して二時間、三時間掛かるという状況でございますので、年金の裁定結果が出るまで大体三、四回裁定のために相談に行かれるという状況がございまして、我々委員が、相談に行かれる被保険者のために年金手帳あるいは書類等を委任状を取り付けて、本人から委任状をいただいて、それを持って社会保険事務所に手続をすると。その結果、裁定結果は本人に伝えるという形で、埼玉方式という形で立ち上げまして、今これが全国の社会保険委員の皆さんが相談の、被保険者の皆さんの代わりに委員が携わるということを実施しております。
 また、本日資料の中に加えました年金手帳の内容ということで、年金手帳の中に国民年金の記録あるいは厚生年金保険の記録ということで、無地のを掲載してございますが、この中で厚生年金の方を申し上げますと、事業所名、船舶所有者名、所在地、被保険者となった日、なくなった日ということで書く欄がございます。私、これを、会社のゴム印と取得年月日を採用したならば必ず記帳をしていただきたいということで、算定の説明会あるいは算定の受付会又は委員会の研修会等で口を酸っぱくして申し上げております。
 というのは、今回の名寄せというか、分からない不明の五千九十五万のうち、恐らくこういう記載漏れが、こういう年金手帳にきちっと事業所がゴム印を押してあげていれば防げるのかなと。というのは、手前どもの会社で、平成六年に事務員のだんなさんがぽっくり亡くなりまして遺族年金の手続をしなければいかぬということで浦和の市役所へ伺ったところ、だんなさんの年金は二十五年満たしてないということで、駄目ですねと窓口で言われたというのを私聞きまして、浦和の社会保険事務所にその話を伝えたところ、だんなさんの独身のときに働いている部分が、どこに働いているか奥さん分かってなかったわけですね、事務員が。それを一つ一つ丁寧に調べていただいた結果、遺族年金いただける形になったわけでございます。
 今、騒いでいます名寄せの部分が懇切丁寧に調べれば出てくるわけですが、こちらにその都度現在のことをきちっと記帳していただければ、四十年後、いつどこへ勤めたかなと。特に、昨今アルバイトとかフリーターとか、転職するのが当たり前の時代となっていますと、これ記帳していないと本人でさえも恐らく四十年後分からないんではないかなと思われる点がございますので、現在被保険者の方々に、委員として、判こを押して記録を残してくれということを啓蒙しておるところでございます。
 末端でこういうことが、このたびの年金問題、マスコミで取り上げられた結果、基礎年金番号についても一般の国民の方々、意外と知られてないんですね、郵送されて、そのまんま引き出し入っていると。昨日も話が出まして、どっかにあるだろうということで、ある友達のところの事業所ですが、調べたらば、机の隅っこからこれですかと持ってきたと、それだということでつながったというような話もありますし、非常に、プロの社会保険事務所の方々あるいはマスコミ等でもいとも簡単に基礎年金番号と申し上げているんですが、この言葉さえ知らない国民が多くいるわけです。
 特に、今、先ほど申し上げましたように、関心のある方は事務所に相談に行かれると。無関心の年金手帳、先ほども大野先生が言っておりましたように、五冊も十冊も転職ごとに新しく取った年金手帳ですね、こういう方々が無関心で事務所へ行ってないという部分で、我々社会保険委員、この二十七日に全委連の総会がございますが、全国規模で委員が事業所の年金番号、被保険者の年金番号、全部事務所とタイアップしてチェック掛ければ、今、国で言う一年間で終わらせるという部分の一助になるのかなと思っております。まだ社会保険委員として勧奨もしなければならないんですが、現在十七万おりますので、アバウトに考えても十人以上で百七十万、平均しますと恐らく三十名、四十名になりますんで、五、六百万の被保険者の方々がチェック可能になるのかなと思っております。
 また、埼玉は昨年度も年金の未加入、未納付等の問題で新聞等もにぎわして記録がないというような話があったんですが、今回のこういう突き合わせにつきましても、先般、事務所へ行きまして、統合等を行った方は年金手帳に何月何日確認済みというふうな形を取れば、五千九十五万の何分の一ということで、速やかに全国で実施すれば件数が何件と、はっきり基礎データが出てくるのかなということも埼玉社会保険事務局の方には申し上げております。
 やはり、現場で創意工夫して、村瀬長官が言っておられます、お客さんに対して自分がお客さんの立場で対応しようという気持ちで職員が対応すれば一歩先に進み、またお互いに、今の状況を見ていますと、年金相談に行かれる方、大体五分から十分、相談の前に、社会保険職員は何やっているんだと、税金泥棒だと、こんなことで高いボーナスを取っているのかと、まず五分から十分罵声を浴びせられてから本題に入ると。中にはもう耐えられなくてうつになったという職員もいると聞いております。
 埼玉なんか特に、この年金の法案の中にもありましたんですが、職員が、七百二十万埼玉県民いる中で五百余人が今職員なんですが、そのうち欠員が七十名おると、なおかつそこに十名の病欠がいるというふうなことで、この問題が発生しててんやわんやという形で、なおかつ、ここの経費節減ということで、先月から職員が事務所二名減らせとか賃金職員減らせというふうなことで、現場の職員の皆さん罵声を浴びせられ、相談はめちゃくちゃに来ていると。なおかつ、夕方七時までですか、残業してでも相談コーナーを受け入れろという。
 先生方が恐らく、一日各事務所へ付きまして現場を見ておられましたら、ああ大変だなというのが実感として分かろうかと思うんですが、是非その辺も加味して、職員の適正配置という部分を是非取り上げていただきたいと思っております。
 また、先ほど来から出ております年金の未納付等につきまして、私、常々皆さんに個人的に申し上げているんですが、年金の加入につきまして、社会保険の中で、厚生年金は社会保険、国民年金は市町村、集金業務は社会保険庁と。各市町村に聞きますと、年金の収納業務は、我々がやっていたときは、切り替えてから逆に下がっているということで、市町村は、加入は社会保険事務所がやっていただいて、集金業務は今までどおり我々に任せてくれた方が収納業務は上がるんじゃないのという、市長さん、町長さん等が皆さん言っております。
 この辺も、現場の声を先生方は是非聞いていただいて、この日本年金機構に変わってもその辺のところを十分御理解いただければなと思っております。
 というのは、各町会あるいは自治会で、今まで年金の集金業務をお手伝いしていた自治会、町会がございまして、そういう方々、謝金が年間何ぼかいただける部分を年一回研修旅行ということで出掛けていて、楽しみにして集金業務をやっていたと。
 ですから、この辺、パネル等の問題も書きましたんですが、国で税金なんかも納税貯蓄組合ということで、戦後、十円、百円玉入れるようなガラス張りのケースがあったと思うんですが、あれに等しいような形で年金貯蓄組合というものをつくっていただいて、向こう三軒両隣じゃないですが、身近で知り合いの方が年金の収納業務をお手伝いすれば、経費も余り掛からずに未納付も撲滅できるのかなというふうな、自治会長さんなども言っておりますので、参考にしていただければなと思っております。
 また、今回の五千九十五万の部分につきまして、我々社会保険委員会では、算定基礎届という年一回の標準報酬の改定時期が七月、来月来るわけでございます。それと同時に、今月、算定の説明会というのが事務所ごとに各地区で全国で行われているわけでございますが、こういう機会をとらえて、この今回の年金の統合等に、名寄せというか、何冊も年金手帳を持っている方は速やかに届けてほしいというPRの場があるんでございますが、残念ながら、最近は算定基礎の資料が郵送で各事業所へ配られておるんです。そのために、限られた時間の中で説明をしていただければ、PRになると同時に啓蒙にもつながりますので、是非この辺のところも社会保険庁の方に具申していただきまして、手配りしてでも、事業所が一社でも多く集まって、今回のこういう年金番号の不透明な部分を統合するように全国で申し上げれば非常に参考になるかなと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 雑駁なお話ですが、以上、報告さしていただきます。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
 次に、廣瀬参考人、中村正見参考人、中村美津子参考人のお三人にお願いをいたします。廣瀬参考人。
#8
○参考人(廣瀬幸一君) 社会保険労務士廣瀬幸一と申します。今日はお話しする機会を得ることができまして、大変ありがとうございます。
 私の資料、A4一枚と、もう一つ、昨年これ九月三十日付け、これ朝日新聞なんですが、「私の視点」というところで年金問題を私が論じております。この特に新聞の記事に目を通されながらお話を聞いていただければと思います。
 時間の関係がございますので、総括的な概論は極めて短くしまして、実際に起こった事案、事例を、私、特に一つの点に限ってお話ししたいと思います。私の持ち時間の中で、本日は、その当事者、つまり、払ったのにその記録が消えているという御夫婦を同行しております。後ほど生の声も聞くことができると思いますので、私の持ち時間の中でやらせていただきます。
 まず、今回いろいろ年金問題が非常に熱を帯びているわけでありますが、日本の年金制度というのは、非常に安定した形で仕事なりしている方というのはそれほど問題が起きておりません。これ、年金手帳の実際の原本でございまして、よく最近テレビ等ではこのオレンジのこれがよく映るんですけど、実はこれはもう古い手帳でありまして、今の手帳というのはこちらの、平成九年からこちらになっているんですよ。(資料提示)
 こちらの古い方は、中が厚生年金保険と国民年金と船員保険という、この三つ出ておりまして、この新しい青の手帳の方は基礎年金番号というのがありまして、この基礎年金番号を振り出したときにこの手帳が作られたわけでございます。
 会社等にもし就職されて、一つその人の年金の番号ができるわけでありますが、会社をお辞めになったりあるいは次の会社へ行くときも、常に一つのこの年金手帳を持って提示すれば今日のような問題というのは理論的には発生しなかったんであります。しかし、実際には大量の問題が発生しているわけでございます。
 これはどういうことかといいますと、この日本の年金制度では、さっきの安定的に一つの会社に勤められたような方の反対、つまり、辞めるまた別の会社に入る、自分で仕事をする、あるいは離婚をする、外国に行く、名前を変える、社会の中で非常に多くのイベントを抱えられた人にとっては非常に脆弱な制度にできているというのが私の考えであります。つまり、制度自体が今の様々な人の生活のスタイルに追い付いてこなくなっているというイメージを持っております。
 例の五千万件の浮いた記録ということでございますが、私は仕事の中で常に統合というのを実はやっております。一番統合する機会が多いのは、人が就職される場合であります。就職するときは、正社員の場合は当然、厚生年金、医療保険も含めまして雇用保険とかに加入されるわけでありますが、そのとき年金手帳を出しなさいと会社の人が言うわけであります。そこで、かつてこのオレンジの手帳というのは、そこで出せばいいんですけれども、昔は出さなかった場合には新しく作ってしまったんですよ、年金手帳を発行してしまったんですね。会社の方がしつこく何が何でも持ってこいと、うんと言えば持ってきてうまくいったのかもしれませんが、非常に手が掛かるということと、もう一つは年金に関する事務上の知識がないということもあって、しかも何にもないところから手続するのは比較的簡単でありましたから、どんどん手帳をたくさん作ってしまった。それがまず一つ、今の番号違いのつまり手帳ができるわけですね。そうすると、もう今の例の五千万件の中に入っていったということでございます。
 私の一つの方法としては、持っている年金手帳を全部持ってきてくださいと。例えば数冊持っている人もいるんですよ、番号違いで。これは、一つだけは自分のものになっているかもしれませんが、あとはもう浮いてしまっている可能性があるんですね。そこで、全部それを入社するときに統合してしまう、そういう作業をするわけでありまして、それは事務的にそんなに難しくございません。
 実は、本人も記録が飛んじゃっているということは自覚していません。つまり、普通、六十代になりまして社会保険事務所に行って、この年金の裁定請求というものをするんですが、そこで自分の記録がないというのを気付く人が圧倒的に多いんです。しかしながら、氏名、生年月日等がきちんとした形で年金手帳が番号違いといえども振り出されていれば、統合はそれほど難しくございません。申出書という書類があるんですが、例えば、それほど難しくない経歴書、履歴書みたいなもので自分のこういう会社にいたというところを抜けた部分の期間を申し出るんですよ。そうすると、そこの会社の名前と一致した記録が社会保険事務所の中のコンピューターにあれば結び付いていくと、そういうことになっているんですね。そういうことで、常に統合ということは私は日常的にやっております。
 そして、本人が今まで離れていたことも気が付かないし、統合されたということも自覚はありません。年金手帳が四冊例えばあって、一冊だけ正しいものにして返すんですが、何で一冊になっちゃったんですかというような質問も来るんですよ。多く持っていれば持っているほどいいと思っていたなんという人もいるぐらいでありまして、その辺の年金に関する知識というのはなかなか普通は持っておりません。かといって、安定的な勤務をされている人が持っているかというと、それこそ別の意味で全然持ってないんですけれども。例えば、今これだけニュースになっているのに、そういうことがあるんだなぐらいにしか思っていないと思います。
 さて、私が今日申し上げたい事案は、今、新聞記事にも書きましたように、実は一年前から私、ある方から相談を受けまして、自分の、間違いなく払ったのに記録がないと言われたということで、私はつぶさに調べてまいりました。それまでも、そういう、何か払ったのに私ここに出ていないんだけれども、おかしいというような話は結構聞くんでありますけれども、なかなか、時間を掛けて社会保険事務所に行って調べまして、本人も確かに払ったんだろうなぐらいで終わってしまう例もありますし、短い期間だとあきらめてしまうという例もたくさんございます。
 今回の場合の、この私の新聞記事になった事案は、昭和四十年代から五十年代にかけて三回だけ特別に行われた国民年金特例納付という、一つの限られた期間にあった、さかのぼって今まで未納だった期間を全部保険料を払えば埋めることができるという制度があったんですね。それを、実は今日おいでになっている中村夫妻もその特例納付で被害を受けられている方なんですけれども、払ったのに出ていないということなんですよ。
