くにさくロゴ
2007/06/19 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 文教科学委員会 第20号
姉妹サイト
 
2007/06/19 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 文教科学委員会 第20号

#1
第166回国会 文教科学委員会 第20号
平成十九年六月十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     荻原 健司君     南野知惠子君
     白  眞勲君     鈴木  寛君
     広中和歌子君     大塚 耕平君
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     岡田  広君     北岡 秀二君
     神取  忍君     藤井 基之君
     二之湯 智君     小泉 顕雄君
     南野知惠子君     荻原 健司君
     大塚 耕平君     広中和歌子君
     林 久美子君     松岡  徹君
     水岡 俊一君     神本美恵子君
     風間  昶君     山本 香苗君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     岡田  広君
     藤井 基之君     神取  忍君
     神本美恵子君     水岡 俊一君
     松岡  徹君     林 久美子君
     山本 香苗君     谷合 正明君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         狩野  安君
    理 事
                中川 義雄君
                中島 啓雄君
                佐藤 泰介君
                蓮   舫君
    委 員
                岡田  広君
                荻原 健司君
                神取  忍君
                北岡 秀二君
                小泉 顕雄君
                中曽根弘文君
                水落 敏栄君
                吉村剛太郎君
                神本美恵子君
                鈴木  寛君
                西岡 武夫君
                林 久美子君
                広中和歌子君
                松岡  徹君
                水岡 俊一君
                谷合 正明君
                鰐淵 洋子君
                井上 哲士君
       発議者      西岡 武夫君
       発議者      鈴木  寛君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       文部科学大臣   伊吹 文明君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鈴木 政二君
   副大臣
       文部科学副大臣  池坊 保子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡井 敏雄君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       山中 伸一君
       内閣府大臣官房
       審議官      松山 健士君
       文部科学大臣官
       房長       玉井日出夫君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   加茂川幸夫君
       文部科学省初等
       中等教育局長   銭谷 眞美君
       文部科学省高等
       教育局長     清水  潔君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  磯田 文雄君
       文部科学省研究
       振興局長     徳永  保君
       文化庁次長    高塩  至君
       環境省地球環境
       局長       南川 秀樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○日本国教育基本法案(西岡武夫君外四名発議)
○教育職員の資質及び能力の向上のための教育職
 員免許の改革に関する法律案(西岡武夫君外四
 名発議)
○地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律
 案(西岡武夫君外四名発議)
○学校教育の環境の整備の推進による教育の振興
 に関する法律案(西岡武夫君外四名発議)
    ─────────────
#2
○委員長(狩野安君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、白眞勲君、風間昶君、二之湯智君、岡田広君、林久美子君及び水岡俊一君が委員を辞任され、その補欠として鈴木寛君、小泉顕雄君、北岡秀二君、松岡徹君、神本美恵子君及び谷合正明君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(狩野安君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 学校教育法等の一部を改正する法律案外六案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官山中伸一君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(狩野安君) 学校教育法等の一部を改正する法律案、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案、教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案、日本国教育基本法案、教育職員の資質及び能力の向上のための教育職員免許の改革に関する法律案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案、以上七案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○中川義雄君 本日、こうして締めくくり総括質疑が迎えられたことは本当に感慨深いものがあります。
 振り返ってみますと、五月二十二日の日に本委員会に提案説明されて、自来約一か月間、本当に関係各位の皆さん方の協力によって参考人質疑、地方公聴会、中央公聴会、そして今日を迎えたのは誠に感慨深いものであると同時に、これまで非常にスムーズな審議をいただいたことに対して、私は与党の筆頭理事として関係各位に心から厚く御礼申し上げる次第であります。
 昨年、六十年ぶりに教育基本法が全面的に改正されました。新しい時代にふさわしい教育の目的や目標が定められております。これまでの基本法になかった大学や幼児教育、そういったものも条文に記されておりまして、安倍総理の目指す美しい国日本を実現するために、これは大変な意義ある法案であると私は考えております。
 今回、政府から提出された教育再生関連三法案は、改正教育基本法の理念の下に、それを具体化するための法案であります。また、いじめやそれに起因する自殺の多発、必修科目の未履修などの問題に世間から大変批判を受けている今日であり、それに対応する法律案であるとも私は理解しております。
 昨今、教育の現場に多くの問題が、本当にたくさん、まるで噴出していると言ってもいいような感じで生起されております。こんな中で学んでいる子供たち、その教育環境をどうやって向上させていくのか、早急な改革が求められていると私は考えております。総理が、教育改革は安倍内閣の最重要課題として位置付けて、いち早く今国会に法案を提出された。これを私は高く評価するものであります。
 今回の法案が提出されるまでの流れを振り返ってみますと、一月二十四日に教育再生会議から第一次報告が提出され、それを受けて、三月十日に中央教育審議会から教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正について答申案が出されました。従来であれば、中教審は諮問を受けてから時間を掛けておったものですから、一部の方々からはちょっと拙速ではないかという意見もあることは承知しております。しかし、教育改正は待ったなしの改革であり、子供たちにとって過ぎ去った時間は取り戻すことのできない、だからこそ教育改革は迅速にできるところから実行していく必要があると思います。
 今回法案を急遽提出された理由と、総理の教育改革に懸ける熱い思いというものをここで語っていただきたいと思います。
#7
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教育の問題、教育をめぐる問題については、やはり国民の声として、教育を何とかしてもらいたい、子供たちをめぐるこの環境を一新をしてもらいたいという強い声が上がってきていたわけでございます。また、自民党、与党としても、この教育の改革に長年取り組んできました。しかし、まあ実効が上がった事柄もあるわけでありますが、なかなか実効が上がっていなかった点も多々あったわけでありまして、やはりこれは根本にさかのぼらなければならない、こういう認識から教育基本法をやはりこれはもう待ったなしで改正をしなければならない。そして、この教育基本法の中には、道徳心とか公共の精神、自立心、そうしたものをしっかりと書き込んでいくべきであろう。家族の大切さや、あるいはまた地域の、そしてまた自分たちをはぐくんできた環境、そして国に対する愛情、愛着、そうしたこともしっかりと教えていこう、教えていくべきである、そう私も考えてきたわけでありますし、国民の多くの方々もその思いは共通だったのではないか、こう思います。
 その中で、昨年の通常国会、そして臨時国会を経て改正教育基本法ができ上がったわけでございます。まあ、これは六十年ぶりの改正となったわけでございます。正に、根本からさかのぼって我々は改革を行い、再生に向かって大きく一歩を歩み出したと、このように思うわけであります。
 その中において教育再生会議を立ち上げまして、具体的にこの教育基本法、改正成った教育基本法にのっとって具体的な改革、再生を前に進めていくことになったところでございます。その中で、教育再生会議に様々な分野から、様々な世代から見識、知見を持った方々に御参加をいただきました。そして、ちょうど議論をいただいておりますときに、現象面としていじめの問題、あるいは未履修の問題、そういう問題が出てまいりました。
 これは、やはり今まで改革を行っていた、そして、あるいはこの教育の現場に社会総掛かりで取り組んでこなかった、そうしたある意味ではゆがみの出てきた結果ではなかったかと、私はこのように思うわけでありますが、様々な御議論がなされた上において第一次報告を取りまとめていただきました。そしてまた、その後中教審において三月に答申をしていただいたということでございます。
 また、現在この委員会で御議論をいただいている三法案については、中教審でも既に関連の事柄について御議論をずっといただいてきた事柄が多いわけでございますが、そうした中において、今回、この委員会におきまして十分な議論、また大変深い、広い議論がなされてきたことに対しましても改めて敬意を表したい、こう思います。
 正に教育改革は待ったなしでありまして、責任を果たしていきたい。そして、すべての子供たちに高い水準の学力と規範意識を身に付ける機会を私たちは責任を持って保障をしていかなければいけない。そのために、この三法案を成立させていくことによって教育現場が私は一新されていく、このように確信をいたしております。
#8
○中川義雄君 この国にとって、正に天然資源というものはほとんどない、さらに、少子高齢化が進んでいる。そんな中で今後とも活力のある社会を維持し、国際社会の中で尊敬されていくためには、私は本当に人づくりしかない、人的資源をどうやって有効に活用するかしかないと考えているわけであります。総理が強く掲げているイノベーション、これも優秀な人材がいなければ決して実現できないものであると思います。教育は国家百年の大計と言われておりますが、どうしても結果が出るまでにはある程度長い時間が掛かるわけであります。今すぐやらなければ、将来この国を担っていく子供たちに重い重いツケだけを残してしまうのではなかろうか。
 総理に、我が国の今後の発展にとって必要な人づくり、重要についてまず総理の御所見をいただきたいんですが、また、総理はよく言われますが、戦後レジームからの脱却ということを聞いております。総理が考える将来の日本とはどのような国なのか、そして、そのような国になるために教育が果たすべき役割について総理の認識をお聞かせいただきたいと思います。
#9
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は、戦後、ある意味では旧教育基本法によって、言わば機会均等、教育の機会均等によってすべての子供たちがひとしく教育を受ける機会が保障され、そして学問の自由も保障されたわけでございます。その中で日本は優秀な人材を育て、そして見事に高度経済成長を達成をし豊かな国になったと、このように思うわけでございます。
 しかしながら、と同時に、やはりその過程において経済至上主義のところがなかったかといえばそうではないわけでございまして、言わば価値の基準について、損得に価値の基準をやはり置き過ぎてきたのではないか、そういう風潮があったのではないかということは我々が反省すべき点であろうと、こう思うわけであります。
 正に損得を超えた価値、それは例えば公共の精神、家族を大切にする、家族の価値観であったり、あるいは自分たちをはぐくんできた地域を大切にする心であったり国を愛する心ではないか。そういうことをやはりきっちりと子供たちにも教えていかなければ日本という国は危うくなってしまう、ただ経済のみ繁栄してそうした心を忘れてはいつか私は滅んでしまうのではないか、このように思うところでございます。その中にありまして、やはり今こそ教育の再生、改革が必要である、こう固く信じているところでございます。
 日本というのは今でもやはり世界各国から高く評価をされているのは事実であろうと、こう思うところでございます。先般も、五月に訪問した湾岸諸国におきまして、日本の教育を、自分たちも教育の仕組みを導入をしたい、また、多くの子供たちに日本語を勉強させて日本に留学をさせたいと。なぜならば、今は天然ガス、石油、天然の資源に恵まれているけれども、四十年、五十年後だんだんそれは減少していく中において、自分たちの国の正にこれは財源、宝は、財産は、これやはり人材であると。その人材を育てたい、資源なしで立派にやっている日本を見習いたいと。そしてまた、日本に旅行した人たちが、日本人の立ち居振る舞いというのは大変立派だという、そういう評価をいただいているのも事実でございます。
 ですから、私たちは決して自信を失う必要はないわけでありますが、しかしながら、このまま行ってしまいますと、そうした人たちがせっかく褒めていただいている、そういう日本人の美徳まで失ってしまう危険があるわけでございます。ですから、そういう意味におきましても、今こそ改革が必要であろう。そして、それと同時に、やはり今や経済がグローバル化する中において、世界の中での競争に勝ち抜いていくという競争力、たくましさも必要であります。この競争力、たくましさ、そして美しい心、このバランスが私は大変大切なんだろうな、このバランスを達成するのも教育の役割であろうと、このように思っているところでございます。
#10
○中川義雄君 次に、教育再生会議についてお伺いしたいと思います。
 六月一日に教育再生会議から第二次報告が提出されました。この報告によれば、ゆとり教育の見直し、その具体策、徳育、大学・大学院の改革、これを実現するための教育財政基盤の在り方について重点的に提言されております。さらに、第一次報告で提言された教育委員会の評価、教員の資質向上等、さらにまた、本委員会でも取り上げられましたが、十分これまで取り上げられなかった大学入試改革、六三三四制の在り方についての具体策、これが第三次報告に出るのではないかと、こう言われております。
 このように総理の私的諮問機関でいろいろな改革案が報告されておりますが、今回私が非常に気になったことは、学制改革についてまたやるということでありますが、教育再生会議が原則非公開で、会議後に報告要旨と会議録が公表されていることであります。私は、我が国の教育制度の根幹である学制改革まで議論するということであれば、当然その中身についてはオープンでやっていただきたい。本委員会でもそういう意見が数多く出されておりました。
 総理は、今回の報告についてどのような御所見をお持ちなのか、そして、この報告の実現性についてどのように考えられているのか、そして、いろんな、学制その他の様々な議論についてはその中身をオープンにすべきだと私も強く感じておりますが、総理の御所見を伺いたいと思っております。
#11
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど中川委員が御質問になった際に、戦後レジームからの脱却とは何かというお話がございました。正にこれは、戦後にでき上がった仕組みを原点からさかのぼって、二十一世紀にふさわしい日本であるためにはどうすればいいかという観点から、見直すべきものは見直していく、勇気を持って変えていく、そして、それなしには二十一世紀にふさわしい日本、そして私が目指す美しい国日本をつくることはできない、そう考えているわけであります。その観点からも六十年ぶりの教育基本法の改正を行ったわけでございます。
 ですから、ちょうど五十年ぶり、六十年ぶりという大改革をやはりやり遂げなければそのためにはならないと、こう決意をいたしているところでございますが、そこで、改正教育基本法が成立をした上に立って再生会議をつくりまして、一次報告を基盤に、現在三法案、御議論をいただいております。そして、二次報告におきましては、学力の向上、そして道徳教育、そしてまた大学・大学院の改革といったことに取り組んでいただいたわけでございます。そして、この教育再生会議の第二次報告においては、四つの対応といたしまして、学校週五日制を基本としつつ、必要に応じ土曜日に授業を行えるようにすること、そして徳育を新たな枠組みにより教科化し充実を図っていくこと、そして良き教師を確保するためめり張りのある教員給与体系を実現すること、そして全国立大学での九月入学枠の設定の実現を目指し、大学の四月入学原則を弾力化することについて、具体化に向けて優先的に取り組むように伊吹大臣に指示をお願いをしたところでございます。そういう御議論を今いただいているわけでございまして、分かりやすく、この報告については、国民の皆様に説明ができるような報告にしていただいたと、こう思っている次第でございます。
 もちろん、大切なことを議論をしておりますから、国民の皆様にどういう議論がなされているか、あるいは、その中でこれからどういう方向を目指しているかということを国民の皆様に酌み取っていただかなければなりません。ですから、これは会議後直ちに記者ブリーフィングを行っています。また、議事要旨、議事録等の公開により会議の内容を公開をいたしておるわけでございまして、この議事録等を読んでいただければ、どういう議論がなされているか、そして、どういう論点が今集中的に議論されているかということについて御理解をいただけるのではないかと、このように思います。
#12
○中川義雄君 今総理から公開についていろんな話をされましたが、私たちは、やはりそれぞれの委員がどんな角度からどんな発言の仕方をしているのか本当に知りたいんです。というのは、なぜ知りたいかというと、これは国会同意人事ではありませんので、我々は委員その他について口は全然出せないようになっておりますから、できればそういった人柄が分かるような内容等についてもこれは公開していただきたいものだなと、これは私の願いですから、強くそのことを御配慮いただければとお願いだけさせていただきたいと思っています。
 私は、今回の参議院のこの本委員会における審議について大変な誇りを持っております。この法案が大切な大切な、日本の将来にとって大切な法案であるから、衆議院では特別委員会をつくって毎日でも審議できるような形を取りましたが、本院においては文教科学委員会でこれを議論することになった。私はそれで良かったと思っております。文教科学委員会には教育問題に通じた人がやっぱり寄ってこれまでもいろんな議論をしてきた。その中で議論することが本質的に正しかったと、こう思っております。議論の中に参加してみて、私はしみじみそのことの有り難さを逆に感じております。
 審議時間について言っても、定例日しか原則として審議できなかった、そういう非常に制約のある審議時間でありましたが、衆議院では、聞くところによると、五十七時間近く審議したそうでありますが、参議院ではこれまで四十八時間、既に四十八時間四十五分やっています。本日六時間審議しますと、合わせて五十四時間四十五分。普通、衆議院の七掛けの議論でいいとよく言われておりますが、参議院で衆議院とほとんど変わらないぐらいの時間をみんなが協力し合ってやったことに、私は本当に有り難いことだと思っております。更に特筆すべきことは、普通なら許されない委員外質問、国民新党や社民党といった人たち、それぞれ二回、計四回この議論に参加しました。できるだけ多くの方々の意見を聴いてこの本委員会を持っていこうとした委員会の皆さん方に大変私は敬意を表したいと思っているわけであります。
 総理は、また文部科学大臣もこれに参加しておりましたから、お二人のこの本委員会の在り方について、やってきたことについてどう評価されているのか、お二人のお話を伺いたいと思います。
#13
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この教育再生、これは社会総掛かりで行わなければ達成できないわけでございます。社会総掛かりで行っていく教育再生の中におきましても、この教育三法は重要なこれは役割を担っているわけでございます。そういう意味におきましては、この委員会におきましても、大変広く、そして深い議論がなされてきた、しかも専門家の方々による見識の下に議論が行われてきたことに対しまして本当に改めて敬意を表したいと、このように思う次第でございます。
 やはり、教育というのは、国民すべての方々がこれは関心があるわけであります。自分自身も教育を受けてくるし、自分の子供が教育を受けるし、孫がと、そういう立場にあるわけであります。そういう意味におきましても、円満な議論が、そして中身のある議論が行われることが大変私は重要であろうと、このように思うところでございます。改めて敬意を表したいと、このように思うところでございます。
#14
○国務大臣(伊吹文明君) 私は、法案提出の責任者として、今委員がおっしゃったすべての審議に参画をさせていただきました。
 立法府で法案が議了されますと行政府に対して権限が付与されるわけでありますけれども、行政府として、その中で、政令以下通達に至るまでいろいろな行政行為が行われます。今回のいろいろな御審議を伺って、その行政行為を行っていく上で極めて得るところが私は多い議論が行われたと思いますし、特に民主党案の御提案者である西岡大先輩以下、本来選挙が目前に迫っておられるにもかかわらずずっと御答弁席におられて我々に御教示いただくことも非常に多かったと思いますし、狩野委員長の下で得るところが多い審議をいただけたと、またこれからもいただけると、大いに期待をいたしております。本当にありがとうございます。
#15
○中川義雄君 今回の審議で、今大臣からも申されましたが、私も、我々の大先輩である西岡先生が提案者としてあの答弁席にずっと必ず座って、私はほほ笑ましいと思ったのは、その中で、大臣と隣同士なものですから、何かよく相談されていた、これは私は本当にいいことだなと思って眺めておりました。
 ですから、今回、この審査の過程で、与野党、そしてまた参考人、地方・中央公聴会の公述人、多く出されたのは教育予算についてであります。先進国から比較するとどうしても予算の影が少し薄いんじゃないかという話でありました。委員会でも、学校の先生は子供たちと向き合う余り時間が取れないようないろんな雑事がある。そして、教員の数の問題についてもいろんな意見が出されました。また、副校長その他新たな職務を新設される、それが定数との関係でどうなるかという話も出されました。他方、本当に先進国と比較したら予算がどうしても弱いのではなかろうか、この国の将来は教育によると言われたら、もっともっと予算について配慮すべきでないかという強い意見が多く出されたと思っております。これまでのように、教育予算も財政が中心となって減額、これが進んでいったら、ある参考人からは、アジアの中でも先進国じゃなくて中進国に落ちてしまう可能性があるという指摘さえありました。どうしてもこれをしっかりさせるためには、精神論だけじゃ駄目です。財政的な裏付けが私は必要だとこの委員会に参加してしみじみ思ったんです。
 大臣の答弁によりますと、二〇〇七年の骨太方針の中に教育再生というものを強く置いて、夏の概算要求については安倍内閣の初めての予算となりますから、厳しい財政状況を乗り越えて、教育内容の改革に今回の議論を参考にしてやっていきたいという意見も出されました。
 私も、この委員会が閉じるに当たって、委員会の附帯決議だけはしっかりしたものを付けたいと思っております。そのために、与野党真摯に話合いを続けて、さすが参議院だというような附帯意見を作りたいと思っております。
 総理の教育予算に対する思いというものもここで語っていただきたいと思います。
#16
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この教育予算について言えば、子供一人当たりについては、平成元年以降、公財政支出は五割伸びているのは事実でありますが、しかし、今正に社会総掛かりでこの原点にさかのぼって教育の再生に取り組んでいかなければいけない、我々はそう決意をしています。
 そのためには、やはり当然この予算額を確保すべきだ、こういう御議論もあるということは私も十分に承知をいたしております。そのためにも、効率化を徹底しながら、めり張りを付けて真に必要な教育のための財源は確保していかなければいけないと、このように思っています。教育再生会議の議論、また経済財政諮問会議の議論も踏まえていく必要があるわけでありますが、本当に必要なこの教育のための財源ということについては当然確保していかなければいけないと、このように考えております。
#17
○中川義雄君 これまで総括的な話をしてきましたが、これからは法案の具体的な中身についてお尋ねしたいと思います。
 まず、学校教育法の一部改正案についてでありますが、義務教育にかかわる規定を新設し、規範意識、公共の精神、国や郷土を愛する態度など改正教育基本法に規定された目標を加え、義務教育段階で学校が取り組むべき目標がかなり明確になってきたと思っておりますが、これを学校現場でどのような取組をなされるのか、大きな私たちは期待されております。
 具体的内容については、今後の学習指導要領の改訂を踏まえて実現を図っていかなければならないと思います。改正教育基本法の理念をつなぐものとして、本法改正の趣旨をすべての教育現場に周知することが必要だと、これが急務だと思っております。
 このことについて、今後の指導要領の改訂をまずどのようなスケジュールで行っているのか、政府参考人の意見を聞きたいと思っております。
#18
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいまお話がございましたように、学校教育法の改正案は各学校種ごとの教育の目標を定めておりまして、先般成立をいたしました改正教育基本法と学習指導要領の間をつなぐものでございます。このため、学習指導要領の見直しに当たりましては、学校教育法改正案の国会での御審議を十分に踏まえまして検討を行ってまいりたいと認識をいたしております。
 今後、改正教育基本法、国会での御審議を踏まえまして、中央教育審議会での専門的な検討を深めました上で、新しい学校教育の目標が学校現場で実現されますように、平成十九年度中の学習指導要領の改訂を目指して作業を進めてまいる所存でございます。
#19
○中川義雄君 次に、幼児教育の無償化についてお伺いしたいと思います。
 改正案では、幼稚園教育の目的について、義務教育以降の教育の基盤、基礎を培うものとして非常に大事だと位置付けられております。家族等への信頼感を深め、規範意識の芽生えを養う、そういう目標も加わっております。
 改正教育基本法に規定された幼児教育の重要性を学校教育法に改めて位置付けられることと思いますが、幼児教育の無償化の実現ということに大変期待も大きいわけでありますが、このことについての見解、さらには無償化がよいのか、義務教育年限の引下げを義務化するのがよいのか、そんなことに私自身も戸惑ってといいますか、どうしたらいいのかと考えておりますが、今、今日の政府参考人の考え方を示していただきたい。もし大臣に意見があれば、大臣も加えていただきたいと思います。
#20
○国務大臣(伊吹文明君) 幼児教育の大切さは今先生がおっしゃったとおりでございます。
 それで、先ほど来御指摘がありましたように、当委員会の審議でも各党からいろいろな御意見がありまして、私は大いに参考になりました。やはり一番の問題は、小学校以前は保育園にも幼稚園にも行っていない人もおります。それから、保育園に行っている人、措置としての福祉の保育園に行っている人、それから教育としての幼稚園に行っている方がおられますので、義務教育化あるいは無償化をする場合は、これは国民の税金を使ってやるわけですから、すべてのその三つの範疇の人たちを同じようにやはり扱わなければならないという問題が一つ出てくると思います。
 ですから、財源的にこれはかなり大きな問題でございますので、やはり税制改正を伴わないと実現は難しいだろうなという感じを私は強く持っておりますけれども、しかし、今先生が、この三つを同じように扱えというのは、やっぱりこの委員会で各党から御示唆があったこと、私はそれはやっぱり国民の感情として正しいんだと思います。ですから、幼児教育の大切さを認識して、家庭教育、そして社会教育をも含めて、ともかく小学校に入るまでの子供のしつけ、在り方については十分我々も留意していきたいと思っております。
#21
○中川義雄君 今度の学校教育法の改正の中で非常に注目されるのは、新しく副校長、主幹教諭、指導教諭という職が設けられる。学校が現在抱えているいろんな問題の解決に当たっていこうということであります。私も、組織的に、また機動的に対応する体制というものは必要ですから、その必要性を認めるものであります。
 しかし、新しい職を設置しても、配置が進まなかったり、職名をただ単に置き換えてしまったり、それでは改正の趣旨に沿わなくなってしまうと思うんであります。どうしてもこれを有効に、機能的に、機動的にこれを作用させるとしたら、処遇面、定数面での改正が必要になるのではないかと思いますが、そして、そうしないと各教育委員会も、法律で決められてもそれがしっかり裏付けされていないと動きようがないのではなかろうかと思いますので、大臣の所見を伺いたいと思います。
#22
○国務大臣(伊吹文明君) 今先生が御指摘になりましたことも、野党の皆さんを含めて当委員会でいろいろ御示唆がございました。
 この提案をいたしましたのは、やはり一般社会と同じように、やはり早くその職に就いている者は次の後から来た人を指導しながら、組織全体としての能力を上げていくということを法律上明確にしたいということでありましたけれども、同時に運用面で、今御注意がございましたように、じゃ既存定数の中で名称だけ変えるのか、定数をどうするのか、それから処遇を現在の総予算の枠の中で傾斜配分やれば減る方も当然出てきます。減るということが、これは地方公務員法上の不利益処分になりますから、一律人事院勧告で物価が下がったから減らせるというのとは少しやっぱり事情が違いますので、どうしてもやっぱり予算の問題も絡んでまいります。その辺りは年末の予算編成に向けて十分考えていかねばならないところだと受け止めております。
#23
○中川義雄君 今回の法案の中に、非常に新しいものとしては学校評価の問題が起きてきております。学校評価をどのように実施するのか、その方法、自己評価だとか外部評価、第三者評価、このことは非常に大事なことでありますが、どこまでの評価を行うかということについては各学校の判断に任されているというのか、その辺が私はまだはっきり分からないんです。
 はっきり言えることは、私として言えるのは、客観的に正確な評価がどうなされるべきかだと思っております。そのために取り組むための課題というものが大切だと思いますが、学校評価の今後の方向性について認識を是非伺いたいと思います。そして、評価の実施と結果の公表については私はセットで行った方がより効果的ではないかと思うんですが、その点についての考え方も、もし参考人で、大臣に答えてもらえれば一番いいんですが、参考人でも結構であります。
#24
○国務大臣(伊吹文明君) 具体的な事務的仕組みについては必要であれば参考人がお答えをいたしますが、やはり教育の評価というのは率直に言って非常に難しいですよね。大学の評価についても、論文をたくさん作った大学が立派なのか、論文は書かないけれども立派な教育者を教育して社会に送り出す教員養成大学が立派なのか、これはなかなか一概に論文数や何か特許の取得数だけで評価するというわけには私はいかないのと同じように、学校の評価も非常に難しゅうございます。
 ですから、学校が自己評価をすると同時に、第三者である例えば地域の方々に入っていただく、あるいは御父兄の方にも入っていただく、いろいろな評価があると思います。そして、その評価は必ず公表しなければなりません。していただかなければ私はならないと思います。
 その上で、学校がそれを、自らの評価を理解されて、いい方向へ持っていっていただくために学校評価はやるんであって、そのことで学校を序列化するという目的のために私はやっぱりやってはならないだろうと思います。そして、何よりも学校自身も、国民の血税を使いながら、私立においても私学助成費も入っておりますし、公立はもちろんのことですが、運営しているということを自覚していただいて、将来の良き日本人をつくり出していただくというためになる評価でなければなりませんし、また、それを理解していただくために一般の方に公表をするのがセットで望ましいとおっしゃる先生の御意見は、私も全く同様の感を持っております。
#25
○中川義雄君 この学校の評価というのは、私も非常に期待しております。この結果がどうなるかによって学校教育の環境、将来というものが左右されるのではなかろうか、それぐらい大事なものだと。しかし、大事なものだからこそ慎重に取り扱っていかないと大変な禍根を残す可能性もあるということであります。
 文部大臣が一応の基準を作ることになっております。それはあくまでも一つの目標、基準であって、実施に当たるのは教育委員会、学校、それぞれがまた現場での創意工夫というものを加えて私はこれをしっかりしたものに育てていくものだと、こう思っております。
