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2007/03/20 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 文教科学委員会 第3号
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2007/03/20 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 文教科学委員会 第3号

#1
第166回国会 文教科学委員会 第3号
平成十九年三月二十日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         狩野  安君
    理 事
                大仁田 厚君
                中川 義雄君
                佐藤 泰介君
                蓮   舫君
    委 員
                有村 治子君
                荻原 健司君
                神取  忍君
                北岡 秀二君
                小泉 顕雄君
                中曽根弘文君
                水落 敏栄君
                鈴木  寛君
                西岡 武夫君
                林 久美子君
                広中和歌子君
                水岡 俊一君
                山本 香苗君
                鰐淵 洋子君
                井上 哲士君
   国務大臣
       文部科学大臣   伊吹 文明君
   副大臣
       文部科学副大臣  池坊 保子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡井 敏雄君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       門山 泰明君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       大島  寛君
       文部科学省初等
       中等教育局長   銭谷 眞美君
       文部科学省高等
       教育局長     清水  潔君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        樋口 修資君
       厚生労働大臣官
       房審議官     村木 厚子君
       厚生労働大臣官
       房審議官     白石 順一君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       小野  晃君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十九年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十九年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (文部科学省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(狩野安君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 去る十五日、予算委員会から、本日一日間、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
    ─────────────
#3
○委員長(狩野安君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務大臣官房審議官門山泰明君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(狩野安君) 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○有村治子君 自由民主党の有村治子です。
 おはようございます。今日は伊吹大臣及び文部科学省に、先日のこの国会における所信を伺った上で、予算の適切な執行という意味から質問をさせていただこうと思います。
 まず冒頭なんですが、伊吹大臣、敬愛しております。たしか当選させていただいて直後には、伊吹大臣というのは京都のおっかない先生だという、先輩だという印象があったんですが、五年近く前のことでしょうか、伊吹大臣が、難病の子供たちとその家族を支援するための寄附税制について税制改正が必要だと認識した駆け出しの私に、税制のプロ、厚生労働政策のエキスパート議員として実に的確なアドバイスをしていただいたことを思い出しました。難病など専門的な治療を求めて困窮する方々の声にならない声をしっかりと受け止めてくださった伊吹大臣の政治家としての優しさや、正義を見据えて目に見える結果を出される実行力のある政治力をまざまざと実感して、それまでの私の認識にあった京都のおっかない先生という印象は消えて、むしろ厳しくも優しいまなざしで深い洞察をされて、歴史の評価に堪え得る公正なリーダーシップを発揮してくださる頼れる先輩だという認識をするようになりました。そういう意味で、教育を最重点課題に取り組まれている安倍政権において、教育に対する安倍総理の最も大きい御貢献の一つは、伊吹大臣を文部行政のトップに任命されたことだと私は心から思っております。
 難題が相次ぐ重圧の中でかじ取りの一線に采配を振るっていただいていることに冒頭、心からの敬意と感謝を申し上げ、また文部科学省のスタッフの皆さんも、また文部科学省が支える教育の第一線で子供たちを日々はぐくんでくださっている現場の先生方のたゆまざる貢献をたたえ、惜しみないエールを送って、質問を開始させていただきたいと存じます。
 国民の期待も大きい伊吹大臣と御一緒に日本の将来を担う子供たちのことを論じ、ともに行動できることを誇りにすら思っておりますが、今日の質問は少々粗削りに聞こえるかもしれません。期待のある大臣だからこそ、直球でお返しいただけたら大変に有り難いという思いも持っております。
 まず最初に、教員免許更新制の導入と免許外担任の是正についてお伺いをさせていただきます。
 学校現場では、免許外担任による教育現場の負担がかねてから問題になっています。今、資料としてお配りいただいたものを見ていただけますとお分かりになりますが、免許外の許可、先生が自分の教科、免許を持っている教科以外の教科を教えるということが実は教育現場でまかり通っているという状況が見えてきます。免許外の許可はやむを得ない場合の一年限に限られて自分の専門以外の教科を教えられるというものですが、各県において毎年一定数が許可されている様子を見ますと、現状では抜本的な改善はなかなか容易ではないというふうに思われます。
 そこで、免許外担任の仕組み、いわゆる免外、免外と言われる部分の許可条件を伺いたいと思います。また、どのような教科担当の方がどのくらいの頻度でほかの科目を担当されているのでしょうか。免許外担任の許可状況をお知らせください。また、免外の事実は直接の利害関係者である保護者や子供たちに公表されているのでしょうか。
#7
○政府参考人(銭谷眞美君) いわゆる免許外教科担任につきましては、教育職員免許法の附則第二項において規定がございます。授与権者でございます都道府県の教育委員会は、ある教科の教授を担任すべき教員を採用することができないと認めるときは、当該学校の校長の申請によりまして、一年以内の期間を限りまして、当該教科についての免許状を有しない教諭が当該教科の教授を担任することを許可することができるという規定になっております。
 実際の教科別の免許状の免許外教科担任の許可の数でございますけれども、教科としては、中学校の場合でございますが、社会科とか外国語あるいは保健体育など、各教科に実はまたがっております。それから、免許外教科担任は、へき地等の小規模な中学校あるいは高等学校等におきまして、ある教科について当該教科の免許状を有する教諭を採用することが困難な場合に活用されているわけでございます。
 数につきましては、先生お配りの資料にもございますように年々許可件数は減少しておりますけれども、平成十六年度で、中学校で一万件、高等学校で三千四百件ほどあるという実情でございます。
 なお、教育委員会が免許外教科担任である旨を保護者等に知らしているかどうかということでございますけれども、これはちょっと私どもも把握をしていないわけでございます。個々の先生がどの教科の免許状を持っているかというのは、そういう情報提供というのは余りしていないんではないかなというふうには思っております。
#8
○有村治子君 免外、免外とよく言われるものなんですが、免外イコール免許外担任と言えば響きは真っ当に聞こえますけれども、実際には無免許の時限的合法化という仕組みのようにも解釈ができます。
 私が把握しているだけでも、例えば社会科の中学校の先生が突然、君は若いから英語ができるだろう、英語をやってくれというふうに言われて、そして御自身も英語に対するコンプレックスがある、どうやって教えていいのか専門的なトレーニングも全く受けていない中で教壇に立たなければいけないということで、そういう先生も大変かわいそうですが、そのような専門的なトレーニングを教科専門として受けていない方に一年間外国語を習わなきゃいけない子供たちも大変な不幸だと思います。音楽の先生が、家庭科がいないから家庭科も担任するということが起こっています。音楽の先生として立派であったとしても家庭科ができるとは限りません。
 先ほど銭谷局長がおっしゃったように、公立中学校で一万七百九十二件そして公立高校でさえ三千四百四十三件、平成十六年ではこの免外が許可されています。高等学校でも専門外の先生による教科指導があるというのは、正直、私としては驚きでございます。
 そもそも、なぜ免許外が頻繁に出てきてしまうのでしょうか。免外が常態化している地域にはどのような手を文部科学省としてこれから打とうとお考えなのか、教えていただきたいと思います。
#9
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生からお話ございましたように、高等学校でも免許外の教科担任の許可の事例があるわけでございます。特に高校の場合は、教科として多いのは情報という教科でございまして、新設の教科ということもございまして免許外教科の担任の許可件数が多くなっている事例がございます。ただ、他の教科についてもございますので、この解消はやっぱり私ども図らなきゃいけないと思っております。
 先ほど申し上げましたように、この免許外担任の事例は、一つには、やはりへき地等における小規模の中学校、高等学校におきまして、一部の教科について相当する免許状を有する教員を確保することが困難な場合の例外的措置であるというふうに思うわけでございまして、いわゆる小規模校における教科の先生方のバランスというのをやっぱり考えていく必要があると思っております。
 それからもう一つ、これは私どもは非常に好ましくないと思っているんでございますけれども、各先生方の持ち時間の調整ということを目的として、言わば持ち時間を平準化するために、ある先生に免許外担任といったようなことをやらせるといった事例がないわけではないわけでございますので、そういった点についてはその解消を図るべく、これまでも通知等により都道府県教育委員会を指導してきたところでございますけれども、この点は私ども、引き続きそういう解消を促していきたいというふうに思っております。
#10
○有村治子君 今の御指摘のように、学校規模が小さくなることが免外が乱発される要因との指摘もあります。適正規模の維持が必要となるでしょうけれども、それでも、これを見て、この表を見てみますと、下の方の大きな表なんですが、北海道では今でも千九百十一の免外が出ている。青森県、岩手県、福島県、そして、へき地へき地とおっしゃいますけれども、私の中ではへき地という感覚がない岐阜県とか兵庫県、京都府においてもこのようなことは起こっております。
 そういう意味では、今おっしゃったように、担当するこまを平準化させるため、あってはいけないことだけれどもそういうことが起こっている、それをどう具体的に解消されるおつもりでいらっしゃいますでしょうか。
#11
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生お話ございましたように、私ども、これまで教員の定数改善等を通じまして免許外教科担任の許可件数を減らす努力を一つはしてきたわけでございます。
 ただ、学校の小規模化がかなり進んでおりますので、残念ながら、へき地等におきましては、どうしてもそういう免許外教科担任の事例が出てくるというのが一つございます。これにつきましては、学校の適正規模等の問題を考えていく必要があろうかと思っております。
 それからもう一つ、教員の勤務時間数の平準化を皆で図るという意味で、免許外教科担任を認めていくというような事例が先ほど申し上げましたようにないわけではないわけでございまして、これにつきましては、平成十四年に通知を出してその点を明確に示して指導を行っているわけでございますけれども、引き続きこの指導を徹底をしていくということを考えていかなければならないと思っております。
#12
○有村治子君 やはり、教員定員数ということの関係があるということを私がヒアリングをさせていただいた何人かの方もおっしゃっているんですけれども。
 伊吹大臣にお伺いしたいと思います。
 この私が今日提示させていただいた表をごらんになっていただいてお分かりになりますとおり、この免許外担任、免外が一件も起こっていない正常な段階が続いているのは東京都一都のみでございます。首都東京だけは免外ゼロという状況です。東京と地方、あるいは親御さんの経済力の違いによる教育格差が指摘され社会問題となる昨今、教育再生会議でも検討されているようですが、授業数の是正をするだけではなくて、やはり公教育における授業の質の向上を図ることは絶対不可欠なプロセスだと私は考えております。
 ですから、授業数を多くすればいいというだけではなく、まず授業を担当していただく方が、しっかりとその教科の専門性を持った方であるという当然のことが守られなければならないと思います。公教育における授業の質を担保するためにも、現行のいわゆる免外、免許外担任の乱発、追認に代わって、当該教科の免許を持った先生を非常勤、時間講師としてでも新たにしっかりと補充をして学校現場を安心させるということは、親御さんにとってもお子さんにとっても、また地域にとっても大事なことだと思いますが、その是非について御意見を承ります。
 また、その是非が、正しいことだというふうにおっしゃっていただくならば、その是非、是正実行のめどをお知らせください。
#13
○国務大臣(伊吹文明君) おっしゃっていることはみんな正しいと思います。しかし、正しいことをやるにはなかなか大変だということですね、現実は。
 いただいた資料のように、中学校で約一万、高等学校では三千、いわゆる免許外担任というものがあります。これは参考人が申しましたような事情ももちろんあると思います。それから、先生がおっしゃったように、東京がゼロだというのは、交付税をもらわないほどの財政状況を確保しているというところに大きなやっぱり原因があると思います。
 そこで、これは文部科学省としては非常にもどかしいことなんですが、教員の任用ですね、学校の設置というのは文部科学省が直接は関与できません。あと、精算払い的に三分の一ぽっちの人件費の補助を中学校にしているという現状です。ですから、本来はやはり任命権者である各教育委員会が長期的な視野に立って、専門の教科を考えながら採用数を調整していくというのが、現状ではそれしか方法はないわけですね。そうしてほしいということを、まあ指導という言葉が地教行法に書いてあるんだけれども、指導してそのとおりしてもらえなければそれまでの言葉なんですが、そういう状況ではありますけれども、計画的に採用を、各教科の専門家の採用を考えながら長期的に自分たちの、任命権者が持っている先生方、先ほど言ったこまの数と教員の数を合わせながら調整していくという、これは人事政策上の、採用政策上のマジックのようなことをやらないといけないわけですね。
 ただ、一つ運がいいというのは、いよいよ団塊の世代の教師の人たちが職を離れていきますから、ここで各教育委員会の知恵の出し方、感性の示し方のチャンスでもあるわけです。
 ですから、今おっしゃったように、専門的な教師に教えてもらって授業の質を高めていくということは、これは一番大切なことですから、今御指摘のあったようなことをできるだけ減らしていくように、採用の計画的な、バランスの取れた運用をしていくように促していくということですし、将来的には、予算がある程度できれば予算のインセンティブを与えていくということもまた可能になると思いますから、そういう努力も私はしてみたいと思います。
#14
○有村治子君 大臣のお言葉、しっかりと受け止めます。ありがとうございます。
 敗戦を喫した終戦直後で、専門のバックグラウンドを持ってない方が、青空の下、次世代を担う子供たちの教育をするということはあってもいいと思いますが、今、終戦から六十二年ということで、先進国の中でもトップを走るような日本が、教師として教科担任として専門のバックグラウンドを持ってない中で、その人たちに一年間教育を受けなきゃいけない生徒や保護者は不安を感じていると指摘されている教育関係者も少なくありません。
 そういう意味では、やはりこの事実そのものも公表して、今日は財務省の文部科学担当の優秀な主税局の方もいらしていただいていますので、やはり教員定数の是正などは、こういうことがあってもいいのかというふうに民意をどんどん問い掛けていくような情報公開を徹底して、私たちは、先生方の質、先生方が安心して教科に全精力を全うできる、人格形成に全うできるような環境をともにつくっていきたいと心から願っております。
 現在、首相のリーダーシップの下、国会提出が予定されている教育三法改正のうちの一つを成す教員免許制度については、今その制度設計の最終段階であろうと理解しております。詳細はその法案が出されて審議をさせていただくときに議論できるとは考えておりますが、現在の懸念をこの制度設計の最終段階に是非生かしていただきたいと願い、問題提起型の質問をさせていただきます。
 一般的に、教員採用、先生方の就職のときには複数の教科の免許を持っている方が有利と言われます。しかし、実際には、複数の免許を持っていても、専門教科のほかに別の分野の授業を受け持つことになると、その分、例えば国語を四クラスで持って、それぞれの単位を一週間ごとにやって、それとは別に英語を別の学年で一クラスだけ持たされるということになると、その分の準備でエクストラに増える仕事を負担に感じる先生方も少なくないと聞いております。
 複数の免許を持っている方が、複数の教科を教える負担感から、免許更新時に得意分野以外の免許を更新しないおそれもあるのではないでしょうか。ある意味確信犯的に、もう嫌だと、おれは国語だけでいいんだということ、こういうことが常態化すれば、なお一層いわゆる免外の乱発が起こり、免外の比率が高まってしまうおそれがあると考えられます。これに対してどういう認識をお持ちでしょうか。
#15
○政府参考人(銭谷眞美君) 今、私どもで免許更新制等を内容とする教職員免許法等の一部改正案につきまして検討を進めているところでございますけれども、免許更新制につきまして、その基となりました昨年八月の中央教育審議会の答申においては、複数の免許状を有する方の免許状の更新につきましては次のように記載をしているところでございます。
 まず、更新講習は、その時々で共通に求められる教員として必要な資質能力の刷新を図るものであること、そういう観点から、仮に各免許状ごとに講習を課す、複数の免許状ごとに講習を課した場合は、免許状の保有者に過重な負担が掛かり、複数免許状の保有促進に逆行することになると。こういった観点から、複数免許状の保有者につきましては、一つの免許状につきまして更新要件を満たせば、他の免許状の更新も可能とすることが適当と、こういう答申をいただいているところでございます。
 文部科学省としては、こうした答申の内容を踏まえまして、免許更新講習の具体的な制度設計を進めていきたいと、こう考えているところでございます。
#16
○有村治子君 ありがとうございます。
 今局長が御説明いただいたのは、免許更新時に複数持っていると複数の更新関係をしなきゃいけないというのは望ましくないから、一つの免許を持っている方と同じように対応していきたいという趣旨を理解しましたけれども、私の質問はそれ以上踏み込んで、やっぱり大変だと、もう確信犯的にその免許の更新、今までは二教科持っていたけれども、一教科落としたいというふうに信念を持ってしまうことが出てくるというふうに、実は現場からの指摘も既に出ているんですね。それに対して、最終設計段階だと思いますから、このことをしっかりと生かしていただきたいという問題提起なんですが、いかがでしょうか。
#17
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま申し上げましたように、免許更新及びその更新講習というのは、教員に共通に必要な資質のリニューアルを図るということが一つのねらいでございますので、複数免許を持っている方は、極端に言うと、例えば一番直近の免許の更新ということで他の免許状の更新もこれはできるというふうな、そういう制度設計にしたいと思っておりますので、複数免許を持っている方が全部の免許について更新講習を受けなきゃいけないとかということにはならないように考えております。
#18
○有村治子君 済みません、ちょっと議論がかみ合っていないような気がするんですけれども。
 複数持っている方が、もう信念として一教科しか更新したくないというときに、それは可能なんでしょうか、それとも二教科持っている人は絶対に二教科更新をしなきゃいけないという制度になるような検討がなされているんでしょうか。
#19
○政府参考人(銭谷眞美君) 一つの免許状について更新をすれば、他のその方が持っている免許状は全部自動的に更新をされるということになります。
#20
○有村治子君 ありがとうございます。
 やはり複数の免許を持って、それを活用して職責を全うしている先生方には相応の評価があるという信頼を定着させなければ、免外がこれからもはびこることになりかねないのではという懸念を持っております。今、最終設計段階だと思いますので、その辺はフェアに、努力する先生方がしっかりとした賞賛や評価が得られるという制度に全力を尽くしていただければ大変に有り難いと存じます。
 次に、給食費の未納問題についてお伺いをさせていただきます。
 本年一月に調査結果が公表されましたが、昨年末行われた文部科学省による学校給食費の徴収状況に関する調査では、給食費の未納者のいる学校が四割を超えました。小学校では四〇・四%、中学校では過半数五一・二%になっています。未払の大半は経済的な困窮が原因であろうという大方の予想に反して、その未払の原因をつくる過半数は保護者の規範意識の欠如によるというのは大きな社会問題だと認識をしています。
 報道によれば、給食費未払の総額は二十二億三千万円に達し、その内訳を見ると、保護者の規範意識の欠如による未払が全体の六割を超えていると指摘されています。学校給食法では、学校給食費は保護者の負担とすることが明記されており、未納問題を解決するためには、やはり受益者負担の原則を貫くことが大切だと思います。