 調べますと、確かにコンピューターには出ていないけれども、昭和四十年代、五十年代というのは紙に書いたわけであります。当時は、国民年金の窓口は社会保険事務所ではなくて市町村役場でございます。市町村役場に行って、向こうの職員は紙で記録を付けたのであります。その紙の記録が、地元の社会保険事務所にやはり紙で行きまして、社会保険事務所から更に社会保険庁にやはり手作業で行くという、そういうスタイルを取っていたんでございますね。
 ですから、その紙の記録がコンピューターに移し替えられたのは昭和五十年代後半、五十七、八、九、六十年ごろであるということでありますが、移し替えたのも、私のこの新聞記事の四段目でございますが、「職員だけでは間に合わず、大量のアルバイトや外注先に任せるしかなかった。」というくだりがありまして、大量の人を動員しまして移替え作業を行ったはずであります。そういう作業というのは、もう必ずミスというのは付き物であります。完全ということはまずありません。例えば、私がもし一日じゅうそういう作業をやっても、多分自信ないんです。人によって、千に一つあるいは万に一つそういう間違いが起きる、いろいろあるでありましょうけれども、一定の確率で必ず起きると考えるのが普通で、常識であります。ですから、その紙の記録を確認すれば、一番その間違いがそこで訂正されるというのは、当然、私、専門家として当たり前の考えだったわけであります。
 紙というのは大変劣化するものでありますから、当時コンピューターに移し替えるときにフィルムに写し取ったということになっております。それはマイクロフィルムと言われているのでありますが、ですから、紙に残っているか、マイクロフィルムに残っているか、それはイコールと考えてよろしいのでありますが、そこまで調べましたところ、その紙がないんですね。社会保険事務所にもない、それから市町村、市役所にもない、そういうことが分かりました。当然そのフィルムが、それじゃ撮ったのかということになるんですが、実はそのフィルムも残っていませんでした、私のこの新聞記事の事案はですね。実は、今日来られている中村さんもそうなんですよ。紙、残ってないんですよ。その紙をなくすというのは一体どういうことなんだと、ここが私が最も怒りを感じて、これは問題視しなければいけないと思って、非常にそのときから、国会議員の方に資料を送ったり、何とかこれをしなければいけないという気持ちを持ったわけであります。
 なぜ紙を、じゃ捨てたんだということで、そこも追及、私はしたんでありますが、どうも社会保険庁が指示をしたというようなことを窓口の古い方なんかは言っております。そのいわゆる原簿と言われる紙を捨ててしまうというのは、一体これどういうことなんだろうと、そんなことってあるんだろうかと。役所というのは仕事は比較的堅いというイメージを普通持たれるわけでありますけれども、それを廃棄してしまうというのは、例えば将来こういった、私は払ったのに記録がないじゃないかというクレームが付くことは当然予想されてしかるべきであります。そのときに一体どうするつもりだったのかと。こちらで例えば領収書を持っていれば、そこで修正できるということは今までも言っております。実際そうなった方もいるということでありますが、残念ながら、その領収書はいろんな引っ越し等がありまして、もう見付からないという状態であります。こちらにもそういった払った記録がない、行政側にもないという事態がこの新聞、私が接した事案であります。
 やはりこれは、記録というのは行政はしなければならない、これは国民年金法にも施行規則にも書いてありまして、この法律上にも全く適合しない、法違反である。それで、常識的に考えても、その原本たる紙を廃棄してしまうというのはもう考えられないんじゃないかと。これは一体どういう考えで捨てたのか、ここは是非追及していただきたいと私は前から思っているところであります。
 捨てるには、何かの方針、思想というのがあったんではないか。いろんな推測でしかこれは言えませんが、間違いというのがあった場合には、その後のその資料をそれを正しいものと考える場合もこれはあります。例えば、パソコンで資料を作って上乗せ保管というのがよく私どもはやりますが、古い資料はそれでもうなくなってしまうわけですね。そういうことの考えも一つはあるでありましょうし、行政のやることには誤りがない、無謬性というんですか、そういう考えもあったかもしれない。
 何で捨てられていたんだと。あるいは、その保管していくスペースがなかったなんていううわさも聞いたことありますが、それは極めて幼稚な理由だと思いますけれども、実際そのときに作業した方に聞いたら、もうとてもじゃないけどボリュームがあって捨てざるを得なかったんだなんていう話もしていましたけれども、真実はちょっと分かんないんでございます。
 これはだから、政治の場でここは追及し、実際、社会保険庁長官が直接命令したなんということは多分ないんじゃないんでしょうか、こういう問題は。多分、課長なり課長補佐とか、その当事者というか、それは一体どういう考えでやったのか、そこを是非とも追及していただきたいと思います。
 普通は、こういう重要な書類は、捨てるという幾ら上から命令、号令が来ても、下の方で、ちょっとこれ待って、おかしいんじゃないんですかという意見具申というものがあってしかるべきでしょう。設計図の原本をコピー取ったから捨てちゃったなんていったら、そんなことはもう普通あり得ないわけですね。だから、そういうことが実際、日本の国民年金の現場では起こったわけです。意外と地方、田舎の町村、町や村で取ってある例があるんですよ。中央の指示が届かなかったというようなことになるんでしょうかね。
 私が調べましたこの事案は茅ケ崎市なんですけれども、茅ケ崎市は全部もう廃棄、それからこちらの今日おいでになっている中村さんは横浜市ですが、やはり完全廃棄、だから証拠は何もないと。私が思うには、そういった場合には、やはり管理責任者である行政が責任を持ってそこは謝罪し、かつ、元に修復すべき措置をとるのが当然であるというのが私の結論であります。
 私は、ほかの面でもお話しすることはもう当然幾らでもあるんですが、時間の関係上、ちょっと中村さんから、今のことを踏まえまして生の声をちょっとお届けしたいと思いますので。それじゃ、奥様でよろしいですか。ちょっと五、六分でお願いします。済みません。
#9
○参考人(中村美津子君) 中村美津子です。よろしくお願いします。
 二〇〇五年五月に、私たちの年金記録を鶴見社会保険事務所へ確認に参りました。そしたら、未納マークがずらっと書いてあって、もう最初は分かんなくて、聞いたら未納ですと言われて、ええっ、もう私たちに未納はないって窓口で言いました。そしたら社会保険、神奈川の事務局へ行ってくださいって、不服申立てはそちらですって言われて、もうそこでも領収書を持ってこいと言われまして、もう何か今まで、この二年間の間に十三回ほど行きました。でも全然変わらないです。調べますの一言もないです。それで、あなたは払ったと思った勘違いじゃないのとか言われました。それで、もう勘違いじゃない、私たちは払いましたって言ったら、そのときは、市町村役場では徴収はしておりませんって言われまして、国の歳入ですので国庫金だから市町村では取り扱ってないと言われまして、そんなわけない、私たち区役所で払いましたって言ったら、そのときの領収書を持ってきたらデータは戻りますって言っているのに、そのときは徴収はしていないって、何かつじつまの合わないことをもうさんざん言われました。それで、質問状を出しました。質問状はまだ返事が、回答が来ておりません。
 そういう状態で、社会保険庁のあのうそつきには本当にもうほとほと、怒りだけです。それで、私たち払ったのにデータがないって、もうこんなばかなことはないです。国を信じて払いましたのでデータを戻してくださいって、私、もうそれだけです。
#10
○参考人(中村正見君) 中村正見です。
 うちのことはみんなうちのがやってくれていて、昭和五十年に加入したんですけど、五十年のときは特例でさかのぼって払うことができたんです、二十歳までの分。私が二十七、うちのが三つ下ですから二十四。その特例制度で払うには、金額一応出してもらったんです。その当時にしては大金でした、十万弱ぐらいだったと思いますけど。うちのが、その当時にしては大金だし、子供が、四十八年生まれのがもう二つで、ちょろちょろちょろちょろしていたんです、まめったくて。で、お父さん、一緒に来てと。ふだん、そんな私が行くことないんです。それで、私の記憶にはもう鮮明に覚えているんです。
 ふだん、うちのことはもう全部やってくれていて、私も仕事だけ集中してやっていられたんです。でも、そのときだけは、やっぱり当時にしては大金です。それに、子供ちっちゃいのを連れて、ちょろちょろしていたのを、手を持っていないとどっかへ行っちゃいますから、一緒に三人で行って、私が子供がどっかへ行かないように押さえていて、うちのが手続やってくれたんですけど、それで三人で行った記憶がもう鮮明なんです。私、ふだんそんなところ行きませんから。
 それをもう、記憶違いじゃないですか。それで、もうこの二年間、まだ私なんかはパワーがあるうちに分かったからこれだけ闘っていられるんです。普通の人だったらもう絶対あきらめちゃうと思います。本当、うちのがもうすごい根性あるから、やっていてくれるから、もう私一人だったらちょっと無理だと思います。
#11
○参考人(中村美津子君) よろしいですか。
#12
○委員長(鶴保庸介君) どうぞ。
#13
○参考人(中村美津子君) それで、第一回目の強行採決の次の日、先月の二十五日に事務局へ行きました。そうしたら課長が出てきて、私たち何の突合もするものがないしデータも残っていない、領収書もないって、私たちみたいな人はどうやったら救われるんですかって聞いたんですね。そうしたら課長が、いや、どうしたらいいんでしょうねって、反対に私、聞かれちゃったんです。だから、あなたたちのせいでこうなったんですよって、私、言いました。もう本当に情けないです、国が。
 以上です。
#14
○参考人(中村正見君) それと、この間国会の傍聴席に、ああいう席初めて行ったんですけど、最後に、何というか、安倍総理が開き直った答弁で、申し出た人は全員に支払うんですかって、もう開き直っていましたよね。あれは、私なんかにしたら、そうしてもらわないと私なんか救われないです、もうあの開き直った答弁。そうしてください。
#15
○参考人(廣瀬幸一君) それじゃ、時間ですので終わります。
#16
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
 次に、原田参考人及び梅原参考人にお願いいたします。原田参考人。
#17
○参考人(原田朋之君) 済みません、梅原さんの方からで。
#18
○委員長(鶴保庸介君) 原田参考人。
#19
○参考人(原田朋之君) 私ですか、はい。
 原田でございます。
 それでは、お手元の資料で簡単に説明をさしていただきたいと思います。
 まず、梅原喜代江さんがなぜこういうような事態になったのかというところを、一枚目の表をごらんいただければ簡単に御理解いただけると思うんですが、まず時系列で左からごらんいただきまして、昭和三十四年七月一日から四十一年二月十一日、これは梅原さんは看護婦として地方公務員の共済組合に加入していらっしゃいました。それから、四十一年の四月一日、これはいったん飛ばしていただきまして、右の方に行っていただきましたら、昭和五十年の十一月十九日という日付がございます。そこで、梅原さんのお父様から、今この特例納付という制度があって、過去に入っていなかった期間もさかのぼって納めることができるよというお話をお聞きになられまして、それでお父さんの勧めもあるのでということで、それではということで東大阪の市役所の方に赴かれました。そこで、特例納付をしたいと、私が過去払っていなかった期間、国民年金に加入していなかった期間すべてについて払いたいという申出をされて、納付書を作ってもらって、それで特例納付をするために社会保険事務所に行って納付をされたということが鮮明な記憶として梅原さんには残っておられると。
 ところが、六十歳になられた時点で、あなたの国民年金の納付月数は何月ですよという通知を見て驚かれまして、どう考えても特例納付をした期間がその期間に含まれていないというところから梅原さんの闘いが始まったんですが、それで調べてみますと、市役所の方、社会保険事務所の方、いろいろ説明に来られまして、そのときの状況については梅原さんから後ほど御説明あると思いますけれども、調べますと、五十年の十一月に赴かれて、この五十年の十月までの分すべてを納付したものだというふうに認識されていたんですが、実はよくよく話を聞いてみると、特例納付というのは、今でもそうですけれども、年金保険料の時効というのは二年になっております。ですから、二年については通常の未納期間の納付に該当しまして、特例納付はその二年以前の期間が対象になるということになります。
 それで梅原さんは、四十一年の二月に退職されておりまして、本来でしたら四十一年の二月分から納付書を作成されるべきなんですが、市役所、地方自治体もそうですけれども、会計年度単位で物事を考える癖があります。それで、四十一年の四月から四十八年の三月までの七年間の納付書を作成したと。特例納付の金額は一月につき九百円、八十四か月で七万五千六百円、この金額が梅原さんの御記憶にある納付額とぴったり一致するわけですね。ですから、梅原さんは七年間という期間の特例納付をされたということになります。
 それから後につきましては、集金員の方が来られたときですとか、あるいは振替納付によって納付を続けてこられて六十歳に達して、一応受給権は発生したんですが、この特例納付の期間について領収書がないということの一点張りでいまだに認められておらず、その後、社会保険審査官に対する審査請求、これ棄却です。その後、社会保険審査会に対する再審査請求を行いまして、ともにこれも先日裁決書が送られてきまして、本請求を棄却するということになっておりました。
 実際にその七年間認められたならば、その下にあります棄却により消失をした年金額ということで、今の十九年度の年金額で年間十四万二千二百という金額が、年金額がいただけるということになります。皆さんにとっては小さい金額かもしれませんけれども、国民年金で御夫婦ともに老後を過ごされる方にとって十四万二千二百、一月一万二千円の金額というのはやっぱり貴重な生活費だと思うんですね。ですから、この辺のところをきちっと理解して制度づくりの方を進めていっていただきたいと思います。
