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2007/03/20 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 財政金融委員会 第5号
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2007/03/20 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 財政金融委員会 第5号

#1
第166回国会 財政金融委員会 第5号
平成十九年三月二十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     大塚 耕平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         家西  悟君
    理 事
                中川 雅治君
                野上浩太郎君
                大久保 勉君
                峰崎 直樹君
    委 員
                泉  信也君
                金田 勝年君
                椎名 一保君
                田中 直紀君
                舛添 要一君
                山下 英利君
                池口 修次君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                富岡由紀夫君
                広田  一君
                円 より子君
                西田 実仁君
                山口那津男君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣     尾身 幸次君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        山本 有二君
   副大臣
       財務副大臣    富田 茂之君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  土屋 正忠君
       農林水産大臣政
       務官       永岡 桂子君
       経済産業大臣政
       務官       高木美智代君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       内閣府審議官   浜野  潤君
       内閣府大臣官房
       審議官
       兼内閣府計量分
       析室長      齋藤  潤君
       金融庁総務企画
       局長       三國谷勝範君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   中江 公人君
       金融庁監督局長  佐藤 隆文君
       総務大臣官房審
       議官       椎川  忍君
       財務大臣官房長  杉本 和行君
       財務大臣官房総
       括審議官     勝 栄二郎君
       財務省主計局次
       長        松元  崇君
       財務省主税局長  石井 道遠君
       財務省理財局長  丹呉 泰健君
       財務省理財局次
       長        小手川大助君
       国税庁次長    加藤 治彦君
       社会保険庁総務
       部長       清水美智夫君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
   参考人
       国民生活金融公
       庫総裁      薄井 信明君
       国際協力銀行総
       裁        篠沢 恭助君
       日本政策投資銀
       行総裁      小村  武君
       日本銀行理事   山口 廣秀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十九年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十九年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(金融庁)、財務省所管、国民生
 活金融公庫、日本政策投資銀行及び国際協力銀
 行)
○平成十九年度における財政運営のための公債の
 発行の特例等に関する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査並びに平成十九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省主税局長石井道遠君外十四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(家西悟君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査並びに平成十九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として日本銀行山口廣秀君外三名の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(家西悟君) 去る十五日、予算委員会から、三月二十日の一日間、平成十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、国民生活金融公庫、日本政策投資銀行及び国際協力銀行についての審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 委嘱されました予算について順次政府から説明を聴取いたします。尾身財務大臣。
#7
○国務大臣(尾身幸次君) 平成十九年度一般会計歳入予算並びに財務省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入予算額は八十二兆九千八十八億円余となっております。
 この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十三兆四千六百七十億円、その他収入は四兆九十八億円余、公債金は二十五兆四千三百二十億円となっております。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は二十二兆六千五百四十億円余となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、国債費は二十兆九千九百八十八億円余、政府出資は千九百十四億円余、予備費は三千五百億円となっております。
 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。
 国債整理基金特別会計におきましては、歳入百九十九兆二百三十六億円余、歳出百七十九兆二百三十六億円余となっております。
 このほか、地震再保険等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。
 国民生活金融公庫におきましては、収入千八百八十四億円余、支出千四百六十二億円余となっております。
 このほか、日本政策投資銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
 なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明に代えさせていただきますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#8
○委員長(家西悟君) 山本内閣府特命担当大臣。
#9
○国務大臣(山本有二君) 平成十九年度における内閣府所管の金融庁の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。
 金融庁の平成十九年度における歳出予算要求額は二百二十億五千九百万円となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、金融庁の一般行政に必要な経費としまして百五十六億六千八百万円、金融行政情報化推進に必要な経費としまして二十三億四千六百万円、金融庁の移転に必要な経費としまして十五億五千二百万円を計上いたしております。
 以上をもちまして、平成十九年度内閣府所管の金融庁の歳出予算要求額の概要の説明を終わります。
 よろしく御審議くださいますようお願いいたします。
#10
○委員長(家西悟君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 なお、財務省所管の予算の説明については、別途配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#12
○山下英利君 おはようございます。自由民主党の山下英利でございます。
 本日の財政金融委員会、委嘱審査ということで、まずトップバッターとして質問に立たせていただきたいと思います。予算委員会の席では尾身財務大臣にちょっとお話を伺うことができませんでしたけれども、今日は委嘱の審査の中で十分に御説明をいただきたいと、そういうふうに思っております。限られた時間でございますから、細かい話がなかなか通るかどうか、それは分かりませんけれども、私はまず、今回の予算における特別会計の問題に焦点を当てまして質問をさせていただきたいなと、そのように思っております。
 特別会計というのは、やはり一般会計に比べて非常に大きい金額がありながら、国民から見ると非常に分かりにくいと常々言われてきたところでありますけれども、この特別会計に関する法律案につきましては別途法律案としてまた細かい法案の中身についての審議を控えているというところでございますけれども、本日は私から、この法案の骨格と申しますか、この特別会計改革を進める上での大臣としての基本的なスタンス、これを伺いながら質疑を進めさせていただきたいと思います。
 まず、今回の特別会計の改革によって平成十九年度予算にどのような影響が出ているか、その点につきまして簡単に御説明をちょうだいしたいと思います。
#13
○国務大臣(尾身幸次君) 特別会計改革につきましては、行政改革推進法に定められました特別会計の統廃合、平成二十三年度までに現行三十一会計を十七会計にするというものでございます。それから、余剰金の処理等の一般会計と異なる取扱いの整理、さらに特別会計に係る情報開示を実施する法律案といたしまして特別会計に関する法律案を国会に提出しているところでございます。
 十九年度の特別会計予算につきましては、現行三十一ある特別会計のうち六会計が三会計に統合され二十八会計になる、すなわち厚生保険と国民年金を統合して年金特別会計をつくる、電源開発促進対策と石油及びエネルギー需給構造高度化対策を統合してエネルギー対策特別会計をつくる、食糧管理と農業経営基盤強化措置を統合して食料安定供給特別会計をつくるという三つでございます。五年間で二十兆円程度の財政貢献という行革推進法の趣旨を踏まえまして、今回の法律案に基づきまして特別会計の余剰金等一・八兆円を一般会計に繰り入れ、財政健全化への貢献を実現することとしております。
 いずれにいたしましても、今後とも国全体の歳出、歳入の合理化、効率化の観点から特別会計の徹底した見直しを進めてまいりたいと思っております。
#14
○山下英利君 ただいま御説明いただきました。ありがとうございました。
 なお、この特別会計と申しますのは、財政法上特定の歳入をもって特定の歳出に充てる方が財政運営上効率的であるというような場合に特別会計が用いられるわけでありますけれども、我が国の財政需要の拡大に従いまして、どちらかというと一つ一つの目的の区分けという中で特別会計がどんどん増えてきた、同時に改廃も行われてきたわけでありますけれども、総数としては増加をしてきた、そういった傾向にあります。
 実際に、日本のインフラを整備する意味では、非常にこの急速な発展の中で特別会計の持っていた役割というのは大変大きいものがあったと、そのように私も認識しているところでありますし、与野党の皆様問わずここのところは御承知をいただいているところだと思いますが、私も参議院の予算委員会、決算委員会の質疑に立たせていただいた中でも、いつもやはり特別会計というのが一般会計の陰に隠れてしまっている、国民から見ると、あるいはマスコミの報道なんかを見ておりましても、特別会計自体が悪いものであると、そのような印象をぬぐえなかったところがございまして、やはりその目的、そしてその中身をきちっと説明することによって、改めてこの特別会計の意味というものを国民に理解してもらわなきゃいけないんではないかと。
 そういうふうな観点から、財務省に対しましても、特別会計のもっと分かりやすい資料を作っていただきたいというお願いを再三させていただいておりました。それで、今年の四月に財務省からようやくこの「特別会計の話」という特別会計に特化した説明書を出していただきました。これは非常に私自身有り難いことだと思いましたし、非常に分かりやすい第一歩だなと思います。
 しかし、ここで改めて申し上げさせていただくと、これだけ分厚いものですと、興味があって、それでそれなりの知識のある方にとっては非常に分かりやすいでしょうと。しかし、一般の国民の皆さんが特別会計と言われたときに、テレビなんかでふわあっと流されるものに対してあれはこうだというふうに判断をされるには、ちょっとこれが分厚過ぎるのではないかなと。もう少し、できるだけ分かりやすい形でおまとめをいただけるようにお力添えをよろしくお願い申し上げたいと思います。
 そこで、ただいま大臣の方からお話もございました、三十一特別会計を将来的には十七の特別会計にまとめましょうと、そういう話でございます。しかしながら、特別会計は、特別会計を必要以上に拡大することで分かりづらくなっている。ですから、三十一特会が十七の特会に少なくなりますよという形だけでは、まだ全体的な規模というものも見えにくい。そして、この平成十九年度予算における特別会計自体の歳出のベースを見ましても、総額が四百六十兆円から三百六十二兆円、約九十九兆円ですか、縮小をしております。そして、純計ベースでいえば、前年の二百二十五兆円から百七十五兆円、約五十兆円少なくなってきております。
 言ってみれば、特別会計を整理統合することによってその歳出規模というのも縮小をすることができるんだという一つの目安にはなるわけですが、依然として八十兆円を超す一般会計、これの約二倍以上の規模があるということから、これだけの規模があったら何か無駄遣いの温床になっているんではないかなという声が出てきても、これは、ここをしっかりと説明をして、そうではないんだということに努めていかなければいけないというふうに思っておるところでございます。
 この問題視されている点につきましても、やはりかつて塩川大臣が母屋でおかゆ、離れですき焼きと言った有名な言葉がありましたけれども、これが、特別会計自体悪いものだというふうに伝わっているところというのも私は否めない点で、特別会計と、あるいはいわゆる目的税化している特定財源、これがもう混同されているというようなところも多分にあるというふうに思っております。私もできるだけというか、国民の皆さんが分かりやすい形という説明に努めていかなければいけないというふうに思いまして、特別会計に関する最近の様々な批判を整理してみましたが、これはやはり歳出が巨大であって無駄が多いという批判が多い。それから、余剰資金がたまってしまっていて、これを活用すれば財政の再建が可能だというふうな声もございます。
 しかし、一方ではこれは、先ほどちょっと申し上げたように特定財源、いわゆる目的税の部分で予算編成上の都合というか、例えばシーリングみたいなものによって余ってしまっているというような声もあるところであります。これは、特別会計だけではなくて一般会計にも含まれていることなんですが、この特定財源というものの見方がすなわち特別会計だというふうに考えている方も少なくないというか、むしろ多いんではないかなと、そういうふうに思っております。
 したがって、この特別会計、非常に分かりづらくて国民の監視の目がなかなか行き届かないと。だからこそ、特別会計はもういっそのこと全廃してしまって、一般会計一本で、そして審議をやった方が分かりやすいんではないかといったような意見、これは私は大変むしろ混乱を来すんではないかなというふうに思っているところなんですが。
 こうした批判に対して、政府として、今後この特別会計の改革を通じてどのようにこの批判にこたえていかれるおつもりなのか、大臣の御所見をちょうだいしたいと思います。
#15
○国務大臣(尾身幸次君) 特別会計の在り方につきまして、いろんな今お話しのような批判があるということは承知をしております。
 まず、無駄遣いの問題について、特別会計の歳出総額が三百六十兆円ありますが、その特別会計間の資金の入り繰りなどという重複の計上分を除いたものが百七十五兆円であります。この内訳は、国債償還費、利払い費七十八・九兆円、地方交付税交付金等十四・八兆円、社会保障給付五十一・四兆円、財政融資資金への繰入れ十八・八兆円、その他十一・六兆円ということになっております。
 このうち、国債償還費、利払い費七十八・九兆円につきましては、財政構造改革全体の中で財政健全化を図ることを通じて対応してきているところでございます。
 地方交付税交付金等十四・八兆円につきましては、毎年度の地方財政対策の中で地方歳出の抑制などの改革を進めてきております。
 社会保障給付五十一・四兆円につきましては、持続可能な社会保障制度を構築する観点から改革を進めてきております。
 財政融資資金への繰入れ十八・八兆円につきましては、財政投融資改革の観点から対象事業の一層の重点化、効率化などの改革を進めているところでございます。
 その他の十一・六兆円につきましては、公共事業を始めとする事業の見直しのほか、これまでに特別会計の無駄遣いとして指摘を受けたものがすべてここに含まれていたことから、特別会計という会計制度そのものを切り口として、無駄遣いの排除の観点から改革に取り組んでおります。
 いずれにいたしましても、どの歳出分野にも聖域を設けることなく改革に取り組んでいくことは当然でございまして、特別会計の歳出純計全体について改革を進めてまいりたいと考えております。
 特別会計の余剰資金の財政健全化への活用についてでありますが、行革推進法におきましては、二十二年度までの五年間で剰余金等を活用して約二十兆円の財政健全化への寄与を行うことが定められておりまして、これを受けまして、今般の特別会計に関する法律案におきましては、毎年度の予算編成で特別会計の剰余金を一般会計への繰入れの対象とする共通ルールを策定したところであります。
 十八年度予算では約十三・八兆円、このうち財政融資資金の利益のたまり十二兆を含んでいるわけでございますが、十三・八兆円を繰り入れました。十九年度予算では約一・八兆円を繰り入れることとしております。
 今回の法案では、企業会計基準に準拠した特別会計の財務書類を会計検査院の検査を経て国会に提出することとし、その他特別会計の財務状況を示す情報をインターネット等の方法により開示することとしております。
 また、特別会計の統廃合につきましては、全廃をするといった議論につきまして、そのような対応は受益と負担の関係を見えにくくするといった面もあることから、政府としては、行革推進法制定の際に、事業の必要性、受益と負担の関係、事業の類似性などの観点から事務及び事業の必要性をゼロベースで精査をいたしまして、現行の三十一会計を二十三年度までに十七会計に縮減することといたしました。今回の法案は、この行革推進法を受けまして、その成果を実施に移すこととしているところであります。
 いずれにいたしましても、特別会計に関するこうした御批判に対しまして、政府として十分な説明責任を果たすことができるよう、今後とも特別会計改革に全力で取り組んでいきたいと考えております。
#16
○山下英利君 どうもありがとうございます。正に今大臣がおっしゃった方針に従って特別会計の改革、これを進めていただきたいと思います。
 そして、言ってみれば、今お話もございましたように、やはり個々の事業をしっかりと精査していって、そしてかつ効率を高めていく、財政上の効率を高めながら、やはり個々の事業をしっかりと推進できる体制をつくっていくということが一番肝要というか大事だと、そのように私も思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 正しいアプローチというのは、ただ単に数を減らせばいいんだということではないというふうに重ねて私からも申し上げておきたいと思います。そして、いわゆる会計において経理されている事務とか事業の見直しにおいては、徹底した精査をしながら無駄を省くということにはこれは不断の努力をしていかなければいけないと、そのように思っております。勘定ごとに割り振られているような、例えば人件費であるとか事務経費等経常経費等の効率化、これをどうすればできるかということは引き続き知恵を出していかなければいけない問題ではないかと、そのように思っておるところでございます。
 時間も限られておりますので特別会計の点につきましてはこの程度にとどめさせていただきまして、先ほど大臣の方からの、冒頭、審議における御説明にもありましたとおり、やはり今国債というものが大変予算の中で大きな位置を占めております。金利動向によってその国債費が大きく変動すると、そうすれば予算というものにも大変大きな影響が出てくるということでございますので、この国債の管理政策についてちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。
 平成十九年度予算では引き続き多額の国債発行、いわゆる借換債も含みますが、で国の予算を賄っていかなければならない状況であります。金利変動が最も影響する部分である、そういうふうに私も思っておりまして、安定消化にも細心の注意を払っていかなければいけないと。また、財政再建の道を付けても、この部分における細心の注意というのはまだ当分というか、これを続けていかなければ一定の方向性というものが、レールが外れてしまうというふうな、非常に大事なポイントだというふうに私は認識をいたしているところであります。
 その中で、国債、いわゆるJGBの国際化という、いわゆるインターナショナルの、国際化という点から外国人投資家へも拡大をしていくというお話が以前お聞きをしたところでありますが、現状まだ総発行額に対して、所有額に対しては五%程度というところにとどまっているというところでございますが、今後どの程度まで広げていかれるのか。そして、外国人投資家の比率が広がるということはまたある面じゃ別な課題もあるんではないかなというふうに思っております。その点についてのお話を伺い、そして一方、郵政の民営化によっていわゆる国債の大口所有者が今後民営化の方向へ進んでいく。いわゆる郵貯、簡保というところのこれからの国債保有の動向についてどうお考えになっていらっしゃるのか、またその対策、これについても伺わせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
#17
○政府参考人(丹呉泰健君) お答えいたします。
 まず、我が国の国債保有を海外投資家にどのように進めていくかという点につきまして、先ほど先生から平成十八年に五%ぐらいというお話ございました。
 御案内のように、我が国の国債の保有の状況を見ますと、銀行等の金融機関の保有割合が高く、市場の状況が変化した場合に市場参加者の取引が一方向に流れがちな傾向にあるとの指摘がございます。こうした点を踏まえ、財務省としては、国債の保有者層を多様化すれば様々な市場の見方や投資スタンスに基づいた国債取引が行われることとなり国債市場の安定化に資すると考えておりまして、これまで海外での説明会を行うなど海外の投資家の保有に努力してきたところでございます。
 ただ、議員御指摘のように、海外の投資家の保有については保有動機は様々でございまして、金利あるいはその他の市場の動向にも左右されることがございますので、私ども具体的に海外投資家の保有割合の目標については定めておりません。
 それから二点目として、郵政民営化に当たりまして郵貯、簡保の国債保有についてのお話がございました。
 郵政民営化関連法におきましては、本年十月の郵政民営化以前に契約されました郵貯、簡保につきましては、既契約といたしまして旧勘定で取り扱うこととし、その運用は引き続き国債等の安全資産により運用することとなっております。
 また、完全民営化に至るまでの移行期におきましては、保有国債等の安全資産の額の見通しを公表することとなっておりまして、こういった仕組みによりまして、現在大量に国債を保有している郵政公社の民営化に伴いまして国債市場に不測の事態が起こることのないよう、市場関係者に予測可能性を十分に配慮した制度設計となっております。
 また一方、私どもといたしましては、国債保有者の多様化を図る観点から個人向けの国債も発行しているところであり、家計の国債保有の促進にも努めているところでございます。
 こういったことで、郵政民営化は時間を掛けて完全民営化に至るということ、さらに、個人国債を含めて国債保有者層の多様化の推進などを行っておりますので、郵政民営化に伴いまして国債市場への影響につきましては適切に対応できると考えております。
#18
○山下英利君 もう時間が参りましたので私の質問をこれで終わらせていただきますが、どうか大臣、本当にまだまだ道半ばでございます。財政再建の道が付けられたといっても、それを処理するには細心の注意を払いながら財政運営をやっていかなきゃいけませんので、どうか引き続き財務省としましても細心の注意を払ってこの国債の管理政策進めていただきたいことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#19
○峰崎直樹君 おはようございます。民主党・新緑風会の峰崎でございますが、金融担当大臣、今日はニッコウはニッコウでもニッコウ違いの方をやりますので。
 今日は政策投資銀行の小村総裁においでいただきまして、日本航空の問題についてちょっとお伺いしたいなと思っております。この委員会でももう二回ばかり、政策投資銀行がほぼ事実上のメーンバンクになっていると思いますけれども、ちょっとやはり会計上いろんな問題があるんではないかということを指摘してまいりました。その都度、個別の問題に対してはなかなか答えられませんというのがずっと続くんですけれども。
 今日は総裁、たしか三千億円以上の、後で資料がございまして、お手元の資料を見ますと、これは〇四年の数字でございますが、政策投資銀行の融資先リストが並んでおります。上位、上から順番に、東京電力の六千六百八十七億四千四百万円以下、電力会社、航空会社、それから私鉄。本当に日本を代表するような優良メーカーが、優良企業が並んでいるわけでありまして、その上から四番目に日本航空というのがございます、三千六百二十三億六千四百万円と。これにこのたび六百億、まあ六百億すべてじゃないと思いますが、融資されると。DBJの、政策投資銀行のシェアが何と五割近くに達していると。ちなみに、格付はBBプラスというふうになっているそうでございますが。
 そのことはちょっと別にいたしまして、日本航空は、今までこの日本航空に対しては、これは二〇〇四年の数字でございますけれども、幾ら融資をされてきたのか。それから、三月末までに六百億円を追加融資で調達をし、そのうち四百五十億円を政策投資銀行がその融資に応ずるというふうに報道されているわけでありますが、これは事実なんでしょうか。
#20
○参考人(小村武君) 私ども金融機関といたしましては、上場企業に対する融資につきましては、公表資料で発表されたもの、それに基づいてお答えをするということしかできませんので、その点をお含みおきいただきたいと思うんですが、日本航空に対する私どもの貸付残高は、同社の有価証券報告書に記載されているとおりでございまして、十八年三月末で三千三百七十二億円でございます。
 それから、後者の御質問でございますが、先生御指摘のとおり、株式マーケット等への影響等をかんがみまして、私どもから個別具体的な融資案件について御説明をするということを差し控えさせていただきたいと思います。
 一般的に、金融機関といたしましては、融資申込みがあり、要請があり、それに基づいて私どもが審査を行い、その上で検討するということは通常の対応でございます。
#21
○峰崎直樹君 そうすると、まだ六百億円、まあ日本航空がどうしても必要だというふうに言って、リストラとかその他様々な努力をしながら、大体六百億円のめどが付いたと。そのうち四百五十億円政策投資銀行が追加融資をするということについては、それは事実かどうかも答えられないと、こういうことなんでしょうか。
#22
○参考人(小村武君) 具体的、個別の案件につきましては、私どもは、先ほど申し上げました融資の申入れがありました際には慎重に審査をし、また、言うべきことも言い、改善していただかなきゃいけないものについては具体的に要請をいたします。その結果、融資するかどうかの判断が行われます。
 本件につきまして、具体的に個別の問題について申し上げますとマーケット等に対する影響等もございますので、具体的なコメントを差し控えさしていただきたいということでございます。
#23
○峰崎直樹君 ちょっと不可思議なんですけど、政策投資銀行が四百五十億円融資をするということは、もう新聞その他、市場の関係者はみんな知っているわけですよ。それを総裁が、いや中身を明らかにすると市場に影響があるということで、どんな影響があるんでしょうかね。ちょっと、私どもはちょっと想定しかねるんですけれども。
#24
○参考人(小村武君) 私どもは、具体的な案件について、もろもろの案件について検討をしておることは確かであります。ただ、その結論も出ないうちに報道機関がいろんな報道をされたことについて、この席で私どもがコメントをするということを差し控えさしていただきたいと思います。
#25
○峰崎直樹君 委員長、ちょっと、出だしからちょっとこういう調子だったら、率直に申し上げて、政策投資銀行の言ってみれば国がある意味では株主になっているわけですね。ここでそのことがオープンにならなければ、いや本当に一体これはどうなっているんだろうなということで、なかなかこれから十分な論議をしていきたいというふうに思っておることについてのさっぱり論議が進みませんのでね。
 そこは、もう既に新聞報道その他で、あれは間違いだというんなら間違いだということをおっしゃっていただきたいんですが、私ども聞いている限りでは四百五十億だというふうに聞いておりまして、三月の三十日ごろにどうもいわゆる融資を実行するようだと、決定するようだと、こういうふうに聞いているんですが、そのこと自体もここでは話ができないと、こういうことなんでしょうか。
#26
○参考人(小村武君) 大変申し訳ございませんが、具体的な内容について、個別の事案についてお話を申し上げることは、それは株式マーケット等に影響もございます。ただいまのところは、私どもが個別の事案についてコメントをする段階ではないということを御理解いただきたいと思います。
#27
○委員長(家西悟君) ちょっと速記止めてください。
   〔速記中止〕
#28
○委員長(家西悟君) 速記起こしてください。
#29
○峰崎直樹君 小村総裁ですね、これは決して個別企業をためにするためにやっているんじゃなくて、本当にそこのところを国民に、今から融資されるとすれば、あるいは過去も三千数百億の融資されてきて、これはもう大切な国民の財産なんですよね。
 その財産で本当に我々が健全な企業に対する融資をしていくということは、全然これは問題ないし、必要なことだと思っておりますので、いわゆる、総裁としてというよりも、日本政策投資銀行としてその融資をするしないということについては今まで一度も公表されたことがないんでしょうか。新聞記者の皆さん方が発表されているのは、これは何に基づいてされているのか。もしそれが間違っているんであれば、間違いですよということをプレスリリースか何かをされているんでしょうか。その辺りはどうなっているんでしょう。
#30
○参考人(小村武君) 私ども、個別の事案について、融資する前に私どもから発表することはまずございません。それから、新聞報道について、これは間違っているとかそういうことをコメントしたことも一切ございません。これは、一対一の取引において、特に上場企業につきましてはマーケットに対する影響等がございます。例えば、私どもの銀行がある企業にお金をお貸ししないというようなことが報道されると、これは一遍に信用不安につながります。
 そういう意味において、私どもは個別の事案について、大変申し訳ございませんが、具体的なコメントを差し控えているということでございます。
#31
○峰崎直樹君 それじゃ、今日は、これ私、事前に五、六問質問しておりますが、何のために出席していただいたのかなと。要するに、答えられませんということしか、以下答えがないということしか出てこないんでしょうか。
#32
○参考人(小村武君) 一般論として、金融機関としてどういう対応をしているかということについては、私どもお話を申し上げることが可能であろうと思っております。
#33
○峰崎直樹君 普通の、例えばもう公的融資なくなってしまった三菱UFJとかみずほだとか、そういう銀行なら何となくそういう、おっしゃっていること分からぬわけじゃないんですが、政策投資銀行という正に国有の、事実上国有の銀行で、国会の場でこうして言ってみれば毎年一回いつもこういうふうにお見えになって、質問がなければ退散されるわけですけど、質問が国会で求められているわけですよね。
 それに対しては、忠実にこれを答える義務があるんではないかというふうに普通は考えられるんですけれども、その点については、個別企業については一切明らかにできないと、こういう考え方でこれからをずっと通されるつもりなんでしょうか。
#34
○参考人(小村武君) 一般論から申し上げますと、私どもも金融機関の一つとして機能しております。金融取引においては債務者の利益というものを考えなければいけない。そういう意味におきまして、私どもの立場から一方的に情報を公開するということはございません。これは、これまでも金融機関の一つの不文律として、企業機密にかかわることについては債権者からお話をするということは今までもやっておりません。
#35
○峰崎直樹君 融資するとかしない、まあしないは別ですけれども、融資をするという方向を決めたことをここで、融資をいたしますと、いつまでに幾らしますと、これを言うことが市場にどんな影響をもたらすんですか。
#36
○参考人(小村武君) 私どもが融資をするかどうかによっても企業の格付に影響することもございます。そういう意味において、日々のマーケットにおいてどういう影響があるかということを考えて私どもの行動が律せられると思います。私どもがここで具体的に何々企業に対して融資をしますと言いますと、それは株式マーケットにおいてどういう評価をされるか、これは計り知れない影響があると思います。そういう意味において、これはインサイダー取引等々にも利用されるおそれもあります。
 そういう意味において、私どもは個別の企業についてのコメントを慎重にならざるを得ないということでございます。
#37
○峰崎直樹君 ちょっとよく分からないんですよ。格付をするときは格付のアナリストは何を見ます。政策投資銀行が融資したからこれはBBBだとかダブルAだとかというんじゃなくて、それはその会社のいわゆるオープンにしている有価証券報告書や様々なその計算書類を見てそのことをアナリストが分析するんでしょう。ですから、政策投資銀行が融資した、融資しないだけでその格付に直ちに響いてくるというふうにはとても思えないんですよ。
 そこら辺どうも、その程度のことが言えないようだったら何にも議論は進んでいかないし、今、日本航空を良くしたいというみんな思いを持って我々も今見ているわけですけれども、政策投資銀行大丈夫かなと、どうしてそういうところにされているのかなというようなことも含めてもちろん後で聞こうと思っていたわけですけれども、そこら辺も全然全くお話ができないということであれば、全く論議は進まないということになってしまいますんですが。
