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2007/05/31 第166回国会 参議院 参議院会議録情報 第166回国会 財政金融委員会 第13号
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2007/05/31 第166回国会 参議院

参議院会議録情報 第166回国会 財政金融委員会 第13号

#1
第166回国会 財政金融委員会 第13号
平成十九年五月三十一日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     末松 信介君     金田 勝年君
     富岡由紀夫君     高橋 千秋君
     前田 武志君     池口 修次君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     秋元  司君     泉  信也君
     大塚 耕平君     直嶋 正行君
     高橋 千秋君     富岡由紀夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         家西  悟君
    理 事
                沓掛 哲男君
                中川 雅治君
                大久保 勉君
                峰崎 直樹君
    委 員
                泉  信也君
                金田 勝年君
                岸  信夫君
                椎名 一保君
                田中 直紀君
                舛添 要一君
                池口 修次君
                尾立 源幸君
                富岡由紀夫君
                直嶋 正行君
                広田  一君
                円 より子君
                西田 実仁君
                山口那津男君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣     尾身 幸次君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        山本 有二君
   副大臣
       財務副大臣    富田 茂之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       三國谷勝範君
       総務大臣官房総
       括審議官     久保 信保君
       財務大臣官房総
       括審議官     勝 栄二郎君
       財務省国際局長  篠原 尚之君
   参考人
       国際協力銀行理
       事        森本  学君
       日本政策投資銀
       行総裁      小村  武君
       日本政策投資銀
       行理事      多賀 啓二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○株式会社日本政策投資銀行法案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、前田武志君、末松信介君、大塚耕平君及び秋元司君が委員を辞任され、その補欠として池口修次君、金田勝年君、直嶋正行君及び泉信也君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(家西悟君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 株式会社日本政策投資銀行法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務大臣官房総括審議官勝栄二郎君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(家西悟君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 株式会社日本政策投資銀行法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として日本政策投資銀行総裁小村武君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(家西悟君) 株式会社日本政策投資銀行法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○中川雅治君 今回審議を行う株式会社日本政策投資銀行法案は、日本政策投資銀行の完全民営化の実現を図るためのものでありますが、この改革は、これまでの政策金融の在り方を大きく変えるだけでなくて、日本の企業金融や金融システムの在り方、さらには産業政策にまでその影響が及ぶ重大なものであると認識しております。
 政策金融は、市場の失敗により民間では十分な資金が供給されない地域再生や事業再生などの公的必要性のある分野に対して、官が一定のリスクを補完して資金を供給する呼び水効果を有してきたわけであります。また、国の高度成長期には、重点分野に対して協調融資により民間資金を補完する資源配分機能を有してきたと言えます。
 特に政投銀につきましては、日本開発銀行の時代を含めて、これまで政策金融機関として大規模インフラ整備など従来の民間金融機関では難しかった分野に長期の資金を供給するなど、国民経済や産業の発展に大きな役割を果たしてきたと考えております。他方、近年、産業構造等が大きく変化する中で、ベンチャー育成や事業再生等の分野に対して、その成長を見守るため、長期のリスクマネーの供給が不可欠となっているわけでありますが、政投銀はこれまで培ってきた事業評価能力等のノウハウを生かして、こうした分野において数多くの実績を残してきていると私自身も評価しているわけであります。
 しかしながら、今回の法案により政投銀は民営化することになります。つまり、政策金融機関としては必要ないということになるわけであります。しかし、一方で、この法案の目的のところに、日本政策投資銀行の完全民営化の実現に向けて、現行政投銀の長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持しと書いてあるわけでございますが、今までの政投銀が果たしてきた役割についてまず財務大臣はどのように評価しておられるのか、そして、今回民営化するに当たって、政投銀の役割は、今までの役割は終わったという御認識なのか。一方で、ここに今申し上げましたような完全民営化の実現に向けて長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持しとあるわけですが、これはどういうことを意味しているのか。まず、政投銀の今までの役割の評価、そしてこれから民営化の実現に向けてどういうことを考えておられるのか、その基本認識をお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(尾身幸次君) これまで日本政策投資銀行は、ただいま中川委員のお話のとおり、政策金融機関として民間金融機関のみでは適切な対応が困難な分野に対しまして長期資金の供給等を行ってまいりました。具体的に言いますと、伝統的ないわゆるインフラ整備やエネルギー事業等の分野を始めといたしまして、最近におきましては、プロジェクトファイナンスや地域再生、事業再生等の新しい分野においても中心的な役割を果たしてきていると考えております。このように政投銀は、我が国の経済社会の持続的発展、豊かな国民生活の実現、地域経済の自立的発展等に大きく寄与してきているところであります。
 今後は、行政改革の重要方針におきまして、政策金融は、中小零細企業、個人の資金調達が一つ、それから国策上重要な海外資源確保とか国際競争力確保に不可欠な金融及び円借款の三つの機能に限定して、それ以外の業務については撤退するという改革の方針が示されたわけであります。これは、民間でできることは民間にゆだねて簡素で効率的な政府を実現するという考え方に基づくわけでございます。この日本政策投資銀行の完全民営化につきましてもこういう考え方で行うものでありまして、全体として公的部門の縮小、政府信用の圧縮によりまして簡素で効率的な政府を実現し、ひいては我が国経済の効率化、活性化に資するものと考えております。
 そういう中で、将来、完全民営化された政策投資銀行は、民間企業として長期の事業資金に係る投融資機能を今後も果たすであろうということを私ども政府としては期待はしているわけでございますが、あくまでこれは民間銀行としての役割でございまして、そういう意味において、今まで持っていた能力を活用しながら、民間銀行としてしかるべき役割を果たしていただきたいなというふうに私ども期待をしているところでございます。
#10
○中川雅治君 政投銀の今までの果たしてきた役割についての評価はお伺いしたわけであります。
 一方で、民営化された後も政投銀が担ってきた長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されることを期待するというお話でございますが、要するに、政策金融としては、国は、今まで政投銀が担ってきた長期の事業資金に係る投融資機能を国が応援する必要はない、あるいは国がそこに関与する必要はないと、こういうことで政策投資銀行を民営化するんだと。ですから、そこはもうこれからは民間銀行として経営判断でおやりになる、その中でそういう機能が維持されることを期待はするけれども、政府はもう関与はしませんよ、応援はしませんよと、その長期金融ということをですね、そういうことでよろしいんでしょうか。
#11
○国務大臣(尾身幸次君) この完全民営化後の政策投資銀行につきましては、政府としては、先ほど言いましたような、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されるということを期待はしている、しかし、これは完全民営化された後の話でありますので、この完全民営化前の暫定期間の間に、例えば政府保有の株式の処分の方法等に関して必要な措置はとるわけであります。しかし、いわゆる政策金融として長期、固定、低利のうち、長期、固定というのは民間でもできるわけでありますが、特に低利の融資をこの銀行の役割として一般論的に果たしていただくということはしないという方針でありまして、もし政策的な金利で低利融資を行うという政策誘導が必要であるというふうに判断をされた場合には、日本政策金融公庫法に基づく危機対応スキームに基づいて対応を行うことが可能であるようにすると同時に、また、政策誘導が必要な分野を所管する省庁が新たな立法措置あるいは予算措置を講じまして、これを使いながらこの完全民営化された政策投資銀行を活用するという別途の考え方でこの民営化された政策投資銀行を使っていただくと、こういうふうな考え方でございます。
#12
○中川雅治君 今の尾身大臣の答弁は非常に明快でございまして、政投銀を民営化した後は、これはもう、その長期金融の機能を期待はするけれども、これは民間会社ですから経営陣の判断によって経営していただく、もし今まで政投銀が担っていたその長期の事業資金に係る投融資機能というものを政策金融として必要とするというようなことになれば、これは先般法律が成立しました株式会社日本政策金融公庫を改組する、まあこれはまたそこで法律改正が必要になるかもしれませんが、いずれにしても、政策金融機関、一つ、これは統合して存在しているわけですから、そこに担わせるか、また別途それぞれの所管官庁で制度を構築していくんだと。ですから、期待はするけれども、それ以上ではないと、こういう御答弁であったというふうに思います。それは極めて当然のことなんですね。
 ですから、そうなりますと、ここの法案の目的にあります完全民営化の実現に向けて、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持し、もって長期の事業資金を必要とする者に対する資金供給の円滑化及び金融機能の高度化に寄与することを目的とする株式会社とするというところが、どういう意味なのか、どういうことをお考えになっているのか不明確になってくるような気がします。
 それと、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されるよう、株式の処分方法等について検討をし、必要な措置を講ずるという規定があるわけでございますが、この点の具体的な中身、それと、この目的に書いてあります完全民営化の実現に向けてというところが、じゃ、実現しちゃったらどうなのか、実現に向けてという表現になっていますが、その辺を含めて解説をしていただきたいと思います。
#13
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 完全民営化後は、長期事業資金の供給の機能の根幹を維持するということが期待されております。ただし、これはあくまでも完全民営化された会社の経営陣の判断だと思っています。
 それで、その期待の根拠でございますけれども、まず、先生言われましたように、行政改革推進法第六条第三項におきまして、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を引き続き維持するために必要な措置を講ずると書かれています。これは、大きく申し上げますと四つございます。
 一つは、その新会社が民間金融機関として収益性を確保しながら、自立し、かつ投融資機能の根幹を維持するため、日本政策投資銀行の強みであります現在の出資と融資を組み合わせた長期のリスクマネーを引き続き供給できるよう、必要な業務の規定や資金調達における政府保証等の激変緩和措置を講じます。また、財政基盤の確保等についての措置も講じます。これによりまして、その移行期間中に完全民営化後の新しいビジネスモデルを構築するということが可能になると思っております。
 二番目は、大臣が申しましたように、完全民営化に当たりましては、投融資機能の根幹が維持されるよう、政府保有株式の処分の方法に関する事項について検討の上、必要な措置を講じます。
 三番目につきましては、新会社の業務や機能等が完全民営化後の新組織に円滑に承継されるために必要な措置を講じます。これは財政基盤等の承継を含みます。
 四番目は、これも大臣申しましたように、移行期間中に危機対応分野やその他の関係法律に規定する政策誘導が必要な分野におきましては、新会社の投融資機能の根幹が損なわれることのないよう、引き続き新会社を活用するという規定を盛り込んでおります。
 以上でございます。
#14
○中川雅治君 この政策投資銀行が今まで担ってきた機能、これは完全民営化すれば当然そのままの形で維持されるということはあり得ないわけです。それで、もし仮に必要であれば日本政策金融公庫を活用する、あるいはまた新しい制度をつくっていくと、こういうことなんですけれども、今の時点において、今まで政投銀が担ってきた機能、これはもう開発銀行の時代からもちろん時代の変遷とともに変わってきているわけでありますが、そういう機能というのは、今の時点で、これからは基本的にはもう必要ないんだと、必要があればこういう措置を講じましょうと、こういうふうに考えておられるのか、そこのところを確認さしていただきたいと思います。
#15
○政府参考人(勝栄二郎君) 移行期間中を含みまして株式会社政策投資銀行は民間会社になりますので、長期事業資金の投融資に係る機能の根幹は維持しますけれども、現在担っております長期、固定、低利、これにつきましては、民間でございますので、現在契約中のものを除きまして、長期、固定は民間会社としては可能であると思っていますけれども、低利はあくまでもリスク相応の収益を上げるという観点から経営陣が判断するものだと思っています。
#16
○中川雅治君 民間会社になりますと、当然、資金調達をするにしても政府の信用はなくなります。債券を発行するにしても政府保証は当然ないし、暗黙の政府保証と言われるようなものもなくなるわけですから調達コストは上がる、これは当然ですね。
 それから、長期、固定と、これも民間会社として、民間銀行としてもちろん可能でしょうけれども、これをその業務の言わば根幹に据えて長期、固定でいくんだと。これ、政策投資銀行はずうっとそういう形で業務を続けてきたわけでありますが、これも基本的に調達コストが低い。ですから、需要が長期、固定であったということでありますし、戦後一貫して、非常に長期のスパンで考えますと金利が低下を続けてきた、金利低下局面がずうっと続いてきたので、調達の方は十年、貸付けの方は十五年とか二十年とか、こういうことでありますと赤字にならないで幸いにも済んできたと、こういうことだと思うんですね。
 しかし、これから民間企業として資金調達コストが上がる。特に、政策投資銀行の格付がダブルAだというところもあるそうです。一方、電力会社はトリプルAだということになりますと、ダブルAの銀行がトリプルAの会社に貸すというのもなかなか、需要があるのかなという気がしますし、電力会社にしてみれば、自分で債券を発行した方がコストが低いということにもなりかねないわけですから、まあ需要の面がそうです。
 それから、仮に今のような調達期間、融資期間が行われるとしますと、金利上昇局面が長期にわたって続くというようなことになりますと、大変な赤字になります。基本的に市場で調達をして市場で運用するというやり方でありますと、非常に長期を取って考えるとなかなか、そこで利ざやを取って経営が長いスパンで順調に続くというようなことは非常に難しいのではないか。長銀とか日債銀の行く末を見ても分かるわけでありまして、なかなか、民間銀行になった政投銀にそういう長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持することを期待するというのは、私は非常に難しいというように思うわけです。
 ですから、一方でそういうことを期待して民営化をするというところは、もちろん民営化のメリットは非常に大きいわけですから、あるいは行革という見地から考えれば当然これは評価すべきことであるという意見も一方でありますが、一方でそういうことを期待しつつ民営化だという、そこは何か矛盾しているんですね。そこはどう整理をされるのか、お伺いをしたいと思います。
#17
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 完全民営化後のビジネスモデルにつきましては、移行期間中におきまして、株主の意向を踏まえまして経営陣が判断するものであると思っています。
 ただし、この法律を提出するに当たりまして基本的な考え方としまして、移行期間中は先ほど申し上げました根幹を維持する、かつ完全民営化に当たりましてその根幹を維持するような必要な措置を講ずるということだと思っています。完全民営化後は、そういう措置は講じますけれども、あくまでも完全民営化後の経営陣の判断だと考えております。
#18
○中川雅治君 移行期間中に措置を講ずるというのは、一つは株の処分に当たってその長期の投融資機能の根幹が維持されるように株を処分していくと、こういうことのように規定されておりますが、具体的にはどういう株の処分をお考えになっているのか、今の時点で考えておられることを答弁していただきたいと思います。
#19
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 株式処分につきましては、株式処分の円滑な推進並びに国民の財産であります政策投資銀行株式の処分収入の適正な確保を図る必要があるとともに、もう一つは、行革推進法や行革推進本部において決定されました制度設計におけます完全民営化後も投融資機能の根幹を維持する旨の規定や、また行革推進法を可決したときに参議院の附帯決議がございますけれども、そこで同機能を維持するために安定性のある株主構成とするとされた趣旨を踏まえる必要があると考えています。
 このために、この法律におきまして、完全民営化に当たりまして、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されるよう、政府保有株式の処分の方法に関する事項について検討するということが規定されております。それを踏まえまして、今後、専門家や有識者から成る検討会で専門的な見地から検討していただくことが必要であると考えております。
 その際、想定されます検討事項、論点でございますけれども、例えば株式の処分の手法、これ、安定性のある株主構成と関係あると思っていますけれども、上場するか非上場にするか、また発行する株式の数や種類、また処分のタイミング等につきまして検討する必要があると考えております。
#20
○中川雅治君 今までJTとかJR、NTTの株式の売却というのは基本的には上場して広く一般に買っていただくと、こういうことで、非常に透明であり公平な売却をしてきたというふうに思うわけであります。
 それに対しまして、この政策投資銀行の株の売却についてはこれから検討されるということでありますが、行革推進法の規定もそうですし、この法案の規定もそうですし、また当参議院の昨年五月二十五日の行革推進法の附帯決議、それにも書いてあるわけでありますが、どうもそういう上場というものを基本にするのではなくて、むしろ中長期資金を供給できるように特定の株主に随意契約というんでしょうか、そういう形でも譲り渡せるような、そういう方向が何となく見えるわけですけれども、ここのところは非常に難しいと思うんですね。
 やはり国民の皆様方の合意なり理解というものを考えますと、よほど理屈をきちんと立てて、それを説明して、国民の皆さんに納得していただけるような、そういう方法を考えないと、一つ間違いますと、今いろいろなところで問題になっているような批判と同じような問題が起こってくるんではないかと思います。
 例えば、これはどういうことなんでしょうか、中長期の投融資機能の供給ができるような、そういう銀行にするために株主を考えるんだというと、例えば、じゃ、電力会社に買ってもらうとか、あるいは鉄道会社に買ってもらうんだとか、あるいは他の金融機関ですね、そういうところに買ってもらうとか、安定性のある株主構成とすること等によりと、こう確かに当参議院の特別委員会の附帯決議に書いてあるわけなんですけれども、ここが非常に難しい。
 安定株主、これは確かに、外資系のファンドなどに政投銀がねらわれて、それでそういったファンドに買収されてしまうということになりますと、政投銀は、日本の産業の根幹であります電力会社なり鉄道とか、いろんなところに融資している正に基幹産業の大口債権者でもあるわけでありますし、また社会的インフラを支える企業に対して大口の債権を持つとともに、特殊な技術や先端的そして高度な技術を持つ中小・中堅企業、さらに今後の日本のリーディングカンパニーとなるベンチャー企業への債権を持ち、出資も行っているわけであります。
 ですから、巨大な資金力を背景として日本への進出を模索する外資系のファンドに政投銀が買収された場合には、政投銀の投融資先である日本の産業自体が買収されることにもなりかねないわけでありまして、こうした観点を踏まえれば、確かに政投銀の株式の売却というのは、単に政投銀の経営の問題だけではなく、日本の産業政策上の観点も必要になってくるというふうに思われるわけでありますが、しかし一方で、株式の売却については透明で公平で公正でなきゃならないと、こういう要請があるわけですよね。矛盾しているわけですね。そこをどう調整するか、恐らく今後の検討課題だと、こういうことになるんでしょうけれども、是非ここのところは慎重に検討していただきたいと思いますが、今の時点で何か御答弁できることがおありでしょうか。
#21
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 財政当局としましては、できるだけ高く株式を売りたいということで、株式収入の最大化を図る必要があると考えています。ただし、他方は、先生おっしゃいましたようないろんな要請がございます。
 ただし、ここで注意をしないといけませんのは、長期事業資金の供給の機能を維持するということと株式収入がそれによって減少するということには必ずしもならないと考えています。今現在の政策投資銀行の貴重な機能を、そういう長所を伸ばすことによってその会社の価値が上がるということも考えられると考えております。
#22
○中川雅治君 もちろんそういう面もあります。そして、それが日本の産業政策も含めて国策として重要だということも当然あると思います。
 一方で、そういう外資系のファンドにねらわれないようにするということと、それと完全民営化後も中長期資金を供給できるように、この附帯決議にありますのは、地域再生等の分野でと、こう書いてあるんですけれども、そこで安定性のある株主構成とすること等によりというところですね、ここになりますと、今申し上げたような、非常に不明朗なことになるとまずいという要請の方が強く出てくる可能性もあるというふうに思いまして、いろんな角度からの検討をしていただかなければならないんではないかというふうに思います。
 そこで、政策投資銀行が民営化をする、多くの声は本当にやっていけるのかどうかという心配があるわけであります。
 そこで、普通考えますと、政投銀は店舗も少ない、人員も少ないわけですから、個人預金を広く受け入れる、そしてあるいは決済性の預金をもってそれで貸付業務や出資の業務をしていくということはなかなか無理だろうと。一般的にやっぱりイメージにありますのは、やっぱり債券を発行するんだろうなと、それで投融資業務をやっていくんだろうと、こういうふうに思うわけですが、先ほど申し上げましたように、債券を発行して投融資業務をやっていくというのは、なかなか、いわゆる銀行としての、民間銀行としてのその機能を果たしていく、それは非常に難しいんではないかというふうに思います。
 それで、一つ、イギリスのスリーIという会社がありまして、スリーIというのはインベスターズ・イン・インダストリーのこのIを三つ取ってスリーIと、こう呼んでいるそうでありますが、この会社はサッチャー政権時代にいわゆる政策金融機関から民営化されたものなんですね。この会社は、民営化に伴い調達コストが上昇し、資金調達に相当苦労したために融資から出資へとビジネスモデルの軸足を移す必要性に迫られたが、現在では優良投資会社として成功していると聞いております。
 ただ、海外の事例が日本に当てはまるとは思えませんので、あくまで一例として参考にすればよいと思うわけでありますが、このスリーIのように出資業務を中心に据えるという方向もあるのかなと考えますが、少なくとも出資業務を中心に据えるということになりますと、単純な銀行になるということでは済まないと思うんですね。
 あるいは、民営化後の政投銀は出資を中心にする、しかし例えば、それぞれの地域で地銀などと連携をして、投融資ということでそれを組み合わせて行っていくという方向もあるように思いますが、民営化後のビジネスモデルというのは、本当にこれはいろんな選択肢があって、最終的には民営化した後の経営陣が責任を持って判断すべきことでありまして、今ここでいろいろ注文を付けたり、民営化前の経営者なり政府がこういうことを期待しますといってプレッシャーを掛けるというのは私は余り適当なことではないと思います。
 しかし、いろんな方が政投銀に対して非常に行く末を心配をしておりますので、今の時点で小村総裁はどうお考えなのか、お伺いをしたいと思います。
#23
○参考人(小村武君) 御指摘のとおり、私どもの現在政府系金融機関としての働きは、収支相償の下で行っております。そのために、地域や環境や技術、あるいは民間金融機関が取れないリスクを取って行っております。
 ただ、民営化いたしますと収支相償というわけにはまいりません。収益を上げないとだれも株主にはなっていただけません。ただ、今私どもが持っている機能は、預金機能も為替機能も決済機能もありません。これからシステム投資を行い、多くの職員を採用して預金を受け入れる普通銀行にすぐになれといってもそれは困難であります。
 そうしたハンディを背負いながらこれからのビジネスを展開していかなきゃならない、これは決して平たんな道でないということは先生の御指摘のとおりであると思います。ただ、私どもは、五十年来培ってきましたノウハウ、職員の志、四つのDNAというのがございます、中立性、信頼性、長期性、パブリックマインド、こういうものをきちっと守りながら、やはり得意な分野でビジネスを行っていく、これが必要だと思っております。
 ただ、私どもも民営化すれば、民間金融機関ができないことをやれと言われても、それは困難であります。もしやれとおっしゃるのであれば、やはりきちっとした制度的担保をいただかないと、それは腹切り融資をしてそれで済むというわけにはまいらない、そういう面で新しいビジネスモデルを今作成しつつあります。
 御指摘のNTTやJRは、同じ線路の上を走ってそれで民営化をしていく、株式会社とすることによって経営の効率化をすれば済んだわけですが、私どもは同じレールの上を走れないわけです。ですから、新しいビジネスモデルをこれから構築をしていく、その際に、やはり自分の得意とする分野をきちんと守っていく。そして、先生御指摘のように、これからの金融界が大きく変化する中で生きていくためには、投資部門、こうした部門もやはり重要になってくる。投融資一体となった、そういうビジネスモデルをこれから作成をしていくということでございます。
#24
○中川雅治君 投融資一体となったビジネスモデルというものを考えるということになりますと、今の金融制度でそういう業態がうまくいくのかどうか、あるいはちゃんとそういう業態として誕生することができるのかどうかという、そういう問題があります。今、金融審議会において証券の垣根を低くする議論がなされているようでありますが、新しい金融システムの構築のため、更に一歩進めて考える必要があるのではないかと思います。
 すなわち、ベンチャー育成や事業再生等の分野に対して出資と融資を柔軟に組み合わせた長期のリスクマネーの供給が不可欠となっている状況の下で、銀行は出資に係る規制があることに加え、これまでのような不動産等の担保に依存したリスクの少ない従来型の融資ではこうした分野には十分に対応できない面があります。さらに、日本では公共性の高い銀行が自由に出資できないという現状が不透明なファンドによる日本企業の乗っ取りの片棒を担いできたとも言えるわけであります。
 そこで、預金者保護の観点は当然に必要でありますが、一律に出資を規制するのではなく、高度なリスク管理能力を持つ銀行が一定のリスクテークをして自由に出資業務ができるような環境整備が必要であります。されば、正に本法案に規定している業務内容のように、プロ向け預金等、一定の範囲内で預金を受け入れつつ、政投銀のように出資と融資を併せ行う新しい業態、言わば投資銀行法のようなものを創設してはどうかと考えますが、金融庁の御見解を伺いたいと思います。
#25
○政府参考人(三國谷勝範君) お答え申し上げます。
 まず、今回の政策投資銀行法案におきましては、移行期におけます政策投資銀行が投融資一体となった機能を担いますよう、一定の措置がなされているものと承知をしているところでございます。
 一方、銀行法でございますが、これは銀行が投資関連業務を行うことにつきましては一定の範囲の業務規制等が行われているわけでございますが、これは御指摘のとおり、やはり預金を取り扱います銀行でございますので、財務の健全性の確保それから利益相反の防止、こういった趣旨を踏まえて設けられているものでございます。
 こういった規制を緩和するかどうかにつきましては、これはやはり預金を取り扱います銀行の財務の健全性の確保、あるいは利益相反の防止といった規制の趣旨を十分に踏まえながら、これは慎重に検討していく必要があるのではないかと考えているところでございます。
#26
○中川雅治君 民営化ということが決まったわけでありますから、この民営化を成功させる、民営化した後の政投銀がしっかりと機能を果たして、もちろん民間会社ですから収益を追求するということは当然ですが、やはり国民の期待を担って、今までの多くのノウハウや、先ほど総裁も言われましたように職員の資質も非常に高いわけでありますので、そうした特性を生かして国民の期待がかなうような、そういう民営化をしっかりと実現していかなければならないと思います。それには、むしろそういう方向で政府が応援すべきであって、いろいろ注文を付けたりプレッシャーを掛けるというようなことではない方が私は適切だと思います。
 同時に、今まで果たしてきました長期金融機能というもの、政策金融としての長期金融というものは、これは当然のことながら民営化ということで失われる、あるいは大きく変質するわけでありますので、そこは、もしそういう機能が今後とも必要である、あるいは必要になったということであれば、先ほど来から御答弁にもありましたように、株式会社日本政策金融公庫を活用するなり、あるいは各省がそれぞれ制度的なスキームを早急につくっていく、非常にその都度弾力的に、緊急に対応しなければならない事態もありますので、そこは政府一体となってそういった対応に怠りなくする、そういう体制で臨まなければならないというふうに思います。
 そういったことを、注文といいますか、お願いをしつつ、これで私の質問は終わらせていただきます。
#27
○円より子君 おはようございます。民主党・新緑風会の円より子でございます。