 その辺の具体的なことは梅原さんからまた御説明いただきますが、社保庁の対応ですとかその辺ですね、どれほど苦しい思いをしてこられたのか。今、廣瀬社労士さんの方から、いろいろそういうそごについての説明はありましたので、私の方は社会保険庁の処理、管理について、梅原さん一人を取ってもいろんな誤りがあったというところを御説明させていただきたいと思います。
 二ページ目の方をめくっていただきまして、まず、年金手帳の交付時期ということで添付資料を付けております。それの右上に資料番号を付番しております。それのDのページを開いていただきまして、それの一番下、(3)のところ、取得年月日は、平成十三年九月十三日に、昭和三十六年四月一日から昭和四十一年二月十二日に変更しましたとあります。梅原さんは共済にお勤めでしたので、ここにありますように昭和四十一年二月十二日というのが本来の取得年月日であるのに、最初に五十年十一月十九日に申込みに行ったときは年金手帳は来ずに、平成八年になって年金手帳が送られてきまして、それの取得年月日が昭和三十六年四月一日になっておりました。
 これについては、資料Fの方をごらんいただきましたら、東大阪市からの回答で、年金手帳の取得年月日が昭和三十六年四月一日の強制加入になっていることについて、ということで回答が出ておりまして、三段目、当時の窓口がその確認をせず昭和三十六年四月一日の強制加入と間違って記載したもので、と書いております。これは全くの間違いと思います。当時の窓口は、きちんと梅原さんの話を聞いて確認した上で特例納付の期間七年分の納付書を作っているはずなんです。もし確認していなかったとしたら、昭和三十六年四月一日からの特例納付の納付書を作るべきなんですね。だから、これが七年分の納付書しか作っていないということは、当時の窓口はきっちりと梅原さんから話を聞いて、それでその上で、じゃ四十一年からですねということで七年分の納付書を作っているということなんですね。全く、このようなでたらめな回答がいともやすやすと出てくるというところがまず一点目です。
 それから、済みません、ちょっと手順が間違いました。その二ページ目の本体資料の一番の方ですけれども、年金手帳の交付時期。これが本来であれば、年金加入の申出を行ったときに、その場あるいはその数日後、数週間後に送られてくるべきものなんですが、梅原さんの場合はこれが一切送られてこずに、平成八年になって初めて、その今申し上げました三十六年四月一日の取得年月日になった手帳が送られてきているんですね。平成八年になって送られてきた。なぜ平成八年かというのは、多分、基礎年金番号を作る作業の上で、梅原さんに手帳が交付されていないということが判明したのではないかというふうに思われます。
 その今のFの資料の二番目のところですけれども、平成八年に市から送付されてきたとの申入れについて、これについては、市は理解しているということでわざわざここで送ってきているということは、逆にその前と、その加入の申出をしに行ったときには送っていなかったということを認めたということになると思います。
 それから、三つ目の誤り、これは生年月日なんですが、年金手帳には、梅原さんの正確な生年月日は昭和十五年七月五日ですが、年金手帳、G番の資料をごらんいただきたいと思います。生年月日、氏名のところ、梅原喜代江、その右側、昭和十五年七月六日という日付になっております。
 これについては、資料のDです。資料のDの一の下の方に(2)というところがあります。請求人の生年月日は、平成二年十月九日付けに、七月六日から七月五日に変更していると。このときに何があって、だれに頼まれて訂正したのかというのが全然分からないんですね、そのときに手帳を受けていないわけですから。受けていない手帳の生年月日が変更されていて、これよりはるか後、平成八年に送られてきた手帳は間違ったままの生年月日になっているんですね。これも、うそとしか考えようがないんです。
 それから、四番目、回答事項の誤りということで、資料のJ、K、L、ごらんいただきたいんですけれども。
 まず、Jで、二の未納保険料二年の時効について、回答のところ、昭和三十六年四月から六十一年三月までの保険料は、三か月ごとの最終月の翌月末が納期限と設定されておりということで、三か月ごとに徴収していたような書き方をしているんですが、Kの資料をごらんいただきましたら、これは手集金のころです。これ、三か月に一回です。これは昭和四十五年当時ですね。で、Lの資料、これ口座振替になっています。上の段、昭和五十三年、二か月ごとです。それで下の段、六十三年の三月までは二か月分、四月から初めて毎月納付するようになったんですね。これも、でたらめな回答を送ってきていると。
 それから、五番目の問題、ずさんな記録管理ということで、資料M、資料Nなんですが、まず昭和五十年当時に、年金保険料の支払についてのこの東大阪市役所の記録なんですが、まずその最初のMのところは梅原喜代江さんの記録です。で、梅原喜代江さんは五十年の四月から五十一年の三月まで、すべて五十一年の一月十七日に納めたことになっております。
 その次、資料のNをごらんいただきたいんですが、これは御主人の梅原誠二さんの納付記録です。これは五十年の七月分から五十一年の三月分まで、これもすべて五十一年の一月十七日に納めたことになっております。このときは、梅原誠二さんの記録によると、四、五、六月分は六月二十日に集金員が来て、手渡しで渡しております。その規則正しいリズムというのは一向に変わっていないと。
 だから、梅原さんの一年分それから御主人の九か月分を五十一年の一月にまとめて納めることなんてあり得ないと。ましてや、五十一年の一月にそれだけの金額を納付した記録なんかないよということで、これも集金員が何らかの意図があってやったのか、それとも区役所の意図があってやったのか、市役所ですね、意図があってやったのか、この辺にもでたらめな記録管理、それからお金の管理も絡んできているんじゃないかと思います。
 それから、六番目としまして、資料のちょっとJに戻りますが、Jの、これも社会保険事務所の回答です。三番目のところ、未納保険料の納付書についてで回答が出ております。時効に掛かっていない未納保険料について、未納者全員に納付書を作成、送付しておりません。年齢、納付月数、受給資格等を勘案してお知らせをすることになっています。これは国民年金という制度を全く無視した運営が現場でなされていたということにほかならない。全く業務の怠慢。だから、目の前の業務はするけれども、納めない人に対して納付を勧奨するなり督促するなりという行為を全くしていないということですね。いかにその現場の業務が怠慢で、いい加減なものであったかということに尽きると思います。
 最後ですけれども、謝罪はすれどということで、資料のO、P。梅原さんが社会保険事務所と数々やり取りをした中で、いとも簡単に謝罪文は出てくるんですね。謝罪文だけは気楽にぽんぽこぽんぽこ出してくれはるんですけれども、実際の調査は何にも進まない、何の回答も出てこないというのが実態です。それは社会保険審査官、社会保険審査会も同じことです。何も解決しない、何も解決する能力がない。これはもう無用としか言いようがないです。
 私は以上です。じゃ、梅原さん。
#20
○委員長(鶴保庸介君) 梅原参考人。
#21
○参考人(梅原喜代江君) 梅原です。
 初めに、意見を述べさせていただく機会を与えられましたこと、感謝いたします。ただ、このような機会は私の人生にはほとんど経験することは不可能なことなので、失礼なことがたくさんあるかも分かりません。御容赦くださいますよう、お願い申し上げます。
 この年になってこのような政府機関に対して不信を抱かなければならなかったこと、とても残念に思っております。社会保険庁の職務が至極真っ当であり、完全であったなら、私としても心穏やかに老後を過ごすことができたはずなのです。そのことをどうかきちんと認識くださいますようお願い申し上げます。
 さて、今回の私のケースですが、審査請求は私が自分で昨年暮れに製作し、棄却されました。再審査請求は、労務士原田朋之先生にお願いしていたしました。そして、先日、再審査請求に対して、六月四日、棄却の通知を受け取りました。
 状況を説明しますと、特例期間、昭和五十年十一月十九日に七年分納付いたしましたところ、その記録が社会保険庁に残ってなく、年金手帳を受け取ったときに私はもうこの領収書は不要と思い処分いたしましたので、証明できる書類は何もありません。例えば、給料をもらっている方などは、所得税等の算定書類等から参照することも可能ですが、一括納付ですので、私の知る範囲では証明できる書類は何もありません。
 私の場合、事務処理上の手続のミスのような気がしております。なぜなら、納付記憶のない七か月の入金の記録があること。当時、特例期間の認知が不完全で、担当職員が七年間の入金は不可能だと判断し書き換えたのではないかと推察します。
 そうでない場合、できればこのようなことは考えたくはないんですが、平成二年十月九日に私の誕生日に関する記載が改定されているようなのですが、この時期に何らかの申請を私からした覚えは全くありませんので、私の記録に関して参照されるはずがないのです。にもかかわらず、私の記録の不備が見付かったことを考えますと、だれが何のために私の記録を参照する必要があったのでしょうか。七か月間の支払った覚えのない記録等の件も考えますと、だれかが意図して書き換えたということも推察できると思います。
 これは最近知ったのですが、その時期に当該役所で年金の改ざんがあったらしいということも聞き及んでおります。
 ほんの一年前まで、社会保険庁は一切ミスはないと言い続けておりましたが、私の記録を見ていただければお分かりになると思いますが、生年月日が違い、年金手帳の取得年月日と被保険者になった日が違い、七か月分の不明入金があり、いただいた謝罪文は年月日が間違いだらけ。それらについて説明を求めると、これがまたいい加減で間違いだらけの説明でした。
 当時、平成十二年、私は年金行政についてよく分かっておらず、東大阪の社会保険事務所や東大阪市国民年金課や大阪府社会保険事務局、社会保険庁年金保険課に電話をしたり、行政監察局にも行きました。右往左往、駆けずり回ってしましたが、どこへ行っても満足のいく説明は受けられなかったのです。
 というのは、説明する人ごとに答えが違い、同じ人でも二度、三度と聞くたんびに答えが違ったり、取得年月日の三十六年四月一日に関しても、これが正しいこれが正しいと言っておられたので、私が、私の働いていた期間証明を提出すると、それからは何も言わなくなりました。で、何で三十六年四月一日ですかと言いましたら、あなたはお金を一度全部もらったでしょうと、だからそういう、そんな人は三十六年四月一日、このように書く場合もあるんですよとか何か言われました。
 で、七万五千六百円についても、利便性を考えるとこの値段にはならない、おかしい、四十七年十二月までが九百円ですよ、四十八年の一月からは金額が違うんですよ、こういうことも言われました。
 それから、私の一年分も、もし私が払っているんでしたら、私の利便性を考えていただけるんでしたら、それは四十八年の時効に掛からない部分から取っていただけるのが当たり前ではないでしょうか。それが私に対する不利益をしないということなのではないでしょうか。
 本来、もし私が、ごめんなさい、もう興奮してしまって。私は長年掛けて書類をたくさんそろえました。当時のことをいろいろ思い出しております。私がもし社会保険事務所へ行かなかったのなら、本来なら見るはずもない当時の一括納入の納付書の形態や、そのときに立ち会ってくださった社会保険事務所の男の方が向かって左から二番目におられたとか、当日の状況、子供が退屈して飲物をねだったりしたこととか、そういうことを逐一覚えております。当時の職員名簿も手に入れております。本来、そういったことは私がするべきものではなく、ヒアリングや調査は社会保険庁や厚生労働省で行われるべきものだと思いますが、いかがでしょうか。
#22
○委員長(鶴保庸介君) 時間が参っておりますので、おまとめください。
#23
○参考人(梅原喜代江君) 人間なのでミスはあると思いますが、少なくとも人のお金を預かっている以上ミスは起こさない、起こってもすぐに訂正できるシステムづくりをするべきだと思います。
 年金が大きく問題になり始めたのはここ一、二年の話です。私も含め、それ以前に社会保険庁に異議を唱えている人は間違いなく納付の覚えがあり、確信があるからだと思います。つまり、その人の言動に一貫性があり、完全に否定できるものがない場合は認めるべきだと思います。
 年金の記録台帳は、はっきり言って今では否定できる証拠にはなり得ない。なぜなら、五千万件もの不一致や未入力一千四百三十万件、きちんと調べればもっと出てくるかもしれませんが、この時点でだれが見てもその信憑性は低いと思います。いかがでしょうか。
 結局、私の場合、現状に至るまで、生年月日のミスや訂正、年金資格の取得年月日の問題、年金手帳の受取日や受取状況、納得のいく説明や理由を全く聞かせていただけませんでした。こんな状態で解体、再編されるというのは責任逃れとしか思えません。まずは私のような人たちの問題をすべて解決して、そこから得た経験を生かした二度と失態を繰り返すことのないようなシステムに再編すべきであり、また国民が不利益にならないように最低限度のシステム内容をマニュアル化して国民に配布するべきではないかと思います。
 精査されます第三者機関につきまして、書類重視で被保険者をないがしろにするのではなく、きちんと人として常識を持ってヒアリングをし、被保険者の不利益にならないよう、国民のだれが聞いても納得のいく答えができる、そのような……
#24
○委員長(鶴保庸介君) 時間が参っておりますので、少々早めに、もうおまとめをいただきたいと思います。
#25
○参考人(梅原喜代江君) もうすぐ終わります。
 審問システムをつくっていただきたいと思います。
 自分で自分の証明をしなければいけない。一〇〇%否定されたのだから冤罪者と全く同じようなことなのです。こんな悲しくてむなしいことはありません。どうかそのようなことは絶対にしなくて済むように、また私のようなケースも、役所側が否定できる証拠がない場合、救済の対象にしていただけるような審問等のシステムを作成していただけることを切に希望いたします。
 年金は、私たちの老後の生活の基盤です。どうか安心をして、心穏やかに、揺るぎなく生きていける年金制度を心から希望いたします。
 抜けている部分があるかも分かりませんけれども、どうもありがとうございました。
#26
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#27