 この報道を受けて、不公正にしっかり対処してほしいという民意も出てきました。
 今、私は、この七月の選挙があるために、選挙区である全国を回って皆さんと意見交換を重ねておりますけれども、給食費未納問題について、不公正をほっておくなという指摘も度々なされます。間もなく統一地方選ということで、先日栃木県にお伺いをしまして県議会候補予定者の決起大会に行きました。そしたら、そのときに支援をしていた有権者の代表としてマイクを持たれた方が、私は給食費未払に毅然と対処をしてほしい、そのために私の一票しかないこの票をこの人に投じるんだという有権者の声をおっしゃっていまして、なるほどなと考えさせられました。社会の不公正に対して毅然とした態度で臨んでほしいというのは、行政や政治を信じて生活したいと願う納税者、有権者のとても大事な民意だと認識をしております。
 この給食費未払については、読売、朝日、日経等の全国紙、東京新聞等の有力紙でも、社説などで、経済的困窮以外の理由で子供の給食費を払っていない親を強く糾弾されています。
 例えば、一部御紹介をさせていただきますと、朝日新聞は社説において、問題は経済的な余裕があるのに払わないと見られる保護者が半数を超えることだ、住宅や車のローン返済を優先させたり、義務教育だから給食も無償だと言い張ったりする人もいるという、子供にきちんと食事をさせることは親として最低の義務である、給食費を払えるのに払わないのは親として失格というほかないと、厳しく言われています。また、読売新聞では、実力主義の競争社会で自分さえよければいいとの考えが広がっている、給食費を払わなくても、学校が子供に給食を食べさせないことはないと見越しているなどの指摘があると報道されています。また、東京新聞では、数万円の携帯電話料金は払っても月額平均四千円前後の給食費を払わないケースがあると紹介しながら、給食費は無料が当然だ、NHK受信料も払わない人がいるからなどと平然と拒否する親もいる、身勝手とも言われる若い親の世代特有の意識もあるかもしれないが、これでは子供のしつけができないなどと、それぞれの新聞もかなり厳しく、いわゆる確信犯の未払については強く糾弾をされています。
 現在のところ、今御紹介申し上げましたように、給食費が未払であったとしても子供の給食が止められることはなく、その未納分はまじめに納金をしている人々が肩代わりをしている形になっています。未納分を穴埋めする都合、一人一人の給食に本来向けられるはずの予算、単価を下げて、他者の未納によってその単価を下げてしまうという現状が起こっています。経済学的に言えば、善意の制度にフリーライダー、いわゆるただ乗りが生じており、経済学で言うところのモラルハザード、道義、倫理的責任を確信犯的に犯す人々を許してしまっている現状があります。
 貧困家庭への支援は、社会の安全網として引き続きしっかりと温かい制度を堅持すべきだと私も考えております。困窮家庭とモラルハザードゆえの未払は明確に峻別して、その上で正直者がばかを見ることがないような制度設計と運用を実現して、納税者の信頼を回復しなければならないと思います。
 そこでお伺いします。社会的に関心の高い給食費未払問題に対して、具体的にどのような制度設計や対応策が現実的で、かつ説得力を持ち得ると考えていらっしゃいますか。
#21
○政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。
 学校給食費の未納問題でございますが、これは、学校給食の実施主体でございます市町村の教育委員会が学校と密接に連携を取りながら対応することが何よりも重要であると私ども考えているところでございます。今回の未納問題の調査におきまして、教育委員会の関係職員が保護者への説明やあるいは督促に対応している割合はわずか八・七%にとどまっているということで、学校側の負担が誠に大きいものがあるわけでございます。今後、市町村教育委員会が、まずは未納状況をきちんと把握をして、有効な支援方策をこの給食実施者として講じていくことが求められると思うわけでございます。
 また、御指摘の調査におきましては、保護者としての責任感あるいは規範意識に問題があって未納に至っているという回答が六〇%を占め、保護者の経済的な問題というものが約三三%という結果であったわけであります。この調査結果を踏まえますと、まず第一には、今先生御指摘のように、親の責任感、規範意識に起因する未納問題に対してどう対応するかと。これについては、まず学校と教育委員会が密接に連携をしながら、まず学校給食の意義と役割ということについて保護者の方々に十分認識していただくような周知、啓発を図る必要があるだろうと。それでも未納の保護者に対しては、きちんとした説得と督促を行うことが重要であると。それでも支払わない保護者に対しては、やはりこれは支払の申立て等、簡易裁判所等に行う等の法的な措置も講ずることを検討することもやむを得ないと考えているわけでございます。
 また、この未納問題の背景に経済的な理由を挙げられた方も三割程度おられるということで、私ども、この経済的な理由で未納となっている方々に対する対応としては、これは市町村における就学援助措置というものを引き続きこれ充実をしていただく必要があろうかと思うわけでありますが、残念ながら、生活保護でありますとか就学援助制度の適用を受けているにもかかわらず他の出費に充ててしまっている保護者がいるということも報告をされているわけでございまして、学校給食費相当の就学援助費というものを直接学校長に交付をいただくということも一つの有効な方法と私どもは考えているところでございまして、こういった内容を盛り込んだ通知を本年一月二十四日に各教育委員会に対し発出をさせていただいたところでございまして、この通知に盛り込みました効果的な事例等を参考にしていただきながら、地域の実情に応じて未納問題の解決に向けて教育委員会のお取り組みを促してまいりたいと思っているわけでございます。
#22
○有村治子君 ありがとうございます。
 今の答弁をいただいたように、貧困家庭、貧窮家庭へ支給される生活保護費には、教育扶助という観点で学校給食費も援助の対象になっています。この給食費は、責任感が欠如してほかのことに、子供の、我が子の給食費をほかのことに使ってしまう親に渡すのではなく、やっぱり直接学校に支払われる仕組みを徹底していただいて、文部科学省を始め日本の行政は社会の不公正に対して、フリーライダーにはしっかりと対応していくんだという姿勢がより多くの方々に見え伝わる、そういうメッセージが伝わっていくことが大事だと思いますので、引き続き全国で起こっている給食費未納問題の解決に成功したよい学校の例、ベストプラクティスを紹介していただくなど、地道な対応を取っていただけることを心から願っております。
 次に、新たな質問に入らせていただきます。産科医、小児科医不足について、主に大臣にお伺いしたいと思います。
 産科医、小児科医については、その過重な職務の負担と、それから命にかかわることが多いので訴訟リスクが多いとの原因で、深刻な医師不足が顕在化しております。また、研修医の時代に産科医、小児科医の激務それから大変なリスクということを実感して産科、小児科を敬遠して、また現在、産科、小児科でいらっしゃる勤務医の方も開業医に転職してしまう現象が起こっています。産科医の先生であっても、うちは分娩を取り扱わない、いわゆる検診だけだというふうな限定をされている開業医の先生方もいらっしゃいます。
 最近の報道でも、埼玉県の草加市では、年間九百件のお産を扱っていた市立病院が医師不足によって、施設はそこにあるのに先生がいないからこそ、二年前から産婦人科の分娩を休止しているという状況が続いています。せんだっての十五日の中川義雄理事の質問でも指摘されましたが、地域医療従事者、医師不足が顕在化している特定科目、まあ産科と小児科を増やすための目に見える実効力がある取組を打ち出す必要があると私は認識しています。
 少子化対策を充実すると安倍総理が言われても、安心して産める病院が近くにない出産難民という言葉がはびこって全国的な問題となり、子を育てようとする思いの人々を困惑させていることも事実です。この窮状に対して、病院や医師を所管する厚生労働省、自治体を所管する総務省、医師になろうとする学生を所管する文部科学省が協力、連携をされ始めたことは大変な朗報だと思っています。しかし、まだまだ具体的な展望が見えていないというのも実感でございます。
 私が去年の九月まで担当させていただいた文部科学大臣政務官の時代にも、二県の知事から直接陳情をいただきました。なぜ文科省の政務官に知事が自ら赴かれて陳情をいただくのかというのは、正にこの産科、小児科医不足というのが厚生労働省だけでは解決しないという認識を持っていらっしゃるという表れだと思います。
 地域医療従事者を確保するために、既に地方自治体においては、大学の医学部と連携し地域枠の設定をしたり、あるいは奨学金支給による対策が実施されています。私もその奨学金の一覧を拝見させていただきました。しかし、毎月十万円を貸与する、そして卒業後その奨学金をいただいた年限と同じ数あるいはその一・五倍はその都道府県にとどまらなきゃいけないというくくりをつくっても、医師が一生のうちに稼ぐ給与という生涯賃金という点においては、このような毎月十万円の貸与というだけでは十分なインセンティブにはなっていないという奨学金の一覧でございました。
 そこで、産科、小児科に特化して、そのお医者さんになろうとする家庭で掛かる医師養成コストの全額を面倒見るというような大胆な奨学金の創設があってもいいんじゃないかということを私は文部科学省の省議でも申し上げさせていただきました。しかし、それは現実になっておりません。
 そんな中で、先日、千葉県では、千葉県内に病院を置く東京都内の私立大学医学部と連携をして最大三千二百万円まで、言ってみれば医学部在学のために必要な額をほぼカバーできる金額です、三千二百万円まで県から奨学金として出すことを決めたとの報道がなされました。私の印象の中では比較的医療事情が良いと思われる千葉県でさえ全国に先駆けてこのような奨学金を打ち出したというのは、さすが千葉県だとも思いましたし、千葉県でさえこういうことをやっているのにという思いにも駆られました。安倍内閣は子育てフレンドリーな社会を目指すとしています。医療拠点の集約化を唱えるだけでは、産科、小児科不足の解決策、決定打にはなっておりません。
 そこで、大臣にお伺いします。
 全国的に弊害が顕在化している深刻な産科医、小児科医不足の解消に向け、千葉県の実例のように、医師養成のコストほぼ全額を担うような実効力のある大型の奨学金制度を打ち出す提案について、医師を養成する大学を所管する文部科学省の取組あるいは大臣の御所見を伺いたいと存じます。
#23
○国務大臣(伊吹文明君) なぜ産科医、小児科医にならないのかという原因は少しやっぱり考えてみないといけないと思いますよ。
 それは、基本的に産科は異常分娩以外は診療報酬の対象になってませんね。そして、少子化時代において産科、小児科は、残念ながら対象になる患者さん、つまり医師からいうとトータルの収入が非常に少なくなってくる分野なんですね。それに加えて、勤務条件が先生がおっしゃったように非常に厳しい。分娩については、医師の瑕疵がないけれども訴訟に持ち込まれる事案がかなりあるということを考えると、奨学金というのはいずれ返さないといけないわけでしょう、ですから、奨学金を増額したから産科医、小児科医になる人が出てくるかどうかということは少し私は検証をする必要があると思いますね。
 それよりも大切なことは、診療報酬上この科目の医師について今以上の優遇をするということがやっぱり基本的に私は大切だと思います。それから、異常分娩じゃない分娩について、これ病気ではないですけれども、少子化対策上、これを診療報酬表の上でどう取り扱うかということは、これは大きな検討課題で、諸外国においても社会保険の対象になっている国もあるんですね。そういうことも考えなければならない。
 そして、各県がやっているように、いずれ奨学金を、各県が出している奨学金のように、奨学金をもらえば自分のその県にもう一度戻ってくるという人たちに掛かる金利の負担などは交付税で見てあげるとか、そういうことは、やるということは大いにいいと思います。
 国が今先生がおっしゃったような医学部全体についてこの措置を講じた場合、県をやっぱり特定しなければなりませんね、東京都だとか名古屋周辺とか近畿あるいは札幌周辺、仙台、福岡、これほっといたって医学部へ来る人たくさんいるわけですから。だから、少し内容について、一番最初、御質問のときにやや粗っぽいとおっしゃったけれども、私も直球で御答弁をしておりますけれども、各省いま少し、先生が言ってくだすったようにお互いに議論をし合っていい案を出そうじゃないかということになっておりますから、今おっしゃった御提言も一つの提言として受け止めて、ただしこれはやっぱり地域性を持ってやらないと駄目だと思いますから、一つの御提言として受け止めさせてください。
#24
○有村治子君 ありがとうございます。
 粗削りとは御指摘のとおりでございまして、私が意図していたのは、たとえ、例えば三千万前後の、産科医、小児科になるドクター数件分でもいいんです。何人分、国として十人をこういう制度を打ち出したといいましたら三億でございます。たとえ数例でもいいんですが、今までにはなかった視点で、文字通り枠組みを超えて国家的課題に挑戦して、課題に向けて文科省も総務省も厚労省も進化しているんだという姿勢を見せていただきたいということなんです。
 例えば、私の出身の滋賀県の彦根市でも、市民病院の産科の先生が三人いたんですが、そのうちの一人が京大に戻られることになった。そうしたら、その指導を受けられないということで、若手の三十代の方も、この病院では指導が受けられないということで退職をせざるを得なくなった。結局一人しか産科医が残らないという状況の中で、その地域のセンター的な機能とされていた彦根市でも大変な問題が今起こっておりまして、これは医療関係者のみならず、また産みたいと思う若いお父さん、お母さんのみならず、大きな争点にもなっています。
 この状況に対して、今連携をし始めました、交付税措置も考えていますという総務大臣の答弁も、先日の読ませていただきましたけれども、そこで何をするのか。多分、十年後も二十年後もますます産科医というのは少なくなっていくという状況の中で、今手を取り合って立ち上がっていく、そういう姿勢の安倍内閣なんだ、伊吹文部科学大臣の体制の文科省なんだというところを国民は感じたいというふうに思っておりますので、粗削りながら是非選択肢の一つとしてそのポジションを上げていただければ有り難い、たとえ三件でも有り難いと思っております。
 さて、次の問題に入らせていただきます。
 北方領土の学校教育における取扱いについて質問をいたします。
 今から二年前の平成十七年三月の参議院予算委員会、またこの文教委員会において、教科書における北方領土の記述について質問をさせていただきました。
 史実としては、日本とロシアが下田で日露通好条約を締結して以降、一貫して百五十年以上北方領土は日本固有の領土であり、また第二次世界大戦の終戦後に当時のソ連が不法に占拠したというふうに認識をしておりますけれども、二年前、当時中学校で使われていた教科書の記述には、第二次世界大戦末期に占領と、史実と違う記述や日本政府の見解と異なる記述をしていた教科書が複数ございました。
 これについて、当時の小泉総理と中山文部科学大臣などに質問をさせていただいたところ、この国会質問が産経、読売、毎日、朝日、全国紙四紙を始め北海道新聞などにも報道されて、不適切な記述をしていた教科書会社二社がその記述を訂正申請されたと認識をしています。史実に照らし合わせて国会で質問を展開し、世論の関心と支持を得られることがあれば教科書記述も正常化するんだということを実感した、私自身にとっても大変学びの機会をいただいた経験でございました。
 と同時に、このNHKでの参議院予算委員会の質疑が全国で放映された途端に、全国各地からいろいろなフィードバックをいただきました。その中のフィードバックで一番多かったものは、北方領土といえば右翼の問題だと思っていた、そうじゃないということが初めて分かったというのが最も多いフィードバックでございました。
 この現状をかんがみて、やはり北方領土を始めとする領土問題の啓発はまだまだこれからやるべきことが一杯あるなということを痛感した経験にもなりました。
 昨年十二月、高市沖縄北方担当大臣は、教育現場における北方領土教育の現状等について、現職の教諭など五名の教育関係者と意見交換をなされました。総じて北方領土問題に対する意識が低く、教え方が分からない教師がいるという御意見や、北方領土に関する記述が教科書には少なく、十分な授業時間を取ることができないため、生徒や親の意識も低いといった意見が出されたと伺っております。
 また、高市大臣は、今年一月、伊吹大臣を訪ねられ、北方領土の歴史的背景を含めて、国家主権にかかわる重要事項として授業で扱うよう指導要領に明記してほしいと要請され、教員研修の充実も求められたとされています。高市大臣から伊吹大臣に行われた北方領土に関する学校教育の充実に関する要請を受けて、実際には何がどう変わるのでしょうか。大臣、教えていただきたいと存じます。
#25
○国務大臣(伊吹文明君) 高市さんが来られておっしゃったのは、先生が今るるお述べになったことを私におっしゃいました。
 我々はついつい誤解しがちな、その誤解のままの教科書があったということは今おっしゃったとおりなんですね。ポツダム宣言を受諾して、スターリンもその中にいたわけですから八月十五日が終戦の日なんですけれども、当時のソビエト連邦には終戦記念日は八月十五日じゃないわけですよ。ですから、これは非常に国際法上誤った記述がそれに、だから終戦日以前にというのは正にそのことなんですね。つまり、八月十五日以降に北方領土を占拠しているわけですから。
 そのような歴史的事実そして主権が日本の国にあること、そして特に地図の作り方等について正確を期してもらいたいと、それと同時に、それを教える先生にもそのことを十分理解した上で教えるように指導してもらいたいと、こういうことでした。
 これは、今まで我が省が指導要領に書いていること、あるいは教員に申し上げていること、指導要領にのっとって作られている教科書、先生の御指摘で直したところもありますけれども、どおりやってくれればそんな心配というか御不満が起こるわけはないんですよね。
 ところが、残念ながら、そのとおりのことが必ずしもきちっと教えられていないということがありますから、今、改正教育基本法を受けて、中教審の教育課程部会で、国家社会の形成者としての資質を育成するという観点から、我が国の領土、国土の地域構成などをも確実に国民に定着させるという観点で検討を行っていただいておりますので、この法案をもう今月中に国会へ提出させていただきたいと思っております。可及的速やかに御可決をいただければ、これに従って学習指導要領を先生のおっしゃっている方向が更に濃密に出るように書き換えて、そして遺漏のないようにさせていただきたいと思います。
#26
○有村治子君 ありがとうございます。
 私がこの点に関心を持つようになったのは、せんだって高市大臣も行かれた北方領土返還要求全国大会の、二年前のときに、ビザなし交流で北方領土に行った沖縄県の那覇中学の女子中学生が、初めて領土の大切さを知った、だけれども、北方領土のことについて学びたいと思っても私たちの教科書にはほとんど書かれていません、もっと学びたいですという感想文を披露してくれて、それで私は触発されて、小中高の社会科教科書五十四冊を手当たり次第調べることになったんですけれども。
 例えば韓国は、その国定教科書において竹島、あちらで言う独島が、あちらの主張ではいかに韓国固有の領土であるのかというのをもう綿々と書かれた教科書、国定教科書で学んでいきます。それに対して日本は記述をしていないということで、韓国の隣人たちからこれは我が国固有の領土だと言われたときに、日本の子供たちはそうだともそうじゃないとも言えるだけの基礎が教えられていないというのは、戦いをしないで領土を守っていかなきゃいけない独立国家同士として、これは大変ゆゆしきことだと私は思っております。ですから、そういう意味では、是非、学習指導要領を充実していただいて、そしてそれが教育現場に反映されるようにお願いを申し上げたいと思います。
 具体的には、先生がおっしゃっていただきましたけれども、あえて一点、追加の質問をさせていただきます。教師用指導書についてです。
 実は、学校の教科書にもほとんど領土の記述は書いていませんけれども、それを教えなければいけない先生方のいわゆるティーチャーズマニュアル、とらの巻と言われるものですけれども、そこにも北方領土の記述は、私、実際手に取って何冊か調べましたけれども、ほとんど書かれていません。子供たちが教わる教科書と同じぐらい、二センチ掛ける二センチぐらいの記述がある程度というような、そんなものだったことを記憶しております。
 そういう意味では、教師用指導書は教科書そのものではないため検定を受ける必要はないですが、やはり学習指導要領が改められ教科書の領土に関する記述が充実する際には、指導書の記述もより深くなるべきだと考えます。というのは、そのことを余り教えられていない世代が、私たちの世代となって、今学校現場の第一線に立ってくださっているからです。
 教科書改訂の趣旨に即した指導書となるよう、教師用指導書における北方領土を始めとする我が国固有の領土の記述充実を訴えますが、それに対する方策について、伊吹文部科学大臣の御所見をお聞かせください。
#27
○国務大臣(伊吹文明君) 新しい学校教育法が立法府でお認めをいただければ、行政行為として指導要領を告示をいたしますので、それに基づいて作られる教科書、またその教科書について教科書会社が今先生がおっしゃった指導書を作るときに、それは新しい指導要領に基づいて作られるのは当然のことでありますし、そのように私たちとしてはお願いをするということでございます。
#28
○有村治子君 大変勇気付けられる答弁をいただいて、有り難いと存じます。
 私自身、領土の一部を失って黙っている国民は領土のすべてを失う危険を負うというドイツの法哲学者イエーリングの言葉を目にしたときから、領土問題に意識を致す国民を一人でも多くしておくことが、平時において、銃も要らない、血も一滴も要らない、戦わずして我が国の領土を守る、最も大切で、最もコストが掛からず、最も安全な外交安全保障政策だと思うようになりました。そういう意味では、平和的に我が領土を守るという、そんな意識を持った子供たちをはぐくむ一線にお力をいただきたいと存じます。
 次の質問に入らせていただきます。
 今日の資料をお配りいただけますでしょうか。
   〔資料配付〕
#29
○有村治子君 教科書無償制についてお伺いをします。
 この教科書の無償制度は、憲法二十六条に掲げる義務教育無償の精神を広く実現するものとして、義務教育段階のすべての児童生徒に対して教科書が支給されるものです。教科書無償の理念というのは終戦直後からあったんですが、教科書を無償にしたいという願いがあった一方、明日の教科書よりも切実な問題として今日の食料に飢えていた時代、当時の国会では、戦争で疲弊し切った国力がいずれ回復したときには教科書を無償にすることも考えたいという大変な答弁がなされていることを私も知りました。その後、経済的な困窮が理由で学校に行けなかった子供たちにも、せめて国語と算数の教科書だけは無償で与えてあげて、就学困難な児童でも教科書を手にすることができるような立法がなされて、ついに全教科、全員に対して教科書無償制が実現したのは昭和四十四年、今からたった三十七年前のことでございます。