 ただいまの質疑を聞いておりますと、どうもこの民営化の矛盾点、問題点、不安が随分出てきたように思いまして、そもそも論からまず質問させていただきたいんですが。
 改めて言うまでもないことでございますが、日本政策投資銀行は、その前身の日本開発銀行の時代から、我が国の国際競争力の強化、産業の基盤づくりに非常に大きな役割を担ってきたものと思います。戦後の経済復興に貢献した大きな要因としまして、限られた資源と資金を政策金融により効率的に活用できたことがありました。傾斜生産方式と呼ばれましたように、電力、石炭、鉄鋼、海運などの基幹産業を重点的に支援し、経済全体の復興と発展を実現しました。さらに、時代とともに累次の法改正を経て、国際収支赤字の改善や国際競争力強化、新技術の開発、さらには産業以外への分野にも着目して、地域開発や都市開発、環境や公害対策などにその役割を広げつつ、常に民間の金融機関では対応が難しい分野において中長期の資金を供給してきた役割を、そうした役割を担ってきたと承知しております。
 現行の日本政策投資銀行法第一条は、政投銀の目的として、経済社会の活力の向上及び持続的発展、豊かな国民生活の実現並びに地域経済の自立的発展に資するためと規定しております。しかし、今回の株式会社化法案においてこの文言は削除されています。政投銀が果たしたこうした役割はもう必要のないものになってしまったのでしょうか。つまり、その役割を終えたということで民営化することになったということなのか、なぜ今民営化することになったのか伺いたいんです。
 さらには、今後ももし政投銀の果たすべき役割が残されているとしたら、また我が国の経済社会発展のために政策的金融が新たな分野で必要とされる可能性があるんだとしたら、またあるのかどうか、将来においてもなくなったと考えるのか、まず尾身大臣にお伺いしたいと思います。
#28
○国務大臣(尾身幸次君) 今のお話のとおり、日本政策投資銀行は、我が国経済社会の持続的発展、豊かな国民生活の実現、地域経済の自立的発展等に大きく寄与する役割を果たしてきたというふうに考えております。
 しかしながら、我が国経済の状況の変化に対応いたしまして、平成十七年十二月の閣議決定、行政改革の重要方針におきまして、今後、政策金融は中小零細企業、個人の資金調達の支援、それから国策上重要な海外資源確保、国際競争力確保に不可欠な金融及び円借款の三つの機能に限定をして、それ以外の業務については撤退をするという方針を定めたところでございまして、その方針の下で日本政策投資銀行の民営化を実現をするということであります。つまり、民間でできることは民間にゆだねて、簡素で効率的な政府を実現するという考え方に立っての政策金融の改革であります。
#29
○円より子君 役割が終えたとは認識していらっしゃらないということでしょうか。
#30
○国務大臣(尾身幸次君) 現在、これは当面は移行期間の、特別の会社に移行するわけでございますが、その後は完全民営化された政策投資銀行として、民間企業として生まれ変わるということであります。
 したがいまして、先ほどの三つの要因の政策金融を行うということに国としては主眼を置きまして、政策投資銀行が政策金融として行ってきた、先ほどの地域経済の自立的発展とか、あるいは経済社会の持続的発展のための政策金融としての日本政策投資銀行の役割は、今後は政策投資銀行の在り方の根幹としては果たしていかない、民営化をするということであります。
 ただ、いろんな意味で今後、政策金融、例えば長期、固定金融に加えて、低利の金融を行うという具体的な政策目標が今後あると考えたときは、その所管官庁が中心となって政策投資銀行をその役割を果たすために活用するということは可能であろう。そのときには、必要な予算措置とかあるいは必要な立法措置を講じていくと、こういう前提で活用することは可能であります。
 しかしながら、民間企業になった政策投資銀行としては、政策投資銀行の固有の活動としてそういうものを行うという考え方ではなく、民間企業としての活動をしていただくと、こういう考え方でございます。
#31
○円より子君 将来的に、もし今まで政投銀の果たしてきたようなことが出てくればというようなお話ですが、それがいつかは分かりませんけれども、そのときには開発銀行の時代に培ってきたDNAはもしかしてもう失われているかもしれない、民間銀行ですね。そういったときに、本来、今まで果たしてきたようなことがないとは言えませんよね。国が目先の効率や、国の資産が少ないからどうしようこうしようというような問題だけではなくて、将来的に五十年後、百年後の日本を、そして日本の国民の幸福を考えるならば必要なことというのは必ず出てくるかもしれない。そういったときに、じゃ、またやりましょうということでは、どうも不安な感じがするんですね。培ってきたものが失われているかもしれないということを考えれば、なぜ今民営化なのかという問題がありまして、後でまた具体的に質問をさせていただきますけれども。
 例えば今、政投銀自体はそうした根幹ではやっていかないということですが、政投銀の果たしてきた役割のすべてが今の日本においてなくなるわけではないということであれば、今後も他の民間金融機関では不可能な融資などの分野において政投銀の機能に期待する、そういうことであれば、そもそもなぜ民営化する必要があるのかという問題が残るわけで、民営化ではなくて政投銀が有する債権を管理しつつ、規模を徐々に縮小していくというような、民営化以外の選択肢もあったのではないかと思われます。
 ドイツでは、ドイツ復興金融公庫と日本語では訳されているようですが、KFWという、これを現在でも存続させて利用していると聞いておりますが、こうしたケースも踏まえて、政府は今、尾身大臣がおっしゃったような、今後の五十年後、百年後のことを考えて、目先のことではなくて、日本の産業育成や様々なことに貢献する、そういった銀行として残すというようなことはお考えにならなかったのでしょうか。
#32
○国務大臣(尾身幸次君) 先ほど申しましたように、経済社会の変化に対応して、政策金融機関としての政策投資銀行はなくするという考え方の下に、しかし今まで培ったいろんな経営上のノウハウという組織としての非常に大きな、いわゆるポテンシャルは持っている。そのポテンシャルは民間銀行として活用するという考え方に基づいて、民間銀行としての活動を今後していただくと、そういう考え方でございます。
#33
○円より子君 じゃ、民営化の中で、まずこの日本政策投資銀行の経営状況について、財務諸表を改めて見てみたいと思うんですが、二〇〇七年三月末時点の数字は現在精査中ということですので、二〇〇六年三月末時点での財務諸表を見ますと、ROE、株主資本利益率は、分母の自己資本約二兆円に対しまして、分子に当たる業務純益は九百億円程度ですよね。そうしますと、これは四・八%ぐらいだと思います。これは、法人税等を払わないでいる政府系金融機関としての数字ですので、もし民間企業と同様に法人税等を支払った後での数字に修正しますと二、三%程度になるのかなというふうに思いますけれども、これは他の都市銀行のROEが一〇から二〇%程度で、欧米の大手銀行になりますと二〇%を超えるところが多いようですから、そうした数字と比べますと極めて低いと思います。このような状況にある政投銀が民営化して実際にやっていけるのか強い疑問を持つわけでございますけれども、まず最初に、そうした問題意識から具体的にこれから聞いていきたいと思います。政投銀も金融機関ですから、どこからか資金を調達して、どこかでその資金を運用し、その利ざやで利益を出すことになるんだと思いますが、実際、どのように資金を調達し、運用するのか。どうも簡単なことではないと思います。
 まず、資金の運用面では、政府は政投銀の目的を、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持すると先ほどからおっしゃっておりまして、資金の貸付け、資金の出資を行うと説明なさっています。しかし、民間の金融機関による長期融資は、将来の見通しが立たない今の時代におきまして容易に成立しないことは、かつての長期信用銀行が今では一行も存続していないことを見ても明らかではないかと思います。実際、金融庁も長期のリスクの高い貸付けはできるだけ排除して、三年ないし五年での借換えを促していらっしゃいます。他の民間金融機関ですら既にできなくなった長期融資をなぜ民営化された政投銀ができると言えるのか。納得のいく説明が私にはなされていないように思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#34
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、現在の日本政策投資銀行の資金調達の大半は政府信用の裏付けがありまして行っていますけれども、完全民営化に向けまして、安定的な自己調達体制を確立する必要があります。
 具体的にそれは何を意味するかといいますと、現在は財融借入れ及び一部は政府保証又は財投機関債等で行っていますけれども、そのほか今後は、社債や金融機関からの借入れに加えまして、必要ならば大口の譲渡性預金の受入れ、また金融債の発行というものが考えられると思っています。ただし、移行期間中は激変緩和措置としまして、まだ、移行期間中に限りまして政府保証債の発行又は財政融資資金からの借入れ、そういうものも並行的に認められると思っております。
 あともう一つ、先生おっしゃいましたような長信銀との比較でございますけれども、長信銀は御存じのように、期間が一年ないし五年の金融債を発行しまして、しかもそれは個人向けでございます。今後予定しています金融債又は社債の発行でございますけれども、より長期的なもの、かつ個人向けじゃなくて大口機関投資家向けを考えておりますので、またその融資先も、長信銀等はやはり長期運転資金も含む不動産向け等の融資が大半だったと思いますけれども、今後、今の政策投資銀行はやはり事業資金でございますので、その意味でビジネスモデルは違うと考えております。
#35
○円より子君 長期金融を今後も継続していけるかどうかというのは、これまで政投銀が培ってきた、先ほども中川委員からもありましたけれども、審査能力、これが高く評価され、長期金融を続けられることに加えて、政府の枠組みの中ないしは政府の暗黙のコミットメントの中で長期金融を行っている金融機関であることが、今までそういうことが市場なり国民に認められていたからこそ成り立ってきたと思うんですね。
 ゴールが完全民営化を行う組織、すなわち政府の枠組みから完全に離れた純民間銀行でありながら、どうして長期金融をやれるのか。今お答えもありましたけれども、じゃ、そのためには、長期金融をやれるのかというか、やっていくためにはどのような方策を検討されているのか、本日は小村総裁にもお越しいただいておりますので、総裁にまず伺いたいと思います。
#36
○参考人(小村武君) 先生御指摘のとおり、私どもはただいまは収支相償の原則で経営をいたしております。当然ROEなどは低くて済んできたわけです。ただ、これからは株式を売って株主さんに買ってもらわなきゃいけない、そういうときにROEが今のままではだれも株は買ってくれません。そういう意味で、大きくビジネスモデルを変えなきゃいけない。それは、先ほどお答えしたように、私どもの民営化はかつてのNTTやJRと全く違います。全く新しいレールの上を走っていかざるを得ないところがございます。
 ただ、そのときにも、私どもは自ら新しいビジネスモデルをつくるに当たっても、五十年来培ってきたノウハウ、DNAを大事にしていきたいと。それから、他の民間金融機関のまねをしてもこれは成り立たないわけであります。預金機能も決済機能も為替機能もありません。民間金融機関と同じようなことをしていては成り立ちません。
 したがって、私どもが今検討しておりますのは、投融資一体型の、今までのものよりもやや投資業務に重点を置いてくるだろうと思いますが、収益の上がる分野に軸足を置きつつも、これまでの長期性を維持した、そういうビジネスモデルを考えていこうと。私どもの職員は、投資業務といっても、短期の株を買い占めて売り飛ばして金をもうける、こういう能力はありません。そういうDNAは持っておりませんが、長期的視点に立った投資業務、言わば日本型の投資銀行業務というものについてチャレンジをしていきたいと、こう考えております。
#37
○円より子君 株式のことについては後ほど伺いたいと思いますが、ちょうど今、投資銀行業務のことをお話しになりましたが、長期融資と並ぶもう一つの出資業務についてですが、これは衆議院での審議の中で、今も述べられたように総裁は、手数料収入やキャピタルゲインでもうけるアメリカの投資銀行のような業務を想定されていると理解してよろしいんでしょうか。
#38
○参考人(小村武君) そういうモデルではないと思います。どこかのファンドを使って株を買い占めてもうけるとか、あるいは短期に出資をして短期に売り抜けて利ざやを稼ぐ、そういう業務というものではなしに、やはりもう少し長期的視点に立って、例えば私どもはインフラ関係に非常に強うございます。そうした日本のそういうインフラの整備のために、例えば都市再生ファンドをつくって、そこに、メザニンの部分は私どもが取りましょう、シニアな安全なところは銀行の皆さんが取ってくださいと、これは利幅が低いですよというようなことで、そういう仕組み金融を使いながら自分たちの能力を発揮していこうと、こう考えております。
#39
○円より子君 そうしますと、これまでの開銀時代から培ってきた日本政策投資銀行のいわゆるDNAを生かした、そうした投資銀行業務をこれからなさるということでございますけれども、融資業務と投資業務というのはリスクの大小に極めて大きな違いがあると思います。資金なども異なるリソースから求めるのではないかと思いますし、判断基準、運営する組織の在り方、働く人材、経営方針など、すべてが異なっているように思いますが、現在こうした点については、今おっしゃったようなことを実現していくためにどのような準備をされ、また投資部門での経営目標値はどうなっているのか、お教えいただきたいと思います。
#40
○参考人(小村武君) 私どもの銀行は、現在千三百五十七名の職員であります。メガバンクは六万人を超すところもございます。新入行員だけで私どもの銀行が二つぐらいでき上がる、そういう規模であります。ですから、規模でまともに当たっていっては、これはかないません。やはりこれからの金融機関の経営というのは質で勝負をしていかなきゃならない。そういう意味におきまして、私どもは幸い優秀な人材を抱えております。これらの者が十分能力を発揮できるようにするのが経営者としての仕事だと思います。まだまだこれからマインドも切り替えていかなきゃいけませんし、新しいビジネスの挑戦ということにおいては、私どもは今まで日本の金融機関の中でも、金融手法等、例えばDIPファイナンスにしてもPPPにしても日本で最初にやり出した銀行でありますから、そうした先端的技術も駆使しながらこれから生きていこうということであります。
#41
○円より子君 おっしゃるようにうまくいけばよろしいんですけれども、必要な資金の調達が可能かどうかについて次に伺いたいと思いますけれども。
 長期融資を行うためには、一方で長期の預け入れ資金が必要になるということだと思うんですが、政投銀は先日、期間四十年の財投機関債を二百億円発行することを決めたということでございます。将来の業務を見据えた対応なんだろうという気がいたしますが、現状では期間四十年といった超長期の債券の買手は海外投資家がほとんどではないかと聞いております。我が国においてこうした超長期の債券市場は国内投資家が依然として十分に育成されていないという、このこと自体は別途検討すべきテーマだと思いますが。
 いずれにせよ、今回の四十年の財投機関債も二百億円程度の発行にとどまっておりますと、政投銀の資金調達計画を見ますと、今年度は全体で一兆二千五百億円の資金の調達を計画していらっしゃいますよね。そのうちの二百億円というのは、大変私には限られた額だと感じるわけです。一兆二千五百億円の資金調達計画のうち、財政投融資資金と政府保証債は合計で七千四百億円以上です。率でいえば六〇%を現状では国に頼っておりまして、こうした状況を見ますと、今後、政投銀が民営化した際に毎年一兆二千五百億円もの資金を自力で安定的にどのように調達することができるのか大変疑問に思うわけでございますが、総裁に御説明いただければと思います。
#42
○参考人(小村武君) 資金調達は私どもの民営化後の最大の問題であります。したがいまして、今、人材もそこに集中をさせて備えております。
 先生御指摘のように、四十年債、このたび挑戦しました。三十年債も挑戦しました。日本でそういうところを出すのはほとんどありません。そういう意味におきまして、政府保証のないものでも私どもはそういう資金の調達方法についてチャレンジをしております。
 それから、世界的に見ますと、資金の偏在が相当あります。海外に目を向け、私どもも外債等々も出しておりますが、資金的に非常にフィットする国もあります。
 それから、日本の国内において民間金融機関から、今回法律改正をしていただきますが、借入れを可能にしていただきました。今までは、民間金融機関から借りてはならない、短期資金は借りてはならない、すべて制約の下にやっておりました。これは一種のハンディを背負ってやってきたものですが、私どもは、そうした面で今、民営化をするということをきちんと説明をして、それで多くのいろんな種類の債券を発行しております。昨年度におきまして、債券発行者としての優秀賞もいただきました。それは、情報開示を、民営化した際に皆さん心配になることに対してIRに努めて理解を賜ったということだろうと思っております。
#43
○円より子君 チャレンジなさるのは大変いいことだとは思いますが、そうしますと、調達が可能であるということで、それでは、政投銀の貸借対照表を見てみますと、資本と負債を合わせますと合計約十三兆円に対しまして、業務純益は約九百億円になっております。十三兆円に対しての九百億円、つまり約〇・七%の利益といいますか、〇・七%の利益しか出せていないということだと思うんですが、十三兆円のうち自己資本、これが二兆円ですから、残りの十一兆円の負債については政投銀が民営化されれば政府に頼ることができなくなりますよね。そうしますと、この調達コストが上昇することになります。
 十一兆円を仮に一%で調達しましても千百億円です。九百億円の利益を上回ってしまうという計算になりまして、要するに、十一兆の負債は、現在、政策金融機関であるがゆえに約二%の低金利で調達できているわけですけれども、民営化後は市場において自ら調達することが必要になるわけで、先ほどから調達する、いろんなことにチャレンジなさるということなんですが、それも預金という手法は取れないわけですから、中立性、公共性といった制約によって低い金利でしか資金を運用できないおそれがある一方で資金を調達する際の金利は上昇するとなりますと、外部資金調達の部分で赤字になると思うんですけれども、この点について総裁から御説明を伺いたいと思います。
#44
○参考人(小村武君) 先ほど申し上げましたように、今のままの状態で仮に調達金利が上がってくれば、やはり先生がおっしゃるようなことになろうかと思います。私どもは、今は収益を上げないで収支相償でやっておりますから当然こういう経営形態になっております。その中でも、私どもは一定の収益を上げておる、約一千億弱の収益を上げております。国庫納付もいたしております。
 民間金融機関が、このたび住友信託が十三年ぶりに税金を納めましたが、私どもは、やはり不良債権の比率が少ないということで、一昨年も百六億円の国庫納付もいたしておりますが、しかし、おっしゃるように、前提条件が変わってまいりますと、これは大きくこのビジネスモデルをまた考えていかなければ今のままでは成り立たない。御指摘のとおりであります。
#45
○円より子君 様々な制約のある中でこれからだということで、もちろん皆様方のそうした思い、これからのチャレンジ精神等々を多とするものでありますけれども、ただ、まだ、お話を伺っておりましても、資金の運用と調達の両面におきまして、民営化された政投銀がきちんとやっていけるのか、少し不安な気持ちが残っております。
 更にお伺いしたい点は、新しい政投銀が目指すコンセプトとして、政投銀の資料によりますと、中立性を維持します、またパブリックマインドを大切にしますと記載されておりますが、もちろん一般に金融機関というものは公共性を持っているというふうに言えなくはないわけですけれども、厳密に言いますと、こうしたコンセプトは民営化して利潤を上げていくには残念ながら邪魔になってしまうのではないでしょうか。
 私は、邪魔になるというのはおかしな言い方ですが、もちろんきちんとそういうものを金融機関が持ってほしいと思っている者なんですけれども、これまで政投銀が担ってきた政策金融の意義や、財閥系など企業や産業グループを問わずに関係を培ってきた政投銀のDNAを生かすことは大変大切なことだと思いますが、そのことと民間企業として競争に打ち勝つために利益を最大化することとは相反するものだと思うんですね。この点について総裁の考えを伺いたいと思います。
#46
○参考人(小村武君) 私どもが持っております四つのDNA、長期性、中立性、信頼性、パブリックマインド、これは、先生おっしゃるように、収益を追求すると矛盾するんではないかということでありますが、私は決してそうではないと思います。私どものセールスポイントはそこにある。したがって、多くのお客様とネットワークを組み、職員の働く意欲をもって新しい金融手法にチャレンジをしていく、ここをやっぱり生かしていきたいと思っております。
 私どもの職員に生き馬の目を抜くようなことをしろと言っても、それは無理であります。やはり自分の良さというものを生かしながらビジネスを展開していく、これは決して平たんな道ではないと思いますが、やはりこの辺のところは大事にしていかなきゃいかぬなと考えております。
#47
○円より子君 そうしたパブリックマインド、中立性、しっかり大事にしてやっていっていただきたいとは思いますけれども、先ほどから申しておりますように、そのことと民間企業としての競争に打ち勝つ、打ち勝ってそして利益を最大化することは本当に困難な道だと私は思うんですね。もう総裁はそのことを十分認識していらっしゃると思いますけれども。
 そうしたときに、先ほどの中川委員からの御指摘にもありましたような、完全民営化した後、一体どういうふうになっていくのか、その辺りが国民にとっても大変不安が残る問題だと思いまして、例えば、先ほどからビジネスモデルのお話ありますけれども、民間企業化を目前に控えている政投銀にとって、こうした収益面や企業価値の目標値が定められている明確なビジネスモデルができ上がっていることが必要だと思うんですけれども、もう一度その明確なビジネスモデルについてお話しいただけますでしょうか。
#48
○参考人(小村武君) 私どもの銀行の良さは、投融資一体、しかも長期的な視点に立ったものだということを再三申し上げております。そうした中で、やはりただ投資部門だけやっておればいいというわけではないと思います。やはり融資部門、これも大事であります。収益性が低くても、そこからいろんなお客様との信頼関係も生まれてくる。こういう意味で、私は職員には、融資部門は、これはお米だと、最低限ここで自分たちの飯を食えるようにしようと、その上に、畑で、投資部門で花を咲かせ、野菜を植えてやっていこうと、そういう表現をしてきております。
 それから、先ほど来御指摘のある例えば鉄道の開かずの踏切の解消だとか高架事業だとか通勤地獄の解消事業、これは私ども今までずっとやってきております。こうしたものを急に、衆議院では小田急の例を取り上げましたが、小田急の高架事業を二十年の十月から私どもは融資しませんというわけにはまいりません。そういったものをきちんとやれるものは一生懸命やっていきますが、ただ、極めて収益性の低い、例えば地域再生の問題、あるいは各国の開発銀行に対する研修の事業とか、そういったものはきちっと制度的にバックアップし担保がないと、腹切り融資、ただ働き、それはやはり民営化するとできないということで、それは政府において、最終的には議会において制度的な担保を取っていただきたいと、こうお願いをしている立場でございます。
#49
○円より子君 では、次に株式についてお伺いしたいと思いますが、政投銀が完全民営化された暁には政府が保有する株式はすべて処分、売却されるということになるんだと思いますが、その売却額の見通しが、財務省の試算では約一・九兆円であるとされています。その積算根拠、先ほどから申し上げましたように、民営化のゴールが株式処分でございますから、それでは、株式が幾らの価値で売れるのか、これは将来の収益力、企業価値いかんに懸かっているわけで、将来のROEないしはこの会社の企業価値をどのように見積もっていらっしゃるのか、その具体的数字を伺いたいわけでございます。
#50
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 政府保有株式の処分収入の実際の見込みにつきましては、先生おっしゃいましたように、将来のROE、これまだ必ずしも見通せる状況にはありません。まずビジネスモデルをきちんと構築する必要があると考えています。また、株式市場の動向等についてももちろん左右されるものでございますので、今現在この場で幾らかというのはちょっと申し上げにくいところがございます。一般論として申し上げますと、企業価値の向上を図りつつ、円滑な処分と処分収入の適正な確保を図ることが重要であると考えております。
 このために、政府としましては、その移行期間中の新会社が民間金融機関として収益性を確保し自立することができるよう、日本政策投資銀行の強みであります長期のリスクマネーを引き続き供給するために必要な業務を規定すると。そして二番目には、移行期間中でありますけれども、資金調達のための所要な措置を講ずるということでございます。
#51
○円より子君 私は、完全民営化後の政投銀が株式を公開したとしましても、ROEが民間企業並みに法人税などを控除した場合には二、三%にすぎない政投銀の株を一体だれが買うというのか大変疑問に感じるわけです。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
 もちろん、完全民営化後までに五年から七年あって、その間に今のままではというふうなお話も先ほどからありましたけれども、国民の大切な財産ですので、一・九兆円と言わずにより高い金額で売却できればそれにこしたことはありません。しかし、大変現実的に難しいと思われます。
 そこで、政府が株式を一・九兆円で売却できれば、政府の出資金一・二兆円との差額、約七千億円が国庫に入る計算だと思いますけれども、もしもくろみどおりに一・九兆円で売れなかった場合、その差額はもっと小さくなるおそれがありますし、場合によっては出資金の一・二兆円を下回る金額でしか株式が売却されない、できないという事態すら想定されるわけです。政府の出資金は、元はといえば国民のものです。それが毀損した場合の責任はどうなるのか、尾身大臣に伺います。
#52
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 まず事実関係申し上げますと、政策投資銀行のROEですけれども、十八年三月期で三・五五%でございまして、ほかのメガバンクと比べますと相当低い水準でございます。もう一つ、ただし、そのROEが低いのは当然ながら現在政策金融機関でございますので、小村総裁が申しましたように、収支相償の原則にのっとって運用を図っております。
 したがって、今後の課題としましては、先生おっしゃいましたように、一つは資金調達面、自力による長期安定資金を調達するということが一つの課題でございます。他方、もう一つは、ビジネスモデルとしまして、できるだけ収益を上げるということで、資金運用面の課題としましては、一つは、やはり大きな柱としましては出資業務を中心に据えるということと、先ほども出たと思うんですけれども、やはりリスクの高いものについてはそれ相応の収益を上げるようなメザニンローン等が一つの柱になると思っています。あわせて、また、フィービジネス等についても一層の力を入れる必要があると考えております。さらに、せっかくでございますので、今安定した顧客基盤がありますので、それを維持するという観点から、従来のエネルギー事業やインフラ整備への融資についてもその事業資金を供給するということだと思っています。ただ、その場合でも、もはや政策金融ではございませんので、低利ということではないと考えております。
#53
○国務大臣(尾身幸次君) 今のこの株をどのくらいの値段で売れるかということは、これからの民営化されようとしている政策投資銀行のビジネスモデルがどうなるか、またこれからこの移行期間中の会社がどういう体制で業績を上げるかということにも実は懸かってきていると考えております。
 私どもとしては、もちろんできるだけ高い値段で売りたいということを考えているわけでございますが、この辺りについて今どのぐらいになるかということについては、まだはっきりとした確信の持てる数字は持っていないというのが実情でございます。
#54
○円より子君 今私が尾身大臣にお聞きしましたのは、もちろん今どういうふうな値段で売れるか分からないとおっしゃいましたけれども、もし仮に下回った場合に、政府の出資金は国民のものですから、それを毀損した場合の責任はどうなるのか、大臣に責任があるんですか、民営化した、それとも後の民営化された銀行の経営陣にあるのか、そういうことをお聞きしたんですが。
#55
○国務大臣(尾身幸次君) 政策投資銀行をこういう形で運営をしてきて政策金融の大きな役割を果たしてきたということを踏まえて、今度はこれを民営化していく、いわゆるこういう形での政策金融はこの銀行の組織としての在り方としては行わないということでありまして、もとよりそれを民営化する段階ではできるだけの高い価格で民間に移すということを望んでいるわけでございますが、しかし、この出資をしたということ自体、それから、今までのずっと活動してきたということで私どもがねらっていた政策金融としての役割を果たしてきたと、そういうことを踏まえていただかなければならない問題であると考えております。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
#56
○円より子君 今の大臣のお話からの私の理解では、様々な政策金融の場面で政投銀が果たしてきた役割を考えれば、十分これは、もし仮に一・二兆円、出資金を下回る金額で株式が売却されたとしても、十分な役割を果たしたからこれは毀損して国民に迷惑を掛けたとは言えないというふうにおっしゃったんですか。
#57
○国務大臣(尾身幸次君) これは、政府出資をして政策投資銀行をつくって、そして政策金融という大きな役割を果たしたわけであります。そして、その方針が今度は民営化するということに変わったと、こういうことでございまして、私どもとしては、できるだけ高い値段で株を売却するということはもちろん考えておりますけれども、だからといって、幾らの値段で売れたから責任があるとかないとか、そういう考え方とは次元が違う考え方であると考えております。
#58
○円より子君 今の答弁ちょっと納得できかねます。
 別の視点から、じゃ申し上げますと、大臣も政府も、そしてもちろん政策投資銀行がこれから民営化されるまでの間の経営陣、そしてその後の完全民営化した後の経営陣の方々も、できるだけ、先ほど勝さんからも御説明ありましたように、ROEも少しずつ上がっていくような状況の中で、出資機能を様々に高めて売却金額が高くなるようにというふうに思っていらっしゃることは、それは分かりますけれども、ただ、そういう思惑があっただけでうまくいくとは限りませんよね。
 そして、今のお話のあれだと、もし駄目な場合はしようがないねという、はっきり言ってしまえば、そういう大変無責任なあれで、何のために、じゃ今民営化なのか、本当にまたそもそも論に戻ってしまうような状況ですが、例えばROEをどうやって上げていくのかというときに、もちろん資本効率を高めていく必要がございますけれども、分母である資本金、ROEのですね、過大でありますので、政府がその分減資するということも視野に入れていらっしゃるんですか。
#59
○政府参考人(勝栄二郎君) 行革推進法におきまして、新しい政策投資銀行につきまして、長期事業資金の機能の根幹が維持されるということが期待されています。その一つとしまして、十分な財政基盤を引き継ぐということが規定されていますので、今現在のところ減資ということは考えておりません。
#60
○円より子君 今のところ減資は考えていらっしゃらないと。しかし、そういうことでもしなければ、株主を集めて期待どおりの株価にはならないんじゃないかというふうにも考えております。
 もう一度、小村総裁に伺いますが、今後の貸付残高見通しと資金調達見通しの関係はどのようになっているのか、御説明ください。
#61
○参考人(小村武君) 私どもの株が立派に売れるようにするには、もちろんその経営責任は重いと思います。したがいまして、私どもが目指すビジネスモデルを成功させなければならない。一方、私どもの立場から申し上げますと、高ければだれに売ってもいいという、財政再建のためにはそれがいいということでは、私どもの職員の今の誇りと働く意欲を維持できるかという問題が片方であります。そういう意味で、私どもは、もうまないたのコイでありますが、政府において適正な売却をしていただかなければならないと思います。
 それから、これまで私どもは、多額の政府の一兆二千億円の出資をいただいておりますが、過去、開発銀行以来七千億弱の国庫納付をいたしております。その上に、言わば法定準備金として七千三百億円のお金を持っております。これを私どもの金だから寄こせとか、そういうことは申し上げません。これは最終的には株主の皆さんのところに帰属するものでありますから、それは適正にその利益は国民の皆さんに還元をしていただく。より高く売って、もっともっと国庫に貢献したいという気持ちはありますが、ただ、それによってビジネスモデルが大きく変わるということのないように私どもはお願いを申し上げたいと、こう思っております。