○西島英利君 自由民主党の西島でございます。
 本当に今日、参考人の皆様方から貴重なお話をお伺いいたしまして、本当にありがとうございました。社会保険事務所の対応の悪さというのが今日本当に実感をしたというところでございます。
 そこで、大野参考人と江原参考人はよく社会保険事務所へ出入りをされているはずでございますので、対応の悪さも含めて少しお話をお伺いしたいというふうに思うんですが、その前に、私はこの前の委員会で、労働組合との確認事項というのを指摘をさしていただきました。その中には、端末機操作は専門職化せず一般職員が行うと、端末機の運用時間は勤務時間内とすると、さらには、窓口操作を連続操作する場合の一連続操作時間は五十分以内とし、操作時間五十分ごとに十五分の操作しない時間を設ける、窓口装置の一人一日の操作時間は平均二百分以内として、最高三百分以内とする、窓口装置の一人一日のキータッチは平均五千タッチ以内とし、最高一万タッチ以内とする等々がもう書かれていたんですね。私、これびっくりしまして、このお話を先日の委員会でさしていただいたんですが、更に調べていきますと、びっくりしたことがまた起きました。
 これは、今の確認事項はこれ昭和五十四年、コンピューターを導入するときの話なんですが、今度は昭和六十三年五月三十一日に、やはり労働組合と社会保険庁とで交わした内容でございますけれども、窓口操作を連続操作する場合の一連続操作時間は四十五分以内とし、操作時間四十五分ごとに十五分の操作しない時間を設ける、つまり短縮しているんですね。窓口装置の一人一日の操作時間は百八十分以内とする、ただし法改正と業務の繁忙時においては一日二百七十分以内を限度とし、週平均百八十分を超えないこと。つまり、こういう形で、要するにサービスという視点から考えますと、どんどん後退してきているということが起きているわけでございます。
 さらには、後ほどちょっとこの件もお話をお聞かせいただきたいと思うんですが、基礎年金番号が導入されるときの設定、中央の権限強化や社会保険職場の国一元化に結び付くものではないということなんですね、実は中央にずっと寄せてこなければどうしようもない状況が起きているわけでございますけれども、こういうことが書いてある。
 さらには、昼休みにおける窓口対応は地域住民のニーズ、地域の実情等を考慮し、ここまではいいんですね、職場で対応できる必要最小限の体制で行うものとすると。つまり、もうしないというふうに私としてはとらえざるを得ないと。
 さらには、この年金の未納が起きているわけでございますが、平成十五年における国民年金推進員を設置、このことについては労働強化、労務管理強化に結び付くものではなく、事務所間や各県ごとの競争をあおること、ノルマの設定や締め付けは行わないことと、こういうようなのもありました。
 さらには、業務の集約化の実施に当たっては社会保険事務所中心主義に立ち、社会保険事務所の統廃合、縮小や定員の削減は行わないことと、こういうような実は確約事項なんですね、これは。これは最近なんですよ。
 それで、先ほどおっしゃいましたけれども、埼玉県というのは物すごい人口増えてきた、それに対して対応する職員が少ない、だから適正配置をしてくれということを先ほどお聞きいたしましたけれども、実際この確約事項では、要するに人口が減っても、つまり対象者が減っても職員の削減は行わない、さらには異動させないと。つまり、県をまたがってほかの県に異動させて、要するに非常に忙しくなったところへ異動させるというのはこれは当然でございますけれども、それはするなということまで書かれてあって、これが適正配置がうまくいかない結果なんですね。
 そういうこと等を考えていきますと、実際こう出入りをされていて、先ほどの中村参考人、梅原参考人のお話聞きますと、全く国民といいますか、その立場に立っていない対応がなされていると。ですから、そういうことを、お二人が出入りされていてどういうふうにお考えになっているのかなというのが一点でございます。
 そして、もう一点が、先ほど社会保険労務士の事務所、これ全国二万か所あるということでございました。社会保険事務所は三百九か所しかないと。先ほど廣瀬参考人は、まさしく社会保険事務所に行くのはもう一日掛かりだと。そこに行くまでに汽車に乗ったりして一時間掛かったり、待たされたり、また何回も行かなきゃいけないと、これはもうとんでもない話でございますね。
 ですから、今回、日本年金機構が発足をします。そうしますと、様々な事務的なものが外注できるようになるんですね。そのときに、私は先ほどのお話をお聞きしていて、私、医者でございますけれども、医者の場合はかかりつけ医というのがあるんですが、かかりつけ社会保険労務士というような考え方の中で外注の場所を、全国二万か所あるのであれば本当にすぐげた履きででも行けるというようなことでございますから、これは本当に国民にとってみたら物すごく利便性が高くなるんじゃないかなというふうに思うんですね。こういう考え方も一つしていかなきゃいけないのではないかなというふうに思います。
 それからもう一つでございますが、基礎年金番号が平成九年に付けられまして、それまで幾つもあったということで今五千万件の件が出ているんですね。平成九年以降、新しく年金に加入した人たちにはこの問題は起きていないのかと。つまり、もうそこからは統合されている話、統合というよりは、一人一口しかないわけでございますからそういう問題が起きていないのかということを、三点目はこれをお聞きしたいと思いますが、是非大野参考人と江原参考人、お願いしたいと思います。
#28
○参考人(大野実君) 大野でございます。
 最初の質問ですけれども、労働組合とのいろんなお約束があるというようなことは、実は私、個人的にはもう三十年から仕事をしていますので、そういうような趣旨のお約束があるようなお話はいろんなところから聞いていた事実はあります。
 昭和五十四年当時ということでいうと、私でいうと二十代のころなんですけれども、確かにいろいろ、窓口がお昼はやらないとか、いろいろ制約があった状況は否定できないというふうには思っています。ただ、それが個別の職員の問題であるのか、組織的な問題として考えなきゃいけないような状況であったかというのは必ずしも言えないとは思います。よく窓口できっちりと対応していただいた方も当然いるわけですけれども、そういうふうに考えます。
 その中で、最近の状況を見ると、非常に対応は変わったというふうには思っています。電話一つでも、しっかりと名前を告げていただいて、誠意を持って対応していただく。そういうことでいうと、確かに長い年金制度の中で、それをつかさどる、お受けしていただいている職員の方の意識というのは、確かに二十年前三十年前というのは十分に周知されていたのかなというような、確かにそういう話は出てもやむを得ない状況にあったというような感想を持っています。
 先ほど冤罪ではないかというような、同じような心境というようなのは、私は外から見ていて非常に身につまされるような思いであります。ですから、そういう状況はあったということはある程度は言えると思いますけれども、それは改善されているというような認識を持っています。反対に、今は非常に課題が一杯あって、職員も確かに減っているという印象を持っていますので、なかなか十分なサービスができていない状況にあるというふうに思っています。
 二番目、これは何でしたっけ、二番目は外注化の話ですね。
#29
○西島英利君 はい、そうです。
#30
○参考人(大野実君) 年金機構との関係ですね。
 この件は、実際に年金機構の構想の中で外部へ委託するというようなお話であります。確かに、私どもはいろんな場面で専門職として直接、従業員さんであるとかあるいは個々の御年配の方だとかという方と接しているということであれば、今までもそういう関係があって、しかもこれからもより近い関係でできるとすれば、要は、だんだん電子化で、例えばオンラインで申請できるというような一方の動きがあって、一方ではやっぱり直接対面しないと分からないという問題があって、そういうことでいえば、よりそういう場面を増やすということであれば、状況としては三百九の社会保険事務所に更に私たちのようなポジションの者が身近なところで、特に私ども社会保険労務士は全国に会員を持っているわけですから、そういうところでいえば、げた履きというお話がありましたけれども、直接的なサポートが可能かなというふうに考えています。
 実際に導入するといったときには様々なハードルがあるというふうに思っています。セキュリティーの問題であるとか様々な問題があると思いますけれども、少なくとも私たちの社会保険労務士会では、そういったものを組織的に対応していこうということを強く決意をして、具体化に向けて具体的な検討を進めているという状況にあります。
 もう一つありましたっけ。基礎年金番号ですか。これは、最近は確かに、平成九年以前は確かに数多くの年金手帳を持ったり、申請者側ですよね、あるいは年金基礎番号を統合するときに、実際には、今思い起こしますと、備考欄に書いてくれとか、非常に今思うとちょっと不用意な場面があったように思っています。それでも今、確かにこの十年間を見ると大きなトラブルはないと思いますね。
 ただ、先ほど申し上げたんですけれども、届出事項が、事業主が従業員さんの手続をすると。これは国民健康保険とか国民年金とまた少し違いますので、そういった意味でいうと、一人一人の被保険者が実際にいつ手続をされたかというようなことを確認をしたり、年金制度そのものを自覚するという場面が少ないということは言えると思うんですけれどもね。御質問の趣旨だとすれば、最近はトラブルは少ない。ゼロかどうかはちょっと何とも言えませんけれども、大きく最近は、基礎年金番号を導入してからのトラブルというのはやはり改善されているというふうに思います。
 以上です。
#31
○参考人(江原靖幸君) 第一点目の労組とのやり取りにつきましては、確かに昔は、事務所へ行きましてもビラが張ってあったりして、非常に自治労が強いのかなという部分は見受けられました。
 約十二、三年前でございますが、委員会の会長をやっていまして、所長から職員に講演をやっていただきたいという依頼がありまして、出てくれるかと言うから結構ですよと言いましたら、組合の方でキャンセルされたということもありまして、以前は非常に組合が強くて所長さん大変だったように見受けしております。昨今は、村瀬長官がやってから、もう電話もすぐ自分の名前を名のって、受け答えもはっきりしておりますし、対応はきちっとやっておられると思います。
 また、逆にいろんな相談も持ち掛けられたりして、昨年の三月には事務所の若手の連中を集めましてクレーム処理の対応の仕方ということで講演もいたしましたし、そのときに職員に聞いたんですが、いろいろクレームが出て、台帳を作っているのかと言いましたら、庶務課にはあるけれども、業務課だとか年金課にはないと。駄目だよ、それは、きちっとクレーム処理したらば、台帳を持って回答書も付けて記録で残しておかなくちゃいかぬよというようなことも若い職員に申し述べました。
 それから二番目の、労務士先生を、二万人の方を有効利用という部分もあるんですが、我々社会保険委員といたしましては、先生のところまで行ってお金を払ってというのは非常に大変な部分もあるものですから、逆に今までの社会保険委員としての勉強した分を今まで以上に発揮したいというような部分で、今度の年金委員というのが法案に載っておりますが、これをできたならば、健康保険と年金別々の委嘱状が出るんですが、そこに育児休暇とか介護休暇ということで強化されるような状況になってきておりますので、少子高齢化が急速でございますので、健康保険絡み、介護関係、年金関係、これ三つ束ねて、受け入れる会社は一人の人が三つというか、二つの委嘱状をもらうより、福祉委員とか労働委員、何というんですか、社会保険委員、今までの延長線上で、是非委員として、企業内のヘルパーという形で資質の向上を図っていただければ、我々ボランティアで社員のためあるいは事務所とのパイプ役で頑張りますので、できるならば今までどおりの充実した委員制度を構築していただきたいと思っております。
 あと、基礎年金番号でございますが、本人の申出が正しければ、年金手帳持ってくればもう基礎年金番号入っていますので間違いないんですけれども、中にはそれを見せたくないというやからが結局新しい年金手帳、基礎年金番号作っちゃうような結果でございますので、ないと言えばうそで、大体、前ほどは少なくなっているというのが現況だと思います。
 以上です。
#32
○西島英利君 ありがとうございます。
 実は、この労働組合のお話をまず最初にいたしましたのは、私どもは、やはり社会保険庁のでたらめさというのをずっと追及してきていましてね、そして、このままではやはり駄目だから今度社会保険庁を解体しようということで法律を作ろうとしたんですね。そのときにいろんな資料を見ましたら、出るわ出るわ、さっきのような確約事項というのが一杯出てきたわけでございます。
 そこで、この確約事項は、当時、強い我々の要請によりましてこれは全部一応破棄をされたということなんですね。そういう経緯があったんですが、今日の新聞記事に、社保庁労働組合、相談業務に対応するための残業や休日出勤を受け入れる方針を明らかにしたと。つまり、これは当然のことがまだ今日まで行われてなかったのかなと思いまして、実は今日そういう御質問をまずはさせていただきました。
 あと一問だけお教えいただきたいんですが、要するに収納率を上げるために何かお考えがあるでしょうか。今、収納率をどうするのかという一番大きな問題になっていますので、これも大野参考人、江原参考人、お聞かせいただきたいと思います。
#33
○参考人(大野実君) 保険料の収納ということになりますね。
#34
○西島英利君 そうです。
#35
○参考人(大野実君) やはり基本的には、いろいろ新たな仕組みとしてカードでとかコンビニでとかいろいろ考えはあろうかと思いますけれども、何よりもやはり制度の周知であるとか理解だとかというものの啓蒙がやっぱり出発点だと思っています。
 そういうことで言えば、いろんな意味での教育を若いときからしていただくとか、あるいは社会に入ってからも年金制度、特に皆年金ですよね、しかもそれが保険制度の中で組み込まれているということを考えると、実は技術的なもの、保険技術的なものというのは非常に高度な知識や考え方を整理する必要があると思うんですよ。
 ですから、みんながどんなときでも払うということですから、やっぱり制度を十分に理解していただくような場面を早い時期からしていかないと収納率は、テクニカルな部分でいろいろ必要はあろうかと思いますけれども、本質的なところは変わらない。あえて言えば、やはり信頼関係なので、国との信頼関係、制度に対する信頼関係をきっちり構築することでなければ、もう一歩も前に進まない。そういう意味では、最近の状況は非常に危惧するような状況だというふうに思っています。