 今年度予算においても三百九十五億円の予算、税金が投入されて、この四月には全国で一千百万人の児童生徒がまた新しい教科書を手にすることになります。昨年、イギリスの公立小学校を視察させていただいた際、その授業の中で小さな子供たちが二人で一冊の教科書を共有して、お互い貸し借りっこをしながら見て、そして子供が教科書を家に持ち帰れないという現実を見ました。改めて我が国の教科書無償制度のすばらしさを感じた次第でございます。
 教科書無償制度については、去年の歳入歳出一体改革の議論の中で、貸与制やロッカーに預ければいいんじゃないか、あるいはこれをお金を取った方がいいんじゃないかというようないろんな議論がなされましたけれども、私自身は、やはり日本が誇る制度としてこの教科書無償制は堅持すべきだと信念を持っております。
 そこで、私自身は文科省から何の要請があったわけでもなく、一人の読者として、また一人の政治家として、産経新聞にちょうど一年前に、教科書無償制の意義をしっかり伝えていこうという主張をさせていただきました。今日お配りさせていただいた資料でございます。
 これにはかなり反響もあったんですけれども、やはり今の子供たち、例えば中学校一年生ですと、一人当たり七千円以上のコストが掛かって教科書を無料で手にしています。そのほかの学年でも、大体三千五百円前後のコストが一人当たりに向けられています。しかし、今の子供たちがその教科書を無償で支給されることにどれだけの有り難みを持っているか、本当に有り難い、大切にしなきゃいけないという思いを持っているかというと、これは甚だ疑問でございます。
 そこで、やはり私は教科書無償制を堅持するのであれば、大事な大事な納税者の税金をお預かりしてそれを次世代の教育に向けていく、その一環として教科書を無料にするのであれば、その意義や、戦後大変な中から国語と算数だけはせめてという願いから始まった、この教科書無償制度の貴い戦後史やあるいは哲学というものもしっかりと今の世代の子供たちに伝えていかなければならないというふうに思っています。
 このようなことを教科書を執筆されている教科書会社の方々に、是非この現場の先生や地域や家庭で教科書無償制の意義が分かるように、そのことをいっそ教科書に書いたらいかがでしょうかという提案をさせていただきました。そして、教科書執筆会社の各社の方々もすばらしいボールを投げ返してくださいました。
 今日、私が今お見せしていますのは、今年の後半に使われる小学校四年生の理科の教科書の表表紙、裏表紙ですが、この裏表紙には初めてこのような文言が書かれるようになります。この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待を込め国民の税金によって無償で支給されています、大切に使いましょうという文言が初めて、教科書会社の方々の信念をもって、小学校では今年の後半の教科書から、中学校では来年、平成二十年度に使われる教科書から、全学年、全教科の教科書、一千百万人が手にする教科書に、義務教育段階の教科書に載るようになります。画期的なことだと思います。
 しかし、画期的なこととはいえ、しょせん一行でございます。やはり、私がこの教科書無償制がたどった経緯ということを、ある東北地方の県で十二人の校長先生、小中学校の校長先生と懇談をさせていただいた際、この教科書無償制度の導入の経緯や意義について知らない先生が多くいらっしゃいました。これでは、子供たちにその無償制の意義を理解してもらうことはできないと思います。子供たちに教科書無償制の意義を伝えるため、まず学校、教育行政関係者の理解を深めることが必要だと考えますが、具体的な方策はこれから実施されるでしょうか。
 特に、入学、進級をいよいよ来月に控えて、やはりこのように教科書は無償じゃなく貸与制にしたらいいんじゃないか、有償にすればいいんじゃないかという議論が与党の中でも起こっている今の時期に、この教科書無償制の意義を伝えることはとても大事なこと、戦略的にも大事なことだと思います。いかがでしょうか。
#30
○副大臣(池坊保子君) 有村議員がおっしゃいますように、無償制度を、無償の教科書が生まれたその背景と意義を子供たちがしっかりと受け取ることは大変大切だと思います。今義務教育ですと、保護者も子供も勉強を受けてやる、教科書はもらってやるというような風潮になっているかと思います。
 私たちの党の先輩が昭和三十一年に参議院選挙に出していただきましたときに、その当時はまだ家庭も貧しく、教科書を買う、そういうことができない家庭がございました。教育格差を生んではならないというその熱い思いの中で、子供たちに、すべての子供たちが新しい教科書で学ぶことができるように、その思いの中から一年ずつ努力をいたしまして、まず三十八年から実施され、四十四年にピリオドを打ちました。そして今日まで迎えております。
 今、豊かな時代になってきておりますけれども、当たり前ということは、これは決して当たり前ではないということを教える、その必要性は私も有村議員と同じでございます。御存じのように、こういうきれいな、入学おめでとうという、こういう袋に入れて子供たちに教科書を渡しておりますが、そのとき後ろにもちゃんと保護者の皆様方に、これは先輩たちがあなた方に懸ける夢と希望へのプレゼントですという意味のことが、もっと堅苦しくではありますけれども、書いてございます。入学式のときに、校長はきちんと子供たちに教科書を手渡します。そのときにもそのような旨のことを言うように指示いたしております。また、初中局の教育ニュースのメールマガジンでも、これは登録すればすべての方がごらんになれますが、この無償教科書の意義ということについても伝えております。
 これは、教科書はもとよりのこと、すべてのことにおいてそのたびごとに言っていくことが、私は道徳や規範意識や公共性を培うことになっていく、その積み重なりが必要だというふうに思っております。たったの三百九十五億なのですから、これを有償にしようなどというような貧しい精神は持たないように、財務省にもしかとお願いしなければならないと思います。
 私たち先達の人たちは、自分たちは御飯は食べられなくても教育には力をかしてきたから今の日本の繁栄があるのですから、有償になどというような精神であったならば尊敬されるような日本人にはなり得ないというふうに思っておりますし、貸与というのは、ついでに言わせていただければ、私は好きな教科書って今でも持っているんですね。娘も大切にしているんです。なぜかといいますと、それは懐かしいいろんな思い出が込められているし、アンダーラインなんか引いたりもしておりますの。ですから、これも貸与というのは絶対に駄目だということを付け加えさせていただきたいと思います。
#31
○有村治子君 ありがとうございます。池坊副大臣、御丁重な御意見を本当にありがとうございます。勇気付けられます。
 正に、今おっしゃった食べるものにも窮した時代から、日本の将来を切り開く教育にこそ投資をということで米百俵の精神で始まった教科書無償制度でございます。三百九十五億円しかとおっしゃいましたが、むしろ私は、三百九十五億円もの額に汗して納められた税金を使うのであれば、その哲学をしっかりと伝えていくということが大切な国民教育であり、子供たちに、僕たちの教育は本当に先輩たちの額に汗した税金によって支えられているんだということをしっかりと実感してもらって、そしてその子供たちも将来大きくなったら自分たちも頑張って働いて税金を納めて、その税金と思いと知恵を次世代の教育に向けることをよしとする国民性を継承していただきたいという思いでございますので、先ほど見せていただいた封筒は小学校一年生に配られるだけでございますから、やっぱり全学年で、本当に有り難いよね、大事に使おうよねということを全国各地の教室で語られるように徹底をしていただければ有り難いというふうに思っています。
 何か先ほどから、けちょんけちょんに財務省の主計局の方が言われているんですが、やはり財務省の方とて日本の財源をしっかりと健全にすることが将来に対する責任だという思いでやってくださっていること、その精神もたたえたいと存じます。
 次に、最後の質問になろうかと思いますが、最後の項目になろうと思いますが、宗教的情操と公立学校における宗教教育についてお伺いしたいと思います。
 改正された教育基本法の第二条では、豊かな情操と道徳心を培うと規定されています。教育基本法の改正案に宗教的情操の涵養を明記することは慎重な取扱いがなされました。特定の教義にかかわるというおそれが指摘されました。しかし、大臣も私どもも多くが心を痛めた、子供が本当に命をあやめるという事件が相次ぐ中で、やはり学校の現場において命の大切さをしっかりと教えていく上でも、日本人が持っている死生観を学んだり、あるいは数え切れないほどの奇跡が重なって生かされている我が命ということの豊かな情操、命に対する責任や尊厳ということ、道徳教育や宗教教育の果たすべき役割は大変大きいものがあると思います。
 そこで、最後の質問になろうと思いますけれども、宗教教育に当たって、現在公立学校の先生方は、何をやってもこれは宗教教育だという指摘をされるのがおっかない、怖いことには手を着けたくないというふうに、がんじがらめになっている状況があります。その中で文科省が大事だ大事だと言っても、なかなか難しいのが現状でございます。
 そこで、先生や子供たち、またそれを応援していく保護者の方々が自信と安心を持って命の尊厳などを教えられるよう、宗教に関係する教育については文部科学省が具体的なガイドラインを示す必要があると自民党の部会内外でも訴えられてきました。先生方、児童生徒を守るためにも大事なことだと思います。例えば公立学校において、例えばこういうことは是非奨励されて、ここはアウトだよというような具体案を示していかないと、そのガイドラインもなく手足は縛った上で宗教の重要さをしっかりと伝えていきなさいというのは、現実的には無理でございます。
 そういう意味で、是非、文化庁が所管する宗教法人、宗教者のヒアリングも、例えばお寺さんとか、お宮さんとか、あるいはクリスチャンの方々、日本にあるいろいろな各会派の方々にも聞いていただいて、やはり説得力、応用力のある教育現場への支援策、ガイドラインを早急に作っていただきたいと思いますが、大臣、御所見はいかがでしょうか。
#32
○国務大臣(伊吹文明君) 改正教育基本法は、御承知のように、その教育の目的の第二条のところに、豊かな情操を養うこと、それから生命を尊び、自然を大切にすることということを書いております。
 宗教一般については、どのような宗派であっても、やはり人間は今おっしゃったようにちっぽけなものであると、そして大自然に比べて何と、あるいは悠久の歴史の流れの中で、何と今に生きる我々は小さなものであるのかということですね。そして、多くの動物、植物の命をいただくことによって自分たちの命をはぐくんでいる、だから御飯をいただく前にはありがとうございますということを言うわけですね。こういうことが正に情操なんですよ。ですから、それを教えるということは、私は極めて大切なことだと思います。
 ただ、特定宗教に関して情操を教えるということになると、その各々の宗教の教義の中へ入っていかなければならないので、これは憲法との関係からいうとなかなか難しいと。だから、ガイドラインというものは作れと、今のままじゃ、手を縛って泳げといっても無理でございますと先生はおっしゃったけれども、手は縛っていないんですよ。しかし、深みにはまってはいけませんよということは、ガイドラインとして教えないといけないと思います。しかし、この宗教の教義、この宗教の教義ということについて情操を教えろということになると、これはやはり非常に難しい問題があって、最高裁の判決等も、その人の信条にかかわること、だから教える側が特定宗教の教義を教えるという気持ちを持って情操を教えたら、これは宗教教育にやっぱりなるんですね。
 ですから、そこのところの深みはこういうところですから、手は縛っていませんけれども、深みに入るとおぼれますよということは教えるというか、こちらがお示ししないと先生方が大変だということはよく分かります。その辺を踏まえていろいろ考えさせていただきたいと思います。
#33
○有村治子君 ありがとうございます。
 手は縛っていないということでございましたが、給食費を払っているんだから何でいただきますと言わなきゃいけないんだとかみ付く親に、保護者に対して、やはり先生方、なかなか言葉を持ち得ていないというのも現状でございます。富山県の例を指摘させていただきました。
 そういう意味では、やはり私たち、制度や行政の仕組みにしっかりと理念や哲学を吹き込むことが大事だと思いますし、これだけ命があやめられている事件に対して、やはり命の尊厳ということを伝えていくことは何よりも大事な生きていく上での教えだと思いますので、是非、ガイドラインと呼ぶかどうかはあれですけど、何ができるのか、何をやっちゃいけないのかということをやはり明確に発信していただきたいと思います。
 大臣とともにこれからも子供たちの未来に向けて考え、行動していきたいという願いを明確にして、私、自由民主党の有村治子の質問を完了させていただきます。ありがとうございました。
#34
○林久美子君 民主党の林久美子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。本日は予算の委嘱審査ということでございます。
 現在、予算の削減そして人員の削減という大きな波が学校現場にも本当に当然押し寄せております。しかしながら、今、子供たちを取り巻く環境を見てみますと、子供たちが抱える様々な問題が多様化をし、また保護者の抱える悩みも本当に複雑になり、そして安全の問題等々、いじめの問題など、本当に大変な環境にある中で、ただ数字を合わせるということに力点が置かれ学校の現場から人員や予算が削減をされていくということに対して、私は本当に心から心配をしております。
 今更申し上げるまでもございませんけれども、教育というのは、今日対策を講じたからすぐ明日何か結果が出るというものではございません。しかし、長い目で見て考えて、十年後、二十年後、五十年後、この国、日本がどういう国であるのかというのは、今を生きている、今生まれてきた子供たちに対して、どういうふうに大人がかかわり、どういう教育を行っていくのかということが本当に私は大事なのではないかなというふうに考えております。国家百年の計、正に人づくりこそが国づくりであるというような気持ちで文部科学行政が行われることを願ってやみません。私、今日は、子供たちの学びの環境が少しでも良くなるようにという思いで質問をさせていただきたいというふうに思います。
 それでは、まず伊吹大臣にお伺いをいたします。
 子供たちの健全な成長のためには、あらゆる発達段階において、家庭における教育、地域における教育そして学校における教育と、いろいろなところがどういうふうな教育を行うのかということが大変に重要であると思います。
 私自身にも今四歳の息子がいるわけなんですけれども、子供の成長を見ていると、やはり親が子供にかかわること、あるいは地域で同じような年齢の子供と遊ぶこと、あるいはおじいちゃんやおばあちゃんあるいは地域の大人がかかわることということで、正に大きな大きな可能性を秘めた原石という形で子供は生まれてくるわけですけれども、いろんなかかわりを持つことによって非常に磨かれていく、子供の持つ力が発揮をされ、本当に日々成長していくという姿を見ていると、やはりそういう大人がどういうかかわりを持つのかというのは非常に重要ではないかなというふうに考えております。特に、学校現場においてどういう大人が、人々が子供にかかわっていくのかということは、いじめの問題なども深刻になっておりますけれども、重要な課題であります。
 もう一つ申し上げると、最近は、自分の保護者が働く姿を直接的に目にする機会が子供たちは非常に少なくなっております。しかしながら、自分たちはいろいろな、友人始め大人が自分たちにかかわって支えられ、育っていっているんだということを体験し、実感をするということが大事でないかなというふうに考えておるんですが、まずは大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#35
○国務大臣(伊吹文明君) そのとおりだと思います。もう産業構造がずっと変わってきてますから、昔のように農業あるいは中小企業、伝統産業でお仕事をする方が残念ながら少しずつ減ってきております。みんなサラリーマンとして、職住一致じゃなくて離れちゃって職場へ行っておられますから、保護者がどういう日々を送りながら自分を育ててくれ、自分の食べるものを稼いでくれているのかという姿を見られないですよね。
 ですから、それは先生のおっしゃるとおりで、学校現場でもいろいろな方々が働きながら自分たちの日々の学びを支えてくれているということぐらいは、せめてやっぱりしっかりと理解をしてもらいたいと思います。
#36
○林久美子君 ありがとうございます。
 本当に私も、だからできるだけ多様な人が学校の現場にもいて子供にかかわるべきであるというふうに考えております。
 小学校低学年の一、二年生に設けられている生活科という学習指導要領には、次のような目標と内容が記されております。釈迦に説法で恐縮でございますが、少しお耳をおかしください。
 目標、「自分と身近な人々及び地域の様々な場所、公共物などとのかかわりに関心をもち、それらに愛着をもつことができるようにするとともに、集団や社会の一員として自分の役割や行動の仕方について考え、適切に行動できるようにする。」、内容、「学校の施設の様子及び先生など学校生活を支えている人々や友達のことが分かり、楽しく安心して遊びや生活ができるようにするとともに、通学路の様子などに関心をもち、安全な登下校ができるようにする。」と、こういうふうに記されております。
 この学習指導要領は、大臣も非常に大切だとおっしゃっております公共の精神というものをはぐくんでいくためにも重要な内容が記されているというふうに思いますが、大臣はこの内容についてはいかがお考えでしょうか。
#37
○国務大臣(伊吹文明君) 今、林先生がお読みになったとおりの指導要領を定めておりますので、特に小学校の場合は担任の先生とほぼいつも行動しているわけですけれども、それ以外に校長先生もいれば教頭先生もいる、用務員の方もおられれば、時々チェックに来てくれる校医の方、歯科の校医の方もおられるし、給食のお世話をしてくださる人もいる。そういう大勢の人の中で自分が実は学んでいるんだなと。
 そういう中で、人間関係をある程度やはり理解をしなくちゃいけないし、教室でそういうことを学ぶんじゃなくて給食を作っている現場へ行ってみるとか、これはやっぱり先生の感性なんですね、良き教師かどうかというのはこういうところで分かれてくるんだと思いますが。そういう中で、これだけの労働力というんですか、みんなが頑張って給食作ってくれるんだなということが分かれば、先ほどの有村先生の御質問じゃないけれども、給食を食べるときはお金を払ってるからありがとうと言わなくていいというんじゃないんですよ、大勢の人の労力の結果、ここにこのものがある。そして、もっと言えば、鶏を飼っていればその卵を鶏が産むのを、卵を食べちゃってるということ、植物を育てればいずれ花が咲くであろう植物を切って自分たちがおなかの中に入れちゃうことによって生きる、これは自分たちが生きていくんだ、それに対してありがとうと、こう言うわけですね。
 そういう敬語の使い方、感謝の気持ち、人間関係をはぐくんでいく、それがやっぱり非常に大切なことで、今先生が御指摘になっていること、学校現場でも学べることはたくさんあるということは、私は全く同感でございます。
#38
○林久美子君 ありがとうございました。
 そして、今の大臣の御答弁の中にも、例えば学校には用務員さんもいらっしゃいますねというお話がございました。本当に、給食調理員の方もいろんな方がいる中でこれまでは学校というのがあったわけですけれども、実際、では、今どうなっていっているかというと、こうして子供たちの学校生活や学びを支えている方というのがどんどんどんどん減ってきているという現状がございます。調理員の方が存在しない学校、学校用務員の方がいらっしゃらない学校というのも実は増加をしているわけですね。
 具体的にちょっと御紹介をさせていただきますと、公立小学校における学校用務員の人数で見てみますと、平成十四年には二万三千七百三十七人であったのが、平成十八年には二万九百三十六人に減っています。少子化や合併などで小学校の数そのものが減少しているということもございますが、この五年間で小学校が九五%に減少したのに対して、学校用務員は八八%に減少しております。つまり、過去五年間だけでも、学校の減少の割合以上にそこにいる人々の割合が減ってきているということなんだと思います。
 正に、これは学校が本来持っているべきである多様性というものが失われてきていることにほかならないと考えますが、大臣の御所見、いかがでしょうか。
#39
○国務大臣(伊吹文明君) 私は、文部科学大臣としては先生のおっしゃっていることはもう一〇〇%賛成です。ただ、日本の国を預かっている政治家という立場で考えると、いろいろなことのバランスを合わせていかなきゃいけませんよね。林先生のおうちは御主人がやっておられるのか先生がやっておられるのか分からないけれども、家のやはり家計というか、予算のバランスを取らないといけません。ここは増やしたいけれども収入はこれぐらいしかないからどうしようとか、いろいろなことを考えながらみんなやるわけですね。
 先ほど来、有村先生の御質問の中で、財務省がいろいろ池坊さんの攻撃などを受けておりましたけれども、しかし、財務省の連中も、給食の費用をお父さん、お母さんに出してもらって、教科書の無償化をして、義務教育の無償化で大きくなって財務省へ入れたわけですよ。そういうふうに考えると、結局これは最後は国民の選択なんですね。ですから、今は少し例の行政改革推進法その他で財政のバランスを合わせようというこの流れでずっと来ています。
 これは教育だとか命だとか、こういうどちらかというと市場経済に非常に乗りにくい分野について国がどこまでどういうことをするかということは、国民自身が自分で最後の決着を投票で付けないといけないんですよ。だから、とかく起こっていることは、野党の皆さんもこれは協力してやらないといけないんですが、財源を必ず明示して、そして、このことをこういうふうにしていこうじゃないかということをお互いに協力して国民に訴えていくと。だから、不必要なところがあるんなら自分たちはここをカットしますと、あるいは追加の財源を求めますと。私は、教育の分野にはもう少し財源を投入してもらいたいということは概算要求の段階から主張したいと思っておるんです。
 今の行政改革推進法では、先生がおっしゃった用務員の方々の、教職員も含めて法律で縛られちゃっていますよね。だから、国民の合意がここにあるんであれば、国会で法律は変えればいいわけで、教育について。その代わり、国民はその負担を負担すると。このことだけで所得税を上げろとか消費税を上げろとなかなか言えないでしょうが、私は、税制改正というものが年金だとか高齢化社会に関して論じられているようですけれども、税制改正があるときは、そのときの文部科学大臣はだれか私はよく分かりませんが、その人は必ず、厚生労働大臣が手を挙げるのに合わせてそのときの文部科学大臣は手を挙げなければいけないと私は思っております。
#40
○林久美子君 今、文部科学大臣というお立場と一人の政治家というお立場からお話をいただいたわけなんですけれども、確かに財政のバランスという問題はあると思います。しかしながら、私が冒頭申し上げましたように、やはり、そういうバランスの中にあっても、本当にこの国の未来を思えば、そういう意味では万難を排して子供たちの教育には私はやはり力を注がなくてはならないんだというふうに思っております。当然、我々も一生懸命やらせていただきますけれども、大臣のより一層の強いリーダーシップで、そこはより一層のお力添えを私はお願いをしたいというふうに思っております。