#62
○円より子君 今私どもはまないたのコイとおっしゃいましたけれども、先ほどから私がなぜそもそも民営化の必要があるのかというふうに申し上げておりますのが、今ちょうど小村総裁が御答弁なさった中にあったように、国の国庫の財政基盤充実のために、そのために、まずそれが一番の目的にあって、今まで政策投資銀行が培ってきた役割等は無視して民営化することになったのではないかというような懸念がどうもあるものですから、それで先ほどからいろいろ質問をさせていただいているんですけれども。
 ちょっと元に戻りまして、一・九兆円の積算根拠についてお伺いしたいんですが、現行の政策投資銀行の試算等に基づく積み上げなのか、あるいは民間金融機関との比較なのか。一・九兆円というのは、例えば住友信託銀行や大和証券グループなどの株式時価総額とほぼ同じ水準であると思いますが、こうした民間金融機関におおよそ相当すると考えられるのか、それでこういう一・九兆円が出てきたのか。又は、銀行、証券会社、ノンバンクなどと分社化した場合の売却収入の見通しについても試算ができるのか、大臣に伺います。
#63
○政府参考人(勝栄二郎君) 技術的な数字にわたる問題でございますので、お答えいたします。
 まず、一・九兆円の話でございますけれども、最新の十八年三月現在の数字ですと、ちょうど二兆百七億円でございます。一・九兆円は恐らくその前の年の数字だと思っています。また、その二兆円余りの自己資本等でございますけれども、これにつきましては、企業会計原則に基づいて算出したものだと承知しています。
#64
○円より子君 それでは、先ほどの、もし一・九兆円で売れなかった場合の責任ということについては、あのままでは納得できませんので、後からまた他の同僚議員からも質問していただきたいなと思っておりますが、次に、ちょっと株主のことについてお伺いしたいと思います。
 政投銀の株式をすべて処分して、それは一体どういう人たちが株主になると想定されているんでしょうか。仮に外資系の投資ファンドなどが政投銀の株主となる場合、政投銀に期待される中立性や公平性といったコンセプト、また中長期の投融資機能は短期的な投資利益を求める外資系ファンドのスタンスとは私は相入れないのではないかと危惧しますし、先ほど小村総裁も、高く売れればいいというものではないというお話もございました。
 昨年の行革推進法に対する、先ほどから出ております参議院における附帯決議においては、安定性のある株主構成とするとされておりますけれども、政府はこの附帯決議を履行すべくどのような検討をされているのか、まず尾身大臣に伺います。
#65
○政府参考人(勝栄二郎君) 今提出いたしております法律案におきまして、完全民営化に当たりまして、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されるようということで、政府保有株式の処分の方法に関する事項について検討することが規定されております。この規定を受けまして、また、もろもろの要請もありますので、今後専門家や有識者から成る検討会で専門的な見地から検討していただくことが必要であると考えております。
 その際に、検討される項目ですけれども、先ほど申し上げたと思うんですけれども、例えば株式の処分の手法、これは安定性ある株主構成の観点から、一つは上場するか、また非上場にするかどうか等も含めて検討することになると思っています。そういうこともありますので、できるだけ公平中立ということで、専門家、有識者から成る検討会で検討していただきたいと考えております。
#66
○円より子君 衆議院においても専門家や有識者から成る検討会で検討するというふうにおっしゃっていましたし、今もそういうお答えでございますけれども、二〇〇九年度から厚生労働省が、企業が導入する確定拠出年金、日本版四〇一kですけれども、この加入資格の上限年齢を現行の六十歳未満から最高六十五歳まで引き上げられるように制度を変更するということになっております。中小企業にも確定拠出年金の導入の動きが広まってきておりますので、そうしますと、今後そうした資金が流入してくれば、政投銀の経営においても株主の利益を重視せざるを得なくなってしまうのではないかと思うのですが、果たして政投銀は、本来担ってきた、そしてこれからもやるべき役割を維持しつつそうした期待にこたえられるほどの利益を上げられるのか、そうした疑問を持つわけでございまして、もし総裁の方にこういった何かお考えがありましたら、お聞かせください。
#67
○参考人(小村武君) 先ほど来お答えをしておりますように、私どもはこの五十年間培ってきたノウハウあるいは審査能力、こういったものを駆使して収益を上げる、そういう企業に生まれ変わっていかなければならない。現在の収支相償で長期で低利でリスクを取っていく、こうしたビジネスモデルからやはり変えていかなきゃならない、その結果、株主の皆さんに満足をしていただく、そういうことだろうと思います。
 ただ、その株主の皆さんが私どものビジネスモデルに理解を示してくれなければ、私がここで幾ら御答弁申し上げても、違った株主構成になってしまいますとこのビジネスモデルは崩壊してしまいます。そのときの経営者も、やはり株主の皆さんの御意見に沿って短期の利益を上げ、直近の収益だけを重視する経営になっていく。しかし、私は、ビジネスとしてそういうビジネスは長く続かないんだろうと思います。やはり安定株主の皆さんがもっともっと別の観点から私どものビジネスを理解をしていただく、そういう方々であってほしいと、これは政府にもお願いを申し上げているところであります。
#68
○円より子君 私も小村総裁に同感するものでございますけれども、そのような思いだけで民間銀行としてやっていけるものか、そういう辺りが大変不安でございます。
 これまでの御説明を伺っておりましても、気持ちはあるけれども、それに現実が付いていくのかなという思いがいたしまして、政府が政投銀の株式をすべて売却し、本当に完全な民営化が実現できるものなのかどうか、聞いていらしても、皆様も、委員の皆様も不安が払拭できないとお感じになっている方が多いのではないかと思います。
 そもそも政投銀は、先ほどから私の方でも話しましたし、お答えにもありましたように、地域再生とか環境、防災あるいは科学技術といった面を中心に融資してきたわけですが、こうした分野は必ずしも収益が上がる分野ではありません。また、民間金融機関では実施が難しい分野でございました。だからこそ、政策金融としての意義もあったのだと思います。
 そもそも公共性の高い政策金融ですから、政投銀のROEは高くなくても私もよかったんだと思います。そうした業務については、今後利益を上げられない分野だとしてやめてしまうのではなくて、先ほど大臣も、政策金融の役割が今後も一定の範囲で認めていくし、今後も将来そういったこともあり得るとおっしゃいましたが、私、全員がそういう政投銀の一定の今までの意義を認めて、もし今後の民営化を考えるとしますと、先ほどから言いましたように、個人的には引き続き政投銀が担うべき分野なのだと思うんですね。
 とりわけ、我が国にとって今後最も投資が必要になると思われるのはエネルギー分野です。言うまでもないことですが、我が国は、エネルギーの自給率は先進国では最低という厳しい状況にあります。中国などの経済発展によって資源獲得競争が世界的に広がり、我が国は平和国家として、また資源保有国に武器を輸出してエネルギーを得るというようなことは平和国家としてできないわけですから、昨今では食用だった穀物がバイオエネルギーの原料として需要が高まり、もうテレビなどでもよくこれはやっていて、ほとんどの国民の方も御存じですけれども、食料だったものが価格が高騰している、そういうことも報道であるわけですね。
 そうしますと、現実的にはどうしても原子力発電に頼らざるを得ないとか、そういう意見もありますし、国内に現存する多くの原子力発電所は今後耐用年数を迎えて新たな原発の建設や建て替えが必要となってきますし、使用済燃料の再処理にも新たな工場を建設するとなると極めて巨額の資金が必要となってきます。こうした例えですけれども、長期にわたるこうした大規模プロジェクトに民間の金融機関が対応可能なのかどうか。先ほど電力会社の話もありましたが、電力会社も大小様々ですし、大変な不安が今後のエネルギー自給ということに関して残ると思います。
 こうした国家にとって必要なプロジェクトに政投銀が役割を今後も果たすと私は考えられるんですが、民間になってそれができるものかどうか。それとも、それはもう政投銀には必要ないと、今度合併した公庫の方でやるものなのか、先ほど申されたように全く別個のところに新たにプロジェクトを作ってやろうとなさるのか、それも大変非現実的なような気がするのですが、大臣と総裁に伺います。
#69
○国務大臣(尾身幸次君) 民営化をするという意味でありますが、民間でできることは民間にゆだね、簡素で効率的な政府を実現をするという考え方に基づいて政投銀の民営化をするわけでございます。したがいまして、これは公的部門の縮小と政府信用の圧縮によりまして簡素で効率的な政府を実現し、ひいては我が国経済全体の効率化、活性化に資するという考え方でございまして、今まで行っておりました政投銀という枠を通じて政策的金融をやるということはやめるというのが民営化の根本的な考え方でございまして、その考え方に基づきながら、移行期間の会社を設立をして、そこで完全民営化の準備をしつつ、今までの契約をしている融資については政府保証というサポートも続けながらこの融資を続けていくと、そういう考え方でございます。
#70
○参考人(小村武君) 私どもが民営化をいたしますと、今地域再生、環境、防災、それから技術、この三本柱でやっておりますが、先生御指摘のように大変収益性の低い分野であります。民間金融機関がほとんどおやりにならない、しかしだれかがやらなきゃいかぬ、そういう分野を私どもが受け持ってやっていたわけであります。
 これから、私どもは民営化いたしますと、先ほど御指摘をいただきましたように株主の皆さんに株を買っていただかなきゃいけない。そのためには、例えばクロスボーダー取引なんかは自由化、私どもができるようになる。そういうところで収益を上げていくということ、これはもうもちろん、私どもの職員は新しい分野にチャレンジする、そういう能力は十分持ち合わせております。
 ただ、今やっているものについて何を切り捨てていかなきゃいけないか。これは新しい経営者にとっても大変大きな問題であり、やめるということは大変大きな問題であろうと思います。今、原子力問題を取り上げられましたが、原子力問題についてノウハウなりデータベースを持っているのは私どもの銀行であります。それから、三十年物、二十年物、こうした超長期のものというのは民間金融機関では対応は不可能であります。私どもも、民営化するとそれはやはり大変困難な事業の一つだということを恐れております。そのためには、やはりきちっとした制度的担保をいただかないと、私どもがせっかく持っているデータベースなりノウハウが生かされない。もちろん、私どもだけということではございません。民間金融機関でおやりになるというところであればイコールフッティングの下でやればいい話であって、要は、そうした所管庁においてしかるべき制度設計をしていただきたいと、こういうことであります。
#71
○円より子君 私も、政投銀の民営化そのものに別に反対とかそういうことを先ほどから言っているわけではないんですが、国全体として、本当にこの日本の将来をどのように考えていくかというときに、今回の銀行の民営化は大変考えなければいけないきっかけになると思うんですね。
 そもそも、我が国では預金の金利がなくなってしまって大変久しくなりますが、これは、日本では、要するにお金が供給過剰であることを示していると思います。政府部門は何百兆もの借金を抱えていて資金不足なんですが、法人企業も家計もそして金融機関も、毎年資金を余らせております。特に、ここ数年間は法人企業と金融機関が余剰資金を増やしていることは様々な統計が示すとおりです、もう皆様御存じのとおりです。
 つまり、国内では、お金の供給が過剰である一方、需要が過少である状況が続いています。そのため、金融機関の貸出金残高も減少傾向にありまして、このままですと、人口が減っていくと予想される我が国におきまして、余ったお金をどのように新たな価値を生む分野に融通するのか、その金融の仕組みを国家の行く末を論じる私たちが改めて考えなければならない、そういう時期だと思うんですね。
 我が国の人口構造や経済構造が転換していく中で、今後これまでの政策金融という形で政府が自ら主体として資金を融通する仕組みは一定の役割を終えて縮小すべきだというのは、先ほども申しましたが、ある程度共有されている認識だと思います。その意味では、政策金融機関を再編し、その一部については縮小していくというのは自然な流れだろうと私も考えています。
 しかし、明治維新とその後の富国強兵、殖産興業の時代には、日本開発銀行の前身であります復興金融公庫や日本興業銀行などの特殊銀行を設立したり、また戦後の経済復興期においては、長期信用銀行が設立され、その発行する金融債を大蔵省の資金運用部資金が引き受けることでその時々の政策目的を達成するという大きな役割を果たしてきました。そのように国の進むべき方向性やビジョンと、そのために求められる金融システムが、その時々のリーダーたちによってこれまでしっかりと考えられていたと思うんですけれども、果たして現在、私たちがそうしたビジョンを持って政策金融機関について議論をしているのか、そういうことを改めて問うべきではないかと私は思っております。
 この場合に、国内と海外への金融の二つの側面を考える必要があると思いますが、まず国内では、資金が余剰であり需要が過少であるといいましても、地方の再生、医療や教育、こうした国民にとって一番のニーズが感じられる、あるいは社会性のあると言ってもいいと思いますけれども、ある人は志ある投資という言葉を使われている方もいらっしゃいますけれども、そうした分野が私にはまだまだ多くあるように思われます。
 そうした分野にこそ、民間の余剰資金を融通することが望ましいわけですが、地域再生や教育といった分野は収益性の観点からは資金調達が大変難しい。そのために、民間の資金に加えて、そこに公的資金を投入するという形で収益性を確保する、あるいは減税という形で公的に関与するということで、民間だけでは成立しない収益性を確保し、同時に巨額の負債を抱える政府部門の支出を抑制する、そういうアイデアが考えられないんでしょうか。
 家計、個人の余剰資金も、国民が自ら社会的に重要だと考えるプロジェクトや地域の環境改善のプロジェクトに投資ができるのであれば、ふるさと納税なんというのもありますけれども、もっと個人、国民自らがそうした社会的に重要だと考える教育ですとか医療ですとか、そういうところに投資ができるような、これは、それほど大きな利益が上がらなくても、自分は参加したいと考える志のある国民が、人たちがたくさん私はいるんだと思うんですね。
 今回、政策金融の在り方を改革するに当たりまして、国内の資金のアンバランスをどのように調整するのか。民間の金融機関に任せるのか、その中でも公が担う役割を見いだせるのか、こうした点について、政府は一体どういう検討を行ってこられ、また先人たちがこの国のために、人々の幸福のためにやってきたような、目先のことではない、将来のことを考えた、そうした視点からの検討を行われたのか、その点について大臣に伺いたいと思います。
#72
○国務大臣(尾身幸次君) この政策投資銀行、民営化された後の純粋民間企業になった後の政策投資銀行につきましても、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されることを政府として期待をしているわけでございます。そして、そのために、移行期間中におきまして、この政府保有株式の処分の方法などについて検討して必要な措置を講ずると、こういうことになっております。
 そして、先ほど申しましたように、いろんな政策的ニーズもあろうかというふうに思うわけでありますが、そういう政策的ニーズがあったときの政策金融、つまり長期、固定、低利の融資、低利を含めた融資という点において、今までの政策投資銀行という枠組みではこれを行わない、民間企業になった以上は民間企業としての活動をしていただくという考え方でございます。
 そして、先ほどのお話のように、引き続きいろんな理由で、例えば地域開発とか科学技術とかいろんな問題がございますが、そういう理由で、特に政策金融として低利融資が必要であるという政策的要請があるような場合におきましては、その政策的要請を所管する省庁が新たな立法措置あるいは予算措置等を講じましてこれに対応していくというふうに考えているところでございます。
#73
○円より子君 今の御答弁ではどうも余りビジョンというものをお持ちのように、志も全く感じられないんですけれども、海外への金融についてもお伺いしたいと思います。
 海外へ余剰資金を回すことについては、既に二〇〇五年から我が国の経常収支黒字のうちに所得収支の黒字は貿易収支の黒字額を上回っております。IMFの見通しでは、三年連続で今年も引き続き所得収支黒字が貿易収支を上回ると予想されております。つまり、日本は物を輸出して稼ぐ金額よりも、海外からの利子や配当収入によって稼ぐ金額の方が大きくなっているということなんですね。経済産業省が発行しております通商白書におきましても、我が国の所得収支黒字は、総額でも国民一人当たりの額で見ても、海外投資の先進国であるイギリスやアメリカと同じくらいか又は上回るレベルにまで達していると指摘されています。
 政府の経済財政諮問会議は、日本二十一世紀ビジョンにおいて、日本の貿易収支が赤字に転じるのが二〇三〇年ごろであると想定しておりますけれども、そのころには、成熟した債権国として所得収支の黒字を一層確実なものとする経済構造になるように努めることが必至だと思います。そのために、我が国は、国内においては労働者の能力を一層有効に活用できる環境を整える、そうしたことで経済の効率性と活力を維持発展していくことが重要ですし、各国との経済関係を一層緊密化し、貿易のみならず、投資の面でも自由化を進めると同時に、ヨーロッパの統一通貨ユーロに対して現在日本円が最安値を更新しているわけですが、これはユーロが使い勝手も良く、世界の信認を得ていることの証左であるわけですから、日銀の役割でもありますけれども、中長期的に経済を安定的に発展させ、安定した通貨システムを構築することも大変重要だと考えるわけでございます。
 さきに政投銀の発行した四十年の債券が二百億円にとどまっている点について懸念を持つ旨申し上げましたけれども、日本円が安定せず、強くなくて弱くなってしまうようであれば、長期債の買い意欲が強いヨーロッパの年金基金なども円建ての債券を買わなくなってしまうおそれがあると思います。
 こうした観点から、大臣は我が国における通貨金融システムのビジョンをどうお持ちか、お伺いしたいと思います。
#74
○国務大臣(尾身幸次君) 財務省といたしましては、対外投資の活発化は世界経済の成長資金の供給や国富の増大といった観点から極めて重要であるというふうに考えております。
 こういう観点も踏まえまして、平成十年に外国為替及び外国貿易法を改正し、対外投資の自由化を行いました。さらに、投資交流の促進につながる租税条約のネットワークの拡充、あるいは政府全体で取り組むこととしておりますEPA、投資協定等の締結促進に積極的に参画することを通じまして、対外投資環境の整備に努めてきたところでございます。
 私どもとしては、今後とも対外投資の更なる活性化に向けて関係省庁とも連携しつつ努力してまいりたいと考えております。
#75
○円より子君 小村総裁に、この質問は答弁を求めていなかったんですけれども。
 先ほどから申しますように、政投銀の民営化一つの問題ではなく、私は、亡くなられた中山素平さんなどに何度かお会いさせていただいて、私なんかはもう孫弟子でもなく、もっともっともう、ただもう少し君も勉強するといいよと言われた方のあれですが、あのころの方々は本当にいろいろこの国のことを考えていらした。もっと先の人たちはそうだと、先人はそうだと思いますが、本当にこの国の進むべき方向性とかビジョンとか、そのために求められる金融システムというようなものが大変大事だと思うんですね。
 先ほどから、資金余剰部門の資金をどう活用するかという視点で質問をさせていただきましたけれども、国内での金融もそうですし、海外への金融もそうですし、金融とか強い円とか、日本の普通の、私などもそうですが、なかなか普通の生活に影響するとは思ってない人が多いんですが、実は一番根幹にかかわって、ここが揺らいでしまうと国民の生活も本当に危うくなるというようなところがありまして、そうした金融面又はこれからの産業育成、様々な面について本当に志ある投資ができるような状況をつくっていく、そうしたビジョンについて、もし何かお考えがありましたらお聞かせ願いたいんですが。
#76
○参考人(小村武君) 私どもの銀行は、日本の抱える課題あるいは地域の抱える課題をどうやって解決していこうかということで今までいろんなものに挑戦してまいりました。
 私どもの、今急なお尋ねでございますが、私は、これからの日本の社会というのは、やはり地球環境問題、CO2問題が非常に大きなウエートがあると思います。そのためには、原子力政策をどうするんだ、そのための資金をどうするんだということが一つあろうと思います。それからもう一つは、少子高齢化社会に対してどう対応していくんだろうか。国民の負担も限界があります。ただ、財政需要がどんどんどんどん増えていく、国も地方も財政難である状態がまだ続くんだろうと思いますね。そういう意味で、金融の果たす役割というのは非常に大きい、そのためにどういう知恵を発揮していくかというのが政策金融の課題であるということでやってまいりました。
 したがって、そうした大きな観点から、まだそういうことが必要だということでありますれば、私どもは制度的担保をいただければやれますし、もうもはや必要がないということであれば撤退をするしかないと、こういうことで今私どもは申し上げておりますんですが、ただ、私どものような小さな銀行のことだけでなしに、先生のおっしゃるような、もっともっと日本全体のことを考えて、どうあるべきかということについてはまた別の機会にお話ができればと思います。
#77
○円より子君 終わります。
#78
○委員長(家西悟君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#79
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、株式会社日本政策投資銀行法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#80
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。一時は定足数に足りるのかどうか冷や冷やしましたけれども、午後第一番目のトップバッターの質問をさしていただきたいと思います。
 午前中の議論を聞いておりまして、自民党の中川先生、また我が会派の円先生のお話を聞いてたときに、やはりこれまでの政投銀さんの役割に対しては大変高い評価をしていると同時に、本当にその一方で完全民営化した後大丈夫なのかと、そういった心配の声も多く聞いたわけでございます。
 私自身も政投銀さんには大変な大きな期待をいたしております。確かにかつては、そして今もそうかもしれませんけれども、第三セクター向けの事業というものが多くが不良債権化しているという問題。昨今は、今度、来週の火曜日でしょうか、我が峰崎理事が日航問題に絡めていろいろ厳しく追及があるかもしれませんけれども、そういった様々な問題は抱えておりますけれども、実は、私自身は四国の高知の出身でございます。
 総裁も御承知のとおり、高知県の地域経済、また地方財政、大変厳しい状況でございまして、特に中心市街地の活性化、今本当に商店街が冷え込んでおりまして、空洞化が進んでおります。そういう中で、政策投資銀行さんが関与していただいて、ひろめ市場という新しい取組ができました。余りお金を掛けずに、もう一度にぎわいの場所を取り戻そうというふうな挑戦でございますので、これが今では高知県の商店街にはなくてはならない大変重要な施設におかげさまで育ってきております。
 また、私自身が県会議員当時に県に対して、これから地方財政も厳しいのでPFI事業という、PFIをもっと積極的に導入すべきだという提案をさしていただきました。当時の私のイメージとしましては、公営住宅に関連して何とかPFI事業といったものが取り入れられないのかな、そういうイメージで質問したんですけれども、高知県の場合は更に進んでしまいまして、公的な医療機関、高知医療センターをPFI事業で、全国初のこれまた取組だったと思いますけれども、行いました。全国初の取組なんで、その後の経営状態、本当に心配しているところなんですけれども、非常に革新的な挑戦的な取組についても御支援をしていただいております。
 そういったことを踏まえたときに、皆様方に対する役割というものは大いに期待するところでございますので、総裁始め政投銀の皆様方には地域経済という切り口から、円先生の質問と若干重なる面はありますけれども、後ほど御質問をさしていただきたいと、このように思っておりますので、まずは法案の条文に従って御質問をさしていただきたいと思います。
 まず、第二十二、二十三条関係。ここには実は財政融資資金の運用に関する特例についての規定がなされておりますけれども、そもそもこの財政融資法の目的ですね、この点につきましてかいつまんでまず御説明をしていただければと思います。
#81
○政府参考人(勝栄二郎君) 本法案の第二十二条、第二十三条におきまして、会社の業務に要する経費に充てるために財政融資資金を新会社に対する貸付け又は新会社が発行する社債及び日本政策投資銀行債に運用することができるというふうな規定がされております。
 その趣旨でございますけれども、新会社が行う投融資に必要な資金に加えまして、借入金等の支払利息や償還金を始めとする業務諸費、一般の経費を対象とするものでございます。
 また、先ほどから議論がありますように、あくまでも来年十月以降、移行期間中の暫定的な規定でございます。
#82
○広田一君 勝審議官さん、ちょっと私の二問目の質問に先に答えてしまったようなんですけれども、私が最初に聞きたかったのは、この二十三条の、また二十二条の規定の基になる財政融資法のそもそもの目的は一体何なんですかということであります。これは、法を引きますと、国、地方公共団体又は特別な法律により設立された法人に対して確実かつ有利な運用を行うことにより、公共の利益の増進に寄与することであると、このように法の目的が規定されているわけでございます。
 よって、そもそもの法の趣旨として、これは何にでも充てられる資金ではないと、私はこういうふうに理解しておりますけれども、この財政融資資金の性格について御見解をお伺いしたいと思います。
#83
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 財政融資資金法の第十条でございますけれども、財融資金は公的色彩の強い資金でございますので、あくまでも法律の定めるところにより、予算について国会の議決を経た、また承認を得なければならない法人というふうに規定されております。
 したがいまして、今回、移行期間中の政策投資銀行は株式会社でございますので、そういう観点から、これの財政融資資金法第十条第一項の例外規定といいますか、を設けたものでございます。
#84
○広田一君 そういう例外規定を設けているということなんですけれども、ただ、さはさりながら、先ほど来申し上げているとおり、この資金というのは非常に公共の利益の増進というふうに公共性の高いものでなければならないというふうに思います。そういった意味で、この規定は、法文を読みますと、先ほど勝さんの方からも御紹介がございましたように、会社の業務に要する経費というふうに規定をされているわけでございますけれども、これはヒアリングで聞きましたら、他の特殊会社と同様の表現を引いているというふうなことでございます。ただ、これは新政策投資銀行に適用される法律でございますので、それ用の、それだけに適用されるやはり運用の在り方というものが求められていると思います。
 そういった意味で、この法律の第三条に業務の範囲というものがずらずら書かれているわけでございますけれども、そういったものに基づいて、一体いかなる経費についてこの財政融資資金を充てるお考えがあるのか。これについて具体的にお聞かせを願えればと思います。
#85
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 先生おっしゃいましたように、財政融資資金法第一条において、確実かつ有利な運用となる融資を行うことにより、公共の利益の増進に寄与するという目的がございます。政策投資銀行ですけれども、移行期間中の民間会社としても収益を確保しながら、一つは財務大臣が主務大臣として監督するということで会社の経営の健全かつ適切な運営というものを確保するという要請があること、二つ目は、その完全民営化の実現及び長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持するということで、それによりまして資金供給の円滑化及び金融機能の高度化に寄与するという目的を有していますので、そういう観点から以上の措置を講じたわけでございます。
#86
○広田一君 先ほどの御答弁が、今の現行法の四十二条に書いております業務を行うため必要な資金の財源に充てるというふうなことの規定であれば、確かにそうなのかなというふうに私も理解するわけではございますけれども。
 じゃ、ちょっと具体的に聞きますけれども、この新会社の業務の範囲内で、第三条一項の二十、二十一及び第二項に規定がございます。これを引きますと、金融その他経済に関する調査、研究又は研修とか、業務に附帯する業務に要する経費というふうになっております。これも財政融資資金の対象になるべきものなんでしょうか。
 法の趣旨から照らし合わせてどのような御見解をお持ちなのか、お伺いをしたいと思います。
#87
○政府参考人(勝栄二郎君) 政策投資銀行は民間会社としまして収益を上げないといけないと。したがいまして、移行期間中に新しいビジネスモデルを構築するということでございます。
 したがいまして、そういう観点も踏まえまして、併せて長期事業の事業資金に係る投融資機能ということで、新しいビジネスモデルとしましては、そういう投融資一体となった業務及び先ほど先生がおっしゃいましたようないわゆるコンサルティング等のフィービジネス、そういうものも含めまして構築する必要があるということで対象になっていると存じています。
#88
○広田一君 更にちょっとお伺いしたいんですけれども、我が会派には公認会計士の尾立委員がいらっしゃいまして、午前中、こういった経費というものについては福利厚生分野も含まれるんだというふうな民間ではお考えだということなんですけれども、そのような理解でよろしいんでしょうか。この政投銀さんの必要経費にも含まれるんでしょうか。
#89
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 対象となる経費でございますけれども、これ業務諸費、一般の経費すべてを含んでおりますので、おっしゃいましたような人件費等についても対象になると考えております。
#90
○広田一君 福利厚生また給与等の人件費も対象に含まれるというふうなことになりますと、これ国民の皆さんの御理解が得られるというふうにお思いでしょうか。かつて社保庁の問題等がありまして、余りにも様々な都合のいいような拡大解釈の結果、いろんな不信が私は高まったんじゃないかなというふうに考えているところでございます。
 そういうふうに非常に公共性の高い資金を余りにも拡大解釈をして福利厚生費まで使えるというふうにするのは、私は現時点では先ほど言った理由から国民の皆さんの理解を得ることはできないというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
#91
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 政策投資銀行の人件費又は福利厚生費といえども、この会社の目的を達成する上での必要な経費だと考えておりますので、対象になると存じています。
#92
○広田一君 この議論を、私は全く金融の専門家でもありませんので、具体的にこの業務というふうなことの御答弁をされればなかなか、それが適切なのかどうかというところは各項目、項目を吟味していかなければならないというふうに思うんですけれども、ただ、この完全民営化の移行期間中の特別法において、しかもヒアリングによりますと、できるだけ国の支援、そういった資金に依存せずに自分たちはしっかりとやっていかなければならないんだというふうな決意を政策投資銀行の皆さんはお持ちだろうというふうに思います。
 そういう志を考えますと、現場の方から見てもまた国民の目線から見ても、財務省としての親心は非常に私も分かるような気がするんですけれども、到底国民の皆さんの理解を得ることはできないという意味で、むしろ、私はもう余り好きじゃないんですけれども、例えば政令を構えて、具体的にこの業務に要する経費とはこれこれこうですよ、こういうものに充てますよと。確かに、お金には色は付いてませんので何に使おうが結果的には検証するのは難しいかもしれませんけれども、まさしく志の点で私はそのような運用規定をすべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#93