 そのいわゆる格付ということに響くというのは、もちろん決算内容が変わったとかそういうことであれば、私当然それは起きると思いますが、融資をいつまでに幾らしますということで、それで格付に響きますかね。
#38
○参考人(小村武君) 格付に必ず響くということを申し上げているわけではありません。そういうものにも影響を及ぼすことがあり得るということであります。
 先生の御質問に私も誠意を持ってお答えを申し上げたいと思っておりますので、一般論としてということで誠実にお答えを申し上げたいと思います。
#39
○峰崎直樹君 一般論ということでお答えになるということなんですが、問題は、やっぱり一般論、これいつも金融担当大臣や財務担当大臣の方々と議論するんですけど、具体論のところから実は問題が起きてきているわけですから、そこに答えなかったら全然、いわゆる我々がそのことの評価とか、あるいはそこから得る教訓だとか、それは出てこないと思うんですよね。
 一般論でお話しなさるというので、次に、じゃ一般論的にお答えになるのかもしれませんが、具体的に私の方で質問を用意しましたので質問させていただきたいと思うんですよね。
 いわゆる政策投資銀行の中に設備投資研究所というのがございます。その中の研究員の方が、一ノ宮士郎さんという方らしいんですけれども、日本航空の会計処理について分析をされているんです。その会計処理の中で、こう述べているんですよ。ほかの決算期に見られた機材購入時での値引きなどに関連する機材関連報奨額の処理や長期為替先物予約に係る為替差損の簿価算入などの問題も利益操作の疑いがあると、その一ノ宮さんという政策投資銀行の中に所属している研究員が指摘をされているわけです。
 このような利益操作をしている企業に融資をするということについてはどのようにお考えになっているんでしょうか。
#40
○参考人(小村武君) この論文は、冒頭にも本人が書いておりますように、全くの個人的見解であるということでありまして、私どもの銀行の見解でも何でもありません。
 個人的見解につきまして私がここでまたコメントをするというのはいかがなものかと考えておりますが、一般論として申し上げれば、上場企業は今監査法人において厳密な監査がなされます。その監査報告もなされております。日本航空におきましても公認会計士による適正であるという意見が付されております。
 私どもは、こうした財務諸表だけでなし、その企業の将来性あるいは経営者の在り方等々を総合的に判断して融資を行うということでございます。
#41
○峰崎直樹君 監査法人がやっておると。たしか新日本監査法人だというふうに伺っておりますけれども。もうこの間、日興コーディアル問題を含め、まあカネボウだ、この間は三洋電機ですか、もうとにかく今の日本の公認会計士、監査法人のやっておられる監査というのは本当に大丈夫かなという思いを持ち続けていまして、余りそのことだけを、ちゃんとやっているんだ、報告出ているんだと言っても、ううん、そうかなというふうに思わざるを得ないような状況が最近生じていますので、余りそこのところに、さあ新日本監査法人のもう証明もらっているんだ、大丈夫だというふうに言っても、我々は、もらっているがゆえに逆にまたこれはちょっと怪しいぞというのがあるわけなんです。
 その例として、いわゆる機材購入における値引き、百億円のジェット機を買ったら十億円まけてもらったと。そうしたら、今までは十億円を利益に入れて、百億円をその機材の購入費に充てたと。普通なら、九十億円を購入費に充ててやるわけですけれども、そういうやり方をずっと二〇〇五年まで取ってきたわけですよね。もう最近ではさすがにそれはやめているんですけれども。
 そういうことも含めて、非常に、粉飾がありましたよということを、まあ個人的な見解かもしれないけれども、実は粉飾決算の研究ということでずっとその研究の論文の中にそのことが挙げられているわけですよね。その意味で、私は、今それは個人的な見解だから我が政策投資銀行としての見解ではないのかもしれませんが、一般論で、じゃ今度は私の方でお聞きしますが、一般論として、アナリストがこれはどうも粉飾の疑いがありますねということを指摘をされた企業に一般論として融資をするということについてはどのようにお考えなんでしょうか。
#42
○参考人(小村武君) 私どもは、監査法人の監査が適正であるということを前提に、ただそれを信じるだけでなしに、自らの能力で審査できる限りのものをやっております。御指摘の件につきましては、監査法人が、適正であるという意見が付されております。また、先生御指摘のように、機材の問題につきましては、これは日本航空だけでなしに他の航空会社も同じ処理をしており、それがまた同じ時期にその処理をやめております。
 そういった点におきまして、今、日本航空におきまして財務処理が不適切である、不正であると、そういったものについて私どもは心証を得ているわけではございません。そういう点について、ただ監査法人だけ、監査法人もしっかりやっていただかなきゃいけませんが、私どもは私どもの能力の及ぶ範囲内においてきちっと審査をいたしております。
#43
○峰崎直樹君 これはまだ確証というか、確かめて、これ金融担当大臣にお聞きしても、何度言ってもお答えいただけないところなんですけど、例えば、りそな銀行がJALに対するその格付を、要注意あるいは要管理だったでしょうか、にしたとか、そういうことは事実かと言っても答えてもらえないんですけれども。
 総裁、ここはひょっとすると、総裁の時代の決定によってもしこれで融資をされた場合に、実は追い貸しをしていた、もう事実上もしかすると債務超過に近い企業かもしれない。しかし、それに実はいろんなことあってもとにかく六百億、まあ政策投資銀行は四百五十億だと言われていますが、そういうことをした総裁という形で名前が残るかもしれません。そして、その責任というのは、私はやはりその当時総裁をやっておられた方々に、最高責任者に私は責任が及ぶかもしれないと。もちろん、これはまだ確実にそうだということを言っているんじゃなくて、我々はどうもそうじゃないかということを非常に問題にし、疑っているわけですけれども、そういうことの責任というものをしっかり自覚をしておられますか。そのことだけお答えください。
#44
○参考人(小村武君) 一般論で申し上げますと、私どもの金融機関として御融資をする際には、責任は私にございます。我が銀行が全体として国庫に御迷惑を掛けないように、これまでも歴史上一度たりとも損失補てんをしていただいたことはございません。公的資金の導入とかそういうこともございません。きちっとそういう処理をし、内容について、私どもがこれまでの旧開発銀行以来培ってきた審査能力をフルに発揮してその活動をするということでございます。
#45
○峰崎直樹君 しっかりと私どももお聞きいたしました。
 そこで、政策投資銀行、これから民営化をされるということなわけであります。政策投資銀行の融資先、先ほど見ました一ページ目の表を見ていただいたら、ほとんどこれ自力で資金調達できるところが上位に並んでいると、ちょっとJALはどうかなという感じ私はしますけれども。自力で調達できるから、社債発行だとかいろんなことできる。去年は六月に、株主総会が終わったら突然増資をするという、赤字企業が将来の展望もなく増資をするということが本当に許されるんだろうかということも我々は指摘してまいりました。そういういわく付きの企業はありますが、それ以外のところは本当に皆、格付を見るとダブルAだとかBBBとかというのもございますが、なかなかやっぱり格付あります。
 そこで、政策投資銀行が完全に民営化をされる、すなわち政府の出資とかそういうものが、政府の保証とかそういうものがなくなったときには、当然これは格付が国債よりも下がりますよね。そうなってくると、政策投資銀行の格付が低下をすると、これらの企業は当然のことながら、今までは政府の財投債なりそういったものによって国債並みの低い利率で実はお金を調達していたと。
 ところが、格付が下がってくると当然それは、民営化になりますと、皆さん方は預金を取るわけじゃないですね、一般銀行と違って預金じゃなくて、多分皆さん方は債券を発行されるんだろうと思います。そうすると利率、当然高い利率、発行せざるを得ない。ここにダブルAだとかトリプルAだとかAだとか、そうすると、同じような格だったら、何も政策投資銀行からお金を借りなくても自ら社債を調達した方が早い、こういう状態になってくるように思うんですが、そういった意味で、こういった企業に対する融資というのはこれから減ってくるというふうに見ますが、その点どのようにお考えでしょうか。
#46
○参考人(小村武君) 私ども、各企業に御融資をするのはその企業が大企業であるからという理由で行っているわけではございません。財務大臣から中期計画を、融資方針を示され、その中に公益性のあるもの、政策性のあるもの、これを一つずつ条件が決められております。
 例えば電力でありますと、原子力発電あるいは電線の地中化とか、こういったものについて着目をして御融資をしていると。あるいは、電鉄会社等ございますが、これは、開かずの踏切対策だとかあるいは高架にするための事業だとか、そういった政策目標に従ってお貸しをしている、個々のプロジェクトについてお貸しをしているというところであります。こうしたものにつきましては、長期で固定であるということが何よりも重要な要素であります。こうしたものについて民間金融機関が対応できないから、私どもがこれまで御融資をいたしてまいりました。
 先生御指摘のように、私どもが民営化すると、こちらの信用力が落ちてそんな能力はなくなるんじゃないかと、こういうお話でありますが、私どもとしては、でき得る限りの格付を取るということは当然であります。
 ただ、御指摘のように、私どもの銀行は預金機能もありません、決済機能もありません、為替機能もございません。政府の保証、信用をおかりして調達したものをきちっと、自らの力で調達をしていかなければならない。通常の民営化とその点では全く異なります。国鉄や日本たばこが民営化した際には、同じ業務をやり経営を効率化するために株式会社化をいたしました。私ども、同じレールの上を走っておりましたら、これは民間企業としては成り立ちません。
 そういう意味におきまして、新しいビジネスモデルを作成をし、しかもこれまで培ってきた長期性なり公益性なりあるいは信頼性等々について、このDNAを維持しながら、法案にも書かれておりますように、投融資一体となって中長期の需要にこたえられる、そういう力を付けてまいりたいと、こう考えております。
#47
○峰崎直樹君 最後のところで、投融資一体になってということ、投資、融資一体になってと。財投等からもう完全に民営化するから離れるわけでしょう。私が聞きたいのは、もっと先に聞いたらいいと思うんですが、政策投資銀行が完全に民営化をしていくときのビジネスモデルというのは、昔の日本興業銀行とか長期信用銀行とか、そういう長信銀のいわゆる現代版みたいなものになってしまうんじゃないかなと、そのおそれがあるのではないかという思いを持っているわけですよ。
 要するに、債券をワリコーだワリシンだとかそういうもので調達をして、そして、それでその資金を貸し付けていくという、かつてのそういう資金繰り、構造を持っていたと思うんですね。そういうものではないものにどういうふうにしたらなるんだろうかなというのがよく分からないんです、これ。
 その意味で、皆さん方が格付が、もちろん国債並みの格付からちょっと下がるのかどうか分かりませんし、努力をされるんだろうと思うんですが、そういう意味でいくと、将来の政策投資銀行のビジネスモデルはどんなものを想定されているのか、分かる限りで結構です、教えてください。
#48
○参考人(小村武君) 私ども、今の状態は収支相償を原則としておりまして、これは収益性というものについて求めるよりも、リスクを負担をしたりあるいは長期の需要にこたえていくという、そういう観点からの経営でございますが、民営化いたしますと、やはり収益性の要素というのは加わってまいります。ただ、私どものこれまでの延長線上で物を考える際にも、今の先生御指摘の長期信用銀行とか、そうした既成のモデルでは当てはまらない新たなモデル等を確立していかないとこれは成り立っていかないと、こう考えております。
 具体的に今、私どもはそのビジネスモデルの作成に取り掛かっておりますが、いかにして、これまでやってきました公益性のあるそういう長期インフラの事業を継続しながらも、しかし収益を上げていくにはどうすればいいかと、こういった観点から今検討しております。
 そういう意味におきまして、私どもの利点は、職員は千三百五十二名でございます。メガバンクの何万人という、そういう規模に比べたら大変少のうございます。少ないのがこれがまた利点だと思います。もう一つは、やはり人材に恵まれておりますから、どういうふうにそれを新たなビジネスを展開するかということについて、新しい金融手法、日本で私は最も優れた金融手法を持っておるぞと思っておりますが、こういうものを駆使して新しいビジネスモデルを確立をしていこうという段階でございます。
#49
○峰崎直樹君 まだ具体的なものが明確になっていないんで、果たしてそれでやっていけるのかなという、ちょっと心配をしないわけでもないですが、いずれにせよ、そのビジネスモデルなるものが明確になった段階でまた教えていただきたいし、法案が出てまいりますから、政策投資銀行に関する法案も出てまいりますので、そのときにまたその中身については詳しく話を聞きたいと思います。
 そこで、次の資料二ページ目を見ていただきたいわけでありますが、政策投資銀行の年次別の貸付金の償却額の中で、九九年は、苫小牧東、私、北海道ですから、苫東の北東公庫を吸収合併しながら苫東の処理をしていた。それが二〇〇〇年にはむつ小川原の処理があって非常に高くなっています。
 ところが、〇二年、〇三年も結構この償却率が高いわけであります。この両年には何があってこのように高い償却になったのか、教えていただければと思います。
#50
○参考人(小村武君) 平成十一年に日本政策投資銀行が発足いたしました。これは日本開発銀行及び北東公庫を廃止をして新たに設置をされたものではありますが、両金融機関の債権債務をすべて引き継ぎました。その際に、直前においてはむつ小川原それから苫東、苫東は新銀行になってからでありますが、償却をいたしました。
 その後の償却につきましては、バブル経済が崩壊をしたその際、私どもの銀行も最も不良債権比率が低い銀行でありますが、金融機関でありますからバブルの崩壊の影響がございました。その結果、先生の北海道を始めとして地域経済が疲弊をしていった、あるいは地方公共団体の財政状況が悪化していったと、こういった影響を受けて既存の新銀行になる前の債権が劣化をしていった、それを償却をいたしたわけであります。これは自らの力において償却をいたしました。
#51
○峰崎直樹君 ということは、これは個別の企業の大きな赤字を処理したんではなくて、いろいろたくさんたまっているやつをこの両年にわたってかなりしたということなわけですね。
#52
○参考人(小村武君) 細かいものを集めてという意味では、そうではございません。やはり私どもの金融機関は、民間金融機関のように何十万件、何百万件の融資を扱っているわけではございません。全体で五千社弱であります。そうした中で、やはり破綻をしたものについては大きなものもございました。そういう意味で、細かいものの集まりということではなしに、やはり地域経済に影響のあるようなものについてそういった処理をせざるを得ないものもございました。
#53
○峰崎直樹君 いや、恐らく第三セクターとかいろんなものが破綻をしたという、そこに融資されていたということですから、多分そういうものが加わっているんだろうというふうに思います。
 じゃ、ちょっと先に進みたいと思いますが、政策投資銀行とか商工中金を民営化に当たって、たしか自立のために最低限の移行措置を講ずると、こうあるわけでありますけれども、これ、財務大臣あるいは経済産業省からは政務官もお見えになっていますが、どういうことをこの民営化に当たって自立のための最低限の移行措置を取られようとしているんですか、その中身は何なんでしょうか。
#54
○国務大臣(尾身幸次君) 政策投資銀行につきましては、行政改革推進法に基づきまして、平成二十年度において全額政府出資の特殊会社を設立した後、完全民営化までの移行期間中におきまして、当該会社に対して所要の措置を講ずる株式会社日本政策投資銀行法案を今国会に提出さしていただいたところであります。
 この移行措置といたしまして、具体的には、資金の大宗を政府に依存している現在の調達体制から自力での安定した資金調達体制への円滑な移行を図るために、移行期間内に限り政府保証債の発行や財政融資資金借入れ等が可能となるよう措置しているところでございます。
#55
○大臣政務官(高木美智代君) お答えさせていただきます。
 商工中金の完全民営化につきましては、委員御指摘のとおり、平成十七年十二月に閣議決定されました行政改革の重要方針におきまして、財政基盤整備等のため最低限の移行措置を講ずるとされており、また、昨年の通常国会で成立しました行政改革推進法におきましては、円滑な運営に必要な財政基盤を確保するための措置を講ずることなどが規定されております。また、昨年六月に行革推進本部及び政策金融改革本部で決定されました政策金融改革に係る制度設計におきましては、政府出資のかなりの部分の準備金化や金融債の発行といった具体的な措置について決定がなされているところでございます。
 今般、国会に提出いたしました株式会社商工組合中央金庫法案におきましては、これらの決定事項に従いまして、株式会社商工中金の財政基盤整備等のため、特別準備金の設置や金融債の発行等につきまして規定しているところでございます。これらの措置によりまして、商工中金が引き続き中小企業に対する金融機能をしっかりと提供していくための財政基盤等を確保することが可能となるものと考えております。
#56
○峰崎直樹君 多分、政務官と私初めてだと思うんですけれども、できれば余り、原稿を非常に丁寧に読まれたんですけれども、自分の言葉でしゃべっていけるようになっていただければなと思いますが。
 ちょっと今の移行期間の間には金融債とか、あるいは、要するに預金を集めている銀行じゃないからその間は財投債とかそういうことを面倒見ると、こういうことなんですね。これ何年間で、五年から七年というんですけれども、政投銀は五年ですか七年ですか、あるいは商工中金は五年ですか七年ですか。どっちなんですか。
#57
○参考人(小村武君) 私どもは五ないし七年、商工中金と同じでございます。
#58
○峰崎直樹君 いや、いいですか。ちょっとごめんなさい。
 五ないし七年じゃなくて、五年と七年と両方書いてあるから、そろそろ、五年でやるのか七年でやるのか、もう決まったんだろうということでお聞きしているんです。
 じゃ、ちょっと経済産業省。
#59
○大臣政務官(高木美智代君) 経産省といたしましても、今御指摘ありましたとおり、おおむね五年後から七年後をめどとしております。
 これ理由につきましては、一応今考え方は、政府が保有する商工組合金融金庫の株式の全部を処分したときは直ちにこの法律を廃止するための措置を講ずるものとしておりまして、その間、五年から七年、当然これはマーケットの様子等をよく勘案しながらということでございます。
#60
○峰崎直樹君 ということは、五年か七年かはまだはっきりしない。要するに、自分たちの持っておる株を売却するのには株式市場の状況やそういうことをよく見て、早ければ五年、遅くとも七年ではとにかく民営化をしますと、こういう理解でよろしいんでしょうか。どっち。遠慮しないで、どちらでも。
#61
○参考人(小村武君) 今政務官がお答えしたとおり、これは各機関の経営状況、これも非常に大きい要素でございますが、政務官がお答えになった市場の動向というものが非常に大事であります。法律におきましても、市場の動向を見ておおむね五ないし七年をめどとして株式の処分をすると、こういうことでございます。
#62
○峰崎直樹君 分かりました。
 そうすると、その法案が出てきた段階でもまたそこであれですけど、五年から七年の間というかなり幅を持って出すということですね。
 それで、実はこれは今の政策投資銀行の総裁にもお聞きしたいんですが、日銀総裁が一昨年の十月に経済財政諮問会議の中で、こういう政策投資銀行を始めとする政府系金融機関のいわゆる問題点として予算主義というものの弊害を指摘されているんです。
 どういうふうにしゃべられたかということを言いますと、予算主義の場合には、最後の決算期末の段階で予算を使い尽くすということになると。政府系金融機関に予算上の枠が残っていると、一種のモラルハザードのようにそれを使い尽くすということになることはないか。そうなると、民間金融機関と政府系金融機関の補完関係が乱れてしまうリスクがあると。残る政府系金融機関の仕事は、決算重視にして、第三者機関によって本当に民業補完的に行われたかどうかをチェックするというプロセスが必要ではないか。こういう発言をされて、予算主義を排除すべきだと、こういう御指摘をされているんです。
 これは、これからされる民営化の企業じゃなくて、むしろ残る方の政策金融機関に対する問題を指摘されているんだろうと思うんですが、現行、こういうことについて、財務大臣、どのようにお考えでしょうか。
#63
○国務大臣(尾身幸次君) この年間の予算主義につきましては、お尋ねの趣旨がちょっとはっきりしないところもあるんですが、政府関係金融機関におきましては、適切な予算執行に努めるとともに、融資に当たっては、その政策目的を踏まえまして融資の必要性とかあるいは償還の確実性等を判断した上で適切に行っているものと承知をしております。
 そういう中で、現行の政府関係金融機関と同様に新しい政策金融機関につきましても、その予算につきましては国会の議決を要し、また決算についても会計検査院の検査を経て国会に提出することとされておりまして、適切な予算執行が図られるものと考えております。
#64
○峰崎直樹君 総裁、実際に運営されてみて、そういう予算主義の弊害みたいなものは感じられたことございますか。
#65
○参考人(小村武君) 私どもを含め、他の政府系金融機関の名誉に懸けまして、予算主義、予算があるからお金をお貸しするということは全くございません。これは、補助金を出す場合には、これは一方的な利益の供与ですから受取手は幾らでもあります。お金を貸すということは、借りに来る人がいなければ貸せないわけなんです。無理やりにどなたかにお願いしてお金を貸す、そういう金融機関は私は一つもないと思っております。
#66
○峰崎直樹君 総裁、いや、私どもが聞いている限りでは、民間金融機関の人たちから、政策金融機関が、私たちが本当に貸そうと思っているところをその先回りして、しかも我々よりも有利な条件で借りられるんで困っていますということはよく聞くんです。
 そういう意味では、今のお話聞いていると、率直にもう少し民間の金融機関の方々と率直な意見交換された方がいいのかなというふうに思ったりいたします。
 総裁は大体お話結構でございますんで、大臣もしよければ退席されても結構でございます。ありがとうございました。
#67
○委員長(家西悟君) では、お二人退席していただいて結構でございます。
#68
○峰崎直樹君 それでは財務大臣にお聞きしたいんですが、時間がたくさん超過してしまいましたので、この政府系金融機関の問題について、あと二点ほどお聞きしたいわけであります。
 一つは、この政府系金融機関のシェアを調べてみたら、二ページ目見ていただきたいんですけれども、借りている上位が青森、島根、沖縄、佐賀、宮崎、余り借りていない、シェアが低いのは埼玉、東京、京都、神奈川、愛媛と。この資料はお渡ししていると思うんですが、物の見事に、言ってみれば、所得水準の低いところと地域格差の逆側行っているわけですよ。ということは、これ、政策金融機関の果たしている役割というのは、この地域間格差を少なくとも金融面ではかなり是正をしている役割があるのかなというふうに思えるんですよ。
 私は別に、この政策金融機関を今回民営化すること自体に反対しているわけじゃないんですが、こういうあれを見て、これはなるほどなと、政策金融機関の持っている格差の問題に対する役割というのはこういう面ではあるんだなというふうに私自身はやや認識を新たにしたんですが、財務大臣あるいは金融担当大臣、金融面を見ておられてどのような感じをお持ちになられますか。
#69
○国務大臣(尾身幸次君) 今回の政策金融改革は民業補完に徹しまして、政策金融として必要な機能を限定する等の基本的な考え方に基づいて行うものであります。新しい新政策金融機関は、こうした改革の趣旨を踏まえながら、利用者の利便性の維持向上に配慮しながら、国民生活金融公庫及び中小企業金融公庫が担ってきた中小零細企業の資金調達支援などの機能、これを引き続き政策金融として必要な機能をしっかりと担っていくことが重要であると考えております。
 御指摘のこの政府系金融機関のシェアはこのような資金供給の結果として表れてくるものでありまして、地域への再配分機能そのものを念頭に置いて今回の改革を行おうとするものではないと、その点について御理解をいただきたいと思います。
#70
○国務大臣(山本有二君) この政策金融機関の改革というものは、民間金融機関の補完に徹するようになお運営されることということが目標になろうかと思います。国民経済及び金融システムの発展になお資することが重要な改革の目標だと思っております。
 こうした改革におきましても、この地域における資金調達支援の機能は引き続き新しい政策金融機関に引き継がれるものだというようには思っております。特に、峰崎委員の御指摘のように、財政力指数の弱い地域に格差是正の機能というものが、なおこれが継続してやっていただければこちらも幸いに存ずる次第でございますが、他方で、民間の地域金融機関が地域密着型金融を一層推進するという立場も大事な視点であろうかと思っております。
 こうしたことから、地域の中小企業等の金融ニーズに適切に対応することが、民間にも、また政府系金融機関にもともに要求されるところでありますので、こうしたことを万全にしていくように心掛けたいというように思っております。
#71
○峰崎直樹君 地域格差を進めるために政府系金融機関が存在しているわけではないということ自身はよく分かっておりますが、結果的には、やはり地域で困っている地域、政府系金融機関に頼らざるを得ないような地域はやはり財政力指数が弱い地域に多いということは間違いないんじゃないかなと思っております。
 この問題については最後になるんですけれども、もし既にこういうものが実施されていればいいんですけれども、この財投、財政投融資関係で公表している政策コスト分析、これはあるということはよく存じているんですけれども、政府の出資や政府の補助金を受けているすべての特殊法人など、これは独立行政法人も入るんですけれども、その決算に国からどれだけの財政負担額をもらっていますよと、こういう公表をすべてのそういう特殊法人等の決算に義務付けていく必要があるんじゃないかと思いますが、この点、財務大臣、どうでしょうか。
#72
○国務大臣(尾身幸次君) 政策金融機関等に対する財政支出に関しましては、公庫や特殊銀行である七つの機関は、政府関係機関としてその予算及び決算が国会の審議に付されており、毎年度の政府関係機関予算書、決算書の中に政府出資金や補助金の額等が記載されているところであります。
 独立行政法人については、毎年度、国会審議の便に供している冊子であります予算の説明及び決算の説明の中に、各法人別の交付金や補助金等の財源措置の額を記載しているところでございます。
 また、これに加えまして、各特殊法人や独立行政法人も、特殊法人等会計処理基準や独立行政法人会計基準に沿いまして各法人の財務諸表におきまして政府出資金や補助金等の決算額を記載して公表しております。
 このように、これらの機関に対する国による財政負担の額は適切に公表をされているものと考えておりますが、国による財政負担に関する公表の在り方等については、今後とも、社会経済情勢の変化等を踏まえて不断の見直しを行っていきたいと考えております。
#73
○峰崎直樹君 その際、補助金とか出資金とかというのが出てくるんですよ。税制上の恩典措置みたいなものはどのぐらいあるのか。つまり、本来その団体は民間企業であれば払っていなきゃいけない税負担というのはどのぐらいあるのか。それを実は減免しているわけですね。多いわけでしょう。
 私はいつも思うんですよ。市町村なんかもそうなんですけれども、予算書見るときに、減税がどういうところに、本来ならば税収がこれだけあるのに実はこれはこういう方々に対して減税しているんですよと。これ、租税特別措置だとかいろんなことを通じて、要するに表に表れた予算だとか補助金とかという金額で表れるから分かるんだけれども、税制上の恩典を与えているわけでしょう、様々な、企業ももちろん与えているけれども、こういう特殊法人その他も実はそのいわゆる税収が本来ならばどれだけあるのにここは税収は入っていないと。それは全部の私、地方自治体もそうですし、国もそうですけれども、そういうところに出しているときに、それも明らかにさせた方がいいんじゃないですか。例えば固定資産税、これは、ここは地方税じゃありませんから、固定資産税でどういうところにはどれだけまけているかと。本来これは市税として入ってくるものを、実はそれは恩典として与えているんですよと。
 そこら辺を明確に、財政収支全体を見るときに、税のいわゆる、本来税収として入っているところを実はそれを恩典として出しているというところも、これも入れないと、本当の意味で、ある意味では国の財政の、こういう特殊法人や独立行政法人等にどのぐらいの補助金やそういうものが行っているのかということは分からないんじゃないですか。財務大臣、どうですか、そこは。
#74
○国務大臣(尾身幸次君) 私どもとしては、これらの機関に対する国による財政負担の額は、先ほど申し上げましたようなことで適切に公表されていると考えておりますが、今後とも、社会経済情勢の変化等を踏まえつつ検討を続けていきたいと考えております。
#75
○峰崎直樹君 いやいや、税の世界も、つまり歳入のところで本来入るべきところを入っていないところがあるわけでしょう。そういうものも実は推計していれば出てくるわけじゃないですか、その得べかりし利益というのは、得べかりし税収というのは。そういうものも実は併せてやらないと、本当の意味じゃ分からないんじゃないですか。これからは、みな予算要求といったって予算は削られてくるのが多い。ところが税の方は、租税特別措置や様々な恩典をどうやって獲得するかというところをみんな企業の方はウの目タカの目になっている、あるいは団体だって。だから、そういうところにも本来ここは税収として入るべきものが入ってないというものも、これも実は財政的な隠れた負担じゃないんですか、隠れた支出じゃないですか。そういうものも検討して出していくべきじゃないかということに対して、いや情勢をよく見ながらというんじゃなくて、財務大臣として、そういうことまで全部国の財政の全体像の中には、私はフローの財政収支の問題では明らかにすべきじゃないかと思うんですけど、その点、もう一回財務大臣の見解をお聞きします。
#76
○国務大臣(尾身幸次君) 今後の検討課題としてまいりたいと思います。
#77
○峰崎直樹君 是非検討してください。
 そこで、今日は農林水産省からお見えになりました。私も、ちょっと質問がどうしても特別会計のところでは当たりそうにないんで、この機会にちょっと特別会計の問題で、実は国有林野事業特別会計というのがあって、これは平成二十二年の改革というのが何か法律に出てきております。
 そこで、まず国の、要するに日本は森林国でございますし、また環境問題を含めて森林というものの管理というのは非常に重要だと。今一番問題になっているのは、民有林とかそういったところが非常に荒れ放題になってきているというふうに言われていまして、そういう意味で農水省にちょっとお尋ねするんですけれども、こういう一元的な管理というか一体的な管理と、それはもう要するに民有林、公有林、それから国有林ですね、そういう意味で一体的に管理をするということが必要になってきているというふうに思っているわけでありますが、その点、どのように認識をされているのかお聞きしたいと思います。
#78
○大臣政務官(永岡桂子君) ただいま委員おっしゃいましたとおり、日本の国土の三分の二を占めます森林は、国土の保全ですとか水源の涵養はもちろんのこと、地球の温暖化を防止します上でも大変重要な役割を果たしております。このために、国民生活やまた国民の経済の安定を図る上で森林を適切に整備したり保全したりしていくことが大変重要であると考えております。
 国有林野は、脊梁山脈ですとか奥地水源地に位置いたしまして、本当に日本列島の奥深いところに位置しているわけでございますが、この国土の二割を占めますとともに、その九割が国土の保全などの重要な保安林としてあるわけでございます。
 農林水産省といたしましては、この国有林野が有します公益的な機能が地球温暖化などの対策などを進める上で非常に重要な役割を果たすものと考えておりますので、民有林、国有林が一体となりましてその機能の十全な発揮を図る必要があることから、これまで以上に民有林の施策と連携を図りまして、森林の持ちます機能の維持増進に努めてまいる考えでございます。
#79
○峰崎直樹君 是非、不在、もう要するにだれのものか分からないようになっている森林も結構あるやに聞いておりまして、最終的には、それはもう国がきちんと責任持って管理する以外にないんじゃないかと思います。
 そのことはちょっともう別にして、財務大臣、その国有林野事業特別会計が二十二年までに改革をされるわけであります。その方向性というのはこれから十分な議論をするわけでありますけれども、その際、私ども地方に行くと、特に北海道のように森林が面積非常に多く、国有林の占めている割合が大きいところ、金融担当大臣の高知なんかも森林が非常に多く生えているわけでありますが、その中で、森林に対する国民の要望や期待というのは物すごくやはり広いので、深く、いろんな多面的な要素を持っておりますので、この財政的な措置というのは私は非常に重要だと思っているんです。
 個人的には、宇沢弘文先生じゃないですけれども、社会的共通資本というふうによく呼んで、そういうところはもう国がきちんと責任持たなきゃいけない分野なんだと。まあ、昔で言えばコモンズというか入会地といったようなそういう領域になるんではないかと思いますが、ちょっとそういう細かいところは別にして、そういう将来的な、国が責任を持って、地方ももちろん一体になって、そういう国の森林・林業を活性化をさしていくということにおけるいろんな幅広い意見を聞いて、きちんとやはり国が責任持って財政的措置をしていくと、こういうことを進めていくべきだと思うんですが、財務大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
#80
○国務大臣(尾身幸次君) 国有林野の適切な管理運営を確保するために必要な経費につきましては一般会計より繰入れを行っておりまして、十九年度予算におきましても前年比五・一%増の千六百四十億円を計上しているところでございまして、今後とも所要の予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
 国有林野事業特別会計の見直しにつきましては、行革法二十八条におきまして、同特別会計において経理されている事務及び事業の性格に応じ、その一部を独立行政法人に移管した上で、同特別会計を一般会計に統合することについて、平成二十二年度末までに検討するということにされております。具体的な見直し案につきましては、この行革推進法の規定に沿いまして、二十二年度末までに農林水産省とも十分相談しながら検討してまいりたいと考えております。
#81
○峰崎直樹君 また論議をする機会があれば、その点については是非また議論したいと思います。
 私に与えられた時間はあと四分ということで、格差問題をやろうと思ったんですけれども、またしても先送りになりそうなんですが、財務大臣、一つだけどうしても財務大臣にお聞きしておきたいのは、質問の中に、中福祉小負担、低負担と、こうおっしゃっているんですよね。財務大臣は今の日本の財政というのは中福祉低負担と、こうおっしゃっている。私は違うと思っているんですが、私は低福祉極小負担と、こう思っているんですけれども。それは別にして、それを中福祉中負担にされようとしているのか、それとも小福祉小負担にしようとしているのか、どっちなのかということを何回聞いても、後で議事録読み返しても余りきちんとおっしゃってないんですよね。