 具体的には財政のバランスの中で学校用務員の方が減ってきているという現象が今現れてきているんだということだと思いますけれども、これ少し視点を違って考えますと、今学校の安全というのが大きな問題になっております。例えば、学校における不審者の侵入問題であるとか、あるいは登下校時に犯罪に巻き込まれるケースというのは非常に増えてきているという中で、それこそ私がまだ子供のころは非常に学校開放の時代で、伸びやかに門もなく地域に開放される中で学んでいたという時代ではありましたけれども、随分と環境が変わってまいりました。
 そうした中で、学校用務員の方の仕事というのは非常に多様なわけでございますね。例えば、神奈川県の学校技能職員の標準的職務表によりますと、例えば校舎内の清掃やごみの処理、樹木の消毒や防虫、あるいは学校行事に必要な看板の製作、さらには施設の安全点検、巡回など、非常に多岐にわたっております。
 これは非常にいろいろな話が重なってくる話でもあるんですが、大臣御自身も所信の中で、なるべく学校の先生にはその職務に専念をしてもらえるように、そういう体制をつくっていきたいというお話もございました。しかし、現状でこの学校用務員の方がいなくなっていくということは、だれかがこの任を負わなくてはいけなくなってくるわけですね。これ後ほど総務省の方にも伺いたいというふうに思っているんですけれども、結局、この学校現場における現業職員と呼ばれる方たちの削減は、裏を返せば学校教職員の負担の増加であり、それはひいては子供たちの教育環境の圧迫にも私はつながっていくのではないかなというふうに思っております。
 さらには、先ほど申し上げましたように、学校安全という取組の観点から考えましても、これも今、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付統計によりますと、年々この給付件数増えておりまして、二〇〇五年度には二百八万件になっているわけでございます。今よりもっともっと子供の数が多かった一九七七年に百万件を超えて、これはもう大変だということで法律の改正が行われたりしたわけですけれども、子供の数が減っているにもかかわらず、こうやってどんどんどんどん事故や事件が増えているわけですね。
 そうした中で、やはりその人たちを削るということがひいては子供たちのそういう安全性の確保を損なうということにまで私はつながっていくのではないかというふうに思っておるんですけれども、この点について、これは通告していた質問を二つを一つにしちゃいましたけれども、御所見をお伺いしたいということと、あと一つ御紹介をしたいのは、この安全という問題が非常に保護者の方の中でも大きな不安の要素となっているこの社会において、学校用務員の方々も、我々が学校安全の中心を担っていこうではないかという気概を持って今取組も始めていらっしゃいます。
 こうした点についてどのような感想をお持ちでいらっしゃるか、二点併せてお願いいたします。
#41
○国務大臣(伊吹文明君) まず先生、通告というのは一応のめどですから、通告外の質問をしても結構ですし、二つ三つ一緒でも結構ですし、通告しても質問しなくたって構いません。
#42
○林久美子君 ありがとうございます。
#43
○国務大臣(伊吹文明君) それからもう一つは、日本の将来を担っていく子供たちがそういう財政の中でも特に重要だということは全く共通の認識なんですよ。しかし、それを言いっ放してしまっているだけでは、これはニュース解説やテレビでの話としては通ずるけれども、政治家としては通じないですよね。
 ですから、どこを削ってどこを増やすか、そしてどこにめり張りを付けていくか、さらにその大きな枠ができないなら、この前の質問のときに鈴木先生がおっしゃっていただいたように、私は概算要求ができた中で大臣になりましたから、できている土俵の中では最大限の相撲を取ったつもりなんですよ、十九年度予算は。しかし、二十年度予算は土俵を広くできる可能性は私が大臣を引き続きやっていればあるんですよね。そこはひとつ民主党の皆さんも協力してもらって、ここが大切だということを言いっ放しにせずに、大切であればどこを減らしてここを充実する、さらに、それが無理であれば土俵を大きくしていくために税制改正の、参議院はつらいかも分かりませんけど参議院選挙、消費税を上げようよとか、一緒に声を出してもらいたいんですよ。そうしないと、これは一方的な話になっちゃいますから、そこの点は是非協力して子供の将来のためにやっていきたいと思います。
 そして、今おっしゃっているようなことが現実に起こっているんですよ。私もそれは認めます。これは行革法の中で、「その他の職員の総数について、児童及び生徒の減少に見合う数を上回る数の純減をさせる」ということを法律で決めておるわけですね。しかし、教職員をできるだけ減らさないようにして用務員にしわを寄せているから今のようなことになっているということがあるとすれば、それは先生がおっしゃったように、学校の安全とか安心とかいう意味からはおかしなことなんですよ。
 ですから、これは私が直接、例えば滋賀県の、あるいは彦根市の学校の先生をこれぐらいにしなさい、用務員をこれぐらいにしなさいということを決める権限がないんですよ、私には。その権限があるのは滋賀県知事であり、彦根市長なんですよ。ですから、本当に先生がおっしゃっているような重要なことであれば、そうしてもらわないと困りますということを私たちはお願いをします。お願いをします。そのとおりやってくれていない場合に、本来、未履修があってもこれをチェックされるのは当該教育委員を任命された首長であり、その首長の任命を承認された地方議会の役割なんですよ。これが地方自治の本来の姿なんです。それができていないもんだから、地教行法の改正だとかっていう話が今進んできているわけなんですね。
 ですから、私は先生と同じ考えです。ですから、できるだけ教員の方にも事務の負担が掛からないように、しかし濃密に先生方が児童生徒に対応できるようにということを、残念ながら行革法という土俵の中で動かして、しかも権限がない私が地方自治体にお願いをしているということが現状なんですね。教育行政の現状なんです。
 これがいいかどうかということを今回出す三つの法律の中で是非、民主党の皆さんにも積極的に私は御議論をしていただきたいし、そういう交付税措置だとか何かがしてあるのに、なぜそういう現状が起こっているのかということは、まあ総務省に聞いてもなかなかこれは難しいと思うけれども、地方自治体を管轄している総務省の意見を一応聞いてやってください。
#44
○林久美子君 ありがとうございました。
 地方自治体にお願いしているのが現状だというお話がございましたけれども、地方分権という形の中で今そういうお話もいただいたわけですけれども、せっかく伊吹大臣からもお話がございましたので、総務省の方にも二点お伺いをしたいと思います。
 まず一点目なんですが、お願いをしていると今大臣のお話ございましたけれども、平成十七年の八月に各都道府県の総務部長会議を招集をされてこんなふうにおっしゃったと伺っています。民営化が言われている時代において、いまだに現業職員の採用を行っている例がある、とりわけ教育委員会にあるとお話になったと、学校現業職員の削減をある意味で指導をされたというふうに伺っております。こうした指示が実際にあったのかどうかということが一点です。
 二点目に、現業職員については民間委託等を推進する立場であるというふうに伺っておりますけれども、ある意味では、民間に委託するかしないかはそれぞれの自治体の判断でもあり、財政力にもよるわけでございまして、先ほど来、伊吹大臣の御意見も私の思いも聞いていただいておったかと思うんですけれども、要は、何でもかんでも人を減らせばいいというもんじゃないと思っているわけですね。
 確かに、多分大臣は来年度の予算はまたしっかりと戦ってくださる、二十年度頑張ってくださるということだと思いますけれども、その学校現場というものの特殊性というか、やっぱり私はそれがあると思うんです。子供の成長にかかわるということは、これは本当に失敗をすればその子供の人生を台無しにすることにもつながることであって、子供を実験の主体にするようなことがあってはならないと。要するに、子供に対しては最善の環境をつくっていかなくちゃいけないと思っております。
 この二点ですね。一点目、そういう指示があったかどうか。二点目に、本来であればその予算の部分、財源の部分でできること、できないことあるでしょうけれども、やっぱり子供を育てるということに関してはしっかりと人を配置をするべきではないかということについて、二点お伺いしたいと思います。
#45
○政府参考人(門山泰明君) 二点、お尋ねがございました。
 まず一点目でございます。平成十七年八月の全国の都道府県総務部長会議におきましての発言についてのお尋ねでございます。
 御指摘の総務部長会議におきましては、地方公共団体において、警察、教育、清掃、この部門におきまして技能労務職の採用が行われていることを指摘いたしまして、技能労務職の採用に当たっては真に正規職員でなければ対応できないものなのかどうか十分に御検討を願いたいと、こういうことを申し上げたところでございます。
 二点目でございます。二点目のお尋ねに関しましては、先ほど来お話ございますように、昨今の厳しい行財政の状況を踏まえますと、地方公共団体におきましても徹底した行財政改革を進めていく必要があるということで、総務省といたしましても、平成十七年の三月に新地方行革指針というものをお示しいたしまして地方行革を進めているところでございます。この中で、行政改革推進上の主要事項の一つといたしまして、民間にできることは民間にゆだねると、こういう考え方から、地方公共団体に対しまして事務事業全般にわたりまして総点検をお願いし、民間委託の推進ということもお願いしているところでございます。
 特に技能労務職についてお尋ねでございましたが、技能労務職の在り方につきましては厳しい意見もあるところでございます。学校現業職員を含めましてすべての技能労務職につきまして、それぞれの分野におきます役割を検証し、正規職員での配置が適切であるかどうか、各地方公共団体におきまして大いに御議論いただきたいというふうに考えておるところでございます。
#46
○林久美子君 真に正規職員でなくてはならないのかどうかというお話でございました。
 聞くところによりますと、いわゆる非常勤でもいいのではないか、あるいは民間委託でもいいのではないか。例えば、学校も一つだけじゃなくて、一人の人に地域の中の三つも四つも学校を持ってもらって週に一回行ってもらえばいいんじゃないかと、そういうような話もあるようではございますけれども、本来、安全性の確保という観点など、不審者の侵入とかですね、考えたときに、やはりきちっと子供の安全を守るという、そういう特殊性もあるわけですから、しっかりと、そういう意味ではきちっと安定した形で、腰を据えてそういうことに取り組んでいく方をやっぱりきちっと確保をしていくべきであるという私の考え方をお伝えをさせていただきたいというふうに思います。
#47
○国務大臣(伊吹文明君) 今の点は、総務省がお答えしたように、例えば昔なら警察官がやってたりしたことを一部ガードマンが今やってるわけですよ。駐車違反の取締りなどは警察官の代わりに今委託した人がやっていますよね。だから、学校現場で民間に委託することができるのか、先生がおっしゃったようにフルタイムでないとできてないのか、できないのかということの要するに検証がしっかりなされた上で、いや、民間でやった方がいいんだということであれば、それはそれで私はいいと思いますが、その検証ができているかどうかということが一つ。
 それから、削減はこの行革の法律で掛かっていますけれども、地方財政というのはどういうやり方で成り立っているかというと、その自主財源というものが本来ありますね。そして、しかし提供しなければならない基礎的な公共サービスというものがあって、自主財源で足らざるところは交付税を入れて補っていくというやり方なんですよ。幾ら補っていくかということを決めるために教員の数、職員の数というのは、滋賀県なら滋賀県について幾らだということはきちっと計算されているわけです。それの三分の一を精算払いとして我々が払っているわけですね。
 だから、この交付税に入れてある数どおりやらなければすべていけないということではないけれども、交付税の中に入ってる常勤職員のものをほかの何かのことに回してしまって、残りの一部で民間のことをやってるというような地方財政の組み方をしている場合には、これは地方議会が厳しくそれを糾弾していただかないと困りますよということを申し上げているわけです。
#48
○林久美子君 分かりました。地方議会がしっかりと糾弾をしなくてはならないと。まあ、正にそのとおりだと思いますけれども、大枠のその方針という意味で、やはり国の子供たちの教育のトップで、そこを担っていらっしゃるわけですから、しっかりとその発せられるメッセージというものの重さがあると思いますので、是非とも、引き続き大臣には、多様な人がちゃんと学校現場で子供にかかわれるような強いリーダーシップをお願いをしたいと思います。
 では次に、昨年成立をいたしました認定こども園についてお伺いをしたいと思います。
 もう時間もございませんので、ぱっぱっと行きたいと思っているんですが、まずは認定こども園、四類型ございました。現在、認定こども園として認定を受けた施設の数と、その類型の内訳を教えてください。
#49
○政府参考人(銭谷眞美君) この三月一日現在の認定こども園の認定数は、全国で十三園でございます。内訳につきましては、幼保連携型が八園、幼稚園型が五園ということになっております。ただ、今年一月現在の調査では今後約八百六十件の申請が見込まれておりまして、その中には保育所型や地方裁量型の申請の見込みも含まれているところでございます。
#50
○林久美子君 ありがとうございました。
 今後は連携型、保育所型も出てくるというお話でございましたが、現在のところ幼稚園型そして連携型のみであるというふうに御説明をいただきました。要するに、私立の保育所が認定こども園になった施設はまだ今のところないということだと思います。
 そこで、厚生労働省の方にお伺いをいたします。
 私立の保育所が幼稚園の認可を取って幼保連携型、幼保連携型じゃないとなかなか運営上難しいという面がございますので、幼保連携型を目指そうとするときになかなか都道府県から認可が下りないという声が寄せられているというふうに伺いました。そうした実態はあるんでしょうか。
#51
○政府参考人(村木厚子君) 委員御指摘のとおり、私どもも幼保連携型、特にお勧めをしているわけでございます。多くの自治体でいろいろな形で御工夫はいただいておりますが、それでも地域によっては御指摘のような状況があるというふうに聞いております。
#52
○林久美子君 なかなかおっしゃりにくいところあるかと思いますが、幼保連携型をできるだけたくさん進めていこうということで、幼稚園の認可の基準も下げ、保育所の認可の基準も下げ、その中でどうやって子供たちの保育、教育の質を守っていくのかというのを前国会では議論をしておったわけですけれども、では何で私立の保育所が幼稚園の認可を取りにくい状況にあるのか、その理由を厚労省さんはどのようにお考えでしょうか。
#53
○政府参考人(村木厚子君) 私立の保育所が幼保連携型の認定こども園になるための幼稚園の認可申請ですが、基本的には都道府県の知事が地域の実情や申請内容等を総合的に勘案した上で御判断をいただくものということでございますので、それぞれ地域によって実情は異なると思います。
 ただ、特にその設置主体の問題ですとか規模の問題というのは、これまでの幼稚園の認可とかなり違ってまいりますので、その辺り是非柔軟に対応をしてほしいということで自治体にお願いをしているところでございます。
#54
○林久美子君 しっかりと分析の内容を伺ったんですけれども、それは地域の実情というのはいろいろあって当たり前なんですけれども、厚労省さんとしてどういうふうに把握をしていらっしゃるのか、もうちょっと明確にお答えいただけますか。
#55
○政府参考人(村木厚子君) まず、私どもの希望としましては、十人程度の小さな規模でも幼稚園の認可をしていただきたいというようなことを考えているところでございます。ちょっと一つ一つの件についての何が隘路になっているかというところまで今細かい情報を持っておりませんが、一つはその規模の問題が非常に大きいだろうというふうに思っておりますが、実際にはそれぞれの自治体で、今のルールではなかなか認可ができないけれども検討中であるということでお答えをいただいているところが多うございます。
#56
○林久美子君 検討中であるというところの答えをいただいているところが多いということでございましたけれども、要するに幼稚園の認可を取るときに定員を十人以上であればいいよということに議論をして定めたわけですね。ただ、実際はそれがなかなか進んでいないということなんだと思います。
 何でこういうことを伺うかといいますと、先ほど、今のところ十三件が認定こども園の認定を取られたということでしたけれども、この中でいわゆるモデル事業に取り組まれた施設というのはたしか本当にごくごく二件か三件だったかと思うんですが、済みません、ちょっと教えていただいてよろしいですか、件数。
#57
○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほど申し上げました、既に認定を受けた認定こども園十三園のうち、平成十七年度の総合施設のモデル事業の実施園となっていた施設は三園でございます。また、この四月一日に更に一園認定される予定になってございます。
#58
○林久美子君 今、三園というお答えをいただきました。要は、三十五施設がモデル事業に取り組んだわけですね。そのうちの三園しか認定こども園の認定を取っていないということです。
 これ、では実際に何が起きてくるかというと、例えば私立の保育所が幼保連携型のこども園を目指していると、しかしながら幼稚園の認可が下りないと。このままでは、既にモデル事業のときに、通常であれば幼稚園に通う、いわゆる保育に欠けない子供たちが保育所にはいるわけですね。では保育所型こども園になるんですかとなると、これもよく御存じのように、認可を取らない限り予算が下りてきませんので、運営上非常に厳しくなると。直接契約だから、では保護者の負担が増えるのか、あるいは保育、教育の質が下がってしまうのかということになるわけですね。でも、今ここにも子供が入っているわけで、では例えばですよ、保育所型こども園にもなれずに、いや、うちもモデル事業をやったけれども、もううちは保育園に戻りますみたいな話になったときに、そこに入っている子供たちはどうなるのかという大きな問題があると思います。保育所に通常行く子供は保育所のままで措置されるわけだからいいんですけれども、保育に欠けない子供たちというのはどうなるんでしょうか。
#59
○政府参考人(村木厚子君) 認定こども園に移行をされない場合は、保育に欠けないお子さんでございますので、これは保育所の定員の範囲内で私的契約児ということになろうかと存じます。
#60
○林久美子君 私的契約児というのは、これは要するに違法にはならないということなんですよね、要は。私的契約児という位置付けがあって、ただしこれは、だから入れちゃ駄目ということではないけれども、国の施設運営費負担金は支給はされませんよと、要は施設が負担をするか自己負担をしてくださいねということだと思います。
 では、現状、私的契約児として何らかの施設に入所をしている子供の保育料というのは大体通常の保育料と比べてどうなっているんでしょうか。
#61
○政府参考人(村木厚子君) 委員御指摘のように、私的契約でお入りをいただくことそのものは全く問題がないわけでございますが、この保育料に関しましては、保育所と保護者の直接契約で入所をしていただくことになりますので、保育料につきましても、実際に保育に掛かる費用を勘案しながら、保護者の所得状況や児童の年齢に応じた保育料を市町村あるいは保育所が独自に決めるということになるわけでございます。
 実際にこういった保育の保育料がどういうふうになっているかを見ますと、市町村によっては保育に欠ける子と全く同じ徴収金基準額表を使っておられるというところもありますし、あるいは、国が定める保育単価を下回らない額ということで、かなり実際の費用に近い御負担をいただいている自治体もあるということで、相当幅があるかというふうに存じます。
#62
○林久美子君 要は、通常の子供と同じようなところか、高くなっているケースがあるということだと思います。
 つまり、私立の保育所が例えばモデル事業をしていて、連携型になれない、あるいはもう保育所として戻ってしまおうとなったときに、そこに通っている子供とか保護者にはそういった意味では責任はないわけですね。まさかこんなことになると思っているわけじゃないわけですよ。だからこそ、ちゃんと一定の保育、教育の質が担保をできるのであれば、できるだけ当初の目的どおり幼保連携型の施設に転換をしやすいようにやっぱり応援をしていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思います。とりわけ、当初から懸念をされていた保育料が、特にこども園なんか直接契約ですから、この件に限らず高額になるケースももしかしたら出てくるかもしれない。
 そうした中で、伊吹大臣も大臣所信の中でも、幼児教育の無償化について検討をしていくというお話がございました。その後の銭谷参考人も、幼稚園だけでなくて認定こども園も保育所も無償化に向けて検討するという御答弁も先日いただいております。そうした思いとはこれは正に逆行する現状が、この認定こども園をベースとしたモデル事業とか、その部分からも出てきているというふうに思うんですけれども、その点についていかがお考えか、御所見をお伺いしたいと思います。
#63
○国務大臣(伊吹文明君) 後で政府参考人から事実関係を御報告させますが、私が所信で申し上げたのは正確にお聞き取りいただいていると思いますが、税制の改革と併せてということを、これは先ほどさんざん申し上げたことで、出の方だけ、給付のことだけ調子のいいことを言っても政治はできませんから、だから必ず税制改革と併せてということを私、申し上げたと思います。
 ですから、税制、そのときに私は、先ほどの御答弁で必ず文部科学大臣は、そのときの文部科学大臣は手を挙げなければならないということを言ったのは正にそのことにも関連するんですが、そのときは幼稚園だけを義務教育というか無償化にするわけには当然いかないんで、同じ、今の教育基本法で言えば日本国民、あるいはそのとき日本に住んでおられる方という拡大をするかどうかはそのときの判断なんでしょうが、これは無償ということにする限りは一定年齢の人をすべて無償にしなければならないと。
 今起こっている問題は税制改正の前の問題ですからね、少し局面が違うと思いますが、私が申し上げたことからすると、起こっていることは少し残念だなという気はしながら、先生との問答は承っておりました。
#64
○政府参考人(銭谷眞美君) 私からもちょっと御説明をさせていただきたいんでございますけれども、先ほど来、保育所が幼保連携型の認定こども園になることがなかなか進まないと、その理由として幼稚園の認可が取りにくいということが一因ではないかというお話がございました。
 認定こども園の法律をお認めをいただきまして、その施行に際しまして文部科学省と厚生労働省では通知を発出をいたしまして、地域の実情に応じまして、幼保連携型の認定こども園となる場合に併設する幼稚園の定員が少人数でも認可することなど、各都道府県に対しまして設置認可に対する柔軟な対応を要請をしているところでございます。