○政府参考人(勝栄二郎君) 現在の金融機関としての政策投資銀行ですけれども、これにつきましても、支出と借入れといいますか、資金調達が一対一の対応ではございませんので、通常、金融機関はそうだと思いますけれども、そういう観点からは、やはり暫定的な経過措置としまして、また激変緩和措置として現在と同じような運用を、この移行期間中においてはそういう運用を行うということが妥当ではないかと考えております。
#94
○広田一君 この点について、今までの議論をお聞きになって小村総裁、どのような御感想をお持ちでしょうか。
#95
○参考人(小村武君) 緊急の事態とかいろんなことを考えてこういう規定が入っているんだろうと思いますが、現場を預かる人間といたしましては、人件費だとか、先ほど調査業務、こうしたものは私どもの収益をもって充てていく。その結果、今でも約一千億弱の収益、利益を上げているわけでございますが、やはり消費的支出については借入金によらないで、言わば赤字、借金というようなことにならないようにきちっとビジネスをやっていく。これは私ども現場を預かる人間として当然の責務であると思っております。
#96
○広田一君 ありがとうございます。
 小村総裁の御答弁、全く私たちの感覚と同じでありますし、そう願いたいところでございますので、勝審議官、いかがでしょうか。また、ちょっと財務大臣にもお聞きしたいんですけれども、現場がやはりこういった福利厚生等の部分については借入れに頼らず自分たちの収益でやっていくんだと、そういう気持ちで完全民営化に向かって突き進んでいくんだというふうなお考えを持っている以上、やはりこの部分、これについては多といたしまして、また先ほど言いましたような野方図に何にでもこの公共性の高い資金を使えるというふうなことには私は一定の縛りを掛けるのが当然ではないかなというふうに思いますけれども、財務大臣はいかがお考えでしょうか。
#97
○国務大臣(尾身幸次君) 正におっしゃるような意味で、この公共的な職務に就いておられる方としては、今お話しのような考え方で是非やっていただきたいなと思っております。
#98
○広田一君 そうしますと、政令等で何らかの使途について規定をするというふうな理解でよろしいんでしょうか。
#99
○政府参考人(勝栄二郎君) 今まで申し上げましたのは、法律の解釈としましては特に縛りがないと考えております。
 具体的に、じゃその諸経費の中で何に充てるかということにつきましては、政令で制約するのかまた運用で政策投資銀行自ら民間会社として制約を行うのか、そこはちょっと考えてみたいと思っています。
#100
○広田一君 是非とも、先ほど私は小村総裁のような方がこの以後トップであれば非常に志の高いお金の使い方をされるというふうに思いますけれども、やはり我が国は法治国家でございますので、やはり法に基づいて国民の皆さんの貴重な税金、お金というものをどういうふうに活用していくのか、できる限り法なり政令なりで規定して運用していただきたいと思いますので、是非ともこの点に関しての御検討を進めていただくように要請をさしていただきたいというふうに思います。
 それでは、ちょっと次に、同じ財政融資資金に関連をいたしまして、同じく、今度政策投資銀行さんと同じように商工中金さんも完全民営化を目指されているわけでございますが、これについて、実は商工中金さんの場合、既に〇六年から商工中金債の財政融資資金の運用先から除外をされているというふうに聞いております。
 こういうふうなことを思ったときに、まあ横並びがいいというふうには思いませんけれども、なぜ今回の場合二十三条等の規定が必要なのか、いま一度御説明をいただければと思います。
#101
○政府参考人(勝栄二郎君) 政策投資銀行は、商工中金と違いまして、現在、全額政府出資の政府系金融機関でございます。移行期間中は激変緩和措置としまして、財政融資資金の運用対象として指定しているわけでございますけれども、これはあくまでも激変緩和措置としての位置付けでございます。
#102
○広田一君 激変緩和というお言葉は午前中からもよく聞いた言葉でございますけれども、そうすると、ちょっと例えばでお聞きをしたいんですが、この新政策投資銀行が十年以上の日本政策投資銀行債を発行した場合、第二十五条、これから後で聞きたいんですけど、債務保証と併せて考えますと、これ完全民営化後も明らかな政府保証が残るというふうに考えられますけれども、この点についての御見解をまずお伺いしたいと思います。
#103
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 完全民営化後はいわゆる民間会社になりますので、政府保証等につきましての政府資金は全く受けないことになります。
#104
○広田一君 いわゆる完全民営化後はそのとおりでございますけれども、移行期間中に金融債を発行、長いやつを発行した場合には、完全民営化後も明らかな政府保証が残ると思われますけれども、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
#105
○政府参考人(勝栄二郎君) おっしゃるとおりでございますけれども、自力で安定した資金調達体制への円滑な移行を図るため、激変緩和措置を移行期間中に限り会社が発行する社債及び日本政策投資銀行債について政府保証を付すということにしましたところでございます。
 また、この当該措置につきましては、行政改革推進法第六条における日本政策投資銀行の円滑な運営に必要な財政基盤を確保するための措置を講ずるとの規定や、行革推進本部において決定されました政策金融改革に係る制度設計におけます自力での安定した資金調達体制への円滑な移行を図るため、政府保証債の発行や財融借入を認めるとする規定を踏まえた措置でございます。
#106
○広田一君 これは私の感想なんですけれども、やはりこのような措置を講ずる二十二条、二十三条、また二十五条のような措置を講ずるというふうなことを見ますと、激変緩和というふうな言い方を皆さんされているんですが、やはり激変緩和の前提となるためには、やっている業務がやはり高い公共性を持っているというふうなことがなければ、数々の、ちょっと後で債務保証についてまた聞きたいと思うんですけれども、私は激変緩和ということだけでは相当無理があるなというふうに思いますし、勝審議官も本当は、これやっぱり政投銀、政策金融として残るべきじゃなかったのかなというふうな非常に思いがあるんじゃないかというふうに勝手に推測をしているわけでございますけれども。
 そうしますと、逆に言えば、これも午前中から議論があったんですが、お認めになったように明らかな政府保証が残るというわけなんですけれども、だからこそ完全民営化後も午前中で議論があったような長期資金の供給が可能になると、その一つの信用を高める一因になるというふうにお考えになっているんでしょうか。
#107
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 完全民営化に当たりまして、長期の事業資金を供給するという機能の根幹を維持するために必要な措置を講ずるということで、先生おっしゃいましたように、一つは移行期間中に、いわゆる政府信用に基づく資金調達、また、もろもろの出融資一体として行えるような業務規定等が置かれています。
 そのほか、午前中でも繰り返し議論になりましたように、株主の構成等についても、株式処分の在り方ということで必要な措置をとるという規定がされております。また、新しい完全民営化後の会社に、移行期間中の会社の基盤等が円滑に承継されるような規定も必要になってくると思っています。
 その移行期間中のもろもろの業務規定、また政府信用の規定は、移行期間中にそういう業務を遂行するということもありますけれども、もう一つは、完全に新しいビジネスモデルを構築するという使命を持っていますので、そのための規定でもあると考えております。
#108
○広田一君 まさしくそのとおりだなというふうに思うわけでございますけれども、ですから、確認なんですけれども、そういうふうなことの、移行期間に対策を講じることによって、完全民営化後も長期の融資等ができるような基盤を確立をしていくというふうな中で長期資金の提供が可能となる、一つの信用を高めるために、この明らかな政府保証というものが必要であるし、大きく貢献するだろうと、そういうふうな理解でよろしいんでしょうか。
#109
○政府参考人(勝栄二郎君) 政府保証を付けましたのはあくまでも激変緩和措置でございますので、移行期間中に新しいビジネスモデルを構築するということが必要になってくると思っています。
#110
○広田一君 ですから、ビジネスモデルを構築することは必要なんですけれども、構築した以降も、先ほど言いましたように、例えば十年以上の金融債を発行した場合には政府の明らかな保証が残るわけですよね、完全民営化後も。そういうふうな政府の保証があるということが、完全民営化後の新政策投資銀行さんが長期の資金を供給する際に非常に高い信用力の一因になるんじゃないかなというふうに私は思うんですけれども、そういった理解でよろしいのか。そうじゃなくて、これはあくまでも激変緩和措置のために講ずるものであって、完全民営化後、政府保証が残ろうが残るまいがビジネスモデルを構築しないと長期の資金供給というのはできないというふうにお考えなのか、どういうふうに、今のこの明らかな政府保証が残ることと長期資金の供給等を理解すればいいか、ちょっと教えていただければと思います。
#111
○政府参考人(勝栄二郎君) 完全民営化後は当然ながら政府保証が付きません。ただし、先生おっしゃいましたように、移行期間中に発行した債券につきましては、政府保証が付した場合には、当然その償還が来るまでには政府保証が付いているということだと思っています。
 完全民営化後の経営につきましては、政府としては長期事業資金の供給の機能の根幹を維持するということは期待しておりますけれども、あくまでもそれは経営陣の判断だと考えております。したがって、そういう意味で、移行期間中の政府保証の付与はあくまでも激変緩和措置だというふうに考えております。
#112
○広田一君 それで、ちょっと次の第二十五条関係の債務保証についてお伺いをしたいというふうに思っております。
 これも法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の第三条、ここには実は、政府又は地方公共団体は、会社その他の法人の債務については、保証契約をすることができないというふうに規定をいたしております。ただし、財務大臣がそうでないという場合には例外を認めているわけでございますけれども、先ほど来質問していますように、よって、例外規定を適用するためには、私は特殊会社、法人の業務や設立目的に高い公共性がなければならないというふうに思いますけれども、こういった理解でよろしいんでしょうか。
#113
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 財融資金の借入れと同じでございまして、移行期間中の政策投資銀行は主務大臣、財務大臣の監督に服しておりますし、また長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持すると。かつ、それに基づいてそういう新しいビジネスモデルを構築するという観点から、移行期間中に限りまして激変緩和措置としまして政府保証が認められているというふうに考えております。
#114
○広田一君 財政融資資金の場合と同じ考え方だというふうにおっしゃっておりますけれども、私は全く同じというふうには、やはり法の趣旨、また第三条の書きぶりを見ますと、私は言えないんじゃないか。つまり、元々、先ほど紹介した法律というものは、政府は法人の債務については保証契約をすることができないというのが原則でございます。それの例外を認める場合には、激変緩和、完全民営化するための激変緩和ということだけでは私は明らかに弱いというふうに、つまり、新会社に債務保証を行う理由としてはとても十分とは言えないというふうに思うわけでございますけれども、この点についての御所見をお伺いしたいと思います。
#115
○政府参考人(勝栄二郎君) 第二十五条におきまして、政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律、先生おっしゃいますように、第三条ですけれども、国会の議決を経た金額の範囲内において、社債等に係る債務について保証契約をすることができるということでございます。
 したがいまして、先ほど申し上げましたような財務大臣の監督に服するということと、移行期間中に激変緩和措置として新しいビジネスモデルを構築するということもありますので、そういうことから政府保証が認められているというふうに考えております。
#116
○広田一君 実は、NTTとかJRとか他の特殊会社も同様に債務保証の規定はございます。ただ、例えばNTTの場合は、NTTだけに限られたものではなくて、ほかの通信事業者にも認定されれば同様に受けられるものになっておりますし、JRについても五年間の暫定措置というふうに聞いております。
 私は、自力で安定した資金調達体制への円滑な移行を図ることは大変大事でありますし、先ほど勝審議官が繰り返し述べられております激変緩和も私は否定するものではございません。ただ、一方には、明らかなこういった政府保証といったものが新会社の自立というものを妨げる要因になっても私はいけないんじゃないかなというふうに思いますので、こういった保証契約、これは法律にも明記されているんですけれども、こういった保証契約を結ぶに当たっては私は明確な基準を国民に示すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#117
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、あくまでも激変緩和措置としての政府保証等の措置でございますので、新会社が自力で安定した資金調達体制に移行するまでの暫定的な措置でありまして、当然そういう趣旨からしますと漸減していくものだというふうに考えております。
#118
○広田一君 さらに、指摘しましたように、今回の場合、保証契約を結ぶに当たっての明確な基準ですね、分かりやすい考え方というものを是非国民に示していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#119
○政府参考人(勝栄二郎君) 先生おっしゃいましたような対象経費の問題と、先ほど申し上げました漸減するというお話かと思いますけれども、まず後者について申し上げますと、やはり資金調達といいますのは極めてリジッドで行うわけでありませんので、その時々の社債市場等を勘案しながらやっぱり弾力的に行っていく必要があると思っています。
 したがいまして、漸減という考え方の下で、ただし機械的に減らしていくということはなかなか難しいのではないかと考えております。
#120
○広田一君 じゃ、そうしますと、なかなかそういった、これこれこういうふうな期間で、このような計画でどんどん減らしていくというふうなことをまずトータルとして完全民営化までの期間として示すことはなかなか困難であると、方向性としてはそうだけれども、それを具体的に示すことは無理であると、こういうふうな理解でよろしいんでしょうか。
#121
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 やはりある程度弾力的な対応が必要だと思っていますけれども、少なくとも政府として一定の計画を示すということは考えてないと思っています。
#122
○広田一君 それでは、ちょっと小村総裁にお聞きしたいんですけれども、政府としては示す考え方はないということなんですが、こういった保証等との関係の契約についても、これ完全民営化後までのやっぱり措置ということになろうかと思うんですけれども、やはり新政策投資銀行として株主の皆様方に対しての説明責任という意味で、トータルのこの債務保証に対する考え方というものをお示しになる御予定はあるんでしょうか。
#123
○参考人(小村武君) 激変緩和というのは二つの意味があります。
 私どもは、今までの資金調達手段は、財投借入れ、政府保証債、それから自ら調達する社債、こういう三つのものでございました。それが急に自ら預金を集めることはできません。ただ、民間の銀行からの借入れ等々の手段も講じていただきました。そういうものを私どもは使いながら努力をしていく、そういう意味における激変緩和と。
 もう一つは、例えば小田急の高架事業がございます。二十年十月から、今日から継続事業でやっているものをお貸しすることはできませんと、お客様にそういうことを申し上げるわけにはならない。お客様の利益を守るためにもある程度のやはり、核燃料サイクルにしてもすぐにやめてしまうというわけにはまいりません。そのときの激変緩和という意味も込めて措置をしていただいているということでありまして、決して私どもの運用が全く公的目的に外れたことで使用していくということはございませんので、その点は信用していただきたいと、こう思っております。
#124
○広田一君 はい、分かりました。
 それでは、ちょっと時間の関係もございますので、この点については以上といたしまして。
 続きまして、法第二十八条と二十九条関係についてお伺いをしたいと思います。
 これは検査権限の委任について、二十八条について書きまして、それに関連して二十九条では主務大臣の規定もされているわけでございますけれども、まず二十八条の五項に、会社が財務大臣から預金の受入れなどの承認などを受けた場合は、これまで前各項に規定してある権限の委任は適用しないというふうなことが書かれておりますけれども、これは一体どういう意味なのか、お伺いしたいと思います。
#125
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 新会社が預金受入れ等に係る財務大臣の承認を受けた場合には、内閣総理大臣が共管の主務大臣となりまして、財務大臣からの委任を受けることなく、内閣総理大臣が主務大臣としての立入検査を行うことが可能になります。そういうことから、内閣総理大臣に対する立入検査権限の委任規定を規定しないと、適用しないというための規定でございます。
#126
○広田一君 その内閣総理大臣というのは、金融庁の方にまた更に委任をされるんだろうというふうに思いますけれども、それを受けて、第二十九条の二項におきまして、二十七条の二項、三項にちょっとお触れになりました報告徴収と立入検査の規定があるんですけれども、そうしますと、九条一項の承認をもらって、主務大臣が財務大臣と内閣総理大臣になった場合に、二項、三項に規定されていますように、報告徴収と立入検査といったものを財務省と金融庁が別々に行ってもいいと、こういうふうな理解でよろしいんでしょうか。
#127
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 新会社が預金の受入れ等を開始した場合には、内閣総理大臣は預金取扱金融機関に対する監督の立場から、財務大臣は特殊会社に対する監督を行う立場から、それぞれが主務大臣になるということでございます。
 したがいまして、内閣総理大臣は準用する銀行法が要請する会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するという観点から、財務大臣は銀行法上の要請に加えまして、本法律を施行するために必要な監督を行うという観点から、内閣総理大臣、財務大臣がそれぞれ報告徴収及び立入検査を行うということでございます。
#128
○広田一君 つまり、別々に報告徴収とか立入検査をすることができるというわけなんですけれども、勝審議官、これ、こういった状況は現実的にあり得るんでしょうか。
#129
○政府参考人(勝栄二郎君) 御質問の趣旨ですけれども、別々にその立入検査又は報告徴収したといった場合に、その後の必要な監督上の命令がどうなるかということかもしれませんけれども。
 逆に言いますと、別々に行うことができるといいますのは二十九条第二項におきまして報告徴収及び立入検査だけでございますので、その他の例えば必要な監督上の命令、これにつきましては両大臣が協議の上共同で行うということになるかと思っています。
#130
○広田一君 その後の処分等の話はちょっと後に置いておきまして、現実的な実務の面で、財務省と金融庁が、例えば同じ案件について別々に立入検査を行うということが実務的にあり得るというふうにお考えなんでしょうか。
#131
○政府参考人(勝栄二郎君) 恐らく監督の観点が違いますので、理論上はやはりあり得ると考えています。実務上その便宜上、共同で行うことは当然あり得ると思っていますけれども、理論上はやはり検査する観点が異なりますので、別々に行うということはあり得ると考えております。
#132
○広田一君 その場合、第二十七条二項の立入検査の場合は、第三十三条二項に罰則規定がございまして、虚偽の報告を行ったとか立入を拒んだとか、そんなことに関連して三十万円以下の罰金刑の対象になるんですけれども。
 そうすると、同じ案件について、まあほとんどないとは思うんですが、財務省と金融庁の見解が分かれた場合は一体どういうふうな措置を講じるのか、これについては先ほど何かお互いが協議をしてというふうなお話があったんですけれども、それは法律上どのように担保されているんでしょうか。
#133
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、報告徴収及び立入検査、これについては法律上、それぞれの大臣が単独で行うことができるということは明示的に書かれています。逆に申しますと、その他の監督上の処分等につきましては協議の上共同で行うということになるかと思っています。
#134
○広田一君 法律上は、そういうふうに協議、法律上は、次の二十九条三項で、前項の規定によりその権限を単独で行使したときは、速やかにその結果を当該各号に定める大臣に通知するものとすると、確かに通知の規定はあるんですけれども、先ほど勝審議官が述べられたような事柄については規定をされておりません。
 いや、規定されている、いないというふうなことのまず確認だけさせていただきたいんですけれども。
#135
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 二十九条第二項におきまして、前項ただし書ということで立入検査と報告徴収ですけれども、これについては財務大臣又は内閣総理大臣がそれぞれ単独に行使することを妨げないということが書かれております。したがいまして、その反対解釈としまして、そのほかは原則としましては共同で行うということだと考えております。
#136
○広田一君 共同として行うというふうに考えているということなんですけれども、法文に沿っていくと必ずしもそうならないようなことがございますので、是非とも、二つの主務大臣があるということはある意味じゃダブルチェックが利くということで、それはそれでメリットでしょうし、九条一項のように、預金とか金融債の発行が承認事項となって、それに伴っての内閣総理大臣の主務大臣としての規定がございますので、まさしく法の考え方としては私も全く理解ができるわけでございますが、ただ、一つ一つ詰めていくと、特に罰金刑に係るところが金融庁と財務省とで見解が異なるようなことに、人に罪を付けるわけですから、ならないように十分な協議をしてもらいたい。
 まさしく、双方が勝手にやるようなことがないように意思疎通を図ってもらいたいということと、私は、そもそも二十八条の権限の委任において、この二十八条の五項の規定が付いた理由は、先ほど言いましたように理解はできるんですけれども、やはり法文上すっきりするためには、やっぱり財務大臣が、もちはもち屋のところで、金融の事柄に対しては金融庁の方に委任をすると、委任ができるような規定で書いた方が私はすっきりするんじゃないかなというふうに個人的にちょっと思っていましたんでこのような質問をさせてもらった次第でございます。
 それでは次に、これまた法文に従いましてお聞きをしたいというふうに思いますけれども、次は第十四条関係でございます。
 実は、この第十四条では受信限度額と与信限度額についての規定がございます。つまり、一項の方におきまして、預金、借入金、債券などの負債が資本金及び準備金の十四倍を超えることを原則として一項においては禁止をし、二項では、貸付け、保証、有価証券、出資などの資産が資本及び準備金の十五倍を超えることを禁止をしているわけでございます。
 私は、この規定についてなんですけれども、これは現行法の第四十四条の規定を受け継いだものでございますけれども、さかのぼればこの政策投資銀行の前身である日本開発銀行においても同様の規定がなされていたわけでございまして、これがいつ規定されたかは定かではございませんが、日本開発銀行は昭和二十六年に設立されて、大変古い昔の法律かなというふうにちょっと思いました。
 確かに、この規制によりまして、日本政策投資銀行の与信そして受信が自己資本に対して過大となることが防止されて、よって財務の健全性が確保されるというふうに思うわけなんですけれども、私は、政府系金融機関のままならともかくとして、完全民営化を目指す移行期間の特殊会社において、こういった規定がそもそも必要なのかどうか、現実として本当に縛りになっているのかどうかさえもちょっと疑問に思うわけでございます。
 これ、ちょっと質問通告していないんで、お分かりになれば教えてほしいんですけれども、現在の日本政策投資銀行における受信限度額、与信限度額、十四倍、十五倍と規定されているんですけれども、それぞれ現在は何倍になっているのか、お分かりになれば教えていただきたいと思います。
#137
○参考人(多賀啓二君) お答えいたします。
 これは十八年三月末の決算の数字からということで御理解いただければと思いますが、十八年三月末の私どものその与信残高は、これはざっくりした数字で申し上げますと約十三兆でございまして、これに対しまして、資本金と準備金とを合わせました私どもの自己資本は約二兆ということでございますので、十三割る二ということでございますので、約六・五、まあ七倍弱と、こんなふうな御理解でよろしいかと思います。
#138
○広田一君 御紹介があったように、全然クリアをしておりますし、全く心配をする必要がないというふうに私自身は思うわけでございまして、だったら、何か商工中金さんも同じような規定があるのかなとか、今度新しくできます日本政策金融公庫さんについても、これ政府系金融機関でございますから、当然それぞれの限度額、受信、与信の縛りが掛かっているのかどうか、お分かりになったら教えてもらいたいんですけれども。
#139
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 必ずしも正確じゃないかもしれませんけれども、確か商工中金、新しい法律ですけれども、にはその受信、与信限度額はなかったと思っています。政策金融公庫法においても、新しい政策金融公庫につきましても受信、与信限度額はなかったと思っております。
#140
○広田一君 実は、新しい日本政策金融公庫法案においては、第五十条四項で国際協力銀行業務の借入れ及び社債の量的制限というのはあるんですけれども、おっしゃるとおり、全体を縛ったものはございません。
 そうしますと、新しい政府系金融機関にもない規定が、なぜこの移行期間における特殊会社で規定しなければならないのか、この理由についてお聞かせ願えればと思います。
#141
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 本規定につきましては、新会社が自己資本の状況に見合わない過度の債務を負わないようにするため、また新会社が政府出資や政府信用を背景に事業規模を過度に拡大しないようにするために設けたものでございます。いずれも、移行期間における新会社の業務の適正な運営かつ財務の健全を確保する観点から必要なものと考えております。
 また、先生おっしゃいましたように、現在の政策投資銀行法においても同趣旨が設けられていると思っています。
#142
○広田一君 そうしますと、ちょっとまず一点お聞きしたいのが、この受信限度額十四倍と与信限度額十五倍の、これ本当に合理的根拠があるのかどうか。また、先ほど紹介があった実務面の現状を見たときに、この縛りというものが有効なのかどうか、そういった御検討はなされたのかどうか、併せてお伺いしたいと思います。多分していないんじゃないかというふうに思いますので、いかがでしょうか。
#143
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 この限度額の倍率ですけれども、過去において数回たしか引き上げられたと思っております。それは、ある意味では昔の政策投資銀行、開発銀行を通じてですけれども、民業圧迫を避けるという観点も踏まえまして、それも一つの理由として倍率が設けられたと考えております。
#144
○広田一君 経緯はよく分かったんですけれども、その十四倍、十五倍の合理的な根拠というものについてお伺いしたいと思います。
#145
○政府参考人(勝栄二郎君) 現在は確かにそこまで行きませんけれども、移行期間中ということで、繰り返しになりますけれども、過度の債務を負わないため、また事業規模を過度に拡大しないためという趣旨でございまして、移行期間中は、先ほどの議論ではございませんけれども、政府保証及び財政融資借入れが認められておりますので、そういう観点からも現在の規定を踏襲したものだと考えております。
#146
○広田一君 そうすれば、この規定というものはなくちゃならない、必要不可欠、絶対必要な規定というふうに理解してよろしいんでしょうか。
#147
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 絶対必要不可欠かということですけれども、現在の規定を踏襲したということで、移行期間中でございますので、長期事業の資金を供給するという機能の根幹は維持しますので、そういう観点から、激変緩和措置、そして政府保証及び財政融資借入れを認める規定を置いていますので、そういう観点もあって現在の規定を踏襲したものだというふうに考えております。
#148
○広田一君 私は、今、答弁を聞いても余り納得、理解できないんです。
 先ほど来、ちょっと議論したように、新しく民営化される商工中金さんにもないと。しかも、今度新しくできる新政策金融公庫にもないと。また、実務上はとても、この移行期間中に御心配をされるような状況が起きる可能性もほぼないと。
 財務省さんのいろんな規制等については、この法案ざっと読めば、様々な形で財務等の健全性については配慮されているというふうに私は読み、そして完全民営化というものを目指されているわけで、民間の場合は御承知のとおり受信については規制はございませんし、また与信については国内金融については二十五倍というふうな規定はあるわけでございますので、やはりそういうものを勘案したときに、私はこれは余り必要のない規定じゃないかなと。ただ単にそのまま何の検証もなく付けた条文じゃないかなというふうなことを指摘をさせていただきたいというふうに思っております。
 それでは、次に行きたいと思うんですが、次に、第二十条関係につきましてお伺いをしたいと思います。
 この二十条には定款の変更等についての規定がございまして、その中に様々な定款変更の規定がございます。午前中の議論の中でも、政策投資銀行さんのこれまで果たしてきた役割の公共性の高さ、これは私も冒頭申し上げたように、皆さんが述べられております。
 ただ、本当にそのまま完全民営化できるのかというふうな事柄については、円委員の方がるる、今の経営状況、今後の資金調達、ビジネスモデルの在り方というふうなところから御指摘がございました。私も完全民営化を是非とも実現していただきたいなというふうに思うわけでございますけれども、しかし、巷間言われているように、他のメガバンクとの合併であるとか、郵貯銀行との合併というものも取りざたされているわけでございますが。
 この辺、ちょっと小村総裁にお聞きしたいんですけれども、完全民営化を目指して頑張っていくと。それを、じゃ、どうすればできるのかというふうな事柄については、午前中も議論がありましたんで私の方からは繰り返しては指摘はしませんけれども、ただ、現実的に、努力をしたけれども結果として完全民営化後のビジネスモデルを確立できないと。しかし、この政策投資銀行さんの持つノウハウ、そして様々な人材、こういったものを社会のために活用するためには合併という選択肢も私はあるのではないかなというふうに考えておりますけれども、総裁自身、そうならないために頑張るというのは分かるんですけれども、合併の可能性についてはどのような御所見をお持ちなのか、お聞かせ願いたいと思います。
#149
○参考人(小村武君) 私どものビジネスモデルの中に中立性というのがございます。これはいろんな業務面で他の金融機関なり証券会社との協調、提携をやってまいりますが、資本関係において、どこか一定のメガバンクと組むとか、その系列下に入る、そういうことは現在考えておりません。これはもう将来絶対ないのかと言われますと、私はそのときまで、そのときの社長ではありませんから何とも申し上げようがないんですが、恐らく私どもが描いているのは、そうした形での特定の金融機関と合併するなり資本系列に入るということではなくて、私どもがこれからビジネスを展開していく上で、やはりグループ経営という形を取っていろんな機能を備えていかなきゃいかぬだろうと。傘下に、あるいは保険の機能を持たなきゃいかぬ、あるいは証券の機能を持たなきゃいけないとか、サービサーの機能を持たなきゃいかぬ、そういう形でのグループ経営ということは十分考えられます。そういう意味で、まず私どもが今描いている姿というのはそういうことではないかなということでございます。