 これは、安倍内閣のこれから財政改革論議は格差問題を含めていろいろ多面的にやっていかなきゃいけないんですが、これからの日本の将来をめぐって一体どんな国にされようとしているのかということを非常に抽象的に表されているんですけれども、どっちを財務大臣は目指されようとしていますか。
#82
○国務大臣(尾身幸次君) これはなかなか難しい問題でございまして、私の個人的意見を言うことは簡単なんでございますが、財務省としての意見を申し上げる場でございますから、どちらにするかということは、むしろ国民的な議論を経た上で国として決定すべきであると考えております。
 そういう中で、今の財政の状況を見ますと、高齢化に伴う負担増がある、それから年金の国庫負担を三分の一から二分の一に上げる、この二つは進路と展望に織り込み済みでプライマリーバランスの問題を議論しておりますが、なお少子化対策を抜本的にやらないと人口が百年後に半減、三分の一になってしまうというような状況の中で、この負担というのはどうしても増やしていかざるを得ないのではないかと考えております。
 さらに、金利の負担というのが、今御存じのとおり非常に金利が低い中で、国債金利も低いわけでございますけれども、世界の状況を見ますと上がる可能性が強い。国ベースで見ても五百兆円以上の債務があるわけでありますから、一%上がると五兆円の負担増になると。そういうことを考えまして、国民の皆様にも是非考えていただきたいというふうに考えております。
#83
○峰崎直樹君 もう時間が来ましたんで最後に意見ですけれども、財務大臣、予算委員会でずっと予算の審議を聞いておられて、かつて小泉首相が、もうこれ以上カットされるのは困ると、もうそれならば負担をしてもいいと、こういうふうに言うまでずっとカットし続けると、こうおっしゃっていました。私は、障害者自立支援法の問題、あるいは介護保険の介護の皆さん方の苦労の問題、医療の現場における医師不足やあるいは看護師の問題を含めて、もうあれじゃないですか、そういう社会保障分野ではこれ以上もう切り込んでは駄目だよという悲痛な叫び声が、私、予算委員会で国民の声として上がってきているように思うんですよ。いや、もちろんほかのカットしなきゃいかぬ分野はあるかもしれませんよ。だけど、もうそろそろそういう、国は、しかもまだ依然として税収不足というのは続くわけですよ。
 だから、早くそういうことを回復させていくことに責任を持つために、私は、やはり税制改正を含めた展望を参議院選挙の前に出さないと、国民は、どういう国にしようとしているのか、そのためにはどれだけ負担しなきゃいかぬのかということをまるっきり分からないままに審判を下そうとするわけですよ。
 是非そういった点を、もう今更ここで言っても直ちにすぐ出てくるものではないと思いますけれども、私自身は、そういう声がもうちまたにだんだんとあふれ始めているというふうに思っていますので、是非これからもそういう観点から財政を改革をしていくように求めたいというふうに思います。
 以上で質問を終わります。
#84
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今日は委嘱審査ということで、私の方からは、特に金融面でございますけれども、クレジット市場におけます基本的な情報インフラとされる格付機関の行動規範につきまして今日はまずお聞きしたいと思います。
 この格付機関というのは、言うまでもなく本来的には投資家のために存在をし、投資家あるいは市場に代わって債権などの返済能力を評価する機関であるということでございまして、最近は格付の対象は、中央政府もそうですけれども、政府系金融機関とかあるいは地方公共団体とか、事業会社はもちろんですけれども、非常に多岐にわたってきているというふうに思います。
 しかしながら、社債の発行自体が全般的に少なくなっていく中でいろいろな格付に、いわゆるこの機関、なぜ機関と言うのか、会社だと思いますけれども、あえて機関と訳しているわけでありますけれども、その格付機関が乗り出してきていると。中には、保険会社のように、会社の財務状態の判断指標がいいから販売している保険商品もお得というふうに宣伝する材料になっているケースもございまして、ちょっと本来の格付の意味合いとやや違うのかなと思うような節もあったり、あるいは、格付機関が企業に対して半ば押売販売かのように思わせるような、疑わせるような事例も漏れ聞こえてくるわけでございまして、あるいはまた、企業なり金融機関がどの格付機関から格付を取るかということについて、旧来の銀行系列とか様々な社会的な友好度などによってある種の、言葉は適切ではないかもしれませんが、談合のようなそういう体質もあるやにも聞くことがございます。
 こうした問題点が潜在的にせよあるんではないかというふうに私は思っているわけでございますけれども、金融庁といたしましてあるいは大臣といたしまして、この格付機関という、今の日本における格付機関のありよう、これについてはどんな問題意識あるいは現状認識をなさっておられるのかをまずお聞きしたいと思います。
#85
○政府参考人(三國谷勝範君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、格付が適正に行われることは重要な市場のインフラであると承知しております。したがいまして、格付機関におきましては、いわゆるチャイニーズ・ウオールと申しますか、利益相反を防止する措置、こういったことが大変重要であろうかと考えております。特に、例えばコンサルティング業務など格付業務と利益相反の関係になり得る業務との間で情報等の適切な分離が行われることが重要であると考えております。
 こういった認識の下におきまして、証券監督者の国際組織でありますIOSCOがございますけれども、ここでは、平成十六年に信用格付機関の基本行動規範というものを公表してございまして、この中で、信用格付機関の独立性と利益相反の回避などにつきまして具体的な指針を定め、格付機関に対しまして、この指針に沿って自らの行動規範を策定し、公表することを求めているところでございます。
 これを受けまして、我が国の格付機関であります格付投資情報センターあるいは日本格付研究所、それから大規模な格付機関でありますムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズあるいはフィッチと、こういった機関はそれぞれ自らの行動規範を策定、公表しているところでございます。
#86
○西田実仁君 今、私が最初に申し上げました様々な、漏れ聞こえてくる様々な格付機関をめぐる問題点ですね、仮にこれがあるというふうに金融庁として判断なさった場合に、その予防あるいはその是正策が必要になろうかと思いますけれども、その場合にはどのようなことをなさるんでしょうか。
#87
○政府参考人(三國谷勝範君) まず、いずれにいたしましても、格付機関が自らそういった行動規範を遵守していくことが大事であろうかと思っております。
 現在、IOSCOにおいて格付機関によります行動規範の遵守状況、こういったことについてのモニタリングが行われておりますが、先般IOSCOが公表した資料によりますと、私がただいま、先ほど申し上げましたような機関、こういったところはこのIOSCOの行動規範におおむね沿った形でこの行動規範を策定しているという具合に承知しております。
#88
○西田実仁君 私が申し上げているのは、行動規範にどう書いてあるかということではなくて、現実がどういうことが起きているのかということで、まあ仮に問題点が起きた場合に、この第三者格付機関の自主性あるいは公平性ということと行政指導的な通達との関係をどのように考えておられるのかということをお聞きしているわけでありますが、この点いかがでございましょうか。
#89
○政府参考人(三國谷勝範君) 現在、私どもで、企業内容等の開示に関する内閣府令におきまして指定格付制度というのを取っておるところでございますが、これは指定格付機関による格付を一定の目的のために金融行政上利用するものでございまして、金融庁が指定格付機関を規制、監督する制度ということではございません。
 いずれにいたしましても、格付機関は、金融商品取引法はこれからでございますが、あるいは証券取引法、こういった法律にのっとりまして適正な活動をしていくことが重要かと考えておりまして、私どもといたしましては、そういった中で格付機関の行動といったものを十分注視しながら対応してまいりたいと考えております。
#90
○西田実仁君 今おっしゃったいわゆる指定格付機関というのは、五つ指定をなさっておりますね。今おっしゃったように、指定の意味ですけれども、これはどういう意味なんでしょうか。
#91
○政府参考人(三國谷勝範君) この指定でございますけれども、金融庁長官がその格付実績、人的構成、組織、格付の方法及び資本構成その他発行者からの中立性に関する事項等を勘案して有効期間を定めて指定したものをいうということになっているわけでございます。
 これに基づきまして、例えば銀行の自己資本比率規制、あるいは銀行等保有株式取得機構によります特別株式買取りの対象株式の要件、こういったものにつきまして、この発行登録制度の利用適格要件等におきまして利用をしているものでございます。
#92
○西田実仁君 この指定というのは、決して監督をするとかいう意味合いではない、あるいはその格付機関がどういう機関かということを評価するものでもないということだと思いますが、であるならばなぜ指定するのかというふうに逆に思っておりまして、市場で市場の評価を待つ、あるいは市場での競争原理に任せるということであるならば、あえて指定をする意味がよく分からない。指定するんだけれども監督はしない、あるいは評価もしないというところでちょっと意味合いが分からないんですが、もう少し教えていただけますか。
#93
○政府参考人(三國谷勝範君) まず一点目は、先ほど申し上げましたように、銀行の自己資本比率規制あるいは株式買取りの対象株式、こういったことによりまして一定の例えば要件の合った対象株式、格付をもらったものを対象株式にするといったことがあるわけでございますが、その際に、金融行政上、こういった指定された格付機関、こういったものの格付というものを利用しながら行政上行うというものでございます。
 したがいまして、私どもは、市場にいろいろある情報の中で、こういったものを指定することによってそれを利用している一方で、一方、指導監督につきましては、今申し上げましたように、これを直接監督すると、こういった性格のものとして現在位置付けているものではございません。
#94
○西田実仁君 しかしながら、仮の話で恐縮ですけれども、何か問題点等が起きた場合には何らかの是正策を、是正措置をとるということなんでしょうか。
#95
○政府参考人(三國谷勝範君) 格付機関は、基本的に市場の評価によりましてその利用あるいは選別がなされていくものであると承知しております。したがいまして、基本的にはそういった市場の評価の中でこういった格付機関が適正な業務活動を行っていく、これが基本になるものと考えております。
#96
○西田実仁君 表面的にまだ問題が露出しているわけじゃございませんけれども、先ほどおっしゃったいわゆるチャイニーズ・ウオールですね、この八〇年代後半の格付機関設立に当たりましては、格付対象に関する情報を格付機関外部に漏らさないという意味でのチャイニーズ・ウオール原則というのの遵守が言明をされてきたわけですね。
 しかしながら、指定されている格付機関の中には新聞社系の格付機関もございますが、ここにおきましてはその新聞社の記者の方とかが出向されている事実もあるんじゃないかというふうに思います。また、人事交流も格付機関と新聞各社の間で当然ある。実際、今見てみますと、会長とか副社長さんも新聞社から来ているわけでございます。
 こうしたチャイニーズ・ウオールということと、今申し上げたような報道機関と格付機関との人事交流ということ、この点はどんなお考えでしょうか。
#97
○政府参考人(三國谷勝範君) この格付機関の組織構成とかそういったことについては直ちに、いろいろな行政上、それが容喙するものではございませんけれども、先ほど申し上げましたようにこの格付機関、こういったものの業務の適正性を確保するということは大変大事なことでございます。したがいまして、IOSCOにおきましてもこういった問題意識の下に行動規範ということを公表いたしまして、それに即しまして自ら方針等を公表してもらい、そしてそれにつきましてはIOSCOにおきましてもそういったモニタリング等を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、市場の信用、市場の選択あるいは市場における競争、こういったことの中におきましてこの格付制度が本当に有効あるいは適正なものとして定着していくということが必要であろうかと考えております。
#98
○西田実仁君 この格付機関の重要性というのはこれからどんどん増していくというふうに思いますので、今後この格付機関がきちっとクレジット市場の中で適切に機能していくということが大事だと思っておりまして、今のちょっと議論をお聞きいただいて、大臣の方から一言、この格付機関、日本における格付機関の位置付けと今後のありようということについて御所見をいただければと思います。
#99
○国務大臣(山本有二君) これまでの議論で明らかになりましたように、市場の透明性や健全性を確保する上におきましては格付機関における健全性が何より大事であろうという御指摘、そのとおりでございます。
 今後、そういう観点から、この市場の一つの大きな役割を担う格付機関に対して金融庁も注視していきたいというように考えておるところでございます。
#100
○西田実仁君 もう一つの話題ですけれども、消費者金融につきましてでございますが、この消費者金融についてはさきの国会でも法律が通りまして改正がなされるということになったわけでございますが、その後の様々な影響、またフォローもきちっと議決をした国会としてもしていかなきゃならないというふうに思うわけであります。
 まず、現状でございますけれども、消費者金融の今度金利規制、変更がございまして、いわゆる大手と言われるところの収益状況ですね、明らかに収益が悪化になっているというふうに報道等もなされておりますけれども、この現状をまずどう評価なさっているのか、お聞きしたいと思います。
#101
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきましたとおり、大手貸金業者、相次いで本年三月期の業績予想を下方修正していると、全体として大幅な下方修正になっているということでございます。例えば計数的には、大手五社で申しますと、合計ベースで経常利益二千五百二十四億円に対しまして特別損失が一兆八百七十六億円ということで、当期純利益の見通しとしては九千三百九十億円の赤字と、こんな数字になっております。
 このような貸金業者の業績修正は、御案内のとおり足下における過払い利息の返還請求、これの急増、そしてまたこのことに対応するための引当金の計上と、こういう要因が大きいというふうに存じております。
#102
○西田実仁君 そういう中で、この大手の何社かがまとめている数字を見ますと、いわゆる成約率が、申込みに行って断られるあるいは成約できるという、成約できる場合の成約率、これがかなり直近でいきますと下がってきているというふうに報道なされておりますけれども、まずこの現状、どう見ておられますでしょうか。
#103
○政府参考人(佐藤隆文君) 定量的に統計的なデータを持ち合わせておりませんけれども、業者から聞こえてくる話といたしましては成約率が一般的に下がっていると。言わば審査、貸出しの審査が慎重になっているということは言えようかと思います。
#104
○西田実仁君 報道ベースですけれども、大手四社の一月の新規融資申込み者数からしますと成約率は前年同期で二割ぐらい下がって、成約率として四四%ぐらいになっているということですね。実数でいきますと、七万六千人がいわゆる申込みをしたけれども融資がお断りというふうにされたという現状があるわけでございます。
 こうした前回の改正はもう大変に重要な意義のあるものだったわけですけれども、その影響を、特に新たにどうしても必要な人、融資を受けなければならないと思って申込みに行ったら断られてしまって、じゃその後どうするのかという問題も当然起きてくるわけでございまして、ここで対策本部長でもございます大臣にお聞きしたいと思いますけれども、こうした融資を断られる方がこれから普通に考えれば増えてくるんだろうというふうに思いますので、こうした方への対応をどうしていくのかということはもうかなりスピードアップして考えていかないと、変な方にかえって行ってしまうんじゃないかということを大変心配するわけでございまして、この点につきまして今現状でどのような対策を考えておられるのか、そのスケジュールももし、可能な範囲でお答えいただければと思います。
#105
○国務大臣(山本有二君) 先般の貸金業法の改正で上限金利が引き下げられました。そして、新たな過剰貸付規制が導入されたことでもございまして、御指摘のとおり、貸金業者から借入れ可能だったリスクの高い借り手の一部が新たな借入れを拒否されるという事態があることは否定できないところでございます。
 このため、借り手への悪影響を緩和する観点から、カウンセリング体制の更なる充実やセーフティーネット貸付けの拡充、そういったものが重要だと考えております。このことにつきまして、昨年末に関係大臣をメンバーとして設置されました多重債務者対策本部の下で、有識者会議によりまして具体的な検討が行われているところでございます。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
 有識者会議での議論を踏まえまして、具体的な対策を盛り込んだ多重債務者問題改善プログラム、これを今春をめどに策定することとなっておりまして、関係省庁とも連携して早急に検討を進めてまいりたいと考えるところでございます。
#106
○西田実仁君 終わります。
#107
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 今日は、夕張市の破綻と大銀行の貸手責任について取り上げたいと思います。
 この問題は、単に夕張市にだけの問題にとどまらず、後々他の自治体にも波及すると思われる問題ですので取り上げたいと思いますが、夕張市には私自身三回現地調査に参りました。昨日、予算委員会で我が党の紙智子議員が、テレビ放映されましたけれども、夕張破綻の直接的な原因は、北海道も指摘するように観光投資への過大な投資と。その観光投資にいかに大銀行が手をかしてきたか、過剰融資をしてきたかという実態を昨日明らかにしたところでございます。報道関係者も含め、たくさんの今問い合わせが来ているところでございますが、その続編ということで質問したいと思いますが。
 お手元に資料をお配りいたしました。一枚目は、昨日の予算委員会でも配付をいたしましたみずほ銀行、UFJの貸出し残高の推移でございます。九八年から〇七年二月までのみずほと三菱UFJ信託のそれぞれの残高の推移ですけれども、特にみずほは九八年の六億六千万から一気に翌年九十一億、そして百四十六億まで貸し込んできたと。このお金が例の赤字を隠すための一時借入金やその後の観光投資に使われたということでございます。資料の二枚目、三枚目は、これは初めて公表される資料でございますけれども、みずほ銀行、UFJ信託が夕張市のどの会計に貸してきたかの推移でございます。
 要するに、この過大な観光投資に関係して言いますと、地元の金融機関はかなり慎重姿勢、ここまで赤字があるのにそんな施設どんどん買っていいんですかということで、慎重姿勢といいますか、貸さなかったわけでございますけれども、昨日も取り上げたように、例えばマウントレースイというスキー場、ホテルがございます。あるいはホテルシューパロというのがございますが、地元の金融機関は、これは北海道も国も地方債の発行をオーケーしなかったということもありまして貸さなかったわけですが、みずほとUFJが貸して、その後、この二つの施設がどんどん赤字を膨らませる原因になったということでございます。
 地方自治体に貸すお金というのは、不良債権を取り扱ってきたこの委員会ではよく分かることでございますけれども、リスクはゼロ、優良債権と、相手がどんなに赤字の自治体であっても、そこに貸す金は優良債権として扱われます。したがって、悪く考えれば、幾らでも貸して、仮に破綻しても取りっぱぐれはないと、しかも区分は優良債権というふうなことがございますので、そうはいっても地元の銀行は貸さなかったわけですけれども、みずほとUFJはどんどん貸したと。そういう点では、私は確信犯ではないかと思っているところでございます。
 しかも、こういう大銀行は今現在一時借入金を北海道に肩代わりしてもらうとか、あるいは都市開発公社が一番の元凶になったわけですが、そこに貸していたお金を前倒しで返してもらうとかなっておりまして、利息が、どれぐらいもうけるんだということを聞きましたら一切答えませんが、仮に二%という地方債で一番多い分布の利息を掛けましても、このみずほとUFJの二つの銀行だけで九年間で二十六億円ももうけたことになるということでございます。こんな大銀行が貸し込んで立ち去っていく、逃げていくと、市民には過酷な負担が押し付けられると、こんなことが許されていいのかということが、この問題での我が党の問題意識でございますけれども。
 これは夕張市だけにとどまらない問題だというふうに思いますし、山本大臣に、一般論で結構なんですけれども、こういう自治体に対する融資なんですけれども、リスクがゼロだからといって、相手が赤字でもどんどん貸しちゃおうと、こういう姿勢は私は不適切だと思いますが、一般論で結構ですが、大臣のお考えをまず伺いたいと思います。
#108
○国務大臣(山本有二君) 一般論で申し上げる前に、個別取引についてはコメントを控えたいと思いますので、あくまで一般論ですが、やはり地域における地域振興のこの切迫感というのは著しいものがあろうと思います。その意味において、それぞれの地方公共団体及び三セクは、当初は計画をしっかりしているつもりであろうと思いますが、やはりそこに更なるマネージャーの質の高さ、人材を確保するかどうかという問題と、また、金融、財務、会計における専門性の知識というような点において少し備えをできる体制にないのではないかというように思います。
 そういった点において、金融機関が補完的にそうした経営ノウハウについて情報があれば提供するなどのそういうタスクフォース的な観点があれば、なおこれからの地域再生というのはもう少し前進するのではないかというようにも思っております。
 さきの産業再生機構における足利銀行等の栃木県における例におきましても、やはりそこには地方公共団体と民間企業と、さらには金融機関の一体的な協力システムがあったればこそ八十案件のうちほぼこれが完遂するというような実績も上がっておりますので、今後は、そういった意味で金融機関もリスクウエートゼロというだけではなくて、事業における情報開示の方法、あるいは地方公共団体側も職員一体となってこうした事業に対してどういうような取組や知識が必要なのかという研さん努力、こういったものを併せ考えていく必要があろうというように思っております。
#109
○大門実紀史君 夕張はそんな難しいまともな話じゃなくて、もう赤字と、赤字で採算取れないのを分かっていて貸したという点なんですね。だから、サラ金で言えばもう過剰与信でございます。そういうことを大銀行がやったという点ですので、そういう一般的な話じゃないというふうに金融庁も認識をしていただきたいと思います。こういうことがほかの自治体でも行われている可能性があるという点を指摘したいと思いますけれども。
 総務省にお聞きいたします。
 竹中大臣のときに、自治体が破綻をしたら銀行も債権放棄をするというようなことも議論をされておりましたけれども、竹中さんは、金融機関の今申し上げたような姿勢に大変疑問を持っておられました。ところが、安倍内閣になってそういう話がとんと消えてしまったんですが、これはどういうことでしょうか。
#110
○政府参考人(椎川忍君) 竹中大臣当時の二十一世紀地方分権ビジョン懇談会で確かにそういう議論がなされたことは事実でございます。そして、私どもとしてもその後引き続きその議論を続けてまいりまして、夕張市の問題もございまして、今回、地方公共団体の財政の健全化に関する法律というものを国会に提出をさせていただいておりますけれども、この債務調整にかかわる問題につきましては、債権者がどういうインセンティブがあって債務調整に応じるのかとか、あるいは裁判所が関与すべき事柄でございますので、行政権と司法権との調整をどうするかとか、いろいろ検討すべき課題が多いということがその後の研究会でも指摘をされておりまして、それらの課題につきまして更に具体的に専門家によりまして検討していただくということで、新しい債務調整等に関する研究会というものを現在設けまして、鋭意検討中でございます。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
 まだ結論を見ていないという状況でございます。
#111
○大門実紀史君 是非、こういうケースをよく研究して、債権放棄もさせるということも視野に入れてもらいたいと思います。
 総務省にこの機会に一つ申し上げておきたいんですけれども、私、そもそも今述べたいろんな資料とかすべて独自で入手したものでございまして、破綻をして道や国から支援を要請をしている、あるいは市民にも過大な負担を掛けているにもかかわらず、そもそも三百五十三億という赤字がどうやってできたのか、何でここまで膨らんだのかという詳細が一切市当局は明らかにしておりません。それで、私は事実関係を知るために、基礎的な資料として、どの銀行にどういう理由で幾ら借りているのかと、もう当たり前の資料なんですけれども、提出を夕張市に求めたわけですけれども、一切公表しないと。
 国の支援を要請するならば、国会に資料を、事実関係を出すのは当たり前じゃないかと私は思いますけれども、市民にも当然知らせるのが当たり前ですし、市民にはその知る権利があるというふうに思いますが、夕張市当局は一切提出を拒みました。そのために大変な労力を掛けて、後で申し上げる資料も含めて、私は寒い中四日間も北海道の中を歩き回りました、個別の金融機関を訪ねて。実際に私が行って聞かないと教えてくれないということで、相当の苦労をしてこれだけの資料を手に入れましたけれども、こんなことは提出するのは当たり前だと私は思います。
 総務省はどうしてこんな夕張市の姿勢を許してこられたのか、伺いたいと思います。
#112
○政府参考人(椎川忍君) この情報につきましては夕張市と金融機関の間の事柄でございまして、夕張市につきましては、一時借入金や地方債の借入先の金融機関名、借入額については、情報公開条例の非公開情報に当たるということから公表をしていないのではないかというふうに承知しているところでございます。三セク、公社の債務等につきましても同様の考え方ではないかというふうに承知しているところでございます。
 私どもとしましては、財政に関する情報の開示は極めて重要であるというふうに思っておりますけれども、この具体的な運用については当事者であります夕張市が判断すべきであるというふうに考えているところでございます。
#113
○大門実紀史君 夕張市は情報公開条例で非公開と。じゃ、非公開はだれが決めるのかというと、夕張市当局が決めると。したがって、黙るつもりならいつまでも隠して隠し通せるという仕組みになっております。しかも、今や、これは普通の自治体なら分かりますけれども、国の財政再建団体、国の管理下の財政再建団体と、もう市と金融機関という個別の話を超えているわけですね。それについて、そういう総務省の姿勢では大変困ると思いますし、もう一言申し上げれば、夕張市は私の調査の妨害までいたしました。
 夕張市は、自分たちは出せないけれども、銀行がそれぞれ独自の判断で出すのは結構ですと最初言っていたわけです。それで、このみずほとUFJは出してもらったわけですが、途中でほかの金融機関にも出してほしいと言ったら、夕張市は出すことを了解いたしませんというふうに態度を変えまして、出てこなくなったと。で、みずほとUFJが先に出てきて、昨日、テレビの前でたたかれてちょっとかわいそうじゃないかと思いますけれども、ほかのところも一杯あるわけですよね。こういう事態になっておりますし、国会の調査に対して、国の管理下にある財政再建団体が調査の妨害までするという点は厳しく指導をしてもらいたいというふうに言っておきたいと思います。今後のこともありますので申し上げたいと思います。
 そういう困難の中、資料の四枚目をごらんいただきたいと思いますけれども、やっと入手した資料によって分かった事実でございます。要するに、ここまでなぜ夕張市が口をつぐむのかと。そこにはもう何かがあるとしか思えないわけでございまして、それで更に調べたら事実が分かりました。
 実は、マウントレースイ、ホテルシューパロというのがございまして、これはさっき言った赤字を生んだ施設でございます。これは、松下グループの不動産開発会社であります松下興産、これ初代社長は松下幸之助さんでございますけれども、それが今はMID都市開発となっていますけれども、そこから夕張市が大変な高い値段で買ったものでございます。UFJはホテルシューパロの購入に十五億円融資をしております。
 そこで、マウントレースイの方に話を絞りたいと思いますけれども、どういう裏事情があって夕張市が買い取ったのかということで、図解にしてあります。
 松下興産は二〇〇二年の三月に突然撤退を表明します。九月までに閉鎖すると宣言をするわけでございます。夕張市はこれを二十六億円で松下興産から買いました。不良債権として二十六億円は高過ぎると。道庁の人間に言わせると十億円だって高いというふうに言っております。
 なぜ赤字の観光施設にこれだけの高額な値段が付いたのかということなんですけれども、これは夕張市長は当時、僕は六十億円だったからその半分以下だということで安いんだということを市民に説明していますが、不良債権処理の常識を知る者としては、半分の値段なんていうのは安いわけはございません。にもかかわらず、不動産鑑定も行わないで、ろくな手続も踏まないで購入を決めたと。正規の契約の手続を踏んでいないということも私の調査で分かりました。それを無理に買うために夕張市は地方債を発行しようとしたんですけれども、採算が取れる事業ではないということで、北海道庁、国も起債をオーケーしなかったということです。地元の信用金庫も、北海道信金に直接お会いしましたけれども、地方債の発行が許可されないものにお貸しするわけにはいかないということで、これは大変健全な姿勢を示されたなと思いますが、そこに登場したのがみずほでございます。
 図を見てもらった方が分かりやすいかも分かりませんけれども、みずほは独自の動機があって、このマウントレースイに対する融資を行いました。そもそも、二〇〇二年当時の状況なんですけれども、これ、メガバンクが例の竹中プランで、この委員会でもさんざん議論がありましたけれども、不良債権処理ということで追い立てられていた辺りでございます。そのちょうど前の段階でございます、前後の段階です。
 松下興産というのは二〇〇〇年には四千億もの巨額の負債を抱え込むという破綻に追い込まれておりました。その松下興産にみずほは巨額の融資をしていたという関係になります。みずほにとっても松下興産というのは大変なお荷物になっていたわけです。図に書いていますとおり、二〇〇二年の春には債権放棄も含めて千五百億の金融支援を松下グループと一緒にやっているわけですね。ですから、要するにみずほとしてもこの不良債権の一つでありますマウントレースイを早く処理したかったわけです。
 そこで、みずほ銀行が、夕張市がほかから借りられないということで、ここで顔を出して登場して、二十億の融資をしてこのマウントレースイ、スキー場とホテルでございますけれども、を買わせたという構図でございます。松下興産がマウントレースイを高い値段で売れれば、これは不良債権の資金が回収できるわけですから、みずほにとってもプラスになりますし、夕張市に対して多額の融資をすれば、その利息が入ってくるという関係になります。つまり、一石二鳥のやり方でこの赤字の原因を生んできたマウントレースイが夕張市に購入されたというふうな流れになります。正にみずほの自作自演ではないかと思います。
 これに関しては、夕張市の当時の幹部、今も残っていると思いますが、市長さんも知っていると思いますけれども、何も知らないわけがないと。この点、こういう銀行との関係があるんで一切資料を出さないんではないかというふうに私は判断をせざるを得ないと、そうでなければ資料を出すべきだと。今日もインターネットで多分質問見ていると思いますので申し上げたいですけれども、資料をなぜ隠すのかというのはこういうところに原因があるんではないかというふうに思っているところでございます。
 山本大臣、何か御感想はございますか。
#114
○国務大臣(山本有二君) この不良債権のスキームの話はすべて個別の話でございますし、夕張市の購入するときにおける価格決定のメカニズム等、また今後検討をされることになろうと思います。
 そんな意味で、一般的に健全な融資であるべきところに何か問題点があるならば、厳正に対処するしかないと思っております。
#115
○大門実紀史君 とにかく三百五十三億円という数字そのもののなぞが一つも解明されていないまま市民の皆さんに大変な負担が押し付けられようとしているわけで、このままでは市民の方は納得しないということと、総務省も含めて、金融庁の協力もいただいて真相を解明しなきゃいけないというふうに思います。また、これは後々多くの自治体で同じことが起こる可能性のある問題ということも指摘して、私の質問を終わります。
#116
○委員長(家西悟君) 以上をもちまして、委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査の報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 午後一時まで休憩といたします。
   午後零時九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#118
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 平成十九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#119
○大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉です。
 最初に、尾身大臣に質問いたします。
 尾身大臣はこれまで政治家として数々の実績があると思いますが、少なくとも一つ世界一というものがあります。それは何か分かりますか。これは質問通達しておりませんから、尾身大臣が世界一というもの、もし分かりましたら、もし分からなかったら結構です。世界一の実績若しくは世界一というものが尾身大臣はありますが、是非、分かりましたら。
#120
○国務大臣(尾身幸次君) 特別に思い当たることはございません。
#121
○大久保勉君 済みません。質問通告をしておりませんでしたが、これはやはり世界一の発行体若しくは世界一の借金王ということです。そういう意味で、格好よく言いましたらキング・オブ・ボンド若しくはキング・オブ・ボロアーということで世界じゅうが注目していると思います。
 まず、質問したいのは、国の財務諸表、書類という、こういったものに関してです。ボンドを発行しようとしましたら、投資家に対してこういった資料を提示しまして、本当にこの国債が償還されるのか、安全かということで説明をする必要があります。実はこの資料を見ました。非常によくできていると思います。このことに関しまして質問したいんですが、日本の置かれた状況を鳥瞰するのに大変優れた資料でありますが、また国債の販売責任者として投資家に国債の償還確実性を説明する最適の資料でもあります。国の財務諸表を作った部下の職員に対するねぎらいの言葉がございましたら、大臣、是非ともよろしくお願いします。
#122
○国務大臣(尾身幸次君) 大久保委員の事前の質問の通告もございまして、国の財務諸表も私もさっと目を通させていただきました。
 御指摘の財務諸表の作成、公表につきましては、財政制度等審議会委員を始めとする公会計に係る実務家や研究者の方々の活発な御議論によるものであると同時に、作成、公表に至るまでの実務を実際に縁の下で支えていただいた財務省及びその他の役所の関係職員の一同の粘り強い努力の成果のたまものであると考えております。