 そのことについての改めての認識を伺いたいし、また、この評価の結果をどう教育の将来のために活用するか、そのためには学校から社会、家庭、ある意味では地域へこれをどう伝えていくか、そしてそういった家庭や地域との協力関係をどう醸成していくか、そして取組事例の、いい取組事例の紹介などというものは私は非常にいいことになる、いい結果を生むことになると思いますが、それを国民全体が共有していくというような雰囲気をつくるべきだと思いますが、大臣のお考えを示していただきたいと思います。
#26
○国務大臣(伊吹文明君) それはもう先生がおっしゃったとおりで、これは納税者たる国民を納得させるということが、予算、今、先ほどおっしゃった予算増においても、国民が納得してないものを予算増するわけにはこれはいきませんから、そういう状況をやはりつくり出していくための一つの評価基準ということだと思います。
 いろいろなやり方があって、英国のように文部科学省、日本で言う文部科学省ではありませんが、政府が統一的に評価をしているようなやり方もあります。やはり、ばらばらではいけませんので、基準を示して、そして各教育委員会の成功事例はやはり共有してもらいながらやっていくと。このことは、うまくいっていない学校を良くするように、そして良くいっている学校に更に磨きを掛けるように、抽象的な言葉ですが、評価は使われるということが私は望ましいと思っております。
 成績、進学成績だけでやりますと、例えば言葉は悪いですけど、落ちこぼれとかの子供たちを集めて一生懸命教育をして、成績はそう上がらないけど社会で立ち直らせた学校と、割にいい生徒が集まってきてそこそこの成績を上げている学校と、どちらが先生がよくやっているかという問題が必ず起こってくるんですよね。
 ですから、その辺のことは私どもも、大切な問題であるだけに、そういうところは気を付けて各教育委員会にも運用していただくようにお示しをしていきたいと思っております。
#27
○中川義雄君 今大臣が申し上げましたように、学校評価は非常にいいことなんですけど、学校評価によって学校の選別の問題が起きてきます。そしてまた、それのためには競争の原理も、学校間の競争の原理といういい面もありますが、しかしまたそれは必ず裏もあって、そこまで行けない、あそこの学校へ行きたいが行けないという人もたくさん出てくると思います。そのためには、この評価を通じて、なるべくどこの学校へ行っても機会均等、安心して教育を受けるというような方向へまた持っていかなければならないと思うんです。
 そのためには、この評価の結果をどんな形で今後の学校運営に反映していくか、これは非常に大切なことだと思いますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
#28
○国務大臣(伊吹文明君) それは、総理が再三申し上げておりますように、教育再生の安倍内閣としての目標は、すべての子供に規範意識と高い基礎学力を保障するということを目指してやっているわけですから、先生がおっしゃったとおりのことを目的としてやっているわけです。
 再生委員会も、問題のある学校について支援を行うということを提言の中で明確におっしゃっております。ですから、いい学校だけに予算を集中するということは必ずしも再生委員会も考えてはおりませんし、私たちも、手を入れる学校は更に良くなってもらうということの情報を得るための評価であってもらいたいし、こういううまくいっている学校についてはこういうことだという情報を得てほかの学校にお知らせする評価であってもらいたいし、そういう観点からしっかりと学校評価を定着させていきたいと思いますし、何よりもやはり納税者を納得させるということが一番の原点ですから、そこのところをないがしろにしては学校評価というものをやる私は意味はないと思っております。
#29
○中川義雄君 次に、地方教育行政法の一部の改正案について何点かお伺いしたいと思います。
 教育基本法の改正を受けて、この改正案では、教育の機会均等、教育水準の維持向上、地域の実情に応じた教育の振興、こういったことが図られるように、国と地方の適切な役割分担、そしてまた相互協力、そういった理念が新設されました。教育委員会の本来のあるべき役割の明記もされました。
 これらの関係を私は具体的に確認したいわけですが、例えば地域の実情に応じた教育、教育の機会均等と申しますが、どうしてもそれぞれの地域における財政事情、伝統的に教育に対する熱意、そういったことによって教育の機会均等という非常に大切なことが失われてしまう可能性がある。これに対して、国がどう指導、助言して、全国民が教育の機会均等という憲法の基本理念に基づいた、そういう日本国をつくっていかないとならないと思いますが、大臣のその点についての考え方をお伺いしたいと思います。
#30
○国務大臣(伊吹文明君) 特に、義務教育それから高等学校教育については、これは財政の仕組みの上では今先生がおっしゃったことはきちっと担保されておるわけなんですよ。
 まず、基準財政需要というかシビルミニマムがございますから、当該自治体の自主財源が東京都のようにシビルミニマムを上回っている場合は、上回っているものでいろいろ更にプラスアルファのことをなさっていますよね。しかし、このシビルミニマムを自主財源が下回っているところがほとんどの自治体なんです。そのすき間を交付税という形で埋めておりますから、本来、地方の首長は、シビルミニマムを維持するために、そのもらった交付税を含めて、きちっとした図書の数あるいは人員の配置をしていただかなければならないんですよ。ただ、地方自治ということがありますから、差し上げた交付税と自主財源を含めて地方で予算をお組みになるわけですね。それが、先生も道会の御経験ありますが、道議会にかけられると。そのときに、地方議員の先生方がシビルミニマムどおり教育についてはなっていないぞということをおっしゃっていただかないと困るんですね。これがやっぱり自治の力というものなんですよ。
 もちろん、国が交付金とか補助金をたくさん持っている場合は、地方の財源不足を交付金という形で、あるいは補助金という形で調整できる力があるんですが、三位一体という形で今税源を渡しちゃって補助金をできるだけ減らしちゃっていますから、その力が非常に落ちてきております。ですから、再生会議も、シビルミニマムどおりの予算を組んでいない自治体の実態をやっぱり明らかにしてほしいという御意見がございます。私たちは、地方自治のやはり本旨を尊重しながら、ここまではやっていただきたいということを地方自治体にできるだけお願いをしてまいりたいと考えております。
#31
○中川義雄君 再三にわたる大臣の答弁を聞いて、そのことはよく知っていますが、現実はかなり乖離していると思っています。
 私も、数年前の義務教育費、その中でも教員の人件費が二分の一から三分の一になるという過程でいろいろ調べてみたんです。あれも、御承知のように、三分の一にしたって三分の二は交付税で措置すると、こういうことになっているんです。
 しかし、同じようなことで、約三十年前に教材費についても国庫から支出されていた時代があったんです、義務教育の無償化という観点から。私、調べてみてびっくりしたのは図書費であります。図書費は、御承知のようにほとんど市町村の予算に決めてあるわけです。東京都は交付税はゼロでありますが、基準財政需要額の一・五倍ぐらいの図書費が付けられております。しかし、悲しいが財政力のない地域、我が北海道もそうですが、図書費の半分も措置していない町村がほとんどなんです。町長さん方も、まさか学校の子供たちの図書費まで横に取りたいと思っているほどひどい人が多いわけではないし、議員の先生方もそうだと思うんです。ただ、地方財政が厳しいもんだから、これは交付税というのは一般財源ですから、その自治体によって一応基準は決められても何に使ってもいいというのが交付税の趣旨ですからそういうことができるわけです。
 そうすると、どうしても、今大臣が言ったように交付税で措置しているから教育の機会均等が図られるようになっているんだという話ですが、財政力が、地域格差が多くなるとそうしたくてもできないような特殊事情もあります。私も道議会議員五期務めていましたから、道議会議員のときの教育費については全部チェックしましたから、基準財政需要額以下の予算は組んだことありません、これは。しかし、町村ではそういう実態もあると。それをどうやってやっていくかというと、大臣の言うように、地方の問題で、議員もしっかりしてと言うんですが、しかしこれは、それは言っても、それができないような地方財政の格差が出てきていると。
 もし、総理にそのことについて何か考え方があったら、これ通告していませんので、なければいいんですが、もし、大臣はしょっちゅうこのことを言っていますから、大臣の考え方を述べていただいても結構であります。
#32
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の内閣においては、地方財源の総額を確保していく、これは地方に対してもお約束をしているわけでありまして、来年度の予算編成におきましても地方財源の総額を確保してまいりたいと、こう思っているところであります。
 そして、それと同時に、先ほど文部科学大臣が答弁をいたしましたように、基準財政需要額において、これは必要だという算定の上において、それを下回った場合に交付税として措置をしているわけでございますので、特に教育というのはとっても大切な予算でありますから、その観点から、地方においても予算編成を是非していただきたいと、このように思います。
#33
○国務大臣(伊吹文明君) いや、それはもう総理がおっしゃったとおりなんですよ。ただ、先生、その基準財政需要どおり差し上げている交付税がどこへ行っているかということですよ。まあ、どこかへ使っておられるからなくなっているんで、これはやっぱり米百俵の精神で、今の給与だとか何かを少し我慢をしていただいても、将来の教育投資を自治体の首長の判断でやっぱり組んでいただくというのが私は筋だと思います。
#34
○中川義雄君 そこで問題になるのは、予算の制定はそれぞれの首長に権限がある、しかし、教育行政全体については教育委員会が責任を持つということであります。しかし、予算をつくる権限はないと。ですから、そういった今のような状態が起きるのは、教育委員会が首長に対しての発言力をどこまで持てるかということも、しっかりそのことを知って、首長に対して物を申し、首長が言うことを聞かなかったら、町民に対してもこんな首長でいいのかということを言うぐらいの教育委員会にしなければならないと思っているんです。
 今回も教育委員会についての改正がなされておりますが、そういった意味で、教育委員会の役割、また教育委員会の数等にもいろんなことが書かれておりますが、総理又は大臣の教育委員会の今後の在り方についての御意見をいただきたいと思います。
#35
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教育における教育委員会の役割、責任は私は極めて重いと、このように思うわけでありまして、今までそれを担う教育委員会の委員の皆さんの選任に当たって、幅広く、そして教育に熱心な人格高潔な方々ということで今までも選任をしていただいているわけでありますが、しかし、今までも言わば首長の選出に当たって貢献をした方々に対して論功行賞的な人事が行われていたのではないか、こんな議論があったのも事実でございまして、今般の改正によりまして、改めて教育委員会の重要性について明記をしながら、当然やはり保護者の方々も教育委員として入っていただくことがふさわしいであろうと。保護者の方を選任するということも入っているわけでありますし、また、地域によってはある程度の人数を確保して幅広い議論をしたいという地域もあるでしょうから、この定員の弾力化も図っているわけでございます。
 こうした観点から、教育委員会の方々がしっかりと責任感を持って、自分たちこそ地域の教育再生を担っている、教育を担っている、そういう気構えで臨んでいただきたいと、このように思います。
#36
○中川義雄君 今総理も申されたように、私のところでもいろんなことを聞いておりますが、本当にこんな大事なことをする教育委員会を名誉職だとか選挙でなんという話をちらほら聞くたびに、これでは先ほど言ったような予算に対するチェックなどというのは逆にできないものですから、教育委員会についてはいろいろと法改正の中に出てきておりますが、しっかりやっていくことも大事だと思っています。
 時間が非常に少なくなりました。まだまだ通告していたんですが、時間がなくなりましたので、私は最後に、民主党の議案提案者である西岡先生、本当にじっとあそこでよく参加していただきましたが、西岡先生のこの政府の改正案に対する総括的なお話があったら、余り批判的じゃなくて、いい話も含めて、是非一言で、あと二分以内で是非お話をいただければと思います。
#37
○西岡武夫君 お答えいたします。
 批判的でなくというお話でございますけれども、私は安倍総理が教育問題が最大の内閣としての課題であると、このように打ち出されたということの功績は非常に大きいと思うんです。ただ、お出しになった法律については、残念ながらこれを評価することができないと申し上げざるを得ません。
 と申しますのは、学校の先生に優れた人材を得る、これが特に義務教育においてはもう基本中の基本だと思うんです。したがって、学校の先生のやはり人数が足りないというのは、これはもう文部科学省の調査でもはっきりしているわけでございまして、これをどうするかという問題と、教育予算をいかに確保するかという問題と、教育行政の責任をどこが持つのか。今委員がおっしゃったように、予算の編成権もない、予算の執行権もない、そして人事権もないという今の教育委員会の在り方では責任を果たすことはできないじゃないかというのが私ども民主党の提案している法案でございまして、こうした点が残念ながら安倍政権がお出しになっておられます教育三法には欠けているところではないかと。
 それと、何よりも教員の免許の更新制というものを打ち出されるならば、まずその前に教員養成のところをきちっとされなければ私は日本の教育はよくならないと思うんです。今のままでいけないというふうに政府がお考えならば、教員養成を充実するというところになぜ大きく踏み出されなかったのかというのが私どもとしては非常に残念であると、このように考えております。
#38
○中川義雄君 どうもありがとうございました。
#39
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 今日は、文教科学委員会、教育三法に関連して御質問させていただきますが、総理とは教育基本法のときに一度質疑をやらせていただきまして、伊吹文科大臣とも、余りないんですけれども、決算委員会でもやらせていただきましたので、今日は限られた時間ですが、まず伊吹文科大臣の方にお伺いしたいと思います。
 この三法が参議院に回ってきたときに、私は本会議の代表質問で総理と大臣に質問させていただいたんですけれども、この間も、私は文教科学委員会に所属しました折には、もう本当に毎回と言っていいほど、今学校現場が最も欲しているのは、先生方の数を増やしてほしい、子供一人一人ともっと向き合いたい、そのためには例えば一学級の人数をもっと減らして一人一人に行き届いて教育をしたい、それが最も大きな声でしたし、それから、そのためには教育予算全体を増やさなければいけない、これは定数増だけではなくて教育環境整備という問題もありますので、そのことをずっとずっと繰り返し現場の実態を基に言ってきました。
 その中で、伊吹文科大臣からは、五月二十一日、本会議の答弁で、何よりも大切なのは、教員が子供と向き合えるためには、法改正や予算措置が伴うが、人員増あるいは予算増が必要なので、文科大臣として最大限の努力をしたいと答弁いただいて、私は思わず議席で拍手をしてしまいました。大臣に拍手したことなんて一度もこれまでありませんけれども、ほかの大臣に対しても。そのとき本当に初めて、ああ、伊吹大臣はやってくださるなと私は正直本当にそう思ったんです。
 ところが、ところがといいますか、今日恐らく閣議決定されたんでしょうか、経済財政諮問会議の……(発言する者あり)あっ、されていないんですか。今日の後ですか。
 それで、その私は原案を見せていただいたんですけれども、この中に、三章三項のところに予算制度改革ということで、歳出歳入を一体的にとらえて、政策評価等を予算の効率化に適切に反映させると。そして、予算編成の原則としては、新たに必要な歳出を行う場合は原則として他の経費の削減で対応する。まあ、今の財政状況の中では当然のことでしょうけれども、そういうことが予算編成、予算制度の改革原則として書かれているんですが、その中で教育再生というところがあるんですけれども、これについて、私はこれで読んだんですが、簡単でいいですのでその決意ですね、予算増やそれから人員増という決意を持って伊吹大臣はこの基本方針二〇〇七ですか、これについても、これから閣議決定だということであれば是非、私は終わってしまってから要求するのもちょっと時間的にずれるなと思っていたんですが、これからであれば是非、この厳しい財政状況の中でも教育予算を増やす、人員を増やすということについての決意も含めて、この基本方針どのようになるのかということ、御説明お願いします。
#40
○国務大臣(伊吹文明君) 私は、このいわゆる予算編成の基本になる骨太方針の直接の担当大臣ではありませんが、今まだ、先ほど先生が御質問になったように調整を今もしております。そこで、閣議決定をされますれば、私も安倍内閣の一員でございますから、当然閣議決定をすればそれに従うということになります。
 安倍内閣が実質的に予算編成をするのは二十年度予算が最初になります。というのは、九月に安倍新総裁、新総理が誕生いたしましたから、小泉内閣のときの予算の概算要求を受け継いで我々はやったわけですね。だけれども、今回は初めて最初からそれに取り組むということになります。
 予算というのは、もう申し上げるまでもなく、内閣の全政策を金銭で表示したバランスシートなんですよ。ですから、内閣が替われば当然その予算のフレームとか重点の置き方は違ってくると思います。だから、二〇〇六と二〇〇七の書き方は当然違ってくると思います。
 先生がさっきおっしゃった新規施策を行う場合は、原則としてですよ、原則としてスクラップ・アンド・ビルドでやってくださいと。しかし、同時に、今調整をしております骨太の方針は、国、地方を通じて最大限の削減を行うが、それでも対応し切れない社会保障や少子化などの負担増に対しては安定財源を確保し、次世代への先送りは行わないということを書いて、今度初めて教育再生という項目を安倍内閣であるからこそ起こして、そこに書かれているのは、予算については、効率化を徹底しながら、めり張りを付けて教育再生に真に必要な予算については財源を確保するということが書いてあります。これは総理が再三御答弁をしているとおりの文章なんですね。
 ただ、私たち注意しておかねばならないことは、予算増をすれば教育が良くなるという、初めに予算増ありきということだけではやっぱりいけないと思いますよ。何が必要性が相対的に低いのか、そして何が確実に措置しなければならないものなのか、これをずっとこれから予算編成過程の中で積み上げて、最後は内閣としての決断を総理がされて、そして予算として立法府にお願いをする、審議をお願いするわけですから、私は担当大臣として本会議で先生にお答えしたとおりの気持ちでこのことに取り組みたいと思っております。
#41
○神本美恵子君 何が大切なのかということで、本会議で、それこそ最も大切なのは教育の予算を増やして、しかも人員を増やして子供と向き合う時間を確保するとおっしゃったので、その考え方に立って予算編成をこれからもやられるだろうし、ところが、この基本方針二〇〇七ですか、これを見ますと、どこかを減らさなきゃいけないと、総額にたががはめられた上でというふうに私は読み取れたので心配しているんです。
 伊吹大臣、本当に苦慮されるんじゃないかというふうに心配をしつつ、この二〇〇七の中に教育再生というところが詳しく書かれておりますけれども、私は、まあ人員増もそうなんですけれども、もう一つ環境整備ということで、つい先日も新聞に出ていましたけれども、学校の未耐震、耐震化されていない学校施設で、阪神・淡路大震災並みの地震が来た場合には全倒壊するおそれのある校舎が四千三百幾つですか、というふうなことが出ています。ところが、私は、これはもう早急に国が緊急支出をしてでも耐震化をしなければいけない、子供の命にかかわることですから、当然そういう措置がとられなければいけないというふうに思っています。
 民主党としては、去年から学校耐震化促進法案ということで法案を作りまして、すべての学校で、未耐震のところは耐震診断をまずしなさいと、これを義務付けて、その結果をまた公表することも義務付けて、しかも今の制度の中では補助金で、改築や耐震化には補助金の制度になっていますので、そのための補助金もかさ上げをしなさいというようなことの法案を提出をしてきたんですけれども、今回のこの二〇〇七の中の教育再生、社会総掛かりで教育再生をすると、それはもうずっと総理もおっしゃっていますし、最重要課題であると。
 であれば、まずは子供たちの命、学校における子供の安全というようなものについて、これこそ一つの項目を挙げてでも具体的な手段として当然載っているだろうと思って私は読ませていただいたんですが、具体的手段の中の一番最後に学校耐震化の推進化促進というようなことがちょっと出ているだけなので、これで本当に、まずは学校でいい学びをするとかいい教育をする、それ以前の問題として、もしも地震が起きたときにはそこで子供の命が守れないかもしれない事態があるということについて、私はちょっと、本当にこれで、予算に限りがあるとか言っていていいのかという思いがあるんですね。
 その点について、これは総理に、両方お伺いしたいんですけれども。
#42
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 学校の耐震化、これは子供の安全を守るためにも喫緊の課題であると、このように私も思っています。
 補正予算におきましても耐震化にかなり予算を付けたところではございますが、今後とも子供の安全を守る、これは私たちにとりまして大変重大な使命であると、この認識を基に進めていきたいと思っております。
#43
○国務大臣(伊吹文明君) 今総理が御答弁をしたとおりなんですが、これは先ほどの中川委員の御質問にも関連することなんですが、民主党の出された案も補助率のかさ上げになっているんですよ。補助率のかさ上げというのはどういう意味かというと、事業主体は学校をつくっておられる地方自治体になるんですよ。地方自治体が、補助金を差し上げても補助裏を出すのがとても財源的に大変だ、そのお金がどこへ行っちゃっているかということが大いに問題なんですが、そういう状況の中でなかなか地方自治体が積極的に予算化をしていただけないので、これは民主党の案も我々は参考にさせていただいて、この前は耐震調査の結果をすべて公表したんです。
 これから、総理がおっしゃったように、当初予算と同額の前回は補正予算を組んだわけですから、これは命にかかわることですから先生の御注意は当然のことでございますので、私はこのことは最優先で取り組みたいと思っております。
#44
○神本美恵子君 そのことがこの二〇〇七の中に一つのやっぱり大きな項目として、子供の生命の安全や安心ということで、ほかにも学校に不審者が入ったりとか、それから通学途中で殺害されたりというような事件や事故もありましたし、プール、学校プールでの事故もありますし、まず教育再生と言うのであれば、まずは命をはぐくむ、教えはぐくむその命の安全ということをなぜ掲げられないのかということで、私は非常にここは、伊吹大臣、まだ閣議決定これからでしたらそこを書き直して、そのための予算は別枠ででも取るという、そういうことを是非決意を示して、時間がないんですが、短くお願いします。
#45
○国務大臣(伊吹文明君) 先生、これは予算編成のいろいろな仕組みがありますから、骨太の方針というのは閣議決定をしますから大切なものではありますけれども、安倍内閣としては安倍内閣の予算編成方針をきちっと立てるわけで、それは今の御注意も総理も十分聞いておられますから、我々は我々としてきちっと努力をさせていただきます。
#46
○神本美恵子君 総理にも聞いていただいたと思いますので、ちょっと厳しい言い方になるかもしれませんけれども、私は、教育を再生するに当たって、精神論だけで教育は良くはならないと、子供たちが本当に安心して安全な場所でゆとりを持って、子供と教職員と保護者がいて、地域の人たちに囲まれて育っていくんだということを申し上げたいと思います。今、伊吹大臣からは是非そのことを前向きにとらえたいというふうに答弁いただいたと私は思いましたので、次に入りたいと思います。
 次は免許更新制についてなんですけれども、これは、本当に私は今、学校現場や保護者の方たちからたくさんのはがきをいただいています。もう段ボール一杯ぐらいになって、全部に目を通してきたんですけれども、その中の幾つかを今日は紹介したいと思うんですが。
 本当にこの免許更新制で教職員に自信と誇りを持たせる、そういうものにこの制度がなると総理はずっと答弁でなさっていますけれども、そう思っていらっしゃるのか。また、この免許更新制度、更新講習を受けなければいけないというこの制度が、あるいはそれがまた修了認定の試験を受けなければいけないということが教職員にどんな影響を与えるのか、あるいは子供たちにどういう影響を与えるのかというようなことをどのくらい考えてこの制度設計をされたのかということについて、私自身も最初から疑問を持っていましたが、次々に学校現場の実態をはがきでいただくたびに、ああ、やっぱりこれは学校を良くするというより、あるいは教員の資質を向上させて教育の資質を保持向上させると何度答弁されてもそういうふうにはならない、むしろ学校を萎縮させたり先生たちの不安を駆り立ててしまって、それは直接子供に影響してくるというふうに私は思えて仕方がないんです。
 ちょっと一つ、現場からいただいたはがきを御紹介したいと思うんですが、小学生の女の子が書いた詩というのをはがきの上に書いて、下に先生がコメントというか意見を書いていらっしゃるんですが、コイになりたい、これは池の中のコイですね。池の中を見た、コイはいいな、のんびり泳げて、何もせずにえさもらって、私は毎日ばたばたどたどた走り回っている、山のような宿題、休んだ日でさえテストが家に届く、コイめ、この小学生のつらさをたまには味わえ、という短い詩です。
 池の中をゆうゆうと泳ぐコイを見て何か自分を振り返って、よく分からない小学生ですけれども、何か締め付けられ追い立てられているという心情がよく出ているなと。私は、休んだ日さえテストが家に届くというのは私も現場のときやっていたなと、ちょっと胸が痛くて、そういう詩だと受け止めたんですが。
 子供の点数を上げようとテスト攻め、これが教師の評価につながるからです。多忙化で、教師は子供をここまで追い込んでいるということにさえ気付かない状況なのです。私たちの免許は子供とともにあることで磨かれ、誇りになり得るのです。大学の講義では子供は見えません。教師を縛れば、教師は子供を縛るようになりますというふうなおはがき、これに似たようなはがきはたくさんいただいたんですけれども。
 この制度は、私は、教師の目を子供たちからほかへ向けさせてしまうのではないか。ちょっと抽象的な言い方で申し訳ないんですけれども、総理はこれまでも、この免許更新制度によって、教師の使命感や教育的愛情というようなものをこれで身に付けてもらって、そして自信と誇りを持って教壇に立てるようにしたいんだというふうに答弁をなさっておりますけれども、これで、今の詩と先生の意見を聞いて、本当にこの免許更新制で先生たちの自信と誇りが持てるようになるとお考えなのか、現場を少しイメージしていただいて、認識をお願いします。
#47
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教育の現場にもいろんな先生方がおられるんだろうと思いますね。もちろん、ほとんどの先生方はまじめに、真剣に教育の現場において子供たちに向き合って、いかに子供たちにいい教育をしていこうか、毎日考えておられるでしょうし、思い悩んでおられる方々もたくさんいるんだろうと、このように思います。
 そういう方々のほとんどの方々は、当然この免許更新制についてもこれはほとんど問題ないということになるんだろうと思いますが、しかし、なかなか自信の持てない先生もおられるのも事実でしょうし、いろいろと問題があるというふうに指摘をされている先生もいるのも事実だと思います。そういう方々が多いと私は決して思わないわけでありますが。
 しかし、これは十年というのは一つの節目であって、その間、教育における知見、技能も進歩していくということも十分に考えられるわけでありますし、この十年間において進歩してきたであろう教育の技能等々、また身に付けるべき知見について、もう一度学んでみる機会がある、そしてまたもう一度見詰め直してみる機会があるということは、先生方にとってもこれは新たな気持ちで次の、十年たって次のまた十年、二十年に向かって、新たに自信を持って教育の現場に立って教師としてしっかりと責任を全うしていこうという気持ちにも私はなっていくのではないだろうかと。また、保護者の方々も、そのように先生方が日々努力をされ、そして十年に一度あるこの講習をしっかりと受けられて、最新の技能もまた知見も身に付けておられるということから信頼感も増していくのではないかと、このように私は確信をいたしております。
#48
○神本美恵子君 教育の技能とかそれから知識なども十年もたてばいろいろ変化していくので、そういうものを身に付けていただく一つの節目としてというふうに総理今おっしゃいましたけれども、今学校の先生たちが教員になって、採用されて教員になって、十年に一度そういう講習を受けないと日々知識、技能が刷新されるような場にないというふうにお思いになっているのではないかという、今の御答弁聞いて私は思ったんですけれども。
 御存じですか、今学校現場の先生たちが教員になって、自分の大学で受けた教員免許を取るための基礎資格といいますか、そういう勉強してきたことを実際に教員として日々どのようにそれを刷新していっているのかという、法定されている研修だけでもたくさんあるんですよ。そういうのを総理は御存じの上でこの更新制度というのを出されているのかどうか、ちょっとお伺いしたいんですが、詳しくはいいんですが、現場の先生がどのように自分の、何といいますか、専門性を磨いているかということをどのように認識していらっしゃいます、これ通告していませんが。
#49
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も詳細については存じ上げませんが、先生方がそうした研修を通じて今までも専門性において、また教育の技能において努力をしておられるということも十分に承知をしておりますし、そして、何といってもやはり先生方にとっては、いろいろな子供たちと接することによって、経験によって培われたものというのは私は大変これは重要であろうと、このように思うものでありまして、座学によって補えないものの方が恐らく多いのではないだろうかと、こうも思うわけでありますが、一方、十年間、自分が積み上げてきた経験も基に新たな知見に接することによって、そしてまた、その中で御自身なりに新たな教育についての、これはやるべきこと、あるいはまた技能において、考え方について身に付けていく、あるいは考えるきっかけにもなっていくということになるのは私は間違いないだろうと、このように思います。
#50
○神本美恵子君 余り分かっていらっしゃらない、失礼ですけれども、なと思います。教員になったら、まず初任者研修というのがあるんです、一年間。しかも、二十日間ですか、もっとあるかな。学校の中で先輩の先生の授業を見たりする研修、それから外に出て、学校の外に出て講義を受ける、あるいは演習みたいなことをやるという、それ一年間受けるわけですね。そして、二年目になったらまた経験二年目の研修というのがあります。そして、五年目、十年目。
 この十年目の研修というのは、これは法定されている、あるいは義務として都道府県がやったり国がやったり、それから市町村がやったりという、このほかにもたくさんの研修があって、そこで先生方は新しい知見も学んできているわけですよね。その上に十年目に三十時間の認定講習をというそのこと、更新講習ですか、その必要性というか、意味がどうしても分からなくて、勘ぐれば、これは一部の教職員を排除するためにだけこれがセットされている制度、提案されているのではないかというふうに思いたくなるんで、そうではないということはちょっと伊吹大臣にお聞きしたいんですが。
 この十年研修というのが二〇〇二年に法案として提出されて成立するときに、これは本当は当時の教育改革国民会議が免許更新制度を導入を答申したけれども、しかしこれは現実的ではないと、様々な問題も抱えているということで十年研修が導入されました。それは今も実施をされております。この十年研修が導入されるときにちょうど総務省の方からの提案の政策評価の法律が通ったんですが、この十年研修についても当然政策評価の対象になっていると思いますけれども、文科省にお聞きしますと、二〇〇六年の政策評価されているんですが、その後されていないんですね。
 ですから、私は、代わるものとして導入されたこの十年研修の成果なり課題なり、そういうものをきっちり検証して、これでは駄目だと、教職員の知識、知見を新しくしたりするのにつながっていない、これには問題があるから免許更新制に切り替えるというんであれば、十年研をやめにして免許更新制度にするとか、あるいはその逆に十年研修を充実するとか、そういうことがきちっと私たちにも国民の皆さんにも、何よりも直接かかわる教職員の皆さんに分かるような説明を果たしていただかないと、これはちょっと問題だなと思うんですけれども、いかがですか。
#51
○国務大臣(伊吹文明君) 二つお尋ねがあったと思いますが、現在行っております十年研修の評価ですね。
 これは、行政機関が行う政策の評価に関する法律というのがありまして、十年研修を導入します前、ちょっと私は西暦で言うのが余り得意じゃありませんので、平成十四年度に実施した事前の評価をまずやっているわけですね。そのときに、個々の教員の指導力の向上を図り、高度の公益性を有しているという評価を受けております。そして、十六年度実施した後は、想定どおりの結果が得られたという評価を得ております。
 その後、評価はおっしゃるとおり行っていないんですが、それはなぜかというと、十七年度以降は、その評価を行う補助金を三位一体の改革のために地方財源化しちゃっているわけです。だから、地方で個々の教育委員会においてやっていただかなければならない。
 それから、特定の教員を排除する目的と。それは先生、そういうことはないんですよ。これは、やはり免許ということに着目しまして、先生は公立の教諭をしておられて、公立の教職員組合におられたからそういう感覚でお話しになりますが、私立の方々も同じように免許を持ってやっておられるわけです。だから、教壇に立っておられる先生の免許ということに着目をして、十年ごとにそれを更新していただくことによってブラッシュアップするというか、自信を持って教壇に立っていただく、それが先ほど総理が申し上げたことでして、公立、私立を通じて免許を持っていらっしゃる方に十年ごとの自信をむしろ与えるための研修という我々は受け止め方をしておりますし、特定の、私はこの言葉は嫌ですが、いわゆる駄目教師と言われる人たちを排除するかどうかということは、これはこの法律とは全く無関係の分限上の問題ですから、これは御心配のようなことには運用はいたしません。
#52
○神本美恵子君 私立の学校の先生のお話が出ましたけれども、確かにさっき言いました初任研とかそういう研修は公立の教員対象ですよね。それであれば、私立の先生方の研修がどうやったら確保できるのかということも考えていけばいいことであって、この免許更新によって私立の先生方も含んでブラッシュアップするという、ちょっとそれには理屈的に私は無理があるんじゃないかなというふうに思います。