 以上です。
#36
○参考人(江原靖幸君) まず、収納業務の中で、未加入とか未納付の方々ですね、町で公的年金は将来幾らもらえるか分からないというふうな話から始まりまして、私的年金の方がいいとよく話が出ますが、私常々申し上げているのは、公的年金は終身だよと、私的年金は公的年金の三倍近く納めても定期で終わりだよと、だったらどっちが得なのだというような数字を並べますと、皆さん理解してくれております。
 また、納付につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたんですが、野党、与党関係なく、国民総意でどういう方向がいいのか、逆に皆さんから、有識者ばっかりじゃなくて、町の声も吸い上げて、私思うには、年金貯蓄組合だとか、あるいは郵政公社の簡保の職員など、市町村の番地まで全部知っておりますので、ああいう方々にアウトソーシングされれば、顔つなぎもありますので逆にいい結果が出るのかなというふうに、今の年金推進員の方々では、一か月のうち十日ぐらい出て、地番も分からないところ回っては収納率上がるわけがないというふうに思いますので、その辺を政策といたしまして、郵政公社も民営化になる中で簡保の職員も余ってくると思いますので、有効利用したらいいのかなというふうに思っております。
 以上でございます。
#37
○西島英利君 ありがとうございました。
#38
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎でございます。
 本日は、この宙に浮いた年金あるいは消えた年金と言われる、記録が消えている、そのことに対して一体どのような状況になっているのか。
 そしてまた、本日はわざわざ当事者の方に御出席をいただいております。中村御夫妻それから梅原さん、本当にこのような形で、御自身のある面ではプライバシーにかかわる部分を自ら主張していただくということは大変勇気の要ることだというふうに思います。皆様のその勇気ある行動に対して心より敬意を表すると同時に、皆様の思いを決して無駄にさせない、そんな審議を今後残された参議院の厚生労働委員会の中でしっかり進めてまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 それじゃ、座らしていただきます。
 最初に、廣瀬労務士にお聞きをいたしたいというふうに思います。
 先ほど西島さんもお聞きになっておられましたが、社会保険労務士としてお仕事をされているわけでございます。実務に大変精通をされているというふうに思うわけでございますが、当然、様々な社会保険事務所には頻繁に出向かれていると思うんですが、どんな状況でしょうか。
#39
○参考人(廣瀬幸一君) 私は、私以外に職員三名おりまして、トータルであちこちの社会保険事務所へ行くわけでございますが、ほぼ毎日行っております。
#40
○津田弥太郎君 今般の、先ほど廣瀬さんが申し述べられた事例も含めまして、大変多くの年金の記録の問題が非常に今、日本全体を震撼をさせているわけですが、その根本原因をもう一度お述べをいただきたいと思います。
#41
○参考人(廣瀬幸一君) 根本的な問題というのは大変根が多分深いと思います。厚生年金制度は、昭和十七年に始まっていますので大変長い歴史があるわけでございますが、さっきの私のちょっと申し上げました部分でもあったんですが、一つの組織に安定的な形でずっと勤務される人には問題は生じにくいんでありますが、イベントが発生する状況にある人には大変問題が起きやすい制度になっていると感じております。
 もう一つ、行政側のその国民に対する感覚の鈍さというのはやはりあったと思っております。
 例えば、国民年金というのは二十歳から六十歳まで四十年間掛けることになっておりまして、今でこそ、最近、ねんきん定期便とかあるいは五十八歳になって通知とか、いろいろな通知はするんですが、今もう六十五歳で例えばもらっている人は、二十歳からもらうまでの四十数年間、あなたの記録はこうであるというような通知はただの一回もなかったわけであります。
 これは、通常の管理する側と管理される側の関係からいけば、もう考えられないような話じゃないかなと。そういうこと一つ取ってみても非常に鈍い制度であったということになります。
 もう一つは、それと相まって、国民の側も情報が得にくかった。つまり、どういう制度になっているかというその知るきっかけもつかめなかったというのが現状であったと、そのように考えております。
#42
○津田弥太郎君 ありがとうございます。
 制度が大変難しいということも含めてお答えをいただきたいと思うんですが、本日、被害者、当事者が複数御出席をされております。この当事者のように、自らの保険料を納めていながら年金の納付記録には反映をされず、もらえるべき年金がもらえない人々が多く存在をしております。その一方で、納めた保険料どおりにきっちりと年金がもらえる人々も、先ほど廣瀬さんおっしゃいましたように当然ながらいるわけでございますが、両者を比較した場合、本日出席をされております当事者のように、自ら保険料を納めていながらもらうべき年金がもらえない人々というのは、中村さん御本人あるいは梅原さん御本人に何か落ち度があるのか、言ってみれば、世間的な言い方で恐縮ですが、自業自得の側面があるというふうにお考えでしょうか。それとも、こうした方々は、正に被害者にほかならないというふうにお考えでしょうか、廣瀬さん。
#43
○参考人(廣瀬幸一君) 当然、落ち度はありません。全くありません。
#44
○津田弥太郎君 はい、ありがとうございます。
 是非、今日御出席の当事者であります中村御夫妻それから梅原さんに対しまして、今、廣瀬社労士は被害者であるというふうに断言されたわけでございますけれども、率直にお気持ちをお二人、それぞれお聞きをしたいというふうに思います。
#45
○参考人(中村正見君) 中村です。
 もう行くたんび、私たち、たまたま二年前にこれを分かったんですけど、それから行くたんび、最初はもう本当、孤独な闘いでした。もう自分たちと同じ境遇の人も見付けようと思って必死でした。なかなか出てこなかったです。で、半年ちょっと前から、たまたまテレビで見て、関西の谷沢弁護士が出られているのを見て、もう感激しました。うちらと同じ境遇の人がやっぱりいた。もう早速手紙出しまして電話しました。訴訟、一緒に仲間入れてあれを起こす、そういう今段階なんですけど。
 何しろもう行くたんびに、あなたたちの記憶違いじゃないですか、うまくかわされるんです、催眠術掛かったみたいにね。何回足を運んだか、うちのはもうそれ、十回ぐらいは神奈川社会保険事務局。
#46
○参考人(中村美津子君) 中村です。
 本当にもう信じられないこの今の状態が、今まで三十年以上、もう三十二年に今年なりますが、納めてきていて、何の情報が、国から自分たちの年金情報が送られてこないという、そのこと自体が信じられないというのがまず第一で、もっと早くにその情報が分かっていれば何とか手を打つ何かあったんです。家を建て替えるときに書類、もうそのときにどこか行っちゃったんですね、その領収書が。
 だから、その前に何か十年、十年、そのたんびに記録が、配付があれば何とかなったんですけど、もう三十年、何の連絡もない、国からその自分の年金情報が送られてこなかったためにこういうふうな結果になったと思っています。
#47
○参考人(中村正見君) 済みません、もう一回。
 二年前のその分かった時点で調べてもらえればいいんですけど、審査請求は、もらえるごろが二年後ですと言われたんです。それもおかしいと思います。分かった時点で調べてください。
#48
○津田弥太郎君 じゃ、もう一言、梅原参考人。
#49
○参考人(梅原喜代江君) 座っていていいですか。
#50
○委員長(鶴保庸介君) どうぞ御着席のまま発言ください。
#51
○参考人(梅原喜代江君) 社会保険事務所は、私たちにきちっとした正しい答えをきちっと教える、だから、この年金手帳を渡すときに、年金はこういうものなのですよというような最低限度不利益の掛からないようなことをちゃんと国民が知ることが一番望ましいんではないかと思います。そうすると、私みたいなことにはならなかったのかなと思います。
#52
○津田弥太郎君 大野参考人にお聞きをしたいんですが、与党の推薦でございますから大変答えにくいだろうなと思うんですが、社会保険労務士というお仕事をされている以上、今、中村御夫妻や梅原さんの事例について、先ほどそれぞれ御自身の記録が消えているということで主張があったわけであります。安倍総理も、何とか前向きに取り組もうという発言をしているんですが、証拠がなければ申請をした人すべてを認めると言うんですかという形で我が党の小沢代表に食って掛かったわけでありますけれども、大野参考人としては、今のお二人の事例について、率直に言って、何とか救ってあげたいという立場でお考えでしょうか、それともやはり切り捨てるという考えにお立ちになるんでしょうか。
#53
○参考人(大野実君) 大野でございます。
 切り捨てるとかということはもう全く考えていません。
 こういった行き違いが出る中では、既に、例えば国とあるいは社会保険事務所ですね、国と被保険者の関係、あるいは事業主と被保険者の関係、あるいは個人そのものの問題、やっぱりいろいろ裁量が違うんだというふうに思っています。そういう中で、法律の中で今回のようなものはしゃくし定規にすべてを画一的に進めると、やはり無念さが残るような、あるいは現実に救済されないような個別の問題は間違いなくあると僕は実務として見てきています。
 そうしたときに、私は、今までも、例えば職権で事実を確認する中で対応しているというケースも実は見ています。例えば男性を女性として書いてあった、生年月日が違ったためにどうだったということはあると思いますけれども、ただ現状、それぞれの現場では、今までは、それでもそういうものを職権で直すとしたらそれなりの理由があって、上司にとがめられてみたいな、そういうような問題が実はあると思うんですよね。そういう意味でいえば、今回の案件というのは氷山の一角というふうには言い切れない問題だと思います。
 ただ、ですから、そういう意味では、いろんな意味での法整備や対応は一つ一つ丁寧にすることは、それは与党も野党も関係ない、国民だれもが思っていることだというふうに思っています。それですから、それは実務的な対応でいけるのか、法的なもので政省令を変えていかなきゃいけないような問題があるのかはきっちり整理して進めるべきだというふうには思っています。
#54
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 廣瀬社労士に、参考人にお聞きしたいんですが、今日の当事者の方々は国民年金の問題が中心でありますけれども、厚生年金の問題についてはどのようにお考えでいらっしゃいますか。
#55
○参考人(廣瀬幸一君) 今日はたまたま国民年金ということですが、実は厚生年金も潜在的にトラブルを抱えております。国民年金より制度自体が複雑でありまして、国民年金の場合は全員一律の金額で払ったか払わないかが原則、そのほかに免除制度というのもございますが、厚生年金の場合は、標準報酬というものを入力して、その結果が将来の年金に反映するという形になりまして、計算も少し複雑でありますから、その情報量が余計な分だけ厄介な問題が出てくるというふうに、将来は出てくるであろうと、私、予想はしております。
#56
○津田弥太郎君 という、厚生年金の方が更に複雑になるというお話でございます。
 そこで江原参考人にお聞きをしたいんですが、実は五千九十五万件の宙に浮いた年金あるいはさらに何件あるか分からない年金の中には、厚生年金の受給者及び被保険者も多数含まれているわけでございます。江原参考人は企業の経営者であるということをお聞きをいたしておるわけでございますが、雇用主も保険料を半分払っているわけですね。従業員本人と雇用主と折半で保険料を払っておるわけでございます。この従業員の方の年金記録に反映することなく言わば払い捨てにされている年金が実は宙に浮いた年金としてあるわけでございますが、経営者の立場として、従業員がある面では本来もらえる金額よりも少ない、あるいはもらえないという方が出ているということについて、そういう状況をやっている社会保険庁、これは正に政府がやっておるわけでございますけれども、そういう政府に対してどんなお気持ちをお持ちでしょうか。
#57
○参考人(江原靖幸君) 経営者といたしまして申し上げるとするならば、年金番号を採用したときに継続してつないであればそういうことはあり得ないわけです。ただ、本人が生年月日を偽ったり、例えば男女雇用均等法ができたときなど、非常に人手が余っている関係で四十歳までという年齢制限引いたときに、実際は四十一歳だけれども三十九歳というような偽った形で年金番号を取得しているやからがいるに聞いておりますので、そういうのが結局宙に浮いていく原因にもつながっているわけでございます。
 あと、今の若い方々、これだけ騒いでいる年金問題に意外と無関心でいる方々が年金手帳を五冊も六冊も現在持っていると。恐らく、これが一年後にまた問題になる可能性があるんで、我々事業主といたしましては、手前どもの会社に限らず、社会保険委員のいる事業所が率先して被保険者の年金番号をチェックして、統合するものは統合するということで御協力したいというふうに考えております。
 以上です。
#58
○津田弥太郎君 やからというふうに言われちゃうと非常につらいものがあるような気がするわけでありますが、ありがとうございました。
 そこで廣瀬参考人にお聞きをしたいわけでありますが、政府が提出をしております法案では、社会保険庁を新たな新法人に移行するということになっておるわけでございます。このことは、今般、大変多くの問題が提起をされております年金記録問題の解決に向けて、この新法人になるということはプラスに働くとお考えですか、それともマイナスとお考えですか。
#59
○参考人(廣瀬幸一君) 現在、こういう問題が起きている中で、その解決の糸口さえもまだ出ていない中で新法人というのは、これはちょっと国民的感覚から考えられないなと。折しも今、介護事業のある会社が会社を解散して新しい衣替えするというような、あれともダブってそのイメージが感じられるような私にはことなんですけれどもね。
#60
○津田弥太郎君 最後に中村御夫妻に、こういう場に勇気を持って出られたんで、安倍総理に対して率直に伝えたいことがあれば私伝えたいと思っておりますので、是非伝えたいことがあればおっしゃっていただきたいと思います。