 国の財務諸表に関しまして私なりの見解を述べますと、一般会計と特別会計を合わせた国全体のストックとフローの財務状況につきまして、これまでの予算、決算におけるいわゆる現金主義ではなくて、企業会計で採用されている発生主義的な考え方に基づきまして、一覧性のある形で国の財政全般にわたる国民への説明責任を果たすという意義を有していると考えております。
 今後は、これまでの現金主義に基づく予算、決算とともに、発生主義に基づくこうした財務諸表の作成、公表によりまして、国の財政状況をより分かりやすく国民に説明していくのとともに、財政の効率化、適正化に向けた財務書類の活用が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
#123
○大久保勉君 この書類に関しましては非常に優れたものだと私も思っております。同じような話を総務省と話をしておりましたが、まだ地方自治体に関してはこういったものが十分じゃないということで、是非財務省を参考に作られたらどうかなと思っております。
 まず一点目の質問としまして、こちらを見ましたら、これは資料の一ページ目ですが、平成十六年度と。下を見ましたら、財務省主計局、平成十八年八月ということで、ちょっと時間が掛かり過ぎじゃないかと思いますが、この点に関してもう少し早くこういった立派な資料を作るということはできないのか、この点に関して御質問いたします。
#124
○国務大臣(尾身幸次君) この現在の財務諸表は、現金ベースの歳入歳出決算等の計数を事後的に加工して作成しております。その作成、公表までには相当の期間を要しておりまして、省庁別財務書類の公表が翌年度の末ごろ、又は国の財務書類の公表が省庁別財務諸表を公表してから更に五か月後となっているわけでございまして、このために、財務書類の作成、公表の早期化を図るためのシステムの導入について今後も検討を進めてまいりたいと考えております。
#125
○大久保勉君 是非頑張ってください。
 じゃ、次の質問としましては、こちらの九ページ、資料として配りました資料の二ページ目なんですが、国の貸借対照表です。これを見ましたら、左側が資産の部、右側が負債の部ということで、一番下を見てもらいまして、本年度、本会計年度、金額が、資産の合計が七百兆になっております。当然ながら複式簿記ですから負債も均衡しまして七百兆と、これは一緒なんですが、その上を見てもらいましたら、負債の合計が九百七十六兆ということです。ですから、国の資産が七百兆、負債が九百七十六兆、この差額二百七十六兆円、これは何でしょうか。一般企業会計でしたら、この数字、マイナスでしたら債務超過、プラスでしたら資本金になりますが、二百七十六兆円が債務超過ということで本当に国債を買って大丈夫なんでしょうか。大臣、御見解をお願いします。
#126
○国務大臣(尾身幸次君) 十六年度末の一般会計と特別会計を合わせました国の貸借対照表では資産、負債の差額がマイナス二百七十七兆円程度に上っておりまして、我が国の財政状況の厳しさを物語っているものと考えております。
 将来世代への負担の先送りをしないためにも、まず資産・負債差額のマイナス幅が拡大する傾向に歯止めを掛け、更なる財政の健全化に向けて歳出歳入一体改革にしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。
#127
○大久保勉君 こちら、貸借対照表を見ましたら、公債というのが五百八十一兆、恐らくは国債等が含まれておりますが、国債の投資家から考えましたら、この償還金額がどこから出てくるかと。資産を全部売却しても足りないというケースがあります。ですから、本来だったら、こういった国の国債は購入できないかもしれません。ところが、国の場合は徴税権というのがありますから、恐らくここがマイナスでありましても、いわゆる債務超過であっても国の信用力はある程度高いと思われます。
 ということは、この差額二百七十六兆円、将来の増税ということで理解してもよろしいんでしょうか。つまり、国が増税するから国債の償還は安全だと、こういう理解でよろしいんでしょうか。
#128
○国務大臣(尾身幸次君) この御指摘いただきました資産・負債差額の約二百七十兆円は一定の基準に従って計算をいたしました資産と負債の差額を示すものでございますが、ここに示されている資産の総額には将来の税収等は計上されていません。そういうことを踏まえますと、国の貸借対照表の資産・負債差額を見ることだけで直ちに将来にわたる財政の持続可能性を議論することは適当でないと考えております。したがいまして、私どもとしては、資産・負債差額のマイナス額を埋めるということが一義的に財政健全化の目標になるものではないと考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、この数値から分かりますように、我が国の財政、極めて厳しい状況に置かれておりまして、財政健全化に向けて不断の努力をしていかなければならないと改めて考えている次第でございます。
 このようなことから、政府といたしましては、二〇一〇年代半ばにかけて債務残高GDP比を安定的に引き下げることを目指し、まずは二〇一一年度までに国、地方合計のプライマリーバランスを確実に黒字化するために歳出歳入一体改革に着実に取り組んでいく必要があると考えております。この取組が国のバランスシートの状況の改善にもつながっていくものと考えております。
#129
○大久保勉君 分かりました。分かったような、分からないような答弁ですが、経済学の教科書でしたら、徴税権というのは非常に大きくて、その分があるからいわゆる債務超過であっても国債等の利払いは守れますと。別の言い方をしましたら、将来増税、日本国で増税するから、例えば投資家さんよ、あなたの国債の元本はちゃんと払われますと、こういうことも考えられます。
 もう直接そういうことを言った方がいいんじゃないですか。逆に言ったら、資産と負債を計算しましたらマイナスなんです。こういう状況、厳しい状況というのを考えて、財務大臣として、この国の財務担当の責任者としまして、増税も必要であると、そうしないと国債が売れませんよと、世界一の借金が返せませんよと、こういうことをおっしゃることはできないんですか。
#130
○国務大臣(尾身幸次君) 国債を売れるか売れないかということに関しては、日本という国家に対する信用はかなり高いと思っておりますのは、この割合と低い金利でも国債を買ってくださる方が大勢いるという実情にもあるわけでございます。
 しかしながら、財政そのものは先ほど申し上げましたように非常に厳しい状況でございまして、負債残高がGDPの一四八%というような世界最大の債務国でございまして、そういう意味でこの財政の状況をそのまま放置するわけにはいかない、どうしても財政再建を実現をしていかなければならないと考えております。
#131
○大久保勉君 金利が低いということに関して一点だけ指摘しますと、やはり、今日は日本銀行の山口理事もいらっしゃいますが、日本銀行の尽力もあるんじゃないですか。金利を上げたいんですがなかなか上げさしてもらえないと、だから金利が低くて国債が順当に発行できると、こういった側面もあり得るのかなと思いますが、今日は時間がありませんので次に行きます。
 この貸借対照表を見ましたら、最初に見ますのは貸倒引当金という項目です。つまり、資産の中でどの程度腐っているものがあるのかと、それに対してどの程度準備する必要があるかと。こちら、本会計年度に関しましては貸倒引当金が二・三兆円になっています。この明細に関して質問したいと思います。
 こちら、ページ三十五ページを見ましたら、お配りしておりませんから数字だけ申し上げますが、二・三兆円というのはなかなか大きいなということで調べましたら、厚生労働省のものが何と二兆円あるんです。二・三兆円のうち二兆円が厚生労働省管轄です。
 まず、これは一体何でしょう。厚生労働省にお尋ねします。
#132
○政府参考人(青柳親房君) 平成十六年度の国の財務書類の貸借対照表におきます貸倒引当金二・三兆のうちただいま議員から御指摘ありましたように約二兆円が、これは国民年金あるいは厚生年金保険の未収保険料に対する貸倒引当金となっております。
 これは本来保険料の時効期限であります二年間のうちに納められるべきものではございますけれども、国民年金の保険料のうち将来時効によって納付されないと見込まれるものがおよそ一・六兆円、それから厚生年金保険の保険料のうち、これは企業倒産等の事由によりまして将来においても徴収ができないと見込まれるものが〇・二兆円と、これらを合計したものとなっております。
 確実な保険料収納は制度の信頼確保のために重要でございますし、特に国民年金の保険料の収納率の向上は私ども喫緊の課題であるというふうに認識をしております。したがいまして、十分な保険料の負担能力がありながらその納付義務を果たさない方に対する差押えを含む強制徴収を徹底するなど、着実な保険料収納に取り組んでまいりたいと考えております。
#133
○大久保勉君 分かりました。現在の社会保険庁というのはうまく働いていないということですよね。ですから、もっときっちり徴税をしないと、保険料を徴収しないといけないということじゃないかと思います。二兆円というのは相当大きい数字ですから、是非ともきっちり徴求することを心掛けてください。
 じゃ、こういった引当金があるということに関して、このバランスシート全体を管轄されます財務大臣はどういうふうに考えられていますか。御見解を聞きたいと思います。
#134
○国務大臣(尾身幸次君) この財務諸表における厚生労働省二兆円の貸倒引当金は、今お話しになりましたように、収納に至っていない社会保険料のうち最終的に回収できず未納となる見込みの額等が計上されておりまして、その大勢は年金保険料に係るものと承知しております。
 いずれにいたしましても、年金保険料の納付率の向上は年金制度の安定的な運営の観点から喫緊の課題でございまして、社会保険庁においては強制徴収を含め収納対策に取り組んでいると聞いておりまして、引き続きこうした収納対策の強化を進めていくことが重要であると考えております。
#135
○大久保勉君 ちょっと聞いていましたら、人ごとみたいですね。つまり、財務大臣はこの貸借対照表全体の責任がありますから、ちゃんと徴税していないんだったら予算を削るとか、若しくは何らかの形でペナルティーを付けるとか、そういったことを行うべきじゃないですか。一般企業でしたら、財務担当役員は個別の部署に対してそういったことをやっております。
 財務大臣、御見解を聞きたいと思います。
#136
○国務大臣(尾身幸次君) そういうようなこともございまして、社会保険庁改革も実現をし、体制をしっかりと整えていくということを私ども考えているわけでございます。
#137
○大久保勉君 分かりました。
 じゃ、続きまして、貸倒引当金の二・三兆のうち、ほとんどが厚生労働省と。そこで注目しましたのが、上の方に貸付金というのがありまして、二百七十五兆円あります。非常に大きい金額です。通常、貸出しをするんでしたら、焦げ付きがありますから引当金を積むんです。恐らくこの二百七十五兆円の大宗は財政融資特別会計だと思いますが、この財融特会関連の引当金は二・三兆円の中に含まれておりますでしょうか、質問いたします。
#138
○国務大臣(尾身幸次君) 財政融資資金は、長期で安全な貸付けにより運用することを原則としております。
 しかし、過去においては、例えば国鉄や国有林野事業に対する貸付けにつきまして、一般会計への債務承継が行われ、財投に対しては約定どおりの償還がなされたものの、結果的には国民負担が生じた事業があることも事実でございます。
 こうした予期せぬ国民負担を招かないよう、平成十七年度の財投編成の際、民間準拠の財務諸表も参考に、特殊法人等が行う財投事業の財務の健全性について総点検を行いました。その際、住宅金融公庫、都市再生機構につきまして、将来の財務上の懸念を解消するため、事業からの撤退を含む抜本的な対応を行うといった措置を講じたところでありまして、こうした取組によりまして財投事業全体の財務の健全性について確認がなされたところであります。さらに、十八年度の財投編成の際に、同様の視点に立って、十七年度に行った総点検のフォローアップを実施したところでございまして、現在も同様の視点で貸付事業の精査を継続しております。
 財務省としては、このような取組を通じまして財投事業の財務の健全化を確認をしてきており、財政融資資金による貸付金について貸倒引当金を計上していないのが実情でございます。
#139
○大久保勉君 最後だけ注目しました。要するに、貸倒引当金は計上していないということですね。つまり、二・三兆円には入っていないんです。
 じゃ、どこから取ってきたんですか。住宅金融公庫、都市再生機構に対して債権放棄をしていますね。それはどこの官庁から取ってきたんですか。これは参考人でも結構です。
#140
○政府参考人(丹呉泰健君) ただいま大臣が申し上げました平成十七年度のフォローアップで、住宅金融公庫、都市再生機構の将来の財務上の懸念を解消するために抜本的な改革を行いましたが、これは住宅金融公庫、都市再生機構から繰上償還を認めまして、その補償金をなしという形で認めたわけでございます。これは、財政投融資特別会計の金利収入、将来に得べかりし金利収入を逸失するという形で行われたものでございます。
#141
○大久保勉君 ちょっと逃げられたと思いますが、いわゆる補償金を免除するということをなされていますが、補償金免除というのは本来だったら貸倒れ引き当てにすべきなのに、それを使っていないんです。つまり、財務省はポケットがあるんです。金利変動準備金というポケットがありまして、二十兆近くあります。そこを使っているということです。
 じゃ、どうして貸倒引当金にあえて持っていかないか。もし持っていきましたら、こちらの二・三兆の引当金が約二十兆以上になります。どうしてそういうことをしないのか。企業だったらそのようにします。違うのは、貸倒引当金を使うということでしたら融資が焦げ付いたということを認めるんです。融資が焦げ付くということは相手先の経営が悪かった、経営責任を取らないといけないということです。
 ここで問題なのは、住宅金融公庫とか都市再生機構、だれが責任を取ってどういう扱いになったかということなんです。もちろん、これは組織は変わりましたが、事実上はだれ一人として責任を取っていないように見えます。こういったことを平成十九年度もまたやろうとしているんです。ここを指摘したいと思います。
 今年度予算関連法案に財融特会から地方自治体への五%以上の高金利貸出し最大三・三兆円の期限前弁済を受け入れ、同特会が事実上五千億円の損失を負担することになっています。これは債権放棄ということなんです。このことに対してだれも責任取ろうとしてないんです。だれか、責任取るべきは貸手たる財務省、そして借り手たる地方自治体、さらにそこを監督しています総務省、あいまいにして五千億円の事実上の国の資金を無駄に使おうとしています。このことが問題じゃないでしょうかということです。財務大臣、どう思われますか。
#142
○国務大臣(尾身幸次君) 御指摘のように、今般この十九年度から三年間の臨時特例措置といたしまして、財政状況の厳しい地方公共団体に対する高金利の財政融資資金の貸付金の一部につきまして、新たな行政改革の実施等を要件として、補償金を免除した繰上償還を認めることとしており、その規模は最大で三・三兆円程度、補償金免除相当額は最大五千億円程度と見込んでおります。
 これは、過去に高い金利で貸し付けたものを約束をしているわけでございますが、補償金なしで繰上償還を認めたわけでありまして、確かにそこから得られるはずの将来の高い金利に基づく金利の収入が失われることになりますが、現在の貸付金自体については全額回収されて、貸倒れとなっているものではございません。
 なお、この措置につきましては、財政審財投分科会におきまして補償金を免除する際の要件として設定されました抜本的な事業の見直し、繰上償還対象事業の勘定分離、経営改善計画、最終的な国民負担の軽減の四条件に適合するかどうかを御議論をいただき、御了承いただくとともに、今国会に提出されている地方交付税法等の一部を改正する法律案に規定し、御審議をいただいているところであります。
#143
○大久保勉君 大臣、がっかりしました。多分全体像をお分かりになっていないと思います。財投改革が行われまして、高金利の貸出しを期限前に返済する場合には補償金というのが必要なんですよと、その計算方式もちゃんと法律で決まってます。それを免除するためには、簡単に免除させないために法律改正をしないといけないという形になっているんです。ですから、今回の法律改正があるんです。その意味を考えてほしいんですね。どうして法律改正までして、国会に法案を提出してまで補償金免除をしないといけないのか。やはり、そういう補償金免除するためには国民の税金を事実上使っているんです。それに対する責任関係をはっきりさせなさいということなんです。
 じゃ、実際地方自治体が債権放棄をした場合に総務省はどういう責任を取るんですか。たまたま都道府県に財務局長として出向していました、その人がある程度権限を持って地方自治体を見ていたとしたら、その人が責任を取りまして、場合によっては外部の人がその職に就くべきじゃないですか。そういったことをせずに、国のいわゆる財融特会の五千億のお金がなくなろうとしているんです。財務大臣としてはきっちりそのことを総務省に対して申し伝えるべきじゃないですか。もう一度質問します。
#144
○国務大臣(尾身幸次君) これは、先ほど申しましたような四条件に適合するかどうか、適合するものについて補償金なしで返済を認めると、こういうことでございますし、またそのために必要な法律案を御審議をいただいているところでございます。現実に借換えをすればもっと低い金利で借りられるにもかかわらず、約定をしているからといって高い金利でこれからも借りていなければならないというのは、現実の経済感覚としてはちょっと合わないところもあります。そういうわけで、今の四つの条件を基にして国会での審議をいただく、この法律案に規定をしていただいてこのようなことにしたわけであります。
 したがいまして、実態を知らないという批判は当たらないんじゃないかと私は思っております。
#145
○大久保勉君 例えば、もう少し具体化するために、じゃ財融特会から七%以上でお金を借りている団体、どこがあるかといいましたら、東京都が二千二百三十億、横浜市一千百八十億、大阪市六百十一億、福岡市六百億、名古屋市五百二十三億、こういったところが七%の資金を返したいと。じゃ、どうするか。もう財融特会は返済原資として再融資はできないんです。じゃ、東京都がもしこの制度を利用しようとしましたら、東京都は民間の都市銀行からお金を借りてきます。それで、実際今の金利でしたら二%以下で調達できます。で、二千二百三十億を財融特会に返します。七%の金利ですから、事実上七%と二%の金利差、五%浮きます。このことは東京都にとってはいいことかもしれませんが、財融特会は七%で過去に資金を貸したときには七%で恐らく当時は財投債を発行するとか、若しくは郵貯、簡保から資金を調達しているんです。ですから、七%に見合った資金調達をしておりますから、そちらの方が浮いてしまって、その分が逆ざやになってしまうんです。こういったことを是非勉強された方がいいと思います。その上で、どうしても地方自治体に対して再建のために何らかのいわゆるミルク補給が必要だったら、それはやるべきなんですが、本当に国民に知らしめて、勝手にやるべきじゃないと思っています。もっとここに関しては議論すべきだと思います。
#146
○国務大臣(尾身幸次君) これは勝手にやっているわけではなしに、四つの条件を満たしていただいたところについてやるということで、しかも地方交付税法等の一部を改正する法律案に規定をして国会での承認をいただいてやるということであります。
#147
○大久保勉君 四つの条件に関してまた別途話をしますが、ここに関して問題が多いということを御指摘して、次の質問に行きたいと思います。
 続きまして、ページ十六ページと十七ページ、こちら資料を付けておりますが、いわゆる偶発債務ということで、その中で保証債務です。国が保証しているものに対してすべて付いております。質問としましては、国の保証債務の合計金額は幾らであり、また保証債務のリスク管理は適切に行っているのか。もし国が保証するんでしたら保証料を取るべきだと思いますが、これは保証料を取ることによりまして被保証機関や関係省庁に経営効率化の意識の向上を図らしめることができると思います。ですから、是非とも保証料を取った方がいいんじゃないかと思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#148
○政府参考人(丹呉泰健君) まず、御質問の保証債務の合計金額について申し上げます。平成十六年末現在の国の財務書類に計上されております政府保証債務の金額は、政府保証国内債で四十六兆一千三十七億円でございます。政府保証外債が三兆七千六百十八億円、政府保証借入金が八兆二千十億円、合計で五十八兆六百六十五億円でございます。
 今先生の方から、この政府保証に際して政府保証料を導入してはどうかという御質問ございました。
 確かに、政府保証によりまして保証先機関の資金調達を容易化するという面に着目すれば、その対価として一定の保証料を徴求することにも合理性があると考えられますが、この政府保証の主たる目的が保証先に対する財政援助にあることを踏まえると、保証料を徴求することが政策として矛盾しないかといった面もあり、現在保証料を徴求しておりません。引き続き検討していくべき課題であると認識しております。
#149
○大久保勉君 保証料を取ることに関しては、まあ財務省としては行ってこいになりますが、ところが、幾らの保証金額を徴求して、またそれと同じ補助金をこれらの機関に渡すかということで、一般会計にこういった金額がのってきます。そのことを通じまして説明責任が上がっていくんじゃないかと私は考えております。是非とも検討をお願いしたいと思います。
 続きまして、こちらの国の財務諸表の十七ページに、「係争中の訴訟等で損害賠償等の請求を受けている主なもの」ということでリストがございます。
 そこで質問いたします。請求金額が十億円以上の係争中の訴訟の件数、合計損害賠償金額を伺いたいと思います。もし訴訟に負け、国に損害賠償責任が生じた場合には、財務省は関連省庁にどのような責任を課すのか。さらには、人事措置が困難な場合は予算編成において当該省庁等に何らかの責任を課すことも一案でありますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。大臣にお願いします、これは。いや、尾身大臣、これは訴訟の話ですから、尾身大臣にお願いします。
#150
○政府参考人(松元崇君) ちょっと私の方から事実関係だけまずお答えいたします。
 請求金額が十億円以上の係争中の訴訟の件数及び損害賠償請求額の合計額ということでございますが、平成十六年度末におきまして、件数は十九件、金額は合計で約一千八百億円と把握しているところでございます。
#151
○国務大臣(尾身幸次君) この係争中の訴訟に係るもののうち国の財政に大きな影響を及ぼす可能性のあるものについては、財務省としても関係省庁から必要に応じ直近の状況について報告を受けており、今後ともその状況を的確に把握していくこと等により適切な財政運営を行ってまいりたいと考えております。
 なお、係争中の国家賠償訴訟等の結果いかんにより、人事措置や予算編成等の面で各省庁にペナルティーを科すことに関しては、こうした国家賠償訴訟等により国が賠償の責めに任ずる場合には、事件当時、公務員が一定の注意を払ってもなお様々な事情によりそうした事態を招くこととなった場合も含まれ得ることから、原因となった行政を担当する各省庁に対し一律にペナルティーを割り振ることが適切でない面もあることを御理解いただきたいと思います。
 したがいまして、このような事態に対応するため、国家賠償制度は政府全体としてかかる賠償の責めに任ずることを予定しているものであり、仮に賠償の責めに任ずべき行政行為を行った公務員に故意又は重過失があったときには、国はその公務員に対し請求権を有することとされております。
#152
○大久保勉君 分かりました。
 一点だけ追加質問で、公務員が過失があった場合は請求権が発生すると。じゃ、省庁若しくは組織ですね、課とか若しくは局に過失があった場合も同じと考えていいんですね。念のため聞きます。
#153
○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。
 国家賠償制度におきまして、各それぞれの公務員に故意又は重過失があったときは国はその公務員に対して請求権を有するということでございまして、それぞれの省庁におきます公務員につきましてその要件が判断されるということになっております。
#154
○大久保勉君 済みません、はっきりしませんでしたので、それは組織でも過失をした場合には当然責任を負うということでいいですね。公務員の構成体というのは組織ですから。
#155
○委員長(家西悟君) 端的にお答えいただければと思います。分かりやすく。
#156
○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。
 公務員に故意又は重過失というものがある場合に、国がその公務員に対して求償権を有するということになっております。これは国家賠償法に定められているということでございます。
#157
○大久保勉君 同じことを答えないでください。私は、その説明にのっとって、公務員の集合体である課若しくは局が問題を起こした場合はどうですかということですから、それに対して質問しております。
#158
○政府参考人(松元崇君) この国家賠償法に規定しておりますのは、それぞれの公務員が故意又は重過失があるかということでございまして、故意又は重過失がある場合に、この公務員に対しましてその損害につきまして求償権、これは国といたしまして求償権を有するということでございます。それぞれの公務員についての監督責任ということについて各省庁でどういうふうに判断するかということは、それぞれの各省庁におきまして御判断されるということになろうかと考えております。
#159
○大久保勉君 まあ分かったような分かんないような。
 どうしてこういうことを聞くかといいましたら、こういった裁判に関しましては十年とか二十年掛かる場合もあります。そのときには実際の担当者はもういません。ですから、もう担当者はいないから、うやむやになってしまうことに対して懸念があるんです。ですから、ちゃんと組織としてこういった責任を取るべきじゃないかと私は思います。
 これは指摘して、次に行きます。
 ページ九ページ、貸借対照表でもう一つ面白いといいますか気になったことは、資産サイドの未収金という金額があります。こちら、十兆円という数字があります。この内訳を調べてみましたら、こちら、ページ三十九ページ、これは資料をお付けしていますが、十兆円のうち、数字を見ましたら、八・九兆、ほとんど大半を占める数字がありまして、よくよく見ましたら財務省所管で、内容は国税収納金整理資金未納税収と、で、相手先は納税者と。何のことはない、税金の滞納分じゃないかなと思いまして、財務省に質問します。
 平成十六年度の税収は約四十五兆円です。ですから、九兆円というのは約二〇%。二〇%が未収金というのは非常に問題じゃないかなと私は感じた次第なんです。焦げ付きがこんなに大きくていいんですか。
 また、この九兆円の中には回収見込みはどのくらいあるんですか。もし回収見込みがなかったら欠損処理をすべきじゃないかと思いますが、このことに関しまして財務大臣にお尋ねします。
#160
○国務大臣(尾身幸次君) お尋ねの二〇〇四年度の国税収納金整理資金未収税額、約八兆九千八百三十二億円の中には、制度上直ちに徴収する必要のないものが入っております。具体的に言いますと、そもそも履行期限が未到来の相続税に係る農地等の納税猶予上のもの等が約五兆五千八百億円、履行期限が到来しているものの、納税が猶予される相続税の延納、それから物納申請中のもの等が約一兆四千億円、合わせて七兆円余りが含まれているわけでございます。これらを除く一兆九千七百六十六億円が二〇〇四年度末に滞納となっている国税等であります。
 なお、翌年の二〇〇五年度末のこの滞納残高は、同年度中に新規発生滞納額一兆四百三十五億円を加えましても一兆九千二十八億円と七年連続で減少しておりまして、滞納残高のピーク時でありました一九九八年度の二兆九千百二十六億円から一兆九十八億円減少しているわけであります。徴税当局においては、滞納残高の圧縮に最大限努力しているところでございまして、引き続き確実な徴収に努めてまいる所存であります。
#161
○大久保勉君 よく分かりました。事実上は一・九兆円ということで、九兆円の中で本当に問題なのは一・九兆円と。この一・九兆円というのは過去に比べて少なくなっているということで、国税の皆さんには非常に頑張っているということで声援申し上げます。
 じゃ、続きまして、主税局関連の質問に参りたいと思います。
 まず、上場株式等の配当、譲渡益にかかわる軽減措置の一年延長、そして翌年度は廃止ということでございますが、その理由はどういう理由からかということでお尋ねします。
#162
○委員長(家西悟君) どなたに。
#163
○大久保勉君 財務大臣、お願いします。
#164
○国務大臣(尾身幸次君) 株式等の配当及び譲渡益に対する課税につきましては、勤労性所得に対する税負担とのバランス、預貯金の利子との課税の中立性の確保、簡素で分かりやすい税制の構築といった観点が重要であります。こうした観点から、金融所得課税につきましては、上場株式等の配当及び譲渡益に係る軽減税率を廃止し、二〇%定率課税による課税方式の均衡化を図ること、金融所得間の損益通算範囲の拡大を図ることが重要である、図ることが課題となっております。
 こうした中で、十九年度改正の議論におきましては、軽減税率の廃止に関しまして、金融所得間の損益通算の範囲をどのように定めるか、また軽減税率の廃止による市場への影響に関してどういう措置をとるかといった点が論点となりまして、これについて更なる検討をし、一年この期限を延長いたしまして、その延長期間の間に金融所得間の損益通算範囲の拡大策や市場の混乱を回避するための特例措置等を検討の上で廃止することにしたものでございます。
#165
○大久保勉君 じゃ、来年度は廃止ということですね。
#166
○国務大臣(尾身幸次君) 一年間そのような検討をした上で、一年後に廃止するということでございます。
#167
○大久保勉君 もう廃止するのを決めているんだったら、検討する必要ないんじゃないですか。
#168
○国務大臣(尾身幸次君) 先ほど申しました、この一年の間に金融所得間の損益通算範囲の拡大、それから、この廃止によります市場の混乱を回避するための特例措置について検討をする、その検討の上で一年後にこれを廃止して、通則二〇%にするということでございます。
#169
○大久保勉君 金融市場の動向だったら、じゃ株価が下がった場合に、大暴落した場合には廃止をしないんでしょうか。大臣に、もし株価が今年急激に下落した場合には、軽減措置の廃止を来年やらないんでしょうか。
#170
○国務大臣(尾身幸次君) 私どもとしてはそのような事態は想定をしておりませんで、私どもとしては一年後に先ほど申しました二つの問題についてのめどを付けた上、廃止するという考え方でございます。
#171
○大久保勉君 分かりました。
 じゃ、続きまして、政府が常々主張しております貯蓄から投資へという言葉がございますが、この関連で御質問いたします。
 米国等におきましては、同様に保有期間が長期の株式の場合は軽減税率を適用するということになっておりますが、将来的に貯蓄から投資を促進するために、長期保有の株式等に関してキャピタルゲイン課税を軽減するとか配当を軽減する、こういったお考えはないんでしょうか、御質問いたします。
#172
○国務大臣(尾身幸次君) 貯蓄から投資というのは大きな流れとして大変大事だと思っておりますが、長期保有の株式の譲渡益課税を優遇するということにつきましては、株式の保有期間によって適用される税率を異なるものにいたしますと、金融商品の間の課税の中立性が損なわれるという問題、それから株式の保有期間を厳格に管理する必要が生じるということなど制度が複雑になりまして、税務当局のみならず納税者や特定口座を管理する証券会社にとって事務負担が増加するということ、それから株式の長期保有を税制上優遇することになると市場の流動性を阻害するおそれがあるということがありまして、そういう点でそういう方向を考えることはなかなか難しいんじゃないかと考えております。
#173
○大久保勉君 分かりました。
 では、続きまして、移転価格税制に関して御質問します。
 過去三年の申告漏れの所得金額及び件数、そして見込み税収等に関して教えてもらいたいと思います。ただ、税収の計算に関しましては非常に複雑でありますから、前提を置きまして、これらの企業がすべて黒字企業でありまして、仮に法人税率が三〇%という前提で計算お願いします。
#174
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 国税庁の調査課で所管しております資本金一億円以上の大規模法人につきまして我が国が移転価格課税を行った件数、これは、二〇〇三年事務年度で六十二件、二〇〇四年事務年度で八十二件、それから二〇〇五年事務年度で百十九件でございます。それから、同じくその課税による増差所得金額は、二〇〇三年事務年度が七百五十八億円、二〇〇四年事務年度が二千百六十八億円、二〇〇五年事務年度が二千八百三十六億円となっております。
 なお、先生御指摘の追徴税額につきましては、それぞれの企業の他の所得等の関係がございますので、そのものずばりの集計はできませんが、先生御指摘の今の、全くの仮定ということで、先ほど説明しました増差所得金額に単純に三〇%を掛けた金額ということでございますれば、二〇〇三年事務年度は二百二十七億円、二〇〇四年事務年度は六百五十億円、二〇〇五年事務年度は八百五十億円となっております。
#175
○大久保勉君 ありがとうございます。
 ここで分かりましたのは、移転価格税制というのは非常に大きいということなんです。さらには、二〇〇三年、二〇〇四年、二〇〇五年と金額が毎年毎年大きくなっております。これはただ単に大きくなっているだけではなくて、やはり国税当局の努力もあるんじゃないかと思います。
 現在、政府の方では法人税率を上げるとか下げるとか、そういった議論がございますが、実は企業自身が国際化しておりますから、法人税率を下げる議論をする前にきっちり税金を取るということが重要じゃないかと思います。そのためには、移転価格税制をきめ細かく分析し、さらにはより透明な制度をつくっていくことが必要だと思います。
 最近、移転価格税制に関しては非常に巧妙化しまして、最初は親会社から子会社に物を輸出するときの販売価格が若干低めにするということで税金逃れをしていたケースがございますが、最近は特許とか若しくはロイヤルティーとか、こういったものに関して親会社から例えばタックスへーブンの国に移転してそこに収益を落としていくと、こういう巧妙化しております。こういったことに対してきっちり状況を把握することがまず第一だと思いますし、またそれなりの人が必要だと思います。
 そこで質問したいのは、移転価格税制に関する実務指針並びにQアンドA、事前確認窓口をつくり、課税の透明性を促進すべきであると私は考えております。今後の取組方針を知りたいと思います。また、そのために人材育成や専門性を持った税務官の人材確保を万全にし、高度化する国際税務、企業財務等に対処すべきではないかと思いますが、このことに対して国税庁の御意見を承りたく思います。
#176
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 移転価格税制につきましては、納税者の予測可能性を確保するために、これまでも法令解釈通達等の整備、改正、公表を通じまして、適用基準や執行方針の明確化を図ってきたところでございますが、更なる御要請もございますので、現在、特許、ノウハウ等の無形資産を伴う取引の課税上の取扱いを中心といたしまして、これまでの課税事績等に基づく事例集を作成するなど、更なる明確化に向けた作業を進めておるところでございます。
 さらに、事前確認制度につきましては、その事前確認制度の活用のために、事前に国税当局が相談を受ける事前相談の利用環境整備を図るということを考えておりまして、そのために事前相談ということの周知、それから、すべての国税局に担当の窓口を新たに設ける準備もいたしております。
 いずれにいたしましても、今後とも、納税者の予測可能性を高め、移転価格税制の円滑な執行に資するよう引き続き努力をしてまいりたいと思っております。