 それよりも十年研修をもっと充実した方がいいんじゃないかと。しかも、その内容も各都道府県で基本計画立ててやっているようですから、それに、受ける先生方が本当に今必要な研修とは何かということを参加してできるように、もっとこれを充実するということで更新制度の導入は必要ないんではないかと。これに掛かる費用負担については、これまでも委員会で議論されておりますし、それに掛かるお金をむしろ十年研修に向けるとか、あるいはさっき言いましたような耐震化にはとてもけたが違うお金が掛かりますけれども、そういうことをやるべきではないかと思います。
 時間がちょっとなくなってきましたので、じゃ、この免許更新制でブラッシュアップできるのかということでちょっとお伺いしたいんですけれども、免許の種類というのが、私は小学校ですから知らなかったんですが、中学校は現行法の教育職員免許法で十八種類、高校は三十二種類もあるんです。このそれぞれの免許を複数お持ちの方もいらっしゃいますし、その免許を更新するのに更新講習に果たして対応できる大学が全国各地にあるのか。なければ遠距離でどこかに行かなきゃいけないとか様々なことを考えますと、しかもこれ三十時間という、大学でいえば二こまぐらいになるんですか、本当にそういう専門的な知見をブラッシュアップするという講習が可能なのか。
 どうも考えてみますと、先生方が一番欲している専門性の向上という、そういう講習ではなくて、何か適性を判定するようなそういう講習になってしまうのではないかと。そうすると、先ほどから出ています質の向上ということにはつながっていかないし、何よりも自信と誇りを持つのには、先生たちは自分の専門性が常に新しいという、そのことが自信と誇りにつながっていくと私は思いますけれども、それについて、教科の専門性向上が図られるような三十時間の講習になるのかどうか、なるとは思わないんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
#53
○政府参考人(銭谷眞美君) 免許更新講習の内容につきましては、教員に共通に求められる内容を中心に構成をするわけでございますけれども、教科等に係る内容につきましても免許更新講習の内容に含まれるものと考えております。受講によりまして教科等の専門性の向上が図られるものと認識をいたしております。
 具体的な講習の内容につきましては、今後文部科学省において適切に定めていくわけでございますが、講習開設者の認定の基準等におきまして、その辺、専門性の部分についても、それぞれの開設大学において特色のある多様な専門性の向上が図られる講習が開設できるように留意していきたいと考えております。
#54
○神本美恵子君 ちょっと残り時間がもうなくなってきましたので。私は、その辺がきちんと示されていませんし、免許の種類って本当にたくさんあるんですよね。これに対応できるようなことを示して、これだからここで専門性が向上できるんですよと、これで、というんであれば、まだ百歩譲って、それならこの面はどうですか、こうですかということを考えることができるんですけれども、そうなっていない。むしろ、逆に、修了認定に当たって国が基準を作るというふうにこれまで聞いておりますけれども、そのことは、やがて大学において認定講習やるわけですから、国が基準を作って、大学はそれに基づいて講習をやる。そうすると、教員養成にもその講習の内容が影響してくるのではないか。こういう認定講習を受けて、そして認定試験を受けなければ教員として更新ができないとなると、養成する大学の方は、当然、それに影響を受けて、教員養成の内容がそちらに画一化されていく、そういうおそれも十分にあるのではないかということを私は懸念しております。
 それで、そういうことにならないように、更新講習によって養成にも画一化を招くようにならないようにどういうふうに考えていらっしゃるかということ、これ総理にお伺いしたいんですが。
#55
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が指摘をされましたように、教員免許状については、これは全国で通用性を持ったものでなければならないわけでありますから、国家資格であるということから、その水準の維持確保を図るための基準は国において定めることが必要であると、国家資格でありますから、このように考えています。
 具体的には、更新講習の内容や修了認定の基準については、改正法案第九条の三第一項によって国が定めることとしているところであります。そのような基準は、パブリックコメント等を経て、文部科学省において適切に定められるべきものであると考えています。更新講習を開設するか否かは大学の主体的判断によるものであります、それはもちろんでございますが。基準に則したものであっても、学問的知見に基づく多様な内容を教授することは私は十分に可能であると考えております。
 そうしたことから、学問研究の自由の侵害とか教員養成の画一化とかいった、そうしたことにはならないと、このように確信をしています。
#56
○神本美恵子君 もう時間が来ましたが、最後に一つだけ。
 総理、総理自身は、自分の仕事に対して自信と誇りを持てるとき、あるいは自信と誇りを失ったとき、どういうふうにしてそれを取り戻してこられていますか。
 私は、教員の経験がある私からすれば、私が一番自信と誇りを持てるときというのは、やっぱり子供たちが一緒に学んで良かった、あるいは保護者から、このクラスで良かったというふうに思われたとき、あるいは卒業生からいろんな手紙をもらって、あのときは良かったねというようなことで自信と誇りを少しずつ積み上げていくんですけれども、総理のお仕事、総理のお仕事でも、御自分のお仕事で自信と誇りというのは、どういうときに感じ、どうやってそれを確保していらっしゃいますか。
#57
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人間というのは、自信や誇りを持つ、そういう気持ちになるのは、やはり自分でこの仕事をやった、そういう達成感と、そしてその達成感とともに、それを正しく評価されたときには、それは正に自信となり誇りになっていくんだろうと思いますが、私ども政治家の場合は、私は衆議院議員でありますが、衆議院は解散があって選挙があるわけであります。そこで国民から正に評価をいただくわけでありまして、そこで評価をいただければこれはまた自信と誇りにつながっていく、それはまた正に政治家の宿命であろうと、このように思っております。
#58
○神本美恵子君 私は、学校の教職員の自信と誇りは、免許更新制ではなくて、子供たちと日々向き合って子供たちの成長に喜びを感じたときこそ感じるものであるということを総理には是非分かっていただきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#59
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 参議院選挙ももう間近でございまして、いつになるのか、総理がもうそろそろ御判断を選挙日についてはされるんだと思いますが、今回の参院選の私は争点の一つに是非教育をきちっとアジェンダとして挙げて議論を深めさせていただいて、そして国民の皆さんにやっぱり考えていただいて御判断いただくと。総理も、ずっとこの一年間、正に教育再生会議をおつくりになって、そして教育の安倍ということで取り組んでこられました。教育の鈴寛としても、是非そうした政策選挙にしていただきたいと、していきたいと私たちは思っております。
 そういう観点から、今日は、我が党の考える教育政策というのと、それから安倍総理あるいは安倍政権が考えておられる教育政策というものを、方向が同じところもあります。それから、方向が全然、百八十度違うところもございます。それから、同じ方向でも、範囲とか距離とかスピードとか、こういうことが違う。ここを分かりやすく国民の皆様方に議論を通じてお示しをして、これはいい悪いというんじゃなくて、こういうアイデアの二つの党があって、こういうアイデアが出ていると。あとはもう国民の皆さんに、いろんな教育現場にそれぞれ触れていただいているわけですから、それは親としての場合もあるかもしれませんし、それから地域のボランティアと。皆様方に、ここは民主党の案がいいかもしれない、ここは自民党の言っている方がそうかもしれないなということを御判断いただいてこの参院選の投票という形につなげていただく、これがあるべき民主主義の姿だというふうに思っておりますので、そういう御議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 それで、私、議員あるいは国会でしかできないことというのは何かなと。世の中には、NPO、NGO、あるいは民間の方でも、あるいはもちろん公立の教育現場でも私立学校でも、それぞれにこの社会を、あるいは日本を、世界を良くしようと思って頑張っていただいている方は一杯いらっしゃると思うんですね。私は、それぞれの現場で頑張っておられる方も私たち国会でいる者も、それはもうひとしくこの国を愛し、そして次世代のことを思い、やっぱり活動しているんだと思う。そういう方々が、正に最近の言葉で言うとコラボレーションといいますか、つながって、そして共同してこの国を良くしていきたいと、この思いは全く変わらないというふうに思います。
 ただ、やはり私たち議員、あるいは議員によって選ばれた閣僚をされていらっしゃるわけでありますけれども、やっぱり国会でしかできない仕事というのは何なのかなとよく考えます。私はこれ三つあると思うんですけれども、やっぱり一つは法律を作るということですね。それから、予算を作る。これは税の部分も、歳入の方は税をいただくということですけど、そういう意味で徴税をも含む予算を作ると。それから、内閣総理大臣を始め重要な政府の人事といいますか、この三つだというふうに思っておりますけれども。
 やはり、教育再生会議、いろんな議論をしていただきました。これはいろんな知恵者を集めてありとあらゆる議論をしてきた。これは大いに結構なことだと思いますので、枠をはめる必要は全くないと思いますが。それを、その答申を受け止められた総理あるいはそれを聞かせていただいた我々としては、やはり最終的には法律案の形であるいは予算案の形でお示しをするというのが私たちに唯一という、唯一といいますか、私たちだけがそこの部分だけは独占的に国民の皆さんから信託をされているんだろうと、ですからそこの責務にこたえるというのは私たちの仕事だろうと、こういうふうに思っております。
 それで、今、今日ですか、骨太の閣議決定なされますのは。本当であれば、それがどういう結果になったのか、こういうことで御議論をさせていただければなと思っておりましたので、あした以降の審議の中で、私もう一回立たせていただきたいと思いますので、本日の閣議決定がどういう結果になったのかというのは、またそれも踏まえてと思いますけれども、是非、今日のこれ夜ですか、閣議が行われて閣議決定されるのは。正に来年度の予算編成に向けて、正に予算の編成方針を決めるという骨太の閣議決定方針が今日の夜に閣議決定されると、こう理解をしておりますけれども、その内容も、総理の胸の内といいますか、あと数時間後には明らかになる話でございますので、少し前倒しでお聞かせもいただきたいと、こういうふうに思っております。
 それで、小泉政権というのはある意味で非常に分かりやすいといいますか、これは我々予算案を作らなきゃいけない、正に構造改革ということをおっしゃったわけですけれども、正に歳出構造を変えるというのがこれは私たちの、国会ができる一番の構造改革だと思います。
 私たち民主党は、六年前、私は、コンクリートから人へということで、これは今、民主党全体の予算編成方針にこれはきちっと位置付けられております。さらに、この教育、医療の現場に人材をということで、私もその民主党の文教政策の責任者もさせていただきました。我々の考え方はやっぱり現場に人材をと、こういうことでございます。私は医療改革の方の副座長もしておりますけれども、そうした教育とか医療とか、人生とか命とかということにとても重要なその現場にやっぱり優秀な人材を多数と、こういうことが我々の歳出構造方針でございます。
 それで、小泉政権は、結論だけ申し上げますと、教育費をカットする、医療費をカットする、しかし一方で、これは別に非難しているわけじゃなくて、借金を少しでも減らしていこうという、行政改革が極めて重要だと、こういう予算編成方針、これも一つの方針だと思います。そうしたそういう方針を国民の皆さんは少なくとも二〇〇五年の九月十一日の選挙で選択をされて、それに基づいて予算編成をされてこられたと。これは選択に基づく編成ですから、これはこれでいいんだと思います。
 そこで、教育再生会議が第二次答申ですか、出ました。それから、六月十二日ですか、財政制度審議会の建議、これは西室会長から出された。再生会議の野依会長も西室会長も、いずれも大変立派な人格の方々で、そして大変な見識をそれぞれに持っておられて、それぞれ総理からのその諮問に対して真剣に御議論をいただいて答申をいただいているんだと。
 当然、しかしながら、教育再生会議の答申と財政制度審議会の建議は、同じところもあれば違うところもあるわけですね。これは当然だと思います。そこで、最後は総理がそれぞれの議論をしんしゃくして、そして総理が御判断をされて、そして本日の骨太の閣議決定にどういうふうにするのかと、こういう、今日はそういう日だというふうに思っておりますけれども。
 今回の骨太というのは、安倍政権になられて初の予算編成ですよね。そうしますと、安倍政権というのは、じゃ、小泉政権の予算編成方針とどこが一緒でどこが違うのかと。教育ということをおっしゃっているから教育なんだろうなと私も勝手に思い込んでいたんですけれども、それがどうも何かこの一か月の御議論を聞いていると、そのような気もするし、そうでない気もするし、その辺りのところを今日は是非明確にお聞かせをいただければ大変有り難いなと、こういうふうに思っております。
 そこで、まず最初にお伺いしたいのは、私は国会議員になりました理由の一つは、やっぱりどんなうちに生まれても、どんな地域に生まれても、やっぱり機会の均等、これだけは絶対保障しなきゃいけない。機会の均等か結果の平等か、これはいろいろ議論があっていいと思うし、それぞれの時代、それぞれの国の事情によって、だからこそ二大政党制で、今は結果の平等だ、今は機会の平等だと、こういうことでの政権交代が行われるんだと思いますが、しかし、ありとあらゆる先進国の民主政党は、機会の不平等を放置していいという政党は一つもないと私は思っております。そういう観点で、やはりそれぞれ天賦の才というのがあって、それを花開かせて、そして職業、正に誇りと自信とを持って世の中に貢献していく、それぞれのコーリング、天職でもって貢献をしていく、これがやっぱり望ましい、すばらしい充実した人生の前提だと思うんです。そういう意味で、この奨学金の制度というのは私は本当に大事だと思いますし、これは私はライフワークとしてやっていきたいと、こういうふうに思っております。
 しかしながら、我が国の高等教育段階における家計の負担、要するに御家庭がそれぞれ負担をされる負担比率というのは六割、これは世界で一番重いんですね。例えば、OECD三十か国の中で一番重いのがこの日本になっております。あのアメリカですら、ほぼ税制の仕組みとかは同じだと思いますけれども、アメリカは三割。そして、例えば高等教育費の公財政支出は、日本は〇・五%です。アメリカはやはりこの部分においてはきちっと財政を、アメリカとてと言ってはあれですが、確保しておりまして、日本の三倍の一・五%を公財政支出で負担をいたしております。日本の場合は、残念ながら公財政支出が低いものですから、その分を私費が〇・七六%、対GDP比ですけど、要するに負担をしていると、こういう実態にあります。
 それで、この問題は、私は歴代の文部科学大臣に感謝を申し上げたいと思っているんですけれども、六年前は六十九万人しか奨学金の対象者はいなかったですね。それが、毎年私からもお願いを申し上げ、歴代の文部科学大臣に御理解をいただき、もちろん財務大臣にも御理解をいただいて四十五万人増えました、百十四万人になりました。このことは大変に有り難いことだと思いますし、しかしながら、まだまだ先ほど申し上げたような家計負担の実態、奨学金をもらえていない人が一杯いると、こういう状況でございます。
 そこで、民主党は、今回の参院選のマニフェストにおいても、希望者は全員奨学金制度と。すなわち高校は無償化し、希望者全員に奨学金、大学及び高等学校は希望する人ならだれでもいつでも利用できるようにすると。それから、学費のみならず最低限の生活費も貸与すると。それによって、親の支援を一切受けなくても、あるいは社会人になった後でも、意欲があれば学ぶシステムをつくるということを申し上げさせていただいておりますが、この点、正に来年度予算編成に当たって閣議決定において、総理といいますか、安倍政権はどういうような方針で打ち出される御予定でございますか、お聞かせいただきたいと思います。
#60
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま鈴木委員によって大変分かりやすくこの骨太の方針二〇〇七の位置付けについてもお話をいただいたんだろうと、このように思うわけでありますが、奨学金のお話、私は正にそのとおりであろうというふうに思います。正にだれしもが自分の才能、天賦の才でありますが、それを花開かせることのできるこれは機会が、チャンスが与えられなければならない。そして、そのための努力が報われる社会でなければ、日本もこのダイナミックさを失って、これはむしろ衰退へと進んでいってしまう、そして日本の国民にとっても不幸な状況になってしまうだろうと、このように思うわけでございます。その意味におきましてこの奨学金というのは極めて大切であると、このように思っています。機会均等という観点からも、だれしにもこの機会があるという意味においても本当に大切だろうと、こう思います。
 意欲のある勉強する学生への支援につきましては、教育再生会議におきましても第二次報告において提言がなされています。これを受けまして、経済財政諮問会議においても議論をいただいているところでございまして、正にこの経済財政諮問会議においていただいた御議論を基に骨太の方針を決めていくわけでありますが、健全性を確保した奨学金制度の充実を推進をしていきたいと、このように思います。
 現在も無利子の奨学金を行っているわけでありますが、この無利子において貸与を受けられなかった方々、二万人の方々についてもその大半については有利子の奨学金で貸与を受けていると、このように聞いているわけでありますが、今後とも更に奨学金の充実について努力をしていきたいと思っています。
#61
○鈴木寛君 骨太方針の原案を読みますと、優秀で意欲ある学生に対する奨学金を拡充する措置をということは書いてありますけどね。私たちは、もちろん意欲は大事だと思っていますけれども、優秀かどうかというのは勉強してみないと分からないので。そのやや、与党といいますか安倍政権のは、何というんでしょうか、競争に頑張る、あるいはそこを勝ち抜いた人はより更に応援するという、それはもちろん大いに結構なんですけれども、やはり奨学金というのはもう少し、私たちの民主党というのはやっぱり、希望する人、意欲ある人はすべて、やっぱりここまで踏み込む必要があると思っているんですけれども、そこはやはり原案の優秀で意欲あるというところにまずは限るということで変更はないということなんでしょうかね。
#62
○内閣総理大臣(安倍晋三君) なかなかこの表現において、基本的にやはり意欲があって一生懸命勉強頑張ろうという方々にもやはり着目をしていく必要があるだろうと、このように思います。しかし、そもそもそういう経済的な状況に、その以前の状況だという方々もそれはおられるんだろうなと思います。私の内閣で進めている教育再生については、だれも後ろには置いていかないというのが基本的な姿勢であります。その中で、しかしこの限られた財源の中でいろいろな工夫もしていかなければならないと。そういう意味におきまして、健全性を確保しながら奨学金の制度を更にしっかりとしたものにしていくという方向でそうした子供たちを応援をしていきたいと、このように思っております。
#63
○鈴木寛君 私たちは、総理は優秀だったかもしれませんけれども、やはりこれ育英なのか奨学なのかと、割と根の深いというか哲学的な議論でありまして、私どもはやっぱり意欲あるところを含めて、むしろ今の現状を見ますと、親の経済格差が子供の学力格差、教育格差につながっていると。そうすると、なかなか優秀に高校の段階まで達せないというところもあって、そういう意味でその点がやや違うということでありますが、ここは引き続き来年の方針に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 それから、国立大学への交付金の問題でございます。
 平成十六年に法人化をされました。三年間で国立大学の運営費交付金が三百七十一億円カットされているんですね、これ小泉政権の下で。授業料も、私が入りましたときには二十一万六千円です。今五十万円です、約、約。これで本当に国立大学の授業料としていいのかなと、こういう気もいたすわけでありますけれども。小泉政権はどんどん切ってきました、運営費交付金。安倍政権はどうされるのか。これ本当に国立大学関係者あるいは大学関係者は注目をいたしておりますけれども、その骨太方針の原案を見ますと、めり張りを付けるとか配分を変えるとか、そういうことはもちろん大いにやっていただいて結構なんですが、総額を増やすのか減らすのか、据え置くのかV字反転するのか、ここ何のメンションもないんですけど、これ総理はどういうふうに思っておられますか。あるいは、今日の夜に何かびっくりサプライズプレゼントがあるのかどうか。
#64
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 限られたこの予算の中でなかなか思い切ったビッグサプライズというのは難しいというのはよく委員も御承知のとおりなんだろうと、このように思うわけでありますが、この運営交付金については、大学においては教育研究あるいは社会貢献と、そういった役割を担っていると思いますが、このうち人材養成としての教育は極めて重要であると思います。教育費の交付金についてもこうした大学の役割を十分に踏まえなければいけないのではないかと思います。各大学の教育研究を支える基盤的経費の確実な措置、基盤的経費と競争的資金の適切な組合せ、評価に基づく効率的な資金配分を図っていくことが大切だろうと思います。
 いずれにいたしましても、この額そのものについては今年の予算編成の中において基本的な姿勢を示していかなければならないと、こう考えているところでございます。
#65
○鈴木寛君 おいてどう示すか、予算編成においてどう示すかというのが骨太方針なんで。参院選までに政府の方針を明らかにするのはこの骨太方針が最後なわけでしょう。そうすると、要するに来年度予算編成で、安倍内閣が続いた場合に、国立大学への交付金は増えるのか減るのか、やっぱりこれは国民の最大の関心事項ですよ、ええ。今の御答弁だと、いや、それは十二月の結果を見てくれ、あるいは八月三十一日の概算要求見てくれと、こういうお答えなんですけど、それでは国民の皆さんは御判断できないと思うんですよ。
 正に国立大学の交付金を増やすのか、減らすのか、据え置くのか、国立大学の授業料はこれから更にウナギ登るのか、それともとどまるのか、それとも下がるのか、お答えください。
#66
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の内閣において教育の再生は最重要課題である、この人材に投資をしていくということは正に未来への投資であると、こういう認識でございます。その中において、言わば一律的な言わばカットとして、この教育費について一律的なカットということで臨んでいくべきではないというふうに私は考えています。
 もちろん、予算全体の中において、今やはり財政の再建というのがこれは正に私たちに与えられた命題でありますから、その規律をこれ緩めないようにしながら、ここがなかなか難しいところなんですが、全体の基準を今緩めないようにしながら、しかしやはり、これはなかなか教育ということが、教育は特別と言うと、ここも特別という理由はそれぞれ出てくる、それはやはり社会保障だってそうだろうと、いろいろこう出てくるんですね。しかし、その中において私はこの教育の再生は極めて重要な課題であると、このように申し上げているわけでございまして、そのお気持ちを是非酌み取っていただきたいと、こう思うわけでありますが、しかしその中でやはり全体のこの予算の規律はしっかりとこれは保っていくということが大切であろうと、そして、教育の予算の中においてもやはり無駄がないかというこれ不断の努力をしていくことは当然大切ではないかと、このように思います。
#67
○鈴木寛君 あのですね、もちろん予算の規律、これは我々も大事だと思っています。これは結局、考え方二つなんですね。文部科学省予算の中でめり張りを付けて無駄を削って、無駄を削って必要なところにめり張りを付けるという考え方でいくのか。
 そうすると、それは教育も大事、医療も大事、道路も大事、何とかも大事と、こういうことで、要するに、この何十年間の政権交代が行われなかったことの一つのその影響といいますか、要素、結果です、いい悪いは別として。省庁間の予算配分構造がドラスチックに変わらなかったということがあり得ると思う。これはいいか悪いかは、いや、まあいいとして国民の皆さんはその自民党政権を強く支持し続けてきたんだろうと思いますが、そのいずれも大事だというのはよく分かります。しかし、私たちは教育が一番大事だと思っています。ですから、政策マグナカルタでも、今のOECD三十か国の中で最低水準、三十番目にある教育予算、これを私たちは、例えば高等教育だと〇・五、初中等教育だと二・七、これは三十か国中三十番なんですよ。これは余りにも低過ぎるではないかと。
 したがって、いろいろ大事な費目があるけれども、項目があるけれども、やはり教育を特別扱いしようというのが民主党なんです。安倍政権は特別扱いするのかなと思っていたんですけど、ほかも大事だという中で、その工夫はする、されるということ当然よく分かりますけれども、それはですから文部省の予算の枠内で頑張られると。我々は、公財政支出、今三・二です。約三%で、大体OECDの平均が五ぐらいなんですね。アメリカでも高等教育一・五の、初中等教育三・九ですからね。やっぱり、あの自由主義でのアメリカでもやっぱり機会の均等は一生懸命頑張ってやっているんですよね。
 だから、そこにどういうふうに上げていくかということを、我々はきちっとマニフェストの中でその水準まで上げていく。当然公共事業は相当カットすることになる。それによってあるところにはかなりの痛みを強いさせていただくことも当然あり得るだろうと思いますし、それから、例えば私たちは天下りのポストを確保するために、いろいろな計算方法はありますけれども、六兆円掛かっている、そのポスト確保のためにですね。それを仮に六十歳まで公務員雇い続けたならば、逆に言うと人件費一兆円ぐらいだと、差引きで五兆円ぐらい浮くんじゃないかと、そういう算定もあります。これはきちっと数字でマニフェストで示させていただこうと思いますが。
 総理はいろいろある重要な予算の中で教育費を特別扱いしないと、こういう理解で理解させていただきたいと思います。それで……(発言する者あり)えっ、理解しちゃ駄目ですか。では、御反論あれば。
#68
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この教育については、先ほど申し上げましたように、これは我々は全体一律的な削減、削減ありきで臨んではならないと、こう思っているんです。ですから、めり張りを付けながら、そして効率化を徹底していきながら、真にそして必要な財源はちゃんとこれはしっかりと確保していく、このことはお約束を申し上げたいと、こう思うわけでございまして、そこのところを是非御理解をいただきたいと思います。
#69
○鈴木寛君 じゃ、必要なところという議論なんですけれども、まあ、ただやっぱり総理というのはあれじゃないでしょうか、この大枠の総額、教育予算やっぱり増やすのか、大きな方向はやっぱり示して、あとは伊吹文部科学大臣にこれが必要かどうかというのはちゃんとやってくれというのが私は総理と文部科学大臣の役割分担だと思うんですが、やっぱり総枠のところはこれは財政審から話が来ていて、教育再生会議から話が来ていて、ここは文科大臣は決められないですよね。やっぱり、総理が教育予算を特別扱いをしてそれを増やすのかどうか。
 必要なところというお話がありましたので、五月二十二日に議論した話のぶり返しで恐縮ですけれども、やっぱり私は教員の質と数は絶対大事だと思っています。そして、繰り返しで恐縮でございますが、一か月たちました。いろいろ総理もこの間の議論を聞いていただいていたと思いますので、そのお心変わりがあるのかどうかということなんですけれども、教員の数ですね、第八次定数改善計画が二年間凍結をされて三年目に入ります。安倍政権になって初の本格的予算編成であります。そして、一学級当たりの生徒数あるいは生徒数当たりの教員の数、これはワーストツーです。要するに世界で一番少ないです。それの最大のボトルネックは、行政改革の推進法の五十五条の三項、公立学校の教職員の総数については児童及び生徒の減少に見合う数を上回る数を純減させるための必要な措置を講ずると書いてあるんです。
 奨学金の方は大体同じような方向感ですが、やっぱりどこまで広げるかという。しかし、これは民主党と安倍政権とで真っ向今見解が分かれていることなんです。このことは参議院選の最重要な争点の一つだと思いますので、ここは大変恐縮でございますが聞かせていただきますけれども、この五十五条の三項をどうするのか、あるいは、これによって絞られている教員定数を、減少に見合う数を上回る純減という方針を安倍政権は堅持するのか、それとも、これは小泉政権がやってきたことなんで教育の安倍政権としては変えるのか、ここのところを是非国民の皆様方に、これは参院選の最大の争点でございますから、是非お答えいただきたいと思います。
#70
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この教員の言わば皆さんの子供とこれは正に向き合っていく時間というのは我々確保しなければいけないということについてはもう既に何回か大臣からも答弁しているだろうと、このように思います。そのために、習熟度別少人数指導の教員や、小学校高学年での専科教育の適正な配置や、あるいはまた副校長、主幹等の教職員の適正な配置、そういった取組を我々行っていかなければいけないと、このようにも思っていますし、また教員の給与体系を、めり張りのある教員の給与体系もつくっていかなければいけない。
 また、先生方が子供たちに向き合う時間を増やすためにも、事務作業に追われているという声も随分現場からありますから、事務の共同実施体制の整備や事務の外部への委託、あるいは地域の人材協力や教育現場のIT化等を通じた教員の事務負担の軽減などを進めていかなければいけない、こうした努力をまずは積み重ねていくことが大切ではないかと、このように思っております。
#71
○鈴木寛君 今の議論は連日伊吹大臣とやらせていただいているんです、我々は。もう一緒に仲良く隣に座りながら議論させていただいている。
 私が聞いているのは、今日の閣議決定の中で、この五十五条の三項に代表される、あるいは五十三条の一項、行政改革推進法、純減をすると、五%カットをするという方針が明確になっているんです。これ、泳ぎようがないんです、法律ですから。ここのところをどうするのかということについて大きな方針、堅持するなら堅持する、しかし教育の安倍とおっしゃっている以上、それは私は変えるべきだと、これは国民の声だと私は思っています。
 で、そこを総理としてどうされるんですか。今の答弁は我々も議論しています。ただ、総理として御判断いただきたい、あるいはお聞かせいただきたいのは、今日の閣議決定の中でこの生徒の減少に見合う数を上回る数を純減させるという方針を貫くのか、変更するのか、あるいは何らかの工夫をするのか、そこについてもう一度お聞かせください。
#72
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教員の正に質の向上ということで我々免許の更新制度等を導入をするわけでありますが、そこで今委員からお話があった、我々、今行政改革の中で定員を減らしていくという目標のために、言わば、聖域なきこれは言わば定員についての削減を目指しているわけでありますが、そこでやはり教育の現場においてはいろいろな意見があるのを私も承知をしています。子供の数が減っていく中にあって、クラスによって減り方が違うんですから、また、学校によって違う中において一律にできるかどうかという声もあるのも十分承知をしています。
 いずれにいたしましても、予算については真に必要な予算を確保していく、そしてまた教員の配置、また人員の確保については行政改革という観点からも併せてよく検討をしていかなければいけないと、このように思っています。
#73
○委員長(狩野安君) 鈴木寛君、時間です。
#74
○鈴木寛君 西岡発議者、民主党のこの問題についての御見解と、そして安倍総理、教育を掲げておられてのこの骨太方針の編成過程についての御感想をお願い申し上げます。
#75
○委員長(狩野安君) 時間が過ぎていますので、簡単にお願いいたします。
#76
○西岡武夫君 簡潔にお答えを申し上げます。
 安倍総理が教育を最大の課題であるとおっしゃった以上、今の安倍総理の御答弁は矛盾していると思うんですね。当然、当然、教育を重視するということであれば、今委員御指摘の五十五条三項の改正、その他四項目ばかりございますけれども、行革改革の推進法についての改正を何らかの形でなさらなければ、総理が教育を最大の政策課題だとおっしゃっているのがうそになると私は思っております。
#77
○鈴木寛君 終わります。
 ありがとうございました。
#78
○委員長(狩野安君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時十五分開会
#79
○委員長(狩野安君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、神本美恵子君が委員を辞任され、その補欠として水岡俊一君が選任されました。
    ─────────────
#80
○委員長(狩野安君) 休憩前に引き続き、学校教育法等の一部を改正する法律案外六案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#81
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 本日は、総理入りの教育関連三法の質疑に質問させていただく機会をいただきまして、大変に感謝を申し上げます。
 私の方から、まずこの法案について、この法案がまず大きく二つの流れを受けての改正であると。それは、まず一つ、昨年の教育基本法の改正を受けての成立を図るものであるということ、もう一つは、いじめ、未履修あるいは学力低下問題、そういった学校現場で起きている実際の諸課題、これを少しでも前進させるんだと、そういう二つの大きな流れをくんでの法改正であるわけでございます。
 そこで、今回の法改正が果たして教育基本法の、昨年もう十二分に議論いたしました教育基本法の理念をしっかりと踏まえたものなのか、そして、実際に教育現場ではいじめがなくなるのか、学校でぎりぎりの踏ん張りを見せていただいている教職員の方が本当に助かったと言えるものであるのか、そういったことが大事なんだろうと思っております。
 私たち公明党は、未来に責任を持つ政治ということを掲げております。なかんずく、子供たちの未来に責任を持つ、未来を確たるものにするということを訴えております。日本の未来を考え、教育改革を大きく前進させることがまず本当に必要であろうと思っております。