 これまで、私どもの調べでも既に二十県ほどでその小規模の認定こども園になる場合の幼稚園認可について審査基準等を改めたり、あるいは設置を可能であるというところがございます。また、九県で今審査基準等を改める方向で検討しているといったような状況でございまして、もちろん、いろいろ準備等に時間は掛かっておりますけれども、そういう幼稚園の定員が少人数であっても幼稚園の認可が行われる方向で今お取り組みをいただいているところでございます。
#65
○林久美子君 分かりました。
 準備等に時間が掛かっているというお話ございましたけれども、時間が掛かるということは、そこにいる子供の利用料がその間上がったり、もう最悪の場合退園させられるわけですね。だから、やっぱりとにかく子供とか保護者の目線に立って、早急にスムーズに転換が行われるように、力強い取組をこれはお願いをしたいと思います。
 大臣に御答弁をいただきましたお話も、税制とセットだということはもう重々承知でございます。ただし、ベクトルとしてそっちに向けていくということでの確認をさせていただきたかったということを御理解いただければと思います。
 時間もございませんので、最後に一点だけお伺いをいたします。
 これも認定こども園に係るんですが、幼稚園や保育所に国が出している補助金で保護者に対して支給をされているものに幼稚園就園奨励費というものがございます。これ、認定こども園に関していいますと、私立の幼稚園をベースにするこども園に通っている場合には支給されるけれども、保育所をベースにしたこども園に通っている場合には支給されないという現状がある中で、これ小坂前大臣のときなんですが、委員会の中でこんなふうに御答弁をいただきました。「実は、その点はこの法律を提出する際に私も疑問を持った点でもあるんですよ。 すなわち、幼稚園型の認定こども園に通う保育園児には就園奨励金が出るんですね。それでいて保育所に通う幼稚園児にはこれが出ないというのはやはりバランスを欠くではないかと、こう私も思いまして、これについては検討を指示しておりまして、運営の中で改善する方策を検討せいというふうに今言っております。」というふうに御答弁をいただきました。しかしながら、新年度の予算案を見ていると、この点について取組がなされてはおりません。
 この点について、伊吹大臣のお立場からすればまた次のステップ、次の舞台でということになるかと思うんですけれども、この点について今後の方針を教えていただきたいと、御決意を伺いたいと思います。
#66
○国務大臣(伊吹文明君) ちょっとそれまでの事実関係を述べますから。
#67
○林久美子君 はい、お願いいたします。
#68
○政府参考人(銭谷眞美君) 認定こども園法の議決の際の附帯決議におきまして、「保育所型の認定こども園を保育に欠けない子どもが利用する場合であっても、幼稚園就園奨励費の活用等による保護者の保育料負担の軽減策について検討すること。」ということを言われておりまして、私どももその検討の必要性については認識をしているところでございます。
 ただ、一方で保育所型の認定こども園における保育に欠けない子の利用は、先ほど申し上げましたように、まだ現実に行われていないわけでございまして、そうした今後できるであろう保育所型認定こども園の保育料の実態等を踏まえる必要があるということや、先ほどちょっとお話ございましたけれども、一般の保育所における保育に欠けない子の保育料につきましては保育に欠ける子と同様の扱いをしている市町村もあるといったようなことから、この対応につきましては今後引き続きの検討課題として考えていきたいと今現在では思っているところでございます。
#69
○林久美子君 今のところないからというのではなくて、もう連携型を進めていくんだという御決意のほどを伺ったわけでございますから、しっかりとそういうこともやっぱり視野に入れながら政策というのは、これはもう釈迦に説法で恐縮ですけれども、していっていらっしゃるはずでございますので、そこはしっかりとお取組をお願いをしたいと思います。
 最後に、内閣府が二〇〇五年三月に公表された少子化対策に関する子育て女性の意識調査というものによると、少子化対策として経済的支援措置が重要であると考えている人に具体的に望ましいものは何ですかと聞いたところ、保育料又は幼稚園費の軽減というのが最も多くて六七・七%に達しております。こうした国民の声も踏まえて、この幼稚園就園奨励費の対象の拡大については積極的な取組をお願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#70
○水岡俊一君 民主党の水岡俊一でございます。
 委員会、長引いておりますが、事情があるようで、続けることになったと聞きました。もうしばらく御辛抱を願いたいというふうに思います。
 まず、先ほど免許外教科担任の問題が出ておりましたので、どうしても私、申し上げておきたいなというふうに思っておりますので、まずその問題、大臣にお聞きをしたいというふうに思います。
 大臣のお言葉の中には、地方公共団体が長期的そして計画的に採用をしていくべきだと、そういった部分の責任は大きいというようなお話もありましたし、銭谷局長からは、大変残念なお話でしたが、持ち時間数の調整があるんだというようなお話もありました。
 私は兵庫県の小さな中学校の教員をしておりましたが、実は兵庫県もへき地はたくさんあるんです。それで、六学級の、つまり学年二学級で三年、六学級の学校を例に取れば、これは標準定数法でよれば六掛ける一・七五という数字を計算をしますと、これは十一人になるんですね。つまり、その中学校には十一人の先生しか配置ができないということになるわけです。そういう中で、中学校は九教科ありますよね。国、社、数、理、英、体、技、音、美、そして技術・家庭科は二人要るでしょうから十人の単一の免許を持った人が必要だということになりますから、六学級あるいはその前後の中学校を全国的に見て、そういった学校にすべて免許を持っている人間を配置するということが実際可能かどうかという問題ですね。これは地方公共団体、教育委員会の怠慢かどうかという問題は、これはやっぱりきちっと考えないといけないというふうに私は思うんですね。
 そこで、文科省からも先ほど定数改善ということで努力をしているというお話もありました。問題はやっぱりそこなんですよ。だから、いわゆる標準定数法という法律の中で計算をしていくという今のシステムの中でどうしても無理がある。だから、そこのところをきちっと認識をしておっしゃっていただかないと、これは現場の学校の教員そして教育委員会、地方公共団体の努力を踏みにじることになると思うので是非お考えをいただきたいと、こういうふうに思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。
#71
○国務大臣(伊吹文明君) 先生のおっしゃったような側面もある、これは当然のことです。それから、へき地等で、本来そういうところからこの制度はできている制度であったと思いますよ、一番最初は。ところが、だんだんそれが、今おっしゃっているような法律上の縛りもある、それから行革推進法で一方で首を絞められてくる、いろいろなことが重なったわけですね。重なっている中で、やはり私が申し上げたように、採用そのものは私たちがやるわけじゃありませんから、全体の流れを見ながら、やはり地方教育委員会も力を出してもらわなければならない。いろんな面があることは私は否定はいたしません。
#72
○水岡俊一君 そういう中で、例えば私は中学校で理科と技術・家庭科と免許を二つ持っております。大変喜ばれて採用をしていただいたんではないかと自負をしておるんでありますが、その私が教員を辞めてしまったので良かったのか悪かったのかよく分からないところでありますが、それはさておいて、その二教科の免許を持っている私ですら、もう一教科担当してほしいという実情があるわけです。そういう実態なんですね。だから、要するに九教科十人の担当の先生が要るのに十一人の配当しかないということになって、それぞれを割り振ると、単純にいくとできそうな気がするんですが、これは無理なところがある。
 例えばの話をしますと、自分が担任をしている、担任をしているクラスの子たちを教えないということがあるかという問題ですね。教科を全部割り振るとそういったことになるんです。だから、どうしても自分のクラスの子たちは自分が教える時間をたとえ一時間でも持たないとこれは大変なことになるわけです。子供たちと日夜生活をともにしながら、勉強を一緒にしながら、部活を一緒にしながら、そして子供と一緒に大切な時間を過ごしていくということが大事なことでありますから。
 そういった部分でいくと本当に、はたからでは分からないような教科の配当の難しさというのがあるんだということですから、その部分を是非とも国の標準定数法なるものからきちっと小規模校でも配置ができるように、これは文科省が努力をしてもらわないといけない問題だと思うんです。だから、地方公共団体も努力をするけれども、複数免許を持っている人たちはそんなに多くいませんし、なかなかこれは難しい問題だということをまず申し上げておきたいというふうに思っております。
 さて、私の質問に入りますが、昨年の教育特で大臣にはいろいろお願いをいたしました。そんな中で、二十四時間いじめ相談ダイヤルというお話がありました。安倍総理にも大臣にも一丸となって努力をするんだというふうなお答えをいただいて、その結果としてこの二月の七日から二十四時間いじめ相談ダイヤルがスタートしたというふうに聞いております。私の聞いたところによると三週間で五千七百二十二件の相談があったと、こういうふうにあるわけですね。そういった件数、それからその内容等については大臣は報告を受けておられるんでしょうか、いかがでしょう。
#73
○国務大臣(伊吹文明君) それは文部科学大臣ですから、当然報告は受けております。
 内容を申し上げますと、ちょうど今で一か月半ぐらいになりますから、これで大体七千五百件来ております。それで、これは正に先生の御提案が実を結んだと思いますが、その半数以上が休日と夜間でございます。
 どういう形でこれを処理しているかなんですが、プライバシーの問題が一つあります。それから、自殺予告の手紙が来たときに我が文科省が巻き込まれたと同じような御苦労も当然教育委員会にはございます。本当かどうかということですね。それらを教育委員会もかなり慎重にやっていただいて、御父兄に連絡をするもの、スクールカウンセラーにお話をするもの、あるいは直接子供たちに言い聞かせるもの、そして他人に話す場合はやはり相手が子供といえども了解を取らないといけません、これはプライバシーの問題があります。それから、子供さん以外に御両親や保護者からのお電話も結構たくさんございます。
 今のところ有り難いことに、私どもが余り、何というんでしょうか、自画自賛してはいけませんが、というより先生に自画自賛していただかなきゃいかぬのかも分からないんだけれども、かなり成果は上がってきているんじゃないかというふうに思います。
 ただ、これで十分だとはもちろん考えておりません。新年度はこれを一年間やるように予算を組んでいるわけですから、心を引き締めてやっていきたいし、また、この相談ダイヤルがあるんだよという、あなたの声を待っていますという、これは担当の課長が知恵を絞って役人的作文じゃなくて子供言葉で非常にうまく書いたものを準備しているところです。
#74
○水岡俊一君 それで、やはり予想していたどおりたくさんの相談の電話が掛かっているんだということは大臣にも御認識をいただけているんだろうというふうに思っておりますが、これが、今お答えの中に当面一年間は、十九年度は予算を付けたと、こういうお話でありました。
 今後ひとつ方針として、一過性のものではなくて、やはり今後も取り組んでいきたいというお考えがあるならばそれをお聞かせいただきたいと思うことと、それから、私一つ残念なことは、私、特別委員会でお話をしたときには、とにかく政府一丸となって今できることからやりましょうという話をした中で、今回のこのシステムは貴重な税金を投入していただきましたが、その中身は転送電話ですよね。つまりは、ダイヤルがされてきた該当の都道府県の教育委員会であるとか都道府県の相談ダイヤルに転送されるという仕組みでありますね。国としてそういう一つのシステム、あるいは国としてそういう相談センター、そういったものをつくったということではないですよね。今後そういったことに向けて取り組むことができるのかどうか、そういった辺りの大臣の御所見を伺いたいと思うんですが。
 私がなぜそういうふうに思うかというと、例えばこれは日本司法支援センターというところが出している法テラスというものなんですね。これはやはり、御存じだと思うんですけれども、法律で困っている方々がなかなかその法律家のところに相談に行きにくいから、電話でこういった困った人たちのためにセンターを設けてその対応をしていきましょうという、そういう仕組みができ上がったということでありますが、今子供のいじめ相談ダイヤルも何か文科省として、政府として今後続けていくと、何かシステムをつくっていくというお考えがあるかどうか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#75
○国務大臣(伊吹文明君) まず、これを今後も、今のシステムですね、国が補助をしながら各教育委員会で進めていくかどうかについては、いじめというのはいつの時代にもどこにでもある、かつ相談そのものが必ずしもすべていじめだけが来ているわけじゃないんですよ、子供にはいろいろな悩みがありますから。だから、私は、もちろん野党の皆さんも国会で当然予算内容を審議していただくわけですから、協力をして私は続けていった方がいいと思います。
 それから、文科省がこれをやるかどうかについては、これはもうこういうことを申し上げるといけませんが、法テラスとは先生、それは少し違いますよ。法というのはすべて日本国民に適用されることなんですよ。ところが、子供が通っている学校というのは地域ごとにあることなんですよ。地域の子供がやはり地域に相談をした方がいいんであって、全国一律の法律の解釈とか、あるいは税制の課税のことについて、地方税は別ですが、国税についてどうだということについては、国が私はそういうものをつくるということは当然だと思いますが、国がつくって悪いということじゃないでしょう。しかし、地域の特性に合わせて、学校に通っている子供を対象にしてやる場合はまあ地域地域の方がむしろ、何というか、受け止めやすい形であるんじゃないかというふうに思います。
#76
○水岡俊一君 地域の特性という観点から見ると大臣のおっしゃっていることも私は理解をするところでありますが、そういった意味からすると、地域間バランスというものも、これは懸念をしなきゃいけないところだというふうに思うんですね。充実した相談体制ができるかどうか、これを都道府県に任せっ切りでいいのかという問題もあります。
 それから、相談ダイヤルというのは、何も相談をしたことをすべて解決をするというダイヤルでは私はないと思うんですね。こういったことで悩んでいるということを聞いてもらう、第三者に、全く利害関係のない人に自分の悩みを聞いてもらう、そのことが大きな意味を持っている、私はそういうふうに思うんですね。ですから、これは別に地方に振らなくても、中央でそういったセンターを設けながらそういう悩みを聞いていくというシステム、センターをつくっていくというのは私は意味があるというふうに思っておりますので、また今後検討をいただきたいと、こういうふうに思っております。
 更に付け加えて言うならば、これは相談者、つまりはカウンセラーですね、カウンセラーをどのように養成していくかということも大きな課題ですね。ですから、これは国が挙げてそういったカウンセラーを養成するという事業を立てていくとか、そして各都道府県、各地域にそういった配置ができる、そういったものを考えていくのも大きな国の仕事だというふうに思っておりますので、今後ともひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次の問題ですが、大臣は新宿区にある大久保小学校という学校を御存じでしょうか。
#77
○国務大臣(伊吹文明君) 存じておりますし、どのような生徒の構成になるかをおっしゃりたいことも知っております。
#78
○水岡俊一君 日本語を母国語としない子供の数が六割を超えているという学校ですね。非常に外国籍を持つ子供たちや、あるいは日本国籍を持っていても御両親のどちらかが外国人であって日本語がままならないという子供たちが非常に多いという学校であります。
 これは別にこの学校だけがそうなっているわけではなくて、これはもう全国的に、特に都市部を中心に増えているということがあるわけでありますが、そういった中で、この問題はこれまでずっと大臣にもお願いをしてきたところでありまして、外国人集住都市会議というのがありまして、これは南米日系人を中心とする外国人市民が多数住んでいる市がつくっている会議なんですけれども、そこの会議がこういったふうに言っております。教育現場では教員等が熱意を持って外国人児童生徒の指導に当たっており、加配教員に加え、県や市町によって支援員等などが配置されるなど、外国人児童生徒を支援する取組が行われてきた、しかし外国人児童生徒の人数が急増し、自治体が独自に行う支援にも限界が見えてきた、すべての外国人の子供の教育を受ける権利を保障するために国の制度を根本的に見直す必要があるんではないかと、こういうふうに訴えているわけであります。
 この問題については、私、かねがね申し上げて、大臣の答弁も聞いているところでありますが、やはり大きな変化が今起きつつあるという中で、私は文科省としてこれまでの考えを少し変化をさせていただきたいという強い要望を持っているわけでありますが、そういった中で、来年度は新規の事業を予算立てをしていただいているということも承知をしております。外国人児童生徒教育の充実ということで新規事業で多くの部分がありますが、一つは帰国・外国人児童生徒受入促進事業一億五千七百万円、JSLカリキュラム実践支援事業四千百万円、こういうふうな取組を計画と、予算案として上げていただいていることについては私は一定の評価をすべきものだというふうに考えておりますが。
 そこで問題なのは、文科省がその教育という中においてどのようにこの問題をとらえていくかということであって、その一つの現れとして私たちが明確に知ることができるのは、学習指導要領に外国人児童生徒の教育という文言が入ってくるか入ってこないか、ここだと思うんですね。その問題については、大臣はどういうふうにお考えいただいているんでしょうか。
#79
○国務大臣(伊吹文明君) まず、私は、外国人労働者の方々に限定して申せば、今の日本のやっていることは非常にずるいと思います。これは法律上、外国人の方々が、特に単純労働者の方々がああいう形で日本国内におられるということは本来、法の在り方としては想定していないんですよ。もしおられるとすれば、これは法に違反しておられる。御本人の違反、もちろん観光ビザで入ってきてどうだとかというのはこれは本人のあれですよ。しかし、そうじゃない実質的脱法のようなことをやっている経営者もいるわけですね。
 この現状をどう考えるのか。そして、日本の国というものはどのような国であるべきと考えるのか。社会の在り方、治安の在り方、文化の統一性その他でどう考えるのかということを、これはまず教育という問題以前に、政治家として私たちはやっぱりこのことについて結論を出さねばならないと思うんですよ。それを何となく未解決のまま、このことについて我々は、しかし現に日本におられる外国人子女の方々には何の罪もないわけですから、だから、私たちもまた法律でそれははっきりすることはできないまま、できるだけのことを配慮をするという形で来ているわけですね。
 ですから、もうそれは先生に言うまでもなく、日本国憲法と教育基本法にどう書いてあるかというと、国民は教育を受ける権利があって、その保護する子女に教育を受けさせる義務を負うと憲法に書いてある、そして教育基本法には、御承知のとおりに、普通教育を受けさせるということは書いてあるわけですね。ですから、学習指導要領は、それを受ければ、日本国民ということで書き出されるのは当然のことなんですよ。しかし、一方で国際人権条約等がありますから、我々もまたその条約も尊重しながら、先ほど先生がおっしゃったようないろいろな措置を講じてきているということで、鈴木先生流に言えば、土俵を変えない中では一生懸命やらせていただいているということでございます。
#80
○水岡俊一君 土俵を変えないところでというお話がありましたが、現実は非常に速いスピードで変わってきつつありますから、もう現実の問題としてとらえなきゃいけないわけですね。それを申し上げたいがために大久保小学校のお話をしました。大久保小学校だけじゃなくて、多くの学校で多くの子供たちが苦しんでいる実態があります。そういった中で文科省としてもお考えをいただいて、新規事業で予算立てをしていただいているというふうに理解をしているんですね。
 それで、私が今申し上げたのは、学習指導要領にやはりそれを明記しながらこれからの教育の仕組みの中に入れていくということをお願いをしたいということでありまして、これは文科省の方は考えていただいているんだろうと私は思うんです。それはなぜかというと、学習指導要領には書いてないけれども、学習指導要領の解説書には書いてあるんです。つまり、現場の実態を見る中で、そのことを認識しなかったら教育できないということを文科省がもう認識されているわけですよね。
 ですから、そういった部分をやはり一歩前に進めて、今の現実対応を是非とも、日本の教育の中で中心となっていただく文科省に是非ともお考えをいただきたい、こういうふうに思っているところであります。
#81
○国務大臣(伊吹文明君) だれが書いたの。解説書は文科省が書いたの。
#82
○水岡俊一君 文科省が書いていますよ、と私は認識しておりますが、また、もし事実と違うということであればまた……
#83
○国務大臣(伊吹文明君) いやいや、いいですか、委員長。
#84
○委員長(狩野安君) 伊吹文部科学大臣。
#85
○国務大臣(伊吹文明君) 多分、文科省が書いたんだと思います、それはね。しかし、法治国家ですから、法律というものはあくまで告示までが法律なんで、文科省はそういう精神を大切にして教育をやろうよということだから予算を付けているわけでして、法律に類するもののところでは今の土俵の枠を壊すことはできないということを私は先ほどから申し上げているということです。
#86
○水岡俊一君 ありがとうございます。
 そういった意味で、新規事業の中でその姿勢は私は表れているということで理解をしておりまして、更にまたお願いをしたいという私の要望であるというふうに御理解をいただきたいというふうに思います。
 そういった中で、私は文科省だけがそのことに悩んでいるわけではないと思うんですね。これは法務省もプロジェクトチームをつくっておりましたし、そのプロジェクトチームの中で明確に発言をしておりますし、また総務省も多文化共生の推進に関する研究会報告書なるものを昨年の三月に出しておりますし、そういった中で、この外国人児童生徒の問題というのは、国の責務としてやらなきゃいけないということを各省も認識をしているということですので、是非、政府で積極的な御議論をいただいて、取組をお願いをしたいと思うところであります。
 それでは、次の問題に移りたいと思います。
 予算委員会で大臣の方から御答弁があったのは、教職員の勤務実態調査のこともありました。文科省が調査をしたのは実は四十年ぶりなんですね。一九六六年以来四十年ぶりに勤務実態調査を行われたと、こういうことであります。
