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2007/04/12 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 文教科学委員会 第8号
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2007/04/12 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 文教科学委員会 第8号

#1
第166回国会 文教科学委員会 第8号
平成十九年四月十二日(木曜日)
   午前十一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十日
    辞任         補欠選任
     松下 新平君     水岡 俊一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         狩野  安君
    理 事
                中川 義雄君
                佐藤 泰介君
                蓮   舫君
    委 員
                有村 治子君
                荻原 健司君
                神取  忍君
                北岡 秀二君
                小泉 顕雄君
                中曽根弘文君
                水落 敏栄君
                西岡 武夫君
                林 久美子君
                広中和歌子君
                水岡 俊一君
                山本 香苗君
                鰐淵 洋子君
                井上 哲士君
   国務大臣
       文部科学大臣   伊吹 文明君
   副大臣
       文部科学副大臣  遠藤 利明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡井 敏雄君
   政府参考人
       内閣府原子力安
       全委員会事務局
       長        片山正一郎君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   中根  猛君
       文部科学省研究
       開発局長     藤田 明博君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        樋口 修資君
       文部科学省国際
       統括官      瀬山 賢治君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院審議官   佐藤  均君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(狩野安君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十日、松下新平君が委員を辞任され、その補欠として水岡俊一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(狩野安君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府原子力安全委員会事務局長片山正一郎君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(狩野安君) 独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。
 本日は、独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部を改正する法律案、いわゆるイーター法案についてお伺いをしようというふうに思っておるわけですが、その前に、昨日、岐阜県大垣市の市立の小学校で綱渡り遊具の木製の支柱が折れて十三人がけがをしたという事故がございました。この遊具の点検は、報道によりますと名古屋市内の業者が行っていたということだったんですけれども、我々は以前から、学校における不審者侵入対策、あるいは通学路の安全対策、学校における環境衛生対策やこうした遊具の安全の問題、こうしたものをしっかりと専門的に担当しながら子供たちの命の安全を守っていくべきだということで、民主党として学校安全対策基本法案というものを議員立法で作りまして、昨年の通常国会に参議院において提出をさせていただきました。また、今国会も提出をして是非とも議論をお願いをしたいというふうに考えておるんですけれども、やはり子供たちの学校の安全を守っていくためには、我々はやはり法整備が必要であるというふうに考えております。
 本日は、このイーター法案について質疑をさせていただいた後、もし時間に余裕があるのであればこの点についても大臣の御所見をお伺いできればというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 では、早速イーター法案についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 この法案についていろいろ文部科学省の方にもお教えをいただいたわけですが、その際に、核融合というものが実現をしたとするのであれば、これは正に地上に人工的に太陽をつくり出すようなものであるというお話も伺いました。正に壮大なプロジェクトであるというふうに思っておりますけれども、それだけに実現性について、あるいは核というものを取り扱うという以上、危険性について安全性をどう守っていくのかと、諸所、るる課題があると思うんですけれども、そうした課題を中心に本日は質問をさせていただきたいと思います。
 早速、まずは核融合の実現性についてお伺いをいたします。
 原子力研究開発機構では、この壮大なイーター計画により、今世紀中葉までに核融合を実現することを目指すというふうにされております。一方、先日の衆議院の方のこの法案の質疑の際に、今世紀後半以降には実用化できるのではないかという答弁が行われています。中葉と今世紀後半以降というと、時間的にもずれがあるというふうに思いまして、さらにもう一つ申し上げれば、かなりの費用が掛かってくるわけで、その違いも出てくるかと思いますけれども、まず実用化のめどといたしましては今世紀中葉なのか後半以降なのか、その点を確認をさせていただきたいと思います。
#7
○政府参考人(藤田明博君) 御説明を申し上げます。
 核融合は、今先生おっしゃられましたように、地上に太陽のエネルギーをつくり出すというようなことで、将来のエネルギー源の有望な候補の一つではございますけれども、まだまだ基礎的な研究開発の段階というふうな位置付けにあるわけでございます。
 そういうことでございますので、現時点において本格的な実用化について確実にこの時期だというふうなことを申し上げることはできないわけでございますけれども、平成十七年でございましたか、原子力委員会の核融合専門部会におきまして検討が行われましたその結果を踏まえますと、最短のケースで、イーターの次の段階として発電の実証などを行います原型炉を建設し、一定期間の運転経験を経て実用化の見通しを得るということで、それが今世紀中葉という、難しい言葉でございますが、半ばごろというふうなこととされているわけでございます。
 そしてまた、その原型炉の成果を踏まえまして、核融合の言ってみれば実用の発電所、これが建設が可能となる、導入が行われるということが正に実用化ということでございまして、これが衆議院でもお答えをさせていただきました今世紀後半以降というふうに期待がされているということでございます。
 私ども、こういった壮大な、非常に長い期間でございますが、その目標に向けて着実にイーター計画等を進めてまいりたいと思っております。
#8
○林久美子君 もう一つ申し上げると、今世紀中葉までに実用化の見通しを得ることも視野に入れることが可能という表現になっているかと思いまして、非常に時期的にも、なかなか一概にこの時期というのは断定をしにくいという現状はあるかと思うんですが、今おっしゃったように、実用化のめど等々についても一定の期間を区切って目標を持ってやっていかれるわけでございますが、では、その時期であるというふうに今設定をされていらっしゃる具体的な根拠を教えていただきたいと思います。
#9
○政府参考人(藤田明博君) 今も申し上げましたように、確たる時期というのが、この時期は本当に正しいのかどうかというのは実際にやってみないとなかなかまだ分からないわけでございますけれども、ただ、一般論といたしまして、技術を開発する際には必要な性能について達成目標となる数値を設定をいたしまして、その目標の達成のためにステップ・バイ・ステップ、一つずつ段階を追いながら研究開発を進めていくというのが、そういう手法が一般的でございます。