#150
○広田一君 小村総裁の目の黒いうちはそのようなことにはならないというふうな御決意がございましたし、グループ経営というものは視野に入れながらも、やはり自分たちが主体的にやっていくんだというふうな決意の表れというふうにも御理解をさせていただきました。
 そこで、財務大臣若しくは勝審議官の方にお聞きをしたいんですけど、さはさりながら、この定款変更の条文を引いているわけでございまして、やはり行政の方としては、この合併をする場合に、もし出た場合には認可をどうするかを決めなければならないわけでございます。そういうふうなことにはならないだろうというのが先ほどの御答弁でも分かるわけでございますが、さはさりながら、やっぱり行政としてはどういった場合に合併を認可をするのか、どういった場合に合併は認可しないのか、除外するのか、こういうふうな基準については明確にしていただかなければならないというふうに思いますので、どのような場合だと合併は認めて、どのような場合だと合併は認めないのか、その基本的な判断基準をお示し願いたいと思います。
#151
○国務大臣(尾身幸次君) この会社の合併につきましては、経営やあるいは企業価値に大きな影響を及ぼすわけでありますので、会社の目的に沿った適切な業務運営及び財務の健全性の確保に悪影響が与えることのないよう、個別案件ごとに慎重に判断していく必要があると考えております。
#152
○広田一君 その御答弁を受けますと、ちょっと二、三突っ込みたくなるんでございますけれども、ちょっと時間が参りましたので。
 最後に、小村総裁に。
 冒頭、私自身高知県の例を出しまして、山本金融担当大臣もお越しですけれども、ひろめ市場とか高知医療センターにおいて政策投資銀行さんが大きな役割を果たしてくれております。これから非常に地方財政が大変厳しい状況になります。これは三位一体の改革によって国の財政運営の失敗のツケが地方に回っているというのも大きな原因だろうというふうに思いますけれども、しかしながら現実問題として、財政が厳しい以上、補助金でこれから地域づくり、町づくりをしていこうというのはどうしても限界がありますので、やはりそういった意味での政策金融の果たす役割というものは大変大きいというふうに思いますので、この点についての御所見と同時に、実は去る参議院本会議でも通過をいたしましたけれども、このたび、公営金融公庫さんが廃止をしまして、新たに地方が出資する新機構ができることになりました。今までは、政策投資銀行さんと公営企業金融公庫さん、それぞれですみ分けをして様々に取り組んできたというふうに聞いておりますけれども、地方の公営企業、事業も大変厳しい状況になっておりまして、地方財政本当に高いリスク要因にもなっているわけでございますけれども、今後、完全民営化を見据えて新しい新機構との連携というものをどのように図っていくのか、この点についてのお考えをお聞きしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#153
○参考人(小村武君) 地方公共団体がこれから財政の立て直しをしていこうというときに、公営企業の在り方というのは大変大きな問題であろうと思います。私どもは、そうした際に、例えば水道事業とかガスの事業とか交通手段を持っておられるところが多いんでございますが、そういうものについて民営化をする、これはPPPというヨーロッパで普及した手法でありますが、こういうPPPの手法というのは、私どもは最先端を行っております。
 そういう意味で、新機構と御協力をして新たな仕組みをつくる、そういうときには是非私どもも参加をして一緒にやってまいりたいと、こう考えております。
#154
○広田一君 以上で終わります。どうもありがとうございました。
#155
○大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉でございます。
 まず、こちら、日本政策投資銀行のディスクロージャー誌を読んでまいりました。実は四月にも決算委員会で政府系金融機関に関していろいろ質問さしてもらいました。私は、いろんな政府系金融機関の財務諸表を見まして、いわゆる政投銀はすばらしい金融機関だと思っています。いろんなガバナンスの面、若しくは資産内容的に見まして、政府系金融機関の中でも群を抜いていると思います。ですから、今日の質問は、じゃこういった金融機関がどうして民営化をする必要があるのか、この点に関しまして総合的に質問していきたく思っております。
 まず、質問の項目としましては、完全民営化への道筋ということで質問したいと思います。まず、尾身財務大臣に質問いたしますが、今回の民営化法案のでき栄えと完全民営化への決意を問いたいと思います。大臣、お願いします。
#156
○国務大臣(尾身幸次君) 本法案におきましては、行政改革の重要方針及び行政改革推進法等の方針に沿いました日本政策投資銀行の完全民営化の実現に向けて、いわゆる政策金融からは撤退する一方、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持できるよう、移行期間中における必要な措置を講じることができたと考えております。
 すなわち、新会社の目的として、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持するとの規定に加えまして、日本政策投資銀行の強みであります長期のリスクマネーを引き続き供給するために必要な業務を規定いたしますとともに、資金調達に政府保証を付する等の激変緩和措置を講じる等、新しい会社に対して必要な手当てを行っているところでございます。
 また、このような措置に加えまして、完全民営化後においても長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されるよう、政府保有株式の処分の方法に関する事項について検討の上、必要な措置を講じる旨の規定及び新会社の業務や機能等が完全民営化後の新組織に円滑に承継されるために必要な措置を講じる旨の規定を措置するなど、本法案は完全民営化に向けて必要かつ十分な内容を備えたものであると考えております。
 日本政策投資銀行の完全民営化は、今般の政策金融改革の一環として必ず成し遂げなければならないと考えておりまして、今後とも全力で取り組んでまいりたいと考えております。
#157
○大久保勉君 ありがとうございます。決意は分かりました。この法案は非常に必要かつ十分な法案であると、また決意もあるということは承ったんですが、実は今日午前中に中川委員及び円委員の方から質問がございまして、それを聞いておりましたら、本当かいなということも一杯ありましたので、ここに関して質問したいと思います。
 民営化したいという意思は分かったんですが、本当に民営化できるか。したいというのとできるというのは全く違うんです。今日は、民営化できるかどうかに関して具体的な質問をいたします。
 まず、小村総裁に関して質問したいんですが、じゃ民営化後どのような会社を目指すんですか。やはり民営化でしたらいろんな競争がございますから、それなりの目的がありまして、それに向かって従業員一丸となって働く、こういうことが必要だと思います。総裁はリーダーですから、どういう企業を目指していくのか。私は、政投銀自身は一流の金融機関と思っていますから、世界的に一流な金融機関若しくはノンバンク等を目指してもらいたいと思っています。
 例えば、世界の例でいいましたら、一つのモデルとしましては、これまでの日本興業銀行、いわゆる平成の日本興業銀行になるのかと、つまり長期融資の専門家になっていくのか、この選択もあり得ると思います。二番目は、いわゆる投資銀行、例えば日本版モルガン・スタンレーになるのか、若しくはゴールドマン・サックスになるのか、こういった方向性もあり得ると思います。
 三番目としましては、デキシア・クレディ・ロカールといいまして、これはフランスの金融機関なんですが、地方公共団体とかインフラに対して非常に強みがございます。こういった分野で生き残っていくのか。
 さらにはファンド、例えばJファンドということで日本独特のファンドとして活躍したいのか。ファンドもいろんなところがありますが、非常に優れた機能を持っているファンドとしまして、例えばセコイアキャピタル、これはIT関係のIPO若しくはプライベートエクイティーの会社です。最近中国が出資を決めましたブラックストーンという会社もありますし、KKR、コールバーグ・クラビス・ロバーツ、こういったところも一流のファンドと言えます。こういったところを目指していくのか。若しくは、もう銀行でもない、ファンドでもない、だったらノンバンクになるかということで、日本版GEキャピタルを目指していくのか。
 どういった方向に行くのか、どういった企業を目標にするのか、このことに関して総裁に御質問いたします。
#158
○参考人(小村武君) 私どもが民営化をする際には、やはり過去の五十年培ってきたこの能力、ノウハウ、あるいは職員の志、そういったものを大切にする。同時に、たくさんのお客様との関係、大学との関係、地方公共団体とのいろんな関係を結んでおります。こういった資産も持ち合わしております。それをうまく利用しながら、投資と融資一体となった日本型投資銀行といいましょうか、他に例のない、恐らく世界でもまねのできるようなものはございません。
 したがって、我々は新しいそういうビジネスモデルを構築をこれからしていくということでございます。
#159
○大久保勉君 私が感じましたのは、世界に類がない、つまり五十年前のこと、さっきの話でしたら、私どういう企業を目指しますかと言いましたら、五十年間の歴史とか過去ばっかり振り返って、将来何をするかというのはほとんど言われていないと思うんですよね。もう少し具体的なことを言わないと民営化は私はできないと思うんですね。
 日本的投資銀行というのは何ですか、もう一度質問します。
#160
○参考人(小村武君) 私が総裁に就任してまいりましてから、やはり日本の金融環境が大きく変わってまいりました。当時は、不良債権問題等々で民間金融機関も大変疲弊をしておりました。そうした中で、言わば従来型の銀行というものは、私どもがこの小さな世帯で同じようなことをして生きていけないということもよく分かりました。
 そういう意味で、我々が今やっておりますのはどういうことかといいますと、言わば仕組み金融といいますか、私どもは年間約千件ぐらいです。国民公庫は五十万件ぐらい扱っております。そういうマニュアル化した金融ではなしに、一件ずつ問題解決のためにノウハウを提供し、やってまいりました。
 こうした能力というのは、新しい世界、新金融手法を駆使した投融資一体となったものというのがこれからの金融機関として需要があるし、また、他のメガバンク等々もそうしたものとして我々を位置付ける、あるいは一定のリスクを取るとか、そういう関係で成り立っていくわけで、同じ土俵で同じ回しを着けてやりますと、六万人のメガバンクと千三百五十七人の私ども、それは相撲を取れるわけではありません。だから、行き方は当然違ってまいります。
 そういう意味において、これからのビジネスモデルを世に問うていきたいと思っております。
#161
○大久保勉君 新しいことをやられたと。つまり仕組みということは、具体的におっしゃってください。恐らくはDIPファイナンスとか若しくはプロジェクトファイナンス、企業再生、こういったことじゃないかと思いますが、確認のためにもう一度質問します。
#162
○参考人(小村武君) 金融危機の折には、例えばDIPファイナンスがまずありました。このときは、メガバンクを始め日本の金融機関は、会社更生法の適用を受けたところにお金を貸すなんということはもう従来の常識では考えられない、そういう世界でありました。
 そのときに、政府の骨太の方針にもありましたように、私どもは真っ先にそういう手法を取り入れて、それから金融機関だけでは駄目なので法曹界にも、人材を養成するためにということで、裁判所とも協力をいたしまして、そういう新しい手法を入れて、今日、DIPファイナンスというのは大きなビジネスの一つであります。
 ただ、これは習熟してまいりますと、いろんなところでやっていただきたいと思いますし、例えばPFIにしてもそうでありますが、ただ私どもは、最も手法として優れていても、たった三十名ぐらいの担当者が全国の案件をやるわけにはまいりません。そういう意味で、信金中金にもその手法を伝授したり、いろんな協力関係で今全国の大学のPFI等々が他の機関もやっていただけるようになったということで、すべてが私どもが独り占めしてやっていくほどの人数もおりません。ただ、先駆者としての利益は得てまいりたいと、こう思っております。
#163
○大久保勉君 分かりました。
 日本のマーケットにおいては先駆者であることは認めますが、実はDIPファイナンスというのは一九七〇年代からもうアメリカにおいては広く行われておりますし、PFIも常識です。ですから、日本の金融機関はやっていなかったのに、政策投資銀行は一番にやったということは認めます。
 ただし、DIPファイナンスというのは、不良債権、いわゆる危機的状況にある会社に対して再生型のファイナンスをすると。別の言い方をしましたら、リスク管理が甘いから民間ではもうバンザイして出せないと、でも公的機関だったから出せますと、こういう考え方もできるんです。ですから、DIPファイナンスを最初にやったからノウハウがあるというのは、必ずしもそうじゃないと指摘したいと思います。
 こういう厳しい言い方をしていますのは、公的金融機関の枠組みでしたら一番でやった若しくは革新的であるということですが、民間企業のレベルでしたら全然足りませんから、もう全然違う土俵にいるということを認識して経営をしませんと、民営化したいんですが実際は民営化できませんと、こういうことになります。
 こういった観点から、次の質問をしたいと思います。
 午前中に幾つか質問がありましたが、ビジネスモデルはどういうふうになっているのか、若しくは収益性、この点に関して質問したいんです。もう既に午前中に聞いておりますから、一般的なビジネスモデルは必要ありません。繰り返すのでしたらもう省略してほしいと思いますが、新たにこういう具体的なことをやりたいということがございましたら、答弁をお願いします。総裁、お願いします。
#164
○参考人(小村武君) 午前中も申し上げましたが、私どもは他の金融機関と同じようなことをしておりますと生きてはいけません。そういう意味におきまして、投融資一体のビジネスを展開していきたい。その際に、私どもはやはり、他の金融機関は融資を専らやっておられますが、投資行為あるいはリスクを負担する、メザニンの部分を取るとか、そういったものについて存在価値があるということであります。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
 したがいまして、そういう大きな意味での投資銀行業務的なものも大きなウエートを占めてくると思いますが、ただ基礎になる融資というものは、これはやはり必要であります。午前中も申し上げましたが、これは私どもの職員にも、お米のようなものであって、基礎的な経費等々についてはやはり今持っておりますネットワークを通じましてお客様との関係で収益を上げていく、さらにその上に、畑で花を咲かし野菜を作る投資業務をやっていく、そういう投融資一体的なものを駆使することによってお客様の課題にこたえていく。単に利息だけをいただいてビジネスをするということではなしに、やはり小さいですがぴりっとした存在感のある銀行といいますか金融機関になってまいりたいと、こう考えております。
#165
○大久保勉君 総裁の言葉から、たびたび小さいとかぴりっとしたとかおっしゃいますが、自信を持ってください。決して政投銀は小さくありません。
 まず、資産が十三・六兆円あります。これは日本の地方銀行よりも大きいです。また、資本金が二兆円あります。資本金が二兆円あるという金融機関は非常に少ないです。ですから、メガバンクに比べましたら小さいかもしれませんが、若しくは従業員のベースでは小さいかもしれませんが、資本量若しくはリスクを取れる量に関しては極めて大きな金融機関なんです。ですから、そこをまず認識されまして、それからどういうビジネスモデルを考えていくかというのを是非考えてほしいんです。
 じゃ、完全民営化するためには株式を売らないといけませんから、そのときに、じゃどのくらい利益が上がるんですかと、ROEは幾らですかという質問があります。これまで円委員も質問しました。でも、全部答えられましたのは今のROEです。ですから、五年後若しくは七年後に民営化するときに何%を目指しているのか、このことを総裁の口から聞きたいと思います。これは決まってないんじゃなくて、あなたは経営者として、このくらいじゃないと民営化できませんよということをおっしゃってください。
#166
○参考人(小村武君) 午前中も申し上げました。
 私どもは、収支相償な中で、ROEが今低いというのは、これは今置かれている政府系金融機関の立場としてやむを得ないところであります。収益を上げるためのものではなしに、公益を実現しリスクを取るためにこういうROEが低い。しかし、御指摘のように、これから株式を買っていただかなきゃいけない。そういうときに、今のようなROEでは株を買ってくれる方はおられません。そういう意味において、きちっとしたROEの目標をいずれ示していかなきゃならないだろうと思っております。近い将来そういうものをきちんと示していく。
 今、民間の金融機関は税金払っておりませんから、ROE、税引き前と、水準と同じですね。ただ、私どもは、すぐに民間金融機関のレベルに達するかというと、過去のそうした資産、負債を引き継いでいきますから、すぐに民間金融機関並みのROEに達するかというと、そうではございません。おっしゃるように、十年後どういう姿を描いていくか、これはやはり明らかにしていかなきゃならないと思っております。
#167
○大久保勉君 まず民営化できるかというコンテンツで聞いていますが、そういった総裁の発言に対して、恐らくはだれも株を買わないと思うんですね。現状は何%で、でもこれから民営化するわけでしょう。でしたら、ちゃんとした目標を立てない限りは経営はできないはずなんですね。これは自らの問題ですから、仮置きとして、じゃメガバンク並みの一〇%を目指すのか、それとも海外の投資銀行並みの二〇%を目指すのか。じゃそのためにどういう無駄があるのか、またどういうビジネスモデルをつくっていくのか。そういう形で提案しない限りは、一切新しいことはできないと思うんです。
 本気でやる気があるかどうか、もう一度確認します。総裁、お願いします。
#168
○参考人(小村武君) 私どものビジネスモデルは、先ほど申し上げました海外のファンドや投資銀行とやはり違うと思います。ROEが二〇%あるいはそれ以上のものを求めていくと、ハイリスク・ハイリターンの世界に生きるというのは、これは無理だと思います。それから、今までの経験を生かしながらのビジネスをやっていくときには、やはり中リスク・中リターンのビジネスモデルになろうかと思います。
 ただ、先生も御理解いただきたいと思いますが、今十三兆の資産を持っておりますが、これは政策金融として行ったものでありまして、この影響というのはしばらく続きます。ですから、この影響を除いたところでどうだということで、新しくこれから始めるということであれば絵を描きやすいんですが、この影響は消えていくのにはかなり時間が掛かります。
 今日、この場で私が十年後ROE一〇%にしますと、こうお答えすればいいんでしょうけれども、それまでにはもう少し検証をいたしまして、株主の皆さんに御理解をいただく、そういうビジネスモデルの構築をこの移行期間中に確立をしていきたい。できれば民営化、来年の十月に発足する段階においてはそういう数値的なものもきちっと整備をしていきたい。今まだ法律も通っていない段階で私が何%にしますと言うのが、そこまでの、申し上げるのは僣越だと思いますが、いずれ新銀行が発足のときにはそういう数値を持ってお答えできるようにいたしたいと、こう考えております。
#169
○大久保勉君 まず、今の資産が十三・六兆ありますからそれが動かせないと、そういう発想をされること自身が実は財務省よりも遅れていると思います。今、財務省は、資産の売却若しくは証券化ということで一生懸命いろんなシミュレーション考えています。ですから、あるものを証券化して売却して資産を圧縮することを考えていますが、政投銀はもっと自由にできるはずなのに、十三・六兆円の資産はそのままになって、それを前提に考えていくということでしたら、もう発想自身が古いんですね。ここを是非直してもらいたいと思います。
 次に、自分は分からないと、つまりこれから議論するんだと。じゃ、私ども、何も分からない段階で、こちらの法案ですか、白紙委任しないといけないんですか。つまり、何も青写真が見えないのにとにかくこれは審議してくれといっても、材料がないから審議できないんです。白紙委任は私はしたくないんです。だから、もう少し具体的な青写真をつくってください。これは財務大臣に聞いているんじゃないんです。財務大臣は骨子を作る話なんです。ところが、総裁は自分たち自身の問題ですから、自分たちの問題としてどういうふうにしたらいいのか、より積極的に、まあプロアクティブというんですけど、積極的にやっていかない限りは株式は売却できないと思います。
 もう一度これに対する総裁の答弁を聞きたいと思います。
#170
○参考人(小村武君) 誤解がありましたら私の表現がまずかったんですが、私は今、十三兆の資産をそのままずっと維持したいとか、そういうことを申し上げているわけではありません。
 ただ、私どもは長期の金融をしております。そのときに、お客様との関係において、すぐに資産を証券化して売り出すとか、そういうものが本当に可能かどうかという問題がございますが、恐らく資産規模というのは着実にこれは減少していくと思います。そこはもう十分認識の上で今のビジネスモデルをつくっているわけであります。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
 ただ、今この段階において、私どもは内部的には相当経営戦略部門をつくりまして、長期推計も行い、ビジネスモデルの具体的な中身について詰めておりますが、これは、一方、今まだ政府系金融機関でございます。法律も通っていないときに私めが具体的に今こういう絵を描いているというところまでは申し上げるのはいかがかと思います。いずれ二十年の十月の発足のときに明らかにしていきたい。
 そして、私どもは、一番大事なことは、現場を預かる私の立場といたしましては、まず私どもの職員の能力を十分に発揮させたい。そして、従業員を路頭に迷わすことは、現場を預かる人間としてはこれはもうできないと、それをまず第一にし、そして私どもが目指すビジネスモデルを実現できるように、財務大臣に株式の売却に当たってはそういう売却の方法を考えていただこうということでありまして、私が今ここでこうしようと言っても、だれが株主になるかによってまた全然変わってくるわけですね。投資ファンドに売られるということであれば、それは短期の利益を目標にした、もっとROEが二〇%のそういうモデルになります。
 だから、そういうことをやれとおっしゃるのかどうか、これは現在大資本を持っておられます財務大臣のお考えもお聞きしながら、やはり私どものビジネスモデルをつくっていくということであります。
#171
○大久保勉君 かみ合わないんです、今日ね。
 総裁は、いろいろ詰めていると、数字は考えているんだけど国会には見せたくないと、法案を通さないと開示できませんと。それはおかしいんじゃないですか。こういうことでしたら私は審議したくないですね。そうしないと白紙委任はできないですよ、国民の資産ですから。考え方を直してください。
 もう一度質問します。総裁が考えている新しいビジネスモデル、具体的な数字をもう一度質問します。
#172
○参考人(小村武君) 再三申し上げておりますように、私どもはこういう長期的な、企業やプロジェクトに対して融資をする機関であります。ここから得られる審査手法なり金融技術、それは一つの財産として持っております。それから官民にわたる広いネットワークも持っております。こういうものを活用していきます。それから、最後は民間金融機関等々とのリレーションシップ、あるいは志を持った職員のこの能力を最大限に生かしていく、そこから始まってどういうビジネスができるかということを今構築をしております。その際、金融界はこれから、先生御案内のように、大きく変化していくと思います。単なる今までどおりの、単にお金をお貸しし、薄利をもって利益を上げていく、そういうビジネスモデルというのは、民間金融機関だってこれは大変な時代になってくるんだと思います。私どもは、そういう将来を見据えて自らが生きていく方法、それを今模索をしているわけであります。
 それから、小さな規模、人数が少ない、これはある意味では私どもはメリットだと思っております。何万人も職員を抱えて、さあ、やれどうするかということではなしに、やはり少数精鋭の人間であれば非常に機動性に富んだ経営ができます。そういう意味で、先生がおっしゃるように、人員は少ないけれども資産の規模が大きい、リスクが取れる、したがって投資業務の分野においても十分リスクを取れる金融機関になれると、そこは私どものメリットであります。
 数値の面については、またおいおい来年の十月にかけてきちっとしたものを出していこうと、こう考えております。
#173
○大久保勉君 数字に関してはこの席上じゃなくてもいいですから、別途提示してください。一つ一つの数字を出せとは言っていません。つまり、A、B、Cとかいろんなモデルができると思うんです。そういったことをちゃんとやっていますということを証明することが重要なんです。そうしませんと、怖くてこの法案は通せないですよ。やはり十年先のことはだれも予想できません。五年先もできません。ところが、いろんなことをシミュレーションすることはできます。その過程で頭の整理ができ、職員自らが、自分たちはどこへ選択するのか明確になっていくと思うんです、その作業が必要なんですよということを伝えたいと思います。
 じゃ、続きまして財務大臣に質問します。
 これは午前中の円委員の質問の続きで、円委員の方が、いわゆる政投銀の資本金は一・九兆円、これは、こちら、ディスクロージャー誌を見ましたら、平成十七年三月三十一日が約一・九兆円です。平成十八年三月が約二兆円になっております。じゃ、民営化するとき株を全部売却します、そのときの売却価格というのは二兆円よりも大きいですか、少ないですかという質問をしたいと思います。逆に言いましたら、二兆円よりも下だったら民営化する必要はないと思うんですね、私は。
 そこで、大臣に答弁をお願いします。
#174
○国務大臣(尾身幸次君) まず、株式の処分に当たりましては、この処分の円滑な推進、それからまた国民の財産である株式の処分収入の適正な確保を図るということが必要であると考えております。そのためには、新会社が民間金融機関として収益性を確保をしながら自立して企業価値の向上を図っていただくことが大事でありまして、この法律案におきましては、日本政策投資銀行が強みとしている業務が引き続き可能となるよう、必要な業務の規定やあるいは資金調達における政府保証等の激変緩和措置、財政基盤の確保等といった所要の措置を講じたところでございます。
 今後、長期の資金が投融資資金に貸せるように、安定性のある株主構成とするという趣旨を踏まえる必要があると考えておりますが、したがって、完全民営化後も長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されることを期待して、移行期間中に政府保有株式の処分の方法に関する事項についても検討をするというふうに規定をしているところでございます。具体的に言いますと、この問題につきましては、有識者、専門家から成る検討会で専門的な見地から検討していただく必要があると考えております。
 この株式がどういう値段で売れるかということにつきましてはもとより、今、これからこの会社がどのぐらい立派な会社になっていくかということにもかかわってくるわけでございまして、私どもがまだ幾らで売れるということを申し上げられる段階ではないと考えておりますが、あくまで民営化するわけでございますから、大いに元気を出して、投融資も含めましていろんなところに業務をしっかりと拡大をし、経済のニーズに応じて必要な役割を果たすことによって企業価値の増大というものを図っていただきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#175
○大久保勉君 長い割には中身が非常に少ないと思います。
 といいますのは、企業の価値といいますのは純資産ですね。純資産が二兆円の会社です、これは。でしたら、将来性があるんでしたら、それに対して二倍とか若しくは三倍の価値があるはずなんですが、それを企業価値と同じ二兆円で売るのか。私の質問は、二兆円よりも低いところ、一兆円で売ることはあるんですかと。このことは、財務大臣として国民の資産を守る立場からしたら、やっちゃいけないんですよ。だから、少なくとも大臣でしたら、二兆円以下だったら売りませんという答弁ぐらいできるんじゃないですか。もう一度質問します。
#176
○国務大臣(尾身幸次君) これは五年から七年以内に売るということは決まっているわけでありまして、買手が付かなければ売れないわけです。ですから、そのときにこの会社の事業内容、いわゆる企業価値というものがどういうことになっているかということによって、現実にはコマーシャルベースで売るわけでありますから、この値段で買いたいという人がいなければ売れない。また、もっと高くても買いたいという人がいれば高く売れると、こういうことでございまして、それは正にこの企業のこれからのありようというものが非常に関係があると思っております。
 私どもは、もとより、この資本の額は二兆円でありますから、それより高い値段で売りたいとは思っています。しかし、五年ないし七年の間にそれが売れるかどうかについては、今後の関係者の努力にもよるところであり、それを幾らでなければ売らないということは法律に違反するわけでありますから、五年ないし七年に売るというのがこの法律の案でありますから、私どもは、その法律に従ってこれからできるだけ企業価値を高めていただきながら売っていきたいと考えております。
#177
○大久保勉君 整理します。五年から七年、この法律は五年から七年以内に政投銀を売らないといけませんと、こちらの政投銀の価値が二兆円ありますから、それでも売らないといけないということですね、もし買手が付かなかったら。
 ということは、私、ある経験を思い出します。日本長期信用銀行という銀行がありました。あれは買いたたかれました。つまり、七年までには売らないといけないんだったら、本当だったら二兆円の価値がありますけれども、だれも買手が付きません。でも、手のうち分かっていますから、みんな談合して買わないと。じゃ、二兆円の価値が、本来だったら四兆円の価値があるとしまして、でも、少なくとも二兆円の、全部清算したら二兆円の価値があるはずなんです。ところが、それでもだれも買手がいないと。じゃ、一兆円になって、売らざるを得ないから一兆円でたたき売りする、こういう法律じゃないですか。じゃ、いつか来た道ですから、外資にもうけさせるんですか。こんなことをやってもいい法案ですか、質問します。
#178
○国務大臣(尾身幸次君) これまた悲観的な考え方でありまして、四兆円で売れるかもしれないし、あるいは一兆円になるかもしれない。この企業の企業価値というものをマーケットがどう評価するかということにもよります。
 したがいまして、私どもとしては、法律に基づいて五年ないし七年で売るということでありますから、それに努力をいたしますが、これは売買の値段でありますから、買手がいなければ売れない。しかし、売るということは法律で決まっているわけでありますから、売る。しかし、この企業の価値があるというふうに認められれば四兆円で売れるかもしれない。
 したがいまして、幾らで売れるかということは現在申し上げるわけにはいきませんが、我々としてはできるだけ高い評価を得られるように頑張っていただきたいと、こういうふうに思っているわけであります。
#179
○大久保勉君 分かりました。
 本当に日本政府は商売が下手くそですね。もう七年後に、平成二十七年までに売らないといけないんだったら、もう投売りするのが分かっていますから、みんな待っていますよ、本来の価値よりももっともっと低いところで売りますし、そういう状況だったら、だれに売るかもコントロールできませんから、非常におかしなことになると思うんです。ですから、手のうちを見せない方がいいんです。少なくとも五年から七年後に民営化をするが、何か異常事態があったらそれは延長もできます、そういうふうにした方が私はいいと思いますが、これは常識的な判断です。
 私は、財務省は国民の資産を守る立場にありますから、是非そういうことを検討してほしいんです。大臣、このことに関して答弁をお願いします。政治家対政治家でいきましょう。
#180
○国務大臣(尾身幸次君) これは、我々としては、そのこともあって期間を五年ないし七年と弾力的にしているわけです。かつ、この銀行の内容が良くなれば買手だって大きなマーケットで大勢いる可能性もあるわけでありますから、そのように努力をしていただき、また我々も努力をする。それによって、早くほかの人が買っちゃうかもしれないから手を挙げなきゃ買えなくなっちゃうなと思って、我々が二兆円だと思っているのを四兆円で買わなければ買いそびれちゃうと思う人が出てくるかもしれないわけでありますから、これはマーケットのメカニズムは裏と表のある話でありますから、そう悲観的に悲観的に考える必要はないと私は考えております。