 どうぞどちらでも、どうぞ。
#61
○委員長(鶴保庸介君) 挙手をいただけますか。
#62
○参考人(中村正見君) 中村正見です。
 先ほども言ったやっぱり開き直った答弁、申し出た人は全員支払うのかと。でも、本当、そうしてもらいたいです。そうしてもらわないと、我々は救われません。
#63
○参考人(中村美津子君) 中村美津子です。
 国の長が私は逃げたと思います。立証責任、何の責任も負わないで逃げたと、もうそれだけです。だから逃げないでください。立証責任は国にありますから、私たちにないです。
 以上です。
#64
○津田弥太郎君 本当に今日はありがとうございました。
 終わります。
#65
○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。
 本日は、参考人の皆様方には貴重な御意見を伺い、本当にありがとうございました。
 私の方からは、大野参考人と江原参考人にお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、先ほども西島委員の方からもございましたけれども、私も、社会保険庁においては様々な不祥事や業務運営上の問題が生じてまいりましたけれども、本当にこれの背景には親方日の丸的な発想による業務運営が原因だったと考えているところでございます。
 今回の法案の柱というのは、社会保険庁を解体して非公務員型の日本年金機構を設立することにありますけれども、この日本年金機構に移行することによって、能力と実績に基づく給与体系そして人事管理が可能となり、現在の社会保険庁の職員がそのまま新しい法人に移行するということではなくて、募集や採用方式により適切な職員を採用することとしております。
 また、こうしたことから、日本年金機構においては、サービスの向上又は業務運営の効率化が期待できるものと私は考えておりますけれども、今回の社会保険庁の改革によって社会保険庁はどのように変わるとお考えか、両参考人にお伺いをさせていただきたいのがまず一点と、もう一点、今回、この日本年金機構に民間の力を最大限入れるということで積極的なアウトソーシングを推進するということになっておりますけれども、このアウトソーシングにより業務運営がとても良くなっていくと私は考えているところでございますけれども、このアウトソーシングの推進についてどのようにお考えか、両参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
#66
○参考人(大野実君) 大野でございます。
 機構の再編、社会保険庁を言わば改革をして新しい年金機構につくると、それによって何がどう変わりますかという御質問だったんですけれども、変えなきゃいけないというところにあると思っています。
 心配なのは、効率化を目指せば目指すほど、あるいはコスト削減ということで、それがすべてであるとすると、今回のような、特に国民の一人一人の、特に年金とするならば、御高齢の方たちが老後の生活をということであれば、より身近な立場でいろいろなサポートをしていくということでいえば、新しい機構になってもサービスの向上は、低下するということではなくて、よりサービスを高めなければいけないというふうに思っています。
 問題は、言わば、今言われているような内部統制であるとかそういった牽制の機能であるとかというものをより付加することが大切だというふうに思っていて、確かに、機構、要するに組織を変えたことによってすべてが解決するということではないと思いますけれども、新たな機構をつくることによって大きなインパクトがあることは間違いないと思っています。
 ですから、そういう意味でいえば、新しい機構に変わることでより良いサービスができるような機構ができていくということを私は期待をしているところであります。
 アウトソーシングの問題でありますけれども、先ほど私どもの方で資料を提示していますように、実際に市民にあるいは国民に密着した形でのサービスをより提供するとするならば、特に、先ほども申し上げましたけれども、年金制度というのは非常に高度な技術的なものがあって、特に保険制度の中でやっていくとするならば様々なハードルがあるというふうに思っています。
 そういう意味では、社会保険労務士のような専門士業がもしそういうアウトソーサーの一翼を担えるとすれば是非参加をしたいし、そういったところで貢献をしたいということを強く思っているところであります。
 以上です。
#67
○参考人(江原靖幸君) 年金機構に変わってサービスの向上、業務の向上ということでございますが、やはり国鉄がJRに変わり郵政公社が民営化ということで、国鉄などは本当に様変わりしましたんですが、日本年金機構におきましても、民間の活力といっても、やはりリーダーになる方々が強力なリーダーシップを発揮しないと、また、職員というか社員がやる気を起こす施策を講じてあげないと二の舞になるのかなと、現況の状況から脱却できないのかなということも考えられるように思います。
 今の村瀬長官ですね、民間から乗り込んで一生懸命改革していると思うんですが、国会で長官、びしびし質問攻めに遭っているわけですけど、民間の中でも相当の力のある方々というか、一人じゃなくてやはりスタッフをそろえてあげないと変えた結果が出ないのかなと思います。
 また、アウトソーシングにつきましては、現在の市場化テストということで民間に入札でやっておりますが、事例がないところで市場化、例えば年金相談のもしもし相談などを投げ掛けても、茨城の例を申し上げますと、現在、今までやっていたもしもし相談のパートの職員さんが丸抱えで、新しいところの落札したところに丸抱えで行ってやっているという形で、年金の問題、非常に説明するにも相当の能力を持っていないと答えられないという部分がございますので、簡単にアウトソーシングといっても、社労士の先生方とか費用はどうなんだということで見ますと職員の方が安いんじゃないのかというような部分も見受けられますので、年金にかかわる企業をやはり時間を掛けて育てていかないと、アウトソーシングはちょっと難しいのかなというふうに思います。
 以上でございます。
#68
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 年金制度への信頼を高める取組として、ねんきん定期便が平成二十年からスタートいたしますけれども、今一部前倒しで始まっておりますけれども、これによって御本人が幾ら保険料を納付したのか、加入期間が一体どのくらいなのか、将来の年金見込額は幾らかとか、年齢に合わせて内容が毎年誕生日の月に送付されることになっておりますけれども、これによって毎年一回、必ず年金制度が自分のところに来るということで身近に感じるものと私は考えておりますけれども、このねんきん定期便についてどのような御意見をお持ちか、大野参考人と江原参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
#69
○参考人(大野実君) 大野でございます。
 ねんきん定期便というような仕組みができたことは大いに歓迎すべきことだと思っています。
 元々被保険者の、国民年金であれば住所地ですから住所が分かっている、厚生年金の場合には、今まで、従来は住所が行政の方にストックがなかった、それが住所の届けを出すことによって新たにそういったサービスができるようになったということでは、国民から見れば非常に有り難い制度だというふうに思っています。
 ですから、機能としては、間違いなくそういった形で本人が参加をして確認をするというような仕組みがあるとすれば非常にいいと思いますけれども、ただ、それでも書面を見たときに十分この内容をどれだけ理解ができるかということになると非常に心配なところがあって、間が空いている、何があったといったときにそれを詳細に説明をできるような、そういった環境もないと新たな不安を持つ場面もあったりするというふうに思っています。
 ですから、そういう仕組みを更に高めていくというようなことの工夫は必要だというふうに思っています。それは、やはりいろんな意味での、直接に対面をしてその内容を御説明する、解説をする、そういう場面を増やすということだというふうに考えています。
#70
○参考人(江原靖幸君) 非常に一方通行だったものが毎年来るということになりますと、自分も年金をちゃんと納めているんだ、将来これだけもらえるんだという安心感が芽生えてきますので、先ほどの、納めているのに納めていないということも解消されますので、非常にサービスの向上と受け止めております。
 以上です。
#71
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 日本年金機構法に掲げられた基本理念を見てみますと、厚生労働大臣と日本年金機構は、厚生年金保険及び国民年金の被保険者、事業主、地方公共団体並びに政府管掌年金事業に関する団体の協力の下に適正に運営することとされておりまして、この大切な年金という制度を適正に運営していくためには、厚生労働省や日本年金機構だけではなくて、先ほどからもお話が少しございましたけれども、被保険者や事業主の方などのたくさんの皆さんの協力が不可欠であると私も考えているところでございますけれども、社会保険業務の一端を担っていらっしゃる社会保険労務士としてのお立場から、また社会保険委員の連合会を代表されるお立場として、この点についてどうお考えか、両参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
#72
○参考人(大野実君) 大野でございます。
 いろんな意味で協力体制を取っていくということは、もう言うまでもないというふうに思っています。特に、私たちはたまたまというか、私たちは国家資格として整備されて、年金の専門の士業として、組織も法で定められた中で、組織率も社会保険労務士全員登録をしていて、その組織の中でいろんな業務を推進しているということであれば、資格者としての担保がされている部分と、資格者としての自覚を持った、あるいは制度の中で様々な研修をしたりということをしていますので、是非、社会保険労務士を組織的に活用していただくような場面があれば、行政のサービスをより充実したものにできるのではないかというふうに思っています。
 以上です。
#73
○参考人(江原靖幸君) 我々社会保険委員会といたしましても、事業主、被保険者、事務所とのパイプ役ということで、従前以上に、民間になりますので言いたいことも言わせていただいて、サービスの向上に参加させていただければと思っております。
#74
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 収納対策についてお伺いをさせていただきたいと思ったんですけれども、西島委員の方からもございましたので、これで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#75
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 参考人の皆さん、本当にありがとうございました。特に、中村御夫妻と梅原参考人がやっぱり実際の体験を語っていただいたことは本当に大事だと思っておりまして、やっぱり皆さんのお話をお伺いして、年金というのは本当に一人一人の人生が懸かった問題である、保険料の納付記録というのは正に人生が詰まったものであるということをつくづく実感をいたしましたし、やっぱりこれを行政の側がなくしてしまったというのは本当に犯罪に近いことではないかと改めて怒りを覚えます。
 しかし、そういった問題を本当に突き付けて言わば闘ってこられた、その努力が本当に世論を動かして今政治を動かしつつあるということに本当に心から敬意を表したいと思いますし、皆さんの訴えをしっかり受け止めて審議を尽くすのが国会の責任だというふうに思いますので、改めて頑張りたいと思います。
 その上で、先ほどのお話をお伺いして、大変リアルなお話だったんですが、幾つかまずちょっと中村御夫妻に、どちらでも結構ですけれども、お伺いしたいんですけど、これは年金受給のときに気が付いたんだと、大変だったと思うんですが、大分前に気が付いたと。二〇〇五年の五月に確かめに行こうと思ったのは一体何がきっかけだったのかというところを。
#76
○参考人(中村正見君) 中村です。
 仕事で取引先の銀行の方が見えて、だんなさんはそろそろ、まだ二、三年先ですけど、年金もらう年に近づいていますので、もらうようになったらそれも自分のところを通して扱ってくださいという話が出て、それでうちのが調べに行ったんです。
#77
○小池晃君 それで行ったらば、払っていないと。
#78
○参考人(中村正見君) はい、びっくりです。
#79
○小池晃君 その記録を見せられたときというのは、それは奥様の方なんですか。
#80
○参考人(中村美津子君) はい。
#81
○小池晃君 率直に、そのときどんなことを思ったかお聞かせ願えますか。
#82
○参考人(中村美津子君) 中村です。
 もうそれを見たときは、まず何だか分かんなかったんです。何かずっと米印が一杯あるから、これは何って聞いたのがまず最初で。で、未納がありますって、これ未納の印ですって言われて、ええって、もう本当にびっくりしました。私たち未納なんかありませんって、もう言いました。本当に驚きです。
#83
○小池晃君 その後、先ほどのお話では神奈川の事務局に十三回行かれた。行くたびに行くたびにもう門前払いみたいなことが繰り返されたと。
 先ほどもちょっとお話ありましたけど、足を運ぶたびにどんな思いをされてこられたのか、お聞かせいただけますでしょうか。
#84
○参考人(中村美津子君) 中村美津子です。
 もうそのたんびに、まず最初に、銀行振り込みしていればよかったのにねってまず言われたんです。だから、何を言っているのよって、もう私、まず言いました。銀行振り込みって、今更言われても困るって言って。もう行くたんびにうそばっかりつかれるんです、向こうで説明してくることが矛盾だらけで。領収書を持ってきたら戻りますって、持ってこなかったら戻りませんて。だけど市町村では取り扱ってなかったから、そんな話ないですって。もう何か全部否定されるんです、私の言うことが。だから、もう本当に行くたんびに腹が立つということの繰り返しでした。
#85
○小池晃君 梅原参考人にもちょっと実際の経験をお伺いしたいんですけれども、梅原参考人は七年前に気が付かれて行かれたわけですよね。そのときのやっぱりお気持ち、一体どういうお気持ちだったか、ちょっとお聞かせ願えますでしょうか。自分の記録がなくなっているというのを見たときに、どんな感じがしましたか。