 それから、二点目の御指摘の国税当局としての職員の体制整備の問題でございますが、御案内のとおり、大変私どもの事務量も増加しておりますので、やはり国際的な課税問題を担当する国際税務専門官の設置、それから、複雑高度な国際的課税問題に的確に対応できるよう高度な専門知識を有するための研修の実施など、人材育成を努めております。なお足らない問題につきましては、やはり定員の増加等もお願いをしております。
 それから、必要に応じまして、国際金融、法務などの専門知識を、経験を有する民間の人材の活用をするということも大変重要だと思っておりまして、現在その方向で民間のそういう方々の任期付き採用等についても準備をしておるところでございます。
#177
○大久保勉君 分かりました。この分野に関しては、是非とも頑張っていただきたいと思います。
 続きまして、金融庁に質問いたします。
 国税庁の職員が、公務員制度上、専門職として相応の処遇をされておりますが、もし国税庁の職員が金融庁に出向し企画・監督部門に携わった場合はどのような処遇になるのか、質問いたします。また、証券等監視委員会など、いわゆる国税庁と同じ執行部門に従事した場合の処遇に関して御質問いたします。
#178
○政府参考人(中江公人君) お答えをいたします。
 各府省庁の職員の給与につきましては、一般職の職員の給与に関する法律におきまして、職務の種類に応じまして適用される俸給表が定められております。
 委員御指摘のとおり、国税庁に勤務し、租税の賦課及び徴収に関する事務等に従事する職員につきましては、原則、税務職俸給表というものが適用されております。これに対しまして、金融庁並びに証券取引等監視委員会に勤務する職員には、制度上、一般の多くの国家公務員と同様、行政職俸給表(一)というものが適用されております。したがいまして、国税庁の職員が金融庁並びに証券取引等監視委員会に出向してきた場合には、適用される俸給表も税務職俸給表から行政職俸給表(一)に替わることになります。
#179
○大久保勉君 ここが問題だと思うんですね。例えば、証券等監視委員会というのは非常に重要な機能だと思います。証券不祥事が増えておりますから、ここを強化するために何らかの措置を考えるべきだと思っています。私としましては、証券等監視委員会も税務署も同じような執行部門ということで、また、証券市場の公正性をつかさどる重要な職務であることをかんがみまして、いわゆる国税と同じような処遇をすることを是非とも検討すべきじゃないかと私は考えております。
 せっかく能力のある国税職員が、証券等監視委員会に出向しても給料が下がるから早く国税に戻りたいということで、なかなか人材が居着かないと、こういった現象が起こっていると聞いております。
 そこで、是非とも、ここは金融担当大臣にお尋ねしますが、俸給表の新設等を関係省庁と検討する、若しくは要請することをしたらどうかと思いますが、大臣の御見解をお尋ねします。
#180
○国務大臣(山本有二君) 金融庁に出向してこられております国税職員には、国税調査、査察等の業務で培った専門性を金融機関等の検査、有価証券報告書の提出者の検査、課徴金調査、犯則事件の調査等に発揮してもらっているところでございまして、大変有効に職務を全うしていただいております。
 また、大久保議員御指摘のように、専門性を有する国税出身の職員に金融庁で長期間勤務してもらうことは、金融庁の業務に従事する職員の専門性を高める上でも極めて重要であるというように考えております。このような長期間にわたる勤務を促す上では、金融庁等の職員に適用される俸給の在り方ではかなり減額されることでございまして、人材確保という高い視点から考えた場合、幅広い検討がおっしゃるとおり必要であろうというように思っているところでございます。
#181
○大久保勉君 この運用は非常に難しいということは聞いておりまして、是非とも山本金融担当大臣の力を期待したいと思います。
 では続きまして、金融庁に質問したいと思います。これは、公正で透明な市場をつくるための質問であります。
 まず一点目としまして、山本金融担当大臣に質問します。
 最近、マスコミ等で報道されている大臣の東京市場のシティー構想というのはどういうものでしょうか、御質問いたします。
#182
○国務大臣(山本有二君) 東京をシティーにするという表現で私が申し上げておりますのは、ロンドンのように高度な金融機能を集積させることによりまして日本全体の発展につなげていきたいという思いを述べたところでございます。
 少子高齢化が進み、人口減少時代の到来を迎える中で、今後とも我が国が経済成長を続けていくためには一人当たりの所得の向上を目指す必要があろうと考えております。この観点から、これまでのように製造業だけに頼ることなく、高付加価値を生み出す金融サービス業を中核的な産業として位置付けていくことが必要であろうと思っております。また、グローバルな市場間競争が激化する中で我が国金融資本市場の国際的な競争力を強化するためには、貯蓄から投資への流れをより一層確かなものとして、内外の投資家が安心して投資できるような魅力ある市場を構築することが重要でございます。
 こうした問題意識の下で、先般、金融審議会に、我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループを設置いたしました。金融制度に関する議論にとどまらず、人材、専門サービス、インフラ等、多岐にわたる課題につきまして幅広い観点から議論を行っていただいているところでございます。金融庁としては、こうした議論も踏まえまして、我が国市場の国際競争力の強化に向けた方策について検討してまいりたいと考えております。
#183
○大久保勉君 分かりました。
 続きまして、先週三月十五日に、平野委員の質問に関連しまして伺います。
 日銀政策決定会合中、二月二十一日、ブラックアウト期間中に情報漏えいが起こったことは、東京市場がまだまだ二流の市場であると見られかねないと思います。また、海外の新聞等ではそのことを指摘しております。このことに関して、日本銀行及び市場関係者は大変な危機感を持っております。また、インサイダー取引や不公正取引等の経済犯罪の温床になる可能性がございますので、非常に問題だと私も思います。
 そこで、山本金融担当大臣に、このことに関する御所見を伺いたいと思います。
#184
○国務大臣(山本有二君) 情報漏えいが起こったという報道があることは承知しております。特に、日銀総裁が当委員会で、報道は憶測に基づくものではないかというように答弁されているところでもございまして、報道のみを手掛かりとしてコメントをしていくことは差し控えるところでございます。
 一般論として申し上げれば、内外の投資家が安心して投資できるような市場を構築するためには、市場参加者がルールを遵守すべきことは当然でございまして、金融庁といたしましては、引き続き、市場の公正性、透明性の一層の確保に努めてまいりたいと考えております。
#185
○大久保勉君 大臣の方が、報道は憶測ではないかという指摘があったということは御紹介されましたが、別のところでは、じゃNHKに抗議しないのかということに対して、福井総裁は、報道機関の在り方を我々の方から批判的に申し上げる前に、何といっても情報元は我々なので、その情報元の管理を念には念を入れてきちんと締める、そこからスタートしていると、こういう重要な指摘があるんです。憶測かもしれないけど、まず身内から情報が漏れたんじゃないかと、こういうこともあるわけなんです。このことを是非指摘したいと思います。
 また、そのことを踏まえまして質問いたします。
 まず、政策決定会合室というのは、携帯の持込みは日銀役職員に関してはすべて禁止されていると聞いております。その意味では、少なくとも二月二十一日九時から十三時半の投票までの期間中に日銀の役職員から政策決定会合の情報は漏れることは一切ないと思いますが、そのことはいかがでしょう。山口理事に伺います。
#186
○参考人(山口廣秀君) 私どもでも一応の確認をしておりまして、その結果といたしましては、私どもの方から情報が漏れたという事実はないというふうに思っております。
#187
○大久保勉君 この指摘は非常に重要なんです。
 日本銀行からいただいた資料、二月二十一日九時から一時三十分まで会合がありました。一時三十八分から二時十五分までまた会合がありました。一時三十分から一時三十八分、ここは中断ですが、このときに投票しているんです。このことをまず念頭に置いておいてください。
 日銀政策決定会合室というのは非常に遮断されておりますから、そこに入室できる人は非常に限られておりまして、日銀の役職員です。それ以外に入室が認められているのは、財務省と内閣府から派遣された二人の政策委員だけだと聞いております。一点目は、これで間違いがないのか。
 二点目。当然、携帯電話の持込みは日銀役職員同様禁止されておると思いますが、そのことに関する質問です。
 二点、質問します。日銀の理事、お願いします。
#188
○参考人(山口廣秀君) お尋ねの二月の政策決定会合には、政府の方、お二人が出席されております。
 それからもう一点目でございますが、携帯電話の持込みについてでありますけれども、これは先ほど先生の方からお話がありましたが、日銀の出席者につきましては会合への携帯電話の持込みは原則として禁止しております。それから、政府からの出席の方につきましては、本省等との連絡調整ということが必要となる場合がございますので、携帯電話の所持自体を禁止するということにはいたしておりません。ただ、政府からの出席者におかれましても厳格な情報管理に努めておられると、かように思っておるところでございます。
#189
○大久保勉君 日銀職員はもう携帯を全部渡しているから、政策決定会合室には持っていないということですね。政府委員二人は持っていると。これは連絡に必要だということですね。
 じゃ、そこで政策決定会合に出席している政府委員の氏名と役職を教えてください。
#190
○参考人(山口廣秀君) 御承知のとおり、二月の政策決定会合につきましては、二十日と二十一日の両日開催されたわけでありますが、そのうち二月二十一日の会合に出席されましたのは、田中財務副大臣と浜野内閣府審議官、お二人でございます。
#191
○大久保勉君 はい、分かりました。
 続きまして、これはブルームバーグという情報機関の記事なんですが、ブルームバーグといいますのは、創業者がニューヨークの市長さんです。非常に世界的に成功した報道機関であります。こういったものを参考にして申し上げますと、二月二十一日零時四十三分、いわゆる政策決定会合の二日目に、零時四十三分、これを覚えておいてください。零時四十三分にNHKのテロップで、日銀総裁金利引上げを提案。続いて、零時四十四分に、先ほど福井総裁が追加的な金利の引上げを提案し、金利の引上げが決まる見通しと伝えたと報道されております。
 採決により議事が中断されたのは、記録によりましたら、さっきの記録です、一時三十分でありますから、本当に零時四十四分の以前に日銀総裁は実際金利引上げを提案しているのか私は非常に疑問があります。事実関係を知りたいと思います。山口理事、お願いします。
#192
○参考人(山口廣秀君) 政策委員会の議長であります福井総裁が金融市場調節方針について提案を行いましたのはNHKの報道後でありますが、時刻としては午後一時少し前というふうに考えております。
#193
○大久保勉君 あっ、そうですか。つまり、NHKのテロップで、零時四十四分に、先ほど福井総裁が追加的な金利の引上げを提案したと。その後に実際には福井総裁は提案したんですね。これは大変なことですね。初めて聞いてびっくりしちゃいました。このことで間違いないですね。もう一度確認します。
#194
○参考人(山口廣秀君) 間違いございません。
#195
○大久保勉君 そうですか。ちょっと僕自身緊張しています。これは非常に重要な情報ですね。恐らく、このことから二点が分かっています。今分かると思います。
 まず、NHKの報道は、事実ではなく推測による虚偽報道である点です。そうですよね。四十四分には日銀の福井総裁は提案も何もしてないんですから。一時前ということですから。空白の十数分、この期間は虚偽なんですね。こういうことをNHKが報道したということに関しては、私は非常に遺憾です。遺憾に思います。
 また、だれがNHKにそのような推測による虚偽報道を流す決断をさせたか。恐らくは、NHKさんといいましても勝手に推測だけではやりませんよね。何らかの、あっ、これは本当だという情報が来たから、じゃテロップに流そうという決断をしたわけでしょう。このことが私は疑問です。
 じゃ、そこで日本銀行に質問しますが、じゃNHKニュース報道の数分前、つまり零時四十三分の数分前から十数分前にトイレ休憩若しくは何らかの用で政策決定会合室から出た人はいたかどうか御存じでしょうか。このことに関して御質問いたします。もし山口さんで分かんなかったら、福井総裁に後日質問することも考えております。
#196
○参考人(山口廣秀君) お答えいたします。
 十二時半過ぎということになりますと、政策決定会合自体は小休憩となっておりました。その間、会議室から退室した方はいらしたということでございます。
#197
○大久保勉君 十二時半に退室された方がいたんですね。何人いらっしゃったんですか。だれとだれですか。
#198
○参考人(山口廣秀君) 退室した方がどなたであるかというのは確認できておりません。
#199
○大久保勉君 でも、日銀で調査したんでしょう。だったら、調査したんだったらちゃんとだれが出たかというのは調べるべきじゃないんですか。
#200
○参考人(山口廣秀君) 私どもの政策決定会合におきましては、出席者が会議室を離れることができますのは、会議室に隣接する区域だけに限定されております。非常に限られた区域に限定されているということでございますので、それについて格別のチェックは行っていないということでございます。
#201
○大久保勉君 ということは、近くというのはブラックアウトルールが守られるところということで、例えば控室というのがあります。政府委員のお付きの人が控えているところには行けないということでよろしいんでしょうか。若しくは、政策決定委員の中には自室を持っている人がいますから、そこに行ってパソコンか何かでメールをするとか電話をするとか、そういうことはできないんですよね。
#202
○参考人(山口廣秀君) まず、日銀側のお話として申し上げますと、政策委員が自室に戻ることは、これは許されておりません。エリア外ということになりますので、そこには行けないということになっております。
 それから、政府の方につきましては、政府のための控室がございますので、そこに戻られることについては許されております。
#203
○大久保勉君 分かりました。じゃ、日銀は全く問題ないんだけど、政府の方で問題があるのかなと。まあそこしか分からないですが。
 そこで、じゃ、政府委員というのは二人しかいらっしゃらないということですから、その人から漏れるしかないんですよね。一人は田中財務副大臣、一人は浜野内閣府審議官、いずれかですよね。
 じゃ、ここで質問します。まず、浜野審議官に伺いますが、浜野内閣審議官は二十一日に携帯電話を十二時三十分以降に使われたことはありますか、若しくは審議の内容に関しましてはお付きの方に漏らされたことはございますか。御質問いたします。
#204
○政府参考人(浜野潤君) お答えいたします。
 第一問は、私が携帯電話を十二時三十分以降使ったかということでございますか。
#205
○大久保勉君 はい。
#206
○政府参考人(浜野潤君) それは使っておりません。
 それから、私と随行の者が控え室におりましたけれども、私どもは、議長提案がなされた後、政府側から中断を求め、議長の御了解を得た上で経済財政担当大臣に連絡を行ったという事実はございます。
#207
○大久保勉君 じゃ、整理しますと、十二時三十分はまだ提案されておりませんから、この段階では携帯も使っていなくて、かつ、お付きの方にも何も言っていないということですね。ただし、議長提案、議長が採決を提案した後に一時中断があります。これは恐らく一時ぐらいです。その段階ではお付きの方に内容を話をしたと、こういう理解でよろしいでしょうか。確認します。
#208
○政府参考人(浜野潤君) そのとおりでございます。
#209
○大久保勉君 ということは、NHKのテロップが流れた零時四十三分とか四十四分には日銀からは流れていないと、で、内閣府からも流れていないということですね。分かりました。
 じゃ、もう一人の方を、といいますのは田中副大臣。実はこの質問通告は先週の金曜日に通告しました。で、是非、田中副大臣をお呼びしたいということでした。昨日、財務省から電話がありまして、実は土曜日に外遊されたということなんです。で、今日の出席は難しいということで、たまたまということで、私はまあ本人の名誉及びあらぬ疑いを掛けられることがないことを望みますから、是非、田中副大臣の上司に当たります尾身大臣がしっかり情報漏えいがなかったかということを確認して、もしできましたら田中さんと話をされまして確認されて、後日報告してください。このことをお願いいたします。じゃ、このことでよろしいでしょうか。
#210
○国務大臣(尾身幸次君) 私は、田中副大臣とももちろんこの今日の会合の前に御質問とは関係なしにこの話をいたしましたが、休憩時間に提案がありましてから私どもの方に連絡がありまして、私どもとしては、検討した末にいわゆる議決延期請求権は使わないということを決めて田中副大臣に電話を連絡を入れたところでございます。
#211
○大久保勉君 もう少し厳密に言いますと、休憩は二回あります。十二時三十分の段階と、日銀福井総裁が提案する前に待ったと政府委員が言って、本庁と連絡しますと、恐らく一時、この段階です。で、後者に関してはそれは今問題じゃないんですが、前者なんです。
 今まで日銀さんの説明でしたら、日銀職員は携帯もないし、自室に入ることがないから外部と連絡が取りようがないですと。内閣府に関しましても、十二時三十分の休憩に関しては携帯使っていないと。で、お付きの方とは話をしていないということだから、まあこれ以上はもう追及しませんから、若しくはそれ以外の要因がありますから、その辺りに関しましては、後日分かりましたらお知らせください。
#212
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします、事実関係でございますので。
 まず、第二回目のコーヒーブレークですけれども、その件に関して申し上げますと、十二時四十分。
#213
○大久保勉君 第二回目の休憩に入りましたのは何時でしょう。何時ですか。
#214
○政府参考人(勝栄二郎君) コーヒーブレークは実際に何時かというのは我々……
#215
○大久保勉君 そうしたら意味がありませんから。十二時三十分か。
#216
○政府参考人(勝栄二郎君) 十二時四十分過ぎに田中副大臣ですけれども政府側控え室に戻りまして、それで議長から事務方に対して議案の作成指示があったということで、そのための休憩に入っていると伝えてきました。それで、それを受けまして、随行者から経過報告を行うべく本省に連絡したところ、その本省の相手方の職員から既にNHKで報道が行われているという返事がありました。それで、慌ててテレビをつけましてそれで確認いたしました。したがいまして、当該連絡の時点で既に、議員が問題視されておりますその報道ですけれども、それは始まっていたということでございます。
 以上でございます。
#217
○大久保勉君 分かりました。参考に承ります。
 つまり、二回コーヒーブレークか若しくは中断がありましたが、後者、つまり零時四十四分以降の中断のことを描写してもらいましたが、前者に関しては一切コメントがなかったという理解でよろしいですね。ですから、今問題なのは十二時三十分、つまりNHK報道の前にだれがどういう形でNHKに伝えたかということなんです。ここに関してもし関連の情報がございましたら答弁をお願いしますが、それ以外でしたら結構です。
#218
○委員長(家西悟君) 答弁求めますか。
#219
○大久保勉君 答弁ありましたらお願いします。
#220
○政府参考人(勝栄二郎君) 政策委員会決定会合でございますけれども、各委員は円卓を囲んでおりまして、行動はある意味では容易に把握できる状況でございます。したがって、その状況の下で委員が外部と連絡取るということはなかなか想定しにくい状況でございます。
#221
○大久保勉君 分かりました。よく実態が分かりました。つまり、十二時三十分の後の休憩のときには何をしているか分からないが、みんな席に戻ってきたら何をしているか分かりますということですね。ですから、今の十二時三十分から何分かに何らかが行われたと。それで、十二時四十四分に日銀総裁金利引上げを提案と、まだ提案をしていないのに提案したということなんですね。
 そこで、金融担当大臣に質問したいと思います。公正な市場取引を守るために風説の流布やインサイダー取引は証券法が禁じるところと承知しております。この場合、NHKが流したのは事実に反しています。推測ですから、メディアなどの公共報道機関が推測による虚偽報道を流すことは例外として扱われますか。金融担当大臣にお尋ねします。金融担当大臣、イエスかノーでお願いします。大臣、お願いします。
#222
○政府参考人(三國谷勝範君) 個別の事案につきましては言及することは差し控えさせていただきたいと思っております。
 証券取引法におきましては、それぞれの市場の公正性のために各般の規定がございまして、その制度に基づきまして市場が適正に運用されるところでございます。
#223
○大久保勉君 ちょっと時間の無駄ですよ、それは。時間の無駄ですよ。これが、一般的な質問しているんですよ。メディアは証取法の対象外か対象外じゃないかということです。
#224
○政府参考人(三國谷勝範君) メディア自体がそれがゆえに直ちに対象外ということはございませんけれども、証券取引法の各規定はそれぞれの要件というのがございまして、それぞれに基づきまして個別に判断されるということでございます。
#225
○大久保勉君 証取法はすべての人にかかりますから、メディアも当然かかるはずなんです。このことで山本金融担当大臣、このことをコンファームしてください。
#226
○国務大臣(山本有二君) メディアも例外ではございません。
#227
○大久保勉君 では、続きまして、国営放送であるNHKがブラックアウト期間にかかわらず推測に基づいた虚偽の報道を行うことは非常に私は遺憾に思います。
 財政金融委員会に是非NHKを参考人として呼ぶことを委員長にお願いしたいと思いますが、是非御検討お願いします。
#228
○委員長(家西悟君) 理事会で協議いたします。
#229
○大久保勉君 続きまして、ブラックアウトルールは、政府委員及び情報をもらった財務省職員及び内閣府職員にも適用されるべきであると考えますが、念のため日銀の見解をいただきたいと思います。
#230
○参考人(山口廣秀君) お答え申し上げます。
 まず、ブラックアウトルールそのものにつきましてですが、金融政策決定会合の二営業日前から会合終了当日の私どもの総裁の記者会見終了時刻までの期間、この間につきましては原則として金融政策及び金融経済情勢に関して外部に対して発言しないと、こういうルールでございます。
 このルールにつきましては、市場の混乱回避という観点から、金融政策を決定する私どもの政策委員が申し合わせたものでありまして、政策委員が守るべきルールであるというように考えております。
 一方で、会議そのものの内容につきましては、私どもの総裁の記者会見、それから議事要旨、さらには議事録といった一定のルールに則しまして公表する段取りとなっております。この点につきましては、これまでも政策決定会合の都度、議長から出席者に対して注意喚起を行ってきたところでございますし、政府からの出席者につきましても厳格な情報管理に努めておられると、かように思っておるところでございます。
#231
○大久保勉君 分かりました。
 日銀及び政府出席者はそうなんですが、政府出席者から情報を受けたいわゆる政府に関してが問題というケースもございますから、政府でもブラックアウトルールを是非遵守してもらいたいと思いますが、このことに関して、財務省及び内閣府にできるということを確認したいと思います。
 まず、尾身大臣お願いします。
#232
○国務大臣(尾身幸次君) 財務省関係者は金融政策について適正な情報管理を行っていたところでございまして、会合出席者にもその趣旨は徹底されております。
 日銀のブラックアウトルールは、市場の混乱回避の観点から、日本銀行が自らの所管である金融政策について申し合わせたものと承知をしておりますが、政府におきましては、金融政策以外にも市場に大きな影響を与える可能性がある情報や極めて機密性の高い情報を有しておりまして、それらを含めて一律に国家公務員法におきまして守秘義務を規定しているところでございます。したがいまして、金融政策に関する情報に限ったルールを設ける必要はないと考えております。
 財務省といたしましては、引き続き職員の守秘義務に万全を期してまいりたいと考えております。
#233
○大久保勉君 じゃ、内閣府。
#234
○政府参考人(齋藤潤君) お答え申し上げます。
 金融政策決定会合に関する情報につきましては、内閣府としても厳格な情報管理を行っているところでございまして、今後ともその点については徹底してまいりたいというふうに考えております。
 それから、国家公務員法の守秘義務の違反につきましては、国家公務員法の規定に基づいて厳正に処分、処罰されるものというふうに考えております。
 お尋ねの政府でもブラックアウトルールを作るべきではないかという点でございますけれども、日本銀行の金融政策に関する決定につきましては、金融政策決定会合において審議の上で議案が作成され、決定されるものでございまして、議案の内容を政府側があらかじめ承知しているということではございません。したがいまして、内閣府としましては、その前の期間についてブラックアウトルールのようなものを設けることは必要はないのではないかというふうに考えております。
 それから、会合で議案が作成された後でございますけれども、日本銀行から決定内容の発表があるまでの間につきましては内閣府の出席者が外部の人間と接触することは基本的にはあり得ないことでございます。ただし、もちろん、先ほど申し上げましたように、重要な政策事項についての提案がなされた場合には、その後、会議の中断を求めて議長の了解を得た上で内閣府の出席者から経済財政政策担当大臣へ電話連絡を取る場合がございますが、その場合におきましても情報の管理については徹底しておりまして、対外的に情報が漏えいすることはあり得ないものというふうに考えております。
 以上でございます。
#235
○大久保勉君 分かりました。公務員に関しては一般守秘義務があるから大丈夫ということだということですが、私は実はそれだけでは不十分だと思っています。
 前々回と更に前の会合で情報がリークしたんじゃないかと言う人もいるんです。どういうことかといいましたら、日銀の中ではきっちり情報管理をされておりますが、重要な政策の提案がなされた段階で一時中断します。そうしたら、政府委員が財務省と内閣府に対して連絡をします。そのときに受ける人の周りにマスコミがうろうろしていて、何かおたおたしているから何か重要な政策決定がなされたんじゃないかと、こういう状況が指摘されることもあります。
 私は、本当かうそか分かりませんから、だったら、出す方もきっちり情報管理しているんだったら、電話で受ける方も少なくともマスコミからはシャットアウトすると。で、この情報はだれが受け取って、だれとだれがこの情報を共有しているかと、こういった情報管理リストを作るべきなんです。そういったことが全くなされていないことが私は遺憾に思うんです。
 一つ提案ですが、少なくとも政府委員は携帯電話を持ち込むことは禁じた方がいいと思うんです。じゃ、本庁との連絡ができないと。ちゃんと電話を設置してください。録音を付けて、録音機付きの電話を付けて、きっちりだれが受け取るかも決めますと。そうしたら、少なくとも情報を流した人、受け取った人が分かります。その人が次にだれに流したかも分かりますから、それがいわゆる国際的な常識なんです、情報管理の。それを一般公務員の守秘義務ということで事実上は何もしていないとするならば、これは問題なんです。よく東京市場は二流であるということを言われますが、情報管理に関してもまだ一流じゃないと思います。
 そこで、山本金融担当大臣に最後の質問にしますが、やはり東京市場がロンドン・シティー並みに国際化され信頼されるためには、情報管理もきっちりやる、そして公務員自らがきっちり情報を管理する、このことが必要であります。市場関係者も当然です。是非このことを表明していただきたいと思います。
#236
○国務大臣(山本有二君) 貴重な御意見と受け止め、真摯に検討したいと思っております。
#237
○大久保勉君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 じゃ、続きまして地方債に関する質問をしたいと思います。これは金融庁です。
 資料としましては、資料三。こちら、「地方債の購入をご検討の方へ 総務省」というものがございまして、これに関連して質問したいと思います。
 これは、地方債の購入を御検討の方ということですから、投資家向けのいわゆるパンフレットだと私は理解していますが、まず、このパンフ、何部発行し、またその費用は幾らであったか。また、発行の目的は何で、だれにどういう形で配付したか、このことを総務省にお尋ねしたいと思います。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
#238
○政府参考人(椎川忍君) 御質問のパンフレットでございますけれども、総務省が地方債に関する制度を概説をいたしまして、地方公共団体が発行する市場公募債等について理解を求めるために発行しているものでございまして、御質問の発行部数は十八年度で一万部、発行に要した費用は三十六万八千七百六十円でございます。使途でございますけれども、総務省が共催しておりますIR活動での配付でありますとか、地方公共団体を通じた配付、あるいは金融機関、調査研究機関等に希望に応じて配付をしているところでございます。
#239
○大久保勉君 金融機関というのは投資家も含んでいますですね、確認します。
#240
○政府参考人(椎川忍君) 私どもが直接にお配りするとすれば、IR活動の中で金融機関のほかに投資家の方々もごく一部交じっておられる場合がございますので、そういう方々にも配付をされておると思っておりますし、間接的には金融機関にお配りしたものが窓口等で提供されているということもあると思っております。
#241
○大久保勉君 IRという言葉は御存じでしょうか。IRのために使ったと。英語で言ったら何でしょうか。
#242
○政府参考人(椎川忍君) ちょっと記憶が定かでございませんが、インフォメーションリレーションシップですか。
#243
○大久保勉君 これは基本的には投資家に対して出すものですから、もうこれ以上言いませんが、基本的にはこれは投資家に対して、インベスターズリレーションシップということなんです、実は。あえてそれを分からないふりされているのかどうかは知りませんが、一応御指摘します。
 要は、投資家に対してこういった資料を配っていらっしゃるということなんです。
 で、次のページで、十一ページを見てください。
 私、これ、元証券会社におりまして、何か非常に読みづらい内容だったもので、読んでみましたら、一つ気になる言葉があります。下線を引いておりますが、Qの1、民間企業と同じで、財務状況の悪い地方公共団体ほどデフォルトリスクあるのではないですか。要は、ここでいろいろるる書いてありますが、地方債はデフォルトすることはありませんと断定的に書かれております。これは、地財計画とかいろんな問題がありますが、デフォルトすることはありませんということです。
 で、Qの4、これも下の方を見てください。アンサーとして、地方債は、どの地方公共団体が発行するものも、課税権や財政保障制度、早期是正措置としての起債許可制度、起債制限制度、財政再建制度を通じてデフォルトが生じない仕組みとなっていますと。いわゆるデフォルトがないということなんです。非常にいい社債ですね。
 でも、私、証券界に十年以上いましたが、いろんな、こういうものを目論見書と言いますが、デフォルトしないというものは一回も見たことないんです。これが初めてなんです。世界銀行のトリプルAとかいろんな発行体でも、デフォルトしないという文言はないんです。国債でもデフォルトしないというワーディングはないはずなんですね。だから、非常にびっくりしちゃいまして、そこで今回質問したいと思います。
 じゃ、どうして地方債はデフォルトを起こさないのか。地財計画に関して、財務省との協議、閣議決定、三権分立との関係で伺いたいと思います。
 もし、十年債をある地方が発行しようとします。じゃ、十年後に地方債の償還がありますが、どうしてこれがデフォルトをしないと言えるんでしょうか。このことに関して総務省に聞きたいと思います。
#244
○大臣政務官(土屋正忠君) 先生の御質問にお答え申し上げます。
 地方財政計画の策定及び地方交付税の算定を通じて元利償還に要する経費について所要の財源を確保しているわけでありますから、今御指摘、事例のありました十年債ということについても、具体の話として適用され、その間にきちっと償還されるというのがこの制度としての保障であります。
#245
○大久保勉君 非常にきちっととか抽象的ですよね。
 じゃ、今年が二〇〇七年とします。十年後、二〇一七年に、もし百億としましょう、百億の地方債がどうして償還されるのか。もしその地方自治体が財務上おかしくなりましたら、地方交付税を出すからいいんじゃないかとおっしゃるかもしれませんが、財務大臣、二〇一七年に地方交付税をちゃんと付けますか、又は閣議決定をするんですか。私どもいるかどうか分かりませんが、衆議院と参議院でこの予算案が通るかどうか、だれがコミットするんですか。デフォルトしないということは、確実に予算案が通るということでしょう。このことに関して、財務大臣、十年後、二〇一七年に、私、尾身大臣としてきっちり予算案を通しますと言えますか。
#246
○国務大臣(尾身幸次君) 十年後の地方交付税に係る予算措置を現時点で決めることはできないと考えております。
 いずれにいたしましても、地方債の償還につきましては、地方債の元利償還金が地方財政計画に公債費として計上され、これを含めた地方の歳出全体に対して地方税、地方交付税などの財源が確保される仕組みとなっており、また個別の団体について、赤字が一定限度を超えた団体に対する財政再建制度等が設けられているといった現行制度の枠組みにより担保されているものと考えております。
#247
○大久保勉君 私は、百歩譲って、安全ですということに対してはイエスと言います。国が一生懸命デフォルトを起こさないように頑張って面倒を見ますということもイエスと言います。もし、その地方自治体がおかしくなった場合は予算措置をするでしょうと、でしょうということもイエスです。そのこととデフォルトを起こさないというのは全然違うんですね。そのことがお分かりじゃないと思うんですね。
 よく似た事例としましては、銀行がありました。戦後日本の銀行はデフォルトを起こさないと、いわゆる不倒神話というのがありまして、日本債券銀行とか長期信用銀行とか、こういったところも絶対にデフォルトをしないとみんな思っていたんです。その子会社、クラウン・リースとかいろんなノンバンクがありましたが、そこに対して親銀行は、ちゃんとあなたの債務は知っていますよと、何か起こった場合はちゃんと親会社が面倒を見ますよと、もしそのノンバンクが債務超過になったら資本を入れますよという約束をしました。経営指導念書といいます、若しくはキープウエルといいます。
 地財計画というのは、正にそれと同じなんです。つまり、国がおかしくなったらもう面倒を見切れないという状況も発生しますから、ですからデフォルトを起こさないということは絶対に言えないんです。国でも言えないはずなんです。ですから、ここは是非注意すべきだと思います。
 そこで、次の質問に参ります。
 じゃ、金融商品取引法が可決されました。現段階では証取法ですが、こういった法律上、虚偽告知による証券勧誘はどのような罰則がございますか。つまり、デフォルトをするのにデフォルトしないよといって債券を売ることに関して罰則を聞きたいと思います。お願いします。
#248
○政府参考人(三國谷勝範君) 現在の証券取引法及び金融商品取引法で虚偽の表示に対してどういう制度があるかということにつきまして、制度論としてお答え申し上げたいと思います。