 核融合炉につきまして、核融合の出力に密接に関係します一つの大きな性能としてプラズマの閉じ込め性能という、これもちょっと難しいあれなんでございますけれども、性能の評価の数値がございます。例えば、この数字を例に取ってみますと、核融合、世界が研究開発に着手をいたしました六〇年代、一九六〇年代ごろに比べまして、日本の大型の装置でありますJT60とかヨーロッパのJETなどで大きな成果が出ました一九九六年ごろ、大体三十年ぐらいたっておるわけでございますが、そこではそのプラズマ性能ということでは六〇年代と比べて約百万倍程度の性能の向上が図られてきているところでございます。
 他方、次の、これから目指しますイーターでございますけれども、イーターについては、十年間の建設期間の後、一定期間習熟運転等をしまして一定の所期の性能に至るということになるわけですが、それが一九九六年から勘定をしますと大体三十年後ぐらい、二〇二五年ぐらいでございますが、その段階が想定されております。
 このイーターにおきましては、九六年当時の性能と比べまして約十倍のプラズマ閉じ込め性能を達成することを目指しているわけでございます。それから、さらにイーターの次の段階の原型炉、これは大体二十一世紀半ばごろということで考えているわけでございますが、イーターと比べまして五倍程度の性能の向上を図ると。イーターの成果が出ます二〇二〇年ごろから見ますと、大体二十五年とか三十年後でございます。
 そういうふうに考えますと、これまで九六年までの約三十年間で百万倍ぐらいの性能向上が図られたというのに対して、これから三十年でイーターの成果が出て、それが大体十倍ぐらい、それからさらに、その後三十年で原型炉の成果が出る、この成果がイーターと比べて五倍程度ということで、これも机上の空論ではないかというふうな御指摘もあるかと思いますけれども、そういうふうに考えますと、技術的にこの目標というのは達成可能な目標なんではないかというふうに国内外の多くの核融合関係の研究者の間で認識がされているというところでございます。
#10
○林久美子君 是非とも机上の空論にならないように英知を結集をして実現に向けて取り組んでいただきたいと思うわけでございますが、今更申し上げるまでもなくて、このイーター計画というのは本当に壮大なプロジェクトであって、それであるだけに莫大な予算を投入をするわけですね。予算を投入するということは、言い換えれば国民の皆さんの税金を使わせていただくということでもありまして、やはり机上の空論にならないような取組を進めつつも、タイミングタイミングにおいてしっかりとその費用対効果の観点から、では実際にこれまで組んできたプログラムの中でどこまで達成したのか、どの辺に問題があるのか、本当に机上の空論ではなくて実現をするのかということも含めて、しっかりと評価をしていくということがやはりこうした大型事業をする際には大切であるというふうに思います。
 具体的にどういうタイミングでどういう評価を行うおつもりでいらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
#11
○政府参考人(藤田明博君) 先生御指摘のとおり、イーター計画等につきましては、計画的かつ効率的に進めていくことが極めて重要だというふうに認識をしております。
 特にイーターについて申し上げますと、協定上、まず参加国の代表から成ります理事会がイーター機構の予算、それから年次計画、それから事業報告、こういったものについて毎年毎年審議をして承認をするというふうな過程がございます。それから、理事会が任命をいたします専門家によります独立した評価システムという枠組みがやはり構築がされておるわけでございます。さらに、国内に返りますと、文部科学省におきましては、平成十七年に国で定められました国の研究開発評価に関する大綱的指針などを踏まえまして評価を行っていくこととしておりまして、これに基づきましてイーター計画につきましても我が国として定期的に効率性、有効性等の観点から評価を行っていくというふうなことになろうかと思っております。
 それから、なお、これに加えまして、毎年度の予算要求の段階で総合科学技術会議におきまして、いわゆるSABCと呼ばれる評価も受けることになっております。
 このような様々な評価の取組を通じましてイーター計画等の進捗を適切に評価をするとともに、事業が計画的、効率的に進められるよう確保してまいりたいと思っております。
#12
○林久美子君 つまりは、イーター計画のいわゆるその機構内の理事会の評価とその第三者評価が一つ、それから国内においては予算審議を通じての評価が一つ、もう一つは内閣府の国の研究開発評価に関する大綱的指針に基づいた評価が一つということであるかと思います。
 内閣府の国の研究開発評価に関する大綱的指針に基づいて、これはたしか文部科学省さんが御自身で評価をいたされるというふうに伺っております。その際に、先ほど幾つかの効率性、有効性というお話がございましたけれども、もう少しちょっと具体的に、ちょっと漠とし過ぎていますので、御答弁をお願いしたいと思います。
#13
○政府参考人(藤田明博君) 国の研究開発評価に関する大綱的指針に基づく評価でございますけれども、この指針によりますと、先ほど申し上げました必要性とか有効性とか効率性の観点から評価を行うということになっておりまして、具体的には、必要性の観点からは、当然のことながら科学的、学術的意義であるとか社会的、経済的意義、それから国費を用いますので研究開発としての国費を用いることの妥当性等を評価をする。それから、有効性の観点からは、目標の実現可能性、それから達成のための手段がきちっとその時点で存在しているか、それから研究開発の質の向上への貢献などの観点からの評価がなされる。それから、効率性の観点からは、計画それから事業の実施体制がきちっとしているか、その妥当性、それから目標とか達成管理、どこまでどう進んでおって、それはどういうメカニズムで管理がされているのか、そういったことの妥当性などを評価項目とすることとされております。
 これを踏まえて、更に具体的なその評価基準を評価の前に定めて行うということになろうかと思います。
#14
○林久美子君 分かりました。
 多分、この有効性の部分なんかについてはかなり難しい評価をなさることにもなるかと思うんですが、こうした指針に基づいた評価というのは大体どれぐらいのペースで行われるのか、教えていただけますか。
#15
○政府参考人(藤田明博君) この大綱的指針によりますと、事業が五年を超えるとか計画期間が必ずしも定まっていない、そういったものについては、例えば三年程度を一つの目安として定期的に中間評価を実施する。ただ、その前には、研究開発の目的とか内容とか性格、規模、こういったものを考慮しながらということでございますが、例えばということでそういうふうな記述がございますので、そういった点も踏まえながら定期的に評価をさせていただきたいと思っております。
#16
○林久美子君 本当に大きな計画でございますのでしっかりと、例えば三年程度という表現になっているということでございますが、なるべく細かくしっかりと、本当に無駄にしないために、前にきちっと進めていくという観点から、やはりこの厳しい評価を自らに課しながら、やるからには前に進めていっていただきたいということをちょっとお願いをさせていただきたいと思います。
 今回のこのイーター計画は核融合の話なわけでございますが、私も専門家ではございませんので、この法案のときにいろいろちょっと勉強させていただいたんですが、やはりどうしても核というものを扱う以上、安全性というものが心配をされます。
 東京大学名誉教授の小柴昌俊教授も、核融合の発電の際に高速中性子が大量に発生し減速しないまま真空容器の壁を直撃する、この際に起こる壁の放射線損傷は我々の経験したことのない強烈なものになることは疑いの余地はないというふうにおっしゃっていらっしゃいます。この御懸念に対して、衆議院の委員会の際では、これまでの工学設計活動を通じてステンレス鋼がイーター運転の際に発生する中性子の照射に十分耐えられるということは既に確認されていますという御答弁があったわけでございますが、ステンレス鋼がどのように優れているのかという科学的根拠についてお伺いしたいと思います。
#17
○政府参考人(藤田明博君) 御説明申し上げます。
 ステンレス鋼が科学的にどのように優れているかというふうな御質問に対する答えになるかどうかあれでございますけれども、御指摘のとおり、イーター計画ではステンレス鋼を真空容器、コイル等、プラズマを入れます容器でございますね、そういったもの等に用いることとしているわけでございます。このステンレス鋼については、フランスの高速炉でございますスーパーフェニックスという原子炉を用いましてイーターの運転期間に照射される以上の中性子を実際にステンレス鋼に照射をするという実験が行われております。その結果、想定されますイーターの運転条件におきましてステンレス鋼が十分に耐え得る材料であるということを確認をしているところでございます。
 そういったことから、十分耐え得るというふうな根拠にしているものでございます。
#18
○林久美子君 その一方で、ほかにもいい、よりいい材質というのもあるのではないかということで、フェライトなどについても御検討いただいているというふうにも伺っておりますけれども、今のところステンレス鋼というのを考えていらっしゃるということでございました。
 では、このステンレス鋼のいわゆる耐用年数、実際に使っているときの、どれぐらいになるんでしょうか。
#19
○政府参考人(藤田明博君) 今も御説明を申し上げましたけれども、そのスーパーフェニックスを用いました実験結果などから、最も強く中性子の影響を受けた場合であっても、運転期間中、二十年間でございますが、これに十分耐え得るものであるということが照射実験で確認をされておるというところでございまして、イーター運転期間中二十年の間、真空容器等の交換の必要はないというふうに今考えられているところでございます。
#20
○林久美子君 二十年間交換しなくても耐え得るということでございまして、ちょっと私も驚いておるんですけれども。
 なぜこういうことを伺ったかと申し上げますと、やはり耐用年数によっては換えなくてはいけないと。そうしたら結局、稼働率の低下であるとかコストの上昇につながるのではないかというちょっと懸念がありましたのでお伺いをしましたが、二十年間今のところもつのではないかと。ただ、より良い材質というのも開発をされてきているということでございますので、またそうしたものの活用もより一層研究を進めていく上でも御検討いただければというふうに思います。
 このイーター計画や日本において行われるブローダーアプローチ、これにおいてトリチウムが発生するというふうにも伺っています。日本で行われるブローダーアプローチで発生したトリチウムなどのいわゆる放射化した設備、廃棄物をいかに人体に対しても自然環境に対しても安全に廃棄、処理をされるおつもりなのか、この点についても確認をさせてください。
#21
○政府参考人(藤田明博君) 先生今お話のございましたブローダーアプローチ、いわゆる日本語では幅広いアプローチの研究というふうに通称、称しておりますけれども、青森県の六ケ所村に設置をしようとしております国際核融合エネルギー研究センターにおきまして、実験のために非常に少量のトリチウム、貯蔵する量としてトリチウム〇・〇二グラムということでございます、実際に使うのはもっと少ない量でございますけれども、これを取り扱う計画となってございます。
 トリチウムにつきましては、放射性物質の中では比較的取扱いが容易な核種とされております。例えば、放出されます放射線のエネルギーは非常に弱くて、紙一枚で止めることができるというふうなことでもございますので、外からの被曝は必ずしも問題にならないと考えております。
 他方、万一トリチウムを含む水が口から体内に取り込まれた場合には内部被曝というのが注意が必要になってくるわけでございますけれども、そういった形で取り込まれましたトリチウムは、新陳代謝によりまして約十日で放射能が半分に減るということで、これは比較的速やかに体外に排出される性質を持っているということだそうでございます。
 そうはいいましても、いずれにしても安全の確保をきちっとやっていくということが大前提でございますので、まず、トリチウムの取扱いに際しましては、放射線障害防止法という安全規制の法律に基づきまして、人体に影響が生じることのないようにきちっと放射線を遮るための構造物等を設けるなどしまして安全対策を適切に講じていくということで考えているところでございます。
 さらに、廃棄物の問題でございますけれども、幅広いアプローチ研究において確かに放射性廃棄物、トリチウムを取り扱いますし、そこから放射化されるものとかあるわけでございますが、これらはすべて低レベル放射性廃棄物と呼ばれる非常に放射能レベルの低い放射性廃棄物でございまして、原子力発電所などで出ます、いわゆるガラス固化などを必要とします核分裂生成物から成ります高レベル放射性廃棄物というものは発生しないというものでございます。
 こういった低レベルの放射性廃棄物は、原子力発電所で発生する低レベルの放射性廃棄物について既に実用化されております、いわゆる埋設処分と呼ばれる方法と同様の方法で処分が可能なものでございます。
#22
○林久美子君 とにかく、低レベルのものであったとしても、やはり人体にあるいは自然環境に影響を与えるということもありますので、本当にとにかく安全性に十分御配慮いただきながらそうした取組をお願いをしたいと思います。
 このイーター計画における核融合の実現というのは、本当に長い長い将来の話でもございますけれども、やはり実現したときのことということもしっかりと踏まえて考えなくてはならないというふうにも思っております。
 この特徴の一つに、平和の配当というものがあったように、化石燃料の危機というのもずっと言われて久しいわけでございますが、核融合が実現をすれば人類史上非常に大きな意味を持つと、正に歴史的な出来事になるわけでございます。伊吹大臣御自身も、日本だけでこのエネルギーを開発してノウハウを取れば、世界を制覇できるぐらいの外交交渉能力を持つことになるというふうに御答弁をされて、正におっしゃるとおりであると思います。
 しかし、一方で、こういう知的財産をちゃんと守って、かつ平和的利用を促進をし、不拡散を支援をしていくというために、加盟国以外の、第三者の非加盟国への許諾の在り方などもしっかりと考えていかなくてはならないというふうに思っています。
 イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の設立に関する協定というものの第四条に「加盟者、国内機関又は団体が生み出し、又は用いる知的財産」、そして第五条には「イーター機構が生み出し、又は用いる知的財産」というのがありまして、この中に「非加盟者の第三者への実施権の許諾」という項目も設けられています。いわゆる第三者への核融合の商業上の利用のための再実施を許諾をするという権利でございますけれども、もちろんこの核融合というのは、言われておりますように、核爆発とは違って安全性の高い技術ではあると思います。
 しかし、やはり日本という国において考えますと、どうしても北朝鮮、今核の緊張が高まっている北朝鮮との関係をやはり無視もできないし、不安に感じるという部分も払拭はできないわけでございます。
 国の予算を投じて技術開発をして、研究をしてつくっていくわけですね。これを協定上、北朝鮮に提供するということは可能なのでしょうか。外務省の方にお伺いします。
#23
○政府参考人(中根猛君) お答え申し上げます。
 イーター機構設立協定は、そもそもイーター事業を実施するためのイーター機構の設立、あるいは各締約者がイーター機構に行う財政上の貢献等について定めるものでございます。したがいまして、同協定の締約者ではない北朝鮮等第三国に対して技術提供を行うことは想定されておりません。
 また、イーター機構設立協定発効後、もしも北朝鮮がこの協定に入りたいというようなことを言ってきた場合にも、これは理事会の全会一致による決定が必要ということになりますので、日本の意思に反して北朝鮮がイーター機構設立協定の締約者となるということはございません。
#24
○林久美子君 多分、先取りをしてお答えをいただいたんだと思うんですが、北朝鮮に提供をすることは想定はしていないということでございましたが、この協定上、提供することは可能なのかどうかということだけでお答えをいただきたいと思います。
#25
○政府参考人(中根猛君) 協定上、正にそのイーター協定に第三国が参加をして、イーター事業から得られるいろいろな知見、そういうものを入手したいということがあった場合には、これは第三国は理事会に申請をするということになります。その場合に、理事会というのは各締約者の代表から成っておりますので、その中で審議をされるということでございますけれども、その決定に当たっては全会一致の決定が必要ということになりますので、そういう意味では……
#26
○委員長(狩野安君) 伊吹文部科学大臣。
#27
○国務大臣(伊吹文明君) 今まで先生がずっと御質問になっていることは、すべてこれを実施していく上で我々が配慮をしなければならないことなんです。
 しかし、同時に、我々が現実に便益を受けているいろいろな当然と思っている例えば薬品、あるいはいろいろなメカニズムその他は、多分百分の一か万分の一の確率で成功したものなんですよ。我々が便益を受けていない多くの失敗したものがあるわけですね。それは、もうけ仕事の中ではとてもそれだけのリスクをシェアできないと、だけどどうしても必要なものだというものがやっぱり幾つかあって、それは国で、それをシェア、国でやらなければならない。
 しかし、一国だけではとてもそのリスクに耐えられないから、今度は、これ七か国で今リスクシェアをしているわけですね。我々の出している予算も、その七つのグループのうちの一つとして国民の税金を使っているわけですから、先生が先ほど来御指摘になっているように、日本の国としてももちろんそれを検証しなければならないけれども、途中でうまくいかないからといって、日本が大変だといってやめちゃって、他の六か国で成功したときは日本はその中から外れちゃうわけですよ。そして、このエネルギーを、もし成功した暁にこれを持っているということは、人道的な配慮はいろいろあっていいですよ、しかし同時に、国を預かっている立場からいうと、エネルギーを独占しているということは国家の意思を通す最も大きなある意味では外交交渉力になるわけですね。現在産油国が握っている以上の力を持つかも分からない。
 だから、それをどう他国に移転するかということは、これはもう極めて国益を判断し、相手に利益を与えることがいいかどうかを冷徹に判断をしながら動かしていくということですから、今外務省の参考人からお答えしたように、これ、先ほど文科省の局長がお答えしたように、うまくいくかどうかはかなり後のことですけれども、だからそのときに北朝鮮と日本との間の外交関係がどうなっているかということはだれも分かりません。分かりませんが、現時点の外交状況を前提とする限りは、そう簡単に自分の手の内を相手に渡すなんということは私はやっちゃいかぬと思いますね。
#28
○林久美子君 壮大な御答弁、ありがとうございました。
 確かに、大臣のおっしゃるように、利益を受けている分はごくごくわずかで、多くの失敗例があると。そういうことを伺うと、イーターも失敗するということも念頭に置いていらっしゃるのかなということもちょっと一部思いつつ、文科省の方はそうではないという、今。それは可能性としては私もあると思っています。
 しかしながら、おっしゃったように、国費を投じて、英知を結集をして生み出した技術を、うまくいった場合にですね、国益という観点からどこに出していいのか、国交のない国に対してどうするのかということは、もちろんそのときと今とは状況は違うでしょうけれども、やはりそういうことも想定をしながら政治というものは対応していかなくてはならないというふうに思っているわけでございます。
 先ほど外務省の方も非常にお答えにくそうに御答弁をされておりましたが、協定上はこれは第三国への提供は可能なわけですね。可能なわけです、仕組みとしてはですね。ただし、そのときに理事会に諮って全会一致の原則があるので、そこで日本の意思が当然反映をされるんだと、だからそういうことにはならないということをおっしゃりたかったんだとは思うんでございますけれども。
 では、改めてこれは確認なんですが、大臣のお考えとしては、やはりこのエネルギーというもの、アジア地域の平和であるとか安定であるとかというために提供すべきだという考え方と、いや、国交もない国に安易にいろんなものを、力を注いできたものを出すべきではないという二つの考え方というのがやはりあるかと思うんですが、大臣のお考えは後者ということでよろしいんですね。
#29
○国務大臣(伊吹文明君) そんなに先生、外交というのは簡単に割り切れるものじゃないんですよ。一国を預かっている立場からすると、人道上の配慮ももちろんあると。しかし、国家をあずかっている限りは、日本国民の安全保障と日本国民の幸せを一義的に政治家は考えなければならないと。ですから、国交がない国であっても、このことをギブすることによって大きな反対給付が、日本国民に更に大きな反対給付があるとすれば、そのとき政権を担っているのが民主党であれば民主党もそういう御判断をされるんですよ。
 だから、今先生が失礼ですがおっしゃったような国交があるとかないとかということじゃなくて、むしろ、アジアにどうするとかこうするとかということじゃなくて、新しいエネルギーをもし七か国が、言えば七か国がその技術を共有した場合、これは盗みに来る人もいるかも分かりませんよ、冷徹な国際社会の現実からいうとスパイだとかいろんなことがあるわけですから。だけど、その秘密を保持した場合に、それをどう国益と人類の平和のために戦略手段として使っていくかということは、そのときそのときの政治家が後世の批判を覚悟で決断をしなければならないことであって、今アジアに移すのが賛成か反対かというような議論はちょっとできないんじゃないでしょうかね。
#30
○林久美子君 当然、その時々の判断というのが求められるということも非常によく分かるわけでございます。
 ただし、一方で、では国交があるなしにかかわらずという指標でももちろん構わないと思います。しかしながら、やはりこの技術をここに出すのは、例えばいろいろ国々の関係は、日本とこの国は関係が余り良くないけれども加盟国のこちらの国とは関係がいいとか、いろんな国によって一つの、一国との関係も随分と違うわけですね。
 そうした中で、そのときそのときの状況が変わっているであろうという前提は分かりつつも、なおかつ、これちょっときちっと御確認をさせていただきたいんですが、そのときに日本の外交上、提供するのがふさわしくないという国がありましたと、第三国がありましたと、でもイーターに加盟をしているこの国とは関係もいい国で提供される可能性もありますと、そこに日本の意思をしっかりと働かせるために、こうした技術が日本にとって非常に国益上ふさわしくない国に出ないようにするための担保という手段はどのように担保をされるのかと。
 これ、大臣、ではお願いします。
#31
○国務大臣(伊吹文明君) これは、協定上はさっき外務省から御説明をしたように全会一致になっているんですよ、理事会は。日本もその七つのグループのうちの一つですから、理事会は協定を使ってやっているわけですから、動いているわけですから、協定に反することはできないんですよ、この機構は。だから、外務省にお聞きになってもそういう例えば条約上の答弁しかできないだろうから政治家として私が立っているわけです。
 つまり、今の北朝鮮の六か国協議と同じようなことが起こってくるわけですよ、そのときは。だから、日本は、自分たちの言っている拉致の問題が解決されない限りはエネルギー支援には参加できないということを日本は言っているわけでしょう。多分、これ中国は入っておりますから、中国はこういう考え方だということを中国はおっしゃるかも分からない。だから、そこはお互いに出した、国民の血税を七つのグループは出しているわけですから、それが無駄にならないように各々の立場を担保するために理事会の満場一致というその協定ができているわけですから、日本の、理事会の決定というその協定に従って行われていく。だから、その七か国の間の、今度は七か国の間のこの何というのか外交上のやり取りが行われて、表に出てきた表決という形に表れてくるというのが外交の現実なんじゃないでしょうかね。
#32
○林久美子君 理事会の全会一致が原則である以上、そこはしっかりと担保をされるという内容であるかとは思いますけれども、外交に関しては難しさもあり、いろんな局面局面で、今おっしゃいましたけれども、拉致の問題でもなかなか進まない現状なども生まれてくるわけで、やはり核というものを扱い、しかも予算を投じ、英知を結集した技術を、エネルギーを制する者は世界を制するという部分のある中で、しっかりと国益をきちっと加味をしながらリーダーシップを日本として発揮できる、これ、協定だって変えられない可能性もないわけではございませんから、しっかりと引き続き担保をして取り組んでいただきたいということをお願いを申し上げます。
 済みません。時間もなくなってまいりましたが、では次に、主務大臣の権利についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が再編されて一年半程度がたちましたけれども、原子力研究所法でも、そして核燃料サイクル開発機構法でも、かつては政府の監督下という、研究所は主務大臣が監督をするという文言もございました。これが統合されて、新法の原子力機構法ができる時点で政府の監督の下というところは削除されたわけでございますね。
 今回の法改正ではまたある意味、主務大臣の事実上の義務の履行権みたいなものが主務大臣に付与されることになるわけでございますが、前回の法改正の段階でもイーター計画についてはやってこられているわけですよね、その枠組みの中でどうしようこうしようということで。逆にまたそれを外してまた戻してというのは、二度手間に私には見えるわけでございます。そのときにその計画について議論しているのであれば、なぜそのときにちゃんとこの点について対策を取っておかなかったのかということをお伺いをしたいと思います。
#33
○政府参考人(藤田明博君) 御説明申し上げます。
 原子力研究所と核燃料サイクル機構を統合しまして日本原子力研究開発機構を設立をするための法案、これは平成十六年十月から十二月にかけて開かれました第百六十一回国会に提出をさせていただいて御審議をいただいたものでございます。
 その時点におきましては、もちろんイーターについてのサイトをどうするかとかという、そういう議論はされていたところではございますけれども、まだサイトをどこにするかという決定もされておりませんし、また、この国際約束でございます協定の枠組みにつきましてもまだ各国による検討が開始されていなかったという段階でございます。政府といたしましては、そういったその段階で、具体的な協定案がお示しできない中で今回と同様の規定を機構法案に盛り込んで国会で御審議、御賛同いただくのはなかなか困難ではないかというふうに考えた次第でございます。
 しかしながら、昨年十一月にイーター協定案が正式に署名をされましたし、この二月には幅広いアプローチの協定が署名をされたということで具体的に協定案をお示しできるという段階になりましたので、協定案とともにこの機構法の改正案を提出をさせていただいて御審議を仰ぐというふうなことにさせていただいた次第でございます。
#34
○林久美子君 いろいろとお話はあるかと思いますが、しかしながら進めていることは分かって、もちろん皆さん専門家でいらっしゃるわけですから、しっかりと本来であればそういうことも見越してきちっと対応すべきであったというふうに私は考えておりますので、今後こうしたことがないようにお願いを申し上げたいというふうに思います。
 いずれにしましても、このイーター計画、そしてこの核融合の将来への幅広いアプローチに関しましては大きな予算が投じられるわけでございます。イーター事業で一千八百億円、そして幅広いアプローチでは当面十年間で四百六十億円、日本が拠出をするということになっているわけでございます。このイーター計画というのは、やはりこれだけ大きな事業でございますので、国民世論の喚起というのはやはり避けては通れないと。
 これは私事で恐縮なんですけれども、私の事務所には大学生のインターンの学生さんが、結構いろんな方にお越しをいただいています。当然こういう工学部の学生さんなんかもいらっしゃるわけですが、何せほとんどイーター事業を知っているということを聞いたことが私はないわけですね。ということは、それだけいわゆる認知をされていないと。逆に言えば、JAXAなんかにおいては、ロケットが月探索をするとか、こういって夢のある話も挙げながら非常に認知度を上げようという努力をしているわけでございますね。
 このイーター計画、机上の空論になるのか、本当に実現をするのか、まだ今のところ分かりませんけれども、一定の予算を投じてもう前に進んでいくんだということでやっている以上、やはり国民世論の理解を得る、共感を得るということを忘れてはいけないというふうに思います。この点についてしっかりと、このイーター計画についても取組をPRする必要性があると思いますけれども、この点についてお答えをいただきたいと思います。
#35
○政府参考人(藤田明博君) 先生御指摘のとおりでございまして、まず核融合、豊富な燃料資源でございますとか、固有の安全性とか、高い環境適合性など、優れた利点を持っておりまして、将来のエネルギー源としての一つの有望な選択肢でございます。イーター計画自体がその核融合の実現をするための重要な第一歩ということでございますし、また、先ほども大臣からもお話がございましたように、各国が英知を結集して、互いに技術を持ち寄って取り組む意義のある国際プロジェクトでございます。
 他方で、先生お話しございましたような国の大きな予算を必要とするということでございますので、やはり国民の理解をきちっと得ながらこのプロジェクトを進めていくことが不可欠だというふうに思っております。従来から、シンポジウムの開催でございますとか、それから国内にございます核融合の研究施設を大学生とか高校生等、皆さんに積極的に見ていただくとか、そういった形でその核融合の重要性、メリットなどについて少しでも国民の理解を得るように努力をしてきているところでございますけれども、こういった努力をより一層活発化させていきたいというふうに考えております。
#36
○林久美子君 是非とも積極的に、知られていないということは、逆に言えばやり方にまずいところがあるわけでございますから、しっかりと反省をいただいて、より一層の啓発に努めていただきたいと思います。
 済みません。本日は学校の安全について実はお伺いしようと思いまして、文科省さんのスポーツ・青少年局の方にもお越しをいただいておりました。しかしながら、ちょっと時間が足りなくなってしまいました関係で、またほかの機会に是非お伺いをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
#37
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。
 本題に入ります前に、先ほど温家宝首相の国会演説も伺ってまいりまして、その中で、青年交流、また文化の交流ということで、そういった更なる交流の促進というお話もございまして、前回、昨年の十月に日本と中国と韓国の教育交流の促進ということで質問させていただきましたが、改めてこの点についてまず初めにお伺いしたいと思います。
 今、中国、韓国始め、こういった近隣諸国の関係が重要視をされておりまして、様々な分野での交流が進んでおります。そういった中で、教育や文化の交流も重要ではないかということで、昨年の十月にそれを推進すべきであるということで質問させていただきました。それに対しまして大臣の方からは、この三か国の教育担当大臣の会合も早期に開催する方向で調整していきたいということで、そういった趣旨の答弁もいただいておりまして、その後、今どういった流れになっているのか、確認をさせていただきたいと思います。
#38
○国務大臣(伊吹文明君) 昨日、温家宝総理が来られまして、安倍首相と首脳会談がございまして、私も同席をいたしておりましたが、その席でも、今先生がお話しになった青少年の交流について積極的に取り組もうというのが温家宝さんと安倍さんとの間の話でもありました。
 現在、この前先生に御答弁を申し上げた後、どういう形で開催をして、テーマをどういうテーマにしていくのかということについて今局長レベルで打合せをさせておりますので、話が付き次第、一度大臣レベルで会うのがいいだろうと。ただ、韓国も中国も、私のカウンターパートは四人ぐらいおるわけですよ。科学、スポーツ、それから教育、文化、担当大臣がみんな分かれております。ですから、今先生が御指摘になった教育の分野ならどういうことを話すのかということですね、これを今詰めておりますので、これ詰まり次第、隣国でございますから、そして今雰囲気も盛り上がってきているところですから、一度お会いしたいなと私自身は思っております。
#39
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。是非よろしくお願いしたいと思います。
 参考人の方から、もし具体的な日程等決まっている部分とかありましたら。よろしいですか。
#40
○政府参考人(瀬山賢治君) 一言だけ申し上げます。
 昨年十月以来、事務的な調整を進めてきておりますけれども、実は今週の土曜日、局長級の会合を中国・北京で行うことにしてございます。したがいまして、今の大臣のお話、その指示を受けて具体的な内容について三か国で協議をするという運びになってございます。
#41
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。前向きな答弁、大臣からもいただきまして、是非積極的に取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本論の方に入らせていただきたいと思いますが、先ほど林委員からも様々質問がございまして、ちょっと重なる部分もありますけれども、確認も含めて質問させていただきたいと思います。
 今、二酸化炭素などの、地球温暖化などの環境問題が広く認識をされておりまして、再生可能なエネルギー、燃料電池などの開発、利用が今進められております。また、中国やインド、こういった経済成長が著しい国を中心として世界のエネルギー需要がますます拡大していく、このように見られておりまして、世界を通してこのエネルギー問題がより一層深刻といいますか、大きな課題になることは予想されておりますけれども、そこで、世界で利用可能な恒久的なエネルギー源の開発が今求められているということで、その一つの有力候補が先ほどからお話が出ております核融合エネルギーということで伺っております。
 環境面から見ましてもこのエネルギーの開発は大きな意義も持っておりますし、是非ともこの参加国、地域それぞれが役割を果たしていく中で、このイーター事業の成功に是非ともつなげていただきたいとも思っておりますが、そこで、この事業を推進するに当たりまして、先ほど林委員の方からもお話がございましたが、何よりも国民の皆様の理解と支持が大変に重要になってくるかと思いますので、そこをしっかりと、まず取り組んでいく一つの課題であるかと思っております。
 その中で、やはり国民の皆様、一つの気になるというか、懸念されるところの一つとしてやはり安全性が挙げられるかと思いますので、改めまして、この核融合エネルギーの安全性についてお伺いをしたいと思います。
#42
○政府参考人(藤田明博君) 御説明申し上げます。
 核融合エネルギーは、今先生からもお話ございましたように、地球規模のエネルギー問題、それから環境問題を同時に解決できる可能性を持っておるし、また安全性の面でも優れた安全性を持っているということで、人類究極のエネルギーとも言われているわけでございます。
 具体的には、例えば、燃料となります重水素等が海水中に豊富に存在をしているということ、それから、環境面では発電過程で地球温暖化の原因となります二酸化炭素を発生しないというようなこと等の利点も持っているところでございます。
 特に、安全性の問題につきましては、この今取り組んでおります核融合の方式におきましては、核融合は適正な強い磁場で高温のプラズマを閉じ込めるというふうなことをしないと反応が生じない、核融合反応が生じないということでございますし、万が一何か異常が起こった場合でも燃料の供給を止めてしまえば反応が直ちに止まるというふうな高い安全性を持っているところでございます。
#43
○鰐淵洋子君 今、安全性についてお伺いしましたけれども、それとともに、このエネルギーが将来的に平和的利用に限定されているのか、そういったことも国民の皆様の一つの心配な点であるかとも思いますが、この核融合エネルギーが平和的利用に限定されているのかどうか、この点を確認をさせていただきたいと思います。
#44