#86
○参考人(梅原喜代江君) 梅原です。
 期間満了ってお知らせというのが来ますね。そこに、あなたは何百何か月ですというのが来たんです。それで、私は全部払っていると思っているのに三百二か月って来たものでね、もうそれを持ってすぐに市役所に行きました。で、何でこういうふうになるんですかって言って、そこで聞きました。私は、三十六年四月一日って書いてあるから、そこまで払えている、被保険者になった日が三十六年四月一日、満額、そう思っていましたのでね、ずっと。それで、じゃ、この三十六年四月一日は何ですかって聞いたら、その説明は、あなたはこうなるんです、それだけでね。
 私は、何でそうなるのか分からなくて、自分で全部調べ上げたんです、私、この資料を全部。きちっと説明してくれたことは一つもないんです。何で七万五千六百円を払ったのかも分からない。どこを払ったのかも分からない。どうしてこれだけの期間なのかも分からない。全部分からない、私、分からないんです。それを私は、七万五千六百円、何でこうなるのか。説明は一つもくれないんです。あなたはここからここまでは払えますよとか、ここからここまでは払えませんよとか、そういう、結局、空期間とか、そういうことを全部教えてくれない、何にも教えてくれない。だから私が、ああ、こうなっているからこうなるんや、こうなっているからこうなる。私、一年間掛かりました、全部調べ上げるのに。
 それで、もうあらゆるところに電話したり、保険庁にも度々電話しました。大阪の府の社会保険事務局からも何度もうちの家へ来てくれました。そのときに言われました。梅原さんの言っていることは全部つじつまが合っています、でもお金の入金だけがないんですと言われました。それだけです。
#87
○小池晃君 ありがとうございました。
 この間、この皆さんを支えてこられた廣瀬参考人、原田参考人にちょっとお伺いしたいんですが、特例納付のケースですね、いずれもね。やっぱりその特例納付の場合に、こうした事態が起こってきたその背景、原因などについてはどのようにお考えでしょうか。それについて何らかの特別の対策というのは、あるとすれば御教示願いたいと思います。
#88
○参考人(廣瀬幸一君) 廣瀬です。
 特例納付というのは、昭和四十年代に二回それから五十年代に一回、合計三回ほど行われてきたわけですが、いろいろ私調べるうちに、これは従来、そのときは市町村役場が窓口になって保険料等を集めておったんですが、この特例納付というのは、過去にさかのぼって全部一括して払って、払ってない部分をうずめるという非常に特殊な制度、今、それ以降は現在もう行われていないんですが、非常に熱心に勧誘したような形跡がうかがえます。
 といいますのは、ある町とか市では、保険料を払うのに一遍に払うのが苦しい人には保険料の貸付けを行っているんですよ。私、古い市報というかそういうのを見て、ああ、そんなことがあったのかということでちょっと驚きだったんですけれども。ところが、この特例納付というのは、市とか町じゃなくて国が直接やった制度なんですね、実は。それにもかかわらず、市がそういう、これはどういういきさつか分かりませんけれども、非常に強く関与して集めたと。
 つまり、保険料集めということではかなり熱心にやったような感じを受けていまして、やはり当時も非常に納付率は悪かったようでございます。非常に国民の関心がなくて、それでそういう制度もつくって、まず保険料をとにかく集めるという頭が非常に強かったんじゃないかなと。ただ、今こうなったのは、やはり管理が全然できてないんじゃないかなと、ひどいもので。
 市の職員というのは、これは国からの委任であります。委任されてやっているんで、かつ市の職員は二年程度で大体持ち場が変わりまして、例えば異動でいきなり今まで全然知らないことをやる。これは今でも役所というのはそういうものなんですけれども、特に、この特殊なことを扱うのに全然知らない人がいきなりそれをやってみたというようなこともあったんじゃないかなと。それで、そういういろんな複雑な要素が絡み合ってこんなおかしなトラブルになっていると、私はそのように考えております。
#89
○参考人(原田朋之君) 原田でございます。
 私も、基本的には廣瀬社労士がおっしゃいましたことが原因だと思います。要するに、委任を受けておりました自治体の記録管理のずさんさ、これに尽きると思います。
 特例納付の場合は、紙台帳の記録に通常でしたら納付するごとに納付を受けた月に日付を入れるんですが、特例納付の場合は、欄外に、備考欄に特例納付がいついつあったよという記載をするケースが多いようです。ただ、残念ながら梅原さんの場合は、その欄外にもマイクロフィルムを見たところ記入がなかったということで認めてもらえないということになっておりますけれども、結局それについても、その記入を怠った、窓口なのか後ろの方なのか分かりませんが、その記録管理が全くなされていなかったところに原因があるものと思っております。
#90
○小池晃君 皆さんのケースというのは、これはいわゆる五千九十五万にも入らない、最近明らかになった千四百三十万にも入らない、それ以外の部分ということになるわけですね。
 それで、今回の政府の対策でもそこのところは非常に、ほとんど示されていない。特に、厚生年金の場合はある程度事業所にいたということからいって手繰れる部分はあるかもしれないけれども、正にこの国民年金の場合、物的証拠というのはちょっと存在のしようがない。逆に言えば、物的証拠をなくしたのは国の側なんですね、社会保険事務所の側なわけですよね。
 その場合にどう救済するかということについて、先ほどもお話聞いていると、非常にやっぱりリアルにそういうときの記憶も持っていらっしゃる、お話も非常につじつまが合って一貫性がある。私はやはり、基本的にそういう場合はそれをもう証拠として、そして逆に国の側がそれが違うということを立証する、あるいはあなたは払っていないということを国側が証明できなければ、皆さんが今お話ししたようなかなり状況証拠に近いような実情の把握ということがしっかりされれば、これはもうすべからく払うということしか解決の方法ないんじゃないかというふうに思うんですが、この点について御意見あればお聞かせください。
#91
○参考人(中村正見君) 中村です。
 やっぱりみんな、本当、特例納付のばっかりなんですよね、ここのところ出てきたのが。うちらと同じ境遇の人で、何というかな、ちょっと頭真っ白になっちゃうんですけれども。やっぱり、これはもう、ちょっと選手交代。何か頭真っ白になっちゃった、考えてたのに、今、ちょっと忘れちゃって。
#92
○委員長(鶴保庸介君) よろしいですか。中村美津子参考人。
#93
○参考人(中村美津子君) 中村美津子です。
 本当にこれは私たちだけで、もう何も、家族ももう父は亡くなりましたし、ずっと三十五年間一緒にいた父は亡くなって、母は私がだれだかも分からないような状態で、だれも証人がいないというのが事実ですので、これはもう何とか認めてもらうしかないと今まで頑張ってきたんですけれども。
 本当にそこを第三者機関がどうやって見極められるのかという、そこに尽きると思います。これだけつじつまが合わない社保庁側の対応でどれがつじつまなのかという、そこが本当に疑問と、もう不安だらけになりました。だから、もうどうしたらいいのか私たちも余計困っています。
#94
○参考人(廣瀬幸一君) 廣瀬です。
 私、一つ反省点がありまして、私のさっきの新聞の事案で、最初、私はこういうことだって訴えられたとき、実は特例納付の、一遍に払ったんだと言われたときに、そういう制度があったということは自分自身でも忘れていたんですよ。つまり、我々専門家ですけれども、例えば同僚の社会保険労務士に聞いても、この特例納付のことを知っている人というのは非常に少ないです。極めて専門的領域、マニアックな領域なんですよ。一般の人でこれを知っている人というのは物すごく少ないんですよ。
 実際に払った人は覚えているんですよ、金額が大きいですから。私の依頼者の場合、隅田さんというんですけれども、夫婦で八十数万円、八十万円ぐらい払っているんですね。非常に大きな金額だからそれは忘れないんでしょう。一般の方は恐らくほとんど知らない、そういうことを、自ら私はこうだった、私ですら忘れていたようなことを明確に言うということ自体が、私はまずそこで、もう信憑性ということで確信を得たんでございますね。
 以上です。
#95
○参考人(中村正見君) 思い出しました、さっき言おうとしたこと。中村です。
 準ずる証拠といいますけれども、領収書ない場合の準ずる証拠ですね、それになるかどうか分からないんですけれども。私たち、その年金制度を知って、二十歳に入ったばかりのころは本当にこういう制度があるのも分からなかったです。結婚して、子供ができて、それでこういう年金制度があるのを知って、ああ、これはやっぱり入っておいた方がいいなといって入ったでしょう。で、結局、入ってからはもう一か月も滞納することなく、一か月も欠けることなく、途中から増額できる付加制度というのがある、それを知ったときはもうすぐ入ったし、それから国民年金基金ができて、そういう制度ができた、それも知ったときにすぐ入りましたし、もうそれこそ皆勤賞ものです。もう一か月も空くことなく、延滞することなく、それでもうずっとまじめに納めてきたのに、こういうのも準ずる証拠というか、そういうのにならないかなと思って、それ、ならないかなというそういう、してもらいたいです。
#96
○小池晃君 本当にもう私もそうだなと思います。
 大野参考人にもちょっとお聞きしたいんですが、やっぱりこの問題解決するには、まあ第三者機関とかその問題もありますけれども、考え方をやっぱり転換すると。とにかく、救うという立場で、証拠がなければ駄目だというんじゃなくて、やっぱりある程度の、今のお話のようなことがあって、それで支払っていないという逆の証明ができなければ払う、そういった仕組みにしなければ、私はこの問題解決しないと思うんですが、いかがでしょう。
#97
○参考人(大野実君) 大野です。
 ごもっともだと思っています。まず、その考え方、どういう立場でどういう形で救済するかというスタンスですね。今までの法体系の中でいえば、明らかにそれは駄目ということだと思います。ただ現状、こういうお話をお聞きすれば、明らかに何とか救済すべきものが必要だというような心情を当然持っているわけですよね。だとすると、それが法律の中で少し特別な取扱いに関する条文が必要なのか。
 いずれにしても、私は、今回提案されている機構案の中に出てくるような第三者機関を設けて、その中で審議をしていくというようなことは、そういう方法しかないんではないかというふうに思っています。そうでないとするならば、裁判の場で行政裁判をしてというようなことになろうかと思いますけれども、それでは年金を受給するような方たちが真の意味で救済されないと、これはそのとおりだと思いますね。
 ですから、私は、どんなスタンスでこういう問題に取り組むかということを整理しようとか基準を設けようと、こういうようなものは当然必要だと思いますし、さらに、できれば今回提案されているような第三者機関の中で、公平を、あるいは適正なものを判断できる基準作りと人選の中で進めていくことしか結果的には方法はないのかなというような感想を持っています。
 以上です。
#98
○小池晃君 第三者機関的な組織が必要、判定するところはね。ただ、それが第二の社保庁みたいになったらこれは何の意味もないんでね。やっぱり、考え方のところで今言ったような転換が必要なのかなというふうに、今日のお話をお聞きして、この問題は本当に大事な問題だということを改めて感じました。
 ちょっと最後もう一件、厚生年金をどう救うかということで、ちょっと廣瀬参考人に御意見を伺いたいんですが、私が質問で、例えば同僚の証言があったらいいじゃないかと言ったら、社保庁はまだ、何と言うかというと、報酬が幾らか分からないとか、職場内でのいろんな異動の問題なんかもあってそれだけでは救えないと言うんですけど、私は、厚生年金の記録漏れの場合は、少なくともその程度のことがあればもうすべからく救うというふうにしないと駄目だと思っているんですが、その辺はどんなふうな。
#99
○参考人(廣瀬幸一君) 廣瀬です。
 例えば報酬が分からないという場合は、こういう例がございます。労災保険というのがあります。それは私ももちろん手続一杯やるんですけれども、労災保険で大きなけがをされた方が、特に建設業なんかの場合は日雇なんかの方がその日の日当とかが分からないという場合があるんですよ。そういう場合どういう救済方法があるかというと、同種同業の労働者の平均的なところでそれを取る、つまり設定をするという、そういうのが法律上もはっきり決まっております。そういうような似たようなことを考えていけば解決に向かうのではないかと、そういうように考えております。
#100
○小池晃君 ありがとうございました。終わります。
#101
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は参考人の皆さん、本当にありがとうございます。今まで闘ってこられたり、まだ問題が解決していない部分が大きいわけですが、問題を切り開いてこられたり、また現場の相談を受けて今までやってこられた皆さんに心から敬意を表します。
   〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕
 先ほど中村参考人が、立証責任は国の側にあるというふうにおっしゃいました。この委員会の中でも、立証責任は国の側だろうと、国民の側には落ち度がないという言い方をしているのですが、第三者機関においては、ケース・バイ・ケースでお互いに突き合わせて決めるのだというのが今の厚生労働省の見解なんですね。そうしますと、特に今日出ている国民年金の場合は、いわゆる領収書が、昔のことで、なければなかなかこの立証ができないという問題があります。
 改めて、この立証責任、例えば第三者機関における立証責任それから一般的な立証責任についてお考えをお聞かせください。
#102
○理事(阿部正俊君) どなたでしたか。
#103
○福島みずほ君 中村参考人です。
#104
○参考人(中村美津子君) 中村美津子です。
 その立証責任ということは、私たち国を信じてお金を納めていますので、それで今ごろになってこういう状態が分かって、領収書を持ってこいと言うこと自体がめちゃくちゃな話で、どこにも私たちの落ち度はありません。