 そこで、まず、冒頭私が申し上げたとおり、この本法案が教育基本法で議論してきた、あるいは与党でもう七十時間近く議論してまいりました。こういう議論、結論を十分に踏まえてのものであるのか、逸脱するようなことはないのかという基本的な点をお伺いしたいと思います。
 特に、愛国心について様々な議論をした、それを踏まえて文化、伝統を尊重し、国と郷土を愛する態度を養うという文言になったわけでございます。これが、このたびの学校教育法の改正の中では義務教育の目標に規定されることになりました。私の方から、こうした議論を踏まえて、教育関連三法、とりわけ学校教育法はそうした多年にわたる基本法改正の議論や骨格をしっかりと踏襲したものであるのかについて、まず総理にお伺いいたします。
#82
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教育基本法の改正については、与党内でも随分議論がございました。自民党と公明党の中において、特に愛国心をめぐる議論がございました。
 我が国と郷土を愛する態度について様々な議論があったわけでございますが、そうした議論を踏まえて改正教育基本法はできたわけでございまして、この国会の場におきましても、この言わば我が国と郷土を愛する態度ということは、例えば統治機構を愛すとか、そういうことを全く意味していない、あるいはまた、内心に入って、子供たちの内心に入っていってそれを評価するものでもないということは、もう既にはっきりと申し上げてきているとおりでございます。
 そこで、義務教育の目標として、改正教育基本法の中には、我が国と郷土の現状と認識について、改正教育基本法を踏まえて、義務教育の目標として、我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うことを規定をいたしているわけでございます。この規定は改正教育基本法を受けたものでございますが、国会での御審議で明確にされました改正教育基本法の精神をしっかりと踏襲をしたものであるということを申し上げておきたいと思います。
#83
○谷合正明君 今総理からお答えいただきましたけれども、同じ点について伊吹文部科学大臣、お答えいただければと思います。
#84
○国務大臣(伊吹文明君) 総理の御答弁に付け加えることはございません。その趣旨に沿って学習指導要領等の作成には十分意を尽くしたいと思います。
#85
○谷合正明君 そこで、私、次に質問させていただきたいのは、教員、教職員の皆様へのサポート体制ということでございます。
 教育は教師で決まると。特に子供たちというのは、教師から触発を受け、学ぶ喜びを知るものでございます。しかし、言われているとおり、現在の学校の現場での学校の先生の皆様、本当に忙しい。仕事量も増えて負担も増え過ぎて、すっかり疲弊しているという声もお伺いいたします。実際に私と同じ世代で学校の教師として仕事をしている者から聞いても、やはり本当に事務作業も多いんだと。しかも、公立学校へ行きますと、パソコンすら一人一台ないような状態だと。テストやそういった事務作業をするものに関しては、個人情報もあるので学校の共有のパソコンを使わなきゃいけない、それをみんなが並んで順番待ちで使っているような状態だと。むしろ、そういった環境をしっかり、働ける環境を整えてほしいということを訴えておりました。
 さらに、付け加えますと、理不尽な親からのクレームということが今話題になっております。例えば、うちの子供には自宅で掃除させていないので学校でもさせないでほしいとか、そういったことを要求してくるとか、トラブル相手に対して転校させろとか、そういったことも教師を一つ一つ悩ませる大きな要因になっているわけでございます。かつてはこういったことに関しては、経験豊かなベテランな先生方が新任の教師さんにうまく助言しているという関係があったそうでございますけれども、今はもうそれも期待なかなかできないと。
 今回の法案で、学校の先生たちが子供と向き合う時間を確保できるのか、子供との距離を縮めることができるのか、そういう率直な思いを持っております。この点について、池坊文部副大臣にお伺いいたします。
#86
○副大臣(池坊保子君) 確かに、子供と先生が向かい合う時間が長ければ長いほど、子供にとっても先生にとっても幸せなことだと思います。
 おっしゃるように、今教師というのは一日に残業時間が平均して二時間です。一か月で三十四時間。私は本当はもっと長いのではないかというふうに思っております。それとともに雑務が多過ぎます。
 これはやはりどんなふうにしたらいいか。中央教育審議会の答申の中にも出ておりますけれども、国、都道府県、市町村からの調査、これはまとめて同じような調査を依頼されることが多いので、これを一括してまとめる。あるいは、業務日誌などの学校関連の書類の作成というのにも時間が掛かっております。これももうちょっと整理合理化できるのではないか。あるいは、学校のICT環境の整備による会議などの削減です。
 これは、どちらにいたしましてもこれから文部科学省が実態調査をいたしまして、どのような形で整理合理化したらいいかということをきちんと検証し、調査し、そしていい案を更に練っていきたいと思っておりますが、今おっしゃいましたように、今は四三%しか教師にコンピューターが配置されておりませんが、これは平成二十二年度の、ITC新改革会議によりまして一人に一台ずつ設置しようということになっております。必ずそのようにいたします。
 また、先ほどおっしゃいましたようなヘリコプターペアレントと言われますような、子供に何かあったら急遽飛んでいって苦情を言う。これは学校の先生方を萎縮したり、それから保護者に対する、何というんでしょうか、重圧というのが強いんですね。これに対しましては、外部の方のお力をおかりする、例えば弁護士の方とかスクールカウンセラーのお力をおかりして解決に当たっていただけるよう、様々な形での教師の方々の子供と向き合える時間をつくっていくよう努力しております。
#87
○谷合正明君 大変にありがとうございます。
 今の答弁の中にも、既に学校内だけでなくて、いろいろな外部の方の取組も言及していただきました。私も、その点が大事なのかなと。学校内だけでなくて、地域で全体で教師を助けていくというか、サポートしていくということが大事であろうと。
 私たち公明党は、この地域で教員をサポートする体制、例えば地域の人材を活用する教員サポート制というものの創設を訴えております。熱心な教員が、頑張っている教員が意欲を持ち続ける、そういう環境を整備すべきだと考えておりますが、併せてその点についてお答えいただければと思います。
#88
○副大臣(池坊保子君) 議員がおっしゃいますように、今学校の先生方にすべての負担が掛かっておりますが、教育基本法改正の中にも、家庭教育、地域、社会との連携というのをうたってございます。
 東京都でも、私が参りました中学校では、土曜日に寺子屋といって、地域の方々のお力をおかりして授業をしていらっしゃいます。あるいはまた、司書ボランティアだとか部活動のコーチ、このためには、学校が学校支援本部というのを設置して、どういうふうに運営したらいいか、コーディネートがしっかりできているところはこういうことがきちんとやれております。私が住んでおります京都もやっておりますし、岡山市でも、例えば校門でのあいさつ運動、あるいは登下校の付添い、また教科指導の支援というふうなことをやっておりますので、いい事例を、文部科学省としては情報公開しながらモデルをみんなに示して、こういうことを推進してまいりたいと思っております。
#89
○谷合正明君 どうもありがとうございます。
 次いで、教育委員会の独自性について、その点についてお伺いしたいと思います。
 午前中の質疑の中にも同じ趣旨の質問が出ました。教育委員会制度については、例えばいじめ問題についてうまく対処できていなかったとか、あるいは形骸化しているだとか、そういった御批判もあるわけでありますが、しかし、だからといってこの教育委員会そのものをなくせということには至らないのではないかと。教育委員会そのものを、むしろ今まで足らざるところを補う、補強するという形をしっかり取ることが大事ではないかと。本来、教育委員会が持つ独自性を発揮してもらうためにはそういったことが必要ではないかなと私は考えております。
 この点について、また、そもそもこの教育委員会制度の在り方について総理の御所見を伺いたいと思います。
#90
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この委員会におきましても、教育委員会の在り方、また制度について随分御議論をいただいたんだろうと、このように思います。
 教育委員会については、その役割を十分に果たしてきていない、責任を果たしてきていないという議論がありますし、私もそういうところも一部にはあったんだろうと、このように思うわけでありますが、しかし、教育委員会というのは、本来、教育に極めて情熱と熱意を持った、見識を持った様々な分野の方々が入っていただいて、そこで地域の教育について役割を担っていただいて、また、教育においてその役割を果たしていただくことによって教育の水準を維持をしていくということは、十分にこれは大切な役割であり、この可能性というのは私は間違いなくあると、このように思うわけでありまして、教育委員会にしっかりとその本来の役割を果たしていただくことによって、更に私は教育現場も向上していくということになっていく。そしてまた、社会総掛かりで教育の再生に取り組んでいくという上においては、教育委員会というのは様々な方々に参加をしていただく仕組みになっていますから、そういう意味においても、社会総掛かりという意味においても教育委員会という存在は私は極めて有意義であろうと、このように思います。
 今回の地教行法の改正案におきましては、合議制の教育委員会が自ら管理執行する必要がある事項を明確化するとともに、教育委員会は、活動状況の点検、評価を行い、議会に報告をするなどの措置を講じて教育委員会の責任体制の明確化や体制の充実を図ることといたしています。国民の皆様から信頼される教育行政の体制を構築すべく断固として取り組んでまいりたいと、こう考えているところでございます。
 なお、今回の地教行法の改正による指示や是正の要求は、教育委員会が自浄能力を発揮をせず、十分な責任を果たせない場合に、国民の権利を守るため国が必要な関与を行うものでありまして、教育現場の問題に関してより適切な是正、改善を図ることが可能となるものと、このように考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、言わば政治的な中立性を保ち、高い見識を持った様々な分野の方々が集まるこの教育委員会という仕組み、これは私はとっても大切な仕組みであり、本来の能力、また機能を発揮をしていただければ必ず教育の質の向上につながっていくと、このように確信をいたしております。
#91
○谷合正明君 教育の質の向上とともに、例えばいじめ問題の克服についてもこの教育委員会制度の役割というのもあると思います。そのいじめ問題について質問させていただきます。
 先日、統計が出ました。自殺者が九年連続で日本全国三万人を超える中で、とりわけ学生生徒の自殺が八百八十六人と過去最悪の結果であるということが分かりました。その中でも学校問題を原因とするケースが急増しておりまして、学校現場を取り巻く問題が深刻化しております。学校問題の中には当然いじめが含まれます。
 約今から十年前に、岡山県の総社東中というところで、ある生徒がいじめを苦に自殺をいたしました。それを機に、毎年その中学の生徒会の皆さんはいじめをなくしていこうという啓発運動を続けてこられました。今年、図らずも、総理に届けたメッセージに対して総理の方から直接その中学校の生徒の皆様にメッセージをいただきまして、大変心強く、また生徒たちも喜んでいたわけでございます。
 ただ、そのいじめについては、例えば昔と今では大分質が違ってきているというふうに言われております。私、この「教室の悪魔」という本を読みました。いじめの実態と解決策について書いた本なんですが、一言で言うと大変にショックを受けました。大人が見抜けないように実に巧妙にいじめというものが行われている。あるいは、いじめの事実を必死に親に隠そうとする、それが子供の心理であるとか、加害者と被害者と傍観者というかつては三つの立場があったんだけれども、今は加害者と被害者と、被害者一人に対してあとほかの加害者全員という、そういう構図になってきていると。正に今のいじめは異常事態である。筆者は教室の悪魔と、そういうふうに呼んでいるわけでございます。
 だからといってその解決策がないのか、そういうことではなくて、この現代のいじめについては、まず大切なのは、親、教師、大人たちが子供のいじめ、どんなに巧妙ないじめでも大人たちは絶対に見抜くんだ、絶対にいじめは悪なんだといったことを、毅然とした態度を示すことが大事であるというふうにこの本にも書いてありますし、私もそういうふうに思っております。そのためにも公明党は、子供、保護者、教師などがだれもが安心して相談できる体制整備というものを訴えております。外部の専門家を加えた第三者機関による、例えばレスキュー隊という、いじめレスキュー隊というものの創設です。
 これらの提言も含めまして、いじめ問題に対しどのように取り組んでいかれるのか、総理の御決意をお伺いいたします。
#92
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま谷合委員から御指摘がございました総社東中学校の生徒の皆さんからお手紙をいただきました。教育再生を進めている私たちに対して、大変苦しい思いをしている子供たちがいることを知ってもらいたいと、そしてそれを克服するためにみんなで頑張っている中学生がいることも記憶をしておいてもらいたいということも書いてありました。
 やはり自分たちでできること、これは当事者以外の生徒もみんな自分のこととして考えて取り組んでいこうと、そういう気持ちが伝わってきたわけでありまして、そこには、例えば総社の東中学校の人権宣言において命、心、勇気という三つのキーワードがあるということも書いてあったわけでございますが、やはりいじめをなくしていくためにも社会総掛かりで取り組んでいく必要があるわけでありますし、クラス、そして先生、地域、両親はもちろんでありますが、もちろん国も県も、都道府県も大きな責任があるんだろうと、このように思うわけであります。
 このいじめの問題につきましては、二十四時間態勢の統一の番号による相談体制を緊急に整備をいたしました。そしてまた、スクールカウンセラー等の教育相談体制の充実を図ってきたところでありますし、また、そもそも学校におきましても、いじめはだれにでもどこの学校にでも起こり得ると、要は早期の対応が必要であると、こういう気持ちで取り組んでいただいているわけでございます。
 今後とも、そうした地域の取組も含めまして、社会総掛かりでいじめを根絶をしていくために全力を尽くしていきたいと、こう考えているところでございます。
#93
○谷合正明君 大変にありがとうございます。
 国民総掛かり、社会総掛かりの教育というお言葉が出ました。言うまでもなく、教育というのは、学校教育だけでなくて、地域、家庭、社会、全体がかかわっていかなければならない、これが教育基本法の改正のときにもしっかりとうたわれたわけでございます。例えば、既に始まっている「早寝早起き朝ごはん」運動、これも当然でしょうし、あるいは静岡県で取り組んでおります大人から青少年へ声掛け運動、おはようとかそういう声掛け運動、こういう具体的な実践の運動、これが、地域の青少年は地域で育てるという運動というのが本当に今必要なんだなと、観念論だけでなくて具体的な実践を伴った行動、これを国民総掛かり、社会総掛かりでやっていかなければ教育の再生はないと思いますが、この総掛かりの教育ということについて、総理の決意をまず伺いたいと思います。
#94
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員がおっしゃった「早寝早起き朝ごはん」、これはもう学校だけではできないわけでありまして、正に御家庭、御両親、保護者の協力がなければできないわけでございます。これをやっていただいた地域や学校では、例えば学力については明らかな変化が出てきていると、こんな陰山先生からの報告も受けているわけでございます。
 やはりこれは先生だけに任せるのではなくて、またこの二十年、三十年で大きく社会も家庭も変わってきました。言わば核家族化をして、言わば家庭、家族における教育力というか、そういうものが低下をしてきていますし、地域社会がだんだんコミュニティーとして機能しなくなった中にあって、近所のおじさんやおばさんが子供たちを時には注意したり指導したりという、そういう機能がなくなっていく中にあって、やはり学校に大きな負担が掛かっている。ここで改めてやっぱりみんなで教育、やっぱり子供を育てていこうということが大切であろうと、このように思うわけであります。
 その中の一つの施策としては、放課後子どもプランというのがございますが、これをみんなで、社会で、放課後にいろんな社会経験を積んだ方々が子供たちにいろんなことを教えたり、一緒に遊んだり、あるいは一緒にいろんなことを体験したりということで参加をしていただきたいと、こう思っているわけでありますが、このように社会が一緒に参加できる仕組みをしっかりと整えていくことも重要であると思っております。
#95
○谷合正明君 同じ点につきまして、この総掛かりの教育について、伊吹文部科学大臣の御決意、御所見を賜りたいと思います。
#96
○国務大臣(伊吹文明君) 時代の変化とともに大変豊かな国になりましたので、社会状況が大きく変わっております。核家族が進んでおりますし、共働きも当たり前の状態になっております。そういうところで、従来、地域社会あるいは家庭が果たしていたしつけの力あるいは教育力というものが極端に落ちてきておって、学校現場にその重荷がほとんど掛かっているというのが現状だと思います。先生がおつらいというのは正にその社会的な構造変化の所産だと思いますので、今総理が申しましたように、地域社会や家庭を復活させるということも大切なんですが、同時にその役割をやはり社会総掛かりでカバーしていくと、これが学校協議会とか公明党さんがおっしゃっている放課後子どもプランとか、こういうところで結実をしていると思います。
#97
○谷合正明君 ありがとうございます。
 いずれにしましても、この本法案が、現場の皆様から本当に少しでも生徒と接する時間が増えた、距離を縮めることができた、本当に現場でぎりぎりで踏ん張っていらっしゃって頑張っていらっしゃる方について、本当に助かったと言っていただけるように、この中身、教育再生について私も取り組んでいきたいと思いますし、どうぞよろしくお願いいたします。このことを申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#98
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 今日は、教員の免許更新制と大学の運営費交付金の問題についてお聞きします。
 教育にとって子供と向き合う教員の役割というのは決定的に重要であります。社会や子供たちの変化に対応しながら、常に自ら向上させるということが必要であります。しかし、今回盛り込まれた教員の免許更新制が果たしてそれに役立つんだろうか、教員の身分を不安定にするという点でも、現場から切り離した研修を行うという点でも、子供と向き合うことの妨げにかえってなるんじゃないかと、こういう疑問の声が多く上がっております。
 さらに、果たしてこの更新講習をしっかりと行う体制が取れるんだろうか。毎年十万に上る教員に対して三十時間の講習を義務付けます。小中学校の現職教員は約六万人でありますが、この講習というのは教員養成大学がかなりの部分を担うことになります。教員養成系大学には非常に過酷な条件が押し付けられることになるわけですね。
 私は、ある地方の大学の関係者からお話を聞きました。有力な教員養成系の大学でありますけれども、文部科学省が言うような土日の夜の開設というのは非常に困難だ、平日も難しい、結局夏休みの集中的な講習しかないと言われておりましたけれども、それも他に様々な講習等があって非常に受入れは限界がある、しかも、それやっているともう研究が全くできなくなると、こういうお話もありました。
 総理は、こういう実態については、まずどういう認識をされているでしょうか。
#99
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この講習の具体的な体制については文部科学大臣からお答えをいたしますが、この免許更新制を導入する以上は、全国の教員の皆様が円滑に受講できるよう開設大学についての情報提供など国として受講の支援に努めていかなければいけないと、このように思っております。
#100
○井上哲士君 情報提供は当然でありますけれども、今言ったような大学の現状がある中で、果たしてきちんとそういうことができる体制が取れるのかどうか、そこの認識をお聞きをしているんです。
#101
○国務大臣(伊吹文明君) これは先生、委員会で何度も問答しましたように、毎年約十万人の方がお受けになるわけですから、免許更新のために、教員養成大学が今八百五十五ありますから、一大学当たり毎年百二十人ということになりますね。四十人だと三クラス編制ですから、これは決して私は無理な数字ではないと思います。
 ただ、お受けになる方の負担あるいは教員養成大学の御負担については、それは私どもが予算その他でしかるべく配慮をしなければならないと思います。
#102
○井上哲士君 八百五十五というのは、短大も含めてすべての数なんですね。現職の小中学校の教員に講座を開設できる学校は限られておりまして、それはやっぱり机上の空論だと言わざるを得ないんですね。
 例えば鳥取の場合は、県内に小学校の課程認定受けているのは鳥取大学しかないんです。ここが国の方針で教育学部を四年前に廃止をしました。課程認定だけは残していますけれども、教育学部じゃなくなりましたから、九十人ぐらいいた教員が今二十五人になっているわけですね。しかし、鳥取の場合はかなりの部分をここが受け入れる必要がある。これはなかなか困難だということを関係者も言われておりましたけれども、今の十年研修の受入れも相当困難なんだということを言われておりました。
 こういうところも含めて十分に可能だと、こういうことをおっしゃるんでしょうか。
#103
○政府参考人(銭谷眞美君) 課程認定を受けている大学は、先ほど申し上げましたように八百五十五あるわけでございます。それらは地域別には偏在があるというのも、これは事実でございます。
 例えば、小学校について申し上げますと、小学校の教員養成課程を有する大学は、すべての都道府県で、全体で百八十二大学ございます。中学校につきましては、すべての都道府県で、全体で六百三十三大学ございます。高等学校につきましては、これもすべての都道府県に存在し、全体で五百五十五大学ございます。ただ、大学が多い都道府県、それから少ない都道府県、これがあるのも事実でございます。例えば東京のように大変大学の多い県もあれば、先生お話しのような少ない県もございます。
 したがって、実際の免許更新講習に当たりましては、こういった大学に御協力をお願いをすると同時に、通信教育、あるいはインターネット、こういったメディアを活用したり、あるいは夏休み、冬休み等の長期休業期間中に集中的な講座の開設をするなど、いろいろと更新講習の開設には私ども工夫が要ると思っております。
 ただ、量的には、先ほど来申し上げておりますように、受入れ可能な数であると認識をいたしております。
#104
○井上哲士君 数のつじつまは合うかもしれません。政府が無理押しすれば、枠はできるかもしれません。しかし、本当に最新の知識や技能を身に付けて教壇に誇りを持って立てると言われるような講習ができるんだろうかと、私は大変疑問なんですね。
 しかも、現状でも困難でありますけれども、今政府はこの教員養成系大学の教育研究基盤を一層困難にするような方向を打ち出されております。
 お手元に資料を配付しておりますけれども、財務省は、国立大学の運営費交付金の配分について、教育研究成果に基づく配分をする、こういうことを言い、その一つのシミュレーションを出しております。これ見ていただいたら分かりますように、五〇%以上交付額が減少する法人が五七%もあります。そして、この黄色い部分が教員養成系大学ですね。軒並み下位に並び、九〇%、八〇%という削減になっているわけですね。
 総理、これは大変な結果でありまして、正に教員養成系大学がつぶれることになるじゃないかと。一方で教育が最重点課題、教員の資質が重要だと言いながら、それを育てるこの養成系大学をつぶすような、こんな方向が打ち出される、これ全く私は支離滅裂だと思うんですけれども、総理、いかがでしょうか。
#105
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この運営費の交付金の配分については、大学というのは担っている役割はまず何といっても教育、そして研究、また社会貢献という役割があると。こうした重要な役割を担っているわけであって、このうち、教員養成を含めて我が国の将来を担う人材養成は極めて重要であると、そう認識をしています。
 運営費交付金の配分については、平成二十二年度以降の中期目標・計画に向けまして、新たな配分の在り方の具体的検討に着手をしていくこととしています。その際、国立大学法人評価の結果を活用しながら、教育研究面、大学改革等への取組の視点に基づく評価に立って適切な配分を実現するように検討を進めていきたいと、そういう考えでございます。
#106
○井上哲士君 今のような考え方を財務省も言い、いわゆるめり張りが付いた教育予算ということを言って、その中でこの試算が出てきたわけですね。教育再生会議の第二次報告でも、大学に対して競争的資金の拡充と効率的な配分ということを言われております。
 それで、これ試算とはいえ、どれだけの衝撃を関係者に与えているのか。先日、中教審の教員養成部会の会長の梶田叡一さんが当委員会の参考人に来られましたけれども、梶田さんが学長を務める兵庫教育大学は一番最後ですね、削減率九〇%ですよ。地元紙にはまるで大学がなくなるんではないかというような報道がされ、本当に理不尽だということを言われておりました。これはより良い教育、教員養成を努力されている大学関係者に冷水を浴びせ掛けるようなものなんですね。
 しかも重要なのは、その教員養成課程を希望する学生、この大幅減少にも拍車を掛けるということです。これも、先日参考人に来られた尾木さんが言われておりましたけれども、教員養成大学の志望倍率が二〇〇五年度が四・九倍、二〇〇六年は四・四倍に下がっている、これだけ運営費交付金が削られて大学がどうなるか分からない、しかも教員になっても十年任期で身分が不安定、これでは教員に良い人材を得ることは困難ではないか、こういう参考人の指摘もあったわけですね。
 ですから、こういう試算が財務省から出ていること自体が私は新たな教育の困難を生む原因になっていると思うんですね。そういう認識は総理あるでしょうか。
#107
○国務大臣(伊吹文明君) まあ、財務省も困ったものだけれども、運営交付金の交付の権限は文部科学大臣にありますから、私はこんなものを別に認めたわけじゃありません。財政制度審議会で一つの試算として出しているわけであって、科研費の配分割合によって運営交付金を算定するなどということは現実問題としてはあり得ないことですよ、それは。
 むしろ問題は、今日閣議決定される骨太の方針では、経常的経費である運営交付金を確実にまず確保するということを言っているわけですね。その後、その確実に確保した運営交付金を教育の分野にどのように配分していくかについては、これは、戦略的に国家目標というものはある程度それは考えて配分することがあるということは先ほど総理がおっしゃったとおりですが、科研費のその配分割合によって教育の運営交付金、教育の基本になる運営交付金を配分するなどという、まあ試算を出す方も出す方だけれども、それをいかにも決まったように質問されるのもちょっと困ったことだと思いますよ。
#108
○井上哲士君 私、文科省がいったん試算を出したときに質問をしたら、あり得ない前提だと言われたんですね。ところが、それをまた財務省が出して、それが大きく報道されているんですよ。そして、先ほど言いましたように、これが多くの教員、教育関係者に大変な衝撃を与えているんですね。だから私は聞いているんですよ。これは出した方が悪いんですよ。
 今、文科省としてはこういう現実問題としてあり得ないというお話がありました。しかし、現に出された試算が大きな影響を与えているんです。
 じゃ、総理、聞きますけれども、財務省に対してこういうような試算というのは撤回しなさいと、こういうことを総理、指示してくださいよ。
#109
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、財務省は財務省の視点で一つの見方、シミュレーションとして出しているわけであって、そしてそれは、最終的には私の内閣でありますから、どういう運営交付金を付けるかというのを結果を見ていただければ分かるわけでありますが、その交付金を最終的に判断するのは、先ほど文部科学大臣が言ったように文部科学大臣であります。しかし、その過程においていろんな見地からいろんなシミュレーションが出てくるのはこれは私は問題ないと、このように思っておりますが、最終的には、もちろんこれは教育の重要な予算の配分でありますから、当然文部科学大臣が判断をするわけでありますし、私も責任を持って判断をするということになっていくわけであります。
#110
○井上哲士君 文部大臣は、こういう試算が出ること自体が困ったことだという認識示されたんですよ。総理はそういうことさえも出されないんですかね。
 私は、この間の運営費交付金の毎年一%削減でも非常に深刻な影響を教員養成系大学は受けております。先日、日本教育大学協会の鷲山会長が新聞に投書されておりましたけれども、結局人を削らなくちゃいけない、こうした状況が続けば教育や研究は壊滅的な打撃を受け、教育力の高い教師の養成や教員の研修機能なども低下すると、こういう深刻な警告を発せられているわけですね。にもかかわらずこういうことが、何かどこか関係ないところから出たように言いますけど、政府の一部から出てきているんですから、あなたの内閣の。これを起こしている私は深刻な問題ということを見ていただく必要があると思います。
 こんな試算は絶対実行してはならないし、むしろ教員養成大学の予算をもっともっと支援をすることが必要だ、そのことを強く求めまして、質問を終わります。
#111
○委員長(狩野安君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#112
○委員長(狩野安君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#113
○委員長(狩野安君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、松岡徹君が委員を辞任され、その補欠として林久美子君が選任されました。
    ─────────────
#114
○吉村剛太郎君 自由民主党の吉村剛太郎でございます。
 総理は午前中から引き続き、大変長時間座っていただいて、また真摯な答弁をしていただいておりますが、心から敬意を表したいと、このように思っております。
 当文教科学委員会もいよいよ大詰めになりました。総理が掲げておられます教育を最優先課題として、安倍内閣の大きなテーマとして掲げておられるわけでございます。衆議院での審議、また、いよいよ参議院のこの当委員会での審議も既に現時点でもう五十時間を超したんではないかと、この後三時間ばかりやりますと、もう五十四、五時間と、正に衆議院の特別委員会と同じ時間数を当参議院の文教委員会でも続けているわけでございますが、この間、本日も総理、朝から座っていただいております。また、この五十数時間、伊吹文部大臣、本当にお疲れさまでございます。あわせて、民主党の提案者でございます西岡先生もこうやってずっと座っていただきました。また、この円滑な委員会運営に御尽力を賜りました狩野委員長の采配、また、与野党の理事の皆様方が水面下でいろいろと協議をしていただいたわけでございまして、心から敬意を表したいと、このように思っております。
 かつて私も福岡で県会議員をしておりました。ちょうど五五年体制真っ盛りでございまして、正に福岡の教育現場というのは対立、対抗のときであったと、このように思っておりますが、今こうやってこの委員会の本当に運営、細かいところはいろいろございますが、を見ておりますと、少なくともこの教育の分野におきましては、対立、対抗ではなくて切磋琢磨の時代に入ったんではないか、我々のかわいい子供、二十一世紀さらに将来を担う子供のために、対立、対抗では何もいいものを生まない、やはりお互いが切磋琢磨していくということが大変重要ではないかと、このように思う次第でございまして、そういう印象を抱きながら幾つかの質問をさせていただきたいと、このように思っております。
 総理は美しい国づくりということを大きなまたテーマとしておられるわけでございます。美しい国をつくろうということは、これは国民だれしも賛成だと、このように思っております。
 そういう中で、今日お配りしておりますこの資料でございます。(資料提示)大きなパネルにしたかったんですが、テレビがございますので、アップできるならアップしていただきたいと、このように思っておりますが、余りにも数字が多いものですから、あえてパネルにはしませんでした。パネルにするとこの部屋一杯になるんではないかと、このように思いますので、ごらんいただきたいと思っております。
 これは戦後の昭和二十一年から今日までの刑法犯の数字でございまして、青掛けで網掛けをしておりますこの左側の刑法犯、昭和四十一年、一九六六年から一九七七年、この十一年間、ごらんになったら分かるように、認知件数、総数でございますが、百二十万台ですね。今日では、二〇〇六年はこれが二百万を超しておるわけです。二〇〇四年には二百五十六万と、こんな数字が出ております。
 一方、自殺者の数、先ほどもちょっとございましたが、細かいことは申しませんが、この昭和三十八年、一九六三年、六四年がオリンピックでございますが、ずっと昭和四十六年までこれが一万五千を割っております。四十六年が一万六千ですが、それから昭和四十七年から五十一年までも一万八千から一万九千、二万を割っております。ちなみに、平成十八年、これ三万二千なんですね。
 私が思いますには、正にこの犯罪が少ない、自殺者が少ないというのは、総理がおっしゃる美しい国の要件の一つではないかと、こんな思いがしております。
 そこで、総理、美しい国というのは非常に漠然としておりますが、総理が考えておられます美しい国というものについてお考えをお聞かせいただきたいと、このように思います。
#115
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の内閣におきましては、新しい国づくりをスタートする、そして目指すべきは美しい国であると、このように申し上げているわけであります。
 美しい国とは、まずは日本のこの美しい自然や歴史や伝統、文化を大切にする国でなければならないと、このように思います。そしてまた、自律の精神を大切にして、そして、やはりこの自由な社会の中でお互いが切磋琢磨していく、そういう日本でなければならないと、このようにも思います。そしてまた、やはり力強く成長していくという、そういうエネルギーを持ち続ける国でなければならない。そして、何といっても世界の国々、また世界の人々から愛され尊敬され信頼される、そういうリーダーシップのある国でなければならないと、こう思うわけでございます。私たちの子供たちが日本という国に生まれたことを本当に誇りに思える、そういう国にしていかなければいけないと、こう思うところでございます。