 まず、現行の証券取引法の下では、証券会社等に対する行為規制といたしまして虚偽の表示等を禁止しております。この禁止規定に違反した場合には、法令違反行為といたしまして業務改善命令、業務停止命令又は登録取消しといった行政処分の対象になり得るところでございます。
 次に、これからの本格施行を目指しております金融商品取引法におきましては、投資者保護のため横断的な販売勧誘ルール、これを整備する中で、金融商品取引業者に対します行為規制として虚偽告知の禁止等の規定を整備しているところでございます。この禁止規定に違反した場合には一年以下の懲役、三百万円以下の罰金という刑事罰の対象になり得るほか、行政処分の対象にもなり得るという、そういう制度になっております。
#249
○大久保勉君 ということは、総務省がこれ金融機関に渡したと、で、金融機関を通じて投資家に渡ったと、これは金融機関イコール証券会社でしょう。じゃ、証券会社はこれを投資家に渡して、大丈夫ですといって証券を販売したら、業務改善命令、業務停止ですよね。これから金融商品取引法が発生したら一年以下の懲役、三百万円以下の罰金と、もう大変なことですよね。ですから、きっちりこういった書類を作る場合には、是非金融庁と相談されて作られた方がいいと思います。
 これは一万部このパンフを作ったわけでしょう。じゃ是非回収しないとまずいんじゃないでしょうか。これは回収すべきと思いますが、このことに関して、じゃこれは総務省にお尋ねします。
#250
○政府参考人(椎川忍君) 先ほど政務官から地方債はデフォルトをしないという御説明をしたわけでございますけれども、若干補足をさせていただきますと、まず税財源の面からいいますと、地方財政計画の策定を通じて、公債費を含めて収支が償うように地方税財源の確保を全体として行うという仕掛けがございまして、さらに個別の地方団体に対しましては、地方交付税の算定を通じまして元利償還費の一部を交付税の基準財政需要額に算入をするということをしているわけでございます。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
 しかし、これだけではございませんで、公債費負担等が一定の限度を超えました地方公共団体に対しましては起債許可制度に戻していく、あるいは一部の起債を制限するといいました早期是正措置を講ずることといたしております。さらに、こういう起債の償還費が膨らむ、あるいは他の歳出が大きくなってまいりまして収支全体が赤字になるような団体が出てまいりました場合には、この赤字が一定限度を超えた場合には財政再建制度ということを設けておりまして、これらの制度が全体として機能することによりまして、地方公共団体が地方債の返済不能にならないよう、なることがない仕組みとしているわけでございまして、このことは政府全体としての見解でございます。こういうものをパンフレットに記載しておりますので、これを回収する必要はないものと考えております。
#251
○大久保勉君 そうですか。じゃ、総務省が財務省の権限を越えて予算をつくるんですね。もう私ども要らないですよね、参議院も衆議院も。三権分立はないんじゃないですか。
#252
○政府参考人(椎川忍君) 現在の地方交付税法は毎年国会で御審議をいただいているわけでございますけれども、この交付税法の第一条あるいは第七条にこの地方財政計画というものが位置付けられておりまして、交付税の総額の確保につきましても、例えば財源不足が生じた場合にはこの交付税率の見直しでありますとか地方行財政制度の見直しを行う旨の規定が六条の三第二項というところにございます。
 こういうものが機能いたしまして財源保障ということを行っているわけでございまして、ただいま私が申し上げましたことは、現行の交付税法に基づく制度として認められているものと考えております。
#253
○大久保勉君 全然論点かみ合いませんが。じゃ、十年後も法律は同じなんでしょうか。つまり、社債といいますのは、今年じゃないんですよね、長いものは二十年とか。二十年先のことをだれが決めることができるんですか。法律は変わりませんと、財務大臣はいつも尾身大臣ですと、若しくはいつも財務省は予算をつくりますと、国会でいつも通りますと。じゃ、私ども要らないですよね。もう総務省だけですべて決めたらどうですか。そうしない限りは、デフォルトがないとは言えないんです。デフォルトになる可能性は極めて少ないとは言えますが、デフォルトではないとは言えないんです。もう一度質問します。
#254
○政府参考人(椎川忍君) 私どもが勝手に行うということではなくて、現在国会でお決めいただいた交付税法の趣旨にのっとってこの地方財政制度というものを運用していくという趣旨でございます。
#255
○大久保勉君 ここはもうやり取りになりますから、政治家として判断すべきですよね。単にパンフレットを回収するのが嫌だから無理やりへ理屈を言っているように聞こえますから、一万部ぐらい回収したらどうですか。若しくはこれを変更すればいいでしょう。新しいやつ作って、デフォルトの可能性は極めて少ないですと。
#256
○大臣政務官(土屋正忠君) 現行制度における説明をしたパンフレットでありますが、貴重な御意見でございますので今後よく、御意見として承っておきたいと存じます。
#257
○大久保勉君 是非よろしくお願いします。
 済みません。あと、日銀の山口理事はもう結構でございますから、今日はありがとうございました。
#258
○委員長(家西悟君) 山口理事、どうぞ御退席ください。ありがとうございました。
#259
○大久保勉君 じゃ、次の質問に参りますが、現在、債務調整、高金利融資の補償金なし期限前弁済が議論されておりますし、現実のものになっております。これは、地方財政法上は、一年を超える借金に関しましては地方債といいます。ですから、高金利融資の補償金なし期限前弁済、これは財融特会から期限前弁済するのはいわゆるデフォルトなんですね。ですから、もう実際に起ころうとしているんです。
 じゃ、このことに関して質問しますが、じゃ今、地方債のリスクウエートは現在ゼロ%でございます。少なくとも財政融資特別会計で債権放棄が応じられた後はゼロ%のリスクウエートを見直すべきじゃないかと思いますが、このことに関して金融担当大臣にお尋ねします。
#260
○国務大臣(山本有二君) 今般、十九年度から三年間の臨時特例措置として、地方公共団体に対する高金利の財政融資資金の貸付金の一部につきまして補償金を免除した繰上償還を認めることとしていることは承知しております。今回の措置の対象となります地方公共団体は、現時点で債務の履行が困難ということではなくて、貸倒れも生じていないと承知しております。また、今回の措置は、あくまでも国と地方の間における財政融資資金に関する臨時特例措置でございます。国と地方の間におきましては、元々、地方交付税等を通じて国から地方へ税収入の一部を配分する制度的な枠組みが存在しておるところでございます。
 したがいまして、今回の措置が民間と地方公共団体との債権債務関係に直ちに影響を与えるとは考えておりませんで、民間銀行から地方公共団体への融資等に係るリスクウエートの見直しを行う理由になるとは考えておりません。
 いずれにいたしましても、地方公共団体をめぐる今後の動向には引き続き十分注視してまいりたいと考えております。
#261
○大久保勉君 分かりました。引き続き注視してください。総務省の方では、地方公共団体の債務調整、いわゆる再生法制に関して研究会が進んでおりますので非常に重要だと思っております。
 じゃ、時間もございませんので次に参ります。
 最後の項目ですが、財務省理財局関連の質問をしたいと思います。
 平成十九年度の国債発行は百四十三兆円であります。先ほど申し上げましたように、世界最大の債券発行体としてそれに見合った権限、陣容、インフラ、IR体制、技術革新を身に付けているかどうか非常に疑問に思っております。そこで、どのような改革を財務省内で行うのか、またこれまでどういうことをやってきたのか、このことに関して是非財務大臣にお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
#262
○国務大臣(尾身幸次君) 国債発行当局の体制につきましては、近年累次の定員拡充が認められ、さらに二〇〇四年七月におきまして、国債企画課、国債業務課の二課体制化、国債担当審議官や市場分析官の新設、市場分析官を始めとした民間の金融専門家の登用等、その強化が図られているところでございます。さらに、定期的に市場関係者や学者、有識者との意見交換会を実施し、外部の意見、助言を取り入れるように積極的に取り組んでおります。また、設備等につきましても、マーケットの情報を適時的確に把握するための情報機器の充実も図ってきたところでございます。
 こうした努力もありまして、現在の国債管理政策につきましては市場からの高い評価を得ているものと考えておりますが、金融分野での技術革新は急速に展開をしており、国債発行当局といたしましても、これらの動きに適切に対応していく必要があると考えております。
 今後の国債市場の進展や金融技術の向上に合わせて、引き続き専門性の向上や人的、物的体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
#263
○大久保勉君 じゃ、続きまして、海外IRに関して質問します。
 海外IRを開始しまして、海外投資家比率が一%伸びて五・一%に達しました。こちらは資料二を見たら分かると思います。この数字から判断して、IRの成果は十分と言えるでしょうか。今後の課題は、このことに関して財務大臣にお尋ねします。
#264
○国務大臣(尾身幸次君) 我が国の国債保有構造におきまして、海外投資家の割合が諸外国と比較しましても低くて、これを促進するために二〇〇五年一月以降、延べ六回、二十数都市にわたりまして、欧州、米国、アジア等において国債に係る海外の説明会を実施しているところでございます。
 説明会におきましては、日本経済と財政構造改革の現状や今後の展望、さらに、最近の国債管理政策について海外投資家に対しまして直接説明し、これらについて正確な理解が得られるよう努めております。海外投資家の我が国国債への関心は高まっておりまして、保有額及び国債全体に占める保有割合も着実に増加しているとともに、流通市場における海外投資家による取引量も相当程度増えており、国債の流通市場全般における流動性が向上していると認識をしております。
 こうした変化のすべてが海外説明会の効果とは限らないわけでありますけれども、その一助になっているという認識は持っております。
#265
○大久保勉君 続きましては、現場に関して質問します。
 これまで財務省は、IRとか若しくは投資家との懇談会、いろんなことをやっていらっしゃいますし、また超長期国債の発行も検討されていると聞いています。四十年債とか、若しくは金利スワップの導入、非常に努力はされていて、非常に高く評価しております。
 ただ、実際、債券を発行している現場はどうかなということで、実は民主党の同僚議員とともにトレーディングルームを視察しました。財務省のトレーディングルーム。そこにはいろんな機械がありまして、そこで発行の決議をするような部屋なんです。ガラス張りの部屋なんですが。そこに行って驚いたのは、世界最大の発行体に比べましたら非常に貧弱で、入っている機械も本当に古く、また数も少なくて、最初に思ったのはかわいそうだなと思いました、現場がかわいそうだなと。逆に言ったら、よくこういった職場環境でこれだけ、百数十兆円の資金調達をしているのかなという気がしたんです。
 こういったことに関して、まず大臣は、通告しておりませんが、トレーディングルームを視察されたことはございますか。
#266
○国務大臣(尾身幸次君) 今お話を伺って、私もトレーディングルームを視察、すぐにでもしなけりゃいかぬなという思いを持っております。
 先ほど申し上げましたとおり、国債発行当局の人数、設備については、様々な制約がある中ではありますが相当思い切った充実を図ってきたところであるとこのペーパーには書いてありますが、今お話を伺いますと、更に改善の余地があると思っておりますので、今後とも努力してまいります。
#267
○大久保勉君 是非よろしくお願いします。いや、ここはもう非常に大臣と話が合いましたね。
 一回見てください。このルームよりも、の三分の一ぐらいなんですよ。いわゆる大銀行の若しくは証券会社のトレーディングルームはその数十倍あります。ですから、もっとコストを掛けましたら、もっと低いコストで資金調達をできるんです。年間百兆円資金調達をしていまして、〇・一%下げたら幾らになりますか。これは一千億です。期間は大体十年ですから、更に十倍しますから一兆円です。もちろん〇・一%下がることはなかなかありませんが、その十分の一、〇・〇一%下がることは十分にありますから、費用対効果を考えましたら一番力を入れるべきところなんです。
 是非、大臣にお願いして、まず大臣が現場に行くことが一番重要だと思いますから、是非ともお願いしたいと思います。
 じゃ、最後の質問かと思いますが、まああと二、三問ございますが、最後の質問、大きい質問をします。
 さきの国の財務書類でも議論しましたが、国のバランスシートを管理し、資産、負債を一体的に管理することは極めて重要なんです。財務省の外局若しくは内局は別にしまして、資産負債管理庁をつくり、目的の明確化、権限強化、専門家の育成、民間人の登用等を本格的に検討する時期ではないかと私は考えています。
 財務省の内局というのはいわゆる理財局の権限強化ということでありますし、外局というのはその下に別組織をつくって民間の人を活用しやすくするとか、それなりのインセンティブを設ける制度なんです。ヨーロッパの国、例えばイギリスとかフランスにはこういった国債管理庁とかそういったものもございます。
 是非そういった海外の事例も踏まえまして、財務省としても検討する時期に来たのかなと思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#268
○国務大臣(尾身幸次君) 簡素で効率的な政府の実現を目指す観点から、単年度の歳出歳入だけではなしに、資産、債務の全体を念頭に置いて財政運営をすることが重要でございまして、財務省におきましても、理財局が国有財産、財政投融資、国債といった国の主な資産、債務に係る政策の企画立案等を総合的に行う任に当たっております。現在、理財局におきましては、国債管理部局で民間の金融専門家を受け入れるとともに、国有財産の有効活用、財政融資資金貸付金の証券化に当たりましても民間の知見を積極的に活用しているところでございます。
 さはさりながら、更に改善の余地もあると思いますので、これに積極的に取り組んでまいりたいと思います。
#269
○大久保勉君 これに関連しまして、日本はGDPの一五〇%の債務があります。その一五〇%の債務は自然と、簡単に管理されるものじゃないと思うんです。やはり、日々、現場の方が国債を発行し、要らない資産を売却するとか、そういったことを通じまして何とか管理されていると思うんです。失敗する可能性も十分ありますから、私は財務省にとって最も重要な部分だと思っています。是非、大臣の理解をいただきたいと思います。
 もう少し時間ありますから、次の質問します。
 じゃ、財務省におきましては、財投機関等への貸出債権のいわゆる財融特会ですね、財融特会の証券化を検討していると聞いております。そのメリットはどこにありまして、実現可能金額はどのくらいか、このことに関して御質問いたします。
#270
○国務大臣(尾身幸次君) 基本方針二〇〇六におきましては、国の資産規模の対GDP比半減との目標実現のため、財投改革の継続、財投事業の一層の重点化、効率化に加えまして、証券化を実施することにより財政融資資金貸付金残高を圧縮していくこととされております。このうち、証券化につきましては、メリットがコストを上回る場合に実施することとされており、この証券化のメリットについては、経済財政諮問会議の下に設けられた専門調査会においては、金利変動リスク等を軽減するといった効果が指摘されているところであります。
 これらを受けまして、財務省といたしましても、金利変動リスクの軽減といったメリットがある場合に証券化を実施することを考えており、今通常国会において所要の法的手当てをお願いするとともに、平成十九年度において最大二千億円程度の証券化を実施し得るよう、所要の予算を計上したところでございます。現在、有識者等による検討会を開催しており、コスト低減の方策やメリットの具体的内容について市場関係者よりヒアリングを実施しつつ検討を行っております。
 二十年度以降の実施規模につきましては、現時点では確たることを申し上げられる段階にはございませんが、いずれにせよ、市場の状況、コスト抑制の観点等も踏まえつつ適切に実施してまいりたいと考えております。
#271
○大久保勉君 分かりました。
 証券化に関しては二千億実施されるということで、まあ主な目的が金利変動リスクを減らすと。
 実は財融特会の金利リスクを分析しました。非常に厳密に管理されていまして、すばらしいと思います。これは日本の銀行若しくは生命保険会社にも負けないくらい、若しくはそれ以上に管理されておりますから、その辺りは十分じゃないかと思うんです。
 実は、次のステップとしましては、いわゆる信用リスク、貸倒れリスクを是非とも検討してもらいたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#272
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。
 まず、尾身大臣、予算委員会、また今日は財政金融委員会と、連日大変御苦労さまでございます。大臣の姿を見ていますと、我が国財政に対する責任感の重さとか財政再建に懸ける熱意というものを私自身ひしひしと感じておりますので、是非とも私の質問に対しましても率直に御答弁をしていただければと、このように思うところでございます。
 まず、公債特例法に関連しまして、国債の利払い費についてお伺いしたいと思います。
 この問題につきましては、去る十三日の予算委員会におきましても御質問させてもらいました。私、この件に対する問題意識といいますのは、平成十八年度の補正予算におきまして、既定経費の節減ということで一兆一千三百七十二億円の減額補正を行っております。そのうちの四分の三に当たる七千六百八十六億円が国債の利払い費の減額ということで、大変巨額の減額を行っているわけでございますけれども、こういった状況というのはこの平成十八年度に限ったことではなくて、小泉政権ができました二〇〇一年度から見ましても、毎年大変巨額の減額補正を続けております。特に昨年度、平成十七年度の補正予算では何と一兆百九十六億円もの減額であります。
 その一番の原因というものが、財務省の皆さんが実際の金利と比べて想定金利がかなり高めに設定をしているんじゃないかというふうなことでございますけれども、その点に対しまして大臣は、想定金利の計算については過去の金利の平均を用いて機械的な手法で設定しているというふうにおっしゃっているんですけれども、私は、実際は財務省の皆さんが考えられている想定金利より〇・二%から〇・三%、いわゆる上げ潮じゃなくて上げ底、のりしろを付けて計上しているんじゃないかというふうに思うんですけれども、冒頭申し上げたように、尾身大臣の率直な御意見をいただければと思います。
#273
○国務大臣(尾身幸次君) 戦後の国債発行が開始された昭和四十年度以降、国債利払い費の不足が生じたことはございません。したがいまして、そのために国債市場に動揺を来したということはないと考えております。
 従来から、毎年度の予算編成に当たりましては、予算編成時点での経済金融情勢等を勘案しつつ、利払いについて予算額の不足を来したり、あるいはそのような懸念をマーケットに持たれて不測の混乱を招くことがないよう十分な予算上の措置を講じているところでございまして、そういうことによってマーケットに動揺を及ぼさない、心配をさせないということも大変大事であるというふうに考えております。
#274
○広田一君 先ほどの大臣の、十分な予算上の措置をとるべきだというところの、この十分なというところがのりしろじゃないかなというふうに私自身も思ってしまうわけなんでございますけれども、いずれにいたしましても、要するにマーケットに予算の不足が生じてマーケットに不測の混乱を招いてはいけないと、そういうふうな思いからだと思いますが、先ほど尾身大臣がおっしゃったように、しかし現実問題として過去、利払い費の予算の不足額を生じたことはないわけでございます。
 私自身も多額の予算不足が生じることを是とするわけではありませんけれども、この予算の不足は国債市場に不測の混乱を招くというふうに大臣は言い切っているわけなんですけれども、どのような理由でそのようなことが言い切れるのか、もう少し具体的に御説明をしていただきたいと思います。
#275
○政府参考人(松元崇君) 十九年度の予算積算金利についての御質問でございますが、十九年度の予算金利、まあ高過ぎるのではないかといった観点からの御指摘かと思いますが、十八年の五月には七年ぶりにこの国債の金利が二%を超えたことがございます。また、過去十年に限って見ましても、十一年度予算編成時における直近の金利が〇・九%であったのに対しまして十一年度の平均金利が一・七%と、〇・八%ポイントも上昇したという、こういった事例がございます。そういったことから、十九年度予算編成時点での直近の金利一・八%程度に対しまして二・三%と設定したということでございます。
#276
○広田一君 申し訳ございませんが、私はその積算についての質問をしたのではなくて、もう一度繰り返し言いますけれども、利払い費の予算の不足を来したらマーケットに対して不測の混乱をもたらすということについて、過去幸いにもそういった事例はなかったんですけれども、であれば、その国債マーケットに不測の混乱をもたらすというふうな理由をやっぱり具体的に説明をしていただかなければ、過去にこういう事例があったと言えばすっきり分かるんですけれども、事例がない中でそのようなことを言い切る具体的な根拠をお話をいただきたいということでございます。
#277
○政府参考人(松元崇君) お答え申し上げます。
 過去にということでございますが、ただいま御説明したところでございますけれども、十八年の五月には一時二%を超えたということがございます。また、十一年度の予算編成時点における金利、この〇・九%に対して〇・八%も十一年度の平均金利が上昇したということがございます。こういったことを踏まえまして、この予算積算金利につきまして機械的なルールに従いましてこれを算定してきたということでございまして、この算定方法にのっとって十九年度予算編成においても金利を設定させていただいておるということでございます。
#278
○広田一君 少し委員長にお願いしたいんですけれども、ちょっと私の質問に答えていないんです。先ほど、おっしゃるように、まあマーケットでございますので金利の上下はあろうかと思います。そして、その具体的な事例を示されているんですけれども、私が聞いているのは、予算不足によって国債市場に混乱を来すという具体的な根拠を示してほしいということなんで、ちょっとこれ質問に答えていないんで、整理して御答弁いただくようにお願いしたいと思います。
#279
○委員長(家西悟君) では、尾身大臣。
#280
○国務大臣(尾身幸次君) 今まで、いわゆるその利払い費が不足をしたことがあるということはございません。で、これは私は大変大事なことであると思っておりまして、ある程度何かあっても大丈夫なような体制を取っておくということが、この国債に対する市場の信認を確保するために極めて大事であるというふうに考えているわけでございます。
 で、これは予算上そういう金利をきちっと計上をしておりますが、だからといってこれを、高い金利のお金を借りるということではございませんで、先ほど来のお話にもありますように、できるだけ低い金利でこの資金調達をすると、こういう、これはまた厳しくやっているわけでございまして、結果として補正の段階でお金が余るという現象も生じる場合が多いわけでございますけれども、しかし、これは財政の健全性を守り、国の財政に対するマーケットの信認を確保するという意味から見ると極めて大事な方針であるというふうに考えておりまして、万が一にもその利払い費が不足するというようなことのないように私どもとしては考えて、細心の注意を払ってその前提を決めているということでございますので、ここは是非御理解をいただきたいと思います。
#281
○広田一君 大臣のその御決意というかお考えは私も理解するところでございます。そういう中で、御答弁の冒頭の方でもおっしゃったように、やはりそう考えますと、実際やっぱり財務省の皆さんが様々な経済指標を使って十九年度の想定金利を出すわけでございますけれども、しかしそれ、その堅めの数字より、ある程度のりしろを付けて皆さんは想定金利を設定していると、こういうふうな理解でよろしいんでしょうか。
#282
○国務大臣(尾身幸次君) 私どもとしては、客観的な経済の状況を踏まえながら適切に前提条件としての金利を置いているということでございまして、そのしっかりとした金利を予算上計上していることがこの国債政策についてのマーケットの信認を確保する上で極めて大事だということでございます。
#283
○広田一君 そうすると、平成十九年度、我が国の長期金利というものは二・三%付近まで上昇すると、そういうふうに予想されているということでよろしいんでしょうか。
#284
○国務大臣(尾身幸次君) 二・三%まで上昇するかもしれないということで、そういう場合でも大丈夫なように金利をきちっと計上しているということでございます。
#285
○広田一君 そうすれば、政府参考人の方で結構なんですけれども、平成十八年度、皆さん、想定金利二%で予算計上しているわけなんですが、実際は一・七三%でございました。これは当初予算のときに、長期金利というのは、御承知のとおり、経済成長率と期待インフレ、そしてリスクプレミアムが加味されて想定されるわけなんですけれども、どういった数的根拠でこの二%というふうな数字が出されたのか。しかし結果として、〇・二六四%も下回っているわけでございますけれども、それはどういうふうな原因でそうなったのか。ちょっと参考までに教えてください。
#286
○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。
 十八年度の積算金利でございますが、十八年度につきましては、その前提となります経済指標等が十七年度の場合と同様であったということで、十七年度と同様の二・〇%ということで積算いたしております。
#287
○広田一君 それでは、結果として〇・二六四%下がったというのはどういうことなんでしょうか。
#288
○政府参考人(松元崇君) この実際の金利がどうなるかということにつきましては、ただいま財務大臣から御答弁申し上げたとおりでございますが、予算の積算につきましては、この利払い費の計上に当たりまして、国債が国の信用を背景に発行されるとともに、我が国の金融市場の中核を成すものであることを踏まえますと、その利払いについて予算額の不足を来したり、あるいはそのような懸念を市場に持たれて不測の混乱を招かないよう、十分な予算上の措置をとるべきとの考え方の下、計上しているものでございます。
#289
○広田一君 お聞きになって分かるように、非常にあいまいな根拠というか、非常に具体的な積算数字に基づいてはじき出されたものではないということがお分かりになったというふうに思いますので、そうした中で一点だけ確認をしたいんですけれども、尾身大臣がおっしゃったように、予算に不足が生じたときにはマーケットに懸念が生じるというふうなところは私も先ほど言いましたように理解するところなんですけれども、そのことと、予算上の不足というものが即、我が国が国債の利払い費を払えない、こういうことに直結するわけではないですよね。
#290
○国務大臣(尾身幸次君) これは、私どもとしては、国債利払いについては絶対に間違いないように払いますということを明確に言える、また、先ほど言いましたマーケットに不測な不安を抱かせないということも含めて客観的な水準で考えていかなければならないというふうに思いますが、どうしてもやはりこの信認をしっかりと確保するということは、これは極めて大事でございまして、そういう意味から妥当な数字を出しているというふうに確信をしている次第でございます。
#291
○広田一君 もう一点、私のこの国債の利払い費についての問題意識の一つは、尾身大臣がおっしゃっておりますように、国債といったものが我が国の信用を背景として発行されることでありまして、また我が国の金融市場の中核を成すものであると、こういう理解は私も共有するところでございます。そのような重要な長期金利の想定が同じ政府の中で、内閣府の方が二・一%、財務省が二・三%とばらばらであること自体が問題ではないでしょうか。この件に関する御所見をお伺いできればと思います。
#292
○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。
 内閣府の金利につきましては、日本経済の進路と戦略の参考試算におきまして、経済の相互関連を考慮した計量モデルを基に作成しておられるということでございまして、経済成長率や物価上昇率とともに内政的に決定されたものと承知いたしております。それに対しまして、予算の積算金利は、予算編成における事務的な必要性から、予算編成時点での経済・金融情勢等を勘案しつつ、過去の金利の平均を用いる機械的な手法を基本に設定しているものでございます。したがいまして、互いにこれは性格を異にするものということでございます。
#293
○広田一君 性格が異にするものであるのでばらばらであっても仕方がないというふうなことだと思いますけれども、まさしくこの長期金利というのは、経済にも大変な影響を与える、また我が国の財政にも甚大なこれまた影響を与えるというのは共有できるというふうに思うわけでございます。
 そうであるとするんだったら、大臣、これはちょっと質問通告していないので恐縮なんですけれども、是非とも、内閣府、財務省等が中心になりまして、統一的な見解を持って、数字を共有した上でやはり利払い費の計上、予算に反映させるということが予算とか経済政策の信頼性を私は高めることになるんじゃないかと。内閣府と財務省で性格が異なるといっても、繰り返しになりますけれども、長期金利というのは経済、財政両方に多大な影響を与えるのでやはり統一見解を出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#294
○国務大臣(尾身幸次君) このいわゆる進路と展望は、これは政府として正式に決めたものではございませんで、参考試算としての見通しを決めたものであり、先ほど言いましたようないわゆるシミュレーションによりますエコノミストの予想を中核として構成されているものでありまして、それに対しまして、私どもの予算の積算根拠は、絶対にいわゆる金利を払えなくなるような状態は起こしてはならないということであり、国の財政についての信頼を確保するという観点から、この数字を客観的なデータに基づきながら信頼性の確保ということを第一に考えて決めたものであり、閣議決定を経た数字でございますから数字の重さが違うと思っております。
#295
○広田一君 数字の重さが違うということでございますので、是非とも、そうであるんだったら、内閣府の方も論破をして二・三%というふうに巻き込んでいただければなというふうに思いますが。いずれにしても、是非とも、経済、財政に大変影響のある数字でございますので、できるだけ統一見解を持てるような御努力をしていただくように御要望を申し上げまして、ちょっと時間もございませんので次の項目に行きたいと思います。
 次は、所得税法等の改正に関連して御質問をさせていただきたいと思いますが、政府の方は本格的な税制改革論議といったものを十九年度秋以降に開始をするというふうにおっしゃっております。峰崎委員の方から午前中、これはやっぱり参議院選挙前にするんじゃないかというふうな御指摘もあったわけでございますけれども、いずれにいたしましても、まずお聞きしたいのは、その税制改革論議の中において、いわゆる給与所得控除の縮減といったものは検討対象になるんでしょうか。
#296
○国務大臣(尾身幸次君) 近年、サラリーマンが就業者の八割強を占めるという状況になり、また正規労働者の割合が低下する中で、パート、派遣等の非正規労働者の割合が急速に上昇するなど、雇用形態の多様化が進んでおります。サラリーマンの給与収入に対して適用される給与所得控除につきましては、勤務費用の概算控除と被用者特有の事情に配慮した他の所得との負担調整のための特別控除という二つの要素が含まれているものと整理されているわけでございますが、このような就業構造や雇用形態の変化等を踏まえて必要に応じた見直しを検討していくことが重要であります。
 政府税調におきましては、このような就業構造、それから雇用形態の変化を踏まえまして、給与所得控除の二つの要素に関し、他の所得との負担調整のための特別控除という要素については、雇用関係の有無だけをもって給与所得者と個人事業者を一律に比較することは困難となってきており、給与所得者であることを理由として、所得の計算上、特別の配慮を行う必要性が乏しくなってきているという点が一点。それから、勤務費用の概算控除という要素については、事業所得に係る必要経費の取扱いの見直しと併せて、給与所得者の控除や申告の在り方について、勤務の実態に即して経費が適切に反映されるような柔軟な仕組みを構築していくべきであるという提言がなされているところでございます。
 いずれにいたしましても、本年秋以降の抜本的、一体的な税制改革を議論する中で、政府税調の指摘も踏まえつつ、給与所得に対する課税の在り方についても、事業所得などとともに公平、中立、簡素、さらに活力といった税制の基本的な原則に照らして幅広く議論してまいりたいと考えております。
#297
○広田一君 確認なんですけれども、その幅広く検討というのは、給与所得控除も今回の税制の抜本改革論議の検討対象となるというふうな理解でよろしいんでしょうか。
#298
○国務大臣(尾身幸次君) 所得税、法人税あるいは資産課税、消費課税などなど、いろんな税項目につきまして、財政全体の在り方、国の将来の在り方等々も含めまして抜本的な検討を聖域なしに進めていきたいと考えております。
#299
○広田一君 聖域なく検討していくということでございますので、給与所得控除もその中に入るということでございます。
 そうなると、御党が政権公約として出しました、分かりやすく言えば、サラリーマン増税について検討すると、こういうことですよね、大臣。
#300
○国務大臣(尾身幸次君) 自民党がサラリーマン増税はしないということを選挙のときに申し上げたわけでございますが、いわゆる給与所得控除等の見直しにより、いわゆるサラリーマンに対して給与所得が把握しやすいということに着目して、ねらい撃ち的に負担増を求めるという考え方は取らないというものであるというふうに考えております。
#301
○広田一君 いわゆるサラリーマンをねらい撃ちにしたサラリーマン増税は行わないということは、私は二つの解釈ができるんじゃないかなと思っておりまして、額面どおりに、少なくともサラリーマンだけをねらい撃ちにできる増税はしないと。具体的に言いますと、給与所得控除の縮減とか退職金課税は行わないんだという解釈と、先ほどちょっと尾身大臣がにじませた、給与所得控除の縮減とか退職金課税の強化も行うんだけれども、消費税などほかの増税も同時に行うので、サラリーマンだけをねらい撃ちにしたサラリーマン増税には当たらないと、そういうふうな解釈もできると思うんですけれども、大臣、これどっちの解釈に立てばよろしいんでしょうか。後者でしょうか。
#302
○国務大臣(尾身幸次君) 発言の調子によってアクセントが付いているように理解をされるのは甚だ心外でございまして、私としては、秋以降、所得課税、法人課税、消費課税、資産課税などなど、すべての税目について抜本的な検討をする。先ほど申しました政府税調の考え方の問題も、その中で当然入ってくるというふうに思いまして、まだどういうふうな方向になるかということについての方向性は全く出ていないわけでございますけれども、聖域なく検討をする、そして財政の歳出、歳入を両方考えて、かつ日本の財政状況、経済状況等も考えた上で抜本的な改革を行うと、こういう考え方でございまして、予断を持って、こういうふうにするとか、ああいうところにアクセントを置いてやるとかいうことは、現在のところ実は全く本当に考えていないということでございます。
#303