 それで、じゃ納めてないという証拠を出しなさいって私も窓口で再三言ってきました。だから、それでその第三者機関に入った場合に私たちが言ったことがどういうふうに伝わるのか。実際に伝わるのかどうなのか、そのこと自体がもうすごい不安で、伝わらなかったら、じゃどうするのという、そこがまた本当に、もう頭が本当に真っ白になるくらいに、はあ、どこまでこれは行くんだろうという不安がもう先立って、一生懸命その第三者の機関の前で言ってもきっと伝わらないかもしれないという、伝わらなかったらどうしようと、もうその不安だけが一杯で、私たち国を信じていたので、もうそれは絶対に国に何とかしてもらいたいという、もうただそれだけです。
#105
○福島みずほ君 梅原参考人にお聞きをいたします。
 六月四日の段階で再審査請求が棄却になったということで、現在、これだけ宙に浮いた年金や、あるいはどう立証するのかという問題がなっているさなかに、あるいは第三者機関という提言が行われている最中に、実は再審査請求が棄却になったと。そうしますと、第三者機関をこれから設けても、最終的には社会保険庁なりが裁定なり再裁定をするわけですから一体どうなるのかと思うんですが、ちょっと、梅原参考人は再審査請求が棄却になってこれからどうされるおつもりなのか。
 棄却となったことについての感想と、これからどうなさるのかということについてお聞かせください。
#106
○参考人(梅原喜代江君) 梅原です。
 どういうふうに私のしてきたことを説明しても、どういうふうに資料を出しても何にも認めてもらえない、これが社会保険庁の裁定であると思いました。
 私は、第三者機関を立ち上げても、これはどうなのかなと。今、第三者機関を立ち上げるとおっしゃっていますけれども、全然まだゼロの、まだ白紙の状態なので、どういうふうな第三者機関なのかな、すごく関心があります。
 私は、自分のしてきたことをいつどこででも、だれに聞かれてもきちっと答えることができます。納付形態にしても、子供がどういうふうにぐずったことも、その受け付けた男の人がどんな方であったかも、それからまた、市の受け付けた女の方がどの席で座っていたかも、長時間電話を掛けて待たされたことも、いろんなこと、ちゃんときちっとお話ができます。七万五千六百円も、私の父が十万円前後だよというのを言っていたので、それを持って出掛けましたのでね。帰ってきてすぐに、父に思ったより安かったのよという説明を、電話をしましたので、きちっと私は自分のしたことについては一〇〇%説明ができます。だれに聞かれてもきちっと説明ができます。それでもなおかつ、払っていないと言われるのがもう絶対納得がいきません。
 だから、第三者機関を立ち上げるに当たって、私は、こういう私みたいな人を絶対に救っていただきたいと思います。
#107
○福島みずほ君 原田参考人にお聞きをいたします。
 ほかにもいろんな、梅原参考人以外のケースも社会保険労務士として担当していらっしゃると思いますが、この年金の、宙に浮いた年金記録や消えた年金記録、あるいはみんなどういうところで苦労していらっしゃるか、ほかの方のケースも差し障りのない範囲で教えてください。
#108
○参考人(原田朋之君) 基本的には梅原さんと同じようなケースなんですが、やはり梅原さんのように七年もの長きにわたって、中村さんもそうですけれども、数年以上も掛けて何の進展もない、何の努力も実らない闘いを続ける方の方が少なくて、どこかの時点であきらめて泣き寝入りされるケースの方が多いんですね。
 やっぱり、今回の場合は国民年金というケースなんですが、例えば厚生年金であったとしても、厚生年金の、転職を繰り返して、このときの一年がないとか半年がないとかということですと、年金額ってそう多くは増えないですよね、例えば認められたとしても。国民年金にしても、認められたとしてもそう多く増えるわけじゃない。だから、そういう方が、じゃ、社会保険審査官、これは各都道府県にあります。ところが、社会保険審査会、これ厚労省まで来ないといけない。裁判、これも大変な労力、費用掛かります。そこまでできるものかどうかというところで、やはり挫折する方が多いというのが実情です。
#109
○福島みずほ君 中村参考人にお聞きをいたします。
 五千万件の宙に浮いた年金記録ということに、私たちも国民の皆さんも大変ショックを受けているわけですが、この五千万件の宙に浮いた年金記録について感想をお聞かせください。
#110
○参考人(中村美津子君) 中村美津子です。
 五千万件が浮いているという、もう膨大なその数にまず驚きました。
   〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕
 それで、私たちの方はもう今まで二年間、何の調査もなくこのままずっと来ました。それなのに五千万件が一年でどうやって調べるのよという、もうただその一言で、絶対できないという、もう本当にうそついていると、私はそう思いました。
#111
○福島みずほ君 原田参考人にお聞きをします。
 いろんな段階のいろんな問題があると思いますが、先ほどからいろいろ議論になっていますが、基本的に、例えばどういう点がやはり問題だと思いますか。システム上、あるいは作業上、あるいは基礎番号導入の際とか、どうすればもっと良かったのかという点についてお聞かせください。
#112
○参考人(原田朋之君) まず、過去の経緯からいうと、やはりその自治体に、各自治体に委任していたときの自治体の管理システムそのものが非常に、何というんですか、いい加減なものであったということがまず国民年金に関しては言えると思うんですね。
 まあ、余談ですが、私の知り合いの社労士が、既に国民年金受けられている方が年金相談に来られて、どうも幾ら考えても年金額が少ないということで、転勤を繰り返しておられましたので、その社労士が各自治体にその人の国民年金の記録について突き合わせに行ったと。そうしましたら、ある市役所の国民年金の担当の人が、そのとき手集金の時代だったらしいんですけれども、その手集金に来た方の名前分からないですかと言い出したんですね。そうしたら、どうして名前が要るんですかと言ったら、その人の名前に前歴があればその期間認めますよというようなことを言ったと。ということは、いかにいい加減な感じで、集金をしていたものが市の金庫に入らずにその人のポケットに入っていったということも現実に多くあったようなんですね。それと、あとまた別の話で、市の年金の集金員をやっていた人が、お金を払わずに、自分の国民年金の手帳にぽんぽんぽんと集金したよという判こを押して国民年金をもらっているというようなケースもあるようです。
 だから、もう全くお金と記録を結び付く管理を一切していない。昔で言う八百屋の銭かご、銭箱のような管理しかなされていなかったということ。
 それから、基礎年金番号を統合する時点で、統合のエンドだけ決めて、慎重に統合するという作業を一切していなかった。とにかく、定められた期限に間に合えばいいといういい加減な気持ちだけでいい加減なデータ入力をしたということが最大の原因と思っております。
#113
○福島みずほ君 中村参考人、いろんな様々な問題が今起きているわけですが、やっぱり何が問題だったというふうにお考えでしょうか。
#114
○参考人(中村美津子君) 中村美津子です。
 もう怠慢ですよね。仕事していません、社保庁は。もう本当に給料泥棒そのものだと思います。だから、もう残業代なしで、ボーナス返上で、今までの社保庁長官、税金もう全部国に、今までのその報酬を国に、もう国庫に入れる、そのぐらいして徹底的にもうやってほしいという、それだけです。もう怠慢です、社保庁の。それだと思います。
#115
○福島みずほ君 廣瀬参考人にお聞きをいたします。
 これからどうしたらいいのか。例えば、中村参考人や梅原参考人のようにそもそも記録がない方がいらっしゃる。それからもう一つ、オンラインの記録自身がでたらめであるという場合も考えられる。ですから、元々のマイクロフィルムと台帳とオンラインの記録を突き合わせるなど根本的にやらないと、幾らコンピューターをこれから一年間動かしても、間違ったデータでやっても全然解決付かないんじゃないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
#116
○参考人(廣瀬幸一君) 廣瀬です。
 五千万件、一年でやるというのはちょっとかなり危険を伴うと思います。単なる作業としてどんどんつなげるというんだったらスピードアップしてやればいいんですけれども、恐らく、その中のある一定の部分が非常に困難な部分があると私考えているんですよ。
 つまり、単純に読み方の間違いだとか、モリタニとモリヤの違いだとか、私のコウイチとユキカズの間違いだとか、比較的そういうのはやっていけば何とか整合性つながるという部分はあるんですけれども、全然、本当に壊れている部分というのもかなり私はあるんじゃないかなというふうに考えていますんで、非常に難しいかなと。
 今現に、今もその五千万件に入っているような、何というか、確かに先ほど、基礎年金番号ができてからはどうかという、さっき質問がありまして、非常にトラブルが少ないというようなことがあったんですけど、私、今年に入っても基礎年金複数持っている人を随分まとめる手続やっているんです。やったんですよ。
 これ、ちょっと現物を持ってきたんだけど、これ年金手帳記号番号登録処理票といって、両方の番号が二つあるのをまとめる作業、事務的には簡単なんですけれども、要するに両方持ってきてくれれば問題ないんですけれども、基礎年金が二つあるというのもあるし、基礎年金以外に別の番号があるというのもあるし、かなり、ある一定の何割かは難しいのが残っているんではないかなと、そういうふうに推定しますので、それをどうするか。かなり進むことは進むと思うんですけどね、そういうふうにやれば。だけど、かなり残る。それがどのくらい残るか、私も分かりません。行政の人が一番それは、PCの内部を見ているんだから、一番分かるはずです。
 以上です。
#117
○福島みずほ君 原田参考人に、どうすればいいのか、廣瀬参考人に聞いたことと同じことをお聞きします。
#118
○参考人(原田朋之君) 五千万件の記録のことに関することだと思うんですが、やっぱり、確かにその受給者の方というのは余り時間を掛けてほしくないということもあるかもしれませんけれども、少し時間は掛かってもきちっと確実なものにしていくと。期限だけ決めて手法を決めていないようなことでは全く、またその中から誤った記録が発生する。それにふたをして、何十年か何年か後に、また同じその中から何千万件誤った記録が出ていましたというようなことはないようにはしていただきたいと思います。
#119
○福島みずほ君 年金制度はどうあるべきかって、ちょっとテーマが大きいんですが、廣瀬参考人、年金制度に対する安心、安全というためにはどうあるべきかということについてお聞かせください。
#120
○参考人(廣瀬幸一君) 廣瀬です。
 年金制度は、大きく分けて国民年金と厚生年金、それから共済年金、これは厚生年金とほぼ似たような仕組みと、大きなのが二つあるんですけれども。
 これ、今トラブル、今日のは国民年金のことに多く触れておるんでありますが、国民年金の場合、各個人にいろんな事務的な負担を負わすというようなことはやはり無理がある。やはり、基礎的な部分は様々な手続、つまりいろんなイベントが、人生のイベントがあったたびにいろんなことをしなくては、手続を出向いてしなくてはならないというのは、もうこれはトラブルの一つの原因であるから、ここをすっきりさせるような方向に持っていくべきであると、まずはそのように考えます。
 厚生年金は、これはかなり複雑、実際この過去二十年ぐらい見ても、実はかなり複雑になっちゃっているんですよ、前よりも。今、賞与の報酬なんかも入力して、それを複雑な形で計算に反映させますから、これをどうするかというのはかなり大きな問題で、長期的ないろんなことを考えなくてはいけないと考えております。
#121
○福島みずほ君 江原参考人にお聞きをします。
 今日の参考人の皆さんの話も、当事者の皆さんの話もそうなんですが、物すごく当事者が苦労しなくちゃいけない。あるいは、申請主義という根本的な問題もある。先ほど、江原参考人自身が委員としていろんな方を救っているというか、ケアしてサポートされていらっしゃるという話は大変感激したんですが、他方、そこまでいかないで亡くなってしまう人、あきらめてしまう人って物すごくたくさんいらっしゃると思うんですね。
 そもそも制度を、申請主義やいろんな点ももう改めるべきではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
#122
○参考人(江原靖幸君) 確かに、国のものは申請しないと受給できないという部分もあるかと思うんですが、例えば、ねんきん定期便等でこれからお知らせしていただけるという部分と、ターンアラウンドで五十八歳になったときに、あなたの年金はどこでどうって全部はっきり分かってきまして、我々が訴えたことはかなり導入されてきていますので、日本年金機構になったときにはプラスアルファそういうこともまた含まれるので安心なのかなというふうに感じております。
 以上です。
#123
○福島みずほ君 私の参考人質疑は十八分までで、あと三分ありますので、今日わざわざ来てくだすった中村参考人、梅原さん、一分程度、済みません、最後に言いたいことを話していただけますか。
#124
○委員長(鶴保庸介君) じゃ、中村正見参考人からお願いいたします。
#125
○参考人(中村正見君) 中村です。
 これは本当に私たちのがちゃんと直らなかったら、国民年金信用できません。年金積まないで自分のために貯金した方がいいよって若い人に言いたいです。信用できないです。
 以上です。
#126
○参考人(中村美津子君) 中村美津子です。
 本当に、私たちもそうですが、まだ分からない方、自分の、納めたのに年金が分からないって、もう消えちゃっているのが分かってない方も大勢いらっしゃると思うんですよね。私たちは、たまたま銀行の依頼で調べに行って初めて分かったんですけど、もうこれからもっと大きい問題になると思います。そのときまでにしっかりとこのシステムをつくっていただきたい、もうそれだけです。
 ありがとうございました。
#127
○参考人(梅原喜代江君) 梅原です。
 この際きちっと年金をしないと、国民は年金に対しての不信感がますます募って、若い人たちは年金というものに関心を持たなくなるんではないかと、それが一番心配だと思います。
#128
○福島みずほ君 ありがとうございました。
#129
○委員長(鶴保庸介君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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