 そこで、そのためにはやはり教育であろうと。誇りに持てるということは、今いろいろ申し上げましたが、もちろん一定の経済力も必要でありますが、しかし日本人の立ち居振る舞いも含めて、やっぱり立派だなと、公共の精神もあるし人のために尽くそうという気持ちもあるという、そういう日本人であることが大切ではないかなと、こう思います。
 先般というか、しばらく前なんですが、世界のF1の会長のミットフォードさんという人と私は会ったんですが、その人のひいおじいさんが実は幕末期に日本にイギリスのこれは外交官として来日をし、しばらく滞在をした後に、日露戦争の後、もう一度日本にやってきて、そしてミットフォードの言わば日本記というのを書いたんですが、その本をいただきまして、それを読んでみますと、明治時代の日本人に対する称賛が書いてあるんですね。日露戦争の後でありましたが、おごり高ぶることなく極めて謙虚な姿勢である、その立ち居振る舞いはこの文化的な素養に裏打ちされた美しいものであると、こんな記述があったわけでございます。当時はまだ日本は大変今から比べれば貧しかったんだろうと、このように思いますが、それはやはり江戸期を通じての日本の教育というものが生きてきたのではないかと、こう思うところでございます。
 美しい日本をつくっていくことについて最も大切なことの一つが私は教育だろうと、このように思います。
#116
○吉村剛太郎君 ありがとうございます。
 いずれにしましても、物心両面で充実している社会ということを念頭に置いておられるんだろうと、このように思っておりますが、先ほど示しましたこの刑法犯と自殺の数でございますが、ちょっと左側に、コメントではありませんが、その折々の政治を担当いたしました内閣を入れております。そして、この刑法犯、自殺が少ないこの時期といいますのは、ちょうどイザナギ景気もそこにすっぽり入るわけですね。そして、この間は正に一億総中流階級、一億総中流意識を持った時代であったわけでございます。特別お金持ちもいないけど貧乏人もいないと。みんなが自分は、もちろん格差はありますよ、それぞれの格差はあっても、自分は中流だという意識を持っておった、ちょっと努力すればカラーテレビが買える、電気冷蔵庫が買えると、そういう意識を持っておった時代であって、このほとんどの国民が中流意識を持った時代といいますのは私は人類史上でもそうざらにないんではないかと、こんな思いがしておりまして、正にこれは今総理がおっしゃった美しい国の一つの姿ではないかなと、私はこのように思っておるんです、これは私の分析でございますが。
 そして、その中流意識を持たせた一つの要因については、ちょうど私がオリンピックの直前に社会人になりまして、そのころのベストセラーなんですが、実は五月の初めにアベグレンという経済学者が亡くなりました。八十一歳だったんですね。私もまだ生きておられたのかなと、こんな思いがしております。ちなみに、日本人の奥さんをもらわれて、そして日本国籍を取得して、日本でつい五月に亡くなったんですね。この人がちょうどそのオリンピックの直前ぐらいですか、オリンピックの直前、一九五〇年代の後半だったと思いますが、「日本の経営」という本を出版しております。ちょうど伊吹大臣辺りは、ほとんどのその当時のビジネスマンは一度は読んだわけでして、ちょうど伊吹大臣辺りもお読みになったんではないかと。私も読ませていただいた一人でございますが、この「日本の経営」というのは、簡単に言いますと、豊かな中産階級意識を持ったこの世の中をつくった一つの要因として、いわゆる日本式経営、それは何かというと終身雇用なんですね、その終身雇用を終身雇用たらしめたのは年功序列だと、こういうことを言っておるんですね。これはその時代に即した一つの意見であろうと、このように思っておりますが。
 実は、それから、そういう時代を過ぎまして、この一番下の方に黄色い網掛けを持っております、一九九八年からずうっと自殺者と刑法犯、これを見てみますと、極端に増えているんですね、極端に増えています。増えて、最終的には刑法犯が二〇〇六年には二百万、自殺者が三万を超しておるということなんです。このちょうど黄色に塗りました網掛けの時代、一九九〇年の半ばから実は世の中がずうっと変わってきているんですね。これはグローバル化にずうっと進んでいった時代なんですよ。一九九〇年代の半ばから、日本もそれに即して、それぞれの経済界がどうやって国際化の中で生きていこうかという経営方針になっていった時代と、これがまたマッチするんですね。だから、これはいわゆる、ある意味では競争社会になっていったんです。だから、私は、これはまた一つの国際社会の流れであるわけでございます。
 最近、何人かの学者が新帝国主義論というのを述べております。これは、今アメリカの一国体制といいますか、アメリカ帝国主義というような言い方もしている人があります。これはいろいろと見方もあろうかと、このように思っておりまして、学者内でもいろいろ帝国論がございますが、共通して、共通して言っておるのは、グローバル社会は格差につながるということを言っておるんです。これは、ここが共通しているんですね。
 それはどういうことかというと、経済のグローバル化ですよ、これは、だからグローバル企業はそれにマッチしていけるんです。だから、大きな自動車会社とかそういうのはグローバル化に対応していけるけど、大部分はドメスティックなんですね。このドメスティックと、グローバル化に付いていける企業なりそこに勤める人々とドメスティックの人たちに、ここに大きな格差が出るだろうと、こう言っておるんですね。
 私は、これはあながち間違った見方ではないと。現にこの格差といいますものが非常に今我が国でも問題になっているし、世界的にもこの格差問題というのは大きなそれぞれの国の課題になっているんではないかと。じゃ、日本はこれからどうしていけばいいんだと。グローバル化に対応できる企業はいいです、そこで働く人はいいですが、ほとんど、八割はドメスティックなんですね。ここにどう私は光を当てていくかというのがこれからの課題ではないかなと、こんな思いがしておる次第でございますが。
 その中で、グローバル化に対応していくためにいろいろな施策、規制緩和とかやってきました。派遣業といいますものの規制を外していったのもその一環だと思うんです。それでグローバル化に対応してきました。しかし、一方では、いろいろな問題をドメスティックの中に発生させておるんではないかと、こんな思いがするわけでして、じゃ、ここでどうするんだというところに私は知恵を絞らなくちゃいけないんではないかと、こう思うんですね。
 そこで、私がない知恵を絞っていろいろと考えましたところ、これは一つ大きなポイントかなというのがスーパーコンピューター。スーパーコンピューターが、これは実は私の地元の福岡に持ってきたかったんですよ、九大が移転しまして、ここに持ってきたかったんだが、残念ながらそうはいきませんで、兵庫県ですか、神戸に持って、これはこれでいいんです。いいんですが、これはこれでいいんですが、実はこのスパコンの活用というのは自然科学なんですね。自然科学なんですよ。
 これは、例えば航空機とかそれから遺伝子とか、もういろいろなもの、だから天気予報なんかもこのスパコンでやると、何といいますか、もうピンポイントで雨が降るかどうかというのが出てくるんです、予報で。これを自然科学に活用していこうと。これから、科学技術創造立国ですから、この世界一のスパコンを大いに活用するというのは当然のことですが、私は、それだけではなくて、社会科学にもこれ応用できるんではないかと、こう思っているんですね。
 実は私は、ちょっと話が飛びまして、超先端から超古典に行きますと、私は、ちょうど学校出てしばらくしまして、まだ二十代の後半だったんですが、その当時、財界の重鎮でございました石坂泰三さんと、十人か十五人ぐらいで囲んで、カレーライスを食べながらお話を聞く機会を毎月一回持っておったんですよ。そのときに、石坂泰三さんが、いろいろなお話をしていただきました。その中に、いや、君たちももうちょっと年を取ったら易学、易経ね、易学に触れてごらん、面白いよと、こうおっしゃったんですね。私はそのとき全く意味が分かりませんで、だけどちょっと本を買って易経の本を読んでみましたけど、さっぱり分からない。これ、難し過ぎて分からないんですよ。しかし、今考えますと、石坂さんが何をおっしゃったかというと、この易学、易経というのは、中国四千年の歴史の中で生身の人間がうごめいてきたその集積なんですね、統計なんですよ。それをどう読むかがやっぱり経営者の眼力だったんだろうと、私はそんな思いがするので、今、今この石坂さんの言葉というのは非常に私は、ああそうだったのかなと、しかしその当時の経営者というのはそんな深い哲学を持ってやったのかなと。四書五経を学んで、明治の生まれの方ですから当然かもしれませんが、そういう教養の素質を持って経営に当たっておられたんだろうと、こういう思いがするんですね。
 そのときに、この易学というのは正にそういう人間の営みの集積ですから、これはなかなか数字とかなんとかに表すことはできないかもしれないが、スパコンだったら統計で取れると思うんですよ、統計で。というのは、これは私は自分で経験したんだけど、地元のある企業に行きましたら人相機械というのがありまして、顔を入れてあれすると、ぽっと出てくるんですよ、性格が出てくるんですよ。これが意外に当を得ておりまして、いや、人相もそうだし、これ統計なんですよね。また、アメリカはもうやたらめったら統計を取るところでして、その統計を活用しながら、無駄な統計も一杯あるんだろうと思うけど、無駄な統計を活用しながらいろいろな基礎的な方向付けをしているんですけど。
 私が今何を申したいかというと、そういう先端技術、これは世界一ですから、今はまだアメリカの方がちょっと上ですけど。これ一秒間に十の十六乗の計算ができるんですね、これちょっともう想像が付きませんけど。そういうスパコンです、スーパーコンピューターなんですが、これを自然科学に応用すると同時に、社会科学に応用するかしないかが、これはやっぱり政治の一つの発想だという思いがしておりまして、同じ何百億かの金を掛けて、自然科学だけじゃなくて社会科学にも活用していくということは一つの示唆として申し上げておきたいと、こんな思いがしておる次第でございます。
 先端技術と古典と相一緒にしたようなお話になって大変恐縮でございますが、やっぱり人間の営み、政治という中で、総理もこれから日本のトップリーダーとしてリードしていただくということについて、そういうことにもちょっとお考えを寄せていただくということで美しい国づくりというのにつながってくるということでございます。
 そこで、そこで私は一つ非常に心配しておりますのが、今申しましたように、経済界、そういう方々が日本の戦後を築いてこられたと。だけど、どうも最近、いろいろな教育に対する御意見もいただいておりますが、コムスンですか、ああいうことがあったし、我々政治も含めてやっぱり教育というか、その奥にあるものを我々日本人は追求しながら政治に経済にやっぱり一生懸命頑張っていかなければならないんじゃないかなと、それがやっぱり一つの教育の進む道じゃないかなと、こんな思いがするわけでございます。経済界では渋沢栄一、渋沢栄一は「論語と算盤」という本を書いていますね。やっぱりそこに一つの規範といいますもの、渋沢栄一が立ち上げました東京商工会議所の倫理綱領というのにはそれがちゃんと書いてあるということでございます。
 そういうことも含めまして、時間が随分たってしまいましたが、申しますように、総掛かりで、総掛かりで教育を再生していこうと、そうすると、その再生によって美しい国をつくっていこうということではないかなと、こんな思いがするわけでございます。
 実は、項目十ぐらい渡しておりましたけど、今、一項目が終わったばかりでして。それで、ずっと大学の問題、科研費の問題、運営費の問題、いろいろもう出てきましたので、出てきていないのを一つ御質問したいと、このように思っております。
 それは、ある統計によりますと、今世紀の半ばには女性の平均寿命は九十歳になるんじゃないかと、こう言われております。そうしたら、四人に一人が六十五歳の女性なんですよ、六十五歳の女性なんですね。夫婦の年齢差が五歳、平均寿命の差が五歳になると、御主人を亡くされて、そしてあと十年間女性は生きていかなければならないということなんですね。
 戦後、男女同権、男女共同参画社会等々言われてまいりましたが、戦前は良妻賢母、いわゆる嫁しては夫に従い、老いては子に従うというのが女性の模範的な姿と、こう思われておりました。ただ、私は、良妻であり賢母であることは大変すばらしいことであるが、それによって女性が潜在して持っております能力をやっぱり相当抑え込んでしまったんではないか、だから戦後はそれを全部出していただこうということになったと、このように思っております。
 だから、それはそれで私はいいと思いますが、昨今、これは親というものにも絡んでくるんですが、男も女も、夫婦、女性が、母親が、母親が子供を殺したり置き去りにして愛人と遊び回ったり、これは私は本当に考えられない。今度の新しい教育基本法に、教育の一義的な責任は保護者と及びそれに類すると、こう書いてありますね。前の教育基本法には書いてないんですよ。それから戦前の教育勅語にも書いてないんですよ。論語にも書いてないんですよ、孝は書いてあるんです、親孝行は書いてあるけど。親が子を慈しむなんというのは当たり前のことであって、一々そんなのに書いてないんですね。
 しかし、今回のこの新しい教育基本法にはそれを明記したと、明記せざるを得なかったというのは、よかったか悪かったというのは大変私は疑問があって、本来ならそんなこと書かなくても当然のことであり、母親が子供を慈しむというのはこれは女性の本能ですから、雌の本能ですから。雌と言ったら大変語弊があるかもしれませんけど、世の中は、地球上は雄と雌ですから、本能なんですね。しかし、こうせざるを得なかった。
 そして、今日の世相を思うときに、私は、まだだれも触れないが、女子教育というのに、男子教育ももちろん必要ですよ、女子教育というのがほとんど今まで戦後触れられていないということについて、これはちょうど副大臣おられますので、何かお考えがあれば是非お聞かせいただきたいと、このように思います。
#117
○副大臣(池坊保子君) 男女共同参画基本法の前文には、男女共同参画社会とは、性別にかかわりなく、その能力や個性を発揮できる社会の構築がうたってございます。別に、何ですか、男らしさとか女らしさというのがかつて言われましたけれども、そういうことを否定していくものではないと思います。
 私は幼いときより父に、小さいときから、必要なことは社会に出て人間として守るべき規範を身に付けること、社会のルールを守り、例えば礼儀作法とか利他の心、思いやりとか優しさ、そういうものをまず身に付けて、その上で、性別の違いは個性の違いだから、今個性的に生きるというふうに言われているんだから、自分らしく生きたらいいというふうに言われました。
 私は、このらしくという言葉、今割と言われなくなりましたが割と好きなんですね。自分らしくとか、あるいは何々として、政治家として、母としてとか、それは使命や責任が込められているのではないかと思います。
 ただ、これは教育基本法にも家庭教育ということが書かれておりますので、学校教育でするというよりは、家庭の中にあって、次の世代に受け渡していきたいメッセージを私は毅然と子供たちに教えていくのがやはり親の役目ではないかと思います。そういう意味では、親学というのも必要ではないかというふうには考えております。
#118
○吉村剛太郎君 ありがとうございました。
 副大臣はまだまだいろいろなお考えもお持ちじゃないかなと、こう思っておりますけれども、らしくというお言葉、大変必要なことであろうかと、このように思っております。ありがとうございました。
 次に、もう時間も随分と……(発言する者あり)やはり日本の歴史と伝統を重んじるということがまた教育基本法に書いてあります。だから、今副大臣、お花、お茶、それから柔道とか剣道とか、それぞれ文化であり、寺社仏閣等々、それから日本の自然というのを大切にしていかなきゃならない、このように思っておりますが、その中の精神文化というのは、先ほどもちょっと触れましたけれども、やっぱり聖徳太子の和をもって貴しとなすという精神は今日までもずっと受け継がれ、今後も受け継いでいかなければならない日本国民の一つの大きな文化じゃないかなと、このように思っております。
 競争社会の中で、かつて、先ほど申しましたように、あのイザナギ景気のあの間を日本人は一致団結して和の精神で乗り越えてきた。今は競争の中ではい上がっていこうというような気持ちが多く出てきておるんではないかなと。その競争の原理の中で、先ほど数字で表しましたように、犯罪とか自殺者が出てくるということをこの側面だけで判断するのは早計かも分かりませんが、教育再生、歴史と伝統を守るという中で、景観とか寺社仏閣とか茶道とか華道とかと同時に、この和の精神をどう受け継いでいくかというのも一つの教育が背負う役割ではないかと。昔から和魂洋才と。だから、大いにシステムとか技術は入れてもいいけれども、この和魂というものを、和をもって貴しとなすというこの精神を我々はやっぱり未来永劫に引き継いでいかなければならないと。
 教育再生を論ずるがゆえに、そしてこれからいよいよグローバルが進んでいく中で、日本人としてのアイデンティティーはこの和の精神といいますもの、この和の精神でこのグローバル社会の中で勝ち抜いていかなければならないし、野球でも何でもそうですよね。チームワーク、天の時、地の利、人の和、これが日本人の精神的な風土で、そうなったときに一番力を発揮するんではないかなと。競争という中でも、もちろんその合理性という中、経済の利益を追求するという合理性の中で力も発揮するかもしれませんが、しかし我々日本民族というのは、この伝統ある和の精神をこれからも持ち続けていかなければならないんではないかというのが私の個人的な見解でございますが、御感想あれば、総理、また。
#119
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど吉村委員が、世界がグローバル化している中において、言わば特に経済においては帝国主義化が進んでいくんではないかと。確かにそういう指摘がございます。かつて帝国主義が進んでいったときには、大航海時代になって弱肉強食、競争社会が世界に広がってきたわけであります。現在は一瞬にしてお金も国から国に動いていく時代にあって、このグローバル化の中で強い者が世界を席巻していいのだろうか、そして思うがままに行動していいのかどうかという問題であります。
 実は、ドイツにおけるサミットにおいても、そのことによって生まれる格差をどう考えたらいいか、また、あるいはヘッジファンド等の振る舞いをどう考えたらいいかということが議論になったわけであります。しかし、そこは、やはり競争してお互いに切磋琢磨していくことから生まれてくるエネルギーは大切にしながらも、そこはやはり規範意識を持って行動するということが大切であろうと。そして、そうしてできてきた格差については、例えば先進国はアフリカ等の途上国等々に対して大きな責任を持っているだろうと、そして彼らが発展をしていくための基盤を整備していくということについて自分たちは責任を持っているんだねと、こういうことも確認をしたところでございます。
 そこで、更にグローバル化が進む中においては、やはり日本は日本の良さがあって、日本の中においても、これは日本で積み重ねてきたやっぱりルール感覚、お互いにお互いが助け合っていくという共生の意識、そして、それはやはり人間が地域の中でいい人生を送っていく上においての知恵なんだろうと、このように思うわけでございます。そこは、やはりお互いに和をもって貴しとなす、お互いにお互いを助け合っていくという精神、これ稲を育てていく上においても水争いをせずに、お互いは水を分け合っていこうというこの日本人らしさは大切にしていく必要があるんだろうなと、グローバル化が進んでいく中においてこそそういうものは私はとても大切になっていくと、このように思います。
 そういう意味において、教育基本法を改正し、日本の文化や伝統や歴史、地域を大切にする、そういう心を子供たちに教えていくということはそういう方向にのっとったものであると、このように確信をいたしておるところでございます。
#120
○吉村剛太郎君 ありがとうございました。
 終わります。
#121
○小泉顕雄君 自由民主党の小泉顕雄でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 吉村先生ほど格調の高い私は話ができないわけでありますが、我慢をしてお付き合いをいただきたいと思います。
 私は、平成十三年の参議院選挙に初当選をして以来、間もなく六年の任期が切れようとしているわけでありまして、任期切れを目前として、今ここに立ちながら非常に感慨の深いものを感じているわけであります。
 私は、この六年間、非常に混迷をした現在の社会状況を見る中で、やはり日本人に似つかわしい社会というものを再構築をする、取り戻す、そのためには、やはり徹底的に心にこだわった教育というものを推進をしなければならない、そういう思いを持ちながら六年間発言を続けてまいりました。例えば、自然体験をもっともっとさせるべきだ、芸術体験をさせるべきだ、社会体験させるべきだ、あるいは宗教的な情操とか感性といった、そういったものもしっかり育てなければならないと。そういうことによって恐らく日本人が失った美しい心というものは取り戻す、そういう道筋が見えてくるんではないか、こういうお話をさせていただきました。
 今日もこうしてテレビが入っているわけでありますが、特にこの二年間ほどの間ですけれども、特に心の問題ということにこだわりながら、平成十八年度予算を審議いたしました予算委員会でも教育に関する集中審議という時間を設けていただきまして、当時の小泉総理あるいは小坂文科大臣にも質問をさせていただきました。また、教育基本法の改正の審議におきましても、同じようにテレビが入る中で安倍総理あるいは伊吹大臣にも私の思いというものをいろいろ語らせていただきました。
 そして、ようやくこの六年の任期を正に満了する直前にまたこういう機会を与えていただきまして私の思いの一端をお話をさせていただけること、本当に幸せなことだと思っているわけでありまして、我が党の理事の先生あるいは同僚の先生方の御配慮に深く感謝を申し上げたいというふうに思うところであります。
 その三度、今日も入れて三度目になるわけでありますが、私は自分の思うなりのことを発言をさせていただきまして、全国に放送されたわけでありますが、私の質問を聞いていただいて、非常に多くの方々から、全国各地から激励の電話をいただきまして、いかに心の教育の大切さ、日本人よ、もう一度しっかり心にこだわらなければならないということを痛感していらっしゃる方が多いかということを実感をしたわけであります。
 午前中に中川理事の方からも、教育基本法の改正の趣旨とか意図といったようなところについての御質問があったわけでありますが、六十年ぶりに教育基本法が新しい形として改正をされまして、日本の教育改革の第一歩に着手できたということで、私は安倍総理並びに伊吹大臣の御功績というものが本当に高いものだというふうに思っておるわけであります。
 中川先生とのやり取りの中で、安倍総理は、とにかく教育改革をするためには根本にさかのぼってやらなければならないんだと、そういう思いでまず教育基本法の改正をやったんだと、こういうお話があったわけでありますが、大変私も勇気付けられるといいますか、改めて感銘の深いものを覚えたわけでありますが、何度もこれまでお答えになられてきたことだとは思うわけでありますけれども、この場でもう一度、教育基本法を改正をされたその意義というもの、さらには、その教育基本法の改正の意義を踏まえて今提出をされておりますこの三法の意義といったことについて、総理の思いをお聞かせをいただきたいと思います。
#122
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教育基本法の改正につきましては、前教育基本法、旧教育基本法は、教育の機会均等あるいは教育の自由等について、これはそういう理念の下にそれなりの役割を果たしてきたと、こう思うところでございます。
 しかし、それと同時に、この戦後の日本の歩みを見てみますと、日本は確かに本当に豊かな国になったんですが、豊かな国を築いてくる中にありまして、やはり日本人の価値の基準を損得にやや置き過ぎていたのではないか、損得を超える価値、例えば家族の価値、大切さ、あるいは地域や国を大切にしたり愛情を持ったり愛着を持ったりする、そういうことの大切さ、重要さを教えてくることについてやはりおろそかにしていたところがあるだろう。これはやはり教育基本法の中に書き込んでいく必要がある、さらには、道徳心、公共の精神、自立心、こうしたものを書いていくことが、二十一世紀にふさわしい美しい国日本をつくっていく上において、これはもう不可欠である、絶対に必要である、このように考えたところでございます。こういう観点から、教育基本法を改正をし、改正教育基本法ができ上がったわけでございます。
 この改正教育基本法を受けて、今回、この中身についてしっかりと教育現場で教えていくことができるように教育三法の改正を今お願いをしているところでございます。この教育関連の三法、もちろんその土台には改正教育基本法があるわけでございますが、こうしたことを通じて教育新時代を開いていきたいと、このように思います。
#123
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 日本人が伝統的に大切にしてきたいろいろ心にかかわる問題、そういったものが見失われてくるという、そういう社会の現実を直視をしたときに、教育基本法をどうしても改正することがまず第一だと、そういう御判断であったということかと思うわけでありますが。
 小泉八雲という人がいます。残念ながら、私はこれ、親戚ではないんですよね。この辺りが、ひいおじいさんですがなんて言うと非常にいいわけでありますが、小泉八雲さんという人あるいはアインシュタインという人、こういう著名な方々が日本に来られて、そして日本から戻られて、あるいは戻られるときに、こんなに美しい国はないと。日本人の生き方、日本人の物の考え方、日本人の行動の仕方、これほどすばらしいものは世界広しといえども本当に日本にしかないと。もし世界平和というものを実現するために人間が英知を結集しようとすると、必ず日本人の生き方に学ぼう、日本人の生き方を参考にすれば必ず世界は平和になるんだと、そういうことに気付くだろうというようなことをアインシュタイン自身も言い残して日本を去ったということがあるわけでありますが、そういう海外の識者が絶賛をした日本人のその心の美しさというものが本当に消失をしてしまっておるというのは、確かにそのとおりだというふうに私は思うわけであります。
 そのために心というものが問題とされまして、例えば伝統と文化を尊重し、我が国とふるさとを愛する心といったものが盛り込まれたわけでありますし、また、宗教的な情操とか感性といったものをどういうふうに扱っていくかと、これにつきましても非常に大きな議論になったわけでありますが、いずれにしても、そういう意図を持った、背景を持った教育基本法の改正の趣旨というものが、これは幼児教育、社会教育、学校教育を問わず、やっぱり広く確実に浸透をして、そして所期の目的というか、教育上の効果が現れるということがどうしても求められるわけでありますが。
 まあ、こういった新しい教育基本法の崇高な理念、こういったものを見据えたときに、それじゃ実際にその学校現場において、あるいは学校だけでなしに教育の現場においてどういうような教育というものが展開をされるのか、どういう教育というものを展開をしてほしいのか、そういうことについて御見解をお伺いをしたいと思いますし、またそういう教育を通じて、教育基本法改正の趣旨というものをしっかり踏まえて、また新しい教育の目標といったものをしっかり踏まえて教育実践をされたときに、子供たちが例えば社会に参画していく意欲というものはどういうふうに持ってくれたのか、あるいは、ふるさとや国を大切にする気持ちというものはどういうふうに養われたのか、そういったところをどのように判断をするというか見極めるか、そのことについても併せてお答えをいただきたいと思います。
#124
○国務大臣(伊吹文明君) 先生が御指摘になったように、先ほども吉村先生から格差の問題がありました。
 戦前は日本は大変な所得格差のあった国だったんですよ。しかし、心の格差は非常に少なかったです。戦後は平等ということを中心に社会が構成されてまいりましたが、その中で心の格差はかなり私は開いてきたと思います。それがグローバリズムの下で競争原理が入ってきた中でより深刻になっていると、その心の格差の開きがですね。ですから、もう一度やはり、私たち、所得の格差はあったけれども、先ほどおっしゃったラフカディオ・ハーンにしろ、アインシュタインにしろ、あるいはまた信長の時代に日本に来た宣教師が本国に送った手紙にしろ、日本人の持っている心の美しさというか、総理の言葉をかりれば規範意識ですね、これをやはりしっかり取り戻さないとグローバリズムの格差社会は乗り切っていけないというふうに思います。
 したがって、学校においては、道徳教育はもちろんですが、地域や社会の人々、あるいは自然との触れ合いをする活動、そして郷土や国の伝統や文化、こういうものを教えることによって、帰属意識ですね、特に豊かになってまいりますと日本人は一人で暮らせるようになってきております。ですから、家族、地域社会、企業、国、こういうものに対する帰属意識が非常に薄くなってきておりますね。つまり個、個人の個と公、公との間の関係が非常に薄くなってきておりますので、その辺りのことを結果的に日本人が学び取ってくれるような学習指導要領にしていくということだと思います。
#125
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 具体的にあれこれということにまではお話がなかったわけでありますが、今大臣がおっしゃいましたように、私も一つは帰属意識、このことにもう一度こだわり直して、自分が帰属をしているものにどういうふうにはぐくまれているのか、どういうふうに抱えられているのか、そしてそのことのまた恩返しとしてどういう行動を取ればいいのかということで、帰属ということを、このことをもう一度しっかり問い直すということは心を取り戻す上で極めて大事なことだと思いますし、もう一つ、少しお触れになりましたけれども、自然体験とか社会体験とかあるいは芸術体験とか、こういった直接体験というものを徹底的に増やすことさえすれば、私は心というものは豊かにはぐくまれる可能性が十分にあるというふうに思うわけでありますから、学習指導要領が新しくなるときに、何とかそういう直接体験ができるだけ子供たちが体験できるような内容、さらには、もう一度帰属意識というものを取り戻せる、それは要するに社会とのいろいろなかかわりの場をつくってやればそういうことできると思うわけでありますが、そういうような配慮というか、工夫というものがあちこちに見られるような学習指導要領を是非大臣の御指導の下にお作りをいただきたいと、このことをお願いを申し上げておきたいと思います。
 それで、その次の点でありますが、今度、副校長ほかいろいろな新しい職種といいましょうか、資格といいましょうか、そういうようなものを導入をするということが提案をされておるわけでありますが、副校長という職は校長を補佐をしながら校務をつかさどると、こういうような定義があるわけでありますが、今学校には教頭先生というのがいらっしゃるわけでありまして、じゃ、この教頭先生と副校長というのはどういうふうに職務の分担をされるのか。また、副校長始めその他の今度新たに設けられる職種は、あちこち学校が変わっても資格としてはそのまま継続して維持される資格であるというふうにも聞いておるわけでありますけれども、そういうような場合に新しい賃金の体系のようなものが適用をされることになるのか。この点について、二点、お願いをしたいと思います。
#126
○政府参考人(銭谷眞美君) このたび学校教育法の改正案で予定をいたしております副校長でございますけれども、副校長は、校長を補佐する立場ではこれは教頭先生と同じでございますけれども、それに加えまして、校長から任された校務について自らの権限で処理ができるという職でございます。したがって、教頭に代えて副校長を置く学校では、当該副校長は校務の整理に加えまして、校長から任された校務を自らの権限で処理をし、校長と副校長が協力をして機動的な学校運営を行うことができるというものでございます。
 それから、今回の学校教育法の改正案では、副校長、主幹教諭、指導教諭という新しい職を設けてございます。これらの職につきましては、その職務と責任の位置付けに沿った給与水準というものをこれから考えていかなければならないと思っておりまして、その具体化は今後予算編成過程における課題として私ども取り組んでいきたいと思っております。
#127
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 新しいそういう職種を導入するわけでありますから、学校の運営というのがきちっと組織化をして効率良く運営ができる形になっていくように祈っておきたいというふうに思います。
 それで、第二の法案でありますが、地教行法の一部改正について若干の質問をさせていただきたいと思います。
 いじめや未履修問題などいろいろな問題が明らかになる中で、教育委員会の機能といいましょうか、教育委員会が必ずしも十分に機能していなかったのではないのか、こういう話が随分広がったわけでありまして、もう少し教育委員会が機能を発揮をしておれば、子供の不幸な事件も、あるいは犠牲になる子供もいなかったのではないのかなと、こういう議論があります。そういう現実を踏まえて教育委員会制度についての見直しを進めていくと、これも当然タイムリーなことであるわけでありますが、ただ、地方分権という流れもあるわけでありますから、この辺の整合性といいましょうか、調整といいましょうかもいろいろ配慮が要るところかと思うわけでありますが。
 まず最初に、教育委員の責任の明確化、さらには教育委員の研修、そういった教育委員会の体制あるいは資質の向上といった考えの下に教育委員会を改革するんだと、こういうことになるわけでありますが、ただ、実際の教育の成果というものを、教育改革の成果を上げていくのは教育の現場であるわけでありますから、教育委員会だけの改革で果たして教育現場での成果というものがどういうふうに現れてくるかということについてはいろいろな議論があろうかと思うわけでありまして、この教育委員の研修制度でありますとかあるいは責任の明確化という教育委員会に対するいろいろな改革が教育現場にどのような形で成果として現れていくようになるというふうにお考えなのか、お伺いをいたしたいと思います。
#128
○国務大臣(伊吹文明君) これは先生、もちろん教育現場が一番大切でございまして、特に児童生徒と向き合える時間が少ないと言われている教師に向き合える時間を確保して、いい人を得るということに尽きるんですね。
 その教育現場をしっかりと見極めて、そしてそれを時には厳しく指導し、時には温かくくるんでくれるというのが教育委員会なんですね。この役割が果たせていないから、これを果たせていない教育委員会がありましたから、これを果たせるように改革をしたいということで、教育委員会がしっかりと現場を指導し、時には現場の苦労を温かく包んでやっていただく、そういう教育委員であり、そういう教育委員会であってもらうようにする改革ということでございます。
#129
○小泉顕雄君 非常によく分かりました。本当に最も求められる方向であるというふうに思います。
 教育現場を十分に把握をする機会のない教育委員さんが私の知り合いの中にもたくさんおいでになるという実態も私も知っておるわけでありますから、この改革によって、教育委員と学校との距離あるいは子供たちとの距離というものはできるだけ近づけるような方向でそれは強力に推し進めていただきたいというふうに思うわけでありますが。