 私は、別に悪意はないんだろうというふうに思いますが、大臣は、超過勤務、大体三十時間程度ではないかというふうにおっしゃったのを私は傍聴しておりまして聞いておったんですが、これは私の知るところ、正確には、夏休みを含んで平均しますと約三十四時間、夏休みを入れなければ三十八時間から四十二時間というような数字になっているということでありまして、若干、超過勤務実態を、もう少し実際は高いんだというふうに訂正をできたらお願いをしたいというふうに思うところでありますが、この文科省の勤務実態調査でどういうことが分かってきているのか、その件について大臣のお考えを聞きたいと思います。
#87
○国務大臣(伊吹文明君) これは水岡先生、悪意も何もないんですよ。むしろ、私は教師の方々、先生がかつて属しておられた組合の仲間の人たちのことを考えながらやらしているんですから。つまり、まだ調査は続行しておるんですよ。冬休みの期間も入ってないんですよ。春休みの期間もまだ入ってないんですよ。私がやらせた意味は、四十年ぶりとおっしゃいましたけれども、これだけ免許のことだとか、やれ教師を排除するとか、そういうことばかり言っていて、本当に学校の先生はそれでいい先生が集まるのかと。
 だから本当は、総務省も今日来ておられるから、私は総務省に是非出してもらいたいのは、交付税の中の算定をしている一般地方公務員の勤務の、超勤の時間数ではなくて、実態的にどれだけの超勤を払っておられるんだと。勤務時間、超勤がどれだけであって、どれだけの超勤手当を払っておられるんだと。これ分かりません、私どもは。だけど、多分交付税の非交付の団体だとか何かは、地方自治体だとかのところは、これ分かりませんよ、数字がないから、教職員に比べて、超勤時間までずっと計算していくと、教職員が果たして、二・七六%ですか、恵まれているかどうかということについてはどうなんだろうなと。その確証を得て、私は二十年度には、十九年度け飛ばしたことについて、二・七六をけ飛ばしたことについて、まず私の正当性を立証したいと。それと同時に、二十年度をどうするかを考えてみたいというためにやっているわけで、悪意も何もありませんから、誤解のないようにしてください。
#88
○水岡俊一君 私なりにそれは理解をしているつもりであります。その二・七六%削減ということをよしとしないという大臣のお考えも、これまでの御答弁の中から私なりに受け止めているつもりでございます。
 ただ、今私が申し上げたのは超過勤務時間のことでありまして、超過勤務時間の手当を払っているのかいないのかという問題、それからほかの地方公務員の超勤手当の実質払っている実態はどうなのかというような問題、これは単にもう五分や十分でお話ができることではないので、また改めて時間をきちっと取ってお話をしたいと思うんですが。
 ただ、ここで申し上げたいのは、厚労省が、過労死に限りなく近づいていくという、過労死基準という言葉がどうか分かりませんが、時間外労働は月八十時間というラインがございます。こういう八十時間も時間外労働をすると、やはり過労死になるんではないかというおそれが非常に強いということで、今の勤務実態調査の中から見ると、小中学校の教員の二割前後の人たちがもうそういう時間を超過勤務をしているといったことになっているわけですね。
 それから、非常に精神疾患に詳しい専門家の医師によると、実際には教職員の三分の一に上るような教職員の皆さんが予備軍のような、非常に悩んでおられるというような状況にあると、非常にストレスをためている状況にあるという、そういうお話もあるんですね。そういったところから見ると、従業員の三分の一が精神疾患で治療が必要ではないかというような事態があるとすれば、これ優良企業だったら放置はできませんよね。私はそういうふうに思うんです。
 ですから、そういった意味で労働者の心身の健康とか労働時間について管理者はどういうふうな責任があるのかというこの問題について、厚労省に一言お考えを聞かせていただきたいというふうに思います。
#89
○国務大臣(伊吹文明君) 今のようなお話をされると、三分の一がもう精神疾患があるとか予備軍だとかということが既定方針として厚労省にお伺いされると、私もちょっと立場上困るんで、どこの調査でどういう責任のある数字かをまず教えてください。
#90
○水岡俊一君 これは文科省の認可を受けております財団法人労働科学研究所の調査であります。ですから、これは文科省がちゃんとお持ちであろうと思いますので、私の申し上げたことが間違いであるかどうかお確かめいただきたいと思いますが。
#91
○国務大臣(伊吹文明君) 対象数、その他調査の概要を教えていただけますか。
#92
○水岡俊一君 調査の報告書がありますので、こういった調査の報告書がありますので、(資料提示)後ほどまた見ていただいたらというふうに思います。もう時間がございませんので、それはまたの機会にお願いをしたいと思いますが、先ほど申し上げた厚労省としての見解をお聞かせをいただきたいと思います。
#93
○政府参考人(小野晃君) 労働者についての安全健康労働時間につきましては、労働基準法、労働安全衛生法に基づく最低基準が定められておりまして、事業者はこうした最低基準を遵守をしていただくということになっております。また、労働安全衛生法では、最低基準を守るだけではなく、事業者については労働条件の改善を通じて労働者の安全と健康を確保しなければならないと、こういうふうに規定されているところでございます。
#94
○水岡俊一君 厚労省としてのお考えはそのとおりだろうというふうに思っておりますが、大臣、そこで、二〇〇五年に労働安全衛生法改正案が国会を通過をいたしました。このときに附帯決議が付いております。この附帯決議には、学校教育の場においても労働安全衛生体制の必要性について指導の徹底を図ることと、こういうふうに明記をされているんですね。この明記をされているということ、そして今の教育現場の実態ということから大臣のお考えはいかがでしょうか。
#95
○国務大臣(伊吹文明君) 先ほどの先生の御指摘になった調査の概要というのを今ちょっと見てみましたが、例えば健康の不調を感じるとか、あるいは疲れを感じるとかストレスがあると、これはもう私なんかはいつもそうですよね。これは、だから、これでもって法律的に不調があるに当たるかどうかは、私ちょっと問題があると思いますが、学校現場といえども、これはもう先生が御指摘になったように、他の職場と同じように法律は適用されねばなりません。これはもうおっしゃるとおりです。
 ですから、今おっしゃったような、疲れだとかなんかを感じたり、体の不調があったりするような場合には、これは先ほどの御指摘のような労働安全衛生法に基づいて、当然のこととして衛生管理者とか衛生推進者だとか産業医だとか、あるいは衛生委員会というんでしょうか、法律上、そういうものをこれ置かなければいけないんですよね。置いているところの数がどれぐらいかということを調査しております。不備があることは私も存じております。県によって、教育委員会によって、やっていないところあります。ですから、今朝もそのことで議論になって、担当局長が設置するように図りたいというようなことの答弁を作ろうとしていたから、こんな権限がおれにあるのということを言っていたわけです。これは、しかし地方の教育委員会といえども、国で決めた労働関係の法律は守るのは当然のことです。だから、守るように私たちからお願いをし、指導させていただきます。
#96
○水岡俊一君 労安法問題については、私、これからもまた取り上げて、是非ともお願いをしたいというふうに思っております。
 そこで、私はなぜそういうことを言うかというと、やはり教育現場で働く仲間がより健康で、より前向きに教育に取り組むということが教育現場の改善になり、そして子供たちの学力向上になり、子供たちの健康な成長につながるんだというふうに思っているわけで、そういった意味で、私はこの問題は重要だというふうに考えているわけであります。そこで、政府としていろいろお考えになっている中には、免許の更新制であるとか、あるいは新しい職をつくっていく、そういった中で教員のめり張りを付けた給与体系を作ることによって教育現場は改善されていくんではないかというお考えがあるんだろうと思いますが、私は今申し上げたように、もっとそれよりも先にやらなきゃいけないことがあるでしょうと、こういう考え方であるわけであります。
 もう最後、時間がございませんので、最後一つだけお聞きをしておきたいのは、今後にまたつながる話でありますので、総務省に、地方公務員の給与をどういうふうに決めているのか。その辺りのことは今の新しい職の問題とかかわることでありますので、一言お聞きをしておきたいと思います。お願いします。
#97
○政府参考人(門山泰明君) お答えいたします。
 地方公務員の給与につきましては、地方公務員法の規定に基づきまして、各地方公共団体の条例で定めると、こういうことになっております。
 具体的には、人事委員会が置かれております都道府県の場合について申し上げますと、人事委員会が給料表の改定など給与に関する勧告を行いまして、これを踏まえて都道府県知事が給与条例の改正案を調製いたします。そして、議会の議決によりまして給与条例を改正すると、こういう手順を踏むものでございます。
#98
○水岡俊一君 ありがとうございました。
 中教審の答申等によって新しい職を設けるべきではないかというようなお話がある中で、新しい職を設けて責任が重くなれば、それに見合う給与体系を作らなきゃいけないんじゃないかということは当然出てくるわけですが、それを国で決めることができるのかというのが私の問題意識なんですね。
 そういった意味で、今後、そういった給与の問題、新しい職の問題、この委員会で話し合われると思いますので、今後また質問をさせていただきたいと、こういうふうに思っております。
 ありがとうございました。
#99
○委員長(狩野安君) 午後一時四十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十五分開会
#100
○委員長(狩野安君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#101
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。よろしくお願いいたします。
 先日の予算委員会の方でも、何点か教育に関します課題につきまして質問させていただきました。その場でも紹介をさせていただきましたが、昨今、いじめや不登校、教育格差、こういった課題、問題等、私たちもそういった声をいただいておりましたので、教育現場また生活現場にしっかりと私たち自身も行かせていただきまして、教員の方々、お子さん、御両親、そういった方々からもいろいろな意見をいただきまして、また積極的にこういった課題に対しまして対策を講じている、そういった自治体やそういった団体にも行かせていただきまして、そういったものも視察をさせていただきました。
 そういう中で、緊急性の高い課題に絞りまして、去る六日の日に、公明党といたしまして緊急提言・現場からの教育改革、こういったものを取りまとめて発表させていただいたわけでございますが、この中で、この緊急提言の一つでもあります教育の機会均等のための公教育の充実、これにつきましても先日の予算委員会で大臣の方にも見解を伺いました。
 そこで、教育の機会均等、これは親の所得に関係なくすべての子供に平等に与えられなければなりませんし、また学習機会を保障するためにも、将来的に幼児教育の無償化を目指しつつ、幼稚園の授業料の軽減などきめ細やかな支援を進めていく、こういった教育費の負担軽減を推進していくことも今求められている課題でもありますし、正に政府としましてもその方向で進んでいくことかと思いますが、そこで改めまして、具体的にどのように、こういった将来的に幼児教育の無償化を目指しつつきめ細やかな支援体制をつくっていく中でこういったことを進めていくのか、具体的に何点かお伺いしていきたいと思っております。
 まず幼稚園の就園奨励費補助についてお伺いしたいと思っておりますが、これは私立幼稚園の保育料また公立幼稚園の保育料、これを比較しますと約四倍となっておりまして、この格差を是正することと保護者の経済的負担の軽減を図る、こういったことから大変に大きいものがあるかと思いますが、この幼稚園就園奨励費の補助、これが来年度どのような対応になっているのか、また、私としましては、今後もしっかりと拡充を引き続き取り組んでいく中でこういった負担軽減も進んでいくことが重要かと思っておりますが、来年度の対応も含めて御見解をお伺いしたいと思います。
#102
○副大臣(池坊保子君) 幼児期は人格形成において最も大切な時期でございますので、その間に手厚いやはり教育が行われるべきというふうに考えております。
 今議員がおっしゃいましたように、公立、私立間の教育格差を是正するために、あるいは保護者の所得状況に応じてきちんとした経済的負担を軽減するためにということで、今年度もしっかりと予算を拡充しております。個々に、個別においては、これは説明は省きますけれども補助単価の引上げを行っております。前年度三億八百万円増の百八十四億五千三百万円を計上しております。
 今後とも幼児教育においては、骨太の方針の二〇〇六の中にも、平成十八年度に、「豊かな生活に向けた環境整備」の中で、「就学前教育についての保護者負担の軽減策を充実する」と書かれてございますし、また平成十九年一月二十五日の閣議決定の中にも、「「新成長経済」の実現に向けた戦略」の中に同じようなことが書かれてございます。
 これらのことを受けるまでもなく、文部科学省としても、幼稚園に対しては手厚いこれからも拡充を図ってまいりたいと思っております。
#103
○鰐淵洋子君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 また、関連して、幼稚園に通われます方の低所得者の方に対する支援について質問させていただきたいと思いますが、この私立幼稚園での生活保護世帯の方の負担というのは五〇%に今なっておりまして、この私立幼稚園と私立保育園の負担を比べますと、まだまだ幼稚園の支援があってもいいのではないかとも思っております。特に、この低所得者の方に対する支援、これは教育の機会均等という観点からもしっかりと強化をしていく必要があるところだと思っておりますが、この件に関しまして文部科学省の見解をお伺いしたいと思います。
#104
○政府参考人(銭谷眞美君) 幼稚園就園奨励費補助におきましては、これまでも、所得に応じて補助金額につきまして所要の措置を講じてきたところでございます。特に、保育料の高い私立幼稚園に幼児を就園させる低所得の保護者の負担軽減ということに配慮をしているところでございます。
 平成十九年度予算案におきましても、低所得の保護者の負担軽減に意を用いまして、単価で申し上げますと千四百円増ということで配慮をし、幼稚園就園奨励費補助金の増額を計上したところでございます。
 今後とも、生活保護世帯などの低所得者層にも幼児教育を受ける機会が保障されますように、幼稚園就園奨励費補助事業を進めてまいりたいと思っております。
#105
○鰐淵洋子君 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 また、関連しまして、同時就園の年齢緩和についてお伺いしたいと思いますが、第二子以降の減免の優遇措置にかかわる適用条件が来年度緩和されるということでございますが、現行、幼稚園から小学校一年生までの兄、姉がいる園児であったのが、これが小学校二年生までにということでなると伺っております。
 このような形で年齢が緩和されることは大変に一歩前進かとも思っておりますけれども、これも将来的な課題になりますが、少子化対策や子育て支援という観点からも、是非ともこの年齢条件、これも将来的には撤廃をしていくという、そういった方向性を持って取り組んでいかれたらどうかと私ども考えておりまして、それに対する御見解がありましたらいただきたいと思います。
#106
○政府参考人(銭谷眞美君) 幼稚園就園奨励費補助におきましては、従来は、同一世帯で幼児を同時に二人以上幼稚園に就園させている場合に、第二子以降の保護者負担を軽減する優遇措置を講じておりました。それを平成十八年度は、小学校一年生のお兄さん、お姉さんを有する園児を第二子以降の優遇措置の対象とする条件緩和を行ったところでございます。
 ただいまお話がございましたように、十九年度予算案におきましては、更にこの条件緩和を進めまして、小学校二年生のお兄さん、お姉さんを有する園児を第二子以降の優遇措置の対象とすると、こういうふうに条件を緩和したところでございます。
 この同時就園条件、これを年齢に関係なく撤廃すべきであるという御意見のあることは私どもも承知をいたしております。
 ただ、そういうことを考えましたときに、限られた予算、もちろん増額は図りたいわけでございますけれども、保護者の負担軽減ということを考えました場合に、財源の問題などもあって、どれを優先的に考えるかと。例えば、先ほどお話もございました低所得者の方の負担軽減を優先するのか、それとも子供の多い世帯の負担軽減を優先するのか、様々な観点から保護者の負担軽減は考えていくべき事柄だと思っております。
 引き続き検討してまいりたいと思っておりますけれども、いずれにせよ、すべての世帯において幼児教育を受けられるような、そういう実質的な機会の保障に向けて努力をしていきたいと、こう思っております。
#107
○鰐淵洋子君 今局長がおっしゃったように、優先順位等もあるかと思いますので、こういった声もあるということで、是非とも今後参考に、私たちも審議させていただきたいと思いますが、参考にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 教育費の負担軽減に関連しまして、奨学金事業について質問させていただきたいと思います。
 この奨学金事業におきましては、来年度の予算におきましても拡充していただきまして、私たちとしましても全力で取り組んでまいりました課題でもありましたので、大変に評価をしておりますけれども、これは日本学生支援機構の調査で、奨学金の受給を希望するが申請しなかった、こういった学生の方が一三・六%いらっしゃるということでした。これは潜在的希望者がまだいらっしゃるということになるかとも思いますが、今後の課題といたしまして、無利子枠の拡充も含めて、また更にこの奨学金事業の拡充を図っていく必要があるかと思っております。
 あわせまして、この有利子奨学金の一か月分の上限貸与額、これも十二万円に引き上げるなど、こういった対応も今後の課題として検討もしていく必要があるかとも思いますが、将来的な話にもなりますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
#108
○副大臣(池坊保子君) 学ぶ意欲と能力のある学生が経済的理由によって大学進学を断念することがないように、奨学金というのはきちんと担保しなければならないと思います。
 今まで無利子だけでございましたのが、鰐淵議員が入っていらっしゃる公明党の強い尽力によって、五十九年に有利子きぼう21ができました。おっしゃるように、三万、五万、八万、十万で終わりです。十万じゃ足りないから十二万をというお声もありますので、これは考えなければならない問題だというふうに思っております。
 それから、今、無利子で条件が満たされているにもかかわらず、二万人弱の方々が無利子で借りることができなくて有利子に回されているという現実がございますので、これはやはりきちんと無利子で貸与できるようにすべきではないかというふうに考えております。御存じのように、十九年度は、貸与人員が五万二千人増えまして百十四万三千人の学生にお貸しできるようになりました。これは、総額では五百四億円増の八千五百三億円でございます。
 今後とも、やはり経済的理由によって進学ができないということのないように、それは優秀な学生もさることながら、まじめで誠実に勉強している普通の成績の子供たちが、親から自立して進学したいという子供たちにもちゃんと力になってあげられるようにするべきというふうに考えております。
#109
○鰐淵洋子君 この奨学金事業は、やはり更なる充実は皆様も願っているところでもあると思いますので、引き続きしっかり対応をよろしくお願いしたいとも思います。
 冒頭も申し上げましたが、教育の機会均等また子育て支援という観点からも、将来的には幼児教育の無償化を目指しつつ、きめ細やかなこういった教育支援を講じていくことが重要でもあると思っております。
 この点に関しましては、先ほども、午前中の質問の中にもございましたが、こういったことを進めていく上では、財源の問題もありますし、こういったこともしっかりと今後国会の場でも議論を深めていかなければいけないとは思っておりますが、政府また文科省の方針に取り組むに当たりまして、改めて大臣に取り組む御決意をお伺いしたいとも思います。
#110
○国務大臣(伊吹文明君) 先生がいみじくもおっしゃったように、無償化には当然財源の問題がかかわってくるわけで、そして無償化をする場合は、今、幼稚園に行っている方、保育園に行っている方、どこも行っていない方も含めて、これはすべて平等に扱わねばなりませんので、水岡先生の午前中の御質問のお言葉で言えば、その方向へベクトルは向けて、しかし現実を忘れずに努力をするということだろうと思います。
 したがって、当面は、先ほど来御質問がありますように、保護者負担の軽減に我々は努めるし、厚労省は保育園について努力をしてもらう、両方が共同の施設については両方で努力をしていくということだと思います。
#111
○鰐淵洋子君 ベクトルもそちらの方向に向かっていき、また私たちも是非その方向に進めていきたいと思っておりますので、また引き続きこの課題につきましても進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、環境教育について質問させていただきたいと思います。
 今国会の予算委員会におきましても、京都議定書の達成目標に向けた取組また環境に関するそういった課題が出ておりましたけれども、ここ数年の世界の地球環境を見ておりますと、地球温暖化の進行の影響と思われる自然災害が頻発しておりますし、また、このままではいけない、何か行動を起こさなければいけない、そういった意識を持たれている方も今は増えていらっしゃるかとも思います。そういった中で、今環境省を中心にこういった地球温暖化防止の取組も様々な分野で講じられているわけでございますが、こういった取組を進めていく上でやはり一番重要になってくるのは、私は、一人一人の意識変革からまず始まることでありまして、またその意識変革の原動力となるのが教育、この環境教育であると思っております。
 ノーベル平和賞を受賞されましたワンガリ・マータイさん、このマータイさんのお取組は大変に有名でございまして、御存じの先生の方も多いかと思いますが、かつてケニアの森林は国土の三〇%を占めておりましたが、伐採や消失によりまして二%に減ってしまった。そういった深刻な状況になりまして、そのことが原因で肥沃な土が流れ出して、食料生産の減少を招いて農村部は貧困に苦しんでいた、こういった流れがございました。そこで、このマータイさんが、植林をすることによって貧困を脱することができる、そういったことを周りの方に呼び掛けられまして、植林運動をケニアの地で、アフリカの地で展開されるわけですが、これは延べ八万人の方が参加をして三千万本の植林が進んだということで伺っております。正にこのマータイさんの訴えによって周りの方々も立ち上がって、何か行動を起こして自分たちの生活の向上また安定のために行動を起こす中でこういった変革が進んだわけでございますが、やはりこういったこと、こういったエピソードも伺いながら、何か環境問題に対して行動を起こす上でやはりこういった環境教育、そういうものをしっかりと一人一人が受けていくといいますか、そういったことを知っていくことがまずは大事な課題であると思っております。
 そういった意味で、まず学校教育におきましても、これまでも様々環境教育も講じていただいておりますけれども、やはり学校において子供たちがいろいろ学んだことが家庭に帰り、また地域に戻り、そこからまた大きく広がっていくこともありますので、そういった意味で、この文部科学省におきます環境教育の充実がもう大事な、重要な課題になると思っております。
 そこで、文部科学省としまして、来年度どのようにこの環境教育に取り組んでいかれるのかお伺いしたいと思います。
#112
○政府参考人(銭谷眞美君) 学校における環境教育についてのお尋ねでございますけれども、学校では地球温暖化を含む環境問題について、主として社会科や理科を中心に学習をするということになっております。例えば、小学校六年生の理科では、自然環境を大切にする心やより良い環境をつくろうとする態度の育成を図るための学習ですとか、中学校社会科の公民的分野では、地球環境、資源、エネルギー問題について酸性雨や地球温暖化の問題を生徒が調べたりする課題学習といったようなことを展開をしているところでございます。また、これらを総合いたしまして、新たに今の指導要領の下でできました総合的な学習の時間におきまして、教科の枠を超えた横断的な学習の展開ということも行われているところでございます。
 来年度でございますけれども、私どもとしては、こういった各学校における環境教育の充実のための施策といたしまして、環境教育推進グリーンプランというものを実施を引き続きすることとしております。これは、地域の身近な自然環境について学習するなどの環境教育に関するモデル地域の指定でございますとか、全国的な実践発表大会の開催といったような全国各地の優れた実践の普及を図る等の事業を実施をするものでございます。こういった環境教育推進グリーンプランを中心として、私ども、十九年度におきましても環境教育の推進を図っていきたいと考えているところでございます。
#113
○鰐淵洋子君 環境教育といいましても様々、水のことだったり空気のこと、様々分野ごとにもありますし、また、これを進めていく上で、専門の先生だったり、かかわってくださる方のやはり協力も必要でありますし、様々課題も進めていく上であるかとも思いますが、やはり現場で進めていく上で様々そういった課題も出てきますので、そういった声も聞いていただきながら、またより良い環境教育が進むように進めていただきたいとも思いますが。
 そこで、引き続いてこの環境教育についてお伺いしたいと思っておりますが、今学校において様々環境教育の充実を図っていただくということで、その上で次の課題といたしまして、どのように行動に移していくのかということが次の課題になるかとも思います。そこで、これは和歌山県の取組でございますが、ちょっと紹介をさせていただきたいと思いますが、和歌山県では二〇〇三年から県内の県立高校が実施した省エネ活動の結果、この一年間に削減できた電気代や水道代など、こういった光熱費の一部を各高校に還元する、こういったプログラムを実施されているそうでございます。
 公立学校の光熱水費はすべて自治体が負担しておりますので、教員や生徒の皆さんは自分の通う学校の電気代や水道、こういったものの費用がどうなっているのか、そういったことを意識することがほとんどないかとも思いますが、このように省エネに取り組んだとしても、また学校への見返りもないので、なかなかそういったことが進まないということも考えられるかと思いますが、和歌山県としてこういった節約できた光熱水費をすべて自治体の負担軽減するのではなくて、その半分を学校にも還元する、こういった制度をされているということでございます。
 そこで、このプログラムを実施した和歌山県の県立高校では、教室や体育館の消灯、電気を消したり、トイレの水を流すのをしっかり調整したり、またエアコンの温度調整をしたり、こういったことを進める中で二〇〇三年度は全体で前年に比べますと約二千七百万円節約することができたそうであります。これ節約率は七・一%ということで、こういったこの節約できました光熱水費、これは三〇%は校内緑化また三〇%は物品購入、残りの六〇%は学校に還元したという、こういったことをされているということでございました。
 そのほかに、長崎県の方では、国見高校では環境マネジメントシステム、こういったものを導入して、省エネの具体的な目標を決めて学校でこういった取組をしているということで伺っております。
 この和歌山県の取組に関しましては、首長のリーダーシップの下、こういったプログラムが実施されておりますので、このプログラムができるかどうかは別問題としましても、学校自身が生徒たちを巻き込んで、こういった環境に関心を持ちながら、光熱費の削減など、こういった環境問題に対して具体的に行動を起こすということも学校としても取り組めるのではないかと考えております。
 そこで、この和歌山県のような取組また長崎県の国見高校での取組、こういった取組に対しまして、まず文部科学省の見解をお伺いしたいと思います。
#114
○政府参考人(大島寛君) お答えを申し上げます。
 今先生詳しく御説明がありましたように、まさしくその和歌山県を始めとして、非常に一生懸命いわゆる光熱費の節約といったものをとらえながら環境問題に取り組んでいるところがこのところ徐々に増えているという状況にあります。今お話しになったほかにも、例えば札幌市ですとかあるいは東京都の文京区、こういったところも始めたりしていまして、非常に広がりを見せ始めているという状況にあります。こういった形で光熱水料を削減した学校にインセンティブを与える、このことは学校における省エネルギーを進めるという観点から教員あるいは生徒等の環境意識の醸成につながる、これは非常に大事なことだというふうに認識しているところでございます。
 文部科学省といたしましては、現在このような省エネルギーの取組を紹介した事例集、これを今作成しているところでございます。近々でき上がる予定でございまして、こういったものを活用しながら、今後とも学校における省エネルギー対策の啓発に努めてまいりたいと思います。
#115
○鰐淵洋子君 大臣にも改めてお伺いしたいと思いますが、先ほどの和歌山県の取組は首長さんの、自治体の積極的な取組もあって実施できているわけでございますが、こういったプログラムがなかったとしても、学校の役割としてしっかりこういった環境問題に対して、教育の充実とともに具体的に何か地球環境問題に対して目標を決めて取り組んでいく、こういった行動を起こしてまた貢献をしていくということも学校の役割であると私は思っておりますけれども、今私が紹介した事例を含めまして、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#116
○国務大臣(伊吹文明君) すばらしいことだと思います。教科書の上で教えておるだけじゃこれは全く駄目なんですから、学校現場でできることを実践をして、お金が余らせたというのか、それをほかのことに使うということも大切ですけれども、同時にそのことは余分なエネルギー、二酸化炭素を排出することを抑えているということですからすばらしい取組だと思いますし、改正教育基本法でも、生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うということを今回教育の目標に書いておりますから、改正教育基本法を受けた今学校教育法の改正をしておりますので、当然学習指導要領にもそういうことは申し上げねばなりませんし、また、成功例として各教育委員会も横並びで、いいことはまねていただいたらいいわけですから、いろいろな事例をお教えしたいと思っております。
#117
○鰐淵洋子君 是非とも、今大臣がおっしゃっていただいたように、それぞれの学校で役割を果たしていくこともできますし、具体的に行動を起こす中で、また皆さんの意識も変わり、また地域も家庭もそういった意識も変わってくるかと思いますので、是非そういった取組を全国幅広く皆様に紹介していただき、それぞれの学校での地球温暖化に対する役割、果たしていけるようにまた進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいとも思います。
 続きまして、大学運営について質問をさせていただきたいと思います。
 二月に、経済財政諮問会議の民間議員の提出資料に大学の努力と成果に応じた国立大学運営費交付金、これの配分ルールという項目がございまして、それに関連して大学の運営についてお伺いしたいと思っております。
 この大学運営費交付金でございますが、これは平成十六年度に国立大学が法人化されまして、十七年度より五年間、運営費交付金を一%削減しております。そのような中で、特に文科系大学においては、医学部や工学部などの理系の大学に比べますと競争的経費を確保しにくい、こういった状況にありまして、安定的な運営が厳しい環境に置かれていると思います。そして今後、大学院におきまして競争的経費で賄う、こういった方向性が進むのであれば、文科系大学を更に厳しい運営環境に追い込むと、そういった危険性があると考えておりますけれども、大臣にこれに対する御見解をお伺いしたいと思います。
#118
○国務大臣(伊吹文明君) 経済財政諮問会議は私も臨時委員として呼び出されまして、国会で何度も御答弁しているのと同じことを私は申し上げておきました。それは、改正教育基本法では大学という項目を新たに立てて、大学の目的として三つのことを書いております。言葉をはしょって言えば、一つは教育、一つは研究、もう一つはその二つの成果の社会還元ですね。
 私は、大学というのは立派な知的エリートを社会に送り出すのがやはり一番の目的だと思います。知的エリートというのは、テレビのバラエティー番組やマスコミの風潮というのは本当にそうかなと少し懐疑的に見ることのできる能力のある人、こういう人をつくることだと私は思いますが、そのためには、やはり分厚い、専門ばかにならない、大切な不用の用という教養を身に付けないと駄目なんですよ。この教養というのは、率直に言うと、経済財政諮問会議が考えているような市場経済というのか、もうけ仕事に必ずしも合わない分野によって蓄積されるんですね。この分野をカバーしていくための大学の、今おっしゃった交付金を市場経済に役立つことばかりに配分しろということは、私は責任者としてはできかねるということを申し上げたということです。
#119
○鰐淵洋子君 是非、この国立大学の人件費や運営経費を支えるためにもこの運営交付金、大事な部分でもございますし、まずはこれをしっかりと確保していくこと、また、その上で、先ほども申し上げましたが、文科系大学は理系に比べるとこういった競争的経費を確保しにくい不利な状況にもあるということでちょっと先ほどお話しさせていただきましたが、こういったこともありますので、これからの課題といたしまして、この人文社会科学、こういったものに重点を置いたプログラムを、こういったものを創設しまして、こういったこれからの対応として必要ではないかと考えておりますが、この点に関しまして御見解がありましたらいただきたいと思います。
#120
○政府参考人(清水潔君) 人文社会科学系についてのお話でございますけれども、一般的に人文社会科学系のプログラムでございますとかプロジェクトは、理科系と比較いたしますと関係者の広がりとか資金など規模の面では比較的小さいという特徴もございますし、また、その中でも分野や大学ごとに差があるというのが現状でございます。
 御案内のように、競争的資金ということで、私ども、例えば科学研究費補助金のほか、国庫補助を通じて広く各大学の独自の取組を支援するというような観点から、例えば特色ある大学教育支援プログラムでございますとか現代的教育ニーズ取組支援プログラム等のそういう競争的な経費の充実に努めてきております。
 結果として申し上げますれば、例えば今申し上げました特色ある大学教育支援プログラムでは、十八年度、人文社会科学系が全体の採択プログラムの六五%を占めている、あるいは現代的教育ニーズプログラムでは五七%を占めている、こんな状況もございます。
 御案内のように、先ほど先生御指摘のように、環境問題のように人文社会科学系のみならず自然科学系も統合したような、そういう現代的、幅広い現代的な例えば環境問題等の必要性、重要性というのは論をまたないところでございまして、私ども、そういう意味でそういう人文社会科学の特性にも十分踏まえながら、こういう各大学の取組、特色ある取組あるいは活発な取組というものを支援してまいりたい、その充実に努めてまいりたいと考えております。
#121
○鰐淵洋子君 先ほど大臣の方からもございましたが、社会における大学の役割、それぞれ大学の方の努力も必要でございますし、しかし、そういったことが発揮できるような環境づくりということで、これもしっかりと進めていく課題であるかと思いまして質問させていただきました。
 次の質問に移らせていただきたいと思いますが、私も全く素人ではありますけれども、スポーツと音楽の関係性について質問させていただきたいと思います。
 これはある音楽関係の仕事をされている方から伺った話と、また私自身もたまたまテレビを見て感じたことがありましたので、ちょっと質問させていただきたいと思いますが、スポーツと音楽の関係ということで、特にシンクロとかまた新体操、フィギュアスケート、こういったスポーツが挙げられるかと思います。連日テレビでもシンクロの活躍も報道されておりますが、こういった音楽が大きくかかわってくるスポーツでございますが、こういったスポーツは音楽と相互に生かされる関係性でなければいけないと。また、それぞれの動きに合わせた曲を選んだり、また編曲をしたり、また逆にその曲に合わせて演技をする、表現をする、そういった一体的な総合的なといいますか、こういった研究が大変に大事というか重要であるかとも思います。
 そこで、私自身もテレビを見て、ああ、こういった取組をされているんだなということで知ったことなんですが、シンクロでございますけれども、これも今、日本におきましても世界最高レベルで活躍をされておりますが、ロシアやスペイン、こういった強豪チームに勝つために特に芸術点、そういったところでしっかりと力を付けたいということで、音楽プロデューサーの方に練習に来ていただいて、その方に、具体的に監督や選手からイメージを聞きながら、こういう表現をしたい、それに対して音楽プロデューサーも、じゃこういう曲にしよう、こういう音にしようということで編曲をされる。そういった曲とスポーツの一体的な取組をされている様子をたまたま私もテレビで見させていただきました。
 また、以前、荒川静香選手のインタビューもお聞きすることがありまして、そのときに荒川選手がおっしゃっていたのは、自分の好きな曲で踊って、その曲のすばらしさを表現したいと、そういう思いで滑りましたという、そういった話も伺ったことがありまして、そういったことを通して、改めてスポーツと、こういったシンクロやフィギュアスケート、こういったスポーツと音楽の関係性というのは素人の私から見ても一体的であって重要な関係性があって、また、ここに対して、これからまた世界で活躍していく人材を育成していくという上でも、しっかりとこういった研究なり調査なり進めていく必要があるのではないかということで感じました。
 そこで、まず今こういったシンクロやフィギュアスケート、こういったスポーツと音楽の関係性について、こういった研究といいますか調査をされているのかどうか、今現状どういうふうな取組をされているのか、現状をお伺いしたいと思います。
#122
○政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘をいただきました運動と音楽との関係でございますが、私どもも各関係する競技団体にちょっとお聞きをいたしました。
 新体操、シンクロナイズドスイミングあるいはフィギュアスケートなどのいわゆる芸術系の競技におきましては、トップレベルの競技者の場合には既存の音楽に合わせて演技をするということはないということで、トップレベル競技者の場合には、その演技やあるいは動きに合わせた作曲あるいは編曲などの音楽作りを行っているというふうにお聞きをいたしております。これは、あくまでもトップレベル競技者ということで、ジュニアの競技者とか一般の競技者の場合には既存の音楽を活用されておられるということでございました。
 その際、先生御指摘のとおり、コーチだけでなく音楽の専門家もスタッフに入られまして、演技に合った作曲、編曲などを専門的な視点から行っておられるということで、これはあくまでも各競技団体と各競技者レベルでの実践的な取組が行われているというふうにお聞きいたしております。
#123
○鰐淵洋子君 各競技別に、また世界を代表する選手、日本代表選手やチーム、そういったところではこういった研究なり取組はされているということでございますが、先ほども少しお話ございましたが、これからのやはり人材育成、世界で活躍する人材を育ていくという上で、こういった一部分のところではなくて、しっかりと国として、国の戦略として、このようなスポーツと音楽の関係性、より良い表現、競技ができるような、そういった体制をつくる上でも、国としてもこういった戦略的なものをつくっていくことも今後大事ではないかなと。
 現在、確かに、現在のレベルでも世界最高レベルにも来ておりますけれども、これからの更なる発展等を考えましたときに、しっかりと国としてもこのような調査研究も進めていいのではないかと考えておりますが、改めて御見解をお伺いしたいと思います。
#124
○政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、芸術系競技におきます演技と音楽の組合せというものは、パフォーマンスを最大限にアピールする上では大変重要だと考えております。現在、先ほども御指摘申し上げました芸術系競技におきます音楽の作曲、編曲などについては、それぞれの競技特性、新体操、シンクロナイズド、フィギュア、それぞれの競技特性があるわけでございまして、競技者個人あるいは競技団体ごとに取り組んでおられると承知しておるわけであります。
 確かに、芸術系競技で音楽が重要な要素であるということは認識しておりますが、共通要素であるものの、やはり各競技の競技特性とか競技者の特徴というものを効果的に発揮するために各競技団体ごとにコーチを交えて取り組んでいただいているものと思っておりまして、私どもといたしましては、この競技団体ごとの取組に期待をしたいと思っているわけでございます。
#125
○鰐淵洋子君 済みません。繰り返しになりますけれども、確かにおっしゃるとおり、個々の競技によりましても、また個人によりましても様々状況も違いますし課題もありますので、またそれぞれの分野で検討し、進めていくことももちろん重要であると思います。
 それとともに、やはり、先ほども申し上げましたが、これからの育っていく子供たち含めて、選手が更に世界で活躍できるような環境づくりということで、例えば、先ほど申し上げましたが、こういったスポーツと音楽の関係性を研究するような、そういった勉強というか研究をされている方も現にいらっしゃると思いますので、そういった方々への支援も含めて再度、要望という形になりますけれども、そういったことも私は進めていく必要があると思っておりますので、再度要望したいと思いますが。
#126
○政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。
 確かに、先生御指摘のとおり、芸術系競技におきます演技を行う上での音楽の重要性というものは、我々も大変大切だと思っているわけであります。
 私ども、お聞きいたしますと、こういった芸術系競技の競技団体からは、JOC、日本オリンピック委員会に対しまして、音楽の作成費が競技力の向上に資することから是非助成してほしいという要望があるとお聞きいたしておるわけでございますが、残念ながらJOCにおきましては、音楽の作成費というものについては強化合宿等選手の競技力の向上に直接的にかかわる経費ではないということで、対象経費としてはしていないということもお聞きしておるわけでございます。
 私ども、実はスポーツ振興基金によるトップレベル競技者に対する助成のシステムがございます。こういったものの活用が考えられないかどうか、個人助成の中でこういった音楽の作成というものにも個人助成の経費を充てることができるかどうか、こういったことを少し今後よく検討をしてみたいと思っているわけでございます。
#127
○鰐淵洋子君 私も素人ではございますが、しっかりと勉強して、また進むように取り組ませていただきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 では、続きまして次の質問に移らせていただきますが、大学の授業、インターネットを通じた一般公開ということで、こういった取組を是非、昨年の教育基本法の中でも生涯学習の理念が規定をされておりまして、改めてちょっと確認をさせていただきたいと思いますが、国民一人一人が自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことができる社会の実現を図られなければならない、こういった形でこの生涯学習の理念が規定をされております。
 私たちも、人間というのは広い意味で教育を受けることによって人間として成長もできるわけですので、そういった意味からもこの生涯学習の理念、これが基本法でうたわれることもすばらしいことでありますし、具体的にこの生涯学習実現のために様々な対策、環境づくりも進めていくことが重要であると思っております。
 そこで、具体的な取組といたしまして御紹介させていただきたいと思いますが、これも御存じの先生が多いかと思いますが、アメリカのマサチューセッツ工科大学、ここでは大学の授業をインターネットを通じて一般公開をするオープンコースウエア、OCWを実施をされております。
 そこで、アメリカのこういった例も通しまして、この大学の教育の開放が生涯学習の機会拡大につながると考えておりまして、是非日本におきましてもこういったことを進めていきたいと思っておりますが、まずこの日本の大学におきますOCWの実施状況がどのようになっているのか、現状をお伺いしたいと思います。
#128
○政府参考人(清水潔君) 今、先生御指摘のように、オープンコースウエアでございますが、正に大学のシラバスでございますとか講義ノート、あるいは講義スケジュール、参考文献、課題、試験、そういう一切を含めてその講義の関連情報をインターネットで公開、無償公開していこうと、そういうふうな活動であります。二〇〇一年にMITがオープンコースウエアを提唱して以降、二〇〇五年から我が国ではその取組が始まっております。
 オープンコースウエアを実施している大学は、我が国では全体で十大学と承知しておりますし、そのうちにはMITの、今例えば二〇〇六年現在で一千四百のコースをオープンコースウエアしておりますけれども、そこにはまだ及びませんが、一大学で二百六十八、二百三十六のコースを開設した、そういう例もあるわけでございます。
 また、十八年四月には、オープンコースウエアに関する情報交換を行って、この活動を援助、普及することを目的としたオープンコースウエア・コンソーシアムが我が国で結成されております。参加大学数は十五大学ということになっておりますが、年々その取組が拡大しております。