#181
○大久保勉君 分かりました。
 少なくとも五年と七年の違いって、金融マーケットにとりましてほとんど関係ないんですよね。五年後に売れなかったら七年後に売れるとは思いませんから。五年から七年を目途に売却の努力をしますと、ただしできない場合もあり得るというふうに大臣が一言コメントするだけでこの政投銀の価値は数十%上がる可能性はあります。
 さらに、次の質問ですが、投資家に関しても選択の余地があります。売り急いじゃいけないと思います。
 続きまして、じゃ、どうして投資家が重要か。これは、もし政投銀を、本来二兆円の価値があるものを、じゃ買いたたいて一兆円で売ったら、それもアクティビストというファンドが買ったらどうするか。この会社は一斉に資産を売却しまして、ばらばらにしたら二兆円の価値がありますから、一兆円で買って二兆円で売れますから、一兆円利益があります。こういうことをやらせるんですかと。やはり株式の売り先はきっちり考えた方がいいんでしょうということで、次の質問をします。
 じゃ、この政府保有株式の売却先はどのようなセクターを想定しているんでしょうか。個人投資家、銀行、保険会社、若しくは取引先企業、外人、ヘッジファンド等があります。どこを想定しているんでしょうか。これはある程度想定すべきだと思います。
#182
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 今提出いたしております法律案におきましては、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されるよう、政府保有株式の処分の方法に関する事項につきまして検討するということが規定されております。今後、この規定の趣旨を踏まえまして、専門家や有識者から成る検討会で専門的な見地から検討していくということに考えております。
 また、御指摘のように、特定の株主からの要求により会社の企業価値が損なわれることのないようにするためには、株主構成をどうするかということが非常に重要な点だと思っております。したがいまして、この点を含めまして、新会社の資本政策の一環として検討して取り上げるべき論点の一つだというふうに考えております。
#183
○大久保勉君 分かりました。
 専門家に検討させる、これは非常に重要だと思いますが、最後決めるのはやっぱり大臣ですから、大臣が総合的に判断した方がいいと思います。その場合にやはり、せっかく優秀な金融機関ですから、国民の財産ですから、有効に活用するために、若しくは長期的な企業価値を維持するために投資家を選んでほしいと思っています。
 時間がありませんので、一つだけ注意を喚起したいんですが、じゃ、長期投資家として取引先に持ってもらうと。つまり、自分たちが出資している、若しくは有している電力会社とか銀行とか地方銀行とかに持ちましょうと、株の持ち合いをさせるということに関しては非常に問題があると思います。これは是非やめてほしいんです。そうしませんと、ガバナンスが利きません。ガバナンスが利かないということは、株主のチェックがありませんから、引き続き天下りが横行するというふうな状況も発生しますから、この点は是非注意したいと思います。大臣、このことに関して、これは大臣の答弁ですから、尾身大臣、是非、株の持ち合いはしないと明言をお願いします。
#184
○国務大臣(尾身幸次君) この点に関しましては、新会社の経営陣がこの資本政策の一環として判断していくものと考えております。
#185
○大久保勉君 もう一度お願いします。
 新会社の経営陣が自分たちの株主を選ぶんですか。
#186
○国務大臣(尾身幸次君) この移行期間中の政府による株式の処分方法につきましては、先ほども申し上げましたように、今後、専門家、有識者から成る検討会で専門的な見地から検討していただくことにはなっております。
#187
○大久保勉君 是非ここはきっちりやってほしいんです。
 もし、経営陣が選ぶんでしたら、いわゆるうるさい株主は選びませんから、ただ、うるさい株主は場合によっては企業にとって重要なことがあります、きっちりガバナンスを利かせることができますから。ですから、その辺りは政治的な問題だと思いますから、専門家のみならず、政治家として決断が是非とも必要だと指摘したいと思います。
 続きまして、時間がありませんので飛ばしまして、こちらの政投銀に関しまして、非常に資産内容はいいんですが、二つだけ懸念材料があります。一つは、第三セクターへの融資金額が非常に大きいということです。今、一兆三千億の融資があります。そのうち八%、約一千億円が延滞債権及び貸出し条件緩和債権であります。場合によっては、経営上の大きな問題になり得る可能性があります。現在、竹中前総務大臣は私的諮問機関であります二十一世紀懇談会におきまして、自治体の破綻法制、いわゆる再生法制を提案しました。この法制ができるということは、地方自治体でも再生のために債権カットがあると、つまり貸した金が全部戻ってこない可能性があるという状況です。
 さらに、地方自治体のいわゆる子会社であります三セクに関しては、それよりも先に債権放棄とか破綻が発生しますから、一兆三千億の三セクへの融資というのは非常に危険な状況になり得る可能性があります。経営上、要注意であります。このことに対して、総裁の認識と今後どういうふうな対応をするか、このことに関して小村総裁にお尋ねします。
#188
○参考人(小村武君) 私どもの銀行の前身である開発銀行、北東公庫、この二つの機関が活躍しているころはちょうどバブルのさなか等々でありまして、第三セクターに対する貸付け等々が行われておりました。それが、バブルの崩壊によって、私ども政策投資銀行が言わば負の遺産としてそれを引き継いでまいりました。私が総裁になってから、この負の遺産を解消すべく所要の引き当てあるいは償却をしてまいりました。
 そういう意味で、私どもが政策投資銀行になってから、新たにこういう負の遺産を再生産したということは一切ございません。そういう意味で、私ども政策投資銀行の間において、この負の遺産をやはりきれいにして、新たな民営化する株式会社にきちっと引き継いでいくということが使命であると思っております。
 そういう意味におきまして、これから再生産をするとか、そういうことはありませんし、また地方公共団体における破綻法制等々がこれから検討されているということも私どもはお聞きしております。そうした新たな事態に対して我々がどういうふうにこれから融資態度を決めていくかということは、それは私どもなりに新たな方式をもって臨んでまいりたいと、こう考えております。
#189
○大久保勉君 もう一つ指摘したいのは、このディスクロージャー誌の監査法人が中央青山監査法人なんです。非常に、比較的監査が甘いと言われておりますから、新しい監査法人でしたらもっと厳しく出てくると思うんです。
 さらに、状況は、三セクに対して破綻が出てきましたら大きい経営問題になると思いますから、これは是非、民営化する前にきっちり処理してほしいなと思います。また、その経験がノウハウとなりまして、地方自治体の再生法制に強い政策投資銀行と、そういった経験を使いまして、新しいコンサルタント業務であったり若しくは証券業務ができると思いますので、産みの苦しみということで是非総裁に頑張ってもらいたいと思います。
 あともう一つ、今日出てきたニュースなんですが、これは読売新聞のホームページに載っていましたが、いわゆるJAL、日航に対する問題です。詳しいことは峰崎委員の方でお願いしまして、今日は触りだけ質問したいと思います。
 こちらによりますと、日航は第三者割当てを検討しているということなんです。金融機関から二千億規模の資本支援を要請しているということなんです。これはこれで事実として確認したいんですが、まずこういった事柄はメーンバンクであります政策投資銀行にとって大きい問題だと思います。つまり、三千三百億の融資がありますから、JALがおかしくなったら民営化にも影響します。
 まず、こういった状況を御存じかどうか。つまり、読売新聞のニュース、JALが第三者割当てで二千億円という数字もありますし、商社から一千億から一千五百億円、合計で三千億から三千五百億円取ろうとしているということを聞いたことがありますか。イエス、ノーでお願いします。
#190
○参考人(小村武君) 各種の報道がなされておりますが、日本航空がその報道について、東証において、現在当社は新経営体制の下、二〇〇七年から二〇一〇年度JALグループ再生中期プランを達成すべくグループの総力を挙げて取り組んでいるところであり、財務体質の強化は重要な課題であると認識しておりますが、資本増強につき決定した事実はございませんと、日本航空がこういう発表をいたしております。
 私ども金融機関といたしましては、我々が得たインサイダー情報等々についてここで申し上げるわけにはまいりませんが、日本航空がこういうふうに公式に発表しているということは当社の責任においてなされたと、この事実を踏まえていただきたいと思います。
#191
○大久保勉君 個別具体論はあえて聞こうと思いませんが、今回の問題は政策投資銀行自身の経営問題に波及する問題です。さらに、民営化の時期若しくは株価の値にも影響する問題ですから、これは一切守秘義務があって申し上げることはできませんという話じゃないと思うんですね。ですから、まず総裁の態度を変えてほしいんです。そうしませんと具体的な、こちらの法案を通していいかどうかも分からないと思うんです。
 じゃ、続きまして、まず前提条件として山本金融担当大臣にお尋ねしたいことがあります。JALに関しまして大手新聞等は、例えば大手メガバンクがJALに融資をしていたと、その融資は金融庁によりますと破綻懸念先になったということが報道されています。この事実かどうかは聞きません。
 そこで、一般論で聞きます。
 破綻懸念先に対してメガバンク若しくは一般金融機関が第三者割当てに応じることはできるかどうか、もちろんこれはできると思います。どういう条件か、破綻法制、ちゃんとした法律の枠組みでやるケース若しくは私的ガイドラインということで、将来のリストラ策をきっちりやった上でしたら株主代表訴訟とか若しくは金融庁の検査から問題はないということでできますが、一般論として、破綻懸念先に対してそれ以外の方法で第三者割当てに応じることはできますか。
#192
○国務大臣(山本有二君) 一般論を申し上げますと、業況不振先に対する資本支援、これについて不良債権の健全債権化等の観点から監督上の着眼点がございます。
 まず、総合的な監督指針で、先ほど委員御指摘のとおり、市場に評価される再建計画の策定、あるいは私的整理ガイドラインに沿った私的整理、また法的手続による会社再建等による速やかな対応を実施しているかどうか、こうしたことをにらみながら極力再生の方向で取り組む旨を示しているわけでございます。
 ですから、その意味においては、できるできないというのは個別の判断でございますからなかなか一概に言えないところでもございますが、更に信用リスクが大幅に高まっている状況でございますと、早期認知、早期処理という重要な点が指摘されていなければなりませんし、徹底的な再建計画の策定が何より債務者に課せられた責任ということになろうというように思います。
#193
○大久保勉君 徹底的な再建計画がなかったら金融機関は出せませんと、そういうことですね。
 じゃ、はいということで答弁をお願いします。
#194
○国務大臣(山本有二君) 徹底的な再建計画の下に融資あり得るだろうということでございます。
#195
○大久保勉君 議事録がちゃんと残りましたので、結構です。
 実際、今回の問題は非常にあいまいもことしているんです。金融機関としましても、JALが発表します再建計画に関しては不適切でありますし、そういった状況で出資することは非常に問題があると思います。
 ましてや、これはうわさベースですが、ある政治家の秘書さんが一生懸命出資に応じてくださいということをなされていると。こういうことがあったらこれは非常に大きい問題ですから、やはり閣僚の秘書さんとかからもしそういうことがあったら、是非厳に慎んでもらいたいと思います。やはり金融の世界では融資するのは非常に厳しい状況なんです。ましてや、融資よりももっと厳しい出資をするということは厳に、リスク管理を厳密にやらないといけないと思っております。
 最後に、政策投資銀行にお尋ねしたいのは、やはり四つのDNAということがあったと思うんです。その中の一つは信頼性でありますから、きっちり信頼性を確保する、担保するために説明責任も必要だと思っています。特に、JALに関しましては長期資金の五〇%以上融資されていると聞いております。
 こちら、ディスクロージャー誌によりますと、貸付け等の比率に関して、基本的には五〇%以上は出すことができません。さらに、格付は、トリプルAでしたら三〇%以内、シングルAでしたら四〇%に抑えなさいということですから、五〇%を超えた融資をするというのは相当の説明責任が必要だと思います。こういった状況が続いているということはやはり何らかの説明をすべきだと思っております。このことを是非とも指摘したいと思っております。
 こちらに関して、総裁の御所見をお願いします。
#196
○参考人(小村武君) 私どもの融資比率でございますが、ディスクロ誌にも書いておりますように、対象事業に対する融資比率でございます。
 現在、対象事業として産業活力再支援という項目の中の事業再構築支援というものがございまして、コンピューターシステムやリストラの資金等々について対象事業でございますが、その対象事業のこの場合でございますと五〇%ということで、金融機関としてシェア割りで何%と、こういうものではございません。
#197
○大久保勉君 済みません、ちょっと私理解できなかったので、算数の質問をします。
 対象事業があります。一つ一つは五〇%を超えることはできませんと。だったら、ある対象事業は融資しないというケースもありますから、一つ一つの対象事業は五〇%以下でしたら全体の融資比率は必ず五〇%以下になると思うんですが、その考えは間違いですか。政投銀は五五%の融資をしていますから、これはどういう意味なんでしょう。
#198
○参考人(小村武君) 私どもは政策金融機関でございますので、対象事業、政策目的、そういうものをきちんと定められております。そういうものに合致しないとお貸しすることはできません。一方、民間金融機関は、その対象事業がどうだとか、そういうことはございません。日々の取引に応じてまた融資の御判断をなさっているんだろうと思います。その結果、どういう割合になるかというのは、ここで言う融資比率の問題ではないということでございます。
#199
○大久保勉君 いや、済みません、質問に答えてもらっていないんですが。
 一対象事業に対して五〇%を超えて貸出しをすることはできないという理解でよろしいでしょうか。そうですね。でしたら、すべての融資というのは対象ですよね。でしたら、五〇%を超えた融資残高というのはあり得ないと思うんですが、どうなんでしょう。
#200
○参考人(多賀啓二君) JALのケースということではございませんで、一般的にその対象事業ないし私どもの融資比率の考え方ということで申し上げますと、私どもは、いろんな対象事業、政策融資の対象事業ございますけれども、その対象事業について、私どもの融資の分が例えば五割であるとか三割だとか、それを融資比率と言っています。残りの金額については一部自己資金もありますし、金融機関の借入れがある場合もありますし、社債がある場合もあるということで、単純に民間の金融機関の金額と私どもの金額を比べた場合に我々が五割を超えるということは、一般論としてはもうケースとしては十分あり得ると、こういうことでございます。
#201
○大久保勉君 じゃ、そのケースを例示してくださいよ。分からないです。
#202
○参考人(多賀啓二君) 例えば、あるこれは工場を造るケースで申し上げますと、例えば工場を造るのに全体として工事費が十億必要になったというケースを想定しまして、私どもの、工場を造る政策融資の融資比率が五〇%ということになりますと、私どもはその十億円に対して五億円までは融資できるわけですね。残りの、じゃ、五億円はどう調達するかということでいいますと、例えば自己資金、減価償却費とか、そういった自己資金で例えば二億を入れますと、残りの三億は民間の金融機関から借入れをしますということになると全部で十億になりますね。単純に私どもの五億と民間の金融機関の三億を足して金融機関の借入れは八億だけれども、我々は五億なんで、半分を超えていますということだと思うんですけれども、それは、そういうケースはございますので、可能性としては十分あり得ると、こういう意味でございます。
#203
○大久保勉君 分かりました。
 ただ、これから、三月末に、新聞等の報道によりますと、たしか六百億か五百億シンジケートローンを出して、そのうち四百五十億が政投銀であったということ、そのニュースを聞きまして、いや五〇%を超えているからおかしいなと思ったんですが、この辺りに関してまた別途説明してください。
 じゃ、次の質問に行きたいと思います。
 それで、締めですけれども、いろんな私は危惧しておりますのは、いや、非常にうがった見方で、この法律案を通しまして五年から七年後に民営化することは皆さん賛成ですね。でも、本当に賛成かなといったら非常に疑問なんですね。具体的な業務計画もはっきりしませんと、聞いても分からないと、ROEはどのくらいかはっきり分からないと。
 ですから、小泉前首相が行政改革推進法案を通したから仕方なくこの法案を通さないといけないけど、あわよくばこれを何とかしり抜けにしたいとか骨抜きにしたいと。うがった見方で、じゃ何かいい手はないかと、あっ、そうだ、JALがあったと。JALががたがたしているから、この問題でこじらせたら、もしかしたら民営化しなくて済むんじゃないかと、こういったうがった見方があるんです。私は違うと思うんですが、そういうことはないですね、総裁。
#204
○参考人(小村武君) これは、政治的な背景とか、あるいは私どものそういう思惑に基づいてやっているものではございません。
 ただ、このJALに対する融資は、かつて九・一一のテロ事件、それに続くSARSの問題等々がありまして、テロ対策等々の中に、閣議了解の中にこうした融資をしろという項目が一項目ありました。関係大臣からの御要望もありました。ただ、私どもが判断いたしましたのは、そのときの政策金融の機関としてなすべきものはどういうものであるか、そして、私どもの信用力の調査に基づいて、その責任においてなされたものでありまして、決して邪心を持って、これをもって延命策にするとかそんなものはちっとも当時としては考えておりませんし、今日においてもやはりきちっとビジネスライクで割り切ってやっていきたいと思っております。
#205
○大久保勉君 分かりました。
 非常にいい条項があったので御紹介だけしたいんですが、第十五条、政投銀の解散等に関しまして、こちらの二項なんですね。会社を畳むときに、会社が将来にわたり業務を円滑に遂行する上で必要がないと認められる資産は、会社の成立のときにおいて国が継承すると。新しい会社をつくって、そのとき、要らない資産に関しては国に渡すことができると。基本的にはこれはビルとか不要な支店とかという規定ですが、是非この条項を使いまして、民営化の障壁になるんでしたら、JAL向け融資を国に渡す、若しくは国の指定する第三機関に渡してきっちり民営化できるようにした方がいいんじゃないかと思いますが、このことに関して総裁の意見を聞きたいと思います。これは通告しておりませんから、いい条項だから是非使いたいのか、若しくは、いや、その必要がないのか、その辺りを聞きたいと思います。
#206
○参考人(小村武君) 私どもは、日本政策投資銀行は、一体として民営化をするという政府の方針に基づいて民営化の方針を取りました。デューデリの結果、都合の悪いものは政府に後はしりぬぐいしてお願いしますとか、そういう関係にはございません。きちっと自らの身を処して新しい銀行に生まれ変わっていきたいと、こう思っております。
#207
○大久保勉君 じゃ続きまして、こちらの法案の詳細に関して質問をしたいと思います。ちょっと時間の関係で、人材の育成に関しては省略させてもらいます。
 こちらの法案によりますと、株式会社日本政策投資銀行はどのような機関であるかというのが非常に不透明になっていると思います。移行後の法人は銀行なんでしょうか、それとも証券なんでしょうか、ファンドなんでしょうか。このことに対して質問します。ちなみにこの条項によりますと、この株式会社政投銀は、子会社として銀行も証券も保険会社もノンバンクも設立できることになっていますが、そもそもこの親会社はどういった業態の会社と考えたらいいんでしょう、質問します。
#208
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 移行期間中の新会社の業務につきましては、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持するため、現在の日本政策投資銀行が行っております出資と融資を引き続き行うということができるような必要な規定を置いています。したがいまして、この移行期間中の会社は特殊会社として本法律に基づいて業務を行うものであり、その業務は、先生おっしゃいました銀行、貸金業、証券取引業等の業務の一部をそれぞれ併せて行うものでありまして、御指摘のような個別の業態に当てはまるものではございません。
 また、完全民営化後の会社につきましては、ビジネスモデルに則して最適な業態を選ぶと思っています。それで、そのときには、経営陣が決める話でございますけれども、出資業務を一つの重要な柱として、グループ経営というのが考えられるのではないかと考えております。
#209
○大久保勉君 じゃ、民営化した後の業態に関してまだ決まっていませんということで、それに関連して、まず、今の金融行政どういうふうになっているかということで金融担当大臣に質問したいんです。
 まず一つの質問は、銀行がフルラインの銀行、子会社を持つことができるのか、若しくは保険会社、証券会社、投資顧問を子会社で持つことができるのか、この点に関して、どちらでもいいです。
#210
○政府参考人(三國谷勝範君) 現行の銀行法の世界でございますけれども、銀行が子会社とすることのできる対象範囲を規定しているところでございます。お尋ねの、銀行、保険会社、証券会社、投資顧問会社を銀行が子会社とすることは可能でございます。
#211
○委員長(家西悟君) 一言申し上げます。
 委員長の指示に従っていただきたい。指示していない人が答弁することはやめていただきたい。御注意申し上げます。
#212
○大久保勉君 続きまして、じゃ、生命保険会社があります。生命保険会社は新設生命保険会社を子会社として持つことができるのか、さらに既存の生命保険会社を買収して子会社とすることができるのか、同じように損害保険会社が損害保険会社を子会社とすることができるのか、こういった保険行政に関して質問したいと思います。じゃ、金融担当大臣、お願いします。
#213
○国務大臣(山本有二君) 保険業法では、保険会社が子会社とすることができる対象会社の範囲を規定しております。その場合、新設、既設の別にかかわりませず、他の生命保険会社を生命保険会社が子会社とすることは保険業法百六条で可能でございます。
#214
○大久保勉君 こちら、非常に重要な条項だと私は思っています。といいますのは、最近、保険の不払問題とかもございまして、保険業界自身が非常に再編の機運も出てくるのかなと思いまして、こういった条項を使いまして、必要があらば合併してより適切な保険会社をつくっていく、若しくは既存の生命保険会社が新たな保険を売り出す場合に、子会社、子生命保険会社をつくりまして、商品別に子会社をつくって、それを親会社が販売すると、いろんなことができると思うんです。こういう形で、旧来の保険の秩序を変えまして、より保険契約者に優しい金融行政ができ得ると思いますから、是非このことを検討してもらいたいなと思います。
 じゃ、続きまして、山本金融担当大臣の提唱で東京シティー化構想、これに関連して質問します。
 私はこの構想は非常に評価していまして、大臣のリーダーシップは高く評価しています。また、私はずっと金融の出身で、私、金融界の人間が思ってもみないようなプラスアルファがありました。といいますのは、国土交通の分野に詳しいということで、いわゆる容積率を変えていくとか、より住みやすいような都市をつくっていくと、これはもう大臣の得意とするところだと思いますから、もう積極的にやってもらいたいなと思っております。
 これに関連しまして、東京シティー構想をするにしましても、やはり日本の金融機関が力がなかったら問題だと思うんです。じゃ、東京市場は国際化しまして、全部外資系だったら困ると思います。競争条件が公平公正であったらそれは仕方ないと思いますが、どうも日本の金融機関だけハンディキャップがあると、こういう状況で競争させられて全部日本の金融機関が負けたら困ると思うんです。
 じゃ、どういうハンディキャップがあるか。これは垣根の問題です。銀行と証券の垣根、銀行と保険、若しくは保険の中でも生命保険と損害保険の垣根です。諸外国の例を申し上げますと、ヨーロッパにおきましては、銀行、証券、保険というのは全く垣根はないと思います。アメリカにおきましては、銀行と証券の垣根は過去にはございました、グラス・スティーガル法で。ところが、今は事実上骨抜きになっていまして、実質的な規制はないと思います。
 ところが、日本の場合は証取法六十五条が厳然としてありまして、まだまだハンディキャップがあると思います。是非、山本金融担当大臣のリーダーシップで少なくとも外資と同じような競争条件をつくってもらいたいんです。すなわち、銀行と証券、証券と保険、保険と銀行の垣根をできるだけ下げていく、このことをお願いしたいんですが、大臣の御所見をお尋ねしたいと思います。
#215
○国務大臣(山本有二君) 現状では、銀行、証券、保険のそれぞれの業態間において、御指摘のとおり、子会社方式又は持ち株会社方式による相互参入が可能となっておりますけれども、これを更に進めて同一の法人内で銀行、証券、保険の各業務を営むことによりまして、リスク遮断や利益相反の防止等の観点から慎重な対応が必要と考えており、まだ銀証分離ということの枠の中で今運用されているところでございます。
 例えば、生命保険業と損害保険業の兼営は保険業法で禁止されておりますが、これは両者の引き受けるリスクや保険期間が異なるためでございまして、その緩和につきましては慎重な検討が不可欠でございます。また、保険業と銀行、証券の業務の兼営につきましても、リスク遮断等の観点から慎重な検討が必要でございます。
 他方、銀行、証券間のいわゆるファイアウオール規制の在り方につきましては、効率的な業務運営を確保する観点に加えまして、利益相反や優越的地位の濫用等を防ぐ観点から必要十分なものとなるよう、今後、金融審議会でしっかりと検討していただきたいと考えております。
 また、これに関しまして、経済財政諮問会議、四月十七日付けで有識者から提出がございました。その提出文書の中に、家計金融資産千五百兆円を成長力強化へ用いたらどうかという御提案の中で、プレーヤーの競争力強化、銀行と証券の垣根の見直しという条項がございまして、大久保委員御指摘のとおりの提案がなされております。
 そこにつきましては、内外のプレーヤーを東京に集め厚みのある市場を形成するために、優越的地位の濫用や利益相反の防止などの措置を講じた上で、金融持ち株会社の下でより多様な業務を行えるよう銀行と証券の垣根を見直すべきであると、更なる規制緩和を求めているわけでございまして、こうした方向感を持ちながら現在検討中でございます。
#216
○大久保勉君 是非、早急に検討してもらいたいと思うんです。少なくとも政策投資銀行が民営化する前には自由化しまして、政投銀の下に銀行も証券も保険も、子会社だったり若しくは一体として金融業務を行うと。そういった金融機関でしたら、株式を売り出す場合は非常に価値が上がっていきますので、これはその結果、国民の資産が増えるということで国民にも歓迎されます。是非この点は、金融庁だけではなくて、財務省、政投銀、綿密に話をして、非常に建設的な議論を展開してもらいたいと思います。
 では続きまして、第六条に関して質問します。
 第六条といいますのは、日本政策投資銀行債の社債を発行する場合には、当該社債券は無記名とすると、この条項なんです。つまりこれは、恐らくは長信銀が利金債若しくは割引債を発行できます、売出しができますと、これに呼応してできた条項だと思います。ただ、よくよく見ましたら、いろんな問題点があるということで質問したいと思います。この無記名ということなんです。
 興長銀の場合は、戦後にできた法律ですから、それがずっと残っているという点ではいいんですが、平成十九年にこの法律ができます。その場合に、無記名債を発行できるということはどういう意味があるかといいましたら、いわゆるマネーロンダリングのおそれがあるんです。現在、国際的にマネーロンダリングに対して非常に厳しい規制、また脱税防止という観点から、無記名債を発行するというのは非常に問題じゃないかと私は思っています。
 無記名債というのは、過去の例でしたら、ワリシンという債券がありました。ワリシンは、額面が例えば一千万円です。金融機関に一千万円現金を持っていってワリシンを買うと。本人確認はする必要がありません。ですから、非常にマネロンをしたい人にとっては好都合なものなんです。実は、一千万の札束を持とうとしたら結構重いんです。じゃ、一億円だったら、トランクで、相当重いですから持ち運びも大変ですし保管も大変です。ところが、ワリシンで一億だったら、券面で十枚ぐらいですから非常に保管も有利なんです。本人確認もしなくていいんです。政治家で、ある政治家がこのワリシンを使って蓄財をしたというような報道もありました。ですから、こういったことを、元国営銀行がこういった機会を提供するというのは私は見識が疑われると思います。
 特に財務省は、国際会議でもマネーロンダリングに対してはきっちり監視しましょうと言われている御時世ですから、是非、無記名債というのはもう発行しません、すべて登録債にする、本人確認をするということを徹底してもらいたいと思いますが、尾身大臣の御所見を、これは政治家の言葉が重要ですから尾身大臣の御所見を聞きたいと思います。これは、国際的に日本はマネロンに対して優しい国であるかないかという踏み絵を踏むことになります。大臣。
#217
○国務大臣(尾身幸次君) 新会社が発行する日本政策投資銀行債につきましては、これまでの日本政策投資銀行が発行する債券についても無記名であったこと、長期信用銀行等が発行する金融債や会社法に基づき一般会社が発行する一般の社債については無記名とすることが可能であることから、新会社が発行する金融債の商品性を記名式に限定することは新会社の円滑な資金調達の観点からは適当でないこと等を踏まえ、無記名式としたところでございます。
 したがいまして、マネーロンダリングや脱税を助長するものとの御批判は当たらないと考えております。
#218
○大久保勉君 それは本当にそれでよろしいんでしょうか。記名式じゃないと不都合とは私は思いません。一般の社債はすべて記名式です。無記名というのが極めてまれなんです。どうして記名じゃ問題なんですか。じゃ、勝さん、お願いします。
#219
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 法律の規定の趣旨は大臣が申しましたとおりでございます。ただし、実務上どうなっておるかと申しますと、債券発行は、実務上は債券の流動性を高めるとともに、券面発行に係るコスト削減及びその事務処理負担の軽減を図るため、法人向け発行につきましては、社債、株式等の振替に関する法律に基づきまして、一般債振替制度を利用して券面を発行しない方法が一般的となっています。
 したがいまして、新会社の債券発行につきましては、コスト削減等の観点を踏まえれば、法人向けの商品設計とすることが予定されています。したがいまして、そういうものを併せまして、今申し上げました一般債振替制度を利用するということになることが想定されます。そして、この一般債振替制度を使う場合には債券は振替口座簿において顧客口座ごとに管理されることになりますので、本人確認が容易になりまして、その意味でマネロンや脱税等の不法行為に利用される可能性は小さいと考えております。
#220
○大久保勉君 これは事実上は法人に売っていると、振替制度を使っているということは事実上記名式でやっているということなんですね。ですから、じゃすべて記名式で行った場合同じようなことができると思いますが、もし違うんでしたら御答弁をお願いします。
#221
○政府参考人(勝栄二郎君) そこはやはり現在の法律体系から申しまして無記名式ということが可能であるということでございますので、したがいまして、記名式だけに限定するということは、大臣も申しましたように、円滑な資金調達の観点から望ましくないということでございます。しかも、その場合には、金融債は長信銀の場合には個人顧客、小口でございましたけれども、今回は預金の受入れ含めまして大口のものしか考えていませんので、そういうことも御勘案いただきたいと思っています。
#222
○大久保勉君 一応私も債券発行銀行におりましたので実務を知っています。さっきの答弁は間違いですね。記名式だから円滑じゃないということは全くありません。もう事実上これは無記名の特権は使ってないんですよね。無記名で個人に売りますか、それも小口の個人に売りますか。そのときに本人確認をせずに売る予定がありますか。このことに対して質問します。
#223
○政府参考人(勝栄二郎君) 小口また個人向けの発行は想定されていません。