 そこで、教育委員さんに今度は新しい研修ということをしていただくというような内容も含まれておるわけでありますが、教育委員の方々に求める研修というものの内容につきまして、今考えられておることがありましたら御紹介をいただきたいと思います。
#130
○政府参考人(銭谷眞美君) 今回の地教行法の改正案におきましては、第四十八条第二項におきまして文部科学大臣、都道府県教育委員会が教育委員の研修を進めることを新たに規定をいたしております。
 この教育委員の研修につきましては、これまでも文部科学省におきまして新任教育委員の研修等を行ってきているわけでございますが、その内容としては、教育委員の職務に関連する文教行政の状況、それから時宜に応じた文教行政の課題に関しまして各地域の取組の好事例が共有できるような情報交換、そしてそれぞれの現下の各教育委員会が共通して抱えるテーマについての研究、協議といったようなことを行っておりまして、今後もこういった観点から教育委員の研修を確実に実施をしてまいりたいと考えております。
#131
○小泉顕雄君 ありがとうございました。十分な研修が深められるような機会を増やしていただきますようにお願いをしておきたいと思います。
 さて、教育の最終的な責任というのはやはり国にあるんだろうと思うわけでありますが、そういう立場から、文部科学大臣がいじめといったような大変深刻な問題に対しましては教育委員会に対して指示あるいは是正要求ができると、こういうような規定が今度入るわけでありますけれども、こういった文部科学大臣からの指示あるいは是正要求、そういったことによってそれぞれの現場でのいじめというような深刻な事態が解消の方向に向かっていくのか、その辺についての御見解をお伺いをしたいと思います。
#132
○国務大臣(伊吹文明君) 教育の最終的権限がどこにあるかは、これは非常に私は難しい問題だと思いますが、憲法の規定によれば教育を受ける権利に対して国はそれを与えねばならない義務がありますから、しかし同時に、教育基本法では国と地方が分担してその責務を果たすということが書かれております。ですから、現在教育委員会が所掌している事務は基本的には地方自治事務なんですね。ですからこれは地方の仕事と。しかし、今先生がおっしゃったように、憲法から教育基本法の流れの中で、国がやはり最終的に責任を持たねばならないときにはその役割を果たさねばならないという緊急避難的規定を今回お願いしたということです。
 ですから、できるだけこの緊急避難的規定を発動せずに、教育委員会もしっかりしてもらわにゃいかぬわけですが、地域の住民の代表として正に教育委員会をしっかり見詰めておられる地方議会の役割、これはもう大変に私は重要だろうと思います。こういう規定を置くことによって地方議会にも、また教育委員会にも緊張感を持って仕事に当たっていただくことによって児童生徒のいじめ、今おっしゃったいじめのような問題を未然に防いでいただきたいと、そういうことを期待をして今回の改正案をお願いしているということでございます。
#133
○小泉顕雄君 私も今のお話を聞きまして、六年間ほど地方議会に籍を置きまして仕事をしていたことがあるわけでありますが、確かに教育委員さんの活動というものについて少し鈍感であったなという反省の思いをいたしまして、大変今大臣の一言で反省をした次第でありますが、もう少し本当におっしゃるように地方議会の議員が教育委員さんと、実際一番何というか情報が足らない中で本当に責任を感じて苦しんでいらっしゃる、そういう委員さんともっともっと本当に意見を交換する場というものをつくっておけばよかったなと思うし、つくってほしいなと。今多くの地方議員さんも見ていらっしゃるかも分かりませんから、私からもそれをお願いをしておきたいというふうに思いますが。
 ただ、地方分権、先ほどもちょっと触れましたけれども、一方では地方分権という流れがあるわけでありますから、ここで大臣の方からの指示とか是正要求が下ろしてこられるということになってきますと、地方分権とのかかわりの中でやっぱり一定整理をしなきゃならぬものがあると思うわけでありますけれども、その点についての御見解をお伺いしたいと思います。
#134
○国務大臣(伊吹文明君) 今回二つのことをお願いしておりますが、一つは、やはり教育委員会に怠りがあって児童生徒の生命等が危険に瀕するような場合、これはもう非常に緊急を要することなんですが、是正要求の場合も含めて、そういうことを教育委員会にお願いしましたということを、実は教育委員を選ばれた地方自治体の首長と、そしてそれを承認された地方議会に通知をするという規定が付いておるんです。つまり、そのことは先生がおっしゃった地方自治のやはり権利と義務をしっかり果たすことによって児童生徒を守ってやってくださいよということをお願いするということなんですよね。
 ですから、どうぞおひとつテレビをごらんの地方、地域住民の方も、自分たちが選ばれた議員の方々が自分たちの子供さんたちの教育についてどういう目配りをしておられるのかということをやはり厳しく私は監視をしてもらいたいと思っております。
#135
○小泉顕雄君 改めて反省をしながらお聞きをいたしました。
 さて、この点につきましてはおきまして、次に免許法のことについて残った時間質問をさせていただこうと思うわけでありますが、午前中にもいろいろ議論がありました。現在、初任者研修から始まっていろんな研修があるわけでありますが、更にここで更新の講習といいましょうか、が加わってくると。
 先日、私の友人の、島根県の山奥、山口県にすぐ近いところ、長門からちょっと東の方に来たところの田舎の校長先生と話をする中で、その地域ではもう教育委員会が毎朝毎朝ぴりぴりしていると。毎日、急に今日にわかな病気で欠勤をしてしまうというような先生が出てしまうというと、その補充に本当にいろいろ苦労をする、もう大変な状況であると、こういうことを聞かされました。
 そういう状況の中で新たな更新講習というようなものが入ってくるというと、もうこれははっきり言って対応し切れない、こたえ切れないと、こういう切実な声を私は聞かせていただきまして、改めて、都会の学校では、都会の教育委員会ではそういうような苦労というものはないのかもしれませんけれども、本当に過疎に悩み、限界集落というような集落さえ抱え込むような校区を持つような学校では、教員のやりくりに本当に苦労をして、もう朝電話が鳴るとどきどきすると、今日は本当に全職員が、全教員が出勤をしているかということを確認するまで本当に安心できないと、こういう状況があるということを聞くわけでありまして、そういう中でこういう更新の制度が入っていくというと、言葉は悪いですけれども、また混乱を招くというか、負担を掛けてしまうということにもこれはなりかねないわけであります。
 そういう状況を踏まえながら、私は、せっかく入れる更新の講習でありますから、これが本当に支障のないように円滑にいける、進むようにこの制度設計の段階からかなり入念な配慮というものが必要ではないのかなと思うわけでありますけれども、こういう点についての見解をお伺いしたいと思います。
#136
○政府参考人(銭谷眞美君) 免許更新講習は三十時間の講習を受講していただくわけでございますけれども、二年間の講習受講期間中に三十時間といいますと、おおむね五日間程度受講していただくということになるわけでございます。
 今後、免許更新講習の開設の認定等を行っていくわけでございますけれども、更新講習の開催に当たりましては、授業のない土曜、日曜日や、春、夏、冬の長期休業期間中の講習開設を基本とするほか、通信教育やインターネット等の多様なメディアを活用した弾力的な履修形態も検討していきたいと思っております。
 個々の教員の実情に合わせました多様な形態の受講を可能とするように配慮して制度を設計してまいりたいと思っております。
#137
○小泉顕雄君 くれぐれもよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 私はかねてから主張をしておるわけでありますが、更新講習というものは、これが不要であるなんということは思っておりません。これはやっていただかなければならぬことだというふうに思うわけでありますが、しかし、やはり養成ということは、教員養成ということ、また採用というところ、ここのところをやはりしっかり直していかないといけないということだけは申し上げておきます。もう時間がありませんので答弁は求めませんが、そういう立場でおることを繰り返し、せっかく任期の最後でありますから、このことだけはしっかり申し上げておきたいと思います。
 いずれにしましても、心が問われている時代であります。環境の問題にしても、あるいは教育の問題にしても、あるいは平和の問題にしても福祉の問題にしても、様々な課題それぞれ一つ一つは非常に私はこのハードルが高い。なかなか一朝一夕には解決もできないし、解決の特効薬というものが見いだせるわけでもない。本当に政治家が心を一つにして一つ一つの問題に体当たりをしていかなければならない、そういう状況にあると思うわけでありますが、私は、こういった問題も心さえ何とかなれば、日本人らしい心というものを取り戻せば、今高く見えるハードルも随分下げることができるというふうに信じております。
 これからも引き続き心の教育の充実を訴えながら仕事をしてまいりたいと思っております。決意の一端を御披露いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#138
○佐藤泰介君 民主党の佐藤泰介でございます。
 まず、冒頭、委員長にお願いをしたいと思いますが、中川筆頭の質問の中で締め総で採決だというような話がございましたけれども、この委員会を始める前の理事会では採決ということは話題になっておりませんので、是非一般質疑で終えていただいてというふうにお願いをしておきたいと思いますし、また、時間でございますけれども、何時間やったという話が出ておりましたけれども、衆議院の方は不正常な形で打ち切られてこちらへ送られてきたものでございますので、衆議院の時間数を参考にするということは私はできないんだろうなというふうに思っております。午前中あるいは昼からに至っても、多くの質疑の中でまだまだ多様な様々な問題点が指摘をされておりますので、最初のお願いに戻りますけれども、是非審議を続けていただきたいというふうに思います。
 それでは、私自身の質問に入りたいと思いますけれども、私は、総理、二十二年教育現場でずっと教育に携わってまいりました。その中でいつも感じることは、生徒との出会い、子供との出会いは全く偶然であると。児童生徒も選べないし、教師の方も選べない、その偶然の出会いから出発をして、時を経て振り返ってみたときに、必然の出会いであったなと、こう思えるような教師になりたいということに心掛けてまいりました。総理も伊吹大臣もきっと、振り返ってみていただければ、そういう教師、先生が必ず複数いたであろうというふうに思います。今、現場で懸命に働いている教職員の皆さんも私は同じ思いではないだろうかと、そのように思う次第であります。
 しかし、残念ながら、大変多くの問題が山積をしていることも事実でございます。そういった中で、午前中からもいろいろ基本方針二〇〇七の話はありましたけれども、この中に教育再生という、四章の二ですか、教育再生というその節が入ったことは、さすが安倍総理の教育を最優先課題とするという、そういう内閣、そういう総理の下での骨太方針二〇〇七だというふうに、私は、中身については多少異論はありますけれども、それが入りましたことについては大変に評価をしたい、教育の道を歩んできた者としても評価をしたいと、こう思っております。
 したがって、今日はテレビです、ちょっと引用させていただくと、教育再生というところに、資源の乏しい我が国の少子高齢社会の下でも国際社会を生き抜くには人材に期待しなければならない、ずうっと書いてあって、最後に、教育再生は最優先の課題として取り組まねばならないと。全くここの文章は私も同意でございます。
 経済成長を支える総理のよくお好きなイノベーションあるいは人材は、大学の基礎教育の上に私は成り立つと思っております。良き大学生は、また充実した初等中等教育を受けなければならないということで、どこが一番大事かということは言えないはずですけれども、子供たちが、まず幼稚園あるいは小学校にしても、その辺からスタートをしてきますので、私は自らが小中学校に勤めたから言うわけではありませんけれども、非常に初等中等、高校も含めて普通教育は極めて大事であろうと、このように思っている一人でございます。
 それと同時に、これまでの質疑の中で、真に必要な予算は確保するんだということを総理はずっと午前中の答弁で言われてまいりました。前段はいろいろありましたけれども、最後は、必要な、真に必要な予算は確保すると。教育再生のところにもそれが載っているわけでございますけれども。
 私は具体的にお聞きしますけれども、先ほど鈴木寛委員が、発議者が質問されましたけれども、そこで具体的に聞きます。
 この真に必要な予算を確保するということは、初等中等教育の最もの願いである教員の増員とか待遇の改善は真に必要な予算の中に含まれるのかどうか、このことをまずお聞きをしたいと思います。
#139
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変核心に迫った御質問をいただいたわけでありますが、言わば待遇の改善ということについては、やはり能力のある本当に一生懸命頑張っていただいている先生を応援をしていく、支援をしていく、報いていくという、言わば給与においてもそういうめり張りを付けていくということもやっていかなければいけないと、こう思っているわけでございます。そういう意味におきましても、そうした対応も考えていかなければいけない、言わばそういう意味での充実を心掛けていかなければならないと、こう考えているところでございます。
 そして、先ほど鈴木委員からも御質問がございました。行革推進法との関連についての御質問があったわけでございますが、現場の様々な事情もあるわけでありまして、言わば減少している子供の数に対応した減少だけでも難しいのに、それ以上非常に難しいじゃないかと、こういう指摘があることも私も十分承知をしているわけでございまして、その中でどのような工夫ができるかということもよくこれは考えながら、そうした工夫また対応等も十分にやった上において、もちろん、先ほど言い忘れたんですが、これは習熟度別等の学級をつくっていく、対応していくということにおいても、もちろんそれは十分な対応もしていかなければいけないわけでありますが、そういういろいろなことをやった上においてどうすべきかということについては、これはもちろん行政改革を進めていくという観点もございますが、教育の重要性にかんがみても、よく検討をしていかなければいけないと、このように考えております。
#140
○佐藤泰介君 めり張り、工夫、様々な言葉が出てまいりましたけれども、端的に私、伺うと申し上げたわけでございまして、今、午前中の質疑を聞いても、子供と触れ合う時間がないと。今、総理の言葉の中にも習熟度別学習なんという言葉もありました。そういった点を考えていくと、もう教員の増員というのは、第八次定数改善は待ったなしの課題ではないかというふうに私は思っております。教育を最優先課題として挙げる安倍内閣でやはり第八次定数改善を再スタートさしていただきたいという、そんな御決意を聞けるのかなと思っておりましたが、ちょっと十分な、私には残念ながら十分でなかったかなと思っておりますが、いずれにしても、教員の勤務の時間も非常に長くなり、へとへとになっている教員だということについては御理解がいただけると思うわけですけれども、そういったところへ手を打っていくためには、何としてもやっぱり教員の増員あるいは待遇改善。
 具体的なことで聞きますが、人確法の見直しも言われております。そういった問題も含めて、もう一度お二人にお聞きしたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
#141
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教育の再生は私の内閣の最重要課題の一つでございまして、ある意味では、この法律、三法案についても、最優先そして最重要法案として我々取り組んできたところでございます。
 そういう観点からも、今年の暮れには予算編成があるわけでございますが、この予算編成に向けまして、これも再三申し上げているわけでありますが、効率化を徹底しながら、めり張りを付けて、そして本当に必要な、真に必要な教育予算は確保していくと。これは、私も教育の再生は最優先と言っている以上は、どうかこの私の気持ちはお酌み取りいただきたいと、このように思う次第でございます。
#142
○国務大臣(伊吹文明君) 私は文部科学行政を担当しておりますから、私の立場で発言はできます。しかし、総理は一国のすべての予算を預かっているわけです。そして、その予算については当然国民の負担というものが伴います。ですから、総理としては、御本人が正におっしゃったように、核心に迫る佐藤先生の御質問に対して、私は精一杯の答えをしておられるなと思って今聞いておりました。
 そして、そしてですね、そして、二〇〇六と言われるものと今度の二〇〇七を、いずれ閣議決定をしたらよく読み合わせていただきたいと思います。そうすると、総理がおっしゃっていることがどういうことを意味しているのか、そして、いずれこれは予算の編成の中でやっていくことですから、そのときに行革推進法が足かせになる場合は、何か立法政策上のうまい手だてがあるのかどうなのか、これは内閣としてやっぱり考えていずれ答えを出していくということですから、御理解のよく行き届く先生方は、余り不規則発言をせずに、総理の御発言をそのまま受け止めていただきたいと思います。
#143
○佐藤泰介君 もう理解していただきたいということです。間もなく答えが出る問題でございますので、大いに期待をしながら八月の末の概算要求を見てみたいというふうに思っています。
 財源がないからといって、概算要求では第八次定数が毎年毎年出される、しかしそれは十二月末になるまでに見込まれずに、お金がないから見送りだということがずっと続いてきていると私は思っています。今年こそ、教育を最優先課題とする安倍内閣でありますから、何としてもこの第八次定数改善を動かしていただきたいと、そのように思います。
 あわせて、先ほど来、教育基本法の改正の話が出ておりましたが、その中にも教育振興基本計画というのがうたい込まれております。民主党案では具体的な数字も指標も織り込んでおりますけれども、この教育振興基本計画、これはいつでき上がるんでしょうか。
#144
○国務大臣(伊吹文明君) 今、教育振興基本計画、つまり改正教育基本法に書かれているものですが、どういうものを具体的にどう書くかということを現在中教審で審議をいただいております。そして、これは国会に報告しなければならないものですから、ある程度予算の裏付けがしっかりしたものでないと、絵にかいたもちのようなものを権威のある国会へ出すわけにはまいりません。
 今、佐藤委員が御質問になっているもろもろのことも、ある程度具体的なめどが立たないと振興計画というものは出せませんので、私は年末の予算編成を見据えて国会へ御報告をさせていただくのが筋だと思っております。
#145
○佐藤泰介君 よく分かりましたが、やっぱり教育振興基本計画というのは、そんな私、短期のものではないんだろうというふうに思います。やっぱり中長期にわたっての目指すべき姿を見据えて作られていくものだろうと、こう思っています。単年度予算のようにやっていくというならほとんど意味を成さないものだと思いますので、中長期的な展望の上に立って、これも今言われたように、やっぱり財源計画をどうするかという見極めが非常に難しいんだろうというふうに思いますし、私は、クラスサイズの縮小計画もその中期目標的なところへ書き込んでいただきたい、そして財源もある程度きちっとしたものを仕上げていただいて国会に報告をいただければなと、このように思っております。是非よろしくお願いしたいと思います。
#146
○国務大臣(伊吹文明君) よく承りました。
 先ほど来、総理が御答弁を申し上げているように、安倍内閣としては教育再生を重視をして、内閣としてめり張りを付けてやっていきたいということを総理がおっしゃっているわけですから、出だしですからね、振興計画の出だしの年ですから、ここの出発点が大幅に狂っちゃうと、長期的な計画とおっしゃっても全く絵にかいたもちになりますので、ここをやはりしっかりと押さえた長期の展望を作りたいと私は思っておりますので、事務局は早く出したいという考えの者もいたんですけれども、少しやはり国会の権威のためにもしっかりしたものにしようやというんで、今むしろ中教審に私は一年目の予算と歩調を合わせてもらうように少し審議をペースダウンしていただいているというのが現状でございます。
#147
○佐藤泰介君 それじゃ、もう一点、今の問題にかかわってお尋ねをしたいと思いますが、教育再生の二ページ目のところの中段以降のところに定数の適正化ということが書いてあります。この定数の適正化というのはどういう意味なんであろうかと思うわけでありますが、多分、読んでそのとおり、定数の適正化を図っていくと。
 このように読みますと、先ほど来話題になっている行革推進法の定数減の、総理も先ほど少し触れられましたけれども、それとのかかわりが鈴木寛議員あるいは西岡先輩からも話が出ておるわけでございますけれども、この定数の適正化というのは一体どういう意味で使われていて、行革推進法の五十五条の三項ですか、それらを踏まえながらの定数の適正化ですから、これは大いに期待をしているわけですが、どうでしょうか。
#148
○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど来申し上げましたように、内閣総理大臣という立場に立てば、財政再建のこともありますし、公共事業のこともありますし、社会保障のこともあります。いろんなことをすべて自分の内閣として判断をしていかれねばならないわけですから、先ほど来おっしゃっているような教育再生を大変重視した御判断が総理から出た場合には、それは先生が御期待になっているような、何というんでしょうか、取っ掛かりの文章にもなると思いますし、逆に適正化というのは、逆に言えば定数を増やすのも適正化、減らすのも適正化、いろんな解釈があります。だから、今は余りそこのところは詰めずに、予算編成過程で総理が検討するとおっしゃっているわけですから、それは総理の決断にひとつゆだねていただいたらいかがでしょうか。
#149
○佐藤泰介君 じゃ、総理にお尋ねしますが、適正化ということは、今、伊吹大臣が減らす場合も適正化だと。私はそういうふうには、ここのタイトルからしてもそのようには読めないですね。やっぱり定数が適正に配置されていくという、現場に適正に配置されていくと、このように理解する。減らすなんてこと毛頭考えていなかったものですから、総理の口からひとつ伊吹大臣のを否定するような答弁をよろしくお願いしたいと思います。
#150
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 行革推進法については、公務員すべてに純減を言わば義務付けているという大変厳しい法律でもあるわけでありまして、それはもうそれぞれの部署が、この人数は必要だ、これはもう、例えば住民の、国民の安全のために必要である、福祉向上のために必要である、それぞれにそれぞれの理由があるわけでございまして、その中におきまして正に聖域なき形で減らしていく。五・七%ですか、こういう目標を掲げる中において、みんなでそれは、そういう苦しさは分かち合っていこうという中で今進んでいるわけでございます。
 そういう中におきまして教育においても例外じゃないということにはこれはもちろんしているわけでありますが、ただ同時に、私の内閣におきまして、再々申し上げておりますように、教育は最優先、最重要の課題であると、こう申し上げているわけでございます。
 教育の現場の声についても、先ほど私も承知をしているということを申し上げたわけでございまして、この適正化ということについては是非素直に読んでいただいて、我々も基本的に最重要課題であると、このように申し上げている上において、やはりこれは、教育をしっかりと考えていく上においてはこれは何といっても人材、先生でございますから、そういう観点から考えていきたいと、このように思っているところでございます。
#151
○佐藤泰介君 聞いてみえる方がどのように判断をされるかは別にしまして、ここまで、総理のここまではあるんでしょうけれども、もう一歩が出ないということの、ここまでに収まっていることは十分に理解するというよりはまあ理解させていただいて、ここからぽこっともう一言踏み込んでいただくと更にいい形になるんではないかと、このように思います。
 くどいようですけれども、そういうことはここの中にちりばめられているんですね。教育新時代にふさわしい財源基盤の在り方、ここにも教育予算の内容の充実は重要であると、このように書かれておりますし、真に必要な教育予算について財源を確保する必要があると。これは素直に読みたいと、こう思っておりますけれども、この(3)の教育新時代にふさわしい財政基盤の在り方というところに、ここに決意が表われているということでよろしゅうございますか。そう理解させていただきますが、ここは何にも余計なこと付いていないんですね。めり張りも付いていないし、工夫も付いていないし、ともかく社会総掛かりで教育の基本にさかのぼった改革を推進していくということですから。そのためには予算を確保しなければならないと、こう書いてあるわけですので、是非この点についても、のど元で止めずに、もう一つ言葉として出していただければ有り難いと思います。
#152
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま御指摘のように、これはまだ閣議決定しておりませんので、これからまだ議論をするということを前提に申し上げますが、教育予算の内容の充実は重要であると、このように書いてあります。しかし、その後、今まで申し上げておりましたようなことも若干ここで触れてあるわけでございまして、財源を確保する、真に必要な教育予算について財源を確保する必要があるということも書いてございますので、どうかそのように理解をしていただきたいと思います。
#153
○佐藤泰介君 最後まで総理の口から教育予算を増やすよと、定数も増員するよと、決意は述べられておりますけれども、今日はそんな回答をひとついただきたかったなと、こう思って質問をさせていただきましたが。
 私がこの中で全体通して評価するとしますと、先ほど評価をすると言いましたけれども、この教育再生の中には二〇〇六の文言が入っていないですね、新しく入れられたから入っていないのか。二〇〇六は相当人員を削減したり、あるいは賃金をカットしたりというようなことが中心であったように思いますけれども、ほかのところには二〇〇六は出てくるんですけれども、ここの三ページぐらいのところには出ていないわけですから、あの厳しい行革は言ってみえないんだろうなというふうに理解をし、今の大臣あるいは安倍総理の、素直には聞き取ることはできませんけれども、多少そういった面では決意が含まれているなと、このように感じております。
 一つ先ほど答弁漏れたんではないかと思いますが、人確法について、今はどんな状況で、どういうふうに今後進まれていくのかという点についてお尋ねをしたいと思います。
#154
○国務大臣(伊吹文明君) まず、先生、その前に、非常に、まだ閣議決定をされていない文章で正に核心に触れるところをいろいろお聞きになって鋭いなと思いながら私も聞いておりますが、これは総理の立場で今の先生の御質問にすべて答えるということになりますと、これはあらゆる分野で同じことを当然、ここは文部科学委員会ですが、自分たちはこの予算、自分たちはここの人員と思っている人がもう次々と出てくれば内閣として収拾が付きません、それは。ですから、総理も再三その中で、先生の御表現で言えばここまでの御答弁をしておられるわけですから、これは素直に聞いていただかないと、これ以上の御質問にお答えをするとかえって収拾が付かなくなってやれることもやれなくなりますので、そこは是非御理解をいただきたい。
 それから、人確法については一応二・七六ですか、という優遇分を減らすということは既に決まっているわけですから、これはこれで措置をするとして、今後、教員の待遇その他のことについて先ほどからお触れになりましたから、二・七六を上回るものを措置するか、別途措置するかどうかということは、これは予算編成過程で議論をさせていただきたいと思います。
#155
○佐藤泰介君 それじゃ、もうこれ以上と言われますけれども、もう一点だけ気になるところがございますのでお尋ねをしますけれども、これも鈴木委員の方から話があった基盤的経費の確実な措置というところでございますけれども、井上委員からも話がありました。
 今本当に効率化係数を掛けられて大変厳しい大学が、特に地方の単科大学は厳しい状況にあるんじゃないかと。外部資金、まず入らないですね、地方の単科大学では。競争的資金、これもなかなか取りにくい。とりわけ話に出ました教育系大学においては、これから更新講習をお願いしようとしている大学でも、ほとんど人員の余裕はないと私は思うような形になりつつあるんではないかと、こう思っております。
 あわせて、私学助成についても、やはり基盤的経費の措置だろうというふうに思っております。いわゆる、大学の財政基盤がある程度健全に確保されないと私は大変なことに至るんではないかと、この先。やはり、そういう意味で運営費交付金等々、国立大学法人になったとき以上に、こんなはずではなかったのにと各大学は今思っているんではないでしょうか。ここまで厳しくなるということは思ってもみなかっただろうと私も思っております。
 そういう観点で、ここの基盤的経費の確実な措置というところで多分大学関係のことを言ってみえると思いますので、お答えをいただければと思います。
#156
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大学が担っている使命というのは、教育そして研究また社会貢献と、こうしたものが重要な役割であろうと、このように思います。この中でも人材の養成としての教育は極めて重要であると、こういう認識を持っております。
 運営交付金と私学助成については、こうした大学の役割をしっかりと踏まえていく、そして、各大学の教育研究を支える基盤的経費の確実な措置を行っていくということでございます。今申し上げました三つのこうした要素を勘案をしながら確実な措置をしていく、そして基盤的経費と競争的資金の適切な組合せ、評価に基づくより効率的な資金配分を図っていくことが必要であると、このように考えております。
#157
○佐藤泰介君 私は、大学の基盤的整備というのはそれぞれ基盤整備が違うところからスタートしているわけですので、それを同じように扱ったんでは、これだけ基盤的整備がこっちは遅れておるところと進んでいるところ、これを同じように扱ったら、こっちは沈んでいくに決まっていると、私はこう思うわけですね。
 だから、やっぱりその辺も勘案しながら、是非基盤的整備をお図りをいただきたいと。大学の建物の老朽化もかなり進んでいるところが私は多いように思っておりますので、是非その辺りも含めて、本当に国立大学法人の今後歩むべき道といいますか、どういう基盤的整備をしていったら優秀な人材が出て、イノベーションというようなことを推し進めていく、経済成長を支えていくような人材養成が私は急務だと思っておりますし、また日本ではそれが大変なことなんだろうと、こう思っております。
 じゃ、これについてはこの辺にしまして、時間がほとんどなくなりましたが、伊吹大臣に一つだけお聞きをしたいと思います。
 教育委員会への是正の要求あるいは指示等を行うことによって、新たな私は法現象が生じないのかなと、法現象といいますかね。
 去年、大臣のところへ手紙が行きましたよね、たくさん。それで、文科大臣に訴えたと。万が一それが事実になってしまったというような場合、どうですか、国を訴えるということはあるんですか、ないんですかね。指示をしなかったから起きてしまった。したがって、私、前の質問のときに、その怠るべき前の状況をどうやってつかむんだということをお話をさせていただいたと思うんですけれども、あの程度、その中にもそういう手紙等で訴えられたときにはどういう対応をして、その是正の勧告、指示に当たるのか当たらないのかということについてお尋ねします。
#158
○国務大臣(伊吹文明君) 情報提供、手紙等が来た場合には、まず一次的には、それは当該問題のある学校、あるいはその事象を所掌しておられる教育委員会に対して調査をするということから始まると思いますね。そして、これはやはり、国の公権力の発動、一種の発動ですから、よほど慎重に扱わねばなりませんので、一義的には、手紙が来たからすぐやるとか、手紙が来たから、やらなかったから文科大臣が訴えられるということのないようにうまく処置したいと思います。
 必ず一度は教育委員会にお尋ねをする、現行法律内の調査権限を使ってお尋ねをするということは当然のことだと思います。
#159
○佐藤泰介君 どうもありがとうございました。
 終わります。
#160
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫です。よろしくお願いいたします。
 教育の質問をさせていただく前に、今国民の間で本当に大きな不安な問題となっている年金について、総理に二、三確認をさせていただきたいとお願いを申し上げます。
 まず、私ども民主党は、昨年の六月から、宙に浮いた、消えた年金記録がある、政府・与党に調べてほしいと要請をしてきました。残念ながら取り合っていただけなかった。もし去年から与野党が一緒になって年金問題に対応していれば、こんなに大きな不安にはならなかったと思うと残念で仕方ないんですが、総理はこの問題に対していつ本格的に取り組もうと思われたんでしょうか。
#161
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、この問題について報告を受けたということについては、去年の暮れだったか今年の初めであろうと、このように思うわけでございます。そしてまた、本会議におきまして長妻議員からも御質問もいただきました。
 この問題につきましては、ただいま蓮舫委員がおっしゃったように、与野党という垣根を越えてお互いに協力をして対応していかなければいけない問題であると、このように思っておりますので、私どもといたしましても、民主党の皆様から出されたいろんな意見も取り入れながら対応策を考えているところでございます。
#162
○蓮舫君 総理が責任を持って一年で対応するという、極めてこれは力強い言葉だと思うんですが、確認をさせていただきたいんですが、総理が一年で対応するというのは、これは突合なんでしょうか、統合なんでしょうか。
#163
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、言わば年金の基礎年金番号を統合した際の問題でありますが、言わば五千万件とのこれは、番号のこれは、突き合わせについてはいわゆる突合を、突合を行っていくということでございます。
#164
○蓮舫君 安倍総理が総裁を務める自民党、総理は今突合と言いました。突合というのは、コンピューターの中の記録を名寄せをする、五千万件がだれのものである可能性が高いかを、これを寄せるわけですね。だけれども、自民党のホームページでは突合ではなくて統合すると、一年で統合すると言っています。統合というのは、総理が今おっしゃったように、コンピューターの名寄せを終わった後に、この方の記録ですかと御本人に確認をして、あっ、この方のでしたという確定をするところ、つまり最後の問題解決までを意味するんです。