○広田一君 本当に今は考えていないということでございますけれども、本当にそうなのかなというふうな感じもするんですけれども。
 予断を持っていないということなんですが、是非ともちょっと予断を持っていただきたいのが、給与所得控除も含めて、所得税の見直しをするときに、私はやはり可処分所得の動向というものは是非見ていかなければならないんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 大臣、御承知のとおり、可処分所得が増えない中で所得税に対する課税強化がなされたときの経済的な影響、税収に与える影響等も是非とも勘案して議論を進めていただきたいと、このように考えるんですけれども、いかがでしょうか。
#304
○国務大臣(尾身幸次君) 今後とも増加する社会保障給付、あるいは国庫から年金負担を三分の一から二分の一に上げるというような問題につきましては、既に進路と展望の中の試算に入ってプライマリーバランスの予想をしているわけでございます。
 しかし、他方、例えば少子化対策を充実させなければならないという問題や、あるいは金利の動向等についての展望は入っていない、計算に入っていないわけでございまして、そういうわけで、今後増加する社会保障給付や少子化対策への対応などにつきまして、国民が広く公平に負担を分かち合うという観点に留意をしつつ、基礎年金の国庫負担割合の引上げのための財源も含めまして、安定的な財源を確保するために、本年秋以降、抜本的、一体的な税制改革を議論をする必要があるというふうに考えております。
 その中で、給与所得に対する課税の在り方のほか、事業所得など給与所得以外の所得への課税も含めまして、公平、中立、簡素、さらに活力といった税制の基本的な原則に照らして幅広く議論をしてまいりたいというふうに考えております。その際、活力という観点からは、可処分所得の増加が消費の拡大等を通じて経済の活性化に寄与するといった面もある点は、考慮を払う必要があるというふうに考えております。
#305
○広田一君 つまり、先ほど言いましたような社会保障等に関する財源確保に比較すれば、可処分所得の動向というものは検討する材料としては優先順位が低いと、それよりもっと大事なものがあるんだと、こういったような今現時点での御認識をお持ちなんでしょうか。
#306
○国務大臣(尾身幸次君) どこが大事かどうかということについては、私どもの方からは今申し上げる立場にございませんが、こういう委員会の議論を通じまして、是非いろんな意味で幅の広い御意見を伺えれば大変有り難いと思います。
#307
○広田一君 是非とも、今、格差というふうなことが議論をされている中で、本当に大変地域間格差、個人の格差が広がる中での所得に関する課税強化の議論については、先ほど来繰り返して申し上げているように可処分所得の動向というものを是非とも重要視していただきたいと、このことを強くお訴えをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#308
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫です。よろしくお願いします。
 まず、尾身財務大臣にお伺いしたいと思います。
 尾身財務大臣におかれましては、本当に、群馬県で同郷でおりまして、私の尊敬すべき、そして群馬県の誇りとする大臣でございますので、今日は尊敬の念を持って質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず最初に、所信表明の中で述べられたことについてお伺いしたいと思います。
 財政の状況を述べられた中で、長期債務が非常に残高が大きくて先進主要諸国の中で最高水準にある一方で、国民負担率は非常に低いということで述べられておりまして、このような状況が楽観できることではないということで述べられております。
 これをちょっと文脈から見ると、国民負担率が低いことが何か悪いことのように受け止められるんですけれども、この国民負担率が低いことは本当に悪いことなのかどうか、どういう御認識なのか、まず基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#309
○国務大臣(尾身幸次君) 日本の財政、残高ベースでGDPの一四八%でございまして、世界一高い、このGDP、国、地方の債務残高の高い比率でございます。二番目がイタリーで一二〇%、ヨーロッパやアメリカの国々は大体五〇%から六〇%程度となっているわけでございます。
 そういう中で、この国民負担率でありますが、日本は三九・七%で実質的に世界一低い。日本より低いのが三二%のアメリカでございまして、これは国民皆保険がないためにそうなっておりまして、この国民皆保険を負担率に換算いたしますと大体八%ぐらいになるというのが定説でございまして、アメリカが要するに負担率約四〇%、日本とほぼ匹敵する水準でございます。他方、例えばイギリス四八%、ドイツ五一%、フランス六一%というようなことになっておりまして、いわゆる社会福祉の国スウェーデンは七〇%ということになっております。
 したがいまして、所得百万円の方は、日本の場合には約四十万円を、健康保険の掛金とか医療保険の掛金とか雇用保険の掛金に払って、税金も払いますと四十万円で、残りの六十万円が可処分所得になるわけでございますが、いわゆる福祉の国スウェーデンは残りの可処分所得が三〇%しか、三十万しか残らないと、こういうことになっているわけでございます。
 そういうわけで、財政制度審議会におきましても、日本は中福祉低負担の国であると、こういうふうに言われておりまして、この状況の中で、財政非常に厳しい折でございますので、歳入歳出改革を今後抜本的に推進をしていかなければならないと考えているところでございます。
#310
○富岡由紀夫君 端的に言うと、国民負担率が低いということがいいことじゃないと、少し上げた方がいいんじゃないかというお考えなんでしょうか。その辺を教えていただければと思います。
#311
○国務大臣(尾身幸次君) 債務残高、国、地方を合わせた債務残高が一五〇%で世界一、国民負担率は実質世界一低いということになるわけでございますが、だからといって、直ちに負担増をするというのでは国民の皆様の理解と納得が得られない。したがいまして、今後とも財政については、厳しい切り込みをして無駄を省いていく等々のつらい仕事もやっていかなければならないというふうに考えております。
 そういう中で、この秋口以降、十八年度の決算の状況が出ますし、医療保険制度改革の結果としてどのくらいの数値になるかという実績も出ます。それから、年金の国庫負担も三分の一から二分の一に上がるという二兆五千億の負担増もあるわけでございまして、そういうことを踏まえまして、抜本的な歳入歳出改革を進めていきたいと考えているところでございます。
#312
○富岡由紀夫君 国民負担率を一気に上げるのは国民の納得が得られないので、まず歳出の改革でできるところからまずやっていこうという、本格的な議論は秋口からということでございましたので、分かりました。
 今出ましたその秋口の改革についてなんですけれども、税体系の抜本的な見直しを行うということでお話をいただいております。この抜本的な改正をどのような形にするのかということをちょっと教えていただきたいなというふうに思っております。
 具体的には、税制改革法案を平成二十年度の税制改正案としてもう提出するところまで具体的に話を考えていらっしゃるのか、それとも、何というんですか、概要というか、ある程度の結論を見いだすだけで終わってしまうのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
#313
○国務大臣(尾身幸次君) 基本方針二〇〇六、それから、これからの進路と展望におきましても財政再建のプロセスについていろいろと議論をし、方向性を出しております。
 今そういう状況の中で、二〇一一年までにプライマリーバランスを黒字化し、二〇一〇年代の半ばにGDP対比の比率を下げるという方向で財政再建を進めていきたいと考えている次第でございまして、社会保障の見通し、あるいは国民年金に対する国の国庫からの注入なども含めまして議論をしているところでございます。
 これをどういう内容にするかということについては、これはまだ方向性が出ておりません。しかしながら、歳入歳出を一体として考えた抜本的な対応はこの秋口にかけて中身を詰めてまいりたいと。詰まった上で、これに対する考え方を提示していきたいというふうに考えております。そんなに私ども時間的ゆとりがあるとは考えておりません。
#314
○富岡由紀夫君 今のはどういうふうに理解したらいいのか、ちょっとあれですけれども、二十年度の税制改正にも織り込む可能性があるということでございますか。
#315
○国務大臣(尾身幸次君) 十九年度を目途に消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく取り組んでまいりたいということでございまして、今後法案の提出につきましても、このような方針の下で具体化してまいりたいと考えております。
#316
○富岡由紀夫君 まだ明確にお答えいただけないということだというふうに思います。
 ちょっと話はそれるというか、変わるんですけれども、この税体系の見直しを行うところがどこで行うのかという、抜本的な見直しをどこで行うのかということをちょっと教えていただきたいなというふうに思っております。
 いろんなものをいろんな人から聞いたり、いろいろと教えてもらったりすると、政府の税制調査会というものと自民党の税制調査会というのがありまして、自民党の税制調査会でいろいろ議論されたことが大綱として出てきて、それがそのままほとんど同じような内容で政府の改革案、税制改革案になってくるというふうになっておりまして、辞められた本間前税調会長なんかも、本当にそういう形が望ましい形なのかどうかといったことをいろんなところでお話をされていらっしゃるんですけれども、その自民党の税調と政府の税調とのまず関係について、どういう関係なのか教えていただきたいなと思います。
#317
○国務大臣(尾身幸次君) 政府税制調査会では、学者や実務家を中心に選ばれた委員によりまして、主として理論的、専門的見地から税制のあるべき姿について調査審議が行われているわけでございます。
 他方、自民党と言うよりも与党と言った方がいいかもしれませんが、与党の税制調査会におきましては、国民から選ばれた国会議員の方々によって、納税者の理解と納得が得られるかという観点も踏まえまして、具体的な税制改正案について御審議をいただいているものと理解をしております。こういう政府それから与党の税制調査会の審議を踏まえまして、税制改正法案を政府として決定し、国会に提出しているところでございます。
 なお、こういう委員会の場を通じましても、是非委員の皆様の今後の税制についての御意見などを率直に聞かしていただければ、私としては大変有り難いと考えております。
#318
○富岡由紀夫君 順番はどっちが先なんですか。与党の改革案が出てきてから大体政府の税調が出てくるというふうに認識しているんですけれども、そういうのというのはおかしくないというふうにお考えなんでしょうか。
#319
○国務大臣(尾身幸次君) これはどっちが先かというのもなかなか難しいんでございますが、ほぼ同時期に考え方がまとまってくるということでございます。これを総合的に考えて政府としての提案をしていくと、こういうことでございます。
#320
○富岡由紀夫君 同時というのはまああれなんですけど、ちょっとほかのいろんな部門、いろんな法案なんかも見てみますと、大体政府が法案、改正案等々を出されて、それで各党が、まあ与党もそうだと思うんですけれども、いろいろと具体的なその中身について議論されたり審議をしたりするというのが普通のパターンだと思うんですけれども、この税制だけはちょっと違うような感じがするんですけれども、その点について何か改めた方がいいという、まあ本間さんなんかは言っていますけれども、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。
#321
○国務大臣(尾身幸次君) 私も財務大臣就任以前は自民党税制調査会の副会長でございまして、十数人の副会長の一人としてずっともう十数年にわたりまして税制改正の議論に携わってまいりました。ですから、政府税制調査会の方があえて言えば理論的、専門的見地からの意見を取りまとめるのに対して、与党税制調査会の方は、むしろ払う人の立場をかなり、有権者といいますか、そういう方々の立場をいつもいつも考えながら議論をしているように私自身は感じております。
 いずれにいたしましても、これは国家の根幹にかかわる問題でございまして、与党、野党を通じた幅広い議論を聞かしていただきながら方向を決めていきたいというふうに考えております。
#322
○富岡由紀夫君 ということは、いろいろとこの場でのいろんな意見等々もある程度酌んでいただけるということで理解させていただきたいと思います。
 ちょっと財務省さんの、大臣というよりは財務省さんとの自民党の、与党と言ったらいいんですか、自民党の税制調査会との関係なんですけれども、多分あそこまで自民党の改正大綱ができるのは、まあ自民党さん力があるからできるのかもしれませんけれども、かなり財務省さんなんかも初期の段階から携わっているんじゃないかなというふうに考えるんですけれども、そういったことはないんでしょうか。
#323
○国務大臣(尾身幸次君) もちろん財務省の職員の皆様、官僚の皆さんも国家の在り方として極めて真剣にどういう税制がいいかという議論、勉強したり取り組んだりしているところでございますが、要は、国民の代表である国会がこの点について最終的に決めるというのが私自身も考えている基本でございまして、そういうことを視野に入れながら、しかし私たちの子供や孫たちに借金のツケを残すわけにいかない、そういう点をこれからも皆様に訴えながら方向付けをしていきたいと考えております。
#324
○富岡由紀夫君 是非、自民党の税制調査会の幹部の人たちだけで決まるというんじゃなくて、広く皆さんのいろんな方面からの声も聞いていただいて、税制改正に反映していただきたいなというふうに要望いたします。
 続きまして、先ほど基本方針の二〇〇六の中で、今お話出ていましたけれども、二〇一一年度にプライマリーバランスを黒字化させると、そのためには要対応額というのが示されておりました。ところが、昨今の税収のいろんなものを、反映を見直してみますと、要対応額というのが十六・五兆円から十三兆円になったということが報告をされております。この要対応額、十六・五兆円だったのが十三兆円になったと。十六・五兆円をどうやって対応するかということが示されていたのが、歳出削減で十四・三兆円から十一・四兆円、するということが当初示されておりました。今年度も、平成十九年度も三・五兆円の改革を行うということを示されております。
 この分でいくと、歳出削減だけで十四・三兆円ぐらいできちゃうということになると、要対応額十三兆円ですから、歳出削減だけで済んでしまうんじゃないかというふうにも理解できるんですけれども、そういうふうに見てよろしいんでしょうか。
#325
○国務大臣(尾身幸次君) 進路と展望について今いろいろと議論をし、経済成長なくして財政再建なしということで、経済の活性化、発展を非常に重点を置きながら、いろいろとこの枠組みを考えているところでございます。
 進路と展望におきましては、今の数字、プライマリーバランスがどうなるかという計算をしておりますが、この前提条件がどういう前提かというと、高齢化が相当進むという点が一点、それから、年金の負担を、財政の方から三分の一から二分の一に年金の国庫負担を増やすと、これで二兆五千億掛かるわけでございますが、その二点を中心として、あと成長率とか物価がどうなるかということを含めまして議論をしているところでございます。
 さはさりながら、実はこれに二つの要因を私は考えていかなければならないと考えておりまして、一つは少子化対策でございます。
 少子化対策については、今、人口問題研究所等で試算をいたしますと、このまま何もしないでいると、今一億二千八百万の人口が五十年後には九千万を切る、百年後には四千五百万を切ると、こういう想定になっているわけでございまして、これをこのまま放置しておくわけにはいかない。人口増加といいますか、少子化対策に抜本的に取り組まなければならない。
 よく調べてみると、三十年前には日本とフランスの出生率は同じ水準でございました。ところが、三十年後の現在になると、フランスの出生率は二・〇、日本の出生率は一・二四というようなことで、三十年間に物すごく格差が開いて、フランスは人口がわずかながら増加をしている、日本は減少しているということになってきております。
 どこが違うんだと。いろんな制度の違いがございますけれども、一つは、やっぱり財政支出、どのくらい負担をしているかということの違いもございまして、フランスはGDPの三・〇%を少子化対策に使っております。日本は〇・七%しか使っていない。つまり四分の一しか使っていないというのが実情でございまして、少なくとも、フランスまで行けるかどうかは別として、人口対策、少子化対策を抜本的にやるためには、やはりこの財政負担をある程度覚悟していかなければならないという点が一点でございます。
 それから、先ほど来お話にありますように、金利の動向でございますが、日本は公定歩合が非常に低い中で、世界的な金利の動向から見ると非常に低い水準にあります。長期的にはこの金利はもうちょっと上がるということを想定をしていかないと、長期にわたる財政の問題は考えられない。今、五百兆を超える債務があるわけでございますから、金利が一%上がりますと、それに見合って幾らか借換えでいきますから、すぐすぐにはいきませんが、五兆円ぐらいの、一%で五兆円の負担増になる、二%上がれば十兆円の負担増になるということでございまして、この点も長期的には我々として覚悟していかなきゃならないというふうに考えております。
 その金利の点と少子化対策の点を考えると、現在の日本の財政状況は、長期的な観点から見て決して安心できるものでないというふうに考えておりまして、これらを総合的に考えて、例えば百年後の日本の国の姿が人口四千五百万でいいのかどうかということも含めて、そういう中で全体として国の姿の在り方を検討した上で財政再建をその中に織り込んでいくと、こういうふうにしなければいけない。財政だけで、お金だけが国、将来にツケを残してはいけないということだけではなしに、子供の数が少なくなって人口が減るというツケも将来に残していくわけにいかないということでございまして、そういうことも含めて、総合的、立体的な国の在り方も含めた財政健全化路線を貫いていきたいというふうに考えているところでございます。
#326
○富岡由紀夫君 そういうことは、増税が不要だという考えだけでは済まされないだろうということだというふうに理解いたしました。
 政府の内閣の中にも大田経済財政担当大臣なんかは増税なき財政再建を目指すということを言われたり、中川自民党の幹事長なんかも増税は要らないんじゃないかといった声もありますけれども、財務大臣のお考えとしては、今言った少子化対策とか金利の上昇リスクを考えてやはり増税というものは必要だということで整理させていただいてよろしいんでしょうか。
#327
○国務大臣(尾身幸次君) 今の段階でそれを申し上げますとまたいろいろと問題も起こりますので、歳入歳出一体改革の中で国の在り方も含めて、是非、与党、野党を問わず、国民全体として真剣に考えていただきたいということを申し上げているわけでございます。
#328
○富岡由紀夫君 よく分かんないんですけど、煙に巻かれたような、まあ余り、同じ意見なんでそれ以上言いませんけど。
 あと、二〇一〇年代半ばまでにGDP対比の公債残高の拡散を防ぐようなことも同じ計画の中で述べられていらっしゃるんですが、このときまでの要対応額というのはまだ出されていらっしゃらないんでしょうか。
#329
○国務大臣(尾身幸次君) これは、今進路と展望、経済財政諮問会議でもいろいろ議論をしておりますが、この点につきましては、先ほど申し上げましたプラスアルファの二つの要因も考えて要対応額を考えていただきたいというのが私の考えでございますが、これはまだ政府部内で固まった考え方ではございません。これから政府部内におきましても、予算委員会あるいはほかの委員会における審議の状況、またいろんな方の御意見を踏まえた上で方向を出していきたいというふうに考えております。
#330
○富岡由紀夫君 秋の抜本的な改革の前に今ありました基本方針の見直しというのがあろうかと思うんですけれども、例年、これ七月に出されているんですけれども、今年もやはり七月の、具体的に言うと参議院選挙の前に出していただくのかどうか、その辺はお伺いできればと思いますが。
#331
○国務大臣(尾身幸次君) この進路と展望につきましては、大体今年の半ば、六月ごろには出すということに現在なっておりまして、内容どういうふうになるかまだ決まっておりませんが、いろんなことを議論しながら、そういう方向性を出していきたいと考えております。
#332
○富岡由紀夫君 やはり税制の、税収のところは二〇〇六と同じように、具体的な中身はちょっと描けない、秋口の抜本的な改革までは描けないという中で出されるということだと思いますけれども、それはそうとして、次の質問に参りたいと思います。
 具体的な今回の提出された法案の公債の速やかな減債に努めるという第二条第四項についてちょっと質問させていただきたいと思います。
 これまでの議論の中でもありましたけども、建設国債の残高を赤字国債が今上回っているというような状態の中で、この赤字国債の償還ルール、これが六十年償還、一般の建設国債と同じ六十年の償還ルールが適用されておりますけども、これを見直す御予定はないんでしょうか。この二条第四項の精神をどのように理解したらいいのか。それを理解すると見直しもあり得るのかなというふうに思うんですが、その点の関係をお伺いできればと思います。
#333
○国務大臣(尾身幸次君) これは建設公債につきましては、財政法四条で、財政健全化の原則の下で公共事業など国の資産を形成し、その資産から受益が長期にわたるものに限るというふうにされておりまして、それ以外の公債の発行は認められておりません。一方、税収及び税外収入等に加えて、このような建設公債を発行してもなお不足する一般会計歳出の財源に充てるために、赤字国債を財政法の特例として、毎年度法律をもって国会の議決をいただいた上で発行しているところでございます。
 近年、この特例公債の発行額は、高齢化の進展や社会保障関係費の増加によりまして、あるいは景気の低迷に対応してかなり大きくなってきているわけでございまして、この公債の着実な縮減が財政健全化のために極めて重要であると認識しております。
 ただし、建設国債につきましても、過去の公共事業に伴い発行された公債の利払いとか償還のための税収が確保されない場合には、その財源はまた特例公債によることになることにも留意する必要があるわけでございまして、財政健全化に当たりましては、公債発行額全体の縮減に努めていくことが大切であると考えております。
#334
○富岡由紀夫君 公債の残高をそういった縮減に向けて厳しく考えていくというのは、おっしゃるとおりだと思いますけども、今の状況だと、毎年、この赤字国債が国会の中で法案提出されて、残念ながらまた私どもが反対してもやはり与党の賛成でどんどんどんどん通ってしまうと。実質的な赤字国債の残高の縛りがないというのが今現状かと思いますけども、この辺の赤字国債、もう建設国債の残高を超えているほどの赤字国債の残高、そして建設国債の利払いの足りない分もまたそちらで今補うという必要があると、そういった不足の追加分もあるといったことでなかなか、赤字国債がどんどんどんどん増えることがもうしようがないんだみたいな感じがするんですけども、そういったものに対して何らかの縛りを入れるようなお考えは財務省として、財務大臣としてお持ちでないのかどうか、その辺をちょっとお伺いできればと思います。
#335
○国務大臣(尾身幸次君) 私どもも縛りを掛けたいんでございますが、これは毎年の、ここのところ数年、夏のいわゆるシーリングで、例えば公共事業を三%以上減らすとか、ODAを四%程度減らすとか、社会福祉についても二千二百億円減らすとか、そういうようなことでやってきておりまして、道路予算も道路特定財源の見直しをやるというようなことでございまして、かなりの削減をしてきていると思っております。
 この今国会におきますいろんな議論、福祉を切り捨て過ぎるではないかと、高齢者をどうするんだとか、サラリーマンに対する税をどうするんだとか、あるいは道路をちゃんと自分のところに造れとか、教育費をしっかり出せとか、あらゆる議論がほとんどお金があれば全部解決することばかりでございまして、他方、財源をちゃんとつくる必要があるというような議論は実は余り行われておりませんで、何か私一人が財源が大変だ大変だと言っているような状況でございます。
 しかし、国全体として見ると、これは財務省の問題ではございませんで、やはり国全体として考えていかなければならない、そういうふうに考えているわけでございまして、この辺りにつきましても、この国家財政を健全にして、本当に必要なところにお金を使えるような体制を一日も早くつくり上げなければならないと考えているところでございます。
#336
○富岡由紀夫君 今、国の財政が非常に厳しいと、健全化が必要だというお話なんですけれども、平成十九年度末の国全体の債務残高、これをまずお伺いしたいと思います。これは、財投債とか政府短期証券とかも含めた金額をお示しいただければと思います。
#337
○政府参考人(小手川大助君) 国、地方の長期、短期債務の合計額についてでございますが、まず最初に、一般論といたしまして、国及び地方という言わば公的主体が負うものにつきましては、税財源でこれを償還すべきもの、それから貸付金の回収金で償還すべきもの、それから一時的な資金繰りのもの等いろいろ入っておりまして、またそのほか重複もあるということから、債務残高の全体のいわゆるとらえ方につきましては多様なものがあるということをまず御理解いただければと存じます。
 それを前提にしまして、まず国の債務でございますが、国の債務としまして、普通国債、財投債、借入金、政府短期証券等の残高見込みの単純合計額、これを予算参考書類でございます国債及び借入金現在高によって申し上げますと、平成十九年度末には約八百九十二兆円というふうに見込まれております。これに、地方債等の地方の長期債務残高につきまして、これは総務省の方からの聞き取りによりますと、平成十九年度末の見込みは約百九十九兆円でございます。このうち国との重複分が平成十九年度末で約三十三兆円となる見込みでございます。
 したがって、これらを単純に合計し、国と地方の重複分を差し引きますと、平成十九年度末につきましては一千五十八兆円というふうに計算されるところでございます。
#338
○富岡由紀夫君 単純に今の数字をGDPと比較すると約二倍という残高でございます。これが財政赤字の深刻さを一番物語っているんじゃないかなと思いますけれども。
 やっぱり是非、私はよく、国民の皆さんにお話しするときには、この残高というのは大変なんだよと、財政赤字は大変なんだよというお話とともに、ただこの赤字は何でできたのかと、どこにこのつくった、赤字のできた責任はあるのかということもやはり考えてみる必要が私はあるんじゃないかなと思っております。そういった反省がないと、同じ過ちをまた繰り返す可能性もあると。
 ヨーロッパなんかはマーストリヒト条約ですか、財政の規律に対するいろんな条約も締結したりしているんですけれども、日本にはそういったものがございません。こういった、何というんですか、もう天井知らずの、毎年赤字国債の発行の法案が出てくるということはどうなのかなというふうに思っておりまして、その辺の是非縛りみたいなものも御検討いただければというふうに思っております。
 ちなみに、今年度の、何というんですか、十九年度の一般会計の利払い費というのは、一応改めてお伺いしたいと思いますが、幾らになるんでしょうか。
#339
○委員長(家西悟君) だれが答えるんですか。どなたがお答えになられますか。
#340
○富岡由紀夫君 じゃ、すぐ出てこないから、私も調べたので一応確認した数字で申しますと、間違っていたら言っていただきたいんですけれども、九兆五千百四十三億円でございますか。
 この金額を、非常に、何か九兆円といっても、九兆五千億円といってもなかなかぴんとこないんで、今まで財務省さんは、これを一日当たり幾らとか一時間当たり幾らという数字は示されていたんですけれども、今年の資料にはなかったんで自分で計算してみたら、また改めて確認したんですけれども、一日当たりにすると二百六十億円ですね。一時間で十億円、一分で千八百万円という金額でございます。今、私、今回九十分いただいておりますけれども、九十分の間で十六億二千九百万円の新たな利息が発生しているという現状でございます。この数字を具体的に見ると、本当にやっぱり大変なんだなという感じはいたします。
 先ほど、それで、尾身大臣は、一%金利が上がると五百兆の場合は五兆円だと、二%で十兆円だと、三%で十五兆円、そのとおりだと思います。GDPが一%増えてもそれだけ税収が増えるかと、それに見合うだけ増えるかというと、決して増えないんじゃないかなと思います。そういった意味で、金利上昇リスクというのは非常に厳しいと。それで、先ほど言った増税が不要だということはないんだというお話になるのかというふうに思いますけれども、その辺のところもしっかりと議論をして、更に、何というんですか、財政の悪化が進まないようにしていただきたいなというふうに思っております。
 この話はおいておきまして、今年度の、十九年度の税制改正と格差の問題についてお伺いしたいと思います。
 いろいろなところで、答弁の中でお話を伺っているんですけれども、改めて整理してこの十九年度の税制改正と格差是正との関係について教えていただきたいと思います。尾身大臣に。
#341
○国務大臣(尾身幸次君) 税制改正につきましては、所得税は累進税率になっておりまして、公平、簡素あるいは活力という点でバランスの取れたものになっておりますが、一つは、所得再配分効果というのがあります。つまり、累進課税になっているわけでございまして、いわゆる所得の格差を累進構造で是正する効果がある。他方、格差の是正を、ある程度は必要だと思いますけれども、しかし余りにも、何といいますか、平等、結果の平等ということになりますと、例えば勤労意欲が失われてくる、そういうことも考えていかなければならない。その辺りのバランスをどう取るかということが大変大事だと思っております。
 それから、格差の問題について言いますと、社会保障制度がございまして、これは支出の方でございますが、支出の方でやはり恵まれない人に対する支援をいろんな形でやっているわけでございまして、税における累進構造とそれから社会保障支出とを総合的に考えて国としてどの程度の格差に対する手当てをやるか。それから、他方、どう経済あるいは生活の、国全体としての活力を維持するかという、その辺りのバランスをどう取るかということが大変大事なのではないかというふうに考えております。
#342
○富岡由紀夫君 今の税の関係でいうと、累進税率のところが今年度の、十九年度の税制改正が格差是正に寄与するということでよろしいんでしょうか。
#343
○国務大臣(尾身幸次君) この所得の税をどうするかというのは、先ほど言いました所得税そのものが累進課税になっておりますが、これと活力を維持するということとのバランスをどうするかということで、今私が例え話を申し上げたんでちょっと誤解を招いたかもしれませんが、この所得税の在り方、法人税の在り方あるいは資産課税、消費税などなど全部一体としてどう考えるかということで議論をしたいというふうに思っておりまして、格差是正が税の目的であるというふうには考えておりません。いろんなバランスを考えた上で、どういうふうにあるべきかということを外国の状況も踏まえながら適切に決めていくというのが私どもの今の考え方でございます。
#344
○富岡由紀夫君 十九年度税制のところは格差とは切り離して考えていらっしゃるということなんですか。
#345
○国務大臣(尾身幸次君) 私自身はそのとおりだと考えております。
#346
○富岡由紀夫君 今回の税制は格差是正に全く関係ないということですか。
#347
○国務大臣(尾身幸次君) 十九年度税制というのは、つまり税制改正という意味で申し上げますと、所得税についてはほとんど改正をいたしませんでした。法人税についても、幾つかの改正ございましたが、法人税については減価償却を外国並みに九五%までしか認めていなかったのを一〇〇%まで認めたということと、それから中小企業の留保金課税について撤廃をしたと、こういうことがございます。ただ、所得税とか消費税とか資産課税とか、そういうものについては今年の税制改正では大きな変更はないというふうに考えております。
#348
○富岡由紀夫君 分かりました。
 今までのいろんなところのちょっと資料を見たら、格差是正に寄与するというような御答弁もあったように思ったんでちょっと聞いたんですけれども、一応今回は切り離して考えていらっしゃるということでございますね。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
 ちょっと、それでは、先ほど、今出ました所得税の累進税率についてお伺いしたいと思いますけれども、定率減税が廃止されまして、元に戻ったわけですけれども、定率減税が導入されたときに、所得税の今大臣がおっしゃられました最高税率、これが五〇%のところが三七%、そして四〇%のところも三七%に引下げが行われましたけれども、このそれぞれ、五〇%から三七になった人、四〇%から三七%に所得税が引き下げられたそれぞれの階層の人が何人ぐらいいるのか、教えていただきたいと思います。また、全人口に対する比率も併せてお伺いしたいと思います。
#349
○政府参考人(石井道遠君) お答えを申し上げます。
 今御指摘のとおり、平成十一年度の税制改正におきまして、個人所得課税について、その改正前の所得税、住民税合わせた最高税率の水準が六五%と主要先進国の中で最も高い水準となっておりましたので、これが個人の勤労意欲を阻害しかねないと指摘されていたことを踏まえまして、最高税率を六五%から五〇%に引き下げたところでございます。所得税につきましては最高税率を三七%にしたということでございます。
 今お尋ねのその数字でございますが、平成十七年度税務統計を基に推計をいたしますと、所得税の最高税率三七%の適用を受けている人数は全体で二十七万人程度でございます。このうち、五〇%から三七%に引き下げられたこととなる階層に属する人数は約八万人程度、それから四〇%から三七%に引き下げられたことになる階層に属する人数は約十九万人程度と見込んでおります。
#350
○富岡由紀夫君 それは、日本、一億二千七百五十万ですか、人口に対して比率はどのぐらいですか、それぞれ。
#351
○政府参考人(石井道遠君) 全人口に占める割合でございますが、平成十八年九月一日の推計で人口が一億二千七百七十四万人で今の数字を割り算をいたしますと、三七%の適用を受けている人数全体で〇・二一%程度の割合。それから、その内訳といたしまして、五〇%から三七%に引き下げられたことになる階層に属する人数の割合が〇・〇六%程度、四〇%から三七%に引き下げられたことになる階層に属する人数で〇・一五%程度と見込んでおります。
#352
○富岡由紀夫君 これ引下げがなぜ行われたかというと、勤労意欲をそがないようにというお話でしたけれども、勤労意欲をそがないように引き下げられた人たちというのは、五〇%から三七に下がった人は八万人、国民全体からすると〇・〇六%、そして四〇から三七に下げられた人は十九万人で〇・一五%ということでございます。
 こういった人たちは、要は非常に大金持ちですよね。本当に限られた日本の上位〇・〇六%の所得の大金持ち、そして次の〇・一五%の大金持ちの方ということでございます。こういうお金持ちの人のところだけを勤労意欲をそがないようにという理由で下げられた。このことはどういうことなんでしょうか。お金持ちだけ優遇したということにこれはなるんですか。
 財務大臣、もしお答えいただければお伺いしたいと思います。
#353