#224
○大久保勉君 ということは、一ついいことと、一つ悪いこと。一ついいことは、マネロンの可能性は全くないですから、国際的な批判は当たらないと。もう一つ悪いことは、この法案は実は訂正した方がいいと思うんです。恐らくは、長信銀法をそのままいわゆるコピーして張り付けただけですから、そこまでチェックされてなかったと思うんですよね。だから、事実上はもう完全に記名式で行うと思いますから、あえて変更しろとは言いませんが、非常に粗削りの法案であるということは指摘したいと思います。
 次に参ります。
 じゃ、もう一つ質問は、完全民営化移行時に、財政融資資金残高と政府保証社債発行残高の合計を、私は提案として、資本金及び準備金の合計以下にするような目標を掲げた方がいいんじゃないかと提案したいと思います。この論点は、実は広田委員の方が質問したのに近いと思います。
 つまり、移行期間中は政府保証債を発行できますし、財投からも融資をすることができます。こういったものは非常に長いんですから、平成二十七年の段階でまだ保証債とか若しくは財投が残っています。じゃ、その場合にどういう問題かといいましたら、民営化した会社ですから、完全に民間企業に対して政府の保証が残っています。いわゆる信用を供与しておりますから、国民の資産を守るという観点からなるべく低い方がいいんです。
 一番悪い例は何かといいましたら、この政投銀を全部アクティビストファンドが買いました、それで一兆円の政府保証が残っていました、そこで一斉に資産を売却して、デフォルトを起こさせましたと。で、政府は保証しないといけないと。投資家に対して、民営化した政投銀に代わって負債も履行しないといけないと、こういうリスクが残っているんです。ですから、民営化するときには財投の残高及び政府保証の残高をなるべく少なくした方がいいと思います。
 じゃ、どのくらいが安全か。それは少ないにこしたことはありませんが、少なくとも資本金プラス資本準備金以下でありましたら、リスクは極めて少ないと思います。これ非常に合理的だと思いますが、こういったことに対して実現できますか。このことに対して財務大臣に御質問します。
#225
○国務大臣(尾身幸次君) 移行期間中の新会社に対しましては、完全民営化するまでの激変緩和措置として、自力での安定した資金調達体制への円滑な移行を図るまでの間、政府保証債の発行やあるいは財政投融資資金借入れ等を措置しているところであります。したがいまして、自力での安定した資金調達体制に移行するに従い、政府のこの与信は漸減させていくべきものであると考えております。
 他方、この措置は、移行期間中におきまして、自己調達だけでは必要な事業資金を十分に確保できない場合に措置するものでございます。このために、各事業年度における会社の資金繰りの状況あるいは借入れの環境や社債市場の状況等を踏まえつつ柔軟に対応する必要があるというふうに考えております。したがいまして、枠を決めて計画的に減少させていくような性格なものではないというふうに考えております。
 御指摘のような残高目標を設定しますと、移行期間中に行われる政府の与信につきましては、新会社の資金繰りの状況に関係なく一律に期間短縮が図られる方向となり、新会社の安定した資金調達体制への移行に支障を来すことになることが懸念されるわけであります。したがいまして、何らかの残高目標を設定することは適当ではないと私どもは考えております。
#226
○大久保勉君 じゃ、残高目標を管理することは適当じゃないと。ということは、じゃ青天井で保証してもいいんですか、若しくは財投の残高を残してもいいんですか。極めて大きいリスクですよ。財務大臣として、そのことは、そのリスクを受けることはできますか。大臣、お願いします。
#227
○国務大臣(尾身幸次君) 私どもとしては、自力で安定した資金調達体制に移行するに従いまして、政府の信用供与は漸減させていくべきであるとは考えております。
 しかしながら、先ほども申しましたように、資金繰りの状況等を見まして柔軟に対応するということが必要でありまして、数字を決めていくことは経営そのものが非弾力的になるということでございまして、残高の目標を設定するということは適当でないと考えている次第でございます。
#228
○大久保勉君 分かりました。民営化に当たって、なるべく残高を減らす方向で管理してもらいたいと思います。そのことが国民の利益になると思います。
 じゃ、続きまして、附則の第十六条、いわゆる継承される財産の価値に関して規定があります。
 十三兆円の資産のうち一番大きいのは融資なんです。融資をどういう形で評価するかということで確認したいと思います。政策投資銀行の融資の評価は時価評価をするのですか、それとも通常の簿価マイナス引当金なのか、前者か後者かなんです。
 通常、企業のMアンドAで会社を清算して新しく資産を買うときには当然時価です。ところが、前の会社に対して買収する場合は、簿価を持ってきますから、簿価マイナス、もちろん引当金を持ってきます。じゃ、どちらを使うかということなんです。実は、二つの数字というのは非常に大きい違いがあるんです。じゃ、どのくらい違いがあるのか、このことに関して政策投資銀行に質問いたします、まず。
#229
○参考人(多賀啓二君) 先生がおっしゃっておられます融資の私どもの持っておる残高についての時価ということでございますけれども、御趣旨は恐らく、私どもの融資の残高についての毎年の返済のキャッシュフローを期間に合わせた一定のレートで割り引いて現在価値に持ってきて、それを現在の簿価の残高と比べてどちらが多いか少ないかと、そういう御趣旨でよろしゅうございますか。
 私どもは、全行的ないろんな財務管理の一環として、ALMのこととかいろいろやっておるわけでございますけれども、当然銀行の一つの我々の残高についての管理の手法としてそういう考え方で、いろんな考え方の、何といいましょうか、試行はしておりますけれども、これは先生の御案内のとおり、こういうものを、これこれが幾ら幾らです、これだけの含みがありますとこれだけの含み損がありますとか、そういう形で外に我々自身の方から公表するということにつきましては、マーケット等についていろいろ差し障りがあるだろうということで我々としては公表はしておらないということでございます。
#230
○大久保勉君 四つのDNAのうちで一つ、信頼性に欠けました。このくらいはきっちり話をしてくださいよ。極めて重要な情報なんです。
 私がざっと計算しましたら、時価と簿価引く引当金、この差額は一兆円近くあると思うんですよ。こういったものがどこにどういう形で処理されるかというのは透明性の問題ですから、是非ともそれは計算してください。
 もう一度聞きます。融資の時価は幾らですか。
#231
○参考人(多賀啓二君) お答えします。
 繰り返しになって恐縮でございますが、私の認識が間違っておったらあれでございますが、恐らく民間の、これは日本のということでございますけれども、日本の金融機関さんでもそういう形での時価の融資のネットの残高といいますか、そういうことについては、先ほど私が申し上げましたマーケットに対するいろんな影響とか、そういうようなことで恐らく公表はしておられないんではないかというふうに認識をしておりまして、私どもそういう観点で対応させていただきたいということでございます。
#232
○大久保勉君 非常に問題があると思います。民間では継続しています。
 旧政策投資銀行は清算して新しい会社になります。ですから、その法律案を審議しておりますから、極めて重要な情報なんです。そういったものを出したくないということですね。つまり、こういった出せる情報と出せない情報を峻別して、都合のいい情報だけしか出さないと、それで法案を審議しろというのは私はおかしいと思うんですね。
 総裁の話でもそうでした。ROEはどういうふうになっているんですか。今検討していますが、法案が通った後じゃないと出したくないと。すべて、この法案は、重要な情報は出さないと、そういう形で審議をしろというのは私はいかがなものかと思います。
 是非、総裁、信頼性のある政策投資銀行でしたら、国会に対する報告の仕方に関してもう一度方針を考え直してもらいたいと思います。このことに関して質問します。
#233
○参考人(小村武君) 先生のおっしゃる手法というのは、アメリカでの会計基準としてそういうものを取っておられるところは多いと思います。日本ではそういう方式を取っておりません。
 それから、私どもが新会社に移る際におきましても、特殊法人の承継資産、負債の時価評価方式についてというものがございまして、これは政府の方でその方式が決定されております。その際、貸付債権については、金融商品会計基準に準拠して適正な引当金を計上するということで、これが時価になっているわけでございまして、私どもは、内部の経営の健全性のチェックにつきましては、ALMの専門家は、これは一流の者を抱えておりまして、常にチェックをしております。
 ただ、そのときの金利水準あるいは将来の金利水準をどう見るか、これは不確定な要素がございまして、刻々変わっております。これは経営の理念として私どもは把握しておりますが、公表するという性格のものではないと考えております。
#234
○大久保勉君 時間がありませんのでここは議論はしませんが、不正確な部分があります。つまり、政策投資銀行は新しい会社に移管します。民間企業でしたら、これは一つの会社を畳んで新しい会社にしますから、すべての資産は時価で評価し直して資本金をつくっていきます。こういった問題があります。
 どうしてこれが重要かといいましたら、この法人は、最終的に新しい会社になって資産と負債を計算して、その差額を恐らく出資金にすると思います。ですから、いつの間にか過去のいろんな不良債権も全部消えてしまって、でき上がりが公表されるという形です。この手法は独立行政法人の段階にも使っておりまして、十二兆円の政府出資金がこれでなくなりました。これに対して、何度も何度もこれは問題だと言っていますから。
 ですから、事前にどういう状況に政投銀の資産があるのかというのは国会に説明してほしいんです。といいますのは、国、国民が……
#235
○委員長(家西悟君) 大久保君、時間が来ておりますので、まとめてください。
#236
○大久保勉君 はい。
 国民の資産です。このことを申し上げて、私の質問を終わります。
#237
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 これまでは十分にいろいろと議論がございました。新会社が今後どういうビジネスをしていくのかというビジネスモデルにつきましては後ほどお聞かせいただくとして、これまでなかった論点からまずお聞きしたいと思います。
 それは、新会社の経営責任者の人材ということについてでございます。制度設計におきましては、この新会社の経営責任者につきまして、財務大臣の認可を受けなければならないと、こうなっております。様々、ビジネスモデルはどうするかとか、あるいは制度としてどうするのか、あるいは仕組みをどう変えていくのかという、そういった議論は当然大事になってくると思いますけれども、その制度を変えて、あるいは新しい箱というか会社をつくっていくにしても、それを担う人たちがどういう人なのかという、あるいはその担う人たちの気持ちがどういうふうに向かっていくのかということが改革を成功させるかどうかということを大変大きく左右するんだろうというふうに思うわけであります。
 そこで、この新会社の経営責任者ということについてお聞きしたいと思います。
 制度設計では、この新政策金融機関と同様に、必要と認められる識見及び能力を有する者のうちから適材適所で選任されると。また、特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されることがないよう十分に配慮すると、こういうふうになっているわけでございます。
 特に、この新会社の経営トップということにつきまして、政投銀が平成十一年に旧開銀と北東公庫が一緒になりましたときにもこうした議論が若干ございました。このときには、当時、宮澤大蔵大臣でありました。この宮澤当時大臣は、やはり同じように、総裁あるいはその役員の方々につきまして適材適所で広く人材を求めるんだと、こういうような御答弁がありましたし、指定席のような天下りということは、これはもう世の中通らないようになるのではないかと思っておりますという御答弁が、平成十一年、当院参議院の財政・金融委員会でもございました。
 しかしながら、よく言われることではございますけれども、旧開銀につきましても、そのトップはずっと旧大蔵省出身の方でございました。しかも、それだけではなくて、すべてこの二十年間だけ見ても大蔵省の事務次官を経験された方が就かれているということは、もう事実としてはございました。もちろん、適材適所ということでそういうふうになったんだろうというふうには思いますけれども、しかしここで言うような特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されているのではないかという懸念を持たれることもまた事実だろうというふうに思います。
 私が、ここでその天下りが許されないとか、そういうことだけを言いたいわけではなくて、新会社のこの経営責任、トップとして当然、そういう固定的に天下り的なものではいけないのは当然ですけれども、だからといって、じゃ、外から民間の人を持ってくればいいのかと。というのも、そんなまた短絡的なものでもないんじゃないかというふうにも思うわけでございまして、特に、その制度を変え会社を変えていく中で大事なことは、先ほど申し上げました、そこで働く方々の意欲、モラールということであろうというふうにも思います。
 そういう意味では、いわゆる内部の職員の方から、プロパーの職員の方がトップに就いていくということも大変重要になってくるんではないかというふうに私は思っております。
 そこで、ほかの政策金融機関を調べてみました。そうしますと、沖縄振興開発金融公庫さんだけがこの二〇〇五年五月から、初めて公庫職員の出身のプロパーの方がトップに就いておられると。ほかのいわゆる政策金融機関というところでは全くなく、初めて沖縄振興開発金融公庫でこうした人事が行われたということでございました。
 今回、この新しい会社の経営責任者はどう人材を充てていくのかということは、いろいろと検討なさっていくんだと思いますけれども、是非、その天下りはいけない、じゃ、外から民間を持っていくよと、そういうだけではなくて、というよりもむしろ、内部でいろんな蓄積をお持ちの方が、優秀な方が一杯いらっしゃるというお話が、またDNAの話とかいろいろ総裁がなさっておられました。そうした内部の職員の方がトップにもなるということ、可能性があるということでも随分大きな意味を持ってくる。
 正直、私も二十数年前に就職活動するときによく先輩に言われたことは、政策金融機関は非常に優秀な人が集まっているけれども絶対トップにはなれないという、別にトップになれないから行かなかったというか、行っても多分受からなかったと思いますけれども。というわけじゃありませんけれども、もうその時点で一つの制約になっているというようなことは、実態としてはもう若い人はみんな知っている、世間でもみんな知っているということでございますし。
 ちょっと話が飛びましたけれども、この新会社の経営責任者の人選ということにつきまして、特に内部職員の、プロパーの職員の方々を登用していくということも大いに検討していただきたいということにつきまして、大臣からお願いします。
#238
○国務大臣(尾身幸次君) この移行期間中の新会社は株式会社となるわけでございますが、この株式会社の経営責任者は会社法に基づきまして株主総会及び取締役会において選任されるものでございまして、新会社の経営責任者につきましても会社法等の手続に沿って適材適所で選任されるものと承知しております。
 日本政策金融公庫というのが株式会社でございますが、これは全株式を政府保有が義務付けられている特殊な事情があることから、政策金融機関の経営責任者の在り方に関する行革推進法第五条第三号の規定も踏まえまして、公庫法において、経営責任者については特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されることがないよう十分配慮するという規定が定款に記載されているところでございます。
 このたびの完全民営化する株式会社の政策投資銀行につきましては、おおむね五年から七年後には全株式を処分をするということになっているわけでございまして、この経営責任者は民間株主も含めた株主総会や取締役会において選任されるものでございまして、政府がその選任を拘束することは適当でないことから定款にそういう規定は設けていないところであります。しかしながら、この経営責任者の選任につきましては株主総会によることとなっておりまして、その選任に係る国の議決権行使に当たっては、行革推進本部において決定された政策金融改革に係る制度設計における、経営責任者については、新政策金融機関と同様に、必要と認められる識見及び能力を有する者のうちから適材適所で選任されるものとし、特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されることがないよう十分配慮するという方針がありまして、その方針に沿っていくことになると考えております。
#239
○西田実仁君 特にこの移行期におきましては、完全民営化されてからは当然もう民間会社ですからそれはもうそうなんでしょうけど、移行期、特にこれからの三年ぐらいの間というのは新しいビジネスモデルを確立していく大変重要な時期になるんじゃないかというふうに思うわけですね。そのときにその経営トップの方をどういうふうに選任していくのか、また、今申し上げた、そこで働いている方々が本当に意識も変えて新しい挑戦をしていく、そういう気持ちになるのは、単に法律が変わったからというだけでは、人間ですから、機械じゃありませんので、ならないんだろうというふうに思うわけです。そういう意味で、その士気を高めていくような様々な人材登用ということが必要ではないかということを私は指摘をさせていただきました。
 そこで、ちょっと今お話にもありました日本政策金融公庫はもう既に審議が終わったわけでありますけれども、随分やはりこの新しい形、機構になっていくに当たって、特に国際協力銀行さんのところから随分人材も流出したというようなことも漏れ伝わってくるわけでございますけれども、今日は国際協力銀行の方来られていると思いますけれども、いかがでございましょうか。
#240
○参考人(森本学君) 国際協力銀行の最近の非管理職の総合職員、いわゆる若手の退職者数は年間二十名前後でございまして、増加傾向にございます。これは最近、民間企業、特に金融業界におきまして人材の流動化が進んでおります中で、当行におきましても職員が本人の関心や専門性等に応じた転職をする者が出てきているということだと考えております。
#241
○西田実仁君 そういう元々入行をされたときの志と組織の在り方が変わってくることに伴って、あるいはもっと別の場所で働きたいというような若い方も随分いらっしゃるんだろうというふうに思いますけれども、政投銀さんの方ではこうしたような現象は起きているんでしょうか。あるいは起きていないかもしれませんけれども、今私が申し上げた問題意識で、新しい形に変わっていくときにどうそこで働いている職員の方のやる気を引き上げていくのか、そうした手だてとしてどんなことを考えておられるのか、あるいは実行されているのか、この辺についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#242
○参考人(小村武君) 私どもの銀行に入ってくる者たちは、単に給料が高いとか、そういうことだけでなくて、やはり公益性のある仕事、あるいは大きなプロジェクトファイナンスとか、そういう仕事をやりたいということで門をたたいてくれております。民営化を決まった後も、相変わらず希望者がたくさん来られております。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
 それから、途中で退職する人間でございますが、今お話のあった国際協力銀行とはやや違いまして、年間そんなにたくさんの人間が辞めていくわけではございません。他の金融業界に移る者は年間三名ないし四名ぐらいは退職者は最近では出ておりますが、ただその反面、私どもの銀行で働きたいというまた中途入行者、これも大変希望者が殺到しております。
 そういう意味におきまして、やはり私どもの銀行は企業文化として若者に魅力のある存在であると思いますし、この職場をやはりきちっと維持していく、こうした若者が働きがいがある、そういう職場にしていくというのが私ども経営者としての責務であると思っております。
#243
○西田実仁君 そこで、そうした志を持った若い方々、職員の方々が、特に今公益性という話をされました、民営化するということと公益性の担い手になるということとが、これが大変に難しいチャレンジだろうというふうに思います。午前中からずっと議論がございました。
 率直に申し上げまして、この法文に書いてある長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持ということですね。政投銀の根幹とは何かというふうに私なりに整理しますと、もちろんいろんな優秀な人材に伴うノウハウとかも当然ございますが、一般的にはやはり大きなプロジェクトに対する民間銀行融資のリスク保証ということが意味合いとしては大きいんじゃないかというふうに正直言って思います。民間を代表するのが旧興銀であったわけでありますし、また民間金融機関はシンジケートローンとかを組んで協力するという関係にあったんだろうと。資金は財投から調達をすると。一つのやっぱり国、国家がかかわっていく国家事業であるという、その象徴がいわゆる開銀融資、旧開銀の融資であったと。それ自体、それが正に公共性あるいは公益性ということだろうというふうに思うんですね。
 その意味でいきますと、では民間の銀行になったらどうなるのかという、この民営化するということと公益性の担い手であるということ、基本的にすんなりと来るわけではないわけでありますので、この議論が午前中からございました。ただ、根幹は維持するという、法律に定めてあると。
 ここでやはり問題は、私はもちろん民営化されて民間銀行としての生きる道というのはあると思います。しかし、一方でそうした長期資金の供給としての根幹の機能があると。これが、私の理解では多分ごっちゃになっているというか、決して多分区分計上するとか別勘定だということではなくて、その一つの会社の中に、新会社の中に両方が並列していくということなんだろうと思うんです。
 そうしますと、政策関与型の融資が危機対応としてこの新会社を活用していく、あるいは完全民営化されても活用していくというのが一方にあって、しかし一方では民間、純粋たる民間企業として収益を上げていかなきゃいけないと。これがごっちゃになって果たしてどうなんだろうなと、別勘定とかなら分かるんですけど。そこをちょっとお聞かせいただきたいと思うんです。
#244
○参考人(小村武君) 私どもがマーケットにおいて信頼を得ているのは、確かに国家という信用を背景にしているところもございますが、ただ、それだけではカウベル効果とかそういうものは生まれてまいりません。やはり、その主体が透明性なりあるいは公益性、信頼性があるからこそ、金融市場において信頼性がある存在になっていると思います。こういうこれまでの財産をまず生かしながら、新しいビジネスにも挑戦をしていくということであります。
 ただ、今までやっていた公益性の強いもの、こういうものについてそれじゃ今までのような長期で低利でやっていけるかというと、これは、民間金融機関がやれないことを我々が民営化をしてそれでもやれとおっしゃると、やはり収益性が低くなり、ROEが低くなり、株を買ってくれる方もおられません。しかし、我々が持っているそのノウハウあるいはデータベースを活用して、例えば原子力サイクルの事業に取り組めとかそういう御要請があるということでありましたら、制度的設計をしていただいて、ビジネスに合うような形にしていただきたい。それと同時に、新しい分野においてクロスボーダーの取引やら投資業務やら、そういうものを合わせて、私どもが全体として収益性のある立派な民間金融機関に生まれ変わっていくと、こういう過程を歩むというふうに想定をしております。
#245
○西田実仁君 ということは、分けないで一緒にしてやっていくということですよね。
 そうしますと、これ大臣にじゃお聞きしますけれども、先ほど御答弁ありましたけれども、平成二十年度予算以降だと思いますけれども、各省庁で、じゃ政投銀の新しい会社を一つの移行期も含めて活用していこうということを各省庁で考えたとしますよね。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
 そうすると、平成二十年度の予算からもうそうした予算措置なりをとっていく、政投銀がそうした公益性、公共性を担うような政策、いわゆる政策金融として活用できるように別途予算措置をとるというお話だったと思いますので、そうすると、もう平成二十年度から各省庁の要望に応じて様々な、もちろん検討されると思いますけれども、そういうことも考えられるということでしょうか。
#246
○国務大臣(尾身幸次君) 基本的にはおっしゃるとおりでございまして、移行期間中におきましても、あるいは完全民営化された後におきましても政策的誘導が必要である、例えば、低金利の融資が政策的に必要であるという判断を政府としてしたときは、関係の省庁が立法措置あるいは予算措置を含めまして対応することによりまして、この政策投資銀行を活用するということができるものと考えております。
 ただ、政策投資銀行そのものとして、固有の性格としてそういう政策的な、例えば低金利の融資をするということにはなっていないと、こういうことでございます。
#247
○西田実仁君 そうすると、仮にそうなった場合には、先ほど私申し上げた分けないということである以上、一つの箱の中にその政策的な金融をする融資と、それから純粋の民間としての融資なり出資をする機能と両方一緒になっていますよね。政策的な金融をするところには別途予算措置なり法律で手当てをする、しかし政投銀としてはやらないという御説明でした。
 一緒になっているとすると、これはもう一つ附則の六十七条にも、例えば対等な競争条件を確保するという、いわゆるイコールフッティングの話ですね。これが分けられているなら、まだ別勘定になっているなら分かるんですけれども、一緒になっていて、一方で純粋な民間の企業はそういうこともないわけですから、この対等な競争条件を確保するということと、今考えられている政投銀を活用して政策的な金融を行うということ、この折り合いはどういうふうに付けていくんでしょうか。
#248
○政府参考人(勝栄二郎君) 六十六条及び六十七条におきまして、国の政策上真に必要な場合には他の民間金融機関とのイコールフッティングに配慮しながら新機関を活用するということになっておりまして、それはその政策投資銀行は民間銀行と全く同じ立場に立ってそういう要請にこたえるということでございます。
 したがいまして、一民間金融機関と同じでございますので、その意味で別の勘定ということは想定されてないと思っています。
#249
○西田実仁君 そうすると、じゃ今後政策的な金融を行うときには、普通の民間企業も政投銀も全く同じ立場で入札じゃないけど参画をして仕事を取れるかもしれないと、こういうことでしょうか。
#250
○政府参考人(勝栄二郎君) おっしゃるとおりでございます。
 ただ、危機対応につきましては、移行期間中は政策金融公庫法におきまして既に政策投資銀行は指定金融機関としてみなされていますので、そこはもう最初からそういう位置付けでございます。完全民営化後は指定が取れますので全く同じ立場、普通の民間金融機関と全く同じ立場だと考えています。
#251
○西田実仁君 分かりました。
 次に、出資先企業の扱いということについてお聞きしたいと思います。今、政投銀さんが出資をされている会社はいっぱいあると思いますけれども、特に出資比率が二割以上の会社について今後どうしていくのかということをお聞きしたいと思います。
 全部で八十社弱あろうかと思いますが、銀行としての銀行法上のルールでは五%ルールがあるわけでありまして、グループで所有するにしても、上限一五%ということになりますと残り五%以上の持ち分をどう処理していくのか、減資をするのかあるいは国がその分承継をするのか、この辺についてはどんなお考えでしょうか。
#252
○委員長(家西悟君) どちらがお答えでしょうか。どちらです、譲り合っておられますけど。勝総括審議官。
#253
○政府参考人(勝栄二郎君) 移行期間中の新会社ですけれども、これは銀行法上の銀行ではございません。したがいまして、銀行法の五%ルールは適用されないということになります。また、完全民営化後ですけれども、その完全民営化後の具体的な業態につきましては今政府として確たることを申し上げられませんけれども、一つ考えられますのは、収益力を増強する観点から引き続き出資業務を行うことは重要であるということは考えられます。
 したがいまして、例えばその五%ルールが適用されない出資業務を行う事業体も含めた持ち株会社方式によるグループ形態、そういうことも一つの選択肢だと考えております。
#254
○西田実仁君 そのグループ形態におきましても、銀行法上は五%ですけれどもグループ形態は一五%ですよね。そうなると、それ以外のところの処理をどうするのかという観点はどうでしょうか、完全民営化後ですけど。
#255
○政府参考人(勝栄二郎君) 一五%ルールは、金融機関形態の場合には一五%ルールが当てはまります。一つは、例えば貸金業みたいな形態を取りますと一五%ルールは適用されないと思っています。
#256
○西田実仁君 この出資をしている会社の健全性ということがどの程度確保されているのかということでございます。
 出資比率が二割を超えているような出資先でかなり赤字、赤字というか資産が毀損しているというところも、これは政策的な意味合いがあるからそれ自体がいい悪いということではないと思いますけれども、しかし、この組織替えのときに出資金の毀損が仮に起きたということが判明した場合に、これをどのように会計を処理されるのかということがお聞きしたいと思います。
#257
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 現在の政策投資銀行の貸付金等の債権また出資は、自己査定を行った上でリスクに応じまして必要な貸倒引当金を適切に計上していると思っています。また、それにつきまして監査法人による監査や金融庁の検査も受けております。したがいまして、その意味で既に適正な評価がなされているものと考えております。
 それともう一つ、承継につきまして申し上げますと、これは評価委員会によって評価されることになっておりまして、原則として時価による評価だと承知しております。
#258
○西田実仁君 その評価委員会ですけれども、この評価委員の構成というのはどういうふうなことを想定されているんでしょうか。
#259
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 評価委員会の構成につきましては、現時点ではまだ未定でございます。しかし、今までの例が幾つかございますので、そういうのを踏まえまして今後検討していきたいと思っております。
#260
○西田実仁君 原則として時価評価ということですけれども、もう一方で時価によることが適当でないケースもあるとここに書いてありますが、これは具体的に何を想定しているんでしょうか。
#261
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 新会社が承継します資産、負債の再評価に当たりましては、民間企業での時価評価方法又は内閣官房行政改革推進事務局の答申、これは平成十四年ですけれども、特殊法人等の独行法人化に伴う承継資産及び負債の時価評価の方法につきまして、そういうものを参考にしながら新会社が準拠する会計原則等に照らしまして公の資産、債務に応じた適切な評価方法を判断していくと考えております。
 具体的には、例えば政策投資銀行の資産のほとんどを占めています先ほど大久保先生からありました貸付債権につきましては、これは金融商品会計基準に準拠しまして適正な引当金を計上するということと、有価証券につきましてはそれぞれの有価証券の保有目的に従いまして評価するということだと思っております。
#262
○西田実仁君 先ほど今後のビジネスモデルのところで、法の第一条の目的規定でございますけれども、出資と融資を一体的に行うという部分の話をさせていただきました。ちょっとそこに戻らせていただきますけれども。
 直近での出資、融資のそれぞれの総資産に占める比率、出資対融資の比率が今どういうふうになっているのか。また、イメージとしてある程度どういう方向に持っていこうとしているのか、この出資対融資の比率ですね。もしそういう想定というか、イメージとしてお持ちであれば、お答えいただきたいと思います。
#263
○参考人(多賀啓二君) お答えいたします。
 私どもの十八年三月末の決算書ベースということでございますが、全体約十三兆の私どもの出融資残高に対しまして、出資金は約三千四百億ということでございます。
 今後というお話でございましたけれども、先ほど来お話をしてございますように、従来の出融資一体のビジネスということを前提にしておりますので、従来の出融資も一方で続けながら、軸足としては出資、こういうところにも重きを置いていくと、こういう方向に行くんだろうと、こういうふうに考えております。
#264