○政府参考人(藤田明博君) イーター計画につきましては、イーター協定、今、国会で批准のための審議をお願いをしているところでございますけれども、に基づきまして各国が英知を結集して取り組むというふうな国際プロジェクトでございます。このイーター協定におきましては、第二十条に「平和的利用及び不拡散」という条項が規定されております。具体的には、イーター事業で生み出される物質、装置又は技術は平和目的のためにのみ使用するとされているとともに、それらを平和目的以外の目的のために第三者に移転してはならないというふうなこととされているわけでございます。
 そういったことから、私どもは、イーター計画で生じる技術の利用は平和目的、平和利用に限定されているというふうに申し上げているところでございます。
#45
○鰐淵洋子君 先ほども申し上げましたが、やはり国民の皆様の理解と支持を得るためには、今御答弁いただきました平和的利用に限定すること、また、安全性を含めまして、幅広く国民の皆様にそういったことを情報公開していくことも大事な取組かと思いますので、今後、文科省、またこの原子力研究開発機構、そのほか関係者の皆さんがどういった形でこの情報公開を、また国民の皆様に分かりやすく情報提供していくのか、その取組をお伺いをしたいと思います。
#46
○政府参考人(藤田明博君) 先ほど林先生からも御指摘をいただいたところでございまして、核融合、非常に新しい技術でもあり、また、国民の血税を使ってその開発をするものでございますので、その利点でございますとか性質などにつきまして、国民の皆様に適切に情報をお伝えをして御理解を深めていただくということがまず重要でありますし、それなしにはなかなか進めていけないものだというふうに思っております。
 これまでも、例えば原子力機構のホームページでございますとか、それから各種セミナー、シンポジウム、こういったものを通じまして広く核融合の研究成果の発信に努めておりますし、また、施設見学会の開催でございますとか、それから、東京にございます日本科学未来館、ここにブースを設けまして核融合の展示を行ったり、それから、文部科学省が進めておりますスーパーサイエンスハイスクールの生徒さんを施設に見学受入れをしたり、また、専門家を中学校等へ派遣して出前授業を行ったりしているところでございます。
 具体的には、原子力機構の、例えば茨城にございます那珂核融合研究所でございますとか、それから大学共同利用機関法人の核融合科学研究所、これは岐阜県にございますが、そこにおきましては、平成十八年度にはセミナーとかシンポジウム、講演会などを九回合計開催しておりますし、また施設見学、こういった施設への見学者は十八年度九千五百人、これが多いか少ないかというのはいろいろ見方があるかと思いますが、見学をしていただいておるというところでございます。
 また、これから我が国におきまして核融合の、ヨーロッパとともに国際研究拠点を整備をするということで、幅広いアプローチと呼ばれる研究を実施するわけでございますが、それに当たりましては地元の方々の御理解が不可欠ではないかということで、説明会等もこれまで五回開催するなどの取組をしてきているところでございます。
 今後とも引き続き、こういったいろんな手段を通じながら情報発信の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
#47
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。是非、積極的にそういった情報公開、情報提供の取組をお願いしたいと思います。
 また、これも先ほどお話ございました、このイーター事業は壮大な金額、また長期的な事業ということでございますけれども、やはりこの事業推進に当たっては、先ほどもお話ありましたが、この事業全体が計画的に、また、かつ効率的に実施されているかどうか、そういったチェックをする体制が重要であるということで、それは先ほど御答弁がありましたので、しっかりとその体制を整えつつ、チェックする体制をしっかりとしていただきたいと思います。
 それと併せまして、日本の国内におきまして、この機構を中心として様々な分野の方も、日本国内におきましてもこの事業に携わる方が多くいらっしゃるかとも思いますが、国内の方々が一体となって実施できる体制も重要になってくるかと思いますが、そちらの国内の方の体制づくりはどのようになっているか、お伺いしたいと思います。
#48
○政府参考人(藤田明博君) 御説明申し上げます。
 先生御指摘のとおり、イーター計画や幅広いアプローチの研究につきましては、核融合エネルギーの実用化の重要なステップでございまして、そのプロジェクトを成功に持っていく、それから、こういった計画でもって得られました成果を我が国の核融合研究開発に最大限に生かすと、そういう観点から、やはり学界や産業界ときちっと連携をして、一体となって取り組んでいくことが重要でございます。
 それでまず、イーター機構についてでございますけれども、既に我が国の研究者、技術者が今の段階で十五名派遣をされているわけでございますが、この中にはもう原子力機構の研究者に加えまして産業界の技術者も行っていただいているところでございます。今後も、学界も含めまして、幅広く優秀な人材を派遣すべく努力をしていくこととしております。
 また、国内では、平成十四年以来、学界、産業界、それから原子力機構の専門家の方々も加わりまして核融合フォーラムという任意の団体が設立をされております。この中ではイーター計画の在り方などにつきましても様々な議論が行われ、そういった議論も踏まえまして、私ども、イーター計画にいろいろと反映をさせてきていただいているところでございます。そういった場を通じまして、産業界、学界、それから原子力機構等の連携が図られてきているところでございまして、こういったオールジャパンでの研究推進体制を構築すべく、引き続き連携協力を一層強力に進めていきたいというふうに考えております。
#49
○鰐淵洋子君 よろしくお願いいたします。
 また、この事業は長期にわたるものということで、また、着実に推進を図るためには研究者や技術者の方の確保育成がまた一つの大きな重要な課題になるかと思います。イーター事業にかかわらず、原子力分野の全体の発展のためにも、やはりこの人材育成、これしっかりと重点を置いて取り組んでいく必要があると思いますけれども、まず、原子力に関係する学科、専攻を持つ大学、また卒業生が今どのぐらいいらっしゃるのか、現状をお伺いしたいと思います。
#50
○政府参考人(藤田明博君) 御説明申し上げます。
 文部科学省の学校基本調査の分類によります原子力工学、それから原子力理学、この二つの分類の卒業生でございますけれども、これは平成七年度には六百八十二人でございましたが、この数は年々減少傾向にございまして、平成十七年度には三百八十七人という数字になってございます。また、現在、原子力、原子核などの原子力と直接名前が付きます学科やそれから専攻を持っております大学は、学部レベルで一大学、それから大学院レベルで六大学というふうなことで、これは、過去と比べるとこれも減ってきているところでございます。
 ただ、近年は、例えばエネルギー科学でございますとか量子エネルギー工学など、より幅広いエネルギー関連分野の学科、専攻の中でも、幅広いエネルギーの勉強をする中で原子力に関する教育研究も行われているというふうに認識をしているところでございます。
 それで、また平成十六年度、十七年度には、東京大学や福井大学などにおきまして、特に原子力の専門知識を持つ人材を養成をしようということで、専門職大学院でございますとか専門学科を新たに設置をするというふうな動きもございます。そういったことで、優れた専門知識を有する原子力人材を育成するように努めているところではございます。
#51
○鰐淵洋子君 卒業生の数は年々減少してきているということで伺いました。この原因も様々考えられるかと思いますが、このエネルギー問題、今後ますます重要な課題にもなりますし、今、後半部分で人材育成についてもお話がございましたが、是非とも、この分野の発展のためにも人材育成、しっかりと重点を置いて取り組んでいただきたいと思います。
 改めて、この人材を今後どのように育成して確保していくのか、副大臣にお伺いしたいと思います。
#52
○副大臣(遠藤利明君) 今先生御指摘のとおり、原子力の研究開発及び利用につきましては、安全かつ着実に進めていくためにも、その担い手となる優れた人材の育成が大変重要だということは申すまでもないと思っております。
 文部科学省としましても、近年、原子力の学生数の減少傾向に大変危機感を抱いておりまして、今年度から経済産業省と連携を取りまして、大学あるいは高等専門学校等における原子力の人材育成を支援するために原子力人材育成プログラムを開始することといたしました。このプログラムの中では、一つは現場体験の機会の創出や産業界からの講師招聘を通じて原子力教育の促進、二つ目は先端の研究設備の導入等によります研究基盤の整備、そして三つ目には原子力関係学科に使用するカリキュラム、教材の開発、こうした取組によって支援を行うこととしております。
 どちらにしましても、こういうことを通じて、今後とも大学や高等専門学校、また高等学校等につきましても原子力に関する教育の充実に向けた取組を促して、原子力の人材育成にしっかり努めてまいりたいと考えております。