 先生御指摘がございましたように、正に教育基本法の改正を受けて、大学に関しても教育研究の成果を社会に提供するということが法文上明定されたところでございます。正に大学の講義の公開というのは、自らの教育あるいはその質、水準というものを社会に広く明らかにするということによって、その改善を自ら図っていくということであると同時に、それは同時に、取りも直さず正に生涯学習の機会を提供して一層の社会貢献を大学が図っていく、こういう動きであると、こういうふうに認識しておるところでございます。
#129
○鰐淵洋子君 今お話ございましたけども、先ほどの紹介したマサチューセッツ工科大学、これは円滑に実施するために授業で使用する教材などを事前に著作権処理する、こういった専門チームをつくって作業を進められていると伺っております。日本の大学におきましても、こういったOCWの普及のためには著作権処理、円滑に進めていく、これも一つの課題でもあると思いますし、先ほど少し触れていただきましたが、改めて、日本の大学におきましてこのOCW普及推進のためにしっかりと取り組んでいただきたいと思っておりますが、改めて、どのように普及推進していくのか、その部分をもう一度お答えをお願いしたいと思います。
#130
○政府参考人(清水潔君) 普及促進という観点から考えた場合に、正に先生御指摘のとおりに、著作権の取扱いというのは実は実務上大きな問題でございます。
 どうしても第三者著作物を教室で利用する場合に、ややもすると教員は著作権ということについて余り意識しておりませんけれども、言わばインターネットで公開するというような場合には当然不特定多数での活用になるわけでございますから、許諾の問題が起きてまいります。この許諾をどういうふうな仕組み、仕掛けでしていくか、これは私ども、先ほど申し上げたコンソーシアムでの課題となっているわけでございますし、また、私どもも検討をしていかなければならないかなというふうに思っております。
 それともう一つ、このオープンコースウエアにつきましては、私どもの所管のメディア教育開発センター、独立行政法人でございますけれども、大学等で開発されたe―ラーニングコースでありますとか教育の素材、シラバス情報など学習コンテンツを総合的、体系的に学習者に提供しようというような教育情報のポータルサイトを設けております。このポータルサイトを活用し、先ほど申し上げました日本の大学のオープンコースウエアをこのセンターのホームページに集約して提供し、効果的な流通、促進というものを支援するというようなことを行っておるわけでございます。
 このオープンコースウエアにつきましては、さきに申し上げた著作権のほか、様々な課題もなしとはしないわけでございますけれども、私ども、それぞれ意欲的な取組を行っている大学あるいはこのコンソーシアムと連携しながら、私どものできる限りの支援はしていきたい、このように思っております。
#131
○鰐淵洋子君 先ほども申し上げましたが、この生涯学習の機会の拡大また再チャレンジという観点からも、こういった大学の取組が地域貢献また社会の貢献にもつながりますので、また引き続きこの取組の充実をお願いしたいとも思います。
 少し時間は早いんですが、以上で終わらせていただきますが、またこれからもしっかりと、大臣の下、私たちも様々な教育課題、しっかりと頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#132
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 教員の勤務実態の問題を中心に質問をいたします。
 午前中の質疑の中でも出ておりましたけれども、文部科学省として四十年ぶりに大規模な公立学校の教員の勤務実態調査をされております。どういう結果が出ているのか、残業時間がどうなっているかということをまず御報告をいただけますでしょうか。
#133
○政府参考人(銭谷眞美君) 文部科学省では、昨年の七月から、全国の小中学校から毎月各百八十校程度無作為抽出をいたしまして勤務実態調査を行っているところでございます。現在、十一月分まで暫定集計を行っております。
 これによりますと、夏休みを除く七月、九月、十月、十一月の学期中の勤務日におけます教諭の各月の平均残業時間は三十八時間から四十二時間程度になっております。断定的にはまだ申し上げられないわけでございますが、夏休み中の勤務実態等も踏まえますと、年間の平均残業時間の推計でございますけれども、平均三十時間を超える残業時間になるのかなというふうに受け止めております。
#134
○井上哲士君 今御報告があった時間でも私は大変なものだと思うんですが、教員の実態を正確に反映をしているのかなという気持ちも持っております。
 この実態調査に基づきまして既に中教審でも議論がされまして、今後の教員給与の在り方についての答申案も出されております。この中では、この調査結果を見て、恒常的な時間外勤務の実態が明らかになっているとこの過酷な勤務実態を評価をして、さらに、学校の管理運営の結果として教員の子供たちの指導の時間の余裕がなくなっていると指摘をし、教員が子供たちの指導により専念できるような環境を整備していくことが必要だと、こういう結論を付けております。
 大変重要な指摘だと思いますけれども、この点、大臣の受け止めはいかがでしょうか。
#135
○国務大臣(伊吹文明君) 中教審で御審議をいただいていてまだ正式に私は受け取っているものではないんですが、今、井上先生がおっしゃったことは大筋として私は大切なことだと思っております。
 ですから、今回の学校教育法においても、副校長の新設あるいは教頭先生の複数配置、主幹教諭あるいは学校事務の共同化、こういうことと、それから先ほど水岡先生の御質問の中にもありましたように、外部委託はできるものはできるだけ外部委託をして、教員の負担を減らしていくという方向で私はやっていきたいと思います。
#136
○井上哲士君 教員の負担軽減が必要であるという御認識かと思いますが。
 もう少し詳しくこの調査結果を見ていきたいんですが、お手元に中教審にも配付をされた資料から二枚配付をしております。二枚目を見ていただきたいんですが、私、実際の一日当たりの勤務がどういうふうになっているのか、非常に細かく出されております。
 非常に私、注目いたしましたのは、一番下の白い部分ですね。休憩、休息という時間が一日の中でわずか六分から十一分しか取れていないという実態があります。なぜこういう実態になっているという認識なんでしょうか。
#137
○政府参考人(銭谷眞美君) 労働基準法におきましては、使用者は労働時間が六時間から八時間以内の場合には四十五分の休憩を与えることになっておりまして、服務監督者である教育委員会では適切に休憩、休息時間の割り振りをしているものと承知をしております。
 ただいまお話がありました文部科学省が行いました勤務実態調査では、小学校の教諭の休憩、休息時間につきましては、授業がある通常期では六分から九分、夏季休業期では四十八分となっておりまして、通常期のように学校に児童生徒がいるときは休憩等が取りにくい反面、夏季休業中のように児童生徒がいないときには割り振られたとおりに休憩等が取られているという実態がございます。これは、授業がある通常期におきましては、例えば授業の間の休憩時間に質問対応や個別の生徒指導等の必要があるために休憩、休息時間が取りにくくなっている、そういう状況であるというふうに考えられるわけでございます。
 文部科学省では、各学校の実情に応じまして、例えば休憩時間を児童生徒が帰宅をした放課後に配置をするとか、教職員の休憩時間の設定を変えて交代で休憩を取るとか、休憩時間を分割して配置するなどの工夫を通じて休憩時間の適切な確保に努めるよう指導は行ってきたところでございます。
 また、休憩時間等の適切な確保のためには、校務の効率化、教員の事務的作業の縮減を図ることも併せて実施をする必要があると考えておりまして、各学校や教育委員会におきまして適正な時間管理に取り組むように促してまいりたいと思っております。
#138
○井上哲士君 いろいろ言われましたけれども、本当に深刻な実態なわけですね。一日勤務時間十一時間近い中で、休憩が十分前後しか取れないという状況が恒常化をしているということがあります。
 先ほど残業時間について御報告があったわけですが、そういう今の教員の置かれている実態が、先ほどの数字に果たして私は反映をしているんだろうかと疑問なわけですね。
 例えば、この一枚目の資料で、勤務時間、第五期ですね、十月二十三日から十一月十九日とありますが、教諭の勤務時間十時間四十七分ですが、そのうち残業時間が一時間五十五分と、こういうことになっております。ところが、十時間四十七分から一時間五十五分を引きますと八時間五十二分なんですね。ですから、本来八時間勤務が原則なはずなのに八時間五十二分働いている。で、その五十二分分というのは残業というものにカウントしないという、こういう仕組みになっております。
 さらに、これは勤務日だけですけれども、休息日がどうなっているか、休日日がどうなっているかというのも調査をされておりますが、休日の残業時間が小中学校の教諭で五十九分間、それから持ち帰り時間というのが勤務日でいいますと二十九分、休日は一時間三十三分ということになっているわけですね。教員の皆さんが十一時間以上の勤務時間があり、その中でもうわずかしか休息が取れないと、もう夕食も取れないような事態の中で、やはり持ち帰りをしなくちゃいけないという非常に過酷な状況がここにありますし、休みの日にまとまって更に持ち帰りの仕事をされておると、こうなるわけですね。私は、これ全部足してみますと、例えば一か月の超過勤務時間というのは、九月でいいますと八十七時間四十分になります。十月で九十六時間十八分、十一月で九十時間四十分となるわけですね。ですから、いわゆる過労死ライン、危険ライン、一か月八十時間という残業時間を軒並み超えるという状況があると思うんです。
 私は、教員の皆さんの実態からいえば、こういう実態だっていうことをむしろ直視をしていくことが必要かと思いますけれども、この状況をどう受け止め、どう改善をされようとしているのか、いかがでしょうか。
#139
○政府参考人(銭谷眞美君) 今回の文部科学省の教員の勤務実態調査の暫定的な集計によりまして、平均で三十時間を超える残業時間があるということは私どもも認識をいたしているわけでございます。先生方、本当に一生懸命、多くの先生は働いておられるという認識を持っております。
 ただ、ただいまの御指摘でございますけれども、私どもの調査における時間外勤務の定義は、勤務日におきます残業時間を意味をいたしております。委員御指摘の八十時間という時間外勤務時間の計算はこれとはちょっと異なりまして、勤務日の持ち帰り時間を含むとともに、休日における残業時間及び持ち帰り時間も含んでいるわけでございます。この時間は、服務監督権者が正確に把握できない時間でございまして、時間外の算定に加えるということは必ずしも適当ではないと考えております。厚生労働省の検討結果におきましても、持ち帰り労働は含まれていないというふうに承知をいたしております。したがって、教員の時間外勤務八十時間のいわゆる過労死ラインを超えているとの御指摘は直ちには当たらないんじゃないかなというふうには思っております。
 ただ、私ども文部科学省としても、教職員の心身の健康の保持ということは、これは大変大事なことだと考えておりまして、会議や行事の見直し等による校務の効率化それから教職員の中でも大変過重な勤務をしている方等いろいろあるようでございますので、一部の教職員に過重な負担が掛からないような適正な校務分掌を整えること、それから時間管理にもやはり努めていただいて、皆さん一生懸命やっておられますけれども、時間管理にも是非お気を付けいただきたいということとか、健康診断の実施の徹底、あるいは産業医等による助言、指導の実施、それからいろいろと不健康な状態に陥った教員についての早期発見、早期治療に努めること、それからまた教育委員会も、学校訪問等を通じまして学校の様子や各教職員の状況を的確に把握するように努めるなど、こういったことにつきまして通知でお願いをするとともに、教職員の勤務の改善ということにつきまして、各種の会議を通じまして教育委員会等に対してお願いをしているところでございます。
#140
○井上哲士君 皆さんと定義が違うのは分かっているんですね。ですから、むしろ教員の実際の実態からいえば、私、先ほど言ったようなことを見ることの方が正確ではないかということを申し上げました。
 今いろいろ言われましたけれども、何も好き好んで夜遅くまで休みも取らずに働いている人はいないんです。そこに追い込まれているという実態があるわけですね。この中教審の答申案の中にも注のところで、必ずしも多忙との関係性は明らかになっているわけではないとしつつもですけれども、精神疾患による病気休職者が四千百七十八人で過去最高になっていると、こういう指摘もしております。これ大体、十年前と比べますと三倍ぐらいになっているかと思うんですね。やっぱりそういう状況がある。しかも、校務分掌や学校事務の見直しということが言われましたけれども、この一日の実態でいいますと、そこにかかわる時間というのは大体一時間四十分前後かと思います。これ大いに短くするということは大歓迎でありますし必要だと思いますけれども、しかし一方で、例えば職員会議などがもう伝達だけになっていて、十分な議論がされていないという指摘もあるわけで、ここをゼロにするわけにはいかないわけですね。私は、これだけではやっぱり解決しないんじゃないかと。もっともっとやはり基本的な大本のところを正す必要があると思うんですね。
 多くの教職員の皆さんは、非常にこういう厳しい下でも何とか子供たちと向き合って、良い授業をしたいということで時間の確保に苦闘をされております。気になる子供とじっくり話す時間がないとか、子供を引き付ける授業をしたくても教材研究の時間が取れないという悩みを持っていらっしゃるわけですね。
 調査結果のこの一日当たりデータでお聞きしますけれども、いわゆる授業準備の時間というのはどういうふうになっているでしょうか。
#141
○政府参考人(銭谷眞美君) この勤務実態調査の暫定集計によりますと、教諭の勤務日における一日当たりの授業準備の平均時間は、七月からずっと見てまいりますと、おおむね一時間程度となっております。
#142
○井上哲士君 この標準法が制定をされたときに、教職員定数を算定するに当たって、一時間の授業については一時間程度は授業の準備が必要だと、こういう考え方が示されておりますけれども、この考え方は今日も変わらないということでよろしいでしょうか。
#143
○政府参考人(銭谷眞美君) 教員が授業を行う際に、どのくらい準備を必要とするかということにつきましては、担当する教科の内容などによりまして違いがあると思うわけでございますけれども、昭和三十三年のいわゆる標準法の制定当時における教職員定数の積算に当たっては、一時間の授業について一時間程度は授業の準備が必要ではないかというふうに考えていたようでございます。ただ、この一時間の準備の内容はちょっといろいろ記録を見ますとございますけれども、基本的に授業の準備という言い方で考えていたようでございます。その考え方は現在まで引き継がれているというふうに思っております。
#144
○井上哲士君 この中教審の答申案でも、教育の質の向上を図っていくには、何よりもまず教員が子供たちに向き合い、きちんと指導を行えるための時間を確保することが重要だと、こういうふうに言っているわけですね。一日当たりデータで見ますと、大体授業時間が、例えば第五期の平均でいいますと、三時間三十三分に対して授業準備が一時間十分、どの時期見ましても大体三分の一ぐらいしか確保されていないという状況があります。
 そもそも標準法の精神が、先ほど確認しましたように一時間の授業については一時間程度の準備が必要だということであるわけですから、この事態を解消するためにはどういう取組を文科省としては進めるんでしょうか。
#145
○政府参考人(銭谷眞美君) ちょっとまず御説明をさせていただきたいんですけれども、標準法の制定当時、教諭の定数算定上の担当の授業時数を、小学校では一週間二十六時間、中学校では一週間二十四時間と、こういうふうに想定をしていたわけでございます。この一時間という授業時間は、実際は小学校では四十五分授業、中学校では五十分授業でございますので、実際の時間数を六十分で換算し直しますと、小学校二十六時間は十九・五時間ということになります。それから、中学校の二十四時間は二十時間ということになります。これが授業をする時間でございます。
 これに対して、準備の時間というのを同じだけ取るということにいたしますと、標準法制定当時の勤務時間というのは週四十四時間でございましたので、大体、小学校で授業の実施と準備に三十九時間、中学校で授業の実施と準備に四十時間ということで、一週間の勤務の中で授業の実施と準備というのが大体週の勤務時間数で収まると、こういう計算をしていたようでございます。
 現在、教員の職務というのは、今申し上げました本来的な職務でございます授業を行ういわゆる教育活動以外にも、施設設備や教材、教具などの点検、管理、統計処理あるいは対外的な連絡、折衝など多岐にわたっております。
 先ほど申し上げましたように、文部省の調査では、小学校の先生は授業を行う時間が一日当たり約四時間、授業準備の時間が約一時間、中学校の先生が授業を行う時間は一日当たり約三時間、授業の準備が一時間となっておりまして、当時の標準法制定時の考え方から見ますと、準備の時間はやはり少し足りないという状況がございます。私どもといたしましては、やはり授業準備の時間を確保し、子供たちに対して質の高い、きめの細かい指導を行う上でその確保ということは不可欠でございますから、できる限りやはり教員の事務的な業務を縮減をするということが今求められていると思っております。
 文部省としては、学校のマネジメント業務の強化のために、教頭の複数配置の推進とか管理職を補佐する主幹などの新しい職の検討、学校事務の共同実施、こういったことを推進をするとともに、学校内における会議や行事の精選、報告書作成等の事務作業量の軽減など、効率的な事務処理体制の整備が促進されるように努めてまいりたいと思っております。
#146
○井上哲士君 午前中の質疑で、与党の方からも公教育における授業の質の担保ということが強調をされました。これはやっぱり、しっかり準備する時間を保障することが必要なんですね。
 大手予備校のネットで見ておりますと、これは非常に有名な予備校ですが、講師自身が授業の準備に多くの時間を費やしており、そのため授業は熱く、分かりやすいと評判ですと。要するに、授業準備しっかり取っているということを売り物にしているわけですね。これは大変大事なことだと思うんです。
 今お話ありましたけれども、結局、校務や学校事務の見直しという話でありましたが、先ほどの長時間勤務を短くするのと同じことなんですよ。そうしますと結局、授業準備の時間をあきらめて労働時間を短くするのか、長時間労働のまま授業準備時間にそれを充てるのかと、こういうことにしか私はならないと思うんですね。やっぱり、あの標準法の精神に立ち戻って、教員の定数そのものをしっかり確保するということをやらない限り、事務負担の軽減は大事でありますけれども、やっぱり今の問題は解決しないんじゃないかということを思います。
 さらに、教職調整額のことにも触れておきますが、この答申案で、教職調整額の制度と実態の乖離が進んでいるということで見直しも言われておりますが、もし制度との乖離があるとすれば超過勤務の実態だと思うんですね。本来、この法令は、超過勤務手当は出さないけれども本給に四%の教職調整額を付けると、こうしてきたわけですが、これが制定をされた七十一年の当時、教職員の超過勤務の実態というのは大体どういうことだったんでしょうか。
#147
○政府参考人(銭谷眞美君) 今お話ございましたように、教職調整額は、教員の職務と勤務態様の特殊性から時間外勤務手当の支給はなじまないという考え方に立って、時間外勤務手当を教員には支給しないこととして、勤務時間の内外にまたがって包括的に評価して支給するものとして教職調整額、本給の四%が支給をされているわけでございます。
 この四%という支給率は、文部科学省が、当時の文部省が昭和四十一年度に実施をしました教員の勤務状況調査の結果によるものでございまして、当時の年間の平均残業時間は八時間程度であったというふうに承知をいたしております。
#148
○井上哲士君 年間残業時間ですか、八時間というのは何当たりですか。
#149
○政府参考人(銭谷眞美君) 失礼いたしました。
 年間の平均月残業時間でございます。
#150
○井上哲士君 月残業時間が八時間程度ということですね。
 当時、四%という数字は週平均でいうと一時間四十八分の超過勤務の実態に見合ったものだと、こういう答弁がされておりますし、さらに、こういう法律ができたからといって先生たちを追いまくるようなことは毛頭考えていないと、こういう答弁もあったわけですが、先ほど来指摘しておりますように、正に今や週平均十八時間程度の残業に追いまくられているという、こういう実態があるわけですね。
 ですから、この調査で示された今の超過勤務の実態に見合う総人件費をしっかり確保して、そしてそれに見合った給与ということを考える必要があると思うんですが、全体の優遇措置の二・七六%削減というものが来年度やってくるということになりますと、そうしますと結局、重荷は増えているのに総人件費は減るということになるわけですから、私は、全くこれは逆行しているんじゃないかと、こう思うわけですね。
 今、今年の公立学校教員の受験者数が二〇〇〇年以来七年ぶりに減少して、競争倍率も過去十年で最低になったと。国立大学の入試で、教員養成系大学の志望率は前年の四・九倍から四・四倍に低下したなどいろいろなことが言われております。正に教師という仕事が魅力がないものになっていて、本当に優秀な人材が確保されないというようなことがいろんなところから指摘をされているわけですね。
 こういう状況からいえば、私はやっぱり、今日もいろんな議論がありますけれども、しっかり、行革法の枠ではなくて、教員の確保とそして勤務実態に見合った教員給与の見直しということこそが私は必要だと思いますけれども、大臣、そこにこそ政治の責任があると思いますが、所見をお聞かせいただきたいと思います。
#151
○国務大臣(伊吹文明君) その面では、先生がおっしゃっていることは正しいでしょうね。
 ですから、先般も西岡議員からの御質問もありましたけれども、予算については概算要求で勝負はできるんですよ、概算要求でね。しかし、残念ながら、教員の定数については行革法というのはかぶっていますから、これをどう国会の意思として変えていくか、また政府としてどうこれを変えるための努力をするかということに懸かっているんです。
 そのかぎはやっぱり財源にあるわけでして、教育を最優先の課題と安倍内閣は考えているわけだけれども、防衛費を削減してその財源を持ってきたらいいというようなことはやっぱりできないわけですから、さて、これをどうするかという今難問で煩悶をしているというのが今の私の立場でございます。
#152
○委員長(狩野安君) 時間ですけれども。
#153
○井上哲士君 財源についてはまたいろんなところで議論をしていきたいと思いますけれども、やはり教育は正に人でありますから、しっかりと予算も確保し体制も確保するということを重ねて申し上げまして、質問を終わります。
#154
○委員長(狩野安君) 以上をもちまして、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#155
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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