○西田実仁君 そうすると、今出資はもうほんのごくわずかですよね。今三千億とおっしゃいましたっけ、三千四百ですね。全体が十三兆ですか。しかし、軸足は出資に置いていこうというお話ですと、完全民営化という段階ではこれは大体半分ぐらいずつになるというイメージなんでしょうか。
#265
○参考人(小村武君) 現在、私どもはまだ政策金融機関であります。毎年の予算におきまして出資はこの程度ということで予算制約上がございます。そういう意味において、今自由に出資ができるという環境ではございません。民営化されましたときには、これは私どもの金融判断におきまして、最大の効率を上げるために伸ばしていかなきゃいけない。恐らくそういう意味においては、現在の状況とは様変わりになってくるんではないかと思います。
 ただ、規模的にはどういう規模ということは今は申し上げられませんが、将来は収益の半分ぐらいはやはり出資業務において確保していきたい、こういうふうに考えております。
#266
○西田実仁君 確かに、政策コストとかを見ても、金利が一%上がったときに政策コストが二千億くらいでしょうか、アップするというような試算もあるようです。当然、これから民間からも借入れをする。金利の上昇基調にもあるという局面ですので、そうした調達金利が当然上がってくる。そこで、融資だけではどうしても収益性が上げるのは難しくなってくるので、当然出資に、今お話ございましたが、その収益の中で半分ぐらいは将来的には出資の部分でリターンをということ、それはある意味で、民営化してしっかり飯を食っていくということになると、そういうビジネスモデル、選択肢しかないんだろうなと逆に思うわけでございます。
 そこで、ちょっと細かい話ですけれども、この移行期に入りますと、これまでなかった短期の貸付けもできるようになりますね。これは、見合いである調達の方は譲渡性預金が入るというふうになりまして、その運用としてのこれは短期のつなぎ融資も念頭に置いているのかなという気もするわけでございますけれども、この短期の調達また運用ということにつきまして、どんなお考えでこういうふうな仕組みに入れておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#267
○参考人(小村武君) 御指摘のように、現在は基本的には五年以上の設備性資金ということで枠が掛かっております。原則でありますが、短期の資金繰り資金とか、そういうものは原則行っておりません。
 ただ、新たに民営化される場合にはそうした制約がなくなります。そういう意味におきまして、短期の借入れ、これはマーケットにおいては比較的低い金利で今、日本のマーケットですと取り得ます。そういうものを活用しながら短期の金融ということに参入することも可能であります。ただ、私どもは、先ほど来申し上げております、職員が千三百五十七名、この中でリテールを粛々とやっていくにはこれは大変コストが掛かります。そういう意味で、短期の中でも例えば先ほどのDIPファイナンスだとか早く勝負の付くようなものについてはそういった手法によって大いに活用が可能になってくると、こう考えております。
#268
○西田実仁君 そういうようなことも考えておられるんでしょうけれども、この当初の制度設計ではたしか、もしその預金業務を開始するのであれば預金保険機構に加入するというふうな制度設計になっていたんじゃないかと思うんですけれども、今回、この譲渡性預金のみ、まあ等と書いてございますけれども、ということであればこの預金保険機構には加入しないと、加入しなくてもいいということだと思うんですけれども、この当初の制度設計から変わった理由というか、ございますでしょうか。
#269
○参考人(小村武君) 私どもの銀行は、現在、預金も決済機能も為替機能もございません。これを普通銀行になろうとすれば、膨大なシステム投資及び行員をたくさん抱えてその預金業務等々をこなしていかなければならない。そういうものを今の金融界で民間銀行と張り合ってやってもコスト倒れになるだろうということで、したがって、ホールセールの大口の預金あるいは特定のものに限って道を開いてもらいました。
 ただ、何がフィットするかというのは、これは移行期間中やってみないと分かりません。幸い、政府の御理解がありまして、金融債にしてもあるいは大口預金の受入れにしても、いろんな方途、これを我々に与えてくれました。我々はこの財源調達というものは最大の課題でありますので、この移行期間中にどういうものが私どもの資金調達として一番フィットするかということを模索をしていきたい。ただ、債券の発行だけですとこれは特定のもう証券会社の言いなりになるとか、そういう危険性があります。ですから、私は、いろんな方途を持って資金調達をする、そういう手段をやはり持ち合わせておかないといけないと考えております。
#270
○西田実仁君 もうこれで終わりますけれども、最初に冒頭私の方で質問させていただきましたこの人材の登用ということについては、やっぱり制度をいろいろと変えることももちろん大事なインフラですけれども、そこの中で働く人がやっぱりやる気を持たないと何をどう変えても何も良くならないというのが実態ですし、逆の問題も今いろいろと問題として、ほかの省庁ですけれども、起きているわけでございまして、ですから、そういう意味で、人材登用ということ、また、本当にその中で働く方々が希望を持って、しかも、ちゃんと生活もできるというか飯が食えるビジネスモデルをつくっていくということが何よりも大事であるということを強調させていただき、またそういう人材登用を是非ともお願いしたいということを強調して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#271
○大門実紀史君 大門でございます。
 もう朝から政投銀の話ばかり続いておりますんで、少しお疲れではないかと思いますので、ちょっとだけ気分を変えまして、その間一休みをしていただいて結構ですけれども、本題に入る前に一つだけこの間起きていることで総務省にお聞きをしておきたいと思います。
 多重債務対策についてでございますけれども、昨年、高金利の引下げ法案が成立いたしまして、同時に、政府に多重債務対策本部ができて、政府を挙げて多重対策に取り組もうということになっていて、自治体レベルでも頑張ろうということで総務省も大変努力して、いい方向に今なっているところでございます。この多重債務者の最悪の結果が自殺ということになるわけで、多重対策本部の重要な仕事として自殺防止対策というのも掲げておられるところでございます。そういう中で、ちょっと首をかしげることが山梨県で起きておりまして、マスコミでも出ておりますので、その問題について一点だけお聞きしたいと思います。
 市民団体の全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会というのがございまして、これは被連協と言います。参考人質疑でも来ていただいた団体ですけれども、この団体の人たちが、今年一月、自殺の名所であります、言われておりますが、青木ケ原の樹海に、ここは一年間で百七十人ぐらい遺体が発見される場所ですけれども、そこに借金苦で自殺する人が今年間七千人ぐらいになっておりますから、看板を立てられました。借金の解決は必ずできますと、まずは相談に来てくださいという看板を立てられて、非常にいいことだと思います。マスコミでもこれは大きく取り上げられました。
 その設置のときに富士吉田警察と山梨県に一応問い合わせをして確認をして看板を立てられました。この看板を見て自殺を思いとどまった人とか相談に来た方もたくさん出てきたということで効果を上げているんですけれども、ところが、三月になって山梨県が、看板は無許可だから撤去しろと。まあ何といいますか、そういうことを言いまして、ただ、地元の富士吉田警察は大変協力的な警察署で、富士吉田署がもう既に立てたわけですね、自殺するなと。それをリニューアルをしてその市民団体と共同で一緒に看板を立てていいよと、連名で立てたわけですね。そうしたら、また県から、リニューアルした看板はまた申請しなきゃ駄目だと、撤去しろということが参りました。
 その日にも看板を見て、相談をして、命が救われた方がいるわけですね。大体二日に一人あそこで自殺しているということになると、四か月間も掛かっているわけです、撤去しろとか何だとかでですね。こんなことを今どき、ばかなことをやっていていいのかと思います。最近になってやっと申請があれば認める方向みたいなことまで出てきましたけれども、いずれにせよ、一月から四か月も掛かってまだちゃんと看板一つ立てられないということですね。
 私から言わせれば、もう県がそもそも看板設置してもいいぐらいの話なんですよね、国挙げての取組ですから。それをまだ申請手続云々ということになっていて、今のところはですが。これは看板というのはもちろん申請して立てるものですけれども、そういう問題じゃなくて、この山梨県のレベルの低さといいますか、意識の低さが表れているのではないかと私は思います。
 今国を挙げての取組になっておりますので、是非総務省から、国を挙げて今そういうことが取組になっているんだということを、看板をすぐ設置しろとかは総務省が言いにくいと思いますので、意義を伝えていただいて早急に設置できるようにしてほしいということと、ほかの都道府県もまだまだこんなレベルにある気がいたしますので、その辺の徹底を図ってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
#272
○政府参考人(久保信保君) 多重債務者問題につきましては、もう御指摘のとおり、去る四月二十日、政府の多重債務者対策本部におきまして多重債務問題改善プログラムが決定をされました。
 私ども総務省といたしましては、同日付けで、金融庁と連名で各地方公共団体に対して、その趣旨を十分理解の上、関係団体との緊密な連携の下に多重債務者対策に積極的に取り組まれるよう強く要請をいたしております。
 多重債務者対策におきます地方公共団体の役割、これはこの委員会でも御指摘がございますように大変重要であると存じますので、山梨県も含めまして、今後とも、多重債務問題改善プログラムの実施について理解を求めてまいりたいと考えております。
 なお、御指摘がございました山梨県の事務手続でございますけれども、私どもはこの事実関係を承知をしておりませんけれども、昨日、御指摘がございましたので、同県の担当部局に対しまして委員御懸念の点をお伝えをいたしております。
#273
○大門実紀史君 ありがとうございます、早速手を打っていただいて。是非これからも取組を強めていただきたいと思います。
 総務省の方は私はもう結構でございますので。
#274
○委員長(家西悟君) 審議官、御退席、結構ですので。
#275
○大門実紀史君 それでは法案に入りたいと思いますが、朝から質疑を聞いておりまして、何だかよく分からない法案だというふうに一日聞いていても思います。これは何ですか。要するに、嫌がる政投銀を無理やり財務省が身売りをしようと、こんな話ですか。
 どうも、小村さんの顔を見ていても元気がありませんし悲壮感が漂っていますし、財務省はただ冷たく突き放した答弁ばっかりしております。一体何の法案なのかと。もっと自信があれば明るく団結して答弁ができるはずですけれども、何か暗い雰囲気の審議が続いていると。
 私は、この法案そのものも、既に御指摘があったとおり、これからどうなるかみたいなことばかりで、抽象的な答弁ばっかりしか出てこないと。もうDNAという言い方はやめた方がいいですよ。そんなことで国会審議で答弁しない方がいいと思います。
 しかし、具体的に聞いても、法案そのものがざるみたいなといいますか大ざっぱな法案ですから、答える方も抽象的になるし、聞く方は幾ら聞いても、ざあっと大体みんな同じ観点でやっていますけれども、同じようなことで繰り返しがあると。こういうような法案というのは大変困るんですよ。皆さんが聞くと、私のところまで来るともう聞くことなくなってしまうような、そんな法案でございます。
 非常に何なんだろうという法案で、出すのが早かったのではないかと、もっと具体化してから出すべき法案ではなかったかというふうに思います。与党の皆さんも大変心配される声の方が今日は多かったと思います。この際一遍引っ込めて、出し直したらいかがでしょうか。
#276
○国務大臣(尾身幸次君) 官から民へという大きな流れで、官中心の金融を非常に限定的にして、例えば中小企業の問題とかあるいは円借の問題とか、そういうところに限定をしていくという、その方が経済の活性化に役に立つと、こういう考え方から政策投資銀行を将来完全民営化にするということでございまして、お聞きになってそういう印象を受けられたことにつきましても私自身も理解はできるわけでございますが、しかしながら、やはり日本の新しい社会経済を構築するために、言わば明治以来続いてきた官中心の経済の運営というものを、民間の活力を活用していくという方向に大きくかじを切るわけでございます。
 その具体的な内容については、やはり民間主体でございますから、私どもがこうしろああしろと言えないという前提で、いろんな意味で創意工夫を凝らしていただくと、こういう考え方でございまして、しかるがゆえに、まだみんな、この政策投資銀行も今一〇〇%政府出資でございますから、そういう先ほどのお嫌いな言葉で言うとDNAが残っておりまして、今のような、この先行きですね、非常にはっきりとした方向が出ない説明になっているかと思います。
 しかし、同時に、民間中心のものでありますから、逆に言いますと、将来、いわゆる官庁の監督などを不必要に受けることなく、伸び伸びと今までの持っている長所を生かして、民間銀行として大きな活躍分野が開けてくる。しかし、その分野がどう開けてくるかということは今はよく私どもの目から見えないところもあるというのが実態であろうというふうに思っておりまして、そういう中で創意工夫を生かして大変大事な役割を果たしていただきたいなというのが私どもの願いでございます。
#277
○大門実紀史君 私は、そういうのは後からくっ付けたような、そんな高尚な話じゃないと、こんなのはですね。
 大本をたどればどこにあるかというと、何年前ですか、経済財政諮問会議で竹中当時の大臣が、日本の政策金融は世界に比べて二、三倍だと、GDPの半分にすると、そんなところからですよ、それもよく議論されないでですよ。この前、連合審査会でその矛盾を言いましたけれども、よく議論されないまま、じゃ民営化と、先に民営化ありきという、ただその流れだけで来て、どことどこを民営化すると。そんなもんでとばっちり食ったといいますか、政投銀がもう民営化だというふうになっている。そんな話で、そんな大した、後からくっ付けたような話ですよ、その活性化とか民間どうのこうのはですね。
 だから、もう法案を作るというか、今日もお話、円先生からもありましたけど、政策金融の何たるかということをよく議論して詰めてきて、今終わった役割とまだ必要な役割を整理してと、こういうことじゃなくて民営化先にありきなんですよね。だからこんな変な話になっちゃうということに、私はそういう流れだと思います。ですから、私は、政投銀がやっている中身をよく吟味して、政策金融、公的な役割も残すなら残すということをきちっと考えるべきだと思います。
 今日、資料をお配りいたしましたけれども、これは有価証券報告書で独自に調べて作りました。もう細かいこと触れませんけど、これは決算委員会でも申し上げましたけど、もう全体として大企業に対する補助金化している部分もあると。つまり、大企業が自分で調達できる、あるいは民間から借りると、しかしコストは高いです。政投銀から借りた方が安くなります。その差額が補助金化しているということを指摘をいたしましたし、もう西武のことは皆さん御存じでございますけれども、例えば電通、何でこんな融資しているかというと、電通の汐留の本社ビルですよ、本社ビルに政投銀がお金を貸していると。まあいろんなスキームにのっとって合法的かも分かりませんが、ちょっと異常なことが国民の目からすると起きております。こういうものはやっぱりやめた方がいいと。竹中さんも言われたとおり、大企業に対する融資はもう余り必要ないと、この辺は私も一致して思います。
 ところが、大事な公的な融資もやっていらっしゃるわけですよね。国民生活にかかわるようなインフラ整備もやっていらっしゃるわけです。そういうところはきちっとこれからどうするのかということをちょっと詰めて今日お聞きしたいと思います。まあいろんなものがありますよ。分かりやすいのが災害復旧とか防災対策でございますので、話が分かりやすいんでその話をしますが。
 例えば、政投銀は阪神・淡路大震災のときにどういう役割を果たされたか、簡潔で結構ですが、説明してもらえますか。
#278
○参考人(多賀啓二君) 事実に関することでございますので、私の方から答えさせていただきます。
 先生御指摘の阪神・淡路大震災でございますけれども、大変な地震だということで、あのエリアの鉄道を始めとしまして、電力とかガスとか通信とか、こういった通信といいますか生活インフラが大変な被害を受けたわけでございますけれども、私ども、こういったところにつきまして、事業所でございますとか、あるいは事業用資産、これの復旧のために、累計といたしまして一千八百億円強の融資を実行しております。当時はまだ日本開発銀行でございました。
#279
○大門実紀史君 そういう大事なこともやっていらしたわけですね。こういうことは、民営化した後、この災害復旧に関してはどういうふうになりますか。
#280
○参考人(多賀啓二君) 今回の私どもの民営化の法案の制度設計ということでいいますと、まず移行期間というのがございまして、移行期間につきましては、私どもはみなしの指定金融機関になるということで、今回、先般、法案が通過をいたしました新政策金融公庫、これを通じてそういうふうな災害融資等も一応制度的に対応ができるような措置をしていただけるというふうに伺っております。
 それから、完全民営化後につきましても、これは当然、民間金融機関とのイコールフッティングという前提は付きますけれども、その指定金融機関ということでは、災害融資については私どもも活用していただけるというふうに理解をしておるところでございます。
#281
○大門実紀史君 それは、あれですか、あの公庫法の合同審査もやりましたけれども、あの危機管理対応スキームというのありますよね、こういう災害とか何かの場合。その場合、公庫は独自で調達資金があります。それを、もちろん政投銀だけじゃありませんが、金融機関にもいざというときそれを使っていろいろ助けてもらうと。そのみなし指定金融機関に政投銀がなって同じことがやれるというふうに理解してよろしいわけですよね。そういう仕組みですよね。
#282
○参考人(多賀啓二君) そういうことができるような制度的措置をいただけるのだろうというふうに了解をしておるところでございます。
#283
○大門実紀史君 災害が起きてからは、今までのようなことも続けられるということですけれども、災害対策は、もう当然のことながら防災の方が大事でございます。
 現在、防災対策で政投銀はどんな役割を果たせるのか、これも簡潔にスキームだけで結構ですから、ちょっと説明してもらえますか。
#284
○参考人(多賀啓二君) 防災と一言で言いましても、非常に概念が広うございますんで、先生がおっしゃっておられる防災がどこまでの範囲のことをおっしゃっておられるかということがございますが、私どもの理解ということで申し上げますと、例えば先ほどのこの融資の状況にも出ておりましたけど、鉄道会社に対する融資というようなことでいいますと、例えば踏切の安全対策とか、地震があった際に、例えば鉄道の線路が壊れたりしないような、例えば耐震の工事でございますとか、そういうふうなプロジェクトに対して融資もしておりますし、あるいは電線の地中化でございますね、これやっぱり何か地震等の災害がありまして電信柱が倒れたりすると、それがいろんな意味で被害をつくり出すとか、そういうリスクがございますんで、そういうふうなものもやっております。
 これがいわゆる非常にある意味伝統的な防災融資ということだと思うんですけれども、最近の新しいケースとしましては、一くくりで言いますと、いわゆる新金融技術を使った融資の範疇に入ろうかと思いますけれども、例えばあるエリアで一定の規模以上の震災が起こった場合には、もう自動的に一定の無条件で融資をするというような仕組み、これは地震災害時発動型ファイナンスと、こういう私ども言い方しておりますけど、こういうふうなものも取り組んでいるというところでございます。
#285
○大門実紀史君 非常に重要なことを今やっていらっしゃると思いますが、それは民営化されたら政投銀としてできるんでしょうか。
#286
○参考人(多賀啓二君) 先ほど申し上げました危機対応、その危機対応という範疇にどこまで入ってくるかということかと思います。
#287
○大門実紀史君 私、危機対応のことでいくと、防災の方は入らないと、あるいは、いざ何か起きたときということになりますから、まあ非常に何か危険性がもう目に見えている場合は入るかも分かりませんけど、例えば鉄道で震度幾つのことがあるとこの区間は心配だと、これは危機対応には入りませんので、恐らくそれが入らないということは、政投銀としては民営化されたらそれに対する長期、低利融資というのはもうできなくなるというふうに思います。
 それで、財務大臣、財務省にお伺いしますけれども、この防災対策というのはどう考えるかとあるんですが、企業にとっては当面の利益に結び付かないということもありますから、なかなか後回しになりがちだというものでございます。ですから、今まで政府が政策的なインセンティブを与えていろいろ政投銀の融資も含めてやってきたわけですね。分かりやすい話、さっき言った鉄道のある区間を防災対策として何とかしなきゃいけないという場合に、今までは政投銀の融資も含めて手当てといいますか、政策ができたわけですけれども、政策的な援助ができたわけですが、こういう場合、今政投銀が言われたように、特別なもの以外はできなくなると。
 大臣が今日一日何回か御答弁された中だと、各省庁が立法措置、予算措置をとってもらうと、これからは。そういうふうにお答えがありました。
 例で鉄道の話をしていますので、鉄道ですと国交省が、立法まで行くかどうか分かりません、何とか法とかあるいは何とか事業ということにして、それで支援をする、そういう防災対策に支援をするということを今日御答弁されているというふうに思いますけれども、つまりそれは補助金として出すという形になると思いますが、そういう理解でよろしいんでしょうか。財務省。
#288
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 先生おっしゃいましたとおりでございまして、政策的観点から引き続き政策金利での低利融資、そういうものを行う必要があると判断される場合には、一つは危機対応でございます。これについては日本政策金融公庫法で一定の仕組みができたと考えております。その他の分野につきましては、先生おっしゃいましたように、それぞれの分野を所管する各省庁、これにつきましては立法措置とか予算措置、予算措置は先生おっしゃいましたように補給金等だと思っています、により民営化後の新会社を含めた民間金融機関を活用していくということになると思っています。
#289
○大門実紀史君 私は、ここでよく考えてほしいんですね。政策とは何か、国の役割は何かと。補助金と、補給金という言い方でも結構ですが、いわゆる補助金というものと長期、固定、低利融資というこの二つの政策手段というのは、実は相当な違いがあると。これよく見極めてほしいと思います。
 現場でやっていらっしゃる政投銀の方がその説明は分かりやすいと思いますので、補助金と長期、固定、低利融資という政策手段として比べた場合、どういう違いがあるのか、現場から見ていかが思われますか、政投銀の方は。
#290
○参考人(小村武君) 私ども現場から見ていまして、補助金、これはもう国民の税金、負担そのものであります。私どもがやっております政策金融というのは、政府から信用をおかりをしておりますが、政府のコストとしては、私どもがやる限りはほとんどゼロ、むしろプラスになるんではないかと思いますが、政策を遂行する場合に、財政当局のお立場としてもできるだけ補助金によらないで政策金融、金融で解決するものはそっちの方を選んでいこうというのが基本的な態度だと思います。
 ただ、私どもの現場から見ていまして、例えば先ほどお話のあった防災で、日本のこの東京は世界で一番危ない、災害の危険度が一番高い地域でありますが、このところで、例えば鉄道の事業者に聞いてみましても、必ずしも安全な地域、ものではないんです。ただ、先生おっしゃるように、自らインセンティブを出してやっていくというところは非常にできにくい分野であります。
 そういった場合に、政策誘導というものが一つの手段としてあるわけでありますが、彼らが必要とするのは、やはり長期のリスク、期間リスクを取ってもらいたい、こういう要望が非常に強うございます。もちろん、金利が低いということも一つの魅力でありますが、期間リスクをどう取っていくか、こういった点において関係省庁において立法化をされる場合には、知恵を出し、最も国庫に御負担を掛けないような方法でこの問題の解決を図っていっていただきたいと、こう思っております。
#291
○大門実紀史君 私は大事なことを教えてもらったと思っているんですけれども、二つのことを言われました。一つは、補助金はそのまま国民の税金ですから、そのままになりますが、金融の場合は直接国民にとって負担にならないと、この大きな違いがありますね。
 ちょっと尾身大臣、お聞きしたいと思いますが、これ大臣の、財務省の基本的な問題でございますからね。
 財務省としては、お金少ない方がいいですよね、出すのに。補助金でやっていくよりも政策金融でやった方が、そういう防災とかの一定のものはコストが掛からないと、国民にとってもコストは掛からないということになります。これが一つですね。
 もう一つは、すべてに私そうしろと言っているわけじゃないですよ。一定時間が掛かる中長期的な防災事業というような、しかも国民にとっても大事な事業、これは、長期であるものというのは、いわゆる補助金とか補給金、たとえ融資という形でも短期の借換えとかになってしまいますね、補助金の場合は、当然そういう仕組みですから、年度ごとですからね。
 そうすると、そういうものよりも、やっぱり長期、低利の融資でやった方が、その方が政策的な効果がある分野があると思うんです。こういう点はよく認識をされた上で、さっき言った、すべて省庁で立法化、予算措置すればいいというふうに判断されているのか。私は重要なことだと思いますが、その辺いかがですか。
#292
○国務大臣(尾身幸次君) 今まで政策投資銀行が政策金融を行っていた分野におきまして、新しい移行期間の新会社の発足以前に契約等が成立した案件につきましては、新会社の発足以後におきましても、引き続き政策金利等の、今までの条件で融資を行われることになりますが、これ以外には政策金融として新たな融資は行われない、移行期間においてですね、というふうに考えております。
 それから、移行期間中の新会社は、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持することとされておりまして、事業評価能力等のノウハウを生かして、引き続き、地域再生やあるいは活力創造等の分野への投融資機能の提供を行うことは可能であるというふうに考えております。
 ただし、これまで日本政策投資銀行が政策的要請に基づいて行ってきた低利の政策金利での融資は行うことは困難となり、他の民間金融機関と同様に、個別契約ごとにリスク相応の収益性を確保されるような貸出し要件を設定することが前提になると考えております。
 いわゆる完全民営化の後にも長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持することが期待をされているわけでございまして、そのためには、移行期間中において完全民営化後の株主等の在り方について専門家の間でいろいろ議論をして、そういうことができるだけやりやすくなるような株主構成等についての検討をしていただくということになり、かつ完全民営化後は、政府としては長期の事業資金の投融資を行うということを期待をするわけであります。ただし、その場合に、低利融資でやるという政策金融としての活動は、この日本政策投資銀行法そのものの在り方としては期待をしていない。
 先ほどの申しましたような政策金融としての、引き続き政策金利で低利融資などの政策的誘導が必要であるという判断される場合には、そのことは、例えば危機対応分野については日本政策金融公庫法に基づく危機対応スキームに基づく対応を行う。それから、その他の分野につきましては、当該分野を所管する各省庁が、新たな立法措置や予算措置等によりまして、民営化後の新会社を含めた民間金融機関を活用していくということであります。その活用の仕方がいわゆる補助金という形で活用するのか、低利融資という形で活用するのかということは、今後この政策を担当する機関を、機関というのは各省庁を中心として判断をして枠組みをつくっていくと、こういうことになろうかと考えております。
#293
○大門実紀史君 ちょっと御理解されてないと思うんです。私言っているのは、国からすると、それは今最後に言われたのは補助金の世界です、しょせん補助金の世界です。利子補給しようが、直接事業に補助金出そうが、補助金の世界です。それは、国民にとって大切な事業ですよ、もちろん何でもかんでもじゃないですよ。国民にとっては補助金の方がコストが掛かると、融資で長期的なものをやってもらった方が国民にとってコストが少ない。つまり、財務省からも出るお金が少ないということですね、まずこれを一つ考えてもらいたい。長期的なものは政策効果としても長期、低利の融資でやった方がいいと、これももう明らかです。
 私が言っているのは、何も法律を変えろというんじゃなくて、だったらばそのままと考えても、それはそれとしたと考えても、危機対応スキームの場合は新公庫のその資金を持ってきて、いざというときに政投銀がみなし指定機関として今までのノウハウを生かして長期融資やれるわけですよね、危機対応の場合はできるわけですね、そういうことですね。だったらば、こういう防災とか必要な事業とか幾つか限定しても結構ですけれども、そういうものは危機対応と同じスキームを考えて、だから政投銀が自ら低利融資をやるんじゃなくて、資金そのものを、安い資金を政投銀がそれを使えるようなスキームを考えたって、別に法に何も触れませんから、私は十分可能じゃないかと思うわけですね。
 ですから、危機対応スキームというのはあるわけですから、そのときやれるわけですから、何もかもに広げるといったらまた話が違うと思いますが、政投銀がやってきた今までの大事な役割もありますんで、ノウハウもありますし、その点ではいい意味のDNAがあるかも分かりません。そういうものを活用するためにも、危機対応スキームの新公庫の資金を政投銀がノウハウを生かして、防災対策とか国民にとって重要なことにはみなし指定金融機関になってやれるようにすれば、私はいろいろ心配されていることは事実上この法案のままでも可能じゃないかという提案をしているわけですね。
 是非、これは別にだれもそんなに反対するような話じゃないと思うんですね。いずれにせよ、これはこれからどうなるか分からないような法案ですから、検討していってもらう、研究してもらう価値はあると思いますが、いかがでしょうか。
#294
○国務大臣(尾身幸次君) 先ほど申しました、最後に申しましたいわゆる政策金融としてこの民間企業になった政策投資銀行をどのような形で活用するかということは、いわゆる補助的な対応を予算措置あるいは法律措置でやるか、あるいは債務保証というような形でやるか、いろんな方法が考えられると思いますけれども、これは日本政策投資銀行固有の措置としてあらかじめ決められているものではない。政策的な要請がある場合には、その関係の省庁がどういう枠組みでやるかということは政府部内でも検討した上で、民間銀行であるこの政策投資銀行を新たなその観点から活用することは将来可能であろうというふうには考えております。
 しかし、その場合に、政策投資銀行は民間銀行になるわけでございますから、ほかの銀行との競争条件上のイコールフッティングというような観点も考えていかなければならない。その具体的な在り方について私が今ここで申し上げる状況ではありませんが、そういう政策的ニーズが生じたと関係の省庁が考えたときには、これはある種の提案をして政府部内で検討するということも可能であろうと、こういうふうに考えております。
#295
○大門実紀史君 今の流れで結構です。つまり、申し上げたいのは、この政策投資銀行法案の中でやろうとしてもちょっと難しいところがございますよね。危機対応スキームは公庫法案の方から来ているわけですよね。だから、政府全体で、そういう大事な長期、低利融資の分野がありますので、そういうことを、今おっしゃったとおり、政府部内全体で検討していってほしいということを御提案したわけでございますので、その方向で検討してほしいと思いますが、小村さん、何か一言ございますか。
#296
○参考人(小村武君) ただいま大臣が御答弁なさったとおり、関係省庁において大いに知恵を絞ってもらいたいと思います。
 それから、私どもだけにメリットを与えろということではございません。大臣がおっしゃったように、民間金融機関とイコールフッティングの下で措置をされるべき話だと思います。その際、私どもはデータベースなりノウハウなり大いに駆使して、お役に立てるところはそれに対して取り組んでまいりたいと、こう考えております。
#297
○大門実紀史君 終わります。
#298
○委員長(家西悟君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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