#53
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 では、最後に大臣、長期的な壮大な事業ではございますが、実現していくと決めて取り掛かることが重要かと思いますので、最後、一言決意をお伺いして、終わりたいと思います。
#54
○国務大臣(伊吹文明君) これは、先ほど林先生にもお答えしたんですが、私が決意を述べても、できるかできないか分からないんですよ。
 ただ、何度も申し上げているように、日本がここで後退をして、やった人たちだけでうまくいってこの技術を押さえられたら、もう日本は大変な目に遭うわけですね。ですから、リスクを、お互いの国がそういう危険を持ちながらそのリスクをシェアしてやっているわけですから、これだけの税金を使ってやることですから、途中、途中の経過を、先ほど林先生が御指摘になったように、納税者にやはり透明感を持って御説明をしていくと。そして、失敗をするかも分からないけれども、日本が参加せずに成功されたらえらいことになるプロジェクトであるということを念頭に置いて、国民の理解を得ながら進めていきたいと思います。
#55
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 今回の法改正の対象になっています日本原子力研究開発機構が行う原子力安全規制行政に対する技術的支援に関してお聞きをいたします。
 この間、原子力発電所で制御棒が抜ける、また臨界事故隠し、データの改ざんなど様々起きておりまして、国民の中に今不安、不信が広がっております。そういう中だからこそ、この原子力の安全確保のためにも基礎的な研究が非常に重要だと思うんですが、この機構の原子力安全にかかわる予算、十年前、五年前と比べてどうなっているのか、まず御答弁いただきたいと思います。
#56
○政府参考人(藤田明博君) 御説明申し上げます。
 日本原子力研究開発機構におきます安全研究の平成十九年度、それから五年前の平成十四年度、十年前の平成九年度の予算額でございますが、過去のものは日本原子力研究所と核燃料サイクル機構の安全研究の合計額でございますが、平成十九年度は、一般会計が二十九億円、特別会計が百三十億円、合計で百五十九億円でございます。五年前の平成十四年度は、一般会計が六十五億円、特別会計百二十二億円、合わせて百八十七億円でございます。それから、十年前の平成九年度は、一般会計が百九十七億円、特別会計三十四億円、合計で二百三十一億円となっております。
 さらに、平成十三年度から原子力安全・保安院の方からの受託によります安全研究も行っておりまして、平成十八年度の受託研究額につきましては二十一億円程度というふうになっております。
#57
○井上哲士君 一般と特別トータルで、十年前と比べますと三分の二程度ということになっております。特に特別会計の方がぐっと膨らみまして、核燃料サイクルや高速増殖炉などの安全確保にかかわる研究予算が非常に多いというふうにお聞きをしておるわけですね。
 一般会計の十八年度と十九年度の項目なども見ましても、例えば安全研究費、これは構造、機器の高経年化評価に関する研究なども行っているようですが、それから原子力基礎工学研究費など、こういう部分が軒並み減額となっておりますし、機構自身が研究費用も外部資金の獲得が中期目標や計画で求められているということで、これで今本当に必要な研究ができるんだろうかと心配になってくるわけでありますが、やはり一般会計のところでしっかり基礎的な研究の予算を確保していくということが重要かと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
#58
○政府参考人(藤田明博君) 御説明申し上げます。
 原子力研究開発機構の安全研究につきましては、原子力安全委員会が決定をいたしました原子力の重点安全研究計画、平成十六年のものでございますが、これに基づいて着実に進められてきているものでございます。
 先生御指摘のように、機構の一般会計により実施する安全研究については確かに減少してきているわけでございますけれども、原子力安全委員会からは、軽水炉分野や放射線影響分野といった一般会計で対応すべき分野のみならず、核燃料サイクル施設分野、それから放射性廃棄物や廃止措置の分野、それから新型炉の分野、こういった分野におきます原子力機構が行う安全研究への期待も強く示されているところでございます。こういった分野につきましては、一般会計ではなくて、それ以外の例えば特別会計などの資金を充当して進めていくことといたしております。
 いずれにいたしましても、安全研究自体が中期目標に定められております柱の一項目でもございます。それから、原子力安全委員会からの期待にもこたえていくということが必要でございますので、一般会計はもとより、特別会計や外部資金をも用いまして、原子力機構におきます安全研究活動が少しでも促進されることが重要ではないかというふうに考えているところでございます。
#59
○井上哲士君 様々、重点分野で行っているというお話もありました。私はやっぱり、様々、今、既存原発のいろんな問題もある中で、基礎的な研究ということにしっかりとした予算も確保してやっていくことが必要だということも改めて申し上げておきます。
 この機構がこういう安全行政に対する技術的支援を果たす上で、中立性、透明性というのは非常に大事だと思うんですけれども、その点いかがお考えでしょうか。
#60
○政府参考人(藤田明博君) 御説明申し上げます。
 国の原子力安全行政の推進におきまして、中立性、透明性の確保は重要なことだというふうに認識をいたしております。原子力機構におきましては、先ほど来申し上げておりますような形で原子力の安全研究を行いまして、原子力安全委員会や規制当局が定めます安全基準でございますとか指針の整備に必要となります、基礎となります科学的、客観データを提供をするということを通じて、そういった活動を通じまして原子力安全行政の中立性、透明性の確保に寄与しているというふうなことではないかと思っております。
 文部科学省といたしましては、今後とも、原子力機構が引き続き今申し上げましたような役割をきちんと果たしていくことを期待しているところでございます。
#61
○井上哲士君 この中立性、透明性確保の上で非常に人事は大事だと思うんですが、現在の機構の副理事長は東京電力の出身の方でありますし、その前の理事長も中部電力出身ということなわけですね。ですから、言わば安全規制の対象になる電力会社出身の方がこの行政の技術的支援をする機構の経営の責任ある地位にいらっしゃるというのは、やはりちょっと中立性、透明性の確保という点で私は問題があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#62
○政府参考人(藤田明博君) 先ほども御説明を申し上げましたけれども、原子力機構の安全研究は、調査研究、実験などに基づきまして科学的、客観的なデータを収集をいたしまして、このデータを原子力安全委員会等が定めていきます安全基準や指針等の整備のための基礎となりますデータとして提供する、そういった形で原子力安全行政に貢献をするということでございますが、これらのデータは純粋に科学的事実にもちろん基づくものでございます。
 また、原子力機構におきましては、役職員は、行動基準、就業規則においてデータ改ざん等の不正防止を求められておりまして、これらは役職員が過去どういう職業にいたか、そういったことによって左右をされるものではございません。
 他方、原子力機構は、安全研究のみならず、原子力に関します基礎研究から応用開発まで原子力の研究開発を総合的に実施する研究機関といたしまして、産学官の総力を結集する形で事業を進めていくことが求められているわけでございます。
 そういった観点から、今御指摘のございました副理事長につきましては、電力会社の経営者といたしまして豊かな経営能力を持っていることや原子力にかかわる現場の管理運営経験が豊富である、そういったことから原子力機構の法人運営に不可欠であるということで理事長が任命をしたというふうに承知をしております。
 そういうことでございますが、以上、先ほど申し上げましたようなことでございますので、出身母体が原因で機構の研究開発の客観性が失われるというふうには私ども考えてございません。
#63
○井上哲士君 この副理事長は東電の副社長をされていたわけですが、九八年六月からは福島第二原発の所長もされていたんですね。今回明るみになりました福島第二原発でのデータ改ざんというのは一九七七年十月から二〇〇二年八月末まででありますから、正にその間に所長をされていたということになります。
 その機構の中立性、透明性という点でデータの、確実なデータの提供ということを繰り返し強調されたわけですが、この方が所長時代にこういうデータ改ざんが行われていたということを考えますと、私はやっぱり適切と言い難いんではないかと思うんですが、そことのかかわりなどについては調査などされているんでしょうか。
#64
○政府参考人(藤田明博君) 原子力機構におきましては、東京電力の一連の不祥事に関しまして東京電力から原子力安全・保安院に提出されました報告書、これ二件ございまして、三月一日付けのもの、それから大規模のものとして三月三十日付けのものございますが、これら二つの報告書を調査をいたしました結果、不正に関与した者の中に副理事長が東京電力在職中、当時に就いておりました役職名が含まれていないということを確認をしたというふうに私ども聞いているところでございます。
#65
○井上哲士君 東電は、データ改ざんで信頼を損ね迷惑を掛けたということで、現職の経営管理責任の観点から、取締役や執行役員以下二十一名処分をされているわけですし、個々の事案についても、現在在職している管理職四十三人についても処分をされているということでありまして、私は、やっぱり当時そういう責任ある立場にいらっしゃった方が今そういう安全行政にかかわるということで国民的信頼が得られるんだろうかということは疑問を呈しておきたいと思います。やはり、安全行政とこの推進する側というのは、やっぱり厳格に峻別をし、国民から信頼を得るような在り方が必要ではないかと思います。
 さらに、原子力安全規制にかかわりまして、原発の耐震基準についてお聞きをいたします。
 今回、能登半島地震の震源は北陸電力の志賀原発から約二十キロの距離ということで、原発の近くで起きた地震では過去最大級でありました。両原発とも停止中で事なきを得たわけですが、原発での加速度の最大値は何ガルだったのか、それぞれの緊急停止基準との関係でどうだったのか、お答えください。
#66
○政府参考人(佐藤均君) お答えいたします。
 能登半島地震の発生時には、志賀原子力発電所では一号機及び二号機とも停止中でありましたが、一号機の原子炉建屋の基礎盤上で水平方向に約二百二十ガルの最大加速が観測されております。原子炉が地震により自動停止する設定値は、一号機で水平方向百九十ガル、二号機で水平方向百八十五ガルであったことから、仮に志賀原子力発電所一号機及び二号機が運転中であった場合には原子炉は自動停止したものと考えております。
#67
○井上哲士君 稼働中であれば緊急停止していたほどの揺れだったということでありますが、今朝の報道を見ておりますと、国の地震調査委員会は昨日、この能登半島地震の震源について、北陸電力が志賀原発の周辺調査で見付けていた断層二十本のうち二本が一連の断層として同時に動いた可能性が高いという見解をまとめておられます。
 北陸電力は、この志賀原発一号機の設置認可申請に際して、この二本のうち一本は活動のおそれが少ないとして評価対象から外していたというふうに報道されております。そうなりますと、地震規模の過小評価につながるものであるし、今回正にそうだったわけで、やはりこういう評価方法が非常に不適切だったんではないかと思うんですが、この点いかがでしょうか。
#68
○政府参考人(佐藤均君) 志賀原子力発電所の原子炉設置許可申請時に、敷地周辺の海域について海上音波探査が実施されております。活断層の調査がこのとき行われているわけでございますが、その結果、今回の能登半島地震の震源付近の海域におきまして複数の活断層が確認されており、それらの活断層によります地震の規模はマグニチュード六・一から六・六という評価を行ってございます。
 この志賀原子力発電所の耐震設計に当たりましては、能登半島沖の活断層だけでなく、発電所周辺の海域及び陸域の活断層や過去の地震など、詳細な調査を実施いたしまして、幅広く様々な地震を考慮して余裕のある基準地震動を設定しているところでございます。今回の地震によります志賀原子力発電所への影響の観点から見れば、十分余裕のある耐震設計がなされていることや、地震後の点検結果などから、耐震設計の範囲内のものであったと認識いたしております。
 なお、今回の能登半島地震の震源となった活断層の特定につきましては、地震調査研究推進本部などの研究機関において調査がなされているという段階だと承知いたしてございます。
#69
○井上哲士君 今回は、確かにその余裕の範囲内だったのかもしれません。しかし、その基礎となるこの活断層の調査、そしてその評価に過小評価があったのではないかと、こういう指摘されているわけですね。ですから、今後、これで収まるのかということになるわけです。
 その地震調査委員会の島崎東大地震研究所の教授は、位置関係や地質構造の特徴から、普通なら一本につながる活断層として評価をすると、こういうコメントを出されておりまして、少し、要するに普通と違う評価をしたんじゃないかと、こういうことですね。
 しかも、この志賀原発の訴訟では、裁判所がこの北陸電力の設置許可申請に当たって、マグニチュード七・六の地震が起こり得る邑知潟断層帯における地震を想定していないということで二号機の運転の差止めを命じるという、こういう判決も下しているわけで、私はやはりこの地震規模の過小評価というものが繰り返されているんではないかということを思うわけです。
 それで、原子力安全委員会は、昨年の九月に原発の耐震安全基準となる指針を改訂をいたしました。五万年前の活断層だった指針を今度は十三万年前にするなど前進はあるわけでありますが、しかしその経過の中でも、これまでの活断層調査が現在の活断層研究の常識から見て余りにも不合理じゃないかということで専門委員の方が辞任をされるというようなこともあったわけでありまして、私は今回の能登半島地震の、こういうどこでも地震のおそれがあるにもかかわらず必ずしも活断層の把握が十分でないということを考えますと、こういう新指針についても見直しをするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#70
○政府参考人(片山正一郎君) 御説明を申し上げます。
 原子力安全委員会におきましては、地震学、地震工学の最新の知見を反映して、原子力施設の耐震安全性の一層の向上、信頼性を向上させることを目的として、耐震指針を、先生御指摘のとおり、昨年九月に改訂をしたところでございます。
 今回の能登地震につきましては今後の詳細な分析結果を待つ必要がある面もございますが、新指針におきましては、基準地震動の策定方法を高度化するなど、具体的に言いますと、指針本文におきまして、活断層の位置、構造、活動性等、形状、こういうものを明らかにするために、敷地からの距離に応じて、地形学あるいは地質学、地球物理学的手法を総合的に活用した十分な活断層調査を行うこと、こういうことを求めるということを明確にしたところでございますし、また、指針の解説の中におきましては、距離に応じて、文献調査のみならず、変動地形学的調査あるいは地表地質調査、地球物理学的調査等を適切に組み合わせて十分な調査を実施することを求めております。さらに、特に敷地近傍においては精度の高い詳細な調査を行う必要があるというふうにしておるところでございます。
 したがいまして、より厳しい地震動を想定することを求めていることから、今回の能登地震の発生をもって直ちに新指針を改訂するということではないものと考えておりますが、現在、原子力事業者において新指針に照らした耐震安全性の確認作業が進められておるところであって、今後、今回の地震を詳細に分析し、これを踏まえた確認作業が行われることになるというふうに理解をしているところでございます。
 原子力安全委員会としては、今後とも常に最新の知見、こういうものの蓄積に努め、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#71
○井上哲士君 先ほど、志賀原発訴訟で七・六の地震が起こり得る断層帯の地震を想定しないという判決も下っていることや、今回も過小評価があったんじゃないかという指摘があるように、やはり会社の方は、耐震対策のコストというのは相当掛かりますので、やはり負担を下げたいと、活断層の存在を値切ろうとする、こういう思いが働くことは私はあると思うんですね。そういう点で、やはり電力会社任せにせずに、この活断層の科学的な再調査を含めた既設原発の総点検が必要だと思いますし、今、新指針に基づいて各会社が安全性の再評価をしている最中ということでありますが、新しい基準での新たな活断層の調査も行われているようですけど、しかし、やっぱり今回の事態を受けて、より厳格、慎重に会社も調査をするべきであるし、上がってきたものについては保安院としても厳格な審査が求められると思いますけれども、その点、対応をお聞きをしたいと思います。
#72
○政府参考人(佐藤均君) 志賀原子力発電所につきましては、北陸電力が昨年九月に改訂されました耐震設計審査指針に照らしまして耐震安全性の評価を実施しているところでございます。
 活断層につきましても、敷地周辺の海域及び陸域におけます海上音波探査、地球物理学調査、変動地形学的調査など、こういった調査の結果に基づき慎重な評価を行っているというふうに承知いたしてございます。
 原子力安全・保安院といたしましては、今後、北陸電力の評価結果の報告を受け、活断層の評価など、その内容について慎重に確認してまいりたいと考えているところでございます。
#73
○委員長(狩野安君) 井上哲士君、時間です。
#74
○井上哲士君 今回の教訓を受けて、しっかりとした安全対策を求めて、質問を終わります。
#75
○委員長(狩野安君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#76
○委員長(狩野安君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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