 自民党は最後の問題解決の統合まで、総理は突合まで、これはどちらが正しいんでしょうか。
#165
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私もずっとこの答弁をしておりますが、これは基本的には突合をしていくということでございます。ただ、突合していくというこの言葉遣いが分かりにくいということが言われておりますので、私は突き合わせを行っていくと、このように申し上げているわけでございます。
 党の言わばパンフレットにおきまして言っていることは、私が申し上げておりますように、言わば年金の記録の番号同士を、記録同士を、履歴自体を突き合わせをしていく、このソフトを作って突き合わせをする作業を一年以内に終えると、言わば突合を終えるということが私どもが言っている、また私が今まで言ってきていることでございます。
#166
○蓮舫君 子供に聞かれるんですよね、年金問題って何が起こっているんだろうと。(発言する者あり)自民党の方が今やじを飛ばすというセンスが私には分からない。政治家として、大人として責任を持って、起こしてしまった問題はしっかりと解決をすべきだと思うんです。
 総理は今、突合と言いました。ならば、自民党が言っている統合、一年で問題解決とホームページにもチラシにも書いてある。これは直させるべきではないですか、責任を持って。
#167
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も何回も今まで説明をしておりますが、一年間で言わば突合を終えて、そして五月までに、来年の五月までに突合を終えて、そして八月までに二千八百八十万、これは件ですね、件、言わばもう既に年金の受給年齢に達しているであろう方々の記録と三千万人の受給者の方々との突合を終えた後、この方々にもし追加的な履歴があればお知らせを終えますよと、五月までに突合を終えて八月までにお知らせをいたしますよと、そして、言わば被保険者の方々につきましては再来年の三月までにお知らせを終えますよと。突合は五月までに大体終えるわけでありますが、順番として、既に年金を受給しておられる方々の方を優先をいたしますので順番はそうなっていきますよということを、厚労委員会等々ではもう何回か私も、また大臣も答弁をしているとおりでございます。
 このビラの方につきましては、言わばこれは突合という言葉が分かりにくいということでございますので、基本的に、言わば、これは統合と突合ということについては意味が違うというのは我々もよく承知をしておりますが、国民の皆様にとっては、言わばこれは番号を突き合わせるという意味で、その方が表現が分かりやすいということを党が判断をしたのかもしれないと、このように思っているわけでありますが、しかし、それを終えるというふうに私が言っているのはずっと言ってきて、突合を終えるということを私が申し上げているとおりであります。
#168
○蓮舫君 済みません、一点だけ確認させてください。
 突合と統合では全く意味が違うんです。難しいから国民は分からないだろうから統合でいいだろうというようなことはおかしいと思います。
 さて次に、教育の質問をさせていただきますが、今子供を育てて学校に通わせている保護者が学校に求めている、こうあってもらいたい、こう変えてもらいたいと端的に思っているものは何なんだろうと総理はお考えになりますか。
#169
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子供たちにとっての学校、これは、例えば私が子供のころ学校に望むものは何だったろうなと、こう思うわけでありますが、朝学校に行くことを楽しみに思えるような学校であればいいと、子供は常にそのように思うわけであります。
 しかし、今やはりお母さんたち、お父さんたちが望んでいるのは安心して送り出せる学校であってほしいということではないかと、このように思うわけであります。ですから、安心そして安全な学校、そして我々は、さらにそこでしっかりと高い水準の学力と規範意識を身に付けることができる学校にしていかなければいけないと、こう考えているところであります。
#170
○蓮舫君 保護者の多くが学校に望んでいるのは、学校での教育の目標を規範意識に掲げてほしいということよりも、もっと身近なことだと思うんですね。塾に通わなくても済むような確かな学力を学校だけで教えてもらいたい、自分の子供が楽しく学校に行く、いいですよ、でも、うそをつかないで、本当に楽しく学校に行けるのかと。いじめられている、いじめている、親にない面を学校で出しているのか、そういう不安を持ってもらいたくない、あるいは学校がちゃんといじめに対応してくれるような、そういう学校に変えてほしいと思っていると思うんですね。
 ただ、今回政府が提出した三法案を見ると、国の責任とか、教育委員会の責任を更に明快化するとか、教職員の免許の更新制を入れるというんですけれども、これは制度の改革としては分かるんですが、その先にある、目に見えて学校がどのように変わるのか、私、これがなかなか見えないんです。
 去年、教育基本法改正を総理と審議をさせていただいたときに、教育基本法は理念法だからいじめとか未履修とか具体的な学校での問題にすぐさま対応できませんが、関連法を出して学校を変えていくんだと総理はおっしゃいました。今回がその関連法だと私は理解しています。でも、この関連法は制度であって、学校がどのように変わっていくというのがちょっとよく見えないんです。そこを教えていただけますか。
#171
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この制度、仕組みを変えていかなければ現場は変わっていかないわけであります。それはまず制度、仕組みがそのままであっては、ただ現場の努力に期待するだけになっていく。
 現場の先生方が力を発揮をしやすいように、あるいはまたお父さん、お母さんたちに保護者としての意識を高めていただくためにも、社会総掛かりということも申し上げているんですが、そのためにも、例えば教育基本法をまず変えて、そしてまた今回の教育三法を変える中において、例えば教育委員会においてもその責任とこの目的について明確にしているわけでございます。教育委員会がしっかりとした役割を果たしてこなかったことによっていじめの問題とか未履修の問題が放置をされてきた、こう言われているわけでありまして、そういう教育委員会ではなくて、しっかりと責任感を持った教育委員会に変わっていくわけであります。また、保護者もこの教育委員会のメンバーになっていくと、これは新しいこの法律によってそれが実現をしていくわけでございます。
 そしてまた、改正教育基本法の中に公共の精神、道徳心、そういうことを書き込んだわけでございます。そういうことを踏まえて、言わば教育指導要領を変えていくわけでございます。そうした教育が行われていくことによって、例えば、やはり公共の精神というのはお互いに助け合っていくことであって自分のことだけに専念してはならない、だれかがいじめられていたら、だれかを助けるという勇気を持つ、これも公共の精神であろうと、こう思うわけであります。そうしたこともしっかりとこれから教えていくということになっていく。
 そういう意味では学校は変わっていく、このように私は確信をいたしております。
#172
○蓮舫君 教育委員会で一言申し上げさせていただくと、今既に法律で教育委員に選ばれる方は人格が高潔な方なんですよ。それに、今回の法改正で更にそこに教育委員としての自覚を、責任を自覚することと上書きしているんですね。ただでさえ高潔な人でも、それでも今までいじめを見落としている、あるいは未履修に気付かなかった、問題を起こしている。さらに、今回条文を足して、責任を自覚してくれ。どうやって変わるんですか。制度を変える、意識を変える、どっちが先か後かの問題じゃないと思うんです。
 民主党の発議者に伺います。
 実際に変えるときには、私は制度も意識も同時に変わるように、親御さんが子供が変わった、実際に変わっていると実感できるような、そういう学校の絵を描いてもらいたい。それは民主党案ではどうなっていますか。
#173
○鈴木寛君 お答えを申し上げます。
 もう既に民主党はマニフェストでは公表をさせていただいておりますが、親や地域住民が学校運営や教育人事に参加できる学校理事会をすべての学校に置いていくということを地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案でもう盛り込んでおります。
 こうなりますと、この理事会がまずコミュニティー評価をもう毎日のようにやっている、そして、いじめなどが起こった場合にはもう即日この緊急の理事会が行われて対応がなされるということでございます。それから、不適格な教員がいた場合にも、この学校理事会が発議をして、この先生はどうなんだろうか、どうやってこの事態を改善していったらいいんだろうかと、こういうことを学校理事会主導で取り組んでいくという制度を新たに盛り込んでいるところでございます。
 以上でございます。
#174
○蓮舫君 さらに、この文教科学委員会での審議をしていて、与野党問わず質問者が必ず口にすること、あるいは中央公聴会、地方公聴会で公述人が必ず口にしたことは教育予算の拡充を望むということなんですね。
 先ほど来、私どもの佐藤筆頭の方からの質問でもありましたけれども、総理は教育予算をどうしたいのかと、最重要課題が教育再生だとおっしゃる総理だから予算はきっちりと増やしていくんだという言葉を当然言われると思っていたら、お酌み取りくださいと。
 私は、お酌み取りくださいと言われても、それは分からない。はっきり言っていただけませんか。総理が最重要課題と言われている教育予算は増やすんですか、減らすんですか、現状維持のままですか。
#175
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずは、予算というのは最終的にこの秋に、まず夏に概算要求をして、そして秋から暮れにかけて予算編成を行います。そこで姿がはっきりするわけであります。ある意味では、概算要求からかかわる予算は、私の初めての予算編成ということになっていくわけでございます。そこで私の内閣の意思を是非実際に具体的に見ていただきたいと、こう思うわけでありますが、しかしこれから概算要求に入っていく中において、今我々は財政の再建という厳しい命題を背負っているんです。この厳しい命題を背負っている中において各分野の予算を削っている、そういう厳しい作業を強いている中において、今ここで全体の財政規律を緩めるわけにはいかないわけでございます。
 しかしながら、その中で私は、私は、従来から申し上げておりますように、教育再生というのを最優先課題の一つにしていく、最優先課題として取り組んでいるわけでありまして、その意思として、昨年の秋の臨時国会で教育の基本法を改正をし、そしてこの通常国会に三法案を提出をしているわけでございます。これはそれぞれ、私も必ずやると言って実行しているところでございます。
 その中におきまして、真に必要な教育の予算は確保していく、こう申し上げているわけでございますから、私のこの言葉を是非受け取っていただきたいと、このように思うところでございます。
#176
○蓮舫君 予算を増やすか増やさないかは明言しないけれども、頑張る。それはマニフェストで公約にはならないんですよ。
 夏に参議院議員選挙があります。大きな争点で教育というのも当然問われてくると思います。そのときに、総理はお酌み取りください、私はこれは有権者は何を基準に選べばいいのか分からないと思う。
 民主党の発議者にお伺いします。
 民主党は、今回出している法律案で財政をきっちりと確保しよう。つまり、政府が言っている行革の方向は、人材確保法の廃止を含めた、教職員の削減を含めたその方向に対して、民主党はどういうふうに教育にお金を掛けていくか、その財源も含めてお聞かせください。
#177
○鈴木寛君 私は民主党の次の内閣で文部科学大臣を仰せ付かっておりました。民主党は二年間、この問題もう議論に議論を積み重ねまして、正にOECD、経済先進国三十か国ございますけれども、日本の教育予算は三十か国中三十番目という最下位という現状にございます。この問題を変えていくのが教育基本法を作るに当たりましても我が党のベースでございました。
 したがいまして、日本国教育基本法案の中でも、教育費の対GDP比というものを指標にするということ。そして、昨年の秋にすべての民主党の国会議員が参加して何度も議論を重ねて、そして先進国中最下位の我が国の教育への公財政支出、今GDP比三%ぐらいでございますけれども、これを先進国平均水準以上、目標五%以上として引き上げていくということをマニフェストにおいて位置付けるということを決めさせていただいているというところでございます。
 あわせまして、先ほど来問題になっております行政改革推進法五十五条の三項につきましても、学校教育の環境整備の推進による教育の振興に関する法律案の中で、これは今回、我々が、民主党が教育三法に対する対案として提出しておりますが、そこで明確にこの条文五十五条の三項を他の関連条文三条文とともに附則で削除をするということを党で決めて、そして閣議も通させていただいて提出をさせていただいているということが我々の明確な意思表示でございます。
#178
○蓮舫君 やはり総理にも、きっちりと最重要課題と言うのであれば、お酌み取りくださいではなくて、頑張る、努力するではなくて、きっちりと予算を確保するときに、こういうふうに確保していくんだ。例えば、行革法五十五条の三項は削除していくんだという明快な御答弁がいただけないのが非常に残念なんですが、一方で総理がおっしゃるように、今この国は本当に火の車で、借金がたくさんあって行革も進めていかなければいけない、無駄遣いはやめてきっちりと効率化をしていかなければいけないというのは、私、一方で分かるんです。
 ただ、教育に関しては人への投資ですから、ほかの削減項目と同じように効率化とか市場的なことを考えてはいけないと私は思っているんですね。であれば、無駄遣いをやめていこうと。そうすれば私たち民主党は、無駄遣いをやめたら財源というのはきっちりできてくるんだということも提案をさせていただいているんですが、ちょっと一点確認をさせていただきます。
 去年、総理とも審議をさせていただきましたが、やらせ質問があった教育改革タウンミーティング、これ、やらせ質問があったという問題と同時に無駄遣いも明らかになったんですが、この春からこれは簡素な形で再スタートをしたんでしょうか、確認だけさせてください。
#179
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このタウンミーティングについては、今御指摘のような問題がございました。
 やらせの質問とともに、言わば大分無駄遣いがあったと、こういうことでございまして、経費等については、二か月前に試行的に、旧タウンミーティング、政策ライブトークと名前を変えたわけでありますが、これまでの約十分の一以下の百万円程度で行うことができたと、こういうことでございます。
 今後とも、ある意味では本当の意味で双方向の国民との対話にふさわしい、そして簡素で、国民の皆様にとって意見が言えたと、こういう実感を持っていただけるようなものを実施をしていきたいと思っております。
#180
○蓮舫君 国民との対話は私は不必要と言っているわけじゃないんです、必要だと思います。内閣がそれをやりたいという意思も大切だと思います。ただ、見直しをしたら予算が十分の一まで圧縮できた、相当なことだと思うんですね。
 実は、総理が、総理夫妻がモデルになった地球温暖化防止の、新聞に一面広告が掲載されました。大阪や阪急梅田、あるいは丸ビルとか大手町、主要な駅の人通りが多いところで総理の等身大のポスターが環境の啓蒙広告でこの六月に掲載をされたんですけれども、こういうところに総理が率先して指導力を発揮してモデルになって啓蒙活動に旗を振るというのは意味があるとお考えでしょうか。
#181
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この地球温暖化の問題については、五月に私は美しい星50という提案をしたわけでありますが、これは、二〇五〇年に五〇%排出量を減らしていく、そしてそのためにも主要な排出国が入った枠組みをつくっていくという提案をしたところであります。この提案を軸にG8においても基本的な合意がまとまり、文書にも書き込まれたわけでありますが、こういうことを国際社会の中においてリーダーシップを取ってこの方向に向けて進んでいくためにも、日本は京都議定書の目標に達成しなければいけない、この目標を果たさなければいけないという大きな責任があるわけでございます。
 産業部門においても、当然今一生懸命頑張ってもらっているんですが、それは、同時にそれだけでは難しいわけでありまして、国民的な理解と協力がなければできないということでございます。
 そこで、昨年来、こうしたことは行っているんですが、昨年も小池大臣あるいは小泉総理も出た言わばクールビズのポスター等を作り、また新聞広告をしたわけでございますが、後ほど民間の影響度を調査した調査によれば、極めて効果的であったという数字が出ているわけでありまして、今年も環境省、昨年が効果があったので今年もそれをやろうということで行ったということでございます。
#182
○蓮舫君 効果はあったんですね。分かりました。それを聞いているんじゃないんです。
 総理がやっぱり指導力を持ってきっちりと啓蒙活動をしていくんだという意思は大切だと思いますし、その影響力も私は決して少なくないと思います。ただ問題は、お金の使われ方が本当に正しいんだろうか、これ第二のタウンミーティングになっているんじゃないんだろうか。
 ちょっと確認をさせていただきたいんですが、環境省にお伺いします。
 この地球温暖化防止のための国民運動推進事業、推進事業広告費、一年間幾ら計上していますか。
#183
○政府参考人(南川秀樹君) お答えします。
 予算といたしまして、国民運動推進事業費、三十億円でございます。
#184
○蓮舫君 事業が始まったのが平成十七年度から、十九年度まで予算付けされて、もう実績も出ているんですが、三年間で総額幾ら事業費に使われていますか。
#185
○政府参考人(南川秀樹君) 三年間で計八十三億円でございます。
#186
○蓮舫君 八十三億円を受注した広告代理店は幾つありますか。
#187
○政府参考人(南川秀樹君) 企画競争などを行いまして契約先を決めております。結果的に同じ会社がずっと契約をいたしております。
#188
○蓮舫君 一社の広告代理店が三年間続けて同じ事業を受注して、八十三億円の税金が使われていると。随意契約でしょうか。
#189
○政府参考人(南川秀樹君) これにつきましては、外部の著名な審査員に複数以上の方にお入りいただきました上で、企画審査委員会を行いまして、高い点数を得た者を契約候補として選定し、その方と随意契約をしております。
#190
○蓮舫君 随意契約ですね。
 実は、この広告代理店から環境省の担当局長、今御答弁いただいている局長に報告された委託業務精算報告書というのを入手しました。
 フリップを作ったんですが、(資料提示)二十七億円のプロジェクトのうち、半年間で事業に十三億円使ったという報告書です。相当粗い報告です。
 例えば、一億掛かった、六か月間で一億掛かった人件費なんですが、プロジェクトリーダー、主任A、B、スタッフA、B、アシスタント、六種類の分け方をしている。これ、積算上の勤務時間は何時間でしょうか。
#191
○政府参考人(南川秀樹君) 一日につきましては、朝九時半から夕方の十七時三十分となっております。
#192
○蓮舫君 一日の勤務時間が七時間。単純に見てください。プロジェクトリーダーは日当で七万六千三百円、時給一万円です。プロジェクト主任A、時給九千二百円、スタッフA、時給六千三百円、アシスタント、時給が三千四百円。一体どんな仕事をしているんですか、どんな違いがあるんですか。それだけの違いがあるんですよね。御説明ください。
#193
○政府参考人(南川秀樹君) 例えば御指摘いただきました一番上にございますプロジェクトリーダーというところを見ますと、まず全体の計画の統括管理をしております。また、具体的な各事業、個別のプロジェクトについての構築、運営も行っております。
 彼らにつきましては、私ども環境省で各種の調査をしておりますけれども、そこでの営利法人等の実態を調査した上での人件費単価ということではじいているものでございます。
#194
○蓮舫君 ちょっとよく分からないので、もう一回御答弁してください。つまり、プロジェクトリーダーとアシスタントの仕事の違いは何ですか。
#195
○政府参考人(南川秀樹君) プロジェクトリーダーにつきましては、全体計画の統括管理、あるいは実施本部の体制の構築、運営などを行っております。また、彼らにつきまして、経済界との連携と、そういった事業も行っておるわけでございます。
 また、アシスタントの方になりますと、まだ経験の少ない方が多うございます。こういう方についてはウエブの戦略関係をやっていただく、あるいは事業の評価を行っていただく、報告書の作成を行っていただくということで、幾分仕事が変わってきております。
#196
○蓮舫君 報告書の作成で時給三千円ももらえるってすばらしい仕事だと思うんですね。
 ちょっと今おっしゃいました、いいですか、温暖化防止のためのPRやクリエーティブ戦略の仕事というのは分かるんですが、今局長が御答弁した、経済界など各界との連携関係ってどういう仕事ですか、これ。
#197
○政府参考人(南川秀樹君) 実際にクールビズに協力いただき、またそれによって温度を管理していただく、そういったことにつきまして各界にお願いをしております。例えば経済界でございますと、経団連を始めとした業界に参りまして、そこで各関係の者に協力をいただくということもございます。実際に経団連からは会長名で協力の文書を出していただいております。また、個別企業につきましては、うちエコにつきまして例えばタカラトミーとの連携と、そういったことも博報堂にお願いして対応していただいているところであります。
#198
○蓮舫君 じゃ、もうあと二点確認させてください。答えが分からない。いいですか。
 領収書、これだけの人が本当に使われたという報告、彼らの仕事のリポート、全部取っていますか。
#199
○政府参考人(南川秀樹君) 私ども、まず契約しますときにはきちんと価格についてのチェックをしております。また、契約が終わって、期間が終わりまして精算するときにつきましては、領収書、レポートを含めて、それを見た上で精算をしてお支払をしているところでございます。
#200
○蓮舫君 リポートがあるんですね。領収書があるんですね。人件費、これだけの人が使ったというのはあるんですね。出していただけますか。
#201
○政府参考人(南川秀樹君) 年度末が終わった場合に精算をいたします。それについてすべて必要な書類、レポート等は取ることにしておりますし、私ども、必要なものは保存をしております。
#202
○委員長(狩野安君) 教育の問題に戻ってください。
#203
○蓮舫君 総理にお伺いします。
 教育改革タウンミーティングをしたときに、無駄なお金遣いをやめようと、十分の一に圧縮した。でも、総理がモデルを務めた温暖化防止のその広告事業のお金の使われ方、今聞いていてどうですか。ここも圧縮できるんじゃないですか。圧縮するところをきっちりしていったら、子供や教育やあるいは育児支援、いろんなところに私はもっとお金が使えるんだと思います。いかがでしょうか。
#204
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、私の内閣でも徹底的な無駄遣いのこれは削減を行っていかなければいけないと、このように思っておりますし、事実行っております。
 ただいま言わばチーム・マイナス六ですか、このグループの地球温暖化の防止のための広告、これは、やはり国民に対するこれは言わば広告、広報宣伝が極めて重要であるということは、これはもう委員も御承知のとおりなんだろうと思います。
 そこで、今やり取りを聞いておりまして、言わば随契ではあるけれども、これは企画競争をさせて、そして外部の人たちがそれは審査をした結果だと、こういうことでありますから、それは優秀なところから取るのは私は当然なのかなと思って聞いていました。そしてまた、これ人件費等々の問題なんですが、その単価の出し方も、何か営利法人の七十五社と公益法人の五十五社を実勢調査をして、それぞれ上位五社と下位五社を除いた平均値において算出をしたと、このように聞いておりますので、そういうことであれば問題ないんだろうと。
 しかしながら、今後とも、無駄遣いについては、徹底的に無駄遣いをこれはなくしていかなければいけないと。さらに、しっかりと、これは今、環境省の問題でございますから、環境省にも無駄遣いがなかったかどうかということについてはよく、今御質問がございましたから、もう一度よく確かめてみたいと、このように思います。
#205
○蓮舫君 六月から定率減税廃止の影響で住民税が上がるんですね。やっぱり、国民の目というのはこれからもっともっと、本当に正しいところにお金が使われているのか、相当厳しくなると思うんですよ。そう考えたときに、ちゃんと政府の、今の環境省のお金の使われ方も私はなかなか御理解がいただけないものだと思うんです。
 あるいは、小泉総理の時代から、安倍総理はその改革を引き継ぐとおっしゃっておりますけれども、簡素で効率的な政府、でも私は、やっぱり教育の分野においては本当に簡素で効率的でいいんだろうかと。ここはあえて、無駄があっても、いい先生、いい環境、いい校舎、いい設備、そして大切に子供は教育するものだと思っているんです。
 民主党の西岡発議者にお伺いをしますが、今回、内閣の最重要課題として教育基本法関連三法案を政府が提出してきました。いろいろと私たちは審議をさせていただきました。まだ幾つも問題があると思いますが、決定的にここが足りないんではないかと思われる部分、何かございますでしょうか。
#206
○西岡武夫君 お答えいたします。
 今回政府が提案してこられました法案を拝見しておりますと、一番やらなければいけないところをちょっとずらしているんですね。例えば教員免許の問題にしても、本来養成に力を入れるべきところを、免許の更新というところで、ごまかしているという言葉は使いたくないんですけれども、ポイントをずらしているんですね。そして、学校教育法の改正をやりながら、そして副校長とかいろいろ役職を増やしながら、教職員の定数の問題についてはなかなか明快なお答えがない。ポイントをちょっとずらして、あたかも教育改革を進めているかのごとく法案を提出されている。これは、私は、日本の将来のために根本的に教育改革、教育刷新を行う教育再生とおっしゃっていることが、これは進まないのではないかと、このように思っております。
#207
○蓮舫君 最後に総理にお伺いします。
 この教育も含めて、衆議院では、年金関連法ですとか、あるいは政治資金関連法ですとか、あるいは国家公務員法案、全部強行採決されて参議院に送られてきました。参議院の日程が相当タイトなときにいろんな重要法案が送られてきて、そして今私たち審議をしているとき、今度は延長だという話も聞かれてくる。参議院をどのように思っておられるのか。
 そして最後に、教育は、教育関連の問題は強行採決にも、それをしてでも通すべきだと総理はお考えか、最後にお伺いさせてください。
#208
○委員長(狩野安君) 安倍内閣総理大臣、簡潔にお願いします。時間が過ぎております。
#209
○内閣総理大臣(安倍晋三君) はい。
 正にこの委員会の運営は委員会でお決めになることであろうと、このように思いますので、この教育改革のための三法案についても、これは深く広い議論がされてきたと、このように承知をしておりますが、委員会において決定していただきたいと、このように思います。
#210
○蓮舫君 ありがとうございました。
#211
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。よろしくお願いいたします。
 私ども公明党は、教育の目的は、人格の完成であり、子供の幸せである、その観点から今回の教育関連の法案の改正におきましても、その実現のための教育改革をしていきたい、その思いでこの法案の審議に参加をさせていただいております。
 本日も、子供たちにとりまして、また教師の皆さんにとってもより良い教育の環境の整備となりますように、本日は現場の皆様からいただいた声を基に安倍総理に、また大臣に質問させていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それではまず初めに、教員免許更新制度の導入について質問させていただきます。
 子供にとって最大の教育環境は教師であります。私自身も中学、高校と寮生活をしていたこともありまして、勉強以外の健康面、生活面も含めまして、創立者や教職員の皆様から様々声を掛けていただき、また激励をしていただきまして大変に感謝をしておりますが、やはり子供たちにとりまして人生を左右するほどこの教職員の方々の影響は大変に大きいものがあると私自身も実感をしております。
 現在、学校を中心といたしまして、教育現場では様々な問題や課題が起きておりますけれども、そういった中で先生方、また学校の教育者の皆様と関係者の皆様とお話をさせていただきますと、皆さん、悩みや課題様々抱えていらっしゃいますが、しかし、何とか自分自身の教師としての使命を果たしていきたい、責務を果たしていきたい、そういう思いで一生懸命頑張ってくださっております。
   〔委員長退席、理事中川義雄君着席〕
 そういった中で、今回教員の免許更新制度が導入されることになりまして、これに対しまして、先ほどもお話ございましたが、現場の教員の方々の負担が決して増えるようなことがあってはならないと思いますし、またこれが教員の締め付けになるような、そういった制度になってはならないと私も思っております。しかし、事実そういった不安の声もいただいておりますので、ここで改めて今回のこの教員免許更新制度の導入の意義について総理にお伺いをしたいと思います。
#212
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回のこの教員免許の更新制度につきましては、国際化が進み、また価値観も変化をしているわけであります。そしてまた、自然科学も日進月歩で進歩している中において、世の中が刻々と変化をしている中において、国公私立を問わず、学校に在職をしている職員の皆様がその時々に必要な知識、あるいはまた教育のための技能を身に付けるということは、私は教育現場の水準を維持向上していくためにおいても極めてこれは重要ではないかと、このように思います。このために教員の免許更新制度を導入をするわけでございまして、この導入によって、すべての教員の皆様に十年に一度、今申し上げましたように、新しい技能を身に付け、また新しい知見、知識を身に付ける機会を得る、そういう機会が与えられるわけでございまして、教育をより充実をさせていくという上においてもそれに資するものであると、こう確信をいたしております。
 また、これはよく誤解が生じているわけでありますが、これは何も一部の先生方を排除するためではなくて、あくまでも先生方が自信と誇りを持って教壇に立っていただくためにも、今申し上げましたように、技能や知識を修得していただく機会を十年に一度、これはある意味では提供していくということになるわけでございます。
#213
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 今総理の方からもございましたが、様々時代の変化、社会環境の変化の中で先生方に最新の知識や技能を身に付けていただいて、そして自信と誇りを持って頑張っていただきたい、そのためのこの免許更新の導入であると思います。
 であるならば、この免許更新のこの講習の内容の充実が大変に重要な課題になってくるかと考えております。
 例えば、この限られた時間の中で、また予算の中でどういった講習内容をしていくのかということで幾つか課題が挙げられるかと思いますが、例えば、その講習内容、それがその時々の先生方のニーズに合ったものであるか、またそのほかに受講の負担費用もどういう形になるのか、また過疎地、過疎地域を含めましてどの地域におきましてもすばらしい内容の講習を受けられることができるか、このような課題が挙げられるかと思います。
 是非とも、こういった課題に具体的にどのように取り組みましてこの講習内容の充実を図っていくのか、文部科学省の方にお伺いしたいと思います。
#214
○副大臣(池坊保子君) 免許更新の講習を三十時間受けていただくことによって有意義な充実した時を過ごし、そしてリフレッシュして子供たちと新たな気持ちで向き合ってほしい、そのためには今受講者にとって何が問題なのか、どういう講習を受けたいか、そういうニーズにこたえることが必要かと思います。
 ですから、講習前に受ける方々にアンケートを行うとか、あるいは受けた後にどうであったかというアンケート、あるいは事後評価ということも必要なのではないかと思います。そして、それを次の講習に反映していく、そのような検討を私たちは行っております。
 それから、今受講料はどうなるのか。教員免許の更新ですから、これは個人に掛かってくるから個人が負担するべきだという意見もございますが、私は、これは教育上の見地から法律で決められるのですから、やはり一定の配慮は必要かと思います。この一定の配慮は、じゃどれぐらいかと言われますと、これはまだ国会で皆様方の御意見を伺いながら──だって、ここで決めましたら、また文科省はすぐ決めると言われますでしょう。いろんな方々の意見を聴く必要が私は必要かと思います。そして、その中でやはり応分の負担を国もしなければならないというふうに思っております。
 それから、受講機会の確保が必要じゃないか。都市部だけの先生ではなくて、離村あるいは過疎にいる先生もお受けにならなければなりません。ただ、このごろは、放送大学もございます。あるいは、インターネットなどの多様なメディアを活用した遠隔教育というのができるのではないか、あるいは通信教育などというのもございますから、弾力的な履修形態についてもきちんと対応して、皆様方が納得なさる形を示していきたいと思っております。
#215
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 是非とも、繰り返しになりますが、受講者の皆様のニーズをしっかりと吸い上げていただいて、本当にこの講習を受けて良かったと、また、新しく心も入れ替えて出発できるような講習内容にしっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、教員の資質向上のための免許制度改革を行うには、大学の教職課程制度の充実、評価も重要であると思っております。
 平成十八年七月の中央教育審議会の答申では、教職課程の履修を通じて、教員として最小限度必要な資質能力の全体について確実に身に付けさせるために教育課程に新たな必修科目、教職実践演習を設定することが適当である、このような答申がございました。
 教員を目指す皆様がこの教育現場で役立つような実践的な科目、こういうものを早急に検討していただきまして、必修科目としても取り入れていただき、この教育課程の制度の充実を図っていくことが重要であると考えております。これに対して御見解をいただきたいと思います。
 また、併せまして、この教職課程の教育水準が維持されているのか、また向上しているのか、そういうことも、この大学の教員養成課程の評価も重要であると思っております。この課題も併せて御見解をお伺いしたいと思います。
#216
○国務大臣(伊吹文明君) 二つの御質問があったと思いますが、中教審から提案されました、これはまだ正式の名前を決めておりませんけれども、教職実践演習ですね、これは教員免許更新制が実施されます平成二十一年四月に合わせて各大学に開設されるよう私たちとしては措置をしていきたいと思っております。