○国務大臣(尾身幸次君) 十九年度の税制改正でございますが、これは最高税率を下げたのは、日本の最高税率がほかの国と比べて極めて高い水準にありましたのをほかの国並みにというか、並みまで行っていないんでありますけれども、したと。こういうことでございまして、例えば、先ほど申しましたように住民税、所得税を合わせて五〇%にしたわけでございますけれども、アメリカはそのときに四五%、イギリス四〇%、ドイツ四七%、フランス四八%ということで、下げた結果におきましても所得税の税率は日本が一番高いと、こういうことに、まあほかの国に近寄ってまいりましたけれども高いということになっているわけでございまして、そういう意味で恒久措置としての最高税率の引下げというのをやったということでございます。
#354
○富岡由紀夫君 諸外国に、何というんですか、照らし合わせるということでという説明なんですけれども、結果だけ見るとお金持ちの人だけ優遇されたと、最高累進税率が引き下げられたということしか私は、ということはそれは紛れもない事実だというふうに思いますので、これはもう本当にお金持ちの人は非常に優遇されたということでございます。
 一方で、低所得の人が、何というんですか、いろいろとそういった税の低減措置がとられたり、若しくはそういった人たちが非常に所得が増えるようないろんな政策が取られているんであれば、まあこれも何も文句を言うことはないんですけれども、今言われているように、もう格差、一生懸命働いても働いても所得を上げられない人がたくさん出てきていると。そういった中で、このお金持ちの人たちだけを優遇するような恒久税制改正が行われたということは、私はちょっと、国民の立場から国の在り方を考える政治家として、これは決して好ましいものじゃないんじゃないかなと私は思っているところでございます。
 ちなみに、ちょっとお伺いしますけれども、平成十五年度のときに相続税率の最高税率も引き下げられました。七〇%のところが五〇%に引き下げられましたけれども、これも同じように、この階層の人が年間何人いたのか、そして全人口に対する比率を同じように、同様に教えていただきたいと思います。
#355
○政府参考人(石井道遠君) 今お話ございましたように、平成十五年度の税制改正におきまして、相続税に関しまして最高税率が、個人所得課税の最高税率との格差、あるいは諸外国の最高税率の例を踏まえまして七〇%から五〇%に引き下げられましたほかに、税率の刻み数全体を簡素化するなどの税率構造の見直しも行っているところでございます。
 今お尋ねの数値について申しますと、これは平成十六年度の税務統計を基に推計をいたしますと、相続税の最高税率に関しまして、七〇%から五〇%に引き下げられたことになる階層に属する人数は、法定相続人ベースで年間五十人程度でございます。したがいまして、全人口一億二千七百七十四万人でこれを割りますと極めて僅少な率になるということでございます。
 それで、今お話しの全体の相続税のそのときの改正でございますけれども、これは最高税率の引下げの効果が及ぶ者の数からいえば少ないことは事実でございますけれども、今申しましたように、個人所得課税の最高税率を下げたこととのバランス、あるいは全体の税率構造につきまして、税率の刻み数につきましても九段階から六段階に簡素化をいたしております。したがいまして、全体として、その上の階層のみならず、全体として税負担が緩和されるような税率構造の見直しを同時に行っておるわけでございまして、一部の富裕層のみの方を優遇した引下げではございません。
#356
○富岡由紀夫君 今、最高税率が七〇から五〇に引き下げられて、恩恵を受けた人が五十人というお話を伺いました。日本全体のうちの五十人のためにこれをやったということでございまして、これで本当にいいのかと。五十人の人たちは、お金持ちの人たちは非常にこれは有り難い話だと思いますけれども、五十人の人のためにそういった税制が行われたということでございます。
 これが金持ちの人を優遇する政策でなくて何と言ったらいいのか教えていただきたいと思いますけれども、今事実だけお伺いしましたので、ちょっと私がお配りした参考資料、この間、去年のときも使った資料と同じでございますけれども、これはアメリカの格差でございます。アメリカは本当にごく一部の、日本の格差よりはるかに比較にならないぐらい非常に格差が広がっている社会だと私はこれを見て思いました。三億人の人口がいるんですけれども、そのうち上位一%ですね、三億人のうちの世帯、一億一千万世帯の一%の人がアメリカ全体の富の三三%、三分の一を占めていると。金融資産に至っては三九・七、四割を所有しているというのが実態だということが読み取れます。上位五%まで、この図でいうと@とAを含めますと、富の全体でいうと約六割、金融資産でいうと約七割近くが、わずか百人のうちの五人の人がこの資産を占めていると。極めて私は偏った社会だと思います。さっき尾身大臣がお話ありました所得の再分配機能とか資産の再分配機能というのがアメリカで本当にこれで機能しているのかというふうに思います。
 それもそうだと思いますけれども、いろいろとレーガン大統領以降、累進税率というのはどんどんどんどんアメリカは下げられてきております。累進税率のカーブが緩くなってきております。お金持ちが優遇されるような、そして相続税もブッシュ大統領はもうなくすということが決定しているというふうに伺っております。要は、そういった資産や所得の再分配機能が機能していない。アメリカはどんどん低下していると。その結果がこういう社会になっているんではないかなと思っております。
 それと併せて、今お話ありました国際的なイコールフッティングということで、日本もそれに合わせていろんな税制改正を行ったというお話でございますけれども、このまま行くと日本もアメリカと同じような格差社会になってしまうんじゃないかというのが当然考えられるわけでございますけれども、この点について財務大臣はどう御感想をお持ちいただいたのか、伺えればと思います。
#357
○国務大臣(尾身幸次君) 先ほどの相続税につきましても、最高税率を下げましたけれども、この刻みを九段階から六段階にして、全体としての引下げをやっております。したがいまして、一番上の層だけを最高税率を下げたということではございませんので、この点については付け加えさせていただく次第でございます。
 日本における格差につきましては、ジニ係数で見ますと、今、日本は中くらいというようなことでございますが、高齢化の進展に伴いまして、どうしても高齢者の場合には格差が大きいという特徴がございまして、それに伴いましてジニ係数がやや上がっているということであるというふうに聞いております。
 それから、資産の格差につきましては、実はいろんな調査がございますが、おしなべて日本は資産格差が一番少ない、世界的に見て少ない国であるということでございまして、ほかの国と比べて、もちろん格差がないとは申しませんが、少ないという点の全体としての特徴はあるように私は考えております。
 それから、格差については、結果の平等、だれでも平等であるという、そういう意味の格差をゼロにするという考え方は安倍政権は取っておりませんで、機会の平等が必要である。それから、格差が不公平、不公正な原因によって格差が生まれることは良くない、それからまた格差が固定することは良くない、したがって、再チャレンジをしたり活性化をしていくということが大変大きな流れの中で大事であるというふうに考えて、そういう方向でやっていきたいと考えております。
#358
○富岡由紀夫君 相続税率、最高税率だけが引き下げられて、その階層の人たちだけが恩恵を受けておられないということを今お話しいただいたんですけれども、そもそも相続税が課税される人というのは今四%台しかいないんですよね。元々資産を持っている人たちが亡くなられても、相続税が非課税の人がほとんど、九五%ぐらいいる中で、わずか五%の人を今の議論で、何というんですか、相続税率の軽減が行われたということですけれども、それ自体余り胸を張って、お金持ち優遇、お金持ちの人だけを優遇したんじゃないということで、意味合いで胸張って説明をいただけるような内容ではないんじゃないかと私は思っております。
 それはそれとして、今ありましたように、おっしゃられた、安倍総理大臣もおっしゃっておりますが、いろいろ機会の均等というか、そういうチャレンジするときの格差がないようにする、それは当然だと思います。ただ、余りにも富が偏在してしまうという形になると、これはもう予算委員会でもさんざん議論されておりますけれども、お金がある人はちゃんと塾行ったり高等教育を受けられますけれども、お金がない人はそういった機会もなくて、そもそもスタート台に立つときから、もう最初から、何というんですか、格差が出ているというのが実態だと思います。
 それをなくすために、先ほど尾身財務大臣もおっしゃられたように、所得税の累進税率とか相続税の累進税率、これによっていろいろな資産の所得の再分配が行われる、それが国の果たす役割、税の果たす重要な役割の一つだと思っておりますけれども、それが今非常に低下させられてきていると。これ世界的な潮流でそうなってきているということを、私はこれは問題だというふうに思っております。
 ほかの国が、アメリカがそうだから日本もそれでいいんだという形になると、地球全体がアメリカと同じような富の偏在国家になってしまうおそれが私はあるんじゃないかなと思っております。アメリカのお金持ちの人は何兆円という一人で資産を持っている人がいると。そういった人たちが、まあ後で質問したいと思いますけれども、ヘッジファンドにお金を出したり、いろんなMアンドAにヘッジファンドを通してお金が回ったり、そういった形で経済の攪乱にも、そういったところまでいろいろと影響を及ぼしておるということを考えると、全世界的にこの資産再分配機能の低下、これは私は改める必要があるんじゃないかなと思っております。
 G7、G8等でもしそういう機会があれば、是非、私はこの世界的な富の偏在、富の一部の人たちに集中する、これをなくすために先進諸国が同じような土俵で、この累進税率の見直し、所得の再分配機能の見直し、これを是非私は提案していただきたいなと思っております。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
 ほかの国がやっているから日本もそれに合わせる、そうするとどうなるかということを踏まえた上で、そうならないように、世界的な議論の中でこれを私は是非取り上げていただきたいなというふうに思っております。アメリカが累進税率を低下させているから日本もそれに倣ってやればいいんだと、相続税も日本もどんどん簡素化、簡素化というんじゃなくて、税負担を少なくすればいいんだと、そういう議論になっちゃうと、世界的なところが私は非常に心配だというふうに思っております。
 そういった意味で、そういった観点で、諸外国、ただ右へ倣えでやるだけじゃなくて、日本が世界を逆にリードするような税の提案とか提言をしていただきたいなと、是非そういったことも議論していただきたいなと思っております。尾身大臣であれば、そういった機会をたくさん持っておりますので、是非それは要望としてお願いしたいと思います。
 もし御意見賜れれば、お願いしたいと思います。
#359
○国務大臣(尾身幸次君) いろんな種類の税目につきまして、先ほど申しました、公平、公正、中立そして簡素という原則を踏まえまして、また関係の皆様の御意見も聞きながら適切な結論を出していきたいと考えております。
#360
○富岡由紀夫君 済みません、金融担当大臣にもお伺いしたいと思いますけれども。
 今の格差に関連して、株式売却の今回の税制改正の中で、二〇%を一〇%にするという税制が一年延期されたわけでございますけれども、これがやはりお金持ちの人の優遇じゃないかという御議論がありますけれども、これに対してそうじゃないということを、ちょっと御意見あれば伺いたいと思いますが。
#361
○国務大臣(山本有二君) 委員おっしゃるように、富の偏在というのは理想からすればできるだけ是正した方が私は公平感があっていいだろうというように思います。特に、生活に困窮するというような方々がいるとするならば、必ずそこに分配機能が働いてほしいという願いはございます。
 さて、そういう理想とまたこの税制とが現実社会で必ずしも一致するわけではございませんが、その証券税制において、一〇%について延長をいただきました。このことは、貯蓄から投資へという政府の基本的な方針があること、また配当、譲渡益の二重課税の問題があること、諸外国の金融・証券税制との比較等踏まえて、我が国金融・資本市場の国際的な競争力を確保するためにも証券税制の軽減税率の延長が必要であるということから実現したものだというように思います。このことは、金融・証券・資本市場の我が国の機能を低下させないという意味においては、私は大事なことであろうというように思います。
 他方、これによって富を更に得られる人がいた場合に、さて、先ほどの理想を追う、富の再分配機能、こういった観点からすれば、更に考えを尽くして、すべての人たちが貧しさから解放されるという世界をつくり出すということはもちろん考えなきゃならぬことだろうというように思っております。
#362
○富岡由紀夫君 株式売却の所得を確定申告した人の調査結果が、先日発表されました。これは、国税庁さんの申告所得税標本調査という結果が出ておりますけれども、これを見ると、確定申告した所得金額二兆六千五百十八億円のうち一兆二千七百二十八億円、四八%、これが総所得二億円超の人、人数でいうと二千百三十三人ということで、この標本調査の中のわずか〇・七%の人でございますけれども、ものであったといった結果が出ております。
 要は、わずか〇・七%の人が株式、そういった売却によって得た所得の四八%を占めているといった実態でございます。これだけを見ると非常にお金持ちの、こういった人たちは非常に今言った税制の軽減が、恩恵が受けられるわけですけれども、要は、そういった二〇%とか一〇%下げられたり株式のいろんなところが恩恵を受ける人は、結果としてやっぱりお金持ちの人だけがいい思いをしているというか、恩恵を受けることが金額ベースでいうと非常に大きくなっているんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点についてはどうなんでしょうか。どうお考えでしょうか。
#363
○国務大臣(山本有二君) 実際、この証券税制において四八%の富を担う人がいるようでございますが、多角的に考える必要があろうというように思っております。単にキャピタルゲインによって短期的な投資で富を得たならば、それについては私は再配分の必要があろうというように思いますし、この中身については創業者利得であったり様々な要因があるというようにも聞いておるところでございます。その意味におきましては、ジャパンドリームというようなことにおいて、更に夢を持って企業活動に邁進しようとする経営者が何人も出てくるという効果もあろうというようにも思っております。
 しかし、いずれにいたしましても、富岡委員のおっしゃるとおり、富はきちっと貧しさから解放されるように分配される必要があろうというように私も思っておりますので、こうした国際的な資本市場、また東京の金融機能というのが十五年前よりも三分の一以下に低下している中で、さらに、アジアの方がどんどん活況を呈している中に証券税制における税率構造というものもあるということを考え合わしたときに、一つの調和点、言わばベストポイントを探しながらそういった点の調整を図っていくということは大事だろうというように思っております。
#364
○富岡由紀夫君 私は別に、ちょっと誤解していただきたくないんですけど、全員が同じ、何というんですか、所得というか資産になれということじゃなくて、やっぱりそういった勤労意欲というか、一生懸命努力したり才能を磨いたり、努力された方はそれなりの報酬を得るのは、それは当然だと思っておりまして、ただ、それが一人で年間に百億円を稼いだり、まあ何十億円稼いだと、そういったところについては課税を強化してもいいんじゃないかなと、そういう意味合いでございます。
 まあちょっとイメージからいうと、年間の所得が一億円以上の人は累進税率をもう少し上げた方がいい、部分については上げた方がいいんじゃないかとか、五億円については更にもう一段階上げると、十億円以上については更にもう一段上げると、そういうレベル感でございます。だから、今一億円未満の人のところまで一遍にばっと上げるというんじゃなくて、ある程度の日本全体のレベルからいって、何というんですか、特に高額所得者と言われている人たちに対してはそれなりの応分の国に対する責任も果たしていただきたいと、そういう思いでございますので、是非そういったことも頭の中に入れていただければ有り難いなというふうに思っております。
 あと、この間の貸金業法の改正のときに山本大臣からお話しいただいた株式の、参加、株式投資をしている人たちが、個人投資家のうちの二五%が専業主婦だとか、二六%が高齢者というお話がありまして、貯蓄から投資へということで非常にいい方向に行っているということでこういうお話をいただいておりましたけれども、ちょっとこれも注意していただきたいなというふうに思っております。
 これは参加人数であればそうかもしれませんけれども、投資金額の額からいうと、さっき言ったように一部のお金持ちの人が大量にお金を入れておりまして、一部の人がお金をマーケットから引けばかなり市場も攪乱されると、混乱するということがありまして、結果としてだれが一番被害を受けるかというと、一般のそういった主婦であったり高齢者であったり、そういった余り今までそういった株式投資等々に経験のなかった人が結局はばばを引くというか、損害を被るということがありますから、野方図にだれでもかれでも貯蓄から投資へということでお勧めするのも私はいかがなものかなというふうに思っております。あのライブドアの判決出ましたけれども、あれもいろいろと損害を受けた一般の人たちがたくさんいますので、そういったことも踏まえて、そういった観点で、貯蓄から投資への流れについても一方的にだれでもかれでもやりなさいよというんじゃなくて、そういったところは注意しながらやるようにということでお考えいただきたいなというふうに思っております。
 もし、そういった何か御意見あればちょっとお伺い、御感想でもいただければと思います。
#365
○国務大臣(山本有二君) 富岡委員御指摘の、私の以前申し上げました個人投資家の二五%が専業主婦、二六%が高齢者という数字は日本証券業協会の数字でございます。また、そうした人たちが保有する資産額についての数字はございません。恐らくそれ以上に機関投資家のシェアが大変高いだろうというようにも思っております。また、証券市場、もうかったときについては非常に華やかでございますが、また損失を受けた人たちも大勢いるわけでございまして、その意味におきましての考慮も必要なのかもしれません。
 また、そうした意味で、我々としましては、常に政治家としての考え方としては貧困からの脱却というものは何より大事なことでございますので、そうした富の配分における税制あるいは予算というものに対しては、委員おっしゃるような大所高所からの判断が必要だろうというように思っております。
#366
○富岡由紀夫君 ありがとうございました。
 ちょっとまた税制改正の中身についてちょっと戻ります。質問させていただきたいと思います。
 再チャレンジ支援金、再チャレンジ支援寄附金税制とありますけれども、ちょっと簡単に概要をお伺いできればと思います。
#367
○政府参考人(石井道遠君) 今回の十九年度税制改正におきます再チャレンジ支援寄附金についてでございます。
 これは、国民一人一人が持ち味を十分発揮し、努力した人が報われる公正な社会を構築していくことが重要な課題であると。このため、多様な機会が与えられ、仮に失敗しても何度でも再チャレンジができ、勝ち組、負け組を固定させない社会、また働き方、学び方、暮らし方が多様で複線化された社会の仕組みが必要であるという基本的な考え方に基づきまして、十九年度税制改正におきまして、地域において障害者の雇用など再チャレンジ支援に取り組む民間企業等に対する寄附について税制上の優遇措置を設けることといたしております。これによりまして、民間による自発的な形での再チャレンジ支援の取組が促進されることが期待されるところでございます。
 本税制の対象となる寄附金でございますけれども、高齢者等の雇用に積極的な企業に対する寄附金あるいは若者の採用機会の拡大に取り組む企業等に助成を行う公益法人に対する寄附金というものに対して税制上の、寄附金上の優遇措置というものを与えることにしております。
#368
○富岡由紀夫君 今の説明の中で障害者とか母子家庭のお母さんの雇用に対する企業についてお話なかったんですけれども、この点についてはどうなんですか。
#369
○政府参考人(石井道遠君) 今申し上げましたが、企業が実際に行われるその事業の中身といたしまして、高年齢者の定年延長、積極的雇用を行う企業のほかに、障害者を積極的に雇用する企業あるいは母子家庭の母を積極的に雇用する企業、こういう企業に対して寄附金が拠出される場合に寄附金の優遇対象とするという仕組みでございます。
#370
○富岡由紀夫君 財務省さんに事前にこの話を説明受けたときに、障害者とか母子家庭のお母さん、母親を雇用する企業に対する寄附金が税制の優遇が受けられるというお話だったんですけど、何でこれが再チャレンジなのかなと。今のお話ありました再チャレンジというのは失敗した人に再チャレンジの機会を与えるという話ですけれども、これは障害者とか母子家庭の母親を再チャレンジというお話ですと、非常にこれは失礼な表現ではないかと私は思うんですけれども、これをもってして再チャレンジという表現は私は改めるべきだというふうに思うんですけれども、財務大臣、いかがでしょうか。
#371
○国務大臣(尾身幸次君) 再チャレンジという表現が適切かどうかはちょっと確かに別でございますが、やはりこういう恵まれない状況にあっても頑張る人を支援することについての税制をつくる、それを支援しやすいようにするということは全体として大変大事なことであると考えております。
#372
○富岡由紀夫君 これは是非必要なことでありますけれども、これは安倍総理大臣が再チャレンジと言ったから、何でもこれも再チャレンジに当てはめちゃえばいいというような安易なところが透けて見えるもんですから、是非それは、当該者にしてみると非常に気分を害する話も多々あると思いますので、是非その辺は注意していただきたいなというふうに思います。
 続きまして、一人オーナー会社の役員給与の損金算入の適用除外基準が引き上げられましたけれども、これはそもそも、一人オーナー会社の損金算入の適用除外というか、これはなぜ導入されたのか。そもそもその適用、何というんですか、除外をするということを導入した当初の目的はどうなのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#373
○政府参考人(石井道遠君) 御指摘の今の一人会社オーナーの件でございます。
 これは、個人事業主が、いわゆる法人成りを行うことによりまして、法人段階でオーナーの給与、これは損金算入されるわけでございますが、一方でそのオーナー給与に更に給与所得控除が適用をされるという、いわゆる経費の二重控除が発生いたします。この二重控除に対応する措置といたしまして、昨年度の、平成十八年度の税制改正におきまして、個人事業主との負担の公平を図るための課税の適正化措置ということで設けたものでございます。
 この本措置の導入に当たりましては、昨年五月施行の会社法におきまして、資本金一円でも株式会社の設立が可能になると、設立が非常に容易になるということを踏まえまして、このような個人事業者の節税目的の法人成りのインセンティブを抑制するという観点から制度設計をいたしました。
 具体的には、個人所得課税と法人課税の税率構造が違います。所得税率が累進税率であると。一方、法人課税の場合には基本的に比例税率であるということから、所得水準がおおむね七百万程度以下の場合には所得税率が低いために法人成りのメリットが生じないということを基本といたしまして、それに中小零細企業の配慮も加味いたしまして、法人所得とオーナー給与の合計額が八百万以下の場合には本措置の適用対象から除外をするということを昨年度の税制改正で決めていただいたわけでございます。
 一方、今般、この十九年度の税制改正におきましては、この八百万以下という基準を千六百万ということに引上げをいたしております。その引上げの考え方でございますけれども、これは、昨年七月の経済成長戦略大綱等におきまして、地域や中小企業の活性化に思い切って取り組むことが重要であるとの指摘がなされていることなども勘案いたしまして、中小企業の活性化に重点を置いた改正を行う一環として、この起業の更なる促進あるいは活力ある中小企業の負担軽減ということをより重視いたしましてこのような引上げを行ったわけでございます。
 具体的なこの千六百万という水準でございますけれども、これは、一人オーナー企業におきまして節税メリットが発生したといたしましても、法人所得とオーナーの給与の合計が黒字中小企業の平均的な水準に達するまでの対象につきましては本措置の適用除外にするということから、現在統計を見ますと、資本金二千万以下の黒字中小企業の平均の法人所得とオーナー給与の合計額が約千五百七十万でございますので、この黒字法人の中小企業の平均値まではこれを除外、新たにしようということで八百万を千六百万に引き上げたというのが今回の改正でございます。
#374
○富岡由紀夫君 引上げ前の実績は、課税額と対象人数は幾らですか。
#375
○政府参考人(石井道遠君) これは、昨年度の税制改正、要するに十八年四月一日から開始する事業年度の法人について適用があるものですから、実績はまだ出ておりません。
 そこで、昨年、制度導入時におきまして、この具体的な適用対象の見込みを私どもこの場でも申し上げております。今般の改正前における本制度の適用対象企業数は約五、六万社、税収額は約二百九十億円ということを昨年、制度導入時には申し上げた経緯がございます。
 今回、先ほどのように、八百万を千六百万に引き上げることによりまして、適用対象企業数はこの五、六万社から約二、三万社に減ると、それから税収も当初二百九十億と見込んでおりましたのが約百六十億円ということになるものと見込んでおります。
 したがいまして、適用対象企業一社当たりの平均課税額につきましては、この今の税収額を対象社数で割りますと、一社当たり平均で、制度改正前が四十八万円から五十八万円と見込んでおりましたが、改正後は一社当たりの課税額の平均が五十三万円から八十万円程度になるというふうに見込んでおります。
#376
○富岡由紀夫君 十八年度決算を見て秋口に税の抜本的改革をすると。これは、十八年度決算の実績を見たり社会保障給付の実績を見たり、そういったものを踏まえて本年度の秋以降見直しをするということで先ほどお話ありましたけれども、今のお話ですと、この一人オーナー会社の損金算入のところはまだ実績も出ていないといった中で見直しをするというお話でございますけれども、何かどうも納得いかないんですけれどもね。導入したばかりでまだ実績も出ていない、そういった中で見直しをする、非常に理解し難いんですけども、財務大臣、この点についてはどうお考えでしょうか。財務大臣にちょっと、今数字の中身はお伺いしましたんで、その実績がない中での今回の改正に出てきたというお話、秋口の見直しとの関係でどういうふうに考えたらいいのか教えていただきたいと思います。
#377
○国務大臣(尾身幸次君) 今般の改正は、中小企業の活性化をより重視するという政策の下、本制度の適用除外基準を見直すものでございまして、制度の影響度合いについての昨年の見込みが間違っていたから改正を行うものではないというふうに考えております。
#378
○富岡由紀夫君 いや、見込みじゃなくて実績が出ていない中で改正するという理由を教えていただきたいと思います。
#379
○国務大臣(尾身幸次君) 昨年の経済成長戦略大綱におきまして、構造改革の中で経済状況や成長力の回復に遅れが見られている地域や中小企業の活性化に思い切って取り組むということが重要であるという指摘がなされていること等も勘案をいたしまして、中小企業の活性化に重点を置いた十九年度改正の一環として、起業の更なる促進や活力のある中小企業の負担軽減の観点をより重視した結果でございます。
#380
○富岡由紀夫君 活性化、今のお話ですと、そもそも、じゃこれを適用しなかった方がよかったのかというようなふうにも理解できるんですけども、その辺のところがよく理解、どういうふうに整理したらいいんですか。
#381
○国務大臣(尾身幸次君) 我が国の経済を担う中小企業の活性化という点が特に安倍政権において大きな課題になっておりますので、そういう点を踏まえて今回の改正をしたものでございます。
#382
○富岡由紀夫君 ちょっとよく、議論これしてもあれなんでもうやめますけども、要は、そもそもの課税逃れの導入目的と中小企業の活性化の今回の引上げというところがよく、余りまだ実績もない中で行われるということがどうなのかなといったことでちょっと質問をさせていただきました。
 それと、ちょっともう時間もないんで、今回いろいろと減価償却制度の見直しありました。これ国際的なイコールフッティングということでいろいろな場面で御説明いただいておりますけれども、日本の、何というんですか、法人税率についても今いろいろと御議論がされていらっしゃるというふうに伺っておりますけども、この法人税率の引下げ若しくは引上げも検討の中に入るかどうか分かりませんけども、この法人税率の考え方について尾身財務大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#383
○国務大臣(尾身幸次君) 企業が国を選ぶ時代になりました。つまり、経済がグローバル化する中で、どの国に経済活動の拠点を置くか、どこの国に本社を置くかということも含めまして企業が国を選ぶ時代になった。そのときに、日本という国家が企業活動の拠点として選ばれるような魅力ある国にならなければならない。これは外国の企業も日本の企業もそうでありますが、そういう考え方を取っているわけでございまして、そういう意味で、少なくとも税制については諸外国とイコールフッティングの税制を提供することが大変大事だというふうに考えております。
 その観点から、現在四〇%を超えている法人税率を持っている国はアメリカと日本とドイツでございまして、ドイツはこれを近く三〇%程度に下げるというふうに決めているというふうに聞いております。そういう中で、特に経済関係者から税率を下げろという要望が昨年もかなり強くございました。
 さはさりながら、私どもといたしましては、この財政厳しい状況の中で、現段階で基本税率を下げることは適切ではないと、下げるゆとりもないということで据置きということに判断をした次第でございます。
#384
○富岡由紀夫君 法人税率を下げろと、いろんな経済団体からのそういうお話もあったということなんですけれども、先ほどの格差に関連してちょっと、ちょっと質問をして答えてもらってからと思ったんですけれども、いただいた資料で見ますと、そもそも法人税を納めている企業というのがどのぐらいの数あるのかといったことをやっぱり考えておく必要があるんじゃないかと思います。
 利益を上げている法人が、いろんな調査によって、昨日いただいた資料に見ますと、そもそも利益を計上している法人が三二%ぐらい、六七%、三分の二は欠損法人だといったことが、昨日いただいた国税庁の調査の資料ですか、いただいております。国税庁かな、税務署さんの、いただいた資料でいただいております。大体三割ぐらいしか利益を上げていないといったところでございまして、その利益を上げた企業だけが法人税率の引下げのやっぱり恩恵を得るということでございまして、何かあたかも日本全体が、中小企業がみんな法人税率の引下げを望んでいるかというと、私は決してそういう状況じゃないんだと思っております。
 それより先にもっとやらなくちゃいけないことがあると。まずは、法人税を納めるだけ利益を上げるような環境にしてほしいというのが中小企業の私はもっと切なる望みだというふうに思っております。利益を上げていてもう利益処分に困っちゃっていると、そういったところは法人税率下がった方がそれはもう喜びますけれども、ほとんどはもうそんなことは全然関係ないんですね。七割ぐらいの企業はみんな赤字企業だと、これが実態でございますから、勝ち組だけを更に優遇するのもいいんですけれども、それよりまずこういった赤字企業をなくすような、解消するような、そういった仕組みづくりの方が私は必要じゃないかなというふうに思っております。
 あと、これも今回質問しようと思ったんですけれども、雇用者報酬は二〇〇一年度から二〇〇五年度まで、いろんなところで議論されておりますけれども、減少しております。ところが、大企業を中心とした役員報酬とか配当金は、これは非常な高い率で増えております。これは要は、何というんですか、大企業の一生懸命利益を上げられる、どうして上げられるかというと、そういった雇用者、働いている人たちが犠牲になった上で利益を上げていると。利益を上げて、それがどこに行くかというと、役員の報酬に行ったり、株主の配当に行ってしまっている。これは非常にちょっと日本全体の社会を見たときにおかしな状況じゃないかなと思っております。
 大企業の中では従業員は非常に痛手を負っているし、大企業と下請企業、中小企業との関係を見ると、下請企業はみんな、何というんですか、利益を出せないような、いろんな大企業からの圧力を受けているといったことがあろうかと思います。こういった日本全体の構造全体を私は見直さないと、幾ら国際競争力、競争力といっても、国民の、従業員の犠牲とか中小企業の犠牲の上に成り立つ国際競争力というのは、私は決して望ましい姿ではないんじゃないかというふうに思っております。
 国際競争力の名の下にリストラが堂々とやられて、中小企業いじめが、下請いじめが堂々と行われている社会、これは決して私は美しい国ではないというふうに思っております。これを改めるもっと抜本的な観点からの私は日本の転換を図るべきだというふうに思っております。何でもかんでも、先ほどお話ししましたけれども、欧米とか、アメリカとかヨーロッパの国のやり方をまねしてやっていくだけで本当にいいのかといったところを、日本のやっぱり、日本独自で本当に目指すべき社会はどういうものなのか、こういった観点をやっぱり私は大切にしていかないといけないんじゃないかなというふうに思います。
 この点を指摘させていただいて、最後、両大臣にちょっと御意見、簡単に御感想をいただきまして、私の質問を終えたいと思います。
#385
○国務大臣(尾身幸次君) 経済を活性化していく、経済のグローバリゼーションの中で国際競争力を付けていくということが私は大変大事だと思っております。そして、そのことによって、いわゆる設備、債務あるいは雇用の過剰が解消して、経済が順調な回復過程に入りつつある。その結果として、失業率の低下、有効求人倍率の上昇に見られるように労働需給がタイトになりまして、それがそこで働く人たちの給料の上昇にも跳ね返り、それがひいては、また幅の広い消費増大を通じて経済が順調に進んでいくと、発展をしていくと、こういう状況が望ましいと考えておりまして、昨今、初任給の引上げや、あるいは雇用増大、特にニート、フリーターと言われている人が数が減りつつあるという好ましい現象が出てきておりまして、そういう状況が国全体に均てんをするということによって、日本社会、経済全体がバランスの取れた発展を実現をしていくということを私どもとしては期待しているところでございます。
#386
○国務大臣(山本有二君) 先生御指摘のように、配当や役員報酬に企業の蓄積された富が分配され過ぎて、雇用者に対しての労働分配率が低減するという傾向は全世界的なトレンドになりつつあります。そこに大きな批判があることも全世界的なことであろうと思っております。
 特に、アメリカでも最近は極端な役員報酬に対する批判が出ておるわけでございまして、そんな意味で、どのような手段が各国あり得るのかというのはこれからの工夫の出し方ではないかなというように思います。
 また、私の知るところによるグローバル企業の金融関係の企業では、ボーナスを八か月、去年の六月には空前の利益が上がったことに対してきちっと反映するということをやっておる企業がございまして、株主の会社でもない、そして役員の会社でもない、従業員の会社だと、堂々と社長さんが言われて、そういうことをやられる企業もございます。
 そんな意味では、経営者の個別の判断でもありますけれども、そうしたことが大きな価値を占めていくような、そんな経済社会になっていくことが最も大事だろうというように思っております。
#387
○富岡由紀夫君 ありがとうございました。
 これで質問を終わります。
#388
○委員長(家西悟君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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