 それから、教職課程の認定の取消しですが、これはやはりかなり慎重にやらねばなりませんので、まず、そういう問題が生じた場合には、教育課程の内容あるいは教員の組織等についてどういう状況になっているかというのを定期的に報告をまず受けると。そして、その報告について評価をして、そして問題が認められた場合には是正のまず勧告をするということでしょう。そして、それでもなお改善が認められない場合には、最終的にはやはり、しっかりした教師を出してもらわねばなりませんので、教職課程の認定の取消しということになりますので、これらは御承知のように施行規則で行いますから、私の責任において、まあすぐに強権的な発動にならないように注意しながら運用させていただきたいと思います。
#217
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 是非とも、先ほどの免許更新制度と併せまして、こういった大学の教員養成課程の評価ということで、併せまして車の両輪としてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、指導が不適切な教員の認定についてお伺いをしたいと思います。
 この指導が不適切な教員に対しましては、各都道府県では研修体制を整えまして既に対応しているところでございますが、今回認定の手続や研修の法的な位置付けが明記をされております。
 先ほども申し上げましたが、子供たちにとりまして教師の影響は大変に大きいものがありますので、もしこの指導が不適切な教員がいらっしゃるのであれば、しっかりと研修等を受けていただいて、対応も考えていかなければいけないと思いますが、しかしその教員が本当に指導が不適切な方であるのか、その見極めが大変に難しいと思っております。これも参考人質疑、また地方公聴会の中でもそれぞれ御意見をいただいている課題でございますが、たまたまその子供やその学校の先生方と合わなかったけれども、別に場所を変えたときに全く問題のない先生であった、そういったこともあったと伺っております。そういったケースもあるかと思いますけれども、この指導が不適切な教員の認定に当たりましては、教育や医学の専門家、保護者などの意見を聴いて認定を行うということになっておりますが、これは慎重に、そして公正公平にしっかりと行っていかなければいけないと思っております。
 この指導が不適切な教員の公平公正な認定をどのように行っていくのか、それをどのように担保をするのか、お伺いをしたいと思います。
#218
○国務大臣(伊吹文明君) 今回の教育公務員特例法の二十五条の二の五項に書いておりますように、やはり先生がおっしゃったように認定をするのは当然任命権者です。しかし、その認定をするに当たっては、教育学、医学、心理学等の専門家や保護者の意見なども聴かなければならないということが書いてございます。それと同時に、六項で事実の確認の方法や手続についてはきちっと明文化をした教育委員会の規則であらかじめ明らかにしておくということでございます。
 したがって、この法律が国会の議了ができますれば、各々の教育委員会に対して指導が不適切な教員の認定が公正にかつ適切に行われるという、今御心配になっているようなことが生じないようなガイドライン的なものを私どもからお示ししたいと思っております。
#219
○鰐淵洋子君 今大臣の方からも、文科省としても任命権者の参考となるようなガイドラインを策定するというお話もございました。是非とも、この認定が一方的また一時的な判断にならないように、総合的に多角的に対応していただけるように強く要望しておきたいと思います。
 次に、私立学校に関する教育行政の在り方について質問させていただきたいと思います。
 まず、総理にお伺いしたいと思いますが、総理御自身も私学御出身であられますけれども、改めまして私立学校の果たしてきた意義についてお伺いをしたいと思います。
#220
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘のように、私も私学の出身でございますが、私学は、大学生の約八割、そして高校生の三割、幼稚園児の八割が私学に在学をしているわけでございまして、我が国の教育において私学が担っている役割は極めて大きなものがあると、このように思うわけでございます。
 今後とも、私学がその役割を十分に果たしていくことが教育の再生にもつながっていく、このように認識をしている次第でありまして、私学の振興にもしっかりと力を入れていきたいと、このように思います。
#221
○鰐淵洋子君 私立学校には、創立の精神、また建学の精神の下に多様な教育機会を提供しておりまして、教育の分野はもちろんでございますが、この日本社会においてもその果たしてきた役割は大変に大きいものがあると私も認識をしております。
 そこで、今回の地教行法二十七条の二に、「都道府県知事は、」「私立学校に関する事務を管理し、及び執行するに当たり、必要と認めるときは、当該都道府県委員会に対し、学校教育に関する専門的事項について助言又は援助を求めることができる。」、このように規定をされております。この規定に対しましては、私立学校に対して個別事案について介入を想定しているのではないか、また私学の自主性、建学の精神を損なうことになるのではないか、このような懸念がございます。
 そこで、改めましてこの二十七条の二の規定の趣旨についてお伺いをしたいと思います。
#222
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私立というのは、もう正に今委員がおっしゃったように建学の精神、それぞれ私立固有の言わば建学の精神を大切にしているんだろうと、このように思います。そして、教育についても、私立それぞれの考え方の下に教育を実践をしているわけであって、このような私学の自主性を損なってしまっては私学が私学たり得なくなっていくんだろうと、このように思います。
 今回の地教行法の改正案第二十七条の二の趣旨は、これはもう委員も御承知のとおりだと思いますが、知事が必要と認めるときは、教育委員会に対し、学校教育に関する専門的事項について助言又は援助を求めることができるとするものでありまして、私立学校に対する知事の権限をこれは変更するものではないわけでございます。したがって、私立学校の自主性を損なうことにはならないと、このように考えております。
#223
○鰐淵洋子君 今総理の方からも、この二十七条の二の規定は私学に対する知事の権限を変更するものではない、私立学校の自主性を損なうものではない、そのように御答弁をいただきましたが、やはりこの建学の精神に基づく独自性、自主性、これが薄れていくのであれば私学の存在意義も薄れていきますので、この二十七条の具体的な運用に当たりましては、繰り返しになりますが、私学の自主性、独自性が損なわれないように再度要望させていただきたいと思いますが、そこで、それがどのような形で担保されるのか、お伺いをしたいと思います。
#224
○国務大臣(伊吹文明君) ただいま総理から御答弁を申し上げたことですべては尽きておりますが、私学は大変大切な役割を果たしていただいておりますし、建学の精神というものも当然これは尊重されねばなりません。
 しかし、同時に、公教育の一端を担っておられるわけですから、国民の代表がお集まりになっている国会で決められた法律はやっぱり守っていただかなければならないので、その法律が守れないような場合、これは本来知事部局が、例えば未履修のような問題が起こったときには、指導主事が本来知事部局にいて、そして知事部局から私学にいろいろお話を申し上げるというのが筋だと思いますけれども、なかなか指導主事のような方がおられないので、その場合には、私学とも御相談をした上で教育委員会の助けをかりるということです。
 この法律を作るに当たって総理から私にございました御指示は、この規定を置くと同時に知事部局に、これは地方自治ですから強制はできませんけれども、指導主事その他を置くように促して、できるだけ教育委員会の手を煩わさずにという趣旨だと思いますから、そこは私どもも十分注意をして知事部局にお話をしたいと思います。
#225
○鰐淵洋子君 しっかりと対応をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、地球環境問題について総理にお伺いをしたいと思います。
 先日開催をされましたサミットにおきましては、環境サミットとしてポスト京都議定書の枠組みづくりへ一歩踏み出したものになったと思っております。総理御自身も、この環境問題を取り上げた今回のサミットは来年の大切な基礎になる、環境立国日本として気候変動問題を主要課題として取り上げる、このようにおっしゃっておられます。
 この地球環境問題、これは世界の最重要課題ということで共通の問題でありますし、この解決を図るためには、やはり国民の皆様のお一人お一人の意識変革、御理解が重要になってくるかと思います。そこで、そのまず原動力となりますのが私は環境教育であると思っております。学校におきまして、また地域、家庭におきまして、この環境教育を図ることによりまして、国民の皆様一人一人とともにこの問題に取り組んでいく、これも重要であるかと思っております。
 それと併せまして、学校におきましても、学校自身もこのCO2削減の取組を具体的に取り組んでいく、これも重要な取組ではないかと思っております。平成九年からエコスクールパイロット事業、これは太陽熱、風力を使ったり、また屋上緑化の推進、こういったものをパイロット事業として幾つかの学校で取り組まれていることでございますが、この事業を、本格的な運用を更に進めることによりまして、学校自身もこのCO2削減、この地球温暖化の取組、しっかりと役割を果たしていく、これも重要ではないかと思っております。
 これからこの地球環境問題に取り組んでいきますこの学校、教育の場におきまして、どのように取り組んでいかれるのか、この総理の御決意も併せてお伺いをしたいと思います。
#226
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員のおっしゃった地球温暖化の問題、これはもうすべての国々がお互いが協力をして取り組まなければ解決できない問題だろうと、このように思います。だからこそ、G8の場におきましても、ヨーロッパと、EUと米国、少し距離があったわけでありますが、しかしここは決裂をしてはならないということで、二〇五〇年までに五〇%排出をするという、まあ日本の提案を含む、EUの提案もそうなんですが、こうした提案を真剣に検討するということでまとまったわけでございます。
 この目標に到達をするためにも、また、日本においては京都議定書の目標に到達をするためにも、産業界だけではなくて、国民みんなの意識を変えていっていただかなければならないわけでありまして、協力が不可欠であります。そしてまた、二〇五〇年という非常に長いスパンで我々目標を掲げておりますから、子供たちも言わばその意義を理解をしていただき、そういう観点からいろんなことに取り組んでもらう必要があろうと、こう思います。
 六月の一日に二十一世紀環境立国戦略を閣議決定をいたしましたが、この戦略の中の一つに二十一世紀環境教育プランがございます。この中で、いつでも、どこでも、だれでも環境教育に取り組むことができるように、学校、家庭、地域等を通じた環境教育の充実を図ることと、このようにしているわけでございますし、また、今回というか、昨年の臨時国会で改正をいたしました教育基本法の中におきましても、生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うことを新たに規定もしているわけでございまして、学校の教育の現場におきましてもこうした趣旨を踏まえて、各教科等で環境学習や原体験を、自然体験等も含めて充実を図ってまいりたいと、このように思っております。
 そしてまた、今委員が指摘されましたエコスクールの整備は推進をしていかなければいけないと、こう考えている次第でございます。
 今後とも、子供たちが環境問題を身近に感じ、そして、これはやはりみんなで取り組んでいかなければいけない問題であると、また、取り組んでいくためにはどうしたことが必要かということを学んでいくことができる、やっぱりそういう環境を整備していきたいと、このように思います。
#227
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 それでは、最後に総理に御決意をお伺いしたいと思いますが、総理御自身も教育が最重要課題であるということで、教育基本法の改正、また教育関連法案の改正ということで、そのほか、いじめ問題、未履修問題等しっかりと指揮を執っていただきまして対応させていただいておりますが、今後もこの教育課題、最重要課題として、予算の財源の確保も含めてしっかりと取り組んでいくという、最後、御決意をお伺いをしたいと思います。
#228
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教育の再生は私の内閣の最重要課題でございます。日本の未来を切り開いていくのは子供たちであります。人材への投資、当然私どもこれを最重要視していかなければいけない、このように思っております。社会総掛かりでこの教育の再生に取り組んでいく中において、私も総理としてその責任を果たしていかなければいけないと、こう決意をいたしておる次第でございます。
#229
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 私たちもしっかりとより良い教育、また子供たちのための教育実現のために全力で頑張ってまいりたいと思っております。
 以上で終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#230
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 まず、今日の一日の審議を通じても様々な重要な問題が浮かび上がっております。まだまだ審議が必要だということを与党の皆さんに強く申し上げておきたいと思います。
 今日は、全国学力一斉テストについて聞きます。
 小学校六年生百十七万人、中学三年生百十六万人が参加して四月に行われました。今採点が行われておりますが、中学校の採点は、このテストの委託を受けたNTTデータが人材派遣会社を通して派遣労働者を使って採点を行っているはずですが、この採点に携わっている全体の人数、そして派遣会社ごとの受入れの人数がどのようになっているでしょうか、お答えください。
#231
○政府参考人(銭谷眞美君) 全国学力・学習状況調査につきましては、小学校、中学校ともそれぞれ委託先に採点を依頼をして、今実施をしていただいております。中学校は、NTTデータの管理の下、採点基準に基づきまして、派遣会社から派遣をされました採点者により今採点が行われております。
   〔理事中川義雄君退席、委員長着席〕
 中学校の採点業務にかかわっている全体の人数は、六月の十五日時点で約三千人でございます。そのうち、派遣会社から派遣をされました登録採点者は約二千七百人でございます。派遣会社から派遣をされましたその派遣先の会社でございますけれども、合計で十一社でございます。
#232
○井上哲士君 約二千七百人の派遣の人が来ているという話がありました。私が調べますと、大体八割ぐらいがグッドウィルから派遣をされております。NTTデータというのは、今問題の消えた年金にかかわる社会保険庁のオンラインシステムを受注していた会社です。そして、このグッドウィルは介護の不正請求で問題になっているコムスンの親会社と、こういうことになっているわけですね。教育には本来縁のない二つのところです。その下で今どういうことが起きているか。
 先日、朝日新聞に「学力調査、採点混乱」と、こういう記事が出ております。中三の記述式問題で正誤の基準が途中で変わったり、作業現場の責任者の判断が食い違うなど、混乱が生じている。国語のある問題を受け持った男性は、採点が始まって間もない五月半ばには大混乱になったと話す。あらかじめ示された正誤の判断にない解答が幾つも出てきて、マル・バツの正誤例が次々と張り出された。前日まで誤りだった解答例を正解にすると指示され、同じ問題の採点者同士でマルでよかったのか、随分バツにしちゃったよと顔を見合わせたこともあるという、こういう中身でありまして、重大だと思うんですね。実は、これ同じようなお話は私どものところにも直接寄せられておりましたし、ネットを見ますと掲示板に随分同種の書き込みもあります。
 実はこれだけではないんですね。例えば、数学の問題で採点をされた方から直接訴えがありました。これは今回の学力調査の中学校三年生数学Aの問題です。(資料提示)この直線の比例のグラフをyとxの式で表しなさいと、こういう問題なんですね。正解はこのy=2xでありますが、子供たち、いろんな解答を書きます。y=2x+0と書いた子もいるんですね。
 総理、これは正解だと思いますか、誤りだと思いますか。
#233
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは正解だというふうに私は聞いております。
#234
○井上哲士君 その答弁は正解です。
 ところが、これ最初はバツだったんですね。途中からマルになりました。正に判断基準の変更によるものなんです。ですから、同じ解答でもマルの子供が出たりバツの生徒が生まれるということになれば、これで子供の学力の到達度の参考にする、これはやっぱりとんでもないことだと思うんですね。
 文部科学省にお聞きしますけれども、この採点の判断基準の変更がいつ行われたのか、どういう、何人の採点が終了した時点だったのか、把握されているでしょうか。
#235
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、中学校の記述式問題に関する実際の採点作業に当たりまして、これはあらかじめ採点基準を決めまして、それに基づいて採点が行われるわけでございますが、具体的な解答の当てはめについて打合せを重ねて見直しなどが行われている状況はございます。現在、文字どおり見直しの後、採点作業を行っている段階でございます。
 それから、ただいまお尋ねのございました中学校の数学の問題でございますけれども、これは中学校の数学Aの冊子における調査問題でございます。この問題におきましては、当初からy=2xのみならずy=2x+も正答となるように作業は進められておりました。具体的な採点作業は、その際にそのy=2x+というのは典型的な正答でございますy=2xと同じところに本来分類すべきところを、実際の答案を用いた研修の期間中に様々な解答の分類例を示した資料におきまして、その他の正答の欄にy=2x+0が掲載をされるというミスプリントがございました。これは研修の段階において訂正を行って、採点者に周知を図ったところでございます。
 そこで、この問題は、実際の答案を用いた研修期間、これは四月の二十四日から五月の八日まででございますけれども、この研修期間中におきまして、資料のミスプリントを訂正をし、採点者に内容の周知を行ったところでございます。実際の集計のための採点作業はその後に行われておりますので、採点作業においては影響がなかったものでございます。
#236
○井上哲士君 私たちが直接お話聞いている話とは違います。実際に採点をされている方が途中から基準が変わったと、こう言われているんですね。
 それで、非常に私は今のは無責任な答弁だなと思って聞いたんですが、いろんな問題がこれ以外にもあります。ほかにも採点の判断が変わったものはたくさんあると関係者から聞いているんですね。今消えた年金問題が国民的怒りを呼んでいますけれども、点数が消えてしまうということになりかねないわけでありますから、これはきちっと私は調査してもらう必要があると思うんです。
 これは一体どういう変化や追加が行われたのか、そしてちゃんと最初からやり直されているのかと。これ、契約書では中間報告を出せるようになっているんですから、これ是非命じてこういう問題を正すべきだと思いますが、これ総理、いかがでしょうか。
#237
○国務大臣(伊吹文明君) 御指摘のような事実が判明いたしておりますので、答えをした児童生徒に不利益のないようにもう一度解答をきちっと見直すように私から指示してあります。
#238
○井上哲士君 これ、現場でいろんな判断をしている部分もあるんですね。ですから、これは是非全貌を私は調べてやはり出させたいと、出さしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#239
○国務大臣(伊吹文明君) よく事情を聴いてみますが、御指摘のようなことがありましたので、もう一度解答をきちっと見直すように私から指示をしてあるということを申し上げてございますので、児童生徒に不利益のないようにきっちりと見定めてやらしていただきます。
#240
○井上哲士君 なぜこういう混乱が起きたのかという問題なんですね。
 そもそも、テストの採点というのは、これは教育の一環なんですね。同じバツでも、何にも書いていない子もいる、それから問題を取り間違えた子もいる、計算間違いをした子もいる、それを現実に教育をした人が採点をして、ああ、この子はここが分かっていない、自分の教え方はここが問題だと、こういうふうにやる、正に採点なんですよ。それが教育なんですよ。それを全くの素人集団に任せてしまっている、ここに私は大きな問題があると思うんですね。
 なぜこういうことになったのか。元々、文部科学省は今回のテストを児童生徒の学力、学習状況を把握、分析するためと説明をしておりました。それならば、一部の学校や子供を抽出するやり方でいいわけです。現にそういうこともやられておりました。そして、教師は日常的に子供の理解の度合いを確認しながら授業を進めているわけですね。これでいいんですよ。にもかかわらず、全国一斉、全国でやるということにこだわった。その結果、こういう教育と無関係なところに事実上丸投げをすると、ここで混乱が起きているんですね。
 結局、この学力テストの実施を決めたときの中山文部科学大臣は、全国学力テストをやって競い合う教育をと、こういうふうに言っておられました。そして、総理も、あの美しい国という本の中で、この学力テストを公表して、そして学校選択制の導入などを言われてきました。
 つまり、結局、競争教育の材料に使うということがあったからこの全国実施にこだわり、その結果こういう事態が起きているんじゃないでしょうか。総理、いかがでしょうか。
#241
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この学力調査については、やはり全国で一律に実施をすることによってそれぞれの学校の状況を把握をすることができるわけでありますし、学校にとっても自分たちの学校の教育の成果がどうなっているかということを把握することもできるのではないかと、このように思うわけでございます。
 そして、当然その中において実績を上げているという学校も分かるわけでありますから、そういう学校のノウハウ、やり方等を全国で共有をしていくということにも私はつながっていくという意味において私は有意義であろうと、このように思います。
#242
○井上哲士君 答案用紙は子供のところに返ってこないんですね。点だけしか返ってこないんです。ですから、さっき言ったような何も書いてないとか問題を取り間違えたとか、そういうことは自分でも検証できないですよ。ですから、何か教育条件や到達を検証すると言いますけれども、そもそもそういうものになっていないんですね。
 しかも、私たちは実施する前から様々な警告をいたしました。結局、テストで測れる本当の狭い部分だけを競わせることになるんじゃないか。恐れていた事態が起きているわけですね。例えば、これは広島のある町の教育委員会でありますけれども、直前に類似の問題集を配付をして小中学校長に取組を指示していたと、こういうことが起こりまして、非常に大きな問題になっております。独自の問題集を配付して、時間配分とか解き方を児童生徒に指導する。ですから、正にテストのためのテスト、競争のための競争が行われるじゃないかということが現に事実になってきているんです。私たちが警告したとおりです。
 こういう実態について、総理はどういう御認識でしょうか。
#243
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げましたように、教育のそれぞれの成果として、学校全体でどういう成果が出ているかということを把握をするための試験と言ったらいいんではないかと、このように思うわけであります。
 一人一人の子供たちについて細かな、きめ細かな指導は指導としてちゃんと行っていかなければいけない、そのための試験等は別途それぞれの学校等、それぞれのクラス等について行われるんだろうと、このように思うわけでありますが、この全国の学力調査については、一律に行うことによってそれぞれの学校の成果等の、今どれぐらい出ているかということは分析できるのではないかと、このように思います。
#244
○井上哲士君 一律にやることによって問題が起きているということを私は具体的例を挙げて指摘をしているんです。
 今回の法案には学校評価も盛り込まれております。学力テストの結果がその一つに使われる可能性もあるわけですね。そのほか、愛国心の強要とか、文科省による地方教育への介入とか、私学の自由の介入とかが可能になってきている。私は、こういう国の管理と統制、競争を持ち込むことによって子供たちにとっては大変なことになる、こんな法案は徹底審議の上、廃案にするべきだと最後述べまして、質問を終わります。
#245
○委員長(狩野安君) 安倍内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
#246
○委員長(狩野安君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小泉顕雄君が委員を辞任され、その補欠として岡田広君が選任されました。
    ─────────────
#247
○委員長(狩野安君) 他に御発言もなければ……(発言する者多く、議場騒然)学校教育法等の一部を改正する法律案、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案及び教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案、以上三案に対する質疑は終局したものと認めることに御異議ございませんか。(発言する者多く、議場騒然)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#248
○委員長(狩野安君) 速記を起こしてください。速記を起こしてください。
 御異議、速記を起こしてください。御異議……(発言する者多く、議場騒然)ちょっと静かにしてください。席へ戻ってください。御異議、速記を起こしてください。御異議あるときは……(発言する者多く、議場騒然)採決をいたします。
 学校教育法等の一部を改正する法律案、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に、法律の一部を改正する法律案及び教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案、以上三案に対する質疑を終局することに賛成の方は御起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#249
○委員長(狩野安君) 多数と認めます。よって、よって三案に対する質疑は終局することに決定いたしました。
 これより三案について討論に入ります。討論、討論に入ります。──討論がない……(発言する者多く、議場騒然)別に御意見がないようですので、討論は終局したものと認めて、認めて御異議ございませんか。(発言する者多く、議場騒然)
   〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
#250
○委員長(狩野安君) 御異議……(発言する者多し)討論を終局することに賛成の方の御起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#251
○委員長(狩野安君) 多数と認めます。
 これより順次採決に入ります。
 まず、学校教育法等の一部を改正する法律案の採決を行います。(発言する者多し)
 本案に賛成の方の御起立をお願いいたします。
   〔賛成者起立〕
#252
○委員長(狩野安君) 多数と認めます。(発言する者多く、議場騒然)よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。(発言する者多く、議場騒然)起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#253
○委員長(狩野安君) 多数と認めます。(発言する者多く、議場騒然)よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#254
○委員長(狩野安君) 多数と認めます。(発言する者多し)よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(発言する者多く、議場騒然)
 この際、鰐淵洋子君から発言を求められておりますので、これを許します。鰐淵洋子君。(発言する者多し)
#255
○鰐淵洋子君 私は、ただいま可決されました……(発言する者多く、議場騒然)私は、ただいま可決されました学校教育法等の一部を改正する法律案、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案及び教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。(発言する者多く、議場騒然)
    学校教育法等の一部を改正する法律案、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案及び教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、教育は、我が国の将来を託す世代を育成する国政の最重要課題であることにかんがみ、国家的先行投資である教育予算の一層の拡充に努めること。
 二、各学校が、多様な子どもの実態や地域の状況を踏まえた創意工夫ある教育課程の編成を通して、学校種ごとの目標を達成できるようにすること。
 三、教員の多忙化を解消し子どもと向き合う時間を増やすなど教育の充実のため、小学校高学年での専科教員の増、習熟度別指導・少人数教育の拡充など、教職員定数の改善に努めるとともに、学校事務職員の任務を踏まえた有効活用、学校のICT化及び事務の外部委託化並びに外部の専門家及び地域人材の活用に努めること。
 四、副校長等の新たな職を置く際には、教員間の適切な役割分担に資すると同時に、学校が保護者や地域住民の期待に十分に応えられる体制となるよう必要な定数を確保するとともに、職責に応じた処遇が図られるよう努めること。また、地方自治体や学校の実態を踏まえた配置がなされるよう努めること。
 五、学校評価のガイドラインについては、各教育委員会及び学校による、地域の実情に応じた創意工夫に基づく学校評価の実践を尊重するとともに、評価結果が学校の序列化につながらないよう留意すること。また、学校評価の結果等教育活動に関する情報の積極的な提供を促すこと。
 六、我が国の大学が人類の文化を継承発展させる知の拠点として、質の高い教育研究を行うとともに、将来にわたり国際社会を始め広く社会に貢献できるよう、基盤的経費を拡充するとともに、競争的資金を確保するなど必要な支援に努めること。
 七、文部科学大臣が是正の要求や指示を行う以前に、地方自治体において地方自治の力を発揮するよう要請すること。また、文部科学大臣が是正の要求や指示を行うに当たっては、十分な情報に基づいた、慎重な運用に努めるとともに、紛争処理に関しては、地方自治法の適正手続を必ず踏まえること。
 八、文部科学大臣が地方教育行政の組織及び運営に関する法律による是正の要求や指示を行うに際し、首長は教育委員会に対して支援等を行うこととすること。
 九、知事が都道府県教育委員会に対し、学校教育に関する専門的事項について助言・援助を求める際には、私立学校と協議するものとし、教育委員会は私立学校の自主性を尊重すること。
 十、私立学校が全国、全学校一律の法律上の義務を担保できるよう、知事部局に学校教育に関する専門的知識を有する者を配置するなど体制の充実を促すこと。
 十一、教員免許更新制の円滑な実施に向け、教員及びその他の免許状保持者等に対して制度の十分な周知を図ること。また、更新制の導入に伴う免許状授与原簿の管理システムの構築と運用に当たっては、遺漏なきよう万全を期すること。
 十二、国公私立のすべての教員の免許状更新講習の受講に伴う費用負担を軽減するため、受講者の講習受講の費用負担も含めて、国による支援策を検討すること。
 十三、教員の資質能力の向上という免許状更新制度の趣旨を踏まえ、任命権者は、学校現場の実態に即し、各教員の受講期間を的確に把握し、教員の安全と健康に配慮しながら受講機会の確保とともに受講時の服務の取扱いについても必要な配慮を行うこと。
 十四、免許状更新講習の内容については、受講者に対する事前アンケート調査の実施、講習修了後の受講者による事後評価及びこれらの公表を行うなど、受講者のニーズの反映に努めること。また、多様な講習内容、講習方法の中から受講者が選択できるような工夫を講ずること。
 十五、へき地等に勤務する教員や障がいを有する教員が、多様な免許状更新講習を受講できるよう努めること。
 十六、現職研修と免許状更新講習との整合性の確保、特に十年経験者研修の在り方について検討すること。
 十七、法施行後の実施状況を見極めた上で、現職教員以外の者であって教員免許状を授与されたことのある者の免許状更新講習の受講要件を拡大する方向で検討すること。
 十八、大学における教職課程の見直し、社会人の教員採用など、養成・採用・研修を通じた教員の質の向上に努めること。
 十九、教職に優秀な人材を確保するため、人材確保法の存続と教員の勤務実態を踏まえた給与財源の確保に努めること。
 二十、指導改善研修に係る教員の認定に当たっては、任命権者による公正かつ適正な認定が行われるよう努めること。また、認定に当たっては当該教員の意見を述べる機会を設けるなど配慮すること。
 二十一、学校は児童生徒が一日の大半を過ごす場であるとともに、地域住民の避難場所としての役割も果たしていることから、すべての学校施設の速やかな耐震化のために必要な措置を講ずること。
 二十二、スポーツ等部活動を活発化するための支援を充実し、スポーツ指導者等の処遇改善に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#256
○委員長(狩野安君) 本附帯決議の、決議案に賛成の方の起立を願います。(発言する者多く、議場騒然)
   〔賛成者起立〕
#257
○委員長(狩野安君) 多数と認めます。よって、鰐淵君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、伊吹文部科学大臣から発言を求めておられますので、この際、これを許します。伊吹文部科学大臣。(発言する者多し)
#258
○国務大臣(伊吹文明君) ただいま御決議いただき、ただいまの御決議につきましては、その趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
#259
○委員長(狩野安君) なお、各法律案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#260
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト